俳優の役所広司と女優の松たか子が2日、都内で行われた映画『峠 最後のサムライ』(6月17日公開)の完成披露試写会に、メガホンをとった小泉堯史監督とともに登壇した。歴史小説界の巨星・司馬遼太郎が、幕末の風雲児と呼ばれた、越後長岡藩家老・河井継之助を描いた国民的ベストセラー『峠』を実写映画化した本作。時流は倒幕へと傾き、サムライとしての使命と庶民を先導するリーダーとしての狭間で葛藤しながらも、強大な武力を誇る明治新政府軍に立ち向かっていく継之助の"最後のサムライ"として本当の正義を貫こうとするその姿が、現代を生きる私たちに日本人の生き方、リーダーとしてのあるべき姿を問いかける歴史超大作となっている。継之助の妻・おすが役を演じる松と共演しての印象を聞かれた役所は「実は松さんが20歳くらいのときに、絡みはなかったんですけど同じドラマに出ていて、松さんがお姫様だったんですけど、スタジオの外のモニターで、(松が)籠の中から出てくるシーンがあったんですけど、なんて華のある女優さんだろうと思って、すごく上品で、その頃からずっと松さんを見続けてきて、久しぶりにお会いして、女性としてもお母さんとしても妻としても豊かになっている感じがしました」と絶賛し、「撮影のときは松さんの包容力で2人のシーンは出来上がった感じがしました」と感謝。これに松は「本当にもったいない言葉だと思って、(役所のほうを)見られません(笑)」と恐縮し、照れ笑いを浮かべた。一方、役所と共演しての感想を求められた松は「妻の役をやらせていただけるということが、すごく勉強になると思って『ぜひ』と言ったものの、私でいいんだろうかって思っていた自分を包んでいただきました」といい、「本当に幸せな現場で、ただお芝居をすればいい現場があるんだなって改めてそれを幸せに思いました」としみじみと語った。また、継之助のように"周りに反対されても貫き通したい譲れないこと"を尋ねられると、役所は「遠くで行われている戦争というのが身近に感じているんですけど、この国を焼け野原にするような戦争は何があっても避けなければいけないなあということでしょうか」と力強く語り、松は「反対されたら譲るかもしれないです(笑)」と笑い、「もちろん、そういう"悲しい風景を2度と…"という思いはありますけど、流されて行き着いたところで生きて行けるかなとか(笑)、止められたら止められたところから考えようかなって。すいません、楽に生きているんです」と苦笑した。
2022年05月03日俳優の役所広司が20日、松坂桃李主演の映画『孤狼の血 LEVEL2』(8月20日公開)へコメントを寄せた。同作は第69回日本推理作家協会賞受賞、『このミステリーがすごい! 2016年版』国内編3位に輝いたベストセラー小説の実写映画化作。数々の映画賞を総なめにした、白石和彌監督の映画『孤狼の血』の続編となる。この度、前作の主演・役所広司からのコメントが到着。さらに、映画を一足早く見た朝倉海(総合格闘家/YouTuber)、もっちゃん(YouTuber)、丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)、板垣巴留(『BEASTARS』 作者)、Ms.Ooja(シンガーソングライター)、糸井重里(「ほぼ日」代表)、おおのこうすけ(『極主夫道』 作者)、笠井信輔(フリーアナウンサー)、藤原ヒロシ(音楽プロデューサー)、ケンドーコバヤシ(お笑い芸人)、アイナ・ジ・エンドなど各界の著名人から興奮の声が届いた。○役所広司 コメント『孤狼の血』じゃけぇ、何をしてもええんじゃ!前作を遥かに凌ぐアクション・バイオレンス!呉原のカタギを守る松坂桃李と、呉原が生んだ怪物・鈴木亮平の対決が凄まじい!吉田鋼太郎、音尾琢真のユーモアが映画を盛り上げる!役者たちは皆、活気に溢れている。○朝倉海 コメント"松坂さん、鈴木さんをはじめ俳優の凄まじい演技、時には目を背けたくなるようなリアリティ、アクション、前作にも増して凄い迫力でした。終始興奮が止まらず、格闘技の試合で僕もスリルを感じていますが、そんな僕でも十分に衝撃を受けるようなスリルが感じられる。映画でテンションをあげたい、刺激を感じたい人はぜひ!○もっちゃん コメントヤクザ映画に苦手意識があった私がこんなにもハマってしまうとは…!おかえり日岡!と叫びたくなる冒頭、立ちはだかる悪魔のような敵、目を瞑ってしまうほどのバイオレンスの裏側には各々の正義。体の芯からゾクゾクするLEVEL UPしたエンターテイメントでした。○丸山ゴンザレス コメント警察、ヤクザ、どんな組織にも飼い慣らすことができない獣がいる。強烈な個性を放つ奴らに、どうしようもなく惹きつけられてしまうのだ。本作は複雑に絡み合いループするストーリー、正義なんてかき消してしまう圧倒的な展開で、魅せる悪の華をこれでもかと描いている。○Ms.Ooja コメント最高!! 衝撃でした。観終わった後にもう1回観たいと思える映画ってなかなかない。上林はひりひりするほどの殺気で、悪魔のように見えました。日岡の変化にも驚いたし、その振り切ったかっこよさに痺れました。危険な香りしかしないけど、その男臭さに惹かれる。そしてラスト、上林と日岡の死闘はずっと見ていたかった。いろいろな形の正義があり、何が正しいのか。コンプラなんて完全無視した、白石監督の潔さに感謝です。○糸井重里 コメントモンスター映画。ホラー映画。10,000カロリー!韓国映画よりバイオレンスがきつい。観てただけなのに疲れ果てた。誰にでもはおすすめしない映画(褒めてます)。怖かったす。最後に「この映画はフィクションです」の文字が出て、ちょっとうれしく感じたくらい(わしはこどもか?!)。メモみたいですが、観た直後に思ったことそのままです。○笠井信輔 コメントめちゃくちゃ面白かった。荒ぶる日岡の“優しさ”があだとなる松坂桃李の深い芝居。そして、日本映画史上最強最悪と思える鈴木亮平の怪演。その二人の壮絶な肉弾戦。何もかも期待を上回る仕上がりだった。エモーショナルな部分を担っている村上虹郎の芝居に心動かされ、前作で内偵者だった日岡が真相に気づく幕切れも鮮やか。早くも『LEVEL3』が楽しみな自分がいる。日岡ぁ! お前はこのままでは終われないはずだ。○藤原ヒロシ コメント縮みあがるほどバイオレンスな上林の恐怖政治。鈴木亮平のあまりの怪演に、1回目の鑑賞ではそれしか覚えていない(笑)。すべての恐怖が上林に詰め込まれていた。自分の生活圏にあんな人が生息していたら怖すぎる。前作の竹野内豊然り、ヤクザ役とは縁がなさそうな役者がいい具合に演じているのも面白い。○ケンドーコバヤシ コメント色々考えましたが、やはりほとぼりが冷めるまでは鈴木亮平に近づかないようにします…○アイナ・ジ・エンド コメント映像の破壊力が凄く、「久々にとんでもないものを観た」という感覚でした。スリル満点な場面の連続なのに、どこか人間の生々しさや暖かい部分が垣間見えて、目を離すことができませんでした。女性はキャラクターに母性を感じてしまうようなところもあると思うので、そういう観点から映画を観ても楽しいはずです。
2021年08月20日俳優の役所広司、堺雅人、女優の杉咲花がサントリー食品インターナショナル「クラフトボス」の新CMに出演する。新CM「宇宙人ジョーンズ・稽古場」編(30秒×4タイプ、60秒)は17日にWEBで先行公開され、23日から全国で放送される。新作舞台の読み合わせ稽古に、キャスト役として役所、堺、杉咲が登場するという設定。台本を不審に思った役所が、演出家に不満を漏らしたことから展開されるコミカルなCMに。言葉や仕草、表情はどこまでが台詞や演技で、どこからが本音や素の反応なのか。3人が演技力で見せる“芝居合戦”が見どころだ。撮影は4台のカメラを使用し、キャストと演出家とのやり取りをさまざまなアングル、距離から長回しで収録。稽古場というシチュエーションに役所は、舞台稽古をしていた頃が懐かしいと目を細める。堺はキャリアのスタートが大学の演劇サークルで、深夜まで仲間と稽古することもあったと語り、杉咲は自身初舞台の稽古が宝物のような時間だったと振り返るなど、それぞれが思い出を回顧する撮影となった。堺が今回の初共演に「素晴らしい先輩、後輩と、このメンバーで公演ができたら、素晴らしい公演になるんじゃないかと思います。せっかく3人が揃うので、稽古だけではもったいない感じですね」と手応えを見せると、役所も「素晴らしい俳優さんたちと一緒で、3人揃うと、もう最強です」と同意。杉咲は「素晴らしい先輩とご一緒させていただいて、 『クラフトボス』の撮影は久しぶりなので、すごく楽しみにしていました。稽古はいつものお仕事と似ている感じがするので、ちょっと親近感がわく設定でしたね」と語る。CMの演出にちなみ「実はアピールしたいことは?」という質問には堺が「最近、干し柿の美味しさに目覚めまして。毎日5個ぐらい食べていますよ」と告白し、役所が「体にいいものがいっぱい入ってるんだよね。ポリフェノールとか」と補足。堺は「干すだけで、どうしてあんなに旨くなるんですかね」「控え目なその感じと、今までなんでもっとアピールしてくれなかったんだという悔しい思いがあって、干し柿、愛しています(笑)」と重ねて“干し柿愛”を吐露した。また、この春新しく始めてみたいことについて、役所は「以前、堺さんとCMでリモートをやりましたけど、リモートの飲み会を1回やってみたいなと思います。仕組みがよくわかんないけど、なかなかみんなで集まれないですからね」と提案。杉咲は「お花屋さんとかに売っている桜の枝を買うのがずっと夢だったんですけど、今年はなかなかお花見とかで集まりにくい時期なので、この春はそれを買って、お家で桜を楽しんでみたいなと思います」とこの時期にぴったりな展望を明かした。
2021年03月17日西川美和監督が役所広司を主演に迎え、初めて実在の人物をモデルとした原案小説を現代に置き換えて脚本・映画化に挑んだ『すばらしき世界』。この度、主人公・三上が服役中に失効した免許証を取り直すべく、教習車に乗り込む本編映像が解禁となった。現代社会に鋭く切り込みつつも、西川監督の生み出す、軽やかで人間味に溢れたユーモアが所々で顔を覗かせるのも見どころとなる本作。「今度こそカタギになる」と強く胸に誓った三上(役所広司)は、ドライバーの職を得るため、服役中に失効した運転免許証をゼロから取り直さなくてはならなかった。夜な夜な学科の勉強にも取り組み、ついに迎えた技能試験。緊張の面持ちで、刑務所仕込みの癖はそのままに真っすぐすぎる行進と、「受験番号8番、三上正夫!」と響き渡る点呼で気合十分。意気揚々と車に乗り込むも、シートベルトをし忘れ、エンジンを派手に吹かし、ギアもあやふや。しまいにはワイパー誤作動と凡ミスを連発…。緊張と焦りがもう止まらない!?なんとも言えない空気が車中に漂う中、この不器用で真っすぐな男は、無事にこの試験をクリアすることができるのか。本映像に登場する三上の身体に染み付いてしまった行進は、役所さんが『うなぎ』で故・今村昌平監督から受けた演出が生かされているそう。本作の撮影時には「今の受刑者はそんな歩き方はしない」ということだったが、「三上は“ベテラン”の受刑者だから」と役所さん。三上正夫という男を演じるにあたっても、役所さんはミシン掛けやケアホームのベッドシーツ替えなど、様々な技術を身に付けたという。壮絶な前科をもつはずの三上という男に役所さんが魂を吹き込むと、不器用で荒々しくもどこか愛らしく、その一挙手一投足から目が離せなくなるに違いない。『すばらしき世界』は2月11日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:すばらしき世界 2021年2月11日より全国にて公開©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
