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MotoGPライダーの中上貴晶が10日、自身のインスタグラムを更新。【画像】「ホンダ復活へ!」中上貴晶、セパンテストで得た手応えを報告33歳の誕生日を迎えたことを報告した。投稿では「Thanks guys for the birthday wishes You guys are so sweet ☺️」とファンからの祝福に感謝を述べた後、「またひとつレベルアップしたと考えて、生活が変わりますがメリハリを大事に楽しみます」と今後の意気込みを綴った。レース以外の新たな挑戦も示唆しており、これからの活動に期待が高まる。 この投稿をInstagramで見る Taka Nakagami 中上貴晶(@takanakagami)がシェアした投稿 この投稿には「Happy Birthday Taka-kun! 健康で素晴らしい一年を!」「もりもり食べてガンガン行こう!」「あなたは本当に大切な存在!」など、多くの祝福コメントが寄せられている。
2025年02月10日MotoGPライダーの中上貴晶が7日、自身のインスタグラムを更新。【画像】中上貴晶、愛犬とクリスマスショットで「Happy holidays」!ファンに癒しのお裾分けセパン・サーキットでのテストを終え、手応えを語った。「いろんな角度から見て感じることがあり、興味深いテストでした!しっかり開発も進めていきます」と綴り、ホンダのマシン開発に向けた意欲を見せた。長期間にわたるセパンでのテストを終え、ついに帰国することも報告。ホンダの復活を期待するファンの声にも応える形となった。 この投稿をInstagramで見る Taka Nakagami 中上貴晶(@takanakagami)がシェアした投稿 この投稿には、「ホンダ復活‼︎頼みます‼︎応援してます」「貴さんだから気がつける事ってある!」「これからも頑張って❗️」など、多くの激励が寄せられている。
2025年02月07日ロードレースライダーの中上貴晶が24日、インスタグラムを更新。【画像】山崎賢人、大好きなオートバイレースに大興奮!中上貴晶と2S「Happy holidays everyone 」とクリスマスのメッセージを添えた投稿には、愛犬との可愛らしい写真が映し出され、ファンの注目を集めた。 この投稿をInstagramで見る Taka Nakagami 中上貴晶(@takanakagami)がシェアした投稿 「お揃いセーターなのかな?3人とも可愛いです❤️」「ワンコちゃん飼ってるんですね♡ハッピーメリークリスマス」と癒し満載のショットに歓喜の声が続出。「Merry Christmas to you and your loved ones Taka-kun」と海外ファンからも温かいコメントが寄せられ、国境を越えた祝福が広がった。レーストラックの真剣な姿とは異なるリラックスした表情を見せた中上。クリスマスのひと時を愛犬と過ごしながら、ファンに幸せを届けた投稿となった。
2024年12月24日映画『MANKAI MOVIE「A3!」~SPRING & SUMMER~』(通称『エームビ』)が全国で公開されている。同作は人気アプリゲーム『A3!』を舞台化し、現在の2.5次元を牽引する人気を誇るMANKAI STAGE『A3!』シリーズ(通称『エーステ』)を映画化した、新たな作品となる。ひょんなことから、主人公がかつての栄光を失ったボロ劇団「MANKAIカンパニー」の主宰兼『総監督』となり、春組・夏組・秋組・冬組のメンバーを率いて公演を成功させていく物語で、舞台を映画化するという試みは大きな驚きを持って迎えられた。今回は倉田健次監督にインタビューし、作品に取りかかる上で抱いた思いや、出演するキャストの印象などについて話を聞いた。○■良い魂を持っている作品との出会い——映画化のオファーを受けた時は、どのような印象でしたか?『A3!』というゲームのタイトルだけは知っていたんですけど、舞台については何も知らない状態で、プロデューサーから「素晴らしい作品がある」とお話をいただき、とにかく『エーステ』の映像を観るところから始まりました。そうしたら他人事ではない内容で、真剣にもの作りをするクリエイターの苦悩が描かれている、良い魂を持っている作品だなと思いました。もう1つ感じたのは、キャストと演出家がちゃんとつながっているということ。僕も演出家だからこそ「演出家の方がすごく丁寧で、キャストと信頼し合っている」「ただ舞台を作っているのとは、また違う何かの力が働いているのかもしれない」と感じました。実は何より最初に感じたのがその空気だったので、僕が映画化をして、そういう大事なマインドをちゃんと紡ぎ出せるのかなと、少し心配にはなりました。ただきれいな映像を撮るとは違う意識が必要だ、と思いましたね。——2.5次元舞台についてはご存じだったんですか?大きいタイトルや、演劇界が盛り上がっているということは知っていましたけど、作品の中身について「知っていた」と言えるレベルですらなかったです。本当に未知数でしたが、今回で接することのハードルが下がりました。どこかで2.5次元作品ならではのものがあるのかと構えていたところがあったのですが、役者が演じることに変わりはないのだと気付きました。——今回『エームビ』のために色々とキャラクターのことも知るようになったという話も聞きました。やっぱりキャラクター、一人ひとりの思い、背負っている過去や展望を深掘りしたかったので、学びながら好きになっていきました。キャラクターを知っていくと、より愛していくことができて、脚本も不思議な気持ちで取りかかったところがありました。僕自身が映画を作ってきて、さらに役者を育成する仕事もしているので、類似点も多く感じて……特に脚本を書いている時は、自分の人生の総括をさせられているような感じがありました。例えば『エーステ』ではそれぞれのメンバーが集まっているところから話が始まるけど、『エームビ』では春組の出会いのエピソードも入れたり、夏組では合宿に行くところから始めて"夏組感"を大切にしたりといったこともしています。そういう点が、『エーステ』を大事にしながらも「映画の彼らもかわいいよね」と言っていただけるような楽しい違いになって、多角的に観てもらえたら嬉しいなと思います。——今回は本当にたくさんの俳優の皆さんが出演されます。撮影中の印象はいかがでしたか?僕も久しぶりに「全員が全員、こんなにも気持ちの良い方々とのお仕事」と思えるくらいの素晴らしい現場でした。それは実は簡単なことではなく、演じる彼らが今までどのように役者というものに向き合い、どのように『エーステ』に臨んできたのかという姿勢の表れがあったからこそだと思います。まず皆、勘がいい。そして『A3!』『エーステ』というタイトルがそうさせているとは思うんですけど、もの作りに対してものすごく誠実なんです。3年間1つの役を演じている方々で、すでに彼らが血肉をつけてキャラクターが生み出されている状態だったので、僕自身も彼らの力を借りる形で、「こうしたいんですけど、どう思いますか?」と相談するやりとりを積み重ねていけました。僕は演出の松崎(史也)さんがそういう彼らを生み出してきているんじゃないか、と思うんです。撮影開始前に春組のワークショップで初めて松崎さんと出会ったんですが、その時のキャストに対するやりとりが印象に残っていて、相手をリスペクトしつつ建設的にやりとりをするという松崎さんの距離感が、元々の彼らの誠実な人となりと合わさって、今のキャストたちを生み出しているのではないかと思いました。これからも彼らと何かの形でお会いする機会があるかはわからないですけど、僕自身は勝手に今回の出会いを財産だと感じましたし、今後もお付き合いできたら嬉しい方々です。それくらい、僕も好きになっちゃいました。——そこまで思われたというのはすごいですね。経験値の多くない若い俳優さんだと、自分のセリフがないところでは役が抜け落ちてしまったりすることもあるんです。でも彼らは舞台で3時間出ずっぱりという経験をしてきているから、抜くところなんてないんですよね。だから今回、画面の中で誰か1人だけがしゃべっている中でも、映っている全員がちゃんとそこで生きています。これが全員できるというのは本当に簡単なことではなく、この大人数で登場し続ける舞台をやってきたからこそなのではないかと思いました。自分の演じる役がどういう心情を持って生きているか、全員がちゃんとわかっている。彼らが真剣に取り組んでいる証拠だと思います。今回関わったキャスト全員が本当に素晴らしくて、誠実な方だと思いました。○■春組、夏組に感じたこと——実際に春組、夏組の皆さんとお仕事をして、それぞれの組にはどういう印象を持たれましたか?春組は3年間ずっと一緒にやってきた横田龍儀さん(佐久間咲也役)、前川優希さん(皆木 綴役)、立石俊樹さん(茅ヶ崎 至役)、古谷大和さん(シトロン役)に加えて、映画で初めて参加となる高橋怜也さん(碓氷真澄役)がいたので、高橋さんはものすごく緊張していました。4人は彼の理解がずれないように、本当にどのタイミングでもよく話し合いをして支え合っていて、まさに春組のテーマの家族のような関係だったという印象です。ベタベタしないけど、大事なところで支えるといういい距離感を保っていたのが素晴らしい。1人で繰り返し練習していたり、一員になるために必死に努力している高橋さんの姿を見守りながら、「何かあったらすぐに助ける」という4人がいて、春組の姿を体現していました。全員個性がバラバラなのに見ている方向が一緒、というのは春組の特色で、地が優しい方がそろっているんだなと思います。夏組はもう、陳内 将さん(皇 天馬役)、宮崎 湧さん(瑠璃川 幸役)、野口 準さん(向坂 椋役)、本田礼生さん(斑鳩三角役)、赤澤 燈さん(三好一成役)の5人がそろっていれば、どんな内容でも成立してしまう強さがある。お芝居のテンポや空気もブレないのでどんなことにも対応できて、「連帯感」と言ってしまうと仕事っぽいですけど、本当に友情でつながっているような5人だなと思いました。すでに出来上がっているんですけど、今回は関係を深めていく過程を描く物語だったので、そこの演技も丁寧に積み重ねてくれて。リーダーの陳内さんとは色々なやりとりもさせてもらい、彼が「天馬はこうすると思います」と建設的な意見をくれたおかげで、他のメンバー、他の組とも「こういうやりとりをすればいいんだ」と演出の糸口を見つけることができ、すごく助けてもらいました。実は内心、すごく頼りにしていました。——見どころとして、劇中劇があると思いますが、映像で再現するんだと驚いたところでもありました。まさに1番の表現どころなので、松崎さんや『エーステ』振付けの梅棒さんに力を貸していただいて、映像チームと舞台チームが融合して作ったパートです。そこが成立しなければ、この作品は成り立たない。全ての物語が各組の旗揚げ公演に向かっていくので、1番の見せどころだと思っています。組ごとに撮影の仕方や色味も全部変えていて、キャスト、スタッフ、舞台チーム全部門の力が結集していたので、もう1回やれと言われても、できるかはわかりません(笑)。