卵子について、どれくらい知っていますか?女性の卵巣だけに存在し、子どもを授かるために大切なものです。しかし、その仕組みや数についてはあまり知られていませんよね。卵子について学ぶことで、自分の身体への理解を深めましょう!監修:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。問題です!解説!一生のうち、400〜500個の卵子が排卵されます。卵子が排卵される仕組みを確認してみましょう。女性の卵巣には生まれた時に、卵子の元になる細胞(卵母細胞)が備わっています。その数は100万~200万個と言われており、生まれた後に卵母細胞が作られることはありません。1回の排卵では、およそ1000個の卵胞細胞が消費され、そのうち成熟した卵子1個が排卵されます。一気に1000個も減ってしまうなんて驚きですよね。そのため卵胞細胞は、年齢とともに減少。生まれた時には100万~200万個だったものが、10代では30万個、20代では10万個に。そして、37歳頃を過ぎると急速に減少し、およそ1000個以下になると閉経します。卵子の数を知る方法は?現代では、卵子の数を把握することが可能です。AMH(Anti-Mullerian Hormone)の値を調べることで、卵巣の中にどれくらい卵胞が残っているかを把握できます。AMHとは、抗ミュラー管ホルモンと呼ばれるもので、卵胞から分泌されるホルモンのこと。AMH値が⾼いほど、これから育つ卵胞が卵巣内に多く残っていることを意味し、今後排卵できる期間は長くなります。AMH検査は、「卵巣年齢検査」「卵巣予備能検査」とも呼ばれます。気になる方は、不妊専門クリニックや産婦人科に相談してみましょう。ライター草案助産師:MellowingCokeめい※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一(MOREDOOR編集部/イラスト:ちり)
2024年03月13日恋愛バラエティー番組『あいのり』(フジテレビ系)に出演していたブロガーのクロが8日に自身のアメブロを更新。卵子凍結の保存管理期間の更新にかかった金額を明かした。この日、クロは「今日赤坂まで行ったのは卵子凍結の更新するためだったんだけど」と明かし「実際メールできていて、そのまんまネット決済でできちゃって」と更新料の支払いをしたことを説明。「出向く必要もなかったみたい」とコメントし「卵子凍結更新料はこんな感じ」と「決済金額¥90,000」と表示された画面のスクリーンショットを公開した。続けて「1本15,000円のを6本とってあるんだね」と述べ「こんなふうに一回で、全てとってあるもの更新できた!」と更新後の凍結した卵子の保存期限が記載されたLINEのトーク画面を公開。卵子凍結について「思い立った時にやってよかった!」とコメントし「このタイミングでの卵子は1ヶ月ごとに質がまた違うから」とつづった。
2024年03月10日■ うすだレディースクリニック(所在地:東京都武蔵野市、院長:臼田三郎)は、卵子凍結を検討されたことがある方を対象に、「卵子凍結」に関する調査を実施しました。女性には“妊娠適齢期”と呼ばれるものがあり、その年齢を過ぎると妊娠しにくくなると言われています。しかし、適齢期と言われる20代後半~30代前半は仕事においても活躍が期待される時期。仕事とプライベートの両立を図ることは簡単なことではありません。そのような中、若いうちに卵子を保存しておくことで年齢を重ねても妊娠できる可能性がある「卵子凍結」に注目が集まっています。最近では、指原莉乃さんが卵子凍結をしたことを公表し話題になりました。そこで今回、卵子凍結等の高度生殖医療が可能なうすだレディースクリニック( )は卵子凍結を検討されたことがある方を対象に「卵子凍結」に関する調査を実施しました。<調査概要>調査概要:「卵子凍結」に関する調査【調査期間】2024年2月14日(水)~2024年2月15日(木)【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査【調査人数】300人【調査対象】調査回答時に卵子凍結を検討されたことがあると回答したモニター【調査元】うすだレディースクリニック( )【モニター提供元】ゼネラルリサーチ■ ●約9割が卵子凍結により、妊娠率に変化があると思うと回答はじめに、「卵子凍結を検討した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『妊娠の可能性を高めたくて(57.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『直近で妊娠の予定がないため(34.0%)』『将来への保険として(32.3%)』と続きました。次に、「卵子凍結により、妊娠率に変化があると思いますか?」と質問したところ、約9割の方が『思う(88.0%)』と回答しました。■ ●卵子凍結には3つの方法が。それらの違いを解説「卵子凍結には「高刺激法」「低刺激法」「無刺激法」の3つの方法があります。これらの違いをご存知ですか?」と質問したところ、約半数の方が『知っている(48.7%)』と回答しました。また、「実際に検討した卵子凍結の方法を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『高刺激法(49.3%)』『低刺激法(59.6%)』『無刺激法(17.8%)』という回答結果になりました。それぞれ理由をうかがってみましょう。「「高刺激法」を検討した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『平均採卵数が多いから(65.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『凍結胚ができる確率が高いから(62.5%)』と続きました。「平均採卵数が多いから」「凍結胚ができる確率が高いから」と回答したことが多いことから、高刺激法を検討した方はより妊娠率を高めたいと考えている傾向が明らかになりました。続いて「「低刺激法」を検討した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『身体的負担が比較的少ないから(69.0%)』が最も多いという結果になりました。最後に「「無刺激法」を検討した理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『身体的負担が少ないから(69.2%)』『薬剤料等の経済的負担が比較的少ないから(69.2%)』という結果になりました。低刺激法や無刺激法を検討した方は、身体や経済的な負担を軽減したいと考えているようです。■ ●実際に卵子凍結をした方の約4割が「高刺激法」を選択「実際に卵子凍結を行いましたか?」と質問したところ、『行った(29.3%)』『行う予定がある(21.7%)』『行っていない(49.0%)』という回答結果になりました。「行った」「行う予定」と回答した方を合わせると半数以上の方が卵子凍結に前向きであるという結果が示されました。そこで、「行った」「行う予定がある」と回答した方にうかがいました。「卵子凍結を行った(行う予定の)方法を教えてください」と質問したところ、『高刺激法(40.5%)』『低刺激法(45.1%)』『無刺激法(14.4%)』という結果になりました。続いて、卵子凍結は「行っていない」と回答した方及び卵子凍結を行った(行う予定の)方法で「高刺激法」と回答した方にうかがいました。「妊娠率が高くなる卵子凍結法はどれだと思いますか?」と質問したところ、『高刺激法(30.7%)』『低刺激法(12.9%)』『無刺激法(8.1%)』という結果になりました。分からないと回答した方を除くと卵子凍結の方法の中でも、高刺激法が最も妊娠の確率が上がると考えている方が多いようです。■ ●【まとめ】高刺激法は妊娠の確率を高める卵子凍結法今回の調査で、卵子凍結により妊娠の確率を高めたいと考えている方は多いことが明らかになりました。約9割の方が卵子凍結により妊娠率が高まることを期待している方が多い傾向が示されました。続いて、実際に検討した卵子凍結の方法を調査した結果、低刺激法、高刺激法の注目度の高さが判明しました。高刺激法を検討した方はより妊娠率を高めたいと考えている一方、低刺激法や無刺激法を検討した方は、身体や経済的な負担を軽減したいと考えているようです。実際に卵子凍結を行った(行う予定)の方の約4割が高刺激法を選択したことが本調査で明らかになりました。卵子凍結の方法の中でも、高刺激法が最も妊娠の確率が上がると考えられている方が多い傾向にあるようです。妊娠を強く希望する方は、高刺激法を選択肢にいれてもよいのではないでしょうか。■ ●不妊治療なら実績のある『うすだレディースクリニック』がおすすめ今回、「卵子凍結」に関する調査を実施したうすだレディースクリニック( )は、不妊治療機関としての専門性と女性のトータルケアをサポートするホームドクターとしての役割を兼ね備えた施設です。■うすだレディースクリニックとは<大切な命をお迎えするために>すべての患者様が安心・安全に、妊娠をするためのサポートを行っております。大切な命をお迎えするための環境はもちろん、豊富な知識・経験を持った医師/スタッフが皆さまをお迎えいたします。《卵子凍結》当院では東京都の卵子凍結事業に参加された方のみ対応しております。 詳しくは下記URLを参照ください。・東京都卵子凍結事業 ・卵子凍結を使用した生殖補助医療への助成 ※東京都卵子凍結事業の説明会に参加された方のみ【凍結保存の成績】当院における融解後の胚の生存率は約95%となっております。【当院の不妊治療特徴】取り違え防止システム体外受精で取り違えが起こる確率はゼロではありません。体外受精では、卵子と精子をクリニックに提出し、媒精をおこないます。数は多くはありませんが、日本でも取り違え事例が報告されているのは確かです。一般的なクリニックでの取り違え防止策は人的チェックが多い傾向にあります。卵子や精子、受精卵を保管している容器に氏名を記入し、人の目で確認する対策となります。一方当院では、「ART取り違え防止システム」と呼ばれる最先端のシステムで取り違えを防止できるよう務めております。詳しくは当院のサイトで解説しております。( )体外受精「卵巣に形成された卵子を体外に取り出し(採卵)、精子と受精させ(媒精)、さらに数日間育てること(培養)で得られた受精卵を子宮内に移植(胚移植)して妊娠を成立させる治療法」です。採卵から培養までの一連の操作が体外で行われるため、卵子の存在・成熟度、精子の受精能力、受精卵の状態を直視下で評価でき、治療法以外に不妊症の検査としても有用性を持っています。1978年にEdwardsとSteptoeの両氏により世界初の体外受精児であるルイーズブラウン氏が誕生してから、本法を含めた高度生殖医療により、世界で400万人、我が国では年間6万人以上、累計70万人以上の生命が誕生しております(2019年時点、日本産科婦人科学会)。詳しくは当院のサイトで解説しております。( )ERA(子宮内膜着床能検査)子宮内膜着床能(ERA)検査は、子宮内膜の着床能のタイミング評価を目的とし、アイジェノミクス社が開発し、特許を取得した検査法です(PCT/ES2009/000386)。分子生物学的ツールとして次世代シーケンサーを用い、子宮内膜の着床能に関連する236個の遺伝子の発現レベルの分析を行います。具体的には、子宮内膜の組織検体から抽出したRNAを次世代シーケンサーによって解析し、遺伝子の発現プロファイルから受容期(Receptive)または非受容期(Non-Receptive)に分類します。詳しくは当院のサイトで解説しております。( )【院長 医学博士 臼田 三郎】日本産科婦人科学会専門医日本生殖医学会 生殖医療専門医・生殖医療指導医母体保護法指定医<所属>日本産科婦人科学会日本生殖医学会日本受精着床学会日本産科婦人科内視鏡学会<経歴>東京都武蔵野市生まれ1988年3月 慶応義塾志木高等学校卒業1995年3月 東京医科大学卒業1995年5月 東京医科大学大学院研究科入学/ 東京医科大学産婦人科講座入局1996年1月 東京医科大学八王子医療センター1997年8月 東京医科大学産婦人科不妊、内視鏡治療グループ1999年4月 東京医科大学大学院修了1999年5月 東京医科大学産婦人科講座助手2001年4月 聖ヨハネ会総合病院桜町病院医長2002年4月 医学博士2003年8月 杉山産婦人科2006年4月 うすだレディースクリニック院長【料金】■先進医療・ERA検査 110,000円(非課税)・タイムラプス 30,000円(非課税)・子宮内フローラ検査 40,000円(非課税)・スパームセパレーター 25,000円(非課税)高度生殖医療は2022年4月より保険適用となり『40歳未満の方は 移植回数6回まで』『43歳未満の方は 移植回数3回まで』となります。※高度生殖医療は2022年4月より保険適用となり『40歳未満の方は 移植回数6回まで』『43歳未満の方は 移植回数3回まで』となります。採卵回数ではありませんのでご注意ください。■保険診療人工授精 1,820点 5,460円※3割負担の場合の料金表示となります。・採卵術 3,200点 9,600円※加算料金は以下の通りになりますイ.1個の場合 2,400点 7,200円ロ.2個から5個までの場合 3,600点 10,800円ハ.6個から9個までの場合 5,500点 16,500円二.10個以上の場合 7,200点 21,600円※保険診療に関する注意事項月3回まで超音波検査は保険適用となります。タイムラプスは、先進医療となるため自費30,000円(非課税)となります。(先進医療とは、将来保険適用となるものです。)妊娠判定日以降から卒業までの妊婦健診にかかる費用はすべて自費となります。詳しくは当院のサイトで解説しております。( )■うすだレディースクリニック: ・お問い合わせTEL:0422-28-0363(受付時間/午前8:50~12:00、午後14:50~18:30)・診療ご予約はこちら: 【記事等でのご利用にあたって】本プレスリリースの内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。・引用元が「ゼネラルリサーチ調査」「うすだレディースクリニック」である旨の記載・ ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月06日女優でタレントの蒼井そらが14日に自身のアメブロを更新。42歳での妊活で実感していることを明かした。この日、蒼井は「去年の3月に初めて移植をして」と振り返り「自己注射や採卵が辛くて時には人工授精を挟みながら1年が経過しました」と報告。「とりあえず、排卵誘発剤飲んでも注射しても採れる卵はひとつだけ」と明かし「コレって通常排卵じゃん。薬って意味あるの??」と不思議そうにコメントした。続けて「唯一採れた卵も受精卵になれず」だったといい「なったとしても胚盤胞まで到達せず」と説明。「もう、年齢を目の当たりにしてるよ。質の良い卵子ってもう育たないんか?」と述べ「双子ができたのは37歳。