健康診断に行かなきゃと思いながら、コロナ禍もあり、しばらく受けていなかったという方も多いのでは。そこで、産業医の竹中奈織先生に、「健康診断や人間ドックの検査前の注意点、検査結果の見方」をお聞きしました。健康診断や人間ドック、必ず知っておきたい意外な注意点皆さんは定期的な健康診断や人間ドックは受けていますか?(※1)令和元年(2019年)の国民生活基礎調査によると、1年以内に健康診断や人間ドッグを受診した男性のうち20代は70.9%、30代は77.9%、40代は81.4%となっており、女性では、20代は65.9%、30代は60.5%、40代では71.5%と明らかに女性の受診率が低いことがわかります。受けなかった理由として最も多かったのが、心配な時はいつでも医療機関を受診できるため、次いで、時間がなかったことが挙げられていました。さらに近年ではコロナ禍で、健康診断の受診率が低下してしまい、それに伴い、在宅太りや運動習慣の減少によりさらなる健康の危機がこれからあるとも考えられています。令和2年の政府の統計による定期健康診断結果(※2)では、何らかの異常があった人の割合は過去最高の58%という非常に悪い値でした。20代、30代でも異常は30%~40%程度の割合で見つかっていることが多く、年1回の健康診断や人間ドックの重要性がここからもわかると思います。企業には、労働安全衛生法という法律があり、従業員に対して年に1回の健康診断の実施が義務付けられています。そのため多くの人が健康診断を受けたことがあると思います。一方で、人間ドックには法的義務はなく、自分の意思で受診するしないを選択し、健康診断よりも多くの検査項目が用意されており、健康診断では見つかりにくい病気の早期発見ができる可能性があるという点で違いがあります。どちらも今の自分の健康状態を把握し、生活習慣の改善や病気の早期発見、早期治療、さらに予防へとつなげられるという意味では、同じ目的ととらえてもいいと思います。今回はこの記事で健康診断に行かんとあかんな…と思っていただいた方やこれから健康診断を控える方が正しく受診できるように、検査前の注意点や、検査結果の見方についてお話させていただきます。絶食はいつから?食事で気を付けることは?健康診断は空腹時で採血した場合の基準で判定しており、12時間以上の絶食が推奨されています。健康診断を午前中に実施する健診機関が多いため、夜9時までに夕食をすませ、それ以降は絶食で受診してください。血液検査で、食事の影響が大きく変化する数値は血糖値と中性脂肪の値です。12時間以上きちんと絶食できていなかったり、検査前にアメちゃんやガムを食べてしまったり、前日の夕食に脂っこいものや甘いもの、糖質を多く食べてしまうと血糖値や中性脂肪の値に影響が出やすくなり、再検査対象になることがあるので気をつけましょう。また、正しい絶食ができていないと腹部超音波(エコー)検査で、胆のうがきれいに観察できないことがあり、胆のうポリープや胆石、胆のう腺筋症などの診断が正しくできなくなります。そして、前日の夕食に脂肪分の多いお肉や揚げ物、消化の良くない繊維質の多いものを多く食べてしまうと、胃に食べ物が残りやすい状態になってしまうことがあり、胃のバリウム検査や胃カメラで正確に観察できず、再検査になる可能性があるため注意が必要です。再検査にならないためにも検査前の夕食は早めに消化のいい、あっさりとした食事を中心にすませておき、そのあとの食事は避けるようにしてくださいね!水分は?いつもの薬は飲んでいいの?サプリメントは?夜9時以降の水分摂取はお茶や水なら飲むことはOKです。ただし、健康診断で腹部超音波検査や胃のバリウム検査を控えている場合は、当日の水分摂取は検査に影響が出やすくなるため、2時間前までにコップ1杯(200ml)程度の水分にとどめておいてください。現在、飲んでいる薬がある人は、基本的には、主治医の先生と検査項目を話した上で決めていただくのが大切です。当日の朝も飲まないといけない心臓病や高血圧、てんかん、精神疾患の薬などは健診の2時間前までにコップ1杯程度の水分で内服を済ませておきましょう。その他の薬は当日検査が終わってから飲むようにしてください。また、サプリメントは食品として扱われるため、前日夜9時以降控えてください。特に、美容で飲んでいる人が多い、ビタミンCのサプリメントは尿検査で、尿糖や尿潜血が本来陽性であっても陰性と出てしまうことがあり、病気の発見を見逃してしまうことがあります。そのため健診2日前からビタミンCのサプリメントは控えておきましょう。検査前のアルコールは?コーヒーはダメ?多くの健診機関では、前日からアルコールは控えるように言われています。健診機関によっては1週間前からの禁酒を指示する厳格なところもありますので、健診前の注意事項をよく読んでください。アルコールの代謝は年齢や性別、体質、体調などで個人差が大きいため血液検査に影響が出る可能性があります。血液検査の結果で、仮に肝臓が異常値になった際、それがアルコールによるものなのか、ウイルス性肝炎によるものなのか、脂肪肝によるものなのか、はたまた肝がんによるものなのか…がわかりにくくなってしまいます。アルコールは、肝機能だけでなく、血糖値、脂質、血圧、尿酸値などの数値に影響が出る可能性があるため、せめて前日はアルコールを控えて受診してください。