『ネムジム』では、これまでに寝ても寝ても眠い病気である「過眠症」について、いくつか取り上げてきました。同じ過眠症でもそれぞれ違ううので、このページでは過眠症の種類と特徴を紹介していきたいと思います。寝ても寝ても眠いと感じている方は、自分がどの過眠症を発症しているのか、一度よく考えてみましょう。寝ても寝ても眠い病気!過眠症とは?日本睡眠学会では、過眠症について以下のように定義しています。『日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日の様に繰り返してみられる状態で、少なくとも1ケ月間は持続し、そのため社会生活または職業的機能が妨げられ、あるいは自らが苦痛であると感じるものです。ただし一回の持続期間が1ケ月より短くても繰り返して過眠期がみられるものも含みます』自分が過眠症かどうかを見分けるポイントは「日中に強い眠気を感じるか」というところにあります。夜は寝て日中は活動するという規則正しい生活をしているにもかかわらず、いつも昼間に強い眠気に襲われてしまう方は、いずれかの過眠症を疑ったほうがいいかもしれません。過眠症の種類と特徴それでは代表的な過眠症の種類と特徴について見ていきましょう。・ナルコレプシー過眠症のなかでも特に有名な、日中に強い眠気を引き起こす病気です。ナルコレプシーの場合、居眠りをする時間は長くても30分ほどで、目覚めたあと当人はスッキリするという特徴があります。世界的な有病率は「1000~2000人に1人」となっていて、特に10代の若者に発症しやすくなっています。・特発性過眠症長時間眠り込んでしまうこともある過眠症で、急激に眠くなるのではなく「徐々に眠気が強まる」という特徴があります。この特発性過眠症に夜間の睡眠時間は関係なく、なかには夜10時間以上寝ていても日中になると睡魔に襲われてしまう患者もいます。またこの「特発性」という言葉には「原因が判明していない」という意味があり、2016年現在では原因も治療法もまだハッキリとは分かっていないようです。・反復性過眠症1日に16~18時間、場合によっては20時間眠り込んでしまう過眠症です。この過眠症には長時間睡眠が続く「傾眠期」と、過眠症状がまったく現れない「間欠期」が繰り返されるという特徴があるため、「周期性過眠症」とも呼ばれています。傾眠期はだいたい3~10日間、間欠期は数カ月間で、一度傾眠期に入ると食事とトイレの時間以外はほとんど眠り続けるという状態になってしまう人もいるそうです。居眠りするのは病気のせいかもしれない!今回は寝ても寝ても眠い病気である過眠症の代表的な種類と特徴について紹介しました。皆さんのなかには仕事中や授業中に我慢しきれずに居眠りをしてよく怒られるという方もいるかと思いますが、実は日中に眠くなる原因は我慢が足りないからではなく、病気によるものかもしれないのです。もし、いつも昼間に異常なくらいの強い眠気に襲われているという方は、一度病院の睡眠外来で診断を受けてみてください。過眠症は専門の先生に診てもらうのが一番なので、睡眠のプロに相談してみましょう。その結果、過眠症の患者であると正式に認められれば、周囲からの理解も得やすくなるでしょう。photo by acworks
2016年05月27日初対面で目を合わせた瞬間に「あなた貧血でしょう?」とか、握手する手を見ただけで「タンパク質をあまり食べてませんね?」などと指摘され、それがぴったり合っていたら驚きますよね。それが医師ならなおさらのこと!斎藤糧三先生は、まさにそんなドクター。専門は「機能性医学」という新しい医療です。海外ではすでに定着しつつあるこの「機能性医学」、一体どのようなものなのでしょう。根本原因を探り、生活改善で治す 「機能性医学」とは?機能性医学… 日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、おおまかに言えば「よくある慢性的な病気や原因不明の不調に対して、薬などの対症療法に頼らず、根本原因を探って生活改善によって治す」という考えに基づくもの。もう少し詳しく、先生にお話を伺いましょう。「機能性医学は、1990年にアメリカのジェフリー・ブランド博士が提唱した新しい医学です。アメリカではここ20年ほどで定着し、かなりポピュラーになってきました。熱があるから解熱剤を出し、咳が止まらないから咳止めを処方するというのではなく、熱や咳の原因を調べ、その原因を取り除くことで健康を取り戻す方式ですね。アメリカではもう、従来の投薬に重きを置いた対症療法では無理だと国民が気づいただけ。日本は保険制度が完備されていて、誰もが平等に医療が受けられるしくみが整っていますが、アメリカは、病気になったから治療を受けたのでは高額の治療費がかかる。知恵のある人はいかに病気を避け、病院に頼らない方法を追求する傾向があります。機能性医学が広く受け入れられる下地があったわけです」(斎藤先生)近年は日本でも、機能性医学が求められているはず。生活習慣病などの慢性病(治療が長引き、慢性の経過をたどるさまざまな病気)が、日本の医療費に占める割合はおよそ8割だからです。花粉アレルギーや、アトピー、うつ病、頭痛、冷え症、ぜんそく、蕁麻疹、リウマチ、便秘、糖尿病などは、多くの人が悩む慢性病の代表的なもの。学校へ行けないとか仕事を休まなくてはならないというほどひどくはないけれど、仕事や勉強の能率を著しく下げてしまうような病気が増え続けていることは、社会が抱える重大な問題です。最近では、ガンさえも生活習慣によるものと言われていること、見逃せません。病気は “医者に治してもらう” のでなく患者さんと医師が「一緒に」治すもの「多くの人が医者から処方された薬を飲み続けています。それでも治らない。その結果ドクターショッピング(あちこちの病院、さまざまな科、主治医を転々と変えること)をし、時間もお金も使ってしまう。対症療法でなく、症状の原因に目を向けて診断すると、その方が栄養バランスが悪かったり、病気を呼ぶような環境にいることがわかったりします。栄養の偏りを正したり、足りない栄養素を補ったりするだけで症状が軽くなる人が多く、中には何十年も苦しめられていた頑固な持病がすっかり治ってしまうケースもあるほど。『先生のように、私の生活の中に原因があるのではないかと探ってくれた医者は今までいなかった』と感謝されると、本当に良かったなと思いますよね」(斎藤先生)斎藤先生が機能性医学と出会ったのは、自分が長年悩んでいた花粉症をこの医学が治してくれたからでした。そもそもアンチエイジングに力を注ぐ医師でありながら、慢性疾患になすすべがない従来型の医療に疑問を感じていた先生は、2006年、うっかりカビの生えた燻製肉を食べたことがきっかけで、腸の調子が悪くなりました。お腹の張り、ガス、下痢などに散々悩まされた挙げ句、1カ月後に症状は全身に広がり、手のひらや足の裏にまで炎症が起こり、膝にはリウマチを思わせるような関節痛まで生じてしまったのです。なぜ、カビ毒からそんな全身の症状が引き起こされるのか、従来型の医療では説明がつかない。何かないのだろうか… と考えていたところ、アンチエイジングの国際学会の仕事をしていた折りに、腸と全身疾患の関係を解いた『機能性医学』というものを知り、急に興味を持ちました。2007年からは、アメリカで機能性医学のプログラムに参加し、この医学を系統的に学び、日本人として初めて「機能性医学認定医」の資格をアメリカで取得。日本ではまだ紹介されていなかった機能性医学研究所を設立します。そして2008年、機能性医学の底力を自ら体感するターニングポイントがやってきたのです。「その年の機能性医学のトピックのひとつがビタミンDだったのですが、機能性医学では、ビタミンDを“免疫系を整えるのに必須の栄養素”ととらえているんです。そこで『小さいときから抱えているアトピーや花粉症などのアレルギー疾患は、ビタミンDの慢性的な欠乏によるものかも』と思うようになりました。そして、実際にビタミンDを摂取することで自分の花粉症が治ってしまったんですよ。