大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区、社長:上原 茂](以下、当社)は、不眠症を予定適応症として日本国内で開発中のオレキシン受容体拮抗剤(一般名:ボルノレキサント水和物、開発コード「TS-142」、以下、ボルノレキサント)について、多施設共同無作為化プラセボ対照並行群間比較試験として実施した国内第Ⅲ相臨床試験(TS142-301試験)において、良好な結果が得られましたことをお知らせいたします。この試験結果の詳細は論文および学会等で発表する予定です。TS142-301試験は、不眠症患者様596名を対象にボルノレキサント(5 mg、10 mg又はプラセボを1日1回)を2週間投与し、睡眠潜時(sSL*1、主要評価項目)及び睡眠効率(sSE*2、重要な副次評価項目)のベースラインからの変化量について、睡眠日誌による患者様の主観的評価を用いて、プラセボに対するボルノレキサントの優越性を検証した試験です。その結果、有効性については、ボルノレキサント5 mg群、10 mg群のいずれにおいても、入眠効果を評価するsSL及び睡眠維持効果を評価するsSEともに、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が認められました(いずれの評価項目、用量ともP
2024年04月03日週2日保育園のお迎え&預かりをしてくれる両親現在6歳の息子がいます。実家の両親は、週2日、息子の保育園のお迎え&預かりに協力してくれています。父は息子と一緒に家庭菜園の収穫をしたり、外遊びをしてくれたりするので、息子は「じいじ大好きっ子」です。母も、息子が来る日は夕ご飯を用意してくれていましたし、教育熱心なところもあるので、パズルや塗り絵、簡単なドリルなどを息子のために買ってきてくれて、一緒にやってくれています。息子にとって、優しいじいじは安心して甘えられる存在、そして、勝ち気なばあばは良きライバル(ケンカ友達?)として見ているようで、どちらのことも大好きです。息子は3歳6ヶ月児健診で、できることとできないことの差があると指摘され、3歳9ヶ月で「新版K式発達検査」を受けたところDQが80で3歳0ヶ月相当、境界域であることが分かりました。Upload By ユーザー体験談息子を預かってもらっていますので、両親へは息子の発達に関することについてこまめに話していました。発達検査を受けたこと、その結果、療育に通い始めたこと、就学相談を受けること……。最初は両親とも「〇〇くんはちょっと落ち着きはないけど、あんたの気にしすぎじゃない?」という反応でした。特に母は発達検査の結果が出たあとも、「私たちには○○くんは発達に遅れがあるようには見えないけれど……」と納得がいかない様子。ですが私が読んできた発達に関する本を「私たちも読みたいから貸して」と言って、読んでくれました。Upload By ユーザー体験談前向きな選択として決めた特別支援学級。でも母は「通常学級がいいのでは?」と反対でそして就学を控えた今年、私たち夫婦は就学相談に行きました。息子には偏食が強い、服が濡れることや大きな音を嫌がる、初めての場所が苦手、じっとしているのが苦手、人の話をじっと聞けずに途中で話をさえぎってしまう、会話が一方通行になりがちといった傾向があります。また、人に筋道を立てて物事を説明することや、人が決めたルールや指示を正確に理解して、それに沿って何かをするといったことも苦手です。息子のこうした面が、小学校で集団授業で受ける際にしんどさとなるのではと感じていた私は、息子の就学先として特別支援学級を視野に入れていました。私と夫は、息子が学ぶことや人と関わること、学校という場所を好きでいられることが大切だと思っています。そしていつか社会に出たとき、臆せず人に助けを求めることができたり、他者と良好な関係を築けたりするようになってほしいと思い、息子にとってなにがいいか何度も話し合いました。そして、特別支援学級に進むことに決めたのです。息子にとって最善な選択だと前向きに決めました。ですが、母は「どうして通常学級に行かせないの?」と難色を示し、反対したのです。Upload By ユーザー体験談「発達障害の本の内容に当てはまらない」と息子の発達障害を受け入れない母「発達障害の本は読んだけど、すべてが○○くんに当てはまるわけじゃない。発達障害ではないんじゃない?」「認知面に苦手さがあるって言うけど、あの子は記憶力もいいし、口も達者でしょ」「○○くんは、癇癪を起こすとか、友達とトラブルになるとか本にあった体験談に出てくるようなことはないよ。協調性があるように見える」「空気が読めないって聞くけど、○○くんはそんなことないよ」「境界知能っていうけど、○○くんは理解力があるし、賢い子だと思う」母は読んだ本にあった発達障害の特性と息子の特性は必ずしも同じではない、特別支援学級ではなく通常学級にしたほうがいい、と頭ごなしに言ってきます。確かに息子はどちらかというとおとなしいほうで、対人トラブルとは無縁。園のお迎えに行っても、お友達と楽しく遊んでいます。また、息子は人の顔色などに敏感なほうで、特に相手がイライラしていると、その空気をすぐ察します。母はそうした息子の姿をよく見ているので、そう言うのでしょう。母との話し合いは平行線のままでした。その後も母からはいろいろ言われましたが、なかでも一番こたえたのが、「家系的に発達障害の人はいないし、高齢出産だったのが原因かしらね」でした。