検査前にアルコールを減らすことは大切ですが、アルコールは習慣によるものなので、普段から1合程度(ビールだと500mlまで)までにすることや休肝日を設けるなどの工夫はしておいてください。たまに検査の朝にコーヒーだけ飲んでもいいですか?と聞かれることがあります。ブラックコーヒーであれば、血液検査に影響しないためOKとしている機関もありますが、砂糖やミルクが入っているコーヒーは血糖値や中性脂肪が高くでることがあるため、NGとされています。またコーヒーに含まれるカフェインの利尿作用によって脱水を引き起こす可能性もゼロではないため、コーヒー自体をNGとしている健診機関もあり、基本的には健診機関の指示に従うか、控えておく方が無難でしょう。タバコは1本くらいならいい?健康診断前にタバコを吸うと、血圧や胃のバリウム検査に影響が出やすくなります。血圧が高く出てしまったり、喫煙によって、胃が活発に動いてしまうためせっかく飲んだバリウムが胃から腸へ速く押し出されてしまい、正しい検査ができずに再検査になることもあるのです。再検査を避けるためにも、タバコは健診前は1本であっても控えておく方がいいでしょう。前日の激しい運動はダメ?普段からジムなどで運動習慣をもつことは非常に素晴らしいことですが、前日の激しい運動は、筋肉が疲労し、肝機能やたんぱく尿、尿酸値への影響が出ることがあるため、筋トレなどの無酸素運動は避けるほうがよいでしょう。ただしウォーキングなどの軽い有酸素運動なら短い時間であればいつも通り行うのは大丈夫です。20~30代の女性の要注意ポイント!まだまだ健康不安の比較的少ない年代ですが、貧血や尿潜血陽性は特にこの年代でよく見られます。貧血は月経に伴うものや月経過多になるような婦人科疾患が隠れていたり、ピロリ菌感染症の時にも現れることがあります。なかには治療が必要なことがあるため、ヘモグロビンや血清鉄の低下があった場合は、月経によるものと自己判断せず、必ず婦人科や内科を受診をしてください。貧血を放置することは、心臓や肺への負担を増やすことになるため全身疾患につながることがあることも覚えておいてください。またダイエットなどで食事制限をしていると栄養の偏りや鉄不足に陥ることがあります。鉄は酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンに不可欠なだけでなく、コラーゲン生成や、お肌の新陳代謝やしみやしわ、爪や髪の毛のツヤなどにも影響しているミネラルのため、この年代に多い鉄欠乏性貧血は放置せずにきちんと改善しておくことが大切です。また、尿潜血陽性は月経中や月経終わりかけのころに尿検査を受けると尿潜血陽性と出てしまうことがあります、その場合は、問診票に生理中と記入し、再検査を受ける覚悟で受診するか、健診受診をずらすなどの対応をとることをお勧めします。35歳からは女性ホルモンによる影響が出やすくなる!?35歳~44歳まではプレ更年期といって少しずつではありますが女性ホルモンが20代に比べると変化しやすく、穏やかに減っていきます。女性ホルモンはコレステロールを調整する作用や代謝に関わっているため、LDL(悪玉)コレステロールの異常や体重がなかなか減らないといったことが起こりやすくなります。カラダの変化が出るころは生活習慣の見直しの時期として捉えてみてください。検査結果が返ってきたら?検査結果が返ってきたら、まずはコメント欄に書いてある内容をしっかり読むようにしてください。もし会社に産業医や保健師がいれば、検査結果についての説明や質問が聞けますので、ぜひ活用してみてください。そして何よりも大切なのは、そのままにしないことです。いい結果が出た方は引き続き健康意識をもって取り組み続けてください。もし再検査や要注意が出てしまった方は、アルコール習慣、運動習慣、食生活を見直すきっかけとして新しい生活習慣を続けて再検査を受けることが大切です。精密検査が必要となった方は、すぐに医療機関の受診をするようにしてください。50人以上の企業では必ず産業医がいるため、健康診断の結果に基づいて、就業に関して意見を述べる場合があります。その時に産業医とお話をして、健康的に働ける労働環境の見直しをすることも可能です。健康診断はテストと同じで、受けるだけではなく、自分の悪かったところの見直しと改善するところまでが健康診断と考えましょう。最後に、日本人の死因は令和2年の最新データでは1位・悪性新生物、2位・心疾患3位・老衰、4位・脳血管障害です。(※3)まだピンと来ないかもしれませんが、悪性新生物や心疾患、脳血管障害は生活習慣に影響することがわかっています。人間ドックや健康診断を受けていれば必ずしも健康に問題がないというわけではありませんが、日本ではまだまだ健康診断や人間ドッグ受診率が低く、がん検診の受診率はさらに低いのが現状です。また日本人が長生きしている裏には介護期間が長いという現実あるのも事実です。男性は8年から9年、女性では12年から13年、何らかの支援や介護が必要な年月があると言われています。まだ介護の話は少し先のことに感じるかもしれませんが、受けたことがない人は、ぜひ今年こそは、健康診断や人間ドックを受診して自分のカラダを知って、見直すきっかけを作ってみてください。竹中奈織日本内科学会認定医日本医師会認定産業医日本抗加齢学会専門医病院勤務、在宅診療を経て現在産業医を中心に働いています。自分自身の妊娠糖尿病や妊娠高血圧になった経験もあり、多くの人に今だからこそできる予防医学の考えを広めていきたく、未病のうちから人を診ることができる産業医や予防医学専門医として、身体も心も健康に過ごせる方法を伝えていきたいと思っています。プライベートでは3児の母として奮闘中です。カオリ内科糖尿病クリニック非常勤医師※クリニック下で有機野菜を使用したサラダや低糖質スイーツを提供するアンチエイジングのできるカフェ『オーベストシモーネコーヒーカフェ大阪』の医師監修をしています。(C)courtneyk/Getty Images文・竹中奈織
