トレンダーズは11月4日、吉田正樹事務所と動画事業における業務提携に至ったことを発表した。これにより同社は、動画マーケティングの事業領域を拡大したい考えだ。吉田正樹事務所とは、フジテレビ「夢で逢えたら」「笑う犬の生活 - YARANEVA!」など、数々のヒット番組を企画制作してきた吉田正樹氏が2009年1月に設立。TVも分かるクリエイティブカンパニーとして、Webを中心としたプロデュースや映像制作、インバウンドに強いYouTuberやタレントマネジメントを手がける。トレンダーズによると、企業のプロモーション・PRにおける動画の活用が注目を集め、動画制作ニーズが高まる一方で、制作した動画の視聴回数が伸び悩み、想定していた効果が得られないという課題を抱える企業も増加したほか、スマートデバイスとSNSの急激な普及により、動画を活用したプロモーションはSNS拡散が成否を決めるといっても過言ではいという。このような現状を踏まえ、同社は、企業のプロモーション動画の企画・制作において豊富な実績を誇る吉田正樹事務所と業務提携することで、SNSでより効果的に拡散される動画の企画・制作からPRまでをワンストップで請け負うことが可能に。今後、ユーザーアクションに加え、ユーザーインサイトの分析をさらに強化し、吉田正樹事務所の企画力を掛け合わせ、ターゲットユーザーへのリーチや拡散、共感を呼ぶ動画の制作を目指す。
2015年11月05日韓国で開催中の第20回釜山国際映画祭で、現地時間4日夕、人気イベントである“オープントーク”に『海街diary』の是枝裕和監督と長澤まさみが登場し、観客との交流を楽しんだ。四姉妹の物語である『海街diary』では恋愛に奔放な次女・佳乃を演じた長澤さん。肩を見せたセクシーなドレスで登場すると、「まさみ、きれい!」という日本語の歓声が飛んだ。「『涙そうそう』など青春映画のイメージがずっと強かったのですが、今回は大人の演技を見せてくれましたね」という司会者の言葉に長澤さんは、「私も28歳になったので、自然な流れなんだと思います」と答えた。是枝監督は、長澤さんを次女役に起用したことについて、「長澤さんは太陽のように明るい。陰と陽で言えば、陽。長女は陰で、看護婦であり、死のイメージがありますが、長澤さんにはエロス=生を担ってほしいと話しました」と語った。是枝監督は2年前に同じ海辺のステージで福山雅治ともトークを行っているため、司会者から「『そして父になる』で父親を演じたことがきっかけで、福山さんは結婚を決意したのでは?」という質問が飛び出た。これに是枝監督は「その話しは本人に聞いていないのでわかりません。ゆっくり聞いてみたいです」と答え、「ファンの方にうらまれちゃいますね」と笑った。また、監督は「死ぬ前に何を考えると思いますか?」との質問されると、「やっぱり、もっと映画が撮りたい、と思うんじゃないでしょうか」と映画にかける情熱を語った。釜山国際映画祭は10日まで開催され、このあとも、佐藤健、河瀬直美監督らの釜山入りが予定されている。(photo / text:Ayako Ishizu)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年10月06日是枝裕和監督のもと、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずという、いまを咲き誇る女優たちが集った『海街diary』が今冬2015年12月16日(水)にBlu-ray&DVDでの発売が決定。「本当に幸せな撮影でした」と当時を述懐する、是枝監督のコメントも解禁になった。海の見える鎌倉の街を舞台に、四姉妹が絆を紡いでいく、深く心に響く家族の物語。是枝監督は、「『海街diary』は、本当に幸せな撮影でした。それは4人がみな可愛かったとか、アンサンブルがとても上手くいったので(自画自賛)いつまでも姉妹のお芝居を見ていたいと思ったことももちろんですが、たぶんそれだけではありません。やはり、なんか、特別な瞬間が映ってるんですよ。僕らの意図とか技術を越えて。ちょっと悔しいけど。いつまでも撮っていたいと思いながら、その一方で、すべての瞬間が『もう2度と撮れない』ものであることも僕は理解していました。そう、人生のように」と撮影当時のことを述懐。また、「そういう特別な瞬間に立ち会えたことへの感謝にも似た感覚です、僕が感じていたのは」と心境についても説明した上で、「そして、それはきっと、亡くなってもうあの街にはいない4人の父が、一緒に過ごすことのできなかった娘たちをみつめる眼線なのだと、そう気付いたのは4姉妹の海辺の散歩を撮影しているときでした」と、父親でもある自身とオーバーラップして4姉妹を見守っていたかのような気持ちになっていたことも明かした。最後に、「撮影のことをシュート(撃つ)と言いますが、今回のそれはむしろ“慈しむ”とか“愛おしむ”という言葉がふさわしいような気がします。そんな幸せな時間のあふれた『海街diary』。是非お手元におひとつ置いてください」と熱く語る是枝監督。“四姉妹”の秘蔵映像が満載の150分超の映像特典とともに、この冬、珠玉の感動作を見届けてみて。<『海街diary』リリース情報>発売日:12月16日(水)※レンタル同時価格:Blu-ray:スペシャルエディション ¥7,000(本体)+税Blu-ray:スタンダードエディション ¥4,800(本体)+税DVD:スペシャルエディション ¥6,000(本体)+税DVD:スタンダードエディション ¥3,800(本体)+税発売元:フジテレビジョン販売元:ポニーキャニオン(C) 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年10月01日綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが姉妹を演じる、是枝裕和監督の『海街diary』。この度、スペインで開催された第63回サンセバスチャン国際映画祭にて観客賞を受賞したことが分かった。鎌倉で暮らす幸、佳乃、千佳の三姉妹は、15年前、家を出ていったきりの父の葬儀で、初めて異母妹のすずと出会う。身寄りのなくなった彼女が葬儀の場で毅然とふるまう姿に、幸は別れ際、とっさに「いっしょに暮らさない?4人で」と口にする。こうして、鎌倉での四姉妹の生活が始まった――。今回、世界の映画祭で評価をされた作品などでスペイン未公開作を上映するパールズ部門出品の13本に選ばれていた本作。本年度カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『黒衣の刺客』などもエントリーされていたが、10点満点中平均8.53点と最高点を記録した『海街diary』が見事受賞した。会場では、公式上映後も帰らない観客たちが劇場入口で拍手喝采で是枝監督を取り囲み大盛り上がり。過去には『奇跡』(’11)では脚本賞、『そして父になる』(’13)では観客賞を受賞している是枝監督。受賞を受けて監督は、「上映後に劇場から出てきたお客さんの表情がとても穏やかで、晴れやかだったので、それだけでも沢山幸せを頂いたと思っていたのですが、観客賞を受賞したと聞き、本当に嬉しいです。『そして父になる』に続いて2作連続の受賞というのも誇らしい限り。愛されてるなあ、としみじみ感じています」と喜びのコメントを寄せた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年09月28日女優の広瀬すずが主演を務める映画『ちはやふる』(「上の句」2016年3月/「下の句」4月2部作連続公開)のチラシ第1弾となるビジュアルが公開された。同チラシは、19日より全国の劇場にて掲出される。原作は、漫画家・末次由紀氏が漫画誌『BE・LOVE』(講談社)で連載中の同名漫画。2010年に「このマンガがすごい! オンナ編」第1位を獲得し、累計発行部数は1,300万部(2015年9月時点。既刊28巻)を超えるヒットを記録している。"畳の上の格闘技"とも呼ばれる「競技かるた」に懸ける高校生たちの友情・恋愛・成長を描く。このたび公開されたチラシは、広瀬演じる主人公・綾瀬千早の表情のアップと、千早が百人一首の中で最も大切にしている句「ちはやふる」の札を配したデザイン。原作者の末次氏が、撮影現場で広瀬を見て「千早がいる」と感激したことをきっかけに、"原作のイメージと広瀬すずが演じる千早の魅力を最も表現できるビジュアル"を考えた結果、原作2巻の表紙を踏襲することになった。「ちはやふる」は、千早にとって競技かるたの世界に出会った時の思い出の句。チラシでは、この句の札を持たせることで、原作へのオマージュを感じさせつつ、千早の競技かるたへの熱い思いを強調している。広瀬は、「こうして『千早』として撮って頂けて本当に光栄です。完全実写化という難しさも実感しましたが、出来上がったビジュアルを見て夢が叶った感じです」と感慨深げ。チラシの撮影時には、「ワンカット目からスタッフさんの間で『おおー!』という声が上がったことについ反応してしまいました」「『千早』なんだなって、改めて実感させてもらえた撮影でとても幸せでした」とうれしそうに語った。このところ、吉田秋生氏原作の『海街diary』(2015年)、新川直司氏原作の『四月は君の嘘』(2016年)と漫画実写化作品の出演が続いている広瀬だが、映画で主演を務めるのは本作が初。広瀬のほか、真島太一役は野村周平が、綿谷新役は松剣佑が務め、『タイヨウのうた』(2006年)や『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013年)など青春映画を多く手がけてきた小泉徳宏監督がメガホンを取る。(C)2016映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社
2015年09月16日女優の吉田羊と木村佳乃が、黒木瞳の映画初監督作『嫌な女』(2016年公開)で、W主演を務めることが17日、明らかになった。吉田の映画主演は、本作が初となる。本作は、作家・桂望実氏の同名小説(光文社)を原作に、来年のNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』を担当する西田征史氏が脚本を務める作品。人と打ち解けられないことから友だちができず孤独で真面目一徹な弁護士・石田徹子役を吉田、派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子役を木村が演じる。境遇や立場が正反対の2人を通して、女性の強さや友情をコミカルで感動的な人間ドラマとして描き出す。昨年7月期に放送されたドラマ『HERO』(フジテレビ系)で一気に知名度を上げた吉田。以来、ドラマや映画のオファーが殺到しているが、本作は「共演すらまだない大先輩黒木瞳さんの初監督作品、しかも主演でというお話を頂いた時は自分の耳を疑いました」と本人にとっても予想外の抜てきだった。「かつてない大役の重責に武者震いする一方で、瞳監督のこの作品に掛ける並々ならぬ情熱に身体を底から突き上げられ、女優が女優を撮る面白さをぜひ見たいとも思いました。脚本と登場人物がうなるほど魅力的で、これは何としても最高の作品にしたいという思いです」と気合をみなぎらせ、「共演者・スタッフの皆さまの胸を借りながら、丸裸で、瞳監督の情熱にぶつかっていきたいと思います」と意気込む。一方の木村も、「黒木瞳さんが映画の監督をされると聞いて、大変驚きました」と心境を伝え、「内容を知らない内から、ぜひやらせていただきたいと心躍っていました」と撮影を心待ちにしていた様子。「台本を頂いた後瞳さんにお会いして、監督のこの作品への強い想いを感じました。これから 大先輩の前で丸裸になるのかと思うと身が引き締まる思いと共に、いまだかつてない緊張を感じております。とてもとても熱い夏になりそうです」と女優としての喜びを噛みしめている。2人の魅力について、黒木監督は「自分の殻にとどまらず、何かをみつけたい、何かを試したい、何かを成し遂げたいというエネルギーに満ちあふれた女優だと思っています」と説明。その印象は撮影がスタートしてからも「徹子を演じる羊ちゃんからは、忍耐力と理性とふところの深さを感じます」「夏子を演じる佳乃ちゃんからは、順応性と探究心、そして自由自在の瞬発力を感じます」と変わらなかったが、「お二人は、同じ画面の中に存在していても、まったく違う色の光を発します。そのふたつの光が交わったときは圧倒されます。私の言葉に耳を傾け芝居に入る徹子と夏子、スクリーンの中で、この夏の太陽より輝いている吉田羊さんと木村佳乃さんの『嫌な女』を、ご期待ください」と撮影前の予感は手応え、そして確信へと変わった。東映東京撮影所のほか、関東近郊でロケ。8月末にクランクアップ予定で、今秋の初号を予定している。
