映画『太陽』が4月23日(土)に公開を迎え、神木隆之介、門脇麦、古舘寛治に入江悠監督らが舞台挨拶に臨んだ。「劇団イキウメ」が2011年に上演した人気の舞台を映画化。ウイルスが蔓延する近未来を舞台に、太陽の下では生きられないが、健康で知性的に進化を遂げた新人類と太陽を謳歌しつつも貧しい暮らしを続ける旧人類の対立、融和、葛藤を描き出していく。撮影は一昨年の冬に行われたが、神木さんは「やっと今日を迎えられたなという感じです」と晴れやかな表情。「初めて観たとき、まだ全部はこの映画のことを理解できないなと思いました。でもいまの歳や環境で僕の中で感じることがあり、5年後、10年後に観たときにまた全然違うことを感じるんだろうと思います。みなさんの心の中で育てていく映画なのかなと思います」と語った。門脇さんも神木さんと同じ思いのよう。自身が初めて完成した映画を鑑賞したときに感じた思いについて「誰にも感情移入させてもらえず、人間という生き物の観察記のように淡々と描かれていると思いました。それぞれに観ていただき、思ったことが答えなんだと思います」と頷く。古舘さんは門脇さんの父親を演じたが「僕は普段、ちょっと出てすぐにいなくなるピンポイント俳優なんですが…(笑)、今回は割とたくさん出てて、しかもいい男の役!」とご満悦。ちなみに、神木さんは現場でじっくりと古舘さんとの距離を詰めたようで、撮影終了後には自宅に招いて将棋で遊んだとか!神木さんが次回作『3月のライオン』で棋士役を演じることから、古舘さんに教えを請うたそうだが、古舘さんはこの件について尋ねられると「びっくりしました。2人だけの秘密のつもりでマスクしてこっそり行ったんですけどTwitterに書かれてて…」と困惑していることを強調!神木さんは「いやいや、一緒にから揚げとかポテト買いに行ったじゃないですか(笑)」とツッコミを入れ「(現場でも)ずっと一緒にお弁当食べてました」と仲の良さを明かす。古舘さんは「将棋の練習がしたくて、いいカモを見つけたって感じなんですよ」「まあ、芸能人の中では一番仲いいですかね」とそっけない口調で語り、会場は笑いに包まれた。『太陽』は東京・角川シネマ新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月23日少し先の未来。人類は、世界の人口を激減させた新種のウイルスを克服する代わりに太陽の下で生きられなくなっていた。彼ら新人類・ノクスたちが、科学とテクノロジーの進化を享受する生活を送る一方、従来の人間たちはキュリオと呼ばれ、彼らの管理下に暮らしていた―。前川知大さん率いる劇団イキウメが‘11年に上演した舞台『太陽』。読売演劇大賞を受賞した傑作戯曲が入江悠監督によって映画化された。「こういうSF的で寓話性がある作品って最近の日本映画にはない世界観です。劇場で観た時、映画で発想できなかった悔しさや嫉妬もありつつ、どうしてもこれを映画にしたいと思うくらい衝撃を受けたんです」そこからすぐ映画化に動きだした。前川さんと話し合いを繰り返しながら、脚本の執筆、撮影を含め約3年を経て、映画『太陽』はようやく公開に辿り着いた。「そもそも映画って企画から実現までに何年もかかるんです。その間に中止になることもある。それだけに、何が起きてもへこたれずに付き合えるくらい、掘り下げ甲斐のある題材じゃないとやれないんですよね」しかし、そんな入江監督でも映像化にはかなり苦心したそう。「この作品は舞台の抽象性のなかで成立する部分も大きいんですよね。いまの日本の映画界にはSFの蓄積がないけれど、少しでも生ぬるい表現があれば観客に届かない作品だけに、どこまで描くかにはかなり悩みました。ただその間に、蜷川幸雄さんがこの作品を演出した舞台を観たりもして、徐々に僕らの目指す場所を明確化することができた。そうして時間をかけて少しずつ熟成できたのが結果的によかったと思います」舞台ではノクスとキュリオの両面から描かれたが、入江監督はあえてノクス側のシーンを最小限に絞りキュリオ地区にフォーカスした。主人公は、ノクスに憧れる鉄彦(神木隆之介)と、ノクスに対して反発心を抱く結(門脇麦)。ノクスへの転換手術という選択を前に、ふたりは自らの生き方を模索していく。「僕自身、キュリオとノクス、どっちの選択が正しいかわからないんです。でもわからないからこそ、この作品に惹かれたのかなとも思うんです。ハイテクに囲まれて清潔な空間で美味しい食事をしたいけど、昔ながらのコミュニティにも憧れる。もしかしたらこんなに悩みながら撮ったのは『SR サイタマノラッパー』以来10年ぶりかもしれないです」◇キュリオの鉄彦(神木)はノクスへの転換手術を熱望していたが、結(門脇)が選ばれショックを受ける。一方の結は望まない転換手術に戸惑い…。監督/入江悠出演/神木隆之介、門脇麦ほか4月23日より角川シネマ新宿ほか全国ロードショー。(C)2015「太陽」製作委員会◇いりえ・ゆう1979年生まれ。大学在学中から映画祭で注目を集め、‘06 年に撮った初の長編『JAPONICA VIRUS』が全国公開。‘09年には『SR サイタマノラッパー』が大ヒット。近作に映画『ジョーカー・ゲーム』。◇舞台版では、鉄彦とノクスの青年・森繁との交流を軸にキュリオとノクス、両側の視点から物語が進行する。「近年、作品の強度をどんどん増している前川さんが、いま『太陽』をどう描くのか興味深いです。僕の映画が何か影響を与えることがあればうれしいですね」(入江さん)。三軒茶屋・シアタートラムにて5月6日~29日上演。(写真は初演2011年の舞台より。撮影・田中亜紀)※『anan』2016年4月27日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2016年04月22日本能のままに感情を爆発させた――。神木隆之介は言う。「ここまで何も分かっていない状態で現場に入り、がむしゃらに演じたのは初めてでした」。門脇麦は、自身が演じるヒロインが遭遇する様々な苦難や葛藤、そしてこの物語それ自体が背負った重みを受け止め「ボロボロになる覚悟で現場に入りました」とふり返る。「劇団イキウメ」(主宰:前川知大)による傑作舞台を映画化した『太陽』。バイオテロによるウイルスが蔓延する近未来を舞台に、太陽の下では生きられないが若く健康な肉体と高い知能を有する新人類【ノクス】と、太陽の下で貧しいままの暮らしを続ける旧人類【キュリオ】の2つの世界に分かれ、生きる人々の悲哀や衝突、決断を描く。神木さんが演じた鉄彦、門脇さん演じる結は共に貧しい寒村に暮らすキュリオで幼なじみ。自由や新たな世界への憧れを持ち、いつか手術を受けてノクスになることを夢見る鉄彦に対し、結は自分と父を捨ててノクスとなった母親への反感から、決してノクスになどならず、つつましい暮らしを送ることを決めている。太陽に愛された者たちと太陽に見捨てられた者たち。幸福、老い、融和…演劇として上演された際も、その深遠なテーマ性がセンセーションを巻き起こしたが、神木さんは、あえて演劇の映像資料などは見ずに、映画の脚本だけを読んで撮影に臨んだ。すがすがしささえ感じさせる表情で「脚本を読ませて頂き、僕がこの映画を理解するのはずっと先のことになるだろうと思ったんです」と語る。この“分からなさ”を武器に鉄彦を演じた。「鉄彦自身、映画の中でまっすぐで純粋な存在であり、大人たちのいざこざや事情を分かっていないまま、必死でもがいてる。あえて、分からないままに、感じるままに表現しました。ロールプレイングゲームで、何の装備もせずに戦いの旅に出たような気分でした…(苦笑)。完成した映画を観て、それでよかったと思いました」。門脇さんは、今回のオファーが届く以前に、イキウメの「太陽」再公演を見ていたという。「こちら(=観客)の想像と、作り手が提示するものが合致し、ひとつの作品になる――舞台だからこそできる作品だなという印象が強かった」と語る。映画化の難しさを感じつつも「どんな感じになるのかなと、いち観客としてムクムクと好奇心がわいてきた」とも。舞台ならば「ウイルスにより、2つの世界に人類が分かれた近未来…」という説明と舞台美術、観客に想像力に委ねることで、SFの世界を納得させることができるが、実写映画となるとそうはいかず「余白を残すことができない」(門脇さん)。そんな中で、キュリオの村に生きる彼らに求められたのは、徹底的なリアリティ!リアルによってSFを描く――日本のSF映画の新たな境地を開いたといえる。門脇さんは「正直、現場に入ってやってみてもなかなかどうなるのか分からなかった。ちゃんと映像になるまでは、なかなか想像がつかなかった」と明かす。「キュリオの村のシーンは、SF的な要素は全く意識せず、むしろ、どうしたら現実的に見えるかだけを気にしていました。SFを入口としているけど、描かれるのはそこから浮かび上がってくる人間の隠したくなるようないろんな感情や醜さであったりするので、そこに説得力がないと全てが陳腐になっちゃう。秩父の山奥の古民家があるようなところで撮影したんですが、『この人たちはこういうところで生きてる』『この世界しか知らないんだ』というのを感じてもらえるようにと思っていました」。太陽を捨ててでもノクスになることを熱望する鉄彦と、ノクスを醒めた目で見つめる結だが、皮肉な運命が彼らを襲う。2人は初共演だが、神木さんは門脇さんとのシーンについて興奮気味に述懐。先述のようにノープラン、ノーヒントで感情のままに現場に立ったという神木さんだが、当然のことながら今回特に、その演技は、会話の相手のリアクションに大きく左右された。「とんでもなく素晴らしかったです!セリフのちょっとした間も、結の複雑な心境があって少しだけずれていたり、ただ立っているだけでも目の奥に大人たちの事情に巻き込まれ背負っている苦しさや儚さが映し出されていて…ただただ、門脇さんすごい!と感じました」。1歳年下の神木さんの激賞に「えー本当に?ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべつつ、門脇さんは、神木さんの存在が現場で大きな支えになったと語る。「鉄彦が結にとって支えであり、常に前を向いて先を歩いていく存在であったように、カメラの前でもそれ以外でも、神木くんに引っ張ってもらいました。いまでも鉄彦のことを思うと、神木くんの背中が浮かんできます。こちらが甘えさせてもらいました」。メガホンを握ったのは『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『ジョーカーゲーム』の入江悠監督。寒さと厳しいスケジュールの中で、過酷な撮影が続いた。神木さん曰く、入江監督は「エネルギーが必要となる撮り方をする監督」。「長回しが多く、それも1回ではOKが出ず、何度も繰り返しました(苦笑)。ほかの作品やドラマだと、カットをいくつも割って作っていくようなところでも、割らずに長く回す。集中力、精神力が削られていく厳しい撮影なのですが(苦笑)、流れのままに撮っていくので臨場感があり、感情の動きが生々しく伝わってきて、リアリティがあるんです。会話をしながら、演技ではなく、人間としてコミュニケーションをとっている感覚がすごく強かったです」。そして門脇さんは「待つ人」という言葉で入江監督を語る。「向こうから簡単に手を差し伸べてくれない。“任せてくれる”というのは優しさだけど、ある意味で冷たい。『何か言って下さい!』って思っちゃいます(笑)。提示もしないし、要求もハッキリとは言わない――ただ『うーん、もう1回!』『よかったけどもう1回』、と(笑)。もしかしたら監督もハッキリとは見えていない“何か”を待ってるんだなというのをヒシヒシと感じました。実際、完成した作品を観て、監督はここを目指していたんだなと思いました。テーマに偏るでもなく、このキャラクターに感情移入してくれと誘導するでもなく、ただ『こういうことがありました』という“人間観察記”のように俯瞰の目で物語を見つめ、こちらに託してくる。すごいなぁ…ってゾクッとしました」。改めて、この異色のSF映画を通じて得たもの、自分の中から引き出されたものは?と尋ねると、神木さんは「自由に暴れるということは怖いことでもあったのですが、そうやってパワーを放出し続ける芝居はすごく楽しい経験でした」と語り、いたずらっぽい笑みを浮かべて続ける。「橋の上でのシーンで、撮り終わった後に入江さんに『まさか地団駄踏むとは思わなかったよ。地団駄踏む人初めて見た(笑)』って言われました」。一方、門脇さんは「自分が何を手にしたのか…まだ、分からないですね。いつも、気づいたら考え方が変わっていたり、目指す場所が拓けてきたりするもので、一概にこの作品でこう変わった!と言えないので…」と首をかしげるが「あ、1個ありました。この作品でできるようになったこと!」とパッと顔を輝かせた。「立ち寝ができるようになりましたね(笑)。あまりにキツいスケジュールで…眠くて眠くて、みんなセッティング中に立ったまま寝てました」。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年04月21日神木隆之介と門脇麦が初共演を果たし、「第63回読売文学賞戯曲・シナリオ賞」を受賞した同名舞台を映画化した『太陽』が、いよいよ4月23日(土)より公開される。本作から、初日を終えた2人がお互いの第一印象を語るインタビュー映像が解禁となった。21世紀初頭。