弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十六夜の2本目は夏にぴったりな特別ゲストを迎えての残暑に合う酸っぱみ特集。2本目は、さっぱりとした飲み口ですっきり系のお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十六夜2本目は、かわいいラベルと味のギャップを楽しむ「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」。秋田県横手市にある阿櫻酒造の挑戦ともいえる1本。協会77号酵母を使い、12度という低アルコールを実現。かわいいラベルが目を引く。「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」720ml 1485円(税込・ひいな購入時価格)/阿櫻株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「酸っぱみ特集2本目は、こちらです!」ナツ・サマー(以下、サマー)「り、りんごちゃん?」父・徹也(以下、テツヤ)「名前からして『リンゴ酸です』って主張してるね」サマー「かわいいイラスト!」テツヤ「でも、りんごは入っていないんだよね?」名前はりんごちゃんですが、お酒にりんごは入っていません!ひいな「そう、酵母の力でリンゴ酸になってるんだけどね」テツヤ「どこの蔵?」ひいな「秋田県横手市です!」テツヤ「このラベルだと、俺が買っていくのちょっと勇気いるな。日本酒なのに、どうしてりんごなの?って絶対聞かれるよな」ひいな「そこから会話を広げていくには、リンゴ酸を知らないといけないよね」テツヤ「協会77酵母がね、リンゴ酸をね……ってね」ひいな「秋田だし、りんごって思っちゃうよね」サマー「『もぎたて』って書いてるから果汁が入ってるって思っちゃいそうですね」ひいな「ラベルからイメージするのとは、ちょっと想定外の味だと思うからお楽しみに」今回もキンキンに冷やしてワイングラスでいただきます!では、みんなで乾杯!りんごちゃんは、一体どんなお味ですか?一同「乾杯!」テツヤ「ん?」サマー「ん?」ひいな「ねぇ、この酸って、乳酸っぽくない?」テツヤ「うん、乳酸な感じするね。名前、間違ってない(笑)?」ひいな「これ飲んだ時、ヨーグルトの水分(ホエイ)みたいな感じしたんだよね」サマー「あぁ、ヤクルトっぽさも感じるかも」テツヤ「乳酸菌飲料みたいなね」ひいな「さわやかな酸味のある香りがあって、味は乳酸感あるよね」テツヤ「このラベルからこの味は想像できなかったな」サマー「りんごを想像してました」テツヤ「こんなに匂わせしといてさ(笑)」ひいな「ギャップがあるよね。このお酒を選んだ理由がね、わりと食事に合いやすいんじゃないかなと思って。ずっと飲み続けられるリンゴ酸のあるお酒ってどんなんだろう?って思って、そしたらこれかなって。飲食店だとウケると思うな。この味とラベルのギャップがね“おじウケ”する感じっていうか(ライター注:“おじさんウケする”の略)」テツヤ「おじウケ?何それ、初めて聞いたんだけど(笑)」ひいな「(笑)」テツヤ「確かに俺もすごい好きな味だよ。飲んでるとね、だんだんフレッシュ感を感じる」ひいな「あ、やっぱり、おじウケしてる」サマー「してます、してます(笑)」テツヤ「りんごの先入観があったけど、いい酸だよ」サマー「さわやかだから、グイグイいけちゃいますね」「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」に合わせるのは「まるごとカマンベールチーズのシャインマスカットジャムのせ」。トースターで焼いたあと、胡椒と塩を振りかけて。とろ〜り仕上がりました。ひいな「まるごとカマンベールチーズです!」サマー「わぁ〜!!!」テツヤ「とろけてる〜!」サマー「おいしそう〜!」テツヤ「まるごとって、こりゃ贅沢だね」ひいな「1個1200円のカマンベールで、品川駅に入っているチーズ専門店〈フェルミエ〉で買いました。トースターでまるごと焼いて、シャインマスカットのジャムをつけていただきます」サマー「えぇ!素敵!」テツヤ「そういえば前も、カマンベール食べたよな」ひいな「干し柿に入れたね」テツヤ「あれ、うまかったね」ひいな「シャインマスカットとモッツァレラチーズの組み合わせもやったね」テツヤ「そうそう。やっぱりチーズとフルーツは合うんだな。それにワインじゃなくて日本酒を合わせてるのが、新鮮だよね」ひいな「これはね、飲んで食べて、飲んで食べてって繰り返してほしい」熱々チーズをいただきます!テツヤ「まず、サマーさんからどうぞ!」サマー「飲んで食べて、ですね。う〜ん!おいしい!」ひいな「よかったぁ。最初、りんごを煮詰めたものと合わせてみようかなと思ったんだけど、いまいち合わなくて。シャインマスカットがいいかなと思ってジャムを探してみた」テツヤ「さっきのホエイとか乳酸みたいなの味だから、チーズと合うってことだよね」ひいな「そう、そこを合わせてみたよ」テツヤ「シャインマスカットのジャムなんてあるんだね」サマー「贅沢!」ひいな「はちみつでも合うと思うよ」テツヤ「こないだいただいたはちみつあったよな。マヌカハニー」サマー「わ、さらに贅沢!」飲んで食べて、飲んで食べて。これはもう、エンドレス!テツヤ「完全にワインだよね。この組み合わせと酸の感じは」ひいな「甘み足すとおいしいね。しょっぱ甘い感じ」テツヤ「この日本酒がさ、きれいに流してくれるね。だからもう一口ほしくなる」ひいな「チーズフォンデュに入れる白ワインみたいな感じかな。甘みが少ないお酒だから、はちみつとかジャムの甘さを欲するよね」ナツ・サマーさんの曲をBGMに、長く飲めるさわやかなお酒は夏にぴったり!ひいな「前に日本酒度の話したの覚えてる?マイナスになればなるほど辛口で……」テツヤ「え?辛口になるんだっけ?」ひいな「あ、間違った。甘口だった」テツヤ「そうだろ?」ひいな「プラスになればなるほど辛口になるんだけど」テツヤ「すごい度数のやつあったよな。−70とか。(ライター注:第46回『ゆすらもも』です)」ひいな「1本目に紹介した『きのえねアップル』は−18度なの。これは+1度」テツヤ「+ってことは辛口なんだな」ひいな「日本酒の平均の酸度は1.6度っていわれてるんだけど、このお酒は2.5度もある」テツヤ「さっぱりとした辛口で、酸味が強めってことだな」サマー「ひいなちゃんに蔵の方のインタビューをしてみてほしいな。どうしてこのラベルなのかとか、『もぎたてりんごちゃん』の由来とかも聞いてほしい」テツヤ「秋田県に取材に行かないと!」ひいな「『阿櫻』ってお酒は、またタイプが違ってお燗がおいしいお酒を出してるの。いつか行ってみたいな」ひいな「サマーさんは、普段、どういうお酒を飲まれるんですか?」テツヤ「バイスサワーです」ひいな「ちょっと、勝手に答えないで(笑)」テツヤ「酸だから」サマー「そうですね。だいたいキンミヤでレモンサワーが多いですね(笑)」ひいな「ナツサマーさんまで(笑)」テツヤ「今日は音楽もかけてるから、このまま生中継してみんなに見てもらいたいいよね」ひいな「港町のご出身だから、やっぱり海に合う曲がお似合いなんですね」サマー「おしゃれな海じゃないですけど(笑)。漁船が行き交う海ですよ」テツヤ「それこそ、日本の海じゃない(笑)!サマーちゃんの曲と日本酒とチーズ。合うわ〜」サマー「おうちで聞いて、ぜひ残りの夏を楽しんでください!」ひいな「このお酒、アルコール度数が12度で低めだからいいよね。ゆったりお昼から飲むにも」テツヤ「あとはカマンベールチーズとジャムを用意してもらって。ナツ・サマーちゃんの曲があれば完成!」サマー「さっぱりしてるから、やっぱり夏に合いますね」ひいな「ぜひみなさんもお試しあれ!」次回は9月6日(日)更新【ひいなのつぶやき】飲むだけでさまざまな情景を想像できるすばらしい1本です! 冬の名物りんごを、夏にどうぞ!!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年08月30日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十六夜は夏にぴったりな特別ゲストを迎えての残暑に合う酸っぱみ特集。1本目は、夏疲れした体が欲する酸味のあるお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十六夜1本目は、リンゴ酸の酸味でさわやかな「純米吟醸生酒 きのえねアップル」から。千葉県印旛郡にある飯沼本家の人気商品。リンゴ酸のほどよい酸味が飲みやすく、日本酒初心者にもオススメ。「純米吟醸生酒 きのえねアップル」720ml 2200円(税込・ひいな購入時価格)/株式会社飯沼本家父・徹也(以下、テツヤ)「ひいな、その金髪、意外と似合ってるね」娘・ひいな(以下、ひいな)「そう?夏だしね」テツヤ「いいね」夏なので、金髪にしてみました!ひいな「ねぇ、日本酒の好きな傾向っていうと何?」テツヤ「何だろうな。もうこの連載で50本以上飲んできたけど、やっぱり酸味の立った味が自分には合ってるなって思う」ひいな「ね。やっぱり酸味でしょ?だから今回は、残暑対策、酸っぱみ特集です!」テツヤ「そりゃ、うれしいね。でも、ただ酸っぱいのはイヤだよ」ひいな「大丈夫、“おいし酸っぱい”の用意してるから安心して。ただの酸味特集にしなかったのには理由があって。酸味には5種類あるの」テツヤ「え、5種類もあるの?」ひいな「そう。乳酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸ってあるんだけど、今回はリンゴ酸に着目してみたよ!今週から3週にわたって、同じ酵母を使った違う蔵のお酒をご紹介します」テツヤ「その酵母がリンゴ酸のお酒をつくるんだな」ひいな「そう。協会77号酵母って言うの。その酵母で醸したお酒は、全体の酸のなかの60〜70%をリンゴ酸が占めるみたい」テツヤ「なんだか難しいことはよくわかんないから、とりあえず飲んでみよう(笑)」おや?ゲスト登場!?テツヤ「あれ?誰か来たよ?」ひいな「夏が来た?」テツヤ「まだまだ夏は終わらないからね!というわけで、シンガーのナツ・サマーちゃんです!」ナツ・サマーさん!伊藤家へ、ようこそ!ナツ・サマー(以下、サマー)「ナツ・サマーです!お酒の香りに引き寄せられて遊びに来ちゃいました」ひいな「お会いできてうれしい!」テツヤ「こないだ、ナツ・サマーちゃんのニューアルバム『葉山ナイツ』を撮影したのがご縁でね。夏といえばナツ・サマーでしょ」サマー「ありがとうございます!」ひいな「お酒はお好きなんですか?」サマー「はい。実は、実家が愛媛の港町にある酒屋なんです」ひいな「へぇ!行きたい!」テツヤ「そりゃいいね。愛媛のお酒も置いてあったり?」サマー「はい、ちょこっと置いてあります」ひいな「この間、四国特集した時に、愛媛の『伊予賀儀屋』ってお酒を紹介したところだもんね」テツヤ「そうだったけね(笑)。ねぇ、これなんて読むの?」ひいな「甲子林檎と書いて、『きのえねアップル』と読みます」サマー「すごくかわいい!」テツヤ「こんなきれいな瓶なかなかないよね」サマー「お酒によって、グラスも変えたりするんですか?」ひいな「はい、このお酒はワイングラスで飲んでほしくて」では、3人でいただきます!リンゴの味はしませんのであしからず。ワイングラスで香りを堪能。一同「乾杯!」テツヤ「ニューアルバム発売、おめでとうございます!」サマー「ありがとうございます!」テツヤ「うわぁ。すごくフレッシュだね!」サマー「ジューシー!」テツヤ「リンゴ酸っていうから、なんか勝手にシードルのイメージだったけど、全然違った。日本酒なんだから当たり前か(笑)」ひいな「お米しか入ってないからね(笑)」サマー「飲みやすいです。シードルよりも」テツヤ「微発泡だね。夏はやっぱりこういうさっぱりしたやつ飲みたいな」ひいな「キンキンに冷やしてね。あぁ、おいしい!」テツヤ「伊藤家が好きな酸っぱみだね」ひいな「でしょ?これに合うおつまみを持ってくるね!」サマー「楽しみ!」「純米吟醸生酒 きのえねアップル」に合わせるのは、さっぱり「春雨サラダ」。ひいな「春雨サラダにしてみたよ。細切りのリンゴが入ってたりするけど、今回リンゴはなしにして、このお酒を飲んで完成するみたいなイメージで。味付けにはリンゴ酢を使っています」テツヤ「おいしいよね。春雨サラダって」サマー「いただきます!」テツヤ「食欲なくても食べられちゃうよね」サマー「おいしい!酸っぱいお酒にぴったり」テツヤ「こりゃ、うまい、うまい」ひいな「食べたら、一口お酒も飲んでね」サマー「わ!口の中で完成した!」テツヤ「うん。合うね。これは、いくらでもいけるな」ひいな「フィッシュ&チップスと合わせてもいいんじゃない?ってアドバイスもらったりしたんだけど」テツヤ「ビネガーかけるもんな」ひいな「そうそう。でも残暑だし、さっぱりと仕上げてみました」お酒もグイグイ進みます。テツヤ「これ、なんか油入ってる?」ひいな「うん、ごま油」テツヤ「なんか、ごま油が合ってる気がする」ひいな「酸っぱいお酒飲んだら、油を欲するって確かにあるかも。日本酒あるある」テツヤ「そうなんだ、間違ってないんだな」ひいな「このお酒、油と合わせるお酒じゃん!って口の中がなるんだと思う」テツヤ「流すものがないとな」ひいな「リンゴ酸の酸っぱみっていうのは乳酸とかとは違ってさらっとしてるから」サマー「この春雨サラダ、辛子と合わせたらおいしそう」ひいな「あ、絶対合う!」テツヤ「春雨バージョンの冷やし中華みたいにね」特別ゲスト、ナツ・サマーさんのおかげで、伊藤家に夏が来た!ひいな「今回、協会77号酵母を選んだ理由はね、私が単にファンだからなの」テツヤ「このお酒は、協会77号酵母の酒ですってわかるものなの?」ひいな「好きなお酒を調べてみたら、協会77号酵母だったっていう感じかな」テツヤ「聞いたことないもんな」サマー「私も、初めて聞きました」テツヤ「ラベルに酵母名まではなかなか書いてないもんな」ひいな「協会77号酵母を使ったお酒のなかで、このお酒が一番華やかなお酒だと思うな」テツヤ「なるほど、同じ酸味でも蔵によってぜんぜん違うんだね」ひいな「あと残り2本は、どんな味のお酒か、お楽しみに」テツヤ「ナツ・サマーちゃんの曲かけようよ」ひいな「うわ〜夏だ!なんだか、ここが葉山の海の家みたいな気がしてきた(笑)」テツヤ「『葉山ナイツ』って感じだな」サマー「ありがとうございます」テツヤ「森戸海岸じゃなくて、一色海岸のほうね(笑)」(ライター注:ニューアルバム『葉山ナイツ』は夕暮れの一色海岸で撮影されました)ひいな「ナツ・サマーさん、どうでしたか?」サマー「夏にぴったりで、とってもおいしかったです」テツヤ「これは夏に最高なお酒だな」サマー「瓶も涼しげで、ステキですし」テツヤ「地元だと、お酒にどんなおつまみ合わせたりするの?」サマー「鯛とかタコとか白身魚が多いですね」テツヤ「お父さんも、お母さんも晩酌してた?」サマー「母親はしてましたね。父親は飲めないんですよ」テツヤ「そうなんだ。商売的にはそのほうがいいよね(笑)」ひいな「酒屋さんで飲めない方って多いですもんね」サマー「港町なので、親戚もみんな漁師とかなんですけど、私が小学生の頃、登校時間ってちょうど軽トラで魚を売りにいくところで、甘エビを口にほおりこまれたり(笑)」テツヤ「今だったらうれしいけど、いい迷惑なんでしょ?(笑)」サマー「その頃は(笑)」テツヤ「おいしいものを食べて育ったんだねぇ」サマー「お肉を食べる機会はあんまりなくて、魚が多かったですね」ひいな「ご実家にいつかお邪魔したい!」サマー「ぜひぜひ」次回は8月30日(日)更新【ひいなのつぶやき】暑さを吹き飛ばすのにもってこいの「きのえねアップル」はキンキンでどうぞ!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年08月23日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十五夜の4本目は、米のふくよかな旨みが存分に味わえる高知のお酒から。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十五夜の4本目は、高知のお酒のイメージを覆す濃厚さ「久礼 純米あらばしり生酒」。高知県にある最古の酒蔵「西岡酒造店」の米のふくよかな旨みと、あらばしり特有のフレッシュさも感じられる純米酒。「久礼 純米あらばしり生酒」720ml 1375円(税込・ひいな購入時価格)/有限会社西岡酒造店娘・ひいな(以下、ひいな)「最後は高知です!『久礼(くれ)』っていうお酒です!」父・徹也(以下、テツヤ)「いよいよ、高知まで来たね!」ひいな「高知県高岡郡中土佐町の久礼(くれ)っていうところにあるんだって。最寄駅はJR土佐久礼駅だそうです」テツヤ「あれ?“くれ”って高知だっけ?」ひいな「呉は、広島県だね」テツヤ「そうか。“くれ”違い」「久礼」と書いて「くれ」と読みます。ひいな「前に『土佐しらぎく』を紹介したけど、ほかにも『酔鯨』とか『南』とか『文佳人』とか高知のお酒っていろいろあるんだけど、すっきり系のお酒が割と多いイメージがあって、それを覆すのが『久礼』なの」テツヤ「ということは、すっきり系じゃないってことなのかな?」ひいな「まずは飲んでみてもらって、かな」徳利からおちょこへ。やっぱり日本酒はこうでないと!テツヤ「久々じゃない?徳利から注ぐの。風情がいいよね」ひいな「一味違う気がするよね」テツヤ「やっぱり日本酒もさ、空気に触れると味が変わるからでしょ?デキャンタと一緒だよね」ひいな「うん。ボトルは冷蔵庫でしっかり冷やしておいてね」テツヤ「久しぶりだね、差しつ差されつって感じ」ひいな「ね。夏酒はグラスが多かったから」テツヤ「乾杯しましょうか!」テツヤ&ひいな「乾杯!」いただきます!一口飲むと、その香りにうっとり!お酒をしっかり味わいつつ、おつまみを想像中。テツヤ「わ、これはなんとも華やか!かつ、コクがある!純米大吟醸?」ひいな「純米生酒って書いてあるから純米酒だね」テツヤ「しみじみ、おいしいねぇ。旨みがすごい」ひいな「今までの高知のお酒のイメージを覆すでしょ?」テツヤ「これは、冷蔵庫にあるイカの塩辛と合わせたい」ひいな「ちょっと!私の考えたおつまみがあるんだけど」テツヤ「ごめん、ごめん」ひいな「久礼っていうところは、土佐の一本釣りの町として有名なんだって」テツヤ「かつおか!」ひいな「だから、かつおとぴったりなんだと思う」テツヤ「わらで焼く本場のやつな」ひいな「いいね、いいね。でも今回はあえて、意外なものを紹介したくて」テツヤ「ひいなのことだから、驚く組み合わせなんだろうね。かつおじゃないなら、何を合わせるのかな〜」ひいな「お楽しみに!」「久礼 純米あらばしり生酒」に合わせるのは、肉汁たっぷりの「ハンバーグ」!大きめに切った玉ねぎがポイント。ジュワっとあふれ出す肉汁が!ひいな「なんと、ハンバーグです!」テツヤ「え、この酒に?」ひいな「そう、肉汁を合わせたくて」テツヤ「なんと美しいかたち!ハンバーグの見本みたいなかたちだね。赤ワインじゃなくて、この日本酒っていうのがね、たまんないね」ひいな「たまねぎは粗く切ってあるよ。コショウを振って召し上がれ」テツヤ「ハンバーグってデミグラスのイメージだけど」ひいな「今回はシンプルにソースなしで」テツヤ「わわわ、なんでこんなに肉汁出てくるの?」ひいな「これはね、料理家の広沢京子さんの『嫁入りメシ』のレシピで作ってみたよ」噛むと口の中にも肉汁があふれる〜!テツヤ「うまい!しっかり肉の味がする!」ひいな「広沢さんのはデミグラスソースなんだけど、塩を強めにして、最後にコショウっていうシンプルな味付けににしてみたよ」テツヤ「肉と日本酒とも合うねぇ。ワインっぽくも感じるし、塩ハンバーグがうまいわ」ひいな「この純米の濃いあらばしりには、肉汁メインのハンバーグを合わせることできれいにマッチングするかなと思って。大人の肉料理って感じがするよね」テツヤ「いや、相当うまいよ。このお酒を〈マルディグラ〉の和知さんとこ持ってこ!肉と日本酒の組み合わせをもっと広めたい!」ひいな「よかった」テツヤ「この酒、まあまあ濃いよね」ひいな「その濃さが、お肉に合うんじゃないかな」テツヤ「うん、ぜんぜん負けてない。ハンバーグの肉汁と旨みにぴったり」ひいな「かつおもまぐろも赤身だけど、肉も合うってことだね」テツヤ「俺もさ、最近、麻婆豆腐作りにハマって、すごい上達したんだよ。ステイホーム期間中、いろんな人に配達して食べてもらったりしたんだけど。濃厚さでいえば、このお酒にも合うんじゃない?」ひいな「うん、合うと思う。ひき肉と麻婆の辛さにも負けないお酒だと思うよ」テツヤ「よし、今度合わせてみよう!」バラエティ豊かな日本酒を飲みながらの四国めぐり。いよいよ完走!ひいな「有楽町にある東京交通会館の〈むらからまちから館〉でこのお酒を見つけたんだけどね、日本全国の日本酒が200本くらいそろっててすごく楽しかった!しかも、この『久礼』のあらばしりが通年買えるらしくて」テツヤ「へぇ。日本酒の流通って前より増えてるのかな?」ひいな「前よりはいろいろな銘柄を見るようになったよね。アンテナショップに行けば地元のお酒がたくさんそろってるしね。前より手に入りやすくなってるかも」テツヤ「そりゃ、いいことだ」ひいな「この西岡酒造店はね、高知県最古の蔵って言われてて、創業が1781年だって!」テツヤ「え、いま何年だっけ?」ひいな「2020年(笑)。約240年くらい前になるなんだけど、フランス革命が起こるよりも前にはじまったってすごいよね」テツヤ「まじか!そう考えるとすごいな」ひいな「しかも、高知といえば坂本龍馬だけど、龍馬が生まれたのは1836年なの」テツヤ「龍馬が生まれるよりもずっと前に、この蔵が生まれたってことか。すごい歴史があるんだね」ひいな「高知のお酒っていい銘柄がたくさんあるけど、このお酒はこれからも推していきたいな」テツヤ「今回は、日本酒で四国めぐり、楽しかったね!お酒飲みながら最高だったな。すごく旅してる気分になれた」ひいな「またやろう!いつかは現地に行って飲みたいね」テツヤ「ね。早く旅したいね」次回は一週お休みで8月23日(日)更新【ひいなのつぶやき】高知県のお酒、そして四国のお酒、素晴らしいお酒がたくさんあります!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年08月09日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十五夜3本目は、思わず姿勢を正したくなる愛媛のお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十五夜の3本目は、日本酒らしさを感じる正統派「伊予賀儀屋 純米吟醸 無濾過 黒ラベル」。愛媛県の成龍酒造の人気銘柄「伊予賀儀屋(いよかぎや)」。“酒は料理の脇役なり”をモットーにしており、食事との相性は抜群。「伊予賀儀屋 純米吟醸 無濾過 黒ラベル」720ml 1375円(税別・ひいな購入時価格)/成龍酒造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「3本目は愛媛のお酒『伊予賀儀屋』です!」父・徹也(以下、テツヤ)「愛媛ってさ、ひいなが四国で最初に行った県だよね」ひいな「そう。小学5年生の時に、しまなみ街道を渡って広島の尾道から愛媛までね。あの家族旅行で初めて四国に上陸したんだよね」テツヤ「懐かしいねぇ。あの時は日本酒飲めなかったもんな」ひいな「もう飲めるようになったから、行きたいねぇ。このお酒はね、前情報なしで飲んでもらおうかな」テツヤ「お、じゃ、いただこうかな!」テツヤ&ひいな「いただきます!」大きめのおちょこでたっぷりと!ゴクリとひとくち!酸味が良い感じ!ひいな「きれいな酸味って感じしない?」テツヤ「上品!なんかね、正座して飲んでもいい感じがするね」ひいな「わかる、わかる」突然、正座しようとする父・テツヤ。ほんとに正座しました(笑)。テツヤ「こんなね、立膝ついて飲んでちゃいけない感じ。そういう酒だよね」ひいな「思わず、正座しちゃったね」テツヤ「背すじがスーッと伸びる感じ。なんかさ、一見さんお断りな感じじゃない?」正座になって、気合いを入れ直し!ひいな「わかる。姿勢を正したくなるよね。蔵としてはね、米の旨み重視でバランスよく仕上げ、春先には常温、夏は冷やして飲んでもOKだって」テツヤ「米の旨みもちゃんとあって、ほんとにおいしいお酒だな」ひいな「おいしいし、美しいよね」テツヤ「なんか伝統みたいなのも感じるし、正統派ってことなのかな。造ってる過程は知らないけど、俺のイメージはものすごく正しい感じがするね」ひいな「うんうん。なんか前にね、四国のお酒って言ったら、だいたいが高知のお酒が出てくるの。だから、四国のお酒のイメージって、高知のお酒の淡麗辛口のさっぱりしたお酒になりがちなんだけど、コクがあるお酒を飲んでみたくて、飲食店でお願いしてみたらこのお酒が出てきて、度肝を抜かれたの。金沢の料亭とかで出てくるような品と、米のおいしさが素晴らしいなと思って。『伊予賀儀屋』にはラベルがいろいろあって、ほかにも青とか赤とか。この黒ラベルは純米吟醸なんだって」テツヤ「あんまり日本酒飲んだことないけど、日本酒らしい日本酒を飲んでみたいっていう時にこれが出てきたら100点!っていう感じだよな」ひいな「うん、とても日本酒らしい日本酒かもしれないね」テツヤ「海外の人に紹介するなら、真っ先にこれを飲んでほしいよね」ひいな「うん。そしたら、きっとお酒っておいしい!って思ってもらえると思うな」「伊予賀儀屋 純米吟醸 無濾過 黒ラベル」に合わせるのは、トマトの香草パン粉焼き。ひいな「『伊予賀儀屋』に合わせるのはね、なんとトマトの香草パン粉焼き by ツレヅレハナコさん!」テツヤ「おぉ、ツレハナさんか!イタリアンだねぇ」ひいな「そう、本の中にトマトの香草焼きのレシピがあって」テツヤ「ツレハナさんはさ、きっと朝からハイボールで合わせてるんじゃないかな(笑)」ひいな「今回は日本酒で(笑)。ツレハナさんのレシピを少し改良して、カゴメのケチャップを少し足してみた」テツヤ「え?トマトにケチャップも?」ひいな「そう。パン粉とケチャップを合わせたものをのせて焼いてみました!」テツヤ「いただきます!うん、うんまい!トマトってさ、すごい水分出るじゃない?よくここまで水分抑えたね。ギュッと旨みが詰まってる」ひいな「トマトはオーブンで空焼きしてある」テツヤ「どうして日本酒にトマトだったの?」ひいな「ひんやり冷たいこのお酒にトマトが合うなと思って。焼いてあるトマトのほうがジューシーになるから合わせてみようかと」テツヤ「焼くと甘みが増すよね」ひいな「お酒とのマッチングはどう?」テツヤ「このお酒がとにかくうますぎて(笑)。でも確かに、トマトの酸味と合うし、バジルの香りや苦味がお酒とも合ってる気がする」ひいな「よかった。補完してる感じなのかも」トマトと合う日本酒っていうことは、ほかのどんな食材でも合う万能酒!テツヤ「一家に1本、このお酒があるとしみじみ楽しめるし、使い勝手がいいだろうね」ひいな「“一家に1本あったら”のお酒がどんどん増えて大変(笑)」テツヤ「うちのセラーももう一杯だからね。いや〜でもこのお酒は本当にいいお酒だよ。何にでも合うと思うし、誰も嫌だって言わない感じがする。全国模試で1位とか取るような、地頭がいいヤツって感じかな。昔は、愛媛の殿様も飲んでたんじゃない?」ひいな「優等生だね(笑)」テツヤ「黒ラベルに金文字っていうのも、自信を感じるよね」ひいな「蔵としては、飲み飽きせず、飲み疲れしない酒質で、肩の力を抜いて飲める一本だってラベルに書いてある。食としての相性を第一に考えて醸されていて、熟していく感じも魅力的なんだって」テツヤ「さすがだな。すばらしいお酒!」ひいな「日本酒ってさ、高知が一番有名で、他の県ってあんまり知られてないんだよね。だから四国にもまだまだいいお酒はあるんだよって紹介したかった」テツヤ「いや〜優秀だったよ。焼いたトマトに合うっていうことは、もう何にでも合うっていうことだよな。これ以上、突飛な料理ないじゃない?酸味と甘みがこんなに強い料理、他にあんまりないもんね」ひいな「確かにそうかも」テツヤ「オールマイティな日本酒!」ひいな「それこそ、お魚にも合うと思うし」テツヤ「だからこそ、今っぽい1本なのかもしれないね。いろんな枠を飛び越えてる感じがする」ひいな「絶賛だね!」テツヤ「このお酒はレベル高いよ!