ほんとに、これだ! と思いましたね」(斎藤先生)「生活」を変えるのは、患者さん本人病気には「遺伝的要因」と「環境的要因」の2つがあります。遺伝的な要素は両親から受け継いだものなので生涯変化しませんが、環境的なものは食生活などの生活習慣や、その人の置かれている生活環境によってコントロールが可能です。遺伝子に関わらず最大の健康を得るためには、生活習慣・生活環境を最適化することが大切。もちろん、人の体は代謝ひとつとっても十人十色。なので、一人一人に合わせた見極めも必要です。「日本人は『病気になったら病院で薬をもらって治してもらおう』という発想に陥りがちですが、生活を変えるのは患者さん本人。医者にはできません。医師と患者さんが二人三脚で疾病に立ち向かうこと。治してもらうのではなく、一緒に治すという気持ちを持ってもらうことも大切なんですよね」(斎藤先生)慢性病を改善するための「5つの習慣」機能性医学では、これまでとは全く違ったアプローチで原因を特定していきます。例えば、精神的な悩みにも栄養不足を疑ったり、頭痛であれば肝機能の低下を疑う、など。女性に多いむくみや冷え症はタンパク質不足が原因であることが少なくないのだそうです。「普通の医師ならばたいして深く注意を払わないような対人関係や、睡眠環境といった領域まで、聞き出すこともありますね。それも、機能性医学においては慢性病を治す上で欠かせないポイントなんですから」(斎藤先生)そして慢性病を改善するために「5つの習慣」を提案します。1:栄養精製糖や白い穀物を控えて、良質のたんぱく質・脂質をしっかり摂り、ビタミンやミネラルが不足しないように気をつけること2:ストレスと対処力置かれている状況を把握したうえで、ストレスを味方にするようなものの考え方をする3:運動と活動30分ほどの速歩や自宅で行える簡単な筋トレを取り入れるだけで、メタボもロコモも防げて、認知症リスクが下げられる4:睡眠と休息栄養状態を整えると同時に、光をコントロールし、睡眠時無呼吸症候群などにも対処5:家族とソーシャルネットレジャーや運動などを介して人とのつながりを増やすことが、それぞれの慢性疾患のリスク軽減これらはすべて、治療薬を飲み続けるよりも低コストでできること。患者さんにできそうなものから薦めますが、5つのなかでも要となるのは1つめの「栄養」。1日3回、無意識のうちに口にしている食事の中身(=栄養バランス)、これを整えるだけで、慢性疾患のリスクが下げられるためです。食生活を整える「ファンクショナル栄養学」機能性医学に基づく栄養の考え方は「ファンクショナル栄養学」と言われます。従来の栄養学が慢性病を招いているのだとしたら、それを予防する食事法が必要。これが「ケトジェニックダイエット」と呼ばれるものです。勘違いされがちなのですが、「ダイエット」とは、日本ではこの30年ほどの間に「減量」を指す言葉になってしまいました。そもそも英語では「食事法」という意味です。現代人には必要のない糖質の過剰摂取をやめ、栄養のバランスを考えたケトジェニックダイエットを広めるため、斎藤先生は2013年、「一般社団法人 日本ファンクショナルダイエット協会」を立ち上げました。全米では、名門病院クリーブランド・クリニックにも2014年に機能性医学の外来が開設。全米から患者さんが殺到して、常に200人以上のウエイティングリストができているそうです。アメリカで広まりつつある機能性医学は、医療費がパンク状態の日本においても、近い将来、不可欠な医療になると考えられているのです。斎藤糧三先生 プロフィール1973年東京都生まれ。医師。1998年に日本医科大学を卒業後、産婦人科医に。現在、日本機能性医学研究所所長、一般財団法人日本ファンクショナルダイエット協会副理事長、サーモセルクリニック院長、ナグモクリニック東京・アンチエイジング外来医長。機能性医学をいち早く日本に紹介し、日本人として初めての機能性医学認定医に。栄養療法、アレルギーの根本治療、ケトジェニックダイエットの啓蒙・指導、更年期症候群の治療、アスリートの栄養管理など、得意分野は多岐に渡る。著書に『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』(光文社新書)。『スーパーフード事典 BEST50―栄養素、効能、おいしい食べ方がわかる』(監修/主婦の友社)。そして話題の新刊『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)が2月24日発売に。
2016年03月26日京都大学(京大)は3月25日、植物由来成分である「プテロシンB」が変形性関節症に効果があることを明らかにしたと発表した。同成果は、京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)/富山大学の大学院生 箭原康人氏、CiRA 妻木範行教授、医薬基盤・健康・栄養研究所 竹森洋プロジェクトリーダーらの研究グループによるもので、3月24日付けの英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。変形性関節症は、膝や足の付け根、肘、肩などの関節に痛みや腫れが現れる病気で、骨の末端を覆う関節軟骨が変性することにより起こる。変形性関節症のリスク要因としては、加齢や関節への過剰な負荷、メタボリックシンドロームがある。加齢によって関節軟骨が薄くなること、また加齢とともに変形性関節症の患者数が増えることはよく知られているが、軟骨が薄くなることが変形性関節症の原因となるかどうかは不明となっていた。これまでの研究で、変形性関節症の軟骨細胞は、通常の軟骨細胞に比べてより成熟した細胞(肥大軟骨細胞)の性質を持っていることがわかっていた。また、妻木教授らのグループはSik3遺伝子を欠失したマウスでは、軟骨細胞の成熟が抑制され、軟骨細胞が増えることを見いだしている。同研究グループは今回、変形性関節症患者の軟骨では、症状が重症であるほど活性型のSIK3が検出される細胞の数が多いことに着目。薬剤によりSik3遺伝子を欠失させたマウスの関節軟骨を観察した結果、軟骨層がより厚くなっていることを確認した。またマウスに変形性関節症が起こりやすくなる手術を行ったところ、Sik3欠失マウスはSik3遺伝子を持つマウスと比較して変形性関節症になりにくいことがわかった。また、植物成分由来の化合物ライブラリを調べ、プテロシンBがSik3の活性を抑制することを明らかにした。実際に変形性関節症モデルのマウスの関節にプテロシンBを注入すると、変形性関節症の症状を抑えることができた。さらに、ヒト健常者のiPS細胞から軟骨を作製し、軟骨細胞が肥大化する環境でプテロシンBを加えて4週間培養したところ、プテロシンBが軟骨細胞の肥大化を抑制していることがわかった。同研究グループは以上の結果より、変形性関節症の治療ターゲットとしてはSIK3が有用であり、プテロシンBは変形性関節症治療薬開発のヒントになりえるとしている。
2016年03月25日ライカカメラジャパンは3月23日、ミラーレスタイプのレンズ交換式カメラ「ライカT」に対応する大口径単焦点レンズ「ライカ ズミルックスTL f1.4/35mm ASPH.」を発表した。発売は3月31日で、希望小売価格は税込259,200円。カラーはブラックとシルバーの2色。APS-Cセンサーに対応する大口径単焦点レンズで、ライカTに装着すると35mm判換算で焦点距離50mm相当の画角となる。レンズ構成は8群12枚(非球面レンズ4面)。鏡胴にはアルマイト仕上げを施している。レンズマウントはライカLバヨネットマウント、フィルターマウントはE60。最小絞りがF16、絞り設定方式が電子制御式、画角は対角線約45度 / 水平38度 / 垂直26度(35mm判換算で50mm相当)、撮影距離は0.4m~。最短撮影範囲は約220×147mm、最大撮影倍率は1:9.4。本体サイズは最大径が約70mm、長さが77mm、重量が428g。レンズフード装着時で最大径が81mm、長さが123mm、重量が498g。
