「ミニマリストというと、倹約家で無欲な人というイメージを持たれがちですが、実際の私は、倹約家でも無欲でもなく『自分の人生を素敵なものにしたい!』という欲求を強く持って生きています」そう語るのは、『ミニマリスト、41歳で4,000万円貯める』(KADOKAWA)の著者で、ブロガーの森秋子さん。夫と子どもの3人暮らしで、41歳の現在、住宅ローンはすでに完済し、貯金額はなんと4,000万円!24歳で結婚した翌年、東京23区内で、新築時5,000万円以上もした50平米ほどの中古マンションを、リフォーム代込み1,400万円弱で購入。繰上げ返済をし続けて30歳前に完済した。「当時は子育て中で、子どものおもちゃや洋服、ストックがたくさんあって、片付かないまま家事に追われる現状に絶望していました。生活を整えたいと思い、自分の人生にとって大切なものは何か考えながら、ものを少なくして暮らすことを始めました。シンプルに暮らすと自分の欲しいものが明確になるので、自然と散財が減ってきます」(森さん・以下同)収入と支出のバランスに余裕が生まれて1カ月の生活費は16万7,000円ぐらいで収まるようになった。その内訳は、住宅費3万円、携帯電話代2万円、水道光熱費1万5,000円、保険料1万2,000円、食費7万円。先取り貯蓄で、夫から給料日に生活費を受け取り、生活費の目安を差し引いたお金と、森さんの収入と合わせて、すべて定期預金に預けている。その額は年間300万〜400万円にもなるのだ!日用品などを含めても月20万円で収まるという、森さんの買い物のコツ、無駄遣いを防ぐ「ゆる節約7カ条」を教えてもらった。【ゆる節約7カ条】(1)自分を大切に扱うようにお金を扱う(2)セールやお得の文字に飛びつかない(3)その物の価値が長続きするか考える(4)買い物のときは焦らず、美術館にいるかのように振る舞う(5)過剰なストックは出合いを邪魔する足かせに(6)買い物はリストを作る(7)自分の買い物を褒める「ふだんの買い物はケチすぎてもいけません。自分を大切に扱うようにお金を扱うようにしています。セールはテンションが上がるのでつい買いたくなるんですが、セールやお得の文字に飛びつかない。あえてゼロをひとつ足してみて、それでも買いたいものなのか、冷静に考えてみることをオススメします。また、買おうとするその物の価値が長続きするか考える。3カ月後はたぶん飽きて使っていないなと思ったら、買わないといった判断ができるようになります」焦ると必要でないものまで買ってしまうので、買い物のときは焦らず、美術館にいるかのように振る舞う。商品パッケージなどの創意工夫を見ると、落ち着いた買い物ができるという。「過剰なストックは新たな商品との出合いを邪魔する足かせになるので、ストックは持ちすぎないで、使い切るようにしましょう。また、買い物はリストを作るのが鉄則で、リストに書いていないものを買わないこと。ただし、買ったものを後悔すると、ストレスがたまりますので、自分の買い物を褒めると満足度がアップします」そして、森さんのキッチンをのぞいてみると超スッキリ。電子レンジや炊飯器を置かないで、詰め込みすぎないように冷蔵庫も単身者向けタイプを使用している。「フライパンなども大切に使っているので15年以上長持ちしています。縁が欠けた小皿を直したり、古くなったものはせっけんトレーにしたり、実家に帰ったときは、家の中から使えるものはないか探して、宝探しの気分になります。“家掘り”と呼んでいます」お金の使い方もクレカではなく現金で支払う、交通系ICカードを使わないといったコツがあるので参考にしよう。お金が貯まらないと嘆く前に、まずは自分の生活の無駄を見直すことからスタートしよう!「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月16日マイホームを検討中の人、自宅をリフォームしようと考えている人に知ってほしいのがゼロエネルギー住宅(ZEH)です。「エネルギーを創りながら、省エネルギー&優れた断熱性能で、光熱費の収支がゼロになる住宅のこと。建てたあとも家計に重くのしかかる光熱費を大幅に軽減するためにおすすめです。補助金もあるんですよ」と話すのは、FP2級の資格を持つ海田幹子さん。ゼロエネルギー住宅と補助金について教えてもらいました。■ ゼロエネルギー住宅で年間の光熱費収支はプラスに!?「ZEH(ゼッチ)」とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の頭文字を取ったもので、「ゼロエネルギー住宅」などと呼ばれています。「高断熱」「省エネ」「エネルギー創造」の3つを備え、年間のエネルギー収支をゼロにすることを目標とした住宅です。ゼロエネルギー住宅の魅力は、なんといっても光熱費が安くなること。高断熱を使うことで熱や冷気を逃さず、高性能設備で省エネを実現。また、太陽光発電などの再生可能エネルギー創造により、エネルギー収支をゼロに近づけます。また、余ったエネルギーは売電し収入を得ることが可能です。経済産業省が発表した「ZEHの普及促進に向けた政策動向と平成31年度の関連予算案」によると、年間の平均エネルギー収支は4万2461円のプラスです。冬は太陽光による発電量が減り、暖房などでエネルギーを使う機会が多いためマイナスですが、3月~11月のエネルギー収支はプラスになっています。住んでいる地域や立地によってエネルギー収支は変わりますが、年間でみるとゼロエネルギー住宅はおおむね“ゼロエネルギー”で生活できるといえるのではないでしょうか。■ ゼロエネルギー住宅には補助金制度がある!2021年度の補助金についてはまだ発表されていないので、2020年度の補助金制度を確認してみましょう。補助金を受け取れる人って?ゼロエネルギー住宅には補助金が受け取れる場合があります。補助金をもらえる対象の人は以下になります。ゼロエネルギー住宅を新築する人所有している住宅をゼロエネルギー住宅に改修する人建売されているゼロエネルギー住宅を購入する人補助金の種類は3種類!性能ごとに金額が違うZEHZEH+ZEH+R性能要件ZEHロードマップのZEHの定義を満たすZEHの定義を満たした上で、さらに省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量削減再生可能エネルギーの自家消費拡大措置の導入ZEH+の条件に追加して、停電時の主たる居室での電源を確保「蓄電システム」「停電自立型燃料電池」などのうち1つ以上を導入補助金60万円105万円115万円公募方法先着方法事前枠付与方式先着方法ZEHの補助金は3種類あり、住宅の性能によって補助金が変わります。また、公募方法はどの補助金を申請するかによって違い、先着方法と事前枠付与方式があります。補助金は、全員無条件で受け取れるわけではないということを覚えておきましょう。また、先進的再エネ熱等導入支援事業の一貫で、ZEHとZEH+の住宅を対象に、地中熱ヒートポンプ・システムやPVTシステムなどを導入すると、最大90万円の補助金がもらえます。補助金申請のスケジュール2020年度の補助金制度は、ZEHは5月、7月、8月、11月開始の4つの公募がありました。ZEH+は6月と9月の二次公募、ZEH+Rは5月の一次公募のみと、補助金の公募時期も公募回数も補助金の種類によって異なります。きちんと申請できるように、2021年度の補助金制度が公表されたらすぐに申請時期をチェックしましょう。自治体の補助金制度もチェックを!国の補助金とは別に、自治体によっては独自の補助金制度を設けているところもあります。今住んでいる都道府県、市町村に問い合わせてみてください。もし、お住まいの自治体が実施していれば、合わせて受け取れる可能性があります。■ コロナ禍で新設!グリーン住宅ポイント制度もチェックゼロエネルギー住宅に対する補助金ではないですが、新型コロナウイルス拡大によって落ち込んだ経済を回復させるべく「グリーン住宅ポイント制度」が新設されました。住宅購入やリフォームで条件を満たせばポイントが付与され、獲得したポイントは、「新たな日常」や「環境」、「子育て支援、働き方改革」などに資する商品や、「新たな日常」および「防災」に対応した追加工事に使うことができます。グリーン住宅ポイント制度は、2020年12月15日~2021年10月31日までに契約を締結した住宅が対象です。ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、高性能・高断熱な住宅でエネルギーを創りながら、エネルギー収支ゼロを目指しています。余ったエネルギーを売電することで、年間単位でみると光熱費がかからないどころか、収入になっている例も数多くあります。光熱費を抑えられる家に住みたい人は、ゼロエネルギー住宅を検討してみてはいかがでしょうか。●教えてくれた人/海田幹子ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母。わかりやすくてためになる記事を心がけている画像/PIXTA(1~3枚目)
2021年03月04日住宅ローンを組んで住宅を購入する場合、住宅ローン減税(控除)によって税制上の優遇措置を受けることができます。これは新築物件に限らず、中古物件を購入した場合でも適用を受けられる制度ですが、適用を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。この記事では、中古物件を購入した場合での住宅ローン減税の適用条件や手続き方法について解説します。制度の仕組みを正しく理解して、負担を減らしながら理想の住宅を手に入れましょう。住宅ローン控除の仕組み・適用金額とは?住宅ローン控除によって減税制度を活用するためには、まずは基本的な仕組みを理解しておく必要があります。そもそも住宅ローン控除とはどのような制度なのか、控除が適用される金額などについて解説します。住宅ローン控除の仕組み住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。個人が住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に、年末の12月31日時点での住宅ローン残高または住宅の取得対価のいずれか少ないほうから、1%の金額が所得税から控除されて減税が受けられるという仕組みです。所得から一定金額が控除される生命保険料控除などの所得控除とは異なり、個人が負担する所得税額から直接差し引くことができる税額控除となっています。よって、仮に新築物件で年末の住宅ローン残高が3000万円あれば、30万円もの税金負担を減らすことができるため、その恩恵は非常に大きいといえます。戸建て物件に限らず、マンションでも適用を受けられる住宅ローンを組んで取得する住宅は、戸建てに限らず、マンションでも住宅ローン控除の適用を受けられます。最近では中古マンションを安く購入して自分好みにリフォームするという需要も増えており、そうしたケースでも住宅ローン控除は役立ちます。しかしながら、自身の居住や床面積など、以下にて解説する適用条件を満たしていることが前提です。投資用物件や床面積の狭い単身マンションなどは対象とならないため注意が必要です。住宅ローン控除の適用金額住宅ローン控除の適用金額は以下の通りです。消費税を負担しなければならない新築物件の場合は、1年あたり40万円、最大で400万円の減税が受けられます。消費税の負担がない個人間売買などの中古物件の場合は、1年あたり20万円、最大で200万円の減税になります。減税金額が所得税から控除しきれなかった場合、つまり住宅ローンの控除額が所得税額を上回った場合には、住民税から控除を受けることが可能です。所得税から控除しきれない金額(上限13万6500円)が、翌年支払う住民税から控除されます。消費税増税に伴う適用期間の延長令和元年の消費税増税に伴い、令和元年10月1日~令和2年12月31日までに消費税10%で取得した新築住宅については、控除期間が3年間延長され、13年間控除が受けられる時限措置がとられています。また、新型コロナウイルス感染症の影響で期限までに入居できない場合、注文住宅の場合は令和2年9月末まで、既存住宅や増改築等の場合は令和2年11月末までに契約していれば、入居期限が令和3年12月31日へと緩和されることになりました。住宅ローン控除を受けるための条件・手続き方法[adsense_middle]住宅ローン控除の適用条件住宅ローン控除の適用を受けるためには、以下の要件を全て満たす必要があります。自らが居住するための住宅であること。床面積が50平方メートル以上で、床面積の半分以上が自身の居住に使用されていること。取得した日より6か月以内に居住を開始し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること。控除を受ける人の年収が3000万円を超えていないこと。ローン返済期間が10年を超えていること。以下にてそれぞれ解説します。1.自らが居住するための住宅であること住宅ローン控除の適用を受ける本人が居住していることが前提です。例えば、別荘や投資目的で賃貸住宅として購入したものや、親のために建てた住宅などは、住宅ローン減税の対象になりません。居住の実態については住民票で確認します。2.床面積が50平方メートル以上で、床面積の半分以上が自身の居住に使用されていること減税対象の住宅の床面積が50平方メートル以上である必要があります。床面積の測定は、戸建て物件であれば壁芯面積(壁や柱の中心から測定する面積)、マンションの場合は内法面積(室内の内側の面積)となり、不動産登記簿にて確認します。3.取得した日より6か月以内に居住を開始し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること取得後6か月以内に入居し、その年の12月31日まで居住していることが必要になります。居住の実態は住民票で確認します。4.控除を受ける人の年収が3000万円を超えていないこと住宅ローン控除を受ける本人の合計所得金額が3000万円以下でなければ、住宅ローン控除が適用されません。合計所得金額とは、給与だけでなく退職金や株の売買益や配当益、不動産や山林の譲渡で得た金額なども含みます。5.ローン返済期間が10年を超えていること返済期間が10年以上の住宅ローンを利用していなければ、住宅ローン控除は適用されません。また、住宅ローン控除は民間の金融機関や住宅金融支援機構などからの借り入れが対象です。親族からの個人的な借り入れなどは対象外となりますので注意が必要です。住宅ローン控除を受けるための手続き住宅ローン控除の適用を受けるためには、サラリーマンやOL、アルバイトなどの給与所得者であっても確定申告を行う必要があります。これは住宅を取得し、入居を開始した翌年に、住宅ローンを組んでいる本人が行わなければなりません。住宅ローン控除は一度申請すれば完了という制度ではなく、毎年申請を行う必要があります。給与所得者の場合、確定申告が必要なのは初回のみで、2回目以降については勤務先にローン残高証明書を提出し、年末調整で申請を行います。確定申告の手続きに必要な書類確定申告の手続きに必要な書類と、それぞれの入手先は以下の通りです。スムーズに手続きが進められるよう準備しておきましょう。住宅ローン残高証明書(借り入れを行った金融機関から入手)源泉徴収票(勤務先から入手)登記事項証明書(法務局から入手)不動産売買契約書の写し(不動産会社やリフォーム業者から入手)本人確認書類の写し(マイナンバーカードや運転免許証など)中古物件も住宅ローン控除を利用できる?住宅ローン控除は、新築物件だけに限らず、中古物件であっても利用できます。しかし、中古物件は新築物件の適用条件に加えて、中古物件固有の条件を追加で満たすことが必要です。中古物件は減税の適用金額も新築物件とは異なりますので、十分に確認した上で活用しましょう。中古物件で住宅ローン控除を利用するための条件中古物件で住宅ローン控除を利用するには、新築物件の条件(本人の居住や床面積、所得やローン返済期間)を満たしていることに加え、中古物件固有の条件を満たさなければなりません。中古物件固有の条件とは、以下の2点です。1.建築年数が制限期間内であること中古物件の場合、建物が建築された日から取得した日までの期間が制限期間内であることが条件になります。制限期間は、木造住宅など耐火建築物以外なら20年以下、鉄筋コンクリート造住宅など耐火建築物なら25年以下となります。耐火建築物とは、建物の登記簿に記載された住宅家屋の主たる部分が、石造やれんが造、鉄骨造(軽量鉄骨造は除く)、鉄筋コンクリート造などで造られたものをいいます。2.耐震基準に適合した建物であること中古物件の場合、住宅取得日前の2年以内に、地震に対し安全上必要となる基準(耐震基準)をクリアした建物であることが条件となります。耐震基準の適合には、役所の耐震推進課や認定検査機関による耐震基準適合書や建設住宅性能評価書を取得すること、また既存住宅販売瑕疵担保責任保険を締結することが必要です。中古物件の減税金額中古物件の減税の適用金額は、個人間売買で取得した場合は1年あたり20万円、最大で200万円となります。新築物件と異なり、個人間売買の中古物件には消費税の負担がないため、新築と比較し上限額が低く設定されています。よって、仮に中古物件で年末のローン残高が3000万円あった場合でも、年間の控除金額はローン残高の1%の30万円ではなく、最大で20万円となりますので注意しましょう。リフォームも住宅ローン控除を利用できる?住宅購入というと新築をイメージする人も多いですが、近年ではリノベーション人気の高まりから、中古物件を自らの好みにリフォームするという人も増えてきました。また、親の介護などに伴う家族の事情やライフスタイルの変化に伴い、大規模なリフォームを実施するというケースも考えられます。リフォームを目的とした住宅ローンの場合でも、住宅ローン控除を利用できます。金融機関によっては、住宅購入費用とリフォーム費用を合わせて借り入れすることができる、リフォーム一体型のローンもあります。リフォームで住宅ローン控除を利用する場合の条件について解説します。[adsense_middle]リフォームでの住宅ローン控除の適用条件リフォームの目的で住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン控除が利用できる条件は以下の通りです。自身が所有、および居住するための増改築等であること。床面積が50平方メートル以上、かつ増改築後の床面積の半分以上が自身の居住に使用されていること。取得した日より6か月以内に居住を開始し、その年の末日まで居住していること。控除を受ける人の年収が3000万円以上ではないこと。ローン返済期間が10年を超えていること。増改築工事の費用が100万円を超え、かつその半分以上が居住用部分の工事費用であること。中古物件の場合、木造住宅の場合は築20年以内(マンションなど耐火建築物の場合は築25年以内)であること。中古物件の場合、一定の耐震基準をクリアした建物であること。住宅ローン控除が受けられるリフォーム住宅ローン控除の適用が受けられるリフォームは、以下に該当する工事です。増築、改築、大規模な修繕、大規模な模様替えの工事区分所有部分の床や階段、壁の半分以上に施す一定の修繕、または模様替え工事家屋のうち、居室や調理室、浴室、トイレ、洗面所、玄関や廊下における、床または壁の全部に施す修繕地震に対し一定の安全基準をクリアするために施す修繕または模様替え一定のバリアフリー工事一定の省エネ工事ここで注意すべきは、リフォームが自身が所有し居住するための建物の増改築でなければなりません。そのため、同居していない親のために行う実家の増改築やバリアフリー工事などは、住宅ローン控除の対象にはなりません。住宅ローン控除の対象外だった場合の減税制度リフォームで住宅ローン控除を適用するには、多くの条件があります。ローン返済期間が10年を超えるような大規模な増改築工事などが対象であるため、条件を満たしていない場合は住宅ローン控除の対象外となります。ただ、住宅ローン控除が対象外でも、省エネやバリアフリー化・耐震改修などを目的とする一定条件を満たしたリフォームであれば、他の減税制度の適用を受けられる可能性があります。リフォームに関する減税制度は、以下の通りです。ローン型とはローン型リフォーム減税とは、5年以上10年未満の住宅ローンを組み、省エネ化やバリアフリー化を目的として行ったリフォーム工事の場合、ローン残高の2%(上限12万5000円)が5年間、最大で62万5000円が控除される制度です。住宅ローン控除と異なる点は、返済期間が5年以上10年未満の場合にも適用できることです。借り入れの負担額を減らし、ローン返済期間を短くしたい場合に役立ちます。リフォームで住宅ローンを組む場合、返済期間が10年未満であればローン型減税、10年を超える場合は住宅ローン控除を活用するのが得策です。ローン型リフォーム減税と住宅ローン控除の併用はできません。投資型とは投資型リフォーム減税とは、住宅ローンを組まずリフォーム資金を自己資金から出した場合、1年間のみ工事費の10%が控除される制度です。省エネ工事の場合は最大25万円、バリアフリー工事の場合は最大20万円となります。住宅ローン控除と異なる点は、住宅ローンを組まない場合でも減税が適用できることです。借り入れの負担なく全額自己資金で工事を行いたい場合でも、減税の恩恵を受けられます。省エネ工事とバリアフリー工事を同時に行った場合は、合算して控除が受けられる点もポイントです。ただし、各工事において国や自治体から助成金を受けた場合は、その金額は除いて計算します。また、投資型リフォーム減税と住宅ローン控除の併用はできません。中古物件における住宅ローン控除に関するまとめ公的な助成制度としての住宅ローン控除は、新築物件や中古物件に関わらず、また取得費用だけでなくリフォーム費用についても利用できます。住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けられるよう、制度の概要やそれぞれの適用条件、申請方法などを十分に理解しておきましょう。
2021年02月08日2021年度の税制改正点を示す税制改正大綱が発表されました。そこには、住宅購入希望者にとってうれしいニュースが!「今回の改正で、2020年12月末で終わる予定だった住宅ローン控除の特例の1年間延長が決定しました。また控除条件であった床面積の下限も緩和するので、住宅購入希望者には朗報です」と話すのは、FP2級の資格を持つ海田幹子さん。さっそく2021年住宅ローン減税の詳細と耳寄りな改正のポイントを教えてもらいました。■ 住宅ローンを組む人にはうれしい住宅ローン減税の特例延長まずは住宅ローン減税がどんな制度なのかをみていきましょう。住宅ローン減税ってどんな制度?住宅ローン減税制度とは、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、住宅取得者の金利負担を軽くするため、住宅ローンの残高に応じて税金を控除してくれる制度です。期間は住宅ローンを組んでから10年間で、年間最大40万円(長期優良住宅などは50万円)の控除が可能。年末の住宅ローン残高か住宅取得対価のどちらか低い金額の1%が、所得税から控除されます。もし、控除額が所得税よりも高い場合は、住民税からも一部控除可能です。新築住宅だけではなく中古住宅(一定の条件あり)の購入、増築・リフォームで補助金を差し引いた工事費が100万円以上の場合も適用されます。住宅ローン減税制度の特例って何?2019年10月1日、消費税を8%から10%に引き上げたことにより、控除期間が一時的に10年間から13年間へと3年間延長されました。この特例を受けるためには、2019年10月1日~2020年12月31日の間に住宅ローンを支払っている住宅へ入居することが条件です。11年目~13年目は、「建物取得価格(上限4000万円)の2%÷3」もしくは「年末ローン残高(上限4000万円)の1%」を比較して、低いほうの金額(3年間最大で80万円)が控除されます。■ 住宅ローン減税期間13年の特例の延長が決まり最大80万円戻ってくる2020年12月に発表された21年度税制改正の大綱で、2020年12月末で終わったはずの“住宅ローン減税が10年間から13年間に延長した特例”が延長し、2022年12月31日までの入居でも適用されることになりました!注文住宅の契約期限は2021年9月末まで、分譲住宅・中古住宅の契約期限は2021年11月末までとまだ猶予があります。住宅購入を考えている人にとって朗報ではないでしょうか。住宅ローン減税はどのくらいお得?年収別シミュレーションここで、控除期間10年間と13年間ではどのくらい控除に差があるか、年収別の目安を見てみましょう。【条件】借入額4000万円建物の取得価格4000万円借入金利1%(全期間固定金利)返済期間35年間元利均等返済扶養親族1人一般住宅■住宅ローン控除期間13年間だとどのくらいお得か?年収400万円年収500万円年収800万円年収1000万円控除期間10年間165.0万円237.0万円349.2万円349.2万円控除期間13年間214.5万円308.1万円429.0万円429.0万円差49.5万円71.1万円80万円80万円どの年収を見ても、控除期間13年間のほうがお得になることはいうまでもありませんが、「控除期間10年間」の制度時に住宅を購入するよりも、“控除期間13年間”の制度時に住宅を購入するほうが、最大80万円お得になります。年収によって控除金額に差が出てしまうのは、納めている所得税に差があるから。1~10年目までの住宅ローン減税額は、「最大控除額40万円」「住宅ローン残高の1%」「所得税+住民税の一部」の中の一番小さな値のものが採用されます。そのため年収が低い場合、高い場合よりも控除額が少なくなるのです。■ ローン控除対象住宅の条件が40㎡以上に緩和。より小規模な住宅もOKに!住宅ローン控除の特例適用が1年延長したことに加えて、住宅ローン控除を受けるための床面積条件も緩和されました。従来、「床面積は50㎡以上であること」が条件でしたが、世帯合計所得金額が1000万円以下の人に限り、下限が40㎡になります。40㎡といえば、1LDKや2DKでもよく見る広さ。単身世帯や二人暮らし世帯の方も当てはまりやすくなり、家がお得に買えるチャンスですね。住宅ローン控除の特例適用の延長、控除適応条件の床面積の緩和は、住宅購入希望者にとってうれしいニュース。注文住宅の契約期限は2021年9月末なので、まだ時間があるとはいえ、早めに動くほうがよいでしょう。所得税控除がより受けられる時期に、住宅購入を検討してみてはいかがですか?●教えてくれた人/海田幹子ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母。わかりやすくてためになる記事を心がけている
