昨今、さらに活気づいている文学界。若くして評価を受け、第一線の作家として書き続ける青羽悠さんと日比野コレコさん。“今”を生きながら、物語を紡ぎ続けるふたりが語り合う、物語を生み出すこと。そして、影響を受けてきたものを紹介します。青羽悠:日比野さんと僕は3歳違いですよね。僕が2000年生まれで、日比野さんが2003年生まれなので。日比野コレコ:今、大学院生ですか?青羽:そうです。歳は近いけれど、触れてきた文化は違うかも。僕は中高生の頃は現代小説ばかり読んでいたので、より広い文化を摂取するようになったのは大学に入ってからなんです。日比野さんのデビュー作の『ビューティフルからビューティフルへ』は、自分が触れてきた小説や音楽やいろんな文化を全部ぶち込んでいて、「かっけー!」って思った。日比野:私は青羽さんの小説を読んで、めっちゃ客観的に自分を見ている人だなと思いました。私はあまり自分に対して客観的な見方ができていなくて。今の自分の小説は“自分まみれ”だと思う。もっと進化しなくちゃ駄目だなって。青羽:そこは書いているものが僕はエンタメ系、日比野さんは純文学系という違いもあるかも。僕はもともと構造を作るタイプだけど、日比野さんみたいにもっと人間性を出さなきゃなと思っているところです。でも『ビューティフル~』も、ちゃんと構造と展開がありますよね。3人の主要人物がいて、それが入れ子のようになっていて、最後に「そういうことだったのね」というものも提示される。――おふたりはどういう作品に影響を受けたのでしょう。日比野:現代文学が好きですか。青羽:僕はエンタメを読んできたんです。最初に「小説って面白いな」と思ったのは伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』で、構造も言葉も好きでした。次に衝撃を受けたのが東山彰良さんの『流』。そのふたつが高校時代強く心に残ったかな。大学に入ってからはもう少し広がって、ジョン・アーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』の、出会いにしろ別れにしろ日常で僕らが劇的に感じるものを煮詰めることで現実を超えるところが、めちゃくちゃいいなと思ったりして。そのあたりから構造以外のところにも目がいくようになりました。去年読んだ本では町屋良平さんの『ほんのこども』がすごく良かった。「小説は本当の嘘だから本当に似るけれど、現実は嘘の本当だから本当じゃない」みたいなことを言っていて、そうだよなと思って。日比野:私も現代文学は読むんです。乗代雄介さんとか。でも今まで積み上げられてきた古典の文学がめっちゃあるから、それを先に読まないと、って思ってしまうんです。青羽:分かる。僕は小説の形は出尽くしていて、今の時代の自分たちはそれを改良していくことしかできないんだろうなとは思ってる。そこは意見が分かれるかもしれないけれど…。日比野:確かに出尽くしているけれど、それでも私は新しいものがないとは思ってなくて。青羽:文体の発明は増えているのかな。島口大樹さんの『遠い指先が触れて』の三人称がぐるぐる混ざっていく感じはあんまり見たことなかったし。日比野さんが好きな古典ってなんですか。日比野:フリオ・コルタサルの『石蹴り遊び』、アンドレ・ブルトンの『ナジャ』、ジョルジュ・バタイユの『空の青み』、ヘンリー・ミラーの『北回帰線』。それに最近加わったのが、ハインリヒ・ベルの『道化師の告白』、ジョイス・マンスールの『充ち足りた死者たち』。詩だと『ルバイヤート』とか。青羽:『ルバイヤート』はそれこそ古典だ(笑)。読書遍歴が分厚いなあ。日比野:分厚くないですよ。図書館で面白そうなものを選んでいるだけで、体系的な知識もないし。青羽:いま挙がった本は何か共通点があるわけではなく?日比野:ただただ好きな作品です。でもどれも言葉が好き。私は小説の構造を読み解くのはあまり得意じゃなくて、言葉に惹かれる部分が大きいんです。友達と小説について話していても、「誰々が死んだ場面でさー」と言われてもいまいちピンとこなくて、「何々って比喩があったところ」と言われたほうが分かる。青羽:言葉や表現単体で「いい」と思うのか、それとも、その言葉にたどり着くまでの文脈も含めて「いい」と思うのか。