今や2人に1人ががんになるといわれる時代。がん治療では、信頼できる医師のもと最善の治療法を選択することになる。日本のがん治療では、手術や放射線治療、化学療法といった標準治療が一般的だが、自分の細胞でがんを治療する方法もあることをご存じだろうか。今回は、"がんの最先端治療"といわれる免疫細胞治療について、瀬田クリニックグループ 統括院長の後藤重則医師にお聞きした。○がん細胞は細胞分裂のコピーミスで起こる!人間の体は毎日、新しい細胞が生まれるとともに古くなったものが死滅している。入れ替わる細胞の数は1日に約8,000億個。新しい細胞は生まれつき持っている細胞情報(DNA)をコピーして作られるが、細胞分裂の過程でコピーミスが起こると異常細胞ができてしまう。その異常細胞の1つが「がん細胞」だ。がん細胞は健康な人の体内でも1日に数千個発生しているといわれているが、免疫細胞の働きによって排除されている。「免疫力を高めてがんを防ぐ」などといわれるのは、こういった理由からだ。では、日頃からどんなことに気をつけて生活をすれば、免疫力を高められるのだろうか。「免疫力を高めるためには、栄養バランスの整った食事、運動や睡眠など規則正しい生活を意識することが大切です。喫煙やストレスは免疫力を下げ、がんのリスクを高めるので注意しましょう」と後藤医師。○がんの最先端治療「免疫細胞治療」とはがんの標準治療は、手術、化学療法、放射線治療の3つが代表的だ。患者のがん細胞の性質や進行度、再発リスクなどによって、医師は適切な治療法を提案する。一方、患者の体内にある免疫細胞を体外で強化したうえで再び体に戻し、がん細胞を攻撃するのが「免疫細胞治療」。つまり、"自分の細胞でがんを治す"という治療法だ。自分の細胞を使うため大きな副作用がないことがメリットの1つで、QOL(生活の質)を下げない全身的な治療法として注目されている。後藤医師が統括院長を務める瀬田クリニックグループは、1999年に国内初のがん免疫細胞治療専門医療機関として東京に開院。現在は全国4カ所(東京・神奈川・大阪・福岡)で展開するとともに、同クリニックと同様の免疫細胞治療が受診できる連携医療機関も全国で44カ所存在する(2015年12月時点)。免疫細胞治療は現在のところ、その多くは自由診療として行われている。○免疫細胞治療の種類免疫細胞治療では、一部(HIV抗体陽性の人、臓器・同種骨髄移植を受けた人など)を除くほぼすべてのがん種が治療対象になる。また、早期から再発・転移を伴う状況まで病期にも関わらず治療可能だが、外来通院での治療になるため、無理なく通院できる程度の健康状態が必要としている。瀬田クリニックで行っている免疫細胞治療は次の5つだ(瀬田クリニックホームページより)。■樹状細胞ワクチン療法樹状細胞は、がん細胞を直接攻撃するT細胞にがんの目印(がん抗原)を伝え、攻撃の指示を与える免疫細胞。樹状細胞ワクチン療法では、樹状細胞に体外でがん抗原を取り込ませてから(教育してから)体内へ戻し、T細胞にがんを攻撃するよう指示させる。■アルファ・ベータT細胞療法がんに対する攻撃力が最も強い細胞のひとつであるT細胞を全般的に活性化し、増殖させてから体内へ戻す治療法。T細胞の多くが「アルファ・ベータT細胞」という種類のため、この名前がついている。がん細胞の目印が分からないとき、がん細胞が目印を隠している場合に、早期がんから進行したケースまで幅広く適用。また、免疫の働きにブレーキがかかっている患者のブレーキを外す働きもあり、化学療法や放射線治療の効果が増すことも期待されている。■ガンマ・デルタT細胞療法がん細胞を攻撃する力を持つ免疫細胞(リンパ球)のうち「ガンマ・デルタT細胞」を用いた治療法。ガンマ・デルタT細胞には、細菌やウイルスなどに感染した細胞やがん化をはじめた細胞の変化を素早く感知して攻撃をしかけるといった特徴がある。抗体医薬を使っている場合や、骨腫瘍・骨転移などの治療にゾレドロン酸を使っている場合、併用することで相乗効果を期待できる。■NK細胞療法NK(ナチュラルキラー)細胞は、末梢血中のリンパ球の10~20%を占め、極めて強い細胞殺傷能力を持った細胞の一種。体の中を常時パトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞などの異常な細胞をいち早く発見して攻撃する役割を持つ。NK細胞療法では、患者のNK細胞を体外に取り出し、高度に安全管理された環境下で大幅に増殖・活性化して体内に投与する(治療開始前の患者の免疫状態等により、NK細胞の増殖度合いは異なる)。■CTL療法T細胞を活性化・増殖させる際に、患者のがん細胞を使ってT細胞を増殖させ、そのがんのみを攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)を増やしてから、体内に戻す治療法。腹水や胸水などから、患者のがん細胞が入手できる場合に治療が可能。○標準治療と併用が可能これらの免疫細胞治療は、標準治療と併用できる点も重要だ。例えば、手術、放射線治療、抗がん剤などはがん細胞を大きく減らしたり、腫瘍を小さくしたりすることが可能だが、再発のもととなる隠れたがん細胞が残る可能性もある。一方、免疫細胞治療は、サイズの大きながんを縮小させる力は弱いものの、こうした隠れたがん細胞を探し出して攻撃する力を持っており、標準治療と併用することで再発リスクを下げたり、他の標準治療の効果を底上げしたりすることが期待できる。新しい治療法であるため、現状では高齢者よりも、インターネットなどで自ら情報を探すことに長(た)けている若い人に認知される傾向があるとのこと。「若い患者さんは、ご自分でいろいろと調べてから来院されます。また、ご高齢の患者さんの場合、お子さんやお孫さんが調べて連れて来られるケースも多いですね」。なお瀬田クリニックでは、次のような場合に免疫細胞治療を提案している。1. 手術などを行ったが再発の心配があり、体に負担をかけずそのリスクを下げたい場合2. 放射線治療や抗がん剤と併用して、プラスαの効果が期待できそうな場合3. いろいろな治療を試したが、標準的な治療方法が他にないと言われた場合「免疫細胞治療は、体への負担が少ないので、例えば仕事や趣味、食事など、これまでどおりの生活をしながらがんの治療が行えます。多くの人がさまざまながんの治療法があることを知って、ご自分のライフスタイルに合った治療法を選べるとよいですね」。以前と比べて「がんは治る病気」といわれることも多くなったが、やはり自分や家族、友人ががんを患った場合、まず感じるのは恐怖だろう。事前に治療法について知っておけば、いざ治療が必要になったときも、信頼できる医師や病院、治療法を見つける手がかりになる。健康に気をつけてがんを防げることが一番だが、もしものときに備えて、がん治療に関する知識を持っておくとよいだろう。※画像と本文は関係ありません○記事監修: 後藤重則(ごとう・しげのり)瀬田クリニックグループ統括院長1981年新潟大学医学部卒業1985年県立がんセンター新潟病院1989年新潟大学医学部助手、同年医学博士号取得1991年帝京大学生物工学研究センター講師、帝京大学医学部講師1995年医療法人社団弘生会霞ヶ関ビル診療所1999年瀬田クリニック(現・瀬田クリニック東京)、2001年より同院長2008年東京医科大学内科学兼任講師2009年より医療法人社団滉志会理事長
2015年12月24日タレントの北斗晶さんが乳がんを公表したことを受け、いまや日本中で乳がんの検診意識が高まっているといっても過言ではないだろう。北斗さんのがんは乳頭近くであったため、セルフチェックや検診でも異常が見られず、診断されたときには2センチ近くの大きさに進行していたとも報道された。これには、検診を受けたことのない女性はもちろん、定期検診を受けている女性も、「がん」という病気の恐ろしさを実感したはずだ。今回は、『自分の細胞で治す 女性が知っておきたい最先端がん治療』(PHP研究所)の共著者である瀬田クリニックグループ 統括院長の後藤重則医師に、婦人科系のがんの検診と、乳がんのセルフチェックの方法・注意点についてお聞きした。○見つけやすいがんと見つけづらいがんがん治療の全般において、「早期発見」が鍵といわれている。そのために定期検診の重要性も叫ばれているわけだが、検診でも、見つけやすいがんと見つけにくいがんに分けられるのだろうか。後藤医師は、「超音波検査や内視鏡検査、CTスキャンなどで直視できる臓器に関しては、検診でがんも見つけやすい傾向にあります。女性特有のがんもそうですし、胃や腸、肺などにできたがんも、早期で見つけることは可能です。反対に、膵臓(すいぞう)がんのように、検査機器でアプローチしにくい場所にできるがんは、見つけにくいと言えるでしょう」と語る。○乳がん、子宮がん、卵巣がんの場合まず女性特有のがんには、乳がん(男性が発症する場合もある)や子宮がん、卵巣がんがある。乳がんの場合は、超音波検査やマンモグラフィー検査によって、乳腺の中にがんができていないかを画像にて確認。疑わしい場合は、針を直接患部に刺して組織を採取し診断する、細胞診や組織診といった検査にて確定診断を行う。子宮がんには、子宮の奥側(子宮体部)にできる「子宮体がん」と、子宮の入り口にできる「子宮頸(けい)がん」の2つがある。子宮頸がんの検査では、子宮頸部の細胞をこすり取って、がん細胞がないか検査を行う。また、「HPV(ヒトパピローマウイルス)」という原因ウイルスの有無や細胞の形の変化を見て、がん化する前の細胞変異(前がん病変)がないかを調べることができる。一方、子宮体がんは、採取器具を挿入して子宮内膜の細胞や組織をとって調べる、細胞診や組織診が一般的な検査方法だ。ただし子宮頸がんをはじめ、初期症状がないがんもある。「検診で見つけられるがんの中には、子宮頸がんや卵巣がん、スキルス性胃がんなど、初期では症状が出ないがんもあります。症状が出てから調べて、もう初期ではないということもありますので、それを防ぐためにも定期検診は必要なのです」。一方、卵巣がんの場合は、突然発症し進行が早いタイプのものが少なくない。このタイプは前がん病変がなく、小さい病巣の場合、画像検査で見逃されることも。したがって、婦人科検診からわずか3カ月ほどで、がん性腹水がたまった状態で卵巣がんと診断されることもある。検診でも防げないケースがあると思うと不安になるが、自分の体の状態を定期的にチェックするためには、やはり婦人科検診は重要だ。初期で見つけづらい卵巣がんの場合も、がんになる前に子宮内膜症や良性の腫瘍(チョコレートのう腫など)にかかった人が卵巣がんになりやすいというデータが報告されており、それらの病気は検診で見つけることができる。20代になったら、かかりつけ医師を見つけ、定期検診を受けることが自分の体をさまざまな病気から守るポイントのようだ。○乳がんのセルフチェック方法女性のかかりやすいがんの中でも、乳がんは罹患(りかん)率1位で、12人に1人がかかる病気といわれている。遺伝性の乳がんもあるが、9割以上は遺伝とは関係がなく、その罹患者数は増え続けている。その背景について、「以前の日本は大腸がんや胃がんが多かったのですが、近年は乳がんが増えてきました。恐らく、食生活が欧米化していることなどが原因となっているのではないでしょうか」と後藤医師。乳がんは、セルフチェックとして、自分で乳房をさわることでしこりの存在に気づくことが早期発見につながるともいわれている。正しいセルフチェックの方法は次のとおりだ。■乳がんのセルフチェックのしかた1.両乳房を鏡で見て、くぼみや赤み・炎症、乳頭の位置に変化はないかを確認する。2.片腕を上げて、もう片方の手の指先で、上げている側のワキから乳房までを触っていく。3.2を反対の腕にも同様に行う。ただし、乳がんの中にはしこりにならないものもあり、セルフチェックだけでは万全ではないという。「もちろんセルフチェックはやらないよりはやった方がよいのですが、それだけで安心できるものではありません。乳がんの場合、たとえ医師であっても触診は完全ではないことは周知の事実です。早期発見のためには、半年に1度、超音波検査やマンモグラフィー検査で検診を行うことが非常に重要です」。会社などの健康診断で、婦人科検診はオプションになっていることも多いため、若い女性の中には検診を受けたことがない人もいることだろう。ただ、女性特有のがんの多くは、若い女性でもかかる可能性が大いにある。そして、がんを治すためには早期発見が鍵となり、そのためには定期検診が重要だ。忙しさなどからつい敬遠しがちだが、将来の健康や女性らしさを守るためにも検診に足を運んでみよう。※画像と本文は関係ありません○記事監修: 後藤重則(ごとう・しげのり)瀬田クリニックグループ統括院長1981年新潟大学医学部卒業1985年県立がんセンター新潟病院1989年新潟大学医学部助手、同年医学博士号取得1991年帝京大学生物工学研究センター講師、帝京大学医学部講師1995年医療法人社団弘生会霞ヶ関ビル診療所1999年瀬田クリニック(現・瀬田クリニック東京)、2001年より同院長2008年東京医科大学内科学兼任講師2009年より医療法人社団滉志会理事長