2021年01月30日少しでも住宅ローンの負担を減らそうと思えば、気になるのが金利。その金利だけを見るとネット銀行はとても魅力的です。しかし、ネット銀行だと近くに店舗がなく、不安に感じる人もいると思います。そこで今回は、FP2級の資格を持つ山村希美さんにネット銀行の特徴や各社の金利・サービスの違いについて教えてもらいました。■ ネット銀行ならいつでもどこでも手続きが完結!ネット銀行は、通常の都市銀行や地方銀行のように店舗を設置していません。インターネットや電話を介して取引を行うので、通常の銀行に比べると店舗運営のコストがかからないのです。コストを下げた分顧客に還元する仕組みをとっているので、都市銀行や地方銀行に比べて金利を低く設定できたり、繰り上げ返済に手数料をかけない銀行もあったりします。またネット銀行であれば、インターネットを使って手続きできるので、銀行の営業時間中に行く必要がありません。土日の仕事が休みのときに、自宅で手続きすることもできるのです。■ ネット銀行は審査が厳しい・期間が長いなどの側面も!自分のペースで手続きできるネット銀行は、住宅ローンなど借り入れ審査が厳しい傾向にあります。都市銀行や地方銀行などであれば、対面で資金繰りの背景や今後の見通しなどを相談することも可能。しかしネット銀行だと直接対面することはなく、オンライン上での手続きなので、審査OKのラインを超えるか超えないかの機械的なチェックになるからです。また、審査期間についてもネット銀行のほうが長めといわれています。店舗のある銀行であれば、なにか困ったことや相談したいときは店舗に行ったり担当者に問い合わせたりすれば解決するでしょう。しかしネット銀行だと、問い合わせに時間がかかったり、自分で調べたりすることが多くなることがあるので、その点は注意が必要です。■ つなぎ融資のあるネット銀行も!金利やサービス内容をチェック最後に、ネット銀行各社の住宅ローン金利やサービスの違いについてまとめてみました。今回比較するのは人気のネット銀行「住信SBIネット銀行」「auじぶん銀行」「ソニー銀行」「楽天銀行」の4つ。ネット銀行で住宅ローンを検討している人は、以下の表をぜひ参考にしてみてくださいね。■ネット銀行人気4行の住宅ローン金利とサービス比較金利特徴住信SBIネット銀行年0.44%~1.18%(2020.12.1時点)・金利上乗せなしで団信・全疾病保障付き・契約時もWEB申込みで完了・保証料0円・一部繰り上げ返済は1円からでき、手数料0円・他行口座から当社代表口座への資金移動手数料0円・収入印紙0円auじぶん銀行年0.41%~0.991%(2020.12.2時点)・auモバイル優遇割とじぶんでんき優遇割をセットにすると最大年0.1%金利引き下げ・5つの団信プランがあり、原則ネットで手続き完結・必要書類はネットからアップロードで提出・契約までWEB申込みで完了・一般団信・がん50%保障団信の保険料0円・保証料0円・一部繰り上げ返済手数料、資金移動手数料0円・収入印紙0円ソニー銀行年0.457%~0.650%(2020.12.2時点)・変動から固定への金利変更手数料0円・保証料0円・団信保険料0円・一部・完済とも繰り上げ返済手数料0円・他行口座から返済口座への資金移動0円・WEBでの契約の場合印紙代0円・つなぎ融資可能楽天銀行年0.537%~1.547%(2020.12.1時点)・団信保険料、50%保障がん・全疾病特約付き団信保険料0円・保証料0円・繰り上げ返済手数料0円・つなぎ融資可能・返済口座を楽天銀行口座にすると、年0.3%金利引き下げ・変動金利であれば、固定金利と変動金利の変更が何度でも可能・条件を満たせば楽天ポイントがもらえる可能性ありネット銀行は金利が低いのが魅力ですが、その他にも資金移動手数料0円、印紙代0円など魅力的な特徴がたくさんあります。「Aネット銀行にあってBネット銀行にはない」といったサービスも多々あるので、細かく内容をチェックして希望のサービスをチェックしてみてください。またネット銀行以外の都市銀行や、地方銀行と比べることも忘れないように。意外と「総合的に考えたら通常の銀行でもお得だった」という可能性もあるからです。人気のネット銀行をピックアップして住宅ローンの内容を比べただけでも、つなぎ融資や繰り上げ返済の手数料など、少しずつ違いがあります。日常的に利用している携帯会社やサイト、口座などがあれば、さらに金利引き下げやポイントがつくなどの特典もありますよ。ちなみに、注文住宅を検討している人は、つなぎ融資のあるソニー銀行や楽天銀行がおすすめです。またこの2社は、独自のハッピープログラムや優遇プログラムがあり、住宅ローンを契約すれば、各プログラムのステージがアップ。さまざまな面で優遇されます。総合的に見てもこの2社が魅力的といえるでしょう。ネット銀行で住宅ローンを検討する際は、金利に目を向けつつも総合的に自分にとって便利でメリットの大きいところを選んでみてくださいね。●教えてくれた人/山村希美さん大学卒業後証券会社に勤務し、在職中に2級ファイナンシャルプランナーを取得。結婚を機に退職し、出産後ライターとしてお金にまつわる記事や子育てに関する記事などを執筆中画像/PIXTA(2、3枚目)
2021年01月09日住宅購入の際に多くの人が契約する住宅ローン。「ローンを早く完済したい!」と繰り上げ返済を検討している人は多いのではないでしょうか。しかしローン開始から10年間は住宅ローン控除の減税措置があるため、いつがベストなタイミングなのか気になるところです。今回は、FP2級の資格を持つ海田幹子さんに、繰り上げ返済のベストなタイミングについて教えてもらいました。■ 繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類がある住宅ローンの繰り上げ返済とは、月々支払っているローンとは別にまとまった金額を返すこと。基本的にいつでも行える繰り上げ返済ですが、手数料が必要な場合もあるのでこまめに行うことはあまりおすすめしません。繰り上げ返済の方法には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。期間短縮型…月々の支払額はそのままで返済期間を短くする方法返済額軽減型…返済期間を変えずに月々の支払額を減らす方法このように、それぞれ目的が異なります。■ 2種類の繰り上げ返済…どっちで返済したほうがいいの?返済方法は目的で選ぶのがおすすめです。それぞれに適したケースを見てみましょう。定年後のローンの支払いに不安がある人は期間短縮型定年後の生活に不安がある人は、完済を早める期間短縮型がおすすめです。返済額軽減型に比べて利息の軽減効果が高いので、効率的に返済額を減らせます。「とにかく利息を減らしたい!」という人もこの方法で!収支に変動がある人なら返済額軽減型転職や子どもの教育費など、収支に変動がある場合は返済額軽減型を検討してみましょう。月々の支払いが軽くなれば、収入減や教育費の増額にも対応できますね。月々のローン支払いが負担になっている人にもおすすめです。■ 繰り上げ返済はどのタイミングがお得?返済シミュレーションでチェック一般的に、「繰り上げ返済は早くしたほうがお得」と言われていますが、住宅ローンを契約して10年間は住宅ローン減税があります。住宅ローン減税とは、住宅ローン残高の1%を支払っている税金から控除してくれる制度のこと。当然ながら、繰り上げ返済でローン残高が減ると、住宅ローン減税での税金控除額も減ってしまいます。では、どのタイミングで繰り上げ返済するとお得になるのか、期間短縮型で返済のシミュレーションをしてみましょう。繰り上げ返済を検討している人の住宅ローン借入金:3000万円返済期間:35年間/ボーナス払いなし返済方法:元利均等返済金利:全期間固定金利繰り上げ返済方法:期間短縮型 ●金利0.5%でローンを組んで5年後と住宅ローン控除終了後の11年後に繰り上げ返済した場合金利0.5%の場合繰り上げ返済なし5年後に300万円11年後に300万円支払利息の軽減額(1)0円約45万円約35万円住宅ローン控除額(2)約256万円約241万円約256万円(1)+(2)約256万円約286万円約291万円 ●金利1.0%でローンを組んで5年後と住宅ローン控除終了後の11年後に繰り上げ返済した場合金利1.0%の場合繰り上げ返済なし5年後に300万円11年後に300万円支払利息の軽減額(1)0円約97万円約74万円住宅ローン控除額(2)約259万円約244万円約259万円(1)+(2)約259万円約341万円約333万円●金利1.5%でローンを組んで5年後と住宅ローン控除終了後の11年後に繰り上げ返済した場合金利1.5%の場合繰り上げ返済なし5年後に300万円11年後に300万円支払利息の軽減額(1)0円約157万円約119万円住宅ローン控除額(2)約262万円約247万円約262万円(1)+(2)約262万円約404万円約381万円金利が「0.5%」「1.0%」「1.5%」の場合で、支払利息の軽減額(1)と住宅ローン控除額(2)を算出しました。(1)と(2)の合計金額が高いほど、利息や税金の支払いが少なくてすむためお得になります。この表から、金利0.5%の場合、「11年後に300万円」を繰り上げ返済する方法が一番お得という結果に。一方、金利1.0%と1.5%の場合は住宅ローン減税が適用中の「5年後に300万円」を繰り上げ返済するほうが総返済額が減ることが分かります。繰り上げ返済がお得になるかどうかは、金利がカギを握っています。金利が高いほど、住宅ローン控除期間中でも、できるだけ早い時期に繰り上げ返済をしたほうが軽減効果は高くなります。金利が1.0%より上か下かが目安になるでしょう。繰り上げ返済をするベストなタイミングは、金利によって異なることをご紹介しました。繰り上げ返済には返済期間を短くする「期間短縮型」と、月々の返済額を減らす「返済額軽減型」があり、それぞれ適するパターンが違うので、自分に合う方法を選択してくださいね。●教えてくれた人/海田幹子ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母。わかりやすくてためになる記事を心がけている
2020年12月29日CORA / PIXTA(ピクスタ)希望にぴったりの物件が見つかったけど、まだ頭金が貯まっていない…。そんなとき、ローンを組んで購入していいのか気になりますよね。「家を購入する場合、頭金の有無は月々の返済額や総支払額に大きく影響を与えます。頭金はあるに越したことはないでしょう。しかし、頭金なしが完全にダメともい言い切れません」と話すのは、FP2級の資格を持つ海田幹子さん。実は、貯めている間に背負い込んでしまうデメリットやリスクがあると言います。今回は、住宅ローンの頭金「あり」「なし」で生じるメッリトとデメリット。頭金がなくて購入を決めるときの判断基準を教えてもらいました。■ 「頭金あり」なら、月々の返済額と総支払額を減額できる!TATSU / PIXTA(ピクスタ)実際に「頭金なし」「頭金1割」「頭金2割」でどのように返済額が変わっていくのかチェックしてみましょう。今回は、4000万円の住宅を固定金利1.5%、ボーナス払いなし、35年返済で支払ったときのシミュレーションです。頭金借入額毎月返済額総支払額頭金なし0円4000万円12万2473円約5144万円頭金1割400万円3600万円11万226円約5029万円頭金2割800万円3200万円9万7979円約4195万円頭金なしの場合と頭金2割の場合を比べると、毎月返済額の差は2万4494円で、総支払額の差は約229万円です。頭金を多く入れ、借入額を減らすことで利息の支払いが軽くなり、結果として月々の返済額と総支払額を減額できます。■ 頭金ありと頭金なし。それぞれにメリット・デメリットがあるタカス / PIXTA(ピクスタ)それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。頭金ありの場合【メリット】月々の返済額とローンの総支払額が減らせる頭金なしの場合より借入金が少なくなり利息が抑えられるため、月々返済額と総支払額が減額できます。金利が優遇される場合がある一定額の頭金を準備することで、通常の金利よりも少ない優遇金利が適用される場合があります。【デメリット】頭金を入れすぎてしまうと急な出費に困る頭金の入れすぎは生活を圧迫する可能性があるので、貯金の全額を頭金に入れることはおすすめしません。冠婚葬祭や病気、ケガなど、急な出費がないともいいきれないので、少なくとも収入の3か月分は生活防衛費として残しておくとよいでしょう。頭金なしの場合【メリット】頭金を貯める間の家賃負担がなくなる賃貸物件に住んでいる場合、頭金を貯めている間も家賃を支払わなければなりません。しかし、住宅を購入してしまえば、家賃負担がなくなる点はメリットといえるでしょう。住宅の購入価格や家賃価格がいくらかによってお得かどうかは決まるので、頭金なしを選択する場合は計算してみてください。優遇措置や低金利などで即購入したほうが有利な場合も2020年現在、住宅ローンの低金利時代は続いていますが、今後この低金利が続く保証はありません。もし住宅ローンの金利が跳ね上がった場合、頭金が貯まっていなくても低金利のうちに住宅を購入したほうが有利な場合もあります。期間限定の優遇措置がある場合も同様です。【デメリット】金利が高くなる場合がある頭金が1割以下の場合、金利が高く設定されている住宅ローンがあります。金融機関によって差があるので、頭金なしの場合はチェックしてください。諸費用が高くなる可能性がある融資事務取扱手数料や印紙税、ローン保証料などの諸費用は、借入金額に応じて変動します。そのため、頭金なしで借り入れる場合は、頭金ありの場合より諸費用は高くなることが多いでしょう。■ 貯蓄がないが購入したい場合、返済額が年収の25%以下が判断基準bee / PIXTA(ピクスタ)「貯金はないけど、希望にぴったりの物件が見つかった!」そんな場合もあるでしょう。家との出会いは一期一会、希望にぴったり合う物件はなかなか見つからないものです。購入するかどうかを決めるとき、「住宅ローンの年間返済額が年収の25%以内かどうか」ということがひとつの判断基準になります。例えば、年収600万円の家庭なら、35年返済・固定金利1.5%・ボーナス払いなしの場合、借入金の目安は4080万円。物件価格が目安以下で、諸費用を現金で支払える場合は購入してもよいでしょう。まだ、理想の物件に出会っていない場合は、まずは頭金を貯めるほうがおすすめです。住宅購入の際、頭金を入れたほうが月々返済額や総返済額、金利の面でメリットがあります。もし頭金なしで住宅を購入したい場合は、年間返済額が年収の25%以下になっているかどうかをひとつの判断基準にしてみましょう。すぐにではないけれど、いずれは家を買いたいという人は、早い段階から住宅購入のための貯蓄を始めるのがおすすめです。●教えてくれた人/海田幹子さんファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母。分かりやすくてためになる記事を心がけている
2020年11月24日タカス / PIXTA(ピクスタ)住宅購入を検討する際、重要な項目となるのが資金計画。住宅購入には多額の費用がかかり、購入後に発生する毎月のローンの支払い額が、その後の人生設計に大きな影響を及ぼすことも!そこで事前に行いたいのが、ライフプランシミュレーションです。今回はFP2級の資格を持つ山村希美さんに、ライフプランシミュレーションの基礎知識や方法について教えてもらいました。ここで解説するライフプランシミュレーションのExcelファイルは、記事下のボタンからダウンロードできます。ぜひお役立てください。■ ライフプランシミュレーションで今後必要となる出費を可視化しよう!kai / PIXTA(ピクスタ)ライフプランシミュレーションとは、現在の家計の状態を把握して、今後の人生のイベントや収入・支出の変化などを想定するもの。「5年後に海外旅行に行きたい」や「15年後に教育費が〇万円必要になる」など、今後必要となる大きな出費について考え、可視化できます。家計の状態を知ることで、「必要な資金をいつまでに貯蓄しないといけない」、「今のままの収支だと家計がマイナスになる」などの課題を把握できるでしょう。■ 家づくりとライフプランシミュレーションの関係bee / PIXTA(ピクスタ)住宅の購入には数千万円の資金が必要です。高額なため、ほとんどの人が住宅ローンを借り入れ、毎月決まった金額を返済していくことになるはずです。金融機関にもよりますが、一般的には返済期間は最長で35年。そのため、安定した収入と毎月返済していく資金力が必要です。また、無理のない返済計画を立てることも大切になってきます。現在の収入だけを見て住宅を購入すると、万が一病気で働けなくなった場合に、住宅ローンの返済が滞ってしまうこともあるでしょう。無理のない返済計画を立てるためには、事前に現状の収支を把握し、今後起こり得るライフイベントを想定することが重要です。それにより無理せず返済できるローンの総額が見えてきます。また、希望する住宅の購入にはどれくらいの頭金が必要なのかも分かるでしょう。■ Excelでも簡単につくれる!ライフプランシミュレーションそれでは、実際にどのようにライフプランシミュレーションを行っていくのでしょう。金融庁や銀行など金融機関のホームページには、簡単にライフプランシミュレーションができるサイトが開設されています。これらを活用してまずは簡易的に把握するのもよいでしょう。また、自分だけのオリジナルライフプランシミュレーションをつくり、具体的に想定するのもおすすめ。今回は、Excel(エクセル)で簡単につくれるオリジナルライフプランシミュレーション方法を紹介します。ここでは、夫32歳、妻30歳、結婚したばかりの夫婦を想定して行います。まずExcelを使って大枠を作成西暦20202021202220232024202520262027202820292030……年数現在1年後2年後3年後4年後5年後6年後7年後8年後9年後10年後……夫年齢3233343536373839404142妻年齢3031323334353637383940子ども①年齢00012345678子ども②年齢00000012345ライフイベント自分の収入妻の収入収入合計(A)基本生活費住宅費車両費教育費住宅ローン返済額そのほかの支出ライフイベント費支出合計(B)年間収支(A-B)貯金残高手書きでももちろん問題ありません。しかしExcelで作成しておけば、ライフプランに変更があった場合、簡単に修正や追加ができるメリットがあります。大枠となる部分の作成だけなので、Excelに慣れていない人でも比較的簡単につくれますよ。おもなものは、年数、ライフイベント、収支、貯金残高などです。作成した大枠にやりたいことやライフイベントを書き出す西暦20202021202220232024202520262027202820292030……年数現在1年後2年後3年後4年後5年後6年後7年後8年後9年後10年後……夫年齢3233343536373839404142妻年齢3031323334353637383940子ども①年齢00012345678子ども②年齢00000012345ライフイベント・第1子誕生・車購入国内旅行第2子誕生・第1子幼稚園入園・家購入・第1子小学校入学・第2子幼稚園入園自分の収入妻の収入収入合計(A)基本生活費住宅費車両費教育費住宅ローン返済額そのほかの支出ライフイベント費支出合計(B)年間収支(A-B)貯金残高シミュレーションなので、まずはどういった人生を歩みたいのか好きなように書き出しましょう。家族の生き方や考え方の把握にもつながります。収入・支出金額など具体的に数字を入れ、年間の収支を把握する西暦20202021202220232024202520262027202820292030……年数現在1年後2年後3年後4年後5年後6年後7年後8年後9年後10年後……夫年齢3233343536373839404142妻年齢3031323334353637383940子ども①年齢00012345678子ども②年齢00000012345ライフイベント・第1子誕生・車購入国内旅行第2子誕生・第1子幼稚園入園・家購入・第1子小学校入学・第2子幼稚園入園自分の収入妻の収入収入合計(A)基本生活費住宅費車両費教育費住宅ローン返済額11万8,000円11万8,000円11万8,000円11万8,000円11万8,000円……そのほかの支出頭金500万円ライフイベント費支出合計(B)年間収支(A-B)貯金残高書き出した内容を精査したら、Excelに入力していきましょう。具体的に数字を入れることで、「資金不足はないか」、「ライフイベントのために〇年後までに〇万円貯蓄しなければならない」などが見え、計画を修正すべきかの判断ができます。例えば夫が38歳のときに家を購入するとしましょう。頭金に500万円支出し、住宅ローンで3500万円借り入れます。銀行のホームページにある借り入れシミュレーションを使って簡単に紹介すると、3500万円の借り入れ(金利1.3%・返済期間30年)で、毎月の返済額は約11万8000円です。こういった具体的な数字を入力していくことで、どの年にいくら支出が増えるかなど、一目瞭然になります。ライフプランシミュレーションは、住宅購入のための資金計画に重要な役割を果たします。人生を豊かに過ごすための計画を俯瞰して見ることのできる便利なツールといえるでしょう。1回つくれば終わりではなく、考え方や収入の変化などが起きた際にはそのつど修正し、最新のものを作成するようにしてください。そうすることで、住宅ローン返済への影響を事前に把握できるはずです。●教えてくれた人/山村希美さん大学卒業後証券会社に勤務し、在職中に2級ファイナンシャルプランナーを取得。結婚を機に退職し、出産後ライターとしてお金にまつわる記事や子育てに関する記事などを執筆中ライフプランシミュレーションのExcelファイルをダウンロード
2020年11月23日※写真はイメージですUshico / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを利用する場合、「いくら借りればいいのか」や「毎月の返済額をどのくらいにしたらいいか」等だけではなく、住宅ローンを「何歳までに完済したらいいのか?」で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。実際に住宅ローンを利用している人がどれくらいの期間で完済しているか、住宅ローンを完済するべき年齢は何歳ぐらいが好ましいのか、宅地建物取引士の高幡和也さんが解説します。■ 住宅ローンは35年間払い続けなければならない?※写真はイメージですプラナ / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを利用する場合、各金融機関ではそれぞれ「完済時年齢」の上限を設定していて、最長でその年齢まで住宅ローンを組むことが可能です(一般的な借入期間は最長35年となります)。たとえば、住宅金融支援機構のフラット35の場合、完済時年齢の上限設定は80歳。申込時の年齢が満70歳未満の人なら利用することができ、借入期間の上限は下記のように算出します。借入期間の上限:35年、もしくは「80歳」−「申込時の年齢(1年未満切上げ)」のどちらか短い年数(※その他条件有)例:年齢満40歳の場合、「80歳」-「41歳(1年未満切上げ)」=39年なので、最長借入期間35年フラット35の場合、計算上は満44歳以下の人なら最長で35年間の住宅ローンを組むことが可能です。ただし、この計算どおりに35年返済の住宅ローンを組んだ場合でも、実際に35年間住宅ローンを払い続けなければならないわけではありません。当然ですが、住宅ローンはいつ完済しても良いのです。理解しておきたいのは、住宅ローンの「約定返済期間」と「実際に完済するまでの期間」は別物だということです。■ 多くの人が約16年で完済している!?では、住宅ローンを利用している人が実際にどれくらいの期間で完済したのかを見てみましょう。住宅金融支援機構の「2019年度 民間住宅ローンの貸出動向調査」によると、住宅ローンの利用開始時に設定した返済期間(当初設定した返済期間)の単純平均は26.7年となっています。※住宅金融支援機構「2019年度 民間住宅ローンの貸出動向調査」 よりしかし実際には、完済までの期間は単純平均で「15.7年」となっています。つまり多くの人は、当初設定した返済期間以下で住宅ローンの返済を終えていることになります。あくまで単純平均なので、すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、例えば40歳で35年の住宅ローンを組んだ場合でも、多くの人は56歳には返済を終えていることになります。多くの人が約16年という期間で完済しているにも関わらず、なぜ住宅ローンは30年前後という長期の返済期間を設定する人が多いのでしょうか?■ 余裕を持った返済計画を立てられるよう、長期で設定※写真はイメージですfaula / PIXTA(ピクスタ)「住宅ローンはできるだけ早期に完済したい」「ローンの期間はできるだけ短い方がいい」…。誰もがそう考えるのは当然のこと。だからといって、当初から住宅ローンの返済期間を短く設定すると毎月の返済額がグンと高くなってしまいます。住宅ローンは自宅を担保にして借りるローンなので、万一その返済が滞ってしまうと、自宅が金融機関に差し押さえられたり、強制競売にかけられたりして、住まいそのものを失ってしまう事態になりかねません。そのため、将来的に不測の事態が起こっても住宅ローン返済に影響が出ないように、余裕を持った返済計画を立てることがとても重要となります。当初の返済予定期間を長期にして毎月の返済額を抑えるこで、余裕を持った返済計画が実現します。また、毎月の返済額を抑えることで、定期的な「繰り上げ返済」も可能となるのです。■ 繰り上げ返済をしなければ「ずっと返済が続く」※写真はイメージですFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)繰り上げ返済とは、返済中に融資金の全部または一部を繰り上げて返済することで、返済額に応じて借入期間を短縮することができます(月々の返済額を少なくすることもできます)。逆に言えば、繰り上げ返済をしなければ当初設定した期間中、ずっと返済を続けなければなりません。たとえば、定年年齢60歳の企業に勤務する現在40歳の人が、75歳までの住宅ローンを組んだ場合、定年までに住宅ローンを完済しなければ退職金や貯蓄で残りのローンを一括で支払うか、または退職後も毎月のローンを支払い続けなければなりません。長期の返済期間を設定したにもかかわらず、その返済計画(毎月の返済額、ボーナス返済額)に余裕がなく、繰り上げ返済が難しいような場合は、もう一度資金計画の見直しが必要かもしれません。繰り返しになりますが、繰り上げ返済をしなければ30年ローンなら30年間、35年ローンなら35年間、「ずっと返済が続く」のです。■ 自分なりの「目標完済年齢」を設定しよう※写真はイメージですFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンの返済開始年齢、勤務先の定年制の有無、投資による将来的な収支バランスなど、それぞれの状況によって理想の完済年齢は違います。目標とする完済年齢の目安としては「勤務先の定年年齢」もしくは「単純平均完済期間(返済開始から約16年程度)」などが挙げられます。当然、早期の完済が理想的ですが、無理な返済計画は住宅ローンの延滞を招いたり、日常生活そのものに影響を与えかねません。決して無理な計画を立てず、自分なりの「目標完済年齢」を設定することを心がけましょう。【参考】※住宅金融支援機構「2019年度 民間住宅ローンの貸出動向調査」●教えてくれた人/高幡和也さん宅地建物取引士・ライター。不動産業界で約30年、大企業の事業用地売買や未利用地の有効活用、個人住宅のディベロップメント、事業用・居住用の賃貸管理まで多種多様な業務を経験。「不動産取引の専門士」の視点で気になる情報を発信中
