『デッドプール』シリーズ第3弾の製作が、ハリウッドで行われている全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキによって大きな影響を受けているようだ。監督のショーン・レヴィが「The Wrap」に明かした。「正式な公開日が決まっているのかさえ、わからない状況です。(2024年)5月3日に公開予定だったのは知っていますが。ストライキと長期にわたる製作中断によって、公開日が本当に危うくなっています」と説明。製作の進捗については、「映画の半分を撮り終え、編集も終わっています。私たちはどうしても早く仕事に戻って、来年公開したいと思っているんですよ」と語った。『デッドプール』第3弾の当初の公開予定日は2024年11月8日だった。しかし、今年5月に始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキをきっかけにディズニーは6月、複数の作品の公開スケジュールを変更。『デッドプール』第3弾の公開日は半年前倒しになったという経緯がある。その後7月からSAG-AFTRAもストに突入したため、多くの作品が製作中断を余儀なくされている。映画ファンは「どう考えても来年の5月公開は厳しそうだ」「もともとの公開日に変更すればいい」「ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン役で登場)にこれ以上ダイエットとワークアウトを続けさせるのは酷だよ!」などのコメントをXに寄せている。(賀来比呂美)■関連作品:デッドプール2 2018年6月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved
2023年10月18日テイラー・スウィフトのコンサートフィルム『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』が、日本を含む世界中の映画館で公開中。全米ではオープニング3日間で96,000,000ドル(約143億円)を記録(※Box Office Mojo調べ※1ドル=149円換算 10月16日付)し、コンサートフィルム映画史上No.1の週末興行成績となり、社会現象を巻き起こしている。現在世界でツアー中の「THE ERAS TOUR」は、これまでのテイラー・スウィフトの音楽活動を時代(Era)ごとに区切り、時代ごとの名曲を惜しみなく披露する、まさにテイラーの集大成ともいえる奇跡のステージ。そのツアー映像を収めたのが、本作だ。10月13日より世界中での公開が始まり、アメリカでは公開週末の興行収入が速報値で9600万ドルを超える超大ヒットを記録。コンサートフィルムとしては、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の2324万ドルや、これまでの歴代No.1の『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』の2951万ドルという初週末興行成績の記録を3倍以上も上回り大幅に更新、両作品の最終興行収入成績を、週末3日間で抜き去った(※参考:『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』約7209万ドル、『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』約7301万ドル)。日本でも、10代~30代のテイラーファンの女性を中心に劇場に来場し、コンサートグッズや定番のビーズブレスレットなど自作グッズを持参するファンが交流する姿が見られるなど、劇場は熱気で包まれた。そして、ファンからの熱い希望に応え、「発声可能上映」が10月20日(金)にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催されることが決定している。『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』は公開中。(シネマカフェ編集部)
2023年10月16日第73回ベルリン国際映画祭にて、主演ソフィア・オテロが2020年より新設された男優賞・女優賞の性別区分のない主演俳優賞を史上最年少受賞したスペイン映画『ミツバチと私』(英題:20,000 SPECIES OF BEES)が2024年1月5日(金)より公開決定。併せて、ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。夏のバカンスでフランスからスペインにやってきた家族。8歳のアイトールは、自身の性自認に戸惑い、違和感に悩み心を閉ざしていた。母はそんなアイトールを愛しながらも向き合い方に迷っている。ある日、叔母が営んでいる養蜂場でミツバチの生態を知ったアイトールは、ハチや自然と触れ合うことで心をほどき、ありのままで生きていきたいという思いを強くしていく――。本作は、第73回ベルリン国際映画祭にて主演ソフィア・オテロの驚くほど自然な演技が評価され、史上最年少の8歳にして最優秀主演俳優賞を受賞した注目作。ソフィア・オテロは、約500人の中からオーディションで選ばれた新人で、今回が映画初出演。子どもが抱える不安や心の機微を繊細に演じる様子は、『ミツバチのささやき』(73)のアナ・トレントを想起させる。手掛けたのは、数々の短編を監督し、『Chords』(原題/22)では第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された実績を持つスペイン人監督のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン。彼女の輝かしい長編デビュー作となった本作は、ベルリン国際映画祭の銀熊賞に加え、ギルド賞をW受賞。さらに、第26回マラガ・スペイン映画祭でも最優秀スペイン映画賞を受賞するなど世界各国から注目を集め、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では95%フレッシュと高い満足度を記録している。監督は、「家族との関係が、自分探しの旅にどう影響するのかを探りたかった」と語っており、トランスジェンダーの本人だけでなく、母、祖母ら3世代の視点を交え、それぞれの考えで人生を生き抜く姿を描く。スペインのバスク地方の緑豊かな美しい景色とともに、自然光のみで撮影した美しい映像も必見。今回解禁された日本版ポスターは、主人公アイトールを中心に、繊細な表情に柔らかな光が差し込む様子を捉えたもの。そして右下には、「生まれ変わったら、女の子になれるのかな?」という劇中に登場する台詞があり、性自認を巡って思い悩む心の内を告白するもの。併せて解禁となった場面写真は、ポスタービジュアルの表情とは打って変わり、ベットの上で、アイトールが穏やかな表情で微笑みながら母親を見つめるシーン。自身の心と、家族との関係性の変化に伴って移り変わっていく、アイトールの細やかな表情に注目だ。本作は第36回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門でひと足早く上映され、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督の来日も予定されている。『ミツバチと私』は2024年1月5日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年10月16日濱口竜介監督作『悪は存在しない』がロンドン映画祭で最優秀作品賞を受賞した。審査員全員一致の決定だったという。「繊細で、シネマティック、そして完全に悟った演技によって強調された、濱口監督の確信に満ちたドラマ」「家族とコミュニティ両者の抒情的な肖像画であり、土地開発の倫理についてのニュアンスを含む考察でもある」と評された。濱口監督は同映画祭のXアカウントに動画で喜びのコメントを発表。「『悪は存在しない』がロンドン映画祭で最優秀賞受賞という本当にうれしいニュースを聞いて、驚きました。ありがとうございます」と感謝を述べた。キャストやスタッフの仕事ぶりをカメラ越しで見ていて、濱口監督自身も「素晴らしい」と思っていたため、それが評価されたことに「勇気づけられる」と語った。また、前作『ドライブ・マイ・カー』の音楽を担当し、今作では音楽と共に企画・発案も担当した石橋英子氏の名前を挙げ、「彼女の音楽の存在が、この映画を完成まで導いてくれた」と説明した。『悪は存在しない』は今年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞も受賞した。日本公開は2024年GWを予定している。(賀来比呂美)