2015年12月23日世界初となる二日酔い治療専門病院が、オーストラリアに開業した。シドニーにあるこの病院では、30分から1時間で最悪な二日酔いも治せる治療を受けられるそうで、治療費は140豪ドル(約1万2,000円)からとなっている。一方でこのアイデアをよく思っていない意見も出ており、豪公衆衛生協会は「このことは人々の不適切なアルコールの消費を促すものであり、政府は十分に注意を払うべきだと思います」とコメントしている。(C)BANG Media International
2015年12月16日コープ共済連(日本コープ共済生活協同組合連合会)と全国の生協では、乳がんの早期発見・早期治療に結びつくよう、がんの定期検診とセルフチェックの大切さを伝える活動を年間を通して実施している。一部の生協(CO・OP)店舗においては、乳がんのしこり、皮膚のくぼみなどを実際に触って体験できる「乳がん触診モデル」設置。このモデルとともにDVD(乳がんのことや早期発見のためのセルフチェックの方法、検診、備えについて)を用いた学習会や講演会を行っている生協もあるという。みやぎ生協では年2回、ライフプランアドバイザーと一緒に乳がん触診モデルを使った体験学習会を実施。体験した組合員からは、「いろいろな種類の『しこり』があり、勉強になった」「自己流ではなかなかわからない。体験してよかった」など好評で、「これを機会に自己検診する」と検診に意欲的になった例も見られたという。コープ共済連では、職員向けに乳がんの知識を習得するための「乳がん触診モデル体験会」を実施している。参加した職員からは「皮膚が引っ張られて、えくぼができることを初めて知った」「乳がんに対する意識が変わった。今後もきちんと検査したい」などの感想が寄せられたとのこと。全国の生協(CO・OP)では、乳がんに関する「体験記」「ミニ知識」「チェック表」「保障に関する情報」をまとめた小冊子を配布。また、月に一度の自己検診を推奨していることから、自己検診方法を記載した「乳がんセルフチェックカード」も配っている。なおCO・OP共済では、「ピンクリボン運動」の特設サイトも開設し、乳がんに関する知識や専門家からのアドバイスなどの情報提供を行っている。全国の生協で入手できる「乳がんセルフチェックカード」も同サイトからダウンロードできる。
2015年12月09日ディノス・セシールはこのほど、乳がんの術後をやさしくサポートする「ブレストケアブラ」のインナー一体型タイプと前開きタイプを「セシール」より発売した。セシールは、乳がんの早期発見・早期治療を推進する「ピンクリボン運動」を支援している。2007年からは、乳がんを経験した女性に向け、肌や体に負担をかけない素材、着心地、機能などにこだわったインナー「ブレストケアブラ」シリーズを販売中。今回発売する「ブレストケアブラ付きインナー」(M~LL / 3,990円・税別)は、「ブレストケアブラにもカップ付きインナーがほしい」という要望を受けて開発したもの。肌触りの良い綿混素材を使用したノースリーブ型で、やさしくバストを包み、ワイヤーなしでも安定して支える定番のブレストケアブラを内蔵した。ストラップは、肩の負担を軽減する幅が広いものを採用。裾をパンツにインすると、ブラジャー部分が安定してズリ上がりも防げるという。カラーはスカロップシェル。また、術後すぐ使える前開きタイプの「ブレストケアブラ」(M~LL / 2,990円・税別)も登場。前開きスナップは着脱がラクなため、入院中や通院時も便利に使用できるとしている。肌や体への負担を軽減するよう、肌側はすべて綿混素材、縫い目も表側とした。アンダーは幅広のソフトゴム使用で、締め付け感もないという。大きめパッドにも対応するポケット付き。カラーはクールピンク、インディゴの2色。販売は、インナーカタログ『セシレーヌ2016VOL.1』およびセシールオンラインショップにて。
2015年12月07日東北大学は11月5日、40歳代女性を対象とした乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験から、マンモグラフィに超音波を加えることで早期乳がんの発見率が約1.5倍になるなどの結果が得られたと発表した。同成果は、東北大学大学院医学系研究科 大内 憲明 教授らのグループによるもので、11月5日付の医学誌「the Lancet(電子版)」に掲載された。今回の試験は、2007年7月から2011年3月にかけて、全国42の研究参加団体を通じ、7万6196人の女性の参加同意を得て施行された。参加者は参加同意後に 1:1 の割合で、マンモグラフィに加えて超音波検査を実施するグループ(介入群)と、通常のマンモグラフィ検診を実施するグループ(コントロール群)にランダムに割り振られ、初回および2年後の検診を受診した。その結果、介入群では感度91.1%、コントロール群では感度77.0%であり、有意差を持って介入群で感度が上昇。乳がん発見数、発見率においても介入群で有意に高値となった。発見がんのステージ別評価では、ステージIIまたはIII以上の発見がん数は、介入群、コントロール群で差は見られず、超音波検査はステージ0またはⅠのがんの発見に寄与していることが明らかとなった。一方で、介入群では精密検査が必要と判定される人の割合である要精検率が有意に上昇、針生検などの侵襲的な追加検査の施行数も増加しており、検診の不利益も増加していることがわかった。今後は、超音波検診導入による利益と不利益との相対バランスを厳密に検討することが不可欠であるとしている。
2015年11月05日北斗晶さんが乳がんになったことを告白したのは、まだ記憶に新しいですよね。ショックを受けた人も多かったのではないでしょうか。日本では年間約5万3,000人が乳がんと診断されています。一方、英国では年間5万人。乳がんで亡くなる人の数は日本も英国も同じで、約1万2,000人。ただ英国の人口は日本の約半分ですから、日本とくらべて乳がんの診断を受ける人や、乳がんで命を落とす人の割合が非常に高いことがわかります。英国の女性向けヘルシー志向ウェブサイト『Healthsia』では、乳がんの予防効果が科学的に証明されている9つの食材を紹介しています。■1:アブラナ科の野菜アブラナ科の野菜には、グルコシノレートという科学物質が豊富に含まれています。動物実験では、グルコシノレートには、DNAの損傷を防ぎ、アポトーシスと呼ばれるがん細胞が自然消滅するように導く作用があることがわかっています。アブラナ科の野菜は、カリフラワー、にんにく、玉ねぎ、キャベツなど。■2:色の濃い葉野菜複数の研究で、ほうれん草やケールなど、色の濃い葉野菜に含まれるルテインやゼアキサンチンが、乳がんのリスクを低減させる可能性が指摘されています。また、ハーバード公衆衛生大学院が行ったメタ分析によると、カロテノイドやビタミンAやC、Eを含む野菜や果物を摂取すると、閉経前の乳がんのリスクを下げる可能性があるそうです。カロテノイドは、人参やほうれん草、かぼちゃやトマトに多く含まれています。■3:豆類豆類の摂取も、乳がんのリスク低減に関係があるといわれています。豆類は植物性タンパク質が豊富で、肉の摂取を減らしている場合には非常に大切な栄養素となります。豆類には他に、カルシウムや鉄分、ビタミンBなどが含まれます。■4:トマトトマトにはリコピンという抗酸化物質が非常に多く含まれるため、乳がん予防に最適。リコピンを多く含む食べものは他に、すいかやパパイヤ、ピンクグレープフルーツなどがあります。■5:野菜や果物概して野菜や果物には、CやE、葉酸などのビタミン類や抗酸化物質が豊富に含まれており、乳がん予防に効果的。また、野菜や果物には食物繊維も含まれています。18~69歳の日本人女性の場合、1日に必要な食物繊維の量は18グラムです(厚生労働省)。■6:脂肪分の多い魚中国の浙江大学などの研究者たちは、乳がんに対するオメガ3多価不飽和脂肪酸の効果を分析しました。結果、鮭やマグロ、ニシンのように脂肪分の多い魚由来のオメガ3多価不飽和脂肪酸を多く摂取した女性は、植物由来のオメガ3多価不飽和脂肪酸やオメガ3多価不飽和脂肪酸を含まない魚を多く摂った女性とくらべ、乳がんに対するリスクが14パーセント低かったことがわかりました。■7:オリーブオイルファイトニュートリエントと呼ばれる植物性栄養素が豊富なオリーブオイルは、抗酸化作用が高いことで知られています。スペインのナバラ大学が、地中海料理を食べている女性を調査したところ、食事にエキストラバージン・オリーブオイルを追加でかける女性は、あまりかけない、またはまったくかけない女性とくらべて、5年間の乳がん発症のリスクが62%低いことがわかりました。■8:亜麻仁アマという植物の種「亜麻仁」には、ポリフェノールの一種であるリグナンが豊富です。閉経前の女性を対象に2009年に行われた研究では、リグナンを含む食事を多く摂取している女性は、乳がんのリスクが低いことがわかりました。■9:大豆製品アメリカ国立がん研究所が行った調査で、大豆製品を多く摂った女性は、そうでない女性とくらべ、胸の組織の密集度が低いことがわかりました。胸の組織の密集度が高いと、乳がんになるリスクが高いとされています。また、女性ホルモンのエストロゲンが多いと乳がんのリスクを高めますが、大豆に含まれるイソフラボンがエストロゲンと似ているためにエストロゲン自体の作用を減少させます。*魚や大豆など、日本人の食生活に馴染みの深い食品が並んでいるので、日本での乳がんの発症率が英国よりも低い理由が分かるような気がしますね。定期的ながん検診を受けつつ、このような食事をバランスよく積極的に摂って、乳がんと戦える体づくりをしましょう。(文/松丸さとみ)【参考】※9 foods proven to help prevent breast cancer-Healthista
2015年10月29日女性なら誰しも可能性があると言われている『乳がん』。がんの中でも年齢は幅広く、20代から可能性があり、将来的にも増加が予想されています。毎日の食生活の中で乳がんを予防することがとても重要です。今回は、美容にも乳がん予防にも効果が期待できる食べ物をご紹介します。◎オリーブオイルオリーブオイルは、他の油と違って美肌効果があるだけではなく、抗酸化物質でがん細胞の増殖を阻止するので、乳がんの予防や再発予防に有効です。更に、オリーブオイルは便秘にも効果的!腸の働きを活発にし、食物繊維も多く含まれます。オリーブオイルを選ぶときは、“ エクストラヴァージンオイル“を選びましょう。◎魚マグロ、サンマ、サバ、イワシ、カツオ、サケなどの魚に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸には、乳癌の発症リスクを抑える効果があります。そして、魚にはアンチエイジングや血管を若く保つために必要な栄養素が含まれています。どれも日本人には馴染みの深い魚ばかりです。なるべく新鮮なものを食べるようにしましょう!◎大豆大豆に含まれる「イソフラボン」という成分は、女性ホルモンの作用に影響して、乳がんや前立腺がんを防ぐ作用があります。主に豆腐や納豆、みそ汁などに多く含まれます。日本人女性を対象にした研究では、毎日みそ汁を「3杯以上」取る人は「1杯以下」しか取らない人に比べ、乳がん発症リスクが約4割低くなることが分かっています。大豆食品を毎日食べる女性では、乳がん発症リスクが約2割低くなっていた様です。また、大豆を使った食事には、美肌効果があります。ヘルシーで高栄養価な食材です。いかがでしたか?どれも手軽に購入できる食べ物ばかりです。日本でも年間に約5万人が診断されている乳がん。乳がんを含め、あらゆる病気の根本には普段の食事が深く関係しています。美容にもうれしい効果のある食品を食事に取り入れて、乳がんのリスクを抑えましょう♪