それぐらい、もの作りの奇跡ってあると思うんです。僕は映像をやってきて舞台のライブ感がいつもうらやましかったので、今回の劇中劇は映画とも違う踏み込みができればと思っていました。色々なアイディアを出してくれるスタッフもたくさんいたので、映像を作る人間はやはり似たようなことを感じていたのかもしれないと思いました。舞台とは違う手法で舞台を観ている感覚になってもらえて、そこに至るまでの経緯も愛してもらえたら嬉しいです。舞台ならではの沸点の高い作業が詰まっているシーンになればと思いながら取り組んでいました。—— 改めて、『エーステ』『エームビ』の魅力はどのようなところにあると思いますか?僕自身もそうですが、お客様がこの作品に惹かれるのは、ただかっこいいキャラクターたちが出ているからではなくて、頑張っている彼らに自分を重ねる部分が大きいのではないかと思うんです。「みんな色々なことがあるけど、頑張っているんだよね」と思わせてくれるし、人生の深いところに触れている。自分が何を大事にして生きるのか、自分は何者なのかというところまで考えさせてくれる作品だからこそ、愛されているのだと感じました。『エームビ』もそういう感想を持ってもらえたら嬉しいですね。純粋に彼らを応援して、楽しんで、でも観てくださった方の背中も押してあげられる作品となれたら本当に幸いです。■倉田健次8月14日生まれ。岐阜県高山市出身。映画監督/脚本家/小説家/アクティング・コーチ。『彼女のSpeed』で世界中から次世代を担う映像作家が選出されるサンダンス・NHK国際映像作家賞にて、『EVERYTIME WE SAY GOODBYE』『Novela Pic aresca』で国内外の国際映画祭にてグランプリ受賞。その他の主な作品に、長編映画『藍色少年少女』(監督/脚本)、連続ドラマ『ふたりモノローグ』(監督/脚本)、アニメ/ドラマ『アイカツプラネット!』(シリーズディレクター)、映画『君がいなくちゃだめなんだ』(原作小説/脚本)など。
2021年12月09日ドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』が、2019年12月上旬シアター・イメージフォーラムほか全国の劇場で順次公開される。是枝裕和の愛弟子・広瀬奈々子よる最新作『つつんで、ひらいて』は、現在75歳の装幀者・菊地信義の仕事を約3年間追いかけたドキュメンタリー映画。2019年1月に柳楽優弥主演の映画『夜明け』が公開された、是枝裕和の愛弟子・広瀬奈々子よる最新作となっており、今回の作品では監督だけでなく、編集、撮影も務める。装幀者・菊地信義の仕事に迫る菊地信義は、広告代理店などを経て、独立から40年、中上健次や古井由吉、俵万智、金原ひとみなど、1万5000冊以上の本の装幀を手がける装幀者。日本のブックデザイン界をリードし続けてきた存在だ。紙と文字を触りながら、あくまで"手作業"で本を1冊ずつデザインしている。『つつんで、ひらいて』は、菊地の指先から、印刷、製本に至るまでの工程を見つめ、ものづくりの原点に迫っていく。インターネットが日常のものとなった今だからこそ、物への愛着、紙の手ざわりに焦点を当てた作品となっている。菊地は、約3年間にわたる撮影を許可した理由について、「紙の本。その装幀という仕事を撮りたいという。言葉を、目から手へ、そして心にとどける仕事。思い掛けない若い監督の、本への思いに絆された。撮られる事で、新たに意識化できることもあるはず。どうあれ、紙の本の魅力を伝えるためにと引き受けた。」と語っている。広瀬奈々子コメント広瀬は、映画の公開にあたり次のようにコメント。「初めて菊地さんとお会いしたのは、銀座の樹の花という喫茶店でした。『僕は映像は好きじゃない』と言われて意気消沈して帰ってきたのを覚えています。言葉のプロで、ある意味演出家でもある相手に毎回何をどう撮りたいのか説明し、説得するのには大変苦労しました。この映画に映るもの全てが菊地さんとの共作です。今もなお菊地さんへの尊敬の念は深まるばかりですが、これは菊地信義を賞賛するための映画ではありません。本とは何か、自問自答するための映画です。言葉と五感に対する欲求は、作り手にとってだけでなく、誰にとっても重大な問題なのだと思います。」【詳細】ドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』公開時期:2019年12月上旬、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開監督・編集・撮影:広瀬奈々子企画制作:分福配給:マジックアワー
2019年02月04日静かな空間で1人読書したいときもあれば、周囲の喧騒をBGMに本が読みたいときもあります。どんなシチュエーションであっても譲れないのは、自分の好きな飲み物がかたわらにあること。 BEER & CAFE BERGコーヒーとビールが気軽に楽しめる先駆け的存在。新宿駅構内にあり、1日に1500人もの人が訪れる多くの人に愛されている繁盛店。職人手作りのソーセージや天然酵母のパンなど、安くて美味しい食事とビール(&コーヒー)を毎日朝7時から楽しめて、多くの人でにぎわっています。 パフスリーブシャツ¥35,000、プリーツスカート¥98,000/ともにTOUJOURS(トゥジュー代官山ストア)、ブレスレット¥29,000/DAN TOMIMATSU(ベルジェ) コーヒーが飲みたくなる本コーヒーを好んだ作家や芳しい香りの描写、どこかにコーヒーと接点があ理、読むと思わずコーヒーが飲みたくなる、そんな5冊を紹介します。 写真右から「茨木のり子の家」茨木のり子著平凡社¥1,800女流詩人・茨木のり子の詩と自宅の写真を納めた作品集。日曜日の朝、食卓に漂うコーヒーの香りから、当たり前にある豊かさを再認識した作品。 「ぼくは散歩と雑学が好き」植草甚一著ちくま文庫¥1,200映画や音楽の評論家として活躍した植草甚一が、アメリカのカルチャーについて綴ったエッセイ集。喫茶店でその日購入した本を並べてコーヒーを飲んでいた、本とコーヒーの相性の良さを体現した人。 「戀愛譚」 東郷青児文筆選集東郷青児著野崎泉選創元社¥2,400美人がで知られる画家・東郷青児が書いた恋愛にまつわる文筆集。青年時代を過ごしたモンマルトルのカフェへの憧れ、男女の淡い恋の駆け引きを詩的で幻想的なタッチで表現しています。カフェ文化に近いところにいた作家。 「路上のジャズ」中上健次著中公文庫¥900学生運動が盛んだった頃、コーヒー=不良の飲み物、そんなコーヒーはジャズと一緒に飲まれていました。 「これで駄目なら若い君たちへー卒業式講演集」カート・ヴォネガット著円城塔訳飛鳥新社¥1,600アメリカの著名なSF作家カート・ヴォネガットが高校や大学の卒業式でしたスピーチをまとめた講演集。直接コーヒーが登場するわけではないのですが、コーヒーと一緒に楽しみたい一冊。 (選書してくださったのは、荻窪にある街の本屋「Title」店主辻山良雄さん) ビールが飲みたくなる本美味しそうな描写につられて、ビールが飲みたくなる日があってもいい。ビールと本好きで知られる本屋の店主オススメの5冊です。 写真右から「わたしは英国王に給仕した」ボフミル・フラバル著阿部賢一訳河出書房新社¥2,200ビール醸造所の息子として生まれたチェコ人の小説家・フラバルの作品には必ずビールが登場する。ホテルの給仕見習いになった主人公が出世していく様子が、ホラ話のようなエピソードをふんだんに交えて語られていて、その語り口が酔っ払いのよう。酒場の様子もにぎやかに描写されていておもしろい。 「風の歌を聴け」村上春樹著講談社文庫¥390青春の一片を描いた村上春樹のデビュー作。主人公の僕と鼠がひたすらビールを飲む話で、一見、時間の無駄だが、人生には無駄なことも必要でそれが人の深みになるという象徴的なエピソード。 「吾輩は猫である」夏目漱石著新潮文庫¥630書き出しの一文はあまりに有名ですが、物語の結末は覚えてますか?ラストで猫の運命をわけてしまったのが、ビールでした。 「アンソロジービール」赤塚不二夫、阿川佐和子ほか著パルコ出版¥1,600お弁当、おやつなど食べ物にまつわるエッセイ集。アンソロジーシリーズのビール編。作家と酒の本はあれど、ビールに的を絞っている本。 「ベルギービール大全<新>」三輪一記+石黒謙吾著アスペクト¥2,200ベルギーは九州ほどの大きさの小さな国なのに、ビールの銘柄は約800種類もあって、ものすごく多様性があります。デザイン性の高いラベルや専用グラスを眺めるだけでも、奥深さを感じます。 (選書してくださったのは、世田谷にある「ビールが飲める本屋」B&B店主嶋浩一郎さん) 本とコーヒー、本とビールの関係が深いお店 SNOW SHOVELING散歩がてらに立ち寄りたい本屋マンションの2階のドアを開けると、非日常な空間が広がり、本をはじめ手にとって眺めたくなる素敵なものが並んでいます。店内でじっくり過ごすもよし、気に入った本とビールをテイクアウトして、近くの駒沢公園で読書するのもよし。 SHOP DATA東京都世田谷区奥沢4-35-7深沢ビル2F-Ctel: 03-6432-3468open: 13:00 - 19:00(火・水曜休) コクテイル書房築100年の長屋で古本に囲まれる古本とお酒、そして本の中に出てくる料理を再現したメニューを楽しめるのが魅力のお店。大正時代に建てられた趣のある店内は、囲炉裏のある小上がりの席とカウンター席があり、女性ひとりでいらっしゃるお客さんも多いそう。 SHOP DATA東京都杉並区高円寺北3-8-13tel: 03-3310-8130open: 昼の部11:30 - 15:00(月曜・火曜休み), 夜の部17:00 - 23:00 Cat’s Meow Booksネコ本が並ぶネコのいる街の本屋「本とネコとビール(とコーヒー)に囲まれた場所が作りたかった。」というオーナーの安村さんの思いを形にした本屋さん。 SHOP DATA東京都世田谷区若林1-6-15tel: 03-6326-3633open: 14:00 - 22:00火曜休 fuzkue静けさが約束された「本が読める店」気兼ねなく読書したいときに足を運びたい「フヅクエ」。私語厳禁。お互いを気にせず思い思いのひとり時間を楽しめるお店。 SHOP DATA東京都渋谷区初台1-38-10二名ビル2Fopen: 12:00 - 24:00不定休(web, SNS等でご確認ください LAB TOKYO早起きして読書したい、そんなときに渋谷の真ん中・道玄坂にのびのびとコーヒー(もちろんビールも)が楽しめるお店。広い店内は席数も多く、コーヒースタンドも併設。朝7時開店なので、美味しいコーヒーを飲みながらゆったり読書に集中するもよし。 SHOP DATA東京都渋谷区道玄坂2-10-7新大宗ビル1 号館2Ftel: 050-1744-9496open: 7:00 - 19:00(L.O. 18:30)無休(年末年始をのぞく) BUNDAN COFFEE & BEER文豪由来のコーヒーを味わって本好きな人なら、作品の中に登場する美味しそうな料理の味をきっと想像したことがあるはず。文豪にちなんだホットコーヒーや本の中のメニューを実際に味わえるお店。 SHOP DATA東京都目黒区駒場4-3-55日本近代文学館内tel: 03-6407-0554open: 9:30 - 16:20(L.O. 15:50)日・月・第4木曜休)(文学館に準ずる) onkul vol.9より
