女優の満島ひかりと俳優の佐藤健がW主演を務めるNetflixシリーズ『First Love 初恋』が11月24日より全世界独占配信される。このたび場面写真7点が公開された。宇多田ヒカルの名曲「First Love」「初恋」からインスパイアされた究極のラブストーリーを描く本作は、90年代後半とゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、 20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる一組の男女の物語。CAを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される野口也英を満島、航空自衛隊のパイロットになるも、現在は別の道を進む、一途でまっすぐな性格の並木晴道を佐藤が演じる。也英(満島)と晴道(佐藤)が互いに異なる方向を向きすれ違う様子や、笑みを浮かべる也英と、花束を手に物憂げな表情を浮かべる晴道の対比が気になるカットが写されており、ふたりが織りなす“初恋”の物語の行方に思わず思いを馳せてしまうような場面写真となっている。また本作において重要な役割を担う、八木莉可子と木戸大聖が演じる若き日の也英と晴道の“初恋”の始まりも捉えており、20余年の時を紡ぐ壮大な愛の物語にますます期待が膨らむ。さらに、光瞬く夜景の中で会話する也英と晴道や、ライラックの木の下で手紙を読む也英、雪景色の中抱擁する若き日の也英と晴道の姿を切り取った場面写真からは、寒竹ゆり監督が細部までこだわり抜いた色彩の映像美も垣間見ることができる。
2022年10月12日宇多田ヒカルの2つの楽曲にインスパイアされ、新しいストーリーを紡ぎ出す、満島ひかりと佐藤健がW主演する「First Love 初恋」より、場面写真が初公開された。本作は、90年代後半と、ゼロ年代、現在と3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない初恋の記憶をたどる、一組の男女の物語。公開された場面写真では、CAを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される、満島さん演じる也英と、航空自衛隊のパイロットになるも、也英とは別の道を歩む、佐藤さん演じる晴道が、異なる方向を向いてすれ違う場面、笑みを浮かべる也英と、反対に物憂げな表情を浮かべる晴道の姿も写し出され、ますますふたりが織りなす初恋の行方が気になる。また、光の中で会話する2人や、ライラックの木の下で手紙を読む也英。さらに、若き日の也英(八木莉可子)と晴道(木戸大聖)の初恋の始まり、雪の中で抱き合うシーンも。こだわりの色彩の映像美も垣間見える。Netflixシリーズ「First Love 初恋」は11月24日(木)よりNetflixにて独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年10月12日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。孤独からやってきた男は、ひとときの喧噪の後、再び孤独な暮らしに戻っていった。誰かと笑い、食べて暮らす楽しさを経験した分だけ、失った悲しみは避けられないけれども、痛みをまるごと抱え込んで生きる姿は、前より美しく、強くなったように見えた。罪の概念が壊れた殺人犯に対峙したとき、「悪魔を殺せるのは悪魔だけだ」と言って、自分自身もその境界線に足を踏みこんだけれども、結局彼は悪魔にはなれなかった。大切な人を殺されたかもしれない怒りで、暴力的に殺人犯を裁くことも出来たのだろうけれども、その間際に友人が大声で知らせた大切な人は生きているという言葉が、彼を紙一重で悪魔にしなかった。悪魔にはならず、愛する人は消えて、スプーン一杯分の思い出と耳かきひと匙分の願いが残った。『初恋の悪魔』は、失った痛みと孤独をなぞり続ける物語だった。変わり者の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、うだつのあがらない警察署の総務課職員・馬淵悠日(仲野太賀)、皮肉屋の経理課職員・小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格の生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。うまく組織にハマれない4人が、勝手な『捜査会議』をきっかけに、少年連続殺人事件の謎に巻き込まれるというサスペンス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。最終回、少年連続殺人の犯人は、警察署長・雪松鳴人(伊藤英明)の息子の弓弦(菅生新樹)だったことが明かされる。雪松は警察官として息子の殺人を隠蔽しつづけ、そのために殺人と二つの冤罪をおこしてしまったのだった。雪松が息子の罪を告白する最中にも、ひっきりなしに鳴る弓弦からのメッセージの乾いた着信音が何ともおぞましい。まるで幼子のように、弓弦は父親に「どうしたらいいの」「まだ?」「早くきて」と短文で懇願し続ける。父親としての愛情ゆえにそれを無視できず、絶望する雪松に鈴之介がかけた「終わりませんよ。あなたが死刑になっても、そのメールは届きますよ。ずっと続くんですよ」という淡々とした言葉に慄然とさせられる。それを信じる人々にとって、何もかもを解決する親の愛のように解決と意思決定は序列の上から降りてくる。そこに疑いも間違いも、罪悪感も存在しない。そして枠組みから外れている人々への無関心が、錆になって思考を止めてしまう。理由など考えないまま、少年は最初に万能たる父親に指示された通りに、繰り返し殺した相手の靴を脱がせて捨てる。盲信と無関心は弱い人々を押しつぶし、大きな問題を先送りにして、いずれ手遅れにする。それはこの物語を終始貫いていた警告だったと思う。極上のエンターテインメントの中で深く静かにその描写を繰り返し、見ている私たちに訴えかけたその根気に、惜しみない賞賛を贈りたい。こうして事件はほろ苦く解決し、鈴之介と悠日の間で二つの人格を行き来していた星砂は刑事の星砂に戻る。解決後しばらく悠日と星砂は鈴之介の家に居候しているがおそらく悠日と星砂は蛇の星砂を失った鈴之介の喪失感を、鈴之介は事件が引き起こした暴力や兄の死で傷ついた2人を思いやって共に生活しているのだろうけれども、傷がある程度癒えたであろうタイミングで鈴之介は2人を突き放し、2人もまた踏ん切りをつけて鈴之介の家を出ていく。居候中は、食事は出されるまま、終日パジャマ、靴下は脱ぎっぱなしという緩さがリアルで可笑しい。テレビドラマ『カルテット』(TBS系)でも真紀の失踪した夫が脱ぎ散らした靴下が繰り返し描かれるが、坂元作品の中で脱ぎ散らした靴下は家庭のくつろぎや人の体温、気配を表象しているのかもしれない。切ないし寂しく見えるけれども、それは互いを思いやりながらも、依存はしない『風通しのいい』関係の当然の帰結なのだと思う。1人で淡々と暮らす日々の夜、鈴之介は最後に蛇の星砂と出会う。「これが最後になるから会いに来ました」と語る蛇の星砂は、鈴之介の夢だったのか、それとも星砂は本当に来たのか。解釈は見た人それぞれだと思うけれども、個人的には本当に星砂はやってきたのだと思いたい。自転車が倒れる音で振り向いて、そのまま小走りに駆けていく姿は蛇のほうの星砂に見えた。彼女は最後の時間でリサ(満島ひかり)に会い、そのあと本当の最後として鈴之介のところにやってきたのだと思いたい。大型犬に吠えられること、共同生活の朝はトイレが混んで困ること。日常の他愛もないこと、楽しいこと、愛しいことを語り合って言葉で残し、彼女は去った。言葉にすることは、流れゆく膨大な感情を切り取って残すことだ。死んだ兄に携帯越しに語りかけた悠日の言葉も、刑事の星砂が悠日に書いた手紙も、リサが刑事の星砂を通して蛇の星砂に語りかけた言葉も、誰しも別れ、何かを失う人生を生きていくための、小さな縁(よすが)だ。1人、2人の友人であっても、価値観を共にできる誰かがいれば、孤独の悪魔からは逃げられる。でも、そんな誰かが今はいなくても、慈しまれた記憶と言葉がスプーンひと匙あれば、きっと人は悪魔にならないでいられる。そして耳かきひと匙分の希望を抱いて、その時が来れば誰しもが誰かの『思い出のひと匙』になれるのだと思う。偏屈だが、常に切なさが全身に詰まった鈴之介を演じた林遣都、穏和だけれども情熱を秘めた包容力のある悠日を演じた仲野太賀、二つの人格をシームレスに往来する難役を2人分以上に魅力的に演じた松岡茉優、弱く見えるけれどもしなやかで、息詰まる展開の癒しになった小鳥琉夏を演じた柄本佑。メインの4人もバイプレーヤーもゲストも、終始『この人でなければできない』に満ちていて、素晴らしい見ごたえだった。今のご時世、これだけの複雑さを提示して、集中力を保って見なければ追えないドラマは、決して多数派のものではないのだろう。また、この稀代の名脚本家にとって、今のテレビドラマは媒体として制約が多すぎるのではないかと杞憂めいた思いもある。それでも、誰かの孤独な夜に、泣きたくても傍らに誰もいないようなその時に、この人の紡ぐ言葉が福音のように届くその可能性があるとしたら、やはりテレビドラマなのだろうと思う。この次に脚本家・坂元裕二が私たちにどんな未知の世界を切り開いて見せてくれるのか、もちろんそれも待ち遠しいけれども、今はもう少しこの『初恋の悪魔』の美しい余韻に浸っていたいと思う。人生の一里塚のような素晴らしい作品を、本当にありがとうございました。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月27日キル フェ ボン(Qu’il fait bon)は、特選タルトにも使用されている「白イチゴ“初恋の香り”」を使用したフルーツブランデー、オー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」を2022年10月1日(土)にグランメゾン銀座店・グランフロント大阪店などにて発売する。“白イチゴ”香るフルーツブランデー、「mitosaya」とコラボ新作フルーツブランデーのオー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」は、キル フェ ボンと「mitosaya 薬草園蒸留所」とのコラボレーションによるスペシャルな1品。季節や旬に合わせた原料を使用した「mitosaya」の蒸留酒は、素材の風味を生かした香りや味わいが魅力。発売と同時に即完売になるほどの人気を集めている。白イチゴを丁寧に発酵、フレッシュさを残して蒸留オー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」の主役となるのは、キャンディのように甘い香り、穏やかな甘味、酸味が特徴の「白イチゴ“初恋の香り”」。摘みたての白イチゴのへたを丁寧に取り、粗く潰して発酵させ、発酵が落ち着いた2週間後にフレッシュさを残したまま蒸留した。白イチゴの香りを引き出すため、じっくりとライススピリッツに漬け込んだ後に蒸留したパートとブレンド。より一層白イチゴの風味が際立つ仕上がりとなっている。グラスに注ぎ、ダイレクトに白イチゴの風味を味わうのはもちろん、デザートに加えて豊かな香りを楽しむのもおすすめだ。【詳細】オー・ド・ヴィ「WHITE STRAWBERRY Finest Candy Bouquet White Jewel」発売日:2022年10月1日(土)販売店舗:キル フェ ボン(グランメゾン銀座・グランフロント大阪店)/ キル フェ ボン公式WEBストア※WEBストアでは、10月中旬ごろ販売予定 ※数量限定のため、無くなり次第終了価格:100ml / 2,420円、500ml / 10,120円※購入数の制限あり(100mlは2点まで、500mlは1点まで)※WEBストアでは、100mlのみの販売
