長かった休校期間中、「早く学校が再開しないかな」と親が思う一方で、当の子どもは「学校に行くよりも家にいたほうがずっといい」とのびのび過ごしていた……。そんなご家庭も意外と多かったのではないでしょうか。今回は、長期の休み明けに子どもから「学校に行きたくない!」と言われたとき、親はどのように対応したらいいのかを考えていきます。長期休み明け「学校に行きたくない」78.7%数ヶ月にもわたる休校期間を経て、ようやく学校や幼稚園・保育園が全面的に再開しました。ほっとひと安心したのもつかの間、「やっとお友だちに会える!」「給食楽しみ!」と元気よく登校してくれると思っていたのに、子どもはなんだか浮かない顔……。今回の新型コロナウィルス対応のための休校に限らず、GWや夏休みといった通常の長期休み明けにも、「学校に行きたくない」と登校を渋る子どもたちはたくさんいます。朝日新聞デジタルの調査では、「夏休みが終わるとき、『学校に行くのがつらい』『行きたくない』と悩んだことはあるか?」との問いに、78.7%もの子どもが「ある」と答えています。学校や園に行きたくない理由は、子どもによってさまざまです。たとえば、幼稚園・保育園に通う幼い子の場合、「大好きなお母さんと離れたくない」といった理由が考えられるでしょう。公認心理師の佐藤めぐみさんによると、この「分離不安」は、子どもの発達段階において「あって当然」のことであり、時間が解決してくれるとのこと。「園に行きたくない!」ふたつの要因では、分離不安のほかに、どんな「幼稚園(保育園)に行きたくない!」理由があるのでしょう?要因1:もともとの子どもの気質佐藤さんは、「一番の要因として考えられるのは “もともとの気質”」と話します。気質とは「もって生まれたもの」なので、無理に変えようとしても変えられません。にぎやかな場所が好きな子もいれば、静かな場所を好む子もいます。初めての場所や人との出会いにワクワクする子もいれば、その逆もいるでしょう。周囲からの刺激に敏感な子ほど、不安を感じやすく、新しい環境に順応するのに時間がかかります。小さい子どもは、自分の気持ちを明確に言葉にすることができないので、モヤモヤした不安な気持ちを「行きたくない」という一言で表しているのです。要因2:家の居心地がよすぎる「家の居心地がよすぎることも、行き渋りの要因のひとつ」と佐藤さんは述べています。自宅の環境がいいのは、子どもにとってとてもいいことです。問題は、「なんでも親が世話をしてくれて、甘やかしてくれるから “居心地がいい”」ため、外に出たがらなくなってしまうケース。当然ですが、幼稚園や保育園では、自分だけを甘やかしてくれる人はいません。集団活動において、我慢しなければならないこともたくさんあるでしょう。すると子どもは、とことん甘やかしてもらえる家と、我慢ばかりでつらい時間を過ごす園を比べて、登園を嫌がるようになるのです。この場合は、家での過ごし方を見直す必要がありそうですね。小学生は学校生活での心配事やエネルギー不足が原因次に、小学生が「学校に行きたくない」理由について考えていきましょう。公立小学校の教諭を22年間にわたって務めた鈴木邦明先生は、登校渋りの原因として「学校生活での心配事」と「生活のリズムの乱れ」を挙げています。「学校生活における心配事」は、小さなトラブルがきっかけとなっていることが多いそう。友だち関係の悩みはもちろん、学習面での不安も、子どもにとっては大きな負担となっています。そして、連休中に不安が少しずつ大きくなり、「学校に行きたくない」気持ちが強くなってしまうのです。5月の連休明けに学校へ行きたくない子が増える理由として、「新学期の疲れがどっと出る時期だから」と話すのは、『不登校新聞』編集長の石井志昴さん。新しいクラス、新しい先生、新しい友だち……大人からすればたいしたことがない出来事でも、子どもにとっては世界がガラリと変わる大きな出来事です。この時期の登校しぶりは、新学期に無理をしながらでも一生懸命新しい環境に慣れようとした努力の表れでもあるのですね。帝京短期大学教授の宍戸洲美先生は、夏休み明けに学校に行きたがらない子が増える要因として、「エネルギー不足」を指摘しています。夏休みは、ホッとして生活リズムが変わったり、学習への規制が少なくなったりしますから、それを元に戻すにはとても大きなエネルギーが必要になります。夏休み明けに不登校になる子どもたちは、このエネルギーが十分にたまっていないとも言えるのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|夏休み明けに「不登校」が増えるのはなぜ?親が知っておくべき子どものSOSサインと対処法)いくら元気な子どもとはいえ、長い休みを経ていきなり通常カリキュラムの学校生活に戻るためには、大きなエネルギーを使います。できれば、夏休みが終わる数日前から徐々に生活のリズムを戻し、スムーズに登校できるように準備しておくといいでしょう。「学校に行きたくない!」そのとき親はどうすべき?最後に、わが子に「学校(園)に行きたくない」と言われたとき、親はどのような対応すべきか、いくつか紹介していきます。■幼稚園・保育園に通う子どもへの対応佐藤めぐみさんは、登園児に子どもが泣かないようにするには、「アタッチメント」の形成が必要不可欠だと述べています。アタッチメントとは、「子どもが特定の人に示す愛着感情」「特定の人との精神的な絆」を意味し、子育てのすべてを支える土台となります。子どもが甘えたがっていたら、その気持ちをしっかりと受け止める、抱っこしたり、手をつないだり、膝の上に乗せて絵本を読んであげたりと、普段から子どもの甘え行動にきちんと向き合ってあげましょう。アタッチメントによってエネルギーをチャージできた子どもは、幼稚園や保育園で不安を感じることなく過ごせるはずです。法政大学人文科学研究科の渡辺弥生先生は、「ぐずぐずする子は嫌い」などと、愛情のかけひきのようなことをするのは逆効果になると指摘します。子どもはお母さんに嫌われたくないので、一瞬従うかもしれません。しかし、これではかえって行き渋りが長引くことも。この場合、「今日は3時にお迎えに来るからね。家に帰ったらホットケーキを食べようね」などと声をかけるといいでしょう。大事なのは、必ず約束を守ること。子どもは「この先に楽しいことが待っている」と信じて頑張ることができます。■小学校に通う子どもへの対応小学生の場合、学年が上がるにつれて、友人関係のトラブルや学習面での不安も重なり、登校渋りの原因は複雑になっていきます。宍戸先生は、「重要なのは子どもが発する『不登校のサイン』を見逃さないこと」と述べています。子どもの日々の様子をよく観察していると、元気がなくなったり食欲がなかったり、おなかや頭が痛いと言ったり、何かしらの兆候が見られるはず。宍戸先生は「年齢が低ければ低いほど、脳の機能が未分化なので、心にかかったストレスが体の症状として現れやすい」と言います。また、口数が減ってしまうのも不安を抱えているサインです。子どもが漠然とした不安を抱えている場合には、それをどう表現してよいのかわからず口数が減ってしまうそう。このような様子が見られたら、無理して登校させるのではなく、まずはしっかりと話を聞いてあげましょう。前出の石井志昴さんは、次のように述べています。「学校に行きたくないのは、何かつらい思いを抱えているからで、それを受け入れて休ませるのは甘えではありません。親が子供の不安な気持ちを受け入れ、一緒に楽しく過ごすことで、子供も落ち着きを取り戻します。まずは、目の前の子供の状況を考えてあげることが大切です」(引用元:いこーよ|「登校しぶり」の原因&親の正しい対応は?SOSの気づき方も!)「病気でもないのに学校を休ませるなんて」「無理してでも行かせないと、不登校に発展してしまうのでは?」と不安を感じられる親御さんも多いかと思います。しかし、ここで無理をさせるより、「そうか、わかった」「今日はお休みしようか」と子どもの気持ちを受け入れてあげることを優先させましょう。逆に、無理に登校させようとすると、親に対する不信感が芽生えてしまうこともあるので注意が必要です。親としては心配ですが、あまり深刻に考えすぎないことで事態が好転することも。石井さんによると、「子どもが休みたいと言ったときは1日休ませてあげると、次の日から行けるようになることもある」そうです。なぜなら、「自分が苦しいときに『親が守ってくれる』『自分には安心できる場所がある』と実感することで、学校に行きやすくなる」から。子どもの「休みたい」という気持ちをしっかりと受け止め、「今日は充電日」として割りきって見守ってあげることで、子どもは安心感を得られるのです。「友だちってなんだろう?」答えられますか?もしお子さんが、お友だち関係で悩みを抱えていたら、親として何ができるでしょうか。その場しのぎの慰めや励ましは、はたして子どものためになるのでしょうか。いずれ子どもが成長したとき、自分自身で人間関係の問題を解決できるように、いまのうちから「本当の人付き合い」について親子で考えてみませんか?明治大学教授の齋藤孝先生による『友だちってなんだろう?ーひとりになる勇気、人とつながる力』(誠文堂新光社)には、子どもの「人付き合いの悩み」を解決するヒントがたくさん詰まっています。「みんな仲良く」という呪縛にとらわれて無理をしてしまう子、学校のなかにしか自分の居場所がないと思っている子、ひとりでいることが不安でたまらない子ーー。親には言えない悩みを抱えている子も、この本がきっと心の支えになり、人付き合いがぐんと楽になるでしょう。もちろん大人が読んでもOK。人間関係にお悩みの人はぜひお読みください。心がすっと軽くなるはずです。『友だちってなんだろう?ーひとりになる勇気、人とつながる力』齋藤孝 著/誠文堂新光社(2020)***小学校や幼稚園・保育園という場所は、私たちが思っている以上にエネルギッシュで活気に満ちています。どんなに元気な子どもでも、集団生活のなkで気を遣ったり我慢をしたりと、意外とストレスを感じているもの。「行きたくない」にはそれぞれ理由がありますが、大事なのは子どもの気持ちを受け止めて、しっかりと話を聞いてあげることです。(参考)朝日新聞デジタル|夏休み明け、学校に行きたい?STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!All About|学校行きたくない…子どもの5月病「登校しぶり」対策YAHOO!JAPAN ニュース|親も教師もカン違いしてます。休み始めが「限界」なんです【連休明け子どものSOS】STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|夏休み明けに「不登校」が増えるのはなぜ?親が知っておくべき子どものSOSサインと対処法ベネッセ教育情報サイト|久々の学校再開!でも子どもがなんだか元気がない……そんなとき、どんな声をかけてあげるべき?いこーよ|「登校しぶり」の原因&親の正しい対応は?SOSの気づき方も!日経DUAL|不登校・行き渋りには前兆が見逃しはこじれのもと齋藤孝(2020),『友だちってなんだろう?ーひとりになる勇気、人とつながる力』,誠文堂新光社.
2020年08月08日聞き分けがなく、気に入らないことがあるとすぐに泣きわめく、暴れる、親が怒れば怒るほど手がつけられなくなり、もうどうしたらいいかわからないーー。どんなに愛情をもって育てていても、子どもがかんしゃくを起こすと、かわいいと思えなくなることもあります。しかし子どもは、親を困らせるためにかんしゃくを起こしているわけではないのです。今回は、子どもがかんしゃくを起こす原因とその対処法について、くわしく説明していきます。子どものかんしゃくは大事な成長過程のひとつ子どものかんしゃくといっても、その状態は子どもによってさまざまです。一般的には2~4歳頃、イヤイヤ期と前後するくらいの年齢において、「泣きわめく」「叫ぶ」「手当たり次第に物を投げる」「手足をバタバタさせて暴れる」などの様子が見られます。とはいえ、かんしゃくを起こしやすい気質をもっている子もいれば、普段は穏やかなのにある一定期間だけ激しくかんしゃくを起こす子もいます。保育士として15年以上にわたり保育業務に携わっている市川由美子先生は、「子どものかんしゃくは、大事な成長過程のひとつ」とし、「ほとんどのお子さんが5歳頃には落ち着いてくるので、親はあまり深く思い悩まずに、対応を工夫しながら見守ることが大事」と述べています。いま現在お子さまのかんしゃくにお悩みの方や、イヤイヤ期が終わってホッとしているのに、これからもっとひどい時期が訪れるのかと不安を感じている方もいるかもしれません。でも安心してください。子どもがかんしゃくを起こす時期を親子で一緒に工夫しながら乗り越えた先には、大きく飛躍したお子さんの姿が見られるはずです。子どものかんしゃくを恐れたり、対処法がわからずにイライラして落ち込んでしまったりするのは、かんしゃくについての知識が足りないからとも言えるでしょう。かんしゃくが起こる原因、かんしゃくを起こす子どもの気持ち、そしていくつかの対処法を知れば、必要以上に恐れずにすみます。子どもが床に寝転がって大泣きする原因子どもをスーパーに連れていったところ、「お菓子を買って」とせがまれ、「昨日買ったでしょ。今日はダメだよ」と言ったら、火がついたように泣き出し、床に寝転がってバタバタ暴れるーー。公園に遊びに行き、「もう帰るよ」と声をかけたところ、「いやだ!まだ遊ぶ!」と言ってきかない。困り果てて無理やり連れて帰ろうとすると、大声で泣き出して力いっぱい叩いてくるーー。小さい子どもがいる親御さんのほとんどは、このような経験をしたことがあるはず。しかし、一度や二度ならまだしも、頻繁にこのような状況になってしまうと、心身ともに疲弊してしまいますよね。白梅学園大学で非常勤講師を務める発達心理学が専門の塚崎京子先生は、「怒りっぽい子は感受性が強く、敏感に反応するタイプであることが多い」と述べています。つまり、ほかの子にとっては取るに足らないことでも、感受性の強い子にとっては強い刺激となり、怒りやイライラにつながってしまうというのです。また、自信のなさや不安の強さから、自分の思い通りにならないとカッとなって感情をコントロールできなくなるケースもあるそう。「かんしゃくを起こしやすい子」と言っても、そうなってしまう原因は単純なものではないようです。かんしゃくを起こすのは「親にかまってほしい」から!?子どもがかんしゃくを起こす原因として第一に考えられるのは、幼さゆえに言語能力が未発達なため、自分の気持ちをうまく伝えられずに泣いたり暴れたりしてしまうということ。前出の市川先生は、それに加えて「身体機能も十分に発達しておらず、やりたいことが思うようにうまくできずにイライラしていること」も原因のひとつになっていると言います。つまり、かんしゃくを起こす根本の原因は「自分の思い通りにいかないことに対しての怒りやイライラ」があるのです。また、子育て心理学を活用した育児支援を行なう公認心理師の佐藤めぐみさんは、「4歳を過ぎると大脳の発達が進み、脳や心の認知機能が大きく伸び、より複雑な思考ができるようになる」と述べています。それゆえに、子ども自身が急激に変化する自分の内面についていけず、気持ちのコントロールができなくなって、泣きわめいたり暴れたりしてしまうそう。ほかに考えられるのは、“親子のコミュニケーション手段” としてかんしゃくを用いているケースです。小児科医の伊藤明子先生は、「親にかまってほしい」「親の注意を引きたい」という気持ちが、かんしゃくとして表れることもあると言います。たとえば、仕事が忙しいお父さんや、妹(弟)にかかりっきりになっているお母さんなどに対して、自分に注意を向けさせるためにかんしゃくを起こしていることも。「一般的なイヤイヤ期を過ぎてもかんしゃくを起こすようだと、アタッチメント(=親子の絆)の形成が不十分であることのほか、子どもが日常的にストレスを感じていることを疑ってもいいかもしれない」と説くのは、発達心理学を専門とする京都大学大学院准教授の森口佑介先生です。森口先生によると、突然かんしゃくを起こすなど感情をコントロールできなくなる子どもは、ストレスに弱いという特徴が見られるそう。また、日常的にストレスを受け続けた子どもは、ストレスに対して耐性ができるどころか、逆にストレスに対して敏感になります。すると、ちょっとした嫌な出来事に対しても激しいストレスを感じてしまい、結果的にかんしゃくというかたちで表面化してしまうのです。このように、かんしゃくは本人の気質によるものや、発達段階における成長の証、親子間のコミュニケーションの問題など、要因となるものは千差万別であるといえるでしょう。子どものかんしゃくへの対処法大勢が見ている場所で子どもがかんしゃくを起こすと、いたたまれない気持ちになり「なんとかして静かにさせなければ」「早くこの場から立ち去りたい」と焦ってしまいますよね。しかし、親が焦れば焦るほど、子どもはますますヒートアップして手がつけられなくなってしまうことも……。子どもがかんしゃくを起こしたときの対処法は、ひとつではありません。お子さんの様子や成長の過程を見ながら、その状況に適した対処法を見つけ出しましょう。いくつか実践例をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。■「イライラしたときはどうする?」と事前に聞いておくいざかんしゃくが起こってしまうと、収めるのは大変です。ですから、まずは事前の対策をしっかりと練って、かんしゃくを起こさせないように先回りして対処しましょう。おすすめは、子どもの状態が比較的落ちついているとき、親子で「かんしゃくが起こったときにどうするか」を決めておくこと。前出の伊藤明子先生によると、「イライラしたり、怒ったりしたときはどうする?」と聞き、子ども自身にどうしたらいいのかを決めさせるといいそうです。お気に入りのぬいぐるみやタオルに触る、空を見上げて深呼吸するなど、本人が考えた対処法であれば、スムーズに気持ちが切り替わってクールダウンできるでしょう。■時間や回数など、具体的な数字を伝える親の声かけひとつで、子どもはかんしゃくを起こさず、落ち着いてその場を切り抜けられます。たとえば公園で、「まだ遊びたい」と駄々をこね始めたとき、「急いでいるからダメ!」「早く帰るよ!」と頭ごなしに言いつけるのはもちろんNGです。また、「じゃあ、ちょっとだけね」と、一見理解を示したような声かけもよくありません。子どもには、「ちょっと」や「少し」といった曖昧な感覚が伝わらないので、「5時になったから急いで帰らないとね。じゃあ、あと3回滑り台滑って帰ろうか」と、時間や回数など具体的な数字を出して伝えましょう。■気分転換をはかって気をそらす!東京家政大学子ども学部教授の岩立京子先生は、子どものかんしゃくには「気をそらす」というテクニックが有効だと述べています。具体的には、次のような方法が効果的だそう。スーパーでお菓子を買ってほしいと子どもがかんしゃくを起こす↓泣いている子どもをひょいと抱き上げ、駐車場の車に連れて行くなど場所を移動してから、「あれが欲しかったんだよね」と子どもの気持ちに共感してあげる↓少し時間が経ち、子どもが疲れて落ちつくタイミングがやってきたら、ジュースをあげるなど気分転換をはかって気をそらす 「親に怒りなどの感情を受け止めてもらい、調整してもらってきた子どもは、自己の情動を調整できる傾向が強い」と岩立先生。こういったプロセスを繰り返すことで、子どもは自分の情動をコントロールする術を身につけられるようになるそうです。■「大声で叱る」「ご褒美で釣る」のは絶対にNG激しくかんしゃくを起こす子どもに、ついイライラしてしまうのは当然です。しかし、ここで「もう知らないからね!」と無視をしたり、「いい加減にして!」と大声で叱ったりするのは、結果としてさらに親御さんとお子さんを苦しめることにつながります。子どものかんしゃくを無視するということは、子どもの本当の気持ちに向き合っていないのと同じです。市川先生は、「わかってほしいのにわかってくれない」「聞いてほしいのに聞いてくれない」という挫折感が子どもの心に広がると、次第に自分の気持ちを人に伝えることを諦めるようになると警鐘を鳴らしています。また、いくら暴れて騒がしくしていたとしても、ご褒美で釣るようなこともおすすめできません。伊藤先生によると、「○○をあげるからいい子にして」とその場を収めることを繰り返していると、子どもは「かんしゃくを起こしたらご褒美がもらえる」と勘違いしてしまうそう。子どものかんしゃくには、毅然とした態度で向き合うことを心がけましょう。***子どものかんしゃくに悩んでいる保護者の方は、「今すぐにでもこの問題を解決したい」と願っているはずです。しかし、「こういう時期なんだ」「いまは身体と心が急激に成長しているんだ」と理解することで、気持ちに少し余裕が生まれるのではないでしょうか。(参考)ベネッセ 教育情報サイト|切実!子どもの癇癪(かんしゃく)にはどう対応するといいの?さぽナビ|<子どものココロジー>すぐに怒る子All About|「4歳児は天使」の誤解?! 反抗期や癇癪の心理と対策ウーマンエキサイト|【医師監修】子どもが癇癪(かんしゃく)を起こすのは育て方のせい?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|イヤイヤ期には“気そらし方略”がうまくいく。3歳の子育てを楽にする、2歳までの「しつけ」のコツ
