2020年6月現在、アメリカ・ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行を受けて亡くなった事件をきっかけに、人種差別に対する抗議活動が激化。デモ参加者のほとんどは平和的に声をあげているものの、一部の暴徒化した人たちによって、破壊行為や略奪が起こっています。iPhoneなどの販売を行う、アップルストアも略奪の被害が相次ぎました。そのため被害を防ごうと多くの店で、木の板を張るなどの対策がとられています。窓ガラスが平和の掲示板に地元のニュースメディア『CBS Chicago』によると、アメリカ・イリノイ州のネイパービルにあるアップルストアでも、被害防止として店の前にあった木の板を張っていました。ある日、その木の板に若い女性たちは平和を願う紙を残していったといいます。すると、一度は剥ぎ取られてしまったものの、後日店の前にある板は、たくさんの平和を願うメッセージが続々と貼られて埋め尽くされたのです。その様子がこちら。さらに、アメリカ各地のアップルストアの窓が平和を願う掲示板になっているのだとか。Boarded up windows of Apple Stores across the US are turning into canvases for peaceful protestors supporting #BlackLivesMatter . Murals & memorials for George Floyd have popped up in Portland, Naperville & Palo Alto. A positive change over violent looting: pic.twitter.com/KTms1gzE1e — Michael Steeber (@MichaelSteeber) June 3, 2020 Twitter上には、ほかにも平和への願いが書かれたハートの紙を木の板に貼っている写真が投稿されていました。暴力などでデモを行うのではなく、このように平和的に想いを伝えることが大切でしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月05日ジョージ・フロイドさんの死に端を発する人種差別撲滅を訴える運動「Black Lives Matter」は米国から世界中に拡がり、大きなうねりとなっている。今年に入ってから、白人が黒人の命を奪う事件が連続して起こっている。2月にはアフマド・アーベリーさん(当時25)が、ジョギング中に白人親子に射殺された。目撃者によると、親子は倒れたアーベリーさんにひどく侮蔑的な言葉を投げかけていたという。3月には救命救急士のブレオナ・テイラーさんが、捜索先の住所を間違えて押し入ってきた白人警官に8発もの銃弾を撃ち込まれて殺された。この2件の事件で高まっていた人種差別への怒りが、ジョージ・フロイドさんの死でついに爆発した形だ。メーガン妃が哀悼の意を表する動画メッセージを公開したり、『スター・ウォーズ』に出演した俳優ジョン・ボイエガが抗議集会で声を枯らして「差別がどれほど辛いものなのかをわかってほしい。もうこんなことは終わりにしよう」と訴えたりと、各界の著名人も次々と行動を起こしている。そんな中、ラッパーのカニエ・ウェストが、フロイドさん、アーベリーさん、テイラーさんの遺族に200万ドル(約2億2千万円)を寄付したとVariety誌が報じている。ジョージ・フロイドさんの6歳になる娘ジアナちゃんが大学を卒業するまでの学費を全てカバーする他、アーベリーさんとテイラーさんの弁護士費用などに充てられるという。ウェストは自身のホームタウンであるシカゴで行われた抗議デモに参加。同市で資金繰りに困っている黒人経営の企業にも援助金を出すと表明している。
2020年06月05日黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を押さえつけられて亡くなった事件を発端に、アメリカのみならず世界中で広がりを見せる、黒人に対する暴力や構造的な人種差別への抗議運動「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大切だ)」。日本でも高い関心が寄せられている中、この度、2018年に日本公開されたドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』の緊急再上映が決定した。2017年初頭、オバマ大統領に代わりトランプ政権がスタートしたアメリカで、1本のドキュメンタリー映画が異例のヒットを記録した。アメリカ黒人文学を代表する作家、ジェームズ・ボールドウィン(1924-1987)の原作を映画化した『私はあなたのニグロではない』。本作は、黒人が奴隷として扱われていた20世紀初頭から、ボールドウィンの盟友だった公民権運動のリーダー、キング牧師やマルコムXらが登場する60年代、そして未だ差別が続く現代の「ブラック・ライブズ・マター」に至るまで、連綿と続くアメリカ人種差別と暗殺の歴史に迫ってゆく――。日本でも連日のように、世界各地で人種差別に反対する人々の姿が報道され、アメリカの音楽業界が実施したストライキ「#BlackoutTuesday(ブラックアウト・チューズデー)」に賛同したセレブたちがSNSに黒く塗られた画像を投稿するなど、いま強い関心が寄せられている中、今回の再上映が決定。差別はどうやって作られたのか。誰が差別を必要としたのか監督のラウル・ペックは、映画で語られる言葉のひとつひとつをジェームズ・ボールドウィンの本、エッセイ、インタビュー、講演など、彼が実際に発言した言葉を使って構成した。60年代と現在を交互に映し出す映像に、アメリカの現状を嘆き、鋭く批判するボールドウィンの言葉が重なり、キング牧師の暗殺から50年経ったいまでも人種差別を巡る状況が変わらないことが明るみにされる。テレビCMやハリウッド映画が大衆に刷り込む「正しく美しい」白人の姿と歪められた黒人のイメージ。証言や豊富な記録映像を交え、強制的に作られた黒人への偏見の歴史、無知や先入観が引き起こす"差別の正体"を解き明かす様は衝撃的だ。人々はどのように声を上げ、世界を変えていったのか?映画のラスト、「差別とは何か」を語るボールドウィンの、火のように熱く激しく、知性的で明瞭な名スピーチは、オバマ前大統領やマドンナらが演説で引用するなど、いまなお困難と闘う人々の心を揺るがせ、深い感銘を与えている。不寛容が広がり、分断が危険なまでに深まる時代。本作は、よりよい未来へと歩む道しるべを与えてくれる、こそ必見の映画だ。バラク・オバマ(前アメリカ合衆国大統領)ボールドウィンはこう言ったのです。「向き合っても変わらないこともある。だが向き合わずに変えることはできない」マドンナ(歌手)今すぐこの映画を観に行って!傑作。詩的。痛烈。そして刺激的!この映画に取り組んだ全ての人に感謝します。ボールドウィンに祝福を!「ニューヨーク・タイムズ」『私はあなたのニグロではない』このたった90分ほどの簡潔な映画は、10時間分のドキュメンタリーシリーズや分厚い本に匹敵するほどの知識量と衝撃を与えてくれる。『私はあなたのニグロではない』は6月12日(金)~25日(木)アップリンク吉祥寺、6月19日(金)~25(木)アップリンク京都、6月26日(金)~愛知・刈谷日劇にて再上映。(text:cinemacafe.net)
2020年06月05日アメリカで人種差別に対する抗議デモが拡大していることを受け、エンタメ企業に寄付や支持を表明する動きが広がっている。「Amazon」はアフリカ系アメリカ人の経済的機会、教育、正義のために活動する「全米黒人地位向上協会」など13の団体に合計1000万ドル(約11億円)を寄付すると発表。「ウォルト・ディズニー・カンパニー」は「社会的正義を前進させるNPO団体に500万ドル(約5億5000万円)の寄付を約束します。まずは『全米黒人地位向上協会』に200万ドル(約2億2000万円)を」と表明。「ポケモン・カンパニー・インターナショナル」は「制度的人種差別や無分別な暴力の被害を受ける黒人の従業員、ファン、ファミリーのために立ちあがります」とつづり、「全米黒人地位向上協会」に10万ドル(約1100万円)、「Black Lives Matter」運動に10万ドルを寄付。「Netflix」は「だまっているのは、共犯と同じ。黒人の命は大切です。私たちには黒人の会員、スタッフ、クリエイター、才能あふれる人たちのために声を上げるプラットフォームと義務があるのです」と主張した。「ソニー」、「Spotify」も同様の声明をツイート。「ワーナー・ブラザース」は自社配給の映画『黒い司法 0%からの奇跡』の原作者ブライアン・スティーヴンソンの言葉「みんなが座っているときは、だれかが立ち上がらなければならない。みんながだまっているときは、だれかが声を上げなければならない」という言葉を引用し、「Black Lives Matter」の支持を表明した。(Hiromi Kaku)
2020年06月05日2020年5月25日、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが、白人警察官に首をヒザで数分間押さえ付けられ、「息ができない」と訴えた後に亡くなりました。この事件を発端に黒人への人種差別を抗議するデモが全米で広がっています。同年6月4日、ジョージ・フロイドさんの追悼式が行われ、遺族らおよそ500人が出席。人種差別や警察による暴力の根絶を訴えました。アメリカの大手メディア『ワシントン・ポスト』によると、黒人運動の指導者アル・シャープトン氏は弔辞で「私たちが望みや夢を叶えることができなかったのは、首をヒザで押さえ続けられていたからです」と語り、次のように付け加えています。彼に起こったことは、この国で生活のあらゆる分野で毎日起こっています。ジョージの名のもとに立ち上がり、「ヒザを首からはずして」という時が来ました。The Washington Postーより引用(和訳)その後、シャープトン氏は出席者に、ジョージさんを抑えつけた警察官が、彼の首にヒザをつけていた時間、黙とうをするよう求めました。8分46秒にもおよぶ沈黙の間、会場では人々の泣く声が響き渡ったといいます。この追悼式を皮切りに、全米各地で追悼のイベントが開かれ、ニューヨークではジョージさんの弟のテレンスさんがイベントに参加。テレンスさんは「抗議活動は誇りに思うけれど、破壊活動は誇りではない」と、暴力に頼らない平和的な抗議活動を行うよう訴えました。【ネットの声】・こんなに長い時間。なぜ「息ができない」という彼の声を聞き入れなかったんだ。・人種差別は絶対に許してはいけない。アメリカだけの問題じゃない。・スピーチに感動した。今こそ変化の時。もう二度と、こんな悲劇を起こしてはだめだ。この事件で浮き彫りになった人種差別は、アメリカだけに限らず、世界中で起こっている身近な問題です。理不尽な形で命が奪われることのない社会を目指して、一人ひとりが自分ごととして差別問題を考えていく必要があるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月05日米ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官に膝で首を押さえつけられ亡くなった黒人男性ジョージ・フロイドさんの事件を受け、人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」がかつてない高まりを見せている。ビヨンセ、リアーナ、レディー・ガガ、アリアナ・グランデ、セレーナ・ゴメス、ビリー・アイリッシュら数多くのセレブが声を上げ、Netflix、Amazon、A24からディズニーなども次々に抗議を表明し、現地時間6月2日(火)には「#BlackOutTuesday」としてSNSが漆黒に染まるかつてない規模のムーブメントに発展。