2023年10月16日解決に向けて希望が持たれていた全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが長引きそうだ。労働条件の交渉相手であるスタジオ、配信会社の代表全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と前向きな話し合いが進んでいたと見えたが、現地時間水曜日、スタジオと配信会社のトップが立ち上がって出ていき、交渉が炸裂した。とりわけ配信作品の印税をヒットに応じて払うということについて双方の開きは大きく、再びムードは険悪になっている。SAG-AFTRAのストライキは7月14日にスタートした。2ヶ月半早く始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキは、先月末に終了している。文=猿渡由紀
2023年10月13日10月23日(月) から11月1日(水) にかけて開催される第36回東京国際映画祭で上映される「Amazon Prime Video テイクワン賞」のファイナリスト作品が発表された。この賞は、国内外でオリジナル作品を製作し多様な映像作品を配信するPrime Videoの協賛を得て、東京国際映画祭が更なる才能の発掘を目指して2021年から設立。これまで商業映画の監督・脚本・プロデューサーを担当したことのない、日本在住の映画作家が制作した15分までの短編作品を対象としたもので、7月5日から9月4日までの2カ月間で143作品の応募があった。厳正なる審査の結果、ファイナリスト作品として選ばれたのは、坂本憲翔監督の『窓辺のふたり』、木口健太監督の『GIRLS BRAVO』、岡本多緒監督の『サン・アンド・ムーン』、平田雄己監督の『凛として』、ヤン・リーピン(楊礼平)監督の『Gone With The Wind』、安村栄美監督の『ビー・プリペアード』、大黒友也監督の『ゴミ屑と花(short ver.)』、ジミー・ミン・シャム監督の『TALK TO ME』の全8作品。映画祭での上映は初日の10月23日(月) 午前11時半からTOHOシネマズ シャンテで行われ、受賞結果は11月1日(水) のクロージングセレモニーで発表される。今年度の審査委員長は昨年に続き行定勲監督が務め、そのほかの審査委員は玉城ティナ(俳優)、芦澤明子(撮影監督)、森重晃(プロデューサー)、戸石紀子(Amazon スタジオプロデューサー)が務める。<イベント情報>第36回東京国際映画祭開催期間:10月23日(月)~11月1日(水)会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区公式サイト:
2023年10月12日第15回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者が5日、明らかになった。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる"いきのいい"作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。最優秀作品賞には「声に出せない思いを抱えるこどもたちが解放された光溢れる世界を映すことで、「怪物」を生み出す実社会の生きづらさを描き出した」として『怪物』、及び「少年たちは、友の危機にそれぞれの覚悟で立ち向かう。その姿は大人へと成長する逞しさを感じさせ、観る者の胸に熱く迫った」と、『雑魚どもよ、大志を抱け!』が選ばれた。最優秀男優賞には「俳優・佐藤浩市ならではの滲み出る渋さと颯爽と放つ華が、若手俳優の魅力も最大限引き出し、作品を輝かせ続けている」と評価された佐藤浩市と、「『エゴイスト』において、愛とエゴの狭間で葛藤しながらも献身的に注ぐ愛は繊細で切なく、実在感あるものとして観る者の心に刻まれた」という鈴木亮平、最優秀女優賞には「故郷への旅のなかでさまざまな人と出会い、自身の孤独な人生と向き合って、静かに奮い立つ瞬間を表現した」という菊地凛子と、「凛とした所作が美しい武家の娘であり、気っぷがよいおきゃんな娘でもある『おきく』の創出により、爽やかな青春ドラマに昇華させた」という黒木華が選出された。また最優秀新進男優賞の目黒蓮は「キャラクターを華がある演技でスクリーンに焼き付けて観る者をとりこにし、美世への想いの移ろいを繊細な感情表現で演じきった」、奥平大兼は「物語に溶け込み、役柄を的確に捉える優れたバランス感覚と素直な表現力は、映画の未来を担っていくことを予感させる」と評価を受けたほか、下記の受賞者・受賞作品がそろった。○■最優秀作品賞『怪物』(是枝裕和監督 及びスタッフ・キャスト一同)『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 及びスタッフ・キャスト一同)○■特別賞宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)○■最優秀男優賞佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛け人・藤枝梅安 2』『大名倒産』『キングダム運命の炎』『ファミリア』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』)○■最優秀女優賞菊地凛子(『658 km、陽子の旅』)黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)○■最優秀新進監督賞福永壮志監督(『山女』)金子由里奈監督(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)○■最優秀新進男優賞目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』)○■最優秀新進女優賞山田杏奈(『山女』)高石あかり ※高ははしごだか(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)
2023年10月05日「第15回 TAMA映画賞」の受賞作品及び受賞者が発表された。市民がつくる映画ファンの祭典「第33回映画祭 TAMA CINEMA FORUM」が、今年も開催される。2009年にスタートした「TAMA映画賞」は、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考、「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する。本年度、最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰する<最優秀作品賞>には、監督・是枝裕和、脚本・坂元裕二、音楽・坂本龍一のタッグによる『怪物』と、足立紳が執筆した小説「弱虫日記」(講談社文庫)を、自身で監督し映画化した『雑魚どもよ、大志を抱け!』が決定。『怪物』実行委員会は、今回の受賞理由について「声に出せない思いを抱えるこどもたちが解放された光溢れる世界を映すことで、『怪物』を生み出す実社会の生きづらさを描き出した」(『怪物』)、「少年たちは、友の危機にそれぞれの覚悟で立ち向かう。その姿は大人へと成長する逞しさを感じさせ、観る者の胸に熱く迫った」(『雑魚どもよ、大志を抱け!』)と説明している。『雑魚どもよ、大志を抱け!』