西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の最終話が12月22日に放送。史朗が賢二に対し、深い愛情を感じる独白をするシーンに「愛しかない」や「それを愛と呼ばずしてなんと呼ぶ?」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中で店長になった美容師・賢二を内野聖陽、史朗の分けっこ仲間・佳代子を田中美佐子、史朗の母・久栄を梶芽衣子、父・悟朗を田山涼成が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。母・久栄(梶芽衣子)と父・悟朗(田山涼成)に付き添って、八王子の老人ホームまで見学に行ってきた史朗(西島秀俊)。両親はこの施設を気に入った様子だが、史朗は自分の家からも近い都心のホームを勧める。そして、高い費用を懸念するふたりに「貯金が底をついたら自分が出す」と発言。しかし、ふたりは「10~20年先は史朗が老人ホームを考える歳」「“老いじたく”をそろそろ本気で考えなきゃダメ」と一蹴。史朗は、自分の老後もそう遠くないことに気づかされる。現実を突きつけられつつ帰宅した史朗は、誕生日が迫った賢二(内野聖陽)にプレゼントの希望を尋ねる。ところが「欲しいものは特にない」との返事。さらに渡しそびれた史朗への誕生日プレゼントも考えているという。そして「プレゼントしあいっこしたい!」「シロさんが選んでくれるものならなんでもいい!」と押し切られてしまい、プレゼント選びで悩むことに。そんなある日、帰宅した史朗は慌てる賢二を目撃。実は賢二は史朗へのプレゼントとのお揃いを自分にも買っており、嬉しくてつい開封してしまっていた。それを見た史朗は、“お揃い”にまつわるふたりのやりとりを思い出し――というのが最終話の展開。かつて、賢二がハンカチに勝手にお揃いのワッペンを貼り付けたことに怒り、お揃い禁止宣言をしていた史朗。そのため、史朗へのプレゼントとお揃いのお弁当箱を買っていた賢二は、お揃いがバレ戦々恐々としていた。しかし、史朗は特に怒りもせず、曲げわっぱの弁当箱を喜ぶ。さらに自身も賢二にお揃いのエプロンをプレゼントするのだった。そんな史朗の変化にSNSでは、「シロさん変わったね…ケンジと一緒にいるうちに変わったんだよなあ。彼らの日常が続いて行く感じがした」や「シロさん変わったなぁ。泣いた泣いた。泣き納め?」、「互いをリスペクトした先の愛情があるから自然とお揃いを受け入れられるようになったシロさん。ケンジとの出会いでシロさんの思考も変わった」などの声が。また、史朗は賢二に「俺がお前と死ぬまで一緒にいるかって話だけど」「結論から言うと、やっぱり一緒にいるとは断言出来ない。この先俺たちに何があるかわからないから」と言いつつも「俺の人生で俺の遺産譲ろうなんて思う相手は…お前ぐらいだ」と告げる。さらに心の中で「もしもこの先、俺たちが別れることになったとして、俺が死ぬとき、お前が誰か別の人と暮らしててもそれはそれでいいんだよ。俺は、お前が幸せなら」と思う史朗に、「いつも深いなぁこの作品は。どこにいても、一緒に居なくても、どうかあなたが幸せでありますようにと願う。愛しかない」や「それを愛と呼ばずしてなんと呼ぶ?」などの声が上がっている。ささやかな日常の中に、お互いへの思いやりや愛情が垣間見える温かい物語を紡いできた本作。最終回を迎え、「控えめにいってさいこー!演じてる2人がまたいいのよ!幸せな時間をありがとうございます」や「素敵なシリーズを本当にありがとう!!毎回感動の涙涙涙でした」など番組への感謝の声も多いほか、「いつかまた続きが見られたらいいな…」や「とにかくseason3もあると願ってる…!!」などシーズン3を望む声も多く上がっている。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送。(シネマカフェ編集部)
2023年12月23日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の10話が12月8日に放送。史朗との会食を希望した賢二の母・峰子の真意に「意外な展開で泣いた」や「ケンジのパートナーを大事に思ってくれてると思うからこその気遣い」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中で店長になった美容師・賢二を内野聖陽、弁護士事務所のボス・上町美江を高泉淳子、史朗の同僚・修をチャンカワイ、賢二の母・峰子を鷲尾真知子が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。上町弁護士事務所を引継ぐ覚悟を決めた史朗(西島秀俊)は、上町美江(高泉淳子)にその意思を伝えるが、みんな信じられないという反応を見せる。しかし史朗は、修(チャンカワイ)と共同であること、定時帰宅を死守することが条件ではあるが、修が刑事弁護教官になった場合は自分がメインで回すという気遣いまで見せる。そんな史朗が帰宅すると、賢二(内野聖陽)からお願いが。どうやら実家に帰宅した際、母・峰子(鷲尾真知子)が「史朗に会いたい」と言い出し、姉たちも一緒に食事をしたいと提案されたらしい。そこで史朗は、峰子らが住んでいる場所も考慮して、上野の老舗鰻屋の個室を自ら予約する。当日。史朗だけでなく賢二もガチガチに緊張。賢二の話では、峰子が史朗に会いたい理由を明かさないといい、なぜ急に会いたいと言い出したのかわからずにいた。やがて賢二の家族が到着するが、史朗を見るなり姉たちは「素敵な人だ」と盛り上がる。食事会は和やかに進み、ただの食事会なのかと史朗も思い始めるが、料理も終わりに差し掛かった頃、「ちょっと湿っぽい話になるけど…」と峰子が切り出し――というのが10話の展開。