2018年06月25日タレントの長江健次が、8月8日(19:00~21:48)に放送されるテレビ朝日系バラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(レギュラーは毎週月曜20:00~20:54)の3時間スペシャルに出演し、恩師・萩本欽一と30年間にわたって絶縁状態だったことを告白する。長江は、1981年にフジテレビ系バラエティ番組『欽ドン!良い子悪い子普通の子』の"フツオ"役でデビュー。視聴率30%を超える人気番組で、番組内ユニット・イモ欽トリオのデビュー曲「ハイスクールララバイ」も100万枚のヒットを記録するなど、スターダムにのし上がった。ところが、この大ブレイクで調子に乗った長江は、自らを発掘した萩本にウソをついたことで、30年間にわたって絶縁状態に。さらに萩本以外にも、さまざまな芸能人に不義理を働いたため、妻子がいるにもかかわらず仕事ゼロ・収入ゼロになってしまったことを打ち明ける。こうした経験をもとに、今回、長江は「欽ちゃんにドンと突き放されちゃった先生」として、「お世話になった人に不義理をして絶縁状態にならないための授業」を展開。萩本との出会いから絶縁までを赤裸々に語り、ウソの内容を明かすほか、しくじりを招いた自らの勘違い性格を懺悔する。そこから、自分の愚かさに気づかされたターニングポイントを紹介し、絶縁が解けた際の思いを熱弁する。
2016年07月25日現在公開中の三浦春馬主演、青山真治監督作『東京公園』が8月にスイスで開催される第64回ロカルノ国際映画祭の「インターナショナル・コンペティション」部門に招待されたことが明らかになった。小路幸也の同名小説を映画化した本作。ある女性の尾行と撮影を頼まれたカメラマン志望の青年が、この依頼をきっかけに、幼なじみや義理の姉など身近な女性たち、そして自分自身と向き合っていく姿を描く。青山監督にとって4年ぶりの新作であり、三浦さんのほかに榮倉奈々、小西真奈美、井川遥らが出演している。1946年からスイス南部のロカルノで開催され、ヴェネチア国際映画祭に次ぐ長い歴史を持つ同映画祭。期間中、約300本の作品が上映されるが、インターナショナル・コンペティション部門の作品は最高賞の“金豹賞”の選考対象となる。これまで日本作品では2004年に市川準監督『トニー滝谷』が準グランプリの審査員特別賞など3つの賞を受賞したほか、1970年には実相寺昭雄監督の『無常』、2007年の小林政広監督作『愛の予感』が金豹賞に輝いている。『EUREKA ユリイカ』でカンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞とエキュメニック賞のW授賞をはじめ、これまでにも数々の国際映画祭に招待されてきた青山監督。ロカルノ国際映画祭への参加は2000年の『路地へ 中上健次の残したフィルム』、2008年の短編映画『赤ずきん』、2009年に特集上映されたNHK朗読紀行「焼け跡のイエス」に続いて2年ぶり4度目のこと。今回、自身初のコンペティション部門への招待となるが、青山監督は「こんな世相から離れて、ただのんびりした日本映画を選んでくれるなんて、ただただ嬉しいかぎりです。いまでも海外でこういうものが受け入れられるのだと思うと、非常に勇気づけられます」と喜びを語る。また、三浦春馬さんからも「青山監督をはじめ、キャスト、スタッフが織りなす独特の世界観が評価され、選んでいただいたことに、非常に嬉しく思います。観た後に優しい余韻に包まれるこの作品が、もっとたくさんの方に届くことを願っています」とのコメントが到着した。現代の東京で生きる人々の優しい物語が、海外の人々の目にどのように映るのか楽しみなところだ。映画祭は8月3日(水)から13日(土)の日程で開催。『東京公園』は新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:東京公園 2011年6月18日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011「東京公園」製作委員会■関連記事:松下奈緒「ゲゲゲ」以来のNHKドラマは、憧れの向田邦子原作三浦春馬、小西真奈美とのキスシーンを見て冷や汗…小西真奈美インタビュー次々起こる化学反応で新たな発見「それもありかも」三浦春馬インタビュー青山作品で“変化”を楽しむ「人間て単純じゃないんですよね」“親友”になりたい俳優は誰?「acteur」最新号を5名様にプレゼント
2011年07月14日昨年の7月に惜しまれつつ62歳の若さでこの世を去った劇作家・つかこうへいの追悼公演として、代表作のひとつである「新・幕末純情伝」がPARCO劇場(東京・渋谷)で上演されることになり、鈴木杏が沖田総司を演じることが明らかになった。昨年1月にがんであることを公表し、7月10日に入院先で亡くなったつかさん。第一線で活躍する数多くの俳優が彼の演出を受けたことで実力を開花させたが、「幕末純情伝」は「熱海殺人事件」や「飛龍伝」、「蒲田行進曲」と並ぶつかさんの代表作で、1989年のPARCO劇場での初演以来、翌1990年、さらに2003年、2007年、2008年と4度にわたって再演されてきた。新撰組の沖田総司が女だったら?というユニークな設定で物語が展開。愛する土方歳三のために総司は勤皇志士たちを斬り続けるが、そんな彼の前に土佐の坂本竜馬が立ちはだかり、幕末の恋はヒートアップしていき…。これまでに、初演と翌年の平栗あつみをはじめ、広末涼子に小野妃香里、石原さとみが主演を張ってきた。2003年の再演では「北の国から」(フジテレビ)シリーズで知られ、今回も演出を手掛ける杉田成道の下、広末涼子に加え、筧利夫という実力派俳優が参戦。さらに前回の2008年の際には、つかさんが18年ぶりに直接演出を務め、石原さとみと真琴つばさという異色のキャスティングが話題をさらった。PARCO劇場での20年ぶりの再演となる今回、紅一点の5代目・沖田総司を演じるのは鈴木杏。2003年の「奇跡の人」のヘレン・ケラー役で初舞台を踏んで以来、蜷川幸雄演出の「ロミオとジュリエット」でのジュリエット、さらに2009年には「奇跡の人」で今度はアニー・サリヴァンを見事に演じ切り賞賛を集めてきた。今年は故・中上健次の小説を映画化した『軽蔑』が公開され、体を張った演技が絶賛を集めているが、今回の芝居でも坂本竜馬との濃厚なラブシーンなど濡れ場のシーンが多く予想される。杏さんは自信のブログで先日、本作への出演を報告。「私自身も観に行ったことがある『幕末純情伝』。あの沖田総司を演じることができるなんて、なんだか不思議。ドキドキしています。こういうことがあるから、舞台って面白い。いまは少しずつ殺陣のお稽古に行ったり。汗だくになりながら、少しずつ沖田総司に近づくことができれば。。。」と意気込みを明かしている。共演陣には加藤雅也、山崎銀之丞らが名を連ねる。“演劇界の風雲児”と呼ばれた男の魂が、没後1年を経て、激動の時代によみがえる!「新・幕末純情伝」東京公演はPARCO劇場にて9月13日(火)より25日(日)まで。大阪公演は10月1日(土)、2日(日)シアタードラマシティにて。■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:鈴木杏、激しい官能シーンに抵抗なし!「強くなれた」と充実の表情高良健吾×鈴木杏インタビュー常に確かめ合った五分五分の愛高良健吾&鈴木杏が『軽蔑』撮影最終日の“試練”を明かす!『軽蔑』高良健吾×鈴木杏原点・新宮で感謝のプレミアム舞台挨拶鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶
2011年07月07日中上健次の最後の長編小説を映画化した『軽蔑』が6月4日(土)に公開を迎え、都内劇場で行われた舞台挨拶にW主演の高良健吾と鈴木杏、廣木隆一監督が登壇。舞台挨拶途中にはサプライズで共演陣の小林ユウキチ、日向寺雅人、蕨野友也も駆けつけ作品の船出を祝った。名家の一人息子として生まれながらも破滅の道を突き進んでいくカズ(高良さん)とポールダンサーの真知子(鈴木さん)の激しくも切ない純愛を描いた本作。高良さん、鈴木さん共に「思い入れのある作品」と感慨深げに語る。現在、NHKの朝の連続テレビ小説「おひさま」に出演中の高良さんだが、偶然にもどちらの作品でも演じているのは“かずさん”。『軽蔑』のカズさんを演じる上で「テクニックやセリフの間といったことは忘れて、ただ、ちゃんとそこにいようと思いました。僕のこれまでの23年間から生まれてくるものでやろう。現場で杏ちゃんと(芝居を)やってみて、何かを感じようと思った」と真摯に語った。一方の鈴木さんは、ポールダンスに激しいベッドシーンと、これまでにない一面を見せているが「肌を見せることに関しては抵抗はなかったです。廣木監督はそういうシーンを大切にとってくださると安心感がありましたし、とにかく真知子の強さやひたむきさに憧れを持ってしまったので」とすがすがしい表情。「自分がこれまでやって来て、勝手に背負っていたものを監督にはがされて、それはすごく怖く苦しいことで落ち込んだこともあったけど、そうやって進んでみて、ゼロに戻って楽になったし、ちょっと強くなれたと思います」と力強く語った。そんな2人との現場について、厳しい演出で知られる廣木監督は「2人には自由にやってもらって、毎回、違う芝居を見せてくれた。そうやって作り上げていくのは楽しかったです。僕は、2人とコミュニケーションを取れたつもりなんですが、2人に言わせると全然らしいです(笑)。『この3人うまくいってるな』と僕は思ってたんだけど」とすねたように語り会場の笑いを誘った。この後、サプライズでカズの友人を演じた小林さん、日向寺さん、蕨野さんが登場。鈴木さんは驚いた様子で「好青年みたいになってる!」、「ヒゲ濃いよ」などと劇中とは全く違う3人にツッコミを入れつつ満面の笑み。3人は、「高良くんは精神的に追い詰められたらしくて、部屋に戻ったらベッドで体育座りしていた」(日向寺さん)、「5人で飲みに行った」(蕨野さん)など撮影現場でのエピソードを暴露。キャスト陣の絆の強さを感じさせた。『軽蔑』は全国にて公開中。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:高良健吾×鈴木杏インタビュー常に確かめ合った五分五分の愛高良健吾&鈴木杏が『軽蔑』撮影最終日の“試練”を明かす!『軽蔑』高良健吾×鈴木杏原点・新宮で感謝のプレミアム舞台挨拶鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!
