木村拓哉が『踊る大捜査線』シリーズのヒットメーカー・君塚良一氏の脚本のもと、ベストセラーミステリー「教場(きょうじょう)」のスペシャルドラマ化に主演。来年2020年新春に2夜連続放送される。原作は、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」第2位を獲得し、2013年にミステリー界の話題を総ざらいした長岡弘樹の同名小説。警察学校という“密室”を舞台に、警察小説の新境地としてベストセラーとなりシリーズ化(累計55万部)、多くのファンの間で映像化が待ち望まれてきた。待望の初映像化にあたり、主人公のカリスマ教官・風間公親を演じるのは、日本を代表するトップ俳優・木村拓哉。数多くの大ヒット作で主演を張り、検事、総理大臣、天才外科医、ボディガードなど多彩な主人公を演じてきた木村さんは、今回はヒーローではなく“謎に満ちたヒール”に挑み、凄みのある圧倒的な姿で、これまでにない冷酷無比な役どころを演じる。脚本を木村さんとは初タッグとなる君塚良一、演出を木村さん出演の伝説的ドラマ「若者のすべて」(1994)、「眠れる森」(1998)、「プライド」(2004)などの中江功氏が手掛け、総計4時間越えのスペシャルドラマとして描く。警察学校は生徒を“ふるいにかける”場所…木村さん演じる教官・風間公親は、クールで落ち着いた物腰の教師であり、卓越した観察眼と推理力を備えた名探偵でもある、謎に満ちた存在。警察官を目指す学生を恫喝するようなことはないが、何を考えているかが全くわからない孤高の男。警察学校内にある花壇で花に水をやりながら、学生の動向を鋭く観察している。“警察学校は生徒をふるいにかける場所”という考えのもと、生徒たちの深層心理に迫る。冷徹なまでのリアリズムは生徒たちを震撼させるが、本質を見極めているからこそ、警察官に向いていないと判断した生徒を徹底的にはじき出す。なぜなら現場に立つ警察官にとって小さなミスも命とりになるから。また、風間は、とある一部の生徒にはマンツーマンで指導にあたる。まさに修羅場ともいえる試練を与え、極限まで追い詰め、心を折ることも辞さない。風間の真の意図とは?彼の指導を受けた生徒たちは“覚醒"し、自らの本質に気づくことができるのか?厳しすぎる警察学校の実態が明らかに…現代社会に一石を投じる問題作警察学校という場所がクローズアップされることも新鮮な上、その実態がリアルに描かれている今作。“法律の番人”となる警察官となるため、厳しすぎる規律、守れなかった際の厳罰制度、絶対服従の上下関係など、そのリアルな描写は人権意識、民主主義的感覚を揺るがせるほど強烈で、体罰問題、働き方改革といった世論が高まる昨今の社会に一石を投じ、論争を巻き起こし得るテーマ。脚本の君塚氏、演出の中江氏をはじめとした制作陣のもと、そのような警察学校が抱えるリアリティーをあえて描ききる衝撃の問題作として話題を集めるに違いない。木村拓哉「心地良い緊張感の中で現場がスタートした」木村さんは今回の“風間公親”に並々ならぬ思いで挑んでいる模様。脚本がまだできていない段階から実際の警察学校へ視察に訪れ、本物の「教場」を目の当たりにし、プロデューサーや監督と細かい設定や過去などを話し合い、脚色を加え原作とはまた違う“風間像”をスタッフとともに作り上げたという。クランクイン前には警察学校の所作訓練にも積極的に参加、生徒役のキャストと共に厳しい訓練と向き合った。生徒役のキャストに対して、木村さんは「訓練を重ね、制服に袖を通す度に、皆さんそれぞれ役における軸を確立していっていると感じます」と語り、生徒役のキャストとは訓練を超えて積極的にコミュニケーションをはかっている。一方で、「風間という役は、生徒の立場からすると“睨まれたら終わり”というような、できれば距離を取りたいキャラクターなので、現場では、アンテナを張って間合いを取る必要があると思っています」とコメント。クランクイン前には、「今作は内容が非常に刺激的だと思いました。警察という機関の根っこの部分、警察官になってからではなく警察官になるまでの話」に「その着眼点もすごく面白いなと思いましたし、やりがいも感じました」と語っていた木村さん。さらに「中江功監督という存在は自分にとっては教官に近い存在なので、再び共同作業ができる事を非常にうれしく思います」と、中江氏とのタッグへの思いも。注目してほしい見どころについては、「もうありすぎて…(笑)。非常に中身が濃くて、いろいろなエピソードがあるのでどれも楽しみです」と期待を込める。「剣道をドラマの中でやるのは初めて」だそうで、武道場での剣道シーンも登場するという。そして先日のクランクインでは、「一刻も早く撮影したかったので、ようやくゲートが開いて前に進むことができるという思いです。久々にご一緒するスタッフや監督ともハイタッチさせていただいて撮影開始したのですが、非常に心地良い緊張感の中で現場がスタートしたので、すごく楽しいです」と、気合い十分。木村さんが冷徹な教官となる警察ドラマの新境地を切り開くエンターテインメント超大作に、期待していて。フジテレビ開局60周年記念特別企画「教場」は2020年新春、フジテレビ系にて2夜連続放送。(text:cinemacafe.net)
2019年06月03日橋爪功×井上芳雄の二人芝居「謎の変奏曲」が9月14日に開幕、それに先駆けて公開ゲネプロが行われた。【チケット情報はこちら】本作は、1996年にフランスで初演されて以降、世界中で上演されているエリック=エマニュエル・シュミットの戯曲。サー・エドワード・エルガー作曲の「エニグマ(=謎)変奏曲」が持つ“謎”をモチーフにした、ふたりの男の会話劇だ。日本でも上演を重ねられてきた作品だが、今回、演出に森新太郎、翻訳に岩切正一郎とスタッフを一新。新たな「謎の変奏曲」が誕生した。物語は、ノルウェー沖の孤島で一人暮らしをしているノーベル賞作家アベル・ズノルコ(橋爪)のもとへ、地方新聞の記者と名乗る男エリック・ラルセン(井上)が訪れることから始まる。ラルセンは、ズノルコが初めて“愛”について書いたという最新作『心に秘めた愛』を取材するためにきたという。のらりくらりと質問をかわすズノルコと、「ほしいのは真実です」と食い下がるラルセン。しかしふたりが互いの嘘に気付き始める頃、いくつかの真実が明らかになっていく――。橋爪と井上による、約2時間半(途中休憩あり)の二人芝居。セットチェンジも一切なく、ただただふたりの会話だけで物語が進んでいく。観客はじっとふたりの会話に耳を傾け、一挙手一投足を見つめ、彼らと共に隠された真実を知っていく濃密な時間だ。橋爪の演じるズノルコは、ラルセンを迎えたときにみせた“孤島暮らしの偏屈な大作家”という姿が、ラルセンの指摘、自身の独白、そして知ることになる真実の一つひとつから、変貌していくさまが巧み。ふと気づくと滲み出るものも外見も全く違う人間のようになっており、俳優の恐ろしさを感じさせられた。井上の演じるラルセンは、最初から何かを隠し持った雰囲気はあるのだが、それがどこに向かっているのかを誰にも捉えさせない。それにより、ズノルコの言葉に対してラルセンが何を言うかが読めず、物語を煙に巻き、作品全体の緊張感を生み出すのだ。息を呑む一言、その言葉が変える空気、そして長い長い会話の末にふたりがたどり着くひとつの真実。それを見届けた私たち観客はどんな表情で劇場をあとにするのか。芝居の醍醐味をじっくりと味わい尽くせる、森新太郎演出作品ならではの本作。劇場にしかない時間をぜひ楽しんで!東京公演は、9月24日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演。その後、大阪、新潟、福岡を巡演する。チケット発売中。取材・文:中川實穂
2017年09月15日覚せい剤取締法違反の容疑で現行犯逮捕された俳優・橋爪遼容疑者(30)の父親で、俳優の橋爪功(75)が7日、所属事務所を通じて直筆の書面を発表。謝罪するとともに「今は突然のことで気持ちが追いついていません」と困惑する胸中を明かした。 今月2日の息子の逮捕以降、橋爪が正式にコメントするのは初めて。直筆で「この度は息子遼の件で大変なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。 つづけて「今は突然のことで気持ちが追いついていません。正直、話すべき言葉が見つかりません。本人も大人ですので自らの責任で正しく対処していって欲しい。親としてはそれを願うばかりです」と父親としての心境をつづった。 長男逮捕をうけて、一部では活動自粛の意向があると報じられていたが、自身については「私としては出来れば今後も俳優活動を続けていければと思っています」と自粛をせず、活動を継続していくとつもりであると伝えた。
2017年06月07日イリュージョニストの引田天功が、24日に放送されたTBS系バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(毎週水曜21:57~22:54)で「死ぬかと思ったエピソード」を披露し、出演者や観覧席から悲鳴が上がった。この日は「マジで死ぬかと思ったエピソード誰でも1つは持ってる説」という仮説のもと、街頭インタビューで数々の「九死に一生」秘話を紹介。天功は著名人代表として登場し、「仕事柄たくさあります」と話しはじめた。天功が「一番痛かった」と語るのは、ステージ上での脱出イリュージョンの悲劇。等身大ボックスの中に刃渡り1メートルの刃物が24本刺さる流れで、そこからの脱出が見どころとなるイリュージョンだ。脱出に要する時間は3秒。しかし、その日は不運にも表の戸を閉めた瞬間に刃物が飛び出す誤作動。結果、計16本の刃が体に突き刺さった。観客が異変に気づいてスタッフに知らせ、演目は中止。すぐに緞帳が下り、病院に搬送された。天功は箱の中に入ってからの記憶が全くないという。番組スタッフから血だらけになったのかを聞かれ、「そうだったらしいです」と淡々。辞めたいと思ったことは何度もあると言い、「やっぱり契約がありますから。吉本と……」とポツリ。ナレーションで「吉本からの脱出が一番難しいようだ」と解説されると、ダウンタウン・松本人志は笑いながらも「やめなさい」とツッコミを入れていた。
