俳優の安藤政信が、20日に都内で行われた映画『陰陽師0』(公開中)の公開記念舞台挨拶に山崎賢人(※崎はたつさき)、染谷将太、奈緒、板垣李光人、佐藤嗣麻子監督、山崎貴監督とともに登壇した。同作は、夢枕獏氏の小説『陰陽師』主役の安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリー。原作・夢枕獏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務め、呪術監修に「呪術廻戦」に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した「呪術の日本史」監修の加門七海を迎えている。○■安藤政信、映画『陰陽師0』公開記念舞台挨拶に登場安藤が演じた貞文との陰陽寮でのシーンについて聞かれた山崎は「僕は全然セリフが少なくて、安藤さんがすごい長セリフだったので、自分の短いセリフでミスれないという緊張感がすごかった」と振り返る。安藤も「(監督から)1カットで全部見せるからと言われて、俺のセリフ回しの見せどころだった」と深く頷く。そして「本番の1カット目が結構よかったんですよ! ただ監督はOKを出さなかったので、俺は役者として受けて立たないといけない! と(思った)」と気を引き締めてリテイクに臨んだそう。しかし「受けて立ったことが大失敗になって、そこから2時間半くらい押したんです(笑)」と話し、会場を驚かせた。また、その日は佐藤監督の夫・山崎貴監督が見学に来ていたそうで、「ちょっと傷つきながら、外でちょっと空気吸っていたら、監督の旦那(山崎監督)さんがすぅ~と来て、『嫁がすみませんでした』と(言われた)(笑)」と笑いを誘った。この日のイベントでは山崎監督がサプライズ登場。山崎監督は開口一番「まずは安藤さん、すみませんでした」と謝罪し、会場は大きな笑いに包まれた。
2024年04月20日俳優の板垣李光人が、20日に都内で行われた映画『陰陽師0』(公開中)の公開記念舞台挨拶に山崎賢人(※崎はたつさき)、染谷将太、奈緒、安藤政信、佐藤嗣麻子監督とともに登壇した。同作は、夢枕獏氏の小説『陰陽師』主役の安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリー。原作・夢枕獏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務め、呪術監修に「呪術廻戦」に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した「呪術の日本史」監修の加門七海を迎えている。○■板垣李光人、晴明役の山﨑賢人に羨望の眼差し「印をやりたかった」今作で帝を演じた板垣は「僕は中学生ぐらいの時にアニメとかの影響もあって、呪文を唱えたり、お札を書いてたりしたんです」と告白。「だから、そのときの“中2心”をくすぐられましたし、その世界に自分が入っているという高揚感がすごくありました」と今作に参加した喜びを話した。さらに、帝役ということもあり、作中で呪術を使うシーンがなかったという板垣は、山崎が演じた晴明の印を真似しながら「これを劇中でやりたかった……」と羨ましがっていた。また、「自身の“原点”」についてトークが進むと、板垣は「両親」と書かれたパネルを披露。「気になったことは全部やらせてくれてた両親だったので。だからこの仕事を始めていろんなお仕事をさせてもらうようになったのも両親のマインドから来ているのかなと思いました」と話した。さらに注目のシーンについて聞かれると、板垣は「囲碁を打つ手」と回答。「自分のマニアックなシーンなんですが……」と切り出し、「帝が囲碁を打つシーンがあって、そこで手元の寄り(のカット)があるんですけど、僕は自分の手がすごい好きなので、『撮ってくださって、ありがとうございます!』という感じ(笑)。手をぜひ見ていただきたい」とアピールしていた。
2024年04月20日俳優の山崎賢人(※崎はたつさき)が、20日に都内で行われた映画『陰陽師0』(公開中)の公開記念舞台挨拶に染谷将太、奈緒、安藤政信、板垣李光人、佐藤嗣麻子監督とともに登壇した。同作は、夢枕獏氏の小説『陰陽師』主役の安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリー。原作・夢枕獏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務め、呪術監修に「呪術廻戦」に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した「呪術の日本史」監修の加門七海を迎えている。○■山崎賢人、客席後方から観客の歓声を浴びながら登場山崎らキャスト陣は、客席後方の扉から登場。大きな歓声を浴びながら観客の間を歩いて登壇した。イベントでは、今作にちなみ「自身の原点」についてトーク。山崎は「サッカー」と回答し、「小学校から中3までサッカーをやっていて。楽しみながら一生懸命やるというのは、いまの仕事にも通ずるかなと。個人プレーでもあるし、チームプレーでもあるので繋がっている」と話した。当時は俳優になることは想像もしていなかったそうで「当時はやるならプロ(サッカー選手)になりたいなと思いながらやっていて。(俳優としての)根っこの部分はサッカーで培った」と振り返っていた。この話を聞いた佐藤監督から「足が恐ろしく速い」と水を向けられると、「それもサッカーをやっていたから。50m走とかよりボールを追いかけているときの方が速かったので、運動会とか短距離走のときは『ボールないかな?』と思ってました(笑)」と笑いを誘った。
2024年04月20日映画『陰陽師0』(公開中)の公開記念舞台挨拶が20日に都内で行われ、山崎賢人(※崎はたつさき)、染谷将太、奈緒、安藤政信、板垣李光人、佐藤嗣麻子監督、山崎貴監督が登壇した。同作は、夢枕獏氏の小説『陰陽師』主役の安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリー。原作・夢枕獏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務め、呪術監修に「呪術廻戦」に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した「呪術の日本史」監修の加門七海を迎えている。○■山崎貴監督、妻・佐藤嗣麻子監督を絶賛「良かったです! 本当に」イベントでは、今作のメガホンを取った佐藤監督の夫で、先日『ゴジラ-1.0』で「第96回アカデミー賞 視覚効果部門」を受賞した山崎監督がサプライズで登場。山崎賢人が「この『陰陽師0』の公開をお祝いしてくれる方がもう1人来ております……この方です! どうぞ!」と合図を出すと、舞台袖から登場し、妻・佐藤監督に花束を手渡しながら「公開おめでとうございます!」と声をかけた。2人は同じ専門学校出身だそうで、2000年の映画監督デビュー前には佐藤監督作品のVFXを手掛けていたという山崎監督。「あまりにもお金がなくて、『ちょっとお金持ってきてくれたら俺、なんとかするから』とやってあげる気分でやっていたんです。そうしたら、(映画製作が)始まったとたんにものすごい怖い監督になって(笑)。『山崎くん、あなたの名前が出るんだけど、こんなのでいいの?』とすごく厳しい人に……」と当時を振り返りつつ、笑いを誘う。さらに「こんなつらい思いをするんだったら、自分の作品を作った方がいいと思って監督を目指しました。ある種、僕の原点(笑) 彼女はなんで監督になったかというと、後で聞いたら『山崎くんを羨ましがらせたかったから』と言う理由で目指したらしい(笑)」と明かし、会場を盛り上げた。また、同作の感想について聞かれると「家ではお互いの作品のことを、求められない限りは一切ノータッチ。脚本も読んでませんでしたし、内容も全然見ていなくて、ある日突然観させてもらったんですけど、いや~良かったです! 本当に」としみじみ。「彼女がずっと長い間、『陰陽師』を作りたくて、ものすごい苦労してたのはそばで見ていたので、やっと思いが成就して、これができたんだったら本当に今までの戦いは無駄じゃなかったなと思って。僕はすごく感動しました」と絶賛していた。
2024年04月20日山崎賢人(※崎はたつさき)が若き日の安倍晴明を演じることで話題の映画『陰陽師0』(4月19日公開)。夢枕獏氏の小説『陰陽師』の前日譚となる同作は、平安時代を舞台としている。2024年は大河ドラマ『光る君へ』でも注目される平安時代だが、佐藤嗣麻子監督は「平安時代の建物はほぼ残っていないし、陰陽寮なんて誰も見たことないのに、一から作らなきゃいけない(笑)。『こういうイメージで』というアイディアをたくさん出さなければいけませんでした」と、その世界を表現する苦労を語る。○『源氏物語絵巻』も「平安後期の姿を描いてしまったのではないか」「平安中期についてはあまり絵が残ってなくて。平安後期の12世紀に描かれた『源氏物語絵巻』はあるんですが、実は『源氏物語』が書かれてから150年後に作られているんです。現代でも、例えば150年前の日本ってもう服装も全然違うじゃないですか。写真もない時代ですし、実際に『源氏物語』の時の姿ではなく、平安後期の姿を描いてしまったのではないかと思います」と分析し、とにかく資料がなかったという。作中の美術は洋風にも見える雰囲気をまとっていたが「正倉院とかも、よく見ると意外と洋風なんですよ。いろいろ資料が残ってないので、どのくらい外国のものが入ってきてたのかもよくわからないですし、ラテン語の文書なども残っていたので、ペルシャとの交流などで外国のものも入っていたであろう、という世界観にしたんです」と説明した。当時使われていた糸まで調べて反映したというが、そこまでした理由について「調べないと、資料がないということすらわからなかった」と苦笑する佐藤監督。「調べて資料があるならその通りにしようと思っていましたし、変更するならば自分なりに調べ尽くした上で『ここは映画として嘘をついてます』と明確にしておきたかった」と自分の中での線引きを求めていたそう。「時代劇で見る衣装すら、近年のものだと思うんです。女性の着付け、いわゆる女性の“衣紋道”ができたのは明治時代くらいだそうで。高貴な女性は外に出る必要がなかったので、好き勝手に着ていたらしいんです。それが外国人から写真を撮られるようになって、統一性がないとかっこ悪いということで“道”になり始め、今の十二単にも反映されているそうです。もちろん平安後期からも少しずつ着せ方はできていて、鎌倉時代になるとビシッと糊付けした着物が流行ったそうですが、平安中期はもっとてれんとした、1人で着られる絹の衣装で、人から着せてもらう必要がなかったのではないかと」と、独自の視点と調査と新たな解釈で平安時代を構築した。■佐藤嗣麻子監督1964年生まれ。岩手県出身。ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールにて映画制作を学ぶ。監督作品に、『ヴァージニア』(93)、『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』(95)、『K-20 怪人二十面相・伝』(08)、『アンフェア the answer』(11)、『アンフェア the end』(15)など。『恋におちたら~僕の成功の秘密~』(05)、『アンフェア』(06)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10)、『独身貴族』(13)、『ハイエナ』(23)などの脚本も執筆。(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会
