娘だから、妻だから当たり前……。そんな言葉とともに、疲弊するに任せ、顧みられることが少なかったケアラーたち。だが、そんなケアラーに光をあてる条例が誕生したーー。「介護をしている家族は心身の健康を損なったり、仕事を犠牲にしていたりするなど多くの問題を抱えています。ところが、そんな家族に支援の手が及ぶことはありませんでした。この条例が要介護者の影での存在であるケアラー(=家族などの無償の介護者)に光をあてるのです」3月27日、埼玉県議会で成立した「埼玉県ケアラー支援条例」について、こう語るのは日本女子大学名誉教授で日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子さん。全国初となる「埼玉県ケアラー支援条例」は、介護をしている人が個人として尊重され、健康で文化的な生活を営めるように、ケアラーが孤立しないように社会全体で支えることを目標としている。現在、ケアラーについての実態調査が行われており、その後、介護者のための相談窓口の設置や休息施設の整備、経済的支援、就業機会の提供などの支援策が検討されていくという。条例に関する有識者会議のメンバーでもある堀越さんが解説する。「実態調査の結果を受け、計画を練り上げ、来年3月には基本方針と具体的支援策を定めるスケジュールで動いています。介護というと、中高年の女性が行う高齢者介護のイメージがありますが、ケアラーには男性もいるし、18歳未満の“ヤングケアラー”から100歳のケアラーまでいます。また2〜3人と複数の人を介護している人、子育てと親の介護を同時にしている人など多種多様。当初、ケアラーの定義には、介護期間や継続してやっていることなどの要件がありましたが、間口を広げて、誰もが相談できるような体制にしたほうがいいという認識で、その要件は外されました」埼玉県条例が定義するケアラーは、次のとおり。《高齢、身体上又は精神上の障害又は疾病等により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する者をいう。》(「埼玉県ケアラー支援条例」第二条一より)厚生労働省の調査によると、介護者の約6割が同居家族だ。日本労働組合総連合会が’14年に行った要介護者を抱える家族に対しての実態調査によると、介護者の35.5%が要介護者に対して憎しみを感じたことがあると回答。認知症の人を介護している人にいたっては7割にのぼった。家族介護に依存しない“介護の社会化”を掲げた介護保険制度がスタートして20年たつが、日本では、家族による介護殺人や心中事件は2週に1件の頻度で起きている。また介護離職者は年間約10万人いるが、その8割弱が女性だ。堀越さん自身、同居する実母の食事介助やオムツ交換などの介護をしてきた経験があり、ケアラーを支える大切さをこう語る。「介護がいつ終わるかは見通しが立ちにくく、ケアラーはそれを考えること自体に罪悪感を持ってしまうことも。また『家族だから介護するのが当たり前』という無言のプレッシャーから、自分のことは後回しになり、体調を崩したり、仕事を辞めてしまうケースも後を絶ちません。悪循環を断ち切ることが重要です」現在、議論が進んでいる「ケアラー支援条例」では、どのようなサポートが行われるのだろうか。今回の条例の有識者会議のメンバーでもある「認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さんが語る。彼女自身も、姑の在宅介護を7年間したあと、実母の遠距離介護を5年間した経験がある。「支援策として、1人で抱え込んでいる介護者にとって駆け込み寺のようなところを設置して、介護者が『がんばらなくてもいい』と言ってもらえる空間をつくることが需要だと考えています」堀越さんもこう話す。「介護だけでなく、心身の健康や貧困など多重困難にも対応できるような総合的な窓口が必要。また、ケアラーは、自分が病気になるなどの緊急事態が起こった時の要介護者へのサービスを求めています。経済的な理由から、介護保険サービスの利用を控えなくてもすむような仕組みも必要です。無理なく介護を続けるためには、必要に応じて施設介護を利用できるとよいと思います」国に先駆けた“無償の介護者”への支援条例ーー今後の動きを注視していこう。「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年08月27日「介護をしている家族は心身の健康を損なったり、仕事を犠牲にしていたりするなど多くの問題を抱えています。ところが、そんな家族に支援の手が及ぶことはありませんでした。この条例が要介護者の影での存在であるケアラー(=家族などの無償の介護者)に光をあてるのです」3月27日、埼玉県議会で成立した「埼玉県ケアラー支援条例」について、こう語るのは日本女子大学名誉教授で日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子さん。全国初となる「埼玉県ケアラー支援条例」は、介護をしている人が個人として尊重され、健康で文化的な生活を営めるように、ケアラーが孤立しないように社会全体で支えることを目標としている。現在、ケアラーについての実態調査が行われており、その後、介護者のための相談窓口の設置や休息施設の整備、経済的支援、就業機会の提供などの支援策が検討されていくという。条例に関する有識者会議のメンバーでもある堀越さんが解説する。「実態調査の結果を受け、計画を練り上げ、来年3月には基本方針と具体的支援策を定めるスケジュールで動いています。介護というと、中高年の女性が行う高齢者介護のイメージがありますが、ケアラーには男性もいるし、18歳未満の“ヤングケアラー”から100歳のケアラーまでいます。また2〜3人と複数の人を介護している人、子育てと親の介護を同時にしている人など多種多様。当初、ケアラーの定義には、介護期間や継続してやっていることなどの要件がありましたが、間口を広げて、誰もが相談できるような体制にしたほうがいいという認識で、その要件は外されました」埼玉県条例が定義するケアラーは、次のとおり。《高齢、身体上又は精神上の障害又は疾病等により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する者をいう。》(「埼玉県ケアラー支援条例」第二条一より)厚生労働省の調査によると、介護者の約6割が同居家族だ。日本労働組合総連合会が’14年に行った要介護者を抱える家族に対しての実態調査によると、介護者の35.5%が要介護者に対して憎しみを感じたことがあると回答。認知症の人を介護している人にいたっては7割にのぼった。家族介護に依存しない“介護の社会化”を掲げた介護保険制度がスタートして20年たつが、日本では、家族による介護殺人や心中事件は2週に1件の頻度で起きている。また介護離職者は年間約10万人いるが、その8割弱が女性だ。現在、議論が進んでいる「ケアラー支援条例」では、どのようなサポートが行われるのだろうか。今回の条例の有識者会議のメンバーでもある「認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さんが語る。彼女自身も、姑の在宅介護を7年間したあと、実母の遠距離介護を5年間した経験がある。「支援策として、1人で抱え込んでいる介護者にとって駆け込み寺のようなところを設置して、介護者が『がんばらなくてもいい』と言ってもらえる空間をつくることが重要だと考えています」海外では介護者に対する支援を法律で明記している国が少なくない。次にあげた3カ国は、とくにケアラー支援の先進国だ。■日本が見習いたいケアラー先進国の取り組み(※IACO supported by Enbracing Carers TM、「家族介護者支援に関する諸外国の施策と社会全体で要介護者とその家族を支える方策に関する研究事業」より本誌作成)【全人口】イギリス:6,643万5,550人ドイツ:8,291万4,191人オーストラリア:2,499万2,860人【65歳以上人口】イギリス:1,216万5,557人ドイツ:1,779万8,089人オーストラリア:391万4,673人【65歳以上の割合】イギリス:18.3%ドイツ:21.5%オーストラリア:15.7%【ケアラーの数】イギリス:650万人ドイツ:320万人オーストラリア:265万人【ケアラーの定義】イギリス:無償で長期にわたって、身体・精神的な疾病・障害、また高齢にともなうケアの必要によって、家族や友人、その他の人を世話している人ドイツ:介護保険で要介護者と認められた近親者を、通常は週に2日以上、かつ合計10時間以上介護しているオーストラリア:障害のある人、医学的状態、精神疾患、または加齢による身体の衰えのある人々に対し、身の回りのケア、手助けもしくは援助を提供する人々【現金給付】イギリス:日本円で週約9,000円(介護者1人当たり。収入要件あり)ドイツ:在宅ケアの場合、月約4万〜11万円を要介護度に応じて介護を受けている人に支給オーストラリア:介護のため就労できない単身者の場合、約10万円を支給【介護休暇】イギリス:介護のためにフレックスタイム、休暇および休職を要求できるドイツ:最長2年の介護休暇の権利。緊急に介護が必要な場合は最長10日、終末期ケアとして最長3カ月の休暇オーストラリア:年間10日間の有給の介護休暇に加え、無給の「2日間休暇」やケガや病気を負った場合「2日間特別休暇」など【保険・税制】イギリス:現役世代のケアラーでも、基準を満たせば、公的年金を受給できるドイツ:収入減には無利息での貸付け制度。ケアラーには労災、年金、失業、疾病、介護保険が適用オーストラリア:介護者給付、介護者手当は非課税【その他の支援】イギリス:夜間の見守りサービス、教会、病院、美容院、映画などへ行く時間などの休養プログラムドイツ:介護技術を学べる無料講習や介護者同士の交流の機会の提供オーストラリア:カウンセリング、デイサービスや宿泊付きの施設利用などケアラーの負担軽減サービスこれら“先進国”から学ぶことは多いと、花俣さんが語る。「ケアラーが孤立しないように、また苦しくなったり疲労困憊したりしたときに、いつでも休息が取れるなど、さまざまな支援で支えているのが特徴です。各国のような現金支給の導入も議論されていいでしょう。ただ、それだけでは家族介護の固定化につながるので注意が必要です」最後に堀越さんが語る。「ケアラー支援は、よい介護をするための支援ではなく、介護者自身の人生の支援。この埼玉県の動きが国全体にも波及してほしい」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年08月27日会社を設立すると、経営者が自分1人しかいない会社でも社会保険に加入しなければならないのでしょうか。結論からいえば、たとえ1人のみの会社であっても社会保険への加入が義務づけられています。今回は、社会保険の加入義務やその仕組み、加入手続きの方法について解説していきます。会社設立を考えている人はぜひ参考にしてください。社会保険の加入義務とは?社会保険の加入が義務づけられている事業所には2つの種類があります。強制適用事業所任意適用事業所強制適用事業所とは強制という名が示すとおり、加入が義務づけられた事業所です。そして、任意適用事業所は従業員の過半数が加入を希望しているなどの場合に加入する事業所です。(1)すべての法人は社会保険への加入が義務づけられている株式会社や合同会社、有限会社など会社形態を有しているすべての法人は、社会保険への加入が義務となっています。つまり、すべての法人は強制適用事業者となります。「起業したばかりで従業員がいない」、「会社の規模がまだ小さい」という理由で加入しないという選択をするのは、法令違反であり罰則の対象となります。(2)法人でも社会保険に加入しなくてもよいケースすべての法人は社会保険に加入しなければなりませんが、例外もあります。役員報酬がゼロ、つまり社長が会社から給料をもらっていない場合には加入義務はありません。起業家の中には、複数の会社を経営している人もおり、そのうちの一部の会社からは報酬を受け取っていないということはよくあります。そういった場合には、その会社は社会保険に加入しなくてもよいとされています。さらに、給料を支払う場合でも健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料を控除できない程度の役員報酬である場合には加入義務はありません。地域にもよりますが、目安としては役員報酬が月額1万5千円に満たない程度の場合は、加入しなくてもよい可能性があります。社会保険とは?社会保険の加入が義務付けられているとはいえ、どのように加入手続きを行えばよいのでしょうか。その前に、まずは社会保険について詳しく見ていきましょう。社会保険は、病気やけが、勤務中の事故、そして退職や失業にともない収入が途絶えた場合など、いざという場合に備えて国民全員で保険料を出しあい、生活に困窮した場合など所定の要件を満たした人に対して必要なお金やサービスを支給するしくみです。会社で働く従業員の生活を守ってくれる、我が国の根幹となる制度といえるでしょう。社会保険は種類別に分けると以下のようになります。健康保険介護保険年金保険雇用保険労働者災害補償保険(労災保険)(1)健康保険健康保険は、病院にかかったときに病院代の一部をカバーしてくれるという制度です。一般的には被保険者は3割負担という方が多いのではないでしょうか。健康保険には、一般の会社で働いている人が加入する健康保険、公務員が加入する共済組合保険、そして自営業者や無職の人が加入する国民健康保険があります。会社で加入している健康保険には、出産手当金や傷病手当金など、国民健康保険にはない制度があります。健康保険の保険料は、事業主(会社)と従業員(被保険者)が折半で負担し、事業主が事業主負担分と従業員負担分を合わせた保険料を納付することになります。(2)介護保険介護保険は、介護が必要な高齢者や障害者を社会全体で支え合うという制度です。満40歳以上の人が加入を義務づけられ、保険料を支払うことになります。そして、65歳以上の要介護・要支援認定を受けた人や、40歳から64歳までの人のうち、特定の疾患で要介護認定を受けた人が介護サービスを受けることができます。なお、会社に所属する従業員の介護保険料は、健康保険料と合わせて天引きされ、健康保険料と同様に会社と従業員で折半されます。(3)年金保険年金保険には、基礎年金としての国民年金と、これに上乗せして受け取れる厚生年金があります。会社員の場合は厚生年金に加入することになっています。厚生年金は会社ごとに基金が設立されているのが一般的で、その団体に収めることで、将来一定額の年金がその団体から支給される仕組みになっています。厚生年金保険に加入している人は、厚生年金保険の制度を通じて国民年金にも加入しており、国民年金の給付である「老齢基礎年金」に上乗せして、「老齢厚生年金」も将来受け取ることができます。また、厚生年金や国民年金には上で述べた老齢年金だけでなく、怪我や病気をして障害者となったときに受け取れる障害年金、加入中の本人が亡くなった場合に受け取れる遺族年金があります。(4)雇用保険雇用保険は従業員が失業した場合に一定の期間、保険金が支給される制度です。従業員の再就職を支援するとともに、それまでの間の生活を安定させることを目的とする制度です。なお、雇用保険は雇用されている従業員のための制度となっていますので、経営者自身は一定の要件を満たさない限り原則として加入できません。(5)労働者災害補償保険(労災保険)労災保険は、従業員が業務中や通勤中に事故や災害に遭って病気やけがをした場合、あるいは死亡した場合にその保障をする制度です。従業員の医療費のカバーと社会復帰の支援、または遺族への生活援助のためのものです。雇用保険と同様に、雇用される従業員が対象ですので、経営者は原則として加入対象外となります。また、労災保険は全額会社負担となっています。社会保険の加入対象となる社員とは?会社には、正社員だけではなくパートやアルバイトとして働き、会社から給料をもらっている場合もあります。どのような人が社会保険の加入対象(被保険者)となるのでしょうか。[adsense_middle](1)一般社員(正社員)一般的に正社員はフルタイム勤務をしており、期間の定めがないものと考えられます。このような一般社員については、原則としてその全員が加入対象となります。これは、試用期間中であっても変わりません。ただし、65歳以上の人は原則として介護保険料を年金から天引きされるため、給料からの天引きは行われません。また、70歳以上の人は健康保険のみ加入対象となり、75歳以上の人は健康保険、厚生年金ともに対象となりません。なお、従業員がいなくて社長が1人の会社も、会社から報酬を受けているのであれば、健康保険や厚生年金へは加入は義務となります。(2)パート・アルバイト会社にはパートやアルバイトとして働く人も多くいます。パートやアルバイトであっても、一定の条件以上働く人には社会保険に加入させる義務があります。一定の条件とは、たとえば、従業員501人以上の会社で週20時間以上、1年以上の長期で働く見込みであるなど、一般の社員と同程度の労働力を提供している人と考えるといいでしょう。現在、国民年金や国民健康保険に加入している人や、家族の扶養に入っている人であっても、条件を満たしていれば健康保険や厚生年金保険の加入対象になることができます。社会保険の入り方・加入手続きそれでは、社会保険への各種加入手続きを見ていきましょう。(1)健康保険の加入手続き健康保険の加入手続きは、「全国健康保険協会(通称、協会けんぽ)」に加入する方法と、同種の企業が集まった業界団体、または企業単体で設立した「健康保険組合」に加入する方法があり、どちらかに加入することになります。保険料やサービス内容を確認したうえでどちらに加入するかを決めてください。①「全国健康保険協会(通称、協会けんぽ)」に加入する場合全国健康保険協会に加入する場合は、会社の住所地を管轄する年金事務所で厚生年金保険の加入手続きを行うことで、同時に健康保険の加入手続きも行うことができます。②「健康保険組合」に加入する方法会社を設立したばかりであっても、同じ業界団体が設立している健康保険組合があれば、その組合に加入できるケースがあります。業界団体の健康保険組合に加入する場合は、それぞれの組合に問い合わせ、その規定に従って手続きを行うことになります。(2)厚生年金保険の加入手続き厚生年金保険の加入手続きは、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」に必要事項を記入し、会社の住所地を管轄する年金事務所に提出することで完了します。記載が分からない場合は、年金事務所の方に教えてもらいながらでも行うことができます。(3)介護保険の加入手続き介護保険の加入手続きは、健康保険の加入手続きをすれば同時に行われることになっています。つまり、全国健康保険協会に加入する場合は、年金事務所で手続きをすれば、「厚生年金保険」「健康保険」「介護保険」の加入手続きが完了します。健康保険組合についても同様に、健康保険の加入手続きを行えば介護保険の加入手続きも完了しています。(4)労働保険(雇用保険・労災保険)の加入手続き労働保険とは雇用保険と労災保険の総称をいいます。つまり労働保険の加入手続きをすれば、「雇用保険」「労災保険」の両方に加入したことになります。労働保険の加入手続きは、健康保険や年金保険に比べてやや煩雑になります。①労働基準監督署に「労働保険関係成立届」を届出する会社を設立後、新たに労働保険に加入する事業所は、まず労働保険に加入するための適用事業所の設置手続きが必要です。手続きは次で述べるハローワークで行いますが、その前に「労働保険関係成立届」を労働基準監督署に提出しなければなりません。②「ハローワーク(公共職業安定所)」に各種必要書類を届出する「労働保険関係成立届」を提出したのち、所轄のハローワークに提出して労働保険の加入手続きを行います。ハローワークでは従業員の保険加入手続きを行います。実際に、手続きを行う際に必要な書類は下記のとおりです。会社の登記事項証明書労働保険関係成立届の控え(労働基準監督署に提出した控え)雇用保険適用事業所設置届雇用保険被保険者資格取得届被保険者(従業員)が持っている雇用保険被保険者証手続きに必要な用紙は、ハローワークに設置してあります。資格取得届は、従業員1人につき1枚必要になります。会社設立時の社会保険に関するまとめ今回は会社を設立した場合に忘れがちな社会保険の加入について解説しました。社会保険への加入は義務であり、また経営者自身にとってはもちろん、従業員の健康や生活を守るためにも必要不可欠です。会社経営者は社会保険の重要性や加入条件をきちんと理解しておかなければなりません。加入していない場合の罰則規定もあるため、社会保険の加入漏れがないように適切な手続きを行いましょう。
2020年08月02日介護は子が親にする最後の恩返しといわれますが、実情は甘いものではありません。認知症ともなれば、「手に負えない」ことが多く、困り果ててしまいます。高齢化が進むなかで、介護の必要性は高まっていますが、受け入れる側の体制は整っていないようです。 親の介護を拒否したいHさん介護について悩んでいるのが、50代男性のHさんです。彼の父親は窃盗などで犯罪を重ねており、つねに頭を悩ませられてきた存在。疎遠になりほとんど連絡もとっていませんが、最近病魔に倒れ、親戚から「息子に介護を頼みたい」と話していると伝えられました。様々な場面で「ネック」となってきた父親の介護をすることについて、Hさんは強い抵抗感を持っており、関わりを持ちたくないと考えているそう。しかし周囲には「お前が面倒を見るべきだ」「子供としての義務を果たすべきだ」という声もあり、思い悩んでいます。Hさんは介護しなければならないのでしょうか?あすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士にお聞きしました。 介護しなければいけないのか?高野倉弁護士:「自分で介護する必要はありませんが、経済的援助(扶養)をする必要はあります。まず、子ども自らが父親を介護する必要はありません。これは、父親が犯罪を重ねていてもいなくても同じです。大人になった子どもには親を扶養する義務があります(民法877条1項)。扶養の方法は、金銭的な援助が原則です。同居するなどして子ども自身が世話をする必要まではありません。介護保険を利用して介護サービスを入れる、施設に入所してもらい施設費を援助するといった方法が考えられます」 保護責任者遺棄になる場合も高野倉弁護士:「ただし、既に介護していた父親を何の手当もなく急に放置した場合には、保護責任者遺棄罪(刑法218条)に問われる可能性があります。扶養義務自体はなくならないとしても、親の不行状は扶養の内容に影響する可能性はあります。親子間に「容易に融和できない対立」があり、その原因が親の「やや異常と思える程のかたくなな性格」にあるとしても、扶養義務自体は認められるとした裁判例があります(大阪高等裁判所昭和45年11月26日決定)。このような事情は、扶養として支払う金額を少なく定めるという方向に働きます。なお、介護を受けるような状態にある人が犯罪を重ねるケースの場合、認知症を含む精神障害がないか、その影響で犯罪に及んでいるのではないかと考えてみることが必要です。精神障害が原因であれば、精神科病院や精神保健福祉センターなどでの治療によって状況が改善する場合があります」 遺産相続はどうなる?仮に介護を拒否した場合、遺産相続はどうなるのでしょうか?高野倉弁護士:「親(被相続人)の不行状は、相続に特別の影響はありません。子ども(相続人)は、相続したくなければ「相続放棄」の手続をすればよいということになります。相続放棄は、親(被相続人)の存命中はできません。親(被相続人)が死亡し、相続が開始した後に初めて、家庭裁判所に申立てをすることで相続放棄をすることができます」 子が親を介護は義務?介護は由々しき問題です。Hさん以外にも、放棄したいと考えている人はいることでしょう。子は親を介護しなければいけないものなのでしょうか?高野倉弁護士:「先ほど述べたとおり、子どもが『自ら介護をする義務』はありません。ただし、扶養義務として、経済的な援助をする義務はあります。法的に『親子の縁を切る』ということはできないので、扶養義務はどうしても残ります。介護するかしないかの選択権はありますが、扶養するかしないかの選択権はないといえます」 しっかりと覚えておこう子が親を介護するのは一般的なケースですが、「しなければいけない」という義務はありません。誤った認識を持っている人も多いと聞きますので、しっかりと覚えておきましょう。 *取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)犯罪を重ねる親の介護を拒否したい!子は親を「介護しなければ」いけない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。犯罪を重ねる親の介護を拒否したい!子は親を「介護しなければ」いけない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2020年07月31日8月から、「インデックス保険」という新しい仕組みの保険が登場。インデックス保険とは、あらかじめ保険金が出る指標(インデックス)を決めておいて、その状況になったらすぐに保険金が支払われる保険だ。そんなインデックス保険について、経済ジャーナリストの荻原博子が解説してくれたーー。■地震から最短3日で保険金ゲット日本第1号は、東京海上日動の「震度連動型地震諸費用保険(地震に備えるEQuick保険)」。気象庁が発表する震度情報を指標とする地震保険です。実際に大地震が起こったら、保険会社は震度6弱以上の地域の契約者にメールを送信。契約者は住所や振込口座を確認し返信すれば、最短3日で保険金を受け取れます。たとえばプレミアムプランだと、保険料は年9,600円です。地震が起きて受け取れる保険金は、震度7で50万円、震度6強で20万円、震度6弱で10万円。ほかにスタンダードやエコノミーのプランも。この保険はとても合理的だと思います。まず、指標が震度なので、保険金が出るかどうかが一目瞭然。住む地域に関係なく保険料も一律で、シンプルでわかりやすいです。次に、保険会社が被害状況を調査しないので、保険金の支払いが早い。被災直後に助かるでしょう。さらに、加入はインターネットで被害調査もしませんから、保険会社の経費がかなり抑えられています。その分、保険料も安く設定しているのだと思います。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月31日’00年に介護保険制度がスタートし、認知症などの高齢者の介護は家庭だけでなく、社会全体で取り組むことになった。ところが介護を理由とした家族間での殺人の件数は減らず、厚生労働省の統計によると年間20〜30件起きている。2週間に1件程度の頻度で、介護殺人が起きている計算だ。同調査によると、加害者の3割から4割が女性で、女性が男性を上回ることは一度もなかった。しかし、「異変が起きている」と語るのは、日本福祉大学社会福祉学部教授で『介護殺人の予防』(クレス出版)の著書がある湯原悦子先生だ。「介護殺人の加害者の男女比率は長年この割合で推移してきましたが、今年1月から7月までを調べてみると、女性が加害者である割合が増加しているんです」次の「2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件」を見てほしい。湯原先生が独自に調べた、今年に入ってから7月21日現在までに起きた15件の介護殺人の内容だ。加害者が女性のケースは9件と、男性を上回っている。■2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件(※年齢は逮捕当時。湯原先生の調査を基に本誌が作成。高齢者に対する介護を原因とした死亡事件に限った)【1月2日・神奈川県相模原市】容疑者/加害者:娘(53)1月6日、85歳の母親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の疑いで娘を逮捕した。5日に自ら通報して発覚。娘によると母は2日に亡くなったという。