あれから5年経つけど、5年分質は落ちてるんだなぁと実感してる」と42歳での妊活で実感していることを明かした。また「排卵誘発すればできると思ってた」といい「双子を育てる中で次を産めるタイミングが来るか分からなかったけど3歳になる頃に今なら行ける!と思って妊活始めた」と説明。「その間卵子は着々と質が落ちているなんてね」と述べ「もう1人欲しいとは思ってたからパートナーもいたわけだし双子を産んだ後に受精卵凍結の準備をしておけば良かった」とつづった。さらに「若い頃に卵子凍結しておけば良かったって思うけど10年前には主流じゃなかった」と明かし「今、普通にできるようになってる訳だからお金はもちろんかかるんだけど若い卵子採っておいた方が良いよ」とコメント。「1回の採卵で数10個採れるんだから。羨ましい。若いって」と述べ「歳を重ねれば重ねるほど卵子の質が落ちて受精しなくなるよ!」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年02月15日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、私とフェムケアの話。昨年、卵子凍結手術を受けたことを公表したアイスダンスの小松原美里選手に自身の体の不調との向き合い方を伺いました。卵子凍結は未来の自分への“投資”。小松原美里さんが卵子凍結を考え始めたのは、2022年、北京五輪に出場した頃。’26年のミラノ五輪出場という目標ができたと同時に、30代に入り自分のライフプランを考えるようになったそう。「でも、現役を続けながらの妊娠・出産はハードルが高い。また、食事制限やストレスの影響で10代の頃から生理不順が続いており、妊娠を望んだ時にどうなるのか、漠然とした不安がありました。そんな時、スノーボードの竹内智香選手が卵子凍結の体験談を語った記事を読み、“こういう選択肢があるのか!”と」卵子凍結とは、卵巣から採卵した卵子を将来の妊娠のために凍結保存すること。今すぐ妊活することが難しい場合であっても加齢の影響が少ない状態で卵子を凍結保存できるといったメリットがある。小松原さんは結婚しており、夫の精子と自分の卵子を受精させ、受精卵を凍結保存する方法もあった。こちらの方が子宮に戻した際の着床率は高いため、悩んだという。「ただ、絶対に子供を産みたいという意志が固まっていたわけではなく、養子縁組という選択肢もあるし、引退後に自分の心身の状況が変化する可能性も考えられる。そのため、現時点での自分自身が納得できる形を選びました」卵子凍結を行うに先立ち、AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査の値をチェック。卵胞から分泌されるホルモンの数値によって残りの卵子の量に目安をつける検査で、小松原さんの数値は46歳並みだった。「のんびりしている余裕はないと知り、こういった知識をもっと早くから知っておくべきでした」採卵時には麻酔をかけた上で、卵巣に針を刺して卵子を取り出す。「採卵前に竹内さんと対談する機会があり、採卵の痛みについて、『ケガと違って、自分の将来のための痛みだから怖くないよ』と聞き、すごく不安が払拭されました」この先、実際に凍結卵子を受精させて妊娠にのぞむかどうかは、まだ分からないという小松原さん。「でも、将来『あの時、卵子凍結しておけば…』と後悔はしたくない。その気持ちに素直になろうと思って。私にとって卵子凍結は未来の自分のための投資。ずっと抱えていたモヤモヤが取り払われて、今は競技にもより集中できるようになりました!」妊娠・出産以外にも、女性アスリートならではの悩みもある。「生理の少し前から腹筋の感覚が変わって力が入りにくくなるなど、生理の影響は大きいです。体にフィットしたコスチュームを着るので経血漏れも気になりましたが、月経カップを使うようになってからは、その不安も減りましたね。最近ではピルの助けも借りながら、生理をコントロールしています」また、パートナーやコーチにも「生理中は大きな負担がかかる技の練習は控えめにしたい」と伝え、体とのバランスをとっているそう。「女性特有の不調は人それぞれで、痛みの感じ方も違う。『生理痛で休むなんて。私は我慢できた』などと他人を非難してはならないし、真面目な人ほど『私が甘えているだけかも』と我慢してしまいがちですよね。自分がつらいと感じるなら、その感覚は間違っていないはず。自分の感覚を信じて、心身の声に耳を傾けてほしいです」こまつばら・みさと1992年生まれ、岡山県出身。16歳でアイスダンスに転向。2016年にティム・コレトさんとカップルを結成。’17年にティムさんと結婚。’22年北京五輪では、日本代表として団体銅メダルを獲得。※『anan』2024年2月14日号より。写真・水野昭子ヘア&メイク・未来取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2024年02月10日日々の食卓に欠かせない冷凍食品。温めるだけで食べられるものもあれば、調理を楽にし、時短が叶う商品も多く存在します。しかし、パッケージ裏面をよく見た時、「加熱してありません」と書かれていると、少し不安になってしまうことも。文字通り加熱されていない、生ものを冷凍したものなのでしょうか。その正しい意味を解説します。「加熱していません」=「生」とは限らない「凍結前加熱の有無」の正しい意味について、食品メーカーである日清食品が公式サイトで答えています。食品衛生法に基づいた表示で、凍結直前に加熱した製品は「凍結前加熱して有ります」となりますが、加熱調理していても凍結直前に別の工程がある製品の場合には「加熱していません」と記載されます。必ずしも加熱工程が無いという意味ではありません。日清食品ーより引用つまり「凍結前加熱の有無」とは、凍結「直前」での加熱の有無のみを表しているということです。明らかに加熱してあるように思える冷凍食品にも「加熱してありません」という表示があるのは、こういった理由なのです。「加熱してありません」と表示される3つのパターンさらに細かく説明すると、「凍結前加熱の有無」に「加熱してありません」と表示される冷凍食品には3つのパターンがあります。製造過程でまったく加熱をしていない商品これは分かりやすく、文字通りまったく加熱処理をしていないものです。素材を生のまま凍結している商品などが当てはまります。加熱後、凍結直前に別の工程がある商品これは最も誤解を招きやすいパターンです。製造過程で加熱の工程はありますが、凍結直前に別の工程があるため「加熱してありません」と表示されます。例えば、加熱後に水冷・トッピング・カットなどをしている商品です。あくまで凍結「直前」には加熱していないという意味で「加熱してありません」という表示になります。加熱の工程はあるものの、完全加熱ではない商品最後に、加熱はしているものの、調理上の「完全加熱」ではないパターンがあります。例えば冷凍野菜などは、調理加熱の8割程度まで加熱をして下処理をしている場合があるのです。加熱の工程はあるものの「完全加熱」ではないため、この場合も「凍結前加熱の有無」には「加熱してありません」と表示されます。少しややこしいですが、冷凍食品のパッケージに「加熱してありません」という表示があっても心配する必要はないということですね。食べるときは、表示されている調理方法を守って正しく調理するように気を付けましょう。[文・構成/grape編集部]
2023年11月30日《今年も今のところ結婚願望なし、卵子凍結済みで生活してます》11月21日、Xにこう投稿したのは、タレントの指原莉乃。この日、31歳の誕生日を迎えた指原が卵子凍結していたことを明かすと、たちまち話題を呼び、トレンド入りする事態に。昨今、”卵子凍結”が女性のライフ、キャリアプランの選択を広げるひとつの手段として注目されている。この指原の”卵子凍結”の報告に対し、Xでは《うちは不妊治療してたから卵子凍結は素晴らしい判断だと思う》《結婚願望は無くても、子供は産める選択肢を拡げるのはいいよね》《わたしも検討したいって思えた!!!》など、共感が続々と寄せられている。東京都は今年9月から18〜39歳の都内在住女性を対象に、一定の条件下で卵子凍結の費用を最大30万円支援する助成金制度を開始している。都が”想定の2倍以上の2160人から申し込みがあった”と明らかにしている通り、卵子凍結はキャリアと出産を両立したい若い女性などから期待された選択肢のひとつとなっているのだ。一方で、X上では医療関係者による安易な卵子凍結のリスクを指摘する投稿も目立った。産婦人科医の宋美玄先生は、卵子凍結は「魔法でも保険でもない」として、正しい知識を得てほしいと指摘する。今回はそんな宋先生に、卵子凍結のメリットとリスクを解説してもらった。■未受精卵の凍結は、受精卵の凍結に比べ子供を授かる確率は低くなるそもそも卵子凍結には、受精卵の凍結と未受精卵の凍結の2種類があるが、今回話題になっているのは、後者の未受精卵の凍結だ。「未受精卵の凍結の中には、”医学的適応”のものと”社会的適応”と呼ばれるものがあります。医学的適応は、若くしてがんになって抗がん剤治療や手術が必要になった場合、そのまま治療すると将来子供ができなくなってしまうから、先に卵子を採っておくというもの。一方で、社会的な卵子凍結は、今パートナーは決まってないけれど、将来妊娠できるように未受精卵の状態で保存しておくというもので、より幅広い人が対象となります」しかしながら、認識しておきたいのは、卵子凍結は”将来の妊娠”を確実に約束するものではなく、過信は禁物だということ。「まず、受精卵の凍結に比べて未受精卵の方が子供を授かる確率は低くなります。卵子の中にはそもそも受精しない卵があるためです。確実に受精した卵子だけを凍結する通常の不妊治療に比べて、未受精卵はそのひとつ前のステージとイメージすればよいでしょう。さらに、解凍の技術が難しいことも加わります。未受精卵はブヨブヨのイクラのような状態ですが、受精卵はある程度細胞分裂が進み肉のような状態になっています。イクラと肉でイメージするとわかりやすいと思いますが、細胞がぎっしりしている方が解凍しやすいのです。これらの理由から、未受精卵は受精卵に比べて妊娠の確率が低くなります。仮に10個の卵子を凍結しても、その10個全部を受精卵として体内に戻せるというわけではないということです」■現時点では卵子凍結から子供を授かる割合は高くないまた、費用にくわえて体にかかる負担も大きい。「不妊治療も保険適応の前は高かったですが、卵子凍結も高額です。費用はまちまちですが、保管料は別として、採卵から凍結までは100万円いかないくらいが相場です。また、保管料は保管容器のキャパシティもありますし、保管する卵子の数と年数が増えればその分上がります。採卵は、膣の奥から針を刺して行いますが、腹膜という痛みが生じやすい場所に針を刺すので痛みはあります。麻酔もできますが、麻酔に伴うリスクもあるし時間もかかります。また、たくさん卵を取るために排卵を誘発する注射をしますが、卵巣過剰刺激症候群といって、お腹や胸に水が溜まったり、脱水で命に関わるような合併症を引き起こす可能性も無視できません。男性の精子を採取するのに比べ、女性の卵子を取り出すのはすごく大変なんです」そして、海外の事例を見ると、卵子凍結から実際に子供を授かる割合は決して高くはないということも知っておいた方がいいという。「’22年10月のイスラエルの報告だと、‘11年から’18年の間に446人が卵子凍結を行って、その卵を利用しようとした人は57人、最終的に生まれた赤ちゃんは13人です。ある程度若いうちに採卵した方が卵質はいいのですが、若い人の場合、その後パートナーと出会って自然に妊娠して使わないというケースもありますし、逆に40歳くらいで採卵しても45歳までには体に戻すので、それまでにパートナーに出会えるかもわからない。凍結した卵子を使わないケースが多いことに加え、実際に卵子を使用した人のうち子供を授かったのが約2割と決して高くはないのが実情です」卵子凍結をする場合は、年齢が若い方が卵の質がよく、凍結しておいた方がいいとされる卵の数も少なくていいそうだ。「一般的には、若いうち、30代半ばくらいまでの卵子の方が成績はいいです。凍結自体はお金さえ払えば長期間でも可能。卵子を戻す際の着床に関しては年齢はさほど関係ないですが、高齢になる程ほかの合併症のリスクは増えます。また、凍結する卵子の数は決まっていませんが、文献から抜粋すると、34歳で10個、37歳で20個、42歳で61個ぐらいあると、大体4人に3人は赤ちゃんを授かるとされています。ただ、加齢とともに卵は採れにくくなるので、42歳で61個を一度に採卵するのは物理的には難しいです」■卵子凍結は女性にとっての希望の光だからこそ、正しい知識をここまではシビアな話も多く出たが、宋先生自身も人生の状況次第では卵子凍結という選択をしたかもしれないと話す。「たぶん私も30歳くらいでパートナーがいなかったら卵子凍結をしたと思います。自分は30代前半で留学しましたが、やっぱり妊娠できなくなるのが不安で途中で帰国して出産しています。もし自分にそうした選択があったらまた違った人生だったかなと思います」宋先生は、卵子凍結は希望の光であると同時に、安易に勧められている状況に懸念を抱いているのだという。「女性が加齢とともに妊娠しづらくなるということは、今までならどうしようもないことでした。適齢期にパートナーがいるとも限らず、そういう人にとって卵子を保存できるというのは非常に期待されている技術です。ただ、個人の選択肢として卵子凍結はいいと思いますが、公費を投じることは少子化対策としてはコスパが悪いと思います。また、メディアの方で卵子凍結している人たちの”こうだったらいいのにな”という希望がそのまま記事になってるのをよく目にすることも気がかりです。将来的に”妊娠できると思っていたのにできなかった”とならないように、正しい情報を知って選択してほしいと思っています。人生の色々な他の要素とあわせて、やるかやらないか、何歳でやるかを決めていただきたいです」
2023年11月26日トリガー条項の凍結解除に、課題が多いとして慎重な姿勢を見せる財務省。しかし、その“課題”に対して違和感を覚えたという声が続出している。トリガー条項は2010年度税制改正で導入された制度で、ガソリンの平均小売り価格が3カ月連続で160円を超えた場合に、揮発油税と地方揮発油税の一部である25.1円の課税を停止するというもの。’11年の東日本大震災のときに成立した震災特例法によって発動が凍結されてきた。燃料価格が高騰するなか、世論からはトリガー条項の凍結解除が声高に叫ばれてきたが、これまで政府は課題が多いとして否定的だった。しかし11月22日、風向きが変わる出来事が。衆院予算委員会で、国民民主党の玉木雄一郎代表(54)がトリガー条項の凍結解除を条件に「2023年度補正予算案に賛成してもいい」と述べたところ、岸田文雄首相(66)が「凍結解除を検討したい」との意思を示したのだった。とはいえ、財務省は慎重な姿勢のようだ。11月24日、鈴木俊一財務相(70)は閣議後の記者会見でトリガー条項の凍結解除について、「脱炭素に向けた国際的な潮流、さらに財務大臣としての立場から言えば、国・地方合計で1.5兆円もの巨額の財源が必要となることなどの課題がある」とコメント。財務省としては、今後行われる自民党、公明党、国民民主党による協議結果を踏まえ「適切に対応していきたい」とした。課題として、“1.5兆円の財源が必要になる”ことを挙げた鈴木財務相。しかし、SNS上ではこの指摘に疑問の声が相次いでいる。というのも、現在のガソリン価格などの高騰対策として、石油元売り会社へ支給される補助金の予算総額が、’22年1月の開始以降すでに6兆円超に及んでいるためだ。今後の補助制度の延長で、予算はさらに膨らむ可能性もある。《ガソリン補助金には6兆ほど使われてるんやけど、言ってることおかしいな???》《激変緩和措置で元売りにすでに6兆入れてるんだから(元売りは黒字)、消費者に1.5兆円入れても全く問題ない》《補助金で6兆、東京オリンピックに4兆は良いのに、トリガー条項の1.5兆は駄目な謎》《既に石油元請けに6兆もの補助金出してるのに何言ってんだ、この爺さん》政府はこの違和感に、明確な回答を示すことができるだろうかーー。