日比野:ものによるかも。詩とか小説だと文脈でも読むし、短歌とか俳句とか都々逸とか川柳とか広告コピーやったら、その言葉一つで見ることが多いし。青羽:僕は段落とかの単位で読んで、そこに滲む熱量を感じたいのかも。そういう読み方をしていると、書き手が明らかにゾーンに入っているエリアがあるのが分かる。僕も自分の小説に意図的にそういうエリアを入れようとしています。日比野:私もそういうエリアを広げようと頑張ってます。青羽:『ビューティフル~』はまさに冒頭からそうだった。主要人物たちがどういうキャラクターか提示されてないのに、ぐんぐん読めたのは、熱量があったから。青羽さんの新作『幾千年の声を聞く』千年単位で人々の営みを描いた力作。舞台は巨大な〈木〉がそびえる伝説の土地。村の少女、学者、旅人など章ごとに主人公が替わり、また、章が進むたびに数百年単位で時が進み、宗教の誕生、科学の進歩、他国との争いや政治的混乱が描かれていく。やがて、〈木〉にまつわる、驚くべき真実が明かされて…。一人一人の人生の物語を浮かび上がらせながら、文明の興亡を俯瞰する大作。日比野さんの新作『ビューティフルからビューティフルへ』言葉の力で絶望を希望に変える3人の高校生。学校で自分を偽りながら受験勉強に精を出すナナ、ナナとは別の学校に通う恋愛体質の静、静の同級生で、反骨精神を内に秘めたビルE。日常に息苦しさを抱える3人が、ひょんなことから「ことばぁ」と呼んでいる老婦人の家に通い、奇妙な宿題を出されては提出するように。言葉を自在に操りはじけさせ、独自の世界を広げた一作。あおば・ゆう(写真右)2000年生まれ。高校在学中の’16年、『星に願いを、そして手を。』で第29回小説すばる新人賞を歴代最年少で受賞。他の著作に『凪に溺れる』『青く滲んだ月の行方』『幾千年の声を聞く』。現在、京都大学大学院に在学。ひびの・これこ(写真左)2003年生まれ。’22年、高校在学中に書いた『ビューティフルからビューティフルへ』で第59回文藝賞を受賞。ペンネームは「日々是好日」をもじったもの。『文藝』2023年秋季号で第2作「モモ100%」を発表。現在、大学1年生。※『anan』2023年8月9日号より。写真・仲尾知泰インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2023年08月08日京都市内の観光に慣れてきたら、観光客のにぎわいから離れ、地元で人気が高いツウな名所へ。今回は、平安時代に貴族の別荘地として愛され、春は桜、秋は紅葉で彩られる「嵐山」をご紹介します。外国人観光客も多く、一年中にぎやかな嵐山。けれど表通りから少し入れば、隠れた名所・名店と出合える。夏こそおすすめしたいのが、屋形船。予約なしでも、気軽に貸し切りにできて、船頭さんに誘われ、ゆるりと船遊び。新たな角度から嵐山の自然に親しめ、自分たちだけのプライベート感を楽しめるのもうれしい。愛宕街道や宝筺院にもぜひ足をのばして、嵯峨野の静けさと美しさを満喫。さらに、旅行者が集まる場所だからこそ、おいしいもの、こだわりのものを発信したいというお店も実はあちこちに。嵐山は深く知るほど楽しい。散策の際に、ぜひ訪れてほしいのがこちらのスポットです。■コーヒーショップ ヤマモト1969年創業、愛され続ける自家焙煎コーヒー店。種類豊富なコーヒーはもちろん、メニューも絶品揃い。つきっきりで丁寧に四方を焼いていく、フレンチトーストはしっとりふわふわ。卵のシンプルなおいしさに感激必至。Aランクを使った和牛カツサンド(1300円)も知る人ぞ知る名作。家族で受け継ぐ味と雰囲気を、常連さんにまじって満喫したい。フレンチトースト550円。ジャムやメープルシロップも添えられるけれど、まずはそのままで。特選ブレンド520円。接客も温か。右京区嵯峨天龍寺瀬戸川町9TEL:075・871・44547:00~19:00(18:00 LO)第2・4木曜休■嵐山通船屋形船を貸し切り、人ごみを離れ、小さな船旅へ。川べりに迫る緑はそのほとんどがモミジ。水面すれすれを行く感覚がたまらなく気持ちよく、自然の中に溶け込んでいくような開放感。4mの竿一本であやつる船頭さんの腕にホレボレし、売店船でおだんごやおでんを楽しむこともできて大充実。