亀梨和也が10代将軍・家治、小芝風花が家治の正室・倫子を演じる「大奥」の9話が3月14日に放送。家治が倫子に自身の出生の秘密を打ち明けるシーンに「涙が止まらなかった」や「切なかった」などの声が上がっている。江戸中期・徳川家治の治世を舞台にした本作は、愛をテーマにした大奥史上最も切ないラブストーリー。御台所の倫子を小芝風花、第10代将軍・徳川家治を亀梨和也、倫子の元付き人で側室になったお品を西野七瀬、世継ぎを産んだお知保を森川葵、大奥総取締役・松島の局を栗山千明、家治の秘密を握る田沼意次を安田顕、松島のライバル・高岳を田中道子、松平定信を宮舘涼太が演じている。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。増上寺代参の日、倫子(小芝風花)は家治(亀梨和也)に挨拶をして出かけるが、まだどこかよそよそしい。そんな倫子が門を出て行く様子を、実は松平定信(宮舘涼太)と内通している猿吉(本多力)が物陰から見送っていた。約束通り、定信と浜御殿で会った倫子は、落ち込んでいた自分を文や贈り物で励ましてくれた礼を述べる。その頃、田沼意次(安田顕)は高岳(田中道子)から、お品(西野七瀬)の子・貞次郎が世継ぎに指名されなかったことを責められていたが、田沼はお知保の子・家基を消そうと考えていた。定信のおかげで楽しいひとときを過ごしていた倫子だが、帰り際、定信に自分ならつらい思いをさせないと抱きしめられてしまう。そして、倫子たちが大奥に戻ると、女中たちが何やら騒いでいて――というのが9話の展開。実は、お世継ぎとなった家基が、少し目を離した隙に猿吉によって池で溺れさせられ亡くなってしまったのだ。家基を失ったお知保は、以来床に伏せったまま、何も口にしなくなる。そんなお知保を心配した倫子は、足繁くお知保の元へと通うが、ある日お知保が消えてしまう。お知保は、家基と同じように池で命を絶とうとしていた。そんなお知保を必死で止め、自分が辛かった時に家基が人を思う心を思い出させてくれた、今もお知保の中に家基のことを感じると言って抱きしめ「どうか生きてください」と言うのだった。そんなふたりの姿にSNSでは、「倫子様とお知保のシーンは大泣きしてしまった」や「倫子様とお知保は本当の友愛を感じて泣けるわ」、「お知保の悲しみを一番わかってあげられるのは御台様。御台様の心の大きさと寄り添いがもう……御台様とお知保はずっと一緒に支え合って生きていってほしい」などの声が。また、家基の死を自分のせいだと心痛める家治は、「どれが本当のお姿なのかわからなくなって…でも私は今目の前にいる上様のことを信じます。子を愛し、私を愛してくださったあなた様を信じます」と言う倫子に、「わしは将軍家の子ではないのだ」と自身の出生の秘密と田沼に脅されていたことを打ち明け、「そなたをたくさん傷つけた」と涙ながらに倫子に謝るのだった。そんな家治の姿に、「家治さまが秘密を打ち明けるシーンは号泣です」や「家治さまの涙、切なかった。。」、「倫子様へ打ち明けた家治様もまた、たくさんたくさん傷ついて来た。泣き崩れる家治様を、優しく抱きしめる倫子様…本当に想い合い、正真正銘のご夫婦であられるお二人の姿に涙が止まらなかった」などの声が上がっている。【第10話あらすじ】倫子(小芝風花)は、家治(亀梨和也)から自身の秘密を打ち明けられ、田沼(安田顕)の言いなりになるほかなかった理由を知る。困惑する倫子だったが、そんな中、家治は体調を崩してしまう。田沼はお品(西野七瀬)の子、貞次郎を世継ぎに指名することを迫るが、家治は将軍家の血を引かない自分の子でよいものかと苦悩する。さらに、田沼は松島の局(栗山千明)を大奥総取締から追い落とし、自分の意のままになる高岳(田中道子)を据えようとする。家治の見舞いに行った松島は、倫子との会話を聞いてしまったことを話す。動揺する家治は、その話は聞かなかったことにしてくれと松島に頼み込むのだった。一方、倫子のもとに松平定信(宮舘涼太)から贈り物が届く。中にはいつものように文が隠されていたが、そこには驚くべき内容が記されていて――。「大奥」は毎週木曜22時~フジテレビ系にて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月15日長女は、在胎22週で生まれた超低出生体重児でした。生まれたと同時に保育器に入り、NICU(新生児集中治療室)とGCU(回復治療室)に合わせて5カ月入院。体重が増えるまでは、顔を横に向けたうつ伏せの状態で寝かせてもらっていたためか、顔が縦に細長く、頭部も前後に長くやや左右非対称な形でした。私は娘の頭の形を気にしてモヤモヤしていました。そしてモヤモヤは、娘が2歳のとき、公園で近所の小学生に言われたショックなひと言によって、ますます大きくなってしまったのです……。保育器に入っていたころ生まれてからしばらくは、生きられるかどうかが気がかりで、頭の形なんてまったく気になりませんでした。気になり始めたのは、容態も落ち着いて順調に体重が増え始めた生後2カ月以降のことです。 ずっと横向きで寝かされていた長女の顔を正面から初めて見たとき、イメージしていた赤ちゃんらしい丸顔とは違い、かなり面長な顔つきでびっくりしてしまいました。顔が縦長で、おでこが長い。後頭部はほとんど下になったことがないので、後ろに丸く膨らんでいました。ネットで情報収集すると、低出生体重で生まれた赤ちゃんには同じような頭の形の子が多いようでした。 退院後もますます気になる……退院して自宅で布団に寝かせるときも、後頭部が丸すぎるためか上を向くことができず横を向いて寝ていました。ドーナツ枕を購入してみましたが、窪みが浅すぎて横を向いてしまいます。頭の形が良くなるようにと、入浴時に「まるくなぁれ」と唱えながら撫でたりもしました。 薄毛のせいもあってか、2歳ごろになっても頭の細長さはよくわかり、いつになったら気にならなくなるのかと私はモヤモヤしていました。そんな私をさらにモヤモヤさせる出来事が起きたのです。 小学生の言葉にショックを受ける長女が2歳になったばかりの秋のこと。長女と公園へ行くと、小学校低学年の子どもたちがいました。私たちを見つけて駆け寄ってきたのですが、その中の男の子が長女の頭を見てひと言、「なんか変な形!」と言ったのです。 子どもらしく見たままの感想を言っただけなのでしょう。しかし、普段から長女の頭の形が気になっていた私にとって、それは大変ショックでした。いずれ娘が小学生になったときにも、こんな風に頭の形をからかわれるのではないかとまで考えてしまい、それからしばらくは気持ちが沈んでしまいました。 そして現在長女は今、あのときの小学生と同じくらいの年齢になりました。顔は面長でおでこは広めですが、頭部が前後に長い感じはあまりわからなくなりました。前髪も後ろ髪も伸びてきた3歳ごろから、頭の形はあまり気にならなくなったように思います。 あの一件以来、頭や顔の形で他人に何か言われたこともありません。逆に、ポニーテールにすると、頭の形が丸くてきれいと言われることもあるほどです。 長女については、「これはおかしいんじゃないか」「正期産で生まれていれば、違ったんじゃないか」と過敏に心配してしまっていた私。「そんなに心配し過ぎなくて大丈夫だよ!」と今の自分から当時の自分に言ってあげたいくらいです。しかしあのころは、長女の将来について心配事ばかりでした。現在はまた違った悩みや心配事がありますが、それも数年後には「心配し過ぎだった」に変わっているのだろうか……と思ったりしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子著者:青倉みゆ小2長女、年中長男、3歳次女の3児の母。趣味の文房具集めと宅トレで自分を癒やしつつ、実家から離れた土地で子育て中。450gで生まれた長女は、現在元気な小学生。
2024年02月26日令和5年(2023)12月22日、厚生労働省は令和5年10月分の人口動態統計速報を公表しました。速報値などを元に計算した結果、令和5年の出生数は72万6,416人になるとの見込み。昨年の出生数77万759人(確定値)よりも5.8%程度減る見通しとなりました。昨年よりも約4万4,000人、5.8%減少厚生労働省では、人口動態統計の年間推計について、機械的に算出し公表してきましたが、令和2年(2020)以降、算出した推計値が実態と乖離することが想定されるため、人口動態統計の年間推計をおこなっていません。 厚生労働省が用いていた計算式に統計値を当てはめて計算したところ、今年、国内で生まれた日本人の子どもは、推計で72万6,416人。昨年の出生数77万759人(確定値)よりも5.8%程度減る見通しとなっています。 出生数の減少の原因はズバリ「経済的不安」!出生数が90万人を割り、「86万ショック」と言われた令和元年(2019)、出生数は減少を続け、令和4年(2022)には、統計開始以来初めて80万人を割り込みました。今年の出生数は、それをさらに下回るとされています。 少子化の背景には、女性の社会進出に伴う晩婚化・晩産化、不妊、コロナ禍の影響、経済面での不安など、さまざまな要因があると考えられています。 ベビーカレンダーは2022年10月に、子ども1人以上の出産を経験したベビーカレンダー会員ママ881人を対象に妊娠・出産に関する意識調査をおこないました。 その結果、「現在の子どもの人数はもともと希望していた人数ではない」と答えた人が全体の4割を超え、その要因として「経済的な理由から」と答えた人が約3割を占めました。 さらに、少子化支援を前提に1人の出産に対する支援額として、いくらが妥当であるかを調査。その結果をPSM分析したところ、「妥協価格は75万円」「理想価格は80万円」であることが明らかに。 このことにより、金銭面での不安が大きなネックとなっていることが判明しました。 ※PSM分析…「Price Sensitivity Measurement(価格感度測定)」の略。生活者の感覚から、商品・サービスに対する受容価格を解析する分析手法。価格に関する4つの質問を通じ、「上限価格」「妥協価格」「理想価格」「下限価格」を導き出す。 出生数アップのためにできることは?これまでも国は、出産育児一時金の引き上げ、不妊治療の保険適応をはじめ、さまざまな対策を講じてきました。さらに多子世帯の大学の無償化、児童手当の抜本的拡充、年収の壁への対応などの施策を取り入れた「こども未来戦略」を閣議決定しています。しかし、多子世帯の大学の無償化1つとっても、子どもを産み、育てたい方々が手放しで喜べるような内容ではないようです。 その一方で、経済対策はもちろんですが、婚活支援、雇用の創出、子育ての援助をおこないたい人と援助を受けたい人のマッチングなど、独自の少子化対策が功を奏している自治体も。このような成功例が共有され、1人でも多くの方が子どもを産み、育てたいと思えるような環境づくりが進むことで、少子化に歯止めがかかることが望まれます。 ベビーカレンダーはこれからも、女性の心身の健康や婚活に関する情報発信、ユーザーの潜在的なニーズなどの調査をし、少子化対策の一助となれるよう活動していきたいと考えています。
2023年12月27日国や人種によっては文化の違いもあり、生死の考え方や道徳もまるで違います。そんな異国フランスで、有無も言わせずに強制的に受けた出生前診断。フランス人夫との意見や価値観も違い、診断結果が出るまでひたすら悩んだ私の経験談をお伝えします。 当たり前なの!? 必須項目の出生前診断妊娠が判明したフランスで出産することを決めた私は、文化の違いにびっくりしました。その1つが出生前診断。日本では任意なのに、フランスでは私が35歳ということもあり、必須項目でした。 日本だと出生前診断そのものを受けることもまだ積極的におこなわれていないと感じる中、有無を言わせずに診断されることに戸惑いさえありました。また、診断結果で異常があれば人工妊娠中絶を選択することはOKであり、ほとんどの方が産まない選択をされています。 検査はいたって簡単!出生前診断の検査は、超音波検査と採血のみでした。超音波で赤ちゃんの様子を確認し、採血で染色体異常の有無を検査します。特別なことはせず、痛みも伴わないので私自身「え? これで終わりなの?」と拍子抜けでした。 超音波検査は、実施したその日に医師から結果が伝えられ、採血は1週間後に結果が出ます。超音波は60%、採血は95%の確率で染色体異常の有無がわかると医師から聞いていたので、さすがに採血の結果が出るまではすごく緊張し、何度も夫と話し合いました。 夫婦2人の意見でもこんなに違う!診断結果が出るまでは心配で、「異常があったら私はどうするんだろう……でも赤ちゃん産みたい!」。こんな感情がグルグル。でも、夫は「異常があれば産まない、当たり前だよ。親も子も苦労する必要ない」とキッパリ。話は平行線のまま、答えは出ませんでした。フランスは日本に比べ、「死」は人生の中の出来事であり、受け入れている方が多いように感じます。 また、人工妊娠中絶についても法律で認められており、医療保険対応。女性保護団体活動が盛んなフランス社会では、人工妊娠中絶も1つの選択肢のようです。診断結果は病院から郵送で通知がきて「異常なし」でした。2人ですごく安堵したことを覚えています。 私の場合は国が違うということで出生前診断は強制的でした。それでも結果が出るまでは、夫婦間でも意見が異なるし、私自身たくさん悩みました。でも、出生前診断をするしないどちらにしても、夫婦2人で話し合い協力しあっていくことには変わりはないのかなと思いました。 ※日本において人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/星田つまみ著者:岩見 エリ1男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。
