『ゲット・アウト』『アス』のジョーダン・ピールとJ・J・エイブラムスが製作総指揮の最新HBOドラマ「ラヴクラフトカントリー恐怖の旅路」。話題沸騰中の本作に抜擢された注目のキャスト陣から貴重なインタビューと、女性クリエイターのミシャ・グリーンらをとらえたメイキング画像がいち早くシネマカフェに到着した。本作は幻想小説・怪奇小説の先駆者のひとり、H・P・ラヴクラフトが生み出した世界観をもとに、人種差別について改めて考えさせるメッセージを新しい形で伝えているSFファンタジーホラー。主人公アティカスを演じるのは、気鋭スタジオ「A24」の新作『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』やスパイク・リー監督のNetflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』での演技が光り、マーベル映画『アントマン』の続編にも出演が報道され話題になったジョナサン・メジャース。本作への出演が決まったのは『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』の撮影中のこと。「共演者と一緒にいたのですが、二人で映画を観に行こうとしていたところで電話をもらい、感激して床に崩れ落ちて泣きました。とっても嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいでした」とふり返る。「人種差別に対して私自身経験して抱いている怒りや苦しみがあるから、細かく演技指導してもらう必要はなかったし、そういう感情を表現できるなんて」と語り、「『主役をやってくれ』と言われた時は私の人生が大きく変わった瞬間だと感じました」とオーディション合格時の秘話を明かしてくれた。そしてアティカスの幼なじみレティ役を演じたジャーニー・スモレットも、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』で圧倒的な存在感を見せたハリウッドの注目株。「大勢の黒人が新たな暮らしを求めて南部からシカゴやフィラデルフィア、ニューヨークなど北部の大都市に移住したことは知っていましたが、もっと詳細、例えば(第1話に登場する)サンダウンという街のことは知りませんでした。一部の町では黒人はリンチされる恐れがあるとかは聞いたことがありましたが、日没後に外に出ている黒人は警察や保安官に殺されるなんていう場所が本当にあったなんて知りませんでした」と明かすジャーニー。「体制的に、構造的に、アメリカに刻み込まれている」人種差別を改めてリサーチしたことにより、「いかにアメリカのシステムが抑圧的だったか、なぜ2020年にもなって未だにこの状況なのか、さらに理解が深まりました。警察も、憲法修正第一項も、問題ばかりです。一日中この話は続けられますが…」と語る。本作へ出演したことで新たな発見はあったか、という質問に対しては「自分自身に設定していたリミットが幻想だったということが分かりました。自分が成長するのが分かったのはとてもエキサイティングな経験でした」と本作を通して得た手ごたえを熱く伝えた。さらに、今作のヴィランで白人至上主義の謎の美女クリスティーナを演じたのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などで知られ、モデルとしても世界的に活躍しているアビー・リーだ。彼女は、今作のようにSFの中に現実的な社会問題を描くことの意味は何か、という質問に対して「テレビや映画を見る時、人は現実逃避したくて見るんだと思います。現実から離れてエンターテイメントを楽しむために。だから、そのように人々がリラックスして見ている空間でメッセージを伝えるこの作品は、社会的なメッセージも届けつつ、Sci-Fiというジャンルでクリエイティブな面でも楽しませるという意味で、スペシャルだと思います」と語った。さらに主人公アティカスの旅に同行し、良き理解者であるジョージ伯父さんを演じたのは、大ベテランのコートニー・B・ヴァンス。人種差別という厳しいテーマを持つ本作の撮影中のキャスト陣たちの関係性を問われると、「チーム全員で親密感を出せるようにするためのカウンセリングのようなクラスに参加したりもしました。HBOの作品に出るということで、倫理的に正しい行動とは何かを学ぶ機会もありました」と語る。「それがパンデミックの期間にあり、その後再び撮影を開始してからも更に共演者やクルーとどう接するかをより深く学ぶ機会があったので、そういった徹底したサポートもあって私たちはお互いとどう付き合うか正しく学び、実行できたと思います」と応じ、コロナ禍での逆境を例にとり、根深いメッセージを持つ本作の撮影中は全員一丸となって撮影に挑んだことを明かしている。ストーリー舞台は1950年代アメリカ。行方知れずになっている父(マイケル・ケネス・ウィリアムズ)を探すため、故郷シカゴに戻ってきた主人公アティカス(ジョナサン・メジャース)。友人のレティーシャ(ジャーニー・スモレット)と伯父ジョージ(コートニー・B・ヴァンス)と共に、ジム・クロウ法が制定されている南部へと旅に出るが、黒人に対する人種差別が公然と行われている現実の中で、怪奇小説家ラヴクラフトの本から飛び出したかのような非現実的なモンスターにも直面する…。(text:cinemacafe.net)
2020年11月17日「日本ではトランプ大統領の“過激な発言”が頻繁に報道されたため、バイデン氏の圧勝を予想した人は多かったと思います。『人種差別の解消』『環境問題の是正』や『国際協調』を謳い、『トランプ大統領よりは聞く耳を持っている』と言われていたバイデン氏ですが、“政策に具体性がない”という指摘も受けていました」こう語るのは『コロナ後の世界』(文春新書)の編著もある在米ジャーナリストの大野和基さん。それでもバイデン氏に軍配が上がったのは「新型コロナ感染拡大という背景があったからでしょう」と分析する。アメリカ大統領選ウオッチャーで、明治大学政治経済学部教授の海野素央さんも、“コロナ禍でなければトランプ大統領の圧勝だった”と見ている。「しかし選挙戦の大詰めで、トランプ大統領は新型コロナに感染。退院したあとはマスクもせずに大規模集会を行い、“強いリーダー像”を見せようとしました。ただ、そんな感染対策を無視した選挙運動に、嫌悪感を抱いた有権者が多かったのです」反対にバイデン氏の選挙運動といえば、マスクをしてソーシャルディスタンスを保つ姿が多く報じられていた。海野さんが続ける。「バイデン氏は、人々の目に“強いリーダー”ではなく“共感できるリーダー”に映った。それが支持を集めたのだと考えます」自らの政策を強く打ち出すより、トランプ大統領の政策に反対することで選挙を戦い抜いたバイデン氏。彼の政権は、日本にどのような影響を与えるだろうか。大野さん、海野さん、そして国際政治ジャーナリストの小西克哉さんに聞いた。【経済】日本企業のチャンス広がるも、都市封鎖で“大打撃”の危機トランプ大統領は、日本が輸入する米国の牛肉や穀物の関税を引き下げる交渉をしてきた。「日本に対し『日本産自動車の関税を25%に引き上げる』という“脅し”を交渉材料にしていたトランプ大統領。そのため日本企業は、自動車産業にしてもアメリカ国内と国外どちらで作ればいいのか、長期的な設備投資が困難でした」(小西さん)「国際協調」「自由貿易」を標榜するバイデン政権下であれば、そのような“強気な交渉”はなくなり、日本企業がのびのびビジネスを展開できるだろう、と小西さん。「さらに、バイデン氏は『二酸化炭素排出削減』という環境問題にも力を入れています。日本がクリーンエンジンや、クリーンエネルギーの分野に投資すれば、アメリカ市場でビジネスチャンスが生まれます」しかし、コロナ感染拡大が悪化するようなことがあれば、このような懸念も……。「経済優先のトランプ大統領とは違い、感染防止を徹底するバイデン氏は都市を“ロックダウン” するという選択に踏み切るはず。経済停止によって米国の株価が暴落すれば、日本経済も大打撃を受けるというデメリットもあります」(大野さん)【平和問題】“強気な取引”なくとも自衛隊の負担は増加か日本が負担する在日米軍の費用(思いやり予算)の’21年度予算について、現状の約4倍超にあたる8,500億円を要求してきたトランプ大統領。「安倍政権下でイージス・アショアを買うよう要求したように、トランプ大統領は同盟国を取引相手と見ていました。バイデン氏は、こうした露骨で、強引な取引はしないと見ています」(海野さん)だが、バイデン氏が日本に対して軍事的な負担を“全く強いない”ということは考えにくい。「たしかに『金をよこせ』と露骨な要求はしないでしょう。しかし、『日米の安全保障のために自衛隊の活動範囲を広げてほしい』といったふうに、“言い方が変わるだけ”で負担が増えることも考えられます」(小西さん)政治的姿勢に“穏健すぎる”という指摘を受けるバイデン氏だが、トランプ大統領が日本に強いてきた負担が、少しでも軽減されるように手腕を振るってほしい。「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月13日2020年春から流行した新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。マスクや消毒液などの深刻な品不足を引き起こしたほか、感染を恐れた一部の人々が患者だけでなく医療従事者も差別し、社会問題となりました。看護師のぱれちに(paretiny)さんは、フォロワーから寄せられた『コロナウイルス差別の現実』を漫画に描き、Instagramに投稿。「医療従事者同士でも、悲しい差別が起こっている」といいます。人々のために、コロナウイルス患者の治療にあたっている看護師たち。ワクチンがない中で働くことに、恐怖を感じている人も少なくないでしょう。そんな看護師たちに対し、同僚たちは冷たい目を向けていました。コロナウイルスに対するどうしようもない恐怖や、やり場のない憤りなどを、仲間にぶつけてしまっていたのです。また、コロナウイルス患者を受け入れた医療機関に勤めている、医療従事者やスタッフには慰労金が支給されましたが、仕事内容の差から「不平等だ」という意見が出ていました。【ネットの声】・病院全スタッフに、コロナウイルスの適切な知識を持ってもらいたい。・今まさにコロナウイルスの患者さんがいる病棟で、やりきれない想いで働いています。・患者さんと接した後、PCR検査を受けました。本当に周りからの目が冷たく、最悪でした。・「人は追いつめられると本性が出る」というやつですかね…。コロナウイルスの感染は広まり、もはや「誰かのせい」とはいえない状況になっています。仲間意識を取り戻す人が増え、心身どちらの面からもしっかりと支え合えるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月05日つるの剛士(45)が9月12日、「自分は生きていて差別という概念はないし、意識をすることもない」「今後も差別をすることはない」といった趣旨のツイートをした。ネットでは、その内容を疑問視する声が相次いでいる。3日、農林水産省の公式Twitterアカウントが「農作物の盗難被害が発生している」と投稿した。それを引用したつるのは、《うちの畑も最近パクチーやられました(現行犯でしたが※「日本語わからない」の一点張り)ので気をつけてください》と投稿。さらに、コメントに返信する形で《一応目星がついていますので。畑近くの工場で働いてる外国人。もちろん次見つけたら通報します》とつづった。するとTwitterでは《犯罪行為をする人は、その行為をする個人が問題なのであって、その個人が属する人種や国籍などといった属性とは、基本的に無関係》《じゃあパクチー取ったのが日本人だったらつるの剛士は「日本語わかる人にパクチー取られた」って言うんか?》との声が。「外国人である」という属性を伝えたつるのに、「なぜ?」と疑問が投げかけられていた。「そもそも農林水産省の投稿には『外国人による犯罪』とは書かれていません。在日外国人は差別を受けやすく、偏見の目を向けられることも多い。そのため今回の投稿によって差別感情が助長されるのではという懸念が。実際、《やっぱり外国人犯罪》《やはり外国人か》といったコメントも散見されます。つるのさんに差別の意図がなく“事実を述べただけ”でも、SNSでの言葉選びに慎重さは必要といえるでしょう」(全国紙記者)「差別を扇動している」との声も上がるなか、つるのは12日にTwitterを更新。そして、こうツイートした。《僕は生きていて、そもそも差別という概念はないですし、意識をすることもない》《僕は今後も差別なんてしませんので、どんな人であろうと悪いことには悪いとハッキリと言います。差別を助長しているのは紛れもなく犯人本人であり、被害者が泣き寝入りしてしまう世の中こそ差別だと思うからです》しかし、ネットでは彼の差別に対する認識を疑問視する声が上がっている。《「自分は差別していない」という思い込みが一番危険なんだよつるのさん。私も他の方に指摘されて自分の差別心に気付いたことはままある》《「自分の中に差別という概念はなく意識をすることもない」と素朴に思っている人は多いだろう。そういう人に「意識しないでいるのは既にある差別を黙認しているから」と言っても通じないだろう》《差別のない誰もが生きやすい社会、ここに向かうには、私たち一人一人が自分は関係ないと思わず、最大限の想像力を持って差別と向きあう、そんな社会への視野を持たなければいけません》《無意識の差別が蔓延してるから、自分の言動の起源やそれが与える影響についてもっと意識していくことが大事》
