料理レシピをラップに乗せて、おうちごはんの楽しさを伝えてきたDJみそしるとMCごはん。現在Eテレで放送中の初の冠番組『ごちそんぐDJ』をDVDでリリースする。「実際に試作をしてレシピを起こし、曲を書いて歌って映像を作る、という私のやり方そのままの番組だったので、依頼された時はビックリでした。でも大学の卒業研究で最初に作品を作った時、いつかEテレで私の歌が流れるといいな、と思っていたので、すごく嬉しかったです」『ごちそんぐDJ VOL.1』には昨年放送された12メニューを収録。映像に登場するピエール瀧(電気グルーヴ)、Bose(スチャダラパー)、SU(RIP SLYME)など豪華ゲスト陣も話題だ。「錚々たる皆さんが出てくれているのに、誰も歌わない番組です(笑)。ミュージシャンの無駄遣い、と言われながらも楽しく作っています」メニューを決めたら、収録までに試作し、レシピを完成させてリリックを書く。同時にトラックを作り、録音まで全て自宅で作業するそう。料理家、ラッパーにトラックメイカーと、マルチな活躍に改めて驚く。「一生懸命レシピを考え、味が決まったら、テンポやビートが浮かび、試作中に感じた楽しいことを歌詞にします。トラックも材料や雰囲気に合わせたものになります。ローストビーフだったら、塊肉のような重厚感のある音で、とかそんなふうに」このユニークな発想があるから、彼女のくいしんぼうHIP HOPは面白くて、学べることもいっぱい。今すぐに作りたくなる料理ばかり。そしてこのDVDと同日にシングル『THIS IS ISETANUNDERGROUND』もリリース。伊勢丹の「解放区」で行われる食をテーマにしたイベントのために書いた、コラボソングだ。「食欲と物欲を爆発させても誰も怒らない、もしかして世界一楽しい場所がデパ地下。行く度に新しいものと出合って幸せになるので、その気持ちを歌にしました。このイベントは消えない食べ物をテーマにした食の文化祭と聞いているので、私も初日に並んで、いっぱい買い物をしようと思っています(笑)」テレビから最先端イベントまで引っ張りだこの、ユニークな才能の持ち主。ますます多方面に転がって、面白いものを見せてくれそうです!◇DJみそしるとMCごはん2013年にデビューした、音楽と料理の新たな楽しみ方を提案する自家製ラッパー。『ごちそんぐDJ』(NHK Eテレ)出演中。◇伊勢丹解放区とのコラボCD!『THIS IS ISETAN UNDERGROUND』 【限定盤CD+伊勢丹チェック柄トートバッグ】¥3,500開催中の伊勢丹「TOKYO解放区」イベント“食にまつわるエトセトラ~平野紗希子の食文化祭”で販売。【通常盤CD】¥500◇NHK Eテレで放送された映像集 『ごちそんぐDJ VOL.1d』 【初回生産限定盤DVD+カセット】¥3,900昨年4月から放送された番組12 本と未公開映像を収録。特典として音源入りカセット付き。【通常盤DVD】¥2,600(Ki/oon Music)※『anan』2015年10月7日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子
2015年10月06日先日、ニューシングル『生きる(って言い切る)』のリリース日当日に、音楽活動の“小休止”を宣言した森山直太朗さん。予期せぬ発表に、「なぜ?どうして?」という声が湧き起こっている。「ちょうど1年前くらいから考えていたことで、6月にツアーが終わった段階で休もうと思っていました。最初はスタッフから勧められたので、僕自身も、えっ?とその時は思いましたよ。全く不満も何もなかったので。でも長年、アルバムを出してツアーをして…というサイクルを続けていると、ふとしたボタンの掛け違いで活動が先細っていったり、頭打ちになっていくこともある。それは表現や創作活動をする上で、致命的なことなんですよね。だからこそ今、一度足を止める必要があるのかなと感じ、決めました」しばらく森山さんの情感たっぷりの歌声が聴けなくなるのは、本当に寂しい。でも彼の決断は、未来に向かう前向きなものと信じたい。「いい状況の時ほど、見失ってしまうもの、見落としているものってありますよね。後から『実はそうだったのか』って気づくような。音楽とは感性の仕事だと思っているので、日常的に自分なりの感覚や呼吸がないと、成立しない職業です。これが良き決断かどうかは、これから自分が何をするかによりますが、客観的な目線で、表現や創作の正義をとったのだと思います」当初は6月に終了した全国ツアーを最後に休む予定だったそうだが、「今の自分を表すような一曲を提示したい」との気持ちで新曲『生きる(って言い切る)』を書きあげた。「“生きる、生きる”というフレーズが繰り返され、後ろに流れるギターも同じフレーズが何度もループするアレンジの曲です。その淡々とした繰り返しが人間の営みにもリンクする、そんな曲になりました。自分の中の節目というか、ターニングポイントとなる曲になったし、今の自分の状態がそのまま反映されている曲なので、どうあがいても逃げ道がない。今までのシングルとは周りのざわざわ感が全く違うし、強い意志を持ってリリースする一曲です」なお、シングルとしては珍しく、ライブ音源が5曲もカップリングされている。それも6月の全国ツアー「西へ」のファイナルステージのライブ。ファンにとっては嬉しいプレゼントになるはず。「いままで誰かの“活動休止”みたいなニュースを見ると『黙って休めばいいじゃん』とか思ってたほうなので、本当は発表するのはイヤでした(笑)。きっと僕も、同じように言 われているんだろうな。でも僕は生来怠け者で、時間があれば堕落していくタイプ。