2016年08月25日●視聴率の明暗、プロデューサーのファインプレー6月30日まで放送される深夜ドラマ『ドクターカー』(日本テレビ系)と7月1日まで放送される『ナイトヒーローNAOTO』(テレビ東京系)を除いて、今期の春ドラマがほぼ終了。新年度のスタートにふさわしく力作ぞろいの中、視聴率は今年トップとなる平均17.2%を叩き出した『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系)の圧勝に終わった。2番手は『世界一難しい恋』(日本テレビ系)の平均視聴率12.9%で、その他は「2ケタに届くかどうか」というレベル。国民的アイドルの嵐メンバー主演作がワンツーを飾ったことで、視聴率はいよいよ人気度をはかる指標という色合いが濃くなってきた。その一方で、クチコミサイトやSNSなどで評価が高かったのは、『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)、『重版出来!』(TBS系)、『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系、以下『できしな』に略)、『グッドパートナー 無敵の弁護士』(テレビ朝日系)、『コントレール~罪と恋~』(NHK)、『火の粉』(フジテレビ系)。サスペンス、お仕事モノ、ラブストーリー、ホラーなど、さまざまな要素の作品が支持を集めた。ここでは、「エンタメか人間ドラマか? 視聴率と評価に明暗」「アンハッピーエンドの復活」「"非美人系"ヒロインが躍動」という3つのポイントから検証し、全19作を振り返っていく。今回も「視聴率や俳優の人気は無視」のドラマ解説者・木村隆志がガチ解説する。■ポイント1:エンタメか人間ドラマか? 視聴率と評価に明暗今期最大の特徴は、「手堅く視聴率を稼ぐ」今どきのエンタメ作品と、「視聴者の共感を誘う」人間ドラマ作品に二分されたこと。エンタメ作品は、『99.9』、『僕のヤバイ妻』、『世界一難しい恋』、『トットてれび』、『できしな』。いずれも「話題性は上々で、一定の視聴率を稼いだ」という意味では、制作サイドの目論見通りと言っていいだろう。ただ、見やすさやテンポ重視のため、ドラマ通やドラマ識者になるほど評価が下がるのも事実。テレビ局が視聴率を追い続ける限り、「質やドラマ性はさておき、瞬間的に楽しませる」という制作スタンスは変わらないだろう。一方、人間ドラマ作品は、『重版出来!』、『グッドパートナー』、『早子先生、結婚するって本当ですか?』(フジテレビ系、以下『早子先生』)、『OUR HOUSE』(フジテレビ系)と、いずれも視聴率では苦戦。ただ、『重版出来!』と『グッドパートナー』は前述の通り、視聴者だけでなく、ドラマ通や識者の評価は高く、続編を期待する声も多い。かつて人間ドラマ作品は、連ドラの王道だったが、今や『早子先生』や『OUR HOUSE』のように低視聴率に陥るリスクの高いバクチのようなものになっている。ちなみに、『ラヴソング』(フジテレビ系)と『お迎えデス。』(日本テレビ系)は、ともに見どころ十分だった反面、エンタメと人間ドラマの両方を狙いにいって焦点がぼけた感が強い。■ポイント2:アンハッピーエンドの復活冬ドラマでは、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)、『ダメな私に恋してください』(TBS系)、『家族ノカタチ』(TBS系)、『スミカスミレ』(テレビ朝日系)のラブストーリーがすべてハッピーエンド。その他、医療・刑事ドラマ、ミステリーなども大団円ばかりで、殺人犯の逃亡を描いた『ナオミとカナコ』(フジテレビ系)、クローン人間と臓器提供がテーマの『わたしを離さないで』(TBS系)ですら、どこか希望を残すような結末だった。これは制作サイドが、このところ「結末に対する視聴者の反応が大きくなっていた」「特にアンハッピーエンドに対するバッシングが多かった」ことを踏まえたのは明白。視聴者に配慮する形が採用されたのは間違いない。その反動か春ドラマでは、アンハッピーエンドが目立った。主演コンビが結ばれなかった『ラヴソング』と『コントレール』、結ばれる手前で終わった『できしな』と『早子先生』、悪事の被害者が報われないままの『僕のヤバイ妻』と『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系、以下『毒島ゆり子』)、主人公が息絶えた『火の粉』は、決してハッピーとは言えない結末。もちろん、『世界一難しい恋』や『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)などのハッピーエンドもあったが、これほどアンハッピーエンドが多かったのはひさびさと言える。これは制作サイドの「ハッピーエンドより、この結末のほうが面白い」という提示ではないか。高視聴率狙いやバッシング回避で視聴者に迎合するのではなく、「より面白いものを、自信を持って提示しよう」という姿を取り戻せたのは、ドラマ界にとって朗報かもしれない。■ポイント3:"非美人系ヒロイン"が躍動今期は失礼ながら、美ぼう自慢がそろう女優界の中では、「美人とホメられることの少ない」タイプのヒロインが躍動した。『重版出来!』の黒木華、『ゆとりですがなにか』の安藤サクラ、『ラヴソング』の藤原さくらは、それぞれ存在感たっぷり。オダギリジョーと坂口健太郎、岡田将生と松坂桃李、福山雅治と菅田将暉という主演クラスの美男と堂々渡り合う姿は、連ドラでは極めて珍しい光景だった。非美人系ヒロインを起用する最大のメリットは、演技力と女性好感度の高さ。黒木と安藤の起用は間違いなく演技力の高さを買われてのことであり、藤原もアーティストとしての歌唱力を優先させたからだろう。また、美意識を振りまいたり、男性に媚びを売ったりしない彼女たちは、視聴者に日常のリアリティと親近感をもたらせるのが強み。浮世離れした美女でない分、自分をヒロインに置き換えて見られるし、だからこそ応援したくもなる。そんな彼女たちに脇役だけをやらせておくのは、実にもったいないところ。今回は3人をヒロインとして抜てきしたプロデューサーのファインプレーだったが、今後も追随する作品が現れるか。残念ながら夏ドラマには非美人系ヒロインはゼロで、脇役でも『家売るオンナ』(日本テレビ系)のイモトアヤコがいるくらい。春ドラマの高評価を受けて、秋・冬のドラマで非美人系ヒロインの復活があれば、また盛り上がるのではないか。全作の全話を見た結果、春ドラマの最優秀作品に挙げたいのは、『重版出来!』。近年これほど人間関係を丁寧に描いたお仕事ドラマは記憶になく、キャスト・スタッフの両方から「背伸びせず、でもとことん熱く」というプロフェッショナルの仕事を感じた。『毒島ゆり子』は、恋愛体質のヒロインと政治の世界を絡めた脚本・演出が冴え渡り、深夜ドラマとしてのパッケージ力は出色。前田敦子の演技は有無を言わせない、演技派女優のそれだった。『世界一難しい恋』は、恋敵を置かず1対1の図式に絞った潔さが奏功。キャラの描き分けが適切で、古き良き80年代のラブコメが現代版としてアップデートされた感がある。男優では、抑えの効いた演技が光った『グッドパートナー』の竹野内豊と、初の恋愛コメディで新境地を開いた『世界一難しい恋』の大野智。女優では、女性の本能的な衝動と色気を体現した『毒島ゆり子』の前田敦子と、考えうる最大の難役・黒柳徹子に挑んだ『トットてれび』の満島ひかりを挙げておきたい。また、『重版出来!』のオダギリジョー、『世界一難しい恋』の小池栄子などの助演も大活躍。キャラを完全に掌握した役作りで、主演を輝かせていた。【最優秀作品】『重版出来!』次点-『毒島ゆり子』『世界一難しい恋』【最優秀演出】『毒島ゆり子』次点-『コントレール』『トットてれび』【最優秀脚本】『重版出来!』次点-『グッドパートナー』『世界一難しい恋』【最優秀主演男優】竹野内豊(『グッドパートナー』)次点-大野智(『世界一難しい恋』)【最優秀主演女優】前田敦子(『毒島ゆり子』)次点-満島ひかり(『トットてれび』)【最優秀助演男優】オダギリジョー(『重版出来!』)次点-太賀(『ゆとりですがなにか』)【最優秀助演女優】小池栄子(『世界一難しい恋』)次点-安藤サクラ(『ゆとりですがなにか』)【優秀若手俳優】藤原さくら(『ラヴソング』)舞羽美海(『早子先生』)●全19作をガチ採点! 『重版出来!』高評価の理由とは各作品のひと言コメントと採点(3点満点)○『ラヴソング』月曜21時~フジテレビ系出演者:福山雅治、藤原さくら、水野美紀ほか寸評:中年主人公の哀しさと希望、吃音に悩むヒロインの挑戦と成長など、それぞれの物語は見応えがあるが、2人につきまとう年の差恋愛がブレーキをかけていた。年齢性別を超えた絆を描くだけでよかったところを"月9"へのこだわりが判断を誤らせたのか。藤原の歌声と演技は可能性たっぷり。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『僕のヤバイ妻』火曜22時~フジテレビ系出演者:伊藤英明、木村佳乃、相武紗季ほか寸評:初回のハイペースで最後まで緊張感がもつのか? という不安をギリギリのところで逃げ切った印象。視聴者のリアルタイム視聴を誘う仕掛けはいかにも現代的だが、中盤から主人公とヤバイ妻の描写が大味になり、心理面での変化は伝わらなかった。余韻を残した結末は、「してやったり」か。採点:【脚本☆☆演出☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『重版出来!』火曜22時~TBS系出演者:黒木華、オダギリジョー、坂口健太郎ほか寸評:正義も悪も作らない丁寧な人間描写で、視聴者に仕事というテーマを追いかけさせたのは、脚本・演出の力。キャスト、音楽、漫画などの小道具も含め、すべてのピースが見事にハマった。お仕事ドラマにありがちな説教くささもなく、漫画業界モノと思ってスルーした人は、今からでもぜひ。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆総合☆☆☆】○『世界一難しい恋』水曜22時~日本テレビ系出演者:大野智、波瑠、北村一輝ほか寸評:「三角関係やライバル登場は一切なし」で潔く2人の恋に割り切った采配は見事。