2015年08月18日女優の黒木瞳が監督に初挑戦し、桂望実のベストセラー小説を実写映画化する『嫌な女』。この度、女優の吉田羊、木村佳乃がW主演を務めることが決定。吉田さんにおいては本作が映画初主演作となることが分かった。石田徹子はストレートで司法試験を合格し、弁護士となった才媛。28歳で結婚をし、人も羨む幸せな人生…の筈が、仕事も結婚生活も上手くいかず、心に空白と孤独を抱えた日々を過ごしていた。そんなある日、婚約破棄で慰謝料を請求されたという女性が徹子の元に訪れる。女性の名は小谷夏子。徹子の同い年の従妹だった。夏子は初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまい、男をその気にさせる天才。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。徹子は子どものころから自分と正反対の夏子が大嫌いだった。しばらくぶりで再会した二人だったが、この日以来、徹子は生来の詐欺師の夏子に振り回され、トラブルが起こるたびに解決に引っ張りだされることになり…。原作は、境遇も立場も違う対照的な2人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動を呼ぶ傑作としてベストセラーとなった桂望実の「嫌な女」(光文社文庫刊)。日本を代表する女優の黒木さんが初めて映画監督を務め、女性の強さと友情をコミカルに、高らかに謳いあげた感動の人間ドラマを作り出した。主演には、実力派女優2人がキャスティング。人と打ち解けられず友達もいないまじめ一徹の弁護士・石田徹子役には、『ビリギャル』『HERO』と大ヒット作に立て続けて出演し、『心が叫びたがってるんだ。』ではアニメ声優初挑戦するなど活躍の幅を広げている吉田さん。派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子役は、『ホットロード』で主人公の母親を熱演、『星ガ丘ワンダーランド』でも母親役での出演を控える木村佳乃が演じる。主演の2人と黒木監督からコメントが届いた。■吉田羊共演すらまだない大先輩黒木瞳さんの初監督作品、しかも主演でというお話を頂いたときは自分の耳を疑いました。かつてない大役の重責に武者震いする一方で、瞳監督のこの作品に掛ける並々ならぬ情熱に身体を底から突き上げられ、女優が女優を撮る面白さを是非見たいとも思いました。脚本と登場人物が唸るほど魅力的で、これは何としても最高の作品にしたいという思いです。共演者・スタッフの皆様の胸を借りながら、丸裸で、瞳監督の情熱にぶつかっていきたいと思います。■木村佳乃黒木瞳さんが映画の監督をされると聞いて、大変驚きました。内容を知らない内から、是非やらせていただきたいと心踊っていました。台本を頂いた後瞳さんにお会いして、監督のこの作品への強い想いを感じました。これから 大先輩の前で丸裸になるのかと思うと身が引き締まる思いと共に、未だかつてない緊張を感じております。とてもとても熱い夏になりそうです。■監督・黒木瞳吉田羊さんと木村佳乃さんは、自分の殻にとどまらず、何かをみつけたい、何かを試したい、何かを成し遂げたいというエネルギーに満ち溢れた女優だと思っています。お二人からは、「なんか、面白そう」という感想とともにふたつ返事でご出演を快諾していただきました。この、なんか面白そう、という大胆なお気持ちが、私はすごいなと思いました。いま、撮影が始まり、お二人まったく違うキャラを演じていただいています。徹子を演じる羊ちゃんからは、忍耐力と理性とふところの深さを感じます。これは、徹子を演じる上でも不可欠ではありますが、役柄なのかご本人なのか、私でさえ見間違うほど、虚実皮膜の間を自由に行き来する才能に惚れ惚れしてしまいます。夏子を演じる佳乃ちゃんからは、順応性と探究心、そして自由自在の瞬発力を感じます。画面の中から飛び出してくるんじゃないかという演技力には、ドキッとしてしまいます。ハンパない感受性に、私は、ついニタニタしてしまいます。お二人は、同じ画面の中に存在していても、まったく違う色の光を発します。そのふたつの光が交わったときは圧倒されます。私の言葉に耳を傾け芝居に入る徹子と夏子、スクリーンの中で、この夏の太陽より輝いている吉田羊さんと木村佳乃さんの「嫌な女」を、ご期待ください。『嫌な女』は2016年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月18日主人公である男性たちを尻目に、書き手も読み手もほぼ女性という“BL(ボーイズラブ)”。レーベル数は100以上とも言われ、大きな市場規模に成長しています。ただ、いち早く電子書籍分野で頭角を表していることから、ひっそりと楽しまれているんだろうな、という印象も。BL好きの女性=腐女子は、彼氏や旦那さんにカミングアウトしているのか?また、自身の恋愛に影響はあるのか?筆者の身近な腐女子たちにインタビューしてみました!【1】BLはファンタジー◆裕美香さん(37歳・プログラマー)――BLにハマったきっかけは?「高校生の頃、漫画好きの友達と一緒に行ったコミケです。自宅が会場から近かったので、早朝から並びたいから家に泊めて欲しいと言われて。せっかくなので何となくついて行ったんです」――いきなりコミケに入り込めたんですか?「もともと漫画好きで、『風と木の詩』(竹宮惠子)なんかも読んでたから、男同士の設定に抵抗はなかったんです。大学生の頃、いったん中断したのですが、社会人になってからまた腐り始めました。仕事のストレスのせいかな(笑)」――ストレス解消になるんですか?「現実逃避にぴったりですね。私にとってBLはファンタジーなので」――ファンタジー…ということは、自分の恋愛とは切り離して考えてる?「それはそうですよ!男同士の恋物語に自分が入り込む余地なんてないですから。自分の恋愛とは無関係でいられるのが、BLの良さでもありますね」――彼氏にはカミングアウトするんですか?「漫画が好きとは言ったけど、BL好きだって改めて話すことはないですね。ただの趣味だし。ただ、自宅に呼んだときも普通に本棚に並べているので、BL好きだってことは知ってると思いますよ」【2】BL趣味はさらっと話すのが◎◆杏子さん(31歳・事務)――BLにハマったきっかけは?「少年漫画が好きで、二次創作ものを読んだのが最初です。萌えました(笑)」――好きなキャラクターの相手は女性でなく男性がいいのですか?「男同志のほうが、嫉妬とか余計な感情が入り込まないので、読むならやっぱりBL設定がいいですね」――彼にはどう話してますか?「今の彼は、私が腐女子だと知ってむしろ安心したみたいです。彼もオタク趣味があるので、お互い様ですね(笑)。過去には必死で隠してたこともありますが、あれは疲れます。早いうちに、さらっと話してしまったほうがラクですよ」――自分の恋愛に影響はないんですか?「漫画の中の男性と生身の男性は別物って考えているので、基本的にはないですね。美男子趣味もないです。あえてBLでうらやましく思う点を挙げるなら、“障害のある恋愛”でしょうか。障害があるほど燃えますから」――生身の男性は別物ってことは、映画化される『宇田川町で待っててよ。』なんかも興味はない?「うーん…ストーリーより俳優さんに目が行っちゃいそう。やっぱりBLは二次元のほうがいいですね」【3】面倒な男女の恋愛からの現実逃避◆えりさん(28歳・販売)――BLにハマったきっかけは?「好きな作家さんがたまたまBLを書いていて読んだのが最初です。でも昔から素地はあったと思います。『BANANA FISH』(吉田秋生)でキュンとしましたし」――漫画全般が好きとのことですが、男女ものにはないBLの魅力って?「BLなら何でも好きってわけじゃないですよ(笑)。あれ?という間にエッチしてしまうような、男性向けAVみたいな漫画には興味ありません。かたや、ストーリーがしっかり書き込まれたBLはなんというか、純愛なんですよね」――男女の恋愛は純愛じゃないと…「そう言うと身もふたもないけど、でも、そういう一面ってありますよね。アラサ―ともなれば恋愛の先に結婚も考えるようになって、経済力とか家のことをやってくれるかとか、恋愛感情以外の不純物が入ってくるので」――そういうこと(「BL好き」「恋愛感情以外の不純物」)って彼に話すんですか?「BL好きについては話しましたね。家に来たときに『漫画多いね』って言われたので、『うん、BL』ってさらりとカミングアウト。『ふーん、好きなんだ』で終わりでした。恋愛感情以外の不純物(笑)についてはストレートには言いにくいですよ、さすがに。だからBL読んで忘れる、と」みなさんに挙げていただいたBLの魅力をまとめると、自分とは無関係な世界だからこそ“ストーリーに没頭”でき、何かと煩わしさのある男女の恋愛から一時“現実逃避”ができる…といったところでしょうか。BLを食わず嫌いしている人は、現実の恋愛に疲れたときなど、魅惑の世界をちょっと覗いてみてもいいかも!?(文=橘いつき)本格姓名判断でわかる隠された裏恋愛気質【無料占い】
2015年07月22日3D昆虫ドキュメンタリー映画『アリのままでいたい』が7月11日(土)に公開を迎え、ナレーション、ボイスキャストを務めたDAIGOと吉田羊、撮影監督の栗林慧、鴨下潔監督が舞台挨拶に登壇した。この日、客席には多くの子供たちの姿も見られたが、初日に劇場に足を運んだ観客の中から100名に、昆虫好きで知られる哀川翔から、生きているカブトムシのつがいがプレゼントされるというスペシャルサービスを実施!これは哀川さん自身が飼育したカブトムシで、こうした映画のイベントで観客に生物がプレゼントされるのは初めてのこととなる。舞台挨拶では、吉田さんが開口一番「“YSDY”吉田羊です」とDAIGOさんのお株を奪う“DAI語”を炸裂させる。負けじとDAIGOさんも、今回のオファーが届いた時の心境について「わかりやすく言うと“TK”って感じでしたね」と語るが、これを司会者は「そうですか。次に吉田さんは…」と華麗にスルー!DAIGOさんは慌てて「そこスルーされちゃうと…!」と抗議し、改めて「TK」について「ついに来たかってことです」と説明するが、この微妙なやりとりに吉田さんが「喋りづらいなぁ…」とポツリと漏らし、会場は爆笑に包まれた。撮影監督の栗林さんは本作の撮影の苦労について「世界初の昆虫3Dということで、(適した)カメラがなかった。風景や人物を撮る3Dカメラはあっても、小さな昆虫を撮れるものがなく、世界中を探して医療用の内視鏡の3Dレンズに行き着きました。レンズが固定されているのでピントを合わせることができず、大変でした。カマキリなどの大きな昆虫を撮るには、苦心してカメラそのものを作りました」と明かした。鴨下監督も「昆虫には演出できないので、ワンチャンスを撮り逃さないようにした」と苦労に満ちた撮影を振り返っていた。最後の写真撮影は、DAIGOさんも吉田さんも、哀川さんに贈られた本物のカブトムシを手に行われた。「小学生の頃、桜の木に毛虫が大量発生し、30センチ四方の箱に毛虫を詰めて母にプレゼントしてこっぴどく叱られた」という“武勇伝”を持つ吉田さんも、一切、怖がることなくカブトムシを触っていたが、DAIGOさんのカブトムシが突然、飛び立つというハプニングが!さらに吉田さんのカブトムシも飛んで壁に張り付いてしまい、思わぬ事態に会場は笑いや子供たちの歓声に包まれた。『アリのままでいたい』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年07月11日映画パーソナリティーとして活躍中の伊藤さとりが、オトナ女子ならではの目線で恋に効くオススメ映画を紹介!