賢二は峰子が病気なのではと心配するも、峰子は健康そのもの。実は峰子は、お客さんの子供の死を知り、賢二が死んだ際のことを考えていた。そして「そうなったら、私かマサエが喪主を務めて、お葬式を出すわけですけど、もしもね、その時あたしたちが筧さんと顔を合わせたことがなかったとしたら、筧さんはただの友人の一人としてしか賢二を見送ることができないんじゃないのかって。筧さんはもう賢二のことはご自分の身内同然と思ってくださるんでしょ?」「だからこうやって一度でも家族全員で顔を合わせておけば、何かあったとき筧さんもあたしたちと一緒に賢二を見送れると思ったんです」と発言。この言葉にSNSでは「ケンジ母の言葉うるっときちゃった。ケンジのパートナーを大事に思ってくれてると思うからこその気遣い」や「緊張しながら観てたら意外な展開で泣いた~ケンジの母~。このドラマには本当の愛と絆と信頼があるなあ」などの声が。また史朗に「他人でも身内ってことはあると思うのよ」と言う峰子の言葉に、「心に染みるってこういうことだと思った」などの声が上がっている。【第11話あらすじ】史朗と航(磯村勇斗)は、小日向(山本耕史)や富永さん(矢柴俊博)が所属するテニスサークルの試合を観戦していた。本当は試合後、賢二も合流して富永家で食事会をする予定だったが、なんと富永さんがギックリ腰を患い食事会は中止に。楽しみにしていた航は拗ねてしまうが、その後、航がコートであるミラクルを起こす。その後、小日向と航が史朗の家に来ることになり、賢二も早上がりして帰宅。「リコッタチーズのパンケーキが食べたい」という航の要望で、パンケーキパーティーをすることになる。ハニーコームバター、フルーツ、生クリーム、チョコレートソースといった、賢二と航のわがままにも応えつつ、史朗と小日向お手製のふわふわパンケーキが完成する。後日。スーパーアキヨシで、富永さんの妻・佳代子(田中美佐子)は、小玉スイカを前に立つ男性を凝視していた。史朗にあげたエコバックにメガネ、金髪…明らかに史朗から聞いていた賢二そのものだったからだ。さらに男性が「シロさん」と呟いたことで、佳代子は男性が長らく会いたかった賢二だと確信。なのに声が掛けられず、逃げるように去ってしまい――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年12月09日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の9話が12月1日に放送。久しぶりに賢二と一緒に食べられる夕食に喜ぶ史朗の姿に「ケンジ愛も全面に出てて最高だった」や「涙ぐんでしまった」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中で店長になった美容師・賢二を内野聖陽、賢二の勤める美容院の店長・三宅祐をマキタスポーツ、賢二の同僚・田渕剛を坂東龍汰、田渕の恋人・千波を朝倉あきが演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。5月中旬。ベトナム傷心旅行から帰国した店長の三宅祐(マキタスポーツ)は、賢二(内野聖陽)にベトナムに出店したいという新たな野望を打ち明ける。そして、独身になり年齢的にも新しいことにチャレンジするなら今がラストだと考え決意した祐は、今の店舗を賢二に任せたい様子。しかし、賢二は史朗(西島秀俊)とすれ違いになることに心配そう。そこで、賢二の事情を知った史朗は「店長に向いている」「がんばってみるのもいいんじゃないか」と言って背中を押すのだった。だが予想通り、賢二は毎日夜11時過ぎに帰宅し翌朝も早い時間に出ていく状況に。結果、ふたりで食卓を囲む回数は明らかに減ってしまう。仕方ないことは理解しつつも、ふたりで食事ができない状況に賢二は「つまらない!」と嘆き、史朗もまた同じことを考えていた。背中を押した自分と今の状況を「つまらない」と思う自分。矛盾した感情を抱く自分自身に腹を立てた史朗は、その日、思いっきり賢二が好きなメニューばかりの夕食を作ることに。そんな史朗も新たなチャレンジの時を迎えようとしており――というのが9話の展開。史朗となかなかご飯が食べられず不満を感じていた賢二は、普段自分の食事に気を遣ってくれている史朗のことを思うと罪悪感もあるものの、田渕(坂東龍汰)にもらったチケットを使うため葛藤しながらもラーメン店へ。するとそこへタイミングよく史朗が現れる。ラーメン店には仕事で来た史朗だが、後ろめたさのあった賢二はオロオロ。そんな一連のラーメンシーンにSNSでは「ラーメン屋さんの前で葛藤するケンジかわいい。欲望には逆らえないよね」や「ラーメン屋でばったり会ってしまった時の2人が最高すぎて」、「ラーメン見られたケンジの落ち込みようかわいすぎる」などの声が。その後、自分が背中を押したものの今の状況に不満を感じている自分に腹を立てていた史朗は、心機一転、賢二の好きなメニューばかりを作ることに。そして油淋鶏を作った史朗は、帰りが遅いと思っていた賢二が早く帰ってきたため、「なんだよ、早いじゃないか。どうした」と喜びの声を上げる。そんな史朗の嬉しそうな表情に「久しぶりに二人で食べれるの確定した時のシロさんの超嬉しそうな顔、西島さんの中にある(内野さん演じる)ケンジ愛も全面に出てて最高だった」や「ケンジが早く帰ってきた時のシロさんの嬉しそうな顔見て涙ぐんでしまった」、「揚げたて食おうぜ、手洗ってこい!って嬉しそうなシロさんにやられてしまった」などの声が上がっている。事務所の修先生が刑事弁護教官になるかもしれないと聞き、事務所を引き継ぐ覚悟を決めた史朗。ますます多忙になっていくふたりが、どのような時間を過ごしていくのか。