老若男女が笑いながら応援できる間口の広いラブコメを実現させた。キスだけで最終回まで引っ張るのは、80年代のアイドルドラマを思わせるピュアさ。"じらし"は今の時代も通用した。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆☆総合☆☆☆】○『毒島ゆり子のせきらら日記』水曜24時10分~TBS系出演者:前田敦子、新井浩文、渡辺大知ほか寸評:女性の恋と政治のシンクロは斬新で、希望と挫折、信頼と裏切りが表裏一体であることを巧みに描いた。クロワッサンやダルマなどの小道具使いも遊び心たっぷりで、ベッドシーンとのクロスオーバーも見事。オリジナルの深夜30分ドラマでここまで脚本・演出を練り上げた熱意に敬服したい。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆総合☆☆☆】○『鼠、江戸を疾る2』木曜20時~NHK出演者:滝沢秀明、青山美郷、高嶋政宏ほか寸評:人情活劇としての必要箇所は備えているが物語の奥行きはなく、あくまで様式美を楽しむタイプの前時代的な時代劇。滝沢はセリフ回しこそ危うさがあるものの、佇まいのカッコよさとアクションでお釣りがくる。前作『ちかえもん』のあとだけに、気軽に見られる美男の痛快作がうまくハマった。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『警視庁・捜査一課長』木曜20時~テレビ朝日系出演者:内藤剛志、斉藤由貴、金田明夫ほか寸評:「刑事ドラマの二番手」に慣れた内藤が、主役に昇格して捜査一課長の威厳をソツなく体現。昭和から続く刑事ドラマのボス像を忠実に描いているのは、枠の視聴者を踏まえた中高年向けのベタな演出か。脚本の流れが窮屈で、「2時間ドラマを連ドラにするのは難しい」と改めて実感させられた。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆】○『グッドパートナー 無敵の弁護士』木曜21時~テレビ朝日系出演者:竹野内豊、松雪泰子、杉本哲太ほか寸評:事件解決がメインの『99.9』とは異なり、こちらは正統派の弁護士ドラマだった。「法律を駆使してどう勝つか?」に加えて、弁護士バッジを外して人情を絡める展開は、さすが福田靖。元夫婦のやり取りも楽しく、コメディパートを交えながらも地に足のついた印象で、続編が期待される。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆総合☆☆☆】○『早子先生、結婚するって本当ですか?』木曜22時~フジテレビ系出演者:松下奈緒、貫地谷しほり、佐藤仁美ほか寸評:松下はショートヘアで気合十分だったが、脚本・演出ともにひと世代前の婚活ドラマ風味で、視聴者の共感を集められず。『できしな』の好反響を見ればわかるように、今や婚活というテーマとハートフルな作風は相性が悪い。中江功監督なら「婚活中の娘と家族の物語」メインでよかったのでは?採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆】○『ドクター調査班~医療事故の闇を暴け』金曜20時~ テレビ東京系出演者:谷原章介、中越典子、高畑淳子ほか寸評:架空組織『医療事故調査委員会』の設定はファンタジーだが、怒りを禁じえない悪の存在でドラマティックに。何と言っても醍醐味は潜入捜査であり、これがないときは消化不良のムードがあった。ここまで勧善懲悪エンタメに振り切った医療ドラマがあってもいいが、見る人は限られるだろう。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆】○『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』金曜22時~TBS系出演者:中谷美紀、藤木直人、瀬戸康史ほか寸評:実践的かつ具体的な恋愛テクニックをベースにした恋愛ドラマはいかにも現代的で、視聴者には鮮度たっぷり。中谷の空回りと藤木の毒舌をスパイスにした「痛いところを突きながら笑わせる」雰囲気作りが光った。ただ脚本としては男性の描き方に魅力が乏しく、あの結末しか選択肢がない。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆☆総合☆☆】○『コントレール~罪と恋』金曜22時~NHK出演者:石田ゆり子、井浦新、野際陽子ほか寸評:「不倫を超える禁断の恋を描く」という挑戦は、前時代的な反面、なぜか新鮮さがあった。その理由は、叙情的な映像美と抑えの効いた演技。少ないセリフの中に燃えるような愛を秘めた石田と井浦の姿が作品の質を高めた。脇のキャラも、エキセントリックな方向に逃げなかったのは好印象。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『不機嫌な果実』金曜23時15分~テレビ朝日系出演者:栗山千明、市原隼人、稲垣吾郎ほか寸評:20年ぶりの再ドラマ化は、フタを開けてみたらまったく別の作品に。終始ポップな演出で、不倫に走る危うげなムードはなく、ベッドシーンの色気も不足気味。栗山と高梨臨という清楚タイプの女優をそろえたことで、表現の幅が広がらなかった上に、週刊誌が報じる現実の衝撃に勝てなかった。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆視聴率☆☆総合☆】○『トットてれび』土曜20時15分~NHK出演者:満島ひかり、中村獅童、ミムラほか寸評:1カットの細部までこだわり抜いた姿勢は圧巻。超難役・黒柳徹子に挑んだ満島だけでなく、各キャストが渥美清、向田邦子、森繁久彌らが蘇る魂の熱演を見せた。偉人伝のためドラマ性は薄いが、記念碑的な作品に。土曜夜の30分放送、ミュージカル風の演出は賛否が分かれるところか。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆総合☆☆】○『お迎えデス。』土曜21時~日本テレビ系出演者:福士蒼汰、土屋太鳳、鈴木亮平ほか寸評:幅広い認知度を誇る朝ドラ出身者をズラリそろえ、家族で見られるハートフル作に仕上げた。幽霊と憑依の描写はいかにも漫画の世界観だが、人の死とやり残したことがテーマだけに、感動のスイッチは目白押し。ホロリとさせる手堅い作品だった反面、それで今どきの子どもに敬遠された感も。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆総合☆☆】○『火の粉』土曜23時40分~フジテレビ系出演者:ユースケ・サンタマリア、優香、佐藤隆太ほか寸評:狂気の世界観、ストレスフルな展開、ケレン味たっぷりの芝居は、"昼ドラの東海テレビ"らしさ満載。「殺人犯の主人公」ユースケと、「徹底していたぶられるヒロイン」優香の熱演が光った。直接的な暴力シーンに頼らず、バームクーヘンやジュースを使った恐怖のあおり方も巧み。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆視聴率☆☆総合☆☆☆】○『99.9-刑事専門弁護士-』日曜21時~TBS系出演者:松本潤、榮倉奈々、香川照之ほか寸評:裏番組にドラマ枠が誕生する中、シビアな勝負に徹して圧勝。注目を引きつけ、視聴率を獲る術を知り尽くしたような『日曜劇場』のプロデュース力を見せつけた。シンプルな勧善懲悪、個性的な脇役を絡めたチーム戦、ハイテンポな事件解決と、近年の人気ドラマを凝縮した仕上がり。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆視聴率☆☆☆総合☆☆】○『OUR HOUSE』日曜21時~フジテレビ系出演者:芦田愛菜、シャーロット・ケイト・フォックスほか寸評:復活枠の第1弾として、視聴率につながりそうな要素をかき集めたことが、散漫な印象に…。芦田のオヤジ言葉とシャーロットのカタコト日本語が違和感を招き、ドラマに入っていけない視聴者を続出させた。終盤の「亡き妻にそっくりの女性登場」は、野島伸司のセルフオマージュか。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆視聴率☆総合☆】○『ゆとりですがなにか』日曜22時30分~日本テレビ系出演者:岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥ほか寸評:クドカンワールドは過去最少クラスに留め、ゆとり世代の斜め見を徹底。ただ、主演トリオより、安藤サクラ、太賀、吉岡里帆の存在感が勝るシーンも多く、掘り下げ方があいまいになった。ハッとさせるような名言や、日曜夜に社会派を選ぶ勇気など、称えられるべきところは多い。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆視聴率☆☆総合☆☆】■木村隆志コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月間20本超のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人を超えるタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。