発達障害についていろいろと調べた私は、発達障害の原因は私が高齢出産だったからだとは考えていません。ですが、私は41歳で出産しましたし、フルタイム勤務でストレスフルな職場でした。関連はないと思っていても人から言われると結構傷つくものだなと思いました。そんな話し合いが続いたのち、ある日母がぼそっと言いました。「まあ、私が『あの子は発達障害だ』と認めたくないからそう思うのかもしれないけど」。その姿は、かつて私の姿でした。確かに私も息子は発達障害ではないと思いたい時期がありました。でも、やはりなにか違うと感じましたし、息子のためにできることはしなければと思いました。たとえ、今は困りごとがなかったとしても、いつかトラブルが起こることを防ぐため、息子にあった環境で過ごせるようにすることが、なによりも大切だと考えるようになったのです。母は障害受容の手前。少しずつ分かってもらえたら今の母は「まあ、あんたたちが決めたことやから反対はしないけど」と言うようになりました。ただ、「○○くんの能力が伸びてきたら、通常学級に戻るつもりやんな?」と完全には認めてくれていない様子です。母は障害受容の手前で葛藤している状態なのだと思います。息子は、まだ医療機関で診断を受けたことがないので、息子の障害にまだ名前がついていない状態なのも、母にとってはややこしいのかもしれません。一方父は、息子の発達に関して私に直接何か言ってきたり聞いてきたりすることはありません。先日私に「○○ちゃんは年齢とともにできることが増えてきたね。がまんもできるようになってきたし」と言ってくれました。他人と比べてではなく、息子だけを見て、良い変化を見つけて喜んでくれているのがうれしいですし、母のように「息子を発達障害ではないと思いたい!」という圧を出さないでいてくれるのも私にはありがたいです。Upload By ユーザー体験談完全に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、今後の私たち親子の姿を通して、いつか母にも息子に合った環境を選ぶことの大切さを分かっていってもらえたらと思っています。イラスト/まるエピソード提供/苗(監修:鈴木先生より)息子さんはあなたのお子さんです。いくら祖父母が子育てを手伝ってくれているにしても祖父母の子ではないのです。自分の子どものことは親が決めていいのです。発達障がいは症候名で具体的な病名としてはASDやADHDなどがあります。「発達障がい」という「障がい」だけが祖母の脳裏に刻まれており認めたくない気持ちがあるのかもしれません。今は発達障がいと言わず「障がい」がなくなり、神経発達症と言われています。「ASDは特性でADHDは慢性疾患で障害ではありません」と日頃私の外来では説明しています。具体的な診断をかかりつけ医に相談して早めに方向づけを行うのがよいかと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月18日遠回り、マンホール観察…自閉症息子のこだわりは私の体力を削り続け…現在小学3年生の息子は、2歳の時に知的障害(精神発達遅滞)、自閉スペクトラム症(非定型自閉症)の診断を受けています。息子のこだわりに気づき始めたのは9ヶ月、離乳食後期の頃でした。それまで私がスプーンで食べさせていたのですが、これを急に拒否!自分の手で食べるようになり、それからはクリームシチューや餡かけなどのトロッとした物は一切受け付けなくなりました。トロッとしたものが本当に嫌だったんでしょうね…。息子のこだわりはここからはじまり、いまも絶好調!行きたい場所、やるべきことにこだわりまくり、私の体力を遠慮なく削っていきます。例えば……・駅までまっすぐ歩いたら徒歩5分のところを、わざわざ遠回りをして2~3倍の時間と距離をかけて移動。・電車で帰れば10分のところなのに、バスで1時間近くかけて帰る。しかも最後列右側の席限定!・髪の毛が地面についてもおかまいなし。マンホールがある度に中をのぞいたりにおいをかぐ。マンホールは数メートルごとにあるので、全然進まない……。・目の前の信号が青なのに拒否し、遠い場所にある決まった信号からしか渡らない!・エレベーターに乗ったら、僕は右側、ママは左側のボタンの横で立ってという指示。満員だから無理だよと伝えても、ママは左側へ行けと妥協なし……。大雨や大荷物でクタクタのときも、暑すぎる真夏でも、寒すぎる冬でも容赦なく発動されるこれらのこだわり。腰痛もちの私はもう限界に近いです……。Upload By ユーザー体験談息子のこだわりへの対応は、私の障害受容レベルによって変化してきましたそんな息子のこだわりへの私の対応は、だんだんと変化してきました。それは、私自身の障害受容のレベルとも深く関係していると思います。いまに至るまで、3段階を経てきました。1段階目、まだ障害受容ができていなかったころは、同じことの繰り返しに親のほうが飽きてしまってイライラすることが多く、止めさせようとしたこともありました。ですが、止めさせようとすると子どもが癇癪を起こすなどお互いにストレスをためてしまい、デメリットが多くあったと思います。そして2段階目、障害受容していたつもりでただ自分が我慢していただけの頃、全て好きなようにやらせて、私がそれに合わせて行動するという期間がありました。いま思い返すと、思考停止になることで楽になりたかった時期です。その後、海外で生活をした際に幼稚園の先生がとても広い気持ちで受容・対応してくれているのを目の当たりにし、自分自身がどこかでまだ障害を受容し切れていなかったことに気づきました。