2022年09月23日満島ひかりと佐藤健がW主演、宇多田ヒカルの楽曲にインスパイアされた新しいストーリーを紡ぎ出す、Netflixシリーズ「First Love 初恋」からスーパーティーザーアートが初解禁となった。1999年に発表され大ヒットした宇多田ヒカルの「First Love」、その19年後に発表された「初恋」にインスパイアされた本作。90年代後半と、ゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる1組の男女の物語を描く。「First Love」「初恋」満島さんが演じるのは、フライトアテンドを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される野口也英。佐藤さんは、航空自衛隊のパイロットになるも現在は別の道を進む並木晴道を演じる。解禁されたスーパーティーザーアートでは、佐藤さん演じる晴道が満島さん演じる也英をおんぶし、幸せそうに笑い合う印象的なカット。一面の雪景色と相まって、全体的にブルーで統一された世界観は温かくもどこか儚げな雰囲気を感じさせる1枚となっている。また、9月25日(日)に開催されるNetflix最大のグローバルファンイベント「TUDUM Japan」にて、本作初公開となるスーパーティーザー映像も解禁予定となっている。さらに本作の配信にあわせ、宇多田さんにとってデビュー24周年となる記念日(12月9日)にドルビーアトモス版「First Love(2022 Mix)」「初恋」の配信、ならびに「初恋(2022 Remastering)」の配信、そして「First Love(2022 Mix)」と「初恋(2022 Remastering)」の2曲を収録した7インチアナログ盤「First Love/初恋」の限定発売が決定。宇多田さんにとってドルビーアトモス配信、および7インチアナログ盤を発売するのは初のこととなる。Netflixシリーズ「First Love初恋」は11月24日(木)よりNetflixにて全世界独占配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年09月23日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「君は知っているか。この世には知らない方が良かったことがある」鈴之介(林遣都)と悠日(仲野太賀)の最初の出会いのとき、鈴之介はそう言った。恋は(とりわけ失恋は)分かりやすく、その最たるものだ。世の中には頑張っても尽くしてもわめいても報われないことが存在すると身にしみたとき、人は確かに世の中の見方が変わる。そして、親であったり先輩や上司であったり、自分が盲目的に崇拝する相手が実は凡庸な人物であると、何かのきっかけで見抜いてしまうこと。凡庸ならまだいいけれども、社会的・倫理的に悪いところを見抜いてしまうことさえあって、それもまた人にとっては人生の境界線だと思う。でも『知らない方が良かったこと』という表現には、結局のところ人はそれを知って、それでも人生は続くというニュアンスがあらかじめ含まれている。『知らないほうがよかった』の後にあるのは、どんな人生だろうか。最終話まであと1話、『初恋の悪魔』(日本テレビ土曜22時)の9話を見ながら考えずにはいられなかった。優秀だが変人の刑事・鹿浜鈴之介、お人好しの元総務課職員・馬淵悠日、二重人格に揺れる生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)、そして図らずも三角関係になってしまった3人を繋ぐ経理課職員・小鳥琉夏(柄本佑)。警察組織の主流に乗れない4人は、勝手に自己流の『自宅捜査会議』を繰り返すうちに、5年前から続く少年連続殺人事件に巻き込まれてしまう。かつての依頼人の冤罪を確信して事件の調査を続けている元弁護士で、現在は作家の森園(安田顕)を加え、面々は連続殺人犯として警察署の署長である雪松鳴人(伊藤英明)への疑念を深めていく。思えば、第1話の事件(病院内の不審死)の被害者は十代の少年たち。第2話の事件(団地内の空白の殺人)は兄と弟のすれ違い。第3話の事件(万引きの未遂)は、内部の偽証。第4話の事件(世界英雄協会と名乗る動画)は、公権力を介さない私的な制裁。『自宅捜査会議』を行っていた前半のエピソードは、5~9話までの少年連続殺人事件にループするように繋がっている。前半と後半を貫いているのは、効率重視で拙速に結論を出そうとする多数派の流れが、ともすれば問題の根源を見逃し、更なる悪を蔓延させるという警告である。連続殺人の犯人だという確証を掴むために雪松を尾行する悠日と琉夏は、雪松の息子の弓弦が古い靴を廃棄しようとする現場を抑え、それがきっかけで連続殺人事件の真相を聞くことになる。息子の雪松弓弦を演じる菅生新樹(すごう・あらき)は、今や日本のエンタメを代表する俳優の1人である菅田将暉の実弟とのこと、確かに遠目には兄の面影を彷彿とさせるものがある。父の犯罪に巻き込まれた息子の悲痛さから一転して、おにぎりを口にしながら刃物を振るい、襲撃者に転じるさまは、見ていて恐怖で肌が粟立つようだった。『あの』菅田将暉の弟であるというあおりを、最大限に逆手に取った鮮烈な地上波作品デビューである。その大胆さ、覚悟。これからのキャリアが楽しみだ。それにしても、これが最初の頃の鈴之介ならば、ひとり猟奇犯罪の本を読み漁って、エキセントリックに研ぎ澄まされていた鈴之介なら、家族の犯罪を告発しているということを差し引いても、刃物のある部屋に事件がらみの青年を一人で放置したりしないのではないかと思ってしまう(5話で描かれたが、そもそも鈴之介の自宅には地下室もある)。おそらく星砂への想いと惑乱が、一連の事件の中でその判断の切れ味を狂わせたのだと思う。友人を得て、恋をして、それがきっかけで友人との関係が互いに微妙なものになり、もがくうちに彼らは最初に持っていた「マーヤーのヴェールを剥ぎ取る」ための第三の目を曇らせてしまう。そして、毛布を与え、温かな善意で差し出したおにぎりが、底知れぬ害意の呼び水になってしまう展開は、人の善を前提とする繋がりが、その居心地の良さで悪も同様に培養してしまう現実を反映しているようでやるせない。それでも、禁断の実の林檎を口にすることが無垢の喪失で、苦しみの始まりなら、せめて大切な人と上手に剥いて分かち合い、その記憶とともに生きて死にたい。その優しさが時に悪を引き入れる可能性があるとしても、居場所のない絶望する誰かのために、優しくてでたらめなお伽話を口にして、風の吹く夜を遠回りをして歩きたい。物語の最後に、私たちは何を見つけるだろうか。優しきマイノリティの4人それぞれに、風の吹く日が来てくれるといいなと願う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月20日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。仕事絡みの知人が亡くなって通夜に行く。ご親族に挨拶をするけれども、その人について語れる思い出は多くないから、少し居心地が悪い。外に出て会葬のお礼状を読み、こんな人だったのかと驚く。書かれた趣味や家族への愛情は職場で見た印象とは随分違う。人ってやっぱり複雑なものだなと思う。スマホの手がかりから兄・馬淵朝陽(毎熊克哉)の意外な生前の姿を追っていく悠日(仲野太賀)の姿を見ていて、ふとそんな自分の最近のほろ苦い思いが浮かんでくる。悠日がスマートなエリートだと思っていた兄・朝陽は、『七転び八起き』という言葉を必死で抱きしめて生きていた。弱さも悩みも、悠日の知っている朝陽とは違っていた。脚本家・坂元裕二の紡ぐ言葉はフィクションの中からするっと這い出してきて、見ている私たちの人生に忍び込んでくる。一度箱に詰めた過去の感情が、軽妙なセリフや磨き抜かれた言葉が鍵になって不意に開く。最終章が始まる第8話は、そんな坂元脚本の醍醐味が詰まった回だった。凶悪事件マニアで変人の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、兄の不審死を調べた結果、上司に疎まれ退職に追い込まれた総務課職員の悠日、生活安全課の刑事だが、二重人格でその不審死の真相の鍵を握る摘木星砂(松岡茉優)、警察署にいながら警察組織が嫌いな経理課の小鳥琉夏(柄本佑)。上下関係の堅固な組織の中にありながら、そこに馴染めないまま生きている4人が連続殺人事件の謎を追う『初恋の悪魔』(日本テレビ土曜22時)。刑事の星砂は悠日と、もう一人の人格の星砂は鈴之介と、それぞれに惹かれあっているため、3人は奇妙な三角関係になっていて、小鳥が飄々と立ち回って4人が空中分解しないように絶妙にバランスを取っている。坂元脚本といえば、テレビドラマ『カルテット』(2017年 TBS系)の3話の名セリフ「泣きながらご飯食べたことある人は生きていけます」が有名(今回、そのシーンと同じ定食屋らしき店が登場していた)だが、今作でも食事の場面は印象的で8話はとりわけそれが際立っていた。冒頭、鈴之介はいちごとマスカットのショートケーキを一つずつ買って帰り、まず星砂にどちらか好きな方を選んで食べてほしいと思っている(残った方を自分が食べるという目論見で、そんな無垢な浮かれ方が鹿浜鈴之介というキャラクターの何ともいえない魅力である)。「同じケーキを二つ買う」でも十分愛情表現として良いと思うが、あなたが楽しそうに選ぶ表情が見たいという高揚が恋の純度だと思う。結果として星砂も同じ二種類のケーキを買っていて鈴之介に選んでほしいと待っていたというオチで、キスよりもハグよりも、恋としてより深いものを示唆する描写はさすがである。この時、鈴之介がもう1人の星砂に対して、この先離れていても会えなくても、どこかで生きてほしいと願う言葉が切なくて印象深い。