本当に素晴らしい!」次回は8月9日(日)更新【ひいなのつぶやき】飲み込むと、思わず背すじが伸びるような品の良さを日本酒で表現されていることに感動しました!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年08月02日弱冠22歳で唎酒師の資格を持ち、Hanako.tokyoで日本酒連載「伊藤家の晩酌」を担当する日本酒大好き娘・伊藤ひいなが、今回は日本酒〈久保田〉に合うおつまみ作りに挑戦。人気居酒屋シェフが考案した、フライパン不要・和えるだけ・漬けるだけ・チンするだけの簡単レシピと、それぞれのおつまみに合わせたペアリングをご紹介します。「サバ缶の梅肉白和え」×「久保田 碧寿」今回は自家製のジューシーな梅干しを使いました。酸っぱさ重視の梅干しよりも、少し蜂蜜が入っているくらいのやや甘めの梅干しがお酒との相性は抜群です。砕くピーナッツは多めにしておくとトッピングにも使えて便利!サバもピーナッツも細かくしすぎない大胆さがお酒を後に引き立ててくれます。サバの水気を取って梅干しを叩いてピーナッツ入れて完成!と、ものの5分で出来たこの料理にコツなどいりませんでした。強いて言えば、ポイントはサバの水気を取る時に皮と血合いを擦らないようにすること。サバの周りの柔らかさが梅干しとの繋ぎになってくれます。【材料(1〜2人分)】・サバ缶(水煮):1缶(120g)A:・マヨネーズ:大さじ1と1/2・ピーナッツ(粗めにくだく):20g・梅干し:1個【作り方】1.サバ缶を汁と身に分け、キッチンペーパーで身の水分を軽くふき取る。2.梅干しは種を取り除き、包丁でたたく。3.ボウルにサバ缶の身、Aを入れ、混ぜ合わせ、器に盛り付ける。お好みで砕いたピーナッツをちらす。このペアリングを名付けるなら「酸味の同調」!「碧寿」の山廃仕込みの乳酸菌由来の独特な酸味と、マヨネーズと梅干しの柔らかな酸味が良いコンビとなっていて、サバの臭みも消してくれます。そこにピーナッツの香ばしさがコクに繋がり、お料理とお酒の無限ループに。お料理を食べるとお酒の杯が進む。そこには、あえて細かくしなかったサバやピーナッツの噛みごたえが関係しています。お酒を飲み込んだ後にシャープながらもしっかりと残るコクがお米を感じさせてくれて、お酒であるのに噛みたくなるような感覚を覚えます。お酒を噛みサバを噛む感覚......。クセになります!「サラダチキンと菜の花のバジルマヨネーズ」×「爽醸 久保田 雪峰」サラダチキンはしっかりと水気を取って、マヨネーズや蜂蜜などをしっかりと馴染ませることでお料理の質をさらに高めてくれます!今回は季節の関係で菜の花ではなくアスパラガスとオクラを使ってみました。野菜を切る時にしか包丁を使わないというのはすごく楽ちんなレシピ!サラダチキンにも色々な種類がありますが、ここであえてプレーンを使うことがポイント。和える時にドライバジルと黒胡椒を入れることで、バジル風味のサラダチキンを使った時とは違う風味の立ち方をしてくれます。【材料(約2人分)】・サラダチキン(プレーン):1枚(120g)・菜の花:120g・お好みのパン:適量A-オリーブの実(種抜き/半分に切る):8個分-マヨネーズ:大さじ2-酢/はちみつ:各小さじ2-ドライバジル/粗挽き黒こしょう:各小さじ1/2-塩:少々【作り方】1.サラダチキンはキッチンペーパーで表面の水分をふきとり、手でほぐす。2.菜の花は3cm幅に切り、キッチンペーパーにくるみ水にくぐらせる。耐熱皿に入れ、ラップをかけて電子レンジ(600w)で1分30秒加熱する。粗熱が取れたら水分を絞る。3.ボウルにAを入れ、混ぜ合わせる。とを加えて和え、器に盛り付けてピンクペッパー(適量:分量外)を散らす。4.お好みでカットしたパンに適量のせ、ピザ用チーズをかけ、オーブントースターで表面に焼き色がつくまで焼き、ピンクペッパーを散らす。まず初めはチキンだけで1口。次にパンに乗せてもう1口。バリエーションを楽しめるこのお料理は飲み飽きしない雪峰をさらにグレードアップさせるペアリングに。感動したのはマヨネーズ×蜂蜜のマッチング!なめらかなマヨネーズに酢と蜂蜜を加えることで、味わいも伸びやかなまろかやさに。雪峰の品のある香りと味わいが蜂蜜の風味に繋がりお酒とお料理の垣根を無くしてくれます。また、雪峰のアルコール度数は14度という低アルコールなのもチキンの風味を壊さず、お互いを生かす関係性だと感じました。オリーブの香りがアクセントとなり、フレッシュで香り高い雪峰の中にある、さらに隠れた香りを引き出します。アスパラガスやオクラの食感も楽しいので大きめにカットが正解。こんがり焼いたパンに乗っけることで第2段階の香ばしさとのペアリングに変化!「大葉ニンニク醤油でつけたチーズの枝豆ピンチョス」×「久保田 翠寿」チーズは特に柔らかく染み込みやすい分、表面をキッチンペーパーで軽く拭くと風味も生かした複雑な味わいになります。大葉やチーズ・枝豆だけでなく、茹でたお芋や根菜、思い切って蒲鉾なんか漬けても面白いかも!驚いたのは、大葉にんにく醤油の万能性さ!たったの1時間、しかも材料は醤油・みりん・にんにくだけでお酒が進む最高の調味料が出来てしまうとは思いませんでした。短い時間で食材の中心部までしっかりと染み込ませることが出来るのも、忙しい時のプラス1品にありがたい......!【材料(作りやすい分量)】・チーズ(キャンディータイプ):15個・枝豆(冷凍):正味10〜15g・大葉(軸を切り落とし縦半分に切る):10枚・お好みのパン:適量A-しょうゆ:1/2カップ-みりん:大さじ2-にんにく(すりおろし):小さじ1/2【作り方】1.ボウルに大葉とAを入れ、混ぜ合わせる。チーズ、解凍してさやから出した枝豆を入れ、1時間以上浸す。2.小さくカットしたパン、漬けた大葉、チーズ、枝豆の順番にピックや爪楊枝などで刺す。モッツァレラチーズのしなやかさと翠寿の軽い甘みや華やかさが相性良し!それに加えて大葉の風味は翠寿の上品な後味の苦味に繋がる、このスムースな流れこそがこのペアリングの肝だと感じました。食べたら飲みたくなる、飲んだら食べたくなるというスパイラル。遊び心でゴーダチーズも漬けてみましたが、チーズの熟成感や醤油の濃さと翠寿の後味の押し出しがぴったりでした。何種類かチーズを漬けて食感や味わいを食べ比べるのも楽しいかもしれません!そして大葉にんにく醤油が少し染みたパンを食べることで口の中はさらにお酒を欲し、お腹はぐぅ〜っと鳴り続ける。日本酒「久保田」をもっと楽しむWEBマガジンでレシピを公開中!東京・経堂で人気の居酒屋「凧」「凧HANARE」を経営する料理家・高橋善郎さんが、フライパン不要の、和えるだけ、漬けるだけ、チンするだけの簡単レシピを紹介。サイト:…伊藤 ひいな/唎酒師東京生まれの23歳。大学入学時から割烹料理店でアルバイトをはじめ、20歳のお酒の解禁とともに日本酒にハマる。唎酒師の資格も取得し、日本酒の知識を増やすべく日々邁進中。父は数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也。酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶ連載「伊藤家の晩酌」を更新中!
2020年07月29日女性同士だと特に問題にならない癖も、男性からするとドン引きする事が多々あります。直接相手の女性に言わないけれど、その癖を見た瞬間、恋愛対象から外す、世の男性陣は想像以上にシビアに女子の癖を見ています。会話中にスマホを見るのはNGスマートフォンには色々な情報がリアルタイムで届きます。友達からのメッセージが届いていないか、仕事の連絡が届いていないか、更に好きなアイドルに関する情報がSNSに流れていないかなど、ついつい頻繁に手元のスマホ画面を確認する女性がいます。それ自体は別に悪い癖ではありませんが、意中の男性とツーショットで話している時、頻繁にスマホをゴソゴソと取り出してチェックしていては、相手に不快感を与えるばかりです。自分との会話よりもスマホの方が大事なんだな、と相手の男性からは思われる可能性大です。どうしても気になる情報が届いた時は、男性に一言断ってから会話を中断してスマホを取り出しましょう。ほんの些細な気遣いで相手は不快感を覚えません。食事中の「一口ちょうだい」は要注意気の合う女友達同士で居酒屋に行った時など、お互いに「美味しそう、一口頂戴」と言って、相手のお皿から食べ物を少し分けてもらう事があるでしょう。仲良し同士なら相手の了解を得る前に、阿吽の呼吸で一口サイズのお肉やお菓子をもらっても、別に怒られません。一方で男性と二人っきりで食事をする時は要注意です。まだ恋人関係になっていないのに、突然相手の女性から急にお皿の食べ物を取られてしまったら、男性はとても不快な気持ちになります。この子はマナーやモラルが良くないな、と男性から誤解される危険性が高いです。悪口や下品な話題は基本的にNG女子同士が集まると、ついつい盛り上がってしまうのが悪口やゴシップなどの話題です。居酒屋で女子会をすれば皆、お酒が入る事もあってか、下品な世間話や過激な恋愛話に花が咲きがちです。いつもの癖が、お見合いの席や合コンの集まりで出てしまったら大変です。自分は軽い冗談のつもりで話しても初対面の男性からすれば、下品な女子と見られるばかり、恋愛対象として「この子は無し」と瞬時に判断されかねません。たとえ相手と自分に直接関係ない芸能人のゴシップや上司の悪口や仕事の愚痴だったとしても、関係が浅い時にペラペラと話すのはNGです。女子だけで盛り上がる居酒屋と意中の男性と2人で過ごす場は、基本的に別物だと考えましょう。シチュエーションに沿った上品な立ち振る舞いが大事です。スマートフォンの画面を頻繁に見る癖や食事の良くないマナー、更に悪口やゴシップ系の話題ばかりを話す事には要注意です。
2020年07月26日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十五夜2本目は、他にはないユニークな徳島のお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十五夜の2本目は、フルーティな酸の虜になる徳島のお酒「三芳菊 WILD SIDE 播州山田錦等外米 袋吊り雫酒 無濾過生原酒」。徳島県三好市の三芳菊酒造は老舗ながら、味わい、ラベルともに個性的なお酒を醸す型破りな酒蔵。「三芳菊 WILD SIDE 播州山田錦等外米 袋吊り雫酒 無濾過生原酒」720ml 1430円(税込・ひいな購入時価格)/三芳菊酒造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「次は、徳島のお酒だよ。徳島といえば『三芳菊』ということで、こちらのお酒です!」父・徹也(以下、テツヤ)「2本目にして、もう酔っ払ってきたね(笑)」ひいな「ね。1本目から飛ばしすぎたね」テツヤ「徳島といえば、阿波踊りだからBGMにしてみるか」ひいな「いやいや、ちょっとラベルを見て。ラベルの雰囲気と違うと思うよ(笑)」テツヤ「ほんとだ(笑)」ひいな「“ワイルドサイドを歩け”っていうのが蔵のテーマで。ルー・リードの曲が由来みたいなんだけど」テツヤ「あ、知ってる!すごい有名な曲だよね。ロック好きな蔵元なんだね」ひいな「そのテーマ通り、ユニークなお酒なの」テツヤ「それは楽しみだね」ひいな「冷酒で飲んでみてほしいから、まず乾杯しようか」テツヤ「じゃ、ルー・リード聴きながら飲も」冷やして、グラスでグイッと!さて乾杯〜!白ワインを飲んでるみたいな。テツヤ&ひいな「いただきます!」テツヤ「わぁ、好きなやつ!」ひいな「パイナップルみたい!!」テツヤ「この酸、好きだわ〜。すごくおいしい」ひいな「おいしいよねぇ」父・テツヤも好きな酸味だそうで。テツヤ「酸だけじゃなく、ちゃんと苦味もあって。ラベルとネーミングからは想像できない味だな」ひいな「この蔵って自由な方向性で造ってるんだけど、少量タンクでたくさん仕込んでるから、いろんなラベルがあって追いつかないくらい種類があって。これは『三芳菊』のなかでも一番クセがないって言われてるんだけど、違うラベルのものもあるから飲んでほしいな。もう1本飲んでもらうと、味の奔放さがわかってもらえると思うから」テツヤ「そりゃ飲んでみたいね」ひいな「では『三芳菊』の違うお酒をどうぞ。“ワイルドサイドを歩け”シリーズだけでもいろいろあるんだよ」テツヤ「これもいいねぇ」ひいな「個性強くない?」テツヤ「強い。めちゃ強い。酒だけで成り立ってるね。つまみとかいらなくない?」ひいな「うん、そうかも。猫のラベルの『KITCAT』っていうお酒だよ」テツヤ「うまいよ。これも好き」ひいな「こういう自由なスタイルとラベルが特徴的で、好きな人はすごい好きな蔵だと思う」テツヤ「どこの業界もさ、今まであった従来の世界に、音楽とかアートのエッセンスを入れて刷新するっていうのは間違ってないよね。解釈の仕方としてさ」ひいな「“ワイルドサイドを歩け”だもんね」「三芳菊 WILD SIDE 播州山田錦等外米 袋吊り雫酒 無濾過生原酒」に合わせるのは、チーズたっぷりの「ホットサンド」!テツヤ「これは、何のビールで割るのかな?」ひいな「それは香川のお酒で終わったから(笑)。熱々のホットサンドです!」テツヤ「えぇ?」ひいな「ホットサンドを食べてから飲んでみて」テツヤ「中には何が入ってるの?」ひいな「シャウエッセンとピンクペッパー、たっぷりとチーズが入ってます」こりゃ、うんまい!テツヤ「何これ、めっちゃうまい」ひいな「お酒と合わせてみて!ケチャップつけてもおいしいよ」テツヤ「それを、早く言ってくれよ〜」ひいな「しかもね、ハインツのケチャップじゃないとダメなの」テツヤ「あのさ、今うちにケチャップが3種類あるじゃない?雑誌の仕事で『カメラマンが教える肉料理』っていう企画をやったんだけど、ケチャップを使うから、いろいろ買ってみたら、こんなに味違うんだなってびっくりしてさ」ひいな「ぜんぜん違うよね」テツヤ「ハインツは甘みがあるよね。トマトの青臭さがないし、酸味がぜんぜん違うよね。一番安いし。この日本酒と合うね〜」たっぷり入ったチーズがのび〜る。ひいな「いろいろ試してみたんだけど、パンもバゲットとかじゃなくて、ふわふわの食パンが合うかなと思って。チーズとシャウエッセンとケチャップっていう組み合わせがいいでしょ?」テツヤ「これ野球場で売ったらいいよ。売れるよ」ひいな「売れるかな(笑)。実はね、ナンプラーもおいしかったんだけど、もう少しコクがあるものがほしくて、今回ケチャップにしてみたよ」テツヤ「なるほどね。トマトソースの酸味と甘みも合うのかな」ひいな「あとチーズのコクもね」テツヤ「おもしろい組み合わせだねぇ」日本酒をワインのように楽しめたら。テツヤ「主食のパンと日本酒を合わせられたら、つまみが広がるよね」ひいな「うん」テツヤ「ごはんとみそ汁とか、パンとかパスタとかと日本酒合わせようってなかなか思わないからさ。ホットサンドだったら、朝から飲めちゃうな」ひいな「いいのかな(笑)。ピザとコーラみたいに気軽に飲めたらいいよね」テツヤ「昼に飲むお酒といえばさ、白ワインって感じするけど、日本酒も加えたいね」ひいな「ね」テツヤ「ランチビールとかランチワインってあるけど、ランチ日本酒ってないもんな(笑)。それできるようになったら革命だな!」ひいな「危険な気もするけど(笑)、革命を起こそう!」テツヤ「ナポリタンとかに合わせてもいいかも」ひいな「あ、ケチャップだし!」突き抜けた味わいを求めて、これからもワイルドサイドを歩く!ひいな「ラベルを見てほしいんだけどさ、原材料名のところにね、米(国産)、米麹(国産)の下に“播州山田錦等外米全量使用”って書いてあるでしょ?」テツヤ「うん、書いてあるね。等外米って何?」ひいな「等外米はね、純米酒で使えるお米って、特上、特等、一級、二級、三級まであって、米粒がどれだけ同じ大きさでそろってるかっていう割合で整粒歩合のランクがあるんだけど、等外米っていうのは米のサイズがバラバラってことなの」テツヤ「なるほど。でもお米の品質は変わらないっていうことだな」ひいな「上質なお米なんだけど、お米のサイズはバラバラなのを使ってお酒を造ってるんだって。それがなんかワイルドサイドって感じがした」テツヤ「従来の基準とは違うっていう意味ではそうかもな」ひいな「ラベルがいろいろあってね、おもしろいんだよ」テツヤ「他のお酒もいろいろ飲んでみたいね」ひいな「この酒蔵のお酒を知った理由がね、『妬み』っていうお酒だったんだけど」テツヤ「え?すごい名前だね(笑)」ひいな「東北のほうには『嫉み』っていうお酒もあって」テツヤ「あとは、恨みか(笑)」ひいな「ウエストランドっていうお笑い芸人が好きなんだけどね、その人たち、妬み、嫉みをモットーにコンビを組んでるの(笑)。ラジオにね、『妬みと嫉みっていう日本酒がありますよby 唎酒師』って投稿したら、それがラジオで読まれたのね」テツヤ「ひいなの投稿が?」ひいな「そう!そしたら次の週に別の人が『妬み』と『嫉み』の日本酒をラジオ局に送ったみたいで。それで爆笑問題もいる打ち上げでみんなで飲んだらしい」テツヤ「いい話じゃない(笑)。どんな味の酒なんだろ」ひいな「今度、飲んでみよっか」次回は8月2日(日)更新【ひいなのつぶやき】このお酒から、王道もあればワイルドサイドを歩くものがあってもいいということを教えてもらった気がします!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年07月26日弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?四国をめぐる第十五夜の1本目は、香川生まれの今までにない新感覚の日本酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十五夜の1本目は、日本酒女子にも話題の香川のお酒「川鶴 讃岐くらうでぃ」から。香川県観音寺市にある川鶴酒造が開発した新感覚の日本酒。白麹を通常の3倍も使用し、日本酒とは思えない軽やかさと甘酸っぱさを実現。ロックやソーダ割りにしてジョッキで飲んでほしい。「川鶴 讃岐くらうでぃ」720ml 1320円(税込・ひいな購入時価格)/川鶴酒造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「今回のテーマは、日本酒で四国をめぐろうです!」父・徹也(以下、テツヤ)「おぉ、4県回っちゃうんだ」ひいな「そう。行きたくても、今はなかなかいける状況じゃないからさ。お酒で旅しようかと」テツヤ「いいねぇ。どこから行く?」ひいな「1本目は香川県から」テツヤ「じゃ、つまみは讃岐うどんかな?」ひいな「まぁまぁ(笑)。川鶴酒造ってかなり有名な蔵があるんだけどね」テツヤ「へぇ」ひいな「この『讃岐くらうでぃ』っていうお酒は、日本酒女子の中ですごい人気なの」テツヤ「へぇ。そりゃ楽しみだね」ひいな「だから、この連載でもぜひともおさえておきたくて」テツヤ「日本酒女子っていっぱいいるの?」ひいな「#️日本酒女子でインスタにいっぱいいるよ」テツヤ「ひいなもハッシュタグつけてるの?」ひいな「うん、つけてる」テツヤ「なるほど。それでつながるんだな」ひいな「見て、これすごくない?」テツヤ「うわ、かなり濁ってるねぇ」ひいな「澱があるから混ぜるね」テツヤ「真っ白!澱がこんなにあるっていうことは味に影響ありそうだよね」ひいな「うん、舌触りも独特なの」テツヤ「そりゃ、にごり酒だね」ひいな「このお酒は『伊藤家の晩酌』では初めての『うすはり』で飲んでみてほしい」テツヤ「“くらうでぃ”ってどういう意味?」ひいな「雲。この白さが雲ってことなのかな、たぶん」テツヤ「そうかそうか」ひいな「んじゃ、乾杯しましょうか」真っ白でヨーグルトのよう!お風呂上がりにカルピス飲んでるみたい。テツヤ&ひいな「乾杯〜!」テツヤ「うわ、何これ、ヨーグルトみたい!」ひいな「この甘酸っぱさがいいよね!」テツヤ「これ絶対風呂上がりに合うよ」ひいな「おいしいでしょ?」テツヤ「乳酸感がすごいね。これさ、炭酸に合うんじゃない?」ひいな「ちなみに、このお酒の飲み方の表がラベルに書いてあるんだけど、ロックにがあるだけなの。グラスいっぱいに氷を入れるのがポイントって書いてある」テツヤ「ほんとだ。冷酒にも印がついてない」ひいな「そう。ロック推奨」テツヤ「なおのこと、風呂上がりの一杯にいいね」ひいな「アルコール度数も6度だから、ビールみたいに飲めちゃう」テツヤ「大人の飲むヨーグルトだね!」ひいな「実はね、もともと違う名前で発売されてたんだって。『讃岐くらうでぃ 骨付鳥、一本勝負』って名前だったらしいよ」テツヤ「あ!香川といえば、骨付鳥だもんな」ひいな「有名なんだね」テツヤ「そう、『一鶴』っていう有名な骨付鳥の店があるんだよ」ひいな「へぇ。骨付鳥に合わせて造られたお酒なんだって」テツヤ「なるほど。あのスパイシーな味付けにぴったりだね。こんなご時世だからさ、旅した場所を想像しながら飲むのもいいね。銀の皿の上にのった骨付鳥を浮かべながらさ」ひいな「いいねぇ。私のイメージも、香川といえば『川鶴』っていうイメージがあって」テツヤ「そうなんだね」ひいな「その中でもユニークなお酒が『讃岐くらうでぃ』で。これはぜひとも紹介したいなと思って」テツヤ「っていうことは、つまみは骨付鳥が出てくるのかな?」ひいな「と思うでしょ?今回はちょっと意外なものにチャレンジしてみたよ」テツヤ「こんな酸味のあるお酒に何を合わせるんだろう?」「川鶴 讃岐くらうでぃ」に合わせるのは、なんと「ザ・プレミアム・モルツ」!?今回合わせるのは、あのビール!ひいな「合わせるのは『伊藤家の晩酌』史上初めての……」テツヤ「今までもいろいろすごいのあったけど」ひいな「食べ物じゃありません!」テツヤ「え!?まじか。調味料?」ひいな「でもなく。ザ・プレミアム・モルツです!」テツヤ「どういうこと?ビールで割るっていうこと?」ひいな「そう、割ります。1対1で」テツヤ「おいおい。そんなことしたら、俺、終わっちゃうよ(笑)。一番やっちゃいけない飲み方だって先人から教わったやつだよ」一応、カメラマンとしても働いてます。日本酒×ビール!禁断のなかけ合わせ!?ひいな「まあまあ(笑)。グラスの半分までお酒を入れて、もう半分にビールを注いで」テツヤ「すごい泡!めちゃくちゃうまそうだな!」ひいな「でしょ?」なんともおいしそうな色になりました!テツヤ「いただきます!これは……ヤバいって」ひいな「ね、おいしいでしょ?最高でしょ?」テツヤ「夏が来たね」ひいな「これは、蒸留酒を造ってる友だちが教えてくれた最高の飲み方なの」「ヤバい、ヤバい」と言いながら飲み干しました。テツヤ「これは、ヤバいって」ひいな「飲み過ぎちゃうよね」テツヤ「良い子のみなさんは注意してくださいね。プレモルっていうのが、またいいよね。やっぱりプレモルなの?」ひいな「うん、私はプレモル推奨です!」テツヤ「この香りが合うね。急に酔いが回ってきたよ……」お酒好きにはたまらない極上の組み合わせが爆誕!飲み過ぎ注意!おいしすぎて、何度もおかわり。テツヤ「いや、これは相当うまいね。ビール嫌いな人も飲めるし、日本酒苦手な人も飲めちゃうし」ひいな「骨付鳥と合わせようかとも思ったんだけど、それだとおいしい組み合わせなのはわかってるからさ。今回は変化球で」テツヤ「さらにおいしくなったね」ひいな「お酒に苦味がないから、ビールが補完してくれるっていうか」テツヤ「あえて苦味を足したわけか。大人な味になったね」ひいな「そう。白麹を使ったお酒なんだって。焼酎好きな人にもいいんじゃないかなと思うよ」テツヤ「白麹って焼酎に使われてるの?」ひいな「そう」テツヤ「白と黒があるとさ、黒を頼みがちじゃない?素人って」ひいな「そうなの?」テツヤ「たとえばさ、ホッピーの白と黒があるとさ、つい黒でって言っちゃうんだよな。ホッピーの黒って何の黒?」ひいな「麹じゃないよ(笑)。黒ビールみたいな?」テツヤ「焼酎だとさ、『佐藤の白と黒あります』って言われたらさ、黒を飲んじゃう。でも正直違いがよくわからないんだよね」ひいな「(笑)。蒸留酒に関しては私もまだ勉強中だからよくわからないけど、黒麹から派生したのが白麹なんだよ」テツヤ「ってことは、最初は白から飲むものなのかな?」ひいな「さぁ。どっちからがいいんだろうね」テツヤ「黒のほうがイメージ良くない?」ひいな「うん、わかる。でも、イメージの問題な気がするけど」テツヤ「これはさ、夏酒にぴったりだよ!BBQとかさ」ひいな「でも、みんな酔っ払って、誰も肉焼いてないんでしょう?」テツヤ「この飲み合わせは確実に潰れるよね。焦げた人参が網の上に……(笑)」ひいな「(笑)」テツヤ「これはなかなかない組み合わせだったね」ひいな「酒と酒だからね」テツヤ「高知に行く前に、香川でこれだからな。どうしたらいいんだよ」ひいな「もう酔っ払い確定!」次回は7月26日(日)更新プレモルといえばの、矢沢永吉の顔マネする父・テツヤ。本人は似てるつもりですが、似てなさすぎて爆笑。【ひいなのつぶやき】濁り酒×炭酸系のブレンドは、今年の夏のトレンド間違いなし!!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年07月19日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十四夜3本目は、アルコール度数低め、超辛口の1本。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十四夜3本目は、スーパードライな飲み口の夏酒「播州一献 純米 夏辛」。兵庫県宍粟市にある「山陽盃酒造」の代表銘柄「播州一献」。燗酒がおいしい旨口な酒と評判だが、夏に合う辛口のお酒にも挑戦。「播州一献 純米 夏辛」720ml 1430円(税込・ひいな購入時価格)/山陽盃酒造株式会社父・徹也(以下、テツヤ)「“夏辛”って文字がいいね」娘・ひいな(以下、ひいな)「夏酒!って感じがするよね」テツヤ「俺、夏あんまり好きじゃないんだけど、夏って言葉は好きなんだよね(笑)」ひいな「わかる!」テツヤ「キリッと辛口ってことは、キンキンに冷やして飲むのかな」ひいな「それがね、このお酒は飲む前に冷蔵庫から少し出しておいたものを飲んでみてほしいの」テツヤ「一回冷やしたものを、少し温度を上げてるってことだな」ひいな「そう。これは断然、冷酒よりも温度を少し上げたほうがおいしいと思うから。冷酒と常温の間くらい」飲む少し前に冷蔵庫から出して、温度を少し上げてテツヤ「へぇ〜、そうなんだ。さてさて、早く味わってみたいねぇ」ひいな「んじゃ、乾杯しましょうか」「夏」の文字に、テンション上げ上げ。さて、いただきます!「んん?」という反応の父・テツヤ。お味はさて?テツヤ「香りがいいね。うーん?なんて言えばいいのかな……」ひいな「どう?なんかさ、改善の余地ある気がしない?」テツヤ「わかる。ワインで言うと、渋みが残るというか、口に残る感じ?」ひいな「でしょ?」テツヤ「最初に感じた香りと味のギャップがあるんだよなぁ」ひいな「実は私も、最初飲んだ時『あれれ?』って思った。私、『播州一献』が大好きで。去年セミナーにも行って杜氏さんの話を聞いたくらいすごく好きなお酒なの」テツヤ「播州っていうことは兵庫県のお酒なんだな」ひいな「そう。『播州一献』って、ぬる燗か熱燗で飲むイメージが強いお酒なんだけど、ここが夏酒を出してるっていうのが不思議で」テツヤ「うーん。正直なところ、コメントに困ってる(笑)」ひいな「大丈夫(笑)。おつまみと合わせて飲んでほしいから」テツヤ「早く早く!」「播州一献 純米 夏辛」に合わせるのは、山椒たっぷりの「うなぎのおにぎり」!ひいな「実はね、このお酒に合わせる料理、何にしようかぜんぜん思い浮かばなくて(笑)」テツヤ「ひいなでもそんなことあるんだ」ひいな「でもね、蔵の方からうなぎが合うって聞いて。それに素直にしたがってみようと思って『うなぎのおにぎり』にしてみたよ。山椒もたっぷりとかけて召し上がれ!」テツヤ「いただきます!うわぁ〜〜〜!さっきの日本酒がめちゃくちゃ合うぞ。ひいな、天才だな!」ひいな「ね!めちゃくちゃ合うね!」テツヤ「山椒も抜群だね。日本酒とおにぎりって、なかなかな組み合わせだね(笑)」ひいな「米と米、だもんね」おにぎり片手に、日本酒をぐびり。その組み合わせに父・テツヤも興奮!テツヤ「最近のひいなの組み合わせで一番好きかも!」ひいな「やった!」テツヤ「2020年、No.1!」