住宅ローンを利用して家を買う場合に必要な住宅ローンの条件のひとつである「金利」が総返済額や毎月返済額にどのような影響を与えるのか、実際の数値を使って見ていきたいと思います。1. 総返済額に占める利息の割合まずは、住宅ローンを利用する場合の総返済額に占める元金と利息の割合を見てみましょう。(図1)「住宅ローンの借り入れと返済の内訳」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。図を見ると分かるように、3,000万円を金利1.800%、35年返済で借りた場合の総返済額は4,046万円です。利息額は1,046万円なので、総返済額の25.9%。つまり、返済額のうち4分の1は利息分ということになります。このように長期間借り入れをする住宅ローンの場合、総返済額に占める利息額の割合はかなり大きくなります。金利が高くなればさらにその割合はさらに増すので、わずかな金利差も無視できません。2. 金利でここまで変わる!借入額別の総返済額一覧下の図は、借入額別・金利別の総返済額を計算したものです。総返済額から借入額を引いたものが、利息額になります。同じ借入額でも、金利によって総返済額がずいぶん違うことが分かります。(図2)「借入額別・金利別の総返済額(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3. 総返済額を毎月返済額に置き換えて確認金利による総返済額への影響を体感できたでしょうか。次は、実際に自分が住宅ローンを利用することを前提に、この表を活用してみましょう。総返済額(借入額+利息額)だけを見ても、無理なく返済できるかどうか判断は難しいので、上の表の総返済額に毎月返済額を追記しました。今度は、現時点で想定している毎月返済額を中心に表を見てください。(図3)「借入額別・金利別の毎月返済額(上段)と総返済額(下段)(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。毎月返済額がほぼ同じでも、金利との組み合わせ次第で借入額・総返済額に様々な可能性があることが分かったでしょうか。この表を見て、「とにかく金利が低いにこしたことはない」と考える人も多いと思います。「住宅ローン=金利の低い商品」を求めることは、あながち間違いではありません。ただし、金利の低さだけを追い求めて住宅ローンを選ぶと大きなリスクが生じます。このリスクは購入予算の設定にも影響するため、家探しの最初の段階で把握しておかないと、後戻りができなくなるほど危険をはらんだものなのです。【訂正】サブタイトルの一部に誤りがありましたので修正いたしました。
2018年01月19日家を買う場合、ほとんどの人は住宅ローンを利用しますが、住宅ローンについて調べ始めるのは、家探しの終盤、物件がほぼ決まってからというケースが多いようです。結論から言うと、これでは遅すぎます。住宅ローンの知識・情報は家探しの最初、購入予算を決める段階から必要です。1. 借入額よりも重要な返済額住宅ローンを利用して家を買う場合、購入予算は「頭金」と「住宅ローンの借入額」の足し算によって決まります。考え方として初めに購入予算があって、それを「頭金」と「住宅ローンの借入額」に分解していくのではなく、まず「頭金」と「住宅ローンの借入額」を明確にし、2つを足したものが購入予算になるというものです。家探しはその予算をもとに行います。住宅ローンは、端的に言ってしまえば借金です。借りた金額(借入額)に対し発生する利息額を合わせて返済しなければなりません。つまり、住宅ローンではいくら借りたかよりも、いくら返すのかという「返済」の指標が重要になるのです。返済額には、返済する総額(総返済額)と毎月の返済額があります。(図1)「住宅ローンの借入額と総返済額の違い」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。借入額:3,000万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3,000万円の住宅ローンを借りる場合を例に考えてみましょう。金利と返済期間については一般的なものを使用していますので、現段階ではそういうものとして考えてください。上図のように金利1.800%、返済期間35年でローンを組んだ場合、借入額は3,000万円でも、利息が約1,046万円上乗せされ、実際に返済する金額(総返済額)は4,046万円にもなります。今、現金ならば3,000万円で買える家でも、全額ローンだと4,046万円で購入することになってしまうということです。そして、その返済は35年など、かなり長期にわたって行われるものです。さて、例では借入額3,000万円、利息額1,046万円、総返済額4,046万円という3つの金額が分かりました。住宅ローンを借り入れる場合、その返済を無理なく行えるかが重要なポイントになります。では、この3つの金額を見て、無理なく返済できる金額かどうかを判断することはできるのでしょうか?2. 返済の程度を判断できる「毎月返済額」借り入れた住宅ローンが無理なく返済できるかどうかを判断するには、どのような数値があればよいのでしょうか。借入額3,000万円は、「みんなそのくらい借りているような気がするけど、自分たちに適切かどうかは分からない」といった認識でしょうか。総返済額が4,046万円と言われても、すぐにはピンと来ませんね。では、毎月の返済額が97,000円と言われたらどうでしょう。それなら今の住宅費と比較できるので、毎月払えるかどうか分かりやすいのではないでしょうか。住宅ローンを利用して家を買うときは、自分にとって無理のない毎月の返済額がいくらなのかをはっきりさせ、借り入れにあたっての判断基準として使えるようになっておくことが大切です。(図2)「無理なく返済できるかを判断するために必要な数値」3. 毎月返済額は同じなのに借入額が減る?住宅ローンの借入額が適正かどうかは、毎月の返済額を基準に判断すべきであることを説明してきました。ところが、毎月の返済額が同じでも、住宅ローンの選び方によっては借入額自体が変わるということが起こります。住宅ローンの借入額が変わってしまったら、購入予算の設定にも影響が出てきます。(図3)「住宅ローンの違いによる購入予算の変化」※各種数値は次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。この図は毎月の返済額を97,000円とし、返済期間35年でローンを借りた場合に、借入額がいくらになるかを計算したものです。金利が1.800%の場合の借入額は3,020万円になります。では、金利が2.400%になるとどうなるでしょうか?借入額は2,754万円と、266万円もの差が生じることになります。この例では毎月の返済額が同じでも、金利2.400%の住宅ローンBで借り入れをした場合、購入予算が266万円もマイナスになってしまう可能性を示したものです。いったん整理をしてみましょう。家を探すには購入予算の設定が不可欠ですが、その購入予算の設定に必要なのが住宅ローンの借入額です。借入額を算出するには「毎月返済額」と「住宅ローンの諸条件(返済方法・金利・返済期間等)」の2つの情報を前もってそろえておかなければなりません。この順番を間違えると、物件価格ありきで返済計画に無理があるようなローンを組んでしまう、不動産屋さんに勧められるままに提携ローンを組んでしまうケースも出てきてしまうのです。
2018年01月18日住宅性能評価書とは住宅性能評価書とは、「住宅性能表示制度」に基づいて国(国土交通大臣)に認定された第三者評価機関が、住宅の性能について評価したものをいいます。住宅性能評価を受けた物件は、住宅性能が安全であると評価されたことになり、またこれには2つの段階が存在します。1つめが設計段階に住宅性能を検査する「設計住宅性能評価」で、2つめが建設段階に住宅性能を検査する「建設住宅性能評価」です。この制度が導入されたことで、様々な工法によって建設された住宅の性能を一律に評価することができるようになりました。さらにこれによって、私たち一般消費者でも性能評価を受けた物件を容易に比較検討できるようになりました。物件を比較検討するためにも、どのような項目で何について評価されているのかを知る必要がありますね。今回は「設計住宅性能評価」について具体的にみていきましょう。「設計住宅性能評価」10項目住宅性能評価では、以下の10項目を評価します。構造の安定地震などの影響による建物の「倒壊耐久度」や「損傷の受けにくさ」を評価します。等級が高いほど地震などに対して強いことを意味します。等級1の評価でも、大地震(震度7相当)が起きても倒壊することはないとされているので、住宅性能評価を受けていればまず安心といえるでしょう。このほかにも、台風など様々な自然災害に関する評価があります。維持管理・更新への配慮排水管・水道管・ガス管の点検、清掃・修繕のしやすさを評価します。温熱環境暖房や冷房を効率的に稼働するために、壁や窓の断熱性能を評価します。 等級が高いほど、省エネルギー性に優れているといえます。劣化の軽減柱や土台の劣化の進行を遅らせるための対策を評価します。光・視環境東西南北及び上方の5方向について、窓の開閉範囲や採光量などを評価します。空気環境接着剤などを使用している建材から発散するホルムアルデヒドが、シックハウス症候群の原因のひとつとされています。その危険性がないかを評価します。また換気設備が整備されているかも評価の対象となっています。音環境主に共同住宅の場合に多い評価項目で、上・下・隣の住戸からの反響音について評価します。選択表示事項(オプション)なので、申請者が評価対象とするか否かを選択することができます。火災時の安全住宅内で火災が発生したときの避難のしやすさ、隣の住宅が火災のときの延焼のしにくさなどについて評価します。耐火性のある外壁・床・屋根であることや、火災報知器などの設置状況、避難・脱出経路が確保されているかなどがこれにあたります。防犯対策外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建物部品や雨戸などが設置されているかの侵入防止対策を評価します。高齢者への配慮高齢者や子供が暮らしやすいよう、バリアフリーの程度を評価します。1~4は必須項目で、5~10は選択項目です。住宅性能評価書を受けた物件のメリットとは最後に、住宅性能評価書を受けた物件のメリットについてご紹介します。国(国土交通大臣)の登録を受けた第三者機関による評価だから安心!(公平に性能をチェックしてくれている)住まいの性能評価の見方が、等級や数値で表示されているため分かりやすいトラブルが生じても専門機関(指定住宅紛争処理機関)が対応してくれるフラット35(住宅ローンの一種)でも適用可能!資産価値が維持しやすく査定に有利なため、中古売却がしやすいまとめ物件数はたくさんありますが、やはり耐震性などに優れた物件の方が良いですよね。物件選定で迷ったときは、住宅性能評価を受けている物件かどうかが、ひとつの判断材料になりそうですね。安心・安全な住まい環境を維持するためにも、ぜひ、住宅性能評価書を参考にしましょう。
2018年01月14日住宅ローンは一般的に借り入れの金額が大きくなることから長期間の返済を余儀なくされてしまいます。例えば、住宅金融支援機構が提供するフラット35などは35年間返済を行うことになりますが、それだけの長い間安定して返済を行わなければなりません。病気、リストラ、減給などの予期せぬ理由によって、返済計画に支障が生じてしまうようなこともないとは限りません。住宅ローンを延滞・滞納してしまった場合にはどうなってしまうのでしょうか?住宅ローンの延滞・滞納後の流れ延滞・滞納を行ってしまった場合の流れは以下のようになります。住宅ローンの返済期間中には、一時的に住宅ローンの返済用の口座の残高が少なくなってしまっていて引き落としが行われないなど、返済の滞りが生じてしまう場合があります。最初の1回程度の滞納に対しては銀行などの金融機関も「入金が確認できなかったので、確認してくださいね」というような入金が行えていないことに対する支払い請求程度で済みますが、その通知を無視して延滞・滞納から2~3ヶ月経過すると請求書から催告書へと変わります。催告書に変わるとどうなるのでしょうか?催告書では、これ以上延滞・滞納を行うと期限の利益といって住宅ローンの分割返済を認めないという内容になります。この催告書を無視して延滞・滞納から3~6ヵ月経過してしまうと期限の利益喪失通知が届き、返済期日が先であったとしても一括返済を行わなければなりません。期限の利益喪失通知が到着してからは、代位弁済通知といって住宅ローンを契約した際の保証会社が銀行に対して代わりに返済を行ったという通知書が届きます。保証会社が返済を行ってくれたからといって返済がなくなるわけではなく、返済先が銀行から保証会社に変わることになります。保証会社が代位弁済を行ってしまうと、保証会社は建物を競売にかけることによって返済を肩代わりした分を回収しますが、いきなり競売が行われるわけではなく、まずは保証会社から競売を開始するための競売開始決定通知が届きます。競売開始決定通知が届くとどうなってしまうのでしょうか?競売と競売を防ぐための任意売却とは?競売開始決定通知が届くと、いよいよ住宅ローン対象の物件が競売にかけられることになってしまいます。競売にかけられてしまうと以下のようなデメリットがあるので注意が必要です。・普通に売却する場合によりも安く買いたたかれてしまう。・競売が行われてしまうと出ていかなくてはならなくなる。競売開始決定通知が届いてから実際に競売が行われるまで6ヵ月程度の期間がありますが、その間に何とかして競売を防ぐ方法はないのでしょうか?競売を防ぐ方法として任意売却を行うという手段が挙げられます。任意売却によるメリットは以下の通りです。・リースバック方式によって住み続けることができる。・競売よりも高い価格で売却できる可能性が高い。任意売却によって購入した人が同意してくれた場合には、賃料を払うことによって住み続けることが可能になります(リースバック方式)。任意売却は保証会社の許可を得る必要があるので、なるべく早く申し出た方が良いでしょう。まずは銀行に相談してみる住宅ローンは契約当時の世帯年収などを基準にして返済計画を立てますが、必ずしも返済計画通りに返済が進むとは限りません。体調を崩してしまったことによって一時的に返済が滞ってしまったり、出産による産休や退職して育児に専念するために専業主婦になったりなど様々な理由によって返済計画に支障が生じる可能性があります。一時的に支障が生じた場合にはどうすればいいのでしょうか?まずは銀行に現状を伝えることをおすすめします。銀行からすれば信頼して住宅ローンの契約を行ったにもかかわらず、独断で延滞・滞納を行われてしまった場合には、後から理由を伝えたとしても配慮の余地がありません。しかし、返済計画の支障が一時的な理由である場合には、返済計画の見直しによって一時的に返済額を引き下げてくれるなど、競売を免れることができる可能性があるため、まずは銀行に相談してみましょう。まとめ住宅ローンの延滞・滞納を続けた場合には、住宅ローンの対象の物件を競売で失ってしまうことを覚悟しておかなくてはなりません。しかし、延滞・滞納を行ってしまったからといって即座に競売が行われるわけではありませんので、延滞・滞納に陥ってしまったとしても放っておかずに、任意売却やその他の解決策を模索するようにすることができるので、まずは銀行に相談など解決策を検討するようにしましょう。
2018年01月12日住宅性能評価制度には2種類ある住宅の性能品質を確保するため、国は指定機関である住宅性能評価機関に住宅の性能を客観的に評価するよう法律で定めています(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。これを「住宅性能評価制度」といい、2段階に分けることができます。1つは「設計住宅性能評価」で、2つめは「建設住宅性能評価」です。「設計住宅性能評価」設計住宅性能評価とは、「設計段階での住宅の検査」を意味します。つまり住宅が未完成時点のものであるため、設計図をもとに検査を行います。検査を受けるかどうかは、住宅の建築時点で決める必要があるので、注意が必要です。「建設住宅性能評価」建設住宅性能評価は、「完成段階での住宅の検査」を意味します。完成時点の住宅を検査するのですが、設計図と照らし合わせながら行うのが特徴といえます。そのため、事前に「設計住宅性能評価」の検査を受けておく必要があるので、この点に注意が必要です。住宅性能評価でチェックする項目は全部で10コあります。住宅性能評価には10コある構造の安定(地震・風・積雪に対しての建物の強さを評価)劣化の軽減(柱や土台の劣化の進行を遅らせるための対策を評価)維持管理・更新への配慮(排水管・水道管・ガス管の点検・清掃・修繕のしやすさ)温熱環境(建物の冷暖房を効率的に行う為の断熱などの省エネ対策を評価)火災時の安全(火災の早期発見のしやすさ、外部からの延焼に対する耐火性を評価)光・視環境(室内の明るさを、部屋の広さに対する窓の大きさの割合で表示)空気環境(室内への有害物質の発散量、換気対策を評価)音環境(開口部の遮音性能や、共同住宅の上下又は隣接する住戸への音の伝わりにくさを評価)防犯対策(犯罪者が住宅に侵入しないよう、開口部に対策がとられているかを評価)高齢者への配慮(高齢者や子供が暮らしやすいよう、バリアフリーの程度を評価)1~4は必須項目で、それ以降は選択項目となっています。住宅性能評価を受けるメリットは、2種類とも似たところがありますが、今回は「建設住宅性能評価」のメリットを中心にご紹介していきます。建設住宅性能評価を受けた物件のメリット地震保険の割引が効ある(10~50%の割引)民間から借入れる住宅ローンの金利が優遇されるトラブル紛争解決の専門機関が、1万円という破格で対処してくれるまとめ今回は建設住宅性能評価を中心にご紹介してきました。建設住宅性能評価は、設計住宅性能評価も兼ねていることから、業者に手抜き工事をさせない手段ともいえ、この点が最大のメリットといえるでしょう。安心・安全な暮らしを実現するためにも、設計段階からの検査を行うようにしましょう。
2018年01月10日住宅インスペクションとは?「住宅インスペクション」という言葉をご存じですか?これは、建築士による建物のインスペクション(検査・調査)のことです。売却を検討している売主や購入を検討している買主が中古住宅に対し、住宅インスペクション(住宅診断)を依頼することで売買後のトラブルを軽減するメリットがあります。平成28年宅地建物取引業法改正でより身近になる「住宅インスペクション」平成28年宅地建物取引業法改正で「住宅インスペクション」に関する規定が平成30年4月1日に施行されます。施行されると今までの中古物件売買はどう変わるのでしょうか?今までインスペクションは、売買の中であまり知られておらず、一部の意欲的な宅建業者や売主、買主が利用するのみでした。今回の宅地建物取引業法改正では、「媒介契約」「重要事項説明」「売買契約」の3つのタイミングで、建物状況調査(これがいわゆる住宅インスペクションを指します)に関する内容が追加となりました。この改正で、宅建業者は売主・買主に建物状況調査について説明をし、利用を促すことで、安心して取引のできる環境を提案してもらえます。中古物件の売買時に売主や買主が「住宅インスペクション」の存在や価値を詳しく知らなくても、宅建業者のほうから調査提案がされるようになったということですね。媒介契約売主・買主はそれぞれ宅建業者から建物状況調査の制度の説明、業者の紹介をされます。具体的には・・・売主・買主は宅建業者から宅地建物取引業法に基づく、建物状況調査の制度や内容について説明を受け、希望するかどうかを聞かれます。実施を希望する場合には、宅建業者からインスペクションを行う検査業者を紹介され、宅建業者の中継ぎの元、インスペクションの実施の手続きを行います。重要事項説明買主は建物状況調査の結果を宅建業者から説明を受けます具体的には・・・買主は購入を検討している物件が建物状況調査を実施しているかどうか宅建業者から説明を受けます。説明を受けるのは1年以内に行った検査内容になります。検査を実施している場合には、重要事項説明に添付された「建物状況調査の結果の概要」という書類に基づいて、物件に劣化があるかどうかなどの説明を受けます。売買契約売主・買主は、宅建業者から物件の現況についての書面の交付を受けます具体的には・・・建物状況調査を行った場合には、基礎、外壁等の現況について売主・買主が相互に確認した内容が売買契約書に記載されます。調査の対象は中古の住宅・戸建て住宅・分譲マンション(一部屋)・アパート一棟(小規模)・マンション一棟(大規模)※新築の住宅、土地・商業ビルなどの住宅以外の物件は対象外です建物状況調査は建築士が行います建物状況調査の実施は調査に係る一定の講習を修了した建築士が行います。建物に精通した建築士が検査を行うことで、より安心が深まります。建物状況調査の検査内容は?出展:国土交通省「改正宅地建物取引業法の施行に向けて参考資料」「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」が検査対象です。設備の動作確認や、住宅以外の部分の検査は一般的には行われません。構造耐力上主要な部分とは:建物自身の重さや建物内にある物の荷重を支え、風や雪、地震の揺れなどの外からの力に対抗するような、建物の基本となる部分のこと(柱・基礎など)雨水の侵入を防止する部分とは:外部から雨水が入ってくることを防止するための、住宅の部分のこと(屋根・外壁など)具体的な検査箇所<外部>・バルコニー・屋根・外壁・基礎など<内部>・土台・床・内壁・天井など※木造戸建てや鉄筋コンクリート造共同住宅など物件の種類により検査項目は異なります建物状況調査ですべての劣化がわかるわけではないので注意建物状況調査は、実施することで物件の状態がより詳細に把握でき、安心な取引につながりますが、この検査だけですべての劣化事象があきらかになるわけではありません。建物状況調査はあくまで検査をする者が通常歩行可能な範囲から、目視や計測で行う「基礎的な検査」となりますので、例えば壁の裏側など、住宅を一部壊さないと確認できないような箇所は検査を行うことができません。また検査結果を受けた内容から、さらに詳細な検査や、補修・修理を行うかは売主または買主の判断になります。建物状況調査を実施するメリット<買主>・検査で建物の状態を把握して購入できるので安心・劣化部分がわかるのでリフォーム費用が積算しやすい・保証付物件なら万が一の時にもさらに安心<売主>・物件のトラブル発生リスクを軽減でき、安心して引き渡すことができる・「検査済の安心な物件」として、 買主から選ばれやすくなる気になる建物状況調査の実施費用負担は?基本的には建物状況調査の実施を申し込んだ売主または買主が費用を負担します。ただ、中古住宅のインスペクションの認知が広がり宅建業者が負担するケースも増えているようです。説明を受けた際に費用面の負担について相談してみてください。2018年(平成30年)4月より開始となる建物状況調査の制度。中古物件の売買の際は、ぜひ賢く活用し、安心でスマートな取引につなげましょう。上記の内容は2017年12月現在のものです。情報提供・監修:ジャパンホームシールド株式会社
