口唇口蓋裂を持つ娘は、生まれたときから矯正歯科に通っています。最初は手術前の口腔内準備、そして術後は歯科矯正をおこなっています。今回は、口唇口蓋裂を持つ娘の歯科矯正についてお伝えします。 口唇口蓋裂による口の中の様子娘は、左上唇から左鼻の中までの口唇裂と、左上歯茎から上あごまでの長い範囲で口蓋裂がありました。そのため、自力では母乳が吸えず、上あごに隙間があることから育児用ミルクも飲みにくい状況でした。 また、離乳食が始まると、食べ物が鼻のほうに入ってしまうなどうまく離乳食を食べられない状態になりました。加えて歯茎にも裂があったため、上の歯並びがよくありませんでした。舌が長く、とても器用に動く点はよかったのですが、話をするときは鼻にかかった感じの発音になりました。 赤ちゃんのころの治療の様子母乳を吸う力がないためミルク育児でしたが、上あごに裂があって育児用ミルクを飲むことも難しいため、主治医から紹介された矯正歯科に通院。口唇口蓋裂における歯科矯正の説明も、写真などを使って詳しく聞くことができました。 矯正歯科ではまず口の中の型を取って、裂の部分に装着する「ホッツ床」を作ってもらいます。鼻の形を矯正する器具も一緒になっているタイプで、毎日装着します。定期的に来院し、成長に合わせて大きさなどを調整してもらいました。 幼児のころの治療の様子娘が1歳2カ月のときに2度目の手術を受けて「ホッツ床」は必要なくなりましたが、乳歯が生え揃ってきたときに歯が3本重なっていたり斜めに生えたりと、上の歯が不揃いになってしまいました。 そこで、引き続き矯正歯科に通い、まだ乳歯の4歳ごろから簡単な器具を装着して矯正をおこなっています。1カ月に1回のペースで通っていますが、ありがたいことにこちらも自立支援医療を市役所に申請することで、無料で治療を受けられています。 手術後は、主治医である形成外科受診よりも矯正歯科受診の頻度のほうが高くなりました。永久歯が生え揃ってから本格的な矯正が始まるとのことで、これからも長くお世話になりそうです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年10月08日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 退院してから、娘が簡単につけさせてくれず装着するのが難しいレチナ(※1)。しかし、レチナに関して困ったことは実はこれだけではなく……。 (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具 当時1歳の娘の鼻につけるレチナはとても小さく、大きさも1cmほどでした。 そのうえ半透明なので一度見失うと探すのが難しく、失くすたび病院へ行って、処方してもらわなければいけません。 結果、買い物など外出をする際はつけるのを控えるようになっていきました。 さらに問題はこれだけでなく、退院してから娘は再び風邪をひくようになり……。 かかりつけの耳鼻科小児科の先生からは、「レチナにより粘膜が刺激され鼻水が止まらず、まだ1歳の子の鼻の穴は小さいので詰まりやすくなっている。症状が落ち着くまで、レチナをつけるのは控えた方がいい」と言われました。 しかし、口腔外科の先生からは「レチナは通気孔があるから、詰まることはありません。ちゃんとつけてください」と言われ、診療科によって意見が違ってどちらの意見に従うべきかわからずとても困りました……。 結果、風邪をひいてる間だけはレチナを取って治療に努めましたが、娘は3歳半ばまでほとんど毎週のように体調を崩し、時にはこじらせ入院までしていたので、結局小さいうちはほとんどつけられなかったです。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年10月06日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 退院後、へこたれそうになりながらも頑張ってレチナ(※1)をつけ続けてきましたが、ある日娘の鼻に大きな異変が……!!! (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具 急いで病院に向かったところ、鼻腔を持ち上げるために縫い付けていた糸に、レチナが擦れたことで傷口が炎症を起こし、鼻腔の内部が大きく腫れあがってしまったとのこと。 たちまち鼻の形が崩れてしまい、鼻腔がペタッと倒れて一番小さなレチナでも入らないようになってしまいました。 次の日に再び外来を受診し、どうすればいいか相談したところ……。 鼻に大きな栓をするガーゼロールという手法で、鼻腔を持ち上げることに……。 しかし……!!! 片方の鼻の穴だけとはいえ、レチナよりも太く強めにねじ込むように入れるので、娘の抵抗はますます激化し、術後ケアの難易度は上がってしまいました。 しかし、このガーゼロールの甲斐あって鼻腔が持ち上がるのも早く、しばらくしてなんとか一番小さなレチナが再びつけられるようになりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年09月22日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 退院後、つけては外し、攻防が続くレチナ(※1)。その攻防の末、レチナを失くすという事態に遭い、急遽また外来でレチナを処方してもらうことに……。 すると、そこにいたのは口唇手術の際に付き添いで一緒だった、同じ口唇口蓋裂の子を持つお母さんたちでした。 (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具 退院してから少ししか経っていませんが、再会が嬉しく、お互いその後についての近況報告。 私はレチナに苦戦していることを打ち明けました。 