2021年02月09日映画『すばらしき世界』(2月11日公開)のプレミア上映イベントが21日に都内で行われ、役所広司、仲野太賀、長澤まさみ、西川美和監督が登場した。同作は佐木隆三の小説『身分帳』を原案とした、西川美和監督の最新作。実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ。下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所広司)は人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯。何とか再生しようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさみ)がすり寄りネタにしようと目論むが、三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく。シカゴ国際映画祭で役所が最優秀演技賞、作品が観客賞に輝いた同作。盾とトロフィーが届けられると、役所は「作品の力があってこそなので、できるなら切り刻んで分けたいんですけど、もったいないので僕が持っておきます」と笑顔を見せる。西川監督は「映画を撮るようになって、今回初めて1度も海外の映画祭に赴くことができませんでした。リアクションもつかみ取れなかったので、シカゴのお知らせをいただいた時も狐につままれたような気持ちで信じがたいと思ってたんですけど、海を渡ってトロフィーと盾が来てくれてよかったな」と喜びを表した。作中では長澤がプロデューサー、仲野がディレクターに扮したため、2人がレポーターとなり役所にインタビューをすることに。仲野が「撮影中大変だったこととか……」と尋ねると、役所は「それ、俺たちがいつも聞かれて困る質問じゃない!」とつっこみ、仲野は「台本にあったので……」と苦笑する。さらに仲野が「ぶっちゃけ、仲野太賀どうでしたか?」と尋ねると、役所は「出てたっけ? ああ、あの俳優さんね」とボケつつ、「彼はね、もう映画小僧ですね。映画大好き。で、カメラ大好き。素晴らしい俳優さんだと思いますよ。愛されキャラですね。なかなかやるんですよ。かわいがられるタイプの人間を普段から演じてますね」と評し、仲野は「いや〜、ずる賢いですね」と嬉しそうににしていた。長澤が「便乗して、長澤まさみは……」と尋ねると、役所は「綺麗ですよ、あの人は、ものすごく綺麗」と回答し、長澤は「ありがとうございます!」と喜ぶ。役所は「ディレクターが逃げるところを追いかけていくんですけど、ハイヒールであのスピードで走るって、すごいなと思いました。啖呵を切るシーンを観た時には、思わず『その通り』と拍手したくらいの素晴らしいシーンでした」と絶賛していた。
2021年01月21日直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」を原案とした、主演・役所広司、西川美和が監督を務める映画『すばらしき世界』より、ポスタービジュアルと予告編が公開された。本作は、生きづらい社会の中で一度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男と、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して、社会と人間のいまをえぐる問題作。本年度第56回シカゴ国際映画祭にて、観客賞と最優秀演技賞(役所広司)の2冠の快挙を成し遂げ、すでに国内外で話題の本作。到着した予告編では、役所さん演じる三上の出所シーンからスタート。「今度ばかりは堅気ぞ」と新たな生活に意気込むが、社会福祉課や教習所の教官らに厳しくはねつけられ、13年ぶりの社会復帰は思うように運ばない。そんな中、テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさみ)が三上に近寄ってくる。チンピラに絡まれているサラリーマンを見かねた三上は、暴力で叩きのめしてしまい、それを見た津乃田は、三上の一面に言葉を失う。そして、「何で闘ってぶちのめすしか策が無いと思うんですか。そこが変わらない限り、あなたは社会じゃ生きていけない」と三上に社会復帰への姿勢を諭す津乃田だが、それに対し三上は「お前らみたいな卑怯な人間になるくらいなら、死んでけっこうたい!!」と激しく言い放つ。さらには、吉澤が声を荒げるシーンや、三上が出会うスーパーマーケットの店長役の六角精児、そして安田成美らの姿も確認することができる。また、三上がこちらを向くポスタービジュアルには、“この世界は 生きづらく、あたたかい”というコピーが書かれ、辛いだけではない、希望も想起させるかのようだ。『すばらしき世界』は2021年2月11日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:すばらしき世界 2021年2月11日より全国にて公開©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
2020年11月25日佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、西川美和監督がメガホンをとる映画のタイトルが、このほど『すばらしき世界』に決定。役所広司、仲野太賀、長澤まさみらキャストも明らかになった。「今度こそ、まっとうに生きる!」13年の刑期を終えた三上を待っていたのは、目まぐるしく変化する想像もつかない世界だった。三上に近づき、彼の姿を面白おかしく番組にしようする2人の若手テレビマン。まっすぐ過ぎるが故にトラブルばかりの元・殺人犯が、いつしか彼らの人生を変えてしまう――!?これまで、一貫してオリジナルにこだわり続けた西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした小説を基に、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑む。本作の主演を務めるのは名優・役所広司。人生の大半を刑務所で過ごし、まっすぐ過ぎる性格とどこか憎めない魅力で周囲の人々と繋がっていく三上役を演じる。「いつか西川監督作品に参加したいと思っていました」と語る役所さんは、今回の役どころについて「得体のしれない男の役」と語り、「今日撮影したシーンを明日撮るシーンの手掛かりにしながら、最後までこの男はどんな人間なんだろう?と自分に問いかけていました」と難しさを感じていたという。また、三上がテレビ局へ送った刑務所内の個人台帳「身分帳」を手にするテレビディレクターを仲野太賀。三上が更生していく様子をテレビ番組にしようと近づくテレビプロデューサーを長澤まさみ。ほかにも、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美ら豪華キャストが揃っている。「約30年前の小説ですが、これほど『人間と世間』を面白く描いた物語が埋もれていたとは、と映画化を決意しました」と語った西川監督は、「主人公に役所広司さんを迎え、その男のやり直しの日々を現代に置き換えました。生々しくも温かい物語性と、役所さんの凄まじい人間的魅力に引っ張られ、濃密な人間ドラマが仕上がったと思います」と完成へ自信をみせている。『すばらしき世界』は2021年春、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2020年07月08日日本映画界を代表する名優・役所広司が主演を務める日中合作映画『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』。先日、第32回東京国際映画祭でのワールドプレミアでの興奮もまだ冷めやらぬなか、俳優歴41年の役所さんがピッケルを武器に、かつてないバトルを繰り広げる本編映像がシネマカフェにて解禁となった。本作で役所さんが演じるのは、“ヒマラヤの鬼”と呼ばれるヒマラヤ救助隊<チーム・ウィングス>の隊長・ジアン。公開された本編映像には、救助隊員として「人命を守る」という信念を貫いて下山しようとするジアンと、多額の報酬と引き換えに「機密文書の回収」という任務を冷徹に達成させようとするヴィクターとの、壮絶な戦いが収められている。男2人、お互いに持っている武器は登山道具のピッケルのみ。ヴィクターが隠し持っていた銃も、エベレストのあまりの寒さに凍り付いてしまうほどだ。必死の表情でピッケルを振りかぶり、馬乗りになって殴り合ったかと思いきや、鋭利なスパイクの付いたブーツで蹴り合うなど、アクションの応酬で息つく暇もない大迫力の映像は、「これほどスケールの大きい作品は日本では体験できない」と明かす役所さんの言葉通り、まさに日中合作ならでは。俳優歴41年の役所さんにとって、カナダや中国、ネパールといった世界各地で行われた大規模な撮影に加え、ワイヤーやグリーンバックを使用しての本格アクションは今回が初となるが、その鬼気迫る表情はもちろん、動作一つとっても迫真の演技で観るものを惹きつける。そんな役所さんの俳優魂は、世界から集まった共演者たちにも強く響いたようで、先日開催されたワールドプレミアでは、シャオタイズ役のチャン・ジンチューやハン役のリン・ボーホンも絶賛。撮影中、役所さんが27時間もの長時間にわたってワイヤーに吊るされていることがあったという驚愕のエピソードも明かされ話題をさらったが、そんな中でも終始笑顔だったという役所さんの姿勢には、思わずジンチューも「役所さんの現場でのプロフェッショナルな姿勢に、とても感動しました」と感服しきった様子だった。役所さんが文字通り決死の覚悟で撮影に臨み、かつてないほどの白熱のアクションを見せる本作。「各国の皆さんと映画を作ることが出来て、本当に幸せでした。多くの方に、本作が描く美しい自然風景と美しい人間模様を楽しんでいただきたい」と自信を覗かせるように、世界的キャストとの化学反応により新たな魅力を見せてくれそうだ。『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』は11月15日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 2019年11月15日より全国にて公開©Mirage Ltd.
2019年11月16日俳優・役所広司主演の日中合作映画『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 Wings Over Everest』が、11月15日に公開を迎える。メガホンを握るのは、本作でデビューを飾るユー・フェイ監督。役所はなぜ、無名新人監督のオファーを受け、危険を伴う山岳アクションに挑んだのか。標高8,848m・氷点下83度、過酷な環境下にある世界最高峰・エベレスト。役所は、ヒマラヤ救助隊「チーム・ウィングス」を率いる隊長・ジアンを演じ、飛行機の墜落現場に残された重要機密文書を巡って、デスゾーン(危険地帯)に身を投じた隊員たちが異常事態に巻き込まれる様を描く。ユー・フェイ監督は、過去に北極と南極を制覇し、ヨーロッパアルプスの最高峰・モンブラン、さらには標高8,163mのヒマラヤ山脈マナスルも完登した猛者だ。フランスのゲーム会社・Gameloftの中国グローバル副総裁として数々の人気作をプロデュースする中、「中国ではまだ誰もエベレストを題材にした映画を作ったことがなかった」「昔から憧れている映画のテーマ」などの理由から創作に着手。16年間務めていた同社を離れ、所有していた株をすべて売った資金で映画会社・Mirage Filmを設立した。脚本執筆開始から映画完成に至るまで約4年を費やし、中でも「世界の半分を旅してでも、映画に最適な人を見つけたい」とキャスティングに並々ならぬこだわりがあったというフェイ監督。その後、プロデューサーとして加わった名匠テレンス・チャンが「世界で一番優秀な役者の一人」として役所の名を挙げ、フェイ監督も『十三人の刺客』(2010)、『失楽園』(1997)、『うなぎ』(1997)などで感銘を受けていたことから、役所へのオファーを決意する。約1カ月をかけて日本語に翻訳された脚本は、「これほどスケールの大きい作品は日本では体験できない」と役所の心を動かす。「中国と日本、ひいてはアジアが映画を通して交流し、同じ映画人として友情を深めていきたい」と常日頃から抱いていた役所にとっては絶好の機会で、脚本から伝わった「今まで経験したことがないアクション映画」と向き合った結果、「ぜひ俳優として挑戦してみたい」と決断したという。役所との打合せを「とても楽しかった」と振り返るフェイ監督。「オーラがあるが全然威圧感がなく、優しいお方でした」とその人柄に惚れ込んだようで、「撮影の最初から最後まで、彼は新人監督としての私を支え、信頼と広い心を与えてくれた」と感謝の言葉を送っている。(C)Mirage Ltd.