遺体の顔面や上半身に内出血があり、「たたいたことはある」と供述している。【1月7日・静岡県伊豆の国市】容疑者/加害者:息子(54)1月7日、警察が衰弱した母親を自宅で見つけ、病院に搬送されたが、死亡した。81歳の母親は歩行困難だったが、介護をしていた息子は1月5日朝に家出。3月12日に発見され、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。【1月28日・愛知県東海市】容疑者/加害者:夫(79)夫は「妻を刺した」と長男に電話し、長男が通報。駆け付けた警察官が72歳の妻の遺体と意識不明の重体の夫を発見した。夫妻は2人暮らし。夫は周囲に妻の介護に悩んでいると漏らしていたといい、心中を図ったとみられる。【2月3日・宮城県気仙沼市】容疑者/加害者:妻(69)妻が親戚に「夫を殺してしまった」と連絡し、事件が発覚。目が不自由な74歳の夫は日常的に介護が必要だった。妻は「介護に疲れた」と供述し、警察は殺人の容疑で妻を逮捕。近所の人たちの証言によると、2人は仲むつまじい夫婦だったという。【2月4日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:妻(69)、息子(43)2月2日、末期がんで体が不自由な78歳の夫を放置して、妻と長男が外出。3月未明に、妻の通報で救急搬送されたが、4日午前に死亡。妻と長男は保護責任者遺棄容疑で逮捕、送検されたが、3月6日に仙台地検は妻と長男を不起訴とした。【3月2日・兵庫県明石市】容疑者/加害者:息子(41)マンションの一室で72歳の母と息子が倒れていると、親族が通報。母はすでに死亡しており、意識不明だった息子も病院搬送後に死亡が確認された。母は認知症を患い息子が介護していた。無理心中だとみられている。【3月7日・埼玉県羽生市】容疑者/加害者:妻(71)「夫を殺した」と妻が自ら通報。「介護に疲れていた」と供述し、72歳の夫を、首を絞めて殺害した容疑で逮捕された。妻の首や手首には切り傷があり、無理心中を図ったとみられている。【4月7日・東京都杉並区】容疑者/加害者:夫(82)夫は「母さんが死んだ。俺も後を追う」と長女に電話。長女が通報して、事件が発覚した。81歳の妻は要介護3だった。夫は「将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と供述、殺人容疑で逮捕された。【4月18日・大阪府大阪市】容疑者/加害者:息子(57)特別養護老人ホームに入所した91歳の母を毎日のように見舞っていたが、新型コロナの流行で面会が禁じられ、4月17日に自宅に引き取った。翌日の夜、母を殺害し、自身も自殺。「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」という遺書が残されていた。【4月28日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:娘(68)強い足の痛みを抱える94歳の母が「早く逝きたい」と言うように。娘は多量の睡眠薬を混ぜたジュースを飲ませ、座布団で顔を押さえつけて母を窒息死させた。嘱託殺人の罪に問われ、7月15日に検察は懲役3年を求刑。判決は8月19日予定。【5月5日・埼玉県さいたま市】容疑者/加害者:娘(26)60歳の母を殺害し、娘が自ら110番通報した。母と娘の2人暮らしで、「3年ほど前に脳の病気で体が不自由になった母を、自分が介護をしていた」と供述し、「介護に疲れた」と容疑を認めているという。【5月14日・茨城県利根町】容疑者/加害者:妻(73)5月14日、呼び鈴を押しても応答しないことを不審に思ったデイサービス施設の職員が長男を呼び出して確認したところ、死後数日が経過した夫婦の遺体が見つかった。介護が必要だった77歳の夫は首を絞められた痕があり、妻は首をつっていた。【6月5日・神奈川県小田原市】容疑者/加害者:妻(73)83歳の夫と妻、長男次男と4人暮らしだった。5日午前0時ごろ、妻は夫の首を絞めて殺害。妻に起こされて、事情を明かされた長男が通報し、事件が発覚。妻は「夫の介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【6月18日・沖縄県南風原町】容疑者/加害者:妻(72)6月18日夕、同居している家族が帰宅すると、意識不明の76歳の夫と妻を発見。介護が必要な状態だったという夫は搬送先の病院で死亡した。自殺を図ったとみられる妻は、意識が回復後に「介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【7月11日・鹿児島県知名町】容疑者/加害者:息子(70)90歳の母親を複数回殴打した翌日、ぐったりとしているのに気づき、息子自らが通報。息子は寝たきりの母を介護しながら2人暮らしだったが、介護を巡って親子で対立があったと伝えられている。「妻が夫を殺害し、その後、自らも命を絶とうと無理心中を図っても死にきれなかったという事例が増えています。気がかりなのが、加害者となった女性が、一様に『介護に疲れて』と動機を語っていること。これまで『介護に疲れた』という理由で肉親を殺害するケースは比較的男性に多かったのです」(湯原先生)いったいどうすれば、最悪の事態を防ぐことができるのだろうか。「まずは介護する人は、自分も支援される立場だということを認識することが大事です。介護者(ケアラー)支援の先進国であるイギリスやオーストラリアではすでに法整備されていて、介護者に対して休暇取得や現金支給、カウンセリングなどのサービスが提供されています。今年3月には埼玉県で、全国初となる『ケアラー支援条例』が施行。介護事業者や医療機関を通じて介護者が抱える課題を聞き取り、具体的な支援につなげることを法制度化しました。この動きが全国に広がっていくことが求められています」(湯原先生)湯原先生は、こんなアドバイスをしてくれた。「たとえば、要介護者の4分の1を占める認知症の場合、家族である介護者は『戸惑い・否定』『混乱・怒り・拒絶』『割り切り・あきらめ』『人間的・人格的理解』という4段階の心理的ステップを必ずたどります。介護殺人は第2段階にとどまっている人が、1人で苦しんだ末に事件を起こしているケースが少なくありません。とくに親など自分が大切な人が、訳のわからない言動をすることで戸惑い、そして混乱や怒りの感情を抱いて『今が最悪』な状況と思ってしまうのです」早く次の「割り切り・あきらめ」の段階に進むことが重要だという。「この段階になれば、さまざまなサポートを受け入れられるようになり、介護者がイライラせずに、肩の力を抜いて穏やかに暮らすことが可能になります。第2段階から第3段階に進むためには、他人の介護の体験談から学ぶことです。多くの体験を聞くことで、自分の状況を相対的に見ることができたり、心構えができたりするのです」(湯原先生)認知症患者とその家族の交流の場「認知症カフェ」を開催している目白MMクリニックの内田暁彦院長が語る。「認知症の症状を止めるのは困難です。私ができるのは、患者と家族が自分らしい生活を続けられるよう寄り添い続けることです。心身の負担が大きい介護者が語り合い、情報交換をする場は、問題を共有することで介護者の気持ちが少し楽になるという効果も。またデイサービスも、患者さんのためだけではなく、介護者にとって自分の時間を作るためにも活用するようにしてください。介護の苦しみは永遠に続くわけではありません。1人で抱え込まずに、仲間を作ることも大切。公的な介護サービスを利用したりして負担を分散することが重要です」もし、自分や周囲の人が介護によって追い詰められる事態になれば、どうすればいいのか?「病院や医師だけでなく、住んでいるところの地域包括支援センターや役所、地域の家族会など、介護の不満やSOSが言える場所をいくつか確保しておくほうがいい。また、社会としても、困難に陥っている介護者を早く見つけ出して、いかに手を差しのべるかが課題なのです」(内田院長)介護殺人を回避するためには、介護者の心の余裕と社会のサポートが欠かせないようだ。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月30日介護の疲れから、身内の苦痛を見るのがつらくて……親族に手をかけてしまう“介護殺人”は長年の社会問題だ。だが、コロナ禍で起こり方に変化の兆しがあるというーー。’00年に介護保険制度がスタートし、認知症などの高齢者の介護は家庭だけでなく、社会全体で取り組むことになった。ところが介護を理由とした家族間での殺人の件数は減らず、厚生労働省の統計によると年間20〜30件起きている。2週間に1件程度の頻度で、介護殺人が起きている計算だ。同調査によると、加害者の3割から4割が女性で、女性が男性を上回ることは一度もなかった。しかし、「異変が起きている」と語るのは、日本福祉大学社会福祉学部教授で『介護殺人の予防』(クレス出版)の著書がある湯原悦子先生だ。「介護殺人の加害者の男女比率は長年この割合で推移してきましたが、今年1月から7月までを調べてみると、女性が加害者である割合が増加しているんです」次の「2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件」を見てほしい。湯原先生が独自に調べた、今年に入ってから7月21日現在までに起きた15件の介護殺人の内容だ。加害者が女性のケースは9件と、男性を上回っている。■2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件(※年齢は逮捕当時。湯原先生の調査を基に本誌が作成。高齢者に対する介護を原因とした死亡事件に限った)【1月2日・神奈川県相模原市】容疑者/加害者:娘(53)1月6日、85歳の母親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の疑いで娘を逮捕した。5日に自ら通報して発覚。娘によると母は2日に亡くなったという。遺体の顔面や上半身に内出血があり、「たたいたことはある」と供述している。【1月7日・静岡県伊豆の国市】容疑者/加害者:息子(54)1月7日、警察が衰弱した母親を自宅で見つけ、病院に搬送されたが、死亡した。81歳の母親は歩行困難だったが、介護をしていた息子は1月5日朝に家出。3月12日に発見され、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。【1月28日・愛知県東海市】容疑者/加害者:夫(79)夫は「妻を刺した」と長男に電話し、長男が通報。駆け付けた警察官が72歳の妻の遺体と意識不明の重体の夫を発見した。夫妻は2人暮らし。夫は周囲に妻の介護に悩んでいると漏らしていたといい、心中を図ったとみられる。【2月3日・宮城県気仙沼市】容疑者/加害者:妻(69)妻が親戚に「夫を殺してしまった」と連絡し、事件が発覚。目が不自由な74歳の夫は日常的に介護が必要だった。妻は「介護に疲れた」と供述し、警察は殺人の容疑で妻を逮捕。近所の人たちの証言によると、2人は仲むつまじい夫婦だったという。【2月4日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:妻(69)、息子(43)2月2日、末期がんで体が不自由な78歳の夫を放置して、妻と長男が外出。3月未明に、妻の通報で救急搬送されたが、4日午前に死亡。妻と長男は保護責任者遺棄容疑で逮捕、送検されたが、3月6日に仙台地検は妻と長男を不起訴とした。【3月2日・兵庫県明石市】容疑者/加害者:息子(41)マンションの一室で72歳の母と息子が倒れていると、親族が通報。母はすでに死亡しており、意識不明だった息子も病院搬送後に死亡が確認された。母は認知症を患い息子が介護していた。無理心中だとみられている。【3月7日・埼玉県羽生市】容疑者/加害者:妻(71)「夫を殺した」と妻が自ら通報。「介護に疲れていた」と供述し、72歳の夫を、首を絞めて殺害した容疑で逮捕された。妻の首や手首には切り傷があり、無理心中を図ったとみられている。【4月7日・東京都杉並区】容疑者/加害者:夫(82)夫は「母さんが死んだ。俺も後を追う」と長女に電話。長女が通報して、事件が発覚した。81歳の妻は要介護3だった。夫は「将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と供述、殺人容疑で逮捕された。【4月18日・大阪府大阪市】容疑者/加害者:息子(57)特別養護老人ホームに入所した91歳の母を毎日のように見舞っていたが、新型コロナの流行で面会が禁じられ、4月17日に自宅に引き取った。翌日の夜、母を殺害し、自身も自殺。「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」という遺書が残されていた。【4月28日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:娘(68)強い足の痛みを抱える94歳の母が「早く逝きたい」と言うように。娘は多量の睡眠薬を混ぜたジュースを飲ませ、座布団で顔を押さえつけて母を窒息死させた。嘱託殺人の罪に問われ、7月15日に検察は懲役3年を求刑。判決は8月19日予定。【5月5日・埼玉県さいたま市】容疑者/加害者:娘(26)60歳の母を殺害し、娘が自ら110番通報した。母と娘の2人暮らしで、「3年ほど前に脳の病気で体が不自由になった母を、自分が介護をしていた」と供述し、「介護に疲れた」と容疑を認めているという。【5月14日・茨城県利根町】容疑者/加害者:妻(73)5月14日、呼び鈴を押しても応答しないことを不審に思ったデイサービス施設の職員が長男を呼び出して確認したところ、死後数日が経過した夫婦の遺体が見つかった。介護が必要だった77歳の夫は首を絞められた痕があり、妻は首をつっていた。【6月5日・神奈川県小田原市】容疑者/加害者:妻(73)83歳の夫と妻、長男次男と4人暮らしだった。5日午前0時ごろ、妻は夫の首を絞めて殺害。妻に起こされて、事情を明かされた長男が通報し、事件が発覚。妻は「夫の介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【6月18日・沖縄県南風原町】容疑者/加害者:妻(72)6月18日夕、同居している家族が帰宅すると、意識不明の76歳の夫と妻を発見。介護が必要な状態だったという夫は搬送先の病院で死亡した。自殺を図ったとみられる妻は、意識が回復後に「介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【7月11日・鹿児島県知名町】容疑者/加害者:息子(70)90歳の母親を複数回殴打した翌日、ぐったりとしているのに気づき、息子自らが通報。息子は寝たきりの母を介護しながら2人暮らしだったが、介護を巡って親子で対立があったと伝えられている。「妻が夫を殺害し、その後、自らも命を絶とうと無理心中を図っても死にきれなかったという事例が増えています。気がかりなのが、加害者となった女性が、一様に『介護に疲れて』と動機を語っていること。これまで『介護に疲れた』という理由で肉親を殺害するケースは比較的男性に多かったのです。男性は認知症になった妻や親の介護を抱えても、周囲に悩みを打ち明けたり、何かに頼ったりしない傾向があります。思いどおりにいかない介護を1人で背負い、あるとき何かがポキンと折れるように事件を起こしてしまうケースが多いのです」(湯原先生・以下同)一方、女性の場合、介護のことを育児と同じように身近な話題として、友人や知人、職場などで愚痴や悩みを共有しやすいという。「女性に多い動機は、夫や親など、介護している対象の『苦しみを終わらせてあげたい』というものが多かった。しかし、ここにきて、介護疲れを理由とした女性の事件が増えているのです」いったい、何が起こっているのだろうか?「『介護に疲れて』という動機は『将来を悲観して』という動機と表裏一体。この先、よくなるとは思えない暗い将来を憂い、介護を続ける気力を失い、“ならば一緒に死んでしまおう”、という発想になってしまう女性が増えているのかもしれません」昨年は「老後資金2,000万円不足問題」など、老後の不安が拡大する話題が多かった。そして、今年は新型コロナウイルスの感染が拡大。他者との交流がしづらく、悩みを共有する機会を失ったり、将来への不安を深めたりしている人は多い。そんな時代背景が介護している女性を追い込んでいるのかもしれない。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月30日【今週の悩めるマダム】コロナ禍のなか、同居している要介護1〜2の義父母(主人の両親)の介護に明け暮れる日々です。近くに住んでいるのに両親と仲の悪い主人の2人の妹たちは、訪問はおろか電話1本ありません。私の都合の悪いときくらい、手伝ってくれてもいいのにと思ってしまいます。唯一の救いは主人からの感謝の言葉です。(愛知県在住・50代主婦)これは切実な話ですね。奥様の立場になって、いろいろと考えてみました。結論から申し上げますと、奥様はとっても優しい方です。だから、断れないのですね。少しきつい言い方をしますが、お許しください。綺麗事を言っていても解決できません。奥様がこの問題で離婚するとか、不幸になることは絶対にあってはいけませんから、多少は心を鬼にして挑んでもらいたい。奥様も生きているんですよ。ご自身の幸せを大事にしないと生きていることが辛くなりますよね。僕が暮らすフランスでは、子どもたちが親の介護をすることはほとんどありません。親がそれを望まないからです。ましてや嫁がやることではありません。フランスの親は子どもに頼らない。そういう国もあるんだ、と思ってください。これが日本の価値観に当てはまるとは思っていませんが、でも、実際にそういう世界もあるんです。奥様は優しくて、またご主人を愛しているし、ご主人のご両親にも情が湧いているのがよくわかります。しかし、これを続けていくと、奥様ご自身の人生が死んでしまいます。それはダメだ。絶対、ダメです。僕がもし奥様の立場だったら、まず、ご主人とご主人の妹さんたちにはっきりと言います。血の繋がったあなたたちが何もやらないで血の繋がってない自分がすべて引き受けるのは不条理だ、と。ストライキというのは人間の権利です。奴隷じゃないんです。実の娘が2人も近所にいて何もやらないっておかしいです。鬼ですよ。妹さんたちとご両親が仲が悪いということは奥様にはまったく関係ない話です。もし奥様が病気になったら、誰かがこの代わりをすることになるわけです。そういうことは起こりえます。まず、ご主人と妹さんたちと話をし、なんなら妹さんたちのご主人たちも含めてみんなで話し合い、自分にも時間が欲しいと訴えてください。そういう話し合いの場を持つべきでしょう。その上での解決策ですが、デイサービスや介護施設などを利用することに持っていければいいですね。まずは時間の確保が必要です。費用は3家族で割りましょう。そして、その判断をご主人と妹さんたちにやってもらうのがいいでしょう。こうすれば、これまでのようなハードな毎日からは多少解放されるはずです。それをしなければ、奥様はずっと自分を犠牲にして生きていかないとならなくなるのです。奥様にだってご両親がいますね。自分の親の面倒もそのうち看ないとならなくなるでしょう。奥様の優しさはわかりますが、ここはご自身が死なないためにはっきりと訴えましょう。「赤ん坊は泣かないとミルクを与えてもらえない」のです。我慢せず、演技でもいいので、号泣してください。「あなたたちの親でしょ、私にだって親がいるんですから」と主張してください。【JINSEIの格言】僕が暮らすフランスでは、子どもたちが親の介護をすることはほとんどありません。親がそれを望まないからです。ましてや嫁がやることではありません。そういう国もあるんです。この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします!お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】(@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!
2020年07月28日家財保険と火災保険は同じものでもあり、別のものでもあります。「火災や風水害での損害を補填する」という点においては同じです。しかし、完全に一致するものではありません。今回は火災保険の一部である家財保険の基礎知識と、加入時に注意すべきポイントについて解説します。火災保険と家財保険の違い家財保険は火災保険の一種火災保険の中で、家財のみを補償対象とするものを「家財保険」と呼ぶ場合があります。しかし、「家財保険」という保険商品があるわけではありません。住宅用の火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分かれています。つまり、家財保険は火災保険の一種なのです。家財とは、建物の中にある家具や家電などの動産のことをいいます。住宅用火災保険では建物のみを補償対象にすることも、家財のみを対象にすることも、両方を対象にすることもできます。建物と家財の具体的な補償対象は?「建物」は家屋などの建物本体と付属する物置、車庫、塀などの動かせないものが該当します。「家財」は家具、家電、衣類、カーテンなどが対象になります。ただし、建物と家財の区別は保険会社によって微妙なものもあります。一般的には以下のとおりです。意外にも、建物の範囲は広いのです。家財保険の必要性とおすすめする理由住宅ローンを組んでマイホームを購入するとき、多くの場合は金融機関から火災保険の提案を受けます。その際、「建物のみ」の補償プランを提示されることが多いので注意が必要です。たいていの人は、住宅購入は一生に一度のことなので、火災保険のことはよくわからないはずです。そのまま加入して、建物が全焼してしまった場合、建物は建て替えることができます。けれども、家財道具一式はゼロからそろえなくてはなりません。家財の補償がなければ、テレビや冷蔵庫や洗濯機や家具などをすべて自腹で賄わなくてはならないのです。自己資金に余裕のある人にとっては、建物の建て替えに比べて、かかるお金の少ない家財の保険は必要ではないかもしれません。しかし、ほとんどの人はそんな余裕はないはずです。余裕のない人にとっては家財の保険は必要だということになります。さらに、昨今は大規模な自然災害が増えています。想定外の被害も多く、火災保険は必須です。建物だけでなく、家財の損害にもしっかり備えておきましょう。家財保険を検討する際に知っておきたい注意ポイント[adsense_middle]アパートや賃貸マンションなどの借家の場合賃貸借の対象物件においては、建物本体の火災保険は大家さんが加入しますが、建物内部にある家財の火災保険(家財保険)は居住者が加入する必要があります。賃貸住宅用の家財保険の基本的な補償借家人賠償は必須の補償賃貸住宅の賃借人用の火災保険は、上記のように家財の補償をメインに、賠償責任をオプションにしたセットになっています。賠償責任のうち、借家人賠償はオプションとはいえ、必須の補償です。賃借人には退去の際に対象物件の「原状回復義務」というものがあります。「原状回復」とは、借りる前の状態に戻すということです。自分の部屋から家事を出してしまった場合、「原状回復義務」を果たすことができない「債務不履行」の状態に陥ります。この「債務不履行」に対する損害賠償義務を負うために借家人賠償があります。個人賠償責任は重複加入に注意マンションなどの共同住宅の場合、火災より多いのが漏水です。自分の部屋からの水漏れで、下の階の部屋を濡らしてしまった場合などの損害賠償のために個人賠償責任の補償があります。個人賠償責任は、自動車保険などに付帯されている場合はそちらでカバーされます。1契約で同一生計の家族全員が補償対象になります。重複加入にならないように既加入の損害保険をチェックしましょう。また、借家人賠償、個人賠償責任ともに加入する商品に示談サービスが付いているほうがいいです。地震保険は家財の補償も忘れずに日本では、阪神淡路大震災、東日本大震災などの大地震が起きてから地震保険の加入率が一気に上がりました。通常の火災保険では地震による損害は補償されません。例えば、地震によって発生した火災は地震保険に加入していないと補償されないのです。地震保険は単独では加入できず、火災保険に付加します。過去の震災では家財の損害も甚大でした。よって、地震保険は建物だけでなく家財の補償も必要といえます。地震保険においては建物と家財で災害の認定要件や、保険金の支払い方法が異なります。どちらかというと家財のほうが支払われやすいと言われています。通常の家財保険では補償対象にならないもの家財の補償対象は建物以外全部というわけではありません。通常の火災保険の契約では補償対象にならないものは以下のとおりです。所定額以上に高価な貴金属、書画、骨董など設計書、帳簿、証書など自動車通貨、有価証券、預金証書、印紙、切手など商品、営業用什器、備品などテープ、カード、ディスク、ドラムなどのコンピュータ用の記録媒体に記録されているプログラム、データなど所定額以上に高価な宝石、書画などは「明記物件」として保険会社に申告しておかないと、補償の対象に含めることができなくなります。現金や有価証券は盗難の補償が付いていれば補償の対象になりますが、火災などでは対象外となります。2014年の関東地方の大雪災害では、カーポートが潰れて自動車の車両にも損害が多く発生しました。こうした場合、カーポートは補償されますが、自動車は火災保険では補償されません。車両の損害は自動車保険の車両保険からの補償になります。家財の保険金額の決め方家財の保険金額の決め方は、世帯主の年齢・家族構成によりおおよその目安があります。以下はある保険会社のデータです。家財の保険料の決まり方家財に限らず、火災保険の保険料は建物の構造級別、保険対象の所在地、建築年月、保険金額、補償内容、保険期間、保険料払込方法によって決まります。建物の構造級別は以下のように分類されます。保険料はM構造が最も安く、H構造が最も高くなります。家財保険と火災保険の違いのまとめ火災保険とは、火災や風水害での損害を補填する損害保険です。家財保険は火災保険の中で、家具や家電などの家財の損害を補償するものです。火災保険の中に家財保険は含まれています。家財の補償対象は基本的に建物以外の動産です。火災保険に加入する際は、建物の補償だけでなく、家財の補償も検討するようにしましょう。
2020年07月07日世界中を混乱に陥れたコロナ禍。いまや、リーマン・ショックに比肩する景気悪化におそわれるとの予想も。そこで、ボロボロ家計を救うべく、使える制度を使い倒そう!利用できる支払いの「猶予・免除」にはどんなものがあるのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが教えてくれたーー。■税金は滞納扱いになる前に手続きを!大手旅行会社のHISが今夏のボーナス支給を取りやめるなど、多くの企業でボーナスが大幅に削られています。みずほ総研は、今夏のボーナスが昨年より9.2%減ると予想(’20年5月)。リーマン・ショックに次ぐ大きな下げ幅です。「ボーナスが出るだけありがたい」声がある半面、「冬までどうやって暮らせばいいんだ」という嘆きは深刻です。住宅ローンのボーナス併用払いや毎月の赤字補填など、“ボーナス頼み”の家計にとって、1人10万円の「特別定額給付金」は焼け石に水。今年後半の家計は、ボロボロになるかも……とはいえ、借金は避けたい!ならば、支払いの「猶予・免除」を利用しましょう。国の要請を受けて、コロナ禍の特別猶予もあります。【1】社会保険料国民健康保険・介護保険や国民年金などの社会保険料は、困窮の度合いに応じて免除があります。一家の大黒柱がコロナ肺炎で亡くなった場合などは、国民健康保険料・介護保険料は全額免除です。注意したいのは、これらが申請主義だということ。国民健康保険の免除申請をすれば、保険料を払わなくても保険証が使えます。国民年金は、免除期間も老後の年金をもらうための受給資格期間に含まれます。手続きせず放っておくと、こうした補償は一切ありません。必ず申請してください。【2】税金税金は、最長1年間の猶予があります。延滞金もありません。自動車税・軽自動車税は5月末が支払い期限でした。「払えない」と思い悩むより、早めに手続きをして家計のこれからを考えましょう。手続きしなかったら滞納扱いとなり、延滞金がかかります。【3】水道・下水道料金もっとも大切なコロナ対策は手洗いですから、ふだんより水道代がかさんだ家庭が多いと思います。上下水道は自治体が管理していますので、自治体独自の判断で、一部免除などの措置を行っています。たとえば兵庫県小野市は、5月請求分から半年間無料にする太っ腹。いくら使っても上水道は無料ですが、下水道料金は使いすぎ防止のため通常どおり徴収します。ほかにも、大阪市は上下水道の基本料金が3カ月間無料ですし、鹿児島市は上水道の基本料金が4カ月間無料です。こうした措置のない自治体でも窓口で相談すれば、猶予に応えてくれると思います。6月24日、世界通貨基金(IMF)が、世界経済は大恐慌以来最悪の景気後退と発表。日本はリーマン・ショックを超える景気悪化になると予測しました。コロナ禍の経済ショックはこれからが本番かもしれません。私たちは、使える手はなんでも使って、家計を死守する覚悟が必要です。「女性自身」2020年7月14日号 掲載
