北京オリンピックスノーボード日本代表・冨田るきが16日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】冨田るき『やっぱり好きなんだな』雪上復帰とリハビリへの感謝を語る「今年は」と綴り、写真をアップ。冨田は、スノーボードをはいて雪山でのショットを公開した。最後に「#yonexsnowboard」とハッシュタグを添えて締めくくった。 この投稿をInstagramで見る 冨田るき(@ruki_tomita)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「」といったコメントやたくさんのいいね!が送られている。
2025年01月19日サイエンスやビジネスの最前線の現場からライブ配信する「日曜朝最先端探訪シリーズ」(運営:サイアンスアカデミー)にて、世界的な日本画家・千住博氏と生命科学者・冨田勝氏による『「サイエンス」と「アート」の本質』をテーマにした異色の対談を2024年12月22日(日)朝9時からオンラインライブ配信いたします。お二人は小学校の同期生であり、共に慶應高校を経てそれぞれの道を歩みました。冨田氏は慶應義塾大学 工学部に進学してサイエンティストに、千住氏は東京藝術大学に進学してアーティストに。そして、彼らの家庭環境も興味深いものがあります。千住氏の父・千住鎮雄氏は慶應義塾大学 理工学部の教授、冨田氏の父・冨田勲氏は世界的な音楽家です。今回の対談テーマは、『「サイエンス」と「アート」の本質』について。冨田氏は「サイエンスの本質はアートである」と考え、千住氏は「アートの本質はサイエンスである」と語ります。対極にあるように思われがちな二つの分野ですが、その根底には共通するものがあるのかもしれません。ときおり居酒屋で飲んだり、カラオケを楽しんだりと親交の深いお二人が、本音トークで語る科学と芸術。それぞれの視点を通じて、科学とは何か、芸術とは何かを考える貴重な機会です。リラックスした雰囲気の中で繰り広げられるこの対談をお見逃しなく。 【千住博(せんじゅ・ひろし)】ニューヨーク在住の画家。崇高で巨大なスケールの滝や崖の作品で世界的に知られている。抽象表現主義に根ざしたミニマルな表現と日本古来の絵画技法を組み合わせた作品を制作している。2007年から2013年まで京都造形芸術大学学長を務め、現在は京都芸術大学教授、東京国立博物館アンバサダー、池坊文化芸術財団評議員、学校法人立命館顧問、康耀堂美術館館長、ヴァン・クリーフ&アーペル芸術学校(レコール)マスターズコミッティー委員、公益財団法人徳川ミュージアム相談役等を務める。 千住博氏【冨田勝(とみた・まさる)】1957年東京生まれ。慶應大学工学部卒業後、米カーネギーメロン大学に留学し、AIを専攻して修士課程(1983)と博士課程(1985)修了。その後、カーネギーメロン大学助教授、准教授歴任。1990年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス開設とともに帰国。環境情報学部助教授、教授、学部長を歴任。2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)を開設し、22年間所長を務め、その間に9社の慶應鶴岡発ベンチャーを創業支援した。現在、慶應義塾大学 名誉教授、一般社団法人 鶴岡サイエンスパーク代表理事。Spiber株式会社およびインテグラル株式会社 社外取締役。 冨田勝氏 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年12月16日北京オリンピック・スノーボード女子ハーフパイプで銅メダリストとなったアスリート冨田せなが27日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】冨田せな「Waiting for the good weather☁️」ゲレンデでのショットを公開「Thank youkitzsteinhorn snowpark」と綴り、複数枚の写真をアップ。冨田は、ゲレンデでのスノーボードウェア姿などのショットを公開した。続けて「一旦帰国しまーす次の遠征からワールドカップが始まります。初戦は中国!!遠征中はglobalwifilを借りてます。借りるのも返却も楽ちんだし、もし海外でトラブルあってもすぐに対応してくれてとても助かりました。」と綴り、この投稿を締めくくった。 この投稿をInstagramで見る Sena Tomita / 冨田せな(@sena_tomita)がシェアした投稿 この投稿にファンからは「」といったコメントが寄せられ、多数のいいね!が送られている。
2024年11月29日北京五輪スノーボード日本代表・冨田るきが26日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】冨田せな「Waiting for the good weather☁️」ゲレンデでのショットを公開「ちょっとずつ寒くなってきて冬が近づいてる❄️」と綴り、写真をアップ。冨田は、真っ白な雪山を下る様子のショットを公開した。整備のされていない雪山で滑ることをバックカントリーという。また、北京五輪銅メダリストの冨田せなとは姉妹であり、るきは妹である。 この投稿をInstagramで見る 冨田るき(@ruki_tomita)がシェアした投稿 この投稿にファンからは、多数の「いいね」が寄せられている。
2024年10月27日北京五輪スノーボード/ハーフパイプ銅メダリスト・冨田せなが11日、自身のインスタグラムを更新した。【画像】村瀬心椛が18歳の誕生日を迎え、成人に✨ティアラショットも披露「Waiting for the good weather ☁️」と綴り、2枚の写真をアップ。冨田は、ゲレンデでのショットを公開した。中には、高々とジャンプをしたアクロバティックな姿も見られる。 この投稿をInstagramで見る Sena Tomita / 冨田せな(@sena_tomita)がシェアした投稿 この投稿にファンからは、多数のいいね!が送られている。
2024年10月12日コニカミノルタプラネタリウム株式会社(東京都、代表取締役社長:本 由美子)は音楽家・冨田勲さんの楽曲を使用したプラネタリウム作品『コズミック・ハーモニー 138億年の響き』を全国のプラネタリウム館への配給を開始いたしました。作品概要138億年前に宇宙が誕生した時、宇宙最初の「音」が響きわたっていました。その「音」は宇宙誕生138億年後の現在、何処で響き渡っているのでしょうか。立体音響の先駆者・冨田勲さんが奏でた名曲と共にこの宇宙に響き渡る「音」を見つけに行きませんか。作品のナレーションは俳優の松重豊さんです。(時間:30分)登場する冨田勲の作品・組曲「惑星」より木星・火星・金星・水星(作曲:ホルスト)・月の光(作曲:ドビュッシー)・答えのない質問(作曲:アイヴズ)・亡き王女のためのパヴァーヌ(作曲:ラヴェル)・青い地球は誰のもの2020(歌:カノン 作詞:阪田寛夫 作曲:冨田勲 編曲:津田賢吾) ほかナレーションは俳優の松重豊さん作品のナレーションは俳優の松重豊さんが担当。優しく包みこむ松重さんの素敵な声をプラネタリウムでどうぞお楽しみ下さい。冨田勲 × 没入体験「自然界では鳥の声や川の音とか色々な方向から聞こえてきて正面がない。だから僕の音楽も正面がないように作っている。」― 冨田勲サラウンド音源、VRや360°映像、音や映像の没入体験が話題になって久しいですが50年も前から包みこまれるような立体的な音の世界を作り出していた人がいました、音楽家・冨田勲さんです。シンセサイザーを駆使して生み出した音楽は「トミタ・サウンド」と呼ばれ世界中の多くの人に愛され、日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされました。マイケル・ジャクソンが来日した際には「トミタに会いたい!」と冨田家を訪問しました。冨田さんが作曲した音楽は今現在も多くの人の耳に届いており、NHK「きょうの料理」のテーマ曲や東京ディズニーシーのエントランスにあるアクアスフィアで流れている立体音響のテーマ音楽はパークを訪れる人々を楽しませています。TVアニメ「ジャングル大帝」、「リボンの騎士」などの音楽も手掛け多くの子どもたちに夢を与え続け、晩年にはバーチャル・シンガー“初音ミク”をソリストに迎えた「イーハトーヴ交響曲」を発表。自身の心の中に描いた壮大なイマジネーションを音楽と最新技術で表現してきました。“元祖・没入体験” をプラネタリムで体感「トミタ・サウンド」といえば宇宙を題材にしたものが数多くあり、冨田さん自身も星や宇宙、プラネタリウムを愛していました。今から50年前、冨田さんが作ったサラウンド音源を聞ける環境はほとんどありませんでした。現在においても前方に左右2つのスピーカーによる2chステレオ環境が主流となっていますが、今回プラネタリウムで上映という事でドームの四方に配置された複数のスピーカーにより冨田さんが描いていた本来の「トミタ・サウンド」を体験する事ができます。(※上映施設によりスピーカーの数は異なります。)使用した音源はTOMITA information Hub ( ) の全面協力のもとオリジナル原盤を使用しています。作品の監督・脚本・プラネタリウムの演出を担当したのはプラネタリウム業界にて30年以上、延べ100作品以上を制作した、新井達之さん。天文監修には名古屋大学総長であり、天文学者の杉山直さんに作品の監修して頂きました。冨田さんは生前「プラネタリウムで僕の音楽を流し、多くの子どもたちに楽しんでもらいたい。」と語っていました。「自然界だけではなく、宇宙にも正面がない」冨田さんが目指した360°の音と映像に包まれる“元祖・没入体験”をプラネタリウムで是非体感して下さい。★上映施設(2024年2月現在) 全国順次公開予定★愛媛県 松山市総合コミュニティセンター期間:2023年12月1日 ~ 2024年11月30日 愛知県 名古屋市科学館期間:2024年2月14日 (1日のみのイベント上映) ※詳しくは各館HPにてご確認下さい。★音楽:冨田勲 (とみた いさお)★音楽家 冨田勲 慶應義塾大学在学中から作曲家として活動を始め、NHK「きょうの料理」など番組テーマ曲、NHK大河ドラマ、手塚治虫作品、山田洋次監督作品など多彩な分野で作編曲家として優れた作品を数多く残す。1974年に米国RCAレーベルから発表したシンセサイザーによる作品「Snow Flakes are Dancing」は、日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネート、その後の一連のアルバムも世界中で大ヒットした。音響効果をも含めた音楽は「トミタ・サウンド」と呼ばれクラシック・ファンのみならず、世界中の幅広い層から支持されている。★ナレーション:松重豊 (まつしげ ゆたか) ★63年1月19日生まれ、福岡県出身。舞台やドラマ、映画など幅広く活躍。近年の主な出演作に映画「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」、「余命10年」、「ツユクサ」など。「青春18×2 君へと続く道」が5月3日公開予定。ドラマでは、「今ここにある危機とぼくの好感度について」、「いりびと-異邦人-」、「カムカムエヴリバディ」、「どうする家康」など。また、雑誌「クロワッサン」で『たべるノヲト。』のエッセイを連載中。★監督・脚本・プラネタリウム演出:新井達之 (あらい たつゆき)★1964年、東京都出身。千葉大学理学部地学科卒業。国際プラネタリウム協会会員。1990年から2022年まで、東京都内の公立博物館の天文担当学芸員として、100本以上のプラネタリウム番組制作を担当。デジタルプラネタリウムによる宇宙の映像と音楽を融合させた番組シリーズ、観客参加型の番組シリーズなど、宇宙を知る感動を新しいスタイルで伝えるプラネタリウム番組を追求してきた。