2020年06月24日佐藤二朗と斎藤工、圧倒的個性を放つ2人の俳優が、独自の文化を育ててきた名古屋の楽しみ、さらに名古屋でドラマにも挑戦…見どころ満載の「佐藤二朗と斎藤工の名古屋でやりたい放題~グルメも人もクセ強すぎSP~」が5月23日(土)オンエアされる。大学卒業後会社員として就職するも初日で退職。その後俳優を目指し演劇活動を続け、様々な作品に出演するなかで「勇者ヨシヒコ」シリーズや「スーパーサラリーマン左江内氏」、人気コミックを実写化した『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』などの福田雄一監督作で、個性的なキャラが開花。大きな注目を集める一方「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」などのシリアスな演技でもその実力を発揮する佐藤さん。幼少期から映画に親しみ、モデルから芸能界に足を踏み入れ、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』や「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」「最上の命医」シリーズに出演。実績を積み上げていくなかで昼ドラ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で人気に火がつき、「BG~身辺警護人~」、大河ドラマ「いだてん」などのドラマや『シン・ゴジラ』『Diner ダイナー』などの映画まで幅広く活躍する斎藤さん。そんな個性派俳優の2人が名古屋の地へ。新幹線を途中下車してまで味わう県外客が続出しているという、10日間かけて煮込む味噌おでんの老舗や、ホットとアイスが両方出てくるコーヒースタイルに驚く名古屋名物モーニングに、ディープスポット・大須では謎の100円珍品を発見。高級住宅街の喫茶店ではありえないスパゲティに驚愕し、名古屋の新名物(!?)夏に食べたくなる○○麺など、名古屋の街を堪能。最後には佐藤さんと斎藤さんによる名古屋の魅力がたっぷり詰まったコメディドラマにも挑戦する。実写化不可能と思われた超人気コミックをドラマ化した「浦安鉄筋家族」で主演を務め、強すぎる原作のキャラを見事に吸収昇華して演じ、多くの視聴者に改めてその実力を知らしめた佐藤さん。来年2021年には庵野秀明、樋口真嗣ら『シン・ゴジラ』スタッフが再集結、日本を代表するヒーローを改めて映像化する『シン・ウルトラマン』に主演することが決定している斎藤さん。“おうち”で2人と名古屋旅が楽しめる「佐藤二朗と斎藤工の名古屋でやりたい放題~グルメも人もクセ強すぎSP~」は5月23日(土)16時~テレビ東京でオンエア。(笠緒)
2020年05月23日「ヘリコプターペアレント」というとちょっと耳慣れないかもしれませんが、空からつねに子どもを監視しているような親――つまり「過干渉」の親のことです。親がヘリコプターペアレントだと、子どもにどんな影響があるのでしょうか?欧米で学んだ心理学を子育てに生かし、母親たちをサポートしている公認心理師の佐藤めぐみさんに、ヘリコプターペアレントにならないための方法と併せて教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹「しっかり者」の親に多い「ヘリコプターペアレント」「ヘリコプターペアレント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは本来、高校生や大学生くらいの年代の親のうち、ある特徴を持つ人たちに対して使われていた言葉です。「子どもの就活の面接に同行する親がいる」といった話を聞いたことがありませんか?そういう親が、あたかも子どもの頭上でホバリングしながら監視しているようだとして、ヘリコプターペアレントというふうに呼ばれるようになったのです。干渉し過ぎる親のもとで育った子は、のちのち社会に出てからもさまざまな問題を抱える傾向があります。子どもの頃から、なにをするにも「○○くんはこれが好きだよね」「これがいいよね」というふうに、一見意見を尊重しているようで結果的には親が一方的に決めてレールを敷いてしまうため、その子は大人になっても自分の意見を持てないというのはよくあるケースです。いわゆる、「指示待ち人間」になってしまうのです。さらには、打たれ弱いということもその特徴として挙げられます。親が自分のことを過剰なまでに守ってくれ、困難にぶつかる前に手を差し伸べてくれるために、つまずいたり壁にぶつかったりする経験が乏しいまま大人になってしまいます。でも、社会に出れば、親につねに守ってもらうというわけにはいきません。当然、さまざまな失敗を重ねることになります。すると、失敗に対する耐性が弱いために、一度の失敗で心に大きな傷を負ってしまうのです。子どもをそんなふうに育ててしまうヘリコプターペアレントには、心配性であることの他、少し意外かもしれませんが「しっかり者」の人が多いという特徴があります。しっかり者で管理上手だからこそ、子どもに対しても「なにごともうまくやってほしい」と考え、「我が子にはこれがいいんだ」と、子どもにかかわるあらゆることを決めてしまうのです。幼い子どもに対しては、ある程度の干渉が必要ただ誤解してほしくないのは、ヘリコプターペアレントは、あくまでも「高校生や大学生くらいの年代の親」に対しての呼び名だということ。それが、現在はもっと年齢が低い子どもの親に対していわれるようになってきているのですが、幼い子どもに対しては、もちろん親が管理したり干渉したりすることも必要です。なんでも子ども任せで、ただ放置しておけばいいというわけではありませんよね。幼い子どもが外で遊んでいるときには、親はきちんとそばで見守る必要があります。子ども自身や友だちが危険な遊びをしようとしているようなら、親がしっかり止めるべきです。ですが、多くの親御さんとかかわるなかで、わたしが「ヘリコプターペアレント“予備軍”かもしれないな」と感じる人がいるのも事実です。ですから、みなさんには「自分はヘリコプターペアレント予備軍になっていないか」ということを考えてほしいと思います。そうならないために大切なのは、子どもをひとりの人間として尊重することです。「質問をする」「相談をする」「意見を聞く」ということがとても大事になります。先にお伝えしたように、ヘリコプターペアレントは、子どもの日常に過度に干渉するため、その子の決断や判断の機会を失わせてしまうという特徴があります。そうではなく、子どもにかかわることは、まずは子どもにどうしたいかを聞いてほしいと思います。習い事や塾などの重要なことはもちろんですが、なにを食べたいか、なにを着たいか、なにで遊びたいか、そういう日常的なことでも自発的に考える練習になります。そういったことが、子どもの決断力を育むことになり、指示待ち人間ではなく、しっかりした自分の意見を持てる人間に育てるために大切です。子どもの成長に欠かせない、「悔しい」という負の感情また、子どもの「負の感情」を悪いものだと考えないことも重要です。負の感情とは、悔しいとか悲しい、寂しいといった気持ちのことです。もちろん、「友だちにいじめられて悲しい」だとか「お父さん、お母さんとあまり一緒にいられなくて寂しい」といった気持ちを子どもに味わわせることは、親として避けなければなりません。その一方、悔しい気持ちは子どもの成長に欠かせないものでもあります。たとえば、子どもが習い事やスポーツで他の子どもに負けて悔しい思いをしたとしましょう。その悔しい気持ちがあるから、その子は「今度は負けないようにもっと頑張ろう!」と努力をすることができます。その気持ちが、子どもにとってどれだけ大きな成長をもたらしてくれるかは、あらためて考えるまでもないでしょう。ところが、ヘリコプターペアレント予備軍の親たちは、そんな大事な悔しい気持ちすら、「子どもがかわいそうだ」と感じ、手を出したり、代わりにやってあげたりと干渉してしまいます。親の役割として大事なのは、子どもが嫌な思いをしないように先回りして解除することではなく、チャレンジをして悔しい思いをしたときに、「悔しかったね」と、子どもの気持ちに寄り添い、次に進めるように励ましてあげることです。そうすることで、失敗が成長のチャンスになっていくのです。先の「子どもに質問をする、相談をする、意見を聞く」ということにも通じますが、子どもが経験すべきことを親が奪うのではなく、子どもの本当の気持ちをしっかりと見つめることを大切にしてほしいと思います。『子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣』佐藤めぐみ 著/あさ出版(2012)■ 公認心理師・佐藤めぐみさん インタビュー記事一覧第1回:「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!第2回:子どもの「泣き落とし」を収めるテクニック。コツは“ルール作り”にあり第3回:子どもは「甘やかす」より「甘えさせる」!甘えさせてもらえない子は将来こうなる第4回:「過干渉、ヘリコプターペアレント予備軍」親の意外な特徴。もしかしてあなたも?【プロフィール】佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)1969年生まれ、東京都出身。公認心理師。オランダ心理学会認定心理士。イギリス・レスター大学大学院修士号取得。欧米で学んだ心理学を日本のお母さんが取り入れやすいかたちにしたポジティブ育児メソッドを考案。現在は公認心理師として、ポジティブ育児研究所でのオンライン子育て心理学講座、育児相談室ポジカフェでのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動等を通じ、子育て心理学を活用した育児支援を行っている。HP:megumi-sato.com【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年04月20日「甘えさせる」と「甘やかす」――。同じ「甘」という文字が使われているために、つい混同してしまいがちです。でも、子どもの成長にとっては、甘えさせてもらえることと甘やかされることは大違いだというのは、欧米で学んだ心理学を子育てに生かし、母親たちをサポートしている公認心理師の佐藤めぐみさん。そこにあるちがいとはどんなものなのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹「甘えさせる」と「甘やかす」とは、それぞれどんな行為?「甘えさせる」とは、子どもが求めてくる愛着行動に対し、温かみを持って受け止める行動を指します。たとえば、「抱っこして」「お膝に乗っていい?」というふうに子どもが甘えてくることがありますよね?そういった欲求を満たしてあげることが、「甘えさせる」ことです。あるいは、子どもの「負の感情」を受け止めることも「甘えさせる」ことに含まれます。子どもが悔しい思いをした、悲しい思いをしたというときに、それらの感情を受け止めて寄り添ってあげることです。大きくは、このふたつのことが「甘えさせる」というものです。一方の「甘やかす」には、大きく3つの行為が含まれます。ひとつは子どもの物質的な要求を無条件に受け入れること。少子化であるいまの時代にはよくある話ですが、子どものおじいちゃんやおばあちゃんが、子どもに求められるままにおもちゃを買い与えるようなことです。ふたつ目の「甘やかす」は、年齢相応に子どもが身につけておかなければならない行動まで親がやってあげてしまうこと。子どもが自分で靴下を履ける年齢になっているにもかかわらず、親が靴下を履かせるようなことです。最後の3つ目の「甘やかす」は、いわゆる「先回り」で、子どもが失敗をしないようにと我が子が通る道をあらかじめ平坦に整えることです。ふたつ目の「甘やかす」とも通じるところがありますが、たとえば荷物の準備などが含まれます。未就学児や小学低学年であれば、幼稚園や小学校に持っていく荷物の準備を親が行ったり、手伝ったりするのはよくあることですが、小学高学年や中学生になってもそうしているようなケースがあてはまります。甘えさせてもらえなかった子どもは、人間関係の壁にぶつかるここまでの話を総括すると、「甘えさせる」ことは大切で、「甘やかす」ことはNGです。「甘えさせる」こととは、「絶対的な愛情で子どもを包み、親子の絆を深める」ことといえます。子どもはそのなかで、良好な人間関係の在り方を知っていくことができる。どういうふうに人とかかわればいいのかを学ぶのです。この学びが少ないと将来的に大きな問題を生んでしまうこともあります。他人と親密な対人関係をうまく築けないために、恋人とどのようにかかわればいいかわからなかったり、結婚して子どもが生まれたとしても、今度は自分の子どもとどうかかわればいいのか難しく感じたり……ということが起こり得ます。また、その問題は「他人に助けを求める」という場面にも出てきます。きちんと親に甘えさせてもらった子どもは基本的に人を信頼していますから、大人になってなにか困ったことがあったときに、素直にまわりに助けを求めることができます。もちろん、それは怠慢などではありません。そういう人は、今度は他人が困っているときには自ら助けてあげようと動けるでしょう。そうして、良好な人間関係を築けるのです。一方、親に十分に甘えさせてもらえなかった子どもは、人を心から信頼することがなかなかできないため、他人にうまく助けを求められず、他人を助けることもできない大人になってしまうことがあります。「手」を差し出すか、「気持ち」を差し出すかこんな話をすると、すべての親御さんが「我が子にはきちんと甘えさせて、甘やかさないようにしたいな」と思ったことでしょう。でも、先に「甘えさせる」と「甘やかす」がどういったものかは解説しましたが、自分ごととして考えると、なかなか見わけがつかないという人もいます。そこで、なにが「甘えさせる」で、なにが「甘やかす」なのか、その判断基準をお伝えしたいと思います。それは、親が子どもに対して提供しているもののちがいです。「甘えさせる」場合、親は「気持ち」を差し出していて、「甘やかす」場合は、親は「手」を差し出しているのです。子どもの要求に応じておもちゃなどを与えるにも、自分で靴下を履ける子どもに靴下を履かせるにも、子どもの荷物の準備を親がするにも、「甘やかす」ときには手を差し出していますよね?一方、「甘えさせる」場合、抱っこをするときにはたしかに手を差し出しているかもしれませんが、子どもを膝に乗せたり子どもの負の感情に寄り添ったりするにも、主に差し出しているのは親の「気持ち」、愛情であるはずです。あとは、共働き世帯が多いいまだからこそ、以下のことにも注意してほしいと思います。毎日、両親ともに忙しく働いていることで、「子どもに寂しい思いをさせている」という罪悪感を持っている親御さんが多くいます。そして、その罪悪感を、子どもが欲しがっていたおもちゃを与えるなどして解消しようとするケースが多いのです。でも、そういう物質的なものは一時的な満足をもらえるだけで、子どもが本当に求めている「甘えたい気持ち」を満たすことはできません。忙しく働き子どもと過ごせる時間が限られているからこそ、その貴重な時間を、子どもたちが真に欲するかたちで満たしてあげてください。『子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣』佐藤めぐみ 著/あさ出版(2012)■ 公認心理師・佐藤めぐみさん インタビュー記事一覧第1回:「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!第2回:子どもの「泣き落とし」を収めるテクニック。コツは“ルール作り”にあり第3回:子どもは「甘やかす」より「甘えさせる」!甘えさせてもらえない子は将来こうなる第4回:「過干渉、ヘリコプターペアレント予備軍」親の意外な特徴。もしかしてあなたも?(※近日公開)【プロフィール】佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)1969年生まれ、東京都出身。公認心理師。オランダ心理学会認定心理士。イギリス・レスター大学大学院修士号取得。欧米で学んだ心理学を日本のお母さんが取り入れやすいかたちにしたポジティブ育児メソッドを考案。現在は公認心理師として、ポジティブ育児研究所でのオンライン子育て心理学講座、育児相談室ポジカフェでのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動等を通じ、子育て心理学を活用した育児支援を行っている。HP:megumi-sato.com【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年04月17日スーパーに買い物に行くたびに、子どもがお菓子をねだって駄々をこねてしまう……。いわゆる、「泣き落とし」の行為です。親として大いに悩まされることのひとつかもしれません。欧米で学んだ心理学を子育てに生かし、母親たちをサポートしている公認心理師の佐藤めぐみさんは、子どもの泣き落としを収めるには、「子どもがねだっているものとは『別のよろこび』に目を向けさせることが大切」だといいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹「泣き落とし」の最大の要因は、子ども自身の「気質」にある子どもの「泣き落とし」のピークは、大体が2歳くらいです。ただ、その頃は、まわりの同年代の子どもも泣き落としをしていることが多いので、「うちの子も一緒、イヤイヤ期だからだよね」と、一時的なものとしてとらえていることが多いものです。ところが、一般的に泣き落としが収まりはじめる5、6歳になっても泣き落としをしていると年齢的にも目立つため、親が悩みはじめることになります。なかには、「自分の育て方が悪かったのかな……」と、自分を責めてしまう人もいるでしょう。でも、子どもが泣き落としをするかどうかの原因は、一概に育て方にあるとはいえません。子どもが泣き落としをするもっとも大きな要因は、子ども自身が持っている「気質」です。もともと、自分の意志を押し通そうという気持ちが強い子どもがいるのです。見方を変えれば、粘り強さがある子どもだといういい方もできます。