デザイナーの中里唯馬にフォーカスしたファッションドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』が、2024年3月16日(土)に全国で順次公開される。ファッションデザイナー・中里唯馬とは中里唯馬は、パリのオートクチュール・コレクションに日本から唯一参加するファッションブランド「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」のデザイナーだ。2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミー卒業後、ユイマ ナカザトを設立。翌年7月、日本人としては森英恵以来2人目となるパリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、継続的にパリで作品を発表している。世界で活躍するアーティストとのコラボレーションをはじめ、近年は、ボストン・バレエ団の新作バレエ『ラ・メール(LaMer)』の衣装デザインを手掛けるなど、精力的に活動している人物だ。中里のショー制作の旅に完全密着したファッションドキュメンタリー『燃えるドレスを紡いで』は、そんな中里のショー制作の旅に完全密着したファッションドキュメンタリー映画。監督は、『生きてるだけで、愛。』や『太陽の塔』を手掛けた関根光才が務める。もともと、別の仕事で意気投合したという関根と中里。本作では、「生み出された衣服はどこに行くのか」という問いを出発点に、“衣服の最終到着点”ともいわれるアフリカ・ケニアに共に向かい、初となる中里のショーの裏側にも密着する。『燃えるドレスを紡いで』では、役目を終えた衣服が集まったケニアのゴミ山、異臭、川に流れる古着、現地の人々の生活を目の当たりにする中里の姿や、これまで自分がデザイナーとして発表してきたことに自問自答しながらも、新しい衣服づくりの可能性に挑戦していく姿、チーム一丸となってショーの成功へ向かっていく姿を映し出す。ファッションという側面だけにとどまらない、中里自身にもフォーカスした作品となってる。本作で描かれているのは、ひとりのファッションデザイナーが「現実」にぶち当たった時に何ができるのか、そしてそれを見出した瞬間が映し出された時に観る者にとってできることは何かという問題提起だ。普段のおしゃれから少し意識を変えるだけで、未来につながる可能性を発見できるドキュメンタリーに仕上げた。中里唯馬コメント中里は『燃えるドレスを紡いで』公開にあたり、「衣服は何処からやって来て何処へ行くのか。私たちは普段、息をするように、当たり前のように服を着て生活しています。本作を観た方たちが、少し立ち止まって、衣服って何だろう、何で着ているんだろう、そんな風に考えるきっかけになっていただけましたら嬉しいです。」とコメントを寄せている。【作品詳細】ファッションドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』公開日:2024年3月16日(土)監督:関根光才出演:中里唯馬プロデューサー:鎌田雄介撮影監督:アンジェ・ラズ音楽:立石従寛編集:井手麻里子配給:ナカチカピクチャーズ
2024年02月09日今回紹介するのは、「裸足保育」をはじめとする珍しいカリキュラムを多数導入する「中里どろんこ保育園」。園生活の軸となっているのは、子どもが自ら「見て・触れて・聞いて」得られる経験。実際に体験したからこそ知識として身に付き、卒園後もひとりの人間として生き抜ける「 にんげん力」を育みます。思わず大人も参加したくなるような、中里どろんこ保育園の独自カリキュラムに迫ります。 中里どろんこ保育園ってどんなところ?●園生活を通し、子ども自らで生き抜く「にんげん力」を育む●足の発達だけでなく脳への刺激や免疫UPも期待「裸足保育」●いざ南魚沼へ!「田植え・稲刈りツアー」でホンモノの体験を●どうして火は危ないの?「焚き火」で体得する知恵●早期の「性教育」で男女の違いや命の大切さを知る●「縁側給食」は自己決定の場!外で食べる判断や盛り付けも自分で 中里どろんこ保育園は、東京都清瀬市で0~5歳児の子どもを受け入れている認可保育園です。社会福祉法人どろんこ会が2018年に開園しました。 「子どもたちが自分で生き抜く“にんげん力”を育てる」を理念に掲げ、約100名の子どもたちが毎日心弾むようなカリキュラムを実施しています。 PICK UP!先生もハダシ!「裸足保育」で子どもと同じフィールドに立つ 中里どろんこ保育園では、1年中裸足で過ごします。成長期真っ盛りの子どもたちの足の形成、土踏まずの形成など足の発達を助け、疲れたり転んだりしにくい足を育てます。足裏からの刺激は、脳へも良い影響を与えるんだそう。毎日のように裸足で木に登り、芝生を走り回っているうちに、自然と身体も強くなります。 また、裸足で過ごしているのは先生も同じ。「芝生がチクチクする」というのを一緒に感じるなど、同じ目線、フィールドに立って保育がおこなえるというメリットもあるそうです。