言っちゃったら、責任も出てくるから、それを見越して発表しました。デビュー以来、音楽活動をやめることはなかったし、戻ってきた日には、待ってくれていた方々の期待のハードルも高いでしょう。自分で決めたこととはいえ、抜き差しならない状況であると、今さらながら気づいてきました」来年再び、颯爽と戻ってくるのを待っています!◇もりやま・なおたろう9/23のテレビ朝日『M U S I C S TAT I O N ウルトラFES 』などに出演後、9月下旬より活動を小休止。来年には再開を予定。なお、親友・綾小路翔との男のデュエット曲『ライバルズ』も好評発売中。◇21st Single『生きる(って言い切る)』¥1,600タイトル曲の他、全国ツアー「西へ」のファイナルのステージより「生きとし生ける物へ」や「愛し君へ」など5曲のライブ音源を収録。(Universal Music/EMI Records)※『anan』2015年9月30日号より。写真・佐山順丸文・北條尚子
2015年09月25日アイドルへの楽曲提供や有名アーティストのリミックスで、瞬く間にその名を浸透させたtofubeats。2作目のフルアルバム『POSITIVE』は、有名アーティストをゲストに迎えた、最新型コラボレーションアルバムだ。「僕はゲストが決まってから曲を作るタイプ。その人のために一から作ることがモチベーションになるんです。まだ曲もないのにオファーする、というリスクの高いことをやったのですが(笑)、みなさん快く受けていただき、ありがたかったですね」くるりの岸田繁に小室哲哉、KREVA、Dream Amiなどワクワクするようなゲストリスト。それぞれの個性と魅力が、tofubeatsのデジタルなトラックとミックスされ、驚くような意外性も生み出している。いま最も才能を輝かせているトラックメイカーの感性とテクニックが、ぎっしり詰まった作品となった。「こんなにすごい方々の声やプレイを、堂々と合法で使えるのがメジャーのいいところですね(笑)。今回、自分に課した裏テーマとして、全て積極的に行く、ということがあった ので、仮のタイトルで“POSITIVE”と呼んでいたのですが、人選から曲作り、レコーディングまで険しい過程を乗り越え、そのタイトルにブレないアルバムが完成したと思うので、(仮)を取って、本タイトルにしました」次々に話題になるオリジナル作品とともに、リミキサーやソングライターとしても活躍中のtofubeats。つい最近も平井堅のシングルのカップリング曲「ソレデモシタイ」のリミックスを手がけるなど、その独特の才能は引く手あまただ。ちなみに本誌をはじめ女性誌の熱心な読者。というのも女性アーティストに「こんな歌詞歌いたくない」と言われないよう、女性誌を読んでウラを取っているのだそう。なるほど。「この曲いいじゃん、へえ、これもトーフなんだ、って(笑)。いろんな場所にtofubeatsというクレジットを見つけてもらい、コイツはいつも面白いことをやってるなぁ、みたいな存在になりたいですね。それには僕自身も変化を続けながらもっと頑張っていかないと」◇トーフビーツデビュー前からももクロなどアイドル作品のリミックスで注目される。一昨年、森高千里らをゲストに迎えたEP『Don’t Stop The Music』でデビュー。神戸在住の24歳。◇2nd album『POSITIVE 』【初回限定盤CD+DVD】¥3,600ゲストにくるりの岸田繁、KREVA、小室哲哉、Dream Ami、中納良恵、玉城ティナなどを迎えたコラボ作品。【通常盤CD】¥3,000(Warner Music Japan)※『anan』2015年9月23日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子
2015年09月22日メンバー全員が「過去最高だった」と声を揃える全国ツアーを終え、その勢いも封じ込めたニューシングル『渦と渦』をリリースするNICO Touches the Walls。この2年間は1か月間の籠城型ライブをしたり、アコースティックアルバムを制作するなど、大胆なアプローチに挑戦。そこで掴んだ経験がバンドに変革をもたらし、この新曲にも影響を与えたようだ。「この2年は自分たち自身を見つめ直す時間でした。どんなミュージシャンなのか、本当に得意なことは何かとか、歌の作り方からライブのやり方まで、一個一個突き詰めて全て 考え直したかな。僕は声の出し方、歌い方まで変わりました」(光村)「アコースティックアルバムの制作とライブは刺激的でしたね。3人がドラムに近づいてきた感じが楽しく、曲のイメージや表現が変わっていくのが新鮮だった。バンドとしてもす ごく成長したと思います」(対馬)その成果を発揮したのが5~7月に行った“まっすぐなツアー”。「いちばん変わったのは、お客さんとのコミュニケーションのとり方や、空気感の作り方。曲の表情を真ん中に置いて、一緒に楽しむ感覚でした。一方通行でないライブを作ることができたと思います」(古村)「ライブやレコーディングは生活外のものだったけど、加速度的に生活の中のサイクルのひとつになってきました。技術も追いついてきて成長している実感があり、最近それが気 持ちいいんですよね」(坂倉)次なる新しいステージに入ったNICOの新曲『渦と渦』は豪快なギターロック。TVアニメ『アルスラーン戦記』のオープニングテーマだ。「渦とは大きなつむじ風が2つあるイメージで書きました。台風のように、風の渦と渦が集まれば強い対流が生まれ、もっと強くなれると思う。そのためにはファンのみなさんを巻き込んで音楽を共有し、一緒に育てていきたい。