万作・萬斎の会 毎年恒例の横浜公演横浜能楽堂休館のため「横浜にぎわい座」にて趣向を変えて開催万作の会主催、第24回よこはま「万作・萬斎の会」at横浜にぎわい座~狂言と落語による~(神奈川)《2回公演》が2024年4月29日 (月・祝)に横浜にぎわい座芸能ホール(神奈川県横浜市中区野毛町3丁目110番1号)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて3月25日(月)10:00より発売開始です。カンフェティにて3月25日(月)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 狂言師 野村万作と野村萬斎を中心に能と狂言を上演する〈よこはま「万作・萬斎の会」〉。毎年恒例の横浜公演ですが、横浜能楽堂改修工事による休館のため、本年は場所と趣向を変えて同じ桜木町にある寄席「横浜にぎわい座」にて開催します。会場に合わせ、落語家・三遊亭竜楽さんをお招きし、同工異曲の狂言「鏡男(かがみおとこ)」と落語「松山鏡(まつやまかがみ)」を合わせて上演いたします。また、狂言「縄綯(なわない)」を野村万作・萬斎・裕基の三代で上演します。公演冒頭には野村萬斎による解説もあり、初心者でも安心してお楽しみいただけます。【番組】解説:野村萬斎鏡男:石田幸雄・中村修一・岡聡史落語「松山鏡」:三遊亭竜楽縄綯:野村万作・野村裕基・野村萬斎公演概要第24回よこはま「万作・萬斎の会」at横浜にぎわい座~狂言と落語による~(神奈川)《2回公演》公演日時:2024年4月29日 (月・祝)13:00 / 16:30※開場は開演の30分前会場:横浜にぎわい座芸能ホール(神奈川県横浜市中区野毛町3丁目110番1号)■チケット料金S席(1階前方)6,000円A席(1階後方・2階前方) 5,000円B席(2階後方)4,000円C席(1階・2階サイドシート)3,000円(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月25日長谷川博己主演ドラマ「アンチヒーロー」に、野村萬斎が出演。ビジュアルとティザー映像も公開された。本作は、「正義の反対は、本当に悪なのだろか…?」を視聴者に問いかけ、スピーディーな展開で常識が次々と覆されていく、日常の小さなことがきっかけで正義と悪が入れ替わり、善人が悪人になってしまう、バタフライエフェクトのような逆転パラドックスエンターテインメント。長谷川さんのほかにも、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃の出演も決定している。日曜劇場を含め、TBSの連続ドラマは本作が初出演となる萬斎さんが演じるのは、東京地検トップの検事正。長谷川さんとの共演は、『シン・ゴジラ』『リボルバー・リリー』や舞台「わが魂は輝く水なり」に続き、本作で4本目。長谷川さん演じる主人公の“ヒーローとは言い難いアンチな弁護士”とは激しい衝突となるのか注目だ。「今から非常に楽しみで仕方ありません」と出演にワクワクしている様子の萬斎さんは、「長谷川さんとは以前舞台で共演したことはありますが、ドラマで共演させていただくのは今回初めてですし、長谷川さん演じる弁護士とわたくし演じる検察官が対峙していく姿も本作の見どころでもありますので、ぜひご期待ください」とメッセージを寄せている。「アンチヒーロー」は4月、毎週日曜日21時~TBSにて放送予定。(シネマカフェ編集部)
2024年03月14日俳優の長谷川博己が主演を務める、4月期のTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜後9:00)の追加キャストとして検事正役で野村萬斎の出演が決定した。萬斎は日曜劇場を含め、TBSの連続ドラマ出演は本作が初となる。本作は「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、長谷川演じるアンチヒーローを通して、視聴者に“正義とは果たして何なのか?” “世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?” を問いかけ、スピーディーな展開で次々に常識が覆されていく。日常のほんの少しのきっかけ、たとえば「電車に一本乗り遅れてしまった」「朝忘れ物をして取りに帰った」。たったそれだけのことで、正義と悪が入れ替わり、善人が悪人になってしまう。まさにバタフライエフェクトのような、前代未聞の逆転パラドックスエンターテインメントを届ける。萬斎は3歳で初舞台を踏み、狂言師として現在に至るまで国内外の狂言や能の公演に多数参加し普及に貢献。映像作品にも数多く携わっており、映画『陰陽師』(2001年)や『のぼうの城』(12年)、『七つの会議』(19年)などで主演を務め、昨年放送のMHK大河ドラマ『どうする家康』では、初回の出演で大きなインパクトを残した。今年7月公開の映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』では内閣総理大臣・徳川家康を演じる。長谷川との共演は、長谷川が主演を務め、萬斎のゴジラ役が話題となった映画『シン・ゴジラ』(16年)をはじめ、舞台『わが魂は輝く水なり』(08年)、映画『リボルバー・リリー』(23年)と、本作で4本目となる。長谷川演じる主人公“ヒーローとは言い難いアンチな弁護士”とは激しい衝突となるのか?<野村萬斎>このたび日曜劇場に初めて出演させていただくことになり、今から非常に楽しみで仕方ありません。脚本もここまでやるのかという切り込み方で描かれており、脚本を読んでいるだけでもドキドキする展開で非常に面白いと感じました。連続ドラマは、毎話毎話放送後に視聴者の皆さんの反応を肌で感じることができるので、そのリアルな反応も今から非常にワクワクしております。長谷川さんとは以前舞台で共演したことはありますが、ドラマで共演させていただくのは今回初めてですし、長谷川さん演じる弁護士とわたくし演じる検察官が対峙していく姿も本作の見どころでもありますので、ぜひご期待ください。
2024年03月14日映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』が7月26日(金) に公開される。このたび、野村萬斎演じる徳川家康のビジュアルが公開された。原作は、2021年に出版されるとビジネス小説としては異例の11万部を突破するヒットを記録し、さらにはコミカライズもされている同名小説。物語の舞台はコロナ禍真っ只中の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、あろうことか総理が急死した日本。不安渦巻く中、未曾有の危機に直面する政府が実行した最後の手段は「歴史上の偉人たちをAIで復活させ、最強内閣を作る」こと。“最強ヒーロー内閣”として、窮地に追い込まれた日本を救うべく、誰もが知る日本の歴史に名を刻む錚々たる偉人が、議員バッジをつけ集結。現代の日本×歴史上の偉人という壮大なジェネレーションギャップが織りなすエンターテインメント作品だ。今回公開された“家康ビジュアル”は、野村演じる家康がサングラスをかけ、国会議事堂の前で真っ直ぐな眼差しでこちらを見ている姿が印象的。先を見据えている視線にぐっと引き込まれながらも、現代のファッションアイテムのひとつでもあるサングラスをかけている家康の姿はミスマッチでどこかシュールで、“現代日本×歴史上の偉人”のジェネレーションギャップが垣間見えるビジュアルに仕上がっている。さらにサングラスの反射には、浜辺美波演じるテレビ局政治部の新人記者である主人公・西村理沙が、偉人内閣のスクープを狙おうと家康に接近している姿も映っている。野村は家康役について「265年の安寧の世の中を築き、その礎になった徳川家康は偉大だと改めて感じました。人の心に寄り添って周りを見渡し、世の中を平らにみているイメージを持って演じました」と振り返り、撮影については「非常に濃厚な時間を過ごせました」とコメントを寄せた。また浜辺は子どもの頃から野村に憧れを持っていたそうで「最初にお会いできたときは本当に嬉しかったです。ユーモアにあふれていてお茶目な方で、とても楽しく撮影ができました」と喜びを明かしている。<作品情報>『もしも徳川家康が総理大臣になったら』7月26日(金) 公開公式サイト:「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
2024年01月31日現代の日本×歴史上の偉人という壮大なジェネレーションギャップが織りなすエンターテインメントムービー『もしも徳川家康が総理大臣になったら』。この度、野村萬斎が演じる徳川家康のビジュアルが到着した。本作は、ビジネス小説としては異例の11万部を突破する大ヒットを記録し、コミカライズもされている「もしも徳川家康が総理大臣になったら」の映像化。コロナ禍真っ只中の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、あろうことか総理が急死した日本。そんな中で政府が実行した最後の手段は、「歴史上の偉人達をAIで復活させ、最強内閣を作る」こと。窮地に追い込まれた日本を救うべく、誰もが知る日本の歴史に名を刻む錚々たる偉人が、議員バッジをつけ大集結する物語だ。今回公開されたのは、サングラスをかけた家康が、国会議事堂の前でこちらを見ている、ミスマッチでどこかシュールなビジュアル。サングラスの反射には、浜辺美波演じる主人公で新人記者の理沙が、偉人内閣のスクープを狙おうと家康に接近している姿も確認することができる。家康役について萬斎さんは「265年の安寧の世の中を築き、その礎になった徳川家康は偉大だと改めて感じました。人の心に寄り添って周りを見渡し、世の中を平らにみているイメージを持って演じました」とふり返る。撮影については「非常に濃厚な時間を過ごせました」とコメント。また、子どもの頃から萬斎さんに憧れを持っていたという浜辺さんは「最初にお会いできたときは本当に嬉しかったです。ユーモアに溢れていてお茶目な方で、とても楽しく撮影ができました」と話している。『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は7月26日(金)より公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:もしも徳川家康が総理大臣になったら 2024年7月26日より公開Ⓒ2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
2024年01月31日千葉市美術館では、2024年1月6日(土)より、『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』が開催される。旗本出身ながら美人画で人気を博した浮世絵師・鳥文斎栄之の画業を、ボストン美術館や大英博物館をはじめとする国内外から集めた錦絵・肉筆画約160点で総覧する、世界初の展覧会だ。長身で楚々とした美人画や豪華な続絵を数多く手掛けた鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし/1756~1829)は、もとは第十代将軍徳川家治の御小納戸役として、絵を嗜んだ家治の「絵具方」として仕えた人物。御用絵師狩野栄川院典信に師事した彼は、天明6年(1786)の家治逝去後、本格的に浮世絵師として活動するようになり、やがて武士の身分を離れた。活躍期は浮世絵の黄金期と称される天明~寛政期(1781-1801)で、ライバルは美人画の巨匠・喜多川歌麿。吉原の遊女を艶麗に描いた歌麿に対して、栄之は遊里の女性はもとより、武家や貴族など上流階級の女性風俗を気品高く描いた。また自身も上流階級出身のためか、錦絵、肉筆画ともに純度の高い絵具を使った上質な作品を残している。歌麿に拮抗した人気があったにもかかわらず、栄之が日本であまり知られていない理由のひとつとして、明治時代に多くの作品が海外に流出したために、国内で彼の全貌を知る機会がなくなってしまったことがあげられる。そこで同展では、世界に1点しかない錦絵など貴重な29点が、ボストン美術館や大英博物館から里帰りする。また展覧会の準備段階で発見され新たに屏風に仕立てられた肉筆作品が初公開。その他、3枚続きや5枚続きの豪華な大判錦絵や、上流階級を描いた作品など、他の浮世絵には見られない、栄之ならではの作品を、思う存分楽しむことができる貴重な機会となっている。異色の浮世絵師・鳥文斎栄之の存在は、北斎、歌麿、広重だけではない、バラエティに富んだ浮世絵界の層の厚さを、改めて教えてくれるに違いない。<開催概要>『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』会期:2024年1月6日(土)〜3月3日(日)※会期中展示替えあり会場:千葉市美術館時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)休室日:2024年1月9日(火)、15日(月)、2月5日(月)、13日(火)※2月5日(月)は休館料金:一般1,500円、大学800円公式サイト:
2023年12月12日浜辺美波、赤楚衛二、野村萬斎が出演する映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の公開が決定。日本を救うため、偉人オールスターズが最強ヒーロー内閣として現代に復活する、究極のヒーローエンターテインメントムービーだ。時は2020年、コロナウィルスが猛威を振るい日常を奪われた日本。世界中が大混乱に陥る中、首相官邸でクラスターが発生、あろうことか総理大臣が急死してしまう。そこで政府が実行した最終手段、それは「AI・ホログラムにより歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくる」という前代未聞の計画だった。総理大臣を託されたのは徳川家康。そして、日本史に燦然と輝く大スターたちが議員バッジをつけ内閣に参加。官房長官を坂本龍馬ほか、織田信長、豊臣秀吉、紫式部、聖徳太子、北条政子、徳川吉宗、徳川綱吉、足利義満など通称≪偉人ジャーズ≫によるドリームチーム内閣が誕生する。圧倒的なカリスマに加え、政策を推し進めるえげつない実行力に人々は驚愕し、日本中が熱狂。そんな中、アナウンサー志望の若手テレビ局員・西村理沙は、スクープを取ろうと政府のスポークスマン・坂本龍馬に近づくのだが、ひょんなことから偉人ジャーズの活躍の裏に渦巻く黒い思惑に気付いてしまう――。本作は、ビジネス小説としては異例の11万部を突破する大ヒットを記録し、さらにはコミカライズもされている「もしも徳川家康が総理大臣になったら」の映画化。もしも、徳川家康が総理大臣だったら、いまの日本をどう導くのだろう?もしも、歴史上の偉人がコロナ禍の日本に現れたら、どうやってピンチを乗り越えるのだろう?そんな“もしも”が、武内英樹監督×脚本・徳永友一×音楽・Face 2 fAKE、『翔んで埼玉』のスタッフが再び手を取り合い、スクリーンで実現する。主演を務めるのは、浜辺さん。新人記者として最強内閣のスクープを狙う西村理沙を演じ、現代人代表として歴史的偉人たちに果敢に挑み、成長していく。そして歴史的偉人として、内閣官房長官を任された幕末の風雲児・坂本龍馬役で赤楚さん、内閣総理大臣・徳川家康役で萬斎さんが出演。ほかにも、織田信長、豊臣秀吉、紫式部、聖徳太子、北条政子、徳川吉宗、徳川綱吉、足利義満ら偉人が続々と登場するようだ。あわせて公開された撮りたてほやほやの場面写真は、熱心な眼差しで偉人たちに向き合う理沙、ワイルドさ溢れる龍馬、貫禄漂う家康の姿が確認でき、唯一無二の世界観が伺える。コメント・浜辺美波私が演じる西村理沙は、テレビ局の報道記者です。仕事柄、少しだけしたたかな部分もありますが、真っすぐで憎めない女性です。今作の台本を読んで最高に元気が出たことは、様々な時代の偉人たちが一堂に会すること!撮影で皆さんにお会いできると思うと、それだけでワクワクします。それだけではなく、舞台がコロナ禍の日本なので現実世界でもしあったらと身近に思えて、考えさせられる物語にとても惹かれました。また豪華キャストの皆さんが偉人達を演じられるので、その中に参加できることもとても楽しみです。武内監督とご一緒するのは「女信長」以来なのですが、撮影中は本当にわかりやすく演出していただいています。作品をつくるときのテンポやリズムにすごく嗅覚がある方で、私自身とても勉強になっています。「もし徳」は2023年を締めくくる自分へのご褒美のような作品です。役柄と一緒に猪突猛進して、最後までのびのびと楽しく演じていきたいです。・赤楚衛二坂本龍馬役を演じさせて頂きます赤楚衛二と申します。初めに台本を頂いた時、この時代に現れた偉人達がどう動き現代の人々にどう影響するか、終始ワクワクしながら読ませて頂きました。読み終えた後に前向きな気持ちになると同時に、強いメッセージ性にも惹かれました。今回、僕自身坂本龍馬を演じさせて頂くのですが、時代モノも偉人も初めてです。ウィッグとメイクの力をお借りして楽しみたいと思います。公開時期は少々先ですが皆様楽しみにして頂けたら嬉しいです。まだ撮影中ですので全力で激動の時代を生きた坂本龍馬を演じていけたらと思います。・野村萬斎撮影は、その国の偉人達が並んでいる蝋人形館が贅沢に動いているような、それくらいドリームな瞬間でワクワクドキドキしました。オファーをいただいたときは、時代劇と現代が繋がっているシチュエーションが自分にとって理想的な物語で飛びつきましたし、時代劇のオファーをいただくことはありましたが、三英傑の一人である徳川家康は初めてでした。総理大臣として要に座るわけですが、周りの意見を見聞きしてジャッジしていくというのは少し自分自身の日常と重なる部分もあります。この作品の魅力は偉人達と現代が繋がっているところ、偉人達がAIによって蘇る発想と、それによってコロナ禍を乗り越えようという着眼点の面白さにあります。そこに浜辺美波さんが演じられる理沙が絡み、時代劇と現代劇が組み合わさることで物語が大きく飛躍し、エンターテインメントとして深く突き詰めることができるような気がしています。・監督:武内英樹待ってました!家康、龍馬、信長、秀吉、日本人なら誰でも知っている歴史上の英雄、まさに和製アベンジャーズが大暴れ!偉人たちが生み出す化学反応に、私自身も一人の歴史好きとして本当に楽しみながら撮影しています。萬斎さんほか俳優界のドリームチームが真面目に最強内閣を演じれば演じるほど、現代社会と偉人の強烈なミスマッチがシュールでユーモラス!!さらには彼らがどのように日本を変えるのか?時代を越えて今を生きる日本人に何を伝えてくれるのか?「楽しくて深い」そんな映画をお届けしたいと思います。・原作者:眞邊明人映像化を意識して執筆した本作がついに映画化、しかも業界でも名高い武内英樹さんが監督と聞き興奮しました。そして野村萬斎さんが、過去に類を見ない「器の大きい」家康を演じてくださるのではないかと今から楽しみです。本作では、浜辺美波さんと赤楚衛二さんが現代と英傑とをつなぐ役割を担いますが、そこには現代を生きる我々が、どう歴史をつくっていくのかというメッセージが込められています。今を代表する若いお二人の才能が、それを最高の形で届けてくれるはずです。本作に多くの方が熱狂してくださると嬉しいですし、私自身一観客として、この映画で熱狂したい。それが閉塞感に満ちた社会や政治を変えていく原動力になればと思います。『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は2024年7月26日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:もしも徳川家康が総理大臣になったら 2024年7月26日より公開Ⓒ2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
2023年11月27日WOWOWが開局30周年を記念して行ったプロジェクト「アクターズ・ショート・フィルム」の第3弾として放送された、野村萬斎監督の『虎の洞窟』が、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2023」ジャパン部門において、オーディエンスアワードを受賞した。予算や撮影日数など、同条件で5人の俳優たちが25分以内のショートフィルムを製作し、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)のグランプリ、ジョージ・ルーカス アワードを目指す「アクターズ・ショート・フィルム」。第3弾では、萬斎さんをはじめ、高良健吾、玉木宏、土屋太鳳、中川大志が監督を務め、染谷将太、林遣都、有村架純、井之脇海、板垣瑞生、窪田正孝らが出演した。今回オーディエンスアワードを受賞した『虎の洞窟』は、シェイクスピアの「ハムレット」と中島敦「山月記」をモチーフに、現代の孤独な青年の心象風景を抉るように描き出す物語。窪田さんが、社会の中に居場所を見出せない男を演じている。オーディエンスアワードは、ノミネート作品を対象に、東京会場およびオンライン会場観客からの投票を受け付け、インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパンの各カテゴリーで最も投票数が多かった作品に贈られる賞。同賞をWOWOWの作品が受賞するのは今回が初となった。本作の監督を務めた萬斎さんは、「窪田正孝さんの素晴らしい演技のおかげだと思います。『ハムレット』や『山月記』の世界観が受け入れられたことも嬉しい」と受賞に際してコメントを寄せている。「アクターズ・ショート・フィルム3」はWOWOWオンデマンドにて配信中。9月、再放送予定。(シネマカフェ編集部)
2023年07月15日株式会社インフォモーション(本社:東京都目黒区、代表取締役:矢野 祐輔)は2023年6月1日、山口県大島郡周防大島町が、デジタル田園都市国家構想交付金を活用して、AIによる自動情報収集プログラムを用いたイベント情報配信サービス「周防大島町イベント情報集約サイト」を導入したことをお知らせいたします。スマホ版とPC版■背景周防大島町は、デジタル・ガバメントの実現を目指し、令和4年4月1日には政策企画課に「DX推進班」を新設し、町民の利便性向上・庁内の業務効率化・ICTマネジメント等の分野の課題解決に向け様々な取組みを進めています。その一環として、町民と観光客への効率的なイベント情報発信を目的に、当社のサービスである「周防大島町イベント情報集約サイト」を採用いただきました。本サービスはデジタル田園都市国家構想交付金のTYPE1事業として採択されており、山口県内の市町村では、初の「イベント情報集約サイト」の導入となります。▼周防大島町イベント情報集約サイト ■「周防大島町イベント情報集約サイト」について「周防大島町イベント情報集約サイト」は、周防大島町で開催されるイベント情報を、AIを用いてインターネット上の様々な Webページから収集し1つのサイトに集約します。■「周防大島町イベント情報集約サイト」の特徴・町のイベント情報を1つのサイトで簡単に入手可能町民や観光客の皆様は、複数のイベントサイトを往来せずとも当サイト1つで町内のイベント情報を入手することができます。また、キーワード・日程・カテゴリ(全13カテゴリ)による絞り込み検索機能、2つの並び替え機能(「開催日が近い順」・「新着順」)、人気ランキング機能を実装しているため、求める情報を簡単に入手可能です。・大小様々なイベント情報を収集可能当サイトのシステムにはAIを活用しており、大型施設や文化施設のイベントはもちろん、SNSにのみ掲載されているような個人主催イベントも収集可能です。・自治体側は煩雑な管理作業が不要イベント情報の収集、正誤確認、掲載可否判断、配信までを全てサービス提供者である当社が実施するため、自治体職員の皆様の管理負担は非常に小さいです。「周防大島町イベント情報集約サイト」の導入により、町民や観光客の皆様が従来より効率的に町内のイベント情報を入手することが可能となります。イベント情報を効率的に入手できることで町内の様々なイベントがより認知され、結果としてイベント参加者の増加はもとより、人々の町内における滞在時間の延長が見込まれます。■周防大島町からのコメント周防大島町のイベントが一目瞭然に!官民問わず、いろんなイベントが一つのサイトに集約されることで、町民をはじめ観光に訪れる方もより一層簡単に町内で開催されるイベントを検索・発見していただけるようになります。皆様も是非「周防大島町イベント情報集約サイト」でお目当てのイベントを探して、周防大島町にお越しください。■株式会社インフォモーションについて人は移動する時、必ず目的があります。移動の目的を提供することは、人の移動を生み出すことにつながると言えます。私たちは、世の中のイベント情報に誰もがアクセスしやすい環境を整えることで、人々の人生を目的で満たし、移動の総量を増やすことで、人と社会の活性化にチャレンジします。社名 : 株式会社インフォモーション所在地 : 東京都目黒区目黒2丁目13-25設立 : 2017年6月代表 : 代表取締役 矢野 祐輔ホームページ: ■お問い合わせについてご興味のある自治体職員様は、下記メールアドレス、電話番号よりお問い合わせをお願いします。