【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談< 特別編(1)>「看取り」について発信し続け、悩み相談の名手としても知られる看護師・僧侶の玉置妙憂さんが、新刊『心のザワザワがなくなる比べない習慣』の発売を記念して、コラムニストの辛酸なめ子さんとトークイベントを開催!そこで、今週から2週にわたっては連載特別編として、その対談の内容を紹介していきます!今週は「つい比べてしまう人」へ向けて、お二人が“処方箋”を送りました。■臨終の現場にも現れる「比べて妬む」人たち辛酸なめ子(以下、辛酸)「いま、コロナで仕事の仕方や日常生活が大きく変わってしまいつらい、という方も多いようなんですけども、妙憂さんのお仕事はどうですか?」玉置妙憂(以下、玉置)「私は普段は看取りの現場にいるんですけど、やっぱり影響を受けました。緩和ケア病棟は、毎日家族がお見舞いに来て、できるだけ長い時間一緒にいるもの。そうするのが看取り。というイメージが皆さんにあったと思うんですけど、それが無理やりな力でできなくなりました」辛酸「『看取りに立ち会えない』問題があると聞き及んでおります」玉置「病室には入れないので、画面越しに看取るということはありますね。病院によっては、最期は入っていただいたりするところもあるようですが」辛酸「病院によっても対応は異なるということですね」玉置「そうですね。そうすると、ここでも比べるという気持ちが入ってきてしまうんですよね。『あの病院は看取れるのに』というクレームが入るケースもあるようです。私がいる病院では、緩和ケア病棟は面会の時間を30分取り、一般病棟は全くゼロという時期もあったんです。そうすると、『あの方は3日前にも来て、30分超えても滞在してましたよね?だったらうちもいいですか?』とか、『緩和病棟の患者さんばっかりずるい』とか、そういうふうに比べる方もいらっしゃったりするんです。大切なご家族のそばに一秒でも長くいたい気持ちはすごく分かるんですけど、ご状況が少し違うわけじゃないですか。生死の境にいらっしゃる方と、回復の見込みが高い治療中の方だと違いが出るんですけど、「平等にしてほしい」となるわけです。でも、そうなるとすごく苦しいですよね。本当は。比べて同じようにしてくださいって言ってしまうと、今度、ご自分のところが切迫した状態になったときにも、その例外を認められないこともあり得るわけではないですか?」辛酸「条件が厳しいほうに合わせると、そうなりますね」玉置「ですから、看取りの現場と日常生活を全部同じには言えないですけど、『人に厳しくする』『比べて厳しくしちゃう』ということは、それが自分にも返ってくると私は思うんです」辛酸「自粛警察も、そうですね。人を厳しく戒めると、結果的に自分の自由も制限されるという」■コロナ疲れ撃退には「新しい流れ」に乗ることも大事辛酸「私たちはいままで、自分たちが思う以上に『普通』や『常識』に囚われてきたのでしょうか。でも、コロナによって囚われから解放されると」玉置「そうなんです。そしてコロナ禍のポイントは、そういう状況に強制的になったということですよね。出社なんて最たるもので、いままではこれに沿っていれば間違いはないと思ってた価値観からぽんと放り出されたということですよね。そうするとやっぱり迷い始めますよね?」辛酸「そうですね。突然なくなる戸惑いはあるでしょうね。私は出社はしませんけども、海外取材やパーティが突然なくなって、戸惑いはありましたね」玉置「いままでと違うので、最初はどうしていいかわからなくなったり、恐れを感じたり、やる気が無くなったり。ひどいと体調も悪くなったりとか。そういうような出方をしてモヤモヤなさっているのが、いまの皆さん、「コロナ疲れ」の状態だと思うんですね」辛酸「そうですね。ですから「早く元に戻らないかな」と思う方も多いと思うのですが、元に戻るでしょうか?」玉置「多分元には戻れないですよね?どう思います?」辛酸「そう思いますね。もう全部が元には戻らないような気が……」玉置「たとえばリモートワークだって、コロナ収束の見通しが立っても、『じゃあリモートやめて、全員出社』というふうにはならないと思います。万物は、絶対的に流れている時間の中でどんどんどんどん変わっていくわけじゃないですか。だからまた過去に戻らないで、違う形になっていくと思うんです」辛酸「また印鑑に戻そうとか、ならないですよね?多分」玉置「そうですね。だからこそいまは変化の時期だと思うしかないですよね。コロナの状況をつらいな、嫌だなと思っていらっしゃる方もいると思うんですけど、逆に新しく生まれるタイミングだと、思うこともできるんじゃないでしょうか」辛酸「では、早く元に戻ってほしい、疲れる……と思うのだったら、新しい流れに乗ってみるのもありだと」玉置「そうですね。それができれば、多様なあり方を認めることができるので、いろいろなことを人と比べなくなると思いますよね」辛酸「コロナによって生まれた多様性ですね」玉置「やっぱり、自分のこともOKだったら人のこともOKだし、あの人がOKなことが私にとってOKじゃないっていうのもありだな、ということが分かってくると、いまよりもっとずっと精神的に穏やかな、そして豊かな世界になる可能性があるんじゃないでしょうか」【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。辛酸なめ子(しんさんなめこ)漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。恋愛からアイドル・スピリチュアルまで幅広く執筆。著書に『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)、『霊道紀行』(角川文庫)、『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)などがある。
2020年11月13日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第51回>数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】実の娘のことで相談です。いま高校1年なのですが、言うことを聞きません。自分のバイトや趣味のことはフレンドリーに話しかけてくれるので、関係が悪いわけではないのですが、こちらがやってほしいことはほぼやりません。片付け、整理整頓、最低限の勉強、最低限の気遣い……。ちゃんと教えてきたつもりですが、何度言っても生返事で、厳しく注意すれば(主人に対しても)毒も吐いてくるので、嫌になります。特に勉強については私たちも困り果てていて。中学受験もして、勉強ができないわけではないのですが、やりません。成績も酷く、宿題もやらず、学校も行ったり行かなかったり。当然、先生からはしょっちゅう電話がかかってきます。本人は「嫌いな勉強をするより、今を楽しみたい」などといっちょまえのことを言っていますが、このままではとても大学への進学は無理です(そもそも高校卒業も)。思春期でもあり、多少は大目に見ているのですが、常軌を逸しているように思います。夫婦ともども途方に暮れているので、よい対処法を教えていただけないでしょうか。(48歳・女性・主婦)【回答】極めて正常な高校1年生ですね。「こちらがやってほしいことはほぼやりません」って、お母さん、あたりまえでしょう。しかも「最低限の勉強」「最低限の気遣い」って、どこからが最低限ですか?あなたが考える「最低限」は、全国共通の定義かなにかになっていますか?相手はもう自分というものを持っている年齢ですよ。こちらの価値観を押し付けて、「はい、そうですか」と言うわけがありません。むしろ、そう言わないことを「おお、まともに育っている」と喜ばなくちゃ。厳しく注意すると、いやな言葉を吐いてくるのもあたりまえです。どんなにかわいい子犬だって、しつこくこねくりまわされれば噛みついてくるんです。こねくりまわす方が悪い。これが世の常、あたりまえのことです。なのに、バイトや趣味のことはフレンドリーに話してくれるんでしょう?いい子じゃないですか。もうこれ以上変な風にかまって、いじけさせないでくださいね。今の世の中、大学に行ったからって安泰じゃありません。働き方だって、私たちには想像もつかなかった形態に変わっています。いろんなものの価値が変換して、世の中そのものが大きなパラダイムシフトに呑み込まれているのです。その波に果敢に立ち向かい、自力で泳いでいこうとしているのが彼女ですよ。私たちが持っている経験値なんて、彼女にはなんの役にも立たない。私たちにできるのは、彼女が泳ぎ疲れたときに休める安全地帯でありつづけること。あったかくて、やわらかくて、心も体も休まる場所でありつづけることだけなのではないでしょうか。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年11月06日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第50回>数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】引っ越してきてから近所の人にずっと怯えて暮らしています。20年前です。引っ越しの挨拶回りをしていたとき、私は向かいの人から初対面にも関わらず、車のドアを閉める音がうるさい、玄関の開閉音がうるさい、子ども外で遊ばせるな、などの文句を言われました。私はそれだけでも怖かったのですが、向かいの家の中からは、よくその人の怒声も聞こえてきて。その矛先が私たちに向かうと思うと怖くて仕方がなかったので、子どもが小さいころは、窓を閉め切って、大きな物音を立てないように気を張って生活していました。今では子どもも成人して家を離れ、以前のように文句を言われることは少なくなりました。けれども、得体のしれない怖さは自分自身の中に残っていて、未だに何か言われるのではないかと不安を抱えて生活しています。この不安な気持ちをどうにか軽くすることはできないでしょうか。(53歳・女性・会社員)【回答】20年!?20年ですか……。あまりの時の長さに、走馬灯のようにいろんなことが頭に浮かんでしまいました。あなた、20年って、本当に大変なことですよ。これまでの人生の3分の1を不安な気持ちで過ごしてきたということではないですか。それはもう……お気の毒としか言いようがない。この不安な気持ちを軽くすることはできないか、ということですね。私だったら、私だったらですよ。