アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2017」(SSFF&ASIA)のオープニングセレモニーが6月1日(木)、都内にて行われ、「CINEMA FIGHTERS」6作品がプレミア上映された。舞台挨拶には、出演するAKIRA、岩田剛典らのほか、キャストや監督が勢揃いした。「SSFF&ASIA」はアメリカのアカデミー賞公認の映画祭。第19回目となった2017年度は、世界140以上の国と地域から集まった、およそ9,000本の作品からよりすぐりの約250作品を上映予定。メインコンテンツのひとつである『CINEMA FIGHTERS』は、EXILE HIROと代表の別所哲也によるコラボプロジェクト。数々のメジャーアーティストの作詞を手掛ける小竹正人の世界観を具現化する音楽と映像の新しい試みで、ショートフィルム全6作品が製作された。落合賢監督が手掛けた『SWAN SONG』に出演した岩田さんは、新潟の雪が降りしきる中、オールロケで撮影を行ったことを告白。「本当に過酷な撮影で、一歩、一歩(雪道を)かみしめて…、監督を恨んでいましたね(笑)。新雪がすごくて!でも楽しく撮影していました」と、恨み節ながらも笑顔を見せた。共演の桜庭さんも、「本当に岩田さんが進んだからこそ進めたので、ひとりだったら自分でカットをかけたと思います(笑)」と共感して、落合監督を苦笑いさせていた。河瀬直美監督の『パラレルワールド』に出演した山田孝之は、岩田さんにならい(?)、「死にそうな思いをして必死に頑張りました」と作品をアピール。しかし、共演の石井杏奈に「初日に初めてお会いして、そのまま本番で。ものすごく緊張して心臓がバクバクでした」と印象を告げられると、山田さんは「いや、そんなことを言ったら撮影当時(石井さんが)18歳で、33歳のおじさんが制服を着て…本当にどっきりなのかなと思った。今日、本当だったんだなってわかりましたけど」と、真顔でジョークを飛ばしていた。年齢の話になった途端、急に河瀬監督が「HIROさんは何歳ですか?」と尋ねた。実は6月1日(この日)に、48歳の誕生日を迎えたHIROさんをお祝いしようという粋な計らいで、HIROさんは登壇陣や会場に集まった観客から熱い「ハッピーバースデー」ソングをプレゼントされていた。立ち上がってお辞儀をしたHIROさんは、「ありがとうございます」と感激の表情を浮かべていた。舞台挨には、そのほか、Dream Ami、鈴木伸之、町田啓太、倍賞美津子、水崎綾女、小林喜日、玄理、A.T.、萩原健太郎、齋藤俊道、常盤司郎が出席した。「SSFF&ASIA」は6月1日(木)~25日(日)まで、東京は5会場、横浜は1会場にて上映。(cinamacafe.net)
2017年06月01日古都鎌倉を舞台におくるドラマ10「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」の会見が4月11日(火)、都内にて行われ、出演する多部未華子らが登壇した。自称・人見知りの多部さんだが、上地雄輔に「多部ちゃんは、人見知りと言っていますが、すごくよくしゃべります」と暴露されたものの、かたくなに「本当に人見知りであまりしゃべらない…」と反論した。しかし、さらに上地さんに「自分だけがそう言っています」と言われた上、片瀬那奈にも「しゃべる、しゃべる」と応戦され、最終的に苦笑いで受け入れていた。小川糸原作の「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」は、8年ぶりに故郷の鎌倉に戻った鳩子(多部さん)が、亡き祖母からツバキ文具店を受け継ぐことになる物語。実は、文具店とは名ばかりで、本業は手紙を一から考える、美しい文字を代筆する代書屋だった。作品を通して、手紙がもたらす縁や幸せという魅力と、主人公・鳩子の成長を描いている。人見知りのくだりからも伝わるように、和気あいあいとした温かい現場の本作。上地さんは、「役でボーダーを着ているんですが、僕の撮影の日はスタッフさんがボーダーを着てくださるんです。照明チームの方も着ていて“ありがとうございます”と言ったら“何が?”って…」と、中には、ただボーダーを着ている人もいたようだ。だが、「意識してボーダーを着ている人もたくさんいるから、優しいなって思います」と、上地さんは前向きに受け止めていた。本作では、手紙が重要なモチ-フとして登場する。普段から手紙を書くかと尋ねられた多部さんは、「中学生の頃にお世話になっていた担任の先生に、大学生になってすぐに手紙を書いたんです。封までして住所も聞いたのに、結局恥ずかしくて出せませんでした。いまも家にあると思います」と、いじらしいエピソードを披露。多部さんの話を受けて、江波杏子は、「多部さん、いい話だった。そういう心のこもったお手紙って」と感激の面持ちを見せていた。そのほか、会見には、高橋克典、新津ちせ、奥田瑛二、倍賞美津子が出席した。ドラマ10「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」は4月14日(金)22時よりNHK総合にて放送開始。(cinamacafe.net)
2017年04月11日米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)では、「EXILE TRIBE」とShortShortsによるコラボ企画「シネマファイターズ」として全6作品を上映。この度、すでに発表されている山田孝之と石井杏奈(E-girls)初共演作『パラレルワールド』(監督:河瀬直美)のほか5作品が発表され、豪華俳優陣の出演が明らかになった。「シネマファイターズ」は、数々のメジャーアーティストの作詞を手掛ける小竹正人の世界観を具現化する、音楽と映像の新しいプロジェクト。山田さんや石井さんが出演する『パラレルワールド』に続き、新たに5作品の情報が発表された。「Flower」の楽曲「白雪姫」を基にした『キモチラボの解法』。A.T.が監督を務め、EXILE AKIRAをはじめ小林喜日、駒井蓮、水崎綾女が出演。「キモチラボ」という、人々の感情を解放するクリニックが舞台となる。「E-girls」の「Mr.Snowman」を基にした『Snowman』には倍賞美津子、「劇団EXILE」鈴木伸之、藤井美菜、村井國夫が出演。メガホンを取るのは萩原健太郎。不治の病に罹った夫をコールドスリープカプセルで冷凍保存し、新薬の開発を待つことを決意する妻。10年後には治療薬が開発されるという主治医の言葉を信じて待つのだが…というSFラブストーリー。また、Dream Amiさんと鹿賀丈史が出演する『色のない洋服店』(齋藤俊道監督)は、Dream Amiの「ドレスを脱いだシンデレラ」が基に。色を失ってしまった世界で、小さな洋服屋を営む女性・由衣(Dream Ami)が、謎の放浪画家(鹿賀丈史)との出会いをきっかけに、変わっていく様子を描く。常盤司郎監督は、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」の「花火」を基に、ずっと出会うことのない登場人物たちのモノローグで綴られる、男女の心の奥底を問う痛く儚い愛の物語『終着の場所』を描く。「劇団EXILE」町田啓太、玄理(ヒョンリ)らが出演。「三代目J Soul Brothers/EXILE」岩田剛典と桜庭ななみが出演する『SWAN SONG』(落合賢監督)では、未曾有の大寒波“ディープフリーズ”に襲われ、終焉を間近にした地球を舞台に、名前も知らない女性に恋をしたギタリストのアサヒが、その人の為に作ったスワンソング(人生最期の曲)を聴いてもらうために旅をする物語が展開。「EXILE」の「Heavenly White」が基になっている。そしてキャスト陣からコメントが到着。EXILE AKIRAさんは、「小竹正人さんが作詞を手掛けた『白雪姫』(Flower)という切なさや恋愛をストレートに感じられる素敵な楽曲と、A.T.監督が描く作品の化学反応にご期待ください」と呼びかけ、ショートフィルム初挑戦だと言う岩田さんは、「短い時間の中でストーリーが完結するところがショートフィルムの魅力だと思います。1カット1カットが命のようなもので、それを積み重ねていく作業を続けた3日間の撮影はタイトなスケジュールだったけれど、濃厚で充実していました」とふり返った。さらに「『ドレスを脱いだシンデレラ』がこんな風に表現されるとは想像していなかった」とびっくりしたと言うDream Amiさんは、「曲自体は恋心を歌っているのですが、今回のこの作品はもっと根本にあるもの、生きていく上でずっと課題になる問題をテーマにしています。この歌がこんなに大きな意味を持つとは、驚きと新たな発見で嬉しかったです」と語り、「自分の知らなかった自分に出会うことの出来た3日間でした。短い分数の中に、大切なことがギュッと込められていて、短時間で全てを把握できる、ショートフィルムに魅力を感じました」と新鮮な撮影だったようだ。なお、本作は6月1日(木)の「SSFF & ASIA2017」のオープニング作品としてプレミア上映されるほか、開催期間中は各会場にて上映が予定されている。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017」は6月1日(木)~25日(日)、東京・表参道ヒルズ スペース オーほか、横浜・ブリリア ショートショート シアターにて開催。(cinemacafe.net)
2017年04月10日「KAT-TUN」の中丸雄一が体に触れれば全てがわかる能力を持つ人間嫌いのマッサージ師を演じて主演する土曜ドラマ24「マッサージ探偵ジョー」が、4月8日(土)今夜より放送スタートとなる。昨年春からテレビ東京の土曜深夜に誕生した“土曜ドラマ24”枠。これまで戸次重幸主演「昼のセント酒」、「欅坂46」が初主演&総出演した「徳山大五郎を誰が殺したか?」、中村蒼扮する刑事が潜入捜査のためアイドルになる「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」、池松壮亮、リリー・フランキーが共演した「銀と金」と、どれも個性的かつ挑戦的な作品を送り出してきた。同枠が1周年を迎えたこの春オンエアするのは、出張マッサージ師である主人公・ジョーこと矢吹原丈を中丸さんが演じ、ジョーが毎度仕事先で殺人事件に出くわし、その驚異的なマッサージ技術と情報収集能力で謎を解決していくという新感覚の「笑える」サスペンスドラマ。中丸さんのほか、マッサージ店「ほぐす堂」店主・エコ婆役には連続テレビ小説「梅ちゃん先生」や「下町ロケット」などの倍賞美津子、新人従業員・亜久里葉子役には映画『魔女の宅急便』「下剋上受験」の小芝風花、刑事・加藤虎雄役には「校閲ガール」や今年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で注目度急上昇中の和田正人、同じく刑事の金石徹役に『るろうに剣心 伝説の最期編』や『64(ロクヨン)』の小澤征悦らが共演。第1話では、ジョーが金持ちの美しい奥様のもとに出張、彼女は夫と不仲でジョーを見るなりキスを迫ってくる。見事な手さばきで快楽へと誘い、難を逃れたジョーだったが、翌朝、店に刑事たちがきて、彼女の夫が殺されたという。しかも不倫相手と疑われたジョーも犯人扱いに!容疑者たちが集められた中、ジョーは突如「全員をマッサージしたい」と言い出す。ジョーは事件の謎を解けるのか…というストーリーが展開する。ドラマでは毎回女性ゲストを迎えて深夜番組ならではの“お色気”マッサージシーンもあるといい、ジャニーズアイドルの中丸さんと限界ギリギリのセクシー美女という組み合わせに注目が集まる。また日々の生活に役立つ「ツボ」の豆知識も盛り込まれるとのことで、放送を楽しみながら健康について知ることができるドラマになっているとのこと。土曜ドラマ24「マッサージ探偵ジョー」は4月8日(土)より毎週土曜日深夜0時20分~テレビ東京にて放送。中丸さん演じるジョーが歌う主題歌「お疲れサンクス」も4月8日(土)24時~dwangoとMTIで先行配信、29日(土)24時~Amazonプライム・ミュージック、レコチョクでも配信開始となる。(笠緒)