それからは周りの人に子どもの障害についてオープンにし、積極的に助けてもらうようになりました。これが3段階目です。Upload By ユーザー体験談海外に住んでいた頃、まだ学習できていないものなのか(未学習)、間違ったことを正しいと誤って学習してしまったものなのか(誤学習)を意識しつつ、子どもの個性を大事にしていくことの大切さを学びました。いまは、ただ好きにやらせるのではなく、子どもに対しては基本的には本人の意向に沿いつつ、こだわり、ルールを完全に定型化しないよう、たまに「揺らし」を入れて妥協を覚えさせるように練習しています。例えば、息子が、放課後等デイサービスの送迎で覚えた電車の見えるスポットに連れて行ってくれるとき。目的地も分からず「こっち」といってひたすら歩かされ、だいたい1万~1万2千歩くこともざらだったのですが、息子にどんなところに行こうとしているのか、そこで何がしたいのかを先に伝えてもらうように練習しました。それを聞いた上で、行けるときは行く、行けないときは理由を伝えて、次にこういう条件になったときに行こうという約束と、本日の代替プランBを提案して選択してもらっています。また、遠回りをする、決まった道を通ろうとするときは、「こっちは草がいっぱい生えてるから、ここから先は歩道に出ようか」、「今日はゴミが落ちてるからそっちは通らないよ」などと正当な理由を伝えて、別の道に勧めるようにしています。最初は「こっち!」と嫌がっていましたが、実際に歩いてみて「ほらね、草がいっぱいでしょ?」「あそこに犬の糞がある」などと経験することで納得してくれ、ちょっとずつ妥協を覚えてくれるようになりました。このように対応できるようになって、私も精神的に楽になりました。Upload By ユーザー体験談「こだわりはいつか必ず強みになる」息子の人生が楽しいものであるように心から願っています息子が2歳のときに通っていた体操教室の先生が「こだわりはいつか必ず強みになる」と言ってくださったのが強く記憶に残っています。Upload By ユーザー体験談息子には強い好奇心、記憶力、研ぎ澄まされた色彩感覚、卓越した運動能力、ソムリエ並みの味覚があります。これらを生かして「好き」から「得意」を見つけ自己肯定感を得て、もしその得意なことから将来仕事に繋がるものを見つけられたら最高だなと思っています。もし職業に繋がらなくても、これから生きていく中での毎日の楽しみや生き甲斐になれば充分です。ひとりっ子で、ママ命の甘えたがり。注意されると全否定されたと感じるようで、素直に聞き入れられずつい文句を言ってしまう……そんな息子に、これからも体力の限界までつき合っていきたいと思います!エピソード参考/おかんレベル8イラスト/カタバミ(監修:鈴木先生より)ASDには、こだわり保存の法則というのがあります。あるこだわりが減ると、ほかののこだわりが増えるということです。ある道に興味がなくなっても、ほかの道にまた興味がわくかもしれません。また、自分だけではなく、他人、特に親をこだわりを巻き込むことがあります。これを「巻き込みこだわり」と言います。自分が青い服を着たら親にも同じ色の服を着せるなど、自分以外の人にもこだわりを巻き込ませるのです。ASDの子どもは予定の変更が苦手です。こだわりがASDの子どもの「予定」の中に既に入っているので、それを変更することは困難になります。可能ならば、なるべく早めに予定の変更を提示してあげることも重要です。誰でも突然変更されると嫌なものです。これからもこういうASDの特性を理解してつき合っていきましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年08月08日「民族衣装 -異文化へのまなざしと探求、受容-」展が、2021年11月1日(月)から2022年2月7日(月)まで東京の文化学園服飾博物館にて開催される。多様な民族衣装がいかに受容されていったのかを辿る「民族衣装 -異文化へのまなざしと探求、受容-」展は、民族衣装が描かれた書物や、民族衣装の研究、フィールドワークなどに焦点を当て、世界の多様な民族衣装を軸に異文化への興味をどのように探求していったのかを辿る展覧会。アジアやアフリカの民族衣装が、ヨーロッパや日本においてどのようにとらえられ受容されてきたのかを探っていく。加えて、東洋文化や民族衣装から影響を受けたヨーロッパのドレスも登場。元となった民族衣装とともに展示し、特徴的なデザインやカッティングを紹介する。特に、19世紀後半から20世紀初めにかけてはヨーロッパでオリエンタリズムが流行し、盛んにファッションに取り入れられた。また、1960~70年代には、大量消費社会への反動から自然回帰のムーブメントが若者を中心に高まり、その象徴としてフォークロア・スタイルが流行している。異文化の探求と記録の歴史ヨーロッパの人々がアジアやアフリカへと進出した15世紀半ばの大航海時代以降は、異国の文化や慣習を絵で記録。日本でも、江戸時代末期には海外の民族を描いた図絵が残されており、異文化への好奇心や驚きがうかがえる。会場には、斎藤寛撰、柳川重信による『海外諸島図説』や、『各国民の服装、風俗、慣習』といった史料が登場する。時代が進み20世紀前半になると、より人々の往来が盛んになり、海外事情を知る機会も増加。写真や映像といった記録の技術革新もあり、より正確な民族衣装が記録されるようになる。