2019年10月29日公共の場で泣いている赤ちゃんを優しく見守り、子育てしやすい社会を目指す「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」。新たに2019年6月3日より世田谷区で「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」が始動します。都内自治体初となる今回の取り組み。背景にあったのは、近年の虐待事件をはじめ、さまざまな痛ましい事件を重く受け止めた世田谷区の、「育児で孤立しがちなママ・パパたちにもっと手を差し伸べたい」という強い願いでした。そこでウーマンエキサイトは、保坂展人区長にプロジェクトを始めるにあたっての今のお気持ちや世田谷区の現状、目指す未来についてお話を伺いました。今回は、ウーマンエキサイトのスペシャルサポーター「ママリーダーズ」のメンバーで、世田谷区在住 4児のママでもあるasacoさんと夫の政治さんを迎え、子育て世代からのリアルな声を交えた対談インタビューをお届けします。■泣き声やベビーカー問題。親の本音は?保坂区長:出先で(飲食店などで)困ることはやはり多いですか?asacoさん(以下、asaco):赤ちゃんと2人で外出したときに、バスや電車、お店などでギャン泣きされたときは周りの視線がとても気になって、毎度惨めな気持ちになります。泣き声以外にもスペースの問題でベビーカーがダメだったり…。政治さん(以下、政治):わが家は子どもが4人いるので、わりと大きめな店じゃないとなかなか入りにくいんですよね。保坂区長:ベビーカーで電車に乗って不便を感じたりは?政治:混雑しているときはやはり躊躇(ちゅうちょ)しますね。人によって対応は違いますし、嫌な顔をする人はもちろんいます。逆に手伝ってくださる方もいますが、それぞれ皆さん感じ方が違うな…というのが思うところですね。ウーマンエキサイトでも子育て中のママ・パパ(4,975人)を対象にアンケート調査(*)を実施したところ、「赤ちゃんとの外出に不安を感じたことはありますか?」の問いに「ある」と答えた割合は86.6%にも及びました。それほど多くのママ・パパたちが外出先などで周囲の視線が気になり、心理的負担を抱えてしまうのが現状なのです。(*ウーマンエキサイト×まちcomi調べ)■子どもの声は騒音? 地域で変わるべき「今」保坂区長:世田谷区は、今まで比較的高齢者が多い地域で、10年前までは子育て世帯は減っていたんです。しかし、ここ10年ほどで(子育て世帯が)増えてきたことで、例えば保育園の建設に対して、「子どもの声がうるさい」からと反対の声が一部あったり…。今まで久しく赤ちゃんの声などを聞いていなかった人たちがいて、実際に赤ちゃんの声が聞こえるようになって「いいね」と言う人もいれば、めくじらを立てるような人も一部いる。しかし、次の世代に還元しないといけないよねということで 『子ども・子育て応援都市宣言』 というものを4年前にやったんです。お店にしても、赤ちゃんが泣いても受け入れてくれるお店はあっても、見分けられない。だからこそ可視化して、さらにもうひとつ言うと、赤ちゃんに優しい街というのは評価がやっぱり高いわけです。今までは「ちょっとうちは…」というお店であっても、例えばその商店街が赤ちゃんに優しいと言われて評価が上がれば、お客さんもたくさん来る…というように、店主さんの意識も変わってくるんじゃないかなと思っています。asaco:私は地元が静岡県の浜松市なのですが、先日帰省した際、地元のお祭りである「浜松まつり」に参加して感じたのは、お祭りを通じて世代問わずたくさんの地域の方と交流が持てることの素晴らしさでした。やっぱり東京にくると親戚もいないし、この地で築いたつながりしかないから、今まで交流のなかった、特に年配の方とはつながりを持ちづらいのかなと感じています。保坂区長:そんな時はぜひ児童館をうまく使ってほしいなと思っています。児童館自体は、午前中は小さいお子さん向けの子育て講座などをやっている場合が多いですが、小学生や中学生も出入りしていて、児童館祭りという地域のお祭りを開催しているので、そこで知り合うというのもありだと思いますし。ほかにも、区内に30カ所ほど 『おでかけひろば』 というものを設置しており、保育スタッフやお手伝いのスタッフもいて、お母さん、お父さんがお子さんを連れて一緒に過ごせるスペースを用意しています。その土地に知り合いがほとんどいない人などでも、おでかけひろばで知り合いになって、イベントをやったり、参加していったり、口コミのネットワークができていったりするんです。■「そんなステッカーもあったね」と昔話になるようにー今後の取り組みを通して目指すもの、期待することは?保坂区長:WEラブ赤ちゃんプロジェクトが始まることで、子ども専用じゃない施設にステッカーをどんどん貼っていき、願わくはお子さんが子育て世代になる頃には、「そんなステッカーもあったね」と言われ、子連れでどこへでも行けるのが当たり前の社会にしたいですね。asaco:「子どもの声がうるさい!」と捉える方は、まだまだたくさんいらっしゃると思います。特に東京という地域柄、その傾向は強いのかもしれません。そんな中、都内の自治体のなかで世田谷区がいち早くこのプロジェクトに賛同したのは、区民として本当にうれしいことです。この動きをきっかけに、のびのびと子育てができる環境が、全国にどんどん広がっていくことを切に願っています。政治:WEラブ赤ちゃんプロジェクトをきっかけに、子育て世代に寛容な社会になってくれるといいなぁと思っています!▼世田谷版「泣いてもいいよ!」ステッカーの配布が始まりました!6月3日より、世田谷版「泣いてもいいよ!」ステッカーの配布が始まりました。区内の出張所、まちづくりセンター、児童館、おでかけひろば、保育園など、区の関係施設で手に取ることができます。おでかけひろばのひとつ『 古民家mamas 』に来ていたママたちにも、さっそくチラシやステッカーを手に取ってもらいました。集まったママたちに日頃のおでかけについて聞いてみると、「バスや電車に乗るときは泣かれないように万全の準備をするけれど、泣いたらやはり降りてしまう」「泣いているのを心配して若い男性が声をかけてくれた」などの声が。またこの度の「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」については、「住んでいる地域で実施されるのはうれしい」「学生さんたちなどの若い世代にも広まってほしい」と期待を込めて語ってくれました。ステッカーの配布と同時に、区内の民生・児童委員などの地域の子育て支援の担い手には「泣いてもいいよ!」の缶バッジやキーホルダーを着用してもらいます。いよいよプロジェクトも本格始動。地域のみなさんと一緒に、「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を積極的に広めていきます。(取材協力:古民家mamas)「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」特設サイトがOPEN! 取り組みの詳細やステッカーの配布場所、区内の子育てイベントが紹介されます。さらに6月中旬からは、「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を広げていくためのアイデア募集もはじまります!
2019年06月03日俳優の役所広司主演で現在公開中の映画『孤狼の血』の続編が東映にて製作されることが25日、明らかになった。同作は第69回日本推理作家協会賞受賞、『このミステリーがすごい! 2016年版』国内編3位に輝いたベストセラー小説を実写映画化。昭和63年を舞台に、広島の刑事・日岡秀一(松坂桃李)と、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾(役所)が担当した、金融会社社員失踪事件の捜査から、対立する暴力団組同士の抗争が激化していく。役所をはじめ、松坂桃李、真木よう子、中村倫也、中村獅童、竹野内豊、音尾琢真、ピエール瀧、石橋蓮司、江口洋介など日本を代表する豪華キャストが集結し、「新たな東映やくざ映画の金字塔」と言われ、映画公開前から業界内で話題に。公開後も多くの賞賛を受け、続編に向けて撮影スタッフ・キャストの調整に入っていることが明らかになった。続編の物語のベースとなるのは、原作の続編でもある『凶犬の眼』(KADOKAWA刊)。東映としては映画『孤狼の血』のスタッフ・キャストの続投を熱望しているという。代表取締役社長 多田憲之氏は「『孤狼の血』は東映らしい作品となりました。このジャンルの映画を続けていかなくてはならないと思い、続編の決定を致します」と宣言した。○役所広司コメント続編は、第一作を遥かに超えるいい作品を期待しています。今後、色んな監督、脚本家、俳優たちがこのジャンルの映画で魅力が発揮される時代が来ると日本映画に活気が出るのではないでしょうか?○柚月裕子コメント「荒磯に波」の東映△マークを見るだけで、心が震えました。続編は望外の喜びです。持てる力すべてを注ぎ込んでくださった 東映とスタッフ、劇場に足を運んでいただいた観客の皆様には、感謝の言葉しかありません。あの狂熱と恍惚を、再び期待しております。
2018年05月25日公開初日を迎えた映画 『孤狼の血』の舞台あいさつが12日、東京・有楽町の丸の内TOEIで行われ、役所広司、松坂桃李、江口洋介、真木よう子、ピエール瀧、音尾琢真、中村倫也、阿部純子、白石和彌監督、原作の柚月裕子、原作の柚月裕子が登場した。映画 『孤狼の血』の初日舞台あいさつに登場した役所広司、松坂桃李(左から)主演の役所広司らキャスト陣と白石和彌監督らが勢揃いして行われた初日の舞台あいさつ。今年で俳優生活40周年を迎える役所は「ギリギリ体力が持ったかな? という作品に40周年に出会えてとても幸せでした」と感激しきりで、タッグを組んだ松坂に対して「松坂くんの40周年の時は全裸で仕事しているんじゃないでしょうかね(笑)」と『娼年』で濡れ場を披露したことを揶揄して笑いを誘う場面も。それに応じた松坂は「今回はそういうシーンないですから(笑)」と先輩のイジりに苦笑いを浮かべるも、「今年で30歳になる節目の年で『孤狼の血』という作品で皆さんとお仕事ができ、僕の中では忘れられない作品というか特別な作品になりました」と役所をはじめとするキャスト陣と白石監督に感謝した。役所と松坂は、劇中で対照的な刑事役でタッグを組み、共演シーンも多い。役所が「繊細に自分の役をラストシーンまで積み重ねてくれて、ちゃんとしたプランを持っている素晴らしい役者さんだと思いました。真っ直ぐな眼力で、共演者としても頼もしい俳優さんですよ」と松坂を絶賛。一方の松坂は「役柄的にバディという関係性もあって、勝手に親のような師匠のような、それこそ大先輩のような、色んなものが混ざっていました。でも最終的に感じたのは、やっぱり大きくて分厚く遠いな、とすごく感じましたね」と話すも、「つくづくやって良かったという思いがあります」と本作の出演は松坂にとってかけがえのない時間だったようだ。その役所と松坂が演じ刑事と対峙する極道役の江口。意外にも仁義を通す昭和的な極道役は本作が初めてだという。「見たことがない映画というか、こういうバイオレンスって意外に日本では描きづらい状況になっていると思います。もしかしたら、今の世の中からするとこういうやくざ映画は時代劇になるのかもしれません。そういう意味では新しい突破口になってひりひりするようお芝居をやれるきっかけになりました」と振り返った。第69回日本推理作家協会賞受賞、『このミステリーがすごい! 2016年版』国内編3位に輝いたベストセラー小説を実写映画化した本作。昭和63年の広島を舞台に刑事・日岡秀一(松坂)と、暴力団との癒着が噂される刑事・大上章吾(役所)が担当した、金融会社社員失踪事件の捜査から、対立する暴力団組同士の抗争が激化していく。