2020年09月15日2020年8月31日(日本時間9月1日)から開催されている全米オープンテニスで、大坂なおみ選手が優勝。祝福の声が上がる中、試合後のインタビューでの発言に注目が集まっています。大坂なおみが着けた7枚のマスク全7試合に臨む際、大坂選手は警察の暴力などで死亡した黒人犠牲者の名前入りマスクで登場。被害者遺族たちから感謝の声が上がる一方で、「スポーツに黒人差別の話題を持ち込むな」という批判の声も上がっていました。大坂なおみ選手に、遺族が感謝のメッセージ「見返して、たくさん泣きました」ラストの7試合目に、大坂選手は『Tamir Rice』の文字が入ったマスクを着用。おもちゃのエアガンで遊んでいたところを警官に撃たれた、12歳の少年の存在をアピールしました。 pic.twitter.com/zxtS7qSa9F — NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) September 13, 2020 試合後のインタビューで、『7枚のマスクを通して伝えたかったメッセージ』について、改めて尋ねられた大坂選手。その時の返答を、全米オープンテニスのTwitterアカウントが投稿しています。. @naomiosaka made her voice heard on her way to her second #USOpen title ✊ pic.twitter.com/68KGRr4UVS — US Open Tennis (@usopen) September 12, 2020 あなたはどのようなメッセージを受け取りましたか?@usopenーより引用(和訳)インタビュアーの質問にあえて質問で返した、大坂選手。「黒人差別についてみんなが考え、語り合うきかっけになるように」という姿勢を貫き通した大坂選手のコメントに、多くの人が感銘を受けています。・最高の返し!・7枚のマスクで全世界に問題提起した大坂選手、かっこいいです!・私はマスクの意味をしっかりと受け止めました。・各々が感じ、考えることが大切ですよね。大坂選手は、自分にできる方法でメッセージを発信し続けました。彼女の勇気ある行動によって、多くの人が他人事でなしに黒人差別について考えたことでしょう。悲劇を繰り返さないために、今後も議論が深まっていくことが望まれています。[文・構成/grape編集部]
2020年09月13日2020年8月31日(日本時間9月1日)から開催されている全米オープンテニス。同年9月8日に行われた女子シングルス準々決勝で大坂なおみ選手は見事勝利し、準決勝進出を決めました。4年ぶりに4強進出を決めた大坂選手に絶賛の声が上がっていますが、彼女の黒人差別抗議運動にも称賛の声が多く集まっています。『警官による差別行為』で広がる抗議大坂なおみの反応に共感集まる大坂なおみ選手、被害者遺族から感謝のメッセージに感激今大会で大坂選手は、準々決勝を含め5回の試合を勝ち抜いてきました。今後、決勝まで勝ち進むことができれば、全7試合に臨むことになります。全7枚のマスクで黒人差別に抗議大坂選手はこれまで出場した5試合に、警察の暴力などで死亡した黒人犠牲者の名前入りマスクで登場しました。 View this post on Instagram A post shared by 大坂なおみ (@naomiosaka) on Sep 6, 2020 at 10:23pm PDT View this post on Instagram A post shared by 大坂なおみ (@naomiosaka) on Sep 4, 2020 at 1:10pm PDT大坂選手によると、「決勝までの試合数に合わせ7枚の名前入りマスクを用意している」とのこと。大坂選手は7枚のマスクについて、このように語っています。7 masks, 7 names. If Osaka reaches the final we will see them all. #USOpen pic.twitter.com/jmARabKhae — US Open Tennis (@usopen) September 1, 2020 マスクは7枚あります。被害者全員の名前を書くには7枚のマスクでは足りないことが本当に悲しい。できれば決勝戦まで進み、全部のマスクを見せたいです。@usopenーより引用(和訳)被害者の家族からメッセージ同月8日に行われた準々決勝の試合後、大坂選手のマスクに名が書かれた被害者の遺族から、サプライズで感謝のメッセージが送られました。"I feel like I'm a vessel at this point in order to spread awareness."Trayvon Martin's mother and Ahmaud Arbery's father thanked Naomi Osaka for representing their sons on the masks she's been wearing throughout the US Open. pic.twitter.com/0IHBU7pvx4 — espnW (@espnW) September 9, 2020 メッセージを送った1人目の女性は、2012年2月に、アメリカのフロリダ州で自警団員に射殺された17歳の高校生、トレイボン・マーティンさんの母親です。マスクで息子の存在を示してくれて、また息子だけでなく、アマード・アーベリーやブルナ・テイラーの分もありがとう。私たちは心から感謝しています。この全米オープンでの活躍を応援しています。ぜひ、次の対戦相手にも勝ってください!@espnWーより引用(和訳)そして2人目の男性は、2020年2月、ジョギング中に白人の親子に猟銃で射殺されたアーマウド・アーベリーさんの父親。私たちをサポートしてくれてありがとうといいたい。本当に感謝しています。神のご加護がありますように。@espnWーより引用(和訳)被害者遺族からのメッセージに、大坂選手は…。なんといえばいいか…。お2人はとても強い人です。同じ立場だったら、自分に何ができるかわかりません。けれど、今の自分は、黒人差別についての意識を広めるための器のような気がします。彼らの痛みを和らげることはできないかもしれないけれど、必要とされるなら何かお手伝いできればと思います。@espnWーより引用(和訳)また、その後の記者会見では、「テレビ中継中は、泣かないよう我慢していた」と語りました。. @ESPN showed @NaomiOsaka videos from the parents of Ahmaud Arbery and Trayvon Martin, who thanked her for raising awareness ❤️ pic.twitter.com/fJeDzItCae — US Open Tennis (@usopen) September 9, 2020 実は、泣かないように我慢していたんです。その後、メッセージを見返して、たくさん泣きました。自分がしていることに感謝してもらえるなんて、感激です。自分にできることをしていただけですが、私のやっていることはなんでもないことだと思っていました。なので、とても感動しています。心から感謝し、謙虚な気持ちです。@usopenーより引用(和訳)一連の大坂選手の行動に、さまざまな声が上がっています。・「スポーツに政治を持ち込むな」と大坂選手を批判するのはあまりに簡単。でもその前に、彼女の行動が遺族たちをどれほど勇気づけているのか、まず知ってほしい。・「スポーツに政治を持ち込むな」って、いったいいつからいわれだしたことなんでしょう。スポーツでも、芸術でも、普段の会話でも、一人ひとりの心からの主張を、もっとしていきましょう。・大坂選手を本当に尊敬します。自分の持てる影響力を人のために使える人。賛同の声の裏には、信じられないくらいの批判の声もあるでしょう。それでも負けずに声を上げ続ける勇気はすごい。これからも応援し続けたいです。大坂選手の抗議行動に対し、「スポーツに黒人差別の話題を持ち込むな」という批判の声も多く上がっています。しかし、被害者遺族たちが大坂選手の行動に励まされていることも事実です。批判の声を受けながらも、自分が正しいと思うことを勇気をもって主張し続ける大坂選手を応援していきたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月10日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者や濃厚接触者、医療従事者などに対する誹謗中傷や差別行為が後を絶ちません。看護師のぱれちに(paretiny)さんは、コロナウイルスによる差別の実態を漫画に描き、Instagramに投稿。誤解や偏見によって生み出される人の心の歪みに、ゾッとしてしまいます。漫画では、コロナウイルスによる差別で、引っ越しを余儀なくされた人の実体験が描かれています。登場人物は石を投げ入れられたり、物を壊されたり、誹謗中傷されたりなど卑劣な差別行為に追い詰められ、ついにはマイホームを手放す事態になってしまいました…。コロナウイルスは誰もが感染する可能性があり、感染者や濃厚接触者には何の罪もありません。ましてや医療従事者は人々の健康のため、懸命に働いてくれる存在です。本来は同情や労り、敬意の念を表されるべき人々が、人権侵害の恐怖に怯えなければならない実態に、胸が痛みます。読者からは、怒りの声が相次ぎました。・ひどすぎる。自覚症状ないだけで、自分も感染者かもしれないのに。・他人に意地悪をする人は、自分自身に呪いをかけているようなもの。・本当に許せない。コロナウイルスより怖いのは、間違った正義で他者を傷付ける人間ですね。コロナウイルスに関連した差別や誹謗中傷は、人々や社会の分断を生み出すもっとも邪悪で許しがたい行為です。憎むべきはウイルスであることを、決して忘れてはならないでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年09月02日コメディアンの『キング・ケラウン』こと、ケラウン・ハリスさんがある日の出来事をTwitterで告白し、反響が上がっています。ケラウンさんは車を運転中に警察官に止められたのだそうです。彼は新しい車を購入したばかりで、まだナンバープレートができていなかったため、仮のプレートをダッシュボードに置いていました。警察官にそのことを説明すると、「きみの車を確認する」といわれたため、彼は車内で待っていました。その時ケラウンさんは、すぐそばに停車している車の中から白人女性が彼のことを撮影しているのに気が付きます。女性は見るからに緊張した様子で、なんと警察官が戻ってくるまで15分間近く撮影し続けていました。ようやく警察官から「行っていいよ」といわれ、その場を離れようとしたケラウンさんが女性のほうを見ると、彼女は「大丈夫?」と手で合図をしてきたのだそう。彼が「ああ、大丈夫だよ!」と返すと、女性は「ああ、よかった」というように安堵の表情を見せたのです。そして女性はケラウンさんが先に出発するのを確認してから、自分もその場を離れたということです。I just got pulled over and for the first time i watched a white women record my whole traffic stop . pic.twitter.com/BolkS8K9rj — The Mad King (@Kingkeraun) August 3, 2020 見知らぬ黒人男性のために証拠映像を撮ろうとした白人女性この女性は警察官に止められているケラウンさんを見て、もし彼が理不尽な対応をされた時のために証拠を残すつもりで動画を撮っていたのです。ケラウンさんは「あの女性は俺の味方だったんだ!」と嬉しそうに語りました。