2020年3月、韓国を震撼させたn番部屋事件。メッセージアプリ「テレグラム」内で、未成年者を含む女性に対する暴行や性搾取シーンを撮影した動画が流布・販売されていたおぞましい事件として記憶されている。そのオンライン上の性犯罪の実態を暴いたのは、2人の女子大学生「追跡団火花」による潜入取材だった。「プル」と「タン」からなる追跡団火花が、彼女らが事件を暴くまで、そしてその後の韓国社会の変化ついて綴った書籍『n番部屋を燃やし尽くせ』(光文社)から、現代社会で横行しているデジタル性犯罪の実態について、一部抜粋、再構成してお届けする。■子どもたちは誰もが愛されたいと思っている「グルーミング(grooming)」とは元々「手入れすること、手なずけること」を意味し、馬の飼育係(groom)が馬をブラッシングして洗い、きれいに手入れすることに由来する。「グルーミング」は、加害者が被害者に好感を持たせて親密な関係を作り、心理的に支配してから性暴力を加える犯罪だ。この犯罪の加害者は、まず目を付けた被害者に好感を抱かせ、被害者の欲求を満たしてやる。そして次第に加害者に依存させて周囲から孤立させ、性的関係を持ち、徐々に脅迫段階へと進む。そして性搾取へと至る。去る3月、私たちに連絡をくれた未成年の被害者を通じて、グルーミングについて詳しく知ることになった。被害者Cは頻繁に転校をしていて、親しい友達を作る機会がなかったという。Cはランダムチャット・アプリである「お兄さん」と知り合い、数カ月にわたり友達のように過ごした。その男は「秘密の話も聞かせて」と言って、少しずつCに近付き、数カ月後には体の写真を要求するようになった。拒否すると、「じゃあ、もう連絡しないから」と冷たい素振りを見せた。話をよく聞いてくれる“お兄さん”を失いたくなかったCは、写真を1枚、2枚と送るようになり、その結果、Cの顔などの個人情報が知られてしまった。さらに男はCに性的な写真も要求し、これを拒否すると周りにばらすと脅迫したという。親や先生に知られるのを恐れる被害者心理を利用したのだ。このようなグルーミングによる性暴力が深刻なのは、信頼を基盤にして行われるからだ。そのため、経済的に脆弱だったり精神的に不安定な状況に置かれた児童や青少年が被害に遭うケースが多い。子どもたちは、誰もが認められ、愛されたいと思っている。なぜ知らない人に写真を渡したのかと責めることはできない。このグルーミングの過程で、被害者は虐待を受けていることを認識できないばかりか、加害者を愛していると感じることさえある。自分がどんな被害を受けたのかも分からず、被害者の動画は本人も知らないうちにネット上に掲載されたり取引されたりする。性搾取犯罪の大半はグルーミングから始まるので、児童・青少年が性搾取に遭う前に、加害者の誘引行為などの「接近」自体を処罰すべきだ。バーチャル空間でのグルーミング処罰が法制化されれば、性的な出会いや性犯罪の実行に関係なく、性的目的で接近する行為自体を処罰できるようになるはずだ。海外では、イギリスやオーストラリアなど63カ国がすでに「オンライングルーミング」処罰法を施行している(2017年時点)。欧州評議会は2007年、ランサローテ条約(子どもの性的搾取及び性的虐待からの保護に関する条約)を締結し、「情報通信技術を用いて児童に対し性的な提案をすることは、直接の出会いにつながらないとしても、犯罪に該当しうる」とし、「加害者がオンライン上にのみ留まっている場合でも、児童に深刻な被害を引き起こす」と宣言した。■チャットアプリ内で青少年を守るためには現在、韓国で青少年と成人が接触可能なランダムチャット・アプリは200個以上ある。2019年、女性家族部の研究者らが未成年女性を装いランダムチャット・アプリを通じて2230人とチャットした内容を分析した結果、青少年に対して出会いを求めるなど性的目的で会話するケースが76.4%(1704人)に達することが明らかになった。私たちが直接アプリを入れて実態を確認した結果、チャットの状況は数年前と変わりがなかった。チャットの相手はやはり「15歳ならいいだろ」「アダなの~〔「アダ」は日本語の「新しい」に由来し、性体験がないという意味〕」などと発言していた。こうした状況を防ぐために必要なのが「おとり捜査」だ。おとり捜査は大きく2つに分類できる。単に犯行の機会を与える「機会提供型」と、犯行の動機や意図のなかった者に犯行意図を持たせる「犯意誘発型」だ。韓国では機会提供型が限定的に許容されている。たとえば、警察官が泥酔したふりをして道端に横たわり、財布を盗むよう誘導したり、嘱託殺人の偽装広告をネット上に載せて依頼者をおびき寄せるのは、機会提供型だ。一方、わざと道に携帯電話を落としておき、それを拾った人に交番に届けずに自分に売ってほしいと唆すのを犯罪誘発型という。問題は、現実に起きる犯罪はこうした事例のように簡単ではないという点だ。時とともに犯罪手法は進化する。現在限定的に許容されている「機会提供型」だけでは、犯罪手法の変化に対応して犯人を検挙するのは難しいということだ。すでに多くの国でデジタル性犯罪に関するおとり捜査を許容しているが、韓国ではいまだに激しい議論がある。おとり捜査で犯人を検挙して起訴しても、それは刑事手続きに問題があると言われてしまうのだ。たとえば、15歳の少女を名乗って「泊まる場所を探しています」とチャットルームに書き込んだとしよう。すると、これは「犯意」を誘発するため違法になる。善意の者の犯意を誘発したというわけだ。つまり、現在の韓国法では成人が子どもに不適切な感情を抱くことを未然に防げず、被害が発生するのを待つのと同じことになる。児童・青少年を保護するためにも、ぜひとも性犯罪に関するおとり捜査を導入すべきだ。これまで性犯罪は、問題が発生してからその対応に追われていた。今回も同様だった。将来、もう1つのn番部屋事件の発生を防ごうと思うなら、未然に犯罪を防ぐための法律を作らねばならない。【PROFILE】追跡団火花(ついせきだんひばな)プルとタンからなる匿名の大学生2人で構成された取材チーム。「n番部屋事件」の最初の報道者。記者志望の一環として参加した「真相究明ルポ」コンクールの応募準備のなかで「n番部屋」の存在に気づき、潜入取材を開始。韓国市場最大規模のデジタル性犯罪としてその実態を暴いた。YouTubeやInstagramをはじめとしたSNSでデジタル性犯罪の実態を伝える活動をしている。