2020年11月13日住宅を購入される際、家具の相談にも乗っていた住宅営業マンの、「住宅購入者の要望に答える家具がない」との悩みと、家具製造会社の「ユーザーのニーズを直接聞きたい」という双方の悩みが合致し、今回のコラボ家具企画に至りました。今までの家具にない「かゆいところに手が届く家具」を目指しています。コレットシリーズと名付けたこの「かゆいところに手が届く家具」シリーズは、住宅購入者の不を解消する目的で企画しています。シリーズは、ソファーバックデスク、ワードローブ、TVボード、シェルフの4種類の家具展開をしています。商品はすべて福岡県大川市で製造しており、天板に幅広の無垢板を使うなど、本格的な造りになっています。また、家具職人が作っているので、各種サイズ変更や樹種の変更なども対応できます。1.ソファーバックデスク住宅購入者の「ソファーでくつろげるけど、飲み物を置く場所がない。センターテーブルだと前かがみになって手を伸ばさないといけない」という声から生まれた、「ソファーバックデスク」。ソファーで寛いでいるときにちょい置きスペースとして使えます。また、近年増えているリビング学習でも、りびんぐのスペースを圧迫することなくデスクが置けて、家族の顔も見えるソファーバックデスクです。2.ワードローブ(子供の洋服掛け)ハンガーの洋服掛けって大体高いところにあって、お子様が自分でハンガーにかけるの難しいですよね?そんなお悩みから出てきた、「小学校前のお子様が自分でかけられる洋服掛け」お子様が自分で何でもできる環境を作ってあげるのが良いのではないか。との考えから企画しております。3.TVボード120センチ幅くらいのテレビ台って、結構安っぽい作りのものしか無い。テレビ台も最近は、テレビの大きさに合わせて大型化してきていて、小さいサイズのテレビ台は安価な作りのものが多くなってきました。ただ、32型くらいの小さいサイズのテレビに合うテレビ台は、やはり120センチ幅くらいが丁度いいのではないか?ということで、32型くらいのテレビに合う上質でシンプルなテレビ台を開発しました。4.シェルフソファーバックデスクに合うシェルフも作りました。リビングの間仕切りとしても使えますし、奥行33センチなのでちょっとしたスペースにもおけます。ソファーバックデスクと同じ用に耳付きオーク材を使用しているため、奥行には幅があります。【商品詳細】ソファーバックデスクワードローブTVボードシェルフ【お問い合わせ】大川家具ドットコムメール:info@okawakagu.com電話:0944-88-3889FAX:092-510-0087LINE【株式会社大川家具ドットコム会社概要】所在地:福岡県大川市郷原621設立:2014年7月代表者:堤太陽事業内容:国産大川家具の通信販売「株式会社大川家具ドットコム」公式サイト企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年11月05日10月5日「住宅ローンの完済年齢が上昇している」という調査結果が発表された(日経新聞)。住宅ローンを’20年度に契約した人の完済予定年齢は平均73.1歳。’00年度の68.3歳と比べて、20年間で5年も遅くなっている。住宅ローン利用者が60歳時点の予定残高も、’00年度の利用者は平均約700万円だが、’20年度は約1,300万円に増加。老後に“ツケ”を回す傾向が見て取れる。その原因を、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■住宅ローン返済の理想は50代まで!原因としては、住宅を買う年齢の上昇が挙げられます。住宅の取得年齢は、’00年以前は37歳前後が多いのですが、’13年以降は40代が目立ちます(’19年・国土交通省)。また、ローンも長期化しています。国の基準を満たした長期優良住宅に限られますが、’09年から「フラット50」という返済期間が最長50年の住宅ローンが提供されています。一般の35年ローンでも、みずほ銀行は最長80歳まで、ソニー銀行は最長85歳までに完済すればよい決まりです。銀行も利用者も、定年を過ぎた年齢だと承知のうえで、繰上げ返済で早期完済を目指しながらも、最終的には「退職金での完済」を想定しているのでしょう。銀行は、年齢にかかわらず完済されると利益を確保できます。ですが、利用者は、退職金を住宅ローンの返済に使ってしまうと、老後資金が不足する大問題です。さらに、コロナ禍で収入の減少や、リストラなどで収入がなくなった方、冬のボーナスが減額や「今年は出ない」という方も多く、いま、住宅ローンの返済に困る方が増えています。そんな方はすぐ銀行に相談して、毎月の返済額を抑えるなどの対策をとりましょう。ただ、その分返済期間が延び、返済総額も増えてしまいます。元々の計算とは違い、完済が定年以降にずれ込む方もいるでしょう。あるいは、勤め先の倒産などで退職金の減額や出ない方もいて、退職金で住宅ローンが完済できないケースも考えられます。そうなると、老後資金や年金から住宅ローンを返済するしかありません。高齢でも健康なうちは働いて返済できますが、病気や介護が必要になって蓄えが底をついたら「自己破産」に陥るケースも増えてくるのではないかと心配です。当たり前ですが、住宅ローンは少しでも早く、できれば50代での完済を目指しましょう。コロナ不況は、当たり前のことができないほど深刻です。投資などにお金を回すより、「借金減らして現金増やせ」、これに尽きます。また、ローン返済の猶予を受けた方は必ず、もう一度見直しを行いましょう。以前より楽な返済から元に戻せない方が多いのですが、そのままだと老後破綻へ一直線だと緊張感を持ちたいものです。現役世代のうちに苦労して、借金のない老後を迎えましょう。国には、これまで景気浮揚感として住宅ローン減税を連発し、国民に住宅購入をあおってきた責任があると思います。空き家問題も踏まえて、住宅行政の今後に、きびしい目を向けたいと思います。「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年10月30日【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)共働き夫婦がマイホームを購入するとき、住宅ローンの選択肢は大きく分けて4つ。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分たちの年収やライフプランを加味して選ぶことが大事です。今回は、FP2級の資格を持つ海田幹子さんに、それぞれの住宅ローンの特徴やメリット・デメリット、共働き夫婦のローンの選び方について教えてもらいました。■ 住宅ローンは4種類。夫婦でライフプランを話し合って契約を住宅ローンは大きく分けて「単独ローン」「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」の4種類があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを見てみましょう。共働き夫婦の住宅ローンを表で比較①単独ローン②ペアローン収入合算③連帯債務④連帯保証特徴1つのローンに1人の債務者夫婦が別々にローンを組む1人は債務者1人は連帯債務者になる(返済義務は平等にある)1人は債務者1人は連帯保証人になる(債務者の返済不能時に返済義務を負う)住宅ローン減税すまい給付金債務者1人分夫婦2人分夫婦2人分債務者1人分事務手数料などの諸費用債務者1人分夫婦2人分債務者1人分債務者1人分団体信用生命保険の適用ローン残金が全額免除死亡した人のローン残金のみ免除債務者の死亡時は全額免除連帯債務者の死亡時は契約内容による債務者の死亡時は全額免除連帯保証人の死亡時は免除なし※債務者とは…この場合ローンの支払い義務を負う人※住宅ローン減税(住宅ローン控除)とは…正式名称は「住宅借入金等特別控除」。要件を満たしている住宅ローン利用者が、年間最大40万円の所得税の控除を受けられる制度※すまい給付金…住宅ローン利用者で、一定要件を満たした人に最大30万円が付与される制度。住宅取得者の収入または持分割合によって給付額が決まるペアローンと収入合算(連帯債務・連帯保証)は、妊娠・出産・育児休暇後も夫婦共に再び働くことが前提で組むべきローンです。現在の年収ベースで最大値のローンを組んでしまうと、育休後に復帰できなかったり離職をしたりする場合に、支払いが厳しくなってしまうかもしれません住宅ローンは、夫婦で今後のライフプランをしっかり話し合った上で契約することが大切です。■ 単独ローンでは希望額を借入できない可能性が共働きが多くない時代は、働き手である夫の名義で組む単独ローンが主流でした。共働夫婦の場合でも、このタイプのローンを組むメリットはあります。住宅ローン契約者の配偶者に収入を別のことにお金を使えるからです。ですから子どもの教育費や車の購入費など、住宅以外に必要なお金を貯めたい場合にはよい選択といえるでしょう。また、働き続ける予定だった配偶者が産休や育休、病気で離職するようなことがあっても、返済に差し支えることはありません。ただしこのタイプのローンだと住宅ローンの収入審査が申込者1人分の収入だけになるので、希望金額を借り入れできない可能性があることです。共働き夫婦ならペアローンや収入合算のローンで、もっと多くの金額を借り入れることも可能です。では、さっそくこれらのローンのメリット・デメリットを解説します。ペアローンの特徴とメリット・デメリットペアローンとは、夫婦が別々のローンを組み、それぞれが連帯保証人になる住宅ローンです。ローンを2本組むため、住宅ローン減税やすまい給付金が2本分受け取れるのがメリット。しかし、事務手数料などの諸費用は2本分かかるといったデメリットもあります。連帯債務の特徴とメリット・デメリット収入合算という住宅ローンの種類の中に連帯債務があります。収入合算とは、夫婦の収入を合わせてローンを借りる方法です。借入金額は収入を基に決定されるので、収入合算をすることで単独ローンよりも総額で大きな金額の住宅ローンを組むことが可能です。連帯債務は、1人が債務者、1人が連帯債務者となり、1本の住宅ローンを契約するのが特徴です。連帯債務者にも返済義務が平等にあるため、住宅ローン減税とすまい給付金は2人分受け取れます。またローン契約は1本なので事務手数料などの諸費用は1本分で済むところがメリット。一方デメリットは、対応できる金融機関がフラット35や民間ローンの一部に限られるため、選択肢の幅が狭い点にあります。※フラット35とは…住宅金融支援機構が民間金融機関と共同で提供している長期固定金利住宅ローンのこと連帯保証の特徴とメリット・デメリット収入合算の中の連帯保証は、1人が債務者、1人が連帯保証人になり、1本の住宅ローンを契約するのが特徴です。連帯保証人は、債務者が返済できなくなった場合、ローンを支払う義務があります。連帯保証は、取り扱う金融機関が多いため、好きな住宅ローンを選べ、住宅ローン契約の事務手数料などは1本分で済むところがメリットです。一方、連帯保証人は住宅ローン減税やすまい給付金が適用外で、団体信用生命保険にも加入できない点がデメリットといえるでしょう。■ 安心感、金利重視、経費を抑える…何を重視するかで選択を「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」それぞれに一長一短あることが分かりました。では、どう選べばよいのでしょうか?夫婦の要望に合わせたおすすめの住宅ローンを紹介します。安心感と費用面のメリットを享受したいなら連帯債務諸費用が少なく、控除や給付金が手厚いのは連帯債務です。通常の連帯債務では、連帯債務人に団体信用生命保険はついていませんが、フラット35の「デュエット」なら、借入金利を年0.18%上乗せで夫婦2人共が保証対象になります。団体信用生命保険が2人分で、全期間固定金利という安心感と費用面のメリットを享受したい人におすすめです。低金利重視!ローンの負担を2人で分け合いたいならペアローン選べる金融機関の幅が広いので、「できる限り低金利がよい!」という人はペアローンがよいでしょう。諸費用は2本分かかってしまいますが、その分住宅ローン減税とすまい給付金の恩恵を2人分得ることができます。また、住宅ローンの負担を2人で分け合って頑張りたいという人が、2本立てのペアローンを選ぶことも間違いではありません。諸費用を抑えて低金利で借りたい人は連帯保証節税面は心もとない連帯保証ですが、借入金額は高くして諸費用を抑えたい人、低金利な金融機関を選びたい人には向いています。連帯保証の連帯保証人は、団体信用生命保険に加入することができないので、万が一のために生命保険などで対策を取ることをおすすめします。どの住宅ローンがお得になるかは、希望する物件の価格や夫婦の年収、ライフプランなどで変わります。それぞれの住宅ローンの特徴を理解し、お得に組めるローンを選ぶことが大事です。迷ったときは専門家の手も借りてみましょう。●教えてくれた人/海田幹子ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母
2020年10月25日連日ニュースで耳にするものの、きちんと説明するのが意外と難しいのが「金利」の話。家計を守るための知識として、いまさら聞けない基本をおさらいしておこうーー。史上空前の超低金利が続く日本。今年4月には大手銀行の定期預金金利が0.01%から、0.002%に引き下げられた。そんななか、安倍晋三前首相の政策継承を掲げて、菅義偉新内閣が発足。ちまたでは「アベノミクス終焉で金利が上がる」なんてウワサも流れるが、本当に金利は上がるのか、そして家計にはどんな影響が及ぶのか……。そこで「お金の知識は必ずその人を守ってくれる」と話す元国税局職員のライター・小林義崇さんに、家計防衛に欠かせない“金利の基本”を教えてもらった。【Q1】そもそも「金利」ってなに?「金利とは、利子や利息のことです。住宅ローンなどお金を借りるときの金利は、低いほうが助かりますよね。借りる立場からすると、超低金利はありがたい金利といえます」(小林さん・以下同)超低金利はよくないのでは?「反対に、貸す立場、つまり銀行に預けるときなどは、超低金利は利息がほとんどゼロに近い、悪い金利です。金利の善しあしは、立場によって変わるものなのです」【Q2】金利が上下すると生活への影響は?「金利が低いと、私たちは住宅ローンをはじめお金が借りやすくなります。ただし、コロナ禍で収入が減った人もいるので、金利だけで判断できない部分もあります。同時に、超低金利下では、銀行に預けてお金を増やす、ということは極めて難しくなります。バブル期にあった利率が8%の定期預金なら、元本を約9年で倍にできましたが、今の0.002%だと倍になるまでじつに3万6,000年かかります。そのうえ手数料などを払ったら、元本が目減りすることもしばしば。銀行はもはや“金庫”でしかありません。お金を増やすには別の手段が必要でしょう」【Q3】住宅ローンは固定と変動どちらを選ぶべき?「住宅ローンの金利は今、全期間固定で1%前後。変動なら0.5%が中心です。3,000万円を35年ローンで借りた場合の総返済額は、固定と変動で約300万円違います。3年前はおおよそ変動が1%、固定が3%だったので、同じ借入額だと約1,300万円の差がありました。固定金利が下がって変動金利に近づいているので、総返済額の差も縮まっています。このように単純比較すると、変動金利は総返済額が少なくいい金利なのですが、『変動金利がこのままずっと変わらない』ことはありえません。景気などに合わせて、変動金利は上がることがあり、固定金利よりも高くなる可能性もゼロではありません」それでは、35年もの長期ローンを考えると、固定金利が安心?「ただし今後、金利が多少上下することはあっても、急に大きく上がるとは思えません。今は変動金利を選ぶのが正解でしょう」【Q4】「ゼロ金利」ってどういうこと?「日本銀行(日銀)は、銀行を相手にお金の貸し借りを行う銀行の元締です。その日銀が、銀行にお金を貸す金利を’99年から限りなくゼロに近づけたのがゼロ金利政策です。私たちの預金金利がゼロ、という意味ではありません」なぜ、そんな施策が必要なのか?「銀行が日銀からゼロ金利でお金を借りれば、一般の企業や人々にも低金利で貸せるようになるからです。社会全体がお金を借りやすくなって、お金が回る。そうして景気を上げようという施策でした」連日流れる金融関係のニュース。家計を守る一助にするために、その仕組みについて基本は押さえておこう!「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月05日出産や保育園・幼稚園入園時期は住宅を購入したり、住み替えをしたりするタイミングになりやすいです。住宅の購入や賃貸に対して、子育て世帯へ支援する制度があるのを知っていますか? すべての方に適用されるわけではありませんが、一例をご紹介します。 賃貸の場合UR賃貸住宅独立行政法人都市再生機構が運営するUR賃貸住宅では、一部物件で18歳未満のお子さんがいて、所得要件を満たす世帯に最大6年間、家賃20%(上限月額25,000円)を減額する、子育て割を実施しています。 子育て世帯向け優良賃貸住宅都道府県・政令指定都市等の住宅供給公社が、要件を満たす賃貸物件に対象となる子育て世帯の方が入居した際に家賃の一部を補助する制度です。例えば、横浜市住宅供給公社が実施する「子育てりぶいん」では、最大月額4万円・6年間の補助が受けられます。お住いの住宅供給公社のサイト等で実施しているか確認できます。 公営住宅の家賃減額・当選倍率加算等都道府県・市区町村が運営する公営住宅・定住促進住宅について子育て世帯の家賃を減額したり、当選倍率を加算や子育て世帯の区分を設定したりしています。例えば、名古屋市の定住促進住宅(公共型)の場合では、要件を満たして小学校入学前の子どもがいる世帯では、家賃の20%(最低家賃は6万円以内)の減額がなされます。お住いの都道府県・市区町村の公営住宅・定住促進住宅のサイト等を確認しましょう。 持ち家の場合住宅ローンの優遇住宅ローンを取り扱っている金融機関によっては、子育て世帯向けに優遇を実施しているところもあります。例えば、フラット35・子育て支援型では、子育て支援に積極的な一部の地方公共団体の住宅購入者に対する支援とセットで、【フラット35】の当初5年間の借入金利を年0.25%引き下げることができます。対象となる住宅金融支援機構と連携する地方公共団体を確認してみましょう。その他、あまり多くはありませんが、子育て支援型の住宅ローンで金利などを優遇しているケースもありますので、借り入れを検討している金融機関に子育て支援の制度がないか確認するとよいでしょう。 地方公共団体からの住宅ローンの利子の補助お住いの都道府県・市区町村によっては、子育て世帯等が住宅ローンを組んで自宅を購入した際に利子の一部を補助してくれるところがあります。例えば、大阪市では、小学校6年生以下の子どものいる世帯(その他の要件もあり)で初めて住宅ローンを組んだ際に、年間10万円・最長5年間の利子を受けられる可能性があります。すべての地方公共団体で実施しているわけではありませんので、こちらも確認することをおすすめします。 地方公共団体から住宅購入の補助都市より地方で実施されている制度ですが、住宅を購入したり、新築したりすると補助金が受け取れる制度があります。子育て世帯に限定しているところもあれば、若年層、移住者等別の要件でも補助が受けられるケースがあります。例えば、北海道・南幌町では、要件を満たした中学生以下の子どもがいる世帯、または夫婦とも40歳未満の世帯が住宅を新築した場合に25万円~200万円の助成金が受け取れる制度があります。多くの地方公共団体で実施されているわけではありませんので、物件を検討している周辺の地方公共団体を確認するとよいでしょう。 子育てでお金のかかる時期に住宅ローンや家賃を払っていくのは、家計としても厳しい面もあると思いますが、上記にある制度やそれ以外の制度も利用できれば、住居費を想定より抑えることもできます。住宅の購入や住み替えを検討する場合のご参考にしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年09月02日住宅ローン金利は、変動金利と固定金利に大きく分けることができますが、住宅ローンの融資を受ける際にどちらを選べばいいか迷う方は多いようです。本記事では、これから住宅ローンを組むという方や借り換えを検討している方に向けて、変動金利と固定金利それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットなどをご紹介していきます。住宅ローンにおける変動金利と固定金利の違い住宅ローンには大きく変動金利と固定金利があり、銀行によって金利設定などの違いはあるものの、基本的な内容はどの銀行を利用しても同じです。変動金利両者の違いを簡単にお伝えすると、変動金利は借入期間中に金利が変動する金利タイプで、金利が変動するリスクがある分、低めの金利水準となっています。固定金利一方、固定金利とは借入期間中ずっと同じ金利で利用できるもので、金利が変動しないという安心感がある分、変動金利と比べると金利設定は高めです。次項から、それぞれについて詳しく見ていきましょう。変動金利のメリット・デメリットまずは変動金利について、メリット・デメリットなどを見ていきましょう。[adsense_middle]固定期間選択型金利と変動金利住宅ローンは大きく分類すると2種類とお伝えしていますが、もう少し細かく分類すると「変動金利」と「固定期間選択型金利」、「全期間固定金利」の3種類に分けることができます。この内、固定期間選択型金利とは「10年固定金利」など、当初設定した期間について金利を固定するというもので、変動金利と全期間固定金利のミックスのようなものです。この固定期間選択型金利については、固定と名前が付いているものの、実は変動金利の1種と考えたほうが分かりやすいです。というのも、固定期間選択型金利で当初選択した期間が経過した場合、その時点で再度固定期間を選択するか(金利の再選択)、変動金利に移行するかを選ぶことになります。こうした制度設計から、固定期間選択型金利は「変動金利の当初〇年間だけ固定する」タイプの金利だと考えるとよいでしょう。変動金利のメリット変動金利のメリットには以下のようなものがあります。金利水準が低い金利が急激に上がっても返済額はすぐには上がらない金利の下降局面または横ばいのときに有利それぞれ見ていきましょう。金利水準が低い変動金利は金利が変動するリスクがある分、金利水準が低くなっています。なお、変動金利は「金融機関が最優良起業に貸し出す短期の金利レート」を示す短期プライムレートに連動しますが、この短期プライムレートは2009年以降ずっと動いていません。このことから、変動金利は長い間ほとんど変動していないのにも関わらず、低い金利で融資を受けることができているといえます。金利は、経済の原則からすると景気がよくなったときに上昇するもので、将来どうなるかは分かりませんが、一般的な見方では今後しばらくは大きく上昇することはないと考えられます。ちなみに、一般的な金融機関において変動金利は1%程度であることが多く、住宅ローンの借入から13年間、住宅ローン年末残高の1%分の控除を受けられる住宅ローン控除と組み合わせると、金利を支払うどころか、税金の還付を受けてプラスになるという状況が続いています。金利が急激に上がっても返済額はすぐには上がらない変動金利は借入期間中、金利が上がると返済額も増えてしまうことになります。ただし、変動金利は「返済額の変更は5年間に1回」かつ、「変更がある場合も前回の返済額から1.25倍までしか増えない」という決まりがあります。これは、金利の急激な上昇により住宅ローンの返済ができなくなることを防ぐためのものです。仮に金利が急上昇したとしても、返済額の上昇が猶予されている間に次の手立てを考えることができるといえます。金利の下降局面または横ばいのときに有利先述のとおり、変動金利は金利が変動するリスクがある分、金利水準が低く設定されているため、金利が下がる局面はもちろん、横ばいのときにも有利に働きます。変動金利が不利になるのは「金利が上昇局面のとき」だけと考えると、固定金利よりも有利なケースのほうが多いといえるでしょう。変動金利のデメリット一方、変動金利のデメリットには以下のようなものがあります。固定金利のほうが先に上昇する金利返済分と元本返済分それぞれ見ていきます。固定金利のほうが先に上昇する変動金利は金利の下降局面や横ばいに強く、上昇局面に弱いため、下降局面や横ばいのときには変動金利にしておき、上昇局面になったら固定金利に借り換えすればよいのではないか、と考える人もいるかもしれません。しかし、原則として固定金利は変動金利より先に金利が変動するとされており、変動金利が上昇し始めたときにはすでに固定金利は上昇してしまっていることが考えられます。また、固定金利は変動金利よりも頻繁に変動しやすく、固定金利が動き始めた段階で、変動金利から固定金利に上手に借り換えすることはかなり難しいといえるでしょう。金利返済分と元本返済分先程、変動金利のメリットとして金利が上昇してもローンの返済額の変更は5年に1回で、かつ変更がある際も最大1.25倍までしか増えないことをお伝えしました。これは確かに安心できるポイントではあるのですが、金利が増えても返済額が増えていない分については、毎月の返済額の内、元本返済分と金利返済分の割合に影響を与えます。つまり、返済額が増えない分、金利返済分が増えて元本返済分が減ってしまうのです。これにより、住宅ローンを返済しているのに元本の減りが遅くなってしまうリスクがあります。なお、最終的に住宅ローンの最終返済日まで返済できない元本分がある場合には、そのすべてを最終返済日に支払う必要があります。万が一ではありますが、最終日の返済額が数百万円といった単位になる可能性もあるのです。固定期間選択型金利は金利優遇幅に注意なお、固定期間選択型金利について注意しておきたいこととして、当初選んだ固定期間選択終了後は、金利優遇幅が小さくなるのが一般的ということが挙げられます2020年現在、住宅ローンはおおむね1%前後で融資を受けられるようになっていますが、これは「住宅ローンを新規で利用する方向けのキャンペーン金利」であり、実際の店頭金利は2.5%程度に設定されていることが多いです。つまり、通常は2.5%程度の融資なのに対し、1.5%の金利優遇を受けて1%で融資しているという形です。