持ち家だろうが家のローンが残っていようが、全力で引っ越す方向で動きます。だってね、困り事の元凶からは距離を置くに限るんです。でも、最近は以前のように文句を言われることは少なくなったんですね。でも、得体のしれない怖さが残っていると。となると、これは、あなたの心の「クセ」の問題ですね。長きにおよんで「文句を言われる」ことを警戒して生活してきた心には、文句を言われるんじゃないかと警戒するクセがついてしまったのでしょう。これはクセですから、事実とは関係なく回路が回ってしまいます。だから漠然とした不安がいつも生成されているのです。どうにかしたいクセを消すためには、あたらしいクセで上書きする方法があります。「不安にならなくても大丈夫」と考えるクセをつけるのです。クセをつけるためには繰り返しが大切です。毎朝10回「私は安全なところにいる」と唱えるとか。「文句を言われたとしても平気」と書いた紙を貼って、目に入るたびに「そうだそうだ」と思うようにするとか。見て、聞いて、声に出して、五感をフル活用しながら新しいクセをつけていきましょう。まだお若いんだもの。人生あと半分以上ありますからね。いい「クセ」つけて、らく〜に生きていっていただきたいと思います。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月30日2020年10月19日、創業445年の香老舗「香十」は、和花と香木をモチーフにしたお香「香十いろは」を新発売する。香十店舗、オンラインショップにて販売。創業445年の香老舗「香十」(株式会社香十天薫堂代表取締役社長山田昌彦東京都中央区銀座4-9-1)は、和花と香木をモチーフにしたお香「香十いろは」12種類を発売します。香十いろはイメージ「いろは」とは物事のはじまりを意味する言葉です。香十「いろは」=はじまりが「香十いろは」で、はじめてお香を使う方にぜひ使っていただきたいという想いを込めてネーミングしました。また、ひとつひとつの文章、パッケージに香りの情景を大切にし、ユーザーの心の想い出に寄り添える世界観を作りました。香十いろは全12種類いろはのお香の種類は「風ゆれるむらさき藤WISTERIA」、「朝日に輝く薔薇のアーチROSE」、「朝露に蓮の花WATERLILLY」、「手のひらの蜜柑TANGERINE」、「檜の木漏れ日CYPRESS」、「あの曲がり角の金木犀OSMANTHUS」、「初夏の風薫る桃畑WHITEPEACH」、「春の声桜の花CHERRYBLOSSOMS」、「雪の中の水仙花NARCISSUS」、「ほっと一息の緑茶GREENTEA」、「古都のはんなり白檀SANDALWOOD」、「古寺のきりっと沈香ALOESWOOD」の全12種類。わかりやすくどこか懐かしい親しみやすい香りになっています。香十いろは香りの情景を演出するパッケージデザイン商品ページお香はスティックタイプで各30本入。価格は各900円(税抜)。今年2020年4月に発売した「おうち時間を楽しむお香」に引き続きの新発売になります。販売場所香十直営店、香十オンラインショップで販売。香十銀座本店©Sohei Oya(Nacasa&Partners)香十京都二寧坂店香十二寧坂店ではコロナ禍の状況で京都になかなか来れない方に向けて、オンラインツール「ZOOM」を使って京都旅行気分を味わっていただきながら「無料60分オンライン接客サービス」をはじめました。事前に予約サイトにで予約していただき、zoomを使って気軽におうちにいながら、京都二寧坂店のスタッフと会話や映像を楽しめめます。詳しくはこちらから香十(こうじゅう)天正年間創業(1575年)。香十は日本の香り文化の歴史の中に生まれ、継承と時代の新しい創造を行い、伝統の香十練香「黒方」をはじめ、名人といわれた高井十右衛門を商品名とするお香や和香木まで、現代に求められる香り商品の数々をお届けしています。企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年10月27日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第49回>数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】実の兄から絶縁を迫られています。最近、母が亡くなりました。母は父が他界してからずっと兄との二人暮らしで、長いあいだ介護が必要でした。そこで、もっぱら母の世話を焼いていたのが兄。自分自身が持病を持ちながらも、優しい性格の持ち主であった兄は、とても献身的に母の世話をしていました。しかし、母の死後、そんな兄から私は絶縁を言い渡されました。理由は私が介護の手助けをしなかったことだと言います。ただ、私たち家族もやれる範囲で精一杯やってきましたし、なによりこれから独りになる兄が心配でなりません。門前払い覚悟で話し合いに行くべきか、今は時をおくべきか。関係を修復するためにはどうしたらよいでしょうか。(64歳・女性・無職)【回答】人生いろいろありますね。さぞかしお気持ちの晴れない日々を送っていらっしゃることでしょう。胸がふさがる思いで読ませていただきました。お兄さまからの絶縁宣言。門前払い覚悟で話し合いに行くべきか、今は時をおくべきか……。私は、時をおくべきと思います。二人暮らしで献身的にお世話されてきたお母さまを亡くされて、お兄さまは今、その事実を消化することに精いっぱいでいらっしゃるのでしょう。大切な人を失ったあとの虚無感というのは、一緒にいた時間の物理的な長短に比例すると思っています。24時間一緒に暮らしていた方ならば、そのぽっかり空いてしまった穴は、ちょっとやそっとじゃ埋めきれない大きさでしょう。それを埋めるために、人は泣いたり、怒ったり、ときには当たり散らしたりして、四苦八苦します。時間をかけて、“時間薬”の力を借りて、もがきながらすこしずつ穴を埋めていくのです。お兄さまは、今まさにその作業の真っただ中。押しかけていって、さらなる負荷をかけるのはお気の毒ですよ。話し合いといっても、つまるところは「私たち家族もやれる範囲で精一杯やってきた」ということをお兄さまに認めさせたいだけでしょう?今は時をおきましょう。お兄さまの作業を見守りましょう。思いつめすぎてお体を壊すことはないか。病的にお気持ちが沈んでいる様子はないか。注意しながら静かに見ていましょう。大切なのは、かたくなに背を向けているお兄さまがふと振り返られたときに、そこにあなたさまが変わらずにいることだと思います。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月23日創業445年の香老舗「香十」は、和花と香木をモチーフにしたお香「香十いろは」を2020年10月19日(月)に香十店舗にて発売する。「香十いろは」は、どこか懐かしく親しみやすい香りが魅力のお香。藤や薔薇、蓮の花、金木犀、桜といった和花や香木をモチーフに、香りの情景を表現している。種類は全部で12種類。「あの曲がり角の金木犀 OSMANTHUS」や 「ほっと一息の緑茶 GREEN TEA」、「雪の中の水仙花 NARCISSUS」など、ぱっと景色が目に浮かぶような、使う人の思い出に寄り添うお香を揃える。香りを表現した、カラフルなパッケージにも注目だ。【詳細】香十いろは発売日:2020年10月19日(月)展開店舗:香十直営店(銀座本店、京都二寧坂店、銀座 ガス灯通り店、東京店、荻窪店、浦和店)、香十オンラインショップ価格:30本入 900円+税種類:全12種類(風ゆれるむらさき藤 WISTERIA、朝日に輝く薔薇のアーチ ROSE、朝露に蓮の花 WATER LILLY、手のひらの蜜柑 TANGERINE、檜の木漏れ日 CYPRESS、あの曲がり角の金木犀 OSMANTHUS、初夏の風薫る桃畑 WHITE PEACH、春の声 桜の花 CHERRY BLOSSOMS、雪の中の水仙花 NARCISSUS、ほっと一息の緑茶 GREEN TEA、古都のはんなり白檀 SANDAL WOOD、古寺のきりっと沈香 ALOES WOOD)
2020年10月19日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第48回>数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】母の延命治療をやめられなくて困っています。昨年6月、母は脳梗塞で倒れ、後遺症で食事をすることができなくなりました。そのとき、病院からは胃ろうにするか、経鼻経管栄養にするか、そのままにするかの3つの選択肢が。私たち家族は突然のことでうろたえてしまい、看護師の「経鼻経管栄養にすると元気になる」という言葉にすがって経鼻経管栄養を選択しました。けれど、それから1年が経ったいまも、母は食事どころか一滴の水を飲むこともなく、病院のベッドで横になって苦しい日々を過ごしています。私としては、母の人生の最期がこんなにも苦しいもので終わってほしくないので、延命治療は中止したいと思っています。ただ、看護師からは中止できないと言われています。私たちが延命治療を選択したのだから自分たちの責任であることは重々承知ですが、治る見込みのない延命治療に意味はあるのでしょうか。玉置先生ならこんなときどうしますか。(59歳・女性・主婦)【回答】大変なご状況ですね。ご心労いかばかりかと、胸が痛みます。気になりましたのは、「看護師の経鼻経管栄養にすると元気になるという言葉にすがって」「看護師からは中止できないと言われて」ということですが、お話しされているのは医師ではなく看護師ですか?お話の内容は治療方針に関わる重要な部分です。治療の専門家は医師ですから、このようなご相談は最終的には主治医となさった方がいいですね。看護師はあくまでもケアの専門家ですから。それから、延命治療は中止できない、経鼻経管栄養を延命治療と解釈できるのはおっしゃる通りですが、現場では経鼻経管栄養を中断することはいくらでもありますよ。なぜなら、経鼻経管栄養=延命治療ではないからです。私ならどうするか。まず、主治医と話をします。そして、今がどういう状況なのか理解する努力をします。少し厳しい言い方ですが、患者側も賢くならなければいけません。「看護師の言葉にすがって」とか、「看護師からは中止できないと言われて」とか、看護師から得た情報だけに縛られて右往左往するのはいかがなものでしょう。世の中は便利になっているのですから、本でもネットでも、もっと多角的に情報を集められるようおすすめします。ところで、お母さまには意識がおありなのでしょうか。コミュニケーションはおとりになれますか。