2016年06月30日全21作品がそろった2016年の春ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていきます。別記事(「2016年春ドラマ」傾向分析&オススメ5作発表! - 婚活、弁護士…なぜジャンルがかぶったのか?)において、春ドラマの主な傾向を[1]春らしい出会いと恋愛[2]朝ドラヒロインが百花繚乱[3]オリジナル脚本ありきの大勝負[4]婚活、弁護士……まるかぶりの理由は? の4つと分析。オススメドラマとして、『重版出来!』(TBS系 火曜22時)、『トットてれび』(NHK 土曜20時15分)、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系 日曜22時30分)、『ラヴソング』(フジテレビ系 月曜21時)、『世界一難しい恋』(日本テレビ系 水曜22時)の5本を選びました。本記事では、それらの作品を含む、今クール全作品のひと言コメントと採点(3点満点)を紹介していきます。○『ラヴソング』月曜21時~フジテレビ系出演者:福山雅治、藤原さくら、水野美紀ほか寸評:元ミュージシャンの再生と、孤独なヒロインの成長という2軸はいいが、そこに23歳差の"年の差恋愛"はトゥーマッチで、視聴者を困惑させた。いっそ師弟愛に振り切ったほうがよかった気もする。初演技の藤原は歌声に加え、感性を振り絞るような演技も見応えアリ。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆期待度☆☆☆】○『僕のヤバイ妻』火曜22時~フジテレビ系出演者:伊藤英明、木村佳乃、相武紗季ほか寸評:初回の殺害計画と誘拐事件、身代金をめぐるジェットコースター的な展開は強烈だったが、裏を返せば出落ち感も……。今後は木村演じる妻を筆頭に、周囲の人物たちをどれだけ「ヤバく」描けるか。『サイレーン』のように、ツイッターやSNSへの着火がカギを握る。採点:【脚本☆☆演出☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『重版出来!』火曜22時~TBS系出演者:黒木華、オダギリジョー、坂口健太郎ほか寸評:スポ根型のヒロインに既視感こそあるが、編集部員に加え、漫画家、営業部員、書店員とのやり取りは、職業ドラマの王道。1人1人の喜怒哀楽を丁寧に描いているため、単なる出版の業界モノに留まらない魅力がある。黒木はもちろん手練れをそろえたキャストに大満足。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『世界一難しい恋』水曜22時~日本テレビ系出演者:大野智、波瑠、北村一輝ほか寸評:ラブコメ名手の金子茂樹らしい脱力した恋模様が笑いを誘う。大野と波瑠の組み合わせは鮮度十分で、回を追うごとに役をつかんだ感も。ゆるい世界観の中に、恋の核心を突くようなセリフがあるのもポイント。秘書の小池栄子と運転手の杉本哲太が見せる父母性が光る。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『毒島ゆり子のせきらら日記』水曜23時53分~TBS系出演者:前田敦子、新井浩文、渡辺大知ほか寸評:「恋愛依存症で二股が前提だが、不倫はしない」ヒロイン像、政治に「愛と裏切り」を絡めて成長をうながす筋書きは設定の妙。「深夜の昼ドラ」というコンセプト通り濡れ場満載だが、物語としても期待できそう。恋に揺れ続ける前田のモノローグは、妙なリアリティがある。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『鼠、江戸を疾る2』木曜20時~NHK出演者:滝沢秀明、青山美郷、高嶋政宏ほか寸評:2年ぶりの第2弾も滝沢演じる鼠小僧は、愛にあふれてカッコイイ。色気だけでなく、アクションシーンも力強さを増した感がある。妹役の青山と下っ引き役の池田鉄洋など、新キャストも生き生き。「老若男女が楽しめるエンタメ時代劇」として同枠に最適な作品。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『警視庁・捜査一課長』木曜20時~テレビ朝日系出演者:内藤剛志、斉藤由貴、金田明夫ほか寸評:『土ワイ』の2時間ドラマを連ドラ化。「キャリアの87%が刑事役」の内藤ほど、一課長が似合う俳優はいない。脇を固める斉藤と金田も含め、人情を通じた信頼関係を描く布陣は万全。初回は熊本地震当日で「途中打ち切り」の不運もあったが、実績があるだけにブレはなし。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『グッドパートナー 無敵の弁護士』木曜21時~テレビ朝日系出演者:竹野内豊、松雪泰子、杉本哲太ほか寸評:弁護士ドラマかぶりも何のその、『HERO』を手がけた職人・福田靖の脚本だけに力負けの不安はゼロ。裁判の勝ち方も、元夫婦のやり取りも狙いすぎず、ほどよい塩梅に留まり、見る人を選ばない秀作に。弁護士やパラリーガルたちも多彩で、随所に小技が冴えている。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆】○『早子先生、結婚するって本当ですか?』木曜22時~フジテレビ系出演者:松下奈緒、貫地谷しほり、佐藤仁美ほか寸評:松下はショートヘアだけでなく、変顔を連発するなど「新境地を開こう」という意欲十分。中江功監督らしい静かなトーンの世界観とのギャップを生み出しているが、視聴者に届いていない感も……。ベタな設定だけに、婚活よりも女性の人生にどうクローズアップするか。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『ドクターカー』木曜23時59分~日本テレビ系出演者:剛力彩芽、中村俊介、笛木優子ほか寸評:ヘリやシップはあったが、本格的なドクターカーは初めて。「限られた状況での発想力と判断力をどう描くか」がポイントになる点は変わらない。正義感に燃える新人医師と救命救急センター長の対立軸は、深夜らしくシンプル。シングルマザーの設定が枷になるリスクも。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆期待度☆】○『ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~』金曜20時~ テレビ東京系出演者:谷原章介、中越典子、高畑淳子ほか寸評:「架空組織『医療事故調査委員会』が真相に迫る」というコンセプトが斬新。医師が潜入調査するシーンは、「そんなことがあり得るのか?」というドラマならではのワクワクがある。「医療の暗部を暴く」クライマックスの痛快さは格別で、谷原がノリノリの演技を見せている。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』金曜22時~TBS系出演者:中谷美紀、藤木直人、瀬戸康史ほか寸評:ディスられる美女を見るのも、藤木の毒舌にスカッとするのも、恋の理論を学ぶのもよし。未婚アラフォーの中谷をフィルターにすることで視聴者のハードルを下げている。「憧れの人」役に徳井義実を起用するなど、男性キャストを魅力的に描けていないのが気がかり。採点:【脚本☆☆演出☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『コントレール~罪と恋』金曜22時~NHK出演者:石田ゆり子、井浦新、野際陽子ほか寸評:安定の"大石静劇場(激情)"。脚本家のなかでも、ここまで禁断の恋を真正面から描けるのはこの人だけ。「薄幸美人」が板についた石田の色気は、同性からの支持も高く、キャスティングも的確。ヒロインをとりまく人々の猛反対が過激になるほど、評価が高まりそう。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『不機嫌な果実』金曜23時15分~テレビ朝日系出演者:栗山千明、市原隼人、稲垣吾郎ほか寸評:20年ぶりの再ドラマ化は、想像以上にポップ。不倫に走る女性たちのモノローグも、稲垣の潔癖マザコン男ぶりも、多用されるBGMも、その罪を軽減させるような印象さえ受ける。不倫がクローズアップされる今年にピッタリの作品だが、現実の衝撃にどう打ち勝つのか。採点:【脚本☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆】○『ナイトヒーロー NAOTO』金曜24時12分~テレビ東京系出演者:NAOTO、黒島結菜、木下ほうかほか寸評:『ドラマ24』お得意のアイドルドラマだが、女性向けは異例。NAOTOが本人役、ソウルマンとして悪を成敗、EXILEメンバーも登場など、ファンサービスは徹底されている。物語性はほぼ排除されているため、ファン以外の楽しみは、ドS女子高生役の黒島のみか。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆期待度☆】○『トットてれび』土曜20時15分~NHK出演者:満島ひかり、中村獅童、ミムラほか寸評:笑い、涙、ミュージカル、ファッション。その全てからテレビ草創期の熱気を感じる文句なしの力作。自由かつ天然な黒柳をそつなく演じる満島の力に改めて気づかされる。森繁久彌、渥美清、坂本九、向田邦子ら故人とのやり取りも含め、井上剛の演出がキレキレの30分。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】○『お迎えデス。』土曜21時~日本テレビ系出演者:福士蒼汰、土屋太鳳、鈴木亮平ほか寸評:10代への訴求抜群な福士と土屋のコンビに勢い。幽霊と憑依をベースにしたマンガ原作らしい演出もフィットしている。とはいえ、人の死を扱う物語だけにヒューマン要素も強めで、毎話のゲストがキーマンに。福士の憑依や土屋の生足キックなど、ツイッターとも好相性。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『火の粉』土曜23時40分~フジテレビ系出演者:ユースケ・サンタマリア、優香、佐藤隆太ほか寸評:昼ドラが終了した東海テレビが手がけるだけに、徹底して不穏なムードに包まれている。ユースケの見せる確信的な不気味さと、ただ翻弄される家族の描写は、他の枠にはないストレス過多な展開。我慢や理不尽を強いられるヒロイン像は、往年の連ドラを彷彿とさせる。採点:【脚本☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆】○『99.9-刑事専門弁護士-』日曜21時~TBS系出演者:松本潤、榮倉奈々、香川照之ほか寸評:弁護士ドラマのムードは薄めで、実質的には刑事ドラマ。法廷シーンや法律を駆使するシーンは少なく、事件の解明にクローズアップした潔さで高視聴率につなげた。松本と香川のコンビはいいコントラストで、片桐仁ら助演も効いているが、目新しさは感じられない。採点:【脚本☆☆演出☆☆キャスト☆☆期待度☆☆】○『OUR HOUSE』日曜21時~フジテレビ系出演者:芦田愛菜、シャーロット・ケイト・フォックスほか寸評:愛菜とシャーロットのW主演、野島伸司の脚本、山本耕史が現実と同じ「交際0日婚」の設定、オフコースの主題歌など、仕掛けがてんこ盛り。裏の『日曜劇場』が強大なだけに、新枠の立場からフルパワーの勝負に挑んだが、噛み合わず。子役たちが救いとなっている。採点:【脚本☆演出☆キャスト☆☆期待度☆】○『ゆとりですがなにか』日曜22時30分~日本テレビ系出演者:岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥ほか寸評:脚本・宮藤官九郎×演出・水田伸生だけにオリジナリティは極めて高い。ゆとり世代の扱い方も多彩で、本人も周囲も全てのキャラに存在意義が見える。じわじわと心の奥に刺さるような名言も多く、明日の仕事が胸をよぎる日曜夜に、あえて社会派を選んだ勇気も称えたい。採点:【脚本☆☆☆演出☆☆☆キャスト☆☆☆期待度☆☆☆】■木村隆志コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技84』など。