実は、このキャンペーン金利については、当初固定期間が終了した後の金利の再選択時や変動金利への移行時には「新規融資」ではないため適用されません。代わりに1%など、キャンペーンによる金利優遇幅より小さな優遇幅が適用されることが多く、仮に金利水準が変わっていなかったとしても適用金利が高くなってしまうことが多いのです。店頭金利優遇金利適用金利キャンペーン金利2.50%1.50%1.00%当初固定期間終了後2.50%1.00%1.50%この点は、特に初めて住宅ローンを利用するという方には分かりづらい部分なので十分に注意が必要です。固定金利のメリット・デメリット続いて、固定金利についてご紹介します。[adsense_middle]固定金利のメリット固定金利のメリットとしては以下のようなものがあります。金利変動を気にすることなく生活できる融資実行時に最終日まで返済額を把握できる金利の上昇局面に有利それぞれ見ていきましょう。金利変動を気にすることなく生活できる変動金利では常に金利変動を気にする必要がある旨をお伝えしました。一方で、固定金利は融資を受けた後は金利が変動する心配がないため、例えば世界的な大恐慌が起こったときや、その逆に経済バブルが発生したようなときでも、金利を気にすることなく生活できるというメリットがあります。融資実行時に最終日までの返済額を把握できる全期間固定金利では融資実行日に、初月返済額から最終月の返済額まで把握することができます。これにより、長期間のライフプランニングなど立てやすくなる点もメリットだといえるでしょう。金利の上昇局面に有利全期間固定金利は金利水準が上昇する局面でも、すでに融資の実行を受けていれば融資実行時の金利で返済し続けることができます。なお、全期間固定金利は「10年国債利回り」に連動します。こちらは変動金利の指標となる短期プライムレートと比べて変動幅も変動の頻度も大きいですが、全期間固定金利の場合は一度融資を受けた後は金利の動向を負う必要もありません。固定金利のデメリット一方、固定金利のデメリットとしては、変動金利と比べて金利水準が高いということに尽きるでしょう。このため、金利水準が下降局面にあるときだけでなく、横ばいのときでも変動金利を選択するより損をする結果となってしまいます。なお、固定金利を選択すると金利の動向を気にしなくてもよい旨をお伝えしましたが、金利の下降局面や横ばいのときは、人によっては「変動金利を選んでおけばもっとお得だった」と悔やんでしまう可能性はあるといえます。変動金利と固定金利を比較するとどっちがいい?変動金利と固定金利についてそれぞれのメリット・デメリットをご紹介しましたが、結局のところどちらを選ぶとよいのでしょうか?変動金利と固定金利の差変動金利と固定金利の差を比較してみると、以下のようにまとめることができるでしょう。金利:変動金利は金利が低く、固定金利は金利が高い情勢:変動金利は下降局面・横ばいのときにお得、固定金利は上昇局面でお得リスク:変動金利は変動リスクがあり、固定金利には変動リスクがない結局どちらがおすすめ?変動金利と固定金利について、どちらがおすすめかについては一概には言えません。住宅ローンを利用する方の考え方や資産状況によっておすすめの金利が変わると言えます。ここでは、どんな人にどの金利タイプがおすすめなのか、いくつかのケースをご紹介していきたいと思います。すぐに完済できる資産がある人には変動金利がおすすめ変動金利は金利が上昇したときに負担が大きくなってしまうリスクがあります。そのため、金利が急上昇したときに残債を一括返済できる資産がある人には間違いなくおすすめできるといえます。「そもそも住宅ローンを完済できる資産があるのであれば、お金を借りる必要がないのではないか」という考え方もあるかもしれません。ですが、一般的に住宅ローンはマイカーローンや教育ローンなどほかのローンと比較して最も金利が低く、また住宅ローン控除があるため、ほとんど金利負担なしで多額の融資を受けることができます。手元にお金を残しておくことで何かあったときにすぐに対応できるため、完済できる資産があったとしても住宅ローンを利用するメリットは大きいといえるでしょう。なお、上記以外でも変動金利は最も低い金利水準ということもあり、住宅ローン実行後も金利の変動を追うことができ、状況に応じて借り換えなど検討できる方にもおすすめだといえます。固定期間終了時に住宅ローンを完済できるなら固定期間選択型金利次に、上記と同じ理由で、10年固定金利など当初期間経過後に一括返済できるだけの資産があるのであれば、固定期間選択型金利の利用がおすすめです。特に10年固定の場合、当初13年間について税金の控除を受けられる住宅ローン控除の期間とも近く、「10年後を目処に完済する」という目標を立てやすいといえます。金利を気にせず生活したいという方は全期間固定金利全期間固定金利を選べば、融資を受けた後は金利が変わらないというメリットがあります。このため融資を受けた後、金利動向を気にしたり、借り換えするか迷ったりしたくないという方には全期間固定金利がおすすめです。返済額を比較してみると、変動金利と全期間固定金利とでは数千円の差が出ることも多いですが、上記のメリットと比較してどちらが自分に合っているかを判断するとよいでしょう。変動金利・固定金利の住宅ローンに関するまとめ住宅ローンについて、変動金利と固定金利のそれぞれのメリット・デメリットと、ケース別にどちらがおすすめなのかをお伝えしました。変動金利と固定金利はそれぞれにいい点と悪い点があり、必ずしもどちらがいいということはありません。本記事でご紹介したとおり、考え方や資産状況などによって、自分にあった金利タイプを選ぶようにするとよいでしょう。
2020年08月07日「スタイルのある家と暮らし」をテーマに情報発信する『100%LiFE』。クリエイティブな感性で暮らしと空間を楽しむ人たちのライフスタイルメディアとして2012年の7月にスタート、8周年を迎えました。そこで、今回、特別企画として、これまで取材した家の中で『100%LiFE』に集う読者の方々に人気のあった家を、テーマごと振り返ってみました。読者の皆さんが興味をもった家とは?第4回は、都市の住まい造りの永遠の課題「狭小住宅」、人気の10軒を紹介します。type1子どもが自由に駆け回る暮らしに合わせてDIY進化し続ける都心の狭小住宅東京・文京区の住宅密集地に、間口3m、奥行き10mの木造3階建てを新築。筋交いで建物を支えることで、広々とした空間を生み出した。type2狭小敷地を最大限にどこにいても心地いい“ミルクカートン”の中の開放感ミルクカートン(牛乳パック)のような建物の中は、4層に分けて居住空間を確保。光が取り込まれた開放的な住まいが誕生した。type3360度広がる都会のパノラマ6坪で叶える快適でゆとりのある暮らし住み慣れた都会の街での永住を決めたオーナー。建築面積わずか6坪の超狭小地。建築家の知恵とアイディアで広々とした美しい空間が生まれた。type4狭小敷地にあえて庭を残す小さな土地に大らかに住まう都心の息苦しくない暮らし鋭角な三角形の18坪の土地。敷地いっぱいに建てるのではなく、あえて土を残し隣家との距離を取ることを、一級建築士・腰越耕太さんは考えた。type5光や風に満たされる地下2階、地上2階建坪8坪で豊かに住まう規制が厳しい地に4層構成の家を建てた建築家の近藤正隆さん。2つの大胆な吹き抜けや大きな窓等で、開放的かつ一年中快適な住まいを創り出した。type6素材,工法,設備にこだわりの工夫都心の狭小地で快適に暮らす住宅が建ち並ぶ路地でスチールの出窓と入口が目を引く川久保邸。間口3.3mの敷地に建てられたこの家には、さまざまな工夫が詰め込まれている。type7曖昧な境界が広げる可能性狭小を感じさせない開かれた街のスタンド建坪8.8坪に、自宅兼事務所、ときにカフェスペースを併用。建築家・落合正行さんの自邸は、アイデアと創意が溢れていた。type8ミニマムに暮らす恵比寿の狭小住宅は都心のキャンプ場…!?狭くてもいいから都心に住む。その家は、JR恵比寿駅から徒歩10分、幅2mほどの狭い路地の両脇に2~3階建の住宅が肩を寄せ合うように立ち並ぶ一角にある。type9狭小だが開放感のある家都心近くの住宅街につくられた“異空間”蔵のような雰囲気も漂わせる池村邸。周囲を建物に囲まれた狭小スペースに、広がり感と明るさをもたらす工夫がさまざまに凝らされている。type10見たことないつくりのRC住宅都会の狭小地で街とつながって暮らす建築家が正方形の敷地にほれ込んで建てた家は、梁と床・天井のスラブを大胆にずらしてつくられた、今までにない体験のできるコンクリート住宅だ。
2020年08月03日住宅ローン減税は、マイナス金利の導入により非常に低い金利を維持している住宅ローン金利に対し、さらに税金の還付を受けられるというもので、住宅取得を考えている方にとっては非常にうれしい制度です。制度の適用要件自体はそこまで難しいものではないのですが、ちょっとしたことで適用を受けられなくなる場合がある点に注意が必要です。本記事では住宅ローン減税について、その仕組みや適用条件、手続き方法などをわかりやすく解説していきます。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の仕組みまずは、そもそも住宅ローン減税とはどのようなものなのか、その仕組みや意味について解説していきたいと思います。住宅ローン減税制度とは住宅ローン減税とは、一定の条件を満たしたうえで、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に利用できる制度で、「最大13年間、住宅ローン年末残高の1%、所得税と住民税から控除を受けられる」というものです。住宅ローン年末残高の1%ですから、例えば住宅ローン年末残高が3,000万円あった場合には、3,000万円×1%=30万円分となり、30万円×13年間=360万円相当の税額控除を受けられます(ただし、4,000万円が上限)。冒頭でお伝えしたように、日本ではアベノミクスにより異次元の金融緩和政策が取られており、金利はずっと低い水準を維持したままです。特に、住宅ローンの中でも金利の低い変動金利では、金利が1%を切るものも多く、場合によっては利息を払うどころか、還付のほうが多い状況を生み出すこともできるようになっています。住宅ローン減税は効果の高い税額控除所得税の計算において、住宅ローン控除以外にも医療費控除などいくつかの制度が用意されています。これら控除は所得控除と税額控除に分類されます。税金の計算についてざっくりお伝えすると、収入から経費を差し引いた所得から各種控除を差し引いたものに税率をかけて、納税額を算出します。所得控除の場合、収入から経費を差し引いた所得から控除しますが、税額控除の場合、税率をかけた後の課税所得金額から直接控除できるため、非常に納税額の軽減効果の高いものとなっています。簡単に表すと、100万円の所得がある方に10%の税率で税金が課される場合、10万円の所得控除だと100万円ー10万円×10%=9万円が納税額となりますが、10万円の税額控除であれば100万円×10%ー10万円=0円と計算できるのです。そもそも所得税や住民税を納めている必要がある住宅ローン減税は所得税と住民税に対する減税のため、そもそも所得税や住民税を納めていなければ還付を受けることはできません。なお、住宅ローン減税はここ数年拡充がなされていますが、これは消費税の増税に対する、住宅取得者の負担緩和という側面があります。住宅取得時には、住宅ローン減税以外にすまい給付金を受けることができますが、こちらは所得が高いほど給付額が小さくなっています。つまり、すまい給付金の規定より所得が少ない方は、すまい給付金で消費税の増税分のカバーを受けることができ、一方で所得の高い方はすまい給付金を満額受けられない代わりに住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなっているのです。住民税からの控除限度額は13.65万円なお、住宅ローン減税では減税対象額について、最初に所得税から差し引いた後、なお残額がある場合には住民税から差し引かれますが、住民税からの控除額については13.65万円という限度額が設けられています。例えば、3,000万円の住宅ローン年末残高がある方が、所得税10万円、住民税20万円納めている場合、減税を受けられるのは所得税10万円、住民税13.65万円となり、合計23.65万円しか減税を受けられない計算となる点に注意が必要です。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の対象や適用要件住宅ローン減税の適用を受けるには、適用要件を満たす必要があります。ここでは、住宅ローン減税の対象や適用要件を見ていきましょう。[adsense_middle]住宅ローン減税の主な適用要件住宅ローン減税の基本的な適用要件としては、以下のようなものが挙げられます。マイホームであること床面積が50㎡以上であること住宅ローンの借入期間が10年以上であることいずれもそこまで難しい要件ではないといえるでしょう。しかし、注意しなければならないこともあります。自ら居住する必要がある住宅ローン減税の適用を受けるには、取得した住宅に取得の日から6カ月以内に自ら居住し、引き続き年末まで住み続ける必要があります。このため、別荘やセカンドハウスの場合には住宅ローン減税を利用することはできません。ただし、単身赴任の場合など、やむを得ない場合には申請すれば適用を受けられるという制度が設けられています。この場合、取得の日から6カ月以内に親族が住まなければならないことになっています。面積要件は壁芯面積と内法面積の違いに注意床面積については壁芯面積と内法面積の違いについて理解しておく必要があります。壁芯面積とは、壁の中心線を結んだ部分の面積のことで、内法面積とは壁の内側を結んだ面積のことを指します。このため、壁芯面積は内法面積より広い面積で表されることになります。注意しなければならないのは、登記簿謄本などでは内法面積で面積が記載されるのにも関わらず、マンションのパンフレットなどでは壁芯面積で記載されていることがあるということです。住宅ローン控除の適用要件は内法面積で判断されるため、マンションのパンフレットに記載の壁芯面積では適用要件を満たしていたのに、実際には内法面積では50㎡を満たしていなかったということがないようにしなければなりません。繰上返済で総借入期間が10年を切ると適用要件を満たさなくなる住宅ローンの借入期間については、控除を受けている間、ずっと借入期間が10年以上なければならない点に注意が必要です。住宅ローンは借入の途中で繰上返済することができますが、繰上返済の結果、すでに返済した期間と残りの期間が合計で10年を満たさなくなると、その年以降の住宅ローン控除は受けられなくなってしまいます。新築・中古双方で利用できる住宅ローン減税は新築だけでなく中古住宅も適用対象となります。ただし、中古住宅については「耐震性能を有している」必要があります。耐震性能を満たしているかについては、築年数が規定の年数以下となっているか、一定の証明書を取得している必要があります。住宅ローン減税の築年数に関する要件中古住宅で住宅ローン減税の適用を受ける場合、以下の条件を満たしておく必要があります。耐火建築物以外の建物(主に木造住宅)の場合、築20年以内であること耐火建築物(主にRC造のマンション等)の場合、築25年以内であること上記を満たしていない場合、次の証明書を取得しなければなりません。耐震性能を有していることを証する証明書耐震性能を有していることを証する証明書には以下のようなものがあります。耐震基準適合証明書既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)既存住宅売買瑕疵保険に加入するいずれの場合も、証明書の取得には費用がかかることがあるため、事前にどの証明書を取得するとよいのか、また証明書を取得するための費用はいくらかを確認しておくことが大切です。マイホームを売却したときの特例と重複適用できない住宅ローン減税について注意しなければならないこととして、マイホームを売却したときの特例と重複適用できないということが挙げられます。不動産を売却すると、その利益額に応じて税金を納める必要がありますが、マイホームを売却したときには3,000万円特別控除など、税額を安く抑えるための特例がいくつか用意されています。こうした特例と、住宅ローン減税は重複適用できないことになっています。つまり、マイホームを売却して新しく住宅を購入するようなケースで、マイホームを売却したときの特例の適用を受けていた場合、新しく購入する住宅では住宅ローン減税の適用を受けられないのです。マイホームを売却したときの特例の内、3,000万円特別控除は所得から3,000万円を差し引ける効果の高い特例となっているため、この特例の適用を受けるのと、住宅ローン減税の適用を受けるのとどちらを選べばよいかを慎重に判断する必要があるといえるでしょう。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の手続き住宅ローン減税の適用を受けるにはどのような手続きを取る必要があるのでしょうか?ここでは、住宅ローン減税の適用を受けるための手続きについて解説していきます。取得した年の翌年に確定申告する住宅ローン減税の適用を受けるためには、住宅を取得した年の翌年2月16日~3月15日までの間に、税務署で所得税の確定申告の手続きをする必要があります。特にサラリーマンの方の場合、毎年会社が源泉徴収されていることから、確定申告の手続きをどのようにすればよいか分からないと不安に思う方も多いようです。とはいえ、会社から交付される源泉徴収票と、住宅ローンを組んだ金融機関から送付される住宅借入金等特別控除証明書を持って、税務署で手続きするだけなのでそこまで難しいものでもありません。あらかじめ税務署でIDとパスワードを交付してもらえば、自宅でインターネットを使って確定申告することもできるようになりました。なお、自営業の方の場合、いつもの確定申告の金額から、住宅ローン減税の控除額を差し引くだけなので特に身構える必要もないでしょう。ちなみに、所得税の確定申告をすれば、住民税の控除については自動で計算してくれます。2年目以降は会社で源泉徴収してもらえるサラリーマンの方の場合、住宅ローンを組んだ翌年に確定申告してしまえば、後は毎年会社にお願いして源泉徴収で済ませてしまうことができます。ただし、源泉徴収を実施していない会社や自営業の方の場合、2年目以降も確定申告する必要があります。住宅ローン減税の条件に関するまとめ住宅ローン減税の適用を受けるための条件や適用対象、注意点などをお伝えしました。住宅ローン減税は非常にお得な制度であるだけに、うっかり条件を満たさない住宅を購入してしまったといったことのないよう、本記事の内容を事前によく確認しておくようにしましょう。
2020年07月23日住宅ローンは35年など数十年に及ぶ返済ということもあり、借入額をいくらにするのか迷うものです。金融機関が住宅ローンでいくら融資してくれるかは年収により決まりますが、実際のところ、年収に対してどのくらいの借入をするのがよいのでしょうか。本記事では、住宅ローンの借入可能額の計算方法などに触れながら、年収と適正額のベストバランスについてご紹介していきたいと思います。住宅ローンの借入額はいくらくらいがいい?住宅ローンを組むと数十年にわたり、毎月返済していくことになりますが、年収に対してどのくらいまで借入してよいものなのでしょうか?借入できる金額を目安にしてはいけない年収に対していくらまでなら借りてよいかという疑問に対し、明確な答えはありません。これは、生活費や食費など毎月かかる費用がどのくらいかといったことや、貯蓄額など家庭によって大きく異なるからです。一方、金融機関に審査を申し込むと、「年収○○万円なら□□万円まで借入できる」という借入可能額は明確に計算できることから、この数字を1つの目安とする方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実際のところ、金融機関の借入可能額を目安にすると負担が大きくなることが多いです。借入可能額については、あくまでも自分の年収で借りられる最大額でしかないという意識を持ち、住宅ローン借入額の適正額を決める際の目安にしてはいけないということをまずは覚えておくとよいでしょう。住宅ローンの借入可能額の計算ここで、住宅ローンの借入可能額の計算方法を見ていきたいと思います。住宅ローンの借入可能額の計算では、返済負担率と審査金利の2つが用いられます。返済負担率とは返済負担率とは、住宅ローンとそのほかのローンを含めて、年収に対していくら返済しているのかを表すものです。例えば、年収400万円の方が住宅ローンを借りると、住宅ローンの返済額で8万円/月、自動車ローンなどそのほかのローンで2万円/月返済する場合、返済負担率は以下のように計算されます。{(8万円/月+2万円/月)×12カ月}÷400万円×100(%)=30%返済負担率については、金融機関ごとに上限が定められており、その上限を超える金額は原則として借入できないこととなっています。例えば、住宅金融支援機構のフラット35の場合、年収400万円未満の場合で返済負担率の上限は30%、年収400万円以上の場合で返済負担率の上限は35%と定められています。つまり、上記ケースでは返済負担率35%まで借りられることとなり、借入可能額の基準はクリアすることになります。住宅ローン以外のその他ローンに注意返済負担率についてポイントとなるのは、住宅ローン以外のローンも対象となることです。自動車ローンやウェディングローン、教育ローンなどを返済中の方は返済負担率の計算に入れる必要がありますし、ほかにも携帯電話の分割費用や奨学金なども対象となります。これら借入情報については、自己申告ではありますが、審査時には個人信用情報をチェックされるため、申告漏れがあったらばれてしまいます。なお、そのほかのローンについては、自己資金などで住宅ローン実行時までに完済することができれば、返済負担率の計算から除外できます。審査金利とは返済負担率の計算上、住宅ローンの返済額を求める際には、住宅ローンの適用金利ではなく、金融機関ごとに定められた審査金利が用いられます。審査金利は金融機関ごとに異なりますが、3%程度で設定されることが多いようです。例えば、住宅ローンの適用金利が1%で審査金利が3%という金融機関の場合、35年の借入で毎月2万円ほど返済額が異なるのが一般的です。借入可能額の計算上、審査金利は重要なポイントとなります。フラット35の審査金利は住宅ローンの適用金利住宅金融支援機構のフラット35の場合、審査金利は住宅ローンの適用金利と定められており、このことから民間の金融機関と比べて高い借入可能額としやすくなっています。フラット35の場合、場合によっては年収の10倍程度を借入できる計算となることもありますが、冒頭でお伝えしたとおり、借入できるからといって満額まで借りてしまうと、返済が厳しくなってしまうことが少なくありません。年収と毎月返済額の適正額は?年収に対して、住宅ローンの毎月返済額の適正額はいくらくらいなのでしょうか?[adsense_middle]返済負担率20~25%を目指すまずは、返済負担率を20~25%に収めることを目指してみましょう。実際には、年収や年齢、家族構成などによって適正額は異なるのですが、目安としてこの辺りを意識しておくと余裕を持った資金計画を組みやすくなります。例えば、年収400万円の方の場合、返済負担率20%だと年間80万円の支払いで、おおよその毎月返済額は7万円ほどとなります。7万円/月というと、金利1%、借入期間35年の場合で2,500万円程度の借入となる計算です。月々の収入と支払額を把握しよう上記で借入額の目安について、返済負担率をおおよそ20~25%程度に収めるようお伝えしましたが、実際には年収により税負担や社会保険料などが異なるため、注意が必要です。上記は目安として考えつつ、実際に借入額を決めるときは、毎月の収入と支出を洗い出して計算してみるようにしましょう。手取り収入の把握まずは、手取り収入がどのくらいかを把握することから始めます。手取り収入については、預金通帳を見れば毎月の額を把握できるので、まずは確認してみましょう。毎月の費用の把握次に、食費や水道光熱費、携帯電話などの通信費で、月額いくらの費用がかかっているかを大雑把に書き出し、その合計額を求めます。こうして、手取り収入から毎月の費用を差し引き、そこから住宅ローンの返済額を差し引いたら手元にいくら残るかを求めてみましょう。実際には、想定外の費用が発生することも少なくないため、この段階ではかなり余裕を持った資金計画を立てることをおすすめします。年齢や家族構成によっても適正額は異なる年齢また、年齢や家族構成によっても適正額は異なります。例えば、年齢については、30歳で住宅ローンを組むのと、50歳で住宅ローンを組むのとでは計算が大きく変わってきます。というのも、住宅ローンの多くは完済時年齢を80歳前後とする必要があり、50歳の借入だと最長でも30年しか借りることができません。また、65歳で定年退職することを考えると、退職後に住宅ローンをどのように支払っていくのかも考えないといけません。家族構成家族構成については、子どもが何人いて、教育費にどのくらいの費用がかかるかも計算しておく必要があります。とはいえ、ここまで計算するのは一般の人にはなかなか難しいことでしょう。詳細に計算したければ、FPに相談してライフプランニングをしてもらうことをおすすめします。借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もある一方、借入可能額いっぱいの借入でも問題ないという考え方もあります。住宅ローンは、一般的にすべてのローンの中で最も金利が低く設定されています。金融機関からすると、住宅ローンを貸すだけでは人件費などを考えると貸すだけ赤字になると考える人もいるほどです。アベノミクスによる異次元の金融緩和やマイナス金利の導入により金利は下がり続けており、1%以下の金利で借りられることも少なくありません。住宅ローン控除で借りれば借りるほどお得になる?さらに、政府により、住宅取得を積極的に行ってもらう目的で、住宅ローンを組む際にさまざまな特典を受けられるような制度が設けられています。具体的には、住まい給付金や住宅ローン控除が挙げられますが、ここでは特に住宅ローン控除について取り上げたいと思います。住宅ローン控除とは、借入してから13年間、住宅ローン年末残高の1%について所得税や住民税から控除を受けられるというものです。先述のとおり、住宅ローンの金利は1%を切るものも多い中、住宅ローン控除で1%分の還付を受けられるとなると、場合によっては「借りれば借りるほどお得」という状態になるのです。ただし、住宅ローン控除で受けられるのはあくまでも所得税や住民税に対する控除で、これらはそもそも年収がある程度高く、所得税や住民税を納めていないと還付は受けられません。サラリーマンの方は、職場から交付される源泉徴収票で納税額を計算できるので、確認してみるとよいでしょう。借りたものは返さないといけないとはいえ、当たり前ではありますが、住宅ローンで借りたお金は返さないといけません。借りれば借りるだけお得だからといって、例えば無駄に設備にお金をかけるなど、不要な分も借りてしまうのは問題です。手持ち資金が豊富にある場合に、手持ち資金を手付金として入れるのではなく、手元にお金を残しておくといった使い方ではおすすめできますが、手持ち資金がないのにも関わらず多額の借金をしてしまっては、借入後の生活が厳しくなる可能性が高いです。金利1%程度に対して、税金の還付で1%受けられるからといって、無駄に融資額を大きくするのではなく、あくまでも収入に対していくら返済していく必要があるのかを、なるべく余裕のある水準で計算しておくようにしましょう。その際には先述のとおり、1つの目安として、年収に対する返済負担率を20~25%に収められるかどうかを基準にしておくことをおすすめします。住宅ローン借入額の目安に関するまとめ住宅ローン借入額の目安についてお伝えしました。年収に対していくらまで借りてよいかについては、すべての家庭に当てはまる便利な公式などはありません。1つの目安として、返済負担率20~25%程度に収めることを目標にするとともに、より詳しくは、収入と支出の把握や、年齢や家族構成を元にしたライフプランニングを作成するなどして計算していくことをおすすめします。その際には、FPなど専門家に相談してみるのも1つの方法です。
