多発する、高齢ドライバーの事故。それを受けて、見守り用の専用車載器付き保険や、後付けできる急発進防止装置など、事故を防ぐ見守りサービスが増えているという。それはどんなものなのか?経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。最近、高齢ドライバーが起こす事故のニュースをよく目にします。5月には、90歳の女性ドライバーが4人をはね、うち1人が亡くなる痛ましい事故が起きました。交通事故自体は減っています。昨年の死者数も3,694人と過去最少でした(’18年・警視庁)。しかし、75歳以上のドライバーに限ると、死亡事故は横ばいです。人口10万人当たりに換算した死亡事故の件数は、75歳未満が3.8件に対して、75歳以上は8.9件と、2倍以上も起こっているのです(’17年・内閣府)。いっぽう、免許証を自主返納する人も増えました。昨年は約42万人。’16年より約8万人増えて、過去最多になりました(警察庁)。ですが、外出の足として車が欠かせない地域もあります。高齢者の外出が減ると、認知症が進むのではないかなど、家族は心配なことが多いでしょう。そこで、運転を見守る方法を見ていきましょう。まずは、見守りのついた自動車保険があります。三井住友海上の「GK見守るクルマの保険」です。無料レンタルの専用車載器を取り付けて、利用します。運転中に5回以上の急ブレーキやふらつきなどがあると、アラートで運転者に知らせます。高速道路の逆走などは、アラートとともに、あらかじめ指定した家族などに、メールで報告します。また、走行データから月間運転レポートを作成し、本人と家族などに届けます。保険料は、「GKクルマの保険」に、見守りのための特約料として年3,480円が加わります。あいおいニッセイ同和損保の「タフ・見守るクルマの保険」などにも、見守りが付いています。次に、見守り用の車載器をレンタルする方法があります。オリックス自動車の「エバードライブ」は、後付けできる車載器です。速度超過や急ブレーキ、急発進などを記録し、指定された連絡先にリアルタイムで知らせます。「今どこサーチ」では、車が今どこにいるかを、家族はスマホなどで確認できます。月額は2,980円(税別・以下同)です。また、シガーソケットに差し込むだけのレンタル車載器も開発されました。スマートドライブの「SmartDrive Families」です。9月末からサービス開始予定で、月2,480円。事前申し込みで2カ月無料になる特典もあるようです。国は、高齢ドライバーの事故防止のため、自動ブレーキの付いた「セーフティ・サポートカー(サポカー)」の利用を呼び掛けています。とはいえ、新車への買い換えは厳しい家庭が多いと思います。オートバックスセブンの急発進防止装置「ペダルの見張り番」は、取付け工賃込みで3万9,999円。ブレーキを踏む勢いでアクセルを踏んでも発進しませんし、アクセルとブレーキの両方を踏むとブレーキがかかりますので、アクセルとブレーキの踏み間違い事故を防止できます。敬老の日に、親と運転について話してみてはいかがでしょうか。
2018年09月14日こんにちは、まりげです。毎年、この時期になると水辺の事故が増えますね。海や河川、用水路などの事故が起こりやすい場所が身近にあるので他人ごとには思えません。実際、目の前で子どもが堤防から海に落ちたときのことを叔父に聞きました。「泳ぎが苦手な人のことを“かなづち”というけれど、海に落ちたことに驚いて口から息をはいてしまい、あっという間に沈んでいく様子はまさにかなづちが沈んでいくようだった」と、そのときのことを振り返っていました。幸いこのときは、水難救助の知識のある叔父がすぐに救出し無事だったそうです。わが家の長男も一度海に落ちたことがあります。日ごろから、海辺で遊ぶときはライフジャケットを着させていたこと、スイミングを習っていることもあり、パニックにならずに自力で海から上がってこられましたが、落ちたという話を聞いて肝を冷やしました。先日、海水浴に行ったときにはこんなことが。去年購入してまだ数回しか使用していない浮き輪でしたが、気がつくとやぶれていました。隣で泳いでいた人の浮き輪も同じようにやぶれていたので「過信したら危ないんだな」と感じました。これが事故を防ぐための鉄則だと思っています。それから意外と事故が発生するシチュエーションとして多いのが、大人が複数いる場合に「他の誰かが見てくれていると思っていた」というものではないでしょうか。「自分以外の誰かが見ていてくれていると思った」とならないように、誰が誰を見るのか役割をはっきりさせるようにしています。 こんなふうに書くと水辺に出かけるのをためらってしまいそうですが、海や川での体験というのは、子どもにとって忘れられない体験になると思います。わたし自身、幼いころ夏になると海に出かけて、水中の魚を観察することにワクワクして夢中になった記憶があります。安全面に注意して、たのしい夏休みにしましょうね!水の事故については、専門家の記事もぜひ併せてお読みください。【水の事故から子どもを守る!】 第1回 水の事故の危険は通学路にも? どこで、なぜ起きるのか 第2回 水の事故から命を守るためにライフジャケット以外に必要なモノとは 第3回 もし溺れたら「浮いて待て」。次に親がすることは?
2018年08月17日夏になると川や海など水辺での遊びが増えるため、水の事故への予防策が必要になってきます。しかし、何から始めればいいのかわからないという人も多いかもしれません。子どもが遭いやすい水の事故について伺った前回に引き続き、今回は、子どもたちを水の事故に遭わせないための予防策について、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。【水の事故から子どもを守る!】 第1回 水の事故の危険は通学路にも? どこで、なぜ起きるのか 第3回 もし溺れたら「浮いて待て」。次に親がすることは? -->■水遊びで必要なものとは――水の事故の予防のためにはどんな服装をすればいいのですか。砂浜でも川でも、水辺に行くときはライフジャケットを着るのが一番です。溺れたときには体を浮かせて呼吸を確保することが重要となりますが、ライフジャケットであれば、着ているだけでそれができるので、ぜひ着せるようにしてください。また、大切なのは靴を履いておくことです。溺れてしまったときに、靴やサンダルの浮力が体を浮かす助けになります。普通のサンダル、ビーチサンダルでもそうした効果が期待できるので、もし溺れてしまっても靴は絶対に脱がないよう子どもに伝えてください。――ライフジャケットを着る目安はありますか。できればどんなに浅い水辺でも、ライフジャケットを着てもらいたいです。スポーツ用品店に行くと、いろいろな種類のものがあり、安く買えるものあります。とくに、浮くことが難しい小さな子どもたちには、できるだけ着せてもらいたいですね。■海と川で異なる予防法――海では危険な波以外にも、注意すべきこととは何でしょうか。子どもを浮き具に乗らせてそのままにしていたら、あっという間に沖に流されてしまうことがあります。大人が浮き具の紐を持っておく、側に付き添うなどしてしっかりと見ているようにしましょう。地面が冷えてきて海水の温度が高くなる夕方の時間帯は、陸から海に向かって風が流れ始めます。夕方になって肌寒くなってきたら、できるだけ早く上がりましょう。また、波が荒いかなと思ったら、波打ち際でも近づかないことが大切です。――川では、どのようなことに気を付ければいいですか。そこまで大きくない川でも、大きな岩の下流や橋脚の周辺などは、浅いところから急に深くなることがよくあります。そうした川の構造について、しっかりと親子で認識して、足元に注意することが大切です。また、水かさや水の流れの速さが普段と違わないかきちんと確認して、天候の悪いときは川に近づかないことが重要ですね。■親も子どもと同じくらい危険――子どもたちへの声掛けはどのようにすればいいですか。子どもたちには、「危険なところには近づかない」ということを徹底して教えましょう。前回、雨で水かさが増した用水路が危険だと話しましたが、大人も子どもも普段の状態しか知らなかったら、そこが危険な場所だとなかなか気がつかないですよね。親子でいっしょに雨の日の通学路を歩いてみて、危険なところがないか調べてみるといいかもしれません。また、雨の日は遊ばないでまっすぐ家に帰ってくるよう伝えることも大切です。さらに、子どもだけで水辺に行かないように声掛けしましょう。自分の家の近くでは、「どういったとき」に「どういったところ」で水の事故の危険性があるのか、親子で認識をひとつにすることが重要ですね。――子どもだけではなく、親も一緒に注意することが大切なのですね。そうです、そこが重要です。水の事故では、親も子どもも同じくらい危険なので、予防についても親子でいっしょに行う必要があります。たとえば、子どもが溺れてしまって、親が助けに行って亡くなってしまった場合、残された子どものつらさは測り知れません。一生「自分のせいだ」という十字架を背負い、たとえ命が助かっても心は深く傷つきます。大人は子どもたちの危険を予防するばかりでなく、自分の危険にも注意を払ってもらいたいですね。――危険だと思っていなかった場所でも、水の事故は発生してしまいます。予防するとともに、対処法をしっかり知っておくことが重要そうですね。そうですね、「危険なところには行かない」ということを伝えても、じつは大人も危険なところがどこかわかっていないことが問題なんです。大切なのは、万が一流されてもきちんと呼吸が確保できる準備をしておくことです。水の事故については予防も重要ですが、危機管理をしておくことが非常に重要です。――怖がることによって、水辺に遊びに行くこと自体をやめてしまう人もいるそうですが…それは私が一番懸念していることです。せっかく水遊びできる場所がたくさんあるのだから、「怖がらずにぜひ遊びに行きましょう!」と言いたいですね。水辺での遊びは、人間の本能に基づいてすごく満足度の高いものになると言われています。やみくもにただ怯えて、水辺に近づかないのはもったいない話ですよね。ライフジャケットを持ち、携帯電話で119番かけられるようにしていれば、不幸な事故が起きることはめったにありません。ぜひ、できる予防策を取って、水辺での遊びを楽しんでもらいたいですね。次回は、水の事故に遭ったときの対処法について引き続き斎藤教授にお話をお伺いします。もし溺れてしまったらどのような体勢をとればいいのか、親がすべきことについても、ご紹介します。斎藤秀俊さんプロフィール米国ペンシルベニア州立大学材料研究所博士研究員や茨城大学工学部助手を務めたのち、2003年から長岡技術科学大学教授。2009年から2015年まで同大学の副学長を務め2016年から現職。2011年から同時に水難学会会長として多角的に活動している。