彼の投稿は16万件を超える「いいね」がつき、女性の勇気ある行動を称賛する声が寄せられています。スマートフォンの普及によって、私たちは目の前で起きている出来事を簡単に録画できるようになりました。2020年5月にアメリカ・ミネソタ州で白人警官による暴行で亡くなったジョージ・フロイドさんの場合も、通行人が撮影した動画が動かぬ証拠となり、警官の逮捕につながりました。見知らぬ人を撮影するのはプライバシーの問題もありますが、場合によってはそれが誰かの権利や命を守ることにもなるのです。何かが起きた時、当事者はその状況を撮影できないこともあるでしょう。他人だからといって見て見ぬふりをするのではなく、誰もが「もしこの人が自分の家族や友人だったら」と考えて行動することが求められているのかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2020年08月19日2020年1月頃から発生し、世界中で流行している、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)。同年7月現在も、日本では感染者が確認されており、外出時のマスクの着用や手洗いなどの徹底が呼びかけられています。その中で、感染者や濃厚接触者はもちろん、医療従事者などに対し、心ない言葉をあびせるといった差別が横行。コロナウイルスによる社会の混乱は、あらぬ誤解や偏見を生み、一部の人を深く傷付けているのです。感染者への差別を、加藤浩次がバッサリ同月28日に放送された情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、ニューヨーク州が実施する感染対策について紹介。ニューヨーク州では、陽性者の濃厚接触者を追跡する『トレーサー』という役割を3千人ほど採用し、それによって新たな感染者を早期発見することで、さらなる感染拡大を防いでいるといいます。そういった取り組みに対し、番組のコメンテーターを務める高橋真麻さんは、日本で感染者を割り出すことの難しさについて、次のように語りました。個人情報が漏れたりするのがどうして嫌かっていうと、『コロナ』っていうと悪者扱いされる。今までコロナ差別っていうのがあった通り、コロナにかかったって人にいえないみたいな状況が、こういったことを生みだしていると思うので。あんまりコロナにかかったからっていって差別するような社会の雰囲気をまずなくしたほうが、もうちょっとみんなが申告しやすいし、今まで自分が動いてきたところとか行ってきた場所とかもいいやすいのかなって思います。スッキリーより引用高橋さんのコメントに対し、番組のMCを務める加藤浩次さんは「おっしゃる通り」とうなずき、こう意見を述べました。本当にその、差別があるっていうのは知識がないっていってるようなもんですからね。しっかりした知識を持ってないから、そういう差別みたいなのが生まれてしまうっていうのがあるから。そこはしっかりした知識を持ちながらやらないといけないということですね。スッキリーより引用加藤さんは「差別をするっていうのは、知識がないといっているのと同じ」とバッサリ。しっかりした正しい知識を持って感染予防対策を行い、周囲に感染者が出た際は冷静な対応をするよう呼びかけました。番組の視聴者からは、加藤さんの発言に対して共感の声が上がっています。・加藤さんの発言、その通りだと思う!すごくいいこというなぁ。・素晴らしい。コロナウイルスの感染者を攻撃する人は、理解できずにひたすら恐怖心があるからだと思う。・感染予防対策をしていたにも関わらず、かかってしまう人もいる。コロナウイルスのせいで必要以上に周囲と敵対するのはよくない。コロナウイルスに限らず、正しい知識が欠如していたり、必要以上に恐れなどのネガティブな感情を抱いたりするところから、差別は生まれるといえます。正しい知識を取り入れ、冷静な判断力を持って対応することが大切ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月28日所属したチームのコーチが上手い子とそうでない子をあからさまに差別するので、自信を失ってチームを退団したが、数か月たっても自信が回復しない。サッカーが嫌いになったわけではなさそうだけど、今はほとんどボールも触らないし、こんなときはどうすればいい?子どもに合うチームを探すか、他の道を探すべきか迷っている。というお母さんからご相談です。みなさんならどうしますか?今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、取材で得た知見をもとに3つのアドバイスを授けますので参考にしてください。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<お前いらなくない?と中傷される中学生のクラブ内いじめ問題<サッカーママからのご相談>小四の息子がいます。運動神経は良い方ではありません。一年から、スクールで遊び程度にサッカーをはじめ、昨年から本人の上手くなりたいという気持ちからチームに入りました。その際にスクールは退会しています。しかしながら、自分から入りたいと言ったのにチームに入団して半年経っても自分から練習をしたりせず、親が言って練習するような状態でした。ですが、しばらくすると自分が成長している実感が出てきたのか、前向きに取り組む様になりました。ようやくやる気を出してくれたと思っていたのですが、所属したチームのコーチが上手な子とそうでない子をあからさまに差別する対応をとることもあり、自信を失ってチームを辞める事となりました。数か月たちますが未だに自信が回復しません。サッカー自体を嫌いになったわけではないようですが、今はスクールにも行っていないし、時々、本当に時々ボールを触るぐらいです。こんな時は、子どもに合いそうなチームを見つけて続けさせるべきなのか、サッカーは辞めて他の道を一緒に探すのが良いのかとても迷っています。なにかアドバイス頂けたら幸いです。<島沢さんのアドバイス>ご相談のメールをいただき、ありがとうございます。短いお便りだけなので、正確に把握できないかもしれません。そこを踏まえてお聴きください。■選択肢を限定しているのでは?ご相談のメールから、お母さんはいま、息子さんのことをあまり認める気分ではないのかな?という印象を受けました。「自分から入りたいと言ったのにチームに入団して半年経っても自分から練習をしたりせず、親が言って練習するような状態でした」「今はスクールにも行っていないし、時々、本当に時々ボールを触るぐらいです」そのような言葉から推測するに、息子さんに対して「なんだかなあ」と残念に感じているのではありませんか?間違っていたらすみません。でも、誤解しないでくださいね。お母さんを責めているのではありません。お気持ち、非常にわかります。もっと前向きにやってよ。やる気出してよ。シャキッとしてよ。子どもに対して、そんなふうに思うこと、ありますよね。私にもよくありました。何かに付け、「もう、本当に不甲斐ない!」と思っていました。お母さんがそんなふうに残念な気持ちでいるときに、お母さんだけの思惑で動くのは危険です。お母さん自身が「この状態を早く何とかしたい」と焦ってしまい、冷静に行動できないかもしれません。親が冷静に動けないときはほとんどの場合、子どもの意思や気持ちを尊重できていません。すでにお母さんは「こんな時は、子どもに合いそうなチームを見つけて続けさせるべきなのか、サッカーは辞めて他の道を一緒に探すのが良いのか」と選択肢を限定して、焦っている様子がうかがえます。では、どうしたらいいか。三つアドバイスさせてください。■声に出していなくてもお母さんからの無言の圧力を感じているはずひとつめ。立ち止まってください。お母さんの息子さんへのネガティブな気持ちを、まずは鎮めましょう。スクールにも行かず、自分でボールを蹴るくらいの息子さんが気になるようですが、「息子とサッカーにまつわること」をとにかく気にしない。見ない、聞かない。そう決心して、なるべくサッカー以外のことで息子さんとつながってください。一緒に何か作って食べる。家で映画を見る。同じ本を読む。一緒にゲームをする。何でもいいです。それも難しければ、一時的に息子さん以外のことで自分を忙しくしてください。首都圏などにお住まいならまだコロナの影響で動きづらい状態ですが、そのなかで自分の趣味や好きなことを見つけてください。子育て以外のことに熱中しましょう。そんなふうにお母さんの視線が息子さんから離れることは、彼自身にとってもいい影響を及ぼすはずです。サッカー、どうするの?もうやめるの?続けないの?もし声に出していなかったとしても、息子さんはお母さんからの無言の圧力を感じているはずです(本人に自覚がなかったとしても)。そこから解放されれば、彼自身にも余裕が生まれます。いまは親子ともに精神的な余裕がない状態だと考えられます。すでにお伝えしましたが、そんなときはあまり新しいことを始めたり、決断をしないほうがいいと思います。■自分で決めなさい、と言いながら親が誘導していないかふたつめ。これまでの子育てを少し見直してみましょう。ご相談文に、「所属したチームのコーチが上手な子とそうでない子をあからさまに差別する対応をとることもあり、自信を失ってチームを辞めた」とありましたが、これは、息子さんが「差別だよ。こんなチームにはいたくない。とりあえずやめる」と強く主張し、自分から決心して退団したのでしょうか?もし、お母さんが「もうやめたら?」と働きかけていたとしたら、少しばかり過干渉な部分がなかったか、考えてみてください。この連載で何度か書きましたが、あれこれと世話を焼くことは、過度になると「転ばぬ先の杖」になってしまいます。大人が世話を焼くことは、子どもが自分で考えたり、決心して自分から動く機会を奪います。失敗もしないし、子どもも何も考えなくていいので楽ですが、そこに成長はありません。杖があると、足腰は鍛えられないのです。そして、注意すべきは「自分で決めなさい」と言いながら、「こうしたらいいのに」「これがいいと思うけど」と誘導している場合です。これは私自身もここに気づくのに時間がかかりました。主体的に動く人間になってほしいと思いながら、いつの間にかうまくいくよう誘導していました。ところが、親が「良かれと思って」動くと、あまりうまくいきません。したがって、親は放置する勇気を持たなくてはいけません。私の子どもは二人ともすでに大学生です。今思えば、放置できてこそ、親になれるのかなという気がします。■待っていても子どもが動き出さなかったら?(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)最後、三つめは、お子さんの気持ちを考えること。ご自分の焦りや感情に向き合うのではなく、「いま、この子はどんな気持ちなんだろう?」と考えてみてください。好きで始めたサッカーがうまくいかなかった。息子さんは大いに傷ついているはずです。傷を癒せるよう、少し休ませてあげてください。「せっかく頑張ろうとしていた矢先だったのに残念だったね。でも、また他のところでやってもいいし、サッカー以外のことをしてもいいよ。いつも応援してるよ」そんな言葉をかけてあげてください。そして、息子さんが自分から動き出すのを待ってください。なかなか動き出さなかったら?もう一度、「いま、この子はどんな気持ちなんだろう?」と観察してください。動き出すペースは人それぞれです。お母さんのペースを押し付けず、「放置する勇気」を奮い起こしましょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2020年07月22日2020年7月4日、カリフォルニア州にあるレストランでは1組のフィリピン系アメリカ人の家族が食事を楽しんでいました。叔母の誕生日のお祝いをしていたジョーダン・チャンさんたちがハッピーバースデーの歌を歌い、記念写真を撮っていると、近くのテーブルに座っていた白人男性が彼女たちに向かって差別的な言葉を叫び始めたのです。「このクソアジア人!お前らがいたアジアの国へ帰れ!ここはお前たちの場所じゃないんだ!出て行け!」突然のことに驚いたジョーダンさんは動画を撮り始めます。すると男性は撮影されていることを知りながらも、さらにアジア人を侮辱する非常に口汚い言葉をいい続けたのです。アジア人を侮辱する男性客に気付いたウエイトレスは男性の暴言にジョーダンさんたちが驚いていると、そこに1人の女性が割って入ります。「どうぞあなたがお引き取りください」男性に向かってそういったのは、ウエイトレスのジェニカ・コクランさん。しかしそれでもまだジョーダンさんたちを侮辱する言葉をいい続ける男性に対して、ジェニカさんは強い口調でこういい放ったのです。今すぐ出て行きなさい!あなたがここにいることは許されない!私たちのお客様にそんな口の利き方をしないで!彼らは大切なお客様よ。この店はあなたの入店を今後一切認めないわ!その場にいたジョーダンさんの叔父は『Inside Edition』の取材で、家族を守ってくれたジェニカさんに対して「感謝してもしきれない」と語っています。ジョーダンさんがこの時の動画をInstagramに投稿するとたちまち拡散され、白人男性への非難が殺到。男性はIT関係の企業の経営者だということが分かり、数日後にメディアを通じてジョーダンさんたち家族に対して謝罪コメントを出しました。一方で男性に対して毅然とした態度で対応したジェニカさんに世間から称賛の声が上がり、「人種差別に立ち向かった彼女にチップをあげよう」と複数の寄付金サイトが立ち上がっています。家族で食事をしていただけのジョーダンさんたちは、この出来事によって楽しい時間を一気に奪われてしまったはずです。そんな時にすぐさま彼女たちを守ろうとしたジェニカさんの行動は、家族にとって唯一の救いとなったことでしょう。新型コロナウイルス感染症が広まって以来、アメリカではアジア人が差別的な言動で攻撃される事件が増えています。誰もがお互いに見た目や考え方の違いを受け入れ、平和に共存していける世界になることを願わずにいられません。[文・構成/grape編集部]
