多かれ少なかれ、誰の人生にもお金の悩みはつきもの。そこで読んでおきたいのが、『お金の不安が消える本』(さとうやすゆき著、KADOKAWA/角川学芸出版)です。著者は、15歳のとき北海道から単身上京し、皿洗いを経て営業マンに転身。その後、宝飾品のセールスで日本一、教育関連の営業で世界一の実績を打ち立てたという人物。現在はレストラン経営をはじめ、70店舗を展開しているそうです。いわば、「お金がないとき」の焦りや不安も、「お金があるとき」の不安も経験済み。だからこそ、ひとつひとつのことばには、強い説得力があるのです。貯金についての印象的な部分をピックアップしてみましょう。◼お金に恵まれない人の共通項︎お金に恵まれない人は、法則に反したことをやっている可能性があるのだとか。いい方を変えれば、収支が崩れている場合が多いということ。入るより出る方が多ければ、お金はなくなって当然。しかし、そんな単純明快なことに気づいていない人が多いということです。◼︎お金が貯まる「ダム式貯金法」そこで、お金が入ってきているにもかかわらず貯まらないという人は、「ダム式使い方」にするといいと著者は記しています。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、これは松下幸之助さんが唱えた「ダム式経営」になぞらえたもの。川にダムをつくり、水を貯めて流量を安定させるように、資金や生産設備、人員等を貯え、景気などに左右されない安定的な経営を常に心がけること。それがダム式経営の考え方。同じように、ダムに貯まっている水(お金)は使わず、そこからあふれ出た水(お金)で生活すればいいというのが「ダム式使い方」。◼︎お金と一緒に運もやってくる大切なのは、たった1,000円でもいいから、先月よりも貯金を増やしていくこと。いつでも使えるお金をしっかり貯めておけば、気持ちに余裕が持てる。また、貯まったお金をうまく投資すれば、より確実に増やすこともできる。そして少しずつ貯金をしていけば、運も少しずつ自分の方にやってくる。そんな発想。ただし、毎月1,000円でもかまわないとはいえ、著者には「より良い手段」としてオススメしたい手段があるといいます。それは、月々の貯金額をしっかり決めておき、それ以外のお金でやりくりする方法。「ダム式経営」と同じく、「ダム式使い方」だとお金は減りません。目先のお金を追いかけなくてすむ生活をつくり上げれば、お金は自然に寄ってくるわけです。そして、資金面での余裕があれば、気持ちにもゆとりが生まれ、アイデアもいくらでも湧いてくるようになるもの。そうすれば、好循環が生まれるということです。(文/印南敦史)【参考】※さとうやすゆき(2015)『お金の不安が消える本』KADOKAWA/角川学芸出版
2015年05月10日『努力が勝手に続いてしまう。—偏差値30からケンブリッジに受かった「ラクすぎる」努力術』(塚本亮著、ダイヤモンド社)の著者は、「偏差値30」の状態から、短期間で同志社大学、ケンブリッジ大学大学院に合格したという人物。本書ではそんな驚異的な実績と最新の心理学に基づき、楽で効率的な「努力術」を説いているわけです。きょうはChapter 1「『努力』という意識を捨てる」のなかから、時間の使い方について書かれた「『2920時間』の使い方をざっくり決める」を引き出してみます。◼︎自由な時間は1年間で2920時間だけ!人間に与えられている時間は平等で、1年間なら8760時間。睡眠時間を1日8時間とすると、活動に使えるのは5840時間。さらに学生や社会人なら、学校や仕事に半分の時間を使うため、残りは2920時間。つまり、1年間のうちで自分のために使える時間は、最大でも全時間の3分の1程度しかないという計算。しかし逆に考えると、約2920時間は自分でコントロールして使える時間だということにもなります。◼︎「自分に変えられること」をしようでも、もしそれでも足りないなら、なんらかの工夫をしてコントロールできる時間を増やさなければなりません。また、自分自身をコントロールすることも大切。などと書いてしまうと難しそうに思えるかもしれませんが、自分をコントロールすることは、他人をコントロールするよりもずっと楽。また、「自分で自分に素直になる」ということもコントロールのひとつだと著者はいいます。著者自身も高校時代は「自分にはできることがなにもない」と思っていたものの、本を読むようになってから、さまざまなことを克服したそう。読書によって、自分をコントロールしたのです。その結果として気づいたのは、どんな人にも「自分に変えられること」は必ずあるということ。具体的には、自分にできないことがあったとしても、それを事実として受け止める。そして「できる人」に話を聞いて、受けたアドバイスをそのまま実行してみる。そうすれば、新しいことも素直に取り入れられるわけです。◼︎成功している人とそうでない人の差事実、そんなことを繰り返した末に行き着いたのは、「なにかを成し遂げている人とそうでない人との差は、『努力の差』ではなく、ものごとに対する『素直さの差』なのではないか」という思いだったとか。こういう考えに触れた際、「なるほど」と思っても、実際に行動に移す人は少ないはず。だからこそ、そこで「差」が生まれるということです。人にアドバイスを求めない人は、プライドが高いのだと著者は分析しています。しかし成功を重ねている人は、無理なくアドバイスを求めることができるもの。そんなことも含め、さまざまなことを「軽い気持ち」で試しているからこそ、差をつけられる。そうすれば結果的には、「2920時間」をより有効に使えるわけです。(文/印南敦史)【参考】※塚本亮(2015)『努力が勝手に続いてしまう。—偏差値30からケンブリッジに受かった「ラクすぎる」努力術』ダイヤモンド社
2015年05月09日ノートやパソコン上ではなくA4の紙に、頭に浮かぶことを「1件1ページ」で次々と書く。しかも、ゆっくり時間をかけるのではなく、「1ページを1分以内に」さっと書く。毎日10ページ書き、フォルダに入れて瞬時に整理する。たったそれだけのことで、最も基本的な「考える力」を鍛えることができる。深く考えることができるだけでなく、「ゼロ秒思考」といえる究極のレベルに近づける。それが、『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』(赤羽雄二著、ダイヤモンド社)の著者の考え方。でも、「ゼロ秒思考」とはどのようなものなのでしょうか?■「ゼロ秒思考」で生産性が数十倍に!もやもやとした気持ちをその場でことばに置き換え、考えを深められるようになると、考えが進むだけではなく、どんどんスピードアップしていくのだそうです。そして結果的に、いままでは3~4日かけて考えていたことが、数時間でできるようになるのだとか。つまり1ヶ月かかっていたプロジェクトを、ものによっては1週間で終わらせることもできるようになる。生産性が数倍~数十倍に上がるということ。■思考の「質」と「スピード」の到達点具体的にいえば、「書く」ことによって課題が整理され、問題点の本質が見え、本質的な解決策とそのオプションが頭に浮かび、オプションのメリット、デメリットがすぐわかるようになる。だから、問題の本質と全体像を押さえた確実な対策が打てるようになる。つまり、そうした思考の「質」と「スピード」、双方の到達点が「ゼロ秒思考」。ちなみに「ゼロ秒」とは、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できることだといいます。迷っている時間は「ゼロ」、思い悩んでいる時間は「ゼロ」ということで、きわめて効率的にものごとを進めることができるわけです。■「書いて」「整理して」合理化するもちろん、すべてがスムーズに進むはずはないでしょう。大半のことが文字どおり「瞬時」にできる一方、もう少し時間がかかる場合もあるはず。しかし、それでも、従来にくらべて驚くほどのスピードアップが可能になると著者は主張しています。なにが起きているのか、それはどういう現象なのかを一瞬で判断し、判断したら次の瞬間に進むべき道を複数考え、著書短所の比較をし、即座に方針を決定する。「書いて」「整理する」ことが、そんなプロセスを合理化してくれるということなのでしょう。なお、ここでは基本的な考え方をご紹介しましたが、本書の第3章「ゼロ秒思考をつくるメモの書き方」では、より具体的な方法論が解説されています。頭のなかをスッキリまとめ、ビジネスをブラッシュアップしてみたい方には、そちらもぜひチェックしていただきたいと思います。(文/印南敦史)【参考】※赤羽雄二(2015)『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』ダイヤモンド社
