「先天異常」について知りたいことや今話題の「先天異常」についての記事をチェック! (3/4)
赤ちゃんの様子を離れたところから見守ることができる『ベビーモニター』。忙しいお母さんやお父さんにとっては便利なアイテムです。エミリー・ケイシーさんも息子のアッティくんのベッドにベビーモニターを付けています。ある夜、眠っていたエミリーさんはアッティくんのベビーモニターが『数百回の動きを察知』というアラートで起こされてしまったのだそう。そしてモニターの録画を再生してみたところ…その原因はすぐに分かりました。I got woken up by a few hundred motion detected notifications from Atti’s baby monitor. I knew straight away one of the...Posted by Emily May Casey on Wednesday, December 18, 2019猫がアッティくんのベッドに侵入して全力で遊んでいる!ベッドの上に付いているメリー(赤ちゃん用のおもちゃ)と戯れているのは愛猫のウィルバー。そばで眠っているアッティくんのことなどお構いなしで、夢中でじゃれています。さらにメリーの楽しさにハマったウィルバーは数日後、仲間の猫を連れて再びアッティくんのベッドに侵入!Posted by Emily May Casey on Monday, December 23, 2019この動画を見た人たちは大笑いしています。・ははは!かわいすぎる!・お腹の皮がよじれるほどおかしい!・ウィルバーはアッティのためにおもちゃのチェックをしていたんだろう。そんな自由すぎる猫たちの振る舞いに対して、エミリーさんはまったく怒っていないのだそう。「猫たちはアッティのおもちゃを自分のものだと思っちゃったみたい」と、温かく見守っています。Posted by Emily May Casey on Wednesday, January 18, 2017Posted by Emily May Casey on Wednesday, January 18, 2017猫たちはメリーだけでなくほかのアッティくんのおもちゃにも興味しんしんで、遊ぼうとするのだとか。そんなマイペースな猫たちと一緒に遊びながら、アッティくんはすくすくと成長していくことでしょうね![文・構成/grape編集部]
2020年08月12日私の娘は、口唇口蓋裂という先天異常を持って生まれてきました。今回は、今まで受けてきた治療と就学後の治療についてお伝えしたいと思います。 これまでの治療と現在の治療口唇口蓋裂の治療におけるメインの診療科は形成外科でした。生後5カ月ごろ、唇を閉じ、鼻の形を整える手術を受け、1歳過ぎに口蓋裂を閉じる手術を受けました。それから6歳の現在まで、半年から1年毎に定期的に受診しています。 歯茎の裂があり、上の歯並びが悪いため、4歳ごろから矯正歯科に毎月通っています。また、鼻にかかった話し方のため、耳鼻科での聴覚検査をしたあとに、毎週近所の学校で開催している言葉の教室に通っています。そして、中耳炎になりやすいため、耳鼻科も定期受診しています。 多くの場合、唇再形成の手術が必要娘の場合、口唇裂手術後、最初は唇が少し引きつっている様子でした。手術した部分はピンク色で、痕が少しわかる状態が2歳ごろまで続いていました。けれども、成長とともにきれいな形になってきており、よく見ると多少違いがわかりますが、周りの人からは「まったくわからない」とよく言われます。 多くの場合は、小学校入学前に唇の形を整える手術が必要になるそうです。ただ、娘の場合は幸い、「見た目に問題がないから手術は必要ない」と主治医の先生からお話がありました。 口蓋裂の状態に応じて、骨移植が必要口蓋裂手術は、両脇の皮を縫い合わせておこなわれるため、手術後に上あごに穴が開いてしまう場合があるそうです。そのような場合、その穴を塞ぐ手術が必要になります。 また、娘は歯茎にも裂があり、当初は「小学校中学年くらいに腰の骨を移植する手術が必要になるかもしれない」とのお話でした。ただ、成長とともに歯茎の裂がどんどん狭くなり、今は歯茎の隙間がなくなりました。そのため、手術は必要ないかもしれないと言われています。 娘の場合、口唇口蓋裂ではあるものの、ありがたいことに経過は順調です。今後も主治医の先生と相談しながら、できるだけ娘に負担がかからないよう治療していけたらと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年07月25日生まれてから2カ月間、横隔膜ヘルニア※のためNICU(新生児特定集中治療室)で眠りっぱなしだった息子。体中管だらけで抱っこすらできず、何もしてあげられない自分が歯がゆい日々でした。そんななか、看護師さんが提案してくれた毎月の「誕生日カード作り」。入院中の息子だけではなく、私たち家族の心もケアしてくれた看護師さんの気づかいのお話です。※横隔膜ヘルニア:本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気 お見舞いに行っても時間を持て余す日々息子は生後2カ月まで、口に人工呼吸器を挿入しており、外れることがないようずっと薬で眠らされていました。生まれてすぐ手術を受けてからしばらくはたまに目を開けることがあるものの、夢うつつという感じで、コミュニケーションはとれません。 授乳はおろか抱っこもできず、無反応の息子にやさしく触れるだけのお見舞い。苦しそうなのに何もしてあげることができず、お見舞いに行っても時間を持て余すような日々でした。 誕生日カードを作ってみませんか?息子が生まれてから1カ月ほど経ったある日、NICUの看護師さんが渡してくれたのは、色画用紙の入った袋でした。息子の写真や、息子の今と生まれたときの身長・体重、かわいらしく「息子くん1カ月おめでとう」と文字が書かれた紙なども入っています。「息子くんの誕生日カードを作ってみませんか? お姉ちゃんたちの写真なども貼って、枕元に飾ってあげたいんです」と看護師さんはやさしく微笑みました。何かしてあげたいという私たち家族に、看護師さんはできることを与えてくれたのです。 誕生日カード作りで芽生えた絆帰ってすぐに家族みんなで誕生日カード作りを始めました。写真を印刷して切り抜いたり、上の子に絵を描いてもらったり……。上の子たちは看護師さんがくれた息子が目を開けているときのベストショットを見て、「かわいいねー」と笑っています。 まだ息子に会うことすらできていない上の子たちでしたが、写真を見たり、息子のために物作りをしたりしたことで、「弟ができた」という実感が強まったようです。 NICU卒業時に渡されたもの 生後2カ月を過ぎたころ、息子は病状が少し回復して、少しずつ動きや表情が豊かになり、GCU(回復児病棟)へ移ることになりました。よくしてくれていた看護師さんともお別れ。最後に、看護師さんは私に息子の様子を記した冊子を渡してくれました。 入院中、私たち夫婦がお見舞いにこられない間の息子の様子をつづった大切なものです。夫婦でお見舞いへくるたびに目を通してはいましたが、最後のページにはたくさんの息子の写真と、看護師さんのメッセージが添えられており、あたたかい言葉にまた励まされました。 容体が深刻で、精神的にしんどかったNICU入院中、看護師さんは息子だけではなく私たちのケアもしてくれました。「息子に何かしてあげたいのに何もできない」という私のつらい気持ちを取り除いてくれた誕生日カードは、今でも部屋に飾ってあります。 監修/助産師REIKO 著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月19日私の娘は、先天異常の口唇口蓋裂で生まれてきました。これまで、娘が受けた治療として、2回の手術と歯科矯正通い、耳鼻科通い、言語療法として言葉の学校に通った様子をお伝えしてきました。今回は、口唇口蓋裂の娘を妊娠しているときの様子と、1回目の手術を受けるまでの様子をお話ししたいと思います。 妊娠中の経過は順調 妊婦健診では、医師から特に何も指摘されることはありませんでした。ただ、赤ちゃんによっては、エコー検査で口唇裂を確認できる場合もあるのだそうです。 その後、娘は元気のいい産声をあげて生まれてきたのですが、先生方が「あっ」とびっくりした様子だったことを覚えています。私が「どうしましたか?」と聞くと、「ちょっとお口が……でも大丈夫。元気ですよ」とのことでした。 産後すぐの私にショックを与えないようにするためか、赤ちゃんを最初に見たときには、くちびるに医療用テープが貼られていました。 最初の受診は形成外科 私の場合、上の子の出産のときには命も危なかったため、娘に口唇口蓋裂があるとわかっても「手術で治るから大丈夫」と思い、不安にはなりませんでした。 退院後、産院から専門医を紹介され、総合病院の形成外科を受診することに。その際、治療として手術を何度も受ける必要があり、さまざまな問題が出てくるとわかってから、不安な気持ちになったのでした。形成外科からまず紹介されたのは、矯正歯科。鼻の形を整える部分がついた“ホッツ床”という、口蓋裂の部分にフタをする器具を作ってもらいました。 「ホッツ床」に苦戦する日々 娘の口は動物の口に似ていて、それはそれでかわいらしいと感じました。そのため、ホッツ床が完成するまでの間、家の中では口にテープも貼らず、そのまま過ごしていました。ただ、最初に会う人は驚くので、外出時はテープを貼って出かけ、親しい人には症状を説明しました。 ホッツ床ができてからは、その装着に苦戦。テープで頬に固定する必要があるのですが、授乳のたびに洗う必要があったため、手間がかかるうえに子どもが嫌がり大変でした。 見た目にびっくりされたり、装着に苦労したりしたホッツ床。でもホッツ床のおかげで育児用ミルクもしっかり飲めて、鼻の形成もうまくいきました。今となれば、わが家の良い思い出になっています。次回は、生まれてから6年間、口唇口蓋裂の治療を受けてきた娘の、今後の治療についてお伝えします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年06月19日2人目まで大きなトラブルもなく、「3人目だし、余裕♪」と思っていた長男妊娠時。妊娠28週で先天異常の疑いを告げられて、大きな病院に転院することになりました。転院先で判明した病名は「横隔膜ヘルニア」。あまり知られていないこの病気について、実際の経験をもとにご紹介します。 ※横隔膜ヘルニア:本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気 長すぎるエコー。胃が心臓の真下に?