2020年07月15日2020年6月、アメリカ・オハイオ州の住宅地の路上で黒人の子供たちがアメリカンフットボールをして遊んでいました。するとそこにパトカーがやってきます。遊んでいた子供の母親であるウェンディ・ブラウンさんは何ごとかと思い、警察官に話を聞いたところ、近所の人が「路上で子供が遊んでいる」と通報したことが分かったのです。海外メディア『FOX8』によると、駆け付けた数人の警察官は様子を見に来ただけで、子供たちに注意はしませんでした。それどころかウェンディさんに「僕たちも子供の頃はよく路上で遊んだものですよ」といい、そのまま子供たちに交じって一緒に遊び始めたのです。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Wendy B(@just.wendyb)がシェアした投稿 - 2020年 6月月20日午後1時13分PDT この投稿をInstagramで見る Wendy B(@just.wendyb)がシェアした投稿 - 2020年 6月月22日午後12時58分PDT突然パトカーがやってきて、子供たちは困惑したはずです。しかし警察官たちが一緒に遊び始めたことで、彼らに笑顔が戻りました。きっと警察官たちは緊張したその場の空気を変えようとして、このような行動をしたのでしょう。実際にその場にいた12歳のキンダルくんは『ABC7NY』の取材で、「最初は怖かった。でも警察官が優しかったからほっとした」と語っています。ウェンディさんはその様子を投稿し、「子供たちを『子供』でいさせてくれてありがとう!」と警察官に感謝の気持ちをつづりました。子供が遊んでいるだけで通報されるアメリカでは子供が悪気なくしていることを見た大人が、すぐに警察に通報するケースが相次いでいます。同じく6月にはやはりオハイオ州で9歳の女の子が自宅の前の路上にチョークで『Black Lives Matter(黒人の命は大切)』と描いているのを見た隣人が、「子供が道路を破壊している」と通報しました。この時も警察官は女の子に注意はせず「もっとどんどん描いていいよ」といって去ったそうです。As a 9-year-old Canal Winchester girl wrote “Black Lives Matter” on her street with chalk, her mother said a neighbor called police. pic.twitter.com/YpcIWBadgY — WSYX ABC 6 (@wsyx6) June 20, 2020 2020年7月現在もアメリカでは警察官による黒人への暴力に抗議する運動が続いており、多くの人々が警察への不信感を募らせています。しかし、市民の安全のために懸命に働いてくれている警察官も多く存在するのです。すべての子供たちが、警察官は自分を傷付ける怖い存在ではなく「困った時に助けてくれる人」だと信じられる社会になることを願わずにいられません。[文・構成/grape編集部]
2020年07月11日ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、人種差別問題で揺れるアメリカ。現在、2018年にヴィオラ・デイヴィスが「Women of the World」に参加し、ジャーナリストのティナ・ブラウンと対談した動画が再び注目を集めている。ヴィオラは動画の中で、ハリウッドにおける人種間のギャラの格差について批判。当時は「男性と女性のギャラが違いすぎる」ということが表面化し、問題となっていたが、ヴィオラはいち早く人種間のギャラの差に対して声を上げていた。「女性のギャラは男性の半分と言われたりもするけれど、黒人は白人の10分の1くらいしかもらえない」と指摘。「私はオスカー、エミー賞、2つのトニー賞を獲得した。ブロードウェイにもオフ・ブロードウェイにも出たし、テレビも映画もやった。本当にすべてを」とこれまでに築き上げたキャリアを語り、それでもギャラや仕事のチャンスは白人の足元にも及ばないと嘆く。オファーの電話を受けると「きみは黒人版メリル・ストリープだ。きみじゃないとダメなんだ」と言われるが、「私じゃなきゃダメと言うなら、私の価値にふさわしいギャラを払って。私の価値に合うものを与えて」と主張した。女優のガブリエル・ユニオン、ジャーナリストのティファニー・D・クロスや作家のネディ・オコラフォもリツイートし「コレ!まさにコレ!」と同意。ネディは現在Amazonが制作中のヴィオラ主演ドラマ「Wild Seed」(原題)に脚本家として参加中。「これがヴィオラと働くことに誇りを持てて、楽しめる理由の一つ。明確な発言をしてくれる」とツイートしている。(Hiromi Kaku)
2020年07月02日誰にでも忘れられない思い出の曲はあるものですが、特に自粛期間中は音楽に支えられていたという人も多いのでは?そこで、音楽との出会いで人生が変わった少年の実話を描いたオススメの感動作をご紹介します。それは……。各国で絶賛の『カセットテープ・ダイアリーズ』【映画、ときどき私】 vol. 308イギリスにある小さな町に暮らす16歳のパキスタン系少年ジャベド。夏のアルバイトを終え、9月からハイスクールに入学することになっていたが、同じ誕生日の幼なじみが充実した青春を過ごす姿を見て、孤独と不満を募らせる。それに加えてジャベドを悩ませていたのは、保守的な町の人たちからの移民に対する偏見、パキスタン家庭の伝統やルールから抜け出したいという思い。古い慣習を振りかざす父親に強い反発を感じていたジャベドは、いつしか人種差別や時代を反映させた詩を書いて過ごしていた。ところがある日、ブルース・スプリングスティーンの音楽と衝撃的な出会いをはたし、“自分の言葉”を見つけられなかった彼の世界は180度変わり始めることに……。2019年のサンダンス映画祭でのプレミア上映をはじめ、本国イギリスでも多くの観客と評論家を虜にした話題作。そこで、長年の思いを込めて本作を制作したこちらの方にお話をうかがいました。グリンダ・チャーダ監督『ベッカムに恋して』など数々のヒット作を手がけ、大英帝国勲章を授与されたこともあるチャーダ監督(写真・左)。今回は、アメリカの国民的アーティストにしてロック界の“ボス”とも称されているブルース・スプリングスティーン(写真・右)の大ファンであり、インド系移民としても主人公と同じ境遇だった監督に、自身の経験や作品の見どころなどについてお話いただきました。―まずは原作との出会いについて、教えてください。監督実は原作者のサルフラズ・マンズールと私は、もともと長い間友人関係にありました。なぜなら、私たちはいずれも10代でブルースの音楽と出会い、ブルースの大ファンだったからです。その後、彼が本を書くことを知り、読ませてもらったときには「これは素晴らしい本だし、私ならすごくいい映画を作れると思うけど、ブルースが乗らなければ無理ね」と伝えました。―そこから映画化までは、どのようにして話が進んでいったのでしょうか?監督幸運なことが起きたのは2010年。映画のプレミアでブルースがロンドンに来ていたので、サルフラズと私は普通のファンと同じようにカメラを手にレッドカーペットを見に行ったんですが、そのときになんとブルースがサルフランズに気がついて声を掛けてくれたのです。というのも、彼はどのコンサートでも一番前の列にいましたから(笑)。ただ、驚いたのは、ブルースが「君の本を読んだよ。実に美しい話だね」とコメントしてくれたこと。それを聞いて私は「ブルース・スプリングスティーンと映画の約束を5秒で取りつけるわ!」と思わず口走ってしまいました。さらに「この本を映画化したいの!お願い、助けて!」とまで言ってしまったのですが、なんと彼は「いい話だね。マネージャーと話して」と答えてくれたのです。そのおかげで、この映画が生まれることになりました。友人でもある原作者との作業は最高だった―奇跡的な始まりですね。その後、サルフラズさん本人と一緒に脚本を作っていくこととなりましたが、彼と一緒に仕事をしてみていかがでしたか?監督最初はサルフラズが自分の人生をベースにして書き、そのあと私が脚色を進めていくという流れになりました。もともと友達ですし、必要なことがあればすぐに聞ける環境だったので、彼との作業は最高でしたね。ただ、心配だったのは『ベッカムに恋して』と類似している物語に感じたところ。そのために、異なるテイストの作品になるような努力はしました。―ブルースさん本人にも脚本を送られたそうですが、何か感想やアドバイスはありましたか?監督マネージャーから、「僕はいいから、もう映画を作って大丈夫ですよ」というメッセージだけもらいました。映画が完成した際には、試写で何回か笑っている姿を見ることができて感動的でしたね。―劇中で使う曲に関するリクエストなどもなかった、ということですか?監督そうですね。彼からは特に意見もなく、基本的に好きなように映画を作らせてくれました。―では、監督自身が選曲にこだわった部分があれば、教えてください。監督曲はジャベドの物語にフィットするかどうかで選んだので、すごく有名な曲や使いたいと思った曲でもシーンに合わなければ使いませんでした。―なるほど。監督にもジャベドと同じように、人生に影響を与えた曲はありますか?監督それは、ブルースの「ジャングルランド」ですね。最初は映画とうまくハマらないと諦めていたのですが、曲を短くしてデモ行進のシーンと合わせて使うというアイディアを思いついたので、ブルースに曲を編集する許可をもらうために、ブロードウェイまで会いに行きました。そのときに、「演奏しているサックス奏者も感謝すると思うよ」といって承諾してくれたので、今回使うことができたのです。ブルースの音楽にはパワフルなメッセージがある―では、監督が思うブルースの曲が長年にわたって愛されている理由とは?監督まずは、いまの時代に重ねて聴くことのできるパワフルな歌詞と素晴らしい音楽であること。なかでも、劇中のジャベドも口にするブルースの歌詞で重要なメッセージは、「全員が勝たなければ、誰もが勝ったとは言えない」というものです。そこにあるのは「世界は一つ」という彼の哲学ですが、これは現代においても強いメッセージになっていると思います。そして、映画制作においては、魔法のような役割もはたしてくれました。あと、彼が歌っているのは、社会の隅っこに追いやられている人や助けを必要としている人たちのこと。だから、世界中にファンがいるんだと思いますし、彼が世界一のライブパフォーマーである、というのも大きいですよね。―ほかにも、制作するうえで苦労したことはありましたか?監督一番予測できなかったのは、イギリスの天気ですね(笑)。いつも雨が降っているし、寒くて風が強かったので、なかなか明るくて天気のいい日には撮影できませんでした。―確かにそれも大変ですね。監督自身についてもおうかがいしますが、ジャベドと同様に移民であるがゆえに、似たような経験をされたこともあったのでしょうか?監督私の作品にはすべて自分の経験が反映されていますが、それはなぜかというと、誰もが似ているところや共通点があるんだ、と世界に見せるような作品を作りたいからです。今回の主人公はアジア系のキャラクターではありますが、彼らが経験していることは普遍的なことでもありますから。私たちは葛藤から知識を得て、豊かになれる―ということは、劇中で描かれているような家族間の葛藤や親世代との価値観の違いにも悩んだことがあったということですか?