2018年05月12日映画『孤狼の血』の完成披露試写会が4月25日(水)、都内にて開催され、主演の役所広司、出演の松坂桃李、真木よう子ら12名が豪華集結した。同作は、<警察小説×『仁義なき戦い』>と評される柚月裕子氏のベストセラー小説を、白石和彌監督が映画化。昭和63年の暴力団対策法成立直前の広島の架空都市を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う姿を描く。■役所広司、松坂桃李、真木よう子らの出現に銀座騒然!イベントには、役所さん、松坂さん、真木さんのほか、出演の竹野内豊、江口洋介、ピエール瀧、阿部純子、中村倫也、音尾琢真、伊吹吾郎、白石和彌監督、柚月裕子氏(原作者)が出席。舞台挨拶の前には、正装姿の一同が専用トラックで銀座の街に出現し、詰め掛けたファンを熱狂の渦に包み込んだ。■松坂桃李、役所広司との共演は「何よりの宝です」舞台挨拶では、マイクを持った松坂さんは「自信を持ってお届けできる作品です。最後まで楽しんでいってください」と目を輝かせた。松坂さんは劇中では役所さんと共に刑事役を演じており、「警察の役をやったというより、僕は役所さんとバディを組ませてもらったことが本当に、何よりの宝です」と撮影を振り返った。劇中では、役所さんが演じる大上刑事のzippoライターが登場するそうで、松坂さんは「今回、この作品で、役所さんのライターがあるのですが、それをもらったのです」とタキシードのポケットからzippoライターを取り出した。「まだ観ていない方はどういうことかはわからないと思うのですが、きっと観終わったときには、『うわあ、うらやましい』と思うような濃厚な関係性の中でやらせてもらえたことは僕の中では宝物でした」と役所さんとの共演に歓喜。■役所広司、松坂桃李を絶賛…真木よう子は男たちの熱演に羨望役所さんも「今回はほとんど一緒のシーンが多かったので楽しかったです。共演者として頼もしい俳優さんで、素晴らしい俳優さんだと思いました」と共演を振り返りながら、松坂さんを絶賛した。警察やヤクザ関係者たちが常連客としてやってくるクラブのママ役を演じた真木さんは、警察やヤクザ関係者がオールキャストで会するシーンがあったことを告げ、「それを間近で見ていて、『かっこいい』と普通に思ってしまいました」と心境を紹介。「私も男性だったらやりたいなと思うくらいすごくかっこいい男性たちばかりだったので、羨ましさもあり、すごくかっこいいなと思っていました」と男性キャストたちの熱演にすっかり心を奪われた様子だった。イベントの最後にマイクを持った役所さんは、「白石監督と会ったときに、『元気のある日本映画を作りたいな』ということを言っていまして、僕たちキャストも、スタッフも、何とか元気のある映画を作ろうと頑張りました。ヤクザ関係のキャストの人たちは普段はちゃんとした社会人みたいな顔をしていますけれど、根が不良ですから、伸び伸びとヤクザを演じていらっしゃいました。真木さんも、阿部さんも、華を添えてくださって、僕と松坂君は刑事で、“正義の味方”をやっています!」と声を弾ませた。『孤狼の血』は、5月12日(土)より全国にて公開。(竹内みちまろ)■関連作品:孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会
2018年04月25日映画 『孤狼の血』(5月12日公開)の完成披露試写会が25日に都内で行われ、役所広司、松坂桃李、真木よう子、中村倫也、音尾琢真、阿部純子、竹野内豊、伊吹吾郎、ピエール瀧、江口洋介、原作の柚月裕子、白石和彌監督が登場した。同作は第69回日本推理作家協会賞受賞、『このミステリーがすごい! 2016年版』国内編3位に輝いたベストセラー小説を実写映画化。昭和63年を舞台に、広島の刑事・日岡秀一(松坂)と、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾(役所)が担当した、金融会社社員失踪事件の捜査から、対立する暴力団組同士の抗争が激化していく。キャスト陣が丸の内に現れると、集まったファンからも歓声が上がる。舞台挨拶では、マスコミ席を観客に発行してしまうというハプニングも。主催側の対応に怒った観客が「時間返せ!」「マスコミどけろ!」と強い言葉で迫り、急遽段取りが変更となった。約15分遅れで始まった舞台挨拶に、ピエールは「バタついてる現場が大好きなんです」とニヤリと笑みを見せた。改めて松坂は「役所さんとバディを組ませてもらったことが何よりの宝で。役所さんのライターをいただいた」とエピソードを披露。「きっと見終わった後には『うわ、うらやましい」とお思われるような濃厚な関係性の中でやらせていただいたことが幸せでしたね」と感謝を述べる。役所も「2度目の共演ですけど、ほとんど一緒のシーンだったので、楽しかったです」と振り返った。役所は「ちょっと元気のある作品を作りたいなと思いまして、キャストもスタッフも元気なものにしようと頑張りました」と語り、「これから公開始まりますので、どうぞ宜しくお願い致します」と頭を下げた。
2018年04月25日“警察小説×『仁義なき戦い』”と称され、日本推理作家協会賞に輝くなど高い評価を受けた柚月裕子の「孤狼の血」が映画化されることになり、主演の役所広司をはじめ、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介に白石和彌監督が記者会見に臨んだ。昭和63年の暴力団対策法の成立直前の広島県呉市を舞台にした本作。型破りの捜査方法で知られ、暴力団との癒着さえ噂される刑事・大上と彼とバディを組むことになった日岡が金融会社の社員失踪事件を担当することになるが、これをきっかけに対立する暴力団の抗争が激化し…。会見には原作者の柚月さんも出席したが、本作について「『仁義なき戦い』なくしてこの小説はありえなかった」と語り、『仁義なき』シリーズを送り出した東映での映画化に感慨深げ。「活字でなくては成り立たないミステリーの部分、難しい表現が実現するのか?」と期待を口にする。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』と犯罪や警察内部の腐敗を扱った作品を送り出してきた白石監督は「韓国ノワールが全盛期を迎え、海外でもそういう作品が作られる中で、日本でなかなかそういう作品が作れないのは寂しい」と語り、4月中旬のクランクインを前に「変なコンプライアンスを気にしたり、自主規制をせず、やれることを逃げずにやると誓い、心を奮い立たせています」と闘志を燃やす。常軌を逸した捜査を行なう主人公・大上を演じる役所さんは「このテイストの映画をいま、日本でできるのは白石監督しかいない」と監督に全幅の信頼を寄せる。そして「僕も『仁義なき戦い』を若い頃に見てドキドキワククしました。このテイストは、東映で作らなければいけない。脚本を読んで、原作のカッコいいハードボイルドな世界に、白石監督の世界が足され、もっとアウトローになってます。警察もヤクザもみんな真剣に生きてて、人間くさいユーモアがあって魅力的です。大神はムチャクチャですが、彼なりの正義どれだけ伝わるか楽しみです」と撮影が待ちきれない様子。大上とコンビを組む日岡を演じる松坂さん。役所さんとはCM、そして映画『日本のいちばん長い日』でも共演してきたが、全編にわたってガッチリと共演するのはこれが初めて。「最初にお会いしたのが某CM(※ダイワハウス)で、最初は一瞬の絡みしかなくて、『そこまでだ、松坂!』と言われるんですけど、本名を呼ばれて嬉しくて、そのとき、いつかご一緒したいと思いました。今回、バディとして作品の中で生きられるのが嬉しいし、楽しみで仕方ないです」と笑顔を見せた。この日は、多くの会社や学校で入社式、入学式が執り行われたが、昭和の最後を生きる刑事を演じる松坂さんは、本作を現代の若者にどう見てほしいか?そして新社会人や新入生に向けてのメッセージを求められ「この作品を読んで、一人の男として胸が熱くなりました。これから違う環境に行く、新しい世代のみなさんも、熱い気持ちを持って、目の前にあることに向き合っていただければ!」とエール。役所さんは同じ問いかけに「映画が発する人間のエネルギーを感じてほしい。熱い人間を感じて、この世の正義について自分なりに考えて勉強してほしいと思います」と呼びかけた。真木さんは本作でクラブのママ・高木里佳子を、江口さんは暴力団「尾谷組」の若頭・一之瀬を、石橋さんは暴力団・五十子会の組長を演じる。このほか、所轄の刑事役で田口トモロヲ、県警の監察官役で滝藤賢一が出演することも発表された。映画『孤狼の血』は2018年公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月03日岡田准一、役所広司、有村架純をメインキャストに迎え、『日本のいちばん長い日』の原田眞人監督がメガホンを取った『関ヶ原』。このほど「関ヶ原の戦い」を舞台に超豪華キャストが集う本作の、ティザービジュアル&劇中写真がお披露目された。混乱を極めた戦乱の世。「官僚派」の代表格・石田三成(岡田准一)と「武断派」の武将たちは、豊臣秀吉が命じた「朝鮮出兵」をきっかけに対立を深めていった。豊臣家への忠義から立ちあがる三成と、天下取りの野望を抱く徳川家康(役所広司)。やがて名だたる大名が、三成率いる「西軍」(約10万)と、家康率いる「東軍」(約7万)に分かれ、後の世で“天下分け目の関ヶ原”と語られる通り、関ヶ原で歴史的節目の戦いに臨むこととなる。三成と家康は、いかにして世紀の合戦に向かうのか?そして、命を懸けて三成を守る忍び・初芽(有村架純)との、密やかな“恋”の行方は…?権謀渦巻く中、「愛」と「正義」を貫き通した“純粋すぎる武将”三成の戦いがいま、幕を開ける。いわずと知れた歴史小説界の巨星・司馬遼太郎が生み出した小説「関ヶ原」を原作に、『駆込み女と駆出し男』『日本のいちばん長い日』など知られる名匠・原田監督がメガホンをとる本作。このほど、公式サイトで解禁されたティザービジュアルには、岡田さん扮する石田三成が、「大一大万大吉」の旗印が入った軍旗を背景に関ヶ原の合戦に臨む、雄々しい姿を披露している。己に降りかかる厳しい戦況を見据えているかのような強烈な眼差しに、いったいどのような策で役所さん演じる徳川家康に挑むのか、ストーリーの展開が気になるビジュアルとなっている。また、作品のキャッチコピーとして“「愛」と「野望」、激突!”と掲げられているとおり、男たちの熾烈な戦いに加え、恋愛模様も描かれるのでは…? と期待は高まる一方。さらに添えらえた「わずか6時間で決した史上最大の戦いは、その後の日本の歴史を大きく変えた戦国武将総出演で繰り広げる天下分け目の大合戦。今誰も見たことのない戦国の、扉が開く!」というフレーズには、歴史ファンならずとも興味を惹かれてしまうはず。そして今回は、西軍・東軍含め豪華オールスターキャストが勢ぞろいした劇中写真も解禁!お披露目されたキャストは役所さん、有村さんをはじめ、島左近役の平岳大、小早川秀秋役の東出昌大、大谷刑部役の大場泰正、直江兼続役の松山ケンイチ、安国寺恵瓊役の春海四方、赤耳役の中嶋しゅう、花野役の中越典子、尼僧妙善役の壇蜜、井伊直政役の北村有起哉、福島正則役の音尾琢真、黒田長政役の和田正人、加藤清正役の松角洋平、蛇白役の伊藤歩、北政所役のキムラ緑子、前田利家役の西岡徳馬、豊臣秀吉役の滝藤賢一の総勢18名。日本映画界が誇る実力派キャストの顔ぶれを見るだけでも、本作のスケールの壮大さが伺える。誰もが知る「関ヶ原の戦い」を日本映画史上初めて描く、戦国エンターテインメント超大作。岡田さんの三成をはじめ、それぞれの熱い想いを感じてみて。『関ヶ原』は8月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月28日この度、司馬遼太郎の累計部数580万部超えを記録した「関ヶ原」(新潮文庫刊)が来年秋、映画化されることが決定。主要キャストには「V6」岡田准一、役所広司、有村架純を迎えることも分かった。西暦1600年10月21日。長く混迷を極めた戦国時代に終止符を打ち、その後の日本の支配者を決定づけた、戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”。その決着に要した時間はたったの6時間だった。 豊臣家への忠義から立ちあがり、史上最大の合戦に挑んだ石田三成。権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康。圧倒的に有利と言われた三成率いる西軍はなぜ負けたのか? そこには “封印”された真実が隠されていた。そして、三成を命を懸けて守り、愛し続けた忍び・初芽との許されない、淡い“恋”の行方は…。