粘り強さというといい意味でとらえられることが多いですが、それがマイナスの方向に出たのが泣き落としといえるでしょう。もちろん、育て方に原因があるケースもあります。単純な話ですが、子どもに泣き落としをされると、親が根負けしてしまうということを繰り返すケースです。すると子どもは、「泣けば思いどおりになる」と学んでしまいます。この流れになってしまうと、どんなに口では「スーパーではお菓子は買わないよ!」といったとしても、そのルールは子どもに伝わりません。その子にとってのルールは、「泣けば買ってもらえる」というものだからです。「親子が互いになんとか守れるルール」を決めるそう考えると、子どもの気質にかかわらずに、親が「一貫した姿勢を示す」ことが子どもの泣き落としを収めるためのポイントになります。昨日は「いいよ」といってもらえたことが、今日は「駄目」だといわれると、子どもは混乱するからです。それに、子どもは自分に都合がいいほうを優先しますから、「いいよ」といわれたことだけを学んでしまうのです。ただ、「一貫した姿勢を示す」とはいっても、ひたすら厳しいルールを課せばいいというわけではありません。ここで大事なことは、「親子が互いになんとか守れるルール」にすること。スーパーでお菓子をねだって泣き落としをするケースなら、「平日にママとスーパーに行くときはお菓子を買わないけど、週末にパパとスーパーに行くときにはひとつだけお菓子を買っていいよ!」といったようなルールにするのです。そうすれば、子どもにとっても目指すものがあるので取り組みやすく、平日の買い物をスムーズにできるようにもなります。そういった過程を経て、「泣かなくてもいいんだ」ということを子どもに学んでもらうことが大切です。つまり、ゲーム感覚でプログラムを遂行させていくようなイメージですよね。きちんとおねだりを我慢できたら、「よく我慢できたね!」とたくさん褒めてあげてください。もちろん、お菓子を食べること自体を禁止しているわけではありませんから、帰宅したらおやつタイムにします。すると子どもからすれば、泣かなくても結局はお菓子を食べられたし、ママは機嫌がいいし、しかも、褒めてくれたということになります。このようにして、子どもがねだっているそのものとは別の視点でのよろこびに目を向けられるようにしていくのがおすすめです。ゲームや漫画などについても、すべて取り上げてしまうというような家庭もあるかもしれません。しかしながら、ゼロでは子どもは満足できませんし、一方で、遊び放題では親も困ってしまいます。ゼロか100かではなく、互いが折り合えるルールを考える方が現実的であり、実行しやすくなります。泣き落としをする子どもの「粘り強さ」を生かす話は少し本筋からそれますが、先にお伝えした泣き落としをする子どもの「粘り強さ」をいい方向に出せるように導いてあげてほしいですね。粘り強さがある、自分の意思を押し通そうとする子どもの思考のベースには、「疑問を持つ」という姿勢があります。スーパーでお菓子をねだる例なら、「ママはダメだといっているけれど、それは本当なのか?」という疑問が最初にあるのです。その思考をうまく生かすことができれば、これからの時代に必要な強い力となるでしょう。これまで、学校で「いい子」といわれてきた子どもは、先生や親にいわれたことに素直に従っていた子どもたちです。しかし、学習指導要領も変わり、これからの子どもには自分で疑問を持って、自分で考えることが求められます。そんな時代にあって、さまざまなことに「疑問を持つ」思考を持っている粘り強い子どもは、うまく導いてあげれば力を発揮できるはずです。そういう子どもは、ひとつのことにこだわって夢中になる傾向もあります。持ち前の粘り強さをいい方向に発揮できるよう、その子がなにかに夢中になって繰り返しチャレンジしていたら、温かく見守ってしっかりと褒めてあげましょう。子どもの気質は、親の接し方次第でプラスにも向かうこともあればマイナスにも向かうこともあります。きちんとプラスの方向に発揮できるよう、親がしっかり導いてあげたいものですね。『子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣』佐藤めぐみ 著/あさ出版(2012)■ 公認心理師・佐藤めぐみさん インタビュー記事一覧第1回:「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!第2回:子どもの「泣き落とし」を収めるテクニック。コツは“ルール作り”にあり第3回:子どもは「甘やかす」より「甘えさせる」!甘えさせてもらえない子は将来こうなる(※近日公開)第4回:「過干渉、ヘリコプターペアレント予備軍」親の意外な特徴。もしかしてあなたも?(※近日公開)【プロフィール】佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)1969年生まれ、東京都出身。公認心理師。オランダ心理学会認定心理士。イギリス・レスター大学大学院修士号取得。欧米で学んだ心理学を日本のお母さんが取り入れやすいかたちにしたポジティブ育児メソッドを考案。現在は公認心理師として、ポジティブ育児研究所でのオンライン子育て心理学講座、育児相談室ポジカフェでのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動等を通じ、子育て心理学を活用した育児支援を行っている。HP:megumi-sato.com【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年04月14日子どもを幼稚園や保育所に預けて仕事に行かなければならないのに、毎朝のように我が子が大泣き……。そんなことに悩んでいる人も多いかもしれません。どうすれば登園時に子どもは泣かないようになるのでしょうか?アドバイスをもらったのは、欧米で学んだ心理学を子育てに生かし母親たちをサポートしている、公認心理師の佐藤めぐみさんです。佐藤さんは、「鍵を握るのは『アタッチメント』」だと語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹登園時に子どもが泣いてしまう3つの要因子どもが登園時に泣いてしまうことには、いくつかの要因が考えられます。ひとつは「年齢」が挙げられます。子どもが1歳になったタイミングで仕事に復帰する方は多いですが、ちょうどその頃から1歳半くらいにかけて記憶力が発達し、子どもたちは過去と現在を比較できるようになります。ですから、幼い子どもを幼稚園や保育所に預けると、子どもは「さっきまで一緒にいてくれたお母さんがいまはいない……」と感じて、大泣きするわけです。1歳過ぎから1歳半くらいまでのあいだは、いわゆる分離不安のピークですので、この時期の子どもが登園時に泣いてしまうのは、発達的に見ても「あって当然」のことなのです。このケースでは、「泣かなければラッキーで、泣いても仕方ない時期」と考えて、自分を追い込まないようにしてほしいなと思います。預けなくてはいけない以上、できる工夫はしつつも、「時間が解決してくれる」といういい意味での割り切りも肝心かもしれませんね。しかし、いちばんの要因としては、もともとの「気質」があるでしょう。大人のみなさんでも、行ったことがない場所に行ったり面識がない人に会ったりすることにワクワクする人もいれば、不安を感じる人もいますよね?それは、人生経験の少ない子どもだったら、なおさらのことです。さらには、初めて行った場所や初めて会った人に対する順応のスピードも気質のひとつ。すぐになじむことができる子どももいれば、そうではない子どももいるのです。ただ、気質についても年齢と同じように割り切らなければならないかというと、そうではありません。のちにお伝えしますが、ある方法で解決できる可能性もあります。もうひとつ要因を挙げるとすれば、「家の環境」があります。あまりに家の居心地がいいために、子どもが外に出たがらないのです。もちろん、親子のあいだの愛情にあふれているという居心地のよさであればなんの問題もありません。でも……異なる意味合いで見た場合、居心地のよさが子どもを王子さまやお姫さまのように扱い、なんでも親が世話をして甘やかしていることからであれば問題があります。幼稚園や保育所での集団活動では、我慢しなければならないことが多々あります。そういう場所(幼稚園や保育園)と、とことん甘やかしてもらえる家を比べ、子どもは登園を嫌がるということになるのです。子育てのすべての土台となる「アタッチメント」が鍵ではどうすれば登園時に子どもが泣かないようにできるのでしょうか?その鍵となるのは、「アタッチメント」です。アタッチメントとは、「子どもが特定の人に示す愛着感情」のこと。簡単にいえば、特定の人との「精神的な絆」のことです。そして、小さな子どもにとっての最初の「特定の人」とは、一般的には、もっとも身近に接して世話をしてくれるということで母親というケースが多いと思います。このアタッチメントこそが、子育てのすべてを支える土台なのです。また、子どもは親とのアタッチメントを通じて、人との接し方も学んでいきます。親から「こういうふうにまわりの人とかかわっていけばいいんだな」というテンプレートを学ぶのです。つまり、アタッチメントとは、その子の将来の人間関係の広げ方にも大きくかかわるものなのです。こう表すと、その重要性を強く感じられたのではないでしょうか。そして、このアタッチメントの育み方次第で、気質的には引っ込み思案で幼稚園や保育所で不安を感じるような子どもであっても、しっかり元気に登園できるようにもなります。もちろんその育み方とは、王子さまやお姫さまのように甘やかすことではありません。その育み方とは、親があれこれ手を出すのではなく、子どもが甘えたがっているときにその気持ちをしっかり受け止めること。幼稚園や保育所に子どもをお迎えに行くと、子どもが「抱っこして」といったり手をつないできたりと、子どもに甘え行動が出ますよね。そのときにしっかり甘えさせてあげるのです。もちろん、子どもが望むのなら自宅に帰ってからも膝の上に子どもを乗せて絵本を読んであげたり、一緒にお風呂に入って遊んであげたりすることも、子どもの甘え行動を受け止めることのひとつです。「アタッチメント」で子どもにエネルギーをチャージ!なぜ、こういう行為によって、登園に不安を感じるような子どもでも泣かずに登園できるようになるのでしょうか?それは、アタッチメントによってエネルギーをチャージできるからです。気質が引っ込み思案である子どもの場合、親と離れて幼稚園や保育所で過ごすにも、引っ込み思案ではない子どもと比べ、より多くのエネルギーを使います。だからこそ、翌日も元気に登園できるように、たっぷり甘えさせてエネルギーをしっかりとチャージしてあげることが大切になります。加えて、子どもの気質を無視して、親の主観で言葉をかけることに注意してください。ありがちなのが、自分が子どもの頃には幼稚園や保育所が大好きだったというケース。親子でも気質が正反対ということも珍しくないですよね?それなのに、自分が子どもの頃には幼稚園が楽しかったからと、「大丈夫、大丈夫!元気よく行ってらっしゃい!」「絶対に楽しいから!」と押しつけてしまうのはよくありません。もともとの気質は変わらないものなので、そこを理解したうえのアプローチをしないといい方向へは進みにくくなります。どんな子どもにもアタッチメントは大切なものですが、引っ込み思案の子どもにとってはとくに大切なこと。引っ込み思案の子は、時間をかけてその場所や人々に慣れていくものなので、そのペースに合わせ、日々、子どもにしっかりとエネルギーをチャージしつつ進んでいくことが大事になります。『子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣』佐藤めぐみ 著/あさ出版(2012)■ 公認心理師・佐藤めぐみさん インタビュー記事一覧第1回:「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!第2回:子どもの「泣き落とし」を収めるテクニック。コツは“ルール作り”にあり(※近日公開)第3回:子どもは「甘やかす」より「甘えさせる」!甘えさせてもらえない子は将来こうなる(※近日公開)第4回:「過干渉、ヘリコプターペアレント予備軍」親の意外な特徴。もしかしてあなたも?(※近日公開)【プロフィール】佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)1969年生まれ、東京都出身。公認心理師。オランダ心理学会認定心理士。イギリス・レスター大学大学院修士号取得。欧米で学んだ心理学を日本のお母さんが取り入れやすいかたちにしたポジティブ育児メソッドを考案。現在は公認心理師として、ポジティブ育児研究所でのオンライン子育て心理学講座、育児相談室ポジカフェでのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動等を通じ、子育て心理学を活用した育児支援を行っている。HP:megumi-sato.com【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年04月11日俳優・佐藤健の公式YouTubeチャンネルで31日、『佐藤健を癒す「TAKERU NO PLAN DRIVE」』の動画が公開され、その中で佐藤が理想の休日について語っている。「TAKERU NO PLAN DRIVE」は、神木隆之介プロデュースによる旅企画。佐藤、神木、桜田通、渡邊圭祐の4人で、ドライブ旅を繰り広げる。今回の動画では、神木の運転で佐藤と2人で出発し、渡邊と桜田をピックアップ、4人でトークを楽しむ様子が収められ、千葉方面へ進むところで終了した。トークの中で、渡邊が「自由におもてなししてくれって。僕は、健さんがやりたい休日を…」と話すと、佐藤は「俺がやりたい休日は、家で1人でゆっくりしたい。たまった録画を見ていたい。家でソファで『テレビ千鳥』をずっと見続けたい」と理想の休日を語った。千鳥・ノブと親交の深い佐藤。神木から「夜はノブさんとご飯行って1日が終わるんだよ」と言われると、「終わる」と認め、「外に出ることマジでない。午前中に外に出るなんて、仕事以外で何年ぶりだろう」と話した。
2020年03月31日俳優・佐藤浩市さん(59)に“故郷”について尋ねたとき、意外な言葉が返ってきた。「僕には、もう故郷なんてないですから――」佐藤さんは1960年12月、東京都新宿区出身。父親は、“怪優”と呼ばれた俳優の故・三國連太郎さん(享年90)だ。「僕は、東京・神楽坂の生まれですが、実家もないし、当時からある数件の店を除いて。僕が育ったころの面影なんて、全くと言っていいほど残っていません。そう思うと、自分は守るべき田舎も故郷もない人間なわけで。僕が大家族で育った?いや、それはなかったです。三國が過去のインタビューでそう言ってるんですか。それは、彼の“作り”だと思います(笑)。まあ、それもよし。特に晩年には、記憶以外のもので構築される過去もあるでしょうし。じゃあ、おふくろと2人だったかというと、彼女も、もともと神楽坂の芸者で知り合いも多く、お酒も飲む方で、結構夜は出ちゃうタイプでしたから。家にはおふくろもいなかった、親父もいなかったというのが、僕の少年時代でした。でも、僕は人がいないと生きていけないというタイプじゃないから、ときどき親父が戻ってきて一緒に食卓にいると、逆にすごく苦痛でしたね」小5のとき父親が家を出て、中学に上がる前には両親が正式に離婚。三國さんが伊豆の十国峠に息子の佐藤さんを連れて行き、「これが君との最後の別れだ。君はおふくろのところへ帰れ。僕は放浪生活を始めるから」この“十国峠の別れ”は、まるで映画のワンシーンのように、三國さんの評伝などでは語り継がれてきた。その後、佐藤さんは高2から実家を出てアパートでの一人暮らしを始め、多摩芸術学園映画学科を中退して役者の道へ。最初に俳優を目指すと言った時、父は言った。「僕は何も教えられないよ。だったら、親子の縁を切りましょう」こうして、“2世俳優”としての人生が動き出す。19歳だった。しかし、演技派としての地位を築いていた父の重圧はなかったのだろうか。「正直、それはありました。でも“三國さんの息子さん”という見方をされるのは当然だし、一方で、だから受け入れてくれるという業界人も多かったんです。親父と不仲だと評されていた人が、現場では僕を可愛がってくれたりもあって。世の中、それほど度量の狭い人間ばかりじゃないと、いまだに信じてやってます」映画デビューの『青春の門』でブルーリボン新人賞を受賞。この時も、親子2代受賞と話題に。その後も、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど着実に実績を積んでいき、初めての父子共演は、ようやく96年春の『美味しんぼ』で。父73歳、息子35歳のときだった。その制作記者会見でのこと。「佐藤浩市くんという人は、僕のやり方を否定していくのだろうけど、しかし、血のつながりは否定することはできない」こうしたやりとりを、マスコミはこぞって親子の確執だと報じた。しかし、佐藤さん本人は言う。「よく言われますが、別に不仲だったわけではないんですよ。一つだけ言えるのは、僕も、きっと三國も、一緒にいることのハードルを変に上げすぎたんですね」父・三國連太郎は、撮影現場にだけはよく息子を連れて行ったという。父の背中を見たことが、息子・佐藤浩市の俳優としての原体験になった。だから息子も長男・寛一郎を現場に連れて行き、やがて長男も役者に。あたかも父と息子の間にあった確かな、そして未来へと続く“絆”を証明しているかのように――。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月20日「子どもは嘘をつくもの」そうはわかっていても、わが子の嘘は気になるものです。どうして嘘をつくの?誰かの影響?ひょっとして生まれつき嘘つきなの?「嘘をつくことは悪いこと」だとわかっているからこそ、子どもが嘘をついていると不安になりますよね。今回は、「子どもの嘘」と「親の嘘」の深い関係について調べてみました。「正直さ」を求めてもきりがない自分が子どもだったときを思い出して、「友だちに自慢したくて、つい嘘ついちゃったな」「すごいと思われたくて大げさに言ったこともある」と反省したことがある人も多いのではないでしょうか?また、親に叱られたくないばかりに、宿題をやっていないのに「もう終わった」と言ったり、テストの点数が悪かったときに「まだ返してもらっていない」とごまかしたりなど、一度も嘘をついたことがない人なんていないはずです。それなのに、わが子が嘘をついているのに気づくと、「うちの子が嘘をつくなんて信じられない!」「どこかで悪い影響を受けて嘘つきになったのかも……」などと、過剰に心配したり不安になったりしていませんか?子どもは嘘をつくもの。さらに言うと、大人だって嘘をつくことはあります。ですから、人を傷つけるような深刻な嘘でない限り、あまり神経質にとらえる必要はないでしょう。臨床心理士の井上序子さんは、子どもが嘘をつく原因として次の3つ挙げています。事実と空想の区別がつかない心理的発達が未熟な幼い子どもは、空想や願望を本当のことのように話します。もちろん本人には、嘘をついているという自覚はありません。かまってほしい痛くもないのに「お腹が痛い」と言ったり、学校での出来事を実際より大げさに表現したりと、親にかまってほしいから嘘をつく子も。原因は親子のスキンシップ不足にあるといいます。自分の身を守りたい自分の失敗を「○◯くんのせいでこうなった」と友だちのせいにしたり、まだやっていないのに「宿題はやったよ」と言ったりするのは、親に叱られたくないからです。親としては、子どもに「嘘はダメ」「正直でなければいけない」と教えるべきですが、一方で親自身が子どもの前で矛盾した態度をとってしまうことも。