2023年11月24日2023年11月21日、タレントの指原莉乃さんがX(Twitter)を更新。31歳の誕生日を迎えたことを報告しました。指原さんは投稿の中で、「今年も今のところ結婚願望なし、卵子凍結済みで生活してます」と、自身の現状についてさらりと明かし、心境をつづっています。31歳になりました今年も今のところ結婚願望なし、卵子凍結済みで生活してます♀️歳を重ねることは、何とも思わないような少し嫌なような、なのですが、それ以上にやりたいことや趣味の選択肢が増えて、今とても幸せです☺️大人、楽しんでます!おめでとうLINEは奈子が1番のりでした pic.twitter.com/XeeMgD06Ge — 指原 莉乃 (@345__chan) November 20, 2023 卵子凍結とは、将来的な妊娠に備えて、年齢が若いうちに、卵巣から採取した卵子を凍結保存することです。自身が出産を望むタイミングまで、質のいい卵子を保存することができ、妊娠の確率を高める手段として有効とされています。年齢を重ねるにつれて、卵子の質や量が低下するだけでなく、子宮や卵巣の病気のリスクも上がるため、卵子凍結により、そういった年齢による変化に備えることができるのです。20~30代の女性は、妊娠・出産の生殖適齢期ですが、同時に男性と同じく働き盛りの時期でもあります。卵子凍結という選択肢が増えることにより、将来的に子供を持ちたい女性が「この年齢までに結婚や妊娠をしなければならない」という精神的な負担が緩和され、仕事におけるキャリアやプライベートを充実させることにもつながるでしょう。指原さんの投稿は反響を呼び、多くのコメントが寄せられていました。・保険として卵子凍結をしておくのは賢い選択だと思う。ぎょっとする人もいるようだけれど、大事なことをいっている。・女性の生き方にはたくさんの選択肢があるって伝えてくれている。さすがです。・結構衝撃!30歳までに子供が欲しいから結婚しなきゃって焦ってたけど、その選択もありなんだ。・前向きに発信してくれるのが、同世代として嬉しいし、励みになります。ただし、卵子凍結は、将来的な妊娠の確率を高めるものではありますが、妊娠を保障するものではありません。また、現状は保険が効かない自由診療であり、公的な支援や助成は多くないため費用がかかります。卵子凍結のメリットとデメリットをしっかりと調べた上で、自分にとってよりよい選択は何かを熟慮することが大切ですね。指原さんの告白に、多くの女性が勇気付けられると同時に、ライフプランについて考えるきっかけとなったのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2023年11月21日東京都が『社会的適応による卵子凍結』(健康な女性の卵子凍結)への支援に意欲を示したこともあり、昨今では『卵子凍結』が少子化対策にいかに貢献するか、社会的に大きな注目を浴びています。そこで今回ムーンカレンダーでは、実際に卵子凍結を体験された女性にSNS上で取材をおこない、その体験をマンガで紹介することに。今回はInstagramで卵子凍結や妊娠の記録を投稿されていたkeikoさんにお話を伺いました。卵子凍結に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。新しいパートナーと妊活開始!35歳で卵子凍結に興味を持ち、38歳で前夫との離婚が成立したkeikoさんは「いつか再婚して子どもを産みたいから、今のうちに卵子を凍結しておこう」と決意。未受精卵を凍結できるクリニックを近場で探し、職場から徒歩5分のクリニックで卵子凍結をおこなうことに。 そして38歳のときに1回目、39歳で2回目の卵子凍結をおこない、計13個の卵子凍結に成功。その後、新しいパートナーと出会ったkeikoさんは……。 2回の採卵を経て合計13個の卵子凍結に成功したkeikoさん。その後は新しいパートナーと出会って真剣交際を開始し、ほどなくしてゴールイン! 2人は「いつか子どもが欲しいね」と話し合い、まずは自然妊娠を目指してクリニックで排卵日を相談しながら、タイミング法での妊活をスタートさせました。 そして一度は授かったものの、残念ながら稽留流産(けいりゅうりゅうざん:出血や腹痛などのいわゆる流産の徴候はないものの、超音波検査で発育が停止していると診断された状態)という結果に。その後、40歳の誕生日を間近に控えたkeikoさんは年齢を考慮し、夫と相談して体外受精に切り替えることを選択します。 それから何度か体外受精にチャレンジし、3回目の胚盤胞移植でついに妊娠が確定! 妊娠6週目にエコーで診てもらうと胎嚢が2つ確認され、keikoさんのおなかには双子の赤ちゃんがいると判明しました。その後、妊娠36週を目前に妊娠高血圧症候群と診断され、緊急入院での帝王切開が決まるという予想外の展開になりながらも、keikoさんは無事に双子の赤ちゃんを出産。現在はかわいい子どもたちに囲まれ、大変ながらもなんとか育児をこなし、幸せな日々を送っているそうです。 ちなみに、keikoさんは現在の夫に卵子凍結したことをいまだに打ち明けていないとのこと。付き合いたてのころから「いつか子どもが欲しいね」と2人で話してはいたものの、keikoさんのほうが子どもが欲しい熱量が高かったこともあり、まだ2人の距離感も微妙なものだったので、どうしても「妊娠に向けてすでに卵子を凍結している」とは言い出しにくかったそうです。「卵子凍結についての知識や理解はないだろうし変なふうに捉えられてしまうかも」という懸念もあったのだとか。 そのため、「タイミング法や体外受精を試してみてダメだったら凍結した卵子を使おう。そのときに夫にも卵子凍結のことを打ち明けよう」と考えていたkeikoさん。そんな中、体外受精で妊娠に成功したため、告白するタイミングを逃してしまったのだとか。そして、2023年5月に「もう3人目は作らないだろうし保管料もかかるから」と、凍結していた卵子を破棄してもらったそうです。 最終的には凍結した卵子を使う機会は訪れなかったkeikoさん。しかし、「タイミング法や体外受精がダメだったときに使うかもしれない」「いつか妊娠できるように少しでも可能性を残しておきたい」と、妊活する上での心の支えとして、卵子凍結はやってよかったと語っています。 原案/keikoさん作画/ちゃこ監修/グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 keikoさんの卵子凍結に関する体験談はInstagramでも紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 監修者:医師 グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香先生
2023年10月31日東京都が『社会的適応による卵子凍結』(健康な女性の卵子凍結)への支援に意欲を示したこともあり、昨今では『卵子凍結』が少子化対策にいかに貢献するか、社会的に大きな注目を浴びています。そこで今回ムーンカレンダーでは、実際に卵子凍結を体験された女性にSNS上で取材をおこない、その体験をマンガで紹介することに。今回はInstagramで卵子凍結や妊娠の記録を投稿されていたkeikoさんにお話を伺いました。卵子凍結に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。ついに採卵当日! 果たして結果は?35歳で卵子凍結に興味を持ち、38歳で前夫との離婚が成立したkeikoさんは「いつか再婚して子どもを産みたいから、今のうちに卵子を凍結しておこう」と決意。未受精卵を凍結できるクリニックを近場で探し、職場から徒歩5分のクリニックで卵子凍結をおこなうことに。 採卵に向けて生理3日目からホルモン剤を服用しつつ注射を打ち、卵胞を育てていくkeikoさん。そしてついに、成熟卵胞(20mmを超える卵胞)がいくつか確認されたため、生理12日目に採卵をおこなうことになり……。 採卵では、腟から超音波器具を挿入してモニターで卵巣の様子を確認しながら、「採卵針」と呼ばれる採卵専用の針を使用し、卵巣内の卵子を回収する方法が一般的です。ちなみに、採卵針で卵子を採取する際には、多少の痛みが生じることもあるそう。そのため、全身麻酔や局所麻酔をして採卵をおこなうクリニックもあると言います。具体的には、採取する卵子の数が多い場合や、痛みを感じやすい人から「麻酔をしてほしい」と希望があったときには麻酔をすることが多いのだとか。 keikoさんの場合は全身麻酔下での採卵となりました。そのため施術時にはまったく意識がなく、目が覚めたら採卵が終わっていたそうです。培養士さんによると「7個の卵子が採れた」とのことで、調べると7個のうち成熟卵が5個で未成熟卵が2個だったそう。この場合、成熟卵である5個の卵子はそのまま凍結できるのですが、未成熟卵の2個は破棄するか、培養して成熟するまで育てるかの2択になります。keikoさんは初めての採卵だったこともあり、「せっかくだから」と体外成熟培養を依頼。結果、未成熟卵2つは無事に成熟卵へと成長し、1回目の採卵では7個の卵子を凍結できることになりました。 それから半年後、2回目の採卵では10個の卵子が採れ、今回は成熟卵が6個で未成熟卵が4個とのこと。培養士さんに「今回も体外成熟培養しますか?」と尋ねられたkeikoさんでしたが、「培養したからといって100%成熟卵になるわけではありません」とも教えてもらい、「前回のも合わせると最低13個の卵子は確保できたわけだし……培養してもらうのに追加料金で10万円かかるからなぁ……今回はいいか」と判断。2回目に採卵した未成熟卵4個は破棄してもらったそうです。 38歳のときに1回目、39歳で2回目の採卵と卵子凍結を経験したkeikoさん。気になる費用面について尋ねてみると、1回目は採卵と培養で約29万、卵子凍結保存料は約10万/年で、約39万。2回目は採卵のみで約26万弱、卵子凍結保存料は約4万/年で、約30万。合計すると、採卵から保存まで併せて約70万かかったそうです。 卵子凍結では、採卵をしてもらうだけでもまとまったお金が必要ですが、卵子を保存しておくための維持費もかかるのがなかなか手痛いところですよね。2023年10月からは東京都が『社会的適応による卵子凍結』(健康な女性の卵子凍結)の助成金申請を受け付けるようですが、将来的に妊娠を望んでいるけれど金銭的余裕がない、または現時点で妊娠できる機会のない女性が、未来に妊娠できる可能性を残せるようになることが、少子化対策に繋がるのかもしれませんね。 原案/keikoさん作画/ちゃこ監修/グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 keikoさんの卵子凍結に関する体験談はInstagramでも紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 監修者:医師 グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香先生
2023年10月29日東京都が『社会的適応による卵子凍結』(健康な女性の卵子凍結)への支援に意欲を示したこともあり、昨今では『卵子凍結』が少子化対策にいかに貢献するか、社会的に大きな注目を浴びています。そこで今回ムーンカレンダーでは、実際に卵子凍結を体験された女性にSNS上で取材をおこない、その体験をマンガで紹介することに。今回はInstagramで卵子凍結や妊娠の記録を投稿されていたkeikoさんにお話を伺いました。卵子凍結に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。採卵までの流れは?35歳で卵子凍結に興味を持ち、38歳のときに前夫との離婚が成立したkeikoさんは「いつか再婚して子どもを産みたいから、今のうちに卵子を凍結しておこう」と決意。未受精卵を凍結できるクリニックを近場で探し、職場から徒歩5分のところにあるクリニックで卵子凍結をすることにしました。 採卵とは、排卵直前に卵巣から卵子を体外に取り出すことです。通常は生理14日目くらいが排卵日となり、keikoさんの場合も、生理11~13日目あたりが採卵日の候補として挙げられました。採卵までにしっかり卵胞を育てるため、生理3日目からはプロベラ(=黄体ホルモン剤。子宮内膜分泌化作用や妊娠維持作用をもつ)という薬を飲みつつ注射を打ち、卵胞を刺激していきます。 そして、生理6日目・9日目に経腟エコー検査で卵胞の様子をチェック。すると、生理6日目にはほとんどが未成熟卵でしたが、生理9日目には成熟卵胞と呼ばれる20mmを超える卵胞が複数確認できたようで、生理12日目に採卵をおこなうことが決まりました。いよいよ採卵日時が決まったkeikoさんは、採卵の36時間前ぴったりに卵胞を成熟させる目的でトリガー注射を打ちます。 あとは採卵当日を待つだけとなったkeikoさん。今まで毎日、薬の服用や自己注射を頑張ってきた達成感を覚えながらも、採卵日が近づくにつれて緊張とワクワク感が高まっていき、複雑な感情だったそうです。 今回は、keikoさんがクリニックを初めて受診してから採卵日を迎えるまでの様子を紹介しました。卵子凍結は費用負担が大きく通院も大変なイメージですが、採卵までの自己準備にもこれほどの手間がかかると知って驚きです。ここまで頑張って準備してきたからこそ、「無事に採卵できますように」と強く願うkeikoさんの心境にも納得ですね。ちなみに、あと2年もしないうちに40歳を迎えるkeikoさんとしては、このとき「早く卵子凍結をしてしまいたい」という気持ちも少なからずあったそう。採卵で良い結果が出ることを祈ります。 原案/keikoさん作画/ちゃこ監修/グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 keikoさんの卵子凍結に関する体験談はInstagramでも紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 監修者:医師 グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香先生