ウイルスによって世界の人口が激減した世界。生き残った人類は、夜にしか生きられない進化した新人類“ノクス”と、太陽の下で貧しく暮らす旧人類“キュリオ”の2つに分断された。家族、親友、恋人…愛する人たちと引き裂かれてしまった人たちは、未来のためにそれぞれどんな決断を下すのか――。『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『日々ロック』などを手がけてきた鬼才・入江悠が、2011年に前川知大主宰「劇団イキウメ」によって上演された同名舞台に強く惹かれ、メガホンをとった本作。今回、解禁となったメイキング映像では、神木さんと門脇さんがクランクインを迎え、お互いの印象を語るコメントが収められている。門脇さんは、自身が「わりと人見知り」ということで、「神木さんも絶対そうだと思って、大丈夫かな~」という不安な気持ちがあったことを明かす。しかし、いざ撮影初日を迎えると、「全然そんなことなくて、ふわ~っと話しかけてくださって。年上なのに申し訳ない(笑)」と語り、当初の心配も問題なく、すぐに打ち解けた様子。一方、神木さんは門脇さんに対し、「すごく優しかったです。僕のくだらない話を聞いていただいて(笑)」と笑顔で語り、「初日にしてはお話できた!」と満足そうな表情を見せた。そんな2人は、本作が初共演にしてW主演。神木さんは「今後は大変なシーンもたくさんあるし、息を合わせなくちゃいけない」と意気込みを語ると、門脇さんも「2人でうまくできたら」と語り、お互い主演としての決意を新たにする撮影初日となったようだ。近未来を舞台にしたSFでありつつ、20代の2人がおりなす青春ドラマであり、ラブストーリーであり、究極の家族愛の物語でもある、あらゆる要素を含んだ本作。神木さんと門脇さんの“化学反応”を、スクリーンでぜひ確かめてみて。『太陽』は4月23日(土)から東京・角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月21日神木隆之介と門脇麦という20代きっての演技派を主演に迎え、人類が2つのタイプに分かれた近未来を舞台に描く映画<a href="">『太陽』</a>。本作で、夜にしか生きられない“新人類”の1人を演じた古川雄輝が、「以前から入江悠監督の作品に出演したかった」と語るメイキング特別映像が解禁となった。21世紀初頭。ウイルスによって世界の人口は激減。生き残った人類は、夜にしか生きられない進化した新人類“ノクス”と、太陽の下で貧しく暮らす旧人類“キュリオ”、2つに分かれた。昼と夜の世界に分断され、家族、親友、恋人…愛する人たちと引き裂かれてしまった人たちは、未来のためにそれぞれどんな決断を下すのか――。2011年に「読売演劇大賞」受賞の前川知大率いる「劇団イキウメ」によって上演された同名舞台に強く惹かれ、本作を実写映画化したのは<a href="">『SR サイタマノラッパー』</a>シリーズや<a href="">『日々ロック』</a>などで知られる気鋭の入江悠監督。主演を、若手俳優のなかでも群を抜いた人気と演技力を持つ神木さんと門脇さんが務めることでも話題を呼んでいる。今回解禁となった映像では、衝撃シーンを披露した<a href="">『ライチ☆光クラブ』</a>やキラキラ男子を演じた<a href="">『脳内ポイズンベリー』</a>など活躍を続ける古川さんが、“ハマリ役”と称される新人類の森繁役で登場する本作の撮影初日、クランクイン直後に語った初コメントが収められている。まず、脚本について「現実とは違う世界観」という印象を持ち、「どうやって演じていこうかと、まず思った」と真摯に向き合ったことを明かす古川さん。続けて、初日の撮影を振り返り、「少し緊張しましたが、初日から楽しくできた」と、“念願の入江組”初参加に少しはにかんだ笑顔を見せた。舞台と映画、さらに原作の前川さんによる小説でも紡ぎ出される本作。旧人類“キュリオ”を演じる神木さん、門脇さんに、古川さん演じる新人類 “ノクス”(夜に生きる存在)がどう関わっていくのか、ぜひ注目してみて。『太陽』は4月23日(土)から東京・角川シネマ新宿ほか全国公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月13日神木隆之介と門脇麦の主演映画<a href="">『太陽』</a>の公開直前トークショーが4月2日(土)、東京・ヴィレッジヴァンガード下北沢店にて開催され、入江悠監督と原作・脚本の前川知大が登壇し、映画の制作秘話を語った。『太陽』は、2011年に前川さんが主宰する劇団イキウメによって上演された同名舞台に強く惹かれた気鋭の入江監督による実写化映画。人類が、夜にしか生きられない進化した新人類・ノクスと、太陽の下で貧しく暮らす旧人類・キュリオに分かれた近未来で、己の未来を探そうとする若者たちを描く。イベントは、映画化の経緯や、舞台と映画の違い、2人が影響を受けた作品などをテーマにして始まった。入江監督は舞台「太陽」を観劇した際、「ディズトピアに至るちょっと手前の世界かなと思ったところが面白かったんですよね」とふり返った。前川さんに、「『太陽』を観て俳優陣はどう映った?」との質問が向けられた一幕があった。前川さんは「主演の2人はすごくいいなと思いました」と神木さんと門脇さんの演技を絶賛し、「自分で演劇をやったときの俳優さんの顔を思い出すわけでもなく」と語った。前川さんは続けて、神木さんと門脇さんの顔は別作品などで知っていたが、『太陽』を観ているときは、「(知っていたその顔を)思い出すわけでもないというのがありました」と言い、2人の演技に引き込まれたことを明かした。入江監督も、映画化の実現には「神木君の出演が決まったことが大きかったです」と製作秘話を披露。神木さんのキャスティングについて、入江監督は、「彼の明るさといいますか、ポジティブさが映画版の方ではかなり大事だったんですよね」とも。「色々としがらみとか、難しいこともあるかもしれないけど、神木君のような次世代の人であったら突破してくれるかもしれないという思いがありました」と神木さんに期待していたエピソードを語った。前川さんが手がける舞台「太陽」も、5月と6月に東京と大阪で再演される。前川さんは2月に小説版「太陽」(KADOKAWA)も上梓した。イベントではQ&Aコーナーもあり、会場に詰め掛けたファンから、映画『太陽』と舞台「太陽」のどちらを先に観たらよいのかとの質問が出た。前川さんは「ネタバレで面白さを損なうタイプの作品ではないので、どちらでもよいのでは」と回答。入江監督は、「小説から入ったらよいのでは?」と、「太陽」の楽しみ方をファンに“逆提案”していた。『太陽』は、4月23日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(竹内みちまろ)
2016年04月03日人気の舞台を映画化した『太陽』の完成披露試写会が3月7日(月)に開催され、W主演の神木隆之介と門脇麦、古川雄輝、古館寛治、原作者の前川知大、入江悠監督が舞台挨拶に登壇した。前川さんの主催する劇団イキウメが上演し、その後、蜷川幸雄が「太陽 2068」として上演もしている人気の舞台を映画化。人類が“ノクス”と呼ばれる太陽の下では生きられないが、頭脳で進化を遂げた人類と、旧来のまま太陽の下で生きる“キュリオ”に分かれた近未来で、もがきながら己の未来を探そうとする若者たちを通して「生きる」ことを問う。この日は、約800人の観客が足を運んだが、中には早朝から会場前で並んでいたという熱烈なファンも!神木さん、古川さんらが壇上に現れると、悲鳴どころか雄たけびのような歓声がわき起こった。撮影について尋ねると、神木さんは「いいんですか…?」と念を押したうえで「ホンットに寒かったです!」と述懐。「特に古川さんとのシーンは水辺でホント寒くて…魂を削って頑張りました」と振り返った。その古川さんからは「そう言ってるけど、一番寒くなさそうだった」との証言も飛び出した。神木さん演じる鉄彦は、感情を爆発させるシーンが多く、そういう時は神木さんから“熱”が発せられていたようで「ベンチコートも脱いでた」と古川さんは明かしたが、神木さんは「(熱が)冷えると本当に寒いんだよ」と苦笑。そんなやり取りで2人が視線を交わらせるだけで、客席からは歓声が上がっていた。門脇さんは、寒さに加えて、短期での撮影による「睡眠不足が重なった」と振り返る。「そうなると人間、生命の危機を感じて食欲が増すみたいで、いつもの倍くらい食べて、コロコロになってビックリしました…」と思わぬ苦労を明かした。報道陣用の写真撮影の時間になっても、会場の興奮は冷めやらぬようで、目線を指示するスタッフやカメラマンの声も甲高い歓声にかき消されるほど!TVカメラに向かって神木さんらが手を振ると、客席の800人も一斉に手を振り、最後の最後まで歓声が途切れることはなかった。『太陽』は4月23日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月07日若手俳優の中でも群を抜く人気と演技力を持つ、神木隆之介と門脇麦が主演を務める最新作『太陽』。このほど、本作の舞台となる、2つに分断された近未来の世界の“旧人類”神木さん&門脇さんに加え、キーパーソンとなる“新人類”古川雄輝の姿が登場した本ポスタービジュアルが解禁となった。21世紀初頭。ウイルスによって世界の人口は激減。生き残った人類は2つに分かれた。夜にしか生きられない進化した新人類“ノクス”と、太陽の下で貧しく暮らす旧人類“キュリオ”。昼と夜の世界に分断され、家族、親友、恋人…愛する人たちと引き裂かれてしまった人たちは、それぞれの未来のためにどんな決断を下すのか――。読売演劇大賞ほか様々な演劇賞を受賞している劇作家・演出家の前川知大率いる「劇団イキウメ」の同名舞台が、『日々ロック』『ジョーカーゲーム』の入江悠によって実写映画化された本作。太陽に愛された者=“旧人類”と、捨てた者=“新人類”に分断された世界で、それぞれの世界の若者たちの未来を描きだしていく。このたび、解禁となった本ビジュアルでは、太陽さながらの黄色の文字の中に、旧人類“キュリオ”の奥寺鉄彦役を演じる神木さんと鉄彦の幼なじみ・生田結を演じる門脇さんの2人が正面を見据える姿が印象的。一方で、高度な文明を持つ新人類“ノクス”の森繁役を演じる古川さんが、太陽が落ちた夜に寂しげにゲートを守る様子も映し出されており、2つの人類の複雑な関係性を浮かび上がらせている。入江監督と原作の前川氏が手がけた脚本の印象について神木さんは、「読めば読むほど深く考察出来る作品だなと思いました」とコメント。また、門脇さんは、「非日常の舞台だからこそより濃く浮き上がってくるリアルな人間模様や究極のところに追い詰められた人間の様が凝縮されている」と明かしていた。また、映画の公開に先立ち、前川氏が舞台版と映画版の世界観を再構築した同名小説が2月27日に刊行されたばかり。映画の元になった舞台も約4年ぶりの再公演が決定し、小説、舞台、映画と『太陽』の世界観に注目が集まっている。『太陽』は4月23日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月07日「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2016」が全ての日程を終え、2月29日(月)に閉幕した。今年も多くの俳優、映画関係者が訪れ映画祭を大いに盛り上げ、また、コンペティション部門、招待作品の上映でも意外なドラマが…!1990年に始まり、その後、夕張市の財政破綻のあおりを受け一度は中断するも、2007年には有志による「ゆうばり応援映画祭」が開催され、2008年より復活。今年で通算26回目、復活後では9回目の開催となった。オープニングを飾ったのは岡田准一主演の『エヴェレスト 神々の山嶺』という、ゆうばりにぴったりの雪山ムービー!平山秀幸監督が舞台挨拶に登壇したが、過去に2度にわたって同映画祭で審査員を務めた経験がある平山監督の凱旋に温かい拍手と声援に包まれた。映画祭ゲストでは、「ニューウェーブアワード」で勝地涼&杉咲花が来場。また『セーラー服と機関銃 -卒業-』で映画初主演を飾った橋本環奈のゆうばり初参戦に、上映日は会場前に朝から長蛇の列が!このほか、現在放送中の月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で注目を浴びている森川葵が、主演映画『ドロメ』を携えて、同じく小関裕太と共に来場。また『ドクムシ』に出演する村井良大、秋山真太郎(劇団EXILE)など、人気の俳優陣が夕張の地を訪れ、多くの若いファンが会場に足を運んでいた。ゆうばりのコンペティション部門は新人発掘の色合いが濃く、これまでもクエンティン・タランティーノ、入江悠、山下敦弘などが同映画祭から巣立っていったが、今年も多彩な才能が集結!グランプリ受賞の『孤高の遠吠』(小林勇貴監督)は、監督が地元の友人の身に起きた事件をベースに、不良の世界に巻き込まれていく少年たちの姿を描いており、俳優として地元の本物の不良たちを起用している。審査員講評で「犯罪的」と言われるように過激な描写を含め、生々しく“反抗者”たちの姿を切り取った。また、審査員特別賞受賞の『脱脱脱脱17』の松本花奈監督は18歳の現役高校生!