●20年前からの構想日本の刑事裁判をリアルに描いた映画『それでもボクはやってない』(2007)、終末医療の現場で起こる生死を巡る問題の数々に切り込んだ『終の信託』(2012)など、近年、社会派のイメージを強めていた周防正行監督が、『Shall we ダンス?』(1996)以来、18年ぶりに挑んだ本格エンタテインメント大作『舞妓はレディ』がBlu-ray/DVDとなって2015年3月18日にリリースされる。800人のオーディションの中から勝ち上がった上白石萌音を中心に、長谷川博己、富司純子、田畑智子、髙嶋政宏、濱田岳、岸部一徳、妻夫木聡、松井珠理奈(SKE48)、大原櫻子ら、周防作品初参加というフレッシュな面々、そして草刈民代、渡辺えり、竹中直人、小日向文世、中村久美といった周防作品おなじみのキャストも勢ぞろい。華やかな花街を舞台に、独特な京都のお茶屋世界に飛び込んだ少女・春子が舞妓を目指して成長していく姿を、ミュージカルシーンを織り交ぜながら描き出していく。そこで今回は、Blu-ray/DVDの発売を前に、作品の魅力や注目ポイントについて、周防監督があらためて語ったメッセージを紹介しよう。○周防正行監督が語る『舞妓はレディ』――『舞妓はレディ』は、前作の『終の信託』とは対極ともいえるコメディ作品ですね周防正行監督「人が笑って楽しそうにしているのを見るのは気持ちいいですね。今でも覚えているんですけど、『シコふんじゃった。』のとき、有楽町のスバル座に観に行ったら、まだ立ち見があった頃なんですけど、後ろのドアが開いていて、その後ろからピョンピョン飛び跳ねながら笑って観ているお父さんがいて、すごく幸せでした(笑)」――監督冥利につきるという感じですね周防監督「もう最高でした。そういうことって、『それでもボクはやってない』とか『終の信託』ではありえないことですから。やはり笑いってすごいなって思います」――『舞妓はレディ』はおよそ20年前からの構想というお話ですが、そもそものきっかけは?周防監督「『ファンシイダンス』『シコふんじゃった。』の後に企画したんですけど、この2作は、日本の男の子が日本の伝統文化の中でどう生きていくかという話です。それなら、日本の女の子は日本の伝統文化の中でどう生きるのかって考えたとき、思いついたのが宝塚音楽学校。それとこれはテレビのニュースで見たのですが、京都の花街で舞妓さんのなり手がいなくて困っていると。京都のお茶屋さんで働く舞妓さんというのもまさに伝統文化の中で働く女の子。それで、宝塚とお茶屋さん、それぞれの取材を始めました。で、舞妓さんのほうは、『舞妓はレディ』というタイトルからも想像できように、方言を直して京言葉をマスターしていく。これって実際もそうなんですよ。かつては、京都生まれの京都育ちの女の子が舞妓さんになった。今は、地方から出てきた女の子が京言葉を身につけて成長していく。伝統としきたりの中で現代の女の子がどう生きていくのかというところで、これは面白いぞと。『ファンシイダンス』『シコふんじゃった。』、そして『舞妓はレディ』で若者を通して日本文化を見ることができる」――いわゆる三部作みたいな感じですね周防監督「そう。それがそもそものきっかけです」――ところが実際に制作に入ったのは『Shall we ダンス?』周防監督「なかなか『舞妓はレディ』の、"これでいける"というものが掴めなかった。なぜかというと、お茶屋遊びそのもの、京都そのものについて、いまいち掴めない。自分で取材しても、これって本当に楽しいの? って(笑)」――真髄がわからない周防監督「わからないんですよ、まったく。それはたぶん、1、2年取材したぐらいでわかるような世界じゃない。ちゃんと身銭を切って、20年、30年かけて、あの街に出入りして、それでようやくわかるものじゃないかと思いました。僕自身、お酒も飲まないし。もちろん、お酒を飲まなくてもお茶屋遊びをしている人はたくさんいます。でも、僕自身はどうしても掴めない。勘違いでも何でもいいから掴めればよかったんですけど。そうこうしているうちに、また別に考えていたサラリーマンが主人公の作品、社交ダンスに出会ってしまった。こちらはすぐに、これだっていうものが見つかって、一気に『Shall we ダンス?』に傾いちゃいました」●上白石萌音との出会い――監督の中では、それでいったん、舞妓さんの話は頭から外れてしまったわけですね周防監督「いったん外れていました。やはり、コレというものが掴めなかったので。で、『Shall we ダンス?』