個人事業主で支出した費用については、経費として計上することで所得を圧縮して節税することができます。ただ、個人事業主は法人に比べると経費として認められる範囲が非常に狭いので、経費漏れのないよう徹底することが大切です。そんな中、よくご質問をいただくのが家賃の取り扱いについてです。そこで本記事では、家賃を経費として計上する場合の注意点について詳しく解説します。事務所を借りている場合の家賃自宅とは別に事務所を借りて個人事業を営んでいる場合は、支払っている家賃全額が経費として認められます。これは当然といえば当然です。例えば、個人事業でラーメン屋をしていた場合、ラーメン屋の店舗の家賃は全額経費として計上して節税することが可能です。問題なのは、次のようなケースでしょう。自宅で個人事業をしている場合の家賃個人事業主の方の中には、事業が拡大するまで自宅兼事務所のような形で、自宅で事業を行うケースがよくあります。最近では、業種によってはパソコンさえあれば営業することができるので、余計な出費を抑えるために自宅で起業する人は少なくありません。このケースでは、次の2つのパターンが考えられます。賃貸物件で個人事業をする場合確定申告で経費になる家賃の割合とメリット自宅が賃貸物件の場合は、実際に支払っている家賃が経費として計上できるかどうかが問題となります。結論からいうと、経費にできますが全額ではなく一部に限られます。あくまで経費として認められるのは、事業として使っている限度までです。自宅ですから100%事業というのは理屈が通りませんので、概ねどの程度の割合を使っているのかで割合を算出することになります。例えば、3Kの物件で1室だけ事業用で使うのであれば、家賃9万円だとして3等分して3万円だけ事務所の家賃として経費に計上するやり方です。このように事業として使用している部分を按分して計算します。マイホームで個人事業をする場合賃貸ではなく、すでに所有しているマイホームの1室で個人事業をしている場合は家賃が発生していません。このような場合、自分から家賃をとって自分に支払うといった経理処理はできるのでしょうか。結論からいうと、できません。ただし、ローンで購入しているマイホームで未だ返済中の場合は、返済利息を事業として使用している部分と按分計算して必要経費にすることは可能です。利息を経費項目にする場合の注意点返済利息の一部を経費として計上する場合、注意しなければならないのが住宅ローン控除です。住宅ローンを組んでいる方の多くは住宅ローン控除を利用しており、住宅ローンの年末残高の1%の税額控除が受けられます。非常に節税効果が高いのですが、仮に利息の一部を経費として計上してしまうと住宅ローン控除に影響が出てきてしまうのです。そもそも住宅ローン控除は、購入する物件が自分の住居を購入するということを前提にして低金利で貸付を行っているので、事業として使用することは想定していません。そのため返済利息を経費に按分して仕分けしてしまうと、使用している部分の住宅ローン控除についても受けられなくなってしまうのです。物件価格にもよりますが、これはかなりの被害を受けることになります。そのため、経費にできるからといって安易に経費にすることはあまりおすすめできません。賃貸物件は必要書類に注意家賃の経費計上には賃貸借契約書が必要家賃を経費として計上する際には、前提として賃貸借契約書が必要になります。時々、大家さんや管理会社に領収書を出すよう要求する人がいますが、基本的には賃貸借契約書で代用することが可能です。ただし、賃貸物件の場合は賃貸借契約書があったとしても、もう1点注意しなければならないことがあります。それは使用用途です。例えば、居住用のアパートに住んでいる場合、賃貸借契約書の使用目的の欄に「住居専用」と書かれていることがあります。おそらく普通の居住用賃貸物件には、ほぼみんなこの記載があります。もしも、自宅で個人事業をしている方の賃貸借契約書に住居専用と書かれていると、契約違反に該当する可能性が出てくるため注意が必要です。住居として借りている部屋については、事務所として勝手に使用することができません。[adsense_middle]自宅兼事務所にしたい場合は大家さんの許可を得るどうしても自宅兼事務所にしたい場合は、事前に大家さんに相談して許可をもらい、その旨を書面で出してもらう必要があります。ネット通販など、人の往来がなく他の住戸への影響がほとんどないような場合であれば認められる可能性もあります。人を呼んでセミナーをやったり、物を販売するとなってくると、大家さんの許可が下りなかったり、そもそも行政側の許認可で引っかかる可能性があるので十分注意しましょう。経費にするかと契約違反は別問題こういう話をすると、それなら経費にはしないなら大丈夫かとよく聞かれますが、決して大丈夫ではありません。賃貸借契約書の使用用途はあくまで実態で判断しますので、家賃の一部を事務所の経費として青色申告や白色申告しているかどうかは関係ありません。実際に事務所として営業している時点で、それは契約違反です。例えば、物件の集合ポストに無断で事務所名の表札を出すことも、契約違反に該当する可能性がありますので十分注意しましょう。経費にする家賃の計算方法と仕訳自宅兼事務所の家賃を経費として計上する場合の按分計算について実際にやってみます。例えば、家賃6万円の物件で個人事業を計画したとします。賃貸借契約書の使用用途の問題もクリアできているとして、30㎡あるうちの10㎡を事務所として使用してパソコンなどを設置しました。この場合、経費として計上できる家賃は次のように計算します。6万円×1/3=2万円これが実際に経費として計上できる家賃額になります。実際に使用している割合を床面積で出すことが難しいという場合は、使用する時間など何らかの合理的な説明がつく方法によって、家賃を按分計算します。例えば、6時間だけ事業の用に供している場合であれば、6/24の割合で家賃を按分計算して、経費として申告するといった対応を検討する必要があるでしょう。いずれにしても、合理的な根拠があることがとても大切です。家賃は地代家賃の項目このようにして計算した家賃は、地代家賃に仕訳をして経費として計上します。例えば、先ほどの事例のように2万円を家賃として計上する場合は、次のように記載します。借方:地代家賃20,000円貸方:普通預金20,000円摘要:按分比率1/3このように必ず按分比率を記載するようにしましょう。按分比率が書かれていないと、実際の家賃を全額経費として計上していると誤解されて、税務調査の対象になる恐れがありますので注意しましょう。個人事業主の家賃と経費に関するまとめ個人事業主の方が支払う家賃は、経費の中でも比較的大きな金額であり、しかもランニングコストとして発生するものなので、経費にできるかどうかは課税される税金を大きく変動させることになります。特に賃貸の自宅を事務所として使用している方で、大家さんからの許可が得られている場合については、家賃を按分計算して経費として計上することが節税につながります。按分割合の判断が難しいという場合は、すぐにでも税理士に相談をしてできるだけ経費として計上することをおすすめします。また仕訳をする際には、必ず按分比率を摘要欄に記載することも重要です。記載が漏れていると、全額を計上していると誤解されますので気をつけましょう。
2020年05月04日個人事業主は会社員に比べると、何かと融資が受けにくいイメージがあります。中でも心配する方が多いのが住宅ローンです。そこで本記事では、個人事業主が住宅ローンを利用する際に覚えておくべきポイントについて詳しく解説します。個人事業主が住宅ローンを組む際の条件とは個人事業主が会社員に比べて融資が受けにくいといわれている理由にはいくつかありますが、中でも一番大きいといわれているのが収入の安定性です。会社員の場合は会社の規模にもよりますが、年収が概ね一定で安定していますので、金融機関としても安心して融資をすることができます。対して個人事業主の場合は、収入がその時の売り上げに左右されるので、安定性に欠けるというイメージがあるのです。では、金融機関はどのようにして個人事業主の収入を審査するのでしょうか。金融機関に確定申告書の提出が必要個人事業主が住宅ローンを組む場合、絶対的に必要になるのが確定申告書です。これは会社員の方に源泉徴収票が必要になるのと同じで、個人事業主の場合は収入を証明する書類として確定申告書を審査書類としています。個人事業主の中には、かなりの売り上げを上げているものの、確定申告を怠っていてしていないという方が時々いますが、この場合はいくら収入があったとしても住宅ローンを組むことができません。個人事業主が住宅ローンの審査をクリアするためには、収入を証明するだけではなく、きちんと納税しているのかどうかも銀行は見ているのです。なぜなら、無申告のまま営業を続けていて、万が一途中で税務調査が入って多額の追徴課税がされた場合、住宅ローンの返済がストップするリスクがあるからです。納税はあらゆる支払いにおいて優先されるため、税金の滞納は銀行にとって非常に大きなリスクになります。3年以上営業しているメリット個人事業主が住宅ローンを利用する際に必須となる確定申告書ですが、1期分だけあればよいというわけではありません。個人事業主の収入を審査する際のポイントは安定性です。安定性を審査するためには、1期分の確定申告書を見ただけでは判断できないため、通常は直近3期分の確定申告書の提出が条件となります。ということは、つまり営業を始めて3期以上経っていない個人事業主の方については、原則として住宅ローンを利用することができないのです。当該基準は会社員の場合も同様で、一般的に勤続年数3年以上といわれているのは3年分の源泉徴収票が必要になるからです。「3年以上働いていれば住宅ローンが使える」とよくいわれがちですが、実際は「3年以上働いていれば住宅ローンの審査対象になる」といった方が正しいのです。個人事業主で住宅ローンを使うためには、個人事業を始めて3年は経過していないと審査対象に入りません。住宅ローンの審査基準を会社員の場合と比較住宅ローンは他のローンに比べて生活に対する必要性が高いので、条件を満たしていれば比較的審査は通りやすい傾向にありますが、個人事業主の場合は会社員に比べて次の点について不利な一面があります。金融機関から借入できる金額住宅ローンで借入できる金額は、ある程度の個人差はありますが会社員の場合は概ね年収の7倍といわれています。例えば年収500万円であれば3,500万円が1つの目安です。ただ、個人事業主の場合は年収が毎年安定しているとは限らないので、直近の年収が500万円であってもその前が400万円であれば、400万円を基準にして借入上限を設定される可能性があります。銀行から借入できる期間個人事業主として長く営業を継続していくことは簡単ではありません。住宅ローンは最長で35年で組むことができますが、35年間同じ事業を続けていくことはとても大変です。そのため、個人事業主の場合は仮に住宅ローンの審査が通ったとしても借入期間が短く制限される可能性があります。中には借入期間を25年程度に制限されるケースもあるようです。借入期間が短くなると、当然毎月の返済額が大きくなるので、慎重にキャッシュフローを考えないと返済不能になってしまう可能性があります。借入できる金利住宅ローンの借入金利は、他のローンに比べて非常に低い水準に設定されており、最近では0.975%をさらに下回り非常に低金利で借りることができます。会社員の場合は、ここからさらに特別金利で低くしてくれるようなこともありますが、個人事業主の場合は特別金利どころか通常金利よりも高い金利に設定されるケースもあるようです。金利が高くなると総返済額が大きくなるので、非常に不利だといわざるをえません。このように個人事業主の方は住宅ローンの審査が通ったとしても、会社員の方に比べると借入金額、借入期間、借入金利などの条件面において非常に不利になりやすいという特徴があります。金融機関ごとの特徴を比較個人事業主が住宅ローンを利用するにあたっては、あらゆる面でハードルが高くなることはお分かりいただけたかと思います。ただ、すべての金融機関が同じ目線で貸付条件を決めているわけではありません。そこでここでは、金融機関ごとの特徴について触れていきたいと思います。[adsense_middle]大手都市銀行系大手都市銀行系はもともと規模の大きい貸付を得意としているので、個人事業主に対する貸付についてはあまり積極的ではない印象です。もちろん、可能性がないというわけではありませんが、審査基準や貸付条件がシビアに判断される可能性があります。例えば、個人事業主が事業として利用している銀行と同じ銀行であれば、銀行も相談がしやすいので借りやすいという可能性はありますが、反対に何の取引実績もない大手都市銀行となると住宅ローンが組めないという可能性はあるでしょう。信用金庫、信用組合個人事業主の方におすすめしたいのが、個人事業など中小企業の融資に積極的な信用金庫や信用組合です。これらの金融機関は大手都市銀行系に比べると規模は小さいですが、小口の貸付にも力を入れているので、個人事業主にも積極的に貸付をしてくれます。そもそも信用金庫、信用組合は地域振興が目的でもあるので、貸付条件なども大手都市銀行系に比べると多少緩めです。ネット銀行系最近利用者が触れているのが、実態店舗を持たないネット銀行系です。手続きも比較的簡単で、個人事業主のような小規模事業者に対する貸付も行っているので住宅ローンも通りやすい傾向があります。個人事業主におすすめのフラット35個人事業主の方が住宅ローンを組むにあたって、最もおすすめしたいのがフラット35です。フラット35とは住宅ローンの商品の中の1つで、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して提供している長期固定金利の住宅ローンです。フラット35は他の住宅ローンに比べると審査が比較的甘い傾向があるので、個人事業主でまだ実績が少ない方や、年収がそこまで安定していない場合でも審査が通ることがあります。フラット35の審査傾向フラット35の審査が他の住宅ローンと違うところ、それは確定申告書の審査です。先ほどもお伝えした通り、個人事業主の住宅ローンの審査には3期分の確定申告書が必要になります。そのこと自体はフラット35でも同じですが、傾向からすると実際に審査で重要視されているのは直近1期分の確定申告書だけで、それ以上前のものについては多少変動があったとしても緩く判断しているのです。例えば、直近が黒字でも前期が赤字というケースは事業をしていると決して珍しくはありません。通常の住宅ローン審査だとそういった場合にNGになる可能性があるところ、フラット35については比較的審査が通る傾向にあります。銀行によってフラット35も違うフラット35は民間の金融機関が窓口となっており、どの金融機関を利用するのかによって、フラット35でも手数料などが異なる可能性があります。個人事業主におすすめなのはネット銀行系です。ネット銀行が取り扱うフラット35は、審査が早いのと金利が低いというメリットがあります。例えば、楽天銀行や住信SBIネット銀行などの場合、35年固定で1.09%と、まるで変動金利かのような低い金利設定になっているのです。もともとフラット35は全期間金利が変動しない代わりに、変動金利よりも金利が高いというリスクを負うものですが、固定金利で1.09%となると昔の変動金利並みに低い金利なので、借りる方にはかなりのメリットがあるといえるでしょう。フラット35の注意点個人事業主の方が住宅ローンを利用するならフラット35がおすすめですが、1点注意すべきことがあります。それはローン審査です。先ほどフラット35の審査は緩めだという話をしましたが、一方で購入する物件に対する審査はシビアになります。住宅ローン審査は、本人の所得に関する審査と購入する物件の担保価値に関する審査の2本立てで行われるため、本人の所得に関する審査が通過したとしても、物件の担保価値が基準を満たさずに落ちる可能性はあるのです。例えば、地方の郊外にある物件や築年数が古い物件については担保価値が出にくいので、本人が気に入ったとしても審査で落ちる可能性があります。不動産投資は厳禁個人事業主の方の中には、住宅ローンを使って不動産投資をしようとする方が時々いるのですが、これは絶対にやめてください。住宅ローンは他のローンに比べて審査が通りやすく、しかも低金利なので、自己住居を装って投資用で使おうとする方が時々いるのですが、これは契約違反です。不動産投資の場合は、投資用のアパートローンなどを利用しましょう。個人事業主の住宅ローンに関するまとめ今回は個人事業主の方の住宅ローンについて解説してきました。会社員に比べると確かに厳しい部分はありますが、金融機関の特徴やフラット35をきちんと活用すれば十分審査に通る可能性があります。大切なことは、このような審査傾向があることを知った上で物件を探すことです。フラット35は物件の担保価値に大きく左右されるので、事前にそのあたりを意識して物件を選定しましょう。
2020年05月02日選んだ自治体を応援しつつ、お得な特産品がもらえ、かつ大きな減税が受けられるとのことで「ふるさと納税」が人気を集めています。ただし、ふるさと納税で税金の控除を受けるには上限額があり、個人事業主の方はその計算方法に十分注意する必要があります。本記事では、ふるさと納税の流れや控除上限額の計算方法などをお伝えしていきます。ふるさと納税とはふるさと納税とは、全国の都道府県や市区町村に寄付することで、該当の都道府県や市区町村から返礼品を受け取ることができ、かつ寄付額に応じて所得税や住民税から還付を受けられる仕組みのことを指します。過疎化の進む地方を応援するための取り組みとして2008年より始められたもので、地域の特産品を返礼品として得つつ、寄付額の大部分を所得税、住民税から還付してもらえるため年々人気が高まっています。寄付金控除はサラリーマンの方はもちろん、自営業の方でも問題なく利用できます。なお、「ふるさと」と名前がつきますが、特に自分の生まれ育った地域でなくとも寄付することができますし、複数選ぶこともできます。また、寄付したお金は教育や文化、産業、保険や医療、福祉など自治体ごとに設けられた項目を選ぶことができ、寄付したお金の使い道を指定できるようになっています。ふるさと納税の金額や上限に関する計算方法ふるさと納税では寄付額に応じて所得税や住民税から控除を受けられるようになっています。ここでは、その計算方法について見ていきたいと思います。事業所得等の収入額の計算方法ふるさと納税額の控除額を調べるにあたり、まずは事業所得や不動産所得、雑所得等、ご自分の事業で得た所得の額を算出するようにしましょう。サラリーマンの方であれば、勤め先の会社が給与から源泉徴収してくれ、年末には源泉徴収票を発行してくれるのが一般的ですが、個人事業主の方は自分で所得を計算しなければなりません。なお、事業所得、不動産所得、雑所得の計算方法は以下の通りです。事業所得=総収入金額-必要経費不動産所得=総収入金額-必要経費雑所得=総収入金額-必要経費いずれも、1年間で得た収入から1年間で支払った経費を差し引けばよいだけなので、考え方としてはシンプルです。なお、複数の項目で所得がある方はそれらの合計額を求める必要があります。所得税の控除額の計算式1年間の所得額を求めたら、ふるさと納税による所得税の控除額を求めてみましょう。ふるさと納税による所得税の控除額は以下の通りです。ふるさと納税による所得税の控除額=(寄付金額-2,000円)×所得税の税率ここで、所得税の税率は所得額が高くなるほど税率の高くなる累進課税制度となっており、先ほど求めた所得額の合計により、以下のように税率が変わります。例えば、所得額300万円の方が2万円ふるさと納税した場合の控除額をシミュレーションしてみると以下のようになります。20,000円-2,000円×10%=1,800円住民税の控除額の計算式次に住民税の控除額の計算式を見てみましょう。住民税の控除額の計算式は以下の通りです。ふるさと納税による住民税の控除額=基礎控除額+特例控除額(AorB)基礎控除額=(寄付金額-2,000円)×10%特例控除額(A)=(寄付金額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率)特例控除額(B)=住民税所得割額×20%※Aの計算結果がBを超えるときにBとなる例えば、先ほどと同様2万円寄付した場合で見ると、以下のように計算できます(ここでは特例控除額(A)で計算します)。基礎控除額:(20,000円-2,000円)×10%=1,800円特例控除額(A):(20,000円-2,000円)×(100%-10%-10%)=14,400円合計:1,800円+14,400円=16,200円ふるさと納税には控除上限額がある上記、所得税と住民税の控除額を計算してみると、所得税の控除額1,800円と住民税の控除額16,200円ですから、合計18,000円と、実質負担額2,000円で返礼品がもらえる計算となっています。しかし、ふるさと納税には控除上限額があり、上限を超えてふるさと納税してしまうと超えた分について還付を受けることができず、自己負担額が大きくなってしまいます。このため、あらかじめ控除上限額を調べておき、ふるさと納税額が上限額以下になるよう計算しておくことが大切です。なお、個人事業主の方のふるさと納税額上限額の目安は、「住民税所得割額の2割程度」となっています。住民税所得割額は住民税の納付書(住民税決定通知書)で確認できます。やや複雑ですが、以下の計算式を使うと正しい寄付可能上限額を求められます。{(住民税所得割額×20%)÷{90%-(所得税率×1.021)÷100}}+2,000円ふるさと納税の流れふるさと納税をするときは以下のような流れで手続きを進めましょう。ふるさと納税したい自治体を選ぶ寄付金を納付する確定申告するそれぞれについて詳しく解説します。[adsense_middle]ふるさと納税したい自治体を選ぶまずはふるさと納税したい自治体を選びます。自治体ごとに設けられた、返礼品や寄付金の使い方などが書かれたサイトを見て選ぶとよいでしょう。ふるさと納税する自治体が決まったら、サイト内にあるふるさと納税の申込みフォームから申込みを行います。寄付金を納付するふるさと納税の申込みが終わったら自治体に指定された方法で寄付金を納付しましょう。自治体が寄付金の納付を確認すると、返礼品と共に「寄付金受領証明書」が送られてきます。寄付金受領証明書は確定申告の際に必要となるので、万が一送られてきていない場合には自治体に問い合わせするとよいでしょう。確定申告するふるさと納税を行った年の翌年2月16日~3月15日の間に行う所得税の確定申告で、ふるさと納税について申告します。本記事中で解説している通り、個人事業主の方はその事業で得られた所得を事業所得や不動産所得、雑所得などとして計算します。それと同時に、ふるさと納税で寄付した額を記載することで、所得額から控除されるという仕組みです。サラリーマンの方や、個人事業主の方でも下請けの場合で取引先が源泉徴収している場合には、控除した結果、所得税を納め過ぎていた場合には差額が還付されることになります。一方、源泉徴収されていない場合には、ふるさと納税で控除を受けた分だけ、納付する所得税の額を少なくすることができます。なお、個人事業主の場合、税務署に対して事前に届出を出し、複式簿記による方法で帳簿をつけるなど一定の条件を満たすことで青色申告することができますが、ふるさと納税による控除は、基本的に青色申告の場合でも白色申告の場合でも同様の手続きで行います。住民税の控除ふるさと納税では、所得税だけでなく住民税からも控除を受けることができます。住民税の納付額や控除額については、所得税の確定申告をすることで、その申告額を基に自動で住民税の納付額が計算される仕組みになっています。通常、1月~12月の1年間の所得を翌年2月16日~3月15日の間に確定申告し、その年の6月頃より自治体から送付される納付書で住民税を納付します。個人事業主のふるさと納税に関するまとめ個人事業主のふるさと納税について、控除額の計算方法や流れについて解説しました。ふるさと納税は節税効果が高く、実質負担額2,000円で自治体の特産品が返礼品としてもらえるなど非常にお得な制度です。一方、ふるさと納税には控除上限額があるため、あらかじめ控除上限額を調べたうえで実施することが大切だといえます。
2020年05月01日住民税は給与天引きで支払っている人も多いですが、給与所得者ではない自営業やフリーランス(個人事業主)、あるいは副業で給与以外に収入を得ている会社員など、自分で住民税を支払わなければならない人もいます。そのような人はクレジットカードを使って支払うことで、よりお得になる可能性があります。ここではその方法と注意すべき点について解説します。住民税の納付方法F-REGI 公金支払い仙台市税 納付サイト大阪市や横浜市など一部の自治体では、Apple Payで支払うこともできます。Apple Payに対応したiPhoneやiPadがあれば、納付書のバーコードをカメラで読み取り、納付番号や確認番号、カード情報の入力なしで住民税を納付できます。F-REGI 公金支払い方法2:Yahoo!公金支払いで住民税を支払う「Yahoo!公金支払い」を導入している自治体では、Yahoo!JAPANのサイトからクレジットカードで住民税を支払えます。Yahoo!公金支払いの場合、支払いにTポイントを使うこともできます。Yahoo!公金支払いを使った納付方法Yahoo!公金支払いを使って住民税をクレジットカードで支払うには、1枚あたりの合計金額が100万円未満、納付番号・確認番号が記載された利用期間内の納付書が必要です。「Yahoo!公金支払い」サイトにアクセス住んでいる自治体で検索し住民税の項目を選択納付書に記載された「納付番号」「確認番号」を入力決済情報(クレジット情報など)を入力し、決済Yahoo!公金支払い方法3:モバイルレジアプリで住民税を支払う方法「モバイルレジ」は納付書のバーコードをスマホのカメラで撮影し、ネットバンキングやクレジットカードを使って住民税などを支払えるアプリです。モバイルレジを使った納付方法モバイルレジを使って住民税をクレジットカードで支払うには、1枚あたりの合計金額が30万円以下、バーコードが印刷された利用可能期間内の納付書が必要です。「モバイルレジ」アプリをダウンロード(初回のみ)し、アプリを起動納付書に印刷されたバーコードをスマホのカメラで読み取る納付内容・金額を確認クレジットカード(またはネットバンキング)で決済港区HP方法4:LINE Payで住民税を支払うモバイル決済サービスのLINE Payの請求書払いで住民税を支払える自治体もあります。2020年5月1日以降「チャージ&ペイ」というサービスを使えば、住民税を「Visa LINE Payクレジットカード」で支払うことができます。LINE Payでは住民税の支払いでポイントは貯まりませんが、クレジットカード払いで必要になる決済手数料は原則かかりません。LINE Payを使った納付方法LINE Payを使って住民税を支払うには、1枚あたりの合計金額が30万円以下、バーコードが印刷された利用可能期間内の納付書が必要です。「LINE」アプリをダウンロード(初回のみ)し、アプリを起動納付書に印刷されたバーコードをスマホのカメラで読み取る納付内容・金額を確認決済神奈川県HP住民税をクレジットカードで支払うメリット住民税をクレジットカードで支払うことで、次のようなメリットが期待できます。[adsense_middle]メリット1:クレジットカードのポイントが貯まる住民税をクレジットカードで支払った場合、買い物をしたときと同じようにポイントが貯まります。たとえば、ポイント還元率1%のカードで30万円の住民税を支払えば、3,000円相当のポイントが貯まります。メリット2:年間利用額が増えクレジットカードの特典・優遇を受けやすくなる年間利用額に応じてポイント付与率や付帯保険の補償がアップしたり、年会費が優遇されたりするカードも多く、金額が大きくなりやすい住民税を支払えば、それらの特典や優遇を受けやすくなります。メリット3:窓口やコンビニに出向かなくても24時間どこでも住民税の支払いができるインターネットが利用できる環境であれば、窓口やレジまで出向かなくても、スマホやタブレット、PCを使って24時間どこでも住民税の支払いができます。大金を持ち歩いたり、窓口の人に納付内容や金額を見られたりすることもありません。メリット4:分割払いができる住民税の支払いは一括または年4回の分割払いが原則ですが、クレジットカード払いであれば、それ以外の回数の分割払い(たとえば12回払い)やリボ払いを選ぶことができます(選択できる回数は利用するカードにより異なります)。分割払いには手数料がかかるため、どうしても必要な場合のみ利用するようにしましょう。住民税の支払いをクレジットカードで行う場合の注意点住民税をクレジットカードで支払う場合には注意すべき点もあります。注意点1:決済手数料は納税者負担買い物などでカードを利用する際にかかる決済手数料は、お店が負担するのが一般的です。しかし、住民税など税金の支払いにかかる決済手数料は納税者が負担しなければなりません。たとえば、世田谷区で住民税30万円をクレジットカードで支払う場合、2,354円(税込)の決済手数料がかかります。ポイント還元率1%のカードであれば3,000円相当のポイントを受け取れてお得ですが、還元率0.5%のカードでは1,500円相当のポイントしか受け取れないため、逆に負担が増えてしまいます。利用するカードを選べるのであれば、なるべく還元率の高いカードを選びましょう。※出所:Yahoo!公金支払いより筆者作成注意点2:領収書は発行されないクレジットカードで住民税を支払った場合、領収書は発行されません。支払内容はクレジットカードの利用明細書で確認できますが、正式な領収書が必要な場合には、金融機関や役場の窓口、コンビニなどで納付しましょう。注意点3:納税証明書が発行できるようになるまでに時間がかかるクレジットカードで住民税を支払った場合、実際にカード会社から市町村に支払いが行われるまで納税証明書は発行できません。納税証明書の発行ができるようになるまでに、通常は決済から1〜3週間程度かかります。すぐに納税証明書が必要となる場合には、金融機関や役場の窓口、コンビニなどで納付しましょう。注意点4:限度額があるクレジットカード払いには、納付書1枚あたり30万円あるいは100万円までという上限があります。また、利用するカード自体にも利用限度額があり、納税額がこれらの限度額を超えるとクレジットカードでは納付できません。一括納付で納付書1枚あたりの限度額を超える場合、限度額を下回る分割納付の納付書で支払うのもひとつの方法です。カード自体の利用限度額をオーバーする場合には、一時的な限度額を増額(一時増枠)に応じてくれるカード会社もあるため、コールセンターに連絡してみるとよいでしょう。住民税のクレジットカード納付に関するまとめ便利でお得に利用できることも多いクレジットカード納付ですが、手数料が高くついて損するケースなどもあります。現金納付とクレジットカード納付を比較して、あなたにとって有利な方法を選ぶようにしましょう。
