体の軸や呼吸に意識したヨガを学ぼう女性のためのヨガ協会代表・仁平美香氏は、自身のオフィシャルブログで「来年2月期 Women’s AwarenessYogaスクール 募集開始」のタイトルのもと、2023年2月に開講される『少人数制オンライン Women’s AwarenessYoga講師養成講座 土曜&祝日コース』の募集をスタートしたことを発表しました。体と心を支える軸を最も大切にする「ウィメンズ アウェアネスヨガ(R)」では、体の軸に意識を向け、背骨のやわらかなS字カーブをキープすることで、肩こりや腰痛などが起こりにくい体を目指します。講座実施日は、2月23日(木)、2月25日(土)、3月18日(土)、3月21日(火)、3月25日(土)、4月1日(土)。参加費は120,000円。参加費には、オリジナルテキスト、修了試験、修了証発行費用が含まれています。申し込みは、女性のためのヨガ協会主催 ヨガ&ボディケアスクールの申し込み専用ページにて受け付けています。女性のためのヨガを得意とする仁平美香氏仁平美香氏は、女性のためのヨガ協会代表を務め、ヨガ講師、セラピスト(整体&オイルトリートメント)として活動。定期的に対面でのヨガクラスやパーソナルヨガ指導などを行う他、オンラインでのヨガ指導も実施している。ラジオやテレビなどでも活躍。著書には『子宮美人のつくりかた』『カラダをゆるめてこころを整える月経血コントロールヨガ』『女性のヨガと子宮の整体法』などがある。(画像は仁平美香オフィシャルブログより)【参考】※仁平美香オフィシャルブログ※女性のためのヨガ協会
2022年12月12日昨年、公演延期となったWAHAHA(以下:ワハハ)本舗全体公演『王と花魁』全国ツアーの開催が決定。構成・演出の喰始、キャストの柴田理恵、久本雅美、梅垣義明に現在進行形の想いを尋ねた。ピリオドを打った『ラスト3~最終伝説~』から4年ぶりの全体公演となる本作。枠にとらわれることのない多彩なパフォーマンスで客席に全力の笑いを届ける。延期が決まっても喰は「中止は念頭になく絶対にリベンジしたかった」と語り、その言葉に柴田・久本・梅垣の3人も頷く。ワハハ本舗の特徴といえば、“過剰”ともいえる客席とのコミュニケーション。「ろくでなし」を歌って鼻から豆を飛ばし、「愛の讃歌」でステージを降り観客をハグしにかかる梅垣の芸に代表され、これを目当てに訪れる人も多い。しかしコロナ禍では“濃厚接触”。得意技を封じられた一同はどうやって客席を魅了するのか。そう聞くと、喰は「梅垣は今までお客さんをひどい目に遭わせてきたけど、今度は梅垣がひどい目に遭う番」とほくそ笑む。制限を逆手に取った笑いを追求する一方で、無観客配信を行った梅垣は画面の向こうにいる観客の反応がわからない心もとなさを経験した。「自分がいかにお客さんから助けられてきたか、コロナ禍で“観客の力”を実感しました」と語ると、喰は「今回のお客さんはおかしくても笑い転げるのは難しいから、マスク上でアピールしてもらう?」とその場でアイディアを出す。一度目の緊急事態宣言が明けてから、さまざまな舞台を観に行った柴田は「ワハハみたく底が抜けたような笑いって今見かけないよね」とひと言。「だからこそ我々がやる意義は大きいんじゃないかな」と万全の対策で観客を迎える覚悟を語る。久本も「私たちを待ってくださっているお客さんの存在を感じています」と続き、「その気持ちに応えて全力で“バカ”やる所存です!」と意気込んだ。最後に喰は「エンターテインメントは精神のワクチン。接種の無理強いはしません。でもワクチンを体に入れて心が軽くなるのであれば、ぜひお越しください」「我々も年齢を重ねましたから。いつまでもあると思うな、ワハハ本舗ですよ」と呼びかけ、インタビューを結んだ。なお、取材中に喰が思いついた案は「マスクdeエール」プロジェクトとして進行中だ。演劇人に対するメッセージを寄せたマスクの着用姿を写真・動画に収めてワハハ本舗に送ると応援動画として編集され、劇中や記者発表イベントにて上映されるという。BGMには『王と花魁』応援隊長・泉谷しげるが書き下ろしたオリジナル楽曲が予定されている。公演は10月28日(木)~31日(日)に東京・新宿文化センター 大ホールで行われたあと、11・12月に全国12会場を巡演する。取材・文:岡山朋代
