モントリオール世界映画祭で『悪人』(李相日監督)に出演している深津絵里が最優秀女優賞を受賞した。本作は吉田修一の同名小説の映画化作品で、ある殺人事件を巡る被疑者、被害者、その遺族、被疑者の家族などの姿を通して、真の“悪人”とは何者かを問いかけるドラマ。深津さんは、妻夫木聡演じる殺人犯・祐一に付き添い、逃避行を繰り広げる女性・光代を演じており、全編にわたって九州の方言での演技で、官能シーンにも果敢に挑戦している。妹と二人暮らしで紳士服量販店に勤め、ほとんど地元の街から出たことのない、どこか垢抜けない女。そんな彼女が出会い系サイトを通じて祐一と出会い胸を躍らせるも、突如、彼から殺人を犯したという告白を受け、彼の逃避行に付き従う。登場からラストまで、揺れ動く心情を繊細に表現。北米の地でも高い評価を受け、見事、最優秀女優賞に輝いた。日本映画の同映画祭における受賞は2008年の『おくりびと』の最優秀作品賞と『誰も守ってくれない』の脚本賞(君塚良一)、2009年の『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』の監督賞(根岸吉太郎監督)に続き3年連続。また同最優秀女優賞の日本人受賞は1983年の『天城越え』における田中裕子の受賞以来の快挙となる。授賞式で壇上に上がった深津さんは「ありがとう、メルシーボク。私がここで手にしている賞は『悪人』という作品を作った全てのスタッフにいただいた賞だと思っています。本当に嬉しいです。日本にいるキャスト、スタッフのみんなにこの喜びを伝えたいです。ありがとうございました」と挨拶。授賞式後にコメントを求められた際も「監督の演出がなければあの演技はできなかったと思うし、(相手が)妻夫木さんでなかったら獲れなかった賞だと思います」と謙虚に監督と共演の妻夫木さんへの感謝を口にした。李相日監督は「役者の力を見せつけられた。全員で勝ちとったと思います」と語り、妻夫木さんも「夢のような感じがします。僕らの熱が伝わったと思います。深津さんがいたからこそ、高め合って、支え合って撮影できた。なにか家族が賞を獲ったような気がします」と喜びを語った。『悪人』は9月11日(土)より全国東宝系にて公開。今後、国内の賞レースでも注目を集めそうだ。■関連作品:悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:『悪人』にモントリオール喝采!妻夫木聡&深津絵里も現地の反応に感激『悪人』の李相日監督がハンディカムCMを演出!真夏の大騎馬戦を珠玉のドラマに妻夫木聡は自称“仕事人”「仕事ください」妻夫木聡らが日本代表に声援!…も、樹木希林は「サッカーは頭の細胞に悪そう!」
2010年09月07日映画『これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫』の製作報告会見が赤塚さんの三回忌(※没後2年目の命日)にあたる8月2日(月)、東京・東映大泉撮影所で行われ、主演の浅野忠信、共演の堀北真希らが出席した。赤塚さんを35年間にわたって担当した元小学館の名物編集者、武居俊樹さんが綴ったエピソード集「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」(文藝春秋刊)を原作に、赤塚さんの奔放な人生を描く物語。先月4日にクランクインし、今月19日までの予定で撮影中。監督は、人気脚本家で監督の君塚良一氏の助監督を務めてきた佐藤英明が初メガホンを取っている。キャスト陣は撮影の合間に劇中衣裳で登場。赤塚さん役の浅野さんは「いまはすっかり羞恥心がなくなり、ここ3日はずっと全裸で走り回っていますが、それを誰も気にしなくなりました。全部真剣に全開でやっています」とすっかり役に入り込んでいる様子。羞恥心をふっ切った瞬間についての質問に、「最初にスタッフさんたちなどみんなが集まって挨拶するときに、『シェー』をやらせてもらった。その後、レコーディングがあり、いろんなバージョンで歌わせてもらい、その辺り、早い段階で羞恥心はなくなりました」と柔和な笑み。「その次の日『ご自分の振り付けで踊って下さい』と監督から言われ、ご自分の振り付けって何だ?と思いながら踊った。それですごい大変ってことに気付いた。僕が滅茶苦茶やっても誰も笑っていない。僕は浅野忠信で赤塚さんじゃないから笑いを求められているわけでもない。戦いだと思った。