2016年03月23日おじいちゃんやおばあちゃんが認知症になったとき、みなさんはどうするでしょうか。まずは医者に行って診断をしてもらい、お薬を受け取るのではないでしょうか?しかし、宅老所よりあい代表の村瀬孝生さんとフリーライター兼編集者の東田勉さんの共著書『認知症をつくっているのは誰なのか』(SBクリエイティブ)には、衝撃的な内容が書かれています。なんと、“認知症の問題行動の8割は薬のせいではないか”というのです。また、薬害認知症も認知症全体の3割はいるのではないか、という話も出ています。そこで今回は本書より抜粋した、「認知症の薬物療法を勧めない理由」をご紹介していきたいと思います。■知っておきたい認知症の「症状」まず、認知症には、大きくふたつの症状があるそうです。ひとつは、認知機能が障害されたことで出る中核症状。具体的には記憶障害(直前のことを忘れる、出来事全体を忘れる)、見当障害(ここがどこで、いまいつか、自分が誰だかわからなくなる)、実行機能障害(これまでできていた家事や趣味がなくなる)など。もうひとつが周辺症状で、かつては問題行動と呼ばれていたもの。現在は「BPSD」とも呼ばれているようです。具体的には徘徊、暴力、介護抵抗、失禁、不潔行為、昼夜逆転、幻覚、妄想、不穏などがこれにあたります。■認知症の薬物療法には問題がある筆者が問題提起するのは、この認知症の薬物療法です。中核症状については抗認知薬を、周辺症状については向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、精神安定剤、睡眠薬など)が使われるのが一般的だそう。最初に抗認知薬の問題点を上げてみましょう。(1)抗認知薬は認知症を治す薬ではない厚生労働省や医学会、医者、マスコミによる認知症キャンペーンでは、よく「早期受診・早期診断・早期治療」を勧めています。その後に必ず「進行を遅らせる薬があるから」といわれるそうです。しかし、アリセプトに代表される抗認知症薬は進行が止まるものではなく、飲み続けても緩やかに進行していきます。一部の人(4~6割)で9カ月~1年間は進行速度が弱まるものの、その時期を過ぎたら効かなくなるそうです。飲むのをやめれば飲まなかったのと同じ症状になってしまうとのこと。認知症を治す薬ではないので、効果に過剰な期待はしないほうがいいようです。(2)抗認知症薬のうち3種は興奮系の薬剤ということ確実に存在する“副作用”について見ていきましょう。抗認知症薬のうちメマリーという薬を除く3種は興奮系の薬剤で、「病的な怒り」を引き起こす点が大きな問題です。高齢者が認知症の薬を飲んで、興奮して暴れたという報告はものすごく多いとのこと。認知症の人を介護する側はこれらの薬によって、かなり大変なことになってしまうようです。(3)抗認知症薬には必ず増量規定があるそのような副作用が出るにも関わらず、抗認知症薬には増量規定があります。たとえばアリセプトという薬は1日3mgから服用を開始し、3週目からは5mgに増量しなければなりません。個人差があっても増量です。約20%に出てしまう“病的な怒り”にもお構いなく、医者は規定通りに増量しようとするそうです。それは、規定以外で処方すると、医者の診療報酬がカットされて保険診療にならず、薬代が病院・医院の自腹になる可能性があるから。抗認知症薬の副作用で大変な思いをした家族は医者にすがると、今度は多くの医者が増量規定を守りながら、お年寄りを鎮静させる「向精神薬」を処方します。これはつまり、アクセルとブレーキを両方踏むような薬物療法です。これが現在の70歳代、80歳代、90歳代のお年寄りに行われているのです。■問題行動の約8割が薬害性の疑い著者は「問題行動といわれるものの約8割は薬害性なのではないか」と疑っています。一昔前までは、認知症でも悩まず明るく、混乱もしていないお年寄りがいたそうです。しかし、いまでは「早期受診・早期診断・早期治療」で大量の薬を飲まされているから、“病的なボケ”が蔓延しているとのこと。お年寄りは医療では生活の支援が受けられず、著者の施設のような所へ来るのですが、みんな薬漬けになって来るそう。そして、薬によって元々もっている人間としての排泄や睡眠のリズムが崩れてしまいます。薬ではコントロールができていないのです。著者は経験として、薬を断ったお年寄りが心身ともに安定した例を多数見てきたこともあり、「できれば薬を使わない、減らしていくことが必要」と訴えています。また、著者と同じ考えで協力してくれる医者もいるとのことです。*自分の身近な人が認知症になったとき、医者の指示どおり、処方された薬を飲ませてしまう人は少なくないでしょう。しかし、薬はどんなものであっても、効き目には個人差があり、たくさん飲めば副作用も出てくるかもしれません。だからこそ、その時々で本人の様子を観察し、本当にこの薬でいいのか疑う目も必要なのではないでしょうか。認知症に関する疑問や興味がある人は、ぜひ読んでほしい本だと思います。(文/齊藤カオリ) 【参考】※村瀬孝生・東田勉(2016)『認知症をつくっているのは誰なのか』SBクリエイティブ
2016年03月01日理化学研究所(理研)は3月1日、酵母やカビをはじめとする真核微生物約120菌株について、全ゲノムの塩基配列の概要「ドラフトゲノム」を解読したと発表した。同成果は、理研バイオリソースセンター 微生物材料開発室(BRC-JCM) 大熊盛也 室長、遠藤力也 協力研究員、ライフサイエンス技術基盤研究センター 機能性ゲノム解析部門 眞鍋理一郎 上級研究員らの研究グループによるもので、3月4日~5日に開催される「第10回日本ゲノム微生物学会」で発表される。配列データは、国立遺伝学研究所が運営する公共データベースにて公開されている。またゲノム解読を行った菌株のリストはBRC-JCMのWebにて公開、解読に用いたDNAはバイオリソースセンター遺伝子材料開発室から外部に提供可能な状態に整備されている。ゲノム配列上の遺伝子領域予測やその遺伝子の機能予測を加味したデータについても、BRC-JCMのWeb上で順次公開される予定。解読の対象となった菌株は、未利用バイオマスからのエネルギー生産、環境汚染の原因となる化学物質の分解、食品の生産、真核微生物の進化・生態解明など、幅広い研究分野での利用が期待できるものであるという。
2016年03月01日三菱電機は2月29日、国内住宅用の単結晶無鉛はんだ太陽電池モジュール「マルチルーフ 245Wシリーズ」6機種を6月20日に発売すると発表した。同製品は3月2日~3月4日に東京ビッグサイトで行われる「スマートグリッドEXPO2016」に出展される。同シリーズでは、セル内で発生する電子の不活性化を抑えるPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造とセル内の抵抗損失を減らすSE(Selective Emitter)構造を導入し、面積を拡大した新型セルを採用することで、245Wの高出力を実現している。また、従来から採用している6種類の形状のラインアップにより、さまざまな屋根において無駄無く太陽電池モジュールを設置することが可能。同社パワーコンディショナとの組み合わせにより、電力変換ロスを抑制し、太陽電池モジュールの高出力を最大限に利用することができる。なお、引渡し日から20年目までは公称最大出力の80%を下回った場合に保証対象となり、21年目から25年目までは公称最大出力の72%を下回った場合に保証対象となる25年間保証が同シリーズにも適用される。