2023年12月26日ヴィン・ディーゼルが性加害で民事訴訟された。被害を訴えているのは、元アシスタントのアスタ・ジョナソンという女性。事件があったのは、ディーゼルが『ワイルド・スピード MEGA MAX』を撮影していた2010年9月。アトランタのホテルにクラブのホステスたちを招待したディーゼルは、彼女らが帰ると、ジョナソンの手首を握ってベッドに押し倒したのだという。彼女はやめてほしいとお願いしたが、ディーゼルは彼女の体を触るなど性暴行を加えたとのことだ。その数時間後、仕事をクビにされたというジョナソンは、性被害に加え、不当解雇、性別による差別、悪質な職場環境などの理由でも、ディーゼルと彼のプロダクション会社を訴訟している。ディーゼルの最近作は、シリーズ10作目『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』。文=猿渡由紀
2023年12月22日《DJ SODAは、この事件について、被疑者3名からそれぞれ謝罪文を受け取り、被疑者らが深く反省し、悔いていることを確認したため、この謝罪を受け入れて被疑者らを許すこととし、金銭賠償を含まない形での和解を成立させました》今年8月13日に大阪・泉南市で開かれた音楽フェス「MUSIC CIRCUS’23」で、物議を醸した韓国の人気アーティスト・DJ SODA(35)への性暴力被害。フェスを主催した株式会社Tryhard JapanとDJ SODAの所属事務所Eight Bulls Corporationは11月3日、冒頭のように当事者間で和解が成立したと共同声明を発表。続けて、《株式会社TryHard Japanは、8月21日に泉南警察署に提出していた告発を、11月1日に取り下げました。被疑者らに対して寛大な対応をいただくよう捜査機関に要望していく所存です》と報告した。騒動の発端は、DJ SODAがXでパフォーマンス中に一部の観客から胸を触られる被害に遭ったと告白したこと。株式会社Tryhard Japanはフェスの3日後、毅然とした対応を取る意向をこう表明していた。《このような行為は性暴力、性犯罪であり、断じて許すわけにはいきません。被害に遭われたDJ SODA様への最大限のサポートを行いつつ、このような卑劣な犯罪行為を行った犯人を特定し、損害賠償請求や刑事告訴など、民事及び刑事の法的措置を取る所存です》「同社は直後に、不同意わいせつと暴行容疑で観客の男女3人を告発。出頭した20代の男性2人は、任意の事情聴取に対して『危害を加える意図はなかった』と話していたようです。事情聴取を受けたもう1人の女性も、『目の前に来たのでうれしくて触ってしまった』とSODAさんに触れたことを認めていたとのことです」(イベント関係者)騒動をめぐっては、DJ SODAに対して「露出が多い服を着ていたからだ」「客席に近づいたせいだ」と“自己責任論”を唱える声も一部で上がっていた。さらに暴露系インフルエンサーが他国でのライブ動画を切り取り、“他の国では結構触られている”とSNSで指摘。そのため「なぜ日本だけ被害を訴えたのか」と“反日批判”まで巻き起こる事態となり、DJ SODAは“ボディガードが私をサポートした”と反論していた。だがいっぽうで、運営サイドの“落ち度”を指摘する声もあった。「アーティストが矢面に立ってしまいましたが、当初から会場のセキュリティの低さを批判する声もありました。触る行為が許されないのは当然ですが、運営サイドにも“責任を問うべき”と見る人もいたようです。今回フェスの主催会社は被疑者と和解し、告発を取り下げたことで終結させた形です。しかし発表された声明では、警備体制やセキュリティに対する改善方針などは言及されませんでした」(前出・イベント関係者)主催会社のスタンスに違和感を抱いた人も少なくないようで、ネット上では発表された声明が“被害者目線”だと非難する声が上がっている。《何で運営側が被害者ヅラしてるのか不思議(笑)。セキュリティの落ち度は結構あったのに》《和解が成立したのは良かったと思いますが… 運営会社がドヤッて発表する事では無いかと そもそも、こうならない様イベントを運営をしなかった責任や反省点を改善すべきであり この事件は被害が出る様な環境というのも問題が大きいと思う》《運営側の反省と再発防止コメントがない事に、誰もが違和感しかないですね。演者や観客に危険が及ばないようにするのが運営の務めであることは当たり前のこと》
2023年11月03日世間から批判を浴びているDJ SODAへの性暴力事件。刑事告発された犯人が出頭前に青汁王子こと三崎優太氏のYouTuber動画に顔出しで出演し謝罪したことも話題を集めているが、その是非が問われている。DJ SODAは8月13日に出演した音楽フェスで胸を触られる被害に遭い、フェスの主催会社は21日に男女3人を不同意わいせつなどの容疑で警察に刑事告発していた。その同日20時、正式に事件化されたことを受けて、三崎氏は自身のYouTubeチャンネルに、「【顔出し謝罪】DJ SODA性被害の犯人を警察に出頭させました」と題した動画をアップ。経緯として、DJ SODAを触ったという男性2人が働く会社の社長から謝罪の場をほしいと相談を受け、自身も同フェスに参加していたことから承諾したと説明。