記者会見や舞台挨拶の裏話もあるかも!?隔週金曜日更新-->繰り返される恋愛パターンの意外な影響~『海街diary』『そして父になる』でカンヌ映画祭審査員特別賞も受賞した、是枝裕和監督の最新作『海街diary』。優しい気持ちに溢れ、心の棘が抜ける、そんな感覚を味わえる美しい映画です。この作品は四姉妹それぞれの恋愛、そして様々な人たちと心を通わせる姿を描いた物語。ひとつのテーマに絞って語るにはもったいないけど、今回は、長女、次女、三女の3人の恋から、誰もが実は影響されているある事実を話したいと思います。舞台は鎌倉。幼い頃に、父が女を作って出て行き、母も再婚を機に家を去って以来、残された古い一軒家で暮らしてきた三姉妹。父は三度目の結婚後に病で亡くなり、その葬式に参列した姉妹は、二度目の妻との間にもうけたという中学生の娘と出会う。正義感が強く、頑固で、妹たちに母親のように接する長女(綾瀬はるか)は、この腹違いの妹、すず(広瀬すず)を引き取ることを決める。奔放で、男とお酒に弱い次女(長澤まさみ)、ちょっと変わった趣味のマイペースな三女(夏帆)。四姉妹それぞれの恋や人生の選択と共に、父への想い、母への想いが溢れ出していく―――。それでは姉妹の恋について、1人ずつ見ていきましょう。長女は、長い不倫関係を続けている。事情があり、男性は単身で暮らしているので、まるで誰にも言えない内縁の妻のよう。次女は、いつも甘え上手な男とばかり付き合い、相手を甘やかし、お金を貸してあげるというパターンの恋愛を繰り返している。三女は、歳の離れた優しそうな勤め先の店長と恋人関係。…と、同じ環境で育った姉妹でも、ここまで異性の趣味が異なるのにはワケがあります。まず、心理学では、子供は5歳までに関わった大人や育った環境により、性格のベースが形成されると、言われています。特に異性との相性や順応性には、両親の影響がとても強く現れるそう。長女は、幼い時に両親がもめている姿を見せつけられて甘えることも出来ず、幼いながらもしっかりしなければ、と思って今まで生きてきました。そのため彼女は、甘えん坊で責任能力が低く、打たれ弱い母をどこかで見下しているよう。だから父みたいに優しく、唯一、自分の話を聞いてくれるゆとりのある年上男性にほだされたのかも。ただ、自分自身も、父が犯した罪である「不倫」をしているのは、彼女の潜在意識のどこかに、両親が続けられなかった結婚への恐れがあるのかもしれず。次女は、両親の姿を長女よりもっと客観的に見ていました。両親のどちらに対しても否定的な感情を持たない彼女は、二人のようにはなりたくないと思いながらも、父親が自分に愛情を注ぐ事も無く去ってしまったため、どうすれば異性に愛されるのかがわからない。心のどこかで「父に捨てられた」という思いが、自分の女としての自信のなさに繋がっているのかも。それで、甘い言葉を囁く男性に対して、純粋に愛されていると信じ込み、彼の繋ぎ止め方がわからないから、お金を貸すことも愛情の一貫と思ってしまう。三女は当時、幼なすぎ、家を出て行った父との記憶はない。ただ、姉との会話の節々から父への好奇心や憧れを抱くようになった。彼女が歳の離れた穏やかな男性を選んだのは、どこかで父性を求めているから?そんな風に考えてみると、初めて接した異性=父親の影響は、とても大事。まだひとり立ち出来ない幼い子供の場合、本能が生きていく為に身近な大人に順応して成長させようとするものなんです。長女は、父親に似ているかもしれない不倫相手を愛することは出来るものの 、それが幸せか?と言われるとそうとも思えません。次女は次女で、恋人が父のように去って行ったら…という恐れから“貢ぐ女”と化し、やはり幸せとは言えない恋をしている。こういった状況を見ると、幼い頃の異性の親との関係が恋愛に大きな影響を与えているのは事実…。結局、大切なのはその相手と付き合っている自分が、心から幸せだと思えるか?それだけ。そこを気にかけて映画を観ると、ラスト、彼女たちが下した決断を、あなた自身の幸せ探しに役立てられるかも知れません。あらすじ:まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。十五年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。三姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には、彼女たちだけが残った。両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸と、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃、マイぺースな三女の千佳。三人は父の葬儀で、腹違いの妹すずと出会う。頼るべき母も既に亡くし、それでも気丈に振る舞う、まだ中学生のすず。そんな彼女の涙を見て、幸は、別れ際に「いっしょに暮さない?」と誘う。そして、秋風とともに、すずが鎌倉へやって来る。四人で始める新しい生活。それぞれの複雑な想いが浮かび上がる――。6月13日(土)全国東宝系公開監督・脚本:是枝裕和原作:吉田秋生「海街diary」(小学館「月刊フラワーズ」連載)音楽:菅野よう子撮影:瀧本幹也出演:綾瀬はるか長澤まさみ夏帆広瀬すず他『海街diary』()(C) 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ伊藤さとり:映画パーソナリティー、心理テストカウンセラー。様々な映画イベントや記者会見のMCを努める映画司会者&映画コメンテーター。年間400本以上の映画を観る。TSUTAYAの店内放送で新作DVD紹介のDJ、Gyao!&ぴあ映画生活&Youtube動画「伊藤さとりと映画な仲間たち」では、監督、俳優、プロデューサー、脚本家らと対談し、映画紹介を行う。Amebaブログ:さとりのひとりゴト あの映画のウラ・オモテTwitter:伊藤さとり@SATORIITO
2015年07月03日映画『海街diary』の是枝裕和監督と、メインキャストの一人で4姉妹の三女・千佳を演じた夏帆が6月27日(土)、上映後のトークイベントに出席。映画を見たばかりの観客からの質問に答えた。吉田秋生の人気漫画の実写化で、鎌倉に暮らす3姉妹の元に腹違いの妹がやってきて、一緒に暮らし始めての1年を描いており、実際に1年にわたり、鎌倉の民家で撮影が行われた。映画公開後の、出演者と是枝監督によるトークイベントは、リリー・フランキー、樹木希林を迎えての回に続きこれが3回目となる。撮影に使われた民家は北鎌倉駅近くにあり、実際に人が住んでいる家。是枝監督曰く「原作を読んで、家がすごく大事だと思った。スタッフが必死に探してくれました。最初は正面の絵だけ、撮らせてくれるようにお願いして、それから『素敵な玄関ですねぇ…』と(笑)」と交渉を進めて丸ごと使わせてもらえるようにしたとのこと。「あの縁側を見たら、撮りたくなっちゃう(笑)。1年を通しての撮影だったので、(持ち主には)撮影のたびに近くのウィークリーマンションに移っていただきました」と家主の全面協力の下で撮影が可能になったと改めて感謝を口にする。夏帆さんも「これがセットだったら全然違った映画になっていた」と家の存在の大きさを口にする。夏帆さんは、姉役の綾瀬はるか、長澤まさみ、腹違いの妹役の広瀬すずとの共演について「本当に楽しかった。大好きな3人ですし、まさかこんなに好きになるなんて…(笑)。いい意味で普通の感覚を持ってるんです。最近も、会ってますしすごく一緒にいて落ち着くんです」と語る。撮影以外でも4人が“姉妹”になっていたことを物語る、こんなエピソードも!劇中、縁側でのシーンで夏帆さん演じる千佳が、次女の佳乃(長澤さん)の足を突っつくシーンがあるが、夏帆さんは「これは、撮影の合間に私がまさみちゃんの足をペタペタしてたら、監督がワーって走ってきて(笑)、『そのままでやってね!』と」とカメラを回し始めた」と明かす。是枝監督は、そのシーンについて「自分から出てくるものじゃないです(笑)。いつ撮っても、映画になる状況が4人にはありました」と振り返った。また、広瀬さんがサッカーをするシーンについて、その技術の高さについて質問も。是枝監督は「1年以上、コーチをつけてちゃんと練習させました。元々、バスケをやっていたから運動神経はいいんです。サッカーは、彼女(四女のすず)にとって大事な要素。すずは、ずっといろんなことを我慢してきて、サッカーの時だけ(内面が)表に出ると思った。撮影は時間がかかりましたけど、僕がOK出しても本人が納得がいくまで撮りました」と明かす。また、是枝監督はサッカーシーンの中で特にお気に入りのカットとして、ベンチ脇で応援している夏帆さんの姿に言及。「ベンチに千佳と浜田店長(※千佳の恋人/池田貴史)がいるんですが、すずのゴールの後の千佳の喜び方がすごく好きなんです」とここでも、夏帆さんが広瀬さんをしっかりと“妹”として見て、喜んでいたと称賛を送った。『海街diary』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月27日映画『海街diary』の是枝裕和監督と本作を含む是枝組常連の樹木希林が6月24日(水)、上映後のトークイベントに出席。次々と観客からの質問に答えた。吉田秋生の人気漫画の実写化で、鎌倉に暮らす3姉妹とかつて彼女たちを捨てて家を出た父が遺した腹違いの妹が共に暮らし始めての1年の月日を描き出す。樹木さんはこの日の上映を客席で鑑賞したが、完成した映画を見るの自体がこれが初めてで「大変、完成度の高い映画になっていました」と語り、会場は温かい拍手に包まれる。特に役名と同じ“すず”という名の広瀬すずについて樹木さんは「この子に出会ったのがこの映画のポイントですね」と語り、是枝監督も「『誰も知らない』の時も、柳楽優弥に出会って映画が動き出しましたが、今回もすずに出会って『広瀬すずが浅野すずだ』と思った」とうなずく。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆の3姉妹をはじめ、豪華俳優陣が競演している本作だが、キャスティングの苦労を尋ねられると、監督より先に樹木さんが「このくらいの(大物の)監督になると『あの人がいい』と言えばみんな出てくれるんです」と答え、「そんなことない!」と監督が苦笑する一幕も。ほかにも、監督が原作の映画化を熱望した理由について、樹木さんが監督が答える前に「キレイな女の人が4人出てくるのが好きなのよ」と断言するなど、樹木さんペースでトークは進む。キャスティングに関し、綾瀬さんと長澤さんは、それぞれ10代の時にドラマ版と映画版の「世界の中心で、愛をさけぶ」で同じヒロインを演じているが、その2人が本作では正反対の性格の長女・幸と次女・佳乃を演じている点について質問が飛んだ。是枝監督はキャスティングに際し「いままでにやった役はあまり関係ない」と語り「綾瀬さんは、お会いした印象では、メディアで見せる天然の印象と違い、凛とした古風な感じがして、所作も美しかった」と説明。そして「綾瀬さん(長女)が“静”で、佳乃はその正反対。『奇跡』でもご一緒した長澤さんに迷わずお願いしました」と語った。その綾瀬さん演じる幸が終末医療を担当する看護師で、長澤さんの佳乃が信用金庫に勤めている点について是枝監督は「死」と「お金」というテーマに触れ「法事のシーンでは原作でも、死んだ人間を悲しむだけでなく、生臭いお金がらみの話が必ず出てくる」と指摘。樹木さんは「人間の生活で避けて通れないことだけど、それが自然とすっと入ってきた」と改めて是枝監督の作り上げた世界を称賛する。また樹木さんは4姉妹について「だんだん成長していき、人間として器が広がっていくのが見て取れました」と絶賛。さらに「この映画のテーマは『家は女で土台が作られる』という気がしてます。女の出来がナンだと、家が苦しむ。あの大竹しのぶさんを(4姉妹の)母親にしたキャスティングは大変上手。存在しているだけで『壊れていくな、この家は』と感じさせる」と思うがままに語り、会場は爆笑に包まれた。是枝監督は「ありがとうございますと言っていいのか…」苦笑し「(大竹さんの放つリアリティは)お芝居でね!」