2015年05月08日『100歳まで元気でぽっくり逝ける眠り方』(大谷 憲、片平健一郎著、あさ出版)というタイトルは「お年寄り向け」をイメージさせるかもしれませんが、決してそうではありません。「あなたが、いかに健康で楽しい人生を送り、苦しまない最期を迎えられるかは、『眠り方』にかかっています」「はじめに」に書かれている上記のフレーズからもわかるように、年齢にかかわらず、眠り方はとても重要だということ。眠り方を変えれば、最期まで自分らしく、健康な毎日を送ることが可能だという考え方です。◼著名人も認める「あたため睡眠」︎そして、それを実現するための方法として著者が本書で進めているのが「あたため睡眠」。体温を上げる睡眠が「長寿の秘訣」だとは、シンプルすぎる気もします。ところがその効果は絶大で、アントニオ猪木さんや女優の吉井玲さんなど、健康を気づかう各界の著名人からも評価されているのだそうです。でも、なぜ体温が高いほど長寿になれるのでしょうか?答えはシンプル。体温を上げると、免疫力が上がって病気になりにくくなるから。睡眠中、人間の体温は1~1.5℃低下するもの。つまり充分な睡眠をとっていても、就寝中はからだの免疫力が落ち、病気にかかりやすい状態になるということ。そして、体温が1℃下がるごとに免疫力は35%下がり、基礎代謝能力も15~25%下がるのだとか。ちなみに著者は東日本大震災の直後に30箇所の被災地を回り、「あたため睡眠」を推奨する活動としてきたのだといいます。そのとき目の当たりにしたのは、低体温症で命を落とすお年寄りたち。被災された方々の二次災害も、睡眠不足と冷えだったということです。◼︎「あたため睡眠」15のルールそれでは、あたため睡眠のルールを見てみましょう。[ルール1]からだを温めて眠る[ルール2]太陽の光を積極的に浴びる[ルール3]眠る1時間前は蛍光灯を消す[ルール4]カーテンは10センチだけ開けて眠る[ルール5]昼寝をしない[ルール6]夜のシャワーはやめる[ルール7]朝食には納豆を食べる[ルール8]晩御飯は夜8時までに[ルール9]食事は生野菜から[ルール10]「おかわり」は禁物[ルール11]冷たい水を飲みすぎない[ルール12]運動は夕方にする[ルール13]筋トレよりも「健康ゆすり」[ルール14]つくり笑いをする[ルール15]どこでもいつでも深呼吸を3回それぞれの根拠は本書で確認していただくとしても、「睡眠」とは関係なさそうな項目も少なくないことにお気づきではないでしょうか?しかし、実はそれらが大切なポイントだということ。そこを把握して健康な睡眠を実践するためにも、読んでおいて損のない一冊だと思います。(文/印南敦史)【参考】※大谷 憲、片平健一郎(2015)『100歳まで元気でぽっくり逝ける眠り方』あさ出版
2015年05月07日デスクまわりは、いつの間にか散らかってしまうもの。しかし、「カタをつけるための片づけ」という本質的な部分をクリアするためには、「すぐやる人」になることが大切。『「すぐやる人」になる1分片づけ術』(小松易著、日本経済新聞出版社)の著者はそう主張しています。しかし、そのためには具体的にどうすればいいのでしょうか?第3章「物を減らす整理のテクニック」に、答えを探してみましょう。◼︎片づけの2つの要素著者によれば、片づけには2つの要素があるそうです。それは、「リセット」と「習慣化」。リセットは「整理・整頓」のことで、オフィスに「大きなゼロ」のスペースをつくること。仕事に最適の環境をつくるには、できるだけものを減らし、置き場を決め、なるべく「大きなゼロ」をつくることが大切だという考え方です。そして「習慣化」とは、出したものを毎回もとの場所にしまうこと。◼︎片づけの3ステップそれでは、「整理・整頓」とはどういうことなのでしょうか?整理とは「減らす」であり、整頓とは「使いやすいように配置する」こと。そして、さらに重要なのが、リセットした状態を維持する、つまり片づいたスペースをきれいに保つこと。これら「整理」「整頓」「維持」が、片づけの3ステップだというわけです。そして最後に「習慣化」というゴールを目指していくことで、片づけは成功するという考え方。◼︎片づけの基本動作片づけを成功させるいちばんの秘訣は、「片づけの3ステップ」の1番目、「整理」を徹底してやりきること。この整理を中途半端にして整頓に移ると、片づけはうまくいかないといいます。整理のステップを成功させるには、整理をさらに4つのステップに分けることが大切。それは、次の4つ。(1)外に出す(2)分ける(3)減らす(4)しまうこれらをきちんとやることで、整理を成功させることができるのだそうです。しかも重要なのは、この4つのステップが循環しているということだとか。ここでご紹介したのはほんの一例ですが、このように具体的なステップが紹介されているため、簡単に実践しやすいはず。片づけに悩んでいる人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。(文/印南敦史)【参考】※小松易(2015)『「すぐやる人」になる1分片づけ術』日本経済新聞出版社
2015年05月06日『20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本』(岡崎充輝著、日本実業出版社)は、住宅、生命保険、教育、自動車など、将来的に必要になってくるお金についての考え方・貯め方を紹介した書籍。将来かかるであろうお金については、なかなかイメージしづらいもの。あるいは、わかってはいても、あえて直視したくないものではないかと思います。が、現実的にはそこをきちんと見きわめておかないと、あとあと面倒なことになるはず。そこに、本書の意味があるわけです。第4章「『使途不明金』を減らす」から、いくつかの要点を拾ってみましょう。◼1:使途不明金を探す大切なのは、将来的にお金︎に困らないこと。そのために必要なのは、当然のことながら貯蓄。といっても、「貯蓄するにしても、財源がない」という人はいるはず。そこで、「埋蔵金の発掘方法」が重要な意味を持ってくるというわけです。「そんなものはない!」と思いがちですが、よほど神経質に細かく家計管理をしない限り、必ず「埋蔵金」、すなわち「使途不明金」はあるのだとか。◼︎2:家計簿で使途不明金の額を把握する使途不明金をゼロにするために重要な意味を持つのが、家計簿だそうです。そして、ここで考えたいのが、会社で使途不明金がほとんど発生しないという事実。つまり会社では帳簿をつけているので、使途不明金が出ない。それを家計に置き換えれば、家計簿になるということです。とはいえ、難しく考える必要はなし。・家計簿でチェックしたいこと(1)いくらお金を持っていたのか(2)今日どれだけお金を使ったのか?(わかる範囲で)(3)いくらお金が残っているのか?(4)使途不明金はいくらなのか?これがわかれば充分だそうです。◼︎3:クレジットカード払いをやめる使途不明金を減らすにあたり、もっとも危険なのが、食料品や日用品の買い物にクレジットカードを利用すること。現金で買うなら、いま財布に入っているお金を使わなければなりません。しかしクレジットカード払いなら、財布にお金がなくても買いものができる。今月の収入では支払えない金額の買いものでも、平気でできてしまう。だから、家計の実態とかけ離れた買いものをしてしまうわけです。しかしそれだと、「クレジットカード払い症候群」になっても当然。どうしてもクレジットカードを利用したいなら、クレジットカードで利用した分のお金を、引き落とし口座にそのつど入金するのがいいそうです。(173ページより)そして、いちばん簡単な家計管理法、それは「予算管理法」。予算を決め、それ以上は使わないということ。逆にいえば、予算の範囲内であれば、いくら使ってもかまわないわけです。あまりにも簡単ですが、これが効果的なのだそうです。シンプルなことをシンプルに実践する。それが、お金を貯めるには重要なのかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※岡崎充輝(2015)『20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本』日本実業出版社