2024年04月12日サッカー元日本代表で、J1リーグ「ジュビロ磐田」所属のゴールキーパー・川島永嗣選手(41)が10日、自身のインスタグラムを更新。「夜桜デート」とつづり、妻“顔出し”のラブラブ夫婦2ショットを公開した。先週末に花見をしたときの自撮りショットで、しっかりと桜が写るように2人は“密着”。夫婦の仲むつまじさがあふれ出た1枚となっている。この投稿に対し、ファンからは「可愛い」「美男美女」「美しすぎます」「わぁ~夜桜デート素敵 ラブラブですね~」「ステキご夫婦」など、さまざまな反応が寄せられている。川島選手は2014年9月に結婚。15年12月に第1子となる長男、20年5月に第2子となる長女、21年11月に第3子となる次女が誕生した。
2024年04月11日山﨑賢人主演の映画『陰陽師0』の日本外国特派員協会記者会見が今月10日に行われ、染谷将太と佐藤嗣麻子監督が登壇した。本作は、完全オリジナルストーリーで、実在した“最強の呪術師”安倍晴明が陰陽師になる前の学生時代を描いた作品。山﨑賢人演じる安倍晴明の相棒・源博雅(みなもとのひろまさ)を演じた染谷は、役作りでの課題について問われ「セリフは現代、世界観は平安。そのバランスを意識しました。平安の世界観を保ちつつ、現代の人に説得力を持たせるのが大変だった」と回答。最も印象に残っているシーンについては「晴明と博雅が初めて出会うシーン。何日もリハーサルを重ね、何度も試行錯誤したシーンで山﨑さんと役を入れ替えることも行った。ふたりの友情が始まるところなので印象に残っています」と振り返った。記者から「(監督の夫である)山崎貴監督から本作について何か感想などあったのか?」と質問された佐藤監督は「家庭内で仲良くするために、普段は互いの作品の感想を伝えることはしないようにしている」と語るも「ただ今回は観たい!ということで観てもらいました。その後どうしても何か言いたそうにしていたので聞いてみると、『面白かった!スゴイよかった。ずるい!』と言ってもらえて安心した」と明かし、山崎作品への出演も多い染谷は記者から「裏切ってしまったというような気持ちはあったか?」と問われるも「いつかご一緒したいと思っていたので、むしろ逆で夫婦の作品に出られて嬉しかったです。夫婦作品を制覇した気持ちです(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。最後に「日本の歴史的な古典でもある陰陽師という題材がこれから世界に届いていくことになるが、世界の観客にどんなメッセージを伝えたいか」という問いに染谷は「目に見えない。耳でも聞けない、においをかげない。そんな情報に溢れていると思います。それはある種みんな“呪”にかかっている状態だと思っています。『主観と客観というのはどうでもよくて、ただふたりで酒を飲んでいる。それが全てなんだ』という本作で好きなセリフがありまして、そこにすごく幸せを感じることができます。実際に身の回りで起きていることを“心”から見ることができるようになってくれれば嬉しいです」とコメント。佐藤監督が「作品を作っているときから、フェイクニュースというのが流行っていた。何が事実なのかというのが分からなくなっていて、私もこれは“呪”にかかっていると思っています。この映画では“事実を見る“という話をしています。これが“呪”を解く唯一の方法であることが伝わると嬉しいです」と締めくくり、会見は終了した。『陰陽師0』()4月19日(金) 公開(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会
2024年04月11日映画『陰陽師0』(5月19日公開)の日本外国特派員協会 記者会見が10日に東京・日本外国特派員協会で行われ、染谷将太、佐藤嗣麻子監督が登場した。同作は、夢枕獏氏の小説『陰陽師』主役・安倍晴明(山崎賢人)の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリーの映画。原作・夢枕氏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務め、呪術監修に『呪術廻戦』に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した『呪術の日本史』監修の加門七海を迎えている。○■映画『陰陽師0』日本外国特派員協会記者会見実施佐藤監督は、先日『ゴジラ-1.0』で第96回アカデミー賞 視覚効果賞を受賞した山崎貴監督と結婚しているが、何か同作への感想があったのかという質問に「家庭内で仲良く暮らすために、私たちは仕事の話を一切しない、お互いの映画も基本的には観ない、観ても感想を言わないという約束があります」と明かし、会場を驚かせる。しかし「(山崎監督が)『今回は観たい』ということだったので、試写を観せて、帰り道ずっと黙って歩いてたんですけど、何か言いたそうにしてて」と続けた佐藤監督。「ずっと『言わせて、言わせて』と言うから、『ええ〜』『なんかイヤなこと言わないでね』と言ったら、『面白かった』『すごいよかった、ずるい』と言ってくれました」と好反応だったという。今回、源博雅を演じた染谷も、主演を務めた『寄生獣』シリーズなどの山崎監督作品に出演している。「佐藤監督の作品に出たことで、山崎監督を裏切ったのではないか」と冗談混じりに質問されると、「逆ですかね。ずっと嗣麻子さんともいつかやれたら嬉しいなと思っていたので、夫婦を制覇して嬉しいです。自分も、山崎さんからも『面白かった』とメッセージをもらえて嬉しかったですね」と喜び。佐藤監督は「私も、実は染谷さんの奥さん(菊地凛子)を制覇しようと思ってます」と応じ、会場には笑いが起こっていた。また、最後に「『陰陽師0』というタイトルで、旦那さんが『ゴジラ-1.0』というタイトルで、何かちなんだところはありますか?」と聞かれると、佐藤監督は「『-1.0』より勝つために『0』にしました」とサービストークで盛り上げた。
2024年04月10日柚木麻子さんの新作『あいにくあんたのためじゃない』は、読めば元気が出る短編集。困った状況からの起死回生。絶対へこたれない全6編。「その時どきで一編ずつ書いていったので、全体を通してのコンセプトは特に決めていなかったんです。本にまとめる時に編集者に“タイトルはどうしますか”と聞かれて。ちょうどその頃、モーニング娘。’23の『Wake‐up Call』があまりにいい曲で歌いまくっていたんですが、歌詞にある“生憎あんたのためじゃない”がこの本の内容にぴったりだなと思って。ハロプロにも許可をいただいてタイトルにしました」他人に惑わされることなく、自分のために生きていこう。そんな気持ちになれる全6編。意外なことに、ほとんどがご自身や周囲の実体験に基づいているのだとか。たとえば、中庭で子供が騒いでもOKというルールのあるマンションが舞台の「パティオ8」。緊急事態宣言のさなか、リモートワークの男性から苦情がきて中庭が使用できなくなる。「これは知人の実話がもとになっています。子供を外に出せなくなったことが原因で引っ越していった家庭もあったそうです。その話を聞いて、なんとかハッピーエンドにできないかな、と思って、住民たちが一計を案じる話を作ってみました」一方「トリアージ2020」は、「私の友達が主人公と同じように、コロナ禍に妊娠中のシングルマザーだったんです。彼女の家の近所に私の母が住んでいたので、母に食べ物を届けさせようかと思ったことから思いついた話です」また、「めんや評論家おことわり」は、仕事を干された傲慢なラーメン評論家が、入店を断られ続けてきた人気店にようやく足を踏み入れることができて…という話。「前に、雑誌の特集で、ホモソーシャルな世界として、厳しいルールがあったり、女性や子連れが入りにくいラーメン店について書くことになったんです。まず自分で作ってみようと思って専門書を読み漁り、映画『タンポポ』を繰り返し観て調理の極意をメモして、自分でラーメンを作ってママ友たちに振る舞ったら、かつてない熱狂で受け入れられました。ちやほやされて調子に乗ってラーメン作りを追究しているうちに、腕組みして友人がスープを味わっている顔をじっと観察するという、漫画に出てくるラーメン店店主みたいになってしまって。気づけば自分自身がホモソーシャルな世界に染まっていたんです。自分が敵認定しがちな人のことを、好きにはなれないけれど、ちょっと分かったことはよかったです」そんな経験からできたこの短編、意外な結末が待っている。他に、地方都市に転勤した女性が年下の女の子の夢を叶えようと先走る「BAKESHOP MIREY’S」、起死回生をはかる元アイドルの男が動画がバズり中の女性を探す「スター誕生」など、どれも軽快でアイロニカルな短編ばかり。スカッとした気持ちになりたい時に、ぜひ。『あいにくあんたのためじゃない』過去の記事が炎上、謝罪文を出したラーメン評論家の佐橋に、出禁だった人気店から声がかかり――「めんや評論家おことわり」ほか5編。新潮社1760円ゆずき・あさこ2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞、同作を含む『終点のあの子』で単行本デビュー。’15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞。※『anan』2024年4月3日号より。写真・土佐麻理子(柚木さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2024年04月03日山崎賢人が安倍晴明役を演じる『陰陽師0』より特別PVが解禁された。原作・夢枕獏の全面協力のもと、佐藤嗣麻子監督の手により、いままで描かれることのなかった最強の呪術師・安倍晴明の若き日を映画化した本作。この度解禁となった特別PV第二弾では、圧巻の映像で、本作のために集結した最強のスタッフとキャストが描く、美しき平安京の世界観を存分に堪能できる。本作のVFXを手掛けたのは、山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞し、歴史的快挙を成し遂げた「白組」。安倍晴明の伝説が残る大覚寺、仁和寺といった大規模なロケーションで撮影された印象的な場面が次々と映し出され、とくに、源博雅(染谷将太)と徽子女王(奈緒)の花咲く空間は、佐藤監督のこだわりの一つでもあり、鮮やかな色彩が目を惹くハイクオリティなVFXに仕上がっている。本映像のナレーションは、アニメ「呪術廻戦」の両面宿儺役でも知られる声優の諏訪部順一が務めた。夢枕獏原作の朗読劇「陰陽師 ~藤、恋せば~」で安倍晴明を演じた経験もあり、本作と所縁の深い豪華コラボレーションが実現。映像の最後には、原作者である夢枕獏が「晴明が晴明たる世界観、“呪”の表現、呪術の演出、すべてが素晴らしい」と大絶賛するコメントも寄せられている。『陰陽師0』は4月19日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:陰陽師0 2024年4月19日より公開©2024映画「陰陽師0」製作委員会