ひいな「まだ半分しか経ってないけど(笑)」テツヤ「たれの甘辛い味、うなぎのジューシーな脂、ピリッとした山椒をさっぱりと洗い流す辛口の日本酒。さっき単体で飲んだ時のイメージと違うよ、ぜんぜん!」ひいな「でしょ?夏のお酒は、夏のうなぎに合うんだね」テツヤ「もうさ、麦茶みたいに、ゴクゴク飲んじゃう。こりゃいいよ!」ひいな「このさっぱりとした日本酒には、ある程度、重さがあるものじゃないと合わないと思うんだよね」テツヤ「あぁ。じゃ、冷奴とかは……」ひいな「うん、物足りないと思う。でもこれね、高級なうなぎじゃなくて、スーパーで買ったうなぎをチンして、ごはんと混ぜただけなんだよ」テツヤ「それがこんなに合うんだもんな!やっぱりさ、日本酒単体よりも合わせるもので何倍にもおいしくなるお酒って、ほんとうにこの企画にぴったり」ひいな「うん、『伊藤家の晩酌』だからね!」テツヤ「うなぎと山椒が監督とコーチだったら、ドラフトで他の球団は敬遠しても、うちは育てられるぞ、と。そういうことだ」ひいな「もう、何でもかんでも競馬と野球に例えがち(笑)」テツヤ「相撲もね(笑)。いや〜、これはすばらしかった。このお酒、全国のうなぎ屋さんに卸せばいいのに!!」ひいな「本当だね。それぐらい合うもんね」テツヤ「名付けて、うなぎ酒!」ひいな「その名前で、みんな飲んでくれるかな……(笑)」テツヤ「やっぱりたれだよね。白焼きじゃ違う気がするよね」ひいな「うん、こってりしてるほうが合うと思うな」テツヤ「あと米があるかどうかも大事だよな」ひいな「そうだね、お米と合わせるのがおいしいと思う!」夏にも日本酒を!食材と合わせたり、飲み方で、もっと楽しんでほしい。ひいな「初め、『播州一献』に対してあんまりいいイメージなかったでしょ?」テツヤ「うん、正直なところね」ひいな「実はね、1週間前にすでに開封しておいたものがあって。こっちも飲んでみてほしいの」テツヤ「あぁ、こっちのほうがぜんぜんうまい!同じ酒とは思えない!!」ひいな「でしょ?」テツヤ「うまいよ、これ!!」ひいな「味、違うでしょ?」テツヤ「うん、マイルドになってる。水の分子が細かくなった感じ?」ひいな「そうそう。やわらかくなったよね」テツヤ「開けたばっかりの時は、ちょっと固い感じだもんな」ひいな「空気に触れたことで変化したんだよね、きっと」テツヤ「日本酒のこの味の変化が、やっぱりおもしろいねぇ」ひいな「春酒もあるから飲んでみない?」テツヤ「おぉ、いいね。こりゃ春酒に一票だな。うんまい!最高じゃん!」ひいな「でしょ?ぜんぜん味わいが違うよね」テツヤ「日本酒のおいしさは、やっぱり米感だよ!」ひいな「米の旨みとかコクとか甘さが、日本酒のおいしさなんだなってしみじみ思っちゃうよね。この蔵はね、毎年、夏酒を試行錯誤してて、去年は日本酒度数+15度だったんだけど、今年は+10度にしたみたい。アルコール度数も14度で低めなの」テツヤ「じゃあさ、これから毎年夏には『播州一献』を飲むっていうのはどう?」ひいな「いいね!毎年、味の変化を楽しむ」テツヤ「夏のお酒ってひとくちに言ってもいろいろあるんだな」ひいな「おもしろいでしょ?日本酒ってさ、どうやったら夏にも飲んでもらえるかが課題だと思うんだよね」テツヤ「夏は違うもの飲みがちだもんな。ビールにレモンサワー、キンキンに冷えた白ワインとかさ」ひいな「そのイメージを覆したい!」テツヤ「重いのかな、やっぱり日本酒って」ひいな「そうだね。アルコール度数高めだし、ぬるくなったら重くなっちゃう。度数と温度が大事かもね。ロックで飲んだり、うなぎと合わせたり。日本酒を夏でももっと楽しんでほしいな」テツヤ「じゃ、ほかのお酒を飲む回数減らして、これからは夏も日本酒だな!」ひいな「っていうか、うちの場合は、お酒を飲む回数が増えるだけなんじゃないの?」テツヤ「さすが!わかってるねぇ」ひいな「バレバレです!」次回は7月19日(日)更新【ひいなのつぶやき】毎年必ず飲むお酒に!我が家の夏の風物詩になるかもしれません!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年07月12日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十四夜2本目は、純米酒でありながら、夏にぴったりなお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十四夜2本目は、透明感がありながら余韻が残る「山形正宗 夏ノ純米 昼の部」。山形県天童市の水戸部酒造の代表銘柄「山形正宗」の夏季限定酒がこちら。花火のラベルがなんとも夏らしい。「山形正宗 夏ノ純米 昼の部」720ml 1350円(税別・ひいな購入時価格)/株式会社水戸部酒造娘・ひいな(以下、ひいな)「夏に飲んでほしい2本目のお酒は『山形正宗』です!」父・徹也(以下、テツヤ)「山形県天童市のお酒か。天童といえば〈天童木工〉だよな」ひいな「そうなの?」テツヤ「将棋の駒とかね。かわいいね、このラベル。夏っぽくて」ひいな「かわいいでしょ?夏限定で『夏ノ純米 昼の部』っていう名前がついてるの」テツヤ「昼の部って?昼からお酒飲んでいいってこと?」ひいな「そういうことじゃなくて(笑)。夜の部もあるの」テツヤ「え、昼と夜があるなら、朝の部は?」ひいな「朝からお酒飲みたいの(笑)?とりあえず、飲んでみよっか」テツヤ「飲みたい!」ひいな「開けます!」テツヤ「ウィッス!」テツヤ「色がほんのりついてるね」ひいな「ね」酒器は、ひんやり錫(すず)製で。夏酒、いただきます!あぁ〜、沁みるうまさ!テツヤ&ひいな「いただきます〜!」テツヤ「何が昼の部なんだろう?気になるな」ひいな「昼と夜とで、それぞれ味わいと度数が違うんだって」テツヤ「へぇ、なるほど」ひいな「昼の部っていうは初夏に出してるお酒で、夜の部は夏の盛りの時に出してるお酒なの」テツヤ「これ、俺好きかも。一見すると地味なんだけど、なんかね、じんわりくるよね」ひいな「これは花火を見ながらゆっくり飲みたい酒だよね」テツヤ「うん。花火の途中で1回も席を立たないでいいように、おつまみを全部そろえておいてね」ひいな「わかる(笑)。それとも、お酒を飲みながら花火を待つ感じなのかな」テツヤ「あぁ、そうかもな。昼から夜の花火を待ちわびてね。いい具合に冷えてるね。ラムネみたいなさわやかな感じもあって、夏酒にぴったり」ひいな「どうしてこのお酒を選んだかって言うとね、夏酒って規定があるわけではなくて、夏に向けてすっきりした味わいとか、辛口でさわやかとかのお酒が多いんだけど、これは夏酒らしいさわやかさがありながらも、ちゃんとコクがあって。こういう夏酒もあるんだよっていうのを伝えたくて」テツヤ「夏酒ってやっぱりすっきり系が多いんだ」ひいな「さらっとすっきり系だけではないんだけど、多いかな」テツヤ「これは好感度高いよ!」ひいな「ほんと?気に入ってもらえてよかった!」「山形正宗 夏ノ純米 昼の部」に合わせるのは、「サーモンのバルサミコ酢&オリーブオイルがけ」テツヤ「でもさ、これ何でも合わせやすいだけに、何を合わせるの?」ひいな「そうなの。お肉にもお魚にも合うし、野菜にもバッチリなんだけど、これに合わせたかったのはバルサミコ酢なんだよね」テツヤ「日本酒にバルサミコ酢?」ひいな「そう。だからサーモンのお刺身にしてみたよ。スモークサーモンじゃなくて普通のサーモンなの」テツヤ「お刺身をバルサミコ酢で食べるんだ」ひいな「あとね、オリーブオイルもかけてみて」伊藤家でお気に入りだという小豆島のオリーブオイル。お値段張りますがめちゃくちゃおいしい!テツヤ「どれどれ?これは口内調味ですか?」ひいな「これはね、食べきってから飲んでほしい」テツヤ「残り香と合わせるっていうことだな。いただきます!」ひいな「どう?」テツヤ「もっとバルサミコ酢かけていいかも」ひいな「たっぷりかけちゃうね。どう?」テツヤ「もう1回!」ひいな「はい!」テツヤ「こりゃうまいね。合う、合う、合う!山形ってやっぱりイタリアンが合う土地なのかな。ほら、有名なレストラン〈アル・ケッチャーノ〉もあるしさ」ひいな「へぇ、そうなの?」テツヤ「食材が豊かなんだよな」ひいな「お酒に合わせたら、イタリアン風になってたね。すっきりとした爽快感だけじゃなくて、夏酒なんだけど味わいがあるから、なんかコクと酸味のあるバルサミコ酢を合わせてみてたかったんだよね」テツヤ「うん、すごく合ってる」ひいな「初夏の『昼の部』と夏の盛りの『夜の部』では味わいの変化があって。『昼の部』は清涼感があってゴクゴクいけちゃう。『夜の部』のほうは上品さが増してる感じかな」テツヤ「夜の部も今度飲んでみたいね。このお酒、もう1回冷やしてみようよ」ひいな「そうだね。温度が上がってくると、少し苦味が出てきたかも」テツヤ「うん、確かに」ひいな「夏って、冷蔵庫から出すとすぐにぬるくなっちゃう」テツヤ「うん。温度が上がると味が変化しちゃうからね。ワインクーラーみたいなのが日本酒にも必要かもね」ひいな「そうだね」海外の人にも、日本酒をおいしさをもっと伝えたい!ひいな「この蔵、水戸部酒造っていうんだけど、世界に評価される日本酒を目指して、米づくりにこだわってるんだって」テツヤ「山形の米、おいしいもんな」ひいな「将来ね、海外でも酒米を育てたいと思ってるらしくて」テツヤ「へぇ、海外で?」ひいな「海外で栽培するにあたっては、土地っていうよりは誰が責任を持って酒米を育てるかが大事なんだって。最高品質の酒米を海外にも供給することで、海外でもおいしい日本酒が造られるようになって、もっと広く飲まれるようになって、その中でも山形のお酒は抜群においしいって思ってもらえるような、そういう世界を目指してるらしいよ。おもしろい考え方の蔵だなと思って」テツヤ「山形から飛び出しちゃおうとしてるんだな」ひいな「そう。みんなが日本酒を好きになってくれたらいいな」テツヤ「それで、やっぱり山形のお酒っておいしいねって思ってもらいたいよね」ひいな「花火みたいに、日本のすばらしい文化として日本酒ももっと知られてほしい!」テツヤ「いや〜、それにしてもいい酒だよ、これ。優秀っていうよりは、オールマイティな感じ。合わせてくれるというか、懐が広い感じ?」ひいな「うんうん、わかる」テツヤ「この酒、モテ酒じゃない?日本酒好きな女の子に、いいのないですか?って聞かれたら、これを勧めるね」ひいな「その例えさ、たまに言うけど、どういうシチュエーションなの(笑)?」テツヤ「いやなんかさ、お店に飲みに行って聞かれた時に……(笑)」ひいな「そういう時は、ちゃんと娘から聞いたって」テツヤ「正直に言います!」ひいな「それでよろしい(笑)」次回は7月12日(日)更新【ひいなのつぶやき】世界を視野に入れている蔵だからこそ、日本文化の花火のラベル。ぜひ味わっていただきたいです!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年07月04日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十四夜の1本目は、夏にぴったりなお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十四夜の1本目は、日本酒とは思えないさわやかさ!「ゆすらもも 純米酒」。大分県豊後大野市にある吉良酒造の「ゆすらもも」は日本酒とは思えない、驚きのフルーティさ。アルコール度数も8度で、氷を入れてロックや、ソーダで割って飲むと美味。「ゆすらもも 純米酒」720ml 1486円(税込・ひいな購入時価格)/吉良酒造合資会社娘・ひいな(以下、ひいな)「今回のテーマは、ずばり、夏に飲みたいお酒だよ!」父・徹也(以下、テツヤ)「最高だね。もうすぐ夏が来るもんね」ひいな「低アルコールで、ひんやりおいしいお酒を3本選んでみたよ」テツヤ「ビールみたいに、グビッっといきたいよな、日本酒も」ひいな「夏に日本酒ってチョイス、あんまり思い浮かばないかもしれないよね。でも今回のお酒は、夏にこそ飲んでほしい日本酒です!」テツヤ「え?グラスに氷……。ってことは、もしかしてロックで飲むの?」ひいな「そう!『ゆすらもも』ってかわいい名前のお酒だよ。大分県豊後大野市のお酒なの」テツヤ「えぇ?氷とか入れちゃって大丈夫?」ひいな「それがね、ここを読んでほしいの」慌てて老眼鏡をかける、父・テツヤ。小さい文字は見えません。テツヤ「“ワインのような酸味のあるフルーティーな味わいが特徴的なお酒です。冷やした状態で、氷を入れて飲んでい頂いてもおいしいですし、炭酸飲料を加えても……”。 蔵元がロック推奨?日本酒で?」ひいな「そう。日本酒でロックにするっていうのは、私としてもやっていいのかな、やっちゃいけないのかな、みたいに思ってたんだけど、蔵元がもうラベルに書いてくれてるなら、遠慮なくやっちゃおうと!」テツヤ「めちゃくちゃ楽しみ。いただいちゃお!」ひいな「これ、絶対ゴクゴクいっちゃう系だから、飲み過ぎ注意だからね」氷を入れたグラスに「ゆすらもも」を注ぎます!ほんのり色づいていい感じ。乾杯!テツヤ「氷が入ってると、暑い時にはやっぱりうれしいな」ひいな「ひゃ〜、おいしい〜」テツヤ「なんじゃ、これ!?うんまい!これは梅酒?じゃないよな(笑)」ひいな「梅酒とかあんず酒とかに近いね」テツヤ「一升瓶でほしいな」ひいな「それくらい飲めちゃうよね」テツヤ「ヤバいね」ひいな「これはロックか炭酸で飲むしかないでしょ?」テツヤ「これは米なの?純粋に?」ひいな「なんとびっくり、純米酒なの」テツヤ「マジか」ひいな「アルコールも添加してないし、純粋なる純米酒」テツヤ「お米でこんな味になるんだな。麹の力なのかな」ひいな「お米ってすごいね」テツヤ「氷を入れてないやつも飲んでみたいな」ひいな「氷なしで、どうぞ」テツヤ「こりゃ、お酢だね。健康酢だね!」ひいな「うんうん、確かに!」テツヤ「超好きな味」ひいな「前にさ、九州に酒造見学に一緒に行ったじゃない?別府に行った時〈酒スタンド巡(じゅん)〉っていう角打ちがあって。そこで1杯目に出されたお酒がこの『ゆすらもも』なの」テツヤ「そうだっけ?ってことは俺も飲んでる?」ひいな「飲んでる(笑)。その時はワイングラスに入れてもらって、ストレートだったけどね。初めて『ゆすらもも』を飲んだ時、衝撃的で。これが純米酒って言うんだったら、日本酒の概念が変わりすぎるなと思って」テツヤ「ほんとだよな。そのお店は別府の飲み屋街のちょっと外れにあるんだけど、新しいお店で気になって入ったんだよな。そしたら店主のそにちゃんがすごいいい子でさ。はす向かいにある焼肉屋の娘さんだったんだよな、確か」ひいな「そう。だからすっごくキムチがおいしくて。ごぼうのキムチとかフルーツを使ったキムチとかに日本酒を合わせたり。おもしろかったね」テツヤ「もう一回、あのお店行きたいなぁ。でもさ、このお酒に合わせるおつまみ、難しそうだね」ひいな「うん、いろいろ考えたよ。酸味があるからフルーツはきっと相性がいいだろうなって思ったけど、この酸味を利用して考えてみたよ。おつまみ持ってくるね」「ゆすらもも 純米酒」に合わせるのは、カリッと揚がった「手羽先のからあげ」!ひいな「じゃ〜ん、手羽先のからあげです!揚げたてだよ!」テツヤ「うわ〜、うんまそう!よだれが出た」ひいな「このからあげには、レモンをかけずに召し上がれ!」テツヤ「からあげを食べてから、お酒を飲む、と」ひいな「そう。からあげを食べて、『ゆすらもも』を飲んで完成っていうこと」テツヤ「お酒がもうなくなっちゃったみたい」ひいな「早いな(笑)」テツヤ「だって、おいしすぎて一気に飲んじゃうでしょ」ひいな「アルコール度数は8度だからね。ちなみにね、日本酒度ってだいたい+5度とか、−7度とかっていう数字でしょ?なんとこのお酒は−70度なの」テツヤ「−70度?それは相当甘いっていうこと?」ひいな「そう。そんな数字聞いたことない!」テツヤ「めちゃ甘だね。じゃ、いただきます!」手羽先にかぶりつく2人!ケンタッキーのCMみたいな食べっぷり!テツヤ「こりゃ、最高だね。ヤバいね、ヤバいね」ひいな「めっちゃおいしい!」テツヤ「カリっと揚がってるから、いい音するね〜」ひいな「この酒とからあげ、最高のペアリングじゃないかな」テツヤ「文句なしに最高!からあげも下味しっかりついてて、おいしいな〜」ひいな「おろしたにんにくとしょうがをたっぷり入れて、お酒と塩を入れて、冷蔵庫で45分くらい置いたの。片栗粉をたっぷりとつけて揚げて、仕上げにこしょうと塩を振ってできあがり」テツヤ「下味って大事だね。俺もさ、ステイホームになってから家で3食ごはん作ってたけど、炭水化物とか油に対する抵抗感がまったくなくなったね」ひいな「ごはんといえば、炭水化物と油だよね(笑)」テツヤ「前は抜いたりもしてたけど、3食がっつり炭水化物食べてたもんな」ひいな「ね!」夏の定番酒として認定!ロックで、ソーダで、日本酒を夏でも楽しみたい!テツヤ「日本酒を飲み慣れていない俺からするとさ、不思議だったんだよ。日本酒を水で割ったり、氷を入れちゃいけないのはどうしてなんだろうってね」ひいな「日本酒に氷を入れるなんて!みたいな?」テツヤ「温めて飲むのはいいのにさ、氷入れるのはNGとか変じゃない?日本酒だけでしょ、ロックがダメなお酒って」ひいな「ダメなわけじゃないんだけど……。確かに薄めちゃうのはNGっていうのはあるかも」テツヤ「でもさ、これからは揚げ物に、ビールでもなく、レモンサワーでもなく、ハイボールでもなく、日本酒って言えるよね」ひいな「これからの新しい定番になるんじゃない?」テツヤ「この酸が油をすっきりと流してくれる!」ひいな「ロックだとさらにアルコール度数も低くなって、ゴクゴクいけちゃう!」テツヤ「でもさ、これ上級者のセレクトじゃない?こんなお酒があるって知らないもん。からあげにはきっとレモンサワー買ってきちゃうよね」ひいな「だから、こうやって紹介してるんだけど(笑)」テツヤ「そうかそうか。もう知っちゃったから、今年の夏はこのお酒で決まりだね」ひいな「ソーダで割っても、さらにさわやかだろうね」テツヤ「これ、どこで買えるの?」ひいな「丸田酒舗さんっていうオンラインショップで買ったよ。お店だとなかなかないかも」テツヤ「デキャンタに入れてソーダアップしてさ、ガーッとグラスに注いじゃってグビッと。あ〜、早く夏来ねぇかな」ひいな「最高だね!夏はもうすぐだから」テツヤ「今から冷蔵庫に冷やして準備しとこう!」次回は7月5日(日)更新【ひいなのつぶやき】夏の新定番に「ゆすらもも」、クセになります!沼は深いです(笑)!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年06月28日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?番外編の今夜は、新潟の3つの若手の蔵元と画家とのコラボレーションから生まれたユニークな3本。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)今宵は番外編!“テーブルに日本酒を”をテーマに、3つの蔵元から生まれたお酒。新潟の若手が手がける3つの蔵元と画家・青木隆太さんがラベルを手がけた。左から、千代の光酒造「雪解け-yukidoke-」、竹田酒造店「潤い-uruoi-」、頚城酒造「実り-minori-」。すべて720ml 各2000円(税別・ひいな購入時価格)/新潟亀田わたご酒店、今田酒店頚城酒造「実り-minori-」竹田酒造店「潤い-uruoi-」千代の光酒造「雪解け-yukidoke-」娘・ひいな(以下、ひいな)「今回は番外編だよ!3本紹介するんだけど、このお酒は新潟にある3つの蔵がそれぞれ造ってるの」父・徹也(以下、テツヤ)「あ!だから、キャップが全部違うんだ」こちらは頚城酒造のもの。ひいな「そう。ね、裏のラベル見て、気づくことない?」テツヤ「どれどれ?なんか書いてあるよ。『お酒はおいしく適量を』」ひいな「それは、どの酒造も書いてあるから(笑)」テツヤ「『雪解け』『潤い』『実り』って、なんか季節の情景が浮かぶ名前がついてるね」ひいな「ね。ほら、いつもは純米吟醸とかあらばしりとか、だいたいこういう味がするんじゃないかって飲む前から予想してるけど……」テツヤ「あ!何も書いていない」ひいな「そう。このラベルには、純米酒とかそういう情報が一切書かれてないの」テツヤ「確かに、米って書いてあるだけだ」ひいな「必要以上の文字を書かないようにしてるらしくて」テツヤ「おしゃれだよな。ラベルも」ひいな「そう。抽象画家の青木隆太さんが描いてるんだって。ラベルもちょっと不思議な質感でしょ?」テツヤ「へぇ〜。ほんとだ。テクスチャー、めっちゃいいじゃん」ひいな「触ってみると、不思議な感じ。日本酒のラベルで、こういうのってあんまりなくない?」テツヤ「これは撮っとかないと!」ひいな「かっこいいよね」テツヤ「これはひとつのシリーズなの?」ひいな「『Art Nouveau(アール・ヌーヴォー)』っていうシリーズで3本あるの。一般家庭の食卓に一升瓶ってなかなか馴染まないから、大きさは四合瓶にして、テーブルに置くと食卓が少し華やぐようなイメージのラベルで、無駄な文字を極力省いて、デザイン性を重視したんだって」テツヤ「確かにこのボトル、テーブルにあったらステキだよな」ひいな「本当に。家で食べるのは和食だけじゃないもんね」テツヤ「飲み終わった後、このボトルに水とか入れておきたい」ひいな「ちなみにスペックはすべて非公開だから、酒造好適米もわからないんだよ」テツヤ「すべては謎なんだな」ひいな「どうしてもお酒を買う時、いろいろな情報とか先入観で買いがちだから……」テツヤ「そうだね。それはあんまりよくないねぇ」ひいな「なんか偉そう(笑)。このお酒は、そういう先入観なしで選びたい」テツヤ「このネーミングもいいね。『実り』っていうテーマで醸してるっていうこと?」ひいな「いや、この名前はラベルのイメージなんじゃないかな」テツヤ「あ、青木隆太のイメージか」ひいな「なんか馴れ馴れしい(笑)」テツヤ「もうさ、早く飲もうよ。味が気になる!」ひいな「そうだね、飲もうか。実はこの中の1本は、お父さんもすでに飲んだことのある酒造のお酒なの」テツヤ「え、そうなの?」ひいな「しかも、『伊藤家の晩酌』で紹介したことのある酒造だよ」テツヤ「どこだろう?」ひいな「頚城酒造の『越路の紅梅』」テツヤ「あぁ、飲んだね」ひいな「この3本の共通点としてはね、どれも微発泡なの」テツヤ「最高だね。この季節、微発泡いいよね。飲む順番はどうする?」ひいな「特に決めてなくて。感じるままに行っちゃおう!」テツヤ「OK!」ひいな「まず『雪解け』から」テツヤ「あぁ〜」ひいな「おいしい?」テツヤ「おいしい。意外と濃い感じ」ひいな「濃い系だね」テツヤ「白ワインぽい?」ひいな「ちょっと重めの白ワインって感じかな。熟したメロンっぽい感じもする」テツヤ「そりゃ、高級だな」ひいな「間違った!熟したメロンは食べたことないからバナナかな(笑)」テツヤ「あぁ、言われてみるとそうだな。台湾バナナじゃない?」ひいな「何、台湾バナナって?」テツヤ「えぇ!?」ひいな「バナナといえばフィリンピンとかエクアドルだよね?」テツヤ「えぇ?台湾バナナ食べたことないの?」ひいな「えぇ?知らない。どんなバナナ?」テツヤ「台湾バナナ、うまかったよね?みんな知らないの?うそだー」(ライター注:編集者、ライターともに食べたことのない世代です)ひいな「ジェネレーションギャップがすごすぎる(笑)」テツヤ「バナナ香とかメロン香とかってよく表現に使うけど、想像してるバナナが違うっていうね(笑)」ひいな「今まで違ってたんだ……。衝撃事実発覚(笑)」日本酒を擬人化しがちな父・テツヤ。けれど、その表現が的確でわかりやすい。テツヤ「2本目、いこうか」ひいな「『潤い』ね」テツヤ「あぁ〜、飲む順番、最初にこれだったんじゃない?」ひいな「あぁ〜、酸味で丸くなってる感じだね」テツヤ「好きなタイプはこれだな〜」ひいな「これは竹田酒造店で、『かたふね』っていうお酒を出してるところ」テツヤ「もう少しキンキンにして飲みたいね」ひいな「いいね、絶対おいしいね」テツヤ「3本目は『実り』」ひいな「これが『越路の紅梅』を出してる頚城酒造のものだよ」テツヤ「おぉ〜!こりゃうまいね。これが一番バランス取れてるかも。優等生な感じだね。なんか勉強もできて、運動もできて、女の子にもモテる感じ。しかも顔もよくって無敵な感じ」ひいな「あぁ、ほんとだ!」テツヤ「ある意味、物足りなさを感じる人もいるだろうね」ひいな「そうだね。まとまりすぎてるというか」テツヤ「うん。競馬で言うと“テンよし、中よし、終いよし”って言うんだけどさ」ひいな「うん、わかんない(笑)」テツヤ「スタートも良くて、道中もよくって、最後もちゃんと伸びてくるいい馬のことなんだよな。あれ、俺コメントうまくなった?(笑)」ひいな「もう一度『雪解け』を飲むと、味わいが個性的だね。甘さが際立ってる感じ」テツヤ「台湾バナナだよな」ひいな「そう(笑)」テツヤ「なんかね、『実り』の後に『雪解け』を飲むと、なんかいい奴っていうか、中からにじみ出てくる良さがあるね。表面的な味わいじゃなく」ひいな「あ、ほんと?」テツヤ「その個性がいいなと思った」ひいな「あぁ、確かに。なんか勉強はできないけど、陸上8種目とかうまそうじゃない?」テツヤ「こいつは不器用だけど、つきあってるうちにすごくいい奴っていう感じかな」テツヤ「『潤い』はね、万人受けはするんだけど、いざという時に頼りないタイプだよな」ひいな「わかる、わかる(笑)」テツヤ「『実り』が、一番新潟っぽいかな。何でも合う感じ。漬物でもお刺身でも何でも任せとけ!みたいなキリッとさ。残りの2本はちょっとおしゃべりな感じ」ひいな「わかる(笑)。情報量が多い感じ」テツヤ「でもやっぱり『雪解け』いいな。飲めば飲むほど、その良さがわかってくるな。一本芯がある」ひいな「うんうん。でも、私は『潤い』の最初に口に入ってきた時の酸味の感じが好きだよ」飲むなら、ぜひ3本飲み比べを!三者三様の違いを味わって。ひいな「3本飲むなら、緑(『潤い』)、白(『雪解け』)、赤(『実り』)の順がオススメかな」テツヤ「普段の新潟の酒のイメージと違っておもしろかった!」ひいな「そうかもね。このプロジェクトは新潟にある3つの蔵と、画家の青木さん、新潟にある〈わたご酒店〉の寺田さんと、東京・新川にある〈今田商店〉の今田さんの6人がコラボして始めたプロジェクトなんだって」テツヤ「そうなんだ。っていうことは買えるところが決まってるの?」ひいな「〈わたご酒店〉と〈今田酒店〉で買えるし、通販もやってるよ」テツヤ「いや〜、三者三様だったね」ひいな「日本酒飲もう!って、この3本がテーブルに並んだら、ステキじゃない?」テツヤ「イタリアンとかに合いそうだよね」ひいな「うん、すごくいいね」テツヤ「でも、ちゃぶ台でもいいよな(笑)」ひいな「伊藤家ではちゃぶ台に合わせました(笑)。これは3本セットで買えるんだって」テツヤ「お!飲み比べができるんだね」ひいな「1本2000円かな」テツヤ「贈り物にいいんじゃない?」ひいな「ね。すごくいいと思う」テツヤ「でもうちは贈り物は5000円までって決めてるんで……」ひいな「(笑)」テツヤ「お酒の造り方も内緒っていうことは、それぞれの蔵がどういうふうに造ってるかどうかもわからないんだよね?」ひいな「この3本のお酒は、ラベルと、16度っていう度数と、微発泡、純米っていうのが共通なだけだからね。それ以上はわからない」テツヤ「おもしろいな」ひいな「“テーブルに日本酒を”をコンセプトに各蔵が答えを出した1本なんだよね」テツヤ「各蔵の味と個性が、それぞれ出てたな」ひいな「なんと新酒鑑評会で、このうちの2本の蔵が賞を取ってるんだって」テツヤ「そりゃ、すごいね」ひいな「それぞれ歴史のある蔵なんだけど、若い蔵元だから、新しい取り組みにも意欲的で」テツヤ「代替わりの時期なんだろうなぁ」ひいな「〈わたご酒店〉の寺田さんもお若い方で、廃業寸前の酒販店を生き返らせたんだって。みんなで食卓に合う酒を造ろうと、若い力が結集したんだね」テツヤ「そういう動き、いいよな。若い力、応援したい!」ひいな「ね。私も実はこの3つの蔵の方たちとインスタライブすることになったの!」テツヤ「すごいな、ひいな!」ひいな「6月26日(金)から三夜連続で蔵の方とお話しするので、みんなインスタライブ見てね!」【ひいなのつぶやき】お酒は、“頭”で飲むのではなく、“五感”で飲むことで、よりおいしくなることがわかりました!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中。6月26日(金)から3夜連続で3蔵とのインスタライブも配信予定!