次回も目が離せない。【第10話あらすじ】上町弁護士事務所を引継ぐ覚悟を決めた史朗は、上町美江(高泉淳子)にその意思を伝えるが、みんな信じられないという反応を見せる。しかし史朗は、修(チャンカワイ)と共同であること、定時帰宅を死守することが条件ではあるが、修が刑事弁護教官になった場合は自分がメインで回すという気遣いまで見せる。そんな史朗が帰宅すると、賢二からお願いがあると言われる。賢二によると実家に帰宅した際、母・峰子(鷲尾真知子)が「史朗に会いたい」と言い出し、できれば姉も一緒に食事をしたいと提案されたらしい。そこで史朗は、峰子らが住んでいる場所も考慮して、上野の老舗鰻屋の個室を自ら予約する。当日。史朗だけでなく賢二もガチガチに緊張。賢二の話では、峰子が史朗に会いたい理由を明かさないといい、なぜ急に会いたいと言い出したのかわからずにいた。やがて賢二の家族が到着するが、史朗を見るなり「素敵な人だ」と盛り上がる姉たちに対し、峰子は一人冷静。ふたりはそんな峰子の一挙手一投足が気になって仕方がないが、食事会は和やかに進んでいく。そして料理も終わりに差し掛かった頃、「ちょっと湿っぽい話になるけど…」と切り出した峰子は、抱えていたある思いを吐露し始め――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年12月02日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の8話が11月24日に放送。史朗が賢二を思い出すものとしてあげたエピソードに「うるっときた」や「愛しかない」などの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中の美容師・賢二を内野聖陽、賢二の勤める美容院の店長・三宅祐をマキタスポーツ、妻の玲子を奥貫薫、賢二の同僚・田渕剛を坂東龍汰が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。娘の大学の入学式帰りの三宅祐(マキタスポーツ)と玲子(奥貫薫)が、夫婦揃って美容院に現れる。しかも、ひと段落着いたのを機に仲良くふたりでベトナム旅行に行くらしい。離婚間近と思っていた賢二(内野聖陽)たちは関係が修復したと安堵するが、田渕剛(坂東龍汰)だけは「人の気持ちは簡単に修復しない」と否定的だった。その頃、史朗(西島秀俊)は離婚の相談を受けていた。依頼者の北林敏子(村岡希美)は、夫・盛綱(桜井聖)から浮気相手と結婚したいと離婚を突きつけられたが、別れたくないという。状況的に慰謝料をもらって離婚したほうがいいと勧める史朗に、敏子は夫が国際ロマンス詐欺にあっていることを告げる。実は送金額も半年で1,000万円にのぼっており、本人が被害を認めない限り警察に対応してもらえないため、「騙されていることを夫に認めさせて欲しい」というのだった。そこで史朗は盛綱と対面するが、盛綱は浮気相手を盲信しており「彼女の夢の応援をしたい」の一点張り。新たな送金依頼もあったため、史朗は強行手段に出ることにし――というのが8話の展開。関空で彼女が足止めされているという話を聞いた史朗は、盛綱と一緒に関空へ。そこで同じ被害にあっている人が他にもいることを知った盛綱はようやく詐欺を認め、依頼者の敏子と結婚生活を続けるのだった。一方、玲子との仲が修復に向かっていると思われた祐は、離婚。祐がついに離婚したことに興味津々で耳を傾ける田渕だったが、修羅場がなく意外とあっさりした展開にガッカリする。そんな田渕にSNSでは「さすがゴシップ大好き田渕くん、食いつきが違う」や「修羅場期待してた田渕くんのテンションダダ下がりw」、「他人の不幸を嬉々として見るけれど決して憎めないの、田渕くんとジルベールは得な属性だと思う」などの声が。また、二組の夫婦の正反対の決断とその決断を下す際に思い出したことについて考えた賢二は、「人が決断するとき、相手の何を思い出すかってほんと人それぞれだし結末も違うんだね」と一言。そして、自分について史朗が何を思い出すか気になった賢二は「シロさん、シロさんはもし俺のこと思い出すとしたら何を思い出す?」と質問するのだった。すると史朗は「玉ねぎ」とポツリ。それを聞いた賢二は「え、俺が玉ねぎ好きだってこと?」「情緒がない」と返すが、実は史朗は心の中で「お前が玉ねぎを買いに行ってくれたことだよ」と思っていた。そんな史朗の思いに「玉ねぎ…こないだケンジが「勝手に使っちゃった!ごめんね」って買いに行ってくれた時のやつ!!シロさん涙ぐんでたやつ!!あれは視聴者もうるうるきた!」や「シロさんがケンジの事を思い出すエピソードが玉ねぎっていうのが、ケンジには伝わってないけど、私達には伝わってうるっときた」、「ケンジを見つめながら、玉ねぎを買ってきてくれたあの日のことを思い出すシロさん。愛しかない」などの声が上がっている。【第9話あらすじ】5月中旬。ベトナム傷心旅行から帰国した店長の三宅祐は、賢二にベトナムに出店したいという新たな野望を打ち明ける。独身になり、年齢的にも新しいことにチャレンジするなら今がラストだと考えた祐は、旅行中にできた現地での縁もあって決意したようだ。そして「もう失うものなんかナンもないんだよ!」と涙目で訴える祐は、今の店舗を賢二に任せたい様子。しかし、忙しくなると史朗とすれ違いになってしまうと賢二は心配そう。そして、そんな賢二の事情を知った史朗は、「店長に向いている」「がんばってみるのもいいんじゃないか」と言って背中を押すのだった。だが予想通り、賢二は毎日夜11時過ぎに帰宅し翌朝も早い時間に出ていく状況に。結果、ふたりで食卓を囲む回数は明らかに減ってしまう。そして史朗もまた仕事の負担が激増する事態に。仕方ないことは理解しつつも、ふたりで食事ができていない現状に賢二は「つまらない!」