「病院のベットで横になって苦しい日々」「人生の最期がこんな苦しいもので終わってほしくない」と、お母さまがおっしゃっておいででしょうか。そうであれば、お母さまの心のケアが必須です。もし、そうでなく、あなたがそう考えてしまっていらっしゃるなら、お伝えしたいことはふたつです。ひとつは、お母さまはそうは思っていない可能性があるということ。もうひとつは、あなたの心も手厚くケアされなければいけないということです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月16日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第47回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】保育園に通うひとり娘がなかなかうまく言葉を喋れなくて悩んでいます。私の娘は今年で2歳になりますが、周りの同じ年ごろの子たちと比べて喋り方がかなり拙く、私も気にはかけていました。でも先日、自治体の健康相談室の人から「普通と比べてかなり話し方の成長が遅いですね。たくさん話かけてあげてください」と、はっきり言われてしまって……。両親からも病院に連れていったほうがよいのではと、しょっちゅう言われるようになりました。私としては、自分なりに仕事以外の時間は娘と接して、いろいろ手を尽くしているつもりだったので、育児の至らなさを責められているようでなりません。こんな気持ちをどう整理すればよいでしょうか。また娘を病院に連れて行ったほうがよいのでしょうか(36歳・女性・会社員)。【回答】ご相談くださって、ありがとうございます。ご心配のあまりこんがらがってしまっているところもあると思うので、整理していきましょう。まずは、「普通と比べて」ということですが、もともと子供の成長には個人差がありますからね。なにをもってして「普通」とするかは難しいところがあります。まずは、そこをふまえておきましょう。次に、とはいえなにかあるのかもしれませんから、医者に相談してみるのはよいことだと思います。万が一なにかあったような場合には、対処が早ければ早い方が良いということもありますから、気軽に相談してみてください。私は看護師で病院にいましたけれど、こういったご心配で受診なさる親子さんはたくさんいらっしゃいましたよ。そして、「子どもがなかなかうまく喋れない=母親の育児に問題がある」ではないことをしっかりわかってください。あなたの耳が、そうねじ曲げて聞いてしまっているだけです。ご両親様だって、かわいいお孫ちゃんのことを思って受診を勧めてくださっているだけですよ。それなのに、「至らなさを責められている」と思って聞いてしまうと、それを認めることになりそうで、なかなか病院にも行きづらいでしょう?子育て中のお母さんは子どもを守りたいばっかりに、時に視野が狭くなって自分で自分を追い詰めてしまうことがあるようです。孤軍奮闘。全責任を自分がとらなきゃならない、すべては自分のせい、みたいなね。でも、丸投げできることはしちゃいましょう。医者に頼れることなら医者に。そのほかのことだって、どんどん身近にいる人の手を借りちゃいましょうよ。だって、育児なんてね、我が子を「かわいい!」と思ったらそれだけでパーフェクトですから。まずは、肩の力を抜きましょう。深呼吸して。大丈夫。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月09日映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』が、2021年1月15日(金)より、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、他全国にて順次公開。ディオール&エルメス協力で再現するトップ調香師の世界『パリの調香師 しあわせの香りを探して』は、世界中のトップメゾンの香水を手掛けてきた天才調合師の苦悩と再起を描いた物語だ。本作は、ディオール(DIOR)の撮影協力に加え、ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)で多くのヒット香水を手掛け現エルメス(HERMÈS)の専属調香師が監修。豪華協力により綿密に再現された、知られざるトップ調香師の世界の裏側を覗くことができる。あらすじ主人公は、ディオールの香水「ジャドール」をはじめ、世界中のトップメゾンの数々の香水を作ったトップ調香師・アンヌ。4年前のある日、ヒット作を生み出さなければいけないプレッシャーと忙しさで、突如嗅覚障害になり地位も名声も失ってしまう。嗅覚が戻って以降は、パリの高級アパルトマンでひっそりと暮らしていた。アンヌは、運転手にギヨームという男を雇う。ギヨームは、離婚して娘の親権を元妻に奪われそうになるなど、人生“崖っぷち”状態。境遇も性格もまるで正反対の二人だが、正面から向き合うギヨームの姿勢にアンヌの閉じていた心が少しずつ開き、新しい香水を作りたいと再起への思いを強くする。そんな中、アンヌは再び嗅覚を失ってしまう・・・。アンヌは再び嗅覚を取り戻し、奇跡の調合を生み出せるのだろうか?!フランスの名女優エマニュエル・ドゥヴォス主演天才調香師アンヌに扮するのは、『ヴィオレット ある作家の肖像』で主演を務めたフランスの名女優、エマニュエル・ドゥヴォス。わがままだが憎めないアンヌを、チャーミングに演じている。また、アンヌのよきバディとして彼女をサポートする運転手・ギヨームは、『スクールズ・アウト』のグレゴリー・モンテルが、ユーモアたっぷりに演じている。【詳細】『パリの調香師 しあわせの香りを探して』公開日:2021年1月15日(金)より、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、他全国にて順次公開。監督:グレゴリー・マーニュ脚本:グレゴリー・マーニュ出演:エマニュエル・ドゥヴォス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタヴ・ケルヴェン、ゼリー・リクソン、ポリーヌ・ムーレン原題:LES PARFUMS
2020年10月04日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第46回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】学生のころにいじめをしてしまった記憶に苛まれています。私は中学生時代にいじめグループに所属していたことがあります。当時の私は、自分が無視されてしまうことがほんとうに怖くて、自分が標的にならないようにと、同じクラスの子を集団で無視したり、筆箱や上履きを隠したり、影で悪口を言ったりと、いじめに加担していました。その結果、標的となった彼女は不登校になったのち、別の学校へ転校。その後どうしているのかは全くわかりません。それから20年ーー。私は結婚して子どもができたのですが、子どもを見ていると、何であんなことをしてしまったのかと、後悔がどっと押し寄せてきています。こんな私にいまできることは何かありますでしょうか。(34歳・女性・主婦)【回答】そうですか。いじめる側でしたか。愛おしい子を待つ身となって、その時のことを後悔されていらっしゃるのですね。私は、いじめる側といじめられる側は対極にあるように見えて実は同じだと思っています。どちらも道の端っこから転がり落ちてしまっているという点では、ですけれども。でも、若く経験の足りない頃は自分の歩いている位置がわからないので、どこが端っこか見当がつかず、うっかり落ちてしまうことがしばしばあります。何度も何度も落ちているうちに、「あぁ、ここが端っこだ」とわかるようになり、落ちないように真ん中を歩くことができるようになるのです。いじめに加担しなければ自分がいじめられる側になってしまうと思って、いじめる側だったあなたには、両者が同じということがよくおわかりいただけるのではないでしょうか。20年たって、そのからくりがようやく腹に落ちたのですね。さて、こんな私に今できることはあるか。いろいろあると思います。こうやって質問してきてくださるほど深く考えることも「できること」でしょう。我が子を見守り、必要であれば経験から得た助言をすることも「できること」でしょう。経験したからこそわかる当事者の気持ちを活かして、いじめ問題に取り組むことだってできると思います。ただ、なかったことにすることはできません。誰かに許しを請うのも、違うような気がします。やってしまったことはやってしまったこととして、後悔の念に七転八倒しながら、一歩でもまっとうな人間に近づけるように日々精進していく。もう二度と道を踏み外さないようにしっかり真ん中を歩いていく。それが、一番重要な「できること」のような気がします。彼女、幸せになってくれているといいですね。彼女の人生が、豊かで、穏やかで、順調でありますように。私も祈ります。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月02日世界最高峰で勝負する女性調香師を描くフランス映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』(原題『LES PARFUMS』)が、日本でも公開されることが決定した。天才調香師・アンヌは、4年前のある日、突如嗅覚障害になり地位も名声も失ってしまう。嗅覚が戻った現在は、昔から付き合いのあるエージェントから紹介される企業や役所の地味な仕事だけを受け、他人と関わりを持たず、パリの高級アパルトマンでひっそりと暮らしていた。そんな彼女に運転手として雇われたのは、離婚して娘の親権を元妻に奪われそうになっているうえ、職も失いかけ、まさに人生崖っぷち状態のギヨーム。気難しくわがままなアンヌにふり回されながらも正面から彼女と向き合うギヨームは、アンヌの閉じていた心を少しずつ開いていく。そしてギヨームと一緒に仕事をこなすうちに、アンヌは新しい香水を作りたいと再起への思いを強くするが、アンヌは再び嗅覚を失ってしまう――。本作は、パリを舞台に世界最高峰で勝負する女性調香師の再起を描く物語。「ディオール(DIOR)」の撮影協力や、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」で多くのヒット香水を手掛ける現「エルメス(HERMES)」の専属調香師クリスティン・ナーゲルが監修を手掛けるという豪華協力によって映画化が実現。コロナ禍の6月22日、閉鎖されていたフランスの映画館が営業を再開。0時を回ったと同時に映画館で開催された先行プレミア上映会には観客が詰めかけ、急遽スクリーンを追加するほどの熱狂の中迎え入れられ、7月1日にフランス興行成績No.1の成績で大ヒットスタートした話題作だ。ディオールの香水“ジャドール”をはじめ、世界中のトップメゾンの数々の香水を作った、わがままだけど憎めない天才調香師アンヌ役は、『リード・マイ・リップス』『真夜中のピアニスト』などに出演するフランスの女優エマニュエル・ドゥヴォスがチャーミングに演じ、アンヌのよきバディとしてサポートする運転手ギヨームを、『スクールズ・アウト』のグレゴリー・モンテルが演じる。ほかにも、セルジ・ロペス、ギュスタヴ・ケルヴェン、ゼリー・リクソン、ポリーヌ・ムーレンらが出演。監督・脚本はグレゴリー・マーニュが務めた。『パリの調香師 しあわせの香りを探して』は2021年1月15日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:パリの調香師しあわせの香りを探して 2021年1月15日よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開©LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINÉMA
2020年10月01日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第45回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】最近、弟夫婦の暮らしが心配でなりません。義妹の母は以前の病気の後遺症で、1人で自由に出歩くことができません。父も認知症を患っているようで、生活のサポートが必要です。そのため義妹は仕事と家事の傍ら、休みのほとんどを2人の通院や日々の買い物のサポートに当てています。一方で、私の弟とはというと、仕事以外なにもしません。家事を手伝うことはなく、休みの日も趣味に明け暮れてばかり。また、弟夫婦は90歳近い私たちの母とも暮らしているのですが、弟は母の世話はもちろん、話し相手になることもありません。それでも義妹はとても前向きな性格で周りに不満を漏らすことはなく、母も身の回りのことは自分でできているので、いまは何とかなっています。ただ、義妹の負担や母の寂しそうな様子を見ると、この先がとても心配で……。弟夫婦の問題なので、気安く口出しするのもあれなんですが、もう少し弟に積極的に向き合ってほしいと思っています。自分はどういう風に関わっていけばよいでしょうか。(61歳・女性・会社員)【回答】義妹さんの負担がご心配で、なんとか弟さんに変わって欲しいと思っていらっしゃるのですね。そのお気持ちは伝わってきました。でも、残念ながら人を変えるということは、私たちには120%できません。人は変わるけれど、変えられないのです。こちらがいくらあれこれ気を揉んだところで、弟さんご自身がそう思わなければ変わりません。だから、弟さんを変えようという方法は、早々にあきらめましょうね。今のところ、義妹さんからのSOSも出ていないようですね。ご両親に加えて義母さまの面倒まで見ていらっしゃるのですから、本当に大変なことと思いますが、持ち前の前向きな性格でこなしていらっしゃる。たいしたものです。救援信号が出ていないとなると、あなたのご心配は杞憂である可能性もあります。さて、これからどういう風に関わっていけばよいのか、とのことですね。ものすごく短絡的で恐縮なのですが、義理の妹さんを手伝いに行ってさしあげればよいのでは?「弟夫婦の問題なので気安く口出しするのもあれ」とのことですが、こうやってもうすでに首を突っ込んでいらっしゃるわけですから、ね。お母さまが寂しそうだと感じていらっしゃるなら、お話しをしに訪ねてみるのもよいでしょう。なんとなく、それが憚られるご状況がおありなのでしょうか。もしそうだとすると、問題は弟さんではなく、義妹さんとあなたとのご関係ということになるかもしれませんね。きっといろいろな背景がおありでご苦労の多いことと思いますが、最後に、ひとつの言葉をご紹介させてください。「菩提心を因となし、大悲を根本とし、方便を究竟となす」これは弘法大師空海の教えで、意訳すると“人のためという気持ちで愛に基づき行動することこそが一番大事”という意味になります。この言葉の中にこれからの関わり方のヒントがあれば幸いです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年09月25日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第44回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】このコロナ禍で、東京にある大学に戻ろうかどうか悩んでいます。私は今年の4月に東京の大学院に進学しました。でも、入学早々にコロナの影響で大学からは極力来ないでほしいとの連絡が……。私も感染するのが怖かったので、一週間も経たずに地元の浜松に戻ってきました。それから5カ月、私は今も浜松の実家にいます。修士1年である私は2年間の研究テーマを決めなければいけません。けれど、指導教員とはオンラインで一度しか話ができておらず、いまだに方向性を定められていません。また、専門書などがない実家ではできることも少なくなってきました。でも、東京に戻ることを考えると、どうしても感染することが頭にチラついて、なかなか一歩踏み出すことができません。玉置先生ならこんなとき、実家に残りますか。それとも研究を進めるためにリスクを取って東京に戻りますか。(23歳・女性・学生)【回答】2020年。今年がこんな年になるとは本当に思ってもいませんでしたよね。晴れて大学院に進学され、修士1年目の華々しいスタートだったはずなのに、出端をくじかれたお気持ちはいかばかりかとお察しいたします。さて、感染することが頭にチラついてなかなか一歩を踏み出すことができない、とのことですが、その根拠についてはもう調査済みでしょうか。あなたもこれから大学院で研究論文をまとめようという方ですから、立派な科学者の一員です。感染を怖れるにはその根拠がなくてはいけません。どうでしょう。新型コロナウイルスの感染者数は毎年流行しているほかの感染症と比べてどうですか。重症化率は?致死率は?後遺症の報告数は?もうすでに分析済みとは思いますけれど、結果はいかがでしたでしょうか。まさかとは思いますが、危険を煽るワイドショーの報道だけを根拠にしてはいませんよね?それとも、踏み出せない理由には回りの方の強い反対もあるのかしら。私たちはひとりで生きているわけではありませんから、周りの方の心情も慮らねばなりません。お父さまやお母さまのご心配もおありでしょうし、地域の人の目もあります。好き勝手にはできない、しちゃいけないってこともありますよね。でも、だからこそ、しっかりした根拠でもって安心させてあげるのがあなたの役割なんじゃないかなあ、とも思います。たったの2年しか時間がないのに、指導教員とも話せず、テーマも決まらないとあっては焦るでしょう。でも、その停滞をコロナのせいにばかりにしていては逃げになってしまうのではないかしら。大学院にいってまで研究したいことがあったから、進学したのでしょう?方向性を決めるのに重要なのは、専門書でも指導教員の助言でもなく、あなたのパッションですよ。それがあれば、今の時代、どこにいるかは何の障害にもならないはずです。「実家に残るかリスクをしょって東京に戻るか」なんて二者択一に自分を追い込まないで、もっと視野を広く持っていきましょうよ。ね。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年09月18日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】上の階からの騒音に困っています。郊外のマンションに暮らし始めて20年目。今年の3月に、6歳と2歳の男の子を持つご夫婦がマンションの上階に引っ越してきました。子どもたちはとにかく元気なようで、朝から晩まで、家の中を走り回る音やボールを床について遊ぶ音が響いてきます。一方こちらは夫婦ふたりの静かな生活。最初は緊急事態宣言もあって仕方ないと思っていたのですが、さすがに耐えかねて奥さんに今の状況をお伝えしました。しかし、宣言が解除されても相変わらず走り回る音は響きわたってきて……。どうにか穏便に解決できないでしょうか。(53歳・女性・主婦)【回答】朝から晩まで、家の中を走り回る音やボールを床について遊ぶ音。いやあ、これは気になりますね。大変でしょう。人間の耳は選択透過性です。すべての音を聞いているのではなく、自分に必要な音だけを聞いています。でもこの選択は好ましい音だけを選ぶわけではなく、自分にとって嫌な音を積極的にピックアップしてしまうこともあります。例えば、耳鳴りの原因のひとつに“自分の血流の音”というのがあります。誰にもその音は発生しているのですが、ほとんどの人がその音をシャットアウトして生活することができています。でも、ひょんなことから気になりはじめてしまうと、今度は進んでピックアップしてしまい、つらい耳鳴りになってしまうのです。このように、一度気になりはじめてしまった音を私たちは積極的に聞いてしまうようにできているのです。厄介ですね。さて、本来、子どもというのは元気なものです。そして、そんな子ども、とくに我が子が走り回る様子などは見ていて幸せを感じませんか。ほかにも、ペットちゃんだって好きならその鳴き声も足音も気になりませんでしょう。ところが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」で、負の回路が回りだすと笑い声も鳴き声も不快な雑音になってしまうのです。また、あなたの旦那さまはこのことについてどんな反応をしていらっしゃいますか?まったく気にならない様子? それともやはり気にしているご様子でしょうか。というのも、もし旦那さまが上階の物音で不機嫌になられるとしたら、あなたはその旦那さまの不機嫌が嫌で上階の物音に困っていらっしゃるのかもしれません。あれこれと言いましたが、ここでお伝えしたかったのは、困りごとの根本の原因は「上階の物音」ではないかもしれないということです。ご自分のもののとらえ方だったり、旦那さまの態度に対するご自分の気持ちだったり。つまりは「自分」なのです。