2016年05月05日俳優の吉岡秀隆が、5月5日に放送されるフジテレビ系ドラマ『早子先生、結婚するって本当ですか?』(毎週木曜22:00~22:54)の第3話にゲスト出演することが28日、分かった。このドラマは、松下演じる34歳の独身小学校教師・立木早子が、周囲に巻き込まれて結婚に向かって動き始め、傷つきながらも運命の人と出会うために奮闘していく姿を描くもの。吉岡が演じるのは、早子の実家・立木豆富店に、買い物に来る客で、応対した早子の姿を見て困惑し、豆腐を買うと逃げるように去ってしまう。ところが、店先には凪太郎の赤い傘が残され、今後のストーリーに不思議な雰囲気を醸しながら関わってくることになる。同ドラマの監督を務める中江功氏は、吉岡が主演を務めた『Dr.コトー診療所』の演出を手がけた間柄。松下と吉岡のドラマでの共演シーンは、今回が初めてとなる。
2016年04月29日●早子先生、全裸で踊るって本当ですか?女優の松下奈緒が、婚活を通してさまざまな幸せを見つけていく34歳独身女性を演じる、フジテレビ系連続ドラマ『早子先生、結婚するって本当ですか?』(毎週木曜22:00~22:54)が、1日(第1話は~23:09)に、初回放送を迎える。髪を約30センチカットし、女優になってから初めてというショートカット姿を披露する松下。今作では、いまだ結婚を意識していない小学校教師・立木早子を演じる。性格は天真爛漫(らんまん)、どこか憎めない三枚目キャラで、恋愛に関して無頓着。結婚についても焦ってはおらず、ただ最近、少しさみしさも感じ始めたという、両親と自宅で共暮らしをしている34歳の独身女性だ。松下にとって、非常にチャレンジングな作品となっており、まずその1つが、前述した髪型。もう1つは、早子の自宅での暮らしぶりにある。自宅での早子は飾り気のないグレーのジャージを愛用しているが、そのスタイルで床にあぐらをかき、ビールを缶から直飲みして、テレビにツッコミを入れつつ大爆笑。さらには全裸(!)で踊るといったシーンも登場するのだ。第1話は、小学校の教室で、早子が生徒の子どもたちに囲まれ、指で鼻の穴を広げられるなど、にぎやかな描写から始まる。その後は「イナバウアー」や「コマネチ」のあまりに似ていないモノマネを披露。早子の生活は、子どもたちや同僚、愛らしい両親との掛け合いなど、愛すべきものに囲まれた幸せのなかにあった。だがある日、早子が帰宅すると、父・辰志(尾藤イサオ)、母・尚子(松坂慶子)の姿がない。辰志が病院に運ばれてしまったのだ。やがて早子は、しっかり者の妹・風子(川栄李奈)から、両親がひそかに「早子に結婚してほしい」と願っていたことを聞かされ、この幸せが永遠に続くものではないことに今更ながら気付き、学校の同僚たちと婚活を始める――。さて、問題の早子の"裸踊り"だが、これはドラマ開始から約23分後に到来する。自宅に両親がいないことをあらためて確認した早子は、その開放感でテンションがMAXに。バスタオルを裸体に巻いただけの姿で風呂から上がってくる早子。突如「ヒャッホー!」という喜びの奇声とともに、バスタオルをオープン! 全裸で手拍子、歌い踊り始めたかと思うと、ちょっとテキトーなムーンウォークを披露し…!?このはっちゃけぶりは、直前のシーンで服を着て登場する、とにかく明るい安村(早子の同僚のダメ彼氏・木の下役)のお株を奪いかねない思い切りの良さ。同ドラマの制作発表で、共演の八嶋智人が「回を重ねていくとポロリもあるはず」と冗談めかして話していたが、誰もがそんな"イジり"をしたくなってしまうほど、才女、良妻賢母といった松下の役がらのイメージは今回、良い意味で払しょくされている。まさに新生・松下奈緒の誕生の瞬間なのだ。●早子先生、夜でも朝ドラ出演者がいっぱいって本当ですか?脇を固める共演者にも触れておきたい。学校の同僚では、結婚願望も女子力も高い同僚・久我山ミカ役を貫地谷しほり、腐れ縁の彼がいるネガティブ思考の成増梅子役に佐藤仁美、合コンにいそしむ千駄木廉太郎役に八嶋智人。また、甘えん坊だが根はやさしい港草介役に間宮祥太朗、早子にお見合いを勧めてくる本郷潤吉役に山内圭哉、保健の先生・秋川莉々役に小芝風花、新婚の神田和夫役を田野倉雄太、ミカの友人で独身OLの羽村舞を舞羽美海が好演している。ここまで紹介して、お気づきの方も多数いらっしゃるだろう。そう、今作の出演者は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)経験者が非常に多いのだ。ざっと挙げるだけでも、松下(『ゲゲゲの女房』)、貫地谷(『ちりとてちん』)ら主演クラスをはじめとして、佐藤(『あすか』『ファイト』『おひさま』)、八嶋(『マッサン』)、山内(『はっさい先生』『あさが来た』)、小芝(『あさが来た』)、舞羽(『あさが来た』)、川栄(『とと姉ちゃん』)、尾藤(『はっさい先生』『すずらん』)、松坂(『ゲゲゲの女房』『あさが来た』)……なんとも爽やかな布陣である。その結果、メタレベルでは、早子の合コンシーンで、松下、貫地谷、舞羽の3人の朝ドラ女優が列席しているなど、男性諸君には夢のような状況も登場。これら画面の華やかさも、木曜夜の癒やしになるのではないか。原作は立木早子の人気ウェブ4コマ。脚本は『みにくいアヒルの子』『ホタルノヒカリ』の水橋文美江。監督は『ようこそ、わが家へ』『Dr.コトー診療所』の中江功ほか。劇中の音楽は牧歌的であたたかく、山下達郎と竹内まりやのデュエットによる劇中歌「Let It Be Me」が感動シーンをやさしく彩っていく。このドラマは正直、地味だ。だが、地味で普通の何気ない日常の中にこそ、リアリティのある幸せが潜み、心からわずかにこぼれ出したような、そんな小さな幸せが見る人の心を大きく揺さぶる。chayが歌う主題歌「それでしあわせ」も同様で、まさに本作の象徴的な楽曲。木曜の夜、疲れがたまり始めた心に、週の残りを乗り切る力を与えてくれる、一服の清涼剤的なドラマにもなりそう。第1話の最後には、早子の初めてのお見合い相手が登場。意外な人物が演じているのだが、その正体が誰なのかは、ドラマを見てのお楽しみだ。
2016年04月21日映画『家族はつらいよ』公開を記念して、主演の橋爪功、吉行和子が3月20日(日)、撮影が行われた東急田園都市線沿いの映画館での舞台挨拶を実施。交通混雑もあって、電車で移動し、撮影の思い出や山田洋次監督の演出について語った。二子玉川の109シネマズでの舞台挨拶を前に、南町田でも舞台挨拶を行なったが、橋爪さんは、南町田の映画館に車で向かう途中、渋滞に巻き込まれたそうで、途中で車を降りて、電車で映画館へ。さらに、南町田から二子玉川へもそのまま、東急田園都市線で移動してきたそう。春の日差しの中での電車での移動に橋爪さんは「いいもんですね(笑)。ハイキング気分でウキウキしながら来ました」と語る。吉行さんも「シルバーシートに座ってきました(笑)」とニッコリ。2人が夫婦を演じるのは、本作で5作目。山田監督作品では、『東京家族』でも夫婦を演じたが、今回の夫に熟年離婚を切り出す妻の役について吉行さんは「『東京家族』では2歩も3歩も下がって夫に付き従う妻でしたが、今回は思いの丈を言うので、ストレス解消になりました」と楽しそうに明かす。改めて、お互いの素敵な部分について尋ねると、吉行さんは「橋爪さんはいまだに謎の男なんです(笑)。これって素敵なことです。慣れてツーカーなところもありますが、分からないところもたくさんあります」と長い付き合いの中でも橋爪さんがなおも謎に包まれていると語る。さらに「脚がすごくきれいで、すね毛がなくて真っ白なんですよ。あまりに美しいので、『触らせて』と言ってなでました」と意外なチャームポイントを明かす。橋爪さんは「すね毛はありますよ。でもジーパンなどを履くと擦れて(毛が)切れちゃうんです」と照れくさそうに明かし、自身の謎めいた部分についても「秘密主義で絶対に人に自分の心を見せないんです」とニヤリ。吉行さんについては、いきなり本人に「結婚生活は3年?4年でしたっけ?」と直球質問をぶつける。「4年です」との答えを受け「結婚生活4年で、料理も自分でしないから(家に)台所用品がない」と暴露!「ほめてくれるんじゃないの?」と吉行さんは苦笑するが、橋爪さんは「実生活で学ぶよりも想像力なんだなと教えられます。底が割れない女優さんです」と独特の表現で吉行さんを称えていた。撮影の思い出では、シーンによって、山田監督が撮り終えたシーンを丸ごとリテイク(撮り直し)することがあると2人とも苦笑交じりに述懐。橋爪さんは「昼休みの後のこっちに歩いてくる監督の顔を見ると分かるんです。『おい、リテイクだよ…』って(苦笑)」とボヤく。実際、15ページに及ぶ家族会議のシーンは5日間、橋爪さんが次男役の妻夫木聡と犬と散歩するシーンは、3日間にわたって撮影が行われたという。「山田監督に今だから言いたいこと」を問われると吉行さんは「(シーンが)終わったとたんに無表情になるんです。