僕、笑わないヤツの顔を見ていますから」とギラギラした眼差しを見せるひと幕も。元々、赤塚さんの大ファンといい「漫画も好きですが、笑顔が好きで、笑顔の写真を部屋に貼っていた。お顔からにじむ何かが好き。いまは毎朝、『もっと面白いことをします』と赤塚先生に祈っています」と思い入れタップリに話した。武居さんにあたる編集者を演じる堀北さんは「知っている世界とは遠い世界で、バカになることや『シェー』って言うことに抵抗があったけど、いまはバカになる楽しさを知ってしまった」とニッコリ。「テンションを上げるコツを最近掴んだ。とにかく叫ぶ、何でもいいから奇声を上げる。だからやたらと叫んでいます」と楽しげに話した。会見には武居さんも出席。赤塚さんの長女で赤塚プロの社長、りえ子さんからの祝電が「父が生きていたらきっと喜んだと思います」などと読み上げられると、武居さんは「先生や奥様、りえちゃんの実母にあたる前の奥様が次々亡くなって、りえちゃんはショックを受けていたと思いますが、ようやく立ち直ったところにこの映画のお話が来て、いいことだな、と思いました」と優しい笑顔。「TVに出ている頃の先生はアル中でむくんじゃった顔をしていましたが、僕が会った頃の先生はいまの浅野さんのようにハンサムで、すごく真面目な人でした。ふざけて漫画の中のギャグなのか現実のギャグなのかどっちか分からない生きざまでしたが、その奥にある真面目さに、僕は学んだ」と感慨深い表情を浮かべていた。映画『これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫』は2011年、GW公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫 2011年、GW公開
2010年08月02日織田裕二が7月3日(土)、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇1で行われた主演映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』の初日舞台挨拶で、“先輩”和久平八郎こと故いかりや長介さんへの思いを吐露した。警視庁湾岸警察署を舞台に、刑事課の青島俊作(織田さん)らの人間味溢れる奮闘ぶりや組織内の葛藤を描いたフジテレビ系人気ドラマシリーズの劇場版第3弾。織田さんは、前作までベテラン刑事(スペシャルドラマ「歳末特別警戒スペシャル」から指導員)を演じたいかりやさんと名コンビぶりでファンを魅了してきたが、7年ぶりの新作では“ひとり立ち”し、係長に昇進した。7年間のブランクが空いたことに「こんなに経ってしまった。お待たせして申し訳ない。和久さんが亡くなられて何も考えることができなくて、止まってしまった。でも『青島よぉ、いつまでそのままでいるんだ、お前ら、やれるだろ。何、感傷に浸っているんだよ』って言われている気がした。和久さんを送りだすために、“踊る流”に死とか仲間を大事に新作を作ったつもり。和久さんに届いたら、観てくれたら、どんな声が返ってくるのかなと思う」としみじみした表情で心境を吐露。湾岸署の署長(北村総一朗)、副署長、刑事課長の3人組、スリーアミーゴスの北村さんも、客席に向かい、「あ、和久さん、ご覧になっていた?和久さん、ありがとう」と語りかけた。プロデューサーの亀山千広氏は「6月23日に僕と脚本の君塚良一と本広克行監督と、(和久さんの甥役の)伊藤(淳史)くんの4人で、いかりやさんのお墓参りに行きました。クランクインの前に行こうかと迷いましたが、今年は7回忌でしたので、その前に行くはどうかと思って。(命日の)3月20日も撮影をしていたと思います」と明かした。一方、ユースケ・サンタマリアは「スピンオフの『新署長真下正義の憂鬱』の製作が決定しました。それから私と小栗(旬)くんと伊藤くんで“ブブセラ3”としてデビューします」と“舌好調”挨拶。深津絵里も「夏のへこたれそうなときに、元気を私たちから吸い取って…吸い取れないか、奪い取って?」と話し、会場の笑いを誘った。この日の舞台挨拶は、史上最多となる全国41劇場に同時生中継されて1万人が“鑑賞”。挨拶は2回行われ、2万人が楽しんだ。前2作とも興行収入100億円を超え、前作『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が邦画実写の歴代興収173.5億円で1位の記録を持つ超人気シリーズ。