2020年07月03日家計の見直しをするには固定費の削減が効果的ですが、その中の一つとして保険の見直しをされることもあると思います。見直しと言っても単純に保険を解約したり、保険料を安くしたりするだけではなく、優先順位を決めた上で必要な保障を確保して、不必要な保障を削減することも必要です。 今回は保険の見直しについて基本的な考え方と状況別の対応方法をお伝えいたします。 保険の見直しの基本的な考え方シンプルに考え方をお伝えすると、 保険の見直しとは、1. 必要な保険は継続して、2. 不要な保険や重複している保険は解約や減額、3. 不足している保険は追加を検討し、4. 同様の機能の保険であれば、保険料が安いものがないか比較することです。インターネット等で情報の比較・検討が得意な方はご自身でも見直しができると思いますが、不得意な方はファイナンシャルプランナーや複数の保険を取り扱う保険代理店・保険ショップに相談することも検討されると良いでしょう。 子どもが生まれた場合の見直しについて子どもが生まれた場合に必要な保険は主に以下の3つです。【1】生計の中心者(基本的にはご両親)の死亡や就労不能に備える掛け捨ての保険(収入保障保険、定期保険等) 【2】お子さんの進学費用を準備するための貯蓄性のある保険(学資保険・外貨建や変額型の養老保険等) 【3】お子さんの医療保険・がん保険・傷害保険 特に【1】はお子さんが社会人になるまでの年齢までは確保することをおすすめします。子どもが生まれたときには最も必要な保険と考えましょう。そのため、解約や減額を検討する場合には、住宅ローンでの団体信用生命保険に加入する場合以外の理由においては最後に手を付ける保険としてください。 【2】は、貯金代わりの側面もありますので、保険料の支払いが当分の間難しい場合には、解約や(解約はせずに、今後の保険料の支払いを止め、保険金の小さな保険にすること)、減額(今後の保険料と保険金を小さくする)を検討しましょう。しかし、将来の進学費用はその後貯める必要がある点は合わせて覚えておきましょう。 【3】については、乳幼児医療費助成等の制度で多くの部分がカバーできるので、必要であれば、掛け捨ての共済や少額の保険の加入に留めておくことが基本的な考え方です。 保険料の支払いが難しい場合の見直しについて新型コロナウイルスの影響だけではありませんが、しばらくの間収入の見込みが難しく、保険料の支払いが難しい場合でも、必要最低限の保険はできる範囲で確保しましょう。 例えば、上記【1】の収入保障保険、定期保険等や自動車保険・火災保険は、可能性は高くないものの、事故などが発生した場合には1000万円単位のお金が必要な状況になりますので、継続できないか検討しましょう。 逆に貯蓄性の高い保険は解約・払済・減額と合わせて、契約者貸付(今までの積立額をベースに貸付が受けられます)や保険料支払猶予(保険料の支払いを一定期間待ってもらえます)ができないか、保険会社や代理店の担当者またはカスタマーセンター等に確認することをおすすめします。 多くの保険会社では、新型コロナウイルス対策で、契約者貸付の利息を0にしたり、保険料の支払猶予の期間を延長したりしていますので、必要に応じて利用しましょう。 その他の見直しのポイント上記以外の保険の見直しについての主なポイントを5点お伝えしますので、参考にしてみてください。 ポイント12017年以前に加入した収入保障保険、定期保険等の有効期間のある死亡保険は、年齢や健康状態によって条件が異なりますが、2018年の保険料の値下げにより、加入をしなおすと安くなる可能性があります。 ポイント22016年以前に加入した学資保険や個人年金、終身保険などの貯蓄性のある保険は、現在より予定利率が高いため、継続できる場合には、解約はせず継続することをお勧めします。 ポイント3医療保険、がん保険は種類が多いため、保険料だけでなく、どのような時に保険金がいくら支払われるかを含めて比較しましょう。 ポイント4保険会社によって、得意な保険、不得意な保険があることが少なくありません。保険の種類ごとに、異なる保険会社の保険を組み合わせることも検討しましょう。 ポイント5火災保険は火災だけでなく、自然災害や汚破損等でも保険金が支払われるプランもあります。洪水や浸水の可能性がない建物に水災が補償されるプランは対象外にすることによって、保険料を下げることが可能な場合があります。 こちらでお伝えしたことがすべてではありませんが、保険を見直す主なポイントを挙げました。保険の見直しだけではありませんが、固定費の削減をすることで家計によって長期間プラスになる可能性がありますので、できることから始めるきっかけにしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年07月02日生命保険料の適正額が分からずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか?「日本人は保険好き」と言われることもあるように、中には不必要な保険にまで入り、毎月の料金が高額な人もいます。そこでこの記事では、生命保険料の決め方が分からない人向けに、データ別に見た生命保険料の平均額や、保険料の適正額を決める方法をお伝えします。全体で見る生命保険料の月額平均は約3万2千円公益財団法人生命保険文化センターが公開している「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年12月発行)によると、全世帯の平均年間払込保険料は38.2万円。月額平均にすると約3.2万円です。また、平均年間支払保険料で最も多かったのは12〜24万円でした(16%)。月額平均にすると、1~2万円です。また、最も保険料の高かった年間平均84万円以上の世帯(月額7万円以上)は、全体の5.8%でした。保険料は年齢とともに上がるが、60代以降には下がるどのデータを見ても共通して言えるのは、20代から50代にかけて保険料の平均額は上がるということです。しかし、60代以降には保険料の平均額は次第に下がっていきます。もちろん、保険料は世帯・年代・年収・就労形態などが要因で変化するものです。それぞれ詳しく解説します。世帯別に見る生命保険料の月額平均は?夫婦のみの世帯(40歳未満とそれ以上)・乳児~就学修了する末子がいる世帯・高齢夫婦(有職と無職)の世帯の年間平均は約36.4万円。月額にすると約3万円です。世帯別に見ると、末子が高校・短大・大学生のときに最も保険料が高いことが分かります。年間平均は46.2万円で、月額にすると3.9万円です。以下の図表を参考にしながら、それぞれの世帯ごとの生命保険料の平均額を見てみましょう。夫婦のみ・子どもがいる場合の月額平均保険料夫婦のみの世帯の場合は、40歳未満で年間平均払込保険料は24.3万円(月額約2万円)と最も低い金額です。一方で40歳以上の場合は37.3万円(月額約3.1万円)で、世帯別に見る平均よりは低い数値です。一方で、末子が乳児~就学修了までは、末子が乳児の場合は34.5万円(月額約2.9万円)であり、最も保険料が高額な時期は高校・短大・大学生のときです。子どもの有無で備えるべきリスクが異なる子どもの有無によって、備えるべきリスクは異なります。子どもがいる世帯は、世帯主が亡くなったときなどに備えて、残された配偶者と子どもの生活を保障したいと考える人が多い一方で、子どもがいない世帯にそのような補償は不要です。そのため、夫婦のみ(40歳未満)の年間平均払込保険料が最も少なくなります。また、末子が高校・短大・大学生のときに最も教育費がかかるため、備える補償額も一番大きくなります。高齢夫婦の場合の月額平均保険料高齢夫婦(60歳以上)の場合は、仕事の有無で変わってきます。仕事がある高齢夫婦世帯の年間平均払込保険料は32万円(月額約2.7万円)であり、仕事がない世帯は25.6万円(月額約2.1万円)です。仕事がある場合は、ない場合と比べて収入に余裕があるため、保険料の支出も大きくなると解釈できます。高齢夫婦には今までのストックがあるケースが多い高齢夫婦の場合は、今まで貯蓄型の保険に加入してきているケースもあります。その場合は、いざというときの備えがすでに完成しているため、60歳以降に大きな保険料を支払う必要はありません。大きなリスクに対する準備は整っているため、夫婦のみ(40歳以上)の世帯などよりも保険料は少なめです。保険料の平均は子どもが大きくなるにつれて上がる年間平均払込保険料は、子どもが大きくなるにつれて大きくなります。その理由は、進学するにつれて必要な教育費が上がっていく傾向があるためです。そのため、子どもの就学期間が過ぎた後は保険料の負担は減ります。また、夫婦が定年に近づくにつれて、老後の資金を備えたり、すでに貯蓄型の保険でリスクに対する備えができていたりするため、必要な保険料はさらに減るのです。年代別で見る生命保険料の月額平均は?「生命保険に関する全国実態調査」を参考に、29歳以下の人から90歳以上の人までの年間平均払込保険料を見てみましょう。[adsense_middle]29歳以下の月額平均保険料29歳以下の人の年間平均払込保険料は23.3万円(月額約1.9万円)です。全体平均の38.2万円(月額約3.2万円)と比べると、大きく下回ります。20代は30代以降と比べて家庭を持つ人の割合が少ない分、備えるべきリスクは少なめであるため、全体平均よりも保険料が低いと考えられます。30代の月額平均保険料30~34歳の年間平均払込保険料は29.8万円(月額約2.5万円)であり、35~39歳は38万円(月額約3.2万円)でした。30代後半になると、前半のころと比べて大きく保険料の平均が上がっています。その理由は、夫婦間で子どもが生まれたり住宅ローンを組んだりして生命保険に入る人や、世帯主に何かあったときに備えて医療保険に入る人がいるからです。40代の月額平均保険料40~44歳の年間平均払込保険料は34.5万円(月額約2.9万円)であり、45~49歳は42.7万円(月額約3.6万円)でした。40代は子どもが高校・大学生になる歳であるため、30代より1人あたりの教育費が高くなる厚生労働省の資料「人口動態統計」の資料によると、30~34歳で出産する人が増加しています。もし30歳で出産すれば、子どもが高校・大学生になるのは親が48~50歳になったころです。最も教育費がかかるのも高校・大学生であるため、40代後半は保険料が30代のころより高くなり、さらに全体平均38.2万円(月額約3.2万円)よりも大きくなっています。50代の月額平均保険料50~54歳の年間平均払込保険料は48.3万円(月額約4万円)であり、55~59歳は45.3万円(月額約3.8万円)です。年代別で平均保険料を見たとき、50~54歳の人が最も高くなります。その理由は、40代のケースと同じく子どもの教育費・進学費に備える人や、年齢を心配してがん保険の加入や医療保険を厚くしたりする人が出てくるためです。60代以降の月額平均保険料60~64歳の年間平均払込保険料は44.5万円(月額約3.7万円)であり、65~69歳は32.1万円(月額約2.7万円)です。70代以降は、全体平均の38.2万円(月額約3.2万円)を下回っています。65歳以降から平均保険料が下がっているのは、定年退職して現役時よりも保険料の支出が困難になったことと、今までの貯蓄があることが理由です。年代が異なるだけで平均保険料に2倍近くの差がある年代別で生命保険の年間平均払込保険料を見ると、50~54歳の人が最も多く、48.3万円(月額約4万円)でした。次いで55~59歳の45.3万円(月額約3.8万円)、60~64歳の43.9万円(月額3.7万円)です。一方で、最も少ないのは90歳以上の23.6万円(月額約2万)、次いで29歳以下の23.3万円(月額約1.9万円)です。最も多い額と少ない額で2倍近くの差があることが分かります。平均保険料に差が出る理由は、年代ごとに備えるべきリスクが異なるため年代ごとに備えるリスクは異なります。そのため、年間平均払込保険料には年代により差が生じるのです。例えば保険料が高めな50代は、子どもの教育費だけではなく、自身の健康に対するリスクに備えるための保険に加入します。一方で保険料が低めな29歳以下は、ほかの年代と比べて家庭を持っている人は少ないため、備えるべきリスクは少なめです。このように年代による特徴は、支払保険料に影響します。年収で見る生命保険料の月額平均は?次は年収による生命保険料の平均額です。平均年間支払保険料が最も少ないのは、年収200万円未満の人で21万円(月額約1.8万円)でした。一方で、最も多いのは年収1,000万円の人で、61万円(月額約6.1万円)です。年収が上がるにつれて、保険料も上がる図表と見ると、年収が上がるにつれて、平均年間支払保険料も上がっていることがわかります。最も少ない年収200万円未満の人の保険料と、最も多い年収1,000万円未満の人の保険料の差は約3倍です。年収に占める保険料の割合は、年収の低い人の方が高い下の図表を見ると、年収に占める保険料の割合は、年収200万円未満の人が最も高めです。年収200万円未満の人は、年収の12%を保険料に充てています。例えば年収180万円の人なら、年間21.6万円(月額約1.9万円)です。年収の低い人ほどリスクヘッジが必要その理由は、年収の低い人ほどリスクヘッジが必要であるからです。保険とは、貯蓄だけで対応することが困難な事態に備える手段です。例えば病気で入院して高額な医療費が必要になった場合、年収の高い人なら貯蓄で対応できますが、年収の低い人は困難である可能性があります。このように、いざというときに対応するために、年収の低い人はリスクに備えておく必要があるのです。就労形態で見る生命保険料の月額平均は?続いては就労形態による生命保険料の月額平均です。下の図表では、保険加入者が以下の3パターンに分けられており、それぞれの平均年間支払保険料は次のとおりです。夫就労・妻無職35.9万円(月額約3万円)共働き(妻はパート・派遣)37.5万円(月額約3.2万円)共働き(妻はフルタイム)55.8万円(月額約4.7万円)収入が多い共働き世帯の保険料が最も高いこの中で最も平均保険料が高いパターンは、共働き(妻はフルタイム)です。収入が上がるほど支出できる保険料も上がります。一方で、夫就労・妻無職のパターンは最も平均保険料が低くなっていますが、年収に占める保険料の割合は最も高いと考えられます。その理由は、共働き世帯に比べて貯蓄が少ない分、いざというときのリスクを保険で備える必要があるためです。年齢ごとに見ると50代共働き世帯の保険料がピーク30代から60代までを比較すると、30代から50代にかけて平均保険料は上がり、60代になると下がることが分かります。夫が正社員ではない場合の保険料は?夫が自営業やフリーランスなどの会社員ではない場合、年収の低い人の保険料は平均より少なく、年収に占める割合は高いと考えられます。また、年齢によって保険料も上がるため、30代から50代にかけて年間平均支払保険料は上がり、60代には下がるでしょう。子どもがおらず夫婦だけの2人世帯の場合は、最低限の保険だけのほうが合理的であるため、全体平均よりも保険料は下がります。保険料の適性額を決めるポイント2つここまで保険料の平均額をさまざまな視点で見てきました。平均額を参考に、保険料の適性額の決め方をお伝えします。適性額を決めるときは、以下のことを意識しましょう。どんなリスクに備えたいかいざというときにどれほどの保険金を受け取りたいかそれぞれ説明します。[adsense_middle]ポイント①備えるべきリスクを明確にする保険料の適正額を決める1つ目のポイントは、自分がどんなリスクに備えたいかを明確にしておくことです。何をリスクと捉えるかは年代や収入、本人の価値観などによって異なります。例えば、自分がケガ・入院・死亡などしたとき、誰がどのように困るのかを考えることがオススメです。具体例を用いて説明します。事例1以下のような事例を検討します。家族構成:夫(会社員、月収30万円)、妻(自営業、月収15万円)毎月の生活費:25万円貯金:180万円ある日、夫が病気になって入院し、しばらく自宅療養することになりました。入院・手術の医療費は高額療養費制度で負担を軽減。加えて、働けない間は傷病手当金で、夫の収入の約2/3(約23万円)を受け取ります。このとき考えられるリスクと、リスクに備える方法を検討してみましょう。考えられるリスクについてこの事例を見ると、貯金や生活費を切り詰めれば生活していくことは可能であるように感じます。しかし、もしこの夫婦が住宅購入のために毎月一定額を貯金していた場合は、将来設計に支障が出るでしょう。もしくは、夫の看病のために妻が仕事をする時間を減らした場合は、生活に支障がでる可能性もあります。そのため、考えられるリスクは生活費と将来への備えが不足することです。リスクにどう備えるかこの事例でリスク回避するための保険の例を紹介します。医療保険就業不能保険医療保険は入院日数に応じた給付金や、手術を受けた場合に一時金がもらえます。就業不能保険は働けなくなったときに保険金を受け取れます。しかし保険が必要なのは、この事例をリスクと捉える人のみです。もし多くの貯金があったり、生活費が少ない人にとっては、この事例をリスクと判断しないでしょう。その場合、保険は不必要です。事例2次に、以下のような事例を検討します。家族構成:夫(会社員、月収35万円)、妻(パート、月収10万円)、子ども(1歳半)毎月の生活費:35万円貯金:475万円ある日、夫が事故で亡くなったとします。このときに考えられるリスクと、リスクに備える方法を検討してみましょう。考えられるリスクについて夫が事故で亡くなれば、主な収入がなくなるため、家計が厳しくなります。子どもはまだ1歳半であり、就学修了まで教育費・進学費が必要になるでしょう。そのため、生活費・教育費などの不足がリスクとなってきます。一方で、もし住宅ローンなどを組んでいて団体信用生命保険などに加入していれば、ローンの返済義務はなくなります。そのため、住宅ローンはリスクにはなりません。リスクにどう備えるかこの事例でリスク回避するための保険の例を紹介します。定期保険収入保障保険いずれも、保険金を受け取るのは家族が死亡ないしは高度障害になったときです。定期保険の場合は保険金給付が毎月一定額で、収入保障保険の場合は何千万円といった額の保険金を一括で受け取ります。もしも、夫婦のいずれかの親族が裕福であり、夫が亡くなった後に定期的な支援が期待できる場合などは、保険の加入でリスクに備える必要はありません。リスクを明確にする目的は、人によってリスクの許容度が異なるため人によってリスクの許容度は異なります。例えば世帯主が病気・ケガなどしても、十分な貯蓄があれば生活費が不足することもありません。一方で、貯蓄が少ない人は、生活費をカバーする目的で保険に入る必要があります。このように、人によってリスクの許容度には差があるため、何をリスクと感じるのかを明確にしなくてはなりません。ポイント②いざというときに必要な保険金額を決める保険料の適正額を決める2つ目のポイントは、いざというときに受け取りたい保険金を決めておくことです。先ほどの事例をもとに必要な保険料を考えてみましょう。事例1事例1では、夫が病気になって入院した世帯を例に取り上げました。入院時に保険で受け取れる入院給付金は1万円、1.5万円などと選択できます。貯金が十分ではなく、夫に何かあったときの生活費が不安だという方は、給付金額を多めに設定しましょう。事例2事例2では、夫が事故で亡くなった世帯を例に取り上げました。夫が亡くなった場合の支出と収入を考えてみます。収入額だけで支出額がカバーできなくなった分を、生命保険金で補う形にすれば、毎月の保険料が自ずと決まります。いざというときの収支バランスを考え、不足分を保険金で補おう必要な保険金を決めるときは、いざというときの支出に対して、いくら収入が不足しているかを考えましょう。収支バランスを考えて、補うべき不足分を保険金でカバーすればよいのです。あとはその保険金を受け取るために、いくら保険料を払えばよいのかを明確にします。保険料の総額が家計を圧迫しないよう注意!保険料の適正額を決めるときは、保険料の総額が家庭を圧迫しないように注意しましょう。あくまでも保険は、リスクを回避するために入るもの。保険料のために家計が圧迫されては本末転倒です。そのようなことがないように、注意する必要があります。年間の保険料が家庭にとって負担ではないかどうか年間の保険料総額が家庭の負担にならないようにします。保険料を払いすぎていないかどうか確認するには、自身の年齢・年収などの平均を参考にするとよいでしょう。毎月の掛け金の設定に無理はないかどうか年間総額だけではなく、毎月の掛け金が大きすぎないかどうかも意識しましょう。生命保険料の平均と保険料の適正額に関するまとめ生命保険料の月額平均額は約3万2千円です。しかし保険料の額は世帯・年代・年収・就労形態によって変わるので、あくまで参考程度と捉えましょう。適正額を決めるためには、自分にとってのリスクを明確にしたり、いざというときに必要な金額を把握したりするなどのポイントがあります。ポイントを押さえて、自分に合った保険料を設定しましょう。
2020年07月01日こんにちは、婚活FP山本です。一般的なイメージでいえば、医療費などには消費税はかからないように思えるのではないでしょうか。けして間違ったイメージではないものの、ある意味で間違った認識ともいえますから、少し注意が必要です。実際のところはどうなのか……ぜひ正しい知識を持っておきましょう。そこで今回は、医療費と消費税の関係や、医療費と健康保険の関係などについてお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。健康保険が使える医療は非課税取引の対象、だが……まずは早速、医療費と消費税の関係についてお伝えします。一応の結論からいえば、医療費は非課税取引の対象です。正確にいえば、「公的医療保険の対象になる医療」については非課税取引の対象になっていますから、患者が消費税を支払うことはありません。消費者としては、ホッとするところでしょうか。もちろんこれは、健康保険・国民健康保険を問いません。医療関係を管轄する厚生労働省も、これを堂々と掲げています。……ただ、実際の患者からは「増税で医療費が上がった」という声も上がっているのが現実です。モヤモヤした気分になられた方もいるかもしれませんが、少なくとも「保険対象の医療は非課税取引」という点は間違いではありません。まずこれはこれで、覚えておきましょう。薬や設備の仕入れには消費税がかかるという現実そもそも、消費税とは「最終消費者」が負担するものです。一方、病院が治療のために仕入れる薬や設備などは、病院が消費税を支払って仕入れています。しかし、医療は非課税取引です。とすると、薬や設備の消費税は「病院が」負担しなければならないのでしょうか。これが、医療費と消費税の少しおかしな関係性です。そしてこのため、実際の医療費については「独特の見解」で対応しているのが実情になっています。なぜか「消費税はかからないが実質的にかかる」という不思議な関係実際の医療費と消費税の関係性について、さらに詳しくお伝えします。結論からいえば、「医療費は非課税取引だが実質的に消費税がかかる」といった感じです。具体的にいえば、医療費に「消費税」はかからないものの、本体の医療費に消費税分が含まれているといった感じになっています。そしてこのため、消費税が増税されるたびに本体の医療費が値上げされているのが実情です。これは、「医療費は非課税取引」としていることと「消費税の性格」を合わせたことによる結果かもしれません。消費者としては困惑するでしょうが、病院経営もビジネスです。実際に厚生労働省でも、このような見解を掲載しています。この、なぜか「医療費に消費税はかからないが実質的にかかる」という不思議な関係を、しっかり知っておきましょう。日本での治療費や初診料は増税で引き上げられた実際、令和元年10月に消費税が10%に引き上げられましたが、それにともなって日本での治療費や初診料は増税で少し引き上げられています。外来なら10~40円程度ですが、入院となると100~180円程度上がったのが実情です。少し厳しい現実かもしれません……。とはいえ、もはや消費税は「かかるほうが一般的」とさえいえます。分かりやすい〇%表示はないものの「医療費にも消費税は必要」と考えておき、増税されても対応できるように努めていきましょう。「自由診察」は消費税率アップでそのまま負担増に今度は、医療費の中でも自由診察についてお伝えします。元々が保険適用外の自由診察については、普通に消費税が必要です。ちなみに代表的な自由診察には、以下のようなものが当てはまります。美容整形や歯列矯正自然分娩や避妊手術・人工妊娠中絶人間ドックそしてこれらは、一般的に費用が高額なことが多いため、どうしても消費税が増税されると影響も大きくなりがちです。これらを検討中の方は、今後さらに増税されるかもしれませんから、その前に受けておいたほうが賢明かもしれません。ともかく、自由診察は消費税率アップでそのまま負担増になります。しっかり覚えておき、次の増税時に備えておきましょう。もともと自費が必要な保険外部分も請求額アップ自由診察ではなくとも、たとえば「差額ベッド代」など、もともと自費が必要な保険外部分も、消費税が増税されると請求額もアップします。何とも厳しい現実ですが、むしろ医療費と違って分かりやすく消費税として請求されるので、そういう意味では納得感もあるかもしれません。一方で、だからこそ病院に通う機会が増えるほどに、経済的な負担もより高まっていくのが実情です。普段から健康に気をつけながら、お金の面でも常に準備を心掛けておきましょう。医療費の高額化には「高額療養費制度」で対応をここからは、増税による医療費の高額化への対処法をお伝えします。結論からいえば、医療費の高額化には「高額療養費制度」を使うのが有効です。この制度は簡単にいえば、収入によって医療費の自己負担限度額が決められており、以下の表を上回る部分についてはお金が戻ってくる制度になります。※総医療費とは、保険適用の診察費用の10割金額のことちなみに計算は「同一月」ごとに行い、1人あたり2万1000円以上なら世帯内で合算することも可能です。さらに過去1年間で3回以上この制度を使った場合、4回目からはさらに自己負担限度額が下がります。使える場合は、使わない手はありません。上の表のとおり、日本ではどんなに年収が高い方でも、おおむね1ヶ月あたり「25万円少々」が自己負担額の上限です。年収が低いほどに限度額も低くなりますから、ぜひ積極的に活用していきましょう。合わせて「限度額適用認定証」を活用しよう高額療養費制度は実にうれしい制度ではありますが、お金が戻ってくるまでに3ヶ月程度もかかる点がネックです。いったんは病院に大金を支払わなければならない点もあります。そして、これらのネックを解消できるのが「限度額適用認定証」です。限度額適用認定証さえあれば、病院への支払い金額そのものを高額療養費制度の自己負担限度額までに抑えることができます。健康保険組合や役所にいえば簡単に作れますから、合わせて積極的に活用していきましょう。[adsense_middle]高齢両親と同居なら「高額介護合算療養費制度」が使えるかも?今度は、高額療養費制度に似た「高額介護合算療養費制度」をお伝えします。この高額介護合算療養費制度とは、簡単にいえば医療保険と一緒に介護保険も使っている世帯の自己負担限度額を定めた制度です。その自己負担限度額とは、以下のようになっています。ただし高額療養費制度とは違って、8月1日から翌7月31日までの「年間計算」です。また計算対象に入らない費用もありますし、世帯が同じでも同じ医療保険に入っていない場合は利用できません。医療費だけ、介護費だけ、という場合も使えない制度です。とはいえ、使える場合は実にうれしい制度といえます。特に高齢両親と同居している方なら使える可能性がありますから、ぜひ健康保険組合や役所に相談してみましょう。自動的には適用されず、自発的な手続きが必要!諸々の制度というのは、その多くが自動的には適用されません。その制度を知っている方が、自発的に必要な手続きをする必要があります。必要性が高いときに関係者が教えてくれることもありますが、教えてくれるとは限りません。常日頃の勉強や情報収集が大切です。ただ一方で、ほんの少しでも知ってさえいれば、必要なときには調べることもできますし、知っていそうな人に相談することもできます。ぜひ必要になるときまで、今回の制度のことを覚えておきましょう。年齢が高まるほどに医療費の必要性も必要額も上がるものの……最後に、ライフプランの観点における医療費についてお伝えします。何となく誰もが想像できるでしょうが、人間は年齢が高まるほどに老化しますから、おのずと医療費の必要性も必要額も上がるのが実情です。そこに消費税などの増税も加わればなおさらといえます。このような事態に備える方法の1つが「民間の医療保険」ですが、一方で「老後資金2000万円問題」もあるのが今の日本の現実です。そして、昔とは違って今は本当に年収が上がりにくい時代になっています。このままで、将来的な医療費や老後資金に備えられるでしょうか。少なくとも、「誰もが当たり前のように備えられるのが当然」ではありません。健康を維持することが大切な一方、同じくらい「ライフプラン上の資金計画」も大切です。ぜひ早くから、未来を見据えて動いていきましょう。「具体的な年収が上がる方法」を模索しよう!家計を改善する方法とは、大きく「収入を上げる、支出を下げる、投資をする」の3つしかありません。そして、支出を下げるには限度がありますし、投資をするにはお金が必要です。このため、将来が不安な方が最初にすべきことは「収入を上げること」といえます。年収が上がりにくい中で収入を上げるのは簡単ではありませんが、やるしかないのが現実です。ぜひ「具体的な年収が上がる方法」を模索して、未来の医療費や老後資金に備えていきましょう。実質的に医療費に消費税はかかる!「医療費は非課税取引」という建前ですが、実質的に医療費にも消費税はかかります。このため、今後の医療費はますます高まっていくであろう傾向です。しかし、年収は上がりにくい時代になっています。将来的には老後資金問題もありますから、年収が上がりにくい中ですが、なんとか年収を上げられるよう努めていきましょう。
