都内の便利な場所に中古物件を買って、リノベーションして住みたい。そんなNさん夫妻が選んだのは、東急線の3駅が徒歩圏内の住宅街の一角。建物の雰囲気や管理状態のよさを気に入り、見晴らしのよい52平米の角部屋を購入しました。設計は、アパレル会社で店舗ディスプレイの仕事をしている妻がベースを手がけ、コンパクトな空間を無駄なく使えるプランに。リノベーションは大和工芸に依頼し、妻の設計をベースに工事費800万円(税・設計料込み)で理想をすべて詰め込んだ空間を手に入れました。■ オープンスタイルのキッチンで開放感あるLDKに物件の専有面積は約52平米。もうすぐ第一子が誕生する夫妻にとっては決して広い面積ではありませんでしたが、コンパクトな空間を無駄なく使えるよう知恵を絞りました。玄関を入ってすぐの場所にあるキッチンは、吊戸棚をつくらずオープンスタイルに。その代わりにザ・コンランショップで購入したバスケットやイケアの棚を壁に取り付けて、見せる収納で収納量を確保しました。ヘンリボーンの床にマッチしたダイニングセットは、北欧のデザイナー 、イルマリ・タピオヴァラのヴィンテージ品なのだそう。既存の天井を抜いて高さを出し、躯体現しにすることでさらに広さを感じられる空間に。梁には薄いグレーのクロスを張ってアクセントにしました。「この梁がリビングとダイニングを緩く分けてくれて、結果的に空間にメリハリが生まれました」と夫。入居当初はテレビを置く予定はなかったそうですが、妻の妊娠を機に購入。飾り棚を利用して、AV機器をうまく収めています。LDKには、妻が「絶対確保したかった」という待望のウォークインクローゼットを設置。ゲストルームを最小限の広さに抑えたことで、約50平米の間取りでもこのスペースを実現できました。■ 寝室はあえてつくらず、唯一の個室はゲストルームにあえて寝室をつくらず、リビングの一角をベッドスペースにしました。ベッドは無印良品のスモールサイズを2つ並べて配置。レイアウトによって分けて置いたり、子どもが成長したら買い足したりできるなど、自由度を考えてのこと。床はナラの無垢フローリングをヘンリボーン張りにして、通常のフローリングよりも空間が表情豊かな仕上がりに。床材はショールームで確認し、幅や長さにもこだわっています。また、ベッドサイドの高い位置にコンセントを取り付け、スマートフォンの充電がしやすいように工夫。スイッチ類も、空間に似合うシンプルなデザインにこだわって選んでいます。室内のアクセントにもなっているグリーンのディスプレイ。ベッドスペースにまとめておくことで、大ぶりな鉢植えでも圧迫感がありません。ベッドスペースのとなりにある、唯一の個室はゲストルーム。親族や友人など来客が多いため、コンパクトながらもベッドを置いて泊まれるようにと、約3.5畳の空間を確保しました。「この部屋だけ、かわいいインテリアにして楽しんでいます」と妻。■ 省スペースを追求した玄関と水まわり玄関は限られたスペースを活用するために下駄箱はあえて造作せず、オープンな収納棚に。玄関の先にあるキッチンの対面には、キッチンと同じ高さの棚を購入して設置。ダイニング側からは見えないようになっていて、ごみ箱や食器類はこちらに収めています。サニタリースペースへはLDKからアクセスしやすい位置に。アメリカンな雰囲気が気に入っているというドアノブは、輸入建材ショップ、ジェイマックスで購入しました。インターホンは壁の色に合わせて黒をチョイス。洗濯機、トイレ、洗面台はひとつの空間にまとめることで、ゆったりしたスペースを確保。収納は造作せず、棚や収納ボックスを活用しました。3in1のサニタリーに続く浴室は、パナソニックのシステムバスの中でも最もコンパクトなタイプを採用しています。実際に住んでからのインテリアは、妻の膨大な情報収集の賜物。仕事柄、普段から「ピンタレスト」や「インスタグラム」などを活用して国内外のインテリア画像を収集しているという妻が先導して、夫妻好みのインテリアに仕上げています。工務店とそのイメージを共有しながら、ニューヨーク風リビングと北欧風ゲストルームを実現。約52平米というコンパクトな箱に、叶えたい事すべてを詰め込んだN邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工大和工芸撮影山田耕司
2018年11月01日エコ住宅といえば、といえば、太陽光とか蓄電池など、新築住宅のイメージですが、中古住宅でも、ポイントをおさえたリノベをすれば、お得なエコ住宅に変身させられます。お得な中古住宅を、リノベでさらにお得に!今回は、「中古住宅をお得なエコ住宅にリノベするためのポイント」についてお話しいたします。■ ポイント1.「窓」の断熱夏の暑さや冬の寒さの一番の原因は、何といっても「窓」からやってきます。住宅で使用されている一般的なアルミサッシの場合、夏は約70%、冬は約50%の熱量が、窓から出入りします。つまり、中古住宅をエコ住宅にするためには、窓を断熱することが最優先されます。pu- / PIXTA(ピクスタ)その場合、サッシのガラスは、複層ガラスまたは Low-Eガラスにすることはもちろんですが、サッシ枠を樹脂製(プラスチックなど)にすることも大切です。樹脂(プラスチックなど)は、金属と違い、熱しにくく冷めにくいため、熱を通しにくいのです。サッシ枠をアルミサッシから樹脂サッシに交換するだけで、窓から出入りする熱量を、じつに6割ほど抑えることができます。■ ポイント2.「壁」「天井」「床」の断熱トイレやお風呂場、洗面室は寒いものだと思っていませんか?欧米に比べて、「日本の住宅は寒い」といわれています。欧米では、冬の期間、室内を暖かくすることを推奨しており、寒い家は、健康面からみて危険だという認識を、多くの人が持っています。なぜ日本の家は寒いのでしょうか?それは、家の「壁」「天井」「床」に、ほとんど断熱材が入っていないからなのです。pu- / PIXTA(ピクスタ)平成24年に国土交通省が調査したところによると、断熱材が壁や天井にまったく入っていない無断熱住宅は約4割に上ります。また、あまり断熱効果の見られない昭和55年の断熱基準も合わせると、約7割の住宅がほぼ断熱材の入っていない家ということになります。寒いわけですね。寒い家は、血圧の変動をおこし健康面に影響しますし、光熱費などランニングコストがかかることから、長い目で見た場合、家計にも影響してきます。また、断熱化の大切さは国も重要視しており、2020年には新築住宅のすべてに既定の性能を満たす断熱材を設置することが、法律で義務付けられました。つまり、規定した断熱材の入っていない新築住宅は違法建築になってしまうので、気を付けたいところです。YNS / PIXTA(ピクスタ)■ ポイント3. 「ユニットバス」東京都健康長寿医療センター研究所が、平成11年におこなった調査によると、一年間に約1万7000人がヒートショックに関連した「入浴中事故」で急死されています。このヒートショック、浴室や脱衣室の温度が低く、また湯の温度が高いことが原因とされています。ヒートショックによる事故を防ぐには、浴室の温度を25度付近に近づけ、また湯の温度は40度以下に抑えることが大切です。そこで活躍するものが、ユニットバス!くまちゃん / PIXTA(ピクスタ)ユニットバスは、もともと熱の出入りがしにくいプラスチックで造られているうえに、壁・床・天井まで断熱材が入っているものもあります。そのため、外からの冷気がはいりにくく、また熱も逃がしにくいため、浴室の寒さを防ぎ、また湯の温度も一定に保たれるのです。いかがでしたか?エコ住宅は、省エネであることはもちろん、家族の健康を守り、またランニングコストなど、家計にもやさしいものです。中古住宅を購入し、リノベするときは、間取りやインテリアだけでなく、目に見えない部分にもこだわってみてくださいね。(しかまのりこ)【参考】※経済産業省日本の住宅の約4割が無断熱状態
2018年10月09日マンション購入を検討した時に悩むのが、新築にするか中古にするかという問題。物件価格のみを見たら中古物件のほうがお得な気がしますが、本当はどちらがお得なのでしょうか。実際に購入した人にヒアリングし、料金面だけでないそれぞれのメリットやデメリットを調査しました!デザイン面でも構造面でも新しさを求めるのなら新築!「とにかく、新しさや清潔さが一番のメリット! 室内だけでなく共用部もきれいな状態なので、住んでいて快適です。耐震構造も安心。デメリットは、希望している部屋を購入できない可能性があること。新築マンションの販売は第一期・第二期…となっているのですが、希望している部屋がすでに売れてしまっている場合や、申し込みが多いと抽選で落ちてしまうこともあるみたいです。わが家も抽選だったので、落ちたご家庭もあると思いますよ。」(2014年築購入者)「同じようなタイミングで他の方も入居してくるので、親近感も湧くし子ども同士もすぐに仲良くなれた。その反面、中古物件と違って、住むまではどんな人がお隣さんになるのかが分からないので、マナーやモラルが悪い人がお隣になる可能性もあることがデメリットだと思います。」(2010年築購入者)「物件自体の料金は高いのですが、ローンが組みやすかったし減税も適用されました。売り主から直接購入したので、不動産会社に支払う仲介手数料がなかったのも嬉しかったですね。でも、第一期で購入したため入居までに時間がかかったので、すぐに住みたい人には向いていないかも。引っ越し準備をゆっくりできるという意味ではいいですけどね。」(2016年築購入者)予算を抑えたいなら中古!と思ったら落とし穴が…「駅から徒歩5分圏内で、予算内の物件を探していると、どうしても中古物件しかなくて…。物件自体の費用は抑えられたし立地にも満足しているのですが、築20年以上だとどうしても老朽化やデザインの古臭さは拭えないですね。」(1995年築購入者)「リフォームしていない物件を購入したので、結局自分たちで壁紙交換やキッチンのリフォームなどをしました。その上、水回りも老朽化していて、お風呂やトイレも全てリフォームすることに…。予想外の出費がかかってしまいました。」(2000年築購入者)「内覧時にエントランスやゴミ置き場など共用部を見られたことで、すでにお住いの方たちのマナーがしっかりしていると確認してから購入できてよかったです。住人の雰囲気がよく、管理人さんの対応もよかったので、そこを確認できるのは中古物件ならではかと。」(1998年築購入者)実際に購入してみないと分からないメリット・デメリットがあるようですね。まずは気になる物件には内覧に足を運び、納得がいくまでじっくりと見てから決断してください。PHOTO/Fotolia
2018年10月01日今回は物件を購入する際の「値下げ交渉」についてお話します。不動産は高額の買い物であるために少しぐらい値切りたいというのは自然な感情ですが、効果的な交渉を行うためには取引の仕組みを知っておく必要があります。中古物件と新築物件では状況がまったく異なってくるため、それぞれのケースについて実体験に基づいてご説明します。■ 「中古物件」の値下げ交渉は常識の範囲内で行うことがポイント売主と買主の間に仲介会社が入る「中古物件」の場合、値下げ交渉は売り主側の仲介会社(物元、元付)と買主側に仲介会社(客付)の間で行われることになります。中間業者による中古物件の「値下げ交渉」についての仕組みをご紹介します。ABC / PIXTA(ピクスタ)値下げ交渉は「買い付け」を書くことが大前提値下げ交渉のタイミングとしては「お気に入りの物件が見つかった時」になりますが、実際の交渉は不動産購入申込書(買い付け)を物元業者に提出することから始まります。Good morning / PIXTA(ピクスタ)中古物件において値下げ交渉をするということは「ここまで価格を下げてくれれば『絶対に』買います」という意思表示であり、そのための証として買い付けは必須で、これを書かなければ物元業者は交渉に応じてくれません。申込書を提出しているのですから、交渉が成立した場合はそのまま契約準備に入らなければなりません。筆者は何回も値下げ交渉を行いましたが、値下げの余地について物元業者に事前に打診しても「買い付けを入れてくれれば、売主と交渉します」としか答えてもらえなかった記憶があります。また自分が物元の物件に問い合わせがあった際も同様の回答をしており、値下げの可否について事前に探りを入れるのは難しいと考えておいた方がいいでしょう。そもそも大幅な値下げはありえないTATSU / PIXTA(ピクスタ)物件探しに際して買主は仲介会社に希望条件を伝え、それに基づいて仲介会社は物件を紹介します。条件の中でも価格は最も重要な要素であるため仲介会社は細心の注意を払って紹介するものであり、大幅な値下げ要求というのはそもそもありえないはずです。そうでないのは仲介会社が買主の希望を無視した物件を紹介したか、買主の欲の皮が張ってしまったかのいずれかで、どちらにしてもあまり感じのいいものではありません。非常識な値下げ要求には仲介会社が応じないfreeangle / PIXTA(ピクスタ)筆者の場合は、950万円の物件に600万円で買い付けを出され、上司から「そんな買い付けを取ってどうするつもりだ」と怒られたことがあります。客はローンではなく現金で買うのだから下げて当然だろうと主張し、こちらが何度説明しても「銀行を通さない綺麗な金だから売主にとってもありがたい話のはずだ」と譲りません。とても売主にはかれるような話ではないため、最終的に担当者の判断で断りを入れました。売主は「指値」が入ることを前提に価格を設定しているfreeangle / PIXTA(ピクスタ)そうはいっても不動産は高い買い物であり、少しくらい値切りたいというのは自然な感情です。実際に買い付けを書く際にも販売価格そのままの金額を書くことは稀で、いくらか減額した金額を記入している事例が大半だったように思います。このように買主が希望した金額を指値(さしね)といいますが、たいていの売主は売却開始に際して指値が入ってくることを前提として価格を設定しているものです。「査定価格としては3,000万円ですが、指値が入ってくることを考えて3,300万円で市場に出しましょう」というような話を筆者は何回もしました。常識の範囲内の「指値」には応じてくれる可能性大xiangtao / PIXTA(ピクスタ)売主は指値が入ることを前提に価格を設定しているのですから、常識的な範囲の価格交渉には応じてくれる可能性は大であり、むしろ指値を入れないのは損であるといってもいいでしょう。どのくらいが常識の範囲内であるかということは仲介会社の営業マンが一番よくわかっています。■ 「新築マンション」の値下げ交渉は状況次第新築物件の場合は中古とは事情が異なってきます。筆者は新築の戸建は扱った経験がないため、マンションの事例についてご説明します。shimanto / PIXTA(ピクスタ)竣工前でモデルルームで販売しているような物件の場合は値下げ要求はまずできませんが、売れ残ってしまった完成物件の場合は交渉の余地があります。売れ残った部屋に関しては売主が区分所有者ということになって管理費や修繕積立金の負担も発生するため、業者は多少値下げしてでも売ってしまわないと負担が大変なことになるのです。特に棟内モデルルームで使用していた部屋や最後の一部屋というような場合は交渉に応じてくれる可能性大であり、積極的に申し入れましょう。Ushico / PIXTA(ピクスタ)この場合は業者の営業担当者と直接交渉することになり買い付けの提出は不要ですが、「下げてくれれば買います」と明確に意思表示すれば相手も応じてくれやすくなります。不動産は金額が大きいため、ちょっとした交渉でまとまった金額を節約することが可能です。しかしここで非常識な態度に出てしまうと信頼関係が損なわれ、交渉そのものが壊れてしまうことになります。値下げ交渉においてはくれぐれも「常識の範囲内」ということを大切にしてください。
2018年09月23日昔から「不動産には掘り出し物がない」といわれます。でも、本当に掘り出し物はないのでしょうか?人によって、物件に求める条件や要件などのニーズは様々なので、その不動産を「掘り出し物」と感じるかどうかも人それぞれのはず。不動産業界で約30年、さまざまなケースの不動産取引を見てきた筆者が、自分のニーズにピッタリで、さらには希少性があるような「自分にとっての掘り出し物件の探し方」を3つのポイントに分けて解説します!■ 1・希望条件の「幅」を広げてみるOnzon / PIXTA(ピクスタ)例えば、分譲・賃貸にかかわらず、物件探しの優先順位1位を「間取や内外装がオシャレなデザインの家に住む!」ことにした場合を考えてみましょう。現地見学前に物件の間取り図や写真などが手に入るならある程度の確認はできますが、壁紙や床材などの色合いや質感・雰囲気など、細部についてはやはり現地で実際に物件を確認しなければ分かりません。「北向きだから」「少し駅から遠いから」「収納が少ないかも」など、ネガティブな面を気にしすぎてしまい、物件資料を見ただけで実際に見学に行かないと、一番優先しているオシャレな自分好みの物件を見逃してしまう可能性もあります。少しでも気になったら、希望条件の幅を広げて、まずは現地を見学してみましょう。よっし / PIXTA(ピクスタ)実は、不動産のプロである仲介業者も、お客様に物件を紹介する前に必ず現地を下見に行き、その物件の良い点・悪い点を確認します。仲介業者の営業マンのなかには、1日で20件~30件ほど物件現地を下見している強者(売買の場合)もいます。不動産のプロも「実際に現地を見ること」をとても大事にしているのです!■ 2・数字のこだわりをなくしてみるGraphs / PIXTA(ピクスタ)予算、土地や建物の面積、駅からの距離、間取りや部屋の数など、不動産探しの際にこだわらなければならない数字はたくさんあります。予算についてはこだわる必要があるとしても、自分にとっての掘り出し物件を見つけるためにはある程度、数字のこだわりをなくすことも必要です。例えば、建物の面積について「90平米以上」にこだわっていたとしましょう。その場合、90平米未満の「間取りや内外装がオシャレな物件」に出会うことはできなくなるのです。天空のジュピター / PIXTA(ピクスタ)駅からの距離や間取り、築年数などについても同様です。一度、さまざまな数字のこだわりをなくして、エリアと予算が自分のニーズに合う物件であれば積極的に見学してみましょう。少し見方を変えるだけで、それまで見逃していた好物件が見つかるかもしれません。■ 3・リノベーションやDIYを前提に見学してみるABC / PIXTA(ピクスタ)数多くの物件を見学しても、なかなか気に入った物件が見つからない場合、「自分にとっての掘り出し物件」は現在の市場に存在しないかもしれません。その場合はリノベーションやDIYで「掘り出し物件」をつくることも検討してみてはいかがでしょう?分譲の場合戸建て・マンション問わず、購入してしまえばリノベーションによって物件の機能やデザインを自分好みにつくり変えることができます。これまで見学した物件のなかで、リノベーションによって自分好みになりそうな物件があれば、今度はリノベーションを前提にしてもう一度見学してみてはいかがでしょうか。ABC / PIXTA(ピクスタ)賃貸の場合Wako Megumi / PIXTA(ピクスタ)通常の賃貸住宅は、入居前や入居中に貸し主がある程度の補修・改修工事を行う前提で貸し出されます。この補修・改修工事を借り主が行うことを可能にしたのが「DIY型賃貸住宅」です。物件ごとにDIYできる箇所や工事の程度、退去時の原状回復をどうするかなどに違いはありますが、壁紙を自分の好きなデザインのものに張り替えたり、キッチンやリビングの扉をこだわりのものに変更したりできるのはDIY型賃貸住宅の大きな魅力です。DIY型賃貸住宅は物件数が多いとは言えませんが、たくさんの不動産検索サイトで探すことができます。KY / PIXTA(ピクスタ)なかなか自分好みの物件が見つからないときは、こだわり条件や見方を少し変えて物件探しをしてみると「自分にとっての掘り出し物件」に出会えるかもしれませんので、ぜひ試してみてください!