授賞式の壇上では感激のあまり涙を見せた。さらに翌日の「さよならビュッフェ」で発表された観客投票による「ゆうばりファンタランド大賞」も受賞!本作はもちろん、この恐るべき才能が今後、どのような軌跡を辿っていくのか楽しみだ。そして、授賞式後にさらに会場をわかせたのが、今年のゆうばり最大の問題作と言えるかもしれないキム・ギドク監督の最新作『STOP』。福島の原発事故に遭遇した夫婦のその後をフィクションを交えつつ描いているが、かなり過激な描写が含まれており、熱烈なファンが多いキム・ギドク作品といえども果たして今後、日本で公開できるのか…?急遽、夕張を訪れたギドク監督は、上映後の質疑応答にも登場したが、「原発の問題は日本だけではなく地球全体の問題」と語り、本作に込めた思いや製作過程での苦労を語った。監督は、これまで本作を日本の主要ないくつかの映画祭に出品しようと試みるも通らなかったと明かし、同作の上映に踏み切ったゆうばり映画祭の“勇気”に感謝。映画祭の塩田時敏プログラミング・ディレクターは「ゆうばりにタブーはない!」と言い切ったが、こうした問題作を躊躇なく受け入れるところはまさに同映画祭ならではと言える。また、劇場公開前にひと足早く、招待作品として話題の映画を鑑賞できるのは映画祭ならではの魅力だが、今年は特に、タイムリーかつ話題の作品が多数上映!毎年、映画祭最終日(5日目)は米アカデミー賞の授賞式と重なり、さよならビュッフェの会場やプレスルームでも「○○が獲った!」「▲▲が3部門目!」といった情報が飛び交うが、今年は『ルーム』、『ブルックリン』、『レヴェナント:蘇えりし者』という作品賞をはじめ、主要部門に多数ノミネートされている超話題作が連日上映され、会場は多くの観客で埋まった。『ルーム』のブリー・ラーソンは主演女優賞を獲得!『レヴェナント』でアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が昨年の『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に続き2年連続の監督賞に輝き、そして、レオナルド・ディカプリオが悲願の主演男優賞受賞を果たした。『レヴェナント』が日本の観客のために上映されるのは、このゆうばりが初めてであり、おそらくこの貴重な機会に鑑賞した夕張の人々もレオの受賞を喜んでいるだろう!オープニングの『エヴェレスト』同様に雪の中でのシーンの連続の映画であり、様々な点で同映画祭のクロージングにぴったりの映画となった。「さよならビュッフェ」が終わると、ゲスト、東京から来た報道陣はバスで空港へ。市民の人々やボランティアスタッフが黄色いハンカチを振ってバスを見送るという恒例の光景が繰り広げられた。【受賞一覧】■オフシアター コンペティション部門グランプリ:『孤高の遠吠』(小林勇貴監督)審査員特別賞:『脱脱脱脱17』(松本花奈監督)北海道知事賞:『親切ですね』(ソ・ジェイク監督)シネガー・アワード:『バイバイ、おっぱい』(鋤崎智哉監督)スカパー!映画チャンネル賞:『親切ですね』(ソ・ジェイク監督)スペシャルメンション:『いろんなにおいのワカモノだ』(伊藤祥監督)■インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門グランプリ:『かたすみの鱗』(石谷恵監督)審査員特別賞:『イカロスと息子』(眞田康平監督)優秀芸術賞:『フォトグラファー』(ユ・ジェヒョン監督)/『ジョニー・エクスプレス』(ウ・キョンミン監督)/『New』(有馬將太監督)■ゆうばりファンタランド大賞大賞:『脱脱脱脱17』(松本花奈監督)イベント賞:『セーラー服と機関銃 -卒業-』市民賞:フールジャパン鉄ドン人物賞:ジェシー・リー(『レヴェナント 蘇りし者』配給の20世紀FOX映画日本代表)(text:cinemacafe.net)
2016年03月01日きょうご紹介したいのは、『灘高→東大合格率ナンバーワン 伝説の入江塾は、何を教えたか』(入江伸著、祥伝社)。まずは、ここがどんな塾なのかをご説明する必要があるでしょう。■入江塾はただの学習塾ではなかった!入江塾の正式名称は、伸学社。大阪の帝塚山に1986年まで存在していた学習塾で、塾頭である本書の著者、入江伸氏の名から「入江塾」と呼ばれていたのだそうです。大阪府立高校の教師だった著者が退職後、中学生向けの通信添削を行なう仕事をはじめたのがそもそもの発端。やがて生徒たちが自然発生的に集まり、直接の講義を受けるようになっていったという流れ。そして結果的には2~3年後に、塾生のひとりが超難関校として知られる灘高にトップで合格したことから灘高受験希望者が次々と集まり、「入江塾」の名は全国に広まっていったのだといいます。灘高が55人を募集したある年には、合格者のうち30人が入江塾の出身だったこともあったのだとか。それどころか、高校生も教えるようになってからは、入江塾で学んだ灘高生の九割近くが東大へ進学したというのですから驚きです。しかも注目すべきは、閉塾までの30年間にわたり、入塾のための審査や試験をいっさい行なわなかったこと。やる気がある子であれば、成績にかかわらずすべて受け入れたというのです。また、単なる進学塾とは違い、人間形成に重点を置いていたことも注目に値するでしょう。著者の塾運営の目的が、「勉強の成果のみの追求ではなく、少年らしい、健やかな自主性の養成」にあったためだといいますが、その姿勢は学習塾の枠を大きく超えています。しかし、だからこそ多くの実績を生み出すことができたのだともいえるはずです。本書は、そんな著者が過去に送り出してきた『入江塾の秘密』(昭和49年初版)、『奇跡の国語』(昭和53年初版)、『奇跡の入江塾方式』(昭和55年初版)の3点から部分的に抜粋して再構成したもの。現代の受験や教育にも通じる、重要なエッセンスが盛り込まれています。■中学1年は子どもにとって大切な時期本書のなかで著者は中学1年を、暗示的に将来が呈示され、大なり小なり子どもの声質も変化してくる大切な時期であると位置づけ、「この時期ほど親の指導が子どもの性格形成に大きく影響を持つ時期はない」といい切っています。そして実際に中学1年生を教えているなか、彼らの勉強に対する態度により、子どもたちを大きく3つの類型に分けていいとも主張しています。しかもそれは持って生まれた基本的な資質によるものではなく、環境によって育成され、偶然も大きく作用した後天的なものなのだとか。それでいて、いったん形づくられると、なかなか取れにくい性質になってしまうともいいます。■中学1年の勉強に対する態度3つの型[第一の型]第一の型は、誰にもはばからず、自分の興味を積極的に、外部に示すことができる子どもたち。刺激に応じ、体の神経が全身的に動き出す感じがする型です。この型の場合、環境が性格形成を大きく支配していることがわかるのだといいます。そのことに興味を持った時期が他の友だちより早かったというようなことも重要な要素として機能し、それも大きな成長の原動力になるというのです。「まず自分が知ったんだ」という自信が、積極性に輪をかける結果になるわけです。[第二の型]第二の型は、「これはおもしろそうだ。いま話をよく聞いておいて、今度、時間のあるときに本格的にやってみよう」という反応を示す子どもたち。性格は生真面目でありながら、「自分は頭がいいのだ」との自信は持てないタイプ。家庭的には恵まれ、さびしさをあまり感じたことがない子に多く、母親からの配慮は行き届いているものの、普段からかなりの精神的課題を両親から与えられている受け身型なのだとか。「これをするには、こういう条件が必要なのだ」と考える“条件派”ともいえるそうです。[第三の型]第三の型は、「おもしろいころはおもしろいけれど、またしんどいことが増えたなあ」という型の子ども。この型は、母親がつねに他の兄弟や、近所の子どもとその子を比較し、足らないところを注意し続けてきた場合が多いのだといいます。■小学校6年から中学1年の教育が重要つまり、これらの型を踏まえたうえで、その差異を認めつつ、それぞれに適した学習法を取り入れていくべきだということ。実際に三者に対する教育法が紹介されていますが、ほんのわずかな差異が、できる子とできない子を分かつのだといいます。端的にいえば、伸びる子どもは小学校時代は比較的楽しく勉強してきて、軽く灘中を受けて軽く失敗した子に多いといいます。そして伸びない子どもは、「灘中、灘中」と何人もの家庭教師に追い上げられ、親も懸命になりすぎ、肝心の子どもの心が勉強から離れている子。中学に入ってからは、勉強がすでに重荷になっている子どもに多いそうです。つまりこうした例から考えても、小学校6年から中学1年にかけての教育方針が、子どもの性格決定に与える影響は大きいということ。*時代が違うとはいえ、本書における著者の主張は、現代の教育環境にも十分にあてはまるように思えます。なにより魅力的なのは、著者か子どものことを心から大切に思っていることがはっきりとわかる点。子どもの教育について思うところのある方には、ぜひとも読んでいただきたいと思います。(文/印南敦史)【参考】※入江伸(2015)『灘高→東大合格率ナンバーワン 伝説の入江塾は、何を教えたか』祥伝社
2016年02月15日『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『ジョーカー・ゲーム』の入江悠監督が神木隆之介、門脇麦ら演技派俳優を迎え、劇団イキウメの衝撃の舞台を映画化した『太陽』。進化した新人類と貧しくも自由に暮らす旧人類に二分された世界を描く本作の予告映像が、ついに解禁された。21世紀初頭にウィルスによって人口が激減してしまった世界。生き残った人類は、若く健康な肉体と高い知能を有する進化した新人類“ノクス(夜に生きる存在)”と太陽の下で自由を謳歌しつつも、暮らしは貧しいままの旧人類“キュリオ(骨董的存在)”の2つに分かれ、暮らしている。昼と夜の世界に分断され、家族、親友、恋人…愛する者と引き裂かれてしまった人々。対立や融和を繰り返し生きる2つの人類が選ぶ未来とは――。劇団イキウメの主宰であり、脚本家・演出家としても活躍する前川知大の傑作として名高い舞台をベースとした本作は、SFであり、青春ドラマであり、ラブストーリーであり、究極の家族愛をも描く、かつてない物語。今回解禁された予告映像では、憧れ、嫉妬、優越感、好奇心、憐み…。対極の環境に身を置きながら、互いの種族に対する複雑な感情を抱え生きる“ノクス”と“キュリオ”の姿を見て取ることができる。中には、“ノクス”が“キュリオ”に消毒薬を浴びせているショッキングな光景も。また、“キュリオ”である神木さんが口にする「来年ノクスになる」という言葉や、“キュリオ”に対し「“昼の人間”に興味があるの」と女性が話すシーンも含まれており、その謎めいた世界により興味を抱く映像となっている。本作の撮影にあたり入江監督は、「木造の古い家屋、囲炉裏、行燈など、見た目には廃墟のようにも見え、ノクス地区の撮影で山を下りると、“文明がある!”とまるで、キュリオがノクスの生活を初めて見たときのような驚きを体験できた」ことが印象的だったとコメント。原作の前川さんも、「キュリオの生活が貧困であることに対し、ノクスの生活は比べものにならないくらい裕福に見えるが、実際はどちらが幸せなのか、生きていると言えるのか。それがこの映画が内包するテーマです」と語っている。また、予告映像と併せ、入江監督と神木さん、門脇さんとのオフショット写真もお披露目。シリアスな本編とは対照的な、和やかな空気のショットには思わずこちらも笑顔がこぼれてしまいそうに。旧人類と新人類、それぞれが理想と現実にもがく姿を通し、生きることの本質を問いかけてくる本作。若手からベテランまで演技派俳優たちの放つ鮮烈なエネルギーを、まずはこちらの予告映像から味わってみて。『太陽』は4月23日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月27日『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『ジョーカー・ゲーム』の入江悠監督が、若手実力派俳優の神木隆之介と門脇麦を主演に描く、近未来SF作品『太陽』。このほど、人気舞台の実写映画化としても注目を集める本作のティザーポスターと新場面写真が解禁となった。21世紀初頭。ウイルスによって世界の人口は激減し、生き残った人類は2つに分かれた。夜にしか生きられない進化した“新人類ノクス”と、太陽の下で貧しく暮らす“旧人類キュリオ”。昼と夜の世界に分断され、家族、親友、恋人…、愛する人たちと引き裂かれてしまった人たちは、未来のためにそれぞれどんな決断を下すのか――。本作は2011年に上演され、読売演劇大賞ほか様々な演劇賞を受賞している劇作家・演出家の前川知大率いる劇団イキウメの同名舞台をベースにした作品で、今回の映画版の脚本にも、入江監督とともに前川さん自身が名を連ねている。また、すでに神木さん、門脇さんに続いて、古川雄輝、水田航生、村上淳、中村優子、高橋和也、森口瑤子、綾田俊樹、鶴見辰吾、古舘寛治らバラエティ豊かな出演者の顔ぶれが発表されており、大きな注目を集めている。今回解禁されたティザーポスターは、荒涼とした自然を背景に、大きなタイトルロゴが際立つインパクトあるデザインとなっており、厳しい環境の中で人類が生き抜く作品の世界観を感じさせる。