2023年11月24日消防隊員の夫、1歳の息子かおるくんと暮らしている水無月さん。出産当日、赤ちゃんと息子が心配であまり眠れなかった水無月さん。翌朝、助産師さんから「産院では出生証明書を出してあげられない」と、衝撃の事実を告げられます。産院に到着する前に胎盤まで出てしまうと、分娩後に来たと見なされ、その産院で産んだことにはならないそう。助産師さんによると、その産院で胎盤が出てから来た妊婦さんは水無月さんが初で、市役所への確認が必要とのこと。助産師さんは「ひとりでよく頑張ったね」とほめた直後に、「次は……わかってるわよね……」と続け、水無月さんは反省するのでした。市役所に電話し、胎盤が出てから産院に行ったことを話した水無月さん。折り返しの電話で告げられたのは、出生届とともに提出しなければならない書類があるということでした。メモを取りながら聞いていたものの、あまりの必要書類の多さにびっくりしてしまった水無月さん。同時に、「もっと早く産婦人科に行っていたら……」「陣痛タクシーを呼んでいたら……」と後悔するのでした。その次の日、ついに水無月さんは赤ちゃんと面会できることになり……!? 生まれてきてくれて本当にありがとう… ※検診→正しくは「健診」 市役所職員から、出生届の期限内、つまり14日以内に必要書類をできるだけ用意して提出してくださいと告げられた水無月さん。必要書類の多さにため息をつきつつ、夫に連絡するのでした。 次の日、赤ちゃんの検査が終わり、午後から面会できることに。小ささとかわいらしさに感動しながらも、水無月さんは「こんなお母さんでごめんね……」と思わずにはいられません。そしてその1週間後、水無月さんと赤ちゃんは無事退院するのでした。 水無月さんの退院後、夫は何度も市役所へ。聞き取り調査など、すべてが終わって出生届が受理されるまでかかった期間は、なんと約2カ月。退院した水無月さんは産院の医師や助産師、救急車を呼んでくれた陣痛タクシーの運転手にお礼を伝えるのでした。 月日は流れ、自宅出産で生まれた娘、ゆうかちゃんも無事1歳を迎えました。何が起こるかわからない出産。家族が笑って過ごせるのも、たくさんの人が自身の出産に関わり、助けてくれたおかげだと水無月さんは振り返ります。 水無月さんにも、娘のゆうかちゃんも無事で本当によかったですね。水無月さんの言う通り、出産は何が起こるかわかりません。自分の判断で「大丈夫だ」と決めつけず、違和感を抱いたら、早めにかかりつけの産院へ相談すると安心ですね。 監修/助産師 松田玲子著者:マンガ家・イラストレーター ようみん
2023年07月11日着床前診断とは?着床前診断という呼び方は、一般的に定着している呼称です。正式名称は「着床前遺伝学的検査(PGT)」といいます。体外で受精させた受精卵を培養し、胚に成長した段階で染色体や遺伝子を解析する検査です。検査手法として胚に針を刺し、細胞の一部を取り出す生検が用いられます。着床前診断は、検査結果をもとに胚を選定して子宮に移植する医療行為です。検査技術や検査精度の問題、さらには倫理的な問題をはらむため、検査の実施にはメリットとデメリットの両面から慎重に検討する必要があります。日本産科婦人科学会によって認定された施設でのみ着床前診断は行われており、検査できる対象は限定されます。体外受精をするすべての人が行える検査ではありません。着床前診断の対象者とは?着床前診断には3種類の検査があります。重篤な遺伝性疾患を対象とした「PGT-M(着床前単一遺伝子欠損検査)」と、不妊症および不育症を対象とした「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」「PGT-SR(着床前胚染色体構造検査)」です。「PGT-M」は、夫婦のいずれかが遺伝子変異あるいは染色体異常を持ち、赤ちゃんが重篤な遺伝性疾患を発症するリスクが高い夫婦を対象としています。「PGT-A」は染色体の数を調べる検査で、体外受精・肺移植を2回以上繰り返しても着床せず妊娠が成立しない不妊症の方や、2回以上の流産歴がある不育症の方が対象です。「PGT-SR」では、胚染色体の構造を調べます。夫婦のいずれかに染色体の構造異常がある不妊症、もしくは不育症の方が対象です。出生前診断との違いは?着床前診断は胚を子宮に戻す前に行われる検査です。この段階では妊娠は成立していません。これに対し出生前診断は、受精卵が着床し、妊娠が成立してから行う検査です。妊娠10週頃に行う絨毛検査や、15週頃に行う羊水検査が確定診断として行われています。着床前診断のメリット・デメリットメリット体外受精では、受精卵から成長した胚の形状を確認し、状態の良いものを選択して子宮に移植します。しかし、こうした経過を経ても必ず着床するとは限らず、着床したとしても流産になることがあります。流産自体は妊娠の経過として起こりうるものです。しかし染色体の数や構造に異常があると、流産の確率は高まります。着床前診断を行って流産の確率を下げることで、妊娠率の向上が期待できるのです。妊娠が判明した後に胎児に重篤な疾患がみつかる場合よりも、着床前の胚の段階で疾患につながる異常の有無を確認できるほうが、肉体的・精神的な負担を抑えられることもメリットと考えられます。また、遺伝性疾患や染色体の構造異常を持つ方が、子どもを得られるかもしれないという点において、可能性を広げる治療法ともいえます。デメリット着床前診断で懸念されているのは、胚に針を刺す検査手法が胚に必要のないダメージを与えてしまう可能性についてです。生検をした胚で正常に妊娠・出産にいたったとしても、長期的に子どもにどのような影響があるかはわかっていません。検査により移植に適さないと判断された胚であっても、実際には子どもを得る可能性が否定できないことも、着床前診断に慎重になる理由です。妊娠・出産につながる胚が移植されないケースが出てくると、検査をすることでかえって子どもを得るチャンスが低下することになります。こうした背景により、着床前検査を受けるにあたっては公益財団法人日本産科婦人科学会による審査が必要です。審査には半年から一年ほどの時間がかかり、費用が高額であることも、着床前診断のデメリットといえるでしょう。着床前診断の費用は?着床前診断は保険適用されないため、すべて自費診療になります。着床前診断にかかる費用の相場は、胚盤胞1個あたり11万円です。複数個を検査する場合は、その個数分の費用がかかります。通常の体外受精では、年齢などにより保険適用となる場合がありますが、着床前診断を行う際の体外受精や移植費用は保険適用外となり、全額自己負担です。体外受精、凍結・融解、胚移植などの費用を含めて、トータルで50~100万円ほどが相場だといわれています。将来的には保険適用される?不妊治療においては、PICSI法やタイムプラス撮像法などの先進医療と、体外受精などの保険が適用される治療との併用が一部施設で行われています。着床前診断は先進医療とする条件を満たしていないため保険診療との併用が認められていませんでしたが、2023年3月に大阪大学で先進医療としての申請が了承されました。着床前診断を先進医療とすることについては、厚生労働省で安全性や有効性の検討が進められており、ほかの大学からも同様の申請が上がっています。保険が適用される治療との併用が認められれば経済的な負担が抑えられるため、今後の動きに注目が集まっています。着床前診断は信頼のおける医療機関で相談を体外受精に挑戦している方にとって、着床率を向上させて流産率が低下する方法があるのはとても魅力的なことではないでしょうか。しかし、着床前診断は研究段階にあり、科学的なデータが不足している検査でもあります。海外では男女の産み分けを目的として着床前診断を実施している国があり、家族計画の一端として検査を望まれるケースもあるようです。しかし日本国内では、このような目的での検査は認められていません。着床前診断は技術面、倫理面において慎重な検討が求められます。検査を希望するときは認定された医療機関で相談し、専門的な説明を受けたうえで検討を進めましょう。※この記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2023年03月31日2023年2月28日、厚生労働省が2022年の出生数(速報値)を公表し、80万人を割ったことが明らかになりました。出生数をはじめとする人口動態統計は「人口動態調査」に基づくものですが、さまざまな形で公表されているのをご存知でしょうか? 人口動態統計とは人口動態統計とは、出生・死亡・婚姻・離婚及び死産の5種類の「人口動態(人口の変動の状態)事象」を把握して、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的としておこなわれています。 出生・死亡・婚姻及び離婚は「戸籍法」、死産は市区町村長に届け出られる各種届出書から「人口動態調査票」が 市区町村で作成されます。この調査票は、保健所長及び都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出され、厚生労働省でこれらの調査票を集計して人口動態統計を作成しています。 人口動態統計の公表の方法にはどのようなものがある?人口動態統計は、さまざまな形で公表されています。 【人口動態統計速報】市区町村に届出等がされた出生・死亡・婚姻・離婚・死産の全数を集計したもので、調査月の約2カ月後に公表されます。 【人口動態統計月報】「速報」公表後、詳細に内容を審査し、「日本における日本人」を対象に集計したものが「月報(概数)」です。これを1~12月まで積算した結果が「月報年計(概数)」です。月報(概数)は、調査月の約5カ月後に毎月、月報年計(概数)は調査年の翌年6月に毎年公表されます。 【年報(確定数)】「月報年計(概数)」に都道府県等からの訂正報告等を反映したものです。別掲で「日本における外国人」「外国における日本人」を集計しています。調査年の翌年9月に毎年公表されます。 ※「日本における日本人」とは?出生:生まれた場所が日本。両親または両親の一方が日本国籍の者(ただし、嫡出でない子の場合は、母が日本国籍の者)死産:分娩の場所が日本。両親または両親の一方が日本国籍の者(ただし、嫡出でない子の場合は、母が日本国籍の者)死亡:死亡の場所が日本。死亡した者が日本国籍の者婚姻:夫の住所が日本。夫妻または夫妻の一方が日本国籍の者離婚:別居する前の住所が日本。夫妻または夫妻の一方が日本国籍の者 「速報値」と「確定値」の誤差はどのくらい?ここ5年間の出生数の「速報値」と「確定値」を比較すると、以下のようになります。 年速報値(人)確定値(人)誤差(人)201797万8,1679万46,146–3万2,021201895万0,83291万8,400–3万2,432201989万8,60086万5,239–3万3,361202087万2,68384万0,835–3万1,848 実際比較すると、3万人余りの誤差があることがわかります。先日公表された2022年の出生数の速報値は79万9,728 人でしたが、今までの傾向から確定値は77万人前後と考えられそうです。 少子化対策が喫緊の課題となっている昨今、今後これらの言葉を耳にすることも増えそうです。これらの言葉を気にしてみてみると、より興味を持ってニュースを見ることができるかもしれません。いずれにしても少子化対策について私たちみんなが自分ごととして捉えることが大切ですね。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃんを産むっていいな、子どもがいる毎日っていいな、と思えるような世の中になってほしい。そんな気持ちを込めて、今後も子育て世帯にまつわる問題を取り上げていきたいと思っています。