その結果、子どもの「嘘」がますます加速するという驚きの調査結果もあるようです。「子どもの嘘」ひょっとして原因は「親の嘘」?シンガポールにある南洋理工大学の心理学研究者らは、18〜28歳の若者379人に対して「嘘」にまつわる調査を実施しました。その内容は次のとおり。まず、調査対象者に「子どものころに親にどんな嘘をつかれたか」を聞きます。たとえば、なにかをおねだりしたときに「今日はお金を持ってきていないからまた今度ね」と言われたことや、言うことを聞かなかったときに「いい子にしないとおまわりさんを呼ぶよ!」「早く来ないと置いていっちゃうよ!」などと言われたことなど、さまざまなパターンの嘘を例に挙げて、「親に嘘をつかれたことがあるかどうか」を聞き出しました。そして次に、「大人になった今の自分は親にどのくらい嘘をついているか」をたずねたところ、子どものころに親が多く嘘を言っていた人ほど、大人になった現在、親に対して嘘をつく傾向が高いということが明らかになったのです。さらには、攻撃的で規則を破りやすいなど、社会的に好ましくない問題を抱えるリスクも高まると判明しました。調査を行なったセトー准教授は、「親が子どもに『正直でいることが一番』と教えているにもかかわらず、嘘をついて正直でないところを見せてしまうと、子どもに矛盾したメッセージを送ることになる」と指摘したうえで、結果として子どもの正直さを欠いてしまうことにつながったのではと結論づけています。親がつく嘘=「ダブルバインド」もちろん親は、悪意をもって子どもに嘘をつくことはありません。親が子どもに対して嘘をつくときは、「良かれと思って」「しつけのためにしょうがなく」などと、子どものためを思うがゆえに仕方がない場合が多いのではないでしょうか。しかし、心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんは「親が良かれと思ってつく嘘であっても、子どもの正直さに影響を及ぼします」と忠告します。悪気があるかないかの判断は子どもには難しく、親の言葉をそのまま素直に受け取ってしまうからこそ、軽い気持ちで嘘をつくことには気をつけなければなりません。親がつい言ってしまうのは、「おもちゃを片づけないなら全部捨てちゃうからね!」「今度またいたずらしたら、もううちの子じゃないよ!」「好き嫌いばかりするなら、もうごはん作ってあげないからね!」など、決して実行に移さない非現実的な内容なのではないでしょうか。これはすなわち “嘘” であり、「ダブルバインド」とも呼ばれます。「ダブルバインド」とは、相反するメッセージの間で板挟みになった相手が、最終的には従わざるをえなくなるコミュニケーションパターンのこと。親は無意識ではあるものの、ダブルバインドによるしつけは、子どもを脅して言うことを聞かせているのと同じです。ダブルバインドを頻繁に行なうようになると、子どもは次第に「お母さんは嘘を言っている」「お父さんは口ではこう言うけど、結局いつも実行しない」と、親を信用しなくなります。「嘘をつく」以外の解決策を用意するすべての発言に嘘がなく、つねに正直であることは難しいものです。しかし、親が子どもに向けた言葉は、思っている以上に子どもの人格形成に大きな影響を及ぼします。だからこそ、子どもの前では「自分の言葉に正直であること」「自分の発言に責任をもつこと」を心がけるようにしましょう。そうすることで、子どもは大人のまねをして自ずと正直になっていきます。南洋理工大学のセトー准教授は、「嘘をつく」以外の方法を考えるべきだと説きます。たとえば、子どもの感情に寄り添って理解を示す、問題を一緒に解決する、情報を提供する、選択肢を与える……。子どもに言うことを聞かせるためにつく嘘のほとんどは、それ以外の解決法があります。お菓子を買ってと言って聞かない子どもに対して、面倒になって「このお店はお菓子置いてないよ」「売り切れだって」と軽い嘘をついてしまうこともありますよね。その場ではその嘘で乗り切れたとしても、ごまかしただけで何の解決にもなっていません。それよりも、「今度の日曜日にお父さんと一緒に買いに行こう」「おうちにまだ食べていないお菓子が残っているよ」と、嘘をつかずに子どもを納得させられる言い方がないか考えてみましょう。***子どもがまだ小さいからといって、嘘をついてごまかし続けていると、いずれ大きくなったときにネガティブな影響が表面化することもあります。子どもに「正直さ」を求めるのなら、まずは親がお手本を見せてあげましょう。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもがウソをついたとき、親はどう対応すればいいの?ニューズウィーク日本版|親に嘘をつかれた子は親に嘘をつく大人に?調査結果GetNavi web|「しつけ」のための嘘が逆効果?親が嘘をつくと子供も嘘つきになりやすいことが判明All About|親の嘘、悪気がなければ子どもに許される?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自己肯定感が低下する「ダブルバインド」。“条件付きの愛”は危険です
2020年03月16日相沢沙呼の同名小説を映画化する『小説の神様 君としか描けない物語』が、5月22日(金)に全国公開される。本日ホワイトデーに、佐藤大樹演じる千谷一也と、佐藤流司演じる九ノ里正樹の未公開場面写真が公開された。『小説の神様』は、ナイーブで売れない作家×ドSな売れっ子作家という、すべてが真逆なふたりの高校生小説家が、まさかの共作を果たし、大ベストセラーを目指すという青春ストーリー。売れない高校生小説家・一也役を演じるのは、EXILE/FANTASTICSのパフォーマーとして活躍する一方、『ママレード・ボーイ』『センセイ君主』などに出演し、俳優としても人気を集める佐藤大樹。ヒット作を連発する高校生小説家・詩凪役を、『銀魂』シリーズ、『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』をはじめ、数々の話題作に出演し、幅広い役を演じる橋本環奈が務める。そして監督には、『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭を迎えた。この度公開された場面写真は、本作に登場する一也と、佐藤演じる九ノ里正樹の姿が切り取られたもの。ナイーブで売れない小説家・一也は、デビュー作以降、売り上げが激減した上、ネットの中傷を真に受けてしまい完全なスランプ状態。一方、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで主演を務めるなど、2.5次元俳優として絶大な人気を博している佐藤流司が演じる久ノ里は、一也や詩凪が所属する文芸部の部長。勉強もスポーツも得意な明るい性格で皆の頼れる存在だ。また、一也が小説家であることを知る数少ない友人で、物語のキーマンでもある。『小説の神様 君としか描けない物語』5月22日(金)全国公開
2020年03月14日EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹と女優の橋本環奈がW主演を務める、映画『小説の神様』(5月22日公開)の場面写真が14日、公開された。同作は相沢沙呼による人気同名小説の実写化作。中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……自分を見失い思い悩むナイーブで売れない高校生小説家・千谷一也(佐藤)と、同じクラスの人気ものでドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪(橋本)。性格、クラスでの立ち位置、売れている/売れていないと、すべてが真逆の2人に、編集者から下されたミッションが、2人で協力し、1つの物語を作り、ベストセラーを生み出すことだった。今回3月14日のホワイトデーを記念して公開されたのは、文芸部のイケメン、佐藤大樹演じる千谷一也と佐藤流司演じる九ノ里正樹という"W佐藤"の未公開場面写真。主人公・千谷一也役の佐藤大樹はEXILE/FANTASTICSのメンバーとして活躍する一方、近年『ママレード・ボーイ』や『センセイ君主』などの出演で俳優としても人気を誇る。一方、ミュージカル「刀剣乱舞」シリーズでは加州清光役として単身ツアーを行うなど、2.5次元俳優として絶大な人気を博す佐藤流司演じる九ノ里正樹は、一也や詩凪が所属する文芸部の部長で、勉強もスポーツも得意な明るい性格で皆の頼れる存在。一也が小説家であることを知る数少ない友人で、物語のキーマンでもある。
2020年03月14日「すぐに手が出る」「友だちが嫌がることをする」「先生に反抗的な態度を取る」……そういった子どもに手を焼いている方、もしくはお子さんのクラスに問題ばかり起こす子がいて困っている方も多いのではないでしょうか。今回は、乱暴や意地悪ばかりして周囲を困らせる子どもについて、その心の中をのぞいてみましょう。荒れる子どもは「親の過干渉」が原因!?文部科学省の調査によると、小学校低学年の学校での暴力行為や学級崩壊の件数は、ここ数年で急増しているそう。白梅学園大学教授の増田修治先生は、小学校低学年の学級崩壊は「児童たちの『先生にかまってほしい』という気持ちが原因で起こる」と述べています。たとえば、授業中に生徒のひとりがおしゃべりしたりふざけたりすると、先生はその子を注意します。その様子を見たほかの子たちも、先生の気を引くために便乗することで、結果的に学級崩壊へとつながるのです。また増田先生は、「親が『過干渉』になったことで、子どもが家の外でも誰かに頼ったり、甘えたり、かまってもらったりすることが当たり前だと思うようになっている」傾向があると指摘します。昔は兄弟が多く、子どもを放任する家庭がよく見られましたが、現代ではひとりっ子が増えて、親がつきっきりでかまってくれるようになりました。それが結果的に子どもの自立心を阻み、子どもが家庭の外でも手厚い対応を求めるようになったのです。このように、親の過干渉は、幼稚園や小学校での子どもの態度に悪影響を及ぼしています。ほかにも、子どもが荒れてしまう原因はいくつか挙げられるので、詳しく見ていきましょう。子どもの「乱暴・いじわる・うそ」はなにが原因?子どもが荒れてしまう原因は、「親の過干渉」だけではありません。■「叩くといいことがある」と勘違いしているすぐに手が出る乱暴な子を見て、「きっと家で親が子どもを叩いているに違いない」と思っていませんか?たしかに、「お友だちを叩くのはいけないこと」だと子どもにわからせるために、あえて叩いて叱っている親もいるかもしれません。しかし、親は決して子どもを叩くことがないのに、なぜか子どもはすぐに手が出てしまうというケースも。心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんは、「人間は、自分で起こした行動でいい思いをすると、その行動を繰り返しやすくなる」と述べています。つまり、何度言い聞かせても叩くことをやめない子どもは、「相手を叩くことで、何かしらの恩恵を受けている」ことが考えられるそう。たとえば、相手を叩いて「欲しいおもちゃを手に入れた」「お菓子をひとりじめできた」「みんなから注目された」など成功体験を得たことで、叩くことが効果的であると学んでいるのです。■親の口ぐせや声かけから影響を受けている「なんでも1番じゃないと気がすまない」という子がいます。スポーツでも勉強でも順位に一喜一憂し、エスカレートすると自分が勝つために友だちを押しのけたり、嘘をついたりと手段を選ばなくなるため、トラブルに発展しやすくなるのがこのタイプです。東京学芸大学教授で発達心理学が専門の岩立京子先生は、「1番にこだわる子は、1位がかっこよくて1位以外は価値がないことや、1位だと褒めてもらえることをどこかで学んできたと考えられます」と指摘します。つまり、親が学歴至上主義であったり、勝ち負けにこだわったりすることにより、日常的に「1番を目指すこと」を刷り込まれているのかもしれません。また、『「言葉がけ」ひとつで行動が変わる!子どもの叱り方・伝え方』(PHP研究所)の著者で自閉症療育アドバイザーのshizuさんは、「早く!」「ダメ!」「やめなさい!」が口ぐせの親御さんは要注意だといいます。親に「急ぐこと」を求められ続けると、友だちに対しても「急ぐこと」を強要するようになります。すると、良好な人間関係を築けずに孤立してしまうことも。■「ダブルバインド」で間違ったコミュニケーションの仕方を学んでいるほかにも、親が気をつけるべき接し方に「ダブルバインド」があります。「ダブルバインド」とは、同時に送られるふたつのメッセージの間で板挟みになってしまった相手が、最終的には従わざるをえなくなることで、ストレスを溜め込むコミュニケーションパターンを指します。典型的な例は、次のようなもの。「お片づけしないと夕ごはん抜きよ!」→でも実際は夕飯を食べさせる「宿題しないとゲーム捨てるよ!」→でも実際はゲームを捨てない子育てに関する多くの本を執筆している立石美津子さんは、「このような親のダブルバインドによって、子どもが『間違ったコミュニケーションの方法』を学ぶ」と警鐘を鳴らしています。間違ったコミュニケーションとは、自分の思いを通すために相手を服従させること。自分よりも立場が弱い弟や妹、友だちに対して「おもちゃ貸してくれなかったら、もう一緒に遊んであげない」などと脅すような発言をしてしまうのです。■認知機能の弱さが起因している可能性も千葉大学教育学部附属小学校の松尾英明先生は、クラスの友だちに攻撃的な言動をとることで孤立してしまう子どもについて、「親の育て方が悪い」「単純に性格が悪い」としてしまうことに疑問を呈しています。「その服、ダサいね」などと普通なら面と向かって言わないようなことをストレートに口に出してしまう子や、本当は仲良くなりたいのに、友だちをいきなり突き飛ばしてしまう子は、「相手の気持ちを推し量る能力が欠けているだけ」という可能性も。松尾先生は、「一見普通の子に見えても、あるスキルが欠けている子どもは少なくない」といいます。そして、そういった子は「困った子」ではなく、「困っている子」だというのです。児童精神科医の宮口幸治先生は、「対人スキルの乏しさは、認知機能の弱さが要因になっているものもある」といいます。認知機能とは、記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といったいくつかの要素が含まれた知的機能を指し、すべての行動の基盤となるものです。見る力や聞く力、想像する力といった認知機能の弱さのため、相手の表情や不快感が読めない、その場の雰囲気が読めない、相手の話を聞き取れない、話の背景が理解できず会話についていけない、会話が続かない、行動した先のことが予想できない、といったように、うまくコミュニケーションが取れないのです。(引用元:宮口幸治(2019),『ケーキの切れない非行少年たち』, 新潮新書.)具体的には、次のような問題を引き起こします。・聞く力が弱い→友だちが何を話しているかわからず話についていけない・見る力が弱い→相手の表情やしぐさが読めず、不適切な発言や行動をしてしまう・想像する力が弱い→相手の立場が想像できず、相手を不快にさせてしまう本人には悪気はなくても、結果的に相手に嫌な思いをさせてしまうことが多いのがこのタイプなのです。荒れるわが子の対処法「子どもにいい顔をしたい、あるいは言う通りにしてその場をやり過ごしたいからと聞き入れていると、あとで大変なことになる」と忠告するのは、白百合女子大学教授で臨床発達心理士の秦野悦子先生。人としての善悪の判断を育てるのは、親の役目です。秦野先生によると、「日常のしつけとして、善悪や道徳を親から学んでいない子どもは、将来人としての倫理観の軸をもてない可能性がある」とのこと。人として大事なことを言い聞かせるとき、子どもの年齢に合った言葉選びや伝え方を心がけるようにしましょう。いくら口では「わかった」と言っても、じつは親の意図を理解できていない場合もあるため、子どもがきちんと理解できる言葉を使って説明してください。小学校低学年くらいだと、ものを盗むことも、いじめをすることも「悪いこと」だと十分理解しています。それでも悪いことをしてしまったときは、「そういうことをすると、お母さんは悲しい」と「I(アイ)メッセージ(自分の気持ち)」を伝えたうえで、「あなたも仲間外れにされたら嫌でしょう」と注意しましょう。一方で、前出の佐藤めぐみさんは、「『叩くのはダメ』ということを教えるだけでは、その子は次も繰り返す」と断言します。佐藤さんが提案する対策法は、叩くことで得られるメリット以上の「いいこと」を用意してあげること。叩いてしまったあとでは、親は叱るしかありません。だとしたら、日ごろから「暴力以外で物事を解決したこと」に対して、積極的にほめてあげるといいでしょう。たとえば、「素直にごめんねと言えた」「手を出さずに『貸して』と言えた」「説明したら反抗せずに納得できた」など、叩かなくても自分で解決できることが子どもの自信になり、いずれ「叩かなくても大丈夫」と満足できるようになります。叩いて解決してきたときよりも、親にほめてもらえて「いい気分」になることができれば、その快感は行動に結びついてインプットされます。叩かない解決法を学習することで、子どもの言動はみるみる改善されていくでしょう。「困っている子」を「困った子」にしないためにお子さんのクラスに荒れている子がいて不安を感じている親御さんは、「困っている子」に対して理解する努力をしてみましょう。前出の松尾先生は、次のように述べています。我が子のクラスに先の例に挙げたような子どもがいれば、親は「早くクラス替えをしてほしい」「あの子の親はどんなしつけをしているのか」なんて思ってしまいがちです。「あの子は悪い子だから、つき合っちゃ駄目だ」なんて我が子にいってしまうこともよくあるケースです。本当は「困った子」なんていなくて「困っている子」がいるだけなのに、まわりの大人が「困った子」をつくってしまっている。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|クラスの「困っている子」と「困った子」。子どもの行動にはさまざまな要因がある)もちろん、行きすぎた暴力や暴言によってわが子が苦しむのを見過ごすことはできません。しかし、そのような「困った」言動を繰り返してしまう子どもこそ、じつは「困っている」ことが多いのです。親としてできることは、わが子の気持ちに寄り添い、しっかりと話を聞いてあげること。そして、必要であれば先生と連携を取りながら、すべての子がより良い学校生活を送れるように手助けしてあげることなのではないでしょうか。***子どもが反抗的な態度をとったり、周りの人を困らせたりすると、「育て方を間違えたのかもしれない……」と自分を責めてしまうこともありますよね。しかし、じつは子ども自身が何らかの理由があって「困っている」のかもしれません。親子で一緒にコミュニケーションの仕方を学び、より良い人間関係が築けるようにサポートしてあげたいですね。(参考)livedoorニュース|小学校の低学年で学級崩壊が増加 親の過干渉が一因と指摘All About 子育て|すぐに手が出てしまう……暴力をふるう子供の心理とは?PHPのびのび子育て 2019年10月特別増刊号, PHP研究所.StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自己肯定感が低下する「ダブルバインド」。“条件付きの愛”は危険ですPHPのびのび子育て 2019年10月号,PHP研究所.StudyHackerこどもまなび☆ラボ|クラスの「困っている子」と「困った子」。子どもの行動にはさまざまな要因がある宮口幸治(2019),『ケーキの切れない非行少年たち』, 新潮新書.PHPのびのび子育て 2019年11月号, PHP研究所.