2020年07月06日世界中を混乱に陥れたコロナ禍。いまや、リーマン・ショックに比肩する景気悪化におそわれるとの予想も。そこで、ボロボロ家計を救うべく、使える制度を使い倒そう!利用できる支払いの「猶予・免除」にはどんなものがあるのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが教えてくれたーー。■税金は滞納扱いになる前に手続きを!大手旅行会社のHISが今夏のボーナス支給を取りやめるなど、多くの企業でボーナスが大幅に削られています。みずほ総研は、今夏のボーナスが昨年より9.2%減ると予想(’20年5月)。リーマン・ショックに次ぐ大きな下げ幅です。「ボーナスが出るだけありがたい」声がある半面、「冬までどうやって暮らせばいいんだ」という嘆きは深刻です。住宅ローンのボーナス併用払いや毎月の赤字補填など、“ボーナス頼み”の家計にとって、1人10万円の「特別定額給付金」は焼け石に水。今年後半の家計は、ボロボロになるかも……とはいえ、借金は避けたい!ならば、支払いの「猶予・免除」を利用しましょう。国の要請を受けて、コロナ禍の特別猶予もあります。【1】電気・ガス料金電気・ガスは自由化で事業会社がたくさんありますが、その多くが支払いの猶予を行っています。さらに、ガスパルというガス会社は、6月からの3カ月間、ガスの基本料金を一律5%割引きます。また、東北電力は、夏場の2カ月間、電気の基本料金を無料にするとか。各社の対応を比較し、この機会に電気やガスの会社を乗り換えてもいいのでは。【2】NHK受信料’21年3月までは延滞料なしで猶予が受けられます。ただ、個別の状況によるので、コロナ禍専用の相談窓口にお問い合わせを。【3】固定電話・携帯電話料金NTTやドコモ、auやソフトバンクは7月末まで支払期限を延長しています。格安SIMの各社も同様の対応が取られていますが、「申し出のあった翌月分から」猶予する会社もあります。早めの手続きをお勧めします。【4】住宅ローン・生命保険住宅ローンや生命保険料は、家計に大きな影響を与えますから、真っ先に対処したいものです。住宅ローンは、借りている金融機関で、返済方法の見直しを行います。ボーナス併用払いをやめる、毎月の返済金額を抑えるなどの方法がありますが、毎月の返済額を抑えると、返済期間が延びて利息もかさみます。家計が落ち着いたら、再度の見直しが必要です。生命保険は’21年4月末まで、支払いを猶予してくれます。保険料のために解約すると、まさかの事態に、補償が受けられないことも。解約は最終手段だと思って、さまざまな手立てを探しましょう。6月24日、世界通貨基金(IMF)が、世界経済は大恐慌以来最悪の景気後退と発表。日本はリーマン・ショックを超える景気悪化になると予測しました。コロナ禍の経済ショックはこれからが本番かもしれません。私たちは、使える手はなんでも使って、家計を死守する覚悟が必要です。「女性自身」2020年7月14日号 掲載
2020年07月03日家の購入を考えている人のほとんどは、自分が住宅ローンに通るのか不安に思っているのではないでしょうか。住宅ローンの審査項目には年収や属性、個人信用情報がありますが、自信のある方でもひょんなことを理由に審査に落ちてしまうこともあります。本記事では、こうした住宅ローンの審査項目について解説するとともに、審査に通りやすい金融機関のご紹介や、万が一審査に落ちてしまったときの対応についてお伝えしていきたいと思います。住宅ローンの融資の審査項目とは住宅ローンの融資を受けるには金融機関の審査をパスする必要がありますが、住宅ローン審査ではどのような点が見られるのでしょうか?住宅ローンの審査は多岐に渡りますし、金融機関によって若干の違いがあることもありますが、一般的には以下のような点を重点的にチェックされます。年収属性個人信用情報なお、住宅ローンの審査には仮審査と本審査がありますが、その両方において上記審査項目は重要視されやすいです。それぞれ見ていきましょう。年収住宅ローンの返済は、借入する人の収入からなされるため、年収がどのくらいあるかによって住宅ローンを融資していいのかが判断されます。なお、ここでいう年収とは税金や社会保険料を差し引かれる前の総支給額のことで、審査時には勤め先の会社から発行される源泉徴収票や役所で取得できる所得証明書などを提出する必要があります。年収がいくらあれば審査で有利になりやすいかは金融機関によって異なります。年収100万円以上あることを条件としていたり、中には暗黙のルールで年収400万円や500万円ないと審査に通らなかったりといった金融機関もあります。基本的には、年収が高ければ高い程審査に通りやすくなります。属性属性とは、勤め先の企業の財務状況などを見られるほか、「一部上場の会社員」なのか「中小企業の会社員」なのか、もしくは「公務員」「医者などの資格職」なのかといったことが見られます。一般的に、公務員や医者など難関資格の資格職の方は属性を高く評価されます。公務員の場合、よほどのことがない限り職を失うことがないため、安定してローンを支払っていけると判断されます。また、医者などの資格職の方は、仮に今の職場を辞めたとしても、次の職場で同じ内容の仕事をして、また同程度の収入を得られる可能性が高いため、高く評価されるのです。会社員の場合はどんなところに勤めているかが見られるほか、自営業の方の場合は不安定な仕事として低い評価となってしまいやすいです。なお、自営業や中小企業の社長や取締役といった方の場合、地方銀行や信用金庫など、中小企業や自営業者を中心に融資を行う金融機関のほうが審査に通りやすくなります。個人信用情報個人信用情報とは、過去に延滞や滞納をしていないかを確認できる情報のことで、「全銀協」や「CIC」、「JICC」といった個人信用情報機関のデータを見られることになります。基本的に、過去に延滞や滞納歴がある場合には、それがたとえ1回きりかつ理由があるような場合でも、住宅ローンの審査には非常に悪い影響が及びます。問答無用で否決となってしまうことも珍しくありません。過去に延滞や滞納をした経験がある方は、審査時にそのことを隠したとしても、個人信用情報を見られてしまえばすぐに分かってしまいます。思い当たりのある方は、自分で上記の機関に開示依頼書を提出することで、個人信用情報を見ることもできます。金融機関によっては、年収や属性がいい場合には、1度くらいの延滞であれば融資をしてくれる可能性もあります。まずは相談してみるとよいでしょう。その他の審査項目上記以外にも、さまざまなことが審査されます。例えば、対象の物件の築年数や土地の評価額なども審査対象となります。仮に、借入人が住宅ローンを滞納した場合には、金融機関は対象の住宅を差し押さえ、競売にかけて残債を回収するため、土地や建物の評価額が低いと融資できないと判断されることもあるのです。年収や属性、個人信用情報と比べると重要度が低いことも少なくありませんが、審査時にはこうしたことが総合的に判断されて審査結果が出ます。[adsense_middle]審査金利と返済負担率を押さえておこう住宅ローン審査時には借入人の年収が見られますが、年収によっては「条件付き承認」といったこともあります。例えば、「3,000万円で審査申込した結果が、2,500万円の条件付き承認だった」ということもあるのです。こうした、住宅ローンの借入額については、金融機関が個別に設定する審査金利と返済負担率を知っておくと便利です。返済負担率とは返済負担率とは、「住宅ローンやその他ローンを含めた返済額が、年収の内何割を占めるか」を示すものです。例えば、年収400万円の方が、住宅ローンで毎月8万円、自動車ローンで毎月2万円支払っている場合の返済負担率は以下のように計算されます。{(8万円/月+2万円/月)×12カ月}÷400万円×100(%)=30%住宅ローン審査時には、金融機関ごとに設定された返済負担率の上限を超えていないかが見られます。基本的には、返済負担率を超える額の借入はできません。住宅ローンの支払いだけでなく、自動車ローンなどそのほかのローンも含むことに注意が必要です。特に大学入学時に借りた奨学金などが住宅ローン審査に響くようなケースは少なくありません。なお、住宅ローン以外のローンについては、住宅ローン借入時に完済できるのであれば、その分を差し引いて返済負担率を計算することも可能です。例:先ほどの例で、毎月2万円の自動車ローンを借入時に完済する場合(8万円/月×12カ月)÷400万円×100(%)=24%先述の通り、返済負担率の上限は金融機関ごとに異なりますが、例えば、住宅金融支援機構のフラット35の場合、以下のように設定されています。つまり、先程計算した2例についてフラット35で借入する場合、年収が400万円あるため、返済負担率の上限は35%となり、いずれも返済負担率の条件を満たすことになります。審査金利とは返済負担率の計算では住宅ローンの毎月返済額を用いますが、この毎月返済額の計算は、実際の借入金利ではなく審査金利と呼ばれる金利が利用されます。審査金利は金融機関によって異なりますが、3%程度に設定されていることが多いです。例えば、3,000万円を借入期間35年で借りるにあたり、借入金利1%で計算するとその返済額はおおよそ8.5万円/月となりますが、仮に審査金利が3%の金融機関であれば、審査上の毎月返済額は毎月おおよそ11.5万円/月となってしまいます。この通り、審査金利を高く設定されている金融機関だと、年収に対して十分な融資可能額の提示を受けにくくなってしまう点に注意が必要です。なお、住宅金融支援機構のフラット35の場合、審査金利は借入金利と同じ金利とされており、これゆえ年収に対して高額の借入をしやすくなっています。住宅ローンに通りやすいおすすめ金融機関ランキング住宅ローンの審査に通るか不安であれば、最初から審査に通りやすい金融機関を選ぶとよいでしょう。ここでは、住宅ローンに通りやすい金融機関と住宅ローンを3つご紹介していきます。第1位:(審査が甘い)ARUHI住宅ローン「フラット35」ARUHIは住宅ローン専門の金融機関で、特にフラット35の取扱いが多いです。フラット35はネット銀行から都市銀行、地方銀行までさまざまな金融機関で利用できますが、ARUHIの場合は自己資金が一定額以上ある場合に低い金利で借りられる制度があるなど、ほかの金融機関より充実した内容となっています。また、一般的な金融機関では、融資担当者は住宅ローン以外にも法人融資やそのほかの業務で忙しい中、住宅ローンの融資に取り組むこともあり、場合によっては担当者に知識や経験が不足していることもあります。一方、ARUHIの場合は住宅ローン専門の金融機関のため、スタッフは住宅ローンに関する知識が豊富で、条件が厳しい場合でも審査に通るためのアドバイスをもらえたり、積極的に取り組んでもらえたりといったメリットがあります。第2位:(審査が緩い傾向)楽天銀行住宅ローン「フラット35」楽天銀行は店舗を持たないネットバンクで、こちらもフラット35の取扱い実績が豊富です。フラット35は住宅金融支援機構の提供するローンであり、金融機関は事務手続きのみを行うという性質上、事務手数料が高く設定されていますが、楽天銀行はネットバンクということもあり、事務手数料は低く設定されています。本記事で解説したとおり、フラット35は審査金利の問題などからほかの金融機関と比べ、年収に対して高い融資額の承認を得やすいという特徴があります。第3位:(借りやすい)ジャパンネット銀行「住宅ローン」ジャパンネット銀行は楽天銀行と同じくネットバンクですが、こちらはフラット35ではなく変動金利や10年固定金利などが人気です。ネットバンクということもあって審査時の申込をスムーズにすることができ、かつ2019年7月末にできたばかりの住宅ローンサービスということもあり、積極的に融資を実施しています。審査に通りやすいこと以外にも、業界最低水準の金利設定や団信の補償内容が豊富であることなど、魅力的な商品となっています。[adsense_middle]住宅ローン審査に落ちたときの対応いざ住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、もう住宅を購入することは諦めないといけないのでしょうか?ここでは、住宅ローン審査に落ちたときの対応についてお伝えしていきたいと思います。別の金融機関で承認を得られることもある実は、ある金融機関で落ちたとしても別の金融機関で承認を得られるということは珍しいことではありません。これは、金融機関ごとに審査基準が異なるからです。一般的には審査基準が緩いといわれている金融機関の住宅ローン審査は否決となったのにも関わらず、その逆に、一般的に審査基準が厳しいといわれている金融機関の住宅ローン審査で承認を得られるといったこともあります。1つの金融機関で否決となったからといって諦めることなく、なぜ審査で承認を得られなくなったかを分析し、審査の承認を得られる金融機関を探すようにするとよいでしょう。年収を上げてから再挑戦する複数の金融機関で審査を申し込んでみたものの、全て審査が否決となってしまうようなケースもあります。こうしたケースでは、なぜ否決となったかの原因を分析して再挑戦するとよいでしょう。例えば、年収が原因で否決となったのであれば、年収を上げることを考えてみましょう。「転職して年収を上げる」ことはそう簡単なことではありませんが、有効な解決策ではあります。そのほか、例えば営業職など業績によって給与が異なる職種の方は、高い年収を得られた年に審査申込することで承認を得られる可能性が高まるでしょう(ただし、年毎の年収の変動が大きい場合には複数年の平均を取るなどの処置が取られることもあります)。また、ご両親と親子リレーローンを組んだり、配偶者の方に連帯債務者になってもらったりして収入を合算する方法もあります。仮に夫が年収400万円、妻が年収200万円だった場合、合算すると600万円になります。個人信用情報をきれいにしてから再挑戦する個人信用情報が原因で否決となった場合には、基本的にほかの金融機関に審査申込しても審査で承認を得ることは難しいでしょう。こうした場合には、個人信用情報上の延滞や滞納のデータが消えるのを待ってから再度挑戦するという方法があります。例えば、自己破産した場合でも5年~10年経過すれば個人信用情報上のデータは削除されます。データがなくなってから住宅ローンの審査を提出したら、特に問題なく審査の承認を得られたという方は少なくありません。また、個人信用情報にキズがある方の場合、配偶者やそのご両親を頼るといった方法もあります。例えば、夫の個人信用情報に滞納歴があるようなケースで、妻の年収が200万円、妻のお父様の年収が400万円あるようなケースでは、親子リレーローンを組んで年収600万円として審査に出すことができます。とはいえ、この場合、妻のご両親に夫の個人信用情報にキズがあることが伝わるといったことや、家の所有権を夫が持てないといったことに注意したうえで慎重に進める必要があるでしょう。通りやすい住宅ローンに関するまとめ住宅ローン審査について審査項目など基本的な内容をお伝えするとともに、通りやすい金融機関ベスト3をご紹介しました。住宅ローンの審査においては、フラット35が審査金利などの問題から借りやすいです。また、通りやすいといわれる金融機関の審査で否決となってしまった場合でも、別の金融機関で通ることもあるため、諦めずに再挑戦してみるとよいでしょう。住宅ローンの審査に通るか不安という方は本記事の内容を参考にされてみてください。
2020年06月29日株式会社WTWが運営するライフスタイルショップ『WTW(ダブルティー)』と家をもっとカジュアルに楽しむためのエンターテインメントメディア『Dolive(ドライブ)』とコラボレーションして開発した新築規格住宅『WTW HOUSE PROJECT』を 2019 年7 月にコンセプトプランとしてリリース。リリースしてから約 1 年、同プロジェクトはこれまで多くの反響をいただき、【Dolive HOUSE】が展開する住宅商品の中で主力商品となりました。 そして今季、マンションや都市部の狭小住宅地といったさまざまな環境に合わせ、同コンセプトを取り入れたスタイルバリエーションを公開いたします。『WTW HOUSE PROJECT』とは?家をもっとカジュアルに楽しむためのエンターテインメントメディア「Dolive」と西海岸テイストのインテリアで人気のライフスタイルブランド「WTW」とコラボレーションして開発した新築規格住宅『WTW HOUSE PROJECT』。商品コンセプトは、WTW のブランド名の由来でもある「Waiting for the wave(波待ち)」のひとときような、開放的でリラックスした日々を過ごせる空間を提案。また、住宅の提案だけではなく、オリジナルアイテムの開発・販売やデザイン にあうインテリアまで、さまざまな角度から、多彩なライフスタイルを発信しています。【「WTW HOUSE PROJECT」スタイルバリエーション 】「WTW HOUSE PROJECT」 ■ コンセプトプラン海沿いの家でサーフライフに浸る。「WTW HOUSE PROJECT」を象徴するコンセプトプラン。■ Case_01 :コンパクト事例都市部の住宅地でも、子どもといっしょに海を感じながら暮らす。■ Case_02 :リノベーション事例マンションでも、リノベーションでWTWスタイルを楽しむ。▽コンパクト事例では、「WTW HOUSE PROJECT」 のデザインをそのままに、コンパクトながら心地よい開放感をキープ 。個性的な外観やウッドデッキ、サーフテイストの空間など、敷地制限がある中でも、コンセプトプランの要素をあきらめることなく実現できています。▽リノベーション事例ではコンパクト事例同様、商品コンセプトはそのままに、アーバンライフをバランスよく楽しむ自分だけの時間や空間をしっかりと確保できる住まいが完成しました。■『Dolive media』掲載記事はこちら▼どんな場所にもフィットするWTW HOUSEを徹底解説!▼WTW HOUSEのデザインでそのままリノベーションできるんです!【WTW】について海でゆったりとサーフィンの波待ちをしている時の様に、開放的なリラックス感で毎日をすごしたい。 アーバンカルチャーを自分流に自由にミックスして楽しみたい。都会と自然、両極を楽しむライフスタイルを持つ人々に向けた、URBAN. SURF. NATURAL.がコンセプトのライフスタイルショップです。【Dolive(ドライブ)】について「RE 住むリノベーション」が家をもっとカジュアルに楽しむためのエンターテインメントメディアとして 2019 年 5 月に「Dolive」として生まれ変わりました。私たちが共感したり、欲しいと思えるような今までになかった住宅関連メディアを目指し、ウェブサイトを中心に、日々の暮らしをもっと楽しくする情報や、クリエイターや人気ブランドとコラボしたデザイン住宅などをお届けしていきます。【BETSUDAI Inc.TOKYO 】について私たちは、全国展開している住宅ブランド「LIFE LABEL」「Dolive」のフランチャイズ運営を行なっています。住宅業界にまだない新しい視点とアイディアで、住サービスの価値創造を行うチームとして、常に業界のフラグシップでありたいと考えます。 家づくりが決まり切った息苦しいものではなく、「好みのスタイル」「生活にあった間取り」「そこでの過ごし方」をお客様自身が想像し、楽しみながらセレクトしていく家づくりをしてほしい。「暮らしはもっと楽しめる」私たちは、住宅の提案のみではなく、そこで今後始まるそれぞれのストーリーづくりを応援します。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年06月19日アクア/PIXTA(ピクスタ)国や地方自治体は、新築住宅を建てたり買ったりする場合、また中古住宅をリフォームする場合などを対象とした様々な支援制度を設けています。皆さん、「住宅ローン減税」のことは耳にしたことがあると思いますが、ほかにも様々な種類のサポートがあるのをご存知でしょうか。ここでは国が行う補助、助成、優遇制度と地方自治体の制度を紹介していきます。制度を利用すれば、家づくり予算も自ずと変わってくるはず。お得な家づくりの参考にしてください。■ 国の税制優遇・補助・助成制度はじめは国の補助・助成制度を紹介します(地方自治体の補助・助成制度は次のCHAPTER)。ただ利用の際に気をつけてほしいのは、補助金の財源が地方と国で同じたっだ場合は、どちらか一方しか使えないということです。しかし併用できるものもあるので、自分の場合はどの制度を利用できるのか、各自治体に確認してみるといいでしょう。10年にわたり、所得税・住民税から控除される「住宅ローン減税」返済期間10年以上の住宅ローンの利用者に対する控除制度。年末の住宅ローン残高に控除率を乗じた金額が所得税から控除されます。控除を受けられる期間ですが、以前は最長10年間でしたが、2019年10月の消費税の増税に伴い変更になり、2021年12月31日までに入居した場合は、さらに3年間延長になりました。消費税増税の負担を軽減するための「すまい給付金」住宅取得者の負担緩和のために、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない所得層に対して実施される制度。収入(都道府県民税の所得割額)に基づく給付基礎額に、不動産登記上の持分割合を乗じた額が給付されます。対象者は住宅を取得し、登記上の持分を保有していて、その住宅に自分で居住している人で、収入が一定以下の人。収入と給付基礎額の目安。450万円以下で最大50万円450万円超525万円以下で最大40万円525万円超600万円以下で最大30万円600万円超675万円以下で最大20万円675万円超775万円以下で最大10万円申請は不動産登記上の住宅取得者(持分保有者)が行います。また共有名義など1つの住宅に居住する持分保有者が複数の場合は各人が申請します。地元の工務店で建てるなら「地域型住宅グリーン化事業」長期優良住宅や低炭素住宅など省エネ性や耐久性に優れた木造住宅の新築時に補助金が交付される制度。住宅と建築物(非住宅)への補助に分かれていて、住宅の場合は、工事を担当する事業者に対して補助される仕組みになっています。補助される金額(一戸当たり)長寿命型の認定長期優良住宅で最大110万円高度省エネ型のゼロ・エネルギー住宅等で最大140万円また、地域木材を過半利用する場合や三世代同居への対応を併せて行う場合は、補助金が加算されることもあるので、地元の中小工務店で長期優良住宅や省エネに優れた住宅を建てたいと考えている人は要チェックです。ZEHを建てるなら「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業」Ichi/PIXTA(ピクスタ)国は2030年までに住宅のネット・ゼロ・エネルギー化を目指しています。その施策のひとつとして、年間の一次エネルギーの収支がおおむねゼロになる住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の建築主・所有者を対象に実施される支援制度。新築住宅の建築・購入、既存住宅の改築等を行う個人を対象としていて、「ZEH(ゼッチ)支援事業」「ZEH+(ゼッチ・プラス)実証事業」「ZEH+R(ゼッチ・プラス・アール)強化事業」の3種類の補助金制度があります。種類ごとの補助金(一戸当たり)交付額ZEH支援事業で60万円ZEH+実証事業で105万円ZEH+R強化事業で115万円ただし補助金の額は、国のZEH補助金に充てる予算額により変更になる可能性があります。「住宅資金等の贈与を受けた場合の非課税の特例」では、最高1500万円の資金贈与が非課税に父母や祖父母からの住宅(床面積:50㎡以上かつ240㎡以下)の取得に関する資金を贈与されても、一定額まで非課税になる制度。非課税上限額は時期や住宅の種類で異なりますが、例えば2020年4月1日~2021年3月31日の場合、省エネ等住宅は1000万円まで、それ以外の住宅は500万円までの贈与が非課税に。ただし、贈与を受けた年の翌年3月15日までの入居要件があるのでスケジュールを組む際には注意が必要です。■ 地方自治体独自の支援制度も上手に利用しよう親と同居して助成を受ける「三世代同居・近居支援事業」ciptacikap/PIXTA(ピクスタ)子育て世帯(義務教育修了前の子がいる世帯)が、親世帯との同居または近居のために住宅を取得した場合、その費用の一部が助成される自治体の制度。例えば「墨田区三世代同居・近居住宅取得支援制度」では、新築住宅の場合で50万円、中古住宅の場合で30万円の助成金が交付されます。千葉県千葉市の「千葉市三世代同居等支援事業」では、1年目に最大50万円(市内の業者による施工の場合は最大100万円)、2~3年目には最大15万円が交付されます。お住まいの地域によって、条件も金額も違ってくるので確認を。子育て世帯を応援する「子育て世帯(長期優良住宅取得)を支援する助成金制度」長期優良住宅を取得し居住する子育て世帯に対し、助成金が交付される制度。例えば東京都福生市では、2015年1月2日から2021年1月1日の間に建築された長期優良住宅を取得して居住している子育て世帯に対して、家屋にかかる固定資産税・都市計画税相当額(1年度につき上限10万円)が、助成金として交付されます(課税初年度から最長5年間で毎年度、申請が必要)。ただし土地にかかる固定資産税・都市計画税は助成の対象外です。住環境重視の自治体では「緑化を推進するための助成金制度」も緑が少ない地域や住宅密集地で、緑化を推奨するために実施される助成金制度。「生垣や花壇をつくりたいものの、予算が足りない」という人は要チェックです。例えば東京都世田谷区の場合は、区制100周年の2032年に「みどり率33%」を実現させるため、生垣や植栽帯をつくる場合やシンボルツリーを植栽する場合、建物の屋上や壁面を緑化する場合などに、その費用の一部を助成する制度を設けています。生垣・植栽帯・シンボルツリー合わせて最大25万円、屋上・壁面緑化の場合は合わせて最大50万円を限度に支給されます。リフォームに適用される「特定リフォーム(耐震、バリアフリー、環境対策等)にかかる支援制度」築年数の経過した建物で暮らす場合に、その改修費用を支援する制度。近年では耐震補強やアスベスト問題への対策、老後に向けた手すり設置等のバリアフリー対策、太陽光発電や家庭用燃料電池の導入などの省エネ・環境対策などが喫緊の課題となっています。全国の地方自治体ではこうした問題を解決するため、住宅ローン金利の補填から専門家の派遣に至るまで、様々な支援制度を設けています。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)」では、全国の地方自治体が実施する各種の住宅リフォーム支援制度を検索できます(「令和2年度版」は2020年7月に公開予定)。このように住宅を新築するときも、リフォームする場合も、国や地方自治体では様々な支援制度を設けているのがわかります。しかしそのことについて自治体が広い宣伝活動を行うようなことは滅多にありません。だからこそ皆さんも自分が住む自治体の情報を積極的に収集し、申請を検討してみてはいかがでしょうか。※情報は「住まいの設計」2020年6月号掲載時のものです。