初めての男の子にわくわくしていた第3子妊娠中、妊娠28週の健診で違和感を覚えました。普段数分のエコーが、10分以上続いたのです。先生の顔も心なしか曇っています。「胃が心臓の真下にあります。横隔膜ヘルニアという病気かもしれません」正直、そう言われてもピンときませんでした。 ただ、淡々と進む大病院への転院の手続きと、看護師さんからの「まだ確定したわけではないから落ち込まないでね」という言葉に、これはただ事じゃないのではと思い始めました。 転院先で治療説明。人工肺は避けたい!転院先の大病院で診断が確定し、治療方針の説明がありました。横隔膜ヘルニアというのは本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気であること。 帝王切開で胎児を眠らせた状態で出産し、生まれた直後から人工呼吸器で治療していくこと。人工呼吸器で状態が落ち着いてから横隔膜の穴をふさぐ手術をすること。人工呼吸器で間に合わなければ、人工肺を使う可能性があること。 さまざまな説明をされ、特に人工肺には脳出血などのリスクがあると聞き、怖くて仕方がありませんでした。 出生後、容体急変! 生死を彷徨うわが子先天異常がある以外は穏やかに進んだ妊娠期間も終わり、ついに出産の日。麻酔から目を覚ました私に、夫が人工呼吸器をつけて穏やかに眠る赤ちゃんの写真を見せてくれてひと安心しました。 しかし、翌日容体が急変。恐れていた人工肺の取り付けと横隔膜ヘルニアの手術をいっぺんにおこなうことになり、不安で涙が止まりませんでした。 手術は成功したけれど…募る不安 手術は無事成功しましたが、その2日後に人工肺を取り外すことになりました。息子のサイズに合わせると小さめの人工肺しか取り付けることしかできなかったのですが、想定より肺のダメージが大きく、その人工肺の許容量を超えてしまったのだそうです。横隔膜ヘルニアの影響で息子の肺は片方しかなく、あるほうの肺もほとんど機能していませんでした。 一か八かの人工肺離脱手術が始まり、何とか成功。入院中の私は、帝王切開の痛み、3時間おきの搾乳、息子への不安でほとんど睡眠をとれない日が続きました。 結局息子はその後4カ月入院、鼻に取り付ける人工呼吸器をつけた状態で退院しました。退院時は在宅医療の不安が大きく、あまり喜べなかったのが正直なところです。 息子はその後、酸素吸入器を経て1歳直前で服薬等も終わり、普段の生活で医療ケアは必要ない状態になりました。ただ、肺は未だにひとつしかなく、呼吸器系の風邪を引いたときにはこじらせて入院となることもあります。だけど、生まれたときのことを考えれば、生きているだけで奇跡だと思わずにはいられません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月18日私の子どもは、先天異常の口唇口蓋裂を持って生まれてきました。口唇口蓋裂は、治療として数回手術を受ける必要があります。口唇口蓋裂の治療の第一関門である口唇を閉じる手術を、わが子は生後5カ月目のときに受けました。小さかったのでとても心配だったことをよく覚えています。今回は、その当時の様子などについてお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂の1回目の手術を受ける前わが子は、体重6kgを目安に1回目の手術をおこなうことが決まっていました。日程が決まったら、先生に意見書を書いてもらって市役所に申請をおこなうことで、私が住んでいる市では手術費等は無料になりました。 術前には検査日が設けられていて、先生の診察を受けたり、看護師さんから入院について説明を受けたりと、落ち着かない日々。入院は手術の前日からで、その病院は付き添い不可だったため、わが子を看護師さんに任せて自宅に戻りました。 口唇口蓋裂の1回目の手術、無事に終了手術当日の朝は、本当にドキドキしました。けれども親の心配とは裏腹に、まだ小さいわが子は目新しい場所に興味津々です。やさしい看護師さんに連れられ、泣くことなく手術室の入口で別れました。 上の子を遊ばせながら待つこと約2時間。看護師さんに呼ばれていくと、目を覚ましたばかりのわが子。口にはガーゼなどが貼られていて痛々しい様子でしたが、目を覚ましていたため、ひとまずホッとしました。 口唇口蓋裂の手術後の様子 手術後、麻酔の影響か、娘はしばらくボーっとしていましたが、痛そうな感じではなく安心しました。顔を触らないよう腕が固定されましたが翌日には外され、鼻腔形成のため、鼻にレティナという装具を着けました。 入院中、夜は親と離れましたが夜泣きなどはなかったようです。日中は病棟内のキッズスペースで遊んだりすることができて、穏やかに過ごすことができした。ちなみに感染症予防のため、小学生以下のきょうだいは面会不可で、ガラス越しに会わせました。 今回は、口唇口蓋裂の1回目の手術についてお伝えしました。次回は、口蓋裂を閉じた2回目の手術についてお伝えします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年05月21日妊娠・出産は奇跡というけれど、赤ちゃんに病気や障害がある可能性は誰にでもあります。毎回の妊婦健診でおこなう超音波検査。あの白黒のエコーで、実はわかる病気があるんです。もし赤ちゃんがおなかの中にいる間に病気がわかったら……。私の妊娠・出産体験談をご紹介します。 妊娠7カ月、赤ちゃんの心臓病が見つかった毎回、妊婦健診でおこなう超音波検査。最近では、4D画像も見ることができて、ママにとっても赤ちゃんが見られるうれしい時間でもあります。このエコー、先生が見ているのは胎児の推定体重や性別だけではありません。白黒の映像の中でも見ることのできる内臓や血管があり、異常がないか先生は見ているのだそうです。 私は妊娠7カ月のころ、赤ちゃんの心臓病が見つかりました。エコーではっきりと、心臓の中の形が見えたことを覚えています。 おなかの中で赤ちゃんの病気が見つかること先生は私に、「おなかの中で赤ちゃんの病気が見つかることはとてもラッキーなことだ」と言いました。ママの心の準備もできますが、何よりも赤ちゃんにとって最善の出産方法を選ぶことができるからだそうです。 赤ちゃんに病気が見つかった場合、大きな総合病院に転院することが多いかとは思いますが、帝王切開になるのか、普通分娩になるのか、出産時の新生児科・小児科医との連携やNICUの準備など、エコーで見ることのできる情報を集めて先生方が最善策を考えてくれました。 調べすぎない。でも仲間を見つけたいこの経験を通して私は、ママにとって大切なのはひとりで受け止めないこと、調べすぎないことだと感じました。今はネットで何でも調べられる時代。でも、その情報が正しいのか、わが子の症状に当てはまるのかは自分では判断できません。 私自身、心配な話ばかり見てしまい、それだけで必要以上につらくなってしまいました。一方よかったと思うのは、同じ病気の子どもを持つ仲間を見つけること。同じ境遇の人とコミュニケーションをとると、とても心強かったです。 病気や障害を受け止めることはとても難しいことですが、おなかの赤ちゃんが出産前に教えてくれたんだと、私は感じました。正しい情報を自分で理解し、専門家に相談しながら、できる限りの準備ができるといいなと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:山本かやの二児の母。ウエディング業界から飲食業に転身後、妊娠を機に退職。現在は専業主婦。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味はガーデニングと家庭菜園。
2020年05月12日私には生まれたばかりの娘がいます。安産で産後の経過も順調だったので予定通り退院し、自宅で新生児育児に奮闘していました。ところが退院して数日後、病院から1本の電話が……。 電話で話を聞き一気に不安に…退院前日にスクリーニング検査をすることは聞いていたものの、当たり前のようにパスできると思っていました。ところが退院して数日後、病院から1本の電話が。退院前日に娘が受けたスクリーニング検査で、異常が見つかったようなのです。正式には「先天性代謝異常等検査」と言うようで、難しい検査名を聞き、一気に不安になりました。 どんな異常があったのか聞きましたが、「医師でないと説明できないので、早めに病院に来てください」とのこと。すぐに予約を取り、翌日パパと生後間もない娘を連れて病院に行くことになりました。 必要以上にスマホで検索しないことにスクリーニング検査に関して無知だった私は、とりあえずどういった検査でどのような病気の可能性があるのかネットで調べることにしました。検査の対象となる病気は20疾患あり、症状もさまざま。ネットに寄せられた代謝異常に関する体験談を目にし、さらに不安で押し潰されそうになりました。 このままでは夜も眠れなくなる……と感じ、思い切ってスマホの電源をOFFにしてこれ以上調べないことに。不安な気持ちは手伝いに来ていた母に聞いてもらい、目の前の赤ちゃんのお世話に集中するよう努めました。 甲状腺の数値が…翌日緊張しながら病院へ行きましたが、小児科の先生も看護師さんも和やかに接してくれました。甲状腺の項目が少しだけ基準値からはずれていたと説明を受け、すぐに血液検査をしました。 結果が出るまで心配でしたが、先生から「甲状腺の項目以外は問題ないですからね。検査結果が出るまで2〜3週間かかりますが、それまではいつもと変わらず過ごしてくださいね」と説明を受けたことで落ち着きを取り戻しました。 仮に病気がわかっても、適切な処置をしてもらって娘の成長をサポートしよう!と前向きな気持ちで検査結果を待つこと2週間。「異常なし」という結果を聞き、ほっと胸をなでおろしました。 改めて感じたのは、「健康は当たり前ではない」ということ。家族みんなが元気に過ごせていることに日々感謝し、今後もママとして頑張っていこうと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:貫井ゆか一男一女の母。妊娠・出産・育児に関する記事の執筆を中心にライターとして活動中。