2020年06月26日こんにちは、婚活FP山本です。意外に知らない人もいるのですが、実は医療費の支払いには「限度額」があります。知らない人は病気やケガとは無縁の人生を歩んでいるでしょうが、病気やケガは誰がいつなっても不思議はありません。誰かが教えてくれるとは限りませんから、自分でも相応に正しく知っておくことが大切です。そこで今回は、医療費の限度額である高額療養費制度について詳しくお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。医療費の自己負担額には一応の限度額がある!まずは、医療費の限度額についての基本をお伝えします。結論からいえば、医療費の自己負担額には「一応の」限度額があるのが実情です。「一応の」というのは、この限度額とは後述する健康保険などの「高額療養費制度」が使える範囲に限っての話という意味合いになります。簡単にいえば、「保険の対象にならない費用」については青天井で必要です。とはいえ、保険の対象にさえなれば限度額がありますから、かなり嬉しい制度といえます。高額な医療費が気になって病院へ行くことを控えていた方には、ぜひ利用してほしい制度です。ただし、医者によっては「あえて保険適用外の治療や手術」を勧めてくることもあります。その意図はさまざまですが、経済的に厳しい場合は、その旨を伝えて保険適用の範囲で治療してもらいましょう。自動的には免除されず、社会保険上の手続きが必要!たとえ限度額を超える医療費が発生したとしても、差額が自動的に減額・免除されるわけではありません。差額を減額・免除してほしい場合は、社会保険上の手続きが必要です。このような制度があることを知らなかった方は、それだけ損をすることになります。本当に今は、「知っているか否か」で大きく違ってくる時代です。限度額を超えるほどの大金であれば、なおさらといえます。まずはしっかりと、このような制度があるということを知っておきましょう。医療費の限度額とは「高額療養費制度」のこと!次に、医療費の限度額である「高額療養費制度」についてお伝えします。細かくは健康保険と国民健康保険で少し違いますが、理屈はほぼ同じです。健康保険の場合は、以下の表で計算した金額が「自己負担限度額」になり、差額についてはあとで戻ってくることになります。なお、総医療費とは「保険適用される診察費用の10割総額」のことです。そして上記の表からも分かる通り、おおむね医療費の限度額とは「25万円少々」になり、収入が少ないほどに限度額もさらに小さくなります。この限度額を見ても「十分に高い」と感じる方もいるかもしれませんが、制度がなければ青天井で医療費が必要なのですから、嬉しいはずです。医療費が高額な場合は、ぜひ高額療養費制度を活用していきましょう。上限金額を超えた部分は手続きすれば戻ってくるあくまで高額療養費制度そのものは、「自己負担限度額を超えて支払った医療費を、あとで清算する」という制度になります。つまり、病院での窓口では普通に全額を支払うことが必要です。そして、上限金額を超えた部分は手続きすれば戻ってくることになります。この制度だけでは、結局は大金を動かす必要があるという点には注意が必要です。貯金がなくて大金を動かせない……という方は、並行的に後述するさらなる制度の活用をしていきましょう。申請方法は健康保険組合や役所に申請書を送るだけ今度は、高額療養費制度の申請方法についてお伝えします。この申請方法は実に簡単で、健康保険組合や役所に「高額療養費支給申請書」を送るだけです。なお、基本的に「年収区分や本人を確認できる書類(時には病院の領収書も)」も合わせて添付することになります。たったこれだけで、限度額を超えた医療費が返ってくるのが高額療養費制度です。強いていえば、高額療養費は「診察を受けた月の翌月の初日から2年」で時効になります。この制度を知っていれば2年も放置することはないでしょうが、一応の注意は必要です。また逆にいえば、過去2年以内に制度の対象になるような医療費を支払ったことがあれば、今から申請することもできます。ちょっと過去を思い返してみましょう。申請してから3ヶ月程度もかかる点がネック高額療養費制度のネックは、「申請してから支払いまで3ヶ月程度もかかる」という点です。最終的には戻ってくるのですから嬉しい限りではありますが、中には「そんなに待てない」という方もいるかもしれませんね。別の急な支払いが発生することも往々にしてあります。そのような場合は、後述する「高額療養費貸付制度」が使えるかもしれません。ひとまず、このような時間への感覚を持って、高額療養費制度を使っていきましょう。「高額療養費貸付制度」なら8割相当を無利子で借りられる今度は、先ほど触れた「高額療養費貸付制度」についてお伝えします。すでにお伝えした通り、高額療養費制度は極めて嬉しい制度ではあるものの、「支払いまでに3ヶ月程度もかかる」という点がネックです。このネックを穴埋めするためにあるのが、高額療養費貸付制度になります。この高額療養費貸付制度とは、高額療養費の支給見込み額の8割相当を無利子で借りられる制度です。利子がいらない訳ですから、実質的に「お金を受け取れる時期を早められる」といえます。ただし、この制度も利用するには別の申込書が必要ですし、振り込みに2~3週間はかかる点には注意が必要です。また、返済は高額療養費との相殺になりますが、高額療養費のほうが少ない場合は差額を返納しなければなりません。ちょっと注意も必要ですが、必要に応じて利用してみましょう。特に入院・手術をするときには健康保険組合に確認しておこう一般的に、高額な医療費が必要になるのは「入院や手術をするとき」です。一方で、健康保険組合などは組織によって少しずつ違いがあります。「高額療養費制度がない」などの大掛かりな違いはないでしょうが、それでもあとで「想像と違った」となれば大変です。このため特に入院や手術をするときには、事前に健康保険組合などに確認をしておいたほうが無難といえます。後述する「限度額適用認定証」の件もあるのでなおさらです。ぜひ賢く立ち回りましょう。[adsense_middle]合わせて知っておきたい「限度額適用認定証」とは?ここからは、高額療養費制度に関係する補足情報についてお伝えします。まずは、「限度額適用認定証」についてです。高額療養費制度は、「あとで清算する」という制度なので、一旦は大金が必要という点がネックでした。この点を解消するのが限度額適用認定証です。この限度額適用認定証とは、簡単にいえば「病院での支払いそのものが高額療養費制度の限度額までになる」というものになります。つまり、一旦は必要だった大金が不要になるという証書です。貯金が乏しいという方には、極めて嬉しい証書といえるのではないでしょうか。この認定証を手に入れる方法は、高額療養費制度の申請と同じく、健康保険組合や役所に「限度額適用認定申請書」を送るだけです。ただし、すでに支払った医療費には適用できません。入院や手術を受ける前に余裕を持って、この限度額適用認定証を手に入れましょう。窓口で保険証と一緒に提出するだけ!限度額適用認定証の使い方は、病院の窓口で保険証と一緒に提出するだけです。これだけで、あとは病院のほうで限度額以内の支払いになるよう計算してくれます。またこの認定証を使った場合は、すでに限度額以上の支払いがなくなった訳ですから、高額療養費の申請も不要です。強いて言えば、「病院側がこの認定証の存在を知らない」という可能性があります。そのような場合は事情を説明しつつ、健康保険組合などに確認の連絡をしてもらい、対処してもらいましょう。自己負担額は個人単位のほか世帯合算もでき、多数該当もある次に、高額療養費制度の応用についてお伝えします。そもそも高額療養費制度上の療養費とは、「同一月」の医療費の総額です。この医療費の総額というのは、一人暮らしの方なら個人単位になりますが、家族がいる場合は世帯で合算して計算することもできます。ただし、70歳未満の方の合算できる医療費は、2万1000円以上のものだけです。また高額療養費制度には、「多数該当」という制度も用意されています。これは診察を受けた月以前の一年間に、3回以上の高額療養費を受けた場合、4回目からはさらに自己負担限度額が下がるという制度です。病気がちな人にとっては、実に嬉しい朗報ではないでしょうか。ちなみに多数該当は、先ほどの限度額適用認定証を使って限度額を負担した場合もカウントされます。それほど病院に行くようなケースは避けたいところですが、行かなければならなくなったら、せめて医療費については抑えられるよう努めていきましょう。健康保険と国民健康保険で少し違うが、どちらでも使える高額療養費制度は、健康保険にも国民健康保険にもある制度です。限度額適用認定証や多数該当なども同様になります。自己負担限度額の計算式もほぼ同じですが、「被保険者の所得区分」が少し違う点には注意が必要です。一方で、どちらにも高額療養費制度はあるからこそ、利用できるときはしっかり利用することが大切といえます。長い人生、ほかのことにもお金は必要です。使えるときは、ありがたく制度を使わせてもらいましょう。ついでに知っておきたい「高額介護合算療養費」とは?今度は、高額療養費制度と似て非なる「高額介護合算療養費制度」についてお伝えします。高額介護合算療養費制度とは、簡単にいえば「医療保険とともに介護保険も使っている場合の自己負担限度額を定めた制度」です。要件に当てはまれば、高額療養費制度と同じくあとで費用が返ってきます。なお、その肝心の要件とは健康保険なら以下のとおりです。医療費用と介護費用を合算した自己負担額が以下の限度額より高ければ、差額をあとで清算してもらえます。ただし、高額療養費制度とは違って「年額で」です。上記の自己負担額とは、高額療養費制度や何らかの助成制度で給付を受けた場合、それらを差し引いて計算します。正味の自己負担額が世帯として苦しいときには、ぜひ利用しましょう。比較的新しい制度なので知らない人も多いかもこの高額介護合算療養費制度で計算する一年とは、基本的に「8月1日から翌7月31日」です。またこの制度は、平成18年の制度改定で始まったので、比較的新しい制度といえます。もしかしたら、知らずに使っていない方も相応にいるかもしれません。高額療養費制度と同じく、自動的に限度額が適用されるわけではないからこそ、しっかり知ったうえでの手続きが必要です。使えそうな方は、まずは健康保険組合などに相談してみましょう。[adsense_middle]保険料を滞納している方は、それも含めて相談しよう最後に、国民健康保険について大切なことをお伝えします。会社員が加入する健康保険なら、加入も保険料の納付も強制です。しかし国民健康保険の場合、厚生労働省の2018年度調査によると、実に対象世帯の約15%、約269万もの世帯が保険料を滞納しています。保険料を滞納したままでは、高額療養費制度が使えないどころか、10割負担になるかもしれません。一般的に保険料を滞納する人は、非正規労働などで保険料を支払うのが困難なことが多いですが、だからといって支払わないと最終的に困るのは自分自身です。どうしても保険料を支払うのが困難だったり、保険料を滞納したりしている人は、高額療養費制度と同じく「まずは相談する」ことが大切といえます。救済制度がある可能性もありますから、しっかり自発的に動きましょう。「何もしない人」が一番損をする社会!高額療養費制度もそうですが、知らなければ使えません。そして知るためには、自分で調べたり、誰かに相談したりする必要があります。今は、「何もしない人」が一番損をする社会です。自発的な行動は、この情報化社会に必須といえます。お金がなければ生活できませんが、お金を稼ぐ労働には「健康」が必要です。その健康を維持するための「国民健康保険」の維持にも、今後は気を使いましょう。医療費の限度額は「教えてもらえるとは限らない」日本は国民皆保険制度があり、そして医療費の自己負担も高額療養費制度によって限度額があります。ただし、自動的に限度額に抑えてもらえるわけではなく、病院などから教えてもらえるとも限りません。知っているか否かだけで大違いですから、ぜひこの機に高額療養費制度のことを知っておきましょう。
2020年06月25日こんにちは、婚活FP山本です。医療費控除というのは、文字どおりの医療費だけでなく、そのための交通費も含めることができます。ただし、医療費控除の対象になるかどうかはさまざまなので、多くの方が含めていいのか悩んでいるのが実情です。勝手に判断するのは危険ですから、ぜひ正しい知識を身につけておきましょう。今回は、医療費控除の交通費について、さまざまな角度で対象か否かと申請方法をお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。医療費控除の対象は電車やバスでの通院が基本まずは早速、医療費控除の交通費についての基本をお伝えします。結論からいえば、医療費控除の対象になる交通費というのは、「電車やバスでの通院」が基本です。電車やバスを使って病院に行った場合は、基本的にその交通費は医療費控除の対象にできます。このような一般的な公共交通機関を使って病院に行くのは、普通に医療費控除の対象です。けして難しい話ではありませんから、しっかり覚えておきましょう。なお、PASMOなど電子マネーを使っても大丈夫ですが、あくまで対象は病院に行くための運賃分だけですので注意が必要です。そして、一般的な公共交通機関では「領収書」が貰えないことがあります。そのような場合には、利用者や目的(地)・日付・金額などをメモしておくことが必要です。後述する「明細書の内容」に沿った形で、正しくメモしておきましょう。領収書は不要だが、なるべく貰って5年保管を2018年1月以降、法改正によって確定申告での医療費の領収書添付は不要になりました。しかし、代わりに現在は「明細書」が必要です。この明細書を作るためにも交通費については、最低限メモくらいは必要になります。少なくとも、適当な金額を書いてはいけません。また領収書も、添付の必要はなくなったものの「5年間」保管する必要があります。いつ税務署から問い合わせが入るか分かりませんから、このあたりは正しく行動しましょう。「必要なら」タクシーや新幹線・飛行機なども例外的に使える次に、医療費控除の対象になる例外についてお伝えします。すでにお伝えしたとおり、医療費控除の対象になる交通費というのは「電車やバス」が基本です。ただし、どうしても必要な場合に限って、例外的にタクシーや新幹線・飛行機などの料金も控除対象になります。どうしても必要な場合とは、例えば深夜帯で電車やバスが使えない、重病で電車やバスに乗れないなどの場合です。新幹線や飛行機は、これらを使って遠方の病院に行かなければならないような場合に限って、医療費控除の対象になるという意味合いになります。あくまで例外ですし、必要性を認めてもらえないこともありますが、本当に必要ならちゃんと対象になりますから大丈夫です。むしろ控除を気にして使わないというほうが稀ですが、ともかくしっかり覚えておきましょう。宿泊費は控除対象にならない点に注意しよう特に、新幹線や飛行機を使う場合に気をつけたいのが「宿泊費」です。これらを使うほどの遠方の病院に行く場合は、ホテルなどを合わせて使うことも多いといえます。しかしこのホテル代などは、残念ながら医療費控除の対象にはならない点に注意が必要です。一般的な感覚とは少しズレているように感じるかもしれませんが、このようなルールになっているのですから仕方ありません。あくまで控除にならないだけで、使うかどうかは自由ですから、必要なときにはしっかりホテルも活用しましょう。「必要なら」付き添いの人の交通費も控除対象今度は、さらに医療費控除の対象になる例外についてお伝えします。医療費控除の対象になる交通費とは、元になる医療費も含めて基本的に「医療を受ける本人」限定です。しかしどうしても必要な場合に限って、付き添い人の交通費も医療費控除の対象にすることができます。どうしても付き添い人が必要というのは、例えば小さな子供や高齢者、あるいは重病人などが当てはまりがちです。このような「1人で病院に行くことが困難な人」に付き添った場合は、その人の交通費も医療費控除の対象にすることができます。ただし、その後に当人が入院して世話やお見舞いのために1人で病院へ行くような場合は、その交通費は医療費控除の対象になりません。このあたりは少しややこしいですが、しっかり分けて覚えましょう。無料診察の交通費や医師の交通費も控除対象ほかに、何らかの助成制度で医療費が無料の場合であっても、交通費だけを医療費控除として申請することもできます。さらに、医師を自宅などに呼ぶ場合は医師の交通費も医療費として請求されますが、この交通費(医療費)も医療費控除の対象です。思った以上に、医療費控除の対象になる交通費の範囲は広いといえるかもしれません。そして簡単にいえば、ここまでお伝えした交通費以外は医療費控除の対象外となります。病院に行く場合は、なるべく対象の範囲となる手段を用いましょう。ガソリン代や駐車場代・高速料金などは対象外ここからは、医療費控除の対象外になる交通費についてお伝えします。医療費控除の対象外になる交通費の代表格は、「自家用車のガソリン代や駐車場代」です。電車やバスより自家用車を普段使いする地方などは不利といえますが、ともかくこのようなルールになっています。またそこから、高速料金も対象外です。ちなみに一応の理屈では、医療費控除の対象とは「人的役務の提供の対価」限定になっているためといえます。ガソリン代や駐車場代・高速料金はモノの購入代金や利用料ですから対象外、という理由です。もっとも、電車やバスなら利用ごとの料金も明確ですが、「病院に行くためだけに」ガソリンを入れる方はまずいません。多少強引にでも納得して、受け入れていきましょう。「高額な代金だったから通してほしい」は通らない医療費控除の対象になる交通費とは、文字どおり「医療を受けるために必要と認められる範囲」に限られています。そして、それを客観的に示せることが必要です。「必要だった」と強引にいっても通りませんし、「高額な代金だったから通してほしい」も通りません。車社会の地方には厳しいルールですが、少なくとも本体の医療費については車で行っても対象です。通る部分だけでもしっかり申請して、ルールに合わせた行動を取っていきましょう。[adsense_middle]定期代や一時退院時の交通費も対象外今度は、さらなる医療費控除の対象外になる交通費についてお伝えします。都心部では通勤定期を利用する方も多いですが、この定期を使って医療を受けた場合の「定期代」は対象外です。あくまで通勤定期は「通勤するため」が主ですから、医療費控除の対象にはなりません。あと注意が必要なのは「一時退院」でしょうか。長期の入院患者が年末年始などで一時的に退院することがありますが、その場合の自宅まで帰る交通費は医療費控除の対象外です。自宅に帰る行動は「医療を受けるため」ではありません。少し注意しておきましょう。病院や治療が絡む交通費なら何でも医療費控除の対象になるというわけではありません。医療費控除の対象になるものに限って、正しく医療費控除として申請しましょう。通勤途中で立ち寄った場合も対象にならないまれに定期を使わず通勤するような人もいますが、通勤途中で病院などに立ち寄った場合も基本的に医療費控除の交通費には当てはまりません。その病院に行く明確な理由を示せないような交通費まで、強引に医療費控除として申請するようなことは控えましょう。先ほどお伝えしたとおり、今は5年間の領収書などの保管義務がありますし、いつトラブルになるか分かりません。あくまで税法ルールに沿った正しい節税を心掛けましょう。確定申告での申請方法は「人ごとにまとめて入力」最後に、確定申告における医療費控除の交通費の申請方法をお伝えします。現在の確定申告では、医療費については専用の明細書を添付しますが、その内訳は以下のとおりです。医療を受けた方の氏名病院・薬局などの支払先の名称医療費の区分「診察・治療」「医薬品購入」「介護保険サービス」「その他の医療費」支払った医療費の額4のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額そして交通費については、2を「JR・〇〇バス」などとして、3を「その他の医療費」を選択し、4に交通費の額を入力します。ちなみに国税庁は、1人あたりの年間交通費をまとめて入力・記載するよう促していますが、1件ごとに入力しても問題ありません。少なくとも、医療費控除の交通費の申請は難しいものではないといえます。申請できるのにしないのは損なだけですから、できる場合はちゃんと確定申告で医療費控除の交通費についても申請しましょう。書き方などが分からないときは税務署や国税庁へ相談を「これは医療費控除の交通費になるのか?」「明細書の書き方が分からない」など、初めて遭遇・経験する場合は何かと不安になるのが一般的です。そのような場合は自分で勝手に判断せず、事前に近くの税務署や国税庁に相談するのがおすすめといえます。少なくとも、税理士などと違って税務署や国税庁なら相談するのにお金はかかりません。それに、医療費控除の交通費は本当にケースバイケースなので、相談してみないと分からない部分も大きいといえます。今回お伝えした内容は、あくまで「基本」です。事情によっては話が通ることもありますから、申請を諦める前にまずは税務署などに相談してみましょう。医療費控除は交通費も含めて正しく申請しよう!医療費控除は、本体となる医療費だけでなく関連する交通費についても対象になります。久しぶりに病院に行ったような方ならともかく、定期的に通院しているような方なら交通費も相応な額になるはずです。ただし、医療費控除の対象外になる交通費も意外と多いですから、事前にしっかり知っておき、対象になる場合に限ってしっかり申請しましょう。