マイケル・B・ジョーダン主演『黒い司法 0%からの奇跡』が、アメリカ国内の全デジタル・プラットフォームで無料レンタル可能になるなど、エンタメ界も次々に賛同の声を上げている。6月3日、イギリス・ロンドンで行われた抗議デモには『スター・ウォーズ』シリーズの若きスター、ジョン・ボイエガの姿もあり、「今後自分のキャリアがどうなってもいい」と時に言葉を詰ませながらパワフルに訴える姿が話題となっている。ボイエガは、『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグロー監督が1967年のデトロイト暴動の中で起きた白人警官による黒人青年たちへの理不尽な暴行や殺人を描いた『デトロイト』にも出演しており、根深い人種差別への強い思いがうかがえる。これまでにも数々の映画やドラマで描かれてきた人種差別とその抗議活動。その理解の手助けになる、“いま観るべき”映画を5作品をピックアップした。『ドゥ・ザ・ライト・シング』ラブ&ヘイトが交錯するブルックリンそもそも「Black Lives Matter」と名づけられた抗議活動は、2013年フロリダ州で起こった黒人の高校生射殺事件をきっかけに生まれ、広がったもの。だが、“決して”そこが始まりではない。今回の事件で名だたるセレブたちが次々にSNSでコメントを述べる中、スパイク・リー監督は自身が初めてアカデミー賞脚本賞の候補となり、注目を集めるきっかけとなった1989年の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』のシーンを使用した短い動画「3 Brothers-Radio Raheem, Eric Garner And George Floyd.」をSNSにアップした(※注:当該映像には実際の事件の様子が含まれる)。“3 Brothers”の最初の人物Radio Raheem/ラジオ・ラヒームは、『ドゥ・ザ・ライト・シング』で白人警官によって警棒で窒息させられたキャラクターだ。うだるような暑さが続くブルックリンの黒人街を舞台に、リー監督自らピザ屋で働くアルバイトのムーキーを演じた本作は、住人たちの日常の姿を生々しく描きつつ、街に暮らす黒人たちとイタリア系、ヒスパニック系、韓国系それぞれに鬱屈したヘイト感情が表面化していく様もつぶさに捉えた。そのヘイトのベクトルは人種的なものだけでなく、老人や知的障がいを抱える者にも向かっていた。そしてある日、巨大なラジカセで「パブリック・エネミー」の「ファイト・ザ・パワー(権威と闘え)」を大音量で流し、アイデンティティーを主張していたラジオ・ラヒーム(ビル・ナン)が、そのピザ屋で悲劇に巻き込まれてしまう…。ヘイト渦巻く街で、サミュエル・L・ジャクソンが“愛”を語るラジオDJを演じているほか、マーティン・ローレンス、ジョン・タトゥーロ、ジャンカルロ・エスポジート、ロージー・ペレスらの若き日の姿にも注目。『ブラック・クランズマン』で第91回アカデミー賞脚色賞を受賞した際も「レッツ・ドゥ・ザ・ライト・シング!(正しいことをしよう)」と叫んでいたスパイク・リー監督。Netflixで6月12日より配信される『ザ・ファイブ・ブラッズ』では、『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマンらを迎え、ベトナム戦争の視点から人種差別を描いていく。Netflix、U-NEXTなどで配信中『ビール・ストリートの恋人たち』家族を守りたいだけなのに…『ドゥ・ザ・ライト・シング』のエンドロールは、キング牧師とマルコムXという2大活動家の言葉で幕を閉じるが、今作は、彼らと同時代の作家・詩人・活動家であるジェームズ・ボールドウィンの小説「ビール・ストリートに口あらば」をアカデミー賞受賞『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督が映画化。ボールドウィンは、キング牧師とマルコムX、そしてNAACP(全米黒人地位向上協会)ミシシッピ州支部のメドガー・エバースという、いずれも暗殺された3人から人種差別を紐解いたドキュメンタリー『私はあなたのニグロではない』(サミュエル・L・ジャクソンがナレーション)の原作者でもある。今作では1970年代のニューヨーク、ハーレムが舞台。デパートの香水売り場で働く唯一の黒人女性19歳のティッシュは妊娠が分かるが、22歳の恋人ファニーは無実の罪で刑務所の中にいた。もとはといえば、ファニーがティッシュの身を守るために白人警官ベル巡査と揉めたことがきっかけ。後日、その巡査の偽りの証言により、彼がレイプ事件の犯人にされてしまったのだ。被害を訴えたシングルマザーの女性は故郷プエルトリコに帰ってしまったことから、ティッシュや家族はファニーを救うために手を尽くそうとするが…。『ムーンライト』と同じ撮影監督による映像や、音楽、オードリー・ヘプバーンを意識したというレトロファッションに包まれた恋人たちの、幸せに溢れた日々があまりにも対照的で、儚く、切ない。また、プエルトリコへ“闘い”に向かう母を演じてアカデミー賞を受賞したレジーナ・キングは、アメコミで人種問題を真っ向から描いた「ウォッチメン」の主演も記憶に新しい。ビール・ストリートとはルイジアナ州ニューオリンズにある通りで、ボールドウィンの言葉によれば、彼の父やルイ・アームストロングが生まれた「アメリカのすべての黒人の故郷」だという。このカップルだけでなく、幾多の黒人たちの歴史を見てきた象徴=ビール・ストリートに“口あらば”、いまのこの状況に何を語るだろうか。各種配信サイトにてレンタル配信中『ディア・ホワイト・ピープル』“差別などありません”を痛烈批判大ヒット作『クリード チャンプを継ぐ男』やマーベル作品『マイティ・ソー バトルロイヤル』に抜擢される以前に、テッサ・トンプソンが主演を務めた2014年の作品。その後、「親愛なる白人様」としてドラマ化もされた青春社会派コメディ。今回の事件が起きたミネアポリスに位置するミネソタ大学がロケ地となっている。アメリカ有数の名門ウィンチェスター大学(架空)は、多様性の名のもとに人種に関係なく学生寮を振り分ける試みを行っていた。「人種差別はない、あるとしてもメキシコ系」という白人の総長。そして、学生であるその息子も「今アメリカで一番苦労しているのは高学歴の白人男性だ」などと言い放つ。「親愛なる白人の皆さんへ」と学内ラジオで語りかける“サム”ことサマンサ・ホワイトは、そんな建前にツッコミを入れ、断固抗議し、ついには選挙で寮長に選ばれる。だが、それに端を発し、白人学生たちが“均質化された黒人のイメージ”を表現した仮装パーティを開催したことで、混乱が起き…。日本でも少し前に話題となった“ブラックフェイス”問題を想い起こさせるパーティは、決してフィクションではなく、その実態がエンドロールでも紹介されている。また、“スパイク・リーとオプラ(・ウィンフリー)の怒れる子どもみたい”と揶揄される主人公サムが配布する冊子のタイトルが、スティービー・ワンダーとポール・マッカートニーのコラボ曲「エボニー&アイボリー」をパロディした「エボニー&アイビー」だったり、ようやく日本公開される『ハリエット』の黒人奴隷解放者ハリエット・タブマンのことなど「白人は気にかけない」というセリフがあったりと、たっぷりの皮肉に満ちながら、黒人たちもまた様々な志向を持つことを示唆する。加えて、サンダンス映画祭やインディペンデント・スピリット賞で高い評価を受けた今作や、劇中でも言及されたタイラー・ペリーが女装する人気シリーズ『マデアおばさん』など、黒人が主人公の映画はよほどのスターでない限り日本にはなかなか上陸しない理由も思わずにはいられない。Netflixにて配信中『ブラインドスポッティング』立場によって見えるものは違うカリフォルニア州オークランドを舞台に、黒人青年のコリンと幼なじみのヒスパニック系白人のマイルズの関係を通じて、今回のように繰り返され続ける事件を描く。オークランドといえば、『ブラックパンサー』の冒頭とラストに象徴的に登場し、かつてマイケル・B・ジョーダンが主人公を演じた『フルートベール駅で』の射殺事件は目と鼻の先で起こった。この街で生まれ育った引越会社で働くコリンは、1年間の保護観察期間の残り3日間を無事に乗り切ることだけを考えていた。だがある夜、白人警官に追われた黒人男性が背後から撃たれ死亡する現場を目撃。時を同じくして相棒のマイルズは、“妻と子どもを守るため”との名目で銃を購入した。その日以来、銃撃された見ず知らずの男性のことが頭から離れなくなってしまったコリン。刑務所には二度と戻りたくないし、恋人とも仲直りしたい、人生を立て直したい彼はあと2日、1日と保護観察が終わるまで怯えながら待つことに。その一方で、急進的組織“ブラックパンサー党”結成の地としても知られる街は急速に変わりつつあり、近隣のシリコンバレーから流れる富裕層に合わせてバーガーショップがヴィーガンバーガーを売り始めたり、ブラックカルチャーに憧れる“ヨソ者”たちが増えたりすることにマイルズは苛立っており、危なっかしくて仕方がない。同じ出来事に直面しても、見えているものはそれぞれに違うことを示すタイトル「ブラインドスポッティング=盲点」のごとく、この2人の立場の違いが次第に顕在化していく。実際に高校からの友人である、コリン役ダヴィード・ディグスとマイルズ役ラファエル・カザルはさすがのコンビ力で、脚本も共に手掛けている。2人が書いたクライマックスに吐露されるコリンの心情は、いまこそ直視すべきもの。各種配信サイトにてレンタル配信中『ヘイト・ユー・ギヴ』友の死に声を上げる女子高生『フルートベール駅で』の事件をヒントした「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ」を、『しあわせの隠れ場所』の製作陣により映画化。今作も劇場未公開作品ながら、いま改めて高い関心が寄せられている1作。主人公は私立学校に通う、スターという名の黒人の女子高生。白人のボーイフレンドや白人の友人たちの前では、地元にいるときとは別人のように振る舞っている。父は元ギャングで、スターや兄弟は白人社会を生き抜いていく術を教え込まれてきた。しかし、地元でのあるパーティの帰り、幼なじみのカリル(『デトロイト』のアルジー・スミス)に車で送り届けてもらう途中、目の前で彼が白人警官に射殺されてしまう。警察はカリルがドラッグの売人だったことを問題視し、警官の行為を正当化しようとしていた。真実の“目撃者”であるスターは、抗議活動を行うという黒人女性弁護士(イッサ・レイ)に賛同していくが…。今作でも理不尽な暴力によって植え付けられたヘイトは、その次の世代にも脈々と受け継がれてしまう負の連鎖を浮き彫りにする。とはいえ、今作が現代的なアップデートともいえるのは、ひとりの女子高生スターがその負の連鎖に待ったをかける存在となること。スターとカリル、そしてもう一人の幼なじみを繋いでいたのは、「ハリー・ポッター」というグローバルに支持された白人の文化であることも新しい。ハリーの得意技は「武器よ去れ」だ。前述のジョン・ボイエガも、スピーチで「平和的な、組織的な抗議を」と強調している。そして、カリスマ性を感じさせるスター役アマンドル・ステンバーグの好演もさることながら、ギャングのボスに扮したアンソニー・マッキーにも注目したい。マーベル作品のヒーロー、ファルコンとしてもお馴染みの彼は、ボイエガと同様『デトロイト』にも出演していた。名声を手にしてなお、彼らがこうした作品にも出演し、声を上げ続ける意義こそ“重要”なのだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミングビール・ストリートの恋人たち 2019年2月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.ブラインドスポッティング 2019年8月30日新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにて公開©2018 OAKLAND MOVING PICTURES LLC ALL RIGHTS RESERVED