2018年01月09日年末調整・確定申告の時期になると気になるのが、控除による節税方法や関連するお得な制度です。住宅関連の中では「住宅ローン控除」がよく知られた制度ですが、ほかにも意外と知られていないお得な制度や控除があるようです。住宅購入やリフォームを検討している人は、対象となる制度や条件などをチェックしてみましょう。(1)中古住宅の購入でも利用できる「住宅ローン控除」住宅関連の制度でも多くの人が利用している「住宅ローン控除」は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。一定の要件を満たした場合、年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除され、10年間で最大400万円(長期優良住宅の場合は最大500万円)が控除されます。所得税から控除しきれない場合は住民税から一部控除されます。また、中古住宅の場合でも新築の場合の要件に加え、耐久年数もしくは耐震基準といった中古特有の条件をクリアすれば、10年間で最大200万円(長期優良住宅などの場合は最大300万円)の控除を受けることができます。(2)夫婦共働きなら住宅ローン控除が夫婦で受けられる「ペアローン」「ペアローン」は共働き夫婦がそれぞれの名義で住宅ローンを組む場合に、二人とも住宅ローン控除を受けることのできるローン制度で、互いに相手の連帯保証人となります。住宅ローン控除が一人ずつ受けられることは大きなメリットですが、それぞれローンを組むため、契約時などの事務手数料は2倍かかってしまいます。また、夫婦の一方が仕事を辞めるなどした場合には、返済自体が厳しくなる可能性もあるため計画的に組みたいところです。(3)目安年収510万円以下の人が対象の「すまい給付金」「すまい給付金」は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設した制度です。取得する住宅の床面積が50平米以上などの条件をクリアした場合、消費税率8%の2017年12月現在だと、収入額510万円以下の人を対象に最大30万円(消費税率が10%になった場合は収入額が775万円以下の人を対象に最大30万円)が給付されます。収入額によって給付される額は異なり、例えば、消費税率8%の場合、収入額425万円以下だと最大の30万円、425万円超え475万円以下だと20万円、475万円超え510万円以下だと10万円が給付されます。※収入額はあくまで目安のため、給与所得者のいわゆる「額面収入」ではなく、市区町村が発行する課税証明書に記載される都道府県民税の所得割額に基づき決定されます。(4)工事費用の10%の控除を受けられる「住宅特定改修特別税額控除」「住宅特定改修特別税額控除」は、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事または三世代同居対応改修工事を行った場合に、標準的な工事費用の額の10%相当額が、その年分の所得税額から控除されるというものです。それぞれ工事限度額(それに応じた控除限度額)が設定されており、対象となる工事も指定されています。また、バリアフリー改修工事では申請できる特定の個人の条件も設定されています。(5)断熱改修やエコキュートの導入には「住宅省エネリノベーション促進事業費補助金」「住宅省エネリノベーション促進事業費補助金」とは、住宅の省エネ化を図るリノベーションを促進するために、省エネ性能が高い高性能建材(ガラス、窓、断熱材)を用いた断熱改修などを支援する国の制度によって交付される補助金です。省エネ性能が高い高性能建材では、一戸あたり補助対象費用の1/3以内もしくは150万円のいずれが低い金額、戸建て住宅での家庭用蓄電などの蓄電システムでは、定額5万円/kWhもしくは補助対象費用の1/3または50万円のいずれか低い金額、エコキュートなどの高効率給湯機の導入では、補助対象費用の1/3以内もしくは15万円のいずれが低い金額が補助金額の上限となります。ここまで、住宅関連のお得な制度と控除を紹介してきましたが、知っていると知らないとでは、支払わなければならない金額がだいぶ変わってくるようです。事前に情報を確認し、賢い住宅購入・リフォームを実現しましょう。
2017年12月27日住宅展示場に行くのは、家の購入を現実的に検討し始めてから?実は住宅展示場では、子どもも楽しめるいろいろな催しやイベントが開催されていて、長期休み中のお出かけにもピッタリ!お正月も、様々な住宅展示場で楽しいイベントが開催されているよう……!?東京都内には多数の住宅展示場があります。実際に一戸建ての購入を検討している方も、「どういう観点で選べばいいか」「実際に展示場に行ったら、何をチェックすればいいか」、ぜひ確認してみてくださいね。住宅展示場に行くメリット・デメリット住宅展示場に行く最大のメリットは、1か所で複数メーカーの物件を見られることです。体力面を考慮すると、1日で回れるのは3棟ほど。事前に下調べをして、どのメーカーの住宅を見たいのか、絞り込んでおくのが得策です。反対に、デメリットは展示されているのが一般的にフルオプションのハイグレード仕様であること。気に入った設備などがあれば、「これは標準装備か、それともオプションなのか」と確認することを忘れずに。過剰な演出に舞い上がってしまわない、冷静な判断力が必要です。住宅展示場でのチェックポイント住宅展示場に建てられているのは主に、「こんな家に住んでみたい!」と願望を詰め込んだような、オプション盛り盛りのモデルハウス。もちろん、足を踏み入れて物件の雰囲気を五感(第六感も!?)で感じることも大切ですが、他にもチェックしておきたいのは、営業担当者の知識や人柄、相性です。複数のメーカーに同じ質問をぶつけてみたら、その企業の方針・姿勢が垣間見えるかもしれません。正直に予算を伝え、「この金額でどの程度の家が建てられるのか」「他社とは違うセールスポイントはどこか」など、多少踏み込んで聞いてみましょう。きっと自然と「ぜひここにお願いしたい」というメーカーが見つかるはずです。子どもと行きたい住宅展示場住宅展示場ではセミナーやショー、体験教室、アトラクションなど、様々な催しが行なわれています。今回は、東京都内の住宅展示場と冬休みシーズンのイベントをまとめました。ぜひご家族揃って住宅展示場で楽しい時間を過ごしてみてくださいね。サンケイ西新井総合住宅展示場所在地:東京都足立区梅島3ー32サンケイ西新井総合住宅展示場内電話番号:03-3840-7300営業時間:10:00~18:00西新井住宅公園所在地:東京都足立区栗原1-7電話番号:03-3850-3050営業時間:10:00~18:00環七・加平ハウジングギャラリー所在地:東京都足立区加平1-4-8電話番号:03-5849-2420営業時間:10:00~18:00イベント:1/2~21 モデルハウス総選挙111キャンペーン板橋高島平ハウジングステージ所在地:東京都板橋区高島平7-2-1電話番号:03-6909-9402営業時間:10:00~18:00定休日:年中無休詳しくはこちらデザインスタジアム葛西住宅公園所在地:東京都江戸川区北葛西2-11-25電話番号:03-3804-4569営業時間:10:00~18:00ハウジングギャラリー江戸川所在地:東京都江戸川区中央4-21電話番号:03-5678-5053営業時間:10:00~18:00定休日:年末年始イベント:1/2-21 モデルハウス総選挙111キャンペーン馬込ハウジングギャラリー所在地:東京都大田区北馬込2-12電話番号:03-5743-6550営業時間:10:00~18:00定休日:年末年始環八千鳥住宅公園所在地:東京都大田区千鳥3-12-1電話番号:03-3758-4988営業時間:10:00~18:00環八蒲田住宅公園所在地:東京都大田区新蒲田1-12電話番号:03-3733-3304営業時間:10:00~18:00葛飾・金町ハウジングギャラリー所在地:東京都葛飾区金町1-19-5電話番号:03-5876-9830営業時間:10:00~18:00定休日:年末年始イベント:1/2~21 モデルハウス総選挙111キャンペーン王子住宅公園所在地:東京都北区王子4-28-9電話番号:03-3912-1377営業時間:10:00~18:00赤羽ハウジングステージ所在地:東京都北区赤羽北2-33-3電話番号:03-5993-1331営業時間:10:00~18:00定休日:無し詳しくはこちらスマートハウジング豊洲まちなみ公園所在地:東京都江東区豊洲6-1-9電話番号:03-5534-8551営業時間:10:00~18:00TBSハウジング渋谷東京ホームズコレクション所在地:東京都渋谷区神宮前5-53-7電話番号:03-3409-6966営業時間:10:00~18:00詳しくはこちら東京都新宿住宅展示場所在地:東京都新宿区西新宿4-36電話番号:03-5351-6718営業時間:10:00~18:00定休日:水曜日詳しくはこちら浜田山住宅公園所在地:東京都杉並区高井戸東3-36-35電話番号:03-3332-8032営業時間:10:00~18:00本所吾妻橋ハウジングギャラリー所在地:東京都墨田区吾妻橋3-8-6電話番号:03-3625-7898営業時間:10:00~18:00定休日:年末年始イベント:1/2~21 モデルハウス総選挙111キャンペーン錦糸町住宅公園所在地:東京都墨田区錦糸4-18-7電話番号:03-6456-1800営業時間:10:00~18:00駒沢公園ハウジングギャラリーステージ1所在地:東京都世田谷区駒沢5-10電話番号:03-5758-6170営業時間:10:00~18:00定休日:年中無休オークラランド住宅公園所在地:東京都世田谷区桜3-24-8電話番号:03-3706-3481営業時間:10:00~18:00ABCハウジング成城住宅公園所在地:東京都世田谷区成城1-4-1東宝スタジオ内電話番号:03-5494-1555営業時間:10:00~18:00定休日:水曜日(祝日は営業)詳しくはこちら朝日新聞総合住宅展示場ハウジングプラザ瀬田所在地:東京都世田谷区瀬田5-20電話番号:03-3707-3352営業時間:10:00~18:00駒沢公園ハウジングギャラリー ステージ2所在地:東京都世田谷区深沢4-6電話番号:03-5758-3436営業時間:10:00~18:00定休日:年末年始駒沢公園ハウジングギャラリー ステージ3所在地:東京都世田谷区深沢4-26電話番号:03-5758-3437営業時間:10:00~18:00定休日:年末年始石神井住宅公園所在地:東京都練馬区下石神井1-8-4電話番号:03-5393-5507営業時間:10:00~18:00練馬ICハウジングギャラリー所在地:東京都練馬区谷原5-28-30電話番号:03-5935-6630営業時間:10:00~18:00練馬住宅展示場所在地:東京都練馬区豊玉北3-19電話番号:03-3948-6533営業時間:10:00~18:00西東京・小平住宅公園所在地:東京都小平市花小金井3-40-1電話番号:042-420-10223営業時間:10:00~18:00ABCハウジングハウジングワールド立川所在地:東京都立川市泉町935-1電話番号:042-527-1321営業時間:10:00~18:00定休日:水曜日(祝日は営業)詳しくはこちら仙川駅前住宅公園所在地:調布市仙川町3-1-17電話番号:03-5969-8761営業時間:10:00~18:00ABCハウジング八王子住宅公園所在地:東京都八王子市大谷町234電話番号:042-644-1657営業時間:10:00~18:00定休日:水曜日(祝日は営業)詳しくはこちら町田森野住宅公園所在地:東京都町田市森野5-7-25電話番号:042-729-1312営業時間:10:00~18:00朝日新聞総合住宅展示場ハウジングプラザ三鷹所在地:東京都三鷹市大沢3-2-37電話番号:0422-31-3578営業時間:10:00~18:00詳しくはこちら武蔵野ハウジングスクウェア所在地:東京都武蔵野市西久保3-1-25電話番号:0422-53-0931営業時間:10:00~18:00詳しくはこちら
2017年12月26日コーポラティブ(Cooperative)には、「共同の」「組合の」といった意味があります。つまりコーポラティブハウス(以下、コープ住宅)とは、共同で購入・建設された住宅のことをいいます。コープ住宅の歴史コープ住宅の歴史は、産業革命の最中、労働者が資本家に対抗して、生活物資の共同購入から住宅建設・幼稚園運営などを行ったのがきっかけで誕生しました。日本では1921年に住宅組合法が制定され、以降、約35,000戸の住宅が建設されました。聞きなれない法律だと思います。それもそのはず、この法律は1972年に廃止されました。というのも、1950年に住宅金融公庫が設立され、個人に直接持ち家向け融資を展開したために、住宅組合法はその意義を失いました。また1958年には財団法人日本労働者住宅協会(1967年に日本勤労者住宅協会に改組)が発足し、それらの協力で1975年までに約65,000戸の住宅が供給されました。現在では、主に民間のプロデュース会社によって、大都市圏を中心にコープ住宅が建設されています。コープ住宅の特徴自由設計である一般の分譲マンションなんかでは、間取りやデザイン、仕様などはデザイン会社が決めてしまいます。しかしコープ住宅は、共同住宅でありながら注文住宅のように、個々の理想の住まいを実現できるといった特徴があります。こだわりを貫ける料金プランコープ住宅はその名の通り、自分たちで土地を仕入れて、間取りやデザインを設計します。つまり土地取得費用、建築工事費用、設計費用、企画・調査・予備費など、これらの予算を自由に設定することもできるのです。またモデルルーム(広告宣伝)の設置を行う必要もないので、その分の費用を好きな部分に投資することができます。良好なコミュニティ形成理想を同じくする仲間とともに、住宅を設計していくコープ住宅では、建設後も仲間たちとの深い交流が期待できます。安全・安心な生活が実感できるでしょう。1つだけ注意したいこと自分たちの理想とする住まいを実現できるコープ住宅は、想像しただけでもわくわくしますね。しかし気を付けたい点が1点。それは、もし共同開発したコープ住宅を売却する場合、仲介業者によっては割安の査定価格がつけられることが考えられます。自由度の高い設計は、裏を返せばそれに見合ったニーズが必ずしも高いとはいえないからです。売却における資産価値を考慮すると、コープ住宅は市場的には反響が良くない物件となってしまいますが、そもそもコミュニティ性を重視した物件のため、上手に修繕計画を立てていくことが肝心であるといえます。
2017年12月15日二世帯住宅の定義二世帯住宅と聞くと、おそらく「親世代と子世代が同居することのできる住宅」と想像されると思います。しかし正しくいえば、「長屋」と称されます(建築基準法)。長屋とは、1つの建物に独立した住戸が連なり、これらが「敷地の外に出られるような構造」を指します。一般的な長屋では、1階建てのものが多く、それぞれの住戸が直接道路に面するよう造られています。しかし二世帯住宅のような2階建てのものに至っては、専用の階段を設けて、外に出られるような構造をとります。これを「重層長屋」といいます。昔ながらのイメージがある長屋ですが、実は最近話題の「テラスハウス」なんかも、この長屋にあたります。二世帯住宅は、法律的な定義でいえば「重層長屋」と称しますが、建物の運用上、これを「二世帯住宅」と称しています。そんな二世帯住宅は、2種類に大別することができます。二世帯住宅の種類同居型完全同居型完全同居型は、キッチンやお風呂などの設備を共有する形のことをいいます。また設備のみにとどまらず、家計簿も一括管理するのが特徴的といえます。これにおけるメリットとしては、キッチンやお風呂などの設備を2つ用意する必要がないので、住宅取得費を安く抑えられることが挙げられます。しかし同時に、そこにプライバシーがないといったデメリットも存在します。部分同居型部分同居型は、キッチンやお風呂などを部分的に共有する形のことをいいます。完全同居型と比べ、まだ多少なりとも自由の効く点が特徴といえます。たとえば表札や郵便ポスト、玄関を別共有として、リビングなどそれ以外の部屋・設備は共有とする、などがこれにあたります。別居型完全分離型ともいえるでしょうか。それぞれの住空間を別に切り分ける形をいいます。そのため、プライバシーを保つことができます。居住自体は隣り合わせなので、いつでも顔を合わせることができます。近年、このスタイルの需要が高いです。また完全分離とまではいわずともリビングのみ共有するなど、別居型でも一部の居室をシェアするスタイルも、最近では需要が高いです。親世代(子世代)と応相談したうえで、建築士や担当営業マンと打ち合わせするようにしましょう。二世帯住宅のメリット・デメリットメリット・デメリット双方において、生活面や精神面においては上記でも挙げたように想像は容易です。ここでは、少し専門的なメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。メリット税金を軽減できる【不動産取得税の場合】たとえば中古住宅を購入し、二世帯住宅にリフォームしたいとします。通常、物件を取得する場合には「不動産取得税」というものがかかります。もしこの物件が、床面積50㎡以上240㎡以下で居宅要件を満たす場合には、1,200万円が控除されます。しかし今回のような二世体住宅にリフォームする場合は、1,200万円ではなく、なんと『2,400万円』が控除されます。かなりおトクですね!【相続税の場合】二世帯住宅の場合、相続税の課税価格の計算の特例である「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。これにより、被相続人が自己の名義の土地を同居している子が遺産分割を整えたうえで相続し、かつ相続税の申告期限までに居住と所有を継続するとこの特例が適用され、評価額を最大80%減額することができます。デメリット売却しにくい二世帯住宅は一般の住宅よりも特殊なため、どうしても売却が難しくなります。理由としては、「間取りが特殊な中古物件」であることが挙げられます。中古物件を求めている買手が、二世帯住宅を求めているとは限りませんし、一般の住宅と比べて間取りも特殊なので、通常より買手が見つかりにくいといえます。「二世帯住宅から一世帯住宅にリフォームする」といった考え方もありますが、もとよりリフォームによって設置した機能等を撤去することはこのうえなく、生産性がないといえるでしょう。これを行うには、膨大な費用がかかるためです。まとめ二世帯住宅におけるメリットは多くありますが、それに伴ったデメリットを無視することもできません。親世代・子世代ともにストレスのかからない生活を送るには、共有部分と専有部分とをしっかりと区別するなど、話し合いを重ねて居住スタイルを決めるのが良いでしょう。
2017年12月13日60坪の住宅というとかなり大きく、普通の一戸建て住宅ではめったに見られないかもしれません。このくらいの広さだと、二世帯住宅や集合住宅となっている場合も多いでしょう。当然ですが外壁塗装を検討するなら、広い分だけかかる費用も高くなると考えましょう。ここでは、60坪の家の外壁塗装にかかる費用の目安をご紹介します。60坪の住宅って、どのくらい広いの?日本の平均的な一戸建て住宅は、4人家族の世帯で30~45坪といわれています。したがって、60坪の家を単純に考えてみると、平均的な家の1.5倍の広さということが分かるでしょう。この大きさの住宅になれば狭さはまったく感じず、理想の空間を余すところなく十分に作れる、ぜいたくなお家といえます。60坪の家で二世帯住宅の場合は、親世帯・子世帯それぞれに、キッチンやお風呂・トイレを設置したり、上下階別々に玄関を設けたりできます。また、家の中にオフィスや教室など、居住空間とは異なる用途のスペースを設けることなどもできます。廊下や玄関ホール、お風呂、トイレなども十分にゆとりを持った設計ができますから、車いすでの移動が可能なバリアフリー化にも十分対応可能な住宅といえます。先に述べた通り、この広さの家は二世帯住宅や集合住宅となっていることが多く、核家族単位で暮らす一戸建て住宅である例はほとんどないと考えてよいでしょう。60坪の住宅を外壁塗装する費用の相場は?外壁塗装のおおよその費用は、外壁の面積をもとに計算することができます。外壁の面積は「延床面積×係数(1.2~1.7)」でおおよその値を求めることができます。ここでは、係数1.2をあてはめて計算してみましょう。一般的な一戸建て住宅で60坪の場合ですと、延床面積は60×3.3平方メートル(1坪≒3.3平方メートル)ですから、外壁の面積は60×3.3×1.2となり、237.6平方メートルになります。この面積を塗装する際に、かかる費用を計算してみましょう。塗料の種類により、1平方メートル当たりの単価は異なります。代表的な塗料の単価をそれぞれ見てみると、アクリル塗料で1,400~1,600円、ウレタン塗料で1,700~2,200円。シリコン塗料で2,300~3,000円、ラジカル塗料で2,500~3,000円です。そしてフッ素塗料だと3,800~4,800円、光触媒塗料で4,200~5,000円、無機塗料で4,500~5,500円となっています。例えば単価2,500円のシリコン系の塗料を使ったとすると、塗料の代金は2,500×237.6=594,000円となります。この塗料代金に加えて、足場の設置に約150,000円、高圧洗浄に約50,000円、養生に約70,000円、下地補修に約20,000円、下塗りに約150,000円かかります。最終的には、その他諸経費がかかってきますので、合計で1,300,000円程度かかると見積ることができます。3階建ての家の場合は、2階建ての家に比べて足場を高く設置する必要がありますので、その分の費用が余分にかかってくることも頭に入れておきましょう。また、外壁の劣化が進行している場合には、補修を行う必要が出てきますので、その分費用も高くなります。外壁塗装の費用を無料で比較坪の外壁塗装で、気を付けるべきポイントは?外壁塗装の工事は、足場の設置や下地処理、下塗り、上塗りなどさまざまな行程を踏むことになるため、一般的な戸建ての住宅で数十万~数百万円と高額になります。家の補修といえば、まず内装のリフォームを思い浮かべる方も多いでしょうが、外壁塗装は内装リフォーム以上に必要性の高い工事といえます。なぜなら、内装リフォームはトイレやお風呂、キッチンなどをより便利できれいにすることを主な目的です。それに対し外壁塗装は見た目をきれいにするだけでなく、住宅そのものの耐久性を高めるために不可欠だからです。また、使用する塗料によっては、断熱や遮熱の効果もあるので、長期的な光熱費の節約にもつなげられます。外壁塗装は、美しく快適な家を維持していくために欠かせない工事です。ゆえに、技術が確かで信頼のおける業者に依頼することが大切なのはもちろんでしょう。しかし、不当に高額な工事や手抜き工事が行われるなどのトラブルも後を絶ちません。悪質な業者は、ときには脅すようなことを言って住人の不安をあおり、無理やり契約を迫ったり、不自然な値引きを行ったり、条件を付けて当日中の契約を求めてきたりすることもあります。したがって、外壁塗装を検討する際には訪問業者とすぐに契約することは避け、複数の業者に見積を取ったうえで、納得できる業者と契約することが大切になります。最近では、インターネット上でも業者から見積が取れるようになっています。さまざまな塗装業者とすぐに連絡が取れるので便利ですが、安さだけを売りにしている業者には注意が必要でしょう。手間をかけてきちんと施工すれば、通常は相場程度の費用はかかるものです。安さばかりを売りにする業者は、人件費を安くあげるために経験の浅い職人を使っていたり、塗料を薄めたり、手抜き工事をしたりしている場合があります。格安の工事にはそれなりの理由があるということを頭に入れておき、業者選びは慎重に行うようにしましょう。まとめ家を長持ちさせ、快適に住み続けるためには、外壁塗装は避けては通れない工事です。塗料の耐久年数である十数年おきには、外壁塗装が定期的に必要となります。実際に工事を依頼する際には、施工が丁寧で対応も誠実な優良業者を慎重に選択する必要があるでしょう。外壁塗装の費用を無料で比較
