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現在放送中の『爆上戦隊ブンブンジャー』(毎週日曜 前9:30、テレビ朝日系)でブンレッド/範道大也役を務める俳優の井内悠陽(20)が新成人を迎えるあたり、目標と意気込みを込めた書初めを披露。演技の「演」という字を書き、それに込めた想いと新成人としての誓いを語った。漢字に込めた思いについて「20代に突入し、改めて俳優として生きていくという覚悟を漢字で表しました。この先もずっと、自分以外の誰かの人生を『演技』を通して生きていきたいという想いを込めました」とする。成人の日を迎え、「たくさんの方に支えられているから今があること、演技と出会ったころの初心を忘れずにまっすぐ突き進んでいきたいです」と決意を新たにした。2025年への意気込みも。「昨年は、『爆上戦隊ブンブンジャー』への出演が決まり、京都から上京をしてくるなど、俳優としてスタートラインに立つことができた自分にとっても特別な1年でした」と振り返る。そして「1つの役と1年間向き合う貴重な機会をいただいて、作品や役との向き合い方を学びました。今年は、昨年学んだことを生かして俳優人生を一歩ずつ前に進んで行けるように日々インプットをするなど努力をしていきます」と誓いを立てていた。
2025年01月13日現在、テレビ朝日系列で放送中の第49回スーパー戦隊シリーズ『爆上戦隊ブンブンジャー』にてブンレッド・範道大也役を務める井内悠陽や、TBS日曜劇場『下剋上球児』等に出演の中山翔貴、男子高生ミスターコン 2023 グランプリ受賞の植野花道ら7人による新星若手俳優ユニット「WAVE」のお披露目となるイベント『Watanabe Actors Star Fes』が11月16日(土) に開催される。綱啓永、井上想良も出演するワタナベエンターテインメントの若手俳優が集結する本イベントで、「WAVE」によるコント×ダンスパフォーマンスの披露が決定。演出と振付は、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで創り上げる“劇場型ダンスエンターテインメント”を提供するパフォーマンスグループ「梅棒」が担当する。開催を目前に控え、お披露目の日に向けた意気込みを語る井内悠陽のオフィシャルインタビューが到着した。<井内悠陽 インタビュー>──『爆上戦隊ブンブンジャー』の撮影も佳境に入っているかと思いますが、撮影当初と今、ご自身が感じている変化はどんなものですか?今はとにかく寂しい気持ちが大きくなっているのが率直な心境です。「初めまして、よろしくお願いします」と出会いのほうが多かったのが、回を追うごとに「今日でブンブンジャー最後なんです」と次の現場に行かれるスタッフの方が増えてきて。このような長いドラマに参加することが初めてだったので、すごく寂しいですね。僕自身の変化では、最初はどのように撮っていくのかとか、現場の雰囲気も何もわからないところからだったので、自分もどこまで意見を言っていいのか、言った方が良いのかということももちろんわかっていませんでした。でも最近は自分でもどんどん提案ができるようになってきたというのは感じています。もちろん、監督のプランがあったうえでですが、自分もこういうことを考えてきたので、やってみても良いですか?というプラスのコミュニケーションがとれるようになったのは、一番感じている変化です。それと、当初はドラマの展開も、僕たち役者も「これからどうなっていくんだろう?」という中での撮影だったものが、最終回がみえてきて、1話1話の展開がとても濃いものになっているので、台本を読み込む作業も、より時間をかけて深くやっていかなきゃいけないと思い、以前より台本を読む時間が倍くらいになっています。──その作業の時間は、井内さんにとって楽しいものですか?楽しいです。この1年、同じ共演者との時間を重ねていく中で、「きっとこのシーンはこういう芝居でくるな」ということも想像できるようになってきたし、セットのイメージやロケ場所の知識もふえて、わかりやすくイメージできるようになったぶん、ここで撮るならこっちを向いて台詞を言いたいなとか、セットのこの部分を使いたいなとか、自分の中で準備していけることの幅も広がったと思います。──範道大也という役との距離はどのように変化しましたか?本当に最近、ある変化を感じたところです。大也というキャラクターは、これまで深堀りされてきませんでした。台本をもらったときに、僕ではなく大也の気持ちで読むようにしているのですが、他のキャラクターのエピソードに大也として嬉しい気持ちになったり、感動して涙が流れたりということはあっても、自分(大也)のシーンで泣いてしまうということはなかったんです。大也が泣かないから、ということももちろんあるのですが、最近初めて自分のシーンの台本を読んで泣くという経験をしました。──それは、大也がより自分事になった、距離が縮まったということなのでしょうか。うーん……。逆に大也として読むということができなくなってしまって、初めて大也が自分から離れたという感覚のほうが近いですね。──大也の、井内さんも知らなかった一面を知ったような感覚でしょうか。初めて知ったというよりは、まだ描かれていない一面を想像はしていたけれど、いざ文章になって台本として読んだときに、改めて感じたことがあったんです。大也はよく「自分のハンドルは自分で握れ」と言います。僕自身も自分のために演技の仕事をやっていて、何があっても自分で越えてきたのは自分のためでした。それは大也も同じだと思っていたんです。でも大也の行動は、自分のためだけではないのではないかと思い始めて。「大也って本当はこういう人なんじゃないか?」という第三者視点ではじめて大也を見たんです。そういう意味で、一回大也から抜けてしまって。でも、大也を演じるうえで自分の中に第三者視点が出てきたのは初めてなので、だからこそ、このあとの話を演じることにワクワクもしています。──今のお話をきいて、新たな視点が加わったことによって、より井内さん演じる範道大也という人物に奥行きがでるのではないかと、期待が高まりました。新たな視点というと、「WAVE」という新しい俳優ユニットでの活動もスタートします。