監督私はそれを問題ととらえるよりも、「ギャップを祝福する」という見方をしています。なぜなら、私たちはそういった葛藤から知識を得て、より豊かになれるからです。たとえば、私の人生において運命を変えるような大きな出来事のひとつといえば、16歳のときに、人種差別に反対する運動「ロック・アゲインスト・レイシズム」の有名なコンサートに行ったときのこと。心配した両親から行かないように言われていたのですが、買い物に行くと嘘をついて参加しました。そのときに、人生で初めて、アジア系や黒人系、白人系などの人たちが一つになって反人種差別の声を上げている姿を見て、本当に感動したのです。その瞬間から私は政治的な考えを持つようになりましたが、これが私を形作ったイベントだと言えると思います。―素敵なお話をありがとうございました。それでは最後に、日本の観客にメッセージをお願いします。監督日本の文化もほかのアジア圏と同じように、親へのリスペクトを求められるところがあると思うので、自分がしたいことと、家族が自分に求めていることとのバランスを見つけていかなければいけないかもしれません。でも、私がこの映画を通して見せているのは、その両方が可能であるということ。つまり、自分の夢を叶えながら、両親を幸せにすることもできるのだ、ということです。本作の脚本と製作総指揮を務めている私の夫も日本の血が流れていますが、移民だとしても、親や言語、文化をリスペクトしながら、自分が育ってきた文化も大切にし、組み合わせることができるんだ、というのを感じてもらえたらうれしく思います。さわやかな感動に包まれる!青春時代ならではの葛藤や家族間に生まれる衝突、そして愛情といった普遍的な感情を描いた珠玉の音楽映画。ブルース・スプリングスティーンが贈る名曲の数々とともに、琴線に触れる感動を味わってみては?夢が詰まった予告編はこちら!作品情報『カセットテープ・ダイアリーズ』7月3日(金)より、TOHO シネマズ シャンテ 他全国ロードショー配給:ポニーキャニオン©BIF Bruce Limited 2019 ©Bend It Films
2020年07月01日アメリカ・ミネソタ州で2020年5月25日に起きた、白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの暴行殺人事件。この出来事をきっかけにしてアメリカでは、警察による人種差別に対する人々の怒りが増大しています。そのジョージ・フロイドさんの痛ましい事件が起きる約2か月半前、ある警察官の写真が広く拡散されて話題となりました。ノースカロライナ州で警察官として働くマイケル・リバースさんは、いつものように町をパトロールしていました。海外メディア『CNN』によると、マイケルさんはその地域に住むほとんどのホームレスの人のたちの顔を知っているのだそう。すると彼はその日、今まで見かけたことのないホームレスらしき女性に目を留めます。パトカーに乗ったまま近づくと、女性はこんな言葉が書かれたTシャツを着ていたといいます。ホームレスNobodyになるためのもっとも早い方法『Nobody』とは名前を知られることもなく、そこにいながら誰からも存在に気付いてもらえないような人のこと。マイケルさんは車の窓を開けて、女性に「こんにちは」と笑顔で挨拶をしてその場を去りました。なんとなく気になった彼はすぐに引き返し、女性に「今日何か食べましたか?」と尋ねると、女性は「いいえ」と答えたのだそう。そこでマイケルさんは近くのピザ店へ行き、2人ぶんのピザと飲み物を買って、その女性と一緒にランチを食べたのです。Cassie was out on her lunch break and observed Goldsboro’s Finest enjoying lunch with a homeless person. Law enforcement...Posted by Chris Barnes on Wednesday, March 11, 2020そばを通りかかった別の女性が、楽しそうにピザを食べている2人の姿を見て感動し、思わず写真を撮りました。その写真を女性の夫がFacebookに投稿すると拡散され、多くのコメントが寄せられたのです。・彼は今年の最優秀警察官の候補者になるべき。・こんなポジティブで美しい瞬間をとらえてくれてありがとう!・世界にはマイケルさんのような人がもっと必要だ。ホームレスの女性はミシェルさんといい、マイケルさんたちは45分間いろいろな話をしたのだそう。ミシェルさんは肝臓の病気と闘う12歳の娘を里親に預けていること、23歳の息子がいること、夫もホームレスであることなどを打ち明けたそうです。マイケルさんはミシェルさんとの会話で気付いたことがあるといいます。ホームレスと警察官は社会からの受け取られ方が似ていると思いました。ホームレスの人たちはしばしば社会から敬遠され、そういう状況を招いたのは自分のせいだと責められます。警察官も『腐ったリンゴ』だけに焦点を当てられ、ネガティブな部分だけ描かれます。しかしホームレスになったのはただ運が悪かっただけで、それは誰にでも起こりうることなのです。CNNーより引用(和訳)マイケルさんは仕事に行く時はいつも「今日は誰を笑顔にしてあげようか」と考えるのだそう。「私は誰かの父親や母親を奪って、刑務所に入れたいと思ってはいません」と話しています。 この投稿をInstagramで見る Goldsboro Police Officer(@goldsboro_pd)がシェアした投稿 - 2020年 1月月21日午後4時46分PSTミシェルさんにとってはランチのピザはもちろんですが、何よりマイケルさんが気付いて声をかけてくれたことが嬉しかったのではないでしょうか。誰もがお互いに少し関心を持ち、相手を笑顔にすることを目指したら、社会はもっと温かい場所になるような気がします。[文・構成/grape編集部]
2020年06月27日オプラ・ウィンフリーが司会を務め、体系的な人種差別や米国の現状についてアカデミー賞ノミネート経験のある映画監督エヴァ・デュヴァネイや人権擁護活動家らと対話する「緊急討論 人種差別社会の行方」(原題OWN Spotlight:Where Do We Go From Here?)が、日本で配信、放送されることになった。本番組は、現在ますます高まりを見せる「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター/黒人の命は大切)」運動を受け、米国ディスカバリーのグループブランドであるOWN:Oprah Winfrey Network(以下OWN)が制作。OWNをはじめディスカバリーチャンネル、HGTV、Investigation Discovery(ID)、Food Network、TLCをはじめとする米国の全19ブランドにおいて、現地時間6月9日と10日の2夜にわたり同時放送を行った。名司会者として知られるオプラが黒人の人権擁護活動家やアーティスト、思想的リーダーらとのリモートでの対話を通して、いまのアメリカ社会で直面している人種差別や今後の課題、そして、この先自分たちがどう歩んでいくべきかという疑問を検証し、具体的な打開策を探る。登壇者は、ピューリッツァー賞受賞歴を持つジャーナリストのニコール・ハンナ-ジョーンズ、『13th-憲法修正第13条ー』『グローリー/明日への行進』「ボクらを見る目」監督のエヴァ・デュヴァネイ、『グローリー/明日への行進』でキング牧師を演じた俳優デヴィッド・オイェロウォ、ジョージア州の州議会議員を務めた経験を持つステイシー・エイブラムスら。オプラは番組について、「私は友人や思想的リーダーの方と今後の予定や方向性について、プライベートな会話をしています。彼らの発想や懸念、コメントに焦点をあてることは、全国民にとって興味深くかつ役立つものになると思いました」とコメント。また、OWNのプレジデントを務めるTina Perryは、「OWNは黒人の生活および地位向上に特化したネットワークとして、ジョージ・フロイドの殺害を悼み、有意義な変化をもたらすために私たちが共に何ができるかを自問しながら、この困難な時期にコミュニティにとって重要な対話と役立つリソースを提供することに全力を尽くします」とコメント。Discovery, Inc.のプレジデント兼CEOであるDavid Zaslavは、「歴史上この重大な時期に、私たち全員に洞察力や視点、行動力を与えてくれるオプラのような人は他にはいないでしょう。私たちはOWNと連携し、ディスカバリーならではのグローバルネットワークを通じ、200以上のマーケットに及ぶ10億人もの潜在的視聴者に対して、経済的および社会的正義と平等に関する問題について重要な議論を拡大することを光栄に思っています」と語っている。「緊急討論 人種差別社会の行方」は、動画配信サービス「Dplay」にて6月27日(土)12時より開始する「特集:差別なき世界を求めて」内にて無料配信。CS放送「ディスカバリーチャンネル」にて6月27日(土)19時~前編、6月28日(日)19時~後編と、2夜連続で放送。(text:cinemacafe.net)
2020年06月26日2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州で黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行された後、亡くなりました。この事件の翌日、ある12歳の黒人少年がInstagramに投稿した動画が一気に拡散しました。少年の名前はキードロン・ブライアントくん。キードロンくんは「僕の心の中にある思い」としてInstagramでオリジナル曲『I Just Wanna Live(僕はただ生きたいだけ)』を披露。するとその動画が話題となり、共感や称賛の声が殺到したのです。 この投稿をInstagramで見る Keedron Bryant(@keedronbryant)がシェアした投稿 - 2020年 5月月26日午後2時01分PDT僕は黒人の若者。しっかりと立つためにできることはすべてしている。でも周りを見渡すと、同類の人たちがどんな目に遭っているかが分かる。毎日、僕は獲物のように追われている。僕らはトラブルなんて望んでいないのに。こんな苦しみはもううんざりだ。僕はただ生きたいだけ。神様が僕を守ってくれる。僕はただ生きたいだけ。僕はただ生きたいだけなんだ。keedronbryantーより引用(和訳)まだあどけなさの残る12歳の少年が「僕はただ生きたいだけ」と歌う姿に人々は心を打たれ、「あなたの心の痛みを感じる」「涙が止まらない」などのコメントが寄せられています。またキードロンくんの歌声はアメリカを代表する有名人たちの心も動かしました。バラク・オバマ前大統領や歌手のジャネット・ジャクソン、ケイティ・ペリーら数々の著名人が自身のInstagramにキードロンくんの動画をシェアし、彼を称賛しています。それだけではありません。なんとキードロンくんはこの数週間後、大手レコード会社『ワーナー・レコーズ』と契約を結び、6月19日に『I Just Wanna Live』が正式にリリースされたのです。発売日が『ジューンティーンス(Juneteenth)』というアメリカの奴隷解放を祝う日だということにも、大きな意味があるのでしょう。 この投稿をInstagramで見る Keedron Bryant(@keedronbryant)がシェアした投稿 - 2020年 6月月23日午前11時44分PDT海外メディア『TODAY』によると、この曲を作詞したのはキードロンくんの母親なのだそう。彼の胸の内を代弁したような歌詞は、きっと愛する息子が抱える不安や葛藤を理解している母親だから書けるものなのでしょう。ワーナー・レコーズは『I Just Wanna Live』の収益を全米黒人地位向上協会(NAACP)に寄付すると発表しています。ジョージ・フロイドさんの事件をきっかけにアメリカを始め、世界中で警察の黒人への暴力や人種差別に抗議するデモが行われています。12歳の少年が歌という形で訴えたパワフルなメッセージは、多くの人の心に届いていることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月26日『人種が違う』というだけで起きる差別の歴史は古く、残念ながら現在でも根強く残っています。誰もが被害者にも加害者にもなり得る人種差別。人種間にかぎらず、差別そのものがなくならない理由や要因は、長い歴史の中で複雑に絡み合い、ひと言では簡単に説明できません。しかし、尾添(@ozoekkk)さんがTwitterに投稿した体験談を読めば、差別問題解決のきっかけがつかめるのではないでしょうか。『叔母と私と、人種差別の話』日本から南欧に移住し、30年以上現地で暮らす叔母を持つ投稿者さん。