2020年06月21日かわいい年下男子のことが気になるアラサー女性も多いかもしれませんね。ここで、恋愛テクを間違えてしまうと年下男子を射止めることができません。そこで、アラサー女子が勘違いしてしまう恋愛テクを解説します。年齢に合わない若作りファッションミニスカートやショートパンツなどの脚見せファッションや、オフショルダーなどの肩見せファッションなど肌を出すファッションは、若いころなら男性をくぎ付けにする効果があります。ですが、アラサーで肌を露出させたファッションは、下品に見えてしまったり、貧相に見えてしまったりします。年下男子はやたら肌を露出するアラサーに迫られてもドキドキするどころか、恐怖を感じてしまうかもしれません。アラサー女性におすすめの肌見せは大胆な露出ではありません。ロングスカートから足首を少し見せたり、トップスを七分袖にして手首を見せたりするなどのチラ見せが大人の魅力を最大限に引き出してくれますよ。後輩を引っ張るべき立場なのに甘えるできないアピールをして甘えて頼ってくる女の子は、かわいくて男性にも人気ですよね。ですが、仕事でも中堅の立場になるアラサーが、男性を頼って甘えることはあまりいい印象をもたれません。特に年下男子には、アラサー女性には人生の先輩として引っ張っていってほしいと思っている人も多いです。アラサー女性に、できないを連発され、ベタベタ頼られても困惑してしまうでしょう。しっかりと年下男子をリードしながら、時々見せるドジなところなどのギャップがあると、年下男子はときめいてくれます。普段は、尊敬される人生の先輩を目指すことが大切ですよ。上目遣いや萌え袖のようなぶりっこな仕草うるんだ瞳での上目遣いや、長い袖に手のひらを半分隠す萌え袖は男性に胸キュンさせる鉄板の仕草ですよね。ですが、このぶりっこな仕草が許されるのも、20代までです。アラサーになると、ぶりっこな仕草はかわいいというより気持ち悪がられる可能性が高まるでしょう。年下男子にかわいいと思ってもらうためには、ぶりっこな仕草は控えたほうがいいでしょう。アラサー女性がかわいく見える仕草には、髪の毛を束ねたり耳にかけたりする仕草があります。ちらっと見えるうなじや耳たぶに胸が高鳴る年下男子も多いようです。大人の魅力をアップさせようアラサー女性が年下男子を狙う場合は、若い時に通用した恋愛テクは一旦考え直すことが大切です。アラサー女性が年下男子を落とすための恋愛テクは、若い子に張り合うことではなく大人の魅力を見せつけることです。アラサーらしい大人の魅力に磨きをかけて、年下男子のハートを射止めましょう。
2020年06月20日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?最新のペットボトル日本酒を紹介する第十三夜、2本目は高知を代表する人気のあの銘柄!(photo:Tetsuya Ito,Minami Murata , Ding Ding illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十三夜2本目は、容器は変わっても味は変わらず「PET 酔鯨 特別純米」。高知県高知市の酔鯨酒造で造られるのは料理が主役の“食中酒”。旨みがありながらもキレが良く、香りおだやかなお酒が目標。「PET 酔鯨 特別純米」720ml 1210円(税込・ひいな購入時価格)/はせがわ酒店娘・ひいな(以下、ひいな)「ペットボトルの日本酒2本目は『酔鯨』だよ」父・徹也(以下、テツヤ)「知ってる、知ってる。『酔鯨』って有名なお酒だよな」ひいな「そうなの。有名な蔵のお酒がペットボトルになってるんだよ!」テツヤ「全部、同じかたちなんだね」ひいな「そう、全部同じ。『この容器のまま電子レンジ等でお燗しないでください』って注意書きが書いてあるね(笑)」テツヤ「この、横着もの(笑)!」ひいな「ちなみに、〈はせがわ酒店〉から出てるペットボトル酒4本のうち、今回3本紹介するんだけど、紹介できなかったもうひとつの蔵はいつか紹介したい蔵だから後回しにしました!」テツヤ「また今度ってことで。高知の酒といえば『酔鯨』のイメージあるな」ひいな「高知のお酒って辛口のイメージがあるのね」テツヤ「うん、俺も勝手なイメージだけど、甘口のイメージは全くないよね」ひいな「ないよね、やっぱり。カツオとか魚に合うお酒が多いのかな」テツヤ「もしかしたら高知ってさ、醤油も甘めなんじゃない?カツオのたれって甘くない?」ひいな「そうだっけ?」テツヤ「食べ物と合わせるから、甘くないお酒のほうがいいのかもしれないよね。俺のあくまでも勝手な予想だけど(笑)」ひいな「(笑)」テツヤ「このペットボトルのパッケージいいね。北斎とかさ、浮世絵感あるよ」ひいな「オーソドックスな渋さでまとまってていい感じ」テツヤ「これだけで、きっと海産物が獲れるところのお酒なんだろうな、って感じがするね」ひいな「そうだね」テツヤ「これでいくら?」ひいな「1210円」テツヤ「え〜〜〜〜〜!お買い得!安いねぇ」ひいな「容器代と輸送代が節約できるのかな」テツヤ「ペットボトルでコストダウンってことか」ひいな「普通のペットボトルよりも蓋が少し固めだから開けにくいんだけどね」テツヤ「俺が開けるから、任せなさいよ」ひいな「じゃ、飲もう〜!」テツヤ&ひいな「乾杯〜!」米の旨みも感じつつ、キレもあってすっきり。ひいな「おいしい!」テツヤ「うまい!」ひいな「しみるお酒っていう感じしない?」テツヤ「うん、しみるね。これ、きっと燗もいいんだろうな」ひいな「うん、燗もおいしいと思う。この酒はね、ボリュームのある旨みとキレのいい味わいで、余分な香りがないぶん、少しの酸で後味を切ってるけど、後味に重心が乗ってる感じ。『酔鯨』ってどれを飲んでも間違いないんだよね」テツヤ「これは純米酒?」ひいな「うん、特別純米酒。『酔鯨』を飲みたくなる時って、割とさっぱりしたとか、キレがいいとか、そういうのを求めてる時な気がするんだよね」テツヤ「なるほどね。で、このお酒には何を合わせるんだろう?」ひいな「おつまみ持ってくるね!」「PET 酔鯨 特別純米」に合わせるおつみは「ザーサイときゅうりの和えもの」。ひいな「今回はいたってシンプルなおつまみだよ。ザーサイを汁ごとボウルに入れて、細く切ったきゅうりと和えて、ごま油をちょっとだけ垂らして、最後に白ネギをのっけただけ」テツヤ「まずいわけないじゃん!ザーサイは桃屋?」ひいな「そう」テツヤ「絶対うまいだろ!」ひいな「それはよかった(笑)」テツヤ「このお皿は笠間の作家・近藤文さんのお皿だね」ひいな「色合いが素敵だよね」テツヤ「いただきます!」ひいな「どうぞ!」テツヤ「あぁ、間違いないうまさだわ」ひいな「よかった!この料理はね、すっごく悩んだの。まぐろをわさび醤油でとか絶対合うおつまみから、いろいろ試してみたわけですよ。まずね、香ばしいのものが合わなくて。次はお酢と合わせてみたらどうだろう?と思ったらお酒が苦くなっちゃったの。今度はカマンベールと合わせてみたらカマンベールの白カビが勝ったんだよね。で、いろいろ合わせた結果、ザーサイが合うということになりました!」テツヤ「桃屋のザーサイがあれば、簡単にできちゃうね」ひいな「そう!」テツヤ「前回のやきとり缶といい、手軽だね」ひいな「パパッとできるのがいいでしょ?」テツヤ「この組み合わせ、間違いないです!」ひいな「よかったです!」テツヤ「桃屋のザーサイがここまで上品に生まれ変わるんだねぇ」ひいな「ペットボトルのお酒に合わせる時って、割と手軽なシチューエーションが多いかなと思って。缶を開けてそのまま食べたりとか」テツヤ「これくらいの気軽さでつまんで飲みたいね」ひいな「ちなみにね、高知って温暖な場所なの」テツヤ「黒潮だもんな」ひいな「そうそう。だから高知は酒造りには向いてないんだって」テツヤ「なるほどね」ひいな「けど、私の大好きな『南』とか『酔鯨』とか第二夜でも紹介した『土佐しらぎく』とか、高知にはいろいろなお酒が流通してるのは、それぞれ蔵の工夫があるからなの。この『酔鯨』を造ってる〈酔鯨酒造〉は少量仕込みと麹づくりの2点を重点的に管理して行ってるんだって。少量仕込みっていうのは温度管理がしやすいのと、しっかりした麹づくりっていうのは米を溶かす力とか発酵のバランスを取りつつ、高知の温暖な気候に負けないような酒造りを心がけてるんだって」テツヤ「なるほどなぁ」ひいな「食中酒として、料理も酒もともにおいしく、食事をよりおいしく楽しくするのに一役買うお酒が土佐の基本なんだって」テツヤ「だから高知はうまいもんばっかなんだな」高知の日本酒な娘・ひいなは、坂本龍馬がきっかけで高知LOVERに。燗酒にもしちゃいました!改めて乾杯。テツヤ「高知の人ってさ、なんであんなに酒飲みなんだろうね」ひいな「ね」テツヤ「四国の中でも酒飲み県のイメージはやっぱり高知だな。血の気が一番多い感じ」ひいな「九州に近いイメージあるよね」テツヤ「漁師が多いからかな」ひいな「カツオも獲れるし」テツヤ「カメラマンになりたての頃、四国出張があって、徳島に入ってから高知に行くはずだったんだけど、徳島空港に入ったら大雨で行けなくてさ。今でこそ、道はいっぱいあるんだけど、その頃1本しかなくて」ひいな「高知に行く道が?」テツヤ「四国ってさ、左右上下に走る交通の便がなくて、高知に行くのに香川行って愛媛行って、ぐるっーと回ったんだよ。でもさ、その不便さがあるからこそ、独自の文化がそれぞれ残ってるんだなって思ったんだよね。どこもさ、日本の突端みたいな、岬みたいな感じだなって」ひいな「なるほどね。小学生の頃さ、広島から愛媛に行ったじゃない?」テツヤ「尾道から行ったね」ひいな「家族4人でしまなみ街道を自転車で渡って。その前の年には父と2人で同じルートを走って」テツヤ「家族みんなで直島まで行ったのに、アート作品そっちのけで海水浴をしたな(笑)」ひいな「黄色いカボチャはちらっと見たよね」テツヤ「みんなアート目当てだから海水浴する人いなくて、海ガラガラだったもんな」思い出話に花が咲く。ひいな「うん、ガラガラだった。中学2年の時は、学校を休んでおばあちゃんと坂本龍馬の兄弟の墓に行ったくらい高知が大好きで」テツヤ「兄弟の墓(笑)。ひいなは坂本龍馬が好きなんだよな」ひいな「坂本龍馬の墓はね、京都にあるの」テツヤ「京都なの?高知じゃないんだ」ひいな「京都の〈霊山歴史館〉から歩いて15分くらいのところにあるよ。三菱の創設者の岩崎弥太郎と龍馬って土佐の友達で、実家に行ったりしてたのね」テツヤ「幕末の話をしだしたら止まらない(笑)。そういえば、『暮らしの手帖』のほら、編集長やってた人、誰だっけ?」ひいな「誰だろう?(ライター注:松浦弥太郎さんです。弥太郎違い)。21歳の時は徳島に車の合宿免許取りに行ったしね。やっぱり思い出がいろいろあるからかな。四国への思い入れが強くて」テツヤ「高知に初めて行った時はまだお酒飲めなかったんだもんな」ひいな「そう。それ以来、高知に行けてないから大人になった今一番、高知に行きたいの!」テツヤ「コロナが落ち着いて、早く行けるようになってほしいねぇ」ひいな「高知は紹介したい酒蔵がいっぱいあるから、お楽しみに!!」次回:6月14 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】手軽な容器で、かつ味わい深い「酔鯨」のおいしさにつられ、つい思い出話が弾んでしまいました!晩酌にもってこい!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年06月07日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十三夜の1本目は、ペットボトルに入ったプレミアムな日本酒。(photo:Tetsuya Ito,Minami Murata , Ding Ding illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十三夜1本目は、まろやかな甘みが口いっぱいに広がる「PET 来福 純米吟醸」。茨城県筑西市の来福酒造の看板酒「来福」の純米吟醸を特殊なペットボトルで。「PET 来福 純米吟醸」720ml 1276円(税別・ひいな購入時価格)/はせがわ酒店父・徹也(以下、テツヤ)「お、何これ!?」娘・ひいな(以下、ひいな)「これペットボトルなの」テツヤ「軽いねぇ」OLYMPUS DIGITAL CAMERAひいな「でしょ?実はね、20歳になってお酒を飲み始めてから、四合瓶を3本、家までの道中で割ってるの。そのうちの2本は前回紹介した『鶴齢』で、電車の中で手がすべってぶちまけちゃった……」テツヤ「え〜!まじか」ひいな「電車のなかで流れ出す日本酒……」テツヤ「(笑)。酒の匂いがやばそうだな」ひいな「すっごいいい香りしてた(笑)。もう1本もね、夜、お母さんと家で飲もうと思ってた帰り道、楽しくてぶらんぶらんお酒の入った袋を振りながら帰ってたら、家までもう少しっていうところでガシャンと……」テツヤ「俺も同じことやったことあるよ」ひいな「ほんと?親子だね(笑)」テツヤ「俺は本当に貧乏で食えない時、週に1回、980円のワインを買って家で飲むのが楽しみでさ。小さいひいなを抱っこして近くのスーパーにチリワインを買いに行って、競馬新聞片手に飲むぞ!ってウキウキして帰ってる時に、電信柱にぶつけてガシャン!」ひいな「あぁー。わかる。楽しみにしてる時のお酒ほど手をぶらぶらさせちゃうんだよね」テツヤ「そうそう。でもそれ、コーヒーフィルターで濾して飲んだけどね」ひいな「え、飲んだの?(笑)」テツヤ「だって金なかったんだもん(笑)」ひいな「もったいないもんね。楽しみで楽しみでしょうがないお酒を、家を目前にして割った時に悲しみったらないじゃない」テツヤ「ないね〜。がっくりくるよね」ひいな「そんな私たちにぴったりなのが〈はせがわ酒店〉が企画開発したペットボトル入りのお酒なの」テツヤ「なるほど〜!絶対割れないんだな」強く握っても大丈夫!(父・テツヤの筋肉に注目)ひいな「割れません!どれだけ落としても、ぶんぶん振っても大丈夫!しかも、軽い」テツヤ「四合瓶と同じ720mlとは思えない軽さ!」ひいな「ペットボトルにほんのり色がついてるんだけど、香りを保ちつつ、酸化を防いで、新鮮な状態を保てるらしくて。日本酒に採用される前は、焼肉のたれとか醤油に使われてたんだって」テツヤ「これは酒の色じゃなくて、ペットボトルに色がついてるんだな」ひいな「そう」テツヤ「だいぶ熟成されてるのかなと思ったよ」ひいな「思うよね(笑)。このペットボトルが開発されたことによって、瓶と遜色なく保存できるようになったみたい。さらに、軽量性と耐久性と経済性もあって。〈はせがわ酒店〉では4種類発売されてるんだけど、この『来福』はもともとすごく好きなお酒でね、本当にいいお酒なんだよ。これは純米吟醸」テツヤ「純米吟醸がペットボトルか、すごいな」ひいな「すごいよね。『来福』はね、花酵母で有名な酒蔵なの。個性がある味わいですごく好き」テツヤ「ペットボトルの『来福』、どんな味なんだろうね。飲んでみよう!」ペットボトルだから注ぐのも軽々!まずは片口へ。片口からおちょこへ。いただきます〜!テツヤ&ひいな「乾杯!」テツヤ「ペットボトルの酒のイメージってさ、新幹線の中で飲むイメージない?安っぽいイメージがどうしてもあったけど、これは……!」ひいな「おいしいでしょ?」テツヤ「相当うまいよ。もともと飲んでた来福とは違う?」ひいな「ううん、変わらないと思う。最初はね、正直なところペットボトルってどうかな?と思ってたんだけど。でも、口当たりのまろやかさはぜんぜん変わってない。わたしが飲んだ感想は、口当たりがまろやかで、香りが直にくる感じじゃないけど、後味にバナナの風味があるような。どう?」テツヤ「バナナ感、あるね!」「PET 来福 純米吟醸」に合わせるおつまみは、大人気の缶詰「ホテイのやきとり たれ味」。ひいな「前にお父さんがさ、やきとり缶、いつかおつまみで出したいねって言ってたじゃん。今回だ!と思って」テツヤ「たれ味だと思わなかったよ……」ひいな「塩味だと思った?」テツヤ「ブルーの缶の塩味だと思ってた!」ひいな「ホテイのやきとり缶をお父さんから教えてもらって、たれ味と塩味があるって聞いて(ライター注:塩レモン味、うま辛味、ガーリックペッパー味、柚子こしょう味もあるそうです)。今回どうしてたれ味にしたかっていうとね、焼き鳥を食べてほしいんじゃなくて、このたれの煮こごりっていうの?」テツヤ「はいはい。まわりのぷるぷるのところね」ひいな「そことお酒が抜群に合うと思ったんだよね。たとえば、煮魚の次の日の煮こごりでもいいし、そこの部分とお酒を一緒に食べてみてほしい!」テツヤ「ここぷるんとしたとこだよね。うまいねぇ」ひいな「わたし、23年間生きてきて、初めてやきとり缶を食べたの」テツヤ「まじで!?ほんとごめん。親としての責務を果たしてなくて……」ひいな「そんなことないけど(笑)。やきとり缶の甘いたれと『来福』の甘さがうまく調和してるな〜って」テツヤ「ひいな、ごめん。俺、やきとりは塩味が最高だと思って、ぜんぜん冒険してなかったわ」ひいな「たれ味を食べてみてどうだった?」テツヤ「ホテイのやきとりは青い塩味が最高だと思ってたから、最近ほとんどたれ味を食べてなくて。高校生ぐらいまで遡らないとたれ味を食べた記憶ないもんな」ひいな「どういうシチュエーションでやきとり缶を高校生で食べてたんだろう(笑)」テツヤ「まあまあ(笑)。たれ味と酒を合わせると、確かにうまい!」ひいな「このたれの甘さ加減が絶妙だよね」テツヤ「甘辛のね。みんなが好きな味だよね。めちゃくちゃ『来福』と合うわ」ペットボトル日本酒によって、持ち運びも楽に。飲む場所がどんどん広がる。テツヤ「どうしてペットボトルで酒を出そうと思ったんだろうね」ひいな「やっぱり持ち運びじゃない?だって、ラクだなと思ったよ。スタジオに持ってくる時なんのストレスもなかったもん」テツヤ「割れちゃうかな?とか考えなくてもいいってことだもんな。瓶ってやっかいだよね」ひいな「重いし、割れちゃうし、3本も割ってるわたしにとってはありがたい」テツヤ「山登りとかに持って行ってもいいよね」ひいな「ね。お花見とかピクニックとか、外で飲む時にも便利だよね」テツヤ「やきとり缶と合わせて、アウトドアに最高じゃない!」ひいな「たまんないね。でもさ、伊藤家ではペットボトルを買うことを控えてるじゃない?」テツヤ「ペットボトル買ったの、今年はまだ1本だけだもんな」ひいな「家族みんなマイボトル使ってるしね」テツヤ「環境問題に気をつけたいと思ってるからね。って、そう言いながらジープに乗ってるんだけどさ(笑)。1リッターで5kmしか走らないジープに乗ってるかるからこそ、せめてもの罪滅しとして、ゴミを捨てないようにしようっていうね」ひいな「お酒の瓶みたいに、ペットボトルもきちんとリサイクルされるはず!」テツヤ「ね」ひいな「マイボトルみたいに、お酒をそのまま入れてもらえたらいいのになってずっと思ってて」テツヤ「昔の酒屋さんはそうだったんだよ。樽から空瓶に入れてもらってさ」ひいな「前に住んでた家の近所の酒屋さんがね、タンクごと仕入れてて日本酒を量り売りしてくれるところがあったの!」テツヤ「なんで教えてくれなかったんだよ!俺も行ってみたかった!」お父さん、隠しててごめんなさい。ひいな「隠しておきたかった(笑)」テツヤ「なんで隠すんだよ!なんで引っ越してから言う?」ひいな「(笑)。そういうところがもっと増えてってほしいなと思って。瓶からペットボトルに変化を遂げて、さらにマイボトルの時代へ戻ったらいいなと思って」テツヤ「そうだな。それにしても先入観ってすごいなぁ」ひいな「ね。ペットボトルだから安っぽいとか考えちゃうけど、その概念を覆したいと思って、今回紹介したくて」テツヤ「本質を知ってくれ、と」ひいな「そうそう。蔵元の方はペットボトルだろうと瓶だろうと、造る思いは変わらないから」テツヤ「そりゃそうだよな。関係ないよな」ひいな「蔵元さんの造る思いとか、コンセプトは変わらずに、それがペットボトルで安く味わえて耐久性もあるなら」テツヤ「言うことなし!」ひいな「だよね!」次回:6月7 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】質の高い日本酒が気軽に飲める時代! 待ってました!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年05月24日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十二夜3本目は、新潟の有名銘柄のあのお酒。(photo:Tetsuya Ito,Minami Murata , Ding Ding illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十二夜3本目、飲み飽きないおいしさの「鶴齢純米吟醸」。日本有数の豪雪地帯・新潟県南魚沼市にある「青木酒造」の代表銘柄「鶴齢」。淡麗でありながら、旨口な味わいで飲み飽きずに長く楽しめる。「鶴齢 純米吟醸」720ml 1650円(税別・ひいな購入時価格)/青木酒造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「冷蔵庫に入れておきたい3本目はね、飲み飽きしないお酒をぜひとも紹介したくて」父・徹也(以下、テツヤ)「なるほど〜」ひいな「実はね、飲み飽きしないお酒を謳ってる蔵ってたくさんあって。正直、どの蔵のお酒を紹介しようか迷ってたの。それでね、いつもお世話になっているGINZA SIXの地下にある〈IMADEYA GINZA〉の店長の大川さんに相談すると、ベストなお酒を紹介してもらえるの」テツヤ「それは、ありがたいね。大川さんに相談すればなんかいいお酒を教えてくれるぞと」ひいな「私が好きそうなお酒をいつも紹介してくれるんだけど、今回は、それが『鶴齢』の純米吟醸だったの」テツヤ「へぇ〜。聞いたことある。有名なお酒だよね。よく出回ってるし。このラベルも見たことあるある」ひいな「『鶴齢』はとても有名なお酒だよね。いままでさ、1年近くこの連載やってきたけど、有名銘柄は避けてきたところがあって……」テツヤ「うん、そうだったね」ひいな「わたしが紹介するのは恐れ多いという思いもあったし……」テツヤ「ひいなが紹介することで、蔵を応援したいっていう気持ちもあるしな」ひいな「うん。でもね、このお酒を飲んでみて、これは年中飲んでいられる定番ないい酒だなと思って」テツヤ「そりゃ、うちにとっての『本搾りチューハイ』のグレープフルーツみたいなもんか!」ひいな「そうそう。常に冷蔵庫にあるもんね(笑)。この間、引っ越しした時も、何よりも真っ先にお母さんが冷蔵庫で冷やしてた」テツヤ「震災の時もさ、唯一買い占めたものが、ガソリンでもなく、水でもなく、『本搾り』だったっていうね(笑)」ひいな「どれだけ愛してるんだよ!っていうね」テツヤ「メルシャンだった時代からだからな〜(ライター注:いまはキリンビールから販売中)」ひいな「24本入りが定期的に届くもんね」テツヤ「伊藤家になくてはならないお酒です じゃ、そろそろ、いただきますか!アルミのおちょこでひんやりと。乾杯〜!おぉ。こりゃあ、米のうまさが際立つねぇ。テツヤ「うあ!」ひいな「おいしくない?」テツヤ「3本の中で、一番旨みがあるな」ひいな「あ、いま旨みって言った?」テツヤ「うん」ひいな「この酒蔵の目指してるコンセプトが、なんと淡麗旨口なの!」テツヤ「おぉ、合ってた!連載1年目にして、だんだん味がわかってきたね」味がわかるようになった、父・テツヤ。ひいな「最近、お父さん、舌がするどくなってきたよね」テツヤ「マジで?そりゃ、うれしいね。でもさ、“飲み飽きない”っていうのは、どういうお酒のことなんだろうね。ほら、俺たちもともと飽きずにずっと飲んじゃうからさ……」ひいな「確かに(笑)。味に特徴があり過ぎてもずっと飲むにはくどい感じがあったりするし、キレがあり過ぎても変化がほしくなってくるし、そのちょうどいい塩梅かな」テツヤ「ま、ず〜っと飲めるっていうことだよな。それってつまりは普通さも必要だよね、いい意味で」ひいな「うん、わかる」テツヤ「この瓶が冷蔵庫に入ってたら、ちょっとかわいいね」ひいな「ね。これからは冷蔵庫にキープしとこ」「鶴齢純米吟醸」に合わせるおつまみはさっぱりとした「大根と梅のおかか和え」テツヤ「このお酒には、何を合わせるの?」ひいな「このお酒はね、たとえば、コンビニで売ってるおつまみなら、すべてのものと合うと思うよ」テツヤ「へぇ〜!」ひいな「でも、そのなかでも意表を突くなら梅かなと思って。梅干しが絶対合うと思ったんだよね。うちでさ、自家製の梅干しを漬けてるじゃない?」テツヤ「あの酸っぱい梅ね」ひいな「その梅干しを使って薄切りの大根とかつおぶしを和えたシンプルなおつまみだよ」テツヤ「いただきます!」ひいな「ちょちょ、ちょっと待って!これはね、バクバク食べる感じのおつまみじゃなくて」テツヤ「え〜、バクバク食べたいよ!」ひいな「なんで(笑)。サラダと思って食べないで、おつまみとしてちょこちょこ食べて。そしたらね、何時間でもず〜っと食べながら飲んでいられるから」テツヤ「そうか。じゃ、ちょっとつまんで、いただきます!」ひいな「どう?」テツヤ「あれ、さっきよりさらにお酒がうまく感じるぞ」ひいな「温度高くなったのもあるかも?そうやって温度が変わってもさらにおいしく感じるのは、飲み飽きないお酒の条件かもしれないね」テツヤ「なるほど、そうだね」ひいな「飲むたびにおいしいって思えるんだもん。最高だよね」テツヤ「あぁ、しみじみうまいね」ひいな「おいしいでしょう?薄切りにした大根と梅干しがね、合うんだよね〜」テツヤ「ひいなのつまみの完成度がどんどん高くなるねぇ」ひいな「こんなにシンプルなのに(笑)」テツヤ「かつおぶしと梅干しって最強コンビだよね」おつまみと一緒に日本酒を味わう口福……。寝ちゃったのかと思った(笑)!テツヤ「『鶴齢』はさ、どこのお酒なの?」ひいな「新潟県南魚沼市」テツヤ「うわ〜、米どころ、酒どころ、酒王国だ!」