2021年05月07日『ろくでなし』を歌いながら鼻にグリーン豆を詰めて客席に飛ばす芸を得意とする、もっともコロナ禍に向かない芸人・梅垣義明(61)。そんな芸風の梅垣がコロナ禍に『梅ちゃんの新春シャンソンショー2021』を開催する。どんなネタを披露するのか?梅垣と今回ショーの構成・演出を手掛ける作家のすずまさ氏(60)に、インタビューマン山下が話を聞いた。ーーコロナ禍での開催となりますがどんなネタをやろうと考えているんですか?梅垣「いつものショーだったら客席に降りて鼻に詰めた豆を飛ばしたりするんですけど、飛沫感染の恐れがあるので今回はできないんですよ。だからネタを再構築しようと思って過去30年のネタのVTRを見直しました」ーー前回8月にもライブをやってますが、その時の対策はどうしたんですか?すずまさ「舞台と客席に透明のビニールシートで仕切りを作って完全に分けちゃいました。それを刑務所の面会という設定にしてやりました」ーー今回もビニールシートはあるんですか?梅垣「今回はないですが客席には降りません」すずまさ「後はお客さんに安心して見てもらうためにショーが始まる前にPCR検査を毎回やろうと思ってます。それで『今回検査して梅垣義明は陰性でしたので安心して見てください』とお客さんに伝えようかなと思っています」ーー今回『鼻から豆飛ばし』を見られないのは残念ですね。梅垣「豆飛ばしをやるとしても、違う見せ方をしないと……」ーー梅垣さんのネタで吹くと伸びるピロピロ笛を鼻に刺して吹くネタがありますが、あれは飛沫に関しては大丈夫じゃないですか?すずまさ「鼻笛は大丈夫でしょうね(笑)。お客さんに届かないので」梅垣「でもはっきり言って鼻笛はたいしたネタじゃないから、恥ずかしいから記事に書くのを止めてください(笑)」ーーいや面白いじゃないですか! 客席に降りるネタは今回できないですからね。すずまさ「そういうネタが80%から90%なんですよ」ーーほぼできないじゃないですか! 例えば物干し竿に掛けた布団を梅垣さんが背負って、布団たたきでたたくと布団から粉が舞うネタがあるじゃないですか。粉は問題ないと思うので粉もんのネタはやれるんじゃないですか?梅垣「粉もん? うどんじゃないんですから(笑)。あのネタは客席に降りるからできないんで違った形で粉もんは考えます」ーーお願いします。後はペニスケースを付けるネタはできますね。すずまさ「何、ネタを選別してるんですか(笑)。あれは飛沫はないので確かにできますけど」梅垣「とにかく客席に降りないでも自己完結できるネタを新しく作ったり、昔のネタを変えてみたりしようと考えてますね」ーーコロナ禍でもできるネタを選んだり、作ったりするのは大変ですね。梅垣「そうなんですよ。例えば『ラ・ヴィ・アン・ローズ』という曲を歌いながらお客さんの顔にサランラップを巻いて僕がお客さんにキスをするネタがあるんです。あれって飛沫は大丈夫なんですが、見ている方は『この時期にこんなことをするの?』っていうのが心理的にあると思うんですよ。『だったらやめよう』と。やっぱりお客さんがリラックスして楽しんでもらえる状況を作りたいので」ーーそもそも歌いながら豆を飛ばすネタはどうやってできたんですか?梅垣「最初は歌だけだったんですよ。でも誰も聞きやしませんから。それで演出家の喰始さんが『歌が歌えるし、シャンソンが好きだったらシャンソン歌いながら、なんかやってみたら』って。だから歌いながら何かネタをやるという形を作ったのはうち(ワハハ本舗)の喰始です。豆のネタも喰さんが『鼻に豆を詰めて飛ばすネタができるんじゃないの?』と言われたんですよ。最初、俺は『そんなに面白くないな』と思ったんだけど、やったらウケたもんだからやり始めたんです」ーー最初は梅垣さんはピンと来てなかったんですね(笑)。過去にネタで大変だったことはありますか?梅垣「『豆飛し』のネタは豆を左右の鼻の穴に4個ずつ入れて、それをいっぺんに飛ばすんですけど、豆が鼻の中に残ることもあるんです。鼻の中にも階段でいう踊り場みたいなところがあって、そこに豆が入っても呼吸はできるんですよ。1週間後ぐらいに出て来たこともあってネタじゃなくて、本当にグリーン豆が真っ白になってました。後は『徹子の部屋』(テレビ朝日)に出た時に徹子さんから『あなたは豆を飛ばす鼻のプロなんですから』ってよくわからないことを言われて。『小銭は鼻に何枚入りますか?』って。『そんなこと振ってくんのか』とびっくりしましたね(笑)」ーー豆と比べて小銭はかなり大きいので大変だったんじゃないですか。梅垣「最初に50円玉を入れて、次に10円玉と順番に入れると徹子さんが『素晴らしい。プロですね』って拍手してくれて。