共に新しいステージへ進もうという思いも、この曲に込めています」(光村)第一の渦はバンドで、もう一つの渦はNICOのファン、だろう。一緒に巻き上がれば、彼らが望むファンとの幸福な関係が、さらに強固なものになっていくはずだ。◇ニコ・タッチズ・ザ・ウォールズ右から、坂倉心悟(B)、対馬祥太郎(D)、光村龍哉(V&G)、古村大介(G)。年末年始に大阪城ホール(12/23)と日本武道館(2016年1/8)でスペシャルライブを行う。◇18th Single『渦と渦』TVアニメ『アルスラーン戦記』OPテーマ。【初回生産限定盤CD+DVD】¥1,666DVDには「アコタッチと呼んでみて☆vol.5」新作ライブ映像を収録。【通常盤CD】¥1,203(Ki/oon Music)※『anan』2015年9月9日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子
2015年09月08日メジャーデビュー曲が話題の映画『ビリギャル』の劇中歌という大役を射止めたSakuさん。夢に向かって疾走するギター女子は、実は渋谷タワーレコードの看板娘なのだ。Sakuさんは中2で曲作りと演奏活動を始め、高校生になってからは路上ライブをしていた。その間、10代対象のコンテストで2度のファイナリストに。そして音大に進学後、タワレコでバイトを始めた。「タワレコに応募したのは、もっと音楽を知りたかったから。私としては普通だと思っていたけれど、タワレコ店員がミュージシャンになって、こんなふうに面白がってもらえるとは思いませんでした(笑)」仕事は都内のライブハウスでのCD出張販売。現場で出会った人々からアドバイスやサポートを受け、彼女の音楽性はどんどん豊かなものに。「職場の先輩方は音楽に詳しい人ばかりなので、いい音楽をたくさん薦めてくれました。タワレコで働いていなければ、いまの音楽は生まれなかったと思う。同時にプレッシャーも感じていたので、自分らしいオリジナルを作りたいと、貪欲に頑張ってきました」新作『Girls&Boys e.P.』は4曲入りミニアルバム。インディー系ギター・ポップ、オルタナティブ・ロックに影響を受けたサウンドに独特な歌詞を乗せ、ハスキーな歌声を聴かせる。「タイトル曲は去年から続けている自主企画ライブの名前です。毎回私が好きなバンドにゲストに来てもらい、共演しています。同世代のアーティストと一緒に頑張っていきたいと思っているので、そのテーマ曲として作りました」前作に続き、彼女が尊敬する吉田仁(サロンミュージック)やカジヒデキという“元祖渋谷系”アーティストが参加しているのも楽しみだ。「渋谷タワレコのインストアライブでは、終了後に自分でCDを販売して、レジも打ちまーす(笑)」そんなことができるのも、現役の“看板娘”ならでは!◇さく1st album『FIGHTLIKE A GIRL』と映画『ビリギャル』劇中歌『STARTME UP』の2作品で4月にメジャーデビュー。現在も『タワーレコード渋谷店』スタッフとして活躍中。3rd mini album『 Girls & Boyse.p.』【初回限定盤CD+DVD】¥1,800タイトル曲と『FIGHT LIKE A GIRL 』のMVとメイキング映像付き。【通常盤CD 】¥1,500(Sony Music Associated Records)※『anan』2015年9月2日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子
2015年09月01日ホッとするような温かな歌声で、数々の名曲を生んできたハナレグミ・永積 崇さんが4年ぶりにアルバム『What are you looking for』をリリース。収録曲のうち半分は、他アーティストとのコラボナンバーという新しいアプローチで作られた作品だ。「偉大な人たちに教えを乞うという『西遊記』みたいなアルバムですね。自分一人で創作することにあんまり面白みを感じなかったし、新作を作る度に歌詞の書き方を忘れちゃうので(笑)、うまい人に教えてもらおうという気持ちでお願いしました。いろんな人の言葉やメロディの力で、僕の歌がもっと鳴ってくる。そんな期待があったんですよね」アルバムに入ったのは野田洋次郎(RADWIMPS)、YO-KING(真心ブラザーズ)による提供曲に加え、大宮エリー、池田貴史(レキシ)、辻村豪文(キセル)、堀込泰行(ex.キリンジ)との共作楽曲。「こんなふうな曲で、とは一切お願いしてないんです。それぞれが持っているあの“感じ”を貸してほしかったから。でもでき上がった作品はどれも、うまく僕のことを取り入れてもらっている気がしました。ただ、歌詞の書き方を教えてもらおう、とお願いしたYO-KINGさんは、最初の2行からもうスゴすぎて、思わず『天才ですか!』と。僕を見て降りてきたフレーズだそうですが、天才すぎて全然学べなかった(笑)」この4年間、永積さんはブルースばかり聴いているとか。音楽だけでなく、ブルースマンの写真集を見て、DVDでライブを観て、という日々。「そしたらギターを習いたくなって、本場のニューオーリンズに行っちゃったんですよ。一人で怖そうなバーに震えながら入って、オジイちゃんのブルースマンに教えてもらいたかったけど、そんな人全くいなくて。ミシシッピ川で『いねーよー!』と叫んで、どうすんだオレ、みたいな(笑)。結局、ベテランのブルースギタリスト・吾妻光良さんとライブで共演したほうが衝撃でした。カッコいいフレーズを弾くだけではなく、音の向かう先とかスピード感が学べた気がして。ずっとブルースを聴いていたのも、自分の歌がどういうものか知ろうとしていたのかな」魅力的な人たちとの共演や共作で手に入れた感覚は、この新作にしっかり入っている。