手ごろな価格で、おいしいドーナツが楽しめる『ミスタードーナツ』。2022年9月26日、『ミスタードーナツ』が一部商品の価格を値上げすると発表しました。『ミスタードーナツ』では、同年3月にも値上げを実施していましたが、ドーナツの主原料である小麦や食用油などの原材料の高騰により、年内二度目となる価格改定に踏みきったようです。ミスタードーナツでは、主原料である小麦粉や食用油等の原材料高騰によるコスト増加を要因として、3 月 1 日より一部商品の価格改定を実施しました。しかしながら、この改定幅を上回って国際情勢や為替変動により原材料および包装資材・物流費など諸経費の上昇が続いています。このような状況下の中、コスト上昇分を内部努力で吸収することが困難であると判断し、これからもおいしい商品を安定的にお届けするために一部商品の価格改定を実施させていただきます。ミスタードーナツーより引用現在販売中のドーナツ、パイ、マフィン39種が10~20円ほど、また、『ドーナツポップ』の単品が3円、セット商品が10~30円ほど値上げするとのこと。価格改定される商品の中から、価格改定後の金額例を一部ご紹介します。下記はすべて、税抜き価格です。【ドーナツ】【パイ】【マフィン】【ドーナツポップ】『ミスタードーナツ』の価格改定のニュースに、ネットからはさまざまな声が上がっています。・『ミスタードーナツ』も値上げか…。でも、仕方がないし、大好きなので応援の気持ちも込めて買いに行きます!・いくらになろうとも、『ゴールデンチョコレート』がある限り、通い続けます!・そのくらいの値上げならいいんじゃないでしょうか。・原材料の高騰は仕方がない。いろいろな値上げに合わせて、みんなの給料を上げてくれー!『ミスタードーナツ』は、同年11月25日から商品価格の改定を行います。価格改定前には、全国の『ミスタードーナツ』に多くの人が押し寄せそうですね。[文・構成/grape編集部]
2022年09月27日「昨年来、食品の急激な値上げを実感します。そのなかでお菓子は数年前から価格は変えずに内容量を減らす“ステルス値上げ”がされてきました。子供も購入する商品であるため、価格を上げるのが難しい部分もあったのでしょう。しかし、もはや企業努力だけでは価格を維持することができなくなってきているようです」こう語るのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。チョコパイ(9月6日〜)などチョコレート類、ポテトチップス(9月1日〜)などスナック類、あずきバー(9月1日〜)など氷菓類と、値上げ商品は全方位的だ。スーパーなどに並んでいるお菓子を集めると、その種類はのべ64にも及んだ。「特に注目すべきは、9月5日に20円から23円に値上げしたチロルチョコと、今年4月に10円から12円に値上げしたうまい棒。チロルチョコは今の形になって以来29年ぶり、うまい棒は発売以来42年で初めての値上げです。値段のキリがよく、10円玉で購入できる商品の値上げは、メーカーにとって苦渋の決断だったのでは。お菓子業界の値上げの異常事態ともいえるでしょう」(柏木さん・以下同)値上げの主要因は、原油価格高騰による物流・製造コストの増加、ウクライナ情勢の悪化などによる小麦や油脂の価格上昇、そこに1ドル約140円台も記録した急速な円安で、輸入コストが増大したことが追い打ちをかけた。こうした背景のほかにも、お菓子類特有の事情が隠されているようだ。「まず、お菓子の原材料に目を向けると、気になるのは小麦粉同様に、砂糖が急騰していること」今年7月、昨年来4度目となる値上げで6%増になったばかり。「原料の輸入コスト高騰、円安によって高値が続いている状態です」チョコレート製品に欠かせないカカオも高騰。各菓子メーカーが商品値上げの要因と挙げているのは、パーム油の高騰だ。【解説】2022年値上げされた&されるお菓子現在、ひまわり油の世界的な産地であるウクライナがロシアに侵攻され輸出が滞っている。そのため各国でひまわり油の代替品としてパーム油の需要が増加。パーム油の産地であるインドネシアでは、じつに70%値上げされた製品もあるという報道も。「チョコレート製品に欠かせないカカオも、数年前から産地の人手不足などにより、各国で供給不足の状態が続き値上がり傾向でした」さらに直近ではカカオ産地であるガーナの天候不良、円安による輸入コスト増が重なった形だ。原材料以外にも要因が。「とくにお菓子は個包装が施される商品。石油化学製品である包装資材は、原油価格の影響が大きいといえます。また、9月の値上げには井村屋や赤城乳業などの氷菓の値上げも目立ちます。氷菓の場合は製造段階でも輸送段階でも冷凍処理が必要なので、コストが大きいのです」こうした状況下、企業努力だけでは価格を維持できず、上半期に約10%、さらに9月以降に10%以上“再値上げ”する商品も。「一度に20%以上値上げすると購買行動への影響が大きいので、段階的に値上げしたいメーカーの思いもあるのではないでしょうか」つまり、一度値上げした商品が、再値上げしないとは限らないのだ。「今後も容赦ない値上がり傾向は続きそうです。’21年の家計調査によると、お菓子の月の平均支出額は7,350円。お菓子の価格が平均13%増したという帝国データバンクの数値を基に計算すると、おやつ代は1カ月955円増。今後の値上げも考慮すれば、これまでよりも月1000円を超える出費増を覚悟すべきでしょう」だからこそ、日々の対策も求められる。「定価で買わずドラッグストアや量販店など安売りの店で買う、特売のときにまとめ買いする、安さが売りのPB商品などを利用するなどして、乗り切りましょう」現実はスイーツのように甘くはないのだ。
2022年09月08日「秋から値上げされるものの多くは加工食品。ということは、できるだけ加工食品は買わず、生ものは“使い切る”ことを意識すれば、値上げのダメージを最小限に抑えられます」そう語るのは節約アドバイザーの和田由貴さん。「家庭から出るロスの半分は野菜。皮ごと料理したり、半端野菜も使い切って。秋はお得な旬野菜が多く出回るため、余らせそうなら冷凍保存しましょう」料理に欠かせない調味料は、PB(プライベートブランド)商品がおすすめだという。「いまPBは安いだけでなく“本家”に負けず劣らず美味しい。“本家”のマヨネーズは450gで税込436円ですが、西友のPBなら400gで224円です」食品ロスをなくすためにはスーパーでの買い回り方も大事。「私はまず安売りしている旬の食材で献立のメインを決めます。献立作りが苦手な人やレパートリーが少ない人は、その場でスマホの画像検索を活用して。これで割高な『〇〇の素』を使わなくても、基本調味料と旬の食材だけでおいしく作ることができます」注意点は、“食欲の秋”に負けないこと!「スイーツやビール、ワインなど嗜好品の値上げは、家計に影響を与えがちなので注意が必要。“おこづかい”に計上し、その中でやりくりしましょう」それでは和田さんも実践する【10の食費節約ワザ】を見ていこう。【1】“食欲の秋”は食後に買い物へ「お腹がすいていると、すぐ食べられる菓子パンやお惣菜などを買ってしまいがち。冷静に買い物ができる食後、とくに朝食後の午前中が狙い目です。夕方の遅い時間はNG」(和田さん、以下同)【2】スーパーではまず肉、魚売り場をチェックせっかく旬の魚が安く出回っていたり、肉の特売があったりするのに活用しなければもったいない。「買い物は、肉や魚売り場→野菜→加工食品の順に回りましょう。献立のメインが安く決まるだけでなく、無駄な野菜や食材を買う頻度が減ります」【3】調味料や加工食品はPB商品を値上げ幅の大きい調味料やハム、ソーセージ、チーズなどの加工食品は、PB商品を選択しよう。「PBは価格を据え置きしているスーパーがほとんど。メーカーの特売価格には負けますが、いつでも安く買えるのがありがたい」【4】使い切りレシピ画像を活用する旬の食材を安く手に入れても、量が多くて中途半端に余ってしまったりすることも。「スマホで“食材名+レシピ”で検索したあと“画像”にすると、レシピ画像が出てきます。画像だとイメージがつかみやいので、すぐレシピが見つかるはず」【5】りんごの搾り汁を使って安い鶏肉を美味しく鶏肉に下味をつけるとき、醤油や酒などと一緒にりんごの搾り汁を加えると、いつもより軟らかくジューシーに。「リンゴ酸という成分に肉の繊維を軟らかくする効果があります。肉500gに対して大さじ半分程度でOK。少しの絞り汁を料理に活かせば、高級肉に変身します」【6】かさ増しに欠かせないきのこは冷凍保存旬を迎えるきのこは特売になりやすく、秋の食卓の救世主! 和洋中どんな料理にも使えて腹持ちが良く、うま味が加わることで料理を美味しくかさ増しできる。「きのこは生のまま冷凍が可能。冷凍するとうま味が増すといわれています。しいたけやなめこはそのまま、えのきだけやしめじは石づき部分を切り落とし、小房に分けて冷凍。たくさん買っても日持ちしますし、使うときは凍ったまま加熱調理するだけ」【7】余った野菜は「あんかけ」に野菜の使い切りを徹底している和田さん。「野菜室に収納かごを置き、半端野菜を入れておけば、しおらせることがありません。半端野菜は刻んで炒め、とろみをつけてあんにし、メイン食材にかけると簡単にボリュームアップ。あんかけにすれば、どんな野菜でもメイン料理となじむので野菜室整理の定番です」【8】豆苗や青ねぎ、ごぼうは再生栽培で再収穫野菜の根元や切れ端を育てる再生栽培は、気軽に収穫を楽しめるという。「豆苗は根元を水につけておくだけで、2回ほど収穫できます。大根、かぶ、にんじんなどの根菜類も同じく水耕栽培で葉が出るので、スープの浮き実や料理の彩りに使えます。青ねぎは根元4cm程度、キャベツは芯を土に植えると再び伸びますし、ごぼうも発芽した茎を植えたら、細いごぼうを大量に収穫できました」【9】食費は3:1に分けて管理する食費の予算を守るには、1カ月の予算を3:1に分けて管理すること。「例えば月4万円の予算なら、3万円と1万円に分け、3万円は日々の買い物に、1万円をお米や調味料など長期で使う食品に充て、月1回まとめ買いします。そうすれば“予算を日割り計算していたのに月末に食費が足りなくなる”という失敗を防げます」【10】秋の限定スイーツは“おこづかい”で買う栗やさつまいも、かぼちゃなど魅力的な季節のスイーツが増える秋。9月1日からカルビーのポテトチップスや井村屋のあずきバーなど、お菓子やアイスも値上がりするが、和田家では嗜好品代は食費と別枠にしているという。「スイーツやお酒などの嗜好品は、家計ではなく“おこづかい”に計上します。“おこづかい”の中でやりくりすることで、自制心が働きますし、ドラッグストアなど、より安い店を選んで買うようになります」
2022年09月02日みなさん、こんにちは! 10歳と7歳のやんちゃ兄弟を育児中のなーみんです。ここ最近いろいろな物が値上げされていて、皆さんもいろいろ工夫をしていると思います。今日は我が家で取り入れた、「節約するところとしないところ」についてです。■値上げが痛い電気代…でも節約を避けるのは?値上げで一番衝撃を受けたのが電気代です。今年に入ってからの電気代がとにかく高い! なのに使用料は去年とそんなに変わっていない…。そして電気代が一番高くなるのが夏! 今年は梅雨明けも早かったしいつもよりエアコンを付ける時期が早かったです。でも我が家はエアコンの節電はしません!節約して熱中症になったら病院代のほうが高いですし、子どもも暑がりだし体調を崩させるわけにもいかないので電気代が高くなってもエアコンは悩まずつけることにしました!■一方、我が家が節約することにしたのは…子どもたちがテレビで動画などを見ていて、それが垂れ流しになってることが多いんです。各々ゲームなどをし始めてテレビはBGM的な存在。「見てないなら消して」と子どもにも耳にタコができるくらい言っているんですが、全然ダメです…。いつもテレビついてます。なのでそんなときはすぐ消してるんですが、夏休み中はもっと恐ろしいことになりそうなので夏休み中のルールとして「テレビを見ないなら消す」を徹底したいと思います。あとはドライヤーもちょっと節電しています!私は髪の毛が長くて完全に乾かすのに10分以上かかってしまいます。乾かす時間が短くなるというマイクロファイバーのタオルでなるべく髪の毛の水分を取ってから乾かすようにしてドライヤーの時間を短くしています。節電と言っても本当に小さなことばかりなんですが、チリツモになってちょっとでも電気代が安くなればいいな~と思っています!みなさんは節約、何かしていますか?