2015年10月28日フットマークは10月20日、乳がんを経験した女性向けの水着「アクアマンマ」シリーズの新柄の予約販売を開始する。同社は企画の背景として、乳がんの経験者が水着を着用する際、通常の水着ではパッドを入れるところがなかったり、あってもズレやすかったりと、さまざまな問題があったことをあげる。中には自分でボリュームパッドを水着に縫いつけて使用する人もいるが、一度縫い付けると気軽に取り外しできないといったデメリットもあるという。また、シリコンパッドのような高価なものは縫うわけにもいかないという意見も多く寄せられていたとのこと。同シリーズは、「通常の水着ではどうしても不安」という気持ちに応える形で開発した水着。手持ちのパッドを簡単に付けられるように、パッド装着部分にポケットをつけた。ポケットは中心が重なりあって開くタイプなので、一度入れたら落ちたりする心配がないという。優しい肌あたりにするため、胸周りにボタン等は一切使用せずに仕上げた。袖なしタイプは動きやすさと耐久性を考慮し、胸部分のみ裏地つき。袖付きタイプは、袖口やウエストはゴムを使用せず、優しい肌あたりにした。上着のウエスト周りには、めくれ防止用のインナーを装着し、インナーをパンツの中に入れることで、上着をズレあがりにくくしている。これまで同シリーズを着用した人からは、「胸の位置や凸凹が気になるが、胸の辺りの柄がごまかしてくれるので、気付かれにくい」「胸に当たる布が柔らかくて傷跡にも優しい」「袖があり、上着がまくれ上がりにくい工夫、胸部の工夫もある」といったコメントが寄せられているという。新発売の柄は、小花柄の「ベディセル(ネイビー)」、大きな花柄の「カルムフラワー(パープル)」の2種。型は「セパレーツ」(税込1万2,960円~1万4,580円)、「袖付きセパレーツ」(税込1万5,660円~1万7,280円)。フットマークネットショップ「水着で元気工房うきうき屋」で販売する。
2015年10月20日オークラ ホテルズ&リゾーツはこのほど、乳がん撲滅月間の10月にあわせ、「ピンク・チョコレートマカダミアナッツ」をハワイ・ホノルルにあるザ・カハラ・ホテル&リゾートのレストラン「プルメリアビーチハウス」にて発売した。ザ・カハラ・ホテル&リゾートのチョコレートマカダミアナッツは、1964年のホテル開業当初からお土産として愛されている商品。シュガーローストしたハワイ産の大粒ナッツにフランス産のチョコレートをコーティングしたチョコレートナッツは、シェフの手で毎日手作りされているという。今回、普段から販売されているダーク、ミルク、ホワイト、ブロンドフレーバーに加えて発売されたのが同商品。乳がん撲滅月間にあたる10月限定の販売で、売り上げの一部はスーザン・G・コーメンフォーキュア乳がん財団ハワイ支部に寄付される。価格は$26(税別)。
2015年10月09日メットライフ生命保険はこのほど、乳がんに関する意識調査の結果を明らかにした。同調査は8月11日~18日、20代から50代の女性を対象に実施し、400人から有効回答を集めた。乳がん検診を受ける必要があると思うかを尋ねたところ、84.0%の女性が必要と感じていることが判明。年代別に見ると、20代の若い層でも76.0%は検診が必要と認識しているということがわかった。次に、乳がん検診を1年以上受けていない、または受けたことがない人に、毎年検診を受けない理由を聞くと、最も多い意見は「お金がかかるので」(40.1%)だった。次いで、「時間がない」(32.5%)、「年齢的に早いと思う」(22.0%)となっている。特に、34歳以下で「年齢的に早いと思う」と回答した人は4割以上で、「検診の受け方がわからない」と回答した人も3割以上という結果になった。乳がんに対して危機感や不安はあるかを尋ねたところ、「あまりない」「ない」の合計が54.8%と半数を超えた。一方で、45~49歳の世代は、「危機感がある」「やや危機感がある」と回答した人の合計が56.0%と、もっとも危機意識を感じている世代であることが明らかとなった。
2015年10月05日毎年10月は「ピンクリボンの月」「ピンクリボン」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。ピンクリボン運動は、乳がんの早期発見の大切さを広めるために全世界で行われている活動だ。毎年10月は「ピンクリボンの月」。エスティローダーグループは、毎年「ピンクリボン キャンペーン」を実施している。お買い得なピンクリボン支援ハンドクリームELGC株式会社(エスティローダーグループ)が取り扱うヘア・スキンケアブランド「AVEDA(以下、アヴェダ)」は、「ピンクリボン キャンペーン」の一環としてピンクリボン支援製品「~ピンクリボン~シャンピュア ハンドクリーム」を2015年10月1日(木)より発売した。保湿力が高く、しっとりとなめらかな手肌に導くアヴェダのハンドクリーム「ハンド リリーフ」は通常125gで税抜き3,000円だが、今回発売する限定製品は150g、税抜き3,400円で通常製品よりも25g増量で200円分買い得となっている。香りは誕生以来25年の定番となっている、ラベンダー・イランイラン・プチグレインなどの25種類の植物エッセンスが配合された「シャンピュア」の香り。1製品あたり約600円が乳がん支援に製品1本あたり約600円が支援団体を通して乳がん患者のサポートに役立てられる「ピンクリボン キャンペーン」。今年の秋冬に使うハンドクリームをまだ買っていない人、乳がんの啓蒙活動に共感する人は要チェックだ。(画像はプレスリリースより)【参考】・~ピンクリボン~シャンピュア ハンドクリーム/アヴェダ・ELGC株式会社 プレスリリース/PR TIMES
2015年10月02日ステラ マッカートニー(Stella McCartney)が10月1日、15AWランジェリーコレクションの一部として、乳がん啓発をサポートするホットピンクのランジェリーセット「戯れるアリーナ(Alina Playing)」を発売する。乳がん意識向上月間である10月に発売される「戯れるアリーナ」は、ナチュラルかつフェミニンなムードとスポーティーなインスピレーションを融合させたランジェリー。エルゴノミックなストラップやピコトリム、リーバーレースにあしらわれた幾何学模様などのデザインが特徴的で、バルコネットブラ(1万5,000円)、ソフトカップブラ(1万5,000円)、ビキニブリーフ(8,000円)の3アイテムが展開される。また、昨年のケイト・モスに続き、今年はカーラ・デルヴィーニュが乳がん啓発のキャンペーンイメージに起用。「戯れるアリーナ」のブラを着用して登場し、胸の部分にハートを描き、乳がん啓発プロジェクトへの賛同を示している。なお、「戯れるアリーナ」の売り上げの一部は、乳がんの早期発見プログラムと乳がん患者向けの治療を提供する活動をサポートするため、イギリスの「Linda McCartney Centre」や、アメリカ、オーストラリアの「National Breast Cancer Foundation」などのチャリティ団体に寄付される。また公式オンラインショップでは、両乳房切除後に着用する新しいコンプレッションブラ「耳を澄ませるルイーズ(Louise Listening)」を独占販売。「耳を澄ませるルイーズ」のすべての売り上げは、乳がんの女性とその家族ためにロンドンに設立された「Hello Beautiful Foundation」の資金として寄付される。
2015年09月30日ハードロックカフェは9月10日、乳がん撲滅チャリティーキャンペーン「PINKTOBER(ピンクトーバー)」を国内店舗にて開始する。開催は10月31日まで。ハードロックカフェは、1971年にイギリス・ロンドンで創業したアメリカンレストランで、日本では1983年に東京・六本木に第1号店をオープンした。博物館のようにミュージシャンの衣装やギターを飾った店内となっており、ノンストップで流れる音楽を聴きながらアメリカ家庭料理が楽しめるとしている。同企画は、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を訴えるチャリティーキャンペーン。毎年、全世界のハードロックカフェやハードロックホテルで実施している。期間中は、ピンクをテーマカラーにしたチャリティーメニューやチャリティーグッズを販売する。チャリティーメニューには、ホワイトチョコレートのケーキ「ピンクケーキ」(980円)や、フレッシュバナナ、ピナコラーダミックス、モナンワイルドベリー、オレンジジュースをミックスした「ワイルドベリースム―ジー」(980円)が登場。10月4日まで販売する。チャリティーグッズには、「ピンクトーバーピン」(1,800円)と「レディースクラシック ピンクロゴTシャツ」(2,800円)を用意し、9月19日より販売する(予定)。なお、チャリティーメニュー売り上げの一部は、日本各地(東京都、大阪府、福岡県)の慈善団体「日本対がん協会」「大阪市男女いきいき財団」「NPO法人ハッピーマンマ」へ、チャリティーグッズの売り上げの一部は、アメリカに本部を置く乳がん基金「Breast Cancer Research Foundation」「Caron Keating Foundation」へ寄付されるとのこと。実施店舗は、東京店、上野駅東京店、横浜店、大阪店、ユニバーサル・シティウォーク大阪店、福岡店の国内6店舗。※価格は全て税別
2015年09月09日サイズや形や左右の差など、自分のおっぱいに悩んでいる女性はとても多いけれど、実際にケアをしている人はとても少ないのが現状です。コンプレックスがあると直視したくないという心理があるのかもしれません。でも、自分のおっぱいを見る・触るということは、美乳づくりのためだけでなく、おっぱいの変化に気づくためにもとても大切なこと。ふんわりもちっとした美乳づくりのためのマッサージだけではなく、乳がんのセルフチェックとして、ときどきはおっぱいを触ってみましょう。 面倒くさくならないよう、簡単にとりいれられる、セルフチェックの方法をご紹介します。セルフチェックのベストな時期は、生理が終わって5~10日ほど経ってから。とくに生理前、おっぱいが張ってきたり、しこりのようなものを感じたりする人はしっかりと間をあけてからにしましょう。1.入浴前に鏡の前でチェックおっぱい全体の形に変化(へこみなど)はないか? 乳頭から分泌液などがないか?両腕を上げてみて、引きつれる感じがないか? 正面だけでなく横向きや斜め向きでも見ましょう。2.入浴中にチェックおっぱい全体を指の腹で円を描くように触り、しこりがないか? 脇の下を手で挟むように触り、しこりがないか?おっぱいが大きい人は仰向けになってチェックするのがオススメです。乳頭からの分泌物がないかどうか、日常的にチェックしておくことも大切です。しこりの原因は乳がんだけでないので、焦って自己判断するのは禁物ですが、もししこりや違和感があったら、病院へ行ってくださいね。日ごろからおっぱいマッサージをしていると、リンパの流れを助けて乳がん予防に役立つと言われます。今まであまり自分のおっぱいを見たり触ったりしていなかった人は、今日からケアしてみませんか?