『Watanabe Actors Star Fes』のお稽古中かと思いますが、率直にいかがですか?懐かしい感覚です。僕は14歳で俳優になりたいと思い立って事務所の養成所に入り、1年間レッスンを受けていました。そして卒業時に所属先が決まるオーディションで、いきなり所属やデビューとはいかず、渡辺高等学院(事務所が運営する芸能高校)でもっと演技を学ばないかということになりました。その間も、事務所に正式に所属できるまで、ダンス&ボーカルスクールでレッスンを受けていた時期もありました。なので、養成所、学校、スクールと、レッスンをした経験のほうがまだ僕の経験としては長いので、久しぶりに同世代の人たちと、ひとつの作品にむけて稽古するということをしていて、色々なことを思い出しながらやっています。──11月16日(土) にいよいよお披露目となりますが、どういったところをお客様に観ていただきたいですか。「こんなにさらけ出せるんだ!」というところをみていただきたいです。今回、コントとダンスを掛け合わせたパフォーマンスも行います。『爆上戦隊ブンブンジャー』で僕を観てくれている皆さんは、クールな印象をお持ちかもしれないのですが、コメディ要素の強いストーリーということもあり、全然違う感じになっています。こんなキャラクターもできるんだ、と知っていただけたら嬉しいですし、舞台だからこそできる表現でもあると思うので、そこも楽しんでいただきたいです。──井内さんからみて、「WAVE」はどういうユニットだと感じていますか。誰も被らないなぁと。見た目もキャラクターも全然違いますが、稽古しているときの雰囲気、いただいたアドバイスとの向き合い方や取り組み方もそれぞれに違うんです。ひとりで黙々と復習する人もいれば、どんどん質問する人、仲間を巻き込んで練習する人、本当にひとりひとり違うので、こういうところが、何かひとつカラーのあるグループということではなく、俳優ユニットなんだなと、一緒に過ごす時間の中で感じています。──刺激を受けたり、相乗効果を感じることもありますか。それはあります。年齢層がバラバラで高校生や大学生もいる。それぞれ、今やっている稽古だけでなく、学校や他のお仕事が終わってから稽古に来たり、他のレッスンも受けていたりしています。僕も、撮影で100%出し切ったと思ったあとの稽古は、きついなと思うことも正直ありますが、それはみんなも同じなんだと思うと頑張れます。それぞれの場所からひとつの場所に集まるというだけで、刺激になっていて、鼓舞しあっていると思います。──では、今回のお稽古の中で、先ほどお話していたレッスン生時代の経験が活きていると感じることはありますか?はい。「やっていてよかったな」とようやく感じることができました。当時は演技にしか興味がなかったのに、演技ではないレッスンのほうが多く感じていて。特に、ダンス&ボーカルスクールに通っていたときは、平日は学校が終わったら遅くまでレッスンをして、土日も一日中レッスンをするという日々だったので、俳優になるために映画を観たりする時間もつくれなくなってしまったんです。そのレッスンも事務所の方や学校の先生から言われて受けていたものだったのですが、当時の僕には、「これはなんのためになるんだろう、僕は俳優をやりたいのに」という気持ちも少なからずありました。終わってから気づけることがあるとよく聞きますよね。それを今まさに実感していて、振付を覚えるのがちょっと人より早くなったかもとか、見せ方の引き出しが増えていたりというのは、その時の経験があったからなんだなと感じています。──そういった期間で、気持ちが腐ってしまうことはなかったんですか?どのように乗り越えてきたんでしょうか。何回もありました。やりたいことと実際学んでいることが違うという気持ちで、体と心のバランスが崩れているなと感じる時期もありました。それを乗り越えられたのは、周りの人たちのおかげでしたね。僕は周りが見えなくなってしまうことが多くて、そういうときは物事を順序立ててやることが本当に下手だったんです。それでいて、できるわけないのに、全部完璧にやりたいと思ってしまうので、演技がやりたいと主張しながら、ダンスも誰にも負けたくない、いやでもやりたいのは演技だ、と。そういったときに、今は何に集中して、余った時間でこれをやろう、次の段階でこれをやろう、と順序立てて取り組むということを、当時の先生にアドバイスやサポートをしていただいたことで、折れることなくやってこれたと思います。──そういった経験も、今人に力を与えるヒーローに繋がっているのかもしれないですね。俳優になるという少年時代の夢を歩み出した井内さんの、次なる夢はなんでしょうか。「ずっと演技していたい」です。第一線で活躍できる俳優になるために、いろんな作品、いろんな役に出会いたい。今はそれだけです!<公演情報>『Watanabe Actors Star Fes』2024年11月16日(土)1部:開場 14:00 / 開演 15:002部:開場 18:00 / 開演 19:00会場:東京・TFTホール 1000【出演】綱啓永、井上想良WAVE(井内悠陽、中山翔貴、小方蒼介、井上陽向大、樫又龍ノ介、植野花道、櫻井亜蓮)【チケット】全席指定:8,500円(税込)※当日券も販売予定。※公演当日、7歳からチケットが必要。※未就学児は大人1名につき1名までひざ上無料、席が必要な方は有料。公式ホームページ:
2024年11月13日いま、博物館や科学館が改めて注目を集めていることをご存じですか?話題の展示にたくさんの人が詰めかけて長い列ができている光景は、ここ数年、テレビ番組でもよく見かけるようになりました。夏休み中の博物館や科学館は、子ども向けの特別企画が催されていることが多いので、自由研究のテーマに迷っている方にもおすすめのスポットです。今回は、博物館や科学館が注目されている理由や、実際に訪れるときに必要な準備・自由研究のまとめ方についてご紹介しましょう。この夏は、お子さんと一緒に博物館や科学館で楽しく学べる自由研究に取り組んでみませんか?博物館は子どもの興味を掘り下げるきっかけになるかつて「学校の社会見学で訪れるところ」といったイメージの強かった博物館は、いまや幅広い年代がこぞって楽しむお出かけスポットとなりました。博物館や科学館が注目されるようになった背景には、スタンダードな総合博物館が特別企画展示に力を入れていることや、鉄道・宇宙・恐竜・おもちゃ・アニメ・ラーメンといった子どもにも親しみのあるジャンルに特化した専門博物館が増えていることなどが挙げられます。また、最近では、展示されているものも、古い資料や模型のみならず、動画やバーチャル体験なども充実してきています。知識を深めるためのアプローチが多彩な点も、人気の理由のひとつだと言えるでしょう。平成29年度に実施された学力調査の結果と、その対象となった小学6年生および中学3年生の子どもたちの保護者に対する調査の結果を関連づける調査報告書によると、親が子どもを、美術館・博物館・科学館・劇場・図書館といった文化施設に連れて行っている場合ほど、子どもの学力が高いという結果が出ているのだそう。MP人間科学研究所代表であり心理学博士の榎本博明氏は、この結果について、小さい頃から親に連れられて文化施設に出かけることで知的好奇心が刺激され、のちの学習意欲につながるからだと推測しています。特に博物館や科学館は、興味をもったテーマについて深く知識を掘り下げることができるので、子どもの興味を掘り下げる良いきっかけになります。夏休みの自由研究で取り上げる題材としてもぴったりですよね。自由研究を、博物館や科学館に通う入り口にしてみてはいかがでしょうか。博物館や科学館へ行く自由研究は「準備」がキモ実際に、博物館や科学館をテーマにした自由研究を進めるには、大まかな手順として準備・見学・まとめの3つに分けられます。そして、この3つの中で自由研究の出来栄えを最も大きく左右するのが「準備」です。見学するまでの流れについて例をご紹介しましょう。●テーマを決めるどんなテーマについて調べるか、親子で話し合います。博物館や科学館によって、取り扱っているテーマはさまざまです。日本博物館協会のサイトでは、加盟している施設を分類や地域で検索できるようになっています。日本博物館協会のサイトはこちら。サイト内の博物館の分類を見ると「総合・郷土・美術・歴史・自然史・理工・動物園・水族館・植物園・動水植」と、とても幅広いことがわかります。ここでお気づきになったかもしれませんが、じつは動物園や水族館も博物館の仲間です。まずはお子さんが「何が好きか」「どんなことを知りたいか」を聞いてテーマを絞りましょう。お住まいの地域によっては、希望のテーマを取り扱う施設が近くにない場合もありますので、第3希望くらいまでリストアップするのがよさそうですね。●見学する博物館・科学館を決めるテーマが決まったら、行き先を決めます。たとえば「動物」をテーマに調べるなら、「太古の昔に生きていた動物」か、「絶滅しそうな動物」か、はたまた「動物の育て方」かによって、博物館か動物園か、適した行き先が異なりますよね。テーマと行き先がマッチするよう、情報を収集しましょう。また、夏休みの旅行を計画している場合は、旅先で見学できそうか考えてみるのもいいですね。●行き先の下調べをする見学先が決まったら、下調べをします。どんな展示があるのかだけでなく、開館時間、入館料、施設までのアクセス方法などもお子さんと一緒に調べることで、学びが広がりますよ。●知りたいこと、聞いてみたいことをまとめるたとえば、先ほどの「動物」がテーマであれば「どんな一生を送るのか」「仲間の動物にはどんな種類があるか」「どのあたりに生息しているのか」など、知りたいことをノートにリストアップしていきます。大まかにまとめてあるだけでも、目的をもった見学をすることができて効率的です。上野動物園教育普及係の井内岳志さんは、動物の体の部分の「細かな特徴を見比べる」ことを提案しています。動物の「目の位置」や「足の形」などです。目は動物によってついている場所が違います。草食の動物の目がついている場所は、頭の横のほう。(中略)逆に、肉食の動物の目は前の方についています。(中略)指が何本あるかなど、足の形もさまざまです。馬は1本指、ウシやキリン、シカは2本指(さらに小さな2本の指をもつことも)、バクの後ろ足やサイは3本指です。鳥の場合は、前に向いている3本の指のほかに、後ろに向かって親指が1本ついているものがあります。(引用元:Study Hackerこどもまなび☆ラボ|「夏休みの自由研究」は動物園で。上野動物園おすすめの“調べ学習”のテーマとポイント)また、井内さんによると、家であらかじめ親子で本や図鑑を読んでおくと、動物や動物園について興味が深まるそうです。そして、園内を回るときには小さな図鑑を持って歩くと、実際に動物を見ながらいろいろと考えることができるのですって。博物館や科学館の見学で注意したいポイント●当日の持ち物は早めに準備行き先や日程が決まったら、下調べをしながら持ち物リストを作ります。特に必需品なのは、これらです。筆記用具、ノート飲み物カメラ、ビデオカメラ(撮影が許可されている場合に限る)水分補給用の飲みもの筆記用具は、ペンのインクやシャープペンシルの芯で展示物を汚さないよう鉛筆をもっていきましょう。ノートは下調べしたことや聞きたいことを先に書いておくと、現地でポイントを押さえながら見学できてスムーズです。●写真は撮影できるかどうか常に確認する写真撮影NGの会場が多いですが、最近は撮影OKのエリアやSNS用のフォトスペースなどを用意している会場も増えてきています。撮影可能なスペースを逃さないよう、写真が撮影できるかどうか常に確認しながら見学しましょう。また、撮影ができずレポートに貼れる写真がない場合には、会場で配られるパンフレットを切り貼りして活用するのもおすすめです。●水分補給は入館するまえに済ませる水分補給のための飲みものは、持参することをおすすめします。ただし、館内は飲食禁止というところがほとんどなので、入館前にしっかり水分補給しておきましょう。●大人はあまり口出ししない大人の視点から、つい「ほら、あれ見てごらん」「これも見ておくといいよ」と声をかけてしまいがち。しかし、「スーパー保育士」として子育てに関する研究・執筆・講演活動を行なっている原坂一郎氏は、ぐっと我慢することを勧めています。大人と子どもの視点は違いますし、子どもは子どもなりに関心を抱いたものを見て、感動や発見を覚えているのです。