2020年06月11日住宅ローンは35年など長期で組むこともあり、途中で借り換えを検討することもあるでしょう。しかし、どんなタイミングで借り換えをすれば失敗せずに済むのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、住宅ローンの借り換えタイミングについて、借り換えのメリット・デメリットや注意点などを交えながら解説していきます。住宅ローンの借り換えとは住宅ローンの借り換えとは、現在契約している住宅ローンから新しい住宅ローンに変更することです。固定金利で借りていて金利水準が下がったり、現在契約している金融機関とは別の金融機関で条件のよい住宅ローンがあったりする場合に、借り換えすることで恩恵を得られるようになります。借り換えの仕組み借り換えでは、元の住宅ローンを解約することになります。住宅ローン解約時には解約手数料などのペナルティが発生することもありますし、元の住宅ローンの抵当権抹消や新しい住宅ローンの抵当権設定、金融機関に支払う事務手数料や保証料などを支払う必要があります。こうした費用分を加味したうえで借り換えにメリットがあるかを判断しなければなりません。なお、借り換えの一般的な流れは以下のようなものです。借り換え先の金融機関で住宅ローンの審査を受ける審査承認が得られたら決済の手続きをする新しい住宅ローンで元の住宅ローンを完済する(手数料などは手持ち資金から支払うケースもある)新しい住宅ローンの返済が始まる住宅ローン借り換えのメリット・デメリットここでは、住宅ローン借り換えのメリットとデメリットをお伝えします。住宅ローン借り換えのメリット住宅ローン借り換えのメリット1:毎月の返済額や総返済額を減らすことができるまず、低金利の住宅ローンに借り換えることで、毎月の返済額や住宅ローンの総返済額を減らすことができます。借入時から現在までに金利水準が大きく下がっている場合や、利用している金融機関とは別の金融機関で金利の低い住宅ローンを見つけたときには借り換えを検討してみるとよいでしょう。住宅ローン借り換えのメリット2:金利タイプを変更できるまた、住宅ローンの借り換え時には変動金利や固定金利など好きな金利タイプを選ぶことができます。これまで変動金利だったけれど、安定した固定金利を選びたいといったケースや、固定金利からより金利水準の低い変動金利に変更したいといったことも可能です。住宅ローン借り換えのメリット3:現在のライフプランにあった住宅ローンを選べる住宅ローンの借り換え時には、金利タイプだけでなく、団体信用生命保険の内容や借入期間などすべて新しく決めることができます。元の住宅ローンの借入時と借り換え時で家族の人数や年齢など大きく変わっている場合には、現在のライフプランに合うよう変更できるのです。例えば、年齢を重ねて病気に対する意識が高まったというケースでは、元の住宅ローンでは死亡のみを対象とする団信に加入していたものを、借り換え時には3大疾病も補償対象とする団信に変えるといったことが可能になります。住宅ローン借り換えのデメリット住宅ローン借り換えのデメリット1:借り換えにかかる費用を負担する必要がある一方、借り換えにはデメリットもあります。まずは、先述のとおり、住宅ローンの借り換え時には元の住宅ローンの完済手数料や抵当権抹消費用、新しい住宅ローンの抵当権設定費用や事務手数料などの費用がかかってしまうことです。借り換えすることで総返済額が減るかどうかの判断には、この借り換えにかかる費用も加味したうえで決めることが大切です。例えば、借り換えをすることで総返済額が2,200万円から2,100万円に下がるとしても、借り換えにかかる費用が200万円かかるというのでは総合的にマイナスとなってしまいます。なお、借り換え時にかかる費用には以下のようなものがあります。住宅ローン借り換えのデメリット2:返済額が増加する可能性もある固定金利から変動金利に変更したようなケースでは、借り換えした後で金利水準が上がり、返済額が増加してしまう可能性もある点に注意が必要です。変動金利は固定金利と比べて一般的に金利が低いですが、金利が変動するリスクがあります。借り換え時の金利だけでなく、将来どのように変動していくかという点も含めて判断する必要があります。住宅ローン借り換えのデメリット3:住宅ローンの審査を受ける必要がある借り換え時には、そのときの年収や年齢などをもとに住宅ローンの審査を受ける必要があります。一般的に、年齢を重ねている分年収は高くなっている可能性が高いですが、健康面、住宅の担保価値の面で審査が厳しくなりやすいです。住宅ローンの審査に通らなければそもそも借り換えすることもできないため、この点については事前にしっかり確認しておくようにしましょう。住宅ローンのベストな見直し時期は?住宅ローンのベストな見直し時期は、実際には個別に異なりますが、ここでは一般的な視点で見直しに適したタイミングをご紹介していきたいと思います。[adsense_middle]借入から10年後1つ目は借入から10年後のタイミングです。これは、大きく住宅ローン控除と金利の2つが理由として挙げられます。住宅ローン控除まず、住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高の1%について所得税と住民税から還付を受けられるというものですが、消費税10%に上がったタイミングで13年に延長される前は、控除期間が10年となっていました。住宅ローン控除は非常に効果が高い分、期間が過ぎると住宅ローンに対する負担が大きく変わってしまいます。金利また、金利については、固定期間選択型金利で10年を選ぶことが多い点や、フラット35において条件を満たすと、当初10年間について金利優遇を受けられる点が挙げられます。これらのタイミングで住宅ローンを借り換えることで、そのときの状況にあった住宅ローンに変えることができるでしょう。固定から変動への移行のタイミング固定期間選択型金利では、借入時に10年間など固定する期間を選択して、最初の固定期間が終了した後は、改めて固定する期間を選択するか、変動金利に移行することになります。この移行時は住宅ローン見直しのタイミングの1つです。というのも、固定期間選択型金利は、当初借入時はキャンペーン金利の適用を受けられるものの、金利の再選択時に変動金利に移行するときはキャンペーン金利の適用を受けられないのです。固定期間選択型金利のキャンペーン金利例えば、店頭金利が3%の金融機関で固定期間選択型金利を選ぶとき、キャンペーン金利として最初の金利の2%の優遇を受けられるといった内容になっていることが多いです。一方、10年経って店頭金利が3%のままであったとしても、金利の再選択時や変動金利への移行時には、この2%の金利優遇は受けられないのが一般的です。通常、新規借入時のキャンペーン金利より少し下がって、例えば1%の金利優遇を受けられるといった具合です。この場合、店頭金利が変わっていなくとも、適用金利は元の1%から2%に大幅アップしてしまいます。借り換えは新しい金融機関で住宅ローンを借りるため、再度キャンペーン金利の適用を受けられます。こうした理由で固定期間選択型金利を選ばれた方は、最初の固定期間終了のタイミングが住宅ローン見直しの1つのタイミングとなるでしょう。一般的に借り換えがお得になる条件一般的に住宅ローン借り換えがお得になる可能性がある条件としては、以下のようなものがあります。金利差が0.3%以上ある残高が1,000万円以上ある残り返済期間が10年以上あるまずは、借り換えを検討している住宅ローンが上記の条件を満たすかを確認しておくことをおすすめします。住宅ローン借り換えの注意点最後に、住宅ローン借り換えの注意点として以下の3つをご紹介します。保証料や事務手数料が高額になりやすい年齢を重ねると団信の審査に落ちやすくなる同じ金融機関内での借り換えが可能なこともある[adsense_middle]保証料や事務手数料が高額になりやすい住宅ローン借り換えには各種費用がかかることをお伝えしましたが、中でも大きな費用となりやすいのが、新しい住宅ローンを組むときに支払う保証料です。保証料は、住宅ローンを延滞したときにお世話になる保証会社に対して支払うもので、借りる人の属性や年収によって負担額が変わります。例えば、目安としてみずほ銀行の住宅ローンの保証料を見てみると、以下のようになっています。206,110円~721,470円(借入期間35年、借入額1,000万円あたり)3,000万円の借入で、審査によっては200万円以上の保証料が必要になってしまいます。なお、フラット35やネット銀行の多くは保証料が不要となっていますが、代わりに事務手数料が借入額×2%のようになっているのが一般的です。こちらも高額となりやすいので、事前にしっかり確認しておきましょう。年齢を重ねると団信の審査に落ちやすくなる住宅ローンを借りるには、団信に加入することが条件となっているのが一般的です。団信は住宅ローン返済中に借入人が死亡した場合、残債を0円にできる保険のことです。これは金融機関にとっても、借入人が死亡して返済できなくなり、不良債権となってしまうことを防ぐ目的があります。団信の審査では、過去の入院歴や投薬歴を記入する必要がありますが、これらは必然的に年齢を重ねるごとに経験する可能性が高くなります。健康に問題を抱えていたり、過去に大病を患っていたりすると、住宅ローンの借り換えもできなくなる可能性があることに注意が必要です。同じ金融機関内での借り換えが可能なこともある住宅ローンの借り換えは同じ金融機関内でも可能なことがあります。例えば、住宅金融支援機構のフラット35は、フラット35からフラット35への借り換えが可能となっています。同じ金融機関内での借り換えであっても、金利水準が大きく下がっていればお得になります。こうしたことは金融機関から積極的に提案を受けられるものではないため、自分でキャッチアップしながら、必要に応じて担当者の方に相談してみるとよいでしょう。住宅ローン借り換えのタイミングに関するまとめ住宅ローン借り換えのタイミングについてお伝えしました。住宅ローンの借り換えのベストなタイミングは実際には個別に変わりますが、借入から10年後、固定金利から変動金利への移行のタイミングなどある程度の傾向はあります。本記事の内容を参考にしつつ、住宅ローンの借り換えを検討される方はFPなどの専門家に相談してみることをおすすめします。
2020年06月10日今回アドバイスしてくれるのは、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さん家を建てるとき、買うとき、なんといっても悩ましいのは予算のこと。「いくらの家を建てられるか」「住宅ローンはどのくらい借りられるか」「ローンの返済額はどう設定したらいいのか」など、様々な疑問が噴出します。そこで今回は「家づくりにかかるお金のこと」をファイナンシャルプランナーで、節約アドバイザーでもある丸山晴美さんにアドバイスしてもらいました。現在家づくりを検討している30代夫婦と子ども一人の3人家族が今回の主人公。夫・住男(38歳)、妻・まい(30歳)は、長男・の小学校入学を前に念願の家づくりを決意しました。最近では顔を合わせれば、話題は家づくりのことばかり。そんなお悩みに応える、丸山さんのアドバイスが彼らに届けばいいのですが。■ POINT1予算組みは無理なく返せる金額を見極めることcora/PIXTA(ピクスタ)住宅を取得するときに、理想の間取りや仕様を先に決めてから、その費用を予算とするのは危険です。家にかかる費用から資金計画をスタートするというのは一見当たり前のように思えるかもしれませんが、ポイントは自分で準備できる金額と余裕をもって返せる住宅ローンを計算し、そこから逆算して予算を考えること。この先のライフプランも考慮しつつ、長いスパンで計画を立ててください。住宅ローンは、1年の返済額を年収の25%以内にすることがひとつの目安になります。■ POINT2生活費の見直しで、家計をスリムに資金計画を立てる際には、日常生活で今かかっているお金をまず見直すことをおすすめします。そのためにはまず家計を固定費と変動費に分けて考えてみましょう。固定費とは毎月一定額支出する項目で、代表的なものは住居費や公共料金、通信費、保険料、教育費、クルマの維持経費など。対する変動費は食費、医療費、交際費など。この2つのうち、まず見直すのは固定費で、削減しても困らないものからリストアップしてみましょう。例えば…保険料の見直し携帯電話のプラン変更車の維持費特に車は税金のほか、燃料代、保険代、車検代、修理代など、維持するためのコストがかかります。最近ではカーシェアやサブスクリプションの登場で、車を所有する概念が変わってきていますから、思い切って考え方を変えてみるの方法もありますね。■ POINT3建てた後にかかるお金、貯蓄しておくお金注意しておきたいのが、新居にかかるコストは住宅ローンだけではないということです。特に賃貸住宅ではかからなかった様々な必要経費がかかってくるということです。以下は住宅を維持するためにかかる主な経費。固定資産税年間数万~数十万円程度火災保険料年間十数万円程度光熱費のアップ広さや部屋数による維持管理費屋根や外壁の葺き替え、塗り替え費用や補修費用など設備機器の交換費用給湯器、コンロ、温水洗浄便座などの耐用年数はおよそ10年周期また長期的にはリフォームの必要にも迫られます。改修の規模にもよりますが、500万~1000万円程度の費用は覚悟しましょう。先々の出費に備えるため、年間20万円以上は住宅の維持費用として積み立てておきたいところです。■ POINT4住宅ローンの返済方法は大きく2つ住宅ローンの返済期間は最長35年。しかし、定年退職年齢を60歳とした場合、25歳から住宅ローンを利用しない限り、リタイアしたあとも返済し続けることになります。リタイア後の長い人生のためには貯蓄も必要ですし、できれば退職金は老後の資金として取っておきたいと思うもの。住宅ローンの返済方法は大きく以下の2つ。返済期間を短く設定し、早く返済を終える返済期間を長く設定し、月々の返済額を抑える借入金額4,000万円を全期間1.5%で元利均等返済で借り入れした場合返済期間20年25年30年35年毎月返済額193,018159,974138,048122,473総返済額46,324,21747,992,21049,697,09351,438,816総利息6,324,2177,992,2109,697,09311,438,816期間を短く設定すると月々の返済額が増え、それに伴い借りられる額が制限されるなどデメリットもあるものの、完済までの期間が短くなるだけでなく、利息が減るので総支払額が抑えられます。一方、長く設定した場合、月々の支払いの負担は少ないのですが、その分利息の金額は多くなってしまいます。であれば月々の返済額を減らした分を貯蓄に回して繰り上げ返済を重ねる方法がいいと思います。また繰り上げ返済を考えるなら、いつの時点で繰り上げを行うのかを計画しておくことも重要です。今はネット上の様々なサイトで、ローンの返済シミュレーションができるので活用してみてください。■ POINT5家を建てる総予算は「付帯工事費」と「諸費用」を加えたもの家づくりの予算について調べていくと、よく目にするのが「坪単価」という言葉。家の規模に応じて坪単価を計算すれば、建築費用の目安になると考えがちですが、実際は坪単価以上に費用がかかることがほとんどです。「坪単価」とは建物の「本体価格」を延床面積の坪数(一般的には一坪3.3㎡)で割ったもの。「本体価格」+「付帯工事費」+「諸費用」=住宅工事費の総額となります。本体価格基礎から屋根までの家自体の建築工事費のこと付帯工事費敷地の造成費、設備やインテリア、エクステリアなどにかかる費用諸費用住宅ローンの手続きや登記にかかる費用、手数料や印紙代なども含む予算を立てるときには、これらの費用を想定することもお忘れなく。■ POINT6予算決めと同時に、住みたい家のイメージを広げておきましょう予算が決まれば、工務店やハウスメーカー、あるいは設計事務所に予算と間取りなどの希望を伝えることができます。各社ともに予算を考慮しながら、その人に合ったプランを提案してくれるでしょう。しかしその前に自分の求める家の広さや間取りを自分たちで考えておくことも大切です。そもそも現在暮らしている家のどこに不満があって新居を計画したのか、家づくりでいちばん大切なポイントはなんなのかなどを考えていけば、自分たちが住みたいのはどんな家なのかを見極めるきっかけにもなります。リビングやダイニング、子ども室や収納、一つひとつをリストアップして、現状からどう変えたいか、どのくらいの広さが必要かなどについて考え、そのイメージを設計・施工者に伝えるといいでしょう。■ POINT7土地を探している場合、建築業者に頼むとメリットがある新居を計画する場合、土地から探さなければならない方も多いでしょう。土地を探す場合、不動産業者に希望のエリアや予算、駅からの距離や日当たりなどの条件を伝え、それに合った土地を探してもらうのが一般的です。しかし依頼するハウスメーカーや工務店など、建築業者が決まっている場合は、土地探しから相談するという方法があります。そのような業者はたいてい不動産ネットワークに長けているうえ、自社で不動産部門を持っていることもあり、市場に出る前の土地を紹介してくれるケースもあるからです。その場合、以下に挙げるような資金面でのメリットを得られる可能性が高くなります。総予算の範囲内で建物と敷地にかける予算をうまく配分して、提案してくれる。場合によっては、業者が提携する金利の低いローンを利用できることがある。その場合、土地と建物の代金を一括してローンに参入してくれるため、手続きがシンプルになる。さらには仲介手数料などを軽減してくれるケースもある。もしハウスメーカーや工務店で家を建てることが決まっていて、同時に土地も探しているなら、相談してみるといいかもしれません。■ POINT8住宅ローン返済で大切なことは、長いスパンで考えること住宅ローンの月々の返済額を設定するときに、現在支払っている家賃を基準にする人は多いようです。「今支払える家賃相当額なら、なんとかやっていけるはず」と考えるのも無理はありませんが、実はここに落とし穴が。先に述べたように、戸建て住宅では賃貸ではかからなかった税金や維持費がかかるうえ、年を経るにつれて子どもの教育費もかかるようになります。借入金額が大きい住宅ローンは返済期間も長いため、ライフプランをよく考え、どの年代でどのくらいの支出が生じるのかを、想定しておくことがとても重要になってきます。状況次第では想定外の大きな負担になる場合があるのです。また、これからの不安定な時代、企業の業績変動で収入が減ることも考えられます。住宅ローンは借入額の50%までボーナス払いが可能となりますが、ボーナスは貯蓄に充てて、繰り上げ返済に使うなどの使い方をしたほうが賢明かもしれませんね。実際には時代ごとの経済状況に応じて、私たちの家計も変わってきます。それを見越したうえで、安心できる家づくり予算を組みたいもの。今回ご紹介した家づくりにかかわるお金の話を参考に、手堅い家づくりをしてくださいね。監修/丸山晴美キャラクターイラスト/キタダイマユ※情報は「住まいの設計2020年6月号」掲載時のものです
2020年06月10日新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も解除され、日常が少し戻りつつある。だが、経済への影響は深刻で、困窮する人がますます増えるのではとの心配の声も。特に、私たちの生活で問題となるのが住宅ローンだ。住宅ローンサービスを行う株式会社MFSが、住宅ローンを返済中の方に聞いたアンケートによると、「返済が苦しい」と答えた人は39.6%。「今後苦しくなりそう」を合わせると、約7割の人が住宅ローンの返済に悲鳴をあげている。住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が行う住宅ローンの返済相談も急増している。今年2月には約20件だった相談が、3月には約200件、4月には約1,200件と増え、今は電話がつながりにくい状態が続いているようだ。住宅ローンの滞納には「家が取り上げられ、破綻する」脅威を感じる人も多い。しかし、家を失わずに済む方法は、じつはいろいろあるそう。そこで、経済ジャーナリストの荻原博子さんが、返済がきびしいとき、絶対にやってはいけないことと、住宅ローン破綻を防ぐプランを解説してくれたーー。■住宅ローンの返済に困ったら、まず、借りている銀行に相談をそもそも住宅ローンは滞納しづらいものです。というのも返済が1日遅れただけで、借りている銀行から電話がくるからです。催促を無視して放っておくと、通常なら2カ月、早い場合は1カ月でブラックリストに載ってしまいます。その間、銀行からの催促の電話などに追い詰められ、手を出してしまいがちなのが、クレジットカードなどでお金を借りる「キャッシング」です。今はスマホひとつで借りられ、手軽ですが、キャッシングで当面の返済額を工面するのは、絶対にやってはいけません。一度キャッシングを利用すると、コロナ禍が長引いてきびしい状況が続いたら、来月も再来月もとキャッシングを重ねることになるでしょう。今、住宅ローンの金利は1%前後の超低金利ですが、キャッシングの金利は14%前後。利用がかさむと借金地獄に陥って、それこそ一家破滅の危機です。そんなことになる前に、住宅ローンの返済に困ったら、まず、借りている銀行に相談に行きましょう。銀行だって、返済できずに自己破産されると貸したお金が戻ってきませんから、返済に時間がかかっても、とにかく払ってほしいのです。銀行は親切に相談に応じてくれますから、ご安心を。銀行では、返済計画の見直しを行います。いくつか方法がありますが、コロナ禍できびしい方に有効なプランを考えました。■毎月の返済額を減らして、返済期間を延ばす住宅ローンの返済期間は35年が最長と思っていませんか。返せない状況では、返済期間をさらに延ばして、その分、毎月の返済額を減らすことができます。住宅金融支援機構では、一定の条件を満たせば、フラット35などの返済期間を最長15年延長できます。では、例をあげて見てみましょう。Aさん(40歳)は10年前、2,000万円を金利2%、35年ローンで借りました。ボーナス払いはナシで、毎月の返済額は6万6,252円です(住宅金融支援機構フラット35〈ボーナス払いナシ・元利均等方式〉で試算)。これまで10年間の返済は順調でしたが、コロナ禍で収入が激減。銀行で相談したら、返済期間の10年延長が提案されました。返済期間が延び、返済回数が増えると、1回あたりの返済額は減ります。Aさんの返済額は11年目以降、月5万1,776円に。見直し前と比べると毎月約1万5,000円、返済額を減らすことができました。銀行と相談してコロナ禍の急場をしのぎ、毎月の負担も減って一件落着、とは終わりません。返済期間が10年延びていますので、総返済額は約187万円増えていますから、家計が落ち着いたら、再度の見直しが必要です。コロナ禍の経済的な打撃は、これからが本番かもしれません。たとえ困窮を極めても、一人で抱え込まず、相談してください。どうしようもなくなったら、自己破産という方法もあります。なにより大切なのは「命」ですから。「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月05日新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も解除され、日常が少し戻りつつある。だが、経済への影響は深刻で、困窮する人がますます増えるのではとの心配の声も。特に、私たちの生活で問題となるのが住宅ローンだ。住宅ローンサービスを行う株式会社MFSが、住宅ローンを返済中の方に聞いたアンケートによると、「返済が苦しい」と答えた人は39.6%。「今後苦しくなりそう」を合わせると、約7割の人が住宅ローンの返済に悲鳴をあげている。住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が行う住宅ローンの返済相談も急増している。今年2月には約20件だった相談が、3月には約200件、4月には約1,200件と増え、今は電話がつながりにくい状態が続いているようだ。住宅ローンの滞納には「家が取り上げられ、破綻する」脅威を感じる人も多い。しかし、家を失わずに済む方法は、じつはいろいろあるそう。そこで、経済ジャーナリストの荻原博子さんが、返済がきびしいとき、絶対にやってはいけないことと、住宅ローン破綻を防ぐプランを解説してくれたーー。■住宅ローンの返済に困ったら、まず、借りている銀行に相談をそもそも住宅ローンは滞納しづらいものです。というのも返済が1日遅れただけで、借りている銀行から電話がくるからです。催促を無視して放っておくと、通常なら2カ月、早い場合は1カ月でブラックリストに載ってしまいます。その間、銀行からの催促の電話などに追い詰められ、手を出してしまいがちなのが、クレジットカードなどでお金を借りる「キャッシング」です。今はスマホひとつで借りられ、手軽ですが、キャッシングで当面の返済額を工面するのは、絶対にやってはいけません。一度キャッシングを利用すると、コロナ禍が長引いてきびしい状況が続いたら、来月も再来月もとキャッシングを重ねることになるでしょう。今、住宅ローンの金利は1%前後の超低金利ですが、キャッシングの金利は14%前後。利用がかさむと借金地獄に陥って、それこそ一家破滅の危機です。そんなことになる前に、住宅ローンの返済に困ったら、まず、借りている銀行に相談に行きましょう。銀行だって、返済できずに自己破産されると貸したお金が戻ってきませんから、返済に時間がかかっても、とにかく払ってほしいのです。