思い出に残る、贅沢なひとときに。「北乗り場」右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町「南乗り場」西京区嵐山中尾下町TEL:075・861・03029:00~16:00無休(12/31・1/1、3月の第2火曜、12月の第3火曜休、大雨・増水・強風の場合は欠航)乗船料2名まで30分3500円、1名追加1100円■テトラミリュー姉妹で手がけるテキスタイルブランドのショップ&カフェ。京都に由来するモチーフは、くわい、広沢池の葦、雁の群れなど、ありきたりでなく、奥嵯峨に育った二人らしい視点で。京都の染め屋さんの手作業で生まれる、にじみやむらも愛おしい。ポーチやクッションなど、おみやげにしたい雑貨と出合え、スムージーやスペシャルティコーヒーも楽しみ。右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町9-1TEL:075・468・166811:00~18:00(17:30 LO)月~木曜休(臨時休業あり。営業日はで確認を)※『anan』2016年7月13日号より。写真・仲尾知泰取材、文・宮下亜紀
2016年07月10日少し足をのばして、京都の街中から小さな旅へ出ませんか。緑にあふれ、清らかな水が流れるそこは、別世界。今回は、心静まる美しい寺院と原産の新鮮野菜を楽しめる「大原」をご紹介します。京都駅からバスで1時間ほど、比叡山山麓に広がる大原は京の里山。無農薬栽培に取り組む農家も多く、日曜早朝に開かれる朝市は料理人も買い出しにやって来る。とれたての味は格別、そのときどきの野菜をぜひ味わって。三千院をはじめ、自然の中にたたずむ美しい寺院も数多く、里山を歩いてめぐる時間もまた楽しい。地元の人たちが畑仕事をする姿と出会い、足もとの小さな野花に気づき、だんだんと心が澄み渡っていきます。山奥深くで変わらず続く暮らし、丹誠込めて作られた土地の恵み……、京都の豊かさの一端を、実感できる旅に。大原を堪能できる、オススメスポットはこちら。■来隣(きりん)大原の野菜を気軽に楽しんでもらえる場を作りたいと、野菜ソムリエでもあるオーナーが手づくりの味で楽しませてくれるカフェ。おすすめは、大原野菜たっぷりのブッフェと選べるおにぎり5種のセット1500円(税込み)。サラダやお惣菜、お味噌汁まで、季節の地野菜が盛りだくさんに揃い、おなかも気持ちも満たされる!左京区大原来迎院町114 TEL:075・744・223911:30~夕暮れ火曜休■三千院最澄が比叡山延暦寺東堂に開いた一院が始まり。簡素なたたずまいが美しい往生極楽院には阿弥陀三尊像が安置され、平安時代から続く厳かな祈りの場に感嘆。阿弥陀如来の両側、観音菩薩と勢至菩薩のやや腰を浮かした大和坐りも見どころ。あじさい苑も人気で7/14まであじさい祭開催。今年は開花が早かったのでお早めに。左京区大原来迎院町540TEL:075・744・25318:30~17:00(閉門17:30)、12/8~2月は9:00~16:30(閉門17:00)拝観料700円■宝泉院三千院参道の奥、声しょうみょう明発祥の地といわれる勝林院の塔たっちゅう頭寺院。客殿から見る庭は「額縁庭園」とよばれ、竹林越しに大原の山並みが広がり、自然と一体になるような眺め。樹齢700年の五葉松の風格ある姿にも心を動かされる。拝観すると抹茶とお菓子がいただけ、心ゆくまで庭と向き合えるのもうれしい。春秋にはライトアップと演奏会(料金等はHP確認)も。左京区大原勝林院町187TEL:075・744・24099:00~17:00(受付終了16:30)拝観料800円(抹茶付き)※『anan』2016年7月13日号より。写真・仲尾知泰取材、文・宮下亜紀