古い機材を使ってレコーディングしたサウンドは、とても心地よくて、こんな素敵な音楽に触れることに感謝したい気分。「僕は、いつも世の中に伝えたいことがあるわけじゃない。何でもないことを、各々が眺めているという関係がすごく好き。何でもないことをポーンと歌い、聴いている人たちも自分なりのシーンを眺めている、それが自分にできるメッセージかな、って。そう思いながら、どんどん遊んでいきたいと思っています」◇ハナレグミ永積 崇によるソロユニット。今夏は各地のフェスやイベントに出演するほか、9月からは弾き語りツアーも予定されている。◇6th album『What are you looking for』【完全限定生産盤CD+Book】¥4,000タイの旅の写真と永積さんのイラストなどを掲載した書籍付き。【通常盤CD】¥3,000(SPEEDSTAR RECORDS/Victor Entertainment)※『anan』2015年8月26日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・北條尚子
2015年08月25日メジャーデビュー5周年を迎えた高橋優が、初のベストアルバム『笑う約束』をリリースした。全てのシングルに加え、彼自身が選んだ曲、さらにファン投票1位の曲と新曲まで入った30曲。路上の弾き語りから音楽活動を始めた彼の真摯な思いが伝わり、心が騒ぐアルバムだ。「インディーズ時代のアルバムから全曲聞き直してみたら、“今日より明日もっと笑っていたい”というメッセージの曲が多かったんです。僕はずっと歌いながら、リスナーのみなさんに“いつか一緒に笑えたらいいね”という約束を取り付けてきたんだなと感じて、最初にタイトルを『笑う約束』に決めました」収録する29曲を決定し、最後の1曲はファン投票に委ねた。選ばれたのが、全く予想外の「リーマンズロック」。まだデビューする前に作った古い曲。CD化もされていなかったので、急きょレコーディングした。「すごくビックリしたと同時に“してやったり!”な気持ちもありました。僕の中で大切な曲だったし、弾き語りライブでは必ず歌っていた定番ですが、最近はずっとベンチにいた曲。ファン投票で日の目を見るなんて嬉しかったですよ。ベスト盤とはいえ、単なるシングルの寄せ集めにはしたくなかった。こういう形の新録や、新曲も3曲入ったので、最新作として聴いてほしいですね」アルバムを聴いて気づくのは、みんなで歌える歌がたくさんあるなぁ、ということだ。高橋さんと一緒に声を嗄らし、最後はみんな大きな笑顔。そんな光景が浮かんでくる。「昔は自分が思う正論を、誰に聴かせるでもなく歌っていましたが、それだけでは変化もないし、新しいものを生み出せないと思うんですよ。一生歌い続けていくために、人としてもっと大きくなりたい。それには自分の足をすくって短所を覆す、というのかな。最も苦手とする社交的な人になろうと決めたんです」それ以来、真面目な気持ちで“社交的になろうキャンペーン”に邁進中。LINEを駆使して、友人とマメに連絡を取るようになったそう。「昔は誰かに誘われても、すぐ断るようなつまんない人間でしたが、いまはすぐ行きます(笑)。故郷の友人から仕事で知り合った方まで、いろんな人々の話をじっくり聞くと、面白いんですよ。会話の中で自分から思いもよらない答えが出てきたり、視野が広がった気がします。いままで書けなかったような新しい歌が、明日は書けるかもしれない、そんな期待もしています」以前よりもオープンマインドになった高橋さんの新しい歌、またみんなを笑顔にするに違いない。◇高橋優たかはし・ゆう大学入学後から札幌で路上弾き語りを続け、2010年『素晴らしき日常』でメジャーデビュー。10月からは武道館2DAYS含む全国ツアーを開催。◇「高橋優 BEST 2009-2015『笑う約束』」【初回限定盤2CD+DVD】¥3,900DVDにはデビューから現在までの5年間の軌跡とファンクラブ限定LIVEを収録。【通常盤2CD】¥3,200(WARNER MUSIC JAPAN)※『anan』2015年8月5日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子
2015年08月03日空前の大ヒット作となったディズニー映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌『Let It Go』を歌い、日本を代表する歌姫になったMay J.。待望の新曲『Sparkle-輝きを信じて-』をリリースする。彼女自ら作詞を手がけたこの曲は、ニンテンドー3DS用ソフト『ディズニー マジックキャッスルマイ・ハッピー・ライフ2』のテーマソング。『アナと雪の女王』に続く、ディズニーとのコラボレーション作品です。「今回は完全なオリジナルナンバーの制作だったので、私の感覚でディズニーらしい曲を作ろうと思いました。小さい頃からディズニーソングが大好きで、たくさんの曲を聴いて育ってきたので、好きなワードが頭の中に入っているんです。曲を聴きながら浮かんできたキーワードを入れて、作詞していきました」最初に彼女が英語詞を書き、それを翻訳したものを、日本語詞にしたそう。ディズニーソングの王道ともいえるミドルバラードを、リスナーにマジカルなパワーを与えてくれるかのようにダイナミックに歌う。「思い描いている夢があるなら、それは叶えるためのものだと、私は思っています。自分には無理、とネガティブな気持ちを持つと夢は遠ざかってしまう。諦めずに歩き続けよう、というメッセージを伝えたくて、歌詞を書きました。