2024年03月19日パニックサスペンス映画『新幹線大爆破』が、Netflix映画としてリブートされることが決定。併せて監督を樋口真嗣、主演を草彅剛が務めることが発表された。『新幹線大爆破』は、1975年に佐藤純彌監督がメガホンを取り、東映が製作した作品。その人気は海を越え、後に映画『スピード』(ヤン・デ・ボン監督)に影響を与えるなど、多くの映画人や鉄道ファンにも愛されている。樋口監督と草彅がタッグを組むのは、2006年に公開された映画『日本沈没』以来18年ぶり。樋口監督は元々原作のファンであり、本作では爆弾を抱えた新幹線の内外で起こる様々な危機を、最新のVFXと特撮を融合させ、新たな“新幹線大爆破”として創出する。■草彅剛 コメント樋口監督とは18年ぶりにタッグを組むのでとても楽しみです。世界をドキドキさせられる作品を作り上げたいと思います!前作の主演の高倉健さんの気持ちを受け継ぎ、全力で挑みます。■樋口真嗣監督 コメント子どもの頃からの憧れ、新幹線・超特急。かつては210キロを誇っていた最高時速も今では320キロ。高速化に比例した緊張感。そして複雑化し混沌とした閉塞感を孕んだ時代の“止まることのできない新幹線”が、まもなく出発します。犯人の要求は?交渉は?運行を管理する事業者の策は?人質となった乗客たちの運命は?その時、あなたならどうする?空前のスケール、ショッキングな展開をシャープに描きます。ご期待ください。■エグゼクティブ・プロデューサー 佐藤善宏(Netflix)コメント『新幹線』は日本の絶対的な信頼と安全性を象徴する世界中が認める鉄道インフラです。その一方で、その原則を逆手に取り危険性を最大限に表出したタイトル『新幹線大爆破』は日本が世界に誇る映画のひとつです。この安全性と危険性の極端な要素を融合させてしまった非現実性こそが、エンターテイメントの力を引き出す魅力的なコラボレーションの作品だったと言えます。そして、約半世紀の時を経て、この新たなリブート作品は、より洗練された安全性と新たな映像技術で描かれる危険性によりさらなるエンターテイメントの高みを目指せる作品になると確信しています。ただただ、純粋にオモシロい!と叫んで頂ける作品を日本のみならず世界のお客様にお届けできるようスタッフ・キャスト一同全力を尽くします。<作品情報>Netflix映画『新幹線大爆破』Netflixで配信予定
2024年02月29日映画『陰陽師0』のキックオフイベントが、本日2月19日(月)仁和寺にて行われ、山崎賢人、染谷将太、奈緒、監督の佐藤嗣麻子が登壇した。イベントの舞台となった世界遺産・仁和寺は、本作のロケ地であり、映画のイベントが行われるのは初だという。京都三大門のひとつとも数えられ、玄関、正門にあたる、“二王門”が開かれキャストが登場し、深紅のカーペットを練り歩き、二王門を背に五芒星が記された特設ステージに揃った。“若き”安倍晴明役の山崎さんは「昔から残っていて、世界遺産となる場所はパワー、エネルギーがすごいと思うので、そのような場所で晴明を演じたことで、エネルギーが満ち溢れる映像となりました。金堂の中も研ぎ澄まされた空間で、静寂に包まれていました。完成した作品にも映し出されているので注目してほしいです」と通常は非公開となっている国宝・仁和寺金堂での貴重な撮影をふり返った。また、貴族・源博雅役の染谷さんは「歴史を刻んできた場所に立って、演技するというのは賢人くんが言うように、エネルギーや場所の力を借りて演技をさせていただきました」、事件に巻き込まれる徽子(よしこ)女王役の奈緒さんは「(私の撮影は)夜のシーンが多く、東京にはない暗闇を感じました。没入感のある中での撮影でした。また、とても美しい衣装も着させていただきました」と世界遺産の大覚寺や岩手の歴史公園えさし藤原の郷に組まれた大規模なセットなどを挙げ、本作のスケールの大きさを感じさせた。完成した作品については「率直にとても面白かったです。現場では想像でしかなかった呪術を使うシーンやVFXの部分を完成した作品で観られて、嬉しかったです」(山崎さん)、「想像を超えて面白かったです。壮大なエンターテイメントでずっとスクリーンに釘付けでした」(染谷さん)、「誰かと語り合いたいと思う作品でした。とても美しくて、誰も見たことがない作品が国宝と呼ばれる場所で撮影されて、それがスクリーンに閉じ込められてる。そんな今だから出来る奇跡みたいなものが集まった作品です」(奈緒さん)とそれぞれ感想を述べた。さらに、山崎さん演じる晴明について染谷さんは「かっこよさの中に繊細さがあった。安倍晴明もひとりの人間なんだなと思いました。それにすごく感動しました」と語り、奈緒さんも「完全無欠にみえるが、実は弱い部分があって、それを乗り越えた人なんだなと思いました。作品を見ることで安倍晴明という人物を心から愛することができました」と絶賛。そして、最後に山崎さんから「日本の呪術はここから始まります。是非スクリーンで楽しんでください」と挨拶があり、神秘的な雰囲気を感じながらキャスト陣は降壇し、イベントは終了した。『陰陽師0』は4月19日(金)より公開。※山崎賢人の「崎」は、正しくは「たつさき」(シネマカフェ編集部)■関連作品:陰陽師0 2024年4月19日より公開©2024映画「陰陽師0」製作委員会
2024年02月19日映画『陰陽師0』キックオフイベントin京都が19日に京都府・仁和寺で行われ、山崎賢人(※崎はたつさき)、染谷将太、奈緒、佐藤嗣麻子監督が登場した。同作は、夢枕獏氏の小説『陰陽師』主役の安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いた完全オリジナルストーリー。原作・夢枕獏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務め、呪術監修に「呪術廻戦」に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した「呪術の日本史」監修の加門七海を迎えている。○■映画『陰陽師0』キックオフイベントin京都に山崎賢人が登場この度、同作のロケ地であり、映画のイベントが行われるのは“初”となる、世界遺産“京都・仁和寺”でイベントを実施。京都三大門のひとつとも数えられ、玄関、正門にあたる、“二王門”が開かれると、キャスト・監督が登場し、深紅のカーペットを練り歩いた後、大迫力の“二王門”を背に、五芒星が記された特設ステージに並んだ。初めに「撮影でもお世話になった仁和寺でイベントが出来て、とても嬉しいです」と山崎より挨拶があり、イベントがスタート。仁和寺をはじめとした、壮大なロケ地での撮影について、山崎は「昔から残っていて、世界遺産となる場所はパワー、エネルギーがすごいと思うので、そのような場所で晴明を演じたことで、エネルギーが満ち溢れる映像となりました。金堂の中も研ぎ澄まされた空間で、静寂に包まれていました。完成した作品にも映し出されているので注目してほしいです」と通常は非公開となっている国宝・“仁和寺金堂”(にんなじこんどう)での貴重な撮影を振り返った。染谷は「歴史を刻んできた場所に立って、演技するというのは賢人くんが言うように、エネルギーや場所の力を借りて演技をさせていただきました」、奈緒は「(私の撮影は)夜のシーンが多く、東京にはない暗闇を感じました。没入感のある中での撮影でした。また、とても美しい衣装も着させていただきました」と世界遺産である“大覚寺”(だいかくじ)や岩手の“歴史公園えさし藤原の郷”に組まれた大規模なセットなどを挙げ、本作のスケールの大きさを感じさせた。ロケ地として仁和寺を選んだ理由について佐藤監督は「天皇家に代々縁のあるお寺で、晴明が教えを請いに行った人物が実際にいた場所とされている場所だったので採用しました」と説明した。完成した作品について山崎は「率直にとても面白かったです。現場では想像でしかなかった呪術を使うシーンやVFXの部分を完成した作品で観られて、嬉しかったです。僕も呪術を使えるようになりたいですね」、染谷は「想像を超えて面白かったです。壮大なエンターテイメントでずっとスクリーンに釘付けでした」、奈緒は「誰かと語り合いたいと思う作品でした。とても美しくて、誰も見たことがない作品が国宝と呼ばれる場所で撮影されて、それがスクリーンに閉じ込められてる。そんな今だから出来る奇跡みたいなものが集まった作品です」とコメント。また佐藤監督は「まずは獏さん、そして獏さんのファンを喜ばせたいという気持ちでした。原作から外れないように意識しました。作品を見て、獏さんが泣いてくださったので、すごく嬉しかったです」とこみ上げるものがあったのか、言葉を詰まらせる瞬間も。並々ならぬ想いで本作に挑んだことをうかがわせた。安倍晴明の知られざる学生時代を描いたことでも話題となっているが、山崎が演じた“若き”安倍晴明について、染谷は「かっこよさの中に繊細さがあった。安倍晴明もひとりの人間なんだなと思いました。それにすごく感動しました」、奈緒は「完全無欠にみえるが、実は弱い部分があって、それを乗り越えた人なんだなと思いました。作品を見ることで安倍晴明という人物を心から愛することができました」と絶賛する。山崎は「とても恰好良かったと客観的に見て思いました。陰陽師になる前の“若き”安倍晴明、博雅との関係性を監督と染谷君3人で作っていくことが非常に楽しかったです」と充実した撮影を振り返り、「最強バディ誕生だよね」と染谷と顔を見合わせた。なぜ今映画化したのかについて佐藤監督は「作品の中で暗示や思い込みを “呪”(しゅ)と呼んでいるのですが、昨今のインターネットも事実が何かというのは関係なく、検証することなく論争する世の中になっていて、みんな“呪”にかかっているなと気づきました。それを祓えるのは昔からのヒーローである安倍晴明しかいないと思ったんです」と現代と呪いの関係性と共にその必然性を語る。呪術によって顕現する、火龍と水龍の激突や“舞い”のアクションなどについて、山崎は「圧倒的なスケールでした。晴明の人間離れした動きを表現するために、重力を感じさせないアクションに挑戦しました。アクション監督である園村さんが羽生結弦さんの演技を見て着想を得たとおっしゃっていました」と裏側を明らかに。“安倍晴明生誕1100年”ということで、若者の中でも“呪術”や“陰陽師”に興味がある方々が多いという。その魅力について問われると、「心の闇を祓ってもらいたい人が多いんだと思います」と佐藤監督。染谷は「呪術というのは人の感情、愛情、憎しみ、関心に深く関わっている。そこにはドラマがあって、洗い流したいという欲求があるのかなと思いました」、山崎は「自分自身に“呪”をかけてしまっていたり、目に見えるものだけで判断してしまう世界になっていて、目に見えない心の部分を大事にしたいという本質があるからなのかなと思います」と各々想いを語った。最後に山崎は「日本の呪術はここから始まります。是非スクリーンで楽しんでください」と締めの挨拶を行った。