2022年07月28日ここ最近いろいろな商品が値上げされています。そこで今回は「買い物を控えるようになったもの」と「それでも我慢できないもの」について健康、美容、エコに詳しい女性たち約100名が集まるanan Beauty+ clubのメンバーにアンケートを実施!どのような値上げ対策をしているのか聞いてみました。値上げして買わなくなった、買う頻度が低くなったものは?まずはanan Beauty+ clubメンバーに「値上げが行われたことによって買わなくなった商品や、買う頻度が少なくなった商品」についてリサーチしました。※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。「甘いものが好きで毎日のように買っていましたが、最近はあまり買わないようにしています」(31歳・会社員)「ケーキやお菓子」(30歳・会社員)まず目についたのが、お菓子やケーキといったスイーツ類。値上げされたことをきっかけに、ダイエットの大敵となるスイーツ類を控えるようになったという回答が多数ありました。「時間つぶしのカフェ。歩いて時間をつぶす方がダイエットにもなる」(35歳・専門職)「スタバ」(37歳・会社員)続いて気になった回答が、スターバックスなどのカフェに使うお金です。値上げへの対策として、お金がかかるカフェでの時間つぶしを、ウォーキングなどのお金のかからない運動に切り替えるという回答が見られました。「献立を決めてから買い物をするようになった。カット野菜をやめて、全部調理するようになった。コンビニではほとんど買わない」(38歳・専門職)「肉類はスーパーで割引きになっているものしか買わなくなった」(38歳・その他)日々の献立や食料品購入を工夫するという回答もありました。「テーマパークチケット。なんだか気軽に行ける値段ではなくなってきて、めっきり行かなくなりました」(30歳・会社員)また驚いたことにテーマパークのチケット購入を控えるという回答もありました。仕事を頑張った自分へのご褒美でもあるテーマパークですが、生活必需品ではないため仕方がないと考える方もいるようです。逆に値上げしても、絶対に買ってしまうというものは?一方で、値上げが行われても我慢できずについ購入してしまうものもあります。そのような商品についてもリサーチをしてみました。「アイス!ふとした時に食べたくなる!」(25歳・会社員)「アイス。ジメジメした夜寝る前に毎日食べてしまう」(30歳・会社員)やっぱりアイスを我慢できない!そんな回答が多数ありました。これから暑くなる季節を迎え、より冷たくて甘いアイスを食べたくなるのは間違いありません。「カフェラテ。毎日の楽しみなので、カフェラテだけはいくら値上げしても買うと思います」(30歳・会社員)「カフェ代。毎日一回はコーヒーを飲まないと気分が上がらないので」(31歳・会社員)「コーヒーは妥協するとマジで全然美味しくないのでコーヒーに関しては値段じゃないなと」(35歳・自営業)カフェラテなどのコーヒーへの出費は控えられないという回答もありました。気分転換やモチベーションを高めるためコーヒーが欠かせないという気持ちは理解できます。「旅行関係。せっかくだから!と出してしまう」(41歳・会社員)旅行に関する費用は出してしまうという回答も。滅多にない特別な出費だからこそ、値上げに影響されずお金を使ってしまうということでしょう。値上げ傾向が続くなかでも、つい買ってしまう商品は、次の3パターンに分かれるようです。1. どうしても我慢できないもの。2. モチベーションを高めるために必要なもの3. 滅多にない特別な支出やはりスイーツなどをどうしても我慢できない人は多いようです。スイーツは値上げにより買わなくなった商品としてもあげられていましたが、我慢できないものにもあげられています。結果としてスイーツは節約時、真っ先に控えるものであると考える人も多い一方、我慢できないものであると考える人もいることがわかりました。節約を行い値上げラッシュを乗り切ろう!いかがでしたか。さまざまなモノが値上がりしている昨今。そんな風潮を受けて今回20代〜30代の女性たちが「買い物を控えるようになったもの」と「それでも我慢できないもの」をご紹介しました。彼女たちの意見を参考にみなさんも上手に節約することで「値上げラッシュ」を乗り切っていきましょう。(C)David Espejo/Getty Images文・中村砂織
2022年06月30日日頃から多くの人に食べられているお菓子、『ポテトチップス』。お菓子メーカーのカルビー株式会社が発表したデータによると、同社の『ポテトチップス』シリーズは、2020年度の1年間で、約10億袋の生産がされています。2022年6月22日、カルビーは、そんな『ポテトチップス』をはじめとするお菓子などの食品を、値上げすると発表しました。値上げの対象となる商品は、『ポテトチップス』51品のほか、『じゃがりこ』12品や『かっぱえびせん』2品など、合計85品。これらの商品に対し、10~20%ほどの値上げが予定されています。また、おみやげ商品として分類されている『ポテトチップス』など37品に対しても、5~20%程度の値上げを行うそうです。また、『シリアル』など一部商品については内容量の変更も。値上げと内容量の変更は、同年9月1日から順次行っていくとのこと。今回値上げを行う理由について同社は、「エネルギーと原材料価格の高騰に、自社努力では難しい状況にあるため」と説明しています。世界の情勢を踏まえると、値上げも仕方ありませんね。ネット上では、カルビーが商品を値上げすると知った人々から、さまざまな反応が上がっています。・むしろ今までの価格で売ってくれてありがとう!値上げしても買い続けます。・値上げは仕方ない!『ポテトチップス』が大好きだからこれからも変わらずに買いたいと思う。・値上げをしても、カルビーにはこれからもおいしい『ポテトチップス』を作ってもらいたい!「引き続き、安心安全で満足してもらえる商品を提供できるように」ともコメントしていた同社。値上げをしても、私たち消費者は今まで通り『ポテトチップス』を味わっていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年06月22日「パン、パスタなどの7月からの値上げが発表されました。いずれも、今年に入って2度目の値上がりとなります」こう話すのは、流通事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。山崎製パンは食パンの「超芳醇」をはじめ、141品目の出荷価格を7月1日の出荷分から平均で7.1%値上げする。フジパンと敷島製パンも最大9%の値上げを発表した。また、ニップンと昭和産業は7月に小麦粉やミックスなどを、8月にはパスタや乾麺などをそれぞれ値上げすることを決定している。「小麦粉製品は値上げのサイクルが速く、他ジャンルの食品の値上げの先例になるといえます」6月はカップ麺、アイス、7月は香辛料、食用油、10月にはビールと、今後値上げが予定されている食品は枚挙にいとまがない。「そういった商品も、小麦粉製品と同様にさらなる値上げが発表される可能性は否定できません」私たちが家庭で消費するモノの価格動向を示す「消費者物価指数」は、東京都区部の最新統計(4月分)で前年同月比プラス2.5%。「総務省が発表している『家計調査』によれば、昨年の2人以上世帯の平均消費支出は月額で『27万9024円』。これに『プラス2.5%』ですから、6月以降は月額で『6976円』も出費が増える計算になります」じつに毎月「7000円」の出費増!あらゆる品目が値上げされるなか、私たちはどのような手を打つべきなのか――。加谷さんと、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに最新の節約習慣を教わった。■まとめ買い・定期便を活用する値上げ実施前に買っておくまとめ買いには、「商品ごとに向き不向きがある」と話すのは柏木さんだ。「まとめ買いが有効な品物の原則は『消費期限が長い』ものや『かさばらない』もの。ビールなどの箱買いは、製造日から時間がたつと鮮度が落ちることがあります」ビールのほか、トイレットペーパーなど場所を取るものは「定期便」を利用するのがよいそうだ。「アマゾン、楽天などのECサイトの定期便や、各メーカー独自の定期お届けサービスもあります。私は化粧品も定期便で購入していますが、使い切るスパンで配達されるのが理想。1カ月で使い切るのか、3カ月なのか、自分のペースをきちんと把握しましょう」■還元より割引を重視するお店が掲げる「50ポイント付与(還元)」と「50円値引き(割引)」では、その価値が大きく異なる。「『50円値引き』はその時点で現金50円分の得になりますが、『50ポイント付与』は次回購入時に初めて使えるサービス。『値引き』品を買うほうが『ポイント付与』より価値は高いです」(加谷さん)「ポイント付与は、リピーターを増やすというお店側のメリット。買う側は必ずまた行くお店でないと意味がないのです」(柏木さん)■日用品をスーパーのPB商品にイオン「トップバリュ」、イトーヨーカドー「セブンプレミアム」、西友「みなさまのお墨付き」などのPB商品(プライベートブランド)は、食料品からティッシュ、洗剤まで数千品目あるといわれ、一般メーカー品より2~3割安い。「さらに、イオンと西友では現時点でまだ値上げされていません。『6月30日まで据え置き』と発表しました」(柏木さん)品質もメーカー品と遜色ないため、日用品をPBに切り替えるメリットは大きいという。だが、そもそもPBが安く提供される理由は?加谷さんが解説する。「PB商品のほとんどは、メーカーが製造した品物に、スーパーが自社のラベルを貼って直接販売しています。メーカーとスーパーのパワーバランスは昨今、スーパーに傾いています。そこでスーパーが『安くて品質がいい』PB商品を多く出すようになりました」メーカー側には、自社製品と合わせた大量生産で製造コストを抑えられるというメリットがある。■ふるさと納税で生活必需品を寄付金額から2000円を引いた額が住民税・所得税から控除・還付されるため、実質2000円の負担で返礼品が受け取れると人気のふるさと納税。返礼品では、スイーツをはじめとする特産品に人気が集まるが、カップ麺やトイレットペーパーなど生活必需品を返礼品としている自治体もあるので、要チェックだ。「例年、11~12月は駆け込み需要のため品薄になったり、返礼品もお歳暮用の割高なものが多くなりがち。余裕のあるうちに、家計の助けになるものを選んでおくのが得策です」(柏木さん)■保険料・NHKは年払い住民税、国民年金や、民間の保険の保険料、NHK受信料などは、1年分を一括で払うことで、割引が受けられる。「年払いにする優先順位をつけるべき」と話すのは柏木さんだ。「一般の保険会社の個人年金保険は、途中解約した場合、返戻金は掛金の9割程度しか戻ってこないものが多い。保険料を払いそこね、結局止めてしまうことを防ぐためにも、ボーナス時などに一括で支払う『年払い対象』にしたほうがよいでしょう」■サブスクの使用状況を点検「動画配信サービスは1つずつの料金が安いからと、つい月の支払い額がかさんでいる人も多い」と指摘する加谷さんの提案は、一度“すべて解約”してみること。「全部やめることで、本当に見たかったコンテンツが浮き彫りになります。そのぶんだけ再契約すれば、大幅な支出カットになるはず」■小売店の「下取り」を利用する「洋服の青山では、着なくなったスーツなどを持ち込むと、下取りとして10%オフのクーポン券がもらえます。紳士服のコナカでも、持ち込むアイテムごとに下取りの額や購入品の割引率が異なるサービスがあります」(柏木さん)衣料品のほか、家電量販店でも商品によって下取りの対象になるものがあるという。値上げのトンネルの出口が見えないなか、節約も“長く続けられるもの”であることが求められる。最後に加谷さんが語る。「日ごろからスマホなどで価格をよく調べる習慣がつけば、結果的に“息が詰まらない節約”が達成できるはずです」できることから1つずつ習慣にし、家計負担増の波を乗り切ろう。