<最優秀男優・女優賞>は、佐藤浩市(『春に散る』『せかいのおきく』『仕掛人・藤枝梅安2』『大名倒産』『キングダム 運命の炎』『ファミリア』『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』)、鈴木亮平(『エゴイスト』『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』)、菊地凛子(『658km、陽子の旅』)、黒木華(『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』)が受賞。『658km、陽子の旅』<最優秀新進男優・女優賞>には、「Snow Man」の目黒蓮(『わたしの幸せな結婚』『月の満ち欠け』)、奥平大兼(『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『あつい胸さわぎ』『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』)、山田杏奈(『山女』)、高石あかり(『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』『Single8』『セフレの品格 決意』『わたしの幸せな結婚』ほか)が決定した。『山女』なお、チケットは10月28日(土)よりPassMarketほかにて発売予定だ。「第15回TAMA映画賞」各賞受賞一覧●最優秀作品賞『怪物』『雑魚どもよ、大志を抱け!』●特別賞宮崎駿監督及びスタッフ・キャスト一同上田誠、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同●最優秀男優賞佐藤浩市鈴木亮平●最優秀女優賞菊地凛子黒木華●最優秀新進監督賞福永壮志監督金子由里奈監督●最優秀新進男優賞目黒蓮奥平大兼●最優秀新進女優賞山田杏奈高石あかり「TAMA映画賞授賞式」は11月25日(土)パルテノン多摩大ホールにて開催。※11月11日(土)~26日(日)各種上映プログラム 東京都多摩市内3会場(休映日あり)(シネマカフェ編集部)■関連作品:雑魚どもよ、大志を抱け! 2023年3月24日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©2022「雑魚どもよ、大志を抱け!」製作委員会怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会
2023年10月05日濱口竜介監督の『悪は存在しない』が、アジア・パシフィック映画賞に最多ノミネーションを果たした。作品、監督、脚本、撮影の4部門。作品部門には、やはり日本映画であるヴィム・ベンダース監督の『PERFECT DAYS』も候補入りしている。この部門のほかの候補作は、ジョージア、フランス、ブルガリア合作の『Citizen Saint』、カザフスタンの『Qas』、中国の『Snow Leopard』。また、若者映画部門には是枝裕和監督の『怪物』、アニメーション映画部門には『すずめの戸締まり』と『THE FIRST SLAM DUNK』、演技部門には『PERFECT DAYS』の役所広司、『Last Shadow at First Light』の白田迪巴耶が候補入りした。授賞式は11月3日。『悪は存在しない』2024年公開予定(C)2023 NEOPA / Fictive文=猿渡由紀
2023年10月04日2024年に開催される第96回アカデミー賞の国際長編映画賞に、フィリピンからゲイのアニメーターを主人公としたアニメ映画『Iti Mapukpukaw(原題)/The Missing(英題)』が出品されたことが分かった。フィリピン映画開発評議会がSNSで発表した。監督・脚本はカール・ジョセフ・パパ。長編アニメ映画を手掛けたのは初めてだという。主人公のエリックはフィリピンでアニメーターとして働きながら、ごく普通の生活を送っていた。マンションに住み、高収入の仕事に就き、好きな男性もいる。唯一目立つことといえば、「口がない」ということだけだった。ある日エリックは母からの電話で、音沙汰のないおじの様子を確認してきてほしいと頼まれる。おじがすでに亡くなっていることを知ったエリックは、なぜだか知っているような気がする異星人と出会う。異星人はエリックの記憶と感情を紐解く手助けをしてくれるのだった。エリックの声は『Seasons: めぐりゆく季節の中で』のカルロ・アキノ、母ロザリンダは、今年『逆転のトライアングル』でゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネートされたドリー・デ・レオンが担当。なお、日本からは同部門にヴィム・ヴェンダース監督×役所広司主演『PERFECT DAYS』が出品されている。(賀来比呂美)
2023年10月02日7月14日からストライキをしている全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)と、労働条件交渉相手の全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)が、現地時間来週月曜日に話し合いを再開することになった。交渉が炸裂した7月13日以来、初めての話し合いとなる。AMPTPは、現地時間先週日曜、全米脚本家組合(WGA)と新たな契約条件で合意をし、水曜日をもってWGAのストライキは終わった。この勢いに乗ってSAG-AFTRAとも合意を取り付け、映画、テレビの製作、宣伝活動を再開したいところだ。このダブルストライキがロサンゼルスの経済に及ぼした損害は50億ドルにも及ぶと見られている。文=猿渡由紀
2023年09月29日5月2日に始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキが、現地時間27日0時をもって、正式に終了した。24日にWGAの交渉リーダーと全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)の間でなされた合意について、26日にWGAの役員らが投票を行ったところ、全会一致で承認が出たことを受けてのもの。近々、全組合員による投票も行われるが、それを待たずして、脚本家は仕事に戻ることができる。ストライキが始まってすぐに製作が中止になった深夜のトーク番組などは、ただちに脚本家を呼び戻して再開準備に入る模様だ。ただし、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)とAMPTPの話し合いは断絶したまま。映画やドラマの撮影は、こちらのストライキが終わるまで始められない。文=猿渡由紀
2023年09月28日5月2日から続いている全米脚本家組合(WGA)のストライキが、終了間近となった。現地時間9月24日、メジャースタジオと配信会社を代表する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)とWGAが、契約条件で合意したのだ。詳しい内容は、現地時間火曜日に組合の委員会と役員の投票が終わった後に組合員に知らされる。その後、全組合員の投票を得て、正式にストライキは終了となる。スタジオや配信会社のオフィスの前で行われてきたデモ行進は、ただちに中止となるが、まだストライキを続けている全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)を支援し、彼らのプラカードを持ってデモに参加することは奨励されている。全組合員による投票が終わるまでにも、WGAのトップは組合員に仕事再開を許可する見込みだが、その通知があるまでは仕事に戻ることはできない。次はSAG-AFTRAとAMPTPの話し合いの再開が待たれる。文=猿渡由紀