2023年10月27日東京都が『社会的適応による卵子凍結』(健康な女性の卵子凍結)への支援に意欲を示したこともあり、昨今では『卵子凍結』が少子化対策にいかに貢献するか、社会的に大きな注目を浴びています。そこで今回ムーンカレンダーでは、実際に卵子凍結を体験された女性にSNS上で取材をおこない、その体験をマンガで紹介することに。今回はInstagramで卵子凍結や妊娠の記録を投稿されていたkeikoさんにお話を伺いました。卵子凍結に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。 卵子凍結に興味を持ったきっかけは?38歳のときに1回目、39歳で2回目の卵子凍結を実施したkeikoさん。彼女が初めて卵子凍結に興味を抱いたのは35歳のときで、姉のひと言がきっかけだったそうです。 keikoさんが卵子凍結に初めて興味を抱いたのは35歳のときでした。当時、まだ独身だったkeikoさんは姉から「あんた今のうちに卵子凍らせときや」と言われ、失礼な発言だなあとは思いつつも、「確かにお姉ちゃんの言うとおり、いつかは結婚して子どもを産みたいと思っているけど、女性である限り妊娠のタイムリミットがあるのも事実だよなあ……」と感じたのだとか。 姉の言葉がきっかけで卵子凍結に興味を持ったkeikoさんは後日、大阪のとあるクリニックが主催する卵子凍結セミナーに参加しました。その際に「卵子凍結の仕組みをきちんと理解するためには、体外受精についても知っておく必要がありそう」と考えたkeikoさんは、続けて体外受精に関するセミナーにも参加したそうです。 それから3年の間に結婚と離婚を経験したkeikoさん。結婚生活を送っているときは積極的に子作りはせず、卵子凍結の選択肢もあまり頭の中にはなかったのだとか。ただ、1人目の夫との離婚を機にkeikoさんは「よし! 年齢のこともあるし今のうちに卵子凍結をしておこう!」と一大決心したそうです。 その後、keikoさんは大阪府のとあるクリニックに卵子凍結の相談に訪れます。このクリニックはメディアにもよく出演していて卵子凍結の実績も多くあり、関西では『卵子凍結をおこなっているクリニック』として有名なのだとか。医師の対応も丁寧で、わからないことだらけでも安心感があったとkeikoさんは語ります。 keikoさんがいざ「卵子凍結をしよう」と思い立ったのは2019年ごろ、38歳のときでした。そもそも、当時は卵子凍結をおこなっているクリニックの数が少なかった上、『受精卵』の凍結をしているクリニックは多くあっても、『未受精卵』の凍結ができるところは少ないという実情があり、keikoさんはクリニック選びに苦戦したそうです。 こうして『未受精卵』を凍結できるクリニックに絞り込んだ結果、keikoさんは職場からほど近いところに『未受精卵』の卵子凍結をおこなっているクリニックを発見。卵子凍結をするとなると受診頻度もわりと頻繁になりますし、『会社や自宅からの通いやすさ』を1つの指標にしてクリニックを選ぶのもいいかもしれませんね。 原案/keikoさん作画/ちゃこ監修/グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 keikoさんの卵子凍結に関する体験談はInstagramでも紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 監修者:医師 グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 岡田有香先生
2023年10月26日株式会社セントラルメディエンス(本社:東京都港区、代表取締役:中川隆太郎、以下「当社」)のグループ傘下である、医療法⼈財団 ⼩畑会 浜⽥病院 (所在地:東京都千代⽥区、院⻑:合阪幸三、以下「当院」)は、10月16日に東京都による「卵⼦凍結への⽀援に向けた調査事業登録医療機関」に認定されたことをお知らせいたします。〈対象者〉東京都に住む18 歳から39 歳までの⼥性(※採卵を実施した⽇における年齢)〈助成額〉・卵⼦凍結を実施した年度 上限20万円・次年度以降、保管更新時の調査に回答した際に、1 年ごと⼀律2万円(最⼤5年間)〈対象要件〉 (1)〜(6)全てに該当する⽅が対象(1)都が開催する、卵⼦凍結の正しい知識を持っていただくための説明会へ参加すること(2)説明会への参加を申し込んだ⽇から都に助成⾦を申請する⽇までの間、継続して都内に住⺠登録をしていること(3)説明会に参加した後、都が指定する登録医療機関において採卵準備のための投薬を開始すること(4)未受精卵⼦の採卵⼜は凍結後に都が実施する調査に協⼒すること(5)凍結卵⼦の売買、譲渡その他第三者への提供はいかなる場合も⾏わないこと、また、海外への移送は⾏わないこと(6)卵⼦凍結後も都の実施する調査に対し、継続的に(最⼤5 年間)回答すること〈対象となる施術〉採卵準備のための投薬・採卵・卵⼦凍結助成⾦制度に関するお問い合わせは、東京都福祉保健局にお願い致します。東京都福祉局ホームページ 〈 医療法⼈財団 ⼩畑会 浜⽥病院 〉当院は、明治時代からおよそ130 年続いている歴史のある病院です。歴史と伝統を誇りとしつつ、最新の医療技術で患者さまに最良の医療を提供することを⽬的として、毎⽇診療に励んでおります。不妊外来におきましては、⼈⼯受精、体外受精、顕微授精、凍結受精卵移植など⾼度先進不妊治療を実施しています。常勤医の他、東⼤産婦⼈科の不妊専⾨医も勤務しております。様々な病気に伴う精⼦、卵⼦の凍結保存も可能です。適応のある着床前診断は、東⼤産婦⼈科と協⼒して⾏うことが可能です。所在地:東京都千代⽥区神⽥駿河台2-5診療科⽬:産科、婦⼈科、不妊科、⼩児科、乳腺科、⼈間ドッグ・健康診断URL: ・浜⽥病院 問い合わせ先電話番号03-5280-1166〈株式会社 セントラルメディエンスについて〉株式会社セントラルメディエンスは、2018 年創業。経営理念「⾰新的な医療サービスの創造」、ミッション「医療サービスで健康価値の向上に寄与し社会に貢献していく。Cure(治癒・治療)中⼼の医療サービスから、ヘルスケア中⼼の予防医療サービスの推進」のもと、医療機関の「最適化」を医療従事者と共に追求し、その変⾰に向けたメディカルサポート、メディカルキャリア、メディカルマーケティング、産業保健事業を中⼼としたソリューションの提供を⾏っています。医療ニーズにおける社会的価値のあるサービスを創造・提供することで、医療を⽣活の中⼼とした「⾰新的な医療サービスの創造」というビジョンの実現を⽬指します。〈株式会社 セントラルメディエンス 会社概要〉社 名:株式会社 セントラルメディエンス所在地:東京都港区⻁ノ⾨2-10-1 ⻁ノ⾨ツインビルディング EAST棟8階代表者:中川隆太郎U R L︓セントラルメディエンス: 産業医ラボ.com: 産業保健師ラボ.com: 美STAR: M&A メディカル: 〈本件に関するお問い合わせ先〉株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ クリエイティブ事業部⻑⾏司(ちょうぎょうじ)・神野(じんの)TEL:03-5544-9121 / FAX:03-5544-9125 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月20日冷凍食品のパッケージの裏面をよく見ると、原材料名や内容量が書いてある欄に「凍結前加熱の有無」という項目があります。ここに「加熱してありません」と書いてあるということは、文字通り加熱されていない、生ものを冷凍したものなのでしょうか。その正しい意味を解説します。「加熱していません」=「生」とは限らない「凍結前加熱の有無」の正しい意味について、食品メーカーである日清食品が公式サイトで答えています。それによると、「凍結前加熱の有無」は食品衛生法に基づいた表示とのこと。凍結直前に加熱した製品であれば「凍結前加熱して有ります」となりますが、加熱調理していても凍結直前に別の工程がある製品の場合には「加熱していません」と記載されるのだそう。つまり「凍結前加熱の有無」とは、凍結「直前」での加熱の有無のみを表しているということです。明らかに加熱してあるように思える冷凍食品にも「加熱してありません」という表示があるのは、こういった理由なのです。「加熱してありません」と表示される3つのパターンさらに細かく説明すると、「凍結前加熱の有無」に「加熱してありません」と表示される冷凍食品には3つのパターンがあります。製造過程でまったく加熱をしていない商品これは分かりやすく、文字通りまったく加熱処理をしていないものです。素材を生のまま凍結している商品などが当てはまります。加熱後、凍結直前に別の工程がある商品これは最も誤解を招きやすいパターンです。製造過程で加熱の工程はありますが、凍結直前に別の工程があるため「加熱してありません」と表示されます。例えば、加熱後に水冷・トッピング・カットなどをしている商品です。あくまで凍結「直前」には加熱していないという意味で「加熱してありません」という表示になります。加熱の工程はあるものの、完全加熱ではない商品最後に、加熱はしているものの、調理上の「完全加熱」ではないパターンがあります。例えば冷凍野菜などは、調理加熱の8割程度まで加熱をして下処理をしている場合があるのです。加熱の工程はあるものの「完全加熱」ではないため、この場合も「凍結前加熱の有無」には「加熱してありません」と表示されます。少しややこしいですが、冷凍食品のパッケージに「加熱してありません」という表示があっても心配する必要はないということですね。食べるときは、表示されている調理方法を守って正しく調理するように気を付けましょう。[文・構成/grape編集部]
2023年10月10日凍結と熟成を経た幻のビール商品ページはコチラ : 三重県伊勢市で「あなたの人生にエールを!」合言葉に、本物のビールを追求し続ける「ISEKADO」。2022年5月にクラウドファンディングにて多くのご支援を頂いた、飲むメルセデス「DIGNITY(ディグニティ)」。父の日に向けて200本限定で2023年5月24日より販売開始!伊勢角屋麦酒が構想に15年を費やした幻の凍結ビールを一人でも多くの方にお届けしたい!【DIGNITYの特長】『飲むメルセデス』と呼ばれる幻のビール、アイスボックアイスボックの起源は南ドイツと言われています。寒い冬の晩、屋外で凍りついてしまったビールの氷を取り除いて飲んでみたところ、とろっと濃厚で、これまでにない絶妙な深い味わいに仕上がっていたと伝えられています。いわば「偶然の産物」であるため、味わいの再現が非常に難しく、通常のビールの約3倍の価格で取引されています。また、流通数も少ないため、その希少価値の高さから「幻のビール」や「飲むメルセデスベンツ」と呼ばれるほどです。アイスボック(の醸造)はビールが入ったタンクそのものを凍らせる必要があります。実は、ビールを凍結させるということ自体、私たちの業界では前代未聞の挑戦。凍結させるための多額の設備投資や、非常に難しいタンク内の温度管理など、手間もコストも通常のビールの数十倍かかります。もちろん失敗するリスクも高くなります。醸造することが不可能とさえ言われる、醸造難易度の高い幻のビールなのです。伊勢角屋麦酒だから実現可能な、究極のアイスボックが完成。「アイスボック」専用の冷却タンクを用意。冷却タンクのビールをゆっくりと凍らせいきます。水は0℃で凍ります。対して、アルコールは、その度数によって凍結温度が異なります。例えば、アルコール度数5%のビールだと-3℃が凍る温度です。「冷却タンク」内の温度を-2℃程度に下げると、ビールの中の水分だけが凍ります。余分な水分が少し取り除かれ、ビールのアルコール度数が上がります。そうして水だけが凍った「氷部分」と、それ以外が濃縮された「ビール部分」をゆっくりと時間をかけて分けていきます。この気の遠くなる工程を、温度を変えて何度も繰り返すことで、どんどんと余分な水分が取り除かれ凝縮されたビールへと生まれ変わります。今回は、この工程を何度も繰り返したことで、アルコール度数約17度というハイアルコールビールに変化しました。ウイスキー樽での「長期熟成」を経て 、極上の味わいを。アイスボックだけでも充分すぎる美味しさを楽しめる味わいなのですが、まだどこか尖った印象が残ります。そこで、完成したビールをウイスキーが詰められていたホワイトオーク樽の中でじっくりと時間をかけて熟成させることで、より円熟味を帯びた味わいと香りに変化させていきます。凍結し旨味・香りを凝縮させた先に、樽での熟成によりより深い味わいへ昇華させていく。高い技術を掛け合わせて、ようやく伊勢角屋麦酒ならではのDIGNITYとなって完成するのです。あなただけの特別な時間を、DIGNITYと共に伊勢角屋麦酒の想いが詰まったDIGNITYは、ウイスキー樽から瓶詰めされた後に、専用の桐箱と化粧箱に包まれて皆さまの元へと届けられます。 手にとるたびに感動を味わえる装いを楽しみながら、あなただけの特別な時間をDIGNITYと共にお過ごしください。商品概要名称 :ディグニティ「6ヶ月熟成」(瓶)1本容量: 750ml価格 :10,000円(税込)原材料:大麦麦芽、 ホップアルコール度数:17.0%IBU:50スタイル:アイスボックコク/キレ:★★★★★/☆☆☆☆☆販売開始日:2023年5月24日商品URL : 伊勢角屋麦酒 創業者 鈴木成宗からのコメント今回、「DIGNITY」の製造を始めたのは、言葉を選ばずに言うと「好奇心が止まらなかった」からです。醸造の難しさゆえ、誰も作りたがらない、私たちも手が出せずにいました。しかし、振り返ってみれば伊勢角屋麦酒は創業当時から、無謀だと言われることや誰も挑戦していないことに積極的に取り組んで参りました。「飲むメルセデスベンツ」と呼ばれながら、一部にしか認知されていない幻の味わいを、自分達の手で手掛けたいーその思いが高まり、気がつけば醸造に向けて動き出していました。この機会に、世界中を探しても味わうことの出来ない、伊勢角屋麦酒が手がけた幻のビールをご体験ください。【ISEKADOについて】創立:1997年 代表者:鈴木 成宗(スズキナリヒロ)事業内容:伊勢神宮近くに本社・醸造所を構え、「あなたの人生にエールを!」をスローガンに掲げるクラフトビールブランド。創業当時から、無謀だと言われることや誰も挑戦していないことに積極的に取り組んで参りました。その結果、国内外の品評会で数多く受賞し、ビール界のオスカー賞と言われる最も歴史ある英国IBAで2017年・2019年・2021年と日本勢初となる3大会連続でゴールドメダルを受賞致しました。10種の定番商品をはじめとし、様々な種類のビールの製造を展開。豊かなビール文化を協創すべく世界基準で”本物”のビールをお届けしています。【会社概要】会社名:有限会社二軒茶屋餅角屋本店(にけんぢゃやもちかどやほんてん)本社所在地:〒516-0017 三重県伊勢市神久六丁目8番25号TEL:0596-23-3040 FAX:0596-28-3040事務所所在地:〒516-0003 三重県伊勢市下野町564番17号 TEL:0596-63-6515 FAX:0596-63-6516代表者:代表取締役社長 鈴木成宗(すずきなりひろ)事業内容:食料品製造販売(ビール類、生菓子、味噌、醤油)、飲食店経営 他代表商品:伊勢角屋麦酒、神都麥酒、二軒茶屋餅、角屋味噌醤油店舗・工場: 二軒茶屋餅本店(工場/店舗)、角屋醸造場(味噌醤油) 伊勢角屋麦酒 神久工場/麦酒蔵(店舗)、伊勢角屋麦酒 下野工場、 伊勢角屋麦酒 内宮前店(飲食店)、伊勢角屋麦酒 外宮前店(店舗)会社設立:平成6年(1994年)6月24日 創業:天正3年(1575年)舟着場の茶店として創業。