2020年05月12日女性であれば誰でも訪れる生理ですが、周期や期間、量などは人それぞれ。他人と比べることができないため、自分の生理が正常か異常かを知ることが難しく、「普通だと思っていたら異常だった!」なんていうことも。そこでこの記事では、専門家の先生に「普通の生理」の見極め方について聞いてみました。自分の生理は正常かどうか、一緒にチェックしてみましょう! 答えてくれたのは……三鷹レディースクリニック院長天神尚子(てんじんひさこ)先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。 どうやって来る?生理のメカニズム 「月経(生理)は、脳と卵巣と子宮がお互いにうまく連絡を取り合うことで訪れます。最初に脳が指令を出すので、ちょっとしたストレスや過度なダイエット、環境の変化などで脳が疲れた状態になると、生理周期が遅れたり生理が来なかったりするんです」 「生理までのプロセスは、まず脳の視床下部から脳下垂体(以下:下垂体)へ性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、次に下垂体から卵巣に向かって卵胞刺激ホルモンが分泌されます。卵胞刺激ホルモンは卵胞を成長させ、そこからエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されて子宮の内膜が厚くなってくるのです。※卵胞期 卵子を包んでいる卵胞が十分に成熟すると、今度は下垂体から排卵を促す黄体化ホルモンが分泌され、卵胞から卵子が排出されます。これが排卵です。※排卵期 排卵すると黄体化ホルモンはさらに残った卵胞を黄体という組織に変えて、そこから黄体ホルモン(プロゲステロン)が出てきます。それによって厚くなった子宮の内膜がさらにふわふわになって、受精卵を受け入れるのに良い状態へと作られていくのです。※黄体期 そこで妊娠しなければ、ふわふわになった内膜は要らなくなって全部剝がれ落ちます。それが生理というわけです。※月経期(生理)」 生理の周期は何日空くと異常なの?「生理は大体24日~38日周期で来ると言われています。その期間から数日~1週間くらい遅れる程度だったらまだ様子を見て大丈夫。それに、毎月大幅に遅れるようなら注意が必要ですが、1回くらいならどうってことはないです。また、黄体ホルモンの働きが悪いと生理が早まることもあります。早すぎると言えるのは、前回の生理から大体20日くらいですね。その場合、排卵していないことが多いです」 生理の期間は平均何日?「出血の持続日数は3日~7日くらい。1日~2日だと短すぎるし、10日~2週間続くと長すぎます」 正常な経血の量とは?「大体20~140mlといわれていますが、よく分からないですよね。目安としては、一番多い日で1日に2~3回ナプキンを替えるくらいで済む人は経血量が少ないと言えます。逆に経血量が多い人は、夜用ナプキンをしていても2~3時間くらいで漏れるとか、大きな塊がたくさん出るとかになると、明らかにおかしい。子宮筋腫などの病気の可能性も考えられます。経血量というのは、人と比べられないし自分で判断がつかないから難しいんですよ。生理不順の人は月によって多かったり少なかったりするし、職場や学校の健康診断で貧血が出て初めて異常が発覚したというケースもあります。だからこそ、産婦人科の定期検診が大事なんです」 具体的にどうなったら受診すべき?「今までは普通だったのに、ある時からいきなり量が多くなるというのは異常のサインです。一時的なものならあまり気にしなくても大丈夫ですが、それが毎月続くようであれば受診しましょう。生理が少し遅れた月は子宮の内膜が厚くなって量が増えたりするけど、次も、その次も……と続くとちょっとおかしいです。また、ナプキンがいらないほど少ないという人は、ホルモンがしっかり出ていない、ちゃんと排卵できていないなどの原因が考えられるので、受診が必要になります」 「普通の生理」の見極め方、いかがでしたでしょうか。生理は本当に人それぞれなので、自分では普通だと信じていても、じつは異常だったということもあるから怖いですね。こうして生理の平均値を知ることが、受診のきっかけになれば幸いです。 監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
2020年05月06日ある日、次男の上前歯の間に歯茎のようなものが挟まっているのを発見しました。3人目の子どもにして初めての経験だったので、どうしたのかと大慌て。正体がわかり安心したのもつかの間、まさかの解決劇に唖然としました。 上前歯のすき間に歯茎が食い込んでいる!?第3子である次男は、生後8カ月から歯が生え始め、生後10カ月のころにはしっかりとした上前歯が生えそろいました。 異変に気がついたのは、次男の歯磨きをしているときです。上前歯を磨こうと上唇を持ち上げると、上前歯のすき間に歯茎のようなものが挟まっていることに気がつきました。決して取れるような状態ではなく、上唇から歯の裏側まで繋がっているようでした。 正体は“上唇小帯”の異常と判明慌ててインターネットで検索すると、すぐに正体が判明。“上唇小帯(じょうしんしょうたい)”という、上唇から歯茎につながっている筋の異常でした。 通常、上唇小帯は歯が生えそろうころには、歯茎の上部に移動するらしいです。しかしそれが移動しないことや、肥大化して扇状に歯茎に付着してしまうことがあるそうで、次男はまさにそれでした。 特段珍しい病気ではなく、歯医者さんで切除できることを知り、ひと安心。日をみて歯医者さんへ相談に行こうと、とりあえず様子を見ることにしました。 上前歯の歯みがきを嫌がるように…次男は歯みがきが大好きで、赤ちゃん用の歯ブラシを持たせると、張り切って歯みがきをしていました。仕上げみがきも嫌がらず、「あ~ん」と言いながら自分から口を開けてくれるのですが、上前歯を磨くときだけは嫌がりました。 歯ブラシが上唇小帯にあたると痛いらしく、気をつけて磨いているものの、次男は毎回大泣きしていました。これは早めに相談へ行ったほうが良さそうだなと思っていた矢先、思わぬ出来事が……。 いつの間にか切れている!?まだ歩き始めだった次男は、家でも保育園でもよく転んでいました。それも顔面から豪快に……。ある日の保育園のお迎え時に、先生から「今日転んで、口をケガしちゃいました」と言われました。次男の顔を見ると、上唇が切れていました。 かわいそうだなぁと思いつつ、その日の夜に歯の仕上げ磨きをしようと上唇を持ちあげると、上前歯の間にあったものがありません。よーく見てみると、なんと上唇小帯が切れていたのです! 驚いたのと同時にどうしたらいいのか不安になり、翌日にかかる予定だった小児科で聞いてみることに。切れてしまったのなら、そのまま様子を見ていいとのことでした。まさかの解決法でしたが、ひと安心でした。 3人目の子どもにして初めての経験でしたが、そんなに珍しい症状ではないそうです。今回は転んだ拍子に切れてしまったようでしたが、人工的に切除もでき、生活に支障がないようにすることも可能とのこと。上唇小帯の異常を見つけたときには驚きましたが、転んで切れてしまったことにも驚きました。よかったのかはわかりませんが、今のところ次男は何の支障もなさそうです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 木村なち三児の母。現在4人目を妊娠中。パニック障害を抱えながらの妊娠・出産・育児の経験に基づき、体験談を中心に執筆している。
2020年01月06日わが家の次女は、口唇口蓋裂で生まれました。生後5カ月と1歳ごろの2回、手術を受け、外見ではわからないほどきれいになりました。ただ、歯並びが悪く、毎月歯医者に通ったり、言葉がはっきりせずに教室へ通ったりしています。今回は、言葉の面で起きた悩みについてお伝えいたします。 たくさん話すのに理解できない次女は、1歳過ぎに片言の言葉を話し始めましたが、鼻にかかった話し方をするため、聞き取りにくい状態でした。口唇裂だけの場合は、言葉の問題は出にくいそうですが、口蓋裂があると元々鼻と口がつながっていたため、特殊な息づかい、言葉の出し方となり、鼻がかった発音になる場合が多いそうです。 ただ、昔より早めに口蓋裂を閉じる手術がなされていて、軽減されているようです。わが子も1歳で口蓋裂を閉じましたが、発声の仕方は特殊なままでした。 根気よく話を聞いてあげる最初のころは、言っていることがわからなくても相槌を打ってあげれば娘は満足していたので、困ることはありませんでした。ただ、“魔の2歳児”の時期になってくると意思がしっかりとしてきて、理解してあげないと、かなり怒って手がつけられない状態。 こちらもイライラしてしまうことがありましたが、「わかってあげられなくてごめんね、もう一度ゆっくり話してみて」と落ち着いて聞いてあげると、頑張って伝えようとしてくれました。 3歳からは「ことばの教室」へ主治医の先生にすすめられ、「ことばの教室」へ通うようになりました。言語聴覚士の方が発音のチェックをして、遊びながら発音を修正してくれるので、次女も喜んで通っています。 週一で1時間ほど教室へ通うことにより、本人も発音の仕方を習得して、どんどん上達しているので、本当によかったと思っています。私の地元の「ことばの教室」は、先生が各学校をまわって、口唇口蓋裂でないお子さんでも発音に不安のある方は利用できるそうです。 外見は手術でどんどんきれいになりますが、言葉の問題を解決するには時間と努力が必要になります。けれど確実に上達するので、子どもと協力して、乗り越えていけたらと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2019年12月26日第一子を妊娠したとき、里帰り出産を予定していたことと諸々の恥ずかしさもあり、女医さんひとりの婦人科医院を選びました。まったくつわりもなく、おなかも目立たず、健診を受けるたびに「小さめだけど大丈夫」「小さくてかわいい赤ちゃんよ」と言われていました。そのときの私の体験談をお伝えします。 初めての妊娠、つわり知らずなワケは?初めて妊娠したとき、妊娠についてまったく無知なうえに体力にも自信があった私。つわりもなく、気楽な妊娠生活でした。母子健康手帳ももらい、毎回の健診が楽しみでした。 安定期に入ってようやく家族以外にも妊娠報告をして、祝福してもらっていた矢先の妊娠4カ月の健診のこと。「あなたの体格にしては体重も増えないし、赤ちゃんも小さめね」とちょっと不安なひと言を医師から言われました。 羊水が多くて、赤ちゃんも小さめそして妊娠5カ月目に入り、妊娠16週の定期健診で、「ちょっと羊水が多いわね。赤ちゃんも小さめだから、念のため大きな病院に紹介状を書くので早めに明日にでも行ってみて」と言われました。 “小さめな赤ちゃん=かわいい”と思い込んでいたので、突然の宣告に奈落の底に突き落とされたような気分でした。沈んだ気持ちで、何が何やらわからぬまま夫に連絡し、次の日、付き添ってもらって隣駅の大病院に行くことにしました。 「無脳症」の診断病院では、紹介状を渡した途端、「胎児に障害がある」という前提で検査が進みました。重苦しい雰囲気でいくつかの検査を終え、胎児が「無脳症」であると診断されました。 