意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「公文書」です。明確なルールが不十分。国民の財産という意識を。森友学園や自衛隊の日報など、公文書にまつわる問題がたびたび取りざたされています。公文書とは、国や地方公共団体などの機関、公務員が作成する文書を指します。日本では長い間、公文書についての明確なルールが決められておらず、「公文書管理法」という法律が整備されたのも2009年、麻生内閣のとき。年金の納付記録漏れなどが発覚し問題になった時期でした。公文書管理法の第1条には、「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」と記載されています。公文書は国民の大切な財産。のちに政策や意思決定の経緯を検証するための重要な資料となります。日本には、太平洋戦争で敗戦が濃厚になったときに、軍が書類を焼却処分したという苦い過去があります。たとえば、満州で陸軍の731部隊が、生物兵器の人体実験を行ったのではないかといわれている件も、関係資料が残っていないために実証ができておりません。現在、公文書は内容に応じて最長30年保管され、その後も歴史的に必要と判断されたものは、国立公文書館に移されます。公文書にするかどうかは各役所の判断に委ねられており、公文書にすると決まったら、文言もいろいろ整えてから作成されるのだそうです。短期で目的を終えると担当者が決めたら「1年未満文書」として、管理簿へ記載されず、審査を受けることなく廃棄できます。自衛隊の日報があとから見つかったという問題も、日報を公文書とするかどうかの意識にズレがあったからではないかといわれています。アメリカには国立公文書記録管理局があり、誰でも自由に閲覧できます。僕もサンオノフレ原発事故について調べたときに、民間企業の担当者の連絡先まで辿ることができました。「不都合になりそうなことは隠す」のではなく、公益性を考え、社会にとって必要な情報は公開する。民主主義国としてアメリカは先輩格だなと実感しました。徹底した管理をするには、人員が足りていないという問題もあります。今後の公文書のあり方、情報公開と保存についてしっかりと整備し、ルールを作り上げていくことが望まれます。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。新刊『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)が好評発売中。※『anan』2018年6月6日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年06月10日友達との集まりや仕事の合間のランチ、そして家族とのディナーなど、「外食」は楽しいものである一方、外食が続くと肌荒れをひきおこしたり身体が重くなったな……と感じる人も少なくないはず。しかし、「スマートフード」インストラクターの浅倉利衣さんは「メニュー選びのコツをつかめば、キレイも健康も叶いますよ」と語ります。今回は、浅倉さんがお気に入りのお店を訪ね、おすすめのランチや賢いメニュー選びのポイントを聞きました。ヘルシーでおいしい!お気に入りの〔たまな食堂〕へ健康的な食生活を送りたいと考えたとき、やはりすべてをコントロールできる家庭料理が理想ですが、でも、仲間や家族と外で過ごす時間は楽しいですし、忙しくて「ダメ、今日は作れない!」とレストランを頼りにしたくなる日だってありますよね。外へ出かけて“心の栄養”を摂ることも大切。それに、外食だってメニューの選び方をちょっと工夫するだけで、キレイも健康も叶えられると私は思います。そんな外食時のメニュー選びの参考にご紹介したいのが、東京・青山にある〔たまな食堂〕です。丁寧な食生活を心がけたい女性にファンが多く、私も美容と健康に良い食事ができるお店を探していたらたどりつきました。玄米や季節の有機野菜、発酵食品にこだわっていることも魅力ですが、とにかくおいしいんです!こだわりの食材が40品目以上、バランスよく摂れる〔たまな食堂〕で一番人気のランチメニューは、野菜と発酵食品をたっぷり使った《たまな定食》です。季節や日によって使う食材は変わりますが、私がこの日いただいたのは、塩麹バーニャカウダソースでいただく温野菜、2種類の野菜ソースでいただくテンペと有機野菜のサラダ、自家製豆腐と盛りだくさんのプレート。そして、10種類以上の大豆を使った納豆と3種のお番菜(ぬか漬けがポイントです!)、玄米、ねぎとわかめのお味噌汁。料理長の公文紀一さんによれば「今日は50品目は使っているかな」とのこと。常時40品目以上の豊富な食材を使っているので、現代人が不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維を補えて、見た目にも満足。旬の野菜や発酵食品をはじめ、多様な食材をバランスよく摂ることを提唱している「スマートフード」に通じる部分があると思っています。体にいいからと同じ食材ばかり食べていては栄養価が偏ってしまうだけでなく、栄養失調や免疫力低下の原因になるとも言われています。さまざまな食材を摂ることで腸内の微生物の多様性が促され、免疫機能の改善に繋がりますし、エイジング対策や心の安定とも無関係ではありません。スマートフードでも発酵食品はおすすめしています。消化促進、便秘や体調を整えるサポート、免疫力の向上、いわゆる善玉菌を増やして悪玉菌を減らすなど、体にとってさまざまな利点があります。この日いただいた定食にも納豆、ぬか漬け、味噌といった発酵食品がたくさん。食物繊維が豊富なこの定食は、働く人のランチにもピッタリです。ランチに糖質をたくさん摂ってしまうと血糖値が急激に上がり、眠くなったり集中力が低下したりしますよね。