2023年09月26日今年5月に始まった全米脚本家組合(WGA)のストライキに、少し希望が見えた。労働条件の交渉相手である全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)とは、長い間話し合いすらしない状態が続いていたが、西海岸時間20日に行われたミーティングにはディズニー、ワーナー、ユニバーサル、Netflixのトップが自ら出席し、かなりの進展が見られたというのである。話し合いは明日も続けられる。明日のミーティングにも、これらスタジオのトップの何人かは出席する予定とのことだ。WGAと、7月に始まった全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のダブルストライキのせいで、ハリウッドでは映画やテレビの撮影が止まったまま。秋に始まるメジャーネットワークの新シーズンや、映画の公開スケジュールに影響が出ている。このストライキがロサンゼルスの経済に与える打撃は大きく、一刻も早く、フェアな条件で合意が成立することが待たれる。文=猿渡由紀
2023年09月21日積水ハウス株式会社は、本日発表の「第17回キッズデザイン賞」において3作品がそれぞれこども政策担当大臣賞・キッズデザイン協議会会長賞・BEYOND COVID-19特別賞を受賞しました。キッズデザイン賞は、キッズデザイン協議会主催の子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度で、大人が使うものでも子どもに配慮されたものやサービスはすべて対象とし、普及を後押しすることで子どもを産み育てやすい社会づくりを目指しています。キッズデザイン賞受賞作品258点の中から、優秀作品へノミネートされた37作品が最優秀賞、優秀賞、奨励賞、特別賞として選出され、当社は『「一つ屋根の下で一緒に過ごす!」フジ虎ノ門こどもセンター』がこども政策担当大臣賞に、『~子育て世代へ LIFE IDEASを盛り込んだ住まい提案~ 積水ハウス ノイエ』がキッズデザイン協議会会長賞に、そして『分譲マンションにおける子育て支援サービスの提案』がBEYOND COVID-19特別賞に選出されました。キッズ・ファースト企業である積水ハウスは、2007 年の設立第1回から17年連続、累計116作品を受賞しています。受賞作品表1: 積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする“というグローバルビジョンのもと、子どもたちや高齢者を含む誰もが安全で使いやすい「スマート ユニバーサルデザイン」の推進など、子どもや子育てに関わる社会課題解決に取り組み、人生100年時代における「幸せ住まい」を追求し続けてまいります。キッズデザイン賞 公式サイト: キッズデザイン協議会HP: 受賞作品詳細■優秀賞 こども政策担当大臣賞:「一つ屋根の下で一緒に過ごす!」フジ虎ノ門こどもセンター受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 地域・社会部門【作品説明】:一つ屋根の下で、ケアの必要な健常児とチャレンジドが一緒に過ごすこどもセンターを医療法人が運営。こどもたちが安心して学び生きるためのコミュニケーションを実践しています。小児難病や発達障がい、不登校児を支援、放課後児童クラブを併設、保護者様の子育て不安解消等、”すべてはこども達のために”をテーマに、地域の持続可能な暮らしを支える場を目指します。公式サイト: 【受賞理由】:「未就学から高校生まで、多様な立場の多世代交流を促す空間とプログラムが相互の学びの場になる。インクルーシブデザインが意味する、多様な存在を認め合い、交流と気づきを得るという考え方はキッズデザインでも非常に重要な視点であり、本賞にふさわしい内容である。」■奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞:~子育て世代へ LIFE IDEASを盛り込んだ住まい提案~ 積水ハウス ノイエ受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 個人・家庭部門【作品説明】:共働きを中心とした子育て世代の家族に向け、積水ハウス ノイエでは、家事を効率化しつつ子どもと一緒に過ごす時間を楽しめるアイデアやデザインが盛り込まれた『パッケージプラン』を提案しています。吟味を重ねてつくり上げた理想のプランの中から最適な住まいを提案し、家族みんなが楽しく共に成長できる住まいを提供していきます。公式サイト: 【受賞理由】:「収納・家事・食事・育児の4つのテーマについてリサーチ、アンケートを実施し、データに基づいたプランをパッケージ化した子育て支援住宅の提案である。それぞれの間取りや設備、空間のアイデアは子育て層の悩みやニーズを丹念に拾い、解決策を提示したもので現実的だ。」■特別賞 BEYOND COVID-19特別賞:分譲マンションにおける子育て支援サービスの提案受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門【作品説明】:これまでの分譲マンションにはない子育て支援サービス(設備)を提案します。1.共用エントランスに自動水栓・ソープディスペンサを備えた手洗いを設置。2.住戸玄関ポーチにネットスーパー用受取りボックスを設置。住戸内ではなく共用部に設置することで居住者共通のメリットとなります。今後子育て支援サービスとしてシリーズ化が可能です。【受賞理由】:大規模分譲マンションでありながら共用部に手洗い場や宅配ボックスなどを備え、インフラに新たな提案を行った。コロナ禍を経て日常の衛生に関するリテラシーも変化した。分譲マンションも個別住戸の集合体からコミュニティとしての機能が必要である。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月20日ヨルゴス・ランティモス監督最新作『哀れなるものたち』が、第80回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞である金獅子賞を受賞した。現地時間9月9日の受賞式では、世界最高峰の才能を集めて構築された色彩感溢れる壮麗かつ大胆な美術、音楽、衣装、撮影や、奇想天外でありながらもカタルシス溢れるエンディングに導く脚本、そして個性豊かな俳優陣の才能を最大限に引き出した唯一無二の作品世界に惜しみない賛辞が集まった。さらに、プロデューサーとしても参加した盟友エマ・ストーンのキャリアベストの演技も大きく後押しし、ランティモス監督としては、前作『女王陛下のお気に入り』での審査員大賞受賞に続き、念願の最高賞受賞となった。名誉ある受賞を受けて、ランティモス監督はスピーチにて「私のチームは、ここまでくるのに、全てにおいて助けてくれました。(ストの影響で)素晴らしいキャストのみなさんと一緒にここで祝うことができませんが、彼らがすぐに参加できるようになることを祈っています。何よりも、主人公であり信じられない人物であるベラ・バクスターは、エマ・ストーン無しには存在しませんでした。エマはもう一人の信じられない人物です。この映画は彼女の映画です。カメラの前にも、カメラの裏にも彼女は居てくれました。本当にありがとうございます。みなさん、ありがとう」と主演のエマ・ストーン含めキャストとスタッフへ向けて感謝の気持ちを表した。原作は、日本でも2008年に翻訳された、スコットランドの作家アラスター・グレイ著の傑作ゴシック小説『哀れなるものたち』(早川書房刊)。物語は、自ら命を絶った不幸な若き女性ベラが、天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手によって奇跡的に蘇生することから始まる。蘇ったベラは“世界を自分の目で見たい”という強い欲望に導かれ、放蕩者の弁護士ダンカンの誘いに乗り、壮大な大陸横断の冒険の旅へ出る。貪欲に世界を吸収していくベラは平等と自由を知り、時代の偏見から解き放たれていくのだった──。主人公ベラを演じるのは『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞を受賞、ランティモス監督作品『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞助演女優賞ノミネートのエマ・ストーン。