先生が靴を履いていると大人は想像でしか話せませんが、一緒に体感・共感することは、子どもの喜びや共感力の育成にもつながります。 PICK UP!ホンモノを知る「田植え・稲刈りツアー」は何もかもが初体験 中里どろんこ保育園は園生活を通じてホンモノに触れることを大切にしています。中でも注目したいのは、3歳児から参加できる「田植え・稲刈りツアー」。 中里どろんこ保育園の運営元であるどろんこ会グループは、新潟県南魚沼市に株式会社南魚沼生産組合という農業法人を設立し、田んぼを所有。全園の給食米を自給自足しています。子どもたちは、その田んぼで田植えと稲刈りを体験できます。どのようにお米ができているかを知るだけでなく、自然の美しさや土のにおい、感触を体感できるのが醍醐味。ツアーは宿泊体験も兼ねており、他園(※)の子どもたちと一緒に食卓を囲み、朝を迎えるという貴重な機会にもなっています。実際の生産現場で体験できるのは大変魅力的でしょう。 ※中里どろんこ保育園の運営元「どろんこ会グループ」の 各保育園。全国に100カ所ほどある PICK UP!大人顔負けの「座禅」で無を感じ、「焚き火」で危険と心地良さを知る 中里どろんこ保育園では、「座禅」が朝の会の一環となっています。座禅の目的は、「静と動」のメリハリをつけること。電気を消した部屋で目を閉じて無になる時間は、心が落ち着くだけでなく、子どもながらに感じるものも多いよう。 風の音や小鳥のさえずりが聞こえるなど、普段は気づけないような生活の音や自然の音を知る貴重な時間になっています。 子どもたち自身で枯れ葉や枯れ枝を集めて行う冬のイベント「焚き火」。「火は危ないから子どもは近づけない」というのが一般的ですが、危ないことを知ってもらいたいからこそ、自分たちで火を焚いて熱さや危険性を知る機会を設けています。揺れる 炎は、リラックスに深く関わると言われている「1/fゆらぎ」を感じることもできるそう。 PICK UP!海外では早期教育がスタンダードな「性教育」で命の尊さを学ぶ 子どもの「性教育」に関心が高まってきている現代。日本では小学校から性について学ぶ時間が設けられていますが、どろんこ会グループでは全園で5歳児に性教育を実施しています。 中でも中里どろんこ保育園では、任意で3歳児にも性教育をおこなう時間を設定。プライベートゾーンを守ることの大切さを伝え、命が生まれることの大変さや尊さ、自分が唯一無二の存在であることを知り、命を大切にすることを知ってほしいという願いが込められています。 こんなところもステキ!「縁側給食」は気候に合わせた判断や食べる量を知る時間 毎日の給食やおやつを縁側で食べる「縁側給食」。縁側に限らず、園庭など食べる場所や席も子どもたちが決めます。「今日は暑いからお部屋で食べよう」。そんな声を発するのは、先生ではなく子どもたちです。食事の盛り付けも子どもたちがおこない、自分の食べられる量を知る機会にしているんだそう。離乳食期の子どもにとっても、異年齢保育の中で月齢の違う子どもの様子を見たり、さまざまな 五感を刺激したりする時間に。 自然とともに園生活が送れる中里どろんこ保育園。自然の素晴らしさや変化だけでなく、「痛い」「熱い」などの危険性を知る機会や、自分ができる範囲の理解、自分の思考の把握といった「自分を知る時間」も随所に見て取れます。「この力を育んでほしいからこの教材を」ではなく、ホンモノを取り入れることで、子どもたちは自然と多くの知識を得ています。家庭ではなかなかできない体験を積極的に取り入れているのも、中里どろんこ保育園の魅力と言えるでしょう。
2022年08月20日妊娠に気づかずに、自然流産をしていることがあるってご存じですか? 全妊娠数に対する流産率は約15%もあり、なんと6人にひとりは流産を経験しているというのです。自然流産にはどんな兆候があるのでしょうか? また、自然流産後、妊娠はすぐにできるのでしょうか? 自然流産について解説します。【監修】イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。■自然流産とは妊娠22週未満までに何らかの原因で妊娠が中止されることを自然流産といいます。妊娠22週前後は、だいたい妊娠5カ月。ママのおなかが突き出てくるころです。赤ちゃんが生きるためには、妊娠22週までママのおなかの中で育つ必要があるということで、このように定義づけられました。自然流産の原因自然流産は、妊娠初期に多く発生するトラブルのひとつです。自然流産の原因の多くは、母胎側ではなく胎児側に因子があることが多く、初期流産にいたっては胚の染色体異常で妊娠が中断されるケースが約60~70%にも及びます。流産の原因となる染色体の異常は、受精時に発症していることがほとんどです。参考サイト:日本産婦人科学会 「流産・切迫流産」 時期によって異なる呼び方妊娠12週未満の自然流産を「早期流産」、12週~22週未満の自然流産を「後期流産」といいます。流産が起こる確率は早期が13~14%、後期が1~2%と、圧倒的に妊娠12週までに発症する早期流産が多くなっています。切迫流産とは切迫流産は、流産が迫っている状態のことをいいます。まだ、自然流産はしていない状態です。