様々な権謀が渦巻く中、多勢に流されず己の「愛」と「正義」を信じ、貫き通そうとした“純粋すぎる武将”三成を中心に、「愛」と「野望」の激突が、いま幕を開ける――!原作は、世代を超えて熱烈なファンを数多く持つ歴史小説界の巨星・司馬氏の戦国史上最大の合戦・関ヶ原の戦いを描き「国取り物語」「新史太閤記」と並ぶ“戦国3部作”。「覇王の家」「城塞」と並ぶ“家康3部作”のひとつでもあり、これまでにも、1981年にTBSでドラマ化されたが、今回待望の初映画化。司馬遼太郎作品の実写映画化は、1999年公開『梟の城』以来、実に18年ぶりとなる。脚本及び監督を務めるのは、『日本のいちばん長い日』で第39回日本アカデミー賞優秀作品賞、及び優秀監督賞を受賞した日本映画界の名匠・ 原田眞人。25年もの長きにわたり熱望し続けたという歴史超大作の映画化がついに実現。監督自身が紆余曲折を経て辿り着いた「関ヶ原」は、司馬遼太郎が小説で描いた石田三成の義を貫く様。いまを生きる日本人の指標とすべき生き方として、新しい「関ヶ原」を作り、日本初の“世界戦略時代劇”として放たれるようだ。キャストには、己の正義を強く信じ、愛を貫き通そうとした“純粋すぎる武将”石田三成に、「日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞にも輝き、『エヴェレスト 神々の山嶺』『海賊とよばれた男』そして来年公開予定の『追憶』と、主演作が目白押しの岡田さん。また、豊臣秀吉亡きあとの天下取りに野望を抱き、三成と相対する徳川家康には、原田監督作品では常連の役所さんが好演する。原田監督作品には初参加となる岡田さんは、今回の出演に「日本で一番の大合戦『関ヶ原』が映画化されることを僕自身、いまから楽しみにしています。歴史好きとして、本来の人物像に近いであろう石田三成を演じることができ嬉しく思います」と喜び、「原田眞人監督のもと役所広司さん、有村架純さんを始めとするキャストの皆様、スタッフの皆様と全力で撮影に挑みたいと思います」と意気込んだ。またこれまで数々の歴史上の人物を演じてきたが、家康役は初挑戦となる役所さんは「信長、秀吉など、数々の戦国武将の成功と失敗を間近に見て学んできた家康が、人生最大の大博打“関ヶ原の戦い”に挑み、勝利するまでの心の動き、いまからワクワクしています」と心境を語った。そして、三成の下で忍びとして、また女性として支え続ける初芽(はつめ)には、来年の連続テレビ小説「ひよっこ」に主演が決定し、『僕だけがいない街』『何者』『3月のライオン』など映画・ドラマに引っ張りだこな有村さん。共演の岡田さん、役所さんとは初共演となり、また本格時代劇初、さらには殺陣などのアクションにも初挑戦と初めてづくしとなっている。そんな有村さんは「言葉や所作、アクション、一から覚える事がたくさんありますが出演されるキャストの方々のお芝居を見て勉強しながら、その時代を生きた人物として、石田三成の腰元として女を忘れしっかりと役目を果たしたいなと思います。精一杯頑張ります!」と気合十分だ。激動の戦国時代、表立っては言えない恋心を秘めながら、命を懸けて主君三成を守る初芽の姿には感涙必至となることだろう。撮影は8月中旬より約2か月半、滋賀・京都などを中心に国宝級の歴史的建造物での映画初撮影も予定。さらに、天下分け目の決戦を描くために約3,000人規模のエキストラも参加しての非常に迫力のある撮影もされるとのことだ。『関ヶ原』は2017年初秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年08月10日V6・岡田准一、俳優・役所広司、女優・有村架純が、司馬遼太郎の原作をもとに邦画史上初めて"関ヶ原の戦い"を真正面から描く映画『関ヶ原』(2017年秋公開)に出演することが10日、発表された。原作は、司馬遼太郎の同名小説。『国盗り物語』『新史太閤記』と並ぶ"戦国三部作"で、『覇王の家』『城塞』と並ぶ"家康三部作"の1つでもあり、単行本と文庫を合わせた累計発行部数は580万部を記録している。司馬原作の実写映画化は『梟の城』(99年)以来18年ぶりで、『日本のいちばん長い日』(15年)で第39回日本アカデミー賞優秀作品賞および優秀監督賞を受賞した原田眞人監督がメガホンを取る。岡田が演じるのは、己の正義を強く信じ愛を貫き通そうとした"純粋すぎる武将"・石田三成。正義を重んじるあまり融通が利かず不器用で人間味あふれる姿を見せ、これまで悪賢く計算高い人物として捉えられることの多かったイメージとは異なる新たな三成像を披露する。岡田は、「日本で一番の大合戦『関ヶ原』が映画化されることを僕自身、今から楽しみにしています」とし、「歴史好きとして、本来の人物像に近いであろう『石田三成』を演じることができうれしく思います」と歓喜している。一方の役所が務めるのは、豊臣秀吉亡きあとの天下取りに野望を抱き三成と相対する徳川家康役。策略を巡らし反三成の大名を多く取り込みながら三成を追い詰めていく、権力欲に燃える東軍大将を熱演する。これまでさまざまな歴史上の人物を演じてきたものの、家康には初挑戦となる役所は、「数々の戦国武将の成功と失敗を間近に見て学んできた家康が、人生最大の大博打『関ケ原の戦い』に挑み、勝利するまでの心の動き、今からワクワクしています」と期待を寄せる。そんな2人と初共演となる有村は、三成の下で忍びとして、また女性として表立っては言えない恋心を秘めながら支え続ける初芽(はつめ)役を担当。今回が初の本格時代劇で、殺陣などのアクションも初挑戦となるため、「言葉や所作、アクション、1から覚える事がたくさんあります」と吐露しつつも、「その時代を生きた人物として、石田三成の腰元として女を忘れしっかりと役目を果たしたい」と意気込みを見せた。撮影は8月中旬より約2カ月半にわたり、滋賀や京都を中心に約3,000人規模のエキストラも招集して敢行。25年に及んで映画化の構想を温めてきた原田監督は、自身が出演した「『ラストサムライ』(03年)を超える日本発の世界戦略時代劇を作りたい!」と強い思いを語っている。(C)2017「関ヶ原」製作委員会
2016年08月10日●もともとは映画が作りたかった注目を集めるテレビ番組のディレクター、プロデューサー、放送作家、脚本家たちを、プロフェッショナルとしての尊敬の念を込めて"テレビ屋"と呼び、作り手の素顔を通して、番組の面白さを探っていく連載インタビュー「テレビ屋の声」。今回の"テレビ屋"は、テレビ朝日のバラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』のチーフディレクター・北野貴章氏。出演するどの先生からも衝撃の"しくじり"体験が飛び出し、放送のたびにネットニュースを騒がせる、その取材力の秘密を聞いた――。――今回、北野さんを指名されたNHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』の西川毅さんが、「『しくじり先生』はついつい見ちゃいます。コントとしてもよくできている。メッセージ性もすごくあるので、NHKでやれば良かったのに」とおっしゃっていました。うれしいです。『LIFE!』も『サラリーマンNEO』もめっちゃ好きなんですよ。ストーリーがあるものが作りたかったので、コントが表現できていると言われるのは、すごくうれしいですね。――テレビ局に入社されたのはバラエティ志望ではなかったんですね。もともと映画が作りたくて、テレビ局でも作れるんじゃないかと考えてテレビ朝日に入社しました。でも、なかなか演出ができるチャンスがなさそうだったので、なんでもできるバラエティに来て、映画やドラマ、コントのようなものができればと思って入りました。――そして入社されてから、どのような番組を担当してきたんですか?実際に入ってもやりたい番組が分からなくて(笑)。大学のときのインターンで『ナニコレ珍百景』を見学させてもらい、演出とプロデューサーをやっていた保坂広司さんがすごい好きだったので、「保坂さんの下がいいです」とお願いして、『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』に入りました。1年目は他に特番を14番組くらいやって、それがすごく良かったなと思いますね。――いろいろなジャンルの番組を経験できたんですね。そうですね。歌謡曲の番組もやりましたし、深夜のバラエティも、クイズ番組も。で、2年目の年末くらいに『くりぃむクイズ ミラクル9』を立ち上げるということになって、そこでADをやって、深夜の『ギリギリくりぃむ企画工場』という番組にディレクターとして入りました。――入社当初から、とにかくたくさん企画を出していたと伺いました。1年目はやりたい番組がなかったので、めちゃくちゃ企画書を出しました。でも、そもそもドラマ志望で入ってるので、コント番組の企画書を書いても、うちにはそれを作る土俵がなかったので、自分のやりたい番組の企画が通らないんです。そこで、1年目の終わりくらいのときに、勝手に機材を借りて、同期と一緒に番組を作ろうと思い立ったんです。その同期が「餃子の王将」のチケットを持って原宿でナンパして、女の子を誘えたらクリアっていう内容なんですが、当時たくさん特番をやっていたので、その編集の合間に、僕らの映像もこっそり編集してもらって、完成VTRを企画書と一緒に出しました。それが初めて通った『モテスベ』という番組です。そこに、平成ノブシコブシの吉村崇さんに出てもらっていて、次も吉村さんで、コントからムチャをさせるという『未来ディレクター吉村』が2本目。その次に通ったのが『しくじり先生』ですね。――3本目でもう『しくじり先生』ですか! トントン拍子ですね。でも、レギュラーになるまで1年以上かかりました。面白いのになんでレギュラーになれへんのかなとずっと思ってました(笑)●最近はしくじりの"売り込み先生"が出現――『しくじり先生』のアイデアのきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。僕がADのときにしくじっていた体験から、「俺みたいになるなよ」と言いたかったのが最初で、「しくじってもいいんだよ」というメッセージを伝えたかったし、その人をバカにするんじゃなくて「立てたい」という思いもありました。それに加え、自分がディレクターとして、もっとちゃんとしたものも作れるぞというのを見せなきゃという思いがあって、スタジオバラエティで面白いものを作りたいと考えていた部分もありますね。あと、番組のタイトルってタレントさんの冠が付いていることが多いじゃないですか。それって、MCありきで通ってる企画も多いということだと思うんですよね。僕はそれを、制作者がタレントさんに頼りすぎていることなんじゃないかなと思って、メインのMCを入れない番組というのを作りたかったんです。そこで、『しくじり先生』は、ゲストの先生が主人公で毎回変わる形になりました。――番組の肝になるその「先生」を決めるところから、授業の収録までに、どれくらいの期間がかかっているんですか?どんどん長期化して、今はオファーしてから2~3カ月くらいですね(笑)。オファーして1回お会いしてから、打ち合わせを4~5回やります。1回の打ち合わせには3~4時間かかってます。――そんなにかかってるんですね! なぜ長期化しているんですか?以前はまずテーマを決めて、それに合わせて先生をオファーし、打ち合わせもそのテーマの内容に絞って授業を作っていくというスタイルだったんですが、今は先生の人生を一から振り返って、そこからテーマ付けするという形にシフトしているので、どうしても打ち合わせの時間が伸びているんです。――先生のセレクトは、どういうところから決めているんですか? 相当断られてしまうと聞いているので、結構な数を当ててると思いますが…。3つパターンがあります。1つは誰でも知っている「しくじったなぁという人」。2つ目は「しくじってたら面白そうな人」で、結構ネットニュースから拾いますね。そして3つ目は、キャッチーなワードから入ります。大事MANブラザーズバンドの立川俊之さん(※1)のときは、ヒット曲の「それが大事」の歌詞で「負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事って4つ大事なこと言ってるけど、どれが一番大事なんだろう?」と会議で話してて、"しくじり"とは関係なく、聞きに行こうってなったんです。そしたら、「全部大事じゃない」とおっしゃって(笑)。