現在21代目決算期:11月資本金:5,800万円 従業員:社員18名、パートアルバイト65名(令和2年3月末現在)取引銀行:百五銀行伊勢支店、中京銀行伊勢支店、第三銀行八間通支店他■公式オンラインストア ■伊勢角屋麦酒 楽天市場店 ■伊勢角屋麦酒 Amazon店 商品に関するお客様からのお問い合わせ先伊勢角屋麦酒岡田博明TEL. 0596-63-6515 axl@kadoyahonten.co.jp Twitter投稿 : instagram投稿 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年06月01日厳しい寒さが観測されると、気を付けないといけないのが、水道管の凍結。水を使おうとして蛇口をゆるめても、出なかったら…考えただけでもゾッとする出来事です。そのため各家庭では、屋外に設置されている水道管は布やビニールテープを使って覆う、水を抜くための装置である『水抜き栓』がある場合は回しておくといった対策が取られています。屋外に設置されている水道管の凍結を防ぐには?大沢愛(@ai_oosawa)さんが水道管凍結のため行った対策が、ネット上で注目を集めました。多くの家庭で行われている対策は、上記の方法のほか、水道管が外気に触れないよう、保温材を巻きつけるといったやり方。しかし大沢さんが対策として行ったのは…。何しろ降水量の少ない土地柄ですので路面凍結はわりと何とかなります困るのは水道管凍結ですが……我が家ではドリンク剤の空き箱をこんな風に被せるだけで屋外水道管は凍りません下部は開いてますが関係なし布を巻いたときにはあっさり凍ったのに段ボール,すごいです…… pic.twitter.com/Cnpod6oT8O — 大沢愛 (@ai_oosawa) January 24, 2023 大沢さんは、蛇口を空き箱で覆ったのです!以前は布で巻いたところ、水道管は凍結してしまったとのこと。しかし空き箱を使って以降、凍結を防げているそうです。結露で発生した水滴が凍ることで、水道管は凍結してしまいます。外気温と水道管内の温度差が大きいほど、結露は起こりやすくなるため、水栓全体を段ボールで断熱することで、凍結防止により効果が期待できるのです。実際、自治体によっては、水道管の凍結を防ぐ対策として、空き箱をはじめとする段ボールで覆うことを推奨しているところがあります。また中には、水道管の蛇口だけでなく、水道メーターも段ボールで覆うやり方を紹介している自治体も。大沢さんがTwitterでこの方法を投稿したところ、「今からでもやっておこう」「この方法は知らなかった」と驚く人からのコメントが相次ぎました。普段から寒い地域に住んでいる人だけでなく、比較的暖かい場所に住んでいる人も、試してみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2023年02月01日いざ不妊治療を始めよう思っても、保険適用の年齢は? 適用回数の上限は? どこまでの範囲が対象なの? と分からないことだらけという人も多いのでは。2022年の4月から保険の適用範囲も変わったので、まずは不妊治療の正しい制度を知ることから始めてみませんか?今回、最先端の知識と豊富な経験を持つ、桜十字ウィメンズクリニック渋谷の院長・金先生にお話を伺いました。教えてくれたのは…桜十字ウィメンズクリニック渋谷 金南孝院長大阪市立大学医学部を卒業。学生時代から生命の誕生に惹かれ、産婦人科医としてのキャリア積む。自身も結婚後に自然妊娠しなかったことをきっかけに不妊治療を経験し、相手の立場にたった診察に重きを置いている。患者さんと信頼し合える生殖医療のパートナーとなれることを願ってやまない。 桜十字ウィメンズクリニック渋谷 保険適用はどこから? 回数に上限はある?さまざまな疑問に医師が回答――保険適用範囲が変わりましたが、これまでと違う点を教えてください金先生:2022年4月から、生殖補助医療※1が概ね保険適用されることになりました。「体外受精」や「顕微授精」においては、女性の年齢が43歳未満(治療開始時点)であることが条件となります。適用回数は、女性の年齢が40歳未満の場合は子ども1人につき最大6回まで、40歳以上43歳未満の場合は最大3回まで保険が適用となります。※1 生殖補助医療…採卵・採精、体外受精・顕微鏡授精、受精卵・胚培養、胚凍結保存・胚移植金先生:これまで体外受精をはじめとする生殖医療は、高額な治療費がかさむことが大きな問題となっていました。その最大のデメリットが大幅に解消されることになり、これまで以上に多くのご夫婦の手助けができるようになりました。実際に、当院でも保険適用範囲が拡大してから患者様の数は増加しており、患者様にとってのメリットが大きい制度変更だと感じています。――保険適用範囲拡大後、おおよその治療金額を教えて下さい金先生:治療に関わる総額は各個人によっても違いますが、概ね体外受精で15万〜20万程度、凍結胚移植で5万〜10万程度の金額が1カ月当たりにかかります。保険適用になったとはいえ、依然として高額ではありますが、以前は体外受精と凍結融解胚移植をそれぞれ1回ずつ実施した場合、100万円近い金額がかかっていたため、大幅に減額されてはいるのは事実です。ただし、保険適用対象になったことから、さらに減額が受けられる可能性があります。例えば高額療養費制度を利用したり、各個人で加入している生命保険などを利用したりすることで、実質数万円で採卵を行うことも不可能ではなくなりました。保険適用をめぐっては、各クリニックで負担が生じていることも事実ですが、総合的に考えるとやはり患者様にとっての利点の方が上回るだろうと思います。私自身、不妊治療で高額な治療費をかけた身として、この大幅軽減は羨ましくも思います。現代女性のリアルな不妊治療にまつわる悩みって?不妊治療の保険適用内容が分かったら、すぐに不妊治療に手を出せるのかというと、そうではありません。編集部で不妊治療に関するテーマで話してみると、女性のさまざまな悩みが見えてきました。30代の友人からも「そろそろ不妊治療も考えたほうがいいかと思ってる」って声をすごく聞くようになって…。いつかは授かりたいと思うけど、自分が妊娠できるのかどうかと想像すると不安になるよね。1人目は自然妊娠できたけど、2人目がなかなかできないって困ってる声も良く聞くな。「二人目不妊」なんて言葉もあるよね。やっと軌道にのったキャリアも大事にしたいから、2人目に踏み切れないってママもいるよね。ライフステージに合わせ治療にもさまざまな選択肢が――女性にはさまざまなライフステージがあり、不妊治療に対して身構えてしまう方もいると思います。実際にクリニックにいらっしゃる方はどんなお悩みを抱えて来る方が多いですか?金先生:自然妊娠できず治療を始めたいけれど、何から始めたらよいか分からないという方はもちろん、不妊治療を次のステップに進めたいという方もいらっしゃいます。当院は「卵子凍結」も行っているため、「いずれ子どもは欲しいけれど今は難しい」という理由で、卵子凍結を希望される方も多くいらっしゃいます。年齢は40歳前後の方がボリュームゾーンですが、カジュアルな気持ちで来られる、若い方も少なくありません。変化の大きな時代に生きる女性たち大きな一つの選択肢ともなる「卵子凍結」先生がお話ししてくださった、卵子凍結。実際にどんな技術なのか詳しく伺ってみましょう。――卵子凍結はどんな技術ですか?金先生:卵子凍結は体外受精と全く同じ技術になります。体外受精とは、卵巣を刺激して卵子を採取し、精子と卵子をかけあわせて受精卵を作り凍結します。卵子凍結はこのうちの採卵までは全く同じであり、精子を掛け合わせずに卵子のまま凍結させる方法になります。そのため、体外受精に比べて特別な技術が必要な訳でもなくむしろ媒精(精子と卵子を掛け合わせること)がない分シンプルな技術と言えるでしょう。――精子ではなく、なぜ卵子のみ凍結が必要なのでしょうか?金先生:精子と卵子の決定的な差が原因です。精子は毎日作られているのに対し、卵子は産まれた時から新たに作られることはなく、減少し続けるからです。正確にいうと胎生期6カ月前後の時に約700万個まで卵子が増加して以降減少に転じます。出生時には約200万個程度まで減少しているとされ、月経が始まる10~15歳ごろにその数は約30万個となります。そして月経サイクルの中で毎月1個の卵子が排卵されていきますが、1個の卵子が排卵されるまでに、約1000個の卵子が消えてしまいます。これは、たくさんの卵子の中から、ひとつの成熟した卵子を排卵させるためのホルモン働きです。こうして多くの卵子が消失していき、およそ45~55歳になるとすべての卵子が失われ、閉経を迎えます。つまり、妊娠を考えるときには、自分の一生というライフプラン軸だけではなく、「残されている卵子の数や機能」にも十分な配慮が必要ともいえます。――卵子凍結の実施数は増加していますか?金先生:各クリニックの実施状況はわかりませんが、卵子凍結は間違いなく増加傾向にあると言えるでしょう。当院でも問い合わせの頻度が増加してきています。少子高齢化がかつてないほどのスピードで進行する日本国内においてこうした状況には頷けるものがあります。働く女性の割合は年々増加傾向にありますが、企業のサポート体制には依然としてムラがあり、妊娠出産を機にキャリアを一時停止させなければならないのであれば、必然的に妊娠を躊躇うことになるでしょう。私はその社会構造こそ変えていくべきだと日々考えていますが、現状こういった背景から卵子凍結をご希望される方が増加するのも自然な流れだと言えるでしょう。――卵子を凍結保存できる期間や年齢制限はありますか?金先生:一度凍結してしまえば理論上何年も何十年も凍結することは可能です。ただ何十年も凍結した卵子を融解した症例はほぼないに等しいですから、現実的にはご自身の生殖可能年齢、すなわち閉経するまでにご使用することを前提にお考えいただく必要があるでしょう。年齢制限はありませんが、妊娠率を考えると40歳くらいまでに決断されることをお勧めします。決断が早いほど少ない個数の卵子採取で済むことが多く経済的にも有利になります。――卵子凍結による妊娠の成功率はどのくらいですか?金先生:卵子凍結(未受精卵凍結)は加齢などの要因によって卵子の融解後の生存率等に影響を及ぼすといわれています。■35歳までに卵子凍結を行った場合凍結融解後の未受精卵子の生存率は90~97%、受精率71~79% 、臨床妊娠率36~61%と報告されています。(Fertillity steril 2013;99:37-43)■40歳を含む幅広い年代で卵子凍結を行った場合凍結融解後の未受精卵子の生存率は68.6~89.7%、受精率71.7~85.8% 、臨床妊娠率10.8~3.3%と報告されています。(Cil AP, Bang H, Oktay K. Age-specific probability of live birth with oocyte cryopreservation: an individual patient data meta-analysis. Fertil Steril. 2013;100:492–9.)――卵子凍結はどのクリニックでもできますか?金先生:卵子凍結はいくつかある不妊治療の一つの方法で、クリニックによってもできる場所が限られています。近年の生殖医療技術の発展からより身近な技術へとなりました。当院では、社会的適応(今は仕事を優先したい状況にある、介護などで今すぐの妊娠/出産が難しい、パートナーがいても今すぐ結婚することを考えていない等の理由)による卵子凍結を実施しています。■妊娠できるか不安…そう悩む前に一度受診を今を生きる女性にとって仕事と家庭の両立は大きなテーマ。コロナ禍でさまざまな生活環境の変化に対応し、自分の人生を見つめ直すきっかけとなったことは言うまでもありません。不妊治療は、早く実施すればするほど負担は軽減します。「妊娠できるのか不安」と一人で悩むのではなく、ご自身のライフプランも含めてお気兼ねなく相談してみることから始めてみませんか?金先生が院長を務める 桜十字ウィメンズクリニック渋谷 のご紹介JR渋谷駅より徒歩約5分、渋谷PARCO隣の好立地に、2018年開業した渋谷エリア唯一(※)の不妊治療専門クリニック。日本生殖医学会認定生殖医療専門医である金先生をはじめ、体外受精を数多く手掛けるクリニックで経験を積んだ培養室長など高い技術を持った医師・スタッフがそろい、胚(受精卵)へのストレスを最小限にした最新型培養器「タイムラプス」や培養液の工夫、卵子凍結技術の向上など、ソフトとハード両面で患者さまを支えています。※2022年12月現在【住所】東京都渋谷区宇田川町3-7 ヒューリック渋谷公園通りビル4階( Google Map )※JR山手線 渋谷駅 ハチ公口 徒歩5分/東京メトロ 渋谷駅 6番出口 徒歩4分【診療日】月~土 ※水土午後・日祝休診( 詳細はこちら )【TEL】03-5728-6626 桜十字ウィメンズクリニック渋谷 公式サイト [PR] 医療法人社団 東京桜十字