2015年05月05日毎日忙しく過ごしていると、ついつい外食に頼りがち。一人暮らしの方は、特にその傾向が強いのではないでしょうか?そこでご紹介したいのが、『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』(板倉弘重、浅野まみこ著、アスコム)。「血糖値なんか気にする年齢でもない」という人は少なくないでしょうし、サブタイトルにある「糖尿病」に関しては、なおさら縁遠く感じても当然です。とはいえ、日ごろの健康管理は将来に影響を及ぼすもの。気をつけて損はないので、ふだん何気なくたべている料理やスイーツを徹底比較した本書が役立つわけです。◼︎パスタならどっち?ここで比較の対象になっているパスタは、カルボナーラ(700kcal、食物繊維2.2g、糖質59.7g)、ナポリタン(679kcal、食物繊維4.3g、糖質69.6g)、そしてミートソース(603kcal、食物繊維4.7g、糖質67.1g)。コッテリとしたカルボナーラがよくなさそうな気もしますが、意外なことにカルボナーラが安全メニュー。なぜなら、卵、生クリーム、ベーコン、チーズなどが使われているカルボナーラは、脂質の多いパスタだから。ただし野菜が少ないので、サラダなどで食物繊維を補うことも大切。なお、よくないのは、糖質の多いケチャップを使っているナポリタン。(42ページより)◼︎サラダならどっち?ここに登場するのは、シーザーサラダ(238kcal、食物繊維1.0g、糖質6.5g)と根菜の蒸しもの(119kcal、食物繊維6.0g、糖質20.0g)。やはり意外なことに、よいのはシーザーサラダなのだそうです。なぜならシーザーサラダはチーズやドレッシングがかかるのでカロリーは高めですが、糖が多いのはクルトン程度だから。メインになるレタスには食物繊維が含まれているため、血糖値の上昇をゆるやかにするのだといいます。一方の蒸し野菜はカロリーを抑えることができ、食物繊維も豊富ですが、問題は根菜中心になってしまうこと。いもや根菜、コーンなどは糖質が多いので、食べ過ぎると糖質の上昇につながるわけです。とはいえ、適量なら問題なし。◼︎ケーキならどっち?ケーキは、小麦粉とクリームの使用量が少ないものを。ショートケーキ(344kcal、食物繊維—-、糖質26.1g)やチョコレートケーキ(501kcal、食物繊維—-、糖質40.1g)には、砂糖やホイップした生クリーム、チョコレートなどがたっぷり。生地にも小麦粉や砂糖を多く使い、高糖質なので注意が必要。その点、チーズケーキ(249kcal、食物繊維—-、糖質24.9g)は、チーズを多く含み、一般のケーキよりも糖質が少し抑えることが可能。またチーズはビタミンを多く含み、脂肪代謝に欠かせないビタミンB2も含まれるそうです。よりよいのは、カロリーを抑えたベイクドチーズケーキ。レアチーズは、クッキー部分に糖質が多いので要注意。このように日ごろ食べ慣れているものを比較しているので、少しだけ意識するだけで、食生活を改善できそうです。(文/印南敦史)【参考】※板倉弘重・浅野まみこ(2015)『ズボラでも脱糖尿病 血糖値 上がらないのはどっち?』アスコム
2015年05月04日『女性のためのもっと上手な話し方』(日野佳恵子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、「話し方」のプロではないのに、仕事において話し方を褒められることが多いのだそうです。つまり本書では、話し方について、そんな著者なりのメソッドを紹介しているということ。Chapter 1「どんな人にもきちんと伝わる『話し方』に変える5つの原則」を見てみましょう。◼︎1:おしゃべりは封印!「目的」に向かって話す「会話」とは、親しい人との「おしゃべり」。親しい仲だからこそ時間に制限はなく、目的は心地よい時間を過ごすこと。大事なのは「親和」や「共感」。「対話」は、目的に向かって、異なる価値観をすり合わせていくこと。仕事において、すべての話は「対話」。この2つの差を理解することが、まずは大切。そして、仕事においてはどんなときも、まず「目的」について最初から最後まで話すように意識しなければならないということ。(22ページより)◼︎2:曖昧なことばは封印!「事実」で伝える仕事では、根拠のない主観的なことばを使って話すことは厳禁。誰が聞いても納得できるような、根拠に基づいた「事実」を話すことが不可欠。「事実」で話せば、ミスも減らすことができるそうです。(28ページより)◼︎3:まわりくどい話し方は封印!仕事において、時間は「お金」話の9割は、相手にとってどうでもいいこと。まわりくどく話すのではなく、内容を理解しやすいようにシンプルに話すことが大切。相手の時間は「お金」であることを理解し、余計なものを排除し、最短で伝える流れを考えるべきだといいます。(33ページより)◼︎4:話の脱線は封印!5W1Hと箇条書きで「的確」に話すWho(誰が)What(なにを)When(いつ)Where(どこで)Why(なぜ)How(どのように)ご存知かと思いますが、これが「5W1H」。目的を理解して「的確」に伝えるためには、日ごろから「5W1H」×「箇条書き」のメールで訓練することが重要だという考え方です。(38ページより)◼︎5:イライラ、ムカッ、シクシク……は封印!「感情的に」話すのは「できない人」仕事では決して感情的にならず、淡々と対話を進めることがルール。感情的になってもまったく効果がなく、それどころか自分の評価を下げることにもなってしまう。勝手に涙が出てしまうなど、女性は感情表現が豊かなもの。しかし仕事の場においては、努力して平常心を心がけることが大切。この5ポイントを押さえるだけでも、伝わり方はきっと変わるはずです。(文/印南敦史)【参考】※日野佳恵子(2015)『女性のためのもっと上手な話し方』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年05月03日『インバスケット』とは、架空の人物になり切り、制限時間内により多くの案件を高精度かつ正確に処理することを目指すバーチャル・ビジネス・ゲーム。古くは1950年代に、アメリカ空軍で使われていたトレーニング手法なのだそうです。『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(鳥原隆志著、KADOKAWA/中経出版)の著者は、そんなインバスケットの第一人者。本書ではそんな実績に基づき、インバスケットの思考法を解説しているわけですが、印象的なのは、「仕事の8割は捨てていい」と断言している点です。◼︎実はやめることが大切だった!著者のかつての仕事は、店舗での売り場指導。手帳には、1日4店舗ほどの巡回スケジュールがびっしり。そして当時の目標は、“担当店舗を1週間ですべて回ること”だったのだとか。しかし「計画どおり、全店を巡回した」という達成感こそあるものの、成果は上がらず。そして考えた結果として気づいたのは、上司に「1週間で全店巡回した」と伝えるために仕事をしているということだったといいます。「やらなければならない」と思っていることが、街とハズレな仕事につながっていたということ。そこで、1週間で巡回することをやめたそうです。ちなみにここで著者は、“やめる”という行動は、“やる”以上に重要だと説いています。理由は、やめてみないと、新しいことをやる時間が生まれないから。◼︎たった2割だけでも充分な成果がその後の著者が実践したのは、“自分が解決しないといけない問題”がある店舗を重点的に巡回し、指導すること。問題のあるお店には丸1日張りつき、ときには2~3日連続で指導したこともあったのだとか。巡回した店舗の数だけでいえば以前の2割ほどになったものの、確実に成果は上がってきたといいます。「すべての店舗を回らなければならない」と思っていた人が、「すべてはしなくてもいい」と考えるようになったわけですから、不思議な話でもあります。しかし実際のところ、いままでやってきたことをやめてみると、「すべてをやらなくてもよい」ことがわかるのだそうです。極論をいうなら、いまやっている仕事のなかのたった2割だけでも、充分な成果が出ることもあるということ。これが、「仕事の8割は捨てていい」という考え方の根拠だということです。大判サイズでイラストも豊富なので、インバスケットに基づく考え方をわかりやすく理解できる内容。その考え方を身につければ、成果を上げる確率が高まるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※鳥原隆志(2015)『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』KADOKAWA/中経出版
2015年05月02日『これで解決。働くママが必ず悩む36のこと』(毛利優子著、日本実業出版社)は、3児の母でありながら会社員として活躍し、仕事と育児の両立支援サイト「働くママプラス」をも成功させた著者が、働くママが直面する壁を乗り越えるための術を紹介した書籍。妊娠・出産から復帰後の働き方、子育てとキャリアアップの両立、主婦・ママとしての仕事など、さまざまな角度から悩みを解決しています。きょうは仕事に焦点を当てた第3章「仕事をスムーズに進めるために」に焦点を当ててみましょう。◼︎1:自分の視野を広げて仕事の流れを把握する仕事と家庭を両立させる際の大きな問題が、スケジュール管理。子どもが小さいころは、突発的な休みや早退が増えてしまいがち。親の参加が必要な行事もあります。そこで、限られた時間のなかで、スケジュールどおりに仕事を進めるためには、1日単位で目の前の仕事をこなすのではなく、俯瞰的に仕事の流れを把握することが大切。◼︎2:締め切りとは別に自分的な締め切りをつくるまずは1ヶ月のスケジュールをチェックし、どうしても外せない優先順位の高いものをスケジュールに書き込む。そして次は、自分のなかの締め切りをつくっていく。たとえば締め切りが25日なら、自分のなかの締め切りは23日にしておくなど。なお日付だけで考えると、休日や祝日を見落としてしまうことがあるので、カレンダーを見ながらスケジュールを立てることがポイント。◼︎3:仕事と家庭のスケジュール管理を一元化する1ヶ月のスケジュールを記入する際、プライベートのスケジュール(保育園や学校の行事など)も同時に書き込んでおくといいそうです。「仕事のスケジュールは会社のシステムで利用しているカレンダーで」「家庭のことは手帳で」と、バラバラに管理している人もいるはず。しかしスケジュールはひとつにまとめて管理しておくことが重要。でないと、子どもが熱を出して急にお休みすることになったときなどに仕事のスケジュールが把握できず、引き継ぎが的確にできないなどの問題が出てくるからです。なおスケジュール管理に際し、著者は夫婦で家庭のスケジュールを共有できるオンラインカレンダーの利用を勧めています。メンバーごとに色分けできるので、どの予定が誰にものかすぐにわかって便利。予定が加わるたびにそれぞれが書き込めば、カレンダーをチェックするだけですべてを把握できるわけです。今回はスケジュールに焦点を当ててご紹介しましたが、これらは働くママのみならず、独身のOLにも応用できそうですね。(文/印南敦史)【参考】※毛利優子(2015)『これで解決。働くママが必ず悩む36のこと』日本実業出版社
