二宮和也主演の冒険ファンタジー映画『TANG タング』(8月11日公開)と、劇団四季オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(上演中)。イギリスのベストセラー小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」(作:デボラ・インストール/訳:松原葉子/小学館文庫刊)を原作にした両作品から、三木孝浩監督と演出家の小山ゆうなが顔を揃え、都内で特別合同取材会を開いた。アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う近未来を舞台に、心に傷を抱えた主人公と壊れかけのロボット“タング”の成長と絆の物語が描かれる本作。オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は2020年10月、自由劇場にて初演。東京初演に続き、福岡、東京再演、京都と各地で上演を重ね、現在は計63都市を巡る全国ツアー公演中。一方、映画『TANG タング』は日本版のアレンジを加えて実写化された。三木監督と小山氏は早稲田大学出身で、同時期に同じ演劇サークルに所属していた間柄。「会うのは25年ぶりかな?もう、だいぶ記憶が(笑)。でも、同志ですよね。活躍しているのはうれしいし、自分にとっても発奮する材料になる」(三木監督)、「私は『僕等がいた』が大好きで。三木さんが映画を撮っていると知り、それから追いかけている」(小山氏)と互いの存在が刺激になっている様子だ。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を観劇した三木監督は「タングの動かし方が参考になった。こういう動きでお客さんが笑うんだと。タングの首が伸びるシーンは、映画に使わせてもらった」と明かし、「それとタングを二人の演者が動かしていることで、感情が乗り過ぎず、キャラクターが浮き立っている」と演劇ならではの演出に感銘を受けていた。一方、小山氏は『TANG タング』を鑑賞し、「同じ原作ですが、違う作品。目の光などは、映像だからこそできる表現。それと舞台を日本に置き換えたことでの発見もあった」と話していた。映画に登場するタングは3DCGで表現されており、「役者もカメラマンも、そこに“いるであろう”タングがどんな動きをし、どんな表情をしているのか想像しながらの現場。ビジュアルイメージを共有するのが大変で、アニメーションのように全カットの絵コンテを書いた。ファンタジーだからこそ、役者の演技力も問われる」と舞台裏を回想。「どこまで感情を見せるのか。キャラクター像を観客が想像する楽しみを残したかった」と語ると、小山氏も「ミュージカルは隠れた気持ちを歌で吐露するので、タングが歌うタイミングは試行錯誤があった」と振り返った。タングの魅力を問われると、三木監督は「何もできないところですね。だからこそ愛おしい。タングを見つめることで、自分を見つめることになり、気づきを与えてくれる」。小山氏もうなずきながら、「稽古の段階で、舞台からはけるのに、すっごく時間がかかって、どうしようって(笑)。でも、この子の“ゆっくりさ”に合わせることで、全然違う価値観や、忘れていた何かに気づかされる。その魅力は原作、映画にもある」とタングへの強い愛着を示していた。取材・文・写真=内田涼
2022年06月22日日本を代表する劇団である劇団四季。数多の人気作品をレパートリーに持つが、今のような専用劇場でのロングラン公演のきっかけとなった重要な作品が、このたび21年ぶりに名古屋にて上演する『キャッツ』だ。現在では、国内通算公演回数10,849回、観客動員数1,060万人以上(2022年4月17日福岡千秋楽時点)を数える、劇団四季の代表作となる。物語の舞台は、都会のゴミ捨て場。登場するのはそこに集まる猫たちだ。『キャッツ』には主役がいない。個性豊かな猫たちが、猫らしい自由さでそれぞれの人生を歌とダンスでみせていく。それにより、観る人の年齢やそのときの生活環境によって大きく感じ方が違う結果となる。そして、それこそが『キャッツ』の魅力でもあるのだ。そんな『キャッツ』に魅せられ、今回、泥棒稼業に勤しむメス猫・ランペルティーザ役を演じる長谷川彩乃の話から、本作の魅力を探ってみよう。ミュージカル『キャッツ』撮影:重松美佐――劇団四季を初めて観たのが『キャッツ』だと聞きました。長谷川小学校4年生のときに、初めて観たミュージカルが『キャッツ』でした。ずっとクラシックバレエはしていましたが、こんな風に歌って踊る世界もあるんだ!と感動したのを覚えています。そこからミュージカルスクールにも行くようになったのが、劇団四季に入ることにも繋がっていきますね。――『キャッツ』は観る時々で印象が変わる作品だと思います。小学校4年生のときはどのように感じたのでしょうか?長谷川あまりしっかりとは覚えてないのですが、すごい!と圧倒されたのは記憶しています。猫たちが近くまでくる迫力や、強い目線などもよく覚えています。その時から、ランペルティーザが1番好きだなと思っていました。――そんな出会いも経て、今思う『キャッツ』の魅力とは何でしょうか?長谷川歌とダンスがすごいのはもちろんですし、魅力はいっぱいあります。原作が詩なので答えがなく、観るときの自分のバックボーンによって感想が違うのですよね。例えば辛いことがあったときには、すごく悲しいお話に感じられるかもしれませんし。自分にすごい良いことがあったときは、すごくハッピーな作品に思えたりする。同じ作品でも全然違う捉え方になると思うのです。また、個性的なキャラクターの猫がいっぱい登場するので、自分の好きな猫を探すのもおすすめです。本当に楽しみ方が無限大にあるのが魅力ですね!猫たちの自由な動きも見どころのひとつランペルティーザ役 長谷川彩乃撮影:重松美佐――ランペルティーザを演じるうえで、どういった役作りをしているのでしょうか?長谷川最初は先輩の見様見真似でした。でもある人に『彩乃は彩乃のランペルティーザでいいんだよ』と言われたのです。そこからは自分なりのランペルティーザを見つけていきました。本番に出演しながらも、日々もっとこうしてみようとか、私とランペルティーザをどう繋げようかとか、探りながら演じています。――ロングラン公演なので複数回観る方もいるかと思います。そういった方にぜひ注目して欲しいポイントはありますか?長谷川劇場猫・アスパラガスが俳優だった若い頃の栄光を懐かしんで昔の話をしているときに、後ろで猫たちが寝ていたりするのですが、みんな自由に過ごしています。今日は聞いてみようとか、今日は興味ないから寝てしまおうとか、今日は他の猫と遊ぼうとか。それは日によっても、キャストによっても違います。ぜひ注目していただきたいです。――そのあたりの自由さは猫っぽいですね。猫の動きの研究もするんですか?長谷川『キャッツ』の稽古はまず猫になるところから始まり、歩き方など猫の動きから教えてもらいます。私も、ずっと猫の動画を見たり、飼っている猫の動作を見たり。日々、鏡を見て猫っぽいポーズを研究しています(笑)。――名古屋は21年ぶりの上演ですが、前回からの違いはあるのでしょうか?長谷川音楽面でテンポや曲調が変わっている曲があるので、昔を知っている方は雰囲気がだいぶ違うと感じると思います。また、コロナ禍の影響もあり、猫たちが客席に散らばってセリフを言っていたところを、舞台上でみんなでぎゅっと固まる演出に変わっているシーンがあります。猫たちが集まって、訴えかけるのは、すごくグッとくるものがあります。――最後に名古屋公演へ向けての意気込みを聞かせてください。長谷川今は無料で見られるコンテンツも多くある中で、お金を払ってチケットを買って劇場に足を運んでくださるというだけで、私は泣きそうになるぐらい嬉しいです。目で見て、肌で感じてとよく言われる様に、生でしか感じられないものが絶対にあると思います。なので、感謝の気持ちを持って、いつも本番に立たせて頂いています。『キャッツ』名古屋公演は、7月18日(月・祝) にいよいよ開幕する。そして、『キャッツ』と縁も深い「ぴあ」も今年で50周年を迎える。今回、『キャッツ』名古屋公演の1日を〈ぴあ創業50周年記念〉として開催することが決定した。ぜひとも劇場に足を運び、あなたならではの『キャッツ』を感じてほしい。<公演情報>ぴあ創業50周年記念劇団四季 ミュージカル『キャッツ』2022年8月5日(金) 名古屋四季劇場13:30公演【チケット料金】S1席-11000円S席大人-11000円S席子ども-5500円A1席大人-8800円A1席子ども-4400円A2席大人-8800円A2席子ども-4400円B席-6600円C席-3300円※公演当日3歳以上有料、2歳以下入場不可。子どもは公演当日3歳~小学校6年生以下対象。※劇場内は常時マスク着用必須。未着用の場合、ご入場をお断りする場合があります。急遽公演中止の可能性があります。ご来場前に劇団四季HPをご確認ください。また、劇団四季「連絡先登録フォーム」へ登録お願いします。問:劇団四季 TEL 0570-008-110Pコード:512-026チケットはこちら:その他の公演のチケットはこちらからご購入ください。劇団四季 ミュージカル『キャッツ』2022年7月18日(月・祝) ~ロングラン上演名古屋四季劇場【チケット料金】S1席-9900~12100円S席大人-9900~12100円S席子ども-4950~6050円A1席大人-8250~9350円A1席子ども-4125~4675円A2席大人-8250~9350円A2子ども-4125~4675円B席-6050~7150円C席-2750~3850円※公演当日3歳以上有料、2歳以下入場不可。子どもは公演当日3歳~小学校6年生以下対象。※公演日程により料金が異なります。チケットはこちら:
2022年06月21日劇団四季による創作ミュージカルのひとつの到達点、と思えたのが『バケモノの子』だった。主題、美術、舞台転換、俳優のメイキャップ、そして映像……。つまり、総合力で楽しませるエンタテインメント作品だ。とにかく対立、対比、対照化が徹底している。舞台はバケモノが棲む世界の渋天街と東京の渋谷。どちらも現代である。その対比。第1幕は渋天街でバケモノたちを束ねる宗師の演説から始まる。ふたつの世界を行きつ戻りつして進むのだが、主に、装置が時計回りになると渋谷、その反対回りでは渋天街に変わる。転換がスピーディでスムーズなので飽きさせない。100年に一度、宗師が交代するため後継者を選ぶ。候補の熊徹と猪王山も対照的だ。9歳から始まる主人公・蓮が弟子入りして九太と名付けられるが、その父親代わりが熊徹、対する猪王山にはふたりの男児がおり、長男・一郎彦が第2幕で明らかになる出生の秘密があった。子供世代がともに「自分とは何か?」と問い掛けている。「自分を発見する」「共に成長する」という作品の主題が対照化によって明確になった。一番の見せ場であり驚きが対決場面だ。第1幕では熊徹と猪王山の激闘アクション。剣を振る中でライオンに似た顔、龍のような胴体のパペット2体と一緒に闘う。赤が熊徹、黄が猪王山。ともに3人遣いなのはまるで文楽の人形遣いではないか。撮影:阿部章仁第2幕では巨大な白鯨が宙を飛ぶ。こちらは6人遣い。色々な形に分裂し、また元の形になる。よく訓練された俳優たちの操作は、『キャッツ』で人気の夜行列車の場面や『美女と野獣』といった一連のミュージカル作品で蓄積された劇団のお家芸と言えよう。第1幕が物語世界の解説といった要素が濃く、第2幕が俄然、面白くなった。蓮(九太)の成長、一郎彦の謎解き、宗師の後継者の決着。「信じよう、心の声を」。17歳になった蓮が歌う姿は胸が熱くなった。高橋知伽江の脚本・歌詞、青木豪の演出による多彩・多様で映像が重なるスピーディな新作ミュージカルは、上演を重ねる中で、より密度を増すだろう。そしてー。地球という星には人間世界だけではなく、様々な生き物の世界が存在するのだ、と再認識するのである。プロフィール大島幸久(おおしま・ゆきひさ)東京都生まれ。団塊の世代。演劇ジャーナリスト。スポーツ報知で演劇を長く取材。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。何でも見ます。著書には「名優の食卓」(演劇出版社)など。鶴屋南北戯曲賞、芸術祭などの選考委員を歴任。「毎日が劇場通い」という。
2022年05月25日世界的文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作「Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)」に発想を得た劇団四季の『ノートルダムの鐘』。首都圏では4年ぶりとなる横浜公演が5月21日(土)、KAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉で開幕した。15世紀末のパリを舞台に、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住むカジモド、大聖堂大助祭フロロー、同警備隊長フィーバス、そして3人が愛してしまうジプシーの娘・エスメラルダが綾なす愛の物語ーー。ディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作した演出版では、ユゴーの原作のアプローチを最重視し、人間誰しもが抱える明と暗の様相を繊細に表現。まさに、ディズニーのもうひとつの顔を垣間見ることができる“大人のための演劇作品”だ。劇団四季『ノートルダムの鐘』より撮影:阿部章仁劇団四季『ノートルダムの鐘』より撮影:阿部章仁開幕に際し、カジモド役の金本泰潤(かねもとたいじゅん)は、「本作は人間の“光”と“闇”を描いた、美しく重厚なミュージカルです。この作品に出演できることを、大変光栄に感じています。人間の宿命を見つめ、明日を生きる祈りを謳う作品のメッセージを、お客様の心にしっかりとお届けできるよう、誠心誠意努めてまいります。」とコメントを寄せた。劇団四季『ノートルダムの鐘』横浜公演は8月7日(日)までの期間限定公演となっている。尚、2023年4~7月には同劇場にてミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』の上演が決定している。2023年に創立70周年を迎える劇団四季の記念公演と銘打ち約8年ぶりに上演される本作は、古き良き時代のアメリカを舞台にしたハッピーエンドのラブ・コメディ。世界的な不況下でも夢を持ち、劇場再建へと明るく前向きに生きる登場人物たちの姿は、現代のコロナ禍においても、その陰鬱を吹き飛ばし、「人生は素晴らしい」というメッセージを届けてくれるだろう。ミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』より撮影:荒井健<公演情報>ミュージカル『ノートルダムの鐘』横浜公演2022年5月21日(土)~2022年8月7日(日)会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>(横浜市中区山下町281)ミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』横浜公演2023年4月~7月会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>(横浜市中区山下町281)チケット発売:2023年1月