私たちは他人を変えることは一切できません。上階の奥さまにいくら苦情を訴えても、あなたの思うようには改善しないでしょう。でも、自分の在りようならば、変えることができるのです。決して我慢をしろと言っているのではありません。自分をリセットする方が楽で、得で、確実だからご紹介いたしました。上階のドタバタもあと2〜3年でしょう。でも、大変ですよね。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年09月11日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】次女のスマホの使い過ぎをやめさせることができません。高校生の娘は本当に四六時中、スマホを片手に持っていて、トイレに行くときもお風呂に入るときも、スマホを手放すことができません。みかねて「我が家のスマホルール」を作ったのですが、守ってくれることはほとんどなく、友人家族のやり方を参考にしたり、インターネットで調べた方法を試したりもしましたが、まったく効果はありませんでした。この状況に妻はかなりイライラしているようで、私たちの目を盗んで娘がスマホを使っていることに気づくと、露骨に口数が減り、家の中がギクシャクします。ただ、娘にとってスマホが大事なコミュニケーションツールということもわかっているので、思春期の娘の気持ちもないがしろにしたくないと思っています。みんなが幸せになれる効果的な方法はないのでしょうか。(49歳・男性・会社員)【回答】うーん……四六時中スマホ。母としてご心配のあまり奥さまがイライラするお気持ち、察するに余りあります。そして、間に立ってなんとかみんなが幸せになれる効果的な方法はないかとお考えになっているあなたさまのご心労、いかばかりか。我が家にも娘さんと同じ年ごろの愚息がおりますが、やっぱり息をするように一日中スマホをいじっています。ただ、それは、時代が完全に変わったからだと私は思うのです。あなたさまも電車に乗ったときご覧になったことがあるでしょう。箱の中の9割の人間がスマホを見ています。良い悪いではなく、そういう時代になったのです。ひと世代前の私たちとしては、なかなかその変化に対応できない。朝から晩までスマホをいじっていることを真っ向から否定したくなります。なぜなら、自分の中にその文化が無いから。そこには、事の良し悪しの公平な判断ではなく、やみくもに自分の持っている文化を相手に押し付けようとしているところがないでしょうか。当然のことながら、共通の基盤を持たない者がつくった「ルール」というのは、得てして守られないものです。まずは、お嬢さんが身を置いている時代の波に私たちも乗ってみませんか。「すごいね。面白そうだね。何をやっているのか教えてよ」と。そうして、あなたの文化を認めているよ、共有したいと思っているんだということを伝えます。次に、「あなたはスマホばっかりいじって!」という言葉を「私は一日中スマホをいじっているあなたが心配なの」と言い換えて、お話をしてみてください。ポイントは「あなたは」を「私は」にすることです。「あなたは!」は相手に防御態勢をとらせてしまいます。まずは「私は」で壁を壊してこちらの思いが相手に届くようにしましょう。そして、ぜひ娘さんに、電源さえ落とせばあなたが見ている世界からいつでも離れることができると、脱出ルートを教えてあげておいてください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年09月04日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】結婚して23年。会社員で3歳年上の夫と会話が成立しません。交際していたときは普通に話ができていたのですが、結婚してからというもの夫の口数はどんどん減るばかり……。子どもを挟まないとコミュニケーションが成り立たず、夫婦2人きりなったリビングは真空のように無音の状態で、地獄の時間が続きます。子どもが独立したあとの生活を考えると、今では熟年離婚も選択肢の一つとして真剣に考えるようになりました。これからの暮らしをより良くするために、私はどうすればいいのでしょうか。(52歳・女性・パート)【回答】真空状態とは一大事ですね。命に係わります。さて、「これからの暮らしをより良くするためにどうすればいいか」とのことですが、まずは、あなたさまにとって「より良い暮らし」とはどういった暮らしなのか、具体的に考えてみようではありませんか。会話が成立しない無音の状態を地獄と感じていらっしゃるのですから、少なくとも今より良くなるためには会話が必要そうですね。して、その会話の内容は何でもOKですか?たとえば、旦那さまが職場のことを一方的に話してくれるとか、旦那さまのご両親やご兄弟についてあれこれ話してくれるとか、旦那さまの趣味や得意分野のこととか。とにかく話をしてくれればいい?あなたさまがそれを興味深く熱心に微笑みながら聞いて相づちを打ってくだされば、きっと会話の絶えない幸せなリビングになりますよ。さあ、他にはどんなビジョンがあるでしょうか。どんどん具体的に「より良い暮らし」のイメージをふくらませてみてください。ところで、あなたさまが思い描く「より良い暮らし」があるように、旦那さまにも旦那さまの思い描く「より良い暮らし」が必ずあります。双方のすり合わせは、済んでいらっしゃいますか。他人は自分の鏡と申します。ご夫婦ならましてやのこと。つまり、相手の態度は自分の態度の“映し”なのです。旦那さまの口数は勝手にどんどん減っていったのではなく、あなたさまが減らさせたという捉え方もできるということです。若いころの情熱は沈静し、子育ても終わってしまって、なんの役割も期待もなくなってしまってからが「その人と一緒にいるかどうか」の正念場のような気がします。相手がひとりの人間として存在していることだけにOKが出せるかどうか。一緒にいたのではお互いにそれぞれの「より良い暮らし」を実現できないことが確定なら、離婚もいいでしょう。反りが合わなくなってしまった人と一緒にいるより、ひとりのほうがずっと「より良い暮らし」を実現しやすいと思いますから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月28日モデルの野崎萌香(のざき・もえか)さんが、2020年8月20日にインスタグラムを更新。美ボディがあらわになった水着ショットが「女神すぎる」と話題になっています。野崎萌香の水着姿に「神々しい…」「見えそう」野崎萌香さんは、2019年の夏に訪れたバリ島での写真をアップしています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る I went to Bali last summer☀️☀️☀️ 野崎萌香 Moeka Nozaki (@moeka_nozaki)がシェアした投稿 - 2020年 8月月20日午前1時55分PDT野崎萌香さんは、白色の水着に負けないくらいの美白肌の持ち主。胸や脚を大胆に露出し、透明感あふれる美しさで多くのファンを魅了しています。・透明感が半端ない!こんなにきれいな人、初めて見たかも…。・めちゃくちゃきれい。胸元もセクシーでエロい!・もはや、発光してない!?本物の女神だ。野崎萌香さんは以前にも、インスタグラムでバリ島を訪れた際の写真を投稿しています。 この投稿をInstagramで見る Just one year ago. In Bali 野崎萌香 Moeka Nozaki (@moeka_nozaki)がシェアした投稿 - 2020年 7月月6日午前7時11分PDT多くの人がうらやむボディを、これからも披露してほしいですね。野崎萌香の彼氏は菅野智之?水着姿が「完璧すぎる…」と話題に[文・構成/grape編集部]
2020年08月24日大阪の焼き芋専門店「蜜香屋」の新業態店舗「蜜香屋 バタータス(BATATAS)」が、2020年8月19日(水)、大阪・梅田エストにオープンする。“焼き芋”が主役の喫茶&酒場「蜜香屋 バタータス」「蜜香屋」は、2009年に大阪・中崎町に誕生した焼き芋専門店。安納芋の美味しさに感動したオーナーが、サツマイモの育つ土づくりから拘った焼き芋を提供しており、連日行列の絶えない人気店だ。今回オープンする「蜜香屋 バタータス」は、そんな「蜜香屋」が手掛ける新業態店舗。店内では、“焼き芋喫茶&焼き芋酒場”をコンセプトに、焼き芋を主役にしたフード&スイーツ、ドリンクを展開する。スイーツメニューには、人気商品「おいもとアイス」「蜜香紅茶」のほか、店舗限定となる「イモプリン・ア・ラ・イモード」などをラインナップ。また、フードメニューでは生地や具材のアクセントに芋を使った「芋ガレット」、芋ご飯で作った「ガパオライス」、肉感と芋感を組み合わせた「水ぎょうざ」などを用意する。さらに、ドリンクメニューには大阪の地ビール・箕面ビールと共同で作った「芋ビール」も登場。今までにない新たなサツマイモの楽しみ方を提案していく。【詳細】蜜香屋 バタータスオープン日:2020年8月19日(水)営業時間:11:00~22:00住所:大阪府大阪市北区角田町3-25定休日:梅田エストに準ずる席数:テーブル 26席、カウンター 11席<メニュー例>イモプリン・ア・ラ・イモード 900円、ガパオライス 1,100円、芋ガレット 1,200円、水ぎょうざ 550円、芋ビール 750円、おいもとアイス 750円、蜜香紅茶 ホット 800円/アイス 700円※価格は全て税込み。
