イギリスの小学校では、クリスマスの時期によく、教会でクリスマス発表会を開きます。上の子はキリスト教系の公立校に行ったので、もちろんですが、宗教と特に関わりのない公立校に通っている下の子も、7歳になった今年、教会での発表会デビューをしました。クリスマスの歌を歌ったり、クリスマスの話をしたり。楽器の得意な子は楽器を弾きますし、詩を朗読する子供もいます。7歳から12歳までの子供たちが、生き生きと発表をしていったのですが、今回特に興味深かったのは、発表のテーマが単純に「クリスマス」ではなく、「世界の冬の祭り」だったことでした。キリスト教の(より詳しく言えば英国国教会の)建物の中で、キリスト教ではあるものの、異なる風習を持つロシア正教やギリシャ正教、さらにキリスト教とは異なる宗教であるユダヤ教やヒンズー教のお祭りが紹介され、歌が歌われたのです。これは、イギリスの小学校できちんとカリキュラム化されている「RE」と地理、音楽や国語などの勉強がすべて渾然となったような、とても面白い催し物でした。世界には異なる文化やしきたりがあふれているイギリスは移民の多い国です。ですから、お互いの文化的背景を、幼い頃からある程度理解していくことがとても大切になります。実際にこの国に暮らす私は、ディーワリー(ヒンズー教のお祭りで10月から11月頃に行われるもの)の時期には道路が渋滞することに気づくことがあります。同僚をお茶に誘って、ラマダン(イスラム教の断食月)が終わったらまたねと断られたことも、引っ越したばかりの頃はありました。さすがに今では日付を気にしていますが、その頃は全く考えていなかったのですね。ちょうどクリスマスのあたりには、ユダヤ教のハヌカー(光の祭り)がありますから、「良いクリスマスを!」ではなく「良いハヌカーを!」という挨拶を時折耳にすることになります。イギリスの小学校の必須科目「RE」とは自分の家庭のものとは異なる文化はどうしてもわかりにくいものですから、イギリスの小学校や中学校では、RE(Religious Education「宗教学」)が必須となっています。必ずしも信じるために学ぶのではなく、不必要な摩擦をさけ、お互いを尊重するために学ぶのです。グローバル化が進み、様々な人々が肩を並べて暮らす現代社会を生きるための基礎素養だと考えられているとも言えるでしょう。REの時間は、地方自治体ごとに、何を教えるのかが変わりますが、多くの場合、子供達にとっては日々の生活に密着した情報を学ぶ時間でもあります。イスラムの人たちは豚肉を食べないから、お弁当のベーコンサンドイッチをあげちゃだめですよシク教徒の男の子たちは髪の毛を神様からもらった大切なものであると考えているから、学校でふざけてでもターバンをとろうとしちゃいけませんよこのように、REの時間は、まさに「自分にとってはふつう」のことが、同じクラスで勉強するお友達にとっては「ふつう」ではないのかもしれない、ということを、学ぶ時間でもあるのです。ニュースの理解度を左右する!?哲学、公民、地理と共にさらにセカンダリースクール(日本でいう中学校のようなもの)に通う上の子供をみると、小学校で学んだREの知識が、上の学校で学ぶ哲学や、公民、地理といった教科に密接に結び付けられていることがわかります。イスラム教がどのような宗教なのか、シク教は一体どのような教義を持っているのか。知っているか知らないかで、ニュースの理解もまるで変わってしまうことでしょう。日本の教育には多くの長所がありますが、イギリスの子供達がREの時間に学ぶような基本的な知識を、まだあまり偏見を持たない年齢の時に教えられることがないのは、残念なことだと思います。異なる文化やしきたりが学べる絵本日本で育つ子供達も今後、様々な習慣や文化をもつ人々と触れ合うことが多くなると予測されます。そういった人たちが近所にやってくる可能性もあれば、自分たちがやがて日本の外へ出ていく可能性もあるでしょう。様々な文化を持つ人たちに囲まれた社会で育つ子供達のために、平易な言葉で様々な習慣を説明する絵本があります。そのうちのいくつか、日本語に訳されているものを中心にご紹介しましょう。■『イライジャの天使―ハヌカとクリスマスの物語』舞台はアメリカ。年老いた黒人のキリスト教徒であるイライジャが、白人のユダヤ教徒の男の子マイケルに、自分が彫った木彫りの天使を渡すのですが、ユダヤ教では偶像崇拝は禁止されていますから、マイケルは困ってしまいます。宗教も人種も年齢も飛び越えて、友情は友情であると力強く訴える、心温まる物語ですが、同時に、こういった文化的ルーツを持つ家庭のしきたりも垣間見ることができます。■『ラマダンのお月さま』イギリスの作家、ナイマ・ロバートによる本書は、本国でも高い評価を得ている絵本です。1ヶ月間のイスラム教の断食を家族と過ごし、月の満ち欠けを見まもる少女の気持ちが、美しい絵と言葉で表現されています。これを読んでいてわかるのは、ラマダン(断食)が、必ずしも「苦しいこと」「我慢をすること」なのではなく、世界中のイスラム教徒たちにとって、共に信仰を確認し、月を見上げる1ヶ月であるということです。■Rama and Sita: The Story of Diwali英語絵本に目を向けると、日本ではなかなか馴染みのないような文化にも触れることができます。例えばこちらは、ディーワーリー(ヒンズー教のお祭り)の起源を描いた、ポップな色彩の楽しい絵本です。探せば日本語の絵本も数多くある、世界の風習や信仰、そしてしきたりの本。自分の家庭の中にいるだけでは見えないもの、より多様性のある社会への道しるべとなる本を、ぜひ意識的に選んでいただきたいと思います。(参考)マイケル J.ローゼン 著, さくま ゆみこ 訳(2012),『イライジャの天使―ハヌカとクリスマスの物語』,晶文社.ナイマ・ロバート 著, 前田 君江 訳(2016),『ラマダンのお月さま』解放出版社.Malachy Doyle, Rama and Sita: The Story of Diwali, (A & C Black, 2012)
2019年01月24日来年の4月に小学校入学を控えているご家庭は、子どもと共に親も楽しみになってくる時期だと思います。既にランドセルが手元にある家庭も多いと思いますが、使う日を心待ちにしているでしょうね。入学が楽しみであるのと同時に、遊びが中心だった園から勉強中心の学校に入るのは若干の不安もあるかもしれません。入学前に出来ておいた方がよいことや慣れておいた方がよいことはどんことでしょうか。地域や学校により差はあるかもしれませんが、我が子の経験を踏まえてまとめてみました。1. 読み書きや算数は入学後で大丈夫?「勉強は小学校に入学してからで大丈夫」という声も聞きますが、入学前に入学後の生活はピンとこないと思います。実際どの程度のことが出来ていると良いのか、またその理由も知っておきましょう。 (1) 字の読み書きができるひらがなの書き方は、入学してから学校で教えてくれます。しかし明日の時間割と持ち物を連絡帳に書くことは4月から始まります。字が書けない場合は見よう見まねで書くことになりますが、家に帰ってきてから本人がその字を読めないという事態もあると聞きます。何と言っても、書けない字を毎日書くことは子ども本人のストレスにもなるでしょう。全てのひらがなとまではいかなくても、入学前にある程度は書けるようにし、少しでも字を書くことに慣れておくといいでしょう。 (2) 数を数える、数字に慣れる算数は入学してすぐは易しい内容ですが、5月になると足し算が登場します。夏休み明けには繰り上がりの足し算、引き算が出てきます。数字に慣れるということは、入学前に教室に通ったり勉強したりしないといけないというわけではありません。例えばおやつを食べる際に「これが〇個、これが〇個あるから合わせたら〇個になったね」「〇個食べたら〇個になったね」など、日々のコミュニケーションの中に数字を取り入れることで少しずつ慣れることが出来ます。また、算数でもノートをとるので、数字の1~10まで書けるようになっていると授業にスムーズに取り組むことが出来るでしょう。 (3) 机に向かう習慣をつける入学すると、1コマ45分の授業が始まります。国語、算数以外にも道徳や生活などの授業中は机に向かっていなければなりません。45分間集中して話を聞くことは、今までの生活とは全く異なり、子どもにとってハードルの高いものです。入学前から机に向かう習慣をつけておきましょう。机に向かうと言っても勉強である必要はありません。お絵描きやお友だちにお手紙を書くなど、興味のあることで構いません。まずは机に向かう習慣をつけましょう。机に向かう時間も長時間である必要はありません。1日5分で良いので机に向かうことで抵抗感を減らしておきましょう。また、日々の生活で食事中は集中する、電車などを待つ間はじっとしている、など集中力を継続させる練習を少しずつしておくと良いでしょう。 (4) 時計を読めるようにしておく時計の読み方は、入学後に算数の時間に習います。しかし、学校では授業や休み時間が時間で区切られていたり、準備や移動の際に指示として時間を伝えられたりすることもあります。時計を読むことができ、時間の感覚を分かっている方が子どもはパニックにならず落ち着いて行動することが出来ます。今は時計の絵本もありますし、家のアナログ時計を見て生活の中で慣れさせることも出来ます。おすすめ出来る方法ではないかもしれませんが、我が家ではゲームの時間を決めたことで「30分だと長い針が2までだよね」など確認しながら自然と時計の読み方を覚えていきました。2. 入学前に出来るとよい生活面でのこと勉強以外でも、入学前に出来ておくと学校生活をスムーズに送ることができるものがあります。 (1) 交通ルールを守り通学路を歩く集団下校がある学校、ない学校など様々かと思いますが、自宅から学校までの通学ルートは入学前に何度か歩いて練習しておきましょう。日頃から交通ルールについても伝え、一人で歩いても事故に遭わないように教えておく必要があります。 (2) 着替えをスムーズにできる園でも着替えることはあると思いますが、学校では限られた時間の中で1人で着替えなくてはいけません。一人で着替える練習をしておくと共に、着替えやすい服装で登校することも大切です。入学前に先輩ママに聞いていて助かったことは、安全ピンを使えるようにしておくことでした。入学当初はバッジの付け外しをすることが多くありますので、家庭で練習しておくと良いでしょう。 (3) 食事時間の管理と箸の使い方小学校の給食は、配膳や片付けなどの時間を踏まえると実際の食事時間は20分程度しかありません。家庭でも、食べ終わるまでダラダラとするのではなく時間を考えながら食事をするという癖をつけておきましょう。また、給食のメニューよっては、箸のみが用意される場合があります。箸がうまく使えないと食べるのに時間がかかってしまいます。箸でスムーズに食べれるように箸の使い方を練習をしておきましょう。入学して1ヶ月の授業のカリキュラムを見ると、勉強らしい授業はほとんどなく学校探検、掃除指導、給食指導などばかりでした。学校生活に慣れることが最優先となっているのだと思います。「1年生はゆっくりと勉強に慣れるのだな」と思った矢先、5月の連休明けには急に勉強モードが強くなり、夏休み明けには繰り上がりの足し算・漢字など内容が高度になりました。読み書きなどでつまずいて、そこで授業についていけず学校が嫌になってしまうという可能性があります。入学後の急激な変化は、子どもにとって多かれ少なかれストレスとなります。楽しい学校生活を送り勉強に集中していけるように、入学まで半年ある今の時期から少しずつ色々なことに慣れていきましょう。
2018年11月19日千代田区の番町小学校や港区の青南小学校、大田区の田園調布小学校など、“ブランド校”と呼ばれ、人気を集める公立小学校があります。これらのような公立小学校に通わせるため、わざわざ引越しをしたり、住民票を移したりする「公立小移民」が話題になることも多いですが、有名公立小学校に通うことでどんなメリットがあるのでしょうか?教育ジャーナリストの斎藤剛史さんにお話をうかがいました。教育環境や人脈など、メリットは多い有名で人気の学校とはいえ、結局は同じ公立小学校。私立ほど差別化できないような気もしますが、実際、メリットは多いようです。「まず挙げられるのは、授業料。“ブランド校”とは言っても、公立の小学校なので、家計への負担は比較的少なく済みます」(斎藤さん、以下同)また、子どもを取り巻く環境にもメリットはあるそう。「有名な公立小学校には、教育熱心な家庭で、それなりの学力を持つ子どもが集まりやすいので、教育環境はいいと思います。加えて、同窓会などの強い結びつきがあり、卒業生や保護者のなかにも有力者が多いため、人脈を築くという点でもメリットはあるでしょう。『あの有名公立小学校に子どもが通っている』といった、お金だけでは手に入らないステータスを感じられるのも、ある意味メリットかもしれませんね」“ブランド校”は保護者のイメージにすぎないでは、反対にデメリットを挙げるとしたら、どんなことが考えられるのでしょうか?「たしかに、一般的に“ブランド校”と呼ばれる公立小学校は教育環境がよく、人気もあるのですが、その“名門”というブランドは、結局保護者のイメージにすぎません。そのため、引越しなどの手間と費用を考えれば、それに見合う投資効果が本当にあるかは疑問。単に進学の有利さを求めるならば、私立のほうが確実です」また、教育熱心な保護者が多い学校ならではのデメリットも。「教育方針や指導方針などをめぐって、教員と保護者がもめるケースも意外と多いです。また、同じような経験をしてきて、同じような価値観を持った子どもが集まるというのもデメリットのひとつ。一般的な公立小学校なら、家庭環境や経済状況などが多様な子どもたちが集まり、自分とは違う価値観に接することで得られることはたくさんありますが、有名公立小学校となると、家庭環境も経済状況も似てきます」子どもの将来を考えると、できればよりよい教育環境で育っていってほしい。親として、そう思うのは当たり前かもしれません。しかし、「勉強」に重点をおいて有名公立小学校に進学しても、「心の成長」が置き去りにされてしまう可能性もあるようです。(文・明日陽樹/考務店)