羊水が多めに見えるのは、胎児の脳の部分に羊水が入り込んでいるためで、そのため胎児の成長も著しく遅く、このまま妊娠を進めても胎内で亡くなる可能性が高いこと、万が一出産できてもすぐに赤ちゃんが亡くなる可能性が高いことを説明されました。 苦渋の決断を迫られ、「母体保護法」適応の週数内に手術をすすめられました。仕方ないことだったと思いつつも、胎児が小さめというサインに私自身がもっと敏感だったなら、と悔やむことばかりです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:村上悠美自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年11月29日ずっと会いたいと願っていたわが子。その願いがようやく叶ったのですが、私は妊娠初期に切迫流産になり、その後も出産までハラハラするようなできごとばかりでした。そんな私に、出産時に立ち会っていた医師はさらなる衝撃的な事実を告げたのです。 出産目前にして最後のトラブル発生妊娠34週目の妊婦健診。体重が3kg増え、上の血圧が何度計っても140を下回ることがありませんでした。再健診では体重は2kg減ったものの、上の血圧は180にまで上昇していました。もちろん正常な数値ではないので、個人病院に通っていた私は大きな市立病院に移ることになりました。 そこで妊娠高血圧症候群と診断され、出産までMFICUというハイリスク出産に対応するための場所で過ごすことに。そして正期産の時期である妊娠37週を待ち、計画出産することになりました。 出産自体は超安産だったものの……陣痛促進剤を使い、妊娠37週3日の朝に母子ともに無事出産を終えることができました。出産自体も約2時間と、初産にしてはかなりの速さだったと思います。 ただ、お産の最中のことです。赤ちゃんの頭が顔を出し、もうひと踏ん張りしなければというときに、「赤ちゃん、ちょっとおくち切れちゃってるね~」と主治医が言ったのです。私はそのとき、ただ単純に「産道が狭くて出てくる拍子に切れちゃったのかな?」程度に思っていました。 でも、このとき聞こえてきた産科医の言葉は、のちにとても大事なことだったんだと知りました。 生まれてきてくれたことがうれしかった「形成の先生がきれいに治してくれるからね」と続けて医師はそう言いました。だから「そっか、先生が治してくれるんだ! よかった!」と安易に考えていました。 冷静に考えれば、かすり傷程度で手術をするなんてあまりないですよね。でもそのときは、目の前のお産に必死でそんなことを考える余裕もなかったんです。 そして、たとえ他の子と少し様子が違っていても、自分の胸でしっかりとその命の重さを感じることができたことがうれしくて仕方なかったのです。 両側完全口唇口蓋顎裂という疾患が判明出産後の夕方、形成外科の先生方が病室に来てくださり、娘は「口唇口蓋裂」という先天性の疾患だと告げられました。娘は口唇口蓋裂のなかでも「両側完全口唇口蓋顎裂(りょうそくかんぜんこうしんこうがいがくれつ)」という分類で、鼻の穴を通るようにして二箇所、口が裂けていました。 先生に今後のことを説明されて、ようやく重大さに気づきました。手術は成人するまで数度おこない、歯列矯正や言語指導なども含まれていて、思ったよりも治療に時間を割かなければなりません。それを知ったとき、娘は楽しい学生生活の一部を削らなくてはいけないかもしれないということに気がつき、ようやく「ショック」というものを受けました。 口唇裂は妊娠中のエコー時に判明することが多いそうです。妊娠時に判明していたら、ネットで検索していろいろと考えこんでしまっていたかもしれません。私の場合は娘が腕で顔を覆ってなかなか顔を見せてくれなかったこともあり、主治医が代わっても出産するまで判明することがなかったんだと思います。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、私はお産に集中することができてよかったと考えています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター いとう みい夫と娘、猫1匹と暮らすフリーの事務員兼デザイナー。娘は産後に口唇裂が判明。主に妊娠・出産・子育てや趣味のコレクション、ダイエットレシピについて執筆している。
2019年11月28日私の息子は右足が先天性内反足(せんてんせいないはんそく)で、右足首が内側に曲がって生まれてきました。最初は動揺して不安になりましたが、早くから治療をすれば治る可能性が高いといわれ、前向きに頑張れました。ここでは、息子の先天性内反足の治療や経過をお伝えします。 先天性内反足とはどんな病気? 原因は?生後6日目に息子の右足首から先が内側に曲がっていることに気付き、受診すると右足先天性内反足と診断されました。先天性内反足とは片足または両足が内側に曲がり、放っておくと歩いたり、走ったりすることが難しくなる病気と言われています。発症率は1,000人に1人ほどで、原因はいまだ明らかになっていないそうです。診断されたときはとても不安で自分を責めましたが、生まれて間もない子どもの頑張りを見守り、治ると信じて早期に治療を始めました。 先天性内反足の治療とギプス生活の始まり息子が生後3カ月になったころ、先天性内反足の治療を開始。初診でレントゲンを撮り、右足の太もも辺りからつま先までギプスで固定して右足首の矯正をしました。はじめのうち、息子はびっくりして泣いていましたが、週1回巻替えをおこなうと徐々に先生や施術にも慣れて落ち着いた様子に。ギプス中はお風呂に入ることができないので、温かいタオルで全身を拭いて体をさすってあげたり、マッサージをしてあげたりするととても気持ちよさそうでした。 アキレス腱を切る手術でつま先が上向きに ギプスでの矯正だけでは右足首が硬く、上下に曲げることが難しかったので生後4カ月のころにアキレス腱を切る手術をしました。局所麻酔をして、右足後ろのアキレス腱を横に1cmほど切って、尖足(せんそく/つま先立ちのような足の形)を矯正します。手術は1時間ほどで終わり、術後の右足はつま先が上に向いた状態になりました。手術室から泣き叫ぶ息子の声が聞こえるたび、とても胸が苦しかったですが無事に終わり、安心しました。 矯正装具の着用開始。お風呂がOKに 手術後から3週間はギプス固定をして、その後は再発防止のためにデニスブラウンという矯正装具をつけました。お風呂のとき以外はずっと装着ですが、ギプスのときには入れなかったお風呂にやっと一緒に入れたときは、とてもうれしかったです。その後、寝返りやハイハイも順調にできるようになり、つかまり立ちのころからは右足だけの短下肢装具になりました。そして歩くようになってから小学生になるまでは、昼寝中と夜間のみ装着を続けました。 息子の場合は早くから治療をしたおかげで今は元気いっぱい走り回り、運動も何の問題もなくできています。ただ、先天性内反足は再発することがあるそうなので、年に1度の定期健診を受けてこれからも経過を見守りたいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:八木しほり二男一女の母。自身の体験をもとに、主に子育てやライフスタイルに関する記事を執筆している。
2019年11月25日私の娘は唇・口蓋(口の中の上の部分)・上顎(上あごの歯茎の部分)に裂け目がある口唇口蓋裂という先天性の疾患を持って生まれてきました。今回は、気になる口唇口蓋裂の治療に関わる費用や、幼児期の症状、現在頻繁に通っている歯科矯正と言葉の教室についてお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂の治療費について口唇口蓋裂の治療のため、娘が生まれた産院に紹介状を書いてもらい、専門医のいる病院を受診しました。治療の流れを先生から説明してもらい、手術が数回必要なこと、歯科矯正が必要になること、言葉の問題が出る場合があるということで、費用がどれくらい必要になるのか不安になりました。 しかし、娘の場合は育成医療の対象だったため、市役所に申請をすることにより、手術費も矯正の費用もまったくかからずに済んでおり、とても助かっています。 幼児期の症状について口唇口蓋裂があると、中耳炎になりやすい傾向もあるようです。娘は少ないほうで、一度中耳炎になった程度で今のところ済んでいますが、耳鼻科にも定期的に通っています。 また、上の歯茎にも裂があったため、乳歯が生えてきたとき、上の歯が3本ほど重なって生えてきたりと、歯並びが悪くなりました。また、口と鼻がつながっていたため、特有の鼻がかった発音になり、言葉がはっきりしませんでした。 歯科と言語の治療について 主治医に紹介状を書いてもらい、歯科に定期的にも通っています。歯医者さんの方針で乳歯から矯正をおこない、1カ月に一度通っています。永久歯が生え揃ったら本格的に矯正をするそうです。育成医療を毎年更新し、矯正の費用も無料です。 言語については、耳鼻科で専門の方に問診をしてもらい、近所の小学校にあることばの教室を紹介してもらいました。こちらには毎週通っていて、本人も自覚し、言葉がだんだんきれいになってきています。 口唇口蓋裂の治療は長年かかりますが、技術や制度が確立されてきており、外見は手術でかなりよくなります。歯の並びも言葉も確実に改善してきているので、私と娘は心配なく過ごせています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2019年11月17日みなさんは、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)という先天異常をご存知ですか? 私の娘はその口唇口蓋裂を持って生まれてきました。今回は、口唇口蓋裂の症状と治療などについて、わが子の体験談をお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂について 口唇口蓋裂とは、先天異常の1つで、生まれてきた赤ちゃんのくちびるや上顎の口蓋部分が裂けている状態のことを言います。日本人では400~600人に1人の割合で生まれる可能性がある、割と確率が高い疾患なのだそうです。 原因は特定できていないそうですが、胎児のときに顔が両側から真ん中に形成されていく段階で、うまく接合しなかったことによる疾患とのこと。私の娘の場合、左の鼻の下と口蓋に裂がある状態で生まれてきました。 赤ちゃんのころの症状について 私の娘は、くちびるや口蓋に隙間がありましたが、本人に痛みなどはないらしく、普通に過ごしていました。ほかの臓器は健康なので、成長の過程で特に問題はありませんでした。ただ裂があるため、母乳を吸う力が弱く、私の娘の場合は「ホッツ床」と呼ばれる器具を口内上部に取り付けて育児用ミルクを飲ませていました。 