デジタル田園都市国家構想交付金の採択事例もございます。AIイベント情報集約サービス(自治体・観光協会向け) Email: info@infomotion.co.jp TEL : 03-6271-9222(受付時間 平日 09:00~18:00)担当 : 代表取締役 矢野 祐輔 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月01日2年に1度、フェスティバルホールで開催している『祝祭大狂言会』。6回目となる今回は、92歳の万作、57歳の萬斎、24歳の裕基という野村家三代がそろい、それぞれが発揮する年代に応じた芸の魅力を堪能できる演目が並ぶ。また、大ホールの空間を存分に生かし、観客参加の趣向もこらした萬斎ならではの大胆な演出で盛り上がる『博奕十王(ばくちじゅうおう)』も見もの。同ホールで“電光掲示狂言会”と銘打ち、2000年に上演して以来の関西登場で、狂言初心者から通まで幅広く楽しめる公演になっている。萬斎と、昨年『釣狐』を披(ひら)き一人前の狂言師として歩み始めた裕基の父子が意気込みを語った。「祝祭大狂言会2023」チケット情報いつも好評な萬斎の解説から始まり、まずはわかりやすいポピュラーな『棒縛(ぼうしばり)』から。「謡や舞が楽しく、狂言らしい笑いに満ちた曲」(萬斎)で、太郎冠者を演じるのが裕基。主人の外出中に酒を飲まないよう次郎冠者と共に両腕を棒に縛られたふたりが、なんとか酒を飲もうとする話だ。「ドタバタ劇的なストーリー展開が非常に魅力的だと思います。普段の能楽堂とは違った動きを意識したい」(裕基)。そして万作の至芸『奈須与市語(なすのよいちかたり)』。平家物語の奈須与市が弓で扇を射落とす話を、語りと動きで伝える。約15分、92歳の万作がたったひとりで上演する。「広い空間で素手で戦う、身1本、扇1本ですべてを表す究極の芸。父はこのような勇壮な語りの方が気合いが入り、まだまだ衰え知らずの『奈須の語り』です」と萬斎。裕基は「祖父の熟練した芸を間近で見ることができるのは三代公演ならでは」と、今回の公演を得るものが多い貴重な機会と話すが、それを観客も存分に味わえるぜいたくな番組。次に『能楽囃子』をはさみ、関西で23年ぶりの上演となる『博奕十王』。ばくち打ちが地獄に落ち、閻魔(えんま)大王や地獄の鬼たちとサイコロばくちを始めるという「狂言らしい荒唐無稽な世界」(萬斎)が繰り広げられる。多くの鬼がカラフルな出で立ちで登場し、照明も入ってゴージャスな地獄の舞台。さらに超特大のサイコロを転がし、重要な内容に関わるサイコロの目を観客も一緒に当てるという驚きの観客参加型だ。通常の能舞台では1本の橋掛かりを3本配置、萬斎が仕掛ける大ホール狂言でしか体験できない演出は狂言初心者にも観やすく非常に楽しい。「すべてはへこたれない人間を描くのが狂言の良さでもあります。生きる力に触れるような感覚で狂言をご覧いただき、元気になって免疫力を高めてお帰りいただきたいなと思う次第でございます」(萬斎)。取材・文:高橋晴代
2023年04月14日2月11日22時ごろ、上越新幹線から帰京したのは狂言師の野村万作(91)・萬斎(56)親子だった。眼鏡をかけた萬斎はビジネスマン風に見え、万作は黒いコートと帽子というコーディネート。万作は07年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、今年6月には92歳の誕生日を迎える。この日は新潟市民芸術文化会館能楽堂で『野村万作・萬斎狂言公演』が開催、昼・夕方と2度の公演だった。終了後、東京にはとんぼ返りだったようだが、万作の足取りはしっかりしており、キャリーケースも自分で運んでいた。「野村万作さんの長寿と健康の秘訣について、1月19日に大阪で開催された取材会で萬斎さんはこう明かしています。『父は(祖父の六世野村万蔵と同様に)毎日のように湯豆腐を食べます。舞台の後に大量の豆腐とタラを食べるのが健康法と聞いています』萬斎さんは19年11月に出席した『健康寿命をのばそう!アワード』表彰式でも、『野村家では代々湯豆腐を食べています』と語っていますから、この“タラ入り湯豆腐”が家伝の鍋ということなのでしょう」(古典芸能にも詳しい舞台関係者)野村親子は、2月1日に放送された『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にも出演。萬斎は“タラ入りの湯豆腐”についてこう解説していた。「タラとか豚はアミノ酸が多いのだそうで、(舞台後に鍋を食べることは)理にかなっていると聞いたことがあります」ちなみに萬斎自身のいちばんの健康法は「何より笑うこと」だという。野村万作・萬斎親子の地方公演は、3月に高知県、4月に愛知県、北海道、大阪府と予定されている。家伝鍋パワーで活躍を続ける父の姿が、萬斎の笑顔も生むのだろうか。これからも親子共演を続けてもらいたい。
2023年02月16日毎年恒例の「万作萬斎新春狂言」が2023年も1月に開催。1998年にスタートし、連続26年目を数える。91歳の人間国宝・野村万作、2020年に世田谷パブリックシアターの芸術監督を卒業し多彩な活躍をみせる56歳の萬斎、そして昨秋に野村家が狂言修行の卒業論文と例える大曲『釣狐』を披いた23歳の裕基。そんな父・子・孫の狂言三代の舞台を新春に観るという、まさにおめでたさが極まった舞台といえる。お正月にふさわしい華やかな演目を並べて贈る本公演の見どころや意気込みを、萬斎が語った。「万作萬斎新春狂言2023」 チケット情報お正月らしく、しめ縄が飾られた舞台。プログラムは恒例、元旦の朝に祝言として野村家一門で行われる謡初(うたいぞめ)『雪山』から始まる。新春を寿ぎ、居住まいを正して謡われる清々しい5名の連吟。次にそこから裕基が出て、干支の卯歳にちなんだ小舞『兎』を舞う。短い曲ながら、うさぎのように跳びつつ舞う若々しい歳男・裕基の姿を初披露。シリーズ登場は裕基が生まれた1999年の卯歳以来だ。そして好評の萬斎トークへ。軽妙に笑わせつつ、2演目を解説する。そしてまずは『舟渡聟(ふなわたしむこ)』。新婚の聟が手土産に酒樽を持ち舅の家にあいさつへ向かう。その道中、琵琶湖の渡船で船頭に酒を飲み干され、やっとの思いで舅の家に着くと…。「親子で継承してきた野村家の当たり狂言です。私と父で海外公演もやり定番にしてきた曲を、今回はひとつ代を飛ばして父と息子で。聟の若者らしいストレートな演技と老練な船頭や舅のコンビネーション。大団円を迎える最後に、お日様や梅の実、毬など(縁起の良い)丸づくしの謡を謡う。洗練された見応えのある曲です」。休憩をはさみ2幕は『花折(はなおり)』。花盛りの寺で、住職が見習い僧に庭の花見禁制を言いつけ出かける。やってきた花見客たちは垣根越しに酒宴を開いて…。「みんなで謡いつ舞つ、にぎやかな曲で新春らしい華やかなものになっています。最後に狂言の中で最速と言える“道明寺”という素早い舞を舞うのがひとつの見どころ。少し先取りして花見気分を味わっていただきたいと思います」。酒を飲む役をやって25年の萬斎。「エアで酒を飲んでいるのに酔っぱらうようになりました(笑)。大いに盛り上げたいと思います」。そんな中で今回特に注目は万作の得意とする『舟渡聟』の船頭。「父も91歳。元気ですが、三代そろう期間はそう長くはないと。我々が目指す、ひとつの芸境に差し掛かっている父の姿は本当に希少だと思いますし貴重でもあるので、それをぜひご覧いただきたいと思っています」。公演は1月18日(水)・19日(木)、大阪・サンケイホールブリーゼにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2023年01月16日瀬戸内のハワイを満喫ピクニック感覚で巡る「第2回周防大島マラニック100」は、2023年4月23日(日)に山口県で開催します。制限時間内に周防大島の美しい海を眺め、観光をしながら自分のペースで楽しむランニングイベントです。開催概要について受付場所は片添ヶ浜オートキャンプ場。種目は100kmと70kmの2種目あり、参加費は100kmが17,000円、70kmが13,000円、前夜祭への参加は4,000円となります。制限時間は100kmが16時間、70kmが12時間で途中には関門があります。自分のペースでマラニックコースは片添ヶ浜オートキャンプ場を発着点として周防大島の海沿いをぐるっと1周すれば100kmです。70kmもほぼ同じコースを走ります。さすがに全部歩くと制限時間に間に合いませんが、歩いて、走って、観光して、エイドステーションの給食を楽しむなど自由な旅ランを楽しんではいかがでしょうか。(画像は公式サイトより)【参考】※「周防大島マラニック100」公式サイト
2022年11月26日10月26日よりディズニープラスで独占配信されるドラマ『シコふんじゃった!』のイベントが3日、都内で行われ、葉山奨之、伊原六花、周防正行総監督、片島章三監督、竹中直人、清水美砂が登場した。総監督の周防正行と次世代を担う監督・キャスト陣がおくる"相撲"の常識を覆す同ドラマ。日本アカデミー賞5部門を受賞した映画『シコふんじゃった。』から約30年後、卒業と引き換えに廃部寸前の相撲部に入部した崖っぷちの大学生・亮太(葉山奨之)とたった1人の部員で相撲以外はポンコツの穂香(伊原六花)が、個性豊かな仲間たちと人生の大逆転に挑む。周防総監督は「今回は総監督という立場ですが、振り返ってみると当時は若さゆえの知らない怖さというか、言葉は悪いんですが乱暴に作り上げたんだな~と改めて思っていました。今の時代にあえて乱暴ができるということを新しいスタッフで頑張ってもらいました。配信が始まった時に多くの方がどんな感じで見てくれるのかワクワクしています」と今から配信が待ち遠しい様子。ダブル主演の葉山と伊原は、映画『シコふんじゃった。』の公開時にまだ生まれていなかったが、葉山が「本木雅弘さんかっけーなというのが第一印象でした。自分がやるとしたら本木さんより格好良く出来るのかプレッシャーはありました」と吐露。伊原は「最後の試合のシーンが大好きで、勝った時に拍手をしたぐらい手に汗握るような迫力がありました。私が試合をするんだったらこれぐらいリアリティがあって見ている方にも力が入るような相撲を取り組みたいと思いました」と撮影前にはハードな相撲の稽古に励んだという。そんな伊原について周防監督は「自宅で編集が終わったモノをチェックしてたら、それを横で見ていた同居人の草刈民代が伊原さんの"しこ"が美しいと言って、我が家にある大きな鏡の前で"しこ"を踏み始めました(笑)」と明かしながら伊原のしこを絶賛していた。イベントの途中から映画『シコふんじゃった。』にも出演し、ドラマ『シコふんじゃった!』にも出演した竹中直人と清水美砂も登壇。会場では30年前の映像が流された。それを見た竹中が「自分が若かったのでビックリしちゃいました。髪の毛もないけどまだもうちょっとあったんじゃないかと。30年も経っちゃったんだ~と思いながら映像を見ていました」と感慨深げ。一方の清水は「私は久しぶりに日本に帰ってきていきなり『シコふんじゃった!』のお話をいただきました。あまり仕事をしてなかったにも関わらずいきなり30年前の夏子を演じるとは思ってもいなくて(笑)。緊張しながらも楽しく演じさせてもらいました」と懐かしさがこみ上げてきたという。そんな2人と共演した伊原は「竹中さんはカメラが向いている時に笑わせてくるので、笑いをこらえるのが芝居と同じぐらい力を使いました(笑)。美砂さんは優しく見守ってくださって、試合の度に声を掛けてくださいました。それが嬉しくて、大きくなったらこんな素敵な女性になれたらなと思いました。もう私、大人でしたね(笑)」と感謝しきりだった。