2018年04月18日文部科学省が昨年12月に発表した「平成28年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まですべて公立に通った場合の学費は約150万円で、すべて私立に通った場合の学費は約440万円。3倍ほどの差があります。「お金持ちは私立に」というイメージを抱く人も少なくないかと思いますが、近年、都心部を中心に公立小学校でも「階層化」が進んでいるのだとか。千代田区には名門公立学校が多い例えば、目黒区の東山小学校や大田区の田園調布小学校、港区の白金小学校など、“ブランド校”と呼ばれる公立小学校はたくさんありますが、教育ジャーナリストの斎藤剛史さんは、「千代田区にある番町小学校は、古くから名門として知られている」と話します。「『番町小学校』は、港区にある青南小学校、同じく港区の白金小学校と並んで、東京の三大名門公立小学校と言われています」(斎藤さん、以下同)番町小学校はこれまで、日本最高峰の大学である東京大学への華々しいスタートを飾る入口とされてきたそう。「番町小学校から始まり、麹町中学校、日比谷高校、東京大学というのが、かつてエリートコースの定番とされていました。ちなみに、番町小学校、麹町中学校、日比谷高校はいずれも千代田区にある公立の学校です」また、斎藤さんが話してくれた学校以外に、千代田区では、麹町小学校や九段小学校といった公立小学校も人気のようです。番町小学校に人が集まる理由番町小学校が、東大へのエリートコースの始まりということはわかりましたが、人気の理由はきっとほかにもあるはず。斎藤さんに聞いてみたところ、「番町小学校に限らず、千代田区にある公立学校全体に言えること」と前置きし、以下のように続けます。「千代田区には皇居や国会議事堂、官公庁の庁舎などがあり、NTTドコモや新日鐵住金、カルビーといった大企業の本社も集中しています。このようなところに勤める人たちは、比較的金銭面の余裕もあり、教育熱心であることが多いので、公立小学校といえども教育環境がよくなるのではないでしょうか」私立小学校と違い、公立小学校の場合は、場所によって、居住実績がないと入れないなど、条件があります。こういった話を聞くと、「自分の子どもも通わせたい」という気持ちがじわじわと盛り上がってくるものですが、焦らずまずは一息。希望する公立小学校について、情報を集めるところから始めたほうがよさそうです。(文・明日陽樹/考務店)
2018年04月15日以前なら、「子どもにより良い教育を」と考えたとき、私立の学校に通わせるというのが一般的でしたが、最近では、あえて公立小学校を選ぶ家庭も増えているといいます。なかには、子どもの教育環境や生活環境を重視し、希望する公立小学校へ入学させるべく、わざわざ引越しをする「公立小移民」と呼ばれる人たちもいるとか。そこで今回は、そんな「公立小移民」について、教育ジャーナリストの斎藤剛史さんにお話をうかがいました。公立小移民と学区の関係希望する公立小学校があるとはいえ、なぜわざわざ引っ越すのか…。それは、「『学区』が大きく関係している」と斎藤さんは話します。「『公立小移民』は、希望する公立小学校に子どもを入学させるため、その学区に引っ越す、または住民票を移す保護者と子どもたちのことを言います。公立の小中学校には学区があり、学区内に居住または住民登録していないと入れませんので、子どもを入学させるためには引越しをしなければいけないのです」(斎藤さん、以下同)引越ししてまで通わせるメリットはある?「公立小移民」の目下の目標は、まず希望する公立小学校に入学すること。しかしそれ以外に何かメリットはあるのでしょうか?「公立義務制は無料なので、私立と違い、入学金などのお金をかけずに入学できます。またその小学校がいわゆる『ブランド校』であれば、地域に集まる保護者も比較的富裕層が多いため、保護者にとってステータスになりますし、進学にも有利と考えられています」とはいえ、斎藤さんはこれらのメリットには少し慎重のよう。「あくまで公立小学校なので、『ブランド』というのは、保護者の勝手なイメージにすぎない場合もあります。住居を移すなど、お金をかけてまで入学するメリットが本当にあるかどうは疑問です」都内でも、大田区の田園調布小学校や港区の青南小学校、千代田区の番町小学校など、“ブランド校”と呼ばれる人気の公立小学校はたくさんあります。実際に、これらの小学校の近くの不動産屋さんでは「○○小学校学区内」と謳っている物件もあるそうです。「子どものため」ということ以外にも、「人気らしいから」「ママ友がいいと言っていたから」など、きっかけは様々あるかと思いますが、引っ越しというのは、人生の中でもわりと大きな決断。「引っ越してまでその学校に通わせるべきなのか」、今一度、立ち止まって慎重になってみてもいいのかもしれません。(文・明日陽樹/考務店)
2018年04月12日新1年生のママにとって、はじめての学童は謎だらけ。子どもたちは何をして過ごしているのか、学童の先生はどんな人なのか、おやつは何を食べているのかなど、気になることがいっぱいです。そこで、子どもを現在、学童に通わせている5人のママが集合し、匿名で座談会を開催! 住んでいるエリアや、自治体運営(公立)か企業運営(民間)かによる違い、それぞれの良いところ、悪いところなど、洗いざらいホンネで語ってくれました。参加者プロフィールKさん:都内S区在住、小1男児のママ。平日は毎日、小学校内にある公立学童に通わせている。仕事がフリーランスのため、預かり時間は日によってまちまち。Hさん:都内S区在住、小1男児のママ。小学校は私立に通っているが「地元の友だちを作って欲しい」との理由で学童は自宅近くの公立を選択。週3回、15時〜18 時頃まで利用。Mさん:都内E区在住、小2女児のママ。入学当初は仕事の都合で預かり時間の長い民間学童に通わせていたが、転職をきっかけに公立へ。現在は週4回ほど利用。Yさん:都内M市在住、高1女児・小3男児のママ。公立学校の施設で民間が運営する「公設民営」学童を週4日利用。新しい所長に代わった途端、学童のルールもガラリと変わり、不満がいっぱい。Wさん:神奈川県K市在住、小2男児・年長男児のママ。長男は1年間だけ民間と公立を併用していたが、現在は公立のみ。学童の利用は週2、3回のみで、ほかは習い事に通わせている。■通ってみて分かった! 民間と公立の違いは?―― みなさん、現在は公立の学童を利用されていますが、WさんとMさんは民間の学童も経験されているんですよね。民間と公立、両方経験して違いはありますか?Wさん:公立だと送迎に間に合うかが心配だったので、週2回だけスポーツクラブが運営する学童に預けていました。費用は水泳のレッスン代と送迎込みで月5万円。フルタイムで働いていると習い事の時間が取れないのですごく助かったのですが、やっぱりお金がきつい!私の母がヘルプに来てくれるようになったこともあり、3カ月程度でやめてしまいました。小2の今は週3回公立学童、ほかの日は習い事に行かせています。民間でも公立でも変わらず楽しく通っていましたが、最近は学童に行く友だちが減ってしまったので「行きたくない」と言うこともありますね。Mさん:以前は、仕事で家に帰るのが夜7時30分~8時近くなってしまっていたので、やむを得ず週5で民間学童を利用していました。民間の場合、学習系と外遊び系に大きく分かれるんですが、娘が通っていたのは外遊び系。転職して帰宅が早くなったのをきっかけに公立に移りましたが、娘は民間の方が楽しかったと言っています。少人数なので保育園みたいに手厚くみてくれて、学童の先生もしっかり遊んでくれていたからでしょうね。家までの送迎が料金に含まれていたので、親としてもすごく楽でした。民間と公立の違いは感じました。Hさん:でも、うちは普通の公立学童に預けていますが結構手厚いと思いますよ。施設長は孫のようにかわいがってくれるし、面談の時にも「気になることはなんでも話してください」と丁寧に応対してくれます。近くの児童館と連携していて工作などのイベントが豊富ですし、おやつも唐揚げなどの手作り系が多い。月に1度は子どもたちがみんなでおやつを作る食育の時間もあるんですよ。人数が少ないアットホームな学童だから、できることかもしれません。Kさん:うちが通っているのはHさんと同じ区の公立学童ですが、手作りのおやつなんてほとんど出ませんよ! プリンやゼリーなど、ジャンキーなものばかりです。子どもは喜ぶからまあいいんですが、同じ区でも学校によってカラーが全然違いますよね。Mさん:うちの子どもが入学する前までは、学童におやつ自体がなかったんですよ! おなかを空かせてかわいそうだからと、当時の保護者が署名を集めたようで、子どもが入学する際には「持ち込みならOK」となったんです。でも、条件がめちゃめちゃ厳しい。毎週月曜または土曜日に小袋に分けた1週間分のおやつを持参して、学童の先生に中身を説明しなきゃいけないんです。月曜日だと学童が開く9時に合わせておやつを届けていたら会社に遅刻してしまいますし、金曜の夕方にゴミを持ち帰るのも大変。おやつの時間も短いらしく、ゆっくりと食べることができないので、わが家は子どもから「おやつはいらない」と2週間で言われてしまいました。子どもに聞くと、おやつを持参している子は少ないようです。Yさん:うちなんて、おやつは煮干しと小さなおせんべいだけということも。うちの学童は公立小学校の施設を使っているけど運営は民間の会社という「公設民営」という方式なんですが、昨年、所長が代わってからはいろいろトラブルが…。子どもが預かり時間より早く学童から帰され、家の前で一人で泣いていたこともありました。降所時間を守ってほしいと何度かお願いしたんですが変わらなくて、年に一度行われる「第三者機関による調査アンケート」に記入してやっと改善されました。「こんな学童はもう辞めよう!」と思った矢先、抽選で父母会役員に任命され、辞められなくなってしまったんです…。Hさん:学童に父母会があるんですか? うちは父母会がなく、地域のイベントの時には学童の先生や一部の父母が協力してお店を出しています。学童の様子を知るためには、こういうイベントに参加するのもいいかもしれません。―― 学童は保育園と違って分かりづらいですものね。みなさんのお子さんは、学童を楽しんでいる様子ですか?Kさん:ドッジボールをして楽しかったとか、スノードームを作ったとか、そういう報告はしてくれます。学童自体に不満はなさそうですが、夏休み明けからはあまり行きたがらなくなってしまいました。自立心が芽生えて、学童という枠の中で遊んでいるよりも、友だちと外で遊びたいと思い始めたようです。Mさん:うちは積極的に友だちと関わるタイプではないので、迎えに行くといつも一人で本を読んでいます。親としては心配ですが、本人は別に気にしていないみたい。ただ、学童内にある読める本はほとんど読み尽くしてしまったので、学校の図書館の本を読ませてくれたらいいのに、とは話しています。同じ施設内なのに、そこは融通がきかないんですよね。Hさん:学校と学童は同じ施設内にあるから、同じものだと勘違いしちゃいますよね。でも、実際は運営が違って、カゼでお休みする時も、学校と学童の両方に言わないといけないんですよね。Yさん:そうですね。うちも、学校と学童の連携が全然取れていないのに驚かされました。学校の行事がある日に学童がイベントを入れてしまって、結局、学童イベントが予定を変更することもありました。■夏休みの「学童お弁当」問題、どう乗り切る?―― みなさんのお子さんは、学童で宿題はすませてくるのでしょうか?Hさん:17時からの30分間は学習タイムと決まっているので、みんな宿題をしたり本を読んだりして過ごしているようです。でも、生徒数が100人を超えるようなマンモス校だとなかなかそうはいかないと聞きます。騒いだり遊んだりしてしまう子が多くて、なかなか統率がとれないみたいです。Wさん:うちも17時からは学習タイムなんですが、そもそもその時間まで残っている子どもが少ないんですよね。16時過ぎにはみんな習い事に行っちゃうので、結局宿題は家でやることの方が多いかも。Yさん:うちの学童には、学習タイム自体がないですね。1年生の頃はなんとなく勉強をうながしてくれていたんですが、所長が変わってからは一切なくなってしまい、外遊びだらけになってしまいました。だから帰宅して、私がごはんの用意をしている間に宿題をするように言い聞かせているんですが、ゲームばかりで全然やらない(笑)。Mさん:学習タイムがないのはうちも同じですが、女子は言わなくても勉強するんですよね(笑)。毎日、夕方には友だちと一緒に宿題やドリルに取り組んでいるようです。―― みなさん、夏休みはどうされていますか? ふだんと違って、1日中学童で過ごしますよね。Hさん:いつも通り、朝から夕方までがっつり預けています。午前中は部屋で静かに遊び、お昼を食べてからは外で遊んで、夕方には学習タイム、というのが大体のスケジュール。日によっては間にプールの授業があります。家にいても仕方ないですし、本人も楽しそうに通っていますよ。Wさん:ただ、学校と違って、学童はスタートが遅いですよね。学校がある時は午前8時に校門が開くのに、夏休みになると学童の登所時間に合わせて、8時半と30分遅くなってしまう。これだと会社に遅刻してしまうので、何とかならないのかなといつも思います。Yさん:うちも8時半開門ですが、オプション料金を払うと早めに預かってもらえます。30分早めると400円、延長は1時間で800円。運営が民間なので、そこはシビアですね(笑)。Mさん:夏休みだけ民間に預けることも考えたんですが、高いんですよね。魅力的なイベントは多いんですが、いろいろ参加してたらあっという間に10万円を超えてしまいそう。