子どもがどんなことに興味をもって、何を見ているのかを優先してあげましょう。見学してわかったことをまとめるときのポイント博物館や科学館の見学内容は、次のようにまとめるとわかりやすくなります。調べようと思ったきっかけどんなテーマで見学したか見学する前の予想(テーマに対する仮説)博物館や科学館で調べて分かったことこの研究をしてみた感想見学先の施設情報(名称、場所など) 特に「博物館や科学館で調べてわかったこと」は、メインの内容でボリュームが大きくなるので、まとめるのも大変です。お子さんが途中で飽きてしまわないよう、写真やパンフレットを使って見てきたものを振り返ってみるなどのサポートをしてあげましょう。「自由研究がきっかけで博物館にハマった!」というお子さんは、「博物館の達人」を目指してみてはいかがでしょうか。全国の博物館を10回利用し、学んだことの記録と感想文を国立科学博物館へ提出すると、認定証をもらえる企画です。夏休みならではの楽しい思い出にもなりますね。「博物館の達人」について、詳しくはこちら。***博物館や科学館は、子どもの学びを深める最良の教材とも言えます。もし、アニメやマンガを調べたいとお子さんが言い出したとしても、「もっと研究にふさわしいものに」とテーマを変えさせないことが大切です。好きなことで調べ方を学ぶほうが意欲も高まりますし、仕上がりもきっと満足いくものになるでしょう。(参考)ベネッセ教育情報サイト|おもしろくて、ためになる!博物館の歩き方【前編】見学編ベネッセ教育情報サイト|おもしろくて、ためになる!博物館の歩き方【後編】自由研究活用編国立科学博物館|博物館の達人についてSHINGA FARM|4歳児から楽しめる! 子どもと国立科学博物館をまわる5つのポイントBusiness Journal|学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明ベネッセ教育情報サイト|親子で美術館・博物館に出かけてみよう!芸術の秋を親子で楽しみたい!【PR】
2019年08月01日日本全国にはさまざまな動物園があり、休日のレジャーとして不動の人気があります。しかし、動物園の役割はそれだけではありません。長年、動物園の研究にも力を入れていらっしゃる、上野動物園教育普及係の井内岳志さんにお話をお聞きしました。構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(※)進化する動物園。さまざまな展示方法の違いも楽しい動物園はさまざまな技術進歩とともに、展示方法も進化しています。子どものおじいちゃん、おばあちゃん世代から見ると、かつてとはかなり違った形態に変わっていると思います。そのひとつに、北海道の旭山動物園に代表される「行動展示」を取り入れる動物園が多くなってきました。行動展示とは、動物が本来持っている能力を活かした行動を見せる展示法です。旭山動物園では、「ととりの村」ゾーンで鳥が自由に飛べるように大きなネットで囲ったり、キリンのエサかごを工夫して長い舌を使って食べる様子が観察できるようにしたりしています。上野動物園でも、ホッキョクグマが水中を泳ぐ姿をアクリルガラスごしに横から見たり、歩く足の動きを下から観察したりできるようになっています。大きなホッキョクグマが水の中で泳ぐ姿は迫力があって、とても人気です。これも、丈夫な水槽の技術が進歩したおかげです。大きなホッキョクグマが泳ぐ姿は迫力満点ホッキョクグマの足の裏も観察できるまた、「環境展示」という考え方もあります。これは、動物が野生で生息する環境を再現し、動物の本来の生態や動きの特徴を観察できるようにしたもの。環境展示を取り入れている動物園として、よこはま動物園ズーラシア(神奈川)やときわ動物園(山口)が有名です。環境展示には、自然な環境で動物を見られるというメリットがありますが、その反面、やぶなどの中で休んでしまうと全く動物が見られないというというケースもあります。動物の細部を観察するには、コンクリートの運動場のような昔ながらの展示方法が適している場合もあるんですね。見る目的によって動物園を使い分けるなど、動物園ごとの違いを楽しむのもおすすめです。ふれあいコーナーはルールを守って優しく触れ合ってさまざまな動物園で、小さな子ども向けにふれあいコーナーが設けられていることは、皆さんご存じでしょう。上野動物園でも、「子ども動物園すてっぷ」でウサギやモルモットとふれあえる体験プログラムを実施しています。その目的は何といっても、子どもたちが動物とふれあうことで、動物を身近に感じられるようになることです。しかし、動物たちにとっては、たくさんの人間に触られることは大変なストレスになります。そのため最近では、動物について正しく学んでいただいた後に、飼育員の指示に従って動物をひざに乗せて一定時間だけふれあっていただくようにしています。また、上野動物園では人数制限を設け、整理券を配布しています。それぞれの動物園が動物の福祉や安全を尊重しながら運営していますので、必ず動物園ごとのルールを守って動物にやさしく接してあげてください。(公財)東京動物園協会提供地球にはたくさんの動物がいる。それを知ってもらうことが動物園の役目動物園の役割は、「レクリエーション」「教育」「野生動物の保護」「研究」の4つです。そのうちの「野生動物の保護」というのは、絶滅危惧種となった希少動物を増やして野生に戻していくこと。『それなら、人に見せない閉鎖施設でやれば効率的だ』と考える方もいらっしゃいます。確かに、動物にとってはそのほうが良いかもしれませんが、動物を増やして元の環境に戻しても、周りの人間にその動物を守ろうという気持ちがなければ、また同じように絶滅の危機に追いやられるかもしれません。動物園で動物のことを知ってもらうことで、多くの人たちにそれらの動物たちを何とかしてあげたいと考えてもらう環境をつくる。それが、今の動物園の一番大きな使命なのです。たとえば、みなさんは、ジャイアントパンダが絶滅の危機だと聞くと、保護してあげなきゃいけないと考え、行動する人もいるでしょう。それはたぶん、みなさんがジャイアントパンダという存在を知っているからです。しかし、名前を知らない動物が絶滅の危機にあると聞いても、あまり心は動かされないのではないでしょうか。