と必死でフォロー。そんな是枝監督だが、樹木さんについては「書いたものを樹木さんに読んでいただき、現場に来ていただき、現場を見ていただく――大好きな役者さんだからというのは勿論ですが、大変厳しい方なので、(樹木さんを前に)ちゃんとしたい。ちゃんとした監督でありたいという気持ちがある」と自らを律するためにも大事な存在であると語る。「また出てください」と樹木さんにお願いし、会場は再び温かい拍手に包まれた。『海街diary』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月25日公開中の映画『海街diary』の上映後のトークセッションが6月21日(日)に開催され、是枝裕和監督とリリー・フランキーが登場。映画に隠された“仕掛け”や続編への期待などについて語った。吉田秋生の現在の連載中の人気漫画を映画化した本作。鎌倉を舞台に、古い日本家屋に暮らす幸田家の3姉妹と突然、彼女たちと一緒に暮らすことになった、死んだ父が遺した腹違いの妹の姿を静かに描き出す。リリーは、姉妹たちを知る喫茶店「海猫亭」のマスターを演じており、出番は決して多くないながらも4姉妹や風吹ジュンらと味のあるシーンを作り出している。是枝監督は前作『そして父になる』に続いての起用となるリリーさんについて「何もしないでそこにいることが一番難しいけど、それができるといちばん強い――それを最初から分かってて、プロの役者からしたら『困るな』という人」とその存在感を評する。リリーさんから「ストーリーがガッツリある漫画の映画化はやりやすいか?やりづらいか?」と質問されると監督は「どちらかと問われるとやりにくい。最初は苦労しました。僕も原作が大好きなので、何が好きなんだろう?原作は何を言おうとしてるんだろう?と読み取る作業があり、吉田さんの気持ちに入っていった」と述懐。例えば原作は長澤まさみ演じる次女・佳乃が恋人の部屋のベッドで目を覚ますシーンで始まり、映画もオープニングで同じシーンが描かれるが、この点について監督は「原作ではいろんなテーマが並走してるけど『居場所を探す』というのが大きなモチーフ。誰がどこに――誰の隣に居場所を見つけるのか?原作では佳乃の部屋は出てこない。最初は(佳乃の居場所は)朋章(※恋人/坂口健太郎)だったけど、それが変わっていく」とその意味するところを説明した。この長澤さんのベッドのシーンを含め、リリーさんは「四季を長澤さんが肉体で表現している。見終わってちょっとHな映画を見たような気持になった」と述懐。これについて是枝監督は「法事が3回も出てくる映画なので、死を巡るエピソードにくるまれると美しく哀しい話になってしまう。“肉体”と“食べること”という死と対極をきちんと体現したかった。次女(長澤さん)にエロスを、三女(夏帆)に食を担ってもらった。最初から長澤さんには『露出が多くなるかも』と伝えていた」とリリーさんの反応は狙い通りであったことを明かした。また、喪服などの衣裳でも姉妹それぞれ違いを出したそうで「衣裳の伊藤(佐智子)さんが繊細に考えてくれた。衣裳合わせの段階で『(姉妹の)下着から決めたい』と下着が(表に)出てくるわけじゃないのに言ってくれた」と語った。リリーさんはこのエピソードに興奮気味に反応し「幸(綾瀬はるか/長女)は上下バラバラッぽい。三女はボクサーパンツをはいてそう。すず(四女/広瀬すず)はお腹が冷えないパンツをはいていてほしい(笑)」と語り、是枝監督は「次女は日本のじゃないのをはいてます」と設定を明かし、リリーさんは「そうあってほしい!」と喜び(?)を口にする。会場は笑いに包まれるとともに、改めて是枝監督の繊細な映画作りに感嘆の声が漏れた。リリーさんは改めて4姉妹を演じた女優陣を絶賛。「主役を張れる綾瀬さん、長澤さん、夏帆さんが姉として、すずをあぶりだすようなお芝居をしている。カメラが回ってなくても姉としてすずに接していた」と証言する。是枝監督は嬉しそうにうなずき「(背の高さを記録する)柱の傷のシーンで、綾瀬さんがすずの髪を撫でるけど、あれは台本でも指示がないアドリブ。こういうことが自然にできる関係で、2人があそこにいるというのが素晴らしい」と称賛を送った。リリーさんは「続編が見たい」と語り、会場からは期待を込めた拍手が起こる。是枝監督は「みんなで『続編が見たい』と言ってもらえるくらいヒットすればいいねと話していた」と語り「これからお客さんが入って(続編の企画が)具体的になれば嬉しい」と現時点では白紙ながらも意欲をのぞかせていた。『海街diary』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月22日“今、最も観たい四姉妹”、なのだそうです。人気漫画の映画化である『海街diary』で、鎌倉に暮らす香田家の四姉妹を演じているのが、綾瀬はるか(長女・幸)、長澤まさみ(次女・佳乃)、夏帆(三女・千佳)そして広瀬すず(腹違いの末妹・すず)。確かに、いまを時めく各世代の女優が揃い踏みといった感じです。自分たちを捨てて家を出た父の死をきっかけに合うことになった腹違いの妹と、3人の姉たちの生活を映し出した本作。是枝裕和監督が描く人間模様は切なくも力強く、大人たちに翻弄されながらも自分の心の声に従って道を歩もうとする娘たちの凛とした姿がとても印象的な秀作。鎌倉を舞台にした物語は、四季折々の自然の風景とともに、四姉妹の心の変化も、まるで自然の一部であるかのように静かに映し出していくのです。そんな作品で、物語にリアリティを与えているのが、4人の息の合ったやりとり。長女が妹たちを叱り、妹は姉たちに口答えをする。どこにでもありそうな、小さな口げんかが、彼女たちの関係性を見事に物語っているのですが、これを上手く作用させるには、4人の個性が際立っていなくてはダメ。そこで役に立っているのが、それぞれのファッションです。姉妹といえば、やはり長女はしっかり、妹は甘えん坊など、何となく特有の特徴があるもので、知人を「ああ、お姉さんタイプだね」とか「なるほど、妹っぽいね」とか、友達同士で互いをカテゴリー分けすることはよくあります。本作に登場する4人も、それぞれが納得の特徴を見せていて、それを反映したファッションも面白いのです。例えば、しっかり者だけれど、しっかりしすぎていて隙がない長女の幸は、いつもしっかり髪をまとめ、シャツやシンプルなカットソーなど遊びのない服を選んでいます。妹たちへの献身や真面目さ、内面の成熟とリンクする看護婦という職業にもしっくりくる、地味目の服装といった感じでしょうか。一方、自由奔放で大酒飲み、恋多き次女の佳乃は、夏ならショートパンツやタンクトップなどの露出多めのアイテムを好み、四季を通じて明るい色や柄ものをよく身に着けています。おしゃれが大好きで、もっとも流行に敏感な存在。いわゆる、一番いまどきの女性という感じでしょうか。つかみどころがない、男の趣味が謎だと称される三女の千佳は、アート系。エスニック調を好み、柄×柄、色×色のレイヤードスタイルが好き。くるくるにカールした髪にヘアバンドをつけていることも多く、ふわふわとした印象です。末妹のすずは、少年サッカーチームに参加する中学生。おしゃれにはまだ興味がないようで、学生らしい清潔感のあるスポーティな服が中心。腹違いの姉たちと暮らすまでの登場シーンでは、制服しか着ていませんでしたが、それは大人に合わせて自分を押し殺していたことの象徴だったのかもしれません。鎌倉に来て自分の色を持ち始めた彼女の変化は、服装そして表情の変化からも感じられるのです。このように性格を良く表した衣装が、彼女たちの言動に奥行を与え、言葉にならない彼女たちの感情まで察しやすくしてくれているよう。映像言語を熟知した是枝監督ならではの、ヴィジュアルセンスが光る作品。鎌倉の自然の美しさにも注目しつつ、季節ごとに変化する四姉妹のワードローブにも注目です。(text:June Makiguchi)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月19日2015年6月13日、14日の全国映画動員ランキングは、大人気ユーザー参加型アイドルプロジェクト“ラブライブ!”の劇場版アニメーション『ラブライブ!The School Idol Movie』(全国121館)が初登場で首位に輝いた。2位に綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが4姉妹役で共演した『海街diary』(全国323館)が入り、3位は『トゥモローランド』(全国343館)になった。その他の写真『ラブライブ!…』は、アニメの1期、2期ともに監督を務めた京極尚彦がメガホンを執り、国立音ノ木坂学院の廃校の危機を救うため、9人の女子生徒で結成されたスクールアイドルグループ“μ’s(ミューズ)”の新たな活躍を描く劇場版最新作。『海街diary』は、吉田秋生の同名ベストセラー・コミックを是枝裕和監督が映画化したヒューマンドラマ。鎌倉で暮らす3姉妹と、父親が亡くなり、彼女たちの家に引き取られることになった腹違いの妹が、それぞれ複雑な想いを胸に本当の家族になっていくまでを描いた1年間の物語。その他、『映画クレヨンしんちゃんオラの引越し物語~サボテン大襲撃~』が、11位よりランクアップし、再びベスト10に入っている。『ラブライブ!The School Idol Movie』公開中
2015年06月15日映画『海街diary』が6月13日に公開を迎え、劇中で4姉妹を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、メガホンを握った是枝裕和監督が舞台あいさつに登壇。“長女”綾瀬はサプライズで6月生まれの長澤、夏帆、広瀬、是枝監督のために手作りバースデーケーキをプレゼントし会場をわかせた。『海街diary』舞台あいさつ/その他の写真吉田秋生の人気漫画を『そして父になる』の是枝監督が実写化。鎌倉で暮らす3姉妹の元に、彼女たちを捨てた実父が死んだという知らせが入り、葬儀に足を運ぶが、そこで出会った腹違いの妹・すずを鎌倉に引き取ることになり…。綾瀬が映画を観終えたばかりの客席に「いま、気持ちいい感じですか?」と問うと、客席は大きな拍手でそれに応える。4女のすずを演じた広瀬は、1年前から撮影が行われてきた本作が公開を迎え「この日が来るとは思っていなくて…これからいろんな人に広まっていくと思うと幸せです」と笑顔を見せた。是枝監督は「今日がゴールではなくスタート。作品と観ていただいたみなさんの旅がこれから始まります」と感慨深げに語った。そして舞台あいさつ中盤で、綾瀬はこの日「やることが多くて(笑)」早起きをしたと明かす。何の話かと首をかしげる残りのメンバーをよそに、綾瀬は「お誕生日ケーキを作ってました。実は私以外の4人は6月生まれなんです!」と明かす。そこへ、映画で夏帆演じる千佳の恋人であるアフロ男・浜田を演じた池田貴史がケーキを運びながらサプライズで登場! 池田の音頭に合わせて会場全体でバースデーソングを歌い、長澤、夏帆、広瀬、是枝監督を祝福した。このケーキ、綾瀬は「2日にまたがって、スポンジを焼くところから作った」という力作で、これには妹たちも大感激! 広瀬は「おいしそうです!」と目を輝かせ、夏帆は「ホントに作ったの?すごい!」と感嘆。長澤は本当にびっくりしました。嬉しいです」と感激の面持ちを見せた。綾瀬は「中はイチゴがぎっしり詰まってます。“海辺の朝日”というタイトルで、朝4時~5時くらいのイメージです」と自信満々でコンセプトを語り、一同は仲良くケーキをほおばったが、自作のケーキの味について感想を求められると綾瀬は「ついさっき、歯みがきをしたので歯みがき粉と混ざっちゃって…(苦笑)」と劇中のしっかり者の長女の面影はどこへやら…、おなじみの(?)ボケキャラをのぞかせ、会場は笑いに包まれた。『海街diary』公開中