と嘆き、史朗もまた同じことを考えていた。背中を押した自分と今の状況を「つまらない」と思う自分。矛盾した感情を抱く自分自身に腹を立てた史朗は、その日、思いっきり賢二が好きなメニューばかりの夕食を作ることに。そんな史朗も新たなチャレンジの時を迎えようとしており――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月25日1960年代以降のデザイン界で、世界的に高い評価を受けたデザイナー倉俣史朗。彼は当時、一世を風靡した飲食店や服飾店の店舗デザインを手がけ、独創的な家具も発表。その作品は日本以上に、ヨーロッパで広く注目された。しかしキャリアの絶頂期だった’91年に、56歳の若さで、心不全により突如亡くなってしまう。その早すぎる死のため「伝説のデザイナー」とも呼ばれた彼の、作品と人物像に迫る展覧会が始まる。倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙倉俣は、父の勤務先である本郷の理化学研究所内の社宅で9歳まで育つ。当時の理研は研究棟から工場、テニスコートも完備されたひとつの街で、建物内には当時珍しかった洋式トイレや大理石のエントランスホールがあり、実験用のガラス瓶や金属も身近だった。倉俣と聞いてアクリルやガラスなどの素材を思い浮かべる人も多いが、それには幼少時代が大きく影響していると考えられる。本展では独立前のアパレル会社「三愛」時代の仕事に始まり、後の年代を4パートに区切り、彼の仕事をテーマごとに紹介する。なかには「倉俣史朗の私空間」として、愛蔵の書籍やレコードなども展示。エピローグでは、イメージ・スケッチとあまり公開されてこなかった夢日記や言葉をまとめて紹介し、倉俣史朗のデザインとその神髄を検証する。デザイン黎明期の日本にあって、なぜ倉俣は色褪せることのない名作をこれほど数多く残せたのだろうか。本展を見れば、その頭の中も覗くことができるかもしれない。倉俣史朗イメージスケッチ「ミス・ブランチ」 1980年代クラマタデザイン事務所蔵©Kuramata Design Office倉俣史朗スケッチブック「言葉 夢 記憶」より1980年代クラマタデザイン事務所蔵©Kuramata Design Office貴重なスケッチ画も。上は〈ミス・ブランチ〉構想中のスケッチ。下は夢の記憶が記されたもの。ポエティックな文章も魅力的。倉俣史朗《引出しの家具》1967年富山県美術館蔵©Kuramata Design Office椅子か収納かを問う「引出しの家具」シリーズの1作目。倉俣史朗ショップ「スパイラル」1990年撮影:淺川敏©Kuramata Design Office六本木のAXISビルにあったインテリア店もこの内装で有名に。倉俣史朗《ミス・ブランチ》1988年富山県美術館蔵撮影:柳原良平©Kuramata Design Office映画『欲望という名の電車』のミス・ブランチへのオマージュとして作った倉俣の代表作。倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙世田谷美術館 1階展示室東京都世田谷区砧公園1‐211月18日(土)~2024年1月28日(日)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)月曜(1/8は開館)12/29~1/3、1/9休一般1200円ほかTEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)※『anan』2023年11月22日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2023年11月21日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の7話が11月17日に放送。史朗の50歳を祝う航(ジルベール)からのサプライズに「流石ジルベール」や「ジルベール性格悪くて最高w」など喜びの声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士の史朗を西島秀俊、史朗と同棲中の美容師・賢二を内野聖陽、史朗の同僚・志乃を中村ゆりか、史朗の事務所のボス・美江を高泉淳子、史朗たちの友人カップルの航を磯村勇斗、航の恋人・小日向を山本耕史が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。仕事中の史朗(西島秀俊)の様子を見ていた小山志乃(中村ゆりか)は、ずっと贈りたいと思っていたと老眼鏡を渡すが、史朗は頑なに受け取ろうとしない。しかし「素直にお認めなさい」と上町美江(高泉淳子)に一蹴され、仕方なく掛けてみることに。そして想像以上の効果を感じた史朗は、その日の夜、賢二(内野聖陽)から誕生日プレゼントの希望を聞かれ、「老眼鏡」と即答するのだった。そんな折、史朗のもとに、大学の同級生・金森が亡くなったとの知らせが入る。誕生日当日が告別式のため、お祝いは見送ることにした史朗。式には金森の子供3人もおり、すでに全員20代でさらには孫の姿も。参列した同級生たちも自分の子供の結婚話を口にして、史朗は思わず無言になる。金森の妻・諒子(相築あきこ)の話では、金森の闘病生活は3年に及んだという。本人が誰にも知らせないで欲しいと懇願したといい、悪化した最後の2か月までは元気だったようだ。旅行に行ったりもし、心の整理は出来ていたとはいうものの、諒子の表情はやはり寂しそう。そんな話を聞いた史朗は、帰宅後、賢二にある提案をし――というのが7話の展開。