動画の中で、男性2人は今回のことについて謝罪し、触った経緯についても「テンションがまず上がってました」「お酒を結構飲んでしまって軽い気持ちでやってしまったなと思います」とそれぞれ告白した。最終的に“ケジメ”として、動画の撮影終了後に出頭する意思であることを明かし、実際に2人が三崎氏に付き添われながら都内の交番に出頭する様子もおさめられていた。騒動後、ネットでは“犯人探し”が過熱していたこともあり、この動画はたちまち話題に。しかし、出頭前に被害者であるDJ SODA本人ではなく、動画に出て世間に謝罪するということについて、疑問の声が相次いだ。《別に世間に謝る必要ないと思うんだけど…罪を償った後にyoutuberデビューする布石にしか思えない…》《なぜ青汁さんがこの動画を投稿する必要があるのか全く理解できません。》《私にはわからない…。どうしてYouTube、またこの人のチャンネルで謝罪してるの。謝罪をすべき相手は被害者だし、さっさと出頭すればいい。ただ、反省してるという姿を世間に見せて、あの出回ってる写真から印象を変えることには、一役買ったかんじだね。》そんななか、世間を大きく騒がせた事件の当事者を動画に出演させていたYouTuberとして思い起こされるのが、昨年起きた“4630万円誤送金事件”の田口翔氏を自身のYouTubeチャンネルに出演させた、ヒカル(32)である。’22年4月、山口県阿武町がコロナ渦で困窮する世帯への支援金4630万円を誤送金してしまい、受け取った田口氏が返金に応じなかったことで逮捕・起訴された事件だ。大バッシングを受けた田口氏に対して、ヒカルは保釈後に動画に出演させただけでなく、自身の会社で正社員として雇用もしている。手を差し伸べた経緯について、ヒカルは田口氏の弁護士から、町への返済金である約340万円の資金を提供する“ホワイトナイト”になってくれないかという打診を受け、了承したと動画で明かしている。一方でヒカルは田口氏を受け入れた理由について、慈善事業ではなく「広告塔」として商業利用するためだとも動画で語っている。このように、世間を大きく騒がせた事件の当事者を自身の動画に出演させた三崎氏とヒカル。両者ともに当事者の更生を手助けしている面もあるかもしれないが、“商業利用”しているという批判も少なくない。《ヒカルといい青汁王子といい、罪を犯した人に救いの手を差し伸べるムーブはクソだと思う》《青汁もそうだし、ヒカルもだけど余計な奴らが自分達の利益の為に利用してんのマジでしょうもない》一方で、《再生数とチャンネル登録伸ばしたいのは事実なんだからそこをはっきりと言えば青汁さんは批判少なくなるよ ヒカルは金儲けのためってはっきり言うから批判されないんだよ》と三崎氏とヒカルの違いを指摘する声も一部ではあった。インフルエンサーの力を借りた当事者たちがどう歩むのか。重要なのは、“その後”ではないだろうか。
2023年08月29日皆さんは非常識な人の行動に困ったことはありますか? 今回は「ゴミ捨て場で起きた事件」を紹介します!イラスト:モナ・リザの戯言『ゴミ捨て場で起きた事件』最近、主人公のマンションではゴミ捨て場のゴミが急増していました。住民以外が捨てている可能性も考え、ゴミ捨て場の鍵を変更して対策をすることに。しかしゴミの量は一向に改善されず、住民は皆困ってしまいます。そんなある日、近くにできたレストランを訪れた主人公。するとそこは、主人公の同級生が夫婦で経営している店だったのです。食事はとてもおいしく、一緒に行った友人と楽しい時間を過ごした主人公でしたが…。そのレストランで使われている食材や家具が、ゴミ捨て場で捨てられていたゴミと似ているものばかりだったのです。同級生夫婦を疑った主人公が、早朝にゴミ捨て場を張り込むと…。犯人はやはり…出典:モナ・リザの戯言やはり犯人は同級生夫婦で、マンションの住民にお礼を渡してゴミ捨て場の鍵を借りていたのです。主人公は注意をしましたが、同級生夫婦は反省していない様子。その後、同級生夫婦が再びゴミ捨て場の鍵を借りようとしていたところを目撃し、主人公は警察に通報します。結果、同級生夫婦は不法投棄で逮捕され、自分たちの行動を後悔したのでした。勝手にゴミを捨てた夫婦大量のゴミを、勝手に他人のマンションに捨てた同級生夫婦。注意を聞き入れず、自業自得の結果になったエピソードでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。※この物語はフィクションです。
2023年08月01日警視庁の性犯罪捜査にも大きな及ぼした2000年の英国人失踪事件の捜査の内幕を、警視庁捜査一課の刑事たちのインタビューを通して紐解いていく犯罪ドキュメンタリー『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』が、7月26日(水)よりNetflixにて独占配信。その予告編が公開されている。2000年7月、警視庁麻布署に届けられた一件の家出人捜索願。捜索対象は後に世界を震撼させる猟奇事件の被害者、イギリス人女性のルーシー・ブラックマンさん。イギリスから来日した家族が記者会見を開き、犯人逮捕を懇願する様子が当時TVでも多く取り上げられ、トニー・ブレア首相(当時)もコメントするなど政治レベルまで反響を及ぼす事件へと発展。来日した被害者の家族が、進まない捜査に関して警視庁の態勢を厳しく批判したこともあった。そんな文化的な衝突の裏側では、執拗までに綿密な捜査が行われており、憎むべき凶悪犯罪者逮捕に執念を燃やした刑事たちがいた。女性捜査官を含め、捜査に関わった数々の警視庁捜査第一課のベテラン刑事たちの視点から、日本犯罪史上、最も猟奇的な性犯罪事件の一つであるルーシー・ブラックマン事件において、いかにして犯人逮捕まで至ったかを詳細に描く。日本で起こった犯罪事件を扱うドキュメンタリーとして注目を集める本作の監督は、映画『サムライと愚か者オリンパス事件の全貌』(2015)で、グローバル社会における日本の企業文化に鋭いメスを入れた山本兵衛。