ほとんどのシーンが冬の山奥での撮影となったという本作。入江監督はロケ地の選定にもこだわりを重ね、「ダムがあって、村を封鎖出来るところ。シンボリックに分かれているのが分かる場所にこだわった」とのこと。撮影時の印象について「冬の撮影でしたし、夜のシーンも多く日の出を毎日ねらっていたので、朝方までの撮影になり、極寒のロケでした。撮影が終わって山から下りてきたときに、ホッとしたことを覚えております」とその過酷さをふり返った。また、主演の神木さんは「いろいろな見方が出来る作品です。観ていただいて思う事、見方はそれぞれありますし、自由にメッセージを受け取っていただけたらなと思います」と公開を心待ちにするファンに向けコメント。門脇さんも、「決して明るい話ではないですが、観て下さったそれぞれの方に何か残る作品になっていると思います」と語った。近未来を描くSFであり、青春ドラマやラブストーリー、究極の家族愛の物語と、あらゆる要素が組み合わさった、誰も出会ったことのないハイブリッド映画となるという本作。シビアな環境の中で葛藤を抱えながら生き抜く人々の姿は、きっと誰しもの心に響くはずだ。『太陽』は4月23日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月14日昨年、主演に松山ケンイチ、監督に『ジョーカー・ゲーム』の入江悠を迎えて放送された、WOWOW連続ドラマ初の時代劇「連続ドラマWふたがしら」。新しい時代劇盗賊エンターテインメントとして好評を博した本作の、第二弾制作が決定!原作のオノ・ナツメ描き下ろし告知画像とともに解禁となった。2015年6月13日~7月11日(初回放送)にて全5話で放送された「連続ドラマW ふたがしら」は、小学館「ビッグコミックスピリッツ」増刊「ヒバナ」にて連載されたオノ・ナツメによる人気コミックが原作。盗賊一味の男たちの巧妙な駆け引きと痛快な騙し合いを、時代劇らしからぬ軽妙さとカッコよさで彩った新感覚の盗賊エンターテインメントだ。明るく奔放な主人公・弁蔵を演じたのは、WOWOW初登場にして、3年ぶりの連続ドラマ主演となった松山さん。一方、弁蔵とタッグを組むクールで色男の宗次役には、大衆演劇界のスターであり、映画やドラマなどでも目覚ましい活躍を見せる早乙女太一。また、盗賊団・赤目の頭を継ぐ冷血な甚三郎役に、幅広い役柄を演じ切る若手実力派・成宮寛貴。甚三郎と関係を持つ一味の姐さん・おこん役には「サイレーン」の好演も記憶に新しい菜々緒ほか、田口浩正、芦名星、村上淳、山本浩司、橋本じゅん、品川徹、そして赤目一味を率いる頭の辰五郎に國村隼と、ひと癖もふた癖もある豪華キャストも話題を呼んだ。さらに、日本映画界の新鋭・入江悠監督のもとで、脚本を手掛けたのは日本演劇界を牽引する「劇団☆新感線」の座付き作家・中島かずき。音楽を手がけた、世界を舞台に活躍するジャズバンド「SOIL“PIMP”SESSIONS」のオリジナリティーあふれる音色も、本作のクールな世界観を後押しした。第二弾の詳細については、決定次第、WOWOWのオフィシャルホームページなどにて順次発表されていくとのことだ。土曜オリジナルドラマ「連続ドラマWふたがしら」はWOWOWにて近日放送予定。(text:cinemacafe.net)
2016年01月05日WOWOWで2015年6月から7月にかけて放送されて好評を博した、松山ケンイチ主演による新感覚時代劇『ふたがしら』の第2弾の制作が決定したことが5日、明らかになった。同ドラマは日本映画界をリードをする実力派俳優・松山ケンイチが豪放な性格の盗賊・弁蔵を演じ、相棒であるクールな色男・宗次(早乙女太一)と共に繰り広げる痛快エンターテイメント。原作は『さらい屋五葉』などで新しい江戸時代劇を描くオノ・ナツメの同名漫画で、監督は『ジョーカー・ゲーム』、『SR サイタマノラッパー』の入江悠。脚本は『劇団☆新感線』の座付き作家・中島かずき。また、世界を舞台に活躍するジャズバンド・SOIL"PIMP"ESSIONSが音楽(劇伴)を手がけたことでも話題になった。キャストやスタッフなどの詳細は決まり次第、WOWOWオフィシャルページなどにて発表される。
2016年01月05日女優・平愛梨(30)の妹で女優の平祐奈(17)が、DREAMS COME TRUEの楽曲にインスパイアされた小説を実写化する約12分のショートムービー『うれしいし、たのしいし、大好きかもしれない。』(12月4日よりKDDIのサービス・ビデオパスで先行配信)に起用されたことが、このほど分かった。祐奈は1998年11月12日生まれの兵庫県出身。映画『奇跡』(11年)のオーディションに合格してデビューした後、『貞子3D』(12年)、『紙の月』(14年)、『ソロモンの偽証』(15年)、『青鬼 ver.2.0』などの映画に出演。本田翼、川口春奈、広瀬すずといった人気若手女優らが起用されて毎年注目を集めているJR東日本「JR SKISKI」のイメージキャラクターに、山本舞香と共に起用された。本作は、エムオン・エンタテインメントとブックリスタが公募した、音楽と物語をつなぐ小説賞「otoCoto presents OtoBon ソングノベルズ大賞 ~音楽を感じる小説~ DREAMS COME TRUE編」の審査員を務めた入江悠監督が、同賞に触発されて制作。とある地方都市の高校の放課後を舞台に、体育館を使って自身のプロモーションビデオの撮影を計画したダンサー志望の眞美子と、その撮影を急きょ頼まれた映画研究会所属の透が、それぞれの思いを抱きながら1回限りの本番に臨む姿を描く。眞美子を演じる祐奈は「バレエを2歳の頃からやっていましたが、こんな広い空間で4分半も踊り続けるのは初めての経験」と話し、「作品の中で踊るというのは自分にとっての目標の一つだったのでうれしかった」と役者としての夢の実現に感激。続けて、「撮影には情熱的に激しく、体力の限界まで踊ることを心がけて臨みました」とも明かしながら、「映像を見て、これぞ体で表現するという事なんだ! と実感し、自分としても新たな事に出会え、いろんな事が吸収できた」と感慨を語る。一方、映画監督を夢見る透役を演じるのが、現在フジテレビ系ドラマ『オトナ女子』(毎週木曜22:00~22:54)に出演中の若手俳優・浦上晟周(16)。「映画監督を志す役ですが、僕も以前ドラマの現場で監督から演出することの面白さを聞いて、自分でも作品を撮ってみたいなと思った事があります」と振り返り、「脚本や現場の雰囲気で感じたのが、この作品は何気ない日常の一コマで、そのリアルな空気感が大事だと思ったので、できるだけ演技っぽくなく、力を抜いて演じるようにしました」と明かした。入江監督は本作の成立過程を、「DREAMS COME TRUEさんの有名な楽曲にインスパイアされた小説、にインスパイアされたショートムービー、というちょっとややこしいインスパイアのリレーのような形」と表現。「せっかくインスパイアされたのなら、普段自分が照れてしまって題材として選ばないようなことをやろう」という思いから、学校を舞台に選んだという。12分のショートムービー『うれしいし、たのしいし、大好きかもしれない。』は12月1日、音楽専門チャンネル・MUSIC ON! TVのステーションIDとしてオンエア。続けて、同月4日よりビデオパスで先行配信がスタートする。
2015年11月29日芸能界でも屈指の交遊録の広さを持つカラテカの入江慎也さん。その数は5,000人とも言われています。また、3,000回以上も合コンしており、『カラテカ入江の合コン用語辞典』という本を出版しているくらい、合コンマスター。そんな入江さんが、ユニークな合コン用語を生み出していることをご存知でしょうか。■『gooランキング』で話題になった「上手い表現」トップ10まずは、入江さんの合コン用語を知らない人のために、どんなものがあるのかおさらいしましょう。過去に、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)などで紹介されてから、インターネット上でも大きく話題になり、『gooランキング』でも紹介されました。トップ10は以下の通り。[1位]:モンスターハンター(ブスをお持ち帰りすること)女性としては、痛い言葉。でも、この表現は「1本取られた」ですよね。[2位]:アースマラソン(タクシー代が無くて走って帰ること)近場ならともかく、遠距離だったら涙……ですね。[3位]:関ヶ原(10対10以上の合コン)大人数の争奪戦みたいな感じでしょうか?[4位]:中山ひでちゃん(コンパ中にすぐ「うち来る?」と聞いてくる男子のこと)今の10代、20代には意味不明かも。中山秀征が『ウチくる!?』という番組を担当していたなんて知らないですよね。[5位]:Tサミット(女子のトイレ会議のこと)男子に聞かれたくないときには、Tサミットです。[6位]:蓮舫(サラダを仕分けしてくれる女子のこと)2009年に「事業仕分け」の「仕分け人」として任務した蓮舫を引っかけたもの。政治を知っていないとこれも意味不明です。[6位]:校長先生(話が長いうえに面白くない奴のこと)どこの学校も校長先生の話は面白くないですよね。[8位]:コロンブス(遠くから来たブス)わざわざ遠方から来て、こんな風に言われたら悲しいですね。[8位]:ドーピング(みんなに内緒で一人だけウコンの力を飲んでくること)内緒で飲んだはずが、バレたら赤面だけど、体のことを思うと飲んだ方がいいのかな?[10位]:ゴッホ(コンパ中はそうでもなかったけど、家に帰ってから「あの子かわいかったなぁ~」と後悔すること。※ゴッホが亡くなってから評価されたことからきている)後悔先に立たず。チャンスはその時に掴まないとダメですよね。■カラテカ入江さんの合コン以外でも使える最新用語とはしかし、合コン用語はこれだけではないのです!合コンの極意が新しい用語になっています。その一部が、動画「カラテカ入江さんに学ぶ!合コンの極意~WBC編~」に。これは合コン以外の飲み会でも使えるので、マスターしておくとうまく場を盛り上げられるようになります。肝心のWBCとは何の略かというと、「笑うこと」「ビックリすること」「チェックすること」。Wが「笑うこと」で、女子がどんなつまらないことを言っても笑ってあげる。Bが「ビックリすること」で、これもたいしたことじゃなくても、驚いてあげる。Cが「チェックすること」は、「タクシーの時間大丈夫?」などを気にしてあげる。どれも、「合コンに限らず女子にしてあげると喜ばれる行為」と解説していますが、これって基本中の基本で、女子だけじゃなくて、男子にやっても喜ばれますよね?合コンじゃなくても、「いいな~」と思う男子にしてあげたら、自分に興味を持ってもらえるはず!いつも受け身な女子は試してみては?でも、お目当ての男子ひとりだけに集中してやったら、「あざとい女子」の目で見られてしまうため、ほどほどにしましょう。大げさじゃなく、さりげなくスマートにやってこそ極意です!(文/Jeana)【参考】※上手い!と感心するカラテカ入江の合コン用語ランキング-gooランキング※カラテカ入江さんに学ぶ!合コンの極意~WBC編~-YouTube
2015年10月27日俳優の松山ケンイチが主演を務めるWOWOW初の連続時代劇『ふたがしら』(毎週土曜22:00~)の放送を記念した、入江悠監督と時代劇研究家・春日太一氏との対談がこのほど、実施された。同作は、オノ・ナツメの漫画が原作で、盗賊たちの策略とだまし合いを描く時代劇。盗賊一味"赤目"として盗みを働く、豪放な性格の弁蔵(松山)とクールな色男の宗次(早乙女)。ある日、敬愛する頭が急逝し、2人は旅立つ決意をする――というストーリーだ。入江監督は、今回が時代劇初挑戦で、事前に春日氏の著書を読んで研究して撮影に臨んだという。一方の春日氏も、入江監督がどのように撮るかに興味を持っていた中での対談。同じ日大芸術学部出身で世代も近いことから、初対面ながら大いに盛り上がり、1時間20分にわたってしゃべり続けた。春日氏は「時代劇や京都をナメた作り方をしていたら容赦なく批判するつもりでした」という思いで『ふたがしら』を視聴。実際に見終わって「過去の時代劇に対するリスペクトを持ちながら、なおかつ京都への闘いも挑んでいて、非常にうれしい作品でした」と絶賛した。一方、入江監督は、春日氏の著書『あかんやつら』と『なぜ時代劇は滅びるのか』を読んだことで、「自分のなかでひとつ武器ができた感じがします」と感謝。また、京都職人特有の仕事の仕方と、東京から来たスタッフや俳優の戸惑いの様子を話すと、春日氏はそれに深く理解しながら、自身の知識や意見を伝えた。話題は同作にとどまらず、これからの時代劇のあり方にも。収録後も「あと30分は話せた」と話は尽きなかったようで、入江監督は「『ふたがしら』に関して辛口批評も聞きたいし、春日さんから昔の時代劇の話をもっと聞きたい!」と熱望し、『ふたがしらナイト』と題したトークイベントを開催しようというアイデアまで飛び出した。『ふたがしら』は、6月27日に第3話を放送。入江監督は「舞台は大阪に移り、登場人物が一気に増えて、ぼくの大好きなマキノ雅弘監督の集団劇のようになっていきますので、そこを楽しんでいただきたいです」と見どころを語っている。なお、対談の模様はWOWOWの特設サイト「W流」にて公開されている。