2015年06月13日映画『海街diary』が6月13日(土)に公開を迎え、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、是枝裕和監督が初回上映後の舞台挨拶に登壇。綾瀬さんは、6月生まれである長澤さん、夏帆さん、広瀬さん、是枝監督のために手作りケーキのサプライズプレゼントを贈った。吉田秋生の人気漫画を実写化。鎌倉で古い一軒家で暮らしていた3姉妹が腹違いの妹を引き取り、彼女たちがそれぞれの葛藤を乗り越えて成長していくさまを四季の情景と共に瑞々しく描き出していく。綾瀬さん、長澤さん、夏帆さん、広瀬さんの4姉妹は白い衣装で登場。長女・幸を演じた綾瀬さんは「3人をまとめる姉であり、(4女の)すずが来ることで母にもなっていくし、女の顔も見せるし、娘でもある。『4つの顔を撮りたい』と監督からは言われました」と明かす。綾瀬さん自身はその4つの顔の中で「お姉ちゃんとして厳しくみんなを律する感じは好きです」とニッコリ。日頃から劇中同様にしっかり者なのか?という問いには「もちろんです!」と語り、笑いを誘う。広瀬さんは、1年前から撮影してきた映画の公開に「この日が来るとは思ってなかったです。これからいろんな人に広がっていくかと思うと幸せです」と万感の思いを口にする。撮影で印象的だったシーンを尋ねると、姉たちの実母を演じた大竹しのぶ、大叔母を演じた樹木希林の2人と初めて顔を合わせるシーンを挙げる。「怖かったのか?」という問いに「そういうわけじゃないです(笑)!」と語りつつ「あの2人が一緒に来るってどういう画なんだろう?どうしたらいいんだろう?と思ってたんですが、自然とお姉ちゃんたちの陰に隠れて、でも気になって覗いているという感じになりました」と振り返った。舞台挨拶中盤で、台本なしで次々と新しいシーンを加えていく是枝組の撮影さながら、舞台挨拶も台本なしで進行すると司会が宣言すると、綾瀬さんを除く4人は怪訝な顔…。綾瀬さんはいたずらっぽい笑みを浮かべ「やることが多くて」早起きをしたと語り、6月生まれの4人のために「お誕生日ケーキを作りました!」と明かす。すると、映画で夏帆さん演じる千佳の恋人のアフロ店長・浜田を演じた池田貴史がケーキを運びながら登場!池田さんに合わせて会場全体でバースデーソングを歌い、4人を祝福する。綾瀬さんは、「2日がかりでスポンジを焼くところから作った」というケーキの出来栄えに自信満々。「イチゴがぎっしりつまってます。“海辺の朝日”というタイトルで、朝4時~5時くらいのイメージです」とコンセプトを明かす。長女の粋な計らいに妹たちも大喜びでケーキに舌鼓を打った。綾瀬さんは自作ケーキの味を尋ねられると「ついさっき、歯みがきしたばかりで、歯みがき粉の味と混ざっちゃって(苦笑)」としっかり者の姉とは思えないボケコメントで会場をわかせていた。『海街diary』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月13日どの季節も絵になる鎌倉を舞台に、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずという四姉妹が、次第に家族になっていく様を描く『海街diary』(6月13日公開)。是枝裕和監督がマンガ大賞受賞の吉田秋生の原作コミックにほれ込み、これ以上ないほどの豪華キャストで映画化を実現させた。いま、本作以外にも、“ある町”を舞台に、自分と誰かの関係を結びなおし、居場所を探し、自分自身を見つめなおしていく物語が、相次いで公開される。◆鎌倉の四季が彩る、四姉妹の心の移ろいに注目日本を代表する、“旬”な四姉妹で描かれる『海街diary』。かつて三姉妹を捨てて出ていった父の訃報を受け、葬儀のために山形のある町へ出かけた彼女たち。迎えてくれたのは、母親の違う妹・すず(広瀬さん)。だが、父親は山形でも新しい家庭を築いており、連れ子のすずには居場所がないも同然。それでも気丈にふるまう彼女に、長女・幸(綾瀬さん)は「鎌倉に来ない?」と持ちかける。海はもちろん、姉妹が暮らす古い家、庭の梅の木、桜の道など、鎌倉の四季折々を背景に、“海街”の人々と関わりながら、すずは自分のせいで傷つけているかもしれない姉たちにも、この街にも少しずつなじんでいく。そして、彼女が来たことで、幸や次女・佳乃(長澤さん)、三女・千佳(夏帆さん)もそれぞれに変化を見せていく。姉妹が浜辺を歩くシーンは、本作を象徴する印象的な場面。静かな感動が波のように押し寄せる。◆亡き妻の思いを新しい場所、新しい人たちと紡ぐ『愛を積むひと』(6月20日)は、「日本で最も美しい村」とも称される北海道・美瑛町を舞台にした、佐藤浩市&樋口可南子による夫婦の物語。東京から第2の人生のために美瑛に越してきた夫婦。妻の良子(樋口さん)は、2人がようやく手に入れた家の周りに石塀をつくるよう、夫の篤史(佐藤さん)に頼む。石塀づくりを手伝うのは、造園見習いの青年(野村周平)とその彼女(杉咲花)だ。どこかワケありげな若い2人を良子は優しく見守るが、やがて持病が悪化し、亡くなってしまう。遺された篤史は、他人だけれども気にせずにいられない2人の若者と、血がつながっていても長らく疎遠になっている一人娘(北川景子)との関係を、それぞれ見つめなおしていく。亡き妻から届く手紙によって彼女の真意を知る、無骨で不器用な“ザ・昭和の男”の新しい生き方は、観る者の心を揺さぶることだろう。◆おとなも子どもも、抱きしめられて気づく先日、男児を出産した『そこのみにて光輝く』の呉美保監督が、中脇初枝の同名小説を映画化した『きみはいい子』(6月27日公開)の舞台は、“桜ヶ丘”という架空の街。先生というよりまだ学生のような小学校の新任教師・岡野(高良健吾)、3歳の娘に手を上げてしまう母・雅美(尾野真千子)、そして、1日のうちで言葉を交わすのは唯一、自閉症の少年だけというあきこ(喜多通枝)が紡ぐ物語は、虐待、ネグレクト(育児放棄)、いじめ、学級崩壊、独居高齢者、認知症など、いまの日本が直面する問題を色濃く映し出す。時に優しく、時に容赦のないリアルさで、家族や社会の姿を描いてきた呉監督が、親になる手前で描いた本作には、こんなふうに人と人とが関係を結んでいけたら、寄り添っていけたらと思うような、希望へのヒントが詰まっている。◆洋画も続々! 家族や恋人と自分を見つめ直す物語ヒントといえば、サイモン・ペッグがどこか心の満たされない優しく生真面目な主人公を好演する、『しあわせはどこにある』(6月13日公開)にも満載だ。彼がチベット、アフリカ、ロサンゼルスなど、さまざまな旅先で出会う人々との関わりで気づく、「幸せとは時として、すべてを知りすぎないこと」「聞くことは愛すること」といった幸せになるためのヒントは、身につまされる。また、ロサンゼルスを舞台に、妻子がありながらも夢を追い続ける中年男が自分を見つめなおすのが、ザック・ブラフの監督&主演作『WISH I WAS HERE/僕らのいる場所』(公開中)。妻に生活費を稼いでもらい、私立に通う子どもたちの授業料は父親任せ。だが、その父親にがんが再発し、状況は一変。そんな家族を通して自分を見つめなおしていく中年男の悲喜こもごもは必見だ。『あと1センチの恋』のロングランヒットも記憶に新しい、リリー・コリンズ主演の『ハッピーエンドが書けるまで』(6月27日公開)にも注目。舞台は、米・ノースカロライナ州のライツビルビーチ。離婚した母親は若い男と再婚、父親はそんな元妻に未練たらたら、サマンサは愛だの、恋だのを信じることもできず、弟の初恋も問題ありの様子。そんな愛の機能不全ともいえる不器用な家族の物語は、じんわりとした感動を呼ぶ。さまざまな形で描かれる、それぞれのハッピーエンド。あなたとあなたの大切な人との関係にも、何かの道筋を与えてくれるかもしれない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月13日女優の綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずらが、第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された出演映画『海街diary』(6月13日公開)の上映に合わせてカンヌを訪れ、そこで取材を受ける1日を追ったメイキング映像が12日、公開された。映像は、現地に同行した映画のスタッフが撮影。写真撮影やインタビューの合間に楽しそうに会話をする様子や、広瀬が長澤や夏帆にふざけてカメラを向ける場面、綾瀬が食べ物をほおばるシーンなど、映画で四姉妹を演じた4人のリラックスした素顔を見ることができる。この映像の撮影が行われたのは、現地でのインターナショナル取材日当日。綾瀬は胸元のスパンコールが印象的な白のロングドレス、長澤も同じく白のロングドレス、夏帆は柔らかな色合いのピンクのロングドレス、広瀬は紺色のワンピースに身を包み、是枝裕和監督と共に世界各国のメディアから取材を受けていた。取材を終えた是枝監督は、「四姉妹をあの舞台に連れていけたことがとても幸せでした」と映画祭を振り返り、「これからの俳優人生にとっても、絶対にいい経験になるんじゃないかな」とコメントを寄せた。映画『海街diary』は、漫画家・吉田秋生が漫画雑誌『月刊フラワーズ』(小学館)で2006年8月号から不定期連載中の同名漫画を原作に、一昨年の第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受けた『そして父になる』(2013年)以来の新作となる是枝監督がメガホンを取った作品。鎌倉の祖母が残した家を舞台に、"異母妹"を加えた四姉妹のリアルな家族の絆を描く。本作は、第68回カンヌ国際映画祭で、邦画としては唯一コンペティション部門に正式出品された。(C) 2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月12日それは熱望という以上の強い感情だった。現在の邦画界にあって、オリジナル脚本での映画作りを許されている数少ない映画監督の一人である是枝裕和監督。実際、長編映画デビュー作『幻の光』こそ宮本輝の小説の映画化であったが、2作目『ワンダフルライフ』以降はほぼ一貫してオリジナル脚本を自ら執筆しており、非オリジナル脚本作品は『空気人形』のみ。これとて原作となった業田良家の漫画はごく短いもので、監督自身が物語を膨らませることで長編映画に仕上げた作品である。そんな是枝監督が第1巻の最初の1話を読みながら自らの手で映画化したいと強く思った――いや、当人の言葉を借りるなら「これは絶対に誰かが映画化するって言い出すぞ。いやだ!撮られたくない!と思って手を挙げた」のが、吉田秋生の人気漫画である「海街diary」(小学館刊)である。物語の中心となる4姉妹に上から綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずを配し、原作の舞台である鎌倉での撮影を敢行し完成した映画『海街diary』。いまなお連載の続く漫画をどのように料理し、組み立て、新たな是枝作品は出来上がったのか?是枝監督にじっくりと話を聞いた。鎌倉の古い木造一軒家に姉妹3人で暮らす幸、佳乃、千佳。そんな彼女たちの元に、かつて家族を捨てた父親の訃報が届く。山形で行われた葬儀で3人は、父が遺した腹違いの妹・すずと出会い、幸のひと言で彼女を鎌倉の家に引き取ることになり…。「1巻の最初に3人が父親の葬式で山形に行って、(すずを加えた)4人が高台に登って街を見下ろす。そこですずが泣くんだけど、そこで4人のシルエットが重なって蝉時雨が…というシーンが素晴らしくて、やられちゃった(笑)。ここ、カメラは絶対にクレーンアップだし、音楽ももう鳴ってたもん(笑)。映像になるために描かれた画だったんです」。実は、そのタイミングでは、すでに原作の映画化権は別の人間に押さえられていた。「だから1回、あきらめたんですよ。そうしたら、(権利を)手放したという連絡が入って、じゃあ今度こそって。そこまでするのは初めてでしたけど、あきらめた後もずっと、いち読者として漫画は追い続けていたんですよ。読みながらいろいろ考えていたものが、もう一度できそうだということになって、思いのたけをぶつけてみようと。熱いんですよ、今回は(笑)」。映画化が決まり、脚本にしていく過程を是枝監督は「吉田さんの中に深く潜っていく感じ」と表現する。「何を考えて吉田さんはこういうシーンにしたのか?読み解いていきました。他人の作品をこんなに読んで、読んで、読んで…というのはなかなか。そこからスタートして、でも途中からは(綾瀬さんらキャスト)4人を選んだので、この4人をどう動かしていくか?