本作でも2つの文化と価値観が複雑に絡み合う事件を題材に、独自の視点で何が起こったかを描いている。本作の原案は、登場する捜査員たちから幹部に至るまですべて実名を使用し、詳細かつ正確に捜査の実態が描かれたノンフィクション「刑事たちの挽歌 警視庁捜査一課ルーシー事件」(高尾昌司著・文春文庫)。一方、家族の視点から事件を追ったノンフィクション「黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実」(リチャード・ロイド・パリー著・早川書房)は刊行当時(2015年)日本でも話題になったが、現在、イギリスではこの本をベースとしたノンフィクションのドラマ化が進行中。はじめて性犯罪捜査に携わった女性捜査員も被害者の数から日本の犯罪史上において最悪の性犯罪事件となったルーシー・ブラックマン事件は、警視庁の性犯罪に対する姿勢にも大きく影響した。作品に登場する山口光子巡査部長(当時)は、女性としてはじめて性犯罪捜査に携わった捜査員。また本事件の捜査では、地下鉄サリン事件で大きく注目された科学捜査の重要性が再びクローズアップされ、作品に登場する服藤恵三氏は警視庁初の科学捜査官として活躍した人物でもある。山本兵衛(監督)コメント2つの文化や価値観が衝突する、そんなストーリーの中に、自分は監督としてユニークな視点を見出せるのではないかと考えています。2000年に起きたルーシー・ブラックマン事件も異なった価値観や考え方が、国内外でのメディア報道や警視庁による捜査など、様々な面において影響したという部分に非常に興味を持っていました。しかし決定的に作品になると感じたのは、高尾昌司氏の「刑事たちの挽歌 警視庁捜査一課ルーシー事件」を読んだ時に、事件に関わった数人の刑事たちが、いまだに毎年遺体発見現場の洞窟を訪れていることを知ったときでした。洞窟を掃除し、竹でできた手製の祭壇を作り、ルーシーに祈りを捧げる彼らの姿に感銘を受けながら、彼らがどのような気持ちで困難な捜査に臨んだのか、そして会ったこともない外国人に抱いた<共感の力>が、いかに彼らを事件解明に導いたかについて考え始めました。それがこの作品の起源となりました。そして20年以上前に起きたこの事件のストーリーを辿っていくうちに、いまだに大きな社会課題である性犯罪に対する対応のあり方もテーマの一つとなりました。数百件に及ぶ被害が確認されたにも関わらず、立件されたのはわずか10件以下だったという事実に、当時の性犯罪立件の難しさがうかがえます。これは作品にも登場する被害者の事情聴取を担当した女性捜査官である丸山とき江警部補(当時)と山口光子巡査部長(当時)の女性としての葛藤と苦悩にそのまま重なります。ルーシーの失踪を発端として明らかになった日本犯罪史上最悪の性犯罪事件は、20年以上経ったいまも大きな課題を突きつける事件だと考えます。最後に、この場をかりて、熟考を重ねた上にインタビュー協力を承諾していただいたルーシーの父ティム・ブラックマン氏へ感謝の意を表するとともに、凶悪犯に命を奪われた2人の被害者の遺族と友人の方々に謹んで哀悼の意を表します。Netflixドキュメンタリー『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』は7月26日(水)よりNetflixにて独占配信。(シネマカフェ編集部)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年07月02日今回は、実際に募集した「新婚旅行の事件エピソード」をご紹介!心配性の旦那さんは、ホテルの敷地内から出ようとせず……。投稿者さんが満足できなかった新婚旅行のエピソードです。心配性の夫は……新婚旅行は、ハワイに行きました。お互い初海外旅行だったうえ、夫が心配性なので、添乗員やサポートデスクがしっかり付いている高いツアーに申し込みました。おかげで離島でも、日本語が堪能な地元のガイドがおり、オプショナルツアーも手配してくれました。しかし、ホノルルでは夫がショッピングや食事はホテルの敷地内から出ようとせず、同じ日本食レストランばかり……。ショッピングセンターすら行けず、お土産もホテル内にある日本でも見かけるショップ。挙げ句には、海は怖いと言い出す始末……。「新婚旅行はハワイ」と言いたいためだけの、自己満足に付き合わされたような新婚旅行でした。(53歳/会社員)楽しめる旅行先を……新婚旅行先のハワイで、心配性の旦那さんがホテルの敷地内から出ようとしなかったというエピソード。皆さんはこのエピソード、どう感じましたか?※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(恋愛jp編集部)
2022年11月20日道枝駿佑(なにわ男子)が5代目・金田一一を演じる新ドラマ「金田一少年の事件簿」の初回のエピソードが「学園七不思議殺人事件」に決定。ゲストも発表された。事件の舞台となるのは、一たちが通う不動高校。学園七不思議と呼ばれる謎があり、七つ目の謎の真相を知った者は、旧校舎に潜む怪人“放課後の魔術師”に呪い殺されるという噂があった。そこで、美雪(上白石萌歌)が所属するミステリー研究会が、その謎を探っていく中で、次々と事件が引き起こされていく――。27年前の1995年4月、堂本剛主演の初代シリーズの幕開けとなるスペシャルドラマとして放送された同エピソード。今回、現代の視点から内容を再構築し、27年ぶりに令和版として放送される。合わせて、その第1話に登場するゲストも発表。不動高校の仲間で、ミステリー研究会の先輩・桜樹るい子を大友花恋。現役高校生の推理作家としても活躍する真壁誠を細田佳央太。ミステリー研究会の同級生・尾ノ上貴裕を前田航基、不動高校の警備員を杉本哲太、物理教師を光石研が演じる。「金田一少年の事件簿」は4月24日(日)22時~日本テレビにて放送開始(初回30分拡大)。※毎週日曜日22時30分~放送(cinemacafe.net)