が終わった後、あらためて考え直したとき、初めてミュージカルという枠組みを思いついたのですが、それとは別に、僕を取材以外で祇園に誘ってくれる人が現れて、お茶屋さんの中に知り合いがいっぱいできたんですよ。今回の映画で、富司(純子)さんの役のモデルになった人がいるんですけど、彼女と出会えたことが一番大きいです。ムーンライトという、舞妓さんが仕事を終わってから、東京の映画スターに会いに行くエピソード。それも、その女将さんの思い出話なんですよ。そういう風に具体的なエピソードが出てきたとき、俄然それを見たいという気持ちが強くなった」――でも、それからまたしばらく時間が経ちます周防監督「それを具体化するタイミング、主役の女の子の問題、もろもろあって、結局進まなかった。やはり映画はそこが難しい。いくら気持ちがあってもなかなか具体化できない。そうこうしているうちに裁判に出会っちゃって(笑)。『Shall we ダンス?』と『それでもボクはやってない』の間に少し期間があるんですけど、その間にいくつかの企画が動いていたんですよ。でも、結局具体化できず、『それでもボクはやってない』のあと、『ダンシング・チャップリン』を撮って、『終の信託』を撮って。僕の中では、ミュージカルならいけるという思いはずっとあったのですが、なかなか映画化のタイミングが掴めなかった」――そこから、いよいよ撮ることになったきっかけは?周防監督「『終の信託』のとき、プロデューサーから、『もうそろそろやらないと、僕ら死んじゃいますよ』って言われて(笑)。それで、オーディションでヒロインを決めちゃいますからって言われたんですけど、まだシナリオもない状態。まあ、気に入った女の子がいなければ、また延期すればいいと思っていたら、上白石萌音さんに出会えた。この子だったらいける、と思えたのが大きかったです。シナリオもすべて、彼女の存在があって初めて具体化できるようになりました」――ミュージカル調にしようと思ったのは?周防監督「先ほども言ったように、お茶屋さんの世界を描くにあたって、僕自身、真髄を理解できていないと思うんですよ、今でも。20年、30年と遊んできたわけではないので。だけど、ミュージカルという枠組みを借りることで、僕が感じている京都のお茶屋さんの楽しさを、皆さんに伝えることができるのではないかと思いました。お茶屋さん自体がミュージカルみたいなものだと思ったので、これでいけると思いました」――ちなみに『マイ・フェア・レディ』という作品についてはどの程度意識していたのですか?周防監督「構造的に似ている作品ですから、絶えず意識していましたし、シナリオを書いているときもずっと考えていました。でもそう思っていたからこそ、決定的に違うところに気づいた。『マイ・フェア・レディ』はヒギンズ教授が田舎娘をレディに仕立て上げる話です。でも、日本の京都の花街というのは、街の人みんなが寄ってたかって女の子を育て上げるんですよ。なおかつ、基本になるのは女系の擬似家族。これは極めて日本的ですよね。だから、そこを描けばいいんだって思いました。まったく『マイ・フェア・レディ』と重なるんだったらつまらない。だけど、明らかに違うものが出て来たからこそ、同じミュージカル仕立てにしてもまったく違うテイストにできるだろうと思いました。もちろん『マイ・フェア・レディ』と構造が似ているから、『京都盆地に雨が降る』みたいに、『スペインの雨』にオマージュを捧げるような歌もあえて作っています。でも、パロディを作るつもりはありませんでした。同じ構造であったとしても、ひとりの女の子が育っていく過程がまったく違うのですから、そこをきちんと描くことで、日本的なものを作れるのではないかと思いました」――監督を動かした上白石さんとの出会いですが、最初から光っていましたか?周防監督「実は全然目立ってなかったんですよ。彼女が最初どんな風に座っていたか、まったく印象がなかったので、かなり地味な子だったんだと思います。先日、オーディションのときにキャスティングプロデューサーが用意してくれた資料をあらためて見る機会があったのですが、やっぱりそんなに目立つ子じゃなかった。ただ、歌った瞬間に表情が変わった。その変わり方がすごく新鮮で。本当に歌が好きというのが伝わってきて、この子の歌をいつまでも聴いていたいと思いました。ただ歌が上手というのではなく、ちゃんと人の心に届くように歌えるというのがすごく印象的で、普段の姿と歌っているときの輝き方のギャップが、地方から出て来た垢抜けない女の子が可愛く変身して舞妓になるという主人公の姿と重なった」――歌う姿が印象的だったわけですね周防監督「やはり彼女は歌が決め手でした。