2018年07月24日全国的に暑い日々が続く中、川遊びや海水浴、など水に触れ合う遊びがめじろ押しの夏休みが始まりました。しかし、毎年水の事故で死亡したり、行方不明になったりする子どもは後を絶ちません。また西日本豪雨など、大雨によって起こされる災害では、普段安全な場所も危険なエリアとなってしまう可能性があります。なぜこのような重大な事故が起きてしまうのでしょうか。水の事故でこれ以上悲しいニュースが起きないようにするために、今回は、水の事故が起きる理由やどういった場所で事故が多いのかなど、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。水難学会とは「ういてまて」を中心とする水難救助を推進し、また「誰もが水難から生還するにはどうしたらよいか」の答えを出すために学問として普及することで、水に親しむ社会の発展に寄与することを目的として設立。■水の事故は、「通学路」でも起きている――とくに子どもが遭いやすい水の事故はどのようなものですか。まず、子どもだけで行動して水の事故に遭う場合と、大人がいる場合と、2パターンあります。そして、それぞれに遭いやすい事故というのは変わってきます。・子どもだけなら、近くの川や側溝で起きる事故が多い・大人がいると行動範囲が広がり、海で起きる事故が多いという傾向にありますね。じつはプールでは、近頃事故はめっきり少なくなりました。――子どもだけで事故に遭ってしまう理由について聞かせてください。最近よく起きているのは、用水路や側溝で流されてしまうという事故です。その多くが通学路で発生しています。普段は水が流れていない用水路や側溝が、雨水がたくさんたまっていると、その中に子どもが足を入れて遊んでしまうんですよね。それが平らなところであれば、水の流れも強くないので、とくに何も起きません。しかし、坂道にある場合には流れが強くなり、足をとられてしまいます。こうしたところでは、秒速1メートル程度の速さとなることが多くあります。これはウォータースライダーよりも速いのですから、予想以上に流れは速いと思っていただきたいです。――子どもたちだけで川に行って起きる事故はどのようなものが多いですか。川の構造として、浅いところが続いていても、急に深くなることがあります。プールに慣れている子どもたちは、一般的に徐々に深くなっていくと思っているので、そういった川の構造が理解できにくく、また上から見てもわかりにくいんです。そうするといきなり深みにはまってドボンと沈んでしまいます。そのとき沈みやすい垂直の姿勢だと、そのまま上がってくるのは至難の業です。さらに、「助けて!」と叫んで手を挙げてしまうと、ますます深く沈んでしまうのです。その後1人目が沈むと、2人目が「どうしたの」と言って近づいてきて沈み、3人目も同様に沈んでしまうことがあります。川で子どもたちだけで事故に遭ってしまうと、3人くらいが同時に亡くなってしまうことが多いのです。■大人が溺れると、子どもも一緒に溺れてしまう――大人が一緒にいても、被害に遭うのはやはり子どもが多いのでしょうか?けっして子どもの方が水の事故に遭いやすいというわけではありません。大人がいると行動範囲が広がるので、川やため池、海など、いろいろな場所で事故が起きますが、大人が流されてしまう危険性もじつは高いのです。もしも親が溺れてしまって姿が見えなくなったら、子どもも後を追って一緒に溺れてしまうことがあります。親は、自分が溺れる危険性をしっかりと認識する必要があります。――大人と子どもが一緒の場合、どういった事故が起きやすいのでしょうか。川や海では水に沈んでしまう事故が多く、海では転落事故もよく起きます。防波堤から転落してしまうと、護岸は多くがコンクリートで固められているので、上がる場所がないんですね。そして助けを呼ぶうちに、力尽きてしまうのです。また、最近クローズアップされている、「ため池」での事故もあります。ため池は護岸が斜めに切ってあって、水の中に入ってしまうと、なかなか上がってこられないのです。見た目ではそれほどきつい傾斜に見えないのですが、水中では陸上よりも摩擦力が小さくなってしまうため、非常に上がりにくい。慌ててパニック状態になって一生懸命上がろうとすると、反動でもっと深いところに落ちて行ってしまうということがあります。■安全と思える場所にも危険がある!――海の事故で「離岸流(りがんりゅう)」という言葉をよく聞きますが、実際に離岸流による事故は多いのですか。離岸流とは、海岸の近くで岸から沖に向かって一方的な速い流れのことですが、じつは水難事故を直接引き起こしたと科学的に証明された例はあまりないんです。怖いのは、子どもが浮き輪やボートに乗っているときに流されて、親がそれを追いかけて沈んでしまうことです。それは、風によって海が流れる「吹送流(すいそうりゅう)」が影響していることもあります。この「吹送流」は、「離岸流」よりもよほどスピードが速くて危険です。――砂浜で遊んでいても、波にさらわれることがあるそうですね。2014年に新潟県上越市の波打ち際で遊んでいた子どもを含む5人が亡くなる事故が起きました。その調査をした結果、「戻り流れ」が発生したということがわかりました。戻り流れは、汀線(ていせん)(海面と陸地が接する線)に対して、砂浜が垂直に波打っているような海岸で発生します。波が戻ってくるときに、低いところに全部集まってしまうので、水の勢いがとても速くなってしまうんですね。その流れに巻き込まれると、波打ち際にいてもあっという間に波に飲み込まれてしまうのです。――事故に遭うはずがないと思っていても、水辺ではどんな状況でも油断はできませんね。そうですね、まず事故が起きるはずはないと軽く見ている、怖さがわかっていないという前提が大きいですね。そして、実際に溺れたり転落したりしてしまうと、焦ってパニック状態になり、大きな事故になってしまうことが多いのです。急流や高波がある場所ではみんな怖がって近づきませんから、水の事故はほとんど起きませんが、安全そうに見える場所に落とし穴があるのです。危険だということに気づいた瞬間にはもう遅いということもありますから、けっして軽く見ないということが重要です。次回は、水の事故から子どもたちを守る予防策について引き続き斎藤教授にお話をお伺いします。あらかじめどのような準備をして行けばいいのか、声掛けの方法についても、ご紹介します。斎藤秀俊さんプロフィール米国ペンシルベニア州立大学材料研究所博士研究員や茨城大学工学部助手を務めたのち、2003年から長岡技術科学大学教授。2009年から2015年まで同大学の副学長を務め2016年から現職。2011年から同時に水難学会会長として多角的に活動している。
2018年07月23日ジョージ・クルーニーが運転していた「ヤマハ」の「TMAX」(スクーターの一種)が、「メルセデス・ベンツ」の車にはねられるという事故がイタリア・サルディーニャ島で起きた。ジョージは自身が製作総指揮、監督、主演を務めるHuluのオリジナルドラマ「Catch-22」(原題)の撮影で、同島に滞在していたという。地元紙「Corriere dello Sport」によれば、事故後、ジョージは病院に救急搬送された。骨盤付近に外傷、膝と腕に打撲が見られたが、幸い大事に至らず数時間後に病院を後にしたとのこと。地元警察も「シリアスなケガは負っていない。骨折を含めてだ」と語っているが、念のため、MRI検査が行われ、今後20日間ほど経過観察が続けられるもようだ。事故当時、ジョージはヘルメットを着用していた。ジョージが事故に巻き込まれたことを知った妻のアマルは、すぐさま病院に駆け付けた。病院から治療と検査を終えたジョージに帰宅の許可が出ると、ジョージに付き添って帰っていったそうだ。ジョージの代理人は「People」誌に「ジョージはオルビア病院で手当てを受け、退院しました。自宅で療養中で、元気になるでしょう」とコメントしている。(Hiromi Kaku)
2018年07月11日普段、何気なく使っているものがときに大きな事故を生み出すことがある。私にとって “自転車” がまさにそれでした。普段から気をつけていても、ふとしたタイミングで事故は起こるもの。今日、自分が加害者・被害者になってしまう恐怖を目の当たりにして、今回学んだこと・実は知らなかった事故に関する知識をご紹介します。前を見てたのに事故って起こるんだ…。事故が起こったその日、私は早めに家を出てゆっくりカフェでくつろいでから用事へ向かう予定でいました。そのため、特段急いでいたワケではなく普通のスピードでいつも通り、駅までの道を自転車でせっせと漕いでいたところ…。突然目の前から、同じように自転車に乗っている女性が私の方に向かって現れました。お互いスピードを出していなかったものの、ちょうど曲がり角で死角になっていたのか、至近距離で相手の存在に気づいたので、避けきれず自転車もろとも転倒。曲がり角で死角になっていたといえど、そこまで道が狭い場所でもないし、何より前をまっすぐ見て走っていたのに、相手を気づかなかったうえに避けられなかったという事実に自分でもびっくりしました。気をつけているようで気をつけていないのか、気をつけていてもそうなってしまうのか……。こんなふうに事故って簡単に起こるものなんですね。「あ、ヤバい。やっちゃった。」うぅ…めちゃくちゃ痛い。と、重くなる体をムクリと起こして「大丈夫ですか?」と相手に声をかけると…、相手の女性はうなだれるように倒れながら顔をおさえていました。しかも女性の手もとは血だらけで、ポタポタと大きな血の塊がコンクリートに凄まじい勢いで落ちているではありませんか…!「あっ。ヤバいやつだコレ。どうしよ、ヤバいよヤバいよ、マジで」と、私の脳内はもはや出川哲郎状態に。トラブルが起こると人は、思考がシャットダウンされ「ヤバいよ」という単語しか出てこない状況になるようです。怪我をした女性も錯乱状態になっていて、話しかけても「…はい」という反応だけ。正直、「一応意識はあるようだし、このまま去ってしまおうか……」なんていう悪い考えもよぎりました。余裕を持って出かけていたとはいえこの後の用事のことを考えると早く脱出したいという気持ちが先行していました……。でも、血を流している人をこのままにしておくのはさすがにダメだわ。とりあえず消毒と絆創膏を……と近くのコンビニに駆け寄って何もできないなりの手当をして、相手の回復を待ってみました。血が止まる頃にはお相手の方の意識もはっきりしてきたので、連絡先を交換して一度その場を去ることになりました。一連の出来事が落ち着いて自分の状態を見返すと、スカートがビリビリに破れまくりの、服が乱れまくりで、当然髪の毛も乱れ髪。もはや全く別の事件が起こってしまったのではないかという状態で、とても電車には乗れないため一時帰宅をしました。保険に入っていないと、訴訟問題に発展する?家について、着替えると冷静になってきたせいか、怪我をした部分の痛みを強く感じるように。ここで今日の予定を断念し、病院へ行くことを決意。その間、自転車事故について調べるとこんな事案が出るわ、出るわ…。「自転車保険に入っていなかったので相手と訴訟問題でもめた」「事故現場で警察を呼ばないとひき逃げ扱いにされる」「慰謝料問題で示談が成立しない」今、まさに自分が起こした事故が後々に、民事裁判レベルのトラブルに発展している事実を、このとき初めて知りました。自転車事故は軽く見られがちですが自動車事故と同じ扱いになるとのことで、本来はその場で110番か最寄りの交番に行って現場確認を取らなくてはいけないそうです。さらに、自分もしくは相手の自転車が破損していた場合、修理代の負担はどちらがするのか、怪我をしていた場合の治療費はどこまで出すのか、事故の大きさによっては数百万以上の損害がかかってくる可能性があるので、保険に入っていないとその示談交渉は全て自分で執り行う必要があります。また、自分が入っていても相手が自転車保険に入っていない可能性もあります。そうなると慰謝料を請求しても払ってもらえない可能性があるので、自転車を使う方は必ず自転車保険に入っておくことをオススメします。私は当時、自転車保険はおろか、自転車保険の代わりになる保険(火災保険・個人賠償責任保険)も何ひとつ入っていませんでした。状況と相手が悪ければ、かなりの大事になったはずなので、もうしばらくは恐くて自転車に乗れません……。もし自分が加害者になったら?・相手も自転車を乗っていたこと。・お互い結果的に軽い怪我で済んだ。・自転車の破損もなかった。・お互いに大事にしたくない意志があった。幸いにもこの4点がお互いに合致していたため、今回の事故は警察に事故証明届を提出するだけで済みました。例えば、これが自転車と歩行者だった場合、過失割合は自転車側のほうが圧倒的に不利です。もちろん、事故の状況にもよって過失割合に変動はありますが、事故当時を検証する証拠もなければお互いの記憶に頼ることが多いので、どちらに非があるかということで揉めるケースがほとんどなのだとか。どんなに気をつけていても、自分に非がないと思っていても事故が起こって、相手に怪我をさせてしまった以上、自分が加害者になることがあります。そうなってしまった場合、絶対にやってはいけないのが「自分は悪くない」と横柄な態度をとったり、責任を負いたくないあまり逃げようとする行為。逃げずに真摯的な対応で被害にあった人の気持ちのケアを忘れないことが大切です。そのうえで自分の身を守るためにも、しっかり主張するべきところはする。全ての非が自分にあるわけではない場合は、それを裏づける材料をしっかり残しておくと良いでしょう。事故が起こった時の現場を写真に撮っておくなどできるだけ当時の状況が詳しく残る材料があるほうが後々揉めごとに繋がりません。事故は意外と身近に潜んでる私の場合、今回は本当にお相手の方が良い人で、軽い事故で話が済みました。でもそのほうが実は稀だという事実を知って、改めて自分の身の回りに起こる出来事の怖さに、そして自分の危機管理能力の低さに情けなさを感じています。もちろん、保険も加入しましたよ!最近では、出会う人、出会う人に「保険、入ったほうが良いよ…!」など、どこの保険会社の回し者かと思われるくらいのうっとうしさが板についてきました。ぜひ、みなさんも身近なトラブル・事故には気をつけてくださいね!