2016年02月29日オープン戦スタートも2月20日(土)に控え、いよいよ球春到来を実感しつつあるプロ野球ファンも多いだろう。そんな中、在京5球団のホーム開幕戦のチケットが続々と発売を迎えようとしている。プロ野球 開催情報3月25日(金)~27日(日)・巨人×ヤクルト・東京ドームと3月29日(火)~31日(木)・DeNA×巨人・横浜スタジアムのチケットが2月20日(土)に一般発売となるのを皮切りに、3月25日(金)~27日(日)・西武×オリックス・西武プリンスドームは2月22日(月)、3月25日(金)~27日(日)・ロッテ×日本ハム・QVCマリンフィールドは3月1日(火)、3月29日(火)~31日(木)・ヤクルト×阪神・神宮球場が3月5日(土)と順次発売される。各球団ともに開幕にふさわしい来場者サービスを用意。DeNAは昨年好評を博したレプリカヘルメットに続き、今年はボール、バット、ベースのオリジナルグッズをプレゼント。3月29日(火)はボール、30日(水)は長さ64cmのバット、31日(木)は実物大のホームベースを各試合2万4000席分用意。どのグッズもマリンくんをあしらった完全限定非売品となっている。さらに4月8日(金)~10日(日)・DeNA×ヤクルト・横浜スタジアムでは合計7万3000席分のボールパークポンチョがスタンバイ。計14万5000席分、しかもチケット料金は通常価格のままという大盤振る舞いだ。ヤクルトでは3月29日(火)に山田哲人3Dボブルヘッドを、31日(木)にオリジナルセ・リーグ優勝ペナントを1塁・ライト側の前売購入者1万名にプレゼント。ロッテは25日(金)に記念ロゴ入りピンストライプユニフォーム、25日(金)~27日(日)は2016卓上シーズンカレンダーをチケット来場者全員に、29日(火)・30日(水)・楽天戦では中学生以下の子どもにマリーンズキッズキャップを配布する。西武はビジターファンを除き、来場者プレゼントを実施する。25日(金)は2016スローガンフラッグ、26日(土)・27日(日)にはデザインの異なるオリジナルフリースをプレゼント。巨人では特製応援タオル付きの指定席FC・Cをラインナップ。25日(金)は柴田勲、26日(土)は宮本和知、27日(日)は広澤克実によるジャイアンツOB生解説付きの指定席Bも用意。各球団とも、グループやファミリーにお得なセット券や付加価値の付いた企画チケットなども積極的に行っている。また、始球式や国歌斉唱(独唱)に有名ゲストをブッキングしていることだろう。オープン戦開幕とともに、お目当てのチームのホーム開幕戦をリザーブしてみてはいかがだろう。
2016年02月19日新潟大学は2月3日、多発性硬化症および視神経脊髄炎の神経変性に関わる新たな仕組みを発見したと発表した。同成果は、同大学 脳研究所 神経内科 河内泉 講師、西澤正豊 教授、穂苅万李子 大学院生、横関明子 医師らの研究グループによるもので、2月2日付けの米科学誌「Annals of Neurology」に掲載された。多発性硬化症(MS)および視神経脊髄炎(NMO)は、視神経や脊髄、脳に炎症が起こることで、視力の障害、手足の麻痺、しびれや認知機能障害などの症状が現れる神経難病。異常な免疫反応により、MSでは神経軸索を覆うミエリンが破壊され、NMOでは神経細胞・軸索に隣接しサポートするアストロサイトが破壊される。この結果、神経機能が重度に障害される神経変性が起こる。MSとNMOでは異なる免疫制御治療が開発されており、異常な免疫因子をある程度制御することが可能となっているが、神経を保護する治療法は未だ開発されていない。今回、同研究グループは、MSとNMOでは視力障害がしばしば起こるが、NMOではMSに比較して、より重度で回復が不良な視力障害に進展すること、MSのミエリン障害、NMOのアストロサイト障害に加え、MS・NMOともに、視神経軸索と網膜の神経細胞が強く変性していることを明らかにした。また、MSでは「未知の異常な免疫因子」によるミエリンの破壊に引き続き神経変性が起こる一方で、NMOでは「アクアポリン4抗体」によるアストロサイトの破壊に引き続き神経変性が引き起こるが、MSとNMOで障害された神経軸索には、変性したミトコンドリアや陽イオンチャネル「transient receptor potential cation channel subfamily M member 4 (TRPM4)」が異常に集積しており、MSとNMOの神経軸索減少に関与していることがわかった。さらに神経軸索の障害は、網膜の神経細胞にも変化を及ぼすことがわかった。特にNMOではMSと比較してより多くの異常なミトコンドリアが、変性した神経軸索に含まれるため、疾患の早期から免疫制御治療を行うことに加え、神経保護治療を追加する必要があることが示唆された。同研究グループは、異常な免疫分子を制御する「免疫制御治療」と「神経保護治療」の組み合わせにより、患者のQOL向上が期待されるとしている。
2016年02月04日東北大学(東北大)は1月28日、全ゲノム解析情報を用いて急性リンパ芽球性白血病の治療効果判定に成功したと発表した。同成果は、同大学 東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と東北大学病院 血液・免疫科の研究グループによるもので、1月29日付けの英科学誌「British Journal of Haematology」オンライン版に掲載される。ToMMoは、2013年より地域住民コホート調査を実施しており、同調査では原則としてすべての参加者から採血を行っている。その血液はバイオバンクの構築に用いられるとともに、一部は参加者への結果回付などのために通常の健康診断よりも詳細な検査に付される。今回、同調査への参加者に対する詳細血液検査において、急性白血病の疑いのある参加者が発見され、本人への説明と同意のもとに、診断と治療のため東北大学病院血液・免疫科への紹介が行われた。同科における検査から、同参加者は初期前駆T細胞性急性リンパ芽球性白血病(ETP-ALL)に罹患していると診断された。ETP-ALLは急性リンパ芽球性白血病のうちでも比較的まれで、治療が困難なタイプの白血病。白血病の発症には骨髄細胞で後天的に発生した遺伝子変異が関連しているが、ETP-ALLではそのような分子基盤の解明が進んでいない。そこで今回、治療方針の策定と効果判定に包括的な遺伝子解析が有用であるとし、ToMMoで全ゲノム解析を実施。その後、治療経過に沿って、全ゲノム解読によって得られた情報を活用し、次世代シークエンサーによる治療効果の判定支援を行ったという。今回の成果は、コホートでの偶発的所見が早期に研究参加者に直接還元されたケースであり、今後ToMMoでは、今回のような直接的な貢献だけではなく、これまでの研究で得た知見を各種悪性腫瘍の治療効果判定へ応用することで、地域医療の進歩へ貢献していきたいとしている。
2016年01月29日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月28日、2014年5月24日に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を用いた25m分解能の全球森林マップを無償で公開した。今回公開されたマップは「だいち2号」に搭載されているLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)の観測データを使って作成されたもので、隣接する観測画像をつなぎ合わせ、全世界で1枚のシームレスな画像にしている。PALSAR-2は森林の有無や土地利用状況などの観測に適した長い波長(約24cm)の電波を用いており、また天候や昼夜によらず観測ができるため1年の多くが雲で覆われる熱帯域での森林観測に特に適している。JAXAは今後、全球森林マップを年1回の頻度で提供する予定であるほか、国際協力機構(JICA)と協力して来年度から構築する「森林変化検出システム」でも、同マップのデータが基本情報として使用されるという。