もう一つ、印象的なシーンは、星砂が悠日から渡されたカレーを食べる場面だった。鈴之介と惹かれあうもう1人の星砂がレンジで温めておいたカレーを、入れ替わりの直後になぜそこにカレーがあるのかよく分からないままに刑事の星砂は食べる。一口食べて、それは恋人が作った味だとすぐに気づいて涙が溢れてくる。食べ終えてから星砂はタッパーに貼られたメモで、悠日が自分を案じてくれていること、一緒にいられないならばとせめてもの思いでカレーを託したことを察して、悠日の元に帰ろうと雨の中を走り出す。「食べてください」は「生きてください」だと、そして理屈やどうしてよりも前にある無条件の愛おしさが満ちて溢れだす、胸にせまる美しい場面である。ロマンチックなラブストーリーとして、切れ味ある社会派のドラマとして、謎が混迷するサスペンスとして、自在に魅力を変えていくこの複雑なドラマを成立させるための根幹にして、かつ一番の難関は『ヒロインが記憶喪失を伴う二重人格』という設定だと思う。そこに揺るがないリアリティを得るために、松岡茉優の卓越した演技力が必須だったのだと改めて痛感する。宅配便を受け取りサインを書く。その瞬間に星砂の人格は入れ替わる。ためた間があるから、もしやと見ている私たちは固唾をのむわけだが、星砂が宅配業者に「あぁ」と短く低い声で答えるそのとき、その声のトーンだけで既に私たちはわかってしまう。これまで緻密に積み上げた松岡茉優の演技が、私たちを鳥肌が立つようなその瞬間に連れて行ってくれるのである。最終章の皮切りになるこの回で、初めて『初恋』というタイトルに絡む言葉が提示された。悠日の兄の朝陽が発したその言葉の意味は、崇拝であり盲信なのだろう。そこに連なる『悪魔』は、どんな姿をしているだろうか。おそらく多面的で、複雑で、やるせないものになるのだと思う。そんな複雑さごと私たちはこのドラマを愛している。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月13日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。時々、いくつも同時進行するSNS上の自分に疲弊する。トラブルが起きたらもちろんだし、トラブルがなくても理由のない倦怠感に襲われる。「もうこれ終わりにしたらどうなのかな、アカウントごと消して寂しくはなるだろうけど少しは救われる部分だってあるんじゃないかしら」ほとんどの人がおそらく、多少なりともそんな誘惑にかられたことがあると思う。アカウントごと消したら、それまでネットの空間にいた私の分身は、言葉のかけらは、声の切れ端は、どこに沈んでいくだろうと漠然と思う。その断片の中に『本当の自分』はどのくらい含まれているのだろう。社会と自分の境界線は案外脆くて複雑だ。何が『本当の自分』か。それを決めるのは投稿か思い出の数か、あるいはそこで生きるための執着か。2つの人格を彷徨う摘木星砂(松岡茉優)の手紙に、そんなことを考えていた。休職があけた変わり者の捜査一課の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、穏和だが自己主張できない警察署の総務担当・馬淵悠日(仲野太賀)、優しいが目ざとくてちょっと面倒くさい経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格で2つの生活を彷徨う生活安全課の刑事・摘木星砂。組織からはみ出している4人は『自宅捜査会議』と称して、勝手に捜査一課の事件を推理するうちに、やがて5年前に起きた少年殺人事件にたどり着く。更にその事件は、悠日の兄で刑事だった馬淵朝陽(毎熊克哉)の3年前の殉職事故に加え、もう1人の星砂の恩人・淡野リサ(満島ひかり)が犯人として逮捕された殺人事件と一本の線で繋がっていた。そして今、更なる類似の殺人事件が発生し、過去と同様に不自然なほど証拠が揃いすぎている容疑者が浮かび上がる。このドラマの中で、主要部署の捜査一課は、権力と治安であり、社会の多数派を現すものとして描かれる。彼らは少しでも早く順当な落とし所を見つけ、そこに向けて効率よく事件を解決しようとするため、時折こぼれ落ちている、自分たちの仮説に相反する真実の欠片は見てみないふりをする。今回の殺人事件の容疑者は殺された青年の恋人だが、おそらく社会一般的に見てあざとすぎて無言のまま反感を買うタイプの女性である。見ていて薄ら寒くなるのは、容疑者の彼女にとっては無実になるかどうかの重要なアリバイを、容疑者の知人や店員が自分たちの不都合(未成年への飲酒を容認したという)を隠蔽するために迷わず黙殺する部分である。それを小鳥は「罪と罰が釣り合わないでしょ。嫌われるとは恐ろしかね」とあきれたように呟く。自分たちの価値観では好ましくない人間にも同じように生身の人生があって、その人生が軽いはずなどないのに、とても容易く人はそれを失念する。そんな社会の薄情さと、効率よく治安を保とうする権力が同調するとき、滑り落ちるように冤罪が起きて本当の犯人は見逃される。事件はドラマの中のことだけれども、私たちはその無責任さを薄めたものを日々どこかしらで見ている。そんな社会の『凡庸な悪』を、坂元裕二はそっと極上のエンターテイメントに差し込んでくる。今回、悠日は星砂の小さな仕草ひとつから、恋人だった星砂を諦めきれない想いがあふれ出て、激しい言葉でもう1人の星砂の存在を否定してしまう。その身体から出て行ってほしいと詰め寄ってしまう。それは、かつて婚約者からオープンマリッジ(他に恋愛関係を持ってもいい婚姻関係)を持ちかけられても、愛想笑いしながら承諾した物わかりの良すぎる男らしからぬ言動である。そして鈴之介は「この人に触るな、触るな。触らないでくれ」と毅然とした言葉で悠日を拒み、傷つくもう1人の星砂をひたすらに守ろうとする。それもまた、他人との関わりを諦めて、常に孤独を良しとして、恋愛は自分の人生にはいらないと割り切っていた男らしからぬ言動である。それぞれに友情と恋を得て、扉を開いて一歩を踏み出したからこそ、悠日と鈴之介は正面からぶつかりあってしまう。誰かが何かを失わねば決着のつかない3人の関係に胸がひりひりする。そして今回のラストで見つかる星砂の手紙は、その痛みに呼応するかのようだ。自身の存在が失われる覚悟とともに、星砂は手紙で悠日に語りかける。思い出は必要なものだ。でも慎ましくスプーン一杯くらいあればいい。それはホットドッグからはみ出すキャベツであり、シャツがまくれて見えるヘソであり、キスの直前に鳴るアラームであり、起き抜けに分けあう一杯の水であり、普段の暮らしの中のものだ。そんな特別でない、等身大の自分を覚えていてほしい。これは、愛おしい恋人への言葉であり、同時にすべての人の喪失の痛みに寄り添うものだ。喪失とすべての解決の予感をはらんで物語は最終盤に向かう。4人の友情と愛情がどのように着地するのか、しっかり見届けたいと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年09月06日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。このドラマで、何気ないけれど、ふと目について覚えている場面がある。2話、鹿浜鈴之介(林遣都)の家でいつもの4人が大福を食べながら話すシーンだ。摘木星砂(松岡茉優)は、残った大福を持ち帰るためなのか、大事に紙に包んで手元に置く(結局は忘れて帰るが)。そういえば、星砂は馬淵悠日(仲野太賀)相手にも最初に会ったとき、「食べるものを持ってないか」と問いかけていた。どちらも食べることに対する切迫感が透けて見える。用心深いけれども、安心して受け取れる相手からは食べ物をもらって、その時食べられるだけ食べて、すっと離れるさまは誇り高い野良猫のようだ。誇り高く生きることと引き換えに、暮らしの基盤は脆いけれども、常に相手の本質を真っ直ぐに見据える星砂のまなざしは美しい。大福をみんなで食べた時に「おまえら、粉、こぼさずに食えねえのか」と、少年のように乱暴な言葉とともに、口の端に粉をつけて笑った顔も忘れがたく素敵だった。優秀だが変人の刑事課の刑事・鈴之介(林遣都)、真面目で優しいが平凡な警察署の総務担当・悠日(仲野太賀)、愚痴っぽいが友達想いで、一途に刑事課の新人刑事に片思いしている経理担当・小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格により途切れる自分の記憶に悩む生活安全課の刑事・星砂(松岡茉優)。組織からはみ出して生きる4人が事件を追う『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。前回5話から、物語はおそらくストーリー全体の核になるだろう悠日の兄・馬淵朝陽(毎熊克哉)の3年前の殉職と、5年前の少年拉致殺害をめぐる謎に踏み込んでいる。更に今回、6話ではそれらの事件と星砂の二重人格の、別の人格が深く絡んでいるさまが提示される。正直、1~4話までは、いつもの坂元脚本と変わらずセリフもキレキレだし、コメディの部分もさすがの匙加減であるけれども、それでも物語がどこに向かっているのかは全く見えず、心許ない感じが消えなかった。だが、5話から6話にかけた怒濤の展開に、ここまでのばらばらに散りばめられたエピソードは、織り上げる前の『糸』の準備だったのだと痛感する。今回、鈴之介は『もう一人の星砂』と出会い、互いに心を寄せあって彼女の過去を知る。学生の頃に、心無いいたずらで傷ついた鈴之介の思い出に、真剣に怒る『もう一人の星砂』のしなやかな正義感と、つらい過去を語ろうとして中断する星砂に「途中でやめようとした話こそ、いちばん話したい話です」と気遣う鈴之介の、傷ついて生きてきた者特有の優しさが呼応する会話は、見ていてじわじわと熱量が上がっていくような見事さだった。刑事の星砂は、傷つきながらも綺麗ごとを抱えて誰かの居場所であろうとする悠日に惹かれていく。けれども、もう一人の星砂は、過去に『頭がよくて、正しくて、近道が好きな』人々(おそらく良識を振りかざす人々ということなのだろう)に、大切な人である淡野リサ(満島ひかり)との居場所を奪われた記憶から、綺麗ごとを語る悠日には警戒心を抱いて相容れない。今回のラストシーン、悠日を拒んで鈴之介の服の肩口を掴む『もう一人の星砂』の手に、見ている私たちも胸がぎゅっと痛む。これは、異形ゆえに傷ついてきたひとりと、凡庸ゆえに踏み付けにされてきたひとりと、転落の危機を持ちこたえながらぎりぎりで生きているひとりが、互いの欠けたところを補うように惹かれ合う恋の物語だ。坂元裕二の作品の魅力は、もちろん洒脱な言葉を選りすぐって磨かれたセリフ群ではあるけれども、更にそのセリフを対話としてふんだんに積み重ねた末に見えてくる『名づけられない関係』にあると思う。例えば、家出少女のたまり場と言えば一般的には不穏な響きしか残らないそれを、風の強い日に髪をなびかせてみんなで道草をして、ただ「おかえり」と「ただいま」を大切にして、それ以上を求めない風通しのよい何かに描きだすこと。