暑い日には海やプールも良いけど、ちょっと変わった場所で、涼みながらアドベンチャー気分を味わってみるのはいかが?今回は都心からでも気軽に行ける、関東近郊のひんやり冒険スポットを紹介します。●神殿のような地下水路「首都圏外郭放水路」荒川・利根川・江戸川などの大河川に囲まれた埼玉県春日部市に、世界最大級の地下水路があるのをご存じでしょうか。東武鉄道野田線「南桜井」駅からバスで約15分の場所に位置する、涼しくて神秘的な地下神殿「首都圏外郭放水路」です。地下約50mの深さに建設された延長6.3kmという長~い地下放水路で、周辺の川が洪水した際の浸水被害や住宅地等への氾らんを抑えるために建設されました。幅78m、長さ177m、高さ18mという広大な調圧水槽の中は、一歩入ればテンション上がること間違いなし!天井を支える59本もの柱が連なっている様はギリシアのパルテノン神殿に似た雰囲気で、無機質なデザインが建築物としても格好良いんです。また1年を通じて10℃程度の気温が保たれており、その涼しさも相まって荘厳な雰囲気がたちこめた空間を存分に味わうことができます。首都圏外郭放水路では平日1日3回、見学会が開かれています。予約をすれば1人からでも見学ができ、料金も無料なので平日に休みを取っても行ってみる価値アリ。●冒険者気分が味わえる!「大谷石採掘場跡」地下神殿は、埼玉だけではありません。栃木県宇都宮市にある「大谷採掘場跡」は、上質な大谷石を採掘していた場所で、戦争中は軍事工場として、現在ではコンサートや美術展、演劇場、映像作品のロケ地など、多目的に利用されているんです。JR「宇都宮」駅から路線バスで約30分のところに位置する大谷資料館は、その大谷石採掘場跡を見学できる施設。採掘場跡に入ると、多くの人が圧倒されるという非現実感満載の幻想的な空間が広がります。エジプトの地下神殿に雰囲気が近く、財宝が眠っていたり壁画が書いてあったりしてもおかしくないのでは…と思ってしまうほど。壁に灯されたライトも雰囲気を演出していて、一歩一歩進んでいくと、まるで迷宮ダンジョンに迷い込んだ映画やゲームの主人公になった気分になれます。壁面に残る手掘りで採掘していた時の跡や、戦前、戦後で変化した採掘の歴史の展示など、その名の通りアンダーグラウンドな日本の歴史を体感することができます。そして館内気温は8℃前後という涼しさ!涼が欲しいこの酷暑の時期にはもってこいですね。ブランケットも用意されているそうですが、上着を持っていくと良さそうです。●まさに自然の冷蔵庫!「鳴沢氷穴」富士急行河口湖線の「河口湖」駅から路線バスで約30分。山梨県・青木ヶ原樹海の東の入口にある「鳴沢氷穴」は、1年中氷に覆われている溶岩洞で、平安時代の大規模噴火の際にできました。天然記念物にも指定されている、この鳴沢氷穴。夏でも入り口地点からひんやりした空気が漂って、気持ち良さを味わえます。中に入ると、目に入ってくる大量の氷と、もう寒いくらいのひんやり感!そう、ここの内部気温は平均3℃なんです。まさに自然が作り出した冷蔵庫。天井からしみ出た水滴が凍った氷柱がブルーにライトアップされた様子がファンタジー世界のような雰囲気を醸し出していて、異世界にいるような気分に浸れます。総延長は150mほどなので、洞窟自体は15分程度で回れるお手軽さも◎。目にも涼しさを味わいたい方はぜひ。洞窟内は急な階段や狭くて滑りやすい場所もあるので、歩きやすいスニーカーとセーターなどの上着は持っていったほうが良いでしょう。大人290円というお手頃な入場料も嬉しい、夏に一度は訪れてみたいスポットです。まだまだ残暑が厳しい季節。お盆やシルバーウィークなど、「せっかくのお休みだけど暑くて…」なんて腰が重くなっている人は、暑さを忘れる冒険の旅に出かけちゃいましょう!(石狩ジュンコ)
2015年08月15日10月6日(土)より東京・ル テアトル銀座 by PARCOにて『樹海 -SEA of THE TREE-』と題した新作舞台が上演される。作・演出の鈴井貴之に話を訊いた。TEAM NACSが所属するクリエイティブオフィスキューの会長を務める鈴井は、タレント・構成作家として『水曜どうでしょう』など北海道発のテレビ番組を全国的なヒットに導く一方、近年は映画監督としての注目度も高い。舞台を手がけるのは2年ぶりだが、そもそもキャリアの出発点は演劇だった。様々な表現分野に精通する異才が、今、演劇で何を描くのか。「テレビでできることを舞台でやる必要はない。演劇でしかできないことを表現したい」という鈴井の言葉が印象的だ。「今回選んだ“自殺”というテーマは、他のジャンルでは扱いづらいかもしれません。といって、年間3万人という数を見過ごすことはできない。