ネガティブな言葉は全く出てこない歌です。自分を信じて奇跡を起こしてほしいから」実はこのコラボが決まる前から、May J.さんは前作のゲーム『ディズニー マジックキャッスルマイ・ハッピー・ライフ』をプレイしていたそう。しかも、かなりのスゴ腕のようです。「今まであまりゲームをしたことがなかったんですが、これはハマりました。ディズニーランドの中に入ってカフェを開き、キャラクターたちと協力しながらシールを100枚集めるのが一つの目標なのですが、気づいたら95枚ありました!このゲームの中で、いろんな苦労と挑戦を繰り返してきた経験が『Sparkle』の歌詞にも、すごく反映されていますね(笑)」先日放送されたTV番組『アナザースカイ』で、今まで見せたことのないプライベートなアメリカ武者修行を披露した。歌やダンスにストイックすぎるほどの努力を続ける姿勢が多くの人の感動を呼んだ。「LAはデビュー前からレッスンに行っていた場所なので、あそこに行くと昔の悔しさを思い出すんですよね。どうしてうまく踊れないんだろう、どうしてパワフルに歌えないんだろう、って。ビヨンセみたいに歌いたいとか、昔から目標だけは大きくて、でもそこに向かって努力するのが好きでした。原点の場所を久々に訪ねて、私はまだまだだな、と思いました。私生活を充実させるより、仕事が好き、歌が好き。全ては歌のためにと、10代の頃からずっと準備をしてきた感じです」成功を掴んだ今もたゆまぬ努力で、自分自身を更新し続けるMay J.さん。いま最も煌めく存在です。◇May J.メイ・ジェイ2006年、ミニアルバム『ALL MY GIRLS』でデビュー。昨年『Let It Go~ありのままで~』が大ヒットし、紅白歌合戦に初出場。今年1月には日本武道館で初ライブを行った。◇8th SINGLE『Sparkle』【CD+DVD】¥2,000特典DVDには「Sparkle-輝きを信じて-」と「北極星~Polestar~ feat.SHOW」のMUSIC VIDEOを収録。【CDシングル】¥1,300(rhythmzone)※『anan』2015年8月5日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子
2015年07月29日数々のバンドで音楽シーンに偉大な足跡を残し、現在はThe Birthdayを率いて、47歳のいまなお第一線を走り続けるチバユウスケさん。やはり、作る音楽も年齢とともに変わってきているのでしょうか?チバさんの音楽性の変化を通して大人の魅力を探ります。* **どうだろう、徐々に変わってきたのかな。そもそもパンクロックって、“なんじゃコラー!”という怒りの音楽だから。そこから始まってるから。でもいまは、怒りだけではなくなったかな。みんないろんな考え方があるからさ。ただ、それも含めて全部ぶっつぶしてやろうというさ。受け入れるんじゃなくて、ね。それがいまのオレのPUNK精神みたいなこと。ただのクズじゃねえ、パンクであるべきだと思う。年をとり、自分の出発点を忘れがちだったから、そこを取り戻そうかなと思ってる。――大人になったパンクロッカーの心情と考えていいでしょうか。昔は、ライブに来るヤツらも全員敵だと思っていたから全く信用してなかったけど、いまは信用してもいい仲間だと思えるようになった。オレたちの音楽を好きだってことが分かるようになったからね。気分的には、ライブやって「オーッ」となってるところに、半歩ぐらい近づいていってるかな。――若い男の子がチバさんみたいな大人になりたいと言ったら、どうアドバイスしますか?やめとけ、って言う。誰かをマネするんじゃなくて、音楽を聴くべきだよ。モーツァルトでもドヴォルザークでもThe Birthdayでも何でもいいから、世界が変わるほどガーンと体に響く音楽と出合ってほしい。そうすればきっと自分の中で何かが変わり、いい方向に向かうと思う。ジャンルは何でもいいんだ。「わぁこれだ!」と感じるきっかけが大切なんだ。って、ちょっと大人っぽく、イイことを言っちゃったかな(笑)。◇チバユウスケ今年結成10周年を迎えたロックバンド、The Birthdayのボーカリスト。9/15に日本武道館ライブが決定。9/16にはバンド初のベストアルバム『GOLD TRASH』をリリース。※『anan』2015年7月29日号より。写真・五十嵐瑛仁(TRON management)文・北條尚子
2015年07月28日15年前、RIP SLYMEのキュートなMCとして登場したILMARIさん。日本のHIP HOPシーンを賑わせながらキャリアを重ね、今や若いアーティストたちの憧れを受け、尊敬される存在に。今年6月には、40歳の節目を迎え、『楽園ベイベー』の頃から変わらないBOYSっぽい雰囲気を残しながら、大人として成熟しているところがとても魅力的!大人の男について聞いてみました!* **実はこの取材、オレでいいのかと心配だったんだけど(笑)。このテーマを聞いて、すぐに頭に浮かんだカッコいい大人たちに共通している魅力って、年齢に関係なく、ずっと少年性が残っているところなんですよね。そういう先輩がいてくれないと、オレ自身も安心できない。――えっ、安心できないとは?RIP SLYMEを始めた頃、40歳になったら絶対に(RIPを)やってないと思っていましたからね。でもカッコいい先輩たちがまだまだずっとやってくれているから、オレたちも後に続いていけていると思う。いざ40歳になってみたら、音楽活動のやり方も変わってきているし、一年一年成長しながら、年相応の作り方をしてきています。そういうことが昔は分からなかったんです。