2018年07月08日■乳幼児医療費助成とは?子どもにかかる医療費を、自治体が助成してくれる制度。各自治体が運営している制度なので、名称や助成内容などはさまざま。詳細は、住民票がある市区町村の役所やHPで確認を!■乳幼児医療費助成もらえる金額は?助成額は、自治体によって違う。たとえば、かかった医療費全額を助成する自治体もあれば一部の場合もあるし、助成の対象年齢も乳幼児に限らず、中学生まで対象にしている自治体も増えている。■乳幼児医療費助成もらえる人は?国民健康保険や会社の健康保険など、健康保険制度に加入し、乳幼児医療費助成の加入手続きをした人。加入の手続きが遅れた場合、さかのぼって助成が受けられるかも自治体によって異なる。■乳幼児医療費助成 手続きの概要①住んでいる市区町村の助成内容・手続き方法を確認する自分が住んでいる市区町村の助成内容や手続きの方法を、役所の窓口や自治体のHPで確認しておく。市区町村の境目に住んでいて、他自治体の医療機関を使う可能性がある人は、「他自治体の医療機関を受診した場合」もチェックしておく。②赤ちゃんの健康保険に加入手続きし、健康保険証を受け取る赤ちゃんが入る健康保険に加入手続きをする。加入の手続きをする際に、「いつごろ健康保険証が届くのか?」の目安を確認しておくと、乳幼児医療費助成の申請タイミングの参考になる。扶養者が国民健康保険の場合は、出生届を出した後で、乳幼児医療費助成の手続きができるのが一般的。③役所で手続き後、乳幼児医療証を受け取る赤ちゃんの健康保険証を持参して役所で助成を受ける手続きをする。健康保険証が届いていない場合でも、手続きできる自治体もある。手続き後、しばらくすると乳幼児医療証が届くので、これを医療機関の窓口に提示することで助成が受けられる。■乳幼児医療費助成 DATA※この記事は2018年4月末現在の法令・情報に基づいて書いています
2018年07月01日■医療費控除とは?1年間に10万円を超える医療費がかかった場合、確定申告をすることで、支払った税金の一部を戻してくれる制度。■医療費控除でもらえる金額は、いくら?戻ってくるお金 = 医療費控除額 − 所得税率たとえば医療費合計額が60万円で所得が320万円の場合なら、確定申告をすることで、税金がおよそ1万6000円程度(※)戻ってくる。※医療費60万円 − 出産育児一時金 − 足切り額10万円= 医療費控除額面8万円医療費控除額面8万円 × 所得税率10% =戻ってくる税金8千円住民税率10%=戻ってくる税金8千円■医療費控除を受けられる人は、どんな人?家族全員で1年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額)を超え支払い、確定申告をした人。■医療費控除 手続きの概要●還付申告だけなら1年中受け付けている確定申告というと2月中旬~3月中旬のイメージがあるが、(医療費の)還付申告は、1年中受付している。対象となるのは、申告する前の年1年(1月1日~12月31日)なので、たとえば2017年の分の確定申告(医療費の還付申告)であれば、税務署が混む前に提出すれば、相談窓口も込みあわないので、確定申告初心者にはオススメ。■コラム「保険金等で補てんされる金額」について知っておこう◆医療費控除で間違えやすいのは、「保険金等で補填される金額」。じつは、私も初産の確定申告時に間違えて、税務署の方に指摘され、とても焦った記憶がある。この話を簡単に言えば、「公的制度や民間の保険会社からもらったお金は、医療費から差し引いて計算しなければならない」ということ。「差し引く必要がある費用」と、「差し引く必要のない費用」を下記の表にまとめた。ちなみに私は「出産育児一時金」を差し引くのを知らず、金額が40万円くらい違っていた(激汗)。私のように慌てないよう、ご注意を!●「保険金等で補てんされる金額」差し引く必要があるもの、ないもの■医療費控除 DATA※この記事は2018年4月末現在の法令・情報に基づいて書いています
2018年07月01日チャイルドシート付き自転車の事故が急増中で、消費者庁が注意を呼びかける異例の事態になっています。特に新生活が始まる4-7月に増える傾向があり、なんと「自転車事故全体の半数を占める」というデータも。この春から初めてチャイルドシートにお子さんを乗せて自転車を運転し始めた親御さんも多いでしょうから、本日は「事故を防ぐために絶対に守ってほしい事」のお話です。1.「シートベルトは必ず止める」残念ながら意外と守ってない方が多いんです。いざというときにお子さんが投げ出されてしまい、頭部を保護するヘッドレストも役に立ちません。必ずシートベルトはしてあげてくださいね。壊れたりした場合は、絶対にそのままにせずに、簡単ですので必ず修理してください。メーカーに問い合わせするほか、ネットで交換用のシートベルを購入することも出来ます。☆OGK技研チャイルドシート交換用シートベルト各種送料無料1480円(税込)~2.「お子さんを乗せたまま駐輪しない」お子さんを乗せたままで駐輪している際に少し目を離している間の、自転車が倒れてしまっての事故が本当に多いんです。ほんの少しの間だから大丈夫だろうと思いがちですが、停車中もお子さんを乗せたまま自転車を離れたり、目を離したりしないようにしてあげてくださいね。また、お子さんを2人乗せる時には、前から乗せちゃうとバランスを崩しやすくなるので「必ず後ろの座席から」先に乗せてあげてください。逆に降ろすときには「必ず前の座席から」です。子供乗せ自転車の多くは、ハンドルロック機能が付いているので、ぜひ活用してください。電動アシスト自転車の場合は、一旦電源を切ってから乗せ降ろしをしてあげると安心。子ども乗せ専用ではない、いわゆる普通のママチャリや電動アシスト自転車、特に26インチや27インチなどの車高の高い自転車に後付けでチャイルドシートを付けている場合は要注意。重心が高く転倒の危険が高まります。安定性の高い両立タイプの駐輪スタンドに交換すると安心です。☆昭和インダストリ自動ロック・アシスト機能付き両立スタンド W-13SW CP 正爪モデル20~27インチ各サイズ 2654円(税込)3.「ヘルメットは必ず着用する」自転車での事故や転倒によって、お子さんがケガあるいは死亡した際、そのダメージの「6割」が頭部のケガ。子どもは大人に比べて頭部が重く、転倒した際に頭にケガをしやすい傾向があります。ヘルメットをちゃんと被せる。それだけで「万にひとつかもしれない」「でも絶対に起きて欲しくない」痛ましい事故はほぼ防げます。また、使用中に一度でも、大きな衝撃を受けたり2-3年使用したヘルメットは、衝撃を吸収しなくなる場合がありますので、見た目に亀裂などが無くても絶対に使用してはいけません。ヘルメットは、あくまで消耗品。ネットなどでとても安価なヘルメットも見かけますが、必ずSG安全規格をクリアしたものを購入しましょう。SG基準とは、いわば「消費生活製品安全法」のもと「必要とされる安全基準」をクリアした証拠。被せようとしても「子どもが嫌がって被ってくれない」というお話も良くお聞きしますね。特に小さなお子さんはまだ首が強くなくて、ヘルメット程の重さの物でも嫌がったりすることも。そこでオススメするのが超軽量の子ども用ヘルメット。もちろんSG安全規格をクリアした安全なお品物です。☆OGKカブトキッズヘルメットPINE 1歳~3歳(頭囲47~51cm)向け送料無料3999円(税込)☆OGKカブトキッズヘルメットPAL 4歳~8歳(頭囲49~54cm未満)向け送料無料3999円(税込)好きなキャラクターのシールを貼ったりするのも嫌がらずにかぶってくれるのでオススメです。4.「上手に転びましょう。」特にあまり力の強くない女性にとって、今どきの電動アシスト自転車+お子さん2人での60kg前後の重さってとんでもない負荷ですよね。乗らずに押していても、ふとした拍子にバランスを崩してしまうと立て直すことが出来ないぐらい。歩道などを押して歩くときには、車道ではなくて歩道側に少し傾けておくと、万が一のときにも重大な事故につながりにくいですよ。どれもこれも基本的で簡単な事ばかりですが、きちんと守ることで絶大な事故予防効果があります。それでは本日もご安全にいってらっしゃい!自転車グッズのキアーロコラム担当ヨナーイ
2018年05月21日よちよち歩きの子どもから小学生まで、幅広い子どもが遊ぶ公園。でも小さい子にとっては危険な遊具も多いため、思わぬ事故やけがの原因となることが多い場所でもあります。公園遊びで親が注意すべきポイントとは?春は公園の事故が多い季節消費者庁の調査によると、公園での事故が報告された件数は5月が最も多く、次いで10月、4月、6月の順で、圧倒的に春から初夏にかけての事故が多くなっています。事故の多い遊具はとくに滑り台が多く、滑り台の一番上からの転落や、滑り台を逆走しようとしたところ、滑ってきた子どもと衝突するといった事故が発生しているそうです。滑り台以外では、ブランコや鉄棒、ジャングルジムなどの事故が多く報告されているようで、どれも遊具から落下してけがをするというケースが多いのだとか。事故を防ぐためのポイント公園での事故を防ぐためには、まず第一に小学生未満の子どもが公園に行くときには、必ず保護者が付き添うこと。これは公園の事故で6歳以下の比率が7割を超えているため。一緒にいるだけで無く、極力目を離さないようにすることも大事です。また、遊具には対象年齢が設定されているものも多いので、しっかり把握して年齢にあった遊具で遊ばせるようにしましょう。服装や持ち物にも注意が必要です。フード付きの服や紐のついたもの、カバンやリュックは公園で遊ぶ際には避けましょう。これらは遊具に引っかかると首を絞めてしまうことになり、実際に死亡事故も起きています。遊具で遊ぶマナーもしっかり教えておきましょう。滑り台の逆走や、ブランコの柵を乗り越える、順番待ちで前の子を突き飛ばすといった行為は多くの事故の原因となっているんです。特に子どもたちだけで遊ぶようになったら、しっかりと遊び方の注意を言い聞かせておく必要があります。ほかにも、天候に注意し、滑りやすい雨の日や、金属が暑くなる炎天下には注意をし、壊れそうな遊具などを見かけたら、使用を避け早めに管理者に連絡をするのも大事です。日頃何気なく遊んでいる公園も、使い方次第では危険な凶器となり得ます。危険性を理解した上で、しっかりと対策をとり、不慮の事故に遭わないように注意してあげたいですね。(文・姉崎マリオ)
2018年04月29日ベビーカレンダーはこのほど、無痛分娩に関する調査結果を明らかにした。同調査は2月20日~23日、全国の産院・クリニックでの出産経験を持つ女性1,254名を対象にインターネットで実施したもの。無痛分娩を経験したことがあるか尋ねたところ、84%が「いいえ」と回答した。無痛分娩の経験者は16%で、およそ6人に1人が無痛分娩を経験したという結果になっている。日本産婦人科医会の調査では、2016年時点での実施率は6.1%だが、その数値を比較すると2年で無痛分娩を行った人は約10%増えている。無痛分娩についてどう思うか聞くと、肯定的な「いいと思う、素晴らしい、やってみたいと思う、等」は51%、中立的な「分からない、人それぞれ、興味がない、等」は26%、否定的な「怖い、リスクがある、やりたくない、等」は23%だった。肯定的な意見の理由は「欧米では無痛が一般的とも言われているので、今後日本でも広がっていけばいい」「自然分娩は体力的にも精神的にもつらい。それに耐えられない身体的な事情などあるため」などだった。中立的な意見の人からは「メリット、デメリットをきちんと分かって取り入れるなら、個人の自由」「持病などの理由で出産のストレスに耐えられない人には必要だが、自分には必要ない」という声が寄せられた。否定派の意見は、「医療事故のニュースなども聞き、リスクが怖い」「通常分娩で、痛みを伴う出産を経験することで赤ちゃんにさらに愛着が湧くと思うから」などだった。無痛分娩を実際に行ってみてどうか尋ねたところ、64%が「満足した」、7%が「満足しなかった」と回答した。満足しなかった理由としては、「費用の高さ」「お産の進行具合によって(急な破水など)無痛分娩の処置ができなくなること」「子宮口がある程度開くまで結局痛みに耐えなければならない」などだった。次に出産するなら自然分娩と無痛分娩のどちらを選ぶか聞くと、「自然分娩」(55%)が最も多く、「無痛分娩」は38%だった。
2018年03月26日「家庭内で起きる不慮の事故で亡くなる方は、交通事故で亡くなる方の3倍近くもいるんです」 こう話すのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。 そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになるのだ。 「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」(井上さん) そこで、家庭内事故を起こしやすい家の構造と生活習慣を紹介。 ■一人暮らしだ。または家族の帰りが遅く、一人で行動する時間が長い注意点:浴槽で溺れたり、窒息した場合でも発見されにくい。 ■自宅内に段差が多く、片付けがしっかりできていない注意点:高齢になると5センチの段差でもつまずくことが。 ■手すりのない急な階段がある注意点:今までは問題なくても、高齢になるにつれて事故の原因に。 ■浴室の脱衣所に暖房がなく、冬は寒くなる注意点:寒暖差がヒートショックの原因になる。 ■飲酒後に、入浴する習慣がある注意点:飲酒した状態での入浴で心臓発作のリスクが高まる。 ■歯ごたえのある食品を好んで食べる注意点:こんにゃくやタコなど、歯ごたえのある食品は窒息の要因に。 ■食事のスピードが速い注意点:年をとるごとに飲み込む力が弱くなるので、よくかむ必要がある。 その対策として、今日からできるちょっとした次の工夫を。 【絨毯を床に固定する】 年を取ると、めくれた絨毯に足をとられてしまうことも。ホームセンターなどで買える絨毯用の両面テープを使えば、床に固定できる。 【脱衣所にストーブを置く】 寒暖差が原因となるヒートショック。脱衣所に備え付けの暖房がない場合、冬場はストーブを置こう。入浴の10分前にスイッチを押すだけで段違い。 【食事は細かく切る】 餅などの窒息事故は啓発が進んでいるが、じつはこんにゃくやタコでも窒息を起こすことがある。食べるときは細かく切ったほうが安全だ。 ちょっとした安全対策に、さっそく取り組んでみては?