2018年09月07日団地は、敷地内に公園や緑が多く、スーパーもあったりと、今や子育て世代に人気のリノベーション向き物件として注目されています。物件価格も手頃なので、思いきり自分らしいリノベーションを実現できるのが魅力です。団地の間取りは、間仕切り戸や壁で部屋を区切っているつくりが一般的。この間取りをどのように空間を変え、自分らしい住まいをつくるかが団地リノベの腕の見せ所なのです。今回は、大きな反響を呼んだ「団地リノベ」の実例を4本まとめてご紹介。■ 専門家のテクニックで実現!団地リノベで戸建感覚の理想の空間へ京都府長岡京市、昭和43年築の団地を1,300万円で購入、工事費800万円(税・設計料込み)をかけてリノベーション団地のほとんどは昭和に建てられた物件で、そのまま住むにはいろいろと不便。しかし、リノベーションのアイデア次第で、魅力的な空間に生まれ変わります。Iさん夫妻のリノベーションのこだわりは、庭付きの1階にしたこと。団地ながら窓から緑を楽しんだりガーデニングをしたりと、戸建て感覚でのびのびと暮らせる空間になりました。リノベーションは、団地リノベに関する本も出している吉永健一さんに依頼。また、キッチンは、敬愛するカリスマ主婦・石黒智子さんの厨房を再現し、大満足の仕上がりに。Iさん夫婦の団地リノベが成功したのは、情報収集や十分な下調べを経て、理想の住まいの形を具体化して考えたからこそ。仕切りの多い団地を一体感ある空間に生まれ変わらせた、専門家のテクニックに注目です!専門家を味方につけて、団地とは思えない広々空間へリノベーション■ 犬も大満足!見えない隠し収納のテクニックで開放感のある空間づくり東京都多摩市、築33年(昭和59年築)の団地を購入。830万円(税・設計費込み、施主支給品は含まず)をかけてリノベーションTさん夫婦が物件を選んだ決め手は、高台で眺望が良いことと、ペットの飼育が可であることだったそうです。リノベーションで施したのは、「浮造り(うづくり)」という床でした。あまり聞き慣れない床細工の名称ですが、これは表面に凹凸をつけたフローリングのこと。愛犬が走りやすく、足腰への負担が軽くなるようにとの思いが込められています。もう1つ、Tさん宅のポイントとして注目したいのは、収納がたっぷりあるという点です。例えば、このパントリー。収納が多いと物がごちゃついて見えますが、”隠し収納”のテクニックで視覚的にスッキリして見えます。Tさんのお宅は壁で建物を支えるつくりの団地のため、残さざるを得ない構造壁が多かったそう。それでも、緻密な計算で作られた機能的な収納は、これからリノベーションを考える人の参考になるはずです!構造壁を残しつつ、上手に隠す収納で開放感のある空間を実現!■ 築46年の団地へ住み替え、壁をなくして棚で間仕切りした広々効果がスゴイ!築46年物件価格2,400万円の団地を購入、工事費1,000万円(税・設計料込み)をリノベーション神奈川県横浜市のNさん一家は、2008年に購入した新築マンションから築46年の団地へ、驚きの住み替えを行いました。「どうしてお金をかけてわざわざ古い物件へ?」と疑問が湧きますが、その理由は“住み心地の良さ”でした。団地ならではのオープンで明るい雰囲気に惹かれ、空き物件が出ると迷わず購入したのだそう。壁を取り除き、さっそく部屋全体を大きなワンルームにリノベーション。リビングと寝室を適度に区切るために用意したのは、収納棚でした。以前住んでいた新築マンションは80平米でしたが、団地は60平米と狭くなったため、収納をしっかり確保しながら空間を最大限広く利用するために採用したアイデアです。収納棚を利用した上手な間仕切りの実例を、ぜひチェックしてみてくださいね!新築マンションから団地へ、狭くても間仕切りを上手に使って広々空間を実現!■ まるでカフェみたい!住み慣れた実家の団地をリノベで大改修千葉県八千代市、実家でもある築41年の団地をリノベーション。工事費約1,100万円(設計料別)で大改修実家の団地を受け継ぎ、住み慣れた家をリノベーションでがらりと一新した方もいます。場所は千葉県八千代市。まるでオシャレなカフェのようですが、築41年のれっきとした団地の一室です。広さ78平米の部屋を、工事費約1,100万円(設計料別)で大改修しました。構造上取り壊せない壁もありましたが、その存在を上手く生かした空間設計は見事です。漆喰、オーク材、ステンレスなど、素材の持ち味を要所要所で見せながら、遊び心いっぱいにまとめています。「バーベキューも楽しめるベランダのウッドデッキ」「おこもりできるワークスペース」「ビビッドなカラー使い」など、真似したい空間づくりのテクニックが満載!インテリアの参考にもなる団地リノベーションの好例です。団地とは思えない!真似したい様々な空間づくり
2018年08月18日低予算で思い通りのリノベーションを実現するために、「リノベ済み物件」を選択する人もいます。今回は、リノベ済み物件を再リノベして自分らしい住まいを実現した3つのリノベーション実例をまとめて紹介!■ 再リノベだから、かけたいところに思いきりお金をかけられる!Mさん一家の物件探しは、まずは立地を優先しました。そして、物件価格を抑えるために目をつけたのが、リノベ済みマンションでした。この物件は、築43年、専有面積65平米のマンション、価格4,850万円。再リノベにかかった費用600万円(設計料込み)。リノベ済みの物件なら、水まわりなど経年劣化している箇所がすでに改修済みなので、自分たちで手を加える部分が少なくて済みます。おかげで、再リノベの費用のほとんどを内装に使うことができました。既存のものを上手に生かしながら手を加え、自分たちらしいデザインを追求した好例です。リノベ済み物件だからできた、理想の家■ 再リノベ、条件を詰め込んでも費用は280万!驚きの低予算の秘訣とは?リノベーションでは「あれもしたい、これもしたい」、費用はどんどん膨らむばかり。理想と現実の折り合いをつけるのはとても難しいもの。次にご紹介するのは、2015年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーで「カジュアルリノベーション賞」を受賞したMさんのお宅(30代・女性)です。購入したのは川崎市内の50平米のリノベ済み物件。なんと、再リノベ費用はたったの280万円でした!驚くほど低予算で再リノベーションができたのは、やっぱりリノベ済み物件を選んだから。しかも、賃貸の頃よりも毎月2万円も家賃が減ったとのこと。やりたいことを詰め込み、理想の家を手に入れたMさん。その成功の秘訣に迫ります!費用はたったの280万!驚きの低予算の秘訣とは?!■ 夫婦ともに設計のプロ!真似したい再リノベのテクニックFさん夫婦はリノベ済みの70平米のマンションを2,980万円で購入。「大きなワンルームの家」をテーマに、洗面室とバスルーム、トイレ以外の壁を取り払うという大規模な再リノベを行いました。キッチン、トイレ、洗面、ユニットバスは購入前のリノベですでに新品だったため、再リノベの工事費は510万円(税・設計料込)と、とってもリーズナブルに抑えることができました。実は、夫婦ともに設計の仕事をしているFさん夫婦。空間を広く見せるテクニックや、ガス管を利用してつくった個性的な本棚、室内空間と一体化したサンルームの作り方など、参考にしたい部屋づくりのアイデアが盛りたくさんです!設計のプロも上手に活用!真似したい再リノベのテク
2018年08月11日一般的に事故物件とは、何らかの事情でその物件内で人が亡くなったことによる心理的瑕疵(心理的に感じる何らかの抵抗、嫌悪感等)のある物件を指します。もし自分の所有する物件が事故物件になってしまったらどうしたらいいのでしょう!?■ もし事故が起きてしまったら:自殺などの場合Brunch / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです入居者が自殺によって亡くなった場合、もし未払い家賃や内装等の原状回復費用が発生しているならば、その費用は保証人や相続人に請求することができます。さらに、「自殺があった物件」になったことで入居希望者がなかなか見つからなかったり、賃料を減額せざるを得ない等の損害が出た場合、保証人や相続人に対して損害賠償請求をすることができます。入居者は借りている物件に対して注意義務(その物件を善良なる管理者として注意して管理・使用する義務:民法第400条)を負うことから、入居者がその物件内で自殺などで亡くなった場合にはその注意義務に違反したことになるのです。そして、その入居者が亡くなっている以上、損害賠償債務は保証人が負うことになります。また、入居者が死亡しても賃貸借契約は即座に消滅せず、亡くなった入居者の権利(借家権)や財産は相続人に引き継がれます。つまり、損害賠償債務も相続人に「相続財産として」引き継がれることになるのです。このように、万が一の事故が起こってしまった場合は、保証人や相続人に損害賠償を請求することができますが、そのケースごとに判断が分かれますので、実際に事故が起きてしまった場合は専門家にご相談ください。注意すべき点sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)2020年4月1日に改正民法が施行され、保証人に関する規定が変わるのですが、これは不動産の賃貸借に関する連帯保証人にも関係します。具体的にいうと、今後2020年4月1日以降の賃貸借契約には連帯保証人が保証する債務に「極度額」が明確に記載されるようになります。これまでの契約条文では、連帯保証人の債務に上限を設けることはほとんどありませんでしたが、民法改正後は契約条文に「極度額を○○万円を上限として……」という一文が加わることになります。そうなれば上記で示したような「損害賠償」までは請求できなくなる場合がありますので、2020年4月1日以降の賃貸借契約は「保証の極度額」に注意しましょう。もとくん / PIXTA(ピクスタ)また、相続人に損害賠償を請求する場合も注意が必要です。そもそも相続人が相続を放棄した場合は、亡くなった入居者の権利(借家権)は引き継がれません。その場合、損害賠償債務も引き継がれることが無いので損害賠償を請求できる相手がいなくなってしまいますのでここにも十分ご注意ください!■ もし事故が起こった場合:自然死などの場合TATSU / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです自然死(病死、孤独死など)の場合、未払い家賃などがあれば保証人や相続人に請求できますが、損害賠償請求はほとんどの場合でできません。損害賠償請求できるのは入居者に注意義務違反(過失)があった場合であり、自然死にはその「過失」があったとはいえないのです。とはいえ、急激な高齢化を迎えている日本では、高齢者の孤独死がますます増えていくことが予想されます。この様な状況を踏まえ、最近では賃貸経営のリスク軽減のために様々な保険会社が「孤独死保険」の販売を始めています。孤独死保険とは?タカス / PIXTA(ピクスタ)孤独死保険は、物件内で死亡事故(孤独死・自殺・犯罪死)が発生した場合に、そのお部屋の原状回復費用(遺品整理、清掃、消臭、汚損等)や事故後に借り手がなく、空室になった場合の家賃損失(家賃保証保険金)を保証してくれるものです。この保険には、孤独死保険として独立した商品や、火災保険の特約として孤独死に対応する商品など色々な種類があります。賃貸経営をしている、若しくは予定している人にとって、今後この孤独死保険は自分の物件を守る大きなセーフティネットになりそうです。ABC / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです2020年の民法改正、相続人の相続放棄、高齢化社会など、賃貸住宅を取りまく環境は厳しさをましていきますが、関係する法律を理解することや孤独死保険などを活用することで、万一の場合に備えておきましょう!