2024年02月19日漫画化やドラマ化、映画化、舞台化などあらゆるメディアミックスも多彩で人気を博す夢枕獏氏の小説『陰陽師』。この度、新たに俳優の山崎賢人(※崎はたつさき)が若き日の安倍晴明を演じる映画『陰陽師0』が4月19日に公開される。○原作・夢枕獏氏からの「やってよ」から生まれた映画『陰陽師0』今作は、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズなどを手がけた佐藤嗣麻子監督が脚本・監督を務めたが、実は原作者の夢枕氏とは旧知の仲だという。「獏さんがまだ『陰陽師』を書く前から知り合いで。40年ほど前に『ファンです』と講演会に行きました。その頃は獏さんがまだ32〜3歳で、私は19歳の大学生。北海道で行われていた『日本SF大会 EZOCON』の運営委員だったので、SF畑の方たちとは仲良しでした。獏さんのサークルに呼んでいただき、入り浸るようになり、仲良しになって。私も監督になり『陰陽師やってよ』と言われたので、『やるやるやる』みたいな昔の口約束だったんです」と佐藤監督。また佐藤監督が「博雅の設定が間違っているのを発見した」という驚きの発言も。「獏さんは当初博雅を武士として書いていたけど、調べたら貴族だったので、獏さんと(コミカライズ担当の)岡野玲子さんにガンガン資料を送ったんです。最近になって獏さんが『すみません』と謝ってました。だから今回、博雅は貴族になっています」と、旧知の仲だからこその指摘による設定で同作を撮っているという。「見どころはズバリ呪術。監修の加門七海さんが『こんな本格的なの?』と驚かれていた」という監督。『アンフェア』シリーズが映画として完結した直後から今作に関わっていたといい、「初稿を書いたのは2016年11月で、この頃はまだ日本で『呪術』という単語がポピュラーじゃなかったんです。ただ、2018年から『呪術廻戦』が始まって、いまやみんなが知ってる言葉になっていて、ありがたいです!」と巡り合わせに喜びも。作中では東洋ならではの表現として「龍をエレメントの状態として描きたい」という思いを実行。西洋の竜のような生物ではなく「風、火、水、土、木といったエネルギーとして現れる」ものとして描いているのも見どころのひとつだという。さらに「物語的には、晴明と博雅(染谷将太)の友情。原作にあるので、きちんと描かなきゃいけない。原作では40歳ぐらいの人たちなので、若い頃の出会いを描いてます」「あとは実在する三十六歌仙の1人である徽子(よしこ)女王(奈緒)と博雅の恋で、この行方と徽子女王の結末を読み取ってほしい。陰陽寮でのベテラン勢の権力争いも面白いので、仕事のことで悩んでる方は見てほしい」と物語のポイントを挙げた。○“呪術”という言葉も流行り…「呪術オタクが観ると興奮するはず」35年前からの構想が、2020年ごろから形になり、さらには2024年に公開されることに。「呪術」という単語が一般的となり、大河ドラマ『光る君へ』放映で平安時代に注目が集まっているだけでなく、辰年に龍を描く……とさまざまな要素が集まったが、佐藤監督は「すべて必然です」ときっぱり。「晴明のセリフですけど、起きることは起きるし、起きないことは起きません。本当に呪術です。私、元々呪術オタクなので。『エコエコアザラク』にも通じますし、『あの呪術を使ってる』とか解説もしたいくらい」と笑顔を見せる。実際に「カルロス・カスタネダという南米の呪術師の“夢見の技法”というのがあって、私は高校生の時に練習してたんです。明晰夢が見れて」と意外な告白も。同作でも「いつも同じところに戻って来れるように夢の中の風景を覚えておかなければいけなくて、晴明がいつも同じ風景を夢で見ているのは、夢の中のポータルポイントとなっているからなんです。また、夢の中では手を見なきゃいけない。やってみるとすごく大変なんだけど、夢は潜在意識と繋がっているのでいろんな情報を得られるし、夢を通してテレポーテーションもできるらしいんですよ。この作品を呪術オタクが観ると興奮するはず」と、“呪術”の描き方にも自信を見せた。■佐藤嗣麻子監督1964年生まれ。岩手県出身。ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールにて映画制作を学ぶ。監督作品に、『ヴァージニア』(93)、『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』(95)、『K-20 怪人二十面相・伝』(08)、『アンフェア the answer』(11)、『アンフェア the end』(15)など。『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』(05)、『アンフェア』(06)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10)、『独身貴族』(13)、『ハイエナ』(23)などの脚本も執筆。(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会
2024年02月14日俳優・佐藤健が、自身の公式YouTubeで“佐藤健アワード”を発表する映像を公開した。来年は、シリーズ完結編となる「義母と娘のブルースFINAL2024年謹賀新年スペシャル」や、川村元気の恋愛小説を映画化した『四月になれば彼女は』の放送・公開が控える佐藤さん。今回の映像は、“佐藤健アワード”と題し、漫画/A(佐藤健プロデュースアパレルブランド)/旅行/映画・ドラマ/音楽/謎解き/写真という7部門での最優秀賞を決めていくというもの。最初はお蕎麦をたしなみながら、それぞれについて熱く語る佐藤さんが見られ、その作品に触れてみたくなる、これまでのYouTubeをまた見たくなるような映像となっている。映像を見た視聴者からは「推し(健さん)が推し(トム様)の話してるの最高!」、「お話も面白いから最高大好き」、「健さんと会話してるようで楽しかった漫画買います」、「漫画よんでみます!」、「好きな映画やドラマが共感できて嬉しい」、「私も大好きな作品」などと、反響を呼んでいる。なお、佐藤さんが今回映画・ドラマ部門で挙げた『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、トム・クルーズがIMFのエージェントであるイーサン・ハントを演じるシリーズ第7弾。イーサンのバイクアクションが公開前から大きな話題となっていた。本作は現在、各配信サイトやBlu-ray&DVDで観ることができる。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 7月21日(金) 全国公開©2022 PARAMOUNT PICTURES.
2023年12月08日2023年11月7日、俳優の佐藤二朗さんがX(Twitter)を更新。投稿した写真に、大きな反響が寄せられています。佐藤二朗「これはアレか。トリックアートか」同月現在放送中の、テレビドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(フジテレビ系)に出演している、佐藤さん。ドラマで共演する俳優の橋本環奈さん、安藤嗣海さんとのスリーショット写真を公開しました。豪華なメンバーがそろった写真を見て、佐藤さんは、ある疑念を抱いたようで…。これはアレか。トリックアートか。この三人は本当に同じ星の生き物なのか。 pic.twitter.com/3GxEIBf1cc — 佐藤二朗 (@actor_satojiro) November 7, 2023 顔の大きさや身長、スタイルが3人ともにまったく異なるため、1列に並んでいるように見えず、「本当に同じ星の生き物なのか」とツッコミを入れたのです…!特に、2人と並んでいる橋本さんの顔がとても小さく見えることに、ネット上では驚きの声が続出。投稿には、さまざまなコメントが寄せられました。・立ち位置はだいたい同じなはずなのに、遠近感があるように見える…。・脳がバグった。確かにトリックアートだ。・佐藤さんが2mくらい前にいるように見えます。・合成写真みたいで笑った。3人とも素敵!人それぞれ、背格好が違うのは当たり前のこと。ただ、まったく異なる3人が集まると、こんなふうに不思議な写真に仕上がるのは、面白いですね。3人は、俳優としても三者三様な魅力で、今後も私たちを楽しませてくれることでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年11月07日「存在するとはいかなることか」という問いを掲げ、観る者の身体の感覚を揺さぶるような大規模なインスタレーションを創り出す現代美術家・大巻伸嗣(おおまき しんじ/1971−)。日本はもとより、世界各地を舞台に活躍を続ける大巻の大型個展が、東京・六本木の国立新美術館で、11 月1日(水)から12 月25日(月)まで開催される。現代社会がどのような歴史を経て今に至り、現在どのような問題を抱えているかを深く考察し、その思考をもとに作品の着想を得てきた大巻は、2011年の東日本大震災と福島の原発事故に大きな衝撃を受け、2016年に《Gravity and Grace》の制作を開始した。原子力という諸刃の剣を抱える現代社会を批評するこのシリーズのタイトルは、フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユの箴言集『重力と恩寵』に由来している。今回の展覧会の大きな見どころのひとつは、この《Gravity and Grace》の最新バージョンが登場すること。様々な動植物からなる繊細かつ濃厚な文様を施された大きな壺から放たれる強烈な光と、それが生み出す影は、核分裂反応の爆発的なエネルギーの象徴とも言える光と原子力が引き起こした未曽有の人災を示唆する。その魅惑的な光と、そこに吸い寄せられる人々の姿を通じて、エネルギーに過度に依存した今日の社会を批評しているのだ。同展ではこのほか、人の意識と切り離せない「言語」をリサーチするなかで考察されてきた「生きるとはいかなることか」という根源的な問いに基づいて、新型コロナウイルス感染拡大の時期に制作された新作の映像インスタレーションも発表される。3.11とパンデミックに挟まれた約10年の間に大巻が探求してきた文明と自然、生と死への考察の深化が、国立新美術館の広大な空間を活かしたダイナミックな展示で目の当たりにできるのが、同展の大きな魅力だ。同展ではまた、立体造形、光、映像、音響を駆使した巨大なインスタレーション3作品とともに、その圧倒的空間を創出するために描かれた無数のドローイングが展示されるほか、会場内ではパフォーマンスや詩人・関口涼子とのコラボレーションによるプログラムも予定されている。大巻が創り出す現代の「総合芸術」を体感しに、ぜひ会場を訪れたい。<開催情報>『大巻伸嗣Interface of Being真空のゆらぎ』会期:2023年11月1日(水)〜12月25日(月)会場:国立新美術館企画展示室2E時間:10:00〜18:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)休館日:火曜料金:無料公式サイト :