以前、賢二からもう誕生日は祝わなくて良いと言われていた史朗は、ふたりの誕生日を一緒に祝う合同誕生日会をしようと提案。「お前の誕生会も一緒にやりたい。それが俺の望みだ」「己のパートナーが大きな病気や怪我もなく無事ひとつ歳をとったんだよ。めでたい以外の何がある」と言う史朗の言葉に、SNSでは「2人分の誕生日を一緒に。大きな病気や怪我せずに年重ねられるってありがたいよなと、しみじみ」や「誕生日って生まれてきたことの祝いじゃなくて、また1年生き延びたってことの祝いね。それなら納得するかも。なんで生まれてきたんだって思ってる勢からすると自分の誕生日も「よくやったな自分!」って盛大に祝えるかもな」など共感の声が。また、誕生会の最後に航たちからサプライズのプレゼントが届くが、それは「50」という史朗の年齢がわかる大きなバルーンが刺さった花束だった。実は賢二は史朗の言葉が嬉しく、航に自慢。その時に史朗の年齢も伝えてしまっていた。航の悪意のこもったサプライズに「ジルベール性格悪くて最高w」、「少ししか出てないけど、流石ジルベール、存在感凄い。シロさんの事は、胃袋つかまれちゃったし、本当は大好きだけど、ちょっかい出したいんだろうな。それがジルベールなりの愛情表現という事で、そんなジルベールとシロさんのやり取りも、見ものなのよね~」などの声が上がっている。【第8話あらすじ】娘の大学の入学式に出席したという三宅祐(マキタスポーツ)と玲子(奥貫薫)が、夫婦揃って盛装で美容院に現れる。しかも、ひと段落着いたのを機に仲良く2人でベトナム旅行に行くらしい。離婚間近と思っていた賢二たちは関係が修復したと安堵するが、田渕剛(坂東龍汰)だけは「人の気持ちは簡単に修復しない」と否定的。その頃、史朗は離婚の相談を受けていた。依頼者の北林敏子(村岡希美)は、夫・盛綱(桜井聖)から浮気相手と結婚したいと離婚を突きつけられたが、別れたくないという。状況的に慰謝料をもらって離婚したほうがいいと勧める史朗に敏子は「私もそう思う」と意外な反応。実は盛綱は国際ロマンス詐欺にあっており、送金額も半年で1000万円にのぼっていた。そして本人が被害を認めない限り警察に対応してもらえないため、「騙されていることを夫に認めさせて欲しい」という敏子。そこで史朗は盛綱と対面するが、盛綱は浮気相手を盲信しており「彼女の夢の応援をしたい」の一点張り。新たな送金依頼もあったため、史朗は強行手段に出ることにし――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月18日西島秀俊と内野聖陽がカップルを演じる「きのう何食べた? season2」の5話が11月3日に放送。賢二の優しさを改めて感じた史朗が目を潤ませるシーンに、「完全に神回!」や「相手を思いやる優しい気持ちが、お互いの幸せに繋がっていくんだよなぁ」など絶賛の声が上がっている。よしながふみの同名漫画が原作の本作は、史朗と賢二カップルのささやかな日常を描いた物語。弁護士でまもなく50歳になる史朗を西島秀俊、史朗と同棲中の美容師・賢二を内野聖陽、史朗の元恋人・伸彦を及川光博が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。12月。史朗(西島秀俊)は、洗濯機の排水ホースの不具合で水が溢れそうになったことを賢二(内野聖陽)に報告。しかしその際にうっかり以前一緒に住んでいた人を匂わす言葉を口走ってしまう。それを聞いて瞬時に全てを理解した賢二は、相手がどんな人なのか詳しく聞きたいとしつこくせがみ、史朗から9年前の思い出を聞き出す。それは史朗が40歳の時。排水口が詰まって洗濯機周辺が水浸しになってしまう。しかし当時のパートナーであった伸彦(及川光博)は状況を理解しつつも「昼メシまだ?」と言うだけで、何の手伝いもせずに不機嫌そうに外出。その後も何かにつけ高圧的な態度をとる伸彦に、さすがの史朗も堪忍袋の緒が切れかけるが、あまりにドンピシャなビジュアルゆえ結局許してしまう日々を送っていた。自分といる時とは態度が違う史朗の過去を知った賢二は、案の定、嫉妬する。クリスマスを間近に控え、史朗はスーパーで見つけたお買い得な鶏モモ肉をクリスマスディナー用に買おうとするが、近頃体形を気にする賢二を思い出し、ボリューミーな恒例メニューのままでいいのか悩む。一方、賢二も同僚たちからクリスマスディナーについて、史朗にとっては重すぎるのではと指摘を受けることに。そこでお互いを気遣いあったふたりは、自分を理由にして一緒にクリスマスの新メニューを考えることにし――というのが5話の展開。本当は相手のことを思ってメニューを新しくしたいと思った史朗と賢二だが、本当のことは言わず揃って自分を理由にしてメニューを変えようと言うふたり。そんな相手への思いやりでいっぱいのふたりが仲良く肩を並べてクリスマスの新メニューを考える姿に、SNSでは「お家でクリスマスディナーのメニューを一緒に考えてるだけでこんなに楽しそうなの幸せすぎ。羨ましすぎ」や「一緒に新しいメニュー考えてわいわいしてるのも幸せそうでいい~!」などの声が。またビーフシチューやシーザーサラダといった新メニューを作った史朗が、賢二のお気に入りで大切な思い出のメニューでもある明太子ディップを残したことに対して「お願いされてないのにケンジが大好きな明太子ディップ作ってあげるシロさん本当にケンジ大好きじゃん」や「明太ディップは欠かさないシロさん愛だな」などの声が上がっている。そして元恋人の伸彦からモラハラ気味な扱いを受けていた史朗が、賢二の優しさに改めて気づき、今の自分の幸せを実感し目を潤ませるシーンに「洗濯物をたたんでおいてくれる、排水口詰まり時の便利グッズ、勝手に使ってしまった食材をすぐに買ってくる。確かに特別なことじゃないけど、この相手を思いやる優しい気持ちが、お互いの幸せに繋がっていくんだよなぁとしみじみ」や「ああ、あの頃のシロさんが救われた」「完全に神回!