2016年07月10日おとぎ話のような幻想的な写真が人気で、世界中に15万人ものフォロワーを持つわかめらさん。彼女の名が世に知れ渡るきっかけとなったのが、金環日食をモチーフにした作品。「その日はみんなが金環日食の写真を撮影していたので、同じものを出しても面白くないなと思って、遊び半分で光の輪を婚約指輪に見立てた作品を作って投稿したんです。それが瞬く間に世界中に拡散!インスタのフォロワーが一気に1万人も増えました(笑)」そこからわかめらさんの人生は一変。「一緒に作品を作る仲間と出会えたり、写真集やカレンダーのオファーが舞い込んだり、うれしい変化が続々!趣味で始めたインスタがこんな結果を招くなんて、想像もしませんでした」そんなわかめらさんが、インスタグラムに投稿するときに気をつけているポイントとは?■光のアプリでドラマティック感をUP独自のファンタジー感を演出するのに欠かせないのが、エフェクトアプリ。「キラキラとした光は『Pic FX』、逆光風に仕上げる時は『LENS Light』を使用。プラスすることで、よりドラマティックな一枚に仕上がります」■シルエットを効果的に使う「シルエットだと表情や顔の造形が見る側に伝わらないので、作品全体をより客観的に見てもらえるような気がします」。逆光で撮影した写真を補整アプリ「Snapseed」でシャドウ風に加工するのがわかめらさん流。■世界時計でフォロワーの時間を確認iPhoneの世界時計を使って主要国の時間をチェックし、投稿時間を設定。「世界のどの地域にいる人たちにもオンタイムで写真を届けるのが目標。私の場合は21~22時頃にアップすると、大きな反応が得られます」◇わかめらインスタグラム@wacamera。フリーカメラマン。趣味で始めたインスタグラムで写真の加工をスタート。浮遊写真で人気のインスタグラマーhalnoさんとのコンビで作り出すファンタジー感溢れる写真をはじめ、幻想的な作品が世界中のファンを魅了。※『anan』2015年12月16日号より。写真・仲尾知泰文・下川あづ紗
2015年12月12日日本の道100選にも選ばれる哲学の道は、京都を代表する、散歩道。南禅寺や永観堂禅林寺から銀閣寺までを結ぶ、魅力的なコースです。疎水沿いに石畳の道がつづき、ずっと桜の木が寄り添う。満開に咲いた春はもちろん、夏の緑も、秋の紅葉も見事。小さなお地蔵さんたちと出会ったり、品の良いうつわ屋さんを見つけたり、道々の思いがけない発見にもときめきます。哲学の道をちょっと北へはずれて、自然が身近に感じられる、安楽寺や法然院のある通りを歩くのもおすすめ。また最近、注目のお店がオープンラッシュの浄土寺エリアもすぐそば。「くろだにさん」と呼ばれて親しまれる金戒光明寺から、紅葉の名所でもある真如堂や吉田神社、はたまた、平安神宮や美術館のある岡崎エリアへ向かっても。ルートに縛られず行ってみたいところを目指し、気の向くまま散歩を楽しんで、自分の目で「京都らしさ」を発見する。新旧さまざまな出会いが待っている、歩いてこそ楽しいエリアです。■南禅寺鎌倉時代、亀山法皇の離宮を無関普門が禅寺に改め開山。石川五右衛門の「絶景かな」で知られる三門は、眺望はもちろん、柱越しに見る屏風絵のような緑も絶景。紅葉の水路閣もロマンティック。左京区南禅寺福地町868:40~17:00、12/~2/28は~16:30(受付終了は閉門20分前)12/28~31休拝観料 方丈庭園500円、三門500円■金戒光明寺法然が結んだ草庵が始まり。五劫思惟(ごこうしゅい)阿弥陀仏像がアフロ仏像の愛称で人気に。運慶作、文殊菩薩像の凛々しい姿も必見。左京区黒谷町1219:00~16:00拝観料志納11/1~12/6秋の特別公開 御影堂・大方丈・庭園600円、山門800円、セット券1200円夜間拝観(御影堂・大方丈・庭園)800円(17:30~20:30)■銀閣寺喜み家名物の豆かんは塩っ気も食感もほどよい赤えんどう豆、なめらかな寒天、波照間島の黒糖で作るまろやかな黒蜜が抜群のバランス。シンプルに堪能するもよし、アイスクリームや白玉をのっけて楽しんでも。冬場の京風白味噌雑煮も心待ちにするご贔屓多し。店主の北村礼子さんの美意識を感じる名店。左京区浄土寺上南田町37-110:30~17:30不定休※『anan』2015年11月4日号より。写真・仲尾知泰文・宮下亜紀