2023年03月28日出生数がはじめての80万人割れ2023年2月28日、厚生労働省より人口動態統計の速報値が発表されました。発表によると2022年の出生数は79万9,728人で、1899年の統計開始以来、出生数がはじめて80万人を割る結果となりました(※1)。出生数は、第二次ベビーブームを迎えた1974年(昭和49年)の202万9,989人から多少の増減を繰り返しつつ減少傾向が続き、2016年からは毎年過去最少を記録しています(※2)。出生数の減少はある程度見込まれていたものの、80万人を下回るのは想定よりも11年早いことから、政府は喫緊の課題として少子化対策をあげています。出生数が減少している要因は?結婚・出産に対する価値観の変化出生数が減少している要因として考えられていることのひとつが、結婚年齢の上昇と生涯における未婚化が進んでいることです。最近は、さまざまな理由により未婚・晩婚を選ぶ人が増えています。家族との同居や独身生活が心地よく、結婚に対するメリットを感じにくいこと、働く女性が増えたこと、経済的な不安を抱く若者世代が多いことなどがその理由です。恋愛、出産、結婚はデリケートなテーマであり、ひとによって考え方が変わります。以前は「結婚適齢期」という言葉が一般的に使われていました。しかし最近は、個人の意思を尊重するように社会の意識が変わってきています。このような価値観の変化も、出生数の減少に関係しているのかもしれません。子育てに対する負担感子育てをしながら生活を回していくのは胆力がいります。子どもの笑顔や成長に喜びを感じる一方で、体力的にも精神的にも負担を感じることがあるでしょう。さらに子育て中は教育費や食費、光熱費などがかさむため、経済的な負担感もぬぐえません。こうした状況にもかかわらず、保育園や学童に入れない問題など、仕事と子育てを両立するための環境は十分とはいえないのが現状です。今後のキャリアや時間などの余裕を考えると、出産に対して慎重になってしまうのもうなずけます。新型コロナウイルスの感染拡大2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡大は、出生数にも影響を与えました。出生数の低下に直結しているのが、婚姻数の大幅な減少です。経済的に不安定な情勢が続いたことも、妊娠控えにつながったと考えられます。マスク越しでのコミュニケーションが求められ、大人数の会食が制限されるなど、新型コロナウイルスにより生活様式は大きく変化しました。マスクの着用や行動制限の解除後には婚姻数・出産数が回復するのか、今後の推移を見守りたいものです。政府の対策は?少子化は、今後の社会や経済の在り方にかかわる問題です。政府は、少子化対策を喫緊の課題として位置づけ、妊娠から子育てまでの一貫した支援をさまざまに打ち出しています。不妊治療の保険適用、各種助成による経済的支援、産後ケアや待機児童対策といったサービスの拡充、育休取得等の働き方改革などです。2023年4月には「こども家庭庁」が発足します。内閣府や厚生労働省が中心となって行っていた子どもや子育てに関する政策をこども家庭庁に集約し、政策の充実とスピードアップを図ることが狙いです。岸田首相は「異次元の少子化対策」を掲げました。現在は対策の実現に向け、予算の確保に関する議論が急ピッチで進められています。子どもたちの未来のためにできることを考えよう少子化の加速は、社会システムや経済力の維持、コミュニティの形成など、さまざまなところに影響をおよぼします。このままの状態で少子化が進むと、子どもたちが大人になる未来のことが心配です。日本財団が行った「18歳意識調査」では、17~19歳の男女1,000人のうち、将来子どもを持つと思うと回答した割合は45.6%でした(※3)。少子化を食い止めるためには、子育て世代はもちろんのこと、将来を担う若い世代が子育てに対して希望を持てる社会にすることが欠かせません。最近のニュースでは、育休を取得した社員の同僚に対して応援手当を支給する企業の制度が話題となりました。社会全体が「子育て」を前向きに受け止められるように、行政をはじめ企業や地域社会でも少子化対策に取り組むことが求められます。それと同時に、現在子育てをしているママやパパが子育てを楽しみ、次世代の希望につなげることが、少子化対策の第一歩になるといえるでしょう。子どもたちの未来のために、一人ひとりができることを考えていきたいですね。※この記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2023年03月22日何の根拠もなく人を疑うのはよくないですよね。ですが、思いもよらず自分が我が子の出生に関してあらぬ疑いをかけられてしまったら、愕然としてしまうことも……。今回は、登録者数84万人超えの大人気Youtubeチャンネル「エトラちゃんは見た!」の『我が子を疑う義実家』の中から、話の展開を予想していただく漫画クイズをお届けします!仕方なくDNA鑑定を……ある日、義姉から我が子の出生について疑われたことで、義実家や夫とギスギスしてしまったユリ。仕方なくDNA鑑定を受け、自分の本音を話すことで夫との関係も修復したのですが……?義実家へ呼ばれたユリと夫ここでクイズです!このあと、夫や義両親から義姉に関する衝撃の事実を聞かされたユリ。それは一体なんでしょうか?ヒントは、義姉がユリの子どもを疑った理由とつながることです……。義姉が隠していた事実……正解は義姉の子どもが浮気相手の子だった!浮気相手の子を元夫の子だと偽り、養育費をもらっていた義姉。事実が明らかになり、元夫から訴訟を起こされてしまうのでした。こんなときどうする?ありもしない疑いをかけられたら、焦ってしまいますよね……。今回のユリは、義姉自身が浮気相手の子を産んだため、ユリの子どもの出生を疑ったと分かり、晴れて潔白も証明されました。しかし、いくらなんでも自分とユリを重ねて疑うのは自分勝手ですよね。あなたなら、こんなときどんな対処をしますか?(MOREDOOR編集部)(イラスト/@エトラちゃんは見た!)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。
2023年03月19日2023年2月28日、厚生労働省は人口動態統計速報を公表し、2022(令和2)年の出生数が79万9,728 人で過去最少となったことが明らかになりました。出生数が80万人を割り込むのは、統計開始以来初めてのことです。 「86万ショック」から3年出生数が90万人を割り、「86万ショック」と言われた2019年から3年。出生数は減少を続け、2022年は昨年より4万3,169人減少し、79万9,728 人で過去最少となりました。 2017年の国立社会保障・人口問題研究所では、80万人割れを2033年と推計していましたが、それよりも11年早く少子化が進んだことになります。 コロナ禍の影響は?日本の少子化の背景には、女性の社会進出が進んだことによる晩婚化・晩産化、子育て環境の問題、経済的な問題、結婚や出産に対する価値観の変化などさまざまな要因があると言われています。そのような状況に加えて、2020年以降懸念されていたのがコロナ禍の影響です。 日本で最初の新型コロナウイルス感染者が確認されたのが、2020年1月。当時、新型コロナは未知のウイルスで、妊婦さんや赤ちゃんへの影響も明らかになっていないことから出産を控える人が増え、出生数にも影響が出るのではないかと言われていました。2020年の出生数は84万835人と減少したものの、減少率は2.8%と、2019年から2020年の減少率と比較しても大きく減少したとは言えない状況でした。しかし、その後は3.5%、5.1%と減少率が大きくなっています。 出生数の減少の要因の1つに婚姻数の減少が挙げられます。日本で最初の新型コロナウイルス感染者が確認された2020年から2021年の2年間減少が続き、2021年の婚姻件数は、51万4,242組で戦後最少となりました。しかし、2022年は1.1%とわずかではありますが増加しています。 出産する働くママは増加また、厚生労働省は3月3日に「令和2年度 人口動態職業・産業別統計の概況」を公表しました。 調査の結果、共働き夫婦の割合は 80.1%で、前回この調査がおこなわれた2015年より6.3ポイント上昇しました。そして、働いている女性が出産した赤ちゃんは48万9,826人、全体の59.6%で、17.2ポイント上昇しました。また、働いている女性が出産した第1子は24万508人で、第1子全体の62.9%となっており、前回の調査より17.1 ポイント上昇しました。さらに、2人目、3人目を産んだ働いている女性も、前回の調査よりそれぞれ全体の57.7%、54.7%と増加しています。 父母の職業別に標準化出生率(人口千対)をみると、父母ともに「管理職」が最も高くなりました。※標準化出生率:年齢構成の異なる人口集団の間での出生率について、その年齢構成の差を取り除いて比較ができるようにした出生率 まとめ2022年の出生数は79万9,728 人で過去最少となり、日本の少子化がさらに深刻化しました。コロナ禍の影響は、日本で最初の新型コロナウイルス感染者が確認された最初の年よりも猛威を振るった翌年のほうが影響があったように感じます。しかし、そのような中でも、出生数自体は減少したとはいえ、働きながら子どもを産み、育てている女性も増加してきています。婚姻数もわずかながらも増加しました。 世界で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症も、ワクチンや治療薬が開発され、元の生活が戻ってこようとしています。新たな変異株の出現も懸念されますが、今後、コロナ禍が妊娠・出産に影響することは少なくなってくるのではないかと考えられます。 しかし、少子化の要因はさまざまあり、これから子どもを産みたいと考えている方、今子育て中の方、それぞれが抱えている問題も異なります。政府は「次元の異なる少子化対策」を掲げていますが、国が取り組むべき施策は多岐に渡ります。働きながら第1子を産んだ方たちが第2子を産みたい、また結婚した方が子どもを産みたいと思えるような、そんな世の中になるような支援やサポートも大事と言えそうです。 少子化は一朝一夕には解決するのが難しい問題ですが、子どもを産み、育てる当事者だけでなく、将来の自分自身にも影響するかもしれないことです。少子化を他人事と考えず、課題を1つずつクリアできるようにしたいですね。
2023年03月08日胎児ドックとは?出生前診断のひとつ胎児ドックは、お腹の中の赤ちゃんの状態を知るために行う「出生前診断」のひとつです。出生前診断は超音波検査と染色体検査に大きく分けられており、胎児ドックでは超音波検査が用いられます。ここでわかるのは、主に胎児の形態学的な先天異常です。四肢や顔面、骨格をはじめ、臓器の異常を調べられます。通常の超音波検査より精度が高い超音波検査は妊婦健診でも行われますが、妊婦健診の場合は「一般超音波検査」、胎児ドックの場合は「精密超音波検査」と違いがあります。精密超音波検査では、より立体的に胎児の状態を確認できるのが特徴です。精密超音波検査は胎児ドックのほかに「胎児形態スクリーニング」や「胎児エコー」と呼ばれることがあります。胎児ドックでわかることは?妊娠初期(妊娠10週〜13週)妊娠初期の胎児ドックでは頭部、顔面、脊柱、心臓、肺、四肢や発育などを確認します。ここでわかるのは無脳症や心疾患、手足の欠損などです。首の後ろのむくみや血液の流れから、染色体異常が疑われる場合もあります。この時点で外性器がうつることもありますが、胎児はまだ小さいため、精度は高くありません。妊娠中期(妊娠18週〜20週)身体が大きくなる妊娠中期には小脳、頭蓋および顔面、胸部、横隔膜、心臓、血管、胃、臍帯、腎臓、骨格、四肢、外性器と、初期に比べて各器官をより詳しく観察できます。各臓器や唇、血管、四肢がはっきりしてくるため、口唇口蓋裂、横隔膜ヘルニア、血管系の異常、四肢の短縮などが判明することがあります。妊娠後期(妊娠28週以降)基本的に確認する項目は妊娠中期と同様です。身体が発達することで、妊娠中期では見えなかった項目が妊娠後期では診断できるようになります。妊娠中期に見つかった異常の状態が変化したり、異常がなかった場所に疾患が見つかったりしていないかなども確認します。なお、妊娠中期の検査で異常が見つかった場合には、妊娠後期の再検査を実施して今後の治療方針を固めていきます。胎児ドックの検査方法や費用は?胎児ドックで行う精密超音波検査は、一般超音波検査と同じように腹部にジェルを塗り、お腹の外側から胎児の様子を観察します。一般超音波検査よりも時間がかかりますが、針を刺したり腟の中に器具を入れたりする必要がなく、身体への負担が少なく済むのが利点です。胎児ドックは自由診療です。