2020年03月07日安蘭けいと濱田めぐみがWキャストで主演を務めるミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)に開幕する。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーにより1993年にロンドンで初演された作品で、かつての栄光を忘れられない大女優ノーマの妄執と、それがもたらす悲劇を描く。日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演となる。ノーマ役は、初演から3度目の安蘭けい、再演から2度目の濱田めぐみがWキャストで演じ、ノーマ邸で住み込みでシナリオを書く売れない脚本家ジョー役は再演から2度目の平方元基、今作から参加する松下優也がWキャストで演じる。ペアは固定制で、安蘭×松下、濱田×平方で上演される。まず始まったのは、劇中歌「With One Look」の歌唱シーン。無声映画で栄光を築いた大女優ノーマが、自分のまなざしは言葉より世界をふるわせると歌う楽曲で、ノーマとジョーが出会う場面でもある。まずは安蘭×松下のペアからスタート。プライドと強さ、そしてどこか哀しさが、迫力と共に伝わってくる安蘭のノーマ。一方、松下のジョーはそんなノーマに引き気味で、若者らしいともいえるその態度から、ノーマと世間とのギャップや孤独が痛いほどに際立つ。続いては濱田×平方のペア。濱田のノーマは、変わらぬ輝きと諦めを反復するかのようなゆらぎが、全てを内包するような歌声から伝わってくる。平方のジョーは、そのノーマに心掴まれた様子で、ふたりの世界が繋がった瞬間が感じられ、これから向かっていく未来を想像し胸がヒヤッとした。全く違うふたつのペアは、Wキャストであること、3度目の上演ならではの深み、演じることと役者自身が持つ魅力の組み合わせの面白さなどを存分に感じさせてくれた。続いては、ジョーが仕事を得ようとハリウッドの撮影所を訪れ、のちに恋に落ちる脚本家(平野綾)、大物プロデューサー(戸井勝海)、親友(太田基裕)らと次々遭遇するシーンの稽古に。「Let’s Have Lunch」のポップなメロディーに乗せて、ジョーが撮影所で働く仲間たちに挨拶したり、脚本を酷評されたり、借金取りから逃げたりと、セットもめまぐるしく動く賑やかなシーンだ。ここでも松下、平方のジョーはそれぞれの魅力があり、それにより周りの登場人物の存在も違うものに見えてくるのが面白い。演出の鈴木がハリウッドという場所ならではの人間たちのアクの強さを引き出し、ジョーの心に迫るものを際立たせていくのも印象的な稽古だった。稽古場にて開幕がより楽しみになった本作は、3月14日(土)から29日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて。取材・文:中川實穂
2020年03月06日「もっと積極的に友だちの輪に入って欲しいのに……」「どうしてちゃんと、あいさつできないの?」などと、なんでも恥ずかしがってしまう内気な自分の子どもに、やきもきする親は少なくありません。引っ込み思案な子というのは、なぜそんなにも恥ずかしがってしまうのでしょう。今回は、「恥ずかしがり屋」さんの心の中を深く分析しながら、親がとるべき対応策などを紹介します。「恥ずかしがり屋」とは精神科医の髙木希奈さんによれば、「恥ずかしがり屋」とは内気で照れ屋な人を指すそうです。「内気」は辞書的な意味でいうと、“おとなしくて遠慮深い、人前でハキハキしない気の弱い性質”。一方の「照れ屋」は、辞書に“すぐ照れる性分の人、はにかみ屋”とあります。髙木さんいわく、恥ずかしがり屋というのはあくまでも正常な範囲内の性格や気質のひとつであり、精神的な障害ではないとのこと。人の個性のひとつなのです。こうして恥ずかしがり屋の意味を知ると、特に悪いものではないとわかりますね。とはいえ、我が子が恥ずかしがり屋だと、どうしてもその引っ込み思案でおどおどした様子が気にかかるもの。というわけで、さらに深く恥ずかしがり屋さんを分析してみましょう。内気な性格は遺伝が3割。残りは……発達的行動遺伝学を専門とする、キングス・カレッジ・ロンドン教授のタリア・イーリーさんによれば、人が内気(恥ずかしがり屋)な性格になる理由の3割は「遺伝」で、残りは「環境」なのだそう。遺伝子と環境は双方から作用し合っていて、遺伝子がそれだけで内気な性格を決定づけるわけではないのだとか。だからこそ、「内気な性格は変えられる」とイーリーさんは説明します。その言葉は、発達心理学が専門で聖心女子大学名誉教授の高橋惠子さんによる「遺伝と環境が作用し合えば、生まれ持った気質も変わりうる」という説明に通じます。高橋さんによれば、赤ちゃんの気質、つまり人が持って生まれる気質は次の4つ。いつも機嫌がよいタイプ神経質なタイプ新しいことに取りかかるのに時間がかかるタイプ上の3つすべてをあわせもつタイプ恥ずかしがり屋で人見知りな子どもは、2番めの「神経質」な気質をもって生まれたことが考えられます。高橋さんいわく、誕生から青年期になるまで追跡し行なわれた大規模な研究により、そのような気質は変化しうることがわかったのだそうです。その理由は、人の発達が「遺伝子」と「経験(体験・しつけ・教育)」の両方で決まるから。一般に、気質(生まれつきの性質)は変えられないと思われがちです。もちろん「遺伝子」が変わることはありませんが、遺伝に加えて「環境(成長の過程での経験や、そこから生まれた本人の意思も含む)」が作用することで、気質は変化しうるのだと言います。ということはつまり、恥ずかしがり屋は克服可能だということなのです。なぜ、そんなに恥ずかしがるの?ここで、恥ずかしがり屋さんの子どもの “心の中” をのぞいてみることにしましょう。子どもが恥ずかしがるシチュエーションには、たとえば次のようなものがありますね。人と会っても、恥ずかしくてしっかりあいさつできない発表会など、人前で話すのが恥ずかしい授業で手を挙げて、意見を言うのが恥ずかしい恥ずかしくて、みんなの輪に入っていけない入園・入学直後など環境が新しくなると、自分から話したり遊んだりできない前出の精神科医・髙木さん、教育コミュニケーション協会代表理事である木暮太一さん、保育士として15年以上保育業務に携わる市川由美子さんらは、子どもがこうした行動をとる原因として、自信が持てず「うまくいくだろうか」と心配になり積極的に行動できないことや、失敗などイヤな経験のせいで「また間違ってしまうのではないか」と不安や恐怖を抱いてしまうことなどを挙げています。また、親があれこれと手出し口出ししすぎるために、「自分は何もできないんだ」という気持ちになって自ら考え行動することをやめてしまう場合もあるのだそう。つまり、恥ずかしがり屋の子どもの心の中には、「自信がないから、不安だから、怖いから、○○できない」といった気持ちがあるのです。「恥ずかしがり屋」は悪いことではない恥ずかしがり屋の子どもの心の中が、自信のなさや、不安と恐怖でいっぱいだとわかりました。こうした感情は、できるだけ和らげてあげたいものですね。ただし、恥ずかしがり屋を悪いことだと決めつけるのは間違いのようです。最初にお伝えしたように「恥ずかしがり屋は性格のひとつだ」というのもその理由ですが、さらに、恥ずかしがり屋の子を持つ親にとって嬉しくなるような理由もあります。それは、恥ずかしがり屋さんにはいいところもあるというもの。先に紹介した聖心女子大学名誉教授の高橋さんは、神経質な気質の恥ずかしがり屋の場合、新しい環境が苦手だという性格が不利に働く場面があるとしつつも、その反面、新しい変化に敏感なので、次の点が長所になると述べます。細かいことに気づけるなんでも慎重に取り組めるたとえば、変化に敏感だからこそ、「元気がない」「嬉しそう」「おもちゃが変わった」というふうに、親や先生、友だち、環境のちょっとした変化に気づくことができます。また、慎重だからこそ、目の前の課題を適当に仕上げるのではなく、失敗しないようじっくり考えながら、丁寧に仕上げていくことができます。引っ込み思案で消極的なイメージの強い恥ずかしがり屋の子どもでも、これらの長所によって大きな成果をあげうるのです。「恥ずかしがり屋」の子どもへのOK対応&NG対応では、これまでの内容を踏まえつつ、専門家のアドバイスを参考に、恥ずかしがり屋の子どもへの対応について紹介します。1. 子どものタイミングを奪わない保育士の市川さんによれば、子どもには子どものタイミングがあるのだとか。「さぁ、早くあいさつしなさい」「早くみんなの輪に入りなさい」などと急かしてしまうと、子どもは自分のタイミングを逃してしまうそう。そうなれば、ますます恥ずかしくなってしまいます。親のせっかちな気持ちを抑え、子どものタイミングを待ってあげましょう。2. 「本当に恥ずかしがり屋ね」などと言わない教育評論家の親野知可等さんは、「みんなができるのに、なんであなたはできないの?」などと、きょうだいや周囲の子どもたちと比べて叱ることは、絶対に避けるべきだと言います。子どもは親への不信感や、「自分は愛されていない」という感覚を持つようになってしまうそうです。また、保育士の市川さんは、親が「うちの子は、恥ずかしがり屋なので困ります」などと子どもの前で言ってはいけないと注意を促します。敏感な子どもは、そんな親の言葉にますます自信をなくしてしまうのです。「できない」「困る」などとネガティブな先入観を植えつけられた子が、恥ずかしがり屋を克服できるわけがありません。ポジティブに「大丈夫」「きっとできる」と声をかけてあげてください。3. 好きなことに熱中させ、ほめる市川さんによれば、たとえばお絵かきや、歌、なわとびなど、子どもが得意なもの、好きなことに没頭させることが、恥ずかしがり屋の克服に効果的なのだそう。それを「上手にできたね」とほめるだけでも、子どもの自信はみるみる伸びていくのだとか。その自信に支えられ徐々に行動範囲が広がれば、恥ずかしがらずに行動できるようになるそうですよ。恥ずかしがり屋の子どもが二の足を踏んでいることを無理やりやらせるよりも、得意なことや好きなことに存分に熱中させてあげましょう。4. まずはほかの子を眺めるだけでもOK高橋さんは、恥ずかしがり屋の子は、ほかの子が遊ぶ様子を見ることを目標にするだけでもいいと述べます。子どもというのは、ほかの子どもが何かしているのを見るのが好きなので、たとえば児童館などでの第一歩は“まず眺めるだけ”でもいいとのこと。慣れてきたら、少しずつ他の子たちに近づいていきましょう。自身も極度の引っ込み思案だったという公認心理師の佐藤めぐみさんも、「恥ずかしがり屋」の子どもは人数が多いほど緊張する傾向があるので、初めは少人数のグループで得意なことをして遊ぶ経験を積むといいとアドバイスします。たとえば小学校に上がる前の子どもなら、最初はママと一緒に遊び、次に同じことが好きな友だちを1人見つけ、そこから2~3人のグループへと広げていく、といった具合です。恥ずかしがり屋は、徐々に克服していけばOKなのだと心得ましょう。5. 子どもの意見を尊重するライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さんは、子どもの発言を「へえ、そうなんだ」と認め、なぜそう思ったのか理由を聞いてみることで、子どもの自己肯定感が高まると述べています。先述のとおり、いつも親が口を出していると、子どもは考えることをやめてしまいます。逆に、自分の考えを尊重してもらえる経験が重なれば、みんなの前でも意見を言えるようになります。「自分の考えを言ってもいい」「どんな意見を言ったって恥ずかしくないんだ」と思えるようになるはずですよ。***お子さんが恥ずかしがり屋で困っている親御さん、今回ご紹介した「恥ずかしがり屋の克服法」をぜひ参考にしてみてください。恥ずかしがり屋ならではの長所を生かしながら、豊かな個性をもつ子どもに育つといいですね。(参考)マイナビウーマン|恥ずかしがり屋の原因と克服法コトバンク|内気(ウチキ)とはgoo国語辞書|照れ屋(てれや)の意味BBCニュース|「恥ずかしがりや」を科学する社交が得意な人、苦手な人赤ちゃん&子育てインフォ 公益財団法人母子衛生研究会|Q.2歳の女の子。親と一緒だと陽気にふるまいますが、人の集まる場所が苦手です。 (2016.1)ベネッセ教育情報サイト|恥ずかしがり屋の子どもへのNG対処法とOK対処法ベネッセ教育情報サイト|あいさつができない内向的な子ども「保護者は目をつぶれ」と専門家All About|子供の恥ずかしがり屋・引っ込み思案な性格を克服・改善する方法StudyHacker こどもまなび☆ラボ |「自分の意見が言えない子ども」には4つのタイプがあった。我が子を認めていますか?StudyHacker こどもまなび☆ラボ |「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動
2020年02月28日麻丘めぐみさん(64)といえば、誰もが認める、70年代初頭の日本のアイドル創成期を築いた“アイドル第一期生”のひとり。『わたしの彼は左きき』などヒット曲を連発し、72年のレコード大賞では、並みいるライバルをおさえて最優秀新人賞を受賞する活躍ぶりだったが、わずか6年の活動の末、結婚とともに芸能界を引退。直後に、1女のママになっていた。そんな麻丘さんが、この1月末、実に29年ぶりの新曲『フォーエバー・スマイル』をリリースすることが決定。「どれだけヒットしても、うれしいと思えなかったし、自分に自信が持てなかった」と、めまぐるしかったアイドル時代を振り返って語った麻丘さん。トップアイドルが経験した波乱の人生をたどりたい。「当時、アイドルの中でもスカウト組だった私やシンシア(南沙織)や(浅田)美代子ちゃんたちと『アイドルである前に、人として、女性としての生活をしたいよね』と話していました」事故で救急病院に運ばれる重傷でも、痛み止めを打って車いすで歌う。男性アイドルのファンの女の子から執拗な嫌がらせを受ける。そんな中でもハードスケジュールをこなしていたという麻丘さんは、22歳で結婚し引退。1年後、長女のひとみさん(40)が生まれる。ママになり、一層充実した“普通の生活”を満喫していた。ただ一つだけ、理想と違うことがあった。多忙な夫とのすれ違いだ。「夫は男のままで父親にはなれないタイプだったようです。まずは別居を提案しました。その過程で、彼のほうから離婚を切り出されて、受け入れたという形です。娘はまだ3歳。まず最初に、この子をどうやって食べさせようかと思いました」結論が出せないまま、1年近くが過ぎていった。そして、麻丘さんは決意した。27歳で、芸能界復帰を果たす。最初の仕事は、念願の役者として。名匠・木下惠介監督の映画『この子を残して』の看護師役という、幸先のいいスタートだった。「現場に行くと、まず『ああ、左ききの麻丘さんね』となる。言ってしまえば、『元アイドルに何ができるの』みたいな雰囲気ですね。私もまだ30代で、すごい突っ張ってましたから『素の私を見てください』みたいな壁を自分から作っていたように思います」地方のキャバレーなどで営業したのも、このころのこと。「最初にキャバレーと聞いてエッと尻込みしいていると、社長が『そんなことを言っていたら、女一人で子供は育てられんぞ』と。キャバレーで歌っているところを写真週刊誌に撮られて『アイドルが落ちぶれて』なんて記事もありましたね。娘がいたからなんとかしのげましたが、このころが一番孤独でしたね」最愛の娘を置いて仕事をすることはもちろん気がかりだったが、離婚とともに実母の政子さんが同居してくれたため、心配も半分で済んだという。「カトリック系の一貫校に幼稚園から娘を入れました。しっかりした教育を受けさせたかったというのは、私が幼少の頃からまともに学校に行ってないので、コンプレックスもあったと思います」アイドル時代も家族のために働き、子供を産んでからも家族のためにがむしゃらに働いた麻丘さん。働きづめの母に一人娘のひとみさんが、20歳の時こんな手紙をくれた。『ママは、私のためだけに生きないで、自分のための人生を生きて欲しい』今、ひとみさんは夢を叶えて、パリの美術館で研究員をしている。ひとみさんは、母にこうエールを送った。「母は、人に対しても、仕事に対しても、まさに武士のようなまじめな人。そのひたむきさは、幼い頃から働いて、いろんな出会いから培われたものと思うので、これからも誰かを笑顔にできる仕事を頑張って欲しいです」29年ぶりの新曲も、きっと聴く人を笑顔にするだろう。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月27日麻丘めぐみさん(64)といえば、誰もが認める、70年代初頭の日本のアイドル創成期を築いた“アイドル第一期生”のひとり。『わたしの彼は左きき』などヒット曲を連発し、72年のレコード大賞では、並みいるライバルをおさえて最優秀新人賞を受賞する活躍ぶりだったが、わずか6年の活動の末、結婚とともに芸能界を引退。直後に、1女のママになっていた。そんな麻丘さんが、この1月末、実に29年ぶりの新曲『フォーエバー・スマイル』をリリースすることが決定。「どれだけヒットしても、うれしいと思えなかったし、自分に自信が持てなかった」と、めまぐるしかったアイドル時代を振り返って語った麻丘さん。トップアイドルが経験した波乱の人生をたどりたい。麻丘さんの芸能界入りは、幼稚園の頃から劇団で活動していた姉が繋いだ縁きっかけだった。本人の希望というよりも、生活のため、そして家族のために始めたという。ところが、72年にデビュー曲の『芽ばえ』が大ヒット。続けて『わたしの彼は左きき』で50万枚の特大ヒットを記録し、紅白歌合戦の出場も果たす。「周囲の大人たちは喜んでいましたが、私が授賞式で思ったのは『この賞を姉がもらっていたら、どんなに母が、家族が喜んだろう』ということでした。(当時の)アイドルは、トイレにもいかないと言われていた時代。取材もトークはなしで、撮影のみ。記事は、編集部がアイドルっぽく作ってくれるんです」苦笑する麻丘さん。しかし昭和アイドルを取り巻く狂騒ぶりは、笑い事では済まないことも多かった。「男の人と口をきいてはいけない、一人で出歩いてはいけない、などは序の口。男性アイドルは、ちょうど新規御三家の時代。五郎さんや秀樹さんと共演後、彼らのファンの女のコたちから、テレビ局に入るときに、頭にチューインガムを付けられたことも一度や二度じゃありません。いまだにトラウマで、セーラー服の集団を見るとウッとなるっていうか(笑)」警察沙汰のこんな事件も。「念願のお風呂付きの家に引っ越してすぐの時でした。2階の自分の部屋で目覚めたら、目の前に見知らぬ男の人の顔があって。ワーッと叫んだら彼は逃げたんですが、結局捕まった。しかし、事情聴取では、警察側から『あなたの評判も、ファンである彼の将来もあるから穏便に』と言われて、被害届も出せなかった。私の心の傷はどうなるのと思いながら、芸能人はつらいなぁと痛感していました。でも、それよりつらかったのは、やっと自分の力で買った家から引っ越さねばならなかったことです」追い討ちをかけるように、3メートルの高さの舞台セットから転落し、半年間の休業を余儀なくされる事故も起きてしまう。「まず舞台監督がダーッと駆け寄ってきて、倒れている私に『歌えー、出ろー』と。腕などの骨折がわかって救急病院に運ばれたあとも、3回目の公演には『車いすで出ろ』と言われて、痛み止めを打って車いすで歌いました」どうやったら、このアイドル生活から抜け出せるか。気づけばそんなことばかり考えるようになっていた麻丘さんは、22歳でテレビ局ディレクターと結婚して引退した。『アイドルである前に、人として、女性としての生活をしたいよね』と、よく南沙織(65)や浅田美代子(63)ら“スカウト組”と話していたという、麻丘さん。引退後、出産と離婚を経て、そして娘の養育のためにも芸能界復帰を果たした彼女だが、人生を振り返ってこう語った。「私たちの年齢になると、死と隣り合わせで生きているわけです。ようやく、これからの生き方が見えてきました」もう十分に頑張ったんだから、あとは無理せず、自分らしく楽しめばいいと気づいたと言う、現在の麻丘さん。29年ぶりの新曲には、語りきれないほどの思いが詰まっている。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月27日麻丘めぐみさん(64)といえば、誰もが認める、70年代初頭の日本のアイドル創成期を築いた“アイドル第一期生”のひとり。『わたしの彼は左きき』などヒット曲を連発し、72年のレコード大賞では、並みいるライバルをおさえて最優秀新人賞を受賞する活躍ぶりだったが、わずか6年の活動の末、結婚とともに芸能界を引退。直後に、1女のママになっていた。そんな麻丘さんが、この1月末、実に29年ぶりの新曲『フォーエバー・スマイル』をリリースすることが決定。「どれだけヒットしても、うれしいと思えなかったし、自分に自信が持てなかった」と、めまぐるしかったアイドル時代を振り返って語った麻丘さん。トップアイドルが経験した波乱の人生をたどりたい。麻丘さんの芸能界との縁は、4歳年上の姉・明美さんがきっかけだった。「姉が幼稚園の頃から劇団で活動していて、母はつきっきりでした。私も同行するうちに、『ちょうど妹さんの年ごろの子を探していたんだ』という話になったんです」3歳にして初舞台。その後、小5のとき、姉の演歌での本格デビューを目指して母娘3人で上京。「アパートにお風呂がないのが子供ながらにショックで。姉の着物代などにもお金がかかり生活は楽ではなくて、いつもおかずはじゃがいもでした」麻丘さんが中学生になって『週刊セブンティーン』などでモデルを始めたきっかけも、「お金を稼いで風呂付きの部屋に引っ越したい」という一念からだった。そんな彼女が堀越学園高等学校に通っていたとき、大きな転機が訪れる。「姉が、いくらレコード会社を代わっても、芸名を変えても売れない。家で泣いていて、母と私で慰めることもありましたね。そのうち、姉が所属していたビクターで、私のレコード吹込みの話が持ち上がるんです。お偉いさんがやってきて、『カコ、これはやるしかないんだから』と。そのとき私は思うんです。これを断れば、もう姉もレコードを出せなくなるんじゃないか、って。どうせ売れっこないんだしと思って、1枚だけのつもりで承諾するんです」ところが、デビュー曲の『芽ばえ』が、いきなり40万枚の大ヒットで、またたく間にトップアイドルに。およそ1年後には『わたしの彼は左きき』が、デビュー曲を超える50万枚の特大ヒット。「周囲の大人たちは喜んでましたが、私は『この賞を姉がもらっていたら、どんなに母が喜んだろう』ということでした」そんな思いを抱えながらも人気絶頂だったアイドル時代を過ごし、麻丘さんはわずか6年で引退。結婚、出産、そして離婚を経た頃には、麻丘さんは50歳。同じころ、母親の政子さんは体調を崩し、故郷の大分に帰っていった。