という演出家の視点にシフトしていきました。例えばですが原作の1話目は、なぜ佳乃が恋人の部屋のベッドで目を覚ますところから始まるのか?家から始まってもいいはずなのになぜなのか?そんなことを考えていくところから始まりました」。「不在者」と「残された者」、「死」と「記憶」――海外映画祭の常連でもある是枝監督の作品について語る上で頻出するキーワードと言えるが、この脚本執筆の思考の過程でまさに、こうしたテーマとぶつかった。「原作者の吉田さんには『お任せします』と言われたんですが、唯一、『アライさんだけは出さないでください』と言われたんです」。アライさんとは原作にも幾度となく出てくる人物で、看護師である幸の後輩なのだが、連載を通じてなぜか幸をはじめ他人の会話の中でその存在が語られるばかりで、本人の姿は一度も登場しない。「それを深く考えていくと、この物語は、出てこない人間が重要な役割を果たす作品なんだと改めて思い直しました。そう思って読み直すと、キーになる人物――4人の父親やすずの母親などの姿は出てこないんですよね。その人たちを意識しながらみんな、生きている。生きていない人間を回想で出さずに、どうやって生きている人間に重ねながら生きていくか?すごくアクロバティックなことを要求されているんだなと受け止めて、細かい積み重ね、どうやっていない人を感じさせられるか?やれるだけやろうと覚悟が決まりましたね」。そうした作業の中で是枝監督は、原作漫画にはない映画オリジナルのシーンをいくつも加え、溶け込ませていった。その理由、それぞれのシーンの作られ方も千差万別である。例えば、3姉妹の母親でいまは再婚して離れて暮らす都(大竹しのぶ)とすずが顔を合わせる鎌倉での法要のシーン。都にとって、すずは夫を奪い、家族を壊した女の娘であるわけだが、ここで原作にはない、都とすずの2人だけのシーンを加えた。「(原作のまま)グループショットで押すというやり方もあったけど、一度、あそこですずを単独にしておいて、家に戻ってからの流れ(※帰宅後に起こる姉妹と母親たちの騒動)のために、彼女に強めの“圧”をかけておいた方がいいと思って、意地悪で書きました(笑)。あえて、そうやってバランスを崩すために加えたものもあります」。また、撮影が始まってから女優陣の芝居を見て急遽、新たなオリジナルシーンを加えたことも。「病院で幸と二宮(風吹ジュン)がバッタリ会って『最近、胃の調子がね』というやり取りを撮っていて『また来てちょうだいよ、お店』と二宮さんが言って、幸が『懐かしいな』と言うんですが、その顔を見て、幸は律儀な子だから、実際にお店に行くだろうと思ったんです。あの店には、(自分たちを捨てた)父親の記憶もあって、おそらく意識的に行ってなかったんでしょうけど、そう言われたら行く気がした。だから、原作に4人であの店に行くというシーンはないんですが、それで描いてみると『あ、このシーンがあれば最後のシーンも成立するな』とか、描いていく中で骨格が見えてきた。そういうことは今回、意外と多かったです」。キャスティング、オリジナルシーン、原作から削除されたシーン、世界観etc...人気漫画であればあるほど、連載が長いほどに映画化には賛否がつきまとう。是枝監督は完成した作品について「原作と映像の関係で言うとうまくいったと思う」と自信をのぞかせるが、その手応えの理由を語る上で口をついて出たのが、夏帆さん演じる三女・千佳の存在である。ちなみに幸ら姉妹のそれぞれの特徴や演出について語る文脈で、是枝監督は三女・千佳についてこんなことを語っていた。「撮影前に何組が3姉妹を取材したんですが、どこの家でも長女と次女は洋服の貸し借りをするけど、三女は趣味が変わってるからしないの。『あいつの服は借りられない。あいつの音楽の趣味もわかんない』って(笑)。上の2人を見て、違う道を行くんだよね。原作でも千佳は一人だけ違う服着て、髪型もアフロ。上の2人と違うノリとリズムで生きていて、2人の対立に左右されない子がいることで、対立が深まり過ぎないというバランスの取り方をしてるんです」。その上で、映画では千佳をアフロにはしないことにした。それを、監督は映画化の成功の“勝因”のひとつに挙げる「それは判断として大きかったと思う。アフロであるってどういうことか?と考えると、やはり姉たちとは違う美意識で生きてるということ。池田(貴史/※千佳の恋人)さんはアフロだけど、そのアフロのオヤジの隣に居場所を見つけているということ――つまり、趣味がきちんとそこにリンクしているのであれば、別にアフロじゃなくても行けるし、アフロにしてしまうとコミックをなぞる感じになって、人間としてむしろわかりやすくなっちゃう。だから、そこを一度、捨ててみようと思ったし、むしろ夏帆さんであればアフロにはしないだろうと思った。アフロにせずとも姉2人と違う感じが出せれば、映画としてはその方がいいんじゃないかという方向性に行けたのがよかったんじゃないかと思います」。改めて、吉田さんによる現在進行形の原作を是枝監督は「少女漫画の枠を超えてすごく“大きなもの”を描いていると思う。それは人間ではなく、街だったり、時間だったりしていて、だからこそ、これは『鎌倉4姉妹物語』ではなく『海街diary』なんだと思う」と評する。さらに、こうも続ける。「よく『この作品を撮って家族観が変わったか?』と聞かれますが、そもそも、自分に確固たる家族観があったのかがよくわからない(笑)。ただ、なぜこの原作漫画が面白いのかと言うと(同じく吉田作品の)『櫻の園』は『過ぎ去った時間はもう戻ってこない…』というある種の残酷さを描いているんだけど、この『海街diary』は『過ぎ去った時間が時と共に自分の中で形を変えていく話』を描いていると思うんです。特に幸にとっては。反発していた母親に久しぶりに会う。嫌って否定していた父親がすずを残してくれた。そうやって、幸の中で過去が書き換えられていくことが、彼女の成長になっていくというのが、すごく大人の人間描写だと思うんです。時間が彼女の中でどう変化するのか?それは見えないけど、この原作の豊かさなんだなと。それを何とか映画で描きたかった。自分が父親になったことで、もう亡くなってずいぶん経つ父親のことを思い返している自分がいるんですよ。この年齢のとき父は…と考えてる。疎遠だったんだけど、自分の中でちょっとずつ形を変えている。自分が子供と接する中で、そういうことが自分の中で起きているから、映画を撮りながら幸の変化にすごくシンパシーを感じていたんです」。美しき原作に、私小説のように監督自身の思いを編み込みながら、4姉妹と共に紡ぎ上げていった『海街diary』。観客がどのように受け止めるのか?是枝監督は静かにその反応を待つ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月12日『そして父になる』の是枝裕和監督が映像化した映画『海街diary』。先日行われた第68回カンヌ国際映画祭では、邦画で唯一コンペティション部門に正式出品され、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずと、最旬女優たちがレッドカーペットを歩き世界中を魅了した。そして今回、カンヌでの取材の一日を追ったメイキング映像が到着した。吉田秋生のベストセラーコミックを実写映画化した本作。鎌倉の祖母の残した家で暮らしている三姉妹が、ある日迎えることになった、幼いころに別れたきりの父が残した“異母妹”。海の見える街の色とりどりの四季の中で、彼女たちが傷つけ合いながら絆を結び、本当の家族になるまで積み重ねるかけがえのない瞬間を映し出す。今回公開された映像は、現地に同行した是枝組のスタッフが、四姉妹と是枝監督のカンヌでの様子を撮影したもの。顔見知りの相手ということもあり、カメラに向けられる四姉妹はとてもリラックスした表情をみせている。ホテルの開放感溢れるプールサイドで南仏の明るい日差しにぴったりなドレスで登場した四姉妹。綾瀬さんは、「ヴォッテガヴェネタ(Bottega Veneta)」の胸元のスパンコールが印象的な白のロングドレス、長澤さんは「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の白のロングドレス、夏帆さんは、「バーバリー(Burberry)」のヌーディーピンクのシースルーのロングドレス、広瀬さんは、「グッチ(Gucci)」の濃紺のワンピースに身を包み、是枝監督と一緒に、現地フランスメディアを始め、スペイン、イギリス、メキシコ、ポルトガル、オランダ、台湾など世界各国のメディアから取材を応じる姿が映し出される。仲良く話したり写真を撮ったりと本当の姉妹ような彼女たちを見守る是枝監督。「四姉妹をあの舞台に連れていけたことがとても幸せでした。これからの俳優人生にとっても、絶対に良い経験になるんじゃないかな」とカンヌについてふり返っている。『海街diary』は6月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月12日世の中の酸いも甘いもわからない少女にカレシがいない場合、「恋に恋する状態」などと言ったりします。でも、30歳過ぎて彼氏ナシの場合、どんな理由があるのでしょう。「いたって大していいもんじゃねえしな」なんて意見もありそうです。辛い現実を知ってしまったわけです。この際、シングルを満喫しきるために、心の萌えは現実ではなく少女マンガで消化しましょう、ええ、そうしましょう。「これさえあれば、男なんかいらないわ……」っていう少女マンガ、ご紹介します。父の葬儀で初めて知った異母妹の存在『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』(吉田秋生/小学館 フラワーコミックス)既刊6巻突然ですがわたくし、40過ぎて反抗期がやって来まして、何年か家族と縁を切ってました。なんか、いろいろ我慢していたことに気付いて馬鹿らしくなって、「次に会うのは葬式でいいや」と思ってたんです。結局、多少仲直りはしたけど、根本的解決はなさそうなので、この先もなんとなくモヤモヤしていると思います。家族って、「気が合うから一緒にいる」わけでもないのに付き合いが長いし、「どうせ縁は切れないだろう」という甘えがあるから馴れ合ってるし、しみじみ面倒くさいですね。で、『海街Diary』です。私、吉田秋生さんの描く、家族の話がとても好きです。というか、割といろんな話に、家族の問題を取り上げているので、ご本人になにか思うところがあるのかもしれません。ストーリーは、鎌倉に住む幸(サチ)、佳乃(よしの)、千佳(チカ)の三姉妹のところへ、15年も前に出奔した父親が亡くなったという知らせが入るところから始まります(姉妹の母は父の出奔のあとにこれまた出奔していて別居中)。姉妹がお葬式に出席するために山形に行ってみると、そこにはすずという異母姉妹にあたる女子中学生の妹がいてナニコレびっくり……という展開です。幸は看護師のお仕事をしています。人の死に多く立ち会ってきた看護師らしく、お葬式では、家族の死と向き合うこと、難病を得た子どもたちのことなど、生と死に関わる見地を話してくれます。この作品、雑誌の連載開始から読んでるんですが、そのラストですずが号泣するシーンがありました。カフェかなんかで読んでたんですが、思わずしゃくり上げ泣きしました。おい、周りドン引きだよ、どうしてくれるんだ吉田せんせいよ。恋愛や家族のベースに流れる“生と死”を描くGarry Knightすずは、三姉妹の父親が浮気相手の女と駆け落ちしてできた子どもです。2人が駆け落ちしたあと、すずの母はすぐに亡くなり、のちに父が再婚します。すずは実の父と継母と、その連れ子たちと家族になりました。で、その継母というのがそれは自立心のない馬鹿女なんですよ。いろんな本を読んでいてしみじみ思いますが(この作品はフィクションだけど)、母親が馬鹿だと子どもが苦労します。間違いないです。母親の甘えを請け負う羽目になるのは子どもだからです。自立心がなく、考えの浅い人間というのは、自分に甘える言い訳を大量に持っているのです。そして自分が甘えた分、苦労するのは周り。特に、他に逃げ道を持たない子どもです。この作品で言えば、すずです。