2022年05月27日商品の値上げが連日報じられるなか、まだその発表がされていない品目もある。“原材料比率”という視点に立って考えてみると、今後の値上げの傾向が見えてくるという――。「急激な円安の進行が止まらず、4月20日には一時1ドル129円台をつけました。約20年ぶりの水準ですが、この傾向が変わる要素は見当たりません」こう話すのは、市場の動向に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。今年3月には1ドル115円台で推移していた円相場が、1カ月足らずで15円もの円安に。この異常事態は、家計にも大きな影響を及ぼすことになるという。帝国データバンクの4月の調査「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート」によれば、今後1年以内に値上げを行うと回答した「飲食料品・飼料製造」企業は「73.1%」にのぼる。「原油価格高騰と流通網の混乱、ウクライナ情勢という値上げの要因に、輸入物価を押し上げる円安が加わったことで、値上げの対象は今後ほぼ全品目に広がると予想されます」(加谷さん・以下同)今年はすでにパンやパスタなどの主食をはじめ、食用油、みそ、ティッシュなど、生活必需品の多くが値上げされた。間髪入れず、5月以降の値上げも続々と発表されている。6月の値上げ予定が目立つが、加谷さんによれば、この傾向を読み解くための指標があるという。「“商品の価格”に“原材料の費用”が占める割合を『原材料比率』といいます。この比率が高いほど値上げサイクルが速い、という傾向があります。原材料比率を商品カテゴリー別に把握しておくと、家計を守るための指針にもなるでしょう」そこで、加谷さんが独自に調査した原材料比率をもとに、値上げのサイクルについて解説してもらった。まずは、すでに多くのメーカーが値上げを実施したパンについて。「パンの原材料比率は30~40%です。小麦を焼き上げてから店頭に並ぶまでの工程が少ない=原材料費率が高い商品の代表格です」同様の原材料比率が6月値上げの「スープ、ソース、食酢」。7月の「オリーブオイル」(35~40%)もほぼ同じカテゴリーと考えてよい。「原材料費の高騰が販売価格に直結しやすいため、企業が値上げをせずに我慢できる幅が狭い、とも言えるのです」原材料費が今後も上がれば、さらなる値上げも予想されるという。■8月に値上げに踏み切る企業が続出の可能性も次いで原材料比率が高い食品には「カップ麺」「菓子類」「アイス」「乳酸菌飲料」など多くの品目があり、比率は25~30%。「『3割』以内に収めるのが原材料比率の理想ですので、この『25~30%』がボリュームゾーン。発表分は6~7月に集中していますが、8月以降の値上げに踏み切る企業も多くなるでしょう。特に、すでに業界大手の『日清食品』が値上げを発表しているカップ麺については、競合他社の追随が相次ぐことも予想されます」酒類では「ワイン」が20~25%、「ビール」「焼酎」で15~20%と、種類によって原材料比率に幅があるという。「ワインの多くは海外産ぶどうを原材料としていますので、輸送コストの高騰などに加えて『円安』の影響も出てきたと考えられます」これからおいしい季節になるビールだが、アサヒビールは10月1日出荷分から「スーパードライ」「クリアアサヒ」をはじめ162品目を店頭価格で6~10%値上げすることを発表。ビール業界でも他社の追随が続く可能性は十分にありそうだ。ほかに原材料費率が低い品目として、「化粧品」(10%ほど)がある。「宣伝費などの比率が高い化粧品業界でも、原材料費の高騰が著しいため、価格を見直さざるをえない企業が出てくると予想されます。 秋商戦の9月ごろからは、5%ほどの値上げは覚悟しておいたほうがいいでしょう」原材料比率の低い品目は“値上げのサイクルが長く” “保存がきく商品”が多いのが特徴だと加谷さんは言う。「そうした品目は、ある程度ストックしておくことを考えるのも、支出を抑える策の一つになります」まだまだ終わりの見えない未曽有の値上げラッシュ。その波に賢く備えることが、家計が受けるダメージの軽減につながる。
2022年05月09日「4月以降も続々と値上げが発表されています。原材料費が値上がりしていること、原油価格高騰により製造、流通のコストが上がっていることなどが大きな原因です。新型コロナの影響に加え、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界情勢が不安定な状況であることから、今後さらなる物価上昇が続くと予想されます」こう警鐘を鳴らすのは、消費生活アドバイザーの和田由貴さん。新年度を迎えた4月1日以降、ミツカン(78品目を約3〜13%・6月1日〜)、明治(スーパーカップなど94品目を約2.4〜8.6%・5月1日〜)、メルシャン(ワインや焼酎など約340品目を約8〜10%・7月1日)など、食品、飲料メーカーが相次いで値上げを発表。コンビニでもセブン—イレブン(弁当や総菜など約60品目を約2〜15%・4月初旬〜)、ファミリーマート(コロッケなど10品目を約3〜12%・4月5日〜)と、大手が値上げに踏み切った。「コンビニやスーパーでは今後、ほとんどの商品が値上げされる可能性があり、食費のさらなる負担増が危惧されます」(和田さん・以下同)そこで本誌は食品の値上げによって食費がいくら増えるのか?朝食、昼食、夕食ごとにシミュレーションしてみた。その結果、おやつ、晩酌も合わせて1人あたりの食費は1日で156.3円増加。1カ月(31日)で4,845円。夫婦2人ではじつに9,691円の負担増となることがわかったのだ。【メニュー例】食費は1人あたり156.3円増加する/日■スーパーで特売野菜から買うのはNG!この食費負担を少しでも減らす方法はあるのだろうか?和田さんによると、食材を安く買うことも重要だが、“食品ロス”をなくすことこそが、節約に大きな効果をもたらすという。「食品ロスの約5割は野菜。これに果物を合わせると約7割になるといわれています。野菜や果物はしなびたり、傷みやすくて足が早い。まず、余分に食材を買わないことを意識しましょう」そこでポイントとなるのが、買い物をするときの順番だ。「スーパーなどに行くと、入口付近に野菜や果物が特売品として並べられていて、すぐにカゴのなかに入れてしまいがちですが、これが無駄な買い物につながります。まずここは素通りして、肉や魚といったメインの食材を決めてから、最後に付け合わせなどで必要な野菜をカゴに入れる。買い物の順番を変えるだけで余分なものを買うことが減るため、節約と同時に食品ロスも減らせます」さらに、お酒類やインスタント食品などの、値上がり前の“買いだめ”はやめたほうがいいと、和田さん。「たとえば、缶酎ハイなどを箱買いでストックしておくと、ついつい“もう一缶だけ”と、飲んでしまいがちです。カップ麺やお菓子なども同様で、余分に置いてあると、それほど食べたくなくても、ちょっと小腹がすいただけで“食べようかな”という気になってしまいます。消費が増えると、結果的にまた買い足すことになる。買い置きは一見お得なようで、食費の支出を大きくする可能性があるため、注意が必要です」ふだんの買い物習慣を見直して、値上げの波を乗り切ろう!
2022年04月14日数十円の低価格で購入できるため、駄菓子は子供の遠足のおやつとしても親しまれています。2022年1月、駄菓子の定番の1つであるスナック菓子『うまい棒』が、値上げされることが発表されました。1979年の発売開始以来、42年もの間、税抜き10円で販売されていた、『うまい棒』。同食品を販売する株式会社やおきんによると、原料価格の高騰などに伴い、販売価格を12円に引き上げることになったといいます。『うまい棒』値上げのコメントが「泣ける」と話題に10円玉のワンコインで購入することができた『うまい棒』の値上げは、幅広い層に衝撃を与えました。ついに値上げが行われる、2022年4月1日、株式会社やおきんはTwitterアカウントにメッセージを投稿。そこに書かれていたのは、値上げの決意や、駄菓子への愛でした。なくなっちゃうほうが、悲しいから。うまい棒値上げのニュースが流れたとき、そんな声をたくさんいただきました。1979年の発売以来初の価格改定は苦渋の決断でしたが、思いもよらなかったお客さまからの温かい言葉の数々に、感謝の気持ちでいっぱいです。子どもたちのお駄賃でも買える「10円」という値段にこだわっていられたのは、製造・流通に携わる関係各位の協力と、なによりうまい棒を応援してくれる皆さまのおかげです。未来の子どもたちにも、これからも駄菓子のおいしさと楽しさを届けていくために。ちゃんと利益を出すことで、駄菓子文化の存続と発展に努めていきたい。やおきんの、2円分の決意です。@Umaemon_40thーより引用うまい棒からのお知らせです。 #42年間ありがとう #今日から12円 pic.twitter.com/rhws5Fnaan — うまい棒【やおきん公式】@第2回うまい棒川柳受賞作発表中! (@Umaemon_40th) March 31, 2022 最後には、「駄菓子に未来を」というひと言が添えられた、同社のメッセージ。今回の件について「たったの2円の値上げ」と思う人も多いでしょう。しかし、子供がお小遣いで買うことを考えると、2円は大きいのです。文面からは同社が値上げを行うかを悩み、苦渋の決断を下したことが伝わってきます。同社のメッセージは拡散され、真摯な内容に多くの人が心打たれました。・なくならなくて本当によかった!今後も食べ続けます。・最初の一文で泣いた。本当に、販売終了してからじゃ遅いんだよね。・逆に、42年間も値上げしなかったのがすごい!かっこいいなあ。いいものを世の中に届け続けるためには、資金が必要となります。きっと今後も、『うまい棒』は駄菓子を代表する存在として、多くの人に愛されることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年04月02日年明けから食料品やトイレットペーパーなど生活必需品の値上げが止まらない。「いつも買っていた食パンがある日突然20円も値上がりしていたので、びっくりしてしまいました。値段が高くなっても今まで食べ続けていた食パンを買い続けるのか、それとも値段が据え置きの安い食パンに替えるか、考え込んでしまいました」(50代・主婦)このように今、家計を預かる主婦たちの頭を悩ませているのが、スーパーでの値上げラッシュ。どの商品も平均で2~9%と値上がりの幅は大きく、家計へのダメージは計り知れない。「これから、私たちの生活に関わる多くの商品の値段がじわじわと上がってきます。しかも、この値上げラッシュは今年で収まるどころか、数年にわたって続くことが考えられますので、今までどおりのお金の使い方をしていますと、家計がもたなくなってしまう恐れが出てきます。’22年は、抜本的な生活の見直しが必要になってくるでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、世界の経済事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。値上げは生活必需品にとどまらず、光熱費や地下鉄などの運賃、民間保険の保険料にも及ぶという。「これ以上切り詰めるなんて無理!」と嘆く人は多いと思うが、加谷さんは家計で見直すところはまだあると語る。「これからも続く値上げは節約一辺倒では乗り切れないと思います。たとえば、家電や車などの高額商品は買い換えの時期をずらす、あるいはグレードを下げて安い商品を長く使うなどの工夫をするだけでも、かなりの節約につながります。車は維持費がかかりますので、出費を抑える必要の出てくる、夫が定年退職を迎えるタイミングで手放したほうがいいでしょう。いわゆる“シェアリングエコノミー”を活用して、車は保有するのではなく、カーシェアの利用をおすすめします」(加谷さん・以下同)ネット上のサービスを使った物々交換や中古品の売買は当たり前になっているので、お得な情報を入手するためにも、ITは使いこなせるようにしたほうがいいという。また、現役時代は通勤定期券を使っていたので交通費はあまり気にしなかった人が多いかもしれないが、リタイア後は、外出するたびに交通費がかかる。今後、公共交通機関の運賃の値上がりは必至なので、郊外での生活はリスク大。「高齢になれば車の運転もできなくなりますし、徒歩でスーパーに出かけられる人とそうでない人では健康寿命にも差が出てきます。60歳を過ぎて再雇用で働くときにも、すべての仕事がリモートで完結するとは限らないので、郊外に住むのはデメリットになるケースも出てくるでしょう。駅近の中古マンションなどへの住み替えを視野に入れて、ミニマムな暮らしを目指しましょう」年金収入で生活が成り立たないときは夫婦で働くことも想定して、家計の見直しをしよう。【PROFILE】加谷珪一経済評論家。東北大学卒業後、日経BP社、投資ファンド運用会社を経て現職。『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)など多くの著書がある
2022年03月25日「これから、私たちの生活に関わる多くの商品の値段がじわじわと上がってきます。しかも、この値上げラッシュは今年で収まるどころか、数年にわたって続くことが考えられますので、今までどおりのお金の使い方をしていますと、家計がもたなくなってしまう恐れが出てきます。’22年は、抜本的な生活の見直しが必要になってくるでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、世界の経済事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。値上げは生活必需品にとどまらず、光熱費や地下鉄などの運賃、民間保険の保険料にも及ぶという。その背景には、「3つの理由」があると加谷さんは指摘する。「コロナ前から続いている問題ですが、アジアやアフリカなどの国では、人口の増加に伴い経済活動が活発化しています。食料品などの需要に対して供給が追いつかない状況が続いていて、モノの値段が上がってきているのです。もう1つは、アメリカと中国の政治的な対立です。アメリカは物資を中国以外の国から調達する、あるいは国内産に切り替えなければならなくなりました。ところが、中国ほど大量生産して安くモノを売る国はないため、今までどおり物資の調達ができなくなり、結果的に値段が上がってきてしまいました」(加谷さん・以下同)さらにここにきて、世界で広がりつつある“脱炭素”の影響が出はじめている。「産油国の側からすると、石油はいずれ使われなくなるエネルギーなので、今のうちに高く売っておきたいという思惑があります。産油国が増産に応じないのは、価格を下げたくないからなのです。原油価格に連動してガソリンの値段が上がってきているところに、コロナ禍による物流の混乱が加わり、輸入品の価格上昇に拍車がかかっています。これらは、短期的に収まる話ではなく、これから5年、10年と続いていくものだといえます」原油価格の上昇はガソリンの値段に直結するほかにも、さまざまな製造コストや、工業製品の原料価格にも影響してくる。そして、ここに来て新たな不安材料が出てきた。2月下旬に勃発したロシアによるウクライナへの軍事侵攻だ。原油価格はこれまで1バレルあたり90ドル程度で推移していたのが、3月3日には約年半ぶりに116ドルを突破した。