2020年04月30日個人事業を始めようと思ったら、税務署への開業届などいくつかの手続きが必要になりますが、その中でも重要になってくるのが専用口座の開設です。そこで今回は、個人で事業をする人の店名などが入る口座の必要性などについて詳しく解説します。屋号などが入る口座とは?個人事業を始める際には、取引先から報酬を振り込んでもらう先となる銀行口座を開かなければなりません。個人で使っている口座をそのまま流用することもできますが、私用と仕事を完全に仕分けすることが困難になることを考えると、基本的には個人事業専用にもう1つ口座を開設する必要があります。通常、個人が銀行口座を作る際には個人名義の口座しか作れません。では、店名などが入る口座とはどのような口座のことなのでしょうか。お店名義の銀行口座や通帳は作れる?法人であれば会社名義の銀行口座を作ることができますが、個人事業主についてはたとえお店の名前や事務所名があったとしても、法的には個別の人格がないのでその名前を主体として口座を開設することができません。ただ、取引先に送る請求書に書く口座が個人名義の口座だと、取引先に不安を与える可能性があります。そこで個人事業主については、個人名義の前や後にお店の名前などの屋号をつけて口座を開設することが認められています。これを店名などが入る口座といいます。例えば、山田太郎さんが山田食堂というお店を個人事業で営んでいる場合、次のような口座の開設が可能です。・山田食堂山田太郎・山田太郎山田食堂このように屋号単独での口座は開設できませんが、個人名を前か後につけることで屋号付の口座を開設することができます。店名などが入る口座は簡単に作れるのか店名などが入る口座は各銀行の窓口で開設することができますが、個人口座のように簡単に開設できるわけではありません。最近では銀行口座が詐欺行為の入金先になったりするケースを懸念して、銀行側も以前のように簡単には開設してくれないケースもあるようです。例えば銀行によっては、以下のような業種の店名などが入る口座の開設を断っているそうです。出会い系サイト運営アダルトチャット運営キャバクラホストクラブその他風俗店情報商材の取り扱いマルチ商法ネットワークビジネスこれらに該当しない業種でも、事業の実態や予定が明確でない場合などは口座開設を断られることもあります。私も実際に店名などが入る口座を開設したことがありますが、事業内容がわかるパンフレットを提出するなど、一定の審査がありました。また、事業を行う所在地を管轄するエリアに支店がない銀行については、口座開設できない場合もありますので、事前に支店に確認してから来店することをおすすめします。個人事業主が屋号付の口座を作るメリット個人事業主が店名などが入る口座を開設することで、次のようなメリットがあります。取引先への信頼度私はこれが一番大きいと思います。というのも、個人名義の口座しかない場合、取引先に出す請求書の振込先は個人名義の銀行口座になります。別に問題はないのですが、請求書を受け取った相手からすると「あ~個人なんだ」と再認識することになり、なんとなく心細くなるのです。人によっては、本当にこの口座でいいのか確認してくる人もいます。これが個人口座であれば店名などが記載されるので、ちゃんと事業としてやっているんだな、と信頼してもらいやすくなるのです。ちょっとしたことですが、先方に与える印象は大きく違ってくるので、個人事業を始めるのであれば必ず店名などが入る口座を作ることをおすすめします。管理しやすい個人名義用の口座と屋号付の口座を作ることによって完全に資金を分けることができるので、記帳などの管理がしやすくなります。キャッシュフローを把握できるので、資金ショートの兆候なども早めに気が付いて対処することができます。ビジネス機能が使える最近ではどの銀行でもオンラインでの振り込みや残高照会などが可能になっています。銀行によっては、店名などが入る口座と個人名義口座のオンライン上での機能が異なっていて、屋号付のビジネス口座で開設することで機能が拡張されるケースがあります。クレジットカードの引き落とし先にできる個人事業の決済にクレジットカードを使うケースも少なくありません。ちょっとした備品などをクレジットカードで購入すれば、履歴がすべて残るので経費管理がしやすくなります。ただ、個人事業主の場合は個人名義でしかクレジットカードを作ることができないため、クレジットカードの請求だけ個人口座から引き落としされてしまいそうに感じるでしょう。実は店名などが入る口座でも個人名義のクレジットカードの引き落とし先に指定できるケースがあるので、会社用のクレジットカードを1枚決めておけば、店名などが入る口座で全部経費を管理することが可能です。おすすめのネット銀行屋号付の銀行口座はほとんどの銀行で取り扱っていますが、銀行によって特徴が異なります。中でもおすすめしたいのが、実体店舗を持たないネット銀行系です。そこでここでは、おすすめのネット銀行について詳しくご紹介します。[adsense_middle]ネット銀行のメリット法人となると大手都市銀行で口座を開設していることが取引先の安心につながることはありますが、個人事業主の場合、屋号付の口座を開設していれば十分取引先の安心は得られるので、銀行はどこでもそんなに影響はありません。そんな中ネット銀行をおすすめする理由は、すべてがオンラインで完結することです。支店がある銀行の場合、窓口まで来店する手間がかかったりしますが、ネット銀行であればすべて郵送での手続きのみで、店名などが入る口座を開設することができます。また、取引先への支払い手続きなどについてもすべてオンラインで決済できますし、最近ではスマホでも簡単に操作が可能です。三井住友銀行やみずほ銀行など大手都市銀行系や、ゆうちょ銀行でもオンライン決済は可能になってきていますが、スピードや手数料の安さでいえば、やはりネット銀行系の方がメリットが大きいです。手数料が安い銀行振り込みする件数が増えてくると、じわじわダメージを受けるのが振込手数料です。近年、銀行の振込手数料の値上がりが始まる中、コストが少ないネット銀行系は月数回まで振込手数料が無料になるなど、独自のサービスを展開しているところもあり、手数料負担が軽くなる傾向があります。楽天銀行のビジネス口座がおすすめ店名などが入る口座を作るなら、ぜひおすすめしたいのが楽天銀行のビジネス口座です。通常、店名などが入る口座の開設は、支店まで足を運んだり様々な書類を準備したりする必要がありますが、楽天銀行なら必要最小限の書類を郵送で提出してオンラインで手続きするだけで完結します。楽天銀行で個人口座を開設している人であれば、すぐにウェブ上から店名などが入る口座の開設手続きが可能です。必要書類店名などが入る口座の開設にあたって必要になる口座は、以下のうちいずれか1つだけです。個人事業開業届の受付印があるものの写し個人事業開始申告書の受付印があるものの写しウェブ上で店名などが入る口座の申し込みをすると、楽天銀行から返信用封筒が送られてきますので、それに入れて返送すれば手続きは完了です。非常に簡単に作れます。個人事業主の口座開設に関するまとめ個人事業主として事業を始めるにあたっては、店名などが入る口座はもはや必須といっても過言ではありません。開設するなら比較的簡単なネット銀行系を活用するとよいでしょう。
2020年04月26日個人事業主である程度利益が出るようになってくると気になるのが節税です。個人の所得税は法人の法人税とは違い、所得が上がれば上がるほど税率が高くなる制度になっているため、ある意味法人以上に節税対策には気を使わなければなりません。そこで本記事では、個人事業主の方におすすめの節税対策について詳しく解説します。個人事業主の節税対策がポイントになるわけ個人事業主は法人と課税の仕組みが若干異なります。まずはその理由を知ることで、個人事業主における節税対策の重要性が見えてくるのです。ここでは、個人事業主に課税される所得税と法人に課税される法人税の違いについて詳しく解説します。個人事業主の税金:所得税個人事業主の方が仕事をして得た所得に対しては、所得税という税金が課税されます。所得とは個人事業における売上ではなく、売上から経費や控除を差し引いた部分のことです。法人の利益に対して課税される法人税も、基本的には理屈としては同じですが、決定的に違うのが税率の仕組みです。所得税は所得が上昇するにつれて税率も上昇する累進課税制度になっているため、最高で45%も税金で持っていかれてしまうことになります。対して、法人の場合は基本的に30%の固定で、あとはケースに応じて軽減されるという取り扱いのため、利益が大きくなればなるほど個人事業主には重い税負担がのしかかることになるのです。個人事業主の法人成りここまで話を聞くと、それならいっそ法人化したほうが節税になるのではと思うかもしれませんが、実はそんなに単純な話ではありません。所得税率だけ比較すると、税率33%である900万円以上になれば法人化した方がメリットがあるように思うかもしれませんが、実際に法人化すると経理処理は今よりもかなり複雑になります。経理初心者では税理士に依頼することになる可能性が高いので、税理士への顧問料や決算申告費用、さらには毎月の社会保険料なども負担しなければなりません。このように法人は設立するとそれなりに維持費がかかりますので、税率だけ見て単純に比較することはできないのです。個人事業主が節税する2つのコツ個人事業主が節税するためには、2つのコツをポイントとして押さえることがとても大切です。具体的にいうと、経費の計上と控除制度の活用です。詳しく見ていきましょう。[adsense_middle]経費をもれなく計上するメリット所得税を節税するためには、所得税の課税対象となる所得を抑えることを第一に考えることが大切です。かといって、売上を減らしてしまっては本末転倒なので、売上ではなくそこから差し引くことができる経費に着目します。個人事業主でも事業のために支出した費用については、経費として計上して売上から控除することが可能です。ただ、個人事業主の方の中には本来経費になるのに、経費として計上できていないケースがあります。ここでは、具体的なケースで解説して見たいと思います。賃貸経営のよくある経費漏れ個人事業主の中でもアパートやマンションなどの賃貸経営をしている方は、経費漏れが多い傾向がありますので注意が必要です。例えば、エアコン、給湯器、システムキッチンなどの設備の修繕や交換費用については比較的漏れがないのですが、次の経費については忘れてしまう傾向があるので注意が必要です。交通費(物件や不動産会社までの)通信費(賃借人や不動産会社との通話)税金(固定資産税など)損害保険料管理料これらの経費については、意外と漏れている人がいます。特に交通費については、電車代だけでなく、車を使った場合であればガソリン代や高速代、駐車代なども対象になるため、1年を通して細かく計上すればそれなりの金額になるはずです。ネット通販系で控除できる経費インターネットを利用して在宅で個人事業をする人が増えていますが、こういった方についても経費漏れが生じやすい傾向があります。通信費パソコン代タブレット代通信費については、インターネット回線利用料金以外にもプロバイダ料金やパケット通信費、サーバーレンタル料なども該当します。ただし、プライベートでも使用している場合は注意が必要です。個人事業主は公私混同になりやすく、税務署もその点について細かく確認してきますので、私用でもインターネットやパソコンを利用する場合は、経費として計上する価格割合を実際に使用している割合などに応じて制限する必要があります。詳しくは税理士に相談することをおすすめします。青色申告特別控除を利用する個人事業主の方が使える控除制度として代表的なのが、青色申告特別控除です。青色申告特別控除とは、複式簿記による帳簿等を備え付けることで最大で65万円の所得控除を受けられる制度で、個人事業主の方にとっては非常に減税効果が高く多くの方が利用しています。ただ、青色申告は税制改正により、2020年度の申告分から次のように取り扱いが変更になるため注意が必要です。具体的な変更点についてまとめてみました。基礎控除額が変更になる所得税から無条件に差し引くことができる控除を基礎控除といいます。従来までの基礎控除は38万円でしたが、今回の改正によりそこから10万円上乗せされて48万円になりました。よって、スタンダードの状態で48万円も控除になるのです。例えば所得税の税率23%の人であれば、今回の改正によって所得税が23,000円も軽減されることになります。非常に大きいですね。ただし、所得の総額が2,400万円を超える場合については、段階的に控除が減らされる仕組みになっていて、2,500万円を超えたところで控除は受けられません。青色申告特別控除が若干変更になります確定申告は白色申告と青色申告という2つの選択肢があります。青色申告とは、複式簿記による帳簿付けを条件として前もって所管の税務署に青色申告承認申請書を出すことで、先ほどの基礎控除に上乗せして青色申告特別控除が受けられるという制度です。今回の税制改正によって、従前まで65万円だった控除額がなんと55万円に減額されました。そうなんです。縮小してしまったのです。せっかく基礎控除が10万円上がったのに、こっちで10万円下げるなんてインチキだ、と思うかもしれませんが、実はちょっと違います。一定の条件を満たすことができれば、従前と同じ65万円の控除を受けられるケースがあるのです。65万円控除の条件基本的な特別控除額は55万円に減額となりましたが、次の2つのうちどちらかの条件を満たせば、従前通りの65万円の控除を受けられます。つまり、基礎控除の増額分の恩恵を受けられるということになります。電子申告e-Taxを使う確定申告の方法は税務署に持参するやり方のほか郵送することも可能ですが、最近ではインターネットで申告する電子申告が普及しつつあります。国も国民の納税情報のデータ化を進めている関係で、徐々に電子申告に移行させていきたいという意図があるのです。そこで電子申告によって確定申告をすることで、従来通りの65万円控除が受けられるようにしたのです。ただし、国税庁のホームページ上で申告書を作成することを電子申告と勘違いしている人がいますが、あれは作成しているだけなのでそれを印刷して持参や郵送しても電子申告にはなりません。電子申告はデータを印刷せず、そのまま送信することで確定申告を完結させるやり方です。そのため、個人を厳格に特定するために次のいずれかのやり方をする必要があります。マイナンバーカード方式マイナンバーカードに記録されている電子証明書を使って電子申告をします。マイナンバーの交付を受けている人であれば、アマゾンなどでICカードリーダライタを購入することで、自宅から簡単に電子申告することが可能です。ICカードリーダライタは数千円程度で購入できるので、今後のことを考えて購入しておくとよいでしょう。ID・パスワード方式マイナンバーカードがない人は、事前に税務署に届出することで発行されるIDとパスワードを使って電子申告ができます。ただ、基本的にはマイナンバーカード方式に統一する可能性が高いので、あくまで応急的な対応と考えた方がよいでしょう。電子帳簿を保存する税務書類のデータ化を進めるために、一定の帳簿類について紙ではなくパソコンデータで保存するという対応をとれば、従前と同じ65万円の青色申告が受けられます。ただし、電子帳簿保存をする場合は、専用の承認申請書を帳簿を保存する3ヶ月前までに税務署に提出する必要があるため注意しましょう。全部で何パターン?税制改正されたことで、個人事業主が青色申告する場合、次の4パターンの控除が受けられることになります。青色申告(簡易簿記の場合):10万円控除青色申告(現金主義の場合):10万円控除青色申告(複式簿記のみ):55万円控除青色申告(複式簿記かついずれかの条件を満たす場合):65万円控除なお、賃貸経営者でも青色申告は使えますが、事業的規模に満たない場合については10万円控除が限界です。5棟か10室のいずれか以上の規模になれば、最大で65万円の控除を受けることが可能です。青色申告のその他のメリット青色申告は特別控除のほかに純損失の繰り越し控除という特典も受けられます。純損失の繰り越し控除とは、事業の赤字を翌年以降3年にわたって繰り越せるという制度で、大きな赤字が出た場合に翌年以降の所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。現在白色申告を利用している個人事業主の方は、すぐにでも青色申告にすることをおすすめします。その他のおすすめの節税方法個人事業主の節税方法としては経費の計上と青色申告の2本柱が王道ですが、それ以外にもあえて挙げると、次のような控除制度もフル活用することでさらに節税することができます。[adsense_middle]医療費控除個人の1年間でかかった医療費は、下記の計算式によって算出した金額について上限200万円の範囲で医療費控除が受けられます。(実際に支払った医療費の合計額ー保険金などで補てんされる金額)ー10万円例えば歯科治療などを継続的に受けているような場合は、医療費控除でもそれなりの金額になるので必ず活用しましょう。住宅ローン控除マイホームを購入することで年末のローン残高の1%が税額控除されます。例えば、2,000万円であれば1%の20万円が所得税から直接控除されるという、非常に大きなメリットがあるのです。通常、控除制度というと所得から控除する制度が多いので、控除額が少なければそこまでの節税効果は期待できません。一方で税額控除については、税金そのものから直接差し引かれるため、所得控除に比べて節税効果が非常に大きくなります。税額控除はなかなか数少ない有効な節税手段なので、可能な限り活用すべきです。現在賃貸物件に居住しているという場合は、マイホームを購入して住宅ローン控除を利用することで節税の恩恵が受けられるでしょう。ただし、住宅ローン控除が適用できる物件には面積などの条件がありますので、予め確認しておくことをおすすめします。※新築又は取得したマイホームの面積が50㎡以上である必要があります。また、住宅の半分以上を自己住居として使うことなどが条件になっているので事前に確認しましょう。個人事業巣に節税対策に関するまとめ今回は個人事業主が節税対策を考える際のポイントについて解説してきました。最大限の節税効果を出すためには、経費を漏れなく計上して、かつ、青色申告することが基本になりますが、個人として利用できる控除制度も忘れずに適用させることが大切です。また、ある程度の利益が出るようになってきたら、将来的には法人化して節税していく方がおすすめです。個人事業主の場合は個人にすべての所得が集中してしまいますが、法人化することで家族に給与を払って所得を分散すれば、世帯全体で課税される所得税額を節税できます。さらに、個人事業主の場合は事業のために支出したものしか経費として認められませんが、法人化すれば、非常に幅広い範囲で経費に認められますので法人税も節税することが可能です。どのような節税対策がよいのかどの時点で法人化するのか、判断については簡単ではありませんので、まずは一度税理士に相談してみることをおすすめします。
2020年04月25日個人事業主の方が新規事業を立ち上げる際に1つの課題となるのが、事業資金の調達です。個人事業主は法人に比べると融資が受けにくく審査が厳しいというイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。そこで本記事では、個人事業主が融資を利用する際のポイントや利用できる融資制度などについて詳しく解説します。個人事業で必要になる事業資金の目安個人事業主として事業をするにあたり必要となる事業資金は、営もうとする事業体によって大きく異なります。ここでは、およその目安について解説したいと思います。ネットを活用したビジネスネット通販やyoutuberなど、インターネット環境を活用したビジネスを行う場合、規模にもよりますが事業資金は比較的低く抑えられます。最近では自宅を事務所として開業届を出す個人事業主の方も多いので、家賃というランニングコストがかからなければ、調達しなければならない事業資金は大幅に抑えられるのです。目安としては、従業員等を雇用せずにフリーランス的な形で始めて徐々に拡大していくという場合であれば、50万円前後あれば十分でしょう。飲食店などの店舗経営飲食店などのショップを開業する場合は、個人事業主とはいえそれなりの事業資金が必要になります。店舗の場所や規模によって調達すべき事業資金の金額は変わってきますが、目安となるのが見込み年商です。飲食店やショップを経営する場合は、当初見込んでいる年商つまり年間の売上のおよそ50%程度の資金は調達しておかないと、途中でキャッシュフローが回らなくなる恐れがあります。両者の違いは、運転資金にかかるコスト両者の決定的な違いは、運転資金にかかるコストです。自宅開業系でのネットビジネス系であれば、設備投資としてパソコン台やネット環境に多少のコストがかかるものの、その後の運営については自分の人件費を除けばごく少額に抑えることができます。万が一自分が倒れて寝込んだとしても、収入が減少しても支出自体が少なく抑えられるので、キャッシュフローが困窮する心配はあまりありません。場合によっては、しばらくの間休業することも簡単です。対して店舗経営については、常に家賃という大きな固定費がのしかかるため、昨今のような新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が出されたりすると、途端に収入はゼロになるだけでなく、非常に重いランニングコストがかかってくることになります。そのため、店舗経営を個人事業主として始めたい方は、できる限り余裕のある事業資金を確保してから始めることをおすすめします。同じ個人事業主でも調達すべき金額には大きな差が出てきます。まずは自分自身の思い描いている事業を実現するために、どの程度の事業資金の調達が必要になるのかについて検討しましょう。おすすめの融資制度ここからは個人事業主の方におすすめしたい融資制度について詳しく解説していきます。法人で事業資金を借入するよりもなかなか条件が厳しい面もありますが、反対に個人事業主にやさしい融資制度もありますのでぜひ活用しましょう。日本政策金融公庫信用金庫ビジネスローン系多目的ローン[adsense_middle]日本政策金融公庫日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関で財務省が所管している金融機関です。経済の発展などを目的として設立されていることから、個人事業主など通常だと融資が受けにくい属性についても積極的な融資を行っています。日本政策金融公庫には複数の融資制度がありますが、中でも個人事業主の方におすすめしたいのが次の2点です。新規開業資金その名の通り個人事業を新規で開業しようとする人を対象とする融資です。個人事業主の場合、開業してある程度の実績ができてからであれば、他の金融機関でも融資が受けられたりしますが、全くのゼロから開業する場合は資金調達にとても困ります。新規開業資金なら新規開業する個人事業主はもちろんのこと、開業後おおむね7年以内であればすでに開業している方でも利用することが可能です。融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)融資期間:20年以内金利も低めでとてもおすすめの融資制度ですが、1つだけ注意点があります。融資期間は20年以内となっていますので、金利が低くても毎月の返済額が多めになる傾向があるため、事前にキャッシュフローのシミュレーションをしておくことをおすすめします。一般貸付通常の融資で事業を営んでいる人に広く対応している融資制度です。融資限度額:運転資金、設備資金4,800万円、特定設備資金7,200万円融資期間:運転資金5年以内、設備資金10年以内、特定設備資金20年以内このように用途に応じて限度額や期間が異なります。新規開業に限らず、事業途中での融資に利用しやすいです。また、税務申告を2期以上行っている場合、担保や保証人なしで利用できる融資制度もあります。個人事業主でも原則として無担保、保証人不要で、しかも2%以下の低金利で融資を受けることが可能です。ただし、税金関係に未納がある場合は利用できません。個人事業主の場合、資金繰りが危うくなると所得税等の支払いが遅れてしまうこともありますが、税金の未納があると利用できないため注意しましょう。信用金庫地域にある信用金庫も比較的個人事業主に対する融資に積極的な傾向があります。ドラマの半沢直樹でもありましたが、主人公半沢の両親の工場が銀行からの融資を断られた後に手を差し伸べたのが信用金庫だったそうです。信用金庫は地域のお金を個人や中小企業に対して融資することで、地域を発展させることに存在意義があるとされているので、都市銀行系に比べると個人事業主でも利用しやすいといわれています。信用金庫の金利などの特徴信用金庫は日本政策金融公庫のように、数千万円単位の融資には非常に慎重ですが、反対に1,000万円以下の資金調達であれば審査が下りやすいです。よって、比較的事業規模の小さいビジネスであれば信用金庫を利用してもいいかもしれません。金利については、日本政策金融公庫よりも高くなる可能性がありますが、それでもノンバンクなどに比べればマシな方です。ただし、公共性の高い日本政策金融公庫とは違い、民間の金融機関なので審査については多少ハードルが上がります。また、最大のネックは立地です。信用金庫は地元の中小企業事業者への融資を目的としているため、事業を始める地域にそもそも信用金庫の支店がないと利用することはできません。信用組合や地方銀行はどうなの?基本的には信用金庫と傾向は同じで、大企業ではなく中小企業や個人事業主に対する融資に積極的です。金利や貸し付け条件もおおむね同じで、近隣に信用組合がある場合に利用できます。また地方銀行についても、傾向としてはおおむね同じです。ビジネスローン系各金融機関が扱っている、ビジネス全般に利用できる融資で、金融機関によって貸し付け条件が異なります。審査が非常に早いので、臨時で運転資金が必要な場合などに向いていますが、反面金利が6%以上と非常に高く返済期間も短いものが多いので、濫用はおすすめできません。1度に借入できる金額も300万円程度と少額なので、あくまで一時的にキャッシュフローを補うような目的に使うこととし、設備投資についてはできるだけ日本政策金融公庫や信用金庫などを利用したほうが金利面でお得です。多目的ローン今すぐに資金が必要という時に便利なのが、クレジットカードなどでも利用できる多目的ローンです。多目的ローンとは使途を限定しないローンで、ウェブ上の手続きだけで200万円程度の資金であればすぐに借りられます。ただし、金利が高いので早めに返済しないと資金繰りを圧迫する可能性があります。金融機関から融資を受けられない方は、多目的ローンを使って繰り上げ返済していくか、実績を作った後に金利の低い金融機関と借り換えをするとよいでしょう。残高スライド元利定額返済方式に注意カードローン系を利用する時に注意したいのが、残高スライド元利定額返済方式です。最近の個人のカードではこの返済方式になっているものが多く、便利な側面がある一方で思わぬ落とし穴もあります。残高スライド元利定額返済方式とは、借入する際に月額返済額を定めて、債務残高が減少していくと段階的に減っていく返済方式です。例えば、設定金額10万円で100万円を借入した場合、翌月に追加で20万円借入しても月額返済額は10万円のままです。つまり、返済負担を一定に保つことで借入しやすくしているのです。これだけ聞くととても便利な返済方式に聞こえるかもしれませんが、借入を追加しても毎月の返済額に大きな変化がないので、返済自体は可能でもその間にどんどん借入残高が貯まっていってしまうのです。つまり、返済が全然進んでいかないので、気が付いた時にはすごい額の借入になっていたということも珍しくありません。個人事業主の方にとって非常に利用しやすいというメリットはありますが、使いすぎると返済ができなくなる恐れがありますので借入残高には十分注意しましょう。借入条件の注意点個人事業主の方が事業資金を借入する際には、次の点について注意が必要です。金利を低く抑える住宅ローンや不動産投資ローンとは違い、個人事業主が使う事業ローンは金利が割高になる傾向があります。金利が高いと返済効率が悪くなるので、たとえ借りられたとしてもあまりおすすめできません。特に1,000万円以上の融資を希望する場合については、日本政策金融公庫などできるだけ金利が低い金融機関を利用することをおすすめします。[adsense_middle]融資を受けやすくする方法個人事業主で融資を受けやすくするためには、金融機関を納得させられるだけの資料を準備することがとても大切です。新規開業であれば事業計画書、すでに営業中であれば前期の実績などの資料を金融機関に提出することで、融資を受けやすくなります。事業計画書は誰に相談する?事業計画書が重要といわれても、いままで作ったことがないという方がほとんどではないでしょうか。自分で作るスキルや経験がある方であればよいのですが、そうではない場合はぜひ税理士に相談してみてください。個人事業となると日々の記帳から確定申告まで全部自分でやらなければなりませんが、実際に事業を始めてみると本業に集中しなければならないので、そういった経理関係の業務に時間を割くことができません。そこで事業計画書と顧問契約をセットで税理士に依頼することで、資金調達の問題と開業後の経理の問題を同時に解決することが可能です。経営革新等支援機関ってなに?税理士に相談する際におすすめなのが、経営革新等支援機関に認定されている税理士です。経営革新等支援機関とは、財務局長および経済産業局長が認定する機関で、財務経営や資金調達のいわばスペシャリストとして認定された機関という位置づけです。何より頼りになるのが、事業計画書作りです。金融機関によっては、経営革新等支援機関が事業計画書の作成支援を行った場合に金利を優遇してくれる場合もあるようです。経営と資金調達に長けているので、単に事業計画書を作成するだけではなく、金融機関の印象が良くなる事業計画書を作成してくれます。税理士以外にも認定を受けている機関はありますが、個人事業主の場合は開業後の税務についてもまとめて依頼したほうがよいので、経営革新等支援機関に認定されている税理士が心強いでしょう。経営革新等支援機関は、中小企業庁のホームページで一覧を見られますので税理士選びの参考にするとよいでしょう。個人事業主の融資に関するまとめ今回は個人事業主の資金調達について解説してきました。個人事業主が融資を受けるとなると、法人よりもハードルが高いというイメージがあるかもしれませんが、日本政策金融公庫や信用金庫などをうまく活用すれば、意外と資金調達はスムーズにできます。ノンバンクや多目的ローンなどについては、すぐに使えるという強みがある一方で、高金利で返済が進みにくいという落とし穴がありますので、あくまで臨時で必要な場合に利用はとどめましょう。設備投資などまとまった資金の調達については、できるだけ低金利で借りられるところを選ぶことが大切です。資金調達は借りることが目的ではありません。借りたお金で事業を成功させるためには、その先にある事業計画がとても重要です。事業が初めてという方は、経営革新等支援機関に認定されている税理士などに相談して、事業計画書の作成や資金調達についてコンサルティングしてもらうことをおすすめします。