2022年05月23日4月30日、劇団四季の最新作『バケモノの子』が、東京・竹芝のJR東日本四季劇場[秋]で開幕した。製作費や公演期間など様々な点で、劇団史上最大規模のオリジナル作品となる。原作は、15年公開の細田守監督による同名アニメーション映画で、脚本・歌詞を高橋知伽江、演出は青木豪が手がけている。まず気づいたのは、劇団四季は決してアニメ映画の忠実な再現を目指したのではないということだ。『美女と野獣』『ライオンキング』など、ディズニーミュージカルの上演で培ったノウハウを生かしながらも、四季オリジナルの作品であることが随所に窺える。アニメと同じオーヴァーチュア「祝祭」が流れ、幕が開くと、そこはバケモノたちが暮らす渋天街。この渋谷の街のすぐ裏側にある異界に、母親を亡くした9歳の少年蓮が迷い込む。折しも渋天街では、10万のバケモノを束ねる宗師(増山美保)が、9年後、100年に一度巡ってくる機会に神へ転生することを宣言し、跡目候補には、多くの弟子たちに慕われる猪王山(芝清道)と、乱暴者で弟子が居つかない熊徹(伊藤潤一郎)の名が挙がっていた。両者の対決では、“ビーストモード”と呼ばれる3人でパペットを操る仕掛けが用いられ、身体を大きく見せるのも面白い。宗師から弟子を取るように言われた熊徹は、蓮を九太と呼び、弟子にする。「修行」のナンバーでは、熊徹の仲間の百秋坊(味方隆司)や多々良(韓盛治)に加え、近所の世話好きの女性たちや、街の八百屋や肉屋、魚屋などが材料を持ち寄り、蓮に洗濯や掃除、料理のし方を教えていくが、アニメには街の人々は出て来ない。蓮が渋天街に受け入れられていく様子を歌とダンスで見せる、ミュージカルならではのシーンだ。もうひとりの“バケモノの子”こうして熊徹をはじめ、周囲に支えられて成長していく蓮(大鹿礼生)に対し、高橋の脚本は、自分の出自に疑問を持ち、孤独を深めていく猪王山の長男一郎彦(笠松哲朗)を、もうひとりの“バケモノの子”として大きく膨らませることで、父と子の絆という作品のテーマをより鮮明にした。これには二重盆を使ってふたつの空間を同時に見せる演出も生きている。熊徹と稽古を続けるうち、蓮は見違えるほど逞しくなり、熊徹も、独りよがりだった戦い方が洗練され、“父親”の自覚さえ生まれてくる。これは“父と子”ふたりの成長物語でもあるのだ。2幕冒頭、17歳になった蓮が戻った渋谷の街は、2018年のハロウィンの夜。このシーンもアニメにはなく、人間がバケモノに仮装して騒ぐ横を、バケモノの世界から来た蓮が戸惑いながら歩く様子は、皮肉な取り合わせに映る。蓮が人間界との境を通る際に使われる、松澤延拓による映像が効果的だ。蓮は楓(柴本優澄美)という女子高生と知り合い、音信不通だった実父とも再会。熊徹との“親子関係”にも変化が見える中、跡目を決める試合の日がやって来る。物語もクライマックスを迎え、意外な展開で新たに起こった壮絶な戦いに、蓮や楓も巻き込まれていく。このシーンは、トビー・オリエのデザインによるパペットと、映像を駆使して表現され、栗原直樹が付けた鮮やかな擬闘も観応えがある。最後に熊徹や蓮が歌う、富貴晴美作曲のミュージカルナンバー「胸の中の剣」と、「バケモノの子」が感動的だ。取材・文:原田順子
2022年05月12日4月28日(木)、公開を間近に控えた劇団四季の新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』の最終通し稽古が行われ、報道関係者に初めて舞台が公開された。撮影:阿部章仁2015年公開の細田守監督による大ヒット長編アニメーション映画『バケモノの子』を原作にした本作は、人間たちが暮らす街・渋谷と、その裏側のバケモノたちの住む異世界・渋天街を舞台に、母を亡くした9歳の少年・蓮(九太)が強さを求めバケモノの熊徹に弟子入りし、修行と冒険を重ね絆を深めていく“新冒険活劇”。細田監督の拠点であるスタジオ地図作品では初のミュージカル化となり、劇団四季が国産ミュージカルとして最大級の長期公演に挑む話題作だ。脚本・歌詞の高橋知伽江、演出の青木豪をはじめ、各分野で一線級の外部クリエイターが集結。多種多彩なバケモノや祝祭感あふれる異世界、迫力の戦闘シーンを、特殊メイクやパペット、アクションなど演劇ならではの表現で描き出す。撮影:阿部章仁最終通し稽古ではクリエイターや出演キャストによる入念な最終チェックが行われ開幕に備えた。オリジナルミュージカル『バケモノの子』は、4月30日(土)、JR東日本四季劇場[秋](東京・竹芝)にて開幕、その後ロングラン公演を開始し現在9月30日(金)までの公演が決定している。【熊徹役・伊藤潤一郎コメント】細田守監督作品が大好きな私にとって、このミュージカルへ出演できることは大きな喜びです。心躍る音楽や迫力のアクション、鮮やかなバケモノの世界。原作映画が持つ壮大なスケールをそのままに、生の舞台ならではの熱量を肌で感じていただけるような作品になりました。私が演じる熊徹は誰もが好きになってしまうようなキャラクターだと思います。舞台上で熊徹として精一杯生き、観に来てくださったお客様に明日を生きるエネルギーをお届けできれば幸いです。三井不動産創立80周年記念公演劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』公演期間:2022年4月30日(土)開幕~ロングラン公演会場:JR東日本四季劇場[秋](東京都港区海岸1-10-45)
2022年04月29日多くの名作を上演し、専用劇場を持ち、多くのロングラン公演を行っている劇団四季。『キャッツ』はそんな劇団四季が今のような上演形態をとった先駆けの作品だ。初演となる1983年、テント式の仮設劇場で、日本初のロングラン公演を行った。これは演劇界に衝撃をもたらし、当時、誰もが想像しえなかった1年間もの長きにわたって上演するという偉業を達成した。実はその功績の一助を担ったのがチケットぴあ。ロングラン公演を実現させるためには、コンピューターでチケットを売るシステムが必要だと、劇団四季より開発中のシステムを使わせてほしいとぴあに依頼があったという。その要望に応え、当初は『キャッツ』専用のシステムとしてスタート、10万枚のチケットを3日半で売り切った。『キャッツ』は、それ以降、絶えることなく上演し続け、国内通算公演回数は10,800回、観客動員数は1,060万人以上(2022年3月末時点)を数える。そんな重要な名作でもある『キャッツ』だが、名古屋公演はなんと21年ぶり。待ちに待った!と言う人も多いはずだ。そんな『キャッツ』の魅力、そしてコロナ禍ならではのエンタテインメントが持つ力について、ランペルティーザ役の長谷川彩乃、ランパスキャット役の政所和行、劇団四季の吉田智誉樹社長に話を聞いた。長谷川彩乃(ランペルティーザ)撮影:重松美佐政所和行(ランパスキャット)撮影:荒井 健長谷川「コロナ禍によって、友達と普通にしゃべり、ご飯に行くことができなくなり、今まで当たり前だと思ってたことが、当たり前じゃなかったんだと感じたんです。それを感じる中で、グリザベラが歌う『メモリー』の、当たり前だった華やかな世界が今はなくなり、でも明日へ向かって生きたいという歌詞が、自分とすごく重なったんです。いろんなシーンで素晴らしい歌詞があるので、よく聴いてもらえたら嬉しいです」政所「『キャッツ』は猫たちの生きざまを描いていますが、そこを通して見えてくるのは自分たち自身の生きざま。自分がどう生きてるかをすごく感じる作品です。舞台を生で観ることで、自分が進む原動力になるきっかけの作品だと思います」吉田社長「我々がジャンル分けされるライブエンタテインメントというのは、本当に不自由なものなのです。観せる側が集まって稽古し、観る側はわざわざ足を運ぶ。新型コロナの感染拡大によって、我々もどうあるべきか、本当に悩みました。それでもやはり同じ場所に集まり、俳優と同じ空間の中にいることで心を動かすことができる。これは一種の同時性だと思います。そして、『キャッツ』のようなロングラン公演でも同じ舞台はないという一回性。お客様が感じる不自由さの中で、同時性と一回性が重なった瞬間にもたらす力はとてつもなく大きいと思います」劇団四季『キャッツ』名古屋公演は、7月18日(月・祝)に、名古屋四季劇場にて開幕する。そして、『キャッツ』と縁の深く、エンタテインメントを応援し続けてきた「ぴあ」も今年で50周年を迎える。今回、『キャッツ』名古屋公演の1日を〈ぴあ創業50周年記念〉として開催することが決定した。ぜひとも不朽の名作『キャッツ』の世界に足を運んでほしい。劇団四季『キャッツ』舞台写真撮影:山之上雅信公演情報ぴあ創業50周年記念劇団四季ミュージカル『キャッツ』▼8月5日(金) 13:30名古屋四季劇場S1席-11000円 S席大人-11000円 S席子ども-5500円 A1席大人-8800円 A1席子ども-4400円 A2席大人-8800円 A2席子ども-4400円 B席-6600円 C席-3300円※公演当日3歳以上有料、2歳以下入場不可。子どもは公演当日3歳~小学校6年生以下対象。※劇場内は常時マスク着用必須。未着用の場合、ご入場をお断りする場合があります。急遽公演中止の可能性があります。ご来場前に劇団四季HPをご確認ください。また、劇団四季「連絡先登録フォーム」へ登録お願いします。【ご来場の皆様へ 衛生対策ご協力のお願い】劇団四季[TEL]0570-008-110一般発売:4月23日(土)Pコード:512-026★いち早プレリザーブ受付期間:4月17日(日)11:00~4月22日(金)11:00★その他の開催日のチケットはこちらからご購入ください。▼7月18日(月・祝)~ロングラン上演名古屋四季劇場S1席-9900~12100円 S席大人-9900~12100円 S席子ども-4950~6050円 A1席大人-8250~9350円 A1席子ども-4125~4675円A2席大人-8250~9350円 A2子ども-4125~4675円 B席-6050~7150円 C席-2750~3850円※公演当日3歳以上有料、2歳以下入場不可。子どもは公演当日3歳~小学校6年生以下対象。
2022年04月21日劇団四季の新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』が4月30日(土)より開幕する。その稽古場取材会が3月22日に開催され、劇中の一部シーンを披露するとともに、出演キャストの田中彰孝、伊藤潤一郎、脚本・歌詞の高橋知伽江、演出の青木豪、劇団四季の吉田智誉樹代表取締役社長がインタビューに応えた。原作の『バケモノの子』は2015年に公開された、細田守監督によるアニメーション映画。2015年邦画興行収入ランキング1位に輝いた大ヒット映画で、細田監督率いる「スタジオ地図」の代表作のひとつだ。人間たちが暮らす街・渋谷と、その裏側のバケモノたちの住む異世界・渋天街を舞台に、母を亡くした9歳の少年九太が強さを求めてバケモノの熊徹に弟子入りし、絆を深めていく物語。劇団四季が「国産ミュージカルとして最大級の長期公演に挑む」と意気込む話題作だ。公開稽古では作品冒頭、渋天街を治める宗師が神への転生を宣言し、次期宗師候補の熊徹と猪王山が対立するシーンからスタート。騒然とした混乱の中にも新時代への予感があわさり、心が沸き立つオープニングだ。熊徹役の伊藤潤一郎のパワフルな低い声に対し、同じく低音ながら猪王山役の芝清道の声は思慮深さのある渋い声。ふたりの対比も面白い。続けて、熊徹の弟子になった九太がバケモノたちから修行の一環として料理を習う場面では楽しいダンスも満載で、ミュージカルならではの魅力をアピール。さらに熊徹と九太が修行を通し絆を深めるシーンは、観る者の感情に訴えかけるバラードナンバーを聴かせ、バラエティに富んだ作品の表情をキャスト陣が見せた。熊徹役は、これまでの経験を活かして丁寧に左から、熊徹役Wキャストの伊藤潤一郎・田中彰孝、高橋知伽江(脚本・歌詞)、青木豪(演出)、吉田智誉樹 劇団四季代表取締役社長撮影:阿部章仁合同インタビューでは様々な質問が飛び出したが、ミュージカル版だからこその本作の魅力については、脚本・歌詞の高橋知伽江が「生さぬ親子の絆という背骨のしっかりしたストーリーなので、脚本に対しての不安はなかった。ただ劇団四季がミュージカル化することを考えると、殺陣のシーンは映画にもたくさんありますが、ミュージカルとしての重要な要素のひとつであるダンスを意識して取り入れ、エンターテインメント性をもっと出したいと考えました」と話し、演出の青木豪が「映画では例えば押し黙る表情をアップにすることでその人の感情の高まりを伝えるところを、ミュージカルでは歌で表現する。それを僕が演出としてどう視覚化するかという点と、演劇的にお客さんの想像力に訴えかけて広げていくにはどうするかという点を主軸に作っています」と話すなど、作品の構造について言及。また青木は、美術プランについて問われ「知伽江さんからいただいた台本には、熊徹の家と猪王山邸、さらにそのふたつが同居しているシーンがあったり、渋谷と渋天街が同居するシーンがあったので、“同居している”ということを見せるのに〈二重盆〉はどうだろうと美術の石原敬さんのアイディアがあり、僕も面白そうだなと思って採用した」と具体的に解説もした。役の魅力を問われた熊徹役候補のふたりは、田中彰孝が「熊徹は『ライオンキング』のムファサ(父王)のような役。僕は『ライオンキング』のシンバ役が長かったので、こういう役に憧れが強かった。年齢的にムファサや熊徹の方に近くなり、憧れから入ったものが、だんだん自分の身体に染みついてきている状態。稽古序盤は憧れを演じようと作りすぎてしまっていたが、それをそぎ落とすことを心がけて稽古をしています」と語り、伊藤潤一郎は「熊徹というのは、この作品を見た人みんなが好きになってしまうようなキャラクター。それを演じられるワクワク感がいまだにある。僕は四季では父親役や乱暴者だけれど気のいいアンちゃんといったキャラクターを多く演じてきた。そういう経験が今回のチャンスに繋がったのだと思うが、吉田社長には「アドバンテージを取った試合はそこで油断してしまうことが多いので、丁寧にやっていけるといいですね」と言っていただいた。稽古場では大胆に、でも家に帰ったら冷静に「それでいいのか」と自問しながら丁寧に作っていきたい」とそれぞれ熱く意気込んだ。「生きていていいんだよ」という作品になれば2018年の『恋におちたシェイクスピア』に続き、劇団四季で2度目の演出をする青木は「僕も小学校時代から四季を観ていた。自分が演劇において育ててもらったところに、今呼んでもらっている状況」と四季での創作を喜び、「この作品にはたくさんのテーマがあるが、渋天街のみんなで子どもを育てていく、人を育てるのはひとりではないというのもテーマのひとつだと思う。僕にとって芝居や映画は、それを見ることで「ああ、明日も頑張ろう」と活力をくれる、“生かされる場”だった。四季の理念である“人生は生きるに値する”ということを、演劇が僕に教えてくれました。そんな、「生きていていいんだよ」「ここに来れば大丈夫」という作品になればいいなと思います」と描かれるテーマについて語り、作品をアピール。和やかな雰囲気の中にもキャスト、クリエイター陣の熱い思いがひしひしと伝わる取材会だった。公演は4月30日(土)、JR東日本四季劇場[秋]にて開幕する。取材・文:平野祥恵