2015年05月01日『ありがとうの神様神様が味方をする71の習慣』(小林正観著、ダイヤモンド社)は、人気作家でありながら、2011年に62歳の若さでお亡くなりになった著者が残した「ベスト・メッセージ集」。「人間関係」「仕事」「お金」「子ども」「病期」「運」「イライラ」「男女」と、さまざまなカテゴリーについて、独自の観点から語っています。著者は人間の潜在能力や超常現象などを長らく研究してきたことでも有名ですが、何度も実証を重ねた結果、客観的な事実として、「ありがとう」という言葉に大きな力があることを突き止めたのだといいます。第6章「『ありがとう』の奇跡」を見てみましょう◼︎A型人格とB型人間の違い人間は、“A型人格”と“B型人格”に分かれるのだそうです(血液型とは無関係)。双方をチェックしてみましょう。まずはA型人格から。A型人格:「責任感・正義感・使命感・義務感が強い」・・・自分にも他人にも厳しい。お風呂は熱め、コーヒーはブラック、ウイスキーはストレートが好き。カレーは辛口が好き。眉間にシワを寄せ、口はへの字、耳たぶがなくて切り立っている。B型人格:「競わない、比べない、争わない」・・・協調性がある。お風呂はぬるめ、コーヒーはミルク入り、ウイスキーは水割りが好き。いつも笑顔、口角が上がっていて、耳たぶが垂れ下がっている。◼︎人間の本当の価値とは?つまり“A型”は厳しいタイプで、“B型”はゆるいタイプだということ。なお学校教育は、基本的にA型をつくるためのシステムだと著者は説明しています。A型の基本的な価値観は、努力。ところが努力とは、見方を変えると“自分の力しか信じない”ということ。それは、おごり、たかぶり、うぬぼれ、傲慢につながるものだとか。そう語る著者の長女は、知的障害を持っているそうです。努力することもがんばることもないので、A型の価値観で判断したら、まったく価値がないということに。でも実際は、長女がニコニコ笑っているだけで、まわりの人は優しい気持ちになれる。ということは、人間の本当の価値とはB型にあるのではないか?それが、著者の考え方です。自分の力でがんばって努力する人の力量は“1”。しかし100人に「ありがとう」と手を合わせれば、いわれた人が味方になってくれるので、力量は“100”。1,000人に「ありがとう」をいえば“1000人(千人=仙人)”の力が得られる。だとすれば、自分の力はどうでもいいから、自分のエネルギーのすべてを「ありがとう」に使った方が得。それが、著者の結論だそうです。(文/印南敦史)【参考】※小林正観(2015)『ありがとうの神様神様が味方をする71の習慣』ダイヤモンド社
2015年04月30日日中関係が過去最悪ともいわれるほど緊張していますが、「本当にそんなに仲が悪いの?」という純粋な疑問を口に出せないでいる人は少なくないはず。そこでぜひ読んでいただきたいのが、『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(趙海成著、小林さゆり訳、CCCメディアハウス)。私自身、「日中関係が緊張していようが、個人間の関係については話が別」だと思っているのですが、その考え方を裏づける回答が、ここにはあります。反日デモの激化から1年を経た2013年秋に、『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由(在中日本人108人プロジェクト編)という本が話題を呼んだことがあります。文字どおり、中国に住む108人の日本人の声を収めたもの。本書はそれと対になるもので、「在日15年以上で日本をよく知る21人の中国人」の本音が浮き彫りになったインタビュー集です。◼︎日本に住む中国人の本音とは著者の趙海成氏は、北京出身。日本への留学経験を経て、初の在日中国人向け中国語新聞『留学生新聞』初代編集長を10年間勤めたという実績を持っています。現在は、北京を拠点に日中間を行き来しながらジャーナリストとして活躍しているそうですが、そんな人だからこそ聞き出せたに違いない、在日中国人の本音には、とても大きな説得力があります。特筆すべきは、彼らが考えていることは、私たちがマスコミから「一方的に聞かされて」いる中国人のイメージとはまったく違うということ。もちろん、日本人にいい人と悪い人がいるように、中国人にも悪い人はいるでしょう。しかし少なくとも、「全員が悪い人であるはずがない」という、よくよく考えてみれば当たり前すぎることについての根拠を強く感じ取ることができるのです。◼︎心を打つドラマの数々が!日本への留学を契機として、お金も経験もない状態のまま、28歳で中国人留学生のドキュメンタリーを撮り始めた女性。騙されて来日してホステスを経験したのち、日本人と結婚。出産後に託児の難しさを痛感したことから託児所を運営することに決めた女性。禅寺で苦学を経験し、現在はNHKで活躍している男性ディレクター。各人の人生には、ひとつとして同じもののない、心を打つドラマがあります。なかでも個人的に印象的だったのは、27年にわたり新宿・歌舞伎町で生きてきた「歌舞伎町案内人」の李小牧さん。2014年に日本へ帰化し、先日の統一地方選に立候補して話題になった人物です。残念ながら落選してしまいましたが、新宿で生きてきた生命力の強さと人間的な魅力は、読む側にも共感を与えてくれます。「俺はぜったいに歌舞伎町を離れない。ここは俺を出世させてくれた場所、そしてきっと俺の墓場になる場所だから」(38ページより)政治のことにも中国のことにも興味がないという方は、決して少なくないかもしれません。しかし読んでみれば、必ず感じるものがあるはずです。(文/印南敦史)【参考】※趙海成(2015)『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』CCCメディアハウス
2015年04月29日ラジオDJとして5,000人以上の人々にインタビューしてきた実績を持つという著者が、相手の心を自然に開き、上手に話を引き出すための方法を明かした書籍が『話すより10倍ラク! 聞く会話術』(西任暁子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。「はじめに」にある記述によれば、およそ20年間にわたり、著者がプロとして“伝わる話し方”を追求するなかでわかってきたのは、「多くの人は、“コミュニケーションが下手だと思い込んでいるから下手になっている”」ということだといいます。そこで本書では、そのような観点から会話術の秘訣を伝授しているということ。その秘訣をひとことでいうなら、「相手を主役にすること」だとか。相手が輝ける舞台をつくり、主役の相手に話してもらって魅力を引き出す。そうすれば、相手は話すことが楽しくなってくるというわけです。そして、相手を主役にするためには、次の5つのステップを踏むことが大切。◼︎相手を主役にする5つのステップ(1)相手を好きになる(2)相手が話しやすい場をつくる(3)相手を褒めて心を開いてもらう(4)相手が話したいことを引き出す(5)相手の話を盛り上げるまず第1ステップですが、苦手な相手は誰にでもいるもの。しかし、だったら「好きになればいい」という発想です。相手を好きになれば、相手からも好かれるものだから。次に第2ステップ。相手に主役として立ってもらうための舞台づくりとして、相手が話しやすい場をつくる。そのうえで第3ステップでは、相手を褒めて、心を開いてもらう。「話したい」と感じるのは心を許せる人が自分を受け入れてくれるときなので、その土台をつくるということです。◼︎会話術はビジネスにも応用可能!第4ステップですべきは、相手が話したいことを質問で引き出していくこと。誰にでも「ここを聞いてほしい」という心のスイッチがあるので、そこを押せばいいという考え方です。