2017年04月08日4月8日(土)より放送スタートするテレビ東京の新ドラマ「マッサージ探偵ジョー」の記者会見が3月27日に行われ、本作の主演・中丸雄一をはじめ、小芝風花、和田正人、小澤征悦が登壇。併せて本作の主題歌で中丸さん扮するマッサージ探偵ジョーが歌う「お疲れサンクス」の配信も決定した。本作は、出張マッサージ師である主人公・ジョーこと矢吹原丈(中丸雄一)が、毎度仕事先で殺人事件に出くわし、その驚異的なマッサージ技術と情報収集能力で謎を解決していく新感覚の「笑える」サスペンスドラマ。主人公を演じる中丸さんのほかにも、マッサージ店「ほぐす堂」店主・エコ婆役の倍賞美津子、新人従業員・亜久里葉子役の小芝さん、刑事・加藤虎雄役の和田さん、同じく刑事・金石徹役の小澤さんらが出演する。会見では、撮影も残りあと少しだと話した中丸さん。ほぼ毎週のようにあるセクシーシーンが印象に残っていると言い、「ドラマに参加したことはそんなにないんですけど…こんなに女性の体に触るドラマって初めてだなぁって…楽しかったです!いつだったか朝9時から夜10時ぐらいまで、1日ずっと女性の体を触っていた撮影の日もあって…」とふり返る。また見どころについて小芝さんは、「5話の撮影方法がすごい特殊だったんです。ドラマで全編この方法(で撮影するの)を見たことがないなというのがあるので…まだ内緒なんですけど、ぜひお楽しみに!」とコメント。和田さんは、毎回出てくるジョーの変身シーンについて、「その撮影をやっているときに僕ら別室にいたら、中丸君の奇声が聞こえて来たんです。『ひやぁぁぁぁー!!』っていう。(あとで映像を)見たときに『なるほど、なるほど。こんだけ気合入れてやってるんだ』って。それが毎回毎回違うんですね、微妙に。マイナーチェンジしながらやってるところが、『中丸くんって役者魂がすごいんだな』って」と絶賛。対して中丸さんは、「褒めていただいて恐縮なんですけども、裏話を言うと、手探りだったという…」と告白していた。主演・中丸さんの意外な一面について問われると、「毎朝スティックパンを食べています!何故かわからないんですけど必ず長~いパンを食べています」と和田さんが明かすと、中丸さんは「1つはルーティーンみたいなのを作るといいって聞くじゃないですか。イチロー選手のカレーじゃないですけど。それをちょっとマネてみたら、少し精神が安定するんじゃないかなと思って、昔から作品ごとに。パンの種類は違うんですけど」と説明。しかし、小芝さんがすかさず「この間、丸いレーズンパン食べてましたけど…」とツッコむと、「基本的にはレーズンパンを食べていました。レーズンパンがないときは“長細いパン”を食べてました!」と中丸さん。さらにこの日は、ドラマの世界観とピッタリの歌詞と独特なテンポ、パパイヤ鈴木振付けのダンスを初解禁。中丸さんは「充電期間中とはいえ、まだキレは失われていないですね!」と自信を見せ、「サビ頭は覚えやすいと思うので、ぜひ見て気になる方はやってもらいたいなと思います。あとやりやすいのはコーラスの部分で『ポイッポイッポイポイッポイ』っていう踊りがあります」と明かしていた。本楽曲は、インド風の軽やかなメロディと共に、マッサージの“ツボ”をテーマにした癒し系応援ソング。楽曲はCD発売は無く、配信のみのリリースとなっている。土曜ドラマ24「マッサージ探偵ジョー」は4月8日(土)より毎週土曜日深夜0時20分~テレビ東京にて放送。※Amazonプライム・ビデオにて4月2日(日)より独占先行配信開始中丸さん扮するマッサージ探偵ジョーが歌う「お疲れサンクス」は4月8日(土)24時~dwangoとMTIにて先行配信、29日(土)24時~Amazonプライム・ミュージック、レコチョクにて配信開始。(cinemacafe.net)
2017年03月28日ライアン・ゴズリングが、先月のアカデミー賞授賞式で作品賞が間違えて発表されたとき、ステージ上で笑っていた理由を明かした。ライアンとエマ・ストーンが主演の『ラ・ラ・ランド』は、先月26日(現地時間)の第89回アカデミー賞授賞式で作品賞受賞作として発表されたが、直後に受賞結果の封筒がプレゼンターのウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイに間違って渡されたことが発覚。ステージ上に本当の受賞作『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』両作の関係者が入り乱れる状態になった。大混乱のステージ上で、エマやデイミアン・チャゼル監督らと登壇していたライアンが口元を押さえて笑いをかみ殺している姿をカメラがキャッチし、SNSなどで話題を呼んだが、ライアンがついにその理由を語った。22日(現地時間)、ラスベガスで開催中の「Adobe Summit」のQ&Aセッションに参加したライアンは、あのときのことを聞かれて「観客席の人々がパニックのような反応をし始めたのを見て、インカムをつけた人たちが(ステージに)来るのを見て、誰かが怪我をしたのかと思った」「医療的な事態か何か起きたのかと思ったんだ。最悪のシナリオが頭に浮かんでいた」「そうしたら、『ムーンライト』が受賞したと聞いて、すごく安心したんだ。それで笑い始めた」と答えた。アカデミー賞の歴史に残るハプニングについて「非現実的」だったとふり返ったライアンは「本当に、『ムーンライト』が受賞してすごくうれしかった。本当にとても画期的な映画なんだ。製作費100万ドルで、信じられない完成度の作品だ。彼らが認められて、とてもうれしい」と自分のことのように喜んでいた。(text:Yuki Tominaga)
2017年03月24日第40回日本アカデミー賞授賞式が3月3日(金)に開催され、庵野秀明監督/樋口真嗣監督の『シン・ゴジラ』は11部門で優秀賞を受賞しており、そのうち作品賞、監督賞に加え、編集賞、撮影賞、照明賞、録音賞、美術賞などで最優秀賞を受賞した。なお、最優秀主演男優賞は佐藤浩市、最優秀主演女優賞は宮沢りえ、最優秀助演女優賞は杉咲花、最優秀助演男優賞は妻夫木聡が受賞した。第1作の『ゴジラ』が公開されてからおよそ60年、『シン・ゴジラ』は、東宝が12年ぶりに製作したゴジラ映画となった。興行収入は80億円を超え、社会現象を巻き起こす大ヒットを記録した。現代日本における巨大不明生物ゴジラの出現と立ち向かう戦略を、徹底的なリサーチをもとにリアリティを追求し、見事に描写。緊迫感あふれる新時代のゴジラ作品となった。3.11以降の日本を見据えた災害シミレーション映画としても注目を集めた。監督賞受賞の際、この日、仕事都合で欠席となった庵野監督に代わり、樋口監督がスピーチを行った。樋口監督は、「思えば、この映画が始まってから、すべてのスタッフ・キャストにものすごい無理難題を押しつけて今日があります。苦楽を共にしたスタッフが賞を取れたので、本当にうれしいです。映画を支持していただいた皆さまに本当に感謝しています。ありがとうございます!」と感激の言葉を連ねた。しかし、いよいよ最優秀監督賞の受賞で名前が呼ばれると、喜びより困惑の表情になぜか変わる…。樋口監督は、「しゃべることをさっき全部言っちゃったので…」と正直に話し、場内の笑いを誘った。だが、想いは徐々にあふれていき、「誰かが票をひとつひとつ入れた賞だと思っています。60年前に怪獣を使って映画をつくることを始めた大先輩がいて、受け継いできたバトンを僕らがもらったと思っています。バトンに恥ずかしくないものをもう一度ちゃんと作ろうと思い、本気でゴジラと向き合って作りました」と、熱心に『ゴジラ』に対する思いを口にした。さらに最優秀作品賞の受賞が告げられると、『シン・ゴジラ』テーブルでは、皆でうれしそうに握手を交わす姿が見られた。樋口監督は、改めて「こんなことが待っているかと思うと、毎日映画を作ったりして、寝れなかったりしたスタッフの皆も、いつかこういうときがくるよって声を大にして言いたいです」と、製作クルーに言葉をかけた。同作で主演男優賞を受賞した長谷川博己も大きな笑みを広げ、「特撮映画で作品賞って、今までなかなかなかたのではと思います。映画のひとつのテーマでもあるチームワークというか、皆で力を合わせて何かを倒すのは、これからの日本映画につながるのではと思い、作品賞をとったのはいいことだったんじゃないかなって勝手に思っています」と映画愛あふれる胸の内を語った。ゴジラ出現により、米国国務省から派遣された日本エージェントのカヨコ・アン・パタースンを演じ、助演女優賞受賞となった石原さとみ。英語と日本語を話すバイリンガルで、個性の強いキャラクターを堂々と演じた。作品賞の受賞について、石原さんは「脚本が本当に面白かったんです。庵野秀明さんの1文字1文字が本当に魅力的で、私で汚してしまうのではと震えていたんですけど、最後に『カヨコが石原さんでよかった』と言ってくれて涙が出ました」と、作品への強い想いと重圧を打ち明けた。同じく同作で助演女優賞受賞となり、巨大不明生物特設災害対策本部でゴジラの生態解析を担当する環境省自然環境局野生生物課長補佐、尾頭ヒロミを演じた市川実日子。寝癖をつけたままで身なりに気を使わず、無愛想かつ早口だが笑顔を見せる瞬間もあるというギャップのあるキャラクターで熱心なファンを作るほど、強い印象を残した。市川さんは、初めて脚本を読んだときの感想について、「夜だったんですけど、カーテンの外にゴジラがいるんじゃないかと思うくらい、リアリティを感じました。改めて本当にすごい作品に関わらせていただいたんだなと光栄に思いました。本当にありがとうございました」と笑顔を見せた。(cinamacafe.net)