ひいな「新潟のお酒は淡麗辛口っていわれてるけど、このお酒が淡麗旨口な理由がわかるよね」テツヤ「ほんとにな」ひいな「淡麗旨口のお酒を、あえて新潟でつくることがね」テツヤ「こないださ、パナソニックの炊飯器の撮影をしたんだけど、魚沼産コシヒカリとほかのコシヒカリでボタンが違うんだよね」ひいな「え!? 炊き方が違うっていうこと?」テツヤ「そう、炊く時間が違うんだって」ひいな「それは、すごいね」テツヤ「おいしいお米ってさ、食べ飽きないよね」ひいな「このお酒もまさに!」真っ白い雪の中で寝かせたお酒は、雪国だからこそ生まれる逸品。ひいな「この蔵はね、新潟の豪雪地帯にあるから『雪室(ゆきむろ)』っていう、大きい倉庫みたいなところに雪を詰め込んで、その雪の中で酒瓶を保存してるんだって。雪の中だと温度が一定になるから、味とか香りにストレスがかからないぶん、いい影響があるらしくて」テツヤ「雪国ならではだね。ストレスってさ、味に影響あるっていうもんね」ひいな「人もそうだよね。ストレスないほうがいいもん」テツヤ「ストレスのない状態って大事だねぇ」ひいな「雪室ってどんなものなんだろうって検索してみたらね、びっくりするくらいの雪の量なの!」テツヤ「すごいな、これ。雪の高さ3mはあるんじゃない?」ひいな「今年の冬は暖かったみたいだけど、それでも2月くらいに雪を入れて雪室を通したものが出荷されてるんだって」テツヤ「きれいな水も資源だけど、雪も資源だよね」ひいな「ほんとそうだよね。雪があるから、おいしいお酒をつくってくれるんだもんね」テツヤ「ひいながいつもおいしいお酒を掘り出してくれるから、いままであんまりメジャーどころのお酒とは縁がなかったけど、今回、すごく新鮮だったな」ひいな「そうだね」テツヤ「俺さ、撮影でハワイに12回ぐらい行ってるのに、12回目にして初めてガーリックシュリンプを食べたのよ。ハワイに行ったらまず食べたいもの!ぐらい有名なものなのに、今まで一度も食べたことなかったの」ひいな「ガーリックシュリンプ初体験(笑)」テツヤ「やっぱり、メジャーどころはなかなか体験しないもんなんだな(笑)。それにしても、今回はバラエティに富んだ3本で楽しかった!」ひいな「ね。それぞれ違うおいしさがあったよね」テツヤ「みなさんも、家飲みにぜひこの3本、ストックしてみてください〜!」次回:5月24 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】冷蔵庫にはいつもおいしいお酒を 日本酒がいつもそばにある生活をお過ごしください!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年05月17日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十二夜2本目は、家にあったらテンションアップな日本酒。(photo:Tetsuya Ito,Minami Murata , Ding Ding illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十二夜2本目は、名前と味のギャップに翻弄される「東魁盛 純米吟醸 山田錦50 無濾過生原酒」。千葉県富津市にある小泉酒造の人気酒「東魁盛」。冬限定の生原酒は、米の甘みとふくよかな香り、キレもあってクリアな酸と、申し分ないおいしさ。「東魁盛 純米吟醸 山田錦50 生原酒」720ml 1870円(税込・ひいな購入時価格)/小泉酒造合資会社娘・ひいな(以下、ひいな)「冷蔵庫に入れておきたい2本目は、令和2年に飲んだ日本酒の中で一番おいしかったお酒だよ!」父・徹也(以下、テツヤ)「おいおい、まだ3ヶ月しか経ってないけど……(笑)」(ライター注:撮影日は3月半ば頃でした)ひいな「今のところ、一番おいしいお酒ってことで」テツヤ「そりゃ、いいね」ひいな「なんと千葉のお酒なの」テツヤ「おぉ、富津市か!近いね」ひいな「そうなの。初めて知った蔵で。角打ち行った時は、知らないお酒を飲むようにしてるんだけど、それでこの『東魁盛』を飲んでみたら、もうね……最高だったの」テツヤ「ひいながそんなに言うなら、期待が高まるねぇ」ひいな「お酒飲む時ってさ、明るい気分の時もあれば、しみじみしちゃう時もあるじゃん」テツヤ「あるね(笑)」ひいな「これはね、帰り道で四つ葉のクローバー見つけちゃった!みたいな日に飲みたいお酒のほう」テツヤ「そういうウキウキ感ね(笑)」ひいな「たとえば、今日は早く家に帰れたから飲むぞ!っていう時に、香りがよくって、高揚感のあるお酒を欲する時があるんだけど、そんな時にぴったりなお酒だよ」テツヤ「今日は家飲みするぞ!っていう前向きな感じね」ひいな「そう。前向きなウキウキ感に合わせたい!」テツヤ「でもさ、1本目の『6513』のラベルのほうがウキウキ感あるかな。『東魁盛』は、今日は嫌なことがあったからとことん飲んでやるぜっていう時につきあってくれる酒って感じがするけどね(笑)」ひいな「そうだよね(笑)。名前と味のイメージがぜんぜん違うんだよね、正直なところ」テツヤ「え、そうなの?」ひいな「冷蔵庫に3本ストックするんだったら、1本は『6513』で、もう1本は甘いお酒を入れようと思ったんだけど、甘さはあるけど、くどくないお酒を入れたいなと思って。そしたら今季一番おいしい、このお酒と出会ってしまって」テツヤ「楽しみだなぁ〜。じゃ、いただこっか」今回はワイングラスで。乾杯〜!キンキンに冷えたお味やいかに?テツヤ「あぁ、いい、いい!」ひいな「めっちゃおいしくない?」テツヤ「これ、うまいぞ〜!」一口飲んで、そのおいしさにうっとり。ひいな「お酒の名前の渋さとは裏腹な感じしない?」テツヤ「うん、名前は知ってるけど会ったことなくて、なんとなく苦手だなと思ってた人みたいな。やっぱり、会ってみなきゃわからないし、一緒に飲んでみなきゃわからないよな、本当の人柄は。そんな感じでしょ?」ひいな「そうそう。名前はね、昔ながらな感じだけど、味は洗練されててびっくりした」テツヤ「うん、見た目の印象と味の印象が違うね。甘さの中に、微発泡感が少しあって、酸のキレもあって」ひいな「キンキンに冷やすとおいしいよ〜」テツヤ「和三盆的な、質のいい甘さも感じるし」ひいな「わかる!品があるよね。甘さが広がっていくんだけど、酸も少しあって、それなのにくどくなく消えていく感じ」テツヤ「そうそう、いい感じにね、すーっと」ひいな「なんか私たち、大絶賛だね(笑)」「東魁盛 純米吟醸 山田錦50 生原酒」に合わせるのは、〈YATSUDOKI〉の「うみたて卵のプリン」。ひいな「少し甘めのお酒に何を合わせようかなと思って、正直いろいろ迷ったの。調味料をいろいろ合わせてみたら、ケチャップは合わなくて。オタフクソースはちょっと苦味を感じて。とことん甘いのに振ってみたらどうだろう?と思って、今回は、とっておきを用意しました!」テツヤ「え?っていうことは甘いもの?」八ヶ岳明野町契約農場のうみたて卵を使ったとろ〜りプリン。ひいな「これは自由が丘にある〈YATSUDOKI〉のプリンだよ!『うみたて卵のプリン』っていうんだけど、すっごくおいしいの!」テツヤ「うまそう〜!いただきます〜」ひいな「この上にあるとろとろの生クリームからしてヤバいでしょ?」テツヤ「うま!」ひいな「おいしいよね〜」テツヤ「甘み on 甘みの重ね技だね」ひいな「プリンが抜群に合うから選んだっていうよりも、このお酒は、わりとなんでもいけちゃうぞ、っていうことを証明したくて」テツヤ「プリンと日本酒がこんなに合うなんて驚きだね」ひいな「カラメルまでいってみた?」テツヤ「カラメルも合わせると、また違う!」ひいな「このほんのりとした苦味と酒の苦味が、また合うんだ〜」テツヤ「プリンがいい具合に“お酒請け”になってる。お茶請けみたいな」ひいな「このお酒、正直なところ、あたりめでもさきいかでも何でも合うと思うんだけど、あえてこのお酒の幅広さを示すためにプリンにしてみたよ」ちょっと食べたところにお酒をたらり!テツヤ「プリンの中に日本酒入れてみてもいいですか?」ひいな「やっぱりやっちゃう?」テツヤ「合うでしょ、絶対」ひいな「どう?おいしい?」テツヤ「めっちゃ、うまい!ひいなも入れてみ」ひいな「おいしい〜。なんか茶碗蒸しみたい」テツヤ「日本酒とスイーツ。ほんとに合うね。普通はさ、プリンと日本酒を合わせようなんて思わないじゃない?」ひいな「そもそも組み合わせようとも思わないもんね」テツヤ「これはヤバいね。おいしくて、どんどんいっちゃう!」名前と味のイメージにギャップがあるからこそ、愛しさが募るお酒に!テツヤ「このお酒の価格は?」ひいな「1870円だよ」テツヤ「おぉ。寄り添ってくれる価格だね。でもさ、このラベルで手に取るかな、どうかな〜」ひいな「私としてはね、このギャップにすごく惹かれたからこそ押していきたいっていうのがあるんだよね」テツヤ「逆萌えか」ひいな「天邪鬼だから(笑)。このラベルのイメージとお酒のクオリティのギャップがね、たまらないよね」テツヤ「おいしさを知っちゃったもんね。だってさ、家にあったらお母さんが間違って料理に使っちゃいそうじゃない?」ひいな「そんなことないよ(笑)!でも、言ってることはわかるよ。昔ながらの日本酒感は確かにある」テツヤ「ラベルの背景に使ってある印影、すごいかっこいいね。これを使ってデザインしたらかっこよくなりそうじゃない?」ひいな「それってつまりは今時なデザインにってことでしょ?それはそれで、う〜ん複雑だな〜」テツヤ「でもさ、このおいしさをもっと伝えたいと思っちゃう。このお酒が好きだからこそ、考えたいっていうかさ。『とうかいざかり』っていう名前もさ、力士の名前みたいでいいよね」ひいな「わかる(笑)」テツヤ「昔さ、魁傑っていう力士がいてさ。物心ついた時のお相撲さんといえばって感じだったんだよね」ひいな「魁皇とか、高見盛とか」テツヤ「世代だねぇ。俺はやっぱり魁傑だね!」ひいな「はいはい(笑)。実は、まだこの生原酒しか飲んだことがないから、一年通して他の『東魁盛』も飲んでみたいな」突然、相撲取りの気分になった父・テツヤ。四股を踏みはじめた!ひいな「ちょ、いきなり、四股踏み始めないでよ!(笑)」テツヤ「感謝の意味を込めて(笑)。ひいな、今回もおいしいお酒を教えてくれてありがとう!! 」次回:5月17 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】名前とお酒のギャップに魅せられてしまいました。このラベルのままの「東魁盛」を応援しています!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年05月10日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十二夜の1本目は、冷蔵庫にしのばせておきたい定番酒。中でも毎年必ず飲むほどお気に入りのお酒から。(photo:Tetsuya Ito,Minami Murata , Ding Ding illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十二夜1本目は、味わい、飲み口、ラベル、すべてにおいて洗練された「田中六五 6513」。福岡県糸島市にある白糸酒造。糸島は、知る人ぞ知る山田錦の産地。「田中六五」「6513」ともにある「65」という数字は、精米歩合のこと。「糸島産山田錦の65%精米の純米酒」の意味。アルコール度数13%で飲みやすい「田中六五 6513」720ml 3080円(税込・ひいな購入時価格)/有限会社白糸酒造娘・ひいな(以下、ひいな)「私とお父さんでさ、割り勘してセラーを買ったじゃない?」父・徹也(以下、テツヤ)「そうそう、割り勘でね。俺はワインを入れたくて、ひいなは日本酒で」ひいな「ワインと日本酒を入れたいから、上下で温度帯が変わるセラーにしたんだよね」テツヤ「いつのまにかワインが1本も入る余地もなくなってたけど(笑)」ひいな「今日数えたらね、日本酒が27本も入ってた!」テツヤ「そりゃ、すごいわ(笑)」ひいな「一般家庭ではあり得ないよね」テツヤ「あり得ない本数だね(笑)」ひいな「でもね、考えてみたの。普通の家なら、冷蔵庫の扉のところの牛乳とかポン酢とか入れるところに入れることになるでしょ?そうすると日本酒2〜3本くらいだなと思ったの」テツヤ「ま、それくらいだろうな。ストックしておけるのは」ひいな「だからね、今回は冷蔵庫に常にストックしておきたい3本をセレクトしてみました!」テツヤ「なるほど、いいねぇ」ひいな「この連載を読んでくれている方も、この3本を入れとけば、どんな気分の時でも、毎日いろんな日本酒を楽しめるよって伝えたい!」テツヤ「イヤなことがあっても、楽しいことがあっても、この3本あれば楽しめるぞ!と。3本あればちびちび飲めるし、ちょっとこのお酒飽きたなと思っても、3本でローテーションすれば味が変わるしね」ひいな「1本目は『田中六五』を出してる白糸酒造っていう福岡県の糸島市にある蔵のお酒から」テツヤ「こないだ九州に行った時、行けなかったところだね」ひいな「そうなの。『田中六五』の六五は、精米歩合が65%っていうこと。8代目が田中さんっていうお名前で、田んぼのなかにある酒造っていうことから名付けられたみたい」テツヤ「なるほど」ひいな「しかも、この『6513』はアルコール度数が13度でちょっと低めなの。スマートに飲めて、グイッといっても嫌味がないお酒だと思うから、そばちょこで飲んでみよう」娘・ひいなのお気に入りの1本。どんなお味か……!?いざ、実飲!いただきます!テツヤ&ひいな「それじゃ、乾杯〜!」テツヤ「おいしい!こりゃ、いい酒だねぇ」ひいな「ね、想像してみて。仕事終わって家に帰ってきて、冷蔵庫開けたらさ、このお酒があるんだよ。そしたらさ、飲んじゃわない?」テツヤ「わかる。飲む。なんだろ、この余韻がね……」ひいな「そう、余韻があるよね」テツヤ「余韻がやばいね。なんかね、しみじみと、今日1日を振り返られるわ。『なんで、あの時、もうちょっと粘れなかったかな……』とかね。(ライター注:父は売れっ子カメラマンです)」ひいな「そんなことあったんだね……(笑)」テツヤ「これは、ひいなの好きそうな酸を感じる味だよな」ひいな「うん、純米酒。このお酒、毎年かかさず飲んでるの。毎年きっと味が違うはずなんだけど、1年前の味を舌が記憶できる状況にまだなくて、それはこれからの訓練だなと思ってる。1年前のお酒の味を覚えてるのが理想かな」テツヤ「この酸の立ち方、好きだわ〜。ワインだよね、これは。ワイングラスで飲むのもいいんじゃない?」ひいな「このお酒はね、山田錦なんだけど、山田錦といえば兵庫のイメージがあるでしょ?でもね、糸島は山田錦の知られざる産地でもあるんだって」テツヤ「香りがいいよね」ひいな「福岡ってお米へのこだわりがすごくて、『吟のさと』っていうお米もあったり、お米の栽培も含めて特別な感じがあるんだよね」テツヤ「糸島産の山田錦ってわざわざ書いてあるね。100%使ってるんだ。地元の米で造られてる酒はやっぱりいいよね」ひいな「地元に根付いている蔵だからね」「田中六五 6513」に合わせるおつまみは、うまみたっぷりの「ろく助 塩」!ひいな「疲れて帰ってきた時に飲みたいお酒だから……」テツヤ「それに合わせるおつまみは?」ひいな「こちらです!」テツヤ「なんだこれ?白い粉……?」おいしすぎて、ずっと舐めてられる『ろく助』の塩。ひいな「塩だよ!『ろく助 塩』っていうんだけど、ただの塩じゃないの」テツヤ「何が違うの?」ひいな「粗塩に干し椎茸と昆布と帆立貝の旨みをプラスした調味塩なの」テツヤ「おぉ〜、聞いてるだけで最高だね。うまそ!」ひいな「うちでサラダ食べる時、ドレッシングかけないじゃない?オリーブオイルと塩で食べる時、私たちはいつもこの塩を使ってて。ほら、お父さんは、お気に入りの岩塩があるから食べたことなかったんだよね。伊藤家ではサラダに欠かせない塩なの」テツヤ「え、そうなの? どうやって食べればいいの?舐めた直後に飲むの?」ひいな「どっちでも(笑)。お酒の味が変わるよ!」テツヤ「塩だけでもうまいね。で、このあとお酒を一口。うんめぇ〜。出汁の旨みがすごいね。こりゃ。このおいしさ、俺だけが知らなかったんだな……」ひいな「そうなんだよ!お酒の旨みが、さらに乗ってくる感じがするの」テツヤ「あぁ、酒の味が深まる!」舐めだしたら止まらない!?プチトマトに塩を振るだけでおつまみに変身!そのおいしさに、きっとたっぷりと塩をつけたくなるはず!ひいな「でしょ?疲れて帰ってきて、お酒注いで、塩を舐めるだけでいいの!」テツヤ「それ、やばいやつだよ(笑)。 でも、確かにこの組み合わせは最高だね」ひいな「実はね、これ、お湯に溶かすだけでもおいしいんだよね」テツヤ「わ!これは二日酔いの後に飲むスープだよ!むっちゃうまい!これはグビグビ飲めるね」ひいな「塩だけでもおいしんだけど、栄養取るためにもプチトマトとかにつけてね」テツヤ「つまみ、塩だけでいいよ」ひいな「だよね(笑)。最近、塩と日本酒っていう組み合わせがブームになりはじめてるらしくて。野菜ともバッチリ合うけど、この塩とお酒が最高に会うんだよね。手頃なペアリングでしょ?」テツヤ「疲れて帰ってきてさ、ネクタイ緩めながら冷蔵庫開けてさ」ひいな「いつもネクタイしてないし(笑)」テツヤ「日本酒と塩で晩酌とかさ。かなり究極のシチュエーションだけど、でも、そういう日もあるよね」ひいな「うん、それが人生だよ」オンリーワンでもなく、ナンバーワンでもなく、定番のお酒を目指して。ひいな「この酒について調べてたらね、すごく納得したのが“オンリーワンでもなく、ナンバーワンでもないお酒を目指してる”っていうことだったの」テツヤ「どういうこと?」ひいな「これじゃなきゃダメっていうのでもなくて、これが一番っていうのでもないってことじゃないかな。精米歩合65%っていうのも磨きすぎず、定番の65%にたどり着いたってことみたい。このお酒は旨みもあって、でもとんがってなくて、嫌味がない感じがすごくいいなと思って」テツヤ「うん、わかる。うまいよね。飽きのこないうまさっていうかさ」ひいな「行きたかったね、蔵」テツヤ「今度行こう。また旅する理由ができた」ひいな「白糸酒造を目指して行こう」テツヤ「ちなみにさ、このお酒の値段は?」ひいな「実はこのお酒少し高いんだよね。3080円」テツヤ「おー!まぁまぁ高いな!でもすげー気に入ったわ。これはね、採用します!」ひいな「我が家の冷蔵庫のポッケにいれていいんだね!」テツヤ「デイリー酒にしては少し高いけどな。うーん、一流企業のサラリーマン向けかな。でも、冷蔵庫に1本あったら幸せだよね。あとさ、これはモテ酒だね」ひいな「モテる酒ってこと?」テツヤ「そう、みんなおいしいって思うでしょ?一人暮らしの男の家に女の子が遊びに来て、冷蔵庫にこの日本酒が入ってたらさ、女の子喜ぶでしょ?」ひいな「何それ(笑)」テツヤ「センスいいって思われるでしょ?見た目もクールだし、きちんとおいしいし」ひいな「でも、家入ってさ、いいお酒あるんだよねっていわれて、冷蔵庫から『6513』が出てきたら、『こいつ、口説きにかかってるな』って思っちゃう。私だったら絶対嫌だ(笑)」テツヤ「でもさ、日本酒知らない女の子には飲みやすいし、いいと思うけどな〜」ひいな「最初に飲む日本酒としてはいいかもね。パーティに持っていくお酒としてはどう?」テツヤ「パーティってさ、持ってきた時のイメージはあるんだけどさ、いろんなお酒を飲みすぎて味の記憶がないんだよね(笑)」ひいな「わかる(笑)。じゃ、プレゼント?」テツヤ「うん、もらったらうれしいよね。最近、伊藤家は引っ越ししましたので、みなさま、引っ越し祝いでお待ちしております!」ひいな「お待ちしております!」次回:5月10 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】癒されたい時に飲むお酒として、我が家で重宝します!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年05月03日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?番外編の今夜は、娘のひいなも働いている有楽町の人気日本酒バー「KURAYOSHI」の女将らをお招きし、「北雪酒造」とのコラボレーションから生まれたオリジナル日本酒を飲み比べ!(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)今宵は番外編。「北雪酒造」が手がけた店舗限定酒「おかみのおもてなし」。1本目は「純米吟醸火入れ」から!新潟県佐渡市にある「北雪酒造」と唎酒師の女将らとのコラボレーションから生まれたオリジナル日本酒「おかみのおもてなし 純米吟醸火入れ」90ml 800円(税抜・店頭提供価格)※〈KURAYOSHI 有楽町店〉〈魚バカ一代 新橋本店〉〈かき家 こだはる 新橋店〉〈かき家 こだはる 霞ヶ関店(2020年6月オープン予定)〉の4店舗でのみ提供(4/1より休業中)娘・ひいな(以下、ひいな)「今回は番外編です!」父・徹也(以下、テツヤ)「前にやった番外編の時は、土田酒造のおもしろいお酒を飲み比べしたけど、今回はどんなお酒なの?」ひいな「私の働いているお店〈KURAYOSHI 有楽町店 ※4/1より休業中〉が造ったお酒をご紹介しちゃいます!」テツヤ「えぇ、マジで?酒蔵とコラボしたの?」ひいな「そう! 新潟県は佐渡島にある『北雪酒造』とコラボした3本と同じ酒造の2本も加えて、今回は5本を飲み比べてみたいと思ってるよ!」テツヤ「5本も! そりゃ、楽しみだねぇ。早く飲もう」ひいな「そうだね、飲もっか」(ひょっこり。美女が2人も!?)〈KURAYOSHI 有楽町店〉店長の佐藤裕子さん(左)と、株式会社Globridge女将事業部長の金江夏美さん(右)が日本酒を持って遊びに来てくれました〜!〈KURAYOSHI〉店長・佐藤裕子(以下、裕子)「お邪魔します〜!」女将事業部長・金江夏美(以下、夏美)「はじめまして!遊びに来ちゃいました」ひいな「わ、店長!」テツヤ「これは、これは! おふたりとも『伊藤家の晩酌』へようこそ!」裕子「〈KURAYOSHI 有楽町店〉の店長の裕子です!」テツヤ「こんばんは! 店長、娘がいつもお世話になっています! 娘はちゃんと働いていますか?」裕子「はい、お客様にも大人気で。看板娘ですよ」テツヤ「そりゃ、よかった。ありがとうございます!」ひいな「なんか、居心地が悪いな……(笑)」夏美「夏美です。よろしくお願いします。社内に新しくできた女将事業部で部長をやっています」テツヤ「あ、だから、このラベルに“おかみ”の文字が!」夏美「はい、そうなんです。お客様と酒蔵をつなぐスペシャリストとして『女将』を軸に新たなプロジェクトを進めておりまして」テツヤ「女将プロジェクト!」夏美「オリジナルの日本酒を造ったり、これからおもてなしのプロである女将をたくさん輩出していきたいと計画中です」ひいな「だから、お酒の名前が『おかみのおもてなし』なんですね」テツヤ「なるほど。初めての試みなんですか?」裕子「はい。日本酒を自分たちで造ってみたいと思いまして、今回は北雪酒造さんにご協力いただいて、初めてオリジナルの日本酒を造りました」ひいな「おふたりで佐渡まで行かれたんですよね」テツヤ「へぇ、そりゃいいですね」夏美「はい、最後の仕込みの2日間、立ち合わせていただきました」裕子「蒸したお米を機械に入れたりだとか、タンクに入れて混ぜるところだとか、一緒にさせていただけて、とっても楽しかった〜!」ひいな「わぁ、うらやましい!いいですね。いつか『伊藤家のおもてなし』も造ってみたい!」テツヤ「そりゃ、いいね。このお酒はどこで飲めるんですか?」裕子「今年の3月20日に解禁しまして、〈KURAYOSHI 有楽町店〉、〈魚バカ一代 新橋本店〉、〈かき家 こだはる 新橋店〉、〈かき家 こだはる 霞ヶ関店(2020年6月オープン予定)〉の4つの店舗で提供しています」テツヤ「おぉ、限定なんですね。早く飲みたいねぇ。どういう順番で飲む?」裕子「一番さらっとしているのが火入れしているタイプ。味わいもライトで飲みやすいので一番最初がいいかなと思います」テツヤ「じゃ、火入れからいただこうか。せっかくだから、女将から注いでいただきたいなぁ」ひいな「店長、お願いします。なんかお父さん接待みたいになっちゃってるけど(笑)」テツヤ「このイラストは裕子さん?」裕子「いや、モデルはいなくて、女将のイメージをイラストにしていただきました。お酒の名前は夏美さんが考えてくださいました」テツヤ「じゃ、いただきましょうか!」ひいな「わ、初めてのお酒、どんな味なんだろう!楽しみ!」一同「乾杯〜!」テツヤ「うわ、こりゃうまいねぇ。旨口だねぇ」ひいな「うん、おいしいねぇ」裕子「常温くらいで飲むとふわっとした香りとか、お米の旨みが出てやさしい感じですね。冷えるともう少しさっぱりとした飲み口になるから」夏美「あぁ、こうやって飲んでもらえるの、うれしい!」ひいな「口当たりがすごくなめらか!」裕子「火入れは、食中酒にとてもいいお酒かなと思います」テツヤ「このお酒の味になるように目指して造ったんですか?」裕子「私たちはコンセプトを伝えて、あとは北雪酒造さんの杜氏さんにおまかせで」ひいな「コンセプトは?」裕子「最初は酒販する予定だったので、“おうちに帰って飲んだ時にホッとするようなお酒”というのが最初のコンセプトでした」ひいな「あぁ、わかるなぁ。お店でこのお酒を女将から出されたらホッとしちゃう」テツヤ「ちなみに、このお酒に合うおつまみは何ですかね?」裕子「やっぱり、海鮮系でしょうか。今の季節だとホタルイカとか」テツヤ「そりゃぁ、最高だね。合わせたい。おかわり!」ひいな「え、もうおかわり?」夏美「あんなに入ってたのに!」ひいな「まだ残り4本あるんだよ……(笑)?」夏美「この記事、本当にお酒、飲んでるんですね。びっくりしました(笑)」テツヤ「はい、ガチで飲んでますよ。毎回べろんべろんです」夏美「残りあと4本!