結局、いつも通り公立の学童に通わせていたら、プールで皆勤賞を取ってしまい、喜んでいいのやら(笑)。どこにも連れて行ってあげられなくて、親としては申し訳ないという気持ちがあります。せめてお弁当くらいは頑張ろうと思い、夕飯の残りものは使わずイチから手作りしています。おかずを包むラップに絵を描いたり、「今日もがんばれ!」とメッセージを書いたりすると、喜んでくれますね。Wさん:残り物を使わないなんてすごい! 私はだいぶ手抜きを覚えましたが、子どもを「かわいそう」と思う気持ちは分かります。夏休みに限らず、毎日学童に行っていると自由がないですもんね。いつも同じ場所、同じ時間、同じ仲間では、そりゃあ飽きるだろうなと。Mさん:自分たちが子どもの頃は親にいちいち行き先を言わなかったし、勝手に公園に行って道草していましたよね。今の子どもたちには自由がないし、そのことに気づきすらしない。うちの地域の学童は6年生まで通えるのですが、もし学童に行かなくなったとしても、友だちとうまく遊べるか心配です。塾に行かせれば親としては安心かもしれませんが、不自由であることには変わりありません。せっかくの小学校時代を、子どもに制限させて過ごさせていることに不安を感じます。Yさん:うちは今年の4月から、学童のない生活が始まります。当面は自宅勤務を増やしつつ、習い事をさせたり友だちと予定を入れたりで乗り切るつもりですが、夏休みをどうするのかは想像がつかないですね。実家に預けたいとも思ったのですが、息子は友だちと遊ぶほうがいいみたい。「毎日、友だちとゲーム三昧ができる!」と妄想がふくらんでいるようですが(笑)、親としては頭が痛いです。―― 最後に、学童スタートを間近に控えた新1年生にアドバイスをお願いします。Wさん:周囲に誰も知っている子がいない状態だと、最初は苦労するかもしれません。入学前から、知らない場所にいきなり連れて行かれるわけですからね。息子は誰とでも仲良くできるタイプなのに、学童ではしばらくポツン状態で心配したこともあります。Mさん:学童は保育園と違って細やかにお世話してくれるわけではないし、親同士の付き合いもほとんどない。親の方が「保育園ロス」になるかもしれません。Hさん:でも、子どもは大人に比べて順応性が高いから、なんだかんだで乗り越えて行くんですよ。小学校入学前の数日だけでもかなり鍛えられますし、1学期を終えると急激に成長します。そんなに心配しなくても大丈夫だと思います。―― 親は保育園気分でつい心配になってしまいますが、子どもの力を信じて遠くから見守ってあげるくらいが良さそうですね。本日はありがとうございました。
2018年04月11日放送作家の鈴木おさむ(45)が自身のブログを更新。2歳の息子の笑福(えふ)くんの“進路”について述べた。その内容に、賛同のコメントが相次いている。 3月11日に更新したブログでは、7年前の東日本大震災を振り返り、自身の考え方も変わったと綴った。そのうえで、笑福くんを「公立の小学校に通わせたい」と言及した。 いちばんの理由は、「地震です」とし、「公立だったら歩いてすぐ。でも電車で通わせる学校だったら…もし、通学の電車の中で、地震が起きたら…」と、子どもへの心配の思いを明かした。 「もう天災は起きてほしくないですが。」と前置きしつつ、「だけど。いつか自分たちが住んでいる所に、起きることを想定して生きていかないとなと思っています。」と自身の考えをつづった。 最後に「当たり前の日常いつもの笑顔ずっと続くことを願います。が。油断はしない。 してはいけない。色んなもしも常に考えて生きます」と伝えた。 これに対しコメント欄には「共感です電車通学、通勤する 夫や子供 あの瞬間大丈夫かな?どうしようとあたふたした記憶は今でも忘れません。」「全く、同感です。内房に住んでいますが、やはり息子3人のことを考え、自転車は手放せません。何かあったとき、車は渋滞で進まないので、、」など、震災当時の経験や、鈴木が述べた理由への賛同の意見が多く寄せられている。
2018年03月12日子どもの学校選びで、様々な学校を調べているママも多いと思いますが、「教育モデル校」という言葉が出てくることはありませんか?そうした学校に通わせることで、先進教育に触れる機会を増やせるため人気は高いようですが、そもそもモデル校ってどうやって選ばれるの?教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに聞きました。モデル校のテーマは多岐にわたるまず、モデル校はどれくらいあるのかを聞こうとしたところ、「ひと口にモデル校といっても、たくさんあるので数はわかりません。各教育委員会にお問い合わせください」と中曽根さん。「たくさんある」とは、どういうこと?「例えば、最近では、英語学習・プログラミング教育・道徳教育などテーマはたくさんあります」(中曽根さん、以下同)実際、「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」を見てみると、かなりの数が…。中曽根さんの言う通り、そのテーマは様々で、「安全教育推進校」「人権尊重教育推進校」「日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業」など、学習以外のことでもモデル校が指定されているようです。モデル校を指定する目的・基準は?何を目的としてモデル校を指定するのか、というのも気になるところ。これに関して、中曽根さんは、「文科省がその時そのときに力をいれようとしているテーマを推進するために、モデル校を作り施策の実現をはかるため」と話します。先ほどの「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」にも記載されているので、一部紹介します。【日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業】「2020東京オリンピック・パラリンピック教育における伝統・文化に関する取組について、地域の専門的な知識や技能を有する外部人材の活用を通して、児童・生徒の専門性を高めるとともに、外国人と積極的に関わり、意見交換する機会等を設定し、日本の良さを発信する能力や態度を育成する」【安全教育推進校】「学習指導要領及び都教育委員会教育目標等に基づき、学校において、幼児・児童・生徒に危険を予測し回避する能力と、他者や社会の安全に貢献できる資質や能力を育成するため、効果的な安全教育を実践的に研究し、その効果を普及することをねらいとして、安全教育推進校を指定する」このように、テーマごとによって、目的も異なるのです。また、もうひとつ気になるのは、誰がどうやってモデル校を決めるのか。中曽根さんいわく、「明確な基準が開示されているわけではありませんが、各学校、特に学校長が手をあげて、学校の実状や地域のバランスなどを鑑みて、教育委員会が決定することが多いと思います」とのこと。また、「場合によっては、教育委員会から学校側に打診されることもあると思います」とも。都道府県や市町村ごとに、モデル校一覧をまとめていることもあります。自分の子どもが通う学校は何かのモデル校になっているか、もしくは力を入れて学んでもらいたいことのモデル校はどこかなど、事前に確認してみてはいかがでしょうか?(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月22日何事も、“初めて”のときは、なじめるか不安になるものですが、それは小学校も同じ。公立小学校に通うメリットとして、「近所に住む顔なじみの友だちと一緒」ということが挙げられますが、他にはどんなメリットが挙げられるのでしょう?(1)「登下校を一緒にできる友だちがいること」、(2)「放課後に遊べること」、(3)「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」。そう話すのは、教育ジャーナリストの中曽根陽子さん。公立小学校のメリット1●登下校を一緒にできる友だちがいること小学校に上がりたての頃は、まだ交通ルールにも不安があるし、不審者に遭遇することも想定できるため、何かと心配事が多いもの。中曽根さんは、「登下校を一緒にできる友だちがいること」は、メリットのひとつと言います。「小学校は、学区の中で通学路を設けており、多くは通学路ごとに縦割りの登校班を設けていて、集団登下校をする際に利用します。集団登校日以外は、それぞれで通学しますが、低学年のうちは特に、近所のお友達と一緒に登下校をする機会が多いと思います。休みの連絡も、学校に直接連絡するのではなく、連絡帳を近所の友達に預けるようにという学校もありますし、安全面からも、近所に顔見知りの友達がいると安心です」公立小学校のメリット2●放課後に遊べること続いて、2つ目のメリットである「放課後に遊べること」について解説してもらいました。「塾や習い事などで、放課後遊びができなくなってきているとはいえ、子どもにとっては遊びの時間も貴重です。子どもが自分で移動できる範囲に友だちがいるのは、親にとっても安心です」また、最近では、共働き夫婦も増えており、下校後はひとりでお留守番をする子どもも多いのではないでしょうか?そうした家庭においても、誰かと一緒にいる(ひとりではない)ということは、安心につながりそうです。公立小学校のメリット3●親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと3つ目のメリットは、「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」と、中曽根さん。これはどういうことでしょう?「子どもが小学生になると、少しずつ子どもの行動半径も広がり、親の目が届きにくくなります。子どもの友だちとその親も一致しにくくなるなか、一緒に登下校する友達はとりあえず、家の場所もわかりますし、親同士もコミュニケーションを取りやすいので、つながりがつくりやすいのではないでしょうか。子育ては自分だけではできないので、地域に知り合いがいて、学校や地域の情報を得たり、困った時に“お互い様”で助け合ったりすることができたら心強いでしょう」実際、2011年の東日本大震災のときには、帰宅できなくなってしまったママが、近所の友だちの家で子どもを預かってもらい助かったという話もあるとのこと。近所のつながりがなければママも子どもも途方に暮れていたかもしれません。私立の場合、電車で通ったり、仲良しだった友だちと離れ離れになったりというのは、よくあること。公立小学校ならではのメリットもたくさんあるんですね。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月19日たとえば私立小学校なら、校風や学力など顕著に差が出ることもあるので比較できる項目はたくさんあります。では、公立小学校の場合はどうでしょう。公立ならば、エリアにかかわらず一律の規定で教育が進められているはずですが、はたして公立小学校の学習レベルにエリア差はあるものでしょうか?『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)など、数々の教育関連本を手掛ける、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんにうかがいました。「内容」に差はなくとも「習得」に差が出ることがある先述のように、公立小学校では一律の規定で教育が進められているかと思いますが、実際のところはどうなのでしょう?「日本の場合は、学習指導要領が諸外国と比べて厳密に規定されているので、全国どの学年でも学習内容が著しくちがうわけではありません」(中曽根さん、以下同)やはり、学習内容に大きな差はないようです。しかし、学習内容は同じでも、「習得」においては、差が出ることもあると中曽根さんは続けます。「特に小学校レベルですと、子どもたちの成長のレベルは個々によって違うので、学習内容の習得に関しては、個人差がでます。たまたま、ある学校は理解度の高い子どもが多い、あるいは反対に少ないといったことは起こる可能性はあるでしょう。それを学区による学習レベルの差とひとくくりにはできないと思います。とはいえ、地域によって特色はあると思うので、教育熱心な家庭が多い地域にある学校は学力が高いという評判が立つこともあります」実際、最近では公立小学校でも教科によって進度別クラスを編成して授業を行ったり、みんなとは違う教室で少人数指導をするなどの「取り出し授業」を行ったり、個別に対応するケースはあるそうです。公立小学校間の学力の差を調べる方法は?では、そういった学力の差を一般の人でも判断できる方法はあるのでしょうか?ネットで検索したり、資料に書いてあったりして、わかりやすくなっていればいいけど…。これについては、中曽根さんは以下のように話します。「地域によっては、全国学力調査の結果を公表しているところもありますが、学力レベルの差が歴然とわかるわけではありません」自分で調べてわかるものではないとなると、学力の差を見極めるには、やはりママ友や先輩ママなどとの情報共有が重要になってくるのかもしれません。また、中曽根さんは以下のようにも話します。「大切なのは、学力レベルだけではなく、それぞれの学校の置かれている状況です。例えば、都心でも少子化で1学年1クラスという学校も珍しくありません。反対に急激な人口増加で教室が足りず、プレハブ校舎になっている学校もあります。個々にメリットデメリットはあるので、学校選択制のある地域でしたら、お子さんのタイプ、家庭の考え方に照らし合わせて、選ぶことが大事でしょう」一校に絞らず、積極的に見学会に参加するなど、自分の足や目を使って、確認することが、もっとも良い手段とも言えそうです。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月17日ダウンタウンの松本人志(54)が2月11日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演。東京・銀座にある公立小学校が、高級ブランド“アルマーニ”を標準服に導入するというニュースに言及した。 導入を発表したのは中央区立泰明小学校。平成30年度入学の新一年生から導入するという。アイテムは約2万5千円の上着のほか、帽子やシャツ、ブラウスなど。価格は現行の標準服の約2倍となり、すべてをそろえると8万円越えとなる。 松本は「アルマーニとしてはめちゃくちゃ安いんやけどね。紳士のスーツやったら5、60万はかかる。それでいうと、アルマーニとしては相当格安。頑張ってはくれた」とコメント。 松本は自身の上着をめくり、「上着をこうやったら、ここに“アルマーニ”って書いてあるわけでしょ。すごいよね、小学生が。ここの内ポケットに“アルマーニ”って書いてんねん」と、驚きをあらわに。司会の東野幸治(50)も「俺だってアルマーニの服、一着も持ってませんからね」と苦笑した。 いっぽう、国際政治学者の三浦瑠璃(37)はアメリカの事例を紹介。「制服というのは、いじめを減らすために入れるという感覚なんです。みんなに同じ服を着せることによって、収入の低い家庭でも同じような格好をさせてあげられる」と説明し、アルマーニ導入に対しては「(いじめを減らす目的で)そのために8万円というのは、違うのでは」と異論を唱えた。 子どもを持つ母親でもある三浦。「ブランド化をはかっているんだと思います」と理解を示しつつも、「今の親ってすごく忙しい。共働きの人も多い中で、学芸会などでも協力している。親としては協力することも考えることもたくさんあるのに、小学校の校長としてのブランド力というものへの思いについて(親は)暇じゃないし、意思疎通に齟齬がある」と意見を述べた。 同校は創立140年の歴史を持ち、女優・朝丘雪路(82)の母校としても有名。現在では通学区域に関係なく入学できる“特認校制度”の指定校でもある。