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、映画『シン・ゴジラ』が最優秀作品賞に決定した。同作は作品賞、監督賞、編集賞、録音賞、照明賞、撮影賞、美術賞で最優秀賞を獲得し、7冠を達成した。日本アカデミー賞協会の岡田裕介会長は「アニメ界、特撮界、普通の映画、垣根を超えた画期的な1年だったと思います。みんなで頑張って日本映画を支えましょう」と、会場に訴えかけた。さらに「どこかの国と同じように間違えないようにしたいと思います」と、米国で行われた封筒取り違えのハプニングを想起させるようなコメントの後に、『シン・ゴジラ』の最優秀作品賞受賞を発表した。総監督の庵野秀明は仕事で欠席となったが、壇上に現れた樋口真嗣監督は「みんな怒ってませんか!? 大丈夫ですか!」と心配した様子。主演の長谷川博己も「(会場が)すごい引いてる感じがしたんですけど、気のせいですか。特撮映画とか怪獣映画で作品賞って、今までなかなかなかったんじゃないかと思います」と心配した。しかし長谷川は「作品の一つのテーマである、チームワークというか、みんなで力を合わせて何かを倒すというのが、岡田会長のおっしゃってた『これからの日本映画をどうにかする』というのに繋がる気がして」と喜びを表し、「この作品が作品賞をとったのは、いいことだったんじゃないかなと勝手に思っています」と映画界全体の展望を見据えながら話した。また、石原さとみは「脚本が本当に面白かったんです。庵野秀明さんが書かれた脚本が本当に面白くて、1文字1文字本当に魅力的で、それを私が汚してしまうんじゃないかと思って震えていた」と心情を吐露。総監督の庵野秀明が最後に「カヨコが石原さんでよかった」と言ったことで涙したことを明かし、「ゴジラに関わった2年間、胃が痛い毎日だった」と振り返りながら、「こういう場で終わることができて、救われました」と頭を下げた。市川実日子は、作品の「リアリティ」を讃え、「3.11の時に、1日中テレビで会見を見てた私たちが感じていたことが書かれていた」と振り返る。「改めて、すごい作品に関わらせていただいたんだなということを光栄に思いました」と感謝の気持ちを表した。東宝 山内章弘プロデューサーは「こんなに重いとは思いませんでした」とブロンズの重さをかみしめた。「本当に、特撮映画とか、怪獣映画とか、シリーズ映画って、どうしてもジャンルの中に押し込めようとするのを、こうやって一本の作品として評価していただいたことを本当に感謝しています」と喜んでいた。最後にまたコメントを求められた樋口は「え! 俺ですか!!」と驚きながら、「なんとなくみんな、ムッとした感じに見えるのが気のせいかもしれませんが……」とさらに心配。「こういう映画も素晴らしいので、いいなと思ったらまた一緒にお仕事をしたいなと思います」と会場に向かって語りかけた。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『シン・ゴジラ』監督賞…庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)主演男優賞…佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』)主演女優賞…宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)助演男優賞…妻夫木聡(『怒り』)助演女優賞…杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)アニメーション作品賞…(『この世界の片隅に』)脚本賞…新海誠(『君の名は。』音楽賞…RADWIMPS(『君の名は。』)編集賞…庵野秀明、佐藤敦紀(『シン・ゴジラ』)録音賞…中村淳、山田陽(『シン・ゴジラ』)照明賞…川邊隆之(『シン・ゴジラ』)撮影賞…山田康介(『シン・ゴジラ』)美術賞… 林田裕至、佐久嶋依里(『シン・ゴジラ』)外国作品賞…『ハドソン川の奇跡』■これまでの最優秀作品賞第39回…『海街diary』第38回…『永遠の0』第37回…『舟を編む』第36回…『桐島、部活やめるってよ』第35回…『八日目の蝉』第34回…『告白』第33回…『沈まぬ太陽』第32回…『おくりびと』第31回…『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』第30回…『フラガール』第29回…『ALWAYS三丁目の夕日』第28回…『半落ち』第27回…『壬生義士伝』第26回…『たそがれ清兵衛』第25回…『千と千尋の神隠し』第24回…『雨あがる』第23回…『鉄道員(ぽっぽや)』第22回…『愛を乞うひと』第21回…『もののけ姫』第20回…『Shall we ダンス?』第19回…『午後の遺言状』第18回…『忠臣蔵外伝 四谷怪談』第17回…『学校』第16回…『シコふんじゃった。』第15回…『息子』第14回…『少年時代』第13回…『黒い雨』第12回…『敦煌』第11回…『マルサの女』第10回…『火宅の人』第9回…『花いちもんめ』第8回…『お葬式』第7回…『楢山節考』第6回…『蒲田行進曲』第5回…『駅 STATION』第4回…『ツィゴイネルワイゼン』第3回…『復讐するは我にあり』第2回…『事件』第1回…『幸福の黄色いハンカチ』
2017年03月03日第89回アカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演男優賞の3部門を受賞した『ムーンライト』が、当初予定していた4月28日の公開日を繰り上げ、3月31日より公開規模を大幅に拡大し、全国公開することが3日、明らかになった。公開日繰り上げは、作品賞受賞を祝して決定。授賞式後には、「少しでも早く劇場で鑑賞したい」と公開を待ち望む声が殺到したという。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。2月26日(日本時間27日)に行われた第89回アカデミー賞の授賞式では、作品賞発表間違えという前代未聞のハプニングが発生。はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表されたが、その後『ムーンライト』と訂正され、会場は一時大混乱となった。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年03月03日第89回アカデミー賞にて作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を受賞した『ムーンライト』。その後、「早く劇場で観たい」という日本公開を待ち望む声が殺到したことを受け、3月31日(金)より緊急拡大公開されることが決定した。名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。母親はドラッグに溺れている。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…。ブラッド・ピットが代表を務める「プランBエンターテインメント」が制作した本作は、自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴った“愛”の物語。人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれ、どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔が押し寄せる。やがて思いもよらない再会により、秘めた想いを抱えてきたシャロンの暗闇に光がさしたとき、観る者の心は大きく揺さぶられ、深い感動と余韻に包まれていく。主な前哨戦では、最も多くの“作品賞”を受賞していた本作(329部門ノミネート・158部門受賞)。さらに、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞を含む3部門を獲得。劇的な作品賞受賞の瞬間もさることながら、アカデミー賞の歴史の中でLGBTをテーマにした映画として初めて作品賞を受賞し、まさに“映画史の歴史を変えた”1本となった。そんな本作に「少しでも早く劇場で鑑賞したい」という声が多数寄せられたことから、当初予定していた4月28日(金)の公開日を約1か月繰り上げ、3月31日(金)から公開規模を大幅に拡大して全国公開する。本作のビジュアルにも登場する少年期、ティーンエイジャー期、成人期で主人公シャロンを演じたアレックス・ヒバート、アッシュトン・サンダース、トレバヴァンテ・ローズは、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」春夏アンダーウェアの広告モデルにも抜擢されており、さらなる注目を集めそうだ。『ムーンライト』は3月31日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月03日今年度のアカデミー賞作品賞の結果発表取り間違え事件の原因となった監査役の2人が、来年度からアカデミー賞に関わることを禁止された。アカデミー会長シェリル・ブーン・アイザックス氏は、アカデミー賞の投票を管理し、プレゼンターたちに結果が記されたカードが入った封筒渡す役割を担っている監査法人プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)の今年度の担当者であったブライアン・カリナン氏、マーサ・ルイス氏が来年度の第90回アカデミー賞に関わることはないと発表した。しかし、これまで80年以上に渡ってアカデミー賞に携わってきたPwCと今後一緒に仕事をしていくかどうかについては明言を避けており、現在検討中であるとだけ話している。授賞式当日、作品賞発表の際に誤ってプレゼンターのウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイに本当の受賞作品『ムーンライト』と記された封筒ではなく、『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの結果が記された封筒を渡してしまうという事件が起きており、バックステージで他の事に気を取られていたカリナン氏が間違った封筒を渡したとみられている。授賞式後、PwCは声明文を発表し、その中でハプニングの詳細を説明、謝罪。その一方で『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督はこの出来事について「大変なことにはなってしまったけど、ある意味素敵なことだった」と話している。(C)BANG Media International