それで小銭を出してトークに入ろうと思ったら、1番奥の50円玉が入って取れないんですよ。だからしょうがないからそのままトークしてたんですけど、僕が笑うと50円は穴が開いてるからピーと音がするんですよ(笑)」ーー駄菓子のフエガムみたいなことですね。梅垣「その音に徹子さんが反応してくれなくて、何にも拾ってくれないんですよ。結局、最後まで鼻に50円が入ったままやって『今日はありがとうございました。ピー』ってなってました(笑)」ーー今後やりたいことなどありますか?梅垣「舞台は皆さん年をとるとやらなくなるじゃないですか。時間も労力もかかりますから。でも僕は舞台が好きなんで、ずっと続けて行きたいなと。後、豆も鼻から飛ばし続けます!」【INFORMATION】『梅ちゃんの新春シャンソンショー2021〜客席が恋しくて、冬〜』大阪:松下IMPホール1/9(土)開演18:00、1/10(日)開演14:00東京:シアターサンモール2/27(土)開演18:00、2/28(日)開演14:00詳細はWAHAHA本舗:03-3406-4472【PROFILE】取材・文:インタビューマン山下1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・お笑いジャーナリスト
2020年12月31日ワハハ本舗の“歌姫”こと梅垣義明が、昨年に引き続き単独公演を行う。その名も『梅垣義明60 還暦記念リサイタル!』。60歳を迎えた翌日から幕を開けるステージの詳細を掘り下げるべく、梅垣のもとに向かった。【チケット情報はこちら】シャンソン・ポップスといった定番曲の生歌に、過剰な“客席サービス”を盛り込むショーで知られる梅垣。越路吹雪がカバーした『ろくでなし』を歌いながら鼻から豆を飛ばすパフォーマンスが特に有名だ。しかし、今回のサブタイトルは『本物のシャンソンが歌える年になりました』。おなじみのネタを封印して美声のみを響かせるのか? そう尋ねると「年を重ねないとシャンソンは歌えない、みたいなステレオタイプへの皮肉」と笑う。そんな舞台を30年ほど務めてきた梅垣には、今や280近いネタが。この還暦記念リサイタルでは「昨年のベスト版で披露しなかったステージを届ける」と意気込み、「去年ご覧になった方も楽しめる内容」と予告。特に大阪では日ごとにネタを変え、東京では新宿コマ劇場でしかやったことのないネタを展開するという。還暦記念は演出家の変更にもおよび、今回は監修にまわった喰始に代わってワハハ本舗の設立メンバー・すずまさが登板。美空ひばり『悲しい酒』を歌いながらオムツに酒を注ぐ……といった“1曲あたりひとつのアイディア”とMCの繰り返しだった従来の構成を大胆に翻し、「後半戦はメドレーを投入してノンストップで歌う“波”を起こし、喋りなしで一気に突っ走る演出を模索しています」と構想を明かした。ピアニスト・田中大介とのセッションも予定されている。客席サービスに関しても、来場者全員に女性用パンティを配布して被らせた過去を引き合いに出しながら「開演の前後にも“非日常”の空間をつくることが僕の仕事」と語り、今回も同じような取り組みを行うことを匂わせた。どんなアイテムですか? と身を乗り出した筆者を制するように「言いませんよ!」と口を閉ざしながらも、梅垣は「ちゃんと剃ってありますから」と脇の下をチラ見せ。カメラの撮影を受け入れた。どのようなパフォーマンスが行われるのか、ぜひ会場で確認してほしい。公演は7月13日(土)から15日(月・祝)まで、大阪・森ノ宮ピロティホールにて。その後、19日(金)に東京・山野ホール、27日(土)と28日(日)に宮城・誰も知らない劇場、 8月23日(金)に愛知・ダイアモンドホールと巡演する。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2019年06月06日仁平美香による「子宮美人ヨガ」2019年7月15日(月)、兵庫県神戸市にある「神戸三宮スタジオ」において、人気ヨガインストラクター仁平美香による『すべての世代の女性のための子宮美人ヨガ』が開催される。子宮美人ヨガは月経血コントロールヨガとも呼ばれ、10代から70代までの女性から支持を集めている。インナーマッスルの働きを強化し、生理痛の緩和や、排便トラブルの改善、代謝アップなどを目指す。毎月の月経があるか否かにかかわらず参加することができる。開催時間は14:00から16:00まで。料金は前売りが4,500円(税込み)、当日が5,000円(税込み)。