2020年08月22日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】遠く離れてひとりで暮らす母に介護が必要になりました。これからも母の要介護度が高くなることを考えると、いつかは帰郷して母の面倒を見たいと思っています。そんな折、私の勤務先の会社が早期希望退職の募集を開始。退職金も上乗せになるとのことで、いっそ会社を辞めて故郷に帰ろうかという気持ちが日増しに強くなっています。一方で上洛してから25年。子どもたちを育てた家は京都にあり、都会に深い愛着があるのも事実。ふん切りがつかない状態でいます。このような判断を迫られたとき、どのような基準で決断するのがよいのでしょうか。(58歳・男性・会社員)【回答】親の介護。頭の痛い問題ですね。あれこれ悩まれ、ふん切りがおつきにならないのも無理ありません。心中、お察し申し上げます。さて、そのようなとき、どのような基準で決断すればいいのかということですね。あくまでも私の感覚で申しますが、判断基準は「ケツを持てるか」です。人間は5秒で損得を考えだすそうです。行動を起こそうとしたとき、ほんの5秒間躊躇するだけでもう「どっちが有利だろう」「こうしたほうが得なんじゃないか」「世間体というのもある」「長男の立場としてはどうするべきか」と、まあ数えきれないくらいの損得を考えはじめてしまうそうです。それが「人間というものだ」とのことですから損得を考えるのはよいのですが、問題なのは損得に振り回されて本当のところ「自分はどうしたいのか」が抜けてしまうことだと思うのです。決断するということは、ひとつを選んで、そのほかを捨てるということです。そして、そのひとつを選んだことによって生じるすべての結果に対してケツを持つ覚悟をするということです。「自分はどうしたいのか」に忠実に従って選んだ末の結果でなければ、覚悟を持ち切らんでしょう。そして、そのケツを持つ覚悟があれば、自らが下した決断はすべて「最良の決断」になります。たとえすべてを失い、世間様には大失敗だとせせら笑われようともです。ここで今一度、ご自分が大切にしているもの、守りたいもの、失いたくないもの、貫きたいもの、譲れないもの、愛しているもの、それがなんなのかをすべての外界をシャットアウトして考えてみてください。あなたさまが「ケツを持つ」と覚悟できる方へ進めば、あなたさまの周りの方々もみな安定します。場が安定すれば、未来は開けます。私はそう思っています。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月21日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】会社の働き方がテレワーク中心になり、定年退職を自宅で迎えそうです。私は今年の11月、60歳になり、37年間勤めた会社を定年退職します。勤めている会社は去年、定年退職した人に退職の挨拶をしてもらったり、感謝状を渡したりと、小さなセレモニーを開いていました。しかし、今回のコロナ禍を受けて働き方はテレワークにシフト。通勤手当もなくなるという本気ようで、会社にはほとんど誰も行かなくなりました。私は目立つことが好きではないので、セレモニーがなくなりそうなことに関してはホッとしています。一方で同僚に全く気づかれずに職場を離れる寂しさやお世話になった人に直接挨拶することができないもどかしさは感じていて、会社をやめた実感がわかず、気持ちの区切りをうまくつけられない気もしています。どうしようもないことだとはわかっているのですが、どうすればこのモヤモヤを解消して退職できるでしょうか。(59歳・女性・会社員)【回答】37年間にもわたるご勤務。まさに偉業。まずは、心からリスペクト申し上げます。きちんと最後の区切りをつけたいと思っていらしたのに、このコロナ禍で出勤すらままならなくなってしまわれたのですね。いかんともしがたい複雑なお気持ちでしょう。「どうすればこのモヤモヤを解消して退職できるでしょうか」。ごもっともです。浅知恵ですがご提案させてください。まずは、ご自分のお気持ちを整理してごらんになってはいかがでしょうか。「セレモニーがなくなりそうなことに関してはホッとしている」とおっしゃっておいでですが、果たして本当にそうですか。どうも行間から「私にもセレモニーをやるのが当然でしょう」「37年間も勤め上げての晴れ舞台だったはずなのに」「私も感謝状と花束が欲しい」「同僚や上司から労いの言葉があるべき」という無念がにじみ出ていらっしゃるようにお見受けするのですが、いかがでしょう。そういうお気持ちになるほうが、私にはかえって自然なような気さえします。万一にでも、そのお気持ちを大人の自粛で抑え込んでしまわれているようなことがあると、もっとモヤモヤ度が増すことになると思うのです。残念無念は口に出して大っぴらに認めてしまった方が、お気持ちはすっきりするかもしれません。同時に、37年間も続けてこられた生活スタイルが変わるのですから、ある種の喪失感や虚脱感のようなものが芽生えてもおかしくありません。「さて、これからどうしよう」という漠然とした不安は、例年通りにセレモニーが開催されて同僚やお世話になった方々に直接ご挨拶することができたとしても生じるもので、いま抱えていらっしゃるモヤモヤの原因はそこではないかもしれません。長い年月を費やしてきたものから離れるとき、そうそう簡単には気分転換できないのが、私たちのような気がします。「モヤモヤを解消してすっきり退職」は理想ですが、現実ではないということです。次の生活スタイルに慣れていくまでに、モヤモヤするリハビリ期間がきっと必要なのでしょう。そんな気がいたします。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月14日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】先月、大切な人を亡くしました。彼とは38年前からお付き合いをしていました。ただ、彼には奥さまもお子さまもいて……。何度も別れようとしたのですが、どうしても無理でした。そんななか8年前に奥さまがお亡くなりになって、その数カ月後に彼もがんであることが発覚しました。抗がん剤治療や手術で入退院を繰り返す日々。でも、合い間には旅行に行ったり、食事に行ったりすることもできて、幸せなときでもありました。それに彼はいつも自分より私を心配してくれて、何度も籍を入れようと話をしてくれましたし、お墓も奥さまとは別にすると言ってくれました(一方で、当然のことながらお子さまは私とは会えないと言っていて、籍を入れたら彼もお子さまに会えなくなるのではと思い、このままでいいと返事をしました。お墓も最終的に彼は奥さまと同じ場所で眠っています)。ただ、最期の日はあまりにも急に来てしまった……。どんどん衰弱していき、ほとんど話をすることもできずに逝ってしまいました。あんなにも時間があったのに自分の思いを素直に伝えられなかった。今はそんな後悔ばかりが募っています。どう生きたらいいかも分からず、苦しくて辛くて。どうにかなりそうで毎日が怖いです。(60歳・女性・無職)【回答】38年……。長い、長い時間でしたね。人生の半分以上を一緒に過ごされたのですから、それはそれは、いろんなことがおありだったことでしょう。先月に看取られたばかりで、まだまだ怒涛のような想いの中にいらっしゃることだろうと思います。「自分の思いを素直に伝えられなかった」と思い悩まれているとのこと。どんな思いをお伝えできなかったのでしょうか。お時間があればゆっくりお聴きしたいところです。苦しくて辛くてどうにかなりそうな毎日をお過ごしのあなたさまに、今はかける言葉も見つからず、ただただどんなにお辛いだろうと、思い巡らせるのが精一杯です。それでも、ひとつお耳に入れておくことができるとすれば、この世は諸行無常であるということでしょうか。この世の中のすべては、なにひとつとして同じかたちで続いていくものはないのだという理です。抵抗することのできない別れで、幸せな時間はかたちを変えてしまいましたでしょうが、今のあなたさまの苦しさ辛さも、いずれかたちを変えていきます。いついつまでも続くものではありません。ただ、渦中にいらっしゃれば、そんなふうに考える余裕なども持てずにいらっしゃることでしょう。そんなときは、もがくよりも膝を抱えて縮こまっているほうが得策なような気がいたします。嵐はいずれ過ぎてゆき、雨もきっと上がります。ところで、あなたさまの大切なお方ですが、私はお墓になんかいらっしゃらないと思いますよ。あんな狭いところにはおさまってはいらっしゃらず、世界中を自由に飛んで回っておられることでしょう。間違いなく、あなたさまのおそばにもいらっしゃっていて、「ほれ、しっかりせい」と見てくださっておいでだと思います。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月07日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私はさまざまな死別経験から、遺族ケアや生・死について深く学び関わることが自分の使命であると思っています。これまでもグリーフケアをはじめ、いろいろ学び、民間資格の取得にも挑戦しました。しかし正直にいうと、十分に理解できていないです。どうしたら、そうしたことをもっと学べるのか?どうしたらもっと関わることができるのか?いま何をすべきなのかわからなくなっています。何かアドバイスや情報をいただけないでしょうか。(34歳・女性・看護師)【回答】「死について深く学び関わることが自分の使命」。ご自分のミッションをはっきりと自覚なさっている。尊敬します。そして、ミッション達成に向けて努力もしていらっしゃる。ぶれていませんね。すごいです。そして今、「どうしたら、そうしたことをもっと学べるのか?どうしたらもっと関わることができるのか?いま何をすべきなのかわからなくなって」いらっしゃる。壁にぶち当たっていらっしゃるのですね。学ぶとき、最善にして最短の方法は「経験すること」だと私は思っています。実際に体験することで得る経験値はどんな専門書にも勝る、と。でも、なかには自分で経験してみることができないこともありますね。「死」もそのひとつです。本当は一度死んでみるのがいいのでしょうが、死んだら今の状態にはもどってこられないルールのようなので、せっかく死んでみても経験値として活用できません。「死」だけに限らず、宇宙のことも、人間の体のことも、病気のことも、実はわからないことだらけなのが現状ではないでしょうか。私たちはそれを、いかにもわかっているようなふり、もしくは勘違いをして過ごしているだけです。「わからない」ものを「わからない」と言うことは、どんなに難しいことなのでしょう。「わからない」ものを「わからないまま」に見ていることは、どんなに我慢のならないことなのでしょう。その点、あなたさまは「十分に理解できていない」と認めていらっしゃる。天晴です。「わかった」と勘違いをして上っ面なことをしてしまうよりも、ずっと肝のすわった態度です。死について深く学び関わるためには、「わからない」「わかるわけがない」という自分に対する戒めと、それでも「わかりたい」「1ミリでも近づきたい」という真摯な、もはや祈りといってもいいような渇望が原動力になるような気がしています。この道には、決して満足できるシチュエーションはありません。そのことを忘れずに在り続けることが、今すべきことなのだと思っています。同志よ、共に学ぶ仲間として、日々粛々とやってまいりましょう。