2022年12月26日日経ナショナル ジオグラフィック(代表:滝山晋、所在地:東京都港区虎ノ門)は、『ドナーで生まれた子どもたち 「精子・卵子・受精卵」売買の汚れた真実』を9月20日(火)に発行しました。「私は、母と『誰かの精子』の間に生まれた」。本書は、オーストラリアの著名ジャーナリストが、自身がドナーによる精子提供で生まれたと知ったことをきっかけに、生物学上の父親を探す調査を開始し、不妊治療の名のもとに行われるドナーによる懐胎(Donner Conception 以下DC)というビジネスについて、10年という歳月をかけて綴ったノンフィクションです。いまやDCは一般に認識されている以上に広く浸透していますが、その実情は想像以上に異様で、多くの問題をはらんでいます。DC児たちにドナーが誰であるか知る権利は保証されていないため、自身の出自はもちろん、持っているかもしれない遺伝性の疾患や、いるかもしれないきょうだいの存在、あるいはその数を知るすべはありません。日本でも同様の問題は起きています。これまでに世界各地から75人の異母きょうだいを見つけたジョーイ・ホフマンは国連のスピーチで訴えました。「自分が大量生産された人間というモノのひとつに思えてきます。(中略)どうかお願いです。これからは子どもたちの基本的な権利や利益を、優先リストの最下位に置くのではなく、最優先にするように努めてください」。丹念な取材と迫真の証言により、明らかになる生殖医療とドナービジネスの問題。「人間が人間を繁殖させること」について、DC当事者である著者が、その倫理性と問題の本質を鋭く問いかけます。『ドナーで生まれた子どもたち「精子・卵子・受精卵」売買の汚れた真実』サラ・ディングル著/渡邊真里 訳/2022年9月20日発行/定価 2,420円(10%税込)/488ページ/ソフトカバー/188mm×129mm/日経ナショナルジオグラフィック 発行商品のご案内 Amazon 楽天ブックス 【主な内容】1父だと思っていた人2私を失った私3人工授精の始まり4体外受精とビジネスの幕開け5失われた情報6 法の不在7養子縁組制度とDC8声を上げるDC児たち9リスクとともに生きる10ずさんな医療記録11DCによるHIV感染の実例12感染ドナー排除への道のりほか全35章■不妊治療と生殖ビジネスの深い闇を、当事者が10年の歳月をかけて綴る、出色の科学ノンフィクション!■著者はDC当事者であり、数々の報道に関する賞を受賞している著名なジャーナリスト!■フィクションにはない迫力!現代社会にはらんだ問題を、丹念な取材と迫真の証言により臨場感たっぷりにあぶり出す! 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月21日親が認知症になってしまうと、ただでさえ大きな精神的ショックを受けるものだが、じつはお金の面でも「財産凍結」という衝撃的な事態が起こってしまうのだ。老親が健在なうちにしっかり対策を取っておこうーー!「高齢者が保有している財産が、本人の判断能力の低下によって使えなくなる、動かせなくなることを、財産の『凍結』といいます。具体的には、預貯金の引き出しができなくなるほか、定期預金の解約、株式や投資信託などの売却も難しくなります。不動産の売却やリフォームも同様です。こうした凍結は認知症に限らず、脳梗塞や事故の後遺症などによって判断能力を失ってしまったケースでも起こりえます」こう語るのは、『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)の著者で、司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員の元木翼さん。「父が脳梗塞で急に倒れて、しばらく入院してしまいました。万が一再発して判断能力がなくなったら、どうなるのでしょうか?」ある日、このような相談が元木さんのところに来た。相談者は50代の娘。相談者の父は若いころから株主優待銘柄の株取引が好きで、複数の銘柄を持っていた。病気になったとき、その株式を売却したお金を入院費や介護費用にあてたいと思っていたが、父から「売りたくない」と言われて困っているという。「万が一、脳梗塞が再発してしまい、お父さんの判断能力がなくなってしまったら金融資産は凍結されてしまいます。株式や投資信託はなるべくお父さんが元気なうちに売却して、そのお金を『信託財産』として家族信託を契約することをすすめました」(元木さん)このケースの場合、父が委託者で娘が受託者となる。金融商品をまだ手放したくない、というときは、成年後見制度の「任意後見」を使う方法もある。「親の判断能力が低下した後、任意後見人が手続きや取引を継続することができます。任意後見開始後、証券会社に『成年後見制度に関する届出書』を提出すると、証券口座は任意後見人によって管理されることになります。また、認知症対策としても一定の効果がある『生前贈与』を選択する人もいます。生前贈与を行うためには、財産を渡す親と財産を受け取る子どもの間で『贈与契約』を締結することになり、証券会社で所定の手続きが必要です。ほかの財産と同じく贈与税がかかる可能性があるので、どの方法がいいのか、税理士などにも相談したうえで決めたほうがいいでしょう」親が契約している生命保険や医療保険にも気をつけたい。高齢になるとケガや病気で入院することが増えてくるが、本人が認知症になってしまうと保険金や給付金を請求できなくなり、支払いが受けられないといったケースも起こりうるのだ。「生命保険の契約の有無や内容に関する確認や問い合わせは、原則として『契約者』が行いますが、認知症などで判断能力が低下すると保険会社に対してこれらの確認や請求ができなくなります。事前の対策として、配偶者や3親等以内の親族などをあらかじめ『指定代理請求人』にしておくと、本人の代わりに保険金などの請求が可能となります」そう話すのは司法書士法人ミラシアの司法書士、永井悠一朗さん。請求の対象となる保険金は、入院給付金、手術給付金、高度障害保険金、特定疾病保険金、介護保険金などで、親が被保険者で、かつ受取人のものに限られている。ただし、年金保険は対象外になっていることがあるので、親が元気なうちに保険会社に確認しておいてもらおう。■親の認知症で対策すべきは財産凍結だけではない親が認知症になってしまうと、「財産凍結」以外にも、お金にまつわるさまざまなトラブルが考えられる。たとえば、水道光熱費のような公共料金や新聞代など、多くの支払いをクレジットカード決済にしている場合。銀行によっては、口座が凍結されても自動引き落としが継続されてしまうことがある。最近では明細が郵送されず、ウェブ上で確認するようになっていることもあるので、何をカード決済にしているのかを事前に親に確認しておこう。また、認知症の親が他人にケガをさせたり、物を壊したりして、法的な賠償責任を負ってしまうようなこともあるだろう。そうした事態に備えるためには「個人賠償責任保険」への加入がおすすめだ。契約内容によっても変わるが、月々数百円程度で安心を買うと思えば、けっして高くはない。「財産凍結への対策をしながら、プラスアルファで、認知症になったときに起こりうるトラブルを知っておくことが、もしものときの備えにつながります。いきなり財産凍結の対策を親に持ちかけても、『まだ大丈夫』と取り合ってくれないかもしれませんが、『ケガや病気で入院したときのお金の引き出し方や保険の請求、定期的な支払いはどんなものがあるのか』といったことから始めると、すんなり話を聞いてくれるでしょう」(元木さん)いきなり大きなお金の話をするのではなく、具体的に起こりうるトラブルについて、親に想像してもらうことから話を進めていくことが大切だ。【PROFILE】元木翼司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある永井悠一朗司法書士。専門は相続、遺言、後見、家族信託。これまで100件以上の家族信託の組成に携わる
2022年03月19日特別養子縁組で親になるため奮闘する夫婦の漫画を紹介!@aki.engumiさんの『【漫画】もっともらしい事を言いながら子作りを拒む夫に、「卵子の老化トラブル」を教えて…【特別養子縁組で親になろうとした話】』を紹介します。これは「特別養子縁組」というかたちで親になることを目指す夫婦の物語。ふたりによいご縁がありますように……。特別養子縁組への準備を進めながら、妊活にも取り組んでいるあきさん夫婦。子作りに慎重なご主人を説得するあきさんが伝えたいこととは……?子作りに慎重なご主人……卵子の老化トラブルとは?卵子への理解を深める……知ろうとする姿勢が大切ですよね!卵子の老化やトラブルに関する知識は、意外と知らない人が多いもの。生まれる子どもが心配で子作りに慎重になる気持ちもわかるだけに、難しい問題です。こうしたデリケートな説明を、ご主人とはいえ男性に話すのって勇気がいる行動ですよね。お互いの理解を深めるために解説するあきさん、素晴らしいです!いつかふたりのもとにコウノトリがやってきますように……。今回は『【漫画】もっともらしい事を言いながら子作りを拒む夫に、「卵子の老化トラブル」を教えて…【特別養子縁組で親になろうとした話】』をご紹介致しました!(恋愛jp編集部)(イラスト/@aki.engumi)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2022年02月23日レス夫婦に待ち受ける衝撃展開!@puyozipさんの『「子どもはいらんと言っただろう!」卵子冷凍のことを告げると、夫は激怒して…【レス夫婦に起きたまさかの出来事】<第3話>』を紹介します。レスが続けば離婚が頭をよぎるもの…。しかし、中には相手を愛しているが故のレスもあるようです…。前回、A子さんは夫とのレスにも悩まされていましたね。虚しさが募る中、A子さんは夫ではなく、子どものために人生を歩みたいと考えたのです…。A子さんは覚悟を決め…夫と離婚することになっても…夫に気持ちを伝え…A子さんは夫に離婚を告げました…夫は子供はいらない派のようです。A子さんは何不自由のない生活を捨て、子どもと共に生きていくことを決めました…。離婚を告げられた夫の反応はいかに…?!今回は『「子どもはいらんと言っただろう!」卵子冷凍のことを告げると、夫は激怒して…【レス夫婦に起きたまさかの出来事】<第3話>』をご紹介致しました!次回、「本当はあなたの子が欲しい」離婚を夫に突き付けた私は、本当の気持ちを伝えて…1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(恋愛jp編集部)(イラスト/@puyozip)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2022年02月06日SBI日本少額短期保険株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:井上 久也、以下「当社」)は、水道管凍結対策の周知と徹底のため、今年度も賃貸物件入居者へ水道管凍結防止に関する注意喚起ツール(チラシ・マグネット)の配布を行います。今年も昨年に引き続き、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」と呼ばれる気象現象が発生しており、2022年春前までこの現象が続く可能性が高いと予測されています。同現象が発生した昨年冬季は約300件の水道管凍結事故請求※を受け、ラニーニャ現象が発生していない冬季と比べて約7倍の水道管凍結事故請求がありました。※当社へ報告のあった水道管凍結事故件数この冬も、ラニーニャ現象によって偏西風が平年より南に蛇行し、西日本に寒気が流れ込みやすい時期がある見通しです。全国的な寒波や豪雪が発生する可能性がありますので、昨年度に引き続き当社取扱代理店を通じて賃貸物件入居者である全国の被保険者へ広く配布し、注意を呼び掛けていきます当社は、「顧客中心主義に基づく業務運営方針」の下、今後もお客様に対し適切なサービス提供を行い、事故の予防と対策の普及に努めてまいります。SBI日本少額短期保険株式会社(SBI日本少短)についてSBI日本少額短期保険株式会社は、「保険をもっと身近に」「保険をもっと手軽に」「保険をもっと便利に」という理念のもと、最新のテクノロジーを活用していくことで、お客様にご満足いただける良質なサービスを常に提供できる少額短期保険業者を目指します。◆会社概要商号SBI日本少額短期保険株式会社所在地大阪本社:大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪タワーB13F東京本社:東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー16F設立1996年6月28日資本の額1億9,000万円事業内容少額短期保険業URL SBIインシュアランスグループについてSBIインシュアランスグループは、日本のインターネット金融のパイオニアであるSBIグループの保険事業を担う企業グループです。保険持株会社であるSBIインシュアランスグループ株式会社のもと、SBI日本少短を含む事業会社7社が一体となって総合的な保険事業を展開しています。「顧客中心主義」の徹底という基本方針のもと、保険分野における様々な付加価値を創造し、さらなる顧客基盤の拡大を続けることで企業価値の向上に努めます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月15日現在、子どもの約16人に1人が体外受精によって生まれている。今回は凍結していた受精卵を体に戻さないことを決断した女性の物語です。ケース4、松本あゆみさん(39・仮名)の場合。 25歳で結婚し、本気で赤ちゃんを望んでから6年経った33歳で本格的に不妊治療を開始。1回目の顕微授精が成功し、35歳の夏に待望の第一子を出産。3つできた受精卵、残りは“2人分“……どうする? 凍結保存した受精卵で第2子妊娠、出産へクリニックにはあと“2人分“の受精卵が凍結保存されていた。育児休暇が終わるひと月前、凍結していた受精卵の1つをおなかに戻した。年齢を考えると、早く2人目を授かりたかったからだ。 奇跡的にすぐに妊娠。2歳差で2人目を授かり、無事に女の子を出産した。 あと1つ、3人目の「命のもと」が残っている。あゆみさんが通っていたクリニックでは、凍結保存の延長に毎年3万3千円かかる。2人目が生まれてから半年が経ち、更新月が近づいていた。 いつまで保存すべきか。2人の愛しいわが子の寝顔を見つめながら、あゆみさん夫婦は答えを探った。 3人目、周囲の強い反対にあい親子げんかに3番目の受精卵だからといって、何か問題があるわけではなかった。同じタイミングでできた3つの「命のもと」。クリニックからもらった受精卵の映像を見ながら「3人きょうだいだともっと楽しくなるんだろな」とぼんやり考えた。 でも、家族全員に反対された。夫も両親も、義父母も、妹も。みんなが3人目を反対した。理由はあゆみさん38歳、夫41歳という年齢だった。 もし3人目を産んだとしたら、成人したときに親は何歳になっているのか。すでに上の子の抱っこがきついと感じているのに、体力的な問題は大丈夫なのか。離乳食を全部手作りするほど完璧主義なのに、3人目を育てる余裕があるのか。 「すでに産まれてきた子どもたち2人と、3人目の子は何が違うの?産みたい」と泣いて訴え、珍しく父と親子げんかにもなった。しかし、周囲の言葉はどれも真っ当だった。納得せざるを得ない理由をいくつも突きつけられた。 「更新料を振り込まない」という意思表示産みたいけれど現実が厳しいことはわかっていた。そして昨年、ついに凍結保存の更新をしないと決めた。クリニックへ書類を出す必要はなく、更新料を振り込まないことが意思表示になる。曖昧なさよならが、また切なかった。 「今でもあの子も産んであげたかった、という思いは正直あります。『不妊治療じゃなければこんな思いはしなかったのに』と悔しく思うこともありましたが、かわいいわが子を授かることができたのも不妊治療のおかげ。今は感謝しかないです」とあゆみさんは明かす。「今ここにいる2人のかわいい大切な子どもたちへ、その子の分も愛情たっぷりに育てようって気持ちを切り替えて、やっと吹っ切ることができました」 子どもを望んでから8年「不妊治療は早めに進めて」と伝えたい感動の出産から5度目の初夏、4歳の誕生日を迎えた息子を手作りのケーキと大好物のオムライスで祝った。 画像提供:松本あゆみさん(仮) 「子どもが欲しい」と願ってから母になるまで8年。思い悩んだ日々は吹き飛び、今は2人のお母さんとして奮闘する。父になる前まで子どもが苦手だった夫は今、わが子にメロメロの様子。 「夫が一番変わったかもしれません。『食べちゃいたいくらいかわいいな〜』って子どもを抱きしめるんです。2人の子どもたちに恵まれて、本当に本当に幸せです。でも夫婦ともに若くないのが現実。同居する両親からも、『もっと若かったらもっと元気に孫たちの面倒を見られたのに』と言われます。不妊治療を早くに始めていれば……と常々思うんです」とあゆみさんは振り返る。 