2016年01月29日大阪大学(阪大)と東京大学(東大)は1月19日、統合失調症では淡蒼球という脳領域の体積に左右差があることを発見したと発表した。同成果は阪大大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太 准教授、東大大学院医学系研究科精神医学分野の岡田直大氏、笠井清登 教授らの研究グループによるもの。1月19日の精神医学雑誌「Molecular Psychiatry」の電子版に掲載された。淡蒼球は大脳皮質下領域にある大脳基底核の1つで、運動機能や、動機付け、意欲、欲求が満たされる感覚に関与するとされる。統合失調症患者では健常者に比べて体積が大きいことが知られていた。今回の研究は認知ゲノム共同研究機構(COCORO)に参加する11の研究機関から収集した1680名の健常者と884名の統合失調症患者のMRI脳構造画像を比較解析し、統合失調症における大脳皮質下領域構造の体積やその左右差の変化を調べた。その結果、健常者では視床、側脳室、尾状核、被殻では左側優位、海馬、扁桃体で右側優位であり、淡蒼球、側坐核では非対称性が認められなかった。この傾向は統合失調症患者でもほぼ同様だったが、淡蒼球体積は右側に比べて左側が大きいことがわかった。この結果は、統合失調症における脳内の神経回路の左右差の異常を示唆するものであると考えられており、病態解明の一助となることが期待される。
2016年01月19日富士フイルムは1月15日、APS-Cサイズのセンサーと28mm相当 (35mm判換算)の単焦点レンズを搭載したコンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM X70」を発表した。2月18日の発売を予定している。価格はオープンで、推定市場価格は税別90,000円前後。X70は、APS-Cサイズの「X-Trans CMOS II」センサーと、焦点距離18.5mm(35mm判換算で28mm相当)・F2.8のフジノンレンズを搭載した高級コンパクトカメラ。X-Trans CMOS IIセンサーは1,630万画素、ローパスフィルターレス。画像処理エンジンとして「EXRプロセッサーII」を搭載し、AFは最速0.1秒の像面位相差式を採用している。Xシリーズでは初めて、タッチパネル操作が可能な液晶モニターを搭載。タッチシャッターやスマートフォンのようなメニュー操作が行える。また、180度回転式のチルト機構によって、ローアングル・ハイアングル撮影や自分撮りに活用できる。APS-Cセンサーと23mm相当の単焦点レンズを搭載した姉妹機「X100T」と同様に、富士フイルムならではの「フィルムシミュレーション」機能を使用可能。クラシッククロームのほか、Velvia、PROVIA、ASTIAといった往年のフィルムの色合いを楽しめる。なお、X100Tとは異なり、X70はファインダー機能を搭載していない。X70の主な仕様は、以下の通り。撮像素子 : X-Trans CMOS IIセンサー (APS-C、有効1,630万画素)レンズ : フジノン単焦点レンズ (焦点距離18.5mm、開放F2.8)感度 : ISO200~6400、拡張でISO100 / 12800 / 25600 / 51200に対応記録メディア : SD / SDHC / SDXCカード (UHS-I対応)液晶モニター : 3型・約104万ドット、タッチパネル付き動画撮影 : 最高1,920×1,080 / 60p撮影可能枚数 : 約330枚サイズ / 重量 : W112.5×H64.4×D44.4mm / 約340g (バッテリーとメモリーカード含む)
2016年01月15日帝京平成大学はこのほど、不安症に共通する疾患感受性遺伝子2カ所を発見したと発表した。同成果は同大の音羽健司 教授と米国バージニア・コモンウェルス大学のジョン・ヘッテマ 准教授らの国際共同研究グループによるもの。1月12日(現地時間)の米科学誌「Molecular Psychiatry」に掲載された。不安症とは、不安反応が過剰に長期間持続するため日常生活に支障をきたす疾患のことで、これまで神経症と呼ばれていた。同疾患には全般性不安症、パニック症、社交不安症、恐怖症などがあり、比較的頻度の高い疾患として知られている。これまでの研究から遺伝的要因が関与していることが報告されていたが、確立して遺伝部位は発見されていなかった。今回の研究では、米国、欧州、豪州を中心とした研究者によるる国際共同研究グループを結成し、計1万8000人を対象とした全ゲノム関連解析のメタ解析を行い、不安症の発症に関与する遺伝子の探索を行った。解析は患者と健常者を比較する方法と、不安に固有の因子を用いて全対象者を調べる方法の2通りが実施された。解析の結果、患者・健常者を比較する方法では3番染色体に位置する非コードRNA領域上の特定の遺伝子変異が、また全対象者を調べる手法では2番染色体に位置するCAMKMT遺伝子上の特定の遺伝子変異が不安症のなりやすさに関係することがわかった。今後、これらの遺伝領域が不安症の発症に影響を与えるメカニズムを解明することで、新しい診断法や治療薬の開発、予防方法の解明につながることが期待される。
2016年01月12日東京大学は1月5日、動物モデルにおいて治療用転写因子のmRNAを関節内へ送達することで変形性関節症の進行を抑制することに成功したと発表した。同成果は同大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻のハイラトアニ 特任研究員、大庭伸介 特任准教授、鄭雄一 教授(医学系兼担)と医学系研究科附属疾患生命工学センターの位高啓史 特任准教授、片岡一則教授らの研究グループによるもの。※位高特任准教授の苗字「位高」の高ははしご高変形性関節症は関節軟骨がさまざまな原因により変性し「クッション」と「ちょうつがい」としての機能を失うことで発生する。患者は、膝関節だけで国内に2530万人以上いると推測されている。これまでの治療では、人工関節置換術などの外科的治療を除いて薬物により痛みを取り除いたり、炎症を抑えたりする対症療法が主となっている。一方、変形性関節症の分子病態が次第に明らかになるにつれ、関節軟骨細胞の内部でその発症や進行に働く分子を標的にした病態修飾薬剤の開発が期待されており、治療に有効な遺伝子発現を調節する転写因子を細胞内で発現させることが、直接的かつ効率的な病態修飾療法の1つであると考えられている。ゲノムDNAから始まる内因性の遺伝子発現においては、タンパク質の遺伝情報をコードするDNA領域がメッセンジャーRNA(mRNA)としてコピーされ、タンパク質合成の設計図として働くことから、DNAの段階を経ずに、目的とするタンパク質合成を細胞内で迅速に誘導するための新しい核酸医薬として、mRNAの応用が期待されている。今回の研究では、治療用転写因子mRNAを高分子ミセル型mRNA送達システムを用いて、マウスに投与した。まず、mRNA内包高分子ミセルをマウス正常膝関節内に投与したところ、投与24時間後から4日後まで、関節軟骨細胞におけるmRNA由来蛋白質の発現を確認することができた。次に、変形性膝関節症を発症するモデルマウスの膝関節内に、3日に1回のペースで1カ月間、軟骨形成に働く転写因子RUNX1のmRNAを内包した高分子ミセルを投与した。その結果、RUNX1 mRNA投与群の関節軟骨では、送達したmRNAに由来するタンパク質の発現を認め、コントロールmRNA投与群と比べて変形性関節症の進行が有意に抑制されました。さらに、主要な軟骨基質蛋白質の1つであるII型コラーゲン、軟骨形成に必須の転写因子SOX9、細胞増殖マーカーである増殖細胞核抗原の発現が高い度合いまで進んでいた。同研究グループはこれらの結果について「膝関節内に送達したmRNAに由来するRUNX1蛋白質が関節軟骨内部で治療用転写因子として働くことで、軟骨細胞としての形質の維持や増殖に関わる遺伝子群の発現を調節し、変形性関節症の進行が抑制されたことを示すものです。」と説明している。