すると……! お二人も同じようにレチナについて同じ悩みを持っていたのです。 鼻腔を持ち上げ、鼻の変形を防ぐためにつけるレチナですが、これは先生や病院の方針によって使い方が異なります。 私たちの担当医の先生は、修正手術をするにしても手術の回数は少ない方がいいという考えもあり、レチナは術後、特にしっかりつけるように言われました。 しかし、退院してからも毎日嫌がり、泣き叫んで抵抗するわが子に申し訳ない気持ちや、いたたまれない気持ちで心が痛いのも事実。 みんな同じように悩んでいることを知って、胸が少し軽くなった気がしました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年09月15日私の子どもは、先天異常の口唇口蓋裂を持って生まれてきました。1回目の手術は生後5カ月目のとき。口唇口蓋裂治療の第2関門である口蓋裂の手術は、1歳2カ月のときに受けました。今回は、口蓋裂の症状や2回目の手術の体験談をお伝えしたいと思います。口唇口蓋裂ってどんな様子?私の娘の場合、くちびるの裂に加えて口腔内の上あご部分にも裂があり、1cmほどの隙間がありました。口の中と鼻がつながってしまっているため、食べた物が鼻から出てくることが多く、発声も鼻がかった状態。 そのため、1回目の手術前から引き続き、上あごの隙間を塞ぐ器具である「ホッツ床」を装着し、そのおかげで育児用ミルクを飲むことや離乳食を食べることには困りませんでした。また、ほかの親御さんも言っていたのですが、舌が長くとても器用です。 入院前に「抑制筒」を準備2回目の手術は、体重が10kgになるころが目安で、娘は1歳2カ月のときに受けました。1回目の手術時と同様、あらかじめ市役所に申請して入院手術代は無料。定期受診や術前検査もすこやか医療費で無料でした。 2回目の手術の際は、術後に顔を触らないようにするための「抑制筒」という筒を準備する必要がありました。抑制筒を腕につけると、肘を曲げられないため、術後の顔に触る恐れを防ぐことができます。 私は病院で頂いたリーフレットを参考に、ポテトスナックの筒状の箱で抑制筒を作成しました。ちなみに抑制筒は、その手術時1回きりの利用なので簡単なものでした。 口唇口蓋裂の2回目の手術も無事に終了1歳となると、1回目のときより物事がよくわかっていたので、入院を少し怖がっていました。けれども手術前に眠くなるお薬を飲んだため、手術室へは泣くことなく向かうことができ、1回目より長めの3時間弱ほどで手術は無事に終了しました。 口内の手術のため、外観は変わらず、痛みもなさそうな様子で、抑制筒を腕につけてキッズコーナーでよく遊び、よく食べました。そして食後は、注射器で水鉄砲のように手術した場所を洗い流す必要がありました。 親として2回目の手術は、初めての手術よりも気持ち的には落ち着いて望むことができました。2回目の手術までは毎日「ホッツ床」の付け外しなども大変でしたが、裂もふさがり安心しました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年09月09日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。手術を終え無事退院。 想像していた以上になかなかレチナ(※1)をつけさせてくれず、困ってしまいました。退院後、初めての外来診察で先生に相談することに……。 (※1)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具 なるほどと思い、さっそくわが家で実行してみることに……!! 褒めておだてる作戦をしてみるも、娘からの反応無し……!!いろいろおだててみましたが娘には通用せず……。 ならば親の私たちがつけてみようと、レチナによく似た市販のいびき対策用の鼻腔拡張グッズを購入!夫婦でつけて、娘とお揃いをアピールしてみましたが……。 これもまったく効果がなく……。 申し訳ないと思いつつも、やはり抵抗を抑えながら無理やりつけるしかなく、レチナの攻防で母子ともに心身がどんどん疲弊していきました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年09月08日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。手術を終え無事退院。 しかし家に戻ったと同時に入院中処置室で病院スタッフさんが行っていた術後ケアを1人で行うのですが……。 これを毎日一回。作業としては一見簡単なように思っていましたが、実際は……!!! とにかく嫌がってつけてくれない!つけてもすぐに外してしまい、またつけるの繰り返し! 病院では一切そんなことは無かったのですが、家に帰ってから安心したのか、レチナを大人しくつけさせてくれないくぴこ。 この術後ケアはとても大事と聞かされているので、私も諦めるわけにはいかず必死でつけますが、一歳とはいえ娘の抵抗はとても激しく…。 「大切なことだから」と心を鬼にして、抵抗されてもなんとかつけるようにしましたが、そのおかげですっかり娘に警戒されるようになってしまい、泣かれる度にいたたまれない気持ちで心が折れそうになりました。 ただ傷口を処置して鼻に装具を入れるだけ…。 簡単な処置と思っていたことが想像以上に難しいことを思い知らされました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年09月01日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 術後7日、先生から術後のケアをしっかりするよう説明をうけ、めでたく退院となりました。 突然のキャンセル空きの電話から約2週間。初めての入院生活で親も子も不安だらけで迎えた最初の口唇裂手術。 