2020年06月24日こんにちは、婚活FP山本です。確定申告を聞きかじったことがあるような方なら、「医療費控除の申請には領収書が必要」と認識されているのではないでしょうか。そして確定申告の難しそうなイメージも手伝って、医療費控除を使えるのに使わない方も一定数おられるようです。少なくとも、その認識のままでは少し損かもしれません。そこで今回は、医療費控除の現在の申請や確定申告上の基礎についてお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。現在の確定申告の出し方で領収書添付は必要ではない!まずは早速、現在の確定申告における医療費控除についてお伝えします。実は現在の確定申告の出し方では、医療費控除を受けるのに領収書添付は必要ではありません。これは平成29年分の確定申告から新しく始まったルールになります。これまでに医療費控除を受けたことがある方なら、大量の領収書を添付してパンパンに膨れ上がった確定申告書を提出していたことでしょう。実はこれ、簡単にいえば税務署サイドから見ても不評だったわけです。そのような声を受けての簡略化の措置になります。なお、平成29年分から令和元年分までの確定申告においては、経過措置として従来の領収書添付の形式でも提出可能です。とはいえ、わずか3年分の話ですから、早めに慣れる意味でも領収書添付は控えるよう努めましょう。税務署の請求に応じるため5年間は保管すること注意が必要なのですが、領収書は添付の必要はなくなったものの、5年間は自宅などで保管しておく必要があります。これは必要に応じて、税務署が確認(のための電話など)をするときのためです。税務署の請求に応じるため、5年間はしっかり保管しておきましょう。この保管義務を考えると、確かに確定申告書への添付義務はなくなったものの、しっかり領収書をもらっておく必要性は変わっていません。領収書を保管しておくことさえ面倒に感じる方もいるでしょうが、随分と確定申告がラクになったのは事実ですから、しっかり対応しましょう。現在の提出方法は領収書の代わりに明細書を添付する次は、領収書ではない現在の確定申告方法についてお伝えします。現在の確定申告における医療費控除の提出方法は、領収書の代わりに「明細書」の添付が必要です。この明細書というのは、領収書などを元にして自分で作成することになります。ちなみにこの明細書で書くべきことというのは、以下のとおりです。医療を受けた方の氏名病院・薬局などの支払先の名称医療費の区分「診察・治療」「医薬品購入」「介護保険サービス」「その他の医療費」支払った医療費の額4のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額なお、この明細書は領収書1枚ごとではなく、医療を受けた方や病院ごとにまとめて記入することができます。本人が同じ病院に頻繁に通院しているようなケースなら、かなりまとめて書けるでしょうから、随分と労力は少なくなるのではないでしょうか。しっかり覚えておきましょう。明細書項目・内訳を確認し、領収書がないときはメモしておく病院で領収書がもらえないケースは稀ですが、なくしてしまうと(無料で)再発行してもらえないことがあります。医療費控除に関係する「交通費」なら、領収書そのものがもらえないことも多いです。そのような領収書がないときは、メモしておけば問題ありません。明細書に記入すべき項目・内訳は先ほどのとおりですから、特に領収書がないときは即座にメモしておく必要があります。ちなみに病院の領収書をメモする前になくした場合は、代わりになるものがもらえることもありますから、まずは病院に相談してみましょう。「医療費のお知らせ」を使えば明細書も領収書の保管も不要今度は、さらに別の確定申告提出方法についてお伝えします。これは医療費控除の領収書が明細書に置き換えられたことに合わせての処置ですが、健康保険組合などが発行する「医療費のお知らせ」を明細書に代えることが可能になりました。簡単にいえば、「医療費のお知らせ」を確定申告書に添付すれば、明細書を新たに作る必要もありませんし、領収書の保管も不要になります。使いたいと思っている医療費控除の内容がすべて載っていれば、「医療費のお知らせ」をそのまま添付するだけでよいわけです。今まで膨大な量の領収書を確定申告書に添付していたような方なら、大幅に手間を省けることになります。何ともうれしい変更ですから、ぜひ一度早めに試してみましょう。年度途中で区切られ、全部は載っていないことも多い少し注意が必要なのが、「医療費のお知らせ」は中途半端な年度途中で区切られていることが多いという点です。つまり、あなたが使いたいと思っている医療費の全部は載っていないことも多々あります。特に、医療費控除に関係する「交通費」は載っていないのが普通です。このような医療費のお知らせに載っていない部分については、別に明細書を作って添付する必要があります。とはいえ、大幅な労力カットには違いないでしょうから、大きく喜びましょう。そもそも医療費控除に該当するか注意しようここからは、医療費控除を確定申告する際の注意点についてお伝えします。まずそもそも、その支払いが医療費控除に該当するのかどうかには注意が必要です。一般的な「医療費控除に該当しそうで該当しない支払い」には、以下のようなものがあります。健康診断の費用美容のための費用病気予防や健康増進のための費用医療費ではない謝礼金医療費控除に該当しない交通手段勝手に医療費控除に該当すると考えて確定申告をして、あとに税務署とトラブルになるような話は意外と多いです。まずは自分で調べて、分からないときは事前に税務署などに相談し、ちゃんと医療費控除に該当するときに限って、正しく確定申告をしましょう。要件を満たさないなら額に関係なく対象外医療費控除の要件を満たさない支払いなら、額に関係なく医療費控除の対象外です。たとえば美容整形など、高額な支払いをしたときには、つい少しでも取り戻したい心理が働くものですが、不正はダメといえます。あとで税務署から連絡が来たりすると大ごとになります。もちろんこれは、「知りませんでした」は通りません。特に後述する交通費については、不正の温床といわれることもありますから、少なくとも納税者側も十分に注意しておきましょう。医療費控除の「交通費」は対象か否かが細かめ今度は、医療費控除に関係する交通費についてお伝えします。医療費控除というのは、元になる医療費だけが対象ではなく、関係する交通費についても対象です。ただしこの交通費は、対象になるか否かが細かめに決められており、基本的に以下のようになっています。ガソリン代や駐車場代がNGというのは、車社会が一般的な地方には厳しいルールかもしれません。またタクシーや新幹線などは、どうしても必要なら対象になりますが、こじつけのような理由では通りませんから注意が必要です。当てはまるのは、深夜帯で電車やバスがなかった、どうしても遠方の病院でしか治療を受けられない、などといったケースになります。あとでしっかり説明できるよう、利用の経緯についてもちゃんとメモしておきましょう。病院に行くときは「電車かバス」を使うのが一番確実先ほどの一覧を見ると分かるとおり、病院に行くときは「電車かバス」を使うのが一番確実です。そうでなければ、医療費控除に交通費を含めるのは諦めたほうが無難かもしれません。もちろん、あくまで医療費控除の対象にならないだけで、自家用車で病院に行くのは問題ありません。とはいえ、頻繁に病院に通院しているような方なら、年間の交通費も相応の額になりがちです。なるべく交通費も医療費控除に含められるよう、通院の手段についても考えて動きましょう。[adsense_middle]どうするか分からないときは税務署に相談しよう最後に、大切な補足情報についてお伝えします。医療費控除というのは、確定申告をする際に使う控除の1つです。そして確定申告とは税金に関することですから、基本的には税法というものが定められている一方、税務署や国税庁が管轄している内容になります。そもそも医療費控除どころか、確定申告さえよく分からないという方も多いです。確定申告は相応に知っていても、「例外的な事柄」についてはネットなどでは調べきれないこともあります。そういうときには、そのまま税務署などに相談してみるのがおすすめです。税務署は確定申告を管轄しているのですから、確定申告の方法や例外的な事柄についても丁寧に教えてくれます。どうするか分からないというときには、ぜひ税務署を有効活用していきましょう。確定申告は一度でも経験すれば次からは意外と簡単?確定申告の作業については、一度でも経験すれば慣れますから、次からは意外と簡単にできるようになります。一度では無理でも、何回か経験すれば大丈夫でしょう。ただし、それこそ今回の医療費控除のように、「途中で制度が変わる」という点には注意が必要です。税法というのは、本当に毎年のように何かが変更されています。これからは、そのような「変更情報」についても敏感に収集するとともに、不安なときには税務署に相談するよう心掛けていきましょう。医療費控除に使った領収書はまとめて保管しておこう現在では制度が変更され、確定申告に医療費控除のための領収書を添付する必要はありません。ただ5年間の保管義務がありますから、医療費控除に使った領収書はまとめて保管しておくことが必要です。大幅に手続きが簡略化されたのですから、これからは積極的に医療費控除を活用していきましょう。
2020年06月23日会社員として働いていると、納税は会社が自動的にやってくれるので、どのような税金をいくら納税しているのか正しく把握できていない方も多いのではないでしょうか。中でも住民税は納税していることすら自覚のない人も少なくありません。そこで本記事では、住民税の仕組みや計算方法について詳しく解説します。住民税の仕組み・所得税との違いそもそも住民税という税金は、都道府県民税と市町村民税を足した税金の呼び方で、一括で支払いをしていることからまとめて住民税と呼ばれることが一般化しています。住民税は自治体によって定額だと思っている人が時々いますが、正確には少し違います。所得割と均等割住民税には所得に応じて税額が変動する所得割部分と、地域によって定額で決まっている均等割部分があり、それぞれを足した金額が住民税です。基本的に前の年の所得に対して課税されますが、1月1日時点で住所をおいている自治体について、所得割で計算する金額と均等割で決められている金額がかかります。1月1日時点で住所を有していないものの、事務所や家屋敷などがあるところについては、均等割の部分に限ってかかります。所得税と住民税の違い所得税とは所得の再分配などの機能がありますが、住民税はそこで暮らす地域住民に、地域のために必要となるさまざまな費用について、住民の負担能力に応じて負担し合ってもらうという性質のある税金です。よって、所得税と比較すると納税義務者の範囲は広く設定されています。そのため、法人や個人が自分で税金を納める所得税に対して、個人の住民税は自治体が税額を算出し、法人や個人に対して決定通知書を送って税金の徴収をするのです。収入・給料がいくらあると住民税が課税される?やはり気になるのが、給料がいくらあると住民税がかかるのかということではないでしょうか。先ほども解説したとおり、住民税には所得割と均等割があり、両方かからないケースと均等割だけかかるケースがあります。今回は東京都新宿区のケースを例にあげて解説したいと思います。住民税が完全に控除されるケース35万円に本人、控除対象配偶者、扶養親族を足した人数をかけて出た金額に21万円を足し、前年の合計所得がそれよりも低かった場合は、住民税の所得割および均等割どちらも免税となります。ただし、単身者については35万円よりも低かった場合です。障害者や未成年者、寡婦または寡夫の人は、前年の合計所得が125万円以下であれば住民税はかかりません。ただし、未成年者でも婚姻している場合は法的に成年者とみなされることから、たとえ未成年だとしても成人と同じように住民税が課税されますので注意が必要です。また、自治体から生活保護を受けている人についても、住民税の徴収は完全に免除されます。住民税の均等割だけ発生するケース35万円に本人、控除対象配偶者、扶養親族を足した人数をかけて出た金額に32万円を足し、前年の総所得がそれよりも低かった場合は、所得割だけ免税され均等割だけがかかります。ただし、1人暮らしについては先ほどと同じく35万円よりも低かった場合です。住民税申告の目安住民税が免税になる人については住民税の申告が不要だと考えやすいのですが、実はそうとも限りません。たとえ住民税がかからなかったとしても、住民税の申告が必要になるケースがあります。基本的にその年の1月1日時点において、その役所の管轄に住所があり前年の1月から12月までの間に所得があった人で、以下に該当しない人は住民税申告が必要です。所得税の確定申告をした人年末調整がされていて、ほかに所得がない人所得が公的年金のみで、各種控除の適用を受けない人これらいずれかに該当する人については、住民税の申告の必要はありませんが、該当しない人は国民健康保険や介護保険、国民年金および児童手当などを計算するためや、課税証明を発行するための資料として、住民税申告を行う必要があります。住民税にかかる税率や均等割の部分の金額住民税の税率や均等割の金額は地域によって異なりますが、東京都新宿区の場合は次のようになっています。総所得や山林所得:特別区民税6%、都民税4%その他譲渡所得や配当所得などについては、個別に異なる税率が定められています。また、均等割については次の金額です。特別区民税:3,500円都民税:1,500円均等割は地域によって金額に差があることが多いので、引越し先を探す際にはその地域の均等割部分の金額について事前にチェックしておくとよいでしょう。[adsense_middle]住民票を移さないとどうなる?都内で1人暮らしをしている人の中には、手続きが面倒なため実家に住民票を置いたまま上京している人もいるのではないでしょうか。この場合、実家で勝手に住民税を納めてくれていると安心していると、住民税が滞納扱いになってしまう可能性があるため注意が必要です。例えば、さいたま市に住民票を残したまま新宿区に昨年12月1日から住んでいる場合、住民税はその年の1月1日に居住していた市区町村が課税する扱いになっています。よって、住民票がさいたま市でも実際に居住しているのが新宿区であれば、住民税は新宿区に納めなければなりません。出張している場合はどうなる?では、完全に引越ししたわけではなく出張している場合はどうなるのでしょうか。例えば、単身赴任のような形で平日は新宿区の社宅で暮らしているが、週末はさいたま市の自宅に帰っているような場合については、基本的に居住しているとしてさいたま市で住民税が課税されます。このように住民税は単に住民票がある自治体で課税されるということではなく、実際に居住している場所を基準に判断されますので注意しましょう。住民税と法律ちなみに住民票の移動の手続きは法律で義務化されていて、引越しをしてから14日以内に移動させなければならないと規定されています。また、移動させなかった場合は5万円以下の過料というペナルティもあるんです。意外と知られていませんよね。ただ、以下のケースでは住民票を移動させなくてもいいことになっています。一時的に移住する場合生活の拠点が変わらない場合上記に該当する場合は住民票を移動させる必要はありません。例えば、新型コロナウイルスで話題となった10万円の定額給付金の申請では、住民票がある自治体での申請が必要になったため、住民票を移していなかった人が一斉に役所に殺到しました。住民票を実際に住んでいる自治体に移していなかった人は、本当に焦ったと思います。このように行政サービスを受ける際には、基本的に住民票がある住所が起点となることが多いので、長く居住することになる場合は住民税の課税関係にかかわらず、必ず住民票を移すことが大切です。後で発覚すると、遡って住民税を請求される可能性もありますので十分注意しましょう。住民税は年収いくらから課税されるか・まとめ今回は住民税の仕組みや課税される年収について詳しく解説しました。住民税は普段給与から天引きされているのであまり気にしたことはないかもしれませんが、実際は年収によって税額は変わってきます。均等割部分については、地域によって金額が異なる点にも注意が必要です。また退職すると納付書で支払う普通徴収に切り替わるので、突然請求が来てびっくりしないよう、日頃から自分がいくらの住民税を支払っているのか意識して確認することが大切です。
2020年06月18日2011年に当時23歳だったタレントの加藤綾菜さんと結婚した、『ザ・ドリフターズ』のメンバーである加藤茶さん。45歳差という『超・歳の差婚』は世間を驚かせました。結婚から9年が経ち、加藤茶さんは77歳に。そんな加藤茶さんを支えていくため、綾菜さんは必死に勉強をして介護試験に合格したといいます。加藤茶「めっちゃ幸せ」加藤綾菜が明かした『介護試験のエピソード』に「尊敬」の声加藤綺菜、介護の知識を深めるため介護施設で働くことを決意同年6月16日、綾菜さんがInstagramを更新。初任者研修の合格では満足せず、介護の知識を深めるために実務者研修の合格を目指すことにした心の内を明かしました。介護の基礎知識を学ぶ初任者研修からステップアップし、より実務的な知識と技術を求められる実務者研修。綾菜さんは「介護の現場に立ちたい」という思いから、介護施設で働くことにしたといいます。撮影が終わり緩和ケアの授業をうけたノートを復習。やっぱり、初任者研修(ヘルパー2級)をとったなら1級(実務者)とって知識を深めたい!自己満のためじゃなく役に立つ自分になりたいと心から思ったよ!介護の現場にも立ちたい。。。学びたい!って事で働かせてもらえる施設を探してまして。。。 見つかりました。働かせて頂ける事になりました‼️感謝です。katoayana0412ーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 加藤綾菜(@katoayana0412)がシェアした投稿 - 2020年 6月月16日午前7時48分PDT情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)で初任者研修の合格を明かした際、「介護試験は介護職のためではなく夫のため」といっていた綾菜さん。きっと勉強しているうちに、さらに知識を深めたいという思いや、介護現場で働きたいという気持ちが強くなったのでしょう。加藤茶さんとの結婚が報じられた際は、その年の差から綾菜さんに対して心ない言葉や憶測がネットで飛び交ったこともありました。しかし、綾菜さんの加藤茶さんを想う姿に多くの人が心打たれたようです。・結婚当時は心ない言葉も多かったけど、夫のために頑張っているのが伝わってきます。・純粋にすごいと思う。尊敬するし、頑張ってほしいです。・自分は介護従事者ですが、行動力が素晴らしいと思いました。応援しています!大切な家族のためだからこそ、綾菜さんは「もっと学びたい」「頑張りたい」と思うことができるのでしょう。今後も夫婦で仲よくいてほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月17日病気やケガが原因で介護が必要になった場合、真っ先に思い浮かべるのは「介護保険が使えるかどうか」ではないでしょうか。まさしくそのとおりで、「介護状態になったら介護保険」というイメージで合致しています。では、医療保険では全く介護のサポートができないのかというと、そうではありません。今回は、介護保険と医療保険のそれぞれの制度の概要と、どのような場合に、どちらの保険が適用されるのかを詳しく解説していきます。介護保険とは介護保険とは、40歳以上になると加入義務のある制度です。40歳から65歳までの第2号被保険者と、65歳以上の第1号被保険者に分けられます。要支援1または2、要支援1から5までの7段階に区別され、それぞれの支援や介護の度合いによって、被保険者の負担割合が違います。介護保険が適用された場合、認定された区分に応じた介護サービスを受けることができます。要支援・要介護のそれぞれの区分に応じて、支払限度額が設定されており、それを超えた分は全額を自己負担として支払う必要があります。介護保険の被保険者介護保険の被保険者(対象となる人)は2種類に分けられます。65歳以上:第1号被保険者40歳以上65歳未満:第2号被保険者介護保険の適用条件第1号被保険者と第2号被保険者で、介護保険の適用される条件が違います。介護状態になった理由を問わず、介護状態になった場合に適用されるのは、65歳以上の「第1号被保険者」です。一方、40歳から65歳までの第2号被保険者の場合、加齢が原因とされる16種類の特定疾病が原因で介護状態になった場合のみ、介護保険が適用されます。介護保険料の支払い介護保険料は、加入している健康保険に上乗せして納付します。40歳の誕生日を迎えると、当月分から介護保険料が上乗せされた金額を納付することになります。自営業者やアルバイトの方など、国民健康保険に加入している方は、納付書(または自動引き落とし)にて支払います。会社員や公務員など社会保険加入の方は、介護保険料の上乗せされた金額を給与天引きにて支払うので、未納がなく安心です。すでに退職後で年金受給者の方は、受給する年金から、あらかじめ介護保険料を差し引いた金額が2カ月に1度振り込まれます。これを「特別徴収」といいます。申請すると、特別徴収ではなく、それぞれ納付書で介護保険料を納める「普通徴収」に変更することもできますが、万が一の未納などの恐れを考えると、特別徴収のほうが利便性は高いといえます。医療保険とは医療保険(公的健康保険制度)とは、日本国民全員が加入する義務のある制度です。「国民皆保険」という言葉で表されることもあります。医療保険は「病気やケガに対して広く保障する」という役割があります。なお、医療保険はお勤めの形態によって2種類に分けられ、加入要件などが少々違います。医療保険の概要は違いますが、どちらの医療保険に加入していても、一般的には自己負担3割で医療を受けることができます。お子さんを対象として、お住まいの地域ごとに乳幼児助成制度があります。未就学児の医療費は全額無料になる地域もあります。または、1か月の医療費上限が1000円程度で済む制度を取り入れている自治体もあります。該当する子どもの年齢も、就学前までなのか、義務教育期間中なのか、行政によって規定はさまざまです。主に2つの健康保険制度自営業者やアルバイトの方などが加入するのは「国民健康保険」です。会社員や公務員などが加入するのは「社会保険」です。その中には協会けんぽや、企業独自の健康保険組合などがあります。いずれの場合でも、ひとりに1枚「健康保険証」が発行されます。医療機関でこの健康保険証を提示すれば、かかった治療費のうち、自己負担分の3割のみを清算すればよいという決まりになっています。もうひとつの健康保険制度として、後期高齢者医療制度という制度があります。75歳以上になった方は、どなたでもこちらの健康保険制度に移行することになります。75歳以前に加入していた健康保険制度に関わらず、一律「後期高齢者医療制度」の加入者ということになります。一般的な分類でいくと、自己負担割合は1割です。ただし、現役並み所得のある75歳以上の方は、3割負担です。介護保険と医療保険の関係ここまで、介護保険と医療保険のそれぞれの概要についてまとめました。介護と医療は密接な関係にあり、混同してしまいがちですが、相互に作用する部分もあれば、全く違う部分もあります。似通ったイメージのある2つの保険ですが、2つの関係について項目別に解説していきます。[adsense_middle]併用できる?介護保険と医療保険は、基本的には併用できません。どちらかのみを利用する決まりです。何らかの理由から介護状態になった場合、介護や支援の認定が受けられれば「介護保険」の適用となり、認定が受けられない場合は「医療保険」で可能な限り介護のサポートをすることになります。末期がんなどで、医療も介護も手助けが必要であると判断された場合は、一部例外的に2つを併用できる場合もあります。介護保険が優先介護や支援の認定を受けることができ、介護保険も医療保険もどちらでも受けられる状態となった場合、その2つが併用ができないのはおわかりいただけたと思います。この場合、優先されるのは「介護保険」です。介護や支援の認定を受けたということは、その区分に応じたサポートが必要であるということです。介護保険と医療保険のそれぞれの概要でも説明しましたが、医療はケガや病気の治癒と目的としていて、介護だけに特化しているわけではありません。つまり、介護や支援に認定を受けたのであれば、介護保険を使ったほうがよりよいサポートが受けられるということです。適用範囲の違い似ているようで違う部分も持ち合わせている2つの保険ですが、まず全く違うのは「適用範囲」です。根本的に、介護保険が適用されるのは「介護認定を受けてから」です。そもそも40歳以下の場合であるなど、介護認定を受けることができなければ、介護保険を使うことはできません。一方、医療保険は、国民健康保険または社会保険のいずれかの健康保険証を持っていれば、かかる医療機関にその保険証を提示することで、必要な医療を受けることができます。介護認定の有無は関係ありません。介護保険でできること介護保険は、介護だけのために使うことができます。病気やケガによって介護状態になった場合、行政から要支援や要介護の認定を受けます。その認定された区分の範囲内で、介護サービスを受けることができます(介護サービスについてはこの後詳しくまとめます)。ただし【介護保険の適用条件】でも書きましたが、40歳から65歳までの第2号被保険者では、16種類の特定疾病が原因で介護状態になった場合のみ、介護保険の適用を受けることができます。介護保険の第2号被保険者で、この16種類が原因ではなく介護状態になった場合や、脳疾患や交通事故などが原因で、40歳未満で介護状態になった場合は、介護保険の適用がありません。医療保険でできること医療保険は、保険証さえ提示すれば、誰でも医療機関を3割負担で利用することができます(後期高齢者制度や、市町村の乳幼児医療費助成などを除く)。介護保険と違って、何かしらの認定を受けなければ医療保険を使えない、ということもありません。なおかつ、医療保険は国民全員が加入義務のある制度なので、医療機関にかかる理由・原因を問わず、どなたでも必要な医療を全国の医療機関で平等に受けることができます。2つの違い介護保険は「介護認定を受けなければ使えない」医療保険は「保険証を提示すれば誰でも使うことができる」対象となる介護サービスの違い医療保険と介護保険が併用できないことはおわかりいただけたかと思います。では医療保険、介護保険、それぞれで受けられる介護サービスとは何があるのでしょうか。ここからは、医療保険、介護保険それぞれの概要をご紹介します。介護サービスの中でも、今回は主に、在宅のままで受ける訪問サービスについてまとめます。訪問サービスには「訪問看護」と「訪問介護」の2つがあります。これまでに解説したとおり、「看護(医療)」と「介護」は似ていますが実は全く違います。「訪問看護」とは在宅で医療行為を行うことで、「訪問介護」とは介護サービスを行うことです。[adsense_middle]医療保険における訪問サービス医療保険で訪問サービスを受けるには【医師が必要と認めた範囲内】という条件が付きます。医療保険の根本的な考え方は【必要な医療行為を受けること】ですので、それに則って行われることになります。医療保険による介護サービスの場合は、看護師や保健師などの看護に携わる専門職の方が行います。訪問看護の場合では、主に血圧や脈拍など健康状態の把握から始まり、点滴や注射など、医師の指示に基づいた処置が行われます。要支援・要介護認定を判断する役割も看護師や保健師など、看護の専門職の方が訪問看護を行うもう1つの役割は、医療保険ではなく介護保険に切り替えたほうがよいのではないか?という点を判断することです。簡単にいうと、看護職の方の訪問看護を通じて、要支援や要介護の認定をする際の判断基準となるということです。最初は医療保険上の訪問看護のみでよかった方でも、状態によっては後に支援や介護が必要となることも十分ありえます。その判断の1つとして、専門職の方による訪問看護は大切な役割を担っているということです。介護保険の訪問サービス介護保険における訪問サービスは、言語聴覚士や作業療法士、理学療法士などのリハビリを専門に行う専門職の方や、訪問介護専門のヘルパーさんなどが行います。ここで一番の注意点は、【介護では看護はできない】ということです。ヘルパーさんは医療行為はできません。訪問介護での在宅サービスの一例としては、入浴の介助や食事の手伝いなど、主に日常生活のサポートをすることがメインです。介護サービスの一環として、自宅のリフォーム費用も対象となる場合があります。介護のために必要とされるリフォームを実施した場合や、必要な介護用品のレンタルも認められる場合があります。これらのサービスを利用する前に、リフォーム業者や介護用品レンタルショップに、あらかじめ訊ねておくことをおすすめします。いずれも現金の給付はない介護保険と医療保険、どちらのサービスを受けることになっても、現金での給付はありません。介護は長期化する場合がほとんどです。そのリスクに備えて、民間の生命保険会社が販売している介護保険(介護特約)などで費用を準備しておくと安心です。民間の介護保険も、所定の介護認定を受けたら「一時金」として給付を受けられるものから、一定期間あるいは一生涯に渡って「年金形式」で介護年金を給付するものなど、いろいろな商品があります。公的な介護保険と併用することを前提に、介護費用の準備として検討してみるのもおすすめです。判断に迷うときは医療保険と介護保険、どちらをどのように利用したらよいのか、なかなかわかりづらい場合もあるかと思います。特に医療的な判断というのは、医療や介護に携わる方ではない限り判断に迷うのも当然です。適用されるのが医療保険か介護保険か、よくわからない場合には、お住まいの地域の医療や介護に関する相談窓口に尋ねてみましょう。また、かかりつけの医療機関がある場合は、医療機関内に相談窓口が併設されている場合もあります(大きい病院ではほとんどが相談窓口があります)。ご自身やご家族だけで抱え込むのではなく、早めに然るべき相談機関に相談し、先々の対策を取っていくようにすると安心できます。介護保険と医療保険・まとめ介護保険と医療保険は、一見すると似ている制度です。どちらも加入義務がありますが、介護保険は利用するのに一定の条件があり、医療保険は保険証さえあれば誰でも使うことができます。今回はこの2つの違いと、同時に併用できない場合がほとんどであるということを、少しでもご理解いただければ幸いです。似ている制度とはいえ「介護は介護」「医療は医療」それぞれ専門の役割があります。然るべき医療サービス、介護サービスを受けることができるよう、基礎知識だけは覚えておくときっと役に立つでしょう。