例えば、男社会の横暴にしなやかに抗いながらレストランを営む女たちの繋がりを、単に職場の同僚という枠におさめずに豊かに鮮やかに描きだすこと。(テレビドラマ『問題のあるレストラン』2015年フジテレビ系)例えば、3回の結婚を経た女社長と夫たちの関係を、白黒ありがちな名前の感情にとどめずに、繊細なグラデーションの日々として描きだすこと。(テレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』2021年フジテレビ系)精緻に染めた感情の糸で、社会のいまを通して、未知の布を織りあげていく。彼が描き出す『今は』名前のない関係は、私たちが半歩先、いつか未来で見つける何かだと思う。今作ではどんな色の、そしてどんな手触りの布に、私たちは触れることが出来るだろうか。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月23日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。私たちはこの奇妙なドラマに足を踏み入れたその時、最終的にどこにたどり着くのかはよく分からないままに切符を買った。どんな景色の旅になるのか、まだ半分も分からないけれども、最終的にこれまでに見たことのない目的地にたどり着くのだという確かな予感はあった。しかし5話を見て怖くなった。果たして乗ったのは列車だと思っていたけれど、もっと過激ななにか、大きならせんを描き、激しく揺れ、時に水しぶきのかかるジェットコースターか何かだったのではないか。4話までの、牧歌的にカタコト揺れていた音は、ジェットコースターの長い長い最初の登り区間だったんじゃないか。同じドラマ、同じ登場人物。ひと繋ぎの同じレールの上で、私たちはいま、どちらが頭で足なのか分からなくなるような急降下と急上昇を味わっている。休職中の刑事の鹿浜鈴之介(林遣都)、警察署の総務担当・馬淵悠日(仲野太賀)、経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。警察署にいながら組織から少しずつはみ出している4人が織りなす不思議なミステリアス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。鈴之介は異端としての生きづらさを、悠日は平凡さゆえに下に見られる痛みを、小鳥は片思いの相手に振り向いてもらえない哀しみを、そして星砂は多重人格から来る不安定さにそれぞれ苦悩しながら4人は事件の解決を通して距離を縮めていく。5話、ストーリーはこれまでとはがらりと違う展開になり、鈴之介が暮らしている家に、鈴之介すら知らない地下室があること、その地下室をめぐる隣人・森園(安田顕)とのトラブルを通して鈴之介の過去が描かれる。これまで4人が事件を考察した『自宅捜査会議』では、最初に事件を俯瞰するために事件現場のジオラマを作成する。ジオラマで俯瞰されず表に出ない地下室の存在は、ひどく不穏で薄気味悪い。1年前、この家を鈴之介に譲ったのは椿静枝(山口果林)と名乗る老婦人だった。子供の頃から周囲になじめず、大人になって一層孤独感を深めていく鈴之介の心を唯一解きほぐしてくれたその恩人は、過去にブロック塀の倒壊事故で娘と孫を亡くし、その無念から倒壊事故に関わった人物の監禁事件を起こしていた。自分にとっては人生で唯一の恩人と思っていた人物が実は猟奇犯罪者であることを知って呆然とする鈴之介だが、同時に偏屈で人嫌いな自分と出会うことで静枝が救われたこと、安らかな気持ちで死んでいったことを知り、複雑な思いを噛みしめる。静枝は厭世観(えんせいかん)に沈むかつての鈴之介に語りかける。静枝「世の中を恨む悪魔になっちゃだめ」鈴之介「人間は苦手なんです」静枝「人は人。自分らしくいれば、いつかきっと未来の自分が褒めてくれる。僕を守ってくれてありがとう、って」悪魔というこのドラマのタイトルの半分が初めてここに現れる。自分が救われたと思っていたけれども、実際には自分が相手を救っていた。恋ではないけれども、マイナスとマイナスが掛け算してプラスに転じるような出会いだった。そしてこれは3話の居酒屋のシーンで星砂が悠日に語りかけた「誰かと出会ったとき、それが変わるんだよ。平凡な人を平凡だと思わない人が現れる。異常な人を異常な人だと思わない人が現れる。それが、人と人との出会いの…いい、美しいところなんじゃないか」というセリフにも繋がっていく。初回、医師が多忙すぎて患者が命の選択に晒される、2話、兄弟同士の格差が分断を起こす。3話、年金が足りなくて高齢者が横領に手を染める。物語が静かに浮かび上がらせるのが、この国で淡々と静かに進行しているあらゆる原因の見えづらい病巣だとすれば『悪魔』はその裂け目から生まれてくるものかもしれない。それならば悪魔を寸前で引き留めるもの、悪魔を引き戻すものは何か。ともにマイナスだとしても、マイナスとマイナスでプラスに転じるような出会い、星砂が悠日に語ったカテゴリやラベルにとらわれない会遇が、その鍵になるのだろうと思う。鈴之介の危機を残りの3人の機転で乗りきって、4人の絆はより深まったが、この回のラストで一気に物語は暗転する。悠日の不審死した兄の携帯をめぐって星砂は行方不明になり、もう1つの人格で鈴之介の前に現れて誘惑めいた言動を見せる。そして鈴之介の隣に住む作家の森園が、5年前に起きた監禁ののちに、遺体で発見された少年の殺人事件に関わった弁護士であるということも明らかになる。解決し距離を縮めたその直後、更なる猟奇と分断が螺旋のように加速する。まだ物語は、ようやく点が線になりはじめたばかりだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月16日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「片思いはハラスメントの入り口だ。僕は彼女に片思いという暴力を振るってしまった」小鳥琉夏(柄本佑)は素数を拾い上げるように、自らの言葉と行動の一つ一つを用心深く見つめて検証する。だから、片思いは一種の暴力であると彼は言う。確かに片思いは強烈な熱量を伴うものだけれど、多くの人の人生に訪れるその熱量を、どうすれば想う相手を傷つけずに軟着陸させられるのか。あるいは愛情という名の創造的な感情に転化させられるのか。鹿浜鈴之介(林遣都)の言葉を借りるなら、誰しもがマイナスとマイナスを掛け算してプラスに転じられるような幸運に巡り会うわけではないし、同じく鈴之介のように失恋の予感を静かに内面に閉じ込められるはずもない。対極に見えて実は背中合わせの、片思いから連なる献身と暴力の境界線はどこにあるのか『初恋の悪魔』4話を見ながら考えていた。停職中のエキセントリックな刑事・鈴之介(林遣都)、警察署の総務部に勤める馬淵悠日(仲野太賀)、同じく経理担当の小鳥(柄本佑)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。警察署で仕事をしているが、刑事課の事件には捜査権のないはみだし者の4人があくまで自主的に事件を推理する新感覚のサスペンス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。毎回発生する様々な事件は横糸、そして物語の縦糸は、3年前に起きた悠日の兄の不審死と、鈴之介の隣に住む奇妙な隣人・森園(安田顕)と鈴之介の関係である。4話の事件は、マナーやルールを守れない人物を矢で射て制裁を加え、犯人がその様子を配信して警察を挑発するという劇場型犯罪。片思いの相手である渚(佐久間由衣)が事件に絡んで負傷したことで、小鳥は怒りに駆られ、なんとしても犯人を捕まえようと躍起になる。しかし鈴之介は推理をする一方で、そんな小鳥の情熱も、犯人を捕まえようとする自分達の推理も一方的なもので、安っぽい正義感に捕らわれた今回の犯人と本質は同じものだと語り、徒労感を滲ませる。思えばこれまでも事件の解決に解放感はなく、いつも苦い。解決後の犯人のその後も殆ど描かれず、事件はあくまでも物語の一部、ピースのひとつに見える。物語の中で、事件は4人が自分の内面を見つめたり、開放したり、関係を結びなおすための『装置』である。そして今回の事件は、どんなに本人が正しく思っても、相手を見ない一方的な感情の発露は暴力であるという現実を浮かび上がらせる。一度は鈴之介の言葉に腹を立てて出て行った小鳥が、事件の結末を見届けて、やがて「しばらく頭を冷やす」とメールで詫びてきたのは、苦さの中での救いに見えた。そんな小鳥の片思いをめぐるほろ苦い顛末の中で、悠日と星砂は次第に距離を縮めていく。星砂は、自分の中にあるもう一つの人格の存在(彼女はその人格を『ヘビ女』と呼んでいる)で、常に不安に苛まれている。覚えのないものを買っている、覚えのない誰かとトラブルになっている、覚えのない怪我をする。しかし彼女の不安の本質は、そういう日常のトラブル以上に、より根源的な、自分の存在そのものに対する不安定さである。実は追随者なのはヘビ女の方ではなくて、自分の方なのではないか。その不安を彼女は荘子の説話『胡蝶の夢』になぞらえる。蝶になる夢を見た。しかし蝶もまた確かに自分だった。逆に蝶の夢を見ている自分の存在が夢なのではないか(これは鈴之介が口にする『マーヤーのヴェール』と並列する概念だと思う)。二重人格といえばひどく特殊な状況に感じるけれども、半歩引いて、例えばSNSで見せている自分と実生活の自分の乖離や、自分でコントロールできないほどに傷ついたメンタルの話だと考えたら、星砂のそれは私たちにとっても身近な感情に思える。そんな不安におびえる星砂を抱きしめて、悠日は語りかける。「僕が好きなのは、トマトが嫌いでエビフライが好きな人です。僕が、あなたを知っています。僕が知っている限り、あなたはいなくなりません。困ったら僕を見て下さい。僕が『あなたはあなた』だって言います。大丈夫。絶対いなくなりません。僕が知ってますから」相手に何かを『する』、あるいは『してあげたい』ではなく、「ちゃんと覚えています」と誓う悠日の言葉は、少し離れた距離から背中だけで、悠日が兄に語りかける電話を聞いていた星砂の姿にも重なる。この2人は、人に対する誠実さや優しさが似ているのだと思う。今ここで一つ一つ覚えていく自分の記憶の中の、大切な人の姿は何にも左右されないし、誰からも奪われない。それは片思いの一方的なベクトルが、暴力的でない何か、きっと愛と呼べるものに転化する瞬間なのだろう。嵐の夜、荒波をゆく船を導くコンパスのような言葉だと思った。前半の4話を終了して、まだ謎は点在したまま、うっすらと繋がりが見えるか見えないかの程度だ。4人の関係がこの先どのように変化していくのか、悠日の兄の死の謎、鈴之介の家と隣人に潜む謎は繋がっていくのか。多くの謎と、見守る私たちの気持ちを強烈に引きずったまま、物語は中盤に入る。