2022年03月26日習志野未来大久保プロジェクト株式会社(千葉県習志野市)主催、プラッツ習志野2022年5月コンサート『横洲かおるが贈る~ひとりミュージカル~』が2022年5月22日 (日)に習志野市民ホール(千葉県習志野市)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 元劇団四季所属の歌手・横洲かおるさんのひとりミュージカルです。「横洲かおるが贈る~ひとりミュージカル~」出演:横洲 かおる(歌手)/高知尾 純(ピアノ)【曲目】サウンドオブミュージック他プロフィール<横洲 かおる>(歌手・女優)東京学芸⼤学(A 類理科 化学専攻)卒業後、劇団四季に⼊団。「王様の秘密」などに出演。 退団後現在は作詞作曲も⾏い、千葉県を中⼼に全国で歌⼿活動を中⼼に、Voice Artist として多⽅⾯にて活躍。コンサートでは、「ひとりミュージカル」やオリジナルソングの他、Pops,Jazz などジャンルを問わない様々な演出が年代を超え⼈気を博す。2019,2020 年と上演されたミュージカルコンサート「歌で綴ろう船橋のあゆみ」では、脚本・演出も担当。また、司会者としての経験も活かし、声の魅⼒を引き出すセミナーや講演会なども⾏う。⼀児の⺟でもあり、「素敵なお⺟さんコンテスト 2008」では、「⽇本⼤会」で「グランプリ」、「世界⼤会」で「準グランプリ」を受賞。 2015 年 8 ⽉ 6 ⽇ ファーストシングル「未来へ」リリース 2016 年、2017 年、千葉ロッテマリーンズの試合前セレモニー 「ALL for CHIBA 国歌⻫唱」 を⾏う。 2020 年、千葉市⺠創作ミュージカルにて歌唱指導。<高知尾 純>(ピアノ)東京音楽大学卒業。これまでにピアノを草川宣雄、 V.マカロフ、御邊典一の各氏に、作曲を小川悦司氏に師事。 クラシック、ミュージカルを中心とした分野で様々なアーティストと 共演。またTV番組やCMソング、ミュージカル作品を含め、楽曲提供も多数。これまでにセシリア国際音楽コンクール リサイタル部門第5位。 P.I.A.Japanピアノコンクール 金賞及びザイラー賞。ローゼンストック国際ピアノコンクール 審査員特別賞。ヤマハ音楽能力検定「ピアノ演奏グレード」「指導グレード」共に3級を取得。演奏や作曲活動の傍ら、2015年より京成ホテルミラマーレ 音楽プロデューサーに就任し、地域に根付く音楽文化の貢献にも力を入れている。開催概要『横洲かおるが贈る~ひとりミュージカル~』開催日時:2022年5月22日 (日)開場13時30分/開演14時会場:習志野市民ホール(千葉県習志野市本大久保3-8-19)■出演者横洲かおる(歌手・女優)高知尾純(ピアノ)■チケット料金一般:3,000円学生:1,500円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月17日壊れかけのロボットと、無気力に生きる主人公の再生の旅を描いた劇団四季のオリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が、4月16日(土)まで京都劇場で上演中だ。劇団四季「ロボット・イン・ザ・ガーデン」チケット情報本作は劇団四季が16年ぶりに手掛けた一般向けオリジナルミュージカルで、2020年に東京で開幕。雑誌「ミュージカル」の「2020年ミュージカル・ベストテン」で作品部門第1位に選出されるなど、注目を集める1作だ。原作は2015年に出版されたイギリスの同名小説。世界各国でロングセラーを記録し、日本では今年、映画版『TANG タング』も公開予定だ。舞台は、アンドロイドと人間が共生する近未来。どこか哀愁をまとう小さな四角い旧式ロボットが、ある家の庭へとたどり着く。家の中では、弁護士の妻エイミーが慌ただしく出勤準備をする一方で、張り合いなく過ごす夫ベンの姿。両親を事故で亡くして以来、獣医になる夢も諦めて無気力に日々を過ごしている。庭のロボットを見つけ、興味を持つベンだが、エイミーには「粗大ごみ」にしか見えない。前を向いて歩きたいエイミーと、いつまでも前を向けないベン。ふたりの生活も気持ちも、距離は広がるばかりだ。「タング」だと名乗るロボットは、人間の指示通りに動く“賢い”アンドロイドとは対照的。自由気ままに動き回り、時にはわがままを言ってベンを困らせるが、ベンはいつ停止するかもしれないタングを修理しようと、少しの手がかりを頼りにアメリカ、日本、そしてパラオと、国を超えた旅に出る。ふたりで修理の旅をしていく中で、さまざまな言葉や知識を吸収していくタング。タングを動かし、タングとして声を放ち、感情を表現しているのはふたりの俳優だ。操る姿は観客から見えている状態だが、観ているとその存在を忘れてしまうほど、タングの愛らしさに惹きこまれていく。ベンとタングの旅は紆余曲折しながら進み、後半、思いもよらぬ展開を迎える。タングに隠された秘密が次第に明かされていくのもスリリングで面白い。狭い世界にとどまり前を向けなかったベンが、タングとの出会いをきっかけに外に飛び出し、タングを守ろうと懸命に駆け回る。さまざまな人たちと出会うことで、知らず知らずのうちにベンの心はほどけ、見失っていた大切な人への思いに気付く。閉じこもってばかりでは見つからなかった心の鍵。人との関わりや、相手を思いやることの大切さ。ベンが気付かされたように、心にじわりと届くものがあるはずだ。京都公演は4月16日(土)まで、京都劇場にて上演中。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2022年03月10日劇団四季によるオリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が2月23日(水・祝)~4月16日(土)まで京都劇場にて上演、5月14日(土)からは全国各地を巡演する。この度、本作で使用される楽曲が、3月14日(月)より配信開されることが発表された。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は2020年10月に初演した劇団四季のオリジナル一般ミュージカル。アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う近未来を舞台に、心に傷を抱えた主人公・ベンと壊れかけのロボット・タングの成長と絆の物語が描かれる。今回配信されるのは、2021年12月東京公演をライブレコーディングしたもの。ミュージカルナンバー全19曲に加え、ボーナストラックとしてBGM1曲が収録されています。各楽曲は、Apple Music、Amazon Music、Spotifyなど、各種音楽配信サービスで視聴可能だ。また配信に先行して、2月23日にミニアルバムも発売。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』や『Free Free』、『地平線を目指して』の3曲に加え、ボーナストラックとしてBGM3曲が収録予定となる。なお、販売は劇団四季オフィシャルウェブショップおよび京都劇場『ロボット・イン・ザ・ガーデン』グッズ売店でのみ。■リリース情報ミニアルバム『ロボット・イン・ザ・ガーデン』2月23日(水・祝)価格:1,500円(税込)販売方法:劇団四季オフィシャルウェブショップ( )京都劇場『ロボット・イン・ザ・ガーデン』グッズ売店※一般のインターネット通販サイト、CDショップでのお取り扱いはございません。収録曲:全6曲(ミュージカルナンバー全3曲 / ボーナストラック全3曲)販売元:四季株式会社<配信>3月14日(月)ストリーミングストア:Apple Music、Amazon Music、Spotify、YouTube Music、LINE MUSIC、AWA、dヒッツ、KKBOX、TOWER RECORDS MUSIC powered by レコチョク、Rakuten Music、うたパス、ひかりTVミュージックダウンロードストア:iTunes Store、Amazon、レコチョク、mora他楽曲:全20曲(ミュージカルナンバー全19曲 / ボーナストラック『ロボット・イン・ザ・ガーデン(Exit)』)※いずれも2021年12月東京公演ライブレコーディング収録。(ベン役:田邊真也、タング役:生形理菜、渡邊寛中、エイミー役:鳥原ゆきみ)■公演情報劇団四季オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』<京都公演>2月23日(水・祝)~4月16日(土)会場:京都劇場<全国公演>5月14日(土)開幕
2022年02月15日昨年12月に開幕し、全国12都市を巡演中の『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』。1月26日(水)、27日(木)には兵庫・神戸国際会館こくさいホールで上演される。劇団四季『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート ~アンマスクド~』チケット情報『キャッツ』『オペラ座の怪人』など、数々の傑作ミュージカルを生み出してきた作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。劇団四季では、1973年に『ジーザス・クライスト=スーパースター』を初演して以来、ロイド=ウェバー作のミュージカルを半世紀にわたり上演し続けている。今作『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』は、ロイド=ウェバー楽曲を歌と生バンドの演奏でお届けする、2幕構成のショーコンサート。2018年にロンドンでワークショップ公演が行われ、2020年にアメリカで上演、そして今回、日本に初上陸を果たした。ステージ奥に配された生バンドの演奏をバックに、ロイド=ウェバーのこれまでの輝かしい歴史がダイジェスト映像で紹介されるオープニング。そして『ジーザス・クライスト=スーパースター』の「序曲」で高揚感を誘い、聴けば脳内リピート必至の「スーパースター」へ。幕開きからワクワクさせる構成で、観客をロイド=ウェバーの世界へと引き込む。劇団四季の上演作品からは『ジーザス』のほか、『エビータ』『アスペクツ オブ ラブ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』より、選りすぐりの名曲を披露。さらに、ロイド=ウェバーのデビュー作『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』や、2021年にロンドンで初演された『シンデレラ』のナンバーほか、劇団四季未上演の作品からも楽曲がピックアップされている。作品の合間に挟まれる映像では、ロイド=ウェバー本人が、時には実際にピアノを弾きながら、それぞれの作品ができた経緯や背景などを、ユーモアを交えて解説してくれる。なかなか知ることのできない誕生秘話を聞くことで、観たことがない作品でも楽曲への理解が深まったり、知っている作品は新たな視点を持って観ることができるのも面白い。ロイド=ウェバーの名曲の数々と、それを客席へ届ける俳優たちの、確かな実力から生まれる圧倒的なパフォーマンス。さらに臨場感あふれる生バンドの演奏がステージを熱く盛り上げる。ロイド=ウェバーの世界にどっぷりと浸れる極上の空間で、ひとときの非日常を味わってほしい。神戸公演は1月26日(水)・27日(木)、神戸国際会館こくさいホールにて。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2022年01月18日劇団四季のオリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が2021年12月22日(水)から2022年1月23日(日)まで東京・自由劇場にて上演される。その後、2022年2月23日(水・祝)より京都公演を、5月より全国公演を実施する予定だ。劇団四季のミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は、16年ぶりの劇団四季オリジナル一般ミュージカルとして2020年10月に開幕した作品。原作は英国の作家デボラ・インストールが2015年に出版し、2016年にベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選出された同名小説だ。2022年8月には、二宮和也が主演を務める映画『TANG タング』が公開される。無気力に過ごす主人公&壊れかけのロボットの冒険劇中では、アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う近未来を舞台に、無気力に日々を過ごす主人公・ベンと壊れかけのロボット・タングが出会い、タングを直すための旅に出かける様子が描かれている。そんな優しさ溢れる人間ドラマ『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が、2021年12月22日(水)より自由劇場にて開幕。台本・作詞は劇団「てがみ座」の長田育恵が、演出は「雷ストレンジャーズ」の小山ゆうなが務める。公演概要オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』<クリエイティブチーム>台本・作詞:長田育恵演出:小山ゆうな作曲・編集:河野伸音楽監督:清水恵介振付:松島勇気舞台装置デザイン:土岐研一パペットデザイン・ディレクション:トビー・オリエ■東京公演上演期間:2021年12月22日(水)~2022年1月23日(日)会場:自由劇場住所:東京都港区海岸1-10-53チケット料金:・バリュー(平日夜):S席一般 9,900円、A席一般 8,250円、A席学生 4,125円・レギュラー(平日昼・土夜):S席一般 11,000円、A席一般 8,800円、A席学生 4,400円・ピーク(土日祝昼):S席一般 12,100円、A席一般 9,350円、A席学生 4,675円※初日・千秋楽は上記と異なる。※学生=大学生・専門学生以下(公演当日、入館時に学生証を提示する)※公演当日3歳以上有料(膝上観劇不可)。2歳以下の入場不可。■京都公演上演期間:2022年2月23日(水・祝)~4月16日(土)会場:京都劇場住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル京都駅ビル内チケット料金:・バリュー(平日夜):S席 9,900円、A席 8,250円、B席 6,050円 C席 2,750円・レギュラー(平日昼・土夜):S席 11,000円、A席 8,800円、B席 6,600円、A席 3,300円・ピーク(土日祝昼):S席 12,100円、A席 9,350円、B席 7,150円、C席 3,850円※初日・千秋楽は上記と異なる。※公演当日3歳以上有料(膝上観劇不可)。2歳以下の入場不可。■全国公演上演期間:2022年5月14日(土)開幕チケット予約方法:公式サイト他(24時間受付、ただし発売初日は10:00~)※公演情報は12月21日時点のもの。最新情報については、劇団四季オフィシャルウェブサイトを要確認。【問い合わせ先】劇団四季 ナビダイヤルTEL:0570-008-110