器具を嫌がるため毎日苦労しましたが、育児用ミルクを飲むための必需品でした。赤ちゃんによっては専用の哺乳瓶を使ったり、育児用ミルクを注入したりすることもあるようです。 口唇口蓋裂の治療について 口唇口蓋裂の治療として、数回手術を受ける必要がありました。全身麻酔をする関係もあり、手術の時期は体重が基準となっているそうです。娘の場合、生後5カ月くらいでくちびるを結合し、鼻の形を整える手術を受け、1歳ごろに口蓋を閉じる手術を受けました。 私の娘には必要なかったのですが、入学前などにくちびるの形を整える手術をする場合があるそうです。また、小学校・中学年ごろに、歯茎の裂部に腰骨を埋め込む手術が必要になる場合もあると聞きました。 今回は、娘の口唇口蓋裂の症状と治療などについてお伝えしました。後編では、治療費や幼児期の状況などについてお伝えしたいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2019年11月14日「先天性外反足」という病気をご存知ですか? 次男は、私のおなかの中にいるときの姿勢異常が原因で、足首から下が外側に反った状態で生まれてきました。出産直後の告知でショックを受けた私ですが、「必ず治してあげる」という強い気持ちで次男とともに治療に臨みました。 「先天性外反足」という診断次男誕生! その直後、私の耳に聞こえてきたのは「あなたの赤ちゃんね、足がちょっと曲がっちゃってる……」という信じられないひと言でした。 出産の疲れは一気に吹っ飛び、頭の中は真っ白。5日後、産婦人科を退院した足で、病院から紹介された療育センターに直行しました。検査をして全身のレントゲンを撮った結果、幸い体のほかの部分に異常はなく、いわゆる「先天性外反足」であるとの診断でした。 24時間ぐるぐる巻き診断のあとは、治療の開始です。外側に反ってしまっている足首から下の部分をまっすぐにするため、シーネを足に添えてその上から包帯でぐるぐる巻き、その上からテープでさらにぐるぐるに巻いた状態にします。これをお風呂の時間以外、24時間必ずするようにと指導されました。 息子自身は、痛がったり機嫌が悪かったりということが一切なかったことが幸いでした。「ママが必ず治してあげる!」という強い思いで、毎日包帯を巻いていました。 2カ月間の治療を終えて足をぐるぐる巻きにする治療を2カ月間続け、次男の足はすっかりよくなりました。「もう大丈夫、治りましたよ」と、そう言われたときの喜びは言葉では言い表せません。 先天性外反足は、おなかの中にいるときの姿勢異常が主な原因で、治らないまま年齢が進むと骨がかたくなり、手術をするしか選択肢がなくなるという話でした。赤ちゃんのうちは骨がやわらかいので、比較的治りやすいそうです。その後、次男は1歳3カ月で歩き始め、その歩き始めと同時に走るようにもなりました。 小さな両足を24時間包帯でぐるぐる巻きにされている姿はかわいそうでしたが、2カ月という短い期間で完治できて幸いでした。今、次男は毎日大好きなサッカーをして外を走り回っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:沢木素子子育て中のママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年11月05日子どもが元気で生まれてくることは当たり前ではない。そうわかっていながらも、どこかで他人事に思っていました。これは第二子を出産したときの話ですが、私たち家族が息子に障害があるかもしれないと言われ、前に向いて歩き始めるまでのエピソードです。 妊娠から出産まで妊娠中は、つわりがあったものの、妊婦健診でも特に異常と言われることなく出産当日を迎えました。出産予定日より1週間遅れ、陣痛促進剤を使って出産する予定になっていたその夜に陣痛が来ました。10時間ほどかかって自然分娩で3,536gの元気な男の子を出産。 生まれてきた赤ちゃんはしっかりと泣き声をあげていたので、ほっとしていると、先生が「この子は体の左右の色が違うね」と気になることを言いました。でもこのときは、ただのあざだと思ってそこまで気にしていませんでした。 新生児健診で不安がつのる生後3日目に、小児科医による新生児健診がおこなわれ、息子は最後でした。周りの赤ちゃんが特に問題もなく終わっていくなか、息子の番に。すごく深刻な顔をした先生は、「体の色が違うということは、血管に異常がある可能性があるということ。そうなると脳や神経にも何かしら異常があるかもしれないので、検査が必要です」と。 自分の心拍数が上がるのがわかりました。その後、先生がいなくなった後もその場から動けず、あふれ出る涙。なんで元気な体で産んであげられなかったのか自分を責め、どうしてわが子なのか、受け止めきれませんでした。 事実を受け止め、前に進めるようになるまで緊急を要する病気ではないこと、また里帰り出産だったこともあり、検査は1カ月後に現在住んでいる家の近くの病院を受診することになりました。それまでの1カ月間、病名もわからずただただ不安な毎日。自分を責めたり、息子の将来を悲観したり、とにかく毎日息子を見ては泣いていました。そんな私を変えてくれたのは夫の一言。「どんなに健康な人だって、いつ病気になるかわからない。〇〇くんは、たまたま生まれたときからそれが目に見えているだけだ。他の人と何もかわらない。彼は元気なのが当たり前じゃないのを教えてくれているんだよ」そう言われて、元気なことが正しいことのように思っていた自分に気付きました。 検査の結果、幸い心臓や内臓に何も異常がなく、経過観察となりました。病名もこの段階では、はっきりとした診断をもらえませんでしたが、その後、「大理石紋様先天性毛細血管拡張(だいりせきもようせんてんせいもうさいけっかんかくちょう)」と診断。検査までの1カ間、息子に申し訳なく将来が不安で泣いて過ごしていた私ですが、気持ちを切り替えどんなことがあっても息子を守り、一生支えていくと心に誓い、泣くことをやめたのです。そして、目の前に生きていてくれることがどんなに尊くありがたいことかということを感じるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:天川みほし5歳女児と2歳男児の母。前職は公務員として子育て支援の仕事をしていたが、夫の転勤に伴い退職。故郷を離れ、初めての土地で子育てに奮闘中。
2019年09月18日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は出生前診断に関するご相談です。 Q.20代でも出生前検査は受けられますか?21歳で現在妊娠22週です。年齢的なものもあるからなのか、出生前診断のことを知ったのもつい最近でまったく知りませんでした。ただ、若い方でもダウン症や染色体異常のお子さんを産んだ話を聞いたことがあるので少し心配に思っています。エコーなどで異常がある場合は言ってくださるのでしょうか? 出生前診断は私の年齢では受けられない検査なのでしょうか? 高塚あきこ助産師からの回答出生前診断は、以前に比べてさまざまな種類があり、高齢など、一般的なリスクが高いなどと判断される方以外でも受けることはできますよ。ですが、費用が高額になることや、もし異常と判断された場合に妊娠を継続するのかなど、さまざまな問題があります。ですので、まずはどのような検査があるのか、また、費用やその後の妊娠継続の意思なども含めて、ご家族やおかかりつけの産婦人科の医師とご相談なさるといいかと思います。健診の際でも、何か異常がある場合には指摘があると思いますが、必ずしもすべての異常がわかるわけではありませんので、もしご心配な場合には、やはり検査を受けられたほうが確実かと思いますよ。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 出生診断の種類と特徴■母体血清マーカー検査(クアトロテスト)検査できる時期:妊娠15〜18週費用:2〜3万円 母体の血液中のたんぱく質やホルモンの濃度と妊婦の年齢などから、赤ちゃんの染色体異常や神経管の形成異常の確率がわかる検査。ダウン症候群の21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形などの確率がわかります。確率が高いときには、羊水検査を受けるかどうかを検討します。 ■NIPT(新型出生前診断)検査できる時期:妊娠11〜18週費用:25万程度 母体の血液中のDNA断片から胎児の染色体異常を判断する検査。21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを陰性か陽性で判定します。陽性と出た場合には、羊水検査で確定診断をおこなう必要があります。まだ新しい出生診断であるため、結果の解釈について誤解を招きやすいことが危惧されています。そのため充分なカウンセリングシステムが整っている施設でおこなうことが推奨されています。 ■羊水検査検査できる時期:妊娠15〜18週費用:10〜15万円程度 羊水に含まれる赤ちゃんの細胞から染色体異常を調べる検査。21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの異常、性染色体、一部の染色体の構造異常などをほぼ確定することができます。子宮に針を刺して羊水を抜くため、流産のリスクが300分の1程度あります。 出生前診断を受ける前にこの他に超音波検査(NT)や絨毛検査など一般的ではありませんが、おこなっている施設もあります。 出生前診断を「赤ちゃんの異常が事前にわかるなら」「せっかくなら受けておいたほうがいい」といった軽い気持ちで受けたことで、結果が出てから夫婦で方針が分かれてしまい、思い悩むことになったケースもあります。非常に重い決断にも関わる重要な検査なので、必ず事前に夫婦で遺伝カウンセリングを受けましょう。検査を受けたほうがいいのか? どのような形で結果が出るのか? その解釈は? 結果をどう受け止めるか? などを含め、ご夫婦が充分理解して話し合うことがとても重要です。※参考:基礎知識(妊娠中)「【医師監修】出生前診断の種類と特徴」【監修:医師 池谷美樹先生|産婦人科】