「認知症も出始めて、一昨年秋には、お世話になっていた老人施設で脳梗塞を起こして車椅子生活に。施設長の女性に、『母が私のことをわかるうちに、ここで「左きき」を歌っていいですか』。そうお願いして、許していただきました」施設のレクリエーションの時間、サプライズミニコンサートで、政子さんは麻丘さんの歌を最前列で聴いていた。「私が歌い始めると、認知症になりかけていた母が一緒に歌うんですよ、『左きき』を。もう車椅子から前のめりになっちゃって。母は、その半年後の昨夏、亡くなりました。あとで娘から、『おばあちゃんは、家でいつもママの出てるテレビをかぶりつきで見ていたよ。一緒に歌って、踊って、人にも“うちの娘はすごいのよ”って自慢していたよ』と聞かされて、本当に驚くんです。というのも、子役の頃から私、一度も母に褒められたことがなくって。ああ、母も私と一緒に必死で生きていたんだと。それを知って、やっと自分に自信を持てたというか、歌も楽しんで歌えるようになりました」アイドル時代から45年。ときには「大ヒットしたことがアンラッキー」と語った『わたしの彼は左きき』が、ようやく自分の「友達」となった瞬間だった。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月27日常に親が「先回り」して、子どもにとって障害になるものを片づけたり排除したり、手を差し伸べたり、口出ししたりする育児のことを、カーリング育児というそうです。投げたストーンが氷の上をスムーズに進むよう「先回り」し、ブラシでゴシゴシとリンク表面をこするスポーツ、カーリングとかけているわけですね。名前はなんだか楽しげですが、カーリング育児は、子どもに対して必要以上に干渉する「過干渉育児」を指しています。親が何かにつけ「先回り」して手出し口出ししていると、子どもの成長の大きな妨げになってしまうのだとか。先回りをする親の心理や、そのリスクと、親がとるべき行動などを紹介します。先回りしてしまう親の心理プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康さんによれば、何でもかんでも先回りしてしまう親が増えているそう。たとえば「〇〇をやっておくといいらしいので、早いうちから子どもに〇〇を習わせておく」といったことです。こうした傾向は、特に、子育てのプレッシャーを感じている親に見られるのだとか。「わが子を成功させたい」「わが子に失敗をさせてはならない」といった心理が、親を先回りさせるのです。一方で、「子どもの先回りをして手出し口出しするほうが、じつは親として楽」だという見解もあります。これは、ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)の共著者で、哲学者の岸見一郎さんが述べていること。その理由について岸見さんは、先回りしてあれこれやってあげると、「わたしは育児をしている」という気分になれて、周囲からも「子どもの面倒をちゃんとみている」と思われやすいからだといいます。つまり、先回りしてしまう親の心理には、わが子を成功させたいわが子に失敗をさせてはならないちゃんと育児したいちゃんと育児していると思われたいといった思いがあるのだと考えられます。先回りする親に育てられた子どもの未来しかし、子育て心理学を発信する公認心理師の佐藤めぐみさんは、何でも先回りして、わが子が進む道を地ならししてしまう親のもとで育った子どもは、ほんのちょっとした困難でさえも乗り越えられなくなる、と注意を促します。何の障害もない真っ平らな道しか知らないと、初めてのことや難しいことに挑戦して失敗する経験、ここで頑張らなきゃとプレッシャーに耐える経験、失敗やできなかったことのつらさ、不安などを乗り越える経験、そして自分で考えることの経験が欠如してしまうからです。それらを経験せずに育った子どもは、次の状態に陥ってしまう可能性があるのだとか。我慢できない待てない踏ん張れないすぐにあきらめる自分で考えないだからこそ、YSこころのクリニック 院長の宮島賢也さんは、親の先回りが子どもの「生きる力(危機管理力や問題解決力など)」を弱めかねないと警鐘を鳴らします。明治大学文学部教授で、教育・心理関係の著書がある諸富祥彦さんも、過干渉育児が子どもの「主体性」を奪うと述べます。加えて心理学者の根本橘夫さんいわく、典型化して言えば、過保護は「お前は無力だ」という暗黙のメッセージを送り、過干渉は「お前のままでは駄目だ」というメッセージを送る。このために、過保護は子どもを無力化することで無価値感をもたらし、過干渉は子どもの自我を奪い取ることで無価値感をもたらす。(引用元:ダ・ヴィンチニュース|「自分には価値がない」と考えてしまうメカニズム―親の過保護や過干渉から解放されるには?)※太字は筆者が施したとのこと。つまり、先回りする親に育てられた子どもは、忍耐力も、粘り強さも、主体性も、危機管理能力も、問題解決力も、自立心も、自主性も、意欲も、自信もない大人に成長してしまう可能性があるわけです。親は、先回りするよりもこうすべき!先述のとおり、何でも先回りして子どもに “あれこれ” やってあげることは、決していい未来を子どもに与えません。そこで、今日からさっそく気をつけられるよう、親はどんなシチュエーションで先回りしてしまいがちなのか、さらに、先回りする代わりにどうするべきなのか、探っていきましょう。1.子どもに何かを選ばせるときお店などで、子ども自身に洋服やおもちゃを選ばせようとしているときこそ、じつは非常に先回りしやすいシチュエーションです。子どもがなかなか決められない様子を見かねて、「これがいいんじゃない?」などといってしまったことはありませんか? あるいは子どもの選択に対し、「こっちがいいんじゃない? 前もあとで『ピンクが良かった』って、いってたじゃない」「こっちのほうが絶対に似合うよ」などと、ついつい口出ししてしまったことはないでしょうか。常にこんなふうでは「子どもの決断力や自立心が育たない」と諸富祥彦さんはいいます。どんなに時間がかかっても、子どもの決断をじっと待つことが大切なのだそう。それに、たとえ子どもが洋服やおもちゃ選びに失敗したとしても、それがいい教訓となり、次回は子どもなりにリスクをシュミレーションし、自分で判断していくようになるはずです。子どもが自分で選ぶ経験を、しっかりと与えてあげましょう。2.子どもに「どんな感じ」か聞くときたとえば「寒いでしょ? もう一枚着なさい」「暑いでしょ? 一枚脱ぎなさい」「お腹空いたでしょ? これ食べなさい」といったり、あるいはプレゼントをもらった子どもに「うれしいでしょ? すごく欲しかったんだよね」といったり、もしくは、アニメを鑑賞した子どもに「おもしろかったでしょ? 〇〇だからおもしろいよね」などといったことはありますか?じつはこれ、子どもに「どんな感じ」か聞いておきながら、結局は親が先回りして、子どもの感情や感覚を言語化してしまう状況を表しています。根本橘夫さんによれば、こうした先回りは子どもから「感じたことや欲求の体験」――いわゆる感覚を奪ってしまうため、子どもの身体感覚や、感情、好みまで希薄化させてしまうのだとか。もちろん、子どもを不快感や危険から守り、社会のルールに従うよう導くことは必要ですが、大切なのは、子どもの欲求や感情、意思、願望などを尊重しつつ、守り導くことだと根本さんはいいます。子どもが自分自身で、感覚や感情を言葉にするまで、「〇〇でしょ?」などと先回りせず、根気強く待ってあげましょう。3.子どもが遊んでいるとき子どもが目の前で遊んでいるときも、親が先回りしやすいシチュエーションです。もちろん、子どもが気づかずにぶつかってケガをしかねない突起物や鋭利なもの、倒れ落ちそうなものなど、明らかに危険な因子は取り除いたり、子どもを安全なほうに導いたりすることは必要です。しかし、たとえば子どもが何かをつくって遊んでいるとき、「こっちから組み立てると早くできる」「この道具を使うと上手にできる」などと、親が先回りして物事の因果関係を考え、子どもを手助けするのは避けるべきです。その理由は、子どもがあまり失敗を経験できなくなり、自分の頭で考えなくなってしまうから。一般社団法人TOKYO PLAYの代表理事である嶋村仁志さんは、子どもの “遊び” に大人が関わりすぎるべきではないと説きます。「へー、そんなふうに遊んでもいいんだ」「こうするとおもしろいんだ」と子ども自身が気づけるよう、「あ、あっちにもおもしろいのがあるねぇ」などとヒントを与える程度がいいのだそう。自分で “遊び” をコントロールできてこそ、子どもは “遊び” を存分に楽しめると嶋村さんはいいます。それに、“遊び” は子どもが試行錯誤を重ねる大きなチャンス。「こうしてみようかな、ああしてみようかな」「さっきは失敗したから、今度はこっちにしてみよう」といった思考やチャレンジが、子どもの成長において重要な学びとなるのです。それらがないと、子どもの自主性や意欲、自立心に好奇心が育たず、能力開発の機会まで失われてしまいます。諸富祥彦さんいわく、子どもが失敗しようが何をしようが、余計な手出し口出しをせずに、じっと根気よく見守り、自由に遊ばせておくことが大切とのこと。もちろん、だからといって子どもから目を離し、スマートフォンをいじっていいわけではありません。遊んでいる子どもが振り返り、親の姿を確認したとき、「しっかりと見守っているからね」と表情や視線で示すことも大切です。それにより子どもは安心して、自分の感性を豊かにする “遊び” に、再び没頭できるでしょう。***先回りをする親の心理や、そのリスクと、親がとるべき行動などを紹介しました。「先回り」をやめて、どんどん子どもを成長させてくださいね。(参考)PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)|子供を潰してしまう、高学歴な親の口グセ日経DUAL|「過干渉育児」の恐ろしい弊害子育ては根気が一番All About|「カーリングペアレント」とはどんな親?東洋経済オンライン|「普通の家庭の子」の精神が追い詰められるワケStudyHacker こどもまなび☆ラボ |過干渉していませんか?子どもの「自主性」を伸ばすための4つの声かけStudyHacker こどもまなび☆ラボ |危険にも種類がある。挑戦が達成感に変わる「リスク」と「ハザード」はどう違うのか?StudyHacker こどもまなび☆ラボ |「本当に自由に」試行錯誤する機会を子どもたちに――“本気の遊び場”プレーパークダ・ヴィンチニュース|「自分には価値がない」と考えてしまうメカニズム―親の過保護や過干渉から解放されるには?根本橘夫著(2007),『なぜ自信が持てないのか―自己価値感の心理学』,PHP研究所.
2020年01月25日子どもが言うことを聞かず大人を困らせるのは、どこの家庭でも見られる光景です。しかし、子どもが親の言うことを聞かないのには理由があるということを理解している人は、少ないかもしれません。「どうして言うことを聞いてくれないの!」と叱る前に、“子どもが言うことを聞かなくなる理由”や“注意したい親の声かけや態度”について、いま一度、考えてみませんか?「言うことを聞かない」は、子どもの成長に必要な過程のひとつ子どもは成長過程のひとつとして、1歳半~3歳ごろに第一次反抗期を迎えます。いわゆる「イヤイヤ期」というもので、これ自体はご存じの方が多いことでしょう。では、なぜ子どもにはイヤイヤ期があるのでしょうか?それは、生きていくうえで一番大切な「自己評価」や「自己肯定感」を養うためと、スクールカウンセラーで医師の明橋大二氏はいいます。子どもは3歳ごろまでに、「私は存在価値があるんだ」「生きていていいんだ」という心の土台を築きます。そのためには当然ながら、親が子どもの反抗を受け止める過程が欠かせません。この気持ちが土台になって、次は「生活習慣」や「しつけ」が身につけられると明橋氏はいいます。これがだいたい、4~6歳ごろです。そして、自己肯定感やしつけを土台にすることで、初めて「勉強」が可能になるとのこと。これが7歳ごろにあたるため、小学校の勉強が6~7歳から始まっているのは理にかなっていると明橋氏はいいます。自己評価という土台がしっかり築ければ、その後のしつけや勉強も自然と身につくとのこと。そのため、子どものイヤイヤは一時的な現象として考えるものではなく、のちの成長への重要なステップとしてとらえることが大切です。成長段階別・子どもが親の言うことを聞かない理由前出の明橋氏は、1~2歳、2~3歳、3~5歳で子どものイヤイヤにも違う傾向がみられると述べます。同氏の解説をもとにして、成長段階別に、子どもが親の言うことを聞かない理由を説明しましょう。■1~2歳の子ども1~2歳の子どもが言うことを聞かないのは、「自分の人格を認めてほしい」ためです。このぐらいの年齢になると、子どもは親の言葉や指示をだいぶ理解できるようになります。そんな時期に「イヤ」と何度も言うことで、「自分もひとりの人間なんだ」と主張しているのです。この自己主張を認めることで、子どもの自己評価は育まれていきます。■2~3歳の子ども2~3歳の子どもが言うことを聞かないのは、自立心が高まり、自分の意志をよりうまく伝えられるようになるためです。この時期は、親にしてみれば困った行動を多くする時期。明橋氏いわく、自立とは「親にとって、とても手がかかる状態になること」ですが、それを親の都合で叱ったり止めたりしていては、自発性そのものが失われてしまうのだそう。きょうだいや友だちに対しても自己主張を始めるようになり、その過程で、対人関係のルールや、言っていいこと・悪いことの区別を学べるようになるのも、この時期の特徴です。時には傷つくこともあるので、そんなときは親が支えてあげましょう。■3~5歳の子ども3~5歳になると、簡単なルールは守れるようになります。それでも言うことを聞いてくれないように感じられるのは、子どもがそのときの気分によってはぐずったり、わざとルールを破って反抗したりすることがあるためです。いつもは友だちと仲良くおもちゃの貸し借りをしているのに、急に「貸さない」と言ってぐずりだす……。こうしたことに思いあたりがあるお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか?一方でこのころは、他人の気持ちに対する理解度が高まり、正しく公平な行動がしたいという気持ちが芽生える時期でもあります。そのため、何が間違いなのか教えたり、考えさせたりする機会を作ることで、言うことを聞かない回数も減っていく可能性があるのだそう。そんな時期だからこそ、頭ごなしに言うことを聞かせるのではなく、子どもが反抗したときには、何が正しいことなのかをきちんと教える必要があることも忘れてはいけません。子どもが言うことを聞かないときの対応例:OK・NG集子どもが言うことを聞かないと親はイライラさせられるもの。ですが、そのときの親の言動によっては、子どもを深く傷つけたり、余計に聞き分けが悪くなったりする可能性があります。そこで、子どもが言うことを聞かないときに注意したい、声かけや態度のNG例を説明しましょう。OK例も一緒に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。【NG例1】何がいけないのか理由を言わず、感情的に叱る子どもが言うことを聞かないとき、カッとなって怒鳴りつけても、肝心な「叱られた理由」が伝わらないことがあります。大切なのは、何がいけないかを子ども自身で考えさせたり、どうしたら良いかを伝えたりすることだと明橋氏はいいます。たとえば、一番上の子どもが友だちの家でお菓子をもらってきたとき。お菓子を弟や妹にも分けてほしいけれど子どもが聞き入れようとしない場合、親の対応のOK例・NG例はこちらです。◎OK:「●ちゃん(妹・弟)が目の前でお菓子を食べていたら、自分も欲しいなと思わない?」「みんなが喜んでくれると、自分も嬉しいよね」×NG:「いいからあげなさい!」「独り占めしたいなんて、いやしい子ね」理由を伝え、子どもに相手の立場になって考えさせるようにすると、よりいっそう、他人の気持ちが理解できるようになりますよ。【NG例2】「もう勝手にしなさい!」と突き放したり、人格を否定したりする子どもがひとりで何かをしたがって聞かないときなど、大人はつい、突き放す言葉を言ってしまいがちです。しかし、こうした言葉は子どもの心に深い傷を負わせるおそれがあると、教育コンサルタントの上野緑子氏はいいます。たとえば、まだ歯磨きの真似事しかできないような子どもが「ひとりで歯磨きする」と言って聞かない場合、親の対応としては次のようなOK例・NG例があげられます。◎OK:「よし、じゃあ頑張ってみよう(と言って見守る)」×NG:「もう勝手にしなさい」「好きにしなさい」ひとりでやろうとして失敗することもたくさんあるでしょう。そんなとき、「やっぱりひとりじゃできないじゃない」と否定的な言葉をかけるのもNGです。子どもは全人格を否定されたと感じてしまいます。ひとりでできたときはもちろん、たくさんほめてあげましょう。【NG例3】「あとでね」「また今度ね」と適当なことを言ってはぐらかす忙しいときに聞き分けのないことを言われると、その場しのぎの言葉ではぐらかしたくなりますよね。しかし、適当なこと言うのはうそをつくのと同じと、日本メンタルアップ支援機構・代表理事の大野萌子氏はいいます。もしも子どもが「公園に行きたい」と言って聞かない場合……◎OK:「明日一緒に行こうね」「ごはんを食べたら行こうね」×NG:「あとでね」「また今度ね」OK例にあるようにはっきり約束をして、その約束は守りましょう。そして、もしも約束を守れなかったときは、理由を伝えて謝るといった誠実さがある態度を取り続けることが大切だと、大野氏は述べています。親が、子どもに対しての関わり方に一貫性を持ち、日常の小さな約束を守ることを徹底するだけで、子どもの親に対する信頼度は確実に上がります。結果的に安定した気持ちを育み「聞き分けがよく」なるのです。(引用元:東洋経済オンライン|言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点)【NG例4】「~したら、○○をあげる」とご褒美で釣る育児相談室「ポジカフェ」主宰・オランダ心理学会(NIP)認定心理士の佐藤めぐみ氏によると、親が物(ご褒美)に依存した子育てをすると、子どもが物に依存したまま大きくなってしまうそうです。たとえば、子どもが公園でブランコを独占してしまっているときは……◎OK:「ほかの子も遊びたがっているから、順番に使おうね」×NG:「好きなおもちゃ買ってあげるから、ブランコ遊びはやめよう」また、物質的なご褒美は効果や満足感が持続しにくいため、どんどんエスカレートしてしまうとのことで注意が必要です。【NG例5】「○○しないと、おやつ抜き」と、罰を与える罰を与える叱り方は、何が悪いのかが子どもに伝わらず、問題の解決にはならないからNGだと前出の佐藤氏はいいます。「嫌なことを避けたいから言うことを聞こう」と、子どもに思わせてしまうのです。もしも、子どもをいくら誘ってもお風呂に入ってくれないなら……◎OK:「○○(テレビ番組)がもうすぐ始まるね。それまでにお風呂に入ろうね」×NG:「早くお風呂に入らないと、テレビ見せてあげないよ」佐藤氏によれば、ご褒美と同じく、罰も内容がエスカレートする可能性があるとのこと。また、罰に委縮したり抵抗したりする結果、殻にこもる、泣き叫ぶといった副作用を誘発するおそれもあるので避けましょう。***子どもが言うことを聞かないのは、のちの成長に欠かせない過程です。親はイライラすることも多いかと思いますが、その場しのぎの対応をせず、しっかり理由を伝えたり、子ども自身に考えさせたりするなどして、ステップアップのきっかけにしましょう。文/かのえかな(参考)枚方市ホームページ|だだこね(第一次反抗期)明橋大二 (2006),『子育てハッピーアドバイス 2』, 1万年堂出版.明橋大二 (2006),『子育てハッピーアドバイス 3』, 1万年堂出版.All About|子供のしつけ時にやってはいけない怒り方!NG叱り方10か条東洋経済オンライン|言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点All About|ご褒美を習慣にすると子どもに何が起こる?All About|子供を罰しても問題解決しない4つの理由
2019年12月31日Sexy Zoneの佐藤勝利(22)が10月14日、「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)に生出演した。「にこるん隊長のファッションレスキュー!」のコーナーで、佐藤が披露した江頭2:50(54)のモノマネがTwitterで話題になっている。同コーナーではモノマネ芸人・みはる(49)の「結婚1周年記念!おしゃれなレストランで大人なデートをしたい」という願いを叶えるために、藤田ニコル(21)がみはるのデート服を選ぶVTRが紹介された。デート服を着たみはると夫で芸人のMr.シャチホコ(26)の対面シーンを紹介する前に、南原清隆(54)が佐藤に「どうですか、エガちゃん」と振ったのだ。このコーナーの内容とは全く関係のない突然の振りに、佐藤は全身全霊で江頭のモノマネをして応えた。スタジオは大爆笑。共演したKing&Princeの高橋海人(20)は予期しない事態に唖然としつつも、佐藤の背中を優しく叩きながらフォローした。佐藤といえば、整った顔立ちから“顔面人間国宝”との呼び名も。そんな“イケメン”佐藤のギャップにファンからは歓喜の声が上がった。《銀河最強の顔面を持ち、不動のセンターなのに雑な江頭フリに秒で答えた佐藤勝利くん、普通に天才だし仕事人だから最高……………………》《江頭しょりたん…しゅごい… 全世界の皆さまSexyZoneのセンターにして顔面国宝様はこんなことも出来ちゃうんです!!》実は佐藤が見せた江頭のモノマネは、18年7月に放送された「Sexy Zoneのたった3日間で人生は変わるのか!?」(日本テレビ系)で初披露された。佐藤はタレントのコロッケ(59)に3日間弟子入りしてモノマネを修行。その成果として、X JAPANのToshl(54)や出川哲朗(55)、江頭などをモノマネメドレーとして披露した。そんな佐藤は、番組の終わりに「まさかモノマネするとは思わなかった」と本音を明かした。にもかかわらず、すぐさま南原に「出川哲朗くん」と振られると「やばいよやばいよ」と“出川モード”に。素早い反射神経を見せた。いっぽうで、佐藤がモノマネを披露するきっかけを作った南原に感謝する声も上がった。《去年勝利くんが一生懸命頑張ったことが今に繋がってて嬉しいなぁ。 ほんとに南原さんに感謝》《最後まで南原さん勝利くんにいっぱい振ってくれてありがたかった》このギャップが、Sexy!!