2021年12月24日来春開幕となる劇団四季オリジナルミュージカル「バケモノの子」より、舞台セットのコンセプトアートが公開された。バケモノ界・渋天街では、長年バケモノたちを束ねてきた宗師が、今季限りで神に転生することを宣言。数年後に闘技場で催される試合で、次の宗師を決めることとなった。候補者は、とにかく強いが乱暴者の熊徹と、強さも品格もあわせ持つ猪王山。次期宗師争いは、いよいよ本格的になろうとしていたが、熊徹は宗師より、弟子を取ることを課せられてしまう。その頃、人間界・渋谷。9歳の少年・蓮は、両親の離婚で父親と別れ、母とも死別。ひとりぼっちの日々を送っていた。途方に暮れていたある夜、蓮は、弟子を探していた熊徹と出逢い、渋天街に迷い込む。独りで生きるための「強さ」を求めて、蓮は熊徹の弟子となることを決意。「九太」という名前を付けられることとなった。当初はぶつかり合う2人だったが、互いに成長し、いつしかまるで本当の親子のような絆が芽生え始める――。劇団四季史上、最大規模の新作オリジナルミュージカルとなる本作は、細田守監督による同名長編アニメーション映画の舞台化。バケモノたちの棲む異世界と東京・渋谷を舞台に、熊徹と九太、ふたりの相互成長と、まるで本当の親子のような固い絆、加えて、己のアイデンティティを模索し葛藤する九太の姿を表現。また、特殊メイクやパペット、アクション、マジック、映像などあらゆる分野のクリエイターが集結し、壮大な物語を演劇ならではの表現で、圧倒的なエンターテインメント性を持って描いていく。このほど公開されたコンセプトアートは、バケモノの世界・渋天街の舞台装置について、「少年・蓮(九太)がこの舞台上の街に迷い込んだら…」というコンセプトのもと、本作の装置デザインを務める石原敬(BLANk R&D)がビジュアルイメージを描画。九太目線で捉えられた、バケモノたちが住む異世界を、鮮やかに表現した。最も意識したことは“バケモノたちが住む、文字のない異世界”だという石原さんは、「私たち人間は文字や記号を頼りに、つまりは『視覚』で情報を得て物事を判断しています。それでは、文字に頼らないバケモノたちは、何で判断しているのだろうか。それは、“五感”ではないかと。特に都会にいると忘れてしまいがちな自然の匂い。食べ物に限らず花、土、布、それぞれの持っている匂いで、街を溢れさせたいと考えました。また、私たちが生きている世界では、構造物として、一面青色という場所は身近にありません。真っ青で囲まれた空間を渋天街のモチーフにすることで、お客様を異世界に引き込むことができたら、とても嬉しく思います」とコメントを寄せている。なお、本公演のチケット一般発売は、来年2月5日(土)午前10時となっている。三井不動産創立80周年記念公演劇団四季オリジナルミュージカル「バケモノの子」は2022年4月30日(土)JR東日本四季劇場[秋]にて開幕。(cinemacafe.net)
2021年12月24日劇団四季が新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』を2022年4月30日(土)より、東京・JR東日本四季劇場[秋]で上演する。この度、本作の一端が垣間見える、舞台セットのコンセプトアート(作:装置デザイン 石原敬(BLANk R&D))が公開された。劇団四季史上、最大規模の新作オリジナルミュージカルとなる本作。原作は2015年公開のスタジオ地図作品・細田守監督による長編アニメーション映画『バケモノの子』だ。同社の大ヒット作のひとつで、翌年の「第39回日本アカデミー賞」では最優秀アニメーション作品賞を受賞している。公開されたコンセプトアートは、バケモノの世界・渋天街の舞台装置について「少年・蓮(九太)がこの舞台上の街に迷い込んだら…」というコンセプトで、本作の装置デザインを務める石原敬がビジュアルイメージを描画。九太目線で捉えられたバケモノたちが住む「異世界」を鮮やかに表現した。かつてないスケールで描かれる新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』。チケットは2022年2月5日(土)より発売が開始される。<装置デザイン:石原敬(BLANk R&D)・コメント>“渋天街”を舞台美術として描くにあたり、最も意識したことは「バケモノたちが住む、文字のない異世界」であるということでした。私たち人間は文字や記号を頼りに、つまりは「視覚」で情報を得て物事を判断しています。それでは、文字に頼らないバケモノたちは、何で判断しているのだろうか。それは、“五感”ではないかと。特に都会にいると忘れてしまいがちな自然の匂い。食べ物に限らず花、土、布、それぞれの持っている匂いで、街を溢れさせたいと考えました。また、私たちが生きている世界では、構造物として、一面青色という場所は身近にありません。真っ青で囲まれた空間を渋天街のモチーフにすることで、お客様を異世界に引き込むことができたら、とても嬉しく思います。■公演情報三井不動産創立80周年記念公演劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』2022年4月30日(土)より上演会 場: JR 東日本四季劇場[秋]チケット:2022年2月5日(土)午前10時 一般発売開始「四季の会」会員先行予約 1月29日(土)※初回販売分2022年4月30日(土)~9月30日(金)計143回公演※「四季の会」会員を対象とした事前抽選販売あり。4月30日(土初日公演は、全席種が事前抽選販売の対象となり、通常の販売はなし。5月1日(日)~8月31日(水)の公演は、S1席の一部が対象。
2021年12月24日劇団四季のオリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が12月22日(水)より東京・自由劇場で開幕する。昨年10月に誕生したばかりの新作で、雑誌『ミュージカル』の「2020年ミュージカル・ベストテン」で作品部門第一位に選ばれた作品が早くも東京に再登場だ。原作はデボラ・インストールが2015年に出版した同名小説だが、来年8月には同小説を原作にした映画『TANG タング』の公開も予定されていることもあり、いっそう注目度が高まっている。物語は、アンドロイドが家事や仕事を行う近未来のイギリス。両親を事故で亡くしたことで無気力に日々を生きている青年ベンは、ある日、庭に旧式のロボットが迷い込んでいるのを見つける。幼児のように暴れまわり家をひっかきまわすそのロボット・タングを、妻エイミーは捨ててくるように言うが、ベンはなぜかその壊れかけの旧式ロボットに心惹かれてしまう。このままだと近いうちに停止してしまいそうなタングを直すために、ベンは旅に出る――。旅の中でタングは知識を吸収し雄弁になっていくと同時に、拗ねたり反論したりと、どんどん人間臭くなっていく。一方で、そのタングを通しベンも社会と触れ合い、再生していく。近未来を舞台にしつつ、描かれるのはアナログな心の交流。ロボットを通し、他者との繋がりや、自分の心と向き合うことの大切さをそっと提示し、日常の幸せに気付かせてくれるミュージカル。そして何と言ってもタングの愛らしさが素晴らしい。造形も可愛らしいが、パペティアと呼ばれる操者が2名がかりで操作と台詞・歌を担い、表情も動きも雄弁な“生きたロボット”タングが生まれている。『ライオンキング』や『リトルマーメイド』など、これまでもパペットを使う作品を数々上演してきている劇団四季だからこそできた演劇的表現だろう。まさに観客は、“無機物に命が吹き込まれる”さまを目の当たりできる。演劇的楽しさに満ちた表現で、地に足のついた普遍的感情が丁寧に紡がれ、観ると、温かなものが胸に広がるミュージカルだ。本作の脚本は長田育恵、演出は小山ゆうなが手掛けた。演劇界で広く活躍する気鋭のクリエイターたちは、どんな思いで本作と向き合い、また四季での仕事を進めてきたのか。12月21日、最終舞台稽古終了後に長田、小山、劇団四季の吉田智誉樹 代表取締役社長の3人の合同インタビューが行われた。以下、その模様をレポートする。丁寧に描くことで、日常に潜む“祝福”のようなものを舞台にあげる――昨年初演されたミュージカルの待望の再演です。非常に評価の高かった初演でしたが、どんなところが評価されたと思いますか。長田この作品は、普通の人たちの日常を丁寧に描くことで、そこに潜む“祝福”のようなものを舞台にあげるという、ささやかだけれど普遍的なメッセージが込められている作品だと思います。そのささやかさこそが、今の時代の等身大の人間の感情を描き出していて、登場人物に共感させる力がとても強い。今の時代にフィットする新しいミュージカルだったからこそ評価に繋がったのではないでしょうか。曲も多く、装置も素晴らしく、ロボットも可愛い……と色々と見どころはありますが、大事にしているのはささやかな人間の感情。今回の再演もその方針は変わっていないと思います。小山まず、タングをパペットで表現しようという劇団四季さんのアイディアが素晴らしい。そして長田さんのおっしゃった“ささやかな日常”という部分、これは長田さんの脚本が、日常的なのにポエティックな美しい日本語で書かれていることも非常に大きいです。詩的な演劇言語で書かれている長田さんの本を、言葉を大切にされる劇団四季の俳優さんが扱っていくという、全体のバランスがとても良かったと思います。小山ゆうなさらに四季のお客さまは、作品を育てていってくださる感じがとてもあって、その力もありどんどん作品が豊かになっていったなと感じています。今日の最終舞台稽古のキャストはほぼ初演時に出ていたメンバーなのですが、これだけロングランをやっているとちょっと飽きてきたりということもありえるのですが、誰ひとりそういうことがなく、どんどん役が深まっている。それは本人たちの努力と、お客さまの力が大きいと思っています。吉田今回のクリエイターの布陣の力によって、この作品がここまで愛されたのだと思います。特にこのおふたりは素晴らしい仕事をしてくださいました。感謝しかありません。吉田智誉樹(劇団四季 代表取締役社長)――劇団四季とのお仕事で感じた、劇団四季の良さは。長田劇団四季で仕事ができて、本当に喜びしかないです。私は大学の時に間違ってミュージカル研究会に入ってしまったことが、自分の舞台との出会いなんです。その時に一番の憧れだったのが劇団四季でした。仕事で関われる日が来るなんてことは……もちろん人生の中でいつかそんな日が来たら嬉しいと思っていましたが遠すぎて考えられず、まずは現代演劇の方で舞台の言葉を磨いたりとか、色々なことをやってきました。そうしたら四季に声をかけていただきまして……。憧れだった四季に一歩踏み入れたら、やっぱり中の人たちひとりひとりが、素晴らしい方たちでした。外から見ていたら、才能に恵まれた素晴らしい方々の集団だから何でもできるんだと思っていたのですが、キャストだけでなくスタッフに至るまでひとりひとりが絶え間ない努力を続けている、努力の天才みたいな人が集っていました。才能ある方々がさらに努力を続け、なおかつもっと高みを目指そうという推進力があり、さらに舞台にかける情熱がすごい。だからいいものが生まれている。才能ある選ばれし人たちだからすごいのではなく、全員が、主役の人さえも、自分がもっとできることを探し続けている。しかもお互いをリスペクトしあっているという、劇団の強みを初めて知りました。……すみません、熱く語ってしまいました(笑)。小山本当ですよね。劇団四季は、日本の演劇界では珍しく“作品ありき”です。これだけ商業的に成功しているミュージカル作品を作っていらっしゃるのに、主役の俳優がすごく目立つということではなく、みんながアンサンブル(一緒)で作品を作っている。全員が常に「作品をどうやって良くするか」を考えているので、なんだか流れている空気が清らかなんです。みんながそこに向かって努力する、しかもその努力が私の考える努力ではなくて(笑)、「そんなに!?」というくらい、時間もエネルギーも注いで作品に向かっている。すごい集団だなと本当に思います。単なる“可愛いキャラクター”ではないタングの魅力――長田さんと小山さんは、お互いの仕事をどう見て、そしてどうやりとりをして作り上げていきましたか。小山私は古典をやることが多いので、たいていにおいて作家が(すでに)いない。なので今回、同時代の、しかも世代も近くコミュニケーションの取りやすい方でしたので、質問もLINEでどんどんしていました。……コロナ禍でなかなか会えませんでしたので(笑)。長田さんの言葉は実はすごく美しく詩的なのですが、でも日常の言葉になっている。初演の時には気付かなかった素敵さに、今回改めて気付いたこともたくさんあります。言葉が深い。長田ありがとうございます。私は劇作家だけを専門としているので、私が仕事するときには必ず演出家との出会いがあり、この世代にしては国内外限らず、多くの演出家と組ませていただいていると思います。