2020年06月05日ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに世界各地で広がっている、人種差別に対する抗議デモ。水曜日(現地時間)、ロンドンのハイド・パークで行われた平和的な抗議デモに『スター・ウォーズ』のジョン・ボイエガが参加し、メガホンを持って聴衆に熱く語りかけた。「黒人の命はいつだって大切です。黒人の命はいつだって重要です。黒人の命はいつだって意味があるものなのです」と涙ながらに訴えた。「抗議デモはきちんとコントロールされていることが本当に大切で、できるかぎり平和的に行われるべき。混乱させたいという輩もいるだろうけど、今日は絶対にさせない」と主張した。「この後、自分のキャリアがどうなってしまうかわからないけれど、そんなことはどうでもいい」と言い切ったジョンの動画は瞬く間にSNSで拡散された。『スター・ウォーズ』の公式ツイッターアカウントは、「あなたを支持し、サポートします」「ジョン・ボイエガ、あなたはヒーローだ」と称えた。今年アカデミー賞で『Hair Love』で短編アニメ賞を受賞した黒人のマシュー・A・チェリー監督は、「ジョン・ボイエガと働きたいと思う。ほかの非黒人のクリエイターたちにも、ぜひ彼を支持すると表明してほしい」とツイッターで呼びかけた。これに『アス』のジョーダン・ピール監督や『スパイダーマン:スパイダーバース』のクリス・ミラー監督も賛同している。(Hiromi Kaku)
2020年06月04日2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に拘束され、8分以上にわたって首をヒザで押さえつけられた後、亡くなりました。その後、白人警官による度重なる黒人への人種差別に人々の怒りが爆発し、全米各地で抗議デモが行われています。全米に広がるにつれてデモ隊の一部が暴徒化。商店の破壊や強奪行為の様子が連日メディアで報道されました。しかし、デモに参加する大半の人は、平和的に活動をしており、その様子がメディアで取り上げられることは少ないという不満の声も上がっています。報道されないデモの様子そんな中で、ニュージャージー州に住むFrosty(@FrostyTheSkid)さんは、地元のデモの様子を撮影し、Twitterに投稿。世界中から反響が寄せられています。「これをニュースに載せて」というひと言を添えて公開された動画がこちら。Put this on the news. pic.twitter.com/YfXB2x6bcz — Frosty (@FrostyTheSkid) May 30, 2020 マスクをしたデモ隊が、その場でダンス。「ジョージ・フロイドに正義を」と力強く訴えていました。また、テネシー州の市長マイヤー・スコット(@MayorConger)さんは、市庁舎の前で平和的にデモが開かれたことをTwitterで報告。投稿された動画には、警察官がデモ隊に水の差し入れをする姿が映し出されています。I’m so thankful for our @JacksonTNPolice and the peaceful protest in front of city hall yesterday.Good will always win! pic.twitter.com/A4vpXNKnDg — Mayor Scott Conger (@MayorConger) May 31, 2020 ほかにもSNS上には、こうしたデモの様子が多数投稿され、「彼らのどこが脅威なのか」「いかなる暴力も容認しない」「賢い方法で抗議を続けよう」などの声が上がっています。暴力で対抗すれば、本来訴えたかった人種差別の問題が、治安の問題へと焦点がずれてしまいます。デモの目的を見失わないためにも、平和的な方法で声を上げ続けることが大切なのでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月04日2020年6月現在、アメリカでは黒人への人種差別に対する抗議活動が激化しています。ことの始まりは、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが、偽造紙幣使用の疑いで拘束された際、白人警官から首を押さえ付けられて亡くなった事件です。拘束時にジョージさんが「息ができない」と訴えている動画がネット上で拡散。人種差別に怒りを抑えきれない一部の人々が集結し、抗議の声を上げています。道で出会った白人と黒人の子供DJとして活躍するKam Bennett(@KameronBennett)さんは、1本の動画をTwitterに投稿。「Never forget(決して忘れない)」という1文とともにアップされた、こちらの動画をご覧ください。Never forget pic.twitter.com/RFcMfBmwME — DJ Kam Bennett (@KameronBennett) May 30, 2020 動画の中に映っているのは、白人と黒人の男の子です。2人はお互いの姿を目にした瞬間、あふれんばかりの喜びを見せ、駆け寄ってハグを交わしました。動画は世界中で拡散され、59万件を超える『いいね』が集まっています。【ネットの声】・涙があふれた。人は生まれながらに差別をするわけではない。・我が子にも黒人の友達がいます。2人はとても仲がいいです。・この動画は、言葉はなくても、多くの大切なことを物語っていると思う。愛や友情、相手をいたわり大切に想う気持ちに、肌の色は関係ありません。人種差別とは、人から人へと伝えられた結果生まれるものだということを、この動画は教えてくれています。[文・構成/grape編集部]
2020年06月04日2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に拘束され、首をヒザで押さえつけられた後、亡くなりました。その後、相次ぐ警察官による人種差別に人々の怒りが爆発し、全米各地で抗議デモが行われています。デモ参加者の多くは平和的に声をあげていますが、一部の暴徒化した人たちが破壊行為をしたり、略奪も発生し、治安が悪化しています。スーパーマーケットの前に集まった人たちが…ジョージさんが亡くなってから最初の週末となった5月30日、ニューヨーク州ブルックリンにあるスーパーマーケット『ターゲット(Target)』の前に多くの人が集まっていました。店の入口にいるのは抗議デモに参加していた若者たち。そして彼らの前にいるのは『ターゲット』で商品を略奪しようとしている集団です。すると次の瞬間…!Some protestors in Brooklyn calling to loot the Target, but organizers are rushing in front of the store to stop them, keep things non-violent #nycprotest pic.twitter.com/6x70cpcjep — Andrew Solender (@AndrewSolender) May 31, 2020 ダメだ!やめろ!両腕を広げて入り口をふさぐように立ちはだかる若者たち。彼らは自らの体をバリケードにして、略奪から店を守ろうとしたのです。海外メディア『Forbes』のリポーター、アンドリュー・ソレンダーさんが撮影したこの動画には多くの称賛の声が寄せられています。・なんて勇敢なヒーローたちなんだ。・これぞニューヨーカー。自分たちの町を守ろうとした若者たちを誇りに思う。動画に映っているシーンの後、略奪をしようとした集団はあきらめてその場を去ったということです。ジョージさんの事件後、全米で略奪の被害が相次いでいます。略奪者たちの多くはデモ参加者とは関係なく、デモの混乱を利用して略奪をしているのです。そしてデモ参加者が体を張って、破壊行為や略奪を阻止する場面はロサンゼルスなどでも目撃されています。VIDEO: A group of protesters stopped looters from breaking into a Walgreens in Hollywood. pic.twitter.com/qCUh6vCvWz — FOX 11 Los Angeles (@FOXLA) June 2, 2020 人種差別の撤廃を求める抗議デモは同年6月2日現在も全米各地で続いています。平和的にデモをしている人たちの努力が、これ以上暴力行為によって台無しにされないことを願います。[文・構成/grape編集部]
2020年06月03日アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで起きた白人警察官による暴力で黒人男性が死亡した事件を受けて、全米で抗議デモが行われています。2020年5月25日、偽札使用の疑いで拘束されたジョージ・フロイドさんが、白人警察官に首をヒザで圧迫され、その後亡くなりました。この出来事に関与した警察官4人が即日懲戒免職となり、そのうちジョージさんに暴行した警察官が殺人などの容疑で逮捕されました。しかしアメリカで相次ぐ警察官による人種差別に人々の怒りは収まらず、各地で抗議デモが続いています。笑顔でデモ隊に近づいた警察官はジョージさんが亡くなってから最初の週末には暴徒化した一部の人たちによってパトカーが燃やされ、デモを鎮圧しようとした警察官が催涙ガスやゴム弾を発砲して多くのケガ人が出る事態となりました。その週末、全米で緊張感が高まる中、1人の警察官の動画が拡散されます。映っているのはミシガン州の保安官、クリス・スワンソンさん。彼の後ろには数人の警察官の姿もあります。重装備でデモ隊に対峙するほかの警察官とは違い、驚くほどカジュアルな格好のクリスさんはデモに集まった人たちに話しかけます。我々がここにいる唯一の理由は、きみたちが確実に声をあげられるようにするためだ。それだけだ。どうか彼(ジョージさんに暴行した白人警察官)がここにいる警察官やこの郡の警察官たちの代表だなんて思わないでくれ。僕たちは人々を助けたいんだ。あんな馬鹿げたことはしない。僕はヘルメットを外し、警棒も置いてきた。僕はこれを抗議デモではなくパレードにしたいんだ。ここにいる警察官たちはみんなを愛している。そこにいる警察官はみんなとハグをしている。きみたちが何をしたいか教えてくれ。Avis Swordーより引用(和訳)クリスさんがそういうと、デモ隊からこんな声が上がります。Walk with us!(僕らと一緒に歩こう)するとクリスさんは「よし、歩こう!」といい、デモ隊とともに笑顔で歩き始めたのです。#noviolence #FlintStrong #flintproud #sheriffchrisswansonPosted by Avis Sword on Saturday, May 30, 2020この場にいた女性が撮影した動画は4千万回近く視聴され、コメントも殺到しています。・今日見た中でもっともパワフルな動画だ。ここには希望がある!・泣いた。これこそが私たちが必要をしているもの。・暴力も憎悪もやめよう。この動画は俺に希望をくれた。警察官による人種差別の撤廃を訴える人々とクリスさんが笑顔で一緒に歩く様子は、まさに『結束』の象徴といえるのではないでしょうか。6月2日現在も抗議デモは全米各地で続いていますが、警察官がデモ隊の前で片ヒザをついたり、人々と握手をしたりするシーンがあちこちで見られるようになっています。デモをしている人たちの目的は「自分たちの声を聞いてほしい」ということ。決して暴力的に争うことではありません。武器を置いて人々の中に飛び込み、彼らが安心して声をあげられるようにサポートしたクリスさん。彼の行動は警察官に対して失望や怒りを感じている多くの人たちに希望を与えたようです。[文・構成/grape編集部]