2022年06月01日健康診断や人間ドックを毎年受けていますか?また、子宮頸がんや乳がんなど、女性特有の疾患の検査はいかがでしょうか。anan Beauty+ clubのメンバーに「健康診断」について聞いてみました。女性の健康診断や人間ドック事情をリサーチ毎年健康診断や人間ドックを受けていますか?なんと、健康診断または人間ドックを年に1回受診しているかたは6割弱。ほぼ毎年受診しているというかたを合わせても7割ちょっとという結果に。労働安全衛生法のもと、会社は労働者に医師による健康診断の実施義務があるので、多くの会社員は1年に1回健康診断を受けているはずなのですが。しかし、わざわざ時間を調整して受診しなければならないため面倒と感じたり、「もし病気が見つかったら…」との思いから尻込みしてしまったり、「また今度」と先延ばししているのかもしれません。また、主婦やフリーランスの人は自分で検診を申し込まねばばならず、「まだ若いから」「元気だから今年はナシで」と考えているかたが多い可能性もあります。コロナ禍の不安もありましたしね。「ほとんど受診しない」と回答したかたに理由を聞いてみました。「機会がないのと、面倒なので」(31歳・その他)「会社員として働いていないため、自分で予約しなければならず、どこでやったら良いかわからずなかなかできません」(38歳・自営業)「人間ドックは値段が高いイメージだし、健診は予約するのが面倒くさい。そして、どこで受ければいいいのかわからない」(34歳・専門職)「会社勤めしていた頃は毎年受けていたが、子どもを産んだばかりで時間がない」(28歳・主婦)このように、予約が面倒、時間がない、どこで受診するかわからない、と考えているかたが多いようです。健康診断や人間ドックの予約時に聞かれる「選択」や「オプション検査」についても聞いてみました。まずは胃の検査。「バリウム」か「胃カメラ」のどちらかを選択せねばなりません。みなさん、どちらで検査しているのでしょうか?胃の検査は胃カメラ?それともバリウム?それぞれ理由も聞いてみました。胃カメラ派「バリウムが苦手だから」(41歳・会社員)「胃カメラのほうが高精度と聞いたので」(37歳・契約社員)「以前、鎮静剤を使用して胃カメラで検査を受けたらめちゃくちゃ楽だったので」(34歳・専門職)バリウム派「会社の健康診断のデフォルトがバリウムだから」(37歳・会社員)「胃カメラにすると予約がとりにくいから」(39歳・自営業)どちらとも受けたことがある筆者は、断然胃カメラ派。以前はバリウム派でしたが、精密検査で胃カメラで検査することに。その時に、想像以上に楽だったので(毎回必ず緊張しますが…)、以降ずっと胃カメラで検査をしています。バリウムでの検査は、発泡剤とバリウムを短時間で飲み込むのはしんどく、さらに検査台に乗った後、げっぷするのを我慢しつつグルグルと回るのは至難の業でした。続いて「子宮頸がん」の検査について聞いてみました。子宮頚がん検診についてなんと、9割近いかたが「子宮頸がん検診」を受診しているという結果でした。健康診断や人間ドックを毎年受けている、または、ほぼ毎年受けているというかたは全体の71%だったので、女性たちの子宮頸がんに対する関心の高さがうかがえます。それぞれコメントを紹介します。検査をしている「かかりつけの婦人科で検査をしている」(39歳・自営業)「数年前に、高度異形性で癌になる可能性があると診断され、半年に一度のペースで女性医師のいるクリニックで検診をしています」(37歳・契約社員)「若くても子宮頸がんのリスクはあると聞いたことがあるから。自治体から送られてくる婦人科検診券で2年に1回受けている」(33歳・会社員)「癌家系で心配だから」(35歳・会社員)「知人で若くして子宮頸がんになった人がいるから検査をしている」(27歳・会社員)検査をしていない「検査をしたことがないが、しなければならないとは思っている。今度自治体の制度を利用して受けるつもり」(28歳・主婦)「30代になってからでいいかな?と思っている」(27歳・会社員)「検査しなければいけないと思いつつ、痛そうで怖いからまだしていない」(33歳・会社員)子宮頸がん検診を受けたことがない人は、将来的には検査の必要性を感じているのが特徴的でした。定期的な検査で万が一のことを見過ごさないようにしたいですね。続いて、「乳がん検査」について聞いてみました。乳がん検診についてこちらは、7割弱のかたが受けているという結果に。コメントを紹介します。受けている「会社で受けられる健康診断の項目に入っているから」(34歳・会社員)「あまり被爆しすぎるのも良くないと聞いて、数年に一回マンモグラフィ、毎年超音波の検査を受けてます」(37歳・契約社員)「2年に1度、職場で検査していました。