2015年07月09日新潟大学は6月18日、糖尿病治療で使われるインスリンなどの血糖降下薬による低血糖脳症に対し、新たな動物モデルを作成し、用いることで低血糖脳症の治療薬を発見したと発表した。同成果は新潟大学脳研究所神経内科の下畑享良 准教授を中心とする研究グループによるもので、6月18日の国際科学誌「PLOS ONE」に掲載された。低血糖脳症は、糖尿病の治療でインスリン注射や内服の血糖降下薬を用い血糖値を下げたときに、薬が効きすぎることで起きる。糖は脳にとってのエネルギー源であるため、低血糖脳症は重度の脳障害や認知症の原因となる。近年、その数が増えていることが問題となっているが、ブドウ糖注射を除くと治療薬がなく、治療薬の開発が望まれているが、良い動物モデルがないという課題があった。従来の動物モデルは低血糖におる脳のダメージによって呼吸が止まるため、人工呼吸器を使用していたが、難易度が高いという問題があった。今回の研究では、脳波をモニターしながら脳の傷害をチェックする方法を用いることで、人工呼吸器を使用しないで済む動物モデルを確立した。また、このモデルを用いることで、低血糖の治療として行うブドウ糖注射のあとに、脳内にアルデヒドのひとつである4HNEという物質が蓄積し、神経細胞を傷害すること、その障害の程度は低血糖の時間が長いほど高度になることを発見。アルデヒドを分解する酵素を刺激する薬剤「ALDH2 アゴニスト」をブドウ糖と一緒に注射したところ、脳内のアルデヒドが減少し、神経細胞の障害も抑制されることを確認した。このアルデヒド分解酵素刺激薬が実用化されれば、低血糖脳症患者の一部の予後を改善する可能性がある。同研究グループは今後、今回開発した動物モデルを用いて、さらに低血糖脳症の治療薬候補の同定を進め、最も効果が期待される治療薬を用いた治療の実用化を目指すとしている。
2015年06月18日国立がん研究センターは6月15日、乳がん細胞の抗がん剤耐性メカニズムに特定のマイクロRNAが関与していることを確認したと発表した。同成果は同研究センター研究所分子細胞治療研究分野の高橋陵宇 研究員、落谷孝広 主任分野長の研究グループによるもので、6月12日付(現地時間)の「Nature Communications」に掲載された。これまでの研究では、薬剤のがん細胞外への排出機序をはじめとして、耐性化に関わる分子自体を解明する研究は多く行われてきたが、「なぜ耐性化が誘導されるのか」という点は十分に解明されていなかった。これまでの研究で、ドセタキセルという抗がん剤の耐性化に伴い、複数のマイクロRNAに発現低下あるいは欠損が生じることが報告されている。今回の研究では、このマイクロRNA群の中で、多くの乳がんで染色体異常が報告されている第9番染色体に位置するmiR-27bというマイクロRNAに注目し解析を行った。その結果、miR-27bの発現が低下した乳がん細胞では、ドセタキセルなどの薬剤を細胞外に排出する分子の発現が亢進し、抗がん耐性が獲得されることが判明した。さらに、miR-27bの標的分子であり抗がん剤耐性を誘導する分子として、糖尿病の関連因子であるENPP1を同定し、乳がんの悪性度を亢進させる可能性があることもわかった。ENPP1は乳がんにおいて発現量が高く、悪性度や骨転移にも関連している。また、動物実験でmiR-27bの発現が低下している細胞集団ではドセタキセル耐性だけでなく、腫瘍形成の維持および亢進が認められた。このことから、miR-27b発現が低下している細胞集団の乳がんの幹細胞集団の形成にも大きく関与していると考えられている。今回の成果は、miR-27bの発現を調べることでドセタキセルに対する感受性の変化を予測しながら行う治療の実現だけでなく、ENPP1の関与も明らかになったことから、糖尿病治療薬で、ENPP1の発現を抑制する作用のあるメトフォルミンのがん治療への応用へつながることが期待される。
2015年06月15日乳がんにかかる女性は30代から40代にかけて急増すること、知っていますか? アラフォー女子と乳がんは切っても切れない関係。私たちは何をどう気をつければいいの? 乳がん検診の必要性は? 自分のカラダに関わる大切な問題、しっかりと目を向けていきましょう。乳がんは怖くない病気、必要以上に恐れなくてもいい病気今回教えていただいたのは、同世代の乳がんサバイバー(がんを経験した人)であり、モデルの藤森香衣さん。そして、乳腺専門医で乳がんの知識や検診の普及に長年尽力している島田菜穂子先生にもお話をうかがいました。藤森香衣さん1976年生まれ。モデル。11才からモデルを始め、広告を中心に活動。出演したCMは70本を超える。長年の経験で培った知識や感性を活かし、ユーザーの目線に立った様々なプロデュースを展開。2013年4月、乳がんにより右乳房を全摘出。同時に乳房再生治療を受ける。がんについての知識を広めるため、手術と同時に病気を公表。がん全般の啓蒙活動にも積極的。オフィシャルブログ「白花の薫り」、Doctor’s Me「藤森香衣のがんコラム」 「日本女性の16人に1人が乳がんにかかる」と言われていたのは数年前。それが「14人に1人」に変わり、最近ではもう「12人に1人」と修正されています。「10人に1人」になるのは時間の問題でしょうか?「みなさん、知り合いや身内に、乳がんにかかった人が1人か2人いますよね。私は祖母がそうでした。しかも20代の友人を乳がんで亡くしました。そしてその翌年、私自身、自分の胸にしこりを見つけたんです」淡々と話す藤森さん。乳がんにより2年前に右乳房を全摘出したことが、嘘のようなキラキラした笑顔が印象的です。しこりを見つけた当時、藤森さんは35歳。乳がんにかかるのは40代や50代だけなんて言われていたのは以前の話。確かにピークはそうですが、残念ながら年代にかかわらず、20代30代40代…各年代まんべんなく乳がん患者が増えているのが現状です。乳がんは、日本を含む先進国で増えている病気。昔ながらの生活を営む開発途上国では患者数がさして増えていません。食生活が豊かで、発育や健康状態がよくなったこと、出産・授乳経験が少なくなったことなど、生活様式の変化が乳がん増加の原因になっていることは確かなようです。 さて、藤森さんが自分の右胸にしこりを見つけたのは、亡くなった友人の『ちゃんと検診を受けてほしい』という声がまだ記憶に新しかった時期。すぐに近くの乳腺科を受診しましたが、乳がんではないとの診断。ただ、しばらくするとしこりが大きくなっているような気がして、翌年別のクリニックで検診を受けました。そこで「0期の非浸潤がん」と診断されたのです。その時がんを見つけたくれたのが、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の島田菜穂子先生でした。「ご自分で触って見つけた乳がんが、藤森さんのように0期というのはなかなかないこと。セルフチェックを真面目にされている方でも、発見するのは大抵2cmくらいになってからなんです。早期であれば90%以上、限りなく100%に近く治ります。乳がんは他のがんと比べても、怖いものではないということ、だから早期に発見すべきだということを、もっとみなさんに知ってもらいたいですね」と島田先生。【 乳がんの病期(ステージ)分類 】 Tis:乳管内にとどまるがん。非浸潤がん(超早期)0期:しこりや画像診断での異常な影を認めないものⅠ期:2cm以下のしこりで、リンパ節への転移がないと思われるものⅡ期:2cmを超える5cm以下のしこりがある、もしくはリンパ節への転移が疑われるものⅢa期:しこりが5cmを超えるものⅢb期:しこりが皮膚などに及んでいるものⅣ期:しこりの大きさを問わず、他の臓器に転移がみられるもの乳がんて何? 正しい知識を身につけたい乳がんは乳腺(母乳をつくるところ)にできる悪性腫瘍のこと。初期には食欲が減ったり、体調が悪くなるなどの全身症状はほとんどありません。唯一の変化、乳房の異変に気付かずに放置しておくと、乳腺の外にまでがん細胞が増殖し、血管やリンパ管を通って全身へと広がっていきます。乳房のわずかな変化を見逃さないことが何より大切です。しこりは、1cm〜2cmくらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかります。ただ、しこりがあるからといって、それが必ず乳がんであるというわけではありません。がん細胞が増え始めてからの症状としては、痛み、血液が混じったような分泌物が出る、乳首のただれ、皮膚のくぼみ、赤く腫れたりオレンジの皮のように毛穴が目立つ、脇の下のしこり、などさまざまなものがあります。藤森さんは結局、乳がん摘出手術をするための精密検査によって、同じ胸にあと2つしこりが見つかり、右胸を全摘出する決心をします。自分を奮い立たせ、手術では乳房の同時再建をしてもらおうと気持ちを切り替えました。「落ち込んでいるだけでは何も始まらない。これからどう生きていくかを考えることのほうが重要」だと気がついて。「もちろん怖かったですよ、ずっと。私は仕事柄もあって、以前から女性の体と健康、病気などについては調べているほうだったと思います。それでも、祖母が乳がんによって両胸をなくしていたこともあり、小さいときからがんを怖がっていました。それに、テレビドラマなんかだと、どうしても死んでしまうイメージが強いじゃないですか。でも実際は、早期に発見された乳がん患者の大半は生存しています。正しい知識を持っていれば、必要以上に怖がらなくて済みますし、早期に発見できるようにきちんと乳がん検診を受けておこうと考えるようになると思います。病気に関わる知識は理解するのがなかなか難しいものですが、間違った情報に一喜一憂しないよう、きちんと覚えておきたいものです」(藤森さん)乳がんになりやすい「リスク」を調べて、立ち向かう勇気を「近親者に乳がんになった人がいる人は自分もかかりやすい、と聞いたことがあると思います。研究が進むにつれて、乳がんのかかりやすさはもう少し詳しくわかってきました。乳がんについては日々、情報もアップデートされるので、今わかっていることだけでも知っておきましょう」(島田先生)乳がんの「リスク」、本当のところこれまでの研究で、乳がんに関係すると考えられる危険因子は徐々に明らかになってきています。特に、乳がんの発症は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌と密接な関係があり、月経の回数の多さが影響していると言われます。初潮が早くて閉経が遅い人、出産・授乳経験がない人は自ずと回数が多いということになります。□ 母親、姉妹など家族にがんになった人がいる□ 授乳経験がない□ 乳がんや良性の乳腺疾病になったことがある□ 初産年齢が30歳以上 □ 身長が高い□ 閉経後、肥満になった□ 初潮年齢が早い□ 閉経年齢が遅い□ 生まれたときの体重が重い□ たばこを吸う日本乳癌学会編「科学的根拠に基づく縫う右岸治療ガイドライン2 2013年版」よりその他、家族歴はなくてもピルを10年程度使ったことがある人、不妊治療をされた女性などもリスクは上がることになります。でも、このような危険因子に当てはまる項目が多いからといって、必ず乳がんになるというわけではなく、逆に全く当てはまらないからと言って絶対に安心とも言えません。どんな人にも可能性はある、と捉えるのが賢明です。リスクファクターのうち、家族歴は特に気になるところ。お母さんや姉妹が乳がんになった女性は一般の人に比べて2倍以上、乳がんになるリスクが高いという調査報告があります。乳がんという病気そのものが遺伝するわけではないのですが「なりやすい体質」が遺伝すると考えられています。でも、がんは遺伝要因だけでなく、環境要因も大いに関係があります。環境要因というのはその人の食生活や喫煙、過度の飲酒、ストレス、生活環境など。