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月09日林遣都と仲野太賀がW主演、松岡茉優、柄本佑が共演する日本テレビ系・土曜ドラマ「初恋の悪魔」から、Huluオリジナルストーリーが配信されることが決定。また、第4話のダイジェスト映像も公開された。それぞれワケありの警察署勤務の4人、ヘマをして停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、総務課職員・馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)、会計課職員・小鳥琉夏(柄本佑)、この捜査権のない4人が事件解決に乗り出すミステリアスコメディー。脚本家・坂元裕二の世界観であるテンポがよく、繊細、軽妙かつ重厚で、思わず引きこまれてしまうセリフの掛け合いが展開されていく。この度、第4話の見どころをまとめたダイジェスト動画が公開、物語は大きな謎に向かっていよいよ目が離せない展開に。第5話への期待が高まっている。Huluではオリジナルストーリーを配信。初回は第6話(8月20日)の放送終了後より配信開始、詳細は後日発表予定となっている。第5話あらすじ鈴之介(林遣都)は森園(安田顕)とともに、廊下の突き当りにあった開かずの扉を開く。そこには地下に続く階段があり、その先には地下室があった。薄気味の悪いその地下室は明らかに誰かが監禁されていた痕跡があり、さらに驚く2人。そんな隙、森園は地下室の扉を突然閉め、鈴之介だけを地下室に閉じ込めてしまう。一方、悠日(仲野太賀)は兄の朝陽(毎熊克哉)が残したスマホのロックを解除し、朝陽の死の謎を解きたいと星砂(松岡茉優)に言う。星砂は“もうひとりの自分”が朝陽の死に関わっている証拠が出てくるかもしれないと不安を抱く。閉じ込められている鈴之介は、森園から過去に起きたある殺人事件について聞かされる。5年前、15歳の少年が行方不明となり、まもなく遺体で発見された。犯人は逮捕されたものの、森園は真犯人がほかにいると考えていた。そしてこんな奇妙な家に住む鈴之介こそが、その真犯人ではないかと疑ったのだった。鈴之介は、「ここは僕の家に違いないが、僕の家ではない」と告げるが、森園は「意味が分からない」と取り合わない。そのころ、渚(佐久間由衣)は捜査に行き詰ったとき、いつも解決のヒントが書かれた手紙が届くことを琉夏(柄本佑)に打ち明ける。さらに渚は手紙の主が鈴之介ではないかと思っていると、頬を緩ませながら語るのだった。密かに渚に心を寄せる琉夏は複雑な心境に。一方、鈴之介は森園に、この家に住むこととなった経緯を語り始める。この家は椿静枝(山口果林)という老いた女性から譲り受けたのだった。椿との出会い、それは鈴之介がこれまで誰にも語ったことのない、現在の鈴之介を形成する壮大なストーリーがあったのだ。また、そのころ、しばらく音信不通になっている鈴之介を心配した悠日と星砂、そして琉夏は、鈴之介の家を訪ねてくる。地下室の存在など知る由もない3人は、鈴之介の部屋から椿の書いたとみられる手記を発見し――。「初恋の悪魔」は毎週土曜日22時~日本テレビ系にて放送中。(text:cinemacafe.net)
2022年08月08日俳優の仲野太賀さん、林遣都さんが主演を務めるテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の第4話が、2022年8月6日に放送されます。『初恋の悪魔』第4話あらすじ鈴之介(林遣都)の家を訪れた森園(安田顕)が見せた、「この部屋には監視カメラがあります」「この世界にはもう秘密などないということでしょう」と書かれたメモが、視聴者の反響を呼んだ第3話。第4話では、そんな森園がサスペンス小説家であることが明かされるも、森園家には妻と呼ばれる女性以外に、怪しげな女性が複数出入りしており、鈴之介は混乱するばかり。一方、悠日(仲野太賀)と琉夏(柄本佑)は、世界英雄協会を名乗る男を追うべく、奮闘していました。社会のマナーやルールを守らない者が矢で射られる事件が次々と発生。世界英雄協会を名乗る男が犯行声明を出す。刑事課の捜査会議で渚(佐久間由衣)が世界英雄協会の危険性を主張するも、他の刑事たちは取り合おうとしない。その後、世界英雄協会による犯行は続き、いつしか愉快犯となり、犯行声明とともにクイズを出題するように。大量の数字が並んだ暗号を示し、自らのアジトを示唆するのだった。琉夏(柄本佑)は渚に頼まれて、数字クイズ解読に取り組む。渚までが犠牲者となる。悠日と琉夏(柄本佑)は、鈴之介に助けを求めるが…?毎回、視聴者に少しの謎を残して話が終わる『初恋の悪魔』。第4話ではより物語の核を握る謎に近付くのでしょうか…。[文・構成/grape編集部]
2022年08月05日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「僕以外の世界中の人は、摘木さんのことが好きなんだろうなって、思うんだよ」どこにもたどり着けない片思いのやるせなさを表現するのに、これ以上簡潔で分かりやすい言葉があるだろうか。恋をしたら、閉じられていた自分の世界が一気に水平線の彼方まで広がる。でも同時に今まで自分を支えていた万能感や自信はぺしゃんこになって、ゴミみたいに感じられる。恋をしたら世界は広がり、同時に小さく縮む。それを一つのセリフで見事に切り取ってしまう、脚本家・坂元裕二のキャリア30年を経て、いまだ最前線の切れ味に脱帽するばかりである。警察署勤務、総務課の馬淵悠日(仲野太賀)、経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、停職中で凶悪犯罪マニアの刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。主流からどこかはみ出している4人が、あくまで『勝手に』事件を捜査する、風変わりなミステリアス・コメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。3話目の事件は、とあるスーパーマーケットで繰り返される万引き疑惑である。生活安全課の刑事である星砂は、何度も万引きの現場を目撃して犯人を捕まえるものの、取り調べの段階になると、いつも盗んだはずの商品は見つからない。更に星砂には、時折自分の記憶が飛んで覚えのない行動を取っているという自覚と不安があり、果たして自分が見ている万引きの現場が現実なのかどうか次第に自信を失っていく。一度は星砂への恋心が見込みなしだと知って落胆し、更に万引きなど犯罪のうちに入らないという価値観もあって、推理を拒否する鈴之介だったが、ふとしたきっかけでそれを返上し星砂を手助けすべく4人で推理を始める。1話では小児病棟の少年たち。2話では持てる者と持たざる者としての格差のある兄弟。このドラマで事件を通して描かれてきたのは、弱者であり、マイノリティとして生きる人たちが、ぎりぎりの小さな声で訴える痛みである。2話では、「自分は人を勝たせて生きているから負けてもいいのだ」とお人よしの悠日は言う。しかし、優しさにつけ込む他人から無自覚に踏みつけられる痛みは、少しずつ悠日をむしばんでいる。そこにあるのは、平凡で優しくて、強いからこそ耐えてしまう人間の痛みだった。3話で語られるのは、常にエキセントリックで、傍若無人に見える鈴之介が語る痛みである。普通に人を(この場合を星砂を)好きになればいいのだと善意から諭す悠日に、鈴之介は諦めたようにこう返す。「君は人から気持ち悪いと言われたことはないだろ?馬淵くん。君は、優しい人だけど、そういうことを言ってはいけないよ。普通という言葉に恐れを抱き、おびえてしまう人間は存在するんだ。たとえどんなカテゴリーに入っても、そこでの僕は変わり者なんだ」初恋の悪魔ーより引用あの日、フォークダンスで差し出した手を気持ち悪いと拒否されはしないか怖かった。後で陰口をたたかれてはいないかと不安で怖かった。突然届いた異性からの手紙は、自分をからかおうとしている何かなんじゃないかと怖かった。怖くて近寄れないから、自分にはそれを欲しがる感情はないのだと心に言い聞かせる。孤独が好きなんじゃなくて、傷つくよりは孤独の方がまだましだと思っている。変わり者だから容易に周囲から踏み付けられはしないけど、忌避されてきた青年の人生が、その独白一つで視聴者の眼前にパノラマのように広がる。台詞に加えて、改めて『気持ち悪い男の人生』を体現する林遣都の演技が素晴らしい。もちろん容姿そのものは林遣都なのだから、言うまでもなく美しいのだけれども、怪しい隣人のゴミを漁るべく必死の形相で走る姿も、悠日と小鳥に身なりを整えてもらう間に憮然と立っている姿も、世間のほどほどから明らかに外れた感じが漂っていて可笑しかった。思えば『おっさんずラブ』(2018年テレビ朝日系)の牧を演じた時も、『スカーレット』(2019年NHK)の信作の時も、『姉ちゃんの恋人』(2020年フジテレビ系)の真人も、社会にうまく身の置き場を見つけられない青年を演じるとき、林遣都の演技の精度は更にもう一段上がる。この先の展開でも、坂元脚本の台詞の力を羽根にして、更なる高みに飛ぶのを見られるだろう。楽しみだ。星砂の助けになりたいと、みんなで解決した万引き事件の後味は悪かった。それでも礼を言いたいという星砂の来訪を、鈴之介は「事件を推理したのは自分のエゴであり、エゴに礼はいらない」と拒む。気持ち悪がられるかもしれないと怖れても、これが相手の好意に繋がらないかもしれないと分かっていても、大切な誰かに手を差し伸べたい気持ちをエゴだと割り切って一歩を踏み出す。傷つき、転がりながら生きていく人生だけど、それは救いに違いない。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年08月02日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。「言われなくても疲れてるよ」と、柄本佑が演じる小鳥琉夏は物憂げに言う。「お疲れ様」という仕事上の挨拶の言葉なんて、「お疲れ様」と返してさらっと流せばいいのに、いちいち律儀に「お気遣いいただくまでもなく私は既に疲れております」と表明して会話に逆毛を立てる。彼は、思いやりの出し殻みたいな言葉を流せない。きっと小鳥琉夏は、「レモンかけていいですか」と尋ねる言葉すら同調圧力の初歩だと異議を申し立てる家森諭高(TBS系『カルテット』2017年)や、「お土産なんていります?」と土産を買う時間の無駄を糾弾する中村慎森(フジテレビ系『大豆田とわ子と三人の元夫』2021年)と同じものが見える世界に生きている。それはきっとトゲだらけの蔓(つる)が繁る奥に、柔らかく繊細なバラが咲く世界だ。