2011年06月06日人はなぜ恋をするのか──という素朴な、しかしながら深い問いに若き役者たちはこう答えた。「自分1人では決して満たされないことだらけだからでしょうね。でも、理屈でするものじゃない」(高良健吾)、「自分が必要としている人に出会って好きになっちゃうこと、自分ではどうすることもできないことですよね」(鈴木杏)。迷うことなく答える2人。その言葉の裏には、男と女、互いの恋愛観を完全に理解することなんてできない、けれど愛するがゆえのさまざまな感情は知っている、そんな意味合いを含んでいるような…。彼らが自らの感情をありのまま伝えることができるのは、新作映画『軽蔑』で愛の本質を突きつけられ、それぞれの役を通して愛を体現したからなのかもしれない。『ヴァイブレータ』、『余命1ヶ月の花嫁』、『雷桜』など、恋愛映画の名手として知られる廣木隆一監督のもと、高良健吾と鈴木杏がつかみ取った“愛の本質”とはどんなものだったのだろうか。真知子は「ダメなところも含めてすごくいい女」(高良さん)原作は、1992年に46歳でこの世を去った中上健次の同名小説。名家の生まれで遊び人のカズと歌舞伎町のダンサー・真知子との、許されざる逃避行を描いた恋愛物語だ。出演オファーを受け原作を読んだ鈴木さんは、「真知子に惚れきってしまって、彼女に近づきたくて、近づきたくて。ありのままで生きる真知子の強さがほしいと思ったんです」と熱っぽく語る。大胆に肌を露出しなければならないハードルはあったものの、それ以上に真知子を愛してしまったと告白する。鈴木さん同様に、高良さんも役者魂をくすぐる物語に興味が湧き、「台本を読んだときにめちゃめちゃ良いシーンだなと思ったんです」と、真知子とカズのセクシャルな1シーンについて解説する。それは、カズが手づかみで真知子にメロンを食べさせる官能的な場面だ。「カズが真知子を連れ出した理由とか、カズがどういう人物なのかは、最初の方には描かれていないんです。どう見てもあやしいじゃないですか(笑)。でも、メロンのシーンを読んだとき、あぁ、優しい男だなと。演じるときに気をつけたのは、スプーンがないから手で食べさせることに、少しも疑問を持たないでおこうということでした」。迷いのない自然な行動だからこそ、なおのこと女性はあの仕草に愛を感じるはず。鈴木さんも「グッときますよね」と表情をやわらげ、真知子が心を解放する大切なシーンだったとふり返る。「とても大変なシーンでした。真知子はこの後いったいどうなるんだろう…と考えて演じていたら、廣木監督が『もう少し心を解放するんじゃないの?』というようなことをポロッとおっしゃって。あぁ、開放していいんだ!そう思ったら、自然とどうすべきかが見えてきた。メロンのシーン以外にも、歌舞伎町を2人で走った後に、カズさんが自分のお腹で真知子の冷えた足を温めてくれるシーンがあるんです。他の男の人はやらないだろうな、という愛情表現をカズさんは本能的にサラリとやってしまう。女性にとってはたまらないですよね(笑)」。まるで自分自身のことを話すように、少し照れながら話す姿が、なんとも色っぽくかわいらしい。そして、カズを虜にしてしまう真知子を「いい女」だと、きっぱりと言い切る。「ダメなところも含めてすごくいい女だと思うんです。振り回される人はたくさんいるかもしれないけれど、生きることに覚悟もある、責任もある。覚悟をきめて生きている人は格好いいですよね」。許されない愛に「五分五分だと思っていないとダメだった」(鈴木さん)大胆なラブシーンや過酷な練習を積んでポールダンスに挑んだことも特筆すべきことだが、人間の本質的な格好良さ、本能的に人を愛する姿が、生々しく美しく描かれている、それが『軽蔑』の見どころと言えるだろう。その生々しさと美しさを役者から引き出せるのは、廣木監督だから成せる業。『M』に続いて今回が廣木監督作2度目の出演となる高良さんは「廣木監督だったらどんな役でも引き受ける」と絶対的な信頼を寄せている。「自分の芝居の軸は『M』でできたと思っていて。監督に『お前の18年間が必要でお前を選んだのだから、お前がやることは正解だ』と言ってもらったことは、いまも軸になっています。それまでは、芝居はこうだというものがあると思っていたけれど、そうじゃない、その人になりきろうと思うことが正解なんだと。今回の『軽蔑』で再確認させてもらいました」。なんとも熱いラブコールだ。廣木組に初参加だった鈴木さんも「現場では厳しいですけど、それは愛情のうえで成り立っていること。厳しくも安心感のある現場でした。(役者=)“生もの”であることの大切さを廣木監督の現場で教えてもらった気がします」。どれだけ成長できたかは、フィルムにしっかりと焼き付いている。「男と女は、五分と五分」。劇中のなかで何度も繰り返されるこのフレーズも、『軽蔑』で描かれる愛の象徴だ。高良さんと鈴木さんは、カズとして真知子として、五分五分であろうとする2人の愛をどう捉えていたのだろう。セリフでは五分五分と言っているけれど「実際には無理」と言うのは高良さん。「五分と五分でいようっていう形はステキだと思います。でも、五分と五分は無理、いや…無理でした。瞬間的に五分五分になることはあっても、無理なんですよね。たとえば、カズは携帯を捨てたり、表面的には五分五分になれたかもしれないけれど、気持ちのうえでは全然。10と0のときもあれば、逆に0と10のときもある。それでも、カズと真知子は『五分と五分でいようね』と言い合っている、それが素敵なことなんだなと。もちろん、演じるうえでは五分と五分でいようねという気持ちではありました。絶対的に守るべきところですからね。それに、真知子が言う五分五分と、普通に暮らしてきた女の子が言うそれとでは、意味も重みも全然違う。真知子が言う五分五分は、ものすごく重い一言なんです」。高良さんの言葉一つ一つに深くうなずく鈴木さん。一呼吸おいて、女性目線の五分と五分を語る。「真知子にとっては、五分五分だと思っていないとダメだったというか、そう言わないと完全にカズさんに寄りかかってしまいそうで怖かったんじゃないかなと。ひとりで生きていかなければならなくなったときのことを考えると怖かったんだと思うんですよね。すべて寄りかかってしまったら、ひとりで立つことが難しくなる。それを真知子は分かっていて五分五分と言っていた。そんな真知子の気持ちが分からなくもなくて…。ほんと難しいですよね…」。彼女が最後に発したその「難しいですよね…」に込められた想いは、映画を観た人のもとにも必ず訪れるだろう。全身全霊で愛しているという揺るぎない事実があるのに、心臓をえぐり取られるように切なくて、難しい恋。そんな恋に落ちたからこそ、カズと真知子はあれほど輝いているのかもしれない──。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:高良健吾&鈴木杏が『軽蔑』撮影最終日の“試練”を明かす!『軽蔑』高良健吾×鈴木杏原点・新宮で感謝のプレミアム舞台挨拶鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?
2011年06月01日「日本映画プロフェッショナル大賞」が20回目を迎えることを記念して、5月31日(火)に都内劇場で映画『軽蔑』のチャリティ上映会が開催。上映後に主演の高良健吾と鈴木杏、廣木隆一監督によるトークイベントが開催された。世界で唯一の個人による映画賞として、ジャーナリストの大高宏雄が主宰してきた日本映画プロフェッショナル大賞。健闘しつつも過小評価された作品やキャスト、スタッフにスポットを当て、現役の映画関係者の投票でベスト10が選出される。高良さんは、昨年公開された『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』で新人激励賞を受賞しており、今回、東日本大震災の義援金を募るチャリティ試写会として、まもなく劇場公開される『軽蔑』が上映された。自らトークイベントの司会を務めた大高氏より、新人激励賞の受賞を告げられた高良さんは「自分の芝居は自分ではなかなか分からないものですが、こうして外部の方に評価していただけるのは嬉しいです」と喜びを語りつつ「でも、新人なのかな?とも思いますが…」と照れくさそうな表情を見せた。映画は1992年に46歳で夭折した中上健次の最後の長編小説を原作としているが、廣木監督は「助監督の頃に(中上さんの)小説が出てきて、僕らの、その時代の気持ちを代弁してくれる作家が出てきた、と憧れましたね」と中上作品への思い入れを明かした。鈴木さんは、自身が演じた真知子という役柄について、「むき出しのまま取り繕わずに生きられる強さがある。私は臆病で、人を傷つけたりするのが嫌で、(衝突を)かわしながら生きているところがあるけど、マチにはそれがない。強いところも弱いところも含めて、ひたむきなんです。それと“女”って感じがかっこいいと思いました」と、こちらも熱く語ってくれた。廣木監督の演出の厳しさについては、これまでにも数多く語られているが、高良さんは18歳で出会ったときに言われた「余計なことはするな。分かりやすいことをするな」という言葉を紹介。「僕は芝居にはひとつの正解があると思ってたけど、役になってその場でやることが正解なんだと教えてもらった」と述懐した。クランクアップの日のあるシーンの撮影でも、かなりの紆余曲折が…。鈴木さん曰く「(監督に)『ふざけんな』って言われてパニック状態で、どうしていいか分からなくなった」そうで、高良さんも「杏ちゃんと現場に立って会話をして、それで少しずつ見えてきましたね」とふり返る。現場で感じた“感情”を何より大切にする監督とあって、「2人で後になって『(脚本の)このシーンがこうなるなんて思わなかったね』と話すような場面がたくさんありました」(鈴木さん)という。ほかにも、印象的なシーンでの感情や撮影の様子について高良さん、鈴木さん、監督のトークが続き、映画を観たばかりの観客は熱心に耳を傾けた。最後に監督は「僕は福島出身ですが、東北にもこうして映画を観られる環境が戻ればと思います」と大災害に襲われた故郷に思いを馳せた。チャリティ上映会ということで、劇場には募金箱が設置され、帰り際には多くの観客が募金をする姿が見られた。『軽蔑』は6月4日(土)より角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:高良健吾×鈴木杏インタビュー常に確かめ合った五分五分の愛『軽蔑』高良健吾×鈴木杏原点・新宮で感謝のプレミアム舞台挨拶鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?