親戚が乳がんになってしまったので、早期発見の大切さを実感しています」(30歳・会社員)「健康診断のオプションで数年に一度受けている」(34歳・会社員)「胸に繊維腺腫というしこりがあるため毎年経過観察を兼ねて検診を受けている」(28歳・主婦)受けていない「40歳以下だと自治体の検診はないため」(27歳・会社員)「気になっているが、自治体推奨は40代からなのでまだいいかなと思っています」(34歳・専門職)「受けたいと思っていますがまだ受けられていない」(35歳・会社員)子宮頸がん検査と同様、こちらも受診の有無にかかわらず「いつかは受けなけらばいけない」と感じているかたが多いように感じました。厚生労働省によると、子宮頸がんは20歳以上、乳がんは40歳以上でそれぞれ2年に1回の検査を推奨しています。お住いの自治体によっては、無料もしくは一部費用負担のクーポンがあるので、これらを上手に利用できるといいですね。最後に、健康診断や人間ドック時の失敗談について聞いてみました。「検診日は朝早いので、いつも寝坊遅刻との戦いです。タクシーに絶対乗っている気がします」(34歳・会社員)「採血が苦手で気分が悪くなったことがある」(31歳・会社員)「採血の時に怖がり過ぎて、ベッドを用意されるなどすごく手厚い対応を受けてしまった。倒れるとかではなく、血を見るのが苦手なだけだったので申し訳なかったです」(30歳・会社員)「採血があると知らず、ハンバーガーを食べてから健康診断に向かったら、数値がおかしなことになった」(25歳・会社員)「朝ごはん禁止なのに食べていってしまった」(35歳・会社員)「バリウムでどうしてもゲップが我慢できず、3倍の量のバリウムを飲むことになった。その後気持ち悪すぎてトラウマ」(38歳・専門職)採血にまつわる失敗談が一番多くありました。1年に1度の健康診断、体調を万全にして臨みたいですね。カラダの状態を知り、元気に過ごそう!健康診断や人間ドックは予約や日程調整が大変。そして、大丈夫と思っていても、診断結果を見るときは少しドキドキしてしまうし、内容によっては、再検査をしたり生活習慣を見直さなくてはならないことも。健康診断や人間ドック、がん検診は元気にに過ごすために大切なこと。定期的にカラダをチェックして、健やかな毎日を送りましょう!(C) Cavan Images/Getty Images文・小田原みみ
2022年05月14日40歳から、毎年人間ドックを受けています。健康が取り柄だった私は、いつも正常値ばかりの結果をもらってましたが、45歳を過ぎたあたりからは毎年「要観察」に該当する項目がいくつか出るように……。そして、ついに50歳で受けた人間ドックで初めて「要治療」と記載された数値が出てきてしまったのです!40歳から毎年受け始めた人間ドック30代で出産をし、体重計に乗ることを恐れて現実逃避をし、そのころから体形の崩れも気になってきていました。運動もせずに、食べたい物を食べたいだけ食べていたので、健康も心配でした。そこで、まずは健康が大事と思い、40歳を迎えたのをきっかけに、職場の福利厚生制度を利用して人間ドックを受けることにしました。毎日、子育てや仕事の忙しさに追われ、自分の時間もほとんどありませんでしたが、元々健康で体力にも自信があったので、それまで健康であることが当たり前と思っていた節があります。でも、そんな健康で何も心配ない状況も将来ずっと続くとは限らないので、日々の生活習慣を見直すきっかけになったと思います。とうとう人間ドックで「要治療」の結果に40歳で人間ドックを受け始めた当初は、それまでの健康診断と同様、すべて正常値の結果でした。40代半ばごろになると、毎年いくつかの項目で「要観察」となりましたが、要観察はちょっと注意しなくてはならないものの、まだ治療は必要ない状況ということなので、健康が取り柄だった私は「どこも悪いところはない」と自慢していました。それから数年間は毎年、いくつか要観察が出るものの、「要治療」の結果が出ることはありませんでした。ところがそんな状況でなんの手当もせずに数年たったころ、とうとう1つの項目で「要治療」という結果が出てしまったのです。それは、過去1~2カ月の血糖値の平均を反映し、糖尿病のリスクがわかるというヘモグロビンA1c (ヘモグロビン・エー・ワン・シー)の基準値が4.7~5.5%のところ、7.5%という高い数値のために治療を要するというものでした。血糖値が高くなるのは、一般的には運動不足とか甘い物の食べ過ぎが原因と言われていますが、まさに私もそんな状況でしたので、自業自得だとは思いました。以前の検査の数年間、「要観察」と出ていた項目の1つでもあったので、過信せずにそのときから注意をして対処していればよかったのにと、わかっていながらもできなかった自分を反省しました。食事指導と運動で血糖値がようやく正常にそれから、健診センターの提携病院の糖尿病専門外来に通院することとなり、まずは食事指導と生活指導をしていただくこととなりました。糖尿病専門医の食事指導では、普段から“だらだら食べ”をしないよう強く言われました。昼食と夕食の間の時間が開き過ぎてしまう場合など間食をする際には、・カカオ濃度の高いチョコを少量。高カカオチョコは食べ過ぎると、油も多すぎるし、胃にも負担が掛かるので適量にすることが大事とのこと・低脂肪の牛乳とコーヒーを半分ずつ入れたカフェオレ・バナナ1本、もしくはフルーツ入りヨーグルトにするように言われました。また、私は仕事の関係で夕食の時間が遅くなることが多かったのですが、夕食を21時以降に夕飯を食べる場合には、全体を半分くらいの量にするように言われました。