2022年10月04日世田谷パブリックシアターの芸術監督を20年にわたって務めてきた野村萬斎が3月いっぱいで退任となり、白井晃が4月より新たに芸術監督に就任することに伴い、3月14日に両者が出席しての記者会見が行われた。世田谷パブリックシアターは1997年に開場し、初代芸術監督を佐藤信が務めた。萬斎は2002年に佐藤の後を継いで、30代半ばで2代目の芸術監督に就任し、その後20年にわたって同職を務めあげてきた。萬斎は90年代半ばに約1年にわたり、文化庁芸術家在外研修制度を利用してイギリスに滞在しており、そのとき「芸術監督の仕事が確立されているイギリスの姿を見て、憧れを抱いていた」と明かし「日本から世界に向けた演劇の発信という大志」を抱いて芸術監督の就任を決意したという。芸術監督の就任にあたって、狂言の第一声で使われる「このあたりのものでござる」という言葉を根幹に「世田谷というコミュニティの地域性」「同時代性」「普遍性」を3原則とし、これらを同心円状に広げていくという方針を固めたという。目指したのは「私の出自である伝統芸能と、それまで世田谷にあった現代芸術が融合したトータルシアター。世田谷区から発信し、それが区民のためだけでなく東京都民、日本国民、アジアの人々…とグローバルな無形文化財となること」であり「それは、いま思うに狂言・能という出自を持つ自分が新たな場を得て、ユネスコ無形文化遺産である能楽に対抗したいという、狂言師というくくりではない“アーティスト・野村萬斎”の野心だった」とふり返る。改めてこの20年について「ラッキーな20年間でありました」と述懐。ジョナサン・ケント、三谷幸喜、蜷川幸雄、ケラリーノ・サンドロヴィッチら国内外の錚々たるクリエイターたちとのコラボレーションを果たしたが「大きな財産になりました」と語り、プロデュース企画として自ら創始した「MANSAI 解体新書」「現代能楽集」といったシリーズは「今までに見たことのない舞台表象の在り方を模索できたし、日本の文化の根幹を学ぶことができた」と手応えを口にする。そして「芸術監督になったことで、狂言師が演出家になりました。そう仕立ててくれたのはパブリックシアター」とこれまで苦楽を共にしてきた劇場スタッフ、関係者への感謝を述べた。今回の芸術監督交代について、萬斎は「急に辞めることになったわけではなく、ある程度前から、20年という節目を含めてそういう話をしていました。私の意思というか、全体の意向が働いたと理解しております」と説明。後任の白井に関しては、コロナ禍ということを踏まえ「大変な時期に受けていただいて感謝しております。公共劇場での経験、さまざまなキャリアがおありで、いまこの時期に交代となると『この方しかいない』という、みなの総意でした」と語る。白井は昨年3月までKAAT神奈川芸術劇場にて芸術監督を務めており「若い世代に芸術監督を担ってもらいたいと(KAATの芸術監督を)長塚圭史さんにバトンタッチしたのに、萬斎さんよりも年上の私が受けていいものか……?」と当初は逡巡があったと告白。それでも、熱心な誘いを受けて就任を決意し「私の役目は若い、未来の世代に向けての橋渡し。5年後、10年後にどうなっているかを思い浮かべてシアターについて考えていきたい」と意気込みを語る。芸術監督としての指針について「どういう方向に表現をする場であろうとするのか? どういったものを文化として発信していけるか? 旗頭にならないといけない。KAATと世田谷で、同じ公共劇場でも枠組みが違うということをいま、実感しています。区の劇場としての役割をもう一度見つめ直し、区民との対話であったり、区からの発信、区に劇場があるということを考えられるようなことをしていきたい」と決意を口にした。取材・文:黒豆直樹撮影:大野洋介
2022年03月14日『鬼滅の刃』が野村萬斎演出・出演で2022年に能 狂言化されることが決定。2022年夏・冬に東京・大阪で上演される。本情報は、12月19日に幕張メッセで開催された「ジャンプフェスタ2022」の『鬼滅の刃』の「ジャンプスーパース テージ」にて発表された。野村は動画コメントにて出演し、「能と狂言、皆様にはあまりおなじみではないかもしれませんけれども、650年くらいの歴史があります。特に能は『なぜ人間が鬼になったか』そしてその鬼の魂を鎮めるということに特化した芸能です。そういう意味では、『鬼滅の刃』を描くには最適の芸能であるとも思います」と作品との相性の良さを語った。●野村萬斎コメント全文ジャンプフェスタにご来場の皆様、それから配信をご覧の皆様、こんにちは野村萬斎です。このたび、吾峠先生の『鬼滅の刃』を能狂言バージョンとして制作しお送りすることとなりました。能と狂言、皆様にはあまりおなじみではないかもしれませんけれども、650年くらいの歴史があります。特に能は「なぜ人間が鬼になったか」そしてその鬼の魂を鎮めるということに特化した芸能です。そういう意味では、『鬼滅の刃』を描くには最適の芸能であるとも思います。そして狂言は笑いの芸能でもあるわけですけれども、炭治郎をはじめとする皆の仲間のシーンなどは、笑いに満ちてお送りすることができるのではないかと思っております。とにもかくにも『鬼滅の刃』の人間の闇と希望の部分というものは、この能・狂言によって非常にスタイリッシュに、かつ皆さんのイマジネーションに訴える形で、とはいえ、今までの能・狂言とは違ったテイストでお送りできるかと思います。2022年夏・冬、東京・大阪で公演があります。是非、皆様のご来場をお待ち申し上げております。野村萬斎でした。【公演概要】「能 狂言 『鬼滅の刃』 」原作 :『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)演出・出演:野村萬斎ほか開催:2022年夏(東京)冬(大阪)主催:OFFICE OHTSUKI制作協力:万作の会(C)吾峠呼世晴/集英社・OFFICEOHTSUKI※その他の出演者・配役・チケット発売日などの詳細は、後日改めて発表公式Twitter @kimetsu_nohkyo
2021年12月20日米倉涼子主演「ドクターX~外科医・大門未知子~」の9話が12月9日放送。蛭間の妻・華子に放った大門の言葉に「名言過ぎ」といった感想が送られるとともに、野村萬斎演じる蜂須賀の“真の姿”に「愛おしい」など“蜂須賀推し”の視聴者も急増している様子だ。100年に1度のパンデミックによって感染治療と内科を最優先し、不要不急の外科手術は延期する方針となった日本最高峰の大学病院「東帝大学病院」を舞台に、未知子が“失敗しない”オペで患者を救っていく…というストーリーが展開してきた本シーズン。「いたしません」「私、失敗しないので」という名セリフでおなじみの未知子を米倉さんが演じるほか、未知子と同じく「神原名医紹介所」所属の城之内博美に内田有紀。未知子が師匠と慕う「神原名医紹介所所長」の神原晶に岸部一徳。東帝大学病院内科リーダーの鍬形忠に小籔千豊。一旦は解雇されたがフリーランスとして戻ってきた原守に鈴木浩介。外科副部長をしている加地秀樹に勝村政信。蛭間に服従する元外科部長の海老名敬に遠藤憲一。分院に押しやられ今は院長代理をしている蛭間重勝に西田敏行。蜂須賀が招へいした興梠広に要潤。広報室長の三国蝶子に杉田かおる。看護師の大間正子に今田美桜。ケミカルサージェリーを推進し、感染研究センター設立を急ぐ蜂須賀隆太郎に野村萬斎といったキャストも出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。念願だった感染研究センターの完成を目前に控える蜂須賀だが、大門と寿司に行くも手をつけず、背中に痛みを感じるようなそぶりも見せる。そんな蜂須賀は組織の腐敗を防ぐためとして、病院長以外の役員の任期を1期1年に制限すると決定する。必死に反撃しようとする蛭間は、具合が悪いと言って来院した妻・蛭間華子(藤真利子)のことも「気のせいだろ」とぞんざいに扱う。だが大門は華子の体調悪化を見逃さなかった。検査の結果華子はすい臓がんであることが判明、困難が予想される手術だが、いつもなら反対するはずの蜂須賀がGOサインを出す…というのが9話の展開。検査を受けるにあたって「もし悪い病気だったとしても主人には言わないで」と話す華子に、「妻の病気より大変なことってこの世にある?」と答える大門。このセリフに「未知子の「妻の病気より大変な事ってこの世にある?」が名言過ぎて」「未知子、良いこというよね~」「こういうやり取りがさらっと出てくるのがかっこいい」などの感想が。そんな蜂須賀もまたすい臓がんを患っていることが判明。大門に「できることなら、あなたに切って欲しい」と頼み込む蜂須賀。患部の3D画像を見ながら厳しい表情を浮かべるも「私、失敗しないので」と答える大門に「今夜の失敗しないのではメチャかっこいい」「大門未知子しか勝たん!かっけ~!」といった声が続出。徹夜で資料を読みあさり蜂須賀の術式を研究する姿にも「大門先生めっちゃ頑張ってる」「大門先生は影でちゃんと努力してるしただの天才じゃなくて努力の人だなあ…」「前日までこうしてどう治すか考えてるの見てるとやっぱ未知子はすごいわ…」と感心する投稿も多数。一方、新型コロナウイルスのパンデミック以前どころかSARS、MARSが流行る以前から海外にマスクを送り、寿司屋の大将(小堺一機)からも「出世にも名誉にも興味がない」と言われるほど感染対策に尽力してきた蜂須賀。今まで見えてこなかった彼の“真の姿”に「根っこが大門先生と蜂須賀先生は似てるんだ」「蜂須賀先生はミチコと同類だった…?」といった声とともに「蜂須賀先生、なんか段々愛おしいキャラになってきた」「蜂須賀良い奴すぎ」など、蜂須賀“推し”となった視聴者も急増中の模様だ。(笠緒)
2021年12月09日野村萬斎による狂言の舞台、『狂言劇場その九』が、6月18日より開幕した。この度、野村萬斎の開幕コメントと舞台写真が公開された。野村萬斎芸術監督により、古典芸能という枠にとどまらず「“舞台芸術=パフォーミングアーツ”としての狂言」というコンセプトに基づき、2004年にスタートしたシリーズ「狂言劇場」。その9回目となる今回は、狂言劇場に初登場となる古典狂言『武悪』『舟渡聟』に加え、『法螺侍』と『鮎』という現代狂言2作品をABのプログラムに分けて、あらたな配役、あらたな演出によって世田谷パブリックシアターで上演されている。野村萬斎の開幕コメントは以下の通り。野村萬斎(総合演出・出演)開幕コメント●Aプログラム『武悪』は劇場で上演したことで、作品のもつドラマ性がよりはっきりしたのではないでしょうか。一人ひとりのキャラクターの浮き上がり方や対峙する役者の緊張感が際立ち、よりスリリングな人間ドラマとなりました。常々ドラマとは“生きることを考えること”だと言っていますが、今回の舞台セットを含めた演出でも、“生と死”、“生の地続きに死があること”が見えてくるのではないかと思います。『法螺侍』は(洞田助右衛門は野村万作から野村萬斎へ、太郎冠者は野村萬斎から野村裕基へと)代替わりして、パワフルな作品へと“アップデート”しました。シェイクスピアと狂言のもつ古典的な手法はそのままでも、劇場で演じることで現代性を獲得するという不思議さは、まさに役者によって作品がアップデートされるからだと実感しています。新旧の時空の超え方と東西の文化の越え方を是非目撃していただきたいです。●Bプログラム『舟渡聟』は狂言の名作ですが、舞台後方に琵琶湖の風景を出現させたことで、雄大な世界の中で頑張って生きていく人間を描きました。この作品では最年長(野村万作・90歳)と最年少(野村裕基・21歳)が船頭と聟を演じていますので、今回の“狂言三代”ならではの面白みを感じていただければと思います。『鮎』は、劇場という現代的な空間へ移ったことで、原作の小説から感じた“都会と田舎論”を、より具体的且つ象徴的に描くことができ、これもある種の“アップデート”ができたのではないかと思います。狂言の衣装を着て世田谷パブリックシアターという現代の劇場に立つことで、古典と現代が地続きになっていることを自分でも感じることができました。コロナ禍の現在、都会はある意味抑圧された場所、抑圧されればされるほど魅力的に感じる“毒”のような場所と捉え、非常に複雑な我々の現状を背負いながら、いま『鮎』を上演する意義を感じています。“読後感”のようなものを感じてもらえたなら、現代劇の劇場での狂言の在り方として、ひとつの手ごたえになると思っています。また、6月26日の公演終演後にポストトークの開催が決定した。6月26日(土)12:00 Aプログラム『武悪』 / 『法螺侍』出演:野村萬斎、野村太一郎、高野和憲、中村修一、内藤連、野村裕基6月26日(土)17:00 Bプログラム『舟渡聟』 / 『鮎』※手話通訳あり出演:野村萬斎、石田幸雄、深田博治、野村裕基※各回の終演後にポストトーク実施。開催回のチケットをお持ちの方が参加可能。「狂言劇場その九 『武悪』『法螺侍』 / 『舟渡聟』『鮎』6月18日(金)〜6月27日(日) 世田谷パブリックシアター総合演出:野村萬斎出演:野村万作 野村萬斎 野村裕基石田幸雄深田博治 高野和憲 月崎晴夫 野村太一郎岡聡史 中村修一 内藤連 飯田豪 石田淡朗会場:世田谷パブリックシアター料金(全席指定・税込):一般S席8,500円(1・2階) / A席6,500円(3階)ほか各種割引ありお問い合わせ:世田谷パブリックシアターチケットセンター03-5432-1515(10:00~19:00)