夫をはじめ、先生や同じ付き添いのお母さんたちと子どもたちにも支えてもらい、乗り越えることができました。 まだ0歳だった小さな娘にとっては、とても大きなハードルだったと思いますが、こうして笑顔で病院を後にできるくらい頑張ったこと、今もずっと感謝しています。そして、小さな体で頑張ってくれた娘を、これからも夫婦でくぴこを支えていこうと改めて強く決意しました。 ★次週からは退院後のお話をお送りいたします。引き続きお楽しみください! 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年08月25日次女は「口唇口蓋裂」という先天異常で生まれてきました。娘の将来を考えて不安にかられた私を救ってくれたのは、娘自身でした。今回は、そのときの体験をお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂で生まれた娘わが家の長女は、33時間にもおよぶ難産の末に生まれました。一方で、次女の出産にかかった時間は8時間ほど。長女のときと比べるとだいぶラクな出産でした。 生まれてきた次女はすぐに大きな産声を上げましたが、出産に立ち会った先生たちは「あっ」と驚いた顔。「ちょっとお口が……」と言う先生たちの様子を見て、私は不安にかられました。抱っこをした娘の口にはテープが貼られていました。 娘のくちびると歯茎、上あごに隙間が産後、少し落ち着いてから、「あなたの娘さんは口唇口蓋裂です。でも、今はきれいに治りますよ」と医師に言われました。長女の出産時は命に関わる状態だったので、それに比べると不安は少なくもありましたが、どのような状態で生まれてきたのか、娘の口を何度も見て様子を確かめました。 娘のくちびると歯茎、上あごには隙間があったのですが、痛みはないようで安心しました。また、出生体重が3,300g以上だったからか、体つきはしっかりとしていました。 “娘の笑顔”が私を救ってくれた最初は不安が少なかったものの、全身麻酔をして手術を何度も受けねばならないことや歯科矯正が必要なこと、言語や耳に少なからず障害が出てくるということがわかり、娘の将来を考えた私は急に不安にかられました。 そんなときに私を救ってくれたのは、娘の笑顔でした。生まれて3日後に「にこっ」と笑顔を見せてくれたのです。最初は偶然かと思いましたが、何度もにっこり。「心配ないよ。私は大丈夫」と言ってくれているようで、私の不安は吹き飛びました。 娘は現在6歳。これまで2回の手術を無事に終え、元気に成長しています。治療はまだまだ続きますが、あのときの笑顔を思い出すたびに、娘と一緒に乗り越えていこう、そんな気持ちと勇気が湧いてきます。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年08月23日次女は口唇口蓋裂を持って生まれたため、初めて見る人はその口の形にびっくり。私自身も心がズキンと痛むことが多い毎日でした。生後5カ月のときに手術をして、口の形はきれいになりました。今回は、そのときの悩みと工夫についてお伝えします。 初対面はテープでお口を隠されて次女が生まれたときは、先生も助産師さんたちも驚いていました。私がショックを受けないようにするためか、赤ちゃんの口にはテープが。 「お口がちょっと」とだけ言われ、何が何だかわからない状態。「口唇口蓋裂」と聞かされても知り合いにそのような症状を持った人はいなかったため、戸惑いました。恐る恐るお口のテープを取ってみたときは、ちょっと驚きましたが、動物みたいな口をしていてかわいらしいと感じました。 不安が募り、外出を避ける日々お口にずっとテープを貼っているとかぶれないか心配なうえに、授乳にも支障があるため、家の中ではテープを外して過ごしていました。家族も「手術をすれば治るから」と驚くことなく接してくれて、とても助かりました。 ただ、手術を何度も受けねばならない、矯正をし続けねばならないなど、情報を得るたびに不安に。また、外に出ればどう思われるだろうかと悩み、外出を避ける毎日が続きました。 隠さないほうが気持ちもすっきり!毎日、家の中にいるわけにはいかず、お口にテープを貼って近所を散歩することから始めました。知り合いに会うと、ちょっと考えたあとに「かわいい」と何も聞かずに言ってくれて助かりました。 初めて会う人や子どもからは「どうしてお口にテープを貼ってるの?」と聞かれ、最初は「ちょっと……」とはぐらかしていましたが、なんだか気持ちがモヤモヤ。そのうち、「生まれつきお口が割れていて。でもきれいに治りますから」と隠さず言うようにすると、逆に気持ちがすっきりしました。 手術をする前は、赤ちゃんの顔立ちや今後のことについて心配が募りました。けれど、どんどん手術痕はきれいに治っていきました。最初のつらさを乗り越えられてよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年08月19日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 術後5日目の夜、先生からこのように言われました。 鼻を持ち上げ、支えているレティナを縫い付けている糸などを抜糸するのですが、くぴこはまだ小さいので、安全に処置するため全身麻酔を使い、手術室で抜糸手術を受けるとのこと。 口唇裂手術に比べるとすぐに済む簡単な処置ですが、全身麻酔を使うので、体調管理をしっかりしておくように言われました。 術後6日目、抜糸手術。 全身麻酔をするので、いろいろ不安だったけど、初めは少し泣いたものの、あっという間に処置が終わり、すぐにケロッとして、笑顔を見せてくれました。 そして・・・ 抜糸を終え、経過は良好!術後6日目、ようやく退院が決定しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年08月18日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 手術から5日経ったころ、私は娘のある変化に気がつきました。 