前作は408スクリーン、本作は447スクリーンで公開されており、配給元の東宝によると、この日の正午時点で観客動員が前作対比102%。「興行収入100億円超えは確実」と発表した。亀山氏は「やるからには目指したい。まずは3ケタを超えたいですね」と前作超えを目標に設定。今夏は今月10日(土)に『トイ・ストーリー3』、17日(土)にスタジオジブリの新作『借りぐらしのアリエッティ』など話題作が続々公開されるが、「劇場がにぎわうのはいいこと、相乗効果がある」と期待を寄せていた。『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 2010年7月3日より全国東宝系にて公開© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー■関連記事:織田裕二「泣きそう!」深津絵里のいかりや長介への思いに温かい拍手青島と室井がガッチリ握手!織田裕二の「ただいま」に会場全体「おかえり!」小泉孝太郎と福田沙紀が“禁断の関係”に?高校教師と女子高生がまさかの同棲!7年ぶりの映画『踊る大捜査線』に織田裕二予告「現場に血は流れます」
2010年07月03日6月29日(火)に開催された映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』完成披露試写会にて、上映前に主演の織田裕二をはじめとするキャスト・スタッフ総勢15名による舞台挨拶が行われたのに続き、上映後にもさらに、小泉今日子らを加えた計23名が壇上に上がり、舞台挨拶を行った。エンドロールでおなじみの主題歌「Love Somebody」が流れると、場内で大合唱。観客と共に映画を鑑賞したキャスト、スタッフ陣にスポットライトが当たると、歓声と拍手がわき起こった。かつてないほど大規模なこの舞台挨拶に登壇したのは織田さん、小泉さんに、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、小泉孝太郎、内田有紀、佐戸井けん太、小林すすむ、伊藤淳史、小栗旬、北村総一朗、小野武彦、斉藤暁、寺島進、高杉亘、甲本雅裕、遠山俊也、川野直輝、滝藤賢一、森廉、時東ぁみ、君塚良一(脚本)、そして本広克行監督。壇上に上がった織田さんは「やばいね…泣きそう」と必死で涙をこらえるような表情。「どうでした?笑った?泣いた?」とポツリポツリと客席に問いかけ「サイコー!」という客席からの声に「こっちにとっては、そっち(=観客)が最高です。(前作から)7年掛かっちゃったけど、作ってよかった」と語った。上映後の舞台挨拶からの出席となった小泉さんは鮮やかな赤いワンピース姿で登場。劇場版第1作で演じた猟奇殺人犯・日向真奈美を再び演じたが「また、ワルいことしちゃいました!」とイタズラっぽく笑い歓声を浴びた。12年ぶりの『踊る』参加について「若い人に会うと『子供の頃に1作目の映画で小泉さんの犯人役を見て、トラウマになった』と言われることがあるんですが、そんなチルドレンをまた増やしてみました」とノリノリ。また、劇中である少年の役を演じている森さんは現在22歳だが、1997年に放送されたTVシリーズの第1作に出演しており、当時は小学生だったという。それ以前にはTVドラマ「お金がない!」(フジテレビ)で織田さんの弟役を演じたことも。久々の織田さんとの共演について聞かれ「久しぶりに会って、シワが増えてて」と言うと場内は爆笑。織田さんは「余計なお世話だ!お前、調子に乗ってんな?」と“青島”口調で怒りを露わにし、会場は再び笑いに包まれた。さらにこの日、これまでレギュラーとして映画に出演しながらも、フルネームが不明だった3名、神田署長(北村総一朗)、秋山副署長(斉藤暁)、特殊急襲部隊「SAT」中隊長の草壁(高杉亘)の下の名前が判明!神田署長は北村さんと同じ「総一朗」、秋山副署長は「春海」、そして草壁は「中(あたる)」であると発表された。上映前の舞台挨拶に続いて上映後も登壇した深津さんは、会場の熱気に圧倒された様子。「いかりやさんに褒めてもらいたいと思いました」と長年にわたって本シリーズで共演してきた故・いかりや長介さんを偲ぶ言葉に、会場からは温かい拍手がわき起こった。最後に織田さんからは「『踊る』はいいなぁ、って思いました。また『4』に向けて…あ、言っちゃった(笑)!」とさらなる続編への意欲も。会場からは期待を込めて歓声と拍手が送られた。『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は7月3日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 2010年7月3日より全国東宝系にて公開© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー■関連記事:青島と室井がガッチリ握手!織田裕二の「ただいま」に会場全体「おかえり!」小泉孝太郎と福田沙紀が“禁断の関係”に?高校教師と女子高生がまさかの同棲!7年ぶりの映画『踊る大捜査線』に織田裕二予告「現場に血は流れます」