バランス良く食事をすることが大事とのことです。生活指導では、日々の運動が大事なので、とにかく継続的に無理なくできるウォーキングなどをするように言われました。そして、食事指導と生活指導を受けて3カ月たったころには、血糖値の数値がしっかりと下がりました。まとめ糖尿病外来で専門医の指導を受けた結果、私は薬を飲まずに基準値に近い数値まで下げることができました。ただ、この状態をキープするには、今後も継続的に食事に気を付けて、運動も日々おこなっていく必要があります。食べることが好きな私は、どうしても間食をだらだらと取ってしまう癖があるので、食後にすぐに歯を磨いて、食べないためのブレーキとするようにしました。また、運動をする時間もなかなか取れないので、毎日職場から帰るときには一駅分を速足で歩いて帰るようにしています。こういったちょっとした努力を続けることにより、昨年の人間ドックでは、血糖値で「要治療」ではなく「要観察」という結果が出るようになりました。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。イラスト/サトウユカ著者/輝歩 (51歳)勤続約30年となる会社員を務める傍ら、ファイナンシャルプランナーとストレッチインストラクターの副業をこなすシングルマザー。
2022年04月24日出産、子育て時期を除いて、会社を退職したあとも毎年欠かさず人間ドックへ行っていた私。健康に気をつかってきたので人間ドックからの報告書の1ページ目に書かれた「再検査のご案内」の文字が目に飛び込んできたときにはかなりショックを受けました。再検査項目は眼科とあり、いったい何に引っかかったのか見当が付かず……。健康診断成績表を急いで見てみると眼底検査がD(受診推奨)となっていました。ほかは変わらずオールA判定にホッとしつつ、早速、近所の眼科クリニックへ再検査に行くことにしました。再検査で思わぬ診断結果が!眼科クリニックでは、眼圧や視野、眼底検査などを受け、OCT検査で撮影した目の奥の網膜の断層面などの画像を見ながら症状の説明を受けました。診断結果は視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)。視神経乳頭陥凹拡大とは、視神経乳頭の中心にある凹みから血管や視神経が通っているのですが、その凹みが拡大することだそうです。この視神経乳頭陥凹が大きくなると神経線維に障害が出て視野の一部が欠け始め、緑内障の症状につながっていくとのことでした。今のところ自覚症状がまったくないことを医師に伝えると、医師はまだ自分でわかるほどの症状は出ていないだろうとおっしゃいました。緑内障家系というものがあるそうで、家系で緑内障の人がいないか尋ねられ、祖母が緑内障だったことをふと思い出しました。緑内障の進行はとてもゆっくりで、数カ月でいきなり悪くなることはないが、いつ始まるかもわからない。なので、これからは定期的に検査に来てくださいということでした。そもそも緑内障ってどんな病気?医師に緑内障について聞いてみると、緑内障は眼圧の上昇により目の構造上、最も弱い視神経が傷つき、その傷ついた視神経が減ることにより視野がだんだんと狭くなっていく病気だそうです。そして傷ついた視神経が戻ることはないとのことでした。緑内障の初期は視野の欠けが小さく、見えるほうの目で修正されてしまい自覚しにくく、症状に気付いたときにはすでに進行している場合が多いのだとか。緑内障の予防法はなく、発症後、生きている間に失明するかどうかは人それぞれで、治療はまず眼圧を下げる点眼薬から始まり、それでも眼圧がコントロールできないときはレーザー治療や手術をするそうです。眼圧を低くコントロールすることで進行を緩やかにすることができるので、日常生活に支障のない視野を維持していくことができるとおっしゃっていました。定期的な検査で緑内障までの進行を管理40歳を過ぎると緑内障にかかる確率が上がると聞きました。1年に1回のペースで検査を受けることによって早期発見につながるそうです。私の場合は緑内障の一歩手前で発見することができたので、「今から定期的に検査を受けることにより、将来的にも適正な治療を受けることができるんだよ」と医師から説明を受けました。また、毎年3月上旬の1週間を世界緑内障週間とし、無料で眼の検査やライトアップのイベントなどをおこなっているとのことでした。私が受診したクリニックもそれに合わせて1日だけ緑内障の無料検査をおこなう予定でしたが、コロナ禍の関係で今年は中止となってしまいました。まとめクリニックで再検査をしてからもうすぐ1年がたちます。先日少し早いですが眼科クリニックで1年に1回の検査を受けてきました。視力は少し下がっていましたが大きく進行はしておらず、次回はまた1年後となりました。その間に、身内が健診で眼科の再検査となり、同じように視神経乳頭陥凹拡大であることが発覚しました。今回のことで、無症状でも何かが体に起こっている可能性があるのだと痛感。年とともに衰える体との向き合い方を真剣に考える機会となりました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2021年05月22日ウーマンエキサイトのみなさまこんにちは。ぐっちぃです。2021年が始まって、あっという間に一カ月が過ぎようとしていますね!