現在は宇宙コンテンツクリエーターとして、音楽系クリエーターユニット『ソラノワ』などで活動。★天文監修:杉山直 (すぎやま なおし)★ドイツ生まれ。理学博士。1984年早稲田大学理工学部卒業後、広島大学大学院理学研究科博士課程を修了し、1991年東京大学理学部助手に着任。1996年から京都大学理学研究科助教授、2000年から国立天文台教授。2006年名古屋大学理学研究科教授、理学研究科長、理事・副総長(統括・総合調整担当)を経て、2022年4月より名古屋大学総長。専門は、宇宙物理学・宇宙論、特に宇宙マイクロ波背景放射や宇宙の構造形成の研究。西宮湯川記念賞、日本学術振興会賞、日本天文学会林忠四郎賞を受賞。★キャスト・スタッフ一覧★音楽:冨田 勲ナレーション:松重 豊監督・脚本・プラネタリウム演出:新井達之天文監修:杉山 直(名古屋大学)サラウンド音響・効果音・MIX:津田賢吾 (Tomita information Hub)編集・コンポジット:高原陽介満月写真:伊藤隆晃 (コニカミノルタプラネタリウム株式会社)ナレーション録音:園田芳伸・園田圭吾 (有限会社パストラル・サウンド)協力:林 寛之 / 平中慶子 / 服部玲治 (日本コロムビア株式会社) / オードレッド・マーク (合同会社スターライトスタジオ) / 高柳洋介 (コニカミノルタプラネタリウム株式会社) / 合同会社スターライトスタジオ / 有限会社パストラル・サウンド特別協力:妹尾理恵 / Tomita information Hub企画・制作:葛飾区郷土と天文の博物館 / コニカミノルタプラネタリウム株式会社プロデューサー:若井太志(コニカミノルタプラネタリウム株式会社) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月02日東レグループのプロジェクト「MOONRAKERS(ムーンレイカーズ)」は、このたび、双子の現役テニスプレーヤー冨田ツインズによって立ち上げられた、新進のテニスウェアアパレルD2Cブランド「TENEZ(テネス)」とのコラボレーションに合意し、最新の先端素材である「MOON-TECH®(ムーンテック)」を使用したコラボ商品展開をスタートしました。プロジェクト「MOONRAKERS」としては、“日本”をテーマにした珠玉の逸品に出会えるセレクトショップ藤巻百貨店のPBブランド「caramo」との「キマイラ スキン®SC」素材での第一弾コラボ、木の実由来の素材「カポック」を使用したものづくりを行うファッションブランド「KAPOK KNOT」との100%植物由来ナイロン「エコディア®N510」素材での第二弾コラボに続く、コラボレーション企画第三弾となります。プロジェクト「MOONRAKERS」は、東レグループのアパレル事業会社、ディプロモード株式会社(本社:東京都中央区、社長:若林茂)が推進する「先端素材による未来のファッション」の創造を目指すプロジェクトです。東レグループ各企業と世界に誇る技術を持つ日本の繊維有力企業メンバーと連携した商品の製造を行っています。TENEZとのコラボレーションは、プロジェクト「MOONRAKERS」がこの春より展開をスタートした、最新の先端素材「MOON-TECH®」の高い機能性に魅せられた「TENEZ(冨田ツインズ)」からの、『数量は大きくないが、MOON-TECH®をなんとか使わせてほしい!』との依頼よりスタートしています。「MOON-TECH®xてねっち」ワッペンTシャツ生産ロットとしての規模は大きくないため、従来の東レの素材販売の形では対応困難でしたが、プロジェクト「MOONRAKERS」のもつ小ロット(条件にもよるが1反程度の生地量、100枚単位の製品枚数)対応機能を駆使し、また「TENEZ」のもつ素晴らしいビジョン、ミッション、そして可能性を応援したいとの東レ本社の支援もあり、わずか数カ月の短期間でコラボを垂直立上げしたものです。プロジェクト「MOONRAKERS」は、今後もその小ロット対応機能を生かし、東レグループとしては従来のロットの問題から展開に制約のあった“最新の先端素材”を広く多くの方々に解放していく方針です。すでに、このコンセプトに共鳴頂いた素晴らしいビジョン・ミッションを持つ新進のD2Cブランド、歴史と実績をもつブランド、教育機関などより10を超えるコラボレーションの依頼が入っており、今後その展開を加速していきます。ディプロモード株式会社、および東レグループは、今後もプロジェクト「MOONRAKERS」を通じ、従来にない新しいコンセプト商品/システムの開発・展開を行い、その機能を生かした従来は不可能であった多くの方々とのコラボレーションを積極的に推進することで、人々のより快適で豊かな生活の実現に向け貢献してまいります。記【MOON-TECH®について】“汗をマネジメントする”東レの吸汗速乾ニット素材「フィールドセンサー®EX」に、JAXAと共同開発した消臭技術など複数のカスタマイズを加えた素材。汗の不快要素をコントロールする吸汗速乾、汗ジミ防止、消臭の機能に加え、ストレッチ、防シワ、透け防止、UVカットなどの高い快適機能性を持ちます。また、さらさらと心地よい肌触り、マシンウォッシャブルでアイロンいらずの利便性、高い耐久性からロングライフなサステナブル性に加え、カジュアルながら上品で美しいテクスチャーを兼ね備えています。本年5月より当素材を使用した商品展開をクラウドファンディングや自社EC販売などを主体に展開スタートしていますが、この夏累計4000枚を超える生産を進行しながら、売り切れが続発するなど、大きな反響を呼んでいます。【TENEZについて】「TENEZ」は、双子の現役テニスプレーヤー・冨田ツインズが2021年に立ち上げた新進のテニスウェアD2Cブランドです。ファッションに関心を持たないテニスプレーヤーやアスリートがファッションをきっかけに更に輝けるよう、テニス/アスレチックウェアとおしゃれでカジュアルな私服をシームレスにつなぐ商品の創造に挑戦しています。***TENEZWEBサイト、SNSページについて***WEB: Instagram: 【TENEZ代表:冨田大夢、冨田千聖(冨田ツインズ)について】1996年3月11日生まれ、東京都出身の双子。14歳から25歳まで計10年、海外留学、テニス留学、デザイン留学を経験。在住国はイギリス(3年)、アメリカ(2年)、アルゼンチン(3ヵ月)、スペイン(5年)の4か国。イギリス留学中の17歳でプロテニスプレーヤーとして世界の頂点に立つことを目指し、イギリスからアメリカのIMGテニスアカデミーに転校。大学時代はニューヨーク州立の美術大学に進学し、テニスとアートの勉強を両立。スペインでの本格的なテニス留学も行った。その後、日本に帰国し活動を行う中で、プロテニスプレーヤーやアスリートなど、その道を幼少期から極めてきた人たちには、ファッションなど専門以外の分野に関心を払う余裕がない場合が多いように感じ、美大で得たデザインやイラスト能力を生かし「テニスプレーヤーをオシャレにしたい」という想いで、テニスシーンとカジュアルシーンを機能性/ファッション性の両面でシームレスにつなぐアパレルブランド「TENEZ」を2021年1月に立ち上げ。現在は東京を拠点に現役テニスプレーヤーとして全日本選手権優勝を目指し活動中。アパレルブランドだけでなく、世界と日本を繋げた公認テニス大会や、テニス留学斡旋、プライベートレッスンなども行なっている。【MOON-TECH®xてねっちワッペンTシャツ商品の特徴・機能性】1.商品の特徴:冨田ツインズデザインによるオリジナルキャラクター“てねっち”のワッペンを左胸に配置したオリジナルTシャツ。「MOON-TECH®」素材の高い機能性によるテニスシーン、およびビフォーアフターのカジュアルシーンでの快適性とファッショナブルなデザイン性を両立することで、テニスシーンとカジュアルシーンをシームレスにつなぐ商品。2.商品の機能性(1)吸汗速乾:汗を素早く吸い取り拡散する吸汗・速乾機能(2)汗ジミ防止:糸の特殊な構造による光学効果(汗ジミが見えにくい)(3)消臭:東レがJAXAと共同で宇宙船内向けに開発した消臭機能を付与(4)ストレッチ:360°全方向の高いストレッチ機能(5)透け防止:糸の特殊な構造による、高い防透け効果(6)UVカット:糸の特殊な構造による、高い紫外線遮蔽効果(7)洗濯後の速乾:脱水で半乾きになる高い速乾性能で、洗濯後30分程度で乾燥(8)防シワ:糸の特殊な構造による防シワ効果(9)ロングライフ性:劣化の早い素材を使わないことによるロングライフ性【販売概要】(1)MOONRAKERS日本橋ショールームでの展示販売(今後TENEZ/MOONRAKERS双方のECサイトでの販売も検討中)(2)カラー:4色(WHITE、GREY、BEIGE、KHAKI)(3)サイズ:M、L、XL、2XL(ユニセックス対応4サイズ)【MOONRAKERSWEBサイト、SNSページについて】WEB: Instagram : Facebook : <本件に関するお問い合わせ先>ディプロモード株式会社プロジェクト“MOONRAKERS®”*下記電話番号、またはWEBページよりお問い合わせください。TEL:03-6665-0823 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月23日今年活動20周年を迎えた冨田ラボが、ニューアルバム『7+』を6月29日にリリースすることが決定した。冨田ラボがオリジナルアルバムをリリースするのは約3年ぶり。『7+』というタイトルには通算7枚目であることに加え、7という数字自体が持つ特別な意味が込められており、また“+”はその“7”でも説明しきれない今作を象徴している。アルバムには、冨田ラボの20周年を彩る20名の豪華アーティストが参加。既発の5曲でコラボしてきたアーティストに加え、新たに細野晴臣(作詞は堀込高樹 from KIRINJI)、AAAMYYY、そして声優で歌手としての活動も行う早見沙織(作詞は坂本真綾)らをボーカルに迎えた新曲や、5名のアーティスト(吉田沙良 from モノンクル、AAAMYYY、磯野くん from YONA YONA WEEKENDERS、TENDRE、Ryohu from KANDYTOWN)が一堂に会した楽曲など全14曲の収録を予定している。なお先立って配信リリースされた「MIXTAPE」の一部セルフサンプリングには合唱団が、「MAP for LOVE」には生のストリングスが加わっているほか、「さあ話そう feat. 藤巻亮太」もアルバム用のスクリュード・ヴァージョンで、配信とは異なった新しい音源となっている。また「20th ANNIVERSARY EDITION」と銘打たれた初回盤には、CDのほかにBlu-rayとブックレットが付属。Blu-rayには参加アーティストたちとのレコーディング時のドキュメント映像や、今作の作曲と編曲など制作のポイントを冨田自身が解説した「作編曲SHOW」を収録。ブックレットには日々の制作をまとめたレコーディングダイアリーや、トッププロデューサーとして活躍するに至るまでの道のりを紐解くインタビューと年表が収められる。併せて公開された今作のティザー映像は、さしずめ“冨田フェス”とでも言うべき豪華ラインナップを象徴するような、アルバムへの期待を膨らませる内容となっている。冨田ラボ『7+』ティザー映像<リリース情報>冨田ラボ ニューアルバム『7+』2022年6月29日(水) リリース●通常盤(CDのみ):3,300円(税込)●初回盤(CD+DVD):7,700円(税込)【参加アーティスト】※50音順磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS) / AAAMYYY / kojikoji / 坂本真綾 / 角田隆太(モノンクル) / TENDRE / 長岡亮介(ペトロールズ) / 長塚健斗(WONK) / naz / bird / BASI / 早見沙織 / 藤巻亮太 / 藤原さくら / ぷにぷに電機 / 細野晴臣 / 堀込高樹(KIRINJI) / 堀込泰行 / 吉田沙良(モノンクル) / Ryohu(KANDYTOWN)関連リンク冨田ラボ / 冨田恵一オフィシャルサイト:冨田ラボ Twitter:冨田ラボ Facebook:冨田ラボ YouTube:冨田ラボ オフィシャルファンサイト:冨田ラボ Instagram:
2022年04月05日数多くのアーティストのプロデュースを手がける冨田恵一のプロジェクト・冨田ラボが、新曲「さあ話そう feat. 藤巻亮太」を11月24日に配信リリースすることが決定した。「さあ話そう feat. 藤巻亮太」はJ-WAVEで今年9月にオンエアされた、さまざまな立場・状況にある人々が分け隔てなく安心して暮らせる「共生社会」をテーマにした特別番組『J-WAVE SPECIAL BORN TOMORROW ~FUTURE IS YOURS~』のために制作された楽曲で、ボーカルは所属レコード会社のレーベルメイトでもある藤巻亮太が担当し、作詞は「MAP for LOVE」でボーカルとして参加したペトロールズの長岡亮介が手がけている。J-WAVE限定で同曲がオンエアされた際は「優しい声が沁みる」「歌詞を見て涙が出た」などと反響を呼んでおり、寒くなるこれからの季節にピッタリな心暖まるバラードとなっている。なお先日リリースされた「夜汽車 feat. BASI & kojikoji」と同様、2月にリリースされた10分を超えるイントゥルメンタル曲「MIXTAPE」から一部をサンプリングして制作された。併せてYouTubeでは「さあ話そう feat. 藤巻亮太」のレコーディング映像が公開されており、同曲の一部を聴くことができる。■冨田ラボ コメントポップ・ソングはどんな形であれ時代の影響を受けるが、先々には希望が横たわっていることを示唆する役目も担っている。あくまでもさりげなくその役目を担うには、長岡亮介さんの言葉が必要だった。長岡さんの語りかけるようでいて確信をつく歌詞が藤巻亮太さんの優しく力強い歌声で歌われたとき、名曲が誕生した。■藤巻亮太 コメント今回、ボーカリストとして参加させていただき、非常に光栄です。これまでにも多くの素晴らしいゲストアーティストを招き、「冨田ラボ」として作品を発表されている中で、そのラインナップに恥じないよう歌わせていただきました。レコーディングでは数々の“冨田ワークス”が生まれたであろう冨田さんのスタジオにお邪魔させていただき、クリエイティブな雰囲気の中で、冨田さんが優しく色々お話しくださったことが印象に残っています。冨田さんの魅力がつまった、美しいアンサンブルとたゆたうようなメロディーがとても心地よい楽曲です。そして、長岡亮介さんの歌詞で楽曲の世界観がより深いものになって、気持ちを込めて歌わせていただくことができました。■長岡亮介 コメント冨田さんのイメージは、下町にある町工場から世界に誇る技術で製品を送り出す、いつも腕組みして唸っている職人さん。なぜかそんな印象で、自分はそういう雰囲気がとても好きです。またご一緒出来て光栄です。リリースおめでとうございます!冨田ラボ「さあ話そう feat. 藤巻亮太」レコーディング映像<リリース情報>冨田ラボ「さあ話そう feat. 藤巻亮太」2021年11月24日(水) 配信リリース冨田ラボ「さあ話そう feat. 藤巻亮太」ジャケットMusic:冨田恵一Words:長岡亮介Produce, Arrangement, Instruments & Treatment:冨田恵一Recording Engineer:冨田恵一@Tomita Lab StudioMixing Engineer:冨田恵一@Tomita Lab StudioMastering Engineer:内田孝弘@FLAIRCover Artwork:Tymen VisserOriginal TOMITA LAB Face Icon:Atsushi Kishi関連リンク冨田ラボ / 冨田恵一オフィシャルサイト:冨田ラボ Twitter:冨田ラボ Facebook:冨田ラボ YouTube:冨田ラボ オフィシャルファンサイト:冨田ラボ Instagram:
2021年11月17日恐竜が大好きで、幼稚園から小学校低学年のころにかけて、いろいろな種類の恐竜について図鑑で調べて名前を覚えたり、恐竜のおもちゃを欲しがったりする子は意外と多いものです。恐竜に限らず、「熱中する」「ハマる」という体験は、一時的なブームとして終わるものではなく、この先のお子さんの学習姿勢を大きく左右するのだそう。今回は、恐竜好きなお子さんの「もっと知りたい」という探求心をくすぐり、「学び」へとつなげるコツについて紹介します。恐竜好きな少年がたどり着いた研究者への道NHKラジオで長い間子どもに親しまれている「夏休み子ども科学電話相談」という番組をご存じでしょうか。子どもたちの素朴な「なぜ?」に、各分野のプロフェッショナルがわかりやすく丁寧な解説で相談にのる人気番組です。この番組で「恐竜」のテーマを担当する北海道大学総合博物館・小林快次博士は、中学生のころ化石に出合ったのをきっかけに「恐竜博士」へと突き進んだのだそう。中学一年生で化石に出会って以来、毎日のように化石を採集する日々を過ごしました。大学でアメリカに留学し、日本人で初めて恐竜の博士号を取得。(引用元:NHK|夏休み子ども科学電話相談)もともと理科が好きだった小林先生は、中学で入った理科クラブのアンモナイトの化石採集で、周りの人がたくさん化石を見つけているのに自分だけは見つけられなかったのだそうです。あまりに悔しくて、その後何度も同じ場所へ足を運んで化石を掘り続けていたとき、先生から「石を割れば割るほど化石が見つかる可能性は上がる」と声をかけられ「スイッチ」が入ったと言います。その後、日本の大学へ入るものの1年でワイオミング大学地質地学物理学科へ留学、飛び級するほどの目覚ましい才能を開花し、日本で初めて恐竜の「博士号」を取得したという経歴の持ち主です。あまりに化石をよく見つけることから、研究仲間から「ファルコンズ・アイ(ハヤブサの目)」や「イーグルズ・アイ(鷲の目)」「ホークス・アイ(鷹の目)」といったニックネームを付けられたのだそう。現在も1年の5カ月ほどは、恐竜の化石を発掘するために世界中へフィールドワークに出かけ、恐竜の化石発掘の第一線で活躍されています。そんな小林先生の恐竜学者としての道のり、そして大発見をなしとげるようになった現在までのお話がたっぷりつまった本がこちら。ドキドキワクワクしながらページをめくってください。『ぼくは恐竜探検家!』小林快次(講談社)恐竜に「ハマる」経験は、小学校6年生の理科につながる興味をもって「ハマる」経験は、小林先生のようにそのまま将来の職業につながるような才能を開花することもありますし、普段の学習においても探求心を育むための大切な基礎を作ります。たとえば現在、小学校6年生の理科では「土地のつくりと変化」というテーマのもとに、土地は礫(れき)、砂、泥、火山灰、岩石からできる地層が積み重なってできていること、地層には化石が含まれていること、火山の噴火や地震によって土地が変化することなどを学びます。恐竜好きなお子さんは、博物館や子ども向けのイベント会場で開催されるような「化石発掘体験」に参加することも多いでしょう。そこで得た経験や知識は、小学校6年生の理科の授業で必ずいかせるはずです。「もっと知りたい!」そんな子どものためにできること4つ子どもの「恐竜が好き、もっと知りたい」という探求心をくすぐるには、昔ながらの本や博物館以外にデジタルコンテンツなども活用しましょう。ここでは、オススメの「図鑑」「デジタルコンテンツ」「博物館」「発掘作業」を紹介します。<図鑑>『DVD付 新版 恐竜 (小学館の図鑑 NEO)』監修・執筆/冨田幸光(学研プラス)恐竜図鑑のベストセラー。専門家の監修のもと細部まで表現されたイラストや世界中から集めた恐竜の写真、国内で発見された恐竜についての情報など充実した内容が評価されています。また、ドラえもんとのび太がナビゲートして、一緒に恐竜の世界を冒険するDVDも付録で収録されています。『DVD付恐竜 (学研の図鑑LIVE)』監修/真鍋真(学研プラス)1点ずつ細部までチェックされた実物に近づけたイラストは迫力満点。BBC(イギリス放送協会)「プラネットダイナソー」の映像がDVD、スマホ・タブレットで見ることができる3D・ARなど、「本物」にこだわった図鑑です。『こども百科 4・5・6歳のずかんえほん きょうりゅうの本 (えほん百科シリーズ)』監修/真鍋真(講談社)種類別に分けた恐竜をわかりやすいイラストで紹介しているのが特徴の絵本です。すべての文字がひらがなで、カタカタにもルビが振られているほか、巻末には内容をおさらいできるクイズやなぞなぞも掲載され、子どもが1人で開いて楽しめるように工夫されています。<デジタルコンテンツ>先に紹介した図鑑には映像がDVDで収録されているほか、専用サイトを開設している出版社もあります。また、NHKや海外のテレビ局が制作しているドキュメンタリー番組にも良質なコンテンツが充実しています。■【もっとNHKドキュメンタリー】「これが恐竜王国ニッポンだ!」・近年、日本各地で「むかわ竜」をはじめ、さまざまな恐竜の化石が見つかっている・“恐竜を愛する”専門家や化石愛好家たち発掘や生態の解明に挑む姿を追う・恐竜たちの姿を超リアルなCGで再現海の巨大は虫類「モササウルス」も!(引用元:もっとNHKドキュメンタリー|これが恐竜王国ニッポンだ!)■【BBC Earth Unplugged】Walking With DinosaursBBCワールドワイドが運営する自然ドキュメンタリーのオリジナルチャンネル『Earth Unplugged』。その中のひとつである「Walking With Dinosaurs」では、迫力ある恐竜たちの姿が楽しめます。最新技術を駆使したCG映像が魅力です。<博物館>世界三大恐竜博物館として知られる「福井県立恐竜博物館」をはじめとして、親子で楽しく学べる博物館は国内各地にあります。■福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)■国立科学博物館(東京都台東区)■北九州市立いのちのたび博物館(福岡県北九州市)■群馬県立自然史博物館(群馬県富岡市)<発掘体験>化石の発掘体験は、上記に紹介したような博物館のほか、全国各地で夏休みに開催されるイベント型フィールドワークもあります。また、家庭で簡単に発掘体験ができるキットも販売されています。Geoworldの「恐竜発掘キット」は、ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルス、プテラノドンなど子どもたちが大好きな恐竜がそろっている人気のアイテムです。***かつて男の子だったパパにとって、「恐竜」にロマンと懐かしさを感じる人も多いのではないでしょうか。お子さんが恐竜に興味をもったら「ここはパパの出番!」かもしれません。一緒に図鑑を開き、博物館へ足を運び、そして発掘作業を楽しんでみるのもいいですね。(参考)NHK|夏休み子ども科学電話相談Webナショジオ|小林快次恐竜化石フィールド日誌 第5回恐竜を研究する意味Webナショジオ|小林快次 恐竜化石フィールド日誌 第1回 恐竜化石は「歩いて探す」文部科学省|学習指導要領「生きる力」第2章各教科第4節理科小学館|小学館の図鑑NEO〔新版〕恐竜学研の図鑑LIVE|学研の図鑑 LIVE恐竜AllAbout|恐竜図鑑 人気おすすめ10選!2018年最新版もっとNHKドキュメンタリー|これが恐竜王国ニッポンだ!BBC Earth Unplugged |Walking With DinosaursNIKKEI STYLE|大迫力にワクワク恐竜を楽しめる施設、ベスト10