また、家の向かいにシロという犬が飼われていて、毎日学校に行くときに頭を撫でてあいさつをしているとします。そのシロが病気になって死にそうだったら、とても悲しくなって何とかしてあげたいと思いますよね。動物園の役割は、地球上にいるさまざまな動物を「向かいのシロ」のように思ってもらうことです。動物を見て、自分と同じように生きている身近な存在に感じることが保護の気持ちにつながります。一般的に嫌われがちな蛇やコウモリも、持っている能力のすごさを知ってもらいリスペクトされることが大切なのです。ジャイアントパンダのシンシン(公財)東京動物園協会提供2020年春、上野動物園に新しいパンダの施設が完成2020年の春、上野動物園の西園に新しい展示施設「パンダのふるさとゾーン(仮称)」が開園します。ジャイアントパンダの生育地(中国四川省)に近い環境を再現し、本来の行動を引き出す起伏に富んだ放飼場を設置する予定です。楽しんで見ていただけるだけではなく、ジャイアントパンダの繁殖のための施設も充実します。分布域の重なるレッサーパンダなどの動物も複合的に展示し、よりパンダについて学べる施設になる予定です。毎年「国際博物館の日」(5月18日)を記念して、上野動物園・国立科学博物館・東京国立博物館が連携したイベントを行っています。2019年は、国立科学博物館の「大哺乳類展」で標本や剥製を見た後に、上野動物園で本物の動物を観察できるようなコラボ企画を実施しました。今後も上野ならではの連携企画を考えていきたいと思っています。ぜひ楽しみにしてくださいね。***動物園の大切な役割を、子どもにもわかる言葉で井内さんに話していただきました。親御さんからお子さんへぜひ伝えてください。動物園を楽しみながら、子どもの中に動物愛護の心が育ち、地球に住むさまざまな生き物を身近に思う。動物園は学びだけなく、心も育てる場所といえるでしょう。(※写真クレジット注記:(公財)東京動物園協会提供写真および記事冒頭画像を除く)■ 上野動物園教育普及係・井内岳志さん インタビュー一覧第1回:動物園は学びの場!上野動物園の学芸員が伝授する、親必見の「動物観察準備テク」第2回:解説のメモなんてしなくていい。「目の前の動物」から最大限学びとるコツ第3回:「夏休みの自由研究」は動物園で。上野動物園おすすめの“調べ学習”のテーマとポイント第4回:動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値【プロフィール】井内岳志(いうち・たけし)恩賜上野動物園教育普及係主任(学芸員)。大学ではサルの生態を研究。恩 賜上野動物園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園などの動物園・水族館で30 年以上、 動物園教育に関わる。大哺乳類展などの国立科学博物館との企画展 や、上野動物園で毎年恒例の夜間開園「真夏の夜の動物園」の企画など、さまざまなイベント・企画で動物たちの生態を紹介している。
2019年07月20日たくさんの動物がいる動物園は見どころが満載ですが、「学び」を意識して観察するためには、どんなところを見れば良いのでしょうか?動物園のおもしろさやすばらしさを伝えるために活動されている上野動物園教育普及係の井内岳志さんに、ポイントをお聞きしました。構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(※)動物の観察で、着目するポイントを頭にいれておく小さな子どもでもわかりやすいのは、体の大きさですね。とても背が高いキリンの頭は小さく見えますが、じつは人間の子どもの胴体とおなじくらい大きいのです。キリンが頭を下げたときには、ぜひ観察してみてください。逆に、小さくて驚くのはネズミ類です。上野動物園にいるコビトハツカネズミは世界最小のネズミといわれ、500円玉とほぼ同じ大きさしかありません。実際の大きさが体感できるのは、テレビや図鑑ではわからない動物園ならではの楽しみですね。ウンチも観察のポイントです。形や大きさはまちまちで、体が大きな動物だからといってウンチも大きいわけではありません。ゾウのウンチは1個が1kgもある大きなものですが、キリンはポロポロの小さなウンチをします。パンダのウンチは良いにおいがするといわれていて、上野動物園では、毎週水曜日にボランティアが解説をする際に、実際ににおいをかぐこともできますよ。動物園で生まれた赤ちゃんが公開されている場合は、パンフレットやホームページ、動物舎の掲示で確認することができます。親と子で模様や色がまったく違う動物もいます。たとえば、マレーバクの大人は胴の途中で白と黒にはっきりと分かれていますが、子どもは “うり坊” と呼ばれるイノシシの子どもと同じような茶色の斑模様です。サルのアビシニアコロブスの親は白と黒ですが、子どもは真っ白い毛に覆われています。ゴリラの子どもはお尻に白い毛があります。子どもの頃は多少いたずらをしても許されていますが、成長するにしたがって白い毛が抜け始めると大人として扱われるので、いたずらをするとほかの大人に怒られてしまうんですよ。アビシニアコロブスの親子。子どもの毛は真っ白(公財)東京動物園協会提供動物はなにを食べているのでしょうか。動物園によっては、エサやりの時間を案内しているところもあるので、エサやりタイムを巡るのもおすすめです。残念ながら上野動物園では、人が集中して危険な場合があるためエサの時間は公開していませんが、食べているところが見られなくても、食べ残しを観察することもできます。ちなみに、ツキノワグマにミカンやドングリをあげると、きれいに中身だけ食べて皮は残します。クマの口や舌先が器用だということがわかりますね。ツキノワグマ(公財)東京動物園協会提供動物園だからこそできる調べ学習のテーマを考えよう調べ学習のおすすめのテーマとして、動物の体の部分の細かな特徴を見比べるというものがあります。観察をして、なぜその違いがあるかを考えてみるとおもしろいと思います。たとえば、目は動物によってついている場所が違います。草食の動物の目がついている場所は、頭の横のほう。そうすると視界が広くなるので、肉食の動物が自分を襲おうとして近づいてくるのが、真後ろ以外なら察知できるのです。