今まで口唇裂部分で横に広がっていた部分が、縫合してむくみが取れると、顔全体が真ん中に寄って、娘のお顔がシュッと締まって小さくなりました。 唇を使った発音がはっきりわかる!! 離れて開いていた上唇から漏れていた息や発音が、裂部分を塞いだことで、唇を使ったはっきりした発音ができるようになったようです。 このとき初めて娘の口から「ま」という言葉を聞いて、夫婦でとても驚きました! まだ喃語なので、はっきりした単語を言うわけではないですが、今まであやふやだった娘の言葉がはっきりわかるようになり、この口唇裂手術での効果を感じて、すごく感動しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年08月11日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 点滴が抜けたことで自由になり、思いがけない動きによって傷が開いてしまう心配とは別に、術後の娘のことで困っていることがありました。 くぴこの場合、この固定具は病院から用意されたものでしたが、病院によってはご家族で用意するところもあるそうです。 この固定具、赤ちゃんが口元の傷を触らないようにするとても大切なものなのですが、点滴が外れてからというもの、器用に手や体、時には足を使ってうまいこと外してしまうくぴこ。 つけては外し、つけては外しを繰り返すも気づくと外れてしまう。 固定具自体は布製で紐で結ぶように作られているのですが、どんなにしっかり紐を結んでもあの手この手で外してしまい、なかなか付け続けることができませんでした。 すぐに取ってしまうので、医療用の太いテープを買い、着ている服の袖と固定具を締め付けない程度にぐるぐる巻いて固定! くぴこはあまり肌が強くないので、直接テープを貼るのではなく、衣服の上から固定具と袖をくっつけるようにぐるぐるに巻いて、さらに補強するテープを貼って、腕から取れないように固定しました。 固定具をつけている本人は動きづらいのでとても嫌そうでしたが、傷を守るためには仕方ありません。 不格好だけど、傷口を触って傷が開くトラブルを抑えられるので、看護師さんや同じ悩みで困っていたママさんたちにも好評で、その後みんな同じように固定具をぐるぐるとテープで固定し、ちょっとしたブームが訪れました(笑)。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年08月04日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 術後2日目で点滴も抜けて、すっかり元気になってきたくぴこ。しかし、喜んだのも束の間、新たなる問題が生まれました。 点滴が抜けたうえに、1歳間近で伝い歩きが楽しくて仕方ないこの時期。 固い鉄製の柵を伝わって、足もとが不安定なベッドの上を歩き回るので、転んでぶつけたりしそうで、心配……! 狭いベッドにいるよりはいいかなと思い、プレイルームを解禁して本人から目を離さずに注意していたのですが…… なんと自分で持っていたおもちゃの角が傷に当たり、傷が少し開いて血が出てしまいました……! すぐに処置室にて傷口を処置してもらいましたが、些細なことで簡単に傷が開いてしまう……もう一瞬も油断できないなと、深く反省したのでした。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年07月28日私の娘は、口唇口蓋裂という先天異常を持って生まれてきました。今回は、今まで受けてきた治療と就学後の治療についてお伝えしたいと思います。 これまでの治療と現在の治療口唇口蓋裂の治療におけるメインの診療科は形成外科でした。生後5カ月ごろ、唇を閉じ、鼻の形を整える手術を受け、1歳過ぎに口蓋裂を閉じる手術を受けました。それから6歳の現在まで、半年から1年毎に定期的に受診しています。 歯茎の裂があり、上の歯並びが悪いため、4歳ごろから矯正歯科に毎月通っています。また、鼻にかかった話し方のため、耳鼻科での聴覚検査をしたあとに、毎週近所の学校で開催している言葉の教室に通っています。そして、中耳炎になりやすいため、耳鼻科も定期受診しています。 多くの場合、唇再形成の手術が必要娘の場合、口唇裂手術後、最初は唇が少し引きつっている様子でした。手術した部分はピンク色で、痕が少しわかる状態が2歳ごろまで続いていました。けれども、成長とともにきれいな形になってきており、よく見ると多少違いがわかりますが、周りの人からは「まったくわからない」とよく言われます。 多くの場合は、小学校入学前に唇の形を整える手術が必要になるそうです。ただ、娘の場合は幸い、「見た目に問題がないから手術は必要ない」と主治医の先生からお話がありました。 口蓋裂の状態に応じて、骨移植が必要口蓋裂手術は、両脇の皮を縫い合わせておこなわれるため、手術後に上あごに穴が開いてしまう場合があるそうです。そのような場合、その穴を塞ぐ手術が必要になります。 また、娘は歯茎にも裂があり、当初は「小学校中学年くらいに腰の骨を移植する手術が必要になるかもしれない」とのお話でした。ただ、成長とともに歯茎の裂がどんどん狭くなり、今は歯茎の隙間がなくなりました。そのため、手術は必要ないかもしれないと言われています。 娘の場合、口唇口蓋裂ではあるものの、ありがたいことに経過は順調です。今後も主治医の先生と相談しながら、できるだけ娘に負担がかからないよう治療していけたらと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年07月25日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 点滴が抜けず心配は尽きぬまま、術後2日が過ぎました。