2022年03月31日9話夫はこんなに優しいのに私は……夜の夫婦生活の件から3カ月。「また最近、していない」と気づいたでんでんむしさん。しかし、夫のまーちゃんは仕事が忙しく、なかなかふたりの時間が取れない日々。 この日も、夫は遅くまで仕事をしてから帰ってきて、ごはんを食べたら寝てしまいました。疲れている夫に、「したい」とは言えるはずもなく……。 ベッドに入って「やっぱり今日もないよな……」と思っていると、まーちゃんからはおやすみのキスが。「大好き」「理想の奥さんやで」という言葉に、夫の気遣いや優しさを感じて自己嫌悪。 本当はもっと一緒に話したいし、くっつきたい。でも、仕事で疲れている夫を休ませてあげたい気持ちも。夫が頑張っている姿を素直に応援できず、でんでんむしさんは、どんどんと自分が嫌になってしまいます。 負のループに陥ってしまった妻に、夫は……! イラスト制作者:イラストレーター でんでんむし2020年9月に入籍の新婚夫婦の妻。愛しい旦那の記録をブログやインスタで投稿中。
2021年07月15日8話夫と一緒にいる時間がない(涙)仲良く夜を迎えたあと、夫婦の性生活が少なくなり不安だったことを夫に打ち明けたでんでんむしさん。夫・まーちゃんも、「たくさん悩ませてごめん」と自分の思いを語ります。「誘ってくれることに甘えちゃってた」「したくないとかそんな訳ない!」お互いに思いを伝え合って、さらに2人の仲は深まったのでした。 ……が、それから3カ月が過ぎたころ、でんでんむしさんはまた気づいてしまいました。あれ、また最近してない……? 性生活以前に、夫・まーちゃんは仕事で忙しい時期で、最近はふたりでいる時間がとれてなかったことに気づきます。休日こそは!と思いますが、休日も仕事になってしまった、とまーちゃんからの連絡。せっかくイチャイチャできると思ったのに……。またでんでんむしさんの中にモヤモヤが生まれ始めます。 イラスト制作者:イラストレーター でんでんむし2020年9月に入籍の新婚夫婦の妻。愛しい旦那の記録をブログやインスタで投稿中。
2021年07月14日フランソワ・オゾン監督が、フランスでは誰もが知る児童への性暴力事件「プレナ神父事件」を映画化した最新作『グレース・オブ・ゴッド告発の時』。この度、性被害者のひとり、フランソワ役のドゥニ・メノーシェとエマニュエル役のスワン・アルローの貴重なインタビュー映像が公開された。ひとりの勇気ある告発者から端を発した児童への性的虐待事件は、結果的に80人以上もの被害者が名乗りをあげ、プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性暴力を働いていたという事実が白日の下にさらされた。この度解禁されたインタビュー特別映像では、本作で描かれた3人の被害者のうちの2人、フランソワ役のドゥニ・メノーシェとエマニュエル役のスワン・アルローが本作への思いを語っている。メノーシェ演じるフランソワは、教会側に宣戦布告するなど闘志あふれる被害者。オゾン監督はキャスティング理由として「彼のエネルギー、目に見える力強さがフランソワにぴったり」と語る。本作で描かれた性的虐待と信仰について、「聖職者による事件が明るみになった時、別の地域や国でも同じ事例が判明した。真実が語られることを願っている。宗教を重んじる人にとって信仰はとても重要だ。信仰とは世界をよくするもの。問題があるなら議論すべきだ」とあくまで本作の意義は断罪ではなく、問題について議論していくことだという。また、『危険なプロット』に続いてのオゾン監督作への出演に「見事な脚本だった」と賛辞を惜しまない。本作の、声を上げた被害者から次の被害者へとバトンを渡していくような構成には「人から人へ物語が手渡されていく。彼らが何をやりたいのかがよく分かる。事態が変わるかはわからないが、議論の場には上がるだろう」と希望を込めて語っている。続いてオゾン監督が、『ブラッディ・ミルク』を観て「感性の豊かさと脆さがぴったりだと思った」と配役理由を語るスワン・アルローは、肉体的にも精神的にも虐待のダメージを深く負ったエマニュエルを演じている。役柄について「自分が演じる(実在の)人物には会わなかった。会えば真似をしたくなる。“脚本を元に演じてほしい”と、監督は強く願っていた」と、事実の綿密なリサーチの上に執筆した脚本を信じ、劇映画としてイマジネーションの広がりを俳優に託したオゾン監督の思惑を明かした。本作については「(事件について)テレビやラジオで聞くことは単なる情報にすぎない。当事者の人生をよく知ることで、本当の苦しみが見えてくる。その役割を本作が果たすことを願う」と、自身の願いを語った。フランスでは連日テレビやラジオで報道され、誰もが知る「プレナ神父事件」を基にした本作は、公開されるやいなや91万人を動員する大ヒットを記録した。事件のあらましだけではなく、その内部に観客を導き、心揺さぶるヒューマンドラマとして魂を吹き込んだ2人の熱演を劇場で確かめてほしい。『グレース・オブ・ゴッド告発の時』は7月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月03日「性教育」と聞くと、敷居が高いと感じるパパやママも多いかもしれません。その背景には、パパやママたちが性についてきちんと教えてもらった経験がなく、どのように向き合えばいいかわからないという実情があるのかも。子どもが性の対象になってしまう悲しい事件が後を絶たない今、おうちでどのように「性」について教えればいいのか。先日発売されたフクチマミさんと村瀬 幸浩さんの共著、「おうち性教育はじめます 一番やさしい! 防犯・SEX・命の伝え方」を元に、考えてみたいと思います!