仲野太賀演じる悠日の生々しい独白警察署に勤めながらも、裏方として総務に従事している馬淵悠日(仲野太賀)、同じく経理の小鳥琉夏(柄本佑)、何か問題を起こして停職中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、生活安全課の刑事の摘木星砂(松岡茉優)。本来なら刑事課の事件には捜査権のない四人が集まって、何故か事件を解決しようとする不思議なミステリアスコメディ『初恋の悪魔』(日本テレビ系土曜22時)。しかしカテゴライズ出来ないドラマである。見始めたらずるずる引きずり込まれるような魅力に満ちているが、面白さを未見の誰かに説明するのは難しい。作中の端々で社会的だが、それらの描写は川面の泡のように浮かんではふつりと消えて、また浮かぶ。暗く閉じ込められた部分と、思わず吹き出すコメディの部分が入り交じって昇華する。ドラマごと簡単に括られること、安易な言葉で語られることを拒むように。第2話、はみだし者の4人が考察する事件は、とある団地に住む、かつて人気があったお笑いタレントの兄弟をめぐる殺人である。兄が殺され、弟に嫌疑がかかるが決定的な動機も手段も分からない。お笑いタレントとしては兄の方が人気があり、兄弟内で格差があった。刑事になる夢を諦めて、警察職員として生きている悠日は、3年前に殉職した優秀な刑事の兄と、親の期待に添えないまま生きている自分の立場の隔たりを思い、複雑な気持ちで事件に向かい合う。事件の真相を解き明かしたあと、悠日は夜の公園で星砂を相手に、淡々とこれまで誰にも語らなかった兄に対する自分の心情を打ち明ける。このセリフが、坂元脚本の真骨頂のような見事さであり、少し長いが引用する。欲しいものを手に入れた人と、手に入らなかった人がいて。一番欲しいものが手に入らなかった人は、もう…他になんっにも欲しくなくなってしまう。あ、僕はもう十分です。やあ、結構です結構です。僕はもうこれでいいんで。満足なんで。皆さんで楽しんでください。…顔はね。笑ってるんです。でもそんなの、上っ面で。心ん中じゃ、心の中では。俺を、笑うな。俺を、馬鹿にすんな。俺に、アドバイスすんな。俺に偉そうにすんな。もっと俺を尊敬しろ。いや、なんかそういうねえ、ひんまがったやつだから。兄は死んでしまったんだなあって。初恋の悪魔ーより引用「自分は勝たなくていい、人を勝たせてあげる人生でいいのだ」と笑い、達観して語っていた悠日の、言葉一つ一つから血が噴き出すような生々しい独白である。もしも何かで自尊心がずたずたになって、心が瀕死になってしまったら、それでも生きていくためには、自分が負けたんじゃない、負けを自分の意思で選んでいるのだと痛みから目を逸らして、自分に言い聞かせなければ生き延びられない。そうやって普段は踏みにじられる痛みから目を逸らして生きているけれど、ふとしたはずみに痛みが漏れ出す。その痛みを吐き出させるように少し離れた距離で背中を向けて、聞こえているのかいないのか、それでも悠日を見守っていると分かる星砂を演じる松岡茉優の物言わぬ横顔が、表情を殺した横顔がとても美しかった。坂元脚本の松岡茉優といえば、『問題のあるレストラン』(フジテレビ系2015年)での雨木千佳役が印象深い。孤独な境遇を飲み込み、泣きながら料理を作るシーンは名場面である。千佳のように感情を爆発させる役柄も、星砂のように感情を抑えて演じる役柄も、松岡茉優は独特の引力をもって演じる。1話目・2話目ともに、星砂の謎めいた複雑なキャラクターが何度も示唆されている。この先、万華鏡のようにどんなヒロインを魅せてくれるか楽しみである。余談だが、仲野太賀はNHK・BSの日曜日22時でも『拾われた男』で主人公を好演している。『初恋の悪魔』では松岡茉優を、『拾われた男』では伊藤沙莉を。それぞれに実力派女優を相手に、違う引き出しを開けたアクセル全開の演技が堪能できるので、それぞれに見比べてみるのも面白い。初回ではこの物語がすくい上げる階層と辺境の描写に唸ったが、2話目は内部にある『格差』の痛みを描写していた。これだけの細やかな物語を、週末にボタン一つ、チャンネルを合わせることで見られることを感謝したい。このドラマは複雑で、時に見る側に集中力を要求する作品ではあるけれど、作中に散りばめられた誠実な言葉はきっと見ているあなたの痛みに寄りそうだろう。これは、私の物語であり、あなたの物語でもある。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年07月26日俳優の仲野太賀さんと林遣都さんが主演を務める、テレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の第2話に、俳優の六角精児さんが出演することが発表されました。第2話では、紙切り芸を持ちネタした兄弟芸人の兄・夕紀夫(内藤トモヤ)の死をめぐり、悠日(仲野太賀)、鈴之介(林遣都)、星砂(松岡茉優)、琉夏(柄本佑)が『捜査会議』を繰り広げます。『初恋の悪魔』第2話あらすじ六角さんが演じるのは、兄弟芸人の弟・日出夫役。日出夫は、団地内の廊下で胸にハサミを突き立てられて死んでいる兄・夕紀夫を発見した、第一発見者でした。鈴之介は、凶器であるハサミが2人の商売道具であることから、日出夫に疑いの目を向けるも、完璧なアリバイがあるため、謎は深まるばかり。一方で、悠日は、恋人の結季(山谷花純)との結婚の話が進むも、そちらも不穏な空気が流れ始めていました…。悠日(仲野太賀)は、恋人の結季(山谷花純)と結婚式の相談をする。分不相応の結婚を自認する悠日は、彼女の言いなり。彼女の希望で結婚後は退職し主夫になるつもりだ。そんな中、刑事課では団地で起こった殺人事件の捜査が進む。被害者は兄弟芸人の兄・夕紀夫で、弟の日出夫(六角精児)が発見者だ。夕紀夫は、外廊下で胸にハサミを突き立てられて死亡。団地の住人たちは夕紀夫の叫び声を聞いたが、犯人の目撃者は誰もいなかった。鈴之介(林遣都)、悠日、星砂(松岡茉優)、琉夏(柄本佑)の捜査会議が開かれる。鈴之介は、芸でハサミを使っている日出夫が犯人だと主張する。そんな短絡的な推理を全否定する琉夏と喧嘩となる。第一日出夫には完璧なアリバイがあるのだった。謎は深まる一方の捜査会議から帰る途中、悠日は婚約者の結季が別の男性と一緒にいるところを見てしまう…。警察署内にいながら、事件の捜査をする権限のない、はみ出し者4人が織りなすコメディタッチのやり取りも好評の『初恋の悪魔』。第2話は、2022年7月23日、夜10時から放送です。[文・構成/grape編集部]
2022年07月21日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年7月スタートのテレビドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。これは、厄介なものにひっかかっちゃったなあ。45分の第1話の後、率直な感想はこれである。見たが最後、夏が終わるまでこのむずむずするような、背中がチリチリ冷えるような、かつてこのドラマの脚本家が生み出した名作ドラマ『カルテット』(TBS系2017年)の言葉を借りれば『みぞみぞする』、不安定で魅力的な物語に繋がれたままなのだ。そう簡単に、安易な解答なんかくれないだろうなあ。わかりやすく面白い、一話ごとに解放感をスタンプカードみたいに押してもらえる、そんなドラマが主流の令和のいまだというのに、坂元裕二が書く脚本は最後の章、最後の一文まで読まねば物語を捉えられない複雑な文芸小説のようだ。そんな厄介なものと分かっていて、何故私は嬉々として土曜の22時にテレビの前に座るのか。当たり前だが、一義的には面白いからだ。そして坂元脚本のドラマは、それを見た人がこれから生きていく時間の中で、きっとキラキラと光る石に変わって記憶に残るからだ。停職中の問題行動ありの刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、冴えない警察の総務担当・馬淵悠日(仲野太賀)、同じく経理担当・小鳥琉夏(柄本佑)、生活安全課の刑事・摘木星砂(松岡茉優)。警察署内にいながらその事件の捜査をする権限のない、いわばはみ出し者四人が、勝手に事件を考察・解明していくうちに更に大きな運命に巻き込まれていく『初恋の悪魔』(日テレ系・土曜夜22時)。初回の『事件』は、病院内での少年の変死。状況としては飛び降り自殺の可能性が濃厚だが、同室の少年が「先生に殺された」と証言し、その後に危篤状態に陥ったことで事件は微妙に複雑なものになってしまった。自殺の路線で簡単に終わらせたい刑事課の中で、ただ一人、その流れに乗れない心優しい新人刑事・渚(佐久間由衣)の為に、4人は少年の転落死の謎を追う。おそらく登場人物の名刺代わりであろう初回を見ていて、層と辺境の物語なのだと思った。警察署に勤めながら総務課という地味な部署にいる悠日は、とかく下に見られがちで、辛くないのかと上司に問われ「負けてる人生って、誰かを勝たせてあげてる人生ですよね」と達観した返事をする。同じく経理課にいる琉夏は、362円の領収書の精算を適当に処理することが出来ず、刑事課の面々からは煙たがられている。スポーツチームにおけるレギュラーと控え選手のように、あるいは職業における営業担当と補助する事務のように、社長の業務を補佐する秘書のように、何かの成果のために、効率的に誰かを勝たせるために、誰かが補助の役割を担う。それは上下に伸びる層であり、中央と辺境でもある。確かに社会はそうやって成り立つのだけれども、琉夏が自らを辺境にある者として達観している悠日に言い放つ一言が印象的だ。「前向きなのは結構だが、社会を悪くする前向きもあるんだよ」こじゃれて飄々としたセリフ回しに潜む毒に、しびれる一言である。1人の少年の死をめぐる4人の考察は散々迷走し、時に真相の欠片を拾いながら丁寧に時間軸を追って、その真実を明らかにする(その迷走が、それぞれの個性をよく表していて興味深い)。事件の真相は、少年が恋していた、同じ病院に入院している少女の術中死が引き金となった自殺だった。1人の大物芸能人が救急車で運びこまれた結果、その手術に医者が駆りだされ、当初術中だった少女は放置されて死んでしまう。2人の少年は大人たちの中で命が選別されるさまを見ていた。片思いしていた少女を失った悲しみと、自分の大切な存在とそしてある意味自分たちもまた、選別された残酷なその場において『選ばれない』存在なのだと知った痛みに、少年は純粋さゆえに打ちのめされてしまう。歪みはいつも1番弱い人たちに押し寄せて彼らを押しつぶす。層は下層で潰れ、中央から辺境に向けてトラブルは押しやられる。そして、刑事の姿を見てすすり泣く医者の姿に、彼もまた本意ではなかったのだということや、せめてもう1人執刀出来る医者いなかったんだろうかとか、どうにも昨今の医療の現状を思い返してしまい、ほろ苦い気持ちになってしまうのだった。この回のラストで、兄を殉職で失った悠日も何かそのことで問題を抱えていること、鈴之介は星砂への執着を拗らせていること、その星砂は二重人格であるような示唆が一気に描かれる。