歌うときにガラッと変わるのが特に良かった。日本映画で、アイドル物と呼ばれるものは大抵最初から可愛いんですよ。でも僕は、映画を観ながら、だんだん可愛く見えてくるという、ヒロインが徐々に輝いていくものを作りたかった。最後に、『あ、この子、すごく可愛かったじゃん』、みたいな(笑)。それができる子だと思いました」――映画では、最初かなり野暮ったい感じですよね周防監督「本人には申し訳ないのですが、ちょっと野暮ったさを強調しました。でも、最初から彼女の中に愛すべき野暮ったさがあって、それが魅力だったんですよ。やはり鹿児島で育ったことが大きかったと思います。そして、映画にあわせて上京してきて、いろいろな大人と出会うことで、洗練されていったんだと思いますし、それが映画と上手くマッチしたんだと思います」――実際の撮影に入ってからの印象がいかがでしたか?周防監督「歌はある程度イメージにあったし、それがあるから大丈夫だと思っていたんですけど、芝居は予想以上でした。賢い子で、僕が余計なことを言わなくても、全部自分で理解して演技ができる子だったので、本当に楽でした。さすがに芝居は苦労するだろうと思っていたのに、拍子抜けするくらい、こちらのイメージを体現し、尚且つ超えてくれた。それも高いレベルで。すごく助かりました」●Blu-ray/DVDでの注目ポイント――さて、今回の作品で舞台を「下八軒」にしたのは、監督がお茶屋遊びをしたのが「上七軒」だったからですか?周防監督「いや、そういうわけではなくて、いろいろな街の名前があるんですけど、一番聞いた瞬間に笑えるじゃないですか。『祇園』を『きおん』とか『おんぎ』とかにしてもね (笑)。『下八軒』は、明らかに『上七軒』をもじったものだってわかるじゃないですか。『上七軒』は花街の中では一番歴史のある街ですが、撮影や取材にも理解がありました。街として盛り上げたい、お茶屋文化を大事にしたいという想いが強かったのもありますね」――映画での描写は上七軒あたりではないですよね周防監督「そうですね。祇園新橋と呼ばれる、よくニュース映像などでも出てくるところがモデルです。川があって、橋があって、ちょっとお参りできるところがある。単なる街並みというだけでなく、絵的なポイントがある。あそこに行くと『祇園に来たぜ』って感じがする。ただ、実際の祇園だともう少し賑やかなので、街のたたずまい自体は上七軒がイメージかな。まあ混ざっていますね。ただ知り合いは祇園に多かったので、祇園ネタも多いです」――映画公開後、お茶屋さんなどの関係者から何か言われたりしましたか?周防監督「面白くて、泣けたって。今年の『お化け』に行ったら、出し物で『舞妓はレディ』を歌う芸妓さんがいて(笑)。僕がお座敷にいてびっくりしてました。親しくしている芸妓さんは、映画を観たその日に電話をくれて、『まるー』って。その芸妓さんは、舞妓さんを6人くらい連れて映画館に行ってくれて、映画館の前で記念撮影をしたのを送ってくれました。何でも、芸妓さんや舞妓さんがご贔屓のお客さんと一緒に『舞妓はレディ』を観に行って食事をする『ごはんたべ』が流行ったそうで、一度に3組が映画館で一緒になったみたいな話も聞いたんですけど、とにかく、京都の人、あの場所で生活している人たちに褒められたのはやっぱりうれしかったです」――それでは最後に、Blu-ray/DVDで観てほしいポイントがあれば教えてください周防監督「やはり役者さんの歌ですね。僕なりの仕掛けで作ってあるので、通して観るのもいいですし、単独でも楽しんでほしいです。もし贔屓の役者さんがいるのであれば、その役者さんの歌を繰り返し楽しんでもらうのもいいと思います。普段は聴けないような役者さんの歌も入っていますから、そこに注目してみてください。あと、どうしても編集の都合でカットせざるをえなかった渡辺えりさんの歌と松井珠理奈さんたちのラップのシーンは必見です。本当に断腸の思いで切ったのですが、Blu-rayのおかげで復活できたので、ぜひ特典映像で楽しんでください。僕のこれまでに作った映画とは違って、通しで観なくても楽しめる作品になっていますので、Blu-ray/DVDならではの楽しみ方を見つけてください。よろしくお願いします」――ありがとうございました『舞妓はレディ』のBlu-ray/DVDは2015年3月18日発売。Blu-ray2枚組の「スペシャル・エディション」には、映像特典としてメイキング「舞妓はレディができるまで。」【完全版】や劇場未公開ミュージカル・シーンなどが収録され、価格は6,700円(税別)。DVD1枚組のスタンダード・エディションは3,800円(税別)。発売元はフジテレビジョンで、販売元は東宝。