「火力発電に使われる天然ガスの価格は原油価格に連動しているので、原油価格が上がれば、電気料金、ガス料金の値上げにも直結してきます。また、公共料金は上がり続けていますので、すでに家計を直撃しています」今年の1月からはすでに小麦粉の価格上昇に伴いパンやパスタの値段が上昇。加工の工程が少ない食用油も、原材料の高騰に伴い値上がりした。冷凍食品やコーヒー豆なども、輸入品に関しては、物流コストの上昇が重なり値上げされることに。そして、3月からは食料品を中心とした値上げラッシュが次々に始まった。マヨネーズやトマトケチャップ、醤油、みそなどの調味料から、ハム・ソーセージ、缶詰、レトルトカレーや即席麺まで、これまで値上がりしにくかった加工品などが続々値上がりする。「メーカーは、加工の工程が多い製品については、人件費を削減するなどして値上げを抑える努力をしてきましたが、原材料費や燃料費が高騰したため、値上げに踏み切らざるをえませんでした。小売店は、仕入れ値が上がっているので、本来は最終的な小売り価格を上げなければならないはずですが、客離れを恐れ、今のところはコスト削減で値上げをせずにしのぐ努力をしています。ですが、そうした努力ももう限界。仕入れ値の上昇分は最終小売り価格に転嫁せざるをえない状況になるでしょう。4月以降は値上げがさらに本格化してくるはずです」’79年から1本10円で子どもたちに親しまれてきた駄菓子の「うまい棒」も、4月1日から12円にアップ。食料品以外にも、衣料品や自動車用のタイヤ、トースターなどの家電製品、バス運賃の値上げが予定されている。5月以降は、原油価格高騰の影響から、加工食品以外に生鮮食品の値段も上がることが予想される。国内のビニールハウスなどで栽培されている果物や野菜を中心に、燃料費や配送コストの上昇が見込まれるためだ。魚介類も例外ではなく、漁船の燃料代の高騰がダイレクトに響いてくる。「庶民の味方、100円ショップも100円で販売する品数が減って、200円や300円の価格帯の品物が増えてくることが予想されます。あるいは、値段を据え置いたまま内容量を少なくして販売する『ステルス値上げ』が顕著になってくるかもしれません。今までもお菓子などでステルス値上げは見られましたが、たとえば、今までと同じコーヒーのドリップパックでも安い豆を使ってグレードを落として販売することも考えられます。今後、原材料費や燃料費の高騰に耐えられなくなってきたら、メーカーはダイレクトに価格に転嫁してくるでしょう」原油価格の高騰といえば、思い起こされるのが、’70年代に起きた“オイルショック”だ。’73年10月に中東の産油国が原油価格を70%引き上げたことにより、一気にインフレ懸念が高まったオイルショックでは、トイレットペーパーなどの買い占めが起こり、今でも原油が高騰するたびに「オイルショックの再来?」と騒がれる。「原油価格が2月下旬に1バレルあたり100ドルを超えましたが、140~150ドルまで一気に上がることはないと思いますので、急激なインフレは起こらないでしょう。ただ注意したいのは、’70年代のオイルショックは2回あり、1度目は急激なインフレとともに給料も上がったので、それほど家計へのダメージは感じられなかったそうですが、’79~’80年にかけて起こった2度目のオイルショックの際は多くの企業で給料が上がりませんでした。今回は2度目の状況に似ています。物価は上昇するのに給料が上がらないので、家計へのダメージは大きくなるでしょう」将来的に気になるのは、人口減の影響。鉄道やバスなどの公共交通機関は、燃料費の高騰により料金の値上げに踏み切るケースが見られるが、それに加えて、日本は人口が少なくなることが予想される。利用者の減少が続けば、運賃収入だけでは路線を維持できなくなり、断続的に料金の値上げが行われる可能性があるという。これから何の値段が上がるのか知ったうえで今までの消費行動をいったんリセットして。値上げに負けない家計をつくろう。■2022年春からの値上げカレンダー【3月】マヨネーズ(味の素、キユーピー):約2~10%UPサバ缶(ニッスイ、マルハニチロ):約3~20%UPドーナツ(ミスタードーナツ):約7~9%UPコーヒー(味の素AGF):約20%UP醤油(ヤマサ醤油):約4~10%UP路線バス運賃(西日本鉄道):10~150円UPハム・ソーセージ(伊藤ハム):約4~12%UPティッシュ・トイレットペーパー(大王製紙):約15%UP【4月】うまい棒(やおきん):20%UPトマトケチャップ(カゴメ):約3~9%UPチーズ(雪印メグミルク):4.3~10%UP家電製品(BALMUDA):10製品を平均8%UPタイヤ(ブリヂストン):約7~10%UPボンカレー(大塚食品):1箱あたり11円UP生めん類(東洋水産):6~13%UP照明器具・蛍光灯(Panasonic):5~30%UP食用油(日清オイリオ):1kgあたり40円UPみそ(ハナマルキ):約5~13%UPウイスキー(サントリー):5~28%UP高速道路料金(首都高速道路):上限を1,320円から1,950円にUPバス・トイレ(LIXIL):最大40%UP【5~7月】〈5月〉コカ・コーラ1.5リットルPETボトル(コカ・コーラ ボトラーズジャパン):約6%UP〈5月・予測〉スーツ等ビジネス用衣類:15~20%UP〈6月〉即席めん(東洋水産、明星):約6~12%UP〈6月〉お茶づけ海苔(永谷園):約5~9%UP〈6月・予測〉フルーツ:5%UP〈6月・予測〉鶏肉:7~10%UP〈6月・予測〉カカオ豆、ピーナツ:10%UP〈7月・予測〉白物家電:10%UP【8月以降】〈8月までに〉衣料品(ファーストリテイリング):値上げ幅は未定〈9月・予測〉ビール:5%UP〈9月・予測〉魚介類:7~10%UP〈9月・予測〉豚肉:最大5%UP〈9月・予測〉紅茶:10~20%UP〈10月〉医療費(75歳以上で年収200万円以上):窓口負担が1割から2割にUP〈10月〉火災保険料(10年契約の廃止):実質的に保険料UP〈10月・予測〉宅配送料:3%UP〈10月・予測〉バス・タクシー:3~5%値上げ議論が本格化〈10月・予測〉自転車:10~15%UP〈’23年3月〉鉄道運賃(東急電鉄):12.9%UP【PROFILE】加谷珪一経済評論家。東北大学卒業後、日経BP社、投資ファンド運用会社を経て現職。『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)など多くの著書がある
2022年03月25日昨年から続く“値上げラッシュ”は、この4月からがいよいよ本番。身近な日用品から嗜好品、公共料金まで……値上がり品目を事前に把握して、家計の防衛策をしっかり立てておこう――!「これから、私たちの生活に関わる多くの商品の値段がじわじわと上がってきます。しかも、この値上げラッシュは今年で収まるどころか、数年にわたって続くことが考えられますので、今までどおりのお金の使い方をしていますと、家計がもたなくなってしまう恐れが出てきます。’22年は、抜本的な生活の見直しが必要になってくるでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、世界の経済事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。値上げは生活必需品にとどまらず、光熱費や地下鉄などの運賃、民間保険の保険料にも及ぶという。家計を預かる主婦にとって“値上げ”は頭が痛いが、「できることはあります」と言うのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。「まず、食費の予算は1カ月に1人あたり2万円が理想。外食費を交際費や遊興費に組み入れる家庭もありますが、それでは支出は抑えられません。“貯め体質”の家計をつくるためには、食費の中に外食費を含めてやりくりをしましょう。もちろん買いすぎにも注意が必要。買い物の頻度を3日に1度にして、食材は使い切ることをおすすめします」(丸山さん・以下同)どうしても「お酒が飲みたい」「スイーツが食べたい」というときは、家族各自のお小遣いから捻出してもらうようにするのがコツ。「お菓子はなるべく買わないようにしましょう。わが家のおやつの定番は大学いもで、作り方も簡単です。カットしたさつまいもにオリーブオイルをかけて、オーブンでチンするだけ。特に、シニア世代は“必要かもしれない”消費をやめること。たとえば『孫が遊びに来たときに食べたいと思うかもしれない』と、お菓子やスイーツを買い込む傾向があります。今、必要ではない食べ物は買わないことを徹底しましょう」外出時の飲み物も、家で入れたお茶を持参するように。ペットボトルのドリンクやテークアウトのコーヒーは買わないのが基本。また、レシートはとっておいて、買った食材を使い切ったかどうか必ずチェックしよう。使い切れなかった、消費が遅いものは次に買わない目安になる。米や肉、季節の果物などは「ふるさと納税」の返礼品を活用する手もある。さらに、調理の際のちょっとした工夫も節約につながる。「野菜やお肉を小分けにして冷凍保存すれば調理も簡単です。たとえば、鶏むね肉は、下味をつけて200グラムぐらいずつ小分けにしたものをラップで包み冷凍保存。使うときにきのこやブロッコリーと炒めます。豚こま肉も130グラムぐらいずつ小分けにしたものにチーズや塩昆布を入れて丸めておけばすぐに調理できます。豚ひき肉も同様に保存しておけば、ハンバーグやキーマカレーを作るときに大活躍です」■値上げを乗り切るための「節約」To Doリスト10【1】お米中心の食生活に切り替えるパンなどに比べて1食あたりの価格が安いお米をフル活用。「わが家では圧力鍋で1回に7合炊いて、1膳分ずつ小分けにして冷蔵庫に。食べるたびに電子レンジで温めれば、食べすぎを抑えられるだけでなく、保温する必要がなくなり、電気代の節約にもなりますよ」(丸山さん・以下同)【2】魚のアラや野菜くずは出汁に活用魚のアラや野菜のくずは捨てずに、もう一度煮込むと出汁が取れる。「それを料理に使えば、調味料の節約にもなりますし、体にもいいので一石二鳥です」【3】カレーの後はスープで鍋を“掃除”カレーの後の鍋は洗うのが大変だが、野菜と水、調味料を入れてもう一度煮込めば、鍋にこびりついたカレーがきれいに取れてスープに変身。後片付けも簡単に!【4】お肉は3日に1度のまとめ買い毎日買い物に行くとお金を使ってしまうので、丸山家では3日に1度のまとめ買いが基本。「一度に買うのは鶏むね肉2キロ、豚こま切れ肉1.3キロ、豚ひき肉約1キロ(2人分)。小分けにしてラップに包み冷凍保存。そのまま炒め物や鍋料理に使えるので便利です」【5】昼ごはんの菓子パンはNG丸山さんは1個100円でも菓子パンは買わない主義。「100円の6枚切り食パンを買って、1枚ずつシュガーバターなどでアレンジして食べれば、菓子パン5個分が浮く計算になります。菓子パンから食パンアレンジへ!」【6】冷凍食品は保存袋で自家製しよう冷凍食品も値段が上がってきているので、買わないで自分で作ろう。「ブロッコリーやほうれん草は洗浄後、カットして、ジップロックなどの保存袋に入れて冷凍保存すれば2週間ぐらいはもちます。冷凍食品は買わずに手作りにしたほうが断然安上がりです」【7】迷ったら野菜はもやしをチョイス低価格でも栄養価の高いもやしは、節約の味方。「野菜も燃料費の高騰で値上がりしているので、高い野菜は無理に買わず、その時々の安い野菜を買います。もやしは一年中安いので副菜におすすめです!」【8】ふるさと納税で切り落とし肉を丸山家では牛肉や野菜は「ふるさと納税」の返礼品を活用しているという。「牛肉はロースではなく、たくさん入っている切り落としを選びます。また、野菜は市場価格も意識しながら、なるべく量が多くもらえる返礼品を選んでいます」【9】コインランドリーを活用する燃料費の高騰でクリーニング店も値上げが続いている。「セーターやダウンも手洗いが基本です。洋服を買うときには手洗いできるか確認しましょう。羽毛ふとんも対応する洗濯機のあるコインランドリーで洗ったほうが安く上がります」【10】電気・ガスの一本化で光熱費を圧縮節約はしたいが、冷暖房を適切に使わないとかえって体調を崩すことも。「エアコンをこまめに切るよりも、電気・ガスをまとめて契約したほうが、料金の節約につながります」。ネットで簡単に比較できるので活用しよう。おいしく食べれば「節約」という意識が消えて楽しくなる。できることから少しずつ、エンジョイしながら変えていこう!【PROFILE】加谷珪一経済評論家。東北大学卒業後、日経BP社、投資ファンド運用会社を経て現職。『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)など多くの著書がある丸山晴美節約アドバイザー。頭金を貯めて20代でマンションを購入した経験を生かして節約アドバイザーに。FP、消費生活アドバイザー、調理師などの資格を持つ。『節約家計ノート2022』(東京新聞)など著書多数