何を考えてるのか分からない。その時間はごく短いのかもしれないけど針のムシロです。悪いにせよ、良いにせよすぐに反応していただけるといいですね」と語る。橋爪さんは「同じく」とうなずき「監督は童顔なんですが、考え事してるとその童顔がすごく不機嫌に見える。何とかしてもらいたいですね。意外と(自宅が)近いところにあるんですが、ピンポンダッシュしてやろうかと思ってます(笑)」と“復讐”を企て、会場は笑いに包まれた。2人は腕を組んで退場するなど、最後まで仲睦まじい様子をうかがわせていた。『家族はつらいよ』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年03月20日実話を基にしたエッセイ漫画「早子先生、結婚するって本当ですか?」を、4月よりフジテレビの22時「木曜劇場」にてドラマ化することが決定。主演に松下奈緒、共演に貫地谷しほり、佐藤仁美、八嶋智人らが出演することが明らかになった。早子は、マイペースでサバサバ。周囲の意見にきちんと耳を貸すが、最後は自分なりの答えを出す芯のある性格で、子どもたちの前では、おおらかな心の広い先生、と一見突っ込みどころのない女性のように見えるが、実は、食べることが大好きで酒豪な体育会系。趣味は筋トレ。どこか憎めない天真爛漫な3枚目キャラ。恋愛に関しても無頓着なタイプで、結婚に対して「好きな人と、いつかはしたい」という思いはあるものの、積極的に結婚に向け何かをしているわけでもなく、焦っているわけでもない。実家暮らしで両親とは仲が良く、学校へ行けばかわいい生徒たちに囲まれてそれなりに幸せ。なのに時々ふとさみしくなるのはなぜだろう?ある日、早子の結婚に興味ないそぶりを見せていた両親が、居間の引き出しにお見合い写真を隠しているのを見つけてしまう。そんな中、父が倒れ入院。命に別状はないものの早子は実家の豆腐屋をたたむことを両親に提案。しかし翌日の早朝、早子は父親のいない店先で慣れない手つきで豆腐の仕込みをしている母の姿を見る。長年寄り添い信頼し合い固い絆で結ばれた夫婦の形を目の当たりにし、いよいよ結婚を本気で考え始める。そして早子は同僚の女性教諭3人と「婚活同盟」を結成。独身の先輩男性教諭もその同盟に参加したり、慣れないながらも「お見合い」「合コン」「年下との恋の予感」など、「結婚」に向けて一歩を踏み出し、奮闘していく…。原作は、2009年からブログにて連載をスタートされた4コマエッセイ漫画。飾り気がなく親近感が沸く内容が女性を中心に共感と人気を集め、計3冊書籍化。ドラマは、その3冊を元に初めてのドラマ化となった。恋愛要素だけではなく、一人の人間として、一人の女性として「結婚とは」「家族とは」そして「人生とは」をつかんでいく、笑って泣けるヒューマンドラマだ。主人公・立木早子を演じるのは、「ディア・シスター」以来2年ぶりの主演となった松下さん。今回は体育会系教師役で、現代女性の実状を織り交ぜながら“結婚に向かう女性”を好演している。連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で人気を博し、昨年女優デビュー10周年、今年音楽家としても10周年を迎えた松下さん、今回の出演に関しては「キャラクター一人一人の胸の内や、セリフ、思いがとてもナチュラルで素直に描かれていたので、この台本が導いてくれると思いました。 私も早子と同様、子どもの頃、大人になれば誰でも結婚するものだと思っていました。 いまの仕事や環境に満足していて、でも“結婚”というものには少し遠いところにいる。 そんな早子にとても共感できました」と語った。また、今回役作りのために髪を30cm以上切り、いままでで最も短い髪型に変身したことについては「デビューして以来ずっとロングヘアーだったので、未だにショートカットの自分に見慣れません(笑)。ずっとショートにしたいなとは思っていましたが、なかなかチャンスがなくて。 この作品で、早子同様、何か自分も変わりたいなと思い短くしました」と明かした。さらに「この作品は恋愛ドラマでもあり、家族ドラマでもあり、お仕事ドラマでもあるいろんな要素が詰まったものになると思います。結婚したい気持ち1000%の同僚、本当は結婚して欲しいと思っている両親、 恋愛はしても結婚には結びつかない人、誰もがある年齢になれば結婚できると思っている人。様々なキャラクターに共感してもらえると嬉しいです」とアピールした。そして共演者たちも個性あふれる俳優陣が揃った。真面目でどこかお茶目な早子の父・辰志役に尾藤イサオ、母・尚子役に松坂慶子、早子と婚活同盟を組むことになるメンバーの同僚教師で、女子力が高く気が強い久我山ミカ役に、フジテレビドラマには4年ぶりのレギュラー出演となる貫地谷さん、いつもネガティブ思考な音楽教師・成増梅子役にドラマやバラエティー番組で幅広く活躍中の佐藤さん、結婚願望が強く、真面目で几帳面な独身の先輩男性教師・千駄木廉太郎役に八嶋さん、そのほか同僚教師役で山内圭哉、田野倉雄太などが出演している。今回「愛という名のもとに」「ひとつ屋根の下」など90年代の数々の名作から「Dr.コトー診療所」シリーズ、「ようこそ、わが家へ」、『冷静と情熱のあいだ』の中江功監督が演出にあたり、松下さんとは「花の鎖」2度目の顔合わせとなった。中江監督の見る者の想像力を膨らませ、作品に引き込んで心をつかんではなさない絶妙な演出と、松下さんのすがすがしい表現力が、一体どんな作品を紡ぎ出していくのだろうか。「早子先生、結婚するって本当ですか?」は4月期、毎週木曜日22時~放送予定。(cinemacafe.net)
2016年03月07日国民的映画『男はつらいよ』シリーズ終了から20年、50年以上にわたり“家族”をテーマに撮り続けてきた山田洋次監督の最新作『家族はつらいよ』。橋爪功と吉行和子の“離婚危機”をきっかけに妻夫木聡、林家正蔵らが繰り広げる“家族会議”の撮影の裏側が明らかになるメイキング写真が解禁された。結婚50年を迎えようとする夫婦。たまには妻に誕生日のプレゼントでも買ってやろうかと夫が欲しいものを聞いてみると、妻の答えはなんと…離婚届!一家に突然降りかかる、まさかの“熟年離婚”騒動に、子どもたちは大慌て。さらに、離婚騒動を解決しようと開かれた家族会議では、全員の不満があちらこちらから噴出して――?橋爪さんと吉行さんが“離婚危機”に瀕する熟年夫婦を演じ、長男夫婦に西村雅彦と夏川結衣、長女夫婦に中嶋朋子と林家さん、次男カップルを妻夫木さんと蒼井優が務め、『東京家族』のキャスト8人が再び集結した本作。今回解禁された写真は、劇中一番の見どころとなる“家族会議”の緊張感漂う撮影の裏側を収めたメイキング写真。山田監督作品では1カット1カットを丁寧に撮影していくため、一日に台本1ページ、あるいは1カットだけしか進まないということも珍しくない中、この家族会議のシーンは台本15ページにも渡っており、山田組にとっては近年例のない分量だったよう。さらにこのシーンには、妻夫木さん演じる次男・庄太が蒼井さん演じる恋人の憲子を家族に紹介したり、吉行さん演じる富子が橋爪さん演じる夫・周造への不満を長台詞で語ったり、それにつられて兄妹・夫婦間でも不満が噴出し始め喧嘩になったりと、いくつもの見せ場が用意されている。監督は「橋爪さん、この台詞のときに笑ってくれませんか、で、夏川君は橋爪さんを睨む」「ちょっと待て!西村君、バランスボールにもたれるとどうなりますか」など、このシーンをより楽しくするために次々とアイデアを出していき、台詞ひとつひとつの抑揚や言い方を自ら言い立てて直していった。先日行なわれた完成報告記者会でも、撮影中の様子について妻夫木さんは「人間の普段の生活で起こりうる笑い、そういう喜劇ほど真剣に厳しく作らなくてはいけないんだと思いました」と話し、また蒼井さんは「喜劇ってこんなに厳しいなかで紡がれていくんだと、相当な緊張感の中で撮影に望んでいます。“家族”のみんなで励ましあいながら撮影の日々を過ごしています」とそれぞれ話しており、監督の喜劇に対する熱意とそれに全力で応えようとするキャスト達の想いが伝わってくる。そんな緊張感漂う現場だったが、一方で長男・幸之助役の西村さんがバランスボールからずり落ちるという演出には、ほかのキャストやスタッフも思わず吹き出しそうに。皆が必至で堪える中、「ハハハ」と声を出して笑ったのは山田監督で、それと同時に張り詰めていた現場の空気が変わり、セットが笑いに包まれたそう。また監督は「人間のおかしさを正直に伝え、“愚かなのは俺だけじゃないんだ”と笑い、またちょっと悲しくなる。『男はつらいよ』もそうだし、僕にとって喜劇とはそういうものだ」と語り、5日間かけて撮り上げたという家族会議のシーンは、等身大の“家族”の姿に誰もが思わず共感してしまうそんな一幕に仕上がっている。『家族はつらいよ』は3月12日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年02月18日マジシャンのプリンセス天功が10日、都内スタジオで、『引田天功大脱出』シリーズ放送記念のオリジナル番組『プリンセス天功出演特別番組』の収録に参加した。CSチャンネル・ファミリー劇場で3月に放送される『引田天功大脱出』シリーズは、1970年代に放送された初代・引田天功による脱出イリュージョン。大爆破や大流水、油地獄といったイリュージョンが大掛かりなスケールで展開される内容で、テレビ放送は40数年ぶりとなる。また、オリジナル番組として、プリンセス天功が初代について語る『プリンセス天功出演特別番組』も同時放送する。収録を終え、報道陣の取材に応じた天功は、「この"大脱出"は、『こんなことをやっていた人が過去にいたんだ』と楽しんで頂けると思う。テレビの制約がある今ではあり得ない、当時だから出来た貴重映像です」とアピール。また、初代について、「冒険を念頭に置いて、命を懸けてましたね」と振り返った天功は、「初代が好きだった菅原文太さんの『トラック野郎』を一緒に観に行きました。パッと見たらすごい泣いていて(笑)。とにかくお金を使うし、日本全国に彼女がいるような破天荒な方。今の時代にはいない面白い人でした」と懐かしそうに語っていた。そんな破天荒な初代から名前を継ぎ、2代目となった天功だが、「爆破の威力で、鼓膜が4回破れました。水槽で溺れたり、肋骨を折ったり、救急車で運ばれたことも7、8回ある」と命懸けのエピソードを披露しつつ、「引田天功を継いだので、初代を超えなきゃいけないし、私は女性なので負けるわけにはいかない。カルマですね」とキッパリ。神経を使うステージを終えた後は、自身が飼っている犬や猫、フクロウ、ホワイトタイガー、ピューマなどの動物に癒されているそうで、「動物をモフモフすると一瞬でリラックスする。ステージは戦場だけど、家に帰ると頭がフワッと溶けちゃう」と微笑んでいた。