2017年03月03日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。昨年の作品賞では『海街diary』が最優秀賞に選出されたが、今年は一体どの作品になるのだろうか。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞作品賞で最優秀作品賞をとると思う作品は?1位 『シン・ゴジラ』 1,056名2位 『64-ロクヨン-前編』 233名3位 『怒り』 226名4位 『家族はつらいよ』 130名5位 『湯を沸かすほどの熱い愛』 114名○怪獣×日本のリアルが評価■1位『シン・ゴジラ』・「キャストも凄いが、ゴジラを真下から見上げるアングル構成はなかなか迫力があった。BGMに頼ることなく逃げまどう人々の悲鳴やどよめきがリアルで、一層の恐怖感や迫り来る迫力を感じさせる。完成度が高いSF映画だと思った」(56歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「ネットでかなりのひとがネタにする。CMで起用されるなど影響が大きかったから」(32歳男性/日用品・雑貨/技能工・運輸・設備関連)・「今の日本の危機管理体制に対するメッセージ性があるから」(48歳女性/その他金融/事務・企画・経営関連(マーケティング・経理・企画・経営他)・「高齢者として昔のゴジラを思い出す機会を得た」(73歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「現代の日本の問題と、昔のゴジラという生物のコラボレーションがとても面白かったから」(27歳女性/輸送用機器/営業関連)■2位『64-ロクヨン-前編』・「元ネタも良く出来ているし、映像だけでのごまかしではないと思うので」(43歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連(生産・製造・運輸・警備・農林他)・「ストーリーや展開、映像など秀でてる」(42歳男性/教育/公共サービス関連)・「佐藤浩市の演技もさることながら三浦友和や周りの役者らの名演技が光っていた」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「話も骨太で緻密。出演俳優陣も豪華で適役適所な配役だと感じたので」(42歳女性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)・「革新的かつ新しい手法の撮り方だから」(36歳男性/通信関連/営業関連(営業・MR・人材・コールセンター他)・「話の展開に固唾を呑む暇もないぐらいのめり込んでしまったから」(37歳女性/ドラッグストア・調剤薬局/専門サービス関連)■3位『怒り』・「各登場人物の心情が、細かい部分まで描かれていて素晴らしかったから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)・「『怒り』は、豪華なキャストで、宮崎あおいさんや、広瀬すずさんが、主演、助演の女優賞を獲得するなど、11部門で受賞しているから」(64歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人間の隠れた内面がうまく描かれているから」(43歳女性/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)・「映画館に観に行きましたが、最初から最後まで釘付けで、それぞれの人の怒りの種類は違うけれども、共感できるし、渡辺謙のお父さん役や娘役の宮崎あおいちゃん最高でした。」(40歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人の気持ちをうまく表現しているから」(23歳女性/その他/その他・専業主婦等■4位『家族はつらいよ』・「男はつらいよに続く、山田洋二の代表作と言えるから」(65歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)・「熟年離婚のなかで今までの家族のふれあいや今後について考えさせられた。」(56歳男性/その他電気・電子関連/IT関連技術職)・「暗くなりがちな家族問題を明るく描いていて見ていて本当に楽しかったから」(25歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「山田洋次監督の世界で、今の時代にない人情もので、人の心に訴えていると感じたから」(34歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「ありふれた日本の家族の中に起こる、様々の問題困難を、温かく描いている。それが現代日本映画にとって逆に新しいので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)■5位『湯を沸かすほどの熱い愛』・「前評判がいいし、女優たちの演技が素晴らしいから」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「今、家族愛のストーリーが人気だから」(48歳男性/設計/メカトロ関連技術職)・「宮沢りえの母親役が圧巻だった」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「宮沢りえの迫真の演技がすばらしい」(42歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)・「母の大きな愛を描いた作品で笑い、涙もうまくスパイスとして効いていた。点と線がつながるシーンには涙なくては見れませんでした」(54歳女性/その他/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)■総評予想1位となったのは、『シン・ゴジラ』。1954年に生まれたゴジラを現代の視点から描きなおし、SNSでも大きく話題に。新たな「ゴジラブーム」を作り出し、2016年の年末には紅白歌合戦にも登場した。ゴジラシリーズに思い入れのある年配男性から、これまであまりゴジラに触れていなかった若い女性など、幅広い層に訴求したことで「最優秀賞を取るのではないか」と予想した人が多かった。2位の『64-ロクヨン-前編』は昭和64年に発生した未解決事件に取り組む警察の姿が重厚に描かれ、支持を受けた。刑事部と警務部の対立、マスコミとの関係が描かれ、ベテラン俳優陣の演技も話題に。僅差となった3位の『怒り』は、謎を呼ぶ展開、実力派俳優陣のぶつかり合い、事件によって浮き彫りになる本質などが混ざり合い、観た人から様々な感情を引き出す作品となった点が評価を受けた。巨匠・山田洋次監督の『家族はつらいよ』は、現代のホームドラマとして熟年離婚をテーマにし、ヒット。『家族はつらいよ2』も5月に公開が決定している。一方『湯を沸かすほどの熱い愛』は、若手監督らしくどこか尖った家族愛と宮沢りえの演技が話題となった。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年03月02日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀監督賞には、若手監督、アニメーション監督等様々なジャンルの監督が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞監督賞で最優秀賞をとると思う監督は?1位 新海誠(『君の名は。』) 1,041名2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』) 448名3位 李相日(『怒り』) 109名4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』) 104名5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 54名○日本のアニメの技術力を再発見■1位新海誠(『君の名は。』)・「話題になったから。外国でも話題になるのはすごいと思う」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「改めて日本のアニメ技術の高さを感じさせられたから」(38歳男性/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)・「作品賞にノミネートされていないのが不思議なくらい、去年の日本映画でいちばんよい作品」(54歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)・「話題性と観客動員数に加えて、ストーリーの総合演出力があると感じたから」(39歳男性/官公庁/公共サービス関連)・「興行収入がすごかったのと、作品からものすごく色々な主張が込められていて、誰もが認める良い作品だと思うから」(24歳男性/食品/その他・専業主婦等)・「アニメーションの綺麗さ、入れ替わるというあり得ないことがきちんと進みそして涙」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)・「ただ、とって欲しいと願うだけです」(53歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)・「『ゴジラ』の歴史に対し、位負けすることがない、細部まで手を抜いていない力作」(64歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「怪獣映画にもかかわらず、緻密なリサーチによる演出でリアリティを感じさせることに成功したから」(46歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)・「庵野さん好きだし、これにノッてくれればエヴァもすぐにやってくれるかもしれない」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「長く愛されている作品のキャラクターで新しいものを作るというのは相当大変だと思う」(29歳女性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)■3位 李相日(『怒り』)・「俳優の微妙な表情まで、うまくとらえていたから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)・「役者の新しい面を引き出していたように感じたから」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「客観視して作られる日本に見つめ直せる撮り方だったから」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「映画としての深みや感動に、監督の決断や取捨選択が大きくかかわっているのではないかと思ったから」(28歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「この原作を映像化するのは無理だと思っていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)■4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』)・「警察内部の部分を取り扱っているのと、主役の警察官の気持ちをよく表している様に思う」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「テレビでも放映されていた作品を映画にする苦労があったと思うから」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「原作の小説を、よりリアルなものとして映画を完成させていらっしゃると想います」(55歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「作品への想像力がすごいと思うから」(30歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「深層心理に働きかける映像や描写がうまい」(49歳男性/食品/営業関連)■5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「人気原作の映画化が一般的になりつつある中、自ら書き下ろした脚本で監督をやり最高の作品を作った中野量太さんを推したい。伏線を上手く張った内容で且つそれが感動に繋がっていた。