費用は施設により異なり、妊娠初期・中期・後期で確認する項目が変わるため、同じ施設でも1回の金額が別に設定されている場合があります。一般的な施設での相場はおおむね3~5万円です。胎児ドックを受ける前に家族で相談しようお腹の中にいる赤ちゃんの様子は外から見えないため、元気に育っているかどうか心配になりますね。胎児ドックで赤ちゃんの様子や状態を詳しく知ることができれば安心につながります。しかし、胎児ドックで何らかの病気や障害が見つかる可能性はゼロではありません。何か異常が見つかった場合、より安全な分娩方法や赤ちゃんに必要な産後のケアについて検討が進められるほか、必要に応じて追加検査や治療、大きな病院への転院が判断されます。検査結果によっては、大きな決断に迫られるかもしれません。検査で異常がなくても、生まれた後に疾患がわかることもあります。胎児ドックを受けるときには、さまざまな可能性について事前に家族で話し合い、どのような情報を知りたいのか、病気が見つかった場合どこまで教えてもらうのかを医師に伝えるようにしましょう。出生前診断はあくまで任意の検査のため、定期的な妊婦健診でママの健康状態や赤ちゃんの発育状況を確認することが大切です。※この記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2023年02月02日長女は、在胎22週で生まれた超低出生体重児でした。生まれたと同時に保育器に入り、NICU(新生児集中治療室)とGCU(回復治療室)に合わせて5カ月入院。体重が増えるまでは、顔を横に向けたうつ伏せの状態で寝かせてもらっていたためか、顔が縦に細長く、頭部も前後に長くやや左右非対称な形でした。私は娘の頭の形を気にしてモヤモヤしていました。そしてモヤモヤは、娘が2歳のとき、公園で近所の小学生に言われたショックなひと言によって、ますます大きくなってしまったのです……。保育器に入っていたころ生まれてからしばらくは、生きられるかどうかが気がかりで、頭の形なんてまったく気になりませんでした。気になり始めたのは、容態も落ち着いて順調に体重が増え始めた生後2カ月以降のことです。 ずっと横向きで寝かされていた長女の顔を正面から初めて見たとき、イメージしていた赤ちゃんらしい丸顔とは違い、かなり面長な顔つきでびっくりしてしまいました。顔が縦長で、おでこが長い。後頭部はほとんど下になったことがないので、後ろに丸く膨らんでいました。ネットで情報収集すると、低出生体重で生まれた赤ちゃんには同じような頭の形の子が多いようでした。 退院後もますます気になる……退院して自宅で布団に寝かせるときも、後頭部が丸すぎるためか上を向くことができず横を向いて寝ていました。ドーナツ枕を購入してみましたが、窪みが浅すぎて横を向いてしまいます。頭の形が良くなるようにと、入浴時に「まるくなぁれ」と唱えながら撫でたりもしました。 薄毛のせいもあってか、2歳ごろになっても頭の細長さはよくわかり、いつになったら気にならなくなるのかと私はモヤモヤしていました。そんな私をさらにモヤモヤさせる出来事が起きたのです。 小学生の言葉にショックを受ける長女が2歳になったばかりの秋のこと。長女と公園へ行くと、小学校低学年の子どもたちがいました。私たちを見つけて駆け寄ってきたのですが、その中の男の子が長女の頭を見てひと言、「なんか変な形!」と言ったのです。 子どもらしく見たままの感想を言っただけなのでしょう。しかし、普段から長女の頭の形が気になっていた私にとって、それは大変ショックでした。いずれ娘が小学生になったときにも、こんな風に頭の形をからかわれるのではないかとまで考えてしまい、それからしばらくは気持ちが沈んでしまいました。 そして現在長女は今、あのときの小学生と同じくらいの年齢になりました。顔は面長でおでこは広めですが、頭部が前後に長い感じはあまりわからなくなりました。前髪も後ろ髪も伸びてきた3歳ごろから、頭の形はあまり気にならなくなったように思います。 あの一件以来、頭や顔の形で他人に何か言われたこともありません。逆に、ポニーテールにすると、頭の形が丸くてきれいと言われることもあるほどです。 長女については、「これはおかしいんじゃないか」「正期産で生まれていれば、違ったんじゃないか」と過敏に心配してしまっていた私。「そんなに心配し過ぎなくて大丈夫だよ!」と今の自分から当時の自分に言ってあげたいくらいです。しかしあのころは、長女の将来について心配事ばかりでした。現在はまた違った悩みや心配事がありますが、それも数年後には「心配し過ぎだった」に変わっているのだろうか……と思ったりしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子著者:青倉みゆ小2長女、年中長男、3歳次女の3児の母。趣味の文房具集めと宅トレで自分を癒やしつつ、実家から離れた土地で子育て中。450gで生まれた長女は、現在元気な小学生。
2023年01月11日病院に向かう車中で第3子を出産した優花さんはその後、出生証明書を発行してもらえない事態に陥り、退院後すぐに手続きに奔走。そして、ようやく出生届が受理されたとの通達を受けたときのお話。待ちに待った瞬間が…! 産後、すぐに手続き対応に追われ、行政の窓口を訪れてから2週間後にようやくわが子の出生届が受理されました。「ようやく終わった……!」と、ホッと胸をなでおろす優花さん。 車中での出産、膨大な手続き対応を経て、ようやく穏やかな日々が戻ってきたある日、優花さんの弟と、弟の奥さんが自宅を訪ねてきました。弟の奥さんは妊娠8カ月の妊婦さんで、2人そろって優花さんと赤ちゃんの様子を見に来てくれたそう。 そんなとき、弟夫婦との何気ない会話の中から、弟の出産に対する楽観的な考え方を察知した優花さん。妊婦の奥さんもどこか夫の言葉に不安を感じている様子……。すると怒りに震えた優花さんが……! 数々の困難を乗り越えてきた優花さんだからこそ、気楽に構えている弟に何か言ってしまいたくなるのかもしれませんね。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター あおばワーママで2児の母。毎日なんとかなるさ精神で生きています。精神安定剤はココア。主にブログとインスタを中心にマンガを投稿中。
2022年12月20日病院に向かう車中で第3子を出産した優花さんはその後、出生証明書を発行してもらえない事態に陥ります。退院後すぐに手続きに奔走しますが、提出書類や対応の多さに苦戦していたときのお話。渦中の状況を事細かに思い出す大変さよ… 出生証明書の発行に必要な書類の中でも、特に優花さんを悩ませたのは、妊娠中から車中で迎えた出産当日の流れを事細かに書き出すこと。病院に向かう車中で出産した優花さんにとって、当時は当然ながらパニックの最中……。そのときの状況を一から思い出す作業は困難を極めます。 スマホの通話履歴などを見返しながら、また消防署で手に入れた出動証明書と突き合わせながら、慎重に書類をそろえます。そうしてすべての書類を提出し、ホッとする優花さんでしたが、どうやらそれでは終わらなかったようで……。 病院からもらえるはずの出生証明書を自分でそろえるとなると、こんなにも膨大なやり取りが発生することに驚く方も多いかもしれませんね。 何よりも優花さんが赤ちゃんや上の子たちとゆっくり過ごせる時間が、一刻も早く訪れますように。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター あおばワーママで2児の母。毎日なんとかなるさ精神で生きています。精神安定剤はココア。主にブログとインスタを中心にマンガを投稿中。
2022年12月19日病院に向かう車中で第3子を出産した優花さん。病院到着前に救急隊員によってへその緒が切られたことで出生証明書を発行してもらえない事態に。「親子ではない」と突きつけらたような気がして落ち込む優花さんでしたが、退院早々に手続きのため動き出したときのお話。これだけでは終わらない…? 出生届に必要な出生証明書を手に入れるべく、役所に訪れた優花さん。手続きに関する説明をひと通り受け、提出を求められる書類の内容と量に驚きます。妊娠初期から出産当日の流れまで、それも時系列にそって事細かに記載すること、親子関係を証明するための写真の提出が必要であることを告げられます。 出産直後の優花さんにとっては大きな負担となる作業ですが、それに加え、消防署に訪れて救急車の出動証明書を発行してもらう必要があるとのこと。 退院直後から、生まれたばかりの赤ちゃんの授乳の合間を縫って手続きのために奔走する優花さん。まだまだ一筋縄ではいかなそうですが、「わが子のためになんとかしたい」という強い気持ちが優花さんを奮い立たせているようですね。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター あおばワーママで2児の母。毎日なんとかなるさ精神で生きています。精神安定剤はココア。主にブログとインスタを中心にマンガを投稿中。
2022年12月18日病院に向かう車中で第3子を出産した優花さん。救急隊員によってへその緒が切られて病院に搬送されました。その後、病院到着前にへその緒を切ってしまったことで出生証明書が発行できない事態に見舞われたときのお話。自分が産んだという証明ができない… ※医師法などでは、出産に立ち会った医師らが出生証明書を出すとしています。医師や助産師が立ち会わない今回のような出産の場合、出生証明書の発行の判断は施設によって異なります。 救急隊員の人と主治医がモメていた現場に居合わせた夫の話から、いま自身が置かれている状況を把握する優花さん。念のため主治医にも直接聞いてみると……。 「病院以外で生まれた場合でも、へその緒がつながっていればその人が産んだという証明になる」として、優花さんの場合は救急車の中で救急隊員によってへその緒が切られていたことで、その証明書が病院からは発行できないとの説明を受けます。 主治医から頭を下げられたものの、優花さんが感じていたのは何より私たち親子を救ってくれた2人に対する感謝の気持ちでした。 「これから行政で手続きさえすれば大丈夫……」。そう信じて前を向く優花さん。車中での出産、低体温状態に陥ったわが子、その後の激痛に耐えた優花さんからは、どんな困難にでも立ち向かおうとする母としての強さが伺えますね。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター あおばワーママで2児の母。毎日なんとかなるさ精神で生きています。精神安定剤はココア。主にブログとインスタを中心にマンガを投稿中。
2022年12月16日「11月10日、シンクタンクの日本総研が、今年の出生数が前年よりも約5%減の77万人前後となり、統計を開始した1899年以来、はじめて80万人を下回る見通しであることを発表しました。この急激な出生数の減少は、ひっ迫する年金財政に大きな打撃を与えることになるでしょう」(全国紙記者)“年金博士”こと、社会保険労務士の北村庄吾さんも、こう警告する。「年金は、受給者を現役世代の年金保険料が支える“世代間扶養”という制度で成り立っています。かつてのベビーブームの時代などから考えると、現役世代の負担は激増しています」内閣府の『令和2年版高齢社会白書』によると、1950年は、65歳以上の高齢者1人を12.1人の現役世代(15~64歳)が支えていたのに対し、2015年には高齢者1人をわずか2.3人の現役世代で支えなくてはならなくなっている。少子化は日本経済そのものに深刻な影響を与えるという。経済評論家の平野和之さんはこう語る。「政府は2065年まで人口1億人を維持したい考えのようですが、非現実的な目標で、生産年齢人口がその時点では5千万人を切る予測。そうなると年金保険料も、当然集まらなくなってきます」■年金シナリオはコロナ禍を想定せず私たちの老後の生活を支える年金。急激な少子高齢化によって、どんな影響を受けるのだろうか。「目安の一つになるのが、厚生労働省が5年に一度行っている、年金財政の“健康診断”ともいえる『財政検証』です」(北村さん)そこでは、「所得代替率」を用いて、将来の年金額を算出している。「所得代替率とは、現役男子の平均手取り収入額35万7千円に対するモデル世帯の年金受給額の割合のことです。2019年のモデル世帯の年金額は約22万円。所得代替率は61.7%になっています」(北村さん)財政検証では、今後の経済状況を“もっともよい”ものから、“もっとも悪い”ものまで、6のシナリオに分けて、将来予測している。最新の財政検証は2019年のもの。平野さんは発表時から一貫して経済状況がもっとも悪いシナリオが、“最大値の予測”だと訴えてきた。