2019年05月05日「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「新日本紀行」「きょうの料理」「大河ドラマ」・・・。アニメ、特撮、映画音楽など様々なジャンルへ優れた音楽を提供した冨田勲(1932―2016)。日本が世界に誇るトミタの音楽を、壮大なオーケストラ、シンセサイザー、合唱、ダンスなどで堪能する贅沢なコンサート「冨田勲 映像音楽の世界」が9月17日(月・祝)に東京・東京国際フォーラムCで開催される。開催に先立って、12日に東京・浜離宮朝日ホールにてリハーサルが行われた。【チケット情報はこちら】場を引き締め、エネルギッシュな指揮で音楽を作り出すのは藤岡幸夫。世界中のオーケストラで活躍する藤岡の指揮で音楽を聴くと、自然と笑顔になり、前向きなエネルギーが湧き出るようだ。リハーサルは、総勢50名を超えるオーケストラ・トリプティークと、50人に及ぶ混声合唱によって『マイティジャック』『キャプテンウルトラ』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『新日本紀行』などが奏でられた。リハーサルで聴いても壮大でゴージャス。あまりの迫力で、本番はさらに良くなると考えるとワクワクする。オーケストラ・トリプティークの演奏も素晴らしく、笑顔で進むリハーサルのなか、パーカッションのホールを揺るがす低音や、トランペットの強烈な響き、弦楽の美しい旋律、フルートのきらびやかに彩る音色など、カラフルな音の万華鏡のようだった。このコンサートは冨田勲の没後企画としても最大規模のひとつ。手塚治虫アニメ、NHKの大河ドラマ、「マイティジャック」など、映像のために作曲された傑作をゴージャスなオーケストラ演奏で楽しむだけでなく映像上映とオーケストラ、女子高生のダンス、合唱、シンセサイザーなど、通常のコンサートでは味わえないコラボレーションも予定しているとのこと。コンサートへの推薦コメントを寄せてくれた庵野秀明監督は、『マイティジャックの歌』を人生で1番聞いているとコメントしているが、今回のメインイベントのひとつが特別編集版『マイティジャック』の400インチ画面での上映にあわせてのオーケストラ演奏だ。リハーサルでも映像を上映しての細かい確認や調整がキビキビと行われていたが、日本でもこのようなシネマ・コンサートを行えるスタッフは限られており、プロフェッショナルな仕事の素晴らしさを垣間見ることができた。コンサートの最後には『マイティジャックの歌』みんなで歌おう!というお客様への気の利いた計らいも用意しているとのこと。今回は、様々な形で冨田勲にゆかりあるミュージシャンやクリエーターも参加する「冨田勲フェスティバル」とも言える大規模になり、夢のような大コンサートとなった。これは期待するしかない!チケットは発売中。取材・文:仁木高史(ライター)
2018年09月14日*画像はイメージです:年の5月に音楽活動をしていた冨田真由さんが、ファンの男にナイフで刺され重傷を負った事件で、東京地裁立川支部は2月28日、加害者の男性に懲役14年6ヶ月の判決を言い渡しました。冨田さんは男性に首や胸など少なくとも34か所を刺されており、加害者男性には極刑を望んでいましたが、今回のは有期刑という判決が下されました。事件の残虐性などから、無期懲役、または、冨田さんが望んだとおりに“極刑”になる可能性もあったわけですが、殺人未遂では、そのような判決が下されることはあまりありません。そこで、今回は何故本件が有期刑という判決になったのか、また、事件について思うことを綴っていきたいと思います。 ■法定刑の上では極刑もありうる殺人未遂は、故意をもって他人を殺そうと殺害行為に着手したが、死亡という結果に至らなかった場合に成立する犯罪です。法定刑の上では、刑法43条但書の中止犯が成立する場合を除けば未遂であっても法律上の減刑は必須ではなく、したがって、極刑も可能は可能です。 ■刑を決める事情法定刑の範囲内で判決が最終的にどのような刑罰(懲役何年か)を選択するかは、犯行態様、動機、被害結果、共犯関係、年齢・性格、被害弁償の有無、反省の有無、被害感情、更生可能性、再犯可能性など様々な事情を総合的に考慮されます。特に、犯行態様と結果は一番重要視される情状となります。殺人未遂の場合、死亡結果が生じていないことから、極刑とされるのは、死亡結果が生じていないことを考慮しても、よほど凄惨な事情が必要となります。現在の裁判実務では、死亡結果が生じた場合であっても、被害者1人の事案ではなかなか死刑とされませんから、刑罰のバランスからも、殺人未遂の場合に極刑とされるのは慎重となっています。ただし、無差別事件で殺人未遂の被害者が多数おり、負傷結果も寝たきりになるなど、犯行態様と被害結果が著しく悪質である場合は、極刑とされることは、今後ないわけではありません。 ■本件の事情首や胸など少なくとも34か所刺しており、まさに死の危険性が高い事案でした。報道によれば、法廷で被告人が怒鳴るなどの行為もあったようです。他方、一応表面的には謝罪し、賠償を申し出るなどの事情もあり、結果的には、有期刑となったものと推測されます。ただし、殺人未遂だから、どんなに危険な行為をしても、有期刑程度にとどまる、ということではありません。被害者側の処罰感情は強いものがあったと思いますが、現在の裁判実務では、被害者の処罰感情が最優先とされる扱いとはなっていないことも、被害者側の希望どおりの判決にはなかなかならない原因ではないかと思います。 *著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)【画像】イメージです*JanPietruszka / PIXTA(ピクスタ)
2017年03月08日2016年5月に生涯を終えた電子音楽家・冨田勲さんの追悼コンサートの初演が11日、東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われ、遺作となった「ドクター・コッペリウス」が上演された。公演は、冨田さんが晩年にソリストとしてボーカロイド・初音ミクを迎えて制作した「イーハトーヴ交響曲」の再演、プロデューサーなどで知られるエイドリアン・シャーウッドによる冨田さんの代表曲「惑星 The Planets」のダブミックスのパフォーマンスからなる第1部と、「ドクター・コッペリウス」を上演する第2部で構成。「ドクター・コッペリウス」は、冨田さんが完成を夢見て、亡くなる数時間前まで制作に向かっていた作品だ。「イーハトーヴ交響曲」では、オーケストラの厳かなハーモニーに乗って、ミクが可憐な歌声を披露。ステージ中央に設置された装置に映写されたミクは、舞台上を行ったり来たりしているかのように、あどけない仕草を見せながら動き回り、コーラス隊と共に合唱してみせた。エイドリアンのパフォーマンスへ転換する間の小休憩時には、「これからの演奏は通常のクラシック音楽とは異なり、大音量で強いビートが響く。ぜひ席を立って音に身を委ねてほしい」といった放送が。思わぬアナウンスに客席からも笑みがこぼれたが、再び幕が上がると、すぐにエイドリアンによる太いシンセサイザーの音色と弦楽器隊のハーモニー、その両者を支える激しくも複雑なブレイクビートがホールを揺らした。ガラリと変わった雰囲気から、前列に躍り出る観客も続出した。そして、「ドクター・コッペリウス」。小気味良いシンセの断片的な音のかけらがこだまし、第2部が始まった。この楽曲の主人公は、宇宙を夢見る科学者・コッペリウスと不思議な力を持つ少女・ミク。コッペリウスは重なる重圧に苦しみながらも、ミクと出会って宇宙へ飛び立ち、彼女とバレエを踊りだす。そんなSF的な世界観が、コッペリウス役の実際のダンサー・風間無限と舞台上に立体像で投影されたバーチャルシンガー・"初音ミク"のダンスで表現された。「イーハトーヴ交響曲」の荘厳さも感じさせるアンサンブルから一転、オーケストラは鮮やかな音色を奏でてみせる。そして、それに飛び乗った軽やかな電子音が、サラウンドで縦横無尽に飛び回る。ステージでは、コッペリウスが重力に抗いもがくようなパフォーマンスをみせ、ミクの動きと合わさる。実在しているのにどこか不可思議で複雑な演技を披露するコッペリウス、画面の中にいるのに生き生きと歌い踊るミク、ストーリーも相まって、その対比が近未来的な映像として浮かび上がっていく。カーテンコールでは、風間をはじめ、コンサートの演奏面と演出面を力強く支えた電子音楽家・ことぶき光も立ち上がり、深々とあいさつ。最後に、客席の中央に座っていた長男・冨田勝さんら親族がかつての冨田さんの写真を抱えながら起立すると、「ブラボー!」という声援があがり、スタンディングオベーションで歓喜を伝える観客も現れた。終演後、ホールを後にするオーディエンスを見返すと、集まった層は実に多様。老若男女を問わず、クラシックに精通する観客も、ボーカロイドに慣れ親しんでいる観客も、電子音楽を敬愛する観客も、文化の壁を超え"冨田勲"という音楽家が遺したものを共有している喜びに包まれているようだった。「ドクター・コッペリウス」は2017年4月、東京・すみだトリフォニーホールにて、新日本フィルハーモニー交響楽団を携えての再演が決定。詳細は、後日発表される。(C)Crypton Future Media,INC.www.piapro.net/photo by 高田真希子
2016年11月12日今年5月に逝去した作曲家/シンセサイザーアーティストの冨田勲の遺作『ドクター・コッペリウス』がプロジェクトチームにより制作され、11月11日(金)・12日(土)の追悼特別公演で初披露される。10月26日に開かれた制作発表記者会見でその全貌が明らかになった。【チケット情報はこちら】『ドクター・コッペリウス』は、亡くなる1時間前まで打ち合わせをし、冨田が上演を最期まで夢見て創作し続けていた作品。“日本の宇宙開発・ロケット開発の父”と呼ばれ、バレエダンサーでもあった糸川英夫博士の「ホログラフィと一緒に踊りたい」という夢を形にするとともに、『イーハトーヴ交響曲』(2012年)のときに生のオーケストラ演奏で歌い踊ったボーカロイド・初音ミクにバレエ作品『コッペリア』を踊らせたいという冨田の思いが詰まった壮大な交響曲。オーケストラとシンセサイザー、バレエとホログラフィを融合させた“スペースバレエシンフォニー”となる。今回は、3Dで浮かび上がるバレエの衣装に身を包んだ初音ミクが、バレエダンサー風間無限とともに“パ・ド・ドゥ”を踊り、歌う。演出/エレクトロニクスのことぶき光は「映像は当日をお楽しみ」と明言を避け、振付の辻本知彦は「一番最後の曲はとてもいい振付になったと自負してます」と満足の表情でアピールした。1970~1980年代に冨田が制作した音源が入ったオープンリールテープもこのたび発見され、「再サンプリングしてかなりの場所で使います」とことぶき光。楽章の構成は7楽章。ストーリー原案とほとんどのサウンドファイルが遺されていたが、第1楽章と第2楽章はテーマや歌詞が遺されているのみ。プロジェクトチームから冨田氏へ思いを捧げる第0楽章『飛翔する生命体』を冒頭に据え、1と2は欠番となる。指揮の渡邊一正は「リハーサルはこれから。わくわくしています」と笑顔で語った。既存の楽曲を素材として用い、新しい世界観を作り上げるのが冨田の手法。本作には、ヴィラ=ロボス『ブラジル風バッハ』やレオ・ドリーブ『コッペリア』、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、最後の劇場用映画音楽となった映画『おかえり、はやぶさ』メインテーマが素材として用いられ、新しい世界を作り上げている。当日は、『ドクター・コッペリウス』のほかに、『イーハトーヴ交響曲』、冨田の代表作である『惑星 Planets』(1977年)のリミックスも披露される。冨田勲 追悼特別公演『ドクター・コッペリウス』は11月11日(金)・12日(土)に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催。チケット発売中。取材・文:門 宏