2011年06月01日芥川賞作家・中上健次による純愛小説を映画化した『軽蔑』の公開に先立ち、5月29日(日)、主演を務めた高良健吾と鈴木杏、廣木隆一監督が、原作者・中上氏の故郷であり、本作のロケ地となった和歌山県新宮市に凱旋し、プレミア上映にて舞台挨拶を行った。舞台挨拶の前には、高良さんと鈴木さんは揃って新宮図書館にある中上健次資料室を訪れ、思い思いに映画の完成を報告。本作で、破天荒で欲望のままに生きる男・カズを演じた高良さんは、「『ありがとうございます』と言いたいです。あと、『カズは大丈夫でしたか』と聞きたいです。撮影中、どうしていいか分からなかったときは、いつも助けてもらっていました」と感謝を口にし、「まだ自分にも杏ちゃんの中にも、カズと(鈴木さん演じる)真知子が残っているんだと思いました。苦しいような切ないような感情が込み上げてきました」と撮影当時に思いを馳せていた。その後のプレミア上映では、廣木監督と新宮市出身の新人俳優、渕上泰史が加わり、撮影中から応援してくれた同市民の人々を前に、感謝の舞台挨拶を行った。自身の故郷でデビューを果たした渕上さんは、「両親が“『軽蔑』のチケットを売ったぜ”と言ってくれて嬉しかったです!」と満面の笑み。撮影時には、高良さんはじめ、ほかのキャストに新宮弁のレクチャーも行っていたそうだが、「あのときは生意気言っちゃってすいませんでした!」と謝罪。これに対し、高良さんは「至らないところがあったと思うけど、目をつむって見て下さい」と謙虚な姿勢。鈴木さんも撮影を通してすっかりこの地になじんでいたようで、「自転車でブラブラしました。守られている感じがありました。高良さんともまた来たいと話していたんですよ」と語ると、高良さんも「近くに海や川があって、そこにいるだけで不思議な安心感がありました」とリラックスした様子。全国公開を前に、原点である新宮市に戻ってこれた喜びを表していた。『軽蔑』は6月4日(土)より角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2011年05月31日中上健次の最後の長編小説を映画化した『軽蔑』の完成披露試写会が5月22日(日)、早稲田大学の大隈講堂で開催され、W主演の高良健吾、鈴木杏、廣木隆一監督が来場。鈴木さんが、舞台挨拶のさなか感極まって涙を流す一幕もあった。歌舞伎町でその日暮らしをするカズ(高良さん)とポールダンサーの真知子(鈴木さん)の切なく、どうしようもない愛の日々が赤裸々に綴られる。学生たちで埋まる客席に向けて高良さんは「ポスターには『世界は2人を愛さなかった。』とありますが、映画を観たみなさんにはこの2人を愛してほしい」と訴える。ポールダンスや大胆なベッドシーンを含め、文字通り体当たりの演技を披露した鈴木さんは、劇中から抜け出てきたような妖艶さを漂わせ、真っ赤な口紅とセクシーな黒いドレスで登場。「役者・鈴木杏としても人間・鈴木杏としても、この作品に出会えたことはすごく大きい。いまでも胸がいっぱいで…」と語ったところで、感極まって涙が頬を伝い、客席からは温かい拍手が沸き起こった。高良さんにとって、廣木作品で主演を張るのは4年ぶりのこと。「監督に求められるのは、芝居の上手さではなく僕自身から何が生まれてくるか、ということ。監督には繰り返し『健吾、芝居が多いぞ』、『ちゃんとそこにいてくれたらいいから』と言われ、カズとしてその場にいることを意識しました。ただ、成長したところを見せたいという変な欲が出てしまい、そこはちょっとウザかったですけどね(苦笑)」と廣木組への強い思い入れをうかがわせる言葉が漏れた。厳しい演出で知られる廣木監督だが、高良さんのこの言葉に「僕の作品は最初に1回やると、その後、出てもらえないので嬉しかったですね」と相好を崩した。実際のところ、監督の演出がどれくらい厳しいのか?「『もう一回』、『もう一回』、『そんなんじゃカメラ回せねぇよ』と言われ続けた」(鈴木さん)、「杏ちゃんに『お前は“ビッチ”なんだから!』と何度も言ってました」(高良さん)という“証言”に会場からはどよめきが…。また11月の寒空の下で震えながら撮影に挑んだ、川に飛び込むというシーンが最終的にカットされたことも明かされ、妥協を許さない監督と、その監督を信じて全力を尽くす俳優陣の関係性が浮かび上がった。この日は、中上健次の娘であり、作家の中上紀が来場し、“軽蔑”を花言葉に持つ黄色いカーネーションの花束を監督に手渡し、映画の完成を祝った。『軽蔑』は6月4日(土)より全国にて公開。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2011年05月23日どんなにだらしない部分があっても、何回裏切られても、運命の愛を感じた人ならば、その愛を貫ける…?高良健吾×鈴木杏主演、電光石火のごとく恋に落ち、一輪の花の生命のごとく逃避行に駆け抜ける、若き男と女の“純愛”を描いた、逆境のラブストーリー『軽蔑』。本作にちなんで、シネマカフェではあなたの愛の度胸を試す、「『軽蔑』<純愛>度チェック診断」を実施中!地方の資産家一家に生まれながら、新宿・歌舞伎町でギャンブルに明け暮れる毎日を過ごすカズ(高良健吾)と、歌舞伎町のバーでNo.1のポールダンサー、真知子(鈴木杏)。互いに惹かれ合った2人は、駆け落ちを決行し、カズの故郷で一緒に生活を始める。だが、彼らの愛を許す者はいなかった――。「男と女は、五分と五分」という約束のもとに、相思相愛を確かめ合うカズと真知子。だが、互いが抱えるハンディや不実の前では、歯がゆくもそれを果たすことは難しいのが現実。劇中のふたりの覚悟の逃避行が、愛の本質を観る者に問いかける。さて、もしあなたが真知子だったとしたら、その覚悟を貫き通す自信はある?『軽蔑』は6月4日(土)より全国にて公開。『軽蔑』<純愛>度チェック診断Q.こんなダメ男でも愛せる?(何個当てはまるかチェック!)□ 金銭感覚に少々難ありで、浪費グセがある。□ 賭けごとやゲームにハマりやすい質である。□ 恋人をひとりにして、仲間とつるみに行くことが多い。□ 両親に対する反抗期から、抜けきれてないところがある。□ お酒を飲むより、飲まれることが多い。□ カッとなりやすく、優しいときとのギャップが激しい。□ セックスでわだかまりを解決しようとすることがある。□ 後先考えず、衝動で突っ走ってしまうことがある。□ 尽くしてくれるが、基本的に振り回されることが多い。□ 大事なことにかぎって、黙って一人で決めてしまうことがある。※診断結果は、『軽蔑』特集ページをご覧ください。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2011年05月23日人気作家・東野圭吾の同名ベストセラー小説を原作に、類まれな美貌を持った悪女の欲望と愛憎を描く映画『白夜行』の完成披露プレミア試写会が1月19日(水)、東京・新宿ピカデリーで行われた。舞台挨拶には、初の悪女役で新境地を開いた堀北真希をはじめ、高良健吾、船越英一郎、今井悠貴(子役)、福本史織(子役)、深川栄洋監督が登壇。先日発表された第61回ベルリン国際映画祭パノラマ部門への正式出品に、堀北さんは「信じられない気持ちでいっぱい。多くの人に観てほしいと(公開を)心待ちにしていたところだったので、気持ちの整理がつけられないほど」と大喜びだった。被疑者死亡によって、決定的な証拠がないままに、一応の解決を見た質屋殺人事件から十数年。成長した容疑者の娘・雪穂(堀北さん)と被害者の息子・亮司(高良さん)の周辺で続発する不可解な事件と、その裏に隠された壮絶な秘密が描き出される。難役に堀北さんは「私自身、強い思い入れがある作品。どんな作品にしたいか、どんなメッセージを伝えたいかを考え続けた」。雪穂を演じる上で「答えがどこにあるのか葛藤した日々だった」と試行錯誤が続いたという。そんな堀北さんについて、「ミステリアスで謎の部分が多いですね。魅力的だし、とにかくプロな方だなと。僕よりもひとつ年下なのに」と高良さん。堀北さんも「ストイックで決して楽な道を選ばず、役にたどり着く方」と称えたが、「取材などで私のこと、『たくましい人』って言ってくださって。でももうちょっと繊細な部分も知ってほしいですね」と注文をつける場面も?また、刑事として事件の真相に迫る船越さんは「刑事役はたくさんやったが、今回はただただ愚直な役柄。深川監督からも『まだやり過ぎです!』ってささやかれて、どんどん(演技の)引き算された(笑)。現場では“ささやき演出”と呼んでいました」と、これまでにない刑事像に挑んだ感想を語った。その深川監督は、本作のオファーを受けたときから「これをうまく撮れれば、3大映画祭に参加できるんじゃないかと思っていた。現場のみんなには内緒でしたが(笑)。今回、ベルリン出品を聞いて2年越しで恋人にふり向いてもらった気分」と胸の高まりを抑えられない様子。「分かりやすい映画ではないと思うが、往年の日本映画、例えば市川崑監督の系譜を残したいという気持ちがあった。深い味わいを感じてもらえれば幸いです」とアピールした。舞台挨拶ではキャスト陣がこれまでに犯した“悪事”を告白。堀北さんは「1番の悪事はここでは言えないですね」と雪穂そのままの悪女ぶりを発揮。「10番目くらいなら(笑)。私、絵がすごく下手なんですけど、小学校のころは(絵がうまい)友だちに代わりに絵を描いてもらうこともあって。それが褒められてしまうこともあって…」と告白すると、船越さんは「10番目の悪事にしては、罪が重すぎる」と劇中の刑事ばりに“追求”していた。『白夜行』は2011年1月29日(土)より全国にて公開。■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会■関連記事:堀北&高良版『白夜行』がベルリン国際映画祭正式出品決定!堀北真希&高良健吾、観客だます“共犯者”に…『白夜行』新春ヒット祈願2011年ブレイク期待の俳優・女優No.1は高良健吾&桜庭ななみ!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2011年01月19日今年で61回目を迎えるベルリン国際映画祭のパノラマ部門に日本映画から『白夜行』が出品されることが決定した。原作は直木賞作家・東野圭吾による、累計200万部を超える同名ミステリー。被疑者死亡によって、決定的な証拠がないままに一応の解決を見た殺人事件から十数年。成長した被疑者の娘と被害者の息子の周辺で続発する不可解な事件と、その裏に隠された壮絶な秘密が描き出される。堀北真希がこれまでにない“悪女”を、人気沸騰中の高良健吾が深い“闇”を抱えた青年を演じるとあって、製作決定当初から話題を集めてきた本作が世界の舞台で観客の目に触れることに。カンヌ、ヴェネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつに数えられるベルリン国際映画祭。