2017年11月19日こんにちは、ママライターのましゅままです。住宅ローンの借り換えは、住宅ローンの返済をうまく減らしていくための重要な手段。しかし、せっかく借り換えをしたのに、やり方を間違ったために大きく損をしてしまった……なんてこともあるのです。今回は、住宅ローンの借り換えのポイントと注意点についてご紹介します。●住宅ローン借り換えポイント住宅ローンは以下の条件3つを満たす方に効果が出るといわれています。・新規借入との金利差が年1.0%以上・借入残存期間が10年以上・ローン残高が1,000万円以上現在は歴史的低金利となっており、必ずしも3つの条件を満たしていなければ損、というわけではないので、現在借りている金利より安いようなら検討の余地があります。まずは、借り換えることで経済効果がわかる、“借り換えシュミレーション”をしてみましょう。毎月の支払いが万単位で低くなり、総支払額が数百万単位で節約できる 効果が期待できることもあります。●住宅ローン借り換えの注意点3つ●(1)1つの債務に対して、債務残高が500万以上ないと借り換えられない銀行もあるペアローンで組まれている方は特に注意。銀行によっては、借り換えの際債務残高の上限を設けている ところがあるのです。たとえば、夫が債務残高500万・妻が300万という場合、妻の残高が500万に満たないため、借り換えを断られてしまう銀行が多くなってしまうのです。●(2)団信の補償は借入時より手厚く借り換えをするということは団信や火災保険もすべてリセットされることになります。当然健康状態は借入時よりも懸念材料が多くなり、疾病に対する現実味も増していますよね。金利ももちろん重要ですが、団信を借入時より手厚く、最低でも現状維持の条件 の銀行を選ぶようにしましょう。●(3)銀行のシュミレーションを鵜呑みにしない銀行は自分の銀行に借り入れをしてもらうために、借り入れ当初はとても安い金利を提示してきます。しかし、当初優遇が終わったのちは前の銀行のほうがお得な金利だった、なんて事態もありうるのです。とくに安い変動金利は、いつまでも続く保証はない ので、そのリスクも加味する必要があります。●住宅ローン借り換え体験談『ガン特約があった銀行から、金利の安さにひかれて借り換えをしましたが、借り換え先はガン特約がありませんでした。なのに、借り換え後に主人に悪性腫瘍が見つかり、ショックを受けました。借り入れ当初から20年経っていて、健康状態がまるで違う ということを思い知らされました』(50代/主婦)現在、金利はどこの銀行も安く、融資金利以外のメリットもよく検討する必要があります。また、現在借り入れている銀行に、安い他行へ借り換えるようとしていることを話し金利交渉をすると、借り換え先よりも優遇された条件に恵まれることもあるようです。『借り換える際、諸費用がいることはわかっていましたが、借り換え先の諸費用ばかり気にして、前の銀行にし支払う諸費用が盲点 でした。数万円程度ですが、完済手数料や抵当権抹消の手数料などです。購入の際同様に事前審査があり、提出する必要書類がとても多く疲れました』(40代/営業)借り換え先の銀行からは、前の銀行に支払う金額のことまでは説明してくれることは少ないので、忘れずに計算に入れておきましょう。また、単に借り換えと言っても、事前審査の手続きを踏んだのち、前の銀行のローンを借り換え先の融資でいったん全額返済するという流れをこなすので、たくさんの書類を用意し、記入し、いくつも印鑑を押す手間がかかります。『少しでも返済を楽にしようと、当初優遇金利の低さにひかれて、飛びつくように借り換えをしました。しかし、優遇金利の期間はごくわずか。それが終わると前の銀行のほうが返済額が安く済んだ 、ということが分かってしまいました』(30代/主婦)銀行の提示する当初優遇金利は、とても安く謳ってあっても、その期限が切れてからはどのように金利が上がるのか確認しておく必要があります。また、固定金利から安い変動金利に借り換えた場合、上がってしまった金利に備えられないという事態も考えられますので要注意です。●住宅ローンの借り換えは労力が必要いかがでしたか?住宅ローンの借り換えは多くの時間と労力を要します。そこまでしたのに「結局、総支払額は前のほうが少なく済んだ……」ということは防ぎたいですね。長い住宅ローンの返済は、少しでもラクにしたい!という心理が働くものですが、慎重にすすめるようにしましょう。【参考リンク】・住宅ローンの借換えをご検討のかたへ | 住信SBIネット銀行()●ライター/ましゅまま(ママライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年09月18日マイホーム購入は人生の中でも特に大きな買い物となり、資金計画がしっかりできていないと後々苦労したり、最悪の場合、せっかく購入したマイホームを手放さなくてはならなくなることも……。そのため、できるだけ多くの頭金や余裕資金を作ってから購入することが望ましいのですが、そのときに頼りになるのが“親”の存在です。女性のためのコミュニティサイト『ガールズちゃんねる』でも、『住宅購入の時に、親から援助受けましたか??』というトピックスが立てられ、親からの援助に対するさまざまな意見が飛び交っています。●住宅を購入するときに親からの援助はあった? なかった?トピ主さんは、友人がマンション購入の際に旦那さん側の両親から節税対策として2000万円もの援助を受けることについて、妬みがとまらないとのこと。そこでトピ主さんは、「住宅購入のときに親からの援助がありましたか?」と問いかけています。この問いかけについて、『私の親から300、旦那の親から500です』『私も1000万援助してもらいました』『私の両親から50万、主人の両親からは300万ほど援助してもらいました』『実親から500万、義理親から50万』など、さすがに2000万とはいかないまでも「援助があった」という声は多く挙がっていました。もらえる人はかなりの金額をもらっている ようで、羨ましい限りです。しかし一方で、『受けてません。親にちょこっと頭金の話したら、頭金すらも自分で払えないってことは身の丈に合わないものだからやめろって言われた』『1円も援助してもらってません』『ないよ。結婚したんだから金銭面は自分たちでがんばる。親にも、今まで手をかけてくれたんだから、自分のためにお金を使ってほしい』『1円ももらってない逆に援助してるから』など、「1円ももらっていない」とする声も多く挙がっています。それぞれのコメントをざっくり見てみると、資金援助があった派となかった派は半々くらい というところでしょうか……。ちなみに、わが家も住宅購入の際は親からの援助を一切受けていません。結婚して新しい家庭を持ったからには、自分たちでやりくりするべきだというプライドがあったためです。●住宅購入時の親からの資金贈与額は平均564万円!?不動産情報サイト『アットホーム』が2014年に、子供が住宅を購入した際に購入資金を贈与した親300名と、贈与していない親300名を対象に行った『住宅購入時の「親の資金贈与」実態調査』によると、購入資金を贈与した親の平均贈与額は564万円 だったということです。564万円あれば、自分たちで貯めた頭金がなくても十分な頭金になりそうですね。親の援助に頼れる家庭が羨ましくなる気持ちもわかります。また、親子の居住地域が同じであった場合には、違う居住地域であった場合に比べて平均贈与額が203万円も多かったという結果が出ています。子どもが自分たちと同じ居住地域(近所)に住んでくれるというのは親にとって大変嬉しいことですから、多く出したくなる気持ちもわかりますね。●親や祖父母からの住宅資金贈与には大きなメリットがある!?親や祖父母から住宅購入資金を贈与してもらうことには、住宅購入資金の一部として利用できるというメリット以外にも大きなメリットがあります。通常、親や祖父母から1年間で110万円を超える財産をもらう際には、『贈与税 』がかかります。しかし、住宅購入のための資金をもらう際には、一定額まで非課税になる『住宅取得等資金贈与の非課税 』という制度を利用できるのです。たとえば、一定基準を満たす消費税8%の住宅を購入する場合は最大1200万円まで(基礎控除額である110万円を足して1310万円まで)贈与税がかかりません。※『住宅取得等資金贈与の非課税』制度を受けるためにはいくつかの条件があります。一般的な財産贈与を受ければ多額の贈与税が発生してしまいますが、住宅購入の際に住宅資金贈与を受ければ贈与税を支払わなくてよいというわけです。そのため、子どもにゆくゆくは譲ろうと思っている財産がある家庭では、贈与税対策として住宅購入の際に贈与を行う というケースもあるということですね。●親から資金援助を受けても周りには言わないのがベターなお、住宅購入の際に親から援助(贈与)を受けたとしても、友達など周りにべらべらしゃべらないのが身のためです。お金の話はデリケートなものですし、誰もがみんな親から資金援助を受けられるわけではありません。「自分で努力もしていないのに親からもらったお金でいい家に住んで……」などと嫉妬されたり、自慢されているだけというように受け取られたりしてしまいます。いずれにしても、良い印象を与えないのは事実。自分たちで汗水垂らして貯めたお金で家を買った場合と、ほとんど親からもらったお金で家を買った場合では、印象が全然違います。友情にヒビを入れないためにも、親からの援助(贈与)は内緒にしておきましょう。【参考リンク】・住宅購入の贈与税と非課税枠お金・制度編マニュアル | SUUMO()・住宅購入時の「親の資金贈与」実態調査 | アットホーム()●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年08月05日株式会社ベツダイが運営する新築規格住宅ブランド「LIFELABEL」と、アメリカンライフスタイルを軸に洋服や雑貨、インテリアなどを提案してきたセレクトショップ「FREAK’SSTORE」がコラボレーション。業界初の新築規格住宅『FREAK’SHOUSE』を開発。全国のLIFELABEL取扱店にて、2017年6月27日より発売します。「つながる=セッション」を楽しめる家住宅ブランドとアパレルブランドがタッグを組んで、新築規格住宅を発売するのは業界初の試み。スローガンは「THEFUNLIFE」家族や仲間、自然と家の中のどんな場所にいてもゆるやかにつながれる空間です。その場で思わずセッションが始まってしまうような、豊かな時間を過ごせる家を目指しました。住み方、楽しみ方は自由自在。ちょっとした家フェスのような感覚を楽しんだり、ウッドデッキに腰をかけて庭でホームパーティーも楽しめます。木の質感を贅沢に使った内装で、自然とのつながりを演出。アメリカのローカルハウスをモチーフに平屋部分を大胆に配置したL字のプランニングが、庭を囲むように各居室に「ゆるやかなつながり」を生み出します。About FREAK’S HOUSE家族や仲間が集うコミュニケーションスペースとして使える、L字のウッドデッキで囲まれた庭。自然とバンドのセッションが生まれるような、ゆるやかで心地いい空間です。吹き抜けを作って上下階のつながりを開放感いっぱいに演出。キッチンはちいさなカフェのようなショップ感で、暮らしの中の楽しさを感じられるデザインです。大きな窓が設置され、庭とゆるやかにつながるリビング。板塀が家の中まで続き、屋内外の連続感を生み出します。本コラボプロジェクトでは、FREAK’SHOUSEにピッタリと合うオリジナル雑貨や家具、アートなども販売します。FREAK’SSTOREにて6/27より順次販売スタート。概要本体工事価格:1,980万円(税抜)庭を囲むようにL字型にデザインされたプラン。延床面積:116.45㎡(35.22坪)床面積:1F:74.36㎡/2F:42.09㎡Pop Up Shop Information千葉県木更津市にあるFREAK’SHOUSEの1棟目のモデルハウスが、7月中旬にPOPUPSHOPとして期間限定でオープンします。家そのものはもちろん、雑貨や家具までが買える特別なショップです。また、FREAK’SSTORE店舗でも、POPUPSHOPを展開します。7月1日にOPENする渋谷店のPOPUPSHOPからスタートし、ららぽーとEXPOCITY店、名古屋店、長野店にて、POPUPSHOPキャラバンを実施予定!その他にも、全国のフリークスストア店頭で、FREAK’SHOUSEやオリジナル家具・雑貨などを紹介するコーナーが登場します。※POPUPSHOPに関する詳細情報は、FREAK’SHOUSEコラボページを御覧ください。Product Name & Logo DesignアパレルブランドFREAK’SSTOREとLIFELABELのコラボレーションによって誕生した新築規格住宅、”FREAK’SHOUSE“。FREAKとは「熱狂的な生活者」という意味で、FREAK’SSTOREのブランド名にも使われています。"自分らしいライフスタイルを送りたい”と考えている“FREAK”のための、理想の住宅です。FREAK’S HOUSEコラボページ LABEL WEBサイト’S STORE サイト
2017年06月15日こんにちは。FPでライターのyossyです。家を購入するときには、一般的に住宅ローンを利用する人が多いものです。金利のタイプは、変動型か、全期間固定型か、はたまた固定期間選択型か。頭金はどれくらい入れるべきか。 どの金融機関を選ぶべきか……などなど、悩みはつきません。さまざまな住宅ローンの商品がありますが、皆さんは『預金連動型住宅ローン』 というのを聞いたことがあるでしょうか?今回は、預金連動型住宅ローンのメリット・デメリットをご紹介しましょう。●預金額に応じて利息がかかる額が変わる預金連動型住宅ローンというのは、簡単に言えば、“借入額から預金額を差し引いた額で利息額が計算される”という商品です。※具体的な商品内容は金融機関によって異なります。※差し引ける上限割合が決められている場合もあります。住宅ローンを利用する場合、“利息の額”はとても重要です。借入額が3,000万円だったとして、仮に1%の金利がずっと続いたとしましょう。35年間借りるとすると、実際に支払う総額は約3,557万円 。利息分が500万円以上になるわけです。・借入額(元本)が多い・返済期間が長い・金利が高いという条件によって、利息額は膨らんでいきます。繰り上げ返済をすればその分借入額が減るので、総返済額が減り、返済期間も短くなります(期間短縮型の場合)。だから頑張って繰り上げ返済する人が多いのですね。●【メリット】繰り上げ返済と似た効果&住宅ローン残高は減らない預金連動型住宅ローンの場合、預金額は減らないままで、繰り上げ返済に似た利息軽減効果 があります。※実際の繰り上げ返済のように、返済期間が短くなったり、(金利変動以外の理由で)毎月返済額が減ったりすることはありません。繰り上げ返済をすると、利息軽減効果がある一方、・手元の現金が減ってしまう(いざというときに困る危険性がある)・住宅ローンの借入額が減り、住宅ローン控除のメリットが減る(なくなる)こともあるというリスクがあります。でも、預金連動型住宅ローンの場合は、そういったデメリットは発生しません。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、入居年や条件によって大きく内容が変わってきます。たとえば一般住宅で平成26年4月1日以降に入居した場合、年間で最大40万円、上限額までいかない場合、“年末残高×1%”が控除されます。納めた税金が返ってくる んですね。ただし、「返済期間が10年以上あること」などといった条件がありますし、借入額が4,000万円を切れば控除額は減っていきますので、繰り上げ返済をすることで逆に損をしてしまうこともある、というわけです。●【デメリット】まとまった預金額がなければ、損をすることもでは、デメリットについてもふれておきましょう。上記のメリットは、まとまった額の預金額があるからこそ得られるものです。預金連動型住宅ローンの場合、利息がかかる額は減りますが、金利そのものは通常の住宅ローンよりも一般的に高いです。預金額が少ない場合は逆に利息額が膨らんで、返済額が増える ということになってしまうのですね。----------いかがでしょうか。自分の返済プランや収支状況をふまえて、しっかりとシミュレーションしたいですね。実際の内容は商品ごとに異なりますので、詳しくは金融機関に問い合わせてみてください。【参考リンク】・住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除) | 国税庁()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年06月08日自分たちの理想の住宅を作りたいという方には、一から相談しながら作れる注文住宅が向いています。しかし住宅は人生で最も大きな買い物といっても過言ではありません。実際にどのくらいの値段がかかるのか、気になるところですよね。今回はそんな方向けに、注文住宅の費用感やローンの注意点などについて解説します。■注文住宅の費用の相場とは?「注文住宅には相場がない」とさえいわれます。これはフリーオーダーならではの特徴で、好きなだけこだわりを入れられるためです。営業担当者も顧客の要求がわからないうちは「ケースバイケースです」としかいえません。とはいえ、顧客は家づくりの専門家ではありません。「ケースバイケースです」といわれても「平均的にはどのくらいなのか」気になるところですよね。つまるところ知りたいのは「自分たちにとってベストなオーダーをした大多数の人たちの家は、どのくらいのお金がかかったのか」ということでしょう。【地域別・注文住宅に使っている費用】住宅金融支援機構が実施している調査「平成25年度フラット35利用者調査」によると、地域別の注文住宅費用は以下のようになっています。全国平均:(費用総額)32,450,000円(坪単価)362,000円首都圏:(費用総額)35,510,000円(坪単価)536,000円近畿圏:(費用総額)32,890,000円(坪単価)45,9000円東海圏:(費用総額)33,680,000円(坪単価)396,000円その他地域平均:(費用総額)30,320,000円(坪単価)281,000円抜きん出て高いのが東京都(費用総額38,930,000円、坪単価812,000円)です。敷地面積が狭いためと(全国平均のおよそ2分の1)、その一方で延べ床面積は全国平均とほぼ同等であることから、階数が増える傾向があるためと考えられます。さらに東京都は土地取得費用も全国一の高さで、2015年4月から2016年3月まで、土地の売買が行われた14件の平均取得費用は41,320,000円になります。最も低いのが鳥取県(費用総額26,490,000円、坪単価257,000円)です。東京都と比較すると、平均敷地面積は2.1倍、坪単価はおよそ3分の1です。最も坪単価が低いのは、愛媛県(費用総額28,720,000円、坪単価184,000円)でした。土地が広いのが特徴で、平均敷地面積は東京都と比較すると3.2倍、全国平均の1.74倍です。鳥取県と愛媛県では調査期間中に合わせて131件の事例がありましたが、土地の購入費用はすべて「ゼロ」つまり土地代がかかっていませんでした。【注文住宅の「値切り」は原則不可能!】建売住宅と違って、注文住宅は基本的に「値引き」はできません!もし見積もりを見て「高いかも…」と感じるのであれば「何を削るか」を考えます。大抵の場合、工数や材料費を落とすことになるでしょう。特注をやめて標準仕様の中から選択するか、建材や壁紙のグレードアップを諦めるといった方法もあります。具体例としては、以下のようなコストカット案が挙げられます。・玄関前の植栽や敷石の種類を変更する(50,000円~)・寝室の床材は節有にする(100,000円~)・壁面作り付けの収納を諦める(200,000円~)・廊下を天然無垢材からフローリング材にする(300,000円~)・お風呂を在来工法のフルオーダーからセミオーダーのシステムバスにする(500,000円~)変更前後のグレードによって、調整される価格は大きく変動します。しかし唯一確実にいえるのは「安くなるのには必ず明確な理由がある」ということ。価格を調整するときは、仕様と見積もりをよく読んで、理解した上で計画を進めましょう。ちなみに「なぜ建売住宅は値引きが可能か」というと、入居者が決まっていない完成済み物件はハウスメーカーの「在庫」になっているためです。企業は一刻も早く在庫を現金化して次の商売に投資したいと考えています。売れないまま古くなっていく物件は放っておくとどんどん価値が落ちてしまうため、ある程度値引きをしても手放したい商品というわけです。一方で注文住宅は極端な話、お金で揉めたら工事をストップすることさえありえます。職人はいつでも「よい仕事」としたいと考えているものですが、それは仕事に対して正当な評価と対価をくれる人に対しての話。技能に払うお金を渋るお客様にはシビアです。■住宅ローンは間に合わない!注文住宅のローンの流れとタイミングとは?注文住宅は契約から入居まで、数ヶ月から数年単位の時間がかかります。そこで気になってくるのが「住宅ローンのタイミング」つまり「いつお金が必要になり、その借り入れや返済の準備はいつから始めるべきか」という点です。【注文住宅のローンは完成後にしか借りられない】住宅ローンは住宅の抵当権を担保にして借り入れます。ローンが返済できない状態が続くと、抵当権が実行され、住宅が競売にかけられます。そして売却したお金で借金の返済をするという仕組み。いわゆる「借金のかたに家をとられる」という状況です。金融機関ではローンの申し込みをうけると担保があるかを確認し、それが審査に通って、初めてお金を貸し出してくれます。つまり住宅ローンは、完成済みの住宅がないと借り入れることができないということです。注文住宅の場合、住宅ローンの借り入れをうけられるのは、物件が完成し、引き渡しが終わったあとということになります。【資金は住宅完成前から必要】しかし注文住宅を建てるときは、契約や着工の時点である程度の金額を支払う必要があります。具体例として、よくあるパターンを紹介します。・土地契約時に、土地の手付金(10%)を支払う・建築契約時に、建物の手付金(10%)を支払う・土地の決済(土地代の90%を支払う)・住宅の着工時に20%の手付金を支払う・上棟の時点で建物金額の30%を支払う・引き渡しのときに残金精算(建物金額の50%やその他諸費用を支払う)例えば土地代10,000,000円、建物20,000,000円の注文住宅を購入する場合、住宅ローンを使った支払いができるのは、住宅が完成してローンの本審査を通ったあと、最後の「引き渡し」のときになります。しかし実際は住宅ローンを組む前に、土地代や建築の中間費用として20,000,000円の資金が必要になるのです。すべて自己資金で支払いができる人であれば問題ありません。しかしそこまで潤沢な余剰金を持っていない人にとっては、土地や住宅の購入が決まってから、実際に担保となる建物が完成して住宅ローンの融資をうけるまでの間に必要となる資金を、どこからか調達する必要が出てきます。そこでよく利用されるのが、住宅の担保なしで借り入れができる「つなぎ融資」です。【つなぎ融資とは】つなぎ融資とは住宅ローンで返済することを前提にした融資です。住宅の契約から実際の引き渡しの期間に限ってうけることができます。住宅ローンと違って担保が不要で、融資期間中に支払うのは利息分のみ。顧客にとっては多額の中間費用を貯めなくとも家を建てることを可能にする嬉しい仕組みです。【つなぎ融資を利用した住宅ローンの流れ】つなぎ融資を利用した場合、住宅ローンの流れは、以下のようになります。1、土地を決める(土地を購入する場合はローンを組んで購入)2、注文住宅を建てる業者を決め、契約を結ぶ3、相談しながら家の設計をする4、家の間取りや形、仕様が決まったら住宅ローンとつなぎ融資を申し込む(土地のローンと同じ金融会社)5、つなぎ融資で住宅完成前に必要なお金を支払う6、工事開始(工事中に請求される金額も、つなぎ融資で支払う)7、住宅が完成する8、完成した住宅を担保に住宅ローンの審査が行われる9、審査通過後、住宅ローン開始10、住宅ローンでつなぎ融資の返済をしていく(元金のみ)11、つなぎ融資を完済したら、残った住宅ローンの返済をする上記は土地がない場合の流れです。すでに持っている土地に住宅を建てる場合、土地の部分は省きます。【つなぎ融資の注意点】つなぎ融資は、住宅ローンよりも金利が高く設定されています。現在住宅ローンの金利は非常に低く、変動金利で0.6%、35年間の固定金利でも1%程度です(2017年4月時点)。一方でつなぎ融資の金利はおおむね3%前後です。上記の具体例であった20,000,000円を金利3%のつなぎ融資で調達し180日間借りると、精算のときには利息分がおよそ300,000円になります。なお同額の20,000,000円を金利1%、35年返済の住宅ローンで借り入れた場合、180日間で支払う金利はおよそ53,000円です。実際の計算方法はもう少し複雑で、単純に比較することはできません。しかしわずかな金利の違が大きな差になることはわかってもらえるでしょう。またつなぎ融資と住宅ローンは、基本的に同じ金融機関で申し込みます。そのためつなぎ融資を取り扱っている金融機関を選ばなければなりません。もし土地を購入する際にもローンが必要なら、土地のためのローンを借りるのも同じ金融機関である必要があります。さらにつなぎ融資は住宅ローンとは違うローンなので、申込事務手数料や印紙代は別にかかります。【つなぎ融資不要の住宅ローンもある】一部の金融機関が提携している金融商品に、住宅の完成前にローンを組めるものがあります。銀行と消費者の間を取り持つサービスで、銀行に対しては「住宅の完成を保証」し、消費者に対しては「住宅の完成前に金利の低い住宅ローンを利用する」ことを可能にしたものです。利用のための手数料がかかり、提携する銀行を探す必要がありますが、つなぎ融資による日割りの利息よりも安く済む場合が多く、一考の価値があります。また物件の完成前に分割して融資をうけられる「分割実行」が可能な住宅ローンも存在します。これは一部の金融機関が取り扱っているサービスで、住宅の完成前から住宅ローンの低金利が適用されます。審査基準は厳しく、提出資料も多いため消費者の負担は増えますが、分割実行によってつなぎ融資を不要にできれば、数十万円単位での節約が可能になります。■まとめ注文住宅は考えることも決めることも非常に多く、労力のかかる一大事業です。しかし自分にとって最高の家を建てられたときの感動と愛着は素晴らしいものになるでしょう。後悔や不満の残らない家づくりのために、注文住宅の特徴やお金について理解を深め、計画的に建築を進めましょう。