そして最後の第5ステップでは、相手の話が途切れずにふくらんでいくように、場を盛り上げる。ポイントは、聞き方、盛り上げ方次第で、相手の話はいかようにも変化するということ。本書ではこのようなコンセプトを軸に、“聞くための会話術”が展開されるわけですが、ここで意識しておいていただきたいことがあります。それは、「ラジオDJの話だから」と他人事のように流すのではもったいないということ。別な表現を用いるなら、オリエンテーションや会議など、ビジネスの現場でも応用できるテクニックが詰まっているということです。話すことと同様に、あるいはそれ以上に、人の話を聞くことは難しいもの。上手な話の聞き方って、誰も教えてくれないですもんね。しかし本書を読んでみれば、実用的なヒントを見つけることができるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※西任暁子(2015)『話すより10倍ラク! 聞く会話術』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年04月28日『日本一のセールスコンサルタント直伝 最高の営業デビュー』(佐藤昌弘著、日本実業出版社)の著者は、過去20冊以上の出版実績を持つセールスコンサルタント。本書ではその実績を生かし、“メンタルスキル”と“営業スキル”の両面から営業としての心得を解いているわけです。『マイナビウーマン』が働く女性232人に「初対面の印象は親しくなってからも変わらないことが多い?変わることが多い?」と質問したところ、32.4%の人が「変わらないことが多い」と回答しています。「変わることが多い」と答えた人は67.6%と、こちらの方が圧倒的多数。しかし、「変わらないことが多い」と答えた人が少なからずいる以上、第一印象から好印象を持たれた方がいいですよね。そこで、きょうはChapter4「第二の営業スキル好印象の与え方」に焦点を当ててみたいと思います。ここで明らかにされているのは、好印象を与えるための7つのコツ。◼︎1:声量&2:語尾接客中にクライアントから何度も聞き直されてしまう人は、「声量のコントロールができていない」か、「語尾をハッキリ話さない」かのどちらか。そうした話し方は悪い印象を与えてしまうため、意識的になおすべき。具体的には、しっかり声量のコントロールをして、語尾をハッキリ発音するように。背を向けている相手を名前で呼んで、振り向いてもらえるくらいの声の大きさを目安にするといいそうです。(97ページより)◼︎3:目線好印象を与えるためには、目線と顔の向きを一致させることが大切。よくないのは、横目で見たり、上目使いで見たり、首だけ向けたりして、目線を合わせないまま話すこと。(98ページより)◼︎4:身体距離距離の取り方も重要。近づきすぎるとよくないのは、相手に圧迫感を与えてしまうから。お互いが対面に立ち、「前へならえ」をして、両者の指先が触れない距離を目安にするといいそうです。(101ページより)◼︎5:表情表情のコツは、感情を出すこと。驚いているときには驚いている表情を、困っているときには困っている表情を、うれしいときにはうれしい表情をするということ。感情が表情によく出る人は好印象を持たれるわけで、特に大切なのは笑顔。(104ページより)◼︎6:“ダブルバインド・パターン”で話さない“ダブルバインド”とは、伝えていることばの内容と、そのことばを話している人の態度が矛盾している状態のこと。「怒っていません」といいながら、顔に怒りの感情が出ていたり、「申し訳ございません」ということばとは裏腹に、反省しているように見えないなどがそれ。売れない営業マンほど、困ったり焦ったりしていることを悟られないように取り繕おうとするものだとか。しかし、相手にはその必死さが伝わってしまうわけです。むしろ大切なのは、クライアントと本音でつきあうこと。その方が好感を持たれ、信頼されることになり、成果につながるわけです。(106ページより)◼︎7:服装や色使い服装や色使いは大切ですが、ごく普通の、常識的なファッションセンスを維持していればOK。TPOに合わせ、社会人らしい服装や色使いにすればいいわけです。(112ページより)このように、さまざまな角度から細かく、そしてわかりやすく解説されています。新人はもちろん、すでに経験を積んでいる人が基本を再認識するためにも便利です。(文/印南敦史)【参考】※佐藤昌弘(2015)『日本一のセールスコンサルタント直伝 最高の営業デビュー』日本実業出版社※初対面の人と会うときにみんなが意識することは?-マイナビウーマン
2015年04月27日『happy@work 情熱的に仕事を楽しむ60の方法』(ジム・ドノヴァン著、弓場隆訳)は、アメリカを代表する講演者/コーチとなった著者による新作。タイトルどおり、仕事を楽しむためのメソッドが紹介されているわけですが、すべて著者の実体験に基づいたものであるというところがポイント。読者の目線に近いからこそ、多くの人が応用しやすい内容になっているのです。『マイナビウーマン』のアンケートによると、働く女性の49.3%が「今の仕事にやりがいがない」と思っていることがわかっています。やりがいがないとモチベーションが下がりがち。そこで、第6章「モチベーションをつねに高く保つ」から、ヒントをいくつかを引き出してみます。◼︎1:自分の感性を信じる大切なのは、自分の“感じ”を信頼すること。だから困ったときは、自分の感じ方に注意を払ってみる。それだけで、対象が自分の好みに合っているかがわかる。そして明るい気持ちになれば、望みは引き寄せられてくるもの。少しだけ気分が上向く選択肢を採用し、それを続け、常に前向きに生きていればいいということ。人生の流れを変えたいなら、やりたいことに目を向け、明るい上向きの気持ちでいるべき。そのために、自分の感性を信じた方がいいわけです。(182ページより)◼︎2:音楽を聴く気分を一瞬で変える効果があるのが音楽。曲が幸せな記憶と結びついていれば、効果はさらに高まるといいます。ここで注目すべきは、音楽には仕事の場面においても気分を高める力があるということ。だから、たとえばプレゼンテーションの前に音楽を聴いて、やる気と気合を高めてほしいと著者は主張しています。テンションの上がる楽曲で、自分を鼓舞する。音楽を利用して、プレゼンテーションにふさわしい精神状態をつくるということです。(185ページより)◼︎3:感情をコントロールするもし最悪な気分になったとしても、そこから最高の気分に切り替えるのは可能。なぜなら、周囲の出来事をどう感じるかは、自分次第だから。視点を少し変えるだけで、気分が上向く感じ方をすることができるわけです。自分の思考、つまり感じ方の決定因子をコントロールする方法を身につければ、どんな状況に出くわしても、“それをどう感じるか”を自分で選べるようになる。負のスパイラルに陥りそうだと感じたら、思考の連鎖を断ち切ることが大事だそうです。(197ページより)◼︎4:いまを生きる多くの人が、時間のほとんどを過去や未来を生きることに費やしているもの。しかし重要なのは、“いま存在しているのは、いまという時間だけ”だということ。だからストレスや不安を感じているのなら、ゆっくりと深呼吸をし、この瞬間に意識を戻すといい。著者はそう提案しています。(204ページより)ストレートな表現で核心を突いているだけに、説得力は抜群。“仕事を楽しむ”ことの本質を、本書は思い出させてくれます。(文/印南敦史)【参考】※ジム・ドノヴァン(2015)『happy@work 情熱的に仕事を楽しむ60の方法』ディスカヴァー・トゥエンティワン※今の仕事、「やりがい」はある?-マイナビウーマン