当時のはがきには民族衣装を身にまとった人々が描写されており、同じく20世紀前半の雑誌『被服』の表紙にも民族衣装と思われる図案が載っている。さらに、1960年代以降は海外渡航のハードルがぐっと下がり、現地に行って各エリアの民族の暮らしや衣装の調査を実施することが容易になったことで、より一層各地域の人々の生活が正確に伝わるようになった。加えて、民族衣装も多様な文化の1つとして認識されるようになり、さらなる探求が深まった。この時代の資料として、1970~80年代のアフガニスタンの鮮やかなドレスや、1976年のブータンの民族衣装などが会場に展示される。【詳細】「民族衣装 -異文化へのまなざしと探求、受容-」展会期:2021年11月1日(月)~2022年2月7日(月)場所:文化学園服飾博物館住所:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 1階TEL:03-3299-2387開館時間:10:00~16:30(11月12日、1月21日は19:00まで。入館は閉館の30分前まで)休館日:日曜日、祝日、年末年始休館(12月28日~1月5日)入館料:一般 500円、大高生 300円、小中生 200円※20名以上の団体は100円引き。※混雑時は入館待ちとなる場合あり。※状況によっては、開館日、開館時間等、予定が変更される場合あり。最新の情報はホームページで確認。
2021年09月30日「お前が何でJ下部行けたんだ」「お前いらなくない?」。小学生時代にJクラブの育成組織に所属していたけど上に上がれず、セレクションを受けて入ったチームでチームメイトから誹謗中傷を受けている。中学生だから親がでしゃばるのもどうかと思うけど、相談させてほしい。とご連絡をいただきました。チームメイトからのいじめは、小学生年代でも心配な親御さんも多いことでしょう。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、取材で得た知見をもとに、子どもを守るための3つのアドバイスを授けますので参考にしてください。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<試合が多いため毎週の遠征費が家計を圧迫。移籍させたい問題<サッカーママからのご相談>はじめまして。どうしようもなく悩みご相談いたします。息子は中学一年生でサッカークラブチームに所属しています。小学校の頃は某Jクラブの育成組織に所属していましたが、進級できず。セレクションを受け今のチームに所属しているのですが、体格もなく足の速さも遅い方で現チームでいじめ(誹謗中傷)に合っているようなのです。「お前が何でJ下部行けたんだ」とか「足遅いんだよ(笑)」「お前いらなくない?」など。はじめは頑張って自習練したりしていましたが、最近は暴言が酷くなってきたようで、「サッカーをやめたい、つまらない」と夜な夜な枕を濡らしこらえています。それでも最後には「やる」とは言いますが、明るかった笑顔は消え暗い表情の息子を見てるのもつらいです。厳しいスポーツの世界だからコーチに相談するのも気が引けます。中学生なので親がでしゃばるのもどうかという気もあって。こんなとき見守ることしかできないのでしょうか。<島沢さんのアドバイス>ご相談のメールをいただき、ありがとうございます。中学生男子が泣いてしまうのですから、おそらくチームメイトからの暴言はひどいのだろうと察します。そばで見ているお母さんも辛いですね。とはいえメールだけで詳しいことはわからないので、あくまで推測の上でのお話であることを前提にお聞きください。■「いじめに負けるな、強くなれ」と命じるのではなく、「あなたは何も悪くない」と伝えてメール文によると、息子さんはJクラブの育成組織出身者。それゆえに、そうではない中学生たちから少しばかり疎まれている。つまり、彼らにとってジェラシーの対象になっていることがよくわかります。息子さんが落ち込むのを見て、彼ら「非J育成組織組」は溜飲を下げるわけです。とてもばかばかしいし、スポーツマンシップに欠ける行為です。いいですか?悪いのは、完全にそのチームメイトたちです。それなのに、親御さんの中には間違った行動をとる方もいらっしゃいます。「厳しい世界なんだから耐えなきゃだめだ」「おまえのほうが強くならなきゃ」「言われるほうも問題がある」「逃げたら負けだ」いかがでしょうか?こういったアドバイスは、「いじめられている側の問題」にしてしまっています。息子さんは何も悪くない。悪いのは誹謗中傷するチームメイト。ここを絶対にはき違えないこと。これが私からのひとつめのアドバイスです。これがとても重要です。それを誤って、「まだ中学生だから、そういうやつもいるよね」とか「試練だと思って乗り越えろ」などと軽い気持ちで言わないこと。思ってもいけません。もし、少しでもそう考えていたのなら、考え方を変えてください。今の子どもたちは、自分を否定してくる言葉をストレートに受け止めがちです。「ああ言ってるけど、軽い気持ちで言ってる」「暴言だけど、ただの嫉妬だ」そんなふうに逃がすのが苦手です。苦手なことを「うまくやれ」と命じるのではなく、「あなたは何も悪くない」ときちんと伝えください。例えば、お父さんや、ほかの兄弟姉妹。祖父母など、ほかの家族でそのような対応をされる方がいたら、息子さんの目の前でお母さんがそれをバッサリ否定してあげましょう。そうせずに、息子さんに「お父さんはこう言ってるけど......」などと、陰で言うような状況はダメです。