2015年02月11日クリスマスが終わって新年を迎えたと思ったら、バレンタインまでもうあと3週間…!恋人がいてもいなくても、恋愛気分を高めたいところですね。そこで今回は、読書派の方にも映画派の方にもオススメの恋愛作品をご紹介します。自分のスタイルに合わせてラブストーリーを楽しんでみては?≪恋する勇気をくれる≫■『シュガー&スパイス風味絶佳』2006年/監督:中江功出演:柳楽優弥、沢尻エリカ、ほか原作:山田詠美山田詠美の短編小説『風味絶佳』(谷崎潤一郎賞受賞)の一編が原作。舞台は基地の街・福生市、ガソリンスタンドで働く18歳の青年・志郎(柳楽優弥)は、新しくアルバイトとして入ってきた乃里子(沢尻エリカ)にやがてほのかな恋心を抱き…。初々しくもリアルな恋愛模様に大きく関わってくるのは、志郎の祖母・不二子。清々しいほどの自由さで志郎を振り回します。原作も軽快に読めるので、ぜひ2度楽しんでみて!シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD]==================■『きいろいゾウ』2013年/監督:廣木隆一出演:宮崎あおい、向井理、ほか原作:西加奈子“きいろいゾウ”とは、作中に登場する絵本のタイトルです。この絵本を大切に読んで孤独な日々を癒していたツマ(宮崎あおい)と、背中にタトゥーのある小説家・ムコ(向井理)が満月の夜に出会い、すぐに結婚。田舎で穏やかに暮らしていたのですが、過去の秘密が原因で、ふたりの関係にはやがて溝が生まれてしまいます。そこからふたりの関係はどうなるのか、どのように絆を深めていくのか…結婚っていいな、そんな気持ちになれるかも?きいろいゾウ [DVD]==================■『ジョゼと虎と魚たち』2003年/監督:犬童一心出演:妻夫木聡、池脇千鶴、ほか原作:田辺聖子言わずと知れた名作。本命彼女とセフレのいる男子大学生・恒夫(妻夫木聡)と、ジョゼと名乗る足の不自由な少女(池脇千鶴)の恋物語。衝撃的な出会いから、少しずつ惹かれ合っていくふたり…。待っているのは切ない結末だけど、恋を通して強くなっていくジョゼの姿に、きっとパワーをもらえるはず。映画が原作の先を書く形になっているので、まずは小説から手に取ってみても。ジョゼと虎と魚たち [DVD]≪男性の恋愛観をチラ見≫■『ニシノユキヒコの恋と冒険』2014年/監督:井口奈己出演:竹野内豊、尾野真千子、ほか原作:川上弘美芥川賞作家・川上弘美の連作短編ラブストーリーが原作。主人公はイケメンで仕事もできるモテ男・ニシノユキヒコ(竹野内豊)。女性の扱いは手慣れたもの、だけど最後はいつも女性が去ってしまう…そんな恋の始まりから終わりまでを、複数の女性の視点で描きます。映画でイケメンとの恋にうっとりするもよし、深く理解するなら原作を読み込むのもオススメです♪ニシノユキヒコの恋と冒険 [DVD]==================■『舟を編む』2013年/監督:石井裕也出演:松田龍平、宮崎あおい、ほか原作:三浦しをん出版社で言葉に対する知識・感性が評価され、辞書を編纂する部署に異動した男性・馬締(松田龍平)が主人公。童貞と噂される馬締ですが、ある日運命の女性・林香具矢(宮崎あおい)と出会います。彼女に気持ちを伝えるために馬締が選んだ手段はなんと、恋文。言葉がひとをつなぐ――不器用ながらも一生懸命な恋に、心ほぐれること間違いなし。原作は本屋大賞受賞、さらさらと読める文体が魅力的なので、こちらもぜひ。舟を編む[DVD]==================■『人のセックスを笑うな』2008年/監督:井口奈己出演:松山ケンイチ、永作博美、ほか原作:山崎ナオコーラ19歳の男子学生・みるめ(松山ケンイチ)と、非常勤講師の39歳の女性・ユリ(永作博美)、年の離れた男女の恋模様。ユリは結婚しているので不倫関係ですが、ふたりの恋は純度100%。打算や駆け引きのない、青春時代のストレートな恋愛を思い出させてくれます。いい意味で淡々と話が進むため、こたつでほっこりと鑑賞したいところ。第41回文藝賞受賞、第132回芥川龍之介賞候補作の原作はみるめの一人称で書かれているので、映画と違った視点で楽しめます。人のセックスを笑うな[DVD]≪思いっきり泣きたいときに≫■『100回泣くこと』2013年/監督:廣木隆一出演:大倉忠義、桐谷美玲、ほか原作:中村航累計85万部のベストセラーである同名小説が原作です。主人公・藤井(大倉忠義)の彼女・佳美(桐谷美玲)が、卵巣がんにより亡くなる前後を描いたラブストーリー。大切な人と同じ時間を過ごすことができる幸せを、たっぷり噛みしめることができます。“藤井がバイク事故で佳美とつき合っていた記憶を失い、再び出会う”という小説にはなかった設定が加えられているので、原作を読んだ人も少し違った印象で鑑賞できるかも。100回泣くこと[DVD]==================■『抱きしめたい -真実の物語-』2014年/監督:塩田明彦出演:北川景子、錦戸亮、ほか原作:北海道放送 報道部取材班交通事故で記憶障害と半身麻痺を背負ってしまったつかさ(北川景子)と、網走市の平凡なタクシードライバー・雅己(錦戸亮)の恋物語。ノンフィクション『記憶障害の花嫁』が原作……つまり、これは実話なのです。障害を抱えながらも前向きに生きるつかさ、“逃げるなら今だよ”というつかさの言葉を振り切って結婚を決意した雅己――生きるチカラ、愛のチカラをきっと感じられるはず。抱きしめたい -真実の物語[DVD]小説が原作の映画は、両方読む(観る)のも楽しいですよね!映画を観た後、作品を深く理解するために原作を読んだり、小説を読んだ後に映画で映像・音楽を堪能し、「イメージ通り」「ここは違う」と突っ込んだり…どちらから入っても違った発見があることでしょう。おうちでラブストーリーに浸って、恋の一大イベントへ向けて気持ちを高めてみてはいかがでしょうか?(文=橘いつき)あなたの運命の人は、今どこにいるのか【無料占い】
2015年01月21日WOWOWの連続ドラマ『翳りゆく夏』の完成披露試写会が15日、都内で行われ、出演者の渡部篤郎、時任三郎、橋爪功、前田敦子、板谷由夏と波多野貴文監督が舞台あいさつを行った。同ドラマは、江戸川乱歩賞を受賞した赤井三尋の同名小説が原作。20年前の誘拐事件の犯人の娘の大手新聞社への入社が決まり、それが週刊誌にスクープされる。同社の窓際社員である元敏腕記者の梶は社長の命令で、かつて追いかけた事件を20年ぶりに調べ直すが、その裏には驚くべき真相が隠されていた、というストーリー。2年ぶりのWOWOWドラマ出演となり、20年前の事件を追う主人公・梶を演じる渡部は「難しい役で、脚本も素晴らしかったので自分に務まるか不安でしたが、みなさんの力を借りてやりました」と語る。梶の良き理解者である人事部長の武藤を演じている時任は「いい仕事に参加させていただきました」と笑顔を見せ、渡部は「小さい頃から拝見していて、仕事でお会いする機会がなかなかなかったので。まだまだ先輩方に教わることがたくさんあります」と共演を喜んだ。前田は、20年前の事件の唯一の目撃者で、いまは風俗嬢として働く女性を演じているが、決して出演シーンが多いわけではない中で過去を含めて登場人物を表現せねばならず「難しい役をやらせていただきました。監督や渡部さんが引っ張ってくださいました」と語った。渡部は、初共演となった前田とのシーンについて「お芝居をしてすぐに役の持っている心のひだまで素敵に演じてくださって、ビックリしました。説明がなくても声や目の動きで表現されていて、私が付いていった感じで引っ張られました」と称賛した。また、新聞社の社長を演じる橋爪は、前田とのシーンがあるものと楽しみにしていたようだが、共演シーンはなく、「騙されたというか、降りようかと思いました(笑)」と語り、会場は笑いに包まれた。さらに橋爪は、渡部からの前田への称賛の声に「風俗嬢にピッタリってこと(笑)?」とツッコミ、これには前田も「なんでですか!」と苦笑を浮かべていた。連続ドラマW『翳りゆく夏』は1月18日(毎週日曜 22:00~ 全5話 第1話無料放送)より放送スタート。