明け方まで傷口の痛みの影響で熱が出て心配だったけど、2日目の朝からは前日までと違い、すっかり元気になったくぴこ。 唇の違和感からずっとミルクも食事もとってくれなかったことが嘘のように、目に見えて元気になっていくくぴこ。夕方には自分から動き回るまでになり、すっかり元気になりました。 「口から栄養も摂れているので、もう脱水の心配はないと思います」とお医者さんから言われ、やっと点滴が抜けました! 身動きが取りづらかった点滴がようやく抜けて、うれしそう!私も一安心しました。 なにより一番嬉しかったのは…… 術後痛みや熱、度重なる診察にすっかり笑わなくなってしまった娘でしたが、ここに来てニコッと笑ってくれるようになり、ようやく以前の表情豊かな娘に戻ってきてくれたことがなにより嬉しかったです。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年07月21日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 手術翌日の夕方、入院直後の看護師さんや同じ口唇口蓋裂のお子さんのお母さんが口々にこう言っていたことを思い出しました。 縫合した傷口のひきつりや、新しく作ったホッツもなかなか慣れず、病院食はおろか、ミルクを飲む量もすごく減り、口からの栄養がまったくとれない状態でした。 事前に聞いてた先輩ママの話とは違う状況で、少し心配に……。 でも、翌日に点滴は外れなかったけど、前もって周囲のみなさんに「必ず元気になるよ!」と教えてもらったことで、励まされました。 「この子はこの子のペースで、ゆっくり治していこう!」と、改めて思いました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年07月14日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 無事に手術を終え、熱や痛み、喉の分泌液の処置など、なかなか落ち着かない状態のまま迎えた次の日。 朝から休む間もなく処置や診察が始まります。 すっかり病院関係者を見ると怖がるようになってしまい、処置をしている時も大泣き!暴れて私に助けを求める姿を見て、胸が痛みます。 お昼になる前には、泣き疲れて眠ったくぴこ。起きてからもすっかり元気をなくしている娘を見て、なにか気持ちが晴れるようなことができないか考えました。 いつもと同じ遊びをして、少しでも気が紛られるように、おもちゃや絵本などを使って遊びました。 そのうち、ぬいぐるみを使った話しかけなどに反応してくれるようになり、少しだけ表情を見せてくれるようになりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年07月07日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 高度治療室を出たあと、少しでも落ち着いた場所でくぴこと過ごしたいと思い、個室を希望し、移動することになりました。 移動後すぐに病室にて、執刀医の先生による手術した内容の説明を受けました。 分泌液はたんのようなもので、術後はそれが溜まりやすく呼吸しづらい状態になるそうなので、その都度看護師さんを呼んで吸引してもらいます。 創部分をベッドの柵などでぶつけると傷口が開いてしまうので、しっかりと目を離さないように言われました。 先生に言われたように喉の分泌液が頻繁に出たので、その都度看護師さんに吸引してもらったり、熱のせいもあって眠りが浅く、この日くぴこは落ち着いて眠ることはできませんでした。 背中にタオルでくるんだ氷のうを当てて、抱っこして落ち着かせる…というのを繰り返し、くぴこにとっての長い長い1日が終わりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年06月23日私の娘は、先天異常の口唇口蓋裂で生まれてきました。これまで、娘が受けた治療として、2回の手術と歯科矯正通い、耳鼻科通い、言語療法として言葉の学校に通った様子をお伝えしてきました。今回は、口唇口蓋裂の娘を妊娠しているときの様子と、1回目の手術を受けるまでの様子をお話ししたいと思います。 妊娠中の経過は順調 妊婦健診では、医師から特に何も指摘されることはありませんでした。ただ、赤ちゃんによっては、エコー検査で口唇裂を確認できる場合もあるのだそうです。 その後、娘は元気のいい産声をあげて生まれてきたのですが、先生方が「あっ」とびっくりした様子だったことを覚えています。私が「どうしましたか?」と聞くと、「ちょっとお口が……でも大丈夫。元気ですよ」とのことでした。 産後すぐの私にショックを与えないようにするためか、赤ちゃんを最初に見たときには、くちびるに医療用テープが貼られていました。 最初の受診は形成外科 私の場合、上の子の出産のときには命も危なかったため、娘に口唇口蓋裂があるとわかっても「手術で治るから大丈夫」と思い、不安にはなりませんでした。 退院後、産院から専門医を紹介され、総合病院の形成外科を受診することに。その際、治療として手術を何度も受ける必要があり、さまざまな問題が出てくるとわかってから、不安な気持ちになったのでした。形成外科からまず紹介されたのは、矯正歯科。鼻の形を整える部分がついた“ホッツ床”という、口蓋裂の部分にフタをする器具を作ってもらいました。 「ホッツ床」に苦戦する日々 娘の口は動物の口に似ていて、それはそれでかわいらしいと感じました。そのため、ホッツ床が完成するまでの間、家の中では口にテープも貼らず、そのまま過ごしていました。ただ、最初に会う人は驚くので、外出時はテープを貼って出かけ、親しい人には症状を説明しました。 