叔父の葬儀のため、叔母が暮らす南欧を訪ねた際、都市部のカフェで人種差別を目の当たりにしたといいます。叔母と私と、人種差別の話 pic.twitter.com/XhqdjhHoYb — 尾添 (@ozoekkk) June 25, 2020 差別の根本にあるのは、孤独と未知の恐怖。差別する人は、現実に向き合いもせず、軽蔑したり怯えさせたりすることで自分を守る臆病者。海外で暮らす人たちが今以上に少なかったであろう時代から、異国の地で暮らしてきた叔母だからこそ、その言葉には重みがあります。また、叔母は差別を許してはならない理由について、こうも語っていたのでした。『生きる』ということは、社会や世界とつながり、支えあっていくこと。人種や性に関する差別は特に許してはいけない。個性を否定することだから。目の前にいる相手を知るということは、社会を知り、世界とつながる一歩目ともいえます。『自分と違う』『自分の知らない現実』というだけで目をそらし、ましてや相手を否定し続けた先に、一体何が残り何が得られるというのでしょうか。誰かと違うことは何も怖くないことだと、一人ひとりの内側から変えていかなきゃ進まない気がする。自身が目の当たりにした差別をきっかけに、そう語る投稿者さん。人種だけでなく、世の中には性的指向や性別、生まれ育った地域や職業など、数多くの差別が存在します。「自分に差別は関係ない」と思っていても、現実に差別は起きていて、自分が気付かないだけでとても身近な問題です。もしかしたら、知らないうちに差別を受け、または差別している可能性も。「差別はいけない」と語るのは簡単なことですが、では実際に差別をなくすためにはどうすればいいのか…答えは自分の心の中にあるのではないでしょうか。尾添さんのほかの作品はコチラから現在、イラストレーターや漫画家として活躍している尾添さん。ほかの作品はInstagramやウェブサイトから見ることができます。ぜひ、ご覧ください。ウェブサイト:戯曲キャンディInstagram:尾添(ozoek12)[文・構成/grape編集部]
2020年06月26日警察の黒人に対する差別に抗議する運動が続いているアメリカでは、連日のように市民によるデモが行われています。こうした中で、黒人男性が白人警官の命を救うという出来事がありました。2020年6月21日、ペンシルベニア州の路上でパトカーと一般車両が追突する事故が起きました。海外メディア『WTAE』によると、家の中で衝突音を聞いたデイラン・マクリーさんは急いで外に出ました。すると彼の家の目の前で事故が起きていたのです。そこでデイランさんは警察官のジェイ・ハンリーさんがパトカーの車内に閉じ込められ、「動けない!」と助けを求めているのを発見。さらにその時、車の下から炎が上がっていたといいます。デイランさんは直ちにパトカーに駆け寄り、その場にいた別の警察官と協力してパトカーのドアをこじ開けて、ジェイさんを救出しました。その直後、パトカーは炎上したということです。ジェイさんは足にケガをしましたが命に別状はなかったそうです。その場にいたトーマス・コレンチック警部補によると、デイランさんは「彼(ジェイさん)を死なせるわけにいかない!」といっていたのだとか。トーマスさんはそれを聞いて「言葉ではいい表せない気持ちになった」と笑顔で話しています。デイランさんは『WTAE』の取材で、ジェイさんを助けた理由について語っています。人の命だからね。世界ではたくさんのクレイジーなことが起きているけど、俺の人生も最高とはいえないけど、人の命の価値は分かっている。命には代わりがないんだ。今日は父の日だ。彼に子供がいるかどうかは知らないけど、彼がいてくれることを喜ぶ家族がいるはずだ。彼が家に帰れて嬉しいよ。WTAEーより引用(和訳)警察への反発が強まる中で起きた、黒人男性が白人警官の命を救うというこの出来事は多くのメディアで報道され、デイランさんの勇気ある行動に対して称賛の声が相次いでいます。また海外メディア『People』によると、デイランさんは2016年に不法に逮捕され、1年間も服役していたのだそうです。そんな経験をしたにもかかわらず、警察官を救った彼の優しさには称賛の言葉以外見つかりません。「人の命には代わりがない」というデイランさんの言葉が、多くの人の心に響いていることを願います。[文・構成/grape編集部]
2020年06月24日2020年6月現在、黒人への人種差別撤廃を求める抗議デモは世界中に拡大しています。そんな中で、海外の掲示板『Reddit』に投稿された写真が、多くの人を笑顔にしています。投稿したのはblackmachine312さんというユーザーネームの黒人男性。僕は22年前に養子になった。これは僕が姉と一緒に撮った最初の写真だよその写真がこちらです。I was adopted 22 years ago. This is the first picture with my older sister. from r/pics大きく口を開けてカメラを見つめる姉と弟。見て分かるように、投稿者さんは白人の家族の一員になったのです。この数日後、投稿者さんはお姉さんと一緒に22年前と同じポーズで写真を撮りました。Here it is!!! My sister and I recreated our first picture together from r/pics表情もポーズも、初めて撮った写真を再現した姉と弟。この時、お姉さんより背が高い投稿者さんは自分のほうが小さく見えるようにしゃがんでいたのだそう。2人の仲のよさが写真からも十分伝わってきます。この姉弟の微笑ましい写真にはたくさんのコメントが寄せられています。・どちらの写真も超かわいい!幸せな気持ちになれた。・これこそが最高の家族の定義だ。肌の色じゃなく、愛がすべてなんだよ。・私の家でも人種が異なる養子の家族がいて、なぜか周りからその子が父親にそっくりだといわれる。家族になると表情やしぐさが似てくるからかもね。・私の妹弟たちはアジア人で、家族全員見た目は違うけど、たくさんの愛情に満ちているわ。ほかにも「きみたち2人そっくりだね!」というコメントに対して投稿者さんは「血縁じゃなくて、スピリットが似てるよ!」と答えています。投稿者さんの両親はもう1人、黒人の子を養子に迎えたのだとか。そのため実の子であるお姉さんが養子だと思われることも多いのだそうです。世界の多くの国では人種の異なる養子縁組は一般的です。また再婚などによって血縁関係のない家族ができることもあります。たとえ肌の色が違っても、心から愛し合える家族や友人となることはできるのです。人種差別の撤廃が叫ばれている今、仲よしの姉と弟の弾けるような笑顔に多くの人が癒されました。[文・構成/grape編集部]
2020年06月22日ケガをした時に傷口や患部の手当てに使うことが多い『絆創膏』。日本で売られている絆創膏は日本人の肌の色に近いものや透明のものが一般的ですが、それらがすべて人の肌の色に合うわけではありません。この度、アメリカの大手製薬会社『ジョンソン・エンド・ジョンソン』は、自社が販売する絆創膏ブランド『バンドエイド』の新商品を発売することを発表しました。2020年6月10日にInstagramで、「黒人の同僚たちや協力者と一致団結し、人種差別や暴力、不正に立ち向かっていく」と表明。新商品のバンドエイドは多様な肌の色の美しさを取り入れるため、茶色などの濃い色味のものが登場します。 この投稿をInstagramで見る BAND-AID® Brand Bandages(@bandaidbrand)がシェアした投稿 - 2020年 6月月10日午前7時00分PDTバンドエイドのInstagramにはこの新商品を歓迎する声が寄せられています。・ついにできたね。待ってました!・泣きそうだわ。ついに私の肌の色のバンドエイドができた。・全色を混ぜた箱も売ってほしい。そうすれば私のクラスの生徒たちに配ることができる。世界中に広まっている抗議活動『Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)』に合わせての新商品の発売には、「遅すぎる」「なぜもっと早く作らなかったのか?」という声も上がっています。またアメリカではすでに他社が多様な肌色に合わせた絆創膏を発売しています。海外メディア『INSIDER』によると、『ジョンソン・エンド・ジョンソン』は2005年に今回と同じようなバンドエイドを発売しました。しかし当時はあまり興味を持たれず、需要が少なかったため、製造中止になったということです。※写真はイメージ『バンドエイドブランド』は『Black Lives Matter』の活動に寄付をすることも表明しました。1921年に初めて発売された『バンドエイド』は2021年にブランド誕生100周年を迎えます。これほど歴史のある会社が多様なスキントーンに合わせたバンドエイドを発売したことは、人種差別のない社会を作るための確かな1歩といえるのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年06月17日『ブラックパンサー』、『クリード』シリーズのマイケル・B・ジョーダン主演、人種差別が根強く残る30年前のアラバマ州で実際に起った冤罪事件を基に描いた『黒い司法 0%からの奇跡』。そのブルーレイ&DVDリリース、デジタル配信にあわせ、マイケルが演じた主人公ブライアン・スティーブンソン本人が語る特別映像が到着した。1980年代のアラバマ州で、犯してもいない罪によって死刑宣告をされた黒人男性ウォルター・マクミリアン(ジェイミー・フォックス)。彼の無罪を勝ち取るため、立ち上がった新人弁護士ブライアン・スティーブンソン(マイケル・B・ジョーダン)が人種差別が立ちはだかる中、“真の正義”を求め、可能性0%から奇跡の逆転劇に挑む実話ドラマ。主人公であるブライアン・スティーブンソン本人は、今回到着した特別映像の中で、本作は弱者にも焦点を当てて描いていること、また囚人たちの苦悩だけではなく、彼らの家族の苦しみもしっかりと描いている点が素晴らしいと映画を称賛している。また、マイケルやジェイミー・フォックスなど演技派俳優陣の素晴らしい演技を通じて、”私たちの闘いの本質を世間に知ってほしい”と語る。さらに本作を通して伝えたかったこととして「残虐で不公平なのはデータや統計ではなく、人間そのものだという事実を知って、変化を起こしてほしい。希望を持つことが重要だ」と話し、「逆境にめげず、闘い続ける方法を探し、健全な社会を築かなければならない。世界を変えたいなら、不都合も受け入れるんだ、わずかでも行動すれば今以上の正義を生み出せる」と心動かされるメッセージを送っている。ブルーレイ&DVDには、ブライアンの生い立ちや、彼が代表を務める非営利組織「EJI」での活動について語られる映像特典「平等な正義イニシアチブ」が収録。併せて見ることで、より作品への理解が深まる内容となっている。『黒い司法 0%からの奇跡』はブルーレイ&DVD発売中、レンタル中、デジタル配信中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:黒い司法 0%からの奇跡 2020年2月28日より公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2020年06月17日警察の黒人への暴力に抗議する人たちによるプロテスト『Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)』。抗議デモは2020年6月15日現在、アメリカだけでなく世界各国に広がっています。また平和的なデモとは別に、一部では暴動や略奪が起こり、問題となっています。ニューヨーク州バッファローでも同年5月31日に、暴徒化した人たちによって商店などが荒らされる被害がありました。この地域に住む高校3年生のアントニオ・グウィン・ジュニアさんは映像で暴動の様子を見て、自分の住む町が荒らされていることに嫌な気持ちになったのだそう。何とかしないと。そう思った彼はすぐにホウキとチリトリ、たくさんのゴミ袋を持って暴動のあった現場に向かいます。時刻は深夜2時。その時間からアントニオさんはなんと1人で道路に散乱したガラスやゴミなどを掃除し始めたのです。午前8時頃にほかの人たちが掃除にやってきた時には、すでにほとんどのゴミはアントニオさんによって片付けられていたということです。Posted by Kimberly LaRussa on Tuesday, June 2, 2020Posted by Kimberly LaRussa on Tuesday, June 2, 2020Posted by Kimberly LaRussa on Tuesday, June 2, 2020Posted by Kimberly LaRussa on Tuesday, June 2, 2020海外メディア『TODAY』によると、その場を通りかかった女性がアントニオさんに声をかけ、彼が1人で掃除をしていたことを知り、彼の写真を撮りました。