2018年08月03日やっと見つけたお気に入りの物件が、もし「買ってはいけない物件」だとしたら?買ってはいけない物件とは何なのか、その種類と見極め方を解説します!■ 買ってはいけない物件の定義HAKU / PIXTA(ピクスタ)まず、物件の個別条件(築年数、心理的瑕疵の有無、地形、地域、立地、擁(よう)壁の状態、マンションの管理状況など)によって、「この項目が一定基準以上じゃないと買ってはいけない」というような判断をするのはあまり意味がありません。不動産に求める条件や要件についてのニーズは人それぞれなので、一律の判断基準で物件の良し悪しを決めることは、自分にピッタリの物件を見つけることに役立つわけではないのです。人によって「買ってはいけない」の基準は違いますが、今回は「買ってはいけない物件」の定義を、買主が購入前後に多くの不利益を受ける物件として解説します。■ 買ってはいけない物件その1.「違法建築」建ぺい率、容積率オーバーの物件YUMIK / PIXTA(ピクスタ)建物を建てる場合、建物の大きさを制限するのは、敷地面積に対して建物が建てられる面積の割合を定めた「建ぺい率と容積率」です。少しでも大きな建物を造りたいために、建築計画の時点から意図的に建ぺい率や容積率をオーバーさせて造られた建物や、増改築工事によって結果的にオーバーしてしまった建物など、そうなった理由は様々ですが、これによって被る不利益はとても大きいものになります。建ぺい率、容積率オーバーの物件は建築基準法に「違反」していることになりますので、その不動産を担保に金融機関からの融資を受けることが困難になる場合が多いのです。hilite / PIXTA(ピクスタ)せっかく気に入った物件が、建ぺい率や容積率をオーバーしている建物なら「住宅ローンが借りられない」可能性が高いだけではなく、もし現金を用意するなどしてその物件の購入はできたとしても、将来的にその物件を売却しようとした場合、そのときの買主も住宅ローンを利用しづらいために、売れない物件になってしまう可能性もあるのです。建築確認、建築許可を取っていない物件Rina / PIXTA(ピクスタ)その建物が建ぺい率、容積率オーバーをしていなくても、まだ安心ではありません。そもそも建築確認や建築許可等を取らずに建設された建物も存在するのです。すってぃ / PIXTA(ピクスタ)例えば、原則として建築行為等ができない市街化調整区域に無許可で建てられた建物や、市街化区域であっても何らかの事情で建築確認を受けずに建築された建物がこれにあたります。これらの不動産も金融機関からの融資が難しいうえに、場合によっては行政から建物の除却(取り壊し)を求められる場合がありますので十分ご注意を!■ 買ってはいけない物件その2.「再建築不可」無道路地、接道要件を満たしていない物件TATSU / PIXTA(ピクスタ)建築基準法では建物が建てられる土地の要件として、4m若しくは6m以上の道路(若しくはこれに代わる広い空地)に2m以上接していることが必要とされています(建築基準法第43条、42条)。この要件を満たしていない敷地に建っている建物は再建築(建替え)することができません。この、再建築ができない物件も金融機関から融資を受けることが難しい物件となります。実は不動産市場では一般的に、その「価格の安さ」から再建築不可の物件は多くの場合に買い手がつきます。しかし、住宅ローンが使えないこと、火災や地震などで建物がなくなってしまった場合は建て替えができないこと、将来的に売却する場合は価格が安くなることなど、再建築不可の物件を購入することは、数多くの「将来的な不利益」を背負うことになるのもお忘れなく!特別な許可で建てられた物件kazu / PIXTA(ピクスタ)上記以外にも、再建築が不可または著しく制限される物件があります。代表的なものは、市街化調整区域内で建てられた建物のうち、それが特別な許可を得て建てられたもの(農家分家住宅、用途限定の建物など)だった場合です。そのような建物は、売買そのものが制限されたり、建て替えや用途変更ができなかったりする場合があります。市街化調整区域内にある物件を検討する場合は、物件を紹介してくれた不動産業者にその内容をしっかり確認するとともに、所轄の市区町村役所に「建て替え、売買、用途変更」が可能かどうかを直接確認するなど、制限の詳細をしっかり把握してから購入するかどうかの意思決定をするようにしましょう。HAKU / PIXTA(ピクスタ)買ってはいけない物件が「自宅の隣地」だったり、「立地の希少性」や「低価格」などに魅力を感じ、将来的な不利益を知ったうえで購入を決める場合もあると思いますが、その場合は十分にその内容を認識・把握したうえで取引に臨みましょう!※備考建ぺい率・容積率オーバーの物件や、再建築不可の物件であっても、その内容によっては融資を行う金融機関もありますので、ケースに合わせて不動産業者や金融機関にご相談ください。
2018年07月29日大規模な霊園から、住宅地のなかにひっそりと佇む小さな墓所まで、お墓の種類はさまざまです。お墓の近くの物件を紹介されたりしたら、どうしますか?「大切な人を供養するところ」、「特になんとも思わない」、一方で「なんだか怖い…」などイメージがあると思います。今回は、墓地近隣物件の相場や立地状況を把握することで、お墓の近くに住むメリットをご紹介します。■ 近隣相場より若干安く価格設定する場合があるmonjiro / PIXTA(ピクスタ)賃貸・売買にかかわらず物件探しをしていると、その隣やすぐ目の前にお墓がある建物や土地を紹介されることがあります。そんなとき、その物件を見学に行きますか?お墓がどうしてもイヤ、という人は仕方ありませんが、もしそうでないならぜひ見学することをオススメします。賃貸物件はもちろん特に売買物件は、隣地がお墓だったり視界にお墓が入ったりする物件であれば、その価格を近隣相場より若干安く設定する場合があるのです。立地や利便性がとてもよく、価格が割安になるのであれば検討してみる価値があるかもしれません。■ お墓の近くに住むのは本当は怖くない?PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)お墓と聞くとネガティブなイメージばかりが先行してしまいますが、一度、先入観を捨ててお墓とは何かを考えてみてください。お墓は亡くなられた方を埋葬し供養する場所であるとともに、残された人の「心のよりどころ」となる場所でもあります。亡くなった方のご家族・ご子孫の方からみれば、お墓はこれまでの感謝や現在の報告をしに行く尊い場所であり、決して怖い場所などではないのです。■ 屋敷墓って何?irohana / PIXTA(ピクスタ)たくさんのお墓が立ち並ぶ墓地や霊園ではなく、住宅地の中で墓石が一基や二基ほどの小規模なお墓を見かけることがありませんか?住宅地の中には、このような小規模なお墓が多いエリアと少ないエリアがあります。お墓が少ないエリアは、そのほとんどが区画整理や宅地開発によって新たに生まれた住宅地です。逆にお墓が多いエリアとは、古くから人が住み、敷地が広い家が多くみられる地域で、その広い敷地のなかや付近の田畑、山林に亡くなった方を埋葬し、そこを墓地とする「屋敷墓(屋敷墓地)」といわれるお墓が数多く残る地域です。ABC / PIXTA(ピクスタ)屋敷墓の周辺やその屋敷自体がさまざまな事情で宅地開発されると、住宅地のなかにポツンとお墓が残ることになるのです。首都圏でも郊外ではこのような場所はたくさんあり、このようなお墓の隣接地が売りに出たり、賃貸アパートなどが建てられるケースも数多くあります。■ お墓の近くに住むメリットHAKU / PIXTA(ピクスタ)お墓が隣接していることで得られる大きなメリットは、その場所に建物が建たないことです。建物が建たないということはそのスペース分の日当たり、眺望、通風が保たれることを意味しています。例えば、宅地を選ぶときに人気が高いのは日当たりが良い「南道路に面した土地」ですが、当然、北道路に面した土地よりもその価格は高くなります。しかし、たとえ北道路に面した土地であっても、その南側がお墓なら日当たりが十分に確保できるので、日当たりだけのために高額な南道路に面した土地を購入しなくて済むのです。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)実際の不動産マーケットでも、お墓が隣接している土地で日当たりが良く、さらに市場相場よりもその価格が安めに設定されている物件は、売り手側が想定しているよりも早く売却が決まる場合が多いのです。ネガティブなイメージをもってしまうお墓の近くの物件ですが、見方を少し変えれば、魅力的な住まいを安価で手に入れることができるケースもあるのです。
2018年06月23日5月29日、不動産賃貸業者のレオパレス21が施工を担当した物件について「建築基準法に違反している物件があった」と発表。利用する借主・貸主に衝撃が走りました。同社によると界壁と呼ばれる部材が未設置または基準を下回る長さの物件があったとのことで、発表時点で290棟のうち、38棟で界壁がないなどの不備があったと報じられています。 ■「界壁」は防音にも影響がこの「界壁」は、火災時の延焼防止などの観点から建築基準法で屋根裏まで設置するよう義務付けられているもの。また、防音性能にも影響を及ぼすと考えられています。物件の居住者にとって生活音の漏れは気になるもので、人によっては気を取られ、精神に異常をきたしてしまうことも。大抵不動産会社は「音に問題がある」とはいいませんので、そんな物件に入居するハメになれば、「騙された」と思ってしまうことでしょう。今回の界壁不正物件に居住し、騒音に悩まされていた場合、レオパレス側に損害賠償などを請求したくなるもの。そのようなことは可能なのか、星野・長塚・木川法律事務所の星野宏明弁護士にお話を伺いました。 ■損害賠償を請求することはできる?星野弁護士:「行政法規である建築基準法に違反しても、ただちに民法上の不法行為に基づく慰謝料が発生するとはいえません。建築基準法に違反したことと、壁が薄くなり騒音が発生したこと、さらに騒音が受忍限度を超える結果にまで至っている場合には慰謝料が発生する可能性はあります。ただし、生活騒音自体は基本的に建築基準法違反があってもなくてもある程度は発生するものであり、レオパレス物件の性質上ある程度の騒音は予想可能でその上で入居しているので、建築基準法違反と受忍限度を超える生活騒音を招いた結果の法的な因果関係が証拠上認められるか、がポイントとなると思います。建築基準法違反による慰謝料を請求できる可能性はありますが、実際の裁判では難しい立証が求められます。」 限度を超える騒音に悩まされていることが立証される場合は慰謝料請求は可能ですが、難しい立証を求められる可能性が高いとのこと。実際のところ請求するか否かは個人の判断ですが、訴えを起こしたい場合は「立証」できるような証拠集めから始めたほうが良さそうですね。*取材協力弁護士:星野宏明(星野・長塚・木川法律事務所(旧星野法律事務所)。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)レオパレス21の違法建築問題…不備物件での騒音に対して損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。レオパレス21の違法建築問題…不備物件での騒音に対して損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月14日2016年5月、宅地建物取引業法改正案が国会にて成立しました。これにより、2018年4月から中古住宅取引の際に「ホームインスペクション」(住宅診断)の説明が義務化されることになりました。中古住宅の購入前には絶対にオススメしたいホームインスペクションについて、ご紹介いたします。■ ホームインスペクションって、そもそもなに?ホームインスペクションとは、住宅に精通した「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士が、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所などを見きわめ、わかりやすくレポートにまとめてアドバイスを行なう業務のことを言います。TATSU / PIXTA(ピクスタ)屋根裏・天井裏や壁の中などの確認できない箇所や部位などもありますが、目視により劣化状況・欠陥確認そしてその推測を行なう事もできます。kpw / PIXTA(ピクスタ)わかりやすく説明すると、今までは当然知る必要があるのに、専門的な知識が少ない購入者では知りえなかった住宅の情報を購入前に知ることができる、ということなんです。中古マンションや中古の一戸建てを購入することを躊躇していた方も、建物のコンディションを知ることでより安心して中古住宅を購入することができます。リスクを払拭できない箇所はどうしても存在しますが、確認できる範囲で建物のコンディションを把握したり、推測することができるので、売買の判断材料にしたり、リスクを減らして取引を行うことができます。アメリカでは1990年代から始まり、今では全米で8割の人が中古住宅を購入前にこのインスペクションを行なっています。georgemphoto / PIXTA(ピクスタ)これにより、中古住宅の不透明性が払拭され、コストメリットが高い中古住宅という選択をする人が増え、中古住宅の流通量は倍増しました。日本も近い将来同じことが起こると推測されます。ここまでで、ホームインスペクションの大切さは理解してもらえたと思います。■ 延床面積125平米程度で5~6万円前後が一般的な価格!ではいったいホームインスペクションいくらくらいかかるのでしょうか。また、どこに依頼すれば良いのでしょうか。mits / PIXTA(ピクスタ)価格は、木造2階建延床面積125平米程度で5~6万円前後が一般的です。機材を使用して耐震診断を含む詳細診断をする場合、10万円以上かかる場合もあります。注意しなければならないのは、業者によっては上記価格より明らかに安い場合があります。TATSU / PIXTA(ピクスタ)中には調査箇所が少ない業者もいたり、親身に調査してくれない場合もあります。高い買い物ですが、それで安心の目安がわかるのなら上記価格は安価と考えましょう。次は、誰がどうやって行うかです。やはりインスペクションは経験値の高い建築士に依頼することが大切だと考えます。そして躯体(建物の骨組)は、建物を形成する上でとっても大切な部位であり、そこの専門家によるインスペクションが大切だと考えます。また、本当に住まい手の事を考えて相談できる建築設計事務所をオススメします。【参考】※国交省安心R住宅【取材協力】※フォルテック一級建築士事務所
2018年06月14日家を買うなら新築?それとも中古?現在の東京近郊の中古マンションの相場はどうなっているのでしょうか。不動産・住宅サイト「SUUMO(スーモ)」が、「新宿駅から30分圏内!中古マンション価格相場が安い駅ランキング<DINKS編>」を発表!調査で分かった、中古マンションのお買い得エリアをご紹介します!■ 通勤ストレスが少ない距離に住みたいなら中古マンション!“新築”に特にこだわりがなければ、中古マンションはとてもお買い得な物件です。リフォームやリノベーション次第で、既存の良さをあえて取り入れて自分らしくアレンジしたり、壁を取り払って広々としたLDKを実現させたり、大きくイメージを変えることができます。また、中古だと新築より物件価格を抑えられるので、その分、条件のよいエリアを選ぶことができます。「SUUMO(スーモ)」は、「新宿駅まで30分圏内」「駅徒歩15分圏内」「専有面積40平米以上~70平米未満」の条件で、中古マンションの物件相場を調査。ponta2012 / PIXTA(ピクスタ)1位は神奈川県川崎市の小田急小田原線・読売ランド前駅(価格相場1,980万円)、2位も同じく川崎市で京王相模原線・京王稲田堤駅(価格相場2,170万円)、3位は埼玉県さいたま市のJR埼京線・与野本町駅(価格相場2,180万円)という結果となりました。1位の読売ランド前駅は、中古マンションの価格相場が安いというだけでなく、近くに「よみうりランド」があり、子育て世帯にはうれしい環境です。日本女子大学のキャンパスも近いので、女の子がいる家庭では、将来の大学進学も視野に入れて物件選びができそうです。2位の京王稲田堤駅は、400mくらい離れた場所にJR南武線の稲田堤駅もあり、とっても便利。3位の与野本町駅は、近くにバイパスもあり車で移動しやすい点が魅力です。バラで有名な与野公園もあり、ピクニックも楽しめます。■ ランンキング6位の町は新宿駅まで最短23分!sunny / PIXTA(ピクスタ)ランキングの中で、もっとも早く新宿駅まで行けるのが、6位のJR埼京線・戸田駅で、所要時間は23分です。価格相場は2,280万円。1位の読売ランド前駅の1,980万円と比較すると、相場は300万円ほど高くなります。ただ、JR埼京線・戸田駅は行き先が複数あって、池袋駅や、新宿駅経由で渋谷駅、大井町駅にも乗り換えなし1本で行くことが可能です。300万円は大きな差ですが、長く住むことを考えると、交通アクセスという点では十分なメリットがありそうです。PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)いずれの町にもそれぞれの特色や魅力があります。夫婦のみ、子どもあり、二世帯……と家族構成もさまざま。飲食店が多い、学校が近い、ショッピングが充実している、自然が豊か、治安が良い、などご家庭ごとの優先順位やライフスタイルと照らし合わせながら、じっくりと、ベストな物件を探してみてくださいね!【参考】※ 1位は神奈川のあの街!新宿駅まで30分圏内の駅を調査!中古マンション価格相場が安い駅ランキング<DINKS編>