2021年06月21日「ノムさんを私にください!」野村萬斎(55)に初めて会う前、そんなせりふを言って、萬斎の長女で昨春TBSに入社した野村彩也子アナ(23)を笑わせた尾上松也(36)。4月2日放送の『ぴったんこカン・カン』(TBS系)の一幕だ。バラエティ番組だから……ではなく、松也の思いは本気だという。「実はカメラの回っていないところで松也さんから彩也子さんに声をかけてLINEも交換済みと聞いています。“本当に交際を申し込むなら、まずはノムさんよりも萬斎さんに好かれなくては”と彩也子さんの目の前でスタッフに真剣に話していました」(番組関係者)松也と野村アナとの交流は昨年11月に放送された同番組内の企画「尾上松也の春夏秋冬ウマい店」から。MCを担当した松也のアシスタントが野村アナだった。「ニックネームがないという野村アナに、松也さんは『ノムさん』と命名。野村家では父親の萬斎さんと順番を合わせておかずを食べなければならないという厳格さの一例を聞き、松也さんも心から驚いていました」(TBS関係者)そんな松也が今春に萬斎と初共演。しかも、萬斎の自宅を訪ねる設定だった。「私、実家に男性を紹介したことがないんですよね」野村アナが松也に打ち明けると、「実家に連れていかれる初めての男ってわけだね……」松也も緊張を隠さなかった。「いざ萬斎さんが姿を現すと、松也さんは『初めまして……』と消え入るような声で挨拶。緊張はピークに達していました」(前出・TBS関係者)■「松也の母も妹も彼女との結婚を望んでいる」松也の家族も人間国宝一家である彼女との結婚を心から望んでいると話すのは、後援会関係者だ。「若旦那(松也)と野村アナとの縁組が本当に実現したら、後援会としてはこの上ない喜びです。若旦那は20歳でお父様を亡くして以来、16年間、後ろ盾なしに頑張ってきました。自主公演『挑む』を立ち上げ、今夏で10回目。これで最後と発表したのは、今後はもうワンランク上のステージを目指すということ。若旦那もすでにアラフォー。お母さまも妹さんも“結婚相手を真剣に見つけてほしい”と願っています。人間国宝を父に持つ野村萬斎さん一家との縁故ができれば、音羽屋にとって、まさに“理想の結婚相手”といえるでしょう」松也の父・尾上松助(享年59)は、先代の尾上松緑の弟子。松也は5歳で舞台デビューを飾ってはいるが、父親亡き後は自分が家長となり、20歳で父の3人の弟子の面倒まで見なければならなくなってしまった。松也自身、こんな苦悩を告白している。《僕は、家柄に関してコンプレックスというのがあって、楽屋にご自分の先祖の写真を飾っていらっしゃるのを見ると、すごく羨ましくもあり、嫉妬もありました》(『婦人公論』’21年2月24日号)一方の野村家は、狂言の名家として知られている。「一般的に伝統芸能のなかでも、武家社会で発展した狂言と、大衆演劇として発展した歌舞伎とでは、250年ほど歴史が古い狂言のほうが格式が高いといわれています。萬斎さんは長男に対しては師弟関係になるため、幼少期から厳しく育て、家でも敬語で会話。でも、彩也子さんのことは目に入れても痛くないほど溺愛しています。学生時代はねだられるとついつい買ってしまったり、留学したいという彼女の意思を尊重するなど、やりたいことはすべてやらせてきたそうです」(テレビ局関係者)■萬斎がいちばん気をもむ長女の“人間関係”狂言の舞台に立つことができない長女が自ら選んだアナウンサー職。萬斎は、彼女が出演する『あさチャン!』(TBS系)も早起きして毎朝見ているそうだ。「仕事で見られないときは録画してチェックしているそうです。毎日LINEで感想を送り、発声やイントネーションに細かくアドバイスしているそうです」(前出・テレビ局関係者)そんな萬斎がいちばん気をもんでいるのが、長女の“人間関係”。「家を出て一人暮らしを始めるようになった大学生時代は、夜11時には必ず自分に電話するように伝えていたそうです。やはり“悪い虫がつく”ことを懸念しているんでしょう。“変な男にはひっかからないように”と口酸っぱく言われて育ったそうです」(別のテレビ局関係者)萬斎も、長女と共演中の松也のことを気にはしているという。「野村アナがスタッフに『父から“松也さんとの仕事はどうだったか”と聞かれます』と話していたそうです」(前出・TBS関係者)4月の共演番組で、萬斎は最後に野村アナに対し、「まず自立をちゃんとする。一人で生きていける力を身に付けてほしい。そのうえでお互いに尊敬し合えるよいパートナーと巡り合えれば幸せだろうな」とメッセージを送った。共演者・松也には「末永くよろしくお願いします」と語っていたが……。■萬斎にとって、松也は長女の結婚相手対象外!?「本音を言えば、萬斎さんは現状、野村アナの交際相手として、松也さんは対象外だと考えていると思います」(前出・テレビ局関係者)その理由は――。「芸事を突き詰めてきた萬斎さんだからこそ、私生活が派手で“女遊びは芸のこやし”という考え方を持つ歌舞伎役者を認めていないところはあると思います。特に前田敦子さん、瀧本美織さんなど有名人と浮き名を流した松也さんとの交際をすんなりOKするとは到底思えません」(前出・テレビ局関係者)長女の未来を誰よりも願う萬斎には、松也は“戦慄の交際相手”のようだが、前出のTBS関係者は2人の今後に期待している。「松也さんが野村アナをとても気に入ってアタックしているのは間違いないでしょう。楽しい番組を作り上げていく過程で、弊局での新垣さんと星野さんのように“共演を機に結婚”はありえること。温かく見守っていく所存です」(前出・TBS関係者)また“電撃婚”カップルが誕生する日は来るのだろうか――。
2021年05月25日6月18日(金)より東京・世田谷パブリックシアターにて上演される「狂言劇場 その九」の公演詳細が決定。合わせてビジュアルが公開となった。芸術監督・野村萬斎により、古典芸能という枠にとどまらず「“舞台芸術=パフォーミングアーツ”としての狂言」というコンセプトに基づき、2004年にスタートしたシリーズ「狂言劇場」。その第9弾となる今回は、初登場となる古典狂言『武悪』『舟渡聟』に加え、『法螺侍』と『鮎』という現代狂言2作品が、あらたな配役、あらたな演出で披露する。『法螺侍』では、これまで野村万作が演じてきた洞田助右衛門に野村萬斎が、野村萬斎が演じてきた太郎冠者に野村裕基が、それぞれ初めて挑戦。また、文学と狂言の出会いとも言える、作家・池澤夏樹が初めて書き下ろした狂言『鮎』の上演にも期待してほしい。「狂言劇場 その九」は6月18日(金)~6月27日(日)に世田谷パブリックシアターで開催。チケットの一般発売は5月16日(日)より開始となる。■野村萬斎(総合演出・出演)狂言劇場は、650年ほどの歴史がある伝統芸術の一つである狂言を、舞台芸術(パフォーミングアーツ)として捉え直し、みなさんに楽しんでいただくという企画です。今回は二つの新作の狂言『法螺侍』と『鮎』が軸となります。それぞれ土台となる原作がありますが、それを狂言というやり方で料理するとどういうことになるのか。狂言ならではの楽しさでお届けしますので、「やっぱり狂言って普通の演劇よりぶっ飛んでるなあ」と思っていただけると思います。そして狂言がいかに一つの演劇であり舞台芸術であるか認識していただけると思います。日本で長らく受け継がれてきた舞台芸術たる狂言にはいろんな知恵があり、常にアップデートを繰り返し、他の舞台芸術と同じところもあれば違うところもある。たくさんの刺激を受け取っていただければ幸いに存じます。【公演詳細】「狂言劇場 その九『武悪』『法螺侍』 / 『舟渡聟』『鮎』」総合演出:野村萬斎出演:野村万作 野村萬斎 野村裕基石田幸雄深田博治 高野和憲 月崎晴夫 野村太一郎岡聡史 中村修一 内藤連 飯田豪 石田淡朗日程:6月18日(金)~6月27日(日)会場:世田谷パブリックシアターチケット一般発売開始:5月16日(日)チケット料金:一般 S席 8,500円(1・2階) / A席 6,500円(3階)U24・高校生以下 S席 4,250円 / A席 3,250円 ほか各種割引あり<チケット取扱い>・世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00〜19:00)・世田谷パブリックシアターオンラインチケット: お問合せ」世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00〜19:00)主催:公益財団法人せたがや文化財団 / 企画制作:世田谷パブリックシアター後援:世田谷区 / 制作協力:万作の会 国立能楽堂
2021年04月15日3月30日(火)今夜放送の映画『七つの会議』より、主演の野村萬斎から特別メッセージが到着した。地上波ゴールデン初放送となる本作は、「陸王」「下町ロケット」「半沢直樹」シリーズなどで知られ、企業の矛盾と働く人々の葛藤や絆など身近な視点を題材に、痛快でありながらエンターテインメントとミステリーが絶妙に融合した小説を生み続ける池井戸潤の同名小説が原作。萬斎さんが、捉えどころのない自由奔放な顔と信念を貫く強い心を併せ持つ主人公・八角民夫を演じたほか、香川照之、及川光博、片岡愛之助、吉田羊、土屋太鳳、小泉孝太郎、溝端淳平と豪華キャストが集結し、2019年に映画化。21.6億円の大ヒットを記録した。今夜の放送を記念して萬斎さんは「原作・池井戸潤、監督・福澤克雄という『半沢直樹』のタッグの映画ですから、去年の大旋風から半沢ロス続きの方には、おなじみの役者さんたちの違うストーリーでの活躍ぶりをぜひ、ご覧いただきたいです」とメッセージを寄せ、「新年度を前に、ぜひとも、この映画を見て活力をもっていただければと思います」とコメントしている。映画『七つの会議』は3月30日(火)20時57分~TBSにて放送。(cinemacafe.net)■関連作品:七つの会議 2019年2月1日より全国東宝系にて公開©2019映画「七つの会議」製作委員会
2021年03月30日舞台『子午線の祀り』が、2月21日より開幕。野村萬斎、成河、河原崎國太郎、吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美の初日コメント、および舞台写真が公開された。『子午線の祀り』は、木下順二が『平家物語』を基に“天”の視点から人間たちの葛藤を描き、平知盛や源義経をはじめとする源平合戦にかかわった登場人物たちを躍動感をもって浮き彫りにし、心理描写も巧みな壮大な歴史絵巻に仕立て上げた戯曲。日本語の“語り”の美しさと荘厳な響きを引き出す群読という独特な朗誦スタイルを随所に用い、演劇史に確固たる地位を築いてきた作品として広く知られてきた。その戯曲を受けて宇野重吉、観世栄夫、木下順二らの演出による初演が1979年。能・狂言、歌舞伎、現代演劇で活躍する俳優、スタッフがジャンルを越えて創り上げ、高く評価された。その後、幾たびもの上演を経て、この伝説的な舞台が、野村萬斎の新演出により世田谷パブリックシアターで上演されたのが、3年前の2017年のこと。世田谷パブリックシアターとKAAT神奈川芸術劇場の共同制作となる今回は、2017年版をベースにした新演出で、野村萬斎が再び作品を立ち上げる。キャストには、野村萬斎、成河、河原崎國太郎、吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美らが名を連ねた。初日公演を終えて寄せられたコメントは下記の通り。野村萬斎コメント「子午線の祀り」という戯曲そのものが持つ宇宙観を生かしながらも、より凝縮した“ドラマ”になった。そんな手ごたえを感じています。シェイクスピアは「ハムレット」の中で、「演劇は自然(時世)を映す」と書きました。人間があがきながらも一生懸命生き、活路を見出そうという姿が、このコロナ禍という非常事態下においてこそ、より際立ち、新しい「子午線の祀り」を作り上げることができたと思います。大きな歴史の流れの中で、一人の人生は小さな物かもしれないけれど、すっくと力強く立っている。そう実感していただく機会になればと思います。喜びも悲しみも、人々が一体となって共有するのはテレビやリモートではできない、劇場ならではのこと。木下順二さんの戯曲が持つ言葉の豊かさと、皆さんの想像力によって広がる世界観で、演劇はすごいなと感じさせる作品です。「子午線の祀り」で、皆さんの演劇ライフを復活させられたら。そう願っています。成河コメントやはり巨大な戯曲なので、簡単には越えられない山に全員でタックルして、立ち向かっているという感じですね。とにかく手強いスケールの大きさです。これからツアーにも行きますが、それぞれの土地によってお客様の空気感は違うだろうと思います。色んなところで色んな人たちに観ていただいて、そこでまた鍛えられて、その上で検証すべきところがまだまだ詰まっている戯曲です。この戯曲は、初めての方には必ずしもとっつきやすいものではないかもしれませんが、日本語の魅力を再認識することができると思うので、現代人として、一緒に立ち向かってほしいなと思います。