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月31日モデルの野崎萌香(のざき・もえか)さんが、2020年7月26日にインスタグラムを更新。胸元チラリな私服ショットを披露しています。野崎萌香のかわいすぎる私服に「めっちゃ似合ってる!」ファッション誌『sweet』に登場している野崎萌香さんは、撮影時のオフショットを公開しています。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by 野崎萌香 Moeka Nozaki (@moeka_nozaki) on Jul 26, 2020 at 6:31am PDTグリーンの花柄ワンピースは、胸元が大きく開いた上品かつセクシーなデザイン。野崎萌香さんのキュートで大人な魅力を存分に引き出しています。この投稿を見たファンは「かわいい!」「さすがおしゃれ!」と絶賛。また、「谷間が…」と胸元に注目してしまう人も続出しました。・かわいい!胸元セクシー!・私服、とてもおしゃれです!クリアバッグも夏にぴったりですね。・どうしても胸元を見てしまう…。以前にもセクシーな写真でファンをメロメロにしていた野崎萌香さん。 View this post on Instagram Just one year ago. In Bali A post shared by 野崎萌香 Moeka Nozaki (@moeka_nozaki) on Jul 6, 2020 at 7:11am PDTこれからも魅力的な姿を見せてくれそうですね!野崎萌香の彼氏は菅野智之?水着姿が「完璧すぎる…」と話題に[文・構成/grape編集部]
2020年07月28日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】交際していた彼の人生を狂わせてしまいました。彼とは8年間も付き合っていて、最初は11歳という年の差に迷っていたんですが、占いをしている母に「その人はソウルメイトだ」と強く勧められて交際を始めました。でも時間が経つにつれ、気持ちが冷めてしまって……。彼はプロポーズまでしてくれましたが、私は友人から紹介された別の男性を好きになったり、出会いの場に自ら足を運んだりと、遊びを繰り返して今では別の彼がいます。でもこんな状況に、自分のせいとは重々承知ですが、自分だけが幸せになってしまったという罪悪感から精神的に不安定になってしまい心の病気に。体にもいろいろな症状が出てきて、生きた心地がしません。母には、なぜ私の人生を変えるようなことを言ったのかとフラストレーションが溜まるばかりです。以前付き合っていた彼はいま46歳ーー。いくら男性でも、この年齢で普通の出会いはなかなか難しいと思います。私は人の役に立つことを沢山したいと思って生きてきたのに、ひとりの男性の人生を狂わせてしまいました。この先、この思いを抱えてどういう風に生きていけばいいのでしょうか。(35歳・女性・受付)【回答】なんて大変な人生でしょう。「人の役に立つことを沢山したい」という崇高な志を持っておられるあなたさまが、どうしてこんなお辛い運命を背負わされなければならないのか。この世は本当にままならないことばかりですね。でも、あなたさまも人生始めて35年。そろそろこの澱みから脱出しないといけません。私はあなたさまよりだいぶ長く生きているので、少し先輩風を吹かせて2つお伝えしようと思います。1つ目は自分の人生船の船長たる覚悟を持つこと。「お母さまに勧められてお付き合い」。私たちは独りで生きているわけではありませんから、周りの方からアドバイスをいただいたり、本などのメディアから情報を得ることもあるでしょう。でもそれは、どちらに進むかを決めるための材料にすぎません。最終的にはその材料をもとに、自分で自分の人生船をどちらに進めるかを決めるのです。ここを勘違いしてはいけませんよ。お母さまに対して「なぜ私の人生を変えるようなことを言ったのか」なんて、もう片腹痛い。あなたさまはどこまで自分の船の舵取りを人さまにあずけてしまうおつもりなのでしょうか。しかも、自分の船が迷走している責任までも人さまに押し付けるなんて。あなたさまの船の舵取りをしているのは、他ならぬあなたさまです。どんな結果になろうと、人生船の船長たる覚悟を持ってください。すべてはその覚悟からはじまります。2つ目は自分の頭のハエを追うことに専念すること。「プロポーズまでしてくれた彼氏に見切りをつけ、別の男性を好きになったり、出会いの場に行ったりと遊びを繰り返して今の彼氏と巡り合った」のですよね。生きていればきれいごとだけでは片付かないこともあるでしょう。若いときはなおさらです。でも、そうやって本当の愛を見つけていくのですよね。だからそのプロセスを批判するつもりはまったくありませんが、「自分だけが幸せになってしまったという罪悪感から……」というくだりには噴飯しました。まずそのかつての彼氏さんに失礼でしょう。46歳の彼が今もあなたさまを想い続けていらっしゃるとでも?あなたさまと別々の人生を歩みはじめて、案外せいせいされていらっしゃるかもしれませんよ。人の役に立つことをしたいのであれば、まずは自分の心と体を良好に保つこと。あなたさまが心と体を壊していては、今の彼氏さんだって楽しくないでしょう。いらんことを考えてヒロインになっていないで、とっとと自分の頭のハエを追い払ってくださいませ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月24日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】3月末に母が他界しました。がんで腎臓と膵臓を摘出していたので苦しかったはずですが、本人の意志で最期も自宅で私と二人暮らしでした。日中は私が仕事で母は家で一人でしたが、それでもヘルパーの力は借りずに、ケンカしたり笑ったりしながら過ごす日々。母は何度も「自分の誕生日に旅立つわ」と言っていて、冗談だと思っていましたが、本当に旅立っていきました。でも、バタバタと家族葬の準備をしていたとき、母からの手紙が出てきて……。入院して手術になったときの不安な気持ち、日中に一人でいる寂しさ、遺品の処理を任せることへの謝罪、私のこれからの心配と応援などが書かれていたんです。最後には幸せだったとも書いてありましたが、母の気持ちを改めて知り、本当に母は幸せだったのか?母に何ができたのだろうか?と考えるようになり、喧嘩ばかりで優しくしてやれなかったと反省と後悔の念が押し寄せています。さらにコロナの影響で収入が下がるという別の不安もあって。他人に弱いところは見せるなと手紙には書いてあり、なんとか生きないと母にまた心配をかけると思いながらも泣いています。毎日、いろいろなことを思い出して、不安な気持ちと母への謝罪の気持ちでいっぱいです。(48歳・男性・自営業)【回答】お母さまを亡くされて、まだ間がないのですね。誕生日に逝くとおっしゃっていてその通りにされたとは、潔いというかお見事というか、とにかく天晴れなお姿でした。しかも、お手紙までしたためていらしたなんて。なかなかできることではありませんよ。よほど魂のレベルが高い方だったのでしょうね。「本当に母は幸せだったのか、母に何ができたのだろうか」と反省の日々を送られていらっしゃるとのことですが、まず、幸せだったかどうかを決めるのはお母さまご自身で、あなたさまではないということ。最後のお手紙のなかに「幸せだった」と書いてあったのでしょう?お母さまがそうおっしゃっているのに、「本当に幸せだったのか?」ってあなたが疑ってどうするんですか。それから、「母に何ができたのだろうか」ですけれど。私にも息子がいますのでね、思うところを申しますと、子どもが生まれてきてくれたときにはもう母はすべてをもらっているんですよ。完璧にfullなのです。その後の時間はたとえ喧嘩したって、いがみ合ったって、オマケみたいなもの。子どもという存在を得た完璧なfullは欠けることはありません。母親なんてそんなものですよ。だから、あなたが何もしてくれなかったとしても、それでどうこうなることはありませんね。人間はいつまでも生きているわけにはいかないものです。だから先に生まれた親の方が先に逝くようになっています。空の上から可愛いわが子を見下ろしたときに、毎日不安と謝罪の気持ちでいっぱいな様子を見たら、せっかく天国にいるのにのんびりもできやしない。いろいろなことを思い出してくれるなら「ありがとう」と「大好き」って気持ちでいてくれたら安心です。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月17日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私の家には代々続く家業があり、両親が亡くなったあとは私が継いだのですが、最近は人手が足りず、継続するのにも苦労しています。一方で、恥ずかしい話ですが、家族には無職の弟がいて。仕事をやらせる意味でも家業を手伝わせようとしたのですが、「興味がない」と断られてしまいました。このままでは家業の先々についても不安ですし、無職の弟の将来のことも心配です。なんとか彼をやる気にさせる方法はないのでしょうか。(40代・男性・自営業)【回答】家業の先々に、弟さんの将来。ご心労が絶えないご様子に胸がつまります。無職の弟さんになんとかやる気を出させる方法はないものかとのことですが、根も葉もない言い方をお許しいただければ「ない」です。そもそもやる気というのは他人から言われて生じるものではなく、自分のなかから湧き出てくるものだからです。高野山での修行で護摩行をやっていたときの話です。護摩木を組み上げて火を焚くのですが、簡単なようでこれがなかなか難しい。途中、もっと燃えよと油をかけたり、風を送ったりするのですが、炎と呼吸が合わないと助けたつもりが逆に勢いを削いでくすぶらせてしまいます。やみくもに油をかけてやればいいというわけではないのですね。どちらの方向に燃え広がりたいのか、ちょろちょろ燃えていたいのか、大きく燃えて火柱を上げたいのか、火の意向と合わないとうまくいかないのです。これまでにも幾人か「仕事しない」「何事にも興味がない」という方のご相談をお受けしてまいりましたが、不思議なことに、みなさんご相談にお見えになるのはご本人ではなくご家族なのです。困ったり心配したりしているのは周りで、ご本人のまったくどこ吹く風なご様子を拝見すると、いつも、護摩の火のことを思い出します。息が合っていないなあ、って。さあ、いかがでしょう。