浅利演出事務所主催の『思い出を売る男』が、12月21日(土)から28日(土)まで東京・浜松町の自由劇場で上演される。昨年7月に逝去した、劇団四季創立者で演出家の浅利慶太を偲び、同劇場で4月から上演されてきた“浅利慶太追悼公演”全5作の掉尾を飾るものだ。これまでの『ユタと不思議な仲間たち』『ジーザス・クライスト=スーパースター』『エビータ』『李香蘭』と同様、浅利が劇団四季を率いて歩んできた軌跡をたどる上で、外すことはできない作品だが、前の4作と比べると趣が異なり、詩劇と呼んでもいい、言葉と音楽で綴られた美しく繊細な舞台になっている。この戯曲は、浅利や日下武史ら劇団創立メンバーが師と仰ぎ、心の支えとしてきた劇作家・加藤道夫が1951年に発表したもので、劇団四季による初演は1992年。演出の浅利ほか、照明も同じく創立メンバーの吉井澄雄が手がけ、音楽は、浅利、日下とは慶應高校時代の同窓で、共に加藤に心酔していた林光が、旗揚げ公演以来、40年ぶりに担当。劇団創立40周年記念公演の一環として、新宿のシアターサンモールで上演された。その際には、日下をはじめ、やはり創立メンバーの水島弘、井関一もキャストに名を連ねている。第2次世界大戦の爪痕が残る東京の薄暗い路地裏で、ひとりの男がサクソフォンの音色を響かせ、手回しオルゴールを鳴らしながら、“思い出”を売っていた。そこに、親を亡くした幼い花売り娘、奇抜な格好の広告屋、愛する人を戦争にとられて身を落とした街の女、故郷に恋人を残してきたG.I.の青年、明るく陽気な乞食、そして裏社会の顔役などが次々と登場しては、また去って行く。男が求めに応じて奏でる音楽で、客が束の間、幸せな思い出をよみがえらせるシーンが、悲しく美しい。辛い過去を背負いながらも、たくましく生きる人々に希望を託した作者と演出家の、優しくあたたかな視線が感じられる秀作だ。文:原田順子
2019年12月19日スーパーフラットは、同社が運営するマンガ&イラストの描き方が動画で学べるオンライン学習サイト「Palmie(パルミー)」において、TVアニメ「キルラキル」で原画を担当したアニメーター・井関修一氏によるキャラクターデザイン講座を開催する。授業はインターネットを通じて行われ、ネットに接続したパソコンがあれば全国どこからでも受講できる。 生放送授業の実施日は12月2日、9日、16日、1月6日(各日20:00~21:30)の全4回。事前申し込み期間は12月2日 19:59まで。講座受講料は1万5,000円。同講座は、「キルラキル」の原画のほか、日本アニメ(ーター)見本市で公開された「ME!ME!ME!」や「GIRL」でキャラクターデザイン・作画監督を務めた現役アニメーター・井関修一氏が、 自身の知識と技術をレクチャーする、全4回の生放送授業。同氏が現場で培ってきたキャラクターデザインの知識や技術について、毎回のテーマに合わせて学べるという。毎回生放送での授業となっているが、生放送の配信日に受講できない場合や繰り返し授業を見たい場合は、放送日後も録画版の授業を視聴することも可能とのことだ(録画授業の視聴可能期間は2016年3月6日 0:00まで)。また、各回の授業内容は、第1回(12月2日)がアニメーターのキャラクターデザインとイラストレーターのキャラクターデザインの違いについて、アニメーターの知識、アニメーションの知識について学ぶ「キャラクターデザインの講義」。第2回(12月9日)がキャラクターを描く際に必要最低限の知識や、クライアントに納得してもらうためのポイントなどを学び、オリジナルのキャラクターをデザインする「キャラクターデザインの実技その1」。第3回(12月16日)が基本設定に最低限必要な知識や、各アニメーターや監督、その他スタッフと共に仕事をするという実践を想定し、必要なポイントについて学び、第2回まででデザインしてきたキャラクターの基本設定を作る「キャラクターデザインの実技その2」。そして第4回(2016年1月6日)が第3回までにデザインしたキャラクターのポーズ/場面集を作成したり、ポーズ集を描く際の発想についての考察を行う「キャラクターデザインの実技その3」となっている。授業はすべて生放送で実施するため、井関氏へ質問することも可能とのことだ。なお、同講座への参加希望者は、講座Webサイトより申し込む。事前申し込み期間である12月2日 19:59までに支払いを完了した先着200名には、ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO」(3ヶ月限定版)が12月2日の第1回目の授業終了後に贈呈されるとのことだ。
2015年11月19日