2015年04月26日きょうご紹介したいのは、『1分書くだけ 世界一シンプルなこころの整理法』(赤羽雄二著、朝日新聞出版)。ベストセラー『ゼロ秒思考』の著者が、ペン1本とA4の紙だけで実践できる“A4メモ書き”の効能を紹介した書籍です。つまりは“こころの整理法”で、誰でもすぐにはじめられるだけでなく、すぐに効果を実感できるのだとか。第5章「自信のなさを整理する!」から、「自信を持つための7ステップ」を引き出してみます。◼︎1:気になることを全部書き出す気になることがあるなら、かっこつけず、頭に浮かんだまま書き出していく。それが大切。モヤモヤしたことを飾らず、ことばを選ばずに書いていけば、自分がなにを感じてなにを考えているのかがわかる。すると、どうすべきかということも少しずつ浮かび上がってくるといいます。(90ページより)◼︎2:自分がこれからやってみようと思うことを決める次に、「揺れ動く気持ちのなかで、自分はどうしようか」ということを背伸びして考えてみる。そうすれば、現状を打破するためのアクションが浮かんでくるといいます。そのような一歩を踏み出せることは、現実的にとても画期的。(91ページより)◼︎3:簡単なことをやって達成感を味わう最初から全部がうまくいくことはないので、ちょっとしたことからはじめて、達成感を味わうことが大事。(93ページより)◼︎4:もう少しむずかしいことを目標にする現時点で少なからず結果を出せたなら、次は「もう少しむずかしいこと」を目標にしてみる。それは結果的に、自分自身をステップアップしてくれるといいます。(94ページより)◼︎5:人の力を借りてなんとかやり遂げる自分ひとりだけでできることには限界があるもの。そこで、どこかのタイミングで上司や先輩に相談してみる。そうすれば、ひとりではできなかったこともやり遂げることができるといいます。(97ページより)◼︎6:誰かを助けてあげる経験を積むことができると、上司が自分に対してどれほど気をつかって育てようとしていたのかわかるもの。だからこそ、できない部下の気持ちもわかる。だとすれば、次は彼らの成長の後押しをする番だということ。(99ページより)◼︎7:自分の長所をできる限り書いてみる自分の長所を書き出してみると、自分のよさ、素晴らしさを実感できるもの。照れくさいかもしれないけれど、遠慮なく書いてみることが大切だといいます。(100ページより)たしかに、こうしてこころのモヤモヤを吐き出してみれば、悩みは静かに消えていくものなのかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※赤羽雄二(2015)『1分書くだけ 世界一シンプルなこころの整理法』朝日新聞出版
2015年04月25日人材育成プロデューサーである著者が、高感度と効率を両立させるための習慣とコツを解説した書籍が、『仕事ができて、なぜか愛される女の8つの習慣』(藤井美保代著、SBクリエイティブ)一部を除けば、多くの女性の仕事は事務職やアシスタント的な役割で、サポート業務に就いている方が大半。相手ありきで仕事をしなければならないため、効率だけを重視してもうまくいかず、人間関係が潤滑でなければ仕事がしづらくなるもの。そのため、気配りや、気持ちよく仕事を進めるための工夫が求められるわけです。Part2「仕事に向き合う姿勢」から、いくつかを引き出してみたいと思います。◼︎1:小さなことを大切にして信頼される小さな頼まれごとをうっかり忘れてしまうのは、「たいしたことではない」と心のどこかで思っているからかもしれない。著者はそう指摘しています。しかし、自分の目から見て優先順位が低かったとしても、相手にとっては大事な約束。だから約束が果たされればうれしく感じ、逆なら裏切られた気持ちになるはず。大大きな仕事にしっかり取り組むのは当たり前。しかし、大したことではないと思える仕事にどう対応するかというところに、その人の本質が見えてくるといいます。◼︎2:どんなに忙しくても笑顔を忘れない著者が出会ってきた「仕事のできる女性」は、いつも笑顔で、余裕のある雰囲気を漂わせていたという点において共通していたといいます。相手の話に笑顔で耳を傾け、自分のこともオープンに話し、仕事ができるだけでなく、そこにいるだけで場が明るくなるような、愛される女性たちだということ。余裕が感じられる人には、まわりの人も声をかけたくなるもの。いつも笑顔でいることで“プラスのスパイラル”が生まれているということ。そして笑顔でいられる人は、気持ちの切り替えが上手。実際には忙しくてもマイナスの感情を棚上げし、顔には出さず、自分をご機嫌な状態に保つ方法を知っている。とはいえ、「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と自分を追い込むとイライラしてしまいがち。そんなときは、自分なりの気分転換の方法をみつけるといいそうです。コツさえつかめば、それが周囲からの印象をアップさせることに。◼︎3:自分の仕事のポイントを押さえる真面目な人ほど、頼まれた仕事を完璧に仕上げようとするもの。ところが、細部にこだわればこだわるほど余計な時間がかかり、逆に上司からの信頼を失うことに。追い詰められるまでなんの相談もせず、仕事を抱え込んでしまう部下には、安心して仕事を任せられなくて当然です。だからこそ、最初に上司に見せるのは6割程度の完成度でかまわないそうです。その段階ならNGが出たとしても、やりなおす時間は充分にあるもの。上司のアドバイスを受けて軌道修正しつつ、残り4割の完成を目指せばいいわけです。6割くらいでパッと持ってくる人は、ポイントをきちんと押さえられる人。完璧を目指すことより大切なのは、キモの部分を押さえられるかどうかだということです。他にも“あり方” “タイムマネジメント” “心の整理” “コミュニケーション” “人間関係” “自分磨き” “一歩踏み出す勇気”と、あらゆる角度から自分を高めるためのメソッドが解説されています。仕事の悩みを抱えている人にとっては、大きな力になることでしょう。(文/印南敦史)【参考】※藤井美保代(2015)『仕事ができて、なぜか愛される女の8つの習慣』SBクリエイティブ
2015年04月24日『基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール』(青木恵子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、アメリカで大成功を収めた鉄板焼きチェーン『ベニハナ・オブ・トーキョー』のCEO。世界を飛び回っているからこそ、世界で働くことの意義を実感しているのだそう。本書では、世界で通用する人材に必要なことを教えてくれているわけです。しかも、“人脈” “仕事” “自己ブランディング” “キャリア” “コミュニケーション” “余暇”とさまざまな角度からアプローチを試みています。世界で働くなんて、遠い話と思うかもしれません。しかし、外務省のデータによると、2013年10月21日時点で海外に124万9,577人の日本人が住んでいることがわかっています。どんどん国際化社会になっていくので、決して他人事ではないのです。人生の転機が訪れる可能性もあります。今回は、第1章「人脈」のなかから、「チャーミングな人になる」という項目を見てみましょう。ぜひ、将来のために次のアドバイスを意識してみてください。◼︎人脈の多い人はチャーミング!人脈の多い人は、みんなとてもチャーミングだと著者。つまり、魅力があるから、人が集まってくるということ。裏を返せば、魅力がなければ、誰も相手にしてくれないわけです。だとすれば、魅力のある人とはどんな人なのでしょうか?■世界で通用する魅力的な人とは(1)自分に自信がある人自信があれば、どんな人とも対等な関係を築くことが可能。偉ぶる必要はありませんが、卑屈になる必要もなし。「私はあなたと対等な人間」「つきあうに価する人間」ということが、相手に伝わればOK。特にビジネスでは、人前でオドオドしたり、自信のなさが透けて見えると、相手からは見向きもされないもの。相手がどんなに偉い人でも、背筋を伸ばし、胸を張って堂々とできることが大切だそうです。ちなみに、アメリカに“謙虚”という言葉はないといいます。そして“繊細”と“大胆”なら、彼らが好むのは大胆。“小さいもの”と“大きいもの”なら大きいものが好き。ダイナミックで堂々とした人に人気があるということです。(2)ワンパターンでない人ワンパターンでない人も、また魅力的。たとえば著者の亡き夫であり、『ベニハナ』創業者のロッキー青木氏が、まさにそんな人だったとか。子どもみたいで、誰に対しても“楽しませよう”といつも考えている人だったのだそうです。一事が万事、チャーミングなアイデアマンで、誰からも愛される人だったからこそ、その魅力に引き寄せられ、多くの人たちが集まってきたということです。(3)人の心をつかむセンスがある人魅力的な人はいつもクリエイティブで、人の心をつかむのが上手。話していると楽しく、一緒にいたいと思わせるからこそ、まわりが応援団になってくれるわけです。ビジネスで成功した人の近くには、その人をかわいがって自分の側に置き、プロモートしてくれる人たちがいるもの。そうしたプロモートを受けられる人は、感覚的に人を見分ける能力を持っているとか。相手がおしゃべりが好きではないと思えば黙り、相手の気分が落ち込んでいるようなら気持ちが上向くような明るい話題を振る。瞬時に見分けられるセンスを持っているから、誰からも愛されるのだということ。他のページにも、亡き夫の遺志を継いで事業を進めている女性ならではの、ストレートでポジティブな考え方が満載。海外を視野に入れた、多くの女性を勇気づけてくれそうです。(文/印南敦史)【参考】※青木恵子(2015)『基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年04月23日『会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました』(松橋良紀著、SBクリエイティブ)の著者はかつて、まったく売れない営業マンだったのだそうです。なにしろ全国の営業マン430人中、常に下から数えたほうが早かったというのですから……。ところが、あるとき心理学を学んだことがきっかけで“雑談力”がアップし、一気にトップセールスにまで上り詰めたのだとか。