銀行は親切に相談に応じてくれますから、ご安心を。銀行では、返済計画の見直しを行います。いくつか方法がありますが、コロナ禍できびしい方に有効なプランを考えました。■ある時期だけ、毎月の返済額を抑えるコロナ禍で収入の減少が一時的なものだとしたら、たとえば1年間といった短期間、返済額をぐっと抑えるものです。とはいえ、毎月の返済をゼロにしてくれる銀行はほとんどありません。返済を半額に減らす、元本の返済はゼロにして利息のみを返済するなどの方法があります。では、例をあげて見てみましょう。Aさん(40歳)は10年前、2,000万円を金利2%、35年ローンで借りました。ボーナス払いはナシで、毎月の返済額は6万6,252円です(住宅金融支援機構フラット35〈ボーナス払いナシ・元利均等方式〉で試算)。Aさんの例で11年目の1年間だけ利息のみの返済にした場合、11年目の利息は月2万5,308円。利息のみの返済にすると、毎月の負担は約4万円抑えられました。12年目からの返済額は毎月の6万8,378円となり、収入が持ち直していれば問題ない金額でしょう。ただ利息のみの返済では元本は全く減りませんから、1年間余計に利息を払ったことになり、その分、総返済額は約12万円増えます。負担の増加が少ない印象ですが、利息のみ返済の期間が長くなると、利息ばかり払って元本が減らず、いつまでたってもローンが終わりません。できるだけ短期間で通常の返済に戻すようにしましょう。そして、家計が落ち着いたら、もう一度住宅ローンの見直しを。このほかにも、「ボーナスが出ない」ケースもあるでしょう。そんなときは、ボーナス払いをやめて月々の返済額を増やす。または、ボーナス払いをやめ、月々の返済額も減らすために返済期間を延ばすなどの方法も考えられます。こうした返済プランの変更には通常、変更手数料が必要です。ただ今はコロナ禍の非常事態ですから、りそな銀行や滋賀銀行など、手数料無料でプラン変更に応じてくれる銀行が増えています。「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月05日住宅ローンにはさまざまな種類があって、どの住宅ローンを選べばいいか悩むという方は少なくないでしょう。本記事では、これから住宅ローンを利用する予定の方に向けて、住宅ローンの選び方のポイントや人気の金融機関をご紹介していきます。住宅ローンの選び方のポイントここでは、住宅ローンを選ぶ際のポイントとして以下の3つをご紹介したいと思います。金利タイプを決めよう金利を含めたトータルコストを算出しよう審査の通りやすさも確認しようそれぞれについて見ていきましょう。金利タイプを決めよう住宅ローンにはさまざまな種類がありますが、基本的な制度はどれも同じです。中でも重要なのが「変動金利」や「固定期間選択型金利」、「全期間固定金利」といった金利タイプです。これらの金利タイプにはそれぞれ特徴があり、すべての住宅ローンから選ぶとなると大変ですが、最初に金利タイプを決めてしまうと、ある程度絞った中で金融機関を選ぶことができます。それぞれの金利タイプの特徴については、後ほどご紹介していきます。金利を含めたトータルコストを算出しよう住宅ローンの基本的な制度はどの金融機関でも同じなのですから、住宅ローンを比較するときには、より低コストで利用できるかどうかをポイントにすることが重要です。ただし、コストを比較するにあたり、単に金利だけを比較するだけでは十分ではありません。住宅ローンは金利以外にも団体信用生命保険、保証料、事務手数料などさまざまな費用がかかるため、これらのコストを含めたトータルコストで比較検討することが大切です。審査の通りやすさも確認しようお得に利用でき、かつ自分に合った住宅ローンを見つけられたとしても、審査に通らなければ融資を受けることはできません。住宅ローン選びの3つ目のポイントとして、住宅ローン審査の通りやすさも確認しておくとよいでしょう。住宅ローンの3つの金利タイプとそれぞれのポイント住宅ローンには変動金利と固定期間選択型金利、全期間固定金利の3つがあります。変動金利とは金利が変動するリスクのある金利タイプで、金利の変動リスクがある分、3つの金利タイプで最も金利水準が低くなっているのがポイントです。一方、全期間固定金利は住宅ローンの融資を受けた段階で最後の返済日まで返済額が確定する金利タイプで、安心して返済していける代わりに、3つの金利タイプの中で最も金利水準が高くなっています。固定期間選択型金利は、10年間など選択した期間だけ固定金利で、期間経過後はもう一度固定金利を選択するか、変動金利に移行するかを選べる金利タイプです。変動金利と全期間固定金利をミックスさせたようなものだと考えるとよいでしょう。以下、金利タイプごとに向いている人の特徴を見ていきたいと思います。変動金利に向いている人はこんな人変動金利に向いている人の特徴としては以下のようなものが挙げられます。とにかくお得に利用したい方金利水準を定期的にチェックして、場合によっては借り換えも検討できる方いざというときは繰上げ返済できる方変動金利は3つの金利タイプの中で最も金利水準が低いため、とにかくお得に利用したいという方に向いています。ただし、常に金利が変動するリスクがあるため、融資を受けた後に金利が上昇してしまうと、総返済額が高くなってしまう可能性がある点に注意が必要です。金利水準を定期的にチェックできる方で、かつ金利が上がったとき、もしくは上がりそうと感じたときには、ほかの金利タイプに借り換えしたり、一括返済したりできる方にはよりおすすめな金利タイプです。全期間固定金利に向いている人はこんな人全期間固定金利が向いている人は以下のような方です。金利のチェックや借り換えが面倒な方最初から最後まで安心して返済していきたい方全期間固定金利は、住宅ローンの融資を受けた段階で最後の日の返済額まで確定するため、最初から最後まで安心してローンを返済していきたいという方におすすめです。定期的な金利チェックや、金利が変動したときの借り換えなどが面倒という方は、全期間固定金利に向いているといえるでしょう。ただし、3つの金利タイプの中で最も金利水準が高くなってしまうため、借入期間中に金利水準が変わらないか、下がった場合には総返済額が最も高くなってしまう点には注意が必要です。固定期間選択型金利に向いている人はこんな人固定期間選択型金利に向いている人は以下のような方です。将来的に収入の増加が見込める方将来的に出費の減少が見込める方固定期間終了後に金利が高くなる場合、繰上返済できる方固定期間選択型金利は10年間など、当初選択した期間だけ金利が固定されるもので、固定期間終了後は再度固定金利を選ぶか、変動金利に移行するかを選ぶ必要があります。3つの金利タイプの中では、変動金利よりは金利水準が高く、全期間固定金利よりは低いという位置づけです。「キャンペーン金利」に注意当初の固定期間終了後は、仮に店頭金利が変わらない場合でも適用金利が高くなってしまうことが多い点には注意が必要です。金融機関のホームページなどで見られる住宅ローンの金利の多くは「キャンペーン金利」と呼ばれるもので、「住宅ローンの新規融資をする方にだけ適用される金利」です。例えば、10年固定の店頭金利が2.5%の金融機関で、住宅ローンを新規借り入れする場合に限り1.5%の金利優遇を受け、1.0%で借りられるといった形です。固定期間選択型金利で固定期間を再選択するとき、このキャンペーン金利の適用を受けることができない場合が多いです。金利の再選択時には金利優遇幅が小さくなることが多く、例えば上記ケースで金利の再選択時の金利優遇幅が1.0%という金融機関では、例え10年間で金利水準が変わっていなくとも、金利が0.5%上昇してしまうことになります。このため固定期間選択型金利は、当初固定期間終了後に繰上返済できる方におすすめです。また、例えば10年固定金利を選ぶ場合に、「10年後には給料が上がっている可能性が高い」という方や、「10年後は子供が大学を卒業して教育費の負担が小さくなっている」という方にも向いている金利タイプだといえます。[adsense_middle]金利以外の費用を含めたトータルコストで考えよう住宅ローンは金利の差が目につきやすいですが、金融機関を比較するときは金利差だけでなく、その他の費用も含めたトータルコストも見ることが大切です。住宅ローンの金利以外の費用には以下のようなものがあります。団体信用生命保険保証料事務手数料それぞれ見ていきましょう。団体信用生命保険住宅ローンを組むときは、原則として団体信用生命保険に加入する必要があります。団体信用生命保険とは、返済中に債務者が死亡したときに、住宅ローンの残債を0にできる保険のことです。多くの金融機関で、団体信用生命保険の保険料は金利に含まれています。一方、金融機関によっては単に死亡のみを対象とした保険だけでなく、「ガン」や「3大疾病」「8大疾病」などを対象としたものもあることがあります。これら死亡以外を対象とする団信に加入する場合は、金利に0.2%~0.3%加算されるのが一般的ですが、金融機関によっては金利負担なしで借りられるパターンもあります。このため、金利差に加えて、団体信用生命保険の保障内容がどうなっているかも確認しておくことが大切だといえます。保証料住宅ローンを組むときは、金融機関が保証会社をつけることが多いです。保証会社とは、仮に債務者がローンの返済を延滞することが続いたとき、保証会社が金融機関から住宅ローンの債権を買い取るという契約をするもので、その保証料は債務者が負担する必要があります。保証料は利用する金融機関によって、また審査次第で変わります。例えば、みずほ銀行の住宅ローンでは、借入期間35年のとき、借入額1,000万円につき「206,110円~721,470円」となっています。保証料の額に差があるのは、審査によって返済が滞るリスクが低い場合には保証料も低く、リスクが高い場合には保証料が高くなるということです。仮に3,000万円借りるとすると、みずほ銀行では最大で216万円もの保証料がかかってしまうことになります。2つの金融機関で住宅ローンの審査を出したとき、A金融機関ではリスクが高いと判断され保証料が高く、一方のB金融機関ではリスクが低いと判断され保証料が安くなるといったことも珍しくはないため、保証料まで含めた比較が重要となります。また、フラット35やネット銀行は基本的に保証料無料となっています。事務手数料住宅ローンの融資をするには、金融機関の窓口の担当者がさまざまな手続きを行います。そのための手数料として支払うものが事務手数料です。通常3万円~5万円+消費税程度といった形が多いですが、住宅金融支援機構のフラット35やネット銀行等では、借入額の1.5%~2.0%といった形で設定されているのが一般的です。例えば、3,000万円の借入では45万円~60万円ですから、結構な金額となります。こうした理由からも、金利や保証料の額、事務手数料の額等、それぞれ単体で考えるのではなく、トータルコストでどの金融機関がお得かを考えることが大切だといえます。住宅ローンの審査についてお得に利用できる住宅ローンを見つけたとしても、審査に通らなければ利用することはできません。また、先述の通り、住宅ローンの審査次第で保証料が高くなったり安くなったりすることもあります。このため、金融機関を選ぶときは住宅ローンの審査についても考慮することが大切だといえるでしょう。なお、たとえある金融機関で住宅ローンの審査が否決だったとしても、他の金融機関では住宅ローンの審査に通ったといったことはよくあることです。自分に合った金融機関を複数ピックアップしつつ、審査が否決になった場合には別の金融機関への審査に出すことも考えておくとよいでしょう。[adsense_middle]徹底比較!【金利タイプ別】2020年人気の住宅ローンおすすめランキングここからは、変動金利と固定金利、全期間固定金利それぞれについて人気の金融機関ランキングをご紹介していきます。変動金利のおすすめ住宅ローンランキング変動金利の住宅ローンおすすめランキングは以下の通りです。ジャパンネット銀行じぶん銀行住信SBIネット銀行【変動金利:1位】ジャパンネット銀行本記事で、金利だけでなくトータルコストも考えるべきとお伝えしていますが、上位3行については、いずれも低金利かつトータルコストも低く抑えられるようになっています。具体的には、3行とも保証料が0円なのです。その上で、ジャパンネット銀行の変動金利は0.399%と業界最低水準の金利となっています。【変動金利:2位】じぶん銀行じぶん銀行は、上記のとおり保証料0円であることに加え、通常の団信に加えてガン団信と全疾病保障が保険料無料で利用できるようになっています。がん団信や全疾病保障は、金利に0.2%~0.3%程度上乗せする金融機関が多いので、特に保険を手厚くして住宅ローンを借りたいと思っている方にはこれ以上ない住宅ローンだといえるでしょう。なお、じぶん銀行の変動金利は0.41%です。【変動金利:3位】住信SBIネット銀行住信SBIネット銀行も保証料無料に加え、全疾病保障の保険料が無料となっています。かつ、変動金利の金利0.428%と非常に低い金利設定です。なお、3行とも保証料は無料ですが、事務手数料として借入額の2%程度を支払う必要があります。事務手数料を含めても他の金融機関より圧倒的にお得に利用できますが、事務手数料については覚えておくようにしましょう。固定期間選択型金利の住宅ローンおすすめランキング次に、固定期間選択型金利の住宅ローンおすすめランキングは以下の通りです。じぶん銀行りそな銀行新生銀行【固定期間選択型金利:1位】じぶん銀行変動金利と同じく、固定期間選択型金利でもじぶん銀行はお得に利用できるようになっています。先述の通り、じぶん銀行は保証料や団信も含めてのトータルコストを含めてお得で、これは固定期間選択型金利でも同様です。さらに、じぶん銀行の固定期間選択型金利は0.550%と業界最低水準となっています。【固定期間選択型金利:2位】りそな銀行りそな銀行はじぶん銀行などと異なり、店舗のある金融機関ですが、住宅ローンにおいてはネット銀行と同じく保証料無料で利用できるようになっています。ただし、事務手数料は借入額の2.2%を支払う必要があります。さらに、りそな銀行では「事務手数料無料で保証料を一括払いするタイプ」や「事務手数料無料で保証料を金利上乗せにするタイプ」も用意されています。借入時にまとまった支払いができない場合に、保証料金利上乗せタイプを選ぶといった選択も可能なのです。りそな銀行はネット銀行と同じく、手続きをインターネット上で済ませることができる点でも画期的です。なお、りそな銀行の10年固定金利は0.645%と非常に低い金利水準となっています。【固定期間選択型金利:3位】新生銀行新生銀行も店舗のある金融機関としては珍しく、保証料無料で利用できるプランが用意されています。さらに新生銀行では事務手数料についても、借入額×2.2%の定率型や、借入額に関わらず一律55,000円の定額型など、いくつかのパターンから選べるようになっています。10年固定の金利は0.800%と、ネット銀行やりそな銀行と比べるとやや高い水準となっていますが、上記制度と組み合わせることでお得に利用できる可能性があります。また、りそな銀行や新生銀行のように店舗のある金融機関については、何かあれば窓口で相談できる点もポイントとなるでしょう。全期間固定金利はフラット35がおすすめ民間の金融機関でも全期間固定金利が用意されていることもありますが、多くの場合は高い金利設定となっています。全期間固定金利を選ぶのであれば、住宅金融支援機構のフラット35一択と考えてよいでしょう。フラット35は民間の金融機関が窓口となって融資をします。どの金融機関で融資を受けても住宅ローンの内容は変わりませんが、金融機関によって事務手数料の額が変わります。これは単純に比較するだけなので、お住まいの地域で利用できる金融機関数社で比較検討してみるとよいでしょう。例えば、優良住宅ローンのフラット35は通常の物件で事務手数料が借入額×0.8%と、一般的な金融機関と比べて安く利用できるようになっています。おすすめの住宅ローンに関するまとめおすすめの住宅ローンについて、住宅ローンの選び方や金利タイプごとのポイントなどをお伝えするとともに、それぞれ特徴のある金融機関をお伝えしました。住宅ローンを選ぶときは、まずは金利タイプを決めた上で、金利や団信、保証料などを含めたトータルコストで比較することが大切です。これから住宅ローン選びをされるという方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。
2020年06月03日住宅ローンには実に多くの種類があり、そのどれもが基本的な仕組みを同じとした商品であることから、どの住宅ローンを選べばよいかを決めるのは難しいものです。そんな中でも、住宅ローンを選ぶにあたり押さえておくべきポイントはあります。本記事では、住宅ローンを決めるにあたり、押さえておきたい4つのポイントをご紹介していきます。ポイント1:変動金利or固定金利の選び方住宅ローンを選ぶ際、最初に「どの金融機関がよいか?」から決めるより、「変動金利と固定金利のどちらを選べばよいか?」を決めるほうが効率的です。というのも、どの金融機関を選んでも、変動金利や固定金利という仕組み自体は同じだからです。ここでは、変動金利と固定金利それぞれの特徴とメリット・デメリットを見ていきたいと思います。変動金利の特徴とメリット・デメリット変動金利はその名のとおり変動する金利で、変動するというリスクがある一方、固定金利と比べて低い金利設定になっているのが一般的です。変動金利の最大のメリットはその金利の低さです。例えば、みずほ銀行の変動金利は0.625%~0.875%、固定金利のうち、10年固定は0.85%~1.10%とおおよそ0.2%程度の金利の違いがあります。一方、金利が変動するため、借入時の金利が低くとも将来金利が上がると、総合的な返済額は固定金利より高くなってしまう可能性があります。このため、「金利が下降傾向もしくは横ばい傾向にあるとき」は変動金利を選ぶのがおすすめといえます。将来の金利変動を読むことはできる?とはいえ、実際のところ将来の金利水準を読むことは不可能といってもよいでしょう。ここ10年程度、金利は「底」と言われ続けていました。底ということは、もう上がるしかありません。しかし、日本は2016年にマイナス金利を導入したため、さらに金利が下がることになりました。このようなことは誰にも予測できないでしょう。金利が上がったら繰上返済できるのがベスト金利を完全に読むことはできないため、将来的にお得か損かを天秤にかけて変動金利か固定金利を選ぶのは難しいことです。一方、ある程度の蓄えがあり、「金利が上がったら繰上返済できる」という状況を作れるのであれば、変動金利を選んだほうがよいといえます。こうすることで、変動金利の低い金利で融資を受けつつ、仮に金利が上がったときはその影響を低く抑えることができるからです。「そもそもお金があれば融資を受ける必要はないのでは」と思うかもしれませんが、そうとも言えません。マイホームの購入には、住宅以外にもさまざまなお金がかかるものです。手元にある程度のお金を残しておいたほうが何かあったときに安心できるでしょう。また、特に住宅ローンを借りてから13年間は、住宅ローン年末残高の1%について所得税と住民税から控除を受けられる住宅ローン控除があるため、その期間中は実質的な金利負担なしでお金を借りられます。固定金利の特徴とメリット・デメリット固定金利には最初に選んだ期間だけ固定される固定期間選択型金利と、フラット35など借入期間中ずっと同じ金利で借りられる全期間固定金利があります。固定期間選択型金利とは固定期間選択型金利とは、10年など借入時に固定する期間を選び、期間経過後は再度固定期間を選択(金利の再選択)するか、変動金利に移行するかを選ぶというものです。固定する期間が長い程金利が高くなる傾向にあり、かつ固定期間が短いとすぐに金利の再選択をする必要があるため、程よい期間といえる「10年固定金利」の人気が高いです。なお、一般的に固定期間選択型金利の金利は、変動金利よりは高く、全期間固定金利よりは低くなっています。将来的な借り換えも視野に入れよう固定期間選択型金利の落とし穴ともいえるのが、「キャンペーン金利」の存在です。最初に固定期間選択型金利で住宅ローンの融資を受ける際、その金利は通常「キャンペーン金利」の適用を受けます。金融機関が、自行を選んでもらうために低い金利で融資をしてくれるというわけです。例えば、10年固定金利の店頭金利が2.5%のところ、キャンペーン金利で1.0%で貸してくれるといった具合です。一方、金利の再選択時には、このキャンペーン金利の適用を受けることはできないのが一般的です。仮に金利の再選択時の優遇幅が1.0%だった場合、仮に10年間で店頭金利が全く動いていなかったとしても、10年固定金利を再度選ぶと、その金利は1.5%に上がってしまうのです。10年固定金利を選ぶのであれば、10年経過後は一括返済するか、ほかの金融機関に借り換えすることも検討するとよいでしょう。全期間固定金利とは全期間固定金利とは、借入期間中ずっと同じ金利で借りられるというもので、金利の変動リスクを全く考慮する必要がない分、変動金利や固定期間選択型金利と比べて高い金利設定となっているのが一般的です。仮に35年間ずっと同じ金利水準であれば、変動金利と全期間固定金利の総返済額の差は大きなものになります。例えば、借入額3,000万円、借入期間35年のとき、変動金利の金利を0.8%だと仮定すると総返済額はおおよそ3,440万円となります。一方、同じ条件で全期間固定金利の金利を1.2%と仮定すると、総返済額はおおよそ3,675万円となり、235万円もの差があることが分かります。ただし、35年もの間ずっと金利が変わらないということはあまり考えられません。場合によっては、変動金利のほうが総返済額がずっと大きくなる可能性もあるでしょう。全期間固定金利は、借入時の金利は高いものの、安心して返済していける住宅ローンだといえます。ポイント2:団体信用生命保険の内容を確認しよう次に確認しておきたいのが、団体信用生命保険の内容です。住宅ローンを組むときは通常、団体信用生命保険といって、債務者が亡くなると住宅ローンの残債分の保険金を受け取れる保険に加入します。[adsense_middle]銀行ごとに異なる保険商品この団体信用生命保険は住宅ローンを借りる金融機関ごとに内容が異なります。もちろん、債務者が亡くなると残債分の保険金を受け取れるという部分は同じですが、それ以外の「保障内容」や「保険料の取扱い」に違いがあるため、事前に確認しておくことが大切です。保障内容の違い団体信用生命保険には、債務者の死亡のほか、ガンや3大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)、8大疾病(3大疾病+高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)を保障対象としたものなどさまざまあります。また、保障対象は同じであっても、「残債分の保険金を受け取れる」ものや「入院1日につき10,000円の給付を受けられる」ものなど、受け取れる保障内容にも違いがあります。住宅ローンを借りようと思っている金融機関でどのような団体信用生命保険を取り扱っているのか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。保険料の取扱いの違い団体信用生命保険は、保険というからには保険料を支払う必要があります。この保険料の取扱いも金融機関ごとに異なります。一般的に団体信用生命保険の保険料は「すでに住宅ローンの金利に含まれているもの」と「金利に上乗せする形で支払うもの」、「住宅ローン借入時に別途支払うもの」の3つのタイプがあります。死亡のみを対象とした一般的な団体信用生命保険では、1つ目の「すでに住宅ローンの金利に含まれているもの」が多く、3大疾病や8大疾病など、手厚い保険を選ぶと金利に0.2%~0.3%プラスされるといったものが一般的です。一方、金融機関によってはガンや3大疾病、8大疾病などの保険を金利負担なしで利用できるケースもあります。特に手厚い保険を利用したいと考えている方は、このように団体信用生命保険を少ない負担で利用できる金融機関を探してみるとよいでしょう。住宅ローン利用に合わせて既存の生命保険を解約する団体信用生命保険は、亡くなったときに住宅ローンの残債分の保険金を受け取れる保険です。例えば、住宅ローンの残債が2,000万円あるときに債務者の方が不幸にも亡くなってしまった場合には、2,000万円分の保険金を受け取ることができ、遺された家族は家に住み続けることができるほか、家を売却してまとまった資金を受け取ることもできます。このことから、住宅ローンの融資を受けると同時に生命保険を解約したり、保障内容を見直したりするのも1つの方法です。例えば、生命保険を見直すことで毎月の保険料負担分が5,000円浮くとすれば、その分を住宅ローンの返済に充てることもできます。こう考えると、団体信用生命保険の保障内容をよく選ぶことは、金利を選ぶのと同じくらい重要なことだと感じられるのではないでしょうか。ポイント3:金融機関ごとに審査基準が異なる住宅ローンを選ぶにあたり、金融機関ごとに審査基準が異なる点もポイントだといえます。当たり前のことですが、住宅ローンを利用するにはまず審査をパスしなければ始まりません。住宅ローン審査のポイントは年収と属性、個人信用情報の3つ住宅ローンの審査基準は金融機関ごとに少しずつ異なりますが、基本的には借りる人の年収と属性、個人信用情報の3つがよく見られます。年収は高ければ高いほど借りやすく、また借入可能額にも影響します。属性とは、勤め先が役所などの公務員なのか、会社員なのか、会社員であっても1部上場企業に勤めているのか、中小企業なのかによって審査結果が変わります。最後の個人信用情報は、過去に借りたローンで延滞などしていないかを確認するもので、過去に一度でも延滞をしていると住宅ローンを借りるのが非常に難しくなります。勤め先の会社で審査結果が変わることもある住宅ローンの審査のポイントはどの金融機関でも大きく変わりありませんが、ある金融機関では審査に落ちたのに、別の金融機関では審査に通ったということも少なくありません。これにはさまざまなことが考えられますが、そのうちの1つに勤め先の会社によって審査の結果が変わるということがあります。一般的に、ローンの審査の際には上場企業など信用の高い企業ほど審査をパスしやすく、一方で中小企業は慎重に審査がなされます。ただし、例えば地方銀行や信用金庫などで融資を受ける際には、勤め先の企業が中小企業であっても会社の融資などで関係していることが多く、財務状況がよければ想像以上によい評価を得られるといったことがあります。そのほか、金融機関によっては公務員に積極的に融資するケースがあるなどさまざまです。例えば同僚が住宅ローンの審査を受けたのであれば、その結果がどうだったのかなど聞いておくと、自分の住宅ローン選びのときに役立つでしょう。ポイント4:借入時の負担額を比較しよう住宅ローンを利用する際、金融機関に対して事務手数料や保証料などを支払うことがありますが、これらの負担額は金融機関によって異なります。場合によっては100万円以上の違いがでることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。[adsense_middle]事務手数料の違い事務手数料とは、住宅ローンを利用するにあたり、金融機関が行うさまざまな事務手続きに対して支払うものです。50,000円~100,000円程度で設定されているところが多く、中には無料のところもあります。なお、住宅金融支援機構のフラット35を利用する場合、金融機関は窓口となるだけで利息を得ることができないということもあり、借入金額×1.5%など高めの設定となっています。仮に3,000万円借りるのであれば、事務手数料だけで45万円の負担となることから、金利などと含めて慎重に検討することが大切だといえるでしょう。なお、フラット35については次に説明する保証料が不要となっています。保証料の違い保証料とは住宅ローンの保証会社に対して支払うものです。住宅ローンの融資を受けた後、万が一返済が滞った場合には、金融機関は残債を回収しなければ大きな赤字となってしまいます。そこで、あらかじめそうした延滞リスクを避けるために利用されるのが保証会社です。保証会社を利用した住宅ローンの場合、債務者が住宅ローンを延滞して返済の目処が立たない場合には、金融機関の代わりに保証会社が肩代わりすることになります。保証会社は、そうしたリスクを引き受ける代わりに保証料を受け取るのです。保証料は住宅ローンの審査の結果、延滞の可能性が低いと判断されると安く、逆に延滞の可能性が高いと判断されると高く請求されることになります。例えば、みずほ銀行の場合、借入金1,000万円あたりの保証料の額は206,110円~721,470円となっています。なお、金融機関によっては保証料不要のケースもあります。事務手数料と併せて、複数の金融機関でしっかり比較検討することが大切だといえるでしょう。住宅ローンの選び方に関するまとめ住宅ローンの選び方について4つのポイントをお伝えしました。本記事でお伝えしたとおり、住宅ローンを選ぶときには金利の違いはもちろん、団体信用生命保険の内容や借入時の各種手数料などを含めて総合的に判断することが大切です。住宅ローンを選ぶときには本記事でお伝えした4つのポイントに沿って、それぞれどのような取扱いになっているか、検討している金融機関を1社1社比較していくことをおすすめします。