食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きがあるので、ランチは野菜やきのこ類、海藻を意識して摂るのもおすすめです。たった1杯のお味噌汁に入ったわかめだって、大切な働きをしてくれます。食材と同じぐらい、大切にしたいのが「調味料」以前もお話ししましたが、健康を気遣うなら調味料も目を向けたいもののひとつ。たまな食堂では、実際に料理に使われている調味料がこうして並べて紹介されています。いいものを厳選しているという自信の表れですよね。商品によっては販売もしているので、私もよく買って帰ります。この日に見つけたのは、醤油と甘酒。醤油は原材料に余計なものが入っていない天然醸造。発酵が生み出してくれた天然の旨みはおいしさがまったく違うんです。そして甘酒も余計なものが入っていない、米と米麹のみで作られたものを。甘酒にはさまざまなチカラがありますが、抗酸化作用が高いと言われているので、私も毎日飲んでいます。食物繊維やオリゴ糖も豊富なので、腸内環境も整いますし便秘の予防と軽減にもおすすめ。また、昔に比べて現代は食物アレルギーの他にも、花粉やハウスダストなど、アレルギーに悩まされている人が多くなってきていますよね。そこでキーになってくるのが食物繊維。食物繊維の多い食事を摂ることで腸内細菌の活動が高まり、その結果多量の酪酸が作られ、この酪酸がアレルギーなどを抑制するTレグ細胞を増やしてくれる働きもあると言われています。子どもたちには、甘酒にきなこを混ぜて毎朝食べさせています。きな粉も食物繊維やオリゴ糖も豊富な食材。その組み合わせがおいしいようで、私が朝バタバタしていて用意を忘れると、「ママ、きな粉は~?」と催促されてしまいます(笑)。ちなみに、甘酒もきな粉も、さまざまな菌を摂取できるように、定期的に銘柄を変えています。毎日〔たまな食堂〕のようなところへ足を運ぶのは難しいですが、外食時にはメニューから旬の野菜や発酵食品、食物繊維を使っている料理を選ぶなどして工夫してみてくださいね。外食が続く際も、「空腹を満たすためになんとなく食べる」のではなく、意識して選択することで、「食べて健康に、食べてキレイに、食べてハッピーに」なれるといいなと思っています。カロリーだけを考えたら、食べた分だけ運動すればいいという考えにいたるかもしれませんが、腸内環境や血糖値のコントロールを無視した食生活を続けていると、老化を促進しかねません。20代や30代前半だとわかりにくいかもしれませんが、40代、早い人だと30代後半ぐらいからそれが顕著にあらわれてきます。また、一定以上の、偏りのない、幅広い知識がいったん頭に入ると、迷ったり悩んだりする時間が減り、自分自身で満足のいく取捨選択ができるようになるので、外食もなんの罪悪感もなくより楽しめるようになりますよ。【たまな食堂】●住所:東京都港区南青山3-8-27●電話:03-5775-3673●営業時間:ランチ11:00-15:30(L.O.14:30)、ディナー18:00-22:30(L.O.21:30)●定休日:なしたまな食堂●浅倉利衣(あさくらりえ)1977年、東京生まれ。大学卒業後、エルメスジャポン株式会社に入社し、10年間販売とバイイングを経験。その後、ミス・ユニバース・ジャパン元ナショナルディレクター、イネス・リグロンのパーソナルアシスタントを務め、グローバルにファッションと美容の世界に携わる。2017年に一般社団法人SmartFood協会認定インストラクター資格を取得。2017年秋からはSmartFoodブランドディレクターに就任。又、2018年にはMYTHΘSフランス式アロマテラピーインストラクター資格も取得。国内外の最新のウェルネス・食・アロマ情報も含めた専門的な知識を活かし、賢く食べて健康的にキレイになれるメソッドや、ウェルネスライフのコツを発信している。●写真土佐麻理子Instagram @rietokyo_一般社団法人Smart Food協会公式HP***連載一覧***【浅倉利衣のウェルネス・ライフスタイル #1】「おいしい」って幸せ。麹からはじめるスマートフード【浅倉利衣のウェルネス・ライフスタイル #2】スイーツも家族のために。米粉のマフィンでクリスマス【浅倉利衣のウェルネス・ライフスタイル #3】常備菜で時短&多様性を叶える、我が家の朝ごはん【浅倉利衣のウェルネス・ライフスタイル #4】子どもの未来のために「食事」ができること【浅倉利衣のウェルネス・ライフスタイル #5】子どもとわたし、アロマに寄り添う暮らし【浅倉利衣のウェルネス・ライフスタイル #6】母として、女性として。アロマとの付き合い方
2018年06月06日日本公文教育研究会は、0歳~2歳の乳幼児と母親向けの新しい教育サービス「Baby Kumon(ベビークモン)」を、この6月より全国約8,000の公文式教室で開始する。日本公文教育研究会が大学教授等と共同して行った研究によると、0歳児~2歳児を中心とした乳幼児期に母親が行う「歌いかけ」「読み聞かせ」が、母子関係の構築と子どもの発達に寄与することが確認された。「歌いかけ」は母親と子どもとの交流に特に強く結びついて、主に「親子のきずな」を継続して発展させる役割を持ち、「読み聞かせ」は親子の情緒的な交流から、やがて物事を知る手段になるという。この研究は各種のシンポジウムや日本子育て学会、日本発達心理学会等でも発表されている。Baby Kumonは「親子のきずなをはぐくみ、まなびの土台をつくる」をコンセプトに、歌と読み聞かせを中心とした親子のやりとりを家庭で楽しむための新教育サービス。絵本や歌本、CDなど各種教材を使い、子どもの発達に合わせた親子のコミュニケーションを行える。さらに、公文式教室でくもんの先生のサポートを毎月1回受ける「Baby Kumonタイム」も設定される。受講料は月額2,100円(税込み)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月15日