河原崎國太郎コメントこういう状況の中での初日でしたが、観たいと思って来てくださったお客様の熱気を感じました。無事に終えてホッとしています。2021年版の「子午線の祀り」は日々進化・進歩していくような作品だと思います。もちろん初日に完成を目指して稽古してきましたが、そこから更に積み重なっていくものだと思います。ツアーに行く先々で少しずつ進化していく作品になるはずです。期待して観ていただければ嬉しいですね。我々も「地域の皆様へ」という想いも含めて伺うつもりです。皆様の明日の活力になるような舞台をこれからもお届けしていきますので、存分にお楽しみください。吉見一豊コメント木下順二さんの作品に出演させていただくのは初めてです。その中でももはや伝説の作品とも言える「子午線の祀り」に出演できたことを、とても光栄に感じています。40年以上前に創られた実験的な作品ですが、当時と比べ演劇界におけるイデオロギーが無くなった現代においても古くならない、実にエネルギッシュな作品。「平家物語」がベースではありますが、真面目になりすぎないよう、良い意味で戯曲との距離感を保ちながら挑んでいきたいと思います。また、私にとってはコロナ禍となってから初のツアー公演でもあります。全国の皆様にこの作品のエネルギーをお伝えできるよう、心して務めたいと思います。村田雄浩コメントようやく初日を迎え「辿り着いた」という気持ちです。再演で内容自体は変わらないけれど、このご時世で変更した部分やセットも前とは全然違っているので、初日は初日で1つの完成した作品をお見せしましたが、これからももっと色々なことができると思っています。萬斎さんもきっとこれで満足はしていないでしょうし(笑)、これからどういう風になるか。会場によっては空間の使い方も変わって、よりぎゅっと凝縮された見え方になると思います。そういう意味でも、これから日に日に期待していっていただきたいです。1回でなく、もしよろしければ2回3回観ていただけると、違うものが観られると思いますので、お待ちしております。若村麻由美コメントまず、スタッフキャスト全員揃って初日を迎えられ感無量です。感染症予防対策にしっかりとご協力くださったお客様方がとても温かいカーテンコールをくださり、マスクの下の笑顔が見えた気がしました。劇場に共にいる喜びを分かち合い一期一会のタイムトラベルを千穐楽迄果たします。「子午線の祀り」は源平合戦ですが、親子や兄弟の話でもありグッと身近に迫るものがあります。知盛は息子を見殺しに逃げた自分を許せず、全ては運命だったのかと影身に問い続けます。影身とはプラトニックラブですが、影身が殺された後は、知盛の心の声となります。非情の相を見極めよと伝える影身の言葉が、2021年の皆様にどのように聞こえるのかとても興味深いです。公演情報『子午線の祀り』作:木下順二演出:野村萬斎音楽:武満徹出演:野村萬斎 / 成河 / 河原崎國太郎 /吉見一豊 / 村田雄浩 / 若村麻由美 /星智也 / 月崎晴夫 / 金子あい時田光洋 / 松浦海之介岩崎正寛 / 浦野真介 / 神保良介武田桂 / 遠山悠介 / 森永友基【神奈川公演】2021年2月21日(日)~2月27日(土)会場:KAAT神奈川芸術劇場 ホール【名古屋公演】2021年3月3日(水)・4日(木)会場:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール【久留米公演】2021年3月7日(日)・8日(月)久留米シティプラザザ・グランドホール【兵庫公演】2021年3月13日(土)・14日(日)会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール【東京公演】2021年3月19日(金)~3月30日(火)会場:世田谷パブリックシアター
2021年02月24日狂言師の野村万作・萬斎親子がこのほど、『祝祭大狂言会2021』(4月25日、大阪・フェスティバルホール)の開催を前に大阪市内で会見を行い、抱負を語った。万作を筆頭に、萬斎、裕基の親子三代ほか一門が出演するこの公演では、「二人袴 三段之舞」、「月見座頭」、関西初上演となる新作狂言「鮎」の3演目が上演される。「月見座頭」で、萬斎と共演する万作。「月見座頭」では、人間の“善”と“悪”の二面性が描かれる。万作は、「人と人との交流がちぐはぐになりつつあるのが今の世の中ではないかと思う。世の中の暗澹たる中で、笑いというものをどう皆様の心にお届けするか。そして笑いだけでなく、もっと人間的なことを考えるというテーマも狂言にはある」と話す。新作狂言「鮎」の演出を担当した萬斎は「池澤夏樹先生の戯曲を基に、舞台ならではの面白みを持たせるために鮎を擬人化した。結末は、今までの狂言にはなかったものを目指した。どうなるのかは見てのお楽しみ」とPR。『祝祭大狂言会2021』では冒頭に萬斎がそれぞれの演目について分かりやすく解説し、「予備知識なしで楽しめます」(萬斎)という。会場は、一般的な能楽堂の5倍以上となる2,700の客席数を誇る、大阪・フェスティバルホールで、大空間で狂言を演じる意義について萬斎は「舞台の両サイドに橋掛かり(廊下のようなもの)が設置できるなどの空間演出が可能。そして、大きな空間では、“人間の小ささ”を感じることもできる。狂言が描く“人間の滑稽な側面”をより愛おしく、肯定的に感じてもらえるのではないか」と話す。また、親子三代で演じることについては、「めでたいし、ありがたい。解脱したかのような存在感の父、中間管理職のような私、21歳の若さが魅力の裕基。三世代の“花”、それぞれの良さを味わってほしい」と語った。コロナ禍により、社会には鬱屈した雰囲気も漂う。萬斎は「狂言に携わる者ができることは、皆さんの心の開放。笑うだけではなく、生きるって素晴らしいことだなと感じてもらいたい。狂言は、声と体のみで表現する飾りっ気のないストレートな芸能。来ていただいたお客さまの期待に応えられるよう、公演に臨む」と誓った。
2021年01月26日『平家物語』を題材に、2017年に野村萬斎の新演出で上演し、数々の演劇賞を受賞した舞台『子午線の祀り』。世田谷パブリックシアター開場20周年記念として、本舞台が戯曲の芯をとらえ直し、ダイナミックかつテンポ感を増した2021年版として新たに生まれ変わり上演されることが分かった。『子午線の祀り』は、木下順二が『平家物語』を基に“天”の視点から人間たちの葛藤を描き、平知盛や源義経をはじめとする源平合戦にかかわった登場人物たちを躍動感をもって浮き彫りにし、心理描写も巧みな壮大な歴史絵巻に仕立て上げた戯曲。日本語の“語り”の美しさと荘厳な響きを引き出す群読という独特な朗誦スタイルを随所に用い、演劇史に確固たる地位を築いてきた作品として広く知られてきた。その戯曲を受けて宇野重吉、観世栄夫、木下順二らの演出による初演が1979年。能・狂言、歌舞伎、現代演劇で活躍する俳優、スタッフがジャンルを越えて創り上げ、高く評価された。その後、幾たびもの上演を経て、この伝説的な舞台が、野村の新演出により世田谷パブリックシアターで上演されたのが、3年前の2017年のこと。世田谷パブリックシアターの芸術監督として長年にわたり、作品を数多く演出してきた野村の集大成のひとつともいえる2017年版の上演は、宇宙的な視座を持つ作品の深い考察、個人と全ての人間の運命を包み込む宇宙の対比、群読による日本語の美しい響きと身体性を活かしたダイナミックな演出が高く評価され、読売演劇大賞最優秀作品賞をはじめ、数々の演劇賞を受賞。そして2021年初頭にこのコロナ禍の中で再び上演するにあたり、あらゆる試行錯誤を繰り返した結果、2017年版をベースにしながらも、演出の濃度を増し、機動力のある舞台を新たに目指すこととなった。また今回の2021年版は2017年には果たせなかった、各地での上演も実施するはこびとなる。2月にKAAT神奈川芸術劇場で幕を開け、その後、愛知、久留米、兵庫と各地をまわり、最後に世田谷パブリックシアターの舞台へ戻ってくるという、その間1カ月以上に及ぶ公演となる新たな『子午線の祀り』の誕生に期待したい。配役は以下の通り。野村萬斎……新中納言知盛(しんちゅうなごんとももり)成河……九郎判官義経(くろうほうがんよしつね)河原崎國太郎……大臣殿宗盛(おおいとのむねもり)吉見一豊……梶原平三景時(かじわらへいぞうかげとき)村田雄浩……阿波民部重能(あわのみんぶしげよし)若村麻由美……影身の内侍(かげみのないし)2017年版の出演者31名から今回は17名に再編成を行い、群読チームの若手の中から伊勢三郎役への抜擢や、また新たに梶原平三景時に吉見一豊を迎え、さらに機動力を増した布陣で挑む。野村は、今回の公演を「『子午線の祀り 2021』withコロナバージョン」として、以下のコメントを寄せている。「1979年の初演より半世紀を過ぎて尚輝く名作。2017年の新演出では、数々の賞を頂きました。何故この作品がこれまで息長く、また時代に合わせたアップデートに耐えて輝き続けるのか。それは木下順二が、日本の普遍の名作「平家物語」に、世界の普遍の名作「ギリシャ悲劇」「シェイクスピア」を掛け合わせ、宇宙の目線から見つめるというハイブリッドな戯曲(レクイエム)を書き上げたからに他ならない。数百年、数千年の普遍を掛け合わせれば、それは絶対普遍とも言えるのではないか。後は、現在に生きる我々が、いかにアップデートするかにかかっている。この1年間、世界はコロナウイルスという大きな波に揺れている。しかし我々は、足を波に掬われようとも自分の座標軸をもち、すっくと現在この時に立っていなければならない。この『子午線の祀り』も、早くも大きなアップデートを迫られている。戯曲を圧縮し、言霊を磨き、舞台美術を変え、役者の身体性をより強固にアグレッシブにして、演出の濃度を上げる。それは再演という括りでは収まらない、新たな旅立ちである。コロナ禍だからこそ我々は、現在、何処に、何故に、どのように生きているのか?あなたの目前に漂う「生と死」と、歴史の波に漂う源平壇ノ浦合戦の「生と死」が合致してオーバーラップする時、あなたは自分の存在を宇宙の目線から知り、自らをアップデートするのである。そして「満々とひろがりひろがる現在という時空の海面に、あなたはすっくと立っている。」ことを自覚するのである。戯曲の主人公の一人である平知盛を演じるのは4度目である。「見るべき程のことは見つ」とまさに世の中を俯瞰して千尋の海に沈む知盛の目線は、時空の闇を超えて今を生きるあなたの目線に、影身として寄り添うのである」<神奈川公演>KAAT神奈川芸術劇場ホール2021年2月21日(日)~27日(土)6回公演(全14:00開演)<名古屋公演>日本特殊陶業市民会館ビレッジホール2021年3月3日(水)18:30、4日(木)12:00<久留米公演>久留米シティプラザザ・グランドホール2021年3月7日(日)16:00、8日(月)13:00<兵庫公演>兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール2021年3月13日(土)12:00/18:00、14日(日)13:00
2020年12月25日現在大ヒット公開中の映画『カツベン!』の公開を記念して、テレビ朝日では12月29日(日)の深夜に、同作の周防正行監督の世界的ヒット作『Shall We ダンス?』をオンエアする。周防監督が監督、脚本を手掛け1996年に公開された本作は、日本アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞など13部門を総なめにしたほか、日本のみならず世界各国で公開され、2004年にはハリウッドでリチャード・ギア主演でリメイク版も製作された日本映画界を代表する名作。真面目なごく普通のサラリーマン・杉山正平はある日、通勤電車から見かけたダンス教室の窓辺に佇む美しい女性に惹かれる。家庭にも会社にも何の不満もなかったが、どこか空しさを感じていた彼が扉をたたいたダンス教室。そこには「社交ダンス」の摩訶不思議な世界が広がっていた…という物語。主演の正平には『三度目の殺人』『孤狼の血』大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」などで常に一線で活躍し続ける役所広司。正平が惹かれる岸川舞には『舞妓はレディ』などの映画から「大恋愛~僕を忘れる君と」といったドラマまで存在感ある演技で見る者を魅了し続ける草刈民代。正平の同僚の青木富夫には『翔んで埼玉』『麻雀放浪記2020』「あなたの番です」などでインパクトのある演技をみせる竹中直人。また、正平の社交ダンスのパートナーとなる高橋豊子には渡辺えり。そのほか柄本明、原日出子、森山周一郎らが出演する。周防監督の5年ぶりとなるオリジナル作品『カツベン!』は現在全国公開中。およそ100年前、「映画(活動写真)」がまだサイレントでモノクロだった時代、楽士の奏でる音楽とともに独自のしゃべりで物語をつくりあげた活動弁士、通称“カツベン”を主人公にしたストーリー。主人公の活動弁士を夢見る青年・俊太郎に成田凌。女優を夢見る俊太郎の初恋相手、栗原梅子には黒島結菜が扮する。『Shall We ダンス?』は12月29日(日)24時15分~テレビ朝日でオンエア。(笠緒)
