ルネサス エレクトロニクスは6月24日、同日開催された定時株主総会ならびに取締役会にて、2015年4月よりCEO付を務めていた遠藤隆雄氏が正式に代表取締役会長 兼 CEOに同日付で就任することが了承されたと発表した。遠藤氏は1977年に日本アイ・ビー・エム(日本IBM)に入社して以降、1992年に社長補佐に就任以降、同社の常務執行役員などを経て、2006年に日本オラクルの社長執行役員 兼 最高経営責任者、アシュリオンジャパン・ホールディングス代表取締役社長 兼 CEOなどを歴任。2015年4月よりルネサスのCEO付に就任していた。今回の代表取締役会長 兼 CEOの交代は、前代表取締役会長 兼 CEOであった作田久男氏が主導してきた構造改革に一定のめどが立ち、今後、成長ステージに向けてギアチェンジを図るため、と同社では説明しており、主にソリューション事業の強化を中心に、利益の拡大に向けた取り組みが進められていく予定。遠藤氏は日本IBM時代より、半導体製造に関するサービスや、日本地域(野洲工場)での半導体製造なども担当しており、半導体業界そのものにもなじみがある。就任に際し同氏は、「ルネサスは現在、構造改革に一定のめどが立ち、成長に向けて舵を切るタイミングになってきた。今後、これまでの構造改革を完遂するとともに、成長に向けたギアチェンジを行い、グローバルで勝ち残るための会社。顧客から信頼を勝ち得る会社にしていきたい」と、今後の方向性を示し、集中していく事業にどのように資源を投下していくのか、本格的な検討に着手した段階にあり、具体的な戦略については今後、改めて発表する考えてるとした。ただし、フォーカス分野における自社の価値を高めることで、競合と戦っていく、ということを基本方針とする模様で、「機能安全」「セキュリティ」「センシング」「ローパワー」「コネクティビティ」という5つのコア技術を強化しつつ、「足りない部分については、スピーディかつ戦略的に、大胆な方策をとっていくことが求められている」とし、さまざまな分野に対し、事業提携や買収などを含めた可能性の模索を行っていくとする。「コアであるデバイスの競争力が無ければ、そこから積み上げられるものにも競争力がない。それぞれの領域において、デバイス群の強化を行っていく。それらをつなぎ合わせることで、キットソリューションとしてより高い価値が提供できるようになる」とし、そこにソフトウェアやサービスも加えていくことで、より高い価値を提供できる製品、ソリューションとして提供できるようになるとの期待を示した。また、今回の就任に際し、「これまで外資系企業に勤務してきて、日本という国そのもののプライオリティが世界的に低下していく様子を忸怩たる思いて見てきており、日本人として、それを何とかしたいという思いを抱いてきた。今回は、外資系ではなく、日本企業のCEOという新しいチャレンジとなるが、日本が成長していくための一翼を担っていければ」とCEOとしての秘めた思いを述べたほか、すでに各地方の工場などにも足を運んで現状の視察なども行ってきたとのことで、後工程を担当する山形県米沢市の江戸時代の藩主の1人である上杉鷹山氏の残した名言「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」を持ち出し、「できないのは人がやっていないからた。やろうと思えば何でもできる。そうした強い信念のもと、成長戦略に挑んでいきたいと思っている」とCEOとしての心構えを示した。
2015年06月25日ルネサス エレクトロニクスは4月1日、同社の代表取締役会長兼CEOである作田久男氏が、同日開催の取締役会において、2015年6月の定時株主および取締役会の終了後に退任し、新たに現在CEO付となっている遠藤隆雄氏を代表取締役会長兼CEOに任命する予定であることを発表した。遠藤氏は1977年に日本アイ・ビー・エムに入社後、2004年には同社の執行役員を務めたほか、2008年には日本オラクルの社長執行役員 兼 最高経営責任者(CEO)に就任し、その後、同社取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者(CEO)、同社 取締役会長 執行役などを務めてきた経緯を持つ人物。2015年4月にルネサスのCEO付に就任した。同社では今回の異動の理由について、現在取り組んでいる「変革プラン」において、財務基盤の安定に向けた構造改革に一定のめどがついたことを挙げており、今後、さらにこの取り組みを加速させるために、当該分野において豊富な知見・経験と実績を持った新しいリーダーシップが必要であると判断し、新しい代表取締役会長兼CEOの選任を決定したと説明している。なお、遠藤氏の就任後は、新しいリーダーシップの下、成長へのギアチェンジを行い、さらなる企業価値の向上を目指していくとしている。
2015年04月02日