その中でもゆうなさんは、その俳優自身が持っている魅力を等身大に役に引き出してくるというところが素敵。だからアンサンブルに至るまで、登場人物が全員生きて、実在感ある人間に出来上がる。舞台上で、その世界を構築する嘘のない人間が表れてくるところがとても好きです。本当に信頼できる演出家です。長田育恵――長田さん、タングという存在をどう受け止めて書きましたか。長田日本にはもともと鉄腕アトムとかドラえもんといったロボット文化があります。タングはいわゆる“キャラクター”ですが、(アトムやドラえもんのように)最初から感情が補填された可愛いキャラクターとして存在するのではなく、人間が何かを入れたら、それによって方向性が変わる可能性もある未知なる未来を秘めた箱だ、というオープニングから始まります。ベンが旅の過程で何を受け取り、何を感じたかをタングも感じ取り学習していく。最後に赤ちゃんが生まれた時にタングは「旅をしようね」と言ってあげるのですが、それは、タングにとってベンとの旅がとても楽しく、ベンが旅の出会いの中でどれほど喜んでいたかがわかっているので、タングがあげられる最上級のものが「旅をする」だった。何もないブラックボックスが、どんどん人の営みの美しい部分を取り入れ、最後に家族の一員として生きることを選ぶ。その成長の過程、タングの方向性が決まっていないということが大切なので、ストーリー都合で“可愛い”を担保にタングを動かさないことを本当に注意して書きました。――タングが見事ですね。あのデザインや動作はどのように生まれたのですか。小山タングのパペットデザインとディレクションをしてくれたトビー・オリエさんと、かなり打ち合わせを重ねました。最初はどこを動かすか、もちろん口を動かしたり、どこかを光らせたりすることも出来たのですが、トビーさんの計算で、目の角度が変わることと瞼の開閉を主にするというチョイスになりました。あとはパペティアの力ですね。本当に細やかにやってくれています。目の角度がどのくらいになっているかは操っている俳優からは見えない。手の感覚でしかありません。非常に難しい技術だと思います。ずっとずっと稽古をしていました。吉田初演の稽古初日は、(タングが)ただジタバタしているだけでした(笑)。その状況が脳裏にあります。小山初日は、歩かせることすらできませんでしたからね。パペティアは胴体・足を動かしている担当と、頭(顔)の担当とふたりいます。支えになっている胴体・脚の役割が大きくて。喋らないので(タングの声は、頭担当の俳優がほぼ担当)、ちょっと目立たないのですが。そしてふたりの息が合わないといけないので、パペティアふたりは常に議論したりケンカをしたりしながら、切磋琢磨していました。――吉田さん、ファミリーミュージカルを除き、一般向けのミュージカルとしては16年ぶりの新作。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は劇団四季にとってどんな位置づけになりましたか。吉田おっしゃるとおり、いわゆるファミリーミュージカルではなく、お客さまに販売する形の一般ミュージカルとしては『南十字星』以来。2018年から着手しましたが、素材の選び方から、何もかも手探りでした。産みの苦しみを味わった分、非常に愛おしいものになりました。左から、吉田智誉樹(劇団四季 代表取締役社長)、小山ゆうな、長田育恵取材・文・撮影(舞台写真):平野祥恵撮影(インタビュー写真):阿部章仁劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』東京公演2021年12月22日(水)~2022年1月23日(日)分までチケット発売中会場:自由劇場2022年2月23日(水・祝)より京都劇場にて上演<ライブ配信>2022年1月22日(土) 13:00~2022年1月22日(土) 17:30~2022年1月23日(日) 13:00~ライブ配信の詳細はこちら:
2021年12月22日劇団四季はディズニーミュージカル『美女と野獣』を、2022年10月23日(日)より東京ディズニーリゾート内に位置する「舞浜アンフィシアター」にてロングラン上演する。ディズニーミュージカル『美女と野獣』『美女と野獣』は、1991年に公開された長編アニメーション映画をベースにしたディズニーミュージカル。ハワード・アッシュマンが作詞を、アラン・メンケンが作曲を手掛けた名曲で構成される同作品は、1994年にブロードウェイで初演され、同年のトニー賞で最優秀ミュージカル賞、最優秀演出賞など9部門にノミネートされるほど好評を博した。日本では、劇団四季のもと“東京・大阪同時ロングラン”という前代未聞の上演方式で1995年に初演を迎え、以来、全国9都市でのべ19公演を実施。また、2017年にはベル役にエマ・ワトソンを迎え、実写映画化された。新演出版を「舞浜アンフィシアター」でロングラン上演そんなディズニーミュージカル『美女と野獣』の“新演出版”が、2022年10月より東京ディズニーリゾート内にある「舞浜アンフィシアター」にてロングラン上演されることに。新演出版は、ミュージカル『美女と野獣』の初演を手掛けたクリエイティブスタッフが中心となり、時代に合わせた再構築を施したもので、上海ディズニーリゾートの「ウォルト・ディズニー・グランド・シアター」で2018年6月から2020年2月にかけて上演された。ベルのソロナンバー「A Change in Me」を追加新演出版では、“外見にとらわれず、人の心の中まで見通す”という作品テーマのもと舞台装置や衣裳など舞台美術が一新され、台本はテンポ感よくストーリーが進み、ドラマが明瞭に描き出されるように改訂。楽曲は、1998年にブロードウェイのプロダクションで追加されたベルのソロナンバー「A Change in Me」を追加する。なお、「舞浜アンフィシアター」で劇団四季が公演を実施するのは、ディズニーミュージカル『美女と野獣』が初となる。公演グッズまた、劇場内のショップでは、『美女と野獣』の舞浜公演グッズを多数販売。ベルとビーストの横顔を大きくプリントしたトートバッグやTシャツをはじめ、ミルク味とストロベリー味の2種類を楽しめるチョコレートクランチ、まるで本物のバラの花のようなボールペンがラインナップ。さらに、ベルやビーストなどの舞台の衣装をデザインしたチャームも展開される。ブラインド商品となっているため、何が出るかは開けてからのお楽しみだ。公演概要ディズニーミュージカル『美女と野獣』ロングラン上演開幕日:2022年10月23日(日)~ロングラン公演場所:舞浜アンフィシアター住所:千葉県浦安市舞浜2-50チケット料金:<バリュー(平日夜)>S席一般 11,000円・子ども 5,500円、A席 一般 8,250円・子ども 4,125円、B席 6,050円、C席 2,750円<レギュラー(平日昼・土夜)>S席一般 12,100円・子ども 6,050円、A席 一般 8,800円・子ども 4,400円、B席 6,600円、C席 3,300円<ピーク(土日祝昼)>S席一般 13,200円・子ども 6,600円、A席 一般 9,350円・子ども 4,675円、B席 7,150円、C席 3,850円※初日・千秋楽等はこの限りではない。※子ども料金はS席・A席の「ファミリーゾーン」のみ適用(子ども=3歳以上、小学校6年生以下)※公演当日3歳以上有料(膝上観劇不可)、2歳以下入場不可予約方法:ネット予約(SHIKI ON-LINE TICKET※24時間受付)他■ディズニーミュージカル『美女と野獣』・東京ディズニーリゾート セットプラン・『美女と野獣』公演チケットと東京ディズニーリゾートのパークチケットのセット・ホテル宿泊/公演チケットセットプラン■スタッフ演出・振付:マット・ウェスト作曲:アラン・メンケン作詞:ティム・ライス台本:リンダ・ウールヴァートン装置デザイン:スタンリー・A・メイヤー衣裳デザイン:アン・ホウルド・ワード照明デザイン:ナターシャ・カッツ■公演グッズ販売場所:劇場ショップ※一部のグッズは劇団四季オフィシャルウェブショップで購入可能※劇場ショップの利用には当日の鑑賞チケットが必要グッズ例:・衣装チャーム 各750円・トートバッグ 3,400円・バラ造花ボールペン 1,900円・ブック型ノート 2,500円・クッション 5,200円・チョコレートクランチ 1,500円【問い合わせ先】劇団四季ナビダイヤルTEL:0570-008-110©Disney
2021年12月12日ディズニーミュージカル『美女と野獣』舞浜公演の製作発表会見が12月9日、千葉県浦安市のディズニーアンバサダーホテルで行われた。会場は舞浜アンフィシアターで、同劇場にて劇団四季作品が上演されるのは初めて。2022年10月に開幕し、ロングラン上演が予定されている。なお、出演キャストは今後オーディションで決定する。(c)Disney、上海ディズニーリゾートプロダクションより『美女と野獣』はディズニーが演劇ビジネスに初進出した作品。ディズニー・シアトリカル・プロダクションズの手により、1994年にブロードウェイで初演されて以来、世界中で大ヒットを記録した。劇団四季では翌1995年に、東京・大阪同時ロングランという上演方式で初演して以来、9都市でのべ19公演が行われ、国内総公演回数は5675回、総入場者数は536万人を記録している。(c)Disney、上海ディズニーリゾートプロダクションより今回の公演では、舞台美術が一新、台本・演出もリニューアルされ、『美女と野獣』初演で振付を手掛けたマット・ウェストが、演出と振付を担当。アラン・メンケン(作曲)、ティム・ライス(作詞)、リンダ・ウールヴァートン(台本)、スタンリー・A・メイヤー(装置デザイン)、アン・ホウルド・ワード(衣装デザイン)、ナターシャ・カッツ(照明デザイン)ら、初演のクリエイティブスタッフが再集結。2018年6月から2020年2月にかけて、上海ディズニーリゾートのウォルト・グランド・シアターで上演されたヴァージョンを踏襲する。(c)Disney、上海ディズニーリゾートプロダクションより「外見にとらわれず、人の心の中まで見通す」という作品テーマのもと、奥が見通せたり、透かしがあったりする軽やかなセットが採用され、色鮮やかで明るくスタイリッシュな舞台に一新。また、台本の改訂によって、テンポ感よくストーリーが展開。楽曲面では、ベルが歌うソロナンバー「A Change in Me」を追加。城を出て、父・モリースのもとに戻ったベルが、野獣との交流を経て感じた自身の思いの“変化”を歌うナンバーで、父との関係性や親子愛が深く鮮明なものになる。加えて今回は、ディズニーと劇団四季のクリエイティブチーム共同で、舞浜アンフィシアターにあわせたインストール作業を実施。半円形の舞台上にプロセニアムを建て『美女と野獣』の世界を作りあげる。製作発表会見には株式会社オリエンタルランド代表取締役社長兼COOの吉田謙次氏、劇団四季(四季株式会社)代表取締役社長の吉田智誉樹氏が出席。また、過去公演のキャストである平田愛咲(ベル役)、飯田洋輔(ビースト役)、早水小夜子(ミセス・ポット役)が駆けつけ、「わが家」「愛せぬならば」「美女と野獣」を歌唱した。平田愛咲飯田洋輔早水小夜子【株式会社オリエンタルランド代表取締役社長兼COO吉田謙次氏】このたび、多くの皆様に愛され続ける劇団四季様と、私どもが運営しております舞浜アンフィシアターがロングラン公演を行うこととなり、大変うれしく思っております。ご存知の通り、劇団四季様は『ライオンキング』『アナと雪の女王』など、さまざまなディズニーミュージカルを全国各地で公演し、多くの皆様に感動を与え続けております。同じディズニーコンテンツを扱う劇団四季様に公演していただくことで、東京ディズニーリゾートを訪れる多くの皆様に新たな魅力をご提供できると確信しております。東京ディズニーリゾートにおきましては2020年9月に、東京ディズニーランド内に『美女と野獣』をテーマにしたエリアをオープンさせ、東京ディズニーランドホテルでは同じく『美女と野獣』をテーマにした客室をご用意いたしております。今回上演されるディズニーミュージカル『美女と野獣』が加わることで、テーマパークの中でも外でも、まさに寝ても覚めても『美女と野獣』の夢のような世界が流れ続けることを、私自身もとてもワクワクしております。千葉県で初めてロングラン公演を行う劇団四季様にとりましても、舞浜アンフィシアターで上演することに新たな価値を感じていただけるよう、私ども東京ディズニーリゾートを高めてまいりたいと思います。【劇団四季(四季株式会社)代表取締役社長 吉田智誉樹氏】このたび劇団四季は、舞浜アンフィシアターでディズニーミュージカル『美女と野獣』を上演することとなりました。2022年10月よりロングラン公演を行わせていただくことになりました。舞浜アンフィシアターでの劇団四季作品の上演は初めてとなります。このようなご縁をいただき、大変光栄に思います。(ステージ上でのプロセニアム建設について)左右前方の客席をつぶして、床面を設置し、ステージを拡張する予定でございます。座席数2170席ですが、そのうちの800席程度をつぶし、全体で1400席前後のキャパシティになる予定です。ディズニーという共通項で結ばれた両社の親和性は高いと思っております。タッグを組むことで、日本のエンターテインメント業界に新潮流を生み出したい。そう思っております。また、ご存知の通り、このコロナ禍で劇団四季は非常に大きな打撃を受けました。おそらく、オリエンタルランドさんも同じではないかと推察いたします。しかしながら、心の栄養であるエンターテインメントは、人生を生きる上で欠かせないものであります。この『美女と野獣』を契機に、この両者でしっかり盛り上げていきたいと思っております。劇場では衛生対策面もしっかり行い、お客様をお迎えしたいと思っております。ぜひ劇場で珠玉のラブストーリーをお楽しみいただいて、明日への希望を感じていただければ幸いです。取材・文・撮影(制作発表会見写真)=内田涼ディズニーミュージカル『美女と野獣』舞浜公演概要◇公演期間:2022年10月開幕ロングラン上演予定◇舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市舞浜2-50東京ディズニーリゾート内ディズニーアンバサダーホテル横)◇チケット発売:2022年5月予定◇問い合わせ:劇団四季ナビダイヤル0570-008-110