最後のアイデアも素晴らしいと思う」(47歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)・「そろそろ賞をとる感じがするから」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「日本代表する若手監督だから」(48歳男性/設計/メカトロ関連技術職)・「家族愛、感情の表現がとても上手な作品だったから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「俳優の選出が適任だから」(23歳女性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)○総評予想1位となったのは、大ヒット中のアニメーション映画『君の名は。』の新海誠監督。2016年8月の公開から半年経った今も公開され続けており、現在興行収入は現在244億円を突破した。公開直後から話題となっただけでなく、アジア・北米でも好評なことから「日本の底力」「アニメ表現のすごさを示した」と多くの読者より支持を受けた。2位の庵野秀明&樋口真嗣監督は、『シン・ゴジラ』が大ヒット。ゴジラの恐ろしさだけではなく、ゴジラに立ち向かい尽力する人々を客観的に見せたことで、ありきたりなヒューマン・ストーリーではない映画を作り上げた手腕が大きく評価された。『怒り』の李相日監督は、撮り方や役者への指導も含めて話題となった。『64-ロクヨン-前編』の瀬々敬久監督は、重厚な作品づくりが、『湯を沸かすほどの熱い愛』中野量太監督は若手監督としての期待がそれぞれ支持を得た。話題作に恵まれた2016年の映画界にふさわしく、様々な監督にスポットライトがあたる結果となった。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年03月01日壇上で封筒の中身を見比べるPhil McCarten /(C)A.M.P.A.S. 第89回アカデミー賞授賞式がロサンゼルス・ドルビーシアターで行われた。 史上最多となる14部門にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』が、監督賞、主演女優賞を含む6部門を受賞。そしてクライマックス「作品賞」の発表の瞬間を迎えた。 プレゼンテーターを務めたのは往年の名優、ウォーレン・ベイティ(79)とフェイ・ダナウェイ(76)。『俺たちに明日はない』の公開50周年を記念した人選だった。 ダナウェイは「今日の最後の賞を発表するのはとても光栄です。ノミネートされた素晴らしい作品は私たちに希望や喜びを与えてくれます」と笑顔で語り、ベイティも「政治においても、芸術においても、真実を明かにすることが大切。作品賞にノミネートされた作品は、社会の中で多様性が増していることを示しています。世界中で多様性と自由が大切だということを教えてくれているのです」と、昨今の右傾化する情勢を風刺する挨拶を述べた。 ノミネーション作品のダイジェストが流れ、ドラムロールが響き、ついにその時が訪れた。「オスカーは……」と言いながら封筒を開けたベイティは、受賞作が書かれた紙片を見て少し怪訝な表情を見せ、封筒の中を検めるような仕草をしている。「アカデミー賞を受賞するのは……」と言い直し、ダナウェイが「『ラ・ラ・ランド』!」と発表。 その瞬間大歓声が上がり、デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、そしてスタッフたちがステージに大挙して押し寄せた。プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツが「本当にありがとう。アカデミーに、ライオンズゲートに、すばらしいキャストたちに感謝します」と、スピーチを行う後ろで、ヘッドセットを着けた受賞式のスタッフが慌ただしく壇上を行き来している。 不穏な空気が流れる中、プロデューサーのフレッド・バーガーがマイクの前に進み出て「愛しい妻……」と口を開いた瞬間、後ろからスタッフが何ごとかを耳打ち。そして彼は「負けだったみたいだ」とニッコリ笑って踵を返した。そして最初にスピーチをしたジョーダン・ホロウィッツが「間違いがありました。作品賞は『ムーンライト』です。冗談ではありませんよ。本当に、読み間違えたみたいなんです」と言いながら、『ムーンライト』と書かれた紙を客席に向かって提示した。 司会者のジミー・キンメルは「大変残念なことが起きました。個人的にはスティーブ・ハーヴェイが悪いと思っていますが」と、2015年のミス・ユニバースで、視界のスティーブ・ハーヴェイが優勝者の名前を間違えて発表した事件を引き合いに出しながら事態の収拾に腐心。ホロウィッツは一度受け取ったオスカー像を、「これはぜひ私から『ムーンライト』の皆さんに渡したい」と言って大歓声をもらっていた。 『ムーンライト』のスタッフが壇上に到着するのを待つ間に、ベイティがマイクの前に歩み出て「何があったか説明させてください」と切り出した。「私が封筒を開けると、そこには『エマ・ストーン/ララ・ランド』と書いてありました。だから、私はずっと見ていたんです。これはジョークでやったんじゃないんですよ。作品賞は『ムーンライト』です」。 どうやら、直前に発表された主演女優賞の封筒が、何らかの手違いでベイティに手渡されてしまったようだ。確かに、封筒を開けたときのベイティは戸惑いながら何度も中身を確かめている。 予定外のアクシデントに見舞われてしまった『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督は「夢じゃないかと思っていたけど、もう違う、これが現実だ!何てことだ!」と喜びを爆発させた。 アカデミー賞の長い歴史の中でも、大トリの作品賞で呼び間違うなど前代未聞。ケチがついてしまった感もあるが、今年の作品賞は『ムーンライト』に贈られた。日本では4月28日に公開される。
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、最高賞である作品賞に『ムーンライト』(4月28日日本公開)が輝いた。『ムーンライト』は、脚色賞(バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)も受賞し、3部門を獲得した。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。作品賞の発表の場面では、はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表され、ステージ上にキャストやスタッフが集結してスピーチが行われている最中に間違えが発覚。正しくは『ムーンライト』だと訂正されるという前代未聞のハプニングに会場は混乱したが、『ラ・ラ・ランド』陣も切り替えて祝福した。作品賞は、『ムーンライト』のほか、『メッセージ』、『フェンス』、『ハックソー・リッジ』、『最後の追跡』、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』、『ラ・ラ・ランド』、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメ映画賞にディズニーの『ズートピア』が輝いた。スタジオジブリの『レッドタートル ある島の物語』は受賞を逃した。『ズートピア』は、ユニークな動物たちの楽園を舞台とするファンタジーアドベンチャー。もふもふの毛並みに大きな瞳が印象的な、新米警官として奮闘するウサギのジュディを主人公に、大都会"ズートピア"で起こる動物たちのさまざまな出来事を描いた。ステージ上には、バイロン・ハワード監督、リッチ・ムーア監督、クラーク・スペンサープロデューサーの3人が登壇。「大変な名誉です」「このストーリーを受け入れてくださってありがとうございます」などと喜びと感謝を語った。同部門には、スタジオジブリの作品が4年連続でノミネート。3年前の宮崎駿監督の『風立ちぬ』から、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』、米林宏昌監督の『思い出のマーニー』、そして今年はマイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督の『レッドタートル ある島の物語』がノミネートされたが、受賞はならなかった。長編アニメ映画賞には、『ズートピア』、『レッドタートル ある島の物語』のほか、『モアナと伝説の海』、『クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス(原題)』、『マイ・ライフ・アズ・ア・ズッキーニ(原題)』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月27日2015年の第65回ベルリン国際映画祭において銀熊賞(監督賞)を受賞、母国ポーランドのアカデミー賞「イーグル賞」では主要4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞)を受賞した『BODY』(原題)が、『君はひとりじゃない』の邦題で7月22日(土)より日本公開されることが決定した。病で母親を失ったオルガとその父。オルガは心身を病み、摂食障害となってしまう。父は喪失感を拭えず、検察官として事件現場に立つも、人の死に対して何も感じなくなっていった。オルガは父を、そして自らの体を嫌悪し、日々やせていく。父と娘の間には埋められない溝ができていた。そんな娘を見かねた父がセラピストのアナのもとに通わせる。だが、アナのセラピーは、普通では考えられない方法だった――。母を亡くした娘はふさぎ込み、摂食障害に。かたや、その父親は人の死に何も感じなくなっていく。最愛の人の死によって引き裂かれた人の絆は、元に戻るのか…?本作は、ポーランドの俊英女性監督マウゴルザタ・シュモウスカが、独創的な視点とユーモアで描く喪失と“再生”の物語。ベルリン国際映画祭、ポーランドのイーグル賞など数々の映画賞に輝き、アメリカでも辛口で知られるレビューサイト「Rotten Tomatoes」で88%Freshという高評価を得た。日本でも2015年の東京国際映画祭、そして2016年のポーランド映画祭で上映が行われ、その評価の高さから本公開が待望まれていた作品。娘役を務めたユスティナ・スワラは、監督がFacebookから見い出した新星で、本作が演技初挑戦にして映画デビューとなった。新たな形で紡がれる肉体と魂の再生とは?世界中が絶賛を贈るヒューマンドラマに注目していて。『君はひとりじゃない』は7月22日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月23日中丸雄一が主演する4月期放送のテレビ東京系ドラマ「マッサージ探偵ジョー」。この度、本作の主題歌を中丸さんが主人公・ジョーとして担当することが明らかになった。ジョーこと矢吹原丈(中丸雄一)は、1年ほど前に偶然知り合ったマッサージ店「ほぐす堂」の店主・ エコ婆(倍賞美津子)に勧められ、マッサージ師として働くことになった。ジョーの天賦のマッサージ能力を見抜いたエコ婆は、彼を出張専門として様々なお客のもとに出向かせるが、もともと人間嫌いでコミュ障気味のジョーには苦痛の日々。