2023年10月17日映画『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』の大ヒット御礼舞台あいさつが7日、都内で行われ、音楽プロデューサーの小室哲哉がこだま兼嗣(総監督)、長崎行男(音響監督)、若林豪(プロデューサー)とともに登壇した。1985年に北条司が『週刊少年ジャンプ』にて連載を開始した『シティーハンター』。単行本の累計発行部数は5,000万部を超え、TVアニメシリーズから約20年ぶりの復活となった2019年公開の映画『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』は観客動員100万人を超える大ヒットを記録した。本作はそれに続く劇場版で、初週週末ランキングでは動員・興行収入ともに1位を記録。公開2週間で動員50万人を突破するなど話題を集めている。そんな本作の大ヒットを記念して行われた舞台あいさつにおなじみのエンディングテーマ曲「Get Wild」と、本作のためにオープニングテーマ「Whatever Comes」を書き下ろしたTM NETWORKの小室哲哉が登壇。オープニング曲は昨年の暮れにオファーがあり、去年の内に作曲したという小室は「何となくですが帰り道にできてしまいました。発表が今年の6月だったので、本当に長い半年でそこから皆さんに聴いてもらうまで2カ月や3カ月。今年終わってしまうのでこのままループしたいぐらいです」と満足げ。オープニング曲がオリコンのシングルランキングで10位にチャートインし、TM NETWORKとしては1980年代からそれぞれの年代でトップテンを果たすという偉業を達成したが、「やたら長くやっているというのもあります」と謙そんしつつ「TM NETWORKとして最初のオリコンベスト10は『Get Wild』。最新の『Whatever Comes』もシティーハンターのお陰で頭と終わりを締めてくれるという、囲ってくれているという感じですね」と『シティーハンター』に感謝しきりだった。オープニング曲「Whatever Comes」の誕生秘話にも言及した小室。「シナリオがアニメの場合は大事なので読み込むんです。小室みつ子さんは脚本を読むのが苦手で、電話で説明してくれと(笑)。今日は遅いので明日説明すると言って次の日に最後のエンディングまで話さなければいけないんです。オープニングなのに(笑)。それを聞いて『なるほど。よく分かった』と言ってくれて詞が出来たので歌にはめました。曲とはいえ幾つものもの工程やOKが出るまでのプロセスがあって、全部クリアしなければいけませんでした」と曲が出来上がるまでの苦労を明かした。そのオープニング曲を聴いたこだま総監督は「後半かなりシリアスになり、前半は明るくてテンポの良いモノをお願いしたんですが、ノリが良くて非常に気持ちよく画面に入っていける曲でした」と褒め称え、「クライマックスでかかる曲(『Angie』)があまりに素晴らしかったので、映像に音を付けてみたところあまりに感動してしまって拍手をして声に出したぐらい。50年ぐらいこの世界にいますが、感動して声を上げたのは初めてです」と小室の才能に驚いたという。こだま総監督が感動した「Angie」について小室は「軽くちょっと弾いてみたんですが、これも降ってきた感じ。テーマ7音しか使っていなくて、珍しくシンプルです。これも15分ぐらいでだいたい出来ました」とこだま総監督らを驚かせていた。
2023年10月08日女性たちの本音を代弁、考察し、鼓舞する小説を書き続ける柚木麻子さん。『きょうの料理ビギナーズ』などでの連載をまとめた、単著での初エッセイ集『とりあえずお湯わかせ』も、必ずや共感を呼ぶだろう一冊だ。タイトルの由来は、お母さまの口癖。重い腰を上げるとっかかりとして、家訓のように柚木さんにも引き継がれているという。人気作家の初めてのエッセイ集は、元気を取り戻すためのカンフル剤。「連載の最初にそう書いたのですが、すぐに、実は母が桐島洋子さんのベストセラー『聡明な女は料理がうまい』から、ある部分のエッセンスをとったものだとわかって。小耳に挟んだところでは、料理家の故・小林カツ代さんも『お湯わかせ』と言っていたらしいです。’80年代から女性たちをエンパワーメントしてきた彼女たちの核にもなった名言であり、コンビニもSNSも時短アイデアも便利家電もいまほどないとき、まずはお湯というのは、家事を担っていた人にとってのライフハックでもあったのだなと。それを聞いて読んで育った私も、見習っています」エッセイのテーマは広く、料理やワンオペ育児のこと、小さなイベント、コロナ禍、思い出、フェミニズム…。どれも、むちうちが心配になるほど首肯してしまう。「私の理想のエッセイとは何かと考えてみたら、妄想が暴走するものなんです。私自身が、うっかり『良さそうなこと』に飛びついて、実行してしまうタイプですし」連載中に、女子教育に貢献した河井道の半生を軸にした長編小説『らんたん』を執筆。資料として、戦時中の婦人雑誌などを読み込んだ。「戦争の苦しい状況を楽しくする工夫とかが面白くて。それによかれと飛びついて、後悔することになってもいい。大切なのは声を上げること、連帯することだと言いたいですね」読むと、この4年ほどに日本で何が起きたかが、ありありとわかる。「子どもに野菜を食べさせなきゃとか、ものすごい工夫していましたね、私。子どもは『野菜は大人になったら食べる。いまはまだそのときじゃない』と理屈で抵抗できるくらいに成長していますが(笑)。ただ、私だけでなく社会もメディアも変わった。私への仕事のオーダーも、ジェンダーに関するものが増えました」現在もエッセイは連載中。柚木さんの書く“いま”には、読者の“いま”を見つめるヒントもてんこ盛り。『とりあえずお湯わかせ』連載エッセイ(2018年~’22年3月)、他誌に書いたもの、書き下ろし(章ごとに「後日談」、各編にセルフコメント)を合わせた59編。NHK出版1650円ゆずき・あさこ1981年、東京都生まれ。2010年にデビュー短編集『終点のあの子』を刊行。’15年、『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。『BUTTER』など著書多数。※『anan』2022年11月16日号より。写真・土佐麻理子(柚木さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年11月14日Deep Sea Diving Clubが、新曲「Left Alone feat.土岐麻子」を9月28日に配信リリースすることが決定した。「Left Alone feat.土岐麻子」は、数々のタイアップソングの歌唱、ジャンルを問わず多方面での活躍を魅せ、自身の作品でもロングセラーを果たしているシティポップ界の象徴的な存在である土岐麻子とタッグを組んだ楽曲。配信に先駆けて、Apple MusicではPre-Add、SpotifyではPre-Saveがスタートしている。2019年に福岡で結成されたDeep Sea Diving Clubは、谷颯太(Gt./Vo.)、出原昌平(Ds./Cho.)、鳥飼悟志(Ba./Cho.)、大井隆寛(Gt./Cho.)からなる4人組バンド。メンバー全員が曲作りを担当し、ロック、R&B、ジャズなどジャンルレスな音楽性、メロウでフリーキーな作風が特色となっている。■谷颯太(Deep Sea Diving Club) コメント死滅回遊魚をご存知でしょうか?彼らは暖かい潮流に誘われてやってくる魚のことで、たどり着いた地で冬を越せずにその生命を終えますタイドプールという潮の満ち引きで生まれる限定的な海岸を彷徨う様に泳ぐ彼らはまるで行き場を失った恋人達みたいだな、と思い筆を取りましたそして鮮やかな夏から物悲しい秋へと移ろうこの季節も心が離れていく恋人そのものにみえますこの独特の淋しさを土岐麻子さんの優しい歌声と共にとびきりのダンスビートに乗せました浸るもよし、踊るもよしです■土岐麻子 コメント彼らのドラマチックでワクワクする音楽は「TENJIN」を飛び越え、あらゆる街で愛されることになるだろうと信じています。今回私は作詞と作曲から参加することが出来ました。まるでこの素晴らしいバンドの一員になったような気持ちで、とても嬉しいです。<リリース情報>Deep Sea Diving Club デジタルシングル「Left Alone feat.土岐麻子」9月28日(水) 配信リリースDeep Sea Diving Club「Left Alone feat.土岐麻子」ジャケットPre-Add / Pre-Saveリンク:<ライブ情報>【from now on】~club vijon 20th anniversary~10月7日(金) 大阪・北堀江club vijon出演:ENFANTS / Deep Sea Diving Club / maruship / 不眠旅行(O.A.)MINAMI WHEEL 2022大阪・心斎橋エリア※Deep Sea Diving Clubは10月8日(土) に出演CRAFTROCK CIRCUIT ’22東京・吉祥寺エリア※Deep Sea Diving Clubは11月13日(日) に出演関連リンクYouTube::::
2022年09月23日「はじめての独立短編集が出せて本当に嬉しいです」と、柚木麻子さん。新作『ついでにジェントルメン』は一編一編独立した話を収録した作品集だ。刊行を喜ぶわけは巻頭の「Come Come Kan!!」を読めば分かる。新人作家・覚子(さめこ)が、単発作品として書いた短編を元に連作集を書けと言われてスランプに陥る話なのだ。編集者からのダメ出しと説教に疲弊する彼女に、ある日突然話しかけたのは文藝春秋の創業者、菊池寛の幽霊。気ままな寛に振り回されながら、覚子は少しずつ解放されていく。女性も男性も解放してくれる、豪快で痛快な初の独立短編集。「私もデビュー当時、書くつもりのない連作集の依頼が続いて、断れずに悩んでいたんです。この短編を書いたことで勇気が芽生えて、これを収録する本は連作にしたくない、と伝えることができました」収録されるのは一話完結だからこそのユニークな設定&展開の作品ばかり。どれも女性陣は逞しく生きていて痛快。一方男性陣は、ホテルで子ども連れの客に翻弄される老作家や、独善的な考えで女性専用車両に乗り込む迷惑男もいれば、女性に協力的な人物も。たとえば「あしみじおじさん」では、秘密裡に貧困女性をサポートしようとする男性が登場。「『あしながおじさん』など小さい頃に好きだった欧米の少女小説の現代日本版をやってみました。大人になって気づいたのですが、ああいう児童小説って、富める者が貧しい者を支えるという、シェアの精神が描かれていたんですよね。明るくて物事をはっきり言う少女が周囲に気に入られるパターンも多かったんですが、あれは持たざる者だって自己主張していいというメッセージだったんだなって思って」印象に残るのはやはり菊池寛。最終話は昭和初期に実在した女性限定のアパートの話で、この建物の喫茶店に出資したのが菊池寛だという。「彼は当時にしては女性に理解があったようです。才能があれば男女関係なく起用したし、出資しても必要以上に口出ししなかった。彼のように、無理に女性を守るヒーローやナイトになろうとせず、“ついでに”存在するくらいのつもりでいたほうが、みんな楽になるんじゃないかな、と思いました」コミカルな展開でさんざん笑わせながらも、古くさい男女観を気持ちよく粉砕してくれる7編だ。柚木麻子『ついでにジェントルメン』編集者の堅苦しい説教に落ち込む新人作家・覚子が出会ったのは、自由すぎる作家・菊池寛の幽霊で――。愉快痛快な7つの独立短編を収録。文藝春秋1540円ゆずき・あさこ2008年に文藝春秋主催のオール讀物新人賞を受賞、’10年に受賞作を含めた作品集『終点のあの子』でデビュー。’15年に『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞。近著に『らんたん』。