環境要因と遺伝要因のかけ算の結果によって、発症リスクが上がると考えましょう。やはり気になる「遺伝性乳がん」近年、注目されているのが「遺伝性乳がん」。これは、正常な細胞がガン化するのを抑える「がん抑制遺伝子」が欠如したり変異したりするがんで、両親のどちらかから遺伝します。既に発見されているのは「BRCA1」、「BRCA2」と呼ばれるがん抑制遺伝子で、このどちらかの遺伝子に異常がある女性の7~8割が乳がんになるとい言われています。遺伝性乳がんの特徴は・・・◎若い年齢で発症しやすい◎乳がんと卵巣がんを併発しやすい◎男性が発症することもあるなどです。≪遺伝性乳がんの可能性チェック≫血縁者に乳がんの人がいて、次の項目にひとつでも当てはまると、一般の人よりも乳がんの遺伝子を持っている可能性が高くなります。□ 40歳未満で乳がんを発症した人がいる□ 年齢を問わず、卵巣がんを発症した人がいる□ 男性で乳がんを発症した人がいる□ 父方・母方どちらか一方の家系内で2人以上、乳がんや卵巣がんを発症した人がいるこういったチェックからBRCA遺伝子の変異が疑われる場合には、遺伝子検査が検討されることもあります。ただ、現在は健康保険適用外で、実施している医療機関は限られ、検査の前には「遺伝カウンセリング」を受けることも必要で、費用も高額になってしまいます。遺伝性がんと言えば、アンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がんを予防するため両乳房を切除したことはまだ記憶に新しいはず。これについて、藤森さんはこう語ります。「その理由を『母親ががんだったのでリスクが高いから』と単純に受け止めてしまった人は『健康なおっぱいを取るなんてやりすぎじゃないの?』と考えたことでしょう。でも、彼女の場合はBRCA1遺伝子に変異が見つかった。その結果、生涯で乳がんが発症するリスクが87%という診断を受けたそうです。それが自分だったとしたら…? 女としての決断を迫られるほど重大なこと。誰も彼女の行動を責められないと思うんです。実は、私も遺伝子検査をしました。手術の後、ドクターに勧められてしたのですが、手術費や治療費に加えて、高額な遺伝カウンセリングと検査。医療保険に入っておいて本当によかった! と思いました。遺伝子検査は自費なうえ、手術から検査までの合計金額は、医療保険がなかったらかなりの負担です。がんのリスクと保険は切っても切り離せない、それが現実。アラフォー世代は、がん保険や女性特約など、きちんと見直したほうがいいですね。病気になると精神的にも大変だから、お金のことくらいは心配しなくてもよいように。特に、お子さんがいたり、休職しなければならない人は経済的負担も大きくなりますから。これ、大事ですよね」自分の体は自分で守る! 早期発見のためにできることは “検診”早期に発見できれば、9割以上が治る乳がん。藤森さんが自ら発見したことからもわかるようにセルフケア=自己検診はやはり大事です。自分で乳房に触れたり観察して、変化がないかをチェックしましょう。「あまり難しく考えることはありません。バスタイムに石鹸がついた手でやるか、アフターバスにボディクリームなどをなじませるのを兼ねてでもいいのです。乳房の凹凸がわかるように指を動かします。毎日触っていれば、何か異常があったときにわかりますよね。検診では医師が触診しますが、普段のあなたの胸と比べることはできませんから」(島田先生)そして、医療機関で行われる乳がん検診には次のようなものがあります。【視触診】医師が乳房を診察し、しこりの有無を判断する検査。形状や皮膚の変化を目で見て、指で乳房や腋の下などに触れ、しこりの有無を調べます。【マンモグラフィ】乳房のX線検査のこと。小さながん、石灰化のある乳がんの発見に適しています。検査の精度は、約80~90%。乳房をプラスチックの板ではさんで平らにして撮影するため、多少の痛みがあります。また、乳腺密度が高い人や若い人の場合は、わかりにくいのがデメリット。X線による放射線の被曝は、東京からサンフランシスコまで飛行機で移動中に自然のなかで浴びる放射線量と同程度なので、適切な設備と撮影方法、頻度で行えば、健康に重大な影響を及ぼすことはないことがわかっています。【超音波(エコー)検査】超音波により、乳房の病変を検査する方法。医師の触診だけでは発見できない小さいしこりや、しこりの良性・悪性の診断に用いられています。乳腺が発達していてマンモグラフィではしこりと乳腺の区別がわかりにくい人でも、超音波検査なら判別ができます。放射線被曝がないので、妊娠中の方や若い人の検査にも適しています。“検診”は何歳から? その頻度は?自治体が行う乳がん検診のガイドラインでは、「乳がん検診の対象者は40歳以上の女性、頻度は2年に1度、医師による問診と視触診+マンモグラフィ」となっています。島田先生、検診は40歳になったらやればいいのですか?「いいえ。30代でも受けてほしい人はいます。家族歴や女性ホルモン剤の使用歴など、個々で乳がんのリスクは違いますから。自治体の検診は個人の乳がんの早期発見問う観点だけでなく、日本女性を集団で見たときに一番利益の高くなることを考えたガイドラインになっています。どういうことかというと…、国民全体のがん死亡率をお金をかけすぎずに、しかも病気が手遅れにならない時期に発見する方法を考えているということ。乳がんになる頻度の多い年代に対し、早期発見の効果が証明されている方法で必要最小限の費用負担で行った対策なんですね。ですから、40歳未満であっても『多かれ少なかれ誰にでも乳がんのリスクがある。また乳がんのリスクや、乳がんを発見するために必要な検査は人によって違う』と知った人は、ぜひ乳がん検診を受けてほしいのです」(島田先生)島田先生が提案するガイドラインは…▼20代でも検診を受けてほしい人・家族、兄弟姉妹、伯父叔母、いとこなど2名以上が特に閉経前に乳がんや卵巣がんにかかったことがある人・家族歴はなくてもピルを長期間使用したことがある人・家族歴はなくても長期にわたって不妊治療をした人▼30代半ばで検診を受けてほしい人・女性全員「国の指針はあくまでの国民全体の利益を考えたものですので、稀ながんや、通常だと頻度の少ない年代のがんの検診は、国の健康対策として税金をかけて行うのは難しいでしょう。限られた大切な税金ですから、個々のリスクに対するサポートを国に求めるのが難しいのは、国民も理解しなけばいけないところです。だからこそ、私たちは一人一人が病気に対しての関心と知識をもって、自分に必要な検診があれば、自ら進んで早くからスタートすべき。家族に遺伝性がんの人がいる場合は、20代でも半年~1年に一度は、医師による視触診や適切な画像診断(マンモグラフィや超音波検査、MRIなど)を受けることが望ましいと思います。また、30代半ばで検診を受けてほしいと思うのには理由があります。現在発見される乳がんの平均径は2cm前後のしこりで発見されることが多いのですが、2cmになるまでには約10年かかります。そして現在もっとも乳がん発症が判明する年代は40代半ば。つまり、10年前、30代半ばでがん細胞が発生している方が多くいるということです。そうすると、できるだけしこりを作る前の早期の乳がんを発見するには、少なくとも30代半ばからは、コツコツと定期的な検診を続けることが必要なんです」(島田先生) また、自治体の検査が「2年に1回に視触診+マンモグラフィ」というのはなぜ? 超音波(エコー)検査はしなくてもいいの? 島田先生、実際はどうなのでしょうか?「最初はマンモグラフィも超音波も、両方受けてほしいです。家族歴やリスクなども医師と共に見直して、濃い検査を受けてみてもらいたい。そうすれば、次にいつどんな検査が必要かも、自ずと決まってきます。2回目からは、個々の乳房のコンディションやリスクに応じてできるだけ無駄を省いて必要な検査を絞ることもできます。検診を続けるには、無駄に時間やお金をかけすぎるのはもったいないですからね。40歳になれば、自治体から検診の案内が来ます。無料〜3,000円くらいなので、これはぜひ受けましょう。それと併用して、自分に必要な検査があれば自費の検診を賢く受け続けていくことが、早期発見、自分の体を乳がんから守ることになるのです」(島田先生)職場で、友達同士で乳がんを話題にしよう。乳がん検診に行こう!「乳がんで亡くなった友達のメッセージは『とにかく検診を受けて』それに尽きます。0期で発見された私が、自分の経験を公表してみなさんへ伝えていけるのも、同じく検診の大切さなんです。現に私は、最初の受診でがんではないと診断されましたから。自ら進んで2度目の検診に行かなかったらと考えると…、検診の重要性がわかってもらえると思います。それなのに、乳がん検診を受ける人の数はあまりにも少ないんです。ピンクリボン運動は知っている、さらにピンクリボンのキャンペーンやイベントに参加もしているのに、乳がん検診に行っていない、そんな人もいるのが現実。悲しいですよね」(藤森さん)ピンクリボンキャンペーンの認知度が高くなり、乳がん検診受診率も上がったといわれますが、実はまだ30数%。諸外国に比べると、日本の検診受診率がいかに低いかがわかります。 「どうして行かないのか聞いてみると、『私はまだ大丈夫』という人も少なくありません。アラフォー世代は、まだ子供も手がかかるし仕事も頑張る時期。『忙しくて自分のことなんてかまっていられないから』という人もいます。ひどいと『もし乳がんだったらコワイから』なんていう人も! 怖いから行くんですって!」(島田先生)確かにこんな調査もあります。【 なぜ検診に足が向かないのか、その理由 】 1位 受診する機会がなかったから 39% 2位 何の症状も心配なところもないから 36% 3位 撮影中痛かった(痛いらしい)から 26% 4位 費用が高いから 24% 5位 家族に乳がんの人がいないから 22% 6位 時間がないから 22% 7位 仕事が休めないから 22% 8位 どこで受けられるかわからないから 14% 9位 面倒だから 13%10位 医師や技師が男性だとハズカシイから 9%【乳房健康研究会が2013年に行ったアンケート調査】よりでも、いまこれを読んでいる人は、上のような理由で「検診に行かない」とは言えないはずです。行動を起こしましょう。検診が受けられる場所を探しましょう。▼乳がん検診が受けられる場所 By 認定NPO法人 乳房健康研究会あなたの町の乳がん検診実施状況 ▼乳がんの検査設備の整った施設リスト By 認定NPO法人 乳房健康研究会 ▼乳がん検診無料クーポン券の配布対象者 By 厚生労働省乳がん検診無料クーポン券は前年度(去年4月2日から今年の4月1日までの間)に40歳、45歳、50歳、55歳、60歳になった女性のみなさんを対象に、お住まいの市区町村から送付されます。※市区町村により、配布内容は異なります。詳しくは市区町村のがん検診担当窓口にお問い合わせください。市区町村ごとの問い合わせ先を探す↓ 島田菜穂子 先生ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 院長。2000年、乳がん啓発団体・乳房健康研究会を発足させ、乳がん啓発団体として日本初のNPO法人認証を受ける。同副理事長。乳がん認定医、放射線科専門医、認定産業医、日本体育協会認定スポーツドクターなどの認定医資格も持つ。乳がん関連の著書、監修が多数。最近の監修は「乳がんから自分をまもるために、知っておきたいこと。」(日本医療企画)。ピンクリボンブレストケアクリニック表参道