それでもそんな弱い自分を変えたいとジョーなりに努力を重ねているのだが…。ある日、ジョーが施術したご婦人のお金持ちの旦那が殺され、風変わりな刑事・マネー(小澤征悦)と、部下で実直で真面目な刑事・タイガー(和田正人)から犯人と疑われてしまう。同僚の新米マッサージ師・アグリ(小芝風花)に促されたジョーは、自らの疑いを晴らすため、その卓越したマッサ ージ技術と観察力を駆使して事件の謎を解いてみせる。結果、それがジョーの人生の転機となった。それからは毎度毎度、出張先で奇妙な殺人事件に巻き込まれ、そのたびに意外な才能を発揮してゆく。「あなたは1時間4分前にトイレに行っている」 「あなたの右足の筋肉は46時間前に瞬間的に強く使われた跡がある」などなど、マッサージでそこまで分かっちゃうの?と思わずツッコミを入れたくなる名推理を展開していく。本作は、出張マッサージ師である中丸さん扮する主人公・矢吹原丈が、毎度仕事先で殺人事件に出くわし、その驚異的なマッサージ技術と情報収集能力で謎を解決していく物語。共演陣には、マッサージ店「ほぐす堂」店主・エコ婆役に倍賞美津子、新人従業員・亜久里葉子(アグリ)役に小芝風花、そのほか和田正人、小澤征悦らが出演する。今回の主題歌は、現在「KAT-TUN」が充電期間であるからこそ実現した中丸さんの新たな挑戦!いままで見せたことのない中丸さんの魅力を打ち出した、心と耳まで癒す驚きの主題歌となるようだ。中丸さんは、「独特なドラマの世界観を更に深められるよう、KAT-TUNの充電期間だからこそトライできる内容を目指して、制作に励みたい」と気合十分に語っている。土曜ドラマ24「マッサージ探偵ジョー」は4月期よりテレビ東京系にて放送予定。※放送1週間前からAmazonプライム・ビデオにて独占先行配信(cinemacafe.net)
2017年02月15日スパイダーマン新シリーズ『スパイダーマン:ホームカミング』にて、新スパイダーマンを演じる俳優トム・ホランドが、アカデミー賞の前哨戦とも言われる英国アカデミー賞(British Academy Film Awards)において、“新人賞”に当たる「ライジングスター賞」を受賞したことがこのほど発表された。ニューヨーク。15歳のピーター・パーカーはスパイダーマン。部活のノリで街を救う、ヒーロー気取りの高校生だ。そんなピーターの能力を見出し、真のヒーローとしての道に導こうとする(?)のが、アイアンマンことトニー・スターク。スタークに新しいスーツまで作ってもらい興奮するピーターは、自分の力を認めてもらおうと街に飛び出す日々。そんなある日、巨大な翼で飛行する怪物が街に突如現れる。ピーターはここぞとばかり、ニューヨークの平和のために怪物退治に乗り出そうとするが、スタークに「アベンジャーズに任せておけ」と止められてしまう。「ガキ扱いは、ゴメンだ!」とピーターはその忠告を聞かずに戦いに挑むが――。若干20歳の新進気鋭の若手俳優トム。今後の活躍が期待される若手俳優・女優に贈られるこの「ライジングスター賞」は、英国アカデミー賞で唯一、一般の観客による投票によって選ばれるもので、全世界で支持されるスパイダーマン同様、トムも多くのファンに支持されたかたちとなった。トムは「嬉しすぎてぶっ飛んじゃうよ!本当に夢みたいだ!クレイジーでアメイジングだよ!一番イケてる色だと思うんだ。BAFTA(英国アカデミー賞の)2色のうちで(笑)こんな賞がもらえるなんてとても光栄だし感謝しきれないよ。本当に僕の夢がかなったんだ!」と大興奮で喜びを語り、「たくさんの子どもたちみたいに、僕も小さいころスパイダーマンになりたかったんだ。スパイダーマンを演じる上で嬉しかったのは、みんなから愛されるキャラクターを新しく違うアプローチで作り上げて、スクリーンに戻してくれたことだね。撮影期間はとても充実したものだったし、とても楽しかった」とコメントを寄せている。またレッドカーペットでは、トムの受賞を祝福するようにたくさんのファンが集結。サインを求められるとトムも笑顔でファンサービスに応える場面も。トムといえば、スタジオジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』で神木隆之介が演じた青年・翔の英国版の吹き替えを演じたほか、『インポッシブル』では20年ぶりの続編公開も話題となっている『T2 トレインスポッティング』のユアン・マクレガーとの共演、さらに、『白鯨との闘い』での確かな演技力で注目を集め、スパイダーマンの生みの親スタン・リーに「トム・ホランドはスパイダーマンの役をやるために生まれてきた」と言わしめるほどの逸材だ。日本でも大ブレイク間違いなしのトム。ますます本作の公開が楽しみだ。『スパイダーマン:ホームカミング』は8月11日(金・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年02月13日テレビ東京の土曜ドラマ24枠では、4月期より「マッサージ探偵ジョー」を放送することが決定。この枠としてはジャニーズ事務所初の主演となる中丸雄一を迎え、新感覚の“笑える”サスペンスドラマを繰り広げる。ジョーこと矢吹原丈(中丸雄一)は、1年ほど前に偶然知り合ったマッサージ店「ほぐす堂」の店主・ エコ婆(倍賞美津子)に勧められ、マッサージ師として働くことになった。ジョーの天賦のマッサージ能力を見抜いたエコ婆は、彼を出張専門として様々なお客のもとに出向かせるが、もともと人間嫌いでコミュ障気味のジョーには苦痛の日々。それでもそんな弱い自分を変えたいとジョーなりに努力を重ねているのだが…。ある日、ジョーが施術したご婦人のお金持ちの旦那が殺され、風変わりな刑事・マネー(小澤征悦)と、部下で実直で真面目な刑事・タイガー(和田正人)から犯人と疑われてしまう。同僚の新米マッサージ師・アグリ(小芝風花)に促されたジョーは、自らの疑いを晴らすため、その卓越したマッサージ技術と観察力を駆使して事件の謎を解いてみせる。結果、それがジョーの人生の転機となった。それからは毎度毎度、出張先で奇妙な殺人事件に巻き込まれ、そのたびに意外な才能を発揮してゆく。「あなたは1時間4分前にトイレに行っている」 「あなたの右足の筋肉は46時間前に瞬間的に強く使われた跡がある」などなど、マッサージでそこまで分かっちゃうの?と思わずツッコミを入れたくなる名推理を展開していく。本作は、出張マッサージ師である主人公・矢吹原丈が毎度、仕事先で殺人事件に出くわし、その驚異的なマッサージ技術と情報収集能力で謎を解決していくストーリー。ひとたび彼のマッサージを受ければ、その心地よさにお客たちはたちどころに「恍惚の世界」へと導かれる。ドラマでは、毎回魅力的な女性ゲストを迎え、深夜番組ならではの“お色気”マッサージシーンも登場。アイドルの中丸さんが引き出す、限界ギリギリのセクシーさも大きな見どころで、日々の生活に役立つ「ツボ」の豆知識も盛り込まれ、まさに楽しみながら勉強もできるドラマとなっている。いまから撮影が楽しみだと話す主演の中丸さんは、「現在は撮影に向けてマッサージの講習を受け、ツボの教科書を読み、ゆっくりと準備をしています」と役作りの最中だと明かし、「推理、お色気、コメディーの要素があり、そして視聴者の皆様は毎週番組を見るたびに、身体の構造やツボについて、無駄に詳しくなることになります。『KAT-TUN』は充電期間中なので、個人的にも今回のドラマで身も心もほぐし、充電出来ればと考えています」とコメントした。さらに共演陣には、マッサージ店「ほぐす堂」の新人従業員・亜久里葉子(アグリ)役に小芝風花、警視庁捜査一課の刑事でマネーの部下・加藤虎雄(タイガー)役に和田正人、警視庁捜査一課の刑事・金石徹(マネー)役に小澤征悦、マッサージ店「ほぐす堂」店主・エコ婆役に倍賞美津子と個性派の面々が集結する。土曜ドラマ24「マッサージ探偵ジョー」は4月期よりテレビ東京にて放送予定。※Amazonプライム・ビデオにて放送1週間前から独占先行配信(cinemacafe.net)
2017年02月05日29日(現地時間)行われた全米俳優組合賞(以下SAG賞)授賞式で、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが主演女優賞を獲得した。エマのほかに主演女優賞にノミネートされていたのは、『Arrival』(原題)のエイミー・アダムス、『ガール・オン・ザ・トレイン』のエミリー・ブラント、『ジャッキー/ファースト・レディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン、『マダム・フローレンス!夢見るふたり』のメリル・ストリープと強敵揃い。SAG賞の主演女優賞を獲得した女優は、ジェニファー・ローレンス、ケイト・ブランシェツト、ジュリアン・ムーア、そして昨年のブリー・ラーソンと、過去4年間、アカデミー賞の主演女優賞に輝いていることから、エマがオスカーを手にする可能性はかなり濃厚と見られる。受賞スピーチのために登壇したエマは、興奮のためか、ややパニック状態でスピーチを始めた。しかし、『ラ・ラ・ランド』のデミアン・チャゼル監督に感謝の気持ちを述べた後、「ライアン、あなたは最高よ!それは紛れもない事実だわ!異論のある人はいないでしょ」と言って劇中のパートナーを褒めたたえ、会場を沸かせた。同作で共演したライアン・ゴズリングも主演男優賞にノミネートされていたが、残念ながら賞は『Fences』(原題)のデンゼル・ワシントンの手に。オスカー俳優のデンゼルだが、意外にもSAG主演男優賞は初めての受賞であった。(Hiromi Kaku)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月30日ついにアカデミー賞のノミネーションが発表され、『ラ・ラ・ランド』が最多14ノミネートを果たし、圧倒的な強さを見せつけている。監督賞、作品賞など主要な部門で軒並みノミネートを受けている同作だが、今回は歌曲賞に注目。というのも、この部門にEGOTへの王手をかけているリン=マヌエル・ミランダが『モアナと伝説の海』の「How Far I’ll Go」で初ノミネートされているからだ。EGOTとは、エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞の頭文字を取ったもので、エンタメ界における主要な4つの賞をすべてを獲得した人がそう呼ばれている。現在までにオードリー・ヘプバーンやウーピー・ゴールドバーグを含む12人(ほかに、例外的な枠で5人いる)しか成し遂げていない“偉業”に、果たして彼が仲間入りすることはできるだろうか。リンのライバルはというと、アニメ『Trolls』(原題)の主題歌を手掛け、こちらもオスカーには初ノミネートのジャスティン・ティンバーレイク、HBO局のドキュメンタリー映画『Jim: The James Foley Story』(原題)でスティングが、そして『ラ・ラ・ランド』からは2曲がノミネートされており、そのうち1曲はゴールデン・グローブ賞の主題歌賞を獲得したという強敵ぞろい。リンはオスカーの初ノミネートを受けて大興奮。「授賞式に向かうのが楽しみでしょうがないよ。控えめな態度を取ることすらできない。だって、子どもの頃からオスカーの授賞式のファンで、テレビで見ていたからね」とAP通信に語っている。(Hiromi Kaku)