©文藝春秋※『anan』2022年6月1日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2022年05月29日『あのこは貴族』『ここは退屈迎えに来て』の原作者である作家・山内マリコと「伊藤くん A to E」や「ナイルパーチの女子会」などで知られる作家・柚木麻子が発起人となり、「原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます。」と題した声明を、4月12日に発表。山内さんは「一連の性加害報道を受けて、さすがにここでアクションを起こさないのはどうなんだ」として「映画化経験のある知人作家まで、という小さな括りで賛同者を集めました」とコメントした。声明は、原作者である作家と映画業界は「特殊な関係にあります」との書き出しで、「私たちは、映像化のお話をいただき、許諾することはできても、制作に関わることはほぼありません。演者の方々が登場人物に息を吹き込み、想像でしかなかった物語がスクリーンに映し出される感動は、作者として何にも代えがたい幸せです。けれどそれが、どのような環境で作られるか、私たちは知り得ないのです」と制作現場までは踏み込めない事実を語る。しかし、「原作者の名前は、映画の冒頭にクレジットされ、その作品がいかなるものであっても、自分の生み出した物語である責務を負います」と作品に対する責任があることを示し、「映画制作の現場での性暴力・性加害が明るみに出たことは、原作者という立場で映画に関わる私たちにとっても、無関係ではありません。不均等なパワーバランスによる常態的なハラスメント、身体的な暴力、恫喝などの心理的な暴力等が、業界の体質であるように言われるなかで、今回、女性たちが多大なリスクを背負って性被害を告白したことは、業界の内外を問わず、重く受け止めるべきと考えます。声をあげてくださった方々の勇気に応えたく、私たちは、連帯の意志を表明します」と断言した。「映画業界の内部にいる人たちが、今回の件について意思を表示しづらい状況にあることを、関係者を通じ、目の当たりにしました。外部にいて、なおかつ特殊な関係性を持つ原作者である私たちならば、連帯し、声をあげられるのではないか」とステートメントを発表したきっかけを明かすとともに、「この声明が、閉じた世界で起こる性加害の抑止力になることを願います。同時に、出版界でのセクシュアルハラスメントを根絶するために、これまで我々が立ち上がってこなかったことへの自戒と反省でもあり、今後は変えていきたいという意志表明でもあります。そしてまた我々自身も、ハラスメントの加害者になりうるという意識を持たなくてはなりません。映画界が抱える問題は、出版界とも地続きです」と出版界についても言及。「環境そのものを大きく変えてゆく必要がある」とし、「二度とこのような事態が起きないよう、私たちも、契約の段階から、適切な主張をしていきたいと思います。今後、万が一被害があった場合は、原作者としてしかるべき措置を求めていけるよう、行動します。また、このことについての理解と協力を、出版業界にも求めます」とした。「物語を安心して委ねられる映画業界を望みます」との言葉で締めくくられた声明には、山内さん、柚木さんほか、賛同者として芦沢央、彩瀬まる、井上荒野、小川糸、窪美澄、津村記久子、西加奈子、蛭田亜紗子、ふくだももこ、三浦しをん、湊かなえ、宮木あや子、村山由佳、山崎ナオコーラ、唯川恵、吉川トリコ(五十音順)といった、数多くの映画・ドラマの原作者として知られる錚々たる女性作家たちが名を連ねている。(text:Reiko Uehara)
2022年04月13日2022年より双子選手としてJリーグで活躍し、日本代表でもプレーした佐藤勇人氏、佐藤寿人氏が、 ジュニア年代における国内最大規模のサッカー年間リーグ「プレミアリーグ U-11」のアンバサダーに就任したことが発表されました。【関連記事】プレミアリーグ U-11 チャンピオンシップ3 年ぶり開催お二人はアンバサダー就任にあたって以下のコメントを寄せました。佐藤勇人氏、佐藤寿人氏 コメント「子供たちにとって、試合をすることが何よりの喜びであり、成長の源です。そうやって僕たちも小さい頃から試合を経験して成長してきました。プレミアリーグ U-11の3 ピリオド制で全員が試合に出られる仕組みは素晴らしいと共感して、このたび2人でアンバサダーを務めさせていただくことになりました。日本中の子供たちがプレミアリーグU-11 を通じてたくさんの笑顔になって、たくましく成長していくことを願っています」<プレミアリーグU-11とは>「豊かなサッカー文化を日本中に広めること」、「少年サッカーに関わる人を幸せにする環境づくり」をミッションとし、サッカーの育成年代におけるソフト面のソリューションとして発足。2021年までに全国37都道府県に拡大、約600チームが参加、約4,000以上の試合を実施する日本最大の私設リーグ。負けたら終わりのトーナメント方式の公式戦では、いわゆる「上手な子」しか試合に出られない勝利(成績)至上主義が根強い日本のスポーツ文化の現状に対する問題意識からスタートしており、「力の拮抗した相手と、年間を通じてホーム&アウェイを戦う」カテゴリー分けされた育成重視のリーグ戦を編成し、「全員出場」「3ピリオド制」など、他にない独自の競技規則を設け、『補欠ゼロ』への取り組みを行なっています。大会ホームページはこちら>>お問い合わせプレミアリーグU-11実行委員会 事務局担当:佐々木電話:090-4590-5713Email:sasaki@pl11.jp
2021年12月24日12月の兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)特別演奏会は、同楽団コンサートマスター豊嶋泰嗣のデビュー35周年を記念して、バルトーク尽くしのステージが展開される(2021年12月17日:兵庫県立芸術文化センター)。当日のプログラムは、モーツァルトのオペラ『後宮からの脱走』序曲以外全てバルトークの協奏曲というのは、もしかしたら前代未聞!?ヴァイオリン協奏曲2曲(第1番&2番)とヴィオラ協奏曲の計3つの協奏曲のソロを豊嶋泰嗣が1人で務めるのだから物凄い。まさに35周年を飾るに相応しいチャレンジと言えそうだ。この公演に向けて豊嶋が、以下のようなコメントを寄せている。「バルトークの協奏曲を一晩で3曲弾いてみたい!この無謀(!?)な計画をPACが受けてくれたことは私にとって本当にエキサイティングなことで、私はもちろん、オーケストラにとっても(もしかしたら聴衆の皆さんにとっても!)大変なチャレンジになる事でしょう!そして、デビュー35年目の年の最後になるこの演奏会でマエストロ広上さんと、また、とても重要なパートであるハープを名手、吉野さんが助けてくれます。このお2人とは30年前にも私のコンチェルトリサイタルで共演しており、その時のプログラムはベルクとベルリオーズ(この時もヴァイオリンとヴィオラを一晩で弾きました)。細かな経緯は当日のプログラムに書かせていただきますのでお楽しみに!というわけで、私にとって集大成と言ってもいいこのコンサートを皆さんどうかお聴き逃し無く、会場でお会いしましょう!」さてさて、このチャレンジの行く末は如何なるものか。心して聴いてみたい。●公演概要12月17日(金)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール兵庫芸術文化センター管弦楽団 特別演奏会 デビュー35周年 豊嶋泰嗣 バルトークを弾く!●豊嶋泰嗣Yasushi Toyoshima/ヴァイオリン・ヴィオラ桐朋学園女子高等学校、桐朋学園で江藤俊哉、アンジェラの両氏に師事。在学中よりヴァイオリン、ヴィオラ奏者としてソリスト、室内楽、コンサートマスターとして演奏活動を始める。86年、大学卒業と同時に新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに就任し楽壇デビュー。現在は新日本フィルハーモニー交響楽団の桂冠名誉コンサートマスター、九州交響楽団の桂冠コンサートマスター、兵庫芸術文化センター管弦楽団のコンサートマスター、京都市交響楽団の特別名誉友情コンサートマスター。またサイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団でもコンサートマスターを務めている。近年ではコルンゴルト、三善晃、バルトークなど、近現代の協奏曲のソリストとしてもオーケストラの定期演奏会に出演。17年と18年にはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全曲を指揮者無しの弾き振りで大阪交響楽団と共演。さらにアルティ弦楽四重奏団の演奏会や、ピアノフォルテと演奏したベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲演奏など、関西を拠点にした新たな活動に注目が集まっている。19年11月にはバッハのヴァイオリン全作品を3回に分けて演奏するコンサートを京都で開催、その成果により第29回青山音楽賞 青山賞を受賞した。京都市立芸術大学、小澤征爾音楽塾、アルカスSASEBOのジュニアオーケストラの指導など、教育活動にも力を入れている。91年村松賞、第1回出光音楽賞、92年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。平成25年度兵庫県文化賞受賞。京都市立芸術大学教授。
2021年12月06日読めば先人の女性たちから元気をもらえる。そんな小説が柚木麻子さんの『らんたん』だ。主人公は柚木さんの母校である、恵泉女学園の創設者、河井道だ。「文芸部のコーチとして母校に出入りしていた頃、道先生が広岡浅子や村岡花子といった、朝ドラのヒロインのモデルになった人たちと写った写真を見つけて、なんだろうこの人脈、と思って。学校には白洲次郎の義父の樺山伯爵から贈られたのではないか?と噂されるワニの剥製や、篤姫の家紋の入った葛籠(つづら)があったりして、それも前から謎でした」執筆のもうひとつのきっかけは、老婦人が起死回生のために自宅をお化け屋敷に改造する『マジカルグランマ』を構想した時のこと。「学校のそばに道先生の右腕だった一色ゆりさんのご家族のお宅があって、そこが増改築を繰り返した面白い建物で。参考にと屋敷の図面を借りた時、それがゆりさんが道先生のために建てた建物だと知ったんです」河井道に興味を持ち調べてみると、知れば知るほど面白い人物だったことが判明。小説化する際には「堅苦しくないエンタメにしよう」と決めた。「男性の偉人伝に比べて、女性の偉人伝ってエンタメが少ないことがずっと気になっていたんです」1877年生まれの道。少女時代、メンター的存在となる新渡戸稲造との出会い、米国留学、帰国後の教師職(その時の教え子がゆりである)、学校設立の夢…。生涯が語られるなか、有島武郎や津田梅子、野口英世に徳冨蘆花ら、当時の有名人が続々登場して驚く。「たとえば有島武郎とは面白い関係で、有島は道先生に認めてもらいたがっているのに道先生は邪険に扱っている。そうした部分がおかしくて、膨らませていきました」また、社会変革に尽力した女性たちの姿がとても眩しい。「恋愛ばかり注目される柳原白蓮は後に平和活動をしていたし、大杉栄とのスキャンダルで有名な神近市子は実は頑張り屋だし、山川菊栄がキレッキレだったり。当時、彼女たちは衝突し合いながらも、女性の教育や参政権に向かって行動していった。