2019年12月29日『Shall we ダンス?』(96)や『それでもボクはやってない』(07)で知られる周防正行監督にとって、『舞妓はレディ』以来5年ぶりとなるオリジナル作『カツベン!』。今から100年前に映画が「活動写真」と称されていた時代、無声映画の上映中にその内容を解説しながら登場人物の声色までを演じる「活動弁士」は華やかな存在である一方、時代と共に必要とされなくなっていく「光と影」も描かれている。漫画や小説をもとに実写化される「原作モノ」が全盛の中、オリジナル映画に果敢に挑んだ人々を取材する連載「オリジナル映画の担い手たち」。第12回は、周防正行監督が「映画監督の未来」について語る。――時代の流れと共に消えていく職業として、活動弁士が描かれていました。「映画監督」という職業については、どのようにお考えでしょうか。変わっていっていると思います。それぞれのやり方も違うし、今はiPhoneでも映画を撮れる時代。「今日から自分は映画監督です」といつでも誰でも言える。YouTubeだってあるわけです。監督になるための方法が全く異なっています。僕が監督になろうと思った時なんて、日本映画なんか誰も相手にしていない時期。一般の映画会社も、演出部の募集なんかしていない。かろうじて、ロマンポルノを量産していた日活が演出部を募集をしているぐらいで。どうやったら映画監督になれるんだろう。そんな時代に映画監督になろうとしました。今の若者は、自分で撮ってYouTubeに上げてアピールできる。作品を見せる場所は、テクノロジーによって変わってきています。活動写真初期のカメラは、電動ではなくて手回し。1秒間に16コマ回すのは、カメラマンにとって必須のテクニックでした。だから、みんな回す練習をするんです。でも、そんなことはもう必要ない。今は、「そんな技術必要ない」の連続です。フィルム編集できる人も意味がない。デジタル撮影が主流になると、「ネガ編」という今までネガの編集を仕事にしていた人が職を失いました。これは映画界に限ったことではありません。技術革新と共になくなる仕事もあるし、新たに生まれる仕事もある。それは歴史上、明らかなことです。映画監督も、変わらざるを得ないでしょうね。その時に必要なこと、その時にできないことは必ずある。そこをAIが取って代われるぐらいの技術革新が進んだら、AIは映画監督に代わる存在になる思います。――AIが人の仕事を担う時代が迫っているとして、「映画監督」という職業がなくならないためには何が必要なのでしょうか。分からない。なぜならば、上映のスタイルそのものも変わっていくだろうし、例えばCGの使い方1つとっても全然変わっています。今回もCGをたくさん使っていますが、何に使っているかというと「消す」ため。新たなものを作り出すためではなく、余計なものを消すためにCGを使っているんです。そんな発想なんて、最初はありませんでしたよね。例えば、ハリウッド大作のメイキングを見ても、最近のアクションシーンは複数台のカメラで好きなアングルから撮っていることが分かります。昔は、別のカメラのアングルに入らないポジションでベストなアングルを探す必要がありました。だから、メインのカメラが一番良いポジションで、別のカメラは「しょうがない場所」から撮るしかなかった。今はすべてのカメラが、最適な場所から堂々と撮ることができます。あとで映ってしまったカメラを消せますから。ライティングも同じです。ショックだったのは、ベテランの照明技師さんが、助手さんに「おい! そこの照明バレてるから! もっと上手上手!」と指示してたら、「消せるから大丈夫です」と言われたという話があります(笑)。プロデューサーもデジタルならあとである程度光の強さや色合いを調整できることが分かっているから、今までの照明部としての仕事を全うさせないこともあります。コストを考えると、撮影が早く終わることの方が圧倒的に良いわけだから。こうやって時代と共に、現場は変化しています。だから、未来がどうなるかなんて僕には分からない。そこまでの想像力は、僕にはありません。ただ、20世紀が映像の時代だとすると、21世紀はライブの時代だと思います。応援上映なんかまさにそうで、映画館でみんなが声出したり、何かを鳴らしたり、「みんなで盛り上がろうぜ」という上映は、以前は考えられなかった。そもそも映画は静かに見るものですから(笑)。でも、活動写真の時代の映画館は観客も騒がしかったんですよ。――創作はご自身の「驚き」や「人々を驚かせること」が動機になっているとおっしゃっていましたが、取り巻く環境の変化も驚きの連続ですね。そうですね。映画が音を持っていない時代の映画館はにぎやかで、映画が音を持った時代の映画館は客がサイレントになった。これって不思議なことですよね。今回撮りながら、それを一番実感しました。応援上映は、活動弁士が活躍していた時代の「ライブパフォーマンス」と似ています。みんな、ツイッターで「いいね」を押しているけど、本当は肌で感じる共感が最も魅力的だということに気づき始めたようです。21世紀は生身で実感することの方が価値がある時代になっています。人々が映像で驚くことは、どんどん少なくなっていくのかもしれません。■プロフィール周防正行1956年10月29日生まれ。東京都出身。1989年、本木雅弘主演の『ファンシイダンス』で一般映画監督デビュー。本木との再タッグとなる1992年公開『シコふんじゃった。』では、第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し、1996年公開の『Shall we ダンス?』では、第20回日本アカデミー賞13部門を独占。その後も、『それでもボクはやってない』(07)、『ダンシング・チャップリン』(11)、『終の信託』(12)、『舞妓はレディ』(14)などの話題作を手掛けている。
2019年12月22日『Shall we ダンス?』(96)や『それでもボクはやってない』(07)で知られる周防正行監督が、『舞妓はレディ』以来5年ぶりとなるオリジナル作品に挑んだ。成田凌が初主演を務める『カツベン!』は、今から100年前に映画が「活動写真」と称されていた時代、無声映画の上映中にその内容を解説しながら登場人物の声色までを演じる「活動弁士」にスポットを当てている。これまで数々のオリジナル作品を手掛けてきた周防監督は、なぜ本作を通して「活動弁士」に注目することになったのか。そこには日本古来より受け継がれている「語り」の文化が関係していた。漫画や小説をもとに実写化される「原作モノ」が全盛の中、オリジナル映画に果敢に挑んだ人々を取材する連載「オリジナル映画の担い手たち」。第11回は、周防正行監督にとって映画化の動機となっている「驚き」を掘り下げる。○■「珍プレー」「神田松之丞」にも通底する“語り”文化――片島章三さんの脚本を読んだことが、映画化のきっかけになったそうですね。『舞妓はレディ』の撮影現場で片島さんから「読んでみてください」と脚本を渡されたのがきっかけです。たぶん、僕の意見を聞きたかっただけだと思いますが(笑)。僕も、片島さんが撮るものとして、「これは面白いね」と感想を伝えて。それからしばらくしてプロデューサーから監督をお願いされたので、「片島さんさえ良ければ」を条件に受けることになりました。自分以外が書いた(脚)本で、初めて「撮りたい」と思った本でした。――これまでそういう機会はなかったのでしょうか?ありましたよ。「この本で監督してくれませんか?」ということが何度かありましたが、なぜか撮りたいという気持ちになれなかったんですよね。「周防は自分で書かないと撮らない」と思われてる節があるみたいですが、全然そんなことないんですよ。「本が面白ければ撮る」がポリシーです。――「面白い」というのは、感覚的なものなんですか?僕自身の「驚き」です。その驚きを世界中の人に伝えたいかどうか。僕の映画で、共通しているのは「驚き」がスタートです。『変態家族 兄貴の嫁さん』(84)は、小津安二郎という人への「驚き」。ワンカットだけで「これって小津さん?」と分かるような映画監督は、世界中でも稀です。ファンとして「何なんだこれは」という驚きがずっとあったので、小津さんについての映画を撮ろうと思いました。大好きな小津さんに対する驚きが始まりです。『ファンシイダンス』(89)は、昨日まで渋谷のセンター街で遊んでいたような若者が禅寺の修行で入山するという現実が実際にあるんだという「驚き」。山に入った若者たちの目は、センター街にいるた若者の目とは違うんですよね。岡野玲子さんの漫画が原作なんですが、それまでのお坊さんのイメージが変わった作品でした。『シコふんじゃった。』(92)は、その日初めて廻しを締めた大学生が、いきなり国技館の土俵に上がるという「驚き」。初めて見た学生相撲の大会で、小手投げをされまいと頑張っている学生がいました。土俵に上がるのは初めての子でしたが、なんと骨折してしまって! 土俵下にいた関係者が「あっ、折れたな……」とつぶやいたんですよ。「なんだこの世界は!」「強豪校ではない学生たちは、こういう相撲を取ってたのか!」という驚きがありました。『Shall we ダンス?』(96)は、本当に映画の主人公のように駅からふと見上げた雑居ビルの窓に「ダンス教室 見学自由」と書いてあって。「そういえば、雑居ビルのダンス教室ってよく見るよなぁ。だけど、そこに通っている人を一人も知らない」と気づいたんです。そんな世間話をしていた時、東宝の方が「一度、東宝ダンスホールに見に来ませんか?」と誘ってくださって。仕事帰りのサラリーマンと思しき人がそそくさと更衣室に消えて出てくると、ピンと背筋を伸ばして、まるで外国人のように女性をエスコートしながら優雅に踊り始めるんです。取材をすると、あのダンス教室の向こうには、ボールルームダンスの聖地、イギリスのブラックプールがあるんだと知り、驚きました。刑事裁判がテーマの『それでもボクはやってない』(07)は、「刑事裁判ってこんなことになっているのか」「嘘だろ?」という衝撃。証拠は全部見ることはできないとか、もう驚きの連続でした。たぶんみんなも知らないことだろうから、映画にしてみんなに知ってほしいという思いがありました。――今回は、活動弁士に驚かれたわけですね。片島さんの本を読んで、僕は活動弁士を無視していたことに気づきました。学生の頃にサイレント映画をよく観ていたんですが、サイレント映画は「サイレント」で観るのが正しい観方だと思っていました。サイレントで観ない限り、その監督の意図は分からないと。以来、活動弁士や生演奏の存在を無視して生きてきました。でも、片島さんの本を読んで、はたと気づくわけです。明治、大正、昭和を通して、サイレント映画をサイレントのまま観ていた人はこの世にいなかった。洋画でいえば、例えばアメリカには音楽の生演奏があったので、やっぱりサイレントではないんですよね。日本ではそこに活動弁士の語りが入る。当時の日本の映画監督は、生演奏や誰がやるか分からない語りを想定して撮っていたという事実に気づかされました。活動弁士を知らなければ、日本映画を観てきたとは言えないのではないか。日本映画の初期、サイレント映画時代を支えたのは間違いなく活動弁士でした。ちなみに、黒澤明監督のお兄さんも活動弁士です。ポール・アンドラさんの著書(『黒澤明の羅生門 :フィルムに籠めた告白と鎮魂』)には、黒澤監督が活動弁士であるお兄さんの影響を受けたことが書かれています。小津安二郎も溝口健二も、どの活動弁士に語られるか分からないことを踏まえて撮っていたんです。稲垣浩監督は当初、「監督になってみると、活動弁士がこれほど邪魔な存在だと思わなかった」と言っていたそうですが、トーキー(発声映画)の時代になると、自分が書くセリフがどれほど活動弁士から影響を受けているかを痛感したそうです。初期の日本映画の監督はそれぞれ違った形で活動弁士に影響を受けたので、それが後の日本映画のスタイルにも大きな影響を与えたのではないか。それがこの映画を撮ってみて、あらためて分かりました。ヨーロッパやアメリカでも、最初の頃はスクリーンの前に人が立って、映画の説明をしていた時期があったそうです。でも職業として確立することなく、字幕と音楽だけで上映されるようになりますが、日本はトーキー全盛になるまで活動弁士がいて発展していきました。