それが面白かったので「何が大事かわからなくなった先生」の授業ができました。(※1)…1991年に発売された大事MANブラザーズバンドの「それが大事」を歌い続けた結果、結局何が大事なのか分からなくなってしまったという立川俊之が、自分の失敗経験から"何が大事か"を教えていく授業。2015年1月29日放送。――実際に打ち合わせが進んでも、途中でNGになってしまうこともあるんですか?あります!あります! 話を聞きに行って、「いや、俺しくじってねーよ」って言われて、「すみませんでした…」と退散することはよくあります。深夜時代には、打ち合わせを3回目くらいやって台本もできて、収録2日前に「やっぱりできない」と断られ、無くなってしまったこともありました。以前は断られまくってたんですけど、最近は逆に「私、しくじってるんですけど…」っていう"売り込み先生"が、たまに来るようになりました(笑)。うれしいことなんですけど、話を聞きに行ったら「それ、ネタじゃないですか!」っていうことがあるので、この場合はお断りしてます(笑)――最近は週刊誌にスクープされて、しくじっている方が結構いらっしゃいますよね。ワクワクしますね(笑)。だけど、ご自分で授業ができるようになるまでにはまだ時間がかかると思うので、あの人にもこの人にも出てもらいたいですけど、もう少し待たないといけないと思います。――これまでいろいろな先生が教壇に立ちましたが、最近では、はんにゃの川島章良さんが腎臓がん手術を行ったことを告白されたのが衝撃的でした。墓場まで持って行こうと思っていたという体験を授業で話してくれることになったのは、何度も長時間にわたる打ち合わせを行って、だんだん心を開かれたのですか?そうですね。これに関しては本人たちはもちろん、事務所とも何度も打ち合わせをしました。病気はしくじりではないですが、結果としてそのことがあったからこそ、今のコンビがあるということは事実なので、ストーリーからは外せないということを話し合いました。――心を開いてもらうコツなどはあるのでしょうか。アホなふりしていろいろ聞くというのが一番ですね(笑)。小林麻耶さんに「○さんの愛人だったって週刊誌に書いてありましたけど、そうなんですか?」って聞いたら笑ってくれたので、そこから仲良くなって、本人からは伝えたいことを言ってもらって、こちらからは台本上面白くしたいので嫌な部分を言ってください、という感じでやり取りして話し合うことができました。毎回そうなんですけど、最初はやっぱり皆さん怒ってるんですよ。だって「しくじってますよね?」って聞きに来るわけですから(笑)。でもだんだん話していくうちに、僕らがむちゃくちゃにしてやろうなんて思ってないことが分かってきてくれますし、最近は番組の知名度も上がって理解してくれるようにもなりました。――この「授業」というスタイルを採った理由はなんですか?一緒にやっているディレクターが他の番組で、手元に資料を持って進行したら、その収録がすごく跳ねたというのを聞いたんです。遠くのカンペを見るよりも、すごく落ち着くみたいなんですよね。そこで、先生が"教科書"を見ながらやるという形にしました。せっかく教科書を作るんだったら、めっちゃ凝りたいんで、使わないページにもすごく情報を盛り込んだら、それがすごいウケましたね。――"教科書を読む"というスタイルに、当初は「下を向いてしまうので、タレントの顔が見えない」という意見もあったそうですね。今は、このスタイルに色が付いてきましたし、教科書を使うのには、実はもう1つ狙いがあるんです。初期の頃は、番組が話題にならないと次をやらせてもらえないと思っていたので、ネットニュースに取り上げてもらうことをすごく考えていました。そのために、教科書を画面で見せたときに、テキストを読むだけで、しくじりの内容が分かりやすいようにしているんです。ページを何枚かまとめたら、授業の流れが把握できるように、テロップの付け方を意識しています。――そうすると、ネットに親しんでいる若い層も見やすいという利点がありますよね。そうですね。僕は若い人にテレビを見てもらいたいので、そこはすごく気にしています。だから、しくじり体験でも、SNSでたたかれてしまったとか、そういうエピソードを多めに入れていますね。●視聴者に"ながら見"されたくない――もうすぐ先生が100人に達するそうですが、北野さんの中で特に印象深いのは、誰の授業ですか?それぞれ面白さがあるので、難しいですね…。実は、深夜からゴールデンに上がるとき、すごく嫌だったんです。そこで、深夜のレギュラー1回目に出てもらったオリエンタルラジオの中田敦彦さんに、深夜の最終回で「ゴールデンへ向かうしくじり先生にエールを送る授業」をしてもらおうと考えたんです。『しくじり先生』のすばらしさを伝えて、ゴールデンでもコンセプトを変えずにやるんだということをプレゼンしてもらおうと思って。でも、中田さんには「もう出し尽くしたから、二度と出ない」と断られ続け、収録の3日くらい前まで何回も頼んで、やっと実現した回だったので、あの授業は思い入れがありますね。もう1本あって、番組審議会に呼ばれたときに、審議委員の秋元康さんに「ゴールデンに進出してから、ドキュメンタリー的な感動の方向に行きがちなところもある」と意見をいただいたので、「そしたら、笑いはもちろん、驚きも感動もある"エンターテイメント"にしよう」と考えたんです。それが一番できたのが、辺見マリさんの「洗脳されて5億円を失っちゃった先生」の授業(※2)ですね。僕の中では、それがすごく表現できたと思いました。(※2)…洗脳によって5億円を失い、金銭トラブル、熟女ヌード、さらには家族との固執と、さまざまな不幸を経験することになった辺見マリが行った、人生を棒に振らないための授業。「洗脳から覚めて本当によかった」と涙を流しながら講義する姿が話題となり、吉村崇も「伝説の回」と絶賛した。2015年9月14日放送。――今後こんなことをやってみたいという番組はありますか?『しくじり先生』でもそうなんですが、視聴者の皆さんに"ながら見"されたくないんです。見だしたら手が止まって、ご飯を食べるのも忘れて、ずっと没頭できるものを作りたいというのがベースにあるので、ストーリーがあるものを作りたいですし、やっぱり最終的には映画みたいなことを、バラエティの中でやりたいんです。それで「やられた!」と思ったのが『SICKS~みんながみんな、何かの病気~』(テレビ東京)ですね。あれは、僕が考えていたことを、だいぶやられてしまったという感じなんです。――昨今「テレビ離れ」と言われることが多いですが、意識されていますか?そもそもなぜテレビ朝日に入ったかというと、今後はもっとテレビだけではなく、コンテンツを作って発信していく会社になると思うので、映画も撮れるチャンスがあると思ったのが一番大きいんですよ。だから、テレビの箱にこだわる必要は全然ないと思うんですよね。ちゃんと見てもらえれば、PCでもスマホでもいいし、若い人が映像を見る文化はなくならないと考えます。テレビ局は面白い映像を作る能力がすごく長けていると思うので、テレビ離れはしているかもしれないですが、あまり気にしていないです。――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、北野さんの気になっている"テレビ屋"をお伺いしたいのですが…。日本テレビの『電波少年』でディレクターをされていた〆谷浩斗さんです。『しくじり先生』に先生として出演された松村邦洋さんから、〆谷さんの話をよく聞きまして、怖い方だけど、人情味があふれる方だと思い、気になっていました。
2016年08月08日映画『日本のいちばん長い日』の観客動員数が100万人を突破!これを記念して9月14日(月)、主演の役所広司と原田眞人監督が舞台挨拶に登壇し、観客からの質問に直接答えた。半藤一利の手によるノンフィクション小説を映画化した本作。昭和天皇、鈴木貫太郎首相、阿南惟幾陸軍大臣の3人を中心に“聖断”から敗戦までのドラマをスリリングに描き出す。公開34日間での観客動員数100万人突破に役所さんは「若い世代が見に来てくれているようでよかったです」と笑顔を見せ、原田監督も「大人が考えさせられるようなこうした映画が100万人突破するのはいまの時代難しいこと。ここまでよく来れたなと思います」と喜びを口にした。1949年生まれで「戦争映画を見て育った」という原田監督は今回、日本国内の描写とはいえ初めて戦争を題材にした作品を手掛けたが、戦争映画について「人間ドラマの究極であり、極限の中で人間がどんな美しさを見せてくれるのか?どんな醜いところを見せるのか?を描きたかった」と語る。この日は、年配の観客も多く見られたが、中には終戦当時、小学生で玉音放送を聞いたという老人も。昭和天皇の声を聴いた父親が「戦争が終わったぞ」と語ったという思い出に原田監督は耳を傾け「(放送が)よく聴こえなかったという話は聞きますが、天皇陛下が話をしたということで、お父様のように多くの人が『負けた』と思ったそうで、そういう心構えがあったんだと思います」と深くうなずいた。またかつての軍人の所作を知る世代の観客から、青年将校たちの所作の美しさや阿南陸相を演じた役所さんの演技を絶賛する声も。役所さんは喜びを口にするとともに「軍人さんを見ている世代の方は、制服を見るだけで感極まるところがあるんだろうと思います。僕自身、戦争や兵隊さんを知りませんが、撮影中、青年将校の姿を見て、所作や瞳に宿る国を守ろうとする思いに役柄とは別に感動し、美しいと思いました。若者たちの思いが阿南という役を作る上で大切なものになりました」と思想や立場を超えて、当時の若者たちの純粋さに深く共鳴したと語った。原田監督は日本のみならず、今後、控えているアジアやアメリカでの上映についても期待と意気込みを口にし、役所さんも「一人でも多くの方に見ていただければ」とさらなる広がりに期待を寄せた。『日本のいちばん長い日』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日本のいちばん長い夏 2010年8月7日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほかにて公開(C) 2010 NHK アマゾンラテルナ日本のいちばん長い日 2015年8月8日より全国にて公開(C) 2015「日本のいちばん長い日」製作委員会
2015年09月14日公開中の映画『日本のいちばん長い日』の大ヒット御礼舞台あいさつが13日、東京・新宿ピカデリーで行われ、役所広司、本木雅弘、松坂桃李、原田眞人監督が出席した。8月8日に公開初日から5日間で観客動員が25万人を超えるなど大ヒットを記録している本作。主演の役所広司は観客に大ヒットの感謝を述べながら「水野晴郎さんに似ていると言われてショックでした」と笑わせつつ、「戦争について語るのはデリケートですが、この映画のバックグラウンドに戦争で苦しんでいた方がたくさんいたということを改めて感じることができました。そういったことを感じていただければ、この映画がより豊かな映画になると思います」と感想を。また、愛息子が本作を見たという昭和天皇役の本木雅弘は「想像していた以上に全体を理解していて、感情を追って見ていたようです。なぜもっと早く終戦にこぎつけなかったのかと彼なりに非常にジレンマを感じていたようでした」と父親の一面を見せながら「私が言うのもおこがましいですが、皇室関係の方にご覧いただいてお叱りを受けたいですね。是非、皇居での試写会をしていただければと思っています」と切望した。終戦記念日が近いということで、この日のイベントでは登壇者の平和に対する思いを表した一字を発表。"知"と書き記した役所は「戦争だけでなく、色んな国や自分の国の歴史を知り、世界の色んな人を知ることが平和につながると思いました」と語れば、本木は「今回昭和天皇を演じさせていただく上で、国の思いや平和を心から願いながら体現しました。"願い"という字より"祈る"という行為がより慎ましくて厳かな感じがして、響きがとても日本のみならず世界に通じると思い、平和を祈るというイメージを忘れずに"祈"にしました」と平和に大切さをしみじみと述べていた。