症状としては、おなかの張りや痛み、出血などがあります。妊娠初期におこるトラブルのひとつで、妊婦全体の約20%に症状がみられるというデータもあります。稽留流産と進行流産稽留(けいりゅう)流産は、赤ちゃんは死亡しているにも関わらず、出血や腹痛などの症状が起きていない状態をいいます。自覚症状がないため、健診まで気づかないケースがほとんどです。進行流産は、腹痛や出血が起こり、子宮から胎のうなどが出始めている状態。しかし、この段階では流産を食い止めることは難しい状態です。流産の状態自然流産の状態は完全流産と不全流産に分けられます。完全流産は出血や腹痛もなく、子宮内の残留物がすべて子宮から出てしまっている状態です。不全流産は、出血も腹痛もあり、子宮から残留物が出始めている状態で、まだ一部が子宮内に残っています。出血が止まらないケースもあり、原因となる子宮内の残留物を取り除く手術が必要になります。流産と死産の違い妊娠週数の違いで、流産と死産に分けられます。流産は妊娠22週未満におなかの中で赤ちゃんが亡くなることを、死産は妊娠22週以降におなかの中で赤ちゃんが亡くなることを指します。流産であっても死産であっても。妊娠12週を過ぎると、市区町村への死亡届の提出が必要になります。■自然流産の兆候となる症状流産が差し迫っている状態を切迫流産といいますが、主な症状としては、腹痛や腹部の張り、出血などがあります。中には心配がないケースもありますが、自己判断をせずに、すぐに受診しましょう。出血自然流産の兆候のひとつに出血があります。受精卵が着床するときに、着床した位置や状態に問題があり出血が止まらなくなる場合があります。また、卵膜の一部である絨毛膜(じゅうもうまく)の外側に血の塊がたまり、出血することもあります。血の色は茶色に近いものは注意します。おりものの量が増えたり、いつもと違うにおいがする場合も注意が必要です。腹痛・腹部のハリ自然流産の兆候に腹痛や腹部の張りもあります。症状は人によってさまざまで、動けなくなるほど激しい痛みが出る人もいれば、軽い痛みで終わる人もいます。中には痛みが出ない人もいます。体を横にして少し休むことで、痛みや張りが治まる場合もありますが、強いほど流産の可能性は高まる傾向にあるという専門家もいます。いつもと違う痛みがある場合はすぐに受診しましょう。■自然流産後の経過や生理・妊娠について自然流産後、腹痛はいつまで続くのでしょうか? また、自然流産後、生理はいつぐらいから再開するのでしょうか?進行流産の場合の経過進行流産の場合、流産の手術をするか自然排出を待つか、いずれかを選択できる病院もありますが、多くは手術をすすめられます。手術することで残留物からの感染症、腹痛や出血を止めるためです。腹痛や出血は、胎のうを子宮から取り除くことで改善します。また、胎盤から出るhCGホルモンの分泌を止めることでも症状がおさまります。残留物がすべて出た後、子宮がリセットされるからです。稽留流産の場合の経過稽留流産の場合も、流産の手術か自然排出を待つか、いずれかを選択できる病院もありますが、多くは手術で子宮の残留物を取り除きます。摘出手術後は、病室で数時間休んだ後、帰宅が可能です。また、病院によってはシャワーや入浴も通常通りできる場合もあります。手術後はいつまで安静にしたらいい?流産手術から約1週間後の診察まで、家でゆっくり過ごすことがすすめられます。日常生活で特に制限されることはありませんが、栄養バランスのとれた食事を心がけ、体を休め、なるべくストレスの少ない生活を送ることで、回復を促しましょう。自然流産後はいつから生理がくる?流産手術から1カ月後にはたいてい生理がきますが、状態によっては遅れる人もいます。次の妊娠の準備をするためにも、焦らず、ゆったりした気持ちで生活することが大切です。自然に生理が来るのを待ちましょう。自然流産後、いつから妊娠していい?流産が確認された場合は、流産の手術後、医師のアドバイスに基づき通常の生活が始まります。次の生理が来るまでは、性行為は控えます。通常は生理が2~3回来て、子宮に問題がなければ、妊娠の許可が出ます。長期間に渡って避妊をする必要はありません。■まとめ自然流産をすると、ママが責任を背負ってしまい、気持ちがふさぎがちになります。しかし、解説したとおり、前期の自然流産の原因の多くは胎児側の問題です。ママの体や行動に問題があったわけではないことがほとんどです。ですから、前向きな気持ちで次の妊娠の機会を待ちましょう。また、自然流産を3回以上繰り返した場合、治療が必要なケースもあります。きちんと病院で検査をして治療をすることで、自然妊娠も可能あり得ます。参考資料:・ 日本産婦人科学会 ・『はじめての妊娠・出産 最新版』(ベネッセコーポレーション)