2018年03月14日4月から「診療報酬」が改定され、病院の窓口で支払う医療費が変わる。医療報酬とは、診察や検査、薬などの料金や、それに伴う手数料などを決めているもので、2年に1度見直される。 今回の改定のうち、家庭に影響が大きそうなポイントは、おもに2つ。1つ目は、「初診は大病院ではなく『かかりつけ医』で受ける」体制を、さらに推進している点。2つ目は、「看護・介護から看取りまでを在宅で行う」よう推進する見直しだ。 4月からの「診療報酬」改定を踏まえ、医療費をどう節約したらいいのかを荻原さんが教えてくれた。 【1】信頼できる「かかりつけ医」を見つける 「『有名な病院のほうが安心』などと、安易に大病院を受診すると、初診料の5,000円加算と合わせ、窓口で1万円近く請求されることもあります。重篤な病気が疑われる場合も、まず『かかりつけ医』に相談し、専門病院を紹介してもらいましょう。また、経済的にも体にも負担が重い“はしご受診”は避けましょう」 【2】薬は病院に近いほど安い 「薬そのものの値段は、どこでもらっても同じ。しかし、薬をそろえるなど施設を維持するための『調剤技術料』は、薬局により異なります。今回はこれも見直され、病院の敷地内にある“門内薬局”は院内処方と同程度の100円に、病院近くにある大手チェーンの“門前薬局”は150円に引き下げられました」 【3】薬の多い人は、薬剤師に相談して減薬してもらう 「複数の病院にかかり6種類以上の薬を飲む方は、薬剤師に減薬の相談をしてみましょう。2種類以上減薬できると『服用薬剤調整支援料』が加算されますが、薬が減る分、節約効果は長く続くはずです」 【4】病院受診は時間内に 「休日や夜間の診察は割高です。初診の場合、休日だと2,500円、深夜だと4,800円が加算されます。支払いは、3割負担の方なら休日750円、深夜1,440円の加算ですが、そもそも時間内に受診すれば払わなくてすむお金です」 【5】高額療養費制度を利用する 「高額療養費の利用を勧めてくれる病院も増えていますが、すべてというわけではありません。払戻し制度があることを覚えておきましょう」 高齢者がいる家庭では、訪問診療も行う「かかりつけ医」を持つと安心。また、看取りまで担う介護福祉施設の情報も集めておこう。
2018年02月23日PTSDとは出典 : Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)は、ショック体験や強いストレスをきっかけに、こころにひどく傷を負うことで発症します。発症すると、そのできごとに関わる人・場所を過度に避けたり、常に気を張ったり、考え方が否定的になったりと、日常生活を送る上で支障が出てしまいます。時間が経つにつれて症状が軽くなることもありますが、数ヶ月、症状が長引くようであれば、専門家に相談することも必要になります。また、PTSD患者は、他の精神疾患を合併することが多いとされています。PTSD患者が、精神疾患を合併する割合は80%近くになります。合併することの多い精神疾患としては、うつ病、不安障害、アルコール中毒や薬物中毒といった物質使用障害です。出典:日本精神神経学会/監修『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)PTSDは、誰しもがかかりうる疾患です。アメリカでの調査によれば、約15人に1人は一生のうちにPTSDを発症します。また、PTSDを発症しないにしろ、約半数の人は、PTSDにつながる可能性のあるショック体験や強いストレスを経験しています。出典:友田 明美、杉山 登志郎、谷池 雅子/編集『子どものPTSD-診断と治療-』(診断と治療社、2014年)PTSDの原因出典 : はショック体験や強いストレスがこころを傷つけ、トラウマになることで引き起こされる疾患です。人それぞれトラウマになるできごとはバラバラです。しかし、アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)によって、PTSDにつながるショック体験や強いストレスが定義されています。PTSDにつながる経験は、以下の条件を満たしています。A.実際にまたは危うく死ぬ、重傷を負う、性的暴力を受ける出来事への、以下のいずれか1つ(またはそれ以上)の形による曝露:(1)心的外傷的出来事を直接体験する。(2)他人に起こった出来事を直に目撃する。(3)近親者または親しい友人に起こった心的外傷的出来事を耳にする。家族または友人が実際に死んだ出来事または危うく死にそうになった出来事の場合、それは偶発的なものでなくてはならない。(4)心的外傷的出来事の強い不快感をいだく細部に、繰り返しまたは極端に曝露される体験をする。(例:遺体を収集する緊急対応要員、児童虐待の詳細に繰り返し曝露される警官)注:基準A4は、仕事に関連するものでない限り、電子媒体、テレビ、映像、または写真による曝露には適用されない。出典:アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)例えば、上の条件を満たすような経験には、次のようなものがあります。・自然災害・殴られる、蹴られるなどの暴行・性的な虐待・手術中に意識を取り戻してしまうなどの医療事故・いじめられた経験や見て見ぬふりをした経験・ネグレクトなどの親からの虐待これらの経験は、本人に失態があり、振りかかるようなものではありません。PTSDの原因になる経験は、日常生活を送る上で頻繁におこるものではなく、非日常的なできごとであることが多いです。参考:アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)出典:明鏡国語辞典 第二版 (大修館書店)PTSDの症状出典 : は、過去に悲劇的なできごとがあれば必ず発症するものではありません。過去にショック体験や強いストレスがあったことと、以下に挙げる特徴的な4つの症状が1ヶ月以上持続することを共に満たす場合にのみ、PTSDだと診断されます。・トラウマが突然、思い出される・トラウマに似た状況を避けようとする・否定的になる・いつも緊張状態にある特徴的な4つの症状について、一つずつ詳しく見ていきます。つらい記憶が、無意識のうちに突然思い出されることがあります。この記憶が思い出されることは1回だけでなく、繰り返し何度も起こることが特徴的です。記憶が急に思い出されて、さまざまな反応を引き起こすことをフラッシュバックと言い、場合によっては、短い時間のあいだ意識を失うことさえあります。子どもの場合、つらい記憶に似た状況に置かれたときに、記憶が急に思い出されるケースがあります。例えば、東日本大震災がトラウマになった子どもは、比較的小さな地震が起きたときに、東日本大震災での記憶が呼び起こされます。PTSDの人は、トラウマとなったできごとに関係する刺激を、ほとんど常に避けようとします。多くの人は、トラウマを思い出さないように、つらい記憶について考えたり、会話したりすることや、トラウマに関係する場所、人を意図的に避ける努力をします。PTSDになると、否定的な感情を抱いたり、認知がゆがんだりすることがあります。例えば、「私がすべて悪い」、「誰も信用できない」と考えてしまうこともあります。また本来、本人には一切の責任がないようなことであっても、原因が自分にあると思いこんでしまったりすることも少なくありません。PTSDの人は、いつも気を張り詰めていることがあります。日常の中で、ささいなことに苛立ちを覚えたり、電話がなると飛び上がるなど、予期しない刺激に過剰に反応してしまいます。このような症状が発症したとしても、短期間でおさまればPTSDの可能性は低いと考えられます。しかし、1ヶ月以上にわたり症状が見られる場合には、病院で相談してみるといいかもしれません。参考:アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)参考:PTSD|みんなのメンタルヘルス厚生労働省ADHDとPTSDの類似性出典 : (注意欠陥・多動性障害)とPTSDの症状には、実は似ている点が多くあると言われています。そのため、ADHDだと診断されている子どもの中には、実はADHDではなくPTSDである子がいるかもしれません。ADHDの子どもは、不注意、多動性、衝動性の特性があります。ADHDのあるの子どもに見られる行動として、・大人しく座っていられない・すぐにかんしゃくを起こす・診察中に突然、病室から飛び出すといったことがあります。ですが、PTSDの症状としても、これらと似たような症状が見られることがあります。そのため、子どもの行動から、その原因がADHDの特性によるものなのかPTSDの症状として出ているものなのかを区別することは、専門家であっても難しい場合があります。ADHDとPTSDを正しく見分けるためには、子どもの過去にどのようなことがあったのかや生育歴・発達歴の情報が大切になってきます。子どもと一番長い時間を過ごしてきたのは、医師でも学校の先生でもなく家族です。少しでも気になるできごとがあったり、ある日を境に急にADHDと思われるような症状・傾向が見られるようになったと感じたときは、医師に伝えるといいでしょう。参考:友田 明美、杉山 登志郎、谷池 雅子/編集『子どものPTSD-診断と治療-』(診断と治療社、2014年)自閉症スペクトラムとトラウマ出典 : 自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは、PTSDだと診断されなくとも、こころの傷によって苦しんでいることがあります。過去のできごとを突然思い出す、「タイムスリップ現象」と呼ばれる症状が自閉症スペクトラムの子どもに多くみられます。タイムスリップ現象とは、いじめや暴力を受けた時の記憶を急に思い出して、まるで今その経験をしているかのように振る舞う現象です。自閉症スペクトラムの子どもが、タイムスリップ現象に関して抱えている問題には、・トラウマになるような経験をしやすい・自分の身体に起こっていることを説明することが難しいといったことが要因として挙げられます。自閉症スペクトラムの子どもは、定型発達の子どもに比べるとストレスを感じやすい環境で生活しています。感覚過敏のある子どもにとっては、普段の教室にいるだけでもストレスがたまっていくことが珍しくありません。また、興味関心の偏りなどといった特性から、友だちとコミュニケーションをうまくとることができず、結果としていじめにつながってしまうこともあります。自閉症スペクトラムの子どもにとって、自分の身体で起きていることを正確に周囲に伝えることは困難を伴うことが多いです。子どもからのSOSがなく、親や学校の先生であっても、子どもがタイムスリップ現象で困っていることに気づけないことがあります。過去にいじめられたり、人間関係でうまくいかなかったりしたことを克服したように見えても、子どもが未だにその経験によって苦しんでいることもあります。自閉症スペクトラムの子どもが次のような行動をとったときには、トラウマが関連している可能性があるので、子どもに最近なにかあったか聞いてみるといいでしょう。・新たに、攻撃的・破壊的な行動をするようになったとき・夜、寝られなくなるなどの身体に変化が起きたとき・社会性、コミュニケーションにおいて、症状が悪化したとき・常同行動が増えたとき常同行動とは、手をひらひらしたり、体を揺らしたり、奇声を上げるなど、一見無目的に同じ行動を繰り返すことです。自閉症スペクトラムの子どもは、トラウマになるような経験をすることが多く、場合によってはタイムスリップ現象につながることがあるかもしれません。しかし、ふだんからソーシャルスキルトレーニングなどを通して子どもが自分の考えや感覚を表現するスキルを向上するための支援を行ったり、ペアレントトレーニングなどを通して保護者が子どもの行動の見極め方や関わり方を学んだり、子どもが親や先生に相談しやすい環境を整えたりすることで、タイムスリップ現象やPTSDを未然に防いだり、発生した際にも早期発見・早期支援に繋げやすくなります。参考:友田 明美、杉山 登志郎、谷池 雅子/編集『子どものPTSD-診断と治療-』(診断と治療社、2014年)PTSDの治療大人編出典 : 治療において、大切になるのは本人のペースに合わせて回復していくということです。周囲が無理に今すぐ治そうとしても、思い通りにはなかなかいきません。そうではなく、本人が少しでも安心して、安全に生活できるような環境を整備することを意識するとよいかもしれません。PTSDの治療法について、紹介していきます。大人と子どもでは、PTSDになるできごとが異なったり、大人のほうが精神的に発達していたりと、同じPTSDでも異なる点があります。この章では、大人に対するPTSDの治療法について紹介します。PTSDの治療には、その症状や原因をよく理解することが重要です。PTSDは、トラウマ体験をした人であれば誰でも起こることがあります。しかしPTSDになる人の多くは、PTSDについて正しい知識を持っていません。そのため、PTSDになったことに対して罪悪感を感じてしまうことがあります。治療の第一段階としては、PTSDについて正しく理解することで、罪悪感を軽減したり、自分の感情をコントロールする術を身につけたりすることが多いです。PTSDの研究の中で、薬による治療が効果的であることがわかっています。PTSDの薬物療法は、それぞれの症状が見られたときに対症療法的に行われます。例えば、不眠や抑うつ状態などが見られたら、それを解消できるような薬が処方されます。PTSDはうつ病や強迫症などさまざまな精神障害と併せて発症することがあります。そのようなときには、合併している疾患への治療も踏まえて、薬を使用していくことになります。精神疾患の薬は使い方を誤ると、重篤な副作用がでることもあります。そのため、医師の指示のもと、綿密に相談しながら、薬と正しい付き合いをしていくようにしましょう。集団療法は、PTSDの主な治療法の一つであり、PTSD患者の持つ孤独感を軽減させたり、周囲の人を信頼したりする効果があります。