全員が完璧というわけではなかったけれど、だからこそ誰一人欠けても駄目だったと思います。そういう彼女たちのことも知ってもらえたら」道もそんな一人。教育熱心だが堅苦しくはなく、楽しいことを次々に提案する人だったようだ。「さまざまな文化を吸収してみんなに教えるYouTuberみたいな人。恵泉って修養会だの合唱コンクールだの行事がやたら多かったり、ディスカッションの授業があったり、制服がなかったり、生徒が話し合って校則を決めたりしていて。道先生について調べるうちに、そうした学校の方針が全部腑に落ちました」52歳でようやく学校を設立した道だが、やがて日本は戦争に突入。その時の揺れる思いも描かれる。「道先生も時勢に逆らえなかったことをちゃんと書きたくて。田辺聖子さんの“今の判断で歴史上の人を裁くな”という趣旨の文章が支えになりました。村岡恵理さんが義理の祖母、村岡花子について書いた『アンのゆりかご』と、田辺聖子さんの評伝小説『ゆめはるか吉屋信子』のフェアな描き方も参考になりました」スピーディで賑やかな物語に夢中になりながらも、道が繰り返し唱えるシェアの精神や、暗い道を照らす光を継承していこうとする思いがしっかりと伝わってくる。この先、読み継がれていくであろう名作だ。『らんたん』女子学校教育の黎明期に、自身の理想を追求した河井道。彼女を支えるゆりとのシスターフッドや、著名人たちとの交流、時代の変化を盛り込みながら、波乱に満ちた生涯を描くエンパワーメント大河小説。小学館1980円ゆずき・あさこ2008年にオール讀物新人賞を受賞、’10年に『終点のあの子』でデビュー。’15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞。近著に『BUTTER』など。撮影・齊藤晴香※『anan』2021年11月17日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2021年11月14日土岐麻子が、11月24日にリリースするオリジナルアルバムのタイトルが『Twilight』(読み:トワイライト)に決定した。前作『PASSION BLUE』からおよそ2年ぶりのアルバムとなる今作には、黄昏時(トワイライトタイム)を贅沢に過ごして欲しいという土岐の想いから“トワイライトシリーズ”と銘打ち、7月に配信されたトオミヨウプロデュースによる「ソルレム」、8月に配信されたShin Sakiuraプロデュースによる「NEON FISH」を含むチルアウトな全10曲が収録される。また、『Twilight』のジャケット写真と土岐の新たなアーティスト写真も公開された。ジャケットは、CD+DVDおよびCD+Blu-rayのパッケージではニューヨークの夕景が、CDのみのパッケージでは東京の夕景とそれを眺める土岐の姿が切り取られており、世界中の人々の行動が制限される時代に同じ場所にいられなくてもそれぞれの町、それぞれの空の下で同じ気持ちで黄昏を眺められるという想いが込められたアートワークとなっている。さらに、中秋の名月にあたる9月21日にザ・プリンス パークタワー東京で撮影された映像作品『TOKI ASAKO Harvest Moon LIVE 2021 “Round Twilight”』がアルバムのDVDおよびBlu-rayに収録されることが発表された。『TOKI ASAKO Harvest Moon LIVE 2021 “Round Twilight”』は今作のために撮り下ろされたセッション映像で、土岐はキーボードにトオミヨウ、ギターに山本タカシを迎え、トワイライトタイムの移ろい行く優雅な景色とともにスペシャルライブを披露している。<リリース情報>土岐麻子 オリジナルアルバム『Twilight』2021年11月24日(水) リリース●CD+DVD:4,500円(税抜)●CD+Blu-ray:5,500円(税抜)土岐麻子『Twilight』CD+DVD / CD+Blu-rayジャケット●CD Only:3,000円(税抜)土岐麻子『Twilight』CD Onlyジャケット【CD収録内容】「ソルレム」「NEON FISH」を含む全10曲収録予定。【DVD / Blu-ray収録内容】TOKI ASAKO Harvest Moon LIVE 2021 “Round Twilight”@THE PRINCE PARK TOWER TOKYO「ソルレム」配信リンク:「NEON FISH」配信リンク:『Twilight』予約リンク:<ライブ情報>『Reflection of the City』12月11日(土) 恵比寿The Garden Hall(東京)開場 16:00 / 開演 17:00出演:堀込泰行 / 土岐麻子※オープニングアクトあり【チケット料金】指定席:6,800円(ドリンク代別)プレミアムシート:12,000円(1ドリンク&1タパス付)一般発売日:11月6日(土)問い合わせ:ホットスタッフ・プロモーション03-5720-9999(平日12:00~15:00)イベントHP:関連リンク土岐麻子 オフィシャルHP:www.tokiasako.com土岐麻子 スタッフツイッター:土岐麻子 インスタグラム:
2021年10月11日ドラマをこよなく愛する作家・柚木麻子さん。毎クール、注目ドラマをピックアップし、鋭い考察を加えて魅力を深読みします。オードリー・ヘップバーンから小芝風花まで。残念な女子の描き方にも時代の変化が…?“ダサい”設定のヒロインを小芝風花が丁寧に好演。『彼女はキレイだった』(以下かのキレ)は昔はみんなの憧れのまとだったが、今ではすっかり冴えなくなったヒロインを小芝風花が好演した。本家の韓国ドラマに忠実にふわふわヘアーにしてはいるが、髪型ふくめ冴えない要素はとくに見当たらない。しかし、小芝は実写版『魔女の宅急便』を受けて立った演技力で「この人は冴えないってことになってんだなあ」と視聴者に呑み込ませることに成功している。常にテンパっていて、人から舐められそうな律儀さを醸し出しているのだ。五話では髪はストレートに、メイクやファッションも「大変身」を遂げた。単に「CANMAKE」の小芝風花に戻っただけであるが、成長していく描写を丁寧に積み重ねていたので、視聴者も素直に拍手を送るだろう。あと、特筆すべきは「ダサい」とからかわれるものの、容姿そのものに関する言及は巧妙に避けられている。残念なのはあくまでも「センスがない」という理由付けがされているところに時代性を感じる。この潮流は『プラダを着た悪魔』(‘06年公開)からか。香里奈が変身を遂げる日本版『プラダ』こと『リアル・クローズ』(‘09)でも、上司の黒木瞳が批判したのは彼女の容姿ではなくセンスである。『かのキレ』の舞台もまた、センスが重要視されるファッション誌だ。今回は「冴えないということになっている」設定の歴史を振り返ってみたいと思うが、オードリー・ヘップバーンぬきに語れないだろう。シンデレラストーリーを得意とするオードリーは最初「冴えない」女子として登場することが多い。もちろん地味といわれる服装さえスタイリッシュに着こなしているのだが、観客はスクリーンの世界を楽しみたいあまり「このオードリーは冴えないということになっているんだなあ」と呑み込んできた。しかし、映画が唯一の娯楽ではなくなるにつれ、製作陣のリアリティへの甘えがちょっとでも見えるなり、観客はそっぽを向くようになった。近年のハリウッドでは様々な人種、容姿、体型、年齢の俳優を積極的に主役にし、社会問題にも向き合いながら、ラブコメルールを日々アップデートし続けている。しかし、見る目が養われつつあるのは、日本ドラマの視聴者だって同じなのだ。なにしろ、『ひと夏のプロポーズ』(‘96)の頃は、あの坂井真紀が「ブ」と罵倒されていたのだから。記号的な「冴えないとされるアイテム」(‘90年代は国内外問わずメガネが主流)を身につけているわけでさえなかった。確か、視聴者からも「坂井真紀を冴えないとするには無理がある」という声が多かったと記憶している。そんな無茶を成立させるために、本ドラマが使用したのは、突然の夏の土砂降りである。坂井真紀がずぶ濡れでしょんぼり歩いている場面は印象的だった。いつからか、残念キャラには転倒とずぶ濡れがセットになった。「ブ」という罵倒がドラマで多用される時代はその後、長いこと続く。なにしろあの『ブスの瞳に恋してる』が流行ったのは‘00年代である。森三中の大島美幸との出会いや結婚生活を夫・鈴木おさむが描いたこのエッセイは大人気で、同じく森三中の村上知子、稲垣吾郎というキャストでドラマ化されたほどだ。村上知子演じる「美幸」は努力家で魅力もあるが、ルッキズムにとらわれた人々から貶められる。そんな彼女に手を差し伸べる稲垣吾郎演じる「おさむ」をまるで王子様のように描くのに、激しい違和感があった。あれは鈴木おさむの中での自分像なのか?妻へのひどい扱いを「世間はそういうもの」としていったん消化してエンタメ化し、自分に一番良いポジションを与えたあたり、森三中ファンとしては怒りを覚える。にもかかわらず、最後まで観てしまったのは美幸の背中を押す室井滋など女性たちとの関係がすばらしいのと、倖田來未「恋のつぼみ」がめちゃくちゃ好きやったからである。悔しいことに、リメイク版『ブスの瞳に恋してる2019』まで放送されている。こっちはミソジニーまでひどい。怒りながらまたもや最後まで観てしまったのは富田望生の名演技と、Dream Amiがカバーした「恋のつぼみ」もめちゃくちゃ名曲やったからである。鈴木おさむ、どこまでも女性に救われているな。このように「冴えないということになっている」設定はルッキズムと直結することが多い。しかし、ベッキー主演金曜ナイトドラマ『アンナさんのおまめ』だけは一風変わったやり方でこれを切り抜けている。奇しくも『ブス恋』無印と同じ2006年放送だ。美人のアンナさんへの誘いや羨望をすべて自分に向けられたものとする親友・リリの勘違いを描いた、鈴木由美子の漫画原作コメディである。リリに浴びせられる「勘違いス」にひっかかりは感じるものの、そこは鈴木由美子の世界観で、リリは漫画にしかできない方法でキュートでファニーな小動物のように表現されているし、アンナとリリの男たちからの分断をはね返すシスターフッドは痛快だった。だから、リリ役があのベッキーと聞いた時、不安しかなかった。ベッキーといえば太陽のような魅力の持ち主で、当時は演技畑ではなかった。リリの役はただでさえ難しい。「冴えないということになっている」容姿ではあるが、彼女自身は自分を「冴えないとは思っていない」。リリはいつも自信満々で完璧なおしゃれをしている。一体どんなふうにして映像化するのか、固唾を飲んで見守ったのだが、ベッキーはやってくれた!漫画チックなくねくねした動きとオーバーな顔芸で周りをドン引かせ、アンナ役の杏さゆりが男に口説かれるたびに、ものすごい早さで割って入って「アンタは私のタイプじゃないからァ!」と肩をそびやかしてつっぱねる。異性全員が自分に好意があると勝手に悩み、一人でブツブツつぶやき、激しくもだえる。「冴えないということになっている」人間が自信満々だからイタくて面白い、というより、単に「ぶっ飛びすぎていて常人には理解できない」愉快な女性像を生み出した。原作の根幹を変えることなく、親友との信頼関係、勘違いからくる笑いまですべて成功に導いた。しかし、このドラマの視聴率は深夜帯ということもあってか振るわなかった。