話し方には気をつけているつもりなのに、なかなかうまく伝えることができない。それどころか、誤解されてしまうこともある。お客様に好かれないし、上司からも生意気だと思われてしまう。そもそも話し方には自信がないものだから、人間関係を築くのが苦手。話し方について、たとえばこういった悩みを抱えている方は、決して少なくないはずです。そこでおすすめしたいのが、『〈引きつける〉話し方が身につく本』(倉島麻帆著、明日香出版社)。その道22年のフリーアナウンサー/スピーチコンサルタントとして活躍する著者が、「魅力ある話し方」を身につける術を解説した書籍です。本書の魅力は、「声の出し方」「聴き方」「話し方」、果ては「表情のつくり方」「身体の動かし方」など、話し方についての方法論に徹している点にあります。浮ついたところがないだけに、話すために必要なスキルを効果的に身につけることができるのです。なお著者は、相手の心を動かす話し方をするためには「4つのスキル」が必要不可欠だと説いています。それは、「抑揚(イントネーション)」「強調(プロミネンス)」「間(ポーズ)」「緩急(チェンジオブベース)」。どれも重要な要素なので、ひとつひとつチェックしてみることにしましょう。■1:抑揚(イントネーション)人前に立って話をするとき、自分に注意を向けてほしいからと、大きな声を出す人がいます。しかし、大きな声ならなんでもいいのかというと、決してそうではないと著者はいいます。なぜなら、ずっと大きな声を出していると、聴いている人は自然と耳から入ってくる信号の強さ、つまり話す人の声の大きさにレベルを合わせてしまうから。聴き慣れると、それほど大きな声だと感じなくなるわけです。そこで重要な意味を持つのが「抑揚」。抑揚をつけると、それだけで言葉に表情が生まれるといいます。声の調子が上がることを昇調、下がることを降調、平坦であることを平調というそうですが、抑揚はこれらの組み合わせで使われるもの。この上がり下がりによって、感情や気持ちの変化を表現することができるということです。■2:強調(プロミネンス)私たちは普段の会話においても、特に大切でしっかりと伝えたいところは自然と際立たせて話しているもの。このように、文章の途中で単語やフレーズを際立たせることが「強調(プロミネンス)」。ちなみにプロのアナウンサーなどは、言葉を「立てる」といういい方をすることもあるのだとか。ただし強調するといっても、単に強く発音すればいいというものでもないようです。もちろん、その部分を強く(声を大きく)して発音すると強調になるわけですが、他にもいろいろな方法があるというのです。具体的には、声を高くしたり、その部分だけをゆっくり発音してみたり、強調したい言葉のすぐ前に間(ポーズ)をとったりしても強調することができるといいます。■3:間(ポーズ)著者によれば、早口で悩んでいる人の原因は、緊張しているからなのだそうです。人は誰でも、息の切れ目、文節の切れ目、次の言葉を考える瞬間など、そのときに応じた一定の間(ポーズ・静寂・沈黙)を無意識にとっているもの。そして、この間をうまく使うことによって、早口の人であっても、それほど早口には聞こえない話し方にすることができるのだといいます。緊張すると余裕がなくなり、一瞬でも話に空白ができることを恐れてしまいがち。空白が怖いから間を取れない、間を取らないからますます早口に聞こえてしまう。そんな悪循環に陥ってしまうということ。だからこそ勇気を持って、間を使えるように練習することが大事。■4:緩急(チェンジオブベース)話にメリハリをつけるには、「抑揚」「強調」「間」の他に、速さをコントロールする技術が有効。「緩急自在」という言葉がありますが、ときにスピードを上げてテンポよく、ときにゆっくりとていねいにと、波をつくようにするわけです。しかも大切なのは、スピードだけではないといいます。声の大きさを変えてみたり、高低を変えてみたりすることによって、ぐっと聞き手を引きつけることができるというのです。そして「言葉に気持ちを乗せて伝える」ということを意識すると、より自然で感情が伝わる緩急を生み出すことができるといいます。*これらは基本中の基本ですが、本書には声の出し方や発音のテクニック、リラックスする方法などを学べるCDも付属しているため、耳で聴きながら実践的なテクニックを身につけることが可能。いってみれば、 “話し方”についてさまざまな角度からアプローチした、とても実践的な内容なのです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※倉島麻帆(2016)『〈引きつける〉話し方が身につく本』明日香出版社
2016年06月27日女優・野波麻帆は、夫・水上剣星とともに、子供服ブランド「ヒムハー(him her)」を2016年秋冬コレクションからスタート。ブランド名は、コンセプトのユニセックスに由来する。アイテムは、ドレスを除きすべて、男の子・女の子どちらも着用可能。野波が女優業と両立しながら、家族と共に作りあげた子供服は、シルエットと生地にこだわりが感じられ、愛に溢れている。幼少期にしか着ることのできないものだからこそ、愛着の湧くデザインだ。メインアイテムは「hi neck tight fit」と名付けられたタートルネック。そのほか、スキージャンパーを日常に落とし込んだアウターやエプロンドレス、ブルゾン、温もりあるハンドメイドニット&バッグなど、様々なスタイリングを楽しめるアイテムを揃える。なお、デビューコレクションである2016年秋冬コレクションのルックには、実娘を起用している。
2016年06月09日