一枚の服に目を凝らし、耳をそばだて、感触を確かめる、するとそこから波動が伝わってくる。デザイナーは、何を感じ、何を夢想し、何を提供すべきか、ときに感情の赴くまま、ときに才知にたけた判断により、完成させた服に込められた波動なのだ。Emotionmalファッションデザイナーは、絵画や音楽などにインスパイアーされたものをシーズンテーマにして、物語を紡ぎランウエィショーで発表する。その物語は、ときに恋愛がドラマチックに描かれたり、日常生活の機微がスマートに描かれており、感動的なショーはスタンディングオーベーションを受けるほどだ。ただショーの中心はあくまでも新作の服だということを忘れてはいけない、素材やデザインやコーディネート、小物使いで文脈を読みとることになるのだ。エディ・スリマンのサンローラン(Saint Laurent)には、良家のちょっと不良の女子が描かれている。ムッシュ・サンローランのミューズ、ベティ・カトゥローを彷彿させるケイト・モスをイメージし、反体制派の香りを漂わせた。ライダースの下にグラマラスなレースやスパンコールのドレスを着て挑発した。ランバンのアルベールが描いたストーリーは、衣服礼賛、女性礼賛だった。無表情な淑女が着るセクシーなドレスは、九鬼周造の『「いき」の構造』で語られた意気地や媚態の霊化が粋となるという言葉に通じる何かがある。そうして、コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)のコレクションは、いつも情動的な昂ぶりがデザインされ、見る人に衝撃を与え続けている。Intelligent奇しくもこの括りに並んだ3名の服は女性デザイナーのものだ。先にも述べたように彼女たちのプレゼンテーションは「自分が着たいと思う服」を出発点としている。特別な日に着る「ハレの服」より、日常に着る普段着を意味する「ケの服」を大切にする傾向がある。その発想は、ミウッチャ・プラダがデビューした90年代のリアルクローズと通じている。女性の日常を豊かにするリアルクローズは、情緒的なフリルよりも、シンプルで理性的な色使いや合理的なカッティングが必要なのだ。エルメス(HERMES)のデザイナーに就任して2回目コレクションで、ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキーは、整然とした美しい数式のようにシンプルな手法で、エルメスの極上の素材やカレ(スカーフ)を再解釈してみせた。セリーヌ(CELINE)を率いるフィービー・ファイロは女性のたおやかな感性を知的に使いこなし、暮らしの中のモダニズムを追求する。持続可能(サスティナブル)な世界のために誠実な企業であることを目指すステラ マッカートニー(Stella McCartney)は、環境負荷の少ない素材を開発しつつ、美しく楽しいファッションを展開している。「もう一つの視点」へ戻る。「過去、現在、未来へ」へ戻る。
2016年03月31日夜空が明るくなり、天体観察が難しくなりつつある今現在、新月&満月は、私たちが肉眼で直接観察できる星回りです。新月&満月というタイミングをきっかけに外なる光(宇宙)と内なる光(自己)の共鳴を感じていただきたいなと思います。この占いコラムが外なる光(宇宙)と内なる光(自己)の共鳴を感じるのに役立ちますように。新月満月からのメッセージ 11月12日蠍座の新月11月12日は蠍座で新月になります。この時期の星回りをご紹介しましょう。蠍座新月(蠍座太陽と蠍座月)と蠍座水星が、乙女座木星と山羊座冥王星と共に小さな三角形を作っています。この星回りは「全て良しと引き受ける覚悟」を示唆しているように思います。さらに今回の日本の新月図では、地上的に目立つポイントに天秤座金星があり、この金星は射手座土星のサポートを受けています。この星回りからは、「これが私のあり方です」という美意識を感じます。キーワードは「見得を切る」です。つまりこの時期の宇宙は、私たちそれぞれに対して、生き方やあり方にまつわるスタイルを表現しなさいとうながしているようにも思われます。もうひとつお知らせしたいことがあります。この時期の射手座土星は天秤座金星をサポートしている一方、魚座海王星とは相克的な関係をとり続けています。これは2016年秋までじっくり続く星回りです。キーワードは「混迷、混沌、流動化、多極化」「なし崩し的な展開、模索しながらの変化」「きれい事ではかたづかないことや矛盾の露呈」「慈悲、あわれみ、思いやり、情け」「容赦、堪忍することで起こる癒し」などが考えられます。そしてこの時期の魚座海王星&射手座土星の影響を考えた場合、たとえば「浮き世(現実の世界)はままならぬことばかり」といった感じにあらわれるのかもしれません。ここまで読み解いたとき、私は「『いき』の構造」(九鬼周造著)という本を思い出しました。この本では、日本人独特の美意識である「いき(粋。垢抜けしていて、かっこよくて、色っぽいさま)」がどのようなものであるのかを考察しています。著者は「運命によって『諦め』を得た『媚態』が『意気地』の自由に生きるのが『いき』である」と結論づけました。私たち日本人は、ともすれば「ままならぬもの」を諦念と共に受け入れることが多いけれど、それでも自分らしさを失おうとはしないところもあるのです。そのような凛(りん)とした心意気に、私たちは美しさやかっこよさを感じてきました。この時期の星回りは、「いき」がテーマであるようにも私は思うのです。そういうわけでこの時期、いわゆる浮き世において、さまざまな「ままならぬもの」と向き合うことがあるのかもしれません。もしそうだとしても、そういう「ままならぬもの」を「それらもあっての私の人生」と見なしたとき、あなたのあり方はさらに美しく際立つのではと思います。そういう「いき」な心意気を世界や他者へ示したとき、今回の蠍座新月による「リセット&スタート」がきっとなされるでしょう。今回の蠍座新月の影響を強く受けるのは、牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座です。あなたにとってこれからもずっと大切すべきことは何ですか?逆に、そうではないものは何ですか?この時期、ある経験を通じてこの問いの答えを実感するでしょう。牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座は、自分にとっての「大事」に集中すべきときです。それ以外は誰かがフォローしてくれるでしょう。双子座、乙女座、射手座、魚座は、ある出来事を通じて「必要なものはもう既に与えられている」「与えられているものをどのように用いるかが大事」と感じるでしょう。加藤まやスペシャル占い理想の恋と理想の結婚【無料体験版】加藤まや2003年に占星術研究を開始。2004年より雑誌やWEBでの占い連載、占星術コンサルティングなどを行う。趣味は神社参拝と天然石アクセサリーの製作。ウェブサイト:まやブログ
2015年11月11日