2019年09月03日口唇口蓋裂を持つ娘は、生まれたときから矯正歯科に通っています。最初は手術前の口腔内準備、そして術後は歯科矯正をおこなっています。今回は、口唇口蓋裂を持つ娘の歯科矯正についてお伝えします。 口唇口蓋裂による口の中の様子娘は、左上唇から左鼻の中までの口唇裂と、左上歯茎から上あごまでの長い範囲で口蓋裂がありました。そのため、自力では母乳が吸えず、上あごに隙間があることからミルクも飲みにくい状況でした。 また、離乳食が始まると、食べ物が鼻のほうに入ってしまうなど、うまく離乳食を食べられない状態になりました。加えて歯茎にも裂があったため、上の歯並びがよくありませんでした。舌が長く、とても器用に動く点はよかったのですが、話をするときは鼻にかかった感じの発音になりました。 赤ちゃんのころの治療の様子母乳を吸う力がないためミルク育児でしたが、上あごに裂があってミルクを飲むことも難しいため、主治医から紹介された矯正歯科に通院。口唇口蓋裂における歯科矯正の説明も、写真などを使って詳しく聞くことができました。 矯正歯科ではまず口の中の型を取って、裂の部分に装着する「ホッツ床」を作ってもらいます。鼻の形を矯正する器具も一緒になっているタイプで、毎日装着します。定期的に来院し、成長に合わせて大きさなどを調整してもらいました。 幼児のころの治療の様子1歳2カ月のときに2度目の手術を受けて「ホッツ床」は必要なくなりましたが、娘の場合、乳歯が生え揃ってきたときに歯が3本重なっていたり斜めに生えたりと、上の歯が不揃いになってしまいました。 そこで、引き続き矯正歯科に通い、まだ乳歯の4歳ごろから簡単な器具を装着して矯正をおこなっています。1カ月に1回のペースで通っていますが、ありがたいことにこちらも自立支援医療を市役所に申請することで、無料で治療を受けられています。 手術後は、主治医である形成外科受診よりも、矯正歯科受診の頻度のほうが高くなりました。永久歯が生え揃ってから本格的な矯正が始まるとのことで、これからも長くお世話になりそうです。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年09月01日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、ダウン症に関するご質問です。 Q.成長の過程でダウン症になることがあるんですか?先日生後7カ月になった娘がいます。最近実母が、顔つきや舌をよく出したりするところなどダウン症の特徴をあげて、娘のことをダウン症ではないか? とよく言ってきます。検査をしたほうがいいと言うので、検査をしようとは思っています。妊娠中は、エコー検査で異常なしと言われていましたが、成長の過程でダウン症になることがあるんですか?ダウン症の子どもさんは成長が遅いと聞きます。娘は寝返りも生後5カ月になる前にしましたが、寝返りから戻ることができずまだひとり座りもできません。やはりダウン症の可能性があるのでしょうか? 高塚あきこ助産師からの回答実際にダウン症かどうかは染色体検査をしてみないと確定診断はできませんが、たしかにダウン症の場合には、顔貌など、いくつかの特徴的な所見があり、指摘されることも多いです。ダウン症は染色体異常によるものですので、成長過程でダウン症になるということはありませんよ。成長のスピードは個人差が大きいので、そこだけでは一概に判断はできませんが、今まで健診等で指摘されたことがなければあまりご心配がないのではないかと思います。ですが、もし、ご心配な場合には、健診や予防接種などの際に小児科でご相談なさってみると安心できるかもしれません。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください ダウン症って?ダウン症は、本来2本ある21番目の染色体が3本ある染色体異常で、21トリソミーともいいます。この染色体異常よって、ダウン症の赤ちゃんは特有の顔つきをしており、先天性の心疾患や消化管の異常をともなうことがあります。また、筋緊張が低下による寝返りなどの発達の遅れや精神遅滞も認められます。 ダウン症の場合、成長はゆっくりではありますが、やさしく温和な性格であることが多いといわれています。近年では医療・療育・教育・福祉が進み、ほとんどの人が普通に学校生活や社会生活を送っており、平均寿命は60歳前後とされています。 ダウン症の赤ちゃんが生まれる頻度は約1,000人に1人といわれていますが、近年の日本では晩婚化にともなう高齢出産が増加している影響などから約600人に1人との報告もあるようです。 どうやってダウン症だとわかる?ダウン症の確定診断は、染色体検査によっておこなわれます。生まれた赤ちゃんの血液を検査するだけでなく、妊娠中に羊水を検査することでも診断できます。 妊娠中の羊水検査は出生前診断のための検査のひとつですが、羊水検査の前にママの血液を調べ、ダウン症を含む特定の染色体異常の確率を調べる母体血清マーカーテストやNIPT(母体血胎児染色体検査)の結果を受けておこなわれることが多いです。※参考:ニュース(医療)「ダウン症とは?検査方法や特徴を助産師が解説!【世界ダウン症の日】」【著者:助産師 REIKO】
2019年08月08日私の子どもは、先天異常の口唇口蓋裂を持って生まれてきました。1回目の手術は生後5カ月目のとき。口唇口蓋裂治療の第2関門である、口蓋裂の手術は、1歳2カ月のときに受けました。今回は、口蓋裂の症状や2回目の手術の体験談をお伝えしたいと思います。口唇口蓋裂ってどんな様子?私の娘の場合、くちびるの裂に加えて口腔内の上あご部分にも裂があり、1cmほどの隙間がありました。口の中と鼻がつながってしまっているため、食べた物が鼻から出てくることが多く、発声も鼻がかった状態。 そのため、1回目の手術前から引き続き、上あごの隙間を塞ぐ器具である「ホッツ床」を装着し、そのおかげでミルクを飲むことや離乳食を食べることには困りませんでした。また、ほかの親御さんも言っていたのですが、舌が長くとても器用です。 入院前に「抑制筒」を準備2回目の手術は、体重が10kgになるころが目安で、娘は1歳2カ月のときに受けました。1回目の手術時と同様、あらかじめ市役所に申請して入院手術代は無料。定期受診や術前検査もすこやか医療費で無料でした。 2回目の手術の際は、術後に顔を触らないようにするための「抑制筒」という筒を準備する必要がありました。抑制筒を腕につけると、肘を曲げられないため、術後の顔に触る恐れを防ぐことができます。 私は病院で頂いたリーフレットを参考に、ポテトスナックの筒状の箱で抑制筒を作成しました。ちなみに抑制筒は、その手術時1回きりの利用なので簡単なものでした。 口唇口蓋裂の2回目の手術も無事に終了1歳となると、1回目のときより物事がよくわかっていたので、入院を少し怖がっていました。けれども手術前に眠くなるお薬を飲んだため、手術室へは泣くことなく向かうことができ、1回目より長めの3時間弱ほどで手術は無事に終了しました。 口内の手術のため、外観は変わらず、痛みもなさそうな様子で、抑制筒を腕につけてキッズコーナーでよく遊び、よく食べました。そして食後は、注射器で水鉄砲のように手術した場所を洗い流す必要がありました。 親として2回目の手術は、初めての手術よりも気持ち的には落ち着いて望むことができました。2回目の手術までは毎日「ホッツ床」の付け外しなども大変でしたが、裂もふさがり安心しました。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年07月18日先日子どもの1歳6カ月健診に行ってきました。健診の内容の一つである歯科健診で、わが子も初めて歯を診てもらう機会があったのですが「先天性欠如」であることが判明しました。わが子は、生まれつき下の歯が1本足りない状態だそうです。 1歳6カ月健診でわかった「先天性欠如」1歳6カ月健診のころには上下で16本ほど歯が生えていた娘。歯磨きが苦手な子なので、歯磨きのじょうずな仕方を相談しようかなとは思っていたものの、他は特に気にしていませんでした。 しかし、先生に診てもらうとすぐさま「下の乳歯が1本足りないね」と言われました。娘の場合は下の歯が通常より1本足りないそう。それも、目立つ位置の前歯が足りないことがわかりました。さらに、生まれつき乳歯が欠如すると、永久歯も生えてこないとのことでした。 子どもの歯並びや発語が心配歯が1本足りないと、歯に隙間ができてしまったり、歯の大きさによっては歯並びが悪くなってしまうそうです。また、歯に隙間ができることにより、発音しにくい音があるなど発語も心配があると先生から言われました。 まだ1歳なので、「わんわん」「まんま」などの簡単な言葉しか話しませんが、私はこれから子どもが話し始めたときに不自由するのではないか、と心配になってしまいました。 実は母親である私も「先天性欠如」だった心配になった私は健診のあと、実母に娘が先天性欠如だったことを話しました。すると想像以上に反応が薄く「あんたもそうだよ」と驚きの発言が…! 実際に母子手帳を見せてもらうと、3歳ごろの健診で「先天性欠如・経過観察」と記載がありました。私は上の歯が1本足りなかったそうです。そのせいか現在でも前歯に少し隙間があります。ただ、かみ合わせが特別悪かったり、歯がガタガタというわけではありません。そのため、これまで歯列矯正等もすることなく現在も過ごしています。 娘の先天性欠如は「もしかして私のせい?」と思う一方、自分自身がそんなに苦労をせずに過ごせたので、あまり心配しすぎず見守りたいと思えるようになりました。歯が1本足りないと、隙間ができたりする心配もありますが、歯の大きさや生える順番などによっても歯並びは変わってくるそうで、個人差も大きいようです。これから小児歯科にしっかり通いながら、経過を見てもらおうと思います。著者:河相 さくら国内外問わず旅行が大好きな1歳女の子のママ。育休中に小学校英語指導者資格を取得。主に子育て・英語育児を中心に執筆中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月02日私の娘は、口唇口蓋裂という先天異常を持って生まれてきました。今回は、今まで受けてきた治療のまとめと今後の予定についてお伝えしたいと思います。 これまでの治療と現在の治療口唇口蓋裂の治療におけるメインの診療科は形成外科でした。生後5カ月ごろ、唇を閉じ、鼻の形を整える手術を受け、1歳過ぎに口蓋裂を閉じる手術を受けました。それから6歳の現在まで、半年から1年毎に定期的に受診しています。 歯茎の裂があり、上の歯並びが悪いため、4歳ごろから矯正歯科に毎月通っています。また、鼻にかかった話し方のため、耳鼻科での聴覚検査をしたのちに、毎週近所の学校で開催している言葉の教室に通っています。そして、中耳炎になりやすいため、耳鼻科も定期受診しています。 多くの場合、唇再形成の手術が必要娘の場合、口唇裂手術後、最初は唇が少し引きつっている様子でした。手術した部分はピンク色で、痕が少しわかる状態が2歳ごろまで続いていました。けれども、成長とともにきれいな形になってきており、よく見ると多少違いがわかりますが、周りの人からは「まったくわからない」とよく言われます。 