フクチマミマンガイラストレーター。日常生活で感じる難しいことをわかりやすく伝えるコミックエッセイを多数刊行している。著書に高橋基治氏と共著の『マンガでおさらい中学英語』(KADOKAWA)ほか、『マンガで読む 育児のお悩み解決BOOK』(主婦の友社)、『マンガで読む 子育てのお金まるっとBOOK』(新潮社)などがある。村瀬 幸浩東京教育大学(現筑波大)卒業後、私立和光高等学校保健体育科教諭として25年間勤務。この間総合学習として「人間と性」を担当。1989年同校退職後、25年間一橋大学、津田塾大学等でセクソロジーを講義した。現在一般社団法人“人間と性”教育研究協議会会員、同会編集による『季刊セクシュアリティ』誌編集委員、日本思春期学会名誉会員。■性教育をすると「自己肯定感」が上がる!?「性教育」というと、「ポルノ」や「セックス」というイメージを抱いてしまい、なんとなく避けがちなパパやママもいるかもしれません。しかし、著者のお一人である村瀬先生は「性教育は『いのち・からだ・健康』の学問」だといいます。「性は知識や学習によって形づくられる『文化』であり、そのしくみの基本はまず『自然科学』」、そして「これからの世の中を生きていく人格を育てるのに必須の『教養・知性』」と、村瀬先生はいいます。少し難しく思えますが、わかりやすい「メリット」としては、以下の2つがあげられるそうです。【「性」について学ぶメリット】●性的なトラブルを避けられる →万が一トラブルにあっても解決に向かって適切に対処できる人間に育つ●「自己肯定感の高い人間」に育つ →自分の性や体に対して肯定的に捉えられるようになる性について理解することで、性的なトラブルを避けられたり、トラブルがあっても、適切に対処できるというのは、性教育の大きなメリットですよね。幼い子どもたちが性被害にあうとき、「されてはいけない」「してはいけない」行為なのかどうかさえも理解できていない可能性があります。筆者自身、7歳の長男は理解できそうだけど、4歳の次男はまだまだ理解できないかもしれないと感じます。また、「性教育」をすることで「自己肯定感の高い人間」に育つと言われており、子どもたちが自分の性や体を自ら肯定的に受け入れて、まず自分を認める一歩にできるのだといいます。村瀬先生は、「自己肯定感の高い人は自分だけでなく相手も尊重できるから、子どもが学べば幸せな人間関係を築く力の土台となる」と話しています。自分のことだけでなく相手も尊重できることはとても大切で、子どもが性犯罪の被害者にも加害者にもならないために、性教育が必要なのだと気づかされます。■性教育は「幼児期から」がベストパパやママたちは、「性」についてきちんと教えてもらったことはありますか? 筆者自身は思い返してみると、中高の保健体育の授業で、男女の体の違いについて説明を受けたくらいで、具体的な受精の仕組みや性交について学んだ記憶はありません。自分の親からも、あらためてきちんと性教育を受けたことはなく、なんとなく「恥ずかしいこと」という思いは今も根強く残っています。おそらく、同じようなパパママが多いのではないでしょうか。そんな私たち世代が親になり、急に「性教育」をしなければいけないと言われても、戸惑ってしまうのは当然なのだそうです。「『恥ずかしい』『実は親もよくわからない』『何を教えればいいの?』そう思って当然なんだよ」「だってあなたたちの世代のほとんどは、子どもの頃に大人から自信を持って教わってないんだもの」と村瀬先生は話しています。わかっていないという前提を踏まえた上で、大人が子どものために一歩踏み出すことが重要なのだと気づかされます。そして、性教育を始める時期については、「幼児期からがベスト」なのだそうです。【幼児期が性教育にベストな理由】●「おしり~うんち~」と子どもが叫んだ時の対応も性教育となる●思春期の子どもに突然「性」の話をするのはハードルが高い●学校では月経や射精は教えるが、受精のしくみや性交については取り扱わない●多くの子どもが友人や交際相手から性の知識を得ている性教育に触れる機会が少ないため、多くの子どもが友人や交際相手から性の知識を得ています。その友人や交際相手の性の知識の元はというと…アダルトビデオやアダルトサイト。こうして、アダルトビデオやアダルトサイトを「性の教科書」にせざるを得ない状況になっています。しかし、大人向けに作られたアダルトビデオやアダルトサイトは、「妄想」や「ファンタジー」も多く含む現実とは乖離した世界。これを現実と非現実の判断がつかない子どもが見ると、フィクションを現実として捉えてしまい「歪んだ人間観」が形成されてしまう危険性があるのだそうです。性教育=ポルノ・セックスではない、という認識をまずは親がアップデートし、幼い頃から正しい性の知識を教えていくことが大切なのだと痛感します。一方で、「知ると興味を持って行動に移してしまうのではないか」という懸念もあります。しかし、性教育に力を入れているオランダでは、15歳までの性交渉体験率が低いのだそうです。村瀬先生は、「リスクを含めて正しく知ることで、『しない』ということも自分で判断、主張できるようになる。正しい性の知識は子どもが幸せに生きるために必要」だといいます。「性」についてしっかりと事実を学び、リスクを知ることが重要なのだと、あらためて感じさせられます。■「性教育」で最初に教えたい大切なこと次に、最初に子どもに教えたい大切なことをご紹介したいと思います。どれも、「日常で伝えられること」なので、おうちですぐに実践することができそうですよ。▼プライベートパーツは勝手に触らない、触らせないそもそも、からだの全ての部分は自分のものですが、その中でも特に「プライベートパーツ」は、他人(親であっても)が勝手に触ったり触らせたり見ようとしたり見せたりしてはいけない部分のことをいいます。村瀬先生によると、「プライベートパーツ」は口、胸、性器、お尻の4つで、その人のいのちに直接関わる場所のことなのだそうです。