朝から涙腺崩壊した」などの声が上がっている。【第6話あらすじ】12月30日昼。仕事から帰宅した史朗に、賢二は航(磯村勇斗)から初詣の誘いがあったことを伝える。親と昼間にしか行ったことがない史朗は、大晦日の夜に集まると知って驚く。史朗は寒い夜に人混みの中で徹夜するのはイヤだと拒否するが、珍しく語気強めに反論する賢二を見て相当行きたいのだと悟り、初詣の誘いを受け入れる。そして大晦日の夜。集合した4人は無事一緒に新年を迎える。だがお参りを終えた後、テンション高めの賢二に対し、3人は早くも帰りたいモード。オールで夜遊びを満喫したい賢二の意見は却下され、結局一旦解散し昼から小日向(山本耕史)と航の家でパーティーをすることに。ふたりの家に着くと、老舗料亭のお取り寄せおせちがずらり。伊勢えび・アワビ・ローストビーフが並ぶ姿に、不服そうだった賢二も目を輝かせる。一方手作りの黒豆と豚の角煮を用意していた史朗は、キッチンを借りて最後の仕上げをする。そんな正月ならではのごちそうをほおばりながら、話題はやがて家族の話に。「兄弟が結婚して孫がいるから気がラク」という会話に、ひとり息子の史朗は複雑な表情を浮かべて――。「きのう何食べた? season2」は毎週金曜23時12分~テレビ東京系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2023年11月04日世田谷美術館では、2023年11月18日(土)より、『倉俣史朗のデザイン-記憶のなかの小宇宙』が開催される。造花の薔薇をアクリルに閉じ込めた《ミス・ブランチ》や、建築素材であるエキスパンド・メタルによる《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》といった椅子のデザインで知られる倉俣史朗(1934-1991)は、アクリルやガラス、建築用のアルミなどそれまでの家具やインテリアデザインの世界では用いられなかった素材を使い、儚く軽やかな、独自の詩情ある作品を世に送り出して世界的な評価を得た。しかしバブルの絶頂期、1991年に、56歳という若さで急逝。その早すぎる死のために、倉俣の業績を検証する展覧会は、これまであまり開催されてこなかったが、没後30年を超えた同展では、満を持して、倉俣史朗という人と作品を紹介する。独立前、三愛宣伝課に籍を置いていた頃から、独立後、飲食店や服飾店の内装などでセンセーショナルな話題をさらった時代、そしてデザイナーのエットレ・ソットサスが中心となったイタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加した1980年以降など、倉俣史朗の初期から晩年までの仕事を紹介。さらにデザインという形にならずに断片的に書き留められたままのスケッチや、今まであまり公開されてこなかった夢日記、倉俣自身の言葉を多数紹介することで、創作の源泉と秘密にも迫る。彼が愛蔵していた書籍やレコードを紹介する「倉俣史朗の私空間」もまた、伝説のヴェールに包まれた倉俣史朗の生身の姿を垣間見る機会を与えてくれることだろう。また倉俣は、生前から現在にいたるまで、日本より海外での評価が高いデザイナーであった。同展では倉俣史朗の美の本質を物語る、彼の国際的な評価についても、あらためて確認できるに違いない。<開催情報>『倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙』会期:2023年11月18日(土)〜2024年1月28日(日)会場:世田谷美術館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)休館日:月曜(1月8日は開館)、12月29日(金)~2024年1月3日(水)、9日(火)料金:一般1,200円、65歳以上1,000円、大高800円、中小500円公式サイト:
2023年10月31日アーティゾン美術館の新たな収蔵品、そして代表的なコレクションを展示する『STEPS AHEAD:Recent Acquisitions 新収蔵作品展示』が2月13日(土)より5月9日(日)まで開かれている。美術館の3フロア全部を使用する、大規模な展覧会だ。アーティゾン美術館、そして前身であるブリヂストン美術館を擁する石橋財団は印象派や日本近代洋画などを中心とした非常に優れたコレクションで世界的にも知られていた存在だ。近年、同財団は中心となるコレクションをさらに充実させる一方、収集対象の幅を広げ、抽象表現を中心とする20世紀初頭から現代までの美術、そして日本の近世美術などの作品も積極的に収集。より広がりのあるコレクションとなっている。同展は、これまで未公開であった作品92点を中心に、201点を14のセクションに分けて展示している。最初のセクション「藤島武二の《東洋振り》と日本、西洋の近代絵画」では、前身のブリヂストン美術館時代も人気だった印象派作品、日本近代洋画の黎明期の作品に、カイユボットなど近年加わった作品を交えこれまでのコレクションにさらなる厚みが加わっていることがわかる。展示風景 「藤島武二の《東洋振り》と日本、西洋の近代絵画」セクションより。モリゾやカサット、ゴンザレスら印象派の女性画家は近年注目されているまた、同セクションでは、エヴァ・ゴンザレス《眠り》(1877-78年頃)、マリー・ブラックモン《セーヴルのテラスにて》(1880年)、メアリー・カサット《日光浴(浴後)》(1901年) など、印象派の女性画家たちの作品が並べて展示されている。女性画家たちの活動は、今後より注目の集まる分野だ。そして、キュビスムや今後の発展を期待させる新収蔵品や関連作品などバラエティ豊かな展示が続く。