2016年01月06日九州大学(九大)は12月14日、カイラリティ選択的で、長く欠陥の少ない高品質な半導体性単層カーボンナノチューブ精製を可能にする脱着型可溶化剤を開発したと発表した。同成果は、同大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所/大学院工学研究院 中嶋直敏 教授、同大学院 工学研究院 利光史行 特任助教らの研究グループによるもので、12月14日付けの英オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。単層カーボンナノチューブは、その炭素原子の配列により半導体性と金属性の性質をもつ二種類のチューブが存在する。なかでも半導体性単層カーボンナノチューブは、理論的にはほぼすべての電子状態を得られることから、次世代のナノエレクトロニクスにおける高効率な素子として重要な存在である。しかし、製造時に発生する構造異性体や不純物に加え、炭素配列の結晶度の良否により、デバイスの性能が制限されるため、高品質でカイラリティ純度の高い精製法の確立が課題となっていた。今回、同研究グループは、脱着型可溶化剤として水素結合ポリマーに着目した。同研究で用いた水素結合ポリマーは、半導体性単層カーボンナノチューブを選択的に認識する小分子を主骨格に、水素結合をするアミノ基あるいはカルボン酸を配した有機物質から形成され、一次元の直線的な構造を取るようにデザインされている。一般的に、単層カーボンナノチューブの可溶化に利用される強力な超音波照射は、もろく細いカーボンナノチューブを破壊し、炭素結晶度や長さなどの品質低下を招くが、今回、この操作をより温和な攪拌に置き換えることで、ほぼ非破壊であると同時に、水素結合ポリマーの効率的な吸着を促進し、従来法では難しかった高品質なカイラリティをもつ半導体性単層カーボンナノチューブの選択的抽出に成功した。水素結合ポリマーは、アセトンなどの水素結合を阻害する溶媒で洗浄するだけで分解・剥離されるため、目的物の表面から完全に除去できる。分離後の水素結合ポリマーはそのまま再利用することも可能だ。今後は、同成果をデバイスへ応用することで、ナノエレクトロニクスにおける単層カーボンナノチューブトランジスタの高効率化が期待されるという。
2015年12月15日リコーイメージングは11月12日、中判デジタル一眼レフ用の単焦点広角レンズ「HD PENTAX-D FA645 35mmF3.5AL[IF]」を発表した。発売は12月4日で、希望小売価格は税別250,000円。HD PENTAX-D FA645 35mmF3.5AL[IF]は、従来製品の「smc PENTAX-FA645 35mmF3.5AL[IF]」をベースに、新設計の高性能ガラスモールド非球面レンズを採用するなどデジタル撮影への最適化を推進。低反射かつ高透過率を誇る独自のHDコーティングによって、逆光下での撮影性能を高めている。焦点距離は、35mm判換算で27.5mm相当(PENTAX 645Z/645D装着時)。最短撮影距離は0.3m、最大撮影倍率は0.25倍。絞り開放値はF3.5で、9枚羽根の円形絞りを採用している。付属のフードは、装着したままPLフィルターを操作できる窓を備えている。レンズ本体の最大径は88mm、長さは90mm、重量は約570g。
2015年11月12日富士フイルムは21日、ミラーレスカメラ「Xシリーズ」用の交換レンズとして、焦点距離35mmの単焦点「フジノンレンズXF35mmF2 R WR」を発表した。ブラックとシルバーの2色を用意。11月19日から発売し、価格はオープン、推定市場価格は税別45,000円前後。35mm(35mm判換算53mm)の焦点距離で撮影できる標準画角の単焦点レンズ。レンズ構成は6群9枚で、2枚の非球面レンズを採用した光学設計により、シャープで解像感に優れる画質が得られるとしている。インナーフォーカス方式とステッピングモーターを搭載し、オートフォーカスも0.08秒と高速。外装全面に金属製パーツを使用。高級感を高めつつ堅牢性にも優れ、防塵、防滴、-10℃の環境にも耐えるタフネス設計とした。重量が170gと軽量なので扱いやすく、普段持ちのレンズにも適している。主な仕様は、焦点距離が35mm(35mm判換算:53mm相当)、最小絞りがF16。レンズ構成は6群9枚(非球面レンズ2枚)。絞り羽枚数は9枚(円形絞り)、ステップ段差は1/3ステップで全19段、画角は44.2度、撮影距離範囲は35cm~、最大撮影倍率は0.135倍、フィルターサイズは43mm。本体サイズは最大径が約60mm、長さが45.9mm(先端よりマウント基準面まで)、重量は170g。レンズフードが同梱する。
2015年10月21日パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズは10月15日、リアルタイム自動位相制御を搭載した単相ブラシレスDCモータ用ドライバIC「AN44168A」と「AN44169A」を製品化したと発表した。同製品の特長となっているリアルタイム自動位相制御は、ホールセンサからの信号を元に、ホール周期ごとに、モータ電流を検知し、モータ電流と誘起電圧との位相ズレを確認し、補正をかけていく機能。これにより、モータの回転効率を常に最適に自動制御し、モータの省エネに貢献するとしている。また、振動を抑制するソフトスイッチング制御、過剰な電流によるモータの損傷を防止する過電流保護、ショートを検出し動作を停止させてモータを保護するショート防止、モータの異常停止状態を検出し出力を一時停止、一定時間後に再起動するモータ拘束保護などの制御機能を内蔵するため、外付け部品の削減が可能となる。なお、同製品は10月下旬の発売を予定しており、月産台数は80万個を見込んでいる。また、今回発表された単相モータ用ドライバICのほかに、独自の1ホールセンサを採用した三相モータ用ドライバIC「AN44143A」も同時期に発売される予定だ。
2015年10月15日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は9月15日、神経難病である多発性硬化症(MS)患者の腸内細菌叢について解析を行った結果、細菌叢構造の異常、特に特定の細菌で著しい減少がみられることを明らかにしたと発表した。同成果はNCNP神経研究所 免疫研究部部長兼センター病院 多発性硬化症センターの山村隆 センター長、東京大学の服部正平 教授、麻布大学の森田 英利教授、順天堂大学の三宅幸子 教授の共同研究チームによるもの。9月14日(現地時間)に科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。MSは脳や脊髄、視神経に繰り返し炎症性の病変が生じる慢性疾患。視力障害や手足の麻痺、高次脳機能障害などの神経症状を伴う再発を繰り返しながら、徐々に神経障害が進行していく神経難病で、患者は全国に約2万人いると推定されている。日本では過去30年間で患者数が約1000人から2万人近くまで増加しているが、まだ原因ははっきり分かっていない。近年、さまざまな自己免疫疾患に腸内細菌叢などが関与している可能性が注目されており、MSも自己免疫疾患の1つと考えられていることから、同研究グループは、患者数増加の背景に日本人の食生活の変化などが腸内細菌に影響を与え、発症しやすくなったのではないかという仮説を立て、MS患者の腸内細菌を構成する菌について研究を開始した。今回の研究では、NCNP病院に通院中の20名の再発寛解型を示すMS患者の寛解期の糞便を解析し、糞便を構成する数百種類の菌種の同定、多様性の評価などを行った。その結果、MSの腸内細菌叢では健常者と比べて、炎症性のリンパ球に対して抑制的に機能するリンパ球を効率よく誘導する細菌と同じグループに属する細菌が減少していることが判明。この腸内細菌叢の異常が発症の危険因子になっている可能性が考えられるという。再発頻度や再発症状の重症度などMSは個人差が大きい。同研究グループは今後、より多数の多様な背景をもった患者の腸内細菌叢の解析を進めることにより、同疾患の多様性を説明する因子が発見できる可能性があるとしている。