2020年04月23日個人事業主として事業を運営されている方、保険の加入を検討したことはありますでしょうか。会社員についてはあらゆる責任を会社がとってくれることが多いので、あまり保険について気にしたことはないかもしれませんが、個人事業主となるとあらゆるリスクを自分自身で管理しなければなりません。そこで本記事では、個人事業主におすすめの保険について詳しく解説します。個人事業主におすすめの保険の種類保険というとさまざまなものがありますが、個人事業主が加入を検討すべき保険には主に2つの種類があります。ビジネス上の損害賠償責任や倒産などに対する保険事業を行っていると、どんなに注意して仕事をしていたとしても取引相手に損害を与えてしまうことも少なくありません。そのような場合に、なんのリスク管理もしていないと大きくキャッシュがマイナスになってしまったり、場合によっては廃業に追い込まれてしまったりする可能性もあり得ます。そこで、個人事業主や中小企業の負う損害賠償責任を担保するための保険として、賠償責任保険に加入することで、これらのリスクを管理することが可能です。個人の生命や給与の補填をするための保険会社員の場合は企業側で社会保険に加入していることから、老後についても基礎年金の上乗せ部分である厚生年金を受け取ることができます。一方で個人事業主については、国民年金のみという非常に手薄い保障になっていることから、老後資金の対策として生命保険や個人年金なども積極的に検討していくことが大切です。今回はこの2つの保険で人気のものやおすすめのものについてご紹介したいと思います。個人事業主に人気の賠償責任保険個人事業をしていて損害が発生すると、受けるダメージは計り知れません。例えば、ちょっとしたミスであれば菓子折りを持参して誠心誠意謝罪すれば許してもらえる可能性もありますが、取引先に実害が生じているような場合については金銭による賠償が求められる可能性が十分あります。損害賠償を担保できるだけの内部留保があればよいのですが、ほとんどの個人事業主の方はそのような余剰資金を持ち合わせてはいないでしょう。となると、やはり損害賠償リスクを管理するための保険の加入というのは絶対的に必要であるといえます。保険に加入すれば給与を減らさなくて済む賠償責任保険に加入すれば、取引先に与えた損害に対して保険金が支払われます。つまり、損害賠償による自らの金銭の持ち出しを回避できるのです。具体的には、次のようなケースについて保険金が支払われます。施設、業務遂行中の事故生産物や仕事の結果の事故保管財物、借用不動産の事故預かった自動車に生じる事故運送貨物に生じる事故補償内容や対象についてはあくまで保険会社や契約内容によって異なりますので別途確認は必要ですが、このように幅広い損害をリスク管理することが可能です。賠償責任保険のメリット賠償責任保険に加入すると次のようなメリットがあります。相手との交渉を任せられる個人事業主で損害賠償責任が生じた際には、自分自身が窓口となって相手と交渉して賠償金額などを取り決めしなければなりません。交渉すること自体も大変ですが、それによって他の仕事が手につかなくなり、さらなる損害が生じる可能性もあります。賠償責任保険に加入していれば、取引の相手方との交渉は保険会社に任せられるので時間や労力をとられる心配がありません。ただし、売上高などに制限がある場合がありますので事前にご確認ください。補償の範囲が広い保険会社にもよりますが、賠償責任保険の補償範囲は比較的広いケースが多く、国内すべての施設や業務が対象となっているものもあるので、あらゆる業種のリスクに対応できます。また、施設や業務を限定することで保険料を抑えるといった工夫もできます。賠償責任保険に加入するケースが増えている業種次のような業種の個人事業を営む方は、賠償責任保険に加入するケースが増えているようです。建築業リフォーム関連業内装業ハウスクリーニング業設備工事業ビルのメンテナンス業製造業こういった業種の個人事業については、賠償責任保険で担保される範囲が広いのでぜひ加入することをおすすめします。将来のために加入すべき生命保険個人事業主の方は会社員に比べて年金などの社会保障が手薄になるので、老後の生活資金まで念頭において保険の加入について検討する必要があります。生命保険に加入することで、万が一の際に保険金を受け取ることができますが、実は加入する保険によって得られる効果が違うことに注意が必要です。[adsense_middle]生命保険の3つの種類生命保険には次の3つの種類があり、積立や費用について違いがありますので加入する際には注意が必要です。定期保険予め決められた期間の保障をするタイプで、その期間内に死亡した場合に保険金が支払われます。全期間掛金が同じで保険料が割安であるというメリットがある一方で、掛け捨てになってしまうので期間中に死亡しなければそのまま終了し返戻金はありません。つまり、貯蓄性は一切ないので、本人の死亡を担保する以外のリスク管理にはならない点に注意が必要です。資金に余裕がない場合や、とりあえず短期間だけ加入したい場合でなければあまりおすすめではありません。終身保険保障が一生涯続く保険で、満期という概念がないので満期返戻金というものもありませんが、途中で保険契約を解除した場合は解約返戻金として一定の保険金を受け取ることができます。保険料の支払い方法については、生涯払い続けるタイプと一定の年齢までに払い終えるタイプがあります。個人事業主には定年がありませんが、老後引退することも考えると、できるだけ60歳前後までに保険料の支払いを終えるような設計にするとよいでしょう。養老保険保険期間は決まっていて、その間に死亡した場合に保険金が支払われます。定期保険との違いは満期返戻金の有無です。養老保険は保険期間が満期になると、一定の満期返戻金が支払われるので貯蓄性があります。満期になるタイミングを仕事の引退時期と合わせることで、満期返戻金を退職金代わりに応用することも可能です。このように同じ生命保険でも貯蓄性の有無に違いがありますので、老後を考えて加入を検討する際には、できるだけ終身保険か養老保険の方がよいでしょう。第4の選択肢個人年金保険個人事業主最大の弱点は、厚生年金がないことによる老後年金の不足です。会社員の場合は厚生年金に加入できて、しかも保険料を会社が半分負担してくれているというかなりのメリットがある一方、個人事業主は国民年金のみなので将来受け取れる年金額が非常に少なくなります。そこで老後年金を確保する手段として、個人年金保険を活用することもできます。個人年金保険とは年金の民間バージョンで、契約の際に年金を受け取る年齢を任意で決めて、その年齢になったら年金を受け取るというタイプの保険です。受け取る方法としては一定期間年金が受け取れるタイプと、一生涯年金を受け取れるタイプがあり、それぞれ保険料が異なります。最近では保険料をドル建てで運用することで、将来受け取れる年金額を増やせる外貨建変額年金といった保険も出てきています。ただし、変額年金は投資としての側面があり、元本割れのリスクがあるので注意が必要です。個人事業主の退職金として人気の共済とは会社員にはあって個人事業主にはないものといえば退職金です。企業については退職金制度がある場合、退職の際にまとまったお金が支給されますが、個人事業主の場合はそういった制度が基本的にないため、老後資金に困ってしまうことがあります。そこでおすすめしたいのが小規模企業共済です。小規模企業共済とは、国が作った個人事業主などの小規模経営者に対する退職金制度です。個人事業主の場合、常時使用している従業員の人数が20人以下、商業と宿泊、娯楽を除くサービスの場合は5人以下であれば加入できます。(※詳しい加入条件については、別途ご確認ください。)廃業した時に手当てが支給される小規模企業共済は毎月掛け金を支払うことで、将来的に事業を廃業した時にまとまった手当てを共済から受け取ることができます。これが退職金代わりになるというわけです。また、節税対策になるという側面もあります。小規模企業共済に支払う掛金は、個人事業主が確定申告をする場合の経費、つまり所得控除の対象になるので所得税を節税できるのです。契約者貸付も魅力小規模企業共済のもう一つの魅力、それは契約者貸付です。個人事業をしていれば急遽資金繰りが圧迫したり、事業拡大のためにまとまった資金が今すぐ必要になったりすることも少なくありません。そんな場合、小規模企業共済に対してすでに積み立てている金額の範囲内であれば、一時的にそこから資金を借り入れる契約者貸付を利用することが可能です。個人事業主は法人に比べて金融機関の融資が受けにくい場合がありますので、契約者貸付は非常に魅力的な制度といえます。加入期間に注意メリットの多い小規模企業共済ですが、加入期間が20年未満の短期になると将来受け取れる金額が支払う掛金を下回る可能性が出てきます。よって、小規模企業共済に加入する場合はできるだけ長い期間で加入するイメージで検討することが大切です。個人事業主におすすめの保険に関するまとめ今回は個人事業主におすすめの保険について解説してきました。個人事業主は法人とは違い、損害賠償責任や老後の生活資金について自分でリスク管理をしなければならないので、保険加入の必要性は非常に高いといえます。また、小規模企業共済を活用すれば個人事業主の弱点である退職金問題をカバーできるだけでなく、所得控除で節税もできるのでとてもおすすめです。保険といっても賠償責任保険や生命保険などさまざまな種類のものがありますので、まずは自分にとって何が一番必要なのかをよく検討したうえで、優先順位の高いものから順番に加入していくとよいでしょう。
2020年04月20日サラリーマンの場合、労働の対価として勤務先から給与を受け取りますが、個人事業主の場合、売上の中から生活費を捻出する必要があります。事業用の経費や設備投資などと重ねて考える必要があるため、よりしっかり管理しなければなりません。本記事では、個人事業主の給与について、基本的な考え方や生活費の管理方法をお伝えしていきます。個人事業主の給与の考え方国税庁No.2260 所得税の税率さらに、住民税としておよそ10%の税率が課されます。所得税は1月1日~12月31日の間で得た所得を、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告して税金を納めます。納税期限は通常3月15日までですが、口座からの引き落としという形にすれば4月中旬頃になります。個人事業主は毎月の売上が手元に残るため、勘違いしてしまいやすいのですが、この税金を納めて初めて、手元のお金が自由になるものだと考えておくとよいでしょう。なお、住民税は5~6月頃に手元に届く納付書で3カ月分を4回に分けて支払っていくことになります。これら所得税や住民税の額については、上記税率を知っておくとある程度計算することが可能なので、把握しておくことをおすすめします。生活費を賢く管理するにはどうすればいい?生活費を賢く管理する方法としておすすめなのが、先ほどご紹介した方法で住民税と所得税の額をある程度想定しておき、想定される売上から経費と税金を差し引いたうえで、毎月同じ日に同じ額を給与のように生活口座に移すという方法です。こうすれば、サラリーマンの給与のように扱うことができ、生活費を管理しやすくなります。ただし、毎月売上や経費が想定通りになるというわけではないので、順次調整していくことが求められます。経営者への給与を経費にするなら法人化を検討しよう生活費を管理しやすくなる方法として、他に法人化することが挙げられます。法人化することで経営者への給与を経費にすることができ、会社のお金と個人のお金を明確に区分できるようになります。法人or個人事業主の決め方とは?ただし、個人事業主で売上が少ない内は法人化することで税金の負担が大きくなってしまう可能性があります。もちろん、法人化することで社会的信用が高まるなどのメリットがありますが、基本的には「売上が一定額以上になったとき」と考えるとよいでしょう。一定額についてはケースバイケースのため必ずしもいくらとは言えませんが、一つのポイントとして、所得税の税率が高くなる「所得900万円を超える時」を目安としてみるといいでしょう。ただし、実際に判断する際には税理士に相談することをおすすめします。個人事業主の給与に関するまとめ個人事業主の経費についての考え方や生活費の管理方法、法人化を検討する際のポイントなどお伝えしました。個人事業主は売上から経費や税金を差し引いたお金の中から生活費を捻出していかなければなりません。全てを把握する必要はありませんが、本記事で紹介した内容を理解し、毎年ある程度税金の額と経費の額を想定したうえで、生活費を計算することをおすすめします。
2020年04月19日個人年金保険に入っていれば、公的年金だけでは不足してしまう老後の生活費を補えます。その個人年金保険ですが、入っていると税金を抑えられる効果があるのをご存じでしょうか?本記事では、個人年金保険料控除の仕組みや条件について解説します。どういった個人年金保険に入ったらよいかを検討するときに参考にしていただければ幸いです。個人年金保険で税金が安くなる仕組み国税庁ホームページ新制度の控除額(所得税)2012年1月1日以降の契約(新契約)については、次の表を使います。国税庁ホームページ新旧双方に入っているケースではどうなる?新旧双方の個人年金保険があるときには、それぞれで控除額を計算して合計することができますが、上限は4万円とされています。この場合、新旧双方とも申告すればメリットがあるとは限りません。たとえば、以下のA、B2つの個人年金保険があると仮定して考えてみます。A(旧契約)→年間保険料:11万4,000円B(新契約)→年間保険料:5万2,000円(1) Aのみを申告Aは旧契約で年間保険料が10万円超ですから、控除額は5万円です。(2) Bのみを申告Bは新契約で年間保険料が5万2,000円ですから、控除額は3万3,000円です。(52,000×1/4)+20,000=33,000(3) AとBの両方を申告AとBの控除額を合計すると8万3,000円ですが、上限の4万円までしか控除が受けられません。(1)~(3)の結果からおわかりいただけるように、両方とも申告するより、Aのみを申告した方が控除額が大きくなります。具体的には、以下のように申告するのが得ということになります。旧保険料が6万円を超えるケース…旧のみ旧保険料が6万円以下のケース…新旧を合算控除を受けて税金を安くするには?税制適格特約付き個人年金保険に入っている場合には、個人年金保険料控除を適用して税金の申告をしましょう。忘れるとせっかくのメリットを享受できません。控除証明書はとっておく個人年金保険料控除は自動的に受けられるわけではなく、年末調整や確定申告の際に、控除証明書を添付して申告しなければなりません。控除証明書は、毎年10月頃保険会社から郵送されてくるので、捨てずにとっておきましょう。なお、うっかり証明書を捨ててしまった人や、紛失してしまった人は、保険会社に再発行を依頼できます。証明書には、発行時点までに払い込んだ保険料額と、12月末までに払い込むであろう予定金額の両方が印字されています。1月1日から12月31日までの間に払い込んだ保険料額を基準にするので、通常、払込予定額の方を申告に使います。勤務先で年末調整が受けられるなら給料をもらっている会社員などは11月から12月頃に勤務先から年末調整書類を渡されると思いますが、その中に「給与所得者の保険料控除申告書」があるはずです。控除証明書を見ながら「生命保険料控除」欄の「個人年金保険料」のところに記入し、勤務先に提出すればOKです。証明書の原本は申告書の裏に貼り付けて提出します。年末調整していない人は確定申告で自営業者、個人事業主、フリーランスなどは、確定申告で個人年金保険料控除を適用します。また、年末調整をするときに個人年金保険料控除の申告を忘れた会社員も、確定申告で控除を受けて税金を還付してもらえます。会社員が確定申告する際には、控除証明書のほかに源泉徴収票も必要です。確定申告書(A・B)の第二表の「生命保険料控除」欄に保険料額を記入し、第一表の「生命保険料控除」欄に控除額を記入します。国税局の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、証明書を見ながら金額を入力するだけで、自動的に控除額を計算してくれます。確定申告書を窓口に持参または郵送で提出する場合には、証明書は添付書類台紙に貼り付けます。e-Taxを利用する場合には証明書は提出しなくてかまいませんが、手元に保管しておきましょう。個人年金保険料控除に関するまとめ個人年金保険には、老後の生活費を貯められるのみならず、税金の負担が軽くなるメリットがあります。税制適格特約が付いた個人年金保険に入っていれば、所得税・住民税が安くなるので少し得した気分になるはずです。老後資金を貯めるなら、できるだけお得な方法を考えましょう。
2020年04月18日独立して個人事業主になるとビジネス用の口座を作る方は多いかと思いますが、法人カードを作る方はそう多くないのではないでしょうか。本記事では、個人事業主が法人カードを作るメリット・デメリットや審査のポイントなどお伝えすると共に、個人事業主の方におすすめの法人カード7種類について、それぞれの特徴やポイントを比較しつつご紹介していきます。個人事業主でもビジネス向けのクレジットカードを作れる?個人事業主として起業・独立しても法人を設立していない場合、法人カードなどビジネス向けのクレジットカードを作ることはできるのでしょうか?実は、法人カードには個人事業主向けの商品があります。こうした法人カードの中には、個人名義でも屋号名義でも利用できるなど個人事業主向けに特化しているものもあります。個人事業主が法人カードを持つメリット個人事業主は事業用の経費も個人名義のクレジットカードで対応できますが、それでも法人カードを持つのにはどんなメリットがあるのでしょうか?ここでは、個人事業主が法人カードを持つメリットとして以下の3つをご紹介します。ビジネス用の支払いに統一できる確定申告の際に便利限度額が大きいそれぞれ見ていきましょう。ビジネス用の支払いに統一できる個人事業主は個人用のクレジットカードでも事業の経費を支払うことができますが、法人カードと分けて持つことで、ビジネス用の支払いとプライベート用の支払いを分けて管理することが可能になります。確定申告の際に便利法人カードを作成してビジネス用の支払いとプライベート用の支払いを分けることで、クレジットカードの明細で経費を管理できるようになることから、確定申告の際に便利です。限度額が大きい一般的に法人カードは個人向けのカードより限度額が大きくなっています。このため、ビジネスで大きな出費がある場合でも対応しやすくなります。個人事業主が法人カードを持つデメリット一方、個人事業主が法人カードを持つデメリットとしては年会費がかかることが挙げられるでしょう。一般的に法人カードは個人向けのクレジットカードより年会費が高く設定されていることが多く、場合によっては負担が大きく感じてしまうことがあるでしょう。なお、法人カードの年会費は経費として計上することができます。個人事業主で法人カードの審査を通過するには?法人カードを作るには審査を通過する必要がありますが、その審査内容はどんなものなのでしょうか?法人カードの審査基準個人向けのクレジットカードの場合、申し込む人の属性や年収等が審査されることになりますが、法人カードの場合は行っている事業の信頼性に重点が置かれることになります。具体的には、設立年数や業績がみられるようです。法人カードの詳細な審査基準などは公開されていませんが、個人事業主の場合は信用面・資金面などが乏しいのが一般的で、貸し倒れのリスクも大きいことから慎重に審査が行われます。法人カードが必要な事情がある場合には、1カ月程度以上は余裕を見て手続きを進めておくとよいでしょう。法人カード申し込みの流れ法人カードの申し込みの流れは、基本的には個人向けクレジットカードと同じと考えて問題ないでしょう。インターネットで申込書を請求する申込書が届いたら必要書類と共に送付する入会審査が行われる審査を通過したら法人カードが発行され郵送される法人カード審査の必要書類法人カードの一般的な必要書類は以下の通りです。法人の登記簿謄本もしくは印鑑証明書代表者の本人確認書類(マイナンバーカード等)引き落としの為の銀行口座ただし、個人事業主の場合は本人確認書類と個人の銀行口座番号が分かれば問題ありません。コピーを事前に取っておけばスムーズに進められる程度で、特に気構える必要もないでしょう。個人事業主が法人カードを選ぶ際に気を付けておくべきポイント個人事業主が法人カードを選ぶ際、どのような点に注目するとよいのでしょうか。ここでは具体的に以下のようなポイントをご紹介していきたいと思います。法人カードに付帯されるサービスの内容年会費ポイント還元率それぞれについてご紹介します。[adsense_middle]法人カードに付帯されるサービスの内容法人カードにはさまざまなサービスが付帯されているものがありますが、どのようなサービスが付帯されているかは法人カードを選ぶ一つのポイントとなるでしょう。具体的には、出張が多い方は出張の手続きや手荷物の宅配サービスなどトラベルサービスがついているものや、国内外の旅行傷害保険のついたもの、国内外の空港ラウンジを利用できるものなどを選ぶとよいでしょう。年会費法人カードの年会費は個人向けクレジットカードより高めに設定されていることが多いですが、具体的な額はカードにより大きく異なり、数千円のものから数万円のものまであります。先述したような、トラベルサービスや保険など付帯サービスの充実した法人カードは年会費も高く設定されていることが多いため、普段からそうしたサービスを利用するかを想定したうえで、年会費を支払うだけの価値があるかを判断する必要があるでしょう。ポイント還元率カード利用代金に付与されるポイントやマイルも法人カードを選ぶポイントとなります。特に事業用の支払いにクレジットカードを利用していると、毎月結構な額の支払いが発生するため、還元率の高いカードを選べばバカにならない金額になります。そうして付与されたポイントを事業用の消耗品購入代金に充てるなどすれば、経費削減に役立てることもできます。個人事業主におすすめの法人カードを徹底比較ここからは、個人事業主におすすめの法人カードを具体的にご紹介していきたいと思います。ここでご紹介する法人カードは以下の7種類です。JCB法人カードオリコEX Gold for Bizアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード楽天ビジネスカードセゾンプラチナ・ビジネスカード三井住友ビジネスカード for OwnersNTTファイナンス Biz レギュラーカードそれぞれ見ていきましょう。(※年会費は全て税抜きで記載しております。)JCB法人カードJCBが提供する数々の付帯サービスが魅力の法人カード。年会費は1,250円と非常に安く利用しやすくなっています。国産のブランドということもあり、海外で丁寧な日本語サービスを受けられるという隠れたメリットがあります。年会費:1,250円ポイント還元率:0.5%~1.0%EX Gold for Biz M旅行傷害保険(海外2,000万円、国内1,000万円)やショッピングガード保険など充実した補償がありながら、年会費2,000円で利用できる人気の法人カード。年間の利用額によってポイント還元率が変動するシステムとなっており、最大還元率は1.2%と非常に高くなっています。年会費:2,000円ポイント還元率:0.6%~1.2%アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードアメリカンエキスプレスの法人カードはステータス性の高さや出張手続き、手荷物の宅配サービス、空港ラウンジの利用など各種付帯サービスが充実した法人カードです。年会費は31,000円と高めですが、納得の内容となっているといえるでしょう。なお、インターネット上から申し込むことで初年度年会費が無料になるキャンペーンを実施しているので、新規開設を考えているのであれば利用することをおすすめします。ちなみに、年会費を12,000円に抑えたアメリカン・エキスプレス・ビジネスカードもあります。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード年会費:31,000円ポイント還元率:0.3~1.0%アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード年会費:12,000円ポイント還元率:0.3~1.0%楽天ビジネスカード楽天ビジネスカードは個人向けクレジットカード「楽天プレミアムカード」と2枚1セットの所有が前提となる法人カードで、通常は法人の事業性などに着目して審査がなされる中、楽天ビジネスカードは経営者個人の年齢や収入が審査の目安となります。このため、起業したばかりの個人事業主の方でも比較的審査に通りやすいといわれています。年会費:10,000円ポイント還元率:1%~15%(楽天スーパーポイント)セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、一流ホテルの宿泊などのプラチナ会員限定サービスや空港関連サービスなどを多数利用できる法人カードで、年会費は20,000円となっています。また、年間200万円以上のショッピング利用で年会費は半額の10,000円となります。年会費:20,000円ポイント還元率:0.5%~1.0%三井住友ビジネスカード for Owners三井住友ビジネスカード for Ownersは、回数払いやリボ払いなど支払方法が充実していることから人気の高い法人カードです。その他、個人事業主であればキャッシングが可能な点や、法人カードでは珍しくApplePayに対応しているといった点も個人事業主の方には嬉しいポイント。年会費も1,250円と安く、その使い勝手の良さからコストパフォーマンスは非常に高いといえるでしょう。年会費:1,250円ポイント還元率:0.3%~0.5%NTTファイナンスBizカード レギュラーNTTファイナンスBizカード レギュラーは最高2,000万円の国内外旅行保険が付帯していたり、さまざまな複利厚生優待サービスが利用できたりとサービスの充実した法人カードです。ポイント還元率は1.0%。ポイントモール利用でポイントが最大26倍となるなど、メリットも大きいのにも関わらず年会費が無料という魅力的な内容となっています。年会費:無料ポイント還元率:1.0%個人事業主におすすめの法人カードに関するまとめ個人事業主におすすめの法人カードについて、そもそも個人事業主が法人カードを所有するメリット・デメリットや、法人カードを選ぶときに注意しておくべきポイントをお伝えしたうえで、7種類の法人カードを比較しながらご紹介していきました。法人カードの審査は簡単ではないので、必ずしも目当てのカードを所持できるわけではありませんが、本記事でご紹介した付帯サービスや年会費、ポイント還元率など、ご自分のビジネスやライフスタイルの合ったものはどれかといった視点で比較検討してみてください。