2019年10月14日『ヘリコプターペアレント』という言葉、ご存じでしょうか?「モンスターペアレント」や「毒親」ほど広く知れわたってはいないものの、小さな子どもを育てる親にとって、決して人ごとではない問題をはらんでいるのです。今回は、真剣に子どもと向き合う親であれば、だれもがその予備軍となりうる『ヘリコプターペアレント』についてお伝えします。子どもの成功を無意識に阻む “ヘリコプターペアレント” の恐ろしさヘリコプターペアレントとは?まるでヘリコプターがホバリングをしているように、親が子どもの頭上で旋回し、目を光らせている様子から名づけられた “過保護かつ過干渉な親” の総称。わが子が失敗しないように上空で見張り続け、困難に遭遇しようものなら、すぐさま飛んでいって助ける親のことを指す。アメリカなどでは社会問題にもなっている。 親であれば、わが子を心配する気持ちは充分理解できます。程度の差こそあれ、誰もが子どもの幸せや成功を願って手助けをしてあげたいと思うもの。では、『ヘリコプターペアレント』は、いったい何が問題なのでしょうか?心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんによると、「過保護は “わが子への愛情ゆえ” と好意的にとらえていた時期もありますが、最近のアメリカの研究では、その傾向が否定されつつあるといいます」とのこと。研究の結果わかったことは、次の通りです。1. 親としての温かみがないうえに過保護だと、子どもはのちのち、自己否定感に悩み、問題行動のリスクも高まる。2. 親としての温かみを保った過保護の場合、1のケースと比べれば確率は減るが、自己否定感や問題行動のリスクはなおも残る。つまり「いくら愛情あふれる温かい接し方をしていても、決して過保護による悪影響がなくなるわけではない」らしいのです。結論として、子どもへの “愛情ゆえに” 過保護が容認されていた時代は、確実に変わりつつあるのだといえます。ヘリコプターペアレントに育てられた子どもたちの将来ワシントンポスト紙によれば、「ヘリコプターペアレントに育てられた大学生は、うつの割合が高い」と報告されています(2013年)。そこには「過剰な親の干渉は、子どもの自主性と能力の発達を阻害する。そのため、ヘリコプターペアレントは依存を促し、保護的な管理なしに仕事を完遂する能力を阻害する」とも書かれています。その理由として、「過保護に育った子どもは、喪失や失敗、さらに失望といった、誰の人生でも避けられない状況に対処する方法を、まったく学ぶことがない」ということが挙げられています。失敗から学ぶ教訓や、ひとりで問題を解決する力、試行錯誤しながら周囲とコミュニケーションを図る努力など、どれも生きていくうえで必要不可欠です。これらの力が身についていない若者にとって、社会の厳しさは相当なものなのではないでしょうか。子どもをすべての困難や失敗から遠ざけて、傷つかないように守るヘリコプターペアレントの過剰な愛情は、じつは子どもが成長するきっかけや将来の成功の機会を奪っているのです。また、ヘリコプターペアレントはわが子の人生や経験の多くを決めてしまうので、その子どもは圧倒的に『決断する機会』が減ります。決断力が欠如した状態で育つと、自分のことなのに何も決められないまま生きていかなければなりません。さらに、幼少期に失敗を重ねなかったことから、“完璧な自分” しか認められない、自分を好きになれない、などのネガティブな価値観形成や精神的な不安定さを引き起こす可能性も出てくるといわれています。誰もがヘリコプターペアレント予備軍!?「うちは子どもを甘やかしてしないし、厳しくしているから大丈夫」と自信があっても、安心はできません。「どんな親でもヘリコプターペアレントになる可能性がある」と述べるのは、『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)の著者・立石美津子さん。ヘリコプターペアレントになりやすい人には、次のような特徴が見られるそうです。1. 完璧主義子どもに対して “理想の子ども像” を求めるだけでなく、自分自身にも “理想の母親・父親像” を追い求めてしまうのが特徴です。それがやがて、「子どもの評価=自分自身に対する評価」となり、子どもの失敗を自分の失敗としてとらえてしまうのです。その結果、失敗する前に手や口を出すようになります。2. 気が利きすぎるよく気が利いて察しがいい人も要注意です。子どもが何も言わないのに「のど乾いたんじゃない?」と、しょっちゅう声をかけていませんか?子どもの自主的な行動よりも前に「あれやったの?」「忘れ物は?」など、四六時中注意喚起するのは明らかに過干渉です。3. せっかちなんでも早く、合理的に終わらせてしまいたいタイプもヘリコプターペアレント予備軍だといえるでしょう。確かに、あれこれと指示を出してその通りに行動させれば、無駄を省き最短でゴールにたどり着くことができます。しかし、結果として子どもは自分でSOSを出せなくなり、指示待ち人間になってしまうのです。共通しているのは、子どもの失敗の機会を奪っているということ。自分で考えて、自発的に行動した結果、成功の喜びも失敗の悔しさも身体で覚えることができます。そのような体験の機会を奪うことは、子どもが大きく飛躍するきっかけを失うことにもつながるのです。適切な距離感は子どもが知っているヘリコプターペアレントの危険性は理解できたとしても、「それでもつい過保護になってしまう……」「放任になるわけにもいかないし、どの程度子どもを手助けすればいいかわからない」と、悩んでしまいますよね。前出の佐藤さんは、親が過保護になる背景に「子どもにイヤな思いをさせたくない」という親心があるのなら、「子どもが持つ “負の感情” を恐れないことが大事」だといいます。「イヤだな」という気持ちは子どもの成長に不可欠です。それを自ら乗り越える力をつけさせることのほうが、その場限りの「イヤなことからの回避」よりも、何倍も子どものためになると思いませんか?では、親子として適切な距離感はどれくらいなのでしょうか。佐藤さんは、「基本的には、子どもが “適切な距離” を知っています」といいます。たとえば、公園で親と離れた場所で友だちと遊ぶような子でも、転んだり嫌なことあったりすると、すぐに親のところに飛んできますよね。つまり状況に応じて子どもが示した距離が、その子の心の状態に合った距離感というわけです。親はあれこれ考えずに、子どもが求めている距離に応じて見守ってあげるといいでしょう。もし普段の親子の会話の中で、子どもの発言に「ママ、これどう思う?」「パパが決めて」などが多いようであれば注意が必要。できるだけ子どもが自分の行動に主体性を持つようにはたらきかけましょう。何気ない日々の会話にも、「あなたはどう思う?」という質問を盛り込むように心がけるといいですね。子どもの自立をサポートするのが親の役目幼児教室を経営していた立石さんは、次のような光景が印象に残っているそう。ある子がハンカチを忘れたので、「忘れ物をしないようにね」と保育士が注意すると、「だってママが入れてくれなかったんだもん!」と親のせいにしたそうです。帰宅後、子どもは「ママ、どうしてハンカチ入れてくれなかったの?」と親を責め、母親は「ごめんね、ママが入れ忘れちゃって……」と子どもに謝ったそう。そして次回、また忘れたときには母親が保育園に慌てて飛んできて届けたといいます。「子どものために」と親が起こしたこの行動は、子どもにどんな影響を及ぼすのでしょうか?結果的に、“自分のものを自分で準備する習慣がいつまでもつかない” “忘れ物をしても人のせいにして、自分のことを反省しない” 人間に成長してしまいますよね。そして、なにかにつけて「親がなんとかしてくれる」と考える子どもは、忘れ物をしても親が届けてくれると思っているので、忘れ物に注意しなくなります。そして先生や友だちに、「鉛筆を忘れたので今日1日貸してください」といった簡単なSOSすら出せなくなってしまうのです。困っているときに、自分から他者への助けを求めるのは自立への一歩です。子育ての最終目標が「子どもの自立」だとしたら、ヘリコプターペアレントはそれを阻むことにより、永遠に子育てをし続けなければならないでしょう。幼児期に失敗したり、困ったりする経験を積ませて、自分で考えて決断して行動する力をつけることは、成長後の自立をスムーズに促します。子どもを心配する気持ち、大切に思う気持ちは誰もが持っているものですが、行きすぎた干渉は百害あって一利なしだと覚えておきましょう。***自分では気づきにくい「過保護・過干渉」。お子さんの様子をよく観察して、「自分で何にも決められないようだ」「すぐに人のせいにしているように見える」と感じたら、親子関係の距離感を見直すチャンスです。(参考)Yahoo!ニュース|子どもの自立を奪う“ヘリコプターペアレンツ”その驚きのエピソードとはAll About|ヘリコプターペアレントとは?親の過保護が仇になるHUFFPOST|「ヘリコプターペアレント」とは?行きづらい子どもに育つ親の存在excite ニュース|「ヘリコプターペアレント」になりやすい親の特徴サイゾーウーマン|厄介な「ヘリコプターペアレント」の実態と対策ーー何も決められない子どもが育つ!?excite ニュース|過保護・過干渉の「ヘリコプターペアレント育児」子どもへの影響は…?