2016年10月31日電子音楽家・ことぶき光らが26日、11月11日と12日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われる故・冨田勲さんの追悼公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」の制作発表会見に登壇し、意気込みを語った。ことぶきのほか出席者は、国際交流基金理事長・安藤裕康氏、公演の音楽監督を務める指揮者・渡邊一正、ダンサーで振り付けを担当する辻本知彦、そして勲さんの長男・冨田勝氏、音楽ライター・前島秀国ら。コンサートでは、ソリストとしてボーカロイド・初音ミクが迎えられた「イーハトーヴ交響曲」の再演、勲さんが最期まで公開を夢見ていた「ドクター・コッペリウス」の初上演などが行われる。「ドクター・コッペリウス」は、2012年に「イーハトーヴ交響曲」が完成した直後から、勲さんが「必ずやり遂げなければならない」とまで語っていた大作。勲さんは上演を待たずして、その生涯を終えたものの、公演では舞台上に投影されるミクと風間無限とのバレエと共に披露される。勝氏は、これを「父が何十年も温めてきた企画」と説明。勲さんの生きざまを「最後まで『どうやったらお客さんに感動を伝えられるか』と考えた"前のめりの人生"」と形容しながら、「楽曲に込められた父の思いを一人でも多くの方に聴いていただきたい」と呼びかけた。続いて前島が、「ドクター・コッペリウス」を制作するにあたり勲さんには、ミクにバレエを踊らせたいという思いと、日本の宇宙開発に尽力した故・糸川英夫さんをイメージさせる作品として成立させたいという構想があったと解説。糸川さんが大空に向かって飛び立つ意志を持っていたように、「冨田先生が伝えたかったのは『重力のしがらみを乗り越えようとする人間の情熱』ではないか」との見解を述べた。コンサート全体をサポートすることぶきは、演出面のシステムの素材を組み立てていると発表。制作は、冨田家も借りて行っていると明かした。また、その場で眠っていた勲さんの機材を鳴らしたところ、勝氏が「ノコギリ波(シンセサイザーの基本波形の一つ)だ」とその音を言い当てたことを振り返り、「幼い頃から聴いていたからかな。ビックリして一気に仕事がはかどりました」とほほ笑んだ。会場では、バレエ衣装に着飾ったミクのイメージもお披露目。さらに、かつて勲さんがオープンリールに残していた音源も公開され、ことぶきは「ミクが歌い踊ります。そしてモーグ・シンセサイザーの音や、オープンリールの音源をサンプリングして、フレーズごとに振り分けたものを何らかの方法で走らせます」とアピールした。
2016年10月27日●冨田さんとは一歩超えたところでコミュニケーションさせてもらえた2016年5月に亡くなった冨田勲さんの追悼公演が11月11日、12日に東京・Bunkamuiraオーチャードホールで開催される。前回、前々回に引き続き、そのオーケストラと初音ミクの音が交わるステージの裏側を支えることぶきの言葉を紹介したい。コンサートは、冨田さんが遺した音を再現することだけでなく、舞台上に投影されるミクと、実際のダンサー・風間無限の共演も見どころとなる。また、タックヘッドなどのダブアーティストを輩出してきたイギリスのレーベル・On-Uサウンドの設立者で、ナイン・インチ・ネイルズやアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンといったインダストリアルアーティストのプロデューサーとしても知られるエイドリアン・シャーウッドが冨田さんの代表曲「惑星 The Planets」をリミックスすることも大きな注目点だ。「イーハトーヴ交響曲」の再演、ミクたちのダンスも見られる冨田さんの遺作「ドクター・コッペリウス」の上演、エイドリアンによる「惑星」の再解釈…公演ではこの3点から、冨田さんの遺志を引き継いだ音を響かせつつ、オーディエンスに新たな未来を提示する。ことぶきは、その演奏面だけでなく映像の演出面やリミックスの素材制作の面でもコンサートの裏側をサポートしている。一見、ハードワークにさえ思えるそんな活動を通じて、彼がオーディエンスに届けたい思いとは。晩年の冨田さんとの仕事で抱いた感触なども思い返しながら、ことぶきはそれを言葉にしてくれた。○何でここまで繋がるのか――お話を伺っていると、幼少時から当時のP-MODELでの活動、そして現在の冨田さんのお仕事は繋がっている部分が多々ありますね。ね、それ自体がすごいよね。飲み屋で冨田先生に何でモーグを買ったのか聞いたら、ウェンディの話が出てきて。しかも70年の万博の時に大阪に行って、現地のレコード屋さんで見つけたのかな。性転換直前…ウォルターの頃のジャケを見て買って。「これは!」と思ってモーグも買った訳ですよね。そんな流れとか、あとはオケとコンピュータの同期の話とか、冨田先生がやっていたサウンドクラウドとかにも繋がってるというのもある。「何でここまで繋がるのか」っていう話はご本人ともしてましたね。――「イーハトーヴ交響曲」の始動が12年ですよね。NHKの特別ドキュメンタリー『音で描く賢治の宇宙~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~』(13年放送)でもサウンド設定に苦労されている姿が捉えられていました。実際にはいつくらいから打ち合わせが始まったのでしょう。初めて声がかかったのは、その年の6月頃じゃないですかね。(交響曲の)構想自体は多分ずっと前からあって、音も作っていって、実際にライブで披露するというのは一番後なので。話をいただいてからは、実のところ3カ月くらいでやりました。○"共有感"を喜んでもらえていたのでは――そんなに短期間だと相当疲れたんじゃないですか。いや、それはないです。よく「俺は何時間しか寝てねぇ」とか自慢するヤツいるじゃないですか。でも例えば、何もやることがないまま3日寝られないっていうのは病気ですよね。そこでもう1つ考えられるのは、アイデアが降りてきてしょうがなくて、冴えて寝られないというパターン。そう思うと、「俺は何時間寝てねぇ」って人は「俺はこれくらい才能があるんだ!」と言って回っているのと同じですよね。そうじゃなきゃ、本当に倒れるように寝ちゃうはず。本当に寝られない時というのは良い意味で寝られないので、そこに疲れるとかしんどいというのは一切ないですね。――インスピレーションも次々湧くような楽しみながらのお仕事だったんですね。冨田先生から夜中とか朝5時とかに電話がきて、思いついたことをめちゃくちゃ言ってて。最初は「あれ、まだ起きてたの」とか言ってくれるんだけど、どんどんそれがなくなってくる。そうなると、誤解かもしれないけども、僕も「冨田先生も喜んでくれてるのかな?」と思ってね。寝てなきゃいけない時間に作業してるということ自体がうれしそうな感じ、世間一般とは違う時間感覚で物を作れてるということがうれしい感じ。昼間でも夜でも関係なく、そういう時間軸じゃないところで物を作ってるんだという。おこがましいけど、そんな"共有感"を喜んでくれてたんじゃないかと思ってます。――他に共作する中での印象に残ったエピソードはありますか。一つ一つ印象は強いです。音の仕組みとかを瞬間的に理解できるというのも他の人ではあり得ないし。そこにメーカーのスポンサーが入った場合、彼らも自分の開発物を売らなきゃいけないから、機能として何ができるかっていうスペックをアピールしますよね。でも、その情報は現場ではほぼ使い物にならない。冨田先生は、メーカーが言うのとは別のところで現場的に何が使えるかを瞬時に察する感覚というのを理解されていた。おこがましいですが、そのステップを一歩超えたところで、飲みに連れて行っていただいてお話してくれたのが本当にうれしかったですね。●ミクとオケのスペースバレエシンフォニーを体感してほしい○アイデアは先人に生んでもらった――今回の公演では音の面だけでなく映像にも関わってらっしゃると伺いました。そちらはどういう段階までディレクションなさっているのでしょう。僕は絵とかCGとかわからないので…振り付けとかにも口出ししていると思われたりもしますが、ダンスも全然(笑)。なので、雰囲気だけ伝えて、基本はお任せですね。ただ、作業スピードを上げるために、撮り方のシステム自体は組んでて。ゲームでやるようなモーションキャプチャーのシステムとは違うやり方で撮ってるというのは、一つあるんです。仕事のスピードって、作品に影響するじゃないですか。すごいスピードで進行している感じを作り上げるために、その仕組みを提供しています。――そのアイデアは一から作ってらっしゃるんですか?いや僕のステージじゃないのもありますから、そこは(着想を)誰かに生んでもらったっていう。先人のおかげですよ。やっぱり先人への畏敬が全部のベースにあって。ちなみに基礎技術開発みたいなのは、また別途あります。なぜそれが別途かと言えば時間がかかるからですね。基礎技術って、使えるようになるまでに何年もかかったりするもんだから。それをゼロから作る必要はなくて、基礎技術開発の選択の組み合わせでイノベーションが起きる…そこを狙ってます。かと言って、開発をしてないわけでもなくて、何年後かのために常にやってもいます。――エイドリアンのパフォーマンスにも企画当初から関わってらっしゃるんですよね。初期段階から、「やってもらうならエイドリアンしかいない」というのがありました。冨田先生の世界観にある意味でのハサミを入れられる人は多分、エイドリアンかリー・ペリーかどっちかじゃないですかね(笑)。打ち合わせは、メールベースで「こういう風にアプローチしよう」といったやり取りして、サウンドファイルも送っているんですが「聴いてないけど、良いんじゃない」って(笑)。――それは信頼されているということですよね(笑)。何かすごい余裕とスケール感を感じちゃいますね。ほっといても大丈夫だと思われてるのかな。○初音ミクはクリエイトの母、冨田さんが父――ことぶきさんは、二足歩行シンセのように枠組みにとらわれず色んなデバイスを作ってらっしゃいますよね。ご自身から見た初音ミクはどのようなものでしょう。クリエイトの母ですかね。要するに、それがルーターみたいなハブみたいな機能を果たしていると思うんです。それをベースに何かを作れるっていう意味ではものすごい存在ですよね。初音ミクという母がいて、冨田先生という父がいて、僕らはステージに向かって作っていけています。――最後に今回は冨田さんの追悼公演という側面が一つあると思うのですが、冨田さんの遺志をオーディエンスに届けるという部分もあるかと思います。そこで、ことぶきさんとしてオーディエンスに伝えたいことを教えてください。スペースバレエシンフォニー。これ、3月終わりか4月頭に冨田先生に言った時は、全然真に受けられなくて、シャレみたいに受け止められちゃったところもあるかもしれないけど(笑)。コンピュータとオーケストラのスペースバレエシンフォニーを感じていただきたいです。■プロフィールことぶき光1964年3月30日生まれ。北海道出身。80年代半ばから、あがた森魚や鈴木慶一らのバックのキーボーディストとなり、プロのアーティストとして音楽活動を開始。87年に平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELに参加。バンドは一旦"凍結"と呼ばれる活動休止期間を迎えるが、その間も89年にソロデビューした平沢の活動をサポートしてきた。"解凍"と称して期間限定で再結成したP-MODELでは"ヒューマン・クロック"と呼ばれる同期システムを構築。ライブでのパフォーマンス面でも自身の横や背後、時には真上にまでシンセサイザーを並べた強烈なプレイスタイルで、"キーボード妖怪"と評された。P-MODELが再び活動休止期間に入り、バンドを脱退。カンボジアなど諸外国でも音楽活動を送っていたが、戸川純率いるヤプーズのライオン・メリィらと共にプノンペン・モデルを結成。現在でも活動を続けている。また02年には、中野テルヲや福間創ら元P-MODELのメンバーも参加したソロアルバム『mosaic via post』をリリース。09年には、自身やかつてのP-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターが登場し大ヒットしたアニメ『けいおん!』も放送され、さらなる注目を浴びる機会も増えていた。12年、冨田さんの「イーハトーヴ交響曲」の初演にエレクトロニクスというパートで参加。"ヒューマン・クロック"を使用したシステムを披露し、オーケストラと初音ミクが共存するステージを成立させる主要メンバーの1人となった。■公演情報冨田勲 追悼特別公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」日時: 11月11日 開場18:00/開演19:0011月12日開場12:30/開演13:30 開場17:00/18:00 (2公演)会場:東京・Bunkamuraオーチャードホールチケット料金:S席10,000円/A席 8,500円(税込/発売中)出演:渡辺一正/東京フィルハーモニー交響楽団/エイドリアン・シャーウッド/風間無限/ことぶき光/初音ミクほか