集団療法には、トラウマについて各々が向き合う必要のあるものから、トラウマについて触れないようにするものからさまざまな種類があります。参考:エナド・B・フォア、テレンス・M・キーン、マシュー・J・フリードマン、ジュディス・A・コーエン/編集飛鳥井 望/監訳『PTSD治療ガイドライン 第2版』(金剛出版、2013年)参考:PTSD の薬物療法ガイドライン:プライマリケア医のためにPTSDの治療子ども編出典 : の治療の大枠は、大人と子どもで変わりません。しかし、子どもだと自分の感じていることを言葉で表現することが難しいため、トラウマやどのような症状があるのかを適切に知るために工夫が必要になることがあります。例えば、子どもたちの遊んでいる様子や描いた絵から心情を推測します。治療を開始するときには、大人と同様にPTSDがどのような病気であるのかを理解できるようにします。その後、薬を用いたり、認知行動療法をしたりして治療していきます。ここでは、子どものPTSD治療において有効性が実証されているトラウマフォーカスト認知行動療法について紹介します。TF-CBTの目的は、トラウマに関連した症状や問題のある子どもと保護者が社会生活をするにあたり、トラウマを適切に処理することを支援することです。個人療法として行われることが多く、週に1回、60~90分、8~16週かけて行います。TF-CBTには3つの段階があります。1.トラウマに向き合う準備をするTF-CBTでは、トラウマ克服だけでなく、教育的な面も多く含まれています。はじめの段階では、ストレスマネジメントや感情を表に出すこと、ものごとの捉え方などの学習を行います。これらの教育的要素が十分身についたら、次の段階へと移行します。2.トラウマ記憶に向き合う少しずつトラウマと向き合えるようにしていきます。そのために、子どもが主体的にトラウマの体験を言葉で表したりできるようなプログラムになっています。また、いきなりトラウマに向き合うことができなくても、不安の少ないものから徐々に慣れさせていき、最終的にトラウマに向き合えるような工夫がされています。3.定着と統合親子で学んだことを復習したり、子どもがトラウマに対して感じたことを親と共有するような時間になります。この段階では、プログラムの成果の定着を図るとともに、親子の絆が一層強くなることも期待されています。TF-CBTは、子どものPTSDに対して有効だとされていますが、まだ新しい取り組みであり日本でそれほど普及しているわけではありません。PTSDは患者さん一人ひとりで症状に幅があります。そのため、医師と相談しながら、一人ひとりにあった治療をしていくことになります。普段からトレーニングや治療をしていても、パニックになることがあります。そのときにどのような声かけや対応をすればいいのか子どもの年齢別に説明します。適切な声かけや対応をすることで、PTSDが悪化することを防ぐことができます。◇就学前の幼児から小学2年生これくらいの子どもだと、まだまだ周りで起こったことを正しく理解し、全てを的確に表現できるわけではありません。大人である親によって、何が起きているのかを説明してあげるとよいでしょう。また側にいたり、一緒に遊んだりすることで子どもが安心できるような環境を作ることも大切です。例えば、地震が起きて揺れがおさまってもずっと怖がっているときには、すでに揺れはおさまりもう安全であることを伝えましょう。怖い夢を見た次の日に恐怖で眠れないときには、絵本の読み聞かせをしたり、抱きしめたりするのも効果的です。◇小学3年生から小学5年生周囲で起きていることだけでなく、自分自身の内側で起きていることに対して不安を感じるようになります。親としては、子どもの話をしっかり聞いたうえで、苦しい気持ちに打ち勝てるように、前向きな行動を考えましょう。「大丈夫」や「心配ないよ」とだけ伝えても、この年齢の子どもたちは納得しないこともあります。そのため、「もし、また似たような状況になったらどうするか」など具体的な策を一緒に考えることが必要です。◇小学6年生、中学生、高校生中高生になると、衝動的に自分を傷つける行為をしたり、仕返し願望を持ったりすることがあります。中高生はもう自分の頭でそれなりに考えることができるため、答えを与えるよりも一人でじっくり考えるように促すといいでしょう。ただ、すべて子ども一人で解決させようとするのではなく、一人で解決できそうにない問題に対しては一緒に対応策を考えたり、苦しいときには助けを求めてもいいことを伝えたりすることも忘れてはいけません。参考:友田 明美、杉山 登志郎、谷池 雅子/編集『子どものPTSD-診断と治療-』(診断と治療社、2014年)相談先ーもしPTSDかもと思ったら出典 : にならなくとも、トラウマになりそうな犯罪被害にあったり、いじめにあったりしたときには専門家に相談することも視野に入れるといいでしょう。友達や先生、家族には相談しにくいことであっても、カウンセラーや、類似体験をした当事者同士であれば話せることもあります。大人の場合には、・病院の精神科・心理カウンセラーなどに相談できます。子どもの場合には、これに付け加えて、・児童相談所・家庭福祉相談所・担任の先生やスクールカウンセラーなどに、相談できます。また、性的暴力や、いきなり暴行に遭ったなど犯罪被害の場合には、・全国被害者支援ネットワーク・被害者支援団体・警察庁犯罪被害者支援室といったグループを頼ることもできます。参考:私がPTSDになったとき|みんなのメンタルヘルス厚生労働省まとめ出典 : 同じようなできごとに直面しても、PTSDになる人、ならない人がいるため、PTSDにかかる人はメンタルが弱いタイプだと思われたり、自分自身でも罪悪感を持ったりすることがあります。しかし、PTSDになったからといって、本人が責任を感じる必要は一切ありません。また、周囲の人が「あの時、こうしておけば」などの責任を感じる必要もありません。それよりも、PTSDの人が過去のトラウマを克服できるように、安全な環境を作ったり、話を聞いたりすることが大切です。
2017年09月13日*画像はイメージです:高知県で、自転車に乗っていた47歳の女性が歩道を歩いていた77歳の女性と衝突。77歳の女性は転倒し、骨折をする事故が発生しました。事故を起こした47歳の女性は、救護活動などを一切せず、立ち去るという暴挙に。警察は必死の捜査を行い、犯人を特定。当該女性は道路交通法違反で書類送検され、罰金刑が確定しています。 ■自転車事故で自動車運転免許が停止にさらに警察は「骨折させておきながら逃げた」ことを重く見て、女性の持っていた自動車運転免許について、180日の免許停止処分とすると発表。“自転車”で事故を起こし、“自動車”の運転免許停止になるという珍しい現象が発生し、話題となりました。ちなみに、高知県では初めてのことだったそう。一方で他県を見ると、「自転車事故で自動車運転免許停止」という事態がちらほらと発生しているようです。なぜこのようなことになるのでしょうか?桜丘法律事務所の大窪和久弁護士に真相を聞いてみました。 ■なぜ自動車運転免許が停止になった?「道路交通法103条では免許の取消及び停止がなされる場合について規定していますが、同条1項8号では免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるときにおいて、免許の取消及び6ヶ月を超えない範囲内での免許の停止を認めています」(大窪弁護士)道路交通法103条の1項8条に、しっかりと規定があるのですね。 ■今後増加する可能性さらに大窪和久弁護士は、今後このようなケースが増加するのではないかと指摘します。「自転車での飲酒運転や危険運転についても、それを行った運転者が自動車を運転する場合に危険が生じる可能性が高いとして上記条文を根拠に免許停止がなされる事例は数は多くありませんがこれまでもあります。自転車運転の安全についても厳しい見方がされるようになってきていますので今後処分件数は増えるのではないでしょうか」(大窪弁護士) 自転車の危険運転は社会問題化しており、死亡事故も発生しています。そのようなことを防ぐ意味でも、大窪弁護士の指摘するように、処分件数が増えそうですね。 *取材協力弁護士:大窪和久(桜丘法律事務所所属。2003年に弁護士登録を行い、桜丘法律事務所で研鑽をした後、11年間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を継続。地方では特に離婚、婚約破棄、不倫等の案件を多く取り扱ってきた。これまでの経験を活かし、スムーズで有利な解決を目指す。*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Graphs / PIXTA(ピクスタ)
2017年08月22日今の時期、ベランダで子どもと水遊びや家庭菜園を楽しむママも多いのではないでしょうか。でも、マンションの高層階になるほど怖いのが、ベランダからの子どもの転落事故です。気をつけているつもりでも、一瞬目を離したすきに子どもが1人でベランダに出てしまうことがあるかもしれません。万が一のことを考えて、事故を招く恐れのあるベランダの危険ポイントをチェックしておきましょう。■意外なものが子どもの「足場」に自宅のベランダを見渡してみると、意外とものが多いことに気づく人もいるのでは。転落防止のためにまず心がけたいのが、子どもが登れるような「足場」になるものを、ベランダに置かないことです。エアコンの室外機や踏み台、いす、ゴミ箱、自転車などは、すべて子どもの「足場」になりえます。高さが20~30cm程度のものでも、子どもが登って柵を乗り越えてしまう危険があるため、子どもが小さいうちはできるだけベランダにはものを置かないようにしましょう。ゴミ出しまでの“とりあえず置き”や、ゴミをまとめた袋なども要注意です。■子どもの頭がすり抜ける!? ベランダの柵に注意!一般的に、乳幼児の頭がすり抜ける幅の目安は約11cmといわれています。ベランダの柵の隙間が10cm以上あったら、子どもがすり抜ける危険があると考えて。また、ベランダの柵が横格子タイプの場合は、子どもが足をかけてよじ登ってしまう危険があります。3歳児の平均的な足の親指の厚みは1.2cmといわれており、たとえ小さな隙間でも足をかけて登ることができます。「隙間がないから大丈夫だろう」と過信せず、少しでも不安材料がある場合は、市販の落下防止シェードなどで対策をとりましょう。■ベランダ設置の室外機には、こんな対処法を子どもの転落事故を防ぐには、ベランダにものを置かないことが鉄則です。とはいえ、エアコンの室外機など、どうしてもベランダに設置しなければいけないものもあるでしょう。その場合は、柵からなるべく離した配置にしましょう。もし、ベランダが狭くて十分なスペースが取れない場合は、子どもが登りにくくするなどの対策を。例えば、室外機などの上へ斜めに板を置いたり、動物の侵入防止などに使われるトゲトゲのついたマットを敷くなどして、子どもを遠ざけるようにするのもいいでしょう。そのうえで、子どもが1人でベランダに出ることがないよう、ふだんからしっかりと気を配りましょう。ベランダの出入り口には、子どもの手が届かない高さに補助カギをかけておくと安心です。小さい子どもは、時に大人の想像以上の行動をとることがあります。事故防止対策に「やりすぎ」はありません。子どもには落下の危険がわからないので、保護者がしっかりと対策をとっておきたいですね。
2017年07月07日*画像はイメージです:交通事故を起こした、または、起こされた場合、一般的には警察・救急車を呼ぶと思います。では、仮に、警察を呼ばなかった場合に交通事故訴訟でどのような影響があるのでしょうか。また、交通事故で怪我をしたけれども軽微であると思い、交通事故で怪我をした旨の診断書を警察に届け出なかった場合、交通事故訴訟でどのような影響があるのでしょうか。ご紹介していきたいと思います。 ■交通事故が発生したのに、警察に届けなかったら?まず、交通事故が発生した際に、警察に届け出なかった場合、交通事故証明書が発行されません。交通事故証明書は、警察が発行するわけではありませんが、警察に交通事故を届け出なかった場合、発行されません。交通事故証明書は、その名のとおり、交通事故がいつ、どこで、誰と誰の間で発生したのかを証明する書面ですので、交通事故証明書がないと、交通事故の発生から証明しなければならなくなります。私も、過去、交通事故証明書の存在しない交通事故の訴訟を担当したことがありましたが、そもそも、双方の主張する交通事故の場所も異なっていたため、非常に苦労しました。また、そもそも交通事故を起こした(起こされた)場合、警察への通報義務がありますので、必ず届け出るようにしましょう。 ■軽い怪我だったから診断書を警察に届け出なかったら?次に、交通事故での怪我を軽微だと思い、診断書を警察に届け出なかった場合、警察は、交通事故を物件(物損)事故として扱うため、実況見分が実施されません(交通事故証明書には、物件(物損)事故か人身事故のいずれかの記載があります)。他方で、交通事故で怪我をしたという診断書が警察に届け出られた場合、警察は、当該事故を自動車運転過失致傷事件として扱います。そして、交通事故が自動車運転過失致傷事件として扱われた場合、警察官は、被害者・加害者立会いの下(場合によっては、一方当事者のみの立会いの下)、実況見分を実施し、実況見分調書を作成します。実況見分調書は、端的にいえば、交通事故の状況を記載した書面です。警察官が刑事事件のために作成した交通事故の状況を記載した書面である実況見分調書は、交通事故訴訟において過失割合に争いがある場合、非常に有用です。ちなみに、警察が交通事故を物件(物損)事故として扱った場合、物件事故報告書を作成しますが、実況見分調書に比べると、非常に簡易なものが多く、事故状況を確定するには情報が足りないことがあります。 実際のところ、交通事故を起こさない、起こされないというのが一番いいのですが、万が一、交通事故を起こしたり起こされた場合、将来的に争いになることを見据えましょう。ですので、交通事故の発生を警察に届け出る、交通事故で怪我をした場合にはその旨の診断書を警察に届け出て、実況見分を実施してもらうのがいいと思います。依頼される弁護士の立場でも、交通事故証明書がない交通事故よりもある交通事故、実況見分調書のない交通事故よりもある交通事故のほうが、進行しやすいです。最後に、交通事故でお悩みの人も多いかと思います。当事務所では、弁護士一同、様々なトラブルに関する相談を行っておりますので、お気軽にご相談にいらっしゃって下さい。 *著者:弁護士 阿部栄一郎(丸の内ソレイユ法律事務所の弁護士。交通事故から、不動産、離婚まで幅広い分野に精通。「不安定になることや感情的になることもあると思います。そんなときは、まず当事務所にご連絡下さい」)【画像】イメージです*タカチン / PIXTA(ピクスタ)