2020年06月16日今回のテーマは「介護保険」です。介護保険といっても、40歳以上になると加入義務のある、行政が主体の「介護保険」ではなく、生命保険会社が販売している民間の介護保険について、制度の内容から加入要件についてまとめていきます。本記事をご覧になっている方ご自身にすぐに直結する内容ではないかもしれませんが、親御様など身近な方のためにも知っておくと役に立つ内容です。民間介護保険の仕組み民間介護保険の仕組みは、公的介護保険制度とは違って、保険会社が定めた所定の介護状態になった場合に、保険金として現金が給付されます。公的介護保険制度では、現金給付ではなく介護サービスの提供がメインです。その大きな違いを把握しておくと、これから民間の介護保険について解説を進めるにあたって、整理がしやすくなります。参考・公的介護保険制度とは公的介護保険制度とは、40歳になったら必ず加入しなければならない制度です。保険料の徴収方法は、国民健康保険加入の方は、毎月の保険料に上乗せされて納付します。会社員などで社会保険加入の方は、毎月給与天引きで自動的に納付しています。要支援・要介護合わせて7段階に分けられており、それぞれの段階に応じた介護サービスの提供を行政から受けられることになっています。民間の介護保険の内容現在、国内の生命保険会社のほとんどで介護保険を販売しています(介護特約も含む)。昭和の時代ごろまでは、医療保険と死亡保険、せいぜいがん保険が販売されている程度でしたが、平成に入り、平均寿命も毎年伸びていることから「長寿化」へのリスク対策として「介護保険」が注目されるようになりました。もちろん加入している医療保険でも、補うことができる部分もあるでしょう。しかし、介護には介護の、より充実した保障内容があるほうが安心ですよね。現在販売されている商品の主な概要について、これからご紹介します。公的介護保険に連動している介護保険に加入している方が、その保険から給付を受ける場合に、ひとつの目安となるのが「公的介護保険の認定」です。たとえば、保険会社が独自で定めた介護状態にならなければ給付金がもらえないのでは、少々わかりにくさが残ります。一方、近年販売されている介護保険では、給付の対象が「公的介護保険における要介護2以上で給付金をお支払い」など、公的介護保険で一定の基準以上の認定を受ければ、給付金がもらえるというわかりやすい仕組みになっています。給付金が受けられる所定の要支援・要介護状態は、保険会社・保険商品によって基準が違いますので、ご加入の際にはあらかじめ調べておきましょう。要介護・要支援認定だけでなく、公的介護保険の介護サービスを利用したら給付金が支払われるタイプの介護保険もあります。一時金として給付される場合もある保険会社によっては、所定の要介護状態になった後、一生涯に渡って年金形式で一定の金額を支払う商品も販売されています。また、介護保険として別に加入していなくても、ベースは医療保険で、介護に関する特約を付加することで、一時金としてまとまった金額の給付金を受け取ることができる商品もあります。介護保険単体で加入するよりも、特約で付加する場合のほうが保険料が安い場合もあります。ぜひ見積もりを作成してみて、ご自身のニーズにより近いものへの加入を検討しましょう。介護保険の主な種類一般的な民間介護保険の商品の中には、大きく2種類があります。保険期間や保険料に、それぞれ正反対の特徴を持っています。介護に対する考え方や、必要としている保障内容によって使い分けをされるとよいでしょう。貯蓄型(終身)介護保障が一生涯続くタイプの介護保険は、終身型であることがほとんどです。終身型とは、一般的に貯蓄性が高いので、掛け捨ての定期型保険よりも保険料が割高です。しかし、終身型で貯蓄性の高い介護保険に加入するメリットとしては、「保障は一生涯」「保障に代えて年金としても受取可能」などがあります。特に「年金として受取可能」という点は、貯蓄型が人気であるポイントです。介護状態に該当しなくても、まとまった額の死亡保障として遺族へ遺すこともできます。さらに、ご本人の生前に、解約してまとまった資金として使うこともできます。貯蓄性の高い介護保険では、介護状態に該当しない場合の使い道もあり、より自在性に富んでいます。掛け捨て型(定期)一定期間の介護保障を目的とした定期タイプの介護保険は、いわゆる「掛け捨て」ですので保険料が安価で済みます。前述した「終身型」とは正反対の特徴を持つ掛け捨ての介護保険は、貯蓄性がほぼない、または少しだけ解約金が戻る性質を持っています。高い保障が欲しい場合でも、保険料が割安なので、使い方によっては非常に合理的です。預貯金やほかの生命保険商品で十分な備えをお持ちの方は、それらに掛け捨ての介護保障を上乗せをするイメージで加入を検討してもよいでしょう。民間介護保険の加入条件民間の介護保険に関しては、加入条件は特にほかの生命保険と変わりがありません。既往症がなく、加入時にありのままを告知し、保険会社所定の加入条件を満たしていれば、介護保険に加入できます。ただし、すでに介護状態である場合や、認知症であるなど、そもそも加入できない場合もあります。民間介護保険・加入のピーク公益財団法人・生命保険文化センターの取りまとめたデータによると、介護保険(特約も含む)の加入率は50代がピークだということです(平成30年度生命保険に関する全国実態調査・民保の特定の機能を持つ生命保険や特約の加入状況・参照)。50代というと、一般的には子育てがひと段落し、定年を前に、老後ご自身の生活について立ち止まって考える時期でもあります。実際に、親御さんの介護が始まるのも50代くらいが多いと推定されます。そのような環境の変化から、50代が介護保険(特約)の加入のピークであると推測されます。[adsense_middle]比較・検討のポイントこれまで、民間の生命保険会社による介護保険(特約)について、制度の内容や仕組みについてまとめてきました。ここからは、実際に加入しようとする際の目安となるポイントについて、いくつかご紹介します。①受取方法の違いまずポイントとなるのは「介護保険の給付金を、どのような受け取り方でもらいたいか」という点です。受け取り方法は、以下の3パターンがあります。【一時金】所定の介護状態に該当したら「一時金」としてまとまった金額の給付を希望する【年金形式】介護状態になったら、その後の長期間に渡って「年金形式」で年に一度受け取りを希望する【一時金+年金形式】最初は「一時金」として大きな金額を、その後は年金形式で、少しの額でも長期間受け取りたい一時金民間の介護保険に加入した場合、一番シンプルでわかりやすいのは「一時金で受け取る」内容の商品です。保険会社が定めた条件に該当すれば、加入時に設定した金額を「一時金」として一括でまとまって支払われます。デメリットとして考えられるのは、介護が長引いた場合に、最初に一時金で受け取った給付金が足りなくなる場合があるという点です。年金形式年金形式で介護保険を受け取る保険商品は、長引く介護生活の支えになります。ただし、年金形式での受け取りを希望する場合、一時金受取タイプよりも保険料が割高の場合がほとんどです。加入年齢と保険料のバランスを見て検討してもよいですね。一時金+年金形式とても合理的な受け取り方法は「一時金+年金形式」です。介護保険を請求した際に、まずは「一時金」としてある程度まとまった給付金を受け取ります。その後、毎年一定額(加入時に設定した年金額)を生涯に渡って受け取ります。とても理想的で、安心できる受け取り方法ですが、3パターンの中で一番保険料が割高です。例えば独身の方で、万が一老後にご自身の介護のお手伝いをしてくださる方がいらっしゃらない場合などは、このような安心できる保険で備えるとよいでしょう。②加入するタイミング先にも書きましたが、介護保険の加入年齢のピークは50代です。50代になって、ご自身やご家族の介護に触れることでリスクに直面し、介護保険に加入する方が多いようです。公的介護保険制度では、40歳以上になると公的介護保険の第2号被保険者となります。主に加齢が原因の16種類の特定疾病が原因で介護状態になったと認定されれば、公的介護保険制度から介護サービスを受けることができます。ただし、介護状態になるリスクは40歳から突然増えるというわけではなく、例えば脳卒中の後遺症などで40歳以下でも介護状態になるリスクもあります。ご自身の現在の環境などを踏まえ、いつごろから備えたほうがよいか検討してみましょう。介護保険だけでなく、生命保険の保険料は「若ければ若いほど安価で加入できる」システムです。本当に介護のリスクが迫ったときに加入しても、保険料が高くて加入を断念することがないよう、早めに検討することをオススメします。民間介護保険・まとめ公的介護保険制度が適用となるのは、40歳以降です。しかし実際は、40歳から65歳が含まれる第2号被保険者では、16種類の特定疾病に該当しなければ介護保険制度を利用することができません。若年層でも、脳疾患、心疾患の後遺症などで介護状態になるリスクはあります。生命保険の本来の意義どおり「リスクに備える」としたら、より若いうちから、安価な掛け捨て型でもよいので、介護に対する備えはスタートしておいたほうがよいのではないかと考えます。また、民間介護保険を選ぶポイントとして、保険金受取の方法があります。3パターンのうち、ご自身のニーズにより近い方法はどれなのか検討してみるとよいでしょう。
2020年06月15日火災保険の保険の対象には建物だけでなく、家財があります。例えば、火事で建物が全焼した場合、建物の再建だけでなく、家電や家具などの家財も1から揃えなくてはなりません。食器や衣服などを含めると一体いくらくらいかかるのでしょうか。今回は家財の保険の過不足のない保険金額と選び方のコツをお伝えします。家財に必要な保険金額の目安は平均するといくらくらい?そもそも家財の保険は必要?住宅ローンを組んでマイホームを取得する場合、銀行などの金融機関から火災保険の加入を義務付けられることがほとんどです。その際、金融機関はローンで貸している建物のお金を火災保険で担保できればいいと考えるため、金融機関が提案する火災保険は建物のみの補償になっている場合が多いです。だからといって家財保険はいらないかというと、そうではありません。火事で建物が全焼した場合に、家財一式を預貯金で全部揃えるのは難しいでしょう。そのため、金融機関で建物のみの火災保険に加入した場合、それとは別に家財の保険に加入する必要があります。火災保険の加入が必須でも、金融機関から加入することまでは義務ではありません。できれば自分で、建物と家財に対して最適な補償がなされる火災保険に加入するようにしましょう。家財の保険金額を決める評価方法では、家財にはいくらの保険金額(補償額)を設定するのがいいのでしょうか。一番いいのは、所有する家財の主なものを新規に買った場合の金額を合計していく方法です。1人暮らしで家財の少ない人なら、簡単に求められるでしょう。しかし、年齢が上がったり、家族の人数が多くなったりすると持ち物は増えますし、いちいち計算するのは面倒です。そこで、世帯主の年齢や家族構成で保険金額を決める「簡易評価」という方法があります。簡易評価は保険会社によって違いはあるものの、平均的な金額を知ることができます。この金額をそのまま使ってもいいですし、家庭の状況によって調整してもいいでしょう。家財の保険金額の目安以下、ある保険会社の2020年4月現在の簡易評価です。筆者の感覚ですと、若干高すぎる印象です。極端に減らすことはおすすめしませんが、大雑把に主な家電や家具の金額を見積もって調整したほうが保険料も抑えられます。ちなみに単身世帯の場合、300万円がひとつの目安です。住宅のタイプ別に見る保険料・補償のポイント一戸建ての持ち家で新築の場合一戸建てを新築した場合、家具などは新しいものを揃える場合も多いでしょう。また、それまで住んでいた住居より広いスペースになる場合がほとんどで、必然的に家財道具も多くなる傾向にあります。保険料を抑えるために低い保険金額にしたいという人も多いのですが、「4人家族で300万円」など、あまりに低い設定はおすすめできません。一戸建ての持ち家で新築以外の場合新築以外ですと、新規だけでなく既加入の火災保険を更新する場合もあります。家族構成の変化も考えられますので、家財の保険金額は考え直すタイミングです。家財は増えても不用品ばかり、などというケースも見られます。現在使っていて、なくなったら買わなくてはならないものだけを保険金額として設定しましょう。分譲マンションの場合マンションの火災保険の場合、注意したいのは補償範囲です。一戸建てにないリスクに水濡れがあります。給排水管の水漏れは建物にも家財にも損害が及びます。水濡れを補償範囲に入れることを忘れないようにしましょう。アパート、マンションなどの賃貸住宅の場合賃貸住宅の居住者が火災保険に加入する場合、建物の補償は必要ありません。家財と借家人賠償が最低限の補償になります。家財保険の選び方のポイント[adsense_middle]「新価」と「時価」なら新価を選ぶ火災保険における建物や家財の評価の算定基準に、「新価」と「時価」があります。通常、新規で火災保険に加入する場合の保険金額は、特に指定しなければ「新価」で契約されています。「新価」とは、建物や家財を新しく調達しなおすのに必要な金額のことです。保険金額が新価で設定してあれば、火災で建物が全焼して家財をすべて失っても、保険金で新たに調達しなおすことができます。これに対し、「時価」とは経年劣化を考慮した保険の対象の評価額を言います。「時価」方式で火災保険を契約すると、保険金を受け取るときに、損害を受けた家財を元に戻すことができなくなります。もし、既に契約している火災保険が「時価」方式である場合、早めに契約しなおしましょう。補償範囲を適切に選択する火災保険の補償の対象になるのは火災だけではありません。基本的な自然災害以外にも、さまざまなリスクが補償対象になっています。当然、補償範囲が広ければ保険料も高くなりますので、どこまでをカバーすべきかよく検討しましょう。火災・落雷・破裂または爆発風災・雹災・雪災水災建物外部からの物体の衝突等水濡れ騒擾または労働争議等盗難不測かつ突発的な事故(汚損・破損等)火災・落雷・破裂または爆発火災保険の補償で外すことのできない基本の「き」です。日本では「失火責任法」により、もらい火の火事は損害賠償請求ができないことになっています。自分で火事を起こした場合も、もらい火の場合も、自分の火災保険の補償が必要になります。落雷の場合は、家の電気設備や家電などがショートしたときなどに補償されます。破裂や爆発は漏れたガスに引火して爆発した場合などです。風災・雹災・雪災強風・雹・雪などによる損害の補償です。雹で窓ガラスが割れた場合などに補償されます。水災台風や暴風雨によって洪水や土砂崩れが起きた場合の補償です。大雨による河川の氾濫で床上浸水した場合などが該当します。水災は付けるか付けないかで保険料が大きく変わる補償です。ハザードマップなどを確認し、水害の心配のない地域やマンションの高層階の場合は外して保険料を抑えてもいいでしょう。ただし、明らかに川の近くに建物がある場合などは必須の補償です。建物外部からの物体の衝突等建物の外部からの物体による損害の補償です。例えば、家にクルマで突っ込まれた場合などが該当します。水濡れ漏水などによる水濡れの損害の補償です。給排水設備の故障で部屋が水浸しになったり、マンションの上階からの水漏れで部屋が濡れてしまったりした場合などに補償されます。騒擾または労働争議等騒擾や集団での暴力・破壊行為の損害を補償します。暴動に巻き込まれて家を壊された場合などが該当します。盗難盗難にともなう盗取・損傷・汚損による損害を補償します。泥棒に窓ガラスを破られた場合や金銭を盗まれた場合に補償されます。不測かつ突発的な事故(汚損・破損等)不測かつ突発的な事故により、保険の対象が損害を受けた場合です。簡単に言うと、自分のミスで建物や家財を壊してしまった場合の補償です。小さいお子さんやペットがいるご家庭などは付けておくといいかもしれません。汚損・破損は使いようによっては便利な補償「買ったばかりのパソコンを落として壊してしまった」などという場合、家財保険に汚損・破損の補償が付いていれば補償の対象になります。汚損・破損は火災保険の中でも使われる頻度が高い保障です。自分のうっかりミスで建物や家財を壊してしまうことは、大人の場合は少ないかもしれません。でも、よちよち歩きのお子さんがいるご家庭なら、いたずらなど思いがけないことが起こる可能性が高いです。もちろん保険料はかかりますが、たいていの場合、1回の保険金請求で保険料をペイできます。複数の保険会社の見積もりを取る家財保険に限らず、すべての保険に言えることですが、加入を検討する場合は必ず複数社の見積もりを比較しましょう。例えば、上記の汚損・破損の補償を付けたいけれど保険料が高くて諦めていた場合、別の保険会社なら予算内に収まる、などということはよくあることです。ただし、安く見えても補償内容が同じ条件でない場合もあります。比較する場合は費用の補償などを含めて同じ条件で比較するようにしましょう。家財保険の相場のまとめ適正な保険金額がわかりにくい家財保険ですが、「簡易評価」を参考にすれば、簡単だということがわかりました。多くの場合、「簡易評価」による保険金額は高めなので、「簡易評価」を上限としてちょうどいい金額を設定するといいでしょう。また、加入を検討する際には複数の保険会社の商品を比較するようにしましょう。
2020年06月11日介護保険は、40歳以上の方は全員加入する必要があります。加入している健康保険の形態によって納付方法は違いますが、毎月必ず保険料を納付します。では、納めた介護保険料によって、私たちはどのような介護サービスを、どのような自己負担額で受けることができるのでしょうか。本記事では、介護保険料の自己負担額についてを軸として、介護保険制度全体についても解説していきます。介護保険制度とは介護保険制度は、市町村による運営です。40歳以上になると、必ず加入・保険料の納付の義務があります。保険料の徴収方法は、加入している健康保険によって違います。国民健康保険加入の方であれば、毎月払っている国民健康保険料に、介護保険料が上乗せされた金額を納付します。社会保険加入の方は、毎月のお給料から給与天引きされ、自動的に納付を済ませることができます。年金受給者の方は「特別徴収」という納付方法が一般的です。特別徴収とは、2カ月に1回支払われる公的年金から、あらかじめ介護保険料を差し引くものです。社会保険加入者の「給与天引き」のシステムと似ています。介護保険制度上の区分介護保険制度上では、被保険者を2つに区分します。以下、表にまとめますのでご参照ください。16種の特定疾病とは、末期がん、関節リウマチ等、一般的に加齢に伴い発症しやすい疾病を定めたものです。第2号被保険者では、この決められた16種に該当しなければ、介護保険を利用することができません。介護保険料の計算方法上の表でまとめたとおり、介護保険の被保険者は2つの区分に分けられます。被保険者ごとの介護保険料の計算方法は以下のとおりです。第1号被保険者運営している市町村が条例で定めた基準額に、所得に応じた保険料率をかけたものが介護保険料となります。第2号被保険者会社員など、介護保険料が給与天引きで徴収されている場合は、標準報酬額(標準賞与額も含む)に介護保険料率を掛け合わせたものが、介護保険料となります。国民健康保険加入の方は、お住まいの地域の市町村によって所定の介護保険料算定基準がありますので、市町村ホームページなどでご確認ください。概算の一覧表を掲載している市町村もあります。自己負担額の決め方介護保険における自己負担額とは、介護保険制度を適用した後の実際の利用料のうち、被保険者が負担する金額のことです。一般的に、介護保険の自己負担額は「1割」です。詳しくは後述しますが、所得に応じて「2割負担」または「3割負担」となる場合もあります。介護の度合いに応じた自己負担額要支援、要介護と認定された場合、認定された支援度、介護度に応じた介護サービスの範囲が決められます。これを「支給限度額」と呼びます。この「支給限度額」を超えた料金や、そもそも介護サービスの範囲外で利用した料金に関しては、全額自己負担となりますので必ず事前に確認しましょう。【参考】介護サービスの種類介護保険が適用される介護サービスには、大きく3種類があります。「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」です。「居宅サービス」とは、ご自宅に住んだままで受けられる介護サービスです。(例・訪問、通所、短期入所など)「施設サービス」とは、施設に入居している被保険者に対して行う介護サービスです。「地域密着型サービス」とは、住んでいる地域で受けられる居宅サービスと施設サービスの中間のようなイメージです。地域密着型サービスは、2006年の介護保険法の改正により新設された介護サービスです。介護が必要になった高齢者が、住み慣れた地域を離れずに介護サービスの提供を受けることができるようにという意図が込められています。なお、認知症対応のサービスも、この地域密着型サービスに含まれています。7種類の区分に応じた限度額実際に要支援・要介護と認定され、介護保険が適用される場合、介護保険対象者の認定された区分に応じて、受けられる介護サービスの利用限度額が違います。(要支援1から要介護5までの7区分に分けられます。)厚生労働省ホームページ「区分支給基準限度額」を参考に、区分と利用限度額を一覧にまとめますので、ご参考になさってください。介護費用を準備するポイント上記のように、支援や介護の度合いによって上限額はさまざまです。自己負担がほぼない、あるいは自己負担額が少額で済む場合でも、介護の長期化により経済的な不安は増すことが予想されます。特に第2号被保険者に該当する40歳~65歳といえば、働き盛りの時期です。まだマイホームを建てたばかりの場合や、お子さんに教育費がかかる場合もあるでしょう。これらのリスクに備え、民間の生命保険の介護特約などでリスクに備えておくことも検討するとよいでしょう。また、金融機関によっては、所定の介護状態になった場合に住宅ローンの残高がゼロになる商品もあります。これからマイホーム購入を検討する場合は、こちらもあわせて調べておくと安心ですね。[adsense_middle]自己負担率に応じた自己負担額上記でまとめた「限度額」のうち、所定の割合を自己負担することになります。たとえば、限度額50,030円の「要支援1」と認定され、1割負担に該当する被保険者である場合、自己負担額は5,003円ということになります。この自己負担率(自己負担の割合)は一定の決まりの上で算定されています。実際の自己負担率は、被保険者の「介護保険負担割合証」が手元に届いてから確認できます。本記事で紹介する負担率については、あくまで目安としてお使いください。65歳以上の第1号被保険者の場合、以下の概要にそって負担割合が定められます。40歳から65歳の第2号被保険者、非課税世帯の負担割合は一律「1割負担」です。一割負担二割負担三割負担介護保険における自己負担額・まとめ介護保険の自己負担額については、支援や介護の度合いと、被保険者の負担率によって決まります。要支援1から要介護5のうち、認定された区分の利用限度額のうち、さらに所得で分けられた負担割合に応じて、自己負担額が算定されます。正式な数字は「介護保険負担割合証」が届いてからではないとはっきりしませんが、1つの目安として本記事を参考にしていただければ、と思います。
2020年06月08日今回のテーマは【介護保険料】です。20代、30代の方は「まだまだ先だ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。40代以降の方はすでに支払っている状況で、大変身近に感じるのではないでしょうか。本記事では【介護保険料】の支払いなど、実際の制度全体についてわかりやすくまとめていきます。ぜひ参考になさってください。介護保険制度の概要介護保険制度の概要について、簡単にご紹介します。介護保険制度とは介護保険制度とは、40歳以上の健康保険加入が対象となり、必ず加入しなければならないものです。要介護状態、要支援状態になり介護サービスを利用する際には、収入に応じた自己負担額で必要に応じた介護サービスを受けることになります。加入者区分は年齢に応じて2つ介護保険は強制加入ですが、年齢に応じて2つの区分にわけられます。また、それぞれの区分によって、どのような場合に介護保険を利用できるのかも違います。以下、表にまとめますのでご確認ください。第2号被保険者が、介護保険を適用したサービスを利用する場合の16種の特定疾病とは、末期がん、関節リウマチ、パーキンソン病関連疾患などがあります。この16種類は、主に加齢が原因で発症しやすいとされている病気です。これらを理由として要支援・要介護状態に該当した場合にのみ、公的介護保険サービスを受けることができます。自己負担額65歳以上の方で、公的介護制度を利用した介護サービスを受ける際、ほとんどの場合が自己負担額は1割です。中には、所得に応じて2割や3割の負担となる場合もあります。65歳以上の年金受給者の方で、お1人暮らしの方は以下のように区分されます。年金収入とその他の所得の合計が年間280万円以上340万円未満…2割負担年金収入とその他の所得の合計が年間340万円以上…3割負担ご夫婦2人暮らしの場合は以下のとおりです。年金収入とその他の所得の合計が年間346万円以上…2割負担年金収入とその他の所得の合計が年間463万円以上…3割負担支払い開始の時期・納付方法支払い開始の時期40歳になると必ず加入しなければならない介護保険制度ですが、40歳の「いつ」から支払いが開始するのでしょうか。定義として【満40歳に達したとき】となっています。具体的には、40歳の誕生日の前日を基準とし、その日の属する月から介護保険料の支払いが開始します。6月5日が誕生日の方は、誕生日の前日である6月4日の属する月から介護保険料の支払い開始なので、6月分からスタートということになります。納付方法現在働いている世代の方の納付方法は、主に2つあります。1つは自営業者などの方で「国民健康保険に上乗せして納付」、もう1つは、会社員や公務員の方で「給料天引き」です。また、すでにリタイア後の方で公的年金を受給している方は、あらかじめ介護保険料を天引きされ、その残りの額を年金として受給します。社会保険料控除の対象納付した介護保険料は、確定申告などの場合に社会保険料控除の対象となります。社会保険料控除とは、実際に納付した全額が所得控除となります。社会保険料控除では、同一生計の配偶者や親族の分も同時に控除対象とすることができます。ただし、公的年金受給者の方で、受給している年金から天引きされている場合は、年金受給者ご本人のみの控除となり、ほかと合算することはできません。ケース1:国民健康保険加入者国民健康保険に加入している方は、介護保険料を「国民健康保険料に上乗せ」して支払います。年度の途中で誕生日を迎えた場合は、介護保険料が上乗せされた新しい納付書が送付されて手元に届きます。すでに手元に届いている国民健康保険の納付書は使わず、介護保険料が上乗せされた新たな納付書で国民健康保険料を納付すれば、介護保険料も同時に支払ったことになります。自営業者などが対象国民健康保険に加入しているのは、自営業者や、社会保険の加入条件を満たさないパートやアルバイトの方です。[adsense_middle]ケース2:社会保険加入者社会保険に加入している方は、勤務先から毎月の給与をもらう際に、介護保険料が天引きされます。会社員・公務員が対象社会保険に加入しているのは、企業や団体にお勤めの「給与所得者」の方です。健康保険料、介護保険料、厚生年金なども給与から天引きされる場合がほとんどです。毎月天引きされるため、年金や各種保険料などの滞納の恐れがないので安心です。ケース3:年金受給者年金を受給するようになれば、本来受け取る年金受給額から、あらかじめ介護保険料を差し引いた額が、2カ月に1度の年金受給日に振り込まれます。これを「特別徴収」と言います。一般的に65歳以降の年金受給者の方が、その都度介護保険料を払い込みに行く手間や負担を減らすために、年金からあらかじめ差し引く徴収方法をとっています。「特別徴収」とは言いますが、ほとんどの場合はこの支払い方法です。「特別徴収」のほかに、「普通徴収」と言う支払い方法もあり、こちらは天引きではなく払込票によってその都度払い込む方法です。一定の基準を満たせば、年金受給者の方でも普通徴収とすることができる場合もありますが、お住まいの行政に相談が必要です。払えなかったらどうなる?年金受給者の方で「特別徴収」として天引きされている場合や、社会保険加入者で「給与天引き」されている方は、毎回自動的に差し引かれているので未納や滞納の恐れはほとんどないと言えます。しかし、年金受給者の方で「普通徴収」としてご自身で払い込む方法の方や、国民健康保険加入の方で、払込票により毎回支払っている方の場合は、事情により滞納する場合も考えられます。滞納はデメリットしかない介護保険料の滞納は、デメリットしかありません。まず、本来受けられるはずの介護サービスが、一部しか利用できないことがあります。さらに、延滞金が加算されますので、当初の介護保険料よりも金銭的な負担が大きくなります。滞納は2年までであれば、延滞金を加算した額で「追納」ができますが、2年以上経つと「未納」となり、遡って追納することができなくなります。このことで、本来受けられる介護サービスに制限がかかったり、自己負担割合の引き上げ対象となります。また、高額介護サービス費の払い戻しも受けられなくなるなど、本当に介護支援が必要になったときに金銭的な負担が大きくなります。払込票で支払う方は、払込を失念しないよう気をつけましょう。国民健康保険料を納付している方は、納付書払いではなく、銀行口座からの自動引き落としを利用することをおすすめします。介護保険料をいつから払うかに関するまとめ介護保険は、40歳になったら必ず加入しなければならない制度です。国民健康保険に加入している方は、介護保険料が上乗せされた新しい納付書が届くことで、ご自身が介護保険の対象になったことにお気づきになるかと思います。社会保険加入の会社員、公務員の方は給与天引きなので通知が来てもあまりピンとこない場合もあるかもしれません。しかし、どなたでも40歳以上では必ず支払うことになっており、将来ご自身が介護サービスを受ける際の手助けとなります。介護保険料は年々上がる仕組みですので、年齢が上がれば保険料が負担になることもあるかもしれません。しかし、滞納や未納はデメリットしかありません。ご自身の将来の安心のために、払い漏れがないように心がけましょう。