本書では、そんな経験から得たものを紹介しているわけです。きょうは第1章「初対面でも会話がとぎれない『聞き方』」から、「︎相手の口が滑らかになる4つの『あいづち』」に焦点を当ててみたいと思います。◼1:同調のあいづちあいづちは「話をしっかり聞いていますよ」というサインを送ることで、基本になるのは“ア行”と“ハ行”。「あ~」「うん」「ええ」「お~」「は~」「ふ~ん」「へぇ~」「ほぉ~」さらに、「なるほど」「そうなんですか」「わかります」なども使いやすいと著者。あいづちに加え、声のトーンを上げたり下げたり、テンポを速くしたり遅くしたりすることで、多くのバリエーションが生まれるといいます。◼︎2:共感のあいづち聞き方で大切なのは、相手の感情に共感すること。なぜなら相手は、自分の気持ちをわかってほしいから。悩みごとなら、4つの感情を理解すべきだそうです。(1)悲しみの感情:「それは悲しいね」(2)怒りの感情:「腹が立つよね」(3)苦しみの感情:「つらいね、苦しいね」(4)不安の感情:「不安だね」相手の会話にこれらのキーワードが出たら、感情的なことばは返さず、しっかりオウム返しすることが大切。◼3:感動のほめあいづち人を巻き込むパワーを持っている人は、「本当!」「すごいね!」「素晴らしい!」「さすがだね!」など、感動して相手をほめるのが上手。◼︎4:深堀のあいづちさらに、「もっと話が聞きたい」という気持ちを伝えながら、相手を饒舌にしていく魔法のことばは、「それで?」「次は?」「それから?」「たとえば?」など。このようなあいづちで深堀りをすることによって、相手にどんどん喋らせることができると著者は説明しています。聞き方だけでなく、他にも“波長合わせの技術” “質問のコツ” “リアクションのコツ” “話し方” “心構え”と、さまざまな角度から雑談のコツが解説されています。人見知りの方は特に役立つのではないでしょうか。(文/印南敦史)【参考】※松橋良紀(2015)『会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました』SBクリエイティブ
2015年04月22日『簡単、なのに美味い!家めしこそ、最高のごちそうである。』(佐々木俊尚著、マガジンハウス)は、人気フリージャーナリストが“センスのいい食卓”について書いた書籍。発行から少し時間が経っていますが、とてもいい本なのでご紹介したいと思います。◼︎健康的でおいしい“家めし”著者が本書で訴えているのは、派手な“美食”ではなく、もちろん人工的な“ファスト食”でもなく、やたらとオーガニックにこだわるような“自然食”でもない食のあり方。「しっくりなじむ洗いざらしの綿のパンツと清潔なシャツを着て、簡素な台所に立ち、素早く手軽に、しかもお金をかけずに健康的で美味しい家めしをつくる」(「はじめに」より)そういう生活が、いま求められているのではないかということです。◼︎シンプルで実践的な食生活簡素でシンプルで実践的な食生活を送るためのポイントは、次の3つ。(1)外食ではなく、健康的でおいしい日々の食事を自分のものにするということ。(2)そういう食事は、実は安価だし、つくるのにも時間はかからず、調理も難しくない。(3)そこから始まる生活は、とてもセンスがよく気持ちのよいものであるということ。(「はじめに」より)そして、「日常の食事をもっとおいしく、かんたんに」というスタイルを進めるにあたっては、献立の組み方にも次のようなステップがあるのだといいます。(1)最初に食材から考えるいってみれば、「きょうはカレーにしよう」ではなく、「きょうは大根を食べよう」というような考え方からスタートしようということ。つまり、基本の献立はまず冷蔵庫にすでにある食材で決めて、足りないものはその日に買い足す。そうやって献立を考えていこうという考え方。献立の計画を細かく立てるのではなく、もっとゆるく「きょうはこんな食材があるのか。じゃあ、これつくるか」ぐらいがちょうどいいということです。(107ページより)(2)次に味つけを選ぶ味つけの選択をどうするかによって献立はだいぶ決まってきますが、その味つけは、大雑把にいうと「甘い」「酸っぱい」「塩味」「醤油味」「味噌味」「クリーム味」「カレー味」に分けられるそうです。7種類の味がかぶらないように、3つの料理をつくるのが基本的な考え方。7種類から3種類選ぶだけなので、意外にかんたんなことだとか。(115ページより)(3)最後は調理法を決める最後の調理法は、味つけを決めれば、ある程度限定されてくるもの。たとえば、かぼちゃがあったとすれば、「甘い」なら八方出汁で煮る「和風煮」、「酸っぱい」なら「バルサミコ炒め」というように、「どういう料理にするか」もだんだん決まってくるわけです。このように、肩肘を張らず、楽しみながら実践できる“家めし”のアイデアがたくさん。文体も柔らかなので、抵抗なく読み進めることができます。(文/印南敦史)【参考】※佐々木俊尚(2014)『簡単、なのに美味い!家めしこそ、最高のごちそうである。』マガジンハウス
2015年04月21日『肌のきれいな人がやっていること、いないこと ~月1万人を診る人気皮膚科医が自分の肌で試した本物の美肌法』(菅原由香子著、あさ出版)の著者は、20年間にわたって肌荒れに悩み続けてきたのだそうです。皮膚科医になったのも、「この肌をなんとかしたい」という思いがあったからなのだとか。そしてさまざまな実験を重ねた結果、肌荒れを克服したといいます。つまり本書では、その秘密を明かしているわけです。◼クレンジングはやさしいタッチで素肌力を発揮させるための重要なポイントは、クレンジングと洗顔。ただし、クレンジング剤を手にとって、ぐるぐる目の周りをこすり、顔全体をゴシゴシするのは厳禁。ゴシゴシこすると皮膚の構造が壊れるからです。そしてクレンジングに力はまったく必要なく、皮膚が動かないくらいのやさしいタッチで、表面を指がすべるような感じで行なうのがベスト。◼︎美肌のためには洗顔も力が不要!洗顔も同じで、泡立てた石けんを肌につけるだけで、泡の吸着成分が汚れを落としてくれるのだとか。石けんの泡だけが肌につくように、フワフワの泡で洗うと、ダメージが加わらないといいます。◼︎強いシャワーを顔にかけてはダメまた、強いシャワーを直接顔にかけると、シャワーの刺激がシミをつくってしまうので注意。40℃くらいのぬるま湯で流すと、保湿成分や脂分も流されてしまうため、弱い水圧で、冷たく感じる程度の温度(20~25℃)ですすぐといいそうです。◼︎美髪になるシャンプーのポイントシャンプーは一度肌につくと、しばらくとれないため、顔によくないのだと著者。一番いいのは、石けんで洗髪し、化学物質は一切使わないこと。最初は抵抗があるでしょうが、続けていると頭皮と髪本来の健康が戻ってくるといいます。なお液体の石けんシャンプーやリンスよりも、固形石けんの方が刺激が少なくていいそうです。リンスの代わりには、薬局で売っているクエン酸を。◼︎美髪になれる“石けん洗髪”の仕方最後に、石けん洗髪の仕方を21ページから引用しておきます。(1)洗髪前にブラッシングする(2)手で頭皮をもみ込むようにしてシャワーでよくすすぐ(3)固形の石けんを頭皮に軽くすり込むようにして泡立てる。洗うのはあくまでも頭皮で、髪の毛を洗うのではないことを意識(4)1回目は泡立たなくても気にせずさっと済ませ、洗い流して、2回目できちんと泡立てて頭皮を指の腹で洗う(5)石けんをよく洗い流す(6)ティースプーン1杯くらいのクエン酸を手の平に数回に分けて取り、髪の毛全体にいきわたるようにつける。クエン酸は髪の毛についた水分で溶けていく(石けんで洗髪して髪の毛がアルカリ性に傾くとキューティクルが広がるので、クエン酸で普段の髪の弱酸性に戻す)(7)頭皮をマッサージする(8)よくすすぐ以上、化学物質などの刺激を避け、ナチュラルに徹することがポイントといえそうです。(文/印南敦史)【参考】※菅原由香子(2015)『肌のきれいな人がやっていること、いないこと ~月1万人を診る人気皮膚科医が自分の肌で試した本物の美肌法』あさ出版