2017年05月12日注文住宅で新築の家を建てることは、ほとんどの方にとって人生初の経験。最低でも3,000万円以上と大きな買い物になるわけですから、失敗のないようにしたいですよね。そこで参考にしたいのが、注文住宅購入経験者の失敗談。実際に建ててみて、住んでみて「もっとこうすればよかった」と後悔している声に耳を傾けると、成功へのポイントが見えてきます。そこで今回は、注文住宅のよくある失敗談をまとめてみました。後悔のない家づくりのために、気を付けるべきポイントをチェックしましょう。■あるある!注文住宅での失敗談実際に注文住宅を建てた方の体験談を集めてみると、特に多いのが「収納スペース」「広さ」「キッチン」「断熱性」「予算面」の5つの項目における失敗。それぞれどのような後悔ポイントがあるのか、1つ1つ見ていきましょう。【失敗談1】収納スペース使い勝手のよい収納は、快適な生活を送るために欠かせないポイント。収納で失敗してしまうとさまざまな障害が生まれるため、広さや数など慎重に検討する必要があります。まずありがちな例としては、大きすぎる収納。確かに収納スペースが広いと、たくさんものがしまえて便利です。しかし収納が大きければ大きいほど、ものは増える一方。つい「大きい収納があるから」と不必要なものまでも買い込んでしまうからです。逆に小さすぎる収納も扱いに困ってしまいます。足りなくなったら収納棚を買い足せばよいと作り付けの収納を少なくしてしまうと、棚ばかりが増え、部屋が狭くなってしまいます。家族の人数やしまうものの量に見合っているかどうかが重要と言えるでしょう。また、最近はパントリーやウォークインクローゼット、床下・屋根裏収納などがトレンドとなっていますが、実際暮らしてみると「必要なかった」「掃除が大変」という声も。流行に敏感になりすぎず、自分たちの生活に本当に必要な収納なのかどうかをしっかり見極める必要がありそうです。収納で失敗しないポイントは、必要な収納のサイズや数をじっくり検討すること、そして間取り図を見るだけではなく、実際の寸法をチェックして最終決定することです。「ここの収納にはこれだけのものが入る」と具体的にイメージしながら決めるようにしましょう。【失敗談2】広さ部屋の広さでの失敗談もよく耳にします。その多くが「リビングを広く取りすぎて、他の部分が窮屈になってしまった」というものです。確かに広々としたリビングは憧れですよね。「たくさん人を呼びたいからリビングスペースを大きく確保しよう」とリビング主体で間取りを考える方が多いようです。しかし実際はそれほど頻繁に大勢の人が来るわけでもなく、「こんなに広くする必要はなかった」と悔やむケースがたくさんあります。リビングを必要以上に広く取ってしまうと、それだけ廊下や玄関、収納、トイレといった他のスペースが削られてしまい、不便を感じる可能性があります。平面図を見ただけでは実際の広さをイメージしにくいため、担当者と相談しながら全体の利便性を意識した広さに調整しましょう。【失敗談3】キッチンキッチンは毎日家事を行う大事なスペース。失敗してしまうとそう簡単には変更がきかないため、不便なまま生活をしなければなりません。よくあるのが壁面スライド収納にして後悔するケース。一見すると非常にすっきりとしていてオシャレな印象ですが、何もかも出さないと使えないといった不便さがあり、実用的とは言えないでしょう。またキッチンの配置に関する失敗談も多いようです。動線重視でL字型キッチンを選んだものの、赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの時期にゲートを取り付けられず「カウンターキッチンにしておけば」と悔やむ声がたくさん。これから子供を考えている場合は、子供の安全も配慮した上で配置を考えた方が良ささそうです。【失敗談4】断熱性注文住宅と聞くと、多くの人が思い描くのが「吹き抜け」。明るくて広く感じられる吹き抜けに憧れて、リビングを作るケースが多いようです。確かに吹き抜けにすると採光性が抜群で、明るく開放的な雰囲気。何より見た目がとてもオシャレで、家全体が洗練された印象になります。1階から2階、2階から1階へと声が届きやすいため、どこにいても家族の気配を感じることができて安心感が得られることも大きなメリットです。しかし懸念すべき点は断熱性。特に注意したいのが、冷暖房の効率の悪さです。冬にリビングの暖房をつけても暖かい空気が2階へどんどん逃げていき、夏は熱気がすべて2階に滞ってしまって2階が暑すぎるといった現象が起こります。「見た目の良さで吹き抜けにしたけど、光熱費もかかるし、よいことがない」と後悔する声が多いのは、これが理由です。ただし家全体の断熱性を高めたり、採冷暖房の配置を工夫したりすれば、吹き抜けを取り入れた快適な住まいの実現も可能です。また光や空気の循環を考慮した間取りを考えれば、断熱性の問題も改善されます。それには吹き抜けに精通した実績豊富な業者に依頼することが絶対条件。何を重視するかをしっかり考えながら、断熱性を意識した住み心地のよい家づくりをプランニングするとよいでしょう。【失敗談5】予算自分で何もかも決められる注文住宅だからこそ失敗しやすいのが、予算面。事前にある程度予算を決めていても、建築プランを考えているうちにあれもこれもとこだわりが増えていき、1つ1つに予算をかけすぎて失敗するケースが多く見られます。「せっかくの注文住宅だから」「一生に一度のことだから」とこだわりすぎてしまうと、あとあとのローン返済が大変。そうならないために、こだわりたい部分にはお金をかけ、逆に削れるところはなるべく削るというように、予算にメリハリをつけることが大切です。さらに住宅本体の建築費以外にもさまざまなお金がかかることを認識しておきましょう。つい建築費ばかりに目が行ってしまってギリギリの予算を組んでいたら、結果的に照明やカーテン費用、登記費用、火災保険費用、家具や家電の新調費用などがプラスでかかり、ローンの借入額を増やさなければならなくなったケースが多いようです。そういった建築以外の費用も念頭に置いて、予算を組みましょう。そして工事途中で何らかの変更が生じるケースを想定し、余裕を持って予算プランを立てることをおすすめします。■注文住宅は間取りが命!気を付けるべきポイントとは間取りはその家の住みやすさを決める重要なもの。だからこそ慎重に決めたいところですが、実は後悔する事例が最も多いようです。「生活のしやすさを考えたはずなのに、実際に暮らしてみたら暮らしにくい…」とならないために、間取りを組む際に気を付けたいポイントをチェックしておきましょう。【水回りの位置や採光性には慎重に】キッチン、バスルーム、トイレなどの水回りの位置は、配管の関係もあり1度決めたらそう簡単には動かすことができません。安易に決めず慎重に検討しましょう。また水回りは音が発生することも念頭に置き、寝室の近くは外すなど音への配慮も忘れずに行いましょう。採光性も間取りを決める上で大切な要素。方角を見て部屋の位置や窓の位置、大きさを決めましょう。採光性で失敗すると、寒すぎる、暑すぎるといったストレスと長年付き合っていかなければなりません。そうならないためには、部屋の用途を考慮してじっくり考えることが大切です。【生活動線を意識した間取りを】人が行き来する動きをイメージしながら間取りを考えると、生活しやすい住まいを実現できます。特に生活の主要スペースであるリビングをどこに配置し、そこからキッチンや洗面所、バスルームなどへ楽に移動するにはどのような間取りが理想的かを考えましょう。よくある失敗談としては、洗面所とバスルームを2階に配置してしまったため、1階で手を洗う際はキッチンの蛇口を使わなければならないケースです。また階段をリビング内に配置したため、子供の友達が来た時にリビングが丸見えで気になるという失敗談も耳にします。さらに2階から浴室に行くにはリビングを通る必要があるため、来客中にはお風呂に入れないケースも。住み心地の悪さは一生ついて回るため、動線を意識した暮らしやすい間取りを考える必要があります。対策としては間取りをある程度決めたら、その間取りで生活する場合の動線を頭の中でイメージしてみること。朝起きて洗面台に向かい、その後キッチンで朝食をつくってダイニングに運んで食べ、トイレに向かう…というように、実際どのような動きで生活するのかをシミュレーションしてみましょう。そうすることで生活のしやすさ、不便さがわかり、間取りでの後悔を未然に防げます。また家族の動線だけでなく、来客時のお客様の動線も意識してみましょう。特に来客が多い場合は、その動線が邪魔をしていつも通りの生活を送れず、不便を感じるケースが多く見られます。少し不便だけど我慢できる範囲内と思っても、実際生活してみるとその不便さがより大きく感じられるもの。気になるところはしっかり対処して、自分や家族が快適に過ごせるかどうかを優先しましょう。【未来のことも考慮して間取りを考える】「現時点の生活にマッチした間取りを考えてしまい、将来的に間取りのリフォームが必要になった」という失敗談もよく耳にします。中でも特に多いのが「家族が増えて部屋が足りなくなった、スペースが狭くなった」というもの。注文住宅建築時点では快適な間取りでも、子供が生まれたり親と同居したり、近い将来に家庭環境が大きく変わる可能性もあります。そうなった時に「子供部屋が狭い」「トイレが1つでは足りない」「洗面所が狭い」といった不満が出てくるでしょう。建築する時期のことだけを考えて間取りを決めるのではなく、近い未来のことも考えて決めることが失敗防止に繋がります。■建売住宅は間取りの失敗が少ない!?注文住宅と建売住宅の違いとはこうして見てみると、注文住宅は自由自在に間取りや仕様を決められる反面、実際の生活をしっかりイメージできずに失敗してしまうケースが多いことがわかります。一方で建売住宅の場合はそういった失敗談は少ないようです。そもそも建売住宅と注文住宅の違いとは何なのでしょうか?建売住宅は販売会社から土地と建物を一括で購入するタイプです。すでに建物が建築済みのケースと、プランのみ出来上がっていて建物はこれから建築するケースがあります。建物が未完成の場合でも、建築プランは確定しているため、プラン通りに施工が進められていきます。建売住宅の最大の特徴は間取りや仕様が決まっているため、実際の生活をイメージしやすいことです。実物が経っている場合は家の中を見学して生活動線や家具、家電の配置を思い描きながら購入を検討できます。また建物が未完成の場合でも、具体的な図面を見たり、同じタイプの間取りの物件を見学したり、事前にしっかりと生活のシミュレーションができることが大きな魅力です。そのため注文住宅でありがちな「イメージと違う」といった失敗はほとんどありません。ただ生活スタイルや好みは人それぞれです。自分や家族にマッチした住まいを実現できる注文住宅は、理想を実現できる喜びはもちろん、作り上げる工程から楽しめます。最近では実際に建てられる住宅を、立体画像でシミュレーションできるシステムがあります。これによって家の外観から中の様子までイメージできるようになってきました。このようなツールをうまく使えば、図面とのギャップを最小限に抑えることができ、失敗を未然に防ぐことができるでしょう。また信頼できる施工業者を見つけることで、過去の事例や経験談から「この間取りは生活しづらい」「リビングは採光性を考えてここに配置するべき」など、アドバイスを受けられます。同じ目線に立って親身に相談に乗ってくれる施工業者を見つけることが、成功へのカギとも言えるでしょう。■おわりにいかがでしたか?注文住宅を成功させるためには、実際の生活を具体的にイメージして建築プランを立てること、そして信頼できる業者を見つけることが大切です。一括見積もりを利用すれば、注文住宅の実績豊富な業者、アドバイスが得られやすい優良業者を見つけられます。ぜひ一括見積もりを利用して気になることや不安なことはプロに相談し、失敗のない快適な家づくりを目指しましょう。
2017年05月12日理想の住まいをゼロから作り上げる注文住宅、憧れですよね。しかしいざ注文住宅を建てたいと思っても、土地の購入方法やプランの進め方、ローンの組み方などわからないことがたくさんあります。そこで今回は、注文住宅購入の流れや注意点を徹底解説!スムーズに計画を進められるよう、事前にしっかりチェックしておきましょう。■注文住宅を購入する際の流れ【手順1】住みたい家のイメージをクリアにするまずは「どこでどんな暮らしがしたいのか」を明確化することからスタートします。以下のポイントを1つ1つ考えながら、住まいの具体的なイメージを膨らませていきましょう。・住みたいエリア「○○区」「○○市内」「○○線沿線」と大まかなエリアが決まったら、最寄り駅までの時間や通勤・通学時間、周辺施設の充実度などを考慮して、希望する立地をさらに特定しておきましょう。・広さ家族構成やライフスタイルを踏まえながら、建てたい家の広さを考えます。もしもイメージしづらい場合には、モデルルームや建売住宅を見学してみましょう。「○○平米だとこれくらいの広さ」と体感でき、生活に必要な広さや部屋数を決めるヒントです。また庭をどうするか、駐車スペースは何台分要るかなども忘れずに考慮し、最低限必要な土地の広さを算出しておきましょう。・外観や内装についてどのような外観や内装にしたいか、ある程度イメージしておくことも大切です。こだわりたいポイントがたくさんある場合は、ただ単に羅列するのではなく優先順位をつけておきましょう。また「夏は涼しくて冬は暖かいリビング」「キッチンは対面式に」など、条件はできるだけ具体的に書き出すことがポイントです。住みたい家のイメージを明確にすることで、この後の土地探しがとてもしやすくなります。家族でしっかり話し合い、希望条件をまとめておきましょう。【手順2】資金計画を立てる次に注文住宅を建てるための資金計画を練ります。現在の貯金額を考慮した上で、用意できる自己資金額や毎月返済可能な額を算出しましょう。すると必然的に、注文住宅にかけられるトータル金額(土地代+建物代)が見えてきます。また建築費用の他に必要となるコストにも気を配りましょう。電気やガスを使うための工事費、検査機関などに申請をするための費用、さらに新居へ引っ越しする際にもお金がかかります。家具・家電を新調する場合にはその購入費も必要です。こうした費用は引き渡しまでに準備しておく必要があるため、あらかじめ頭に入れながら資金計画を立てましょう。【手順3】土地と施工会社を探す住みたい家のイメージや予算のめどが立ったら、土地を探し始めます。住みたいエリアの不動産会社に相談し、希望条件をもとに適した土地物件を紹介してもらいましょう。同時に建築を依頼する施工会社を決めましょう。一般的には、ハウスメーカーや工務店、設計事務所に依頼をするのが主流です。ハウスメーカーは実績豊富で安心、工務店は地域密着型で融通が利きやすい、設計事務所は希望を最大限具現化できるといった特徴があります。希望する住まいを実現できるかどうかは施工会社次第といっても過言ではありません。積極的に住宅展示場や実際の施工物件に足を運び、納得して任せられるところを選びましょう。また土地探しと同時期に施工会社を探すことで、希望する建築が可能かどうかを見極めながら土地を選ぶことができます。土地を購入してから「この土地にこの建築は難しい」と却下されてしまうことがないよう、同時進行で探すことをおすすめします。【手順4】敷地調査と地盤調査その土地に希望通りの家が建てられるかを判断するために、敷地調査と地盤調査が行われます。これらの調査は、施工会社経由で依頼するのが一般的です。中には費用を負担してくれる施工会社もあります。・敷地調査敷地を測量し、正確な形状を把握する調査です。具体的には登記簿上の面積と合致しているか、道路や隣地との高低差はどのくらいか、水道・ガス・電気などの配管の有無などを確認します。またその敷地にかかる法的な規制(建ぺい率や容積率、高さ制限など)についても調べられます。この調査によって、建てる際に縛りがあるかどうかがわかります。・地盤調査地盤の性質を調べることで、安全に住まいを建築できるかどうかを確認できる調査です。結果によっては追加で地盤改良工事が必要になるケースも。安全な暮らしのためにしっかり確認しておきましょう。【手順5】土地の購入・契約土地の安全を確認できたら、いよいよ購入手続きです。契約のときには一般的に手付金として土地代金のおよそ10%を支払います。この手付金は契約後に買い手側の都合でキャンセルする場合は戻ってこないケースが多いため、注意しましょう。また土地を紹介してくれた不動産会社に支払う仲介手数料や、土地購入の申請手続きの際に必要な契約印紙代なども別途かかる場合があります。土地探しの段階から、契約時にかかる費用の目安を確認しておくと安心です。ちなみに、土地代金の残りの支払い方法は、ローン返済が主流。一般的に仲介してくれた不動産会社がリードして手続きを進めてくれます。【手順6】施工会社と具体的なプランニング間取りや各部屋の広さ、内装や外観の素材、設備のグレードなど、具体的な建物プランニングを進めていきます。納得のいくまでミーティングを重ねて決めるため、最低でも3ヶ月程度要すると認識しておきましょう。【手順7】建築請負契約を結ぶ建築する建物のプランが決まったら、請負契約を行います。「工事請負契約書」「工事請負契約締結書」「見積書」「設計図書」と呼ばれる4つの書類を1つ1つ確認し、同意の上署名します。かなりボリュームがあるため、事前に写しをもらっておき、わからない点をあらかじめ確認してクリアにしておくとスムーズです。建物建築費用も土地代金と同様にローンで返済するのが一般的。金融機関によっては土地と建物をセットでローンが組める場合もあります。その方が税金面でのメリットが大きいためおすすめです。【手順8】建築確認申請から着工いよいよ着工ですが、その前に行わなければならないのが建築確認申請。建物プランが建築基準法や条例などに適合しているかの確認を受けるために、書類を役所に提出します。申請内容に問題がなければ「確認済証」が発行され、晴れて着工開始です。■【土地購入前に必読】チェックしておきたい5つのこと不動産会社から紹介してもらう土地は安全であるケースが多いですが、中には問題のある厄介な土地が紛れている可能性も。気に入った土地が見つかったら、念のため土地の登記事項証明書を見せてもらい、どんな土地なのか詳しく確認しておくと安心です。その際チェックしておきたい5つのポイントをまとめてみました。【チェックポイント1】条件の悪い土地ではないか過去に地盤沈下が起こるなど地盤に問題がある土地の場合は、事前に地盤改良工事を行う必要があり、その分費用が上乗せされます。また隣接する土地との境界線をチェックし、隣家とのトラブルが起こりやすい形状ではないかどうか確認しておきましょう。【チェックポイント2】用途地域のチェック土地には「その土地が主にどういうもので利用するか」という設定されています。建物の種類や構造、高さなどに制限が設けられているため、その土地がどういう場所なのかは事前にチェックが必要です。用途地域によって周辺の環境にもかなりの差が出ます。例えば「第一種低層住居専用地域」に分類される土地は、一般的な住宅以外を建てることが難しいエリアで、住環境としては最適です。一方「準工業地域」に分類される土地は、住居を建てることは可能なものの、環境に悪影響を及ぼす恐れのない工場が住居と混在しているエリア。多少の音や臭いといった影響は否めず、閑静な住宅地を望む場合は適していないでしょう。【チェックポイント3】接道義務のチェック土地を購入する際には「建築予定となる土地が道路に面しているか」も重要です。建築基準法では建物を建てる土地は、道路に2m以上接している必要があると定められています。接する道路も4m以上の幅が必要です。昭和25年以前に建てられた建築物はこの条件を満たしていない場合が多いため、古い建物を取り壊して更地にし、新たに注文住宅を建てる場合には特に注意しましょう。【チェックポイント4】建築条件付きの土地物件かどうか土地によっては、不動産会社と工務店がコラボして販売しているケースもあり、これを「建築条件付き物件」といいます。つまり、建築業者が限定されてしまっており、自分で業者を選ぶことができません。トータルコストが割安になるといったメリットもありますが、どこでコストを抑えているのか不透明な部分や、自分で業者を選べない分こだわりを追求した家づくりがしにくいといったデメリットも。建築家選びから自分で行いたい場合は、こうした建築条件付き物件は不向きといえるでしょう。【チェックポイント5】占有者がいる土地ではないか購入したい土地に居座る占有者がいる場合は、建物建築後もトラブルに発展する可能性があります。不当な占有者がいる物件は避けた方がよいでしょう。このような条件を事前にきちんと確認し、各項目に納得した上で土地購入の申し込みを行いましょう。そして土地の売買価格、支払い方法、引き渡し時期などを不動産会社と相談し、契約を交わします。ここで大切なのは「その土地の価格相場をしっかり調査しておくこと」です。国土交通省が定める地域ごとの「地価公示価格」、さらには国道局長が定める道路ごとの「路線価」をチェックしましょう。どちらもインターネット上で簡単に調べることができます。その土地が属する地域の価格相場を把握しておくと、価格交渉をよりスムーズに行えます。場合によっては相場よりもかなり上乗せされた価格を提示されることもあるため、慎重に下調べを行いましょう。■住宅ローンを組む際の流れと注意点土地や建築プランの売買契約を行ったら手付金を支払い、残金は引き渡し時に決済します。一般的には住宅ローンに申し込みをし、残金の資金調達するケースがほとんど。事前審査で承認が下りていればスムーズにローン契約が進み、融資してもらうことができます。ただし注意しなければならないのが、住宅ローンが実行されるのは、一般的には建物の引き渡し時点であることです。注文住宅は土地代金を先に支払うケースが多く、土地と建物をセットでローンを組めないケースもあります。また建物の「施工費用」に関してはローンに含めることができず、通常は契約から引き渡しまでの間に一括、または数回に分けて支払う必要があります。このようにそれぞれの支払いのタイミングでお金を用意できない場合は「つなぎ融資」を検討しましょう。これは住宅ローン実行までの間につなぎで融資を受けられるサービスです。金融機関によって取り扱いが異なるため、必要な場合は事前にしっかり確認しておきましょう。【2つの住宅ローンのタイプ】住宅ローンについてもきちんと下調べをし、どのローンを選んで契約するか慎重に検討する必要があります。住宅ローンは主に「固定金利型」と「変動金利型」の2つです。それぞれの特徴を以下でチェックしましょう。・固定金利型借入から返済が終わるまで、金利がずっと変わらないタイプです。金融情勢によって金利が変わらないため、借入時に総返済額がいくらになるかを把握できます。そのため返済の計画を立てやすいことも大きなメリットです。低金利のときに借り入れを行えば、将来的に金利が上昇しても返済額は変わりません。逆に金利が高めの時期に契約してしまうと、低金利時代が訪れたときにその恩恵を受けられないといった懸念点もあります。借入から返済までずっと金利が変わらないものもあれば、固定金利の期間が限定されているタイプもあります。・変動金利型金利が途中で変わる可能性があるのが、変動金利型です。金利を半年ごとに見直し、そのときの経済状態によって金利が決まります。ただ仮に金利が上がったとしても、5年間は今までと同じ金額を返済します。6年目に返済額が見直されますが、基本的に前5年間の1.25倍以上の支払金額になることはありません。市場に合わせて金利が上がったり下がったりと不安定ではありますが、低金利のときはその恩恵を十分に受けられるといったメリットがあります。逆に金利が高いと返済額が増えるため、きちんと理解した上での契約が大切です。金融機関によって取り扱いに差があるため、どちらのタイプにするかを十分に考えた上で住宅ローン契約を行いましょう。自分たちのライフプランに合わせて選ぶのがおすすめですが、迷ってしまう場合は不動産会社や施工業者に相談してみるのもひとつの方法です。業者はたくさんの事例を見てきているため、「今契約するならこのタイプがおすすめ」と的確なアドバイスをもらうことができるでしょう。■おわりにいかがでしたか?注文住宅の購入を検討している場合は、こうした手順や段取りといった流れを把握しておくと、全体像が見えてスムーズに計画を進めることができます。事前に調べておくべきことを整理して、慎重に計画を進めていきましょう。