2015年05月22日熊本大学は4月30日、乳がん細胞がホルモン療法に対し耐性化する仕組みを明らかにしたと発表した。同成果は熊本大学発生医学研究所細胞医学分野の斉藤典子 准教授、中尾光善 教授らと、同大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野の冨田さおり 医師、岩瀬弘敬 教授、九州大学医学研究院の大川恭行 准教授らの共同研究によるもの。4月29日付(現地時間)の英科学誌「Nature」に掲載された。乳がん治療では、エストロゲンという女性ホルモンとその受容体の働きを阻害する薬剤が使用される。しかし、この治療を長期にわたり受けていると、がん細胞が薬剤に耐性をもって再発する可能性がある。再発したがんは周りの組織に広がっていったり、リンパ節に転移するなど難治性となってしまう。研究グループはエストロゲン受容体を作る遺伝子で、活性化すると乳がん細胞の中でエストロゲン受容体が過剰に働くようになることで知られるESR1に注目し、ホルモン療法が効きにくい状態におけるESR1遺伝子の変化を調査した。その結果、難治性の乳がん細胞ではエストロゲン受容体およびESR1メッセンジャーRNA の量が数倍に増加していた。また、核内のESR1遺伝子の近くに非コードRNAの大きな塊ができていることも判明。エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞では、ESR1遺伝子の近くに多量の非コードRNAが蓄積していると考えられた。この非コードRNAを調べたところ、難治性細胞においてESR1遺伝子の働きを高く維持していることがわかった。これらの研究結果から、エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞は、ホルモン療法によってエストロゲンを長期に枯渇すると、ゲノム中のESR1遺伝子とその周囲の部分から非コードRNAが誘導されて、エストロゲン受容体を多量につくるように変わることで、ホルモン療法に対して耐性化すると結論づけられた。なお、研究グループはポリフェノールの一種であるレスべラトロールが、その非コードRNAとESR1遺伝子の高発現を阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制することを突き止めており、今後新しい乳がん治療の開発につながることが期待される。
2015年04月30日国立がん研究センターは4月2日、乳がんの脳転移にがん細胞から分泌される微小な小胞エクソームが関わっていると発表した。同成果は分子細胞治療研究分野の富永直臣 研修生、落合孝広 分野長の研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。乳がんは比較的予後の良いがんとして知られる一方、治療後、長期間を経て脳転移が認められることがある。脳への転移は予後に大きな影響を及ぼしQOLを著しく低下させるが、そのメカニズムについてはわかっていなかった。同研究では、がん細胞が分泌する直径約100nmの顆粒(エクソーム)が、脳血管で物質透過を制限しているBBBという生体バリア構造を破壊していることを突き止めた。エクソームに含まれるmiR-181cというマイクロRNAがBBBの構造を変化させた結果、バリア機能が失われ、がん細胞が容易にBBBを通過し、脳転移を引き起こしていると考えられるという。がんの脳転移メカニズムを明らかにした今回の成果は今後、早期発見および新規治療法の開発への応用が期待される。
2015年04月02日結婚、出産の高齢化が進み、不妊治療を望むカップルが増えています。そこでネックになるのが、高額な治療費。子どもを授かるまで治療を続けたくても、治療費が捻出できず諦めるケースも多いようです。ですが、一定の要件に当てはまれば、「特定不妊治療」という国の助成制度を利用することができます。○平成26年度に変更になった「特定不妊治療」不妊治療には、いくつかのステージがあります。まずは排卵日を予測して自然妊娠を目指す「タイミング法」。次にチューブで精子を子宮に送る「人工授精」となり、最後のステップとして、体外で受精させた受精卵を子宮へ戻す「体外受精」「顕微授精」があります。タイミング法は数千円、人工授精で1万円~2万円程度ですが、体外受精になると、1回30万円~50万円程度の負担になり、資金面で治療の継続が難しくなってきます。治療の負担を軽くするために使えるのが、体外受精と顕微授精を対象にした「特定不妊治療」という国の助成制度ですが、助成を受けるにはいくつかの条件があります。対象者は、特定不妊治療以外の方法で妊娠の見込みが無い、または極めて少ないという医師の診断を受けた夫婦で、戸籍上の夫婦に限られます。また、夫婦合算の所得が730万円以内という所得制限が設けられています。助成制度を実施するのは、各都道府県、指定都市、中核市なので、利用の際は、住所地の自治体に申請をします。また、特定不妊治療ができるのは、各自治体が指定した指定医療機関に限られるので、事前に確認をしておきましょう。この特定不妊治療、平成26年度から制度が変更され、少々ややこしくなっているので注意が必要です。従来は年齢に関係なく、初年度3回、通算5年度で最大10回まで助成が受けられましたが、平成26年度以降、39歳までの女性は通算最大6回までと回数が減りました。40歳以上の女性は、平成27年度までに申請すれば、従来通り通算10回の助成が受けられるのですが、平成28年度以降の申請では、40歳~42歳が通算3回まで、43歳以上になると、制度の対象外となります。年齢が上がると体外受精や顕微授精の成功率が下がり、妊娠、出産のリスクが高まることから、このような見直しがなされたようです。助成額は、A~Fまでの治療ステージによって変わり、治療1回につき最大7万5,000円~25万円です。特定不妊治療は国の制度のため、どの都道府県でも同様の助成となりますが、自治体ごとに、独自の不妊治療支援を実施している場合もあります。例えば、東京都港区では年30万円・通算5年間の助成制度があります。独自の助成制度の有無で、東京都港区の場合では費用負担が150万円も変わってきます。不妊治療に本格的に取り組みたいという夫婦は、各自治体の助成制度について、調べてみるとよいでしょう。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール武田明日香エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)
2015年03月10日今や国民病といえるがんの診断と治療技術は、日進月歩で進歩しています。最近のがん治療は通院(外来)で行われることが増えてきました。そのため、入院治療主体の従来型のがん保険では、治療実態と乖離(かいり)し、十分な保障が得られない可能性があります。そこで、最近のがん治療や最新のがん保険について考えてみました。国民の約2人に1人はがんにかかる!?がんは国民病といっていいほど、身近な病気になりました。一生涯のうちにがんと診断される人の割合は、男性58.0%、女性43.1%。約2人に1人ががんにかかるのです。そして、がんは昭和56年(1981年)から日本人の死因第1位を占めています。平成25年のがんによる死亡者数は36万5,000人で、全死亡者のうち28.6%でした。がんは30年以上にわたって死因の第1位を占めていますが、医療技術の進歩によって徐々に治る病気になりつつあります。ただ、治療は長期にわたることもあり、公的医療保険が適用される治療だけを受けても、毎月の医療費負担は家計の重荷になります。もし、高額な先進医療の技術を受けることになると、経済的なダメージはさらに大きくなります。また、がんにかかると、通院のために職場の配置転換や離職を余儀なくされることもあり、収入減や収入途絶が追い打ちをかけます。こういった経済的ダメージへの備えとしてがん保険があるわけですが、最近、保障内容に変革が起きています。それは、治療方法が変わってきたからです。では、最近のがん治療はどう変わったのでしょうか。がん治療は「集学的治療」が主流以前のがん治療は、「入院して手術」が主流でした。現在でも、手術はがん治療の有効な治療法ですが、最近はこれに、放射線治療や抗がん剤治療を効果的に組み合わせる治療法が主流となっています。これを「集学的治療」といいます。放射線治療や抗がん剤治療は通院だけで行われることもあり、手術も技術の進歩で日帰りや短期間の入院ですむケースがあります。こういった治療法の進歩で、がん治療は入院から通院にシフトしているのです。下表は、がんの受療率の年次推移ですが、平成17年を境に、通院治療の方が増えています。ところが、入院・手術を前提とした従来型のがん保険では、通院だけの治療では受け取れる給付金はがん診断給付金くらいで、通院については十分な保障が得られるとは言い難いのです。そこで、最近のがん治療に合わせた保障内容を盛り込んだ新しいがん保険が登場してきています。このタイプをここでは新型がん保険と呼ぶことにします。大きく、「通院重視型」と「一時金重視型」に分かれる新型がん保険の傾向をみてみると、通院だけでも給付金が支払われる「通院重視型」と、診断給付金・治療給付金などまとまったお金の給付を重視した「一時金重視型」に大別されます。通院重視型は、文字通り、手術・放射線治療・抗がん剤治療などの治療を受けるために通院すれば、日数分の給付金が支払われます。入院の有無にかかわらず、がんの治療のために通院すれば給付されるのが通院重視型の新型がん保険の特長です(経口投与による治療は対象外になる等、保障内容は保険商品により異なります)。もちろん、入院治療でも給付金は支払われます。一時金重視型は、診断給付金や治療給付金としてまとまったお金を受け取って、自由に治療費、あるいは生活費の補填等にあてられるタイプの保険です。どちらのタイプがいいかは、その人の考え方によります。入院・通院のどちらの治療を受けても日数分の給付金を受け取りたい人は通院重視型、まとまったお金をもらって治療費などにかかる費用を賄う方がいいと考える人は一時金重視型がいいでしょう。新型がん保険を検討する際は、がん診断給付金の内容もチェックしてください。診断給付金はがんと診断されると支払われるがん保険がほとんどで、入院を伴わなくても受け取れます。ただ、最初のがん診断時に1回のみしか受け取れないがん保険と、複数回(2年に1回が限度の商品が多い)受け取れるがん保険があります。がんは再発や転移が心配な病気なので、複数回の方が安心でしょう。ただ、保障が手厚い分、保険料は高くなるので、1回のみしか受け取れないがん保険でもいいと割り切ることも必要かもしれません。先進医療の保障は、どちらのタイプのがん保険にもセットされているか、特約でつけられるようになっています。がんに関する先進医療の技術料は高額なものがあるので、今や必須の保障といっていいでしょう。通算限度額は1,000万円、2,000万円などがあり、2,000万円が主流になりつつあります。これは、1,000万円か2,000万円あればよいでしょう。ただし、現在ご加入の医療保険に先進医療の保障がセットされていたら、がん保険にはなくてもいいでしょう。医療保険の先進医療でがんの先進医療もカバーしているので、両方につけると重複してしまうからです。なお、公的医療保険適用、自由診療(海外では治療に使われているが、日本国内では承認がおりていない抗がん剤を使用する治療などのこと。治療費が公的医療保険対象部分も含めて全額自己負担になる)のどちらの治療を受けても、先進医療の治療費を含めてかかった治療費の全額が支払われるがん保険もあります。5年以上前にがん保険に加入した人は、保障内容は従来型のがん保険のケースが多いので、この機会に見直しをしましょう。コラム執筆者プロフィール 小川 千尋(おがわ ちひろ)ファイナンシャルプランナー/子育て・教育資金アドバイザー/終活カウンセラー/整理収納アドバイザー1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャルプランナーとして、主にマネー誌、一般誌、新聞などのマネー記事の編集・執筆・監修、セミナー講師などで活動。