――今はもう、ILMARIさんたちが、後に続く後輩アーティストのお手本になっていると思います。そういう存在でいられるといいですね。RIP SLYMEがまだあんな感じにやっているんだから、オレたちも大丈夫だ、と年下の子たちを安心させたいです(笑)。そう考えると、40歳だからって大人にならなくてもいいのかな。でも大人って見た目じゃないですよね。経験と、何を考えてきたか、だから。40 になったから、もうこういうことはしませんとか、自分を正して変えちゃうのはどうかなぁ、と思います。家族に対しては大人でいようと思いますが、仕事面では心を広く持ち、視野を広げながら、いろんな知識を深めていきたいと思う。真面目すぎる大人にはなっていきたくないかな。◇イルマリメジャーデビュー15年目のHIPHOPユニット、RIP SLYMEのMC。7/29にトリプルA面22ndシングル『POPCORN NANCY/JUMP with chay/いつまでも』リリース。※『anan』2015年7月29日号より。写真・押尾健太郎スタイリスト・TEPPEIヘア&メイク・高草木 剛文・北條尚子
2015年07月24日Charisma.comは、現役OLの女子2人によるラップユニット。働きながら活動を続け、念願かなって『OLest』でメジャーデビューを果たした。「平日はほぼ毎日会社が終わってから集まって活動し、土日はライブをやっています」(ゴンチ)と言うゴンチさんは精密機械会社、いつかさんは輸入雑貨の会社で事務を担当。二人は中学・高校からの仲良しだったが、ユニットを始めたいきさつは、かなりユニーク。「大学時代、ロックバンドでボーカルをやっていたんですが、メンバーに『歌というよりラップだね』と指摘されて。それでラップをやろうと思いたって、お兄さんがDJ機材を持っていて、ヒマそうだったゴンチを誘いました」(いつか)当時は女の子らしく「愛だの恋だの、浮ついた曲を歌っていた」ものの芽が出ず、社会人にしかし25歳のとき、心の内に秘めていた文句や言いたいことを曲にした「HATE」をYouTubeにアップしたところ、国内外で大反響。「この曲をきっかけに、会社やOLをテーマにした曲を書くようになりました。会社の方々も知っているので、社長に『おれ、“クズ”なんて言ってるか?』と歌詞を気にされたり(笑)。新しいアルバムは、私たちOLのアイデンティティをリアルに出す作品にしたので、いまやクビ寸前の状況です」(いつか)と、退社覚悟で完成した『OLest』は、「こんな人いるいる!」と深く頷いてしまう同僚やお局、使えない上司やアラサーOLなどを描いた歌がズラリ。とはいえ毒を盛るだけでなく、新種の応援歌としてパワーをもらえるナンバーだ。「昔はお局にやられてクソ、と思っていたけど、いま『お局ロック』を聴くと、お局さんの本当の気持ちが分かります。このアルバムでたまった不満を打破できれば嬉しいですね」(ゴンチ)「みんなが思っていることを、ハッキリ歌ってきた私たちですが、メジャーデビューにあたり、新作はビートもリリックも今まで以上に激しいです。これ以上やるとクドい!と言われそうなので、8曲入りに抑えました(笑)」(いつか)◇カリスマドットコムMCいつか(左)とDJ ゴンチ(右)によるエレクトロラップユニット。10月から始まるワンマンツアー「Nomore ZANGYO!!」では東名阪と福岡をまわる。◇Debut mini album『OLest(オレスト)』¥2,000(WARNER MUSIC JAPAN)話題のナンバー「お局ロック」など、OLワールドの裏表をテーマにした冴えわたるリリックと、エレクトロサウンドが聴きもの。全8曲。※『anan』2015年7月22日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子
2015年07月21日全国から選抜された最強の歌少女たちで結成された全員10代のボーカルユニット、Little Glee Monsterが、新曲『人生は一度きり』をリリースする。「今までのシングルは学校がテーマでしたが、新曲は多くの人の心に響く応援ソングです」(かれん)「聴いてくれる人だけでなく、私たち自身も励まされる曲。レコーディングのときも、私自身を励ます気持ちで歌いました」(MAYU)レコーディング前には全員で話し合いを持ち、より良い作品を完成させるために意思統一を図ったとか。「どういうふうに表現するか、みんなで意見を出し合い、メモがいっぱいになるほど、全員の思い描くストーリーが出ました」(manaka)「本番のレコーディングでも、納得できるまで何度も歌わせてもらいました。やり直すほど完成に近づき、いい作品になったかな」(芹奈)幼い頃から歌手を夢見て、ダンスや歌のレッスンに邁進してきた6人。昭和歌謡から洋楽まで幅広い音楽に触れ、豊かな感性を身につけた。「幼稚園の頃から『歌手になる』と正直に話していました。友達は“はぁ?”って反応だったけど、言ったことが言霊になり、実現した気がしています」(アサヒ)「『人生は一度きり』の歌詞は、歌手を夢見ていた昔の私そのままだと感じました。夢に向かっている人には絶対に共感できる歌。聴いて元気を受け取ってほしい」(麻珠)「歌がうまい、と言われるのは嬉しいけど、目標は聴く人の心に爪痕を残すこと。私たちの音楽でみんなの人生を輝かせたい。そう願いながら頑張っています」(manaka)秋からは初の全国ワンマンツアーが決定。最強歌少女の心打つハーモニーを、ぜひ生で味わってほしい。◇リトルグリーモンスター左から、かれん、MAYU、芹奈、manaka、麻珠、アサヒ。昨年、『放課後ハイファイブ』でデビュー。9月から全国13か所のワンマンツアーを行う。◇3rd single『人3rd single『人生は一度きり/ガオガオ・オールスター』【初回生産限定盤】CD+DVD¥1,700【期間&初回仕様限定盤(ポケモン盤)】CD+DVD ¥1,800【通常盤】CD¥1,200(SonyMusic Records)生は一度きり/ガオガオ・オールスター』【初回生産限定盤】CD+DVD¥1,700【期間&初回仕様限定盤(ポケモン盤)】CD+DVD ¥1,800【通常盤】CD¥1,200(SonyMusic Records)※『anan』2015年7月8日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子