昨年は寺島しのぶが『CATERPILLARキャタピラー』での演技で最優秀主演女優賞を獲得し、大きな話題を呼んだ。今回、『白夜行』が出品されるパノラマ部門はコンペティション部門ではないが、今後の活躍が期待される監督の作品が多く上映されるなど、質の高い作品が集まることでも知られる。日本からは昨年、『パレード』が同部門に出品されて国際批評家連盟賞を受賞している。いまだ全ての出品作が出揃ってはいないが、同部門には2,500もの作品の中から約50本が選ばれる予定。深川栄洋監督は今回の出品決定について「ベルリンからの手紙を見せていただき、自分でも不思議に思うほど心が躍りました。喜んでくれる仲間の顔が浮かんで目頭が熱くなりました。映画祭と、この映画を一緒に戦って作った仲間たちに感謝します」と喜びのコメントを発表。堀北さんも「このたび『白夜行』がベルリン映画祭に選出されたこと、大変感激しています!この作品はいままでで一番こだわりを持って挑んだ作品でした。世界の方々にもこの『白夜行』に込めた私たちの思いを受けとってもらえたら嬉しいです」とのコメントを寄せてくれた。ベルリン国際映画祭は2月10日(現地時間)より開催。『白夜行』は1月29日(土)より全国にて公開。■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会■関連記事:堀北真希&高良健吾、観客だます“共犯者”に…『白夜行』新春ヒット祈願2011年ブレイク期待の俳優・女優No.1は高良健吾&桜庭ななみ!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」
2011年01月14日映画『白夜行』の新春ヒット祈願イベントが1月5日(水)、東京・羽田空港新国際線旅客ターミナル内のカフェで行われ、主演の堀北真希と高良健吾、深川栄洋監督が出席した。会場となった「PLANETARIUM Starry Cafe」は先日オープンしたばかりのプラネタリウム併設カフェ。イベントではオリオン座をはじめとする冬の星座群、そして無数の流れ星が投影され、堀北さんらは本作が大ヒットするよう“星に願いを”かけた。人気作家・東野圭吾の同名ベストセラー小説を原作に、迷宮入りした質屋殺し事件の被害者の息子・亮司(高良さん)と容疑者の娘・雪穂(堀北さん)が辿る重苦しい人生を描くミステリー。類まれな美貌の裏に、恐るべき野心を抱える悪女を熱演する堀北さんは、「悪女といっても、雪穂は周囲をコントロールして、自分では直接手を下さない。どこまでお客さんをだませるか、さじ加減が難しかったですね」。高良さんは、雪穂に翻弄される役どころで「人をだましたり、(犯罪者に)疑われたりするが、わざとらしい演技はしたくなかった。ちゃんとお客さんをだまさないと」とこちらも演じる際、“だます”ことにこだわったといい、劇中同様、堀北さんと高良さんの“共犯関係”が明らかになった。そんなふたりと初タッグを組んだ深川監督は「堀北さんは久しぶりに会うと、女っぷりが上がっていて…。どれが本当の堀北さんなのかと思うほど。悪女の品格を持っている」と太鼓判。高良さんに対しても「以前からナイフのような少年だと思っていた。実際会ってみると、武器を使い分ける知恵がある人だった」と賛辞を惜しまなかった。ちなみに深川監督は撮影中に、体重が5〜6キロ減ってしまうほど追い込まれたといい「こんなに憔悴しきった現場は初めて。お客さんにどう響くかいまから楽しみ」と手応え十分の様子。堀北さんはこの日が2011年の仕事始めで、「年末に舞台(『ジャンヌ・ダルク』)が終わりまして、お正月はおうちでゆっくり過ごしました。来年は新たな目標を掲げて、引き続きチャレンジを続けたい」。一方、高良さんは舞台「時計じかけのオレンジ」に出演中で、大晦日は終日稽古。元日もゲネプロ(最終リハーサル)をこなすハードな年末年始だったのだとか。「それでもカウントダウンジャパン(幕張で開催されたフェス)に行って、エレファントカシマシのライブで年越ししました」と束の間の休暇をエンジョイしたそうだ。『白夜行』は2011年1月29日(土)より全国にて公開。撮影協力:羽田空港国際線ビルPLANETARIUM Starry Cafe■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会■関連記事:2011年ブレイク期待の俳優・女優No.1は高良健吾&桜庭ななみ!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」深キョンウィンストン2億円ジュエリーに「アカデミー女優気分」
2011年01月05日怒涛のようなあわただしさに満ちた年末を過ごしつつもヒタヒタと確実に迫りくる除夜の鐘、そして新年…。2011年はもうすぐそこに!シネマカフェのランキング企画その名も「シネマカフェゴコロランキング5」では、読者のみなさんの心の内…すなわち“読者ゴコロ”を調査。今月投票を行ったテーマはズバリ「ブレイクしそうな俳優は?」。こちらの結果を大発表!シネマカフェ的2011年期待の俳優&女優は?まずは男優部門から。今回、男女共に票がかなり分かれたが、その中で見事、1位に輝いたのは…高良健吾。主演作『おにいちゃんのハナビ』をはじめ、今年だけでも複数の映画に出演しており「すでにブレイク済みでは?」という声も聞こえてきそうだが、真のブレイクはこれから!ここ数年、映画を中心に活躍してきたが、来年はNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」への出演が決まっており、これから“朝の顔”として期待がかかる。思えば、今年大ブレイクを果たした向井理も、同じく朝ドラ「ゲゲゲの女房」がきっかけで世代を越えてお茶の間のみんなが知るところに。高良さんもすでに実力に関しては折り紙つき!向井さんと同じ現象が起こる可能性大。寄せられたコメントでも「演技力の高さは際立っているので、お茶の間でのブレイクを待つのみ」(30代・女性)、「TVでもその実力を見せつけてほしい」(20代・女性)など、さらなるブレイクを期待する声が多数。1月には『白夜行』の公開も控えており、新年早々、スクリーンでTVで目覚しい活躍を見せてくれそう。2位にはD-BOYSのメンバーとして活躍する瀬戸康史がランクイン!彼もすでに数々のドラマ、映画で存在感を発揮しているが、2011年は映画では主演作『ランウェイ☆ビート』が公開。そしてTVではNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」への出演と、高良さん同様、映画とTVの両方面での活躍が期待される。「来年、本格的なブレイクをしてくれそう!」(20代・女性)とこちらも熱い期待を集めている。3位には池松壮亮。子役として『ラスト サムライ』で注目を集めた池松さんも来年で21歳。「目に力がある。この先絶対来ると思う」(30代・女性)、「顔つきに精悍さが増してきた」(20代・女性)といった声が多く寄せられた。ちなみに2位の瀬戸さんと3位の池松さん共に、来年、2010年No.1ベストセラーの『もしドラ〜もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら〜』に出演することが決まっており、2人の共演シーンも楽しみなところ。続く4位には林遣都。『バッテリー』での鮮烈なデビュー以来、林さんも映画での活躍が目立つが、ここ数年徐々にTVにも進出。吉高由利子主演、石田衣良原作の「美丘-君がいた日々」でも際立った存在感を放っていた。「もっとTVで見たい」(30代・女性)という声が多く寄せられており、来年以降も連続ドラマで見たい俳優のひとりだ。そして5位に滑り込んだのが松坂桃李。今年は「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」(フジテレビ)、「GOLD」(フジテレビ)、「クローン ベイビー」(TBS)と連続ドラマへの出演が続いた。来年は先述の向井さん主演の『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』の公開が控えており、さらなる活躍に期待したいところ。続いて女優部門!2011年のブレイクが最も期待されるのは桜庭ななみ。先日公開された『最後の忠臣蔵』ではベテランの実力は俳優陣に囲まれて、時代劇初挑戦ながら堂々の演技を披露しており納得の第1位!男優部門2位の瀬戸さん主演の『ランウェイ☆ビート』、さらに沖縄を舞台にした『天国からのエール』の公開が控えている。「笑顔が魅力」(20代・男性)、「勢いがある」(20代・女性)と多くの支持を集めた。2位にランクインしたのは満島ひかり。『悪人』、『川の底からこんにちは』など今年公開された作品でも十分に実力を見せつけてくれた彼女。先日、『川の底からこんにちは』の石井裕也監督との結婚が発表されたが、このまま勢いに乗って大ブレイクを果たす可能性もアリ!ポッキーガールとして注目を集め、今年は『半分の月がのぼる空』、『BECK ベック』が公開された忽那汐里が第3位。「独特の存在感がある」(20代・女性)という声が多く寄せられた。来年は新年早々「示談交渉人 ゴタ消し」(読売テレビ)で連続ドラマ出演があり、映画『少女たちの羅針盤』も公開される。第4位には先述の『ランウェイ☆ビート』組のひとり、桐谷美玲がランクイン。ほかにも映画『ジーン・ワルツ』の公開も控え、女優としてさらなる存在感を見せてくれる1年になるのでは?女優部門、第5位に入ったのは15歳の新鋭・川口春奈。すでにモデルとして、そしてCMで高い人気を誇っている彼女もまた来年『もしドラ』に出演!“女優”としてのブレイクに期待したいところだ。さてさてあなたがブレイクを期待するのは誰?ここには名前の挙がらなかったあなただけが知っているブレイク予備軍がまだまだいるかも!2011年ブレイクが期待される男優1位:高良健吾2位:瀬戸康史3位:池松壮亮4位:林遣都5位:松坂桃李2011年ブレイクが期待される女優1位:桜庭ななみ2位:満島ひかり3位:忽那汐里4位:桐谷美玲5位:川口春奈「シネマカフェゴコロランキング5」■関連作品:白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会 ランウェイ☆ビート 2011年3月19日より全国にて公開© 2011「ランウェイ☆ビート」製作委員会もしドラ〜もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら〜 2011年6月、全国公開予定■関連記事:ファンモンと共演!『ランウェイ☆ビート』主題歌ミュージックビデオ参加学生を募集シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?『ランウェイ☆ビート』主題歌にファンモン!田中圭が大変身の最新予告編も到着高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」