【プライベートパーツについての伝え方】●あなただけのものだから、大切に扱わなくてはいけないこと●勝手に触ったり見ようとしてきた人には「嫌だ」と言って逃げること「プライベートパーツ」を触ることについては、お世話や看護で必要な場合もありますよね。ただ、親子間の楽しいコミュニケーションとして、お尻を触ったり見たりすることは、本来望ましくないのだそうです。なぜなら、子どもがスカートめくりやカンチョーなど、「プライベートパーツ」を触られたり見られたりした時に、本当はすごく嫌だったとしても、「好きだからなのかな…」と、黙ってしまうことに繋がる危険性があるからです。それがエスカレートすると、からだを触られたり見せるように欲求されても、拒否できず、取り返しのつかない犯罪被害に巻き込まれてしまったり、逆に相手が嫌がっているということに気づかず加害者になってしまう危険性もあるといいます。親子の間でも、「プライベートパーツ」には侵入しないことが重要です。▼防犯のための「NO、GO、TELL」次に、防犯のために知っておきたいのは、「NO、GO、TELL」の3つの心がけです。【子どもに伝えたい身の守り方】1、NO=ハッキリと拒否して「イヤ!」「だめ!」「やめろ!」「助けて」など2、GO=逃げることできるだけ人の多い方へ3、TELL=もし「秘密だよ」と言われても信頼できる大人に話すことこれらの3つは、普段から繰り返し伝えておくことが大切なのだそうです。そして、「NO」については、「自分がされたくないこと」や「不快なこと」についても、「嫌だ」と言ってもいい、と伝えてあげましょう。それぞれに感じ方は違いますが、自分がどう感じるかを大切にしてあげて、それは人として当然の権利なのだと教えてあげることが大切です。そして、大人も子どものNOを尊重できるようになることが必要です。「性教育」というから、いきなり特別なことをしなければいけないと構えていましたが、どれも日常の中で、子どもたちに伝えられそうなことばかりでした。子どもが小さいうちから意識していくことで、性教育について自然と話し合える家族関係を築いていけそうな気がします。まずは、一歩ずつ進んでいけると良さそうですね。■フクチマミさんからメッセージ最後に、著者のお一人であるマンガイラストレーターのフクチマミさんから、こんな素敵なイラストとメッセージをいただきました。「何からどう教えたらいいんだろう…」性教育の絵本を買って、いざ子どもに伝えようとしても、抵抗感で固まってしまう自分に悩んでいた時、共著の村瀬先生と出会い、自分たちが子ども時代にしっかり教わってこなかったこと、性に対して「いけないこと」だと不潔視をしていたことに気がつきました。そして『おうち性教育はじめます』は私のような親たちに向けて、知識のアップデートをしながら、性への偏見を取り除いていけるように、という気持ちで描きました。親自身も理解しつつ、子どもへの伝え方が具体的にわかるように、と。私は性教育を学ぶことで、自分自身の気持ちがラクになっていくのを感じました。子どもの、そして自分自身の絶対的な味方でいるために。おうち性教育、はじめてみませんか。フクチマミここまで、「性教育」のメリットや方法について、書籍を元に考えてきました。性教育は、決してタブーではなく、子どもの自己肯定感を高め、幸せな人間関係を築く力の土台なのだと、あらためて気づかされました。筆者も何からはじめていいかこれまでわからず性教育については避けがちでしたが、子どもが傷つかず、そして相手を傷つけずに、幸せな人生を歩んでいくこと、そこをゴールに、親である自分自身も向き合っていけるといいのかなと、感じています。ぜひ「おうち性教育」をはじめてみませんか? 「おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 」 著者:フクチマミ・村瀬幸浩(KADOKAWA)1300円(税抜) 「うちにも赤ちゃんはくる?」といった、突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができるパパママの必読本。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養うための「おうち性教育」のはじめ方をわかりやすく学べる一冊。▼ウーマンエキサイト読者アンケートにご協力ください
2020年06月12日23日に亡くなった女子プロレスラー・木村花さん(享年22)が所属するプロレス団体・スターダムは26日、公式サイトを更新。木村さんの訃報に関して、「事件性は無い」という警察の判断結果を発表した。サイトでは、「木村花選手のご逝去については、警察による判断の結果、事件性は無いものと伺っております」と報告し、「より詳しい死因等につきましては、ご遺族のご意向により公表を差し控えさせて頂きます」と説明。「こちらの詳細については、今後も当社の会見、リリース等において、公表を行う予定はございません。マスコミの皆様、ファンの皆様におかれましては、何卒ご容赦、ご配慮くださいますようお願い申し上げます」と呼びかけた。続けて、「またご遺族並びに、当社所属選手等への取材は、現状の状態を鑑み、控えて頂きますよう何卒お願い致します。加えて、近隣の住民の方のご迷惑にもなりますので、ご遺族や、選手の自宅、事務所、練習場等への張り込み、訪問はご遠慮下さい」と記した。また、「木村花選手のご葬儀につきましては、内々に行いたいというご遺族のご意向により、日時や場所の公開は控えさせて頂きます。マスコミ、ファンの皆様はご配慮頂きますようお願い申し上げます」と説明。「ご遺族からは木村花選手を応援して頂いたファンの皆様への深い感謝の言葉を頂いており、現在新型コロナ禍のため開催日時は未定ではありますが、木村花選手の追悼興行の開催を検討しております。また興行以外にも映像や写真など、ファンの皆様へお届け出来ればと話し合いを行っていく予定です」とし、「詳細は決定し次第お知らせ致します」と伝えた。