2018年06月06日トレードオフ(Trade-off)という言葉をご存じですか?経済学用語で「一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない状態・関係」の意味。もともとはイギリスの経済学者が指摘した「失業率と物価の関係」から生まれた言葉で、失業率を抑えると(景気が回復して)物価が上昇し、物価を抑えると(景気が冷え込んで)失業率が上昇する……という状態や関係を表しています。分かりやすくいえば、「あちらを立てれば、こちらが立たぬ」ということですね。sunny / PIXTA(ピクスタ)■ 住宅の性能にもある「トレードオフ」の関係!快適で安全な住まいを求めるのは、誰しも同じです。しかし耐震性や耐久性、断熱性や気密性、耐火性や防火性、防音性や遮音性、さらにバリアフリーなどの「快適性・安全性」や家族の安全を守る「防犯性」などといった性能や機能を、すべて追求することは不可能です。また、それらの性能や機能を追求することはコストアップにつながり、現実的ではありません。OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)例えば、採光性や通風性を高めるために、あるいはリビングから庭を眺めるために、大きな窓を希望する人も多いことでしょう。しかし窓を大きくするということは、多くの熱量が窓ガラスやサッシから家の外へ放出されることを意味し、経済的ではありません。また大きな窓は、家の中が丸見えになるというプライバシーの侵害や防犯性の意味でもリスクが高まります。Graphs / PIXTA(ピクスタ)さらに、にぎやかな土地に建てられた家の場合は、防音性や遮音性といったリスクがつきまといます。このように、「採光性や通風性を追求すると、断熱性や防犯性、防音性や遮音性を犠牲にせざるを得ない」ことになり、これを住宅性能の「トレードオフ」といいます。■ 暮らしやすさと機能性のバランスを取るのは難しいもう1つ例をあげましょう。北欧風の住宅を希望してメインの開口部(掃き出し窓のこと)に三重ガラス窓を採用した場合は、断熱性や気密性、防犯性や防音性などは高まりますが、窓ガラス自体が重いことから、操作性や通風性などが損なわれる可能性があります。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)また小さなお子さんやペットにしてみれば、ここから出入りすることは不可能のため、とても暮らしにくい家になることでしょう。さらに例を1つ。繁華街に近い住宅地や犯罪が多い地域では、防犯ガラス窓を採用したり、窓や玄関ドアなどに二重~三重の鍵を設けるケースが多いようです。これを「ワンドア・ツーロック」あるいは「ワンドア・スリーロック」などといいます。しかしその結果、快適性や利便性、さらに高齢者やクルマ椅子を利用する人にとって暮らしにくいなどのバリアフリーの性能を低下させることにもなりかねません。hinooto / PIXTA(ピクスタ)以上のような例を見ていくと、すべての住宅性能を高めることは不可能であることがわかります。つまり、家を建てようとする立地条件や環境、さらに家族の構成(特に小さな子どもや高齢者など)を考慮しながら、どの性能を高めていくか、逆にどの性能は標準レベルでいいのかを決める必要があるのです。■ 国土交通省が認めた、悪しき「トレードオフ・ルール」とは?新しい住宅省エネ基準(平成25年基準)の施行に伴い、平成27年(2015年)3月31日で旧住宅省エネ基準(平成11年基準)が完全に廃止されました。ここで注目したいのが、旧住宅省エネ基準(次世代省エネルギー基準)に盛り込まれていた「トレードオフ・ルール」のことです。Good morning / PIXTA(ピクスタ)例えば、小屋裏収納やロフトのある家を建てる場合、あるいは傾斜天井や勾配天井などを採用した家を建てる場合、天井内の空間がほとんど取れず、厚い断熱材を入れることはできませんでした。そこで国土交通省では、一部で薄くしか入れられなかった断熱材(充填断熱)を他の部分で埋め合わせをして、住宅全体のQ値(熱の損失度合い)をクリアすれば、次世代省エネルギー基準を満たした住宅であることを認めようという、「トレードオフのルール」を便宜的に採用したのです。■ 数字のマジックにご用心!具体的に見ていくことにしましょう。次世代省エネルギー基準では「天井の断熱材の厚さは200ミリメートル以上、窓はペアガラスで空気層の厚さは6ミリメートル以上、外壁は110ミリメートル以上」などという規定がありました。ZEAL / PIXTA(ピクスタ)しかし、トレードオフのルールを利用すると、「窓のペアガラスの性能を高め、空気層の厚さを12ミリメートル以上にすれば、天井の断熱材は半分の100ミリメートルでも良い」ということなります。その結果、悲しい運命が新居のオーナー家族を待ち受けていました。つまり、お金をかけて次世代省エネルギー基準の快適なマイホームを建てたはずだったのに、実際に暮らし始めてみると、(天井の断熱材が規定の半分しかないことから)屋根や天井内にこもった熱で、家の中がちっとも涼しくならない。GooDween / PIXTA(ピクスタ)逆に冬は、天井や屋根から熱が放出され、暖房があまり効かないことに気づかされたのです。このように、数字のマジックで建物全体のQ値は変わらなくても、実際はまったく快適ではない住宅が「次世代省エネルギー基準の適合物件」として、少なからず誕生しました。そしてその要因の1つにあげられるのが、国技交通省が認めたトレードオフのルールだといえるでしょう。新しい住宅省エネ基準の施行によって、トレードオフのルールはなくなりました。netanker / PIXTA(ピクスタ)しかし、旧住宅省エネ基準で建てられた中古住宅を購入しようとする場合は、天井や屋根に充填された断熱材の厚さにも注意する必要があります。特に、平成11年(1999年)から平成27年(2015年)3月31日までに建てられた小屋裏収納やロフトのある一戸建て住宅をはじめとして、勾配天井や吹き抜けのある一戸建て住宅、さらに三階建て住宅などを購入する場合は、念入りに確認する必要があるでしょう。
2018年05月12日中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。2016年の首都圏では、新築マンションの供給戸数より中古マンションの成約戸数が多くなりました。人気のリノベーションですが、無知なまま中古住宅を購入すると、あとで痛い目に合うことも……。今回は、リノベーション向き「優良中古物件の見分け方」についてのお話しです。ABC / PIXTA(ピクスタ)■ まずは知っておきたい!リノベーションの基礎知識リノベーション向きの中古住宅をえらぶ前に、リノベーションの基礎知識をおさえておきましょう。freeangle / PIXTA(ピクスタ)リノベーションの費用の相場中古住宅を買って、リフォーム・リノベーションする場合、その費用の相場はどのくらいでしょうか?構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。この金額に、中古住宅の購入資金が加算されるわけです。ですから、適正な中古住宅を慎重に選ばないと、新築住宅より高くなってしまうことがあります。物件によっては、工事の内容に制約がある大手ハウスメーカーの住宅は、工法によってはリノベーションが難しい場合も。もし、大手ハウスメーカーの住宅を購入してリノベーションをしたいときは、一般的な工務店で対応するのが難しい場合も。そのハウスメーカーにリノベーションを依頼するのが無難ですが、費用は割高になるかもしれません。リノベーションにも補助金・減税制度がある新築には、すまい給付金や長期優良住宅減税など、さまざまな減税や補助金制度がありますが、リノベーションにも、多くの補助金や減税制度があります。補助金や減税制度には、それぞれ適用条件がありますので、お住まいの自治体などで必ずチェックしましょう。KY / PIXTA(ピクスタ)■ リノベーション向き「中古戸建て」のポイントでは、どのような中古の戸建てがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。HIME&HINA / PIXTA(ピクスタ)敷地は、幅4m以上の道路に2m以上接していること「再建築不可」という格安の中古住宅、よく見かけませんか?住宅の敷地が、接道条件を満たしていないため、その敷地には新しく家を新築することができないというものです。接道条件とは、住宅の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけないという都市計画地域に制定された建築基準法の制約です。リノベーションは新築ではないため、道路に敷地が接していなくても工事を行うことは可能です。しかし道路に接していないということは、工事もしづらく、工事費もかさみます。給排水の配管なども、他人の敷地を通っている場合も多く、工事に隣家の許可が必要などのトラブルも発生します。また、地震時や火災時の消火活動も消防車や救急車が入れなく、避難・救助にも支障がでます。極楽蜻蛉 / PIXTA(ピクスタ)軟弱地盤はぜったいNG!建物の乗る敷地の地盤は、最も大切です。新築であれば、地盤を強く改良する工事ができますが、リノベーションの場合は地盤を改良することができません。建物をいくら耐震補強しても、地盤が軟弱であれば、地震の力で建物は壊れます。Renoir / PIXTA(ピクスタ)周辺環境や防犯性の良さ線路や幹線道路などに住宅が面している場合、交通騒音や排気ガスなどの影響が大きくなります。健康被害が出るようなものかどうか、隣家や周囲の人に聞くなどして判断しましょう。また、周辺に荒らされた空き地や空き家などがあると、犯罪の危険性が高くなります。周辺環境や防犯性の良さが確保されている地域がオススメです。■ リノベーション向き「中古マンション」のポイント次は、どのような中古のマンションがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。ABC / PIXTA(ピクスタ)定期的に大規模修繕・補修がされているマンションは、規模も大きいことから、建物の修繕や補修などの管理が大切になります。一般的に新築から12年程度の周期で、防水工事・外壁塗装・鉄部塗装などの大規模修繕が行われます。これらの工事がきちんと行われているかは、大規模修繕記録などで確認します。仲介業者に入手してもらいましょう。チンク / PIXTA(ピクスタ)修繕積立金や管理費の滞納がないことマンションに住むためには、共用部分やエレベーター設備などの管理費や、大規模修繕のための積立金を納める必要があります。しかし、マンションの所有者の中には、この管理費や修繕積立金を滞納している人がいます。その滞納があまりに多くなると、管理に支障がでるだけでなく修繕積立金不足から、建物の十分な修繕ができなくなります。修繕積立金や管理費の滞納状況は、マンションの管理組合が管理しています。仲介業者に、閲覧または入手をお願いしましょう。YNS / PIXTA(ピクスタ)ごみ置き場、自転車置き場、メールボックスなどがきちんと清掃、整頓されているごみ置き場・自転車置き場・メールボックスなどは、マンションの管理状態がわかるだけでなく、マンション住人のマナーの良しあしもわかる場所です。きちんと仕分けしてごみが出されている・メールが郵便受けからあふれていないなど、清掃・整頓状況を確認しましょう。いかがでしたか?リノベーション向き中古物件を選ぶためには、このようにたくさんの注意ポイントがあります。あせらず、細心の注意を払って、良い物件を選んでくださいね。(しかまのりこ)
2018年04月29日「マンションは管理を買え」とよく言われますよね。中古マンションの場合、実際にどこを見れば管理が行き届いているかどうか、わかるのでしょうか?管理状態を素人が正確に判断するのは容易なことではありません。今回は、内見する際に、最低限これだけは確認しておきたいポイントを3つご紹介します。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)■ 1.エントランスやごみ置き場だけじゃない。必ず見てほしいのはココ!kunio / PIXTA(ピクスタ)みなさんは中古マンションを内見しに行くとき、どんなところを見ていますか?もちろん、自分が購入する予定の部屋、つまり専有部をじっくり見たいですよね。それはもちろん大切ですが、「共用部」をよく見ないで中古マンション購入を決めるのは、結構怖いことなんです。というのも、マンションは管理が命!管理が行き届いたマンションかどうかを見分けるには、共用部をチェックするのが一番だからです。共用部でチェックしたいのは、まず外観これなら内見に行った日に見て回ることができます。以下に、見るべき場所とその見方をまとめます。HHImages / PIXTA(ピクスタ)建物の外観……パッと見てきれいか、目立つひび割れなどはないか、ベランダに植木鉢などが乱雑に置いてある部屋はないかエントランス……清掃が行き届いているか、自転車などが乱雑に置かれていないかごみ置き場……周囲やごみを入れる箱などが汚れていないか、分別ルールはしっかりしているか自転車置き場……区画がしっかり分けられているか、ゴチャゴチャしていないか駐車場……平置きか機械式か、清掃が行き届いているか(機械式駐車場だとメンテナンスにお金がかかるので、当然管理費が高くなります)以上をチェックすることで、管理組合の体制がしっかりしているかはある程度はわかります。これらが及第点以上ならば、管理組合のルールづくりがしっかりしていて、居住者のマナーも良いと思われます。YNS / PIXTA(ピクスタ)ぜひしっかり見ていただきたいのは「植栽」築年数が古くても植栽がとてもきれいなマンションがありますが、それは管理組合がしっかりしているマンションだと思って良いと思います。中には居住者でグリーンクラブをつくって玄関前の花壇を管理している、という管理組合もありました。資産価値を上げながら、マンション暮らしを楽しんでいる様子がうかがえますね。■ 2.豪華な共用施設よりもまずチェックしたいのは「掲示板」!廣冨豪 / PIXTA(ピクスタ)共用部といえば、つい気になってしまうのが豪華な共用施設や24時間ごみ出しOKなどの「便利なサービス」のこと。それらのチェックももちろん必要ですが、大事なのはそれがどのように使われているか、そのサービスが本当にきちんと機能しているか、です。ただあればOKというわけではない、ということです。サービスが機能しているか否かが、そのマンションの良し悪しを決めるといってもいいでしょう。ABC / PIXTA(ピクスタ)マンション内に入ったら、地味ですが、ぜひ見ておきたい場所があります。エントランスホール……清潔に保たれているか、(出前の皿など)余計なものは置かれていないかエレベーター……内部のシートはよく掃除されているか、シートがはがれたままになっていないか廊下、階段……清潔で廊下に物が雑然と置かれていないか、ひび割れやシートの剥がれなどがないか(共用廊下に物を置くことは消防法で禁止されています)共用施設……よく利用されている様子か、きれいに使われているかNon+i / PIXTA(ピクスタ)もうひとつ、ぜひ見ておいてほしいものは「掲示板」掲示板にはマンションのコミュニティの様子がよく表れるものです。コミュニティ活動を盛んに行っているマンションの掲示板は、サークルやお祭りなどの情報がたっぷりと掲示してあります。マンション管理の土台はコミュニティにあり。にぎやかな掲示板は、「管理の良いマンション」の指標のひとつです。■ 3.管理人、すれ違う居住者…チェックポイントは「笑顔で挨拶」piyopiyo / PIXTA(ピクスタ)最後に「人」にも注目してみましょう。マンションの「人」とは、つまり管理人さんや居住者です。私が過去に内見や取材で訪れたことのある、管理組合の体制がしっかりしていて管理が行き届いているマンションでは、感じのいい人とばかり出会いました。管理人さんは声をかけてくれましたし、居住者とすれ違うと必ず素敵な笑顔で挨拶をしてくれるのです。敷地内で迷っていたら道を教えてくれて、頼んでいないのに自慢の共用施設を案内してくれた人もいました。【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)居住者同士も笑顔で挨拶を交わしていました。反対に、ものすごく愛想の悪い管理人さんや、挨拶をしているのに無視をする居住者がいるマンションがたまにあります。正直、それはあまりいい気持ちのするものではありません。「ここには住みたくない」と思わせ、自ら資産価値を落としているといってもいいでしょう。いかがでしたか?中古マンションの管理状態を見抜くポイントは、「そのマンションが一生懸命管理している様子」がうかがえるかどうか、です。居住者間のコミュニティを大事にし、マンションの資産価値を上げるための努力が見えたら、それは「買い」のマンションといえるかもしれません。(written by 殿木真美子)