今回はプロデューサーとしても名を連ねるエマ・ストーンがヒロインを熱演。そして、天才外科医のゴッドウィン・バクスターを名優ウィレム・デフォー、ベラを誘惑し大陸横断の旅に連れ出すダンカンを『アベンジャーズ』シリーズのハルク役で知られるマーク・ラファロが演じる。併せて、本作の日本劇場公開がオリジナル無修正R18+バージョンでの上映となるほか、公開日が2024年1月26日(金) に決定した。『哀れなるものたち』予告編<作品情報>『哀れなるものたち』2024年1月26日(金) 公開監督:ヨルゴス・ランティモス出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフ ほか公式サイト: 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2023年09月12日オスカーの特別賞に当たるガバナーズ賞の授賞式が、11月18日から来年1月9日に延期されることになった。映画俳優組合と脚本家組合のストライキが理由。今年は、アンジェラ・バセット、メル・ブルックス、キャロル・リトルトンが名誉賞を受賞する。ガバナーズ賞はテレビ中継されず、特定の映画の宣伝につながるものでもないが、席はひとり7,500ドルと高額で、基本的にはスタジオがテーブルを買い、本番のオスカーに入ってきそうな作品にかかわった俳優、脚本家、監督などを招待する。それは、メジャースタジオと配信会社に対して俳優と脚本家がストライキをしている中では無理がある。しかし、現在も両者の話し合いは進んでおらず、1月にストライキが終わっているのかどうかも不明だ。文=猿渡由紀
2023年09月08日ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』が、第96回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品として出品されることが分かった。日本映画製作者連盟が発表した。7名の選考員が、8作品の中から選出したという。近年、同部門に出品された作品には早川千絵監督の『PLAN 75』、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』、河瀬直美監督の『朝が来る』などがある。海外メディアも報じており、「The Hollywood Reporter」は「日本からこの部門に、日本人以外の監督が手掛けた作品が出品されるのは初めて」と報じている。ヴェンダース監督は『パリ、テキサス』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などの名作を世に送り出してきた映画界の巨匠。主演の役所広司は今年のカンヌ国際映画祭で、日本人俳優としては『誰も知らない』の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞する快挙を成し遂げた。また、本作は同映画祭でエキュメニカル賞も受賞した。監督はドイツ人だがキャストは日本人で言語も日本語。役所さんのほか、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、三浦友和、田中泯が出演している。『PERFECT DAYS』は、10月23日から11月1日に開催される第36回東京国際映画祭のオープニング作品に決定しており、ヴェンダース監督がコンペティション部門の審査員長を務めることも明らかになっている。日本公開は12月22日。(賀来比呂美)■関連作品:PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2023年09月05日8月30日夜(現地時間)、第80回ヴェネチア国際映画祭が開幕した。全米脚本家組合(WGA)と全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキを行っている影響で、当初オープニング作品に決定していたルカ・グァダニーノ監督×ゼンデイヤ主演映画『Challengers(原題)』は公開日を延期したため取り下げに。代わりにエドアルド・デ・アンジェリス監督の『Comandante(原題)』が上映された。審査員長を務めるデイミアン・チャゼル監督は、レッドカーペットでは正装だったが、記者会見には「Writers Guild on Strike!(脚本家組合はストライキ中!)」というロゴが入ったTシャツを着用して臨み、脚本家や俳優たちを支持する姿勢を見せた。リリアーナ・カヴァーニに栄誉金獅子賞を授与するセレモニーも行われた。トロフィーを渡したのは、1975年のカヴァーニ作『愛の嵐』でルチアを演じたシャーロット・ランプリング。客席から盛大なスタンディングオベーションを受け、舞台の上のカヴァーニは親指を立てるサムズアップで応じた。ストライキ中は俳優による作品のプロモーション活動が制限されているため、今年のヴェネチア国際映画祭に出席できる俳優は少ないが、主催者は『Ferrari(原題)』のアダム・ドライバー、『The Promised Land(原題)』のマッツ・ミケルセン、『Priscilla(原題)』でプリシラ&エルヴィス・プレスリーを演じているケイリー・スピーニー&ジェイコブ・エロルディらが来場すると発表。これらの作品は、ストライキの交渉相手である全米映画テレビ制作者協会が関与していないインディ作品であることから、SAG-AFTRAより宣伝活動が許可されている。(賀来比呂美)
2023年08月31日今年で、俳優デビュー14年。名だたる映画賞を総なめにし、数々のヒット作を生み出してきた菅田将暉さん。名実ともに日本のトップ俳優となった今も、真摯に作品と向き合い、自らのペースを崩さずに歩みを続ける彼の本音と、これからのお話をじっくり伺いました。菅田将暉日本のエンタメ界を牽引する唯一無二の俳優。『仮面ライダー』シリーズで役者デビュー後、映画『共喰い』での高い演技力が注目を集める。その後は映画、ドラマで様々なジャンルの作品に精力的に出演し、役者としてはもちろん、彼の発する言葉やファッションは同世代に大きな影響を与える。人気ドラマを映画化した最新作、映画『ミステリと言う勿れ』は9月15日に公開。――原作はもちろん、ドラマも大好評。『ミステリと言う勿れ』の映画化はまさに待望でした。菅田将暉さん演じる久能整(くのう・ととのう)は、ご自身にとってはどんな存在ですか。すごく愛情深いです。ドラマが終わっても整くんは僕の中にいて、映画の撮影に入った時には、それこそもう“整って”いて。ドラマ制作時に作った引き出しが、いつでも開けられる状態でした。――完成作を観た感想は?この作品は、被害者側だけではなく加害者側にもちゃんとスポットが当たるところが他の事件ものとはちょっと違うところ。そんな特色がしっかり描かれつつ、密室での会話劇や、よう喋るな、という整くんの個性は際立っていたと思います。とはいえ撮影中は大変でした。伏線も多いし、言葉のチョイスも独特なので、集中してセリフをひとつひとつ残していく感覚で。頭を使うので、演じている時はいっぱいいっぱいでしたね。だからこそ、完成作を観て安心したし、大変だったことも面白かったな、って思えました。――この作品の魅力は何でしょう。やっぱり、雑談というコミュニケーション。人と喋る機会が減ってしまった時期を経て、面倒くさいぐらい喋ってくれる整くんを見るとなんとなく安心します。議論のシーンでも、正解を押し付けるわけでも、感情論で語るわけでもなく、淡々と喋り続けるスタイルも好きなところです。――原作の2~4巻に掲載された通称“広島編”を描いた今作ですが、どんな思い入れがありますか。まず、ドラマを撮影していた時はコロナ禍で大規模な地方ロケができなかったんです。だから広島ロケでようやく“キレイな画”がたくさん撮れて満足しています。原作の順番でいくと、ドラマの1話で放送した取調室での会話劇があって、そのあとにこの広島編になるので、僕としては広島編をやらないと次に進めない感じがしていたんですよね。ここで整くんの人物がしっかり描かれるので、ドラマを見ていなかった人でも入りやすいと思います。