2010年06月30日映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』の完成披露試写会が6月29日(火)、都内で開催され、上映前の舞台挨拶に織田裕二をはじめとするキャスト、スタッフ総勢15名が登壇した。おなじみのオープニングテーマに乗って登場した織田さんらを観客は手拍子と大歓声で迎えた。客席内に設置されたレッドカーペット上で、織田さんと柳葉敏郎はガッチリ握手!ファンの声援に応えた。記録的な大ヒットとなった前作から7年ぶりの“帰還”に、織田さんはひと言「ただいま」。これに会場全体が「おかえり!」と応じる。柳葉さんは「みなさんと一緒に感動を味わえて…最高です」と感激した面持ちで声を震わせた。深津絵里が「7年分の思いが詰まっています!」と短い言葉に強い思いを込める一方、饒舌だったのはユースケ・サンタマリア。「季節はずれの氷雨降り注ぐ中…」という前口上に始まり、「とある事情で僕は大好きな交渉人をクビになりまして」とネタバレ発言、さらに「伊藤(淳史)くんと一緒に“ブブゼラブラザーズ”という名で歌を出すことになって」など言いたい放題で会場をわかせた。本作で『踊る』の仲間入りを果たした小栗旬は「これだけ愛されたシリーズに参加できて『おじゃまします…』という気分です」とファンの熱狂に圧倒された様子で語った。“スリーアミーゴス”こと北村総一朗、小野武彦、斉藤暁のトリオも健在!北村さんは会場を見やり「元気だねぇ。自分がどこにいるのか分からないような気分です。コンサートでもやろうか?」と劇中そのままののん気な口調で挨拶すれば、小野さんは「(特別番組として放送されている)『深夜も踊る大捜査線3』も見てください」としっかりとアピール。斉藤さんは「私はついに、丸の内署に行くことはできませんでした…。でも行けなくて良かった!行ってたら映画に出られなかったかも」と語り歓声を浴びた。このほか、伊藤淳史、内田有紀、小泉孝太郎、佐戸井けん太、小林すすむに脚本の君塚良一、監督の本広克行も出席したが、ひとりひとりが挨拶するごとに客席から大歓声が上がり、改めて『踊る』シリーズの人気の高さを見せつけた。『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は7月3日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 2010年7月3日より全国東宝系にて公開© 2010 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー■関連記事:小泉孝太郎と福田沙紀が“禁断の関係”に?高校教師と女子高生がまさかの同棲!7年ぶりの映画『踊る大捜査線』に織田裕二予告「現場に血は流れます」
2010年06月29日誰かに守られ、誰かを守っていくこと――。大ヒット刑事ドラマ「踊る大捜査線」の生みの親、君塚良一が、“容疑者家族の保護”をテーマに、現代社会に一石を投じた社会派エンターテイメント『誰も守ってくれない』。昨年のモントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を獲得するなど、国内外で大きな反響を呼んだ。本作で、ある日突然“容疑者の妹”として社会の渦に巻き込まれるヒロイン・沙織を演じたのが、弱冠16歳にして大人顔負けの表現者として、名実共に若手女優のトップをひた走る志田未来。DVDの発売を前に話を聞いた。現場で感じたままを表現することへの戸惑い「最初はやっぱり、いままでと違うことに戸惑いはありました」。そう語るのも無理はない。本作では、リアルな人間ドラマを追究すべく、リハーサルからカメラを回しっぱなしという“セミドキュメンタリー撮影”という手法がとられた。