逆に、肉食の動物の目は前の方についています。正面を左右の目でしっかりと見られるため、獲物との距離を正確に測ることができます。肉食ではありませんが、サルも目は前の方についていますね。これは枝から枝へジャンプするときの距離を知るためです。人間もサルの仲間なので、目は前についていますね。蹄があるか、指が何本あるかなど、足の形もさまざまです。馬は1本指、ウシやキリン、シカは2本指(さらに小さな2本の指をもつことも)、バクの後ろ足やサイは3本指です。鳥の場合は、前に向いている3本の指のほかに、後ろに向かって親指が1本ついているものがあります。これは、木に止まるための支えです。こういった小さな部分を観察するには、双眼鏡を持っていくと便利ですよ。日本古来の在来牛の見島牛。ウシの足は2本指。キリンやシカもウシの仲間で2本指です。いろんな動物の足の形を見比べてみよう上野動物園で会える動物たち上野動物園の園内では、「アイアイのすむ森」や「アフリカの動物」のように場所や種類により分類して展示しています。とても広いので、1日で全部見ようとせず、1つの部分だけをじっくり見るのがおすすめです。たとえば「クマたちの丘」では、エゾヒグマ、ツキノワグマ、マレーグマ、ホッキョクグマを比べて見ることができます。同じクマの仲間でも、大きさも毛の色も姿もそれぞれ違うもの。今いるエゾヒグマは、北海道で保護されたクマです。上野動物園に来たときは子どもだったので、リードをつけて園内を散歩していましたが、今では体重が300kg以上に成長しました。クマ舎の壁の色が黒くなっているのは、背中をこすり付けてマーキングをしているからです。クマが立ち上がったときの大きさがわかるので、注目して見てください。隣にいるツキノワグマは体重が60kgほど、熱帯のマレーグマはさらに小さなサイズです。ヒグマを見た後にマレーグマを見ると、「これなら俺でも勝てる」と言う若い男性がいますが、人間は猫より大きな肉食獣にはとても敵いませんよ。マレーグマヒグマより一回り小さいマレーグマの園舎には、同じ地域に住んでいるコツメカワウソとハクビシンが同居しています。それぞれのテリトリーには電気柵を張っているので、クマに食べられる心配はありません。電気柵を使うことは可哀想だという意見がありますが、多くの動物は1度触ってショックを受けると、もうそこには近づかなくなります。哺乳類は基本的に学習能力が高いので、電気柵は効果的です。また、不忍池では飼育動物と野鳥が同居しています。島の中に巣をつくって繁殖しているカワウソの隣には、飼育しているモモイロペリカンがいます。また、天然記念物のオオワシも池の島で飼育しています。天然記念物ですが、違法に撃たれて飛べなくなってしまったため、保護したものです。池のそばにある施設「不忍ラボ」には、池にどんな鳥がいるかの定期観察や、自然に見られる昆虫などの展示をしています。図鑑も用意していますので、調べ学習や夏休みの研究の参考にもなりますよ。不忍池のオオワシ***「エサ」や「ウンチ」は、小さな子どもでも喜びそうなテーマですね。高学年になってきたら、体の特徴や生育地域などを、図鑑や地図と照らし合わせて調べると、より学びを深められそうです。じつは、動物園は飼育展示ということのほかに大切な役割があります。次回は、井内さんに大切な動物園の役割について教えていただきます。(※写真クレジット注記:(公財)東京動物園協会提供写真および記事冒頭画像を除く)■ 上野動物園教育普及係・井内岳志さん インタビュー一覧第1回:動物園は学びの場!上野動物園の学芸員が伝授する、親必見の「動物観察準備テク」第2回:解説のメモなんてしなくていい。「目の前の動物」から最大限学びとるコツ第3回:「夏休みの自由研究」は動物園で。上野動物園おすすめの“調べ学習”のテーマとポイント第4回:動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値(※近日公開)【プロフィール】井内岳志(いうち・たけし)恩賜上野動物園教育普及係主任(学芸員)。大学ではサルの生態を研究。恩 賜上野動物園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園などの動物園・水族館で30 年以上、 動物園教育に関わる。大哺乳類展などの国立科学博物館との企画展 や、上野動物園で毎年恒例の夜間開園「真夏の夜の動物園」の企画など、さまざまなイベント・企画で動物たちの生態を紹介している。
2019年07月19日調べ学習や夏休みの自由研究では動物や生き物のテーマが人気です。動物園を活用するときは、どういった目線で動物を観察すれば良いのでしょうか?上野動物園教育普及係の井内岳志さんに詳しくお聞きしました。構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔動物はいろんな視点でじっくり時間をかけてみると面白い親子で動物園を楽しむときに重要なポイントは「1日で全部を見ようと思わないこと」です。特に大きな動物園になると、全部の動物を見るにはとても時間がかかるため、子どもは疲れてしまいます。また、ひとつひとつの印象が散漫になって、なにも得られないまま終わってしまいがちです。そのため、何かテーマを絞っておくと良いでしょう。たとえば、今日はこのエリアだけ、この動物の種類だけ、と決めることで、じっくり観察することができますね。もちろん、見ているうちに子どもが別の動物に興味を持ち始めたら、それを中心に見るように変更してもかまいません。無理に最初に決めたテーマにこだわる必要はないと思います。子どもが見たいと思うものを、時間をかけて満足するまで見せてあげてください。数年に一度の来園だと、親子ともたくさんの動物を見たくなってしまいますが、年間パスポートなどを利用して年に何度か来園すると、余裕のある観察ができます。動物は、ひとつの動物をなるべく長い時間見ているほうがおもしろいと思います。最低2~3分は観察するようにしてください。もしも動物が見当たらなくてもそのまま立ち去らず、子どもに「どこにいるかな?」と声をかけて探してみるのもおもしろいですよ。よく見ると、やぶや水の中にじっと隠れていることがあります。