2019年11月20日共働き家庭が増え、親も子どもも忙しいいま、子どもが自然に触れる機会は以前と比べて減りつつあります。そもそも、幼いうちから自然に触れることは、子どもになにをもたらしてくれるのでしょうか。お話を聞いたのは、佐々木洋さん。職業は「プロ・ナチュラリスト」で、ご本人いわく「プロの自然解説者」です。まずは、プロ・ナチュラリストの仕事内容から語っていただきました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)老若男女を相手に自然の面白さを説く「自然解説者」わたしの仕事は「プロ・ナチュラリスト」です。耳にしたことがあるという人はあまり多くないかもしれません。というのも、これはわたしが商標登録をしているもので、一般的に広く知られた職業ではないですからね(笑)。仕事の内容をひとことでいえば、「プロの自然解説者」です。活動にはいくつかの柱があります。まずは幼稚園や保育所、小学校などで授業の一環として自然の大切さや面白さを話すというもの。それから、各地のホールなどでおこなう講演会や講習会。これらにはただ話をするだけではなく、実際に自然のなかで自然観察の指導をおこなうというものもあります。それから、書籍などの執筆活動に、テレビやラジオ番組の企画、出演です。講演会や講習会の対象は子どもたちということもあれば、子持ちかどうかにかかわらず大人の場合もあるし、外国人ということもある。場所、対象によって内容もさまざまですね。そもそもなぜわたしがこの仕事をはじめたかというと、単純に自然が好きだったということに尽きます。でも、学生時代の専門は英語音声学でした。学生の頃は英語を使った仕事をしようと考えていたのですが、自然の世界が懐かしくて戻ってきたという感じですね。わたしの出身は東京ですが、都内とはいえ河川敷がすぐそばにあって自然豊かな場所でした。その原風景がわたしをこの仕事に導いてくれたのです。「ありのままの自分でいい」と思わせてくれる自然の多様性いまの子どもたちは、かつてと比べて自然に触れる機会が圧倒的に減っていると感じています。とはいえ、自然の豊かさそのものは以前とほとんど変わっていません。都内であっても動物も虫もたくさんいて季節の草花も豊かに咲き誇るのに、それに触れる機会が減っているだけなのです。それが本当に残念でならない……。とくに幼児期から自然に触れることは子どもにたくさんのものを与えてくれます。それこそ、その「効能」には枚挙にいとまがありませんが、なかでもわたしが大切だと思っている3つの効能をお伝えします。第一に「多様性を知る」ということ。子どもは自分が好きなことであれば大人以上に熱心に知識を蓄えていきます。新幹線が好きな子どもであれば、どんな新幹線でもひと目見れば名前を答えることができるでしょう。でも、自然だとそうはいきません。どんなに虫が好きな子どもでも、幼稚園の園庭にやって来るすべての虫の名前をいうことはできないでしょう。わたしにも無理です。なぜかというと、それだけ多くの種類の生きものがいて、多様性に富んでいるのが自然というものだからです。しかも、もっといえば、それらのいろいろな生きものにはなにひとついらないというものもありません。人間からは嫌われることが多いカラスだって、自然界では食物連鎖の一部を担ってしっかり役に立っています。この意識は人間教育にもつながるものです。人はそれぞれすべてちがっていて、しかもちがっていていい。ありのままの自分を受け入れて力強く人生を歩むためには、幼い頃に自然を通じて多様性を知るべきなのです。思いどおりにならないなかで最大限の創意工夫と努力をするふたつ目の効能は、「究極の癒やしを与えてくれる」ということ。大人のみなさんだって、仕事や人間関係でストレスがたまれば、海を見たくなったり森のなかを散歩したくなったりすることもあるでしょう。これは子どもにもあてはまることです。子ども自身が大人のように意識しているかどうかは別として、自然のなかで受け取る癒やしが子どもの心をほぐして健やかに育ててくれるのです。3つ目は、「思いどおりにならないことがあると知る」こと。いまの子どもたちはかつてと比べて物質的には恵まれていますし、大人も以前ほど厳しく怒らなくなりました。ともすれば、そういう環境にある子どもは「なんでも思いどおりになる」と感じてしまいそうですが、自然だけはいまもむかしも変わらず思ったとおりにはなりません。どんなに丹精を込めて植物を育てても花を咲かせてくれないということもあります。「昨日、アゲハチョウを見た!」という友だちの話を聞いてその場所に行ってみても、今日は見つからないということもあるでしょう。そこで、子どもは子どもなりに「自然だし、仕方ない」と「あきらめる」ことを知ります。この「『あきらめる』ことを知る」ということが重要なのです。「あきらめる」というと、努力をやめるというイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。努力や、それからお金などではどうにもならないということもあるのが世のなかです。自分がなんでも支配できるわけではないということです。仕事をしている大人でもそうですよね?人間関係などさまざまな要素が絡む仕事では、ひとりの人間が思いどおりにできることは限られています。でも、その制約のなかで最大限の創意工夫と努力をする。「どうすれば花を咲かせられるか」と考える。自然と触れるなかで得るその姿勢こそが、子どもを大きく成長させてくれるはずです。