2020年06月07日こんにちは、婚活FP山本です。東日本大震災以降、地震保険が気になる方が増えたようですが、同時に保険料の目安・相場が気になる方も多いといえます。加入しておいたほうがよいと頭では分かっていても、何となく安くなさそうなイメージも強いですからなおさらかもしれません。ぜひ、まずは地震保険の相場観を知っておきましょう。そこで今回は、地震保険の相場観に関することと保険料の目安をお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。地震保険の保険料相場は「都道府県」で違う都道府県で3倍以上も違うのが実情まず、地震保険の保険料相場は「都道府県」で違います。都道府県ごとに「地震リスク」が違っており、それに合わせて保険料が決められる仕組みです。ちなみに細かくも違いますが、ざっくり47都道府県を3つに区分して、それぞれで基本となる保険料が決まっています。参考までに、補償金額1000万円あたりの保険料の上位下位は以下のとおりです。ちなみにこれは、耐火性の高い住宅の場合になります。補償金額1000万円あたりの保険料の上位上位1位:2万5000円…千葉・東京・神奈川・静岡上位2位:1万7800円…埼玉上位3位:1万5500円…茨木・徳島・高知補償金額1000万円あたりの保険料の下位下位1位:7100円…岩手・秋田・山形・栃木・群馬・山梨・富山・石川・福井・長野・滋賀・鳥取・島根・岡山・広島・山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島下位2位:7800円…北海道・青森・新潟・岐阜・京都・兵庫・奈良下位3位:8500円…福島同じ補償金額でも、都道府県で3倍以上も違うのが実情です。地震保険を気にして住む場所を決める方は稀ですが、まずはこのような事情を知っておきましょう。住宅を購入するときはハザードマップも気にしよう地震保険を気にして住む場所を決める方は稀ですが、最近なら「ハザードマップ」くらいは気にしたほうが無難です。特に住宅を購入する場合は、ずっとそこに住み続けるからこその購入になりますから、できれば地震リスクも考えたうえでの購入をおすすめします。また賃貸であっても、保険料が割高なところは地震リスクが高いからこそです。しっかり地震保険には加入して、未来の地震に備えていきましょう。地震保険の保険料相場は「不動産・建物」でも違う次に、地震保険の保険料相場は「不動産・建物」でも違います。簡単にいえば「構造次第」です。建物の構造が違うと、地震や火災に対するリスクが違いますから、これも保険料に反映される仕組みになっています。ある意味で、当たり前かもしれませんが……。具体的にいえば地震保険では構造区分として、イ構造とロ構造で分けられています。イ構造には耐火建築物や準耐火建築物などが該当し、イ構造に該当しない建物はすべてロ構造という区分です。当然ながら、イ構造に当てはまる不動産のほうが保険料は割安になります。先ほどの都道府県と、この構造区分によって地震保険の基本的な保険料が決まってくる仕組みです。中には割高になる方もいるでしょうが、地震保険は大切なものですから、なるべく割高でも加入しておきましょう。木造か鉄筋造りかは火事で考えてみても違ってくる木造か鉄筋造りかというのは、火事を考えてみても違います。当然ながら木造のほうが脆く、火事になったら燃えやすいです。このため、建物の構造で地震保険でも保険料が違ってくるのは、ある意味で当然といえます。木造の戸建て住宅は根強い人気がありますし、特に地方では沢山ありますが、少しはリスクについても考えておきたいところです。最低限、しっかり保険には加入しておきましょう。地震保険の保険料は補償金額や最長5年の加入期間でも違うそして、地震保険の保険料は補償金額や最長5年の加入期間でも違います。そもそも地震保険は、基本的に火災保険の30~50%の範囲でしか加入できません。また最大でも、建物については5000万円、家財については1000万円が限度となっています。そして、地震保険は最長で5年契約ができる保険であり、契約期間を長くするほどに保険料が割安になっていく制度設計です。具体的には、1年契約を1とすると、2年契約より長いものは以下のように割引されます。2年契約:1.93年契約:2.84年契約:3.75年契約:4.6補償金額は多くするほどに保険料が高くなりますが、契約期間は長くするほどに保険料が安くなる設計です。それぞれ、十分に考えて補償金額と補償期間を決めましょう。ライフプラン上、問題ないなら最長期間で契約しよう補償金額と補償期間は、実際には特に悩むことはありません。それぞれ、「50%・5年」で契約するのが基本です。そもそも50%でも足りないのが実情ですが、法律で決まっているのですから仕方ありません。もっとも、最近では特約で100%補償を実現している地震保険も登場していますが、まだ稀です。また契約期間は、しばらく引っ越しなどをしないなら、短く契約する理由がありません。ライフプラン上、問題ないなら最長期間で契約しましょう。地震保険の保険料は「割引」でも違ってくるさらに、地震保険の保険料は「割引」でも違ってきます。具体的にいえば、地震保険の割引とは以下のとおりです。免震建築物割引(50%):建物が「免震建築物」の場合耐震等級割引(10~50%):建物が耐震等級を有している場合耐震診断割引(10%):耐震診断の結果、耐震基準を満たす場合建築年割引(10%):1981年6月1日以降に新築された建物の場合ただし、これらの割引は重複されませんから、最大でも50%割引ということになります。新しい物件ほどに、地震保険の保険料も割引される可能性が高いです。そして、新しい物件ほどに失ったときのリスクが高いともいえます。これから新築の不動産を購入しようと考えているのであれば、地震保険への加入は必須です。今は地震リスクも高まっていますから、しっかり地震保険で不動産を守っていきましょう。「新築・中古」は保険料に大きく関係しない少し注意が必要なのですが、地震保険上では「新築か中古か」は大きく関係しません。新築のほうが耐震基準などを満たしている可能性が高いですが、それでも「新築のほうが安い」は誤りです。ちなみにこの理屈は、元になる火災保険についても同じといえます。そして、地震に対するリスクについても「新築・中古」は変わりません。どちらであっても大切な生活基盤であり、失ったら大事です。どこに住んでいようと、しっかり地震保険に加入して備えましょう。[adsense_middle]年間の掛け金・保険料は「地震保険料控除」の対象になる今度は、地震保険の保険料について補足情報をお伝えします。地震保険に加入すると使えるようになるのが「地震保険料控除」です。地震保険の年間の掛け金・保険料は地震保険料控除の対象になり、具体的には以下のようになっています。地震保険料控除は、けして大きな控除ではありませんが、積み重なれば大きいです。せっかく地震保険に加入するのであれば、利用しない手はありません。しっかり利用しましょう。ちなみに地震保険は最長で5年契約ができますが、仮に5年分の保険料を一括払いしたとしても大丈夫です。その場合は、5で割った金額(1年分に換算した金額)が、毎年の控除対象となる保険料として扱われます。しっかり覚えておきましょう。保険料が気になる方への後押し制度!生命保険もそうですが、この地震保険も「公共性があり、国としても加入してほしいもの」です。だからこそ、加入を促すために地震保険料控除が設定されています。ある意味で、地震保険料控除は保険料が気になる方への後押し制度です。もっとも、地震保険の加入率は全体で3割程度、火災保険への付帯率は6割程度に留まっています。東日本大震災を経験しても、わずかしか加入率は増えていないのが実情です。そのような中ですが、地震が起きたときのことをイメージして、しっかり加入しておきましょう。住宅のタイプ別の保険料目安について最後に、住宅のタイプ別の保険料目安についてお伝えします。ここまでお伝えしてきたように、地震保険の基本的な保険料は以下の要素で決まる設計です。都道府県建物の構造補償金額と契約期間割引の数字と有無そのうえで、「東京都で建物1000万円、家財200万円、1年契約で割引ナシ」の地震保険に加入する場合は、以下が保険料の目安になります。イ構造:建物の保険料2万5000円、家財の保険料5000円、合計3万円ロ構造:建物の保険料3万8900円、家財の保険料7780円、合計4万6680円なお、最近では多くのネット損保がネット上で簡単に見積もりを取れるようにしていますから、一度試算してみることがおすすめです。また最終的な地震保険の保険料は、「特約」でも違ってきます。地震保険の基本的な保険料は各社同じですが、それでも十分に比較しましょう。保険料を気にしてマンションか戸建てかは選ばないもの先ほども少し触れましたが、一般的には保険料を気にしてマンションか戸建てかは選ばないものです。しかし、最近では地震だけでなくさまざまな自然災害が増えている傾向ですから、保険料とともに「災害などへのリスク」も考えて不動産を選ぶべき時代といえます。そして同時に、どこにどのような形で住んでいようとも保険での備えは必須です。保険料が気になるお気持ちは分かるものの、本当に被害を受けたら「保険に入っておけばよかった」と必ず後悔します。そのような未来を迎えないためにも、被災する前にちゃんと保険で備えておきましょう。相場はともかく地震保険は「加入するもの」と考えよう保険料や相場が気になる気持ちは分かるものの、ともかく地震保険は「加入するもの」と考えることがおすすめです。どうしてもためらう方は、それこそ東日本大震災を思い出しましょう。「自分だけは絶対被災しない」など、ありえません。自分にも起こることと考えて、しっかり地震保険で備えておきましょう。
2020年05月31日こんにちは、婚活FP山本です。東日本大震災のころから、少しずつ認知度が高まってきたのが「地震保険」になります。大切な家が地震で住めなくなっては大変ですから、認知度が上がるのも納得です。しかしその一方、「どの地震保険に入ればよいか分からない」という方も多いといえます。ぜひ最低限の知識を身につけて、正しく選びましょう。そこで今回は、地震保険の基本とおすすめ地震保険をお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。地震保険は「火災保険とセット」で加入する保険まずは、地震保険の基本についてお伝えします。そもそも、地震保険は基本的に単独では加入できず、火災保険とセットで加入する保険です。このため、地震保険を選ぶときには、その前に火災保険をどれにするかを選ぶ必要があります。ちなみにこの事情は、火災保険が「地震・噴火・津波」による被害を補償対象外にしているためです。これらの被害は極めて広範囲かつ大規模になりやすいため、これらを外す代わりに割安な火災保険料を実現しています。そして、地震・噴火・津波による被害を補償対象にしているのが地震保険です。まずは、このような火災保険と地震保険の関係性の基本について、しっかり知っておきましょう。格安の賃貸マンションでも加入しておいたほうが無難火災保険も地震保険も、どちらも「建物か家財、または両方」を補償対象にしています。そして、火事であっても地震であっても、被害を受ければ甚大なのが普通です。たとえ高価な家財がなくても、また一式揃えようと思えば相応の金額になります。このため、たとえ格安の賃貸マンションに住んでいる方でも、火災保険とともに地震保険にも加入しておいたほうが無難です。しっかり自分の生活を守っていきましょう。建物が壊れ、流されるような自然災害が多発中!次に、地震保険の加入の必要性についてお伝えします。これは結論からいえば、「絶対に入るべき」です。やはり東日本大震災がポイントですが、その後も大きめの地震は何度か起きており、都心部でも首都直下型地震がいわれているのが今の日本といえます。たとえ耐震性の高い物件であっても、東日本大震災では「津波」の被害も甚大でした。また台風で建物が壊れ、流されるような自然災害も多発中です。元になる火災保険も大切ですが、やはり地震・噴火・津波にも対処できる地震保険も必須といえます。もっとも、地震保険への加入世帯は全体の3割程度、火災保険への付帯率は6割程度なのが実情です。まだまだ普及していないのが現実ですが、被害に遭う前に加入しておきましょう。新築住宅や一戸建ては特に強く警戒しよう地震や火事などの自然災害は、建物を選びません。古くても新しくても、平等に被害を与えます。むしろ、新しい建物のほうが「失うリスク」が高いです。このため、新築住宅や一戸建ては、特に強く警戒することをおすすめします。たっぷり住宅ローンが残っている中で保険に加入せずに被害に遭えば、2重ローンを組むハメになるかもしれません。実際にそういう方もいますから、十分に注意しましょう。最近では単独加入できる人気の損保会社もある?今度は、最新の地震保険の事情についてお伝えします。先ほど、地震保険は火災保険とセットで加入する保険とお伝えしましたが、実は少しずつ「単独加入できる損保会社」も登場しているのが最近の事情です。必要性の観点ではセットのほうが望ましいのですが、需要は個々人によるといえます。また、そもそも地震保険は法律で「火災保険の50%まで」しか加入できません。そこで、差額の50%分を特約で加入できる地震保険も登場しています。これで、地震で家が潰れても100%の補償を得ることができますから、かなり人気のようです。一方で昔とは違い、最近の火災保険は地震保険も含めて最長10年までしか加入できません。それほど自然災害へのリスクが高まっているのが背景にありますから、ぜひ備えへの意識も更新しておきましょう。見積もりも簡単で保険料も安いネット損保も人気最近では、見積もりも簡単で保険料も安いネット損保も人気です。インターネットに慣れた方なら、人と話さなくてよい点もうれしいかもしれません。逆に、インターネットに不慣れな高齢者も多いですから、人と話して加入できる代理店型も根強い人気があります。なお、地震保険の選び方で大切なのは「比較」です。まずは「自分に必要な補償」を十分に考えて、その後は複数の地震保険を比較して最終的にどれかを選びましょう。地震保険おすすめ比較ランキング1位:ソニー損保「新ネット火災保険」ここからは、さまざまな角度で地震保険を比較し、おすすめできる保険をランキング形式でお伝えします。まずはソニー損保の「新ネット火災保険」です。ここはネット損保になり、地震保険の元になる火災保険の部分を見ても相応に優秀といえます。そしてこの地震保険は、通常なら火災保険の50%までしか加入できないところ、特約で100%補償を実現しているところが特徴的です。このような特約はまだ珍しい部類に入りますから、強めに地震に備えたい方にはうってつけといえる地震保険といえます。オリコン顧客満足度1位!この地震保険(火災保険)は、2020年のオリコン顧客満足度調査で、火災保険の部で総合1位を取っています。最終的には当人次第ですが、あなたも満足できる可能性が高い保険です。ぜひ優先的に、検討してみることをおすすめします。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。[adsense_middle]地震保険おすすめ比較ランキング2位:楽天損保「ホームアシスト」2位に挙げるのは、楽天損保の「ホームアシスト」です。ここもソニー損保と同じくネット損保になり、保険料も割安といえます。残念ながらソニー損保のような地震保険100%補償はありませんが、元になる火災保険が十分に優秀です。そして何より、この地震保険では「楽天ポイントが貯まり、使える」という特徴があります。そもそも普段から楽天を利用しているのであれば、この特徴は極めて目立つものです。楽天ポイントの恩恵を増やしたい方は、ぜひ優先的に検討してみましょう。価格.com保険アワード2020年版火災保険の部1位!この保険は、価格.com保険アワードの2020年版火災保険の部で、総合1位を取っています。楽天ポイントの特典以外にも、ハザードマップ上の水災に基づいた保険料設計をしている点が評価されたようです。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。地震保険おすすめ比較ランキング3位:SBI損保「SBIいきいき少短の地震の保険」3位に挙げるのは、SBI損保の「SBIいきいき少短の地震の保険」です。この地震保険は少し特殊なもので、火災保険とセットで加入する必要がありません。このため、極めて割安な保険料で地震に備えることができます。ただし、補償は300~900万円しか設定することができません。また火災保険がないため、地震・噴火・津波以外の自然災害などに備えられない点にも注意が必要です。一般的な地震保険は火災保険の50%までしか加入できませんから、その上乗せとして利用するとよいでしょう。SBI損保は「とにかく保険料が割安」SBI損保には「SBI損保の火災保険」もありますが、この保険は「とにかく保険料が割安」という特徴があり、人気です。一方で地震への備えを手厚くしたい場合には、別枠でこの地震保険に加入しておくと、割安とは思えない安心を得られるでしょうから、おすすめといえます。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。地震保険おすすめ比較ランキング4位:東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」4位に挙げるのは、東京海上日動の「トータルアシスト住まいの保険」です。東京海上日動はネット損保ではありませんから、基本的に契約は代理店を通します。高齢者など、ネット操作が苦手な方には特におすすめです。この保険は、無料サービスとして「メディカルアシスト」「介護アシスト」が利用でき、さらにオプションで「住まいのサイバーアシスト」などがある点が特徴的です。簡単にいえば、「手厚い補償が得られる」保険といえます。地震保険としては普通ですが、ぜひ検討してみましょう。地震にだけ備えればよいわけではない!地震保険を検討中といっても、地震補償の部分だけを比較検討すればよいわけではありません。人生は何が起こるか分からず、さまざまなリスクに対して多角的に備えておくことが重要です。そう考えると、この保険も極めておすすめといえます。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。地震保険おすすめ比較ランキング5位:セコム損保「セコム安心マイホーム保険」5位に挙げるのは、セコム損保の「セコム安心マイホーム保険」です。ここはネット損保とはいえませんが、オンラインによる見積もりや申し込みもできます。当人次第で申し込み方法を選べるのは、うれしい特徴です。そしてこの保険は、とにかく「補償設計がシンプルかつ自由」という点が特徴的といえます。基本となる補償も3種類から選ぶだけですし、特約もさまざまなものから選べる保険です。ほかに特に目立った特徴はありませんが、これはこれでおすすめといえます。「セコム」であることで得られる安心感ご存じのとおり、セコムは警備会社です。そのグループ企業であるセコム損保で備えれば、「セコムに守られている感」を得られるでしょう。地震保険は加入することで「精神的な安心感」も得られますから、このような要素も重視したい方には特におすすめです。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。地震保険で一番のおすすめは「とにかく加入すること」地震保険で一番のおすすめは、「とにかく加入すること」です。悩んだ挙句、どこにも加入しないというのは一番避けたいことといえます。本当に地震被害を受けた際、一番の後悔をするのは自分自身です。今は地震リスクも高まっていますから、ぜひどこかには加入しましょう。
2020年05月28日こんにちは、婚活FP山本です。賃貸物件で利用されがちな家財保険ですが、気になることの1つに「テレビの故障は補償されるのか」が挙げられます。保険といえば「火事など大掛かりなこと」でないと補償されないイメージもありますから、それも仕方ない見方かもしれません。ぜひこの機に、正しく家財保険を知っておきましょう。今回は、テレビの故障を主軸に家財保険の基本についてお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。テレビの故障は家財保険で補償される!まずは早速、テレビの故障と家財保険の関係についてお伝えします。結論からいえば、テレビが故障した場合は「家財保険の補償対象」です。買い替えであっても修理であっても、基本的にその費用は家財保険の契約に沿って補償してもらえます。なお、この補償には「破損・汚損」の契約が必要です。この契約さえしていれば、「不測かつ突発的な事故」の場合、テレビの故障が補償対象になります。分かりにくい場合は、「うっかり事故」と考えれば大丈夫です。うっかり壊してしまったときは家財保険を使いましょう。また、これは子供が壊した場合だけでなく、大人でも「うっかり」壊してしまった場合は問題ありません。まずは、このような家財保険の基本について、しっかり知っておきましょう。火災保険で家財も対象なら同様に補償される!そもそも家財保険とは、文字どおり「家財限定」の火災保険です。そして火災保険なら、家財に加えて建物も補償対象になっています。このため、火災保険でも同じく家財について「破損・汚損」の契約をしていれば、同じく補償対象です。もし、そのような契約をしていないのであれば、この機に加入内容を変更するのもアリかもしれません。また大昔に契約したような場合は、そもそも「自身の補償内容を知らない」ということも多いですから、一度は確認しておくことも大切です。ぜひ家財保険・火災保険を「必要なもの」として考えていきましょう。液晶割れの補償範囲と補償金額は契約次第!次は、テレビが液晶割れした場合の補償範囲と補償金額についてお伝えします。これは結論からいえば、「契約次第」です。一般的には、通常であればテレビの修理費用や交換費用、買い替え費用や付随する費用についてまで補償範囲になります。また、補償してもらえる金額は契約している「保険金額」が上限です。この保険金額の範囲内であれば、基本的に何度でも保険金を請求することができます。最近では高額なテレビも増えていますが、一般的には保険金額を上回るようなテレビは稀でしょう。なお、液晶割れに限らず、うっかり事故で「テレビが見られない・聞こえない」なら基本的に補償されます。そんなときは、ぜひ家財保険を活用していきましょう。「お支払い例」を見るか、保険会社に聞いてみよううっかり事故も含めて、事故というのは本当にさまざまなケースが考えられます。「自分の場合はどうなのか?」が分からないことも多いです。そんなときは、契約書やサイトの「お支払い例」を見るか、あるいは契約中の損保会社に直接聞いてみる方法がおすすめといえます。少なくとも、事故を起こしたら誰かが自動的に対処してくれるわけではありません。事故を起こしたときは当然に、できれば事前に自分でいろいろと調べておき、それを安心に変えていきましょう。故障の理由や免責金額の範囲内なら補償ナシここからは、家財保険の注意点についてお伝えします。すでにお伝えしたとおり、破損・汚損の対象になるのは「うっかり事故」で壊した場合です。このため、故障の理由が経年劣化だったり、わざと壊したりしたような場合は補償の対象外になります。また、「免責金額」にも注意が必要です。契約者の中には、少しでも保険料を安くしたいあまり、高めの免責金額を設定する方が少なくありません。修理費などが免責金額の範囲内なら、やはり補償してもらえない点には注意が必要です。合わせて、家財によっては元から補償対象外のものもありますし、外に持ち出して壊してしまった場合も補償対象外になります。これら「補償対象外の場合」には注意しましょう。傷や破損によっては、修理費が補償対象外?破損・汚損といっても、そのすべてが補償対象ではありません。たとえば「すり傷」程度の場合は、補償対象外です。修理したくなる程度に壊れていたとしても、その機能に支障をきたさない程度の場合は、基本的に補償対象外になります。ちなみにこの理屈は、たとえば小さな火事が原因でテレビに傷が付いたような場合も同じです。分かりやすく「テレビが壊れて見られなくなった」ような場合に、家財保険を使いましょう。保険金額の「上限」には注意が必要次は、保険金額の「上限」についてお伝えします。すでにお伝えしたとおり、保険金額の範囲内なら、基本的に何度でも保険金を請求することが可能です。しかし、1回の請求で保険金額に相当するような請求をした場合は、それをもって保険契約が終わります。しかも、この理屈は保険会社で少しずつ違っているのが実情です。たとえば保険金額の100%を基準にしているところもあれば、80%程度で「保険金額相当」と考えている会社もあります。一般的なテレビ程度なら問題ないのが普通ですが、注意は必要です。ただ一方で、そのような一度で多額の請求をしない限り、基本どおり何度でも保険金は請求できます。テレビの破損程度なら、壊れたときにはしっかり請求しましょう。2回目であっても請求は遠慮なく!中には、一度でも保険金を請求すると、2回目の請求を「しにくい」と感じる方がいます。おっちょこちょい、がめつい、わざとと思われるのでは……そのような心境からです。お気持ちは分かるものの、少なくとも黙っていては損をするだけといえます。それに、確かに保険会社も人間が運営しているものの、あくまで保険会社は「契約どおりに」対処するだけです。何度でも支払ってもらえる契約をしたのですから、遠慮なく何度でも請求しましょう。[adsense_middle]請求方法は「保険会社への連絡と見積もり」から!今度は、保険金の請求方法についてお伝えします。簡単にいえば、基本的な保険金の請求方法と流れは以下のとおりです。保険会社へ連絡…電話やネットで、保険証券などを準備しておこう必要書類が届く…保険金の請求書などが届きます必要書類を提出する…修理費用の見積もり書や証拠写真なども必要になりがち保険会社が見に来る…鑑定人による調査。これで保険金の金額が確定します保険金がもらえる…実際の修理や買い替えは、保険金が出てからやはりポイントは「必要書類を提出する」部分になります。このときには、修理費用などの見積もり書や証拠写真などが必要です。このため修理に出すような場合は、その前に壊れた部分の写真を撮っておくなどの対処が必要になります。もっとも、最終的な流れは「損保会社次第」です。まずは保険会社へ連絡をして、そのときに見積もりが必要と言われたら、それから修理業者を探しましょう。なお、修理業者選びも大切といえますから、できれば複数社を比較して決めることがおすすめです。修理不能だからと即座の買い替えには注意しよう中には、修理不能と判断して即座に買い替える方がいますが、証拠写真がないと保険金が出ないかもしれません。経年劣化で壊れたのならともかく、そうでなければ保険金が出る可能性があります。家財保険に加入しているのなら、まずは保険会社へ連絡するのがおすすめです。安物であっても、一般的にテレビは相応に「高価な家財」といえます。その費用の有無は現在の家計にも相応に影響しますし、ひいては未来にも影響しますから、自分で勝手に判断せずにダメ元で確認してみましょう。賃貸で子供がいるなら家財保険・火災保険は必須!最後に、大切な補足情報をお伝えします。テレビの故障などは筆頭ですが、一般的に大人より子供のほうがものを壊しがちです。そして自分の家財を壊した場合もですが、それ以上に他人のものや部屋という大家さんのものを壊したときには「賠償」が必要になります。「子供がやったこと」とはいえ、それで許してもらえるかどうかは相手次第ですし、金額次第です。実際、過去には子供がやったものの、親に数千万円の賠償責任が課されたこともあります。もちろん大人である親でも、不注意などでいつ何を壊してしまうか分かりません。一般的に家財保険は賃貸を借りるときに加入しますが、賃貸かつ子供がいるなら家財保険、または火災保険が必須といえます。そのうえで特約なども含めて最適な内容で契約をして、何があっても安心して暮らしていける状態にしておきましょう。今後の教育費や老後資金を考えることも大切子供が小さいうちは破損や賠償が怖いものですが、大きくなると今度は「教育費」が怖くなります。一般的な大学費用は、1人700万円程度も必要です。さらに子供が巣立った後には、「老後資金2000万円問題」も待ち受けているのが日本の現状となっています。家財保険は、補償範囲や補償金額を広く多くするほどに保険料が割高です。このため、家財保険に加入する際には「未来に必要なお金」も考える必要があります。未来に必要なお金が分からない場合は、まずその部分を自分なりに考えて調べることが出発点です。ちなみにFPに相談すれば、ライフプラン作成をしつつ家財保険も一緒に考えてくれます。必要に応じてプロのFPにも相談しつつ、貯金と補償のバランスを考えて家財保険に加入しておきましょう。テレビが故障したら家財保険を活用しよう!あくまで契約次第ですが、「破損・汚損」の契約をしているなら、テレビの故障は家財保険の補償対象になります。そして保険金は、保険金額の範囲内なら基本的に何度でも請求できるのが家財保険です。せっかく家財保険に加入しているのなら、遠慮せずに有効活用していきましょう。