展示風景「カンディンスキーとクレー」セクションより。奥の作品はヴァシリー・カンディンスキー《三本の菩提樹》(1908年)「カンディンスキーとクレー」のセクションにある、ヴァシリー・カンディンスキー《三本の菩提樹》も新収蔵品の一つ。カンディンスキーが抽象画に向かう直前に描かれた鮮やかな色彩が目を引く風景画だ。同セクション内で展示されている彼の抽象画作品を、より深く理解するための手がかりにもなるだろう。展示風景「倉俣史朗と田中信太郎」セクションより。ソファは倉俣史朗、彫刻と絵画は田中信太郎によるもの「カンディンスキーとクレー」に続くセクションは「倉俣史朗と田中信太郎」。色彩が豊かな絵画が並ぶにぎやかさも感じさせる空間と、モダンで静謐な空間が隣り合う構成も刺激的だ。プロダクトデザイナーの倉俣史朗と画家で彫刻家の田中信太郎の二人は生前から交流があり、旧ブリヂストン本社ビルの大規模改修の空間デザインを倉俣が手掛け、田中の作品を設置したことから石橋財団とも縁が深かった。このセクションでは、二人の家具と彫刻や絵画が配置されている。なお、倉俣の椅子は美術館の各所に休憩用として設置されているので、座り心地も体感することができる。展示風景 「抽象表現主義の女性画家たちを中心に」セクションより抽象表現主義の女性画家たちのセクションも見どころのひとつだ。上記写真の壁にかけられた作品は、左のリー・クラズナー《ムーンタイド》1961年、中央のエレイン・デ・クーニング《無題(闘牛)》1959年、右のジョアン・ミッチェル《ブルーミシガン》1961年と、すべて女性作家の手によるもの。もともと石橋財団はブリヂストン美術館時代より戦後のフランス抽象絵画の展開に目を向けてきており、その研究過程のなかで第二次世界大戦後にアメリカで発生し、世界的に影響を与えた抽象表現主義の勃興に、女性画家たちの活躍も大いに寄与していることが浮き彫りにされていったという。同展は収蔵品展と銘打っているものの、14すべてのセクションがしっかりとしたテーマが立てられている。今後の調査、研究が進めば、これらのセクションが元となる展覧会が作られるかもしれない。その時が楽しみだ。展示風景「具体の絵画」セクションよりこのほか、芸術家の肖像写真コレクションやオーストラリアの現代絵画など、展示作品は多岐にわたる。アーティゾン美術館の新しい可能性を存分に感じられる展覧会、時間に余裕を持って鑑賞しにいこう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『STEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示』2月13日(土)~ 5月9日(日)、アーティゾン美術館にて開催
2021年02月22日アートディレクター、デザイナーとして世界を舞台に活躍した石岡瑛子の足跡を辿る展覧会『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』が2021年2月14日(日)まで東京都現代美術館で開催されている。彼女についての世界で初めてとなる大規模回顧展だ。石岡瑛子(1938〜2012)は、東京藝術大学美術学部を卒業後、資生堂に入社。当時、女性としては非常に珍しかったアートディレクターとして、広告キャンペーンのデザインやディレクションに携わっっていった。なかでも、1966年に前田美波里を起用した夏のキャンペーン広告は、それまでの「やまとなでしこ」的な女性が好まれていた化粧品広告にはなかった健康的な女性と力強いデザインが評判となり、社会現象にまでなったほどだ。展示風景より。前田美波里をキャンペーンガールとして起用した資生堂のポスターなど本展は彼女の活動を時系列で追い、「Timeless:時代をデザインする」、「Fearless:出会いをデザインする」、「Borderless:未知をデザインする」の3章で構成されている。展覧会タイトルの「血が、汗が、涙がデザインできるか」は、2003年に行われた世界グラフィックデザイン会議での講演で彼女が語った言葉に由来したものだ。展示風景より「Timeless:時代をデザインする」の章「Timeless:時代をデザインする」の章では、資生堂での活躍後、1970年に独立した彼女の活躍を紹介する。パルコの広告キャンペーンのほか、本の装丁やパッケージデザインなどさまざまな分野を手がけ、時代の空気そのものを作りだしていたことがわかる。展示風景より パルコの校正紙石岡の赤字を入れた校正紙から、僅かな陰影や文字間にまでクオリティを追求する市井が伺える。味の素AGF インスタントコーヒー「マキシム」(1989年)ちなみに、インスタントコーヒー「マキシム」のパッケージデザインも彼女の仕事。ボトルのデザインは、これまた世界的なデザイナー、倉俣史朗によるものだ。順風満帆にキャリアを積んだ石岡は、1980年に日本を離れ、ニューヨークに拠点を移す。第2章の「Fearless:出会いをデザインする」では、この時期の彼女の活動を紹介する。石岡は、アメリカで活動を開始するにあたり、日本でのキャリアをまとめ、『石岡瑛子風姿花伝 EIKO by EIKO』として日米で書籍化した。この本がきっかけとなり、アメリカでも次々と大きな仕事を任され始める。彼女は自分自身の人生や出会いも自らのクリエイティブを武器に切り開いていったのだ。『M.バタフライ』(1988年)石岡瑛子は初めてのブロードウェイの仕事であったにもかかわらず、『M.バタフライ』で舞台美術とコスチュームの2部門でトニー賞にノミネートされる。フランシス・フォード・コッポラ『ドラキュラ』の衣装(1992年)さらに、『地獄の黙示録』日本版ポスターを手がけた縁で、映画監督のフランシス・フォード・コッポラとの縁も深かった石岡は、コッポラの依頼で映画『ドラキュラ』の衣装をデザイン。