2017年05月12日人生で最も高い買い物の1つが「住宅」。マイホームを購入する人は、普通に生活しているうちにはとても目にすることのないような金額を借りることになります。住宅購入の際は、つい物件価格やローン金利にばかり興味がいきがちです。しかしマンションを購入するときに必ずチェックするべきなのが「管理費」と「修繕積立金」。高すぎるのも困りものですが「安ければ安いほどよい」というものではありません。■管理費とマンション修繕積立金の仕組みと関係居住費用は1度決まったらそう簡単に変えられない「固定費」です。毎月の負担額が生活を圧迫しないよう、家計にとって無理のない額に抑えたいですね。居住費用の内訳は「ローン返済(元本+利息分)+管理費+修繕積立金」です。そのうち管理費と修繕積立金は、ローンが終わって物件が完全に自分のものになっても、毎月支払う必要のある費用です。【管理費って?】マンションの共有部分を管理するために必要な費用を、住人の個数で割って負担するのが「管理費」です。具体的には、以下のような例があります。・エレベーターの定期点検・エントランスフロアの清掃・管理人の給料高級マンションでは、設備が豪華になります。・コンシェルジュサービス・来客用ゲストルーム・公園、カフェテリアなど住民用の憩いのスペースこれらを維持するためにかかるコストはすべて「管理費」です。マンション購入時に決められ、管理組合による見直しがない限り、管理費が変更されることはめったにありません。【修繕積立金って?】最近のマンションの耐用年数は、70年とも100年ともいわれます。しかし、それは「適切にメンテナンスをしていれば」の話。どんなに堅牢なマンションでも、メンテナンスをしなければ、あっという間に劣化してしまいます。マンションを安全・快適に保ち、安心して暮らせる場所として維持するのは、マンションを購入した住民たちの役目です。そこで全世帯が共有している設備やエリアは12年、20年、30年といった、長い周期で定期的に修繕工事を行う必要があります、修繕工事の代表的なものといえば、以下のような例があります。・エレベーターの入れ替え・外壁の再塗装・水道管の交換設備の充実したマンションでは、その他にも以下のような工事が必要になるでしょう。・立体駐車場の補修、取り替え・ゲストルームのリフォーム・スポーツジムや屋内プールの修繕大規模修繕は数千万円から数億円規模の費用が必要です。この多額の費用を、修繕工事を行うときになって居住者から一括で集金するのは困難でしょう。そこで将来的に必要になる修繕工事のために前もって毎月徴収し、計画的に積み立てていくのが「修繕積立金」です。修繕積立金の額面は、マンションの長期修繕計画にしたがって決められます。新築マンションでは購入のときに一括してある程度の額を「修繕積立基金」として徴収し、毎月の負担額を抑えるなどの工夫をしていますが、さまざまな理由から修繕積立金が不足した場合には、額面の引き上げがされます。【管理費と修繕積立金の関係】管理費と修繕積立金には正の相関関係、つまり「管理費の高い物件は修繕積立金も高い傾向」があります。これは前述の通り、マンションの規模や設備の豪華さによるものです。マンションは規模が大きくなるほど共有設備も豪華になります。いわゆる「億ション」と呼ばれるような都心部の高層マンションにはスポーツジムや住民専用のレストランなどもあり、それらの維持はすべて管理費で賄われます。そしてマンションの大規模修繕は12年から20年に1度の周期で実施されます。新築時は最新だった豪華な共有設備も、古さが気になってくるころでしょう。そのような場合にはマンションの資産価値を保つために、設備の入れ替えやリフォームが必要です。共有設備をシェアする戸数が多いほど、1戸あたりの負担が減ります。しかしその分、別の設備にコストがかかるため「戸数が多いほど管理費・修繕積立金が低い」とは限りません。【修繕積立金は中古マンションの方が高い?】修繕積立金の額面は一般的に築年数が長い「古いマンション」の方が高いです。これには主に3つの理由が挙げられます。・修繕積立金の残高不足・修繕費用の増加・修繕積立金の見直しと増額がはじめから予定されている①修繕積立金の残高不足修繕積立金は、長期修繕計画によって算出されます。しかし新築マンションの分譲は完売させることを最優先にして、ギリギリの計画を立てていることも珍しくありません。悪質なケースは、当初の計画段階ですでに金額が不足していることもあるようです。しかし新築の時点でその計画が妥当であるかを、一般顧客が見抜くのは困難です。資金計画の甘さは大規模修繕が近付き、工事の見積もりをとったときになって発覚します。「積立金が足りない!」という事態が起きても、修繕工事は目の前に迫っているため、毎月の額面の引き上げに加え、一時金の徴収なども視野に入れた急ぎの対策が求められます。また空き部屋の増加によって、修繕積立金が不足するケースもあります。新築時には全戸が入居していても、退去や賃貸運用などで空き部屋が増えると、計画通りの積み立てが難しくなります。そこで空き部屋の多いマンションでは、修繕工事に備えるために修繕積立金を引き上げる必要が出てきます。②修繕費用の増加マンションの大規模修繕は12年から20年周期で実施されます。理想的な資本主義経済は「ゆるやかなインフレ」によって発展するため、ほとんどの場合、修繕工事の際には新築時よりも物価や人件費が上がります。当初の見積もりよりも多くの修繕費用が必要になったら、その時代の経済状況にあわせて修繕積立金を引き上げられます。修繕費用の増加が起きるもう1つの原因は、物件の「予想以上の劣化」です。当初の想定を超える損耗や災害による建物のダメージがあった場合は、修繕計画の内容そのものを見直し、費用や各世帯の負担額を再計算しなければなりません。③修繕積立金の見直しと増額がはじめから予定されている修繕計画に当初から値上げが織り込まれている場合もあります(段階増額積立方式)。新築購入時に「修繕積立基金」を一括して徴収し、新築から最初の数年間は毎月の徴収額を低く抑えます。築年数が進むごとに段階的に引き上げるため、居住者にとってはローン初期の負担が軽くなり、引き上げ時期の見通しがつくというメリットがあります。■国土交通省のマンション修繕積立金のガイドラインとは国土交通省では「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」という文書を作っています。この文書は新築マンションの購入を検討している消費者を対象に、修繕積立金について知っておくべきことや金額の目安を紹介するものです。これを利用すればマンション販売者が提示する修繕積立金の額が妥当であるかを判断できます。マンションの修繕積立金は、将来的に必要となる大金に備えて徴収されるものです。しかし新築マンションを建築・販売する事業者は、完売を優先させて「お得感」を演出するため、実際に必要となる金額よりもかなり低い修繕積立金を設定している場合も珍しくありません。購入当時は得をしたと感じていても、修繕工事のタイミングになってようやく「実は毎月の徴収額が少なすぎていた」ということが発覚しては、元も子もありません。販売事業者の数字のマジックにはまらないためには、正しい相場感を知っている必要があります。「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、どのくらいの修繕積立金が相場なのかを1平米単位で示しています。これは国土交通省によって作られている「長期修繕計画作成ガイドライン」にしたがって計画された84の長期修繕計画をもとにしています。購入を検討しているマンションの条件にあわせて床面積をかければ、適切な修繕積立金の目安が分かる、という仕組みです。■マンション修繕積立金の相場【相場の見かた】ガイドラインの金額は30年間同じ額面を均等に積み立てる「均等積立方式」で計算されています。築年数に応じて徐々に増額していく「段階増額積立方式」の場合は、いずれ増額される金額を含めて妥当性を検討する必要があります。また外壁が「塗装仕上げ」であれば、定期的な塗り替えが必要です。タイル貼りであれば塗り替えは不要ですが、劣化によってひび割れやタイルの浮きが起こるため、やはり定期的な点検を行うべきでしょう。使用している建築材料が高級な天然素材のものであれば、点検や手入れの費用は上がります。共用の水道管に経年劣化や腐食に強い新素材が使用されていれば、更生や更新(取り替え)工事を遅らせ、水まわりの修繕工事費用を抑えることができるでしょう。このようにマンションの規模や構造、共有設備の仕様などによって、修繕工事にかかる費用は大きく異なります。たとえガイドラインから外れる金額であっても、それが不当に高い、あるいは異常に安いということにはなりません。ガイドライン内で示されているのも「平均金額」と「事例の3分の2が含まれる金額」なので、あくまで参考資料となります。それではここからガイドラインをもとに、具体的な例を挙げて修繕積立金の相場金額を見ていきましょう。【例1ファミリー向け小規模マンションの3LDK】建物:8階建て、延べ床面積4,000平米住宅の広さ:70平米1平米あたりの修繕積立金平均値:218円全体の3分の2が含まれる値:165~250円目安となる修繕積立金平均値:15,260円全体の3分の2が含まれる値:11,550~17,500円【例2ファミリーや資産運用向けなど、さまざまな間取りのある中規模マンションの1LDK】建物:12階建て、延べ床面積11,000平米住宅の広さ:50平米1平米あたりの修繕積立金平均値:178円全体の3分の2が含まれる値:135~220円目安となる修繕積立金平均値:8,900円全体の3分の2が含まれる値:6,750~11,000円【例3ファミリー向け中規模マンションの4LDK】建物:10階建て、延べ床面積8,000平米住宅の広さ:80平米1平米あたりの修繕積立金平均値:202円全体の3分の2が含まれる値:140~265円目安となる修繕積立金平均値:16,160円全体の3分の2が含まれる値:11,200~21,200円【例4高級タワーマンションの3LDK】建物:32階建て、延べ床面積25,000平米、立体駐車場60台(3段昇降式)住宅の広さ:70平米1平米あたりの修繕積立金平均値:206円全体の3分の2が含まれる値:170~245円3段昇降式(2段ピット)駐車場の1台あたり月額修繕費:6,040円目安となる修繕積立金平均値:14,420円全体の3分の2が含まれる値:11,900~17,150円1戸あたりの機械式駐車場月額修繕費:1,015円■マンション修繕積立金を払わないとどうなる?マンション修繕積立金の額面は定期的な見直しが推奨されています。そのとき積立金に不足があれば「徴収額の引き上げ」がされることになるでしょう。では、どうしても引き上げに納得できず、修繕積立金の支払いを拒否した場合はどうなるでしょうか?修繕積立金が支払われないからといって、管理組合が滞納者からお金を直接取り立てることは通常あまりありません。法的には強制執行なども可能ですが、実際のところは文書による督促程度で、特に措置をとっていない組合が多いようです。しかしもちろん「払わないままで売り逃げ」するのは不可能です。まずマンションを売却するときの査定価格には、マンションの修繕積立金残高が影響します。これは「修繕積立金の運用が健全ではないマンション(滞納が多いマンション)は売値が下がる」ということを意味します。さらに管理組合は中古マンションの持ち主が修繕積立金を支払わない場合、滞納しているお金を新しい買い主に請求できると「区分所有法」で認められています。つまり滞納した修繕積立金はマンションを売るときに買い主の負担になるということ。もちろん買い手も修繕積立金の金額を意識して物件を探すため、少なくとも滞納している額面の分は値引きをしなければなりません。修繕積立金を滞納すると物件の売却価格が下がり、それに加えて売却のときに滞納している金額の分だけ価格を下げないと売れなくなってしまうのです新築分譲時の資金計画が適切であるかどうかは、誰にも分かりません。ただ古いマンションの方が修繕積立金は高い傾向があるのは確かです。長く住めば住むほど、資産価値を守るために住民は協力しあってマンションの修繕に備えなければなりません。■おわりに住宅の購入は人生を左右する決断です。管理費や修繕積立金も物件価格と同じで「ただ安ければよい」というものではありません。その場所で長く暮らすことを考え、ガイドラインや周辺物件の相場と比較して適切であるか、よく見極めてみましょう。
2017年05月12日住宅ローンは多くの人にとって初めてのローンです。審査に通るかが不安ですよね。なかなか通らずに苦戦している人もいるかもしれません。今回は住宅ローン審査について、基準や項目を中心に、審査に通りやすくするためのポイントも含めてご紹介します。■住宅ローン審査の基準・項目住宅ローン審査ではどのような基準や項目が見られているのでしょうか。国土交通省が行った「平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査」では、日本全国の金融機関を対象に、「融資を行う際に考慮する項目」について質問しています。以下は、同調査に対して回答のあった1,407の金融機関のうち、50%以上が「融資を行う際に考慮する」としている項目です。それぞれ解説していきましょう。【完済時年齢・借入時年齢】年齢に関する審査基準については、借入時の年齢が20歳以上65歳未満かつ完済時の年齢が80歳未満、というケースが一般的です。ただし、上記の基準を満たしていれば必ずしも容易に借入できるというわけではありません。たとえば50歳で、返済期間30年のローンを申し込もうとした場合、ほとんどの返済期間が定年後に当たることになり、審査に通りにくくなることが考えられます。返済期間を短くするなどして対処しなければならないこともあるため注意しましょう。【返済負担率・年収】収入に関する基準については、年収そのものよりも返済負担率を見られます。返済負担率とは、1年間の住宅ローン返済額を年収で割った数値のことです。返済負担率の数値が低いほうが返済の負担が軽いことを意味しますので、金融機関は「安心して貸し出せる」ということになります。具体的な返済負担率の基準としては、多くの場合、年収によって25~35%以内に定められています。たとえばある銀行では、年収2,500,000円未満の場合は返済負担率25%以下、年収2,500,000円以上4,000,000円未満の場合は返済負担率30%以下、年収4,000,000円以上の場合は返済負担率35%以下で貸出する、という基準が設けられています。収入が高いから安心、ということではなく、返済期間や借入額との関係もよく考慮してローンの組み立てを考えましょう。【勤続年数と雇用形態】就業状況については、安定して継続的に収入があることが証明できるかがポイントです。雇用形態については一般的に、会社員より公務員、自営業より会社員のほうが「安定している」とみなされる傾向にあります。派遣社員や契約社員は融資対象外とすることが多いようです。また会社のなかでも、中小企業より大企業に勤めているほうが、金融機関の安心度は高めです。勤続年数は長いほど審査に有利になります。基準としては、勤続年数1年以上としている金融機関が多くみられます。3年以上であればより安心でしょう。たとえば大企業に勤めていてもさまざまな会社を転々としている場合は、中小企業で長期間務めている場合よりも審査で不利になる可能性があります。なお自営業の場合も、事業継続年数3年以上が目安です。【健康状態】健康状態は、住宅ローン借入の際に条件となる団体信用生命保険(団信)の加入とかかわっています。団信とは、住宅ローンの返済中に、ローンの契約者が死亡したり高度障害になったりした場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を支払う制度です。団信は生命保険であるため、健康状態が悪いと加入できないことがあります。たとえばがんや糖尿病、高血圧、肝炎である場合や、精神系の病気で通院している場合などは団信への加入が困難です。もし健康状態に不安のある場合は、引受条件緩和型の団信(ワイド団信)を取り扱っている金融機関を当たってみましょう。通常より金利は高くなりますが、病気を持っていても一定範囲内で加入できることがあります。さらに一部ですが、住宅ローンの借入に団信の加入が不要な金融機関もあります。このような金融機関の住宅ローンの場合は、連帯保証人が必要だったり、既存の生命保険でカバーする必要があったりします。なお夫婦で住宅ローンを組む場合は、健康状態の良好なほうの名義でローン審査を出す方法も有効です。【融資率】融資率とは、購入を予定している住宅の価格に対する借入金の割合です。融資率が少ないほうが頭金が多いということですから、審査では有利になります。融資率80%未満がひとつの目安になるでしょう。【カードローンなどの他の債務の状況や返済履歴】カードローンや自動車ローンなど他の借金がある場合は、審査で不利になる可能性があります。これは、先述した基準のひとつである返済負担率が、住宅ローンだけでなくほかの借入に対する返済額も合わせて計算されるためです。借入額が減らされてしまうこともあるため、他のローンはすべて返済してから住宅ローンを組むようにしましょう。またカードローンや自動車ローンなどで返済が滞った履歴があった場合も審査で不利になります。さらに各種ローンだけでなく、クレジットカードや公共料金、家賃、奨学金の支払い遅延・未払いの履歴もチェックされます。なおDVDやCDをレンタルした際の返却の遅延などについても履歴に残るため、小さなことでも注意が必要です。【国籍】多くの金融機関では、「日本国籍を持っていること」もしくは「日本の永住権を持っていること」が住宅ローン借入者の条件となっています。もし永住権を持っていなくても、日本人である配偶者が連帯保証人になれば、住宅ローンを借入れられることがあります。その場合、在留期間や日本での勤続年数などの条件が付加されることが一般的です。【金融機関の営業エリア】地方銀行の場合、その銀行の営業エリア内に居住していること、あるいは勤務地があることが住宅ローン審査の条件になることがあります。地方銀行でローンを組む場合は、居住地や勤務地が営業エリアに含まれている銀行を選びましょう。なお、全国展開の銀行に住宅ローンを申し込めばこの心配はありません。【連帯保証】住宅ローンの場合、基本的には連帯保証人は不要で、信用保証会社を利用することが一般的です。ただし、以下の場合は連帯保証人を求められることがありますので、万が一のときのために準備をしておきましょう。・夫婦などで収入合算をする場合・土地や建物が共有名義の場合(共有者が連帯債務者)・ペアローン、親子リレーローンなど複数の債務者形式となる場合・親名義の土地に住宅を建てる場合・自営業者の場合・審査の内容がよくない場合【担保評価】以上の借入者に関する条件のほか、購入する住宅の評価も住宅ローン借入の条件になります。これは、購入予定である不動産が住宅ローンの担保になるためです。住宅ローンを借入れた際、金融機関はその土地と建物に抵当権を設定します。それによって、万が一ローン借入者が支払いをできなくなっても、金融機関は貸出分を回収できる仕組みです。このため、その土地や建物を売ったときの価値、つまり担保評価が住宅ローン借入の条件として重要になります。担保評価額以上の借入を申し込んでしまうと、審査に通るのが困難になるでしょう。担保額は、築年数や土地・建物の面積、立地などによって決まります。たとえば中古物件の場合、築年数が20年以上になると、担保としてほとんど評価されなくなってしまうこともあります。また施工会社も担保評価にかかわることがあるため注意が必要です。大手住宅メーカーに施行を頼んだ場合と、無名の工務店などに施行を頼んだ場合では、前者のほうが審査で有利になる可能性があります。さらに権利状況や法規上の問題についても注意しておきましょう。住宅ローンの借入者が必ずしも物件の保有者と一致するとは限らないため、物件を購入した場合の名義が誰になるのかははっきりさせておく必要があります。また中古物件の場合は、現行の建築基準法や都市計画法の規制に抵触しないかどうかチェックしておきましょう。■住宅ローン審査にかかる日数は?住宅ローン審査にかかる日数は、事前審査に1日~1週間程度、本審査に3~10日程度であることが一般的です。ただし、先述した審査項目に照らし合わせて、金融機関側に疑問が出てきた場合は審査が長引くことがあります。その際には追加の書類を求められることもあるため心づもりをしておきましょう。追加提出を求められる書類には、国民健康保険の支払証明書や、預金通帳残高などがあります。もし審査項目に対して不安な要素がある場合は、引っかかりそうな項目に関する書類を事前に添付したり、説明書きをつけたりするとよいでしょう。なお審査が遅れているからといって審査に落ちるとは限りません。審査が長引いているのはむしろ審査が進んでいる証拠です。落ち着いて審査が終わるのを待ちましょう。■仮審査(事前審査)と本審査の違い仮審査(事前審査)は、購入予定の物件価格や工事請負金額が決まってきたタイミングで、銀行などの金融機関が行う審査のことをいいます。これに対して本審査とは、事前審査終了後に、信用保証会社がさらに詳細に行う審査のことです。事前審査を受けずに本審査、ということはできません。なお「仮」審査という名前はついていますが、仮審査もちゃんとした住宅ローン審査プロセスのひとつです。したがって、「どこの審査に受かるかわからないから、とにかくたくさんの銀行に申し込んでみよう」というのはよくありません。たとえばA銀行とB銀行に仮審査を申し込んだ場合、A銀行の住宅ローン審査に出したという履歴はB銀行で参照されます。すると、「この申請者はA銀行の審査に落ちたからうちのB銀行に審査を申し込んだのだろう。A銀行で落ちたということは何か問題があるに違いない」という印象を持たれてしまって、審査で不利になる可能性があります。仮審査を出すのは多くても3行程度にとどめておきましょう。■個人信用情報を取り寄せてみると安心自分の金融履歴に不安がある場合は、個人信用情報を取り寄せてみましょう。個人信用情報とは、クレジットやローンなどの申し込みや契約に関する情報のことです。個人信用情報をチェックすることで、住宅ローンの審査に出す前に、審査で不利になる可能性のある点をあぶり出しておけます。日本にはCIC、KSC、JICCの3つの個人信用情報センターがあります。機関によって収集情報に若干の差があることもあるため、すべての機関から信用情報を取り寄せることをおすすめします。もし信用情報履歴に問題があった場合、対処方法は2つあります。1つは、履歴が更新されるのを待つことです。信用情報は5年~10年に1度更新されます。たとえ信用に関する問題が履歴として残っていても、5年経てばその履歴は更新され、なかったことになります。住宅ローンを申し込む際には、履歴がクリアーな状態になるまで待つのもひとつの手です。2つ目の方法は、審査書類を提出する際に、「支払遅延、未払いなどになってしまった理由と、今後の予防方法」を説明する文書を添付することです。支払遅延や未払いなどが故意でない場合は、きちんと説明すれば事情をわかってもらえることもあります。説明文書があれば金融機関の心証も変わりますので、実践してみてはいかがでしょうか。なお個人信用情報はインターネット、郵送、窓口などで開示の申し込みができます。手数料は500円~1000円程度です。■まとめ今回は、住宅ローンの審査について審査項目や項目ごとのポイントを中心にご紹介しました。いかがでしたか。住宅ローンの借入を検討している場合は、今回ご紹介した内容を参考に、可能な限り通るよう対策を整えておいてください。また事前に個人信用情報を取り寄せ、審査に響く可能性のあるポイントを自覚しておくことも重要です。念願のマイホームを無事手に入れられるよう、住宅ローン審査に万全に備えてくださいね。