僕としても、整くんの面倒くさいところやポンコツぶり、可愛いところ含め、一人行動が好きだったり、一人でボソボソ喋ったり悩んだりする姿をやっと演じられたという気分です。――特にこだわったシーンは?監督と議論を重ねて、セリフを原作者の田村(由美)先生に調整していただいた部分もあります。例えば、原作では「女の幸せ」というセリフや“女”とつく諺がバーッと並ぶんですが、漫画で読むぶんには一つの例えに捉えられても、映像でセリフになるとすごく強く感じてしまう。特に、いつでも中立的な意見を持つ整くんの口から発せられると、違和感があって。整くんは、男でも女でもない、子供目線で喋ることを徹底していましたから。ジェンダーや政治、教育などの社会問題について、意見ではなくアイデアとして提案するのが整くんなので、そういうシーンは特に繊細に進めたのですが、それは映画に限らず、ドラマ制作時からそうでした。――以前ラジオで“菅田将暉愛”を語ったことが話題になった、松下洸平さんも出演されていますね。そういった話をしてもらったというのは、聞いていました(笑)。本格的な共演は初でしたが、松下さんのクランクイン時、ご自身の音楽活動の方のツアー中だったようで、最初のセリフを聞いた時に、「あ、歌う人の発声だ」と思ったのを覚えていて。めっちゃいい声でした。それと、僕はライブをする時はお芝居の仕事を入れられないので、「よく両方できますね」なんて話もして。明るくて話も面白いから、松下さんが現場に来られると、現場の温度が1~2°C上がったように感じるんですよね。――後輩の萩原利久さんも、出演されています。以前、ananのインタビューで萩原さんは、菅田さんに憧れて同じ事務所に移籍したとおっしゃっていました。萩原さんを10代から見てきて、今作で進化や成長を感じましたか?利久は、僕の大事な場面によくいるんです。2014年に『ロミオとジュリエット』という舞台を蜷川(幸雄)組でやった時からそう。まだ高校生で、出演者でもないのに「後輩の特権だ」と舞台稽古から毎日観に来ていて。その熱量も興味深かったし、『帝一の國』や『あゝ、荒野』『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』など、特に僕がギアを上げて臨んでいた現場では大体、利久も一緒で。僕が暴れ回った跡や取りこぼしたものを、回収してくれるような安心感がありました。でも、もうすっかり大人です。今回の撮影で驚いたのは、現場の待ち時間で共演者とのトークを利久が回していたこと。それまであまり話の輪の中心にいるのを見たことがなかったのに、“MC利久”として現場を温めてくれました(笑)。――素晴らしいですね(笑)。お芝居については、もう昔から達者なんで、別に後輩とも思っていなくて。この現場の最初の頃、直前まで撮影していた主演ドラマの役の癖とか残り香みたいなものを感じたんです。その時に、自分を変えてまでも挑まなければならない現場だったんだろうな、頑張ってるな、と感動しました。何気ない日常の中でふと役者を感じる。――今年30歳になり、役者デビューして14年に。今どんな“段階”にいると思いますか?年齢的には30歳は一つの区切りになるかもしれませんが、個人的には数年前に一区切りついた感じ。『コントが始まる』や『鎌倉殿の13人』を経て、『百花』を終えたぐらいかな。もともとデビューして10年経ったあたりを、一区切りにしようと思っていたんです。――その理由は?20代は修業じゃないけど、とにかくがむしゃらにやろうって思っていて、それが終わったら…って感じかな。例えばゲームって、四天王を攻略するまではとにかくやり続けるじゃないですか。レベル上げしてないで寝ろよって思うんだけど、やっちゃう(笑)。で、四天王を倒したらまだ次はあるんだけど、一回寝て、リセットしようみたいな。それに似ています。実際はコロナ禍になったことで、少し計画が狂って。そんな時に『ミステリと言う勿れ』のドラマに出合って、よし、もう一回頑張ってみるか、って気合を入れ直しました。だから転機になった作品でもあるんです。――一区切りしたところで得たものはありますか?難しいけど…役者が“職業”にはなりました。(「au三太郎シリーズ」で)鬼ちゃんをやり始めたり、『民王』『溺れるナイフ』に出演した22歳あたりからお芝居を面白いと思うようになりましたが、10代の頃からそれまでは、役者で食べていくとかそういう意識はなかったから。もちろん、仕事があることほど幸せなことはないとは思ってはきましたけど。――役者さんって、就職活動みたいな区切りがないですもんね。そうなんですよ。でも“菅田将暉”という芸名で生きていくんだと、腹を決めた感じはします。――ドラマ、映画、CMと出演し続けている様子を見て、勝手なイメージですが、もらった役や作品を淡々と演じ切る印象があって。そうそう、合ってますよ。基本的に役者は素材なので、求められてなんぼだったりもするから。その中にも、この監督や脚本家とやりたいっていうのもありますけど。――ご自身で、役者としての成長を感じることはありますか?細かいことですが、『百花』の時に、ワンカットで泣いたあとに吐くシーンがあって。吐瀉物を口に含んだ状態で泣いてから吐くんですが、人間の生理現象として何か1個我慢をすると他も止まるのか、涙も止まってしまうんです。20回以上やってやっとできましたけど、神経の伝達で感情を分けることを知ったりもしました。――役者としての概念とかではなく、すごく技術的なことですね。笑えるか泣けるかも大事ですけど、まず、カメラに映れるかどうか。そういう単純な運動神経なんかも、すごく必要なんです。――日常生活で、自分は役者だなと思うことはありますか?実は今、やっと少しゆっくりしているんですが、昼間スーパーに行くとお母さんたちばかりで。その中にいる僕は「何をやってるかわからないおじさん」だと思われているのかもしれない(笑)。お母さんたちがトマトに手を伸ばす中に、僕の毛の生えた腕があったりして。でも役者だからそうやって昼間も休めたりするから、そういう何気ない時にふと、役者を感じているかもしれません。『ミステリと言う勿れ』©田村由美/小学館©2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社すだ・まさき1993年2月21日生まれ、大阪府出身。公開中の劇場アニメ『君たちはどう生きるか』に、声優として出演。また、出演映画『笑いのカイブツ』は2024年1月5日公開予定。フリルブラウス¥82,500(BOURRIENNE PARIS×GODARD HABERDASHERY/GODARD HABERDASHERY)※『anan』2023年8月30日号より。写真・野田若葉スタイリスト・猪塚慶太ヘア&メイク・AZUMA取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年08月25日全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)によるストライキの影響を受け、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『デューン 砂の惑星PART2』の公開日が11月3日から2024年3月15日に延期となった。「People」誌などが報じた。本作は、2021年10月に公開された『デューン 砂の惑星PART1』の続編。メインキャストのティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリンらが続投、新たにオースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥらが加わる。撮影は2022年12月に終了しているが、ストライキ中はキャストのプロモーション活動に支障があり、公開を先送りしたとみられる。同作の公開日まで毎日カウントダウンを行い、ファン同士の交流の場となっているXのアカウント「Dune: Part2 Countdown」は、この報道を受け、前日まで「公開まであと72日」だったカウントダウンを本日「公開まであと204日」とポストした。この投稿に「もう少しだったのに!」「今日一番苦痛なツイート(ポスト)」「すごくうろたえている。泣きそうだ」と悲しみの声が寄せられている。同作と同じワーナー・ブラザースのほかの作品も公開日が変更になった。『Godzilla x Kong: The New Empire(原題)』は2024年3月15日から同年4月12日へ、アニメ映画の『Lord of the Rings: The War of the Rohirrim(原題)』は2024年4月12日から同年12月13日となる。(賀来比呂美)