2017年06月26日医療技術を取り入れた化粧品2017年6月13日、株式会社ココカラファインは自社のプライベートブランド「VIVCO(ヴィヴコ)」をリニューアル発売した。このブランドは九州大学の後藤教授が開発したS/O高浸透技術を採用している。このS/O高浸透技術は薬効成分を肌から浸透させる医療技術。この技術により、これまで注射等で薬剤を注入しなければならなかった患者の負担を軽減させることができたのだ。どこがリニューアルするの?これまではヒアルロン酸とビタミンCをS/O化して配合していたのだが、「もっと高機能なエイジングケア化粧品が欲しい」というユーザーの声に応えて、今回のリニューアルでエイジング成分であるヘスペリジンもS/O化して配合することになった。高機能で低価格がウリの同商品であったが今回は製造工程を見直すことで、これまでよりの容量が増えたのにお手頃価格を実現。また、「売り場で商品がどこにあるかわからない」という声に応えてパッケージも変更に。今回から配合される美肌成分「サトザクラエキス」をイメージしてパッケージデザインを桜色に変更した。さらに、これまで14品目あったラインナップを5品目に厳選。豊富なラインナップは細かく使いこなせる人には嬉しいが、多くの人はどれを使ったらいいのか悩んでしまうだろう。5品目程度なら自分に必要なアイテムを選びやすい。リニューアルによってさらにパワーアップして使いやすくなった同化粧品をあなたのお手入れに加えてみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ココカラファインプレスリリース
2017年06月20日●メリットとデメリットを知ろう出産時の痛みを緩和できるという無痛分娩。選択肢の一つとして検討している女性は多いでしょう。しかし最近、無痛分娩で死亡事故が出ているという報道が相次ぎました。「無痛分娩は危険」という印象を受けた人もいるのではないでしょうか。この機会に、無痛分娩の基礎知識、メリットとデメリットを知っておきましょう。○そもそも無痛分娩とは?無痛分娩とは、麻酔薬を使って痛みを和らげながら出産する分娩方法のことで、麻酔医あるいは産科医が行います。痛みを和らげる方法にはいくつか種類がありますが、現在「硬膜外麻酔」が主流です。硬膜外麻酔による無痛分娩では、妊婦さんの背中から針を刺し、「硬膜外腔」という場所に柔らかい管を入れて、その管から麻酔薬を注入していきます。硬膜外腔の近くには、子宮や腟、会陰部などの痛みを脳に伝える神経が通っています。硬膜外麻酔をすると、注入された麻酔薬が神経を遮断するため、出産の痛みを抑えることができるのです。「無痛」といっても痛みがまったくないわけではなく、いきめる程度に痛みをコントロールしながら出産を進めていきます。○メリットは痛みが軽くなること、デメリットは?無痛分娩の最大のメリットは、出産時の痛みが軽くなることと言えるでしょう。そのためストレスや疲労が少なく、リラックスした状態で落ち着いて出産することができます。個人差もありますが、経験者から、出産後に体が早く回復したという声を聞くことも。高齢出産や心臓や肺に持病のある妊婦さんの場合、体への負担を軽減するため、医師から無痛分娩を勧められることもあります。ただし、無痛分娩を選んだからといって、必ず痛みが軽くなるわけではありません。体質によっては、麻酔がよくきかず、あまり痛みが抑えられないケースもあります。加えて、硬膜外麻酔による副作用やリスクについても、頭に入れておく必要があります。比較的起こりやすいのは、麻酔で運動神経がまひするために、分娩時間が長引き、医師が器具を使って赤ちゃんを引き出す鉗子分娩や吸引分娩が必要になるケースです。血圧低下や頭痛、かゆみ、下半身がしびれて足が動かしにくくなる、尿が出にくくなるなどの一時的な副作用が起こることもあります。また、まれに、注入する麻酔薬が多すぎた場合や硬膜外腔に入れるはずの麻酔薬が血管に入った場合などに、舌のしびれやけいれん、過呼吸や呼吸困難などの症状が出る局所麻酔中毒が起こることもあります。その他のまれなケースとして、硬膜外麻酔用の管を入れる際に硬膜を傷つけて頭痛を引き起こすことや、硬膜外腔や脊髄くも膜下腔に血の塊や膿がたまって神経を圧迫し、神経障害が残ることもあります。さらに、自然分娩に比べると費用が高いこともネックと言えます。金額は、施設や入院日数によって異なりますが、自然分娩での出産費より10~20万円くらい多めにかかると考えておきましょう。●死亡例のニュースをどう考えればいい?○厚生労働省が緊急提言2017年4月には、医療事故のニュースをはじめ、無痛分娩に関する報道が続きました。その一つが、厚生労働省の研究班が2016年4月までの7年間に報告された妊産婦の死亡例298人を分析したところ、うち13人は無痛分娩だったというものです。このデータに基づき、研究班は「緊急時に対応できるよう、十分な医療体制を整えるよう求める」と緊急提言を行っています。実際に死亡した人がいるというニュースを見聞きすると、「無痛分娩は危険だから出産するときは自然分娩にしよう」と思う女性も多いでしょう。しかし、上記のデータを細かく見てみると、13人の無痛分娩の死亡例は、死亡例全体の約4%。日本の無痛分娩の割合は、2008年の厚生労働省の調査では2.6%とされていますが、現在ではさらに増えていると言われています。これらの数字を見る限り、無痛分娩での死亡率が自然分娩に比べて明らかに高いとは言えません。それに、自然分娩であっても、出産中の事故やトラブルで死亡するリスクはあります。ただし、麻酔を使う以上、無痛分娩には自然分娩にはないリスクが伴うのも確かです。そのため無痛分娩には、高度な技術と専門知識が必要とされます。厚生労働省の研究班が提言している通り、トラブルがあったときに対応できるよう施設側が技術と体制を整えることは重要です。日本では無痛分娩がそれほど普及していないため、無痛分娩の経験が豊富な麻酔医や産科医は多くはありません。無痛分娩を考えている人は、そのメリットとデメリットをしっかり知った上で、無痛分娩に対する体制が十分に整った産科施設を選ぶようにしましょう。また、無痛分娩を行う場合には、担当の医師が妊婦さんの体の状態や既往歴を事前にしっかり把握し、安全に麻酔処置ができるよう準備する必要があります。できれば妊娠初期の検診の際など、早い段階で「無痛分娩を希望する」という意志を担当医師に伝えるようにしてください。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 鈴木俊治医師葛飾赤十字産院 副院長日本産婦人科医会 副幹事長1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。
2017年06月09日いつ、どんなときに事故に巻き込まれるかは誰にも分かりませんよね。そして、事故が起こった際には、大抵パニックになって何をすれば良いのか分からなくなってしまう方も多いと思います。そこで、今回は、被害者・加害者を問わず、交通事故を起こしてしまった際にするべき4つのことをご紹介したいと思います。*画像はイメージです:■1.警察への届出交通事故を起こした場合、物損か人損(人身)かを問わず、警察への届出義務があります(道路交通法72条1項)。したがって、救急車等を手配すると同時に、可能な限り、速やかに警察に通報するなどして事故を届出することが必要です。 ■2.証拠等の確保現場の状況は、後で裁判で争われることがあります。事故後の車両の位置や損傷状況、現場の状況、自己の状況等について、できる範囲で保全をしましょう。事故の目撃者なども、いったん現場を離れてしまうと後日証人として探し出すことは困難となります。重く負傷している場合は同乗者などが代わりに目撃者に後日証人となってくれるよう連絡先交換などをお願いして下さい。相手方の情報も必要となりますので、当事者双方で交換するようにしてください。現場の状況は、全体が分かるように携帯のカメラで撮影するくらいでも構いません。 ■3.保険会社への連絡加入している保険会社にも連絡を入れましょう。示談交渉の代行や保険金支払などについても相談できます。治療費は、相手方保険会社から直接支払われることもありますので、相談してください。また、民事裁判等をする場合は、自動車保険に附帯した弁護士特約を使用し、保険金から弁護士費用を充当して弁護士に相談したり、裁判を依頼したりできます。弁護士特約を利用して弁護士費用を保険金から充填するだけであれば、保険料の等級が下がらないこともあります。なお、弁護士特約を使用する場合、保険会社と弁護士会から弁護士を紹介してもらうこともできますし、知り合いなど自分で相談したい弁護士を決めて、弁護士特約を利用することも可能です。 ■4.損害に関する資料の保全交通事故による損害は、治療費など事故後に発生するものも多いです。損害額を後で立証できるように治療費や通院交通費などはしっかり領収書を残してください。休業損害については、職場から休業損害に関する証明書を発行してもらうよう依頼してください。事故後に事故に起因する出費をした場合は、後で認められるかどうかはともかく、念のため、支出した領収書などは残しておきましょう。 *著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)【画像】イメージです*Dmitry Kalinovsky / Shutterstock
2017年04月01日子どもの事故は未然にふせぎたいもの。外出中は危ない場所に近づかないよう、走って飛び出さないようわが子の行動に注意している人も、家の中では気がゆるんでしまうこともあります。小さな子どもをもつ保護者向けに行われたアンケートから、意外な結果がみえてきました。そこで明らかになった転落・転倒の多い事例と対策についてご紹介します。■1~2歳児の転落・転倒事例でダントツ多いのは?東京都の情報サイト「東京くらしWEB」がおこなった乳幼児を持つ保護者3,000人を対象にしたアンケート調査「 乳幼児の転落・転倒による危険 」で、乳幼児の転落・転倒の多い事例が明らかとなりました。実際に転落・転倒した、しそうになった年齢で最も多かったのは1~2歳のとき。なんと、全体の6割を記録しています。●製品等別 転落・転倒経験の有無 転落・転倒した製品としては、「乳幼児用でない椅子」「ソファ」が1位、2位にランクイン。椅子は「立ち上がる」動作で、ソファーは「遊んでいて」転落、転倒する事例が目立っているようです。■事故はこうして起きていた!具体的には日常のどんなシーンで転落、転倒の危険があるのでしょうか。体験者からの投稿によると、次のような事例が寄せられています。●椅子(乳幼児用でないもの)の主な事例・上の兄弟 2 人が椅子に座って、パソコンラックで YouTube を見て いたとき、2 歳の男の子も一緒に見たくて椅子の座面に立っていた。そ れでバランスを崩して腕から落下し骨折した。・ダイニングテーブルセットの回転する椅子が楽しく、ぐるぐる回っていたら椅子がぐらっと傾いた。・ハイチェアを買っていなかったので、椅子の上に子供用ローチェアを 置いて、その上に座らせていた。固定していなかったので目を離してい たら椅子の上のローチェアの上で飛び跳ねていて、ローチェアがだんだんずれていった様で、そこから落下した。出典:東京くらしWEB「 乳幼児の転落・転倒による危険(報告書) 」(PDF:1.06MB)また、ソファでは、ソファ自体で遊んでいるときに事故が起こったものが最多でした。●ソファの主な事例・娘が5歳の時、ソファに後ろ向きに座って遊んでいた。振り返ったときにバランスを崩し、前のリビングテーブルで口を打った。上と下の歯 で下唇を挟み、下唇の下を6針、口の中を2針縫った。 ・友人の子供(男の子・2 歳)を自宅で預かったとき、娘(5 歳)と一緒にソ ファの背もたれの部分に乗っては降りるという遊びをしていたとき、バキッという音とともに突然ソファの背もたれが後ろに倒れてケガをし そうになった。出典:東京くらしWEB「 乳幼児の転落・転倒による危険(報告書) 」(PDF:1.06MB) 椅子やソファでの事故は、不注意によるものが多くみられます。そこで次のような対策を検討してみましょう。<椅子やソファで事故が起こらないために実施したい対策>・椅子やソファでは遊ばせない・遊びだしたら注意する、・ソファの背もたれは、壁につける、・ソファーでは寝かせない・可能なら低いソファに買い替え、もしくはソファの下にコルクマットを敷く■知っておきたい意外な転落・転倒スポット●転落・転倒により医療機関の受診が多い製品等アンケートでは0~6歳までの転倒・転落経験、しそうになった経験について調査がおこなわれました。そのなかで、1歳児以降すべての回答に含まれていたのが「家の階段」です。調査によると家の階段から転落、転倒した際に医療機関を受診している人が多く、保護者自身も家の階段を「危ない場所」と認識している人が多くいました。じつは、私の息子も4歳のときに家の階段からすべりおちた経験があります。たった3段でしたが、大人の半分にも満たない小さな体には大きな衝撃があったようです。ケガこそありませんでしたが、横倒しになって全身で落ちてきたので、本当にヒヤッとした記憶があります。家の階段でおこる事故の状況としては「踏み外す」場合が最も多く、ついで「滑る」となっています。小さいなうちは子どもが1人で階段を使わないよう、ゲートをつける、子どもを抱っこしたまま階段を使用しない、などの対処が事故を未然に防いでくれるのではないかと思います。大人にとってはなんてことのない場所・場面も、小さな子どもにとっては大きなケガにつながる危険がひそんでいるかもしれません。転落・転倒は普段の日常のなかにあることを、意識しておきたいですね。<参考サイト>・東京くらしWEB ヒヤリ・ハット調査 「 乳幼児の転落・転倒による危険 」・東京くらしWEB ヒヤリ・ハットレポートNo.11「 乳幼児の転落・転倒 事故防止ガイド 」(PDF:4,825KB) ・東京くらしWEB 「 乳幼児の転落・転倒による危険(報告書) 」(PDF:1.06MB)