これまでに、弟さんが何かをなさろうとしているときに「ほれっ」と油をかけたり、ゆっくり歩こうとされているときに後ろから「ぷうっ」と風を送ったりなさったことはありませんでしたか?火はタイミングの合わないことを何回かやられるとふてくされて消えてしまうのですが、はてさて、人はどうでしょうか。簡単なことではないと思いますが、いま一度あなたさまからは何もしないことになさってみてはいかがでしょう。無職でいらっしゃるのにお腹をすかせているようにはお見受けしないのですが、もちろん、上げ膳据え膳をなさる必要もありません。火の意に任せるのも胆力のいることです。でも、火が燃えようと思わなければ、周りがなにをやったって燃え上がりはしないのです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月10日読むだけで、肌も心も美しくなる2020年7月3日、さくら舎から、佐伯チズの新刊『佐伯式 艶肌術と心磨き』が発売された。同書では、化粧品に頼らなくても、お金をかけなくても、キレイになれるを方法をレクチャー。難病と向き合いながら佐伯チズが執筆した、読む「心の美容液」となっている。販売価格は1,540円(税込み)。Amazon.co.jpや楽天ブックスなどで購入することができる。美肌を目指している人や、最新版の佐伯式メソッドを知りたい人などにオススメだ。世界中から愛された美肌師 佐伯チズ佐伯チズは1943年6月23日生まれ。滋賀県出身。1967年にゲランに入社し、1988年からはパルファン・クリスチャン・ディオールのインターナショナル・トレーニング・マネージャーとして活躍。2003年に定年退職し、エステティックサロン「サロン ドール マ・ボーテ」を開業する。『頼るな化粧品!』『今日の私がいちばんキレイ』など著書多数。講談社から出版された『美肌革命』は、英語、中国語、フランス語など9か国語に翻訳されている。これまでに出版した著書は累計500万部以上。2020年6月5日にALS(筋萎縮性側索硬化症)のため永眠。多くの人から支持され続けている。(画像は佐伯チズ オフィシャルブログ「願えば、かなう。」より)【参考】※佐伯チズ オフィシャルブログ「願えば、かなう。」※Amazon.co.jp※楽天ブックス※佐伯チズ オフィシャルサイト
2020年07月08日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】父親の死をどう乗り越えればいいのかわかりません。病気もせずに、毎日元気に自分で運転して、母と一緒にゲートボールを楽しんでいた90歳の父。昨年6月、急に体調を崩して二度も救急車で運ばれました。されど、原因ははっきりせず……。母親と一緒に看病をしながら、どうしたらいいかと悩み、原因を追究するために総合病院で半日かけて検査をしてもらいました。それでも診断は水分不足と過呼吸のみ。検査後に点滴だけしてもらい、自宅に帰ることになりました。でも家に入った途端に苦しみながら倒れて。必死に心臓マッサージをしましたが、そのまま亡くなってしまいました。半日もかけて検査を受けさせたこと、今でも後悔していて、苦しい思いをさせてしまった父親に謝りたいですし、最近は父親が倒れてから亡くなるまでの状況を思い出すことが多くて悲しいです。どうしたらよいのかまったくわからず、相談させていただきました。(55歳・女性・会社員)【回答】親を亡くすのは、本当に寂しいものです。それまでお元気でいらしたのに急であれば、なおのことお気持ちの整理がつかないでしょう。半日もかけて検査を受けさせてしまったと後悔されているのですね。検査が長く苦しかったから、お父さまが逝ってしまわれたように感じていらっしゃるのでしょうか。あの検査さえ受けさせていなければお父さまはまだご存命だったかもしれない、苦しい思いをさせたうえに逝かせてしまったと。私たちには、どんなことにも“理由”を探してしまう癖があります。走ったから転んだ、落としたから壊れた、出かけたから交通事故に遭った…という具合に。なかには、その因果関係を断つことができる場合もありそうですが、こと「死」についてはどうだろうと考えることがあります。というのは、たとえば「餅を食べたから詰まらせて死んでしまった」けれど、「餅さえ食べなければ生き続けていられる」のかということです。たぶん違うでしょう。いずれ、どんな理由にせよ必ず死んでゆくのが人間です。ということは、「死」の究極の理由は、「生きているから」。この因果関係は、私たち人間ごときにはどうにも断つことができません。お父さまは、今ごろどうされていらっしゃると思われますか?痛んだり壊れたりするこの肉体は、じつは足枷です。脱ぎ捨てて自由になったお父さまには、もう苦しみも悲しみもありません。あなたの周りにいることもできるし、行きたいと思うだけで天の川にだって行くことができます。この世しか知らない私たちは「苦しい思いをさせた」「謝りたい」と負の感情で亡き人を拘束しようとしますが、どっこい、もうそんな次元にはいらっしゃらないのです。お父さまのために何かしてさしあげたかったと思われる? いまからでもできますよ。それが回向(えこう)です。私たちがこちらの世の中で徳を積むと、その徳があちらにいらっしゃるお父さまの活力になります。徳というのは、ボランティアをするとか、ゴミを拾うとか、そういった良いことをして積むこともできますが、なによりも貯まるのは「笑顔」と「感謝」です。お父さまを思い出されるときには、どうぞ「笑顔」と「感謝」で徳を積んでください。それがお父さまにとってなによりの活力になりますから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月03日“いい香りすぎる”香の具(かのぐ)の絵の具を知っている?香の具(かのぐ)は、100%天然のエッセンシャルオイルと塗料を混ぜ合わせた、新しい絵の具ブランドだ。“もっと気軽に香りを楽しんでもらいたい”という思いから生まれた絵の具は、アロマや香水のように華やかな香り。1色1色香りが異なり、むらさき色の絵の具には、やさしくて心地よいフローラルな香りが、あか色の絵の具には、バラを思わせるグリーン調の香りが施されている。色と香りを混ぜて、オリジナルの香りにユニークなのは、色を混ぜることで香りも“調合できる”こと。異なるカラーをミックスさせることで、自分の好みのカラーだけでなく香りも生み出すことができる。香の具(かのぐ)ラインナップ・ジュニパーベリー(あお):森の中にいるようなウッディ調の香り・パチュリ(みどり):オリエンタルで深く重みのある香り・ゼラニウム(あか):バラを思わせるグリーン調の香り・ラベンダー(むらさき):やさしくて心地よいフローラルな香り・ユーカリ(しろ):すーっとした爽快な香り・オレンジ(だいだい):フレッシュで爽やかなオレンジの香り・シダーウッド(ちゃいろ):ヒノキ調の心が落ち着く香り・イランイラン(きいろ):甘く濃厚で華やかな南国の香り・ブラックペッパー(くろ):スパイシーで刺激的な香り2日程度香りが続く香りは、2日程度持続するので、大切な人へ贈る手紙に添えれば、思いだけでなく香りまで届けることも。瓶タイプをセレクトすれば、蓋を開けただけで、ルームフレグランスのように香りが広がる。100%天然のエッセンシャルオイルを使っているので、草花の濃厚な香りを楽しむことができる。【詳細】香の具(かのぐ)9色セット<チューブタイプ 各7ml>5,940円(税込)香の具 35ml <瓶タイプ>各種2,200円(税込)取り扱い店舗:東急ハンズ 渋谷店・町田店・池袋店・大宮店・名古屋店・広島店、富山市ガラス美術館、福岡市美術館、大丸藤井セントラル、OEUFOVO店・Feria店、Coach&Four 美しが丘店・若葉台店、ヴィレッジヴァンガードオンラインストア他※店舗によって取り扱い状況や内容は異なる。
2020年06月27日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】結婚して2年目になります。30代半ばにさしかかり、そろそろ子どもを生むかどうか決断しなくてはと感じているのですが、強く「子どもがほしい」と思えません。一方で、「生まなかったら後悔するのではないか」という気持ちがよぎることもあって。どうしても決めきることができません。授かるには不妊治療しかないかという状況……。周りの結婚している友達は、疑問なく子どもを生んでいるか、不妊治療に励んでいる人しかいなくて、あまり悩みも打ち明けられずにいます。どうやったら決断できるでしょうか。(34歳・女性・会社員)【回答】30代半ば。子どもを生むか生まないか、悩ましいですね。出産にはどうしたって年齢的な縛りがありますから、ぎゅっと突き詰めて考えないといけないところがあります。あなたのご参考になるかどうかわかりませんが、看護師として見てきたケースをいくつかお話しさせてください。まったく子どもに興味がなく望まない妊娠だったAさんは、いよいよ出産となって入院してきたときにも表情が硬く、子育て大丈夫かしら? と心配しましたが、いざ産まれたらメロメロなママになりました。妊娠出産でホルモンバランスも変わりますから、「欲しくなかったけど、産んでみたらもうかわいくて!」というママはけっこういらっしゃいます。ずっと授からないようにしてきたBさんは、やっぱり子どもをつくろう、年齢的にもそろそろリミットだしと解禁したのですが、結局コウノトリはやってきませんでした。長年不妊治療をがんばってきたCさんは、もうこれ以上は無理と30代最後の年に泣く泣く不妊治療をやめましたが、その半年後、自然妊娠で子宝に恵まれました。こんなふうに、生命誕生のドラマはいつだって神秘的です。本来、たかだか人間ごときにどうにかできるものではないのだという気がしています。だから、ひとつだけ覚えておいていただけると嬉しいのは、「あなたの心をいつもやわらかくしておいてほしい」ということです。子どもなんていてもいなくてもどっちでもいいや、という柔軟さを持ち続けてほしいのです。私たちは「絶対」とか「必ず」とか「どうしても」という言葉を使いはじめると、袋小路に追い込まれ逃げ道をなくして苦しくなります。どんな結果になっても「それが私の人生」と受け入れるやわらかいアタマとココロさえあれば、穏やかに過ごせるはずです。「何があっても良しとする」。それはある意味、“覚悟”でもあります。覚悟ができたら、運を天に任せてごらんになってみては?【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年06月26日