『ナンコレ生物図鑑 あなたの隣にきっといる』佐々木洋 著/旬報社(2015)■ プロ・ナチュラリスト 佐々木洋さん インタビュー一覧第1回:「自然だし、仕方ない」現代の恵まれた子どもたちが“自然体験”から学ぶ重要なこと第2回:「虫が怖い」はこうして克服。ダンゴムシすら触れない子に、親は何をすればいい?(※近日公開)第3回:自然観察=現場検証!?生き物の“痕跡”探しから始まる、都会でもできる自然体験(※近日公開)第4回:カブトムシやクワガタが採り放題!夏休みに親子で作る“スーパーバナナトラップ”(※近日公開)【プロフィール】佐々木洋(ささき・ひろし)1961年9月30日生まれ、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。公益財団法人日本自然保護協会自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などさまざまな立ち場で自然解説活動をしたあと、「プロ・ナチュラリスト 佐々木洋事務所」を設立。「自然の面白さや大切さを多くの人とわかち合い、そのことを通じて自然を守っていきたい」という思いのもとに、25年以上にわたって、自然観察指導、自然に関する執筆・写真撮影、講演、テレビ・ラジオ番組の出演・企画・監修、エコロジーツアーの企画・ガイド等の活動をおこなう。著書に『ぼくはプロ・ナチュラリスト 「自然へのとびら」をひらく仕事』(旬報社)、『モリゾー・キッコロ 森へいこうよ! 会える! 虫図鑑』(宝島社)、『「調べ学習」に役立つ水辺の生きもの』(実業之日本社)、『よるの えんてい』(講談社)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年07月13日約3年前、ここのがっこうの卒業制作発表で出会ったファッションデザイナー・中里周子と伊勢丹新宿店TOKYO解放区担当バイヤー・寺澤真理。ファッションを愛する2人が語る「ファッションの未来」、そして「真面目と不真面目」とは?■宇宙には夢がある。だから、みんなの「見たい!」をカタチにしたー今回は宇宙に伊勢丹の支店を出すというコンセプトですが、宇宙ってそれだけで未知ですよね。中里周子(以下、中里):宇宙には単純に夢がありますよね。広がりもでますし。今回は本当に多くの人に企画に協力して頂いて、なんとエジプト考古学の吉村作治先生もアイシングクッキーに恵比寿様のような出で立ちで登場しています。周りにスフィンクスたちを引き連れているという(笑)JAXAさんから宇宙服もお借りしてきました。私の昔のバイト先「青山TWINS」とも、くすっと笑ってしまうような、人の心をくすぐるような物を作らせて頂きましたど。みんなが「見たい!」と思うものを一緒に作り上げていった感覚です。寺澤真理(以下、寺澤):みんながみんな、業務だからみたいなことだけじゃなくで「何か面白いものが待っているかもしれない!」っていう熱量で動いているなという感じでしたね。そういったプロセスにも可能性があると思います。中里さんには「何かその先にある」と思わせる才能があると思っています。■ファッションからは、人間に対する愛を感じるー中里さんは「ファッションデザイナー」という肩書きを使われていますね。何か拘りがるのでしょうか?中里:アーティストという括りで紹介されることも多いのですが、「ファッションデザイナー」であることには拘っています。私が言う「ファッションデザイナー」とは“人間に関わる全ての接触のカタチを提案する人”という意味。ファッションをやっているからこそ、人に対して提案する何かがあると思っています。16SSのロエベで、J.W.アンダーソンが脚にラップみたいなものを巻いてきたように、ファッションだからこその人に対する無理強いのようなものがあるように感じますね。この重くも軽くも人間に対して反応できることこそ、ファッションだからこそ持ち得る人間に対する視点だなと思います。人間に対する愛を感じる。ファッションだからこそ持ち得る、人への愛。これが大事。■「真面目」を知っているからこそ、「不真面目」になれるーこのファッションにおける攻め感を受けて立つ時の感覚を言葉で表現するならば?中里:絶対的な美であるモードに対して、「ヘタレ」で挑戦していくことですね。パッと手のひらを返すような美意識を打ち出すことで、モードを翻すこと、それが「ヘタレ」です。もう一つ「不真面目」には美があるんじゃないかとも考えています。「ヌケ感」の底面には「不真面目」があるんじゃないかという考え方です。「モード」と「アンチモード」という二項対立ではなくて、「不真面目」って、全然違うレイヤーにいてひょっとやって来るようなイメージなんです。だから「モード」に対する「アヴァンギャルド」、分かりやすく言えば、コムデギャルソンのような反骨精神を持つことは、「不真面目」とはまた違ったもののような気がします。「不真面目」をイメージするなら、90年代だったらブレスの「自分たちは友達が大事だし、ここで飲みながら展示会やるよ」っていう空気感。だから、「不真面目」とは「おしゃれ」とも近い感覚ですね。「不真面目」なだけだったら心は動かない。「おしゃれ」と「不真面目」と「エレガンス」、この要素がファッションには必要だと考えています。