2020年04月08日働き方改革が推進されている昨今、空いた時間を活用して個人事業主として開業する人も増えてきているようですが、税金の取り扱いには注意が必要です。会社員と個人事業主では税金の取り扱いが違うので、勘違いしているとトラブルになったり、内緒で副業をしていてバレたりといった自体を招いてしまいます。そこで今回は、個人事業主と会社員の税金や控除の違いについて詳しく解説します。個人事業主と会社員の違い会社員の税金や控除関係は基本的に会社の総務や経理の方が処理をするため、本人自らが申告する必要はありません。会社員の場合は毎月給料の約10%が源泉徴収という形で天引きされていて、その天引きした金額を年末調整によって正しく計算し直して過不足があれば精算を行います。年末調整によって税金が過払いになっていれば、次回の給与支給の際に加算され、反対に不足する場合は給与から差し引かれるのです。いずれにしても、税金や控除の計算や還付、納税といった一連の手続きすべてを会社がやってくれるので本人にかかる負担は何もありません。個人事業主は全部自分で計算する個人事業主を始めて最初に直面する課題、それが確定申告ともいわれています。特に会社員だった方が脱サラして開業する場合や、会社員が副業を始めるような場合については税金や控除の手続きを初めて体験することになり、ミスが発生しやすいため注意が必要です。給与所得と事業所得の違い会社員に支払われる給与は給与所得として申告することになります。ここでは事業所得との違いがわかるよう、給与所得の計算方法について解説します。給与所得の計算方法給与所得を求めるためには、準備段階として次のようなステップで情報を整理していきます。1:給料を1年分集計する実際に1年分の給料を集計してみましょう。例えば、月給30万・ボーナス50万円の方の場合、次のように集計します。月給30万円×12ヶ月+ボーナス50万円=410万円2:給与所得を求める所得とは収入から経費を引いた利益のことで、給与所得の場合は以下の計算式によって算出します。給与所得=年間給料410万円-給与所得控除会社員の場合は個別に必要経費を差し引くことが難しいため、所得金額に応じて一定の給与所得控除額が決められています。計算式にすると次の通りです。給与所得控除額=収入金額×20%+440,000円=126万円これが給与所得から差し引くことができる、いわば会社員の経費ということになります。実際に計算式に当てはめると次の通りです。給与所得=年間給料410万円-給与所得控除126万円=284万円3:課税所得を求める給与所得がわかったら、ここからさらに控除額を差し引いていくことになります。今回は一律に適用される基礎控除を差し引いたとして次のようになります。課税所得=給与所得284万円-基礎控除38万円=246万円4:所得税を計算する所得税は課税所得が大きくなればなるほど、税率が高くなる累進課税になっているので、課税所得に対応する税率をかけて所得税額を算出します。課税所得246万円に対する税率は10%、控除額97,500円です。所得税額=246万円×10%-97,500円=148,500円この金額が会社員の支払う税金の金額です。年末調整の際に所得税額と源泉徴収した累積金額を比較して、源泉徴収額の方が多ければ差額が次回給料と一緒に還付され、反対に少なければ追加で差し引かれることとなります。事業所得との違いは?これに対し個人事業主の場合は、行っている事業に応じて事業所得や不動産所得などを集計して税金を計算することになります。会社員との一番の違いは、毎月源泉徴収が行われないということです。会社員は本人が何もしなくても、会社が給料の約10%を源泉徴収して納税しているため、年末に差額を調整するだけで済みますが、個人事業主の場合は1年間分まとめて所得を集計し、そこから経費を差し引いて課税対象額を算出します。それでは具体的に計算してみましょう。1:所得を計算する個人事業主の場合は給与所得ではなく、事業所得や不動産所得など他の所得を合算して計算をするため少しややこしくなります。例えば、個人事業の売上が500万円、経費200万円で青色申告している単身者を仮定して以下の計算式に当てはめて計算してみましょう。所得金額=1年間の売上500万円-経費200万円-青色申告特別控除65万円=235万円配偶者がいればここから配偶者控除などを差し引きますが、今回は単身者という設定なのでこの金額がそのまま課税所得になります。2:所得税を計算する所得税の金額は次の計算式に当てはめて計算します。所得税額=235万円×10%-97,500円=137,500円このように、個人事業主の場合は年間の売り上げと経費をまとめて集計しなければならないですし、しかもそれを自分自身でやらなければならないことから、慣れていないと確定申告の時期にはかなりの負担となります。税金にどのくらいの違いが出るの?ここまで見ると、個人事業主の場合税金や控除の計算が非常に面倒で負担になることはお分かりいただけたかと思います。では、会社員の方が独立して個人事業として開業を目指す場合、同じくらいの収入で税金にどの程度の違いが出るのでしょうか。結論からいうと、会社員の給料と個人事業主としての利益が同額であれば、会社員の方が有利です。税金についても会社員の方が有利な傾向がありますが、それ以上に有利なのが年金です。会社員の場合は厚生年金に加入できて、なおかつ保険料の半分を会社が負担してくれます。対して個人事業主の場合は厚生年金よりも年金支給額が少ない国民健康保険のみの加入で、しかも保険料は全額自己負担です。ここの格差が非常に大きいので、会社員の方が個人事業主として独立を検討する際には、概ね現在もらっている給料の2倍程度の利益を目標としなければ、現実的に会社員の頃よりも手元に残る金額が増えない可能性が高いといえます。[adsense_middle]個人事業主のメリットは?このように同じ利益であれば給与所得の方が有利ですが、個人事業主ならではのメリットとしては経費があります。給与所得については給与所得控除があるものの、所得に応じて金額が決まっているため節税に活用することはできません。一方、個人事業主であれば売上から経費を差し引くことができるので、経費を上手に活用すれば発生する税金をある程度コントロールすることが可能です。例えば、会社員の方がマイカー通勤したとしても経費にはなりませんが、個人事業主の方がマイカーを仕事で使用すればガソリン代や高速道路代、駐車場代、重量税、自動車税などの一部を経費として売上から差し引くことができます。また、車両本体の購入代金についても減価償却費として経費計上できるので、うまくやりくりすることで利益を圧縮して節税することも可能です。個人事業主のデメリットと注意点このように経費を計上できる点が個人事業主のメリットですが、注意しなければならないのは経費にできる範囲です。例えば法人の経費は、法人が事業活動をするうえで支出しているものについては原則としてすべて対象とすることができますが、個人事業主の場合は売り上げを上げるために直接的に支出した費用に限定されるというデメリットがあります。つまり、経費として計上して認められる範囲が非常に狭いのです。この点を理解しないまま、片っ端から領収書を切って経費計上していると、税務調査で引っかかって修正申告、追徴課税になる可能性があります。そのため、ある程度広い範囲で経費を計上したい方は、法人化も検討しながら事業運営をしていくことをおすすめします。会社員が副業で個人事業をする場合の税金と注意点会社員の方で副業をする人が増えていますが、中には会社に内緒で始める人も多いようです。最近は働き方改革で就業規則が改定され、副業が解禁されている企業も増えていますが、中にはまだ副業が禁止のままの企業も多く、会社に言い出せないまま始めている人も少なくありません。会社が終わってからどこで何をしようが、会社に知られることはないから大丈夫。そう思っている人もいるかもしれませんが、実は会社員の方が副業を始めると思わぬことから会社に副業がバレてしまうため注意が必要です。開業届を出すと住民税が上がってバレる会社員の方が副業をして所得が増えると、会社が年末調整してくれていたとしても、翌年には確定申告をして副業の所得を申告しなければなりません。開業届を税務署に提出して副業の所得を申告すると、当然その人の総所得が給与所得よりも高くなり、それに比例して翌年の住民税が増額することになります。ここでポイントになるのが、住民税の徴収方法です。会社員の方は給与から住民税が差し引かれるため、各人の住民税の決定通知は会社に届きます。会社員としての給料が一定なのに住民税だけ値上がりしていることがわかると、会社側に副業をしているということがバレてしまうのです。このように総所得が上がると住民税が変化し、それによって会社が副業に気づいて懲戒処分を受けるというケースがありますので、副業を検討している人は必ず勤務先に許可をとってから始めることをおすすめします。個人事業主と会社員の違いに関するまとめ今回は個人事業主と会社員の税務上の取り扱いの違いについて解説してきました。サラリーマンであるうちは気づきにくいですが、個人事業主になってみると会社が社会保険料などどれほど負担してくれていたかが身に染みてわかるものです。そのため、会社員自体の手取り給与と同じくらいの売り上げだと個人事業主の手取りはかなり低くなってしまいますし、将来受け取ることができる年金額も大幅に減少してしまいます。開業届を出して独立しようとお考えの方は、その点を十分理解したうえで収益目標などを立てることをおすすめします。
2020年03月31日個人事業主として仕事をするうえで必ず必要になるのが、専用の銀行口座です。私用の銀行口座をそのまま使う人もいますが、記帳がしにくくわかりにくい状態になるため、基本的には私用と事業用で口座は分けることをおすすめします。ただ、個人事業主用の銀行口座の開設は、個人口座の開設よりも手続きが複雑な場合があるので注意が必要です。そこで今回は、個人事業主の銀行口座の開設方法や必要書類などについて詳しく解説します。個人事業主が口座を作る際の名義と屋号個人事業主の方が銀行口座を開設する場合、2つの選択肢があります。その1:個人名義の銀行口座を新たに解説するすでに持っている銀行口座とは別に、個人名義の口座を開設します。この場合は、すでに口座を持っている銀行では開設できないので別の金融機関で口座を開設することになります。口座開設の方法は個人の口座を開設する場合と全く同じなので、比較的簡単に開設することが可能です。個人名義の銀行口座開設の際の必要書類個人事業主の口座を個人名義で開設する場合、次の本人確認書類のうちいずれかを金融機関の窓口に持参して手続きをします。運転免許証運転経歴証明書(2012年4月1日以降に発行されているものなら利用可能です)パスポート住民基本台帳カード(顔写真付きのものが必要です)在留カード特別永住者証明書外国人登録証明書個人番号カードこれらにプラスして銀行印として登録する印鑑を持参しましょう。なお、印鑑のサイズについては特段の規定はないので、100円ショップで売られている印鑑でも登録すること自体は可能です。ただし、シャチハタやゴム印については偽造などの恐れもあることから利用できません。通常は次のようなサイズが一般的とされています。・男性用:直径13.5~15mm・女性用:12~13.5mm印鑑の印影は苗字だけ、名前だけ、フルネームの3種類がありますが、どのパターンでも銀行印として登録することが可能です。私は以前に外国人の方の口座開設を手伝ったことがあるのですが、外国人ですから当然印鑑は持っていません。中国や韓国の方であれば同じ漢字の印鑑が売られていることはありますが、欧米の方の印鑑は特注しないと無理でしょう。ただ、外国人の場合は特段印影と本名が一致していなくても登録することができるようです。私が手伝った方は中国の方でしたが、100円ショップで鈴木という印鑑を買って銀行に持ち込みましたが、普通に口座開設ができました。その2:屋号名義の口座を開設する個人商店や事務所など、法人ではないものの看板を掲げて商売をしている方については、個人名義の口座ではなくこうした屋号名義の口座を作りたいという人もいるのではないでしょうか。屋号については法人のように明確な登録基準がないため、屋号名義の口座を開設する際には個人口座とは違い、開設するにあたって一定の審査が行われる場合があります。屋号の基準屋号とはいわゆる店舗名や事務所名のことを指していますが、法人口座のように組織名だけの口座名義になるわけではありません。基本的に屋号名義の口座については、屋号にプラスして個人名義も列挙される形になります。山田商店山田太郎〇山田太郎山田商店〇山田商店×屋号名義は審査が厳しい屋号名義の銀行口座はオレオレ詐欺などに悪用されることもあるため、銀行によっては審査が非常に厳しかったり、屋号名義の口座開設自体を受け付けていなかったりする場合もあります。手続きをする際には事前に金融機関のホームページで確認することをおすすめします。屋号口座の作り方、開設までの流れを徹底解説ここからは屋号名義の口座の作り方の流れについて開設していきたいと思います。屋号名義の口座は個人名義とは違い、必要書類が別途必要になるほか一定の審査が入ることもあるので、申請したとしても開設できない場合もあるようなので注意が必要です。[adsense_middle]屋号口座開設の必要書類屋号名義の口座開設に必要な書類は金融機関によって異なりますが、概ね先ほどの個人名義の口座開設に利用する本人確認書類に加えて、以下の書類のうち1つの提出が必要になります。国税または地方税の領収書または納税証明書原本社会保険料の領収書原本商業登記簿謄本原本事務所の賃貸借契約書写し公共料金の領収書原本確定申告書(税務署収受印済のもの)原本これらの書類の提出を求める意図は、事業の実態を確認するためです。先ほども言った通り、屋号名義の口座は詐欺に悪用されてトラブルになることがあるため、必ず屋号名義の事業の実態を金融機関側が確認します。そのため、形式的に確認するというよりもこれらの書類を確認して営業実態があるかどうかを確認するので、例えば自宅で事業をしている場合に、自分で自分に賃貸している内容の賃貸借契約書を形式的に作成して提出しても審査は通りません。このあたりについては、昔に比べて審査が非常に厳しくなっていますので十分注意が必要です。私も数年前に屋号付きの口座を開設した経験がありますが、上記書類だけでは審査が通らず、事業をしている実態を示すために営業で使っているパンフレットなどを別途提出し、事業内容を説明したことで何とか口座を開設することができました。このように、屋号名義の口座は個人名義の口座に比べて開設までのハードルが若干高いので注意しましょう。個人名義と屋号を比較するとどっちがおすすめ?では個人名義と屋号、個人事業主が口座を開設するとしたらどちらがおすすめなのでしょうか。個人名義がおすすめのケースクラウドワークスやランサーズなどを活用して活動する、いわゆるフリーランスの方については簡単に開設できる個人名義の口座で十分でしょう。むしろ屋号名義の口座だと、振込先として登録できないケースもあるため、フリーランスであれば個人名義の口座をもう一つ開設すれば問題ありません。そのほか飲食店や個人商店など現金決済が主体の場合で、銀行口座に直接取引先から報酬を振り込んでもらうことがない業種業態については、個人名義の口座でよいでしょう。屋号名義がおすすめのケース個人として一事業を立ち上げて営業活動を行うケースについては、屋号付の銀行口座がおすすめです。取引先に請求書を発行する際に、口座名義が個人名義よりも屋号名義の方が相手に与える印象がよいです。取引先にきちんと事業としてやっているんだな、ということをわかってもらえる意味でも、屋号名義の口座を開設したほうが信用度も高まるでしょう。通帳はあり?なし?屋号名義の口座を開設する際、金融機関によっては通帳がないタイプのものとあるタイプのものがあり、迷うことがあります。どちらにするかは好みによりますが、基本的には通帳なしタイプの方がおすすめです。通帳がないタイプでも、ウェブ上で入出金記録を簡単に閲覧できますし振込も簡単です。昔のように通帳と印鑑を銀行に持参して手続きをする機会はほとんどなくなりましたので、管理・保管が大変な通帳をわざわざ作らない方がリスク管理になります。通帳がなくてもウェブ上から入出金記録を出力して印刷することも可能なので記帳に問題はありませんし、最近の会計ソフトであれば直接データを連動させて自動的に記帳することも可能です。なお、通帳はなくてもキャッシュカードは通常通り発行されますので問題ありません。屋号口座を開設する際の注意点屋号名義の口座を開設する場合、どこでも好きな銀行で開設できるわけではありません。基本的に事務所の所在地を管轄している支店の金融機関でないと申し込みを受けてもらえないことが多いです。例えば自宅で事業を営んでいる場合、自宅周辺にある金融機関でしか屋号名義の口座が開設できない可能性が高いです。そのため、希望する金融機関があったとしても、必ずそこで口座が開設できるとは限りません。まずは事務所周辺の金融機関を検索して調べたうえで、屋号名義の口座開設が可能かどうか一件ずつ確認していくことになります。おすすめの金融機関は?屋号名義の口座を開設するのにおすすめなのは、実体店舗を持たないネット銀行系です。ネット銀行系は手続きをすべてオンラインと郵送だけで完結できるため非常に簡単に屋号名義の口座を開設できます。例えば楽天銀行のビジネス口座であれば、個人名義の口座を持っている場合、以下のいずれかを郵送で提出することで屋号名義の口座を開設することができます。個人事業開業届個人事業主開始申告書上記は個人事業を始める際に最初に提出するものなので、簡単に手に入ります。またスマホ上でも簡単に決済できますので、迷っている方はネット銀行で屋号名義の口座を開設してみてはいかがでしょうか。口座はいつ開設するのがベスト?屋号名義の口座を作るとして、どのタイミングで作るのがベストなのでしょうか。ネット銀行系であれば比較的審査が緩めなので、開業前で実績がない状態でも開業届を提出していれば開設することが可能です。対して、都市銀行系などはある程度の営業実態がないと開設できない場合もあるので、まずは取り急ぎ細かな書類が不要なケースが多いネット銀行系で口座を開設しておいて、その後必要に応じて都市銀行系も開設して変更するといった形がよいと思います。個人事業主の銀行口座の開設方法に関するまとめ今回は個人事業主の方向けに、屋号名義の口座開設方法について開設してきました。屋号名義の口座を持つと事業を始めたという気持ちが強く持てるため、できることなら開設することをおすすめしますが、個人名義の口座よりも開設するためのハードルが若干高くなります。現金決済ではなく取引先から振込で報酬を受け取る業態については、個人口座と屋号口座では相手に与える印象や安心感が変わってきますので、長い目で見ればできる限り屋号名義の口座を開設したほうがよいでしょう。ネット銀行系なら比較的簡単に開設できるケースもあるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
2020年03月30日個人事業主の方が効果的に節税するためには、計上可能な経費を漏れなく計上することがとても重要になります。中でも車に関係する経費については、他の経費に比べて高額になる傾向があるので、認められる範囲内できっちり計上することが大切です。そこで本記事では、個人事業主の方が経費として計上できるもののうち車に関係する経費について詳しく解説します。個人事業主で車を購入するケースネットを活用して自宅で事業を展開する個人事業主の方が増えていますが、中には事業に車を使用するケースもあるかと思います。例えば、営業で外回りをするために車を購入するケースもあるでしょう。基本的に事業のためだけに車を使用する場合は、ある程度経費として認められる可能性が高いですが、私用でも車を利用する場合については注意が必要です。経費として認められるのは、あくまで事業のために直接使用している部分だけなので、車を私用でも使う場合については部分的に経費として認められなくなる可能性があります。車の名義はどうなる?経費として計上するとなると気になるのが車の名義です。例えば法人が車を保有するとなれば法人名義で購入するのが通常ですが、個人事業主の場合は店舗名や事業所名で購入することはできるのでしょうか。結論からいうと、個人事業主の方が車を購入する場合の名義は、その方の個人名義になります。店舗名や事業所名などのいわゆる屋号については、株式会社のように法人格がないので、権利を帰属させることができないからです。よって、個人事業主が車を購入する場合は普通に自家用車を購入する場合と同じで個人名義になります。ただ、個人名義だからといって経費にできないわけではありませんのでご安心ください。計算上経費にできる費用車に関連して発生する費用には様々なものがありますが、個人事業主の経費として計上できる可能性があるものとしては次の通りです。税金関係自動車税、軽自動車税、自動車重量税、自動車取得税など車を保有することでかかる税金については、経費として計上することが可能です。かかるタイミングが決まっているので、ある程度経費として先読みできる点がメリットといえます。自賠責保険・任意保険など強制加入が義務付けられている自賠責保険、任意保険(車両保険、人身傷害、弁護士特約など)の保険料も経費として認められます。保険の名義も車と同様に屋号で加入することはできませんが、個人名で加入している保険料でも、経費として計上することが可能です。車両維持費車両を維持していくためにかかるメンテナンス費用で、主に次のような費用が経費として認められます。洗車費用車検費用ガソリン代オイル交換台ブレーキパッド交換タイヤ交換、保管代点検費用その他修理費用駐車場代交通費高速道路料金やETC、そのほか駐車料金なども事業のための利用であれば経費として認められます。ただし、いつ、どこへ、なんの目的で行ったかなどについては記録に残しておくことが大切です。ローン金利ローンを組んで車を購入した場合は、金融機関に支払う利息も経費として計上することが可能です。このように、車に関連して計上できる経費は多岐にわたります。車の減価償却費について車の経費の中で忘れてはならないのが、減価償却費です。減価償却費とは物の劣化代のことで、車などの高額資産については、購入した代金を一括で経費として計上するのではなく、使用年数に応じて毎年一定額を経費化していきます。車の主な減価償却期間は次の通りです。普通車:6年軽自動車:4年ダンプ以外のトラック:5年ダンプのトラック:4年例えば新車で300万円の普通車を購入した場合、1年あたり50万円を減価償却費として計上することができます。どこまでが減価償却の対象?減価償却費は車に関連する経費の中で最も高額になる可能性が高いので、計算する際には間違えないよう注意が必要です。車を購入する際には車両本体料金以外にも様々な費用が掛かりますが、減価償却に含む費用としては次のようになります。車両本体料金カーナビETCスタッドレスタイヤその他オプション納車にかかる費用反対に、以下の費用については購入時に支払った費用だとしても減価償却には含めず、個別に経費化します。自動車税、自動車取得税、自動車重量税自賠責保険料登録費用、代行費用車庫証明の取得にかかる費用なお、リサイクル料金を支払った場合は、すぐに経費化するのではなく車を将来的に売却または廃車にする際に経費として計上するため、それまでは預託金として仕訳をして確定申告をします。中古車の減価償却車を中古で購入した場合は、減価償却期間がその分短くなります。中古車の耐用年数(減価償却期間)は、次のように計算します。中古車の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2よって、普通車で6年以上型落ちしている車でも最低2年で減価償却することになります。中古車は短期償却が可能このように新車であれば6年かけて減価償却するところ、中古車であれば最短2年でスピード償却ができるので、売上が伸びていて急遽経費が欲しい場合は、高額な新車を買うよりも中古車を買った方が一度に大きく減価償却費を計上できるため有利です。例えば300万円の新車だと年間で50万円しか減価償却費として計上できませんが、6年落ちの中古車で200万円であれば倍の100万円を減価償却費として計上できますので、節税対策で経費を計上したい場合には注意しましょう。カーリースを利用した場合最近ではマイカーリースやカーシェアなど車を保有しないケースもあるかと思います。これらのサービスを利用した場合は、リース料金などをそのまま経費として計上することが可能です。ある意味減価償却費を計上しているのと同じような感じになるので、マイカーにこだわらなければリースやカーシェアを活用することも一つの方法となるでしょう。[adsense_middle]私用でも車を使う場合の按分割合個人事業主で車を保有する人の中には、個人事業だけではなく私用としても使うというケースは多いのではないでしょうか。例えば、普段は子供の送り迎えなどに車を使っていて、週末だけ事業で使っている場合や、反対に平日は配送の仕事で車を使って、週末は家族で遊びに行くために使うなど、仕事と私用の両方で使うケースは意外と多いと思います。ではこのような場合、どこまで経費として計上することが可能なのでしょうか。経費の分け方車を仕事と私用の両方に使っている場合は、仕事として使っている割合と私用として使っている割合を合理的な考えに基づいて按分して、それを経費に当てはめて計算することになります。例えば、週7日のうち4日を仕事で使用している場合、かかった費用のうち4/7を経費として計上することが可能です。また、明確に使用している日数を割り出すことが難しい場合は、およそ半分程度としてかかった費用の半分を経費として計上することもできます。絶対にこう計算しなければならない、という決まりはありませんが、使用した日数・時間などに応じて合理的に説明がつくやり方で按分計算することがとても重要です。実際は私用でしか使っていない車を個人事業主の経費として計上しようとする人が時々いますが、実態を調査されるとバレて修正申告することになる可能性がありますので絶対にやめましょう。按分計算しなくていい経費車に関係する費用でも、次の費用については私用と仕事用で按分計算する必要はありません。駐車料金高速道路代また、駐車場の料金についても店舗専用の駐車場がある場合などについては、全額を経費として計上することも可能です。自宅の駐車場代については、按分計算が必要になります。仕訳の仕方について私用と自営業どちらでも使用する車の場合、費用の仕訳はどのようにしたらよいのでしょうか。基本的に、事業と私用の支出が混ざっている場合は家事関連費に仕訳をします。按分計算した費用については、家事関連費に仕訳をして所得税を計算しましょう。経費として認められにくい車とは私もこれまで車に関係する費用を経費として計上した経験がありますが、その際に税理士から注意をされたのが車の車種です。例えば、軽自動車については比較的営業車両的なイメージが強く、維持費が安いことから経費として認められやすい傾向があるのですが、外車などについては税務署から私用との指摘を受けやすくなるため注意がいるそうです。特に危ないのがベンツです。ベンツは税務署の印象として事業用というイメージが薄く、本人の私用であるという認識があるようなので、個人事業用の車として確定申告しても否定される可能性がありそうです。ただ、BMWは意外と認められるそうで、外車によっても税務署の受ける印象が違います。ベンツというと高額なイメージがありますが、最近では中古で新車の軽自動車以下の金額でも購入できるので、一概にそうとは言い切れないと思います。とはいえ税務署的にはベンツはNGが出やすいそうなので気をつけましょう。また車の台数が多い場合も、必要性も含めて指摘を受けますので注意が必要です。自家用車のほかに仕事用で複数台車を所有する場合は、具体的に複数台必要になる理由について説明できるようにしておきましょう。個人事業主の車に関係する経費に関するまとめ今回は個人事業主の車に関係する経費の計上の仕方について詳しく解説してきました。車は個人事業で扱うものの中でも比較的高額な経費を生み出すので、正しく計上して税金を圧縮することが大切です。ただ、私用でも使っている場合については必ず按分計算して必要な割合だけを経費にする必要があります。按分の仕方については、絶対的な決まりはありませんので、合理的な説明ができる方法で割合を決めることが重要です。税金を得するために、私用の車を全額経費にすると税務調査の対象になる可能性があるため注意しましょう。
2020年03月28日自分自身で自営業を営んでいる方を一般的に個人事業主といいますが、最近ではフリーランスという言葉もよく耳にします。個人事業主をかっこよく表した言葉と思っている人もいるかもしれませんが、実は個人事業主とフリーランスは微妙に意味が異なるのです。そこで今回は、個人事業主とフリーランスの違いについて細かく解説したいと思います。フリーランスの定義とは?最近よく耳にするフリーランス、響きは個人事業主よりもおしゃれだからこっちの呼び方で名乗っているという人もいるのではないでしょうか。フリーランスとは簡単にいうと、どこの企業や団体にも所属していない人のことをいいます。例えば、サラリーマンは会社に雇用されて仕事をしていますので、当然ながらフリーランスではありません。また、派遣社員は派遣元に雇用されていますし、アルバイトもバイト先に雇用されているのでフリーランスには該当しません。フリーランスは個別の案件ごとに企業などと契約を結んで仕事をして報酬を受け取る形態で、雇用契約ではなく業務委託や請負といった形態をとります。仕事をする上での双方のメリットフリーランスの働き方は自分次第で企業などに拘束されないので、仕事さえきちんと完成させられれば、基本的にはやり方は自由です。そのため、うまくスケジュールを組んで効率的に仕事をしていけば、サラリーマンよりも多くの報酬を受け取ることも十分可能になります。一方仕事を発注する企業としては、雇用契約を結ぶ必要がないので人を雇うというリスクがありません。プロジェクトの進行状況に合わせて、柔軟に予算を調整できるのでとても重宝します。また、スキルが高い人が多いので、社内で雇用して一から教育するよりもスキルレベルの高いフリーランスの人に外注したほうが、クオリティが高まるのです。個人事業主との意味の違いとはフリーで仕事をするという働き方であるフリーランスに対し、個人事業主も企業に所属しないということについては同じです。ですが、フリーランスのように自分のスキルを活かしてフリーで仕事をするというよりは、法人格ではないものの個人で独立して事業を営むことで、店舗や個人商店、事務所などを構えて営業しているケースもあります。つまり個人事業主とは会社に雇用されていないフリーランスのうち、法人化せずに事業を営んでいる人のことをいうのです。個人事業主は事業を運営するのにあたり、従業員を雇用することも可能ですし、屋号で開業届を役所に提出することも可能です。このようにフリーランスとは働き方のうち企業に所属せずに仕事をしている人のことをいい、個人事業主はその中でもより法人に近い形で事業を行っている人というイメージです。起業する方法と税金の違いフリーランスも個人事業主も税務上の取り扱いは同じなので、基本的にどちらの場合も個人事業主として確定申告する必要があります。基本的には税務署に対して開業届を提出したうえで、毎年1月1日から12月31日までに生じた所得について、翌年の2月中旬から3月中旬の間に確定申告をします。このようにどちらの場合も税務上は同じ手続きが必要です。課税される税金についても、所得税や個人事業税など基本的には同じになりますし、どちらの場合も青色申告と白色申告を選択することができます。フリーランスの一般的なイメージ会社に雇用されていないという意味では個人事業主と同じですが、フリーランスという働き方からくる一般的なイメージというと、飲食店の経営というよりは、パソコンやインターネットを活用して依頼を受ける、次のような仕事をしている人のイメージがあります。コピーライターイラストレータープログラマーシステムエンジニア作曲家映像クリエイター編集者このように基本的にはパソコンとインターネット環境だけあれば仕事が完結するような職種が、比較的フリーランスと呼ばれる人たちが行っている仕事です。非常に専門性が高く、企業に所属していなくても自らのスキルが高ければ、それなりに多くの仕事を受注することができます。自ら仕事を作るというよりも、企業からの案件を受けて仕事をすることがほとんどです。個人事業主の一般的なイメージ個人事業主というと、フリーランスのようなIT関連の仕事ばかりではなく、飲食店や事務所など様々な業種がイメージされます。フリーランスとの一番の違いは、個人事業主自らが企画やプロジェクトを発足するなどして仕事を作り出していることでしょう。仕事を受注することがメインのフリーランスに対し、個人事業主は会社経営に近い一定の組織力があるので、自らが動いて仕事を作り出すこともできるのです。そしてその力が強い個人事業主は、やがて法人化していく傾向があります。このように個人事業主は株式会社の一歩手前の状態と考えるとイメージしやすいでしょう。対してフリーランスの場合は法人化を目指しているというよりは、フリーランスという働き方に重きを置いているというイメージがあります。副業としてフリーランスを始める人が増えている働き方改革が叫ばれる中、多くの企業が原則副業禁止の就業規則から原則OKの就業規則に改定しつつあります。そんな中注目されているのが、フリーランスによる副業です。日中会社で仕事をしている人にとって、自由に使える時間は限られています。その限られた時間の中で副業をするためには、できるだけ自宅でも仕事ができるフリーランスが向いているのです。日中時間がとれなくても、仕事が終わって帰宅してからや休みの日などの時間を活用して自宅で作業することで、一定の収入を得ることができるフリーランスは、働き方改革の中で人口がどんどん増えています。[adsense_middle]副業としてのフリーランスの始め方以前はフリーランスを始めたくても、ある程度のコネクションがなければ仕事を新規で受注することができませんでした。ところが最近では、クラウドワークスやランサーズといったフリーランスに仕事を紹介して仲介してくれるサービスを利用することで、誰でもスキルさえあれば簡単にフリーランスになれます。報酬の支払い関係もすべて管理してくれるので、仕事を納品したのに報酬が支払われないというトラブルもありません。また、サイト側で源泉徴収をしてくれる場合もあるので、確定申告が苦手なサラリーマンでも気軽に利用することが可能です。主婦におすすめのフリーランス私も仕事でフリーランスの方に仕事を発注することがあるのですが、そこで感じることは主婦の方にもっとフリーランスを知ってほしいということです。というのも、主婦の方の中には仕事に関して非常に高いスキルを持っているのに、結婚して子供が生まれたことで仕事ができなくなっているケースが非常に多く、もったいない状況になっています。主婦の方の仕事というとパートというイメージがありますが、パートだと子供と接する時間が制限されることから、多くの制約がかかります。最近では待機児童の問題もあるため、子供を預けたくても預けられない人が増えていてパートで仕事をできないケースも少なくありません。そんな場合にフリーランスを利用してもらえれば、もともと仕事のスキルは高い方が多いので場合によってはパートで働く以上に稼げる可能性もあります。もちろん自宅に居ながら仕事ができるので、子育て中のママさんでも安心して仕事ができます。何より、自分のペースに合わせて仕事ができる点が大きな魅力といえるでしょう。フリーターとの違いとは会社に所属していないという意味ではフリーターも同じですが、フリーターは基本的にアルバイトとして組織に雇用されているため、基本的にはフリーランスとは働き方が全く異なります。フリーターのメリットフリーターは企業側に雇用されているため、いきなり仕事がなくなるという心配はありません。1ヶ月前に通知されれば退職になる可能性はありますが、それでもいきなり明日から仕事がなくなるということはありませんし、雇用保険である程度は守られます。ただ、最近のコロナウイルスのように緊急事態が発生するとシフトが減らされるなどして収入が減ることはあるので、完全に安定しているとはいえません。フリーランスのメリットフリーランスはフリーターのように雇用されているわけではないため、基本的に仕事のスケジュールは自分の好きなように組み立てることが可能です。また報酬額についても、一定のスキルがあればそれなりに高額になってくるというメリットもあります。ただし、フリーランスは仕事の保証がないので企業側からの発注がなくなれば突然収入が途絶えることも覚悟しなければなりません。フリーランスや個人事業主で成功するためのポイントフリーランスも個人事業主も会社という組織に属していないため、いかにして収入を安定させるかが開業当初の当面のテーマとなります。そんな中重要なことは、できるだけ取引先、発注先となる企業の数を増やすということです。一社の下請け工場のようなやり方をしていると、万が一そこからの発注が途絶えたときにいきなり収入がゼロになってしまう可能性があります。いくら大口の取引先があったとしても、フリーランスや個人事業主としてリスク管理するためには、ある程度の取引先を同時に抱えて収入を安定させることを第一に考えた方がよいでしょう。個人事業主とフリーランスの違いに関するまとめ今回は個人事業主とフリーランスの違いについて詳しく解説してきました。どちらも視点が違うので、同じ土俵で比較することは難しいですが、どちらも会社に属していないという点では共通しています。今後副業を容認する会社が増えていけば、個人事業主よりも気楽に始められてほとんどリスクもないフリーランスで仕事をする人は増えていくでしょう。また、そんなスキルの高いフリーランスに仕事を発注したいという企業も今後は増えていくのではないでしょうか。