2020年06月03日5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警察に首を膝で押さえつけられ、窒息死した。この事件以降、全米で人種差別に対する抗議デモが拡大している。レディー・ガガ、ビヨンセなど影響力の大きいセレブが声を上げ、ライアン・レイノルズ&ブレイク・ライヴリー夫妻が全米黒人地位向上協会に20万ドルを寄付するなど、金銭的な支援を表明するセレブも少なくない。2日の火曜日には音楽業界が「仕事から離れて私たちのコミュニティーとつながろう」という趣旨のストライキ「ブラックアウト・チューズデー」キャンペーンを呼び掛け実施。賛同したリアーナやアリアナ・グランデらがSNSに「真っ黒な画面」を投稿した。映画業界は、2019年公開の『黒い司法 0%からの奇跡』をアメリカ国内で全てのデジタル・プラットフォームで無料レンタルできるようにした。同作の公式ツイッターは「私たちは物語の持つ力を信じています。『黒い司法 0%からの奇跡』は、私たちの社会を悩ます制度化された人種差別を学びたいという人たちにとって、手助けとなるはずです」とつづり、今月中は無料でレンタルできることを伝えた。同作は黒人弁護士のブライアン・スティーヴンソンが書いたノンフィクション「黒い司法-黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う」を映画化したもの。ブライアンが冤罪で死刑宣告を受けた黒人被告人のために奮闘するという物語で、マイケル・B・ジョーダンが主演を務めた。(Hiromi Kaku)■関連作品:黒い司法 0%からの奇跡 2020年2月28日より公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2020年06月03日米ミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警官デレク・ショーヴァン(45)により殺害されてから約1週間。人種差別への抗議デモは全米に拡がり、暴動にまで発展するケースが多発している。首都ワシントンD.C.におけるデモの激化を受け、トランプ大統領は軍を派遣すると表明。まさに一触即発の状態が続いている。そんな中、ショーヴァンの妻、ケリー・メイ・ショーヴァン(44)さんが離婚を申請したことがわかった。NBC NEWSなど複数のメディアが報じている。ショーヴァンは手錠をかけたフロイドさんを地面に押し付け、ポケットに手を入れたまま膝でフロイドさんの頸部を8分以上に渡り強く圧迫。「息ができません」と何度も訴えるフロイドさんを死に至らしめ、第3級殺人罪及び、第2級過失致死罪に問われている。ミネアポリス警察は、フロイドさんの死に関わったとされる、ショーヴァンを含む4人の警察官を既に解雇。TMZによると、ケリー・メイさんは「ミセス・ミネソタ」にも選ばれた才媛で、過去には不動産業を営む実業家でもあったという。離婚申請の理由は「修復しがたい夫婦関係の破綻」とし、配偶者手当の受け取りも支払いも拒否。また、ショーヴァン姓から旧姓に戻すことも望んでいる。
2020年06月02日黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に喉を膝で押さえつけられて死亡。この事件をきっかけに、全米で人種差別に対する抗議デモが拡大しており、多くのセレブたちもデモに参加したり、自身の意見をSNSで述べたりしている。そのうちの1人、コール・スプラウスは、サンタモニカで平和的なデモに参加したところ逮捕されたことをインスタグラムで明らかにした。警察官に退去を命じられ、応じない場合は逮捕すると言われたコール。周りの人たちが帰りだした頃に、道を遮る新たな警察官たちの列が出現し、結局逮捕されてしまったのだという。「ストレートの白人男性であり、公的な人物でもあるぼくだけど、この運動においてはだれとも変わらず、制度に基づいた結果になったよ。これはまったく作られた話じゃないんだ。メディアがでっち上げないように願うよ」とつづった。投稿した写真は「Black Lives Matter」(黒人の命は大切だ)というスローガンのもの。ジョン・キューザックは暴動によって燃やされた車を撮影していたところ、警棒を持った警察が近づいてきて「あっちへ行け。早く!」と怒鳴りつけられた。警官がジョンの自転車を強く叩く様子も映っている。ジェイミー・フォックス、ニック・キャノンらも抗議デモに参加した。(Hiromi Kaku)
2020年06月02日黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を膝で押さえつけられて死亡した事件をきっかけに、全米各地で人種差別への抗議デモが広がっている。これを受け、6月7日にオンライン開催を予定していたトニー賞の特別イベントが延期を発表した。同イベントは、新型コロナウイルスの影響で舞台を観られない観客のために立ち上げられた動画配信サービス「ブロードウェイ・オン・デマンド」が先頭に立ち、本来のトニー賞の主催者「アメリカン・シアター・ウィング」と「全米劇場プロデューサー連盟」のサポートにより開催するはずだった。また、新型コロナウイルスの大打撃を受けた演劇界のための募金イベントとしての役割も担う予定だった。「ブロードウェイ・オン・デマンド」のCEOは、「私たちはジョージ・フロイド、アマード・アーベリー、トニー・マクデイド、ブリオナ・テイラーの無意味な死に悲しみ、怒っています。また、社会に浸透している人種差別主義と不公平さに落胆しています」と心境を語り、「『Black Lives Matter』(黒人の命は大切だ)運動を支持する」と表明した。オンライン上でのトニー賞授賞式がいつに延期されるかはまだ発表されていない。(Hiromi Kaku)
2020年06月02日現地時間2月9日に行われた第92回アカデミー賞。日本のみならず世界を席巻中のポン・ジュノ監督による韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が作品賞ほか4部門を制し、歴史的快挙を成し遂げたメモリアルな授賞式となった。アワードでは各賞の最優秀作品が発表される以外にも、趣向を凝らしたステージパフォーマンスが目を楽しませてくれるが、その中でも強烈な印象を残したのは2人の歌姫の存在だ。その歌姫とはミュージカル女優シンシア・エリヴォと、個性派アーティスト、ジャネール・モネイ。奴隷解放活動家ハリエット・タブマンの激動の人生を活写した『ハリエット』(6月5日公開)では、2人の熱き共演が堪能できる。奴隷から「英雄」へ知られざる真実の物語『ハリエット』米・メリーランド州で奴隷の子として産まれたハリエット・タブマンは、19世紀半ばに活躍した実在する奴隷解放活動家だ。秘密結社「地下鉄道」の“車掌”として、奴隷州から自由州へと逃亡する奴隷を誘導する係を担い、手助けした人数は70人以上。南北戦争では自ら黒人兵士を率いて戦い、750人以上もの奴隷を解放している。本作は6歳の頃から奴隷として過酷な労働を強いられていたアラミンタ・ロス(通称ミンティ)の決死の脱走劇と、ハリエット・タブマンと名を変え「英雄」となっていく姿を真正面から描いた知られざる真実の物語だ。雄大な平原や木々生い茂る森を駆け抜け、時には濁流にも飛び込み自由を勝ち取ったハリエット。命の危険も顧みずに、家族や仲間のために組織を先導した彼女の崇高なる志と不屈の精神は、いまなお残る不平等と不寛容な社会を生きる現代人の心に深い感銘を与えることだろう。ハリエットを熱演そして熱唱!シンシア・エリヴォ今回、不屈の魂を持つハリエットに扮したのはミュージカル女優として活躍中のシンシア・エリヴォ。ブロードウェイデビューとなった「カラーパープル」で演じた主人公セリー役が高く評価され、主要な演技賞で主演女優賞を受賞したほか、トニー賞では最優秀主演女優賞に輝いている。また今年1月には三浦春馬と共演した「シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬」が東京で開催されたのも記憶に新しい。スクリーンデビューはジェフ・ブリッジス、クリス・ヘムズワースと共演した犯罪サスペンス『ホテル・エルロワイヤル』(2018年)。そして三本目の映画出演にしてタイトルロールを務めた本作では、歴史に名を残す女性活動家を熱演したほか主題歌を熱唱し、アカデミー賞(主演女優賞、歌曲賞)でWノミネートの快挙に!本作では虐げられている仲間たちのために奔走するハリエットの勇猛果敢ぶりを骨太に活写する一方で、妻として、家族の一員として愛する人たちを守りたいと願う彼女の根底に流れる“人間的な温もり”にも焦点を当てている。また、13歳の時に頭がい骨陥没の重症を負わされ、生涯ナルコレプシー(強い眠気に襲われる睡眠障害の一種)の後遺症に苦しめられたというハリエット。多くの奴隷の逃亡を成功させた彼女は尊敬を込めて「黒人たちのモーゼ」と呼ばれていたが、劇中では彼女が常人とは少し違う神秘的な存在としてとらえられていた一面も映し出す。そんなハリエットを全身全霊で体現したシンシアの“魂の演技”に、圧倒されることだろう。そして演技と同じく強烈な印象を残すのが、シンシアが歌う主題歌「スタンド・アップ」。アカデミー賞授賞式では歌曲賞にノミネートされた候補者たちが素晴らしいパフォーマンスを披露したが、満を持して登場したシンシアは抜群のカリスマ性を発揮してステージを支配。そのパワフルな歌声には世界がくぎ付けに!気高き奴隷制度廃止論者マリーを好演!ジャネール・モネイジャネール・モネイは歌手、作曲家、音楽プロデューサー、モデルと複数の分野で活躍する、エキセントリックでフューチャリスティックな個性派アーティストだ。ソウルやポップほか多彩なジャンルを繰り出すシームレスな楽曲構成が魅力で、初来日となった昨年夏の「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」ではその見事なパフォーマンスと共にメッセージ性の高さも絶賛されている。またアカデミー賞授賞式においてはオープニングの“スペシャル・パフォーマンス”として登場。ステージ後半ではアリ・アスター監督作『ミッドサマー』を彷彿とさせる衣装をまとい、自身のヒット曲「Come Alive」を主張と共にエネルギッシュに披露し、会場は熱気の渦に!ジャネールはNASAを支えるヒロインをモチーフにした『ドリーム』(2016年)でスクリーンデビュー。その後も第89回アカデミー賞で作品賞ほか3冠に輝いた『ムーンライト』(2016年)や彼女を模したバービー人形も登場するロバート・ゼメキス監督作『マーウェン』(2018年)に出演するなど、女優としても着実に作品を重ねている。そんなジャネールが本作で扮するのは、奴隷制度が廃止されているペンシルベニア州へと逃れてきたハリエットをかくまう、気高き奴隷制度廃止論者マリー・ブキャナン。自由の地フィラデルフィアで自由黒人として暮らすマリーは、ハリエットが“車掌”として活動する際に怪しまれないようドレスを与え、レディとしての立ち居振る舞いを教え込む。出会った瞬間は警戒しあっていた2人が、尊敬と友情の念で結ばれる印象的なシーンもお見逃しなく。後年は婦人参政権運動に参加するなど女性の地位向上にも尽力し、「アメリカ史で最も有名な10人」に選ばれたこともあるハリエット・タブマン。オバマ政権時代には、彼女の肖像がアフリカ系アメリカ人として史上初となる新20ドル札に採用されることが決定している。だが、婦人参政権運動100周年となる2020年に予定されていた新紙幣の発行は、トランプ政権となった現在では事実上膠着状態に…。自由への渇望と不屈の精神を描く『ハリエット』。本作が訴えかけてくるテーマを、いまこそ噛みしめたい。《text:足立美由紀》(text:Miyuki Adachi)■関連作品:ハリエット 2020年6月5日より全国にて公開© 2019Universal Pictures International, Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc.