主人公たち4人はもちろん、それ以外も初回にして登場人物に関する情報量はすさまじいが、そのほとんどがまだ浮遊したまま、互いの関連は見えてこない。このドラマを見はじめた私たちの手の中に、既に原石は渡された。その石を土曜日の22時に画面を見つめながら、手のひらの中で磨いていく。夏が終わり秋が訪れるその頃に、きっと私たちは名脚本家が紡いだ光る数々の言葉と、色あせない物語を手にしているはずだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年07月19日2022年夏の新ドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の第1話が、いよいよ7月16日に放送されます。俳優の林遣都さんと仲野太賀さんを主演に迎えた同作は、警察署を舞台に、こじれた事情を抱えながら、刑事とは違う感性と推理で、難事件を解明する『ミステリアスコメディ』。往来の刑事ものとは違う新感覚なテーマはもちろん、松岡茉優さん、柄本佑さん、安田顕さんら豪華キャストが集結したことでも、放送前から話題を呼んでいます。そんな2022年夏の注目ドラマである『初恋の悪魔』の第1話のあらすじと劇中写真が、解禁されました。『初恋の悪魔』第1話あらすじとある病院に長期入院中の少年・新(柴崎楓雅)が、病院の中庭で遺体となって発見された。飛び降り自殺かと思われたが、新と同室だった入院患者の少年・大希(髙橋來)が事情聴取で、新は担当医師の堂島に殺されたと証言。その後、大希は病状が悪化して危篤状態に陥った。新の死は、医師による殺人の可能性も出てきた。境川警察署・総務課職員の悠日(仲野太賀)は、ある失敗をして停職処分中の刑事・鈴之介(林遣都)とともに、ひょんなことから、病院での転落死事件の真相を突き止めることに。事件の概要を聞いた鈴之介は、医師がシリアルキラーである可能性が高いと興味津々。控えめな性格で周囲の人を引き立てることこそが自分の生きる術だと考えている悠日、凶悪犯罪愛好家の推理マニアの鈴之介、さらに会計課の琉夏(柄本佑)、生活安全課の刑事・星砂(松岡茉優)が加わり、捜査権のない4人が事件解決に乗り出した。少年の転落死は自殺なのか、それとも殺人なのか。事件の裏に隠されていた秘密とは。そしてこの妙な4人の組み合わせが、思いがけない事態を巻き起こしていく…。笑いあり、ラブストーリーの要素あり、はたまた青春群像劇のような雰囲気も持ち合わせた『初恋の悪魔』第1話は、7月16日、夜10時から放送スタートです。[文・構成/grape編集部]
2022年07月12日ご結婚されている皆さんは、パートナーとどのような形で出会い結婚しましたか?中には驚きの出会いをした方もいますよね。今回は実際に募集した「夫婦の衝撃の出会いエピソード」をご紹介します。初恋小学1年生のとき、生まれて初めてバレンタインチョコをあげたのが今の夫です。彼は2年生に上がるときに引っ越してしまい、その後の行方は分からず…。「初恋なんてこんなもんよね」と思い、そのまま数年…。社会人になり、自分が勤めているお店のお客さんが書いていった名前に見覚えが…!次に来店したときに聞いてみると、あの彼だったのです。それからはとんとん拍子!「チョコ嬉しかったなあ…」と今でもしみじみと言う彼には今も毎年手作りしてあげています。(女性/会社員)オーバーブッキングひとりで海外旅行に行っていた際に、泊まろうとしていたホテルがオーバーブッキング。そのときいた男性もオーバーブッキングされていました。「予約していたあなたたちが悪い」と言われて突き返されたときに、ひとりずつ泊まるならホテルが探せないかもしれないから、カップルのふりをして一緒に泊まろう!と提案し、そこからその男性と発展しました。(女性/会社員)いかがでしたか?これは運命なのでしょうか…!思いもよらない出会い方があるものですね。以上、夫婦の衝撃の出会いでした。次回の「夫婦の衝撃の出会いエピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年07月04日あいみょんが、本日6月8日にリリースした13thシングルの表題曲「初恋が泣いている」のMusic Videoを公開した。「初恋が泣いている」は広瀬アリス主演ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』の主題歌。MVは過去に「マリーゴールド」「今夜このまま」「ハルノヒ」「真夏の夜の匂いがする」「さよならの今日に」「裸の心」などを手がけた山田智和氏が監督を担当し、都内某所の焼肉店のワンシチュエーションのみで撮影が行われた。映像には大勢のお客さんが集まる焼肉屋で一人泣きながら食事をするあいみょんが映し出されており、観る人の想像を掻き立てる内容となっている。なおシングルのカップリングに収録されている「皐月」は、11thシングル『愛を知るまでは/桜が降る夜は』のカップリング曲「ミニスカートとハイライト」に続き、編曲と演奏をミツメ、サウンドプロデュースをミツメの川辺素が担当。さらに男性コーラスとして川辺の声が入っており、あいみょんの楽曲に男性コーラスが入るのは同曲が初となる。■あいみょん コメント付き合ってた人に振られた時、私そういえば信じられないくらい泣いた思い出があります。お姉ちゃんに泣きついたような......。でも、「何で?どうして?」「仕方がないか」「これで良かったんや」「他に良い人いる!」を繰り返して、食べて呑んで思い出して泣いて怒って過ごすうちに時間が経って、気づけば何であんなに好きだったか忘れてたんです。でもちゃんと、まだちょっと好きやったりしたなー。ムカつく!って、そんな事を思い出した撮影でした。■山田智和監督 コメントすぐにどこか誰かの他人になりすましたり、引用できたり(されたり)する時代の中で、あいみょんのように嘘がない人というのはとても輝いて見えます。例えそれが悲しさの中にあっても、その真心は誰かの何かしらになって、今日もどこかで電柱にぶらさがっては街を照らしているのだと思います。あいみょん「初恋が泣いている」MV<リリース情報>あいみょん 13thシングル『初恋が泣いている』Now On Saleあいみょん『初恋が泣いている』ジャケット【収録内容】M1. 初恋が泣いている(カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』主題歌)M2. 皐月M3. 初恋が泣いている(Instrumental)M4. 皐月(Instrumental)【先着購入者特典】・各店舗:「初恋が泣いているオリジナルクリアファイル(A5サイズ)」・Amazon.co.jp:メガジャケ(240mm×240mm)・『AIMYON TOUR 2022 “ま・あ・る”』ツアー会場予約限定特典:B3アートポスター※特典は数に限りがございます。各所、無くなり次第、配布終了となります。※各特典に関する詳細は各店にご確認ください。購入・配信リンク:<配信情報>あいみょん 配信シングル「双葉」Now On Sale※NHK『あいみょん18祭』テーマソングあいみょん「双葉」ジャケットあいみょん「双葉」MV配信リンク:<ツアー情報>あいみょん 全国アリーナツアー『AIMYON TOUR 2022 “ま・あ・る”』※終了分は割愛6月18日(土) 沖縄・沖縄アリーナ6月19日(日) 沖縄・沖縄アリーナ6月25日(土) 愛媛・愛媛県武道館6月26日(日) 愛媛・愛媛県武道館7月1日(金) 東京・国立代々木競技場 第一体育館7月2日(土) 東京・国立代々木競技場 第一体育館7月5日(火) 大阪・大阪城ホール7月6日(水) 大阪・大阪城ホール7月9日(土) 愛知・日本ガイシホール7月10日(日) 愛知・日本ガイシホール7月23日(土) 神奈川・ぴあアリーナMM7月24日(日) 神奈川・ぴあアリーナMMチケット料金:8,000円(税込)※未就学児童入場不可ツアー特設サイト:関連リンクあいみょんオフィシャルサイトワーナーミュージック・ジャパンHP
2022年06月08日あいみょんの新曲「初恋が泣いている」が、4月スタートのカンテレ・フジテレビ系月10新ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』の主題歌に決定した。今回あいみょんが主題歌を務める『恋なんて、本気でやってどうするの?』は広瀬アリス、松村北斗(SixTONES)、西野七瀬、藤木直人、飯豊まりえ、岡山天音といったキャストの出演が発表されている注目のドラマ。恋に本気になれない3組の男女が人生最大の“本気の恋”に落ちていく姿を描く群像ラブストーリーとなっている。あいみょんと広瀬は、昨年5月より放映されていたキリンビールの発泡酒『淡麗グリーンラベル』のTVCM内で共演を果たしており、今回広瀬が主演を務めるドラマにあいみょんが主題歌を担当することが実現した。併せてあいみょん、広瀬アリス、米田孝プロデューサーからのコメントが届いている。■あいみょん コメントリビングの椅子に腰掛けて、ベランダの方を見ると、ベランダの塀と空しか見えないんですが、それでも何故か私は、塀と空しか見えないベランダの方をぼーっと眺めるのが好きです。良いことも悪いことも、いつもベランダから入ってくる気がしているからだと思います。この曲は、初恋、または恋に取り憑かれている主人公の話になっています。恋というものを私の中で擬人化させてみながら作りました。その時もベランダを見てたと思います。そんな曲の中の主人公とドラマの中で描かれる様々な恋愛模様とがどう合わさるのか、私も楽しみです。宜しくお願いしますー!■広瀬アリス コメント他の現場でご一緒しているあいみょんさんが主題歌を担当されると聞いて、すごく嬉しいです。初恋という真っ直ぐで純粋で、でも脆い気持ちをストレートに歌ってくださってるので切ないシーンはさらに切なく感じる、でも前向きに頑張ろうと思わせてくれる楽曲だなと感じました。撮影は去年全て終わってしまったので、聴きながらお芝居したかった〜…と今少し思っています。改めて、みょんさん、最高です。恋マジにさらに素敵な花を添えてくださいました。ありがとうございます。最強ドラマだ〜■米田孝プロデューサー コメントこのドラマの企画段階から、主題歌は絶対にあいみょんさんにお願いしたいと思っていました。恋する女子たちの、現代の代弁者とも言えるあいみょんさん。しかも彼女は広瀬アリスさんとも、主人公の桜沢純とも同い年。熱烈にオファーさせていただきました。デモを初めて聞いた時本当に鳥肌が立ち、広瀬さん演じる純が動いている映像が、自然と脳内再生されました。恋する切なさも喜びも、理屈抜きで最大限に膨らませてくれる最高の曲です!!