2020年03月25日ネット通販やyoutuberなど誰でも手軽に個人事業が開業できるようになった昨今ですが、確定申告の時期になると思った以上に税金がかかることに驚く人がたくさんいます。法人の節税対策についてはさまざまな記事がありますが、個人事業についてはあまり言及されていないことが多いため、どうしていいかわからずお困りの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、個人事業主の節税対策にフォーカスして解説したいと思います。個人事業主が節税対策すべき税金個人事業主の節税を考える前に、まずは個人事業主に課税される税金の種類についておさらいしていきましょう。個人事業主として開業すると、主に以下の税金が課税されます。所得税消費税住民税個人事業税この中でも今回は事前対策による節税効果が高い所得税について解説していきたいと思います。個人と法人を比較した場合の所得税のメリット、デメリット所得税とは売上から経費を差し引いた利益に対して課税される税金で、法人でいうところの法人税にあたる税金です。1年分の利益に対してまとめて課税されるため、個人事業主であれば個人のさじ加減である程度の微調整はしやすいというメリットがあります。ただ、個人と法人で決定的に違うのが経費の取り扱いです。個人事業は利益から控除できる経費が少ない法人の節税というと経費を計上するというイメージがあるかと思います。個人事業主の場合も基本的には同じですが、経費として計上できる幅が法人の時と比べると格段に狭くなります。法人の場合は基本的に法人の事業活動において支出した費用すべてが経費の対象となるのに対し、個人事業主の場合は事業で収入を得るために直接的に必要な費用に限られるのです。そのため片っ端から領収書を切っていても、経費として計上できないものも数多くあるということです。では具体的にどのような費用であれば経費として認められるのでしょうか。個人事業主で経費として認められる範囲次の支出については、個人事業主の経費として収入から差し引くことができます。従業員の給料仕入れ費用通信関係費家賃水道光熱費保険料消耗品費減価償却費[adsense_middle]従業員の給料従業員を雇用している場合は、従業員に対して支払う給料について経費として計上することが可能です。ただし、配偶者や親族などに支払った給料については一定の条件を満たさないと経費として認められません。詳しくは、青色申告の部分で解説します。仕入れ費用ネット通販などを行っている場合は、商品の仕入れのために支払った費用が経費として計上できます。このほか飲食店で個人事業主を営んでいる場合も、材料費は経費として計上することが可能です。通信関係費インターネット回線使用料、プロバイダ料金、電話料金、携帯電話料金など事業に欠かせない通信関係の費用は経費として計上することが可能です。ただし、個人の携帯と事業用の携帯を別で所有していない場合には、すべての料金を経費にできない可能性があります。詳しくは後程解説します。家賃事務所や店舗を借りて営業している場合は、家賃自体が経費になります。ただし、居住部分も含んで賃貸している場合は、事業として使用している部分しか認められないため注意が必要です。水道光熱費事務所や店舗の水道光熱費も経費として計上できます。ただし、自宅で開業している場合については、私用と明確に区別する必要性が出てくるため注意が必要です。かかった費用全額を経費として計上すると、一部を税務署から否定される可能性があります。保険料事業のために支出した保険料は、経費として計上できます。例えば次のようなケースが考えられます。不動産投資をしていて、保有しているアパートに火災保険をかけて保険料を支払っている場合自営業で外回り営業をする際に使用している車両にかかる保険料を支払っているこれらの保険料は、個人事業主の経費として計上することが可能です。特に火災保険料については、経費として計上することを忘れている大家さんが多い傾向があります。火災保険に加入しておけば、経費として節税効果があるだけでなく、火災や台風などで建物が損傷した場合にも保険金が支払われるので思わぬ出費を回避することが可能です。また、古いアパートを保有している方は自然災害以外に給排水管の老朽化などで水漏れを起こすことがあり、賃借人から賠償請求されることも少なくありません。賃貸業をしている方で火災保険にまだ加入していないという方は、ぜひこれを機会に加入を検討することをおすすめします。消耗品費ボールペンやホッチキスなどの事務用品も、事業に使用するものについては経費として計上することができます。ただし、高額なものについては次の減価償却費で計上します。減価償却費購入価格が10万円以上のものや、使用期間が1年以上になるものについては、消耗品ではなく減価償却費として経費にできます。ただし、減価償却費の場合は一括で全額を経費化するわけではなく、耐用年数に応じて分割して経費化していくことになるため注意が必要です。パソコンはどっち?事業でパソコンを購入した場合、普通に考えれば消耗品ではないので固定資産として減価償却費で計上することになります。ただし、中古パソコンで8万円で購入したとすると、10万円未満なので消耗品として一度に経費にすることが可能です。青色申告をすると特例がある個人事業主で青色申告していると、30万円未満のものについては減価償却で少しずつ経費にするのではなく一度に償却することも可能になります。この特例を少額減価償却資産の特例といい、合計300万円を上限として一括で経費にできるのです。なお、通常通り耐用年数に従って減価償却費として経費にしていくこともできます。個人事業主が経費を使って節税する方法と注意点個人事業主も法人の場合と同様に、経費を漏れなく計上することで利益を圧縮して節税につなげることが可能です。ただし、個人事業主の場合は冒頭でお話した通り経費として計上できる範囲が狭いので、あまりやりすぎると税務調査の対象となる可能性があるため注意しなければなりません。私用との区別が大切個人事業主の方が節税対策をすると陥りがちなのが、個人用の支出との混同です。これは自宅で開業している方によくある傾向で、次のような事業を自宅で営んでいる方は注意が必要です。ネット通販youtuberライターイラストレーター動画編集これらの事業を自宅で営んでいる場合、次の経費について計上する際に事業用との明確な仕分けが必要になります。水道光熱費事業として使用している時間帯をある程度特定して、個人が通常の生活で使用している部分との割合を按分計算などして算出しましょう。家賃個人事業として使用している住居内の床面積の割合に応じて家賃を按分計算します。また、居住用で借りている場合は消費税非課税ですが、事務所として借りている場合は家賃に消費税が課税されますので、按分計算する際には注意が必要です。明確に区別することが難しい場合は、一度税理士に相談することをおすすめします。自動車の保険関係事業として使用している割合を、使用している時間などから割り出して按分計算します。自動車関係については、保険料以外にも税金や駐車場代、高速道路代などさまざまな関係費があり、本当はただの自家用車なのに個人事業主の経費として計上している人もいるようですが、これは大変危険な行為です。自動車関係の支出については、車両を使用した記録をつけるなどして事業用であることを証明できるようにしておきましょう。また、車種についても税務署から指摘を受けることがあります。以前に私が相談を受けた案件で、飲食店の営業車でベンツを使用しているというケースがりました。ベンツなどの高級車を事業用で経費にする場合は、税務署から指摘を受ける可能性が高いです。対して、軽自動車や軽トラックなどは比較的認められやすい傾向があります。電話料金通話明細を取り寄せて1件ずつ個人の電話か事業の電話かを仕分けします。ただ、最近は通話料が定額の料金プランが多いので、使用頻度などに応じて按分して分けることもあります。詳しくは税理士に確認してから経費にした方がよいでしょう。個人事業主の経費以外の節税方法個人事業主が経費計上以外で節税対策を考える場合、絶対に外せないのが青色申告です。青色申告とは確定申告の方法の1つで、複式簿記による帳簿をつけることで10万円、55万円、65万円のうちいずれかの控除が受けられます。(2020年度分より)青色申告承認申請書を税務署に提出することで、まず10万円の控除が使えることになります。そこから複式簿記による帳簿を備えることで控除額が55万円にまでアップし、さらに次のいずれかに該当すればさらに10万円プラスして65万円の控除が受けられます。[adsense_middle]青色申告のメリット①電子申告できる確定申告はe-Taxによって電子申告できる確定申告は直接税務署に行って提出する方法以外にも、インターネットを通じて電子申告することも可能です。マイナンバーカードとそこから情報を読み取るICカードリーダライタがあれば、自宅のパソコンから24時間いつでも確定申告ができるので、忙しい個人事業主の方には特におすすめです。電子帳簿を保存する紙ベースの帳簿ではなく、パソコンにデータ保存できる帳簿で保存します。対象となる帳簿は、仕訳帳と総勘定元帳です。それ以外のものや領収書などは、電子データとして保存していなくても今のところは大丈夫のようです。青色申告のメリット②専従者給与家族の給料が経費になる個人事業主の方が青色申告をするもう1つのメリット、それは専従者給与です。(※白色申告でも専従者給与が使えますが、控除額が異なります)そもそも、配偶者に給料を支払ったとしても経費として売上から差し引くことはできません。ところが、青色申告をしていてかつ次の要件を満たしている場合については、配偶者や親族などに支払った給料についても経費として一定額を売上から差し引くことができるのです。専従者に対して給与が支払われている青色申告している個人事業主と生計を共にしている配偶者かその他の親族である12月31日時点で相手が15歳未満ではないその年に6ヶ月以上、青色申告をしている当該個人事業主の営む会社で仕事をしている「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出している届出書の通りに給与が支払われていて、金額も届出書の範囲内である一般常識を考慮して妥当である給与額である経費として認められる金額専従者給与が適用されるとしても、上限なくいくらでも認められるわけではありません。あくまで家族に対して支払う給与になるので、要件にもある通り一般常識を考慮した妥当な範囲に限られます。具体的には月額10万円が1つの目安です。10万円を超えてくると一概にダメというわけではありませんが、どのような業務を行っているのか、税務署から聞き取りされる可能性が出てきます。源泉徴収に注意専従者給与をも源泉徴収の対象となることを忘れてはいけません。月額8万8,000円以上の金額を支払うと、源泉徴収の対象となり所得税がかかってしまうのです。そのため8万8,000円以上の金額を支払う場合は、事前にシミュレーションしてどちらの方が手元に残る金額が多くなるのか確認しましょう。配偶者控除と扶養控除専従者給与を使う際に気をつけなければならないのが、配偶者控除・扶養控除の関係です。配偶者控除や扶養控除を適用している方の場合、専従者給与を支払ってしまうとそれらの適用から除外されてしまいます。例えば配偶者控除から外れてしまうと、年間38万円の配偶者控除が受けられなくなってしまうのです。よって、配偶者に専従者給与を支払う場合は38万円を超えないと損をすることになります。仮に年間で25万円を配偶者に支払ったとすると、差し引き11万円になってしまうので専従者給与よりも配偶者控除のままの方が、節税効果が高くなります。実際、税務署で専従者給与の相談をすると、この件について教えてくれることもあるくらいです。このように選択を間違えると節税対策どころか、かえって税負担が増えてしまうので専従者給与を活用する際には必ず事前にシミュレーションすることをおすすめします。個人事業主の税金対策に関するまとめ今回は個人事業主の節税について解説してきました。経費を使って利益を圧縮する方法は法人と同じですが、個人事業主の場合は認められる範囲が狭いのであまり経費にばかり頼りすぎると、無駄な出費が増えてしまい赤字になってしまう恐れがあります。できれば青色申告などの所得控除を漏れなく活用することで、総合的に所得を減らした方がより高い節税効果が得られるでしょう。
2020年03月23日個人事業主として事業を始めるにあたり、一つの課題となるのが事業資金の調達です。企業であれば銀行融資を利用したり、株式を発行して資金調達したりすることが可能ですが、個人事業主となるとなかなかそうはいきません。そこで今回は、資金調達を検討している個人事業主の方向けに利用できる補助金や助成金制度の種類について解説したいと思います。補助金を活用するメリット補助金というと中小企業の法人が対象というイメージがあるかもしれませんが、要件をよく見ていくと意外と個人事業主が利用できるものもあります。個人事業主は株式を発行することができないので、最初のうちは特に資金調達に苦労するでしょう。そんな時に補助金がもらえたら、スムーズに事業を開始できます。補助金は新規、独立開業資金になる補助金の一番のメリットは、何と言っても返済が不要という点でしょう。銀行融資を受けると当然返済していかなければなりませんが、補助金については返済が不要なのでもらった分だけ事業活動を有利に進められます。特に営業が開始していない独立開業当初については、当面の運転資金として非常に重宝すること間違いないでしょう。リスクを負わずに資金調達できるところが、補助金最大の魅力といえるでしょう。補助金と助成金の違い補助金制度について調べていくと、同じような内容で助成金というものが出てくることがあります。補助金と助成金、どちらも返還不要の資金を出してくれるという意味では同じですが、助成金は要件を満たしていれば原則として支給されるのに対し、補助金については事前に予算が決まっているため、予算を使い果たした場合は条件に該当していても支給を受けられません。補助金の種類と条件個人事業主が利用できる補助金や助成金には様々なものがあり、種類によって条件も異なります。また、補助金制度は時限的なものも多いので、利用できるものが毎年同じとは限りません。ここでは、よくある補助金制度の種類と条件について比較してみました。[adsense_middle]創業事業承継補助金事業を創業する際に利用できる補助金制度で、毎年一定の予算の枠内で複数の経営者に支給されています。具体的な金額は以下の通りです。外部資金調達がない場合:50万円以上100万円以内外部資金調達がある場合:50万円以上200万円以内募集要項には中小企業者と記載されていますが、これに個人事業主も含まれています。従業員数の条件補助金の中には支給条件に従業員数が関係していることがよくあります。これは補助金や助成金制度が、比較的小規模零細企業や事業者を対象としていることから、雇用している従業員数が一定以下であることを支給条件とするケースが多いからです。従業員数の条件は業種によって基準が違うことが多く、一般的には製造業は従業員数が多く、サービス業や小売業は少なめの設定になる傾向があります。海外で起業すると受けられない最近はインターネットさえあればどこでも起業できるので、海外で事業を始める人も少なくありません。ただし、創業事業承継補助金は国内に住んでいて日本で事業を行う人を対象としているので、海外に居住している場合や、海外で事業を起こす場合については利用できません。小規模事業者助成金個人事業主など小規模な事業者が利用できる助成金で、創業してからの事業の発展や維持をするために利用することを目的としています。そもそもこの助成金には、国内の小規模事業をさらに発展させて社会貢献や雇用維持につなげようという狙いがあるので、助成金の支給要件に経営者の年齢も関係してきます。具体的には代表者が60歳以上である場合は、承継診断票を提出した上で後継者候補が中心となる事業計画書などが必要になります。支給される助成金の詳細は以下の通りです。対象:日本の小規模事業者全般補助率:補助対象経費の3分の2以内補助上限額:50万円(500万円:複数の事業者で連携して行う共同事業の場合のみ)テレワーク助成金コロナウイルスの流行によって一躍話題沸騰したのがテレワーク助成金です。テレワークとは職場という場所にこだわらず、在宅などでも勤務を可能とする勤務形態のことで、コロナウイルス対策の一環として多くの企業が一気にテレワークの導入と実施へと舵を切りました。そこで注目されたのが、東京都などが実施している事業継続緊急対策助成金、通称テレワーク助成金です。助成金の上限:250万円助成率:100%助成金の対象となる費用テレワーク助成金最大の特徴は、助成対象となる費用の広さにあります。テレワーク助成金は、主に次のような費用を対象に助成金が支給されます。機器購入費用テレワークを実施するために必要となる、パソコンやタブレット、スマホ、外付けハードディスク、ルーター、ウイルス対策ソフト、サーバ、ビジネスチャットなど非常に幅広い範囲で認められます。中でも珍しいのがパソコンやタブレットの購入です。他の助成金では、パソコン本体やタブレットなどの購入費用そのものの購入費用に対して助成金が出るということは非常に少ない傾向にあります。個人事業主の中には、パソコンなどの設備機器が十分揃っていないところも多いと思いますので、これを機会にテレワーク補助金を活用するとよいでしょう。リース費用テレワークのための設備購入費用はもちろんの事、それらのリース費用についても同じく助成金の対象となります。社内ネットワークを構築するとなると、かなりまとまったお金が必要になりますので、助成金の上限金額である250万円満額まで使いこなせればかなりの負担軽減となります。クラウドサービスなどテレワークをするにあたって絶対に必要になってくるのが、クラウドサービスの導入です。これまで会社のデータベースは社内のサーバなどで管理していましたが、最近ではグーグルドライブなどネット上の共有サーバにデータを保存して、外出先からもアクセスできるようにする会社が増えてきました。クラウドサービスを上手に活用することで、社内会議や打ち合わせが円滑になるだけではなく、取引先の担当者とクラウドデータを共有することで、より密に連絡が取り合えるとともにお互いの信頼関係の構築に大きく貢献できます。個人事業主は雇用人数に注意テレワーク補助金は個人事業主でも利用することが可能ですが、注意しなければならないのが従業員の人数です。テレワーク補助金の対象となるのは、常時雇用者が2名以上かつ、申請時点で6ヶ月以上は雇用している事業者に限られます。個人事業者の中には、自分一人で起業しているケースや、自分と配偶者だけで営んでいるようなケースも多いので、2名以上という条件は意外とハードルが高いです。もしも個人でネット通販を自分一人でやっているような場合については、助成金の支給対象から外れます。補助金、助成金支給までの流れと注意点このように個人事業主にとって非常に利用価値の高い補助金、助成金ですが、利用するにあたって注意すべきことがあります。それは報告義務です。補助金や助成金は申請書を提出するだけで、すぐに支給されるような甘いものではありません。返済不要ということもあり、利用したい方がとても多いので不正受給を防止して効果を高めることを目的に、補助金支給後の定期報告や結果報告などが義務化されています。例えばテレワーク助成金の場合、助成金を受け取るためには次のようなステップを踏まなければなりません。業者への見積もり依頼助成金申請書の提出審査設備導入上限額の通知助成金支給[adsense_middle]ステップ1:業者への見積もり依頼助成金を申請するためには、助成してもらう対象となるテレワークの導入費用の見積もりが必要になります。そこで、テレワークを導入するための費用の見積もりを業者に依頼し見積書を手に入れます。ステップ2:助成金申請書の提出見積書の内容を踏まえて、助成金申請書を作成します。申請書を作成する際のポイントは、事実を間違いなく記載するということです。実は助成金からみのご相談が最近増えているのですが、皆さん一様にこのように聞いてこられます。「どうすれば助成金を貰いやすくできますか」要するに、助成金の対象者に選定されるためには、どのように事業計画書や申請書をかけばよいのでしょうかという問題です。基本的に助成金は要件に適合していれば助成を受けられるのですが、テレワーク助成金のように実際に支出する費用に対して助成金が出るものについては、申請の段階で100万円の見積書を提出したとしても、50万円までしか認められないというケースが出てきます。ステップ3:審査どこまでがテレワーク助成金の適用範囲なのかという問題なのですが、業者によっては今回の助成金制度を利用して、テレワークとは直接関係のない設備投資についても見積書に盛り込んでくるケースがあるのです。申請する会社としても、できるだけ助成を受けられる金額を増やしたいので、平たく言うと「うまく誤魔化せそうな申請書や見積書の書き方を知りたい」ということなのですが、当然のことながら嘘は絶対にいけません。これは法的な観点からも不正受給に該当します。また、補助金や助成金は不正受給を防ぐために、必ず結果報告の提出が必要になっています。つまり、申請書通りにものを買って事業を行っているのかどうかまで、追って確認をしてくるということです。ステップ4:上限額の通知申請した金額に対して、助成金が認められる限度額の通知がされます。ただこの段階ではまだ助成金は入金されません。あくまで、支給される上限額が明確になるだけなので、それを受けて実際に設備を導入するかを決断します。ステップ5:設備導入実費でテレワーク設備を導入して、その結果を報告書として提出します。見積書と内容が変わってくると、事前に通知されている上限額を下回る可能性がありますので注意が必要です。ステップ6:助成金支給結果報告書を提出して、予定通りの導入がされていることが確認されると助成金が振り込まれてきます。助成金によっては前払いのものもありますが、基本的には先に事業主側で支出することになるものが多い傾向です。助成金、補助金を利用する際の効果報告の注意点助成金や補助金には様々なものがあり、支給要件もものによって大きく異なります。中でも、オフィスインフラ関係の助成金、補助金制度には注意が必要です。例えばIT導入補助金が最近話題となっていて、補助額が上限450万円と高額なため利用希望者が多いようです。テレワークのように導入後簡単な報告をすれば済むのであればよいのですが、IT導入補助金の効果報告は細かな指標まで示して効果を報告しなければならないので、報告書の作成にかなりの労力を費やすことになります。そのため、自営業で従業員が少ない場合は補助金が逆に負担になってしまうこともあるのです。補助金や助成金を申請する際には、後でどのような結果報告が求められるのかについて、よく調べておくことをおすすめします。助成金とハローワークの関係助成金を検索すると支給要件の中にハローワークの利用が盛り込まれているケースをよく見かけます。そもそも助成金や補助金は、受給する個人事業主や企業があらゆる法令を遵守していることが前提となっていますが、それ以外にもできるだけ公的機関のサービスを利用することが条件に盛り込まれているケースがあります。ハローワークもその一例で、ハローワークを通じで人を雇用することが助成金支給の条件になっていることがあるのです。例えば次の助成金については、ハローワークの利用が条件となっています。特定就職困難者雇用開発助成金地域雇用開発助成金障害者職場定着支援奨励金トライアル雇用奨励金これらの助成金等はハローワークを利用して雇用した場合に利用が可能で、申請窓口もハローワークになっています。個人事業主の方でも他の要件に該当すれば利用できますので、今後求人を検討している方はハローワークを利用するのも一つの手です。個人事業主向けの助成金に関するまとめ個人事業主にとって補助金や助成金は効果的な資金調達方法なので、要件に当てはまるものは積極的に利用することをおすすめします。ただし、利用した後は必ず結果報告を求められますので、どこまでの報告義務があるのかも含めて確認することが大切です。すでに導入を検討しているものに補助金が使える可能性があるかもしれませんので、ぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか。