2018年02月11日「公立病院の赤字のほとんどに、税金が投入されています。総額で年間5,000億円にもなります。じつは2年前に同様の調査をしたときより増えている。病院数や病床数が減っているのに、税金投入額が上がっていることに、疑問を感じざるをえません」 こう語るのは、平成27年度の総務省「地方公営企業年鑑」を基に算出した、全国自治体病院の純医業収支額、同収支率をWEBサイト「病院情報局」に掲載している、ケアレビュー代表の加藤良平さんだ。調査対象は全国の公立病院(独立行政法人を除く)793施設。このうち、純医業収支で黒字を計上したのは、わずか27施設しかなかったのだ。97%が赤字という驚くべき数字になる。 「公立病院は、昔から赤字が多いと言われていましたが、税金が投入されるため、実際の経営状態は“見えづらかった”といえます。『純医業収支ランキング』は、病院収入から一般会計負担金等(税金など)を差し引いた純医業収支を独自に算出しています。純医業収支は弊社の造語ですが、純粋に医療だけの収入で、どれだけ病院が“自立”できているかを可視化できます」(加藤さん) もちろん、過疎や僻地などで、不採算部門である救急や小児科、周産期医療を担っていくのは、公立病院の使命であり、ある意味“必要な赤字”とも言える。だが、医療ガバナンス研究理事長で、内科医の上昌広さんは厳しい。 「人口の多い都市に目立ちますが、経営努力を怠り、何ら対策を打たないまま“不必要な赤字”を累積させる病院も非常に多いのです」(上さん) 公立病院がなぜこれほどの赤字体質に陥ったのか。「まずはマネジメント能力の欠如です」と指摘するのは、NPO法人「公的病院を良くする会」理事で、医業経営コンサルタントの阪本俊行さんだ。 「公立病院の場合、事務方は役所からの出向組。非常に優秀でも、病院経営の専門家ではありませんし、2〜3年で配置換えがあります。しかも病院が赤字経営でも、他会計からの繰入金(税金など)という名の“仕送り”があるので、自分の給料が減る心配はなく、むしろ年功序列で上がり続けます。結果、民間病院よりも人件費率が高くなる傾向があるのです」(阪本さん) 国際医療福祉大学大学院教授の武藤正樹さんは、全国の公立病院が抱える問題の解決にはマネジメント能力のあるトップの存在がキーになると語る。 「たとえば事業管理者に経営を委託する“地方公営企業法全部適用”のケースでは、事業管理者の権限と責任で経営を行います。’07年に適用した青森県立中央病院では、管理者の院長が先頭に立って優秀な医師を呼び込み、医師数を100人から130人に増員。経営改革に成功しました」(武藤さん) 非公務員型の効率的なマネジメント体制を作るには、独立行政法人化も一つの手段だ。前出の阪本さんが解説してくれた。 「大阪府では府立5病院を独法化したところ、全体で130億円あった赤字を、5年間で半分くらいまで減らすことができました」(阪本さん・以下同) 埼玉県の志木市ですすめられた民間譲渡も、今後は増えていくケースだという。 「公立病院時代の給与体系を民間病院並みにすることで、人件費が下がります。さらに医薬品や委託業者にかかるコストを抑えるため、『病院食がおいしくなった』などのサービス向上にもつながります。民間が担うことで、経営状態の健全化が期待できるケースも多いのです」 もちろん、過疎地など人口は少なくても、地域に必要な病院はある。それは赤字であっても残す必要があるだろう。ただし、住民の“合意”が前提だ。 「病床削減や、地域の介護事業者との連携をとるなどした機能転換、廃統合などの検討も必要になると思います」
2017年12月07日「公立病院は、昔から赤字が多いと言われていましたが、税金が投入されるため、実際の経営状態は“見えづらかった”といえます。『純医業収支ランキング』は、病院収入から一般会計負担金等(税金など)を差し引いた純医業収支を独自に算出しています。純医業収支は弊社の造語ですが、純粋に医療だけの収入で、どれだけ病院が“自立”できているかを可視化できます」 こう語るのは、平成27年度の総務省「地方公営企業年鑑」を基に算出した、全国自治体病院の純医業収支額、同収支率をWEBサイト「病院情報局」に掲載している、ケアレビュー代表の加藤良平さんだ。調査対象は全国の公立病院(独立行政法人を除く)793施設。このうち、純医業収支で黒字を計上したのは、わずか27施設しかなかったのだ。97%が赤字という驚くべき数字になる。 「赤字のほとんどに、税金が投入されています。総額で年間5,000億円にもなります。じつは2年前に同様の調査をしたときより増えている。病院数や病床数が減っているのに、税金投入額が上がっていることに、疑問を感じざるをえません」(加藤さん) もちろん、過疎や僻地などで、不採算部門である救急や小児科、周産期医療を担っていくのは、公立病院の使命であり、ある意味“必要な赤字”とも言える。だが、医療ガバナンス研究理事長で、内科医の上昌広さんは厳しい。 「人口の多い都市に目立ちますが、経営努力を怠り、何ら対策を打たないまま“不必要な赤字”を累積させる病院も非常に多いのです」(上さん) 公立病院がなぜこれほどの赤字体質に陥ったのか。「まずはマネジメント能力の欠如です」と指摘するのは、NPO法人「公的病院を良くする会」理事で、医業経営コンサルタントの阪本俊行さんだ。 「公立病院の場合、事務方は役所からの出向組。非常に優秀でも、病院経営の専門家ではありませんし、2〜3年で配置換えがあります。しかも病院が赤字経営でも、他会計からの繰入金(税金など)という名の“仕送り”があるので、自分の給料が減る心配はなく、むしろ年功序列で上がり続けます。結果、民間病院よりも人件費率が高くなる傾向があるのです」(阪本さん) こうした“お役所体質”は、コスト意識にも反映されている。 「医薬品や医療機材に関して、価格のリサーチが甘いんです。入札制度で割高の見積もりを出されても、相場がわからないから“言い値”で契約することになります」(阪本さん) とくに公立病院と民間病院では、建設に関して、その価格差が顕著に表れる。 「1床あたりの建設費用は、民間なら700万円、国立病院で1,600万円、公立病院なら2,000万円といわれています。1床あたり約3倍もの違いがあるのです」(阪本さん) にもかかわらず、「無駄に豪華にしたがる」と語るのは、元公立病院の産婦人科医だ。 「以前、病院建て替えをしたときのことです。患者さんがわざわざ診察室を移動せず、陣痛が起きてから分娩、回復に至るまでを過ごせる『LDR』という医療施設を数千万円使って作ったのですが、ほとんど稼働せず、今では臨時部屋だそうです。医師からは当初より『必要ない』という意見が出ていましたが、聞き入れられませんでした。ほかにも、ワンフロアに医師用、看護師用と、二十数個の会議室を作ろうとしたり。理解できないことが多かった」(元公立病院の産婦人科医) このように公立病院は明確なビジョンや理念がないため、魅力的な病院が作りづらいのが現状だ。前出の上さんが言う。 「公立病院の場合、何となくすべての診療科を扱いますが、どれも中途半端で二流止まりの診療になってしまう傾向が強い。専門性においては、公立病院は民間病院に、もはや太刀打ちできません。その地域にどんな医療が求められているのか、代替の利かない魅力のある病院作りをしなければ……」(上さん・以下同) 何の対策も講じなければ、今後は消えていく公立病院が増加の一途をたどるだろう。 「地域に病院がなくなれば、救急車のたらい回しが頻発し、孤独死も増えます。そんな社会を、誰が望むでしょうか」 地域の公的病院をどのように存続させるのかーー。市民が正しい判断をするため、経営状況のブラックボックス化は避け、可視化されていかなくてはならない。
2017年12月07日秋から始まる小学校受験は、合格を目指して1年くらい前から準備している家庭が多いようです。なかでも国立附属小学校は、学費が私立に比べて安かったり、ほとんどかからなかったりする学校もあり人気があります。しかし、だれもが国立小学校を受験できるわけではありません。そんな、意外と知られていない、国立小学校の注意点をご紹介します。■「国立」なのに受験できない?国立附属小学校は各都道府県にあり、地方在住でも受験するチャンスはあります。おもに国立大学の教育学部の附属校として位置づけられていましたが、大学直属に編成されてきています。しかし、学区はエリアや通学時間によって学校ごとに決められていて、その範囲内に住んでいないと受験資格さえ得ることができないことになります。受験のために引っ越したり、子どもが生まれる前から将来を見据えて家を決めたりするママもいるほど。学区の考え方は、学校によって異なります。国立小学校の受験を考える場合は、まずは自宅が学区内にあるかの確認が必須となります。■受験に合格しても入学できない!?国立小学校にも受験があり、試験内容は行動観察や運動試験など、学校によってさまざま。受験前に傾向を知り対策する必要があります。しかし国立小学校と私立小学校の大きな違いは、基準をクリアする能力を身につけても合格できるとは限らないことにあります。なぜなら、公平を期すため国立小学校は抽選を導入する学校が多いから。抽選を突破した子だけが試験に進む学校もあれば、試験後に抽選を行う場合もあります。これに漏れたら、どんなに考査で合格しても、不合格と同じ結末になってしまいます。試験については塾などでも対策できますが、抽選ばかりは運頼み。このため、子どものがんばりを無駄にしたくないと考え、抽選がなく努力が反映されやすい私立校を選ぶママも少なくありません。私が子どものころにも、国立小学校には抽選がありました。わが家は学区内にあったので親は受験を考えたようです。しかし、父も母もくじ引きではティッシュなどの末等しか当たらないほどくじ運がなく…。これでは入学できるはずはないと、受験をあきらめたそうです。■受験番号が早いほうがいいってホント?小学校受験では、「受験番号が早いほうが有利」という説があります。私立校の場合は、その学校に入学したいという熱意を示すためといわれますが、国立の場合はどんな理由があるのでしょうか?国立小学校の場合、よくいわれることが、行動観察などをスムーズにクリアするため。そのため、できるだけ早い番号を確保しようと、親が朝早くから並ぶ光景が見られます。このウワサは本当なのでしょうか? 実際に子どもが小学校受験を経験したママたちの体験談を紹介します。●集団行動で巻き込まれないために「国立校は塾に通う子だけでなく、家が近いからと記念受験する子が少なくないと聞きました。記念受験の場合、受験対策として集団行動の練習をしていないお子さんがいるので、もし一緒のグループになってしまっうと、巻き込まれやすいと塾で教わりました。受験番号が早いほうが本気で受験を考えている家庭が多い傾向にあると言われ、本命ではなかったけど早起きして並びました」(41歳・小学校5年生のママ)●受験番号は月齢順「受付後に受験番号を月齢順に並び変える学校もあるそうで、そんなに気にしなくていいといわれました。それでも、やっぱり気になるので早く並びましたが、抽選に漏れたのでわが子は公立通いです」(40歳・小学3年生のママ)学校によって条件が異なるようですね。志望校の情報を早めに収集して、対策したいところです。■「附属」といってもエスカレーター式ではない大学の附属学校であるならエスカレーター式を期待するところですが、国立の場合はそうではありません。中学入学時はあらたに外部生が入ってくるため、全員が進学できない場合もあります。だから日々の勉強は、とても大事です。在学中に、子どもがほかの中学校に魅力を感じることがあるかもしれません。もし外部の学校を受験をする場合は、内部進学の権利が失われる学校もあるようです。また、附属高校を設けていない学校もあり、その場合は必然的に外部受験することに。志望校がどのような仕組みになっているのか、あらかじめチェックしておきましょう。■授業中に常にだれかにみられている?多くの国立小学校は、教育研究校として位置づけられています。そのため、先生が研修などで不在になる可能性も。また、教育実習や視察なども行われるため、常にだれかに見られている状態で授業を受けることが多いようです。国立小学校出身の知人に話を聞いたところ、「教室に知らない人がいることが多かった」とのこと。最初は気になったものの、次第に慣れてきたそうです。この人に見られた環境での授業は、慣れる子と慣れない子がでるかもしれませんが、えてして子どもは順応性が高いため、あまり問題にはならないかもしれません。ちなみに前述の知人いわく「公立の高校では見学者がいないので違和感があった」とのこと。また、新しい教育を実験する場でもあるので、最新の教育を受けるチャンスがあります。これはほかの学校ではなかなか体験できないことです。国立というだけでブランド化されている現状。お受験を挑戦してみたくなるかもしれません。しかし、それだけを判断材料にするのではなく、子どもの将来を考えたうえで検討したいものですね。