2018年04月26日中古住宅を購入する場合、売りに出ている中古住宅の中でも少しでも“いい物件”を買いたいと願うのは当然のことです。その“いい物件”の意味や基準は、人によって違うと思いますが、構造的な安心感は多くの人が求めるところでしょう。住宅のプロでない限り、なかなか見極めが難しい部分ですが「築年数」からある程度の安心度を読み取ることは可能です。今回は筆者が1993年頃から取材してきた、中古の木造戸建て住宅を対象にお話ししたいと思います。HAKU / PIXTA(ピクスタ)■ ポイントになる年数は1981年と2000年たった2つだけ!freeangle / PIXTA(ピクスタ)中古住宅は建築の詳細がわかりにくいケースが多のですが、築年数から、どのような建築基準法のもとで建てられたのかをある程度知ることができます。建築基準法は何度も改正が行われていますが、木造の戸建て住宅ならば、まず「1981年(昭和56年)」がポイントになります。耐震性に関わる基準について、大きな見直しが行われた年だからです。ただし、1981年に建てられたものでも、改正前に建築確認申請を出している可能性もありますので注意してください。そして、さらに耐震性を向上させる内容へと改正されたのが、「2000年(平成12年)」になります。最初のポイントである1981年以降に建てられた住宅でも、2000年の改正以前に建築されている場合は、耐震性を高める補強などを検討したいものです。■ 「バブル期」の建物に要注意!cba / PIXTA(ピクスタ)特に1980年代後半~1995年頃の建物には、少し注意したいと筆者は思っています。この時期の前半に当てはまるのが、バブル期です。バブル期に建てられた住宅は、使う材料にもこだわって丁寧に建てられたものが多くあります。その一方で、「今こそ、マイホームを!」と住宅の着工件数が増えるなか、より多くの儲けを出そうとする業者も現れます。儲けを増やすために安価な材料を使い、さらに工期を短くして件数を稼ぐという方法が取られたケースもあるようです。工期が短くなれば当然手抜きが増え、いわゆる“欠陥住宅”が量産された可能性もあるのです。当時の業界内には、長く安心して住める住宅をつくるよりも「住宅をどんどん消費してもらったほうがいい」という空気があったように感じます。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)筆者は、バブル崩壊後の1993年に建築された一戸建てに住んでいたことがあります。取材でご一緒した建築士さんに自宅の建築年を言う機会があると「それは、お気の毒に」という声が聞こえんばかりのリアクションをよくされたものです。「あの時期の住宅は、マズかったね~」と、はっきり言われたこともあります。バブル崩壊直後に住宅の着工数が減り、経営が苦しくなった建築業者はやはり、安価な材料+工期短縮の傾向があったのではないかと筆者は推測します。■ 住宅の耐震性や構造への意識が高まった「阪神・淡路大震災」一本木 / PIXTAそして、1995年、阪神・淡路大震災が起きます。大きな住宅被害を目の当たりにして人々の間で耐震性や構造への関心が高まり、テレビのワイドショーでも「筋交い」「耐力壁」といった言葉を耳にするようになります。それまでは「業者にお任せ」「わからない」と思っていた住宅について、多くの人が疑問を持ち始め「うちは大丈夫なのかな?」という意識が生まれました。さわだゆたか / PIXTAその意識が住宅の不具合をあぶり出し、欠陥住宅について取り上げるテレビ番組なども増え、またインターネットの普及もあり、住宅に関する意識はより高くなってきています。その結果、「素人にはわかるまい」と思っていた建築業者は、襟を正すことになりました。一概には言えませんが、バブル期からこの時期までに建てられた中古住宅については、より注意が必要だと筆者は思っています。住宅のプロに診断をお願いするのも有効ですが、物件を探す際は、まず築年数で時代背景を読むことをオススメします。(written by いけだちよみ)
2018年04月16日中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。好きな建材や住宅設備を使って、自分好みの空間をつくれる人気のリノベーションですが、無知なままリノベーションをおこなうと、あとで痛い目に合うことも。中古住宅を買ってリノベーションする前に確認しておきたい6つの重要ポイントについてのお話ししたいと思います。naka / PIXTA(ピクスタ)■ 1.「リフォームかし保険」はついている?リノベーションには、雨漏りや変形などのリスクはつきものです。住宅トラブルの相談・住宅紛争処理 への支援などを行っている公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、財団によせられた2016年のリフォーム相談件数は6757件。そのトラブルの内容は雨漏りや変形、漏水やひび割れなど多岐にわたります。《戸建て住宅のリフォームトラブル》《マンションのリフォームトラブル》「リフォームかし保険」は、リフォームやリノベーションなどの工事によって雨漏りや変形などのトラブルが起きた場合に、修繕費用を補償してもらえる保険です。建築士による検査もついているのもメリット。トラブルに備えて、工事をおこなう前に、リフォームかし保険をつけることをおすすめします。■ 2.断熱・耐震など、建物の性能をアップさせる内容は含まれている?リノベーションをするときは、多くの場合、壁や窓なども取り壊し、柱や梁などの骨組みだけの状態にしてから、新しい住まいをつくっていきます。その際、間取りや収納などにこだわる人は多いのですが、断熱や耐震など、建物の性能にこだわる人はあまりいません。しかし地震なから生命を守るためには、建物の耐震性は最も重要です。milestone.tyo_01 / PIXTA(ピクスタ)また建物を断熱化すると温度変化が少なくなるため、血圧が安定します。断熱により、血圧が2.8mmHg下がるというデータが、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会から発表されています。季節にかかわらず、室温を18~21℃に安定させるためにも、屋根や壁・窓や床の断熱工事を検討することをおすすめします。■ 3.24時間換気はついている?24時間換気とは、家の空気をまるごと交換するよう設計されている換気システムのことです。この24時間換気、結露はもちろん、カビやダニなどの繁殖や、家具や衣類から放出される化学物質も取り除いてくれます。Chaay_Tee / PIXTA(ピクスタ)とくに小さいお子様がいるご家庭や、アレルギー体質の方、ペットを飼っている家にはなくてはならない設備です。平成15年7月から24時間換気の設置が義務付けられましたので、それ以前に建築された住宅には設置されていません。■ 4.間取りは希望通りに変えられる?リノベーションの際、とても多い希望が「2つの部屋をつなげて、1つの広い部屋にしたい」というものです。しかし、部屋をつなげる際に、障害となる柱や壁・天井からの梁が、構造的に除去できない場合があります。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)その場合は、壁や柱・梁を残しながらの部屋になりますので、理想としていた空間にはなりません。また、リノベーションは多くの場合、行政がチェックを行う確認申請が要りません。そのため、建築士でない業者もリノベーションをおこなうことができるため、構造的に大切な柱や壁を除去したり、削ってしまうことがあります。理想の間取りに変更できる物件か、建築士が設計を行う業者かなど、事前確認は大切です。■ 5.管理規約や、戸建ての建築協定などの内容は把握している?購入したい物件が、マンションの場合はマンション管理組合の規約による制限があります。規約の内容は、管理組合により様々ですが、多いものに、各戸で増設できる「電気容量(アンペア)」と「給湯器の大きさ」に関するものがあります。ふくいのりすけ / PIXTA(ピクスタ)例えば、キッチンをIHクッキングヒーターにしたり、電気圧力鍋・ティファールなどの電気ケトルなども使いたい場合は、電気の最大アンペア数を変更します。しかし、規約で、最大アンペアが50アンペアと定められている場合は、60アンペアのブレーカーは契約できません。また、戸建ての場合は、住む市町村に建築協定・地区条令などが設けられている場合があります。建築協定とは街並みや環境を守るために、地域住民が自ら決めた規約のことです。壁の色・塀の種類・高さや、用途など様々な規約による制限があり、守らなくてはいけません。Yp111 / PIXTA(ピクスタ)例えば、自宅でカフェやネイルサロンなどの店舗を開こうとした場合、建築協定により、出店が制約されている場合があります。その場合は、当然ながら店舗を開くことはできません。■ 6.リノベーション費用は妥当?リノベーション費用の相場は、構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。見積書を確認するときは、希望する住宅設備や建材が含まれているか?不要な工事は含まれていないか?などを確認してください。YNS / PIXTA(ピクスタ)とくにユニットバスやエコキュート(高効率給湯器)などの住宅設備は、値段を大きく作用します。また、同じ図面・同じ仕様で、ほかのリノベーション業者に見積もりを取ることも、費用の妥当性を確認する点でお勧めです。見積書の理解が難しく、リノベーション費用の妥当性を確認できないときは、専門家に診断してもらうこともできます。公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、専門家による「リフォーム見積チェックサービス」を無料で行っています。いかがでしたか?リノベーション済物件を購入される場合は、これらの事前確認ポイントがクリアされているか、チェックしてくださいね。(しかまのりこ)【参考】※リフォームかし保険※ 住宅相談統計年報2017※改正建築基準法に基づくシックハウス対策※建築協定※リフォーム見積チェックサービス
2018年04月10日新生活を迎えるにあたって、物件探しをしたことがある方も多いでしょう。でも、いざ物件内覧のとき「何となく嫌な感じがする」と感じた経験はありませんか?実はその感覚、間違っていないことがほとんどです。その感覚を無視して住んでしまうと、大変なことになる場合も……。そこで今回は、“悪い気が漂っている部屋の特徴”を占い師の脇田尚揮さんにご紹介いただきます。文・脇田尚揮■陽当たりが良いのに…?物件探しの時に、まず気にかけるべきは“陽当たりの良さ”ではなく“空気の湿り具合”だと言えます。“空気の湿り具合”から家の中に陰気がこもっているかどうかを判断するのです。部屋が陰気に満ちていると、すごく陽当たりが良いのに空気がジメジメし、植物がすぐに枯れてしまうといった不思議な現象が起こります。植物だけでなく、あなた自身のエネルギーもどんどん吸い取られてしまうため、注意が必要です。■特定の部屋に入ると“動物的な異臭”がする内覧をする際には嗅覚もフルに稼働させましょう。特に特定の部屋だけ、雨に濡れた動物が放っているような“ケモノ的な臭い”がしたときは要注意です。人間の嗅覚は動物と比べるとそこまで鋭くありませんが、直感的に危機を感じとることも。そんな物件は、動物霊が住みついていたり、事故物件であったりする可能性が高いと言えます。前に住んでいた方がなぜ引っ越したのか、仲介業者の方に確認するといいでしょう。■耳を澄ますと“パチン”“ツー”といった音がする物件に入った時に、耳をすませてみたことはありますか? もしもそこで“パチン”という破裂音や“ツー”という耳鳴りがしたら、そこに住むのは避けた方が無難です。これらの異常な音は“ラップ音”と呼ばれ、その部屋には霊的な何かが存在していたり、呪いがかけられていたりすることも。もしもそのような物件に住んでしまうと、見る見るうちに痩せこけたり、運気が下がっていったりするでしょう。■水は正直…泡立つと危険かもこれは最も簡単かつ効果的な調べ方だと言えます。まず、物件に着いたら、コップやペットボトルに水を入れて数分間放置しましょう。大きな気泡がいくつもできたり、サイダーの様にやたらと泡立つようなら、その物件は危険です。水はエネルギーや気の乱れを正直に反映するため、地場の気が悪いとすぐに反応するのです。そんな場所に住んでしまうと、片頭痛や貧血、神経衰弱に悩まされる可能性も。絶対に避けておきましょう。以上、悪い気が漂っている部屋の特徴と、その見つけ方をご紹介しました。あなたの住む部屋は、あなたの運気を良い方向にも悪い方向にも変えてくれます。物件探しの際には、立地や家賃などの条件に加えて自分の“第六感”も大切にしてみましょう。条件はバッチリだけど、“何となくイヤな感じ”がする場所は避けておきましょう。もし妥協して住んでしまった場合、長い間不運に悩まされるかもしれないのですから……。(C) Lario Tus /shutterstock(C) Kim Wutimet /shutterstock(C) Gullatawat Putchagarn /shutterstock(C) Daemys /shutterstock
2018年03月07日賃貸併用住宅は住宅ローンを利用しながら収益用物件を購入することができるので、一般的な投資用のローンを使って購入するアパート経営よりも金利が低い分、毎月のローン返済が少なくなるというメリットがあります。しかし賃貸併用住宅は建築費がかかるため、自分で新築から建てようとすると、初期費用が非常に高くなってしまいます。そんな時に考えたいのが中古の賃貸併用住宅の購入です。中古物件の賃貸併用住宅を購入することで、購入額を抑え、各種のリスクを減らせるでしょう。しかしなかなか市場には出てこない希少価値の高い物件でもあります。では中古の賃貸併用住宅物件は一体どのように探せばいいのでしょうか。(1)専門の収益物件サイトで探すまず最も手軽な方法として考えられるのは収益物件を多数掲載している専門サイトで探すことです。収益物件を専門として掲載しているサイトと、一般的な住宅情報サイトの何が違うかというと、収益性を表す数字である「利回り」が掲載されている点になります。利回りが掲載されている物件は、以前から賃貸物件とし運営されていたということです。物件の内装や設備に関しては、事務所向け、店舗向け、また普通の賃貸住宅としてのものなど様々ですが、中には入居者に貸し出すだけではなく所有者の自宅も兼ねている物件も掲載されています。こういった専門サイトであれば一般的な住宅情報サイトで検索するよりも手早く収益性のある物件を見つけられ、さらに利回を見ながら比較検討できます。(2)二世帯住宅を購入して改装する賃貸併用住宅は建築費がかかるためにどうしても絶対的な数が少ないです。そこで既存の一般的な物件を賃貸併用住宅として活用することを考えてみましょう。最も賃貸併用住宅に転用しやすいのは二世帯住宅です。二世帯住宅は一つの建物内に2つの世帯がそれぞれ生活できるように独立して造られています。玄関、風呂、キッチン、トイレなどの日常生活を送るために必要な設備が別個設けられているのです。そのため自宅として利用する部分と賃貸物件として利用する部分、それぞれ特に設備追加やリフォームなどを行うことがなく、そのまま別の世帯に貸し出せます。特に完全分離型式の二世帯住宅であれば購入して即座に貸し出すことができるでしょう。一方で二世帯住宅の中にも玄関を共有しているもの、風呂を共有しているもののなど、一部の設備を二つの世帯で共有しているものもあります。そういった物件の場合はリフォームをしないと建物内に別の世帯に住んでもらっても、自宅と完全に隔離できません。購入前にはきちんと他人が自分の同じ家の中に住むということを意識して、それぞれのプライバシーの確保に気を配るようにしましょう。(3)アパートを改装して、一部を自宅にする二世帯住宅の場合は普通のファミリー向け物件を改装して賃貸物件に転用する形式になりますが、逆に今度は賃貸物件であるアパートを一棟購入し、その一部を自宅として活用する方法を考えてみましょう。この場合既存の賃貸用の部屋は特にリフォームする必要もなく、スムーズに貸し出せます。例えば1階に4部屋。2階に4部屋の賃貸物件が入っている場合、1階の4部屋はそのまま貸し出し、2階部分は自宅として活用することになります。中古の一棟アパート物件は非常に数が多く市場に出ているため、賃貸併用住宅を探すよりも選択肢が豊富であり立地や価格帯など自分たちの条件にあったものを選べます。ただし自宅部分に関しては、不要なキッチンや風呂、壁などを取り除き大幅な間取り変更などリフォームが必要になります。そのためある程度の改装費用は用意しておかなければいけません。賃貸部分はそのまま貸し出せるのですぐに家賃収入を得られることもありますが、大幅なリフォームが必要な場合は下の住人に迷惑がかかります。そこでどの程度のリフォームを予算内でできるか、また物件内の住人に迷惑をかけずにリフォームが行えるのかなど、しっかりとチェックしてから物件を購入しましょう。さらに賃貸併用住宅で住宅ローンを使うには自宅部分が建物全体の面積の50%以上ではないといけません。家賃収入を増やすために賃貸物件部分を多く残しておきたいという人もいますが、自宅部分を建物面積の50%パーになるように、リフォームプランを練りましょう。賃貸併用物件はそれほど数が多くないために、自分の条件にマッチする物件がなかなか見つからない時もあります。そういった時は二世帯住宅や一棟アパートを賃貸併用住宅に転用するといった方法を考えてみましょう。そうすればぐっと選択肢の幅が広がります。