2010年12月27日映画を観ていると、作品を観終わった後の気持ちを言葉に置き換えることが難しいと感じることがあります。『ノルウェイの森』もまさにそう。その圧倒的な世界観と、その中で提示される愛と生に、何があっても生きていく人間の姿に、ついぼんやりとしてしまいました。試写室を出ると、出口調査さながらに、宣伝担当者に呼び止められて「いかがでした?」と尋ねられることもあるのですが、今回、それがなかったことを本当によかったと思っています。「おもしろかった」、「楽しかった」、「凄いですね」などと、簡単な言葉で語り始めることができる作品なら問題ないのですが、『ノルウェイの森』を観た後の第一声は、なんと発したらいいのかいまも思い浮かびません。あえて選ぶなら主人公ワタナベの言葉を借りて「ちょっと事情が込み入っていて、うまく説明できないんだ」となるのかもしれません。私の込み入っている事情とは、“作品は素晴らしかったけれど、やはり小説とは別物として考えるべきなのだろうと自分を納得させていいのかどうか決めかねていた”というところでしょうか。そもそも、映画化の話を聞いたときには、すでに小説の世界で完璧な姿をしている「ノルウェイの森」であるだけに、そんなことをして何になるのだろうかとか、そんなことが可能なのかということを考えました。村上春樹作品を愛する者のひとりとして。ファンタジックな中にも、とことん現実的で哲学的なテーマが潜んでいる彼の作品。力強いのに繊細で、美しいのに悲しくて、刹那的なのに永遠で、激しいのに静謐で…という独特な空気感と深さゆえ、村上作品の映画化は不可能と言われ続けてきました。もちろんそれが意味するところは、物理的な不可能性ではなく、その世界観を映像として表出させることが極めて難しいということ。私は日頃から、できることと、やっていいことは違うと考えていますが、優れた小説を映像化することにも慎重であるべきだと思ってきました。ここ数十年、映像技術の発達により、かつて映像化は不可能だとされてきた作品が続々と映像化されてきましたが、その流れにもちょっと眉をひそめてきた私。しかも、今回は、唯一無二の世界観を持つ村上作品。つまり、映像化した途端に、それは全くの別物になるということは分かりきったことなのです。これは常に原作ものにつきまとう議論ではありますが、やはり村上春樹という特別な作家については、その議論がひときわ白熱しても不思議はないのでしょう。たしかに、映画は別物でした。でも、面白い発見となったのは、村上ワールドに寄り添うかのようにトラン・アン・ユン監督の世界が共存していたこと。「『ノルウェイの森』という作品は自分にとって特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でも、トラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」というのが、村上氏本人の言葉。村上春樹ファンの全員が、その映画化作品に納得することなどありえないのでしょう。でも、村上氏が自ら“特別だ”と語る作品の映像化にOKを出した背景には、「トラン監督ならば」という信頼があったはず。その信頼のほどを、出来上がった映像から汲み取ることは難しいことではないし、それが転じて、「トラン監督しかいなかった」という気持ちにさせてくれることも事実なのです。学生運動が華やかなりし時代に多感な青春時代を送った若者たちの物語や複雑な事情や感情が絡み合った恋愛物語について描かれた小説や映画は多くありますが、それでも村上春樹の作品は別格。彼が生み出す独特の空気感は、やはりその言葉選びとリズムに由るところも大きいわけですが、その文学的な言語表現をどのように映像として表現するのかは、ひとつの見ものでもありました。最大の難所のひとつとして私が注目していたのは、主人公たちの発する言葉。彼の作品に登場する人々は、言葉をきちんと選びながら独特のリズムで話をします。それが何か重いものを背負ってきた登場人物たちのひとつの特徴でもあり、悲しみから生まれた優しさのようなものを漂わせてもいるのですが、主人公たちは、言葉を省略することなく、語尾を曖昧にすることもなく、しっかりと気持ちを伝えようとするのです。それがなぜ難所なのかといえば、それこそが最大の村上作品の特徴のひとつでもありながら、音にしてしまうと違和感を覚える種類のものであるのも事実だったから。やはり懸念していた通り、俳優たちが繰り出す言葉が、“いかにもセリフ”に聞こえてしまう瞬間が何度かあって、それについては残念だなと思ったものです。やはり村上作品は、文字の世界でこそ完璧でいられるのだと確信した瞬間でもありました。ただ、そこまで考えさせてくれるものこそ、村上ワールドならではなのかもしれません。矛盾しているかもしれませんが、そんなことに気づかせてくれたこともあり、トラン監督が“映画化するなら日本人のキャストで”とこだわってくれたことのありがたさ、そしてその理解の深さには感謝するばかりです。「原作がある映画化をする際には、映画はその原作に似ていなくてはならない。それは肖像がと同じようなことで、本人に似ていなくては意味がない」。これがトラン監督の言葉。確かに映画『ノルウェイの森』は、小説「ノルウェイの森」本人ではないけれど、似ています。監督の言葉を借りるなら、映画『ノルウェイの森』は、トラン・アン・ユンという画家が描いた、小説「ノルウェイの森」の肖像画と言えるのかもしれません。(text:June Makiguchi)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2010年11月24日映画『ノルウェイの森』の一般向け初披露となる完成披露試写会が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の高良健吾らキャスト陣7人とトラン・アン・ユン監督が上映前にレッドカーペットを歩き、舞台挨拶に立った。村上春樹が1987年に発表し、現在までに単行本・文庫本合わせて累計売上が1,000万部以上というロングベストセラー小説の映画化。大学生のワタナベ(松山さん)が自殺した親友の彼女だった直子(菊地さん)、大学で知り合った緑(水原希子)らタイプの違う女性たちの間で揺れるさまを描く物語。村上さんの母校で本作のロケにも使われたことから、同所が初披露の場に選ばれた。舞台挨拶で、本作に関わり一番テンションが上がった瞬間を司会者から尋ねられ、松山さんは「撮影に入って中盤に直子との本当に重要なシーンがあり、1テイク、2テイクやって、翌日3テイク目でOKが出たとき、テンションが上がり、思わず凛子さんをハグしました」と会心の瞬間をふり返った。同じ質問に菊地さんは「最初、直子役のオーディションを受けたいと申し出たら監督は乗り気じゃなかったので、ビデオを送ったら『会いたい』と言ってきてくれた。でもホテルで会ったら『原作はいつ頃読んだの?』とか質問ばかり。私はそのために来たんじゃない!と思い、『役をくれるの?くれないの?』って聞いたら『あげるよ』って…無理やり言わせた形で」と苦笑い。「あきらめないことと、本人に聞くのが一番だなと思った」と役を掴むまでの経緯をテンション高めに説明。会場の笑いを誘った。聞き入っていた監督は「直子を演じてくれたビデオを見て、儚さ、脆さを素晴らしく表現していたので、直子は菊地さんだと会う前に決めていたんです」と笑顔で“弁明”した。一方、ワタナベの自殺した親友・キズキ役の高良さんも「別の映画で死ぬシーンを撮ってクランクアップした翌日からノルウェイの撮影でしたが、その日の朝5時ごろ、電話がかかってきて『死ぬシーンを今日撮る』と言われ、テンション上がりましたね。違う現場で2日連続で死ぬって、そうないな、と」と妙な偶然を明かし、観客を笑わせた。締めくくりでマイクを握った松山さんは「撮影に入る前、監督から『きみは大恋愛をすることになるだろう』と言われ、ワタナベを追体験し、出来上がった作品を観て、その意味が分かった。みなさんも大恋愛をしてください」とメッセージを送っていた。先に行われたレッドカーペット・イベントには、ファン1,000人が集結。「ケンちゃーん、早くから来て待っていたのよー!」、「こっち来てー」などと、松山さんに握手とサインを求める女性ファンの熱狂的な声援が飛び交った。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日村上春樹のベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』の完成披露会見が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の水原希子、トラン・アン・ユン監督らが出席した。親友を自殺で失った悲しみを抱えた大学生のワタナベ(松山さん)が、親友の恋人だった直子(菊地さん)に惹かれて深い関係になる一方、大学で知り合った緑(水原さん)にも心揺れる姿を描く物語。松山さんは「言葉で言い尽くせないすごい作品ができました。お芝居も、自分たちで言うのもなんですが完璧です」と仕上がりに自信。一方でベトナム出身、フランス育ちで国際的評価の高いトラン・アン・ユン監督との初手合わせをふり返り「草原で直子と寝転ぶシーンで転がってみたら、『いや違うんだ、そういう自然さは必要ない。貴族っぽくやってくれ』と言われ、貴族か…と。その後、かろうじてOKをもらいました」と苦笑いしつつも「そういう美が溢れています」と監督のスタイリッシュなセンスに感銘を受けた様子。「自然にやるだけではだめ。例えば吐くシーンで、監督は『普通に吐くな。吐くならきれいに吐けよ』と。そういうことはいままで全く考えずに演技してきたので、教えられました」と収穫を口にした。一方、オーディションでワタナベの先輩・永沢役を得た玉山鉄二は「オーディションではいつも妻夫木聡、玉木宏に負けてきて、8年ぶりくらいのオーディションで受かり、こんな大きな作品に出られた。ハンカチ王子じゃないけど、俺、何か持っているな、と思いました」と喜色満面。直子役を監督に自らのビデオを送るなどし熱望して得た菊地さんは「私はどちらかと言えば、何か持っているというより、自分から掴みにいく、持ちに行くタイプ。監督が『イメージが違う』と言っても、いや、そんなことないって言うしつこさがあり、『役をくれるんですか?くれないんですか?』って聞いたりしましたし」。共演陣と会場の笑いを誘っていた。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日映画『ノルウェイの森』でサウンドトラックを担当しているイギリスの人気バンド「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今回のサウンドトラックに込めた思いを明かすと共に、主演の松山ケンイチの演技に対して称賛の言葉を送っている。