2017年01月25日第89回アカデミー賞のノミネーション発表を目前に、第37回ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)のノミネーションが発表された。ラジー賞はアカデミー賞と対極で、前年の「最低最悪な映画」を表彰する賞である。今回は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と『ズーランダー2』が「最低作品賞」、「最低主演男優賞」などそれぞれ8部門でノミネートされ、どちらがより多くの賞を受賞するかに注目が集まる。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、バットマンを演じたベン・アフレックと、スーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルがともにインタビューを受けた際、「映画が酷評されている」と聞いたベンが終始悲し気な顔でだんまり…という様子が話題になった。『スーランダー2』は前作から15年が経ち、超豪華ゲストを集めてパワーアップぶりをアピールしていたが、製作費56億ドルに対して興収が50億ドルと伸びなかった。日本では劇場公開されず、DVDスルーに。通常、それぞれの部門のノミネートは5つまでなのだが、今年は5つの枠に収まりきらず6つに増やされているのが特徴だ。授賞式はアカデミー賞の前日の2月25日(現地時間)に行われるが、俳優や監督にとって不名誉な賞のため、例年トロフィーを受け取りに来る人はほぼいない。過去にはサンドラ・ブロックが授賞式に参加し、「粋だ」と評価されたが、今年は果たして?(Hiromi Kaku)
2017年01月24日1月16日(月)、「第40回日本アカデミー賞」優秀賞の15部門および新人俳優賞が発表。『怒り』『シン・ゴジラ』『湯を沸かすほどの熱い愛』や、アニメーション作品からは『君の名は。』『この世界の片隅に』などが優秀賞に選ばれ、新人俳優賞には杉咲花、高畑充希、岩田剛典、坂口健太郎、千葉雄大ら最旬俳優の名前が並んだ。同賞は、2015年12月16日~2016年12月15日の間に公開された作品から、優秀な劇場用映画およびアニメーション作品を表彰したもの。授賞式の女性司会者は、前年の最優秀主演女優賞を獲得した女優が務めるのが恒例となっており、今年は、昨年『百円の恋』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラと、日本アカデミー賞協会組織委員会副会長の西田敏行とともに司会を務める。優秀作品賞には5作品が選出。渡辺謙を主演に、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡ら豪華俳優陣の共演が話題となった『怒り』。本作では李相日監督が優秀監督賞&脚本賞を受賞。ほか、宮崎あおいが主演女優賞に、妻夫木聡&森山未來が優秀助演男優賞に、広瀬すずが優秀助演女優賞に選出。さらに佐久本宝が、新人俳優賞に選ばれた。“熟年離婚”をめぐり大騒動を繰り広げる家族の姿を滑稽に、かつ温かく描いた映画『家族はつらいよ』。山田洋次監督は、平松恵美子とともに優秀脚本賞に選出。庵野秀明・総監督、樋口真嗣監督の『シン・ゴジラ』は優秀監督賞のほかに、長谷川博己が主演男優賞、石原さとみ&市川実日子が助演女優賞、鷺巣詩郎が優秀音楽賞を受賞。宮沢りえが主演を務め、オダギリジョー、杉咲花らとともに、“死にゆく母と、残される家族の愛と絆”を描いた『湯を沸かすほどの熱い愛』からは、中野量太監督が優秀監督賞&脚本賞を。宮沢さんが主演女優賞で、杉咲さんが助演女優賞&新人俳優賞を受賞。『半落ち』『クライマーズ・ハイ』の原作を手がける横山秀夫のベストセラー小説を2部作で映画化する『64-ロクヨン-前編』では、佐藤浩市が主演優秀賞に選ばれたほか、坂口健太郎が新人俳優賞、監督賞&脚本賞、音楽賞、撮影賞などを受賞。そして、この夏の劇場を大いに賑わせたアニメーション映画からも5作選出。日本映画史に残る大ヒットを記録し、海外でも高い評価を得る『君の名は。』。新海誠監督が、優秀監督賞&脚本賞に選ばれ、「RADWIMPS」が優秀音楽賞を受賞。のんが主人公の声を務め、公開スタート時全国63館だったが、週を追うごとに拡大公開を重ね、大ヒットを記録している『この世界の片隅に』も、作品賞と、コトリンゴが優秀音楽賞を受賞した。ほか大今良時のベストセラーコミックを原作に、入野自由、早見沙織ら人気声優を迎え京都アニメーションが映画化した『聲の形』、『ルドルフとイッパイアッテナ』、『ONE PIECE FILM GOLD』。ほか、優秀主演男優賞には、『日本で一番悪い奴ら』の綾野剛、『海賊とよばれた男』の岡田准一、『聖の青春』の松山ケンイチ。優秀主演女優賞には、『後妻業の女』の大竹しのぶ、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の黒木華、『ちはやふる-上の句-』の広瀬すずが選出。新人俳優賞には、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』から高畑充希&岩田剛典、『セーラー服と機関銃ー卒業ー』の橋本環奈、『殿、利息でござる!』の千葉雄大、『ちはやふる』の真剣佑ら、旬なメンバーが揃った。優秀外国作品賞には、『オデッセイ』『ズートピア』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『ハドソン川の奇跡』『レヴェナント:蘇りし者』。各賞の最優秀賞の発表、授賞式は3月3日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて開催。同日21時からは日本テレビ系にて「第40回日本アカデミー賞授賞式」を放送予定。(text:cinemacafe.net)
2017年01月16日櫻井翔と長澤まさみが初共演で夫婦役を演じ、市原隼人、田中哲司、小林薫、倍賞美津子、かたせ梨乃、安藤政信、香川照之らが共演する新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」が1月3日(火)21時~フジテレビ系で放送される。「嵐」として、「NEWS ZERO」のキャスターとして、「謎解きはディナーのあとで」シリーズや『神様のカルテ』では俳優として多才な活躍を見せる櫻井さん。本作で櫻井さんが演じるのは幼少の頃から注目を浴びてきた天才サッカー選手の鷹匠和也。Jリーグに入団、23歳で念願のサッカー日本A代表にも選ばれ、長澤さん演じる自慢の婚約者・仲川未希との新居を構え、結婚式の衣装合わせも控えたある日、和也は事故にあい脊髄を損傷する大怪我を負ってしまう。立てない、歩けない、一生を車椅子で過ごさなければいけないという過酷な現実を突き付けられ、絶望のどん底にいた和也に未希が差し出したのは婚姻届だった。未希に支えられ驚異的なスピードでリハビリを克服していく和也だが、双方の家族が結婚に反対し世間からも哀れみの目を向けられる。サッカーに代わるものを見つけられず先の見えない人生になすすべもなくいら立つことしかできずにいたとき、和也はリハビリセンターの体育館で偶然、車椅子バスケを目撃する。激しいボール、床をこするタイヤの焦げた匂い、戦車のような車椅子、ぶつかりあう屈強な男たち。吸い込まれるように見入っていた和也の手に「やってみますか?」と一つのボールが手渡される。「妻に誇れる男でありたい。生まれてくる子に誇れる父でありたい。自分に誇れる人生を歩みたい」。パラリンピック日本代表選手を目指す和也の新たな挑戦が始まった――という物語。失意の底にいた和也を支える妻・未希を、昨年『アイアムアヒーロー』『グッドモーニングショー』『金メダル男』と立て続けに出演作が公開された長澤さんが演じるほか、車椅子バスケ・チーム“Wings”の得点王・向井大隼役に市原さん、未希が障害者手帳の手続きをする市役所の職員・鶴田仁志役に田中さん、和也との結婚に反対する未希の父親・仲川明生役に小林さん、和也の母・鷹匠和歌役に倍賞さん、女手ひとつで向井大隼を育ててきた向井史子役にかたせさん、車椅子バスケ日本代表不動のエース・神村錬役に安藤さん、和也がまだ高校生だった頃から自腹を切って追い続けてきたスポーツ紙記者・福本廣太郎役に香川さんといったキャストが脇を固める。新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」は1月3日(火)21時~フジテレビにて放送。(笠緒)
2017年01月03日年始は大型の特別ドラマが多い時期だが、2017年の目玉はフジテレビ系で1月3日(21:00~)に放送される嵐・櫻井翔主演の『君に捧げるエンブレム』だろう。実在する元Jリーガーで、元パラリンピック選手の京谷和幸さんをモデルにしたストーリーだけに、骨太かつドラマチックな作品となった。主なあらすじは、「Jリーガーの鷹匠和也(櫻井)は日本代表に選ばれたほか、恋人・仲川未希(長澤まさみ)との結婚を控えるなど順風満帆。しかし、ある日事故にあって歩けない体となり、車いすでの生活を余儀なくされる。未希のサポートを受けながら懸命なリハビリに励み、どん底の時期を抜け出した和也が出会ったのは車いすバスケ。未希と自分に誇れる人生を歩むために、パラリンピック日本代表を目指す新たな挑戦がはじまる」というもの。「新年早々から重いドラマでは?」と思うかもしれないが、重さ以上に感じるのはエネルギーの強さ。「車いすバスケや障がいを扱う」というハードルの高い挑戦だけに、キャストとスタッフの気合が、映像のそこかしこから感じられる。実際、増本淳プロデューサーが、「『障がいを売りものに視聴者の涙を誘う』、そんな番組ではありません。車いすバスケで自分の限界に挑戦する選手は、アスリートとしてかっこいい。それを支える最愛の人や、家族がこれまたかっこいい」と語っているように、ポジティブな生き方が見られる作品なのだ。○『家族ゲーム』を思い出す力強さ2年ぶりのドラマ出演にも関わらず難役に挑む櫻井の気合は相当なもの。『NEWS ZERO』(日本テレビ系)で障がい者スポーツの取材経験があるだけに、車いすバスケの練習はもちろん、アスリートらしいメンタル面での役作りにも励む姿勢が伝わってくる。前半のハイライトは、和也が車いすバスケに出会うシーン。その瞳の輝きは、俳優としてやりがいのある役に出会えた櫻井そのものにも見える。その後、取りつかれるように車いすバスケにのめり込む和也。そんな櫻井の姿を見て、最後に出演した連ドラ『家族ゲーム』(フジ系)を思い出した。櫻井が演じた吉本荒野は、得体のしれない生命力に満ちた男だったが、今作の和也も下半身が動かないにも関わらず、体の奥底から湧き上がるようなパワーを感じる。もちろん、次々に車いすがぶつかり合い、転倒してコートに投げ出されるシーンが続出する車いすバスケも見どころ十分。その激しさは、バスケというより、鍛え上げた肉体がぶつかり合う格闘技というイメージに近く、見ている側をエキサイトさせる。また、櫻井本人が「挫折感や泥臭さ、夫婦の深い愛情などが見られる人間ドラマ」とコメントしているように、和也の心情と未希との関係を追うのも見どころの1つ。単に車いすバスケの世界を描いた作品ではなく、ヒューマンラブストーリーとしての側面も強いため、家族そろっての視聴にも向いている。