オールアバウト「生命保険」ガイドも務めている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年12月09日美容外科ガーデンクリニック 池袋院は、切らずに20分で治療が終わる、最新ワキガ・多汗症治療『ビューホット』を、11月より開始いたしました。ガーデンクリニック『ビューホット』 ■『ビューホット』サービス開始背景従来、ワキガ・多汗症を改善する治療法はメスを使用する手術が主流であることから、傷跡が残ったり、一定期間のダウンタイムが必要という問題がありました。また、薬物療法やボトックス法という治療法は効果が永続的でなく、定期的な通院・施術が必要であるため、「手術はしたくない、定期的な通院をせずにワキガ・多汗症を治したい…」という声が多くありました。この声を受け、ガーデンクリニックは、皮膚を切らずに片脇10分・合計20分で治療が終わる最新ワキガ・多汗症治療『ビューホット』を11月より開始いたしました。■『ビューホット』について<極細針で切らない治療法>『ビューホット』は、高周波を発生させる多数の極細針でワキガ・多汗症の原因である汗腺だけを効果的に破壊する最新の治療法です。カートリッジに内蔵されている極細の針を、深さを変えながら汗腺がある層まで到達させ、熱を発する高周波により臭いの元となるアポクリン汗腺、汗の元となるエクリン腺の二つを同時に破壊します。<局所麻酔で痛みにも安心>また、当院では局所麻酔を用いた「完全無痛」の状態で治療を行うため、痛みに不安がある方でも安心して治療いただけます。ダウンタイムもほとんどなく、翌日からシャワーも可能ですぐに日常生活にお戻りいただけます。従来のワキガ・多汗症治療では効果が出なかった方や、気になっているが手術までは踏み出せない方にとって画期的な治療法です。■『ビューホット』治療メニュー<特徴>・高周波を発生させる極細針を装着したカートリッジによる切らない治療法・局所麻酔を用い、冷却システムで冷やしながら行う痛くない治療法・片脇10分・両脇で20分程度の治療時間・治療1~2回で改善率98%の効果が立証済み・圧迫固定なし、翌日からシャワー可能の短いダウンタイム<価格>通常料金:385,000円(税込) → モニター価格:330,000円(税込)※その他各種治療も行っております。詳しくはお問い合わせください。【クリニック概要】美容外科 ガーデンクリニックTEL : 0120-008-219URL : ・池袋院:東京都 豊島区南池袋2丁目26-6 島倉ビル 4階・品川院:東京都 港区高輪4丁目24-58 サマセット品川東京 2階・横浜院:神奈川県 横浜市西区北幸2丁目10-40 横浜西口TYビル 3階・名古屋院:愛知県 名古屋市中区栄3丁目27-18 ブラザー栄ビル 6階・大阪院:大阪府 大阪市北区梅田1丁目11-4 大阪駅前第4ビル 6階・福岡院:福岡県 福岡市中央区大名1丁目15-35 大名247ビル 5階※『ビューホット』の施術は、池袋院のみでご提供致します。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2014年11月11日不妊治療もしたけれど…最終的に下した「産まない」選択不妊治療でもっとも難しいのは、なかなか授からない場合に“やめどき”を決めることかもしれません。この記事を読んでいる人の中にも、今まさに悩んでいる人もいることでしょう。今回は、不妊治療をやめ、「産まない選択」をした女性の体験談を聞きました。●仕事がおもしろくなり、執着がなくなったAさんのケースAさんは38歳で離婚。前夫は家庭を築くというより自由に生きたいタイプで、子どもを持つことにも乗り気ではなく、その意識の違いが離婚の原因の1つにもなったそう。「40歳で再婚し、すぐにタイミング療法(*1)で子づくりを始めたものの授からず、1年経った時点で人工授精(*2)に変更。それでも授からず、体外受精(*3)も試しました。でもやっぱりダメで、不妊治療をストップしたのは44歳の時でした。治療をやめてもいいと思えたのは、仕事がうまくいくようになったからです。子どもが欲しくてたまらなかった時期って、今思えば仕事に行き詰まっていた時期だったんです。そんなつもりはなかったけど、心のどこかで、妊娠を、人生を変えるきっかけにしたかったのかもしれない。年齢的に出産がいよいよ厳しくなる時期と、仕事が充実しだした時期が重なったのは、私にとってラッキーだったかもしれません。『子どもがいなくても人生を楽しめる、無理しなくていい』って、自然に思えるようになりました」また、Aさんは治療をやめて精神的に楽になった、と言います。「治療中は、期待と失望の繰り返しがつらかったし、不妊治療のことしか考えられなくなっていました。検査薬をたくさん買い込んで、生理予定日が近づくとトイレのたびにチェックしたりして。でも不思議なもので、治療から離れた今は、もう執着していません。急な出張があっても思い切り仕事ができるので、これはこれでいいかなと思っています」●夫婦で旅行を楽しむことが生きがいのBさんのケースBさん夫婦は、旅行が趣味。結婚前から2人で毎年旅行に出かけていたそうです。「でも、37歳から不妊治療を始めて、そんな経済的余裕はなくなりました。有名なクリニックに通って何度も体外受精をしたので、治療代がかなり負担になっていましたから。精神的にも旅行を楽しめなくなっていましたね。このお金で体外受精ができるとか考えていましたし、妊娠しているかもしれないと思うと、温泉は良くないかもとか、この食べ物は大丈夫なのかとか、気になってしまって…」Aさん同様、不妊治療中は、そのことしか考えられなくなってしまったという人は多いようです。「治療をやめたのは43歳の時です。たまには旅行にでも、と誘ってくれた夫に『もし妊娠してたらどうするの!』と怒鳴ったところ、『そんな怖い顔をしているお母さんのところに、赤ちゃんも来たくないよ』って言われたんです。その時はひどい夫だと思って大泣きしましたが、その後、夫婦で何度か話し合って、治療をやめました。今はまた、夫婦で旅行を楽しんでいて、老後は海外移住もいいかなって話してるんです。子どもや孫の心配がないぶん、身軽にどこへでも行けますからね」●ペットと生活しながら“ゆる妊活”を続けるCさんのケース完全に不妊治療をやめる人がいる一方で、「治療はやめても完全に諦めたわけではない」というCさんのような人もいます。「タイミング療法、人工授精、体外受精、冷えとり、漢方薬、サプリメントなど、さまざまな不妊治療を行ってきたのですが、残念ながら授かりませんでした。私は、ズルズル続けるのはつらいと思っていたし、『治療をやめたとたんに授かった』という話もありますから、最初から42歳までって決めていたんです。ただ、まだ可能性があるかもとは思っていて、卵子に良いというサプリメント療法だけ続けています。あとは、体を冷やさないように気をつけているくらい。赤ちゃんが授からなかったとしても、美容や健康のためにいいので、気は楽ですね」子どもへの思いもありながら本格的な治療をやめるのは、勇気がいる決断だったのでは?「治療をやめたのと同時に犬を2頭飼い始めたので、この子たちが癒やしになってくれている部分は大きいです。もちろん子どもとは違うけれど、夫婦2人だけよりはだいぶ違いますね。子どもは、できたらうれしいけど、できなくても大丈夫だと思えます」今回、3人の女性にお話をうかがって、「子どもがいる、いないが女性の幸せを左右するのではない」と改めて気づかされました。不妊治療をしていると「子どもを授かる」ことだけに意識がいきがちですが、授かってから子育ての大変さ、子を持つことの責任という壁にぶつかって悩む女性も多いでしょう。子ども以外の生きがいや楽しみを持つのは、子どもを授かっても授からなくても、大事なことなのかもしれません。(*1)タイミング療法:エコーで排卵時期を測定し、タイミングを合わせて性交する方法。軽微な排卵誘発剤を処方されることもある(*2)人工授精:精子を排卵時期に合わせて女性の膣内に戻す方法(*3)体外受精:卵子を体内から取り出し、シャーレで精子と受精させて体内に戻す方法<取材・文/島田彩子>
2014年10月13日国立がん研究センター18万人以上のデータから推定2014年10月7日、国立がん研究センターは肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について、日本人を対象とした大規模な前向きコホート研究をあわせたプール解析の結果を発表しました。この研究成果は「Annals of Oncology」に掲載されています。発表概要今回の研究の対象は今まで行われた日本の8つのコホート研究をあわせた18万人以上となっています。平均追跡期間は12年で、この間に乳がんを発病したのは1,783人でした。約100人に1人の割合で発病したことになります。BMI(肥満指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの)と閉経前乳がんと閉経後乳がんの発生について、BMIが23~25未満の乳がんリスクを1としたときの、各BMIの乳がんリスクを算出しています。(画像はプレスリリースより)閉経前、閉経後にかかわらずBMIが大きくなると乳がんリスクは高くなりました。閉経前乳がんでは、BMIが30以上でリスクは2.25倍になることが分かりました。閉経後乳がんでは、BMIが1上がることにリスクは5%上昇するという関連がありました。この解析ではBMIが途中で変動している可能性があることから、追跡開始から2年目までに発生した乳がんを除いた解析も行っていますが、結果に変動はありませんでした。欧米人との違い欧米人を対象とした同様の研究では閉経前乳がんの場合には、BMIが30を超えると乳がんのリスクが低下するとしたものが大部分です。これに関してはこの研究からは原因を見いだすことはできませんが、がん研究センターは日本人の場合には無排卵やエストロゲンレベルが低下するような極端な過体重が少ないからではないかと推測しています。また、欧米と日本では乳がんのタイプが違うの可能性があるとも推測しています。上記の推測に関しては、今後の研究を待たなければ結論的なものは言えません。痩せすぎはリスクを下げるのか閉経後乳がんでは痩せすぎの人では乳がんのリスクが減少しています。国立がん研究センターはこの件に関しては以下の用にコメントしています。痩せに至るような栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくすることも知られています。国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて提唱する「日本人のためのがん予防法」では、総合的な健康にも配慮し、中高年女性のBMIの目標値としては21以上25未満を推奨しています。(プレスリリースより)【参考】・国立がん研究センタープレスリリース
2014年10月13日「ステラ マッカートニー(Stella McCartney)」は、乳がん意識向上月間を支援するため、ランジェリーシリーズ「リラックスするジェマ」を発売する。イメージビジュアルにはケイト・モス(Kate Moss)が起用された。同シリーズは14-15AWランジェリーコレクションの1部。ネオンピンクのカラーリングで、ステラが象徴するナチュラルかつフェミニンな雰囲気をアピール。シンプルなスタイルに幾何学的なディティールを施している。コントゥールブラやソフトカップブラ、ビキニブリーフをラインアップし、価格はビキニブリーフが6,000円から、バルコネットブラが1万円から。オンラインストアや世界各国の直営店、百貨店などで販売される。また、売上の一部が、イギリス・リバプールにある「リンダ・マッカートニー・センター」に寄付される。同センターは、乳がん患者やその家族をサポートする目的で2000年に設立。寄付金は乳がんの早期発見や治療、新しいマンモグラフィー装置のための資金に役立てられる。