「最初に君塚さんにお会いしたときに、『役作りをしないで、現場に来たときに感じたことをそのまま表現してくれればいいから』と言ってくださったので、役作りはしなかったです。現場でも『好きに動いていいよ』って言われました。でも、正直どう動いていいのか分からなかったですね。何回も本番を撮るんですが、『もう1回』と言われてもどこがダメだったかとか、気になってちょっと落ち着かなかったりもしました。特にここが大変ということはなかったですけど、慣れるまで大変でした」。兄の犯した殺人事件により社会から追われる状況に陥る中学生の沙織。そんな彼女の目に宿るのは、大人に対する並々ならぬ不信感だ。彼女の保護にあたる刑事・勝浦(佐藤浩市)に対しても同様。壁に阻まれた2人の関係が変化していくさまこそが、本作の見どころとなる。「(撮影現場で)浩市さんは敢えて、私に話しかけなかったと後で聞きました。いま思うと、全然話してなかったですね。一人でいることが多かったので、正直ちょっと寂しかったです(笑)。でも監督からも、撮影の本番で、台詞を間違えても突然変な動きをしても浩市さんがフォローしてくれるからと言われていたので、安心してお芝居はできました」。「家族が大好きなところは似ている」という等身大の中学生を演じた志田さんだが、本作も「やっぱり同世代の方に一番、家族と一緒に観てもらいたい」と話す。「沙織みたいな普通に過ごしていた女の子が、突然いろんな人から中傷されたり、映像を流されたりというのはやっぱり怖いし、ひどいなと思いました。そういうインターネットの怖さも含めて、『守る』ということを考えさせてくれる映画なので、そこを観てもらいたいです」。志田さんが言うように、本作の重要なテーマとして横たわるのが、利便性の裏返しにあるネット社会の恐怖だ。そのシンボルとして、印象的なのが、劇中で沙織が片時も離さず握りしめている、携帯電話。沙織と同世代の志田さんも「電話はよくします。今回もメールで『すごく目が綺麗だった』と言ってくれた友達がいて、すごくうれしかったです。(携帯は)無くなったら困ります(笑)」と語る。16歳を迎えていま、挑戦してみたいもの本作を撮影したのは中学2年のとき、今年高校にあがったばかりの志田さん。劇中よりも一回り大人びた様子で語る彼女だが、プライベートについて尋ねると、ふとした瞬間にあどけない笑顔がこぼれる。「高校に入って、電車通学も初めてだし、中学の頃の友達もいないので、(生活が)ガラッと変わりました。部活はヒップホップ同好会に入りました。仲の良い友達と集まって好きにやってる感じなんですけど。(プライベートでは)買い物に行ったりカラオケに行ったりして遊んでます。この前は『余命1ヶ月の花嫁』を友達と一緒に観に行きました。瑛太さんが演じていた太郎さんがすごく優しくて、ああいう男性がいいなと思いました(照)」。本作を通して、「お芝居の面でも成長したというか、新しい引き出しが増えた」。そうふり返る志田さん。本作に続き、10月からは不朽の名作のドラマ化「小公女セイラ」のヒロインという大役が控えている。最後に今後の目標について聞いた。「自分の個性を出してやっていけたらいいなと思っているので、こういう人になりたいという目標は特にないんです。(やってみたい役は)ギャルとか、すごくひねくれた役をやってみたいですね。やっぱり、いままでやったことのない役をやってみたいですし、いろんなことに挑戦してみたいです」。曇りのないたくましさをたたえる、まっすぐな瞳。その中に見据える未来を、これからも楽しみに待ちたい。『誰も守ってくれないプレミアム・エディション<初回限定生産>』価格:5,985円(税込)『誰も守ってくれないスタンダード・エディション』価格:3,990円(税込)発売元:フジテレビジョン/販売元:ポニーキャニオン発売日:9月2日(水)※同日レンタル開始© 2009 フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝■関連作品:誰も守ってくれない 2009年1月24日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン 日本映画衛星放送 東宝■関連記事:佐藤浩市「松田龍平って面白い!」&木村佳乃からは“癒やし系”扱いも当人は困惑顔蔵之介だけは撮り直し免除?本物の演技に迫った『誰も守ってくれない』佐藤浩市主演『誰も守ってくれない』モントリオール映画祭にて数多くの絶賛の声
2009年09月01日