2023年08月25日グレタ・ガーウィグ監督による映画『バービー』が、アメリカ現地時間8月23日の時点で全米累計興行収入5.75億ドル(約840億円)を突破し、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(5.74億ドル)を超えて、今年公開作NO.1ヒットに。併せて、ケンたちの本編シーンの一部が解禁された。全米累計興行収入は、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が138日でこの数字となっているが、本作は公開からわずか34日での達成となっており、驚異的なペースであることがうかがえる(※数字は全てBoxOfficeMojo 参考)。また、日本での公開2週目となった週末の興行成績は、新作が公開される中、先週に続いてTOP10内にランクイン。首都圏及び大阪・福岡などの地域では先週対比100%以上の劇場が続出する事態に。全国の約50劇場で土日いずれかの興行収入がアップし、口コミ効果によりトレンドに敏感な若年層の支持を集め、興行成績は順調に推移。公開日以降、タレントや有名人も続々鑑賞し、ピンクコーデで劇場につめかけている。SNSでは主演のマーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリングの演技を称賛する声に加え、「想像を超える面白さ!」「まさかバービーで涙するとは…」「文句なしのエンタメ作品!」など、事前の想像を超えていく賞賛の声が続々。そして「ケン同士のケンカシーンの力の入れ具合は笑った」「ケン役のライアン・ゴズリングとケン役のシム・リウのバトルはサイコーだね」「めちゃくちゃ楽しくてケンが出てくるたびに笑ってしまった」と、この2人を絶賛する声も多数挙がっており、今回、おしゃれで人気者のバービー(マーゴット・ロビー)をめぐりケン(ライアン・ゴズリング)とケン(シム・リウ)があわやケンカ寸前!?という、緊張感と共に笑いがこみあげてくるコミカルなシーンの本編映像が解禁。愛しのバービー(マーゴット)の気を引こうと、サーフボード片手に勢いよく海へ駆け出すケン(ライアン)だったが、建物も食べ物もプラスチックでできているバービーランドではもちろん波もプラスチックのため、盛大にぶつかり吹っ飛ばされて倒れてしまう――。解禁されたのは、その様子を見たライバルのケン(シム・リウ)が「ビーチで情けないな」と嘲笑ったことで、闘争心に火がついたケン(ライアン)とケン同士のケンカが勃発しそうなシーンだ。「ケンとケンでケンカしないで!」とあきれた表情のバービー(マーゴット)に、争いを不安そうに見つめるそのほかのバービーとケンたち。バービーランドの男性で唯一ケンではないアラン(マイケル・セラ)も為すすべなく立ち尽くす…というシュールな光景が印象的な場面。パラソルや砂浜まで見渡す限りピンク尽くしのバービーランドの造形美も必見。ちなみに、海でサーフィンに興じようとするケン(ライアン)だが、彼の仕事は自称“ビーチ”。サーファーでもライフガードでもなく“ビーチ”だ。メガホンを取ったグレタ・ガーウィグ監督は、謎の仕事“ビーチ”について「誰も知らないんです」とコメント。実際に演じるライアンも「ケンの一番の悲劇は“ビーチというものが何か分からなかったことだ」と答えている。そんなケンにも、バービーと共に人間世界を訪れることで大きな変化が訪れていく。『バービー』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月25日現地時間5月2日からストライキをしている全米脚本家組合(WGA)が、先週金曜日から全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と話し合いを始めている。ようやくまた交渉のテーブルについただけでも進歩ながら、両者の間にはまだ大きな開きがある。しかし、複数の項目のうちにはお互い妥協できそうなものもあり、そこを先に解決して弾みをつけたい様子だ。両者は現地時間明日金曜日にもまた話し合いを持つ。7月14日からストライキをしている全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)とAMPTPの話し合いはまだ止まったままだ。しかし、WGAとSAGが求めていることには共通する部分もあり、WGAが解決を見出せれば、SAGにも多少希望が見えてきそうだ。文=猿渡由紀
2023年08月18日アニメ作家、塚原重義が原作・脚本・監督を務める劇場長編アニメーション『クラユカバ』が、第27回ファンタジア国際映画祭にて、長編アニメーション部門の観客賞・金賞を受賞した。探偵業を営む荘太郎に舞い込んだのは、自身の暮らす扇町を騒がす奇怪な集団失踪事件の解明。目撃者はいない。目的も分からない。しかし、被害者に共通したのは現場に残された“不気味な轍”…手がかりを求めて訪れたのは、奈落に巣食う地下迷宮“クラガリ”。そこに、現れた銀髪の少女との出会いをキッカケに事態は大きく動き出す。2018年・2020年にかけて実施した2回のクラウドファンディング企画にて累計1,570万364円の支援を集めた本作は、探偵業を営む荘太郎が、町で起こる奇怪な“集団失踪事件”の解明に挑む姿が描かれた痛快探偵活劇。荘太郎を演じるのは令和4年度花形演芸大賞・大賞を受賞し、“最もチケットが取れない講談師”と言われる六代目神田伯山。監督を務めた塚原重義は、2002年頃よりアニメーションの自主制作を始め、近年はオリジナルの短編作品を発表しつつ、「SEKAI NO OWARI」ライブのステージデザイン協力など、映像以外の世界観構築も手掛けている。本作が初の長編アニメーション監督作品となり、事件の真相はもちろん、塚原監督が作り出すノスタルジーを感じるフィルムも必見だ。ファンタジア国際映画祭はカナダ・モントリオールで1996年から開催されている北米最大のジャンル映画祭。ジャンル映画の中でも特にアジア映画に強みを発揮しており、なかでもアニメーション部門は、日本の名監督であった、故・今敏の名前から由来してグランプリが今敏賞と名付けられていることでも知られている。なお本年の長編アニメーション部門には『THE FIRST SLAM DUNK』(原作・監督・脚本:井上雄彦)、『SAND LAND』(原作:鳥山明)など、日本でも話題を集めた作品が選出されている。観客賞は、映画祭参加者からの投票により決定される賞で、本作は映画祭開催中2回の上映が行われ、各回ともに満席となっていた。上映後に行われた塚原監督登壇のトークセッションでは、観客から多くの歓声が上がった。<塚原重義監督コメント>本作がワールドプレミアの場でこのような素晴らしい賞をいただけたこと、そして何より文化圏の異なる地の方々に楽しんでいただけたことが大変光栄です。これを今後の糧としていきたいです。本作は現在、国内上映に向けて進行中。今後の展開にも注目だ。(シネマカフェ編集部)
2023年08月16日『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』などを監督したヨアヒム・ローニングが、ストライキをしている全米脚本家組合(WGA)、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)、彼らの労働条件交渉相手である全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)に対し、『話し合いをスピードアップして。合意が出るまでテーブルを立たないで』と、インスタグラムを通じて懇願した。彼の次回作『Tron: Ares』は今週撮影開始の予定だったが、ストライキのために中止されたとのこと。そのせいで150人以上の人々がレイオフされたとローニングは述べる。WGAは5月2日から、SAG-AFTRAは7月14日にストライキを開始。だが、先週末からWGAはAMPTPとの話し合いを再開し、多少の希望が見えてきている。文=猿渡由紀