どうしてそこに隠れるのかを考えるのも良いですし、どれくらい水に潜っていられるのか測ってみるのも楽しいですね。動物が見えなかったり寝ていたりしても、観察するポイントはあります。動物舎は、その動物の生態や本来の生活に合わせて作られているもの。水辺の動物にはプールを設置していますし、木登りが得意な動物には木のジャングルジムが作られています。昔は衛生管理が第一条件になっていましたので、コンクリートの平らな動物舎が多かったのですが、最近はさまざまな方法で清潔にすることができるようになり、より自然に近づけることができるようになりました。動物舎を観察するだけでも、動物がどんな場所に住んで、どんな動きをするのかをイメージすることができるんですよ。また、周囲の足元を見ると動物の足跡が描かれていることもあるので、大きさを比べたり、指の本数を調べたりすると良いでしょう。動物園が企画するガイドツアーもおすすめさまざまな動物園でガイドツアーやスポットガイドなどを設けています。ボランティアや解説員・飼育員が動物の詳しい話を聞かせてくれるので、積極的に活用してください。上野動物園や葛西臨海水族園(東京)では、スマートフォンなどで楽しめる「Tokyo Parks Navi」を公開しています。動物舎に貼ってあるタグにタッチするかQRコードを読み込むと、テキストや動画などで詳細情報を説明するものです。ほかにも、旭山動物園(北海道)や天王寺動物園(大阪)などでは、スマートフォンアプリ「one zoo」で、園内マップや音声ガイドが利用できます。鳴き声やにおい、爪や動き方など実際に感じたことを記録する動物の解説ラベルを書き写すのに夢中になっている子どもがいますが、せっかく目の前に本物の動物がいるのにもったいないですよね。図鑑でも得られる知識は家に帰ってから調べるようにしましょう。動物の動きや鳴き声、におい、細かな部分が観察できるのが動物園のおもしろさです。子どもの記念写真を撮るときは、園内にある動物のオブジェなどと一緒に撮るのがおすすめです。上野動物園にあるゴリラやヒグマ、ゾウガメなどの像は、実際の大きさを忠実に再現していますから、子どもを横に並ばせて写真を撮れば、あとで改めて大きさを比較できますよ。家に帰ったら、その日に見た動物の仲間を図鑑で調べてみましょう。たとえば「今日はクロサイを見たけれど、図鑑で見るとインドサイは角の本数が違うね」などと親が少し誘導してあげれば、子どもの興味は広がっていきます。さらに「恐竜のトリケラトプスにも同じような角があるけれど、あれはサイの仲間なのかな?」とほかの分野に興味を広げてあげることもできます。動物園の次に、動物の剥製や骨格標本のある博物館を訪れるのもおもしろいですよ。絶滅した動物の模型や、恐竜の骨、化石なども観察できるので、子どもの興味がさらに広がっていくでしょう。朝、昼、夕方、夜。それぞれに動物の見どころがあります動物の時間帯ごとの習性に着目して観察するのもおもしろいものです。たとえば、トラは朝一番に自分の縄張りをパトロールするので、開園すぐの時間がおすすめです。うろうろと動き回る姿を見ることができます。上野動物園では朝、お客さんの見えるところに骨付きの肉を用意しているので、肉を食べる様子も観察できますよ。キツネザルは体温調整が苦手な動物なので、朝は太陽に向かって手を大きく広げて日光浴をするかわいい姿も見ることができます。上野動物園のゾウは、夕方に室内へ入るとき、前のゾウの尻尾を鼻でつかんで一列で行進します。これは狭い入り口に殺到すると危ないために訓練させたものです。ショーではありませんが、とても人気があります。また、昼間とは違った動物の姿を観察することができる貴重な機会として夜間開園があります。暗くならないと活発に動かない夜行性の動物を観察できるチャンスとして、最近ではさまざまな動物園や水族館などで企画されていて、たいへん人気がありますね。上野動物園では、毎年お盆の時期に10日間ほど開催しています。こうした夜間公開や特別展示などの企画イベントでは、動物の生態をより楽しめるものがそろっています。ぜひチェックして親子で出かけてみてください。***動物園で1日を過ごすには、お弁当を食べる場所や園内のレストランを確認しておくことも必要ですね。レストランでは動物にちなんだメニューが用意されているところもあるようですから、チェックしておくとより楽しめるでしょう。次回は井内さんに、動物のどんなところに注目して観察したら良いかをお話しいただきます。■ 上野動物園教育普及係・井内岳志さん インタビュー一覧第1回:動物園は学びの場!上野動物園の学芸員が伝授する、親必見の「動物観察準備テク」第2回:解説のメモなんてしなくていい。「目の前の動物」から最大限学びとるコツ第3回:「夏休みの自由研究」は動物園で。上野動物園おすすめの“調べ学習”のテーマとポイント(※近日公開)第4回:動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値(※近日公開)【プロフィール】井内岳志(いうち・たけし)恩賜上野動物園教育普及係主任(学芸員)。大学ではサルの生態を研究。恩 賜上野動物園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園などの動物園・水族館で30 年以上、 動物園教育に関わる。大哺乳類展などの国立科学博物館との企画展 や、上野動物園で毎年恒例の夜間開園「真夏の夜の動物園」の企画など、さまざまなイベント・企画で動物たちの生態を紹介している。