「不妊治療はとても勇気がいること。経済的にも体力的にも、精神的にもつらいです。でもその分、報われたときの喜びは言葉では言い表せません。不妊治療を迷っていたり、少しでも不妊の心配がある方がいたとしたら、早めに前へ進んでって伝えたいです」監修者:医師 杉山産婦人科 理事長 杉山 力一先生 著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2021年05月31日将来の妊娠に向けて、卵子を凍結保存しておく「卵子凍結」。「いつかは産みたい」と考える女性の一手として水面下で語られてきたトピックが、菅首相が少子高齢化対策の切り札として掲げる「不妊治療の保険適用」に関する報道が増えたことも相まって、広く知られる言葉になったのではないでしょうか。 実際にベビーカレンダーがおこなった調査において、75%以上が「耳にする機会が増えた」と回答しています。そんな「卵子凍結」について女性たちはどう考えているのでしょうか?今回の記事では、ベビーカレンダー会員の女性2,127名に向けて実施した卵子凍結に関するアンケート調査結果についてご報告いたします。 「卵子凍結」とは?そもそも卵子凍結とは、将来の妊娠・出産に向けて事前に卵子(未受精卵)を採取し、凍結保存しておくことです。もともとは、抗がん剤治療や放射線療法を受ける若年女性患者に対し、治療後の生殖能力を維持するためにおこなわれてきたものでした。 こうした背景もあり、健康な女性による将来のための卵子凍結に関しては、日本産婦人科学会は「推奨していない」、日本生殖医学会は「40歳以上での採卵・凍結、45歳以上での凍結卵子の使用は推奨していない」といった立場を取っており、現状日本では大々的に推奨されているとは言いがたい状況です。 卵子凍結に「興味あり」は37.7%、年代別で変化も上記のような前提はあるものの、日本産科婦人科学会のデータ(※1)によれば、体外受精・顕微授精の妊娠率・出産率は35歳から急低下することが明らかになっているなど、“卵子の老化”が妊娠・出産に影響を与えることもまた事実。(※1)参考:日本産科婦人科学会 ARTデータブック2018 生物学的な事実と社会的見解のはざまで、当事者である女性たちは卵子凍結についてどう考えているのでしょうか。 ベビーカレンダーがママやプレママを母体とする会員の女性2,127名におこなった卵子凍結に関する調査で、「卵子凍結に興味はありますか」と質問したところ、下記のような結果となりました。 「興味がある」(「とても興味がある」「やや興味がある」の合計)と回答した人は37.7%、「どちらともいえない」は31.0%、「興味がない」(「あまり興味がない」「まったく興味がない」の合計)は31.3%と、「興味がある」が最も多い回答となったものの、ほぼ同率で回答が割れるという結果に。ただ、回答を年齢別に抽出してみると世代ごとに傾向が変わることが明らかになりました。 まず20代は「興味がある」と回答した人は23.2%にとどまったのに対し、「興味がない」と回答した人は47.9%と「興味がある」の2倍以上に。一方「興味がある」と回答した30代は37.2%、40代は39.0%となり、年代を追うごとに卵子凍結への興味関心が高まることがわかります。 続いて、「興味がある」と回答した方にその理由について質問したところ、下記のような結果となりました。 「将来的に2人目、3人目を考えているから」(62.0%)、「次に妊娠をする場合、高齢になる可能性があるから」(54.4%)といった回答がそれぞれ半数以上を占め、妊娠・出産が高齢になった場合に備えて可能性を高めておく一つの手段として考えている方が多いことがわかります。 費用、身体的負担、本当に妊娠できるのか―卵子凍結のデメリットは将来の妊娠・出産に向けた一つの解決策として期待される卵子凍結ですが、そのデメリットについても指摘されています。 アンケートで「卵子凍結について不安に感じる点」について質問したところ、下記のような声が挙げられました。 「費用が高額になりそう」(87.1%)という経済面の懸念が最も多く、次いで「採卵時の痛みなど、身体的な負担」(51.4%)、「凍結卵子を使って本当に妊娠できるか」(49.8%)が続く結果となりました。 アンケートの回答にある通り、卵子凍結は高額な費用といった経済的負担、採卵時や投薬時の身体的・精神的負担がデメリットといえます。さらに、そうした負担を乗り越えて凍結した卵子は凍結時の若い年齢のものではあるものの、その卵子が受精するか、また受精しても着床に至るかは当然ながらわからないもの。実際に、凍結した未受精卵の融解卵子1個あたりの臨床妊娠率は4.5~12%(Fertility Steril 2013; 99: 37-43)というデータもあります。 しかし、こうしたデメリットを含め「まず情報が欲しい」というのが女性たちの本音のよう。アンケート調査のフリー回答では下記のような声が寄せられました。 「最近はメディアでも文言は出てきたが、詳しい内容までは全然周知されていないので、もっと身近に情報が増えればいいなと思う」(35〜39歳) 「女性に選択肢を増やすことは卵子凍結に限らずいいことだと思う。ちゃんとメリットデメリットなど全て情報提供されることが重要」(35〜39歳) 「もっとニュース等で取り上げて良いトピックだと思う。また、それに付随する精神的、肉体的、経済的デメリットも併せて伝えるべき」(30〜34歳) メリット・デメリットをきちんと認識したうえで、自分で判断したいと考える女性の声が目立ちます。 卵子凍結を扱う民間サービスも登場卵子凍結の話題が広まりつつあるなかで、民間の卵子凍結保存サービスも登場しています。その一つが、健康な女性が自身の将来のライフプランのためにおこなう卵子凍結を提供するサービスの開始を、2021年1月に発表した「Grace Bank」です。 Grace Bankの創業者・勝見祐幸さんによると、現状の利用者として多いのは「30代半ば〜40代の未婚者の女性」だと言います。 また、Grace Bankの特徴の一つとして挙げられるのがその「価格」です。10年間でかかる卵子の保管費用の相場が60万〜200万円と言われるなか(※2021年、Grace Bank調べ)、同社では初期費用10万円(税別)、毎年発生する費用3万円(税別、15個まで)と低価格に抑えられています。これは民間さい帯血バンクの最大手ステムセル研究所との資本業務提携と、凍結卵子の一括保管体制の確立により実現できたとのことです。 民間企業が卵子凍結を取り扱う事例としては、アメリカでの「企業の福利厚生としての卵子凍結」サービスの存在も挙げられます。2014年にFacebook社が導入したことを皮切りに、GAFAをはじめ他企業も追随しました。 こうした背景もあり、実際に米国生殖補助医療学会の統計によるとアメリカでは2014年から2018年にかけて卵子凍結の症例数が2倍(6,090件/2014年⇒13,275件/2018年)に急増しています。 赤ちゃんを望む人が、赤ちゃんと出会える世の中になるために民間企業の動きも見られ、ますますの関心の高まりが予想される卵子凍結。本アンケートでは「『卵子凍結』に関して、ご意見・ご感想・疑問点などあれば、ご自由にお書きください。」というフリー回答を募集したところ、20代〜40代の幅広い世代の女性から「若い世代が知る機会」に言及するコメントも多数寄せられました。 「まだ20代で卵子を凍結しておこうと考える人は少ないと思うし、考えている人しか情報を知る機会が無いと思う。卵子凍結について未婚の方が友人と話すこともなかなかできないと思う。今後卵子凍結が一般的な選択肢の1つになり、多くの方が気兼ねなく自分のタイミングでゆとりを持って子どもを授かれるようになれば良いな、と思います」(30〜34歳) 「晩婚化に伴い不妊治療をおこなう人が増えている今、卵子凍結の情報(どのようなものか、料金など)をもっと公表していくべきだと思う。その結果、まだ妊活していない人も将来の選択肢として考えることができるのではないだろうか」(25〜29歳) 「必ずしも良いことではないかもしれないが、卵子凍結や高齢出産のリスクについては学校で教えてくれてもいいと思う。今の世の中では自分から知ろうとしないとわからないことだらけ。知識がないために泣いている女性はたくさんいると思う」(40〜44歳) 「もっと不妊治療や、子供を授かることに関しての技術がポピュラーになり、政府の援助もしっかりして、子どもを授かりたいと願う人すべてに充実した制度が整い、いろいろな事をオープンにできる社会になればと思う」(25〜29歳) 「妊活、不妊治療、卵子凍結などの知識を若い世代にももっと知ってもらうべきと考える。いざ自身が興味を持つ頃には遅いので、10代から学校などで知る機会を与えてあげると良いのではと感じる」(40〜44歳) 少子高齢化問題の改善といった社会的意義のみならず、赤ちゃんを望む人が赤ちゃんと出会える世の中になるために。その選択肢を一つでも増やすには、若い世代を含めて卵子凍結についてメリット・デメリットを周知したうえでオープンに議論を進めていくことが、いま求められているのではないでしょうか。 <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された女性調査期間:2021年3月21日(日)~2020年3月23日(火)調査件数:2,127件 著者:ライター 平 理沙子Webライター。ITスタートアップ企業での広報なども経験あり。東京大学卒業後、新卒で娘を出産した一児の母。フェムテックやジェンダー、現在在住するシンガポール情報などを中心に執筆活動をしている。
2021年04月05日妊娠に欠かすことのできない卵子ですが、みなさんは卵子についてどのくらいご存知ですか? 実は卵子にはみなさんが知らないような不思議な話がたくさんあるんです。卵子のことを知ることで、ご自身の体のこと、命のことをより深く知ることができるかもしれません。そこで、意外と知られていない卵子について、浅田レディースクリニック理事長 浅田義正先生のお話を交えて紹介していきたいと思います。今回は、「更年期」に関するお話です。 更年期とは?女性の一生は、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンの働きの変化によって、胎生期・小児期・思春期・性成熟期・更年期・老年期に分けられます。エストロゲンやFSH(卵胞刺激ホルモン)などのホルモンの分泌が増え、第二次性徴・初潮を迎える思春期、月経周期が安定し、妊娠・出産が可能になる性成熟期を経て、卵巣機能は徐々に低下し更年期に入ります。 更年期は性成熟期と老年期の移行期間にあたり、一般的には閉経の前後5年間(計10年間)を言います。月経が来ない状態が12カ月以上続いたときに閉経したと判断され、日本人の平均閉経年齢は50.5歳となっていますが、個人差も大きいです。ちなみに初潮が早かったからと言って閉経も早いということはないようです。 閉経のサインってある?生まれたときには約200万個あった原始卵胞も年を重ねるごとに減少し、月経周期も不規則になり、やがて閉経を迎えます。この閉経の時期というのは、あらかじめわかるものなのでしょうか? 浅田先生によると、「原始卵胞が少なくなってきても、生理自体は変わりません。生理は突然終わります。閉経の直前になるとFSHが上昇するのですが、上昇している時点で“すでに更年期に入っている”ということだけがわかります」とのこと。 月経周期や体調の変化で、そろそろ更年期?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際ピンポイントでいつ閉経を迎えるか知ることは現段階では難しいようですね。 女性ホルモンが減ってきたらホルモン療法はしたほうがいい?年を重ねるにつれて卵巣の機能が低下してくると、エストロゲンの分泌も減少していき、それに伴って現れるのが更年期症状です。更年期症状には、月経異常、ホットフラッシュ、イライラ、肩こりなどさまざまなものがあります。そのなかでも症状が重く、日常生活に支障を来たすような場合、「更年期障害」と診断されます。 更年期障害の治療法はいろいろありますが、第一選択は「ホルモン補充療法(HRT)」です。ホルモン補充療法は少量のエストロゲンを補う治療法で、飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあります。 ホルモン補充療法について、浅田先生に伺いました。浅田先生曰く、「ホルモン補充療法は圧倒的におこなったほうがいいです。ただ、若いころとは違って、必要なエストロゲンは少量です。方法は内服や貼り薬などいくつかあり、3カ月に1回でも、生理を起こさせることになります。効果としては子宮体癌を防いだり骨粗鬆症を防ぐなどがあげられます。認知症を防ぐというデータもあります。 その一方で、ホルモン補充療法は乳がんのリスクを少し高めるとも言われています。ですが、ホルモンをたくさん取り入れるから発症するのではなく、ホルモン依存性のがんの進行が早くなるということです。誰しも女性ホルモンがあれば乳がんの可能性があります。つまり若い人が進行が早いのと一緒です。正しく恐れないといけません」とのこと。どのような薬でも作用と副作用があり、人によっては使えないものもあります。きちんと医師の説明からの説明を聞き、使用することが大切ですね。閉経までに排卵される卵子の数は約400~500個。閉経を迎えると卵胞は消失します。卵子の一生を知ると、憂うつな生理も少し違ってくるかもしれません。 著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 監修者:医師 浅田レディース品川クリニック院長 浅田義正先生名古屋大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)」の専門外来を担当後、米国初の体外受精施設に留学。主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事。95年に名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。顕微授精症例の全症例を担当し、同年5月、精巣精子を用いたICSIによる日本初の妊娠例を報告。98年ナカジマクリニック不妊センター開設。2004年浅田レディースクリニック(現・浅田レディース勝川クリニック)開院。10年に浅田レディース名古屋駅前クリニック、18年には浅田レディース品川クリニックを開院。多くの不妊に悩む女性と日々向き合っている。『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』(ブルーバックス、講談社)など著書も多数。