2023年08月16日5月2日からストライキをしている全米脚本家組合(WGA)が、金曜日に全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と話し合いのテーブルに着くことがわかった。AMPTPから申し出があったもの。ストライキに入る前に交渉が膠着して以来、両者は一度も話し合いをしてこなかった。ストライキが3か月目に入った今、ようやく少し希望が見えてきた形だ。ただし、両者の間には、配信のレジデュアル(再使用料または印税)、AIの件などで大きな開きがある。また、脚本家は、ひとつの作品に最低何人の脚本家を最低どれだけの期間雇わねばならないというルールを確立したがっているが、AMPTPはこの件にまるで取り合っていない。建設的な話し合いがなされるか注目される。文=猿渡由紀
2023年08月03日ブラッドリー・クーパーが、今月末に開催されるヴェネツィア映画祭を欠席すると決めたようだ。全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキをしていることを受けてのもの。クーパーが監督と主演を兼任する『Maestro』はNetflixで配信が決まっている。俳優としてではなく、監督として出席することは可能ではあったが、ストライキをする同僚へ結託する姿勢を示したものだ。オープニング作品だったルカ・グァダニーノ監督の『Challengers』が上映を取り消すなど、今年のヴェネツィア映画祭への影響はほかにも出ている。映画祭はアワードシーズンにおいて重要な位置付けで、ストライキが長引けばオスカーへの影響も心配される。文=猿渡由紀
2023年08月01日全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)と全米脚本家組合(WGA)がストライキを実施していることを受け、9月18日に開催予定だった第75回エミー賞授賞式が延期となるようだ。関係者が「Variety」に明かした。新たな日程は未定だが、両組合と全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)との交渉が合意に至るまでとのこと。主催のテレビ・アカデミーは今年11月、生中継を行うFOXは来年1月に希望している模様。テレビ・アカデミー会員による第2期投票は当初の予定通りに進められており、8月17日より候補者・候補作品への投票が行われる。今回のエミー賞のノミネーションは7月12日、SAG-AFTRAがストライキに入る直前に発表された。最多27ノミネートを獲得したのは「メディア王~華麗なる一族~(Succession)」。続いて「THE LAST OF US 」が24、「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」が23ノミネートと、HBOの作品がトップ3を独占。グラミー賞、オスカー、トニー賞の受賞歴があり、「バラエティ・スペシャル(ライブ)」部門の候補に挙がっているエルトン・ジョンにも注目が集まる。受賞すれば史上19人目のEGOTを達成する。エミー賞が延期されるのは、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件以来。同年は開催日が9月16日から11月4日にされた。(賀来比呂美)
2023年07月31日8月30日から9月9日まで開催される第80回ヴェネチア国際映画祭のラインアップが発表された。ハリウッドで全米脚本家組合と全米映画俳優組合が63年ぶりに異例の「ダブル・ストライキ」を行っている現在。同映画祭のアートディレクターのアルベルト・バルベラは「幸いにも俳優のストライキによる(映画祭への)影響は、ルカ・グァダニーノ監督の『Challengers』を失いましたが最小限でした」とコメントした。『Challengers』はオープニング作品に選出されていたが、ストライキによって上映が取り下げられ、エドアルド・デ・アンジェリス監督の『Comandante』が代わりに選ばれた。「もちろん、大きなスタジオやストリーミング配信サービスの作品に出演しているSAGメンバーの俳優は参加できないと思いますが、インディペンデント系の作品に出演している俳優たちはヴェネチアに来てくれるといいなぁと期待しているんです」とも。コンペティション部門のラインアップは以下の通り。『Comandante』エドアルド・デ・アンジェリス(イタリア)※オープニング作品『The Promised Land』ニコライ・アーセル(デンマーク、ドイツ、スウェーデン)『Dogman』リュック・ベッソン(フランス)『Le Bête』ベルトラン・ボネロ(フランス、カナダ)『Hors-Saison』ステファヌ・ブリゼ(フランス)『Enea』ピエトロ・カステリット(イタリア)『Maestro』ブラッドリー・クーパー(アメリカ)『Priscilla』ソフィア・コッポラ(アメリカ、イタリア)『Finally Dawn』サヴェリオ・コスタンツォ(イタリア)『Lubo』ジョルジョ・ディリッティ(イタリア)『Origin』エイヴァ・デュヴァーネイ(アメリカ)『The Killer』デヴィッド・フィンチャー(アメリカ)『Memory』ミシェル・フランコ(メキシコ、アメリカ)『Io Capitano』マッテオ・ガローネ(イタリア、ベルギー)『悪は存在しない』濱口竜介(日本)『The Green Border』アグニェシュカ・ホランド(チェコ、ポーランド、ベルギー)『The Theory of Everything』ティム・クローガー(ドイツ、オーストリア、スイス)『Poor Things』ヨルゴス・ランティモス(イギリス)『El Conde』パブロ・ラライン(チリ)『Ferrari』マイケル・マン(アメリカ)『Adagio』ステファノ・ソリマ(イタリア)『Woman Of』マウゴジャータ・シュモフスカ、ミハウ・エングレルト(ポーランド・スウェーデン)『Holly』フィン・トーチ(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス)(賀来比呂美)
2023年07月26日全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が全米映画テレビ制作者協会(AMPTP)に対して最低賃金の引き上げや労働条件の改善、AI利用の規制などを求めた交渉が決裂し、14日より43年ぶりにストライキに入った。これによって俳優たちは映画製作、出演、作品のプロモーション活動などが禁じられ、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の宣伝で来日するはずだったトム・クルーズも中止を余儀なくされるといった影響が出ている。そんななか、SAGはAMPTPと関連のないインディペンデント系の39作品に対し、ストライキ中の製作を承認した。「当社はAMPTPには加盟していません」と広報担当者が語っている「A24」は、アン・ハサウェイ&ミカエラ・コール主演『Mother Mary(原題)』、ポール・ラッド&ジェナ・オルテガ主演『Death of a Unicorn(原題)』の2本の製作が許可された。ほかの作品ではマシュー・マコノヒー主演『The Rivals of Amziah King(原題)』、マーク・ウォールバーグ主演×メル・ギブソン監督『Flight Risk(原題)』、マッツ・ミケルセン&シガニー・ウィーバー主演『Dust Bunny(原題)』の製作が開始または続行となる。ハリウッドでは5月から全米脚本家組合がストライキ入りしており、SAG-AFTRAとの同時ストライキは実に63年ぶり。(賀来比呂美)
2023年07月19日