2016年10月26日●解凍P-MODELと平沢進ソロでの"ライブの方法"で課題をクリア2016年5月に亡くなった冨田勲さんの追悼公演が11月11日、12日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで開催される。前回に引き続き、そのオーケストラと初音ミクの音が交わるステージの裏側を支えることぶき光の言葉を紹介したい。冨田さんとの共演での課題となるのは、躍動的な生楽器たるオーケストレーションと統制された電子音たるミクの音をいかにして適切なタイミングで重ね合わせるか、そして両者を違和感なくオーディエンスに聴かせるかといった問題だ。ことぶきと冨田さんの仕事は、2012年の「イーハトーヴ交響曲」の初演以来であるが、これらの課題をクリアするカギは20年以上も前、90年代初頭の解凍P-MODELでのパフォーマンスや平沢進のソロライブにあったという。解凍P-MODELとは、"凍結"と呼ばれる一旦の活動休止期間をおいて、91年から93年に"解凍"と称して再始動していた時期の同バンドを指す。ことぶきは解凍以前よりP-MODELに参加していたが、その時のレコーディングの成果は残念ながらライブ映像音源としてしか残されていない。一方で解凍P-MODELは、凍結以前よりも積極的にシーケンサーやサンプラーといったデジタル機材の使用を前面に押し出し、洪水のような電子音とバンドアンサンブルとが共存した、クラブシーンなどとも異なるテクノサウンドを展開。そのステージでことぶきは、当時のドラマー・藤井ヤスチカが刻むバスドラムから、全体のシーケンサーを回す"ヒューマン・クロック"と呼ばれるシステムを披露。自身を取り囲むようにシンセを縦(!)に並べた奇抜なパフォーマンスもみせ、そのアクロバティックなスタイルから"キーボード妖怪"とも評された。"ヒューマン・クロック"のシステムは、冨田さんと共に作り上げてきたステージの核の一つ。第2回は、その点に着目しながら、解凍P-MODEL時代の逸話や平沢との楽曲制作の裏側までを振り返ってもらったエピソードを中心にお伝えしたい。○解凍P-MODELの映像を見た冨田さんが「できるじゃん」って――冨田さんのお仕事の話も少しずつ出始めたところで、今回のコンサートでのことぶきさんの役割をあらためて教えていただけますか。プレイヤーとしてのエレクトロニクス奏者というのが1つあります。それらを含んだ同期とかシステムの枠組みを作る役割、それと舞台の演出という役割、その3つですね。――冨田さんから声がかかったのはいつ頃ですか?「イーハトーヴ交響曲」の仕込みの段階。シンク(同期)システムとか"ヒューマン・クロック"で周りを走らせる仕組みをどうやって作るかと試行錯誤していた時ですね。――"ヒューマン・クロック"というと解凍P-MODELで使われていた手法ですよね。よくご存じで! まさにそうなんですけど、でもそれって今になって分かる話で。90年代当時のオーディエンスは誰も気付いてなかった。ただ、それは知らなくて良いことで。例えば劇団四季やディズニーランドが「私たちはこういうシステムでやってます」と説明するわけないじゃないですか。むしろバレない方が良い。でもなぜこのように、舞台裏の話を聞いていただいているかというと営業、要は金の話です。そして、なぜこれが必要かというと、次を作れないから。今思えば、こういうのって2、30年前にはある意味、必要なかったのかもね。それか、僕らがバカすぎて気付いてなかったか(笑)。――冨田さんは、その解凍P-MODELでのことぶきさんのプレイをご存じだったんですか。仕込みの初期段階で「例えばこういうことです」と『BITMAP 1979-1992』(92年)*なんかの映像を見てもらいました。と言うのも、「テンポを30%以上の揺らぎで制御するなんて無理だよね?」って話を振られてね。冨田先生も色んなシステムを作っていて、すごく現場をご存じ…むしろオーソリティー(権威)なくらいですが、「いや僕ら30%以上どころか完全に(演奏を)止めてからBPM180まで、0から加速していくみたいなのをやってましたので、OKです」って返すと「えー!?」と驚かれたんですよね。それで実際に映像を見てもらったら「できるんじゃん」って。*『BITMAP 1979-1992』:解凍P-MODELのツアーを収めたライブVHS。2014年にはDVDとして再発された。○冨田さんとの2つの課題――当時の「NO ROOM」の演奏なんてまさにそれでしたね。一度止めて、一気に加速するという。まさにそう! ああいうのはクラシック界、ハイ・アート*の世界だと、多分雑に見えると思うんだ。でもぶっちゃけ、ハイ・アートの方が中身だけ見れば雑なんだよね。彼らのテンポの揺れってハンパない。そのズレを人数で上塗りして作り上げている、つまり目くらまし戦法のものすごいやり方です。もっと言えばオーケストラって装置は、人数を重ねるために倍音を削ってるわけじゃないですか。弦1本弾けば世界観ができる楽器の豊かな倍音をわざわざ削って、音の豊かさも消したがゆえに人数を重ねることによって、別の音色を作り上げることが可能になった。なので揺らぎはあったほうが、あの世界を出すためには有効で。それを冨田先生はシンセでやっちゃったわけだ。シンセのダメなところとして単音の中に入ってる情報量があまりにも少ないということがよく言われますよね。ただ、それだったらオケの楽器の方が一つ一つで見ればもっと少ない。なぜ皆が「オケ楽器の音は豊かな音響を作れる」という勘違いをしてるかと言えば、(音を)重ねてるからです。それを冨田先生は理解しちゃった。何の性格も持たないものにリメイクしちゃった楽器の音を、あえて人数重ねて別の音響感を作るやり方。それをシンセでやったのが冨田先生なんですよ。*ハイ・アート:ポップ・ミュージックなどの大衆芸術(ロー・アート)に対して、理解するのに一定の教養を必要とする芸術のこと。クラシック音楽や古典的な演劇、絵画など。*倍音:基本となる音の周波数に対して2倍以上の周波数を持つ音。音には正倍数の倍音が含まれている。ギターやベースのハーモニクス奏法などでも身近に知られる。――"ヒューマン・クロック"の仕組みは今回のコンサートでも生かされてるんですね。そうです。やってることは何年も変わってないですね(笑)。――冨田さんには、平沢さんのソロライブ映像も見せられたと伺いました。それは「Orchestral Manoeuvres In The Nurse」*ですか?何で知ってるんですか(笑)。その通りです。冨田先生との仕事にはテーマとなる課題が2つありました。1つは"ヒューマン・クロック"での同期をどうするか、もう1つはオケとコンピュータをどうやって共存させるか。前者は『BITMAP 1979-1992』を、後者を平沢さんソロのものを、それぞれ参考にしながらやってみました。*「Orchestral Manoeuvres In The Nurse」:90年に行われた平沢のソロライブ。電子音を基調としながら、看護師の仮装をした生楽器の演奏チームがバックにつき、ことぶきもキーボーディストとして参加していた。公演タイトルは、70年代から活動しているシンセ・ポップバンド、オーケストラル・マヌヴァーズ・イン・ザ・ダークのもじり。●物を作るために「条件下で何ができるか」を楽しむ○"ピコる精神"としての『スウィッチト・オン・バッハ』――先に『スウィッチト・オン・バッハ』の話が出ましたが90年代当時、平沢さんからの勧めがあって聴かれたという経緯もあるんですよね。そうそう。どうやってP-MODELを解凍させるかって話を2人で散々してた時、"ピコる精神"の音楽を作ろうって平沢さんがおっしゃって。「それは何だ?」と話してたら、リファレンス(参考音源)のような扱いで「『スウィッチト・オン・バッハ』を聴け」って言われたんですよ。当時からCD含めて音楽は買わなくなってたんですけどね。――それは学生の頃からですか?中2までは、底が抜けるくらい散々買いました。でも自分で作るようになってからは他人の音楽は全く聴かなくなった。伊福部昭さんの作曲本に「作曲を志す人間は音楽を聴いちゃダメだ」って書いてあったんです。「中途半端に毒された音を聴いちゃうと作曲ができなくなるから聴くな」と。○"元をとる"ために生まれた「2D OR NOT 2D」――なるほど。それでも『スウィッチト・オン・バッハ』は買われたんですよね。そう、金を払ってわざわざ買った。でも良くなかったです。平沢さんには「何てものを聴かせるんだ」って言ったんですけども。「まぁ自分の意思で買ったんだし」って返されちゃった(笑)。それで、これは(アルバム代金分の)元をとんなきゃいけないって、また曲を作りました。でも、何がしかのことがあって、その元を取るために次何やるかを決めるというのは、今でも全てにおいてそうです。言い方を変えれば「条件下で何ができるか」という作り方です。――それで完成した曲は『P-MODEL』(92年)に入っている楽曲ですか?「2D OR NOT 2D」ですね。あれは、僕が全部オケを作って…歌メロも作ってたんだけども、平沢さんがボーカルブースに入って、全然違う風に歌っちゃってね(笑)。スタジオに入る前の音を作ってる段階では、平沢さんはいなかったですね。僕と当時のエンジニアとマネージャーの3人でトラックを作って、その後、多分僕がジェットコースターに乗りに富士急ハイランドに行ってる間に平沢さんが全然違う歌にしちゃってましたね。まぁそういうのもアリかな(笑)。○具体的な個人に向けないと作り始められない――その偶然を楽しむ感覚は、冨田さんとの仕事にも感じられます。「条件下で何ができるか」ね。ちなみにこれから演出面で、キューブ型のパイプを12本はわせて上に吊るす装置のテストするんだけども、それが内径3600ミリなんです。なぜ3600かって言うと、4000ミリにすると上の蛍光灯にぶつかって割れちゃうから。そんな風に、全部条件下で決めてますね。例えば、曲をためてやりくりしてる人がいますけど、僕は全然そういうのを信用してなくて。少なくとも僕自身は、具体的に誰かに向かって作るというのが無ければ、事を始められない。一応、聞かれたら「皆さんに喜んでもらうために」とか言ってますけど、実際それを成し得るには、当然ながら物ができなきゃいけない訳です。その上で、まず誰のために作るか。それは、端的に言えばディレクターに向けてです。担当ディレクターが一番喜ぶ物を作って、その先に皆の喜ぶ顔があるわけで。――そこをクリアしないことは先にアプローチできないということですね。そうそう。冨田先生みたいな崇高なキャリアがある方であれば、作ったら世界の人を喜ばせることができるでしょう。創作と聴き手がイコールで直結してる。でも僕クラスの人間がそれを言うのはおこがましくて。その前に世界にリーチできる物を作らねばならない。そのためには、具体的な誰か個人に向けて作らないと、というのがあります。ここまで話を聞いてみると、幼少時から現在の活動まで、ことぶきが体験してきたことは、全て一つの線で結ぶことができるのではないかという思いが湧き出てくる。それに、「具体的な個人に向けて作らないと事を始められない」との言葉は、冨田さんとの仕事での姿勢を示唆しているようにも感じられる。