2020年03月22日サラリーマンと個人事業主では税金のかかり方や申告方法、納税方法が違うものがいくつかあるため、独立開業すると最初のうちは戸惑うものです。ただ、わかりにくいからといって税金関係の処理をないがしろにしていると、あとで税務署から指摘を受けることになってしまうので開業当初から徹底する必要があります。そこで今回は、個人事業主の住民税について算出方法や手続きなどについて詳しく解説していきたいと思います。個人事業主にかかる住民税とはサラリーマンの方に住民税について聞いても、ほとんどの方が名前くらいしか知らないことが多く、どのように納税しているのか自覚していないケースもよくあります。それもそのはず、サラリーマンの方は会社から給料が支払われる際に住民税が天引きされていることから、自ら納税しているという感覚があまりないのです。また、給料からは社会保険料など差し引かれるものも多いので、自分の住民税がいくらなのかすら知らない人も少なくないでしょう。ここでは住民税という税金がどういう税金なのかについて、詳しく解説して行きたいと思います。住民税という税金を知ろう住民税とは、自分自身が居住している住所地を管轄している自治体から課税されている税金のことをいいます。住民税と市民税の違いがわからない、という方が時々いますが、市民税は住民税の一部です。住民税とは都道府県が課税する都道府県民税と、市町村が課税する市町村民税を合わせた総称のことなので、別々の税金というわけではありません。住民税の基本知識住民税はその年の1月1日時点で居住している地域の都道府県、市区町村から課税されます。ちなみに、住んでいる場所と仕事場を別々に構えている個人事業主の方の場合でも、実際に住んでいる場所をベースにするのが基本です。人によっては住んでいる場所とは違う場所に住民票があるという方がいますが、その場合は住民票の住所の自治体から住民税が課税されます。ただし、この場合は早急に住民票自体を移動させるべきでしょう。年の途中で引越しして住民票の住所が変更になった場合でも、住民税が課税されるのは1月1日時点の住所地の自治体からだけなので、転居先の自治体から二重に課税される心配はありません。住民税の算出方法①所得割住民税は税金の中では珍しく、2つの算出方法が合体して最終的な税金の金額が決まるという仕組みになっています。前年の1月から12月までの1年間の所得に対して課税される住民税の部分を所得割といいます。個人事業主の場合、確定申告で申告した所得に対して次の税率をかけて算出します。都道府県民税4%市区町村民税6%ただし、自治体によっては税率が個別に異なる場合がありますので、詳しくはご自身の住所地を管轄する役場にご確認ください。所得控除と税額控除額とは所得割部分は次の計算式によって算出します。所得割=(所得金額-所得控除額)×税率-税額控除額所得控除は所得税と同様に、主に次のような控除項目があります。生命保険料控除医療費控除基礎控除配偶者控除扶養控除地震保険料控除ただし控除される金額は所得税と微妙に異なりますので、計算する際には個別に確認が必要です。また所得割には所得控除のほかに、税額から直接差し引かれる税額控除もあります。これについても通常の所得税の確定申告の時と同じで、次のようなものがあります。配当控除住宅ローン控除寄附金税額控除(ふるさと納税など)外国税額控除課税所得が200万円以下だった場合このように算出した課税所得が200万円以下だった場合は、次のいずれか少ない金額の5%が控除されます。人的控除額の差の合計額合計課税所得金額課税所得が200万円を超えていた場合課税所得が200万円を超えた場合は、次の計算式によって算出した金額が控除されます。控除額=人的控除額の差の合計額-(合計課税所得金額-200万円)の5%なお、控除額が2,500円未満になる場合は、2,500円が控除額となります。住民税の算出方法②均等割課税所得に応じて税額が変わる所得割に対して、均等割はその名の通り均等に課税される住民税の部分です。都道府県民税1,000円市区町村民税3,000円※復興財源確保のために、現在はどちらも500円加算されています。なお自治体によって均等割の金額が異なりますので、詳しくはご自身の住所地を管轄する市区町村役場にお問い合わせください。このように住民税とは課税所得に応じて税額が変化する所得割と、均等に課税される均等割という2つの割合によって構成されています。住民税は納税者自身で計算する必要はなく、きちんと確定申告をしていればその所得に基づいて自治体側で計算して納付書が送られてきます。プロ野球選手などのスポーツ選手が怪我や引退などで大幅に年収がダウンすると、次の年の住民税が怖いという話をよくしていますが、これは自営業者の住民税の所得割部分の負担のことを言っているのです。住民税の通知と納税手続きサラリーマンの方は毎月の給与から差し引かれているので、納付時期について気にしたことはないかもしれませんが、個人事業主の場合は毎年6月頃に確定申告に基づいて計算された住民税の納付書が届きます。住民税は一括で納税することもできますが、4分割で支払うことも可能です。どちらの場合も税額に違いはありません。このように納付書が送られてきて税金を納税する徴収方法を普通徴収といい、サラリーマンのように給与から天引きする徴収方法を特別徴収といいます。[adsense_middle]住民税の会計上の処理個人事業主に課税される住民税は、あくまで事業主個人に対して課税されているものなので、納税した住民税を個人事業の経費として計上することはできません。基本的には事業主個人の財布から納税することになるので、個人事業の帳簿に記載する必要はありませんが、個人事業で使用している屋号付き口座などから住民税を納税した場合は記帳が必要になります。この場合は、事業主貸の勘定科目を使用して仕分けをし、事業主に対してお金を貸した扱いにして会計処理を行います。事業所得が20万円以下の場合の注意点個人事業を始めたばかりで年間の事業所得が20万円以下だった場合、所得税においては確定申告が免除になるという規定があります。この規定を知っている個人事業主の方の中には、「20万円以下だから確定申告しなくて大丈夫」と認識しているケースがあります。確かにこの認識は間違ってはいませんが、確定申告をしない場合はあることが困るということに気が付きますでしょうか。そうです。住民税です。ここまでしっかりお読みいただいた方であればわかるかもしれませんが、住民税は確定申告書の課税所得に基づいて計算していくため、確定申告がされないと住民税が計算できないのです。そのため事業所得が20万円以下で確定申告をしない場合は、別途住所地の市区町村役場に住民税の申告が必要になります。都道府県民税もあるので、別途都道府県にも申告しなければならないように感じるかもしれませんが、市町村役場に住民税の申告をすれば都道府県民税も計算してくれます。住民税の申告書は普段あまり見たことがないという方が多いと思いますが、書式が自治体によって異なる場合があるため注意が必要です。役所のホームページにPDFファイルがアップされていることが多いので確認してみましょう。確定申告の負担を軽減する方法個人事業主とはいえ慣れないうちは確定申告が大きな負担になりやすく、事業に充てたい時間まで削られてしまうことがあります。ここでは、個人事業主におすすめしたい、確定申告の負担を軽減する方法についてご紹介したいと思います。会計ソフトを導入するひと昔前の会計ソフトというと、今でいうところのエクセルの表計算ができる程度のものでした。最近の会計ソフトは銀行口座やクレジットカードの情報が連動しているため、基本的に電磁的な記録に残っている情報であれば、そのまま会計ソフトに同期させる形で簡単に帳簿を作成することが可能です。個人事業主の頭を悩ませる勘定科目の割り振りや仕分けについても、会計ソフトが自動で認識して振り分けてくれるので手間を大幅に削減できます。基本的に簡単な質問に回答していくだけで税務署に提出できる確定申告書が出来上がるので、個人事業主で初めて確定申告をするという方でも非常に簡単です。また、会計ソフトの情報をクラウドで共有することも可能なので、顧問税理士とリアルタイムで情報を共有できるという点も大きなメリットになります。税理士に依頼する個人事業に集中したいという方は、確定申告自体を税理士に依頼することも可能です。税理士に依頼する方法としては、次の2つの種類があります。顧問契約税理士や税理士法人と顧問契約を結べば、毎月の記帳代行なども含めて経理業務を丸ごと外注することが可能です。ただ、毎月数万円のランニングコストがかかりますので、ある程度利益が出ている状況でなければ顧問料が負担となります。確定申告のみ単発で依頼確定申告の手続きだけ単発で依頼することも可能です。その代わり、領収書の整理や日々の記帳については自分自身できちんと処理しておく必要があります。毎月のランニングコストがかからない点がメリットです。個人事業主の住民税に関するまとめ今回は個人事業主の住民税について詳しく解説してきました。基本的には個人の住民税を計算する時と流れは同じなので、事業所得をしっかり管理しておけばそんなに難しくはありません。サラリーマンの時とは違い給与から自動的に天引きされるわけではないので、納付書が届いたら遅れずに納税することを心がけましょう。また、個人事業が軌道に乗り始めたら記帳代行や確定申告の手続きを税理士に委託することも検討してみてはいかがでしょうか。
2020年03月13日会社勤めだった方が独立して個人事業主になると、その金額に驚くと言われているのが健康保険です。サラリーマンの方は、健康保険料の計算や支払いを会社がやってくれるため、実際いくらかかっているのかほとんどの方がご存知ないかと思います。それが、個人事業主として独立開業した瞬間から全部自分でやらなければならなくなるため、健康保険料の現実を知って驚く方が多いのです。そこで今回はサラリーマンと個人事業主の健康保険における違いや、種類、保険料を安く抑える方法などについて解説します。健康保険と自営業者の国民健康保険の違いは?日本は国民全員が健康保険に加入することを義務化している国民皆保険制度がとられていることから、サラリーマンでも個人事業主でも必ず何かしらの健康保険に加入しなければなりません。ただ、そもそもサラリーマンだった方の中には健康保険のことを、国民健康保険の略称だと思っている人が時々いますが、実は両者は別々の保険です。健康保険とはサラリーマンや公務員とその家族が対象である保険で、運営している保険者は勤務先が加盟している健康保険組合や団体、協会けんぽなどが一般です。保険料は給与額に応じて勤務先が計算して、そのうち会社が半分を負担し、残りの半分を本人の給与から天引きして支払います。また、健康保険は本人に子供が生まれて家族が増えたとしても、保険料の金額は変わりません。国民健康保険は費用が割高?サラリーマンが加入する健康保険に対し、自営業者やフリーランスの方が加入する国民健康保険は原則として次のように基本的な部分は同じです。医療費の窓口での自己負担額が3割出産一時金制度高額療養費制度対して、以下の制度は国民健康保険にはありません。出産手当金傷病手当金要するに、国民健康保険の方が受けれる補償は少ないのです。国民健康保険の運営元である保険者は市町村で、保険料は前年の所得をベースに計算して全額自己負担で支払う必要があります。国民健康保険で家族が増えたらどうなる?健康保険の場合は家族が増えても保険料に変化はありませんでした。ところが、国民健康保険は個人個人で加入する形をとっていることから、子供が生まれるとその分保険料が高くなります。国民健康保険の加入手続き会社を退職して個人事業主になると、それまで加入していた健康保険証から国民健康保険証に切り替えの手続きをする必要があります。また、この際にサラリーマンが加入している厚生年金から自営業者が加入する国民年金への切り替え手続きも同時に進めます。手続きの流れは、概ね以下の通りです。会社を退職した翌日から被用者医療保険と厚生年金の資格が喪失する退職した翌日から起算して14日以内に、居住している市区町村役場で国民健康保険及び国民年金の加入手続きをする国民健康保険に加入する際の必要書類としては以下のようなものがあります。離職票退職証明書資格喪失連絡票これらの書類をまとめて市区町村役場の窓口に提出する必要があります。任意継続はおすすめ?個人事業主になったら国民健康保険に加入する方法以外に、サラリーマン時代に加入していた健康保険に継続して加入し続けることも可能で、この方法のことを任意継続といい、一般的にはニンケイなどと言われています。任意継続を選択するためには、次の2つの条件を満たす必要があります。退職する前に社会保険に加入していて、資格を喪失する日の前日までに2ヶ月以上の被保険者としての期間が継続してあること。退職日の翌日から起算して20日以内に手続きを行う。これらの条件を満たした場合は、サラリーマンを退職後も健康保険を任意で継続することができますが、任意継続から2年間しか加入できませんので注意が必要です。また、保険料を滞納したり、別の会社に転職してそこで社会保険に加入したりした場合は、任意継続から外れて脱退することになります。年齢が満75歳までという年齢制限もありますので注意してください。任意継続の方法任意継続を利用する際には、健康保険組合に対して健康保険被保険者資格取得申出書を提出する必要があります。詳しくは、健康保険組合に問い合わせをして確認しましょう。任意継続と国保の計算方法の違い国民健康保険と任意継続、どちらの方が保険料を安く抑えられるのでしょうか。厳密な保険料については、具体的な要件のもと計算しないと明確にはどちらが安いかわかりませんが、基本的には任意継続を使ったほうがお得なケースが多いです。というのも国民健康保険の場合、保険料の計算方法に違いがあります。保険料を計算する際に扶養という考え方がそもそもないので、ご家族が複数名おられる場合については、それぞれについて国民健康保険への加入が必要になるのです。つまり、扶養という考え方がある健康保険と比較すると、家族が多ければ多い方ほど任意継続の方が保険料を抑えられることになります。ちなみに国民健康保険は、個人個人について計算した上で世帯主が納税の義務を負うのでご注意ください。国民健康保険料の金額を安くする方法はあるのかこのようにサラリーマンの健康保険と自営業者の国民健康保険を比較していくと、保険料負担額の割に補償が手薄い印象が否めないところですが、保険料を安くする方法はあるのでしょうか。[adsense_middle]国民健康保険料を経費にできるかできれば保険料を経費として計上して所得を低く抑えたいところですが、残念ながら保険料は個人事業主の経費になりません。自営業者が計上できる経費は、事業に直接的に関係がある支出に限定されることから経費にはできないのです。もしも事業資金で保険料を支払った場合は、仕分けにおいて事業主貸を使って処理をしなければなりません。ただ、経費にはできないものの所得控除にはなります。すなわち、1年間で支払った保険料全額について確定申告で控除が受けられるのです。保険料自体を安くすることは難しいまず大前提として国民健康保険料は全額自己負担になるため、たとえ任意継続を利用したとしても保険料の半分を会社が負担してくれていたサラリーマンの頃と比べると保険料は格段に高くなってしまいます。また地域によっては国民健康保険料が非常に高い場合もあるので、仕方なく任意継続を利用している方も少なくありません。労働保険のダブルパンチ労災保険と雇用保険のことを労働保険といいます。個人事業主は原則として自分自身を雇用しているわけではないので、労働保険の対象外です。ところが、個人事業主であっても労働者を雇用している場合であれば、たとえ従業員が1名だったとしても労働保険への加入が義務付けられています。この際に支払う労働保険料の負担も個人事業主に重くのしかかります。つまり、失業した時の基本手当や育児休業給付、介護休業給付、教育訓練給付といった雇用保険の給付制度は自分で一切使えないにもかかわらず、保険料負担だけ生じるという状況になるのです。青色申告で節税する国民健康保険料そのものを安く抑えることは非常に難しいため、安く抑えるとなるとやはり青色申告で節税する方法を検討する必要があります。簡易簿記による白色申告では10万円の控除しか利用できませんが、複式簿記、電子申告もしくは電子帳簿保存などの条件を満たすことで65万円の控除を利用することが可能です。所得が控除されることで、所得税だけではなくそこから計算される住民税や国民健康保険料も安くなります。このように青色申告で確定申告をすれば、ある程度の負担軽減ができるでしょう。国保組合を利用する国民健康保険料自体の削減は非常に難しいですが、個人事業主の業種や職種によっては、保険料の安い国保組合を使って保険料負担を軽減できる可能性があります。国保組合とは国民健康保険法に基づく組合で、同業種の個人事業主などの集まりで組織されています。ケースによっては国民健康保険料よりも安いことがありますので、一度国保組合に問い合わせしてみるといいかもしれません。個人事業主の年金はどうなる?個人事業主の保険料が割高になることはお分かりいただけたかと思いますが、サラリーマンから個人事業主になるともう一つ気になるのが年金の問題です。サラリーマンの間は厚生年金に加入していて、しかも保険料の半分は会社が負担してくれています。ところが個人事業主となると国民年金になり保険料は全額自己負担になってしまうのです。しかも、厚生年金と比較すると納付額は少ないものの受給額が少ないという将来的なデメリットもあります。[adsense_middle]年金の変更手続きについて日本では20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入が義務付けられており、次の3つの形態があります。第1号被保険者(学生や無職や個人事業主など)第2号被保険者(サラリーマンや公務員など)第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)よってサラリーマンの方が独立して個人事業主となる場合は、第2号から第1号被保険者への変更手続きが必要になります。会社を退職した翌日から14日以内に年金手帳と認印を、最寄りの市区町村役場に持参して種別変更届を提出しましょう。ちなみに、配偶者がいる方については自分だけではなく配偶者も第1号被保険者になるので、手続きを忘れないよう注意しましょう。個人事業主の保険料負担は重い今回は個人事業主が負担する国民健康保険料の仕組みや負担額について触れてきました。サラリーマンとして会社に雇用されていると、自分たちが気づかないところでかなりの保険料を会社が負担してくれているため、保険料について甘い認識のまま独立開業してしまうと事業自体失敗してしまう恐れがあります。例えばテレビ局のアナウンサーが独立するようなケースでは、現在の給料で100万円もらっているとして、フリーアナウンサーになった際の月額の売り上げが同じくらいであれば、保険料が多く引かれる分年収は減るのです。どの程度の金額差があるのかについては、その方の個別の条件に応じて厳密に計算してみなければなんとも言えませんが、目安としてはサラリーマン時代の2倍くらいの金額を個人事業で売り上げられる自信がなければ、あまり独立するメリットはないかもしれません。年金対策も必要個人事業主が加入する国民年金は、保険料が全額自己負担なため保険料の負担自体が重い訳ですが、それ以上に将来受け取ることができる給付額に大きな懸念があります。そもそもサラリーマンが加入する厚生年金は国民年金の上乗せのようなものなので、将来受け取ることができる年金受給額も厚生年金に加入できない個人事業主よりも高いということになるのです。よって、個人事業主の方は国民健康保険の保険料を安く抑えることよりも、将来に向けて厚生年金に代わる年金対策として、何らかの対策をとる必要があります。個人年金に加入する厚生年金に加入できない分、民間の個人年金に加入して将来受け取ることができる年金額をできるだけ維持することがとても大切です。個人年金は生命保険の種類のうちの1つで、一生涯年金が受け取れるタイプ(終身年金)と、一定期間のみ受け取れるタイプ(確定年金)があります。年金額は自分自身の希望に応じて調整できるので、支払える保険料から逆算して考えるのもよいでしょう。不動産投資をする個人でアパートなどの賃貸物件を購入し、家賃収入を将来の年金代わりにするという方法です。物的資産を手にすることになるため、家賃として継続的に受け取ることもできれば、売却してまとまった金額を一度に手にすることもできます。また、団体信用生命保険に加入してローンを組めることから、万が一自分が死亡した場合に家族にローンがなくなった賃貸物件という資産を残すことが可能です。このように不動産投資は生命保険代わりにもなるので是非検討してみてください。個人事業主の健康保険に関するまとめ個人事業主が負担する健康保険の保険料は、サラリーマンの健康保険料に比べると高いのは事実ですが、青色申告を利用したり国保組合を利用したりすることで多少は負担を軽減させることが可能です。また、年金についても厚生年金と国民年金で大きな差がありますので、その辺りも合わせて検討する必要があります。健康保険料は健康保険か国民健康保険でも大きな違いがありますが、国保組合の中でもいろいろな種類がありますので、業種によって対応する国保組合がある方は一度調べてみることをおすすめします。
2020年03月12日企業が副業を禁止する時代から、副業を認め社員のスキルアップに繋げる時代に移行した昨今、個人事業主から将来的に法人化を検討する人も増えてきました。そんな中、いつ、どのタイミングで法人化するのが妥当な選択肢なのかというご相談をよくいただくことがあるので、今回は個人でやっている事業を法人化することのメリットや条件などについて詳しく解説したいと思います。【個人と法人の違い①】法人化のメリットから比較個人事業主の方の中には漠然と法人化を目標としているケースがありますが、そもそも個人と法人では具体的に何が変わってくるかご存知でしょうか?節税対策になることは何となく聞いているけど、それ以外のことはあまりよくわかっていないという方のために、それぞれの違いについて簡単に触れていきたいと思います。法人のメリット1:税金のかかり方が違う個人と法人で最も違う点、それは税金のかかり方です。個人事業主の場合、事業主とはいえ基本的には個人の所得に対して所得税がかかってくるため、稼げば稼ぐほど税率が上昇していき納税する税金も増えていきます。対して法人の場合は個人とは別人格となるので、一旦法人で利益を出した上で個人に所得を分配する形となります。そのため、個人事業主に比べると家族などに所得を分配することで課税される税率を低く抑えられ、最終的に納税する税金を低く抑えることができるのです。必要費用にできる範囲が異なる所得税の節税については、売上から差し引くことができる経費の幅が非常に大きな影響をもたらします。個人事業主については、あくまでその事業のために支出した経費に限定されるので、必要経費にできる範囲が狭く所得が高くなる傾向にあります。法人の場合は、原則として法人の活動におけるすべての支出が経費にできるので、個人事業主の時に比べると必要経費の範囲が増えて節税することが可能です。法人のメリット2:社会的な信用法人化というと節税のことばかり考えがちですが、本来法人化する目的は事業規模の拡大にあるはずです。例えば複数の会社と取引をするような事業の場合、個人事業主よりも法人化することで社会的信用度が高まるため、取引先の拡大につながるというメリットがあります。特に名の知れている大きな会社については、法人でないと取引の承認が下りないこともあるので、会社を作ることでビジネスチャンスが一気に広がるのです。ちなみに、法人化には株式会社の他にも合同会社や合資会社などの方法もありますが、個人事業主から法人化を目指すのであれば圧倒的に株式会社にするべきです。株式会社の社会的な知名度に比べ合同会社や合資会社は知名度が低く、取引先に漠然とした不安感を与えてしまうことが多いので、基本的には株式会社で法人化する方がよいでしょう。人材の確保一人で事業をする場合とは違い、従業員を雇用するとなると個人事業主では規模が小さいと思われがちなので良い人材が集まらない可能性があります。法人化することで世間的に会社として認識されるので、人材募集もしやすくなり確保した人材も定着するようになるのです。法人のメリット3:任意償却ができる法人化すると減価償却の取り扱いが個人事業の時と大きく変わります。例えば不動産投資事業をする場合、アパート経営や不動産投資の経費というと真っ先に出てくるのが減価償却費です。減価償却費とは簡単にいうとものの劣化に対する費用で、アパートの購入金額を法定耐用年数で分割して徐々に経費として計上します。アパート経営の場合、減価償却の対象となるのは建物やその付属設備だけで土地は劣化しないため含まれません。この減価償却費に関する扱いが、個人事業主と法人とで次のように異なります。個人事業主の場合減価償却費については、毎年経費として計上しなければなりません。つまり、経費として計上するかどうかを選ぶことはできず、強制的に計上することになります。法人化した場合減価償却費を計上するかどうかの判断は、会社の任意で決められます。仮に利益が出ている年度であれば減価償却費を計上し、反対に赤字が出ている場合は減価償却費を計上しないという選択も可能なのです。減価償却費事業において非常に大きな経費なので、どのように償却できるのかについては非常に大きなポイントとなります。法人のメリット4:日当で節税できる意外と経費で重要になってくるのが交通費です。例えば、地方の人が東京に出張する場合には、新幹線代などの高額な交通費がかかることがあります。この場合についても、個人事業主と法人とで次のような違いがあります。個人事業主の場合事業に直接関連する交通費であれば、実費を経費として計上することができます。但し、自分に対して遠方へ出張したことに対する手当、つまり日当を支払っても経費にはできません。法人化した場合法人の場合は出張旅費規定などの社内規定を作成することで、日当を支給して経費にすることが可能です。当該規定に基づく日当であれば経費として計上することができるだけでなく、日当は交通費の実費ではなく出張したことに対する手当なので、実費を超えていてもよほど高額な金額でなければ問題なく経費にできます。支給した後の日当については、出張旅費規定に基づいていれば給与として扱われません。よって、所得税や住民税についても日当には課税されないというメリットもあります。このように法人化には大きなメリットがありますが、実はメリットだけではありません。法人化することのデメリットをよく理解していないと、逆に法人化したことで後悔するというケースもあります。【個人と法人の違い②】法人化のデメリットから比較[adsense_middle]会社の維持費がかかる法人化というと会社設立の際にかかる初期費用を心配する人が多いのですが、実は初期費用よりも設立後の維持費の負担の方が大きいという点に注意が必要です。設立費用については一時的な出費なので、事前に準備しておけば対処できますが、ランニングコストについて正しく把握しておかないと、節税効果以上にキャッシュアウトしてしまう可能性も十分ありえます。では、具体的にどのような維持費がかかるのでしょうか。社会保険料の金額法人化すると社会保険に加入しなければならないので、たとえ従業員が自分だけだとしても一定の金額を負担しなければなりません。健康保険料や厚生年金などについては、毎月納付書が送られてくるのでそれなりの負担となります。金額自体は給与の設定金額にもよりますので一概にはいえませんが、個人事業主の時にはなかった出費なので、予め計算に入れておかないとキャッシュフローがきつくなるため注意が必要です。給与コスト法人化することで従業員を雇用すれば、その分給与コストがかかることになります。たとえ従業員が自分だけだとしても、設立当初は何かと出費がかさむので注意が必要です。特に役員報酬を経費にするためには、金額を設定すると1年間は変更できないので設定金額は慎重に決めましょう。税理士報酬の目安個人事業主の時とは違い、法人の決算申告は必要になる書類が多岐にわたるため、経営者自身が自分で経理も兼任して対応することはほぼ不可能になります。そのためほとんどのケースで、法人設立と顧問税理士との顧問契約はセットになることが多いです。中には税理士費用を懸念して、自社で経理部を立ち上げてそこで全て処理しようとするケースもありますが、そうなると余計に給与コストがかかるので、規模が小さいうちはできるだけ税理士に会社の会計部門をアウトソーシングすることをおすすめします。税理士報酬は会社の規模によって異なりますが、最近では記帳代行で月額3万円程度と低価格な税理士法人も増えてきたので法人化を考えている人にとってはありがたいところです。ただ、税理士報酬で注意しなければならないのは毎月の顧問料よりも決算申告の費用です。決算申告費用は20万円以上が一度にかかるため、規模が小さいうちはキャッシュフローを圧迫します。法人の場合はたとえ赤字だったとしても、法人住民税の均等割が課税されるので、利益が出ていなくても資本金が1,000万円以下であれば7万円が課税されてしまいます。そのため決算時期のキャッシュが不足しないよう注意しなければなりません。法人化の条件と方法法人化のメリットとデメリットがわかったところで、具体的にどのような条件が揃ったら法人化すればよいのでしょうか。そもそも、事業拡大を目的として法人化するのであれば特にタイミングを考える必要はないので、今すぐにでも法人化したほうがよいでしょう。検討が必要になるのは、節税を目的に法人化する場合です。先ほども述べた通り、あまり法人化のタイミングが早すぎるとかえって経費がかかりすぎて年収が減ってしまう可能性も十分ありえます。法人化の目安は600万円個人事業主と法人の節税効果の分岐点は、個人と法人で計算方法や税率が異なるため一概にはいえませんが、概ね所得600万円が1つの目安となります。個人の所得税は累進課税で、所得が高くなればなるほど税率の上がり幅が大きくなるのである地点で法人税を逆転することになるのですが、その目安がおよそ600万円なのです。所得の分散で節税効果アップ個人事業主の場合は全て自分の所得になりますが、法人化すれば会社の利益を複数の人間に分散して所得を散らすことができます。所得税は所得が低いほど税率が低いので、自分の家族を従業員にして給与を支給することで、自分一人に所得が集中する時よりも課税される税金を節税することができるのです。例えば、個人事業主で1,000万円の所得がある人が法人化して所得を夫婦で500万円ずつ分けた場合、500万円ずつ分けた方の税率が下がります。給与所得による恩恵個人事業主の場合は事業所得となるものが、法人化した場合は給与所得として扱われます。給与所得は給与所得控除が使えるので、無条件に所得を引き下げて節税する効果があるのです。役員報酬の注意点自分で会社を設立すれば、自分に支給する役員報酬も自由に設定することができますが、これには一定のルールがあるため注意しなければなりません。役員報酬の改定については、決算日から3ヶ月を経過する日までに行わなければならず、毎月同じ金額にする必要があります。これを定期同額給与といいます。また、会社の決算期の途中で役員報酬を増額することも可能ではありますが、増額した部分は経費として認めてもらえないため注意が必要です。役員報酬を自由にいつでも変更できるとすると、会社の利益を見ながら役員報酬を操作して節税できてしまうため、役員報酬や役員賞与は上記のルールに従って設定するようにしましょう。法人化に必要な初期費用とは?株式会社の設立手続きにかかる最低限の費用は、資本金を別にして考えるとズバリ24万円です。思ったよりも安いと思った人もいるかもしれませんが、具体的な内訳について確認してみましょう。[adsense_middle]公証人認証手数料・・・5万円会社に関する基本的な情報を記載した会社定款という書類を作成して、公証役場で認証を受けるためにかかる手数料です。登録免許税・・・15万円会社を設立するためには、法務局で会社の登記申請をする必要があり、この際に登録免許税として15万円かかります。15万円は最低料金で厳密にいうと資本金×7/1000の計算式で登録免許税を算出します。定款の印紙代・・・4万円会社設立の時に作成する会社定款は、課税文書のうち第6号文書に該当するため、原本に4万円の印紙を貼る必要があります。行政書士に定款作成を依頼すると、電子定款といって紙ではなくデータで定款を作成してくれるので定款の印紙代を丸々節約することも可能です。上記をすべてトータルすると、5万円+15万円+4万円=24万円となり、これが株式会社設立時に最低限必要な初期費用となります。この他にも謄本の交付手数料として数千円程度、法人設立に必要な実印などの印鑑作成の実費(1~2万円程度)また、会社設立手続きを司法書士や行政書士に依頼すると、別途業務報酬として数万円程度がかかります。これら以外にも資本金の準備は必要ですが、設立費用だけであれば24万円で法人化できるので規模の小さな個人事業主でもハードルはそんなに高くないといえるでしょう。個人事業主&法人化に関するまとめ個人事業から法人化することで節税になるケースは多いですが、所得が600万円以下のうちは急いで法人化するとかえって年収が減る可能性があります。法人化すると毎月のランニングコストも増えるので焦りは禁物です。節税だけを法人化の目的とするのではなく、自営業からの事業拡大のプロセスとして検討するのが本来のセオリーではないでしょうか。