2021年12月09日『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート ~アンマスクド~』が12月5日、神奈川・相模女子大学グリーンホール大ホールで開幕した。劇団四季はこれまでショー作品は数々作ってきているが、“コンサート”と銘打つ公演は初めて。『キャッツ』『オペラ座の怪人』等々を生み出した稀代の作曲家、アンドリュー・ロイド=ウェバーの美しい楽曲にフォーカスした2幕構成のステージだ。『Unmasked』は2018年のロンドン・ワークショップ公演を経て2020年アメリカで開幕した作品だが、日本版は劇団四季オリジナル要素も多分に組み込まれた内容となっている。『ジーザス・クライスト=スーパースター』の序曲から始まる幕開け。劇団四季がロイド=ウェバー作品を最初に上演したのは、1973年の本作初演(当時のタイトルは『イエス・キリスト=スーパースター』)である。その後、『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『アスペクツ オブ ラブ』を上演、今ではロイド=ウェバー作品は劇団にとってはなくてはならない存在になっている。これらの作品からのナンバーももちろん当コンサートでは多数登場。実際に役として演じている江畑晶慧の「メモリー」(キャッツ)、谷原志音の「共にいてアルゼンチーナ」(エビータ)、飯田洋輔の「オペラ座の怪人」(オペラ座の怪人)などは、やはり「待ってました!」のワクワク感。圧巻の歌唱力で聴くものを魅了する。一方で劇団四季未上演の作品ナンバーも多数あり、中でも『オペラ座の怪人』の続編である『ラブ・ネバー・ダイ』の名曲「君の歌をもう一度」を現役ファントム俳優である飯田洋輔が歌う場面などは目新しくも、非常に聴きごたえがある。ほか今年ロンドンで開幕したばかりのロイド=ウェバーの新作ミュージカル『シンデレラ』からのナンバーも早くも登場。こちらは平田愛咲がコケティッシュに凛々しく歌いあげていた。劇中ではロイド=ウェバー本人が映像で登場、作品解説でコンサートをガイドしてくれるのも注目ポイント。ほかの作品用に作っていた楽曲がピンと来ず、あるいは依頼者からその後連絡が来なかったり(!)などの理由でこの作品のこの楽曲として生まれ変わった……というような裏話や、「素晴らしいストーリーによってまあまあの音楽を支えることはできるが、いくら音楽が素晴らしくても出来のよくないストーリーを支えることはできない」といったぶっちゃけ話もユーモアたっぷりに披露。また少し前に話題になった、生涯猫派だったロイド=ウェバーが映画『キャッツ』の出来にショックを受けて飼い始めたという愛犬モヒートも登場するサービスっぷりだ。そして劇団四季の創設者である故・浅利慶太氏とのエピソードも語り、長野オリンピックの開会式で歌われた『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』を浅利氏に捧げる一幕も。“コンサート”らしく、派手なショーシーンや、大掛かりなセットチェンジ、衣裳チェンジなどはないものの、たとえば蝋燭で『オペラ座の怪人』の荘厳な雰囲気を演出したりと、シンプルに作品の世界観を創出して魅せるのはさすが劇団四季だ。とはいえ何と言っても主眼は歌。コンサートの名にふさわしく、歌の力でロイド=ウェバー音楽の素晴らしさをとことん堪能できる作品になっている。前述のメンバーのほか、ロックナンバーを多数担った白瀬英典のパワフルな歌声、「サンセット・ブールバード」の熱唱が素晴らしかった飯田達郎、「オペラ座の怪人」のソプラノを生歌で聴かせた真瀬はるか、「レクイエム」の柔らかいソプラノからパンチのある歌まで幅広い歌声を聴かせた吉田絢香、ジーザスからラム・タム・タガーまで様々な顔を見せた山下泰明、歌とともに身体能力の高さを活かしてステージを彩った笠松哲朗と、計10人のキャストが、生バンドともに、素晴らしい楽曲たちを次々と披露。クリストファー・キー演出らしく、台詞っぽく歌を聴かせるようなところも多々あり、フェイクを利かせた歌唱をする四季俳優たちを見るのもなかなか珍しい。また、現在劇団四季で上演されている作品も、四季での上演バージョンとは少し違うアレンジで演奏されるものなどもあり、そのあたりも新鮮だった。解説映像で、「音楽は子どもたちに力を与えると信じているし、今は子どもだけでなく世界中の人たちが音楽を必要としている時代」と語ったアンドリュー・ロイド=ウェバー。その“音楽の力”を最大級に感じられる、現代のモーツァルト、アンドリュー・ロイド=ウェバーの珠玉の楽曲を隅々まで味わえるコンサート。観劇後、何かしらのパワーをもらえるに違いない。公演は2月10日(木)まで、全国12都市で開催される。取材・文・撮影:平野祥恵
2021年12月06日コンサート公演『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』が、2021年12月5日(日)より神奈川・相模女子大学グリーンホール 大ホールを皮切りに全国12都市にて開催される。『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート〜アンマスクド〜』これまでに傑作ミュージカルを多数生み出している作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー。劇団四季では、1973年初演の『ジーザス・クライスト=スーパースター』(当時のタイトルは『イエス・キリスト=スーパースター』)以来、『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『アスペクツ オブ ラブ』を上演してきた。そんなロイド=ウェバーが手掛けた楽曲を、歌と生バンドの演奏で届ける2幕構成のショートコンサート『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』が全国各地で開催される。日本未上演作品の楽曲もコンサートでは、劇団四季お馴染みの演目や日本未上演作品の楽曲を演奏。また、ロイド=ウェバー本人が映像で登場し、創作秘話や裏話などを披露する。【詳細】コンサート公演『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー共同台本・構成:リチャード・カーティス作詞:アラン・エイクボーン、ドン・ブラック、リチャード・カーティス、T・S・エリオット、クリストファー・ハンプトン、チャールズ・ハート、ティム・ライス、グレン・スレイター、ジム・スタインマン、リチャード・スティルゴー、デイヴィット・ジッペル日本語台本:南圭一朗訳詞:浅利慶太、市川洋二郎、片島亜希子、高橋亜子、中島淳彦、松田宏一、竜真知子演出:クリストファー・キー音楽スーパーバイザー:マイケル・パトリック・ウォーカー音楽監督:清水恵介振付:加藤久美子予約方法:SHIKI ON-LINE TICKE(24時間受付)他■公演日程<チケット一般発売 10月23日(土)>・2021年12月5日(日):相模原(神奈川)・相模女子大学グリーンホール 大ホール・12月10日(金)~12月19日(日):池袋(東京)・東京建物 Brillia HALL・12月22日(水)~12月26日(日):横浜(神奈川)・KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉・12月29日(水)~12月31日(金):大阪(大阪)・オリックス劇場・2022年1月2日(日)~1月3日(月):京都(京都)・京都劇場・1月6日(木)~1月7日(金):福岡(福岡)・福岡サンパレスホテル&ホール・1月10日(月・祝)~1月11日(火):仙台(宮城)・東京エレクトロンホール宮城・1月15日(土):静岡(静岡)・静岡市民文化会館 大ホール・1月18日(火)~1月20日(木):名古屋(愛知)・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール・1月22日(土)~1月23日(日):広島(広島)・上野学園ホール・1月26日(水)~1月27日(木):神戸(兵庫)・神戸国際会館 こくさいホール<チケット一般発売:12月4日(土)>・2月1日(火)~2月2日(水):札幌(北海道)・札幌文化芸術劇場 hitaru<チケット一般発売:11月27日(土)>・2月8日(火)~2月10日(木):横浜(神奈川)・神奈川県民ホール 大ホール※公演地・日程は急遽中止・変更となる場合がある。■ナンバーリスト『オペラ座の怪人』オペラ座の怪人、オール・アイ・アスク・オブ・ユー、プリマ・ドンナ、ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト『キャッツ』オーヴァーチュア(インストゥルメンタル)、ラム・タム・タガー~つっぱり猫、スキンブルシャンクス~鉄道猫、マキャヴィティ~犯罪王、ミストフェリーズ~マジック猫、メモリー『ジーザス・クライスト=スーパースター』序曲(インストゥルメンタル)、スーパースター、私はイエスがわからない、今宵安らかに、ゲッセマネの園『エビータ』ブエノスアイレス、スーツケースを抱いて、空を行く、ニュー・アルゼンチーナ、共にいてアルゼンチーナ『アスペクツ オブ ラブ』ラブ・チェンジズ・エブリシング『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』ヨセフのコート、クローズ・エヴリ・ドア、エニー・ドリーム・ウィル・ドゥ『Tell Me on a Sunday~サヨナラは日曜日に~』遥かな調べ、放っておいてよ『サンセット大通り』ウィズ・ワン・ルック、カー・チェイス(インストゥルメンタル)、サンセット・ブールバード、アズ・イフ・ウィ・ネヴァー・セッド・グッドバイ『ラブ・ネバー・ダイ』愛は死なず、君の歌をもう一度『スクール・オブ・ロック』支配者に立ち向かえ『ソング・アンド・ダンス』ヴァリエーション23(インストゥルメンタル)『スターライト・エクスプレス』スターライト・エクスプレス・メドレー(インストゥルメンタル)『シンデレラ』バッド・シンデレラ『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド、ヴォルツ・オブ・ヘブン『レクイエム』ピエ・イエズ【問い合わせ先】劇団四季ナビダイヤルTEL:0570-008-110 (10:00~17:00)
2021年12月04日劇団四季が挑む、新たなショー形式のコンサート『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバーコンサート~アンマスクド~』が、12月5日(日)、神奈川県相模原市の相模女子大学グリーンホールで開幕する。この相模原公演を皮切りに、来年2月10日まで、東京・池袋の東京建物Brillia HALL、横浜のKAAT神奈川芸術劇場をはじめ、大阪、京都、福岡、仙台、静岡、名古屋、広島、神戸、札幌と、全国12都市を巡演するツアーを行なう予定だ。劇団四季のレパートリーの中でも、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲を手がけたミュージカルは人気が高い。その巨匠ロイド=ウェバーが作曲した数々のミュージカルから、珠玉のナンバーを選りすぐって、歌とパフォーマンス、生バンドの演奏でたっぷりと聴かせてくれる贅沢な舞台が、この『アンマスクド』だ。曲の合間には、ロイド=ウェバー本人のビデオメッセージが流され、それぞれの曲について、創作秘話や裏話をウィットに富んだ語り口で披露するのも、ファンにとっては嬉しい演出だろう。『アンマスクド』は、2018年にロンドンのジ・アザーパレスでワークショップ公演が開かれ、20年にはアメリカ・ニュージャージー州のペーパーミル劇場でも公演が行なわれた。続く今回の劇団四季による日本版は、そこに新たな要素が盛り込まれ、より演劇的な面が際立ったオリジナルバージョンになると言う。11月初旬からは、演出のクリストファー・キー、音楽スーパーバイザーのマイケル・パトリック・ウォーカーが来日して、対面による本格的な稽古がスタートし、その後、装置デザインのサイモン・ウェルズも加わった。曲目は、四季が繰り返し上演している『ジーザス・クライスト=スーパースター』『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『アスペクツ オブ ラブ』の5作品から、それぞれ主要なナンバーが歌われるのはもちろんだが、さらに、ロイド=ウェバーが1968年に作詞家ティム・ライスと組んで発表した、記念すべきデビュー作『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』から、今年9月、ロンドンのジリアン・リン劇場で開幕した最新作『シンデレラ』まで、四季が上演していないものも含め、全15作品を彩る名曲や代表曲が、1幕、2幕を通してずらりと並ぶ。ミュージカルに詳しくなくても、一度は耳にしたことがあるメロディーがたくさん登場し、楽しい時間を過ごすことができるだろう。文:原田順子『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバーコンサート』2021年12月5日(日)~2022年2月10日(木)会場:相模女子大学グリーンホール 大ホール、東京建物Brillia HALL、KAAT神奈川芸術劇場ほか、全国12都市で上演※本文内で紹介しているナンバーは、都合により急遽変更になる場合がございます。
2021年12月03日現在、福岡で好評上演中の劇団四季ミュージカル『キャッツ』。本作は1983年11月11日、東京・西新宿のテント式仮設劇場で日本初のロングラン公演として初演。以来、計9都市(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、静岡、広島、仙台、横浜)でのべ24公演が行なわれ、各地で“キャッツ・フィーバー”を巻き起こしてきた人気作。これまでの公演回数は10,700回以上、総入場者数は1,040万人(10月末時点)、そして現在も記録を伸ばし続けている。先日、日本上演38周年を迎え、本編終了後には特別カーテンコールを開催。出演者を代表してマンカストラップ役の俳優・金本泰潤が「1983年の日本初演以来、これほどの長きにわたり、日本各地で公演を続けて来られましたのはお客様おひとりおひとりがこの作品を愛し育んでくださったからこそ。出演者、スタッフ一同心より御礼申し上げます。これからも皆様に作品の感動をお届けできるよう、誠心誠意努めてまいります。今後とも変わらぬご声援を賜りますようお願い申し上げます。」と挨拶し、客席からは熱い拍手が沸き起こった。人気も記録もまだまだ上昇中の伝説のミュージカル、『キャッツ』福岡公演は4月17日(日)までキャナルシティ劇場にて上演。チケットは発売中。