2020年06月01日アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス近郊で、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行を受けて死亡したことが問題となり、抗議の声が広まっています。悲劇が起きたのは、2020年5月25日。元警備員のジョージさんは、偽造紙幣を使って商店で買い物をしようとしていた疑いで白人警官に取り押さえられました。その際、警官にヒザで首を地面に押し付けられ、呼吸が困難な状態に。死亡前、「息ができない…」と訴えていた様子が通行人によって動画撮影されていました。暴力に関与したとされる警官4人は免職処分にされたものの、いまだに人種差別が社会に根強く残っているアメリカ。人々の怒りは収まらず、多くの著名人や企業も黒人に対する差別を止めるよう呼びかけています。大坂なおみがTwitterでコメント女子プロテニスの大坂なおみ選手も、ジョージさんの死亡で改めて注目されている人種差別について声を上げた1人。大阪選手はハイチ系アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、3歳の時に渡米しました。同月30日に、そんな大坂選手が次のような言葉をTwitterに投稿して話題になっています。Just because it isn’t happening to you doesn’t mean it isn’t happening at all.— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) May 29, 2020 自分の身に起きていないからといって、それが起きていないということにはならない。@naomiosakaーより引用(和訳)そして、黒人の文化を愛しながら差別について沈黙する人々に対し、このようにもつづりました。It’s funny to me that the people who wanna wear chains, blast hip hop in the gym, attempt to get dapped up, and talk in slang are suddenly quiet right now.— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) May 30, 2020 普段から鎖のネックレスをしたり、ジムでヒップホップを大音量で流したり、黒人のファッションをして俗語まで使いたがる人たちが、今急に黙り込んでいるのはおかしいと思う。@naomiosakaーより引用(和訳)「自分はそんな目に遭ったことがない。だからそんな問題は起こっていない」「誰かが苦労して作り上げたものの楽しい部分だけ取り入れたい」という考え方の人は、一定数います。しかし、それでいいのでしょうか。人種差別はもちろんのこと、ほかの話題でも我がことのように考え、おかしいことには立ち向かっていく…そんな勇気が必要な時もあります。大坂選手の投稿には、「心にすんなりと入ってくる言葉」「ほかの問題の時に無理解な人に苦しめられたので、よく分かる」と反響が上がりました。残念なことにアメリカで抗議活動を行っている人々の一部が暴徒化し、抗議で訴えた問題の本質が揺らいでしまっているのは事実。ですが、抗議活動を行っている人々の中からも暴動に対して非難の声が上がっています。言葉で静かに訴えかけた大坂選手のように、暴力ではなく対話で問題解決に向かえることを多くの人が願っています。[文・構成/grape編集部]
2020年06月01日私は物心が付いたころから、母親からのきょうだい間の対応の差を感じていました。私はずっと「私は親からきょうだい差別を受けている」と思っていました。でも、大人になってからは「あれは、区別だったのかも」と思うことも。しかしどちらにしても、私にとってはつらい経験でした。 幼いころから感じていた「差」私は幼いころから、私と弟に対する母の対応に差を感じていました。例えば、おもちゃ。おもちゃ箱の中には、弟のプラレールやトーマスのおもちゃがたくさん詰まっていました。でも、私のおもちゃはないのです。弟のおもちゃで遊んだ記憶はあるのですが、自分のおもちゃで遊んだ記憶はありません。 私に向けられたものは、本棚に立てられた幼児教育の教科書だけでした。写真を見ても、これは私の記憶違いではなさそうでした。 弟は褒められるのに、私は…少し成長してからは、「弟は褒めてもらえるのに、私は褒めてもらえない」と思うことが多くありました。 例えば、学校のテスト。私が90点台を取ると、「どうしてこんな問題を間違えたの!? ちゃんと勉強しなかったからでしょ!」と怒られました。一方、弟が50点台を取ると、「ここも、ここも、できたね! 頑張って勉強したからだね! すごいね!」とやさしく褒められていました。それを見た私は大ショックです。私のほうが良い点数なのに、なぜ私は怒られるのか。なぜ弟は褒められるのか。 とてもつらかったことを覚えています。 母は私のことが嫌いなのだと思ったなぜ母は「きょうだい差別」をするのか。幼い私が考え出した答えは、「ママは私のことが嫌いだから」でした。「ママは弟のほうが好きなんだ」「私はいらない子なんだ」そんなことを考えると、つらくて悲しくてたまりませんでした。 しかし、今になって考えると、あれは「差別」ではなく「区別」だったのではないかと思うこともあります。母は私に「あなたは何でもひとりで、じょうずにできた。でも弟は何をやらせても遅いし、下手だった」と言っていたことがあるからです。 平等に接してほしかったもしかしたら母は、こう考えたのかもしれません。 「姉には遊びより教育を与えたい。弟には教育より遊びを与えたい」「もし50点で良いと姉を褒めたら、姉がそれで良いと勘違いして怠けてしまうかもしれない。逆に、90点を取れないからと弟を叱るのは、弟には酷だ」 確かにその子の個性、その子の個性に合わせた対応をすることは大切なことです。しかし子どもの私にとって、それはとてもつらい出来事だったことに変わりはありません。 私も親となった今、子どもへの接し方の難しさがわかるようになりました。でもやはり、あからさまにきょうだい間の対応を変えることは、子どもの心を傷付けることに繋がると感じています。 子どもの個性に合わせた対応をした結果、傷つく可能性があるくらいなら、みんな同じように接してあげたいと感じます。私は現在第二子妊娠中です。第二子が生まれたあとは、自分のつらかった経験を思い出し、どちらも「差別されている」と感じないよう、平等に接してあげたいと思っています。 イラスト:ののぱ監修/助産師REIKO著者:丸川朋一女の母。出産を機に仕事を退職。子育てのかたわら、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。現在第二子妊娠中。
2020年05月22日2020年4月現在、増え続ける新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者を救うため、多くの医療従事者が懸命に働いています。誰よりも最前線に立って、多くの患者と接さなくてはならない医療従事者の疲労はピークに達しているでしょう。そんな中、一部では医療従事者本人や、医療機関に勤める親を持つ子供たちに、心ない差別が横行。厚生労働省によると、医療従事者であることを理由に、以下のような事態が起きているといいます。・医療従事者の親を持つ子供たちが、保育所への通園を断られた。・医療従事者に対し、タクシーの運転手が乗車を拒んだ。同月17日、こういった事例に対し、厚生労働省はTwitterを通して次のような呼びかけを投稿しました。「新型コロナウイルス感染症の治療に当たっている医療従事者の子どもたちが、保育所への通園を断られた」、「医療従事者が、タクシーへの乗車を拒まれた」、などといった心ない事例が紹介されています。— 厚生労働省 (@MHLWitter) 2020年4月17日 医師や看護師などの医療従事者は、感染防御を十分にした上で、患者の検査や治療、感染症のまん延を防止するなどといった、国民が望む仕事を行っています。正確でない情報により、医療従事者に対応することは慎むべきですし、場合によっては人権侵害になることもあります。— 厚生労働省 (@MHLWitter) 2020年4月17日 厚生労働省は、医療従事者が十分な感染対策を行ったうえで国民のために働いていることを前置きし、「正確でない情報を信じて対応することは人権侵害にもつながるため、慎んでほしい」と強く抗議したのです。【ネットの声】・ありえない。誰よりも危険をおかして頑張っている人たちにやることじゃない。・医療従事者です。病院から出た時に嫌な顔をされたり、指をさされたりしています。・酷すぎる。世界でも日本の死亡者数が少ないのは、医療従事者が頑張ってくれているからこそでしょう。・自分は医療従事者ですが、タクシーの運転手から「大変な中、働いてくれてありがとう」といわれたことがあります。残念なことに、一部の人の振る舞いによって、つらくやるせない思いを抱いている医療従事者がいるのは事実。当然ながら、医療従事者も同じ人間です。中には大切な家族を守りながら、不特定多数の人々を救うという大変な任務にあたっている人もいるでしょう。私たちが戦う相手は人間ではなく、コロナウイルスであることを今一度意識したいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月19日2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大を受け、多くの人が自宅で過ごしています。外出自粛を余儀なくされているため、普段以上に需要が高まっているのが、オンラインでのショッピングです。その結果、日本中の宅配業者は、人々のもとへ荷物を届けるため、日々作業に追われています。ダレノガレ明美が配達員への差別に苦言同月16日に、タレントのダレノガレ明美さんが、Instagramを更新。配達員がコロナウイルスの影響を受けて、いわれのない差別を受けている現状について、ショックな想いをつづりました。 この投稿をInstagramで見る ダレノガレ 明美(@darenogare.akemi)がシェアした投稿 - 2020年 4月月16日午前2時31分PDT配達の方にそのボールペンでサインしたくないです!とか配達の方の前で荷物に除菌スプレーかけたりしてる方がいるんだって…ボールペンならあ!自分のボールペンありますとかで良いのにな…配達の人がいなくなったらすごく不便になるよ?毎日荷物を持ってきてくださる方に感謝しなきゃね。