2017年08月12日夏が終わり秋の風を感じるころ、年中さんや小学校3年生の子どもを持つママ達が、顔を合わせれば必ず出る話題なのが「小学校(もしくは中学校)受験をするか、しないか」。受験派は、この頃から本格的な受験準備に入る時期だからです。最近は受験準備のスタート時期もどんどん早くなり、受験塾は増え、知育教材やおもちゃの売れ行きは伸びていると聞きます。子どもが生まれた時から「自分の出身校に入学させたい!」と受験を考えている家庭であれば、迷いなく受験の準備となるのでしょう。しかし、「周囲に受験する子どもが多いから、うちも考えたほうがいいのかな」、「なんとなく公立の教育に不安を感じる」など、受験に対して興味はあっても、迷いや不安が多いという方が大多数でしょう。■「大変な受験」になりやすいのは?この時期から、親子関係の相談では受験関連のことが多くなってきます。その中でもよく聞かれるのが「受験準備は親も子どもも相当負担がかかると聞くので、それに耐えられるのか不安」というものです。わたしのところに寄せられた数々の相談から分析するに、「親子ともに辛くて大変な受験」に陥りがちなのは「子どもの適正より、まず志望校ありき」のケースだと思います。自分の母校だから、親が通いたかった学校だから、自宅から近くて通いやすいから、大学付属でもう受験をしなくてすむから、兄弟がすでに通っているからなど、子どもの適正を見ずに親が志望校を決めてしまう理由はいろいろです。親が通わせたい学校に合わせて受験準備をさせると、子どもの精神年齢(学力ではありません)が受験勉強に追いついていかない場合、親子ともにかなり気持ちが追い込まれるケースが多いように感じます。不安を払拭するために、塾の講座をたくさんとったり、かけ持ちしたり、個別の家庭教師をつけたりとのめり込んでも、かえって子どものやる気を失わせてケンカになり、ますます疲れて「受験はやはり大変だ」という感想だけが残ります。■受験はあくまで子育て方針を確認する一つのきっかけに小学校や中学校受験を考えることは、改めて「どのように子どもを育てたいか」を夫婦で話し合う良いきっかけになると思います。高校受験や大学受験になると、もはや親の介入する余地はほとんどないからです。まずは、子どもの学力を含めた現状を見極め、伸びしろを期待しつつ、子どもに合いそうな学校を探し二人三脚、三人四脚で受験準備を進めれば、結果がどうであっても、机に向かう習慣がついたり、興味の対象が広がったりと、いろいろな意味で子ども自身のプラスになるでしょう。私立校はそれぞれ教育方針や学問に対する理念がありますから、学校説明会などに参加すると、賛同できたり「ちょっと違うな」と感じたりと、親のほうも教育に対する気づきを得られます。そのまま地元の小中学校に進学できるのに、あえて受験するのであれば、親子初の共同作業ととらえましょう。結果より「頑張ったね!」と笑顔で終えられるよう、充実した時間としていただきたいと思います。
2017年07月30日息子が通う小学校の教室を初めて目にしたとき、エアコンが天井についているのを見てびっくりしました。うだるような暑さのなか勉強した自分の小学校時代と比べると、なんともうらやましい限り…。こんな風に比べてみると「昔とはだいぶ違うんだなぁ」と思うことがよくあります。そこで、小学校の今と昔で驚いたことをまとめてみました。■防災ずきんカバー、つくらなくていいの?私が子どものころ「防災ずきん」というものがありました。これは避難訓練の際に頭からかぶるもので、それを収納するカバーを親が手作りしなければなりませんでした。けれど、息子の通う小学校では市から折りたたみ式のヘルメットが支給されており、親がカバーを手作りする必要はありません。私が小学生のときには防災ずきんを椅子に敷いて座っていましたが、今はそんな光景も見られなくなっていました。■まるで大人!? 男の子も女の子も「~さん」づけ教室で先生たちは、「~くん」や「~ちゃん」など男女の区別をつけず、名前に「さん」をつけて生徒たちを呼んでいます。最初にこのことを知ったのは三者面談のときでした。先生が自分の子どもを「~さんはおしゃべりするのが大好きで…」と話している姿に大きな違和感を感じてしまいました…。まるで大人のような呼び方ですね。■給食の白衣は「アイロンがけ」で殺菌!?地味に驚いたのが、給食の白衣にアイロンをかけなければいけないことです。昔は「してもしなくてもいい」だったような気がしますが、息子の通う小学校では殺菌の意味を込めて白衣にアイロンがけをすることになっています。ちょっと面倒ですが、親以上に衛生面を考えてくれていてありがたい…!ほかのママさんに聞いてみると授業の合間にチャイムがならなかったり、1年間を2つに区切って2学期制となっている学校も。地域の不審者情報など情報がメールで一斉配信されるなどの安全対策はこの時代ならでは! 地域によってルールや方針が大きく異なる小学校事情。もうすぐわが子が小学校に入学する、というママは昔との違いをぜひ探してみてくださいね。意外とたくさんあっておもしろいかもしれません!
2017年06月10日小学生のころは忘れ物常習犯だった私が、息子の支援をするのは大変で…出典 : 私は小学生だった頃、忘れ物と宿題忘れの常習犯でした。どこかにメモを取れば良いのに、取ってこない…。メモを取ったとしても、どこに書いてあるのか分からない…。挙句の果ては連絡帳を毎日のように学校に忘れてくる…。そして家に帰ると、宿題のことなど綺麗さっぱり頭から消えているのです。翌日の授業中、先生の嫌味と怒号を聞いて「またやってしまった…明日こそは」と決意します。しかし、またその翌日には、宿題やその他の持ち物のことは綺麗さっぱり忘れてしまっているのでした。そんな私も今では母になり、発達障害の診断を受けた6歳の息子がいます。小学校時代には先生から「忘れ物大賞」をもらって泣いて帰った私が、息子の小学校の持ち物の管理をしなければならないなんて、どういうことになるかは火を見るよりも明らか…という感じでしょう。小学校からの連絡袋の中には、毎日大量のお手紙が投入されています。息子はもちろん、何がなんだか良く分かっていません。その情報を読んだだけでも、私の頭は大混乱になります。「○日までに△を持っていって」「×日までに○と△を持っていって」「宿題はこれとこれで…」と何度も何度も復唱しながら、家の中をウロウロするありさまの私。息子を登校させた後も、「今日は忘れ物ないだろうか」「あれを忘れたかも」と気になってしまい、気がそぞろになってしまいます。発達障害児の小学校生活の支援は、同じ特性を持つ私にとって、苦難の連続だったのです。気が気じゃない私をさらに追い詰めた「連絡帳」の内容とは…出典 : こんな状態で疲弊しきっていた私をさらに追い詰めたのは、連絡帳でした。息子の連絡帳には毎日、忘れ物や持ち物のミスについて必ず記載がされていました。息子が小学校でどんな風に過ごしているかのような情報は一切なく、ただひとこと、「○○を忘れていました」「××のサイズが違います」「◇◇の切り方が違いました」というような言葉だけ。これを読むたびに、私は小学校の頃に先生に叱られて、下を向いているときの気持ちが蘇ってきてしまいました。そのうちに、私は息子の連絡帳を開くのも怖くなってきてしまったのです。「また先生に叱られちゃう…」「どんなに気を付けても、いつも何か書かれている」「私はやっぱりダメな人間だ~」私の心は小学生の頃に逆戻りです。さらに、「私がこんなミスばっかりしているから、息子があんななんだって思われているかもしれない」とあらぬ方向に思考がいってしまいました。毎日連絡帳を見てはガックリとうなだれながら、自分の子を通して、自分の過去を思い出してしまう辛さに苛まれました。連絡帳に落ち込んでいた私。でも励ましてくれたのも、また連絡帳だった!出典 : 息子の連絡帳を見るたびに、過去の自分も今の自分も責められているような気がして落ち込んでいた私。しかし、私は途中で大きな励ましを得ることができたのです。それは、息子の支援級通級が始まったことがきっかけでした。支援級通級が始まると、もう一冊、支援級用の連絡帳を準備するのです。支援級は少人数なので、先生は息子の生活や学習について毎日びっしりとコメントを書いてくださっています。そして、支援級の連絡帳には、「息子くんは今日はこんなことを頑張りました」「この問題は自分で頑張って解きました」「毎日楽しそうに学校に通っています」というような、息子を褒める言葉がたくさんたくさん書かれています。息子の支援級の先生は、「通常級で頑張ってきてるんだから、支援級ではとにかく褒めるんです」とおっしゃってくださる方です。それが連絡帳のコメントにもよく表れています。私は支援級の連絡帳を読んでいるうちに、なんだか「お母さんも頑張ってますね」「息子くんは大丈夫ですから、お母さんも肩の力を抜いて」と言われているような気がして、大きな救いと癒しになりました。通常級の連絡帳を見るたびに自分を責めていた私ですが、支援級の連絡帳を読んで気持ちを取り直すことができるようになったのです。「支援」は親の心をも支えてくれる出典 : そして私は気づきました。「支援」とは、子どもだけではなく、ときに親の自信まで回復させる役割もはたしてくれるのだと。発達障害の子どもを育てていると、実は親も自信を失いがちになります。思うようにいかない育児に振り回され、周囲からの視線を気にしているうちに、どうしても「自分はダメな親だ」と自分を責めるようになります。私のように、子どもと同じ特性がある場合は困難はさらに倍々になります。自分の管理ができないのに、子どもの管理まですることは、そうたやすいことではありません。「支援」とは、「こんな風にお手伝いしたら、こんなことができるようになりましたよ!」というものでもあると思います。自分の子どもが「できましたよ」「頑張りましたね」と言われることで、日ごろ自信を失いがちな親も、活力を得ることができるのです。支援級の「連絡帳」の記録、それは親へのエールでもある。そう捉えると、困難が多い毎日を進んでゆくための新たな活力源が生まれたように感じることができました。
2017年06月01日あるとき、ママ友とランチをしていたら学童保育の話題になりました。この春ひとり娘を小学校に入学させたそのママさん。入学と同時に近隣の公立学童に所属させたそうですが、その学童がお子さんに合わず、登校拒否ならぬ「学童拒否」を起こしているとのこと。公立学童ならではの雰囲気にママ自身も戸惑っており、民間の学童へ移ろうと考えている……と話していました。公立と民間、学童はどのように違うのでしょうか?今回は、民間学童にお子さんを入れているママたちから、その魅力やメリットなどを聞いてきました。●(1)夜遅くまで預かってもらえる!公立学童と民間学童、最も大きな違いはズバリ「預かり時間の長さ」のようです。『公立学童は18時までしか預かってくれないんですよね。ウチはどうしても間に合わないので、民間学童に入れました。放課後、スタッフさんが学校まで車で迎えに来てくれるし、帰りは家まで送り届けてくれます。とてもラクだし安心ですよ!』(30代女性/会社員)『3年生の息子を22時まで預けてます 。おやつも夕飯も学童で済ませてきてくれるので、本当に助かっています。試食しましたが、食事はとてもおいしく、栄養面にもちゃんと配慮されたものでした。子どもを長時間預けることに対して他人からアレコレ言われることはあります。でも、仕事を中途半端に切り上げてムリヤリ帰ってきたあげく、冷凍食品だらけの手抜き夕飯を出すよりはずっといいかと思いますね』(40代女性/歯科医師)このように、公立の学童ではカバーしきれない時間帯でも対応してもらえるのが民間学童のメリットです。遅くまで仕事をしているママたちにとっては、なくてはならない存在といえますね。●(2)学習面もフォローしてくれる!一度は公立学童に入れたものの、途中で民間に移ったというママからもお話を伺えました。いったいどのような事情があったのでしょうか。『何も考えず公立学童に入れ、1年生の間そこで過ごさせました。でも、年度末の個人面談で、先生から言われた内容に愕然。うちの子が、宿題をまったくやって来ないって言うんです。予習も復習もしておらず、1年生で既に勉強に取り残されているとのこと。学童に宿題の時間があると聞いていたので、安心して任せていたんですが……あわてて確認したところ、強制ではなく、指導員さんもとくに声掛けなどはしないそう。それじゃ宿題なんかするわけないですよね。そこで、2年生からは民間学童に入れました。そこでは学習指導経験のあるスタッフさんが宿題を見てくれ、丸つけをしてくれます。必要な子には追加で課題を出してくれることもあります。わが子は民間学童に入れてから、学力が飛躍的に伸びました 。あのまま公立に入れ続けていたらと思うと、ちょっと怖いですね』(40代女性/会社員)多くの公立学童は、子どもが自由に過ごす場所となっています。