舞台を通して、自殺を考えてしまう人に何か伝えられることがあると思うんです」。“もしも樹海で自殺志願者同士が鉢合わせしたら?”という物語の着想がユニークだ。死にたい事情を抱えた4人が、我こそは自殺するのにふさわしい人間だと言い合う。自分を見捨てようとしている人間が、自己主張せざるを得ない不条理。その光景はまさにコメディといっていい。演じるのは、キャラメルボックスの岡田達也、佐藤めぐみ、井之上隆志、石井正則。鈴井は「それぞれのカラーが際立っていて面白いですよ! それを融合しようとせずに、マーブル模様というか、まだらな感じで舞台に乗せたいと思います」と4人の個性に信頼を寄せる。注目したいのが、“俳優・鈴井貴之”のインパクトだ。「“赤いキツネ”を演じます。場をかっさらうはずだったのに、稽古をしてみると、僕の登場シーンの前から爆笑の連続で、想定より笑いのハードルが上がってしまった。大やけどしないように気をつけます」。すでに第八稿まで重ねているが、台本のブラッシュアップはこれからも続く。「往生際が悪いんですね。先日、実際に樹海まで行ってきたんですけど、そこで新たに生まれたイメージもあるので。公演中も改稿していくかもしれません」。多面的な活動で磨かれた複眼のアングルと、北海道に拠点を置くアウェイの視点があるからだろう。鈴井は固定概念にしばられない。「悪いのは、強い思い込み。それが時には自殺を選ばせてしまう。今はみんな生真面目すぎますよね。だから、もう少し気楽に行こうよ、と。それが僕の願いなんです」。10月11日(木)までル テアトル銀座 by PARCO、10月13日(土)・14日(日)に愛知・名鉄ホール、10月20日(土)・21日(日)に大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて上演される。チケット発売中。
2012年09月18日「サザンオールスターズ」の“原坊”こと原由子が来年公開のアニメーション映画『ももへの手紙』で自身5年ぶりの映画主題歌を担当することが明らかになった。原さんが作詞作曲を手掛けた主題歌には夫の桑田佳祐もコーラスで参加。瀬戸内の島を舞台に綴られる家族の愛の物語に夫婦で彩りを加える!監督デビュー作『人狼 JIN-ROH』がベルリン国際映画祭に出品された俊英・沖浦啓之の7年ぶりの新作となる本作。作画監督を『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』の安藤雅司が務めるほか『AKIRA』の井上俊之に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の本田雄、『サマーウォーズ』の青山浩行、さらに美術監督に『魔女の宅急便』の大野広司と、日本の長編アニメーションを支えてきた才能が集結。仲たがいしたまま死別した父への思いを抱える少女・ももが、母と移住した瀬戸内の島で成長していく姿を通して家族の愛が描き出される。原さんは本作のために主題歌「ウルワシマホロバ〜美しき場所〜」を書き下ろした。“マホロバ”とは「美しい場所、住みやすい場所」を意味する古語で、アコースティック中心のアレンジと原さんの透き通るような歌声が映画の舞台となる瀬戸内の美しい自然を思い起こさせる。原さんにとって映画の主題歌は『リトル・レッドレシピ泥棒は誰だ!?』の際の楽曲「大好き!ハッピーエンド」以来5年ぶり。その間にサザンの活動休止に夫・桑田佳祐の食道がんによる休養と復帰などもあり、自身は昨年6月にソロ楽曲やサザンの楽曲などあらゆる曲からセレクトしたベストアルバム「ハラッド」をリリース。翌7月には19年ぶりとなるワンマンライヴを鎌倉で行ったが、今回、1年ぶりに“原坊”が本格的に活動を開始する。原さんは「小さい頃からアニメが大好きですので、『ももへの手紙』に音楽で参加させて頂けたことはとっても嬉しく光栄です。この映画への熱い想いを語って下さった監督にも感動しましたし、監督のお気持ちに寄り添えるよう心がけたつもりです。お父さんを想うももちゃんの気持ちに、私自身の大切な人、そして美しい故郷への想いをプラスして、心を込めて歌いました。とても素敵な映画ですので、どうぞお楽しみに」とコメント。ギターの斎藤誠にベースの角田俊介、ドラムの鎌田清など長年活動を共にしてきた面々はもちろん、桑田佳祐もコーラスとして参戦!夫婦で優しい想いを歌い上げる。『ももへの手紙』は2012年GW、全国にて公開。■関連作品:ももへの手紙 2012年G.W、丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011『ももへの手紙』製作委員会
2011年07月11日