2015年06月26日『日々ロック』『ジョーカーゲーム』の新鋭・入江悠監督が初の時代劇に挑む連続ドラマW「ふたがしら」。このほど、入江監督が時代劇研究家・春日太一と語り合う番組『「ふらがしら」放送記念スペシャル対談』が6月26日(金)に配信されることが明らかになった。春日さんは、「なぜ時代劇は滅びるのか」「仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル」「時代劇は死なず! ―京都太秦の「職人」たち」など多数の著書があり、入江監督は初めて時代劇を撮るにあたって、事前に春日さんの著書を熟読して臨んだと言う。一方、春日さんも入江監督はどんなふうに時代劇を撮るか興味をもっていたとのこと。2人は同じ大学出身、世代的にも近いため互いに意識していたこともあり、初体面ながら話は大いに弾み、1時間20分をノンストップで語り続けた。収録後も「あと30分は話せた」と惜しがるほどの盛り上がりをみせた。事前に「ふたがしら」の1、2話を見た春日さんは、「時代劇や京都をナメた作り方をしていたら容赦なく批判するつもりでしたが(笑)、監督は過去の時代劇に対するリスペクトをもちながら、なおかつ京都への闘いも挑んでいて、非常に嬉しい作品でした」と感想を述べる。入江監督は「まったくノープランで京都に行くよりは、どういう状況でどういう歴史があるか知らないと駄目だなと思ったので、『あかんやつら』と『なぜ時代劇は滅びるのか』を読んだことで、自分のなかでひとつ武器ができた感じがします」と感謝を語り、京都の職人特有の仕事の仕方と、東京から来たスタッフや俳優の戸惑いと挑戦を、春日さんにいろいろと報告する場面も。春日さんは時代劇研究家だけあって、東映京都撮影所作品の歴史と慣習を熟知しており、監督の話にひとつひとつの敏感に反応し、自身の知識やエピソード、意見を惜しげもなく語った。話はこれからの時代劇のあり方にまで発展。入江監督は「『ふたがしら』に関して辛口批評も聞きたいし、春日さんから昔の時代劇の話をもっと聞きたい!」と熱望。いつかトークイベント「ふたがしらナイト」を開催しようというアイデアまで飛び出すほどだった。「ふたがしら」は6月27日に第3話が放送。「舞台は大阪に移り、登場人物がいっきに増えて、ぼくの大好きなマキノ雅弘監督の集団劇のようになっていきますので、そこを楽しんでいただきたいです」と入江監督。伝統を引き継ぎながらも新しいものを創りだす入江監督と、時代劇の新潮流を応援する春日さんの熱いトークをお見逃しなく。「連続ドラマW『ふたがしら』放送記念スペシャル対談」は、6月26日(金)8:00より「W流」内で公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月26日声優の悠木碧が、モンブランやコーヒーゼリーなどの"お菓子擬人化"に挑戦したフォトブック『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』(主婦の友社)が、24日に発売される。『魔法少女まどか☆マギカ』の主人公・鹿目まどかや、『妖怪ウォッチ』の未空イナホ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の比企谷小町など、数々の人気アニメで声優を務めてきた悠木は、2011年度の第6回声優アワードでは歴代最年少の19歳で主演女優賞を受賞。アニメ公開を控える『ワンパンマン』で主要キャラクター・戦慄のタツマキ役も決定するなど、声優としてさらなる活躍が期待されている。今回発売されるフォトブックは、雑誌『声優グランプリ』(主婦の友社)で2013年5月号から開始された連載「悠木碧のSugary Fairy」を書籍化したもの。「甘~いお菓子を擬人化したら…」というテーマのもと、さまざまなテイストの衣装に身を包み、わたあめ、ローズジャム、コーヒーゼリーなどの"お菓子の妖精"になりきった悠木を、29パターンも見ることができるという。『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』は、6月24日発売。B5判96ページの仕様で、定価は3,000円(税別)となる。
2015年06月23日『SRサイタマノラッパー』でゆうばりファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門のグランプリを獲得以来、注目の若手映画監督として話題作を次々と手掛ける入江悠監督。青春ロックムービーである『日々ロック』や、本格的なスパイアクションが繰り広げられる『ジョーカー・ゲーム』と、近年は積極的にエンターテイメント作品を手掛け、次々と新境地を切り開いている。そんな入江監督の次なる挑戦が、ドラマ「ふたがしら」での“時代劇”だ。WOWOWが仕掛ける誰も観たことがない時代劇を、入江監督はどう演出したのか。ドラマの原作となる「ふたがしら」は、オノ・ナツメによる時代劇漫画。独特なタッチで描かれる原作漫画を、入江監督はどう読んだのだろう。「オノ・ナツメさんのお名前は知ってましたけど。普段わりと少年マンガみたいなものしか読まないので、監督することが決まってから初めて読みました」と明かす入江監督。「最初は、絵が独特なのでキャラクターの誰が誰だか分からなかったんですけど(笑)、読んでいくうちにだんだんハマっていって。コマ割りというか、事件の核をすっ飛ばして事後を描いたりとか、物語の進め方や、表情の捉え方がすごい独特だと思いましたね」。オノナツメならではのフェティッシュな色気漂う原作の映像化という難題に挑む本作。映像化への推進力になったのは、「劇団☆新感線」の旗揚げを担った座付き作家である中島かずきの脚本だ。「あのマンガならではの時間の切り取り方とかもあるんで、映像化はなかなか難しいなと思いましたね。あのマンガの空気感って天才的なものがあるので。それでも、中島かずきさんの脚本ができたことで、ちょっと見えてきたところがあるというか。中島さんの脚本は、男臭くて、“ON”というか、表に出す芝居を書くのがすごいうまいなと前から思っていて、今回も随分と中島さんの脚本で見えてきたものがありました。たとえば、原作には盗みのシーンってそんなに出てこないんです。主人公達が部屋でだらっとしたりとか、歩いていたりとか、なに考えているんだか何も考えていないのかわからないような不思議な時間が多くて、もちろんそこがオノさんの原作の魅力だと思うんですけど、せっかく盗人ものなんでそこはちゃんと描いていこうというのがありました」。そして、音楽を務めるSOIL&“PIMP” SESSIONSの起用も、映像化の方向性の舵取りに大きく影響したようだ。「ぼくは時代劇がはじめてだったんで、どこまで崩すかっていうのはまったく見えてなかったんですよ。そこで、もともとプロデューサーがWOWOWで新しく時代劇がはじめるにあたって、何か新しいことをしたいっていうときに、ジャズ的な組み合わせたらどうだろうということでソイルさんを口説いてくれたんですね。脚本をみんなでどうしようかって相談している、それはもう初期の段階でソイルさんの名前が出てきて。そこでちょっと方向性が固まった感じありますね。オノ・ナツメさんのマンガの感じっていうのは映像にするとすごく出しにくいというか、そこをソイルの音楽に助けてもらった感じはあります。たとえば、『死刑台のエレベーター』の音楽をマイルズ・デイビスがやっている、みたいなことって、なかなか今の映画ではできないじゃないですか。でもよく考えると、市川崑監督の『金田一』シリーズとか、石坂浩二さんがばたばたばたっと走るとことか大野雄二さんの音楽が流れて、完全にジャズだったりしますよね。昔ってそういったアバンギャルドなことやっていたんだなって」。インタビューが進行する中、入江監督の口からはさまざまな作品の名前があがる。初の時代劇への挑戦にあたって、参考にした作品は、“スタンダード”な時代劇だったようだ。「もともと時代劇がけっこう好きだったので、東映の昔の時代劇とか、忠臣蔵みたいなものとか、あとは三池崇史さんの『十三人の刺客』とか、ああいうのを見直しました。ほかには、『必殺仕事人』とか、『雲霧仁左衛門』とか、長寿シリーズのDVDボックスを買って見直したりしましたね。『ふたがしら』はあそこまで殺伐としてないんですけど、雰囲気としては参考にしてもらいたくて松山さんと早乙女さんに観てもらったのは、マキノ雅弘さんの『次郎長三国志』とか、“股旅”ものですかね。最近の作品だと、小泉堯史監督の『蜩ノ記』にすごく感動して。オーソドックスで渋いというか、究極の目標としてはああいう作品をやりたいと思いましたね。今回は主演が若い2人で、ぼくも時代劇は初めてなので、ちょっとポップにやりつつも、東映のスタッフさんに勉強させてもらいながら、なるべくリアルに、監修をちゃんと踏まえてやろうというのはありました」。「ふたがしら」の主演を務めるのは、松山ケンイチ。そして共演に早乙女太一。どちらも入江監督とは初のタッグとなるが、日本映画界きっての若手実力派俳優と、“100年に一度の女形”と称さる新星との撮影を振り返り、「すごく助けられた」という感想を語った。「髪型どういう風にするとか、衣装をどのぐらい崩すかとか、その辺はやっぱり経験の積み重ねがすごいなというか。ぼくが演出上でお願いしたのは、セリフのスピード感や間とか、そういったことですね。早乙女くんとか子どもの時から着物着てるからそれはもううまいですよね。立ち振る舞いとか、色気がありましたし」。さらに、それぞれの役へのアプローチの仕方も弁蔵と宗次同様、対照的だったと明かしてくれた。「松山さんって想像していたより熱いひとで、芯が強いというか。子供っぽい表情をしたりとか、間抜けな芝居とか結構してるんですけど、すごい緻密に考えてて。今回は順番に撮影できなくて、5話を入り乱れて撮ったんですけど、前半に撮影してるときに急に最後の方の芝居をとらなきゃならないっていうことがあっても、こういうときはどういう感情なんだとか、主人公がどのくらい成長してるのかっていうのをすごい相談してくれて。撮影中は、“いまのやり過ぎてないですかね?”とか、“ここっていうのはこの流れできてるからこれでいいんですかね”とか、すごい聞いてくれましたね。逆に早乙女くんは全然聞かないで、自分で淡々とやっていました。ふたりが好対照でおもしろかったですね。」一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが脇を固める本作。とりわけ物語の悪役として存在感を発揮するのは、殺しを厭わぬ冷血さを持つ甚三郎役の成宮寛貴と、ミステリアスな美しさをたたえるおこん役を演じる菜々緒の二人だ。「時代劇っていうのは特に悪役が立たないととおもしろくないんですよね。今回、成宮さんも菜々緒さんもけっこうアジトである家の中にいて、二人は頭(かしら)として手下を動かす感じなので、ずっと部屋の中にいるシーンが多いんです。なので、どうしたら毎回変化を出せるかっていうのは相談しながら撮ってました。でも、二人のシーンって策を練ったり腹の探り合いをしていたり、けっこうだらだらしてるというか、退廃的な感じがしたりするので、オノさんの原作と近い感じがします。成宮くんから漂う悪の香りというか、悪い色気があっておもしろいなと思いましたね。」物語の裏で糸をひくおこんを演じた菜々緒は、今年に入ってからもドラマや映画に多数出演し、女優としての存在感をますます増している。そんな彼女に、入江監督は惜しげもない賛辞を送る。「菜々緒さんが色っぽくてよかったですね。あんな風な悪い目とか、なに考えてるんだろうって顔できるひとって意外と少ないですし、珍しいですよね。今回はじめてご一緒させていただいたんですけれど、すごい才能だな…って。『ふたがしら』って、弁蔵と宗次が主人公ではあるんですけど、実は菜々緒さん演じるおこんがキーパーソンなんですよ。蜘蛛の巣みたいに裏で糸を張って、登場人物たちをどこまで操っているのかわからない。あの腹黒さというか、このひと何かあるなっていう存在感がすごいですね。どんな人生送ってきたんだろう…(笑)。特に着物に関しては、女性って着慣れてないと似合わないものなんですけど、菜々緒さんはいきなり似合ってて。“経験あるんですか?”って聞いたら初めてだったみたいで。ある種天才的な女優さんですね」。魅力的なキャストとスタッフが集結した本作。それを取りまとめた入江監督は、どんな演出で挑んだのだろうか。「原作の色気を出すのがやっぱり難しく苦労しましたね。演出として最初にやったのは衣装です。色味とかデザインとか、主要なキャラクターはちゃんと素材から選んで特注で仕上げてもらって。特に二人の衣装は、質感、テカり方とか艶っぽさだとか、色気のあるものを選んで。特に“ふたがしら”なんで、ふたりの衣装の、似てる部分と違っている部分っていう、そういうバランスが大事。衣装について時間をかけたのは、いままでの作品の中でも今回が一番長かったと思います。現代劇だと、だいたいサイズ感がフィットするかとか、質感がとか、そんなに選択肢がないんですけど、今回の時代劇の場合は、当時はこの柄はなかったっていうのをも、このぐらい嘘つくのは許容範囲だろうとか、少しずつ手探りでやった感じです」。新時代の監督として、新しい時代劇を生み出そうと挑戦した本作。しかし、映像全編に漂うのは、どこか懐かしくもある正統派の時代劇としての風格だ。若手監督として、憧れだったという時代劇に挑む胸中にはどんな思いがあったのだろう。「ぼくは30歳半ばですけど、子どもの時はテレビで『水戸黄門』とかそういった時代劇をやっていて馴染みがありましたけど、いまの若いひとって、時代劇を観る機会が減ってきていると思うので、そういうひとたちがはじめて観るきっかけになって欲しいなって思います。ドラマもそうですけど、一時期の日本映画って時代劇がたくさん作られていたと思うんです。京都の撮影所って50代60代のスタッフさんに仕事教えてもらいながらやるんですけど、こういう機会はなかなかないですよ。時代劇って、畳に座った時の美しさとか、現代劇だとなかなか描けない時代劇ならでは“様式美”があると思うんです。ぼくらがいきなり畳に座ってもそういうのって美しく座れないんですけど、スタッフもキャストも、慣れたかたがすっと座ると美しいんですよ。障子の開け方とかにもちゃんと決まりがあって。やっぱりこういうチャンスがないと、伝統が引き継がれないので、こういったことに挑戦するのはすごいいいことだなと思います」。入江監督の語り口は、どこか冷静で淡々としたところもある。過去の偉大な作品への愛を惜しげもなく語るその姿は、とても謙虚な誠実さ同時に、静かなる情熱を感じさせる。日本が誇る時代劇という伝統への尊敬、そしてひとりの作り手として、伝統を次の世代へと繋いでこうという気概を、そこに感じることができた。最後に、次回作への展望を語ってもらった。笑顔で語る入江監督の姿は逞しくもあり、映画が好きで好きでしょうがない、ひとりの映画少年のようでもあった。「ぼくは『ターミネーター』とか『バックトゥザフューチャー』とかで育った世代なんですよ。だから、ずっとSF映画をやってみたいって思ってますね。『宇宙戦争』みたいな、地球が危ない系の映画を(笑)」。(text:cinemacafe.net)