2018年03月04日三兄弟+夫婦の5人家族であるわが家、2017年末に引っ越しをしました。実は、事前準備も下調べもしないまま、思いつきで中古の戸建物件を購入。当時の住まいから直線距離わずか300mの超近距離移動となりました。ただただ、不動産屋さんに言われるままに突き進んだ家購入だったため「もっとこうしておけばよかった」と後悔したことも多々。そんなわが家のトホホ体験と、中古物件購入だからこそ落ち着いて見極めてほしい、チェックすべき3つのポイントをまとめました!■チェックポイントその1:売主居住中でもしっかりチェック!「家の中」購入したのは、築14年の中古物件。住みたいエリアと部屋数、家の広さ、車の停めやすさなどから、「この家だ!」という物件に出会い契約。内見も2度させてもらい、確認しておきたいところはすべて見ました。ところが…売主さんが居住中だったため遠慮の気持ちなどもあり、あくまで「見たつもり」だったのです。引っ越ししてから、焦げたコンセントを見つけたり、床暖房がつかなかったりと、あれこれ問題が見えてきました。中古物件は、基本的に現状のままの引き渡しとなります。だからこそ、新築物件とは違い、念入りな事前確認が重要。引き渡し後に「気づかなかった」「チェックしていなかった」となっても、後の祭りなのです。しかし、初めての中古物件購入にもかかわらず、あわただしく契約・引き渡しまで走り抜けてしまったため、「もっとしっかり見て交渉しておけばよかった…」と後悔することに。引っ越し後、不具合が見つかるたびに、何度も不動産屋さんを通して売主さんに「ここの補償はどうなっていますか?」と聞かなければならず、多くの方の手をわずらわせてしまいました。■チェックポイントその2:名義変更ができない?!「太陽光発電の落とし穴」購入した物件の屋根には、太陽光発電の設備がついていました。「太陽光発電のある家がいい!」と選んだわけではなく「たまたま希望物件に、太陽光発電がついていた」だけだったわが家は、何も調べずに引き渡しを完了。ところが…。実は太陽光発電には、名義人氏名や設置場所の住所を登録しなければならないというルールがあります。そのため、持ち主が変わると名義変更手続きが必要。このことに、引っ越してしばらくたってから、別の手続き中に気がついたのです。太陽光発電機を取り付けた設置業者さんに一任すれば事は早いそうですが、運の悪いことに、数年前に倒産。引き継いだ会社があるようだがわからないと、売主さんに言われてしまいました。そのため直接、名義等を管理している一般社団法人太陽発電協会へ掛け合わなければならないのですが、電話はつながらない、ファックスを送っても数週間連絡がない状態で途方に暮れることに…。今もあの手この手で手続きすべく動いていますが、引っ越しをしてから数カ月がたつ今も、名義変更はできていないままです。発電量を増やそうと新居にエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)を取り付けましたが、太陽光発電と併せて使用するには、国への届け出が必要。つまり、名義変更できない→許可が下りない→発電が開始できない…という状態で、今は、エネファームが“宝の持ち腐れ”となっています。引っ越しをしてから困ったことにならないよう、太陽光発電つきの中古物件購入の際は、名義変更の手続きについて事前に確認をしておくことをおすすめします。 ■チェックポイントその3:そのほかにもポロポロと…契約当日の「失態の数々」中古・新築にかかわらず、家を購入するとなると内見、書類集め、契約準備と忙しくなります。書類がひとつないだけで契約ができなくなってしまうため、「ひとつひとつを確実に進めていかないと…」と、かなり慎重に準備をしていたつもりでした。しかし、まだまだ失敗は続きます。一番の大失敗は、物件購入の契約日。売主さんと買主側であるわが家とが一堂に会して書面を取り交わすその日は、台風がきていて悪天候。子どもたちも一緒だったので家を出るのに時間がかかり、車は渋滞…。結局、大遅刻をしてしまい、近所だからと油断していた自分を反省です。それでも、売主さんはとても優しい方で「子ども3人連れての移動は大変でしょうから」と言ってくださいました。それなのに、あわてて出たため、契約金を半分、家に忘れた私。急いで取りに戻ってことなきを得ましたが、さらに待たせることになり、本当に穴があったら入りたいほどの失態でした。■これから購入予定の方へ「中古物件購入で気を付けるべき3カ条」忙しかったりあわてたりすると、失敗をしがちです。家の購入というのは、予想以上に忙しくなるもの。そのことを覚悟しておき、みなさんは、私のような抜け漏れのないようにしてくださいね。その反省を含め、あらためて中古物件購入時に気を付けたいのは次の3つ。1.とにかく忙しくなるから抜け漏れのないように丁寧に進めていく。2.家の中は遠慮せずに隅々までチェックして気になるところはすべて質問しておく。3.太陽光発電設置の物件は、名義変更手続きについてもクリアにしておく。実は、わが家の担当不動産屋さんは、友人の友人。最初から知っていたわけではなく、いくつも家を見て回っているうちに偶然、共通の友人がいることがわかり、縁を感じた家購入物語だったのです。それでも、これだけのトホホ体験をしているのですから、家の購入にはトラブルや失敗がつきものなのだと思います。後悔をしたくない大きな買い物である家購入。下調べや事前のチェックを怠らないようにして、「あ〜よかった!」と思える買い物にしてくださいね。
2018年03月03日不動産管理委託契約とは不動産管理委託契約とは、不動産オーナー(管理組合や個人投資家など)が管理会社(マンション管理会社など)にその物件の管理をお願いする契約のことをいいます。主にマンション管理を委託する契約のことです。マンション管理会社がマンション管理法に定める「マンション管理業者」である場合は、以下の業務を行う義務があります。マンション管理会社は、管理委託契約の締結前に一定の重要事項を説明しなければならない(マンション管理適正化法第72条)。マンション管理会社は、管理委託契約を締結するときに、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならない(マンション管理適正化法第73条)。不動産オーナーである大家さんは、不動産は所有していますがその資産を運用する知識に関してはうとい場合があります。自分で運用するよりも、その道のプロである管理会社に運用をお願いした方が運営はうまくいくとみて、管理会社に委託をお願いするわけですね。運用とは具体的に何をするのでしょうか。たとえば共用部分などの管理・修繕マンションやアパートといった集合住宅は、ほかの人も住んでいます。階段や廊下などといった共用部分は居住者全員が利用するので、管理が大変です。また不動産も人と同じように年をとります。古くなってきたら外観などを補修しなければなりません。これには膨大なお金が掛かるので、あらかじめ計画を立てる必要があります。入居者の募集また一番の問題は、高い収益を得るにも空室率をなるべく低くしなければなりません。しかし大家さんは不動産に限っては素人です。空室率が低くなるよう、なんならゼロになるよう運営するためにもプロの手ほどきが必要です。このように、マンション1つを運営するだけでも大変な労力と戦略が必要となります。それを一手に担うのが管理会社で、そしてその契約である管理委託契約には2種類があります。2種類の管理委託契約一般管理契約一般管理契約とは、契約の対象となる不動産の大家さんが行うはずの管理業務を管理会社が「代行」する契約のことをいいます。具体的な業務内容として、入居の際の「賃貸契約」や「入金管理」など入居者との事務手続きや、マンションの共用部分であるエレベーターなどの整備・保守、清掃作業などが挙げられます。併せて、一般管理契約を選択した場合のメリットとデメリットもみてみましょう。メリット:高い収益性が見込める賃貸契約の内容(賃料、礼金・敷金など)や条件を、大家さんが取り決めることができるため、比較的高い収益が見込めます。デメリット:空室率を考慮した入居募集と広告にリスクがあります上記メリットで先述したように、一般管理委託契約は大家さんと入居希望者が直接契約を結ぶ契約です。メリットでは高い収益性があると挙げましたが、それはあくまでも「入居希望者が契約書にハンコを押せば」です。入居希望者が入居するまでにその広告をうつ必要があり、管理会社によってはこの費用が高額なところもあります。広告をうっても入居者が決まらず、それによって空室率が高くなれば、当然家賃も入りません。サブリース契約(一括借り上げ管理契約)サブリース契約とは、不動産管理会社が大家さんから物件を借り上げて、その管理会社が入居者と賃貸契約を直接結ぶ契約形式のことをいいます。一般管理委託契約とはどう違うのでしょうか。メリットとデメリットについてみてみましょう。メリット:安定して家賃収入が得られる「一般管理契約」との最大の違いは、家賃滞納や空き部屋が生じた場合でも「家賃収入」の保証があることです。サブリース契約は、「保証賃料(管理会社が査定した相場賃料の90~95%の率をかけた料金が一般的)」が管理会社から大家さんにオーナーに払われることになります。また入居者との契約も、大家さんと入居希望者ではなく、管理会社と入居希望者との直接契約を行なうことになります。そのため、大家さんと管理会社による確認の手間や時間を省くことができます。デメリット:高い収益が見込めない一般管理委託契約と比べると高い収益性が見込めません。家賃収入が最大化しないのがデメリットです。また管理会社との契約や広告の確認の手間や時間が省けることをメリットとして挙げましたが、裏を返せば入居者を選定することができないことを意味します。特に気にしないという大家さんもいますが、モラルの低い入居希望者が入居する確率も高まるといえます。しかしサブリース契約を受ける管理会社も、トラブルは避けたいため、入居審査は厳しめに行うところも多いのでそんなに気にする必要もないと思われます。まとめいかがでしたか。今回は管理委託契約の種類についてみてきました。一見、安定的に収益が入るサブリース契約の方が良いように思われます。しかし、サブリース契約には落とし穴も多く、あまり良い印象を持たれていないのが実状です。サブリース契約の注意点については、また別記事でご紹介しますのでお見逃しなく!
2018年03月03日中古物件を購入したり、持ち家をリノベーションしたい......。家族も家づくりに参加できるDIYを取り入れれば、コストも下がりそうだし、なにより愛着のわく家になりそうですよね。そもそも、リノベーションでDIYを取り入れることって、どの範囲で可能なのでしょうか?そこで今回は、数多くのリノベーション事例に携わってきた〔ブルースタジオ〕の石井健さんに、リノベーションの基本的なプロセスから、リノベーションにDIYを取り入れるためのポイントや注意点を伺いました!まずはリノベーションの基本的な流れを押さえよう!〔ブルースタジオ 〕石井健さん——中古物件や持ち家のリノベーションを検討している方にとって、まず気になるのがリノベーションのプロセスです。物件探しから始める場合、基本的にはどのように進めていくものなのでしょうか?石井健さん(以下石井さん):物件探しから始める方は、リノベーションを手がける会社に相談するところから始めます。マンションの場合、1年間で供給された新築の戸数より中古マンションの成約件数の方が多くなってるんです(※)。つまり中古マンションの人気が高まっているんですね。また、リノベーションの会社も増えていますよ。その中でも最近は、コンサルタント的に物件探しや資金計画から考えるところから始めて、デザインをして、工事を経て、納品というところまでを一貫して手がける「ワンストップサービス」を提供するところが多いです。一方で、持ち家のリノベーションを考えている方は、自分が気に入っているデザイナーや、工務店に直接頼む場合もあると思います。——リノベーションは素人が参加できない印象がありますが、DIYを取り入れやすい業者もあるのですか?石井さん:ありますよ。最近では、工事ができるだけではなく、デザインや備品の提供、物とそれにまつわる道具も一緒に提案してくれるような、DIYも取り入れやすい新しいスタイルの工務店も増えてきています。※:出典「首都圏マンション市場動向2016年(年間のまとめ)」(株式会社不動産経済研究所)予算が足りない!コストダウンのためにDIYを取り入れるなら?リノベーション時に、書棚を設置できるスペースのみを作った例。棚は受け渡し後に家主がDIYで作ったのだそう。(提供:ブルースタジオ )——リノベーションにDIYを取り入れる場合、コストを下げることは可能でしょうか? 石井さん:基本的に、DIYを取り入れることはアリなのですが、まずはじめに言っておきたいのが、必ずしも「DIY=安くなる」という訳ではないということです。「道具」「技術」「時間」この3つが足りないと、金額的にも労力的にもコストがかかりすぎてしまい、高くついてしまう場合があります。逆に、DIYをするメリットは「経験」にあります。家がどうやってできているのか、その作る過程に参加しながら、ものづくりを楽しむ。これを経験していれば、長く住む家にメンテナンスが必要になったとき、プロではなく自分たちでやる、ということもスムーズにできるのではないでしょうか。ちなみに海外では修繕費が高いので、家のメンテナンスはDIYが当たり前、トイレの修理もお手のもの、なんていう家庭も多いですよ。また、DIYを取り入れて「安くする」ためには、プロがやる施工の範囲と、自分たちがDIYでやる範囲をあらかじめ線引きしておくことが重要になってきます。例えば部屋の壁ひとつとってもそうです。断熱材を入れて……という作業は難しくても、ペンキや漆喰を塗ることなら自分たちでできるという場合は、ペンキを塗る一歩手前のところで引き渡してもらうようにしてもらうといいでしょう。リノベーション後に家主がDIYで取り付けた収納棚。(提供:ブルースタジオ )石井さん:さらに、コストがかかりやすいのが収納家具です。特に造作家具は時間も費用もかかります。DIYを取り入れてコストを下げるなら、壁に取り付けられる形だけ作ってもらって、そこに合わせて自分たちで作っていく方法がいいでしょう。時間の確保が難しい方も、収納家具であれば、少しずつ作り足して行きやすいのではないかと思います。道具の使い方や、技術がわからない場合は、最近ホームセンターやDIYショップでワークショップも開かれているので、そういったものに参加するといいですよ。〔DIYFactory〕なんかはいい例ですね。もし知り合いや近所にDIYが得意な人がいたら、その人達と一緒にDIYをして技術を身につけていくのもいいと思います。プロに任せた方がいいところは?法律にも注意!——DIYの腕に自信があったり、仲間がいるという方の中には、ほぼ最初からリノベーションをしてみたい!という方もいると思います。その場合、ここだけはプロに任せたほうがいいという注意点はありますか? 石井さん:法律の面でも絶対に素人がやっていけないことが電気工事です。日本の場合は資格が必要なので、無資格の人が配線を繋いだり、分電盤をいじったりということはできません。防火や採光、換気に関わることも同じくプロに任せましょう。一方で、高い技術を要するという意味でプロに任せたほうがいいのが、木材のフローリング。多少の隙間が気にならなければDIYで問題ありませんが、きれいに貼るのは意外と難しいんです。あとは、「見えないところ」もプロに任せたほうが安心ですね。骨組みや配管などは、壁で隠してしまうので、そこの施工が甘いと、水漏れなどのトラブルが起きることも。壁で隠しているので、それを取り外して修理するとなると、かなりの手間になってしまいます。〔ブルースタジオ 〕が設計したDIY可能な賃貸住宅《鵠ノ杜舎》(提供:ブルースタジオ )——DIYを取り入れる場合、業者選びの注意点はありますか?石井さん:材料の持ち込み(施主支給)の対応が大丈夫かどうかなど、DIYをどの範囲でやるか決めて、あらかじめ可能かどうか、そのプランを相談してから業者を決定したほうがいいと思います。持ち込みOKのところもあれば、NGのところもありますから。——結婚式のプラン決めと似ていますね。石井さん: そうですね。特に大手のリノベ会社は難しい場合が多いです。〔ブルースタジオ〕で頼む場合は?〔ブルースタジオ 〕が手がけた賃貸物件《Hut》は、自由度高くDIYできる。(提供:ブルースタジオ )——それでは、数多くのリノベーションを手がけてきた〔ブルースタジオ〕に任せた場合、どのようなことができるのでしょうか?石井さん:もちろんリノベーションにDIYを取り入れたい方は大歓迎です。〔ブルースタジオ〕では、先ほどいったように、「何のためにDIYをするのか」というDIYをする目的と、コスト面、施工現場との関係が円滑になるように、コントロールをしていきます。(提供:ブルースタジオ )石井さん:もし賃貸住宅も考えているなら、そういったDIYをしやすい賃貸物件を選んでみるのもおすすめですよ。壁を塗装したり、壁紙を貼ったり、棚の設置や、ビスを打つなど、かなり自由度が高いDIY可能の物件や、オーナーに事前相談すればDIYが可能になる物件も取り扱っています。自分らしいリノベ+DIYに挑戦してみよう♪石井健1969年福岡県生まれ。1992年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。ブルースタジオ執行役員/建築家・不動産コンサルタント。日本のリノベーション・シーンの黎明期より数多くリノベーションデザインを手掛け、その傍らメディアへの露出、執筆活動も行うなど、活動内容は多岐に渡る。リノベーション+DIYは、必ずしもコストを抑えられる訳ではないようですが、リノベーション時にDIYをしやすい状態にしておけば、自分の手で家を作り上げていく楽しみができるかもしれませんね♪自分が持っている道具や、技術のレベルに合わせて、どの範囲でDIYを取り入れるかを決めることで、自分らしい家づくりをスムーズに行うことができそうです。賃貸でもDIYを楽しめる物件も増えてきており、気になるところ。ぜひ挑戦してみましょう!〔ブルースタジオ 〕ウェブサイトはこちら●ライター宇治田エリ