2020年05月26日芸能人たちのモヤモヤ事件を、スッキリと深いところまで捜査し解決するリアルドキュメントショー「芸能人モヤモヤ事件簿人生の未解決事件は2019年のうちに解決SP」が12月29日(日)に放送される。今回はゲストに、原宿でスカウトされ、アイドルグループ「乙女新党」のメンバーとして活動しながら、女優としても『瀬戸内海賊物語』『暗殺教室』などに出演。数々のCM出演でも話題となり知名度が上がったところで、2017年には連続テレビ小説「わろてんか」のヒロインに抜擢。放送終了後の2018年春には日曜劇場「ブラックペアン」、夏には『青夏 きみに恋した30日』に出演するなど大きな飛躍をみせた葵わかな。小学生の頃から子役として『DIVE!!』などに出演。その後ダンスロックバンド「DISH//」のメンバーに選ばれ、4年連続で元日日本武道館公演を敢行するなど人気に。音楽活動と同時に俳優としても「仰げば尊し」や「隣の家族は青く見える」『君の膵臓をたべたい』などに出演。今年1月クールの日曜劇場「グッドワイフ」で演じた若手弁護士役も評判を呼んだ北村匠海。そのほか人気お笑いコンビ「カミナリ」やコメンテーターとしても活躍するカンニング竹山、俳優の高橋克実、元プロレスラーでタレントとしても活動する北斗晶らも出演。番組では北斗さんが“デンジャラスクイーン”と呼ばれ最強の女子プロレスラーだった頃、アメリカのプロレス団体・WCWで世界女子王座のチャンピオンベルトを獲得したが、その後団体が消滅。北斗さんにとってそのベルトは宝物のような存在だが「果たして自分が持ったままで良いのだろうか?」とモヤモヤしているという…そんな芸能人たちの“モヤモヤ事件”を捜査していく。今回のゲストの葵さんは、世界中で愛され続けるミュージカルの金字塔を同名実写映画化した『キャッツ』で主人公ヴィクトリア役の吹き替えを担当。同作には葵さんのほか山崎育三郎、高橋あず美、ロバート秋山、森崎ウィンらも吹き替えで出演する。北村さんは新春に放送されるSPドラマ「『半沢直樹イヤー記念・エピソードゼロ』~狙われた半沢直樹のパスワード~」に出演。同作は来年4月からの「半沢直樹」(仮)に先駆け放送されるものとなり、半沢直樹が前作で出向を命じられた「東京セントラル証券」に赴任した後に起きるある事件を中心にした物語。主人公に吉沢亮、北村さんのほか今田美桜、吉沢悠、井上芳雄、尾上松也、緒形直人らが出演する。『キャッツ』は2020年1月24日(金)より全国にて公開。「半沢直樹イヤー記念・エピソードゼロ」は2020年1月3日(金)深夜23時15分~TBSにて放送。「芸能人モヤモヤ事件簿人生の未解決事件は2019年のうちに解決SP」は12月29日(日)22時~フジテレビで放送。(笠緒)
2019年12月29日2016~’17年に、立て続けにエリート大学生らによる性暴力事件が報道されたのを覚えているだろうか。姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』は、そんな暴行事件のひとつ、東大生による集団わいせつ事件に着想を得て書かれた。読者自身の倫理観や価値観を映し出す、恐るべきミラー小説。「最初にラジオのニュースで聞いたときから、直感的にこれまで見聞きしてきた事件とはどこか違うと違和感を覚えました」姫野さんは、自分なりに報道等で事件を調べるとともに、裁判の傍聴にも出向いた。同じくこの事件について取材を重ねていたフリーライターの高橋ユキさんから話を聞いたりもしたという。結局、取材開始から出版まで、2年近くを要した。「事件そのものは、すでに法廷で裁かれており、細かい事情まで知らない私があれこれ言うことではありません。性衝動では説明できないような事件が起きたという結果の報道から、こうであったかもしれないという、自分にも多くの人の中にもある醜さを考えたいと思いました」のちに被害者となる神立美咲は、横浜の平凡な家庭で育ち、普通の女子大に進学した。加害者となる竹内つばさは、東京の一等地の公務員宿舎に住まいがあるような家庭で何不自由なく成長し、東大生となった。「私なりの調査から推測した女性像、男性像です。美咲は『ま、いっか』とその場の空気に流されてしまう女性で、つばさは東大ブランドを万能だと勘違いしているような男性」物語のほとんどは、美咲やつばさがどうやって育ってきたかに割かれており、それがわいせつ事件の背後に潜む、現代社会や市井の人々の歪んだ倫理観や価値観を際立たせる。「この作品に出てくるのは、加害者もその家族もSNSユーザーもイヤな人たちばかり。その中の誰に、どんな物言いに嫌悪感を覚えるかで、自分がどういう人間かが見えてきます。見たくないのに、できてしまったおできは鏡で見ずにはいられないですよね。そんなミラー小説と呼べるような作品になりました」問題作にふさわしいエンディングは、最初から決めていたのだろうか。「展開も含め、作者の意図が介在する余地がなかったですね。登場人物たちがみな自分で語りだし、行動し……、私はそれをただ書き留めていただけのような気がします」姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』カバー絵に、身分格差のある悲劇的な恋愛を描いたといわれるジョン・エヴァレット・ミレイの「木こりの娘」が使われているのも印象的。文藝春秋1750円ひめの・かおるこ1958年、滋賀県生まれ。2014年、『昭和の犬』で直木賞受賞。エッセイにも卓抜した才能を発揮。著作に『近所の犬』『純喫茶』ほか。※『anan』2018年10月3日号より。写真・大嶋千尋インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年09月27日