「国のシナリオは、新型コロナウイルスのパンデミックや、自然災害、原油価格高騰、ウクライナ情勢など、現在、大きな問題となっているようなリスクを、まったく考慮していないものです」景気の予測だけではなく、出生率の見通しも甘かった。2019年の財政検証では15~49歳までの女性の出生率である「合計特殊出生率」は1.44と想定されていた。これは女性が一生のうちに、平均で1.44人の子供を産むことを意味する。しかし、コロナ禍による結婚機会の減少、出産の回避などもあって、2021年には1.30まで合計特殊出生率は減少した。その結果、2022年の出生数の予測は80万人を下回り、国が想定していたよりも8年も早く少子化が進んでいることになった。「最低でも、財政検証で想定される最悪のシナリオを想定しておいたほうがよいでしょう」(平野さん)最悪のシナリオでは、現在の61.7%の所得代替率が、2040年に年金受給を開始する人は51.3%にまで落ち込むという。現在の給与水準で計算すると、1カ月の年金受給額は18万3千円と、月3万7千円もの減額になる。さらに2043年には所得代替率50%で年金受給額は17万9千円、2052年ともなると、所得代替率46・1%で年金受給額は16万5千円と、減少の一途をたどることになる。15年後に受給開始年齢を迎える50代の人なら、月3万5千円、年42万円ほどの減額は覚悟しておいたほうがよさそうだ。「加えて、出生数が想定よりも8年早く80万人を下回ったように、財政検証で予想されている経済成長率や物価上昇率、賃金上昇率などにも誤算が生じていることは、火を見るより明らかです。極めて“悪い数字”になることにも備えておくべきです」(平野さん)そして、これらの計算は、“モデル世帯”をもとにしたものであるということにも注意が必要だ。「40年間、夫が年金の未納がなく、平均月収43万9千円のサラリーマン生活を送り、妻が専業主婦として支えた家庭。そんな家庭は日本国じゅう探してもほとんどないでしょう。多くの人がモデル世帯の年金額よりも下回るはずです」(北村さん)■受給開始年齢はいずれ70歳にさらに、政府は加入期間の延長や受給開始年齢の引き上げももくろんでいるという。「2024年には国民年金の年金支払い期間が40年から45年に延長される可能性があります。厚生年金は75歳まで加入させられるという改正も予定されています。また、将来的には、年金受給開始年齢も段階的に引き上げられるでしょう。受給開始年齢が70歳になることも十分に考えられます。もはや国に頼ることはできないので、自助努力をするしかありません。可能な限り働き続け、iDeCoなど個人年金で老後の蓄えを作ることが、数少ない効果的な方法だといえます」(北村さん)さらに平野さんは続ける。「年金制度が破綻しないシナリオだけでなく、万が一、破綻した場合の想定も必要です。最低限の衣食住だけは提供できるセーフティネット案も、政府は検証すべきです」すぐそこまで、年金財政破綻が迫っているのだ。
2022年12月08日■前回のあらすじ実家で過ごしていた私は精神的に追い詰められ、毎日泣きながら夫と電話。仕事が忙しいのに電話に付き合ってくれて、実家に2週に一度来てくれていたが、うれしい反面、ボロボロな自分を見せたくない気持ちもあり…。■ダウン症の確率が…!?出生前診断の結果は、ダウン症の確率が10分の1…。つわりで心身ともにダメージくらってるときに、さらに追い討ちでした。■不安とつわりでずっと泣く日々この頃が1番メンタル削られました。つわりと不安でずっと泣いていた記憶しかないですね。ただ待つのってつらいです。ダウン症という言葉は聞くものの、実際はどういうものかわからなかったので検索しまくったり。赤ちゃん欲しくて、幸運にも授かって、つわりにここまで耐えて陽性だったらどうするのか? もしも重い障害があったら? 私に育てられるのか?「確率10分の1」のインパクトがデカすぎました。次回に続く「子どもはあたりまえには産まれない」(全27話)は12時更新!※本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2022年10月14日国や人種によっては文化の違いもあり、生死の考え方や道徳もまるで違います。そんな異国フランスで、有無も言わせずに強制的に受けた出生前診断。フランス人夫との意見や価値観も違い、診断結果が出るまでひたすら悩んだ私の経験談をお伝えします。 当たり前なの!? 必須項目の出生前診断妊娠が判明したフランスで出産することを決めた私は、文化の違いにびっくりしました。その1つが出生前診断。日本では任意なのに、フランスでは私が35歳ということもあり、必須項目でした。 日本だと出生前診断そのものを受けることもまだ積極的におこなわれていないと感じる中、有無を言わせずに診断されることに戸惑いさえありました。また、診断結果で異常があれば人工妊娠中絶を選択することはOKであり、ほとんどの方が産まない選択をされています。 検査はいたって簡単!出生前診断の検査は、超音波検査と採血のみでした。超音波で赤ちゃんの様子を確認し、採血で染色体異常の有無を検査します。特別なことはせず、痛みも伴わないので私自身「え? これで終わりなの?」と拍子抜けでした。 超音波検査は、実施したその日に医師から結果が伝えられ、採血は1週間後に結果が出ます。超音波は60%、採血は95%の確率で染色体異常の有無がわかると医師から聞いていたので、さすがに採血の結果が出るまではすごく緊張し、何度も夫と話し合いました。 夫婦2人の意見でもこんなに違う!診断結果が出るまでは心配で、「異常があったら私はどうするんだろう……でも赤ちゃん産みたい!」。こんな感情がグルグル。でも、夫は「異常があれば産まない、当たり前だよ。親も子も苦労する必要ない」とキッパリ。話は平行線のまま、答えは出ませんでした。フランスは日本に比べ、「死」は人生の中の出来事であり、受け入れている方が多いように感じます。 また、人工妊娠中絶についても法律で認められており、医療保険対応。女性保護団体活動が盛んなフランス社会では、人工妊娠中絶も1つの選択肢のようです。診断結果は病院から郵送で通知がきて「異常なし」でした。2人ですごく安堵したことを覚えています。 私の場合は国が違うということで出生前診断は強制的でした。それでも結果が出るまでは、夫婦間でも意見が異なるし、私自身たくさん悩みました。でも、出生前診断をするしないどちらにしても、夫婦2人で話し合い協力しあっていくことには変わりはないのかなと思いました。 ※日本において人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/星田つまみ著者:岩見 エリ1男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。
2022年09月29日娘は在胎32週で生まれ、低出生体重児でした。生後1カ月はNICUに入院していましたがすくすくと成長。現在は出産予定日から換算する修正月齢ではなく、誕生日を起点とする通常の月齢で見ても身長も体重も成長曲線の真ん中になるほどに。そんな娘を育てる私が、日常で気を付けていることを紹介します。「成長が遅い」と言わない娘は生まれたときの体重が2,047g、NICUに入院し生後1カ月で退院したときも2,300gほどでした。医師からは「早産の子の成長は実際の誕生日ではなく、出産予定日から換算する修正月齢で見ていきます。修正月齢で換算して大幅に成長が遅くなければ心配ないですよ」と言われていました。やはり同じ月齢の赤ちゃんと比べると首すわりや寝返りは周りのほうが早かったですが、私は決して「成長が遅い」という言葉は使いません。児童館や支援センターで他のママ友と話をするときは、「のんびり屋さんなんです」「ゆっくり成長しています」というふうな言い回しをします。 早産だったことを悪く言わない早産だったことを人に話すとき、「実は早産になっちゃって」「この子、早く生まれちゃって大変だったの」というように、早産を悪く聞こえるような言い方はしないように心掛けています。「在胎32週の早産で生まれた」という事実のみを話すようにしています。それは私の産後1カ月健診の際に胎盤を調べた結果を医師から聞いたとき、「早産の原因はわからず、娘ちゃんが早くママに会いたくて出たいと思って出てきたんだね」と言われたからです。会話は娘もしっかり聞いていると思うので、早産だったことが悪い=娘が悪いというように娘が捉えないよう、言葉には気を付けるようにしています。 焦らず、周りと比べない娘には2学年上の兄がいて、息子は正期産で生まれましたが成長はのんびりでした。寝返りが周りより遅いことを心配し、区の発育相談にも出かけました。しかし問題はなく、いつのまにか寝返りもすっかりマスターするように。1歳半を過ぎるころには走り回って体力も付き、保育園では同じ学年で一番元気と保育士さんに言われるほどになりました。 そのため娘を育てるうえで「焦らず、焦らせず」をモットーにしています。早く生まれたのだから、育児本に書いてあるような「〇カ月くらいでこれができる」というのが当てはまらないのは当たり前。私が焦らず、そして周りと比べて焦って娘に成長を強要しないようにしています。 生まれたときはとても小さくて細く、ちゃんと大きくなるか心配だった娘。しかし私自身が娘の一番近くで成長をサポートできる存在ということを意識し、言葉や行動に気を付けて過ごしています。これからも周りに流されず娘のペースで成長してくれることを願い、私もそれを見守っていこうと決めています。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:森まり子1歳3カ月差の兄妹ママで、長女は妊娠32週で生まれた低出生体重児。本業は育休中で、現在は子育てをしながらライターとして子育て・共働きに関する体験談や、ママ向けの記事を中心に執筆している。
2022年04月24日■前回のあらすじ悪阻でダメになったもの、手放せなくなったものがありました。■出生前診断について考える炊飯器の匂いと灰色の食卓に耐えながら、もうひとつ同時期に悩んでいたことがありました。それは…平たく言えば、お腹の赤ちゃんに障害があるか調べる検査です。大きく分けて3つあり…だいたい35歳くらいから染色体異常のリスクが増えると言われています。当時、35歳になったばかりでした。高齢出産ですね。病院では特に出生前診断のことを言われなかったので、先生に聞いてみました。助産師さんにも聞いてみると…。結果が陽性だった場合どうするのか…。エコーでは問題ないと言われている、でも確定診断ではない…。確定診断をするには僅かながら今いる命を危険にさらすことになる。なにより…、どんな子が産まれても受け止めると胸を張って言えるのならば検査なんかしない。なら陽性が出た場合…、この時期はずっと悩んでいました。■夫に相談してみることに綺麗事だけではやっていけない、この辺は夫と私は意見が近かったので良かったです。そして話し合いの結果…、「陽性だったらまた考える」って…決めきれてないじゃん!!はい、決めきれなかったんです。やはり、羊水検査が大きなハードルになっていたのと、エコーで見て異常はないと言われていたので、大丈夫だろう…という気持ちがありました。■クアトロ検査を受けてみることにこの病院には先生が数人いて、たまたまグイグイ引っ張ってくれる先生にあたったので、ストレートに聞いてくれて助かりました。私たちを責める風でもなく、その後も親身になってくれました。命の選別をしようとしてるのに、悪いように思われたくない…、私たちの覚悟が足りていませんでした。そして、覚悟が足りていない私は検査結果でまた悩むことになります…。■クアトロ検査の結果が出たけれど…かなり微妙な数値で陽性でした。この検査は、今妊娠している子に染色体異常があるかどうかの確率を出すテストです。「1/286」の意味はこの子が、286人いたら1人が染色体異常として生まれてくるという意味です。陽性、陰性の判断はカットオフ値を基準にして行います。1/295よりも確率が高ければ陽性、低ければ陰性、となります。あくまで確率のテストなので、偽陰性、もしくはその逆もよくあるテストらしいので、クアトロ検査をすっ飛ばして羊水検査をする方も多いそうです。そして私の場合、ギリギリ陽性といったところでしょうか…。そして羊水検査の結果が出るのに4週間程かかるので、検査に進むかどうかあまり悩んでいる時間がない…。また私は悩みの樹海に入り込みました。参考: おなかの赤ちゃんの検査(出生前検査)を考える前に知っておいてほしいこと (厚生労働科学研究:成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)※本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。次回に続く(全57話)「出産の記録〜低酸素性虚血性脳症の娘と私」連載は12時更新!