2020年11月15日恋人のギャレット・ヘドランドとの第1子男児を妊娠中のエマ・ロバーツが、卵子を凍結保存していたことを「Cosmopolitan」誌で明らかにした。ティーンの頃から「学校を休んだり、仕事のミーティングをキャンセルしないといけないほどの激しい生理痛に苦しんでいた」というエマ。かかりつけ医に症状を訴えていたものの、大げさだと言わんばかりに詳しく調べてもらえず、20代後半になって「女性医師に診てもらった方がいいかも」と思い立ったことが「人生で最高の選択」に。女性医師はすぐさま専門家を紹介してくれ、エマは子宮内膜症との診断を受けた。しかし、すでに妊娠への影響が出ている状態で、「卵子を凍結しておいた方がいい」と提案されたとのこと。エマは「仕事をしながらそんな時間を持つことなんてできない」と言ったが、最終的に「困難なプロセス」を踏みながら卵子の凍結保存に踏み切った。しかし、今回の妊娠がその卵子を使用して実現したものかどうかについては触れていない。「安っぽく聞こえるかもしれないけれど、妊娠できなかったらどうしようとか、そういうことを考えるのを止めたら妊娠した」と語っている。エマは同誌の表紙も飾り、大きくふくらんだお腹を披露。インスタグラムでリア・ミシェル、リリー・オルドリッジ、ジェシカ・アルバら先輩ママたちから祝福メッセージが寄せられている。(Hiromi Kaku)
2020年11月12日妊娠に欠かすことのできない卵子ですが、みなさんは卵子についてどのくらいご存知ですか? 実は卵子にはみなさんが知らないような不思議な話がたくさんあるんです。卵子のことを知ることで、ご自身の体のこと、命のことをより深く知ることができるかもしれません。そこで、意外と知られていない卵子について、浅田レディースクリニック理事長 浅田義正先生のお話を交えて紹介していきたいと思います。今回は、「精子と妊娠の期限」に関するお話です。 精子はどうやってつくられる?生まれたときには約200万個あり、加齢とともに減少していく卵子。卵子の数は限られていますが、一方精子はどうなのでしょうか。 精子は、精巣のなかにある精細管(せいさいかん)という部分でつくられます。卵子と同じように、原始生殖細胞である精細胞が分裂して精子になります。卵子は、生まれてから一度も新しくつくられませんが、精子細胞の元となる精原細胞はなくなることはなく、分裂した細胞がほぼすべて成熟した精子になるという特徴があります。精子は第二次性徴くらいから毎日つくられるようになり、男性はほぼ一生涯を通じて精子を産生することができます。 精子も卵子と同じように老化する?卵子と異なり毎日つくられる精子ですが、精子も老化するのでしょうか。浅田先生いわく、「加齢の影響がまったくないというわけではありません。しかし、その影響は卵子に比べれば桁違いに低く、妊娠率などの臨床成績にはまったく考慮する必要がありません。 論文では94歳で生児を得た記録もありますし、精子の老化は生殖年齢ではまったく考慮する必要はありません。精子の所見は個人差が非常に大きく、年齢よりも若くても所見がはじめから悪い人も多くいますし、個人でも精液検査は大きな結果のバラツキがあり、あまりあてになりません」とのこと。 妊娠はいつまでできる?現在、日本では女性の社会進出が進み、晩婚化が進んでいます。厚生労働省の人口動態統計によると、今から50年前の1970年の女性の平均初婚年齢は24.2歳、最新のデータ(2017年)では29.4歳と5.2歳上昇しています。 女性の妊娠する力が最も強いのは22〜23歳だと言われています。しかし、最新のデータからも妊娠する力のピークを過ぎてから結婚する女性が多くなっているのが現状です。しかし、実際には40歳以上でも妊娠・出産され、子育てをしている女性もたくさんいらっしゃいます。現在、自然妊娠ではアメリカの57歳の女性が最高齢とされていますが、2019年には体外受精で妊娠した70歳の女性が双子の赤ちゃんを出産し話題となりました。 浅田先生いわく、「70歳の女性が妊娠した事例は、卵子提供と思われます。個人差はありますが、一般的に自然妊娠できる年齢の限界は42〜43歳。身体面、卵子の状態、安全なお産という観点から見ると、22歳〜35歳ぐらいまでに出産できるのが理想的」とのこと。ちなみに浅田先生のクリニックでは47歳が最高齢の出産だそうです。加齢とともに妊娠する力が衰え、不妊の原因は女性側にあると思われる人も多かったようですが、最近では「男性不妊」と言う言葉があるように、男性側の原因による不妊も明らかになってきています。しかし、浅田先生によると、「精子があれば人工授精、顕微授精で解決できます。女性の晩婚化、女性の年齢、卵子の老化が不妊症のダントツの原因です」とのこと。 最近は見直されてきている性教育ですが、まだまだ生理に関することや妊娠の仕組み、避妊の方法にとどまっていて、妊娠の期限に関する情報を得る機会が少ないようにも感じます。「性」に関する教育も必要ですが、今後は男女の生涯を通じた心身の変化ついて学ぶ機会が増えるといいなと思います。 著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 監修者:医師 浅田レディース品川クリニック院長 浅田義正先生名古屋大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)」の専門外来を担当後、米国初の体外受精施設に留学。主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事。95年に名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。顕微授精症例の全症例を担当し、同年5月、精巣精子を用いたICSIによる日本初の妊娠例を報告。98年ナカジマクリニック不妊センター開設。2004年浅田レディースクリニック(現・浅田レディース勝川クリニック)開院。10年に浅田レディース名古屋駅前クリニック、18年には浅田レディース品川クリニックを開院。多くの不妊に悩む女性と日々向き合っている。『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』(ブルーバックス、講談社)など著書も多数。
2020年10月17日妊娠に欠かすことのできない卵子ですが、みなさんは卵子についてどのくらいご存知ですか? 実は卵子にはみなさんが知らないような不思議な話がたくさんあるんです。卵子のことを知ることで、ご自身の体のこと、命のことをより深く知ることができるかもしれません。そこで、意外と知られていない卵子について、浅田レディースクリニック理事長 浅田義正先生のお話を交えて紹介していきたいと思います。今回は、「排卵後の卵子の寿命」に関するお話です。 排卵後の卵子の寿命はどのくらい?卵巣から排卵された卵子は、卵管の先にある卵管采(らんかんさい)から取り込まれます。一方、腟内で射精された精子は、子宮内から卵管へと進んでいきます。そして、卵管膨大部で受精し、成長しながら子宮内へ移動、着床することで妊娠が成立します。 精子の寿命は、腟内に射精されてから72時間から120時間(3~5日間)に対し、卵子の寿命は、排卵されてから24時間と言われています。これは、排卵から2日後の妊娠率が0%に近くなることから、卵子の寿命が尽きたと考えられているからです。 しかし、浅田先生は「不妊治療の際に排卵直前の卵子を培養しますが、たとえ受精しなかったとしても卵子は2〜3日は確実に生きています。排卵から2日後の妊娠率が0%に近くなるのは、卵子の問題ではなく着床環境の変化によるものでしょう」とおっしゃいます。 実際妊娠の詳しいメカニズムはまだ明らかになっていないと言われています。今のところ、排卵後の卵子の寿命は24時間とされていますが、もしかしたらもっと長生きなのかもしれませんね。 妊娠しやすいタイミングとは?排卵日当日が1番妊娠しやすいと考える人が多いかもしれませんが、排卵日は1番妊娠しやすいタイミングとはかぎりません。最も妊娠しやすいのは排卵日2日前と言われています。基礎体温法、排卵検査薬など自分で排卵日を予測することは可能ですが、少しの要因でホルモンバランスは崩れやすいので、ピンポイントで排卵の時期を予測することは難しいというのが現状です。 浅田先生いわく、「排卵された卵子が卵管膨大部にたどり着くよりも先に精子が先にたどり着いて卵子を待っている状態のほうが、妊娠しやすいという結果があります。つまり、排卵検査薬などを使って排卵日がわかってから性交渉をしても妊娠率は低いということになります。ですので、排卵前後の1週間でよいので、そこで2〜3回性交渉すればほとんどの人は妊娠することができます。2〜3日に1回性交渉ができていれば100%タイミングが合っているので排卵日を気にしないで性交渉したほうがよい」とのことです。妊娠するには、排卵のタイミングや卵子と精子の寿命を考えた上での性交渉がポイントとなります。しかし、ポイントはそれだけではありません。次回は、「妊娠の期限」についてお話ししたいと思います。著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 監修者:医師 浅田レディース品川クリニック院長 浅田義正先生名古屋大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)」の専門外来を担当後、米国初の体外受精施設に留学。主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事。95年に名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。顕微授精症例の全症例を担当し、同年5月、精巣精子を用いたICSIによる日本初の妊娠例を報告。98年ナカジマクリニック不妊センター開設。2004年浅田レディースクリニック(現・浅田レディース勝川クリニック)開院。10年に浅田レディース名古屋駅前クリニック、18年には浅田レディース品川クリニックを開院。多くの不妊に悩む女性と日々向き合っている。『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』(ブルーバックス、講談社)など著書も多数。
2020年10月12日妊娠に欠かすことのできない卵子ですが、みなさんは卵子についてどのくらいご存知ですか? 実は卵子にはみなさんが知らないような不思議な話がたくさんあるんです。卵子のことを知ることで、ご自身の体のこと、命のことをより深く知ることができるかもしれません。そこで、意外と知られていない卵子について、浅田レディースクリニック理事長 浅田義正先生のお話を交えて紹介していきたいと思います。今回は、「卵子の老化」のお話です。 卵子はどんどん年老いていくって本当?35歳以上で初めて妊娠・出産することを高年(高齢)妊娠・高年(高齢)出産と言い、染色体異常や流産をはじめとする妊娠・出産のリスクが年齢とともに増加する傾向があります。その要因は母体の加齢に伴う身体的なものもありますが、「卵子の老化」も要因の1つなのです。 ママのおなかの中にいるときに卵子のもととなる原始卵胞がつくられ、約200万個ある状態で生まれてきますが、これ以降、原始卵胞の数が増えることはありません。そして、成長ともにどんどん減少します。生理周期とは関係なく、原始卵胞は約6カ月かけて成熟卵胞になります。ヒトの場合、最後の1カ月でひとりの赤ちゃんを産むためにひとつの成熟卵胞が育ち、他の卵胞はしぼんでいきます。結局、1個だけが成熟して、排卵されます。 排卵までの時間が長いということはその分だけ原始卵胞も年令を重ね、老化することになります。さらに、多くの細胞が関与する見た目や身体機能の老化以上にひとつの細胞である卵子は早く顕著に老化するのです。 卵子の老化により、成熟の段階でおこなわれる減数分裂がうまくできず染色体の数が異なる卵子ができたり卵子の機能を失っていたりするものも出てきます。その後の細胞分裂でも染色体異常が生じたり、受精卵が成長しなかったりうまく着床できない、あるいは着床しても育たない、流産してしまうということになります。 卵子の老化には個人差はある? 老化を食い止める方法はある?高年妊娠では染色体異常や流産のリスクが高まりますが、40代で自然妊娠して元気なお子さんを出産される方もいらっしゃいます。なぜなら、卵子の老化は均一に起こるものではなく、老化の程度に少しバラツキがあるからなのです。では、卵子の老化には個人差があるのでしょうか? また、老化を食い止める方法はあるのでしょうか? 浅田先生によると、「保管機能(冷蔵庫)が悪い人は早く劣化してしまいます。ただ、何人も子どもを産むと、卵巣の血液の循環が良いため卵子の保管機能が少し良いかもしれません。実は昔のほうが高齢出産は多く見られました。一方で子宮内膜症の人は冷蔵庫の機能が悪いため卵子が劣化が早い傾向にあります。でもそれよりも経年劣化のほうが影響が圧倒的に大きいです。また、卵子の老化は生活によって防ぐことはできません」とのこと。 現在、日本の少子化の要因の1つに女性の社会進出に伴う晩婚化や晩産化が挙げられています。結婚する・しない、出産する・しないは個人の考え方があると思いますが、卵子が老化するということを知ると、また考え方も変わってくるかもしれませんね。 卵子の在庫は調べられる?約200万個の原始卵胞を持って生まれてくるとはいえ、自分が何歳で初潮や閉経を迎えるのかわかる人はほとんどいないのではないでしょうか? 卵子の在庫を知ることに対して浅田先生は、「ライフプランを立てる意味では役に立つ」とおっしゃいます。では、卵子の在庫を調べる方法はあるのでしょうか? 浅田先生いわく「今までは目安がなかったため突然生理がなくなったりしましたが、今は、血液検査で卵子の数を調べることはできるようになりました。調べるのは5,000〜6,000円ででき、すぐ結果がわかります。ただしそれは100%の答えではありません。そのときのホルモンバランスによって量が変わるので、ざっくりとした『少ない』『普通』『多い』がわかる程度」なのだそう。 この検査は産婦人科だけでなく検査センターでも受けられ、家庭でもチェックできるキットなどもあるようです。気になる方は一度調べてみてもいいかもしれませんね。 今回は、「卵子の老化」についてお話ししました。次回は、「排卵後の卵子の寿命」に関するお話です。著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 監修者:医師 浅田レディース品川クリニック院長 浅田義正先生名古屋大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)」の専門外来を担当後、米国初の体外受精施設に留学。主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事。95年に名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。顕微授精症例の全症例を担当し、同年5月、精巣精子を用いたICSIによる日本初の妊娠例を報告。98年ナカジマクリニック不妊センター開設。2004年浅田レディースクリニック(現・浅田レディース勝川クリニック)開院。10年に浅田レディース名古屋駅前クリニック、18年には浅田レディース品川クリニックを開院。多くの不妊に悩む女性と日々向き合っている。『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』(ブルーバックス、講談社)など著書も多数。
2020年10月07日