2022年03月25日今年も相次ぐ「値上げ」ニュース。20日には、日本製紙クレシアが「クリネックス」「スコッティ」ブランドのティッシュ・トイレットペーパーを4月1日以降、10%以上値上げすると発表した。すでに、年始から食パンや小麦粉などの価格が10%近く値上がりしており、今後もパスタや醤油などが順次値上げされていく。「昨年は食用油や小麦粉など、原材料からあまり加工されていない品目が、原材料の高騰に伴い値上げされていました。今年は、徐々に加工度合いの高い商品にまで値上げが波及していくことになるでしょう」こう話すのは、流通事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。「これまでメーカーは、加工度合いが高い商品については原材料費以外の経費(人件費や広告宣伝費など)のやりくりで、値上げを抑えることができていました。しかし、世界的な原材料費の高騰があまりに急激で大幅なため、企業努力が限界を迎えたのです。しかも理由が『世界共通の資材の高騰』なので、企業としても値上げの言い訳がしやすい状況にあります」加えて、オミクロン株や南太平洋のトンガで起きた海底火山噴火が、原材料を高騰させ、今後のさらなる値上がりにつながる可能性も否定できない。「オミクロン株の大流行で物流網がさらに混乱する可能性は高いとみます。物流が混乱すればするほど、品薄や物価の上昇を招くというのは、昨年来の流れと同じです。トンガの噴火などの、自然災害もいい影響は与えません。気候変動による不作や海運の混乱などが起これば価格は上がるでしょう。実際に、各社が価格高騰を見越して買いに走る“思惑買い”により、原油の先物価格が上昇しています」■食料品の値上げはおおむね10%程度に18日、日本銀行は’22年度の「消費者物価指数」の上昇率が前年比1.1%となる見込みを発表した。消費者物価指数は、家庭で消費するモノの物価の動向を示す数値。平均的な家計ではどれほどの影響を受けるのだろうか?値上げの波が来る前である’20年12月の2人以上世帯の消費支出・31万5,007円(家計調査より)を基準にして見てみよう。’21年12月に消費者物価指数は0.5%上昇した。’22年、そこからさらに1.1%物価が上がると、「’22年の同世帯の消費支出」は「32万64円」になると考えられる。つまり、’20年に比べて今年は、同じ買い物をするだけで月約5,057円も多く支払う必要があるのだ。今後、冒頭にあげたものに加えて、どのような商品が値上がりするのだろうか。2〜4月に値上げされる商品をリストアップした。■この春値上げされる26商品【パスタ・パスタソース】2月1日からニップン、日清フーズが約2〜9.5%値上げ。【冷凍食品】2月1日から味の素冷凍食品、ニッスイ、日清フーズ、マルハニチロ、日本ハムが約2〜23%値上げ。3月1日から日清食品冷凍が冷凍麺製品を6〜13%値上げ。3月1日からニチレイフーズが約8〜15%値上げ。【ちくわなど魚肉加工品】2月1日からニッスイが約5〜13%値上げ。2月28日から紀文が平均約8%値上げ。【ハム・ソーセージ】2月1日から日本ハムが5〜12%値上げ。3月1日から伊藤ハム、丸大食品が4〜15%値上げ。【食用油】2月1日からJ-オイルミルズが1kg当たり40円以上値上げ。【ジャム】2月1日からアヲハタが3〜7%値上げ。【ポテトチップス】2月1日から湖池屋が6〜11%値上げ。【アルミホイル】2月1日から東洋アルミエコー プロダクツが15%以上値上げ。【醤油・豆乳】2月16日キッコーマンが醤油、豆乳を約4〜10%値上げ。3月1日からヤマサ醤油が醤油を約4〜10%値上げ。4月1日からマルサンアイが豆乳製品を約4〜8%値上げ。【マヨネーズ】3月1日から味の素、キユーピーが約2〜10%値上げ。【チルド麺】3月1日から日清食品チルドが6〜12%値上げ。【ドーナツ】3月1日からミスタードーナツが税別価格を10〜50円値上げ。【タイヤ】3月1日から住友ゴム工業が約10%値上げ。4月1日からブリヂストン、横浜ゴムが7〜10%値上げ。【コーヒー】3月2日から味の素AGFが約20%値上げ。【ティッシュペーパー・トイレットペーパー】3月22日から大王製紙が15%以上値上げ。4月1日から日本製紙クレシアが10%以上値上げ。【羽田・大阪・那覇空港の旅客施設利用料】3月中に国内線で大人(12歳以上)1人あたり80〜120円値上げ。【味噌】4月1日からハナマルキが5〜13%値上げ。【ドレッシング】4月1日から日清オイリオ、ピエトロが3〜13%値上げ。【ケチャップ】4月1日からカゴメが3〜9%値上げ。【ウイスキー】4月1日からサントリーが5〜28%値上げ。【照明器具・蛍光灯】4月1日からPanasonicが5〜30%値上げ。【バス・トイレ】4月1日からLIXILが最大39%値上げ。【壁紙・カーテン】4月1日からサンゲツが18〜24%値上げ。【首都高速道路通行料金】4月1日から現状最大1,320円を1,950円に値上げ。【保険料】4月1日から日本生命が平均1%値上げ。【グリーン車料金】今春からJR東日本が約30%値上げ。「今年の特徴は前述したように、加工度合いが高い品目も値上げが実施されていくこと。2月から値上げが始まる各社の冷凍食品や、3月のドーナツ、4月のウイスキーなどは加工度合いが高い商品にあたります」リストを見ると、食品に関しては、おおむね10%前後の値上げ幅であることがわかる。一方で、「照明器具・蛍光灯」や「バス・トイレ」「壁紙・カーテン」などの項目は、値上げ幅の大きさが目立つが……。「これは、各ジャンルの購入傾向が関係しているといえます。食品は日々購入する必需品のようなもの。値上げしても急にメーカーの売り上げが半減するなどということはほとんどありません。しかし、家電や住宅に関する商品は毎日購入するものではなく単価も高いため、値上がりによって買ってもらえなくなる可能性が高くなります。そのため、販売個数が減っても利益が極端に減少しないように、あらかじめ値上げ幅を大きくする必要があるんです」値上がりがわかっている商品は、計画的に買い物をしたほうがよさそうだ。しかし、給料の値上がりは一体いつになるのだろうかーー。
2022年01月27日連日のように発表される、食品の値上げ。専門家は、家計にダメージを与えるこの傾向はしばらく続くと予測する。年末年始を控えた時期の相次ぐ値上がりの背景には、いったい何があるというのか−−。「食品価格の上昇はここ10年間でジワジワと続いていますが、この10月以降の値上げの傾向は、それが特に顕著に見られます」こう語るのは、第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト・永濱利廣さん。10〜11月にかけて、メーカー各社による食品、商品の値上げ発表が相次いでいる。すでに外食産業の「びっくりドンキー」や「吉野家」などが10月末から値上げを実施。「桃屋」や「日清オイリオグループ」などは、11月1日より商品の値段を上げた。さらにこれから年末年始にかけて、複数の食品メーカーによる“値上げラッシュ”が家計を直撃する。なぜ、ここまで食品の値上がりが続くのか。「原油と穀物価格の高騰が主な原因です。原油高は企業の工場の燃料費や包装材料費、そして物流コストを押し上げます。さらに原油が上がるとバイオ燃料の需要も増えます。その原料が穀物なのです。また、コロナ禍による航空機や船で輸送する便数の減少。食品、食肉加工現場でも、人手不足による生産性の減少といった、複合的な要因も重なり、食品値上げが起きています」(永濱さん・以下同)また、メーカー各社が、この時期の値上げに踏み切ったのにも理由があるという。「企業側は、消費が少ないときに値上げをすると、より売れなくなってしまいます。消費需要が増えるこれからの時期は上げやすかったのでしょう」■来年1月から食パン、パスタ、ポテトチップスまでも値上げ来年1月から値上げされる食品の中には、毎日の食卓に並ぶ食パンやパスタ、そして人気のお菓子ポテトチップスまでもが……。「輸入小麦の『政府売渡価格』の改定が4月と10月に行われます。10月に輸入小麦の1トン当たりの価格が19%も上がったことが、小麦粉やパンなどがいっせいに値上がりした大きな要因でしょう」ポテトチップスは、今夏、北海道は猛暑で雨が少なく、じゃがいもや玉ねぎの収穫量が減少。原料となるじゃがいもの価格が高騰していることも要因であるそうだ。「値上がりは、原油高や穀物価格の高騰だけでなく、世界中の干ばつや気候変動、国内の天候不順による作物の不作などの影響もあるのです」その北海道で、今度は赤潮が発生。ウニやイクラが大打撃を受けて、いま価格が高騰している。そして海外の食材も、世界的な物価上昇に伴い、輸入牛肉やカニの価格などが上昇している状況だ。第一生命経済研究所が、食品をはじめ電気、ガス、ガソリンといったエネルギーなども含めた、平均的な家庭の年間負担額を試算している。そこで’20年と’21年を比較すると、今年は約5万円の負担増になるそうだ。さらに来年は、’20年と比べて、約7万円程度の負担増になるとも。「’19年に消費税が8%から10%に上がりました。軽減税率が導入されましたが、この年の民間への負担増は4.6兆円。本年度は4.8兆円の民間への負担増が予想されているので、値上げが家計に及ぼす影響は、’19年10月に消費税率が引き上げられたときと同程度の負担増とも言えます」■来春以降も、食品の値上げは続く見込み値上げによる家計へのダメージを軽減するための防衛策はないのだろうか。「携帯料金や光熱費の見直しをすることです。特に携帯はぜひ見直すべきです。まだの家庭は、おそらく食品の値上げによる負担増を軽くカバーできるでしょう。たとえば、家族3人が携帯を所有していた場合、全員が格安料金プランに変更すれば、これまでより年間10万円以上は浮かせることが可能な場合もあります」諸外国に比べて、日本の給与水準は上がらないなか、値上げによる家計への負担は増すばかり。いったいいつまで値上げは続くのか。「原油価格はそろそろピークアウトし、これから落ち着いていくでしょう。ただ、食品価格は来春以降も値上げが続くと見込まれます」18歳以下に10万円をバラまく前に、政府にはもっとやるべき景気対策があるはずなのでは……。
2021年12月01日「10月からうどんやパスタ、小麦粉、コーヒー、マーガリンなどが数%~30%も値上がりしています。さらに原油価格の高騰で、電気料金も値上げ、1リットルあたりのガソリン価格は過去最高水準です」こう語るのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。10月25日には、5都府県で続いていた飲食店への営業時間の時短要請が解除され、本格的に経済活動が再開した。これまで行動を自粛していた人のなかにも、外食や旅行などの活動を再開した人は多い。こうした一斉値上げや“反動消費”は私たちの家計に大きな影響を与える。「特に、帰省や忘年会、年始の準備など、なにかと支出の多い年末の影響は大きくなるでしょう。生活費の支出は、昨年と比べて、20%近く増えると予測しています」(柏木さん・以下同)12月の支出で考えてみよう。昨年の50~59歳までの働いている世帯の12月の消費支出の平均は36万4080円(総務省「家計調査」’20年12月より)。自粛の影響で、例年より3万円近く安かった。ここから住居費や教育費、医療費など値上げと関係ない支出を引くと、30万8907円となる。仮に20%支出が増えるとしたら、およそ6万2000円の支出増に。「かなり厳しい数字ですが、ちょっとした工夫を積み重ねることで、支出増をカバーできます」そこで、コロナ自粛明けの今こそ取り入れたい支出減の新習慣を教えてもらった。【ワクチン接種証明書の割引を活用する】〈方法〉:接種証明書の提示で会計の割引や、ドリンク1杯無料などのサービスが。有効活用しよう〈削減金額〉:月5,000円減地元の商店街やチェーン店などは、ワクチン接種証明書の提示によるサービスを開始している。「たとえば居酒屋のワタミでは来店時のドリンク1杯が無料になりますし、カラオケ館では室料が10%オフに。個々の金額は小さいですが、積み重ねていけば5,000円ほど得することができるでしょう」ほかにも宿泊費の割引を行っているホテルなども。今後もサービスは拡大していく見込みなので、できれば接種証明書を持ち歩こう。【Go To Eatで年末外食費を削減する】〈方法〉:年末になると外食の機会が増える。一部自治体では再開が始まっているので活用しよう〈出費品目/出費額※〉:外食費/月1万7,198円〈削減割合/金額〉:25%減/4,300円減外食の機会が多い年末。「ぜひ、利用したいのが、コロナ禍で打撃を受けた飲食店や農家を応援するGo To Eat。たとえば、1 万2,500円分の食事券を1万円で購入できるなど、25%も得なんです」今年1月まで発売されていた東京都の食事券の使用時期は、12月15日まで延長されている。また、埼玉県などで第2期の販売が始まるなど、再開の方向だ。コロナ禍前の’19年12月の外食費用は平均1万7,198円。25%減らせれば、4,300円の削減となる。※出費額は総務省「家計調査世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」より、コロナ前の2019年12月「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」の世帯主の年齢が「50~59歳」のものを使用。