2015年06月13日「KAT-TUN」の亀梨和也を始め、深田恭子、伊勢谷友介ら豪華俳優陣が集結し、シリーズ累計100万部を突破した人気小説を映像化した『ジョーカー・ゲーム』。この度、本作のBlu-ray&DVDリリースが決定。主演の亀梨さんと入江悠監督による“撮り下ろし”ビジュアルコメンタリーなど、豪華特典内容が明らかになった。第二次世界大戦前夜、スパイ養成学校である「D機関」に所属する主人公・嘉藤次郎が、各国スパイと機密文書争奪戦を繰り広げる本作は、亀梨さんの体を張ったアクションの数々や、大規模な海外ロケを敢行したスケール感溢れる壮大な映像と、ブラックノートを巡るスリリングな展開で話題を集め、日本発の“スパイアクション”ムービーとして好評を博した。そんな本作の3枚組となるBD&DVD豪華版には、特典映像として、主演の亀梨さんと入江監督によるビジュアルコメンタリーが収録。このために撮り下ろされた貴重な映像では、共演者の伊勢谷さんと紅一点の深田さんからもコメントが寄せられるなど、見どころ満載のトークが繰り広げられた。入江監督はビジュアルコメンタリー初挑戦ということで緊張気味だったのに対し、「僕は人生二度目です」とやや余裕の表情を浮かべる亀梨さん。本編映像を見始めると、「いや~、懐かしい。撮影は昨年の真冬で、もの凄く寒かったんですよね」と一気に映画の世界に没頭していた。劇中で英語、中国語、銃解体、マジック、合気道、トランプ、モールス信号と様々なミッションをこなした亀梨さんに、入江監督は小道具の銃を渡して「はい、銃解体やってみて」とムチャぶりのリクエストも。「1年以上も前だから…」と謙遜しつつも挑戦した結果は、ぜひ自分の目で確かめてみてほしい。また、話題となったラブシーンについて、深田さんから「真横にいる牛を気にしながらの撮影で、牛舎の臭いが思い出せるくらい、みんなで乗り越えたという思いが強いシーンです。でも完成した映像は本当にロマンチックで、ビックリしました」というコメントが紹介されると、亀梨さんも「確かに(笑)。白いシーツをかぶって視界は悪いし、暑いし、狭い空間に何人ものスタッフがいて、ロマンチックなムードはゼロ。戦いみたいだった(笑)」と撮影時をふり返っていた。「メイド服が好きで、深田さんにどうしても着てほしかったんです。でも、このラブシーンで致命的なミスに気づいて…」という入江監督の爆笑失敗談も必聴だ。コメンタリー終了後に亀梨さんは「大変だったけど、インドネシアロケは本当に刺激的で楽しかった。また同じスタッフ、キャストと会いたい」と本作への思いの深さを滲ませた。このほかにも、筋肉痛スプレーで乗り切ったという屋上での逃走シーンや爆破シーンに驚いた話など、アクションの裏側から、スパイの役作り、照明・衣装・髪型のこだわり、共演者の印象、“壁ドンが流行る前にやった超ハードな壁ドン”など、ここでしか聞けない貴重な裏話が満載。さらに、スペシャルブックレット、“Dead or Alive”暗号指令集も同封され、本作の世界観にどっぷりと浸れる仕掛けが施されている。本編をもう一度見たくなること必至の豪華コメンタリー映像収録の豪華版Blu-ray&DVDで、本作を何度でも楽しんでほしい。『ジョーカー・ゲーム』のBlu-ray&DVDは8月12日(水)よりリリース。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョーカー・ゲーム 2015年1月31日より全国東宝系にて公開(C) 2015「ジョーカー・ゲーム」製作委員会
2015年06月12日13日にスタートするWOWOWの連続ドラマW『ふたがしら』(毎週土曜 22:00~)の完成披露試写会が11日、東京・東京国際フォーラムで行われ、キャストの松山ケンイチ、早乙女太一、菜々緒と入江悠監督が出席した。オノ・ナツメの漫画を実写化した本作は、盗賊たちの策略と騙し合いを描く時代劇。盗賊一味"赤目"として盗みを働く、豪放な性格の弁蔵(松山)とクールな色男の宗次(早乙女)。ある日、敬愛する頭が急逝し、2人は旅立つ決意をする――というストーリー。NHK大河ドラマ『平清盛』以来、約3年ぶりに連続ドラマ主演を果たした松山は、「やりたいと思ってから、1年も経たないうちに作品になって幸せ。僕自身、時代劇の素晴らしさを実感したので、たくさんの人に見て欲しい」と胸を張ってアピール。また、コンビを組んだ早乙女に対し、「時代劇のプロフェッショナルなので、心強い味方だった」と感謝した松山だったが、「誕生日に太一くんに水をかけられるシーンがあって。30年間でふぬけてしまった自分の目を覚ましてくれるようなかけっぷりだった。本当に水をかけるのが上手だね!」と暴露した。一方、頭の妻・おこんを演じた菜々緒は、初の時代劇出演ながら入浴シーンも披露しており、「初めてづくしで刺激的な毎日でした」とにっこり。頭の跡目を継ぐ甚三郎を演じた成宮寛貴とは、ラブシーンもあり、「本番でいきなり口の中に指を入れられて……。『ワーッ!』って思ったけどカットがかからないから続けました」と告白すると、松山は、「確かにすごかった~」とニヤけ顔。そんな松山は、「まだ始まってないけど、続編を作りたい」と意気込むと、早乙女は、「続編を作るなら"クールな色男"っていうキャッチコピーを外して」と吐露して笑いを誘っていた。
2015年06月12日WOWOWの連続ドラマW「ふたがしら」完成披露試写会が6月11日(木)に開催され、主演の松山ケンイチをはじめ、早乙女太一、菜々緒、入江悠監督が舞台挨拶に登壇した。オノナツメの人気漫画の実写化。尊敬するかしらの死をきっかけに盗賊集団「赤目の一味」を抜け、自分たちの一味を旗揚げした弁蔵と宗次の山あり谷ありの冒険の日々を描く。登壇陣は、この日のために仕立てられたという浴衣姿で登場し歓声を浴びる。松山さんと早乙女さんは「劇団☆新感線」の舞台「蒼の乱」に続く共演となったが、松山さんは「太一くんは時代劇のプロフェッショナル。そばにいれば何とかなる相棒であり、心強い味方でした」と早乙女さんへの全幅の信頼を口にする。早乙女さんも「僕は映像の経験が少ないんですが、松山さんにいろいろ聞いたり、身を委ねたり助けていただきました」と語り、きずなの強さをうかがわせる。撮影中に松山さんは30歳の誕生日を迎え、スタッフ、共演陣からお祝いされたそうだが、松山さん極寒の撮影のさなかに、弁蔵が宗次から大量の身をを浴びせられるシーンの撮影を指して「太一くんからのプレゼント(笑)」と表現。「30年で腑抜けてしまった自分の目を覚まさせてくれる水のかけ方でした」と語り、会場は笑いに包まれた。菜々緒さんは時代劇初挑戦となったが、お決まりの(?)セクシー入浴シーンにも挑戦!「現代劇も含めて入浴シーンは初めてでした。このドラマを通じて初めて尽くしで刺激的な毎日を過ごしました」と笑顔を見せる。また、弁蔵と宗次の前に立ちはだかる甚三郎を演じた成宮寛貴とは、濃厚なラブシーンも披露している。菜々緒さんは「成宮さんにリードしていただきました」と照れくさそうな表情を見せた。入江監督はこのシーンについて「脚本には『服の中に手を突っ込む』というト書きがあって、その後、どうするのかな?と見ていたら、間が持たなくなったのか、成宮さんが手を菜々緒さんの口に入れ始めて、そこからどうするかと思ったら、ちゃんとリアクションしてましたね」と自身からは特に指示を出さず“放置プレイ”だったことを自白。菜々緒さんは「なかなかカットが掛からず、どうなるかと思いました(苦笑)。リハーサルではなかったのに本番で口に手を入れられて『わっ!』と思ったんですが、続けました」と苦笑交じりに述懐。隣の松山さんは「根性あるな」と菜々緒さんの女優魂を称賛していた。松山さんは現時点ですでに続編の製作を熱望!「弁蔵と宗次がその後、どうなるのか?ドラマオリジナルの行く末を見たい」と語る。早乙女さんは「クールな色男」という宗次のキャッチコピーについて「続編のやるなら外してほしい。それに勝るキャッチコピーを作れることを目指したい」と意気込む。京都太秦撮影所での撮影を初めて経験した入江監督は「僕らの世代で時代芸を作らせてもらえるのはすごいこと。この波を広げていきたい」と熱く語っていた。連続ドラマW「ふたがしら」は6月13日(土)夜10:00スタート(全5話)[第1話無料放送]。(text:cinemacafe.net)
2015年06月11日●大人のクールさを表現したかったWOWOW初となる時代劇の連続ドラマW『ふたがしら』が、6月13日にスタートする(毎週土曜日22:00~第1話無料放送)。オノ・ナツメの同名漫画を実写化した本作は、盗賊一味の男たちの駆け引きと騙し合いを描いた作品。脚本は劇団☆新感線の座付き作家・中島かずき、監督を映画『ジョーカー・ゲーム』の入江悠が務めている。主人公の盗人・弁蔵を演じるのは、3年ぶりの連続ドラマ主演となる松山ケンイチ。明るく豪放で一直線だが、時に酒乱の気がある人物を熱演している。一方、弁蔵の相棒となる宗次を演じるのは、大衆演劇で女形を務め、"流し目王子"と称されてきた早乙女太一。冷静沈着な色男っぷりが、しばし暴走する弁蔵とは対照的だ。松山と早乙女は、劇団☆新感線の舞台『蒼の乱』で共演済み。脚本の中島は共演経験のある2人の個性を加味しながら、書き上げたという。また、今年2月、座長を務める劇団朱雀を自ら解散した早乙女。劇団解散直後に行われた本作の撮影だが、その間、早乙女は何を感じていたのか。今後の野望も含めて話を聞いた。――幼少期から舞台で時代劇を演じてきた早乙女さんですが、今回はテレビドラマの時代劇ですね。「映像は舞台と違うのかな? という不安はありましたけど、自分がやってきたことを生かして、色々試してみたいと思いました。着物に慣れてる分、動きにくいことも無かったので、自然体で自由に出来ましたね。でも、格好良い顔が出来ないから、"クールで色男"っていうのがすごく嫌でした(笑)」――実際に、舞台と映像の違いはありましたか?「景色や小物が全部本物なので、テンションが上がりました。その世界に生きてる感じがして。このドラマは、刀も出てこないし、娯楽としての魅力があるし、出ている人たちもみんな個性的。今までに無い時代劇になったんじゃないかな」――クールな宗次を演じるにあたって、意識したことは?「あんまりしゃべんないし、自分の感情も出さないし、どういう風に魅力を出そうかと考えてました。今までやった役は少年や青年の冷めた感じが多かったので、今回は大人のクールさを表現したいなと。格好良いだけじゃなく、人間らしさやつかみどころの無さを出したいと思っていましたね」●舞台や女形は、自分の少ない武器のうちの1つになっている――弁蔵役の松山ケンイチさんとは再共演を果たしましたね。「松山さんは、原作に無い役作りにどんどん挑戦していくんです。僕はまだ映像に慣れてない分、緊張して不安定になりがちなんですけど、『思いついたことや試してみたいことをどんどんやった方が良いよ。ダメだったら、監督が言うから』ってアドバイスをくれました」――対照的な弁蔵と宗次ですが、どちらのキャラクターに近い?「どっちかと言うと宗次ですね。逆に松山さんは、真っ直ぐで自然で裏表が無くて本当に弁蔵みたい。俺は裏表あるし、だいたい一歩引いて見てる。でも、本番は絶対に負けたくないって思ってて、負けず嫌いですね(笑)。自分が必死なところとかは人に見られたくない」――そんな早乙女さんですが、劇団朱雀を解散後の心境を教えてください。「今までは劇団を背負ってる感覚があったけど、さらに背中の重みが増しました。自分が言い出したことなので、これからの自分の仕事や目標、覚悟に対する重みを感じてます。ありがたいことに、『ふたがしら』の話とすごく状況が似ていて、重なる部分があったんです。自分がこれまでいた場所が無くなって、『でけぇことをしよう』と出て行って何とか進んでいく。これで、1回経験できたなという感じ(笑)」――では、早乙女さんにとっての"でけぇこと"とは?「今まで散々嫌な思いをしてやってきた舞台や女形は、自分の少ない武器のうちの1つになってる。人に勝てるとしたらそこしかないから、時代劇のような日本のコンテンツを世界に向けて作っていきたいと思ってます。日本の伝統を磨いてきた人たちと、最先端の技術を合わせて、今の日本にない新しい文化を作れたら」――とても大きな心境の変化を感じますね。「初めて目標が出来たんです。初めての自分の夢だから叶えたいし、今まで一緒にやってきた人たちに見せたい。新しいホームを作りたいという想いが原動力になってます」――結婚されて、子どもが生まれたことも影響している?「それもかなりデカいですよ。本当に生きる気もなくて暗かったけど、初めて生きようって思いました。そう思い始めたら、必然的に自分がしてきたこと、これからのことを考えるようになりました。今、楽しいですね」