世界でも本当に珍しい映画史です。「物語」という言葉からも分かるように、日本人は語りでストーリーを楽しむ人種とも言えると思います。――最近では、講談師の神田松之丞さんや応援上映などが人気なのも、こうした日本人の感性に響いているからでしょうか?日本の「語り芸」の文化を強く感じます。例えば、これは活動弁士ではなくて「語り芸文化」の影響だと思いますが、古舘伊知郎さんのプロレス実況はまさに現代の活動弁士。それから、みのもんたさんの『珍プレー好プレー』のアテレコも。浄瑠璃、能や歌舞伎も「語り」によって人々に受け入れられてきたところがあります。『平家物語』を語る琵琶法師。講談、落語、浪曲、紙芝居……全部「語り」なんですよね。日本にはそうした豊かな「語りの文化」があって、それが活動弁士を生み出した。声色弁士という仕事もあって、スクリーンの横に複数人立って登場人物のキャラクターに合わせて声を演じていました。それはまさにアニメーションのアテレコ。今の声優さんの人気は、実は日本特有の語りの文化の影響を強く受けているからかもしれません。脈々と受け継がれている語りの文化が、今は神田松之丞さんに光が当たっています。そう考えると、日本の語りの文化が腑に落ちるというか。この映画は、語りについての作品なんです。――今回の『カツベン!』は、前作『舞妓はレディ』(14)後にすぐ製作に入ったのでしょうか?いえ。『舞妓はレディ』の後に2年間、別企画の準備を進めていたのですが、流れてしまいました。準備期間は作品やテーマによって違いますが、『Shall we ダンス?』は1年、『それでもボクはやってない』は多くの取材が必要だったので3年ほどかかりました。今回は、活動弁士の語りで映画を観た経験が少なかったので、とにかく活弁付きの無声映画作品を観ることから始めました。○■原作は映画の出来を保証するものではない――周防監督は本作含め、数多くのオリジナル作品を手掛けてこられました。オリジナル作品とは、監督にとってどういう位置付けですか?なるべく、「オリジナルで作りたい」という思いはあります。原作モノがあまりにも多いのは、お金を出しやすいからでしょうか。出資者側の事情もよく分かるんですよ。僕が一般劇場用映画で最初に撮った『ファンシイダンス』は原作漫画がありました。出資者は、どんな映画になるのか、原作があると予測しやすいわけです。「こういうものができるんだ」と想像がつく。『シコふんじゃった。』はオリジナルだったんですが、立教大学はどんな映画になるか不安があったのか、キャンパスを貸してくれませんでした。出資者の判断や撮影許可が取りやすいのが、原作モノの大きなメリットです。でも、そうなると原作モノしかこの世になくなってしまいます。だからこそ、オリジナルを作れる人は、積極的に作るべきです。漫画家は、「漫画として面白いものを」という発想のもと描いています。原作モノは、どんな映画になるのかある程度想像できるので、一定の安心材料にはなりますが、映画の出来を保証するものではありません。だから、オリジナルにお金を出すのも、原作モノにお金を出すのも実は同じなんです。そう思ってもらいたいから、オリジナルで撮れる人……つまり、それだけの説得力を持っている監督はできるだけオリジナルで撮ってほしいと思っています。――監督もその一人ですね。まぁ、今回はお金を出してくれましたからね(笑)。『それでもボクはやってない』なんて、『Shall we ダンス?』があったから撮らせてくれたと思うんですよ。脚本渡してるのに、「とはいえ、監督だからどこかで笑わせてくれるんだろう」とOKする方もいたみたいで。全然、そんなことないんですけど(笑)。シナリオはこうですと伝わっているはずなのに、みんな僕の過去作品にとらわれてしまう。――ということは、『Shall we ダンス?』までが大変だったということですか。そうですね。『シコふんじゃった。』や『Shall we ダンス?』の企画を通す時、「誰がこんなの観るの?」と散々言われましたからね。『シコふんじゃった。』なんて、スタッフも口にするのが恥ずかしそうでしたし(笑)。ある人からは、「ウンコふんじゃった? そんなの受けられない」と断られたこともありました。『Shall we ダンス?』がヒットしたおかげで、その後の話しは通しやすくなりましたよ。出資する側は、何かしらの保険が欲しいんですよね。■プロフィール周防正行1956年10月29日生まれ。東京都出身。1989年、本木雅弘主演の『ファンシイダンス』で一般映画監督デビュー。本木との再タッグとなる1992年公開『シコふんじゃった。』では、第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し、1996年公開の『Shall we ダンス?』では、第20回日本アカデミー賞13部門を独占。その後も、『それでもボクはやってない』(07)、『ダンシング・チャップリン』(11)、『終の信託』(12)、『舞妓はレディ』(14)などの話題作を手掛けている。
2019年12月21日「ぴあ」調査による2019年12月13日、14日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、周防正行監督が“活動弁士”を題材に描く成田凌主演の人情劇『カツベン!』が第1位になった。本作は『Shall we ダンス?』『舞妓はレディ』などを手がけた周防監督が、映画がサイレントだった時代に活躍した弁士たちの人間模様を描いた痛快エンタテインメント・コメディ。成田凌は一流活動弁士を夢見る青年を演じており、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、竹中直人、渡辺えり、井上真央、小日向文世、竹野内豊ら豪華キャストが出演している。上映後の出口調査では「成田凌さん演じる主人公の活弁がどんどん成長していく感じが印象的だった」(50歳)、「成田さんの活弁は発声やアクセントなどに、当時の活弁士のテクニックなどを良く勉強している事が伺い知れ、本当に感心した」(60歳)など絶賛の声が相次いだ。また「笑っちゃうシーンが多くて楽しかったし感動もあった。活弁をよく知らなかったので昔のものに触れて勉強にもなった」(23歳)、「昔懐かしいノスタルジックな雰囲気にほっこりした」(40代)、「恥ずかしながら、活弁という芸風が立派なエンターテインメントを提供していた事をこの映画で知りました」(60歳)、「俳優さんがみんなハマリ役だった。城田優さんなど、ちょっとしたシーンにあっ!となる人たちがたくさん出てくるので探しながら観るのも楽しい」(45歳)、「高良健吾さんなどいつもとは違う一面を見せている俳優さんが多くておもしろかった」(40歳)、「落語が好きなので活弁には馴染みがあったが、家族で楽しむ正月映画として素晴らしい出来だと思う」(50歳)などの声もあった。1位『カツベン!』93.4点2位『つつんで、ひらいて』92.6点3位『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』92.1点4位『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』91.9点5位『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』90.9点6位『家族を想うとき』90.5点7位『ジュマンジ/ネクスト・レベル』90.0点8位『スピード・スクワッドひき逃げ専門捜査班』86.6点9位『ぼくらの7日間戦争』85.0点10位『屍人荘の殺人』84.8点(本ランキングは、12/13(金)、12/14(土)に公開された新作映画14本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年12月16日『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』『舞妓はレディ』などの周防正行監督による最新作、『カツベン!』が本日より公開。映画がサイレントだった時代を舞台に、一流活動弁士になることを夢見る青年を主人公としたドタバタコメディだ。活動弁士とは、今からおよそ100年前、“映画(活動写真)”がまだサイレントでモノクロだった頃に活躍した職業。日本では楽士の奏でる音楽と共に独自の“しゃべり”で物語を作り上げ、観客たちを映画の世界に誘い、そして、熱狂させていたのだ。通称“活弁(カツベン)”と呼ばれ、現在のようなトーキー(発声映画)が主流となると、衰退の一途を辿ることになってしまった職業でもある。現在でも、この活動弁士を迎えた“活弁上映”がいくつかの映画館で行われ、通常の映画体験とはまた異なる映画体験を求め、多くの観客たちが詰めかけている、日本特有の貴重な映画文化だ。本作の舞台となるのは、この活動弁士が人気職業であった頃。活動弁士を夢見る俊太郎は、小さな町の映画館・青木館に流れ着く。隣町にあるライバル館に人材も取られた青木館に残っているのは、人使いの荒い館主夫婦や、自意識過剰な弁士、さらには飲んだくれの弁士に、気難しい映写技師など、あまりにクセの強すぎる面々。そんな青木館で雑用に身を粉にする俊太郎の前に、初恋の相手や、大金を狙う泥棒、泥棒と“ニセ活動弁士”を追う警察などが入り乱れ、大騒動に発展していく。本作で一流の活動弁士を夢見る青年の俊太郎役を演じるのは、出演作の絶えない成田凌。出演作が立て続けに公開される彼が、満を持して本作で初主演を務めている。さらに、“カツベン”を実際にも披露。一度でも活弁上映を体験したことがある方ならば、成田の語りの巧さと表現力の高さに、思わず唸ってしまうことは間違いない。そんな成田演じる俊太郎の初恋の相手役に扮するのは黒島結菜だ。クラシックな佇まいと柔らかな声とで、周防監督作品の新たなヒロイン像を体現している。さらに永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊といった豪華な面々が集結。もちろん、竹中直人、渡辺えり、小日向文世をはじめとする、周防監督作品お馴染みのキャストも登場。彼らがあまりにクセの強すぎるキャラクターたちを好演し、観客を笑いの渦に巻き込んでくれる。本作を観た方は、日本映画の黎明期に思いを馳せ、目頭が熱くなること必至だろう。“活弁上映”が注目され、大きく盛り上がることとなれば、これほど嬉しいことはない。未体験の方はまずこの『カツベン!』で、新たな映画体験を楽しんで欲しい。『カツベン!』本日より公開※青木館の「青」は正式には旧字体の「青」
2019年12月13日「即位礼正殿の儀の後に行われた晩さん会で狂言と歌舞伎を披露した後、海老蔵さんが萬斎さんと2人で話し込んでいたんです。とても真剣な表情で、誰も近づけないような雰囲気でした。この日、2人は来年の東京オリンピック開会式について打ち合わせをしていたようです」(海老蔵を知る芸能関係者)東京オリンピック・パラリンピックの文化・教育委員会の委員を務め、開会式にも出演するといわれている市川海老蔵(41)。そんな彼が、動きだしていた。10月23日、内閣総理大臣夫妻主催の晩さん会後に五輪開会式総合統括の狂言師・野村萬斎(53)と“極秘会議”を行っていたのだ。「海老蔵さんは、萬斎さんに対して『東京五輪の大舞台で宙乗りを披露できないか』と提案しています。そしてさらに、息子である勸玄くんとの共演を希望しているんですーー」(梨園関係者)“宙乗り”は歌舞伎における演出の一つで、舞台から飛び出して観客の頭上を飛ぶ派手なパフォーマンス。海老蔵は17年の七月大歌舞伎でも勸玄くん(6)との親子宙乗りを披露していた。「今年11月に『スター・ウォーズ歌舞伎』を開催するように、海老蔵さんの頭の中にはいつも『海外の人にも楽しんでもらえる歌舞伎を作っていきたい』という思いがあります。五輪開会式では、これまで練ってきた構想を披露したいと考えているのでしょう。すでに、松竹とも話し合いを進めています。松竹も『できれば数人、少なくとも2人はほかの歌舞伎俳優を出演させたい』と各所へ働きかけているそうです」(別の梨園関係者)そして来年5月からは、いよいよ親子同時襲名披露興行がスタートする。海老蔵は13代目・市川團十郎白猿、勸玄くんは8代目・市川新之助となる。「5月から7月までは歌舞伎座、その後は11月の博多座から全国を回ることになります。開会式は7月24日のため、出演に支障はないはずです。それに五輪は、各国の要人が集結しますからね。新之助となった勸玄くんの名を世界にとどろかせる絶好の機会です。過密スケジュールのなかで出演に意欲を見せているのも、『息子が世界に羽ばたけるようにしてあげたい!』という思いがあるのでしょう」(前出・別の梨園関係者)
2019年11月15日