2015年04月20日『「めんどくさい」がなくなる本』(鶴田豊和著、フォレスト出版)の著者は、行動心理コンサルタントとして、多くの人々の悩みを解決してきたという人物。そしてそんな立場から、「めんどくさい」を喜怒哀楽、嫉妬に続く第6の感情だと定義づけています。そこで本書では、「めんどくさい」という感情とうまくつきあい、なくしていく術を紹介しているわけです。■「めんどくさい」がなくなる4つの原則著者によれば、「行動するのがめんどくさい」をなくすには4つの原則があるとか。第一の原則:「やらなきゃいけないこと」を減らす第二の原則:「やらなきゃ」と思わないようにする第三の原則:「やらなきゃ」と思っても、いろいろと考えない第四の原則:工夫して、とにかく行動するきょうはこのなかから、「第二の原則:『やらなきゃ』と思わないようにする」をクローズアップしてみましょう。■「やらなきゃ」と思わないようになる「やらなきゃ」と思わないようになることは意外に簡単。それは、「やらなきゃ」という考えを、「やりたい」とか「やってもいい」と変えることだそうです。たったそれだけのことで、「めんどくさい」という気持ちがなくなるということ。では、どうすれば「やらなきゃ」と思わないようになるのでしょうか?このことのついては、2つのステップがあるのだと説明しています。ステップ1:自由な心を取り戻す「自由な心を取り戻す」とは、言い換えれば「自由な心が失われている」ということ。だとすれば、自分自身がいま「~しなきゃ」と思っていることは、「すべて頭のなかの幻想だ」と認識すべき。実際には、この世のなかに「しなきゃいけないこと」など存在せず、それは自分が思い込んでいるだけだということ。だから、認識が変われば人生も変わるわけです。「しなければならない」と思っていた仕事が、「したい」仕事に変わったとしたら、毎日の気分は確実に変わるもの。そのためにも、子どものころのように自由な心を取り戻すべきだと著者は主張しています。ステップ2:「やらなきゃ」の2つの置き換え「やらなきゃ」と思わなくなるための便利なツールは、「やらなきゃ」の2つの置き換え。(1)「~やらなきゃ」を「~する必要はない」に置き換え、(2)そのあと、「~やらなきゃ」を「~やりたい」に置き換え、その理由を挙げる。このような置き換えをすることで、自分の認識がより自由になり、選択肢が増え、気分が楽になるというわけです。(文/印南敦史)【参考】※鶴田豊和(2015)『「めんどくさい」がなくなる本』フォレスト出版
2015年04月19日目の前の膨大な仕事を効率よく、質を落とさずにこなすこと、それは社会人に求められる責任です。とはいえ実際、思った通りに進めるのはなかなか難しいところでもあります。そういう意味では、誰をも悩ませる普遍的な問題だといえるでしょう。そこで役立ててみたいのが、『外資系コンサルの仕事を片づける技術』(吉澤準特著、ダイヤモンド社)。著者は、外資系コンサルティングファームで、数多くのプロジェクトに参画してきたという人物。現在は、業界を問わずIT領域の業務改善コンサルティングに従事しているそうです。◼︎仕事をサクサク片づける“4つのスキル”そんな著者が本書を通じて読者に伝えたいのは、すべてのビジネスパーソンにとって欠かすことのできないという、次の4つのスキル。(1)人の話を正しく“聴く”。または聴き出す(2)言いたいことをわかりやすく“伝える”(3)仕事を計画的に“段取る”(4)気持ちよく人に“動いて”もらうどれも当たり前なことばかりですが、それでもこれらは、ありとあらゆる業種・職種で必要とされるといいます。それどころか著者は、「仕事の99%は、このスキルなしには進められない」とまで言い切っています。つまり、「当たり前」といわれることが、実際にはどれだけできているか。そこが、大きな差になっていくということなのでしょう。◼︎効率よく&質を落とさない仕事の仕方ところで、それを前提としたうえで考えるべきは、“膨大な仕事をいかに効率よく、質を落とさずにやるか”。著者にとっても、それは長年の課題だったのだといいます。そして、その結果として行き着いた結論は、“仕事を小分けにし、カタにはめるということ”だったのだとか。つまり、(1)仕事をキリのよい単位で小分けにする(2)小分けにしたあとは、やるべきことに注力して効率的に行なうということ。そして小分けにする際の単位が、先述した“聴く” “伝える” “段取る” “動かす”だというわけです。たとえば相手の意見を伺いたいときには“聴く”を意識し、会議開催の調整をしたいなら“段取る”に集中するイメージ。この4つのスキルと絞り込みがマスターできるようになれば、仕事の質、スピードに劇的な変化を感じることができるようになるのだとか。だからこそ、その方法が詳しく解説された本書を読み込めば、悩みを解決できるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※吉澤準特(2015)『外資系コンサルの仕事を片づける技術』ダイヤモンド社
2015年04月18日『雑談力がアップする「ひと言」の魔法』(水橋史希子著、ぱる出版)の著者は、26年間にわたってJALの客室乗務員(CA)を務めてきた“接客のプロ”。「笑顔で接客をしながら、常に無意識の中に危機意識をもち、お客様を守るために自分たちの命をかけて仕事をしています」(「はじめに」より)という一文にも、強い説得力があります。しかし、トラブルは常に起きるもの。それは、どんな職種でも同じですよね。でも著者は、ささいなトラブルに戸惑うことなく、気づかいや笑顔を通じてハッピーな対応をすることを本書で伝えたいのだそうです。キーワードは、“言葉の種まき”。◼︎水島さんの語る“言葉の種まき”とは何か本書のテーマである“言葉の種まき”とは、“日常の会話にひとことプラスする”ことによって、コミュニケーションを円滑にする方法。たとえば、挨拶です。「おはようございます。ご利用ありがとうございます」というのではなく、「おはようございます。いつもご利用ありがとうございます」といってみる。この「いつも」という3語を種まきする(加える)ことによって、お客様は「自分自身にいってくれているんだ」と親しみを感じ取ってくれるというわけです。◼︎“言葉の種まき”は簡単で誰にでもできる「そんなことで?」と思われるかもしれません。しかし、言葉の種まきを浸透させた結果、著者のところにも「お客様のことをいつも考えるようになった」「スタッフ同士も声をかけやすくなった」「仕事の相談がしやすくなった」「イライラしなくなった。仕事が楽しくなった」などの報告が数多く届いたといいます。しかも魅力は、簡単で、いつでも誰にでもできるところ。なのに効果は絶大で、相手にも自分にも、心にプラス効果が生まれるのだそうです。◼名刺交換のときにも“言葉の種まき”を!そして著者によれば、初対面で緊張感のある名刺交換時には、言葉の種まきが効果的。その場の緊張感をほぐすには、こちらから質問の言葉の種を蒔くといいそうです。秘訣は、名刺のなかにある情報から質問をすること!「珍しいお名前ですね。なんとお読みするのですか?」「ご出身はどちらですか」たとえば出身地から名産やグルメ情報に広げれば、会話が広がっていくということ。また、会社の情報から種を見つけることも可能。住所も、その地名にまつわる話につなげられるわけです。(第1章「ひと手間の『言葉の種』が、人間関係を良好にする」より)他にも、日常生活で使えそうな“種”がたくさん詰まった書籍ですよ。(文/印南敦史)【参考】※水橋史希子(2015)『雑談力がアップする「ひと言」の魔法』ぱる出版
2015年04月17日ことばで伝えるとき、頭が真っ白になってうまく話せない……。そう悩む人は、決して少なくないはずです。そこでおすすめしたいのが、『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』(佐藤達郎著、ダイヤモンド社)。著者はコピーライターですが、基本的には口ベタで寡黙、緊張しやすく、あがりがち。どう考えても営業職など無理なので、就職する際には“書けば話さなくてもなんとかなる”コピーライターになろうと思ったのだそうです。でも当然ながら、コピーライターといえども会議などできちんと発言できることは基本中の基本。そこで工夫を重ね、話すスキルを上げることを考え、研究したのだといいます。そのかいあって少しずつ話し上手へと変身し、仕事の成果にもつなげていけるようになったのだとか。つまり本書では、そうして導き出した37のメソッドを紹介しているわけです。第2章「話し上手に生まれ変わる8つの心得」から、いくつかを引き出してみましょう。◼︎「伝わらなくて当然」と考えることが大事!ここで著者が訴えているのは、「予定どおりに行くのが異常」だという考え方。話そうとする際には完璧を目指しがちですが、「うまくいかなくて当然」なのです。同じように、「質問は、自分の主張をより深く説明できる機会」であると考えることも大切。そして伝わらなかった場合、相手の質問から「伝わっていないポイントはどこなのか?」を読み取り、わかってもらう努力をすればいいということ。◼︎何かと便利な「そうですね」「わかります」また、「頭に浮かんだ自分なりの答えを、そのまま口に出す」ことが重要だといいますが、それはなかなか難しいこと。でも、そんなときは、「なんでもいいから、とにかく声を出す」だけでいいと著者。「そうですね」「わかります」など、なんらかのことばを発すれば、沈黙を埋めることができ、次につなげられるというわけです。時間稼ぎにもなり、落ち着いて考える余裕も生まれそうですね。コピーライターならではの考え方を応用してみれば、苦手なプレゼンも苦にならなくなるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※佐藤達郎(2015)『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』 ダイヤモンド
2015年04月16日