寺澤:それに近い感覚だと「ユーモア」と「知性」と「インテリジェンス」がありますね。ユーモアは誰かをけがしたり、傷つけたりする訳ではないし、そもそも知性がないとユーモアが生まれない。だから「不真面目」も「真面目」を知っていないと生まれないんですよね。その「真面目」から「不真面目」への外し方にその人の個性が出る。それが美意識だと思います。ーいずれにせよ、ファッションにおける立ち位置が、個人の美意識による訳ですから、非常に人間らしい振る舞いと言えそうですね。寺澤:それに、人に対する愛情が表現に繋がっている人のファッションには、こちらも熱量や愛をちゃんと感じますね。そこに愛情がない場合は工業製品かのように感じてしまう。TOKYO解放区の役割はお客さまに「ファッション」を提案することなんだと思っています。モノを買う時の、心が突き動かされる感じ。商品というモノにはなっているのだけど、気持ちがこもってるものが持つ力を私は信じていて、それを共有できる人と一緒に仕事をしたいと思っています。ストーリーがあるファッションの方が、きっとみんなを幸せにするし、寒さが凌げるとか機能をうたったファッションより、これからの未来はより役に立つんじゃないかなと感じています。これからは「思いを持った人」「感覚を大切にする人」が、人間同士いい仕事が出来るんだなと思います。■ISETAN宇宙支店も、だれかの「なんか楽しい」になりたい中里:今回の企画「ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」も多くの人にとっては「はてはて」と思うんじゃないかと思います。寺澤:一つ思うのは、今回の企画にはこれからの未来にとって何かしらのヒントがあると思っています。私が約3年前、中里さんの卒業制作を見て「はてはて、まったく理解出来ないぞ。でも、なんか楽しい」と感じたみたいに、考え方だったり、発想だったり、気付きが噛み締めていくと見つかると信じています。そして、中里さんは、そういったヒントを与えてくれる人なんだと思います。■たとえ買ってくれなくても、作品が誰かの「ネタ元」になったら嬉しいー中里さんの考える未来の自分はどんなイメージですか?中里:大事にしているのは、「ネタ元」でありたいということです。私の作品を見て、買ってくれなかったとしても、その概念や心意気から何かを感じ取ってもらいたいと思っています。私はよくこういった(馬の時計)ものを買うんですけど、時計なのに時計はちっちゃいし、馬のしっぽと身体は質感が違うし「何でそこまでするの!」という意識が発動して、自分だったらこの馬の時計をどう別のものとして表現出来るかを考えてしまいます。そこから、次の提案のアイデアが生まれてくる。自分の作品はそういうネタ元であって欲しいと思っています。身近なところでは、水槽のカタログも作ってみたいし、ドバイにも今は興味があります(笑)。あと2年以内にドバイ進出したいです。アラブ圏ではジュエリー感覚で、鷹を手に乗せているみたいだし。自分達が理解出来ない美意識に、あえて挑戦したい気がします。あとは、ビジネス面を強化していきたい。本当は5000%の熱量で作品作りに向き合うことはいくらでも出来るけど、自分が夢中になってしまうと、周りの人のことが見えなくなってしまう。だから80%の力で全体を俯瞰する力も必要だなと思っています。そう考えると「NORIKONAKAZATO」も「自己表現の場」というだけでなく、ブランドとしての振る舞いを俯瞰することで、いろんな可能性が見えてくるのかなと最近考えています。【イベント情報】タイトル:ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー会場:伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/TOKYO解放区会期:15年12月26日から16年1月12日前半「中里周子×寺澤真理『ファッション×デジタルを考えたら、宇宙に行き着いた』」へ戻る。前半「中里周子×寺澤真理『ファッション×デジタルを考えたら、宇宙に行き着いた』」へ戻る。
2016年01月03日新春、ファッションデザイナー中里周子が考える3016年の百貨店の姿を提案したポップアップショップ「ようこそ、ISETAN 宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンしている。中里は、14年欧州最大のファッションコンペティション「ITS(International Talent Support)」のジュエリー部門で日本人初のグランプリを受賞。現在は、東京藝術大学美術学部芸術学科博士課程に在籍中というキャリアの持ち主。ファッションにおいても、強烈なメッセージと個性を放つ彼女から、目を離せない。今回は、中里がITSで受賞する約1年前に彼女と出会った、同ポップアップショップの舞台となるTOKYO解放区の担当バイヤー・寺澤真理が「ファッション」をテーマに熱いダブルトークを繰り広げる。二人の出会いの場となったのは、山縣良和が主催する「ここのがっこう」の卒業制作発表会。