悲しい…darenogare.akemiーより引用一部では、コロナウイルスの感染を恐れるあまり、荷物を持ってきた配達員に対して失礼な態度を取る人もいるのだとか。ダレノガレさんは、そんな状況について「大変な時に荷物を届けてくれる配達員への感謝を忘れてはいけない」と訴えました。持ってきてくださりありがとうございます!が正解かと…感謝の気持ちを忘れてはだめですそして、、、配達員のみなさんいつも重い荷物をありがとうございます感謝の気持ちでいっぱいです!darenogare.akemiーより引用ダレノガレさんの投稿に対し、ネット上ではさまざまなコメントが寄せられています。・本当にそれ!そんな差別をするなら、自分で倉庫まで取りに行ってほしいと思います。・大変な状況の中働いてくれている配達員に対して、感謝の気持ちしかありません。・配達員として働く者です。そういってもらえると嬉しいです。感染のリスクと戦いながら、普段より多い仕事量をこなすことは、配達員にとって大変な苦労があるでしょう。非常事態の中でも、懸命に働く人たちによって、私たちの生活は支えられています。そういった人たちへの感謝の気持ちを忘れずに過ごしたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月17日メイクやファッションをちゃんとすれば、女子はみんなカワイくなれるよね。だから見た目を盛るのってチョ~楽しい。それとおんなじで、じつは心も盛れるって知ってた?見た目美人は女子のあこがれだけど、心の中がおブスだったらなんかちょっとリスペクトできない感じがしちゃう。どうせだったら、見た目も心もどっちも美人なほうがいいもんね。だから今日はあなたの心美人度をチェックしてみよう!■人種差別日本ではあんま聞かないけど、海外では結構多いんだよね。「ウチらそんな差別しないし」って思ってるコは心美人度レベル1クリア!「○○人はバカ」とか「○○人は嫌い」って思っちゃうと残念ながら心がおブスになっちゃうよ。でも、人種差別の気持ちは減らすこともできるから安心してね。差別の心を減らすためには、いろんな外国の人と友達になってみればオッケー。■学歴差別高卒なんか恥ずかしいとか、中卒じゃお先まっくらだとか言ってくる大人っているよね。いくら周りがそう言ってきても、「学歴なんか関係ないし」って思ってるコは心美人度レベル2クリア!学歴だけじゃなく、職業も関係ないよ。社長だからエラいとか、プータローだからダメとかはないからね。他人とかかわる経験が少ないと、そういう肩書だけで人を判断しがちになっちゃう。だから、「差別してるかも」と思ったときは、人とちゃんとかかわっていけば大丈夫だよ。■収入差別お金があったほうが幸せで、お金がないと不幸だ・・・・・・って思ってる人って多いよね。そうやってお金の量で人を差別しちゃうと、残念ながら周りから心おブスって思われちゃうんだ。といっても、お金をほしがっちゃダメっていう意味じゃないよ。お金が好きなのはもちろんオッケー。だけど、お金がない人でも不幸ではないってことは知っておこうね。そうすれば心美人度レベル3クリア!■男女差別オレオレ過ぎると引くけど、恋愛ではやっぱり男子に優しくリードしてほしいよね。だから「ヘタレ男はマジムリ!」って思ってる女子がけっこういるの。男女関係なくヘタレてるのはイヤって思うのなら別だけど、男性だけヘタレちゃダメって思うなら心おブスになっちゃうよ。心美人度レベル4をクリアすれば、男子からは叩かれないし女子から見てもカッコいい人気者になれるんだ。■まとめ楽勝でクリアできるのもあれば、意外とクリアしにくいのもあるよね。クリアできないのがあったとしても、ヘコまないでだいじょうぶだよ。だって、今からクリアできるようにすればいいんだから。それが、心を盛るってことのイミ。まずは心の中にある差別の気持ちを減らしていこう。自分でも気づかなかった、隠れた差別意識を見つけよう。心を盛って、内面をカワイくしていけば、あなたの心美人度はどんどんアップしていくよ!(羽林由鶴/ハウコレ)
2020年04月15日ディズニーの実写版『アラジン』に主演しながらも、その後、人種差別によりオーディションにすら呼んでもらえないと嘆いていたメナ・マスードに、再び銀幕で活躍するチャンスが到来か。実写版『アラジン』の続編製作が、本格的に始まりそうだと「Variety」誌などが報じた。ここ半年ほど、前作のプロデューサーであるダン・リン&ジョナサン・アイリッヒが続編の方向性について話し合ったという。2人は引き続き製作を担当し、製作総指揮はライアン・ハルプリン(『レゴ ムービー』シリーズ)が務める。脚本はジョン・ゲイティンズ(『フライト』『キングコング:髑髏島の巨神』)とアンドレア・バーロフ(『ワールド・トレード・センター』)の2人が手掛けることが決定している。ガイ・リッチーが再びメガホンを取るかは不明だが、製作陣はウィル・スミス、メナ、ナオミ・スコットの主要キャスト3人のカムバックを望んでいるが、脚本が仕上がってから出演オファーするとのこと。『アラジン』関連ニュースとしてはほかに、「Disney+」が同作の新キャラクター、アンダース王子を主人公としたスピンオフ作品を企画中と報じられている。(Hiromi Kaku)■関連作品:アラジン(2019) 2019年6月7日より全国にて公開© 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2020年02月14日女性であるというだけで愛子さまが将来の天皇になれないのは、女性差別ではないのかーー。国民的議題である皇位継承問題。『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書)などの著書がある、社会学・ジェンダー研究者の牟田和恵さん(大阪大学大学院人間科学研究科教授)に、見解を聞いた。昨年マスコミ各社が行った世論調査では、女性天皇について8割前後が賛成意見でした。私も、天皇陛下の長子である愛子内親王が次の天皇になられるのが当然だと考えます。現在の皇室典範は男女平等ではなく、改正するべきです。日本国憲法には、法の下の平等が記され、男女平等が定められています。しかし皇室では、天皇という皇位を継承できるのは、男系の男子に限られています。「一般社会と皇室は別ではないか」と思われるかもしれません。しかし、皇室典範における女性差別は、日本社会の女性差別を反映しているのです。たとえば、いまだにお葬式では「喪主は男性でないと」といった意識が根強いです。また、夫婦の姓も、男性の姓に合わせることがほとんどです。こういった女性差別の根本には、家長を男性に限るという「家父長制」があります。個人の自由より「家」を第一とする発想が、いまだに日本社会に根強く残っている証拠なのです。「家制度」は、敗戦による憲法改正で廃止されました。しかし、日本という国の象徴である皇室には、男子しか皇位を継承できないというルールが残ってしまったのです。皇室の女性差別が見直されなければ、日本社会における女性の生きづらさも本質的には変わらないのではないでしょうか。‘85年に女性差別撤廃条約が締結されたこともあり、ヨーロッパのほとんどの王室で、性別にかかわらず第一子が王位を継承するようになっています。日本も天皇の第一子が皇位を継承するように皇室典範の改正を急ぐべきでしょう。世界経済フォーラムが各国の男女平等の度合いを調査した「ジェンダー・ギャップ指数」の’19年版で、日本は153カ国中121位で、過去最低でした。政治や経済などさまざまな分野で、いまだに女性は低い立場に置かれています。それは、皇室のあり方と決して無関係ではないと思います。愛子内親王は天皇皇后両陛下のもとですこやかに成長されているようです。将来、即位されれば、天皇として立派に務めを果たされることでしょう。「女性だからできないこと」は、社会からなくしていくべきです。皇位継承についても、同じだと思います。「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月07日モデルで女優の水原希子(29)が1月27日、差別に対しての意見をTwitterにつづった。ネットで大きな反響を呼んでいる。今月6日の神奈川新聞によると、川崎市にある多文化交流施設に在日コリアンを脅迫する年賀はがきが届いた。「謹賀新年」を謳いながらも、そこには「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう」などと書かれていたという。すると同件を危惧した団体が20日、change.orgでネット署名を呼びかけた。その署名は政府や市にヘイトスピーチを許さないよう声明を出すこと、そして警察には犯人逮捕に全力をあげるよう求めている。その翌日、水原もTwitterで署名を呼びかけた。さらに水原は27日、Twitterで差別に対する自身の考えを明かした。水原は無意識な差別や《イジメやトラウマなど、自分が経験した心的外傷から生まれる差別》《政治や歴史的な側面から生まれる偏見、誤解、差別》があると推測。そして《偏見や差別を受けた人はその相手を憎み、そしてまた差別が生まれ、差別が連鎖していく》と展開した。しかし、こう続けた。《ただその中で、少しでも差別や偏見を無くしていくためには、自分がそういう偏見してしまったり差別心みたいな感情を湧き上がった時に、意識的に自覚する事が大切なんじゃないかと思うのです》《誰かに嫌なことを言われたり、されたりしても、それはあくまでもその相手、個人の問題であって、それは絶対に人種やそのコミュニティー全般の問題ではない》そして《大切なのは、この地球に生きている同じ人類、地球人として優しさと強さを持って今をしっかり生きていく事、そして前を向く事が大切だと思います》とつづっている。長らく日韓関係のねじれが報じられているため、ネットでは《こんな風になってきたのには理由がある。それを解決しないとただの綺麗事にしかならない》といった声も上がる。しかし「個人と人種、コミュニティは別物」「差別していると気づくことが大切」という水原のメッセージは1日で1.1万もの“いいね”を記録。さらに支持する声が上がっている。《他人を排除して住みやすい国ができるとはとても思えません。昨今の排外的な風潮に意見することはとても大切だと思います》《やられたらやり返すなんて考えが、なくなりますように キコちゃんみたいな考えの人が増えて、負の連鎖を終えれますように》神奈川新聞によると脅迫文のつづられた年賀状に対し福田紀彦市長は23日、「全く許されるものではない」「不安が払拭できるよう対応したい」と表明したという。