夫に遠慮してはいけません。■子どもをポートする上で大事なのは「言う」より「聴く」そして、二つめ。親御さんがサポートするうえで大事なことは、息子さんの話に耳を傾け続けることです。お母さん自身もお仕事があったり、他にも兄弟姉妹がいてお忙しいかもしれませんが、彼が落ち着くまでは毎日でも話を聴いてあげてください。子どもがいじめられたり、その身の上に何か困ったことが生じたとき、親御さんがそこにかかわって解決しようとする傾向があります。いわゆる「転ばぬ先の杖」ですね。以前も、この連載で「杖を用意してしまうと、自分の足で難題を乗り越える脚力がつきませんよ」と伝えているように、親が出しゃばってしまうと課題解決する力を育む機会をつぶすことになります。したがって、まずは本人の話を聴いて、その辛さに一緒に向き合ってください。「それはひどいね!ママなら、我慢できないかも」とか「許せないね」と息子さんのぶんまで怒ってあげてもいい。とにかく、本人の話を聴き続けましょう。小学生に同様の問題が起きたり、いじめ以外でも子どもが悩みを抱えたときも、いつも同じアドバイスをしています。「言わなきゃ!より、聴かなきゃ!と考えていください」と。お母さんも「コーチに相談するのも気が引けます」「中学生なので親がでしゃばるのもどうかという気もあって」と躊躇されていますね。ただ、毎日「今日はどうだった?」というわざとらしい聴き方はいけません。「サッカー、楽しかった?」「いつでも話聞くからね」「お母さんたちは君の味方だよ。楽しくサッカーしてほしいと思ってるよ」そういったことを伝えながら、聴く耳を持っているということをアピールしましょう。■逃げることは恥ではない。子ども自身が見出す「次の一手」を尊重しようそして、三つめ。どこかのタイミングで「じゃあ、どうする?」と解決方法を尋ねてみてください。もう中学生なので「いろいろ言うのはやめてほしいと勇気を出して言う」とか、「コーチに相談してみる」「他の自分を悪く言わない仲間に相談する」もしくは、「とにかく無視する」など、さまざま出てくるかと思います。そうならず「わかんないよ」と沈んでいるようなら、「少しお休みしてみる?」とクラブと距離を置くことを提案してもいいかと思います。逃げることは恥ではありません。逆に「悪い仲間や環境からは逃げていいのだ」ということを伝えてください。自分から「もうこのクラブを辞めたい」と言うかもしれません。もしくは、「もう少しやってみる」かもしれません。そうやって、どんな答えが出たとしても、それを否定しないでください。すべての答えを「そうか、じゃあ、そうしてみるといいよ。自分で考えたようにやってみるといいよ」と受容してあげてください。もし、それがお母さんの望む答えでなかったとしても、尊重してあげましょう。息子さんがこの、毎晩枕を濡らすような苦しみの中で見出した「次の一手」なのです。そこをまず認めてあげてください。■あまりに追いつめられると......(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)いじめられているときは、子どもも、大人も、著しく自己肯定感が落ちています。「自分はここでサッカーをしていいのか」「自分はこのクラブにいていいのか」あまりに思い詰めると「自分は生きていていいのか」になります。スポーツは何のためにするのか。ぜひそんなことを家族で話し、価値観を共有しながら道を探っていってください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2020年07月10日夫は息子の発達障害をどのように受け容れたのかUpload By 丸山さとこ「コウは発達障害かもしれない」と私から聞いた夫が最初に言った言葉は「え?コウはコミュニケーションとれてるでしょ?」でした。『かわいいわが子にまさか障害があるなんて…』というショックからの否定ではなく、本気で『え?問題なく意思の疎通とれてるでしょ?』と思っていたことから出てきた、夫の素直な反応でした。私も3歳児検診で指摘を受けるまで“コウはコミュニケーションがとれている”と思っていたので「分かる分かる…!」と頷きましたが、今後のことを考えれば呑気に共感している場合ではありません。「分かるー!けど困る~!」と頭を抱えながら、夫にどう理解してもらえばよいのかを考えることになりました。意思の疎通はできているのに?Upload By 丸山さとこコウは、コミュニケーションが全くとれていないわけではありませんでした。「はい」と言って渡したいものを差し出すことや、クレーン現象で“相手にやらせたいこと”を伝えたりすることはできますし、「いいよ」と「駄目」も分かります。でも、「お水ちょうだい」と人に要求して水を貰うことと、ウォーターサーバーのボタンを押して水を得ることの違いが、多分当時のコウには分かりませんでした。「イヤ」と言われて拒否されることと、ブザーが鳴って機能を停止することは、どちらも“音がして水を得られなくなった”という出来事ですが、その理由は全然違います。人間との間には、手順の間違いという言葉では単純に片付けられない“コミュニケーション”が存在しているからです。発達障害について少し知識を得た上で改めてコウを観察してみると、彼にとって要求とは“心を介したコミュニケーション”ではなく、ボタンを押すような行為なのだろうということが分かります。ですが、それを夫に伝えるのはかなり難しいのではないかと思いました。