毎年何かしら目標を決めても、いつも現状維持で達成できたためしがないので悩むところなんだけど、今年はがんばってチャレンジしてみたいことがあります。それは……。40すぎてから「やらなきゃなー」と頭の片隅で思いつつもスルーしてしまう、体の検査。普段特に問題がないとどんどん先延ばしにしちゃうし、「もし何かあったら」と考えると、それもそれで行くのが怖くなってしまうー!でも昨年からのコロナ自粛が始まり、その分ウェブ上での交流が活発になってきて、みんな合言葉のようにこう言うんです。SNSやテレビ電話などでたくさんお喋りはできるけど、やっぱり会いたいもんね!どのくらい先になるかわからないけど、その大事なイベントが開催されたとき「自分が絶対参加できる」って確信の持てる年齢でもなくなったと思うの(悲しいけどね)。なんでしょうね……。昨年悲しいニュースをたくさん見たせいか、「生きる」ことを大事にしようって強く思うようになってきて。今はその「友人に会いたい」のが目標だけど、長い目で見れば娘たちの結婚式には参加したいな、孫にも会えたらいいななど、まだまだ経験したいことがたくさんあるのよね。そのためにはまず、体! もっと自分を大事にしてあげたいな、というのが目標です。まだ胃カメラも未経験で……。コワイけど、がんばりますね……(予約から)。
2021年01月28日患者数が最多を更新し、例年以上に猛威を振るっているインフルエンザ。また他にも溶連菌感染症やおたふくかぜ、感染性胃腸炎など、今の時期に子どもがかかりやすいと言われるものは多く、日ごろから手洗い・うがいを徹底するなど、子どもの体調管理に余念がないというママは多いことと思います。では、「自分の健康」は?「行った事がない」が約4割…株式会社インタースペースが運営する『ママスタジアム』が、「ママリサ~いまどきママリサーチ~」の第21弾として昨年11月に行った、「『家族の病気』についての実態調査(対象:子育て中の女性549名)」では、「ママの健康管理・不調」について、その現状を知ることができます。Q.ママになってから定期健診や人間ドックなどに行ったか・年に1回は行っている…31.3%・2年に1回程度…9.5%・ほとんど行けない…21.5%・行った事がない…37.7%なんと、ママになってから定期健診や人間ドックに行ったことがない人は、約4割にも上るのです。ちなみに、就業状況別にみると、「行った事がない」と回答したママは、フルタイムで12.2%、パートタイムで27.2%、専業主婦で51.8%という結果に。会社では年に1回の健康診断を義務付けていることも多いため、定期健診に行っていないフルタイムママが少ないのは納得。しかし、半数以上もの専業ママが、何もしていないというのは、ショックが大きいです…。「子宮がん」「乳がん」など女性系に関心アリ?定期的に健康診断や人間ドックなどに行けているママが少ないことがわかりましたが、「年に1回は行っている」「2年に1回程度」と回答したママたちが受けている検査って?Q.定期的に検査しているのは?・子宮がん…48.1%・乳がん…30.1%・肺がん、大腸がんなど女性系以外のがん…7.3%・胃潰瘍、十二指腸潰瘍など消化器系疾患…4.7%・糖尿病…4.6%・卵巣がん…4.0%他の項目よりも突出しているのは、「子宮がん」と「乳がん」の検査。やはり、女性系の病気を気に掛けるママは多いようですね。同調査の結果では、きちんと定期的に検診や人間ドックを受けているママは少数派。「子どものため」「夫のため」と、家族のことを優先しているうちに、自分のことを忘れてしまう…。だけど、家族の幸せは元気なママがいてこそ。「しばらく病院で診てもらっていない」、そんな心当たりがあるママは、これを機会に受けてみてはいかがでしょうか。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年02月15日女優の石原さとみが、21日から全国で放送される明治「果汁グミ」の新CMに出演。撮影後のインタビューで、初めての人間ドックへの不安を語った。今回のCMは、グミ屋の店主である石原が、「果汁ジュワる、カジュワる」とリズムに合わせて魔法を唱えて果汁グミを作っているところに、男の子から「弟子にしてください」と志願されるも、あっけなく男の子が魔法を使いこなしてしまうという内容。いちごが描かれた白いワンピースに、たくさんのいちごが飾られた帽子の衣装で撮影に臨んだ石原は、"魔法"の場面に苦戦しながらも、2テイク目以降はコツをつかみ、自分から「どんなのあるかな?」と足を上げるといったアイデアを出していた。撮影後にインタビューに応じた石原は、共演した男の子に「抱きしめたくなるくらい。すごいすごいかわいかった」とメロメロ。もし魔法が使えるとしたらとの質問には、「来週くらいに人間ドッグを初めてやるんですよ。だから、怖くてただただ不安で…。だから、『トゥルルン―♪』って(魔法を)やっただけで終わんないかなって(笑)」と、現実逃避していた。