2015年01月16日WOWOWの連続ドラマWで放送される「翳りゆく夏」の完成披露試写会が1月15日(木)に行われ、主演の渡部篤郎を始め、時任三郎、前田敦子、板谷由夏、橋爪功、波多野貴文監督が舞台挨拶に登壇した。江戸川乱歩賞受賞の赤井三尋の同名サスペンスを映像化。20年前の誘拐事件の死んだ犯人の娘が大手新聞社に入社することが週刊誌にスクープされる。かつては敏腕記者として鳴らしながら、いまは窓際社員となっていた梶は、かつての事件をもう一度洗い直し始めるのだが…。渡部さんは「女と男の熱帯」以来、2年ぶりのWOWOWドラマ出演。今回の梶役について「難しい役で、脚本も素晴らしかったので自分に務まるか不安でした」と漏らしつつ「みなさんの力を借りてやりました」と語った。その渡部さんが「男として憧れている」存在で、共演を熱望したというのが梶の理解者である人事部長の武藤を演じた時任さん。以前『緑の街』で渡部さんと共演してはいるものの、同じシーンはなかった。時任さんが「いい仕事に参加させていただきました」と言えば、渡部さんは「小さい頃から拝見していましたが、お仕事でお会いする機会がなくて…。先輩から教わることがまだまだたくさんあります」と嬉しそうに語った。前田さんと渡部さんも初共演。前田さんは、20年前に事件を唯一目撃した少女で、いまは風俗嬢をしている女性を演じているが、決して出演シーンが長くはなく、説明的なセリフも多くはない中で人物像や背景を表現しなくてはならず「すごく難しい役をやらせていただきました。監督と渡部さんが引っ張ってくださったのでついていっただけです」とふり返った。渡部さんはそんな前田さんの言葉に対し「私(=梶役)は人物の過去が描かれているけど前田さんの役はそれが一切ない中で『目撃した』ということと現代だけ。でもお芝居をしてすぐに、役の持つ心のひだを素敵に演じられていて、ビックリしました。私の方が引っ張られてついていった感じでした」と絶賛。波多野監督も「短いシーンに過去が見えて、存在感が強かった」と前田さんを称えた。橋爪さんは、新聞社の社長役で芝居をした相手は渡部さんと時任さんだけ。実は、前田さんと共演を楽しみにしていたそうで、共演シーンがないと知ったときは「だまされた!」と感じたとか…。「(作品を)降りようかと思った…」と恨みのこもった口調で語り、渡部さんや監督からの前田さんへの絶賛についても「風俗嬢が似合うってこと?」と茶々を入れ、これには前田さんも「なんでですか!」と苦笑していた。連続ドラマW「翳りゆく夏」は1月18日(日)より放送開始(全5話/第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2015年01月15日感動の実話をベースにした映画『ロック 〜わんこの島〜』の初日舞台挨拶が7月23日(土)、東京・お台場シネマメディアージュで行われ、主演の佐藤隆太をはじめ、麻生久美子、子役の土師野隆之介、倍賞美津子、岡田義徳、柏原収史、中江功監督が登壇した。家族の絆がテーマの本作。舞台挨拶では息子役を演じた隆之介くんが、サプライズで両親役の佐藤さん&麻生さんに感謝の手紙を朗読し、佐藤さんは「父ちゃんも同じ気持ちだから。ありがとうな」と感激しきり。麻生さんは「初めての母親役で、最初は子役の子とどう付き合っていいのか分からなくて。でも隆之介くんはすごく素朴でかわいくて、大好きになっちゃった。いまは離れたくない気持ちでいっぱい」と思わず涙ぐんだ。2000年に発生した大噴火で、全島民が島外に避難した伊豆諸島の三宅島。そこに置き去りとなった犬のロックと、離ればなれになってしまった飼い主家族の奇跡的な再会を通して、いまこそ大切にしたい生きる力、そして絆の尊さが描かれる。実際に三宅島で40日間にわたって撮影が行われた。佐藤さんは「印象に残っているのは天候が悪かったこと。最初は20日間で撮影を行う予定だったが、悪天候のせいでずいぶん延びてしまった。だからこそ、嘘のない家族の絆が深まったし、いまでは天候に感謝ですけどね」。一方、麻生さんはロックにおしっこをかけられるシーンで披露した“絶叫”がいまも気がかりだといい「みなさん、あのシーンって大丈夫でした?あんなにエコーをかけるなんて、本当に恥ずかしい」と客席のリアクションを気にしつつ、中江監督に抗議(?)する場面もあった。もちろん舞台挨拶には犬のロックも登場!たくさんの観客を前に最初こそ緊張していたが、佐藤さんら“家族”との再会にすっかりリラックスし、ステージ上でゴロゴロ転がる一幕も。「お利口だしかわいい。見ているだけ幸せです」(佐藤さん)、「そばにいてくれるだけでニコニコしちゃう」(麻生さん)とその癒しパワーはいまも健在だ。当日は一年で最も暑さが厳しいといわれる“大暑の日”ということで、等身大のロック氷像、その名もロックアイスがお目見え。場内に涼しさを届けていたが、当のロックだけは自分そっくりの氷像に不思議そうな表情だった。『ロック 〜わんこの島〜』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社■関連記事:麻生久美子インタビュー豪快な母ちゃんを熱演!「この家族自体が私の理想」新宿コマ劇場の跡地に地上130メートルのシネコン&ホテル建設“三宅島一日観光大使”佐藤隆太の元へ石原都知事が電撃訪問!佐藤隆太×麻生久美子が新鮮な役に挑戦『ロック』親子試写会に10組30名様ご招待佐藤隆太、三宅島で倍賞美津子と真夜中のサシ飲み!麻生久美子は無念の熟睡
2011年07月25日2000年の三宅島大噴火を題材にした映画『ロック 〜わんこの島〜』公開を前に、東京都庁で「三宅島パネル展」が開幕。このオープニングイベントが7月1日(金)に開催され、主演の佐藤隆太が“三宅島一日観光大使”として来場。監督の中江功、三宅島の平野祐康村長らが出席したが、途中、石原慎太郎都知事が突如、登場し映画をPRするひと幕もあった。全島避難の中、飼い主一家と離ればなれになり、島に残った犬のロックと、飼い主一家の絆を描いた本作。実際に三宅島で40日間にわたって撮影が行われた。“一日大使”に任命された佐藤さんは、当初、20日間ほどの予定だった島での撮影が、悪天候などの影響で40日ほどに伸びたことを明かし「結果として長く滞在できて良かったと思っています。作品にとっても良かったし、経験としてもプラスだったと思います。自然の厳しさを知ると同時にその温かさや美しさを肌で感じることができました。島の人々は、自然の下で、全てを受け入れて生活しているんですね。映画の中に『島は生きている』というセリフがありますが人々が島と一緒に呼吸していることを実感しました」とふり返った。そして「島の人々と触れ合えたことは大切な経験になりました。自分にとっては忘れられない第二の故郷です」と島への強い思いを口にした。中江監督も厳しい条件の中での撮影を苦笑交じりにふり返りつつ「苦労はしましたが、結果的に現在の美しい島が映画に映っているのではないかと思います」と充実の表情。パネル展を主宰する三宅島の観光協会の代表・浅沼徹哉氏は、噴火以前に8万人だった観光客が、昨年で4万人と半減している現状を明かし、映画が復興の起爆剤となることを期待。当時を知る島民として「私たちの苦しみや悲しみ、苦労を細かく調査され、よく描かれています。あきらめなければ何とかなるという希望を与えてくれる映画」と感謝の気持ちと共に称賛を送った。都庁は全島避難当時、臨時の村役場となった場所であり、平野村長は4年5か月にわたった避難生活に思いをはせ、感慨深げな表情。改めて当時の支援に感謝すると共に、いま現在、避難所生活を強いられている東日本大震災の被災者への悲痛な思いを吐露。すでに村長は被災地を訪れ、当時の実体験を被災地の方々に伝えているそうで「大変な苦労はあるけれど、しっかりやれば必ず帰れる、ということを伝えたい」と語った。映画についても「目に見えないものを信じろ。どんなに離れてても繋がってる」というセリフを挙げ「当時を思い出して泣けました」としみじみと語った。そして、会場に石原都知事が到着!いまなお復興が続く三宅島の現状を訴え「本当に美しい島です。東北も大変ですが、こっちも頑張っているので友情を感じてください!映画がそのきっかけになれば嬉しい」と挨拶し、佐藤“大使”とガッチリと握手を交わした。突然の知事の来訪に佐藤さんも「びっくりしました」と目を丸くしていた。『ロック 〜わんこの島〜』は7月23日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社■関連記事:佐藤隆太×麻生久美子が新鮮な役に挑戦『ロック』親子試写会に10組30名様ご招待佐藤隆太、三宅島で倍賞美津子と真夜中のサシ飲み!麻生久美子は無念の熟睡
2011年07月01日感動の実話をベースにした映画『ロック 〜わんこの島〜』の完成披露試写会が東京国際フォーラムにて、“ロックの日”6月9日(木)に開催され、上映前に主演の佐藤隆太をはじめ、麻生久美子、子役の土師野隆之介、倍賞美津子、中江功監督、臼井裕詞プロデューサーが完成報告会見に臨んだ。大噴火で全島民が島外に避難した伊豆諸島の三宅島に残された犬のロックと飼い主の奇跡の再会の実話をベースに、家族の絆が描かれる本作。「子供と正面から向き合う父親役は初めてだった」という佐藤さんは、完成した作品を鑑賞し「静かに、それでも力強く前を向いて進む家族像を描き切れた」と充実の表情。さらに「改めて、家族といる時間を大切にしたいと思った」と自身の家族への思いを明かした。撮影後に東日本大震災が発生したが、災害に見舞われつつも希望を失わない家族の姿を描いた作品とあって「自分としても、どういう気持ちで初日を迎えることになるのかとずっと考えていた」と心中の複雑な思いを吐露。「少しでも、力になれば嬉しい」と語りかけた。本物の兄弟のようにロックと共に成長していく少年・芯(しん)を演じた隆之介くんがマイクを握ると、佐藤さんと麻生さんはすっかり“父母”の顔となり、温かいまなざしで見守っていたが「みなさんが支えてくれたおかげで映画が出来上がったと思います。ぜひ家族で観に来てください」という、大人顔負けの挨拶にはびっくりした様子。佐藤さんも麻生さんも誇らしげに手を叩いていた。麻生さんは、佐藤さん(父)、隆之介くん(息子)、倍賞さん(祖母)、そしてロックと共に築いた野山家について「私の中で、こうなりたいという理想の家庭です」と語り、「私には子供はいませんが、何気ない空気感が温かくて楽しかった」と強い思い入れを明かす。そして「家族の存在だけでいろんなことが頑張れます」と家族の大切さを語った。三宅島での撮影について、何度も同じ中華料理屋に通った思い出や、隆之介くんがイタチを目撃したといったエピソードが明かされたが、佐藤さんは倍賞さんとの真夜中のサシ飲みのエピソードを披露。「夜、寝ようと思ったらコンコンと音がして、ドアを開けたら倍賞さんが『ビール飲もうか?』と。(悪天候などで)撮影がなかなか進まない中で倍賞さんが気を遣ってくださいまして。翌日、『昨夜はありがとうございました』と言ったら『酔っ払ってたからあんまり覚えてない』と言われました(笑)」と貴重な語り合いがあったことを明かしてくれた。実は、倍賞さんは麻生さんも誘おうとしたのだが「この方、一度寝たら起きないから!」(倍賞さん)、とのこと。麻生さんは「悔やまれます…」と苦笑していた。『ロック 〜わんこの島〜』は7月23日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ロック 〜わんこの島〜 2011年7月23日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン東宝FNS27社
2011年06月09日