2021年12月01日12月22日(水)~2022年1月23日(日)、自由劇場(東京・浜松町)にて待望の再演が決定している劇団四季のオリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』がライブ配信される。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は、劇団四季が一般向けのオリジナルミュージカルとして16年ぶりに制作した新作で、世界中でロングセラーとなっているイギリスの作家デボラ・インストールの同名小説が原作。2020年の初演ではミュージカル出版社発行の雑誌『ミュージカル』が発表した「2020年 ミュージカル・ベストテン」で作品部門の第1位を飾り、劇団四季が初めて公演の模様をオンラインで配信したことでも話題を集めた。今回のライブ配信は、昨年11月の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』、今年1月の『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』、8月の『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』に続く第4弾となる。作品の舞台はアンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う近未来。心に傷を負った主人公・ベンと壊れかけのロボット・タングが世界中を旅しながら歩む、心温まる成長物語が描かれる。配信プラットフォームは、「劇団四季ライブチャンネル」他、「U-NEXT」、「Rakuten TV」を予定。配信チケットは12月2日(木)10:00より発売。劇場での鑑賞が叶わない方もぜひこの機会に、劇団四季がおくるロボットと人間の心温まる物語を堪能してほしい。なおU-NEXTでは、原作小説『ロボット・イン・ザ』シリーズ4作品(『ロボット・イン・ザ・ガーデン』『ロボット・イン・ザ・ハウス』『ロボット・イン・ザ・スクール』『ロボット・イン・ザ・ファミリー』)の電子書籍も配信中だ。【配信概要】劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』東京公演<ライブ配信日時>1. 2022年1月22日(土) 13:00~2. 2022年1月22日(土) 17:30~3. 2022年1月23日(日) 13:00~上演時間:約3時間(休憩を含む / 予定)※配信開始時間は変更となる場合があります。※本公演はライブ配信での視聴のみとなります。巻き戻し視聴・見逃し配信はありませんので、 ご注意ください。中継会場:自由劇場(東京都)視聴料:各4,500円(税込)<販売期間>2021年12月2日(木) 10:00~各回の開演時刻まで購入可能ライブ配信の詳細はこちら: 原作小説『ロボット・イン・ザ』シリーズはこちら(U-NEXTサイト内):
2021年11月11日劇団四季の新作オリジナルファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』が、神奈川・ハーモニーホール座間を皮切りに、2021年3月21日(月・祝)まで全国各地80都市あまりを巡演する。劇団四季新作オリジナルミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』は、日本児童文学界を代表する作家・岡田淳によるベストセラーシリーズ「こそあどの森の物語」第6巻の同名小説をベースに創作された、劇団四季の新作オリジナルファミリーミュージカル。神話と現実が交差するファンタジー作品で、物語は、こそあどの森で暮らす主人公・スキッパーが、大昔から来た少女・ハシバミを助け出すところからスタート。ふたりの交流を通じて、“人と人とのつながりの大切さ”を描く。脚本・歌詞は南圭一朗、演出は山下純輝が手掛けるほか、作曲を兼松衆、音楽監督を清水恵介、振付を松島勇気が担当する。公演概要劇団四季新作オリジナルファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』公演日程:2021年9月12日(日)神奈川・座間公演 開幕~2022年3月21日(月・祝)長野・塩尻公演 千秋楽※巡演場所は公式サイトを確認。予約方法:ネット予約SHIKI ON-LINE TICKET(24時間受付)他クリエイティブスタッフ:脚本・歌詞:南圭一朗演出:山下純輝作曲:兼松衆 ※音楽監督:清水恵介 ※振付:松島勇気装置・パペットデザイン:喜多川知己照明デザイン:井上登紀子衣裳・ヘアメイクデザイン:射場茅乃※は外部スタッフ。■東北沿岸部ツアー 公演日程日時・公演地・会場:9月18日(土)17:00 宮古(岩手県) 宮古市民文化会館 大ホール9月19日(日)17:00 釜石(岩手県) 釜石市民ホール TETTO ホールA9月20日(月・祝)17:00 大船渡(岩手県) 大船渡市民文化会館 リアスホール9月23日(木・祝)17:00 名取(宮城県) 名取市文化会館 大ホール9月25日(土)17:00 多賀城(宮城県) 多賀城市民会館 大ホール9月26日(日)17:00 いわき(福島県) いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール9月28日(火)18:30 二戸(岩手県) 二戸市民文化会館 大ホール10月2日(土)17:00 南相馬(福島県)南相馬市民文化会館ゆめはっと 大ホール10月3日(日)18:30 陸前高田(岩手県) 陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」10月5日(火)18:30 仙台(宮城県) 仙台銀行ホール イズミティ21大ホール10月6日(水)13:30 仙台(宮城県) 仙台銀行ホール イズミティ21大ホール10月8日(金)18:30 石巻(宮城県) マルホンまきあーとテラス(石巻市複合文化施設) 大ホール【問い合わせ先】劇団四季ナビダイヤルTEL:0570-008-110
2021年09月16日東京・竹芝のホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」(以下、メズム東京)から、『オペラ座の怪人』の世界をイメージしたランチ&ディナープログラムが登場。2021年9月13日(月)から2022年2月28日(月)まで、ホテル16階のフレンチレストラン「シェフズ・シアター」にて販売される。なお、 当初は東京公演が千秋楽を迎える2022年1月10日(月・祝)までを予定していたが期間が延長された。メズム東京×劇団四季『オペラ座の怪人』第2弾劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』とメズム東京が、ホテルのコンセプトルームに続き、コラボレーションを実現。第2弾のランチ&ディナープログラムでは、ランチが舞台の第一幕、ディナーが第二幕の2部構成で、『オペラ座の怪人』の世界観をフレンチメニューで表現する。第一幕:ランチプログラムまず第一幕となるランチプログラムでは、物語の幕開けを告げるオークションシーンから、嫉妬に狂った怪人がシャンデリアを舞台に突き落とす衝撃的な事件までをイメージ。オマール海老のコンソメジュレで“シャンデリア”をイメージしたアミューズブッシュや、信州サーモン&旬の野菜をのせた前菜にはじまり、目玉となる“肉or魚が選べる”メイン料理へと続く。“クリスティーヌの楽屋”着想の肉料理ジューシーな子羊のローストに、旬の食材をのせた肉料理は、物語がドラマティックに展開する契機となる“クリスティーヌの楽屋”に着想した一皿。プレートにのせた小玉葱や銀杏、キノコなどに、アンティークな木苺の色を付けて乾燥させることで、楽屋が持つ独特な雰囲気を演出している。“怪人のボート”イメージの魚料理一方魚料理では、クリスティーヌとオペラ座の怪人をのせて湖を移動する“ボート”をイメージ。白身魚のすり身を調理したフランスの郷土料理「クネル」を主役に、ポエティックに表現しているのが特徴だ。“シャンデリア型”デザート食後のデザートは、オペラ座の怪人の怒りにより、公演中の舞台に落とされた“シャンデリア”に着想した。美しい造形美と共に、甘いマロンクリームや、程よい酸味のヨーグルトパフェを堪能できる贅沢な一品だ。お皿一杯に敷かれたキャラメルソースやクラッシュマロンは、“崩して”食べることで、シャンデリアの落下の衝撃を表現しているという。第二幕:ディナープログラム続く第二幕のディナープログラムでは、いよいよ舞台のクライマックスへ。忌まわしい事件から半年が経った大晦日の華やかな仮面舞踏会のシーンから、悲しくも美しい物語の結末を、アミューズブッシュ・前菜・メイン(魚&肉料理)・デザートの順番で再現する。ドラマティックな魚料理ディナープログラムの魚・肉料理を両方楽しめるメインメニューでは、ドラマティックに展開するストーリーの世界観を落とし込んだ。旬の白身魚をパリっと香ばしく焼き上げた魚料理は、舞台上で怪人がクリスティーヌに激しく愛を告白し、再び連れ去れるシーンを着想源に。劇中でクリスティーヌが手にする赤いリンゴは、トマト&レモンを合わせたコンディメントで表現しているのもポイントだ。“怪人vsラウル”の肉料理またブレス産鳩のもも肉を使用した肉料理は、クリスティーヌを巡って怪人とラウルが対峙するシーンをイメージしたもの。隠れ家を遮断する格子をカシスパウダーで、隠れ家の装飾を付け合わせの銀杏、キノコ、パン生地に包まれた栗のピューレなどで表現した、細やかなビジュアルにも注目したい。“怪人の仮面”を再現したデザートそしてラストを締めくくるデザートは、“怪人の仮面”をモチーフにしたクライマックスの名シーンを再現。グラスロワイヤルで表現した怪人の仮面の下には、口の中で溶ける上品なフロマージュブランのムース、爽やかな味わいの桃「ペッシュ・ド・ヴィーニュ」のコンポートが隠されている。また添えられた真っ赤な薔薇は、ローズ風味のソルベにほうれん草のソースを合わせて表現した。宿泊プランもなお期間中は、『オペラ座の怪人』のランチ&ディナープログラム付き宿泊プランも販売。ホテルで一日中ゆったりと過ごしながら、食事を楽しめるラグジュアリーなひと時を提案する。詳細『オペラ座の怪人』ランチ&ディナープログラム期間:2021年9月13日(月)~2022年2月28日(月) ※除外日12月22日(水)~26日(日)営業時間:ランチ 11:30~15:00(L.O. 14:00)/ ディナー 17:00~22:00 (L.O. 20:30)※営業時間および営業内容が変更になる可能性あり。場所:16階レストラン「シェフズ・シアター(Chef’s Theatre)」住所:東京都港区海岸1丁目10-30 メズム東京、オートグラフ コレクションコース料理価格:ランチ:5,700円/ディナー 11,400円ペアリング価格:ランチ:ワイン(3杯) 3,800円/モクテル(3杯) 1,980円ディナー:ワイン(5杯) 6,400円/モクテル(4杯) 2,640円※価格は全てサービス料込み。■ランチ内容≪アミューズブッシュ: Memories Come Back -蘇る記憶-≫≪前菜:Hannibal -歌劇ハンニバル-≫≪選べるメイン(肉料理):Angel of Music -音楽の天使-≫≪選べるメイン(魚料理):The Phantom of the Opera -オペラ座の怪人-≫≪デザート:Phantom’s Indignation -ファントムの怒り-≫■ディナー内容≪アミューズブッシュ:Masquerade -マスカレード-≫≪前菜:Graveyard Duel -墓場の決闘-≫≪魚料理:Don Juan Triumphant -ドン・ファンの勝利-≫≪肉料理:Beyond the Lake -ファントムの隠れ家-≫≪デザート:The End of Love -愛の結末-≫※ランチ・ディナー共に、デザートの後に小菓子とスペシャルティコーヒー(またはフレーバーティー)を提供。<関連情報>・『オペラ座の怪人』ランチ&ディナープログラム付き宿泊プラン販売期間:9月6日(月)~2022年1月7日(金)宿泊対象期間:9月13日(月)~2022年1月10日(月) ※除外日:12月22日(水)~26日(日)プラン料金:84,755円~ ※サービス料込み。■期間延長について追加販売期間:2021年12月27日(月)~2022年2月25日(金)追加宿泊対象期間:2022年1月11日(火)~2022年2月28日(月)※2022年3月1日(火)チェックアウト分まで価格:69,950円~(1~2名 / 朝食なし)朝食「メズム・ブレックファスト」付きの場合:1名 74,250円~/ 2名 78,550円~客室タイプ:チャプター1ツイン※四季劇場と東京の街並みを見渡すシティービューの部屋。※宿泊プランの詳細は、公式HPを参照。【問い合わせ先】電話:03-5777-1111(代表)