2021年07月10日出生前検査とは?お腹の赤ちゃんの先天異常を調べる検査ママのお腹の中にいるあいだに赤ちゃんの病気や状態を調べる検査を出生前検査といいます。出生前検査では染色体異常、遺伝子疾患、子宮内感染症、奇形などを判定できます。羊水穿刺や超音波などで検査が行われる出生前検査は染色体異常などの診断やリスク評価に使われる遺伝学的検査と、赤ちゃんの奇形や臓器の異常を調べる胎児超音波検査のふたつに区別されます。遺伝学的検査はさらに赤ちゃんの疾患の可能性を評価するために行う非確定的検査と、赤ちゃんの疾患の診断を確定させるために行う確定的検査に分かれます。確定的検査には、検査結果をもとに医師が診断を行う羊水検査と絨毛検査があります。いずれも子宮内穿刺により羊水や絨毛を採取するため、流産や破水などのリスクをともないます。確定的検査よりも手軽だとして広まっているのが、母体血清マーカー検査や新型出生前診断(NIPT)などの非確定的検査です。ママからの採血で検査が済むため、安全性の面でも評価されています。母体血清マーカー検査と胎児超音波検査を組み合わせたコンバインド検査も行われています。妊娠9週~20週頃に行う出生前検査を実施する時期は、検査の種類や医療機関によって異なります。子宮穿刺をする羊水検査は妊娠15週以降、絨毛検査は妊娠11週~14週が目安です。母体血清マーカー検査は妊娠15週~20週、NIPTは妊娠9週~10週頃以降に採血するのが一般的です。コンバインド検査が行われるのは、妊娠11週~13週です(※1)。出生前検査は、検査結果によって赤ちゃんの命にかかわる重大な決断をしなけらばならない可能性があるものです。そのため、検査のメリット・デメリットを正しく理解し、検査を受けるかどうかを慎重に判断することが大切です。夫婦ふたりでしっかり検討できるように、検査前には産婦人科医と遺伝専門医による複数回のカウンセリングが設けられています。検査はカウンセリングとは別の日に行われるため、出生前検査について知りたいときは余裕をもってかかりつけの産婦人科医や自治体の窓口に相談すると良いでしょう。出生前検査の相談窓口が整備へ?2013年にNIPTが日本で初めて導入されて以来、出生前検査を実施する医療機関は増加しています。その中には本来必要とされる遺伝的カウンセリングや心理的ケア、検査後の診療体制が不十分な病院もあり、ママやパパたちの混乱を招くケースが出てきています。このような状況はママとパパ、赤ちゃんにとって大きな不利益を生むことから、厚生労働省の専門委員会が出生前検査の適切な在り方について検討を進めてきました。2021年の夏ころには、適切な情報提供と体制の整備を担う運営委員会が発足する予定です。運営委員会では今後、ホームページによる情報発信や保健所などに設置されている「女性健康支援センター」での相談窓口の整備などが進められます。検査の内容や結果について十分な理解が得られるように中立的な立場からの情報提供を充実させ、専門医療機関や障害福祉関係機関との連携も図られます。出生前検査を受ける前に知っておくことは?生まれてくる赤ちゃんの中で、先天的な疾患が見られるのは全体の約3~5%といわれています(※2)。そのうち、出生前検査でわかる疾患はダウン症などごく一部に限られます。検査結果が陽性であっても健康に生まれてくることもあれば、陰性であっても別の疾患を抱えていることもあり、検査結果が完全なものではないということを理解しておきましょう。非確定的検査ではまれに偽陽性・偽陰性が発生します。検査結果が陽性であった場合は確定的検査による診断を受ける必要があります。近年では胎児医療や新生児医療の進展により、これまで治療が難しいといわれていた疾患に対してもさまざまな治療が登場しています。疾患や障害を持つ子どもの育児をサポートする制度やサービスも充実してきています。検査結果が出た後のことを念頭に、どのような選択肢があるかあらかじめ情報を集めておくことも大切です。出生前検査で陽性になったら?陽性という判定が出た場合にどう対応をするか決めていたとしても、結果を前にすると不安や迷いが生まれるものです。そのため、まずはママやパパに対する心理的ケアを優先したうえで、産婦人科医や小児科医といった専門家によるカウンセリングが行われます。カウンセリングでは分娩までの経過や出生後の成長、陽性判定の意味や今後の方針・対応などについて説明し、ママやパパのその後の選択を支援します。非確定的検査で陽性だった場合は、確定診断のための検査が必要です。胎児の状態を詳しく把握するため、別の検査が提案されることもあります。非確定的検査のみに対応している医療機関では、確定診断を希望する人に対し転院の措置がとられます。出生前検査はどこで受けられる?出生前検査のうち、NIPTに関しては日本医学会や日本産科婦人科学会などの団体が認定登録制度を運用しています。この制度をもとに、認定を受けた大規模な医療機関に限ってNIPTが行われています。しかし、実際には認定を受けずにNIPTを実施している医療機関があり、なかには産婦人科医がいなかったり十分なカウンセリング体制が整っていなかったりするケースも見られます。カウンセリングや心理的ケアはその後の選択に大きく影響することから、医療機関を選ぶときには注意が必要です。こうした現状を踏まえ、これまでの認証制度の見直しも進められています。今後は国もかかわって認証制度の運用が開始される予定です。新制度では実施機関の認証基準を新たに策定し、審査・認証が行われます。認証の対象には、専門的なカウンセリングが行える大規模病院と連携した地域の産婦人科医院も対象となります。出生前検査は信頼のおける機関に相談しよう出生前検査は「命の選別」にかかわる可能性があるとして、これまでは積極的な情報提供が避けられてきました。しかし、検査で陽性の判定が出ても、十分なカウンセリングや心理的ケアを受けることで将来的な不安が払しょくでき、妊娠・出産を前向きにとらえることができたという事例もあります。男女ともに社会に出て活躍するようになり、将来的な不安や心配事を抱え悩んでいるママやパパは少なくありません。出生前検査について知りたいときは、中立的な立場で情報提供を行う信頼のおける機関に相談するようにしましょう。今後は行政、医療、福祉が連携して体制を整備する予定です。ママやパパが安心して妊娠・出産の準備が進められるよう、これからの環境に期待したいですね。※この記事は2021年4月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2021年06月01日「低出生体重児」とは、出生時に体重が2500g未満の新生児のことをいいます。日本では約10人に1人の赤ちゃんが低出生体重児として誕生しており、さらに1500g未満の赤ちゃんは極低出生体重児とされます。わが家の現在2歳の次女は限りなく極低出生体重児に近い体重で生まれました。先進国の中でもっとも低出生体重児が多いと言われている日本。実は多くのパパやママが向き合っている問題ではないでしょうか。今回は低出生体重児について無知だった私が、次女を妊娠し育てながら感じたことや支えになった言葉、気持ちの変化などをお話します。同じような不安や悩みをもつ人達の参考になればうれしいです。トラブル続きの2回目の妊娠長女の時は妊娠発覚時から出産まで、何のトラブルもなく過ごした私ですが、次女の時は最初からトラブル続き。次女は妊娠が分かった時から小さく、数回目の健診で出産予定日が1、2週間程度後ろ倒しされました。知識のなかった私は、予定日が変わるってどういうこと!?不安に思いましたが、最終月経開始日から算出する予定日と超音波検査による赤ちゃんの大きさによって算出する予定日が変わることは時々あると説明を受けました。その後もなかなかお腹の中で大きくならない次女。私の体重は増えるのにどうして…お腹の赤ちゃんを大きくするにはどうしたらいいの…とお腹の中に赤ちゃんがいる喜びよりも心配ばかり。成長が止まってしまったら危険と言われていたので、健診の度に少しでも大きくなっていることを祈る日々でした。トラブル続きの妊娠生活からNICUでの日々「生きる力がとても強い赤ちゃんだね」初期に不正出血による流産の危機も経験していたことから、とにかく不安な気持ちが続いた妊娠初期。そんな時、友人にかけられた言葉で気持ちを切り替えることができました。事情を知る友人は「生きる力がとても強い赤ちゃんだね」と言ったのです。その言葉はストンと私の中に入ってきて、ネガティブになりがちだった気持ちをポジティブに変換することができました。「そうだ、赤ちゃんの生命力を信じて、なにがなんでも守っていこう」と気持ちが引き締まったのを覚えています。結局予定日より1か月早く出産することになりましたが、この時気持ちを切り替えられたからこそ、トラブル続きの妊娠生活を落ち着いて受け止めることができました。NICU(新生児集中治療室)ってどんなところ?低出生体重児を出産する時、生まれる前からNICUに入ることが決まってる方も多いと思います。私がそうでした。事前に説明は聞いていましたが、よく理解していなかった私は、NICUの独特な雰囲気に慣れるのに少し時間がかかりました。常に鳴っている機械音、照明を暗くした部屋、緊張感がある独特な空気感に「これからどうなっちゃうの?一体いつ退院できるの?」と不安な気持ちが高まり、NICUを経験した赤ちゃんのママブログなどを検索しまくっていたことを思い出します。NICUは24時間看護師さんや医師に診てもらえる最強の場でもよく考えたら、NICUは24時間看護師さんや医師に診てもらえる最強の場。毎日通う中で先生たちが昼夜問わず真剣に赤ちゃんに向き合う姿を見て、「とにかく今は信頼して任せよう」と気持ちが変化していきました。そして看護師さんたちは、お母さんのようにやさしく赤ちゃんたちに話しかけ、見ることができない夜の様子を教えてくれたりします。小さな娘をたくさんの人の手で育てられることのありがたさを、徐々に素直に受け止められるようになっていきました。NICUに通った1か月で長女をケアする時間がもてたそしてもうひとつ、月日が流れたから今だからこそよかったと思えることは、出産後に長女をケアする時間がもてたこと。次女は生後1か月間入院していたため、その期間は長女とゆっくり赤ちゃんを迎える準備をすることができました。それなりに赤ちゃん返りはしましたが、長女の気持ちに寄り添う時間がもてたことはとてもよかったと今は感じています。1か月で体重が2000gに、NICUを卒業生後1か月経つ頃、ようやく体重が2000gになり、無事にNICUを卒業しました。長女の時は生後1か月には4000gになっていたので、おさがりがまるで使えません。おむつもサイズが合わないので、インターネットで低出生体重児用のものを購入し、新生活がスタートしました。小さな次女サイズに合うものを探して低体重児におすすめの育児アイテム当事者になって初めて知りましたが、抱っこヒモの多くは3000g以上でないと使えません。わが家は、退院直後から長女の保育園のお迎えには次女を連れて行かなければならず、ベビーカーも不安だった私はスリングを愛用していました。スリングは赤ちゃんを入れるのに少しコツがいりますが、赤ちゃんとの距離も近く、横抱きに近い形で連れていけるので、安心して連れ出すことができました。かわいくて45サイズがあるGAPを愛用長女の時の感覚で、肌着やロンパースも60-70サイズなどを用意していましたが、2000gしかない次女には見事にブカブカ。もう少しピッタリのものを着せてあげたいというときにGAPには45サイズがあることを知りました。かわいくて、しかも小さな娘にもピッタリ着せられる、それだけでとても明るい気持ちになりました。インターネット通販で低出生体重児用のロンパースなどが販売されていますが、わが家は手に入れやすいGAPを愛用していました。まわりの視線や言葉が痛い…退院後の生活退院後しばらくはとにかくまわりの目が気になりました。すでに生後1か月経っていましたが、見かけはどう見ても新生児(もはや一般的な新生児よりも小さい)。「小さな赤ちゃんですね」「まだ生まれたばかりじゃない?」と話しかけられたり、「あら、あんな新生児を外に連れ出して…」とヒソヒソと話している声が聞こえたことも何度かありました。「気にしすぎじゃない?」