遊ぶのも、勉強するのも、子どもたちの自主性しだい。そのため、宿題や勉強を全くせずに帰ってきてしまうこともしばしばあるんですよね。まだ机に向かう習慣がついていない低学年のあいだは、学習面もフォローしてくれる民間学童のほうが頼りになるのかもしれません。●(3)環境がいい!子育て世帯に大人気のエリアにお住いのママからは、こんなお話がありました。『うちの地域、公立学童が人数オーバーでパンパンなんです。教室たった2つに、100人以上の子どもがあふれてる。それを数名の指導員が、怒鳴りながら制してるんです。遊ぶのも勉強するのも、あの環境じゃムリですよ。せっかく少人数の保育園でのびのび過ごさせてきたのに、学童がコレでは……と思い、わが家は最初から民間学童を選びました。公立と違って広い敷地でゆったり過ごせる し、職員数も十分。学校で疲れたときは、別室で静かに休むこともできるようです』(30代女性/自営業)低学年から高学年が集まる学童は、ただでさえ大騒ぎになりがち。中には、決して環境がいいとは言えないような公立学童もあるようです。民間学童の中には、少人数制を売りにしているところもあります。大勢でざわざわ過ごすのが苦手なお子さんにとっては、そちらのほうが過ごしやすいともいえますね。●(4)お稽古ごとまでしてもらえる!『うちの子が行ってる民間学童は、スポーツクラブが運営母体。だから、預かり時間中にスポーツプログラムを受けることができるんです。ウチでは水泳と体操教室を習わせています。学童にいながらにしてお稽古ごともできる 。一石二鳥ですよね』(40代女性/公務員)学童と習い事、2つを両立させるのは大変。特に低学年の間は、ちゃんと行けるのか心配になるママが多いですよね。その点、学童と同じ敷地で習い事ができる民間学童は安心です。ただ預けるだけでなく、有意義な放課後を過ごさせることができますね。----------いかがでしたか?小学校に入ったとはいえ、低学年の子どもたちはまだ頼りない面が多いものです。公立よりも手厚くみてくれる民間学童は、ワーママにとって重要な選択肢のひとつといえるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年05月24日よく聞く、「小学校は別世界」という言葉出典 : 発達障害のある子どもを育てている親にとって、小学校入学というステージはとても不安なものだと思います。それまで楽しく遊んでいれば良かった幼稚園・保育園の頃と違い、学習という活動がメインとなるのが大きな理由でしょう。また、幼稚園や保育園では手厚い支援をしてもらい、とにかく褒めて育ててもらえていた状態だったお子さんにとって、集団のルールを守ることに重きが置かれている小学校では、息苦しさを感じることが多いのです。幼稚園・保育園ではのびのび楽しくやっていたのに、小学校に入ってから急に自信を失うようになって…というようなお話を、私は幾度となく発達障害児の保護者から聞いてきました。ですから、発達障害のある息子の小学校入学は私にとって緊張感が漂うものでもあったのです。今のところ、息子は小学校の先生たちに手厚く支援していただいているおかげで、毎日楽しく通っています。けれどもやはり、小学校生活のさまざまなことで混乱をしている様子。それは、幼稚園時代にはなかったことでした。トイレに行ってはいけない!?息子の混乱例えば、小学校から帰ってきた息子が、こんな相談をしてきたことがあります。「今日ね、授業中におしっこもらしそうになって。先生にトイレ行きたいです!って言ったんだ。そしたらね…」Upload By モビゾウ「『小学校ではトイレは休み時間に済ませましょう』って先生に言われたの。それなのにね…」Upload By モビゾウ「先生は休み時間に済ませましょうって言ったのに、『はい、じゃあ行ってらっしゃい』って言われたんだよ。意味が分からないでしょう?」なるほど、先生は「本当は休み時間に済ませるのがルールだけど、今日は特別に行ってもいいよ」ということを言いたかったのでしょう。けれども息子は、この「今日は特別に」という部分が先生の言葉から読み取れないのです。先生の言葉をそのまま理解するため、「行ってはいけない」「はい、行ってらっしゃい」という言葉を同時に言われたことに混乱してしまったのでした。Upload By モビゾウさらに息子は、「小学校ではトイレは休憩時間に済ませるってことは、授業中にお腹痛くなったり気持ち悪くなったりしてもトイレに行っちゃいけないのかあ。どうしようどうしよう。お腹痛くなったらどうしよう」と悩み始めたのです。息子の発達障害の特性の一つなのですが、言外の意味を読み取るのが苦手なだけではなく、思考が0か100の両極端に偏りやすいのです。息子は「トイレは休み時間に済ませましょう」という先生の一言を、「具合が悪くても、何があっても、授業中のトイレは我慢しなければならない」という風に、極端な形で解釈してしまうのでした。無数にある集団生活のルール。それを把握することの困難さ出典 : このように、小学校には集団生活を円滑に送るための無数のルールが散らばっています。さらに、そのルールには例外や変更が沢山あるのですが、発達障害児にはそれを把握することがなかなか難しいのですのびのび遊ぶこと、褒められることがメインだった幼稚園時代に比べて、小学校に入ると「こういうルールがあるからダメ」ということが増えていきます。発達障害児は、なんとなく周りとうまくやれる程度にルールを把握するということが苦手です。小学校が別世界というのはこういうことだったんだな、と毎日混乱する息子を見ながら、私もなんとなく理解できたのでした。
2017年04月20日「福って英語で何ていう?」「フォーチューンかな?」「じゃあ『フォーチューン!』って呼びかけようよ」 都内公立中学校の校門前ではしゃいでいた、中学3年生の女子2人組。4月上旬、鈴木福くん(12)の中学校入学式が行われた。 彼は上級生からも速攻で“あだ名”をつけられるほど、入学前から人気者。朝8時40分頃、2人の男友達と楽しげにお喋りしながら登校した福くん。まっさらのブレザーは成長を見越して大き目のサイズを購入したのか“ブカブカ”だった。 福くんと言えば、気になるのは、『マルモのおきて』(フジテレビ系)で共演した同い年の芦田愛菜ちゃん(12)の存在だ。福くんが地元の公立中学校へ進学するいっぽうで、愛菜ちゃんは私立中学校へ進学。 「通っていた塾では『芦田愛菜だろ!?』とからかわれたり、他のクラスから覗きに来る生徒もいたようです。そんな雑音の中でも、トップクラスの成績優秀者しか入れない特別クラスで1年間勉強し、見事難関校に合格。彼女がそこまでして、この私立中学に入りたかったのは、ゆくゆくは“東大受験”を目指しているからだと聞いています」(受験関係者) 福くんが出演した5日放送の『1周回って知らない話』(日本テレビ系)でも、自然と愛菜ちゃんの話題に――。 愛菜ちゃんの難関中学合格について聞かれると、福くんは「すごいですね!」と、“相方”の天才少女ぶりに驚きを隠せない様子。自身が受験しなかった理由を尋ねられると、「友達が地元の公立中学校に行くから僕も行くんです!」と明るく話していた。 入学式当日、校門をくぐるやいなや、たくさんの友達に囲まれた人気者の福くん。友達との写真撮影が始まると、彼はそれまでしていたマスクを外し、笑顔満開!入学式と記念撮影を終え、最後に仲良し男子グループ7人で集まると、再び記念撮影がスタート。背の高い男子が後ろから福くんに覆いかぶさってじゃれ合い、終始みんなで「イエーイ!」と大盛り上がり。結局、1番最後まで学校に残っていた福くん。 そんな福くんより数日遅れて、愛菜ちゃんは小雨が降るなか、都内私立中学校の入学式に出席した。グレーのスーツに白いソックスがとても似合っている。同級生から拍手で迎えられ、こちらも福くんに負けず、人気者だ。 マルモリブーム当時はまだ6歳だった2人だが、中学生になりすっかり大人びた表情が印象的だった――。
2017年04月12日チャンス・ザ・ラッパーと、100万ドルの小切手を嬉しそうに掲げる小学生(写真:AP/アフロ) 「俺が寄付したこの小切手は、行動への呼びかけだ」 イリノイ州シカゴ出身で、第59回グラミー賞で最優秀ラップ・アルバムを受賞したチャンス・ザ・ラッパーが、地元の公立小学校のために100万ドル(約1億1400万円)を寄付したことを記者会見で発表し、その模様をInstagramでライブ配信した。 彼は会見会場となった市内南部にあるウェスコット小学校でこう気炎を上げた。「知事の怠慢に俺は失望し、落胆した。でも俺は絶対にやめない。シカゴで最も価値ある資源、つまり子どもたちのために、出来うる限りの支援をするということを」。 昨年12月、共和党のイリノイ州知事ブルース・ローナーは、シカゴの公立小学校に2億1500万ドルを割り当てる予算案を拒否。これを受け、チャンス・ザ・ラッパーは今月3日に、大幅な予算削減が決定した公立小学校への財政支援について意見を交換するため知事と面会の機会を持った。しかし、知事からは明確な返事を得ることができず、チャンス・ザ・ラッパーは知事のこの姿勢にひどく失望したという。 「知事はシカゴの子どもたちとの約束を破った。子どもが政治の道具にされていいはずはないんだ」 そう語るチャンス・ザ・ラッパーの父親は、1980年代にシカゴ初の黒人市長となったハロルド・ワシントンの側近を務めたほか、現職のラーム・エマニュエル市長の副参謀の任を預かるなど、シカゴのために心血を注いできた人物だ。そんな父の背中を見て育ったチャンス・ザ・ラッパーにとって、シカゴの未来をその双肩に担う子どもたちを蔑ろにする知事の政策は看過できないものだった。 会見は「ローナー知事、ちゃんと仕事しろよ」というメッセージで締めくくられた。23歳のミュージシャンに叱られる60歳の知事──次期の当選は難しいかもしれない。
2017年03月07日春にお子さんが小学校入学を控え、親子ともにワクワクドキドキしているご家族も多いかと思います。その反面、未知な小学校ワールド。「PTAって大変!?」「親の負担はどれくらい!?」と不安でいっぱいの方もいらっしゃるでしょう。■学校からたくさんのプリント。本当に参加しなければいけない行事はどれ!?小学校に入学してまず驚くのは、持ち帰ってくるプリント類の多さ。校長や学校から出されるもの、PTAから出されるもの、地域から出されるものなど重要なものも、そうでないものも玉石混合で、どっさりと子どもが持ち帰ってきます。その中には、保護者会のお知らせ、講座などのお知らせ、ボランティアのお願い、授業参観など学校への参加を呼びかけるプリントが入っています。できるだけ学校にも協力したいし、子どもの様子も知りたいけれど、働いていたり、小さなきょうだいがいたりすると難しいのが現実。年に数回ある保護者会は、毎回の出席が難しければ、係りや委員を決める最初の保護者会にはできるだけ顔を出し、それ以降のものは調整がつく範囲での出席、などと優先順位をつけるのがおすすめです。■PTAの係りや委員、あなたはどうする?加入が任意であり、加入しない保護者が出てきたことも話題になっているPTA。それでもほとんどの人が加入するのが現状です。考え方や事情によって立場は人それぞれですが、筆者は、公立小学校は学校側だけでできることにも限界があり、保護者の協力が学校生活には欠かせないと感じています。だから、「がんばりすぎず、できる範囲での協力」を心がけています。「がんばりすぎず」というのは、小学校ママ歴も5年近くなり、PTAの仕事というのはやはり「子育て観」が関わってくるもので、子育て観ほど全員一致が難しいものはない、と実感しているからです。特に公立小学校は、「この学校のここが気にいって子どもを行かせている」というわけではないので、ますます価値観はバラバラです。利益の追求という共通の目標を持って動く会社などの組織とは異なり、目標も熱意も集まってくる人もバラバラ。そこで子育て観をぶつけ合うのもなかなか大変なので、「与えられた仕事」をきっちりこなすことや、自分の得意な仕事(例えば書類作成)などで貢献するようにしています。■どうやって「できる範囲の協力」をする!?「働いているから」というのがPTAの仕事の免除の理由にはならなくなってきています。でも、現状平日の昼間をPTAの仕事に割ける人は限られています。それではどうしたらいいでしょう。係りによっては家や土日でもできることも多かったり、特定の時期だけ忙しかったりと働いていても比較的参加しやすいものと、平日の集まりが多くまず難しいものがあります。ただ、表面上はなかなかそれが見えにくく、係りを決める段階でほとんどの人がよくわかっていないのが現状です。係り決めを運任せにするのではなく、リサーチが重要。上の学年にきょうだいがいるママなどに早めに係りや委員の仕事の内容を聞いておき、どの係りや委員なら比較的できるか目星をつけておくことをおすすめします。希望者がいないと、くじ引きやじゃんけんで決められる場合もあるので、大変な係りになってしまうリスクを避けるために、事前にリサーチした比較的やりやすい係りに立候補してしまうのも作戦のひとつです。係りをやると学校の事情もよくわかったり、他学年の知り合いもできたりなど、プラスの面もあります。小学校は、子どもが自分で登下校して、親同士が知り合う機会も園時代よりぐんと減るので、知り合いを作りたい場合は、思い切ってできそうな係りに立候補してみてもいいでしょう。【まとめ:小学校PTAをのりきる 3つのコツ】1)どの係りならできそうか事前にリサーチをしておく2)学校の事情を知りたいならできそうな係りをやってみる3)PTAと仕事は違うと考え、仕事のやり方をそのままPTAに持ち込まないように注意