2017年02月20日情報協力で「Yururila」が新追加した【人間ドックのここカラダ】株式会社リラクは「人間ドックのここカラダ」での情報協力を、株式会社リクルートライフスタイルとスタートさせた。株式会社リラクはコンセプトの【サービス業で頑張る女性に、ゆるくリラックスできる毎日を】を大事にして情報発信を行い、リラクゼーション業の啓発を行うポータルサイト「Yururila」(ゆるりら)を運営している。「人間ドックのここカラダ」&「Yururila」とは【人間ドックのここカラダ】は今年1月時点で約720の施設で扱われている【人間ドック】や、各種検診の予約および検索ができるサイトだ。また「Yururila」は2015年春にスタートし、接客関係の仕事に従事する女性に役立つリラクの新ポータルサイトである。サービス関連の仕事をする女性を対象として、セルフケアおよび美容を軸とした多くの情報発信を行っている。Yururilaはさらに便利機能の追加を予定しており、2016年から人間ドックの予約また検索が可能になったことで、仕事で輝く女性たちの健康をサポートしていくという。リラクについてボディのケア&ストレッチのサービスを、5つのブランドで展開している。東京トップレベルの規模で、現在171の店舗を扱っており月間来店者はおもに女性で、その数は60,000人を超えている。(画像はプレスリリースより)【参考】株式会社リラク プレスリリース (PR TIMES)株式会社リラク
2016年02月04日SBIウェルネスバンクは1月13日、夫が妻に贈る人間ドックパッケージ「愛妻家ドック」の企画販売を開始した。○女性に人気の「エイジマネジメント」中心の人間ドック「夫が妻の健康状態を思いやる」という愛情表現の一つとしてほしいと企画されたもの。女性に好評な「エイジマネジメント」に焦点を当てた検診項目で構成されており、神経・血管・筋肉・骨格・代謝・ホルモンの6つの観点からの体内年齢と、老化に大きな影響を及ぼすカラダの錆びつき度(酸化度)やカラダのこげつき度(糖化度)などを調べることが可能という。検査後は、同ビル内のフォーシーズンズホテル丸の内東京内にあるレストランで、エイジマネジメントをテーマとしたランチが楽しめる。また、夫から妻へのメッセージカード付きの花束や、松屋銀座の買い物優待券も用意。価格は、税込17万2,800円(夫婦で受診の場合は、税込31万8,600円)。
2015年01月19日三和システムとTポイント・ジャパンは20日、三和システムが運営する人間ドック・健診予約サイト「MRSO(以下、マーソ)」において、27日からTポイントサービスを開始すると発表した。マーソは、インターネットで簡単に人間ドックの予約が行えるサイト。「日本の健康寿命を10年延ばす」ことを目的に、利用者目線で全国の病院・クリニックの情報を数多く掲載しているという。同サイトは今回、国内で初めて人間ドック受診によるTポイントの付与を開始。人間ドックの受診費用200円(税別)につきTポイント1ポイントを付与する。また、今後は人間ドックの受診費用としてTポイントの利用が可能になるという。Tポイントサービス開始を記念し、「もれなく5,000ポイント! さらに100人に1人全額ポイント還元! Tポイント×人間ドックのマーソ スタートキャンペーン」を実施。2015年3月31日までの受診日で5万円(税別)以上の人間ドック、脳ドック、PET検査などの健診プランをマーソで予約したのち、医療施設で同プランを受診した人全員にTポイント5,000ポイントを贈呈する。さらに、抽選で100人につき1人に人間ドックの受診費用を全額Tポイントで還元する。併せて、20日~26日まで、メールアドレスの事前登録で健診受診後に特典がもらえる事前登録キャンペーンを実施する。
2014年11月20日キリンビバレッジは同社が販売するコーラ系飲料「キリン メッツ コーラ」が、日本人間ドック健診協会から「日本人間ドック健診協会推薦商品」に認定されたことを発表した。同商品は難消化性デキストリンを配合し、食事の際に脂肪の吸収を抑える、特定保健用食品(トクホ)史上初のコーラ系飲料。2012年4月に発売を開始した。健康意識の高い大人層やコーラ系飲料ユーザーから支持を得て、2012年10月末までの累計販売数量は、500万ケースを突破した。このほど、同商品は日本人間ドック健診協会から「日本人間ドック健診協会推薦商品」として認定。理由としては、食事の際に脂肪の吸収を抑えるトクホ史上初のコーラ系飲料であること。また、人間ドックや健康診断で予見できる生活習慣病の一次予防に役立つこと、健全な食習慣を継続的に行うことを目的とした商品であることがあげられた。10月には480mlペットボトルに加え、1.5リットルサイズも販売開始。また“特製ピザ”が1万人に当たるキャンペーンも実施した。11月からはさらなる認知拡大と味覚体験を目的とした、「100万人サンプリング」を実施している。また、11月12日からはFacebookを活用した、「『キリン メッツ コーラ』と相性のいい食べ物を選ぼう!キャンペーン」を実施する。同キャンペーンは、同商品と相性がいい食べ物の候補の中から1つを選んで投票。投票者の中から抽選で300名に「キリン メッツ コーラ」1ケース(480ml×24本)をプレゼントする。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月12日ソニー生命は、8月17日~20日にかけて、人間ドックを受診したことのある成人男女300人を対象に、人間ドッグに関する調査を実施した。最初に、初めて人間ドックを受診した年齢について尋ねたところ、30歳~34歳が15.3%、35歳~39歳が27.0%と、30代が42.3%を占める結果となった。