がんばります(笑)!」2本目は、お酒の深い旨みが感じられる「おかみのおもてなし 純米吟醸生原酒」。「おかみのおもてなし 純米吟醸生原酒」90ml 800円(税抜・店頭提供価格)テツヤ「じゃ、次のお酒に行こうか!」ひいな「じゃ、次は生原酒をぜひ!」夏美「次は、私が注がせていただきます!」ひいな「香りがいいなぁ。どんな味なんだろ」テツヤ「おぉ、火入れとはまたぜんぜん違うねぇ」夏美「そうなんですよ、ぜんぜん違うんです!」テツヤ「俺、こっちのほうが好みかも」ひいな「濃くておいしい」裕子「さすが、飲みなれていらっしゃる!さっきのは火入れだから、こっちの生原酒のほうがこってりしているというか」夏美「味の違い、わかってもらえてうれしいなぁ」ひいな「アルコール度数も2度も違う!」テツヤ「確かにより酒っぽいのはこちだね。うまいから、さらにぐいぐいいっちゃうね。裕子さんは、どうして日本酒にハマったんですか?」裕子「前職が金融関係だったんですけど、上司に連れて行ってもらったおでん屋さんで飲んだ熱燗がおいしくて」テツヤ「それまでは日本酒飲んだことあったんですか?」裕子「それまでは安い居酒屋で、お銚子に入った銘柄もよくわからないお酒は飲んだことはありました。でも、特においしいと思ったことはなくて。おでんと熱燗っていうのが、めちゃくちゃ合うなと思ったんですよね」テツヤ「仕事終わりに上司と、おでんと熱燗。シチュエーションがいいよね」裕子「すごくいい雰囲気のお店で、コの字型のカウンターで中に店主がいて、おでんのだしのいい匂いが充満していて。前の職場の近くにあったんです」テツヤ「目に浮かぶねぇ。最高だねぇ」ひいな「お父さん、そこにいそうだもんね(笑)。夏美さんのきっかけは?」夏美「私は新卒でこの会社に入社して、新しくお店を作ろうとした時に、一から日本酒を勉強し始めました」ひいな「飲食業界に入る前と入った後で変わったっていうことですよね?」夏美「そうです。初めは仕事として。プライベートでも飲むようになったのはここ1年ぐらいなんですよ」ひいな「え!そうなんですか」夏美「だから、ひいなちゃんのほうが先輩です」テツヤ「その後、日本酒がおいしいなと思うきっかけは何だったんだろう?」夏美「やっぱり、みんながおいしいっていわれるお酒を教えてもらって飲んでみてたら、おいしいなと思うようになりましたね3本目は、今までにない新しい“しぼり”に挑戦した「おかみのおもてなし 純米吟醸遠心分離」「おかみのおもてなし 純米吟醸遠心分離」90ml 1200円(税抜・店頭提供価格)ひいな「次は特別なお酒だそうで」テツヤ「“遠心分離”の文字が気になる!」ひいな「遠心分離というのはどの段階のことなんですか?」裕子「もろみを搾る段階ですね。できあがったお酒はどろどろとしたおかゆ状なんですけど、それを通常はヤブタという圧搾機で搾るんですが、このお酒は遠心分離器に入れて搾ってるんです」テツヤ「洗濯機みたいなイメージ?」夏美「そうです、そうです!」裕子「だから酒かすも板状ではなくて、ねっとりとしたものになるって酒蔵の方がおっしゃってました」テツヤ「遠心分離で搾ると、何か味が違うのかな?」裕子「遠心分離にするとお米の粒が潰れないので、お酒にストレスがかからなくて余計な味が出ないんです。また、空気にあまり触れないので香りが逃げないという良さがあります」ひいな「少し澱がありますね」夏美「ふわふわしてるのが見えますね」テツヤ「え、俺、見えない……」ひいな「老眼だね(笑)」テツヤ「うわぁ、香りがすごい!」一同「乾杯〜!」テツヤ「わ、遠心分離、最高かも!」ひいな「うわ!なんかピチピチしてる」夏美「実はこのお酒、12本しかないんです」テツヤ「えぇ〜、そんな貴重な!」ひいな「このお酒もお店で出すんですか?」裕子「はい、ちょっとだけ」テツヤ「うわ、そりゃ貴重な一杯になるね。すごいね」ひいな「そんな貴重な1本を持って来ていただけたなんて。ありがたいです!」夏美「蔵に行った時、遠心分離の方法を聞いたんですが、私たちも“すごい!”って大興奮でしたよね。本当に少量だけを遠心分離機を使って造っているものなので」ひいな「3本飲み比べると、こんなにも味が違うんだっていうのがわかってすごくおもしろいですね。私が飲んだことのあった北雪酒造さんのお酒のイメージとぜんぜん違いました」裕子「実はこの3本、原酒となるお酒は全部同じなんです。でも、火入れ、生原酒、遠心分離と、それぞれこんなにも味わいが違うんですよね」テツヤ「なるほど、そうだったんだ!この順番で飲んだから味の違いがよくわかるね」ひいな「同じお酒を使っているのに、ここまで味が違ってくるとは!」テツヤ「遠心分離は食中酒っていうよりも、単体で飲みたいねぇ」裕子「はい。単体でじっくり味わっていただきたいですね」残り2本は、北雪酒造を代表する日本酒。その多彩な味わいに酔いしれる。「北雪 純米大辛口 越淡麗」720ml 1430円(税込・ひいな購入価格)「北雪 大吟醸YK 35」300ml 2200円(税込・ひいな購入価格)ひいな「北雪酒造さんのお酒、本当に幅が広いですね」裕子「そうですね。ラインナップが多いかも」テツヤ「残りの2本は、どんなお酒なんですか?」裕子「北雪酒造さんの中でも、辛口のものを持ってきました」テツヤ「大辛口って書いてあるから淡麗だな」裕子「佐渡産の『越淡麗』という酒造好適米を使っています。今回私たちが造った『おかみのおもてなし』も同じ『越淡麗』を使っています」テツヤ「なるほど。同じ米で同じ蔵で生まれたんだったら“いとこ”みたいなもんですかね」ひいな「どんな味なのか、残り2本も気になります!」テツヤ「ね。いただいちゃおうか」4本目、5本目、いただきます〜!ひいな「『大辛口』というだけあってかなり辛口ですね。日本酒度も+12度!」テツヤ「うん、香りがぜんぜん違う!」ひいな「匂いも辛口!」テツヤ「あぁ、こりゃクリアだね。大根おろしみたいなピリッと感もある」ひいな「これは、わかりやすい辛口のお酒ですね。めちゃくちゃすっきり。同じ蔵、同じ米のお酒とは思えないなぁ」テツヤ「同じ蔵でこんなに違う日本酒がどうして造れるんだろう?」夏美「それは、お米の磨き具合が違うからですかね」テツヤ「そうか、精米歩合が違うからか。『おかみのおもてなし』は?」夏美「60%です」ひいな「じゃ、問題!次のお酒の『YK35』って何でしょう?」テツヤ「うわ、前にもあったな。米の名前じゃなかったけ?Yは……山田錦かな?」ひいな「当たり!じゃ、Kは?」テツヤ「う〜ん、何だろう!?え〜と……かがやき?」ひいな「なんだか素敵なネーミング(笑)」テツヤ「ヒント!」ひいな「この間、この県に一緒に行きました」テツヤ「え?福岡?大分?」ひいな「KだよK!」テツヤ「熊本か!」ひいな「『きょうかい9号酵母』は別名『熊本酵母』といわれていて。その酵母を使っているからK。35は精米歩合が35%っていうこと。かなり削ってるっていうことだね」テツヤ「それは、きっとお値段もお高いんでしょうね」裕子「はい。いいお酒なんです」テツヤ「ここぞ、という時に飲むお酒ですかね」ひいな「そうだね。妹のひびきが結婚相手を家に連れくる時に手土産として持ってくるんだったらこのお酒じゃない?っていう感じ?」テツヤ「つまり、毎日飲むようなお酒じゃないってことだね。『YK35』、いただきます!」ひいな「すごく、フルーティ!」テツヤ「めっちゃ、甘いっすね」夏美「やわらか〜。ジュースみたい」ひいな「この5本が同じ蔵で造られているっていうのがすごいです」「おかみのおもてなし」を飲みに、女将に会いに、ぜひお店へ!ひいな「『おかみのおもてなし』でどれが一番好きだった?」テツヤ「みんなで、せーので好きなお酒、指差ししてみようよ」一同「せーの!」好きなお酒はみんなバラバラ。ひいな=火入れ、テツヤ=生原酒、裕子さん&夏美さんは遠心分離となりました。テツヤ「分かれましたね!俺は酸があるほうが好きだから、やっぱり生原酒かなぁ」夏美「私は遠心分離です」裕子「私も遠心分離ですね」ひいな「私は飲み飽きない火入れだな」夏美「同じタンクにあった原酒が、これだけ味が違うものになるっていうのがすごいことですよね」テツヤ「本当に。すごく実験的でおもしろいですね」裕子「私たちも驚きました。原料は同じなのに、こんなに差が出るなんて」ひいな「同じ蔵のお酒を飲み比べるのって、味の違いが楽しめるから本当におもしろいですね。全部飲んでみて改めて『おかみのおもてなし』を飲むとまたぜんぜん印象が違います」裕子「わ、うれしいな」ひいな「裕子さんのおっしゃってた“ほっこりするようなお酒”っていうコンセプトがぴったり!」テツヤ「うん、すごくわかるな。ずっと飲んでいられるよね。『おかみのおもてなし』定番化希望!」裕子「ありがとうございます!お店でだけ飲んでいただけるので」テツヤ「そりゃ、お店に行かないと」ひいな「いまは休業中なのですが、落ち着いたらこのお酒を飲みに、ぜひ〈KURAYOSHI 有楽町店〉へ来てください!」裕子「女将プロジェクトはこれからもやっていく予定なんです。蔵とのコラボで私たちオリジナルのお酒を造りたいなと思っていますのでお楽しみに!」夏美「試飲した時、おいしいなと思っていたんですが、こうやってみなさんにもおいしいって言っていただけて、自信を持って出すことができます!ありがとうございました!」テツヤ「いや、本当においしかったですよ。日本酒の世界がさらに広がりました!」夏美「終わりがない世界ですね、日本酒は」テツヤ「いや、ほんとに。困ったねぇ」次回:5月3 日(日)更新予定お店で、お待ちしています〜!【ひいなのつぶやき】北雪酒造さんのお力を借りて生まれた「おかみのおもてなし」、ぜひ飲んでいただきたいです!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年04月26日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十一夜の3本目は、すっきり辛口、飲み口やわらかな純米吟醸酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十一夜3本目は、すっきり吟醸感と純米の旨味が好バランスな「松嶺の富士 家紋ラベル 純米吟醸 からくち 無濾過生原酒」。山形県酒田市にある小さな蔵から、限定で販売されている「家紋」シリーズ。都内で買えるのは数店舗のみ。「松嶺の富士 家紋ラベル 純米吟醸 からくち 無濾過生原酒」1800ml 2750円(税別・ひいな購入時価格)/松山酒造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「この『松嶺の富士』ってお酒、つい1ヶ月前に知った山形のお酒なの」父・徹也(以下、テツヤ)「おぉ、これは酒田の酒か。酒田といえば、学生の頃、合宿免許も取りに行ったな〜。庄内、いいところだよね」ひいな「これは無濾過生原酒だから、新年が明けてから出るお酒なんだけど、都内でも扱っているところが数軒しかないんだって。この間、〈今田商店〉の角打ちで飲んだらすごくおいしくて。これは載せないわけにいかない!と思って」テツヤ「じゃ、いただきます!」どうぞ、どうぞ。乾杯!いや〜、うまいね!ひいな「これがね……おいしいんですよ!」テツヤ「うわ、うまい!」ひいな「これは日本酒度が+9度って言われてて」テツヤ「辛口だ」ひいな「そうそう、よくわかったね。ラベルにも “からくち”って書いてあるけど、+9度はしっかり辛口っていう印象ってかな。日本酒度って一概には言えないけれど、+になればなるほど辛口で、−になればなるほど甘口に。純米吟醸は甘口が多いんだけど、このお酒は純米吟醸で辛口なの」テツヤ「確かに。米の旨味もきちんと感じつつ、辛口ですっきり。いや〜、純米吟醸っておいしいねぇ」雪だるまのようなかわいいフォルムの徳利で。ひいな「この徳利セット、かわいいでしょ?」テツヤ「Hanako編集長の田島さんにもらったやつ!」ひいな「ありがとうございます!」テツヤ「これさ、俺、燗で飲みたい感じ」ひいな「わかるー!これ燗でもおいしいよね、きっと。でもね、これは冷酒でまずは飲んでみてほしい。無濾過生原酒だけど、燗にするのもいいと思うんだよね」テツヤ「これ、うまいねぇ。3本目なのにグイグイ飲んじゃうなぁ」ひいな「ね。おいしいね。これは3本目にぴったりなお酒だと思って」テツヤ「うん、それわかる。三次会でさ、もう一回飲み始める時にぴったりみたいな(笑)。一からやり直さない?みたいな」ひいな「(笑)。三次会で仕切り直しする時にね」テツヤ「ぬる燗くらいでどう?」ひいな「うん、いいと思う。40度くらいにしてみよっか。この間、60度くらいに一度温めて、そこから冷ましながら飲むっていう人がいて。これが、いわゆる“燗冷まし(かんざまし)”ってやつか!と」テツヤ「燗冷ましの世界はまだわからないな。深すぎるよ」ひいな「うん、深すぎる。一回温度を上げることでアルコール感を飛ばして、飲みやすくなるんだと思う。確実に飲みやすくなるし、旨味も出るのは確か」テツヤ「予約がなかなか取れない渋谷の居酒屋〈高太郎〉に初めて行ったんだけどさ、ソムリエの人が、燗冷ましをもう一度温めてたよ。そこまでいくとよくわからないよね(笑)。一度上げて下げて、また上げるなんて」ひいな「うわ〜、それはすごいね!雑味を飛ばすことで、どんどんクリアになっていくのかな」テツヤ「水出しコーヒーをホットにするみたいな感じ?」ひいな「たぶん(笑)。まずは冷酒のまま、おつまみと合わせてから、後で燗にしてみよう」「松嶺の富士 家紋ラベル 純米吟醸 からくち 無濾過生原酒」に合わせるおつまみは「カマンベールチーズ入り干し柿」!うん!? 何だこれは?がぶりといただきます!テツヤ「うわ! 何それ?」ひいな「干し柿の中にカマンベールチーズを入れちゃいました!そのまま手で持って、かじってほしい」テツヤ「ひいな、そもそも干し柿好きだったっけ?」ひいな「子どものころ、別に好きじゃなかったけど……」テツヤ「干し柿といえば、俺が家族の中で一番好きなの知ってるよね?」ひいな「家族の中で一番って、1/4だけど……(笑)。ドライフルーツとチーズの最高の組み合わせを感じてみて!」カマンベールチーズと干し柿、ありそうでなかった組み合わせ!テツヤ「え、このチーズ……しょっぱい!」ひいな「そう。カマンベールなのがポイントなの。クリームチーズじゃなく」テツヤ「最高にうまいよ、これ!」ひいな「この組み合わせ、もっと広めたい」テツヤ「いちじくとバターとかさ、ドライフルーツと乳製品ってなんでこんなにおいしいのかな。この組み合わせ、ほんとに最高」あまりにもおいしくて、口のなかでじっくりと味わいます。テツヤ「これ、ヤバいよ……」ひいな「ね。ヤバいもの発明しちゃったね」テツヤ「どうしてこの組み合わせに気づいちゃたの?」ひいな「ドライフルーツとチーズが合うのはわかってたけど、干し柿に何を合わせるといいかなって考えた時に、クリームチーズじゃなくて、カマンベールにしてみたくて。カマンベールって熟成感があるし、きっと干し柿に合うなと思って」テツヤ「そもそも、どうして干し柿だったの?ひいなは干し柿好きなイメージなかったんだけどな」ひいな「ドライラフルーツは好きだよ。前に、干し柿とマスカルポーネがおいしいって聞いたことがあって。でも、しっかりとした味わいの生原酒には、カマンベールみたいな少しクセがあるチーズのほうがいいんじゃないかなと思って」テツヤ「うん、塩気があるほうがうまいな」ひいな「でしょ?熟成感もいいよね。日本人が好きな甘じょっぱさだよね」テツヤ「家にある、ほかのチーズとも合わせてみようよ」ひいな「おいしいねぇ。チーズと日本酒って、こんなにも合うっていうのをもっと広めたいな」一升瓶で日本酒を買って、毎日少しずつ、味の変化を楽しみましょ。ひいな「燗酒にしてみましょうかね」テツヤ「断捨離したらさ、昔キャンプに行ってた時に使ってた道具がいろいろ出てきて。あの、コーヒーつくるやつ、名前何て言うんだっけ?」ひいな「コーヒーケトル?コッヘル?」テツヤ「あぁ、名前出てこない!捨てられなくてさ。いい味出してるでしょ、これ。あ!パーコレーターだ!」ひいな「あぁ、すっきりした」テツヤ「パーコレーターってさ、フィルターとかいらないんだよね。これ使ってさ、燗にしようよ」ひいな「パーコレーターに熱湯を入れて、そこにちろりを入れて温めます。あ!46度までいっちゃった!」テツヤ「意図せず、燗冷ましになっちゃったね」ひいな「ま、いいか(笑)。40度に下がるまで待とう」テツヤ「いいよ。おいしいよ、きっと」ひいな「日本酒はちょっとした温度で味が変化しちゃうけど、その変化も楽しめるのが日本酒のいいところだもんね」テツヤ「いいこと言うねぇ。どんな味でも受け止めてやる!」テツヤ「あれ?思ってたより、アルコールが強く出ちゃったかも」ひいな「うん……私もそう思う。最初の香りはいいんだけど、存在感がなくなっちゃった」テツヤ「旨味が消えたのかな」ひいな「うん。そうかもしれない。何でもやってみないとわからないねぇ」テツヤ「おいしさを追求するにはさ、何回も試して失敗して、見つけるしかないね」ひいな「うん、探究心あるのみ、だね」ひいな「この蔵が目指すお酒の系統は、口の中で丸く広がってのどごしの切れのよい酒を造ることなんだって。すごい軟水で仕込んでるらしくて」テツヤ「酒田でしょ?庄内といえば鳥海山のおいしい軟水なんだろうな」ひいな「佐藤正一さんという東北では有名な杜氏さんがこのお酒の製造に携わってるんだって。佐藤さんは、酒田酒造の『上喜元』っていうお酒を造ってる人なの」テツヤ「へぇ、そうなんだね。今回さ、このお酒を一升瓶で紹介した理由ってあるの?」ひいな「ううん、四合瓶の在庫がなかっただけだよ」テツヤ「でもさ、一升瓶ってさ、ほんとにルックスがいいよね」ひいな「うん、わかる」テツヤ「どのお酒も一升瓶で撮影したいけど、なかなか家に置けないよな」ひいな「冷蔵庫に入らないもんね。野菜室に入れたりする人もいるらしいよ」テツヤ「野菜が入らないな、そりゃ(笑)。うちはセラーがあるから大丈夫だけどさ」ひいな「お酒を開けた後に味が変化していくのを楽しむ余裕もほしいよね」テツヤ「そうそう。四合瓶だとすぐに飲み干しちゃうから」ひいな「ね(笑)」テツヤ「ナチュールワインもさ、開けた後1週間寝かせちゃうこともあるんだよ」ひいな「あえて置いちゃうっていうこと?」テツヤ「そう、抜栓してから置いておくと、どんどん味が違ってくるのよ」ひいな「日本酒も開けたらすぐに飲まなきゃっていうイメージがあるけど、味の変化も楽しんでみてほしいな」テツヤ「毎日5〜6本をローテーションで飲んでいくときっと楽しいんじゃない?やってないけど(笑)」ひいな「それだと伊藤家の晩酌が日本酒とナチュールワインで、毎晩大変なことになっちゃう(笑)」テツヤ「やっぱりさ、その味は、その瞬間にしか出会えないっていうことだよね」ひいな「本当にそう思う!」次回:4月25 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】一升瓶で色んな温度帯や開封してからの経過も楽しんでいただきたいです!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年04月19日おうち時間が長い今こそ読んでほしい記事をピックアップ!今回はHanako.tokyo連載コラム『弘中綾香の「純度100%」』、『小谷実由の「趣味がなかなか見つからなくて」』、『伊藤家の晩酌』の担当編集者がとくにおすすめの記事をピックアップしました。1.『弘中綾香の「純度100%」第8回「期待は身勝手」』ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。「テレビで見かけない日がないほどの大活躍のアナウンサー、弘中綾香さんが、ひとりの働く女性としてリアルな本音を書き綴る人気エッセイ。弘中さんが救われたという言葉を教えてくれた第8回は、新社会人にぜひ読んでほしい神回です。」(編集 小倉)さらに詳しい記事はこちらから。2.『『伊藤家の晩酌』~第八夜2本目/いちごの花酵母を使ったフルーティな日本酒「天吹 純米吟醸 いちご酵母 生」~』弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?「こちらの連載ではおすすめのお酒のほかに、毎回そのお酒に合う手作りおつまみも紹介しています。取材のとき試食をさせてもらうのですが、この回の「いちごとアボカドとレモンの冷製パスタ」は衝撃的なおいしさでした!」(編集 小倉)さらに詳しい記事はこちらから。3.『小谷実由の「趣味がなかなか見つからなくて。」第2回「小豆を煮て餡をつくろう。」』ファッションモデルから執筆活動まで、分野を超えて軽やかに行き来する小谷実由さん。意外にも、趣味らしい趣味がないのだとか。夢中になれる、一生モノの趣味と出会うべくしてはじまった連載。「小谷実由さんの趣味探し連載。老舗の和菓子店〈とらや〉の職人さんを先生に、家庭でできる餡づくりを教わりました。必要な材料は小豆とグラニュー糖のみ。皆さんも〈とらや〉のモットー「少し甘く、少し硬く、後味良く」を目指して、じっくりと小豆を煮てみては?」(ライター 植村)さらに詳しい記事はこちらから。
2020年04月15日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十一夜2本目は、どんな食事にも合うやさしい飲み口の純米吟醸酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十一夜2本目は、淡麗辛口だけにとどまらない新潟の「越路乃紅梅 純米吟醸 八反錦」。新潟県上越市にある頚城酒造より、地元柿崎区の農家が栽培した酒造好適米「八反錦」を使った「越路乃紅梅 純米吟醸 八反錦」720ml 1650円(税別・ひいな購入時価格)/頚城酒造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「2本目は、新潟のお酒だよ」父・徹也(以下、テツヤ)「お! 新潟、来ました!」ひいな「その名を『越路乃紅梅』です!」テツヤ「すごいクラシックなネーミングだね。俺のなかでは、“越路”といえば“吹雪”なんだけど(ライター注:昭和中頃に活躍した宝塚出身の歌手のこと)」ひいな「へぇ。わかんないけど(笑)。梅だし、春っぽいでしょ?これはね、新川にある〈今田酒店〉でおすすめされたお酒なんだけど、都内ではなかなか流通してなくて、これからもっと広めていきたいなと私が思ってるお酒なの」テツヤ「“酒王国、新潟で大注目!”ってラベルにも書いてある!それはますます楽しみだね」ひいな「ね! さっそく飲も!」神奈川県の作家・山田隆太郎さん作の徳利。このやわらかいフォルムが愛しい。テツヤ「今回は、カメラマンであり、俺の盟友・こぞさんこと高山幸三さんから、『伊藤家の晩酌』の連載記念にもらった徳利で飲もっか」ひいな「わぁ、ぽってりしててかわいい!」テツヤ「相当かっこいいよね」ひいな「うん、すごく素敵 この酒器と合わせてぽってり目のおちょこを選んでみたよ」テツヤ「“俺、酒わからへんやん”」ひいな「いきなりどうしたの(笑)。こぞさんのマネしてる?こぞさんは日本酒、飲まないのかな?」テツヤ「飲むよ。華やか系が好きだよね。ミーハーな感じ(笑)」ひいな「(笑)。こぞさん、素敵な徳利、ありがとうございました!」徳利へまずお酒を注いで……さてさて、いただきましょうかね乾杯〜!グビッと一杯!テツヤ「おぉ、これは淡麗辛口ではあるけど、その先にある酒だね!」ひいな「わっ!当たり!」テツヤ「淡麗辛口で終わってないのよ。素人の俺の感想だけど、今までの新潟の酒って、そこで終わってたの。うまいな、すっきりとしてて飲みやすいなって」ひいな「うんうん。塩辛と合わせたい、みたいな」テツヤ「そう。でもね、この酒は飲んだ後に、もうひとつ、別の扉、大奥が開く感じだね」ひいな「うん、入り口は淡麗辛口だけど、それだけじゃ終わらないお酒だと私も思う」扉がパカっと開きました!テツヤ「こぞさんとさ、一緒に福岡の飲み屋街に行ったんだけど、裏に狭小ガールズバーがあって、そこで5万円も使っちゃったのを思い出したよ」ひいな「何それ(笑)」テツヤ「店の裏に非合法で作ったようなすごく狭いバーでさ。めちゃめちゃ楽しくてカラオケ歌いまくったら、めちゃくちゃ高かった(笑)。まさかそんな裏に扉があるなんてね。そんな感じじゃない?」ひいな「わかりにくいよ!連れてってもらわないと(笑)」テツヤ「これはね、パカっと開くね。奥で」ひいな「なんて言うんだろう。香りもあるんだけど、最初は淡麗辛口で、その奥に濃醇さとか華やかさがある感じっていうか」テツヤ「これって吟醸?」ひいな「純米吟醸だよ」テツヤ「純米吟醸っぽくないのかな?」ひいな「華やかさは純米吟醸っぽいけど、いわゆる“米を削りました感”がそんなにないのかも」テツヤ「そうそう、それかも!米をただ単に削った感じじゃないってすごくわかる。このお酒、いろんな食べものに合いそうだね」ひいな「そうなの。試飲した時は、ポテトチップスのりしお味にすごく合ったよ。あとはね、松前漬けみたいなやつも合うなと思った。でもね、スモーキーな生ハムは合わなかったな。いろいろ考えた結果、考えたのが……おつまみ持ってくるね」「越路乃紅梅 純米吟醸 八反錦」に合わせるおつまみは「鶏ささみの塩レモン和え」ひいな「このお酒に合わせるおつまみは、鶏のささみをオリーブオイルと母特製の塩レモンペーストで和えたものだよ!」テツヤ「塩レモン!うまそう〜」ひいな「塩とレモンを皮ごとフードプロセッサーで混ぜてペースト状にしたものなんだけど、お酒とも合うと思うんだよね」テツヤ「いただきます!合う合う!塩レモンの伸び感と、お酒がバトンタッチしてて、切れてない」ひいな「うんうん、食べてから飲むと、確かにバトンタッチしてる!」テツヤ「リレー日本代表のバトンパスくらい」ひいな「それ相当だよ(笑)。世界一だよ!」テツヤ「そうだよ、世界に誇るアンダーハンドパス!さすがのうまさだね」ひいな「今回一番、試作を重ねたやつなの。大根のみずみずしさと生ハム、その上に塩レモンのっけても合うんじゃないかなと思ったら、ちょっと違って。