2021年11月04日《電力大手10社は、11月の家庭向けの電気料金を全社値上げする見通し》9月16日、新聞各社が電気料金の値上げを報じた。各社月額で100円程度のアップだが、この1年でいったい何度この報道を目にしたことだろう。ファイナンシャルプランナーで消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが解説する。「家庭向けの電気料金は’11年の東日本大震災以降、火力発電にシフトしたことで値上げの傾向にありました。それに加え、今年は火力発電の燃料となる液化天然ガスや石炭などの輸入価格が軒並み上昇していることから、値上げが続いています。さらに今年5月からは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるために、毎月の料金に上乗せされている『再エネ賦課金』が、標準的な家庭で1,000円以上課されています」電気代は、この1年でじつに20%近くも値上がりしている家庭もあるのだ。■この冬は電力が不足する懸念も……とりわけ、新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えているうえ、到来が予想される感染拡大第6波で再びステイホームの時間が長くなる可能性も。家で過ごすことが多くなれば、それだけ電気代もかさんでしまうことに。さらに、今年の冬は電力不足も気がかりだという。「今年5月に、経済産業省は“夏と冬に電力需給がひっ迫する可能性”があることを発表しています。今夏については、電力各社が電力を融通し合って乗り切れましたが、脱炭素社会への流れから火力発電所が縮小傾向にある今年の冬は、電力の供給が不安定になることが予想されています。最悪の場合はブラックアウト(停電)や計画停電などが行われてもけっしておかしくはありません」(丸山さん・以下同)値上がりし続ける電気代に、ひっ迫する電力需要。ただでさえ何かと物の値段が上がっているというのに……。「電気代に限らず、穀物価格が高騰し、食品の価格も軒並み値上がりしています。その一方、所得は上がっていないので家計を守るのは大変。しかし、電気代についてはまだやりくりする余地がある家庭が多いです。特に冬は暖房や照明を使用するので、どうしても電気代が上がりがち。少しの意識を変えるだけで、電力消費を抑え、節電につなげることが可能です」家計を守るための、冬の電気代の削減ポイントを丸山さんに教えてもらった。冬本番を迎える前に、ぜひ見直しておこう。■冬本番前に見直したい電気代のポイント7【1】電力の契約先を変更する電力会社を替えるだけで電気代を年10%ほど下げられることも。居住地や生活スタイルに合わせ、自分に合ったプランを選ぼう。【2】契約アンペア数を「40」に変更するアンペア数が下げられるのなら、子どもが独立しても契約当時の60アンペアのままではムダ。アンペア数を下げることで、年1万円の削減も。【3】エアコンの動作環境を整えるフィルター掃除で6%の節電に。設定温度は20度で、ファンで部屋全体に空気が流れる工夫を。古いエアコンは買い換えの検討も。【4】極力リビングで「ウォームシェア」家族がそれぞれの部屋で過ごさずに、ひとつの部屋で過ごして暖房を共有。テレビや照明の節電にも。マットを敷いて底冷え対策を。【5】照明をLEDに変える長時間使用するリビングの照明はLEDに。価格は高いが節電効果が高い。短時間しか使用しない廊下などは電球型蛍光ランプでも十分。【6】家電の保温機能を使わない冬に多用しがちな炊飯器や給湯ポットの保温機能、暖房便座は電気料金アップのもと。お湯を使う際は電気ケトルが節電の面では◎。【7】在宅ワークは「ウォームビズ」で暖房の設定温度を上げる前に着込む。特に首、足首、手首の「3つの首」を温めると効果的。食事も鍋物など体を温めるものに。「5年前に始まった電力小売りの全面自由化で、電気の小売業への参入が認められ、現在は好きな電力会社を選ぶことができます。たとえば私が今住んでいるマンションが契約している小売事業者(新電力)は、電気料金が一般的な料金より10%割安になっています」東京ガス、ENEOSなどエネルギー関係の会社以外にも、auやソフトバンク、楽天なども“新電力”に名を連ねる。「インターネットで申し込んだり、クレジット決済だったりと、これまでの電力会社との付き合い方とは異なる部分もありますが、契約する電力会社を切り替えても、今までどおりに電気は使うことができます。電気代が安くなるだけでなく、ガソリン代や定期代などが割引になるなどのサービスがある会社も。ライフプランに合った電力会社を見つけて切り替えることで、値上げ分をカバーできます」資源エネルギー庁によると、自由化以降、今年3月までの時点で電力会社を切り替えた家庭は20.2%。じつに8割の家庭ではまだ電気代を下げられる可能性があるとも考えることができる。契約アンペア数の変更も、一度の切り替えで毎月の費用を抑えることができる手段だ。■「ウォームシェア」を家族で心がけたいとはいえ、いきなり契約内容を変えるのはハードルが高い、と思う人もいるだろう。「冬場にフル稼働するエアコンの動作環境を見直しましょう。いまのうちにフィルター掃除など手入れをきちんとしておくことも、節電につながります。“窓対策”も重要。窓ガラスを通して温まった空気が逃げて、外の冷たい空気が入り込んでいるため、厚手のカーテンをすき間なくすることで暖房効率が高くなります。また、天井付近にたまった暖かい空気を部屋全体に流すように、サーキュレーターやファンを利用するのもコツです」冬場に活躍する家電は何かと電気代を食ってしまいがち。省エネのタイプに買い換える、こまめに電源をオフにする、待機電力を消費しないように充電器のプラグを外すなど、基本的な節電アクションも、確実に電気代を減らせるという。「ゲーム感覚でやることがうまく続けるコツです。電気代が下がった明細書をスコアに見立てて、家族で取り組んでみてはどうでしょうか」紙で明細が発行されなくなってから、月々の料金をチェックしていないという人も、ウェブで確認して、いま一度家庭の電気代ときちんと向き合ってみよう。さらに外出控えや巣ごもりが増えるなか、「ウォームシェア」を心がけたいと丸山さんは話す。「それぞれの部屋で暖房を使用すれば、電気代は高くなってしまうことに。リビングに家族みんなが集まり、暖房だけでなくテレビや照明なども共有して、電力消費量のカットにつなげましょう。温かいお鍋などを家族で食べれば、コミュニケーションも深まりますよね。電気代の節約だけなく、電力需要のひっ迫も防ぎます」値上がりが続く電気代、ムダを洗い出して冬の家計を守ろう。
2021年10月01日「8月には主要メーカーの食用油は、1キロあたり50円値上げしています。これは今年3回目の値上げで、合計110円も値段が上がったことになります。さらに9月には、大手2社がパスタを2.5~4.8%値上げ。ほかにも、長雨の影響を受けた野菜をはじめ、肉や魚などの生鮮食品も軒並み“値上がり”しています」そう解説してくれたのは、経済評論家の加谷珪一さんだ。日ごろ立ち寄るスーパーの店頭でも“値上げ”を痛感している人も多いのではないか。「一連の食品値上げの背景には、『世界的な原材料の価格高騰』、『天候不順による不作』、『漁獲量の減少』の3つがあります。これら要素のすべては地球温暖化による影響と考えられ、今後も食料品の“値上がり”傾向は、年単位で続くでしょう」(加谷さん)食卓を預かるものにとっては、何とも絶望的な話……。だが、あらかじめ何が高くなるのかわかっていれば、事前に買いだめしたり、別の食品で代用することもできる。それでは“何が、いつ、どれくらい”高くなるのだろうか、加谷さんと、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに聞いた。■小麦、大豆は高騰。米価格は下がっている「小麦粉や油脂類の価格高騰が食品価格に大きな影響を与えています。山崎製パンは10月1日出荷分から和洋菓子製品の平均7%の値上げを発表しました。さらに大手2社が植物油を原料とするマーガリンを同じタイミングで値上げします」(加谷さん)8日、政府はさらに「10月からメーカーへの輸入小麦の売渡し価格を19%引き上げる」と発表した。「この影響は大きい。来年1月ごろには、小麦粉価格の上昇が食パンの値段にも反映されるでしょう。上げ幅は、和洋菓子製品の値上げと同じ7%程度と予想されます。さらに、すでに値上げが行われたパスタも含め、うどんやそば、インスタントラーメンなどの麺類も、来年1月あたりに5~7%ほど値上がる懸念が」(加谷さん)作るのに多くの小麦粉を使う天ぷらも、総菜店やスーパーの小売価格が値上げとなる可能性がある。高騰しているのは大豆も同様だ。「メーカー側が小売店に値上げ交渉中です。近いうちに、納豆や豆腐など大豆を原料とする食品が、10%ほど値上がる可能性が高いでしょう」(加谷さん)さらに、遅れて来年3月ごろに5%程度の再値上げの可能性も。一方、米の値段は下がっている。「コロナ禍で外食産業での使用が激減したことなどもあり、米の価格は安くなっています。この機会に、チャーハンや和食の頻度を増やすのはありですね」(柏木さん)8月に日本各地を襲った記録的な豪雨や長雨も、食品価格に大きな影響を与えている。「一部の野菜やフルーツが不作になり、すでに価格が高騰。10月以降にもさらに10%程度の価格の上昇の可能性があります。さらに、コロナの巣ごもり需要で、保存がきくじゃがいもやさつまいもの価格も上昇しています。年末の買いだめ時期の12月には5%程度値段が上がっているかもしれません」(加谷さん)高いからといって購入を躊躇した場合に、気になるのは栄養の偏りだ。柏木さんのアドバイス。「野菜を減らしても、繊維質は摂取しましょう。安くて食物繊維が豊富なこんにゃくや、もやしなどがおすすめです」地球環境の変動の影響は、漁獲量やアーモンドの生育にも影響を与えている。サンマとサケは記録的な不漁。世界シェアの半分以上を占める米国のアーモンドも不作だ。これらの値上げも避けられない。さらに、メインディッシュに欠かせない食肉の価格も。「餌である穀類の値上げや中国での需要の急増などで、牛豚鶏を問わず、食肉は年間を通して値上げ傾向にあるでしょう。1月ごろに5%程度価格が上がっている可能性があります」(加谷さん)一方、鶏肉はお得な買い方があるというのは柏木さんだ。「大型スーパーなどでは、冷凍ブラジル産鶏肉が『2キログラム500円』などという特売も。最寄りのスーパーの価格を調べてみましょう」【値上げ注意報! 食卓に欠かせない20品目】〈和洋菓子製品(山崎製パン)〉値上げ時期:10月1日/値上げ割合:平均7%/値上げイメージ:菓子パン198円→212円。〈コーヒー(味の素AGF、キーコーヒー)〉値上げ時期:10月1日/値上げ割合:20%程度/値上げイメージ:コーヒー粉(320g)420円→504円。〈マーガリンなど(雪印メグミルク、明治)〉値上げ時期:10月1日/値上げ割合:1.9~12.8%/値上げイメージ:マーガリン(300g)290円→320円。〈サケ・サンマ〉値上げ時期:10月/値上げ割合:10%/値上げイメージ:サケの切り身※1(100g)241円→265円。〈きゅうり・なす〉値上げ時期:10月/値上げ割合:10%/値上げイメージ:きゅうり1本※1(100g)89円→98円。〈梨・ぶどう〉値上げ時期:10月/値上げ割合:10%/値上げイメージ:巨峰(300g)800円→880円。〈納豆・豆腐〉値上げ時期:10月、来年3月/値上げ割合:10%、5%/値上げイメージ:納豆3カップ(50g×3)75円→83円→87円。〈じゃがいも・さつまいも〉値上げ時期:12月/値上げ割合:5%/値上げイメージ:じゃがいも1袋※1(500g)201円→211円。〈アーモンド〉値上げ時期:12月/値上げ割合:5%/値上げイメージ:素焼きアーモンド(1kg)1,200円→1,260円。〈食パン〉値上げ時期:来年1月/値上げ割合:7%/値上げイメージ:食パン1斤(350g)144円→154円。〈麺類〉値上げ時期:来年1月/値上げ割合:5~7%/値上げイメージ:インスタントラーメン(1袋)110円→118円。〈天ぷら〉値上げ時期:来年1月/値上げ割合:5%/値上げイメージ:エビ天(1尾)150円→158円。〈牛肉・豚肉・鶏肉〉値上げ時期:継続的に値上げ/値上げ割合:↑/値上げイメージ:豚肉1パック※1(200g)520円→546円(来年1月)。※価格はすべて税込み。※1は農林水産省の「食品価格動向調査」を参考にした。それ以外は店頭での流通価格を参考にした。避けられない値上げの流れ。せめて値上げされるものを事前に知って対策を練ろう。
2021年09月24日「最近、毎月のように『電気、ガスが値上げ』なんてニュースが。ウチは2月の水道光熱費がコロナ前と比べて1.5倍になったんです!夫はコロナ禍で収入が減ったのに、どうすればいいの……」50代の主婦が困り果てて話す。今年に入って上がり続けている水道光熱費。だが、値上げはこれだけではない。経済評論家の加谷珪一さんが、次のように話す。「昨年末のコロナ危機で、全世界的にサプライチェーン(供給の流れ)が寸断され、輸送価格が跳ね上がっています。一方でコロナ後の景気回復を見据えて各国企業が資材や食料の争奪戦を始め、価格が上昇しています。国内では、インフラの老朽化で工事費がかかるにもかかわらず、国や自治体は財政難で追加投資が困難なため、公共料金が上がる。さらに低金利で収入が減った銀行は、手数料などを値上げする。今年から数年先まで、ほとんどの分野で『値上げ』の流れは変わらないでしょう」値上げになったものは多岐にわたるため、価格の上昇に気づかず、いつの間にか毎月の支出が増えているなんてことも……。また4月からは商品やサービスの価格を表示する際、消費税を含んだ「総額表示」が義務付けされたため、価格の上昇はわかりづらくなった。すでに何が値上がりしたのか、これから何が値上がりするのか、家計のために知る必要がある。加谷さんに、私たちの生活に直結する「値上げ」を解説してもらった。■燃料・水道光熱費今年に入り、毎月、「前月より値上げ」の発表やニュースが続いているのが「電気・ガス」料金だ。3月30日には最新の発表があり、家庭の平均的な使用料で換算した場合、5月の料金は前月に比べて、東京電力が276円の値上げ、東京ガスが131円の値上げとなることがわかった(記事内の価格はすべて税込み)。「電気とガスは、ともに液化天然ガス(LNG)の価格高騰の影響を受けて、値上がりしています」(加谷さん・以下同)いま、右肩上がりの電気代とガス代だが、今後の見通しはどうなのだろうか?「5月の料金の発表がありましたが、その額をピークに、その後は横ばいになると思われます」水道代は、埼玉県川口市が1月に25%値上げした。