2015年09月15日新潟大学は8月20日、若年性認知症の原因疾患である「HDLS」の診断基準案を策定したと発表した。同成果は同大学脳研究所神経内科の今野卓哉 医師、西澤正豊 教授、同遺伝子機能解析学分野の池内健 教授らの研究グループと厚生労働省の共同研究によるもので、第56回日本神経学会学術大会で発表した。HDLSは65歳未満で発症する認知症である若年性認知症の原因疾患の1つで、大脳白質が病変の主座となる。HDLSを診断するためには、病理組織学的な検索が必要とされ、診断が困難だった。2012年に原因遺伝子が発見されてからは遺伝子解析による診断が可能となったが、大脳白質が侵される白質脳症の原因疾患は多岐におよび、実地臨床における鑑別診断はなおも難しい現状がある。そのため、数ある白質脳症の中からHDLSの可能性を見出し、効率よく遺伝子診断につなげるためには、HDLSの臨床的特徴を反映した臨床診断基準が必要となる。今回、研究班でこれまでに解析した変位陽性22家系24症例と、文献検索によって得られた変位陽性50家系77症例の臨床像を解析し、HDLSの臨床像と画像所見の特徴を系統的に抽出した。その結果、発症年齢は43±7歳、死亡年齢は52±9歳、死亡までの罹患期間は5±3年と、比較的若年発症で進行が速く、初発症状は認知機能障害が最も多く、次いで精神症状、運動症状の頻度が高いことがわかった。また、頭部画像では白質病変のパターンや脳梁の菲薄化、脳内石灰化病変などの特徴が見られ、これらの特徴に基づき、definite、probable、possibleの判定基準を持つ、臨床診断基準案を作成した。同案を用いると、変位陽性例を95%以上の感度でpossible以上と診断でき、ほかの白質脳症との鑑別においては、解析に用いた変位陰性白質脳症53症例のうち42%を鑑別することができたことなどから、同案はHDLSの臨床診断に十分寄与しうると考えられるという。
2015年08月21日ニコンイメージングジャパンは4日、ニコンFXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ対応となる大口径広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED」を発表した。9月17日から発売し、価格は92,500(税別)。ニコンFXフォーマットに対応した焦点距離24mmの大口径広角単焦点レンズ。開放F値はF1.8で、自然なボケ表現の撮影が楽しめる。最短撮影距離は23cmなので、クローズアップ撮影も可能。レンズには非球面レンズとEDレンズを採用し、ナノクリスタルコートとあわせて、ゴーストや色収差を抑えている。主な仕様は、焦点距離が24mm、最大絞りがf/1.8。レンズ構成は9群12枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ2枚)。画角は84度(DXフォーマット時61度)。本体サイズは最大径が約77.5mm、長さが83mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)、重量は約355g。なお、AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G EDの登場によって、ニコンFXフォーマット対応の大口径単焦点・開放F値1.8レンズシリーズは、以下の全7本となった。「AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED」「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED」「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(Special Edition)」「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G」「AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED」
2015年08月04日サンコーは17日、持ち手に猫の手をモチーフにしたカバーが付いた「無線式もふもふ肉球自撮り棒」を発売した。直販サイト「サンコーレアモノショップ」での価格は税込3,480円。無線式もふもふ肉球自撮り棒は、スマートフォンと三脚穴のあるデジタルカメラを取り付けられる自撮り棒。本体とスマートフォンはBluetoothで接続し、持ち手の肉球部分を押すとカメラのシャッターが切れる(デジタルカメラで撮影する場合、手元のシャッターボタンは使用できない)。本体先端のホルダーには幅56~82mmまでのスマートフォンを取り付けられ、角度は前後180度の範囲で調整できる。スティックの長さ調整は6段階で、最長で約1095mm、最短で250mmになる。バッテリー駆動時間は約100時間(待機時)。充電はUSBポートに接続して行う。ホルダー部分のサイズはW110~134×H78~105×D20mm。スティックのサイズはW46×H220~1000×D20mm。持ち手カバーのサイズはW77×H190×D47mm。本体重量は130g。カラーはブラックとホワイトの2色。また、スマートフォンと自撮り棒を有線接続して使う「有線式もふもふ肉球自撮り棒」も同時に発売している。価格は税込2,480円。スマートフォンを有線接続する際のインタフェースはφ3.5mmステレオミニジャック。
2015年07月21日サンコーは、猫の手を握って、肉球を押すことでカメラ撮影ができるセルカ棒「無線/有線式もふもふ肉球自撮り棒」を発売した。価格は、無線式が税込み3,480円、有線式が税込み2,980円。「無線/有線式もふもふ肉球自撮り棒」は、持ち手が猫の手のぬいぐるみになっているセルカ棒。肉球部分がシャッターになっており、押すことで撮影できる。無線式では、Bluetoothによってスマートフォンと接続する。有線式では、付属のケーブルをイヤホンジャックに挿すことで利用できるようになる。無線式のサイズ/重量は、スティック部分が幅約46mm×長さ約220mmから1,000mm×奥行き約20mm、ホルダー部分が幅約110から134mm×長さ約78mmから105mm×奥行き約26mm/約130g。耐荷重は約500g。対応スマートフォンサイズは、約56mmから82mm。カラーバリエーションはブラックとホワイト。有線式のサイズ/重量は、スティック部分が幅約41mm×長さ約235mmから1,020mm×奥行き約19mm、ホルダー部分が幅約110mmから134mm×長さ約77mm×105mm×奥行き約26mm/約136g。対応端子は3.5mmイヤホンジャック。耐荷重は約500g。対応スマートフォンサイズは約56mmから82mm。対応機器は音量「+」ボタンをシャッターに割り当て可能な機種。カラーバリエーションはブラックとホワイト。両機種とも、一部のスマートフォンではカメラアプリでシャッターが切れないことがあり、その場合は別のカメラアプリから使用することを推奨している。
2015年07月18日パナソニックは7月16日、マイクロフォーサーズ規格の標準単焦点レンズ「LUMIX G 25mm/F1.7」を開発中であることを明らかにした。発売日と価格は未定だ。LUMIX G 25mm/F1.7は、マイクロフォーサーズ規格のデジタル一眼カメラに装着すると、35mm判換算で50mmの画角となる単焦点レンズ。人間の目で見える範囲に近い画角を得られることから、標準レンズとも呼ばれる焦点距離の製品だ。240fpsの高速AF制御技術を搭載する予定となっている。現在、同社のレンズラインナップにおいて、25mm (35mm判換算で50mm)の単焦点レンズは「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.」のみが発売されており、LUMIXブランドのレンズが存在していなかった。