2014年10月03日ニューヨーク発のライフスタイルブランド「CH キャロリーナ ヘレラ(CH Carolina Herrera)」は、乳がん撲滅キャンペーンの一環としてスマートフォン向けのアプリケーションを発表した。同ブランドは「キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)」の創業者であるキャロリーナ・ヘレラが、同名の娘とともに設立したもの。親子は乳がんを患う女性のサポートを目的とする「Support with Smile」を立ち上げ、過去5年間に渡って活動してきた。フォトアプリ「CHPink Smile」はiTunesやGoogle Play Storeから無料でダウンロード可能。撮影するとハート型のスマイルマークが画面に現れる仕組みになっており、それを口元にポイント。写真に“#chpinksmile”のハッシュタグを付け、FacebookやTwitter、Instagramでシェアすることで、乳がん撲滅への意識と認知と高めることを目的としている。また、アプリケーションからは募金をすることも可能。
2014年09月25日(画像はプレスリリースより)日本人女性14人に1人がかかる乳がん株式会社エムティーアイが運営する健康情報サイト『ルナルナ』では、「乳がんとピンクリボンについて」の調査を行い、結果を2014年9月22日に発表した。女性にとっては身近な病気、乳がん。日本人女性は、14人に1人がかかると言われている。しかし早期発見、早期治療で治る可能性が高いのも特徴だ。今回、10月の「ピンクリボン運動」強化月間に因み、調査が行われた。未検診は約7割も!「乳がんの検診を受けたことはあるか?」の問いに、「はい」と回答したのはわずか31.8%。未検診が68.2%であった。「乳がん検診を受けたきっかけ」については、31%が「会社の健康診断」と回答し、最も多かった。「自治体からの案内」が16.7%、「年齢的に気になった」が15.8%と続いた。また、「乳がん検診を受けたことがない」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ「年齢的に早い」と答えた人が21.6%だった。「どのように検診を受ければいいか分からない」が21%、「検診に抵抗があるから」が19.1%と続く結果となった。30代から増加し、40代から50代で最も多くが発症する乳がん。乳がん検診の費用は、病院によって異なるが、1万円前後かかる。「乳腺科」や「乳腺外科」、「乳腺外来」など乳腺を専門とする科で受診できる。早期発見し治療すれば90%が治る病気だということを忘れず、受診してほしいと『ルナルナ』では呼びかけている。
2014年09月23日乳がんは、女性14人のうち1人がかかるといわれている、女性にとって身近な病気です。乳がんの罹患率は、30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎えます。一般的に30~40歳代は子育て期。学費負担が50歳代まで続く家庭も少なくありません。お金がかかる時期にがんにかかったとしても治療に専念できるように、今から備えておきたいものです。乳がんを体験した子育て中の女性、がんサバイバーママへの取材等をもとに、がん治療に役立つがん保険について紹介します。乳房再生手術も保険診療に!乳がんの治療は切除手術が基本です。がん病巣部分を手術で取り出し、再発予防のために放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン療法を行うのが一般的になっています。手術や放射線治療等を受ける1年目には大きな出費があり、2~5年目は再発予防のためのホルモン剤の治療と定期検診が行われます(ただし、ステージや治療方法等により、治療費が高額にかかる期間は異なります)。1年目の医療費が高額になる要因の1つに、「乳房再生手術」があります。がんの治療費は大半が保険診療ですが、乳房再生手術の一部(人工乳房を使用した場合)で健康保険等が使えませんでした。ところが、2013年7月にインプラント(シリコンジェルのラウンド型人工乳房)が、2014年1月には自然な形のバストを再建できる最新タイプの人工乳房(アナトミカル型/しずく型)が保険適用となりました。自由診療であったときは、乳がんの乳房全摘+乳房再建の手術費用で150~200万円程度かかったケースもあったのですが、保険診療の対象となったことで、高額療養費制度の適用となったのです。1ヶ月の自己負担限度額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」(※下記の表参照所得区分:【一般】70歳未満)と、乳がん患者の負担はかなり抑えられるようになりました。乳がん患者にとって朗報ですね。ただ、手術の患者負担が軽減したとはいえ、乳がんの場合、1年目は術後に放射線治療や抗がん剤治療等の再発予防のための治療費が高めになっているケースが多く、退院後の通院費負担も相応の覚悟が必要です。抗がん剤治療を受ける場合、かつらを使うこともあり、医療費以外の支出も増える可能性があります。乳房再建手術が保険適用になったとしても、1年目の負担は50万円近くかかってしまうケースは多いといえます。そのため、入院だけに備えるものではなく、通院治療にも対応できるがん保険を選ぶ必要があるといえます。高額療養費制度の自己負担限度額(70歳未満 2013年度)がん診断給付金と通院保障に注目するがん保険選びで重要なのは、「がん診断給付金」です。所定の状態になった場合に100万円、200万円等の所定の一時金が支払われるものです。がん保険によって、どんなときに給付が受けられるか、再発した場合に対応しているか等の内容が異なりますので、がん保険を選ぶ場合は、がん診断給付金の内容は必ずチェックしたいものです。がん診断給付金の内容をチェックする際のポイントは、次の3点です。入院の有無支払い回数支払い条件(複数回払いの場合)1.入院の有無がん診断給付金には、(A) がんと診断されたら、入院の有無を問わず給付が受けられるもの(B) がんと診断され、入院した場合に給付が受けられるものの2種類があります。(B) は(A) よりも保険料は安く設定されているものが多いです。乳がんの場合、手術のために入院するケースが多く、(B) のがん保険でも十分だというがんサバイバーママが多かったです。ただ、入院の有無を問わず給付される(A) のがん保険を選択したほうがより安心です。2. 支払い回数支払い回数に関しては、(C) 1回の支払い(D) 複数回払い(給付から一定期間を経過していて、かつ、がんと診断された場合は再度給付金を支払う。※入院が条件の保険会社もあるので注意が必要です)の2種類があります。保険料が安く設定されているがん保険は、(C) であることが多いです。ただ、がんは再発・転移する可能性の高いものなので、(D) を選択するほうが長い目でみると安心です。複数回払いの給付金の支払い条件は各保険会社により異なります。がん保険に加入する前には、3. の支払条件に関しても確認しておきましょう。(3) 支払い条件(複数回払いの場合)複数回払いのがん診断給付金の場合、「2年に1度」や「3年に1度」を限度にする等の支払い条件が決まっています。最近では、「1年に1度」になっている保険商品も登場しています。先進医療で、切除せずに乳がんを治療する方法もがんサバイバーママの多くが「これからの時代、付けておいたほうが安心だと思う」という特約(オプション)に、「先進医療特約(がん先進医療特約)」があります。先進医療(がん治療に特化した先進医療)の中には、「切らずに乳がんを治療する」粒子線治療や経皮的乳がんラジオ波焼灼療法(初期の乳がん)があります。先進医療の場合、技術料が全額患者負担です。たとえば、鹿児島にあるメディポリスがん粒子線治療研究センターで乳がんの粒子線治療を受けた場合、288万3,000円の費用がかかります。経済的な手当てがないと、治療に踏み込めないケースも多く、保険で備えておくのが賢明だというのです。先進医療とは、保険診療の対象ではないものの、厚生労働省が高度な先進技術であることを認め、保険給付の対象にするか否かを検討している医療技術のことです。技術料は全額自己負担となるので、この技術料と同額を保障するのが先進医療特約です。この特約は、医療保険に付加できます。がん先進医療特約は、先進医療のうち、がんに特化した技術に対してのみ保障するというもので、がん保険に付帯する場合はこちらになります。いずれの場合も、月払保険料は100円前後です。ご加入の医療保険に先進医療特約が付帯されていない場合は、がん先進医療特約の付帯されたがん保険を選択するのが賢明ですよ。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年02月27日まだ若い女性が乳がんのために亡くなるということは決して珍しいことではないようです。身近に乳がんの可能性は常にあると言えますが、毎年きちんと検診を受けている人は少ないかも。私たちはもっと乳がんについて関心を持つ必要があると言えるでしょう。エスティ ローダーの故エヴリン ローダーは、世界規模で乳がんの知識啓発と医療研究を支援することを目的とし、ピンクリボンキャンペーンを1992年にスタートさせました。今年も「乳がん早期発見啓発キャンペーン 2013」が、10月1日から始まりました。今年のキャンペーンの中心となるのは、世界的なソーシャル体験。それは、世界の人々を集結し、友人、家族、同僚などから構成される独自の「強さのサークル」をつくり、乳がん根絶に向けたあらゆる行動を起こすこと。ひとりで何かをするのは難しいと感じるかもしれませんが、Twitterなどを使うことで、大きな世界的コミュニティの一部として人々が「ともに強くつながっている」と感じることができる体験ができると聞けば、一歩踏み出す機会になるかも。各サークルでは、「定期的に医師の診断を受け、40歳以上の場合、年1回マンモグラフィーを受けることに同意する」ことや、「健康的なライフスタイルに変える」こと、「BCRFの寄付を集めることに参加する」ことが可能に。自身の乳がん予防にも役立ちそうです。今年のピンクリボン キャンペーンは、世界中の乳がん研究、教育及び医療サービスを支援するため、500万ドルの寄付金を集めることに取り組むそう。そして、エスティ ローダー グループの8つのブランドが、10月1日よりキャンペーン支援製品を限定発売するなどして、ピンクリボン キャンペーンを支援します。エスティ ローダー:エヴリン ローダー&エリザベス ハーレー ドリーム リップ コレクション(¥4,725)例えば、アヴェダの「ピンクリボン ローズマリーミント ハンドクリーム」(¥3,360)や、ボビイ ブラウンの「フレンチ ピンクセット」(¥5,880)、クリニークの「DDML+(プラス)」(¥6,825)、エスティ ローダーの「エヴリン ローダー&エリザベス ハーレー ドリーム リップ コレクション」(¥4,725)など。収益の一部が乳がんに関わる支援団体に寄付されるので、メイクを楽しみながら、ピンクリボン キャンペーンに参加できる、とてもよい機会ですね。気になる商品があったら、ぜひこの機会に購入してみては?・ピンクリボン キャンペーン 公式サイト
2013年10月12日