2015年08月14日映画『日本のいちばん長い日』の初日舞台あいさつが8日、都内で行われ、キャストの役所広司、本木雅弘、松坂桃李、神野三鈴と原田眞人監督が出席した。半藤一利の同名ノンフィクションをもとに描く本作は、太平洋戦争終結前夜の真相に迫る歴史大作。劇中では、陸軍大臣・阿南惟幾を役所、昭和天皇を本木、戦争継続のクーデターを首謀する若手将校・畑中健二を松坂が演じている。主演の役所は、「スピード感がある現場で、あっという間の2ヶ月だった。素晴らしいキャスト、スタッフと共に良い時間を過ごせた」と撮影を振り返り、阿南大臣の息子・阿南惟正氏から手紙が届くと、「今回は合格点をもらったようでホッとしています」と安堵の表情。また、戦後70年に公開する本作について、原田監督は、「この作品が契機となって、戦争について考えてくれれば」と真摯にアピールした。一方、昭和天皇を演じた本木は、初日を迎え、「プレッシャーは浴びるほど感じた。少し風穴が空いて、やっと呼吸できる感じ」と胸をなでおろし、「自分の小さい仕事がスクリーンに映し出され、世の中に広がることはありがたい」と感慨深げ。また、「普段は私の仕事に興味がない17歳の息子が、『見たい』と言って今の回で見てました。家に帰ってから、どんな会話をするか楽しみです」と笑顔で明かす場面もあった。舞台あいさつには、山崎努が演じた鈴木貫太郎首相の孫・鈴木道子氏も出席。「大きくて温かい人でした。拝命を頂戴した時は、家族に『バドリオになるぞ』と言っておりました。最初から戦争を治めるつもりで首相になったと思います」と貴重なエピソードが披露されると、役所は、「日本はこの70年、平和に暮らしてきた。鈴木貫太郎さんが言う“永遠の平和”が、この先100年、200年と続くように祈りたい」と平和への想いを語って、イベントを締めくくった。
2015年08月09日俳優の役所広司が主演を務める『日本のいちばん長い日』(8月8日公開)の予告映像が10日、公開された。本作は、太平洋戦争末期の1945年を舞台に、昭和天皇が降伏を決定した8月14日正午から、天皇自ら玉音放送で国民に終戦を知らせた8月15日正午、その24時間の間に何が起きたのかを描いた作品。日本の歴史上最も重要な一日と、日本の平和への礎を築くために身をていした男たちの姿を追う。原作は、半藤一利のノンフィクション作品『日本の一番長い日 決定版』。映画ではさらに、2014年に宮内庁から発表された『昭和天皇実録』を参考に、昭和天皇とともに戦争を終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿を描く『聖断』(半藤一利著)の要素も加えた。監督は『クライマーズ・ハイ』(2008年)、『わが母の記』(2012年)の原田眞人監督。主演の役所をはじめ、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努ら日本映画界を代表する面々が顔をそろえる。今回公開された予告映像では、役所演じる主人公、陸軍大臣・阿南惟幾(あなみこれちか)が「どうやったら、戦争を終結させられるか…」と苦悩するモノローグから始まる。続く映像では、敗戦間近の緊迫した様子が描かれる。そして、本木演じる昭和天皇も登場。太平洋戦争をテーマにした映画は数多く存在するが、昭和天皇の姿・声をはっきりと描いた日本映画は、本作が初となる。映像の最後には、ポツダム宣言を受諾するか否かを決める天皇の背中と、その御前に集う阿南ら大臣たちの姿が映しだされる。(C)2015『日本のいちばん長い日』製作委員会
2015年04月10日戦後70年を迎える2015年の夏、終戦前夜の日本で何が起こったのかを、主演・役所広司、7年ぶりの映画出演となる本木雅弘、今年も大活躍を見せた松坂桃李、「マッサン」が好評の堤真一、さらにベテランの山崎努という豪華キャスト共演で描く映画『日本のいちばん長い日』が製作されることが決まった。1945年7月、太平洋戦争末期。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、それとも本土決戦か。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾する。8月、広島、長崎に相次いで原爆が投下され、事態はますます悪化の一途に。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する陸軍大臣・阿南惟幾(役所広司)と、国民を案ずる昭和天皇(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく首相の鈴木貫太郎(山崎努)、ただ閣議を見守るしかない書記官の迫水久常(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中少佐(松坂桃李)ら若手将校たちはクーデターを計画、日本の降伏を国民に伝える玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局への占拠へと動き始めるが…。原作は、昭和史研究の第一人者である半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」。さらに、昭和天皇とともに戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿も映し出すべく、同じく半藤氏著の「聖断」の内容も取り込まれるという。主人公となる、苦悩する阿南惟幾(あなみ・これちか)陸軍大臣を演じるのは、深みのある演技で圧倒的な存在感を放つ役所さん。7年ぶりの本格的なスクリーン復帰となる本木さんは、登場人物のひとりとして描かれる昭和天皇役に。また、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎には山崎さん、内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)に堤さんと、主演級の実力派俳優たちが集結。そして、終戦に反対し、狂気に駆られていく若手将校には松坂さんが扮し、戦後70年という節目の夏に、日本映画界を代表する豪華キャストが競演を果たした歴史超大作が実現する。かつてないキャスト陣を迎え、日本の歴史観に踏み込む本作をまとめ上げるのは、『金融腐食列島〔呪縛〕』『クライマーズ・ハイ』といった社会派ドラマのみならず、役所さん主演で井上靖の私小説を描いた『わが母の記』、2015年5月公開の大泉洋主演『駆込み女と駆込み男』など、ヒューマン・ドラマにも定評がある原田眞人監督だ。<役所さんコメント>原田監督作品への久しぶりの参加となりました。今回演じさせていただいた、阿南という人物は、戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした。各個人それぞれの「家族」、そして天皇を中心とした日本という「家族」、その「家族」というテーマに重きを置いて描かれていることが、この作品の最大の魅力ではないでしょうか。山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです。<原田監督コメント>今回は「THE EMPEROR IN AUGUST」という英語タイトルをつけました。1945年8月に昭和天皇が語られたひと言ひと言が、いまを生きる自分の心に深く突き刺さるからです。あの8月、天皇が自分の言葉で語り始めなければ、若き日の両親は国土防衛戦に巻き込まれ、命を落としていたでしょう。半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました。昭和天皇はあの8月まですべての家族の「家長」でありました。年齢的には、この三人は貫太郎さんを家長とする長男と次男の家族でもあり、そこに映画の根っこを置きました。映画「日本のいちばん長い日」は、幾重にも交錯する家族の、存亡を賭けた4か月のドラマです。映画『日本のいちばん長い日』は2015年8月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月09日直木賞受賞小説を『雨あがる』の小泉堯史監督が映画化した『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』。役所広司が演じたのは、ある罪による切腹が3年後に迫った郡奉行・戸田秋谷だ。その他の画像その運命の日までに藩の歴史「家譜」を完成させることを命じられた秋谷と、彼の監視役になる青年武士・檀野庄三郎との絆の物語を軸に展開。「秋谷にはとても3年後に腹を斬って死ぬ人とは思えない普通さがありますよね」。そう語った役所に「その境地は理解できましたか?」 と聞くと、「できません」という素直な答えが返ってきた。「だから自分なりに研究するわけですよね。秋谷はどんな人なんだろう? どんな話し方をし、仕事にどう取り組んでいたのだろう? って」。その助けになったのが「小笠原流」の作法や所作だ。「これまで出演した時代劇は浪人の役ばかりで、城務めをしているような役は初めてだったんですけど、小笠原流から背筋が伸びるようなものを教わりましたね」。だが、その作法を覚えるのが大変だった。「特に食事のシーンですね。食べる順番が決まっていて、食べるものによって箸の持ち方も変わるんです。おかずを取るときにほかの食べ物の上を通過させてはいけない、お吸い物を飲むときにお椀から箸の先を出してはいけないという、細かい決まりもある。でも、その統一された作法が登場人物を美しく見せていると思います」。庄三郎役の岡田准一とは意外にも今回初共演だが、「岡田くんは時代劇が似合いますよね」と絶賛。「彼は武士の扮装をしても刀を振っても様になる。武道の先生で、踊りを長年やっているから身体で覚えるようなことは吸収するのが速いんでしょうね」。そんな役所も、本作ではその血を受け継ぐ小泉組の現場で黒澤明監督の映画作りの極意を学んだ。「準備の仕方が違いますよね。スタッフが画に映らないことも勉強し、周到に準備をしているからあり得ないと思うような装飾品はひとつもない。逆に役者がめくるかもしれないから、本の中身も結構書いてあるんです」。「黒澤さんの映画作りは宝物だし、大変な教科書じゃないですか!」と言葉に力が入る。「若い俳優さんたちもこういう映画作り方を知れば、日本映画がもっと豊かになると思いますね」。役所広司という俳優が面白いのは、『蜩ノ記』のような格調高い作品に出演したかと思えば、『渇き。』のような気鋭監督の作品で破天荒な役にも挑戦するところ。「面白そうなことをやっているらしいって聞いたら行ってみたいじゃないですか(笑)。それに、この歳になると立派な人の役が増えてきますけど、ひと色には染まりたくない。映画もお客さんの希望を叶えるものと、お客さんが知らない世界を見せて楽しんでもらえるものの両方があっていいと思います」。そうなると、『ガマの油』に続く2本目の監督作が気になる。「監督はまたやりたいですよ。短い人生、やりたいことをやりたいですよね(笑)」。『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』10月4日(土)より全国公開取材・文:イソガイマサト