2015年07月16日ジグソーパズル友蔵より「ビバリー ココサス 肉球」が、Amazonに出品されている。同商品は切り離しが可能な肉球デザインのふせん。本体サイズは幅72×高さ132mm。同店販売価格は388円(税込み)。ページにブックマークできる他、ページ内の情報に対して目印をつけることができる。○注目ポイントに目印がつけられる、肉球型のふせん同商品は色・模様の異なる4種の肉球デザインふせん。ふせんは各15枚ずつで1セットになっている。上部は肉球、下部はとがった形状になっており、根元部分で2つに切り離すことができる。切り離して使用する場合は、とがった部分でページ内の情報に対して目印をつけ、上部の肉球でページにブックマークする。
2015年06月28日東京都福祉保健局は6月25日、東京都内で「リンゴ病」とも呼ばれる伝染性紅斑が都の警報基準を超えて流行していることを明らかにし、小児を持つ家庭などに向けて注意喚起をした。同局によると、「ヒトパルボウイルスB19」を原因とする感染症の伝染性紅斑は、患者の約7割が6歳以下の小児だが、成人での発症例もあるという。症状は両ほほに赤い発疹が、体や手足に網目状の発疹が生じる。発疹が出現する7~10日前には微熱など軽度の風邪のような症状が見られることもあり、この時期にウイルスの排出量が最多となる。発疹ができるころには自然と抗体ができ始めていて、1週間程度で消失するケースが多いとされている。福祉保健局によると、伝染性紅斑は年ごとにその発生頻度に差がある疾患だが、昨秋より過去5年間の平均を大きく上回る状況が続いているという。6月15日から6月21日(第25週)の期間中は、都内264カ所の小児科定点医療機関から報告された定点当たり患者報告数(都内全体)が、1.27人/週となった。また、保健所別の患者報告数が「警報レベル」(伝染性紅斑の場合、保健所単位で定点あたり2.0人/週を超えた警報開始から、1.0人/週を下回った警報終息までの間の状態)となったのは31保健所中8保健所まで増加。警報レベル状態にある保健所の管内人口の合計が東京都全体の人口の30%を超えた(33.3%)ため、東京都として警報を出した。伝染性紅斑は飛沫(ひまつ)・接触感染で、患者のせきやくしゃみなどを介して感染する。そのため、手洗いやうがいなどの予防対策が重要となり、同局は「家庭での手洗いの習慣づけや保育所、幼稚園、学校などでの感染予防の指導にご協力をお願いします」と協力を呼びかけている。今回の東京都の警報発令を受けて、インターネット上では「今度は上のお姉ちゃんがりんご病」「保育園でりんご病流行ってきてた」「友達の子もなってた」など、流行を不安視する声があがっている(コメントは原文)。
2015年06月26日カリフォルニア プルーン協会はこのほど、カナダ・モントリオールで開催された「骨粗しょう症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム」において、プルーンの有益性を示唆する2件の研究が報告されたと発表した。同シンポジウムにおいて、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科教授のバーナード・ハロラン博士は、プルーンの摂取と骨量増加の関連性について発表。マウスの食餌にプルーンを取り入れると、幼体期と成長期のマウスだけではなく、若年成体と成体のマウスでも、骨量増加を助ける可能性があることがわかったという。この結果を受け、ハロラン博士は「プルーンが生涯の早い時期から骨の健康をサポートし、もしかしたらわれわれの加齢に伴う骨関係の問題への有効な対策になりうる可能性が示唆されます」とコメントした。ポスターセッションでは、サンディエゴ州立大学運動栄養科学科の研究員・助教授のシリン・フーシュマンド博士が閉経後の女性を対象とした新しい研究結果を発表した。これまでの研究では、閉経後の女性が1年間にわたってプルーン1日100グラム(2サービング相当、約10~12個)を摂取すると、骨密度(BMD)が増加し骨代謝回転指標が改善されるという関係が明らかになっていた。同博士は今回、プルーンの摂取量を50グラム(1サービング相当、約5~6個)に減らした場合の有用性について研究したという。その結果、骨の健康改善と骨量減少の進行抑制に対しては、1サービングのプルーンでも有効かもしれないということがわかった。同博士は「風味豊かなドライフルーツで手軽な軽食でもあるプルーンが、骨量減少の予防に役立つ可能性があるのです」と研究の成果を語った。骨粗しょう症治療用の処方せん薬は進歩しているが、長期的有用性などの問題も多い。今回の研究結果を受けて、同協会は「プルーンは手軽でコストパフォーマンスの高い軽食および食材としてさらなる研究に値する」と期待を寄せている。
2015年06月22日水の安全性や選び方などをあらためて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」はこのほど、20代~70代の全国の男女600名を対象に実施した「熱中症に関する意識実態調査」の結果を明らかにした。調査期間は5月27日~28日。まず「熱中症になったことはありますか」と尋ねたところ、23.0%が「ある」と回答した。次に熱中症の症状で、暑い時期に自覚したことがある症状について聞いた。現場での応急処置で対応できる軽症の熱中症である「めまい、失神、立ちくらみ」は52.2%が、「手足のしびれ・気分の不快」は13.7%が、「筋肉痛・筋肉の硬直」は6.2%が自覚した経験があると回答。半数以上の回答者が、軽度の熱中症の諸症状を経験していることが明らかとなった。熱中症の自覚症状があるのは約4人に1人に対し、実際に軽度の熱中症の症状を経験がある人は2人に1人となっていることから、自覚していない"隠れ熱中症患者"が多いことがわかる。熱中症対策として、1日どの程度の水分を摂取しているか尋ねところ、最も多い回答は「501ml~1,000ml」(42.0%)だった。環境省は「1日に飲料として摂取すべき水分量の目安は1.2リットル」としているが(※)、それに該当する「1,200ml以上」と回答した割合は19.0%で2割にも満たなかった。熱中症対策として、1日にどの程度の水分を摂取する必要があると思うか聞くと、環境省が目安として挙げている「1.2リットル以上」を選択した人は27.0%だった。そのほかの7割以上は、熱中症対策の水分補給に関して正しく理解していないことがわかった。今回の調査では、2人に1人が「隠れ熱中症」であることが明らかになったが、医学博士で管理栄養士でもある井上正子先生によると、「隠れ熱中症」は、自分で気づいたときには、重症化していることが多いという。「自覚がなくても、呼気や皮膚から水分は失われています。喉が渇いたと感じたら、すでに脱水気味になっていることが多いので、喉が渇く前から水分補給をした方が良いでしょう」と、熱中症予防には、こまめな水分補給が有効であるとアドバイスしている。※環境省の「熱中症環境保健マニュアル III熱中症を防ぐためには」より
2015年06月22日金光堂は、壁掛け時計「肉球ウォールクロック」を販売している。同商品は縦約33cm×横約30cmの肉球型壁掛け時計。同店販売価格は4,500円(税込み)。○足跡つき?肉球デザインの壁掛け時計本体の他、3枚の肉球デザインの板がついている。板は付属の両面テープで壁に飾ることができる。本体カラーはブラウンで時計には単3電池を使用。電池は付属品外により、別途購入のこと。本体取扱い説明書の付属はなし。発送重量は980g。
2015年06月18日