多くの場合は、小学校入学前に唇の形を整える手術が必要になるそうです。ただ、娘の場合は幸い、「見た目に問題がないから手術は必要ない」と主治医の先生からお話がありました。 口蓋裂の状態に応じて、骨移植が必要口蓋裂手術は、両脇の皮を縫い合わせておこなわれるため、手術後に上あごに穴が開いてしまう場合があるそうです。そのような場合、その穴を塞ぐ手術が必要になります。 また、娘は歯茎にも裂があり、当初は「小学校中学年くらいに腰の骨を移植する手術が必要になるかもしれない」とのお話でした。ただ、成長とともに歯茎の裂がどんどん狭くなり、今は歯茎の隙間がなくなりました。そのため、手術は必要ないかもしれないと言われています。 娘の場合、口唇口蓋裂ではあるものの、ありがたいことに経過は順調です。今後も主治医の先生と相談しながら、できるだけ娘に負担がかからないよう治療していけたらと思っています。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月10日私の娘は、先天異常の口唇口蓋裂で生まれてきました。これまで、娘が受けた治療として、2回の手術と歯科矯正通い、耳鼻科通い、言語療法として言葉の学校に通った様子をお伝えしてきました。 今回は、口唇口蓋裂の娘を妊娠しているときの様子と、1回目の手術を受けるまでの様子をお話ししたいと思います。 妊娠中の経過は順調 妊婦健診では、医師から特に何も指摘されることはありませんでした。ただ、赤ちゃんによっては、エコー検査で口唇裂を確認できる場合もあるのだそうです。 その後、娘は元気のいい産声をあげて生まれてきたのですが、先生方が「あっ」とびっくりした様子だったことを覚えています。私が「どうしましたか?」と聞くと、「ちょっとお口が……でも大丈夫。元気ですよ」とのことでした。 産後すぐの私にショックを与えないようにするためか、赤ちゃんを最初に見たときには、くちびるに医療用テープが貼られていました。 最初の受診は形成外科 私の場合、上の子の出産のときには命も危なかったため、娘に口唇口蓋裂があるとわかっても「手術で治るから大丈夫」と思い、不安にはなりませんでした。 退院後、産院から専門医を紹介され、総合病院の形成外科を受診することに。その際、治療として手術を何度も受ける必要があり、さまざまな問題が出てくるとわかってから、不安な気持ちになったのでした。形成外科からまず紹介されたのは、矯正歯科。鼻の形を整える部分がついた“ホッツ床”という、口蓋裂の部分にフタをする器具を作ってもらいました。 「ホッツ床」に苦戦する日々 娘の口は動物の口に似ていて、それはそれでかわいらしいと感じました。そのため、ホッツ床が完成するまでの間、家の中では口にテープも貼らず、そのまま過ごしていました。ただ、最初に会う人は驚くので、外出時はテープを貼って出かけ、親しい人には症状を説明しました。 ホッツ床ができてからは、その装着に苦戦。テープで頬に固定する必要があるのですが、ミルクのたびに洗う必要があったため、手間がかかるうえに子どもが嫌がり大変でした。 見た目にびっくりされたり、装着に苦労したりしたホッツ床。でもホッツ床のおかげでミルクもしっかり飲めて、鼻の形成もうまくいきました。今となれば、わが家のいい思い出になっています。次回は、生まれてから6年間、口唇口蓋裂の治療を受けてきた娘の、今後の治療についてお伝えします。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月03日私には生まれたばかりの娘がいます。安産で産後の経過も順調だったので予定通り退院し、自宅で新生児育児に奮闘していました。ところが退院して数日後、病院から1本の電話が。退院前日に娘が受けたスクリーニング検査で、異常が見つかったようなのです。不安になりながら再検査に行くことになりました。 電話で話を聞き一気に不安に…退院前日にスクリーニング検査をすることは聞いていたものの、当たり前のようにパスできると思っていました。正式には「先天性代謝異常等検査」というようです。難しい検査名を聞き、一気に不安になります。 どんな異常があったのか聞きましたが、「医師でないと説明できないので早めに病院に来てください」とのこと。すぐに予約を取り、翌日パパと生後間もない娘を連れて病院に行くことになりました。 必要以上にスマホで検索しないことにスクリーニング検査に関して無知だった私は、とりあえずどういった検査でどのような病気の可能性があるのかネットで調べることにしました。 検査の対象となる病気は20疾患あり、症状もさまざま。ネットに寄せられた代謝異常に関する体験談を目にし、さらに不安で押し潰されそうになりました。このままでは夜も眠れなくなる……と感じ、思い切ってスマホの電源をOFFにしてこれ以上調べないことに。不安な気持ちは手伝いに来ていた母に聞いてもらい、目の前の赤ちゃんのお世話に集中するよう努めました。 甲状腺の数値が…翌日緊張しながら病院へ行きましたが、小児科の先生も看護師さんも和やかに接してくれました。甲状腺の項目が少しだけ基準値からはずれていたと説明を受け、すぐに血液検査をしました。 結果が出るまで心配でしたが、先生から「甲状腺の項目以外は問題ないですからね。検査結果が出るまで2〜3週間かかりますが、それまではいつもと変わらず過ごしてくださいね」と説明を受けたことで落ち着きを取り戻しました。 仮に病気がわかっても、適切な処置をしてもらって娘の成長をサポートしよう! と前向きな気持ちで検査結果を待つこと2週間。「異常なし」という結果を聞き、ほっと胸をなでおろしました。 改めて感じたのは、「健康は当たり前ではない」ということ。家族みんなが元気に過ごせていることに日々感謝し、今後もママとして頑張っていこうと思います。著者:貫井ゆか一男一女の母。妊娠・出産・育児に関する記事の執筆を中心にライターとして活動中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月30日私の子どもは、先天異常の口唇口蓋裂を持って生まれてきました。口唇口蓋裂は、治療として数回手術を受ける必要があります。口唇口蓋裂の治療の第一関門である、口唇を閉じる手術をわが子は生後5カ月目のときに受けました。小さかったのでとても心配だったことをよく覚えています。今回は、その当時の様子などについてお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂の1回目の手術を受ける前わが子は、体重6kgを目安に1回目の手術をおこなうことが決まっていました。日程が決まったら、先生に意見書を書いてもらって市役所に申請をおこなうことで、私が住んでいる市では手術費等は無料になりました。 術前には検査日が設けられていて、先生の診察を受けたり、看護師さんから入院について説明を受けたりと、落ち着かない日々。入院は手術の前日からで、その病院は付き添い不可だったため、わが子を看護師さんに任せて自宅に戻りました。 口唇口蓋裂の1回目の手術、無事に終了手術当日の朝は、本当にドキドキしました。けれども親の心配とは裏腹に、まだ小さいわが子は目新しい場所に興味津々です。やさしい看護師さんに連れられ、泣くことなく手術室の入口で別れました。 上の子を遊ばせながら待つこと約2時間。看護師さんに呼ばれていくと、目を覚ましたばかりのわが子。口にはガーゼなどが貼られていて痛々しい様子でしたが、目を覚ましていたため、ひとまずホッとしました。 口唇口蓋裂の手術後の様子 手術後、麻酔の影響か、娘はしばらくボーっとしていましたが、痛そうな感じではなく安心しました。顔を触らないよう腕が固定されましたが翌日には外され、鼻腔形成のため、鼻にレティナを装着しました。 入院中、夜は親と離れましたが夜泣きなどはなかったようです。日中は病棟内のキッズスペースで遊んだりすることができて、おだやかに過ごすことができした。ちなみに感染症予防のため、小学生以下のきょうだいは面会不可で、ガラス越しに会わせました。 今回は、口唇口蓋裂の1回目の手術についてお伝えしました。次回は、口蓋裂を閉じた2回目の手術についてお伝えします。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月26日妊娠・出産は奇跡というけれど、赤ちゃんに病気や障害がある可能性は誰にでもあります。毎回の妊婦健診でおこなう超音波検査。あの白黒のエコーで、実はわかる病気があるんです。もし赤ちゃんがおなかの中にいる間に病気がわかったら……。私の妊娠・出産体験談をご紹介します。 妊娠7カ月、赤ちゃんの心臓病が見つかった毎回、妊婦健診でおこなう超音波検査。最近では、4D画像も見ることができて、ママにとっても赤ちゃんが見られるうれしい時間ですよね。このエコー、先生が見ているのは胎児の推定体重や性別だけではありません。白黒の映像の中でも見ることのできる内臓や血管があり、異常がないか先生は見ているのだそうです。 私は妊娠7カ月のころ、赤ちゃんの心臓病が見つかりました。エコーではっきりと、心臓の中の形が見えたことを覚えています。 おなかの中で赤ちゃんの病気が見つかること先生は私に、「おなかの中で赤ちゃんの病気が見つかることはとてもラッキーなことだ」と言いました。ママの心の準備もできますが、何よりも赤ちゃんにとって最善の出産方法を選ぶことができるからだそうです。 赤ちゃんに病気が見つかった場合、大きな総合病院に転院することが多いかとは思いますが、帝王切開になるのか、普通分娩になるのか、出産時の新生児科・小児科医との連携やNICUの準備など、エコーで見ることのできる情報を集めて先生方が最善策を考えてくれました。 調べすぎない。でも仲間を見つけたいこの経験を通して私は、ママにとって大切なのはひとりで受け止めないこと、調べすぎないことだと感じました。今はネットで何でも調べられる時代。でも、その情報が正しいのか、わが子の症状に当てはまるのかは自分では判断できません。 私自身、心配な話ばかり見てしまい、それだけで必要以上につらくなってしまいました。一方よかったと思うのは、同じ病気の子どもを持つ仲間を見つけること。同じ境遇の人とコミュニケーションをとると、とても心強かったです。 病気や障害を受け止めることはとても難しいことですが、おなかの赤ちゃんが出産前に教えてくれたんだと、私は感じました。正しい情報を自分で理解し、専門家に相談しながら、できる限りの準備ができるといいなと思います。著者:山本かやの二児の母。ウエディング業界から飲食業に転身後、妊娠を機に退職。現在は専業主婦。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味はガーデニングと家庭菜園。