2019年07月18日たくさんのことに興味関心が高まる時期の子どもを連れて行きたい場所として、いつの時代も人気なのが動物園です。ゾウやキリンなど大型の動物や、愛くるしいモルモットなど、子どもは動物が大好きですよね。では、動物園でより楽しく学び多い時間を過ごすためには、どんな準備が必要でしょうか。上野動物園の教育普及係を務める井内岳志さんにお聞きしました。井内さんは、30年にわたって動物園で教育活動を担当している大ベテラン。さまざまな広報活動のほか、学会での発表など研究活動、学芸員として博物館との連携活動など、動物園に関わる幅広い活動を続けていらっしゃいます。構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔動物園に行く前に、動物図鑑などを見てみよう動物園は親子で休日に訪れる場所として人気がありますよね。どういう目的で動物園に行くかというアンケートでは「家族と一緒のレジャー」という答えが最も多いものでした。そんなレジャーイメージが強い動物園への訪問には、実は少しの工夫で、楽しむだけでなく学びの要素をプラスすることができます。お父さんお母さんが事前にできる準備を伝授しましょう。まずは、家であらかじめ親子で本や図鑑を読んでおくと、動物や動物園について興味が深まると思います。『(楽しい調べ学習シリーズ)動物園のひみつ』(PHP研究所)という本には、展示の工夫や飼育員の仕事を子どもでも読めるようにやさしく書いてありますよ。実際に園内を回るときには小さな図鑑を持って歩くと面白いですね。ポケット図鑑シリーズ『絶滅危機動物』(学研プラス)は小さなお子さんにはちょっと難しいかもしれませんが、小学生の調べ学習などで役に立ちます。どうしてその動物が絶滅しそうになっているのかを、動物園で実際に動物を見ながら考えられます。動物園で専用のガイドブックを作っている場合もありますから確認してみると良いでしょう。売店で購入できるので、入園したら最初に立ち寄って探してみてください。無料のフリーマガジンやパンフレットも参考になりますよ。上野動物園の園内で配布している『ZOO TODAY』は毎月発行しているニュース紙です。園内で生まれた赤ちゃんや、冬毛から夏毛に変わる動物などその季節ならではのタイムリーな観察ポイントを紹介しています。『みんなの上野動物園』は年に5冊出している無料の情報誌です。“鳥のくちばしを観察してみよう”“日本に暮らす動物を観察しよう”など号ごとにテーマがあり、こんな視点で見ると面白いというヒントを提案しています。双眼鏡やスケッチブックがあると、動物観察をより楽しめます動物の足や角などの細かいところを観察するには双眼鏡が役に立ちます。大型のものでなくても2~3倍のオペラグラス程度のもので充分ですよ。気がついたことをメモしたり、動物をスケッチしたりするノートと筆記用具も忘れないようにしましょう。カメラで撮るのも便利ですが、写真撮影が目的になってしまって観察そのものがおろそかになってしまう場合もありますから、一緒に行く大人が写してあげると良いと思います。そのほか、動物園は野外施設ですので、暑い季節は熱中症対策にも気をつかってください。帽子や飲み物のほか、保冷剤を持っていくと首筋に当てて体を冷やしてあげることができるので便利です。動物たちとのマナーも大事。相手を思いやる気持ちを育みますお子さんには「自分がされて嫌なことは動物にもしないでね」と教えてあげましょう。たとえば、動物をおどかさないこと。寝ているからといって、ガラスを叩いたり、大声で呼んだりして起こそうとしないでください。エサをあげるのも絶対いけません。人間が食べるものでも動物にとっては毒になるものもありますし、栄養の偏りも出てしまいます。時々「動物が喜んでいるからいいのでは」という声を聞きますが、もしも自分の子どもが誰かに晩御飯を食べられないくらいお菓子をもらっていたら困りますよね。大人も自分に置き換えて考えてみることが大切です。混雑している場合、最前列である程度見たら、後ろの人に譲ってあげることも大切です。動物園は大人が公共のマナーを教える場でもあるんですよ。動物とお子さんを一緒に写真を撮る際にも周囲への配慮をお願いします。また、写真を撮るときはフラッシュをオフにしてください。動物はフラッシュの光が苦手です。特に薄暗い場所にいる鳥の場合、フラッシュに驚いて急に飛んでしまい、ガラスにぶつかって怪我をすることがあるからです。それから、動物を見るときに大人が「気持ち悪い」「汚い」「臭い」などのマイナスの言葉を言わないようにしましょう。子どもに伝わってしまうと、その言葉通りにしか見られなくなってしまいます。子どもが自分の感性で動物を知る姿を大人は見守ってあげてください。入園したときに写真を撮っておくと迷子対策に園内は広いので子どもは走り回ってしまいがちですが、しっかりと見ていてあげてください。親が動物の撮影に夢中になっていると、後ろにいた子どもに目が届かなくなりがちです。特に迷子がたくさん出るのは土日祝日です。もしも子どもが迷子になってしまったときは、スタッフが無線でやりとりをしてその子を探します。その際に便利なのが「子どもの写真」。親御さんにはお子さんの迷子対策として、動物園に入園したらまず入り口で子どもの写真を撮っておくことをおすすめします。その写真を見せていただければ、スタッフ間で子どもの特徴や洋服の色などを共有しやすくなるからです。また、上野動物園では混雑時に、案内ボランティアがかわいいパンダのイラストの迷子札を配布しています。名前や連絡先などを書いておくと早期解決の手助けになるので、ぜひご活用ください。***動物園に行く前に少し工夫して準備すると、動物園をより一層楽しむことができそうです。それでは、たくさん動物のいる広い園内では、どんな視点で動物を観察すれば良いのでしょうか?次回は動物園を楽しみながら学びを深める秘訣を井内さんにお聞きします。■ 上野動物園教育普及係・井内岳志さん インタビュー一覧第1回:動物園は学びの場!上野動物園の学芸員が伝授する、親必見の「動物観察準備テク」第2回:解説のメモなんてしなくていい。「目の前の動物」から最大限学びとるコツ(※近日公開)第3回:「夏休みの自由研究」は動物園で。上野動物園おすすめの“調べ学習”のテーマとポイント(※近日公開)第4回:動物園は子どもの「心」を育てる場所。“楽しみながら動物を知る”ことの大きな価値(※近日公開)【プロフィール】井内岳志(いうち・たけし)恩賜上野動物園教育普及係主任(学芸員)。大学ではサルの生態を研究。恩 賜上野動物園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園などの動物園・水族館で30 年以上、 動物園教育に関わる。大哺乳類展などの国立科学博物館との企画展 や、上野動物園で毎年恒例の夜間開園「真夏の夜の動物園」の企画など、さまざまなイベント・企画で動物たちの生態を紹介している。
2019年07月17日