神奈川県横浜市では7月から12%の値上げが行われる予定だ。今後も、各自治体で大幅な値上げが予想される。「全国の水道インフラは老朽化が進んでいます。でも、各自治体が資金不足で使用料を値上げして財源を増やさないとリニューアルできない状態なんです。少子高齢化の日本では、使用者数自体が少なくなり、ますます高くなるでしょう。30年スパンで、水道代は上がり続けると思います」ガソリン代も、産油国の減産の影響で、原油価格が高騰したため、値上がりした。昨年4月には130円前後だった1リットルあたりのレギュラーガソリンの実売価格は、現在150円近くまで値上がりしている。「コロナ前を超えている状況なので、そろそろ高止まりとなるとみています。電気・ガスと同様、5月をピークに、以降は横ばいで微増減するのではないでしょうか」■銀行手数料「メガバンクは全国のATMを急速に削減する方向です。莫大な維持費がかかるATMや紙の通帳の使用を『やめてほしい』のが大手銀行の本音ですので、私たちはネットバンキングに乗り換えていくしかないでしょう」三井住友銀行は、4月1日以降に開設された新規口座で紙の通帳を利用する場合、年間手数料550円を徴収する。さらに、同行はコンビニATMの利用手数料も4月5日から値上げした。毎月25日と26日以外の平日の手数料は、以前は8時45分〜18時が110円、時間外が220円だったが、いずれも110円値上げされ、それぞれ220円と330円となった。「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月08日30日(木)、東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドは東京ディズニーランド、東京ディズニーシーのチケットを2020年4月1日以降値上げすると発表した。1デーパスポート大人が8,200円になる。同社によれば「1デーパスポート」(大人18才以上)が現行の7,500円から8,200円に改定予定、「アフター6パスポート」は現行の4,300円から4,700円に改定となる予定だ。また、「2パーク年間パスポート」も現行の91,000円から99,000円に値上がり、その他の券種についても値上げする。なお同社は、「4歳から小学生のお子様がご利用いただける個人向けチケットの小人価格は据え置きます。東京ディズニーリゾートは、あらゆる世代の人々が一緒になって楽しむことができる“ファミリー・エンターテイメント”を目指しており、幼少期からご家族でご来園いただくことで、素敵な思い出を創っていただきたいと考えています。また、両パークでは、同日から、障がいのある方向けのチケットを導入いたします」とコメント。また、「東京ディズニーリゾートでは、新施設のオープンやエンターテイメントプログラムのリニューアル、ゲストの利便性を向上するITなどを導入し、テーマパークの価値向上に努めてまいりました。今後もこれらのハード面の取り組みに加え、人財力の強化によるホスピタリティ力とオペレーション力の向上などにより、パークに訪れた誰もが安心して楽しめるオンリーワンのテーマリゾートとして邁進してまいります」としている。※取材時の状況に基づいて記事化しています。ショー/パレード、メニュー、グッズなどすべての情報は予告なく変更になる場合があります。(C) Disney(text:cinemacafe.net)
2020年01月30日「この10月から、全国的に火災保険料の大幅な値上げが実施されます。それは、損害保険会社が保険料算出の基準にする『参考純率』が、平均5.5%引き上げられたためです」そう語るのは、「保険相談サロンFLP用賀SBS店」所属で、ファイナンシャルプランナーの佐藤和士さん。建物や家財を守る火災保険。火事だけでなく、台風による窓の破損や床上浸水、雪の重みによる屋根の倒壊など、風災や水害、雪害も補償対象だ。住まいを守るために欠かすことのできないこの保険が値上がりした要因は、’18年5月、「参考純率」が4年ぶりに見直されたこと。火災保険の保険料は、「損害保険料率算出機構」が決めた「参考純率」をもとにして、保険会社が個別の状況(経営状況、価格戦略等)をふまえて決めている。そしてこの保険料は地域や、建物構造(マンション・鉄骨造住宅・木造住宅の3種類)、築年数、補償内容などによって異なる。今回、「参考純率」が最も大きく引き上げられたのは鹿児島県のマンション。その改定率は40.1%と、平均を大きく上回っている。引き上げの背景を、佐藤さんは次のように話す。「近年、ゲリラ豪雨や台風などによる水害、豪雪の被害が多発し、保険金の支払いが急増していることが影響しているでしょう。これまで保険金の支払いは4,000億円前後だったのですが、’18年度には1兆円を超えてしまう見込みです」参考純率は’14年にも改定されているが、それ以降も大規模な雪害や水害が起こっている。九州を中心に襲った’15年の台風15号、記録的な暴風や猛烈な雨で被害をもたらした’18年7月の西日本豪雨……。とくに’18年9月の台風21号は大阪府をはじめとした地域が甚大な被害を受け、保険金の支払いは過去最高額の9,698億円に。莫大な保険金額を今後も支払うことを予想し、民間の各保険会社は値上げのプランを明らかにしている。東京海上日動の火災保険を例にとってみよう。次の都道府県、建物構造に当てはまる住居は、30%以上の値上げがなされる。■栃木県、群馬県、富山県、石川県、山口県、九州7県、沖縄県のマンション■山形県、栃木県、群馬県、山口県、熊本県、鹿児島県の鉄骨住宅■熊本県の木造住宅佐藤さんが続ける。「三井住友海上は築年数が10年以上の場合、大幅に値上げされることがほとんど。ただし、木造住宅はほか2つの建物構造と比べ、上昇率が据え置かれている印象です」
2019年09月19日今年10月には消費税が10%に上がるとされており、すでに生活に身近な食品などの値上げが相次ぎ、家計を直撃している。2月からはレギュラーガソリンの全国平均価格が9週連続で上昇し続け、3月からはアイスクリームやサバ缶などの缶詰類、家庭用すり身製品、牛乳などの乳製品の値段が上がった。5月以降は大手メーカーの値上げラッシュが本格化する。■家計にかかわる主な価格・制度の変更【5月】<サントリー>1日出荷分から1.2リットル以上のペットボトル飲料が一律20円値上げ。<アマゾン>17日からアマゾンプライム年会費が3,900円から4,900円に値上げ。<カルビー>21日納品分からポテトチップスなどスナック菓子を順次値上げ。【6月】<TOHOシネマズ>一般の映画鑑賞料金を1,800円から1,900円に値上げ。<東洋水産>1日出荷分から「赤いきつね」など即席めん約200品目を13~30円値上げ。【7月】<カゴメ>1日出荷分からトマトジュース、野菜ジュースなどが5~10%値上げ。【10月】消費税が10%にアップ(見込み/軽減税率制度により、外食・酒類などを除く飲食料品は8%に据え置き)。中小の小売店でのキャッシュレス決済で最大5%ポイント還元。値段や消費税が上がる前に買うべきものを買っておかないと損してしまう!と駆け込み消費を考える人も少なくない。「あまり慌てずに、いったん冷静になって家計のことを考えてみましょう」そうアドバイスするのは、1万5,000人以上の家計を再生させてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんだ。「消費税が上がっても、家賃や健康保険適応の医療費、保険料などには消費税はかかりません。消費税がかかる支出は光熱費や食費、日用品費など月の生活費の3分の2程度。たとえば、生活費が毎月30万円かかる家計であれば、約20万円分の支出に消費税がかかることになります。現在の8%で計算しますと、消費税は1万6,000円。10%になりますと2万円で差額は4,000円。負担増は4,000円と思えば、それほど苦しいと感じることはないと思います。焦ってストック買いするほうが家計のムダにつながります」(横山さん・以下同)むしろ今から増税前までに準備しておきたいのは、改元を機に家計の“お金の流れ”をきちんと見直して、みるみる貯まる“貯め体質”になること。「一度、支出のすべてを書き出してみましょう。支出は家賃や光熱費、通信費、保険料などの『固定費』と、食費や日用品費、衣服費や娯楽費などの『変動費』に分けられ、支出を書き出すことでふだんの買い物の浪費グセが見つかります。“ムダ支出”を見直すだけでも増税分はカバーでき、さらに貯蓄の分も捻出することもけっして無理ではありません。把握しているつもりの支出も改めて書き出してみると、“なんとなく”“ついつい”使っている支出に気づくもの。元号が変わるタイミングは、そうした“家計の常識”をガラッと見直すのにもよいチャンスです。家計のルールを改めて、貯め体質になりましょう」
2019年05月05日香港ディズニーランド・リゾート(香港・ランタオ島) では、現地時間2019年4月23日にチケット価格改定を発表。約3パーセント値上げした。公式リリースなどによると主なチケット券種で、いわゆるワンデーチケット(a 1-Day Ticket for General Admission (aged 12-64))が639HKドルに値上げ。いわゆる年間パスポートの一種であるa Platinum Magic Access Membershipは、3,599HKドルに値上げした。すでに翌日には改訂済みだ。同リゾートはキャラクター体験を重視する傾向が強く、多くの日本人ゲストが訪れるパーク。3月にはマーベル映画『アントマン&ワスプ』をテーマにした世界初のアトラクション「アントマン&ワスプ:ナノバトル!」をオープンしたばかりで、東京にはないマーベル系コンテンツも話題だ。As to Disney artwork, logos and properties: (C) Disney※画像はあくまでもイメージです。紹介したエンターテインメントや現地イベントの内容などすべての情報は予告なく変更になる場合があります。(text:cinemacafe.net)
2019年05月05日TOHOシネマズは、6月1日から映画鑑賞料金を値上げすることを18日、発表した。公式サイトの発表によると、「一般」が1,800円から1,900円、「シニア」「ファーストデイ」「レディースデイ」「TOHOシネマズデイ」が1,100円から1,200円、「夫婦50割引」が2,200円から2400円へと改定される。改定に踏み切った経緯として、「デジタル映写機や自動券売機等の導入による運営の効率化を図るとともに、映画をより多くのお客様にお届けし楽しんでいただくために新規出店や鑑賞環境の改善などに努めて参りました。しかしながら、アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増により、企業努力だけではこれらの吸収は極めて困難であると判断」と説明。なお、「大学・高校・中学・小学生」「幼児」「レイトショー」「障がい者割引」「12月1日 映画の日」の鑑賞料金は変更せず、今回の発表について「基本の考え方であり、劇場によって料金設定が異なる場合がございます。詳しくは後日発表する劇場ホームページでご確認下さい」と補足している。
2019年03月18日2019年2月の電力料金が発表され、値上げされることが報道されました。電力全社が値上げするのは7か月連続となります。サーキュレーターでエアコンの熱効率を上げて、電気料金を下げつつ、暖かく快適な冬を過ごしませんか。「冬もサーキュレーター」の理由と、「夏のサーキュレーター」に求められるスペックとの違いや、扇風機との違いをご紹介します。■ 冬、エアコンの暖房効率をアップするサーキュレーターエアコンの設定温度は高いのに、足元がスースー寒い。そんな状態で、困っていませんか?そういえば、小学校の理科で習いましたよね。「暖かい空気は上にあがり、冷えた空気は下にさがる」という性質。エアコンは、部屋の上部から熱した空気を出す電化製品です。床にある冷えた空気を上にあげ、エアコンで熱せられた暖かい空気を下にさげてあげれば、足元が冷える状況を緩和することができます。そこで役立つのが、真上に向けて送風できる「サーキュレーター」。冬は、風量が強く、風が直接当たると寒く感じます。また、逆に弱すぎると、天井にとどまったの暖気をおろすことができません。そこで、冬に活用したいサーキュレーターは「絶妙な風量」がポイントになってきます。■ 夏に必要なスペックは冬とはこんなに違う!サーキュレーターを買ったら冬だけでなく夏の冷房効率のアップもめざしたいという方は、夏のサーキュレーターに必要なスペックも確認しておきましょう。夏、エアコンの冷房効率アップのためには、サーキュレーターを斜め上の天井や壁に向けて使用するのが効果的です。強い風が、天井や壁に直進してぶつかることで、空気が天井や壁をつたい、室内を大きく循環します。その気流によって、室内全体の空気がそよそよと動きます。これによって、エアコンの設定温度を下げなくても、涼しくなるのです。エアコンの設定温度を下げたときや扇風機の風を直接浴びたときの肌寒さではなく、快適な涼しさです。これを実現するのが、サーキュレーターの直進する強い風。逆にサーキュレーターの風が弱いと気流は生まれません。■ サーキュレーターは首振り・リモコン・タイマーがない!その理由とは?多くのサーキュレーターには、首振りやリモコン・タイマーなどの機能がありません。扇風機のイメージでサーキュレーターを見ると、これらの機能がないことを不満に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。なぜ、これらの機能がないのでしょうか。首を振ると空気の循環ができなくなる首を振ると近くの空気は撹拌されますが、部屋全体の空気の循環がされなくなってしまいます。大きめの部屋になればなるほど、撹拌するよりも、大きな気流の流れを作って空気を循環した方が、効果的に部屋全体の空気を動かす事ができます。空気が動くと部屋の中にさわやかなそよ風が生まれたように、快適になります。つけっぱなしOKだから、タイマーもリモコンもいらない暑い夏でも、扇風機の風を直接浴びていると、寝冷えしてしまいますよね。そのために、就寝直前に布団から立ち上がらずにスイッチをオフにするため、リモコンが必要だったり、就寝後しばらくしてから扇風機が切れるようにタイマーが必要だったりするのではないでしょうか。サーキュレーターは直接肌に風を当てないので、就寝時に使用しても、一晩中つけたままで大丈夫です。いかがでしたか?冬と夏のサーキュレータの使用方法のコツと、扇風機との違いをご紹介しました。サーキュレーターでエアコンの熱効率を上げて、電気料金を下げつつ、冬はふんわり暖かく、夏は爽やかに涼しい部屋をめざしませんか。購入を検討中の方は、使用する季節や使用目的を意識して、最適な一台を見つけてくださいね。シンプルな家電も人気の無印良品のサーキュレーターのレビュー記事「無印のサーキュレーターを使って分かった「良いポイント」「心配ポイント」」も、よかったらご覧ください。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザーのトノエルでした。