2014年10月06日映画『蜩の記』の東日本大震災復興支援チャリティー試写会が9月10日(水)に開催され、美智子皇后陛下が一般の観客と共に映画をご高覧になった。主演の役所広司を始め、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉尭史監督が美智子さまのご退席後に報道陣の取材に応じた。葉室麟の直木賞受賞小説を映画化。江戸時代、ある事件で10年後の切腹を申し付けられ、その日まで藩の歴史を記した家譜の編纂を続ける戸田秋谷と、その見張りとして彼とその家族と生活を共にすることになった若き藩士の交流を静かに描き出す。岩手県遠野市で撮影が行われた縁もあって、この日のチャリティ試写会が行われる運びとなり、美智子さまがご臨席。役所さんらは劇場で美智子さまを出迎え、映画を一緒に鑑賞した。美智子さまのご退席後、役所さんらは報道陣が待つロビーへと姿を現したが、一様に「緊張しました…」と語る。役所さんは「こんなに不動の姿勢で映画を観たのは初めてです(笑)」と語り、「皇后さまがこちらに歩いてこられた時は、不思議な風が吹いているかのように感じました。座られると『大きな画面ですね』と仰られたのですが、こちらは緊張でしどろもどろになって、わけの分からないことを…」と苦笑を浮かべる。映画の上映後の様子については「(エンドロールで)小泉監督の名前が出るとみなさんと一緒に拍手をしてくださり『おめでとうございます』と仰って下さいました」と明かした。小泉監督は、上映後のご歓談の中で美智子さまから「素晴らしい映画をありがとうございました」とお言葉をかけていただいたそうで、「優しいとしか言いようがないです。慈愛と優しさに満ちていらっしゃいました」と感激の面持ち。監督が故・黒澤明監督の下で助監督を務めていたことや、キャスト陣一人一人についても美智子さまはご存じだったようで、小泉監督は「一人一人のことを見てくださったことが嬉しいです」と語った。岡田さんは「名前を呼んでいただいて、(自分の存在が)知られているということに戸惑いまして、なんと話していいか分からず…(笑)」と語り、「出ているドラマや映画のこと、武術のことも褒めていただき光栄で、幸せな日だなと思いました」と笑顔を見せる。また、美智子さまは本作が被災地の岩手で撮影されたことについてもとても気にされていたそうで、岡田さんはその姿に「日本の母であり、日本で一番愛されている女性でいらっしゃるということを感じました」と深く感銘を受けたようだった。着物姿の堀北さんをご覧になり、美智子さまは「華やかですね」と仰ったそうで、堀北さんは恐縮しきり。美智子さまがこうして人々と一緒に映画を観る機会はなかなかないが、そこで自身が出演する映画が上映され、一緒に鑑賞することが出来たことに「幸せです」と微笑んだ。原田さんは、劇中の戸田一家の様子について美智子さまから「『いい家族ですね』と褒めていただきました」と嬉しそうに明かした。なお、この日の上映には遠野市の仮設住宅「穀町団地」に暮らす人々を始め、遠野市から15名の被災者が招待された。『蜩の記』は10月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年、全国東宝系にて公開
2014年09月11日映画配給・ギャガの2014年度ラインナップ発表会が3月6日(木)、東京・イイノホールにて行われ、今年7月の公開が決定している『渇き。』で主演を務める役所広司、共演の小松菜々、メガホンを握った中島哲也監督が登壇した。「第3回このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生のデビュー作「果てしなき渇き」を基に映画化される本作。優等生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪し、元刑事の父親・藤島昭和が捜索に乗り出すが、娘の跡をたどるうち父親は驚愕の事態に巻き込まれていくというサスペンスフルな物語が展開する。先日、ロケの様子を「血まみれで撮影中です」と語っていた役所さん。この日、上映された約2分間のプロモーション映像でも、多くのシーンで血まみれの状態の役所さんが映し出された。そんな自身が演じた主人公・藤島を、中島監督が「ここ最近の日本映画でこれほどひどい男はいないと思います。史上最低です(笑)」と語ると、「役者冥利に尽きますね」と笑顔を浮かべた。一方、そんな極悪な藤島の娘を演じたのがモデル出身の新人・小松さん。劇中ではその美しい容姿をもって、天使なのか悪魔なのか…というミステリアスな女子高生を演じている。「オーディションのときもふらっと来て、堂々としてた」(中島監督談)というが、この日の舞台挨拶でも「緊張しています」と語るも、そんな素振りを見せず堂々と撮影当時をふり返っていた。そんな堂にいった佇まいに心奪われたという中島監督。普段の撮影では、『嫌われ松子の一生』で主演を務めた中谷美紀が撮影中に逃亡したという逸話が残るほどのスパルタぶりを発揮するそうだが、小松さんに対しては「相当優しかったと思います」と何故か照れ笑い。撮影中には新人の小松さんが逃げ出さないようにと、「バナナマン・日村(勇紀)さんのフィギアをあげたりして、“映画は楽しいんだよ”と媚びを売ってました」という丁重なおもてなしだったとか。しかし、それもそのはず。小松さんは劇中、「出演者の半分とキスシーンがある」(中島監督談)そうで、「新人女優にとっては大変な撮影だったと思います。國村隼さんとまで(キス)してますから」と相変わらずの壮絶な撮影現場を楽しげに語っていた。映画『渇き。』は7月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年03月06日劇団四季を振り出しに、数々のミュージカルへの主演歴を持つ実力派の保坂知寿と、「テニスの王子様」を足がかりに、こちらもミュージカルで頭角を表してきたニュースター、中河内雅貴。そのふたりが、ミュージカルではなく、硬派なストレート・プレイで、愛し合う男女の役に挑む。tpt「地獄のオルフェウス」。ラストスパートの稽古場に足を運んでみた。tpt「地獄のオルフェウス」公演情報この日は、保坂と中河内だけで出会いのシーンを特別稽古するのが目的。古い倉庫を改造した稽古場は暗い。小さな床置きの照明が1灯と、防寒用ストーブの炎だけ。中河内が演じるヴァルは、30才になったのを契機として、自堕落な生活を改めようと誓った流れ者のギター弾き。寡黙だが、内に秘めた情熱と挫折と葛藤が時に爆発する。保坂扮するレイディは、耐え難い過去の体験から、故郷の町と自分の夫を憎悪する、イタリア系の女である。稽古が始まる。自分が切り盛りする雑貨店兼カフェに、深夜、男が忍び込んでいるのを知ったレイディは、強い口調で警告するが、彼が自分のギターを取りに来ただけだとわかると、少しづつ、会話の糸口がほどけてゆく。保坂知寿のレイディは、クリアな口調が心地よい。ピストルを振り回したりする、感情の起伏が激しい女性だが、運命に負けまいとする人間の凛とした気品がある。「マンマ・ミーア!」のドナ、あの女性の強さとタフさを思い出す。ヴァルの中河内雅貴は、自分を持て余す青年の未熟さが魅力。30才という設定は中河内の実年齢より上だが、ナイーヴな役は彼の持ち味にぴったり。ぶっきらぼうで抑えたセリフのトーンが、保坂知寿の歌うようなセリフとコントラストを描き出す。舞台上にある椅子やテーブルを動かしながら、岡本健一が、そのまま演技を続行させて、セリフだけを注意深く聞いている。ときおり演技を止めて、友だちのように感想を伝える。スキンシップの多い演出家だ。何かを語りかけるとき、演出家の手は必ず、役者の肩の上にある。ふたりの気持ちがひとつに結びつく、この戯曲の有名な「鳥のセリフ」。それが、シーンのラストだった。脚がなくて、一生羽ばたくしかない鳥。眠るときは、風に乗って眠る。地上に降りてくるのはたった一度、死ぬときだけ。「--あたしもそんな鳥になりたい」「俺だってそんな鳥になりたい--おおぜいいるよ、自分もそんな小鳥になりたい--腐るのはごめんだってやつは!」中河内が、翼を広げた鳥のように、両手を顔の前に広げる。その後ろには、暗い稽古場なのに、キラキラと光って見える、彼の大きな瞳。傍らで、保坂知寿のレイディが、中空に、見えないはずの小鳥を目で追っている。その目も光っている。大人の女と、大人になりきれない男。人生を賭けたふたりの愛の運命は、平坦であるはずがない。公演は、12月7日(金)から20日(木)まで、池袋の東京芸術劇場シアターウエストにて。チケットは発売中。
2012年11月30日フィンエアー日本支社はこのほど、同社のイメージキャラクター「Mr.ヨーロッパ」を演じる俳優・役所広司さんがフィンランドの現地でお出迎えする特別ツアー「役所広司さんが贈るオーロラの旅」を企画し、主催旅行会社各社での販売を開始した。同ツアーは、2013年1月14日に成田・名古屋・関西の各空港を出発する6泊8日の特別ツアーとなっている。東京、名古屋、大阪の各空港からヨーロッパの玄関口であるフィンランド・ヘルシンキまでは約9時間30分。ヘルシンキを経由しフィンランド北部のロヴァニエミ、サーリセルカ2都市に滞在。現地では役所広司さんがお迎えし、サンタクロースとの記念撮影や、フェアウェルパーティーにも出席し、オーロラの夜を盛り上げるという。オーロラ観測の機会は計4回以上あり、サーリセルカでは、オプショナルツアーでトナカイぞりやスノーモービル体験など、様々なアクティビティを楽しめるとのこと。なお、今冬は11年に一度のオーロラ極大期にあたり、例年よりダイナミックなオーロラを観賞することが期待できるという。役所広司さんは「みなさんにお会いすることを楽しみにしております。フィンランドで神々しいオーロラを見ましょう! 人生観が変わるかもしれません」とコメントしている。旅行代金(エイチ・アイ・エス、フィンコーポレーション)は、エコノミークラス利用で29万8,000円、ビジネスクラス利用で64万8,000円。1人部屋追加料金は4万6,000円。燃油サーチャージ込み、国内空港施設使用料・空港保安料および海外空港諸税は別途必要。その他の主催旅行会社料金は問い合わせ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月18日映画『わが母の記』の完成披露試写会が3月19日(月)に都内で開催され、主演の役所広司を始め、樹木希林、宮崎あおい、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督が舞台挨拶に登壇した。井上靖の自伝的小説を実写化し、第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリに輝いた本作。母に捨てられたという思いを抱きながら生きてきた小説家の伊上は、父が亡くなったことで残された母を引き取ることになる。妻や3人の娘に支えられながら母と向き合うことで50年の時を経て、母と息子の思いがつながっていく――。役所さんは「刺激的でかわいい母と出来のいい娘たちに囲まれて幸せな時間を過ごすことが出来ました」とニンマリ。とはいえ、家族で唯一の男性ということで「ポツンとしてました(笑)。娘たちの部屋に行くとどうも落ち着かなくて…」と年頃の娘を持つ世のお父さんたちと同じ気持ちを味わったよう?役所さんからの「かわいい母」という言葉に樹木さんは「どれくらい憎らしいか見てください」とおどける。司会者から樹木さんは若い頃から祖母役をこなしてきたことを指摘されると「同じ世代の女優がやりたがらないから回って来ちゃう」と苦笑いを浮かべつつ「(先日公開された)『サッチャー』に負けないように!」と意気込み。途中、樹木さんがしゃべっている最中にマイクの不具合のアクシデントもあったが「これ以上しゃべるなということかしら?」とユーモアたっぷりに語り、笑いを誘った。昨年末の俳優・高岡蒼佑との離婚以来、初めての公の場となった宮崎さんはチェックのワンピース姿で登場し、ファンからの「あおいちゃん!」という声援に微笑み元気な姿を見せた。樹木さんとの初共演については「(役の)年齢によって樹木さんのサイズが日々変わるんです。すごいことだなと思い、近くで見させていただけたのはいい経験でした」と述懐。役所さんとは『EUREKA』で共演経験があるが「(共演した)11、12年前は子供だったので分からなかったところがいっぱいあって、すごく色気を感じることが多かったです」と語り、これには隣りの役所さんも照れくさそうに笑みを浮かべていた。三姉妹の長女を演じたミムラさんは「ずっと3人でキャッキャと楽しく過ごしてました」と和気あいあいとした現場の様子を明かす。次女役の菊池さんは昨年、祖母を亡くしたそうで「自分の人生の中でもすごく大事に思いたい作品になりました」と強い思い入れを語った。10年ほど前から本作の製作を考えていたという原田監督は、映画の完成に感慨深げ。特にクランクインが去年の3月10日で東日本大震災の前日だったこともあり、「家族の絆について考えながら仕上げや編集の作業をしてました」と真摯に語るとともに、撮影場所として自宅や別荘を提供した井上靖さんの家族への感謝の思いを改めて口にした。『わが母の記』は4月28日(土)より全国にて公開。■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?豪華キャストで描く家族愛『わが母の記』完成披露試写会に50組100名様をご招待日本の家族の絆に、海外も涙『わが母の記』独占試写会に35組70名様をご招待『わが母の記』でミムラ、菊池亜希子が宮崎あおいと3姉妹に三國連太郎は役所の父役中越典子、役所広司との“年の差”ロマンスはあり?「そりゃ思いますよ」
2012年03月19日