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月24日次女は「口唇口蓋裂」という先天異常で生まれてきました。娘の将来を考えて不安にかられた私を救ってくれたのは、娘自身でした。今回は、そのときの体験をお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂で生まれた娘わが家の長女は、33時間にもおよぶ難産の末に生まれました。一方で、次女の出産にかかった時間は8時間ほど。長女のときと比べるとだいぶ楽な出産でした。 生まれてきた次女はすぐに大きな産声を上げましたが、出産に立ち会った先生たちは「あっ」と驚いた顔。「ちょっとお口が……」と言う先生たちの様子を見て、私は不安にかられました。抱っこをした娘の口にはテープが貼られていました。 娘のくちびると歯茎、上あごに隙間が産後、少し落ち着いてから、「あなたの娘さんは口唇口蓋裂です。でも、今はきれいに治りますよ」と医師に言われました。長女の出産時は命に関わる状態だったので、それに比べると不安は少なくもありましたが、どのような状態で生まれてきたのか、娘の口を何度も見て様子を確かめました。 娘のくちびると歯茎、上あごには隙間があったのですが、痛みはないようで安心しました。また、出生体重が3,300g以上だったからか、体つきはしっかりとしていました。 “娘の笑顔”が私を救ってくれた最初は不安が少なかったものの、全身麻酔をして手術を何度も受けねばならないことや歯科矯正が必要なこと、言語や耳に少なからず障害が出てくるということがわかり、娘の将来を考えた私は急に不安にかられました。 そんなときに私を救ってくれたのは、娘の笑顔でした。生まれて3日後に「にこっ」と笑顔を見せてくれたのです。最初は偶然かと思いましたが、何度もにっこり。「心配ないよ。私は大丈夫」と言ってくれているようで、私の不安は吹き飛びました。 娘は現在6歳。これまで2回の手術を無事に終え、元気に成長しています。治療はまだまだ続きますが、あのときの笑顔を思い出すたびに、娘と一緒に乗り越えていこう、そんな気持ちと勇気が湧いてきます。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月13日発達障害がある子どもと家族がつむぐ物語を聴き、記したい知的障害のある自閉症児の成長記録を書くことは長年の私の願いでした。私はこれまでに、先天性染色体異常によって短命という運命にある障害児の記録や、自宅で人工呼吸器を付けている子の記録を書いてきました。もちろん、障害の重さに「軽重」などありません。それぞれのご家庭が大変な思いを抱えています。ただ、知的障害児には体が元気であるという特徴があります。私のクリニックにも何人もの知的障害児が来ます。その子たちは、クリニック中を走りまくったり、大きな声を上げたりで、母親の神経は休まらないように見えます。社会との接点が多く、そのたびに衝突をくり返す知的障害のある子の親には、寝たきりの重症児を持つ親とはまた違った種類の苦労があるのだろうと私は以前から思っていました。さらに自閉症という障害は、社会的な障害と言えます。他者とのコミュニケーションが難しかったり、強いこだわりのために社会の中で大きなトラブルを抱えたりするからです。Upload By 松永 正訓私は、知的障害のある自閉症児がどういう生活をしているのか、具体的に知りたいと思っていました。そんな時に出会ったのが、立石美津子さんです。立石さんは幼児教育に関する著者・講演家です。そして知的障害のある自閉症の息子さんをシングルマザーとして18年育てています(取材・執筆時は17歳)。以下、立石さんのことを母と、お子さんの名前を勇太君(仮名)と書きます。私は、聞き書きという形で母から見た勇太君との17年を、『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』(中央公論新社)という本にまとめました。本稿ではこの本を書いたことで、私自身が学んだことを書いてみたいと思います。我が子を、ありのまま受け止めるまで予測をしていたこととは言え、母は我が子の障害を簡単には受け入れませんでした。こどものこころ診療部の専門医に、2歳の勇太君のことを「知的障害を伴う自閉症」と診断された時、母は医師に対して強い怒りの気持ちを向けます。そして同時に我が子に対して「こんな子は要らない」と拒否感すら持ちます。母は自分の親から英才教育を受けて育ったため、勇太君にも英才教育を施していました。勉強ができて、いい学校に行って、いい会社に入って、いい家庭を築くことは、母にとっての夢だったのです。しかしこの夢はよく考えてみれば、私たちの誰もが心の中に抱く夢です。そういう意味では「普通」の夢です。「普通」であることを否定されそうになった母は、医師の診断を誤診だと考え、ドクターショッピングに走ります。5つのクリニックや病院を回った末に、母は自閉症という診断を認めざるを得なくなります。しかし、だからと言って勇太君の未来を諦めてしまうわけではありません。2つの施設に通って療育を受けるのです。けれども、勇太君を「普通」の子にすることはできませんでした。療育の成果はありましたが、勇太君はあくまでも知的障害を伴う自閉症児なのです。保育園に通う勇太君はみんなと同じ行動が取れません。一列に並んで同じ格好をして歌を歌う子どもたちと離れ、勇太君は一人で絵本を眺めています。その姿を見て、母は絶望的な気持ちになります。この気持ちから母はなかなか抜け出すことができず、抗うつ剤を服用することになります。ではなぜ、母は我が子の障害を受容できたのでしょうか?それは偶然ある日、精神科病院の鉄格子の向こうに小学生くらいの子どもが佇んでいるのを窓の外から見てしまうからです。その病院は、適切な育児を受けなかったためにストレスが昂じ、うつ病や統合失調症を併発してしまった自閉症児が入院していることで知られていました。母は見知らぬ少年の姿を見て、ようやく我が子が「普通」に生きていくことを諦めるのです。子どもではなく、親自身が変わる障害児を授かる親の心理的変遷を分析した専門家の報告は多数ありますが、ある学者は、障害児の誕生を親にとっての「期待した子どもの死」と見なしています。死の受容というのは、決して簡単なことではありません。最終段階の受容とは「諦め」であると言えるでしょう。しかしながら、障害児を育てるためには「諦め」の先があるはずです。つまり「障害を生きる」という人生が待っているのです。このためには、今まで持っていた古い価値観を捨てて、新しい価値基準を構築し、我が子に対して「あなたは、あなたのままでいい」と承認する必要があります。この作業は、まさに「普通」であることの呪縛を断ち切り、世間並みという横並びの生き方と決別し、我が子にとって最も幸せな生き方を理解し、寄り添い、伴走することが重要になります。障害を持った子どもを変えようとしてはいけない。それは無理なことです。親自身が変わらなくてはいけないのです。「普通」という条件付きの愛から、無条件の愛へ私は聞き書きを進めるうちに、知的障害のある自閉症児を受容し育てるということには、健常児の子育てにつながる課題があることが見えて来ました。私の知人のお子さんの中には、いじめに遭って登校拒否になった子、病気によって友人との関係が作れず高校を中退した子、両親の不仲から問題行動に走った子など、難しい生き方をしている子が多数います。いえ、そこまで深刻でなくても、勉強が苦手だとか、親友ができないとか、進学や就活に失敗したとか、生きづらさを抱えている子どもはいくらでもいます。そうした時に私たちが考えることは、せめて世間並みという「普通」の基準から滑り落ちないことではないでしょうか?しかし「普通」にいくらしがみついても、そこから脱落し、違った道を歩まざるを得ないのも、また人生ではないでしょうか?「普通」ではない人生。それってそんなに惨めなものでしょうか?「普通」でなくても、親から見れば我が子は何物にも替え難い唯一無二の存在です。親が我が子に対し、「この世には、あなたと同じ人はいない」と気付いた時に、「普通」でなくてもその生き方でいいのだと肯定することができます。Upload By 松永 正訓最初は「こんな子は要らない」と勇太君を拒否した母は、今では勇太君を溺愛しています。なぜ変わったのでしょうか?それは我が子を愛するのに最初は「条件」が付いていたからです。可愛い子、頭のいい子、人より優れた子、そういう子どもが欲しかった。つまり条件付きの愛だったのです。しかしその愛はやがて「無条件の愛」に変わっていきます。人は育てる中で、初めて親になっていくのです。親は自分の子どもをありのまま愛する能力を少しずつ育てていけるのだと私は思います。本書を最後まで読んで頂くと、母には勇太君の未来に関して明確な目標を持っていることが分かります。それはグループホームを作ることです。これは夢ではありません。勇太君が幸せに人生を歩んでいくために、成し遂げなければいけない目標なのです。目標を設定して生きるその道のりは、決して容易ではないかもしれませんが、生きがいのある充実したものではないでしょうか?学び多き、多様な社会障害児がやがて大人になって、最終的に就労するとか、税金を納めるとか、それはどちらでもいいことだと私は個人的に思っています。障害の程度に応じて働けばいいのであって、呼吸器の付いた寝たきりの子には労働は不可能です。けれども、障害児が生きることで、いや、ただ存在することだけで私たちは多くの学びと気づきを得ることができます。私たちの社会には、色々な人がいます。ああいう人、こういう人、ああいう人生、こういう人生。それぞれにカラーがあり、全体として豊かな色を作り上げています。そうした多様な社会にこそ学びがあります。単一な社会から得るものは何もありません。そうした多様性の大事さに多くの人が気付きながらも、その重要性は本当の意味で今の社会にまだ根付いていないように見えます。障害児が生きやすい社会になっていくためには、もう少しだけ時間が必要な気がします。立石さん親子の生きる姿は、そうした閉塞感に風穴を開ける一陣の風になる可能性があると私は感じました。この世の中で最も弱い人たちを守ることで、私たちは幸せになれるのではないでしょうか。簡単なことではないかもしれませんが、私たちの意識が少しずつ変わっていけば、そういう社会が来るかもしれません。そうなることを信じてみようと私は思っています。2018年9月10日、医師・松永正訓氏が立石さん親子を取材、書き上げたルポルタージュが発刊。発達障害がある子と母の、幼児期から今までに渡る育児について綴られています。松永クリニック小児科・小児外科立石美津子さんのページ
2018年11月09日