2017年03月06日共働き家庭にとって、子どもが小学校に上がるタイミングで問題になるのが、放課後の預かり先。多くのご家庭が学童保育を利用しますが、学童には「公立」「民間運営」などさまざまな種類があります。それぞれに預かり時間や料金など特徴があるので、メリット・デメリットをしっかりチェックしておきましょう!学童保育ってどんなもの?学童保育とは、働いているなどの理由で保護者が日中家庭にいない小学生のお子さんが利用する施設です。授業が終わった後の子どもたちに、遊びや生活の場を提供してくれます。「学童保育」のほか、「放課後児童クラブ」と呼ぶこともあります。学童保育には、大きく分けて自治体が直接運営している「公立」と、企業が運営している「民営」の2種類があります。また、最近では行政の委託を受けてNPO法人や社会福祉協議会などが運営する学童も増えてきています。こうしたケースは「公立民営」として正確には公立と区別していますが、今回はおおまかに公立のくくりでご紹介します。データ参照先: 平成28年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(5月1日現在) 公立と民間運営にはそれぞれ特徴があるので、つぎから詳しく見ていきましょう。公立の学童保育はどんなメリット・デメリットがある?まずは公立学童のメリット・デメリットをご紹介します。公立学童保育のメリット■小学校内の施設が多い公立学童の多くは、小学校の敷地内にあります。お子さんにとっては通いなれた学校で放課後もそのまま過ごせますし、保護者にとっても移動の心配がなくて安心です。ほかに、地域の児童館や公共施設を活用している学童もあります。■費用が安い公立はおやつ代と保険料のみの施設が多く、費用が安いのが魅力です。なかには登録料や月々の利用料がかかる施設もありますが、多くても数千円程度です。公立学童保育のデメリット■預かり時間が短い最近は公立学童でも預かり時間が延びつつあり、2016年の統計では半数近くが19時ごろまでオープンしています。とはいえまだ半数の施設は18時か18時半まで。そして基本的に延長保育がありません。■人数が多く個別のケアはしにくい施設にもよりますが、公立学童は全体として1施設あたりの人数が多め。30~45人くらいが一般的で、基本的には「遊ぶ場」「居場所」としての性格が強いこともあり、個別のケアや勉強のサポートまでは期待しにくいようです。民間の学童保育はどんな特徴がある? 民営学童は、学習塾やスポーツクラブ、幼稚園などさまざまな企業が運営しています。サービス内容は施設によっていろいろなので、まずは見学や体験をしてみるのがおすすめ。以下でご紹介するのは、都内などの一般的な例です。民間学童保育のメリット■預かり時間が長い通常の預かり時間は19時までの施設が多く、公立と大きく変わりません。ただしほとんどの民営学童は延長保育があり、21時~22時頃まで預けられるようになっています。■学習サポートや習い事もカバーできる民営学童は、施設によって多彩な活動プログラムが用意されているのが特徴。学習サポート、英語、理科の実験、アート活動、スポーツ活動などが代表的です。習い事に通わせる時間がないママやパパにはうれしいですね。民間学童保育のデメリット■料金が高い施設にもよりますが、毎月の利用料金は3~6万円ほどかかります。別途入会金も必要です。習い事などオプションごとに追加費用がかかることもあり、全体としてかなりお高めです。■家から遠いとお迎えが大変民営学童のほとんどが近隣の学校への「お迎えサービス」を基本料金内でおこなっていますが、家への「お送りサービス」は追加料金がかかることが多いようです。施設が家から遠いと、毎日のお迎えはなかなか大変。近所や学校のお友だちが同じ学童にいないこともあります。お子さんの性格やママの働きかたも考慮して今回は、学童保育の種類やそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。料金が安く、通いなれた学校や地域内という安心感のある公立。料金は高いけれど融通がきき、学習面や習い事的なプラスアルファのサービスが魅力の民営。お子さまの性格や保護者の働き方なども考慮して、ご家庭にあった学童を見つけてくださいね。
2017年02月17日小学校に上がるまでに、もう1年あったら…そんな事を考えたことありませんか?出典 : 「我が子も来年は小学校へ入学…だけど、病気や障害があって体が小さく体力も十分についていない。小学校でみんなと一緒にやっていけるのか」「小学校へ上がるまでに、せめてあともう1年あったら、体力も同年代に追いついて、心配せずに入学できるのに…」お子さんの発育と、小学校入学のタイミングについて、そんな風に悩まれているご家庭もあるかもしれません。今回のコラムでご紹介するのは、発育不全や病気等を理由に、教育委員会の許可を得て主に小学校に上がる年を1年遅らせることのできる就学猶予という制度です。以下は数年前に未熟児で生まれ、発達の遅れのため就学猶予をしたお子さんを持つ方のお話です。3ヶ月早く、3月末に産まれてしまいました。早生まれになったことで学年は1つ上に、でもそのせいで発達面や学力面で余計差が開いてしまう状態でした。690グラムで産まれた我が子ですが幸い障害はなく、猶予という形を取って本来の位置に戻し可能性を伸ばしてあげたいというのが猶予を決めた一番の理由です。現在は、特別支援教育の充実とともに、就学猶予の取得は以前より難しくなっていると言われています。ですが、上記の体験談のように、お子さんが未熟児や低体重で生まれた場合、就学猶予・免除を利用できる場合もあるようです。以下では、就学猶予の制度や背景、申請・利用方法などを中心に解説していきます。就学猶予・就学免除とは?義務教育との関係は?出典 : 一般的に義務教育といわれているものは、保護者が負っている「教育を受けさせる義務」(教育義務)によって子どもが受ける教育のことをさします。保護者は、児童を小中学校などに通学するように取り計らう「就学義務」という義務を負っています。一方子どもには、基本的人権の一つである教育を受ける権利があります。国民は国家に教育を受ける権利を要求できます。憲法第26条第2項で「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」と規定されており、また、教育基本法第5条第1項に「国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。」出典 : 就学猶予・免除とは、保護者が負っている就学義務に猶予を設けたり、免除を与える制度です。通常、保護者は児童が6歳になった時に所属していた学年の最初の日(つまり6歳になる年度の4/1)から、15歳になった時に所属している学年の最後(15歳になった年度の3/31)まで、児童に教育を受けさせる義務があります。就学猶予・免除を取得すると、その就学義務を負う時期を遅らせる、または場合によっては義務を放棄することができます。ただし、保護者または児童が日本国籍を持っており、かつ日本に住んでいる場合に限ります。例えば、保護者は日本国籍で日本にいるが、児童が海外で学んでいる場合や、児童が重国籍で日本外で教育を受けている場合などは、就学猶予・免除の対象外となります。ちなみに、就学猶予と就学免除の間には、明確な違いはありません。というのも、就学猶予を認められた場合でも、就学義務期間は延長されず、満15歳の時に子どもが所属していた学年の終わりで、親の就学義務は消失するからです。ですので実質、猶予された期間は免除されたことと同じことになります。Upload By 発達障害のキホン日本では明治時代の中期ごろから義務教育の基盤が出来上がり始めました。しかし、当時は障害のある児童が学校で義務教育を受けるための環境はほとんど整備されていませんでした。そのため、障害のある児童の保護者は、就学義務の猶予・免除を受けとなり、結果として児童は教育をほとんど受けませんでした。上のグラフが示すように、第二次世界大戦の直後1945年は、就学猶予者・免除者の人数はとても多くなっています。これは、障害のある児童のための学校、例えば盲、聾、知的、肢体不自由児向けの養護学校は、国が定める義務教育として扱われていなかったという背景があります。そのため保護者が障害のある児童を盲、聾、知的、肢体不自由児向けの学校に通わせる場合、就学義務を果たしたことにはならないが、就学猶予・免除を受けるという形を取っていたのです。しかし、1979年からは、養護学校が義務教育とみなされるようになり、就学猶予や免除制度を利用する必要のある家庭は急激に減っていきました。今日では、特別支援学校、支援学級の整備・充実により、障害を理由に就学義務を果たせず、就学猶予・免除を受けるという場合は非常に少なくなっています。では、現在では、どのような場合にこの制度が利用されているのでしょう。どんな理由なら就学猶予・免除が認められるの?出典 : 保護者は、児童を就学させる義務を負っていますが、例外として、その児童について以下で説明するような理由が認められた場合は、一定手続を経て就学義務の免除を市町村の教育委員会から受けることができます。学校教育法では、就学猶予・免除が認められる理由を、「病弱、発育不完全、その他やむを得ない事由のため就学困難と認められる場合」としています。病弱、発育不完全とは、治療や生命・健康の維持のために療養をしなければならず、教育を受けることが困難である場合、学校教育に耐えることができない程度の障害がある場合などを意味します。その他のやむを得ない理由とは、以下のような場合が挙げられます。1. 児童自立支援施設等に入所し、就学ができない場合2. 重国籍者で、将来外国籍を取得することを前提として、在日外国人学校等に就学を希望する場合3. 帰国子女で、日本語の能力が養われるまでの一定期間、適当な機関で日本語の教育を受ける等の措置が講じられている場合4. 低出生体重児等であって、教育上及び医学上の見地等の総合的な観点から、市町村教育委員会が就学を猶予又は免除することが適当と判断する場合一方、経済的な理由では就学猶予・免除は認められません。学校教育法では、経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、必要な援助を市町村が与えなければならないとされているからです。そのような場合は、就学援助制度を利用できます。就学猶予・免除を受けたい場合は教育委員会の許可が必要です出典 : 前述した理由に該当し、就学猶予・免除を受けたい場合は、在住する市区町村の教育委員会に申し出を出すことが必要です。申し出の際には、就学猶予・免除を受ける理由を証明する書類が必要です。市区町村によっては指定の医師の診断書が必要なこともあります。理由を証明する書類とを参考に、保護者の申し出を教育委員会が審議し、就学免除・免除が認められた場合は許可通知が出されます。Q&A障害のある子どもの就学事務手続の手引就学免除・猶予を利用しても、子どもは中学校を卒業できる?出典 : 就学免除・猶予を利用した場合でも、子どもは、1年または数年遅れて中学校を卒業することができます。保護者が児童に教育を受けさせる義務は、就学猶予を1年受けた場合、子どもが中学校2年生の時になくなりますが、これは保護者の就学義務がなくなるだけであって、引き続き児童は教育を受ける権利を持っています。学校に行かず、不登校やフリースクールに通っている場合は?出典 : 現在、文部科学省の見解では、厳密には不登校やフリースクールの利用では、保護者が就学義務を果たしたことにはなりません。しかし、学校長の裁量などにより、学校外の施設等における学習活動を学校への出席として扱うことができる場合もあります。また、長期の不登校により中学校卒業資格を得られなかった子どもに対する救済措置として、中学校卒業認定試験という制度が存在します。この試験に合格すれば、中学校に通って卒業することができなかった子どもも、高校へ進学することができます。まとめ出典 : 就学猶予・免除は、その制度の確立当初、重い障害がある児童が義務教育を受けられない場合に利用されてきました。その後、特別支援学校や支援学級での教育も義務教育とみなされるようになり、就学猶予・免除を利用する必要のある家庭の数は大幅に減っています。しかし、近年でも、低体重児など、病気や発育不全がある場合に、就学猶予・免除が適応されることがあります。お子さんの発育と、小学校入学のタイミングについて悩まれているご家庭は、こうした制度の活用も選択肢の一つとして参考にしてみてください。