持ち物は動きやすい服装、飲み物、筆記用具、タオルの4点。定員は25名。YOGA viola tricolorの予約フォームにて予約を受け付けている。女性のためのヨガ協会代表 仁平美香仁平美香は、一般社団法人日本ホリスティックヘルスケア協会理事や、女性のためのヨガ協会代表を務め、ヨガインストラクターとして活躍。「月経血コントロールヨガ」と「体軸ヨガ」を得意としている。「女神筋が目覚める!女性のヨガと子宮の整体法で女性の悩みを解決」、「医師もすすめる血管美人YOGA」、「子宮美人ヨガ」など著書多数。ヨガイベントやテレビ、雑誌など幅広い分野で活躍している。(画像は仁平美香オフィシャルブログより)【参考】※YOGA viola tricolor※仁平美香オフィシャルブログ
2019年05月07日スクールカウンセラーの池田先生に聞いた、発達ナビユーザーへのおすすめ本!発達ナビでコラムを連載している池田行伸先生。スクールカウンセラーとしての豊富なご経験の中から、印象的だった保護者や子どもへの支援を紹介しています。コラムの具体的な事例やさまざまな立場への支援を参考にしている発達ナビユーザーもお多いのではないでしょうか?今回は池田先生に、保護者や支援者など、子どもとかかわる大人に読んでほしい本と、愛読している本を教えていただきました!『子どもに障害をどう説明するか―すべての先生・お母さん・お父さんのために』「障害を理解していない人に話す話し方がよくわかる。子どもを傷つけない言い方で子どもに説明する方法のヒントが得られる本。」(池田行伸先生)「障害について子どもにどう説明したらよいのか」「障害って何?と子どもに聞かれたらどう答えたらよいのか」そんな悩みを抱える保護者や学校の先生も少なくないのではないでしょうか?本書では、障害をどのように説明するか、特別支援学級の教師である相川さんと東北大学教授の仁平義明さんがわかりやすく具体的に答えます。『夜と霧』「ユダヤ人強制収容所の体験が書かれている。希望の持つ意味を教えてくれ、困難に向き合うときの知恵と勇気を与えてくれる。」(池田行伸先生)池田行伸先生が愛読書として挙げてくださったのは、フランクルの『夜と霧』。ユダヤ人精神分析学者が自身のナチス強制収容所での体験を綴った世界的名著です。原著の初版は1947年。日本では1956年に霜山徳爾が訳し、2002年に新版として池田佳代子訳が発行されています。池田行伸先生プロフィールUpload By 発達ナビ編集部池田行伸(いけだゆきのぶ)國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授特別支援教育士スーパーバイザー上智大学文学部卒業上智大学大学院修了博士(心理学)専門は神経心理学。現在は國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授、佐賀大学名誉教授。特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)の資格を持ち、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校のスクールカウンセラーを歴任している。人が生まれて発達していく過程の概略、性格・人格・人格の偏りの概略が学べる本です。
2017年11月04日高畑勲監督作『かぐや姫の物語』(13)の西村義明プロデューサーが、『思い出のマーニー』(14)に続き、再び米林宏昌監督と組んだ『メアリと魔女の花』が、いよいよ7月8日(土)より公開されました。明るくて天真爛漫だけど、自分の赤毛にコンプレックスを抱えた少女メアリ(声優:杉咲花)が、7年に一度しか咲かない魔女の花「夜間飛行」を手にしたことで不思議な力を身につけ、大冒険へと繰り出します。本作はスタジオジブリの作品ではなく、西村プロデューサーがジブリを退社後に立ち上げたスタジオポノックでの第1作目。公開を前にしたインタビューで今の心境を聞くと「ほっとしたの同時に、怖さを感じました」と神妙な面持ちをされました。それは、ジブリ作品を愛してジブリに入社し、働いてきた西村プロデューサーだからこそ、ジブリ作品のクオリティーを誰よりも知っているからです。本作はジブリの制作部が解散した後、米林監督と二人三脚でゼロから始めた企画ということで、全身全霊で臨みました。