2017年03月24日最近、テレビCMなどで「実費型医療保険」という言葉を耳にする機会が増えた。実費型医療保険は「実際にかかった医療費」を保障する保険。保険料は安く、合理的に見えるが、本当に安心でお得な商品なのだろうか? そこで、実費型医療保険のメリットとデメリットについて、代表的な実費型医療保険であるソニー損保の「Zippi(ジッピ)」を例に、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。 【1】入院治療費の3割を保障 「受け取る保険金は、入院治療費の3割負担分です。通院治療費は対象に含まれません。保険金は、医療費の領収書にある『診療報酬点数』を基に計算されます。自己負担の上限額を超えると払い戻しなどが受けられる『高額療養費制度』を利用した方も、70歳以上で自己負担が2割や1割の方も、保険金は3割相当額で変わりません。ただし、保険金には、1カ月に20万円まで支給などの上限があります」 【2】保障対象は公的健康保険の範囲 「差額ベッド代や、先進医療などの保険外診療は対象外です。別途オプションに加入すると、保障対象が広がります」 【3】5年定期保険 「保険料は従来型より比較的安めに設定されています。ただ5年定期ですから、更新のたびに保険料は上がります。たとえば20歳女性の保険料月額は975円ですが、50歳になると2,052円に、60歳では3,305円、65歳では4,871円と、中年以降は急激に値上がりします」 実費型医療保険は、損害保険会社が提供している。なので、火災保険や自動車保険で被害額に応じた保険金が支払われるのと同様に、“実際にかかった医療費”が保障される。いっぽう、入院日額を設定する従来型は、生命保険会社が提供している。医療費を含めた生活全般を支えることが目的だ。 「両者を比較すると、損害保険会社は保障を限定する分、保険料は安く抑えられます。ある意味、合理的な考え方だといえるでしょう。とはいえ、先述のように中年以降は保険料負担が重くなりがちです。医療保険は月々の保険料だけに注目せず、解約までに払う保険料総額を、電卓をたたいて計算することも大切です」
2017年03月20日■乳幼児医療費助成とは?子どもにかかる医療費を、自治体が助成してくれる制度。なので、名称や助成内容などはさまざま。詳細は、住民票がある市区町村の役所に確認を!■乳幼児医療費助成制度でもらえる金額は、いくら?助成額は、自治体によって異なる。たとえば、かかった医療費全額を助成する自治体もあれば一部の場合もあるし、助成の対象年齢も乳幼児に限らず、中学生まで対象にしている自治体もある。■乳幼児医療費助成制度でもらえる人は、どんな人?国民健康保険や会社の健康保険など、公的医療保険に加入し、乳幼児医療費助成の加入手続きをした人。加入の手続きが遅れた場合、さかのぼって助成が受けられるかも自治体によって異なる。■乳幼児医療費助成制度の手続きの概要①住んでいる市区町村の助成内容・手続き方法を確認する自分が住んでいる市区町村の助成内容や手続きの方法を、役所の窓口や自治体のWEBサイトで確認しておく。市区町村の境目に住んでいて、他自治体の医療機関を使う可能性がある人は、「他自治体の医療機関を受診した場合」もチェックしておく。②赤ちゃんの健康保険に加入手続きし、健康保険証を受け取る赤ちゃんが入る健康保険に加入手続きをする。加入の手続きをする際に、「いつごろ健康保険証が届くのか?」の目安を確認しておくと、乳幼児医療費助成の申請タイミングの参考になる。③役所で手続き後、乳幼児医療証を受け取る赤ちゃんの健康保険証を持参して役所で助成を受ける手続きをする。健康保険証が届いていない場合でも、手続きできる自治体もある。手続き後、しばらくすると乳幼児医療証が届くので、これを医療機関の窓口に提示することで助成が受けられる。■乳幼児医療費助成 DATA※この記事は2016年11月末現在の法令・情報に基づいて書いています。(監修:ファイナンシャルプランナー 畠中雅子/文:楢戸ひかる)
2017年01月10日■医療費控除とは?1年間に10万円を超える医療費がかかった場合、確定申告をすることで、支払った税金の一部を戻してくれる制度。■医療費控除によって、戻ってくる金額は、いくら?戻ってくるお金 = 医療費控除額 − 所得税率たとえば医療費合計額が60万円で所得が320万円の場合なら、確定申告をすることで、税金がおよそ8千円程度(※)戻ってくる。※医療費60万円 − 出産育児一時金 − 足切り額10万円 = 医療費控除額面8万円 × 所得税率10% = 戻ってくるお金8千円■医療費控除によって、お金が戻ってくる人は、どんな人?家族全員で1年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額)を超えて医療費を支払い、確定申告をした人。■医療費控除の手続きの概要還付申告だけなら1年中受け付けている。確定申告というと2月中旬~3月中旬のイメージがあるが、(医療費の)還付申告は、1年中受付している。対象となるのは、申告する前の年1年(1月1日~12月31日)なので、たとえば2017年の分の確定申告(医療費の還付申告)であれば、税務署が混む前の2018年の1月中に提出すれば、相談窓口も込みあわないので、確定申告初心者にはオススメ。■コラム:「保険金等で補てんされる金額」について知っておこう医療費控除で間違えやすいのは、「保険金等で補填される金額」。実は、私も初産(16年前)の確定申告時に間違えて、税務署の方に指摘され、とても焦った記憶がある。この話を簡単に言えば、「公的制度や民間の保険会社からもらったお金は、医療費から差し引いて計算しなければならない」ということ。「差し引く必要がある費用」と、「差し引く必要のない費用」を下記の表にまとめた。ちなみに私は「出産育児一時金」を差し引くのを知らず、金額が40万円くらい違っていた(激汗)。私のように慌てないよう、ご注意を!●「保険金等で補てんされる金額」として差し引く必要があるもの、ないもの。(エキサイト編集部で作成)■医療費控除 DATA※この記事は2016年11月末現在の法令・情報に基づいて書いています。(監修:ファイナンシャルプランナー 畠中雅子/文:楢戸ひかる)
2017年01月10日作家・遠藤周作の医療ミステリー小説「真昼の悪魔」が、来年2月放送のフジテレビ系オトナの土ドラ枠にてドラマ化されることが決定。主演には女優の田中麗奈を迎え、自身初の女性医師役に挑戦する。とある教会のミサで神父は言う。「悪魔は埃に似ています。誰も気づかぬうちに、目立たずそっと忍び込み、たまっていくのです。みなさんの心の中に…」。後方の席で神父の言葉を聞いている女性・大河内葉子(田中麗奈)。その美しくも無表情な顔からは、彼女の内面がまったくうかがい知れない。一方、作家志望のとある青年・難波聖人は、腹部に猛烈な痛みを覚え、大学の山岳部のOBで面識のあった医局長の吉田誠のいる関東近郊の病院に駆け込んだ。対応するのは、白衣の医師・葉子。虫垂炎だと診断し、てきぱきと指示を出す。手術は無事に成功し、入院することになった難波は、トイレで隠れて煙草を吸っていた清掃員の芳賀明善と出会い、すぐに意気投合。そして、美しく優秀な葉子が担当医になったことにも喜ぶが、しかしそれは大いなる絶望と破滅への入り口であった。病院内で奇怪な事件・トラブルが突如相次ぐ。病室の引き出しの奥に挟まっていた不可解なメモ、認知症の老婆に対する医療事故、少女が謎のアレルギーで死の淵に、見舞いのため泊まり込んでいた母親も階段から転落、そして偽のカルテにより病状が悪化していく患者…。果たして、これらは誰かの悪意の所業なのか、それとも――?さらに、葉子のプライベートもまたある意味奇怪なものであった。度々教会の神父のもとを訪ね、懺悔室で思いを吐露。俗物である御曹司・大塚光の猛アタックに応えるも、妖しくねじれていく関係。それは、葉子自身にしか解らない深い闇、葛藤、虚しさに、もがき苦しんでいく姿だった。患者、同僚、恋人、父親…複雑に絡み合う事件と人の心。人間の本質に巣くう「悪意」とはなんなのか。誰の心にも「悪魔」が埃のようにたまっていく可能性があるのではないか。そして物語は衝撃の結末へと転がり進んでいく…。原作は、1980年に発表された遠藤氏による同名医療ミステリー小説。本作は、オトナの土ドラ第1弾として放送されたユースケ・サンタマリアや優香らが出演する「火の粉」のスタッフたちが再集結し、現代を生きる人々の“深い闇”を描いていくという。田中さん演じるのは、優秀な美人外科医・葉子。社交的で明るく、患者への接し方も親切で評判もいいが、しかし幼い頃からあらゆる出来事に対して心が動かず、無感動かつ無道徳な裏の面を持つ。苦しんでいる人を見てかわいそうと思うことはなく、罪悪感もない。ターゲットとなる人物や事象が現れると、衝動的に“悪”のスイッチが入ってしまう…という役柄だ。原作を読んで「とても面白く、最後までスリルを味わいながら一気に読む事が出来ました」と話す田中さん。「悪とは何か?という事への探究心。彼女は人と違うのかもしれない。もしくは、誰しにもある心に素直なだけなのかもしれない…私も、大河内葉子に引き寄せられた一人としてこの役を演じたいと思いました」とコメント。また東海テレビのプロデューサーは、「『空虚な心に悪魔は憑りつく』という遠藤周作氏が放つメッセージは、まさにいまの時代を生きる私たちに向けられた警告だと考えています。無関心・無感動な心を抱えている人は年々増え続け、動機が理解できず、全く情状酌量の余地のないような不愉快な事件も次々と発生しています。現代を生きる人間は、誰もが心に悪魔をため込む危険性を抱えているのです。それゆえ、この小説をいまドラマ化することは非常に意義があることだと考えています」と本作の制作意図を語り、「真冬の土曜の夜、鳥肌が立ち、背筋が凍って眠れなくなるオトナのドラマをお届けします。ご期待ください!」とメッセージを寄せている。オトナの土ドラ「真昼の悪魔」は2017年2月4日より毎週土曜日23時40分~東海テレビ・フジテレビ系にて放送(全8回予定)。(cinemacafe.net)
2016年12月26日5~6時間の睡眠しか取らなかった運転者は交通事故のリスクが約2倍に、睡眠時間4~5時間の運転者は交通事故リスクが4倍以上にも上ることが、米自動車協会交通安全財団(本部・米ワシントンD.C.)の研究で明らかになりました。同財団が2016年12月6日、研究レポート「睡眠不足と交通事故の関係」として発表しました。 睡眠不足は飲酒運転による事故リスクと同程度研究は、2005~2007年に発生した交通事故4,571件に関与した運転者7,234人と睡眠時間の関係を分析。睡眠時間が過去24時間で6~7時間だと、睡眠時間7時間以上の運転者と比べて事故リスクは1.3倍、5~6時間だと1.9倍、4~5時間だと4.3倍、4時間以下だと11.5倍にもなりました。このリスクのレベルは、米幹線道路交通安全局(NHTSA)が公表している飲酒運転が引き起こす交通事故のリスクと同程度だということです。 死亡交通事故の21%は眠気運転が関係睡眠不足は、刺激に対する反応を遅らせ、反応の正確さも減少させる結果、運転すれば交通事故の危険をもたらします。同財団によるこれまでの研究で、死亡交通事故の21%が運転者の眠気と関係していることが分かっていましたが、睡眠時間と交通事故リスクの数量的な関係を突き止めたのは今回が初めてです。 7時間以上の睡眠を取らずに運転するのは危険米疾病対策センター(CDC)の調査によると、米国の自動車ドライバーの35%が、7時間の睡眠を取れていませんでした。同財団によれば、運転者の97%が、眠気のある状態で運転する人はほかのドライバーの安全を脅かしており、許せないと考えている一方、運転者3人のうち1人は、過去1か月以内に非常に疲れて目を開けているのがつらい状態でも運転したことがあると答えたそうです。同財団では、7時間以上の睡眠を取らずに運転すれば、死亡事故に結びつく危険があると、ドライバーたちに警告しています。 出典:米自動車協会交通安全財団プレスリリース米自動車協会交通安全財団研究報告書 by Gary Knight