2020年02月25日働き方改革によって副業として個人事業を始める方が増えていますが、そんな人にとって最初の試練となるのが2月中旬〜3月中旬(2020年は2/17~3/16まで)に行わなければならない確定申告です。会社員の方は会社が年末調整をしてくれるので、確定申告を初めて経験する人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、個人事業主、自営業の方で初めて確定申告をする方向けに青色申告と白色申告の違いや手続きのポイントなどについて解説します。法改正が入って2019年までとは運用が変わる部分もありますので、その点も合わせて解説したいと思います。確定申告とはなにかそもそも確定申告とは、所得にかかる税金所得税および復興特別所得税を払うための手続きで、1月1日〜12月31日の1年間に発生した所得について、確定申告書や決算書などの必要書類を揃えて翌年の2月16日〜3月15日までに税務署へ申告・納税することです。申告の内容によって納税が必要になる人もいれば人によっては、反対に払いすぎた税金を戻してもらえる場合もあります。確定申告が必要になる所得以下の条件に当てはまる人は、会社員で年末調整をしている場合でも翌年に確定申告をする必要があります。配当所得があった人不動産所得があった人事業所得があった人退職所得があった人譲渡所得があった人山林所得があった人一時所得があった人雑所得があった人年金、副業による収入などがある人個人事業主の方は、自らの事業による所得を計算して確定申告を行います。確定申告せずに申告期限が過ぎてしまうと、本来納めるべき税金に加算税や延滞税といったペナルティが上乗せされてしまうので注意が必要です。所得とはなにか所得とは収入金額から経費を引いた金額です。たとえば事業による売上が900万円、人件費などの経費が600万円だった場合、残り300万円が所得になります。所得税は所得に対して課税されるので、個人事業主の方は売上から差し引ける経費について漏れなく申告することが大切です。確定申告と年末調整の違いとは始めて確定申告する方の中には、確定申告と年末調整を混同している方がいるのでまずはこの点について解説します。年末調整とは、給与から天引きされている所得税を年末に正確に計算し直して調整する手続きです。会社員の方の場合、毎月の給与から一律で約10.%が源泉徴収として差し引きして、年末の段階で適用できる控除制度などを正確に計算して過不足を精算します。会社員の人であれば、毎年秋から12月にかけて行うことが一般的で、通常12月の給与支払い時に精算が完了します。毎月給与から天引きされている所得税はあくまでも概算で、生命保険料控除などが反映されていないので、年末調整で正しい所得税額を算出し、足りない人からはさらに差し引き、支払いすぎている人には還付が行われます。所得税の納税は確定申告で申告するところ、勤務先で年末調整を行っていれば原則として確定申告をする必要はありません。ただし、副業で個人事業主になっている方や住宅ローン控除を利用する方などについては、年末調整をしていても確定申告する必要があります。これについては誤解が多いので、少し掘り下げて解説します。会社員でも確定申告が必要になる条件とは会社員で年末調整を受けている方でも、次の条件に該当する方の場合は確定申告が必要です。給与収入が2,000万円を超えている場合2つ以上の会社から給与を受け取っている場合配当所得や不動産収入などの副業が20万円を超える場合医療費控除、雑損控除などを受ける場合住宅ローン控除を初めて受ける場合その年の途中で退職し、再就職しておらず、年末調整を受けられない場合わかりやすくいうと、会社員の方でも副業の収入がある方、マンション・アパート経営などの不動産投資をしている方などについては確定申告が必要です。青色申告と白色申告の申告方法や流れの違い確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2パターンがあります。個人事業主をやっている方であれば、周りから青色申告をした方がいいというような情報は得ているかと思いますが、具体的に青色申告と白色申告で何が違うのかご存じでしょうか。個人事業主の方は事業の内容によっては、青色申告することで課税される所得税を低く抑えることが可能です。また、青色申告については今年法改正が入ってさらに特典が拡充されていますのでその点も含めて解説したいと思います。[adsense_middle]書類が単純な白色申告白色申告とは青色申告の承認申請をしていない方が行う確定申告です。個人事業における帳簿について、簡易式のもので対応できるので簡単な反面、以下のような税制上の優遇措置が受けられません。青色申告特別控除青色専従者給与に関する特例減価償却の優遇措置純損失の繰り越しこのように白色申告には特別控除がないため、節税効果はありません。青色申告にある赤字の繰越しや家族への給与を経費にできる特典も設けられていないので、個人事業主の方が確定申告をする場合、白色申告はあまりおすすめではありません。以前は複式簿記が面倒な人や、帳簿の作り方がわからないという人が白色申告を利用していましたが、平成26年の法改正により白色申告にも帳簿作成が義務づけられたため、白色申告と青色申告で手間の差は非常に少なくなりました。複式簿記による青色申告とは青色申告とは複式簿記による帳簿付けを行うことで、さまざま特典が受けられる申告方法です。昭和25年に導入された制度ですが、2020年に一部法改正が入りましたので、その点についても後ほど解説します。青色申告で控除できる金額青色申告の一番のメリットといえば、青色申告特別控除です。これまで青色申告特別控除は、所得から一律で65万円が控除されるという制度だったのですが、今回の改正で10万円ダウンの55万円の控除額に引き下げられました。これには青色申告のメリットを縮小したのではなく、別の意図があったのです。青色申告を利用するやり方青色申告で確定申告をするやり方としては、事前に管轄の税務署において青色申告承認申請書を提出しておく必要があります。基本的に提出だけしておけば、あとは複式簿記による帳簿を備え付けておけば問題ありません。青色申告承認申請書は、最初に青色申告をしようとする年の3月15日までに提出する必要があります。電子申告の推進青色申告特別控除が10万円分縮小されたわけではなく、電子申告によって青色申告をすれば引き続き65万円の特別控除が利用できます。電子申告とはインターネットを通じて確定申告をすることで、パソコンで作成した確定申告書をそのままインターネット経由で送信することで、申告から納税まで行うことができます。国はこれまでの紙ベースの確定申告から電子化を図りたいという思惑があり、その推進の一つとして電子申告することが65万円控除適用の条件としたのです。電子申告するためには、マイナンバーカードから電子証明書を読み取るためのICカードリーダライタが必要になります。マイナンバーカードが無い場合マイナンバーカードの発行を受けていない場合は、税務署に届出をすることで電子申告に必要なIDとパスワードの発行を受けて申告する仕方もあります。ただ、今後はマイナンバーカードによる電子申告に統一になると考えられますので、できれば今のうちからマイナンバーカードを使って電子申告したほうが良いでしょう。電子帳簿の作成と保存青色申告を利用したいけれど、どうしても電子申告することが難しいという場合は、仕訳帳などの帳簿類をパソコンに保存する電子帳簿保存を実施すれば、引き続き65万円の特別控除が受けられます。この場合は電子帳簿を備え付ける3ヶ月前までに、国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書を税務署宛に提出する必要があります。青色申告する場合の流れ同じ収入金額であっても、青色申告で確定申告を行えば特典が受けられる分税負担は軽くなりますし、特別控除により所得金額を抑えられるため、住民税や健康保険料も少なくなります。新たに青色申告を行なうには事前の届出が必要で、新規開業の場合は、開業から2ヶ月以内に所得税の青色申告承認申請書を所轄税務署に提出します。1月1日から1月15日に開業した場合は、確定申告期間の3月15日までとなっていますので早めに準備しておきましょう。基礎控除が10万円増額に2020年の確定申告から基礎控除の金額が38万円から48万円に増額となりました。基礎控除は青色申告と白色申告どちらの場合でも利用できるため、納税者にとってはとてもありがたい改正です。例えば税率23%の方の場合であれば、10万円の23%で2万3,000円税金が減ることになるため、個人事業主の方にとっては負担軽減となるため注目されています。ただし、48万円の基礎控除は所得総額2,400万円以下までという制限があるため注意が必要です。2,400万円を超えると徐々に控除額が減額され2,500万円を超えると0となりますので、高額所得者の方は留意してください。個人事業主の青色申告に関するまとめ確定申告は個人事業主の方にとって最も手間のかかる作業だといっても過言ではありません。なぜなら、確定申告の手続きだけやればよいということではなく、日々の記帳から徹底する必要があるからです。ひと昔前までは白色申告することで負担軽減をして着ましたが、現在は青色も白色も労力の差としてはほとんどなくなってきていますので、どうせ確定申告するならより節税効果の高い青色申告の方がよいでしょう。2020年からは電子申告か電子帳簿の保存をすることで、基礎控除も含めると合計で10万円分控除額が増えますので、今年が初めての確定申告という方や白色申告を利用しているという方は、ぜひこれを機会に青色申告することをおすすめします。
2020年02月23日こんにちは、婚活FP山本です。会社員なら会社が年末調整してくれますが、独立して個人事業主となったからには自分で確定申告をする必要があります。とはいえ、必要性は分かっていても最低限の知識がないと、何をどうしていいか分からない……と悩む方も多いのではないでしょうか。ぜひこの機に、そんな最低限の知識を身につけましょう。今回は、個人事業主向けに確定申告の流れや基本をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。確定申告の流れは売上や経費の確認からまずは確定申告の流れに沿って、基本をお伝えします。確定申告で初心者が最初にやることは、イキナリ書類に何か記入するのではなく、まずは一年間の売上や経費の数字を確認しましょう。ちなみに個人事業主は、毎年1月1日から12月31日までの収支を申告します。そもそも個人事業主なら、事業における売上や経費について「一定の帳簿」を付けるのが基本です。特に経費については、レシートや領収書などの証拠を元に申告するものといえます。しかし……中には、そういったことをせず、または定期的に記帳・管理していない方も意外と多いのが現実です。初心者なら尚更かもしれません。自分の数字や事情を自分で把握していないなら、確定申告できません。売上はともかく、特に経費については内容別に一つずつ数字を自分で調べて、自分の状況を把握するよう努めましょう。売上金額がわからない……等は、とっても危険売上や経費について、現金主義で今となっては金額がわからない……等は、かなり危険です。多少の相違なら大目に見てもらえる可能性もありますが、金額によってはペナルティを負わされるかもしれません。そんな時は近くの税理士、または税務署に早めに相談しましょう。個人事業主にとって、最低限の簿記知識・作業は必須といえるものです。ちゃんとやっていた方はともかく、そうでない方は今後のためにも考えを改めて確定申告に取り組みましょう。次の手順は確定申告書類への記入!自分で自分の数字を把握したら、次の手順は確定申告書類への記入です。ちなみに記入は、最近では国税庁のHPにある「確定申告書等作成コーナー」を利用するのが一般的といえます。なお、ざっくりと確定申告書類を説明すると、以下の通りです。所得税青色申告決算書(青色申告の場合)、または収支内訳書(白色申告の場合)確定申告書Bそれぞれ複数枚ありますが、簡単にいえば所得税青色申告決算書(または収支内訳書)で「事業のこと」を申告し、確定申告書Bで「個人のこと」を申告します。また前者には「勘定科目などの簿記知識」、後者には「各控除などの税金知識」がそれぞれ最低限必要かもしれません。どちらか一方ではなく両方を提出してこそ確定申告ですから、なるべく漏れのないようがんばって書いてみましょう。青色申告承認申請書は出した?税務署に「青色申告承認申請書」を提出することで、あなたも青色申告することができます。提出していなければ白色申告です。簡単にいえば、青色申告のほうが少し細かい申告が必要になる代わりに一定の特典を受けられます。具体的には、以下の通りです。青色申告特別控除:65万円控除赤字の繰り越し:3年間、利益と相殺できる青色専従者給与:家族への給料も経費にできる(一定の届出書が必要)状況にもよりますが、基本的には青色申告のほうが得になります。上記の書類を提出していないのなら、ぜひ提出を検討しましょう。確定申告に必要なものを揃えよう!今度は、確定申告に必要なものをお伝えします。確定申告は先ほどの2種類の書類を提出するわけですが、その時に必要に応じて一定の書類添付が必要です。具体的には、以下のものを(あるのなら)添付して提出します。無ければ不要です。医療費の明細書や領収書(医療費控除)国民年金保険料の領収書(社会保険料控除)寄付金の受領書など(寄付金控除)生命保険料控除証明書(生命保険料控除)地震保険料控除証明書(地震保険料控除)この通り、基本的には「個人のこと」に関する書類です。他に、住宅ローン控除に関する書類や源泉徴収票を提出する場合もあります。なお、事業については源泉徴収された税金がある場合、取引先からもらえる「支払調書」の添付が必要です。ちなみに「事業のこと」に関する帳簿や領収書などは提出する必要はありません。ただし、5~7年の保存義務があります(税務調査のため)から、捨てずに取っておきましょう。書き方、作り方が分からないなら税務署へ相談を!初めて確定申告をする、または簿記や税金に関する知識が乏しい場合、どうしても書き方や作り方が分からないという場合もあるでしょう。そんな時は適当に書き上げるとかえって危険ですから、税務署へ行って、署員の方に相談しながら書類を作り上げることをおすすめします。近くの税理士に相談・依頼という手もありますが、その場合は無償ではありませんからね。自分で確定申告書類を書き上げるのに限界を感じたら、早めに税務署へ相談しましょう。[adsense_middle]確定申告書類の提出方法は3種類?添付書類とともに確定申告の準備が整ったら、あとは実際に提出するだけです。確定申告書類の提出方法には、以下の3種類の方法があります。税務署へ郵送する税務署へ持参するe-Tax(電子申告)を利用する(事前の一定の手続きや機器の準備が必要)ネット全盛期な現代ですが、まだ確定申告についてはネット完結が一般的とはいえない状況です。なお、2019年1月からスマホでの確定申告書の作成・提出も可能となりましたが、事前に一定の手続きが必要なのはe-Taxと変わりません。ちなみに提出後の確定申告書(税務署の印が押してある控え)は、銀行などで融資を受ける際に必要となります。他の書類とともに、大切に保管しておきましょう。初めてなら営業途中に行ってみる?ほとんどの方は、税務署へ行くことなど滅多にありません。一度は行っておくのもアリではないでしょうか。確定申告が初めてなのであれば、営業途中にでも立ち寄って書類を持参のうえで提出するのもアリといえます。将来的にお世話になるかもしれませんからね。ちなみに確定申告書類を持参すると、その場で署員が内容を簡単に確認してくれますから、ミスによる二度手間も回避できます。なお、基本的には住所を管轄する税務署に提出しますが、特例(一定の書類が必要)によって、事業所在地を管轄する税務署へ提出することも可能です。ぜひ覚えておきましょう。確定申告の期間には注意が必要!ここからは、個人事業主の確定申告について補足していきます。まず確定申告の期間は、毎年「2月16日~3月15日」です。この間に確定申告をして、納税も済ませます。遅れるほどに延滞税が発生する可能性がありますから、できる限り、この期間中に済ませましょう。一方、確定申告では納税ではなく税金を返してもらうケースもあります。これを還付申告といいますが、この場合は上記の期間とは関係なく、翌年1月1日から5年間することが可能です。もし過去分で還付申告できそうなものがあるなら、試してみるのもアリかもしれません。やり方の相談などは期間前がおすすめ?2月16日~3月15日の確定申告期間中やその前後は、税理士や税務署などの税金関係先は皆が大忙しです。ちょっと相談したいと思っても、手一杯で満足な相談ができない可能性が高いといえます。できれば、確定申告のやり方の相談などは期間前にすると良いでしょう。幸い、確定申告は1月1日~12月31日の分を申告するわけですから、1ヶ月半ほど猶予があります。年が明けたら、すぐに確定申告に取り掛かるような計画で挑みましょう。個人事業主の確定申告はメリット一杯!先ほども触れましたが、個人事業主は確定申告、特に青色申告をすることで、様々な恩恵をメリットとして得られます。少なくとも、何らかの源泉徴収された所得税があるのであれば、その所得税を返してもらえる可能性があるわけです。やらないという手はないでしょう。それに一般的な開業したての個人事業主は、十分な売上が立たずに経費ばかりかかっていることがほとんどです。そんな経費による赤字分について、確定申告をすれば将来的に売り上げが立った時には利益と相殺できることになります。将来を見越せば、確定申告したほうが圧倒的に得でしょうね。さらに65万円を経費に上乗せできますし、家族へ支払う給料さえ経費にできます。経費を増やせるほどに計算上の利益を減らせ、総じて支払う税金も減らせるわけですから、ぜひ確定申告しましょう。ペナルティを避けるためにも確定申告しよう確定申告しなければならない人が怠ると、一定のペナルティが発生する可能性があります。具体的には以下のようなペナルティです。延滞税:申告が遅れた場合、7.3%~14.6%無申告加算税:申告しなかった場合、15%~20%重加算税:悪質な場合、35%~40%ハッキリいって、どれを取っても極めて重いペナルティといえます。一番安いものでも、上回る金融サービスを探すのが大変といえるレベルです。ちなみに上記を上回ると、「脱税」として刑事罰になります。得をするためにも、ペナルティを避けるためにも、確定申告は「するのが基本」と心得ましょう。[adsense_middle]自分でやるのが大変なら税理士へ依頼を!ここまでお伝えしてきた通り、確定申告は「するのが基本」です。したほうが得なことも多いですし、余計なペナルティも負うことがありませんからね。しかし……全ての個人事業主が簿記や税金の知識を有してから開業しているわけではありません。作業や勉強に相応の時間も必要です。どうしても自分でやるのが大変なら、税理士に依頼するという手もありますから、これを検討したほうが無難かもしれません。代わりに相応の報酬を支払う必要がありますが、それだけで確定申告に関係する大部分の作業や勉強をしなくてもよくなります。また相応に売上が伸びてきた頃には税務調査が入る可能性がありますが、税理士が付いているか否かで大きく結果が変わることもあるのが実情です。税理士には経営上の相談もできますから、そういう意味でもおすすめといえます。会計ソフト等で自分でもがんばろう!確定申告は税理士に丸投げすることもできますが、その分だけ料金も割高になるのが基本です。それに丸投げでは、いつまでたってもあなた自身の簿記や税金の知識は増えません。事業に集中したい気持ちもあるかもですが、少しは自分でも覚えたほうが賢明です。幸いなことに、最近では優秀な会計ソフトも沢山登場しています。依頼した税理士が使えるソフトを教えてくれることもあるほどです。それらを使って、自分でも会計に挑むことも検討しましょう。税金は売上が伸びるほどに気になるもの最後に、簡単な税金の基本についてお伝えします。そもそも税金というのは、以下のように計算するのが基本です。これは会社員の給料であっても同じ理屈になります。売上-経費=利益×税率=税金簡単にいえば、利益が多くなるほどに税金額も多くなるわけです。だからこそ、売上が少ない開業初期は気にしない人もいる一方、相応に売上が伸びてきた頃には誰もが気にします。売上が伸びるほどに税務署から目を付けられやすくなりますから、尚更です。ただ、売上が伸びるほどに会計も税金も複雑化することも多いので、自己管理が難しくなってきます。まだ簡単な初期段階のうちから、売上とともに少しずつ慣れていきましょう。節税方法を知り、有利に確定申告しよう会社員とは違って個人事業主なら、いくらでも自分の決定で経費を増やすことができ、総じて節税もできます。しかし、ムダに経費を積み上げるのは「自分の個人家計」の観点では損です。だからこそ、個人事業主であっても相応の節税方法を知ったほうが有利になります。一般的な開業したての個人事業主なら、事業と家計のお金が一緒ということも多いので尚更ですね。ぜひこれから、少しずつでも勉強を重ねて、有利に確定申告していくことをおすすめします。個人事業主なら確定申告は必須!個人事業主なら、営業や事務作業だけでなく、会計や確定申告も自分でやるのが基本です。どうしても触れたくないなら、税理士への依頼が必須といえます。やった方が得、やらなかったらペナルティを食らうと考えて、これからしっかり対応していきましょう。
2019年11月14日自分で事業を立ち上げる場合、健康保険、労災保険などの社会保険はどうなるのしょうか。事業の代表者として、社会保険にを放ったらかしにしておくと「知らないうちに法律違反をしていた」「思っていたよりたくさんの保険料がかかってしまった」ということになりかねません。今回は、個人事業主の社会保険について解説します。そもそも、個人事業主とは自分がリーダーになって事業を始めるには、大きく2つの選択肢があります。法人を立ち上げて、その代表者になる個人事業主になる法人…株式会社、合同会社など法人を立ち上げるには、必要な書類を揃え、法務局で申請をするなどの手順があります。社長1人しかいなくても会社は作れますし、合同会社の場合、5万円もあれば設立登記も可能です。株式会社の代表に就任すれば「代表取締役」、合同会社であれば「代表社員」を定めて経営者になります。個人事業主…個人名や、屋号で活動会社を立ち上げずに、個人で継続して事業を行う場合は「個人事業主」です。1人で事業を行う場合に限らず、従業員を雇って事業を行う場合もあります。”オフィス〇〇”、”〇〇商店”など屋号を付けることもできます。同じ”自営業”でも、個人にするか・法人にするかで社会保険の扱いは大きく違います。個人事業主になった場合、社会保険はどうなるのでしょうか?個人事業主でも、社会保険に加入?個人事業主である”代表者自身”は、社会保険の対象になりません。労災保険を除いて、任意に加入することもできません。ただし、経営する事業所には社会保険が適用されることがあります。つまり「事業主は」社会保険に加入できなくても、雇っている「従業員を」社会保険に加入させる必要があります。個人事業主でも、従業員数や業種によって、従業員を社会保険に加入させる手続きや、社会保険料の支払いをしなければいけないのです。各社会保険が適用される条件社会保険の種類ごとに詳しく確認しましょう。「厚生年金保険と健康保険」、また「雇用保険と労災保険」では、互いの取り扱いが似ているところがあります。[adsense_middle]1.厚生年金保険・健康保険老齢・死亡・障害状態のとき、年金が受け取れる厚生年金保険。また病気やケガのとき、治療にかかる負担額を抑えてくれる健康保険。行っている事業が「強制適用事業所」に該当する場合は、厚生年金保険・健康保険が適用されます。ただし、個人事業主自身は厚生年金保険・健康保険に加入できません。従業員数・業種によって、社会保険の加入義務個人事業の場合、次の2つをどちらも満たす場合に、強制適用事業所になります。常時5人以上の従業員がいること適用業種であること(例…製造業、金融業、保険業、医療業など16業種)なお、一定の船舶も強制適用事業所になります(厚生年金の場合)。強制適用事業所ではない場合は?従業員が5人未満の場合や、非適用業種の場合は、当然には厚生年金保険・健康保険が適用されません。「暫定任意適用事業」と呼ばれ、次のステップを踏んで、適用事業所となることができます。労働者の2分の1以上の同意を得る事業主が申請する厚生労働大臣が認可するなぜ、わざわざ申請して、社会保険の適用事業所になるの?求職者や従業員にとっては、自分で支払う「国民年金・国民健康保険の保険料」は大きな負担です。そのため”社会保険完備”の職場を選ぶ求職者も多いでしょう。求人の際にプラスに働く可能性があります。2.雇用保険失業、休職、職業訓練などの際に、給付を受けられる雇用保険。労働者を1人でも雇うと、雇用保険が強制的に適用される事業所となります。ただし、個人事業主自身は、雇用保険に加入できません。農林水産業では加入がゆるやか個人経営で、農林業・畜産業・養蚕業・水産業(船員を雇用する場合を除く)、かつ常時5人未満の労働者しかいない場合は、「暫定任意適用事業」となります。当然には雇用保険が適用されません。暫定任意適用事業の場合は、厚生年金保険・健康保険と同様に、適用事業となるよう認可の申請をすることができます。3.労災保険仕事中のケガなどに対し、治療費や収入を補填してくれる労災保険。労働者を1人でも雇うと、労災保険が強制的に適用される事業所となります。ただし、個人事業主自身は、この”労働者”にはあたりません。個人経営で、農林水産業、かつ雇用する従業員の数が一定数以下(危険作業のない農業の場合は5人未満、など)の場合は、「暫定任意適用事業」となります。当然には労災保険が適用されず、適用事業となるよう認可の申請をすることができます。事業主は、希望があれば労災保険に加入できる個人事業主自身は、通常は労災保険で保証されません。ただし、希望する事業主が”特別に加入”できる制度があります。中小事業主の特別加入従業員数の少ない中小事業の代表者は、労災保険の「特別加入」を申請できます。なお、特別加入するためには、労働保険の事務処理を「労働保険事務組合」に委託します。一人親方の特別加入人を雇わずに、次の個人事業をしている場合も、労災保険の特別加入を申請できます。個人タクシー、個人運送業大工の一人親方林業、漁業など一人親方で組織する組合などを通して、申請する必要があります。妻や子供が、雇用者の場合は?従業員が、同居している親族”のみ”の場合、これらの親族は「労働者」とはみなされません。同居の親族以外にも従業員がいる場合は「ほかの従業員と同じように、事業主の指揮命令に従っていることが明確である」などの条件を満たして、各社会保険に加入できる場合があります。個人事業主自身が、社会保険に加入する方法ここまで見てきたように、労災保険を除いて、個人事業主自身は社会保険に加入できません。事業主が社会保険に入りたい場合はどうすればよいでしょうか。社会保険に加入したいなら”会社をつくる”個人事業主と異なり、代表取締役などの「法人の代表者」は、加入できる社会保険が増えます。社会保険に加入すると、負担が増える?社会保険に加入すれば、もちろん保険料を支払わなくてはなりません。会社員として勤めていると、保険料の負担は2分の1です。しかし経営者としては、残った2分の1も会社負担分として納付しなければなりません。従業員に支払う給与や自分が受け取る報酬に、上乗せして負担がかかります。事業主+事業主の家族の保険料=安くなることもいっぽうで、社会保険に加入できない事業主は「国民年金保険料」や「国民健康保険料(国保)」など、別の保険料を納める必要があります。国民健康保険料は世帯人数に応じた保険料がかかるため、扶養する家族がいると特に割高になりがちです。家族がいる”ひとり社長”は、社会保険に加入することでかえって保険料が安くなる可能性もあります。国保だけでは保障が不安だから…と、さらに民間の保険に加入している場合もあるかもしれません。社会保険に加入することで、こうした保険は節約できます。個人事業主の社会保険に関するまとめ事業をスタートする時、個人で始めるか、法人を立ち上げるかは、大きな選択肢です。その判断材料には「税金がお得なのは」「事務作業の手間は」「取引先からの信用は」といったもののほか、「社会保険」も必須の事項として考える必要があります。個人事業にも社会保険料がかかる場合があることや、個人事業主自身は社会保険に加入できないことなど、ポイントを押さえておきましょう。