ホッツ床ができてからは、その装着に苦戦。テープで頬に固定する必要があるのですが、授乳のたびに洗う必要があったため、手間がかかるうえに子どもが嫌がり大変でした。 見た目にびっくりされたり、装着に苦労したりしたホッツ床。でもホッツ床のおかげで育児用ミルクもしっかり飲めて、鼻の形成もうまくいきました。今となれば、わが家の良い思い出になっています。次回は、生まれてから6年間、口唇口蓋裂の治療を受けてきた娘の、今後の治療についてお伝えします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年06月19日妊娠初期の切迫流産、妊娠後期の妊娠高血圧症候群など妊娠中のトラブルを乗り越え、ようやく会えたわが子は、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)ということが判明しました。周囲は私の産後のメンタルに気をつかい、さまざまな配慮をしてくれました。でも、そうだとわかりつつも、周囲のちょっとした言動が、私の心にはグサリと刺さりました。 なぜカーテン?出産当日は体を休めるため、私が赤ちゃんに授乳することはありませんでした。そのため、翌日から授乳がスタート。 娘が入院している新生児科の看護師さんと一緒に新生児室へ向かう途中、看護師さんからこんな質問がありました。「以前、口唇口蓋裂の子を持つ親御さんに、他の子と別室にしてほしいと言われてからカーテンを用意するようになったんです。どうされますか?」と。 この質問に、私は不要と答えました。そのときは、どうしてカーテンをする必要があるのかわからなかったのです。母の言葉で質問の意味を知るでも、面会にきていた母の言葉で、私はカーテンの質問の意味を理解しました。母は私に「写真を撮っても人に見せてはだめ」という言葉をかけてきたのです。「興味本位で見たり、心ない差別的な言葉をかける人もいるんだから」と。 たとえそれが、私や娘のことを思って言ったのだとしても、私はその言葉を理解するのに苦しみました。極めつけには「なんで羊水検査しなかったの?」という見当違いな問いかけに、この子を産んではいけなかった、と言われたように感じてしまったのです。 娘に会えてうれしいはずなのに…母の言葉を聞いてから、授乳の時間がとても苦痛になりました。他のお母さんたちは、みんなが同じ場所で並んで授乳。仲良くおしゃべりをしている人もいます。それにも関わらず、私だけ少し離れた場所で、壁に向かって授乳しているのです。 カーテンはないものの、ひとりだけ孤立しているような状態。その状態に、私はひどく寂しい気持ちになってしまいました。 安心できたのは、やっぱり夫のひと言日に日に元気をなくしていく私。それを救ってくれたのは夫でした。「僕とみいちゃんのところなら、安心して生きられると思ったからきてくれたんだよ」。母に言われたひと言がグサリと胸に突き刺さっていた私に、温かい言葉をかけてくれました。 この先、娘は手術や通院以外にもつらい経験をしてしまうかもしれません。でも、私と夫のところなら大丈夫だと思ってくれたんだと、傷ついていた私にはその言葉がとてもうれしくてたまりませんでした。 身内の言葉というのは、自分自身のメンタルにとても大きく影響すると思っています。私の場合、理解者であってほしい実母からの言葉に一番傷ついてしまいました。でも、パートナーである夫がしっかりと支えてくれたため、沈んだ気持ちを持ち直すことができました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:ライター いとう みい夫と娘、猫1匹と暮らすフリーの事務員兼デザイナー。娘は産後に口唇裂が判明。主に妊娠・出産・子育てや趣味のコレクション、ダイエットレシピについて執筆している。
2020年06月17日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 約3時間の手術を終え、ようやく手術室から戻ってきた娘の痛々しい姿に涙が止まりませんでしたが、術後の経過を見るため、そのまま高度治療室へ……。 縫合処置した口元に触れないように説明をうけ、高度治療室で術後の経過を見るため30分ごとに看護師さんによる経過観察が行われます。 しかし、手術で怖い思いをした娘は、看護師さんの顔を見るたびに激しく泣いて、その興奮で熱も下がらず、普段と違う光景と状態に戸惑って暴れてしまい、簡単に落ち着かせることができません。 夫が何かで気が紛れないかと、お気に入りのおもちゃを取り出して歌を流すと音が出てる間だけは泣き止むので、繰り返し音楽を聴かせます。 毎日遊んでいたお気に入りのおもちゃのメロディを流すと、安心したのかようやく眠ってくれました。私たちも少しほっとして「本当によく頑張ったね」と改めて思いました。 その後、興奮も熱も落ち着いたところで高度治療室での観察も終え、16時ごろにようやく病室へ戻ることができました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年06月16日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 手術が始まってから3時間。 本来ならお昼ごはんの時間には戻ってくると聞いていましたが、病棟の方が配膳を返し終わってもなかなか戻ってこないくぴこ。 心配が不安に変わりそうなタイミングで、ナースステーションが突然バタバタとざわめきました。 1人の看護師さんがエレベーターに乗りこみ、手術室のある階へ。 そのあと戻ってきたエレベーターには、朝見かけた黄色の小児用ストレッチャー、そして名札にくぴこの名前が。 術後で血が固まったあとが残る口元の傷跡、たくさん泣いて腫れた目、身体中びっしょりとかいた汗…… 両手には固定具と点滴をつけ、胸には心拍数を確認する器械などが付けられたくぴこが力なくそこに横たわっていました。 