どうやら、当時から中里は「デパート」に関心があった模様…。■正直、はじめて中里さんの作品を見たときは「なんだこれは?」と思ったー中里さんと寺澤さん、お二人が出会ったのは「ここのがっこう」の卒業制作発表の時だったと聞きました。どんな印象を持ちましたか?寺澤真理(以下、寺澤):13年3月にリトゥン(アフターワーズ)の山縣(良和)さんにお声がけ頂いて、「ここのがっこう」の卒業制作の講評を担当しました。その時の卒業生に中里さんもいて、正直そこで中里さんの作品を目にした時は「なんだこれは?」と思いましたね(笑)中里周子(以下、中里):その時、私が作っていたのが「デパートプロジェクト」。架空のデパートを作るために、ダイナマイトでデパートを作るための土地を爆破する映像や、架空の商品を掲載したショッピングカタログ、人の顔がつながったアクセサリーや洋服などを並べて発表しました。商品説明VTRもありましたね。ー出会いの時から、「デパート」をテーマにした作品を発表していたなんて、運命的ですね。中里:子供の頃から、完成形の物を見せる場であり、何でも買えるものがあるというデパートに惹かれるものがありました。高校が新宿にあったので、学校帰りに伊勢丹に寄ったり。なんだか「伊勢丹は提案するエネルギーが凄いな」と当時の私は思っていました。寺澤: 約3年前の卒業制作発表の時は、中里さんはぶっ飛んでいて面白いけど、販売する場を持っている私から見ると「物を売ること」、つまりは生業に出来る「モノに落とし込む」という表現活動とは一番遠い存在の方かなと、その時は思っていました。講評でも、アーティストとして、その発想のユニークさを活かしたらいいのではとお伝えしていました。■中里さんとだったら、きっと考え方のシフトが出来ると思ったーそんなお二人が今年1月12日まで伊勢丹新宿店で「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」と題したポップアップショップを展開中です。「百貨店という場所で、物を販売する」ことに至るまでに、どんな変化があったのでしょうか?中里:14年の秋冬からブランド「NORIKONAKAZATO」をスタートしたこともあり、どう見せたら自分の作品を手に取ってもらえるのかを考える機会が多々ありました。自分の作品が持つ世界感を大切にしているので、展示会をして、バイヤーさんに来て頂いて、オーダーをつけてもらうというやり方にはあわないなと思うこともあります。例えば、グループ展示会で他のブランドと同じ照明やラックで自分のブランドの服を展示したことがありました。様子を見ていたら、ほとんどの人が私のラックの洋服に手を伸ばさないんです。その時「あぁ、私はこのやり方を続けていたら進歩しない」とふと思いました。つまり、見せるものと、見せる場所が一致していなかったんです。その時考えたのは、みんなの作品が展示会場で手に取れるとしたら、「NORIKONAKAZATO」の商品は、その会場の窓から望遠鏡で向かいのビルを見ないと見られません」とか、そのくらい作品を見せる時の在り方を考えなくてはいけないと思いました。寺澤:私もここ数年、百貨店が従来のように「モノ」を販売することで、お客さまから対価を頂くというかたちの限界を個人的に感じていました。もっと何か別の、次のやりかたにシフトする時期がやってきているのではないか?という、もやもやした思いの突破口の一つに、“物に価値を落とし込むこと”ではない提案をしていくことに可能性があるのではと考えていて、その考え方のシフトが中里さんとだったら出来るんじゃないかと思いました。そんな時、中里さんが昨年写真家・小林健太さん開催した二人展「ISLAND IS ISLAND」でPsychic VR LabさんとVRシステムを使った表現をされることを知ったんですよね。■ファッション×デジタルについて考えたら、宇宙に行き着いた中里:去年の8月末くらいに、寺澤さんから「ファッションとデジタル」をキーワードに、年末年始に伊勢丹で何か出来ないか?という相談を頂きましたよね。ここ数年は、自分の表現を手にとりやすい形に落とすためのバランスを模索していた時期とも言えるかもしれません。だから、自分の表現を手にとりやすい形に落としてみようと思っていたタイミングだったこともあり、やってみたいなと思いました。寺澤:そこからは、伊勢丹チームと中里さんで、7~8回はブレストをしました。ブレストの中から「伊勢丹を宇宙に持っていけたらいいんじゃない?」というアイデアが出て、そこからは加速度を増して企画がふくらんでいった気がしています。中里:私自身は「ファッション×デジタル」を表現するにあたって、光るテキスタイルを使うなど、いわゆる新しいテクノロジーが可能にしたファッション提案をする役割のデザイナーではないと思っています。テクノロジーと真っ向勝負するより、別の角度から「裏技的な」提案をすることが大事だと考えていて、それは単純に「すごい!」とか「おもしろい!」とか、まずそういう直感的な感覚を表現したいなと考えました。だから、才能の無駄遣いというか「ぬけ感」のあるアプローチに繋がっているんだと思います。