2015年11月01日はじめての京都でまず訪れるのが、きっとこの「清水寺~祇園」エリア。清水の舞台で知られる世界遺産・清水寺から、情緒あふれる二年坂、三年坂の石段を歩いて、不意に現れる八坂の塔に感嘆し、華やかな花街・祇園まで……。散策するだけでも華やかな気分になれる、京都らしさがぎゅっと凝縮された、魅惑のコースです。散歩の道中、おなかがすいたらひと休みは地元っ子に愛されるお店を訪ねてみて。常連さんと肩を並べ、まるで暮らしているみたいに、ふだんの京都も味わってみましょう。■祇園ねぎ焼かな 東店横に長い鉄板カウンターで常連さんに交ざってアツアツを頬張るのが楽しい鉄板焼き店。名物のねぎ焼きはたっぷりの九条ネギと柔らかジューシーなスジ、紅生姜が抜群の相性。この時季は牡蠣もぜひ。昼から深夜までの営業時間もうれしい。東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町47812:00頃~20:00火・水曜休■グリル冨士屋大正12年創業、3代目が昭和40年代にまだ珍しかったオープンキッチンのカウンターに。「おうちでも洋食を作ってみてほしくて」と奥様。いいとこ取りの洋食弁当、自家製コールドビーフで作るメキシコサラダなど、誠実な味に感激。東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町47812:00頃~20:00火・水曜休■祇園NITIかき氷が人気のカフェが、夜はバーに。甲部歌舞練場そばの路地奥、元お茶屋の風情がより際立ち、外国人旅行者や舞妓さんが居合わせることも。ちょっと特別な祇園の夜を。東山区祇園町南側570-8カフェ11:00~18:00 、バー19:00~翌2:00カフェ水曜休、バー日・祝日休(連休の場合は最終日のみ休)※『anan』2015年11月4日号より。写真・仲尾知泰文・宮下亜紀
2015年11月01日紅葉で色づく神社仏閣、秋の味覚をふんだんに味わえる懐石料理…。秋の京都の王道は数あれど、各方面で活躍するあの人がおすすめする、思い入れたっぷりなお店の一品は、また特別!京都初心者にも京都通にもマストな、魅惑のリスト大公開です。■肉割烹 安参(やっさん)の「テールスープ」/武智志穂さん(モデル)京都案内の本を出すほど京都通の武智志穂さん。彼女が「人生一度は行ってほしい」と一押しするのが、祇園にある昭和23年創業の肉割烹『安参』。赤提灯が目印のこちら、肉好きの間では言わずと知れた名店で、メニューは肉の刺し身、煮込み、焼き物のみといたってシンプル。テールを3日間煮込んで作られるスープは昆布だしで和風に仕上げ、具は生姜とワカメに山椒をパラリ。「あっさりしていて、上品な味がお気に入りです」清水焼の抹茶茶碗で供されるテールスープ¥800(税込み)肉割烹 安参東山区祇園町北側347 TEL 075・541・966618:00~22:30日・祝日休■中村藤吉本店の「生茶ゼリイ 抹茶」/矢野未希子さん(モデル)「抹茶が大好き」と矢野さんが足を運ぶのは、1854年創業の宇治にあるお茶の老舗『中村藤吉本店』。店舗奥には明治・大正期の建物をリノベーションしたカフェが併設されており、お茶屋ならではの上質な茶葉を使ったスイーツが味わえる。「抹茶が濃くておいしい」と絶賛する生茶ゼリイは、抹茶ゼリイのほのかな苦み、もっちりとした白玉、粒あんと抹茶アイスの甘み…と多様な食感と味わいが絶妙。最後まで食べる手が止まらない。竹筒の器で味わえるのは本店だけ。¥740(税込み)中村藤吉本店宇治市宇治壱番10TEL0774・22・7800カフェ11:00~17:30(17:00LO)無休■三嶋亭の「みぞれ鍋」/JUJUさん(歌手)学生時代を京都で過ごしたJUJUさん。「秋は神社仏閣巡りにもいい季節。一人で街を歩くだけでもうっとりできる京都、最高です」。すき焼きで知られる老舗『三嶋亭』のみぞれ鍋は、実はこの時期だけ登場するメニュー。5代目が「体が温まるヘルシーな鍋を」と10年ほど前に考案。寒くなると甘みが増す蕪のすりおろしを和風だしに加え、しゃぶしゃぶの要領で味わう。だしに黒毛和牛の旨みが溶けだし、じわり体に染みるおいしさ。知る人ぞ知る季節限定メニュー。1人前¥11,880(税込み)三嶋亭中京区寺町三条下ル桜之町405TEL075・221・0003水曜(祝日は営業)、1月1日休。11~12月は無休11:30~22:30(21:00LO)※『anan』2015年11月4日号より。写真・仲尾知泰文・江角悠子
2015年10月28日