2021年09月12日劇団四季の新作オリジナルファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』が、8月29日(日)まで、東京・浜松町の自由劇場で上演中だ。その後、9月12日(日)からは、7ヶ月間で68都市を巡る全国公演がスタートする。原作は、岡田淳が作・絵を手がけた児童文学「こそあどの森の物語」シリーズ第6巻の同名の物語で、夏休み中ということもあり、劇場にはやはり親子連れの観客が目立つ。ロビーには、メモ帳やクリアファイル、キャラクターのマスコットなど、公演グッズを買い求める列もできていた。客席に入ると、森の木や動物、鳥の絵が載った、本のページが描かれている幕が目に飛び込んでくる。鳥のさえずりや梢を渡る風の音も聞こえ、自分も“こそあどの森”に足を踏み入れたようだ。“つながること”を意識した演出1964年から上演され続けている劇団四季のファミリーミュージカルは、“命の尊さ”“愛と勇気の素晴らしさ”“友情や助け合いの大切さ”などをテーマに作られてきたが、今回は、“人とのつながりの大切さ”がテーマになっている。その象徴が、時空を超えて古代と現代をつなぐ“はじまりの樹”だ。幕が上がると、その大きな樹が中央に立ち、やがて大地の鼓動のような打楽器の音が響いて、巫女を中心に、大昔の人々が聖なる樹に祈りを捧げるように歌い踊る。松島勇気の振付は、力強く迫力満点だ。そしてひとりの少女が、樹に棲みついたリュウの怒りを鎮めるため、いけにえとして樹に縛りつけられた。演出の山下純輝は、神話と現実が融合したような古代の世界を、大樹の装置を左右に分けたり、また合わせたりしてテンポよく見せていく。作品のテーマである“つながること”を意識し、樹やリュウもいくつかのパーツをつなげることで造形した喜多川知己のデザインも、うまく生かされている。舞台美術は、間口の広さが各会場で異なる全国公演でも使用できるように、工夫が施されているという。ひとりから「フタリ」へ。みんな誰かとつながっている場面は一転、現代の“こそあどの森”に暮らす少年スキッパー(Wキャスト 権頭雄太朗 / 寺元健一郎)の家。ひとりで本を読むことが好きな彼は、森の住人たちが誘いに来ても家に閉じこもってばかりいる。そこへ、光る尻尾を持ったホタルギツネ(Wキャスト斎藤洋一郎 / 田中宣宗)が現われた。この不思議なキツネは人間の言葉を話すのだが、なぜか関西弁。脚本・作詞を手がけた南圭一朗のひらめきだというが、これが白い長髪にキツネの面、和風の装いと相まって、効果をあげていた。劇団四季ファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話』より撮影:下坂敦俊スキッパーはホタルギツネに導かれ、樹に縛りつけられていた少女ハシバミ(Wキャスト 若奈まりえ / 小坂華加)を助け出す。大昔から来たという彼女は、自らリュウのいけにえになったものの、恐ろしさのあまり“心の声”で樹に助けを求め、樹も“心の声”で現代にいるホタルギツネに呼びかけたことで、時空を超えてやって来ることができたのだ。森の住人たちはハシバミを歓迎し、現代のことを教えながら一緒に暮らし始める。ハシバミは、自分の命は周りの命とつながっていて、大昔からもずっとつながっているという考え、“サユルタマサウココロ”について話す。そして住人から戦うことも学んだ彼女は、過去に戻ってリュウと戦う決心をした。ひとりでいることが好きだったスキッパーも、ハシバミやホタルギツネと心を通わせるうち、ハシバミの力になりたいと思うようになる。彼がホタルギツネと歌う「フタリ」は、人間とキツネの心温まる友情が伝わり、印象的だ。兼松衆の音楽は、ファミリーミュージカルらしく、帰り道で親子が一緒に口ずさめるような、覚えやすく美しいメロディが多い。何度もリプライズされるテーマソング「生きるって」も、人間はひとりではない、みんな誰かとつながっているという作品のメッセージが感動的に歌われ、場面を盛り上げる。8月28日(土)には、11時30分と15時の2回の公演で、ライブ配信が予定されている。取材・文:原田順子劇団四季ファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』東京公演上演中~2021年8月29日(日)会場:自由劇場【ライブ配信】8月28日(土)11:30/15:00 ※アーカイブ配信なし詳細は下記公式サイトよりご確認ください。
2021年08月27日劇団四季によるミュージカル『オペラ座の怪人』。その制作に携わるプロフェッショナルに密着します。ここでは、“衣裳”の制作スタッフに注目!俳優が自身の役に没入できるよう衣裳でサポート。ミュージカル『オペラ座の怪人』が日本に上陸して30年以上。長く愛され、何度もロングランされている作品だけに、衣裳も丁寧なメンテナンスが必須とされる。「主役の怪人のマントは初演時のものが今も使われています。俳優が大切に扱ってくれているおかげもありますが、重要なのは日々のメンテナンス。クリーニングは月に2回専門業者に依頼。男性のワイシャツなどは、俳優にも手伝ってもらいながら終演後に劇場の洗濯機で洗っています」ドレスの装飾のビーズが一つ取れただけでも、舞台の機構に挟まり故障や事故に繋がる可能性が。そのため公演の前後の時間はつねに補強や修繕に充てているそう。また本番中、常時舞台袖にスタンバイし、俳優の早替えの手伝いを行うのも衣裳さんのお仕事。「畳み方にも着替えやすい工夫があります。ドレスはドーナツ型に畳んでおき、中心に俳優が入るだけで着られるようになっていたり。大人数が同時に着替える場面では、俳優同士で着せつけてもらう場合も。着替えの段取りを覚えてもらうよう、開幕前に早替え稽古というのもしています」当然、傷めば新調することも。「新調する時は、デザインを変えず今までより高いクオリティのものを目指しています。俳優が芝居により集中できるよう、スカートに入っている針金をカーボンに替え軽量化したり、裏地を通気性のあるメッシュ素材にしたり。ただ、重量感が出ないと見た目が安っぽくなることもあるので、そのバランス感が重要なんですが」本作の衣裳チーフに就いてから、あらためて19世紀のヨーロッパの服飾史を学んだという村上さん。「調べると、いかに史実に忠実なデザインかわかります。とくにカルロッタ(オペラ座のプリマドンナ)には当時の最新ファッションが取り入れられている。そこに彼女のプライドの高さやおしゃれに敏感な性格が表れているんです」今の仕事に就いたのは、幼い頃の観劇体験が根底にある。「過去の自分のように、私も新たな一歩を踏み出す誰かの手助けになれていたらいいなと思います」ロングラン公演に対応できるよう、劇団四季ならではの工夫も。ロングラン公演を行っているため、劇団四季では一つの役を複数の俳優が演じている。そのため、一つの衣裳を複数キャストが着回せるよう複数のホックを付け、いろんな体型に対応。写真のピンクとブルーのドレスは、「マスカレード」の場面のクリスティーヌのもの。衣裳部屋にあるミシンは必ず糸がかけてあり、不測の事態が起きた時すぐに縫えるようにしている。【本番!】写真・荒井 健作品で使用される衣裳の数々。なかには重さが約7kgもあるドレスも。衣裳デザイン画。日本初演時、この絵を元に衣裳が製作された。衣裳部屋は床山部屋の並び。劇団四季 ミュージカル『オペラ座の怪人』19世紀半ばのパリ。オペラ座に隠れ住む怪人(=ファントム)と、彼がその才能を見初めた歌姫クリスティーヌをめぐる壮大なラブストーリー。現在、清水建設ミュージカルシアター JR東日本四季劇場[秋]にて上演中。2022年1月10日千秋楽。写真・阿部章仁村上佳穗さん劇団四季 舞台美術部 衣裳所属『オペラ座の怪人』衣裳チーフ。幼い頃に舞台衣裳の仕事に憧れ、服飾の学校へ進学。在学中から小劇場の衣裳を手がけ、卒業後に専門学校を経て現職。入団8年目。※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年08月13日私たちを魅了するエンタメの世界。そこには、それを作り上げている多くの功労者たちがいます。ここでは、表舞台を支える“床山”のお仕事をご紹介!その人らしさを感じるビジュアルをヘアメイクで構築。床山とは、いわゆるヘアメイクを担当する部門。ミュージカル『オペラ座の怪人』は、19世紀のパリ・オペラ座を舞台にしているうえ、劇中劇もあるため、劇団四季のなかでもとくにカツラの使用数が多い演目なのだとか。「すべてというわけにはいかないですが、ものによっては毎日メンテナンスするものもありますし、週に1度、日付を決めて手を入れているものもあります。基本的にメインで使用するカツラはこちらでチェックも行っていますが、本番中に髪型が崩れたものなどがあれば、俳優から自己申告してもらったりもします」当時の流行の髪型にかなり忠実に作られているため、なかには髪の毛ひと束ごと細かくねじって巻き留めていたり、細かく編み込まれている複雑で手の込んだ髪型も。「『オペラ座~』の現場に就いたばかりの時には、構造を把握するためいったんすべて解体しながら写真を撮り、一から作り直してみることをしていました。それでもうまくいかなければ先輩に聞きますが、基本は見て学ぶ、ですね」ロングラン公演の多い劇団四季では、一つの役に複数の俳優がキャスティングされている。そのためメインの役に関しては、演じ手の頭に合わせたカツラを用意。「大事なのは、客席から舞台を見た時に、その役のイメージに合っているかどうか。同じカツラでも、俳優の目鼻の位置や顔の形、身長や体型によってだいぶ印象が変わります。ですのでフィッティングしてみて、大きさだけでなく、部分ごとにボリュームを変えたり、もみあげの長さを調整したり、人によっては毛を植えたり抜いたりすることもあるんです」実際に俳優がそれを着けて舞台に立ち、本番の照明が当たって見えた時のビジュアルが、自分の頭の中で思い描いたキャラクターイメージとぴったり合った時が、やりがいを感じる瞬間と山田さん。「生身の俳優が目の前で演じ、歌っている時の熱量や息遣い。そこに照明や小道具、装置…すべてが一つになった総合芸術。それを五感で余さず感じ取れるのが生の舞台の魅力だと思っています」様々な道具を使い分けながらカツラをメンテナンス。現在、公演を担当している床山さんは4人。終演後、必要なカツラを床山部屋に集め、1人につき1日約4体程度のメンテナンスを担当。コテで髪を巻き直したり、場合によっては一からセットし直す場合も。ここに写っているのは、劇中劇「ハンニバル」のカルロッタのカツラ。山田さんは怪人のメイクも担当しており、そこで使用するアイテムも毎日メンテナンスしている。【本番!】写真・佐藤アキラ髪飾りを付けるカツラは、飾りのインパクトに負けないようボリューム感など何度も調整するとか。カールの太さにより様々なコテを使い分ける。写真は3つともヒゲ用。床山部屋はステージの裏に。劇団四季 ミュージカル『オペラ座の怪人』19世紀半ばのパリ。オペラ座に隠れ住む怪人(=ファントム)と、彼がその才能を見初めた歌姫クリスティーヌをめぐる壮大なラブストーリー。現在、清水建設ミュージカルシアター JR東日本四季劇場[秋]にて上演中。2022年1月10日千秋楽。写真・阿部章仁山田梨香子さん劇団四季 舞台美術部 床山所属『オペラ座の怪人』床山チーフ。小学生時代に特殊メイクに興味を持ち、美容学校を経て劇団四季へ。入団当初は『ライオンキング』を担当。現在、入団3年目。※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年08月12日東京・竹芝のホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」(以下、メズム東京)から、『オペラ座の怪人』の世界をイメージしたコンセプトルームが登場。2021年8月6日(金)から2022年1月10日(月)まで、1日1室限定で提供する。予約販売は、8月2日(月)よりスタート。メズム東京×劇団四季『オペラ座の怪人』オペラ座の地下に棲む怪人の歌姫クリスティーヌへの悲恋を、美しく厳かに描いた劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』。本作とコラボレーションを実現したメズム東京のコンセプトルームは、そんな歌姫・クリスティーヌの楽屋をテーマに、物語の世界観をたっぷりと詰め込んでいるのが特徴だ。劇団四季の美術チームも参加完成したコンセプトルームは、劇団四季の美術チームも加わった本格仕上がり。劇中の豪華絢爛な舞台美術や19世紀後半のパリを彷彿とさせるデザインのヘッドボード、 劇中劇「ハンニバル」の額入りポスター、怪人が着用している仮面のレプリカなど、今回のために制作したオリジナルアイテムが、『オペラ座の怪人』の世界観を盛り上げる。“暗闇のミラー”に浮かび上がる怪人の仮面また楽屋の鏡の中から怪人が現れ、クリスティーヌを地底深くへと誘ったように、バスルームのミラーにも一捻り。暗闇の中、怪人の仮面がミラーに浮かび上がる、“あの名シーン”を楽しむことができる。特製アメニティもそのほかコンセプトルームは、特製アメニティも充実。「劇団四季×mesm」のロゴ入りアメニティポーチや、19世紀パリ発祥の伝統菓子なども取り揃えている。【詳細】『オペラ座の怪人』コンセプトルーム提供期間:2021年8月6日(金)~2022年1月10日(月) ※22年1月11日(火)チェックアウト分まで発売日:8月2日(月)AM10:00~住所:東京都港区海岸1丁目10-30 メズム東京、オートグラフ コレクション客室タイプ:チャプター1 ツイン(40平方メートル)1泊料金:69,950円~(1~2名/朝食なし)・朝食「メズム・ブレックファスト」付きの場合:1名74,250円~/ 2名78,550円~※料金は税金・サービス料を含む。<特典>・「劇団四季×mesm」のロゴ入りアメニティポーチ(非売品)※ひとり一点。・ウェルカムスイーツ&スパークリングワイン【予約・問い合わせ】TEL:03-5777-1111(代表/スターサービスセンター)
2021年08月02日1983年の日本初演以来、驚異的なロングランを続ける劇団四季ミュージカル『キャッツ』。7年ぶり4度目となる福岡公演の開幕を前にキャナルシティ劇場で行われた舞台仕込み取材会で、舞台監督の福永泰晴氏と舞台美術家の土屋茂昭氏に、舞台装置やデザイン、『キャッツ』の世界観について話を聴いた。『キャッツ』の舞台は都会のゴミ捨て場。客席に足を踏み入れた途端に広がる"キャッツ・ワールド"を築き上げる舞台美術は、本作の見どころのひとつ。猫の目線に合わせて実際の3~5倍の大きさで作られた2,500~3,000ものゴミのオブジェが、舞台だけでなく2階席まで劇場全体を埋め尽くし、まるで自分も猫になったかのような気分を体感できる。「でも猫の目線を味わうためだけじゃなくて…」と語るのは土屋。「『ユタと不思議な仲間たち』の公演で東日本大震災の被災地を回った時、被災者の方ががれきの山から取り出した物の砂をはらっている光景を見て、ゴミは思い出の塊なんだということを強く意識するようになりました。だからここも、いろいろな思い出が集積した場所なんだと改めて思いますね」ゴミのオブジェといえば、上演地ゆかりの"ご当地ゴミ"を探すのも劇場での楽しみのひとつ。今回も、「めんべい」や「チロリアン」のパッケージ、福岡ソフトバンクホークスの帽子など、24種類34点のご当地ゴミのオブジェが飾られる。そして、土屋がもうひとつのお楽しみを教えてくれた。「セットの中に、ひとつだけ四つ葉のクローバーが隠されています。場所が変わるので、来る度に見つけてくださいね。幸せのおすそわけです」劇団四季によるキャナルシティ劇場での長期公演活動は、今回の『キャッツ』福岡公演をもって終了となる。前回、7年前の『キャッツ』福岡公演が本作の舞台監督としてのデビューだったという福永は、「今回、同作品でこの劇場に戻って来られたことに、なんだか運命的なものを感じています。(先月閉館した)東京・大井町のキャッツ・シアターと比べて、劇場公演は舞台と客席の距離が近いので、より臨場感があると思います。まるでアトラクションのようなこの空間を楽しみに来てほしいですね」と力強く語り、土屋も「劇場だと、2階からという、また違った視点からも楽しめます。そしてこのキャッツ・ワールドを構成するセットやオブジェも、できるだけ近くで細かいところまで見てほしいですね」と笑顔で締めくくった。福岡公演は、7月27日(火)にキャナルシティ劇場にて開幕。チケットは発売中。
2021年07月19日