それは、冨田さんの作った曲を舞台上で再現することにあった。その再現性自体もまた一つの作品と言えるのではないか。次回紹介する、冨田さんと過ごしてきた時間の中でのエピソードは、そんなことぶきが冨田さんという個人に向けて作ってきたとも言えるだろう音の背景をのぞかせるものだ。■プロフィールことぶき光1964年3月30日生まれ。北海道出身。80年代半ばから、あがた森魚や鈴木慶一らのバックのキーボーディストとなり、プロのアーティストとして音楽活動を開始。87年に平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELに参加。バンドは一旦"凍結"と呼ばれる活動休止期間を迎えるが、その間も89年にソロデビューした平沢の活動をサポートしてきた。"解凍"と称して期間限定で再結成したP-MODELでは"ヒューマン・クロック"と呼ばれる同期システムを構築。ライブでのパフォーマンス面でも自身の横や背後、時には真上にまでシンセサイザーを並べた強烈なプレイスタイルで、"キーボード妖怪"と評された。P-MODELが再び活動休止期間に入り、バンドを脱退。カンボジアなど諸外国でも音楽活動を送っていたが、戸川純率いるヤプーズのライオン・メリィらと共にプノンペン・モデルを結成。現在でも活動を続けている。また02年には、中野テルヲや福間創ら元P-MODELのメンバーも参加したソロアルバム『mosaic via post』をリリース。09年には、自身やかつてのP-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターが登場し大ヒットしたアニメ『けいおん!』も放送され、さらなる注目を浴びる機会も増えていた。12年、冨田さんの「イーハトーヴ交響曲」の初演にエレクトロニクスというパートで参加。"ヒューマン・クロック"を使用したシステムを披露し、オーケストラと初音ミクが共存するステージを成立させる主要メンバーの1人となった。■公演情報冨田勲 追悼特別公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」日時: 11月11日 開場18:00/開演19:0011月12日開場12:30/開演13:30 開場17:00/18:00 (2公演)会場:東京・Bunkamuraオーチャードホールチケット料金:S席10,000円/A席 8,500円(税込/発売中)出演:渡辺一正/東京フィルハーモニー交響楽団/エイドリアン・シャーウッド/風間無限/ことぶき光/初音ミクほか
2016年10月24日●すごい音を体験しちゃった2016年5月、電子音楽の巨匠・冨田勲さんが、84歳でその生涯の幕を閉じた。冨田さんは生前、1950年代に活動を開始。NHKなどのテレビ番組の音楽を作曲しながら、60年代末にアナログ・シンセサイザーのモーグに出会い衝撃を受ける。74年には、モーグを使って、ドビュッシーの楽曲を再解釈したアルバム『月の光』を発表。クラシカルでありながら時代の先端を鳴らしたサウンドは世間の注目をさらい、国内電子音楽の歴史を大きく塗り替えた。その後も、それまでの音楽を現代的に解釈し直した作品を発表しながら、常に先鋭となるべき音を求め続け、晩年はボーカロイド・初音ミクをソリストに迎えた「イーハトーヴ交響曲」を制作。12年の初演では、日本フィルハーモニー交響楽団とミクの歌声が融合するパフォーマンスを披露して話題を集めた。しかし、オーケストラとボーカロイドの音を有機的にミックスしながら、ライブとして臨機応変に対応するのは容易なことではない。それを可能にした主要メンバーの1人が、現在はプノンペン・モデル、かつては平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELの一員として活動していたことでも知られる電子音楽家・ことぶき光だ。解凍P-MODELのステージで"ヒューマン・クロック"と呼ばれるバンドサウンドと電子音を同期させるシステムも披露してきた彼は、その経験から冨田さんのミクを用いたステージも強力に支えてきた。ことぶきは、11月11、12日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われる冨田さんの追悼公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」も全面的にバックアップ。コンサートは、「イーハトーヴ交響曲」の再演に加え、冨田さんが最期まで公開を夢見て制作していた「ドクター・コッペリウス」の初上演、エイドリアン・シャーウッドによる冨田さんの代表作「惑星 The Planet」のリミックスパフォーマンスで構成される。この冨田さんの遺志を受け継いだ公演を前に、ことぶきはどのような思いを持っているのか。それを聞いてみたところ、コンサートの舞台裏だけでなく、"冨田サウンド"との出会い、音楽制作への向き合い方、P-MODEL時代の秘話、冨田さんと共演してきた上での思い出、そしてプライベートでの音楽体験にいたるまで、さまざまなエピソードを饒舌に語ってくれた。これを3回にわたってお伝えする。第1回は、幼少時に大阪万博で受けた大きな衝撃から、シンセサイザーを手にするまで、アーティストデビュー以前の彼の物語を紹介したい。○万博で全部経験しちゃった――ことぶきさんが最初に冨田さんの音楽を聴かれたのはいつ頃でしたか。テレビを介して気が付いてたら聴いてましたね。それこそ大河ドラマとかの劇伴は、20世紀音楽の開花と言えるようなインパクトで。僕のような世代は、日常的にすごいものを聴いてた訳ですよ。60年代、70年代にね。――大阪万博の頃(70年3月~9月に開催)くらいですかね。まさにそう。僕は全部を万博で体験しちゃったんです。幼稚園の卒園式を抜け出して行ったんですけども。――卒園式を!?小学校に上がるタイミングでちょうど大阪万博があったんです。そこで、お祭り広場に行く途中、松平頼暁*さんの作った曲が流れてたのを聴いちゃった。ただ、僕は1週間くらい通ったんですけど、松平さんの音楽はその途中ですぐ中止になって。コンパニオン全員が体調不良になるという当時の事件があったんですね。松平さんは独特な楽理で音を構築していて、それが影響しちゃったんだ。その話を07年か08年に松平さん本人から聞いて、「わー」って思っちゃって。そのようなことが幾つかあって、冨田先生とお話しできた時も、僕が万博で体験しちゃったものの裏側を40、50年後に作家本人から聞けたっていう…これはもう信じがたいことで。万博の後に、半分くらいの作家は皆、死んじゃうわけですから。すごい音を70年に全部、体験しちゃった。*松平頼暁:現代音楽作曲家。50年代後期からさまざまなオーケストラ、ピアノの楽曲を制作している。○小学校以降は"余生"――5、6歳でそこまで大きなショックがあったんですね。僕、小学校以降は全部"余生"だと思ってて。それまでの体験を何十年もたった後に分析してるくらいです。それは大きなポイントで、今、学生に音楽を教えてもいるんですけど、何も作ったことのない人間に音楽を教えても、ほぼ意味がない。例えば、音楽大学の作曲科の生徒に教えるとします。あの世界は積み上げられたメソッドが分厚くあって、対位法とか和声法とかを一からやりながら、楽器の奏法も修得しなきゃいけない。これじゃ10年とかすぐたっちゃう。*対位法・和声法:対位法は一つ一つのパートの独自性を保ちつつ、複数のメロディを重ね合わせる手法。和声法は主となるメロディに対して、どのようなハーモニーを接続するかに重きを置いて音を作っていく手法。――理論的な部分からガチガチで攻めるわけですね。と言うより、何を何カ月でマスターして次に行くって手順が決まってるんです。彼らって、それを修得しなかったら作品は作れないと思ってるんですよ。――え、そうなんですか? フィーリングではダメ?彼らは練習課題として色んなものを作りながら、最終的に自分自身の作品を作るための訓練を10年以上かけてやってる。それに、音大は義務教育の中で教わった内容だけでなく、特殊訓練を受けなきゃ受験もできない。訓練を何年も受け続けてる子どもたち、そして何でも知ってる子どもたち、その学生が何も作れないっていう事実ね。その一方で、特訓もせず、ほとんど何も学んでないままに、自分の持ったポップミュージックのセンスを信じて何かを作ってる"バカ"たちもいる訳です。でも、両者を並べた時にどっちに可能性があるかは明らかですよね。"バカ"の方は自分で音楽を作って、後から分析して次のステップに行くんです。ただ、それができるようになるためには早い段階、吸収力がピークに達している段階で、何らかの音楽的な洗礼を受ける必要が恐らくあって。僕はそれが6歳頃だった。まぁ僕が何か作ったわけじゃなくて、ただ聴いたってだけですけど(笑)。それでも、後はもういいやって感じでしたね。それくらい本当にデカい出来事でした。――とすると、6歳という絶妙なタイミングで冨田さんの音楽にも衝撃を受けられたのでしょうか。ただ、その時には"冨田サウンド"とは気付いてなかったですね。(カールハインツ・)シュトックハウゼンにしても冨田先生にしても、テレビで流れていたので、それが普通だと思ってました。誰の作ったものかって意識し出したのは後からですね。●僕らがやっていけるのは「冨田先生がいたから」○冨田さんの名前は「街の事情で知った」――それはいつ頃でした?その後、図らずも住んでた街の事情でピアノ教室に通わざるを得なくなって。ピアノを習ってる女子は4人いたんだけど、男がいなかったんです。そこで、ピアノの先生が「男子を生徒としてどうしても入れたい」って言うので、僕が行くことになった。生徒が何人以上、男女比何割っていうのがフランチャイズ経営で決められていたらしいんですよ。それをクリアしないと教室がなくなってしまうという。――ノルマですね(笑)。そういう事情で入れられちゃって。そこで先生から冨田勲の名前を聞いた。それも今思えば偶然で、ある種の"おかげ"ですね。その時が小学2、3年かな。○シンセサイザーとの出会い――それが初めてじっくりと楽器に取り組んだ時になるんですよね。最初からシンセサイザーを使ってらっしゃるイメージだったので意外です。シンセサイザーを、その時はまだ知らなかったですね。8歳だから、72年か…その時期だと、『スウィッチト・オン・バッハ』(68年)*はリリースされてると思うんだけども、その当時はシンセサイザーを知らなくて、『NHKニュースおはよう日本』がきっかけでした。「世の中のあらゆるサウンドを再現できるマシンが登場した!」って触れ込みでシンセがテレビに出ちゃった訳ですよ。その頃の僕は、地元ではあり得ないくらいのお年玉をもらう子どもだったんで、「これは大変だ」って、お金をかき集めて買いに行きましたね。*『スウィッチト・オン・バッハ』:後に性転換を経験するウェンディ・カルロス(発表当時はウォルター・カルロス名義)がモーグ・シンセサイザーを駆使してバッハの演奏を再現したアルバムで、日本国内の電子音楽アーティストにも多大な影響を与えた。モーグを全面的に使用した作品では初のミリオンセラーを記録したアルバムでもある。――小学生で?それは多分、中学2年ですね。と言うのも、72年の段階だと、そもそも冨田先生が買ったような1,000万円レベルのシンセしかなかったので。○大前提にあるのは先人への畏敬――当時の冨田さんと言えば、モーグですものね。そうそう(笑)。でもモーグ*は、テレビで映されてなかったです。紹介されるようになったのは、冨田先生が『月の光』(74年)とかをリリースして売れた後、「この音を作った楽器は何なんだ!?」っていう声が出始めて。それから30年たった今、11月のコンサートでいなくなった冨田先生を、復活させるんです。これは、ある種のリミックスですね。冨田勲という存在自体をリミックスしてる。まぁ、そんな冨田先生のモーグの登場を受けて日本のメーカーがコンシューマーレベルの…10、20万円の機材を出し始める。まだ手を出せる範囲での減算方式のシンセの原型が現れたのは70年代後半くらいですね。