2020年01月29日1970年代後半のイギリス、「ザ・クラッシュ」など数多くのミュージシャンからも支持された人種差別に抗議するムーブメント“ロック・アゲインスト・レイシズム”に追った社会派音楽ドキュメンタリー『白い暴動』(原題:WHITE RIOT)が、日本で世界最初に劇場公開されることが決定した(映画祭での上映を除く)。本作の時代背景は、「英国病」と呼ばれるほどに経済破綻状態にあった1970年代のイギリス。市民が抱いていた不安と不満は、第二次世界大戦後に増加した移民たちへと転嫁されていった。街は暴力であふれかえり、特に黒人たちが襲われた。そのなかで、芸術家として活動していたレッド・ソーンダズを中心にした数人の若者たちで発足された“ロック・アゲインスト・レイシズム”、略称RARは、人種や生まれによる差別への反発、不平等への反抗を主張し、抗議活動を始める。RARの発信するメッセージはやがて、「ザ・クラッシュ」をはじめ、「トム・ロビンソン・バンド」「スティール・パルス」といったパンクやレゲエ音楽と結びつき、大きく支持されていく。映画のクライマックス、RARが決行した1978年4月30日に起きた約10万人による大規模なデモ行進と終着地での音楽フェスは圧巻というべきもので、市民が1つになった瞬間は見ものだ。監督はBBCで複数のドキュメンタリーを手掛けてきたルビカ・シャー。彼女自身、アジア系移民の家庭に生まれ、両親が直面した人種差別について興味を抱いたことで製作を決意、本作で長編映画デビューを果たした。また、今回解禁となった本作のティザービジュアルは、RARのメンバーでもあったオーストラリア人カメラマン、シド・シェルトンが撮影した音楽フェスの様子。10万人余りの観客を前に、まさに「ザ・クラッシュ」が「白い暴動」を演奏した瞬間を捉えたもの。本作のタイトルでもある「白い暴動」は、「白人も黒人と同じように暴動を起こせ!」というメッセージが込められた曲であり、本作の重要なテーマでもある。字幕監修はピーター・バラカン「音楽の力で人の心を動かした」さらに、本作の字幕監修を務めるのはピーター・バラカン氏。80年代に放送されていた伝説の音楽番組「ザ・ポッパーズ MTV」で数多くの洋楽を紹介し、現在もInterFM「Barakan Beat」で古今東西、様々な音楽やカルチャーを世に発信し続けている。イギリスの時代背景と音楽に精通し、“音楽ファンの大人たち”にファンの多いバラカン氏による監修も見どころのひとつだ。バラカン氏は「移民差別に対して当事者意識を持った個人が集まったこの話は40年前ですが、まさに現在世界各地で起きていることへの示唆に富んでいます。今後の日本にとっても決して他人事ではありません。音楽の力で人の心をいい方向に動かしたいい例です」とコメントを寄せている。『白い暴動』は4月3日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷・アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年01月22日23カ国で翻訳されたベストセラーを『それでも夜は明ける』『ドクター・ストレンジ』のキウェテル・イジョフォーが初監督した『風をつかまえた少年』。この度、本作で主人公のたくましい母親を演じたアイサ・マイガのインタビュー映像がシネマカフェに到着。美しく知性に溢れた、いま注目のホットな女優に注目した。2010年に日本でも出版され、世界を驚かせ興奮させたノンフィクションの映画化。2001年、干ばつによる貧困で中学を退学になった14歳の少年が、当時人口の僅か2%しか電気を使うことができないアフリカの最貧国のひとつマラウイで、自分の頭脳と手だけを頼りに発電することに成功。家族と村の人々を救うだけでなく、自身も大学へ進学し、2013年にタイム誌の「世界を変える30人」に選ばれた。世界を魅了した彼の物語は、日本の中学の英語教科書「NEW CROWN3」にも取り上げられている。カンヌのレッドカーペットを歩き、映画業界にはびこる人種差別を非難そんな主人公の母親役アグネス・カムクワンバを演じたのが、アイサ・マイガ。1975年、セネガル出身。4歳でフランスに移住し、アブデラマン・シサコ監督の『Bamako』(原題・’06・未)でアフリカ系フランス人女優として初めてセザール賞有望若手女優賞にノミネートされる。その後もミシェル・ゴンドリー監督『ムード・インディゴうたかたの日々』(’13)、Netflix製作の『アフリカン・ドクター』(’16)や『目元が似てる君へ』(’17)などに出演。2018年には、自身を含めた15人のフランスに住む黒人女優の物語を描いたアンソロジーエッセイ「Noire n’est pas mon me(仏:eに’)tier(私の職業は黒人ではない)」をカンヌ国際映画祭開催時に出版し、フランス中で話題を集めた。また、カンヌでは映画祭のレッドカーペットを黒人女優たち15人と共に歩き、仏映画業界にはびこる人種差別を非難した姿は様々なメディアに取り上げられた。こうした活躍に留まらず、ヨーロッパとアメリカの黒人女優を描いたドキュメンタリーの監督も自らつとめるなど、俳優に留まらず多彩な才能を見せている。尊敬するキウェテルとの仕事「アフリカこそが未来と感じるかも」解禁されたインタビュー映像では、アイサが演じた主人公の母親役アグネスについて、「アグネスは、子どもの教育に熱心なの。ウィリアムにはもちろん娘のアニーにもね。この作品に出演できてうれしいわ。力強いアフリカの母親を演じられるんだもの」とキャラクターや演じたことの喜びを語る。キウェテルが手掛けた脚本について「読んだ瞬間に恋に落ちた。知性が感じられるし、政治的な問題にも触れてる。生き生きとした家族の姿に共感できると思ったし、ウィリアムの人物描写も素晴らしかった」と大絶賛!続けてキウェテルとの仕事について「ひと言で表現するなら、監督の誕生に立ち会った感じ。俳優としてのキウェテルを尊敬してきたわ。彼の演技は芸術性があって知的さも兼ね備えてる。そんな彼が監督する作品に出られたのは、本当に素晴らしい体験よ」と俳優だけではなく、監督としての信頼も語る。最後に「作品を観る人たちはきっと、この家族に対して共感すると思う。アフリカの子どもの話だけど、普遍的な家族の姿を描いた作品でもあるわ。アフリカのよさも発見してもらえると思う。それに、アフリカこそが未来と感じるかも」と力強く語り、インタビューを締めくくる。女優としての活躍に留まらず、映画づくりや書籍の執筆などを通して人種差別への問題提起を投げかけるアイサ・マイガ。映画の鑑賞とあわせ、彼女の活躍にも注目してほしい。『風をつかまえた少年』はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)
2019年08月03日シンプルな言葉と、絵で展開される豊かな世界は、新しい価値観や、未知のものへの心の扉を開きます。時を超えたり、理想を見たり…。知らない世界を“絵本”で知ろう!「絵本って同じページをずっと眺めていたり、好きに戻ったりできるのがいいですよね。大人こそ、じっくり“絵を読む”時間によって感性が開かれるような気がします」と、絵本専門士の資格を持つ杉上佐智枝さん。彼女の思う絵本がくれる最大のギフトは“想像力”を育むことだ。「子どもでもわかる内容とテンポなので『この登場人物には、どんな言葉をかけたらいいかな』といった相手の立場を想像する時間が持てます。ファンタジーで、空想の世界で遊ぶもよし、実話で痛みや悲しみに共感するもよし、そこで得た想像力こそが、国を超えてわかり合う力、最終的には人間力になると思います」杉上さんの語る絵本の持つ魅力別に本を紹介します!多様な価値観を受け取る。『タンタンタンゴはパパふたり』文:ジャスティン・リチャードソン&ピーター・パーネル絵:ヘンリー・コール訳:尾辻かな子、前田和男1500円(ポット出版)「LGBTのことは、デリケートな問題ですが絵本を通してだと、子どもにも自然に伝えることができます。私たちが知るためにも、これからの世代に知ってもらうためにも大切なテーマですよね」。卵の代わりに石を温めていたおす同士のペンギンカップル。飼育員が機転を利かせて…。NYの動物園で実際にあったお話。差別や偏見を乗り越える強さ。『彼の手は語りつぐ』著:パトリシア・ポラッコ訳:千葉茂樹1600円(あすなろ書房)「人種差別や偏見といった、どこの国でも生まれる問題を扱ったものも大人になったからこそ、手に取ってほしいです。それを乗り越える人間の愛と強さを感じた時、救われる思いがします」。南北戦争時代の文字の読める黒人と、文字の読めない白人の、友情の物語。作者はその白人の子孫で、代々語り継がれてきた実話。ライフスタイルの異なる世界を知る。『おんぶはこりごり』作:アンソニー・ブラウン訳:藤本朝巳1500円(平凡社)「働いている母親の大変さや、未婚女性の寂しさなど、境遇が違う世界を絵本で覗くのも楽しいですよ。絵本ならユーモラスに展開しているものが多く、受け入れやすいのではないでしょうか」。家庭を一人で支えるママと、甘えっぱなしの夫と子どもたち。ある日ママが家出したら!?家事の女性負担をシュールに描く。理想の在り方とは何かを考える。『わたしのそばできいていて』作:リサ・パップ訳:菊田まりこ1400円(WAVE出版)「対人関係のヒントをくれる作品も数多くあります。特に職場の後輩や、自分の子どもに対して、『こう接したいな』というお手本にしたい例も。大人になって悩んだ時こそ、原点に立ち戻る大切さを知ります」。本を読むのが苦手なマディは図書館で白い大きな犬と出会い…。作中の読書介助犬は米国などで実在する。すぎうえ・さちえアナウンサー。日本テレビ所属。絵本専門士。毎年、読み聞かせ研修のために、その年の新人アナウンサーの特技に合った絵本を探すそう。※『anan』2019年7月10日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2019年07月08日私は物心が付いたころから、母親からのきょうだい間の対応の差を感じていました。私はずっと「私は親からきょうだい差別を受けている」と思っていました。でも、大人になってからは「あれは、区別だったのかも」と思うことも。しかしどちらにしても、私にとってはつらい経験でした。 幼いころから感じていた「差」私は幼いころから、私と弟に対する母の対応に差を感じていました。例えば、おもちゃ。おもちゃ箱の中には、弟のプラレールやトーマスのおもちゃがたくさん詰まっていました。でも、私のおもちゃはないのです。弟のおもちゃで遊んだ記憶はあるのですが、自分のおもちゃで遊んだ記憶はありません。 私に向けられたものは、本棚に立てられた幼児教育の教科書だけでした。写真を見ても、これは私の記憶違いではなさそうでした。 弟は褒められるのに、私は…少し成長してからは、「弟は褒めてもらえるのに、私は褒めてもらえない」と思うことが多くありました。 