2017年03月16日住宅購入後にかかる費用は、おもに税金、保険、修繕費の3つに分かれます。税金は、固定資産税と都市計画税の納付が毎年1回必要です。保険は火災保険と地震保険について、それぞれ保険料がかかります。補償内容を吟味して保険商品を選びましょう。修繕費は5年~10年に1度、塗装やシロアリ防除などの対策が必要です。すべてを合算すると、30年間で13,000,000円程度維持費がかかる計算になります。積み立てを行うなどして意識的に資金繰りをしましょう。■住宅にかかる税金住宅購入後にかかる税金には、固定資産税と都市計画税があります。毎年市町村に納める必要のある税金です。【固定資産税】固定資産税は以下の計算式で算出します。税額=固定資産税評価額をもとにした課税標準×1.4%(標準税率)なお税率は1.4%を標準としていますが、市町村が独自に定める場合があるため、地域によって異なることに留意しておきましょう。固定資産税評価額とは、固定資産税の税額を決めるための基準のことです。市町村が3年に1回更新します。土地の固定資産評価額は一般的に、地価公示価格(国が定める土地の価格)の70%が目安です。建物の一般的な固定資産評価額は、新築時の価格から経過年数分を引いた額になります。ただし「住宅用地」、つまり住宅に使われている土地については課税標準が減額されます。住宅用地は家屋の床面積だけでなく、庭などの面積も含まれる点がポイントです。住宅用地と認められる限度は、家屋における床面積の10倍までの面積であることには注意しましょう。住宅用地に適用される課税標準は以下の通りです。■小規模宅地(住宅1戸当たり200平方メートルまで):課税標準の6分の1■一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートル超で床面積の10倍まで):課税標準の3分の1なお3年に一度の評価で固定資産評価額が大きく変わったとしても、「固定資産税が大幅に増えてしまった」ということがないよう、負担調整の措置が取られています。また負担調整は、地域によって課税標準の差が開くのを防ぐことも目的です。負担調整は、「(前年度課税標準)÷(新年度評価額に住宅用地における課税標準減額の特例を適用した金額)」の計算式で算出する「負担水準」を基準として行われます。負担水準が100%以上の場合、つまり新しい評価額によって算出された金額が前年度の課税標準額より低かった場合は、課税標準は新年度固定資産評価額に住宅用地における課税標準減額の特例を適用した額となります。一方負担水準が100%未満の場合、つまり前年度課税標準額より新しい評価額によって算出された金額のほうが高かった場合は、以下の計算式で課税標準額を定めます。■小規模宅地の場合:課税標準額=前年度の課税標準額+(新年度固定資産評価額÷6×5%)■一般住宅用地の場合:課税標準額=前年度の課税標準額+(新年度固定資産評価額÷3×5%)ただし、上記の計算式によって出された課税標準が、住宅用地特例によって減額される課税標準の100%を超える場合は100%相当額、20%を下回る場合は20%相当額が課税標準額になります。さらに新築家屋については、固定資産税が3年分(認定長期優良住宅の場合は5年分)減額されます。要件は、床面積が50平方メートル以上、280平方メートル以下であることです。減額される税額は、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額の2分の1です。【都市計画税】都市計画税は以下の計算式で算出されます。税額=固定資産税評価額をもとにした課税標準×0.3%なお税率は0.3%を上限に市町村が定めるため、地域によって異なります。住宅用地の都市計画税にかかる課税標準については、固定資産税の場合と同様に減額されます。適用される課税標準は以下の通りです。■小規模宅地(住宅1戸当たり200平方メートルまで):課税標準の3分の1■一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートル超で床面積の10倍まで):課税標準の3分の2また土地の負担調整についても、固定資産税の場合と同様に行われます。計算の際には留意しておくとよいでしょう。■住宅にかかる保険住宅購入後にかかるおもな保険には、火災保険と地震保険があります。【火災保険】ローンを組んだ場合は、多くの金融機関で加入が義務化されている保険です。火災保険が補償する事故には、火災だけでなく、落雷や風災、水害、水漏れ、盗難などがあります。保険によって補償する事故が異なるため、注意して見てみましょう。なお地震やそれに伴う津波による損壊などについては、火災保険では補償されません。火災保険の対象は、家屋などの「建物」と、建物のなかにある家具などの「動産」です。住宅そのものが損壊した場合だけでなく、家具や家電、什器などが壊れた場合も対象となる点は覚えておきましょう。保険料は、「建物の評価」「建物の構造区分と所在地」「補償内容」の3つの要素で決まります。建物の評価は、新築の場合は新築価額で行われます。また中古の場合は、新築時の新築価額をもとにした評価方法と、基準の1平方メートル単価にのべ床面積をかけて算出する評価方法で評価されます。建物の構造区分については、おもに鉄筋か木造かで判断されます。燃えにくい鉄筋のほうが保険料が安く、燃えやすい木造のほうが保険料が高いというのが基本です。地域については、火災の発生状況や被害状況を鑑み、都道府県によって異なる保険料が設定されています。たとえば住宅の密集している地域は延焼のリスクが高いとして保険料が上がる傾向にあります。とはいえ、都市部はすべて保険料が高いかというとそうではありません。都市部は消防署の数が多く、火災への対応力が高い点については評価されるためです。このように火災保険料の地域差について一概に法則性を示すのは困難ですが、仕組みについては以上のようなものであると理解しておきましょう。補償内容については上記の通りです。どのような事故まで補償するかによって保険料が変わります。唯一保険料を調整できる部分といえますので、予算や補償してほしい内容を吟味して選択するようにしましょう。【地震保険】地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、保険金における支払責任の一部を政府が再保険として引き受けている保険です。地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで契約することになります。火災保険とは違い、ローンを組んだ場合も加入は任意であることが一般的です。地震保険が補償する事故には、地震や噴火、津波などによって発生した火災、損壊、埋没、流失があります。この部分は通常の火災保険では補償されないため、補償を希望する場合は地震保険への加入が必要です。地震保険の対象は、居住用の建物と、その建物に収容されている家財です。火災保険と同様、家具や家電なども補償されることを覚えておくとよいでしょう。対象となる建物または家財が、全損、大半損、小半損、または一部損となったときに、それぞれの状況に応じた保険金が支払われます。保険料の額は、所在地と建物の構造によって決まります。建物の構造の区別については、火災保険の場合と同様、おもに木造か鉄筋かによって判断されます。なお地震保険料は、以下の4つの割引制度が適用されます。お住まいの住宅が適用されるか確認しておきましょう。■建築年割引対象の建物が昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合、10%割引されます。■耐震等級割引一定の耐震等級を満たしている場合、10~50%割引されます。■免震建築物割引対象の建物が「免震建築物」である場合、50%割引されます。■耐震診断割引建築基準法における耐震基準を満たす場合、10%割引されます。■住宅にかかる修繕費住宅の修繕では、おもに以下のものが必要です。【外壁塗装】見栄えをよくするためだけでなく、耐久性や防水性を高めるために行う必要があります。塗装をしないと外壁が劣化し、雨漏りなどの原因になります。また塗料によっては、断熱効果や遮熱効果のあるものもあるため、省エネのためにもよいでしょう。7~10年に1回が目安で、1回1,000,000円程度かかります。【屋根塗装】外見がよくなるだけでなく、防錆性、抗菌性が高まるなどのメリットがあります。外壁の場合と同様、塗装をせずに放っておくと雨漏りなどの原因になるため注意が必要です。スレート葺の場合、15~20年に1回が目安で、1回500,000円程度かかります。【軒先、軒裏塗装】軒天塗装と呼ぶこともあります。外壁塗装のオプションとなっていることが一般的です。風雨にさらされやすく劣化しやすい部分であるため注意しましょう。15~20年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。【樋、床下メンテナンス】カビや害虫、湿気によって劣化している部分を修繕し、家の耐久性を高めます。特にキッチンや風呂場、トイレの下は湿気がこもりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。15~20年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。【シロアリ防除】シロアリの被害を受けてしまうと、住宅が劣化してしまいます。それを防ぐため、土壌や木部を薬剤処理し、シロアリの除去や予防をすることが必要です。5年に1回が目安で、1回200,000円程度かかります。【クロス張替】煙草のヤニによる汚れやペットのひっかき傷、日焼けによる劣化などを修繕します。壁だけでなく、天井も張り替えることが一般的です。7~10年に1回が目安で、1回200,000円程度かかります。【サッシまわりコーキング】コーキングとは、気密性や防水性のために、壁などの隙間を目地材でふさぐことを指し、「シーリング」と呼ばれることもあります。サッシまわりのコーキングが劣化すると、雨が降った際に水が入ってくるなどしてしまうため、適度なタイミングでの修繕が不可欠です。7~10年に1回が目安で、1回300,000円程度かかります。■住宅の維持費はどのくらい?30年間でかかる費用を試算以下で、住宅を維持するために30年間でかかる費用を試算してみましょう。【税金】固定資産税、都市計画税を合わせて、年間100,000円~150,000円が目安です。30年間で3,000,000円~4,500,000円かかる計算になります。【保険】火災保険料、地震保険料あわせて、年間10,000~20,000円程度が目安です。30年間で300,000円~600,000円程度かかる計算になります。【修繕費】■外壁塗装1回1,000,000円を30年間で3回行うと考えると、3,000,000円かかる計算になります。■屋根塗装1回500,000円を30年間で2回行うと考えた場合、1,000,000円の計算です。■軒先、軒裏塗装1回300,000円を30年間で2回行うと計算すると600,000円になります。■樋、床下メンテナンス1回300,000円を30年間で2回行うと考えると、600,000円の計算です。■シロアリ防除1回200,000円を30年間で6回行うと考えた場合、1,200,000円の計算になります。■クロス張替1回200,000円を30年間で3回行うと考えると、600,000円の計算です。■サッシまわりコーキング1回300,000円を30年間に3回行うと考えると、900,000円の計算になります。以上を合計すると、修繕費だけで、30年間で7,900,000円程度かかる計算です。【税金、保険、修繕費の合計と資金繰りのアドバイス】税金、保険、修繕費を合計すると、30年間で12,000,000円~13,000,000円かかる計算になります。年額にすると単純計算で370,000円~430,000円程度です。税金は毎年1回必ず支払うものであることを考え、毎年その分を確保しておくようにしましょう。毎月積み立てておくと安心です。保険については、月払いや年払い、一括払いなど支払方法を選べることが一般的です。家計状況にあわせて支払方法を工夫するとよいでしょう。また地震保険は所得控除制度が適用されます。所得税が最高50,000円、住民税が最高25,000円を総所得金額から控除できるため、年末調整や確定申告の際には忘れずに申請しましょう。修繕費についても急な出費に備えるため、毎月10,000~20,000円程度積み立てておくことをおすすめします。また緊急性のない修繕の場合は、ボーナスのタイミングを有効に使って行うとよいでしょう。■まとめ今回は、住宅を購入したあとにかかる維持費について詳しく解説しました。いかがでしたか?税金、保険、修繕費と、マイホームを持つには意外とお金がかかることがわかりますよね。住宅を購入する際には、今回ご紹介した内容を参考に入念に資金計画を立て、しっかりと維持費にも備えましょう。
2017年03月01日新築・中古住宅の購入やリフォームで利用できる減税制度では、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税などが減税できます。所得税の減税制度には、ローンを組んだ場合に利用できるローン型と、自己資金で購入・リフォームを行った場合に利用できる投資型がある点がポイントです。補助金と違い併用できる制度が多いため、もれなく申請しておきましょう。■新築住宅購入で利用できる減税制度新築受託を購入した際に利用できる減税制度には、以下の種類があります。【所得税の減税】住宅ローンを利用して新築住宅を購入した場合は、「住宅借入金等特別控除」、通称住宅ローン減税が利用できます。おもな要件としては、以下が挙げられます。■10年以上のローンを組んだ場合■その年の合計所得金額が30,000,000円以下■新築または新築住宅取得の日から6カ月以内に入居したこと控除額は、入居した年が平成26年4月1日~平成31年6月30日までの場合、「各年末のローン残高×1%」の計算式で算出します。控除期間は10年で、上限は400,000円です。さらに低炭素住宅、長期優良住宅の場合は、上限が500,000円になります。手続き方法は、1年目と2年目以降で異なります。■1年目確定定申告書に「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」などの書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出します。■2年目以降提出書類が減るほか、給与取得者(自営業以外)は年末調整による適用が可能です。住宅ローンではなく自己資金で新築住宅を購入した場合は、「認定住宅新築等特別税額控除」を受けられます。対象は低炭素住宅および長期優良住宅(以下、認定住宅)です。おもな要件としては、以下が挙げられます。■住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が居住用に使われていること■その年の合計所得金額が30,000,000円以下■新築または新築住宅取得の日から6カ月以内に入居したこと控除額は、認定住宅の認定基準に適合するために必要となる標準的なかかり増し費用の10%です。「認定住宅の標準的なかかり増し費用」とは、1平方メートル当たり43,800円に、その認定住宅の床面積をかけて計算します。標準的なかかり増し費用の限度額は6,500,000円で、控除期間は最初の1年間のみです。手続き方法は、確定申告書に「認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書」などを添付して所轄の税務署に提出します。【登録免許税の減税】正式には「住宅に係る登録免許税の軽減措置」といい、新築住宅を購入した場合は以下それぞれの登録免許税が軽減されます。■所有権の保存登記にかかる税率本則の0.4%から0.15%に軽減されます。要件は住宅の床面積50平方メートル以上であることです。■所有権の移転登記にかかる税率本則の2.0%から0.3%に軽減されます。要件は、個人が居住に使っている部分の床面積が50平方メートル以上であることです。■抵当権の設定登記にかかる税率本則の0.4%から0.1%に軽減されます。新築住宅であれば床面積などの条件はありません。なお長期優良住宅および認定低炭素住宅の新築にかかる登録免許税の税率は、平成30年3月31日までは一律0.1%(戸建ての長期優良住宅の移転登記については0.2%)に軽減されます。手続きは特に必要ありません。【不動産取得税の減税】不動産取得税とは、住宅を建築するなどして不動産を取得した際に課税される制度です。都道府県に納税します。新築住宅を購入した場合は、この不動産取得税も軽減されます。新築住宅を取得した場合における不動産取得税軽減のおもな要件は、床面積が50平方メートル~240平方メートルであることです。控除額は、上限12,000,000円(価格が12,000,000円未満である場合はその額)で、認定長期優良住宅の新築の場合については、さらに上限が13,000,000円まで引き上げられます。また、住宅を新築したときの土地についても不動産取得税が軽減されます。要件としては、住宅について上記の床面積条件を満たしているとともに、土地を取得したタイミングによってそれぞれ条件を満たしている必要があります。住宅の新築より先に土地を取得した場合は、以下の条件を満たしていることが必要です。■土地を取得後3年以内にその土地の上に住宅が新築されていること住宅の新築よりあとに土地を取得した場合は、以下の条件を満たす必要があります。■住宅を新築した人が、新築後1年以内にその敷地を取得していること■新築未使用の住宅とその敷地を、新築後1年以内に同じ人が取得していること控除額は、以下のいずれか高い方の金額となります。■45,000円(税額が45,000円未満である場合はその額)■土地1平方メートル当たりの価格×住宅の床面積の2倍(一戸当たり200平方メートルが限度)×税率(3%)手続き方法は、住宅や住宅用土地を取得した日から60日以内に、不動産取得税申告書に売買契約書や登記事項証明書などの書類を添えて、所管する都税事務所に申告します。新築住宅を購入した場合は、市町村に支払う住宅用家屋の固定資産税が軽減されます。おもな要件としては、以下が挙げられます。■居住部分の床面積が1戸当たり50平方メートル~280平方メートル■平成29年3月31日までのあいだに新築された住宅控除額以下のとおりです。■床面積が120平方メートル以下の場合…2分の1■120平方メートルを超え280平方メートル以下の場合…120平方メートル分について2分の1控除期間は一般の住宅は3年間、長期優良住宅は5年間です。さらに二世帯住宅を新築した場合は、「各世帯が壁やドアによって遮断され、他方の世帯と構造上独立していること」などの条件を満たしていれば、2戸それぞれに固定資産税の減額措置を受けられます。また、住宅を新築した場合の土地(住宅用地)の固定資産税も、課税標準額の減額という形で減税されます。要件は特にありません。減額後の課税標準額は以下の通りです。■200平方メートル以下の小規模住宅用地その土地の価格の6分の1(200平方メートルを超える場合は住宅一戸当たり200平方メートルまでの部分)■上記以外の一般住宅用地その土地の価格の3分の1手続きは市町村によって異なるため、お住まいの市町村で確認をするようにしましょう。■中古住宅購入で利用できる減税制度中古住宅の購入で利用できる減税制度には、以下のものがあります。【所得税の減税】中古住宅を購入した場合も住宅ローン減税が利用可能です。おもな要件としては、以下のものが挙げられます。■家屋が建築された日から購入した日までの期間が20年以下■一定の耐震基準を満たしていること■耐震改修が必要な住宅の場合は、改修の結果耐震基準を満たすと証明されていること■その年の合計所得額が30,000,000円以下■住宅の床面積が50平方メートル以上■10年以上のローンを組んでいること計算方法や控除期間は新築住宅の場合と同様です。なお低炭素住宅、長期優良住宅の適用はありません。【登録免許税の減税】中古住宅を購入した際も、登録免許税が軽減されます。おもな要件は以下となります。■床面積50平方メートル以上■耐震性の基準を満たしていること■購入時において、新築された日から10年以上経っていること■リフォーム工事が行われ、建物価格に占めるリフォーム工事の総額の割合が20%以上税率に関しては、本則2%から0.1%に軽減されます。手続き方法は、登記申請のタイミングで、登記事項証明書に住宅用家屋証明申請書を添えて市町村に提出します。【不動産取得税の減税】中古住宅の購入についても不動産取得税の減税措置があります。おもな要件は、耐震基準を満たしている点などです。控除額はその中古住宅の新築した日によって決定され、1,000,000円~12,000,000円となります。また、耐震基準に満たない中古住宅に対しても、取得後6カ月以内に耐震工事が行われるなどすれば、不動産取得税が減税されます。その場合の控除額は、その中古住宅が新築された日によって決まり、30,000円~126,000円です。さらに、耐震基準を満たしている中古住宅であれば、土地の取得についても不動産取得税が軽減されます。ただし、以下の要件を満たす必要があるので注意しておきましょう。■住宅より先に土地を取得した場合土地を取得して1年以内にその土地の上に建っている住宅を取得していること■住宅よりあとに土地を取得した場合住宅の取得後1年以内にその敷地を取得していること控除額や手続き方法は、新築住宅購入で土地を取得した場合と同様です。■住宅リフォームで利用できる減税制度住宅のリフォームを行った際に利用できる減税制度としては、以下のものが挙げられます。【所得税】所得税の減税制度には、耐震改修をした場合、バリアフリー改修を行った場合、省エネ改修を行った場合、同居対応を行った場合それぞれについて減税制度があります。このうち、耐震改修をした場合の所得税減税は、自己資金でリフォームを行った場合の投資型減税制度のみが利用できる点に注意しましょう。その他の改修については、投資型と住宅ローンを組んだ場合のローン型から減税制度を選択できます。〇耐震改修をした場合耐震改修をした場合の所得税減税における要件としては、以下が挙げられます。■昭和56年5月31日以前に着工されたものであること■現行の耐震基準に適合しないものであること控除額は、平成26年4月1日以降に耐震改修を行った場合、標準的な工事費用相当額の10%となります。標準的な工事費用相当額の上限は2,500,000円です。〇バリアフリー改修をした場合バリアフリー改修をした場合には、以下の4つのうちいずれかに該当する必要があります。■50歳以上■要介護または要支援の認定を受けている■障害者■要介護または要支援の認定を受けている家族、障害者、65歳以上の家族のいずれかと同居している対象となる工事のおもな条件は、バリアフリー改修工事費用から補助金などを控除した額が500,000円超であることなどです。控除額に関しては投資型の場合、平成26年4月1日以降に入居したケースでは、工事にかかる標準的な工事費用相当額の10%となります。標準的な工事費用相当額の上限は2,000,000円です。また、ローン型の控除額は以下の計算式で算出します。(対象となるバリアフリー改修工事費用-補助金など)×2%+該当部分の年末ローン残高×1%」このうち、「対象となるバリアフリー改修工事費用-補助金など」部分の上限は2,500,000円で、控除額全体の限度額は10,000,000円です。控除期間は5年となっています。〇省エネ改修をした場合省エネ改修をした場合には、以下の要件を満たす必要があります。■住宅の引き渡しまたは工事完了から6カ月以内に入居■床面積が50平方メートル以上対象となる工事のおもな条件は、すべての居室における窓全部の断熱工事を含む省エネ改修工事であることです。投資型の控除額は、平成26年4月1日以降に耐震改修を行った場合、標準的な工事費用相当額の10%となります。標準的な工事費用相当額の上限は2,500,000円です。また、ローン型の控除額以下の計算式で算出します。(対象となる省エネ改修工事費用-補助金など)×2%+該当部分の年末ローン残高×1%このうち、「対象となる省エネ改修工事費用-補助金など」部分の上限は2,500,000円で、控除額全体の限度額は10,000,000円です。控除期間は5年とされています。〇同居対応改修をした場合同居対応改修をした場合における所得税減税のおもな要件には、以下の項目があります。■住宅の引き渡しまたは工事完了から6カ月以内に入居■床面積が50平方メートル以上対象となる工事のおもな条件は、「調理室や浴室、便所、玄関いずれかの増設」などです。投資型の控除額は、工事にかかる標準的な工事費用相当額(上限:2,500,000円)の10%です。なお、耐震改修工事や省エネ改修工事、およびバリアフリー改修工事を併せて行った場合、標準的な工事費相当額の上限は9,500,000円となります。ローン型の控除額は、以下の計算式で算出します。(対象となる同居対応改修工事費用-補助金など)×2%+該当部分の年末ローン残高×1%このうち、「対象となる同居対応改修工事費用-補助金など」部分の上限は2,500,000円で、控除額全体の限度額は10,000,000円です。控除期間は5年となっています。これらの所得税減税の手続きをする際は、確定申告の際、増改築等工事証明書などの書類を所轄の税務署に提出しましょう。また、住宅ローンを利用してリフォームを行った場合は、住宅ローン減税制度を利用することも可能です。模様替え、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修など、さまざまな工事が対象となります。ただし建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人により「増改築等工事証明書」が発行されていることが条件です。控除額は「リフォームローンの年末残高-補助金など×1%」の計算式で算出します。上限は、入居した日が平成26年4月~平成31年6月の場合、4,000,000円です。控除期間は居住を開始した日から10年です。手続きについては、新築住宅購入を行った場合の住宅ローン減税申請方法と同様です。【固定資産税】固定資産税についても、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修をした場合に減額されます。〇耐震改修をした場合耐震改修の場合の要件としては、昭和57年1月1日以前から存在する住宅であることが必要です。工事の対象は以下の通りです。■現行の耐震基準に適合させるための耐震改修であること■改修工事費用から補助金などを控除した額が500,000円超であること控除額は、居住する家屋にかかる固定資産税額の2分の1です。ただし、1戸当たり家屋面積120平方メートル相当分が上限となります。控除期間は1年間です。〇バリアフリー改修をした場合バリアフリー改修のおもな要件としては、以下が挙げられます。■要介護もしくは要支援の認定を受けている者、障害者、65歳以上の者のいずれかが居住する住居であることまた、工事の対象は以下となります。■指定のバリアフリー改修工事であること■改修工事費用から補助金などを控除した額が500,000円超であること控除額は居住する家屋にかかる固定資産税額の3分の1です。ただし1戸当たり家屋面積100平方メートル相当分が上限となります。控除期間は1年間です。〇省エネ改修をした場合省エネ改修の場合の要件は以下のとおりです。■平成20年1月1日前から存在する住宅であること■床面積50平方メートル以上対象となる工事のおもな条件としては、「窓の断熱工事を含む省エネ改修工事であること」などがあります。控除額は居住する家屋にかかる固定資産税額の3分の1です。ただし1戸当たり家屋面積120平方メートル相当分が上限となります。控除期間は1年間です。手続き方法は、改修工事完了後3カ月以内に「固定資産税減額申告書」および必要書類を市区町村に提出します。■まとめいかがでしたか?購入する住宅の条件やリフォームの内容によって、さまざまな減税制度が適用されることがわかったのではないでしょうか。減税制度は補助金制度と違い、併用できる点がポイントです。今回ご紹介した内容を参考に、もれなく申請しておくようにしましょう。