2016年10月23日子どもを私立に通わせるか公立に通わせるか…これは子どもを持つ親にとって大きな決断を迫られる問題ですよね。一般的に、子どもの教育費は平均して1000万円以上かかると言われています。小学校・中学校・高校・大学で掛かる費用はかなり異なりますので、公立・私立ともにどのタイミングでどれだけのお金がかかるかを把握しておきましょう。小学校の場合まずは小学校受験から検討していきましょう。最近は首都圏を中心に小学校受験をする家庭が増えているといわれています。その準備のために、多くの家庭では子どもを幼児教室に通わせています。こちらの月謝が約10万~15万円ほどで、準備期間として一般的な一年半の間通わせるとすると、約180万~270万円ほどかかる計算に。入学後はどうでしょうか。厚生労働省の『平成26年度子供の学習費調査』では、塾や家庭教師、習い事などの費用も含めた年間の教育費を発表しています。それによると、公立小学校では約32万2千円、私立小学校では153万6千円。その中から学校教育費(学校における教育費)だけを抽出すると、公立では約5万9千円、私立では約88万5千円と、私立は公立に比べておよそ15倍の学費がかかることがわかります。中学校の場合中学校では、公立約48万2千円、私立約133万9千円となっています。ここでは公立12万8千円、私立102万2千円と学費の差がおよそ8倍に縮まり、また、学校外活動費(塾や習い事にかける費用)が公立私立でおよそ同額になっています。中学3年生では学校外活動費が公立約43万4千円、私立約34万1千円と逆転していることから、公立中学に通う家庭では高校受験に費用を掛けていることが分かります。高等学校・大学の場合高等学校では、公立約41万円、私立約99万5千円となっています。高校では公立と私立の学費差がさらに小さくなり、公立約24万2千円、私立約74万円と、およそ3倍。学校外活動費では公立約16万7千円、私立約25万5千円と、また私立が上回ります。大学の場合、近年国立大学の授業料の値上げが続き、私立大学との差が小さくなっていると言われています。文部科学省から発行された『私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』によると、2015年度の国立大学の学費は約54万円で、私立は約105万円と、およそ倍の差があります(いずれも入学金は含めず)。小学校~大学までのまとめこれまでの金額を全てまとめると以下のとおりになります。1. 小→中→高→大と全て国公立に行った場合 学費のみ 約362万4千円 差し引き(≒学外の教育費) 314万4千円 総額 約676万8千円 2. 小→中→高→大と全て私立に行った場合 学費のみ 約1479万6千円 差し引き(≒学外の教育費) 562万2千円 総額 約2041万8千円公立と私立で総額1千万以上もの差が生まれてきます。最終的に進学先を決めるのは子どもですので、その意思を尊重するためにも教育費は早めに、計画的に準備したいものですね。平成26年度子供の学習費調査(文部科学省)私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果について(文部科学省)お金がないから大学行けない 国立でも授業料年54万円、40年前比15倍(毎日新聞)ライター:メオトーク編集部
2016年10月17日子どもを私立に通わせるか公立に通わせるか…これは子どもを持つ親にとって大きな決断を迫られる問題ですよね。一般的に、子どもの教育費は平均して1000万円以上かかると言われています。小学校・中学校・高校・大学で掛かる費用はかなり異なりますので、公立・私立ともにどのタイミングでどれだけのお金がかかるかを把握しておきましょう。小学校の場合まずは小学校受験から検討していきましょう。最近は首都圏を中心に小学校受験をする家庭が増えているといわれています。その準備のために、多くの家庭では子どもを幼児教室に通わせています。こちらの月謝が約10万~15万円ほどで、準備期間として一般的な一年半の間通わせるとすると、約180万~270万円ほどかかる計算に。入学後はどうでしょうか。厚生労働省の『平成26年度子供の学習費調査』では、塾や家庭教師、習い事などの費用も含めた年間の教育費を発表しています。それによると、公立小学校では約32万2千円、私立小学校では153万6千円。その中から学校教育費(学校における教育費)だけを抽出すると、公立では約5万9千円、私立では約88万5千円と、私立は公立に比べておよそ15倍の学費がかかることがわかります。中学校の場合中学校では、公立約48万2千円、私立約133万9千円となっています。ここでは公立12万8千円、私立102万2千円と学費の差がおよそ8倍に縮まり、また、学校外活動費(塾や習い事にかける費用)が公立私立でおよそ同額になっています。中学3年生では学校外活動費が公立約43万4千円、私立約34万1千円と逆転していることから、公立中学に通う家庭では高校受験に費用を掛けていることが分かります。高等学校・大学の場合高等学校では、公立約41万円、私立約99万5千円となっています。高校では公立と私立の学費差がさらに小さくなり、公立約24万2千円、私立約74万円と、およそ3倍。学校外活動費では公立約16万7千円、私立約25万5千円と、また私立が上回ります。大学の場合、近年国立大学の授業料の値上げが続き、私立大学との差が小さくなっていると言われています。文部科学省から発行された『私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』によると、2015年度の国立大学の学費は約54万円で、私立は約105万円と、およそ倍の差があります(いずれも入学金は含めず)。小学校~大学までのまとめこれまでの金額を全てまとめると以下のとおりになります。1. 小→中→高→大と全て国公立に行った場合 学費のみ 約362万4千円 差し引き(≒学外の教育費) 314万4千円 総額 約676万8千円 2. 小→中→高→大と全て私立に行った場合 学費のみ 約1479万6千円 差し引き(≒学外の教育費) 562万2千円 総額 約2041万8千円公立と私立で総額1千万以上もの差が生まれてきます。最終的に進学先を決めるのは子どもですので、その意思を尊重するためにも教育費は早めに、計画的に準備したいものですね。平成26年度子供の学習費調査(文部科学省)私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査結果について(文部科学省)お金がないから大学行けない 国立でも授業料年54万円、40年前比15倍(毎日新聞)ライター:メオトーク編集部
2016年10月14日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいのは志望校をどこにするかということです」と言う。志望校が決まったら、いよいよ本格的な受験対策が始まる。小学校受験の「もっとも大切な対策」とは? ■「学校が求めている子」とは?「小学校受験とは、いわば学校とご家庭のお見合いのようなものです。学校が求めている子とは、端的に言えば『学校の教育方針と一致したご家庭のお子さま』です」(浅木さん)。小学校受験が親の受験といわれる所以(ゆえん)は、家庭の教育方針や雰囲気が、さまざまな考査や面接を通じて試され、合否が決定されるところにある。「ですから、志望校が決まり次第、志望校の教育理念と家庭の教育理念の一致点を明確にし、一致点を意識しながら、お子様の教育をしましょう」(浅木さん)。■家庭の教育方針を明確化させる 浅木さんが主宰する柊会では、毎月、保護者に願書・面接対策となる作文を提出してもらっているそう。入試直前ではなく、入試の数年前から家庭の教育方針を明確化することで、「こんな子どもに育ってほしいけれども、今、わが子はこういうことができていない」「わが家の教育方針では、○○を子どもにしてあげたいけれども、時間的にしてあげる余裕がない。その代わりに、△△をしてあげよう」など、さまざまな思いが出てくる。これがとても効果的な面接対策となるようだ。「志望校を決定し、家庭の教育方針を深く考える作業は、幼児教室に通うより早く始めても良いくらいで、早すぎるということはありません」(浅木さん) ■両親の教育方針のすり合わせも大切願書作成や面接対策のために考え抜いた教育方針で子どもに接することで、入試当日の子どもの言動と、面接での保護者の回答が一致する。家庭の教育方針を明確化する時には必ず、パパとママの意見のすり合わせも必須だ。両親の意見が異なると、子どもは混乱する。特別な時間をとらずとも、仕事の合間にメールでやりとりをするなどして、できるだけお互いの負担にならない工夫をしよう!次回は、「小学校受験をするならチェックしたい6つのこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月24日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」と言う。メリットとデメリットをしっかり把握した上で、小学校受験を決意したら最初にすべきことについてお話を伺った。■志望校により選抜形式が違う「志望校をどこにするか? これは、小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいことです」(浅木さん)小学校受験は、学校によって入試の選抜方式が違う。選抜方式と入試傾向を知ることにより子どもにかかる負担を軽減することができるからだ。 ■志望校の選抜形式にそった対策を立てるたとえば、慶応幼稚舎を第一志望にするのであれば、行動観察と絵画制作に特に力を入れ、余力を巧緻性(こうちせい:第2回<※リンク貼る>を参照)と運動、知識補充を目的とする簡単なペーパー対策にまわす。暁星小学校が第一志望なのであれば、まずはペーパー(分量、速さに対応できるレベルまで)を徹底的に仕上げ、その後、行動観察、制作、運動に取り組む。このように効率良く対策を立てることで、子どもへの負担を軽減できる。「志望校の選抜形式にそった対策を取りつつ、様々な実体験をさせ、場をわきまえられるお子様にしてあげることが合格への近道になります」(浅木さん) ■志望校が決まらない場合はペーパー対策からとは言え、なかなか志望校が決まらない場合もあるだろう。「そんな時は、ペーパー対策から始めましょう。以前に比べ、多くの学校でペーパーテストのウェイトが低くなりました。けれども、ペーパー対策をしておくと併願校を選びやすくなります。また、入試直前の志望校変更が可能になります」(浅木さん)いよいよ小学校受験対策が始動した。次回は、「小学校受験における、もっとも大切な対策とは?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月23日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんが見てきた中では、小学校から高校までの一貫教育をしている90%以上の学校で、主席は小学校からの内部進学者だそう。小学校受験を「人生の糧」にしているご家庭もある一方で、小学校からの内部進学者の学業成績が平均以下となることも珍しくない。■小学校の内部進学者の成績低迷理由「内部進学者の成績低迷の理由は、ほとんどが、その子の地頭の悪さではありません。ご両親の教育熱心さが良くない影響を与え、学力が下がったケースが多く、そういうケースを相当数見るにつけ、本当に心が痛みました」(浅井さん)生まれ持った学力のポテンシャルがあるにも関わらず、学業不振に陥ってしまう。それはなぜなのだろうか?■幼少期の自己否定感は負の連鎖を引き起こす「小学校受験のリスクは、両親や講師が、指導中に望ましくない態度で子どもに接した結果、子どもに自己否定感を受け付けてしまうことです」(浅木さん)模試の結果や勉強の進み具合で親の機嫌が頻繁に変わったり、子どもが問題を間違えた時に叱責(しっせき)したり、志望校にご縁をもらえなかったときに親が落ち込んでしまったりすると、子どもは自己否定感を強めてしまう。「人格の基礎を形成する幼少期に、子どもの自己否定感を強めないよう、ご両親や指導者は、配慮をしなければいけません。ゆったりとした気持ちで子どもに接し、ご家庭は『子どもが安心できる居場所』であって欲しいと思います」(浅木さん) ■合格だけでは不十分「志望校にご縁をいただけるように指導することは当然ですが、それだけでは不十分です。幼児教育指導者は、長期的スパンで、子どもの健やかな成長により良い影響を与える必要があります」そのためには、小学校受験のリスクをきちんと伝えていくことも、幼児教育指導者の一つの仕事だと考えている。「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」(浅木さん)次回は、「小学校受験を決意したら最初にすること」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月22日小学校受験。そんな言葉に、あなたはどんなイメージを持ちますか? 今回は、「小学校受験って、どうなの?」という素朴な疑問について、幼児教育研究所柊会・代表の浅木真里さんにお話を伺いました。■浅木さんが幼児教室を始めた理由浅木さんは、灘、ラ・サールなどの難関私立中学受験指導や医学部受験をメインとする学習塾の教務部長、役員を経て、幼稚園・小学校受験指導を行う柊会(ひいらぎかい)を設立した。「思春期以降の子どもを指導して感じていたことは、幼少期の親子関係は、その後の人生に大きく影響するということです。ですから、少しでも多くの親子に小学校受験対策を通じて、より良い親子関係を育んで欲しいと思い、柊会を設立しました」(浅木さん)■オリジナル教材が必要だと思っていたが…小学校受験と聞くと、「お受験」という言葉で揶揄(やゆ)されるように、高額な幼児教室に通わせないと合格しないのではないか? というイメージがある。「私自身、小学校受験に携わっていなかった頃は、『合格するためには幼児教室の特殊なオリジナル教材が必要だ』と考えていた時期もありました。けれども、実際に指導に携わってみると、そのようなことはありませんでしたね」(浅木さん) ■大切なのは子どもの現状把握と正しい対策「皆さまが考えているほど、小学校受験は難しくありません。大切なのは、お子さまの現状を的確に把握し、正しい対策を行い、志望校からご縁をいただける確率を限りなくあげていくことです」(浅木さん)過去の入試情報については、大手幼児教室が毎年夏に発行する私立小学校の入試問題集にすべて掲載されているそう。また、学校の求める児童像については、学校のホームページや学校説明会で知ることができる。幼児教室の先生から聞いた、学校が求める児童像を鵜呑みにするのではなく、保護者が学校説明会、公開行事の日程を自ら調べ、足を運び、学校を知ろうという姿勢を持つことが合格につながるとのことだ。「過去の入試問題と学校が求める生徒像を正確に知ることできれば、わが子を志望校に合格させるために何をすべきか? という問いの答えは、おのずと導き出されます」(浅木さん)次回は、「小学校受験で得られるメリットとは?」です。今回取材を受けてくだ下さった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月20日