例えば、学校のテスト。私が90点台を取ると、「どうしてこんな問題を間違えたの!? ちゃんと勉強しなかったからでしょ!」と怒られました。一方、弟が50点台を取ると、「ここも、ここも、できたね! 頑張って勉強したからだね! すごいね!」とやさしく褒められていました。それを見た私は大ショックです。私のほうが良い点数なのに、なぜ私は怒られるのか。なぜ弟は褒められるのか。 とてもつらかったことを覚えています。 母は私のことが嫌いなのだと思ったなぜ母は「きょうだい差別」をするのか。幼い私が考え出した答えは、「ママは私のことが嫌いだから」でした。「ママは弟のほうが好きなんだ」「私はいらない子なんだ」そんなことを考えると、つらくて悲しくてたまりませんでした。 しかし、今になって考えると、あれは「差別」ではなく「区別」だったのではないかと思うこともあります。母は私に「あなたは何でもひとりで、じょうずにできた。でも弟は何をやらせても遅いし、下手だった」と言っていたことがあるからです。 平等に接してほしかったもしかしたら母は、こう考えたのかもしれません。「姉には遊びより教育を与えたい。弟には教育より遊びを与えたい」「もし50点で良いと姉を褒めたら、姉がそれで良いと勘違いして怠けてしまうかもしれない。逆に、90点を取れないからと弟を叱るのは、弟には酷だ」 確かにその子の個性、その子の個性に合わせた対応をすることは大切なことです。しかし子どもの私にとって、それはとてもつらい出来事だったことに変わりはありません。 私も親となった今、子どもへの接し方の難しさがわかるようになりました。でもやはり、あからさまにきょうだい間の対応を変えることは、子どもの心を傷付けることに繋がると感じています。 子どもの個性に合わせた対応をした結果、傷つく可能性があるくらいなら、みんな同じように接してあげたいと感じます。私は現在第二子妊娠中です。第二子が生まれたあとは、自分のつらかった経験を思い出し、どちらも「差別されている」と感じないよう、平等に接してあげたいと思っています。著者:丸川朋一女の母。出産を機に仕事を退職。子育てのかたわら、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。現在第二子妊娠中。
2019年05月09日兄弟姉妹のいる家庭では、子ども同士それぞれに秘めた思いがあるものです。「お姉ちゃん(お兄ちゃん)はいいのに、どうして自分はダメなの?」「長女(長男)だからって、どうして自分ばっかり我慢しなきゃいけないの?」といった言葉が、子どもの口から出てくることもあるでしょう。ママのなかには「もしかしたら私の接し方が、きょうだい差別を感じさせているのかも…」と不安になる人もいるでしょう。今回は、子どもたちにきょうだい差別を感じさせないための声がけ法について考えてみたいと思います。■ドキッとする子どもの言葉「きょうだい差別を感じさせているかも…」兄弟姉妹がいると「愛情に偏りが出ないよう気をつけている」というお母さんも少なくありませんよね。ただ、以下のような言葉を子どもが口にしたら、「不平等な扱いをしたつもりはないのに…」と不安になってしまうこともあるでしょう。・「お姉ちゃんばっかりひいきして、ズルい!」・「なんでお兄ちゃんはいいのに、私はダメなの?」・「弟なんていらない!」・「妹になりたい」子どもは、親の何気ない言葉を聞き逃さず、「ほかのきょうだいと自分は扱いが違うのだ」と敏感に感じることがあります。例えば、こんな言葉を子どもにかけたとしましょう。「お姉ちゃんはかわいいからモデルになれるかもね。あなたはパパに似たけど…」容姿について、直接的な優劣をつける言葉ではないので、ママに悪気はなかったのかもしれません。しかし、姉妹を持つ母としては少々デリカシーのない言葉といえるでしょう。こう言葉をかけられた子はどんな気持ちを抱くのでしょうか。言われた側は、容姿の優劣はもちろん「私よりママはお姉ちゃんが好きなんだ」という感情を抱くでしょう。何気なく放ったひと言でも、子どもは敏感にきょうだい差別を感じ取ります。そんな出来事が過去になかったでしょうか? 先に紹介した言葉を子どもが口にするようなら、ママ自身の言葉かけが間違っていたのかもしれません。■親子の「感情のズレ」あって当たり前と自覚するあるママは「お姉ちゃんは髪を結んだほうがかわいいけど、下の子はおろしたほうがかわいい」と思い、下の子の髪は結ばなかったそうです。親は良かれと思ってしたことでしたが、下の子はそのとき「私も結んでほしいのに、どうして?」と悲しい気持ちを抱いていたそう。このような感情のズレから、子どもに悲しみや寂しさを感じさせてしまうこともあります。また、きょうだいがいるママのなかには「長女だから我慢ばかりさせられた」「いつもお姉ちゃんばかりほめられた」といったきょうだい差別を感じて育った人もいるでしょう。その場合、「自分が長女でたくさん我慢してきた」と思っている人は、長子に対して甘くなってしまう傾向があります。また、「兄(姉)ばかりほめられた」という気持ちを抱いたことのある人は、無意識のうちに長子をほめることにブレーキをかけてしまうケースも。そんなあなたの態度に対して何も言わないからといって、子どもに不満がないわけではありません。かつての自分がそうであったように、子どもは何も言わず我慢をためています。ですから、「自分の子ども時代の感情を満たすために付き合わせてごめんね」と自覚し、反省することもときには必要です。きょうだい差別を感じさせてしまうのは、こうした親と子の感情の行き違いが引き金になっているケースも多いようです。■子どもの不満別、きょうだい差別をはねのける3つの方法わが子がきょうだい差別を感じているようなメッセージを発したら、どのような対応をすればよいのでしょうか。今からできることは「子どもの気持ちに意識を向け、望むとおりにする」ことです。わが子の言葉から何を不満に感じているかを読みとり、子どもの要望にこたえてあげるのです。それが、不満解消の近道となるでしょう。子どもの不満別に、以下のような声がけ、働きかけを試してみてください。【生まれ順についての不満】例:「お姉ちゃん(お兄ちゃん)になりたい!」「弟(妹)になりたい!」上の子になりたい、下の子になりたいと言うなら、まずは子どもがそう思う理由を探してみます。たいていは上の子だけにしがちなこと、下の子だけにしがちなことが原因のようです。例えば、「お姉ちゃんみたいになりたい!」と言うときは、上の子にしていることをそっくりそのまましてあげます。同じ髪形にしてあげたり、同じ洋服を買ってあげたり、同じ習いごとをさせてあげるのも良いでしょう。また、我慢することが多い上の子に「お姉ちゃん(お兄ちゃん)が欲しかった」と言われたら、我慢させることを一切やめ、思いきり甘えさせてはいかがでしょうか。【性差についての不満】例:「お兄ちゃんみたいに、男の子っぽい服が着たい!」妹が兄の服装やいで立ちを好み「自分も同じようにしたい」というときは「女の子なのに…」と考えず、好きなようにさせてあげます。黒い色を基調としたコーディネート、トレーナーにズボンなどのカジュアルな服装も満足するまで着させてあげます。また弟が「お姉ちゃんみたいな人形遊びがしたい」といったときも「男の子のくせに」とは言わず、まずはやらせてあげましょう。【外見を含めた個性についての不満】例:「お姉ちゃんみたいにかわいくないから」「弟みたいにできないから」もし、わが子がほかのきょうだいほど評価されていない、比べられて低く見られていると感じたら、「あなたはかわいい」「あなたはできる」と何度も口にしましょう。周囲から評価されなくても、ママさえ認めていれば、子どもがきょうだい差別を感じる度合いは薄まります。また、例えば上の子が「お兄ちゃんは足が速いからリレーが楽しみね」などと周囲から期待されていたとします。それを聞いた下の子が「お兄ちゃんばかりほめられる」と感じているようなら、「あなたの運動会も楽しみだね」「早く応援したいな~」と声がけをしてみましょう。そうすることで「ママは僕のことも気にかけてくれている」という気持ちが生まれ、きょうだい差別を意識しにくくなるはずです。「子どもの要求を何でも聞くわけにはいかない」と感じるママもいるでしょう。でも、ときには子どもがやりたいということを「うのみ」にし、思いっきりやらせてあげることも大切です。子どものやりたい気持ちは一時的な場合が多く、やってみたらどんなものかが分かり、満足して気がすむことがほとんどです。大切なことは、子どもの言葉を認めること、実際に一度経験させることだと思います。
2019年03月07日米ニュージャージー州ジャージーシティに先月オープンしたバーが話題だ。残念ながらポジティブな理由からではない。口コミサイト「Yelp」にドレスコードが差別的だというレビューが殺到しているのだ。問題のバー「THE ASHFORD」が掲げた基本的なドレスコートは「高級ビジネスカジュアル」。これに付随する形で、非常に細かくNGアイテムが羅列されている。以下に紹介しよう。・オーバーサイズのジーンズおよびシャツ・ヘッドギア・ベースボールキャップ・ワークブーツ・ジム用スニーカー・短パン、運動服・スウェットパンツ、ジョガーパンツ・カーゴパンツ・オーバーサイズジュエリー、大袈裟なチェーン・ノースリーブシャツ・サングラス・迷彩柄・腰ばき、またはだぶだぶのズボン・ヘッドフォンさらに、「ズボンにはベルト必須」とも付け加えられている。Yelpにはエントランスで手ひどく追い払われた人たちが怒りのレビューを多数投稿している。「ブロンドの女性の友人は、ルーズなスウェットパンツでも入店を許されていましたが、普通のズボンをはいた黒人男性たちは何らかの理由で拒否されました。用心棒に『パジャマを着た人は入れない』とも言われました」「僕の友達は、フード付きのセーターを着ているという理由で入れてもらえませんでした。でも、他に理由があるような気がします」(黒人男性のレビュー)「差別主義者!ひどい店だ。このドレスコードは誰にでも当てはまるわけじゃない。黒人と、用心棒の好みじゃない人にだけ適用されるんだ!」この他にも、「ものすごく選民的」「不平等な押し付け」「見た目が良くない人を意図的に帰らせている」と星一つのレビューが続々と寄せられている。バーのオーナーはDaily Newsの取材に対し、「私どものミスです」とドレスコードの内容が不適切であったことを認め、「単におしゃれをしてきてね、ということであり、誰でもウェルカムです。そして、ドレスコードは人種とは全く無関係であるということを明らかにしておきたい」とコメント。Yelpのレビューについては「見ていない」としながらも、ドレスコードを羅列したプラカードは撤去したという。
2019年01月17日