一生懸命こちらを見て、まだ麻酔が残る体で腕を伸ばしてきたときに、「頑張ったね」という気持ちと「ごめんね」という気持ちが溢れて、涙が止まりませんでした。 あの時の姿は今でも忘れられません。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年06月09日妊娠初期の切迫流産、妊娠後期の妊娠高血圧症候群など妊娠中のトラブルを乗り越え、ようやく会えたわが子は「両側完全口唇口蓋顎裂(りょうそくかんぜんこうしんこうがいがくれつ)」という障害を持って生まれました。 出産中に知った、娘の「口唇口蓋裂」口唇裂はエコー検査のときに判明することが多いそうです。でも、娘の場合は出産するまで気づくことができませんでした。 私は疾患の判明と同時に主治医が「形成外科の先生がきれいに治してくれるよ」と話してくれていたので、娘を見ても驚くことはありませんでした。しかし、夫はどう思うだろう……。私は、自分と同じく娘が誕生したあとに疾患を知ることになった夫の反応を心配していたのです。 私と同じく、夫も娘が誕生したあとに疾患を知った娘が誕生した日、夫は職場で仕事をしていました。その職場から病院が近かったこともあり、分娩室に入る前に夫に連絡。胎盤が出るころには病院へ到着していました。 しかし、娘の疾患が初めてわかったのは娘が誕生したときだったので、もちろん夫も、娘に口唇裂があるということは知らずにいました。さらに、娘は生まれてすぐに新生児科へ連れていかれていたため、夫が娘に会うことはありませんでした。 娘の疾患について夫は…後産を終えて分娩室を出ると、そこには夫の姿がありました。このとき、夫はすでに主治医から娘が口唇口蓋裂であることを聞かされていたそうです。それでも特に娘の疾患について触れることはなく、笑顔で「お疲れさま」と迎えてくれました。 私が入院した病院は母子別室で、母体を休めることに集中するという配慮もあり、本来なら出産直後の私は翌日の授乳のときまで娘に会うことができません。でも、夫と一緒に会いに行くのならいいとのことだったので、少し休んでから一緒に新生児科へ娘に会いに行きました。 夫の反応に安堵夫と一緒に新生児室へ向かい、私は娘と再対面。夫は初対面です。娘を見た夫の第一声は、「やばい、めっちゃかわいい」でした。娘を見てうれしそうに笑う夫。そんな夫の姿を見て、私はホッ……と胸をなでおろしました。 正直なところ、夫がどのような反応をするのか不安でたまらなかったのです。もし「障害児を受け入れられない」と言われてしまったらどうしよう、と。でも、そんな不安は杞憂に終わりました。 初めての妊娠で、私の産前産後のメンタルはとても不安定でした。そんななか、娘が入院や手術を繰り返さなくてはいけないと知れば、さらに動揺していた可能性もあったと思います。そうならずに済んだのは、夫の言葉の力が大きかったのではないか、と感じています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター いとう みい夫と娘、猫1匹と暮らすフリーの事務員兼デザイナー。娘は産後に口唇裂が判明。主に妊娠・出産・子育てや趣味のコレクション、ダイエットレシピについて執筆している。
2020年06月05日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、初めて口唇口蓋裂の手術をおこないました。 手術前の前夜に同じ口唇口蓋裂をもつ子のおかあさんからこういうアドバイスを聞いていました。 くぴこが初めての口唇口蓋裂手術を受けている間、手術室に向かうときのくぴこの切ない顔が目に浮かんできたり、心配になってしまって、なかなか眠れませんでした。 仮眠をとるのは無理!食事をとることで体力を温存することにしました。 このあと、手術から戻ってきて落ち着くまでは食事をとるのも難しく、口元の違和感で食事がままならないくぴこの前で食べるのも躊躇したので、結果的にこの時しっかり食べておいたことが功を奏しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年06月02日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、3回目の術前検査を乗り越え、ついに入院!手術当日を迎えました。 くぴこを手術室に見送り、夫が待つ家族控え室へ。 生まれてからこの手術の日まで、世間の目を気にしながらの窮屈な生活、検査や処置で受けてきた恐怖、痛み…… それを近くで見ていても、わが子が泣いて怖がるのを近くで見守ることしかできず、 代わってやることもできない。 ここにきてようやく手術となったけど、手術室へと向かっていったくぴこの不安な顔があまりに切なくて、 「口唇口蓋裂じゃなかったらこんな思いせずにすんだのに」 「口唇口蓋裂で産んで本当にごめんね」 と、ただただ申し訳ない気持ちで涙が止まりませんでした。 ボロボロと泣く私に、夫は冷静にこう言いました。 取り乱す私に、ごくシンプルに。 「今やるべきことをやる」 それが大事だと。 悲嘆にくれても、なにひとつ前に進まない。 できないことを嘆くより、今できることを全力でやる。 感情に流されて、私まで不安になってしまいましたが、夫の冷静な言葉のおかげで気を取り直すことができました。 「手術に臨んでいる娘が戻ってきたときに、しっかり支えてあげられるように備えよう!」そう気持ちを切り替えて、気合を入れ直しました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年05月26日私の子どもは、先天異常の口唇口蓋裂を持って生まれてきました。口唇口蓋裂は、治療として数回手術を受ける必要があります。口唇口蓋裂の治療の第一関門である口唇を閉じる手術を、わが子は生後5カ月目のときに受けました。