2015年07月06日Dragon AshのKjこと降谷建志が、初のソロアルバム『Everything Becomes The Music』をリリース。12の収録曲は全て彼の作詞作曲であり、さらに楽器演奏も彼一人だけという完璧な“ソロ作品”だ。「去年、Dragon Ashとして『THE FACES』という、バンドにとって最高のアルバムを作り、ツアーを含めた活動で味わったことのない達成感を得たので、それがソロの後押しになったと思う。まぁ中毒といえるほど曲を作り続けているから、バンドには属さない曲も溜まっていくので、それをソロとしてまとめてもいいんじゃないかと。やっとそういう気持ちになれた」ソロワークに彼が掲げたスローガンが、アルバム名の“すべては音楽になる”。Dragon Ashでは聴けない彼の日常生活を想像させる曲や、自分を正直に見つめた“降谷建志”自身の物語を読ませる曲もあり、驚きつつドキドキしてしまう。「ブログと同じかな。ブログって身の回りの些細な出来事を、自分の中で終わらせたくない、みんなに聞いてほしいという心情で書くよね。表現方法は違うけど、全く同じだと思う。何を歌っているかは聴く人には他愛のないことだろうけど、オレにとっては大事なこと。普段歌わないことを歌うとか、楽器を全部自分で弾いているとか、それをこのアルバムでできたことが良かったと思う」とはいえ、一人で音を探しながら楽器を持ち替え、トラックを完成させるのは並大抵の苦労ではないはず。「自分の腕ではここまでしかできない、という失望の部分もある。でもいいところばっかり見せようとはしてないんだよね。楽器を弾けなくても音楽を作れたり、絵が描けなくてもデザイナーになれたり、どんどんインスタントなものが増えているこんな時代に、あえて面倒くさいことを、プライドを持ってやっている。これがミュージシャンなんだ、っていう気概だね」◇ふるや・けんじDragon Ashのフロントマンとしてロックシーンの最前線で活躍。7/20「Dances With Wolves」などライブイベントや夏フェスにオリジナルバンドと共に出演予定。◇『Everything Becomes The Music』【初回限定盤CD+DVD】¥3,400DVDには先行シングル「Swallow Dive」と「Stairway」のミュージックビデオ(監督・神山健治)を収録。【通常盤CD】¥2,800(Victor Entertainment)※『anan』2015年7月1日号より。写真・佐山順丸文・北條尚子
2015年06月30日3人編成のバンド“黒木渚”としての活動を終了し、昨年からソロアーティストとして意欲的に作品を発表している黒木渚。そんな彼女が満を持してリリースする4曲入りのニューシングル『君が私をダメにする』に込めた思い、そして今後の活動への意気込みを聞いた。***「『君が私を…』は溢れんばかりのエネルギーを恋愛に注ぎ、快楽にズブズブと溺れる気持ち良さを描きたかったんです。そうなると恋愛以外のことに対しても、積極的にスーパー鉄人モードになれるよ、って。この曲を聴いてこの夏は絶対に恋をする!というハイテンションな気分になってほしいと思っています」その他の収録曲もセックスを想起させる肉感的なラブソング、周りを振り回す不思議ちゃんの刹那的な恋、ダメ男に惚れた自分に決別する歌と、濃厚な恋愛ソングがぎっしり。「今までは強くてタフで、気高く生きる女を描いた作品が多かったけど、強い女性って、ダメ男に引っ掛かったりしがち。私もそうです(笑)。そんな自分自身の黒歴史もさらけ出し、ガンガン歌い飛ばしたかった。今年はアーティストとして“爆走の年”と決めていたので、4曲全てをリード曲のつもりで書いています」黒木さんの今までを振り返ると、地元・宮崎で中高一貫の学校で厳しい寮生活を送り、音楽的には空白期間。大学に進学して自由を謳歌し、大学院時代、さらに公務員として働きながらバンド“黒木渚”として活動し、デビュー。しかし順風満帆だったバンドを解散し、一昨年ソロになる決心をし、強い気持ちで突き進んできた。「不安もありましたが、全責任が自分にある、という爽快感のほうが大きかったですね。器用に世渡りするより、真っすぐ生きていく方が合っているのかな。追いつめられたところで、どんどんいい作品が生まれてきます。もう音楽を作ることから一生抜け出せないと思う。音楽に煮詰まると、今度は小説を書きだしてしまい(笑)、それも発表しました」今回の恋愛ソング然り、作りたいものをどんどん形にし、世に出す。そんな彼女の湧き上がるクリエイティビティにワクワクさせられる。朗読シーンを取り入れた、彼女ならではの個性的なライブも楽しみだ。◇くろきなぎさバンド編成の“黒木渚”で活動後、昨年、アルバム『標本箱』でソロデビュー。7 月には全国5都市のライブハウスで無料のワンマンライブツアーを行う。◇4th Single『君が私をダメにする』【限定盤】2CD¥1,800特典CDは東京グローブ座のワンマンライブの音源を収録。短編小説『壁の鹿』続編が読めるQRコード付き。【通常盤】CD¥1,200(LASTRUM)。※『anan』2015年6月17日号より。写真・佐山順丸文・北條尚子