と言っていた夫も、想像以上に視線を感じることを身をもって感じ、「これは気にするのも仕方がないね」と共感してくれるほどでした。「たくさん抱っこできて、赤ちゃんもママも幸せだね」そんな時、先輩ママの友人が「貴重な新生児の期間を長く堪能できるなんて最高じゃない!たくさん抱っこできて、赤ちゃんもママも幸せだね」と明るく声をかけてくれ、その言葉に本当に救われました。たしかに長女の時、新生児期間はあっという間に終わってしまい、外へ連れて出かけることに慣れてきた頃にはすでに抱っこヒモの重さはずっしり。ベビーカーを使うことも増えていました。「毎日たくさん抱っこさせてくれてありがとう」、そんな気持ちで次女と向き合えるようになったことは大きな変化でした。この2年間常に気にしていた体重のことそんな次女ももう2歳。保育園に通いながら元気に成長してくれていますが、この2年間常に気にしていたのは体重のことでした。「保育園のお昼をちゃんと食べていれば大丈夫」生まれてからずっと成長曲線を大きくはみ出していた次女。少しでも大きくなってもらうために一生懸命離乳食をあげていましたが、とにかく食が細い赤ちゃんでした。そんな次女にご飯を食べさせることがとにかく大変で、作ってもほぼ食べないことが徐々にストレスに…。しかし、1歳から通い始めていた保育園の先生に相談すると頼もしい言葉が。「保育園の給食は栄養士が考えた献立。1日に1回、保育園のお昼だけでもちゃんと食べていれば、栄養的にはそんなに問題はないですよ。お昼をきちんと食べさせることは保育士が責任を持ってやりますので、家で食べなくてもあまり悩まないでください」と言ってくれたのです。この言葉でとても気持ちがラクになりました。「好きな物だけでもOK!食べる楽しさを感じさせて」また「食に興味がない子はまず食べることに慣れること、そして食べる楽しさを感じることが大切。好きなものばかり食べて…と思わず、これだけは食べる!というものがあれば、気にせずとことんあげてもいいんですよ。まずは食べることに慣れさせましょう!」とアドバイスをいただきました。そこから長女にも協力してもらい、少し大げさなくらいごはんをみんなでおいしそうに、楽しく食べることを心がけました。次女は何も食べなくても、とにかくその場に一緒にいてもらうように。そんなことを地道に続けていると少しずつ変化が表れてきました。ごはんの時間に興味をもち、少しずつ食べ物に手を伸ばすようになってきたのです。そして少しずつ食べるようになってきた頃、事情により断乳を決行。よく聞く「断乳したら食欲が増す」はまったく食べなかった次女にも当てはまりました。今では長女より食べる時があるほど、よく食べる子に成長したので私も先生もびっくりしています。わが家はみんなでゆっくり成長しています「おおらかに見守ってあげて大丈夫ですよ」長女の時の成長と比べたり、一般的な成長と比べたりして一喜一憂していた2年間でしたが、大切なのは少しずつでも大きくなること。「お腹の中にいた時と同じで、成長が止まったり減ってしまったら問題だけど、そうでなければおおらかに見守ってあげて大丈夫ですよ」と出産をした病院の先生もいつも励ましてくれました。一般的には2歳くらいでまわりの子に追いつくことが多いと言われていたので、それが私の中でひとつの目安になっていました。気にしていた体重はいまだに成長曲線の底辺にいますが、今では体重を家で測ることすらほぼありません(笑)。歩き出すのもおしゃべりも、なんでもゆっくりでしたが、できるようになるとそこからの追い上げはすごい次女!次女と向き合っていくうちに「毎日楽しく、元気に育ってくれればそれでいい」と心の底から思えるようになりました。「よく育つものはゆっくり育つ」私が好きな言葉に「よく育つものはゆっくり育つ」という言葉がありますが、次女を見ているとまさにその言葉を思い出します。寄り道しながら、回り道しながら、ゆっくり成長する娘を、これからも焦らずにじっくりと見守っていきたいと思っています。わが家はみんなでゆっくり成長しています。<文・写真:ライターtocotocoharu>
2021年01月26日30歳で結婚し、1年経っても子どもができず1年半の不妊治療。タイミング法と人工授精を経て、念願の妊娠! しかし妊娠後、「出生前診断」を受けるかどうしようか悩みました。結果として、NIPT(新型出生前診断)を受けた私の体験談です。 出生前診断を受けようと思った理由1年半の不妊治療で主な検査をし、特にコレといった原因は見つからなかったものの、妊娠したあとも「私の体」に何か子どもに悪いことがあるのでは……?という気持ちがありました。また正直なところ、障害に対して正しい知識がなく、不安や偏見がないと言ったらウソになる自分がいました。仮に障害が見つかっても、それに向き合う準備期間にしたい。特に妊婦健診での指摘もなく、一般的に出生前診断が推奨される35歳以上の出産でもありませんでしたが、漠然とした不安から出生前診断を受けようと考えていました。 苦労した病院探し出産予定の病院では出生前診断をおこなっていませんでした。出生前診断を受けたい気持ちはありつつ、しっかりと調べていなかった私。妊娠15週のときにふと読んでいた妊婦向け雑誌に「出生前診断は妊娠18週くらいまでに受ける」という記載を読み、無知な自分に焦り、急いで病院探しを始めました。 可能であれば、確定診断の出る羊水検査が希望でした。しかし外来の患者や35歳未満の妊婦には実施していない病院が多く、見つけた病院は平日の日中にカウンセリングと検査を含めて3回来院が必要と、フルタイムで仕事をしていた私にとっては難しい条件だったのです。ネットで調べた結果、年齢制限がなく1回の来院で日曜日でもNIPT(新型出生前診断)を実施している病院を発見。すぐに予約し、週末に受診しました。 いざ検査検査はまずNIPTを受け、陽性だった場合は羊水検査に進むという流れでした。費用は23万円ほど。当日は、まず問診表や同意書を記入。その後個室に呼ばれ、医師から検査の説明とカウンセリングがありました。その後採血し、お会計で終了。所要時間は1時間弱でした。結果は10日ほどで郵送されるとのことで、10日間は「普通に過ごそう」と思いつつも、どこかでずっと診断結果のことを考えていました。陽性だった場合は、どうしようか……と。 診断結果は郵送で診断結果が届き、紙には各項目ごとの内容と「すべての項目で異常は見られませんでした」という記載がありました。 もちろん、この結果がすべてではないことは理解していますが。しかし、冒頭でもお話ししたとおり、もし障害が見つかっても、それに向き合う準備期間が必要だと考えていたので、私は出生前診断を受けてよかったと思っています。 出生前診断は賛否どちらの意見もありますが、私は受けたい自分の気持ちに正直になり、検査を受けることを決意しました。ただ、実際に検査ができる病院を探すのが大変でした。そして費用もかかりますので、受けたくても条件的に受けることが難しい人が多いのではないかと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:森まり子0歳の男の子のママ。本業は育休中で、現在は子育てをしながらライターとして活動中。主に子育て・共働きに関する体験談や、ママ向けの美容記事を執筆している。
2020年11月25日2020年9月17日、厚生労働省は2020年6月発表の概数に修正を加えた「2019年人口動態統計(確定数)の概況」を、9月25日に「令和2年7月分 人口動態統計速報」を公表しました。 出生数は調査開始以来過去最少2019年の出生数は86万5,239人で、前の年の91万8,400人から5万3,161人減少しました。出生数は4年連続で減少し、1899年の調査開始以来過去最少となっています。 また、出生率(人口千 対)は7.0 で前の年より0.4低下、合計特殊出生率は1.36 で前の年より0.06低下しました。出生順位別にみると、出生数及び合計特殊出生率ともに、すべての出生順位で前の年より減少・低下しています。 「86万ショック」に国はどう対応する?出生数が90万人を割り込んだ2019年は「86万ショック」とも呼ぶべき状況であるとされ、少子化の問題はより一層深刻さが増しています。 政府は2020年5月29日に新たな「少子化社会対策大綱」を閣議決定しました。そのなかでは、基本的な目標として「希望出生率1.8(若い世代における、結婚、子どもの数に関する希望がかなうとした場合に想定される出生率)」の実現を掲げ、ライフステージに応じた総合的な少子化対策に大胆に取り組むこととしています。 今後の出生数に新型コロナウイルスの影響は不可避!?人口動態統計速報によると、令和2年7月の出生数は7万6,785人で、前の月より3,748人増加しました。ですが、2019年の7月の出生数と比較すると、2,272人少なくなっており、1月から7月までの合計で比較しても1万人余り少ない状況で、少子化には歯止めがかかっていない状況と言えます。 7月は新型コロナウイルスの感染者数が再度増加した時期ですが、新型コロナウイルスの感染が日本で初めて確認されたのは2020年1月。今のところ、出生数への影響はありません。しかし、新型コロナウイルスの影響で、妊活や不妊治療を休⽌・延期した、および妊娠を諦めたという人も少なくないようで、今後の出生数に影響が及ぶのではないかと思われます。 新型コロナウイルスの影響により経済状況は悪化し、ワクチン・治療薬もまだ開発途中で、収束の兆しは一向に見えてきません。今月誕生した菅総理大臣は不妊治療の保険適応の実現を掲げ、それまでの間における助成制度の大幅な増額を田村厚生労働大臣に指示したとのこと。少子化の要因はさまざまで、国が取り組むべき施策は多岐に渡ります。「ウィズ・コロナ時代」となるであろう今後、より安全に安心して妊娠・出産・育児ができる環境の整備が望まれます。※参考:厚生労働省 「2019年人口動態統計(確定数)の概況」「令和2年7月分 人口動態統計速報」 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年09月29日私は、現在0歳の娘を育児中の31歳のママです。今、受ける人が増えていると言われている出生前診断。命の選別とも言われていますが、私たち夫婦には受けておきたい理由がありました。どのような気持ち、どのような流れで受けたかなどの体験談をお話しします。 夫は無精子症!?結婚して3年。なかなか子宝に恵まれなかった私たち夫婦。不妊クリニックで検査を受けても私に大きな原因はなく……まさかと思い、夫に検査を受けてもらったところ、無精子症が判明しました。睾丸に精子が本当にないか、手術も受けましたが、結果は生まれつき精子が作られない体であるとのこと。そして、私たち夫婦は第3者の精子提供を受けて妊娠を試みる「AID(非配偶者間人工授精)」によって子どもを授かることにしました。 本当に育てられるだろうか…夫婦で何度も何度も話し合った結果、私は精子提供を受け、そして妊娠しました。ただ、どんなに覚悟を決めたつもりでも、実際に生まれた子を私も夫もきちんと育てられるだろうか? 愛せるだろうか?という不安を拭いきることはできませんでした。 また、長い不妊治療で、精神的・経済的にも擦り減っていた私たち。この状況で、障害のある子がもし生まれたら、私たちは生まれた命に責任を持てるのだろうか?と不安もありました。このような理由から、私たち夫婦は出生前診断を受けることに決めたのです。 NIPTという検査私が受けたのは「NIPT(新型出生前診断)」という検査で、採血をし、2週間ほどで染色体異常であるダウン症などのトリソミーを判別することができるというものです。私が検査を受けた時期は妊娠12週のときでした。お医者様からは、「この検査で陽性だったとしても、確定ではないため、羊水検査をして再度本当にダウン症か、確かめる必要があります」という説明を受けました。同意書を書き、採血自体はあっという間に終わりました。とても簡単だった印象があります。 もし、陽性だったら…私たち夫婦は、もし、おなかの子がダウン症だった場合、中絶しようと決めていました。なぜならこれまでおこなってきた不妊治療費もかさみ、さらに私が不妊治療のため会社も辞めてしまったことから経済的にも苦しく、ダウン症の子を産み、経済的に十分な環境で育ててあげられないと思ったからでした。ですが当事者になって思うことは、本当はどのような子でも産みたい。でも、一時のこの気持ちで産んでしまって経済的・精神的に、本当にこの子の一生を幸せにできるだろうか?という感情のせめぎあいでした。担当医にも、ダウン症だった場合、中絶することを伝えましたが、結果が出るまでの2週間は本当に悩みました。そして、出た結果は陰性だったのです。 出生前診断を受けて感じたことは、産む・産まない、どちらの選択も間違いではない、ということでした。産むのも覚悟。そして中絶にも覚悟が必要でした。私たちは私たちなりに生まれてくる子どもを幸せにしたいと思い、診断を受けました。受けたことに後悔はなく、むしろ生まれてくる命について真剣に向き合えた期間だったと感じています。 ※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:四ノ宮りさ1児の母。夫の無精子症が判明し、第3者の精子提供を受けて妊娠を試みる「AID(非配偶者間人工授精)」によって子どもを授かる。自身の体験を元に、不妊・育児を中心に執筆中。