夫は多分定型発達者でコミュニケーションは私よりよほど上手に行えますし意図も汲めますが、気持ちを汲むことに関しては理解の解像度が低いところがあります。あれこれ例えを交えながら説明しつつも、「コウのコミュニケーション能力の遅れに対して、理解してもらうのは難しそうだなー!」と感じました。まずは“分かりやすいところ”から知ってもらう!Upload By 丸山さとこそうして頭を悩ませていたとき、ふと「コウの発達の凹んでいる場所が分かりやすい会話を聞いてもらえばよいのでは?」とひらめきました。コウの会話は基本的にエコラリア(オウム返し)によって行われていたので、挨拶などのやりとりが難しく、3歳になってからも「お名前は?」に対して「お名前は?」と返すような状態でした。 練習によって「お名前は?」「何歳?」などの受け答えができるようになりましたが、多分その練習風景は一般的な家庭のコミュニケーションとは異なるものだったと思います。まず、親が自分の肩に触れながら「お名前は?」と聞きます。次に、コウの肩に触れながら「丸山コウです」と“コウが言うべき言葉”を親が代わりに言います。それをリズミカルに繰り返してコウが「丸山コウです」と言うのを待ち、コウの肩に触れているタイミングで言えたら、素早く“コウが好きな刺激”を与えながら褒めて行動を強化します。そんな風にして“知らず知らずに行っていた療育”の結果、コウは一見すると会話ができる子に見えるようになっていたのですが、それは親の側が会話の歩調を子どもに合わせるからだと私は知っていました。Upload By 丸山さとこ後日「今からする会話を聞いていてくれる?」と夫を呼んだ私は、コウとの会話を始めました。「何歳?」「さんさい。」「いくつ?」「さんさい。」と違う聞き方でもスムーズに答えてみせたコウでしたが、「何歳ですか?」と聞いた時に『何を言われているんだろう?』という顔をして固まってしまいました。「何歳?」は教えられていても、「何歳ですか?」は教わっていなかったため、答えられなかったのです。夫はここにきてついに、「あー…これは確かに何かあるって感じがするな…。」と言い、“発達障害の可能性”に対して納得しました。夫は息子の発達障害をどのように受け容れたのかUpload By 丸山さとこ“息子は発達障害の可能性が高いらしい”と知った後も、夫は発達障害についての知識を積極的に得ようとすることはありませんでした。それはASDとADHDの診断を受けた今も変わることはありません。本やウェブサイトを少し紹介したことはありましたが、いつもパラパラッと見ては興味がわかずに終わるようなので、「無理強いすることもないか」と思い近頃はこちらから特に何かを勧めることはしていません。改めて考えてみれば、診断を受ける前から育児書などを読む人ではなかったのだから、診断を受けたからといって急に「本などを読んで勉強しよう!」とはならないのも当たり前のことなのかもしれません。そんな夫ですが、息子に全く関心や関わりがないかといえばそんなことはありません。公園やプールに連れて行ったりと一緒にお出かけもしますし、将棋を指したりして遊ぶこともあります。それだけでなく、前述のような“療育的な関わり”で挨拶を教えてくれたのも他ならぬ夫でした。痛いところを押さえて「痛い」と言うことも夫が教えてくれたおかげで、私はとても助かりました。そんな夫とコウの関わりを見ていると、「本やウェブサイトを読まなくても、夫はコウそのものから知識を得ているのだな」と感じます。それが夫にとって丁度良い、「発達障害のある息子」との関わり方なのかもしれません。Upload By 丸山さとこ
2020年04月30日父親である私が、子どもの障害を理解するようになるまで出典 : 私には、重度の知的障害を伴う自閉症スペクトラムと診断された息子がいます。IT関連企業に勤めている会社員です。息子は3歳のころ、自閉症と診断されました。現在は7歳となり、特別支援学校に通学しながら、夕方は放課後等デイサービスに通う日々を過ごしています。毎日楽しそうです。障害のある子どもの父親として、周りの人たちの会話の中で気になることがあります。時折、お母さま方から「父親が子どもの障害を認めてくれない(理解してくれない)」という言葉が出てくるのです。そこで今回、父親としての経験を元に「父親が発達障害・自閉症を理解するために必要なこと」について考え、経験したり、実践してきたりしたことをご紹介したいと思います。「父親が発達障害・自閉症を理解する」ことは、日常生活には大きな影響はないかもしれませんが、幼稚園や学校を選択する際には夫婦の意識の違いが事態を複雑にする場合もあると感じています。私自身は比較的早く子どもに自閉症があることを受け入れた方だと思います。でも、振り返ってみると、偶然が重なって理解できるようになったのかもしれないと感じています。私が父親として、子どもの障害を受容した過程をお伝えすることで、父親の皆さんが自閉症を理解し、受容することに繋がればと考えました。次から、私が子どもの障害を受容するまでに経験した「3つの契機」から導き出した「父親が子どもの障害を理解するための、3つのアプローチ」についてご紹介していきます。父親は障害を認めたくないのではなく、基準がない出典 : つ目のアプローチは「父親に同年代の他の子どもの成長段階を理解してもらう」ことです。父親は障害を認めたくないのではなく、ただ他の子どものことを知らないだけなのかもしれないからです。今でこそ自閉症を受け入れている私ですが、以前は息子の症状について全面的に否定したことがあります。