2015年06月10日「何に面白い、カッコいいと感じるかというのは、その人の本物の物差しだと思う」――。ただひたすらに“面白いこと”を求めて生きる弁蔵という男を語る文脈の中で、松山ケンイチはそんな言葉を口にした。それは自身に向けた言葉でもあるのだろう。WOWOW初の時代劇の連続ドラマである「ふたがしら」は、松山さん自身がオノ・ナツメの同名人気漫画と出合い、面白さを感じて実写化を熱望し、まさしくその情熱で実現させた企画である。大河ドラマ「平清盛」以来、3年ぶりとなる連続ドラマ主演。自ら感じる変化。30代に足を踏み入れた“いま”を語りつくす。「劇団☆新感線」の「蒼の乱」で共演した早乙女太一との共演による本作(脚本も同劇団でおなじみの中島かずき)。尊敬する頭目が亡くなったのを機に盗賊集団“赤目一味”を抜けた弁蔵と宗次は新たに一味を旗揚げし「でっかいこと」を成し遂げるべく旅に出るのだが…。弁蔵と宗次は“水と油”という表現がぴったりの正反対の性格の持ち主。クールで全体を見渡す宗次に対し、松山さんが演じた弁蔵は直情型の熱血漢である。2人の違うタイプのリーダーが一味を率いるわけだが、松山さん自身、「平清盛」、「蒼の乱」などで一族や仲間たちを引っ張る強いリーダーを演じてきた。役柄というだけでなく、これまでいくつもの作品に主演、座長として関わってもきており、さらにはプライベートでも家庭を持ち、子供たちを導く立場である。そんな松山さんの目に弁蔵はどのような“かしら”に映ったのだろうか?「弁蔵には『人生を楽しもう』ということが大前提としてあるんですよね。おかしらが死んで、ここ(=赤目一味)じゃ面白くないから出て行って、面白いことをやろうとする。そこに面白そうだとついてくる仲間がいて、じゃあみんなでやってやろうという流れになる。その生き方は男としてカッコいいと思います。演じる上では、一家を率いるというのは何かを背負っていて、そこに余裕みたいなものも感じさせないといけないとは思いました。そうじゃなきゃおっかなくて誰も付いて来ないですから。太一くんも家族があり、ずっと『劇団朱雀』を引っ張ってきた存在であり、やっぱり佇まいが全然違うんですよ。僕も『平清盛』での経験もあるし、家族を持っているし、そういう部分は2人ともにいい影響を及ぼしてるなと思いましたね」。ちなみに松山さん自身は普段は「リーダータイプではないと思います(苦笑)」と漏らすが、理想のリーダー像について問うと、弁蔵でも宗次でもなく、清盛とも違う意外な人物の名が…。「『のぼうの城』に出てくる(主人公の)“のぼう”(※映画で演じたのは野村萬斎)ですね。“バカ”だ“でくのぼう”だのと言われつつ、それでも『おれたちがやらなきゃ…』と周りがみんな、動いてくれる。そんなリーダーが理想です」。本作でメガホンを握ったのは『SR サイタマノラッパー』シリーズで知られ、これが時代劇初挑戦となる入江悠監督。撮影が行われた京都・太秦の伝統と既成概念を壊そうとする入江監督の手法のせめぎ合いの中で、松山さんも「新しい時代劇ができた」と手応えを感じている。「題材として盗賊を主役に、しかもすでに出来上がった一味じゃなくて、いろんなことを経て新しい集団が出来上がっていくという流れが新鮮だし、東映撮影所(=太秦)の様式美を取り入れつつ、カメラワークや照明は全く違う新しいものになってる。太秦の気質、職人的なスタッフの脳みそをいい意味で入江さんがかき乱して、いい具合に絡み合ってると思います。カメラワークでも、スタッフの中では『このセットならこう撮る』という枠が伝統の中であるんだけど、そこを崩したりしてる。土台として伝統を作る人たちがいて、それを壊す人とのコラボレーションが面白いと思います」。時代劇という点や先述の“リーダー”に関する部分など、大河ドラマでの経験が大いに生かされたことは間違いないが、変化や成長はそうした技術的な面だけに収まらない。あれから3年、この3月には節目の30歳の誕生日を迎えたが、松山ケンイチはいま、俳優という仕事にどう向き合い、どんな道を歩もうとしているのか?「大河以前から考えていたことではあったんですが、自分でやりたい企画を見つけて実現してみたいという思いはありました。この作品がまさにそうですが、オファーを受けるだけでなく、僕自身が何を表現したいのか?それが大河以降…いや、ここ最近になってようやくできるようになってきたのかなと思います。それは自分の中でいろんなことの整理がついて、余裕が出てきたのかもしれません」。そして、この「ふたがしら」に関して、続編の製作を強く希望している。「今回は一味が出来上がるまでのお話ですが、その後、彼らがどうなるのか?すごく興味があるしやってみたいです。つい最近、ふと思ったんですが、本当に良い役者というのは、監督が『またこいつを使いたい』と思わせる存在であることと、“続編を作ることができる”というのが条件なんじゃないかと。僕自身、これまであまり続編はないので、その実現のためにいい演技をするように考えていくのがこれからの責任だなと思ってます」。新たにギアを入れ直したこの男の、面白くカッコいいものを求めて進む30代に期待したい。(photo / text:Naoki Kurozu)
2015年06月08日オノ・ナツメの人気コミックを原作に、松山ケンイチが3年ぶりの連続ドラマ主演を務める新感覚時代劇「連続ドラマWふたがしら」。このほど、6月13日(土)よりスタートする放送に先駆け、本作のメイキング映像「撮影道中記」がWOWOWのスペシャルサイト「W流」にて公開された。確かな演技力と圧倒的な存在感で日本映画界を牽引し、最新作『天の茶助』の公開も控える松山さんが、明るくて豪放な主人公・弁蔵を演じ、大衆演劇界のスターにして、さまざまな作品で俳優として目覚ましい活躍を見せる早乙女太一が、弁蔵とタッグを組むクールな色男・宗次に扮する「ふたがしら」。松山さん、早乙女さんが演じる弁蔵と宗次は、「脅さず殺さず、汚え金を、根こそぎいただく」ことを信条とする盗賊・“赤目”の一味。頭の辰五郎役に國村隼、頭を継ぐ冷血な甚三郎役には成宮寛貴、甚三郎と関係を持つ姐さん・おこん役には時代劇初挑戦となる菜々緒ほか、田口浩正、芦名星、村上淳ら個性豊かなキャスト陣が集結する。その撮影現場に潜入した「撮影道中記」では、『ジョーカー・ゲーム』でスタイリッシュなスパイアクションを鮮烈に描き、今回初の時代劇に挑む入江悠監督が、江戸時代を巧妙に再現した東映京都太秦撮影所で演出を行う姿を収録。また、潜入した3月5日は松山さんの30歳の誕生日ともあって、出演者・スタッフがそろって松山さんを祝福。早乙女さんが「ハッピーバースデー」を歌いながら、ケーキを持って登場する様子も収められている。クランクインを迎える成宮さん、國村さんら盗賊“赤目”一味が初めて一堂に会したシーンの撮影に続き、物語のカギとなる重要な場面では、迫真の演技で何度もテイクを重ねる松山さん、早乙女さんの姿が。さらに、華麗なアクションを披露する早乙女さんと成宮さんのやりとりも伺える。かと思えば、姐さんでありながら甚三郎と関係を持つ魔性の女・おこんを演じた菜々緒さんを、成宮さん演じる甚三郎が押し倒すシーンでは、劇中の緊張感とは一転、和やかムード。菜々緒さんは“時代劇のお約束”の入浴シーンにも挑戦していることにも注目だ。盗賊たちの策略と騙し合い、二転三転する痛快な展開に目が離せなくなる画期的な時代劇盗賊エンターテイメント。その出来上がりがますます楽しみになってきた。連続ドラマW「ふたがしら」は6月13日(土)22:00よりWOWOWにて放送(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2015年06月03日“天才”、“100年にひとりの女形”と称され、10代の頃から舞台に立ち続けてきたが、実は女形を演じること、いやそれどころか舞台に上がること自体が、苦痛で仕方なかったという。早乙女太一は本来なら“青春時代”と呼ぶべきであろう時期をこう振り返る。「夢を見たこともなかったし、目標を持ったこともなかった。仕事に対するやる気もないし『こんなことができたら』と想像しても、すごく醒めていて『そんな金ないや』って、最初から現実になるはずないとあきらめていた」。それでも、いつのまにか嫌っていたはずの女形や舞台の上で培ってきたものが、彼にとってかけがえのない武器になっていた。それに気づくと共に、初めて胸の奥からわき上がってきた思い。「世界で戦いたい」――。その思いが大きくなり、未来を見据えた時、自身にとってホームであり、かけがえのない仲間や家族と共に作り上げ、自ら看板役者を務めてきた大衆演劇「劇団朱雀」を解散することを決断した。今年2月末の劇団の解散後、早乙女さんが新たな一歩として最初に参加した作品がWOWOWの連続ドラマとしては初の時代劇となる「ふたがしら」である。人生最大の決断、本作への出演で強くした思い、胸に秘めた野望――新たな旅路へと足を踏み出した23歳に話を聞いた。独特のタッチと物語で人気のオノナツメの漫画を実写化した本作。尊敬するおかしらの死後、自分たちで面白い仕事をするべく、新たな一味を旗揚げした明るくて豪放磊落な弁蔵(松山ケンイチ)とクールな色男の宗次(早乙女さん)――2人のおかしらのドラマを「劇団☆新感線」の舞台でも知られる中島かずきの脚本、そして『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督の演出で描き出す。撮影に入る前、あえて原作を読まなかったという早乙女さん。原作の漫画や小説がある作品に関して、事前に読むか読まないかは作品によるそうだが、本作に関して読まないと決めたのは、宗次という男のキャラクターが大いに関係しているようだ。「僕は結構、影響されやすい性格なので、事前に読んでしまうと自分の中で勝手に決めごとができてしまって、それに引っ張られてしまうし、漫画の通りにやりたくなってしまうんです。特に宗次に関しては“クールな色男”というのがあって、漫画の絵もすごくかっこいいし『こんなかっこいい顔は出来ないな』と思いました。僕はあくまで生身の人間として演じるので、もう少し人間らしさやいろんなことを出していけたらという思いもあり、今回は監督や共演者のみなさんと共に現場の雰囲気の中で作っていこうと思いました」。W主演を務める“相棒”松山さんとは、昨年の「劇団☆新感線」の舞台「蒼の乱」で共演したばかり。“水と油”と称される正反対の性格の弁蔵と宗次が“ツートップ”としておかしらを務めるというのが本作の軸であり、意識したのは、2人の関係性を「築かない」こと。「できるだけ相手に合わせないようにしましたね。息が合ってないコンビを目指しました。息が合い過ぎると普通のコンビになっちゃうので。弁蔵と宗次は100のうち99のことは合わないのになぜか一緒に旅しているという2人なので、お芝居をしてても相手を無視して、ほとんど松山さんの方を見ずにしています」。早乙女さん自身、弁蔵と宗次のどちらのタイプかと言えば宗次に近いという。「“クールな色男”という部分は忘れていただいて(笑)、目標に向かう姿勢なども含めてやはり宗次ですね」。実際に10代の頃からリーダーとして劇団を引っ張ってきたが、全体を静かに俯瞰し、言葉ではなく自身の背中で語るタイプのリーダーだったようだ。「元々、熱い人は苦手なところもあって、(熱い思いは)心の中で持っていようよ…と思っちゃうので。本番になると誰にも負けたくないという思いはあるんですよ。闘志を見せたくないし、自分が必死なところも見せたいとは思わないです。劇団でも…言葉で伝えることができればいいんですけど、その言語力を持ってなかったんです。10代の半ばで始めて、大きな舞台に立たせてもらえるようにもなって、そこで自分に何ができるのか?と考えると、先頭に立って、自分がちゃんとやっている姿を見てもらうしかなかったんですよね」。その劇団を自らの意思で解散することを決めた。これまで“看板役者”として劇団を背負ってきた早乙女さんだが、10代の頃からになってきた重荷を両肩から下ろしてはみたものの「劇団がなくなって、逆に背中の重みが増した気がしています」とも。