2019年09月06日8月23日、東京・池袋サンシャイン劇場にて鈴井貴之作・演出・出演の舞台、OOPARTS VOL.5 『リ・リ・リストラ~仁義ある戦い・ハンバーガー代理戦争』が初日の幕を開けた。開幕に先立ち、ゲネプロが行われた。【チケット情報はこちら】本作品のテーマは、 社会に溶け込もうと奮闘する“リストラされたヤクザ”。反社会勢力というテーマを扱いながらも、内容はあくまでコメディー要素が強く、キャラクター性豊かな人物たちが様々な背景を抱えながらも奮闘し、時に物騒に、そしてバカバカしく物語を進めていく舞台となっている。鈴井率いるOOPARTSプロジェクトは今作で5回目を数える。これまで独特の舞台装置などで予測のつかない舞台で話題をさらってきたが、今回は“ミュージカル”の要素が盛り込まれているところが眼目だ。ファストフード店を舞台に繰り広げられる元ヤクザ同士のプライドを賭けた抗争と、ストーリー展開に合わせて始まる歌唱シーンというミスマッチ感が、如何にも鈴井ならではのアイディア。物語は、北海道を舞台にかつて抗争を繰り返していたふたつの反社会的組織の人間が、ひょんなことからハンバーガーショップで働くことになり、“スマイルを心掛けた”仁義なき戦いに発展するというもの。元ヤクザの北斗連合若頭・五味を演じる鈴井をはじめ、個性的なキャストが揃った。OOPARTS作品では常連の、解散したヤクザの北斗連合の組長・小沢を藤村忠寿(HTB)、その妻・貞子を佐藤めぐみ、五味を兄貴と慕う龍崎を八木将康(劇団EXILE)、その彼女である美穂を上地春奈が演じる。小沢の顧問弁護士・大黒を演じる赤谷翔次郎は切れ者という役どころで小沢の相棒的存在だ。敵対する南斗龍星会の斎藤を演じる竹井亮介と山崎役の阿部丈二が披露するロックな歌声にも注目したい。ファストフード店店長・北川役は東京公演のみ、佐田正樹と是近敦之がWキャストで務める。ふたりの異なる演技も楽しみのひとつ。南斗龍星会の金本を演じる島太星(NORD)は今回が初舞台。役作りのため金髪にする熱の入れようで、定評のある歌声は必見。ゲネプロを終えた鈴井貴之は次のようにコメントを寄せた。「5回目となるOOPARTS、今回は今まで以上に、僕自身、出演にも力を入れています。試行錯誤を重ね、個性豊かで素晴らしいキャストの皆さんと一緒に今日まで作り上げてきました。本日からの本番、精一杯やらせていただきます。是非、劇場に足を運んでください」東京公演は9月1日(日)まで。その後、9月13日(金)15日(日)まで北海道・道新ホール、9月21日(土)23日(月・祝) に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。チケット発売中。
2019年08月26日保険の保障内容を見直した方がいいかな…と考えてはいても、共働きで日々忙しくしていると、保険について検討する時間はなかなか取れないですよね。今回はそんなママが「 ほけんの窓口 」で相談したお話です。主人公佐藤めぐみ:3歳の子ども・夫と暮らす、30代前半の働くママ。こんにちは、佐藤めぐみです! 先日、持病で通院しはじめた実家の母から電話がありました。なにやら保険にかなり助けられたとのことで…。夫に話してみることに。調べなきゃと思いつつも、日々の忙しさで保険のことはつい後回しに…。1人で考えるのは難しそうだなぁと感じていた矢先、家の近くに「 ほけんの窓口 」があることを思い出しました。簡単にネット予約ができ、しかも相談無料なので、軽い気持ちで行ってみることに。 近くの「ほけんの窓口」を見る ■保険相談に行ってみた!実際に保険相談をしてみて、プロの豊富な知識でサクッと自分に合った保険を教えてもらえたのはありがたかったです…!だからといって無理に保険を勧められることもなく、今後の将来像を一緒に確認して、私の知識を踏まえつつ、私のペースに合わせて話を進めてもらえたので納得感をもって検討できました。なにより、思っていたより親身になって聞いてもらえたので、ついつい話し込んでしまいました~!一緒に私たち家族の将来を考えてくれる「頼れる味方」ができた心強さは、何ものにも代えがたい!ぜひみなさんも ほけんの窓口 に行ってみてはいかがでしょうか? 近くの「ほけんの窓口」を見る [PR] 募集代理店:ほけんの窓口グループ株式会社(イラスト:モチコ)
2019年06月28日映画『今日も嫌がらせ弁当』(6月28日公開)の完成披露試写会が28日に都内で行われ、篠原涼子、芳根京子、佐藤隆太、松井玲奈、佐藤寛太、村上知子、塚本連平監督が登場した。同作は、反抗期のと母のバトルを綴った実話エッセイ『今日も嫌がらせ弁当』を映画化。映画オリジナルの物語で脚色されたストーリーとなる。八丈島に住むシングルマザー・かおり(篠原)が、反抗期が来た高校生の娘・双葉(芳根京子)に、キャラ弁を仕掛けていく。塚本連平が脚本・監督を務めた。「寛太くんと共演したかった」という佐藤隆太。「Twitterで、なんかの予告を見てたのか『寛太くんが出るかと思ったら、佐藤隆太じゃん』みたいな書き込みを見て、トラウマというか。今回は一緒に出るから、もし僕のことを寛太くんと勘違いしても、出てるから! 誤解はないと思うので。できる限り共演していきたい」と明かし、会場も笑いに包まれた。隆太は「自分すら、台本の名前をパッと見て『あれ?』ってなるんです。これからは基本的にニコイチでいこう!」と提案し、寛太は「光栄です」と喜ぶ。さらに寛太は「僕の方からも一言いいですか。小学6年生の時に、二子玉川で熱血教師やってたのを見てました」と告白。隆太も「ありがとうございました」と頭を下げていた。イベントには、「キャラ弁」に扮したダンディ坂野と、主演の篠原の顔真似をしたざわちんも登場した。
2019年05月28日窪田正孝が天才的診療放射線技師を演じる「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」。5月27日に放送された第8話ではエレベーターに閉じ込められた本田翼演じる杏を救出する唯織の姿に多くの視聴者が声援を送った。窪田さんが本当は医師でありながら診療放射線技師として甘春総合病院に勤務する五十嵐唯織を演じ主演する本作。ヒロインの放射線科医・甘春杏に本田さん、唯織の同僚となる新人放射線技師・広瀬裕乃に広瀬アリス、杏に想いを寄せる整形外科医・辻村駿太郎に鈴木伸之。この4人を中心に物語は進んできた。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。前回の放送でギャンブル好きの技師長・小野寺俊夫(遠藤憲一)に医師であることがバレてしまった唯織。医師であることを隠してほしいと求める唯織の願いを受け入れ、小野寺はいままで通り唯織と接する。そんななか、けいれん発作で魚谷久美(稲垣来泉)という少女が救急搬送されてくる。CT検査を行うが異常は見られなかった。だが別の日にMRIを行うと二相性急性脳症の特徴的な所見である、脳が木の枝のように光る「ブライトツリーアピアランス」が見られ、入院しての治療が行われることに。同じ頃、内科を腹部の痛みを訴えて若井陽子(佐藤めぐみ)が受診。盲腸だと診断された陽子だが唯織は疑問を抱く。その話を聞いた杏はもう1度画像を調べ陽子が“虫垂腫瘍”ではないと考える…というのが今回のストーリー。同時に杏と裕乃がお互い唯織への想いを強めていく様子、父親の病気に悩む杏の姿も描かれた。中盤では杏と久美がエレベーターに閉じ込められ一刻を争う事態に。唯織らがエレベーターの扉をこじ開け事なきを得るのだが、その際の窪田さんの腕の筋肉のたくましさに多くの視聴者が沸き上がる事態に。「窪田くんの腕の筋肉と血管がすごかった!」「今日の見どころは荒ぶる筋肉と血管」「無理!鼻血出る!って叫びました」「窪田くんの腕の筋肉に釘付けになる回」などの声が殺到。そして終盤で杏は甘春総合病院の病院長・大森渚(和久井映見)と俊夫の会話を立ち聞き。唯織が医師であることを知ってしまう。その直後、頭痛が続いていた杏はエスカレーターで意識を失い倒れてしまう…という展開に。杏を襲った異変に「おしごと頑張りすぎちゃったの??それとも何かの病気なの??」「杏ちゃんの頭痛大丈夫?」など心配する視聴者からの声も数多く寄せられている。(笠緒)
2019年05月27日グラビアアイドルの春菜めぐみが5月1日、東京・浅草橋の東京Lilyで最新イメージDVD『Aircon House』(発売中 4,298円税込 発売元:エアーコントロール)の発売記念イベントを行った。レースクイーン時代には2010年にテレビ東京系『やりすぎコージー』の9代目やりすぎガールに選ばれ、2015年以降はグラビアに活動の場を移し、DVDをリリースする度に好セールスを記録するなど、グラドルファンのハートをがっしりと掴んでいる。11枚目となる同DVDは、昨年12月に山梨・河口湖と都内で撮影。春菜ら4人のグラドルが過ごすシェアハウスでの一コマを捉えながらも、看護師に扮した春菜が彼氏とのシーンでセクシーシーンに挑戦するなど、セクシーな春菜が見られる1枚となっている。グラドル仲間の西村ケリーに借りたという水着を重ね着して登場した春菜は「今回は4人の女の子が出てきて、私はナースの設定です。私を含めた4人の女の子がシェアハウスに住んでいて、彼氏がそれぞれいるんですが、彼氏とのストーリーが展開します。グラビアでは新しいドラマ仕立てのDVDですね」と最新作を紹介した。ドラマ仕立てではあるものの、アドリブもあったそうで、「アドリブで彼氏とイチャイチャするシーンがあるんです。そういうのは初めてで相手もいらっしゃいましたから、それをアドリブで15分話しながらイチャイチャするのはすごく恥ずかしかったですね(笑)」と赤面。気になるセクシーなシーンは「普通では考えられない階段で脱ぐシーンは、私服から下着になります。露出度も高いと思いますよ」とあげながら、「温泉のシーンはバスタオル1枚で身体を隠しました。このシーンはニップレスをつけてないので、もしかしたらチラっと見えるかもしれません。よ~く見てくださいね(笑)」とアピールした。令和になった5月1日にイベントが行われ、この日は同じグラドル仲間の葉加瀬マイが例和婚を発表。「葉加マイちゃんはお友だちなので、すごくおめでたいですよ~。平成から令和になっておめでたいことが重なったので、友だちとしてすごくうれしいです」と喜び、自身の結婚については「私はDVDを通して恋愛しています。ファンの方が恋人です(笑)」と優等生発言。「皆さんがDVDを買っていただけなくなったらしようかな。密着してくれるようにイチャイチャするのが好きなので、よくスキンシップを取ってくれる人が良いかな。見た目は全然気にしません。外見より中身です」と話していた。
2019年05月04日北川景子が“家を売りまくる”主人公を演じる「家売るオンナの逆襲」の第9話が3月6日放送。3話での沢井美優との共演に続き今回は実写版「セーラームーン」に出演した渋江譲二がゲスト出演。ネットでは「マーズとタキシード仮面の共演」などと話題になっている。家を売って売って売りまくる伝説の不動産屋・三軒家万智を北川さんが演じ主演、万智の小学校時代の同級生で現在はフリーの天才不動産屋となった留守堂謙治に松田翔太、万智の上司であり夫でもあるテーコー不動産の課長・屋代大に仲村トオル、留守堂に想いを寄せる奥様キラーのエリート営業マン・足立に千葉雄大、万智の部下の熱血営業マン・庭野に工藤阿須加といったキャスト。今回は庭野が同世代の施工業者・真壁(入江甚儀)と意気投合、真壁がリノベーションした古家を巡るストーリーと、留守堂が担当する離婚予定の夫婦と足立が担当する新婚夫婦を巡るストーリーが同時進行、ラストでは万智と留守堂との関係について“衝撃”の事実が発覚する…という展開。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。今回、足立が担当する新婚夫婦役で渋江さんと佐藤めぐみが出演。渋江さんは北川さんも出演した実写版「セーラームーン」でタキシード仮面を演じており、これを見た視聴者から「今度はマーズとタキシード仮面の共演」「渋江譲二だー!タキシード仮面!」などの投稿が続々と集まっていく。渋江さんと佐藤さんも以前昼ドラ「砂時計」で共演経験があり、さらに留守堂が担当した夫婦の妻役を演じた小野真弓も「砂時計」出演者ということで「砂時計出演者にビックリ!」「砂時計メンバーですやん」といった反応も。そして終盤、留守堂は母校に万智を呼び出し、抑えられない自分の想いを伝えるのだが、万智は留守堂が記憶している人工呼吸の相手は私ではない、と、留守堂の本当の恩人として別の女性を連れてくる。自らの人生の意味が揺らいだ留守堂は万智への想いが怒りに変わり、万智や足立らの前から姿を消す…というラスト。これまでの物語の根幹にかかわる“衝撃事実”発覚に「留守堂のドジッ子ドジ助ぶりが大大大伏線でこんな形で回収されるとは!」「勘違いで人生決めてもうたあなたは本当にドジです!」「美化された思い出のなんと罪の深いことか」などの声が殺到。いよいよ次週は留守堂が“ラスボス”として万智と対決することに。注目の最終回は3月13日(水)22:00~日本テレビ系でオンエア。(笠緒)
2019年03月07日女優の佐藤めぐみ(34)が、ドラマ『花より男子』で共演した松田翔太(33)との2ショット写真を3月5日にブログで公開した。2人は放送中のドラマ『家売るオンナの逆襲』で共演するという。『花より男子』では松田が物語の舞台となる英徳学園のアイドル的存在「F4」の一員・西門総二郎を、佐藤が主人公・牧野つくしのライバルでありのちに西門に恋する三条桜子を演じた。そんな2人の再共演に、当時のファンたちから《またツーショットを見れるなんて嬉しすぎます》《西門さん、桜子さん!!!これは、テンションあがります》などのコメントが寄せられた。『花より男子』は放送から14年以上経つ作品だが、ファン人気のみならずキャスト陣の仲の良さも健在だ。2018年4月に松田がモデルの秋元 梢(31)との結婚を発表した際には、共演俳優陣が祝福。松田のInstagramには嵐の松本潤(35)が撮影した小栗旬(36)、阿部力(37)らとの3ショット写真が掲載された。投稿には「大好きな兄弟に祝われました」と親密さをうかがわせる一文が添えられている。また続編にあたる『花のち晴れ~花男 Next Season~』で主演を務めた杉咲 花(21)は、昨年5月に《まさかの、花沢類さん…》と憧れの小栗との2ショットをInstagramに公開していた。放送から14年、その存在は今や伝説になっているようだ。
2019年03月06日「今度のテストを頑張ったら、おもちゃを買ってあげるね」「お手伝いしてくれたら、お小遣いをあげるよ」——このような、“もので釣る”という行為をしたことのある方は少なくないと思います。実は、こうした行為が「アンダーマイニング効果」という現象を引き起こし、子どものやる気を奪ってしまう可能性があることをご存知でしょうか。今回は、子育て中の方にぜひ知っていただきたい、子どものやる気と「アンダーマイニング効果」の関係性について詳しく説明します。どっちが大事? やる気には2種類あるやる気(=動機づけ)には、2種類あります。ひとつは、達成感や充足感、行動そのものに対する喜びといった自分の内部から生み出される「内発的動機づけ」。もうひとつは、報酬や評価、賞賛といった外部からの刺激により生み出される「外発的動機づけ」です。例えば、掃除をするとき、「部屋がきれいになるのが嬉しいからやる」というのは「内発的動機づけ」、「掃除をしたらお菓子がもらえる約束をしているからやる」というのは「外発的動機づけ」です。やる気を持続させるためには「内発的動機づけ」が大事だといわれています。なぜなら、「外発的動機づけ」には物理的な限度があり、長続きしないからです。例えば、親が子どもに「掃除をしたらお菓子をあげる」と約束しても、掃除をするたびにずっとお菓子をあげ続けることはできません。また、「外発的動機づけ」による行動の場合、次第に行動の質が落ちていくことがあります。例えば、「お菓子がもらえればいいや」と適当に掃除を終わらせたり、親が見ているときだけ掃除したりといった悪知恵が働くからです。一方、「内発的動機づけ」によって掃除をする場合は、掃除そのものにやりがいを見出して行うため、やればやるほどもっと掃除が好きになったり、上達したりといったことも期待できます。子どもの成長を願うなら、「内発的動機づけ」を引き出してあげることが必要なのです。やる気を奪う!?「アンダーマイニング効果」ところが、親が知らず知らずのうちに、子どもの「内発的動機づけ」を奪ってしまっていることがあります。それは、「アンダーマイニング効果」によるものです。「アンダーマイニング効果」とは、もともと持っていた「内発的動機づけ」に対して、「外発的動機づけ」がマイナスの影響を与え、やる気を減少させてしまうことです。ウィキペディアでは、下記のとおり定義づけられています。内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象である。例えば、好きでプレイしていたゲームに金銭的な報酬を与えられると、やる気がなくなってしまうなど。抑制効果ともいう。(引用元:ウィキペディア|アンダーマイニング効果)例えば、もともと勉強が好きな子どもに、もっと頑張ってほしいからと、親が「勉強を頑張れば、ご褒美をあげる」と約束するとします。そうすると、子どもはご褒美があるうちは頑張りますが、ご褒美がなくなると頑張らなくなってしまう――これが「アンダーマイニング効果」です。もともと勉強が好き(内発的動機づけ)で、自ら進んで勉強をしていた子どもでも、ご褒美を与えられることにより、それをもらうこと(外発的動機づけ)を目的として勉強をするようになってしまうのです。そして残念なことに、一度そうなってしまった場合、「好きだから勉強する」という気持ちはどんどん薄れてしまい、もとに戻りにくくなってしまいます。やる気を最大限に発揮してほしいという親心から与えたご褒美により、子どものやる気がなくなってしまうわけです。これでは、意味がありません。やる気を育てる、3つの「ご褒美」テクニックでは、子どもにご褒美をあげることは、やめたほうがいいのでしょうか。これに関しては、必ずしもそうとは言いきれません。「アンダーマイニング効果」の特徴を生かし、うまく子育てに取り入れれば、良い効果をもたらすことも。そこで、3つのご褒美の活用例をご紹介します。1. ご褒美を形のないものにするご褒美は、一時的なやる気を引き出すには強力な効果を発揮することがあります。ですから、「アンダーマイニング効果」さえ起こさなければ、ここぞというときには積極的に導入していきたいものです。生活情報サイト「All About暮らし」子育てガイドの佐藤めぐみさんによれば、「アンダーマイニング効果」は、お金やおもちゃ、お菓子など目に見えるご褒美によって起こる現象だそうです。逆に、目に見えないご褒美では起こりにくいといわれています。つまり、形のないものをご褒美にすればいいのです。例えば、子どもがお手伝いをしたらギュッと抱きしめる、宿題を早く終わらせたら「すごいね」と褒めてあげる——こうした形のないご褒美は、親子のコミュニケーションにもなるのでおすすめです。2. ご褒美をポイントカード方式にするすでに、子どもにご褒美を与え、「外発的動機づけ」によりやる気を引き出している場合は、そこから徐々に「内発的動機づけ」によるやる気に移行させていく必要があります。その手段の一つを、「All About暮らし」子育てガイドの福田由紀子さんが紹介してくださっています。目標を達成できたらシールやスタンプを与えて、一定の数が集まったら、何かと交換できるというシステムです。(中略)また、達成するまでに、たくさんのほめ言葉をもらうことによって、目的が「モノと交換すること」から「認められること」に移行していきます。そして、ほめられることを繰り返すうちに、自分で自分をほめることができるようになっていきます。それが、内発的動機づけ(自発的なやる気)に繋がっていくのです。(引用元:All About暮らし|やる気を育てる! 良いごほうびと悪いごほうびの違い)このように、急ではなく、徐々に移行していくことがポイントです。このやり方であれば、もともと「内発的動機づけ」がなく、ご褒美がなければ行動できなかった子どもも、徐々にご褒美なしで行動できるようになるかもしれません。3. ご褒美を、好ましくない行為をやめさせるために使う書評サイト「新刊JP」には、書籍『行動経済学漫画ヘンテコミクス』(佐藤雅彦、菅俊一、高橋秀明著、マガジンハウス刊)のこんな一コマが紹介されています。ある日、子どもたちが落書きをしていると、いつもとは違って笑顔のおじいさん。「こどもはいたずらするぐらいが元気があってよろしい」そう言うと、なんとおこづかいを渡しはじめました。次の日もその次の日も、おじいさんは落書きをした子どもにおこづかいをあげます。しかし数日後、「すまんがもう今日からこづかいはやれなくなった」「もうお金がないんじゃよ」と急にあげるのをやめてしまいました。すると子どもたちは、すっかり落書きをする意欲をなくしてしまったのです。(引用元:新刊JP|行動経済学を使って「いたずら書き」をやめさせる?その驚きの方法とは)これは、「もともと持っていた『内発的動機づけ』に対して、『外発的動機づけ』がマイナスの影響を与え、やる気を減らしてしまう」という「アンダーマイニング効果」の特徴を逆手にとり、子どものいたずらに対するやる気を消滅させた例です。子どもにやめさせたい行為があるなら、その行為に対してあえてご褒美を与えることで、やめさせることができるかもしれません。例えば、テレビゲームをやめさせたいなら、下記のようなプランを試してみてはいかがでしょうか。(1) テレビゲームのステージを一つクリアするごとにシールをあげる(2) 子どもはシールが欲しくて、ますますテレビゲームに熱中する(3) しばらくしたら、「シールがなくなった」と言って、シールをあげるのをやめる(4) 子どもはシールがもらえないから、テレビゲームをやらなくなるこのように、子どものゲームが好きという気持ち(内発的動機づけ)に対して、シールをもらうこと(外発的動機づけ)がマイナスに影響し、やる気をなくすという展開が期待できます。***“もので釣る”というと聞こえが悪いですが、ご褒美を与えるという行為も、我が子を愛する親の気持ちの表れです。「アンダーマイニング効果」の特徴を知り、ご褒美を上手に取り入れ、子どものやる気を引き出すことに役立ててくださいね!(参考)株式会社日立システムズ|人を活かす心理学【第17回】報酬はやる気を削ぐ? 内発的モチベーションプレジデントオンライン|アドラー心理学で解明「やる気」の出し方ウィキペディア|アンダーマイニング効果URANARU|心理学のアンダーマイニング効果の例と逆の効果All About暮らし|ご褒美を子供のやる気アップに使っていいの?All About暮らし|やる気を育てる! 良いごほうびと悪いごほうびの違い新刊JP|行動経済学を使って「いたずら書き」をやめさせる? その驚きの方法とは
2019年01月26日