2018年03月01日住宅探しをしている方は、なかなか条件の合う理想の物件と出会えないと感じている方が多いのではないでしょうか。希望するエリアの土地は高額だし手頃な価格の土地となると、通勤や通学にとても不便……。そんな方に注目されているのが「再建築不可物件」です。再建築不可物件の概要やリフォーム・リノベーションが可能か、また注意点などをご説明します。再建築不可物件とはどういうもの?再建築不可物件とは、建築基準法に規定されている条件を満たしていないため、既存の建築物を取り壊し更地にしてしまうと再建築ができない物件のことです。何故このような物件が存在するのかというと、1950(昭和25)年の建築基準法制定やその後の建築基準法改正によって、建築当時は法律に適合していても、現行法には不適合となっているためです。このため、全国には多くの再建築不可物件が現存しています。再建築不可物件は、旗竿地や袋地と呼ばれている土地に多く、具体的には建築基準法でいう道路(幅員4m以上の道路)に敷地が2m以上接していない物件などを指します。(接道義務ともいい、災害時の避難経路の確保や緊急車両が接近できる道路確保が目的)。敷地が2m以上道路に接している土地であっても、目の前の道路が建築基準法上の道路の条件を満たしていない場合(幅員が4m未満の道路など)は再建築不可物件となります。このような再建築不可物件は資産価値が低いため、地域によっては二束三文の価値しかない場合もありますが、東京23区の場合は周辺の土地相場の60~70%程度の相場で取引されています。※建築基準法とは、国民の生命・健康・財産の保護や公共の福祉の増進に資することを目的に、建築物の敷地・構造・設備・用途などに最低限の基準が定められています(1950年施行)。再建築不可物件をリフォーム・リノベーションで新築同様に変身!再建築不可物件は、築40年以上経過した古い物件が多く資産価値も低いため、長く放置されている物件も少なくありません。しかし、物件によっては、リフォーム・リノベーションによって、新築同様に輝きを取り戻すことができる場合もあり、土地を安く手に入れた分をリフォーム・リノベーションに回し、理想に近い物件が取得できる可能性もあります。再建築不可物件は再建築ができませんが、建築確認申請が不要なリフォーム・リノベーションは可能です。建築確認申請が必要になるリフォーム・リノベーションとは、増築や改築、また大規模な修繕や模様替え(建物の主要構造物の一種以上について行う過半の修繕や模様替え)の場合です。しかし大規模な修繕や模様替えの場合、木造2階建て以下、延べ床面積500㎡以下の建物(4号建築物といわれる一般的な家)の場合は確認申請が不要とされています。したがってボロボロの築古物件でも増築や改築はできませんが、新築同様にリフォーム・リノベーションを行うことができます。再建築不可物件でのリフォーム・リノベーションの注意点再建築不可物件を購入しリフォーム・リノベーションする場合、注意したいこともいくつかあります。以下に注意点を挙げてみました。・ローンの利用が難しい再建築不可物件の購入には、基本的に住宅ローンは利用できません(換金しにくく、担保価値が低いため)。・リフォーム・リノベーション費用が通常より割高になる再建築不可物件では工事をする際、工事車両が入れない場合が多く資材の搬入が難しくなるため手間がかかります。また、現在の耐震基準を満たしていない建物が多いため、現在の耐震基準に適合するようなリノベーションが必要になります。・予算オーバーになりやすい予想以上に老朽化していることもあり、予算オーバーになりやすいことも注意が必要です。再建築不可物件は、デメリットやリスクもありますが、目的によっては、いわゆるお宝といえる物件が眠っている可能性があります。再建築不可物件購入の際は、デメリットやリスクなどを十分に承知した上で、検討することをおすすめします。
2018年01月15日物件の賃貸契約をする際、多くの場合、連帯保証人を立てることが必要になります。連帯保証人を審査する際の条件、連帯保証人を用意できなかった時はどうすれば良いのか?要点をまとめました。保証人と連帯保証人の違いとは?賃貸物件の契約では、「保証人」と「連帯保証人」という違った表現をすることがあります。実はこの2つ、大きな違いがあることをご存知でしょうか?民法上、保証人は借主が家賃を支払えなくなった時、代わりに支払いを依頼されても、まず借主に支払いを督促したり、借主の財産の差し押さえを要求することができます。さらに、保証人が複数いる場合には、たとえ支払うことになった場合でも、人数で債務額を割ることができるのが特徴です。それに対して連帯保証人とは、保証人と違って責任を拒否する権限がなく、支払う義務があるのです。さらに、保証人のように人数で債務額を割ることができず、一人で責任を負う必要も。文字どおり、借主と連帯するような形になります。このように、なにげなく耳にしている2つの言葉には、歴然とした違いがあるのです。連帯保証人に必要な条件では、連帯保証人の審査をクリアするためには、どんな条件があるのでしょうか。大家さんの気持ちになれば、滞納せずに支払えるか?などのリスクを回避するのは当然です。できれば連帯保証人にも、支払い能力があって身元が確かな人物にお願いしたいというところが本音でしょう。・親族であるか・定職に就いているか・収入はどれくらいか・年齢・契約者と別生計であること連帯保証人としての信用度をチェックするわけですから、友人よりも親族の方が審査に通る可能性が高いと言えます(理想的なのは、親、子、兄弟、祖父母までの二親等以内)。どうしても身内では難しいという場合は友人でも可能ですが、より厳格な審査となります。信用度やトラブルを避けるためにも、親族に依頼するのが望ましいでしょう。また、定職についていない場合でも、一定額の年金収入や不動産収入がある場合は審査が通るケースもあります。詳しくはこちら⇒賃貸契約の連帯保証人は無職でもOK?まずは親族であることが条件連帯保証人の審査後に必要な書類物件によっても変わりますが、審査段階では、連帯保証人への電話確認が行われます。その後、一般的に連帯保証人の審査に必要なものは下記のとおりです。・住民票・源泉徴収票など収入を証明するもの・実印(契約書に押印する)・印鑑証明これらは、すべて連帯保証人本人のものが必要です。住まいが離れている場合は郵送期間も考慮する必要があります。さらに、連帯保証人の勤務先などを書類に記入し、後日在籍確認等が行われる可能性もあります。事前に段取りを話しておくとスムーズでしょう。連帯保証人を途中で変更することはできる?連帯保証人が高齢になるなど、さまざまな事情で別の人に変更したいという場合は、変更することができるのでしょうか?こちらも物件によって異なりますが、やむを得ない事情があれば変更することは可能です。ただし、大家さんに了承してもらわなければなりませんし、代わりには、現在の連帯保証人と同程度、もしくはそれ以上の支払い能力のある人物でなければ難しいでしょう。タイミングとしては、契約更新時が適していますが、それ以外の時期にどうしてもという場合には、相談すれば応じてくれることもあります。ただし基本的には、入居の段階で審査を行なって契約に結びついているため、「あとで変えられるから」ととりあえず友人に依頼するなどという行為は避けるようにしましょう。最終手段として保証会社を利用できるもしも、どうしても連帯保証人としてお願いできる人が身近にいない、もしくは、連帯保証人の審査が通らなかった場合、保証会社を利用するという方法があります。これは、初回保証料として家賃の30%~100%程度を支払うなど、費用はかかりますが、連帯保証人を立てるという難関はクリアできるので、どうしてもという時には役立ちます。また、保証会社が指定するクレジットカードで家賃を支払うという条件に従えば、連帯保証人を立てなくても良いとされるケースもあります。ただしその際は、クレジットカード発行のための本人審査があり、それをクリアしなければならないという条件もあります。近年では、連帯保証人の信用力が低下しつつあるという現状も。そのため、連帯保証人がいた場合でも、保証会社の利用を必須条件としている物件もあるのでしっかりと確認しましょう。まとめただでさえかさんでしまう初期費用。少しでも落とすためには、親族に連帯保証人をお願いするのが一番の理想。しかし、さまざまな事情もありますから、保証会社の制度を上手に利用することも選択肢の一つです。スムーズに契約するために、また連帯保証人との信頼関係を壊さないために、最善の方法を利用することが大切です。あわせて読みたい賃貸に関する記事⇒一人暮らしが初めての方必見!賃貸を探す最適な時期とは⇒【賃貸】初期費用の相場っていくら?家賃6万円の内訳を見てみよう⇒【賃貸】仲介手数料無料は大家さんが100%支払っているケースも⇒賃貸の入居審査で落ちた!ポイントは年収と家賃のバランス
2018年01月08日家賃は「前家賃制」確認ですが、家賃(賃料)とは大家さんに支払う部屋賃料のことをいいます。つまり部屋を借りるためのレンタル費ですね。一般的に家賃は「前家賃制」といって当月分ではなく、翌月分を支払い日までに払います(例、11月に12月分を支払う)。ここで問題となるのが、契約月における支払い計算です。契約月分は「日割り計算」で行い、翌月分と合わせて支払います。たとえば、家賃60,000円の物件を11月20日に契約したとしましょう。この場合の日割り家賃は、家賃60,000円÷30日=2,000円2,000円×10日分(残り日数)=20,000円家賃60,000円(翌月分)+20,000円(当月分)=80,000円とこのように契約月分の支払い料を求めます。少し費用がかかりますね。「部屋を他の人に借りられないために前もって押さえておく」というのが、前家賃制の意義です。大家さんからすれば空室は少しでも早く埋めたいので、実際に借主が住まなかったとしても、その分のお金は欲しいといったのが実のところでしょう。大家さんも商売ですからね。しかし最近では、「契約月分を支払わずに部屋をおさえてあげる」といった借主にやさしい物件も見受けられます。それが、フリーレント物件です。フリーレント物件とはフリーレント物件とは、入居後から一定期間内の間、賃料が発生しない物件のことをいいます。上述のように、「これでは大家さんには不利なのではないか?」「何かウラがあるのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、フリーレント物件は大家さんにとってもメリットのある仕組みであり、以下のようなものが考えられます。空室率を下げる工夫になる前家賃制を採るのも、空室期間をなるべく短くし、家賃収入を確保することにありました。フリーレント物件は、家賃を取らずに部屋を借りることのできる物件なので、前家賃制の物件よりも借主には魅力に映る物件であるといえます。つまり、前家賃制の物件よりも借主が早く見つかる可能性が高く、結果、これが空室率を下げることにつながるのです。一方、デメリットもあります。これは私たち借り手にとってのデメリットといえます。違約金がかかる場合がある大家さんは借主に、家賃を一定期間ゼロにして貸すわけですから、その分損をすることになります。たとえば上記のように、家賃60,000円の物件を契約したとして、11月20~11月30日(つまり11月分の1か月間)を家賃ゼロで貸すわけです。賃貸契約は通常2年間の契約期間を設けますから、『家賃60,000円×24か月=1,440,000円』の家賃収入が見込めるわけです。しかし1か月分の家賃は含まれていないので、大家さんはどこかでそれを回収する必要があります。そこで考えられる手法としては、以下の2つが考えられます。家賃を割高にして回収する方法長期的にみると、これは借主が損をするケースとなります。たとえば通常の家賃相場よりも5,000円高く設定されれば、合計で1,495,000円(23か月分)支払うことになります。これでは本末転倒です。違約金で回収する方法1のケースのように、最終的には通常よりも多く支払うことになると借主が知れば、契約をやめる、もしくは短期間で契約を解除することが考えられます。そこで大家さん側は、退去時に一定期間分の家賃を回収できるよう、違約金を設ける場合があります。つまり中途解約して退去する入居者に対して、解約違約金の支払義務を課すために、特約条項を設けた契約書にサインさせます。違約金額は上記の例でいうと、『フリーレント月数(1か月分)×家賃(60,000円)』と設定されることが多いです。デメリットも考慮すると、フリーレント物件は「〇年間は借りないといけない」といった縛り物件であることがわかります。まとめフリーレント物件は、「すぐには引っ越せないけど部屋はおさえておきたい」といった場合などに有効的です。しかし長期的にみてみると、借手にとって必ずしも得するというわけではなさそうです。デメリットに注意しつつ、利用を検討するようにしましょう。
2017年12月20日中古マンションの魅力は、新築物件に比べて選択肢が多いことや購入前に物件を確認できることなどが挙げられます。中古マンションと言っても、新築同様の築浅物件から築30年以上の年季の入ったマンションまで、築年数や規模は様々。どのような点に注意して購入すればいいのでしょうか?中古マンションを購入する際のポイントをまとめました。築年数の限界は?買い時はいつごろ?マンションの価格は築年数が経つにつれて下落しますが、20年を過ぎると底値となり、その後は安定する傾向にあります。つまり、築20年を過ぎた中古マンションを購入すれば、その後売却した場合でも大幅に値崩れする心配は少なくなります。また近年、都心部では新築住宅を建てられる土地が少なくなっていますが、20年前の中古マンションに目を向けると、立地や広さも申し分のない物件が見つかりやすくなります。駅に近く、生活利便性の高い立地にある都市部のマンションは、土地の評価が高く資産価値が下がりにくいのもメリットです。では、築年数の限界はどれくらいでしょうか?多くのマンション建築に使われるコンクリートの寿命は100年以上です。ただ、日本のマンションは古いものでも築60年程度なので、実際に100年耐えられるのかは確かではありません。一方、確定申告や住宅ローンの審査基準では、減価償却資産の耐用年数は47年間です。ただこの考え方が、築年数の古いマンションの資産価値を低下させる要因のひとつとなっていることから、今後この基準は改定される可能性があります。実際、「限界」については築年数より管理状況で判断するのが望ましいでしょう。一般的な「建て替え時期」が来る築30年以上の中古マンションを購入する場合、きちんと修繕されているか、管理不全に陥っていて外壁が剥がれたままになっていたり、貯水タンクが壊れた状態で放置されていたりしないか、細部まで自分の目で確認することが大切です。中古マンション購入の失敗談は?中古マンションに関する失敗談としてよく聞かれるのが「売却するときに、購入価格を下回ってしまった」というもの。立地が良い物件も築20年を経過するまでは、相場は下落傾向にあることを留意しておきましょう。投資目的で条件のいい新築マンションを購入し、築年数が浅いときに新築に近い状態で高く売り抜く売主もいます。そのような物件を見つけたとき、「中古なのに、こんなにピカピカの素敵なマンションがあるの?」なんて舞い上がってはいけません。冷静な判断力が必要です。他にも、購入後に管理組合から修繕積立金の値上げを通告されたり、設備の不全が発覚して実費負担が生じるなど、事前の確認不足が招いた失敗事例があります。中古マンションを購入する際は「重要事項説明書」を隅から隅まで熟読し、懸案事項はすべて解決しておきましょう。もちろん、近隣に騒音の原因になりそうな商業施設などはないか、上下左右にはどんな隣人が暮らしているかなど、周囲の環境チェックも怠ってはいけません。ココに決めた!「売買契約」に関する注意点一般的に、売買契約は「売主」「買主」「仲介した不動産会社」の3者で行なわれます。契約は買主が売主に売買代金の一部として手付金を支払うことで正式に締結されるため、手付の種類や金額についてきちんと理解しておくことが必要です。また、不動産会社への仲介手数料は決済時に一括払いする場合と、契約時に半金、決済時に残金を支払う場合があります。仲介手数料に関しても、契約の際に一度確認しておきましょう。さらに「重要事項説明書」や「付帯設備表」「物件状況報告書」の読み合わせにも、細心の注意で耳を傾けることが肝心です。特に日常生活に欠かせない「給排水管回り」について、これまでにどんな故障があったかなど、実際に住んでいた人にしか分からないことまでしっかりと確認しておきましょう。同じ理由で、過去にマンション内で起きた火災・事故などの事件、管理組合での討議事項など、自分では把握できない事柄についても、後で「そんな報告、聞いていない!」と悔やむことがないよう、少しでも疑問に思った点は解決しておきましょう。すべて納得するまでは安易に契約してはいけません。固定資産税についてマンションを購入すると、毎年「建物」と「土地」に固定資産税がかかります。税額はおおむね、「固定資産税評価額」×1.4%(全国共通の「標準税率」)で計算されます。中古マンションの場合、土地はその年によって上下しますが、建物は経年劣化のため、年々下がっていくのが一般的です。年数による減額の割合は、自治体ごとに「経年減価補正率表」などによって定められています。一般的に、「中古マンションの固定資産税は安い」と言われていますが、ローンの支払い終了後も物件を所有し続ける限り固定資産税は納める必要があるので、購入前にきちんと計算し、その価値があるかないか検討しましょう。中古マンションを購入するなら、資産価値として安定している築20年以上の物件がオススメです。土地としての評価が高い立地条件のいいマンションなら、購入時より高値で売却できる可能性もあります。ただし、築年数が経っていれば経っているほど確認事項も増えやすいので、細かい点まで慎重に吟味し固定資産税額まで考慮して購入を検討しましょう。