鶏のささみのさっぱりした感じのほうが塩レモンに合ってた」テツヤ「これ、本当にうまいよ。これ“ひいな商店”だったらいくらで出す?」ひいな「う〜ん、どうしようかな」テツヤ「日本酒のお店だったらいくらくらいなんだろう。肉料理だし、800円くらい?」ひいな「日本酒バーでチャージ付きのお店だったら550円かな」テツヤ「良心的だな、おい!」ひいな「どこで営業するか場所にもよるか。値段設定って難しいね」テツヤ「新潟のお酒に、この塩レモン合うな〜」ひいな「岡山のレモンと新潟のお酒が、バトンタッチしてる」テツヤ「塩レモンって、皮ごとだからちょっと苦味があるんだけど、その苦味がこのお酒と、いい感じに支え合ってる」ひいな「よかった〜」酒大国・新潟の〈ぽんしゅ館〉で浴びるほど日本酒を飲んでみたい!ひいな「このお酒にはね、酸味が合うなと思ったの。ゆずも試したけど、やっぱりレモンの酸味が合うな」テツヤ「酒にも酸味はあるわけじゃない?このお酒は新潟特有の軽やかな酸味を感じるし、そこにレモンで“追い”酸味ってことだね」ひいな「おぉ、新潟特有の酸味!言うねぇ」テツヤ「新潟の酒は、ひいなよりずっと長い間、飲んできてるからね(笑)。いつかさ、新潟の〈ぽんしゅ館〉の唎き酒コーナーでロケしたいね」ひいな「わ、行ったことあるの?めちゃくちゃ行ってみたいんだよね。うらやましい!!」テツヤ「そうそう。新潟の日本酒が、たったの500円でおちょこに5杯も飲めちゃうなんて最高だよな!」ひいな「そういうロケやりたい! いつか行きたいね」テツヤ「世界のお塩とか味噌も合って、舐め放題!」ひいな「それがつまみなんだ(笑)」テツヤ「俺、塩レモンだけでも飲めるもんな(笑)」ひいな「呑んべえの気持ちをわかってらっしゃる。この蔵元のモットーに “清酒とは食事の中にあってこそ、生きるもの”と書いてあって。すごくこのお酒に合ってるなって」テツヤ「確かに。食中酒っていうことだよね?」ひいな「そう。料理と一緒の方が良さが出るってことかな。頚城(くびき)酒造の『越路乃紅梅』シリーズには気品を感じるんだよね。“飲む人に優しさを感じていただける清酒でありたい”っていう言葉にもすごく納得したの。本当にいい蔵だなって」テツヤ「新潟はさ、水と米がうまいから日本酒大国なわけで。大手もたくさんある中で、蔵もどういう特徴を出してやっていくかってすごく考えるよね」ひいな「そう。そこで“優しい酒でありたい”っていうのがね、もうね、沁みるよね」テツヤ「そこ目指すんだ!っていうね」ひいな「ね。そこに優しさを感じるよね」テツヤ「いい蔵だねぇ」次回:4月19 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】新潟のお酒の新たな一面を広めていきたいです!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年04月12日女性や外国人の間でも人気急上昇中の日本酒。おうち時間が増えてきたこの頃、日本酒でしっぽりおうち呑みしませんか?そこで今回は弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、Hanako.tokyo連載「伊藤家の晩酌」より、魚介系おつまみに合う日本酒と、おつまみレシピをご紹介します。1.魚料理に抜群に合う食中酒「陸奥八仙 いさり火ラベル 特別純米 火入れ」青森県産米を使い、地元蟹沢の名水を使用した「陸奥八仙 いさり火ラベル 特別純米 火入れ」720ml 1,458円(ひいな購入時価格)/八戸酒造娘・ひいな(以下、ひいな)「今回は魚にぴったりな『陸奥八仙 いさり火』だよ。前にお父さんがお店取材して以来、親子で常連になった〈マルコ〉っていう神泉のお店で、いろいろな種類の『陸奥八仙』を取り扱ってて。そのなかでも一番魚に合うのがこのお酒なの。ラベルにも『漁火』が描かれてて、イカ漁の灯りが沖合にぼわっとなっていてきれいでしょ?父・徹也(以下、テツヤ)「ラベルからして『魚に合うぞ』っていうのがわかるね」ひいな「純米酒は、そう名乗るために精米歩合(お米を削って残った部分)の規定はないんだけど、特別純米と呼ぶためには精米歩合が60%以下(ちなみに純米大吟醸の条件は50%以下)になっているか、または何かしら特別な醸造方法で採用しているか、というのが条件に加わるの。たとえば、樽で保管しましたとかね。今回は、精米歩合が60%以下で、同じ青森県産の『花吹雪』っていう米を100%使っているっていうのがポイントになって、特別純米としているみたい」テツヤ「なるほど」ひいな「『陸奥八仙』のシリーズは純米吟醸とか、いろいろフルーティな香りのものもたくさん出していて。それとの差別化する意味で特別純米って言ってるんだと思う。特別純米っていう言葉から、お米の味わいとかふくらみとかをイメージできるんだよっていうことを今回伝えたくて!」テツヤ「つまり、特別純米って付いているお酒は何かあるぞ!って思ったほうがいいってこと?」ひいな「うん、日本酒好きな人にとって特別純米という言葉は食いつくポイントだね。特別純米ってことは何か特別なことがない限り名乗れないからわけだから、必ずボトルにもそれが明記してあるの。お米が特別だったり、醸造方法が特別だったり、保管方法が特別だったり…その“何か”が気になるから特別純米には反応しちゃう」新鮮なマグロに、ピリッと辛いカイワレをたっぷり入れたのがポイント。ごま油の風味がきいた一品。テツヤ「よし、じゃ、さっそく乾杯しよう!」ひいな&テツヤ「乾杯!」テツヤ「うわ!これ、すげードライだな。すごくさらっとしてる。クセがなくて飲みやすいね。酸も少しは感じるかな」ひいな「『いさり火』に合うおつまみは、マグロの海鮮サラダにしてみたよ」テツヤ「青森のお酒だからマグロか。合わせて飲んでみよう」ひいな「マグロとかいわれを合わせて食べてね」テツヤ「おぉ!これ、マグロと合わせて飲むと、ぜんぜん味が違う!これぐらい味にコントラストあるほうがおもしろいね。魚にも抜群に合うし、飲み疲れないのはこういうお酒なんだろうな」ひいな「かいわれのピリッとした感じとも合うかなと思って」テツヤ「たしかに、かいわれの苦味がたまんないね」ひいな「本来は、白身魚とかイカとかが合うと思うんだけど、脂のあるマグロでも合うでしょ?」テツヤ「最高に合う!で、かいわれがいい仕事してる!」2.香りの余韻に引き込まれる「白龍 特別純米」福井県吉田郡永平寺町にある歴史ある酒蔵。山田錦の栽培を福井県で初めて成功。霊峰・白山から流れる伏流水で仕込む、土地の恵みから生まれた「白龍 特別純米」720ml 1,458円(税込・ひいな購入時価格)/吉田酒造有限会社ひいな「これは『白龍』っていう福井のお酒」テツヤ「お!特別純米か。これは『何かが』特別なんだよな」ひいな「そうそう。この『白龍』の場合、何が特別なんだと思う?」テツヤ「雪解け水で仕込んでるから?」ひいな「私は、山田錦100%だからだと思う。福井県の永平寺町っていうところに酒蔵があるんだけど、雪解け水でお米から作っているんだって。しかもね、この杜氏さんすごいんだよ! 2015年に経済学部を卒業して酒蔵を継いだの」テツヤ「おぉ〜。これは淡麗、甘口だね」ひいな「うん、合ってる」テツヤ「俺、日本酒わかってきちゃったな(笑)。香りがいいね」ひいな「これはね、イチジクみたいな香りがするなと思って」テツヤ「この香りをイチジクって思うんだ。日本酒独特の香りだね」ひいな「自分の好みがわかってくると楽しいよね」テツヤ「うまいなぁ〜」ひいな「蔵の近くに川が流れてて、川魚に合いますよって蔵の方がおっしゃってたから、魚介を合わせようかと迷ってたんだよね」テツヤ「おととい千葉のロケで使った、でっかいはまぐりあるけど?」ひいな「焼いちゃう?」テツヤ「焼こう、焼こう」テツヤ「はまぐり、うんめ〜!」ひいな「本当においしいね」テツヤ「うん、最高。このお酒と合わせると、さらにおいしいね」ひいな「究極の食中酒を目指してる蔵として、その言葉はすごくうれしいんじゃないかな」3.お燗でキレのいいにごり酒「日置桜 鍛造にごり 山田錦」鳥取県の山根酒造場の「鍛造」シリーズは自然農法で栽培される契約栽培米を使った純米酒のことで、この『にごり酒』は、お燗に合うものをと造られたもの。温めることでお米の持つ旨味が増す「日置桜 鍛造にごり 山田錦」720ml 1650円(税込・ひいな購入時価格)/山根酒造場株式会社テツヤ「民芸っぽいラベルがいい味だしてるね。どこのお酒?」ひいな「これは鳥取県鳥取市の蔵だよ」ひいな「『日置桜』ってね、鳥取ではメジャーなお酒で、このお酒は燗につけるために造られたお酒なの」テツヤ「マジ?ということは、冷たいまま飲んじゃダメってこと?」ひいな「ダメってわけじゃないけど……。燗にしたらさらにいいってこと!」テツヤ「これは、うまいねぇ。にごり酒のイメージを変える感じだよね。にごり酒がダメな人でも飲める酒」ひいな「マッコリみたいなのを想像してるんだったら、全然違うよね」テツヤ「逆マッコリだよね」ひいな「(笑)。ますますわからないよ、それ!」テツヤ「酸があって甘いっていうイメージとは真逆ってこと!ひいな「さらさら入ってきて、最後、苦味で締まる、感じっていうか」テツヤ「確かに、この余韻は苦味なんだな。でもね、そこまでの苦味じゃなくて…うま苦味だな」テツヤ「にごり酒を燗酒にするっていうイメージはなかったなぁ」ひいな「今回はそのイメージをくつがえしてみようと思って」テツヤ「この酒はね、つまみと合わせて飲みたいね。これに合わせるおつまみは何になるの?」ひいな「さばの水煮缶をうちで作った自家製みそで煮たさばの味噌煮です!」テツヤ「さば缶をさらに煮たの?」ひいな「そう。さばの味噌煮を簡単に作ってみたくて。伊藤家のみそを使ってます!」テツヤ「おいしい〜!間違いないうまさ。しっとりしてて、脂がのってる」ひいな「しょうがもたっぷり入れて、自家製辛味噌も入れて水気がなくなるまで甘辛く煮込みました」テツヤ「しかもこのにごり酒とめっちゃ合う!どうしてこのお酒にさばの味噌煮を合わせようと思ったの?」ひいな「にごり酒がさばの生臭さとかも飛ばしてくれるのと、しょうがをたくさんいれたことでポカポカする感じが、ぬる燗と合わせるとおもしろいんじゃないかなと思って。あと、さば缶を使ったメニューも入れたかった」テツヤ「確かに、酸が立ってるから、さばの脂を切ってくれる感じがある。あと、冷えは大敵だからね、体をあっためるためにも燗酒最高!」娘から父へ…おいしい日本酒おしえます!弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)【お知らせ】Hanako.tokyoでは基本的に本体価格を掲載しておりますが、2019年10月1日の消費税率改定以前に取材・掲載した記事にある(税込)表記の金額については、旧税率での掲載となっております。ご了承下さい。
2020年04月06日弱冠23歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?今宵からはじまる第十一夜の1本目は、日本酒らしい味わいのスパークリング。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十一夜1本目は、乾杯酒にぴったりな発泡系「真澄 スパークリング Origarami」。長野県諏訪市の老舗の酒蔵「宮坂醸造」の「真澄」から、瓶内で二次発酵させたおりがらみのスパークリング。日本酒らしい米の味わいが感じられる。アルコール度11%で飲みやすい。数量限定「真澄 スパークリング Origarami」750ml 2200円(税別・ひいな購入時価格)/宮坂醸造株式会社娘・ひいな(以下、ひいな)「このお酒はね、なんと、日本酒のスパークリングだよ!」父・徹也(以下、テツヤ)「シュワシュワ系だね」さぁ、開けるよ!ポンッッ!伊藤家で結婚当時から愛用の缶切り。いい感じにエイジング!テツヤ&ひいな「わ、びっくりした〜!」ひいな「あふれるかと思った…」泡がシュワシュワでおいしそう…!見た目はまるでスパークリングワインのよう!テツヤ「スパークリングを徳利に入れちゃうんだ!」ひいな「泡がいい感じでしょ?雪だるまみたいになっちゃった」テツヤ「すっごくおいしそうだねぇ」ひいな「純米酒のおりがらみのお酒を、瓶内で二次発酵させたものなの」テツヤ「へぇ〜シャンパンみたいだね」ひいな「ね、シャンパンと同じだね」テツヤ「美しい……」ひいな「こんなに発泡してるお酒、あんまりおちょこで飲んだりしないよね(笑)」テツヤ「ないね(笑)。シャンパングラスで飲んだら、きっとシャンパンだって間違えるよ、この見た目は!」ひいな「ね」テツヤ「どんな味なんだろう〜。早く飲みたい!」さ、さ、乾杯〜!テツヤ&ひいな「じゃ、いただきます!」プハ〜。さすが親娘、表情がそっくり(笑)テツヤ「おぉ〜!何これ。予想外にめちゃくちゃ日本酒だね!」ひいな「最初のインパクトがやっぱり日本酒って感じじゃない?」テツヤ「そうそう。見た目に反して、日本酒感すごいある」ひいな「うんうん、わかる」。テツヤ「こりゃぁ、おいしいねぇ」ひいな「今回のテーマは、春の晩酌。2〜3月にかけて春っぽさを前面に出した春酒が出回り始めるのね。でも、今回はあえて春酒ではないんだけど、春に飲みたくなる3本を選んでみたよ」テツヤ「なるほど。これは確かに、大人の春酒だね。ここまでスパークリングな日本酒飲むの初めてかもな」ひいな「『真澄』って老舗ってイメージが強いよね」テツヤ「そうそう。有名だもんな」ひいな「全国の酒蔵で使われている『7号酵母』って、実は『真澄』の蔵で発見されたものなの。だから別名『真澄酵母』とも呼ばれてて」テツヤ「それがもしかして、最近ブームになってたりするの?」ひいな「いいところに気がついたね!『真澄』はここ数年ブランドリニューアル的な感じで『7号酵母』を全商品で使い始めたの」テツヤ「『7号酵母』ってどんな酵母なの?」ひいな「どんな味ってうまく言えないんだけど、まさに、このスパークリングは『7号酵母』の味がする」テツヤ「へぇ。このスパークリングは衝撃的だもんな」ひいな「スパークリングだけじゃなくて、ふつうの純米吟醸の『真澄』とかもラベルがすごいおしゃれなの」テツヤ「ほかの『真澄』も飲んでみたいねぇ。イメージ変わっちゃいそうだな」「真澄 スパークリング Origarami」に合わせるのは「オリーブとツナのオープンサンド」。テツヤ「うわ、すごいいい匂いがしてきたぞ!何かが焼ける匂いだね」ひいな「お父さんが取材に行って買って来てくれた〈月とピエロ〉のバゲットを焼いてます〜!」テツヤ「どんなおつまみなんだろう?早く早く!」ひいな「バゲットの上に、オリーブとツナを合わせたものをたっぷりとのせて、『メローハバネロ』のハバネロをきかせてみたよ!」「メローハバネロ ヘブン」。フルーティだけど、脳天突き抜ける辛さ!上からさらに追いハバネロ。量には気をつけて!テツヤ「いただきま〜す! うんま! 最高だね。スパークリングとも合う〜!」ひいな「日本酒の“シャンパン”だよね」テツヤ「日本酒なんだけど日本酒じゃないというか。独特のおいしさ!」ひいな「ブラックオリーブも合うし、このパンも本当においしいねぇ」テツヤ「このパンを買った〈月とピエロ〉はね、すべてが初めての場所だった。小麦と水がほぼ同じでべちょべちょの生地なんだけど、高温で一気に焼くから外がカリッとしていて、食べる時の音がヤバかった。もちろん、中はしっとり。大阪の〈ル・シュクレクール〉で修行して、実家の石川県の能登でパン屋をはじめて…。詳しくは『Hanako』2/28発売号を読んでください!」ひいな「普通ならこのパンならワインを合わせちゃうところなんだけど、『真澄』のスパークリングを合わせてみてほしい。ただのスパークリングじゃないから!」テツヤ「そうそう。イタリアンとかフレンチとかでスパークリングワイン飲んだらあっという間に無くなっちゃうじゃない。これはいいね。すっごい酒感あるし、パンチがあるからゆっくり飲める。うん、うまいよ」ひいな「このスパークリングを勧めてくれた人がいるんだけどね、その方は普通のスパークリングとして合わせる料理を考えたほうがいいよって。日本酒ならではの旨みとか甘味とか複雑な味わいがあるし、それが日本酒のスパークリングの良さでもあるから、オリーブなり、タバスコなり、アクセントになるようなものを合わせたいなと思って」テツヤ「うん、すごく合う!負けてない感じあるよね。どっちもパンチがあるし、キャラ立ちしてるもの同士でしょ?こんなに仲良くなれるんだね」ひいな「青春ドラマの最後みたいでしょ?」テツヤ「初めはなんだよあいつって言ってたのに、いまは肩組んでるみたいな。すごいわ(笑)」おりがらみ、うすにごり、あらばしり……春のお酒を表す名前は季語のよう。ひいな「今回選んだ3本には、春酒定番のおりがらみとかはなくして、割とどの時期でも買いやすいもの、ほとんど通年売りのものをセレクトしてみたよ」テツヤ「おりがらみ、は春酒なんだね」ひいな「うすにごりとかあらばしりも。なんか春っぽいよね」テツヤ「季節感出るねぇ。日本酒の言葉って本当にきれいだね。季語みたい」ひいな「春だし、一杯目はシュワシュワだよねっていう時に、この日本酒を選んでほしいな」テツヤ「シャンパンとかスパークリングワインじゃなくて、これを、ね」ひいな「バゲットを買って、オリーブとツナをのせて……。できる女な感じでしょ?」テツヤ「おしゃれ〜!そんなことして、一体誰に飲ませたいんだよ!」ひいな「もう。からみづらいな(笑)」テツヤ「『真澄』は、どこのお酒?」ひいな「長野の諏訪市だよ」テツヤ「ほかの『真澄』も飲んでみたいなぁ。自分たちの歴史をさ、きちんと見つめ直して、もう一度酒造りをするっていうのはね、いいことだよね」ひいな「原点回帰だよね」テツヤ「そこにこそ、オリジナリティがあるんだからさ。いい酒だね」ひいな「気に入ってくれてよかった!」テツヤ「春っぽいんだけど、軽やかすぎないのもいいね」ひいな「うん、浮かれていない感じでね」テツヤ「唯一無二の味だね。こんなに日本酒感のあるスパークリングはじめてだよ」次回:4月12 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】インパクトのあるスパークリング清酒は、ちょっとした演出としてもぜひおすすめです!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年04月05日どんなに魅力的な女性でも食事のマナー一つで印象が悪くなってしまうこともあるので注意が必要です。今回は、男性に嫌われる原因となる食事のマナーについて解説します。大声で店員を呼び付けるお店が混雑している時間帯では、忙しく動き回っていることで店員さんに合図をしても気付いてもらえない、卓上に設置されている呼び鈴を押しても反応がないこともあります。この時に絶対にやってはいけないNG行動が大声で呼びつける行為です。欧米などでは利用客が声を出して店員を呼ぶ行為はマナー違反とされています。居酒屋など周囲が騒がしい場合に反射的にやってしまいがちですが、大声を出す行為は男性から品がないと悪い印象をもたれてしまうので注意が必要です。箸を正しく扱えない食事の文化は国によってそれぞれ異なりますが、日本では古くから箸を使っての食事が基本とされています。そのため、正しく扱えて当たり前という認識を持っている男性は少なくありません。料理の上で動かす迷い箸、遠くの食器を箸で引き寄せる寄せ箸といったマナー違反は男性からの印象を悪くしてしまう要因となります。マナーと同様に持ち方も重要です。食べられれば持ち方なんて何でもいいという考え方は自分の品位を貶めてしまうので、正しい持ち方を身に付けておかなくてはいけません。汚い食べ方やながら食事をする前述した箸の持ち方と合わせて食事のマナーにも気を付けなくてはいけません。音を立てて食べる、口の中に食べ物が入っている状態で話すなどは論外ですが、時代の移り変わりの中で増えているのが食事中の携帯電話の操作です。付き合い初めの頃は緊張していることで抑えられていても、気を許せる間柄になった途端にうっかり出てしまうというケースは少なくありません。常に気を張った状態でいれば隠し続けることはできるかもしれませんが、それでは食事を心から楽しむことはできなくなってしまいます。リラックスした状態でも正しいマナーで食事ができるように、常日頃から意識をして体に覚えさせておくことが重要です。身だしなみを気にし過ぎるメイクをする女性特有の食事のマナー違反として挙げられるのが過剰な身だしなみのチェックです。口紅の状態や発汗によるメイク落ちなどを気にして何度も鏡をチェックする行為は、見ていて気持ちのいい物ではありません。その行為によって会話が度々途切れてしまえば場の空気も悪くなってしまいます。途中で直したとしても食事を続ければ同じ事の繰り返しです。例え食事中にメイクが落ちたとしても、理由が分かっている以上、それに対して男性が悪い印象を抱くことはないので、手直しは食事を終えるまで我慢することが望ましいと言えます。
2020年04月03日カップルYouTuber・おたひかチャンネルのおたと浦西ひかるが24日、都内で行われた無観客&生配信イベント「超十代2020 デジタル」に出演した。2人は、「SHIBUYA109スペシャルファッションショー」に登場し、テディベアのデザインがキュートなリンクコーデを披露。浦西はテディベアのぬいぐるみも手に持ち、ガーリーな魅力をプラスした。手をつないでランウェイを歩き、先端でおたが浦西の頬にキス。ラブラブぶりを見せつけ、視聴者を魅了した。東京・渋谷の「SHIBUYA109 LIVE TV ハチスタ」より生配信された同イベントは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止となった「超十代 - ULTRA TEENS FES - 2020@TOKYO」の代替プログラム。ファッションショーやライブ、出演者と視聴者がつながるリプ返企画、新型コロナウイルスの影響で卒業式が行われなかった全国の学生たちに向けた“超卒業式”など、デジタルで参加できる企画も盛り込んで開催された。撮影:蔦野裕