2020年05月28日毎年5月は自動車税・固定資産税等、6月は住民税・国民健康保険料等の通知が届き、支払も必要な時期です。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、支払が難しい方もいらっしゃると思います。そのような場合は窓口で相談した上で、支払を猶予できる場合が少なくありません。 今回は税金や社会保険料の支払が難しい場合の対応方法をお伝えします。 まずは担当窓口がどこかを確認!5〜6月は多くの納付書が各所から届きますが、支払の相談や猶予をするためには、担当している官庁の窓口を確認する必要があります。個人に関する主な税金・社会保険料の担当官庁は以下のとおりです。【1】自動車税都道府県の都道府県税事務所・支所など【2】軽自動車税市区町村の税務課・納税課など【3】固定資産税市町村の固定資産税課・税務課・納税課など(東京都23区の場合は都税事務所など)【4】住民税(都道府県民税・市区町村民税)市区町村の市区町村民税課・税務課・納税課など【5】国民健康保険料(国民健康保険税)市区町村の国保年金課、保険年金課など【6】国民年金保険料市区町村の国保年金課、保険年金課など その他、自営業・フリーランスの方、法人を所有している方、相続や不動産の売却があった方などは、別の税が課されることもありますが、その場合は通知書や納付書に記載されている官庁の窓口に問い合わせをしましょう。 支払が厳しいと思ったときは相談を新型コロナウイルス感染症の影響だけでなく、家計が一過的に厳しくなった場合は、支出を減らすことが大切です。税金や社会保険料は窓口で相談をすることによって、支払期限を延長したり、分割にしたりすることができる場合が少なくありません。支払期限が来ていないものはできれば支払期限内に、支払期限が過ぎているものはなるべくお早めに窓口で相談することを検討しましょう。まずはお電話であらかじめ内容や持ち物の確認、訪問時間の確認をすることをおすすめします。払わないまま放置しておくと督促状が届きます。場合によっては差し押さえや国民健康保険証の利用制限がかかることもありますので、税金や社会保険料の支払が厳しくなった場合は窓口で相談しましょう。なお、猶予や分割をした場合でも、生活保護を受けるか今後も収入の見込みが立たない場合など以外には、最終的には税金や社会保険料の支払は必要になりますので(国民年金保険料は免除の制度もあるため、状況によっては支払不要の場合も)、あくまでも現時点での支払いが難しい場合のみに猶予や分割の相談を検討してください。 その他の制度・支払猶予も検討しましょう毎年支払いの必要な税金や社会保険料の相談についてお伝えしましたが、社会福祉協議会では生活費の貸付を行っています(休業の場合は最大20万円、失業の場合は最大60万円)。また、電気料金、ガス料金、水道料金、通信料金、住宅ローンの支払い、生命保険料・損害保険料の支払い、NHKの受信料なども申請することによって支払いを猶予することができる場合があります。まずは、金額の大きいもの、優先順位の高いものから確認した上で、相談や申請を検討しましょう。 5月14日には、39県で緊急事態宣言が解除され、経済活動が戻りつつありますが、新型コロナウイルス感染症の影響が始まる前の状態に戻るにはしばらく時間が掛かりそうです。できることから支払の金額を抑えて、収入が増えるまでの備えとしてください。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年05月25日「公的介護保険は本来、あまねく提供される社会保障として『平等に受けられる』というのが基本的な考えのはずです。医療は、保険証があればだれでも受診できますが、介護保険サービスは、要支援や要介護に認定されなければ利用できません。公的サービスを受けるための大事な“入り口”である介護認定に、大きな地域差が出るのは、望ましいことではないと思います」厚生労働省のデータをもとに編集部が作成した介護認定率の全国ランキング(※)を見て、こう分析するのは、介護施設のコンサルタントを請け負う「スターパートナーズ」代表の齋藤直路さんだ。介護度は、要支援1〜2、要介護1〜5の7段階に分けられており、それぞれ利用できるサービス内容や利用上限額が変わってくる。ランキングは都道府県別に65歳以上の高齢者に占める要支援・要介護者数の割合で介護認定率を算出した。上位3県と下位3県は次のとおり。■上位3県【1位】和歌山県/介護認定率:21.8%【2位】大阪府/介護認定率:21.7%【3位】愛媛県/介護認定率:20.8%■下位3県【45位】山梨県/介護認定率:15.7%【46位】茨城県/介護認定率:15.4%【47位】埼玉県/介護認定率:15.3%その結果、介護認定率がもっとも高い和歌山県と、最も低い埼玉県では6.5%、約1.4倍もの地域差が生じる結果となった。介護保険がスタートして20年。当初、自己負担分も含めた介護にかかる総費用は3.6兆円だったが、高齢化が進んで現在は10兆円以上に。介護財政はひっ迫している。「財務省からは、要支援1〜2は訪問介護や通所介護サービスを保険給付の対象外にする案も出されています。来年の法改正では見送られる公算が大きいですが、全国的に介護の費用を少なくするため、認定の抑制は始まっています」(齋藤さん・以下同)そのきっかけの一つとみられるのが、介護認定率がいちばん低い埼玉県の和光市での取り組みだ。「和光市は高齢化率がまだ高くなかった’03年ごろから介護財源が枯渇する将来を見据え、認知症カフェ等の交流の場や健康促進サービスを整え、介護が必要な高齢者を減らす“和光モデル”を始めました。介護財政の負担を軽くするために、予防に力を入れて認定率を下げるという理想的な試みですが、一方で“認定率を下げれば、財政負担が軽くなる”と、短絡的な捉え方もされるように。中心となった職員が厚労省に出向したこともあり、全国的な“認定抑制”の流れができたと感じています」広がる“認定抑止”の流れ。齋藤さんは、今後もこうした流れは強まると予想する。「’18年度から都道府県や市区町村ごとに、介護予防への取り組みを61の項目から点数評価し、点数が高い地域に交付金が分配されるようになりました。要介護状態の“維持”や“改善”も、評価基準となっています」つまり介護認定率が低く、給付費が少ないほど交付金がもらいやすい仕組みになっているのだ。その効果なのか、制度開始前の4年間はほぼ横ばいだった数字にも変化があらわれており、要支援1で“1年後に介護度が上がった人の割合”は約36%から約24%と、10%以上も低下。要支援2の場合も約25%から約17%と8%ほど下がり、どちらも“介護度が維持される人の割合”は増えている。交付金制度の開始を境に“健康維持”ができている人が増えるという不可解な現象が起きているのだ。「’18年度には、地域支援総合事業といって、より介護予防に力を入れる事業も始まっています。軽症者の介護度が上がるケースがかなり減っているのは、もちろん地域でリハビリ等の取り組みの成果もあるでしょうが、効果が出るまでには時間もかかるため、ほかにも要因がある可能性はあります」交付金の予算は、’20年度には200億円から400億円に倍増されており、“介護度が上がりづらい”傾向は強まる可能性がある。適切な認定を受けるためにはどうしたらいいのか。「審議会の際、大きな影響力を持つのが医師の意見書です。たとえ一次判定が現実の介護の必要度にそぐわなくても、意見書によって個々の事情が反映されます。介護を受ける人の状況をよく知った、信頼できる医師を見つけて、相談してみてください。また認定された介護度が実際と見合わない場合、ケアマネジャーと相談し、ときには地域によって設けられている特例を利用することも、自衛のための重要な要素といえます」※厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)令和2年1月分」をもとに作成。介護認定率は内閣府「要介護(要支援)認定率の地域差要因に関する分析」での計算方法を参考に、要支援1〜2と要介護1〜5の総数を第1次保険者数(65歳以上の人口)で割って算出。「女性自身」2020年5月26日号 掲載
2020年05月21日長くお付き合いすることになる生命保険ですが、皆さんはどのような経緯で加入されていますか?お知り合いの方、紹介、来店ショップ、ネット型など加入チャネルは多岐に渡ります。勧められるがままの保険なのかもしれませんし、1社しか見ていなければ比べようもありません。そこで今回は、FPの視点から見たおすすめの保険をランキング形式で発表していきたいと思います。今生命保険でお悩みの方、切り替えや見直しをご検討の方は最後までご一読ください。なぜ生命保険に加入するのか上記のまとめで分かるように、加入を決める場合、商品の要因が大きな割合を占めていることが分かりました。商品要因の内容として次の回答をいただいています。希望に合った生命保険だったから従来なかったような新しい生命保険だったので掛け金が安かったので民間生保の生命保険、個人年金保険は利回りがいいからこのように商品に対して求める内容が多く、安さ、目新しさ、希望に合致しているという結果となりました。4つの保険まとめ各保険会社は4つないし3つの保険を準備していて、加入する方のリスクに合わせて保険を提供しています。シンプルに考えれば、保険はどこも同じに見えるかもしれませんが、細かく比較してみると違いがいくつもあったりします。掛け金や保障内容の違いなどです。今では比較できるサイトや相談窓口、代理店などがあります。1つの保険会社に絞る前に同じ商品でも違いを比較しておきましょう。人気の生命保険会社ランキング!評判、口コミを比較します!では、ここからは私の独断で選んだ生命保険会社ランキングを発表していきます。選考の基準として、商品のラインナップ、安さ、加入しやすさといったトータルバランスで選びました。皆さんの保険会社選びの参考にしていただければと思います。[adsense_middle]第1位オリックス生命第1位はオリックス生命とさせていただきました。掛け金の安さには定評があり、口コミも多い人気ある保険会社です。保険会社のコンセプトは分かりやすさで、死亡保険、医療保険、がん保険どれをとっても保障内容が分かりやすいのが特徴です。直販も近年解禁し、保険代理店での加入も普及しており、取扱いがない代理店がないくらい人気の保険会社です。また、ネットを通じた加入も受け付けており、対面の時間が取れないという方にはおすすめの保険会社です。加入後も自分の契約はネットで管理することができ、住所変更などはネットで完了しますので担当者や保険会社へ連絡しなくても済みます。終身型、掛け捨てタイプを中心としたラインナップを揃えているオリックス生命が安い理由の1つに、掛け捨てタイプを中心に揃えている点が挙げられます。他社と比較してもシンプルな保険に加え、安さが際立っています。また、終身型の医療保険は雑誌などで毎年人気No1を獲得しているほど分かりやすい構成になっていて、保険がよく分からない方、抵抗がある方にとっては、スムーズに理解できるパンフレットの作り込みも魅力の1つでしょう。実際私もパンフレットの出来や商品内容を見ても、非常に分かりやすくできていますので入門編としてはおすすめの保険会社です。第2位ライフネット生命第2位はCMでもお馴染みのライフネット生命とさせていただきました。これまで対面重視だった保険業界に風穴を開ける保険会社として誕生し、加入はすべてネットで完結します。スマホが普及し、誰でも気軽に見積もりを取ることができ、保険料も人件費が抑えられているため、安い設定となっています。掛け捨てタイプのみの取扱いとなっているので、保険料を抑えたい方は一度見積もりを取ってみるのもよいでしょう。逆に貯蓄型は取り扱っていないので、今後のリリースに期待したいところですね。安さの評判は高いですが、加入する際は相談相手になる担当者がいませんので、事前に保険に関する知識を持った上で加入に臨んでください。10秒見積もりでご自身の保険料をチェックライフネット生命の特徴としてはいつでもどこでも、スマホやパソコンがあれば簡単な見積もりを取ることができます。CMでもお馴染みになってきましたが、自分の年齢だったらいくらするのか、という疑問にすぐに答えてくれるシステムは画期的だと言えます。最近ではこの見積もりシステムを他社も導入し始めていて、ライフネット生命特有とまでは言えなくなりましたが、キャッチフレーズが耳に残りますので思い出しやすく、馴染みやすい保険会社ですね。第3位チューリッヒ生命3位はチューリッヒ生命とさせていただきました。外資系でライフネット生命同様、ネットを通じた加入形態となっていまして、医療保険、死亡保険、がん保険と網羅しています。特にがん保険は目を見張るものがあり、掛け金の安さだけでなく、保障内容も通院に特化した内容で最近の治療事情にマッチしています。タバコを吸わない方向けの安くなる死亡保険もラインナップに含まれており、通常の死亡保険と比較しても同じ保障内容であれば、掛け金が約18%近く安くなります。健康志向が高まっている昨今、タバコを吸わない方向けの保険商品の開発は各社進められていて、チューリッヒ生命はネット型で実現させました。評判、口コミも高く、誰でもアクセスできる点で3位とさせていただきました。自動車保険でお馴染みの保険会社が生命保険に参入元々チューリッヒ保険会社として、1986年に日本支店として東京に損害保険事業を開設。その後1996年に生命保険事業に参入しました。「ハローチューリッヒ」でCMを流し、耳に残るフレーズで認知を高め、今では自動車保険、生命保険ともにネット型を代表する会社にまでなっています。同じネット型のソニー損保と比べると生命保険取扱いの商品数が多く、業界内でも抜群の保障内容と噂されているがん保険はまさに看板商品といったところです。第4位メットライフ生命4位にメットライフ生命がランクインとなりました。メットライフは外資系の保険会社ですが、何度か社名が変わっており、アリコジャパンからメットライフアリコ、そして今のメットライフ生命になっています。日本での操業は古く1954年には日本に支店がありました。今ではスヌーピーを使ったCMを展開し、昼間のTVCMではお馴染みとなっている保険会社です。とにかく商品のラインナップが豊富で4つの保険はもちろん、外貨建て商品も取り扱うマルチな保険会社となります。貯蓄タイプの保険も多数取り扱っており、かなり広いニーズに応えられる保険会社です。他社と比較すると、掛け金が若干高いということで僅差ではありますが、第4位とさせていただきました。貯蓄タイプの保険は業界随一メットライフの主な特徴は、貯蓄タイプの保険が多数あることです。医療保険にしても貯蓄タイプ、掛け捨てタイプとあり、円建て、外貨建て商品も多数取り扱っています。外資系だけあって外貨建て(米ドル建て)保険の開発は得意なようで、外貨建て保険を取り扱う少ない保険会社の1つです。ドルに抵抗がない方は、一度見積もりをご覧になってみるのがよいでしょう。外貨建ては死亡保障を大きく持つことができる保険でもあります。また、ドルでお金が貯まっていく仕組みもあるので、海外にご縁のある方はお考えになってもよいのではないでしょうか。[adsense_middle]第5位アフラックアヒルのCMで有名なアフラックを5位にしました。アフラックはがん保険NO.1と謳っていますが、なにもがん保険だけでなく、医療保険、死亡保険、個人年金も取り扱っている保険会社です。取扱い窓口も多数あり、通販でも保険に加入することができます。誰もが知っていてラインナップも豊富なので、比較の際には一度検討してみるのもよいでしょう。保障を自由に選択できる最近CMでもやっていますが、医療保険やがん保険に加入した際、先々で特約を付けたり外したりすることで、見直しの自在性のある保険をリリースしています。加入者にとっては他社への切り替えなどしなくてもいいですし、家族構成や環境が変わったときに自由に見直せるのもポイントです。がん保険に目が行きがちですが、医療保険も充実していますので一度ご覧いただければと思います。生命保険のおすすめランキングに関するまとめ今回は生命保険のおすすめランキングということで、私の独断のランキングで解説してきました。ランキングに入ったのはネットに強い会社となりましたが、いずれも会社の規模もしっかりとしているのでおすすめです。加入チャネルは違ってもご自身の知識がしっかりとあれば担当者の言いなりにはなることはないでしょう。今回の記事をご覧になってものさしを持った上で保険を選んでくださいね。
2020年05月20日こんにちは、婚活FP山本です。住まいに必要な保険といえば火災保険が一般的ですが、ほかに「家財保険」というものがあることをご存じでしょうか。イマイチ聞きなれないかもしれませんが、実は知らないうちに加入している方も多い保険です。どうせならしっかり知っておき、必要な機会に役立てていきましょう。そこで今回は、家財保険の基本とおすすめ家財保険をランキング形式でお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。家財保険とは賃貸向けの保険料が安い火災保険まずは、家財保険の基本についてお伝えします。家財保険とは、簡単にいえば「家財に限って備える火災保険」です。より一般的な火災保険なら、家財だけでなく建物への被害にも備えられますが、家財保険は文字どおり、家財だけが補償対象になっています。この家財保険の使い道は、代表的なものとしては「賃貸向け」です。賃貸物件を借りている方なら、建物については大家さんが火災保険をかけていますが、賃借人の家財までは補償されません。このため、賃借人が自分の家財を守るために加入するのが家財保険です。なお、家財保険は家財しか補償対象になりませんから、火災保険と比べて保険料も安いものになります。まずは、このような家財保険という存在をしっかり知っておきましょう。賃貸や借家なら一人暮らしでも必要となる一概にはいえませんが、最近では賃貸マンションや借家などを借りる際に、この家財保険(賃貸保険などともいう)への加入を大家さんから求められる傾向です。少なくとも、賃借人にとっても必要といえますから、借りる際にはしっかり加入することをおすすめします。なお、「高額な家財などない」場合でも、火事で改めて一式を揃えるとなると高額になることが多いです。いつ誰が被害に遭うか分かりませんから、しっかり加入しておきましょう。加入する際に覚えておきたい「2つの賠償特約」次に、家財保険の補償内容についてお伝えします。ひとまず家財保険でも、一般的な火災保険と同じく火災を筆頭に、風災や水災、水濡れや盗難などといった生活上のリスクに備えられる点は同じです。そして、「どこまで補償するか」が悩ましい点も同じといえます。加えて家財保険には、以下の2つの賠償特約があるのが特徴的です。なお、特約の名称は少し違うこともあります。日常生活賠償特約:「他人」に対する賠償責任に備える特約借家人賠償特約:「大家」に対する賠償責任に備える特約日常生活賠償特約は火災保険などでも一般的ですが、借家人賠償特約は家財保険ならではです。そして、大家さんから見てこの特約が必要だからこそ、借りる際には家財保険への加入を促されることになります。もし自分が火事を起こしたら、この特約で償うわけです。加入する際にはしっかり覚えておきましょう。持ち家や分譲マンションでも加入を検討すべきかも?持ち家や分譲マンションでも、火災保険が不十分というケースも往々にしてあります。加入当初は十分だったものの、長年の生活で家財が増えるというのは実に普通のことです。そういう意味では、持ち家や分譲マンションでも加入を検討すべきかもしれません。また最近では、個人でも高額な賠償責任を負うことが増えつつあります。日常生活賠償特約もかなり重要な時代ですから、ぜひこの機に家財保険への加入を検討しましょう。選び方の基本は見積もりなどを比較すること今度は、家財保険の選び方についてお伝えします。これは結論からいえば、「見積もりなどを比較すること」です。これは火災保険や生命保険なども含めて、保険選びの基本中の基本といえます。最低でも2つ、できれば3つ以上を比較し、納得して加入するのが基本です。もっとも、家財保険は家財だけが補償対象ですから、補償金額も保険料も本当に割安になります。このため、火災保険ほどには違いが見えにくいかもしれません。しかしそれでも、無料サポートなどが異なることもありますから、やはり十分に比較することが大切です。なお、最近ではネット損保も増え、見積もりもネットで簡単に取ることができます。特に新規に加入するときには存分に比較するために、多くの家財保険を見比べてみましょう。戸建てやアパートなど物件の特性も考えよう加入を考える際には、戸建てやアパート、立地など物件の特性も重要になってきます。家財だけとはいえ、補償範囲を広げるほどに保険料が割高です。たとえば、マンションの高層階なら「水災」を抜くといったこともできます。場合によっては、火災保険と同じく「ハザードマップ」を見て考えるのもおすすめです。自分に必要な補償をしっかり考えて、そのうえでピッタリと思える家財保険を探しましょう。家財保険おすすめランキング1位:楽天損保「リビングアシスト」ここからは、筆者がおすすめする家財保険をランキング形式でお伝えします。まず1位に挙げるのは、楽天損保の「リビングアシスト」です。「楽天」とあるとおり、ここは楽天グループの損保会社になります。この家財保険の一番の特徴は、「保険料を楽天ポイントでも支払える」という点です。普段から楽天を利用している方なら、もっとも使いやすい家財保険かもしれません。また「カギのトラブル」など5種類の無料サービスもありますから、幅広くおすすめできます。ネームバリューによる安心感がよい?楽天は、日本国内なら知らない方がいないほど有名な会社です。好き嫌いはあるでしょうが、普段から楽天を使い、楽天を信用している方なら、やはりネームバリューによる安心感はうれしいところといえます。家財保険も楽天なら、同じく信用できるのではないでしょうか。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。[adsense_middle]家財保険おすすめランキング2位:日新火災「お部屋を借りるときの保険」2位に挙げるのは、日新火災の「お部屋を借りるときの保険」です。ちなみに日新火災は、東京海上グループに属する損保会社になります。日新火災を知らない方でも、東京海上なら聞いたことくらいあるのではないでしょうか。この家財保険の一番の特徴は、家財保険なのに「被害事故法律相談費用等」も補償対象にすることができます。簡単にいえば、何らかの被害を受けて弁護士に相談・依頼する場合も、その費用が補償対象です。この特徴がうれしい方も多いかもしれません。弁護士に相談することは「普通にある」かも?一般の方にとって、弁護士は馴染みのある存在ではありません。しかし家財保険の補償対象となるさまざまなリスクも、「いつ起こるか分からず、起こっても不思議はない」ものばかりです。弁護士費用は高額になりがちですから、あるとうれしい補償といえます。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。家財保険おすすめランキング3位:ジェイアイ傷害火災「リビングサポート保険」3位に挙げるのは、ジェイアイ傷害火災の「リビングサポート保険」です。知名度は高いとはいえないかもしれませんが、この家財保険も十分におすすめできます。なお、保険料としては1位や2位より少し割高かもしれません。この家財保険の一番の特徴は、シンプルに「手厚い補償」です。補償範囲がほかの家財保険より手厚く・手広くなっています。さらに家財保険としては珍しく、無料サポートの中に「医療相談」も含まれているのが特徴的です。保険料より補償が気になる方にはおすすめといえます。「手厚い補償」は魅力的?たとえば、こちらの家財保険では「弁護士費用」について、自分が加害者のときでも相談料が補償されます。加入するときには保険料が気になるものですが、リスクに備えることも重要視すべきかもしれません。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。家財保険おすすめランキング4位:チューリッヒ少額短期「ミニケア-賃貸保険-」4位に挙げるのは、チューリッヒ少額短期の「ミニケア-賃貸保険-」です。名前から想像できるでしょうが、ここはチューリッヒ保険のグループ会社になります。コロナ騒動で知名度を上げたチューリッヒですから、知っている方も多いかもしれません。この家財保険の一番の特徴は、補償内容そのもの以上に「会社の知名度」といえます。家財保険も「事故時の対応」を気にする方が多いので、意外と知名度も大切です。もちろん補償内容も、他社と特に遜色ありません。ぜひここも、選択肢の1つに入れてみましょう。コロナ騒動を知れば気になるかも?チューリッヒは日本でコロナが広がった際、いち早く全社員を対象にテレワークを実践した会社です。以前から大規模災害を想定し、準備をしてきた結果となります。本当に「先見の明がある会社」かもしれません。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。家財保険おすすめランキング5位:ジャパン少額短期「新すまいRoom保険A」5位に挙げるのは、ジャパン少額短期の「新すまいRoom保険A」です。ここは一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、ジャパンベストレスキューシステムという1部上場会社の子会社になります。この家財保険の一番の特徴は、「ルームシェアOK」という点です。1つの保険で、同居する方も補償されるというのはうれしい特徴といえます。また入居者の代わりにオーナーが契約することもできるというのは、少し珍しい特徴です。ルームシェアする方にはうれしい保険そもそも誰かとルームシェアする方自体が稀といえますが、最近ではまだまだシェアハウスなども一部の方に人気があります。このような保険があるのは、実に喜ばしいことです。気になる方は、以下の公式サイトを見てみましょう。ともかく家財保険には「加入」するのがおすすめともかく、家財保険には「加入」するのがおすすめです。大家さんからも促されるでしょうが、少なくとも加入しないという選択肢はないといえます。保険料が気になる方もいますが、それで万一のことが起これば大事です。どれかには加入して、最低限の備えをしていきましょう。
2020年05月20日