息子について考えるようになったきっかけは、認可外保育園の園長先生と担当の先生が、息子に「特徴的な傾向がある」と話をしてくれたときでした。私にとっては突然の話だったので「急に何を言ってくるのだろう」「なんて失礼な保育園だ」と、最初は全く理解する気になれませんでした。「でも、何人も子どもを見てきている先生たちの話だし、何かあったらアレだし…。」という妻の言葉もあり、夫婦で話し合いをして、病院に連れていくことに決めました。この時の大きなきっかけは、会社の同期の同い年の子どもの成長を見ていたからでした。友人の子は、自然に立つようになり、話すようになり、簡単な身支度ができるようになっていきました。息子とほぼ同月齢の子どもが、周りの子どもや大人たちと、高度なコミュニケーションが取れているのは驚きでした。そしてその成長ぶりから、自分の息子との明らかな違いを”現実的”に感じたのです。それは、息子に発達障害や自閉症があるのだと理解するための大切な機会となりました。他の家庭の子どもの成長度合いを知っているかどうかは、父親が自分の子どもの状況(自閉症や発達障害の特徴)を理解することに影響すると、私は考えています。父親の理解が得られない場合、まずは他の家庭との交流の場を設けてみてほしいと思います。ただ、あからさまに「ほら、あの子は色々できる、でもうちの子は…」などと指摘されると父親でも精神的にショックを受ける可能性があります。園の行事や親子の集まりなどに参加する機会を増やすなど、なるべく自然な形で機会をつくるのがよいと思います。専門家の話を直接聞く機会をつくることで、現実味が増す出典 : つ目のアプローチは、「お医者様や専門家の方などと話をする場に父親を同席させる」ことです。私の場合、妻と共働きで交互に休みを取って通院していた時期があったため、聴力検査や脳波の検査の他、発達障害の診察に病院に行く機会が何度かありました。その際に医師などの専門家から直接話を聞くことで現実味が増したと感じています。病院などの場合は平日にお休みを取る必要がありますが、療育施設などであれば土日であっても専門家に会う機会があります。どうしても平日は難しいという方は、検討してみてほしいと思います。特に、最初の訪問・診察時に、子どもの自閉症・発達障害の特性や傾向について確認する専門家が多いと思います。その際に父親が同席した方がよいと考えています。私が最も衝撃を受けた日は、専門家に息子が自閉症だと明言された日です。この日のことは、今でも忘れることができません。息子の場合は重度で言葉を話していなかったこともあり、この状態が治らないのだと分かったときの衝撃はすさまじいものでした。この日から私の意識はガラッと変わりました。メディアや現場で発達障害・自閉症に触れると理解が深まる出典 : つ目のアプローチは、「父親が発達障害・自閉症について知る機会を増やす」ことです。最近では、テレビや新聞で発達障害や自閉症の特集が組まれていたり、インターネットのニュースやブログ、関連する本なども増えています。こういった情報に接触する環境を用意することで、より意識しやすくなると思います。また、療育施設などでは発達障害や自閉症のある子どもたちが通っています。異年齢の子どもも多くいます。数か月に1回でもいいので、父親自身が足を運ぶことで、発達障害や自閉症とはどういう特性があるのか理解し、少しずつ実感がわいてくるのではないでしょうか。息子が通うLeaf(現 LITALICOジュニア)への送迎をしていた時には、パニックになる子やドアを叩き続ける子、叫び続ける子や泣き続ける子など、さまざまな子どもたちの様子を目の当たりにしました。定型発達とは違う、特性のある子どもたちを知る機会が得られたことで、自分の子どもへの理解もより深まっていったのです。夫婦で支え合うことが、子どもの幸せにつながる出典 : 「父親が発達障害や自閉症を理解するために必要なこと」について、3つのアプローチ方法をご紹介しました。どのアプローチも、父親である私自身の気持ちが変わるきっかけになったものです。夫が理解してくれないと悩んでいるお母さまや、うまく受容できないと悩んでいるお父さま方にとって、ひとつのきっかけとなれば嬉しく思います。何より大切なのは夫婦で子どもについてゆっくりと話す時間を設けることです。私の場合、妻といろいろな相談ができる関係を築けています。発達障害や自閉症についても、何でも話ができる間柄です。ただ、話をする際は妻が負い目を感じないように常に配慮をしています。ただでさえ大変な子育てにおいて、子どもに障害があるとなれば母親にかかる精神的負担は非常に大きくなると考えています。特に「生みの親」として負担を感じたり、自責の念に駆られたりする方も多いと聞いています。私の妻も例外ではありません。母親の皆さんは自分で抱えこみ過ぎず、父親の皆さんは奥さまを支えるのだという意識を持って、日々を過ごしてほしいと思います。お互いを支え合いながら、わが子のために前を向いて進んでいくことで、発達障害・自閉症を家族で受容できるようになり、子どもにとっての幸せにも繋がると考えています。