2017年12月15日家の買い替えをする人が増えたとはいえ、まだまだ家の購入は「一生の買い物」。どのように選んだらいいのか、そしてなぜそこを選んだのか。今回は東京23区内中古マンションを購入したTさんに伺いました。どうして「家を購入」することになったのか現在、東京都23区内にお住まいのTさんは、夫、小学生の男の子との3人家族です。家を探し始めた当初、Tさんは専業主婦で、子どもが生まれたばかり。東京都心に住んでいましたが賃貸で手狭だったため、「安定して子どもが育てられる家を購入しよう」と決意し、家を探し始めました。家探しは「中古に絞る」ことに決定まず、「中古から探し始めた」Tさん。その理由は「住んでいる人、近隣の環境がすでに出来上がっているから」と言います。「ずっと住み続ける家であれば、隣近所と長く付き合わなければなりません。新築だとその環境がわかりかねるのが我が家には大きなデメリットでした」かつて賃貸マンションで隣人に苦しんだ経験があるからこそ、このメリットは大きかったそう。また「もともとヴィンテージ好きなのと、安く家が買えるのもありがたいし」と中古にはまったく抵抗がなかったと言います。まずは憧れ「郊外中古一戸建て」を内覧中古の家を探し始めて、まず向かったのは、東京都から出た郊外憧れの一軒家。築年数は10年もたっておらず、もちろん駐車場付き。また、1階はリビングダイニングに和室、そして2階は6畳以上の部屋が3つもあり、今後子どもが増えても問題はなさそうでした。しかも庭は駐車場以上に広く理想的、憧れのシンボルツリーを植えることができる環境も整っており、Tさんはこの家をかなり気に入ったそうです。夫の「通勤時間」も、駅to駅で50分、最寄り駅から家まで徒歩で15分となんとかカバーできる距離でした。次に「23区内中古マンション」を内覧Tさん一家が次に見て回ったのが「23区内中古マンション」。今まで賃貸とはいえマンションに住んでいたので「慣れた」環境です。数件内覧した後、「リノベーション済」という中古マンションと出会いました。築7年の築浅で、床暖房やペアガラスなどが入っており、風呂もオートバスシステムで1坪の広さ。賃貸にはない「築浅分譲マンション」の良さに惹かれました。「中古を買った後にリノベーションする」つもりでいたTさんたちでしたが、すでに家探しでくたくただったこともあり、このまますぐ住める築浅物件に惹かれました。また、通勤時間は駅to駅まで片道20分という好立地。朝は最寄り駅始発の電車まであり、通勤電車で苦労しなくていいということに、Tさんの夫は喜びます。「郊外一戸建て」ではなく「23区内マンション」を選んだ理由とは候補はこれらの「郊外一戸建て」と「23区内マンション」に絞られました。どちらも築浅の中古です。「郊外一戸建て」はとにかく、家が広くてのびのびと暮らせます。庭が広いのでガーデニングも十分楽しめ、また徒歩15分の駅には大型ショッピングモールも併設されており、買い物に困ることもなさそう。しかし、Tさん一家が選んだのは「23区内マンション」でした。23区内はやっぱり環境が整っていた「郊外一戸建てがあった駅周辺はいいのですが、徒歩5分すぎると、道路ががたがたでベビーカーで歩くのが困難でした。雑草も映え放題の公園もあって」次に23区内を見たTさんは、その違いにとにかく驚いたと言います。「23区はやっぱり東京なんだと。人が多い分税収も多い。だから道路も公園も整っている。それに、その時すでに23区は中学生まで医療費無料と魅力的な制度が整っていました」その市区に大企業はあるか、人口は多いかで税収が変わる、それを目の当たりにしたTさん。「家だけでなく、周辺環境を見る」ということが、Tさんにとっては決め手の一つになったようです。最大の決定打は「夫の鶴の一声」そして、やはり大きな決定打が「夫の通勤時間だった」とTさんは言います。「往復2時間と往復1時間は、毎日となるとその疲れ具合が全然違うと夫の鶴の一声で決まりました。まだ子どもが小さく、実家が遠かったのでワンオペ育児を避けたいという思いもありました」現在「購入から10年目」、その感想とは23区内中古マンションを買って、今年で10年目というTさんに住み続けた今の感想を伺いました。「中古マンション購入の注意点からお話すると、入居して数年後に修繕積立金が倍額にUPしました。これは新築でも起こりえますね。そしてガス給湯器が早々に故障して入れ替えに数十万かかりました。正直それくらいです」思った以上にデメリットがなかったと言うTさん。「正直、今もあの広い庭には未練があります。しかし、交通の便がいいからか、購入したマンションの値段が全く下がっていませんし、心配だった住民トラブルなども管理会社が発生を未然に防いでくれている印象です。そこは管理会社が入っているマンションで本当に良かったと」また、当時専業主婦だったTさんは仕事に復帰。「都心に近いことで、私の仕事も見つかりやすかったですし、通勤時間が短い分、疲れないからか夫も平日夜や土日は家事をして子どもと遊ぶ余裕があり、助かってます。私たちのライフスタイルには23区内中古マンションのほうが合っていたなと思います」最終的には「憧れ」より「ライフスタイル」を優先した購入で、時間的にも金銭的にも余裕のある生活ができたことが、都心中古マンションを購入した最大のメリットのようでした。※画像はイメージです合わせて読みたい!みんなの「マンション購入の決め手」とは⇒マンション購入の決め手は横長リビングの間取り!妥協したのは日当たりでした⇒妻の実家から徒歩8分の近居に家購入はメリットしかない
2017年12月11日新築住宅は価格と供給の横ばいが続いてるが、中古市場も大きな波はなく横ばいが続いた2017年。近年は首都圏の中古マンションの価格も3000万円台で推移しており、新築とくらべるとまだ割安感がある。さらに住宅ローンの超低金利も続いてる。その中で迎える2018年の中古市場について、3人の識者に展望を聞いた。2017年の中古住宅市場の振り返り2017年の中古マンションの成約件数は、2017年4月から減少傾向が目立ってきた。これは中古マンション価格が高騰した時点から横ばいになっており、新築マンションとの価格差が縮小したため、2017年4月頃から売れ行きが鈍化してきたものとみられる。また、成約価格の上昇も見られた2017年だった。2018年はどうなる?みんなの不安に専門家が答えるPROFILEみずほ証券上級研究員 石澤 卓志さん慶応義塾大学卒業後、1981年日本長期信用銀行に入行。第一勧銀総合研究所上席主任研究員を経て、みずほ証券チーフ不動産アナリストを経て、2014年より現職。東京カンテイ上席主任研究員井出 武さん全国のマンションや土地価格をデータベース化した不動産専門の情報サービス会社。不動産市況レポートなども提供。不動産鑑定や土壌汚染調査なども手掛けている。マンション評価ナビ代表大久保 恭子さん住生活評論中心に、東京23区の中古マンションの評価サイト「マンション評価ナビ」を運営。住まいに関する雑誌・WEBサイトのプロデュースやマーケティングなども手がける。2018年も価格は横ばい!値下げする可能性は低い石澤さん:2016年は新築価格高騰により、中古マンション供給量が初めて新築を上回りましたが、中古も価格が上がったため、2017年初頭には元に戻りました。東京都心部では新築価格がまた上がってきたため、中古との価格差が開いてきました。2018年は、「中古は東京都心、新築は都心周辺・郊外」という棲み分けが発生してくると思われます。井出さん:2017年のマーケットは、価格が天井を突いた都心3区(千代田区、中央区、港区)・6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区)を中心に、少しずつ価格調整を進めてきた年になりました。「上昇一辺倒」だった流れが変わったとみていいでしょう。まだ価格調整が進んでいない23区の周辺部も、これ以上価格は上がらないと思われます。中央線直通の中野や、都心まで遠いことから敬遠される傾向にある世田谷などで、掘り出し物の物件が出て来るのではないでしょうか。大久保さん:2017年の中古マンション市場価格は、対前年同時期比で1桁パーセントの価格上昇となりました。ここ2年間、急激な上昇はなく、高値で安定しています。成約件数で見れば、東京都内・都下と埼玉県で増加していますが、それ以外では減少しており、需要が落ちているように見られます。中古在庫は3年前より5割増えており、価格調整が進む可能性があります。ポイント一時は新築を上回る供給量を見せた中古マンション市場だが、中古の価格上昇が進んだため、勢いは鈍化した。都心部・郊外ともに、中古マンション価格は既に最高点に達したと見られる。価格調整が進むだろう。ただし、需要は依然として堅調なため、急激に価格が下落する要因が発生するとは考えにくい。住宅ローンの超低金利は続く中で審査が厳しくなる懸念も石澤さん:短期的には北朝鮮問題などで金利が下がったものの、危機感が薄れるとやや上昇するなど、短期的な動向はありますが、歴史的な低金利続いているので、気にする必要はありません。一部メガバンクが地方の住宅ローンを手じまいするようですが、貸し手が地方金融機関に変わるだけで、借りる側の利便性は変わらないでしょう。住宅ローン環境は良好な状態が続くはずです。井出さん:三菱UFJ信託銀行が新規住宅ローンから撤退、みずほ銀行も地方の住宅ローンから撤退する方針を発表するなど、大手銀行による住宅ローンの撤退・縮小が続いています。低金利ゆえに、住宅ローンはリスクが高いと銀行が認識し始めたのではないでしょうか。そうなると、地方ばかりでなく、価格が下がっている郊外での住宅ローン融資も、審査が厳しくなることもあり得ます。大久保さん:日本銀行の黒田総裁も、インフレ目標2%を達成するまで「強力な金融緩和」を継続すると発表しています、国内に金利を上げる要因はないため、よほど大きな外的な要因が発生しない限り、来年も低金利が継続するでしょう。住宅ローンの利用には、有利な条件が続くと思われます。ポイントマイナス金利こそ終わったものの、2017年も歴史的な低金利が続いた。日銀は「強力な金融緩和」を継続する方針を表明しており、短期的な上昇下落が発生する可能性はあるが、金利が低い状況は依然として続くと見られる。ただし、大手各行が住宅ローン事業を縮小あるいは撤退に向けて動き始めていることから、地域によっては必ずしも購入環境を楽観視できない。今後の動向に注視する必要がある。利便性がいいエリアの供給数に期待石澤さん:利便性のいいところは需要の方が強いですが、郊外はだぶつき気味です。郊外はこれまで価格が上がり過ぎたので、最大2割弱の価格調整が発生するのではないでしょうか。井出さん:2017年は、価格が高止まりしていたため、マンション・戸建ての「売り」は盛んでした。2000~2005年に購入した物件なら、キャピタルゲインが2割や3割出ても不思議ではなく、利益確定売りが目立ちました。ただし、価格を下げないと買い手が決まらない状況でもあり、陰りが見え始めたところもあります。2018年は首都圏・関西ともに、売り手が買い手を上回るマーケットになると思われます。大久保さん:高くて手が出ない新築、住みたい地域には中古しかない場合もあり、基礎的な中古需要は拡大基調にあります。東京圏は、大幅な価格下落がない限りは、都心、郊外を問わず、流通数は増えるでしょう。関西は東京よりも少し弱含みです。価格高による需要減少が価格下落を招き、ひいては売り控え、流通数の減少という流れに転じる可能性があります。ポイント選択肢が豊富な中古マンションは、需要の多い状況が続くだろう。一方で、首都圏・関西ともに、価格が既に上がり過ぎてしまったため、売り手が現状の価格で突っ張っても成約に至らないケースが増え、所謂「買い手市場」となる。とくに、関西の方がその傾向が強くなると見られる。資産価値・利便性が後悔しない物件選びのポイント石澤さん:立地点は最も妥協すべきではありませんが、無理をしない価格帯のものを買えばいいと思います。将来的な資産性を考慮するならば東京都の北東部(北区、足立区、荒川区など)をオススメしますが、住む目的ならば満足度が一番なので、利便性がいいところで住みたいところで購入するのがいいでしょう。自分の好きなところを妥協しないのが第一です。井出さん:エリア選定が第一です。好立地だと、どうしても価格が高くなりますが、資産性から考えれば、エリアをはずさないほうがいいでしょう。「駅前徒歩一分で築浅」のような物件があれば、躊躇するべきではありません。しばらく賃貸に住んで、「価格が2020年以降下がれば……」と考えている方もいますが、待っている期間に支払う賃料分だけ物件が安くなれば採算が取れるが、そうでなければ失敗になります。大久保さん:多様な人が集まるスポットで選ぶのがいいと思います。例えば「住みたいまちランキング」で不動の首位を誇る吉祥寺のような、住む人ばかりでなく、働く人、学生、遊ぶ人、老若男女みんなが支持しているようなスポットがいいでしょう。大規模な再開発に乗っかって購入するのも一つの手です。ポイント予算に見合う範囲で、立地を重視して購入するのが、資産価値・利便性ともに担保できるため、最も無難な選択だろう。将来的に買い替えを視野に入れているのならば、東京都内では北東部が伸びしろが期待できる。現状の価格は全体的に高くはあるが、「待ち」の間の家賃出費も算盤に入れて検討すべき。2018年の不動産市況天気図識者3人に2018年の不動産市況を天気図で表してもらった。ポイント価格の停滞と住宅ローンの低金利が続く中、2017年は値上げも値下げもできない膠着の年となった。今後もこの状況は続くとみられる。低金利が続く住宅ローンと供給数は増え続けるので、取得と物件探しは引き続き好材料となりそうだ。
2017年12月05日*画像はイメージです:中古住宅の購入を検討する上で、住宅の欠陥の有無は気になるところです。しかし、目に見えないところに欠陥がある場合には、当該欠陥についての告知を受けない限りは、発見することが難しいです。例えば、中古住宅の前住民が自殺していたような場合には多くの人がその購入を戸惑うと思います。この意味で、その物件は欠陥ある物件といえそうですが、売主が告知してくれない限りは、知る機会すらありません。このような『いわくつき』の物件のことを、『事故物件』と呼ぶことが多いようですが、今回は、このような『事故物件』を、『事故物件』ではない価格で売却した売主及び仲介した不動産業者の責任について考えてみます。 ■事故物件とは『事故物件』という単語に明確な定義はないようですが、一般的には、いわくつきの物件であり、購入者が心理的に購入を躊躇うような物件、法律的にいえば、心理的な瑕疵(=欠陥)のある物件を示しているといえます。ただ、この心理的なものについては、人によって感じ方は違うかもしれません。自殺に限っても、10年前に自殺があった物件と、1ヶ月前に自殺があった物件とでは感じ方は変わるのではないでしょうか。裁判上も、自殺からどのくらいの期間が経過しているのかといった事情のほか、居住目的か事業用目的かといった事情を総合考慮した上で、心理的な瑕疵といえるかの判断がされています。 ■売主の責任は?売買契約における売主は、法律上、瑕疵担保責任を負っています(民法570条)。この瑕疵担保責任は、欠陥のある物件を売ったことに対する売主の責任であり、売主の認識を問わずに発生する責任とされています。つまり、売主が欠陥の存在を知らなかった場合であっても、売主には欠陥ある物件を売ったことに対する責任があるということです。したがって、前住民の自殺が心理的な瑕疵に該当する場合においては、この瑕疵担保責任に基づき、買主から契約の解除を求められ、売買代金の返金及び損害賠償請求を受ける可能性があります。では、売主が、心理的な瑕疵の存在を知りながら、これを買主に告知しなかった場合はどうでしょうか。この場合にも、先ほどの瑕疵担保責任は当然発生しますが、そのほかにも、告知義務違反による損害賠償請求、あるいは、契約上の違約金の請求等を受ける可能性があります。 ■仲介不動産業者の責任は?仲介に入った不動産業者が、買主に対して、心理的な瑕疵を告知しなかった場合はどうでしょうか。まず、先ほど述べた瑕疵担保責任は、あくまで売主の責任ですから、仲介不動産業者がこの責任を負うことはありません。ただし、心理的な瑕疵の存在を把握していたか、あるいは把握できて当然という場合には、瑕疵担保責任ではなく、告知義務違反を問われる可能性は残されます。まず、売主からは心理的な瑕疵の存在を聞かされていたものの、あえてこれを告知しなかった場合は、心理的な瑕疵に該当するため、不動産仲介業者にも告知義務が認められ、仲介不動産業者にも告知義務違反が認められることになるでしょう。この場合、買主から損害賠償請求を受けることは十分に考えられます。 他方で、売主から心理的な瑕疵の存在を聞かされていなかった場合はどうでしょうか。この場合には、通常の不動産仲介業者に求められるだけの注意義務をもって対応していたにも関わらず、心理的な瑕疵を把握することができなかったといえれば、責任を負うことはないと考えられます。ただし、売主の説明に不信な点があることに気がついていたにも関わらず、調査を行わなかった場合などにおいては、不動産業者としての責任追及を受ける可能性は十分にあるといえそうです。 中古物件の購入者としては、『事故物件』であることを隠されないためにも、また、万が一隠された場合に備えて、是非とも、過去の事故・事件の存否を売主や仲介不動産業者に確認しておきたいところです。 *著者:弁護士 河原﨑友太(浦和法律事務所。2017年2月にマンション管理士に登録。ご相談に際しては、ご相談に見える方が、弁護士に何を期待しているのかを見定め、丁寧な事情聴取、解決方法の提案を心がけています)【画像】イメージです*kirin / PIXTA(ピクスタ)
2017年09月01日