その後、彼の善行はSNSや地元のメディアで紹介され、拡散されます。するとアントニオさんのことを知ったマット・ブロックさんが、所有していたスポーツカー、2004年型のマスタングを彼にプレゼントすることにしたのです。赤いマスタングは偶然にも、他界したアントニオさんの母親が乗っていた車と同じだったのだそう。さらに親切の連鎖は続きます。次は保険会社がアントニオさんの自動車保険代を1年間支払ってあげることを申し出ます。さらに今度はアントニオさんが進学を希望している大学が、彼に4年間の全額奨学金を与えることを申し出たのです!アントニオさんの行いを知った人たちからは多くの称賛のコメントが寄せられています。・君のような人を世界はもっと必要としている。・すべてのアメリカ人の手本となってくれてありがとう。・お母さんはあなたのことを誇らしく思っているはず。アントニオさんは次々と寄せられた見知らぬ人たちからの好意に「現実だと思えません。まるで映画のようです」と語っています。彼は暴動が起きた後の町を深夜2時から約10時間、休みなしに掃除し続けたといいます。暴徒に荒らされた場所では地域の住民たちがボランティアで掃除をしている姿が見られますが、みんなが眠っている夜中にたった1人で掃除をするなんて、なかなかできることではありません。いい行いは必ず誰かが見ているものです。アントニオさんはこれからもその美しい精神と行動力で明るい未来を切り開いていくことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月17日アメリカ・ミネソタ州で白人警官に首を圧迫された黒人男性のジョージ・フロイドさんが亡くなる事件が起きた2020年5月25日。その事件を発端に起きた警察による黒人への暴力に抗議するデモは、同年6月現在、アメリカ国内だけでなく、世界各地へと広まっています。また、Twitter上では『#BlackLivesMatter』のハッシュタグをつけた投稿が数多く寄せられており、プロ野球チーム『東北楽天ゴールデンイーグルス』のオコエ瑠偉選手も、同ハッシュタグをつけて自身の体験をつづりました。オコエ瑠偉「そんなに人間の心強くないよ」ナイジェリア人の父と、日本人の母を持つオコエ選手。保育園に通っていた5歳の頃、初めて「自分が周りとは違うと認識させられた」と語る出来事があったといいます。まず、俺は誰も責める気はない。文句を言う気も無い。世界的にこういう状況で俺自身の体験を知りたいというメッセージの多さ、おんなじ境遇の人、またその両親の少しでも励みになればと思い、炎上覚悟で投稿します。ただ自分の物凄く嫌だった過去をさらけだします。まず最初に言いたいことが、これが差別だとかどうとかそんなのは本当にどうでもいい話。この話は俺自身の体験であって、これをみてる大半の人には当てはまらないからこういう人もいるんだな~くらいで大丈夫です。俺が5歳くらいの頃かな。まず、保育園で思い知らされた。醜いアヒルの子の絵本を先生が読んでた。周りのみんなは先生が読んでる間、俺をジロジロ見ながら笑ってくる。俺はもちろんのようにうつむき耳を塞いでた。物凄く孤独だった。先生は悪気ないし、しょーがないよね。俺が周りとは違うと初めて認識させられた出来事だった。これも、 保育園の時の話。ある日、親の似顔絵を描く時があった。先生は言った。親の顔は肌色で塗りましょう。その時保育園にあった、肌色のクレヨンの色はだいだい色だった。でも、俺はその時の反抗心からか涙ながら、茶色のクレヨンをとり親の顔を書いた。出来上がった後はもちろん皆んなに笑われた。なんだろう、この時は毎日が辛すぎた。家のベランダから外を眺めながら、ここから飛び降りて生まれ変わって、普通の日本人になれるかなとか、考えてた。今となっては、この普通とは何なんだろうと未だに考えてる。小学生になると、近所のおじさんに勧められてなんとなく野球を始めた。でも、やっぱり入ってすぐ心配してたことが起こった。初めてできた先輩たちは、俺の肌の色をあざ笑いながら、お前の家では虫とか食うんだろとか、ここには出せないほどの汚い言葉の数々で罵られ、殴られる。この辺で俺の中の心は無いようなものだった。学校では、他の学校のヤンキー達が、ただ俺の肌の色だけを見て喧嘩をうってくる日々。少年野球では、試合前の整列で相手チームから外人いるぞ、黒人だ、だの俺の心をさらに壊されていった。高校野球あたりからは周りのOB会など外人なんて高校野球で使うんじゃ無いだの、甲子園には黒人はでるな。などの心ない言葉が沢山俺の耳に入ってくる。正直、もう俺の人生にはつきものだから慣れたよ。今となってはいい年して、SNSのDMでわざわざ言いにくる奴もいる。日本には珍しくて、アフリカではよくある病気を判明させるまで大変な思いをしたこともあった。この他にも、いろいろ経験してきた。本当に心が無くなる瞬間。これがもう自分が無敵になったような気がする。でも、今考えてみるとただ単に心をシャットダウンして、他人に対して何の感情も湧かなくなるだけだった。心が無くなるのは本当に怖い。でも、 こういう経験があるからこそ、悔いないように生きようと思うし、良くも悪くも今となってはちょっとやそっとのことじゃ動じなくなった。何より、母親とは話が合わず、唯一心の痛みを分かち合えたのは、妹の桃仁花だった。だからこそ妹は今でも大事な存在。今後、自分の子供ができて同じ経験をさせないようにはどうすればいいのだろう。と考えてる人。そういう人たちの共感につながればいいな。LouisOkoye@LOUISOKOYEMoMーより引用 #BlackLivesMatter — オコエ瑠偉Louis Okoye (@LOUISOKOYEMoM) June 15, 2020 肌の色、目の色、生まれ育った環境…日本の中の『マジョリティ』と違うからといって、相手をののしり、身体的にも精神的にも暴力を加えていい理由はどこにもありません。「誰かを責める気も、文句をいう気も、差別と呼ぶ気もない」と語るオコエ選手。どういう思いで自身の『ものすごく嫌だった過去』を振り返り、Twitterを通して世界中に共有するに至ったのか…その本当の意味が分かれば、社会を変える大きな一歩へとつながるのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年06月16日外務省によると、2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者数は全世界で700万人を超えています。差別をなくすため、大切なのは…?家族とともに海外で暮らしているハスエリコ(@rostock_jp)さん。ある日、ハスさんの娘さんが近所の子供たちにこのような言葉を投げかけられました。アジア人!コロナウイルス持ってるんだろ!差別的な発言に傷付いた娘さんは、ハスさんに半泣きでこのことを報告。これを聞いたハスさんは、すぐにその発言をした子供の家を訪れました。出てきた母親に対し、娘さんが差別的発言を受けたことを伝えると、彼女はうろたえながらこういってくれたそうです。それは本当に許されないことだわ。それ以上話し続けると泣いてしまいそうだったハスさんはいったん家に帰りました。すると、先ほどの母親と父親、そしてその子供たちが謝罪しに来てくれたそうです。父親が「さぁ、やったことを謝るんだ」というと、差別をした子供はチョコレートを差し出しながらこう謝ってくれたそうです。僕がいいました。ごめんなさい。これに対しハスさんは…。とても悲しいことだったし、あれは差別だ。でも、こうして来てくれてありがとう。これで終わりかと思いきや…その後の展開に驚きその謝罪の後、改めてみんなで自己紹介をしました。すると、その子供たちと娘さんが同じ年齢だと分かり、彼らはすぐに一緒に遊びに行ったのだとか。それ以来、娘さんとその子供たちは仲よく遊んでいるそうです。このことから、ハスさんは次のように語っています。大事なのはお互いを知ること、対話なんだなぁと身をもって体験しました。知らないものは不安がある。なら知ろうとすればよい。勉強ってそういうことだね。すると我が家の子供たちと年齢が一緒だということがわかり、すぐに一緒に遊びにどこかへ行ってしまった。それ以来すっかり仲良く遊んでいる。大事なのはお互いを知ること、対話なんだなぁって身をもって体験しました。知らないものは不安がある。なら知ろうとすればよい。勉強ってそういうことだね。— ハスエリコ@GOLDKÄFER&シュヴェリーン城公認ガイド (@rostock_jp) June 9, 2020 差別されたことをうやむやにしないハスさんと、また自分の子供が差別したことを受け入れ、きちんと謝らせることのできる親…両者の姿勢を見習いたいものです。また、その後仲よくなれた子供たちの純粋さにも心打たれます。投稿にはさまざまな声が寄せられていました。・大人がまずちゃんとした考えを持ってないといけないんだな…背筋が伸びました!・「私とあなたは違うけれど、同じ人間。考えてみればそうだよね、ごめんね」と許し合える子供たちに希望を感じました。・逆ギレせずに、我が子の非を認め謝ることのできる親子。そして、謝ってくれたら許せる心。学ぶべき姿勢ですね。多くの人がこの2つの家族の行動に驚き、感心していました。ハスさんのいう通り、まずは互いを知るために対話することが重要なのでしょう。単に『差別をしてはいけない』ということだけでなく、『差別をなくすにはどうすればいいのか』について考えさせられる投稿でした。[文・構成/grape編集部]
2020年06月15日ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、全米各地で「Black Lives Matter」(黒人の命は大切だ)というスローガンを掲げた人種差別への抗議デモが拡大。これを受け、HBO Maxが人種差別的な描写がある『風と共に去りぬ』の配信を停止したが、ほかのテレビ局やストリーミングサービスも後に続き、複数の作品の配信・放送を停止した。パラマウント・ネットワークは、警察に密着するリアリティー番組「全米警察24時 コップス」を、シーズン33の放送一週間前にキャンセル。現在のところ、番組を復活させる予定はないとのこと。A&Eネットワークも、パトカーやヘリコプターに搭載したカメラが記録した生々しい現場の映像で人気の「Live PD」(日本では現場の映像のみに再編集した「密着!アメリカ警察24時」としてHuluなどで配信されている)の打ち切りを決定。しかし、ホストを務めていたダン・エイブラムスは不服の模様。「Live PDを批判している人たちのほとんどが、1話も観たことのない人だと気がついた」、「それなのにネガティヴなコメントが一般論みたいに思われている。本当に悲しいことだ」とツイッターに綴った。イギリスのNetflixは長寿番組「フィラデルフィアは今日も晴れ」のシーズン6のエピソード1話を配信中止に。そのエピソードでは登場人物の2人が「ブラックフェイス」をかぶっているためだという。(Hiromi Kaku)■関連作品:風と共に去りぬ 1952年9月4日公開©Metro-Goldwyn-Mayer
2020年06月15日米国では、黒人差別に対する抗議運動「Black Lives Matter(BLM)」が全土に広がりつつある。個人のみならず、マクドナルドやスターバックス、ウェンディーズなどの大企業も活動理念に賛同の意を示し、寄付などを行っている。しかし、現在Twitterでは「#BoycottStarbucks(スターバックスをボイコットしよう)」というハッシュタグがトレンド入りしているのだ。一体何が起こったのだろうか。スターバックスは4日、「私たちは黒人の従業員、顧客、コミュニティのために行動を起こし、学び、サポートすることに全力を注いでいます。人種的公平性を促進する機関に対し、スターバックス基金から100万ドルを拠出します」と声明を発表。BLMに寄り添う姿勢を明らかにしたが、社内では真逆とも言える対応が取られていた。米BuzzFeedは、スターバックス本部から店舗マネージャーに送られた「ドレスコード・ポリシー」というタイトルのメモを入手。そこには、BLM支持のメッセージを込めたTシャツやピンズの着用を禁止するとの方針が明記されていた。その理由として、そういったメッセージ性のあるアイテムを身に着けることは、安全性や顧客との関係、スターバックスのパブリックイメージを害する恐れがある、と書かれている。面従腹背とも言えるスターバックスの行動が明らかになると、ソーシャルメディアでは失望や落胆、怒りの声が多く挙がり、これが冒頭のハッシュタグに繋がる。TODAYがこの件に関してスターバックスにコメントを求めると、広報担当者は「このポリシーは昔からあるもので、スターバックスは構造的な人種差別を終わらせるための役割を全力で果たしている」と回答。確かに、’18年5月に「全ての人に歓迎される店舗であるために、従業員が政治的、宗教的な意図を持ったアイテムを身に着けることを禁じる」とするポリシーが制定されている。しかし、従業員が特定のシンボルやアイテムを身に着けたい場合は、本部に申請し、承認してもらえるシステムも存在しているという。