2018年02月12日京都大学は12月14日、セロトニン受容体1A遺伝子(HTR1A)の遺伝子型によってサラブレッド馬の扱いやすさに違いがあることがわかったと発表した。同成果は、同大学 文学研究科 堀裕亮 博士、藤田和生 教授および野生動物研究センター 村山美穂 教授らの研究グループによるもので、11月19日付の英科学誌「Animal Genetics」速報版に掲載された。今回の研究は、JRA 日高育成牧場で2011年~2013年に飼育され、乗り馴らしを受けたサラブレッド1歳馬167頭を対象に行われた。研究では「新しい物体・ヒトへの不安」、「新しい環境への慣れにくさ」、「大きな物体への恐怖」、「反抗的な態度」、「体を触られることへの不安」といった5つのカテゴリーの17項目について、3名の牧場職員が評定・得点化。また、これらの馬から血液を採取し、DNAを抽出してHTR1Aのタンパク質をコードする領域の配列を調べた。この結果、標的となった領域のうち、709番目の塩基に一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism:SNP)があり、709番目の塩基がグアニン(G)の場合とアデニン(A)の場合の2種類の対立遺伝子があることがわかった。これについて、扱いやすさとの関連を分析したところ、Aの対立遺伝子をもつ個体はもたない個体に比べて、扱いにくいことがわかった。またこの効果はオスよりもメスでより顕著に見られたという。同研究グループによると、同研究の再現性が確かめられれば、遺伝子型から個体の性質を予測し、それに合わせた飼育管理方法の開発や、乗馬・セラピーホースなどとしての適性の評価などにも応用が期待されるとしている。
2015年12月14日理化学研究所(理研)と東京大学は4月9日、メタボリックシンドロームに関連する分子として注目されているアディポネクチン受容体の立体構造を解明したと発表した。同成果は理研横山構造生物学研究室の横山茂之 上席研究員と、東京大学大学院医学系研究科の門脇孝 教授、山内敏正 准教授らの共同研究グループによるもので、4月8日(現地時間)付の英科学誌「Nature」オンライン版に掲載される。アディポネクチン受容体は、細胞膜に存在する膜タンパク質で、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンによって活性化し、細胞において糖と脂質の代謝を促進し、抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を発揮する。タンパク質の立体構造を知ることは、創薬において有用とされる。特に、膜タンパク質は細胞外からの情報を細胞内へと伝達する役目を担っているため、薬の標的分子として注目されている。しかし、アディポネクチンは試料調整が難しく、その立体構造情報を得ることができていなかった。同研究では、高純度の膜タンパク質を大量に製造する手法や、結晶化手法などを使い、アディポネクチン受容体の結晶化に成功。この結晶を大型放射光施設「SPring-8」を用いてX線解析することでその立体構造を調べたところ、同受容体は現在までに知られている膜タンパク質とは異なり、膜貫通部位に亜鉛イオンを結合するなど新規の構造をしていることが判明した。今回の研究成果はアディポネクチン受容体の情報伝達メカニズムの解明につながるだけでなく、メタボリックシンドローム・糖尿病の予防薬や治療薬の開発に有益な情報となることが期待される。
2015年04月09日働く女子を刺激するAnother Action、ウーマンタイプがお送りするランチタイムのお慰みコラム【ビバ!ばら色人生から学ばせて】の、今回のテーマは「自己矛盾・炎上人生の沢尻エリカに学ぶ自己受容のススメ」。知名度、お騒がせ度、ケツ出し度、どれをとっても申し分のない女、沢尻エリカ。「女が嫌う女」ランキングでは常に上位に食い込む逸材、姿を現したと思ったらヒゲのドラァグ・クイーンと原宿でお買い物、記者会見では「悪女なエリカか、聖女なエリカか、どちらが好きか拍手でこたえてください」という懇親のギャグで会場を氷点下へと誘う……いつでも登板バッチコイというくらいネタをばらまきまくってくれている沢尻さんですが、いざコラムにしようとするとこれがまぁ書き辛いことこの上ない。映画『ヘルタースケルター』の公開迫る中での謎の休業宣言と、なんだか不吉な予感いっぱいの中、敢えてこのタイミングで沢尻さんの攻略を試みようとする冒険心をお許しください。さてさて、例えば当コラムのような「10%の情報、70%の決めつけ、20%の僻み」といったゲーセワ話におきましては、話をぷっくりと膨らますイースト菌のような存在が必要不可欠。「なんでそんなに紗栄子嫌いなの?かわいいから?」「えー眞鍋かをりのツイッター超面白いじゃーん」と小3の脳みそでのたまう男性諸氏には分からないでしょうが、「子どものために生きてまぁす」「私って本当にイタイ女」というアピールの裏側にある強かさを見咎めるのが、女という生き物。その強かさこそがイースト菌となり私の妄想をいかんなく発酵させ……ゼニビッチ紗栄子パンも、ビジネス非リア眞鍋パンもなかなか香ばしい焼き上がりに。一方で沢尻さんにはこの強かイーストがないのです。ワガママ、生意気、外国かぶれの目立ちたがり……材料はこんなに揃っているのに、膨らまないのが沢尻パン。要するに、ベタ過ぎるんです。ほら、「学校一のヤンキーが、おばあちゃんの手をひいて横断歩道を渡っていた」なら萌えますが、沢尻さんの場合「ヤンキーが駅前でカツアゲ」というステレオタイプ。だから萎える。面白くない。ワビサビがない(言いたい放題)。さて、気になるこの記事の続きは「 自己矛盾・炎上人生の沢尻エリカに学ぶ自己受容のススメ 【連載:ビバ!ばら色人生から学ばせて Vol.8】 」で読んでみよう。
2012年06月09日