「これまで『劇団を背負う』という意識は確かにありましたが、一方でそこがあるからこそ、助けたり、助けてもらったりもできたわけで、そういう“場所”があった分、いろんなことができていたんだと思います。それが自分が言い出してなくなったことで、その分のこれからの仕事の対する覚悟や思いはさらに重みを増しましたね」。これまでの一座を離れ、新たな一歩を踏み出す――それはまさに「ふたがしら」の弁蔵と宗次そのもの!「ありがたいことに、この作品を生きることでフィクションの中で経験することができたなという思いはあります」と笑う。弁蔵と宗次は“でけぇこと”を成し遂げようと飛び出すが、早乙女さん自身、これまで持つことがなかったという夢や大きな野望でいまは満たされている。「あまり(夢を)口に出して言いたくはないんですが、自分がさんざん、イヤな思いでやって来た女形や舞台で培ってきたものが、自分の数少ない武器になっている。だからこそ、それを何とかしたい――。他人に負けてしまう部分はたくさんあるけど、勝てるとしたらそれなので、そこは絶対に負けないように、日本人として日本の伝統をちゃんと見せられるように、これから自分なりに作っていきたいんです。いま、日本の中で日本らしいところが実はどんどんなくなってて、だから今回、撮影で(京都の)映画村に行った時も、僕にとってはディズニーランドにいるかのように興奮したんです。歴史や伝統を磨いてきた人たちと一緒に、最新の技術も取り入れながら、オリジナルの“本物”の日本の文化を見せられるようになりたいんです」。結婚し、父親になったことも夢や覚悟を抱くようになった大きなきっかけだという。肩の荷を下ろした途端に新たな重荷を背負い、守るべきものが増えると、守りに入るのではなくなぜか夢や野望が広がりを見せる。なんとも厄介なベクトルを持つ男である。「(家族ができたことは)すごくデカかったです。『生きよう』と初めて思えたんですよね。本当に、生きる気力のない暗い子供だったんですよ、僕。このまま死んじゃえばいいのにって思うくらい。そこから初めて、生きようと思えたし、自分がこれまでどうしてきたのか?これからどうしていくのか?そういうことが線として繋がりました。ただ、子供が生まれたことはきっかけとしてすごく大きかったんですけど、いざ夢を見はじめたら『自分のために』という思いが大きくなっていった気がします」。夢も希望も抱いたことがなかった少年は23歳になったいま、日々を「楽しい」と感じている。「楽しいですね。正確に言うと、(新たに歩き始めた)少し前が一番楽しかったですね。いまは、ちょっと不安な気持ちもあります」。不安があるのは、期待があるからこそ。その“流し目”の見据える先に何があるのか?楽しみに待ちたい。(photo / text:Naoki Kurozu)
2015年06月01日主演に松山ケンイチ&早乙女太一を迎え、成宮寛貴、菜々緒、田口浩正、芦名星、村上淳、國村隼ら豪華キャスト陣と『ジョーカー・ゲーム』の入江悠監督で贈る、WOWOW連続ドラマ史上初の時代劇「連続ドラマW ふたがしら」。このたび、本作のタイトル「ふたがしら(2つの頭)」を表現したポスタービジュアルが公開。さらに一部で放映されていた予告編がWEB解禁された。豪放な性格の弁蔵(松山ケンイチ)とクールな色男・宗次(早乙女太一)は、八王子の飛脚問屋で働いていた。彼らの裏の顔は“赤目”を名乗る盗賊。「脅さず殺さず汚え金を根こそぎいただく」のが赤目の仕事。ある日、赤目の頭(かしら)・辰五郎が「一味のこと、まかせた」と2人に託し息を引き取るが、姐さん(菜々緒)が預かった遺言状には、跡目は辰五郎の弟分 ・甚三郎(成宮寛貴)に継がせると記されていた。納得のいかない2人は、一味とたもとを分かち、旅立つ決意をする…。今回公開されたポスタービジュアルでは、盗賊一味を演じる松山さんと早乙女さんが背中合わせになり、タイトルロール「ふたがしら(2人の頭)」を力強く表現。“汚え金を、根こそぎいただく。”という赤目の仕事をメインコピーに冠し、2人の関係性に宿る緊張感が表情や視線から漂い、定番のバディものとは一味違う作風への期待が膨らむ仕上がりに。さらに、赤目の頭・辰五郎を演じる國村さんの眼光の鋭さや、その跡目を継ぐ甚三郎を演じる成宮さんの精悍さ、そして男性陣を惑わす妖艶さが際立つおこんを演じる菜々緒さんの美しさなど、主人公以外の登場人物たちの魅力も表現されているのも見逃せない。また、5月9日(土)からWOWOWでの放送や一部の映画館でのみ限定上映されてきた本作の予告編がWeb上で解禁。映画やドラマの劇伴を初めて手掛けるジャズバンド「SOIL&“PIMP”SESSIONS」書き下ろしのメインテーマ曲「THEME FROM“FURTAGASHIRA”」も、同映像内で初お披露目となった。「弁蔵」と力強く名乗る松山さんに、クールな口調で「宗次だ」と名乗る早乙女さんの姿だけでなく、成宮さんに、菜々緒さんといったキャスト陣も同予告編に登場。本作をイメージして書き下ろされた「SOIL&“PIMP”SESSIONS」の楽曲は、サックスとトランペットの2ホーンが、それぞれ疾走しながら絡み合う2人の主人公を表現しているそう。ソイルならではの熱い楽曲をは必聴だ。「俺たちは悪党だ、だが俺たちの仕事に殺しはなしだ」という弁蔵。彼らはどのような手法で“赤目”を出し抜くのか?これまでの時代劇とは一線を画すであろう本作に、期待は高まるばかりだ。「連続ドラマW ふたがしら」は6月13日(土)22:00よりWOWOWにて放送(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2015年05月14日大河ドラマ「平清盛」以来、3年ぶりの連続ドラマ主演となる松山ケンイチと「100年にひとりの女形」といわれる早乙女太一がタッグを組んで贈る、WOWOW初の時代劇「連続ドラマW ふたがしら」。京都太秦撮影所で行われた、本作の撮影現場に潜入した。「おもしろいことがやりたい」という野望を胸に、世話になった盗賊一味“赤目”から離れて、大坂、江戸を転々とする弁蔵(松山)と宗次(早乙女)。ふたりは旅の途中でさまざまな人々と出会い、成長し、やがて“ふたりで頭(ふたがしら)”をつとめる盗賊一味を作ることにーー。本作は、オノ・ナツメが描く人気コミックを原作に、「劇団☆新感線」の座付き作家・中島かずきが脚本を執筆。さらに、『日々ロック』『ジョーカー・ゲーム』などで知られる気鋭・入江悠が監督を務めた、痛快な時代劇エンターテインメントだ。その撮影は、3月~4月上旬にかけて東映京都撮影所を中心に行われ、京都市内のロケなども交えて、江戸時代の大坂や江戸の町の空気感を作りあげた。取材の当日は、撮影所のオープンセットにおいて、江戸から大坂の町にやってきた弁蔵と宗次が、泥棒として大きな仕事をすることもままならず焦っていたところ、出会った人たちからチャンスがもたらされるというシーンの撮影が行われていた。お稲荷さん屋やうどん屋の出店の装置などが立ち並ぶ中、エキストラたちが歩き回り、活気に満ちた大阪の盛り場の風景となっていく。そこに颯爽と現れたのが、着物を粋に着こなした松山さんと早乙女さん。熱くてワイルドな設定の弁蔵役の松山さんは、着物の着こなしもワイルドで、歩幅を大きく闊歩。一方、早乙女さん演じる宗次は弁蔵とは真逆、静かでクールな佇まいだ。ふたりは2014年、「劇団☆新感線」の舞台「蒼の乱」で一度共演していることもあり、息はピッタリ。「そのときのふたりの関係性が『ふたがしら』にちょっと似てるんですよ」と早乙女さん。だからこそ、より弁蔵、そして宗次への役作りが深まっている様子だ。また、しこたま酔ったふたりが歩く場面では、いつもクールな宗次もハメを外し過ぎて髷(まげ)まで乱れる、という設定にするなど、入江組は現場で臨機応変なアイデアが飛び出し、より活気を帯びていく。入江監督にとって本作は初の時代劇だが、実はもともと大の時代劇ファン。本作のメガホンを握ることが決まった昨年暮れから、毎日1本は時代劇を見ることを自らに課していたという熱の入れようだ。本作の撮影にもその研究は大いに生かされているようで、さらに京都撮影所のスタッフによる時代劇の手法には、監督自身、感銘を覚えていたという。そんな監督や早乙女さんの様子に、松山さんも、「(連続ドラマとしては)WOWOW初の時代劇で、いままでにない時代劇が生まれると思います」と熱く語り、手応えを覗かせていた。【松山ケンイチコメント】オノ・ナツメさんの原作には、時代劇、盗賊もの、バディもの、若者の成長譚とぼくの好きなものがたくさん詰まっていて、ぜひ映像化したいと希望を出しました。脚本はこれまたぼくの好きな中島かずきさん。原作をまた違った角度から再構築してくださいました。かずきさんの書く台詞は熱くて、気持ちが乗せられます。入江悠監督とは今回がはじめての仕事ですが、これまでの作品も素晴らしく信頼してお任せしています。ぼくらのアイデアも取り入れてくれるので、現場でアイデアを出し合いながら世界観を膨らませています。早乙女太一君とのコンビもかなり面白くなっていますので、お楽しみいただきたいと思います。すでに続編をつくる気満々ですので、よろしくお願いします(笑)。【早乙女太一コメント】盗賊を主人公にした、“いなせ”な時代劇になっていると思います。子どものころから時代劇を舞台で演じてきたぼくにとって、これまでやっていたフィールドとは違うテレビドラマの時代劇、はじめての入江監督との仕事は新鮮で、完成が楽しみです。いままでとの一番大きな違いは、今回は盗賊ということで忍んでいることが多く、得意な派手な立ち回りが少ないこと(笑)。映像経験もさほど多くないため、戸惑いもありますが、映像経験抱負な松山ケンイチさんにいろいろ教えていただきながらやっています。クールな宗次がドラマの中でどんなふうに変化していくか楽しみにしてください。「連続ドラマW ふたがしら」は6月13日(土)22:00よりWOWOWにて放送(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2015年04月17日大河ドラマ「平清盛」以来3 年ぶりの連続ドラマ主演となる松山ケンイチと、「100年にひとりの女形」といわれる早乙女太一がタッグを組む、WOWOWの連続ドラマW「ふたがしら」。このほど、松山さん&早乙女さんの敵役として、「相棒」後、初のドラマ出演となる成宮寛貴と時代劇初挑戦となる菜々緒が出演していることが分かった。豪放な性格の弁蔵(松山ケンイチ)とクールな色男・宗次(早乙女太一)は、八王子の飛脚問屋で働いていた。彼らの裏の顔は“赤目”を名乗る盗賊。「脅さず殺さず汚え金を根こそぎいただく」のが赤目の仕事。ある日、赤目の頭(かしら)・辰五郎が「一味のこと、まかせた」と2人に託し息を引き取るが、姐さん(菜々緒)が預かった遺言状には、跡目は辰五郎の弟分 ・甚三郎(成宮寛貴)に継がせると記されていた。納得のいかない2人は、一味とたもとを分かち、旅立つ決意をする…。オノ・ナツメによる原作マンガを『ジョーカー・ゲーム』『日々ロック』などで知られる入江悠監督が手掛け、連続ドラマWとしては初の試みとなる時代劇となる本作。成宮さんが演じるのは、“つとめ”を果たすためには殺しも躊躇わない、非道な男・甚三郎。脚本を読んだ際、「どれだけ魅力的な悪役ができるか挑戦したいなと思いました」と真摯に語る成宮さん。「いま、このタイミングでこの作品をやらせていただいたことに意味を感じます。初めて同じ役を長く演じた『相棒』が終わり、そのあとすぐに参加した作品。『相棒』で学んだことを早く他の作品、役で試したかったし、自分への期待も含めた“挑戦”の意味合いがあった」と話し、本作に「良いタイミングで出会えた」と明かす。初共演となる菜々緒さんとは、「はじめましての挨拶からすぐにキスシーンだったりと、2人でのシーンが多かったので、限られた時間の中でどれだけ信頼関係を築いていけるか」に留意していたとのこと。「“おこん”と“甚三”のラストシーンがお気に入りです」とコメントしてくれた。また、菜々緒さんが演じるのは、辰五郎の妻でありながら、甚三郎と関係を持ち、過去には弁蔵と宗次とも関係を持っていたという魔性の女・おこん。「脚本を拝見したとき、一人一人の思いや、様々な愛の形が垣間見え、いろんな感情が込み上げてきました。やはり、この時代から日本人は人情深いというか、想い、気持ちが強い人たちが多かったのかな、と考えさせられる部分がありました」と物語に心打たれた様子。「辰五郎とおこんは、相思相愛。優しく、寛容で、賢い、辰五郎を愛しているおこん。男の世界も凄いですが、その世界で生きていくおこんも凄い。弁蔵とも、宗次とも、甚三郎とも関係をもっているおこんを側における辰五郎も、それを分かっていて側にいるおこんも、歪んでいるけど、愛がある」と役柄を鋭く分析。「辰五郎の愛以上に歪んでいるのが、甚三郎との愛」と言うが、甚三郎の傲慢な部分とは裏腹に成宮さんには優しくリードしてもらったそう。「初共演で濃密なシーンが多かったですが、お陰様でぶつかっていけました」と語り、体当たりのラブシーンをふり返っていた。連続ドラマW「ふたがしら」は6月13日(土)22:00よりWOWOWにて放送(全5話)。(text:cinemacafe.net)
2015年04月10日