2020年05月28日マイホームの購入を検討されている方の多くが住宅ローンを利用することもあり、まずは住宅ローンに通るのかを心配される方は多いようです。本記事では、そうした方に向けて、住宅ローンの審査基準や承認を得るためのポイントなどを解説していきます。住宅ローン審査の方法と流れマイホーム購入時には多くの方が住宅ローンを利用するでしょう。このため、まずは住宅ローン審査の承認を得ることが重要になります。ここでは、住宅ローンの審査についてその方法と流れをご紹介します。マイホーム購入前の準備まずはマイホーム購入前の準備として、住宅ローン審査のために以下の書類を用意しておくようにしましょう。源泉徴収票や所得証明書ほかのローンに関する明細書身分証明書それぞれ解説します。源泉徴収票や所得証明書住宅ローンでいくら融資を受けられるかは年収によります。住宅ローン審査に必要な書類としても、年収を確認するための書類としても、物件探しの前に源泉徴収票や所得証明書を準備しておきましょう。サラリーマンの方の場合、源泉徴収票は勤務先から受け取ることができます。また、自営業の方の場合は昨年分の確定申告書の控えを用意します。住宅金融支援機構のフラット35など、金融機関によっては自治体で発行される所得証明書の提出が必要になる場合もあります。ほかのローンに関する明細書住宅ローンの審査を受ける前に、マイカーローンやカードローン等ほかで借入がある場合には、これも住宅ローンがいくら借りられるかに影響するため、物件探し前に明細書を確認しておくことをおすすめします。多くの場合、明細書はローン借入時に発行されます。紛失した場合は再発行してもらう必要があるため、借入先に連絡するとよいでしょう。身分証明書最後に、住宅ローン審査時には身分証明書が必要になります。当初は家を買う予定がなくとも、物件の見学に行ったときに気に入った物件があれば、買付申込~住宅ローンの事前審査と進むこともあるため、あらかじめ用意しておくと万全です。住宅ローンの事前審査~金融機関による物件査定等事前準備を済ませ、物件を見学した結果、気に入った物件が見つかった場合、まずは物件を購入できるかを確認するために事前審査を行います。事前審査では、先に準備した書類一式が必要になります。事前審査申込書に記入し、金融機関に提出すると、物件の情報や審査申込人の年収・勤め先などの情報をもとに審査が行われます。この事前審査はおおむね1週間程度はかかると考えておくとよいでしょう。住宅ローン以外の借入が多いといった場合には、審査にもっと時間がかかることもあります。売買契約締結~住宅ローン本審査事前審査の承認を得られたら、物件について売買契約をした後に住宅ローンの本審査となります。金融機関にもよりますが、事前審査で承認を得ており、審査内容に大きな違いがなければ本審査でも承認となることがほとんどです。住宅ローンの本審査には1週間~2週間ほどかかるのが一般的ですが、審査基準ぎりぎりの場合などには1カ月以上かかることもあります。住宅ローンの本審査承認を得られたらそのまま決済と進むことができますが、否決になると当然物件を購入できません。なお、金融機関により審査のポイントが異なり、同額を借りる場合でも、ある金融機関では通らないものの、別の金融機関では承認となるといったケースもあります。心配な方は最初から複数の金融機関に審査を提出することを考えてもよいでしょう。住宅ローン審査の基準と承認を得る条件住宅ローン審査で承認を得るためにはどのような条件を満たしておくとよいのでしょうか?審査基準などは金融機関により少しずつ異なりますが、大きくは違いがありません。ここでは、住宅ローン審査で承認を得るための一般的な条件をお伝えしていきます。借入比率が基準を満たしていることまずは、借入比率が金融機関の設定する基準を満たしている必要があります。借入比率とは、年収のうちいくらがローンの返済に充てられているかを示すもので、マイカーローンなど住宅ローン以外の借入の返済と、新しく借りる住宅ローンの返済との合計額で計算します。また、借入比率は金融機関ごとに異なり、例えばみずほ銀行の借入比率は以下のように設定されています。目安として確認しておきましょう。みずほ銀行の借入比率年収300万円以上400万円未満:35%年収400万円以上700万円未満:40%年収700万円以上:45%例えば、年収400万円の方がみずほ銀行で住宅ローンを組む場合、400万円×40%=160万円/年まで住宅ローンやそのほかのローンの返済に充てられるということになります。仮にマイカーローンで毎月5万円、年間60万円の返済をしているのであれば、新しく借りられる住宅ローンは年間100万円、月に8.3万円程度までとなる計算です。なお、住宅ローン実行までにマイカーローンなど、ほかのローンを完済してしまえば、借入比率の限度額まで借りることも可能となります。個人信用情報に傷がないことまた、個人信用情報に傷がないことも重要なポイントとなります。個人信用情報とは、ローンを借りたり、クレジットカードを作ったりしたときにその情報が登録されるもので、毎月の返済や延滞情報が蓄積されています。住宅ローンを融資する金融機関は、融資したものの返済されなければ損をしてしまうため、個人信用情報には非常に厳しいです。一般的に、個人信用情報に1つでも傷があると融資を受けるには非常に難しくなります。なお、例えば存在を忘れていた返済の延滞や、カードなどの切り替えがうまくいかなかったことを原因とした延滞など、何らかの理由がある場合でも承認を得られない場合が少なくありません。特に数年以内に住宅ローンを借りるつもりがある方は十分に注意する必要があります。なお、借入比率についても個人信用情報についても、基本的には基準に満たない場合には審査で承認を得ることが非常に難しくなりますが、例えば年収の高さや、公務員や1部上場企業の社員のように属性がよいなど、ほかにプラスとなる材料があれば承認を得られることもあります。住宅ローン審査のポイントここまでを踏まえて、住宅ローン審査時には以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。あらかじめ借入可能額を把握して物件探しをしよう借入比率を満たさない場合は事前完済を検討しよう否決になってもほかの金融機関で承認となる可能性はあるそれぞれ確認していきます。[adsense_middle]あらかじめ借入可能額を把握して物件探しをしようマイホーム購入は、住宅ローンがいくら借りられるか次第で購入する物件が変わるという方も少なくありません。このため、物件探しをするために自分はいくら借りられるのかを把握しておくことをおすすめします。これには、以下の2つの方法があります。自分で計算する借入可能額は自分で計算できます。借入可能額の計算には、先述の借入比率と審査金利と呼ばれる指標を用います。審査金利とは借入可能額を算出するために用いる金利で、金融機関ごとに異なりますが、3%など実際の住宅ローン金利より高く設定されています。借入可能額を計算する方法さて、借入比率と審査金利を用いて借入可能額を計算する方法を見てみましょう。例えば年収400万円の方が、借入比率35%、審査金利3%の金融機関で借入期間35年の住宅ローンの審査を受ける場合、以下のように計算します。住宅ローンの返済に充てられる額を求める:400万円×35%=140万円金利3%で借入期間35年、100万円借りる場合の返済額を求める:46,176円/月上記1.を2.で割って100を掛ける:140万円÷46,176円/月×100=約3,031(小数点以下切り捨て)上記ケースでは、約3,031万円まで借りられる計算となります。(※返済額については住宅金融支援機構の返済額シミュレーションなどを用いましょう。)なお、審査金利や借入比率は金融機関ごとに異なるため、自分で計算するためにはあらかじめ聞いておく必要があります。まずは事前審査を提出してみる自分で計算する方法以外におすすめなのが、まずは事前審査を提出してみる、ということです。住宅ローンの審査では、審査申込人の年収や属性、個人信用情報のほか、物件の情報も見られますが、審査申込人の年収などの比重が大きいのが一般的です。このため、例えばある物件で3,000万円の事前審査の承認を得ていた場合、物件を変えたとしても同額の承認を得られる可能性が高いのです。とはいえ、審査を申し込むには購入予定の物件情報を申請する必要があるため、いくつか見学してみて、その中で気になる物件を住宅ローンの対象にして事前審査を受けてみるとよいでしょう。借入比率を満たさない場合は事前完済を検討しよう先の計算では考慮していませんでしたが、住宅ローン以外にマイカーローンなどの借入がある場合には、借入可能額も少なくなってしまいます。ほかの借入があることが理由で十分な額の借入ができない場合には、事前完済することも考えましょう。手持ちの資金で事前完済が難しい場合には、売買契約時の手付金を少なくしてもらえるよう掛け合ったり、ご両親から借りたりといったことを検討するのも1つです。否決になってもほかの金融機関で承認となる可能性はある住宅ローンの審査は、本記事でご紹介した基準や条件を満たしていても否決となることがあります。例えば個人信用情報が「ホワイト」、つまり過去に何も借入していないことを理由に否決となってしまうようなケースがあります。ローンを借りて返済すると個人信用情報にそのことが記録されますが、何も借入していない方はそうした情報がありません。何も借りていないのですから安心できそうなものなのですが、お金を貸す側からすると何も情報がない=返済しないかもしれないと考えられてしまうケースがあるのです。こうした審査基準は金融機関ごとに、また場合によっては担当者によっても異なります。否決になったら理由を確認しよう住宅ローンの審査は金融機関や担当者によっても異なります。このため、1つの金融機関で否決となったからといって諦めず、ほかの金融機関でも審査を試してみるようにしましょう。このとき、がむしゃらに審査を出すのではなく、否決となった理由を聞いておくことをおすすめします。「総合的に判断して否決」という理由を伝えられることも多いですが、丁寧に否決の理由を教えてくれる場合もあります。中には、自分も把握していなかった借入があったことが原因で否決となることもあります。こうしたケースでは事前完済するなど、原因を解消することで審査の承認を得られる可能性を高めることができます。住宅ローン審査に関するまとめ住宅ローン審査について、審査の流れや基準、承認を得るためのポイントなどをお伝えしました。基準や条件は金融機関ごとに異なるものの、大きくは違わないため、まずは本記事の内容を参考に審査を進めるとよいでしょう。その上で審査が否決となってしまった場合には、その原因を追及しつつ、少しずつ状況をよくしてほかの金融機関に審査を提出することで、承認を得られる可能性を高めることができます。
2020年05月22日まとまったお金が必要になって、みずほ銀行カードローンの利用を検討しているのでしょうか?ただし最初に申し上げておきますが、みずほ銀行カードローンの審査は、決して甘くはありません。むしろ厳しい方だといってもいいでしょう。ですが、ローンと審査の仕組みを理解してポイントを抑えて申込を行えば、決して高いハードルとはいえません。そこで、この記事では審査の流れやその基準、さらには口コミと評判について解説してまいります。ぜひ最後までご覧ください。みずほ銀行カードローンの概要そもそも、こちらのカードローンは一体どういうものなのでしょうか?みずほ銀行といえば、誰でも知っているメガバンクですが、実はカードローンでお金の貸し出しも行っています。そして、一般の預金や引き出しとはまた違った側面があるようです。ということで、みずほ銀行カードローンの特徴について、以下でいくつか見ていきましょう。キャッシングよりも有利なカードローンの金利まずは、気になる金利について説明いたします。一般にカードローンの金利は借入限度額によって変動しますが、みずほ銀行カードローンの金利は下表の通りとなっています。上記の金利は基準金利ですが、事前に住宅ローンを申し込んでいる場合には、金利が年0.5%ずつ下がります。ただ、お金を借りるには、カードローン以外にもクレジットカードでお金を借りるキャッシングという方法もあります。すでにクレジットカードを持っているのなら、わざわざカードローンを使わずにキャッシングで借りればいいのでは、という気にもなりますね。それでは、両者の金利を比較してみましょう。みずほ銀行カードローン最大金利JCBクレジットカードキャッシング最大金利年14.0%年18.0%ということで、条件によりますが結果としてはカードローンの方が金利がお得となります。消費者金融との違いまた、消費者金融からお金を借りる、という手もあります。こちらと銀行カードローンを比べると、どのようなことが言えるでしょうか?金利だけを比べますと、消費者金融は年18.0%というものがほとんどですので、みずほ銀行カードローンの方に分があります。ただし、この両者は金利以外にもいろいろと相違があります。まず、みずほ銀行カードローンはメガバンクが主体になっているという信頼感があります。一方、消費者金融の方は手軽さと便利さというメリットがあります。どちらを選ぶかはそのときの状況によって決めればいいでしょう。三種類の返済方法そして、借りたお金を返済するには下記の三種類の方法があります。自動引き落としみずほダイレクトATM返済「自動引き落とし」とは、みずほ銀行の普通預金口座から毎月10日に返済額が引き落とされるというものです。「みずほダイレクト」とは、PC、スマホ、携帯電話などからネット経由で返済する方法です。さらに「ATM返済」とは、コンビニや銀行にあるATMから返済をする、という方法です。手数料について返済方法によっては、返済額以外に手数料がかかってしまうことに注意が必要です。たとえば、ATMから返済を行うと手数料がかかってしまいます。また、みずほダイレクトで返済する場合でも、テレホンバンキングといって電話の自動音声に従って返済を行えば、やはり手数料がかかります。自動引き落としやみずほダイレクトのネット経由で返済を行うと、手数料がかかりませんのでお得です。カードローン審査の流れについて次に、カードローンに申し込んだ後の審査プロセスについて説明いたします。お金を借りる側からしても、何がどのように評価されていくのかを理解しておいた方が通過する方法を考えやすくなります。[adsense_middle]審査の大まかなプロセスまずは、実際に行われる審査について、大まかな過程を追っていきましょう。実は、借りる側がみずほ銀行に口座を持っているかいないかで過程は二つに分かれます。みずほ銀行口座を持っている場合まず、口座を持っている場合には下記のようになります。PCやスマホでみずほ銀行カードローンの公式サイトから申し込む審査が行われる在籍確認が実施される審査結果がメールで通知される必要書類の提出契約手続きとカードローン口座開設キャッシュカードにてATMから借入みずほ銀行口座を持っていない場合口座がない場合のプロセスは下記の通りです。PCやスマホでみずほ銀行カードローンの公式サイトから申し込む審査が行われる在籍確認が実施される審査結果がメールで通知される普通預金口座開設を申し込む通帳を受け取るカードローン口座開設およびキャッシュカードが送付されるキャッシュカードにてATMから借入両者を比較しますと、審査結果の通知までは同じですが、口座がない場合には口座開設というプロセスが入ります。つまり、カードローンを利用するには普通預金口座開設が必須になっているということです。それなら、事前に口座を作成しておいた方が手続きが早く済みますね。審査を申し込むための条件とはただし、残念ながら普通預金口座を作れば誰でもカードローンを利用できる、というわけではありません。条件に適った人だけが審査を申し込むことができます。その条件とは、下記の通りです。安定かつ継続した収入オリコの保証が受けられる20~66歳までの人この条件に外れていますと、審査が受けられない、または受けても落ちるということになってしまいます。年齢などはどうしようもありませんので、対象外の方は他の手段を探すしかありません。審査に通りやすい人・落ちやすい人の特徴そして、通りやすい人と落ちやすい人には、いくつか特徴があります。審査に通りやすい人の特徴まず、通りやすい人の特徴です。申告に嘘がない安定した収入がある返済トラブルがないそれぞれについて説明します。申告に嘘がないまず、申込時に記載した事項に嘘がないということが、審査に通るための絶対条件です。通りたい一心でごまかしたり虚偽の記載をしたりして、それがばれてしまった場合には、まず審査に合格することは難しいでしょう。これは当たり前ですね。安定した収入がある安定した収入があるということは、毎月確実に返済がある、ということです。延滞なども発生しにくいと判断されますので、こういう人は通りやすいですね。返済トラブルがないこれまでに他社で借りていて特に問題なく返済をしていれば、今回もきちんと返済してもらえるだろうという評価を得て、無事借り入れができる可能性が高いです。言い換えると、これまで全く借入をしたことがなければ返済実績がありませんので、かえって審査で不利になります。審査に落ちやすい人の特徴逆に、落ちやすい人とは下記のような人です。他社からも借り入れがある在籍確認が取れない過去に金融事故を起こしている自営業や個人事業主以下でそれぞれについて述べていきます。他社からも借り入れがある過去に他社で借り入れていて現在返済が終わっていれば問題ありませんが、他社からも借り入れがある場合には返済額が上乗せされることになるため、「返すのが苦しくなるのでは」と思われて審査が通りにくくなります。さらに、借入残高の合計が年収の三分の一を超える場合には、自主規制に引っかかるためそもそも借り入れが不可能になります。在籍確認が取れない審査のプロセスの中に、在籍確認があります。これは職場などに電話をかけて、本人が確かに在籍していることを確認するというものです。ここで確認が取れないと、まず不合格となります。過去に金融事故を起こしている延滞や債務整理など、いわゆる金融事故を起こしていた場合、一定年数以上経過しないと信用情報に記載されていますので、借り入れは無理になります。自営業や個人事業主「えっ、職業によって通りにくいとかあるんですか?」と驚くかもしれませんが、定収のある公務員やサラリーマンに比べて、自営業やフリーランスは不利になります。そうした方でも実際には収入が多い場合も多々ありますが、このあたりは堅実性を重んじるのでしょう。審査をスムーズに通過するためのポイントここまで見てきたように、みずほ銀行カードローンの審査に合格するためには色々とハードルがあります。それでも少しでもスムーズに審査に通るための方法を、以下に紹介します。みずほ銀行の普通預金口座を持つみずほ銀行住宅ローンを利用低めの借入額を申請みずほ銀行の普通預金口座を持つみずほ銀行の口座があれば、先ほど見た審査の過程が早くなりますので、かかる期間が短くなります。また、給与振り込み口座に指定していれば安定した返済が見込めますし、貯蓄があった場合には貸し倒れリスクも少ないのでプロセスが早く進むでしょう。みずほ銀行住宅ローンを利用みずほ銀行の住宅ローンを利用していれば、すでに個人情報や返済履歴を審査側が把握しているため評価がしやすくなります。そのため、金利を優遇して利用を促進していると言えるでしょう。低めの借入額を申請さらに、借入金額を少なく申請しておけば、「返済をきちんと考えている」という印象を与えることができて通りやすくなります。もし足りなくなった場合は増額が可能ですので検討しましょう。みずほ銀行カードローンの審査期間は長い?審査方法の特徴についてみずほ銀行カードローンの審査期間は、一般には長めと言われています。実際はどうなのか、期間と審査の特徴について述べていきます。[adsense_middle]審査期間は申込方法によって変わってくるカードローンの申し込み方法には色々な方法があります。そして、方法によって期間は変わってきます。まず、インターネットや店頭での申し込みでは翌々営業日に審査が終わります。また、郵送の場合には書類到着後の翌々営業日となります。さらに、電話で申し込んだ場合には申込受付後翌々日となります。ただし、消費者金融に比べるとやはり審査にかかる時間は長めと言えるでしょう。申込に必要な書類カードローンに申し込むために必要な書類には、どういったものがあるのでしょうか?まず、本人確認書類として運転免許証などの身分を証明するものから1点を提出します。次に、収入証明書類として源泉徴収票などから1点提出する必要があります。銀行カードローンの審査が厳しいと言われる理由とはみずほ銀行のカードローンに限らず、一般に銀行カードローンの審査は厳しいと言われています。でもそれはなぜでしょうか?まず、母体がメガバンクであるため貸し倒れリスクに慎重にならざるを得ないという事情があります。審査を甘くしていると貸し倒れが数多く発生して、信用にかかわることになります。また、上限金利が低いので、貸し倒れが起こった際に利息分が少なく損失が膨らんでしまうという事情もあり、厳しく評価することになります。さらに、みずほ銀行カードローンの審査は、実際には補償会社であるオリコが行います。オリコはみずほ銀行だけではなく、他の様々な銀行カードローンの補償会社になっています。つまり、オリコが補償会社をしている他の銀行カードローンで延滞をしていれば、何年経っても記録が残っているため、みずほ銀行カードローンの審査に通ることはできません。このような事情により、厳しいというイメージになっています。補償会社についてでは、補償会社とは一体どのような役割を持っているのでしょうか?補償会社は申込者の審査や、返済ができなくなった人の代位弁済を行っています。なので、延滞があると補償会社がその分を銀行に支払い、補償会社が延滞分を取り立てることになります。みずほ銀行カードローンにおいては、それをオリコ、正式にはオリエントコーポレーションが担当しています。ということで、申込者は実際にはオリコの審査を受けることになるのです。審査の評判と口コミを紹介それでは、ここで実際にみずほ銀行カードローンを利用した人の口コミを見ていきましょう。審査に落ちた人の口コミ審査に落ちてしまった人の口コミからご紹介します。30代自営業・年収400万円の男性「自営業だったためか、収入証明書に不備があったためか、落ちた原因はわかりませんでした。」20代正社員・年収350万円の男性「他に消費者金融から借金をしていたため落ちたのではないかと分析しています。」審査に受かり満足している人の口コミ次に、審査に合格して利用後も満足している人の口コミです。30代個人事業主・年収400万円~600万円の女性「10万円~30万円の借入で完済しています。ウェブでの申し込みで、手続きも早くサービスに満足しています。」40代個人事業主・年収800万円~1000万円の男性「30万円~50万円の借入を完済。大手銀行の安心感は評価できる点です。」審査に受かったが不満のある人の口コミ最後に、審査には受かったものの利用には少し不満の残った人の口コミです。30代会社員・年収600万円~800万円の男性「50万円~100万円を完済しています。申し込んでから実際に借り入れるまで1週間近くかかりました。」30代会社員・年収600万円~800万円の女性「5万円~10万円を完済しています。ポイントがつかないなどの点は、ネット銀行と比較して便利さに欠けると思います。」口コミから考察するみずほ銀行カードローンの評判やはり他社で借金をしていたり提出書類に不備があったりすると、審査に通ることは難しいようです。ただし、個人事業主であってもお金を借りることに成功している人はいます。これは借入金額を低く抑えたためと思われます。また、審査期間の長さや便利さに欠ける点が課題となっています。みずほ銀行カードローンの審査に関するまとめみずほ銀行カードローンとその審査について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?みずほ銀行カードローンは金利については有利で、返済方法によっては手数料がかかることがあります。なお、審査はみずほ銀行に普通預金口座があるかどうかでプロセスが変わります。貸し倒れリスクに対して慎重なため、審査期間は長く審査も厳しくなりがちです。ただし借入額を低く設定すれば、自営業や個人事業主でも借り入れは可能です。審査が厳しいと言われると、どうしても利用を尻込みしてしまう銀行カードローンですが、金利もお得で信用もあるとなると、余裕があれば利用してみたいものです。また、みずほ銀行カードローンには、住宅ローンを利用していると優遇金利が適用されるメリットもあります。ぜひ利用を検討しましょう!
2020年05月03日