2020年06月12日2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州で白人警官に首を圧迫された黒人男性のジョージ・フロイドさんが亡くなるという事件が起こりました。この事件をきっかけにアメリカ全土では警察による黒人への暴力に抗議するデモが続いています。デモの多くは平和的に行われていますが、一部では警察とデモ参加者が対立する場面もあり、暴動も起きています。テキサス州ヒューストンに住むSimeonB(@iamsimeonb)さんは、娘のシモーネちゃんを連れてデモに参加しました。そこでシモーネちゃんが泣き出してしまったのです。すると1人の警察官が彼女に気付いて近づいてきたのだそう。そしてシモーネちゃんは警察官に尋ねます。「私たちを撃つつもりなの?」それを聞いた警察官は…。During the protest in Houston yesterday one of the police officers noticed my daughter crying. She asked him “Are you gonna shoot us” he got down on one knee wrapped his arm around her and responded: pic.twitter.com/gQWF7HMf3l — SimeonB (@iamsimeonb) June 3, 2020 母親と思われる女性があわてて「そんなことをいうんじゃないの!」とシモーネちゃんにいうと、警察官はしゃがんで彼女の肩を抱いてこういったのです。僕らはきみたちを守るためにここにいるんだ。いいかい?きみたちを傷つけるためじゃないよ。きみは抗議でも、パーティーでも、何でも好きなことをしていいんだ。ただ何も壊してはいけないよ。@iamsimeonbーより引用(和訳)この動画は拡散され、多くのコメントが寄せられています。・この警官は僕らが今、何を必要としているかが分かっている。・涙が出た。本当にいい警察官も大勢いるのよ。・こういう子が素晴らしい未来を作っていく。アメリカでは昼間の平和的なデモに子供を同伴する親も多く、この動画が撮影されている場所も混乱は起きていないようです。そのため子供に危険はないと思われます。警察官は本来、市民を守ってくれる存在であるはずです。もし子供たちが「警察官は自分たちを傷つける」と信じてしまったら、助けが必要な状況になった時に誰に助けを求めればいいのでしょうか。シモーネちゃんのような幼い子が警察官にこんな質問をしなければならない状況自体が、悲しいことと思わずにいられません。親が安心して「困った時は警察に連絡しなさい」と子供に教えられるように、黒人への暴力や差別を根絶するべきなのでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月12日2020年5月25日にアメリカ・ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性の死亡事件。黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に首をヒザで圧迫された後に亡くなったこの事件は世界中に衝撃を与えました。この事件を発端に、全米で警察官による黒人への暴力に抗議するデモが続いています。こうした中、1人の青年が明かした『黒人の青年が従うべき16のこと』が大きな反響を呼んでいます。黒人の青年が母親から教わった『16のルール』とは18歳のキャメロン・ウェルチさんはTikTokに動画を投稿。母親から教わった『若い黒人男性として従うべき暗黙のルール』について語りました。@skoodupcamJus some unwritten rules my mom makes me follow as a young black man ##fyp ##blacklivesmatter♬ original sound - marcappalott・手をポケットに入れてはいけない。・パーカーのフードをかぶってはいけない。・シャツを着ないで外に出てはいけない。・たとえすぐ近くにいる場合でも、家族や友人に無事かどうか知らせること。・夜遅い時間まで出歩かない。・買うつもりのないものを触らない。・買い物をしたらレシートかレジ袋なしに店を出てはいけない。たとえガム1個だったとしても。・誰かといい争いをしているように見せてはいけない。・身分証明書を持たずに家を出てはいけない。・タンクトップを着て車を運転してはいけない。・ドゥーラグ(頭に巻く布)をつけて車を運転してはいけない。・タンクトップとドゥーラグ、いずれも着用したまま外出してはいけない。・大きな音で音楽をかけながら車を運転してはいけない。・白人の女性をじっと見つめてはいけない。・警察官に止められて職務質問されたら、口答えせず、ただ従いなさい。・警察官に車を停止させられたら、ダッシュボードに両手を置いて、運転免許証と登録証を出してもいいか尋ねなさい。@skoodupcamーより引用(和訳)この動画は大きな反響を呼び、5万件を超えるコメントが寄せられています。・俺たちの両親が子供にこれを教えなきゃいけないってことが悲しいよ。・こんなの不公平だわ。誰一人としてこんな生き方をするべきじゃない。・これがリアルなんだと知って、胸が張り裂けそうになった。またコメントの中でとても多かったのが「自分も同じことを教わった」という声です。キャメロンさんが明かした16のルールの中には、多くの人が日常的に何気なくしていることが『してはいけないこと』として、いくつも含まれています。こんなにもたくさんのルールを常に気にしながら生活をすることは、どれほど息苦しいものなのでしょうか。そして毎日、我が子が何事もなく安全に家に帰ってくることを祈る親の気持ちを想像すると、胸が張り裂けそうになります。人種差別はアメリカだけで起きている問題ではありません。対岸の火事と思わず、今こそ世界中の人たちがこの問題について考え、人種差別をなくすために本気で意識を変えるべきなのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年06月10日アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、2020年5月25日に起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの死亡事故。これに端を発したデモは、今や全米に広がっています。これは、アメリカの歴史に深く暗い差別の闇があるゆえのもの。現代社会に根付く『黒人差別』をテーマにした映画から、その歴史を振り返ります。現実に胸がえぐられる『人種差別』闇の歴史『黒人差別』を描いた作品①マンディンゴ最初に紹介するのは、1975年公開の映画『マンディンゴ』です。アメリカはその成長の過程で大量のアフリカ系黒人奴隷を酷使してきました。その残酷な現実を突きつけたのが本作です。主人公は、アメリカ南部ルイジアナで大農園を営む、卑劣な白人農園主とその息子。息子の婚約者が黒人奴隷と恋に落ち、息子自身も黒人奴隷の娘に惹かれてしまう様子を、シビアな描写で描いた作品です。劇中では、「我が農場では14歳を超えて処女の黒人女なんぞおらん!」などの黒人少女たちへの不当な性暴力発言や、黒人の子どもの人身売買、さらには「黒人に魂なんぞある訳ない!」など、胸をえぐられる描写が次々と出てきます。しかし、これは、当時当たり前のように横行していた現実なのです。タイトルの『マンディンゴ』とは、西アフリカに住む『マンディカ族』のことで、人権などはまったく無視され、商品として高値で取引されていました。『黒人差別』を描いた作品②ミシシッピー・バーニング次は、1988年公開の映画『ミシシッピー・バーニング』です。『マンディンゴ』で描かれた時代は、南北戦争でリンカーン大統領率いる北部が、奴隷制度が色濃く残る南部に勝利したことで、歴史上は終焉を迎えています。しかし、現実は違いました。1960年代のアメリカ南部ミシシッピ州で実際に起きた、3人の黒人公民権運動家の失踪事件が元になっている本作。2人のFBI捜査官が、黒人差別を行う秘密結社『KKK(クー・クラックス・クラン)』の闇に近付いていく、というストーリーです。『KKK』は、南北戦争終結後に南部の奴隷商人だった男が作った白人至上主義の秘密結社。白い頭巾をかぶり、無実の黒人を街頭に吊るしたり、生きたまま火あぶりにしたりするなど非道の限りを尽くしました。劇中では、『KKK』による黒人たちへのむごたらしい暴行や殺人行為、彼らと結託した地元警察の陰湿な妨害行為の実態が鮮烈に描かれています。トランプ大統領の移民排斥傾向に賛同の声を挙げるなど、現在も多くの活動家がいる『KKK』。なお、本作は歌手の氷室京介さんも好きな映画の1つと公言しているようです。『黒人差別』を描いた作品③マルコムX次は、黒人差別をテーマに映画を作り続けるスパイク・リー監督による、1992年公開の作品『マルコムX』です。参政権すらなかった黒人たちの地位向上を目指した、公民権運動の代表的指導者であるマルコムXの半生を、名優デンゼル・ワシントンが演じています。物語は、幼少期に『KKK』の嫌がらせを受けていた父親を亡くし、自身も10代の頃から服役を経験していたマルコムの人生をなぞるように進みます。その後、彼は服役中に『ネイション・オブ・イスラム(NOI)』という教団に出会い、開眼。獄中の図書館で猛勉強をし、出所後は『NOI』に所属することになります。しかし『NOI』の闇を知ったマルコムは教団とたもとを分かち、瞬く間に公民権運動の代表的指導者になりますが、彼を苦々しく思ったNOIに銃撃を受け、亡くなってしまいます。この作品は日本のヒップホッパー、Zeebraさんにも大きく影響を与えているようで、Twitterでもたびたび話題に挙げています。『黒人差別』を描いた作品④デトロイト次は、公民権運動以後、1967年に起きたデトロイト暴動事件を描いた、キャスリン・ビグロー監督による、2017年公開の映画『デトロイト』です。黒人たちの不満が爆発し、ミシガン州デトロイト市で起きた約5日間の暴動を群像劇で描いた本作。物語は3日目にモーテルに宿泊中の黒人男性たちが、おもちゃの銃を撃ったことをきっかけに、怒涛の展開になだれ込みます。無実にも関わらず尋問・暴行、果ては殺人にまで発展した白人警官の横暴を描いたシーンは強烈のひと言…。白人警官役のウィル・ポールターの怪演は必見です。なお、物語で重要な役である黒人警備員役を演じたジョン・ボイエガは、フロイドさんの死亡事故に端を発したデモにも参加しており「キャリアに影響が出ようがかまわない」と熱いスピーチを行い、正義感あふれる姿で大衆を勇気付けています。『黒人差別』を描いた作品⑤フルートベール駅で最後は、2013年の映画『フルートベール駅で』です。2009年にアメリカ・サンフランシスコで実際に起きた凄惨な事件を、当事者となったオスカー・グラントの日常を追いかける視点で描いた本作。カンヌ映画祭でも賞を受賞した作品です。2009年の元日のフルートベール駅。22歳の黒人青年オスカー・グラントは、車内で白人グループに絡まれてしまいます。そして、揉めごとを聞きつけた白人の鉄道警察官2人は、彼に不当な扱いを繰り返し…というのがあらすじ。マーベル映画『ブラックパンサー』で悪役のキルモンガーを演じたマイケル・B・ジョーダンが本作の主演を務め、話題を呼びました。ライアン・クーグラー監督は本作のインタビューで「映画で描いた状況が目の前で展開されれば、白人警察官の取る態度は映画と同様になるケースが多いと思います」とコメント。今尚続く不当な白人警官の暴力事件の危険性を訴えています。また、本作は、あの世界的歌姫ビリー・アイリッシュがインタビューで、3年連続で好きな映画として挙げていることでも有名です。こうした映画を振り返ることで、5月から起きている暴動にどのような意味、怒りが込められているのか見えてきそうですね。自分の目で映画を見て、そして現実で起きている問題をとらえ直してみてください。[文・構成/grape編集部]
2020年06月09日