2015年06月10日自分自身を真っ白なカンバスにして、カラフルにペインティング!Superflyの新作『WHITE』の世界観は、このインパクトあるCDカバーからスタートします。「最初から『WHITE』というア ルバムを作りたいと思い、制作に入る前から既に完成形のイメージがありました。自分を真っ白にして、いろんな人の感性で染められたい。様々な刺激を受けて化学反応を起こした自分を見たい、という気持ちから始まりました」前作『Force』までのキャリアを振り返れば、コンポーザーの多保孝一とプロデューサーの蔦谷好位置と3人で、長年Superflyサウンドを作り上げてきたが…。「3人だけで純度を高く作ってきたんですが、何事にも影響されず作品を制作してきたことに、達成感を感じたのが『Force』でした。私には珍しく、やりきった感があり、同時に空っぽになった感覚があったんですよね。正直悩みましたけど、今までとは全く逆の、いろんな人に影響される作品を作ってみようと思ったんです」そうしてオファーした先は様々なアーティスト、音楽家から言葉を生業とする詩人までと幅広い。そんな依頼自体、初めての経験で、とても新鮮だったと言う。作家の顔ぶれは共演経験もあるJETのメンバー、クリス・セスター、ケイティ・ペリーのヒット曲を多数手掛けるソングライターのボニー・マッキーなどの海外陣。さらにBONNY PINK、元椿屋四重奏の中田裕二、個性派ロックバンドHeavenstampのTomoya.S。作詞には気鋭の詩人・菅原敏が名を連ね、Superflyを今までにない色に染め上げている。「Superflyをイメージしないで書いて下さい、とお願いしたので、今までの私にはない、個性的で濃い!曲が集まりました。中田さんの曲は男性目線で、驚くほど色っぽい曲でドキドキしましたし、BONNY PINKさんの曲は、ここまでブラックミュージック色が強いロックは初めてだったので、難しかったですね。でも“今までの私じゃない誰か”になりたかったので、今回のレコーディングを通じ、すごく勉強させてもらったと思います」なお『WHITE』の初回生産限定盤には、彼女初の邦楽カバーミニアルバムが付く。その内容は桑田佳祐「Blue~こんな夜には踊れな い」、竹内まりや「Sweetest Music」、井上陽水「帰れな い二人」、RCサクセション「スローバラード」、佐野元春「楽しい時―Fun Time」というスーパ ースターたちの、通好みの名曲だ。「尊敬する方々の作品の力を借りて、全力で歌わせていただきました。どれも難しかったのですが、とくにジャジーなノリの『Blue~こんな夜には踊れない』は、ビッグバンドとの一発録り。その緊張感も楽しみながら、いい経験ができました」様々な色を咲かせる14曲とともに、 スペシャルなカバー曲も楽しめる 『WHITE』。Superflyの新しい歴史を刻む作品になった。◇スーパーフライ2007年のデビュー以来、独自のバンドサウンドで音楽シーンに挑戦し続ける越智志帆のソロプロジェクト。7月から33都市39公演の過去最大規模の全国ツアーを行う。◇5th album『WHITE』【初回生産限定盤】2CD¥3,600ドラマ『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』主題歌「Beautiful」など14曲収録。初回特典CDはSuperfly初の邦楽カバー集。【通常盤】CD¥3,000(Warner Music Japan)※『anan』2015年6月10日号より。写真・押尾健太郎文・北條尚子
2015年06月09日ピアニストの河村尚子が、平成23年度(第62回)芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した。「河村尚子」の公演情報文化庁主催の芸術選奨は、優れた業績をあげた者またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨。芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞をおくることで、芸術活動の奨励と振興につなげる。河村尚子は、世界を舞台に羽ばたく日本の若手ピアニスト。5歳で渡独し、数々の国際コンクールで優勝・入賞を重ね、2006年には権威あるミュンヘン国際コンクールで第2位受賞。続く2007年には、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールで優勝を飾った。日本よりも、むしろ世界が先に才能を認めた逸材だ。今回の同新人賞受賞は、2011年4月の東京オペラシティ リサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」[131]における演奏の充実ぶりが評価されて決定。これからの活躍にもますます注目が集まる。河村尚子の今後の日本国内での演奏活動は、オーケストラ・アンサンブル金沢・定期公演(4月/石川)、仙台フィルハーモニー管弦楽団・定期公演(4月/仙台)、NHK交響楽団・定期公演(4月/東京)、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団・来日公演(6月/横浜・山口)などが予定されている。
2012年03月23日