次に40歳~が6.7%と45歳~が11.0%で、40代が27.7%を占めている。いずれも働き盛りであり、健康への意識も高まってくる年代に初めて人間ドックを受けるというケースが多いようだ。次に初めて人間ドックを受診したきっかけを聞くと、「会社からの紹介」が61.0%で圧倒的な1位。企業が従業員の健康に留意していることが分かる。次いで「自主的に受けたいと思った」(27.3%)、「家族からの要望」(12.7%)という結果となっている。人間ドックを受けてよかったと思ったことについて尋ねたところ、1位は「安心して生活できるようになった」(55.0%)だった。2位の回答は「生活習慣を見直すようになった」(41.7%)で、人間ドックを受けたことによって、健康に対する意識改革につながったことが分かる。最後に、人間ドックをどのくらいの頻度で受けているかを聞くと、「1年に1回」が53.0%と圧倒的だった。次いで5年に1回(17.7%)、2年に1回(13.7%)、3年に1回(8.7%)。9割以上が1~5年の間に1度は人間ドックを受け、健康管理に役立てているようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月04日体に不調を感じたとき、ふと頭をよぎる健康診断や人間ドック。ちまたに情報があふれるこのごろ、なんだか自分の身が気になります。そこで、内科医で大阪府内科医会副会長・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生に詳しいお話を伺いました。■健康診断にはない消化器官、がん検査がある始めに、健康診断と人間ドックの違いについて、泉岡先生はこう説明します。「どちらも体に異常がないかを確認するための検査です。『健康診断』は学校や職場、自治体で行われ、法令によって実施が義務付けられています。これに対し、『人間ドック』は任意で行う、つまり、希望する人が自分で医療機関を選んで受けに行く、という違いがあります。人間ドックは、『個人的に、健康診断より一歩踏み込んだより詳しい検査』だと言えます」具体的に、健康診断や人間ドックではどんな検査を行うのでしょうか。「健康診断では、主に心臓病、肺疾患、糖尿病などを対象に7~24項目の検査を行います。血液検査をすることがありますが、それで体のことがすべて分かる、と勘違いをされている方が多いように感じます。分かるのは、貧血、コレステロール値、肝臓や腎機能、糖尿病、痛風についてです。胃や腸などの口から肛門までの消化器官の異常やがんについて、詳しい症状までは分かりません。人間ドックでは、半日、一日、1泊2日など、費用や時間面で選択するコースによりますが、例えば、一日ドックでは約30項目を調べることになります。健康診断には含まれない、胃カメラ検査、腹部のCTやエコーによる検査、膀胱(ぼうこう)のエコー検査などを行います。がんのごく初期を発見するなど、健康診断では見つからない病気が分かる場合もあります。希望に応じて、医師の紹介なども行います」(泉岡先生)■事前に、自分に合う検査を医師に相談する人間ドックの初心者は、医師に何を質問すればいいのか分からないと思いますが。「人間ドックを受ける前に、自分に合っているのはどのような検査なのかを率直に尋ねるといいでしょう。『まあ、いいか』などと思わないで、自分が気になっている症状を細かく伝え、『この検査で不安を解消しよう』という姿勢で受けてください。また、検査結果の説明にはもちろんですが、結果を記した書面には、医療に関する専門用語が羅列されています。分からないこと、納得ができないこと、不安に思うことは、遠慮せずに担当医に質問しましょう」(泉岡先生)費用面の心配もあります。「患者さんから『家族が健康保険で検査を安く受けられたので、私もお願いします』と言われることがありますが、健康保険とは、本来『病気の人』への治療や検査に対して、医療費を保険者が一部負担する制度です。ですから、健康な方が体のチェックを行う場合、健康診断も人間ドックも、保険は適用されません。人間ドックは現在(2012年5月)、半日コースでおよそ3万円ぐらいからでしょう。職場で団体割引などがある場合もあります」(泉岡先生)人間ドックには、いつ、どのようなタイミングで行けばよいでしょうか。「体に異変を感じたら、年齢にこだわらず、より早く自分の体を見つめ直す機会だと考えて受けることをお勧めします。日本人男女の悪玉コレステロールの平均値は、欧米諸国の平均値をすでに上まわっている、という報告をご存知ですか。日本では今、ファストフードや肉食など食事の欧米化によって、肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病など、生活習慣病の若年化が急速に進んでいます。また、乳がんや子宮がん、胃がんなどのように20代の女性の発症率が高いがんもあります」(泉岡先生)人間ドックが身近に思えてきました。人間ドックで健康意識が高まった、という声も耳にします。そろそろ考えるべきかもしれません。監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長。医療法人宏久会泉岡医院院長。泉岡医院大阪市都島区東野田町5-5-8JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890岩田なつき/ユンブル)
2012年08月18日