その渾身の映画『メアリと魔女の花』の制作秘話や、宮崎駿監督、高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーから得たもの、また現役復帰宣言をされた宮崎監督への思いについてもうかがいました。■ジブリ退社後の苦労を激白イベント登壇時、10kg痩せたと言っていた西村プロデューサーが、独立後の苦労を吐露しました。「ジブリのときは、ジブリという傘の下で守られていたんです。『かぐや姫の物語』は完成するのに8年かかりましたが、高畑さんが作りたいものを信じてやっていけばいいと思っていたし、『思い出のマーニー』は宮崎さんが大好きな原作を基に、最後はジブリ制作部の総力をあげて邁進するだけでよかった。ジブリの制作部門が解散して、クリエイターが散り散りになりました。業界を去った方も多い。そんな中、子どもから大人まで楽しめる価値あるアニメーションは作り続けるべきだと思ったし、その火は絶やしてはいけないと思っていました。待ってても誰も始めてはくれないのなら、痩せ我慢でも自分が始めようと。今回は何の拠り所もないわけで、お金もなければ、スタッフも環境もない。でも、始めたからには責任があります。アニメーション映画は、人の数や期間がべらぼうにかかる。クリエイター400人だけではなく、製作委員会や映画館の方々も含め、その人生を費やしてくださるわけですから」本作を手がける前に、西村プロデューサーは米林監督と共に高畑監督、宮崎監督、鈴木プロデューサーのもとにあいさつをしに行ったそうです。「その時に『覚悟をもってやれ』と言われましたが、覚悟なんて当たり前なんです。でも、その覚悟すら揺らぐことが多くあったし、肉体的にも精神的にもぎりぎりでしたね。ジブリじゃないってことが、ここまで苦しいとは思わなかったですよね。■映画では珍しい「感謝」のクレジットの意味とは? ジブリを退社後、鈴木プロデューサーの偉大さをかみしめたという西村プロデューサー。「ジブリを出た今だから言えますが、鈴木さんは、尊敬に値するプロデューサーです。ジブリ時代は常に鈴木さんに相談しながらやってきましたが、今回は自分の足で立っているわけだから、相談はしないと決めていたし、鈴木さんにもそう伝えました。ただ、あいさつに行った時、帰りがけに鈴木さんが『お前、大変だと思うけど、ここぞというときは俺に言いに来いよ。なにか一個だけ協力してやるから』と言ってくれて。かっこいい人ですよね」高畑監督は、本作の映画音楽に関してヒントをくれたそうです。「ハンマー・ダルシマーという楽器を具体的に提案してくれました。また『ジブリの制作部が解散した今、スタジオポノックはアニメーション映画の牙城になるかもしれませんね。何でも協力しますよ』と言ってくれて」宮崎監督については「もしも映画を観て喜んでくれるんだったらもう現役じゃないのかもしれないです。彼はまだ現役ですから、観たら手厳しいことを言ってくれると思います」とどこかうれしそうに語ってくれました。■宮崎監督の現役復帰宣言に対しての思い今年に入り、宮崎監督が新作長編の準備に入ったと報道され、日本中がざわめきました。西村プロデューサーは「ああ、作るんだ!と。だったら引退するなんて言わなければよかったのにと思いました」と苦笑い。「ただ、『風立ちぬ』(13)で宮崎さんは体力の限界まですり減っていたことを、『メアリ』を作ったクリエイターはみんなわかっています。76歳でまた1本の映画を作ろうとするなんてすごいことです。やれば自分がどうなるのかは、宮崎さんがいちばんわかっているはず。本当に命懸けになるかもしれない。僕はそこが心配です。すごい覚悟をされて決断したんだろうなと。ただ、高畑さんは81歳で宮崎さんは76歳、その年齢でしか作れない映画があるし、作るべき作品があると僕は思います。一方で、今の宮崎さんに『天空の城ラピュタ』(86)や『魔女の宅急便』(89)みたいな冒険物語を求めてるのも酷です。もう過去に作ってきたわけだから。その年齢だからこそ作れる、作るべき作品があると僕は思っています」後編では、敢えて宮崎駿監督作『魔女の宅急便』と同じ“魔女”がモチーフの映画にした理由や、杉咲花や神木隆之介ら声優陣のキャスティング、SEKAI NO OWARIの主題歌「RAIN」の制作秘話などをお届けします。>>後編はこちらメアリと魔法の花2017年7月8日(土) 全国東宝系にてロードショー 「メアリと魔女の花」公式ホームページ 監督・米林宏昌がスタジオジブリ退社後の第一作目として、満を持して発表する長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』。監督が最新作に選んだ題材は、かつて師である宮崎駿監督が選んだ題材と同じ「魔女」。あらゆる世代の心を揺さぶる夏のエンターテインメント超大作が誕生! 【声の出演・スタッフ】杉咲花 神木隆之介 / 天海祐希 小日向文世 / 満島ひかり 佐藤二朗 遠藤憲一 渡辺えり / 大竹しのぶ 原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」脚本:坂口理子脚本・監督:米林宏昌音楽:村松崇継