私は今こそベッキーの振り切れた演技を地上波でもっと観たい。ラブコメにつきものの「冴えないということになっている」設定、振り返れば少しずつ進化してきたことはわかるが、容姿差別が論外なのはもちろんのこと、センスが悪かろうが、そもそも冴えなかろうが、周囲に不当に貶められない世界が描かれればそれが最高だ。自信を身につけた瞬間、ヒロインはパワーを持つ。私たちが見たいのは結局のところ、その輝きだけなのだから。『彼女はキレイだった』は、フジテレビ系にて今年7月~9月、毎週火曜21時~放送された。原作:チョ・ソンヒ脚本:清水友佳子、三浦希紗出演:中島健人、小芝風花、赤楚衛二、佐久間由衣ほか『ひと夏のプロポーズ』(‘96年・TBS系)誰もが羨む“3高”男性との結婚が破談となり、ショックのあまり会社も辞めてしまった恵(坂井真紀)。再就職もうまくいかず、踏んだり蹴ったりの恵は夕立に降られる。雨宿りする彼女の前に、ある男(保阪尚輝)が現れ、新しい生活と恋のバトルが始まる。インターネットを通じて視聴者参加型の形をとるなど、新しい試みに挑戦したドラマ。脚本:鈴木貴子出演:坂井真紀、保阪尚輝、稲森いずみ、仲村トオル、高岡早紀、野際陽子ほか『ブスの瞳に恋してる』(‘06年・フジテレビ系)バラエティ番組などを手掛ける売れっ子放送作家の主人公・山口おさむ(稲垣吾郎)。担当する番組は次々と高視聴率を叩き出し、超美人モデルの蛯原友美(蛯原友里)と付き合うなど、絶好調の日々を送る。そんなある日、おさむは群馬県から上京してきた女優の卵・太田美幸(村上知子)に一目惚れしてしまい…。原作:鈴木おさむ脚本:マギー出演:稲垣吾郎、村上知子、蛯原友里、大森南朋、MEGUMIほか『アンナさんのおまめ』(‘06年・テレビ朝日系)自分のことを美人でモテモテと信じ切るポジティブ人間、桃山リリ(ベッキー)。親友であり、皆が認める美人の西園寺アンナ(杏さゆり)の彼氏、坂上恭太郎(柏原収史)の行動がすべて自分への恋のアタックだと勘違いし、その陽気でぶっ飛んだ性格と言動で、周囲に大騒動を巻き起こす。原作:鈴木由美子脚本:高山直也、深沢正樹、福島治子出演:ベッキー、杏さゆり、柏原収史、徳井義実、滝沢沙織、高橋ひとみ、草刈正雄ほかゆずき・あさこ1981年、東京都生まれ。2008年、「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞受賞。小学館webきららにて「らんたん」連載中。※『anan』2021年9月29日号より。イラスト・サイトウユウスケ(by anan編集部)
2021年09月28日俳優として活躍するだけではなく、新しいフィールドを次々に駆け抜ける佐藤健さん。最近夢中になっているのが、『A』の洋服作り。「Answer」の頭文字で、デザイン、生地、着心地などすべての条件を備えた自分が欲しい一着、つまりアンサーといえる服を作るのがコンセプト。これまでコート、パンツ、Tシャツなどをリリースしていて、今回写真で着ているタートルネックとベージュのカーディガンは、『A』のアイテムだ。「もともと服に対するこだわりは強かったけど、若いときは何が正解なのかはっきりわかっていなかったから、自分がいいと思うものとは別に、薦められる服を着たりもしていたんです。だけど20代後半になると自分の感覚がやっぱり正しかったというか、いいと思うものを自信を持って言えるようになってきて。そうすると、スタイリストさんたちは面倒くさいわけですよ(笑)。そんなにこだわりが明確なら自分で作りなよ、と言われて『A』を立ち上げました」今はたまたま洋服だが、こうした考え方は「すべての物事にアンサーを出したい」と語る、いわば佐藤さんの人生哲学だ。一方で演じることは、正解がすぐには導き出せない最たるもののようにも思えるが、そこにもやはり、“ならでは”の哲学が存在する。「アンサーが出ないとしても、そのとき何をするのがベストなのか、その瞬間どういうアプローチが最善なのかを見つけていきます」出演を決めるときに大事にしているのは、勝機が見えるかどうか。昨年のドラマ『恋はつづくよどこまでも』はドSキャラの医師がハマり役となったが、意外にも勝機がなかなか見えなかったそう。「勝てないかもしれないけど、負けはしないラインを死守しようと思って、キャラクターの魅力を出すことに注力したんです。だってラブストーリーなんだから、キャラが魅力的じゃないとラブにならないじゃないですか(笑)。こんなに多くの人に好きになってもらえるなんて想像もしていなかったから勉強になったし、だったら次は、もっといいものを絶対に提供できるなとも思いましたね」一見クールなのに慕われるのは、言葉や態度に嘘がないから。謎を解くのが本当に好きなことも伝わってくる。そうやって冷静に考え、変化すべきときを逃さず、人生を切り拓いてきたのだろう。「誰よりも面倒くさがりな僕が言えたもんじゃないけど、だからこそここぞというときを見極めて、本気を出すんです。もうひとつ言うと、本当に大事なのは思いやりを持つことだけ。相手が喜んでくれることならやったほうがいいっていう、ただそれだけなんです」さとう・たける1989年3月21日生まれ。埼玉県出身。最新映画『護られなかった者たちへ』は、10月1日(金)より全国公開。1枚目写真タートルネックワッフルニット¥18,150(A/ABYTS)リング¥55,000(シャルロット シェネ/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901)ブロータイプメガネ¥46,200(サイ・スペックス/グローブスペックス エージェント TEL:03・5459・8326)マッドフレームメガネ¥41,800(ロバート・マーク/グローブスペックス エージェント)その他はスタイリスト私物2枚目写真ケーブルカーディガン¥19,800(A/ABYTS)中に着たショートスリーブニット¥63,800(ジ エルダーステイツマン/サザビーリーグ TEL:03・5412・1937)ネックレス¥481,800イヤーカフ¥687,500リング¥159,500(以上ミラモア/ミラモア ファイン ジュエリー TEL:03・5738・7803)その他はスタイリスト私物※『anan』2021年9月22日号より。写真・成田英敏スタイリスト・中兼英朗(S‐14)ヘア&メイク・古久保英人(Otie)取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2021年09月19日2021年7月27日付にて、YouTubeチャンネル『佐藤 健 / Satoh Takeru』では、佐藤さんの報告動画を配信中です。今回の動画で、佐藤さんは、念願だった自作『ルームウェア』の完成と販売開始を報告。自分で着る服にこだわる佐藤さんは、2020年にオリジナルブランド『A』を立ち上げました。この『A』は、『Answer』の頭文字を意味し、テーマは、『SIMPLE』『FIRST』『ONE』の3つ。これまでにもタートルネックやコートなどの衣服を販売しており、初めてデザインしたタートルネックは、販売開始から1時間も経たないうちに『即完売』したそうです。今回の『ルームウェア』で、佐藤さんがとにかくこだわったのは『着心地』。動画でも、実際に着用している佐藤さんが、裏地の肌触りのよさや動きやすさをアピールしています。中でも『極めつけ』のこだわりは、首の後ろ部分に付いていることの多い『タグ』がないこと。敏感な人が首の後ろに感じる『チクチク感』がなくて、快適だそう。そんな『ルームウェア』のお披露目後は、『男の色気』がただようベッドルームでのインタビュー動画も収録されています。スリーサイズの展開で、カラーはネイビー・ブラウン・カーキと、やや渋め。ブランド『A』の文字が正面に小さく刺繍された至ってシンプルなデザインで、着用している佐藤さんの表情を見ても、とてもリラックスできそうですね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2021年08月24日土岐麻子さんのカバーアルバム『HOME TOWN ~Cover Songs~』が素晴らしい。時代も性別もジャンルも超えた全11曲(ボーナストラック含む)を、歌声とアレンジが彩り、目の前に鮮やかな風景を広げてくれるのだ。「今回、もっといろんなジャンルの楽曲を、私の声と出合わせてみたいと(スタッフから)言われたんです。それで、みんなで選曲しました。そんな中で、私なりに“ホームタウン”というテーマが見えてきたんですね。これまでは街のことを歌ってきたんですが、2020年は家にずっといて、自分の近くにあるものや内面に意識が向かうようになったので、そこに寄り添ってくれるような、温かい楽曲を選びたいと思ったんです」シティポップ=街のイメージがある土岐さんにとっては、奇しくもターニングポイントとなった2020年。とはいえ、このテーマと歌声は、驚くほどにマッチしている。「年々静かな声になっているんですよね。だから内向きな声だと思うんです。今回のテーマでも、大きなキーワードになっていると思います」歌声によって楽曲の印象が変わる、ということを、今作の中で特に象徴しているのが、荒井由実さんが原曲の「CHINESE SOUP」。「この曲、いろんな方が歌っていて。スープを作りながら物語が進んでいく曲ですけど、同じスープでも味が違うように聞こえますよね。吉田美奈子さんが歌うとスパイシーで、ユーミンが歌うとごま油の香りがして卵でとじてあるような感じ。渡辺真知子さんのバージョンは薬膳みたいな、出汁が効いている感じがする」今作には「Rendez-vous in ’58」のセルフカバーも収録されている。デュエットとして生まれ変わっており、お相手はなんとバカリズムさん!その背景には、様々な想いが重なり合っている。「2013年に作ったんですが、雨が降って休みの計画は崩れたけれど、家でも音楽と会話でいろんな時代と場所に旅ができるっていう、ささやかで大きな幸せを歌っていて。これは今こそ大切な歌だと思って、仲のいい二人の歌だから、セルフカバーでデュエットしようと。相手はバカリズムさんしか浮かばなかったんです。これはEPOさんの作曲なんですが、私は小学校1年生の時、『オレたちひょうきん族』を見て、コントでハチャメチャになっても、EPOさんのエンディングテーマ『DOWN TOWN』でおしゃれに締め括られる感じが新鮮で。そして、同学年の升野さん(バカリズム)も同番組の影響を受け、音楽とお笑いを切り離して考えられないって言っていて。あの頃のような音楽のときめきを共有できる升野さんと歌えてよかったです」まさに日々にときめきを与えてくれる、音楽の栄養が詰まった一枚だ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」をはじめ、くるりの「Jubilee」、桑田佳祐の「白い恋人達」など、ボーナストラックを含む全11曲収録。『HOME TOWN ~Cover Songs~』¥3,000(A.S.A.B)とき・あさこCymbalsの元リードボーカル。シンガーとしてはもちろん、CMソングやラジオパーソナリティを務めるなど声のスペシャリスト。3月6日(土)には日本橋三井ホールにてワンマンライブを開催。※『anan』2021年3月3日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)取材、文・高橋美穂(by anan編集部)
2021年03月02日