ジョニーといえば、いま世界で最も強い影響力を持つバンドのひとつ、レディオヘッドでトム・ヨークと共に作曲を手がけ、その中核を担うマルチプレイヤー。2007年には映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のサウンドを担当し、英国アカデミー賞やグラミー賞の候補に名を連ねた。そのジョニーが今回、村上春樹の大ベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』のサントラを担当。ちなみにトム・ヨークが村上春樹の大ファンであることは広くファンの知るところだが、ジョニーも今回のオファーが届く以前から「ノルウェイの森」は読んでいたという。原作について、そしてこの物語に“音”をつけるという作業について、ジョニーは独特の表現でこう感想を語る。「僕としてはこの物語の音として、すごく宙ぶらりんになった状況をいろいろ音にしようとしたけどね。何て言うのかな…登場人物が大人になれずにいる状況っていうのかな。思春期と大人との狭間にいて、どこか不完全な状態のままでいるっていう印象が強いから。だから、音もやっぱりそういうところを形にしたかったんだよね。ためらいとか、不確実な気分を表しつつも、決して惨めだったり、悲しいものではないんだ。むしろ明るさがあるし、すごくロマンティックなもので、たくさんロマンスもあるっていう…。ただ、なにひとつとして決して解決されることはないし、終わりもしなければ、確定もしないという。だから、今回の音を書いている間は、基本的にいま話したような単語がウヨウヨと頭の周りに浮いていたんだよ」。また、クリエイティビティが刺激されたシーンについてジョニーは、「たとえば、緑とワタナベがカフェテリアの外で雪の中、語り合うところとか。このシーンのロマンティックな佇まいはすごくインスピレーションを与えてくれたな。それと、この作品が持つ独特なユーモアにもすごく助けられたかな。というのは、この映画を暗い作品として捉えるのはすごく簡単なことなんだけど、でもそれと同時に描かれている微笑ましいこととか無垢さとかが、僕はすごく好きなんだよ」と明かしてくれた。さらに、完成した映画を観ての感想を尋ねると「映画としても美しいし、物語も美しいし、だから、ほとんど完璧だね。個人的に本当に驚いたのは、この本が大好きな人はきっと映画も大好きになるだろうなっていうこと。それはすごく稀なことだからね。だから、本当に良かったと思うよ」と絶賛。特に中心人物であるワタナベ(松山ケンイチ)、直子(菊地凛子)、緑(水原希子)の3人について「演技はものすごい迫力があると同時に繊細さも兼ね揃えていて、実に素晴らしかった。特にワタナベ役は演じるのが難しかったはず。映画で思慮深い役柄を見ていると、つまらなくなりがちだけど、彼(松山さん)はあの難しい役を見事に演じていて、あの演技力にはとにかく感心したよ!とにかく完璧だった」と手放しで称賛している。レディオヘッドとして、2007年の「In Rainbows」以来となるニューアルバムの完成が待たれるが、今回のサントラ制作はジョニーにどのような影響を与えたのだろうか?美しくも哀しく響きわたるサウンドにも注目!こちらのオリジナルサウンドトラックは全国のショップにて発売中(税込:2,800円)。映画『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。※オリジナルサウンドトラックには主題歌「ノルウェーの森」(ザ・ビートルズ)は収録されません。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛
2010年11月16日村上春樹の同名人気小説を映画化した『ノルウェイの森』の、ラブシーンを取り入れた新たなポスタービジュアルと「涙は涸れても、愛は枯れない」という一般公募によるコピーが発表された。自殺した高校時代の親友の恋人だった直子と、大学で出会った緑という2人の全く異なる女性の間で揺れ動くワタナベの姿を通じて、青春時代における葛藤や喪失、愛すること、生きることの意義を静かに描き出した本作。『青いパパイヤの香り』、『シクロ』など、その色彩、映像の美しさで日本にもファンの多いトラン・アン・ユン監督がメガホンを握るだけに、どのような映像世界が展開されるのかと期待が高まるが、ポスタービジュアルからもその世界観の一端が明らかに!今回新たに公開されたポスターは2種類。原作小説の装丁と同じ印象的な赤と緑のものと、もう一つは森を背景に、松山ケンイチ演じるワタナベのラブシーンをイメージさせるデザインのもので、後者は書店で使用される予定となっている。赤と緑のポスターに刻まれているコピーは、一般からの応募から選ばれた言葉。3,000を超える応募の中から大賞に選ばれたのは、大阪在住の名引佑季さんが投稿した「涙は涸れても、愛は枯れない」というコピー。ちなみにこちらのキャンペーンでは、反響の大きさから急遽、電通のCMプランナーでソフトバンクモバイルの「ホワイト家族24 予想外な家族」などのCMを手掛けた澤本嘉光氏も審査員として参加することになり、白熱した審査の結果、今回の大賞が決定した。東宝宣伝部の菊地裕介氏は「“涙”という文字が感動を、“枯れる”という文が森を連想させて、なおかつ映画の持つ深さもうまく表現している」と称賛のコメント。なお、このコピーに加え、ポスターの背景には、宣伝部に届いたほかのコピーがうっすらとプリントされている。また、今回寄せられたコピーに優秀なものが多いことから、急遽、予定外の特別賞、審査員特別賞が追加され、東京都在住の日野原良行さんが投稿した「愛は、どんな森よりも深い」が特別賞を受賞。こちらは、先述の松山さんの写った書店用ポスターに起用されている。また、澤本氏が絶賛したという「どうにもならない。」を投稿した高知県在住の小原麻衣さんが審査員特別賞に選ばれた。澤本氏は審査を終えて「個人的には上手なコピーよりは、映画的ではなくても強いコピーが好きなので審査員特別賞を作っていただきましたが、大賞も、特別賞も、映画の内容をうまく想像させるとても良いものだと思っています」との論評を寄せている。なお、11月23日(火・祝)には映画の舞台となった早稲田大学で、ジャパン・プレミアが開催されることが決定しており、この場で一般の観客向けに初めて本作が披露されることになる。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生
2010年11月12日高良健吾と鈴木杏のW主演で、作家・中上健次が遺した最後の長編小説「軽蔑」が映画化されることが発表された。12月に村上春樹原作の『ノルウェイの森』、来年には東野圭吾の長編を映画化した『白夜行』の公開が控え、さらに初舞台となる「時計じかけのオレンジ」(演出・河原雅彦)の公演が1月よりスタート。そしてつい先日、来年3月に放送が開始されるNHK連続テレビ小説「おひさま」への出演が発表されるなど、いま最も多忙な俳優のひとり、高良健吾が今度は中上文学に挑戦!紀州(和歌山県)の熊野を舞台にした作品を数多く世に送り出した中上さんが、46歳でこの世を去った1992年に発行された最後の長編小説の映画化で、これまでに原作の単行本は46,000部、文庫が累計18,000部の販売部数を記録している。高良さんが演じるのは、名家の一人息子に生まれながらも上京して、賭博に明け暮れる生活を送るカズ。歌舞伎町で出会った踊り子の真知子と恋に落ち、故郷に戻って新しい暮らしを始めようとするも父親をはじめ、周囲は2人の関係を認めようとはしない。引き裂かれる想いで真知子は東京へ去り、カズは借金を膨らましていく。失意の中、カズは真知子を追い求め愛を確かめ合うが、高利貸しの男は借金の帳消しと引き換えに真知子を要求する…。高良さんの相手役の真知子を演じるのは鈴木杏。愛し合うがゆえに引き裂かれていくカズと真知子を若き実力派の2人が熱演。監督を務めるのは、先日、岡田将生と蒼井優による悲恋の時代劇『雷桜』が公開されたばかりの廣木隆一。高良さんは2007年公開の廣木監督作『M』で母への屈折した愛情を持つ青年役を体当たりで演じており、『雷桜』にも冒頭の数カットながら出演。ほかに廣木監督作の常連である大森南朋が高利貸しの山畑を演じるほか、忍成修吾、村上淳、小林薫などが共演者として名を連ねる。高良さんは「原作は中上健次さんですし、そして監督が廣木隆一さんというだけで是非!という気持ちでした。(廣木監督との再タッグについて)とても身が引き締まる思いです。本当に自分の役者としての軸を作ってくれた方なので、また誘っていただいて光栄です」と意気込みを語る。鈴木さんは「廣木隆一監督、高良健吾さん、とお名前を聞いた時点で『演りたい!』と思いました。なんだか大きなものが舞い降りてきた、と思いました。脚本も原作も素直に面白いし素敵だな、と思いました。(主人公の2人は)ダメな2人だけれど、その中で光っている純粋さがとてもキレイ」と語り、ダンサー役については「ポールダンス、難しいです。どれだけ練習してもなかなか自分の思い通りにいかず悔しい日々が続きますが、ようやく楽しめるようになってきました」と難役ながら少しずつ手応えを掴んでいる様子。そして廣木監督は「(中上さんは)僕が映画界に入った頃からの憧れの作家だったのでいつか挑戦したいと思っていた。高良健吾は、まだまだの未知数で広がっていてどんなイメージにも染まらない魅力があるように思います。役の上で変化していくのを年を重ねて見守りたいと思います。(鈴木杏は)彼女自体が自分のイメージではないところまで行ってほしいと思います」と中上作品を映画化する喜びと主演の2人への期待を明かしてくれた。『蛇にピアス』で吉高由里子と、『ソラニン』では宮崎あおい、『おにいちゃんのハナビ』では谷村美月、そして公開を控える『白夜行』では堀北真希と、いまをときめく女優陣と恋人や兄妹など様々な形で“愛情”を表現してきた高良さん。中上文学を原作にした本作で、鈴木さんとどのような愛を見せてくれるのか?すでに10月下旬より撮影はスタート。11月下旬にはクランクアップし、来年1月に完成の予定。『軽蔑』は2011年、全国にて公開予定。■関連作品:軽蔑 2011年、全国にて公開予定白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会 おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」深キョンウィンストン2億円ジュエリーに「アカデミー女優気分」松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛
2010年11月02日