1993年の第65回アカデミー賞で、衣裳デザイン賞を受賞するに至るなど、アメリカでも華々しいキャリアを築いていく。映画『ドラキュラ』の衣装のためのスケッチ(1992年)そして最終章「Borderless:未知をデザインする」では、晩年の15年間に手がけた仕事を中心に展示される。この頃の石岡は映画の衣装デザインだけでなく、冒頭のシルク・ド・ソレイユのようなサーカス、ビョークやグレイス・ジョーンズなどのミュージシャンの舞台美術やミュージックビデオ、コンセプトメイキング、そしてオリンピックにおけるウェアや開会式のコスチュームを手がけるなど、あらゆる分野のクリエイティブを手がけていった。ターセム・シン監督『落下の王国』(2006年)の衣装と映像ソルトレイク・オリンピック ウェア(2002年)そして、展覧会の最後では彼女のクリエイティブの原点ともいえる作品で締めくくられる。それがどのようなものかは、会場で確かめてほしい。常にクリエイティブの最先端を走り続け、その勢いを止めることのなかった石岡瑛子。彼女の尽きることのない創造性にふれることができる貴重な展覧会だ。取材・文:浦島茂世【開催情報】『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』11月14日(土)~2021年2月14日(日)、東京都現代美術館にて開催※予約優先チケットの販売あり。詳細は公式HPを参照のこと
2020年11月26日80年代の椅子をフィーチャーした展示会「CHAIRS 80S」が、2016年8月27日(土)から9月11日(日)までの間、東京・恵比寿のSOMEWHERE TOKYOで開催される。会場には、日本を代表するインテリアデザイナー倉俣史朗の作品を展示。また、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)を手掛ける川久保玲、お花をモチーフにした椅子を提案するインテリアデザイナー・梅田正徳など日本デザイナーの作品を含む、独創的な作品を紹介する。【イベント詳細】CHAIRS 80S開催期間:2016年8月27日(土)~9月11日(日)※8/31、9/1、9/7、9/8休み。時間:13:00~19:00会場:SOMEWHERE TOKYO住所:東京都渋谷区恵比寿南2-7-1 1FTEL:03-6452-2224作品デザイナー:倉俣史朗、梅田正徳、川久保玲、植木莞爾、ミケーレ・デ・ルッキ、ハワード・マイスター、フィリップ・スタルクほか※予定
2016年08月18日表参道・スパイラルガーデン(スパイラル1F)で、8月19日(水)~30日(日)の期間、「Nature Creations -Flowers-」を開催。花々からのインスピレーションで生まれた陶芸、絵画、刺繍、切り絵、器、グラフィック、プロダクトなど、100点にのぼる作品を展示販売する。「Nature Creations」は、植物や昆虫、土、木、金属など、自然由来の素材やモチーフを基に創り出される様々な表現を紹介するシリーズ展覧会だ。第一回目となる今回のテーマ「Flowers」は、明るく美しい有様を表す「華やか」の語源でもあり、造形美が古来より人々を魅了してきた。出展作家は、インテリアデザイナー倉俣史朗や、元「マリメッコ(Marimekko)」のテキスタイルデザイナー石本藤雄、ファッションブランドのシアタープロダクツ、押し花アーティスト多田明日香のほか、陶器ブランドのセラミック・ジャパンなど、各方面から多彩な面々が集結する。8月21日(金)20時~21時には、ピアニスト阿部海太郎が、花をテーマとした楽曲を中心に演奏するピアノライブが開催される。花にちなんで、どんな楽曲が披露されるのか楽しみだ。さらに展覧会会期中は、スパイラルカフェ(スパイラル1F)で、見た目も華やかなエディブルフラワーを添えた、エルダーフラワーシロップとソーダで作るハーブティーソーダを提供する。暑さ厳しい夏の日、仕事やお出かけの合間にちょっと涼みに、花にまつわる展覧会へ足を運んでみてはいかが?(text:Miwa Ogata)
2015年08月04日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週火曜日は、東京・南青山に店舗を構えるビジュアル洋書店、嶋田洋書(東京都港区南青山5-5-25 T-PLACE1階A103)。今回は、新年にふさわしいスペシャルな書籍をピックアップしました。■『WA』ロッセッラ・メネガッツォ、ステファニア・ピオッティ6世紀の伝統的なものから現代の最新デザインまで、多彩な日本のプロダクトデザイン250点を、 木、金属、陶磁器、紙、布、新素材など 材質別に収録。グラフィックデザイナー原研哉が日本のデザインを紹介するテキストに始まり、吉岡徳仁、倉俣史朗、深澤直人、柳宗理、坂茂など、数多くのデザイナーの作品が登場。掲載されているのは、鳥居、けん玉、こけし、茶道具、箸、筆、扇子、テーブル、照明、ペーパーアート、組紐、着物、マスキングテープ、スツールなど様々。ページをめくって新旧様々なデザインを眺めているうちに、日本の「和」の心や洗練されたデザインの美しさが見えてきてこの国の良さを再認識できる。日本人としての今後のインスピレーションに刺激を与えてくれる作品集だ。本の装丁は原研哉によるもので、白地に赤い糸で和綴じ製本されたこだわりの作りとなっている。【書籍情報】『WA』著者:ロッセッラ・メネガッツォ、ステファニア・ピオッティ出版社:PHAIDON言語:英語ソフトカバー/288ページ/270×205mm発刊:2014年価格:8,000円
2015年01月06日