2017年03月01日地球温暖化を緩和させるためにさまざまなエコ活動が見られますが、その活動を住宅に応用したものが「省エネ住宅」です。しかし「実際に住人にはどのようなメリットがあるのかいまいちよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は省エネ住宅について詳しくご紹介します。■省エネ住宅って?そもそも省エネ住宅とはどのような住宅なのでしょうか。簡単に言うと、消費エネルギーを極力抑えた家のこと。家庭では冷暖房や給湯器などさまざまなものにエネルギーを使っていて、日本で1年に発生する二酸化炭素は12億トンにものぼると言われています。そして、そのうちの1割が住宅から出ていると言われているのです。こうした点から、消費エネルギーの削減とともに二酸化炭素の排出量を減らすことが省エネ住宅の目的となっています。また、単純にエネルギー消費を抑えれば良いのではなく、省エネでありながら快適であるという点が省エネ住宅におけるポイントとなります。「快適な住宅」とは、真冬や真夏でも過ごしやすい家のこと。中でも、部屋の暖かさを逃さない「断熱」、外からの熱気を入れない「日射遮蔽」が快適さを決めるカギとなります。断熱と日射遮蔽の機能が高い家であれば、冷暖房に頼る必要がなくなり、自然と消費エネルギーの削減にもつながるためです。家の中ではさまざまなことにエネルギーを消費しますが、全体の30%を冷暖房が占めていると言われています。そのためこの部分を改善することで大幅な省エネも見込めるのです。■省エネ住宅で利用される自然エネルギー省エネ住宅において欠かせないのが「自然エネルギー」というもの。あまり聞きなれない言葉ですが、太陽光や風、水の力を活用したエネルギーのこと。これらを二酸化炭素の原因となる電気やガス、石油などのエネルギーの代わりに使うことで省エネにつながります。自然エネルギーは、主に「太陽熱」「風」「地熱」の3つが重宝されています。以下でそれぞれのエネルギーの活用法を見てみましょう。【太陽エネルギーの活用】太陽エネルギーは主に太陽光発電に活用されていて、屋根や庭に太陽光パネルを設置して電気に変換するという方法が採用されています。実際につくられた電気は家庭で使うことができるほか、余ったら電力会社に買い取ってもらうこともできます。また、太陽光とオール電化を併用すれば、節約にもつながるでしょう。つくられた太陽光熱は、冬と夏で異なる活用法が考えられます。例えば冬は、外気を専用のダクトで取り込んで屋根に設置したガラスで暖め、それを床下に送って放出することで家を暖めることができます。夜は外気の取り込みを中止して、床下に貯めた暖かい空気を放出すれば家中が暖かいまま夜を過ごすこともできるでしょう。一方、夏には暑い空気が家に溜まらないように屋外に熱気を放出することもできます。さらに、放出した空気や太陽熱を活用してお湯を沸かす仕組みにしておけば、お風呂や給湯などに活用することもできます。【地熱エネルギーの活用】地熱エネルギーとは、日本の豊かな地熱資源を活用したもの。地下5メートルの地中は一年中安定した温度を保っているため、太陽光発電や風力発電のように天気に左右されることがないという強みを持ったエネルギーです。地中熱の活用法にはいくつかありますが、ひとつめは「空気循環」、ふたつめは「熱伝導」です。空気循環には「クールチューブ方式」と「ヒートポンプ方式」があります。クールチューブ方式は建物の外から地中にかけて管を埋め、地中から建物内にもその管を通すというもの。夏に30度の外気を管に通すと、15度ほどの地中で冷やされます。そしてそれを屋内に持ち込んで室内を冷やすという仕組みです。しかしこの方法にはデメリットもあります。高温多湿な地中で冷やすため結露が生じカビが生えてしまうのです。そこで採用されるのが「ヒートポンプ方式」。管の中には外気ではなく気体の冷媒を通して熱を取り除くことで結露を防ぐことができるのです。また、熱伝導に利用する場合は「伝導型地中熱利用方法」というものが採用されています。床下システムというものを設置しておき、春から夏にかけて暖められた地中熱を冬まで持ち越します。そして冬になると床下に暖気を送り込み家を暖めるという仕組みです。そのほかにも、風車の回転を利用した風力エネルギーや、水の力を利用した水力エネルギーなどが挙げられます。■省エネ住宅の設計ポイント実際に省エネ住宅の建設を考える際に、どんなところに気をつけたら良いのでしょうか。住宅が省エネ住宅に該当するかどうかを判断するには「住宅の省エネルギー基準」というものが基準とされていて、一般的にはこれを満たすと省エネ住宅とみなされています。これは1980年に制定されて以来、法律の改正に合わせて強化されていて、2013年の改正時からは外皮性能と住宅全体で使用するエネルギー量の二面から住宅の省エネルギー性能が評価されるようになりました。また、この基準は日本全国を8地域に分け、エリアごとに基準値を定めています。さらに、省エネ基準を上回る基準として「住宅事業建築主の判断の基準」、「低炭素建築物の認定基準」というものもあります。これらの基準を満たすためには高度な設計が求められますが、以下のような点に気をつけておくと良いでしょう。【断熱】まず大切なのが断熱を意識することです。床、外壁、天井、屋根など外気に接している部分を断熱材で隙間なく包みましょう。室内から熱を逃さず温度を下げないことが大切です。もし断熱材に隙間があると熱が室外へと逃げてしまうだけでなく、逆に外から熱が侵入しやすくなってしまいます。すると室内の温度を一定に保つことが難しくなり、結果的に結露ができやすくなってしまうのです。特に大切なのが、窓など開口部の断熱。冬の暖房時に室外へ出てしまう熱の5割が開口部から、夏の冷房時に外から侵入する熱の7割が開口部からと言われていることからも、断熱のキーポイントであることが窺えます。二重窓にしたり複層ガラスの窓にしたりすることも効果的です。【遮熱】次に大切なのが遮熱です。断熱が進むと今度は熱を外に出すことが難しくなってしまうため、直射日光による熱が入り込むのを避ける必要があるのです。遮熱をすると冷暖房の効きが良くなるというメリットがあります。遮熱の具体的な方法には、窓の内外にブラインドや遮熱ガラス、ひさしなどを設置して太陽熱を遮断する方法が考えられます。ブラインドなどは、窓の内側より外側につける方が効果がぐんと上がります。【換気】そして換気も非常に重要です。絶えず空気が流れる環境をつくっておくことで部屋間の温度を一定に保つことができるようになり、快適性が向上するだけでなく結露予防にもなります。■省エネ住宅のメリット省エネ住宅にすると快適な住まいが手に入ることがわかりましたが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で見てみましょう。【コストが削減できる】まずは省エネが実現することによってコスト削減につながるという点がもっとも大きなメリットだと言えるでしょう。住宅の環境が整うことによって冷暖房に使う費用を削減することができます。さらに太陽光発電などでつくった電気を売ればお金をつくることも可能です。【家の中の寒暖差が少ない】前述の通り、省エネ住宅には断熱材が使われていて、家の中の温度差を少なくするように努めています。機密性にも優れているため、外の寒さや気温の変化に影響を受けることが少なくなります。家の中の部屋間の温度差も少なくなるので、高齢者やペット、赤ちゃんにとっても住みやすい住宅が実現します。【空気がきれい】省エネ住宅は気密性にも優れていますが、一方で空気が外へ出て行きにくくなり淀んでしまうというデメリットも考えられます。そこで現在の省エネ住宅では、室内の空気を効率よく換気するシステムを採用。計画的に空気を循環し、いつでも家の中の空気をきれいに保つことができるようになりました。【遮音性、耐久性が高い】気密性の高さゆえに、外からの騒音をシャットアウトするとともに、家の中で発生した音も外に漏れにくいつくりにもなっています。結果、遮音性の高さも兼ね備えた住宅になります。また、断熱性が高く結露を防いでくれるのも省エネ住宅のポイントのひとつ。そのため構造部に腐食が出ることもなく家自体の耐久性も向上します。【環境にやさしい】そして忘れてはならないのが、本来の目的である地球にやさしい家であるという点。自然エネルギーを駆使しているので、問題となっている二酸化炭素や有害物質の排出量を抑えることに成功し、人間だけでなく、環境にもやさしい住宅が実現します。■省エネ住宅のデメリット良いところだらけのように思える省エネ住宅ですが、デメリットもあるのでしょうか。実は使うエネルギーやつくりが通常とは異なっているために初期費用が高くなってしまうのです。例えばオール電化にする場合、自然エネルギーを使った設計にすることからも、一般的にガスの設備に比べると費用は高く設定されています。新築で省エネ住宅にする際はもちろん、リフォームで省エネ住宅を実現する場合でもコストは高くついてしまうでしょう。そのため、窓などの開口部だけに絞ってリフォームをするなど部分的なリフォームからはじめるという方も多く見られます。しかし、初期費用が高いからと言って省エネ住宅を諦める必要はありません。日本では省エネ住宅の普及に力を入れていることからも省エネ住宅に対する補助を拡大しています。実際に以下のような補助があるので、一度検討してみると良いでしょう。【エコキュート補助金】給湯に使用するエネルギーは、家庭で消費するエネルギー量の3分の1を占めていると言われています。そのためエコキュートは省エネ効果の高い給湯器として国から認定され、補助金の交付対象になっています。しかし、国の補助はすでに終了していて、全国一律の補助は存在していません。現在は自治体ごとに補助を行なっていて、補助金額も自治体によって異なります。また、自治体によっては補助を終了しているところもあるので注意が必要です。補助を希望する場合は、まず自治体が補助を行なっているかどうか確認しましょう。さらに補助は先着順となっているため、見つけたら早めに申し込んでおくと良いでしょう。【省エネリフォーム減税】また、省エネ機能が向上するリフォームを行う場合は税の控除が受けられます。例えばすべての窓に二重サッシやペアガラスを取り付けるなどの断熱リフォームと、天井裏に断熱材を設置するなどのリフォームを行った場合などが対象となります。減税には主に、「ローン型減税」、「投資型減税」、「固定資産税の減税」の3つがあり、状況に応じて併用することも可能です。ローン型減税の場合は5年以上の住宅ローンを借りて一定の省エネリフォームをした場合に利用することができ、一方の投資型減税の場合は住宅ローンの借り入れがなくても利用することができるもの。太陽光発電も設置する場合は控除額が増額されます。また、リフォーム完了の翌年にかかる固定資産税を3分の1減額することも可能となります。もし省エネリフォームを検討している場合は、これらを上手に使って賢く省エネ住宅をつくりましょう。■まとめいかがでしたか?省エネ住宅は環境にやさしいだけでなく人間にとっても快適で住みやすい家を実現してくれるものであることがわかりました。初期費用が高いというネックは補助金を活用しながら解決すれば、通常のリフォームと大差ない費用で行うことも可能です。家での時間をより心地よいものにするためにも一度検討してみるのも良いでしょう。
2017年03月01日新築住宅や中古住宅の購入、リフォームの際には、国の補助金を申請できます。申請者の収入や申請住宅の設備などについて要件があるため、細かくチェックしましょう。補助金額は30万円ほどのものから200万円を超えるものまで幅広くあります。なかでも近年は三世代同居に対応した住宅(二世帯住宅)への補助が厚くなっている傾向にあります。■新築住宅購入で利用できる補助金一覧新築住宅を購入する際に利用できる補助金には以下のものがあります。【すまい給付金】消費税率引き上げの負担を軽減するため、引き上げ後の税率が適用される住宅を購入する人を対象に現金を給付する制度です。平成26年4月から平成33年12月まで実施されます。不動産登記上の持分があれば配偶者でも給付金を受け取れる点、住宅ローン減税と併用可能な点がポイントです。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。一般的な要件のほかに、以下の独自の要件があります。1.収入が一定以下であること。・8%時:収入額の目安が510万円以下・10%時:収入額の目安が775万円以下2.住宅ローンを利用しない場合は、年齢が50才以上であること。さらに10%時には、収入額の目安が650万円以下であること。3.引き上げ後の消費税率が適用される住宅であること。4.床面積が50平方メートル以上の住宅であること。5.住宅ローンの利用がない場合は、フラット35Sの基準を満たす住宅であること。フラット35Sの基準は以下のいずれかに該当することです。1.耐震性に優れた住宅(耐震等級2以上の住宅または免震建築物)2.省エネルギー性に優れた住宅(一次エネルギー消費量等級4以上または断熱等性能等級4または省エネルギー対策等級4)3.バリアフリー性に優れた住宅(等級3)4.耐久性・可変性に優れた住宅(劣化対策等級3、維持管理対策等級2等)給付額は、住宅取得者の収入によって決まる給付基礎額と、不動産登記上の持分割合で、以下の計算式により決定します。給付額=給付基礎額×持分割合補助金額上限は、消費税率8%の場合最大30万円、10%の場合最大50万円です。手続き時期は入居後随時(入居後1年3カ月以内)です。【住宅ストック循環支援事業】エコ住宅への建て替えに対して補助金を申請できる事業です。建設業者や宅建業者が補助金を申請し、給付を受けます。業者が受け取った補助金は、住宅所有者に還元されます。要件は一般的な要件のほかに、以下のような独自の要件があります。1.耐震性のない住宅を除却すること。2.エコ住宅に建て替えること。補助金額は30万円~50万円です。手続き時期は補正予算成立後(10月頃)~同年度3月末日までです。【地域型住宅グリーン化事業】地域における木造住宅の生産体制を強化する目的で実施されている補助金事業です。三世代住宅(二世帯住宅)への対応に対して補助金が加算される点がポイントです。施行事業者などからなるグループが補助金を申請し、給付を受けます。補助金は住宅所有者に還元されます。以下のいずれかの要件を満たす必要があります。なお、いずれも木造建築が条件です。1.長寿命型(長期優良住宅の認定を受けたもの)2.高度省エネ型(認定低炭素住宅の認定を受けたもの)3.高度省エネ型(性能向上計画認定住宅の認定を受けたもの)4.高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅の認定を受けたもの)補助金額は以下のとおりです。1.長寿命型:100万円2.高度省エネ型(認定低炭素住宅):100万円3.高度省エネ型(性能向上計画認定住宅):100万円4.高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅):165万円さらに地域材を利用した場合は20万円を上限に補助金額が加算、三世代同居に対応した場合は30万円を上限に加算されます。手続き時期は4月~6月頃です。【ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業】住宅における年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロとなる住宅(ZEH)に対して出される補助金です。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。一般的な要件のほかに、以下のような独自の要件があります。1.ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしていること。《ZEHの定義》(1)住宅の外皮性能が地域区分ごとに定められた強化外皮基準以上であること。(2)設計一次エネルギー消費量が再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減されていること。(3)太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムを導入すること。(4)設計一次エネルギー消費量が、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること。2.申請する住宅はSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されたZEHビルダーが設計、建築または販売を行う住宅であること。3.導入する設備は本事業の要件を満たすものであること。4.要件を満たすエネルギー計測装置を導入すること。補助金額は以下のとおりです。1.交付要件を満たす住宅:125万円2.交付要件を満たし、寒冷地特別外皮強化仕様である住宅:150万円3.設計一次エネルギー消費量が、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上削減されている住宅:125万円さらに蓄電システムを導入する場合には、補助金額が以下のとおり加算されます。1.蓄電システムの補助金額:蓄電容量1kWh当たり5万円2.蓄電システムの補助金額上限:補助対象経費の3分1のまたは50万円のいずれか低い金額手続きは年度内に随時行えます。【民生用燃料電池導入支援事業】家庭用燃料電池システム「エネファーム」を住宅に導入する場合、その購入費用の一部を支援してもらえる補助金制度です。一般的な要件のほかに、以下のような独自の要件があります。1.申請者は燃料電池システムを購入し、実際に使用する人であること。2.設置予定の燃料電池システムが、「FCA(燃料電池普及促進協会)が指定した燃料電池システム(補助対象システム)」であること。3.「補助対象システム」を6年間以上継続して使用できること。4.他の国庫補助金と重複して補助を受けない(受けていない)こと。5.補助対象システムの設置などに関するFCAへの情報提供に同意できること。6.個人(個人事業主を除く)が申請する場合、排出削減事業への参加を表明できること。住宅所有者が直接申請し、給付を受けるタイプの補助金です。補助金額は、補助の対象となるエネファームの機器価格と工事費の合計価格(補助対象経費)の大きさによって以下のとおり変わります。1.合計価格が基準価格以下の場合固体高分子形(PEFC):15万円固体酸化物形(SOFC):19万円2.合計価格が基準価格を上回り、裾切価格以下の場合固体高分子形(PEFC):7万円固体酸化物形(SOFC):9万円さらに設置対象の燃料種別がLPガスの場合や、補助対象システムが寒冷地仕様の場合は、3万円ずつ補助金額が追加されます。基準価格は、固体高分子形(PEFC)は127万円、固体酸化物形(SOFC)は157万円です。また裾切価格は、固体高分子形(PEFC)は142万円、固体酸化物形(SOFC)は169万円と定められています。なお基準価格や裾切価格は、使用や燃料種別によって変動するため、詳細については個別に確認が必要です。手続きは年度内に随時行えます。【地方公共団体の補助金事業】国だけでなく、都道府県や市町村でも、さまざまな補助金事業が実施されています。お住まいの地域で受けられる補助金がないかチェックしてみましょう。■中古住宅購入で利用できる補助金一覧中古住宅を購入する際に利用できる補助金には以下のものがあります。【すまい給付金】すまい給付金は中古住宅の購入も対象になります。ただし給付の対象となる中古住宅は、売主が宅地建物取引業者である中古住宅(中古再販住宅)だけである点に注意が必要です。これは売主が個人の場合には、同給付金の根拠となる消費税が課税されないためです。おもな要件は新築住宅購入の場合と同様です。【住宅ストック循環支援事業】良質な既存住宅の流通を促進する目的から、中古住宅の購入の際にも同事業の補助金を申請できます。新築住宅を購入する場合とは要件が異なるため気をつけましょう。宅建業者やインスペクション事業者が補助金を申請し、給付を受けます。業者が受け取った補助金は、住宅所有者に還元されます。要件は以下のとおりです。1.若者(40歳未満)が既存住宅を購入すること。2.売買に際して、インスペクションを実施し、既存住宅売買瑕疵保険に加入すること。インスペクションとは、専門家が第三者的な立場から、住宅の劣化状況や欠陥の有無などをチェックすることを指します。補助金額は以下のとおりです。1.インスペクション5万円2.リフォーム工事内容に応じて定める額(定額)上限はインスペクションとエコリフォームの合計で50万円(耐震改修を行う場合は65万円)です。手続き時期は補正予算成立後(10月頃)~同年度3月末日までです。【地方公共団体の補助金事業】中古住宅を購入する場合も、都道府県や市町村の補助金が利用できることがあります。積極的に問い合わせてみましょう。