<番組情報>カンテレ・フジ系全国ネット『恋なんて、本気でやってどうするの?』4月放送スタート(毎週月曜夜10時)出演:広瀬アリス / 松村北斗(SixTONES) / 西野七瀬 / 飯豊まりえ / 岡山天音 / 藤木直人 ほか番組HP:<リリース情報>あいみょん 12thシングル『ハート』Now On Sale価格:1,100円(税込)『ハート』ジャケット【収録曲】01. ハート(TBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』主題歌)02. 森のくまさん03. ハート(Instrumental)04. 森のくまさん(Instrumental)あいみょん「ハート」MV購入リンク:<ツアー情報>あいみょん 全国アリーナツアー『AIMYON TOUR 2022 “ま・あ・る”』4月16日(土) 兵庫・ワールド記念ホール4月17日(日) 兵庫・ワールド記念ホール4月23日(土) 広島・広島グリーンアリーナ4月24日(日) 広島・広島グリーンアリーナ4月29日(金) 新潟・朱鷺メッセ4月30日(土) 新潟・朱鷺メッセ5月7日(土) 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ5月8日(日) 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ5月14日(土) 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ5月15日(日) 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ5月21日(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ5月22日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ5月28日(土) 静岡・エコパアリーナ5月29日(日) 静岡・エコパアリーナ6月4日(土) 熊本・グランメッセ熊本6月5日(日) 熊本・グランメッセ熊本6月18日(土) 沖縄・沖縄アリーナ6月19日(日) 沖縄・沖縄アリーナ6月25日(土) 愛媛・愛媛県武道館6月26日(日) 愛媛・愛媛県武道館7月1日(金) 東京・国立代々木競技場 第一体育館7月2日(土) 東京・国立代々木競技場 第一体育館7月5日(火) 大阪・大阪城ホール7月6日(水) 大阪・大阪城ホール7月9日(土) 愛知・日本ガイシホール7月10日(日) 愛知・日本ガイシホール7月23日(土) 神奈川・ぴあアリーナMM7月24日(日) 神奈川・ぴあアリーナMMチケット料金:8,000円(税込)※未就学児童入場不可ツアー特設サイト:関連リンクあいみょんオフィシャルサイトワーナーミュージック・ジャパンHP
2022年03月04日ミュージカル『あなたの初恋探します』が、3月~4月に東京で上演されることが決定した。本作は人生の岐路に立ったヒロインが、名前しか知らない“初恋の人”を探す旅に出るロマンチックコメディ。韓国を代表する演劇の街“大学路(テハンノ)”で2006年に初演され、10年以上のロングランを続けており、2010年には映画化もされている大人気作だ。日本でも2016年に日本人キャストにより初演されるや、またたく間に話題沸騰。その人気ぶりを見せつけ、その後も2017年、2018年と上演が繰り返されている。主演には、今回が初の韓国ミュージカル挑戦となる佐奈宏紀と、2022年1月に上演された韓国発のミュージカル『BLUE RAIN』にて新境地を開いた石井雅登が決定。また、ヒロインとして愛加あゆと、山口乃々華が抜擢された。そして、24役もの登場人物を一手に引き受ける“マルチマン”と呼ばれる難しい役どころには舞台、TVドラマ、映画とマルチに活躍する平野良。初めて20役以上の演じ分けに挑戦する。<ストーリー>何をやってもついておらず、とうとう会社をクビになり、一念発起で初恋の相手を探す「初恋探し株式会社 」を立ち上げた青年。その会社にやってきた第一号の客は、こちらもまた会社を辞め岐路にたつ女性。「初恋を忘れられない」という彼女、しかしその初恋相手の手掛かりは“キム・ジョンウク ”という名前だけ。このありふれた“キム・ジョンウク”という名前だけを手掛かりに、ふたりは思い出の地をたどり、運命の人を探す旅に出る……。道中出会う、個性豊かな人々と大騒動を巻き起こしながら、果たしてふたりは運命の人を見つけることができるのか!?公演日程などの詳細は、後日発表される予定だ。■公演情報ミュージカル『あなたの初恋探します』3月・4月東京にて上演
2022年02月09日トラヤあんスタンドから、雑誌『Hanako』とのコラボレーションによる新商品「あんペースト[初恋。]」と「あんチーズトースト」が登場。2022年2月6日(日)より、トラヤあんスタンド全店にて発売される。トラヤあんスタンド×雑誌『Hanako』のコラボ商品&メニュー今回発売される2つの商品は、雑誌『Hanako』がスイーツの「いま」を紹介するオンラインイベント「Hanako SPECIAL SWEETS DAY」の中で、参加者から募ったアイディアをもとに考案されたもの。「あんペースト[初恋。]」「あんペースト[初恋。]」は、イベントの中で寄せられた初恋のイメージ「甘酸っぱく、ほろ苦く、爽やかで、少しでこぼこした感じ」を表現した特製の「あんペースト」。こだわりのこしあんにフルーツのような風味のチョコレートと、爽やかな香りのレモンゼストを合わせることで、甘酸っぱくほろ苦い“初恋の味”に仕上げている。また、付属のリーフレットには、直木賞受賞作家の辻村深月が「初恋」をテーマに書下ろしたショートストーリーも掲載されている。「あんチーズトースト」また、「あんペースト[こしあん]」に合わせてみたい食材として挙げられた、チーズ・スパイス・ナッツ・レモンを使った「あんチーズトースト」も同日より発売。「あんペースト[こしあん]」を主役に、バター、アーモンドスライス、モッツァレラとミックスチーズをバランスよく合わせた、ユニークなトーストだ。その絶妙なハーモニーを引き立てるアクセントとして、豊かな香りと酸味のあるレモンゼスト、マイルドな辛さの塩漬け胡椒、甘い香りとコクの黒砂糖シナモンの3種類のうち、1つをトッピング出来る。商品情報■「あんペースト[初恋。]」販売期間:2022年2月6日(日)〜3月中旬 なくなり次第終了販売店舗:トラヤあんスタンド全店、オンラインポップアップショップ価格:648円■「あんチーズトースト」販売期間:2022年2月6日(日)〜2022年3月14日(月)販売店舗:トラヤあんスタンド全店価格:601円
2022年01月31日■前回のあらすじ大人になった初恋の人との再会に浮かれつつも、奥さんを否定するような意外な発言にショックを受け…。 >>1話目を見る 私は夫に家事を協力しようかと言われ、驚いたのと同時に、今までアクセサリー作りをしたいことを夫に伝えたり、行動に移せていたりできていなかった自分を反省しました。※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月22日■前回のあらすじ本格的にアクセサリー作りを始めた美和子の変化に疑いの目を寄せる夫。そんななか、ママ友の協力があって、ついに、初恋の人に再開し…! >>1話目を見る 初恋の人との再会はとても嬉しかったのですが…頑張っている奥さんを否定するような発言をする大人になった大輔くんには、正直失望してしまったのです。ただ、彼の仕事への熱意は魅力的で、アクセサリー制作へのやる気に火をつけたのも事実でした。その後…。次回に続く(全8話)毎日6時&18時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月22日■前回のあらすじ初恋の人の奥さんって、どんな人!? 気になって奥さんが経営するネイルサロンに行ってみると…想像以上に美人で素敵な人だった…。 >>1話目を見る 奥さんのネイルサロンに行ったとき、梨香さんが大輔くんと高校の同級生だという話をしてくれたのですが…。どうやらその話を奥さんから聞いたのか、来店のお礼にと、大輔くんからメールが来たとのことでした。梨香さんの計らいで、初恋の彼に会えるなんて…!!正直、考えただけでも、ドキドキしました。二度とない素敵な機会なので、勇気を持って、行くことに…。 次回に続く(全8話)毎日6時&18時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月21日■前回のあらすじ初恋の人に影響を受け、以前から興味を持っていたアクセサリー作りに挑戦する美和子。張り切ってスタートさせたものの、うまくいかない…。そんな時に発見してしまったのは…。 >>1話目を見る 大輔くんのSNSをチェックしていると偶然、都内でネイルサロンを運営している奥さんのインスタを発見してしまい…。大輔くんの奥さんの話を聞き 刺激を受け再びやる気に火がついた美和子。しかし、そんなにスムーズに行かないのが現実でした…。次回に続く(全8話)毎日6時&18時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月20日■前回のあらすじママ友が初恋の人と同級生だと知った美和子は、彼がどんな学生生活を送っていたのか気になり出して…! >>1話目を見る 家事に協力してくれない夫に嫌気が指す中、何か大輔くんの手がかりがないかSNSで名前で検索してみるとそれらしきアカウントを発見…! そこである衝撃の事実が発覚したのです!次回に続く(全8話)毎日6時&18時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月20日■前回のあらすじ平凡で冴えない毎日にうんざりしていた美和子だったが、仲の良いママ友と美和子の初恋の人が、同級生だったことがわかり…! >>1話目を見る ママ友の梨香さんの家で高校の卒業アルバムを見せてもらっていた時、美和子は、初恋の人である大輔くんを見つけてしまい…!もっと大輔くんのことを知りたくなってしまったのです。ママ友の梨香さんが、高校卒業以降の大輔くんの話をしてくれたことをきっかけに、まさかあんなことになるとは…!!次回に続く(全8話)毎日6時&18時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月19日側からは幸せそうに見えるかもしれませんが、理想とはかけ離れた日常生活に追われため息ばかりの毎日です…。それだけでなく、最近、夫とは会話らしい会話もありません。そんな状況に、不満が溜まってしまい…。2人が高校の同級生だったと判明し、心が浮き立つ美和子。このことが私の人生を大きく変えてしまうとは、この時は思いもしなかったのです。 次回に続く(全8話)毎日6時&18時更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・脚本/ 青春脚本 /イラスト・ 玄米(監修:アトリエPP合同会社)
2022年01月19日