2019年01月22日「’18年から、値上げが予定されている商品はいくつかあります。3月、4月は仕事上での転勤や異動、お子さんの進学・進級などがあり、いつも以上に支出の増える時期です。財布のひもは固めに締めていきましょう」 こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。’18年に値上げが予定されている商品。理由はさまざまだが、いまから値上げ予定の商品を知っておくことで、何らかの対策を打てることも。そこで、荻原さんが値上げ商品について解説してくれた。 「まず、1月は家庭用小麦粉です。4日出荷分から、日清フーズが1~3%、日本製粉が1~4%の値上げです。これに先立って、業務用は’17年12月20日出荷分から価格が上がっています。業務用小麦の値上がりは、パンやパスタ、うどんなど幅広い製品の値段を押し上げる可能性があるので、注意が必要です」 すでに、テーブルマークの冷凍食品(冷凍うどんやお好み焼き、たこ焼きなど)は、3月1日納品分から値上げを発表している。こうした動きが広がると、家計はますます厳しくなる。 「3月には、ゆうパックが平均12%値上げします。これは、’17年に注目されたヤマト運輸の配達員の時間外労働問題に端を発しています。深刻な労働環境を改善するため、ヤマト運輸は’17年10月1日から、佐川急便は11月21日から値上げを断行。ゆうパックの値上げで、3社の料金はほぼ同じ水準になります。しかし佐川急便だけは、縦・横・奥行きの合計が80センチ未満の荷物の料金を据え置きました。このため、小さなサイズは、佐川急便がお得です」 また各社、値上げと同時に新しい割引制度を導入している。「よく荷物を送る方は研究してみるとよいでしょう」と荻原さん。 「さらに3月には、アサヒビールが業務用の瓶ビールや樽詰めビールを約10%値上げします。この動きに他社も追随して、サントリーをはじめ、キリンやサッポロビールも4月には値上げするようです。ビールは、’17年6月に施行された「改正酒税法」によって安売りが規制され、店頭価格が上がり、売り上げが落ち込みました。加えて、物流費の値上げなども、ビール価格に影響しています」 ビールは値上げに踏み切れば売り上げが落ちるとわかっていても、値上げせざるをえない厳しい局面のようだ。
2017年12月27日「今年は平年より涼しく過ごしやすい気候ですが、値上げの予定が目白押し。家計的には厳しい秋になりそうです。たとえば、鰹節。世界的な不漁などの影響で、9月出荷分から、はごろもフーズは5〜25%、マルトモは7〜11%、にんべんは10月から10〜25%、値上げします。はごろもフーズは、カツオを原料とするツナ缶も、9月から6〜7%値上げしました。日清オイリオは、10月からオリーブ油を10%以上値上げします」 そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。今年の夏は関東や東北地方でも、記録的な日照不足に見舞われた。東京では21日連続、仙台では36日連続で降雨が観測され、農作物への影響が心配されている。 「野菜はすでに、値が上がり始めているものもあります。8月の最終週は、レタスが前の週より22%値上がり。平年と比べても18%高くなっています(農林水産省発表)。米は、’17年産の早場米は『平年並み』か、平年より『やや良い』収穫量(同省発表)ですが、9月下旬からの収穫しだいでは、高騰につながる可能性もあります」 ため息が漏れる状況だが、荻原さんは「家計は工夫して、やり繰りしていきましょう」と話す。秋の値上げラッシュに対抗する術を荻原さんが教えてくれた。 【1】ストック品のチェック 「値上げ目前だからといって、やみくもに“買いだめ”に走るのはよくありません。特に、鰹節やツナ缶、オリーブ油など、賞味期限の比較的長いものは、ストックのあるご家庭が多いと思います。まずストック品をチェックし、今あるものから、ムダなく使いましょう」 【2】買い物にはメモを持って 「『まだあるのに、買っちゃった』。そんなムダを防ぐためにも、買い物メモは大切です。買い物をしたら、レシートを冷蔵庫に貼りましょう。レシートには、買った商品が記載されていますから、使い切ったものには線を引きます。つまり、線が引かれていない商品は在庫あり。レシートを見れば、買った日もわかりますから、急いで消費するものも一目瞭然です。そして、このレシートが在庫リストになっています。これを見ながら買い物をすれば、ムダな重ね買いが防げます。レシートを持ち歩きたくない方は、携帯電話で写真を撮って出掛ければいいでしょう」 【3】ネットショッピングの利用 「アメリカのマサチューセッツ工科大学では、日米中など10カ国を対象に、ネットと実店舗との価格差を調査しました(’14〜’16年に実施)。その結果、日本はネット価格が実店舗より平均13%安いことがわかりました。価格差が10%以上あったのは、10カ国中、日本だけです。割安なネットショッピングの利用は、年々増えています。総務省の調査によると、ネットショッピングを利用した世帯は全体の34.9%。前年同月より6.8ポイント増えて過去最高です(’17年9月発表)。ネットショッピングは、家で在庫を確認しながら買い物ができることもメリットです。何より、自宅までの配送は、高齢になるほどありがたいサービスだと思います。買い物がつらくなる前に、一度試してみてはいかがでしょう。ただし、ネットショッピングには送料が必要です。送料を含めた料金を、必ず確認してください」 値上げはきびしいものだが、ストックの見直しや適正な買い物量を再検討するなど、買い物習慣を見直すチャンスにしたいものだ。
2017年09月15日はじめに2015年7月に火災保険の「参考純率」が改定(引き上げ)されました。それに伴い、2015年10月以降、各損害保険会社の火災保険料も見直され、その多くが値上がりしました。以下、参考純率改定による火災保険料の値上げについてみていきます。※参考純率:「損害保険料率算出機構」が算出する「純保険料率」のことです。保険金額に対する保険料の割合を「保険料率」といい、純保険料率と付加保険料率で構成されています。純保険料率とは、事故が発生した場合に保険会社が支払う保険金にあてられる保険料率、付加保険料率とは、保険会社が事業を行うための経費にあてられる保険料率のことです。各損害保険会社は、参考純率を参考に自社の純保険料率を算出します。なお、参考純率を用いずに、保険会社が独自に純保険料率を算出することもできます。参考純率改定(引き上げ)の背景損害保険料率算出機構の「『火災保険』参考純率改定のご案内」によりますと、改定の背景として、台風災害による支払保険金が前回(2004年)の改定以降、多く発生。それに伴う支払保険金の増加や、風災、雹(ひょう)災、雪災等の自然災害の影響による支払保険金の増加。また、自然災害以外では、水道管等の設備の老朽化等による水濡れ損害による支払保険金の増加。地球温暖化による自然災害の将来予測に対する不確実性の増大。以上の2点を挙げています。参考純率の引き上げについて火災保険の参考純率は、今回の改定により平均で3.5%(※)の引き上げになりました。(※)この値は、現存するすべての契約の改定率を平均した値です。したがって、契約条件(保険金額や建物の構造など)によって改定率(引上率・引下率)は異なります。また、建物の所在地や建物構造ごとにリスクが異なるため、所在地や建物構造により値下げになった地域もあります。以下の3つの表を参照してください。このように、参考純率の改定率は地域や建物構造によりバラつきがあります。値上げになる保険料を抑えるには今回の参考純率の引き上げにより、値上げになる保険料への対処法としては、風災・雹(ひょう)災・雪災および水災による損害に対する自己負担額を増やすことで保険料を抑える。水災の補償については、住んでいる地域(高台・低地)、住んでいる建物(戸建・マンション)、住んでいる階(高層階・低層階)等の条件を考慮して、補償を外すことができる場合はその部分の保険料をカットする。長期の契約(10年)をして、今後の値上がりリスクに備える。等が対処法として考えられます。以上、火災保険の値上げの背景、地域や建物構造による参考純率のバラつき、保険料値上げへの対処法についてみてきました。出典 : 損害保険料率算出機構「『火災保険』参考純率改定のご案内」・「参考純率のあらまし」・「火災保険・地震保険の概況」※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年05月25日タリーズコーヒージャパンは3月25日、「タリーズコーヒー」店舗で販売するコーヒーを中心としたドリンク商品とビーンズ商品の一部を値上げする。たとえば、「本日のコーヒーS」(現行310円)が320円に、「カフェラテS」(現行350円)が360円に、「カフェモカS」(現行400円)が430円に、「カフェオレスワークルS」(現行400円)が410円に、「モーニングセット」(現行520円)が530円に、「コーヒー豆『ハウスブレンド』200g」(現行1,000円)が1,050円になる(一部店舗では異なる)。値上げの理由について同社は、「スペシャルティコーヒーの中でも、タリーズコーヒーの求めるクオリティを満たす高品質のコーヒー豆のコスト上昇をはじめ、乳原料やチョコレート原料等のコスト上昇、及び人件費・物流費が上昇している現状を踏まえて」としている。タリーズコーヒーは、日本1号店オープンから19周年。現在では全国に約620店舗を展開している。※価格はすべて税込
2016年03月11日オリエンタルランドはこのほど、4月1日から「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」のチケット料金を値上げすることを発表した。今回の価格改定で、「1デーパスポート」は大人6,900円が7,400円に、中学・高校生6,000円が6,400円に、幼児・小学生4,500円が4,800円になる。○昨年「スティッチ・エンカウンター」などオープンこの1年間、東京ディズニーランドでは、アトラクション「スティッチ・エンカウンター」(2015年7月)、ナイトパレード「東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ」(2015年7月)、アトラクション「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」スペシャルバージョン(2016年2月)を導入してきた。また東京ディズニーシーにおいても、ミュージカルショー「キング・トリトンのコンサート」(2015年4月)をオープン。さらに、2パークにおいて快適な環境づくりに向けた改善を行ったという。○今年は新ミュージカルショーなどスタートまた2016年には、東京ディズニーシーにおいて、レビューショー「ビッグバンドビート」のリニューアル(4月15日)、新ミュージカルショー「アウト・オブ・シャドウランド」(7月9日)がスタートするほか、東京ディズニーランドでは、新キャラクターグリーティング施設ならびに新飲食施設(秋~冬)がオープンする。「今後も、テーマパーク価値向上により創出されたキャッシュを、ハード、ソフトの両面に投資し、更なるクオリティの向上を図ることで、ここだけでしか体験することができない魅力に満ち溢れた世界で唯一のテーマリゾートを目指し、更なる成長をしてまいります」と同社。○価格改定は3年連続チケットの価格改定は2015年4月以来で、3年連続となる。そのうち2014年4月1日は消費税率が8%になったこと、2015年4月1日は東京ディズニーランドのデイパレード「ハピネス・イズ・ヒア」(2013年4月)や、アトラクション「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」(2013年5月)、ナイトエンターテイメント「ワンス・アポン・ア・タイム」(2014年5月)、東京ディズニーシーのアトラクション「ジャスミンのフライングカーペット」(2011年7月)や、「トイ・ストーリー・マニア!」(2012年7月)導入などを理由としている。※価格はすべて税込
2016年02月09日