2019年11月13日第1子出産時は専業主婦だったのですが、その後個人事業主として開業し、第1子が4歳のときに第2子を妊娠しました。そのときにいくつか困ったことがあったので、紹介したいと思います。 産休・育休がとれない当然のことですが、どこかの会社に雇われているわけではなく自営業なので、産休・育休という制度がありません。労働基準法では産前6週間と産後8週間は休業と定められおり、それ以上休みたくても出産・育児のための休暇とは見なされないのです。そのため、それ以上休んでしまうと「第1子も家庭保育が可能」と見なされてしまい、第1子が保育園を退園させられてしまう可能性がある、と保育園や行政から言われました。もしそれが嫌なら、第2子も生後2カ月で保育園に預けて働いてください、ということでした。2歳から通っていた保育園を退園させられてしまうのは子どももかわいそうでしたし、私としても不本意極まりないことでした。かといって、生後2カ月で子どもを預ける気にもなれませんでした。 何度も行政担当者と話し合い、なんとか生後6カ月までは第2子を自宅でみて、第1子は保育園に通えるようにしてもらいました。 収入がなくなる自営業者は雇用保険に入れないので、出産手当金や育児休業給付金などはもらえません。誰かを雇っているわけではなく個人で仕事をしているので、仕事を休んでいる間は収入がゼロ。産休・育休はもう少し長くとりたい、でも休んでいると収入はない⋯⋯。女性の個人事業主として、これはとてもつらく悩ましい現実でした。 取引先にもできるだけ迷惑をかけぬよう、結局産前はギリギリまで仕事をしていました。 仕事がなくなる不安自分が出産のために仕事をお休みすることを、すべての取引先に伝える必要があります。みなさん「おめでとうございます、頑張ってくださいね!」と応援してくださるのですが、産後にまた仕事を依頼してくれるのか、これまで引き受けていた仕事が他の方に回ってしまうのではないか、産後に仕事がなくなったらどうしよう⋯⋯という不安も大きかったです。しかし、そこで仕事が途切れてしまった場合は自分の力不足だったということ。気持ちを切り替えて出産に挑み、産後も仕事を整理する良い機会だと捉えるようにしていました。 働き方改革や女性の社会進出などが叫ばれている昨今ですが、既存の労働基準法を見てみると主に男性向けにつくられているんだろうな⋯⋯と感じることが多いです。妊娠・出産・育児を経験する女性が、もっと臨機応変に仕事や生活のスタイルを選べる社会になってほしいものです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じてお住いの地域の行政・保育課などに相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2019年10月22日一年の終わりが近づいてくると、会社や個人事業主の事業所で勤務されている方は年末調整の用紙を渡されて記入を会社からお願いされるかと思います。その際、提出期限を区切って提出を頼まれることがも多いかと思いますが、その提出期限を過ぎてしまうとどうなるのでしょうか?また書類には、実際のところどのような意味があるのかについても気になるところです。そこで今回の記事では、年末調整の提出期限の意味や年末調整に必要な書類などの年末調整の疑問点について紹介していきます。年末調整の概要・記入書類年末調整の概要年末調整とは、会社や事業所で勤務されている方が毎月概算で源泉徴収されている源泉所得税を、最終的に個人の計算期間である1月分から12月分までに源泉徴収された所得税と、実際のその人の所得税の金額を計算して差額を調整する処理のことをいいます。そして会社では税金の差額を調整し、1年間の収入を確定させて源泉徴収票という書類を発行する流れとなります。例えば、毎月の概算の所得税が実際の所得税よりも多かった場合は還付、少なかった場合は不足ということで所得税の差額を従業員に戻したり、徴収したりします。年末調整で記入する書類一般的には記入を依頼される書類として給与所得者の扶養控除等申告書と給与所得者の保険料控除申告書のセットを渡されるケースが多いです。どちらの書類にも上段に自分の住所と氏名などを記入する欄があるのですが、若い人の中にはまだ扶養家族もなく、民間の保険にも特に加入していないという人がいるため、上段の住所と氏名などを記入して提出という場合があります。このように記入する箇所が少ないと、とても楽に感じますが各書類の提出にはどのような意味があるのでしょうか?次に各書類の概要について紹介していきます。給与所得者の扶養控除等申告書会社や事業所で書類の記載を依頼される場合に、渡される書類です。内容としては個人の状況や扶養親族の人数を記入する書類になります。例えば前年と同じ扶養人数のままで毎月の所得税を差し引いているケースの場合、年末調整の提出の際、扶養親族が扶養から外れていた場合などは年末調整の計算によって所得税の金額が不足していることが考えられます。このように前年と今年とで扶養親族の扶養状況などが変わっている場合は、年末調整で所得税の差額が計算される場合があります。給与所得者の保険料控除申告書主に民間の保険会社に保険料を支払っている場合などに、記載していく書類になります。下記に各控除について記載していきます。生命保険料控除民間の保険会社に保険料を支払っている場合、保険料控除証明書という書類が届くので、これらの書類をもとに必要事項に記載していきます。生命保険料控除は一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類の項目があり各項目で最大4万円までを控除することができます。(合計で最大12万円が保険料控除になります。)なお記載については保険料控除証明書にどの項目に該当するのか、新保険料か旧保険料かなどが表示されているため、それらを参考にして記載していきます。地震保険料控除建物などに保険をかけている場合、地震保険料控除証明書という書類が送られてきます。この書類を参考に地震保険料控除の欄に記載をしていきます。社会保険料控除勤務先の会社や事業所で社会保険に加入していない場合は、その年の国民健康保険料と国民年金の支払金額を記載していく形となります。また、会社や事業所で社会保険の加入をしていても国民健康保険料や国民年金を支払っている場合もあります。(例:前職で社会保険の加入がなく、新しい勤務先で社会保険に加入した場合など)そのような場合もやはり、その年の国民健康保険料と国民年金の支払金額を記載していきます。小規模企業共済等掛金控除例としてiDeco(イデコ)などの確定拠出年金への支払が挙げられます。確定拠出年金などの支払をしている場合も小規模企業共済掛金払込証明書などの書類が送られてきますので、その書類をもとに記載をしていきます。これらの控除が何もとれないという人が、特に若い人に多い傾向にあります。もしこれらの控除をとれるのであれば、面倒がらずに積極的に記載していくことをおすすめします。年末調整にはなぜ期限があるの?会社や事業所から年末調整の用紙の記入について依頼される場合は、いつからいつまでに提出して下さいなどと期限を区切られている場合が多いのですが、ここではなぜ期限が区切られているのかの理由について紹介します。[adsense_middle]毎年、源泉徴収の結果を調整する月が決まっているため年末調整は毎年行われている手続きなので、その調整する月も会社や事業所によって毎年のルールがある場合が多いです。例として年内に年末調整の処理を完了させてしまう会社もあれば、年明けに年末調整の処理を完了させる会社もあります。このように会社によって年末調整を完了させる月は違いますが、会社ごとに年末調整の結果を調整する月に間に合わせるために期限を区切る場合が多いのです。給与支払報告書という書類の提出期日に間に合わせるため会社や事業所では、各従業員の年末調整の計算後、給与支払報告書という書類を作成します。この書類は、毎年1月31日までに会社や事業所で計算された年末調整の結果を各市町村に提出する書類です。この給与支払報告書を提出することによって、各市町村ではその会社や事業所が、給与として従業員にどのくらいの金額を支払っているのか、住所はどこなのかなどの個人情報を把握することができるようになるのです。年末調整で収入が確定する最終的には確定申告で収入が確定するという例外はありますが、基本的には給与所得者の方は、年末調整でその年の収入が確定する形となります。市区町村では、年末調整で計算された収入をもとに作成された給与支払報告書によって各個人のその年の収入を把握します。そしてその把握した収入をもとに住民税の計算をします。以上の理由から年末調整は、各種の手続きの土台となる重要な手続きであると言えるのです。会社への提出締め切りに間に合わない場合はどうなるの?年末調整の処理を担当している部署などから、いつまでの締め切りに間に合わない場合は、会社では年末調整をしないので確定申告を行ってくださいと言われることはないでしょうか?前の記事で少し上述しましたが、基本的に給与収入を得ている給与所得者の人は年末調整によって収入が確定する形となります。しかし会社の締め切りに間に合わず、年末調整で正しい処理ができなかった場合や、年末調整で処理できない項目がある場合などは、その人自身が確定申告を行うことで最終的に収入が確定する形になります。つまり収入の確定の流れとして第一段階として年末調整、最終段階として確定申告というイメージになります。ここでは詳細について紹介していきます。会社への書類の提出が間に合わない場合基本的には会社や事業所で、扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書の二枚を渡されて、いつまでの締め切りに提出して下さいと言われる形かと思います。しかし日々の業務に忙殺されてしまい、書類の準備を忘れてしまったり、準備が遅れてしまったりといった具合に締め切りに間に合わない場合もあります。このような場合、会社では、その人の年末調整は未済という形で源泉徴収票を発行します。こうして発行された源泉徴収票は年末調整がされていない形の書類となるため、最終的には自分で確定申告をして税金の差額を調整する必要が出てくるのです。年末調整では処理できない項目がある場合給与所得者の人は、年末調整でその年の収入が基本的には確定する形となります。しかし次のような項目がある場合は年末調整で処理できない項目になるため、最終的に確定申告を行って収入や税金を確定させる形となります。その会社での収入以外の収入がある場合ふるさと納税をした場合初年度の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)医療費控除上記の他にも年末調整できない項目はありますが、給与所得者の人の確定申告の注意項目として主に上記が挙げられます。確定申告について年末調整が正しくできなかった場合や、追加項目がある場合は最終的に確定申告を行うことによって、その人の収入や所得税の税額などが確定します。ここでは確定申告について紹介していきます。[adsense_middle]確定申告の期限耳にする機会があるかもしれませんが、所得税の確定申告の期限はその年の3月15日までとなります。個人の人の所得税の計算期間は、その年の1月から12月までと定められていますが、その間の書類をまとめて約2ヶ月半で計算して確定申告書を提出する流れとなります。確定申告については基本的には自分で必要書類を集めて書類の提出をしなければなりません。次に主に給与所得者の方が確定申告をする際に必要な書類について紹介していきます。確定申告の必要書類確定申告書給与所得者の確定申告書の書類は確定申告書Aという書類になります。確定申告をする場合は、紙で提出する方法と電子申告をする方法があります。作成については国税庁のHPに確定申告書等作成コーナーというページがあるため参考にしてみて下さい。源泉徴収票2ヶ所から給与をもらっている場合は、源泉徴収票がそれぞれの会社や事業所から発行されます。源泉徴収票は、その人の1年間の収入金額、給与から天引きされた所得税の金額や社会保険料の金額などが記載されています。確定申告ではそれらの数字を使って入力していきます。その他の追加項目給与所得者の方が、2ヶ所から給与をもらっている以外に年末調整では処理できない項目は上述したとおり、主にふるさと納税をした場合や、住宅ローン控除を初めて行う場合、医療費控除を確定申告で行う場合などが考えられます。ここでは各項目について紹介していきます。ふるさと納税をしている場合の必要書類自分が応援したいと思う自治体に寄附をするふるさと納税を行っている人も多いかと思います。この場合、確定申告を行うことで寄附金控除という控除が取れるため、最終的に計算される所得税の金額が少なくなる形になります。必要書類としては寄附金受領証明書という書類が必要となります。寄附金受領証明書は寄附をした自治体から発行される書類で、おおよそ申込完了日から2ヶ月くらいで発行されるケースが多いようです。医療費控除を行う場合の必要書類必要書類としては、医療費の明細書もしくはそれに代わるエクセルなどで医療費を集計した書類になります。医療機関受診の際、受け取る領収書を1年分取っておくか、協会けんぽから送られてくる医療費のお知らせを参考に書類を記入する形になります。初年度の住宅ローン控除を行う場合の必要書類住宅ローン控除は住宅借入金等特別控除ともいい、2年目からは年末調整での処理が可能ですが、初年度だけは確定申告によって書類の提出をしなければいけない形となっています。必要書類としては主に下記のとおりです。建物・土地の不動産売買契約書のコピー建物・土地の登記事項証明書住民票(本当にその人がその住所に住んでいるのかを税務署で確認するため必要となります)借入金残高証明書(金融機関から発行されます)住宅借入金等特別控除額の計算明細書初年度の住宅ローン控除がある確定申告については、上記の他にも書類が必要となる場合もあり複雑になる傾向があります。もし今回の記事を見て、自分で申告を行うのが難しそうと感じた場合は税理士などの専門家に依頼するのも1つの方法です。年末調整のしかた・年末調整はいつまでかに関するまとめ年末調整は、毎年書類の提出を頼まれるので面倒だと思う人も多いのではないでしょうか?方法としては、会社の締め切りに間に合わなくても確定申告という最終の手段があります。イメージとしては年末調整よりも自分で行うため面倒になりますが、更に期限を延ばすことが可能です。しかし、年末調整では処理できない項目がある場合に確定申告をするのは仕方ないことですが、基本的には会社の年末調整で手続きを終わらすことができるのであれば、確定申告をしなくても済むよう締め切りまでに書類の提出をするのが、結局は手間が省けることになるためおすすめです。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
2019年10月10日「彼としょっちゅう喧嘩する」「喧嘩が多いのは、2人が合わないってこと…?」など、彼と喧嘩中の女性の頭の中では、彼との別れを前提に、色々な自問自答を繰り返していることでしょう。確かに、筆者も「喧嘩するほど仲がいい」という言葉は、あまり信用していません。やはり、喧嘩をしない関係の方が良好な関係を築くことができると思うからです。しかし、せっかくいただいたご縁ですので、簡単に別れを決断するのももったいない気がしませんか?この記事では、喧嘩した彼との別れを考えている女性へ向けて、別れを考える前に考え直すべきことについて紹介していきます。男女が喧嘩になってしまう主な原因とは男女が喧嘩になってしまう原因はパターン化していて、だいたいのカップルが同じことを理由に喧嘩しています。世の男女が喧嘩になってしまう主な原因についてまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね!(1) お金にまつわること金銭感覚が同じではないカップルは、お金にまつわる喧嘩が増えてしまうことに。しかも、お金にまつわる喧嘩が増えてしまうと、同時に相手への信頼も失ってしまいます。お金にまつわる喧嘩が発端となり離婚するカップルもいるくらいなので、お金にまつわる喧嘩は避けた方がいいでしょう。ただし、あなたが理解できない程、彼がお金にルーズだというのであれば、自分を守るためにも別れを考えることをおすすめします。お金のトラブルに巻き込まれないように注意してくださいね。(2) 時間にまつわること男性と女性とでは、時間の使い方が異なるもの。自分が好きなことをしている時、男性はまるで時間が無限にあるかのように何時間でも没頭してしまいますが、女性は時間を気にしながら楽しもうとします。友達と飲みに行ったまま帰って来ない彼に対し、「帰りが遅い!」ということに腹立てたことがある女性も多いのではないでしょうか。何度言っても直らない彼にうんざりしつつも、ついつい注意してしまい喧嘩に発展なんてケースは多いようです。(3) 愛情表現にまつわること女性はいつでも彼に愛情表現をしてほしいですよね。しかし、愛情表現が照れくさいと感じる男性たちは、なかなか愛情表現をしてくれません。彼の愛情表現不足を不満に思う女性は多いのですが、自分の気持ちを彼に伝えたところで、彼はもっともっとドライな反応を見せるだけ。その反応を見て、さらにイラッとしてしまい喧嘩になるというケースも多いようです。この問題についての解決策については、この後紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。彼と喧嘩した時に考え直したいこと彼と喧嘩した時は、私たち女性にも考え直すべきことがあります。「彼が悪いから喧嘩になった」と思うのでは、互いの気持ちは一方通行のまま。万が一、別れたとしても後悔が残る可能性が高くなってしまいます。では、どんなことを考え直すべきなのか、見ていきましょう。(1) 彼の気持ちを理解しようと努力したか彼との関係が上手くいかない時は、彼に原因があるばかりではありません。もちろん、女性側にも原因はあります。きちんと彼の話を聞き、彼の気持ちを理解しようと努力しましたか? 喧嘩になった時、彼の意見を聞かず一方的に責めてしまいませんでしたか?世の中の男性は、自分を否定する人をいつまでも好きでいられるほど、優しい男性ばかりではありません。彼からの愛情表現が減ってしまったのも、彼を理解しようとしなかったことが原因となっている可能性もあるので、まずは彼の気持ちを理解しようと努めることが大切です。(2) 勢いだけで別れようとしていないか喧嘩をした時は、本当に1人が気楽だと感じますし、「もっと自分を分かってくれる人がいい」と思ってしまいます。しかし、勢いで別れようとするのはNG。きちんと自分の中で限界が来た時に別れを決断するようにしましょう。今、彼のことを想像してみてください。彼の欠点しか思い浮かばないですか? 彼の良いところや彼の笑顔が思い浮かぶのであれば、まだまだ別れるのは早いという証拠。別れを決断するのは一旦保留にし、自分を落ち着かせてみましょう。(3) 求めるだけではなく与えることができているか恋愛は求めるだけでは成立しません。与えることも大切です。恋愛が上手くいかなくなった時は、ギブアンドテイクのバランスが崩れていることが多いもの。彼に与えることができているかを振り返ってみましょう。喧嘩した後、彼が謝ってくるのを待っていませんか? 時には自分の方から折れてみましょう。男性はプライドが高い生き物なので、なかなか素直に謝ることができないのですが、女性側が謝ってくれたら彼も本心をさらけ出しやすくなります。まとめ彼との喧嘩が続く時は、すぐに別れを決断するのではなく、何かできることはないかを考え直すことからはじめてみましょう。もともとは、好き同士でお互いを認め合っていたのですから、努力すれば必ず前のような関係に戻ることはできます。恋愛を楽しく長続きさせるためには、自分中心な考えを手放すこと。そして、相手を理解しようと努力することが必要です。どう努力しても彼のことを理解できなくなった時は、別れを検討しても良さそうです。
2019年09月15日住宅ローン控除と個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、どちらも節税メリットがあります。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは、簡単にいうと、自分でつくる年金制度のこと。しかし、控除の金額と拠出金額のバランスで、住宅ローン控除のメリットがフルにいかせなくなる場合があります。あなたの場合は実際どうなのか、調べてみましょう。■ 1.まずは2つの控除の仕組みを知るfreeangle / PIXTA(ピクスタ)2つの控除は「どの段階で控除するか」が異なります。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)では、課税所得から年間に支払った拠出金額全額分を差し引きます。そこから税金計算を行い、算出した税額から住宅ローン控除を差し引きます。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、老後の資金を作るため積立投資を行うものです。拠出金が全額控除になることから節税効果があります。運用益も非課税になり、受け取り時も税制優遇されお得です。r.s / PIXTA(ピクスタ)また、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用になります。運用にあたっては、運営管理機関の手数料などがかかり、その額は運用機関によって異なります。掛け金には限度額があります。・自営業者などの「国民年金第1号保険者」 は国民年金基金と合算で6万8,000円/月(付加保険納付者は6万7,000円/月)・会社員が加入できる「国民年金第2号保険者」は1)企業年金なし、企業型確定拠出年金なし 2万3,000円/月2)企業年金なし、企業型確定拠出年金あり 2万円/月3)企業年金あり 企業型確定拠出年金あり、なしにかかわらず一律1万2,000円/月4)公務員 1万2,000円/月・専業主婦などの「国民年金第3号保険者」は2万3,000円/月となっています。住宅ローン控除とは住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高の1%が税額から10年間または13年間控除される制度です。控除を受けるためには、年収が3,000万以下である、住宅ローンの返済期間が10年以上あるなどの要件を満たす必要があります。対象者は2009年から2021年12月末までの間に入居した人なら、所得税額から住宅ローン控除しきれないとき、住民税から残りの額を差し引くことができます(上限あり)。住民税からの控除は手続きを必要とせず、自動的に手続きされます。■ 2. 計算の仕方は?freeangle / PIXTA(ピクスタ)モデルケースの世帯の税額計算を実際にしてみましょう。・新築住宅を購入して、年末に2,500万円の残高あり・住宅ローン控除額25万円・世帯主は会社員の場合を考えます。最初に課税所得を算出します(図1参照)。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で拠出していない場合、所得税額は300万円×10%-9万7,500円、つまり20万2,500円です。ここから住宅ローン控除で25万円をさらに引こうとすると、4万7,500円が引ききれなくなります。しかしこれは、住民税からは13.65万円までなら引けますので、このケースでは控除枠をすべて使うことができます。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で月2万円拠出しているとしたら、年額は24万円なので20万2,500円-24万円=-3万7,500円となります。住宅ローン控除を加味すると-28万7,500円となり、住民税から引いても住宅ローン控除枠を使いきれなくなってしまいます。図1※平成27年分以降参考/国税庁■ 3.両方のメリットをいかすには?【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン控除の枠をすべて使いきれない人は、高所得ではないが、借入額が多い人です。両方のメリットをフル活用できないなら、住宅ローン控除を優先さるべきです。そして、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)ではなく、つみたてNISAを利用したらいかがでしょうか。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と異なり、好きな時に引き出しができるので、いざという時にも役立ちます。Sqback / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを組む前ならば、夫婦二人に分けてローンが組める「ペアローン」にするという選択肢もあります。それぞれに住宅ローン控除が使えるために、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と併用しても住宅ローン控除のメリットがいかせます。まずは、自分がどんなパターンに当てはまるかを知るために試算してみてください。税金のしくみは、国の政策で、ここに挙げた税率から変更になる、制度が新設されるなど、各制度が複雑に絡み合い、とても複雑です。専門家に相談し、自分がメリットを十分に受けられるよう検討することが大事です。
2019年02月09日夏休み前後の時期や夏休み中には、多くの小学校で個人面談が行われます。普段から先生と接する機会が多い保育園や幼稚園時代とは違い、「入学・進級後、担任の先生と1対1で話すのはこれが初めて」というママもいるかもしれません。「相談したいことがあったのに聞けなかった」などと、あとでモヤモヤしないためにも、事前にポイントをおさえておきましょう。■込み入った相談があるときは個人面談の時間は1人15分程度。保護者側から何か話すというより、子どもの学校での様子を先生から聞くことがメインです。込み入った相談など、個人面談でとくに話したいことがある場合は、連絡帳などであらかじめ伝えておくとよいでしょう。相談が長くなって予定時間をオーバーしてしまうと、うしろの順番の保護者に迷惑をかけてしまいます。相談したいことが多くあり、時間内に終わらない場合には、あらためて別の日に時間をとってもらうようにしましょう。■質問したいことがあるときは「進級してから担任の先生と1対1で話すのは初めて」ということも多い、夏休み前の個人面談。緊張してしまい、「聞きたいことがあったのについ忘れてしまった」という失敗談もよく聞かれます。面談では、先生からの話のあとに、「何か気になっていることはありますか?」などと声をかけてくれるはず。聞きたいことや相談したいことを忘れないためには、面談前にメモ書きを用意しておくのがおすすめです。事前にメモにまとめておくことで、内容を忘れる心配もなく、限られた時間で簡潔に要点を伝えることができます。とくに聞きたいことがない場合は、無理に質問事項を考えなくてもOK。「毎日楽しく学校に通っているようです」などと話をまとめるか、「先生から何か気になることはありますか?」と聞いてみてもよいでしょう。■面談後に、子どもとどう話せばいい?おうちの人と先生が1対1で話す個人面談は、子どもにとっても非常に気になるもの。面談でほめられた内容は、帰宅後子どもにも伝えてあげると、本人の自信につながります。しかし個人面談では、ほめられるばかりではありません。子どもの学校での授業態度、お友だちつきあいなど、母親が思ってもみなかった学校での態度があきらかになる場でもあります。悪い点を聞かされると、母親としてもへこんでしまい、ついつい子どもにも、頭ごなしに叱りつけてしまいそうになります。でも、それはNG。面談で聞いたプラス面の話も織り交ぜながら、どのように改善していけばよいかを子どもと話し合うようにしましょう。子どもが小学生になると、園児時代にくらべて先生と保護者が直接関わる機会はぐっと少なくなります。学校生活や家での様子など、先生と保護者が情報交換をすることは、子どもによっても大切なことです。せっかくの個人面談の時間を有意義なものにするために、しっかりポイントをおさえておきたいですね。
2017年07月22日~科学の進歩と問われる個人の人格、人間力〜 ネガティブ思考の方がいて、いつもマイナスオーラを放っている方は、次のような努力をしてみては・・・。人生は念じ続けるエネルギーの強さで動き出すものとても大切なことは自分の人生を素晴らしいものにするかどうかはほんのちょっとしたプラス思考のイマジネーションだということ。自分は不運不幸だと常に取り越し苦労のネガティブ思考の人は、自分が醸し出すその暗い雰囲気とオーラに包まれ負を引き込んでしまう。無意識に悲観的な予想のような選択を選び悲観的な結末の方向に流れていく傾向があります。逆に無理やりでも自分にプラスの自己暗示をかけて前向きの素晴らしいイマジネーションを描き念じ続ければ、やがて毎日を明るく楽しく前向きに生きる努力が習慣になりやがて自然とハッピーになっていくのです。人生とは良くも悪くも自分の想念次第で地獄極楽が決まるのです。不思議ですね。
2016年11月07日こんにちは、恋愛デトックスカウンセラーの下村さきです。今回は、こちらの質問に答えさせていただきます。「友達同士で遊んでから、気になる男子と1週間以上LINEが続いていたのですが、その男子は私と1番仲の良い女子ともLINEしていたことが発覚しました。きっかけは、その友達が「(その男子から)個人LINEきて、○○(私)のことを褒めてたよ」と教えてくれたことです。個人LINEは私だけにしてるわけじゃないんだ、勘違いして私恥ずかしい・・・と思い、男子と続いていたやり取りを急にスタンプで返信して終わらせてしまいました。それから1カ月、連絡は来ません。一緒に遊ぶまでは話したこともあまりなかったのに、LINEでは名前で呼んでくれて、疑問文のメッセージも多かったので、私への個人LINEはなんだったんだろうと、気になってしまいます。」気になる彼とLINEしているときって、嬉しいし楽しいですよね。自分にとっては、特別な出来事に感じるでしょう。だからこそ、彼が自分以外ともLINEしていたと知ったらショックを受ける気持ちもわかります。彼がどんな気持ちだったのか、今後どうしたら良いのか一緒に考えていきましょう。■やり取りの内容から考えよう気になる彼からの個人LINE・・・嬉しくて、「私って特別なんだ!」と思いたくなる気持ちはよくわかります。でも、冷静に考えてみてください。たとえば、学校の先生が相談者様以外の生徒を気にかけている・・・お母さんが相談者様だけでなくお父さんの体の心配をしている・・・。これは普通のことですし、だからといって「私だけだと思ってたのに!」と悲しい気持ちにはならないですよね。彼からの個人LINEだって、そういうこと。彼だって大切な友人はたくさんいますから、個人LINEをする相手が相談者様だけじゃなかったからといって、彼の気持ちが相談者様に向いていないとは限らないんです。大事なのは、彼が相談者様とどんな連絡を取っていたのかということです。まずはここを理解しなければ、仮に彼と付き合えたとしても、ひとりで勝手に解釈して傷ついてしまうことがあるかもしれないので注意しましょう。■彼は戸惑っているはずしばらく続いていたLINEを急に切ってしまい、そのあと1か月連絡がこない・・・。相談者様にとっては、「もう連絡くれないなんて、やっぱり私って特別じゃなかったんだ」と落ち込むことかもしれません。でも、彼の立場に立って考えてみましょう。彼に見えているのは、(1)相談者様と楽しくLINEをしていた、(2)急にLINEを切られた・・・このふたつだけです。もし、自分が理由もわからずLINEを切られたら、「嫌われるようなことしたのかな・・・」と思いませんか?そう思ったら、なかなかもう一度連絡しようとは思えないはず。彼が連絡してこないのは、相談者様の反応に戸惑っているからだと思いますよ。■勇気を出して、連絡してみてみんなで遊ぶまで、あまり話をする相手でもなかった彼が、LINEを始めてからは親しげに会話をしてくれた。まして、別の子に連絡していたとはいえ、その内容も相談者様の話題だった・・・。もちろん、これだけでは判断できませんが、彼は相談者様のことが気になりだしていたのではないかなと思います。でも、前述したように「嫌われたのかな?」と戸惑ってしまい、その後連絡するのをあきらめてしまったのかもしれません。だとしたら、今度は相談者様が勇気を出す番です。学校で話しかけても良いですし、「また、みんなで遊びたいね」とLINEをするのでも大丈夫。まずは、今の状況を打破できるように行動してみてください。■おわりにいかがでしたか?相談者様が彼の気持ちがわからない!と思っているのと同じように、彼も相談者様の反応に戸惑っているはず。後悔しないように、勇気を出して彼に歩み寄ってみてくださいね!(下村さき/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年10月03日