自分を理解してくれる人がいるって、どれだけ幸せだろうと思います。お葬式のあと、三姉妹はすずに「鎌倉で一緒に住まない?」と持ちかけます。すずは即答。そりゃあついていきますよ、自分が安心して身をゆだねられる大人が目の前に現れたんだから。そして、すずが鎌倉の三姉妹の元へやってきて、本格的に話が始まります。この作品は、コミックスの裏表紙には「家族の絆を描く」と説明書きがあり、どこかの紹介文には「恋愛ストーリー」と書いてあった気がするのですが、初めて読んだ時に感じたのは、「生と死」を見つめた話なんだな、ということです。幸が看護師であること(幸は後に終末期ケア病棟に異動)、父の死、さまざまな形で関わる相続の問題など、「生きる」「死ぬ」を見つめた話が非常に多いです。生きているから恋をして、トラブルが起こり、そして病と闘い、亡くなれば遺産の問題が起きる。四姉妹の体験を通して、そういう生と死にまつわる出来事を語っているように思います。逆境と挫折を抱えて自分と向き合う朋章にも注目この話は、非常に考えどころが多いので、萌えだの壁ドンだの軽薄な感想が全然思いつかないんだけど、強いて言うなら序盤に登場する朋章くんです。彼は、『ラヴァーズ・キス』という作品のメインキャストでした。時系列から言うと、『海街Diary』のあとに『ラヴァーズ・キス』という順番なのですが、となると両作品を読んでいる読者は、彼がこのあとどうなるかを知ってるわけです。読み進めながら、一生懸命登場人物たちに突っ込みを入れてしまいます。しかしこの朋章くん、いろいろ人生大変そうです。朋章は、死ぬギリギリのところで生きてきたような人なので、まさしくこの作品に登場するにふさわしい感じがします。いえね、でも順風満帆で失敗の経験のない男は、なんにも考えてないし思い上がっててあとあと面倒くさいので、やっぱり女はトラウマ抱えて頑張ってる男子が好きなんですよね。Text/和久井香菜子
2015年06月12日今週末より公開される『海街diary』の大ヒット祈願イベントが6月9日に映画の舞台である鎌倉で行われ、4姉妹役で共演した綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが劇中で着た艶やかな浴衣姿で出席した。その他の写真本作は、鎌倉で暮らす3姉妹と、父親が亡くなり、彼女たちの家に引き取られることになった腹違いの妹が、それぞれ複雑な想いを胸に本当の家族になっていくまでを描いた1年間の物語。吉田秋生のベストセラーコミックを原作に『そして父になる』の是枝裕和監督が映像化した。イベントを行った長谷寺は“花の寺”として親しまれ、紫陽花が見頃を迎えており、4人が登場すると、偶然居合わせた参拝客からは「かわいい~」「きれい~」という声が飛び交った。映画は、先日閉幕したカンヌ映画祭コンペティション部門に正式出品され、4人は是枝監督と共にレッドカーペットを歩いた。綾瀬は「はじめて行った場所で、空気感も違うし、映画に対する情熱を感じる場所でした。温かい拍手もいただいて、とても刺激的で、忘れられない日々になりました」と振り返り、カンヌ映画祭への参加は2度目になる長澤は「運よく今年もお邪魔することができましたが、去年はコンペティションで参加したいという目標があったので、4姉妹で行くことができて、本当に良い思い出となりました。カンヌは頑張る人を応援してくれる場所です。いつかまた行けるよう頑張ろうと思いました」と決意を新たにした。夏帆は「みなさんの反応が温かくて、夢見心地だったけど、貴重な体験だったと噛み締めています」といい、広瀬は「レッドカーペットは映画祭ならではという感じで、お姉さんたちと歩けたことが幸せでした。大人になってからもずっと思い出すだろうなと思っています」と話した。鎌倉での撮影について長澤は「昔なつかしい日本の味わいがありつつも、決して古めかしいわけじゃなく、都会的な魅力ももっている。年齢を問わず、親しみをもてる街だと思います」と魅力を語り、広瀬は「私ががっつりと撮影したのは夏だったので、夏が一番印象的です。みんなで海辺を歩くシーンがあって、そのときにみんなで遊んだことが思い出となりました」とコメント。最後に綾瀬と夏帆は「たくさんの方に楽しんでいただきたいです。特に家族や身近にいる大切な方と観ていただきたいです」(夏帆)、「4姉妹が本当の家族になるまでの一年間を丁寧に描いています。本当に家族っていいなと、とても心が温かくなる気持ちの良い作品です」(綾瀬)と語った。『海街diary』6月13日(土)全国ロードショー
2015年06月09日『海街diary』の大ヒット祈願が9日、鎌倉・長谷寺で行われ、カンヌ国際映画祭後初めて4姉妹が勢揃いした。カンヌでのドレス姿からは一変、劇中でも身につけていた浴衣姿で、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが涼やかに登場。去年に続きカンヌに参加された長澤さんは、「厳しい世界だとは思いますが、カンヌは頑張る人を応援してくれるところだな、ということを改めて感じました。また行けるように頑張りたいです」と語った。それぞれ、映画のキャラクターに合わせた浴衣ということもあり、斬新な帯を身につけた夏帆さんは「スタイリストさんの手作りなんです。実は撮影中にこの帯を狙っているんです」と、とても気に入った様子だった。司会者から思い出深いシーンを聞かれた広瀬さんは、「この浴衣を着てみんなでした花火のシーンは、自由に動いたり会話をしたりしながらの撮影だったので、とても楽しかったです」と、撮影中にも和気あいあいと関係性を深めたことを紹介。本イベント中も、幾度となく長澤さんが広瀬さんに目配せをしたり、笑い合ったりする愛らしい姉妹の姿が見られた。プライベートでも仲良しだという4姉妹。浴衣を着てどこに行きたいですか?との質問に、「どこに行きたい?」と長澤さんがみんなに尋ねると、ボソッと綾瀬さんが「金魚すくい」と答え、「お祭りです」と長澤さんが返答。自然にコミュニケーションをとる姿がとても印象的だった。最後に、映画の見どころについて「4姉妹が本当の家族になっていく姿を1年間かけて丁寧に撮影した作品です。綺麗ごとだけでは済まないところもありますが、家族っていいな、家族に会いたいな、って思って貰えるような温かい作品になっているので、大切な人と観にきて頂きたいです」と綾瀬さんが、長女らしくまとめた。この日、本作のヒットを願い“『海街diary』特製梅ジュース”で鏡開きを行い、選ばれた一般の来場者に振る舞われた。準備の最中に、4姉妹が海を見つめながら話す姿は、まるで映画のワンシーンのようだった。映画『海街diary』は6月13日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月09日綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが集結し日本一豪華な四姉妹を演じる、是枝裕和監督の最新作『海街diary』。先日の第68回カンヌ国際映画祭でも静かな感動を呼んだ本作には、それぞれ、四姉妹のそばに寄り添う男性たちが登場する。「彼女たちが誰の隣に自分の居場所を見つけていくか」が本作の“裏テーマ”だと明かす是枝監督。しっかり者の幸(綾瀬さん)、自由奔放な佳乃(長澤さん)、マイペースな千佳(夏帆さん)、異母妹の自分を許せないすず(広瀬さん)。このタイプの違う四姉妹がそれぞれに選んだ、魅力的な男性陣に注目した。鎌倉で暮らす幸、佳乃、千佳の三姉妹は、15年前、家を出ていったきりの父の葬儀で、初めて異母妹のすずと出会う。身寄りのなくなった彼女が葬儀の場で毅然とふるまう姿に、幸は別れ際、とっさに「いっしょに暮らさない?4人で」と口にする。こうして、鎌倉での四姉妹の生活が始まった…。綾瀬さん演じる長女・幸は、看護師。同じ市民病院で働く小児科医の椎名(堤真一)と付き合っている。常に自分を律して生きている幸にとって、椎名は唯一、肩の力を抜いて女性的な部分を出せる相手。しかし、椎名は妻帯者で、すずに「奥さんがいる人を好きになるなんて、お母さんよくないよね」と謝られると、自身も不倫をしている幸は言葉を詰まらせてしまう。家族を捨てた父を許せないはずの幸は、自分もまた、父親と同じことをしているのだ。また、ホストに入れあげたあげくフラれたり、イケメンで年下の彼氏(坂口健太郎)にお金を貸したりするなど、あまり男運がいいとはいえないのが、長澤さん演じる次女・佳乃。基本的に男性がそばにいないとダメなタイプではあるものの、是枝監督は彼女を「自分の家ではなく、男性の隣に居場所を見出そうとする」と説明。「佳乃の姿は家を出ていった母親(大竹しのぶ)とどことなく似ているから、幸とたびたび衝突してしまうんですよね」とも明かす。そんな佳乃も、同じ信用金庫で働く上司・坂下(加瀬亮)のおっとりしていそうにみえて、お客さんと真摯に接する姿に次第に興味を持ち始めるのだが、坂下は佳乃がいままで好きなってきた男性とは全く違うタイプ。そんな2人の関係は、原作コミック内でも気になるポイントの1つとなっている。さらに、自身が働くスポーツ用品店店長・浜田(池田貴志)といい雰囲気なのが、夏帆さん演じる三女・千佳。浜田は元登山家で、マナソル登頂の際に足の指を数本失った経験を持つことから、いまは登山はやめてしまっている様子。是枝監督は「父親の記憶があまりない千佳は、店長に父の面影をみていて、きっとこの街(=鎌倉)から外へ出ていかないであろう人を選んでいるんじゃないかな」と推測。とはいえ、もちろんそれだけではなく、個性派店長の人柄に惹かれたことが、一番の理由かもしれない。そして、すずは、同級生で自身が所属するサッカーチーム・オクトパスのメンバーである風太(前田旺志郎)に好感を持っている様子。少し鈍いけど快活で、優しく思いやりのある風太に心を許したすずは、自分の家族や“自身の罪”を打ち明ける。優しく見守ってくれる三姉妹とはだいぶ打ち解けたものの、“大切に思っている家族”だからこそ、心の奥底を話しづらい。でも、誰かに話したいと思ったときにそばにいてくれる風太という存在が、すずには必要だったようだ。是枝監督は、「上手い役者は主役も張れるけど脇にも回れる。自分だけがいい芝居をするのでなく、物語の中でちゃんと生きて主演を立たせることができる、そういう俳優陣を配置させてもらいました」と男性陣のキャスティングにも自信をみせる。堤さん、加瀬さん、前田さん、池田さん、坂口さん、さらにリリー・フランキー、鈴木亮平といったバラエティ豊かな面々と四姉妹との関係にも、ぜひ注目してみて。『海街diary』は6月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月03日長澤まさみの年下彼氏役として登場する『海街diary』を始め、生田斗真×戸田恵梨香の『予告犯』、桐谷美玲×山崎賢人共演の『ヒロイン失格』など、いま、さまざまなジャンルの話題作に引っ張りだこなのが、モデル・俳優として活躍中の坂口健太郎だ。色白&あっさり系イケメン=“塩顔男子”の代名詞的存在にして、阿部寛や大沢たかお、田辺誠一など、実力派俳優たちを多数輩出してきた「メンズノンノ」専属モデル。西島秀俊や綾野剛、長谷川博己ら、映画界でも“塩顔男子”が人気を博している中、今年6本の映画に出演し、最旬女優たちと共演を果たす、“大ブレイク寸前”の彼に迫った。1991年7月11日、東京生まれの坂口さん。2010年、19歳のときに「メンズノンノ」モデルオーディションに合格してデビュー。2013年に初めて本田翼と「メンズノンノ」の表紙に登場し、翌年6月号では現役専属モデルとしては田辺さん以来、25年ぶりとなる単独表紙をゲット、同誌の看板モデルとなった。ティーン誌から大人の女性誌、ガールズイベントなどにも度々登場しており、話題を呼んでいる。相当な読書家として知られ、メガネやカメラがよく似合う癒やしの“文化系”かと思いきや、その長身を生かして中高ではバレーボールに打ち込む、という体育会系の一面も。笑うと“塩顔”イケメンが一転、“くしゃ~”っとなる“塩スマイル”も魅力だ。そんな坂口さんは、2014年、門脇麦&道端ジェシカがW主演するヨガ体感ムービー『シャンティ デイズ365日、幸せな呼吸』でスクリーンデビュー。