○櫻井翔と香川照之の"絆"に注目そして、車いすバスケや夫婦愛と同様に注目してほしいのは、櫻井が日本屈指の名優たちと向き合うシーン。櫻井と長澤を盛り立てるべく、助演には新春特別ドラマにふさわしい豪華な顔ぶれがそろった。和也を車いすバスケの世界に誘う鶴田仁志に田中哲司、結婚に反対する未希の父・仲川明生に小林薫、和也の未来を心配する母・鷹匠和歌に倍賞美津子、チームのエースだが転移性のがんを患う向井大隼に市原隼人、ライバルで車いすバスケ日本代表のスター・神村練に安藤政信、高校生時代から和也を追い続けるスポーツ紙記者・福本廣太郎に香川照之がキャスティングされている。田中、小林、倍賞、市原、安藤、香川と1対1で向き合う櫻井がどんな演技を見せ、どんな化学反応を起こすのか。熱いキャラクターを演じる櫻井が、冷静なキャラクターを演じる名優たちと対峙するシーンは、隠れた見せ場になっている。中でも必見なのは、和也とスポーツ紙記者・福本が誰もいないコートで言葉を交わすシーン。悩む和也に強い言葉を浴びせる福本の姿を見て、「櫻井と香川の間に絆が生まれているのではないか」と思わせられた。○最後のモノローグは感動必至サッカー選手として活躍するシーンから、クライマックスのシドニー・パラリンピックに至る道のりの長さと濃さは、1クールの連ドラにできるほどのものがある。それを1夜の放送に凝縮したことで、次々に重要なシーンが訪れ、「アッと言う間に見終えてしまった」という印象が強い。その余韻を感動的なものにしているのは、和也が未希を思って語る最後のモノローグ。『君に捧げるエンブレム』というタイトルの意味が明かされ、温かい気持ちになれる。リオ・パラリンピックやBリーグ開幕の熱気が残る今だからこそ、車いすバスケ目当てに見るもよし。失意のどん底から立ち上がる男の人間ドラマを期待するもよし。夫婦と家族の愛情に焦点を絞って見るもよし。さまざまな見方ができる上に、新年に前向きな一歩を踏み出せるような、未来への希望に満ちた作品だ。■木村隆志コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2,000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。
2017年01月01日5~6時間の睡眠しか取らなかった運転者は交通事故のリスクが約2倍に、睡眠時間4~5時間の運転者は交通事故リスクが4倍以上にも上ることが、米自動車協会交通安全財団(本部・米ワシントンD.C.)の研究で明らかになりました。同財団が2016年12月6日、研究レポート「睡眠不足と交通事故の関係」として発表しました。 睡眠不足は飲酒運転による事故リスクと同程度研究は、2005~2007年に発生した交通事故4,571件に関与した運転者7,234人と睡眠時間の関係を分析。睡眠時間が過去24時間で6~7時間だと、睡眠時間7時間以上の運転者と比べて事故リスクは1.3倍、5~6時間だと1.9倍、4~5時間だと4.3倍、4時間以下だと11.5倍にもなりました。このリスクのレベルは、米幹線道路交通安全局(NHTSA)が公表している飲酒運転が引き起こす交通事故のリスクと同程度だということです。 死亡交通事故の21%は眠気運転が関係睡眠不足は、刺激に対する反応を遅らせ、反応の正確さも減少させる結果、運転すれば交通事故の危険をもたらします。同財団によるこれまでの研究で、死亡交通事故の21%が運転者の眠気と関係していることが分かっていましたが、睡眠時間と交通事故リスクの数量的な関係を突き止めたのは今回が初めてです。 7時間以上の睡眠を取らずに運転するのは危険米疾病対策センター(CDC)の調査によると、米国の自動車ドライバーの35%が、7時間の睡眠を取れていませんでした。同財団によれば、運転者の97%が、眠気のある状態で運転する人はほかのドライバーの安全を脅かしており、許せないと考えている一方、運転者3人のうち1人は、過去1か月以内に非常に疲れて目を開けているのがつらい状態でも運転したことがあると答えたそうです。同財団では、7時間以上の睡眠を取らずに運転すれば、死亡事故に結びつく危険があると、ドライバーたちに警告しています。 出典:米自動車協会交通安全財団プレスリリース米自動車協会交通安全財団研究報告書 by Gary Knight
2016年12月18日アカデミー賞の前哨戦の1つとされているLA映画批評家協会賞が4日(現地時間)に発表された。作品賞と監督賞はバリー・ジェンキンス監督の『Moonlight』(原題)が受賞。どちらの賞もデミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』(原題)が次点に選ばれた。『Moonlight』からは、マハーシャラ・アリが助演男優賞、ジェームズ・ラクストンが撮影賞を獲得。計4部門で受賞し、高い評価を受けた。助演男優賞は、遠藤周作の「沈黙」を原作とし、ハリウッドで映画化された『沈黙-サイレンス-』に出演のイッセー尾形さんが次点として発表されている。アニメ賞に輝いたのは、世界でも話題、いまもなお日本で記録的なヒットを更新中の『君の名は。』だ。アカデミー賞にまた一歩近付き、ますます期待が高まる。新海誠監督は現在、海外プロモーションでロサンゼルスに滞在中だとのこと。リアルタイムで受賞を耳にし、ツイッターで「LAで取材中に嬉しいニュース。『君の名は。』がロサンゼルス映画批評家協会賞、アニメ部門受賞だそうです。なんと。マジですか…」と喜びを語っている。なお、次点はスタジオジブリ初の海外共同作品『レッドタートル ある島の物語』だった。(Hiromi Kaku)
2016年12月05日11月も終わりを迎え年末の季節も近づこうかという11月29日(火)、毎年注目を集める国内外の映画賞レースの中から、第41回「報知映画賞」の全9部門が発表された。まず、注目を集める「主演男優賞」および「主演女優賞」では、『葛城事件』での怪演が大きな話題となり“新境地”で魅せた名優・三浦友和が「主演男優賞」に、『湯を沸かすほどの熱い愛』にて死にゆく母の大きな愛を“熱演”した宮沢りえが「主演女優賞」にそれぞれ輝いた。また同作からは、宮沢さんの娘役として銭湯の若女将に扮した杉咲花が「助演女優賞」に、さらに中野量太監督が「新人賞」に輝き、『湯を沸かすほどの熱い愛』は作品賞・邦画も受賞した。「助演男優賞」は、『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-』『怒り』と今年も出演作が目白押しだった綾野剛が受賞。「EXILE/三代目J Soul Brothers」のメンバーとして絶大な人気を誇る岩田剛典が、映画初主演を務めた『植物図鑑』にて「新人賞」を受賞した。また、この夏の公開から興行収入・動員数を右肩上がりに伸ばし、空前の大ヒットを記録している新海誠監督最新作『君の名は。』が「特別賞」を受賞。「監督賞」には、海外の映画祭でも高い評価を受け、渡辺謙をはじめ森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡ら豪華俳優陣が集結したことでも注目を浴びた、李相日監督作品『怒り』が選ばれている。<第41回報知映画賞/受賞一覧>■作品賞(邦画):『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太監督)■監督賞:李相日(『怒り』)■主演男優賞:三浦友和(『葛飾事件』)■主演女優賞:宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■助演男優賞:綾野剛(『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-』『怒り』)■助演女優賞:杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■新人賞:岩田剛典(『植物図鑑』):中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■作品賞(海外):『クリード チャンプを継ぐ男』(ライアン・クーグラー監督)■特別賞:『君の名は。』(新海誠監督)(text:cinemacafe.net)
2016年11月29日櫻井翔と長澤まさみが初共演で夫婦役を演じる新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」。この度、本作の新たなキャストとして市原隼人、田中哲司、小林薫、倍賞美津子、かたせ梨乃、安藤政信、そして香川照之という豪華俳優陣が集結することが決定した。将来を有望視されたJリーガー鷹匠和也(櫻井翔)が、不慮の事故で命の次に大事な脚を失うも、車椅子バスケという新たなスポーツに出会い、愛する人のため、不屈の闘志で戦うヒューマン・ラブストーリー。実在の元パラリンピック選手をモデルに描く本作は、エキサイティングな車椅子バスケ競技の世界を、新春の大型ドラマにふさわしい迫力ある映像で描く。物語の核となるのは、逆境に立ち向かう男とそれを支え続けた妻の夫婦愛、そして彼らを取り巻く人々、仲間やライバルたちとの絆、愛する家族との葛藤。そんな感動のドラマを共に作りあげるべく、今回新たに出演者が発表!片足を切断しているが、それ以外は健常者同様の身体能力を持ち、車椅子バスケ・チーム“Wings”の得点王として活躍する向井大隼役に、男子シンクロ、野球、ボクシングといったスポーツ・ドラマにも果敢に挑んできた市原さんが抜擢。実は転移性の癌を患っており、いつ選手生命を絶たれてもおかしくない状態で、それゆえ生き急ぐようにハードにバスケに取り組んでいるが…という役どころだ。市原さんは「どういう形でこの作品を捉えたらいいのか、ということをいままでで一番悩んだ作品でした。自分には経験のない立場で、障害を持つということをどう捉えていいのか、いまでもその概念をわかっているとは決して言えないのですが、1%でも近づけるように、と撮影に臨んでいます」とコメント。また実際に競技を体験してみて、「車椅子バスケは本当にハードな競技で、手もボロボロですし、毎日筋肉痛ですし、転んで頭は打つし、フィジカルにも内面的にも強くなくてはいけない。でも、ハードだからこそどんどんのめり込んでいってしまう競技だということも実感できました」と語っている。そして、数々のドラマや映画で個性的な役を演じ続ける田中さんが、和也の妻・未希(長澤まさみ)が障害者手帳の手続きをする朗らかな市役所の職員・鶴田仁志役。日本アカデミー賞最優秀賞を3度も受賞するなど名実共に日本を代表するベテラン俳優である小林さんが、和也との結婚に反対する未希の父親・仲川明生役で出演。そのほか、倍賞さんが和也の母・鷹匠和歌、かたせさんがシングルマザーとして女手ひとつで向井大隼を育ててきた向井史子、安藤さんが車椅子バスケ日本代表不動のエース・神村錬、香川さんが和也がまだ高校生だった頃からそのサッカーの才能にほれ込み、自腹を切って追い続けてきたスポーツ紙記者・福本廣太郎を演じる。新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」は2017年1月3日(火)21時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年11月01日