2020年08月17日私の夫は台湾人なので、台湾で出産することを決め、妊婦健診は台湾の病院に通っていました。妊娠21週6日のときに、新型出生前診断(NIPT)を受けようと決意。台湾では妊娠24週まで人工妊娠中絶手術ができます。もし検査結果が陽性だった場合、私たち夫婦は赤ちゃんを諦めるかどうかすぐ決める必要がありました。もっと早い段階で新型出生前診断についてよく考えるべきであったと後悔したできごとです。 新型出生前診断を受けるきっかけ夫と一緒に行った妊娠21週6日の妊婦健診で、私は胎児スクリーニング超音波検査を受けました。そのときに、担当医師から赤ちゃんの腸が白く写っていると言われました。ダウン症や腸の病気がある赤ちゃんの場合に腸が白く写ることがあるそうです。 医師から「ダウン症の赤ちゃんであるか調べるための新型出生前診断はすぐできるが、腸の病気であれば現段階ではわからない」と言われました。それから私たち夫婦は新型出生前診断について説明を聞き、受けることを決めました。 新型出生前診断を受けてから新型出生前診断は採血だけだったので、すぐ終わりました。医師から「結果が出るまで2週間かかります」と言われたため、2週間後に診察の予約をして夫と一緒に病院を後にしました。 私の頭の中は検査が陽性だった場合のこと、腸の病気があったらどうしようという考えでいっぱいになり、病院からの帰り道は涙が止まらなかったことを覚えています。家に帰ってからも何かをする気になれず、私は泣いてばかりいました。 新型出生前診断の結果検査結果が出るまでの2週間、私たち夫婦は陽性だった場合どうするか話し合いました。しかし、すでにおなかの中で何カ月も一緒に過ごした赤ちゃんのことを、たった2週間で決めることなんて私はできませんでした。妊婦健診の早い段階で新型出生前診断について説明があったのに、私はどうして受けることをよく考えなかったのかと後悔ばかりです。 結局、結論が出ないまま、私たちは病院に検査結果を聞きに行く日を迎えました。新型出生前診断の結果は、陰性だと医師から伝えられました。そのとき私が思ったことは、2週間で赤ちゃんをどうするか決めなくてよかった、新型出生前診断について早い段階で夫ともっと話し合うべきだったということです。 今回のことで、私は新型出生前診断について何も考えていなかったことを後悔しました。新型出生前診断を受けるかどうかは妊婦さんご自身の意思によりますが、私たちの場合、もっとさまざまな可能性を真剣に考えて、早い段階で新型出生前診断を受け、陽性だった場合のことを夫と話し合うべきだったと思ったできごとでした。 ※日本において人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:佐藤ふみ1男の母。結婚を機に離職。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年07月21日国や人種によっては文化の違いもあり、生死の考え方や道徳もまるで違います。そんな異国フランスで、有無も言わせずに強制的に受けた出生前診断。フランス人夫との意見や価値観も違い、診断結果が出るまでひたすら悩んだ私の経験談をお伝えします。 当たり前なの!? 必須項目の出生前診断妊娠が判明したフランスで出産することを決めた私は、文化の違いにびっくりしました。その1つが出生前診断。日本では任意なのに、フランスでは私が35歳ということもあり、必須項目でした。 日本だと出生前診断そのものを受けることもまだ積極的におこなわれていないと感じるなか、有無も言わせずに診断されることに戸惑いさえありました。また、診断結果で異常があれば人工妊娠中絶を選択することはOKであり、ほとんどの方が産まない選択をされています。 検査はいたって簡単!出生前診断の検査は、超音波検査と採血のみでした。超音波で赤ちゃんの様子を確認し、採血で染色体異常の有無を検査します。特別なことはせず、痛みも伴わないので私自身「え? これで終わりなの?」と拍子抜けでした。 超音波検査は、実施したその日に医師から結果が伝えられ、採血は1週間後に結果が出ます。超音波は60%、採血は95%の確率で染色体異常の有無がわかると医師から聞いていたので、さすがに採血の結果が出るまではすごく緊張し、何度も夫と話し合いました。 夫婦2人の意見でもこんなに違う!診断結果が出るまでは心配で、「異常があったら私はどうするんだろう……でも赤ちゃん産みたい!」。こんな感情がグルグル。でも、夫は「異常があれば産まない、当たり前だよ。親も子も苦労する必要ない」とキッパリ。話は平行線のまま、答えは出ませんでした。フランスは日本に比べ、「死」は人生のなかのできごとであり、受け入れている方が多いように感じます。 また、人工妊娠中絶についても法律で認められており、医療保険対応。女性保護団体活動が盛んなフランス社会では、人工妊娠中絶も1つの選択肢のようです。診断結果は病院から郵送で通知がきて「異常なし」でした。2人で喜んですごく安堵したことを覚えています。 私の場合は国が違うということで出生前診断は強制的でした。それでも結果が出るまでは、夫婦間でも意見が異なるし、私自身たくさん悩みました。でも、出生前診断をするしないどちらにしても、夫婦2人で話し合い協力しあっていくことには変わりはないのかなと思いました。 ※日本において人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:岩見 エリ1男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。
2020年07月01日結婚して1年経過したころ妊娠し、 義両親に妊娠したことを伝えたところ、義母から驚くべき言葉を返されました。 え?! おめでとうじゃなくて……?なんと、義母から「出生前診断は受けたの?」との返答が! おめでとうと言ってもらえると思っていた私は、とてもショックでした。 出生前診断については、妊娠初期のころに夫と相談して受けないことに決めていたので、義母にはそのことを伝えましたが、翌日から毎日、義母・義父から夫に出生前診断を受けるようにと連絡がありました。しまいには、実母にまで……! もうノイローゼになるかと思いました。 不安だった結果が出るまでの1週間仕方なく、クアトロ検査(妊婦さんから採血した血液中の成分を測定して、赤ちゃんがダウン症候群、18トリソミー、開放性神経管奇形である確率を算出するスクリーニング検査)を受けることにしました。しかし、私がお産する病院ではクアトロ検査の取り扱いがなく、むしろ「なんで受けるの?」と聞かれ、助産師さんと話していたら涙が止まらなくなり、わんわん泣いてしまいました。 それでも、義母からの連絡は続き、出生前診断ができる病院を探しました。 当時は仕事もしていたなか、出生前診断が受けられる週数は決まっているし、予約も必要であるため、本当にスケジュールがタイトでした。 クアトロ検査の結果が出るまでの約1週間、不安で不安で仕方なかったです。しかも、血液検査、超音波検査合わせて8万円もの費用がかかりましたが、義両親からの援助はなく……。受診のとき、夫がわざわざ休みをとって病院に付き添ってくれたことだけが救いでした。 孫フィーバーに急変!診断結果が安心できるものだったので、ほっとして義母へ連絡したところ、手のひらを返したように孫フィーバーに急変しました。 超音波の画像をみて、「どっちに似てるかなー。名前決めていい?」と……。また、 私は里帰りはせずに、実母に1カ月通ってお世話してもらうことになっていたのですが、週一で義母もお世話したいと言い出し、産後ぐらいゆっくりさせてほしかった私は困惑しました。 今では、義母との距離もようやくわかるようになってきました。 そして、夫に義母との架け橋になってもらうことが、重要だと改めて実感しました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:小池佳子32歳で結婚。33歳初産。バリバリの営業職。夫は年下の草食系男子。
2020年04月26日不妊治療、不育症、高齢出産と不安要素が重なり、出生前診断という選択肢を視野に入れました。妊娠がわかったときも喜んでばかりはおられず、無事出産できるのだろうかと後々まで不安を拭い去ることはできませんでした。そして出生前診断を選択した結果、どうなったのかをお話しします。 まさか自分が不妊治療をするなんて“避妊をしなければ子どもはできるもの”と思っていた私にとって、不妊治療を選択すること自体とても衝撃的な現実でした。初めて不妊治療を知ったのは子どものころでしたが、不妊治療に対してポジティブな印象は持っていませんでした。現在では、不妊治療はそれほど特別なことでもありません。しかしながら、子どものころに感じたことは、不妊治療を始めるときの足かせになりました。子どもは欲しいけれど不妊治療はしたくないという矛盾した考えでは、子どもをもつことは叶わないと思い、28歳のときに思い切って治療を開始することにしました。 不安な不妊治療だけではなく不育症も私にとっての不妊治療は、とてもつらいものでした。治療をおこなっても結果が出ないと、もっと頑張ってしまいます。しかし、不妊治療は頑張っても結果が伴うものではありません。頑張っても頑張っても結果が出ないことに対して、憤りや不安を感じる日々が続きました。そんななか、待望の妊娠、流産を繰り返し、不妊治療をしながら不育症の治療が始まります。不妊治療を始めたときは、流産することや不育症の可能性など考えることはありませんでした。 繰り返す流産で不安定に待望の妊娠と悲しい流産を短いスパンで繰り返しました。妊娠しても出産できるわけではないということを身をもって体験し、出産までこぎつけても幸せな出産が待っていてくれるとは限らないと考えるようになってしまいました。そういった不安の増幅から、出生前診断を視野に入れるように……。私にとっての出生前診断とは、増幅した不安から逃げ出すための検査でした。NIPT(新型出生前検査)を受けましたが、期待は裏切られ、再検査、羊水検査を受けることに。いろいろありましたが、最後は羊水検査で陰性が出て、無事に37歳で赤ちゃんを出産することができました。 羊水検査陰性の結果も素直に喜べず最終的に羊水検査で陰性が出ましたが、その結果を素直に喜ぶことはできませんでした。それなりの安心はありましたが、結果に対する疑いの気持ちが消えることはありませんでした。 安心を得たいがためにおこなった出生前診断は、かえって不安を増幅することになってしまったのです。動機や、すべての結果に対して受け入れる覚悟など到底持ち合わせていなかったことが反省するポイントだと考えています。 自分の不安にしか意識が向かなくなり、更に自分に都合のいい結果が出るものだと頭のどこかで思っていました。しかし、実際はそんなに甘い話ではありません。そのときのできごとに必死過ぎて、陽性が出たときのことなど考えられていなかったのです。もし陽性だったら私はどのような判断をしていたのだろうと思うと、今でも胸が苦しくなります。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年04月11日