小さかったのでとても心配だったことをよく覚えています。今回は、その当時の様子などについてお伝えしたいと思います。 口唇口蓋裂の1回目の手術を受ける前わが子は、体重6kgを目安に1回目の手術をおこなうことが決まっていました。日程が決まったら、先生に意見書を書いてもらって市役所に申請をおこなうことで、私が住んでいる市では手術費等は無料になりました。 術前には検査日が設けられていて、先生の診察を受けたり、看護師さんから入院について説明を受けたりと、落ち着かない日々。入院は手術の前日からで、その病院は付き添い不可だったため、わが子を看護師さんに任せて自宅に戻りました。 口唇口蓋裂の1回目の手術、無事に終了手術当日の朝は、本当にドキドキしました。けれども親の心配とは裏腹に、まだ小さいわが子は目新しい場所に興味津々です。やさしい看護師さんに連れられ、泣くことなく手術室の入口で別れました。 上の子を遊ばせながら待つこと約2時間。看護師さんに呼ばれていくと、目を覚ましたばかりのわが子。口にはガーゼなどが貼られていて痛々しい様子でしたが、目を覚ましていたため、ひとまずホッとしました。 口唇口蓋裂の手術後の様子 手術後、麻酔の影響か、娘はしばらくボーっとしていましたが、痛そうな感じではなく安心しました。顔を触らないよう腕が固定されましたが翌日には外され、鼻腔形成のため、鼻にレティナという装具を着けました。 入院中、夜は親と離れましたが夜泣きなどはなかったようです。日中は病棟内のキッズスペースで遊んだりすることができて、穏やかに過ごすことができした。ちなみに感染症予防のため、小学生以下のきょうだいは面会不可で、ガラス越しに会わせました。 今回は、口唇口蓋裂の1回目の手術についてお伝えしました。次回は、口蓋裂を閉じた2回目の手術についてお伝えします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。
2020年05月21日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、3回目の術前検査を乗り越え、ついに入院!手術当日を迎えました。 入院から2日後、体調不良になってしまわないかとヒヤヒヤしながら過ごしていましたが、なんとか乗り越えいよいよ迎えた手術当日となりました。 とうとう手術の時間になりました。 昨夜、病院から渡されていた手術着に着替えさせて、看護師さんの案内のもと、手術室へと向かいます。 私や周りの張り詰めた緊張が伝わったのか、手術室へ向かうエレベーターの中で、私の服をぎゅっと掴んだくぴこ……。 今から自分に何かが起こりそうな不安を感じ取っているのか、顔をこわばらせていました。 私が同行できるのは手術室の扉の前まで。 そのとき…… 口唇口蓋裂の娘は、おしゃべりをよくしましたが、口唇裂が深いので言葉をはっきりと発することができませんでした。 ですが、今回初めて、今までのどの言葉よりもハッキリと「ママ」と呼ばれ、その切ない声に胸が張り裂けそうになりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年05月19日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、3回目の術前検査を乗り越え、ついに入院!手術当日を迎えました。 口唇口蓋裂の手術のため、0時を最後に絶食となったくぴこ。 いつ空腹で機嫌を損ね、ストレスで体調不良を引き起こすか心配なまま、なんとか夜が明け、手術当日を迎えました。 いつ空腹に気付くか、こちらがヒヤヒヤしていましたが、幸いにも朝からくぴこは機嫌がよく、調子も良さそうな様子。 朝の検温と術前最後の診察でも問題ないと言ってもらい、一安心しながら病室へと戻ると…… 入院しても手術ギリギリまでどうなるか不安で、手術に対して現実味がイマイチもてないままでしたが、ここにきて一気に現実を帯びて「いよいよか……!」と緊張が走りました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年05月12日口唇口蓋裂の長女くぴこを育てています。くぴこが生後11カ月のとき、3回目の術前検査を乗り越え、とうとう入院することになりました。 入院して2日目、とうとう明日は口唇口蓋裂の手術。 術後のために慣れるように指示されていた経口補水液を一回も飲んでもらえないまま、とうとう最後のミルクの時間が迫ってきました。 タイムリミットは午前0時まで。これを過ぎたら、あとは経口補水液しか飲めません。 手術は朝1番の時間。 もしこのミルクを飲み損ねた場合、考えうるのが空腹にギャン泣きして機嫌を損ね、それがキッカケで熱を出して体調を悪くしてしまうかもしれない……! 目を覚ましたとはいえ、まだまどろんでいる状態の娘をここで覚醒させてしまったら、起きっぱなしになって体調が悪くなるかもしれない……! 言いようのないプレッシャーが私の肩にずしりとのしかかります。 「とにかくミルクを飲んで満腹にさせよう…!!!」 と集中しました。 しかし 夜23時半のミルクタイムは、娘もほとんど寝ぼけて飲んでいたので仕方ありませんが、思い虚しくほとんど残った状態でタイムリミットを迎えてしまい、手術前日最後のミルクは終了。 最悪の予想がよぎり、このまま手術まで持つのか不安な思いで夜を過ごすことになりました。 2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:イラストレーター じぇにこ1986年生まれ愛知県在住。 2013年生まれの長女と2017年生まれの次女、二児の母。デザイン学校卒業後、社会人経験を経てお絵かき主婦へ。 口唇口蓋裂や夫婦のこと、日々の育児で翻弄される様子を絵日記ブログで公開中!
2020年05月05日