2016年12月18日道交法72条では、人身事故・物損事故問わず、交通事故全般について、速やかな警察への報告義務が課されています。したがって、軽微な事故や当事者双方にケガがなく、話し合いで解決したり、そもそもお互いに賠償請求するつもりがない場合であっても、道交法上は、必ず警察への報告をしなければなりません。*画像はイメージです:■警察への報告義務を怠ると罰則がこれは、交通事故直後には、お互い怪我がなく、車両損害もたいしたことがないと思って、そのままにしておいても、後日、当事者の一方が予期していなかった後遺症を発症したり、車両の損害が判明した場合に、警察に捜査を求める可能性があり、事後的な現場検証が難しいことと、軽微な事故も含めて警察で把握することで、交通事故の予防政策にも活用する必要があるためです。また、人身事故の場合には、自動車運転過失致傷罪等に問われる可能性がありますが、当事者の判断だけで、報告がなされないと、適切な治安維持、交通取り締まりも実現できません。そのため、道交法では、交通事故全般について、報告義務が課されており、交通事故の報告義務に違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります。 ■「ひき逃げ」により刑が加重される道交法72条では、交通事故時の報告義務とともに、救護義務定めています。したがって、交通事故を起こした運転者は、負傷者(被害者)の救護をする義務があります。交通事故を起こしたにもかかわらず、負傷者の救護もせずに、現場から逃亡する(ひき逃げ)行為は、救護義務違反として、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。 ■「殺人罪」が適用されるケースもさらに、交通事故によって被害者に重傷を負わせたにもかかわらず、救護もせずに被害者の身体を匿うなどして救護を困難にし、結果、すぐに救護すれば助かったのに被害者が死亡まで至った場合には、(不作為の)殺人罪が適用されるケースもあるとされています。交通事故の直後は、気が動転し、会社や家族のことが頭をよぎって逃亡する誘惑にかられるかもしれませんが、ひき逃げや報告義務違反は、さらに悪い結果しかもたらしません。不幸にも交通事故を起こした場合は、速やかな警察への報告と救護をしましょう。 *この記事は2015年11月に掲載されたものを再編集しています*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)【画像】イメージです*photoman / PIXTA(ピクスタ)
2016年12月05日DeNAが運営する医療・健康情報WEBメディア「WELQ(ウェルク)」が11月29日の夜に全ての記事を非公開としました。背景には、不確かな情報を元にした医療・健康系の記事を大量に公開していたことに対する批判が集まったことがあります。問題は、都の福祉保健局がDeNA担当者を呼び出す事態にまで発展しています。本件ではどのような点が具体的に問題とされたのか考えてみましょう。*画像はイメージです:■認められた効果・効能等以外を表示してはいけないWELQでは、医学的根拠が必ずしもないにもかかわらず、効果や効能を謳う内容が掲載されていました。薬機法68条は、1項で「何人も」虚偽又は誇大な記事を広告・記述・流布してはならないとし、2項で「医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事」の広告等も禁止しています。医薬品の販売をしているわけではないから問題ないのでは?と考える方もいるかもしれませんが、禁止されている主体は「誰でも」であり、また禁じられるのは「広告」に限りません。したがって、ウェブ記事であってもこれに当たることになるのです。なお、記事には「ようです」といった形で結論を断定していないものも多かったようなのですが、記事全体としてみれば効果・効能等を表示しているとみなすことができるのであれば、これに抵触する可能性があります。 ■他の記事からの盗用はいけないまた、記事はインターネット上にある記事をほとんど丸々コピーして、語尾だけ変えるといったことをしているようですが、この点は著作権法に抵触しています。インターネット上に公開されているからといって、それを勝手に使って良いかというと、当然そのようなことはありません。私的使用は許されますが、インターネット上に公開することは公衆送信権という権利を侵害するため、許されません。そのため、侵害にならないためには、適切な「引用」といえることが必要です。裁判実務上、引用された部分が明確であること(明瞭区別性)、引用する側が「主」で,引用される側が「従」といえる関係にあること(主従関係性)が重視されています。語尾だけ変えた記事は、このいずれも満たしていないため、適切な「引用」とはいえませんので、この点も問題といえます。なお、しばしば「無断利用」といわれたりしますが、適切な「引用」は事前・事後に許可を求めることは不要なので、「無断」かどうかという点は問題になりません。 *著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)【画像】イメージです*studiostoks / PIXTA(ピクスタ)
2016年12月02日医療は日進月歩。その進歩はニュースになりやすい一方で…出典 : 医療は日進月歩です。他の領域に比べて、新しい発見や新開発の治療法の情報がニュースになりやすいのは、医療領域の一つの特徴であると言えるでしょう。けれども本人やご家族は、その新しいニュースを見聞きする度に一喜一憂することになります。また、ニュースで報じられるような新しい治療法は、受けられる機関がとても限られています。本当に新しいニュースを追い続ける必要は果たしてあるのでしょうか。医療で採用される新しい診断法、治療法などは、とても慎重に、何度もその有効性と安全性が確かめられてから、一般的な医療機関に採用され、また日本では健康保険が適用され、安価に利用できるようになります。この数年でも発達障害に含まれる障害に対して、新しく正式に適応が承認されたお薬がいくつかあります。その一方で、ニュースになった多くの新しい発見や治療薬は、まだまだ開発のごく初期段階に留まっているものがほとんどです。その後の研究の中で、実はあまり有効ではないことがわかったり、思ったより安全ではなかったりすることがしばしばあります。自閉スペクトラム症の領域では、これまでにも数多くの薬剤が颯爽と登場しては消えていくという経過を繰り返しています。こうした新しい診断法や治療法に期待することは悪いことでありません。また新たな方法の開発を担当するような医療機関に通院している方には、ぜひその研究に協力していただいて、新しい支援の道を開くことを助けていただきたいという思いもあります。けれどもそれはむしろボランティア、社会貢献という位置づけです。残念ながら本人やご家族に利益をもたらすとは限らない、それが研究途上の新しい医学的手法なのです。サプリメントを使っても良い?判断の基準は安全性・コスト・併用可能性出典 : もう一つ、残念ながら現在の日本の状況では、医学による厳密な効果や安全性の検討を受けない、あるいはあえてそうした検討を避けて、宣伝されたり使われたりする物質や薬物も少なくありません。医師の処方箋を必要としない多くのサプリメントや薬物などが、発達障害への有効性を謳って、あるいはより巧妙にそれをほのめかして宣伝されていたりします。診察室でそうした物質を使ってみてもよいか、相談されることもしばしばあります。自分の場合にはこのようなとき、それがかなり安全であることがはっきりしていて、家計の負担になるほど高価ではなく、標準的な他の支援を受けることを妨げないのであれば、それを使ってみることを検討してもよいのではないか、とお伝えしています。このうち、安全であることを確かめるのは実はなかなかやっかいです。物質そのものは安全そうであっても、製造過程で混じり物がないかどうか、そもそも能書き通りの物質が含まれているのか、それを確かめるのはなかなか難しいことも多いのです。またこうした有効性と安全性の検証を経ていない治療法というのは、実はお薬に限りません。心理社会的介入と呼ばれるような薬物以外の様々な支援の中でも、しっかり研究が進められているものと、確からしい証拠がほとんど見つからないものが、世の中で入り混じっています。このときにも判断の原則は、安全性、価格や時間などのコスト、標準的な支援との併用可能性ということになります。貴重な時間やお金、気力や体力を上手に使っていくためにも、筋のよい情報を収集することが必要ですね。迷ったときは、主治医に相談を。これからも上手に医療と付き合って出典 : 全ての医師がこうした、標準的な医療以外の支援に詳しいわけではありませんが、迷ったときに主治医に相談してみるのは、悪くないかもしれません。そして主治医がまったくそれを知らなかったら…、それはその方法についてほとんど研究が進んでいない証拠かもしれません。さてここまで10回の連載では、医療による支援そのものの詳しい説明ではなく、どのようなスタンスで医療とつきあってゆくと物事がうまく進みやすいのか、できる限り踏み込んで書いてみました。実は自分のスタンスは必ずしも平均的な医師とは重ならないところもあるかもしれず、そこはたいへん申し訳ないのですが、皆様の今後の医療サービスの利用に際して、少しでもご参考にしていただけたらとても嬉しく思います。
2016年10月21日発達障害のある人のため、医療機関ができること出典 : 年現在、多くの地域で、発達障害の診療に携わっている医療機関は著しく不足しています。医療従事者、それを利用する他領域の支援者、時には本人やご家族も、限られた地域の医療資源をできるだけ効率よく活用することを考える必要があります。発達障害のある本人や家族には様々なサポートが必要です。その中には医療機関が提供できる、提供しているものもたくさんあります。その代表的なものを挙げてみます。Upload By 吉川徹けれどもこの中で、どうしても医療機関でなければ提供できない支援というのは、実はあまり多くありません。そして、医療以外でも提供できる支援は、実は他の領域の支援者の方が、有利であったり、得意であったりすることも多いのです。医療でなければできない発達障害支援は何か出典 : 医療でなければ提供できない支援の一つは「診断」です。一方で、広く診断といったときに、その人に発達障害の特性があるのかどうか、発達障害の特性を考慮に入れた支援が有効であるのかどうかという「見立て」は、必ずしも医療機関のみでなされているわけではありません。むしろ本来はこうした見立ては、保健、教育、福祉などの領域でも必要になってきますし、仮に医学的診断を後に受けるとしても、それより前から見たての作業が始まっていることが望まれます。また、「見立て」に限られた時間しか充てられない医療機関に比べて、生活を共にする時間が長い人は、そもそもとても有利でもあるのです。ここは医師の間でも見解が分かれるところなのですが、自分は発達障害のある人すべてが、医療による診断を受ける必要は必ずしもないと考えています。ただし見立てや診断において、どうしても医療機関が必要になる場面があります。それは、・患者の困りごとが、発達障害以外の他の疾患から起こっている可能性を見極め、排除する必要がある場合・患者の困りごとの背景にある疾患を診断する必要がある場合上記の2点です。特に生物学的な検査が必要である場合、医療抜きにこれを行うことはほぼ不可能です。発達障害によく似た状態を示す疾患はたくさんありますし、また発達障害のある人には、脆弱X症候群やダウン症など様々な障害が背景にあることも少なくないのです。このため、何らかの点で典型的ではない、他の際だった特徴のある人の場合、医療機関を受診しておくメリットは大きくなります。そして診断書の発行も医療機関の重要な役割であり、優先度の高い仕事です。一般に医師は診断書の発行を面倒がる傾向があるのですが、これはどうしても医師免許が必要であり、医師が(好まずとも)独占している業務なので、嫌がらずにやらないといけないと自分に言い聞かせています。そしてもう一つ、どうしても医療でないとできない業務は、処方箋の必要な薬物を使うことです。これは当然ですが、では処方箋のいらないお薬、サプリメントはどうか、ということになります。しかし、これらの中に現時点で効果と安全性が実証されているものは、ほぼありません。医師と相談せずに使うことは更におすすめしにくいので、できればそこも医師と相談できると手堅いでしょう。結局、どうしても医療でないとできない主な支援は、診断、特に診断書の発行と薬物療法ということになります。医療でも出来る支援には、他に幾つもありますが、その優先度は低くなります。医療機関が不足している地域では、医療資源はまず診断と投薬のために活用する、その姿勢が求められています。医師の側もその業務を独占している以上、優先的にそれを提供する義務があると言えるでしょう。医療の強みは、卓越した経験と専門性にある出典 : それでは診断や薬物療法以外には、医療のアドバンテージはないのでしょうか。医師の立場からすると「それはある」と言いたくなるのですが、実際にはどうでしょうか。一つには、医師、特に発達障害を専門とする医師は、他の領域の支援者と比べても桁違いに多くの事例に接しているということがあります。一人の専門の医師が同時に診療している発達障害の患者さんは、数百人から時には千人を越えることがあります。医師人生の中で会ってきた患者は数千人ということも珍しくありません。そして多数例の報告に基づいた研究論文がたくさんあるのも医療領域の大きな特徴です。また多くの医師は、ライフステージをまたいで、患者さんに関わり続けています。幼児期早期に受診した子どもが成人し、時には老年期まで診療することがあります。自分一人でそれを見届けることができなくても、連綿と書き綴られたカルテから、比較的若い医師でも目の前の患者の若い頃の姿を確かめることができるのです。多数の患者に関わる医師は、残念ながら養育者や他の領域の支援者に比べると「その子自身」の専門家になれる機会は限られます。そのかわり「自閉スペクトラム症」の専門家、「注意欠如多動症」の専門家などには、なりやすい立場です。多くの例に長く関わっているからこそ、行いやすい見立てや助言があります。それは例えば、・将来を見越して今優先すべき支援の領域を考えること・本人や家族のリソースの配分を考えること・進路の決定などの場面でのアドバイスです。このように医療による支援のなかには、医療でないとできないこと、医療でもできること、そして医療が得意なことと苦手なことがあります。皆さんにはこうした医療による支援の特性をうまく理解して頂いて、上手につきあっていただきたいと思います。
2016年10月03日