2020年03月24日弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十夜は、2月に成人を迎え、お酒解禁となった妹・ひびきへ、オススメの日本酒を3本ご紹介。最後の1本は、日本酒で仕込んだという貴醸酒の甘みの虜に。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十夜3本目は、香りの余韻が続く「笑四季 貴醸酒 MONSOON 玉栄 火入れ」滋賀県甲賀市にある笑四季酒造の看板酒「MONSOON」シリーズから、仕込み水の代わりに日本酒で仕込んだ「貴醸酒」を。「笑四季 貴醸酒 MONSOON 玉栄 火入れ」720ml 2007円(税別・ひいな購入時価格)/笑四季酒造株式会社姉・ひいな(以下、ひいな)「今回は、滋賀県の『笑四季酒造』の貴醸酒だよ。『きじょうしゅ』って聞いたことある?」妹・ひびき(以下、ひびき)「うん」ひいな「どうして聞いたことあるの(笑)?」ひびき「ひいながよく言ってるじゃん」ひいな「そっか(笑)」父・徹也(以下、テツヤ)「で、『貴醸酒』って何?」ひいな「水の代わりに、お酒で仕込んだものを『貴醸酒』って言うの」ひびき「お水の代わりにお酒?」ひいな「そう。仕込み水が日本酒ってこと」テツヤ「ってことは、アルコール度数が高いってこと?」ひいな「度数は17度で変わらないんだけど、独特な味わいになの」テツヤ&ひびき「へぇ〜」ひいな「しかもね、滋賀県でつくられた『玉栄(たまさかえ)』っていう酒造好適米を使ってるの」テツヤ「『玉栄』って米は、この連載で出てくるの初めてじゃない?」ひいな「そう!お父さんが酒米までわかるようになったなんて!」テツヤ「まあね(笑)」ひびき「半年の成長ぶりがすごいね(笑)」ひいな「このMONSOONシリーズは全部貴醸酒なんだけど、山田錦とか使う酒米によって、ラベルの女の人の絵が変わるの」ひいな「このガラスの片口、すごくきれいだね」テツヤ「昨日、石川県で撮影だったんだけど、あまりにもきれいだから買っちゃった。ガラス作家・草田正樹さんの作品」ひいな「すごい透明度。お酒もさらにおいしそうに見える!」ひびき「お酒に色がついてるね。きれい」ひいな「では、お注ぎします。わ、このガラスの片口、注ぎやすい!スッとお酒が切れる!」テツヤ「買ってよかった!」ひいな「貴醸酒って、お酒に色がついてるのが多くて、少しトロっとしてるの」ひびき「へぇ、貴醸酒ってすごいね」テツヤ「アイスワインとか貴腐ワインとか、甘口のイメージがあるけど、貴醸酒ってどんな味なんだろう」妹・ひびきへ、まずはどうぞ。父・テツヤへ、さぁどうぞ。さぁ、乾杯〜!さてさて、貴醸酒はどんなお味でしょうか!?ひいな「どう?おいしい?」ひびき「うん、おいしい!」ひいな「よかった〜」妹・ひびきもおいしい!と満面の笑み。テツヤ「うん、香りが華やかだねぇ。おいしい」ひびき「さっきとぜんぜん違う」テツヤ「ひいな、してやったりだな(笑)。ひびき、酒器変えて飲んでみる?」ひびき「え?もう、こんなに飲んだの?」テツヤ「うん。おいしくてグイっとね(笑)。この酒器は錫だよ」ひびき「あ、味が変わった気がする」ひいな「酒器によって、味って変わるんだよ。このお酒にはざらっとした酒器よりも、なめらかな口当たりの酒器がいいかもね」ひびき「甘いんだけど、ちゃんとお酒の感じもするね」ひいな「純米吟醸や純米大吟醸でなくとも、こんなにもいろいろな甘さの表現ができるんだよっていうのを伝えたくて」テツヤ「貴醸酒ぽさって何なんだろう?」ひいな「いい意味での甘ったるさ、かな?」テツヤ「お店で貴醸酒を見つけたら、甘めのお酒なんだなって思えばいいってことね?」ひいな「うん、基本的には!甘めでワインっぽさもあるから、チーズとかドライフルーツとすごく合うと思うよ」テツヤ「確かに。ワインぽいから合いそうだね」「笑四季 貴醸酒 MONSOON 玉栄 火入れ」のおつまみは、みんな大好き「雪見だいふく」!?テツヤ「今日のおつまみは何になるの?チーズ?」ひいな「こちらです!」テツヤ「えぇぇぇぇ??????」ひびき「雪見だいふくなの??」ひいな「この中に、この日本酒を入れます!」テツヤ「えぇぇぇぇ??????」ひびき「すごい!」ひいな「絶対おいしいよね!ひびき、雪見だいふく好き?」ひびき「好き」ひいな「だよね ひびきはアイスが好きだから、ひびき好みのおつまみにしてみたよ」テツヤ「さすが妹想いの姉だね!」ひいな「雪見だいふくの上に、なみなみと日本酒を注ぎます」テツヤ「アフォガートみたいな?」ひびき「すごいよ!浮かんできた!」ひいな「求肥が日本酒を吸ってるのかな?ぼっかり浮いてる〜!」テツヤ「ずっと思ってたんだけどさ、雪見だいふく2個って多いよね」ひいな「多いよね」ひびき「1個ずつで食べるものなんじゃない?」ひいな「半分個するものだよね」テツヤ「冷凍庫に半分食べた雪見だいふくが入ってるのは……」ひいな「それは、絶対食べないで!ってやつね(笑)」ひびき「早く食べたい!」テツヤ「ひいな、これ、すごい発明だよ」ひいな「めっちゃおいしそう〜!」ひびき「うわ!やわらかくなってる〜!」ひびき&ひいなは、雪見だいふくで乾杯〜!雪見だいふくと貴醸酒の組み合わせ、うんまい!ひいな「求肥の部分にお酒の味がしみしみで、めちゃくちゃおいしい」ひびき「おいしい。この組み合わせいいね」テツヤ「こりゃ、大人のデザートだね」ひいな「雪見だいふくに合わせたら絶対おいしいだろうなと思って」テツヤ「雪見だいふくのポテンシャルがヤバいね。なんか、また違う世界の扉を開いちゃったね」ひいな「雪見だいふくにお酒かけちゃうなんて。大人になってよかった」テツヤ「ほかの日本酒でも合うかな?」ひいな「うん。コンビニで買えるスパークリングの日本酒でもいいと思う。フロートっぽくなるよ」テツヤ「どうしてこういう発想になったの?」ひいな「ひびきがアイスが好きだから。この貴醸酒の甘さをアイスと合わせてみたらどうだろう?って思ったの。ひびきが友だちの家で、たこパとかした時に、この日本酒と雪見だいふくを持って行ったらぜったいウケると思うんだよね。ひびきにも日本酒を広めてほしいなって思って。みんなにも雪見だいふくと日本酒が合うんだよって言ってみてね」ひびき「うん、わかった!」成人を迎え、めでたく、家族みんなで日本酒が楽しめるように!ひいなが日本酒に目覚めるなんて……。父しみじみ。ひびきも20歳になって、お酒が一緒に飲める日が来るなんて……。父、さらにしみじみ。テツヤ「日本酒の初級編として、ひびきにこんなにもおもしろい日本酒の楽しみ方を教えてあげられてよかったんじゃない?最初にひいなに教えてもらえてさ」ひびき「うん、そうだね!日本酒、おいしかった」ひいな「本当はね、もっと飲ませたいお酒がたくさんあったの。だから今度は家でも日本酒、一緒に飲んでね!」テツヤ「なんか、台本みたいなセリフだな(笑)」ひびき「うん!」テツヤ「いまもさ、なかなか2人が家にいないし、妻と俺しかいないことが多いから、家でみんなで晩酌する機会もかなり減っちゃったもんな。老後の世界ってこんななのかなって寂しくもあるけど……。もっと家で飲もうぜ。電車に乗って帰らなくていいんだからさ(笑)」ひいな「セラーの中にもいっぱい日本酒入ってるしね。これからも日本酒飲めそう?」ひびき「うん!ひいながいるなら!」ひいな「おぉ!うれしい!家でも飲んでくれるんだね」テツヤ「きっと外で日本酒飲んだ時にも、今日のこと思い出してくれるよな」ひびき「うん」テツヤ「これからも連載を見てください!」ひいな「これからもひびきにおいしいって言ってもらえる日本酒を用意して待ってます!」ひびき「はい!」テツヤ「いい返事!」ひいな「また飲もうね!」ひびき「はい!」次回:3月29 日(日)更新予定これからも「伊藤家の晩酌」をよろしくお願いします!【ひいなのつぶやき】貴醸酒のおもしろさをこれからも発信したいと思います!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年03月22日弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十夜は、2月に成人を迎え、お酒解禁となった妹・ひびきへ、オススメの日本酒を3本ご紹介。味の変化がユニークな、時間をかけての楽しみたい1本。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十夜2本目は、熟成した濃厚な味わいがクセになる「農口 純米酒」石川県の休業していた老舗の酒蔵「山本酒造」を買い取り、2013年から酒造りをスタート。2年熟成させたことで旨味が増した「農口 純米酒」1800ml 1000円(税別・ひいな購入時価格)/農口酒造株式会社姉・ひいな(以下、ひいな)「このおちょこ、かわいいでしょ?」妹・ひびき(以下、ひびき)「小さい〜!」父・徹也(以下、テツヤ)「お!? やちむんだね」ひいな「そう、自由が丘にあるニライカナイ自由が丘で買ったやちむんだよ」小さいおちょこになみなみと。父・テツヤ、酔っ払いながらもちゃんと撮影しています。ひびき「こんな小さいおちょこでお酒飲むの?」ひいな「そう。くいっと飲めちゃう大きさでしょ?沖縄では泡盛飲む時に、この小ささで飲むんだって。アルコール度数が強いから」テツヤ「ショットだな(笑)」ひいな「今日のお酒はね、石川県能美市の『農口』ってお酒だよ」ひびき「『のぐち』って読むんだ」テツヤ「ラベルの存在感がハンパないね」ひびき「しかも、一升瓶だ!」テツヤ「ひびき、一生瓶ってどれくらいの量か知ってる?」ひびき「うん、ここに書いてある(笑)。1800mlって」テツヤ「正解!」ひいな「では、いただきましょうか」一同「乾杯〜!」妹・ひびきの反応が……もしや?あれれ?思わず顔をしかめる妹・ひびき。ひいな「あれ?ダメだった?」ひびき「うぇぇ〜」テツヤ「確かに、これクセあるね」ひいな「ひびきが、涙目になっちゃった(笑)。私的には、日本酒が純米吟醸か純米大吟醸しかおいしくないと思っているひびきに、日本酒の味っていろいろあるんだよっていうのを紹介したかったんだけど……」テツヤ「なるほど。酒はいろいろあんだぞと」ひいな「こんな味わいもあるよってね」テツヤ「日本酒の洗礼だね」ひいな「わわ、泣いちゃった……。ごめん、ひびき!」抜栓してからも、味の変化が楽しめる「農口 純米酒」涙を拭いて……。ひいな「涙の理由、聞いてもいい?」ひびき「よくわかんないんだけど、涙が出てきた」ひいな「おいしくなかった?」ひびき「うん……」テツヤ「お酒単体じゃなくて、食事と合わせると印象変わるかも」ひいな「そう。いろんなお酒を飲むことで、自分の好みがだんだんわかってくるから」テツヤ「その前に、お水飲んでみな」お水を飲んで、ほっと一息。テツヤ「このお酒、後半のほうがうまく感じるな」ひいな「後半って?」テツヤ「3口目くらいのほうがおいしいと思う。第一印象とは違う感じ」ひいな「あれ?冷えすぎてたのかな?抜栓してすぐの第一印象はかつお節っぽい感じと、竹のような香りもあるかなって思ったよ。もう一つ、前に開けた常温の『農口』もあるから飲んでみようか」テツヤ「あれ。ぜんぜん香りが違う。こっちのほうが飲みやすいかも?」ひいな「うん。深みがあるね。実は開けてから18日も経ってるの。だからまろやかになってるのかも」ひびき「こっちのほうがおいしい」ひいな「うん、飲みやすくなってるね。ひびきにも気に入ってもらえてよかった〜」冷酒と常温、香りの違いを確認するテツヤ。ひいなとひびきも香りを確認。テツヤ「一升瓶ってなかなか飲みきれないって言う人にもおすすめだね」ひいな「ね。時間をかけて変化が楽しめるお酒、いいよね」テツヤ「1日一合とか決めてる人とかさ(笑)。健康のために」ひいな「お父さんにぴったりなんじゃない(笑)?」「農口 純米酒」に合わせるのは、さつまいもの甘みだけで作った「スイートポテト」ひいな「このお酒には、甘さをプラスしたほうがおいしさを感じるんじゃないかなと思って。かつお節みたいなスモーク系の香りがしたから、それを邪魔しない食材ということでお芋を思いついたの。紅あずまをふかしてみたらすごく甘かったから、お芋と牛乳だけで砂糖なし。卵を塗って焼いてみたよ」ひびき「お芋、おいしい!」テツヤ「おぉ、うまいね〜!『農口』に合う!」ひいな「みんなどうやって食べた?」ひびき「お芋が口に残るから、それをお酒で流す感じ。あれ?日本酒もおいしいよ」ひいな「わ、よかった!」テツヤ「お?ひびきもおいしいって思った?」ひびき「うん、おいしい。おかわり」テツヤ「そりゃよかった」ひいな「食中酒になると印象ってこんなに変わるんだね。すごく勉強になる!ひびきの反応」テツヤ「日本酒のイベントとかやってさ、同じ日本酒でも、おつまみと合わせることで、これだけ違いますよって飲み比べてほしいよな」ひびき「単体で飲んだ時とぜんぜん印象が違う。おいしい」テツヤ「さすが!ひいなのマリアージュが功を奏したんじゃない?」ひいな「何なの?急に(笑)」テツヤ「父からのフォロー(笑)。やっぱりさ、お酒に何を合わせるかによって、お酒の印象もガラッと変わるからさ。この『農口』に魚を合わせたら、きっと全然違うはずじゃない。だから、ひびきもおいしく飲めたのは、ひいなのおかげなんじゃないの?ってね」ひびき「うん。お芋おいしかった」ひいな「よかった〜。ひびきの顔が曇った時はどうしようかと思った」テツヤ「一緒に酒が飲めてうれしかったんだよな?」ひびき「うん、じゃ、そういうことにしとく」テツヤ「なんじゃそりゃ(笑)」ひびき「お芋、もっと食べたい」ひいな「ひびきがおかわりしてくれた!」テツヤ「芋好きだもんな」ひびき「うん」テツヤ「ひびき、顔が赤くなってきたんじゃない?」ひびき「なってないよ!」テツヤ「お酒、弱いんじゃないの?」ひびき「2人が変わらなさすぎなの!」テツヤ「顔色は変わらないけど、だんだん目の力が弱まってくるんだよな……」ひいな「食べ物でお酒の味が変わるの、おもしろかった?」ひびき「うん。デザートみたいなお芋と日本酒ってこんなに合うんだね」テツヤ「つまみ=塩辛だけじゃないんだぞってね。ひいなのつまみがね、毎回絶妙なんだよ。よくぞ、これを合わせるねっていうのばっかり!」ひいな「もちろん珍味とか酒のアテみたいなのが合うお酒もあるだろうけど、そうじゃない選択肢を紹介したいんだよね」テツヤ「それにしても、ひびきのストレートな反応を見てるのがおもしろかったな」ひいな「ね。これからも、どんどん飲ませちゃお!」次回:3月22 日(日)更新予定【ひいなのつぶやき】一家に一本、「農口」をキープしておくことを推奨します!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年03月15日外国人やワイン好き女子の間でも人気急上昇中の日本酒。そこで今回は弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、Hanako.tokyo連載「伊藤家の晩酌」より、ホームパーティーにおすすめの飲みやすいフルーティーな日本酒と、おつまみレシピをご紹介します。1.いちごの花酵母を使ったフルーティな日本酒「天吹 純米吟醸 いちご酵母 生」花から生まれた花酵母を使ってお酒を醸す「天吹酒造」は300年以上もの長い歴史を持つ佐賀県の酒蔵。バラやひまわり、なでしこなどの花の酵母を使った日本酒は香りや味わいなどどれも個性豊か。いちごの花を使った「天吹 純米吟醸 いちご酵母 生」は、甘みと酸味のバランスが抜群の純米吟醸酒。720ml 1760円(税別・ひいな購入時価格)/天吹酒造合資会社一同「かんぱい〜!」ひいな「このお酒はね、今回は香りを楽しんで欲しいからワイングラスで飲んでね」テツヤ「わ、すごい、いちごだ!」ひいな「いちごミルクみたいな感じしない?」テツヤ「いちごミルク感があるのはどうしてだろう?」ひいな「乳酸菌っぽさかな。いちごの花酵母のお酒をいちごっぽいって言うのはどうかなと思っていたんだけど、これはいちごミルクだって断言できるくらい、いちごを感じた」テツヤ「デザートワインみたいじゃない?これはワインだね」ミキ「ワイングラスで飲む理由がわかるね」ミキ「たくさん花酵母のお酒がある中から、どうしてこのいちごのお酒にしたの?」ひいな「蔵元の方に一番オススメって言われたから(笑)。蔵元さんに『どれが一番オススメですか』って聞いた時って『どれもオススメです』って言われるのがノーマルな答えなんだけど、そのなかでもこの会長さんは『いちご花酵母です』って言ったんだよね」「いちごとアボカドとレモンの冷製パスタ」「天吹 純米吟醸 いちご酵母 生」に合わせるおつまみは、生のいちごを使った「いちごとアボカドとレモンの冷製パスタ」。レモンの酸味といちごの甘みに、アボカドのクリーミーさが加わった絶品パスタ!味付けはオリーブオイルと塩とレモン果汁のみ。ポイントは、少しレモン汁多めで酸味を強く効かせています。2.レモンの風味香るフルーティな日本酒「Shell Lovers」広島県の今田酒造本店より「富久長 白麹 純米Shell Lovers 火入れ」720ml 1500円(ひいな購入時価格)/株式会社今田酒造本店テツヤ「お!これはラベルがかわいいね」ひいな「ジャケ買いしたくなるよね。女性杜氏の人が醸したお酒なの」テツヤ「なるほど!」ひいな「『Shell Lovers』を初めて飲んだのは、牡蠣を出すお店で、名前の通り、牡蠣と相性が良くて」テツヤ「あぁ、だから二枚貝のイラストがラベルに描いてあるんだ!」ひいな「日本酒って、普通は『黄麹』で造るんだけど、これは『白麹』なの」テツヤ「それは、味にどう関係してくるの?」ひいな「味というよりも『黄麹』のほうが糖化力があるの。『糖化』っていうのは、お米を糖分に変えることなんだけど、その工程で『黄麹』を使ったほうが米を糖化しやすいってこと。焼酎とかでは『白麹』を使ったりするみたい。『白麹』は酸度が高くて、クエン酸とかを多く出すらしいよ」テツヤ「ということは、酸味が強いんだな?」ひいな「そう。日本酒の酸度の平均は1.3くらいなんだけど、『Shell Lovers』は3.2で酸度が高い。でもその分、アルコール度は13度で抑えめ」ひいな「なんかさ、この日本酒、レモンっぽさ感じない?」テツヤ「うん、レモン感あるね。さっきまでの日本酒とは酸の種類が違う!これは、どこのお酒だっけ?」ひいな「広島県安芸津町。安芸津町は『杜氏の町』って言われてて、日本酒で有名な町だよ」テツヤ「なるほど、広島といえば柑橘も採れるし、牡蠣も捕れるし、こりゃ広島らしい日本酒だね」「Shell Lovers」に合わせるおつまみは、熱々できたての「鮭のホイル焼き」!「鮭のホイル焼き」にはバターでコクをプラス。食べる前にはレモンを絞って。ホイル焼きとレモンの味と『Shell Lovers』が補完的関係になっていておすすめおつまみです。3.日本酒の概念をくつがえす!?「米鶴 ピンクのかっぱ純米酒」山形県南東部に位置する高畠町で300年以上の歴史を持つ米鶴酒造から、見てびっくり、飲んでびっくりの変わり種「米鶴 ピンクのかっぱ純米酒」720ml 1360円(税別※ひいな購入時価格)/米鶴酒造株式会社ひいな「このお酒はね、ワイングラスで飲んでほしいんだ」テツヤ「お!?ワインぽいってこと?」ひいな「いいから、まずは飲んでみてよ!」テツヤ「おぉ、すごいピンクだね!! 茶色の瓶だからわからなかった!」ひいな「ロゼワインっぽいでしょ?食前酒にいいかなと思って」テツヤ「うわっ、うんまー!!これ、もうワインじゃない?」ひいな「革命でしょ?」テツヤ「うん、衝撃的。これはすごいね。いい酒だよ。がぶがぶ飲める」ひいな「まだ1本目だから、ほどほどに(笑)」テツヤ「これは確かにワイングラスに合うね」「オレンジとにんじんのラペ」「ピンクのかっぱ」に合わせるおつまみは「オレンジとにんじんのラペ」オレンジのさわやかな酸味が加わったニンジンのラペ。味がしみしみ。きゅっとしまった酸味があるお酒だから、さらに酸味を合わせてみようと思い、こちらの一品を。4.華やかな香りが通り抜ける「花の香 和水 純米大吟醸」熊本県和水(なごみ)町にある花の香酒造。和水町で育った山田錦を100%使用し、仕込水も菊池川の伏流水という、すべてが“和水”という土地だからこそ生まれた日本酒。「花の香 和水 純米大吟醸」720ml 1731円(税別・ひいな購入時価格)/花の香酒造株式会社ひいな「この『花の香』っていうお酒は熊本県玉名郡和水町のお酒だよ」テツヤ「そうそう、福岡の八女から熊本へ」ミキ「うわぁ、おいしい!ふわっと香りが入ってきた!」テツヤ「これは冷え冷えがうまいわ。ちょっと温度が足りなかったら、重くなるかも」ひいな「うんうん、冷やして飲んだ方がおいしいね」テツヤ「うんまいねぇ、このお酒!意外に後からくるね」ひいな「ちょっと酸味があって」テツヤ「酸でキレてる感じあるね」ひいな「なんかね、はちみつとか花の蜜みたいな甘みも感じない?蜜を口の中で回してる感じ」ミキ「うんうん、わかる。でも少し酸もあって、さっと消えていく感じ」「花の香 和水 純米吟醸」に合わせるのはピリッと山椒が効いた「生麩田楽」!このお酒に合わせる料理は、生麩。左から、あわ麩、よもぎ麩、ごま麩で、田楽味噌は、群馬県の永井酒造で購入してきたものです。上にかけた山椒がこのお酒にすごく合います。(Hanako.tokyo連載「伊藤家の晩酌」より掲載/text:Hiina Ito)娘から父へ…おいしい日本酒おしえます!弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?連載ページはこちらから
2020年03月09日弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入!酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは?第十夜は、2月に二十歳を迎え、お酒解禁となった妹・ひびきへ、オススメの日本酒を3本ご紹介。まずは、「おいしい!」が連発した飲みやすい1本から。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)第十夜1本目は、飲みやすさ抜群で誰もが好きになる「二兎 純米吟醸 雄町55」から。愛知県岡崎市にある「丸石醸造」の人気銘柄「二兎」。コンセプトはその名の通り、“二兎追うものしか二兎を得ず”。味も香りも酸も甘みもキレの良さも、すべてのバランスが抜群にいい「二兎 純米吟醸 雄町55」。720ml 1823円(税別・ひいな購入時価格)/丸石醸造株式会社姉・ひいな(以下、ひいな)「今回は愛知県岡崎市の『二兎』です!」父・徹也(以下、テツヤ)「いい名前だね」ひいな「“二兎追うものしか二兎を得ず”なんだって」テツヤ「確かに。確かにね。欲張りに行けってことだな。追わなかったら一兎のままだからね」テツヤからひいなへ注いで…ではでは、一緒に…乾杯!クイッと一口。あぁ〜。ひいな「あぁ、おいしい」テツヤ「こりゃ、いいや。1本目に飲むにはこれいいね」ひいな「でしょ?」テツヤ「純米吟醸ですか?」ひいな「純米吟醸です!正解!よくわかったね!」テツヤ「それぐらいわかりますよ〜」……ひいな「あれ?」テツヤ「頭だけ出てきたぞ」おだんご頭がかわいい、妹・ひびきが初登場!ひいな「飲みたくなっちゃったの?」テツヤ「来ちゃったの?」ひびき「うん。もう20歳になったから」ひいな「ひびき、成人おめでとう!」テツヤ「20歳の誕生日を迎えたばっかりのひびきです!」ひびき「ひいなの妹のひびきです!よろしくお願いします!」ひいな「今日は、日本酒デビューだね!」テツヤ「緊張してる?」ひびき「え?緊張するものなの?」テツヤ「しないか(笑)。家だしな」ひいな「日本酒を初めて飲むひびきに、飲ませたい3本を選びました!父からひびきへ注いであげてよ」次は、テツヤからひびきへ注いで…父のほうが緊張してる…!?テツヤ「なんか、結婚式の予行演習みたいだな(笑)。じゃ、ひびきにも注いでもらおうかな〜」娘2人と一緒に飲める日が来るなんて…顔がほころぶ父テツヤ。さぁ、どうぞ〜ひびき「はい、どうぞ〜」テツヤ「ありがとう〜。大きくなったの〜」テツヤ&ひいな「ひびき、20歳おめでとう!」3人で乾杯〜!ひびき「ありがとう〜!」ひいな「ひびきの反応が気になる!」ひびき「そんなに見ないで!」ひいな「どう?」テツヤ「どう?」ひびき「…お酒じゃないみたい」ひいな「おぉ、なるほど」ひびき「水に味がついてるみたい」ひいな「新しい表現だね」ひびき「甘くてデザートみたい」3人おそろいのおちょこ…一番大きい大きいのは、もちろん父専用。ひいな「うんうん、おいしいよね。この『二兎』ってお酒はね、20歳の時に知ってたんだけど、その時はなかなか手に入らなくて飲めなかったの。取り扱ってる店舗がなかったり、貴重だから飲食店にもあんまり置かれてなくて。そしたらひびきに飲ませたいお酒を考えてた時にちょうど『二兎』に巡り会えて。20歳で『二兎』が飲めるなんて贅沢だなと思って選んでみたよ」テツヤ「日本酒デビューのお酒が『二兎』だなんて、贅沢なんだな」ひいな「私が最初に飲んだお酒は『仙禽』だったんだけど、『二兎』っていういいお酒からスタートできるのも、なかなかうらやましいなと思って。姉から妹へ、愛情を込めて選びました!」ひびき「ありがとう」ひいな「最初の印象ってすごく大事だから。いろいろ迷ったんだけど、純米大吟醸なんだけど、雄町を使ってるからちゃんと米感もある感じのお酒にしてみたよ」テツヤ「ひびき、聞いてる?大丈夫?」ひびき「聞いてたよ(笑)」テツヤ「ま、難しいことはいいとして。俺はさ、最初の印象が悪かったから、それをずっと引きずってたんだよな。日本酒は悪酔いするって。それで20年間も日本酒から遠ざかってたんだから。宴会で悪い酔いするたびに妻と喧嘩して。毎回絡んで…」ひいな「聞きたくない〜」ひびき「知りたくない〜」テツヤ「そういう意味では、ひびきは幸せですよ!20年以上飲めなかったんだもんな、こんなおいしいお酒」ひいな「おいしいね」ひびき「うん、おいしい」「二兎 純米吟醸 雄町55」に合わせるおつまみは「菜の花の味噌マヨ和え」ひいな「この『二兎』は二子玉川になる〈はせがわ酒店〉で買ったんだけど、朝10時から角打ちができるの。そこで朝から飲んでた時、この『二兎』とちりめん山椒と合わせた時にすごく合ってて。だから、ゆでた菜の花に、自家製の味噌とマヨネーズ、そこに山椒の粉末をまぜたもので和えてみたよ。さっき、ライターさんが持ってきてくれた実山椒の佃煮も上にのせちゃいました。(ライター注:津乃吉の「実山椒佃煮」はこちらでも紹介しています!)テツヤ「ひびき、マリアージュしてみたら?」ひびき「一緒に食べて飲むってこと?」テツヤ「そう!」ひびき「食べてから飲む?飲んでから食べる?」ひいな「どっちでも美味しいと思うんだけど、う〜ん、食べてから飲んでみようか」ひびき「はい」テツヤ「素直だな(笑)」ひいな「おちょこを持って、一口食べて」ひびき「なんか、味が変わった!」ひいな「日本酒の?」ひびき「うん、濃くなった」テツヤ「ほんと?俺もやってみよ。一緒に食べたの?」ひびき「飲み込んでから、お酒を飲んでみたよ」テツヤ「あぁ、うまいね。山椒の残り香とすごく合う!」ひいな「山椒好きだからね」テツヤ「もう、うなぎでいいんじゃないかって話したよね(笑)」おいしくて、妹・ひびきがおかわり!ひびき「おかわり!」テツヤ「いいよ、いいよ」ひいな「うれしいな」テツヤ「それにしても、この味噌マヨ、うまいな」ひいな「おいしいでしょ?バイト先で教えてもらったレシピなの」テツヤ「このお酒、なんかほんのり苦味も感じるあるね」ひいな「うん、少し苦味があるかも」テツヤ「だから、菜の花の苦味とも合うのかも」初めて日本酒を飲む妹に、酔わない飲み方をレクチャーする姉。だが…!?おいしそうに飲み干す父を心配そうに見つめるひびき。ひいな「ひびきは家で日本酒飲まないじゃない?」テツヤ「うん。成人したのにね。今日が初めてだもんな」ひいな「外ではもう飲んでるらしいよ」ひびき「だって飲もうって誘われたら飲むじゃん!」ひいな「今回、ひびきに日本酒を3種類紹介するから『どんなお酒がいい?』って聞いたら、『私、炭酸が飲めないから微発泡じゃないやつで、純米吟醸か純米大吟醸がいい』て言われたの」テツヤ「おまえ、めちゃくちゃ飲んでるんじゃん!そんなに飲んでるのか…?」ひびき「そんなに飲んでないよ(笑)。誘われたらちょっと」ひいな「彼氏が25歳だからな」テツヤ「すごい好青年だもんな」ひいな「父、母、ひびきと遠くにいるひびきの彼氏と4人でオンライン麻雀とかやってるぐらいだもんね」テツヤ「そう(笑)。ひかるさんに負けるとくやしいんだよな」ひびき「きっとここで飲みたいぐらいだと思うよ(笑)」ひいな「日本酒ってどんなイメージあった?」ひびき「う〜ん。ひいなが飲んでるイメージしかない。ひいな「そっか(笑)」テツヤ「あんなにおいしそうに飲んでるんだから、おいしんじゃないか?ってね」ひびき「うん。きっとおいしいんだろうなって思ってたし、おいしいと思う」ひいな「ありがとう。うれしいな。ひびきにもうひとつ教えてあげるね。お酒を飲む時は、お水と1対1で飲むこと。そうすると、次の日に大変なことにならないんだよ」テツヤ「お酒を楽しむには必要な知恵だな。飲み方は大事」ひいな「あと、体調が悪い時はほどほどにすること」テツヤ「それがな〜、なかなかできないんだよな〜」ひいな「これ、ダメな例ね(笑)。って、私もまだなかなかできないんだけどね」ひびき「うん、わかった。気をつけるね」次回:3月16 日(日)更新予定娘が姉妹で日本酒を楽しむ日が来るとは…テツヤ感無量!【ひいなのつぶやき】「二兎」というバランスの整ったお酒を飲むと幸せを感じます。これからも家族で楽しみます!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中
2020年03月08日