それは、しっかりとした場であえてふざけてみることで、物事の本質が見えてくるとも考えているからです。■ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはいけないー中里さんのお話を伺っていると、「表現すること」「伝えること」に対する強い思いを感じます。なぜそこに思いを寄せるのでしょうか?中里:私は人間に関わる全ての“接触の瞬間”に興味があるんです。接触みたいなものをいつも探していて、それを可能にするのがファッションだと思っています。ファッションがアートとこれだけは違うなと思っているのは、ファッションは必ずプラスの感情で終わらなくてはならないという点。「汚い…」とか「触りたくない…」とかでは、ファッションは成立しません。「かわいい!」とか「かっこい!」とか、ファッションと人の接触部分でプラスの感情が生まれます。アートはいわゆる「美」がそこになくても、その価値観は文脈の中で理解していくものなのです。だから、必ずしもプラスの感情につながる表現が全てではないですよね。その意味で、ファッションと人の接触の場所を考える=伝え方を考えることになるんだと思います。そう考えると、百貨店はリアルな売買の場であり、ファッションと人の接触の場でもあります。寺澤:「モノが売れること」が単純でもあり、難しいことでもありますよね。例えば、あるモノを手にした時に人は心が突き動かされたり、そこに共感が生まれたりすることが、購買に繋がるのではないかと思います。私の担当するTOKYO解放区は、13年の3月に伊勢丹新宿店がFASHION MUSEUMをコンセプトにリモデルした際に生まれました。トラディショナルでコンテンポラリーな一面も担う伊勢丹新宿店の中で背負っている役割は、ファッションにおける中里さんの役割と重なる部分もあるのではないかと思います。モノを売るということだけではなく、その先につながる価値観を提案することが役割なのではないかと。中里さんの価値観を提示するというファッションの在り方に未来性があり、将来性があると思っています。今はまだ、色々ともやもやしているし、難しい課題に直面しているなという感覚ですね。もしかしたら、今が何かの通過点の時期なのかもしれない。既成概念やルーティーンを打ち破る時が来ているのかなという気もしています。後編「中里周子×寺澤真理『ファッションだから持ち得る、人への愛。これが大事』」に続く。
2016年01月03日西暦3016年、伊勢丹初の宇宙支店がオープンする、というストーリーでファッションデザイナーの中里周子が提案するポップアップショップ「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」が26日、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区にオープンする。16年1月12日まで。同ショップでは、3016年のトレンドや、宇宙の百貨店の在るべき姿を中里独自の視点で切り取り表現する。また、彼女が「旅行」「お土産」「お正月」をキーワードにセレクトしたポップなアイテムにも注目したい。中里が手掛けるエヌエヌ(nn)からは、3016年のトレンドアイテムとして、宇宙百貨店の制服や旅行の必需品であるパジャマなどを展開。また、宇宙支店内には地球で見かける土産品として、エジプト考古学の吉村作治教授やスフィンクス、ツタンカーメンをモチーフにしたお菓子なども並ぶ。また、巨大ジオラマのインスタレーションなども行うクリエイティブスタジオKLOKAからは、時空を飛び越えたかのような奇想天外なお土産アイテムを展開する。案内人を務めるのは、乃木坂46の伊藤万理華と堀未央奈。伊藤は、宇宙トラベル「nn air」の添乗員として、伊勢丹新宿店から宇宙支店への小旅行を案内するキャピンアテンダント。堀は宇宙支店の案内人として、肩に宇宙仕様の猿を乗せた宇宙支店の制服スタイルで、宇宙支店を訪ねる客を迎える。また、VR研究開発チームPsychic VR LabとのコラボレーションによりISETAN宇宙支店までの旅をお届けする。会期中、同ショップでは、バーチャルリアリティで新しい旅を体験することが可能。3016年に思いを羽ばたかせ、宇宙への未知の旅路を楽しめる「ISETAN宇宙支店」。中里自身が「宇宙には夢がある。この企画に、5000%の熱量で挑んだ」という渾身の宇宙への旅を、年末年始のプランに加えてみてはいかがだろうか。中里周子と「ようこそ、ISETAN宇宙支店へーわたしたちの未来の百貨店ー」担当バイヤー・寺澤真理との対談を、16年1月3日に公開予定。【中里周子プロフィール】2011年立教大学文学部文芸思想専修総代卒業。同年より「ここのがっこう」でファッションデザインを学ぶ。14年欧州ITS(International Talent Support)で日本人初ジュエリー部門グランプリ・スワロフスキーアワード、アートワーク部門ファイナリスト選出。現在、東京藝術大学美術学部芸術学科にて博士課程在籍中。動画引用元: (ISETANPARKnetオフィシャルYouTube:
2015年12月25日