■住宅リフォームで利用できる補助金一覧住宅リフォームで利用できる補助金には以下のものがあります。【住宅ストック循環支援事業】エコリフォームを行う場合は、同事業の申請が可能です。リフォーム会社が補助金を申請し、給付を受けます。リフォーム会社が受け取った補助金は、住宅所有者に還元されます。要件は以下のとおりです。1.エコリフォームを実施すること2.リフォーム後に耐震性が確保されること補助金額は、リフォーム工事内容に応じて定める額(定額)が支給されます。上限は30万円(耐震改修を行う場合は45万円)です。手続き時期は補正予算成立後(10月頃)~同年度3月末日までです。【地域型住宅グリーン化事業】新築住宅の購入だけでなく、リフォームを行う場合も要件を満たせば同事業の補助金を申請できます。補助金の受け取り方法や補助金額などは新築住宅購入の項目における「4.高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅)」と同様です。要件はゼロ・エネルギー住宅に認定された木造の住宅であることです。【ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業】新築住宅の購入だけでなく、リフォームの場合も同事業を利用できます。なお補助金額など要件以外の内容は新築住宅購入の場合と同様です。一般的な要件以外に、以下の独自の要件が定められています。1.既築住宅は住宅全体の断熱改修を含み、導入する設備は原則としてすべて新たに導入すること。【民生用燃料電池導入支援事業】リフォームでも同事業を利用できます。詳細は新築住宅購入の場合と同様です。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。【住宅省エネリノベーション促進事業】住宅の省エネ化を促進するための補助金事業です。一般的な要件のほかに、補助対象となる製品について以下のとおり独自の要件があります。1.住宅の省エネルギー改修(省エネリノベーション)に有効な高性能建材・設備としてSIIの定める要件を満たした製品であること。2.未使用品であること。補助金額は以下のとおりです。1.高性能建材(ガラス・窓・断熱材):補助対象費用の3分の1以内、上限150万円2.蓄電システム:5万円/kWh、上限額は補助対象費用3分の1または50万円のいずれか低い金額3.高効率給湯機:補助対象費用の3分の1以内、上限15万円手続きは年度内に随時行えます。【長期優良住宅化リフォーム推進事業】既存住宅の長寿命化を目的とした補助金事業です。三世代同居のためのリフォームは補助金がアップします。住宅所有者が直接申請し、給付を受けます。あるいはリフォーム会社が補助金を申請して給付を受け、その補助金を住宅所有者に還元することも可能です。要件は以下のとおりです。1.リフォーム工事前にインスペクションを行うとともに、工事後に維持保全計画を作成すること。2.下記性能項目のいずれかの性能向上に資するリフォーム工事または三世代同居改修工事を行うこと。劣化対策、耐震性、省エネルギー対策、維持管理・更新の容易性、高齢者等対策(共同住宅のみ)、可変性(共同住宅のみ)、三世代同居改修工事3.リフォーム工事後に少なくとも劣化対策と耐震性の基準を満たすこと。補助金額は、リフォーム工事に必要な費用の合計額の3分の1以内、上限は100万円が基本です。ただし三世代同居改修工事を実施する場合は150万円が上限となります。なお認定長期優良住宅とする場合はプラス100万円が上限になります。手続きは年度内に随時行えます。【市町村の補助金事業】住宅リフォームについても、都道府県や市町村の補助金を受けられる場合があります。ぜひ調べてみてください。■まとめいかがでしたか?補助金にはそれぞれに要件や特徴があることがわかったかと思います。住宅の購入やリフォームにはお金がかかりますが、補助金事業を賢く利用して、費用を抑えたいところですよね。住宅の購入やリフォームを検討する場合には、利用できる補助金がないかどうか、ぜひチェックしてみてください。
2017年02月24日こんにちは、FPライターのyossyです。家を購入する際、多くの人は住宅ローンを利用するかと思います。でも、住宅ローンの種類について理解している人は、意外と少ないものです。『フラット35』って何?銀行のローンと何が違うの?といった疑問を抱えている人も多いでしょう。ここでは、住宅ローンの種類について解説します。●(1)銀行ローン最もメジャーなのが銀行で借りる住宅ローンでしょう。各銀行がそれぞれの特色をもって商品を展開しているので、金利や諸費用、繰り上げ返済のしやすさなど、条件にバリエーションがあります 。物件を購入する不動産会社と提携しているローンがあることも。手続きがスムーズになったり、金利がお得になったりするケースもあるため、まずは提携ローンについて確認しておくといいですね。金利のタイプは、主に次の3種類があります。・変動金利型(半年ごとに適用金利が見直され、5年ごとに返済額が見直される)・固定期間選択型(一定期間金利が固定され、その後は原則変動金利に)・全期間固定型(完済するまで金利が一定に保たれる)なお、『団体信用生命保険』(返済途中で死亡、もしくは高度障害になった場合、残高を保険会社に支払ってもらえる)への加入は必須となっています。自分にとってベストな選択肢を選びたいと思う人は、バリエーションの多い銀行ローンの情報を集めて検討してみるといいでしょう。●(2)フラット35住宅金融支援機構と民間金融機関とが連携して融資を行うのが、『フラット35』です。基本的に商品は全国共通ですが、金利や手数料、手続き等の条件は、取り扱う金融機関によって変わります。・金利は全期間固定型のみ・保証料・保証人が不要・繰り上げ返済手数料無料・団体信用生命保険は任意加入といった特徴があります。団体信用生命保険への加入が必須だと、場合によっては病気等の理由で加入ができないこともあるでしょう。フラット35は団体信用生命保険への加入が任意なので、銀行ローンよりもより幅広い人に向けて門戸が開かれている といえるでしょう。●(3)財形住宅融資財形貯蓄制度を1年以上利用しており、残高が50万円以上ある人は、財形住宅融資を利用できる場合もあります。たとえば、・満70歳未満である・勤務先から住宅に関する援助を受けられるなどの条件を満たす必要があるため、検討している人はよくご確認を。返済しているあいだ、5年ごとに適用金利が見直されます(5年固定金利制)。一定の条件を満たした場合、子どもがいる世帯は当初5年の金利が年0.2%引き下げられる優遇制度 があります(平成30年3月の申し込みまで)。他の住宅ローンと併用できる、といったメリットも。----------住宅ローンの仕組みは何かと複雑ですが、大きな額を借り入れるケースが多いからこそ、ベストな選択をしたいですね。ぜひ参考にしてみてください。【参考リンク】・住宅・マイホーム購入におけるローンの種類 | SUUMO ()・いまさら聞けない住宅ローンの種類 | ミサワ分譲ナビ()・【フラット35】とは | 長期固定金利住宅ローン【フラット35】()・財形住宅融資 | 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2017年02月08日●連載の目次は こちら から●住宅ローンのマッピングが頭に入って、金利の大枠についても把握した。そうなると、残すは「住宅ローンの返済期間を、どう決めるか?」という問題だ。引き続き、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんに、お話を伺った。■住宅ローンは60歳~65歳で完済が理想多くの住宅ローンの最長返済期間は35年で設定されている。しかし、仮に40歳で住宅を購入し35年返済を選ぶと、完済は75歳。ローンの残りを一括返済するために退職金を使ってしまうと、最悪の場合、その後は年金だけで生活することにもなりかねない「住宅ローンの返済は、定年を迎える60歳~65歳くらいまでに終わらせる計画を立てるのが理想です」(浅井さん)■返済期間の設定で違ってくる返済総額返済期間を長くすれば月々の返済額が減るので、さしあたっての生活は楽。けれども、返済期間を短くできれば、下記のごとく返済総額は少なくなる。 ■金利上昇リスク軽減の効果もまた、下図の「変動金利型」や「固定金利選択型」のローンの場合は、返済期間が短いほど、将来的な金利上昇リスクを抑えることができる。■「とりあえず35年で」はNG!「今の生活を大切にしたいから、長期間で返済にする」「リスクを軽減したいから、ちょっと返済は頑張ってみる」など、人によって選択は違ってくるだろう。「35年借りられるなら、とりあえずそれで」というのではなく、返済期間は自分のライフサイクルや価値観を反映しながら、選びたいものだ。次回は、「フラット35」の賢い利用方法について、住宅ローンのプロに聞いてみよう。
2016年08月16日人生における大きな買い物のひとつが「住宅購入」です。結婚し、家庭を持ち、子どもが生まれたら誰でも「自分たちだけの城」は欲しくなるもの。ただ、その購入額が他の買い物と違い、3,000万円、4,000万円などと高額なのが特徴です。1,000円、10,000円といった普段の買い物とはケタが違い、買い物そのものが非日常的な行為であるため、冷静さを失いやすく、一歩間違えると取り返しのつかない失敗をしてしまいます。さらに、住宅の種類によって失敗の種類も異なります。では、どういった失敗があるのでしょうか?今回は、戸建住宅を購入する場合の失敗の心理メカニズムについて2つほど解説していきます。■1:掘り出しもの物件で失敗する「アンカリング」のワナ不動産屋の営業マンがよく口にするセリフに、「この中古物件は掘り出しものですよ!」というものがあります。ただし、掘り出しものにもいろいろな意味があることを忘れてはいけません。高級住宅街のなかにある高嶺の花のような人気物件もあれば、そのエリアの相場にくらべて圧倒的に安い物件もあります。この「掘り出しもの」という一言に強い印象を持ってしまうと、その後に他の物件を見る際、その掘り出しものをベースにイメージが左右されることになります。こういった場合、買い手の心理にはアンカリングが働いています。アンカリングとは、特定の数値や情報が印象に残り、それが基準点(アンカー)となって、その後の判断が揺れ動く心理現象のこと。インパクトのあった価格や雰囲気よりも安かったり高級感があったりすれば「よりよい」という感想になるし、反対に高かったり安っぽかったりすれば「より悪い」というイメージとして残るのです。一般的に、その物件が掘り出しものであるかどうかは、買い手が実際に住んでみないことには判定できません。「掘り出しものであるかどうか」は、買い手とその家族の皮膚感覚や五感が決めることだからです。しかし、不動産は「お試し」ができません。そのため、営業マンのセリフひとつで買い手の印象が変わるのです。価格や雰囲気などにより一度大きなインパクトを受けると、その後、いくら見学をしてもすべてアンカリングが働くことになります。もしかしたら、本当は相性のいい戸建かもしれないのに、アンカリングのために「ここはダメ」と切り捨ててしまうことも生じます。また、アンカリングにハマりすぎて、実際に住みはじめたら思ったほどよくなかった、トラブルが続発した……というケースも少なくありません。アンカリングのワナにハマりそうになった場合、いったんその価格や雰囲気のイメージを脇に置き、そもそも自分自身が戸建購入で譲れないポイントはなにか、実際に住みはじめたらどう生活が変わるのかをあらためて考えなおしたほうがいいでしょう。■2:オプションで失敗する「現在志向バイアス」と「プロスペクト理論」のワナ「せっかく家を買うのだから、玄関のドアはいいものにしよう」「せっかく家を買うのだから、この造作家具(建物一体型のオーダー家具)をつけよう」といった具合に、「この機会だから」という言葉を接頭辞に、あれこれオプションをつける人がいます。買うまでは冷静に、かつシビアに価格にこだわったにも関わらず、買うとなったら一転、財布のヒモが緩むのです。なぜこうなるのでしょうか?これには「現在志向バイアス」と「プロスペクト理論」が大きく影響しています。「現在志向バイアス」とは、行動経済学でいわれている心理現象で、「現在を将来よりもずっと重視する」心の動きのこと。そのため、戸建てを購入する現時点を、家がやがて朽ち果てていく未来よりもはるかに重視してしまうのです。結果、「せっかくだから、住まいを最高のものにしたい」とアレコレオプションをつけてしまうことになります。また、「プロスペクト理論」の柱のひとつに、「必ず損をするわけではなく、損をしない可能性もあるのならば、その可能性にイチかバチかを賭けて行動しよう」とする心理現象があります。この時点で「住宅購入=博打」となっているのですが、本人としてはその意識はなく、むしろ「将来損をするとは限らない。ならば、どうせだからうまくいくと信じよう。大丈夫、きっとなんとかなる」と思いこんでしまいます。それでなくても、元の住宅価格も数千万単位であり、オプションの価格も数十万から数百万単位。つまり、金銭感覚が狂いやすい状況になっています。結果、過度に楽観的になり、あれこれオプションをつけた挙句、想定以上のローン返済に苦しむことになるのです。日常生活でこれまで以上に倹約を迫られるだけでなく、最悪、ローンで家計が破たんすることにもなりかねません。住宅購入は博打ではありません。買うのは一瞬でも、住むのは10年、20年単位であり、へたすれば一生に関わってきます。同時に、ローン返済も、一般的には35年かかります。そのため、住宅購入を決めた場合には、一層地に足をつける感覚をもち、今後の生活やローン返済のことを建設的に考える必要があるのです。その他、マンション購入と同じく「限定合理性のワナ(わかりやすいものしか理解しない)」にハマって購入する土地の周辺状況や契約内容を精査せずに失敗するケースなどがあります。*繰り返しになりますが、住宅は一般的に「買うのは一瞬、住むのは一生」です。失敗に気づいたからといって安易に住み替えることはできません。高額で、かつ人生に大きく影響を及ぼす買い物だからこそ、日常生活の買い物以上に冷静に、かつ慎重に「住んだ後のリアル」や「返済計画」を含めて検討すべきでしょう。(文/税理士・心理セラピスト鈴木まゆ子)
2016年08月15日●連載の目次は こちら から●本特集のタイトルは、「住宅ローンの基礎知識特集」。出だし3本はトピック的な話を扱ったが、「そもそも、わが家の場合、住宅ローンはどこで借りられるの?」というベーシックな話も知りたいところだ。今回はそうした話題について、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さんにお話を伺った。■住宅ローンを扱っている金融機関の特徴を知ろう住宅ローンを扱っている金融機関は数あれど、そもそも審査に通らなければ住宅ローンは借りることができない。まずは予備知識として、金融機関の大まかな特徴を知っておこう。つまり、大別すると、住宅ローンは「民間の住宅ローン」と「フラット35」(住宅金融支援機構と民間金融機関とのコラボレーション・タイプのローン)とに分けられる。 ■民間住宅ローンを借りられる人は、どんな人?民間住宅ローンの主な貸し出し口は、銀行。ひとくちに「銀行」といっても、その性質には違いがある。細かい違いをチェックしてみよう。■「フラット35」「フラット50」を借りられる人は、どんな人?「フラット35」の主軸である住宅金融支援機構は、資本金は全額政府が出資している国の機関だ。「日本のインフラとして、住宅を整える」という使命を持つ「フラット35」は、民間の住宅ローンよりも、住宅そのもの、つまり「物件」に対しての要件が厳しい。ちなみに私は、中古の一軒家を購入した際、物件要件がクリアできずに「フラット35」を借りることができなかった。ただし、その分、「人」に対して基準は緩やかという特徴がある。住宅ローンを貸し出してくれる金融機関のマッピングは、これで大まかにわかっただろう。次回は、住宅ローンの難所、「金利」についてです。
2016年08月14日●連載の目次は こちら から●2016年の夏は、住宅ローンを組むのならチャンス! でも、家を買うなら、最初に必ず把握しておいてほしいことがある。それは、「自分は、いくらの住宅ローンだったら、払い続けられるのか?」ということ。「住宅購入で失敗しないための最大の秘訣は、借入金額の設定です」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。詳しく話を伺おう。■払える金額以上の金額を、借りられてしまう現実今回、最も伝えたいことは、「借りられる金額」と、「払い続けられる金額」は違うということだ。この部分は、本当に声を大にして言いたい。通常、住宅ローンを借りる際は「年収の○%」という感じで、年収に対して借りることができる限度額が決まる。たとえば、理想の物件に出会ったとする。「ちょっと頑張れば、ローンは何とか払えそう」と思った。そんなときこそ、「本当に大丈夫? 35年間、『ちょっと頑張る』を続けられるの?」と、自問自答してみてほしいのだ。最近では、住居費(住宅ローン+維持コスト)が年収の半分を占めてしまう借入ケースもあると言われている。たとえば、手取りが30万円なら、住居費が15万円を占めるというわけだ。残り15万円ですべての生活を賄っていけるだろうか? こんなふうに、具体的な金額に落とし込んで考えてみてほしい。そうしないと、「返済し続けられないローン」を組んでしまうということが起こり得る。 ■「現在の家計」をもとに「借りられる額」を算出そこで、現在の家計から、年間で無理なく支払っていける額を算出してみよう。まずはそれを算出するために、ザックリとしたイメージとして、この公式を頭に入れよう。■(1)まずは、「購入後の住居費の上限」を把握するでは、無理なく払える住宅ローン金額は、どうやったら割り出せるのだろう? 最初のステップとして、「購入後の住居費の上限」を確認することが必要だ。ここでは、「家賃9万円で、年間の貯蓄から30万円を減らせる場合」で計算してみる。まず、毎月の家賃を12倍して、年間の家賃総額を出す。これに、「やりくり可能な金額」をプラス。やりくり可能な金額とは、いわゆる「ちょっと頑張る、でも無理はしない」額のこと。目安としては、年収の5%以内が無難だ。最後に、住宅ローンを組むことで税金が毎年戻ってくる「住宅ローン控除額」も足す。住宅ローン控除は最大で「借入金額×1%」(ただし、支払っている年間の所得税+住民税の一部が上限だ)。■(2)「住宅維持コスト」を差し引く上記の例では、年間170万円が購入後の住居費の上限だ。しかし、これがすべて住宅ローンの返済額に充当できるわけではない。マイホームの取得後は、固定資産税などの税金もかかるし、マンションなら管理費や修繕積立金の負担も重い。「フラット35」という住宅ローンを借りる場合は、団体信用生命保険の特約料も毎年かかってくる。下の表は、「フラット35」を借りて新築マンションを購入する場合の一例だが、合計すると年間のコストは40万円にも上ることがわかるだろう。 ■(3)無理なく支払える住宅ローンの金額は、上記の「(1)−(2)」最後に、(1)で計算した「購入後の住居費の上限」から、(2)の「住宅維持コスト」を差し引けば、「無理なく支払える住宅ローンの金額」が把握できる。この例では年間130万円(170万円−40万円)だ。返済期間によっても変わってくるが、返済額がこの程度に収まる範囲で、借入金額を設定することが大切だ。■「ローン借入額」は、本気を出して考えるべきこと!家を買うには物件価格のほかに、登録免許税など「取得するための諸費用」もかかる。また、引越しをするのだから、エアコンや家具、カーテンといった「家具・家電・新調インテリア」類の出費も0円という訳にはいかないだろう。だからといって、ローンの借入額限界まで借りてしまうと、それこそ「住宅ローン返済に追われる人生」になりかねない。 どうか、覚えておいて欲しい。「住宅ローン借入額の設定は、本気を出す価値がある、大切な問題だ」ということを。ここが、読者の皆さんに伝わったのなら、本特集の意義はあったと思えるほどだ。そのためには、本を読んでみたり(今回取材した浅井さんの著書『図解わかる 住宅ローン』」(新星出版社)は本当におすすめだ)、信頼のおけるファイナンシャルプランナーに試算してもらったりしてもよいだろう。ところで、住宅ローンの負担感は、夫婦でローンを組むことで軽減できる。次回は、最近増えている「共働き夫婦」の住宅ローンについて考えてみよう。
2016年08月12日「住宅ローンの取材なら、いい時期に来ましたね」と話すのは、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの浅井秀一さん。2016年の夏は、住宅ローンを借りるのであればチャンスだと言う。初めてマイホームを買う人はもちろん、借り換えをする人も、この機会にぜひ住宅ローンについて考えてみては?■35年の固定金利が1%で借りられる時代に浅井さんの著者『図解わかる住宅ローン』(新星出版社)は、普通の人でも手にとりやすい内容ながら、クオリティの高さから「(お金のプロである)ファイナンシャルプランナーが資料として使っている」と言われるほど。そんな「プロが頼る、住宅ローンのプロ」である浅井さんはこう言う。「住宅ローンは『最後の借り換えブーム』と言われて久しいですが、日銀のマイナス金利で、2016年8月に再度、下がりました。今なら全期間、固定金利1%でも借りられますよ」全期間1%!? それはスゴイ!!■1%の金利なら、利息はかなり少なくて済むしかし、なかにはピンと来ない人もいるだろう。「そもそも、全期間1%で借りられることが、そんなにすごいことなの?」と疑問に思う人がいるかもしれない。住宅ローンに初めて接する人ならば、なおさらだ。そこで、少し私の体験をお話ししよう。「家は、生涯でいちばん大きな買い物」とよく言われている(ちなみに2番目に大きな買い物は、生命保険)。ひと昔前なら、「3,500万円の物件を買ったのであれば、総支払額は倍(7,000万円)くらい」と言われていた。その原因となるのが、「金利」だ。私が家を買った10年前(2006年頃)の住宅ローンの金利はおよそ3%。たとえば35年返済で3,000万円を借りた場合、下記の通り、11.5万円の返済額のうち、当初は3分の2近く(約7万5,000円)の利息を支払っていたのだ(涙)。もし、金利が1%なら、同じ金額を借りたとしても、利息は2万5,000円。返済額も少なくなる一方で、元本部分への充当額は増えてくれる。 ■10年固定金利で借りるなら、どこの銀行がおすすめ?では、どこの金融機関で住宅ローンを借りるのがよいのだろうか?「三菱東京UFJ銀行が、勝負をかけてきましたね。10年固定で金利0.5%です。11年目以降も、そのときの基準金利から1.6%引いてもらえます」(浅井さん)■長期間の固定金利なら…「長期間の固定金利が希望ならば、ソニー銀行に注目です。20年超の返済期間はすべて0.954%。ソニー銀行は手数料が安く、保証料も不要ですので、0.954%は実質金利です。この夏、最も魅力的な住宅ローンと言えるでしょう」(浅井さん)ただし、ソニー銀行は、自己資金が10%未満の場合や、借り換えで利用する場合は、金利が若干高くなる(+0.05%)。また、ローン実行までに通常は1ヶ月半ほど時間がかかるため、新規で物件を取得する場合は、そこがネックとなるだろう。けれども、借り換えであれば時間的な問題はない。「昨年、一昨年借りた人でも、これだけ金利が下がっているのですから、固定金利型を中心に、借り換え効果がある人は、たくさんいると思います」(浅井さん)■金利が0.3%~0.5%下がるなら、借り換え効果が出る可能性も!一般的には、現在と借り換え後のローンの金利差が1%以上あれば借り換え効果が期待できると言われている。しかし、ローンがまだたくさん残っていて、残りの返済期間も長い場合は「0.3%~0.5%」の金利差でも十分なメリットが期待できるだろう。●「0.3%~0.5%」の金利差でも借り換え効果が出る住宅ローンの目安1.ローンの残高が2,000万円程度以上ある2.残りの返済期間が20年以上あるこれよりもローン残高が少なく、返済期間が短い場合は、もう少し金利差がほしいが、それでも借り換え効果が出る人は多いだろう。この記事を読んで「これだけ金利が低いなら、マイホームの購入を検当してみようかな?」と、少しでも思った人は次回の記事もぜひ読んでほしい。次回は、「住宅購入で失敗しないための最大の秘訣」です。
2016年08月11日