ゲイのマスター(村上淳)が営むカフェバーのアルバイト・瞬役でフレッシュな魅力を発揮し、印象を残した。NHK朝ドラ「まれ」などで活躍中の門脇さんとは、「niko and... (ニコアンド)」のCMでも共演していた。2015年は、『娚の一生』に榮倉奈々の弟役で出演。そして、この6月には『予告犯』(6月6日公開)に続き、四姉妹の次女・長澤さんとキスシーンも披露する『海街diary』(6月13日公開)と大人気コミックの映画化に相次いで登場。さらに、本多孝好の人気小説の映画化『at homeアットホーム』(8月22日公開)では、竹野内豊、松雪泰子、黒島結菜らと複雑な“過去”を持つ偽装家族の長男に、『ヒロイン失格』(9月19日公開)では、学校イチのモテ男に扮している。すでに公開されている『ヒロイン失格』の特報では、桐谷さんに“壁ドン”やキスを披露。おそらく本人のキャラとは真逆のチャラさ満点の役柄に、早くもやきもきする女性ファンが続出中とか。一方、その醸し出される清潔感とクリーンなイメージからCM界でも注目されつつあり、大島優子とカップルとなる「ミノン」や、せっけんの香りの香水「レール デュ サボン」のCMに抜擢。北陸新幹線開業に併せた朝日デジタルのムービーCMでは、森カンナとも共演。旅企画「ニッポンのお風呂を楽しもう!FUROZUKI!」では歴史やお酒好きな姿を見せている。先日は、鈴木亮平主演の『俺物語!!』でも主人公のクールな親友・砂川誠を演じることが発表されたばかり。まさにいま、飛ぶ鳥を落とす勢い坂口さんだが、その原点は5年目に突入したモデル業にあることを明言する。そうはいっても、この爽やかな“意外性”の持ち主を、最旬の女優たちも、映画関係者もほおっておくことはないはずだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:予告犯 2015年6月6日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「予告犯」製作委員会 (C) 筒井哲也/集英社海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月01日先日行われた第68回カンヌ国際映画祭において、邦画で唯一コンペティション部門に正式出品され、現地時間14日には綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずと、いまを咲き誇る女優たちがレッドカーペットを闊歩し、世界中を魅了した『海街diary』。このほど、鎌倉を舞台に四季折々の四姉妹の日常を描いた本作には、さまざまな姉妹の“あるある”が描かれていることが分かった。本作は、吉田秋生のベストセラーコミックを『そして父になる』の是枝裕和監督が映像化。鎌倉の祖母の残した家で暮らしている三姉妹が、ある日迎えることになった、幼いころに別れたきりの父が残した“異母妹”。海の見える街の色とりどりの四季の中で、彼女たちが傷つけ合いながら絆を結び、本当の家族になるまで積み重ねるかけがえのない瞬間を映し出していく。そんなリアルな家族の物語には、姉妹の日常のやり取りも丁寧に描かれており、特に姉妹を持つ人たちから共感の声が上がっているという。例えば、劇中で“誰が先にお風呂に入るか”で四姉妹がもめるシーン。家族に女性が多ければ多いほど、どの家庭でも毎晩のように繰り広げられる“プチ”ゲンカかもしれない。是枝監督は、よりリアルな姉妹像を描くため、実際に何組かの三姉妹を取材したそうで、彼女たちは「お風呂に入る順番を決めるとき、年上とかは関係なく、ほとんどの姉妹が(一番)短く入る人が先に入る」と答えたと明かしている。さらに、「一番のケンカ理由は何か?」といえば、自分が買った服を(ほかの姉妹に)最初に着られてしまうことだったそう。このエピソードは劇中でも、長女・幸(綾瀬さん)が買った服を次女の佳乃(長澤さん)が無断で着てしまい、言い合いになるシーンとして実際に登場する。そんな、クスっと笑えるやり取りや姉妹の“あるある”ネタなど身近に感じられるエピソードがたくさん詰まった本作。綾瀬さん、長澤さん、夏帆さん、広瀬さんが織りなす、1つ1つの出来事は何もかも愛おしく、心をほっこりさせてくれるに違いない。『海街diary』は6月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年05月30日是枝裕和監督最新作『海街diary』公開を前に、是枝監督の前作『そして父になる』に続いて本作のカメラマンを務めた写真家の瀧本幹也が撮影の過程を収めた写真集「海街diary」が発売。5月27日(水)、是枝監督、瀧本さん、主演の広瀬すずによるトークイベントが開催された。現在も連載が続く吉田秋生の人気漫画の実写化で綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆という豪華女優陣が広瀬さんの腹違いの姉を演じている。育ての親の祖母亡きあと、鎌倉の家で暮らす3姉妹の元に、かつて彼女たちを捨てた父が亡くなったという知らせが届く。その葬儀の席で出会った腹違いの妹を鎌倉の家に引き取り、4人は一緒に暮らし始めるのだが…。先日閉幕した「カンヌ国際映画祭」に出品され、是枝監督、瀧本さん、そして広瀬さんを含む4姉妹が現地を訪れたが、是枝監督は「4人をカンヌに連れて行くことができて幸せな時間でした」と笑顔で語る。広瀬さんも「楽しかったです。映画の街だなというのが印象的でした。思ったよりも緊張することなく、お姉ちゃんたちとレッドカーペットを歩けたのが楽しかったし嬉しかったです」とニッコリ。カンヌ滞在の様子は日本でもTV番組などで紹介され、カンヌの常連である是枝監督のおすすめのパンナコッタを食べる様子なども映っていたが、広瀬さんは「いままで食べたデザートの中で一番おいしかったです!」と嬉しそうに語っていた。今回の写真集の写真は、瀧本さんが撮影の合間やセットチェンジの時間に撮影したものが収められている。広瀬さんは「映画の中で食事しているシーンでも、カットがかかっても4人ともずっとそこで食べ続けてるんです、おいしいから(笑)。そこで自然な世界に生きているのを感じたし、そういうところを撮られてる」と語る。是枝監督も「4姉妹のこの時しかない瞬間――特にすずは、そういう瞬間を切り取られています」と瑞々しい一瞬が収められていると強調する。瀧本さんは、4姉妹が暮らす古い民家の縁側に惹かれたようで、そもそも、そこに佇む姉妹の姿に写真家として刺激され、撮影が始まってから写真集という形で記録を残すことを考えたとのこと。「セットチェンジのときでも普通は控室に戻るのに、そのままみんな、縁側に座っていた」と述懐。広瀬さんはその時の会話について「あそこの食べ物屋さんがおいしいという話か、監督や瀧本さんの話もしてましたよ」といたずらっぽい笑みを浮かべていた。写真集「海街diary」(青幻舎刊)は発売中。『海街diary』は6月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年05月27日女優の綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずらが14日、是枝裕和監督最新作『海街diary』(6月13日公開)がコンペティション部門に正式出品されることを受けて、フランス・カンヌで開催されている第68回カンヌ国際映画祭に出席した。現地の天候は晴れ。綾瀬はスパンコールをあしらった花柄の白いドレス、長澤はスタイルのよさを生かしたタイトな淡い紫色のドレス、夏帆は色鮮やかなプリントのボリュームスカートがポイントのドレス、広瀬は淡い水色の清楚なドレスに身を包み登場。世界中から集まったカメラマンたちを前に、笑顔で応えた。映画の上映は、現地時間の16:00に実施。会場の2300席はすべて埋まり、女優のカトリーヌ・ドヌーヴや『アーティスト』(2011年)のミシェル・アザナヴィシウス監督の姿も。上映中は、コミカルなシーンには笑いが起こるなど、温かい雰囲気に包まれた。映画が終わると、会場からはスタンディングオベーションが起こり、5人は感激した様子を見せていた。上映を終え、夏帆は「本当に貴重な体験をさせていただいた。夢のような体験。みなさんの反応が温かくて、すごくすてきな上映だったなと思いました」と感慨深く語ると、長澤も「たくさんの人の心に何かが届いたのかなと思って、すごくうれしかった」とコメントした。今回、「この4人にこの映画祭を体験してもらいたいというのが強くあった」と語っていた是枝監督。綾瀬が「また来てみたいなと思いました」と思いを語り、広瀬も「大人になって、またこの舞台に立てるような女優さんになりたいなと思いました」と目標を見据えたように、女優たちにとって貴重な経験となったようだ。上映されたメイン会場に向かうレッドカーペットでは、タキシードできめた是枝監督を筆頭に、綾瀬はクリスチャン・ディオールのオートクチュールで、胸元のラインが際立つ白のクラシカルなドレス、長澤はステラマッカートニーの深いグリーンとブルーのタイトなロングドレス、夏帆はイヴ・サンローランの鮮やかな藍色のシックなロングドレスに、広瀬はオリジナルで水色と白のチェック柄の爽やかなシフォンドレスにと着替えて登場。四姉妹が手をつないで横一列になって歩くなど、映画の雰囲気そのままにメイン会場へと進んでいた。(C)2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
2015年05月15日綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが出演した第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門のトップバッターとして是枝裕和監督の『海街diary』が公式上映され、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずがレッドカーペットに登場した。綾瀬さんは「クリスチャン・ディオール」、長澤さんは「ステラ・マッカートニー」、夏帆さんは「イヴ・サン・ローラン」、広瀬さんはオリジナルのドレスと、それぞれスタイルは違うものの、四姉妹役らしく揃って涼しげなカラーをチョイスし、映画の舞台、鎌倉の海を思わせた。上映後には、スタンディングオベーションが5分近く続き、監督も四姉妹も感激のお面持ちで、特に綾瀬さんは会場の熱気にあてられたのかかなり上気した様子。上映後、海辺にあるジャパン・パビリオンに移動すると「風が気持ちいい!」と風にあたって、ほてりをさましている様子が、なんとも愛らしかった。感想を聞くと、「たくさんの拍手をいただけて、とても嬉しいです。また来たいなと思いました。私とすずちゃんが叫ぶシーンで笑いが起きたのが、意外でした」(綾瀬)、「去年も『The Crossing』のプロモーションでカンヌのレッドカーペットを歩きましたが、今度はコンペティションで来たいなと思っていたので嬉しいです」(長澤)、「日本にいるとなかなか世界を知ることができないので、本当に貴重な体験ができました。また来られるように頑張りたいです」(夏帆)、「お姉ちゃんたちと来られて嬉しい。これからも演技を続けて、大人になったらまたこの舞台に立ちたいです」(広瀬)と語り、是枝監督も「何度カンヌに来ても毎回違いますが、待ってくれている観客がいて嬉しい」と喜びを語った。映画は鎌倉を舞台に、疎遠だった父の死をきっかけに母親違いの末妹(広瀬さん)を引き取り、4人で暮らし始めた姉妹の1年間の日々を綴る。レッドカーペット前には公式記者会見が行われ、「小津安二郎の映画を思わせるが、作品は見ましたか?」との海外の記者の質問に、綾瀬さんは「何本か拝見しました。男性の俳優さんの表情がユニークだなと思いました」と笑顔で答えていた。2年前は『そして父になる』で見事、審査員賞を受賞した是枝監督。ジョエル&イーサン・コーエンら今年の審査員団の判断がわかるのは、24日夜(現地時間)となる。(photo / text:Ayako Ishizu)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年05月15日