2017年07月12日昨年公開された『かぐや姫の物語』をプロデュースしたスタジオジブリの西村義明氏が3月21日(金・祝)、東京・新宿バルト9でトークショーを行った。ジブリ新時代を担う存在として注目され、夏公開のジブリ新作『思い出のマーニー』も手がける西村氏ってどんな人?この日は「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」が特別企画した3夜限定の上映会「これが出発点だ。」の“第1夜”で、高畑勲監督の記念すべき長編アニメ初作品『太陽の王子 ホルスの大冒険』(’68)がニュープリント版で上映された。同作に加えて、宮崎駿監督の初期代表作である『ルパン三世 カリオストロの城』(’79)、『風の谷のナウシカ』(’84)もスクリーンに復活。どれも現在のジブリを語る上で欠かせない、文字通りの“出発点”だ。西村氏は1977年、東京生まれ。アメリカ留学後の2002年、スタジオジブリに入社した。「若気の至りで映画を作ってやりたいと思っていたが、何をしたらいいのか分からなかった」そうで、入社当初は「著作権や法務を扱う部署で、ひたすら契約書のファイリングをしていた」のだとか。その後、『ハウルの動く城』『ゲド戦記』『崖の上のポニョ』の宣伝に参加し、高畑監督に多大な影響を与えた50年代の仏アニメ『王と鳥』(’06年に日本公開)で宣伝プロデューサーを務めた縁で、高畑監督と出会った。ちょうどこの時期、『かぐや姫の物語』は準備段階にありながら、ほとんど前進が見えない状況だったという。そこでスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが白羽の矢を立てたのが、西村氏。そこから『かぐや姫の物語』が完成するまでの苦闘の8年が始まった。「初めて高畑さんにお会いしてから、監督をお願いするのに1年半。脚本はさらに1年半かかった。ところが出来あがった脚本は、上映時間が3時間半もあって…」と西村氏。さまざまな試行錯誤を経て、当初183ページあったシナリオは、138ページにまで絞られたそうだ。絵コンテの段階になっても、高畑監督のこだわりはノンストップで「ある日突然、高畑さんが『なんで竹が光るんですか?光源はどこですか』って(苦笑)。その答えが出るまで、絵コンテが6週間止まってしまった」(西村氏)。映画は2013年7月、宮崎駿監督の『風立ちぬ』と同日公開される予定だったが、最終的には同年11月23日に全国封切りされた。「最初から無理だったんでしょうね。製作が遅れるなか、夏に公開するか、企画そのものを中止するか決断することになった。鈴木さんに『企画を中止にし、製作にかかった数十億円をドブに捨てる権利を僕にください』と伝えた。すると鈴木さんは『お前が始めたことだからな。いいよ、ドブに捨てても』って…。最終的には4か月遅れで、高畑さんとも意見が合致しましたが。高畑さんは初めて納得してくれましたね。そもそも(『風立ちぬ』との)同時公開には納得していなかったですし」(西村氏)。目下、夏の全国公開に向けて、最新作『思い出のマーニー』の完成を目指している。メガホンをとるのは、『借りぐらしのアリエッティ』で長編デビューを飾った米林宏昌監督。こちらは、演出面でジブリ新時代を担う存在だ。西村氏は「全然、順調じゃないです!夏には公開しますけど。米林監督は現実的で、現状の中で最大限の力を発揮する人。朝10時から翌朝4時まで頑張っています」と現状報告した。そんな西村氏が考えるスタジオジブリ作品の魅力とは?「ピクサーやドリームワークスと違うのは、夢だけじゃなく、悪夢も描いているところ。例えば『となりのトトロ』が夢なら、『火垂るの墓』が悪夢。過去のあやまちや現実に、目を背けてはいけないとアニメーションで訴えるのはジブリしかないと思う」(西村氏)。(photo / text:Ryo Uchida)
2014年03月22日