*モーグ:ロバート・モーグ博士が開発した革命的なアナログ・シンセサイザー。ザ・ビートルズやクラフトワークをはじめとして、さまざまなジャンルのアーティストの作品に使用され、現在でも国内外問わず非常に高い人気を集めている名機。流通しているものは非常に高価。――MS-20とか?おっしゃる通り。僕は後に、エレキギターのアウトプットを3本に分岐して、それぞれをMS-20*に繋げて演奏するようになるんですが、そんなマシンを持って、ある国に行った時は「日本から来たMS-20を同時に操る人間」といった一定の評価を受けています。「なぜか?」と考えると、冨田先生がいたからです。それも完全に"おかげ"で。そんなところから僕は、先人への畏敬というのが、まず前提としてあって。冨田先生がやってくれたから、僕らが外国でそのようにやっていける、大きな事実がある訳です。話を戻すと、NHKの朝の番組では、(実際にはその前からあるけれど)シンセっていうのが「世の中に登場した」って言い方で紹介されていたと記憶しています。「世の中のあらゆるサウンドを再現できる。例えば猫の声」とかね。で、自分で買って、実際に操作してみると、確かに猫の声は出ました。でも、猫の声しか出なかった。そこで「ああ、これがシンセか」と。それで1回は離れちゃいました。*MS-20:VCO、VCF、VCA、EGを2系統搭載していた、コルグのアナログのモノフォニック・シンセサイザー。P-MODELでも田中靖美が使用したように、1978年発売当時からプロアマ問わず多くのアーティストから関心が寄せられた。現在は、コルグから当時のアナログ回路を完全再現した小型版も発売されている。アーティストとしてのデビュー前、6歳の頃の大阪万博での衝撃から音楽に惹かれてきたことぶき光。中学2年生でシンセを初めて購入するまでの期間にも、冨田さんの影はそこかしこに見られた。そんなことぶきは、その後何十年もたってから冨田さんとの共演を果たす。用いられていた同期の仕組みは90年代初頭にP-MODELの一員として、披露していたもの。次回は、そんなP-MODEL時代の平沢とのエピソードなどの舞台裏から冨田さんとの仕事にいたるまでの間を振り返ってもらっている。■プロフィールことぶき光1964年3月30日生まれ。北海道出身。80年代半ばから、あがた森魚や鈴木慶一らのバックのキーボーディストとなり、プロのアーティストとして音楽活動を開始。87年に平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELに参加。バンドは一旦"凍結"と呼ばれる活動休止期間を迎えるが、その間も89年にソロデビューした平沢の活動をサポートしてきた。"解凍"と称して期間限定で再結成したP-MODELでは"ヒューマン・クロック"と呼ばれる同期システムを構築。ライブでのパフォーマンス面でも自身の横や背後、時には真上にまでシンセサイザーを並べた強烈なプレイスタイルで、"キーボード妖怪"と評された。P-MODELが再び活動休止期間に入り、バンドを脱退。カンボジアなど諸外国でも音楽活動を送っていたが、戸川純率いるヤプーズのライオン・メリィらと共にプノンペン・モデルを結成。現在でも活動を続けている。また02年には、中野テルヲや福間創ら元P-MODELのメンバーも参加したソロアルバム『mosaic via post』をリリース。09年には、自身やかつてのP-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターが登場し大ヒットしたアニメ『けいおん!』も放送され、さらなる注目を浴びる機会も増えていた。12年、冨田さんの「イーハトーヴ交響曲」の初演にエレクトロニクスというパートで参加。"ヒューマン・クロック"を使用したシステムを披露し、オーケストラと初音ミクが共存するステージを成立させる主要メンバーの1人となった。■公演情報冨田勲 追悼特別公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」日時: 11月11日 開場18:00/開演19:0011月12日開場12:30/開演13:30 開場17:00/18:00 (2公演)会場:東京・Bunkamuraオーチャードホールチケット料金:S席10,000円/A席 8,500円(税込/発売中)出演:渡辺一正/東京フィルハーモニー交響楽団/エイドリアン・シャーウッド/風間無限/ことぶき光/初音ミクほか
2016年10月21日タワーレコードは4日、同社の意見広告シリーズ「NO MUSIC, NO LIFE?」として、冨田勲、Lamp、MAN WITH A MISSION、憂歌兄弟の4組がそれぞれ登場する最新ポスターを発表した。Lamp、MAN WITH A MISSIONのポスターは同日より、冨田勲、憂歌兄弟のポスターは2月15日より、タワーレコード全店およびTOWERmini店頭にて順次掲出される。今回発表されたのは、宮沢賢治の世界を音で描く『イーハトーヴ交響曲』に初音ミクを起用したことでも話題になった作曲家/シンセサイザー奏者の冨田勲氏をはじめ、気鋭の3人組バンド「Lamp」、全米デビューも決定したロックバンド「MAN WITH A MISSION」、伝説のブルースバンド「憂歌団」の木村充揮と内田勘太郎による音楽ユニット「憂歌兄弟」の4組がそれぞれ登場するポスター。いずれも店頭にて掲出されるほか、各アーティストが3月に発売する最新作を同店にて購入すると、抽選でそのアーティストのポスターが当たる応募ハガキがもらえるとのこと。なお、タワーレコード・オンライン内の「『NO MUSIC, NO LIFE?』ポスターギャラリー」では、今回のメイキングレポートやインタビュー&メイキングムービーも順次公開される予定(MAN WITH A MISSIONは除く)。さらに、Lampのポスター出演を記念したコラボTシャツ「151 Lamp NO MUSIC, NO LIFE. T-shirt」もタワーレコード・オンラインにて発売される。全5サイズ展開で価格は3,150円。発売日は3月31日(2月25日より予約開始)。
2014年02月04日世界的に活躍する作曲家・冨田勲の新制作「イーハトーヴ」交響曲・世界初演公演の制作発表が8月27日に都内で開催。ヴァーチャルシンガー、初音ミクの出演が発表された。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演の公演情報冨田勲は、シンセサイザーの可能性にいち早く着目するなど、独創的な音楽技法を追求し続け、特に電子音楽の分野で世界的評価を得てきた。1974年よりビルボード・クラシカルアルバムチャート連続第1位(『月の光』、『展覧会の絵』、『惑星』)を獲得。日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされるなど、音楽シーンの最先端を歩んできた。今年80歳を迎えた世界的巨匠が新制作する「イーハトーヴ」は、構想に10余年をかけた大作。『注文の多い料理店』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『雨にも負けず』など、宮沢賢治の作品を題材にして、人間や自然を超越した宇宙的な力を音楽で描くという壮大なものだ。今回の制作発表でのビッグニュースは、何といってもヴァーチャルシンガー、初音ミクの起用だろう。作曲者自身の熱烈オファーにより実現したという驚きのコラボ。PC用の音声合成ソフトの一種である初音ミクが、冨田勲の交響曲の中でどのように登場するのか。記者会見では『注文の多い料理店』を題材にした楽曲「猫のレストラン」を例にあげて、構想の一端が明かされた。「料理店(山猫軒)の中に人は出てこない。声だけはどこかから聞こえてくるけれど、ボーイの案内もない。色々な部屋に通されて、結局は自分たちが食われるということ分かる。逃げ出そうとしたけれど逃げられない。そこで、突然サーカスみたいな音楽とともに初音ミクが出てきて『わたしは初音ミク、かりそめのボディ』と歌うんです。ミクロの世界、パソコンの中にしかいられないミクが、もうあなた方も出られないんですよ、と暗示する訳です」他にも『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』などの楽曲の重要なポイントで登場するという。「異次元からきた、何者か分からないもの、宮沢賢治の世界観を表現するには初音ミクしかないんです」と、起用の理由を冨田勲は熱く語った。これまでの初音ミクのコンサートといえば、事前にCGで作成したミクのパフォーマンス動画に合わせて、バンドやコーラスが演奏するというスタイル。今回は逆に、大友直人の指揮、日本フィルハーモニー交響楽団と合唱団の総勢300名の演奏に合わせて、初音ミクがライブで歌い、踊るという新しい試みになる。「技術的なハードルが高いですが、目処は立ってきました。電子音楽の歴史に残る冨田先生と初音ミクのコラボは、非常に野心的な試みです」と、初音ミクを手がけるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之も意気込みを語る。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。チケットは発売中。
2012年08月29日日本が世界に誇る作曲家・編曲者・シンセイサイザー奏者の冨田勲による新制作交響曲「イーハトーヴ」が、11月に世界初演されることが決定した。冨田勲新制作交響曲「イーハトーブ」世界初演の公演情報1950年代より、数々のテレビ番組、コマーシャルや映画、手塚治虫のアニメーション作品などで音楽を担当し、多くの名曲を生み出してきた冨田勲。また、日本の電子音楽の草分け的存在としても活躍。シンセサイザーを駆使した「管弦楽曲の電子音による再創造」という独自の芸術手法は、世界各国で高い評価を得、アルバム『月の光』(1975年)、『展覧会の絵』(1976年)、『惑星』(1977年)は全米ビルボードクラシカルアルバムチャート第1位を獲得。日本人で初めてグラミー賞にノミネートされ、多くのアーティストに影響を与えてきた。40年以上にわたり新たな音楽を開拓し続け、80歳の節目を迎えた冨田勲が、新たに世界に向けて発信する新曲は、宮沢賢治による造語「イーハトーヴ」(※)をタイトルにした交響曲だ。宮沢賢治の精神、東北の大自然、そして冨田勲の音楽が、フルオーケストラと大合唱が織り成す演奏で壮大に描かれる。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。指揮は大友直人、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団が担当する。チケットの一般発売は6月23日(土)10時より。また一般発売に先駆け、6月16日(土)10時よりチケットぴあで最速先行が受付開始となる。※イーハトーヴ…宮沢賢治の造語。宮沢賢治の心象世界中にある理想郷を指す言葉で、故郷の岩手県をモチーフにしたと言われている。
2012年06月15日東日本旅客鉄道(JR東日本)は15日、取締役会にて代表取締役の異動などを決議したことを発表した。代表取締役社長には冨田哲郎氏が就任し、現社長の清野智氏は取締役会長、現会長の大塚陸毅氏は相談役となる。冨田氏は1951(昭和26)年10月10日生まれ(60歳)。2000年6月に取締役総合企画本部経営管理部長に就任した後、常務取締役総合企画本部副本部長などを経て、2008年6月より代表取締役副社長に。新役職は代表取締役社長 総合企画本部長で、就任予定日は2012年4月1日となっている。今回の役員人事について、同社は、「国鉄改革・会社発足から丸25年が経過し、新たな四半世紀を迎えることとなります。この節目にあたり、体制の若返りを図ることとしました」と発表している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月15日