2015年03月18日●800人のオーディションから選ばれて日本の刑事裁判をリアルに描いた映画『それでもボクはやってない』(2007)、終末医療の現場で起こる生死を巡る問題の数々に切り込んだ『終の信託』(2012)など、近年、社会派のイメージを強めていた周防正行監督が、『Shall we ダンス?』(1996)以来、18年ぶりに挑んだ本格エンタテインメント大作『舞妓はレディ』がBlu-ray/DVDとなって2015年3月18日にリリースされる。800人のオーディションの中から勝ち上がった上白石萌音を中心に、長谷川博己、富司純子、田畑智子、髙嶋政宏、濱田岳、岸部一徳、妻夫木聡、松井珠理奈(SKE48)、大原櫻子ら、周防作品初参加というフレッシュな面々、そして草刈民代、渡辺えり、竹中直人、小日向文世、中村久美といった周防作品おなじみのキャストも勢ぞろい。華やかな花街を舞台に、独特な京都のお茶屋世界に飛び込んだ少女・春子が舞妓を目指して成長していく姿を、ミュージカルシーンを織り交ぜながら描き出していく。そこで今回は、Blu-ray/DVDの発売を前に、作品の魅力や注目ポイントについて、現在17歳のフレッシュな魅力あふれる主演・上白石萌音が語ったメッセージを紹介しよう。○上白石萌音が語る『舞妓はレディ』――映画の公開当初はまだ混乱しているようなことをおっしゃっていましたが、落ち着きましたか?上白石萌音「公開されてからは、あまり考えないようにしていたので、あまり状況処理みたいなものは成長していなくて……。まだ何か不思議な気持ちがしています」――舞台挨拶などで実際にお客さんの反応をみて、どのように感じましたか?上白石「直接の反応を体感したり、いろいろな意見をいただいたりしていくうちに、撮影中はあまり意識していなかったんですけど、一生懸命に作ったものが届くというのはすごく素敵なことなんだなって思いました」――実際にステージで歌ったり踊ったりもしましたが上白石「すごく緊張しました(笑)。カメラの前と同じくらい、もしかしたらそれ以上に緊張したかもしれません。でも一緒になってノッてくださったり、手拍子してくださったりしたので、すごく楽しかったです。皆さんと一体化できたような感じがしました」――もっと歌ってみたかったですか?上白石「もっと上手になってから、頑張りたいです(笑)」――最初に『舞妓はレディ』のオーディションの話を聞いたときはいかがでしたか?上白石「事務所の方に、『書類が受かったから行っておいで』って言われたんですけど、周防(正行)監督のオーディションという話だけで、他のことは何も聞いていない状態でした(笑)」――オーディションはどんな感じでしたか?上白石「最初は自己PRとか、台本を見ながらお芝居をしたりしたんですけど、最終審査は、2週間、ダンスと歌のレッスンを受けて、それを発表するというものでした。オーディション用でしたが、実際にプロの方からレッスンを受けられたので、すごく幸せでした」――役得ですね上白石「そうですね(笑)。オーディションだけでもいろいろなことを学ぶことができたと思います」――ダンスと歌については以前から経験があったのですか?上白石「小さいころから歌が大好きで、音楽が流れたら踊りだすような子どもでした。それを見て、母がミュージカルの教室にいれてくれたので、そこでずっと歌ったり踊ったりしていました。あと、バレエも習っていました」●鹿児島弁、津軽弁、京都弁――それならオーディションもけっこう余裕があったのでは?上白石「そんなことは全然なくて、すごく大変でした。今までは、自分が楽しければそれでいい、みたいな歌や踊りだったんですけど、オーディションですから、ちゃんと人に見せるものにしないといけない。でも、実際にオーディションが始まると、すごく楽しんで歌ったり、踊ったりすることができました。それは、監督が温かく見守ってくださっていたからじゃないかと思います。なので、あまり手応えというものはなかったのですが、悔いもなかったです」――合格の話を聞いたときはいかがでしたか?上白石「もうビックリですよ。本当に手応えというものがなかったので、まさか自分に決まるとは思ってもいませんでした。だからマネージャーさんから話を聞いたときは、本当に驚いちゃって……こんなにビックリしたのは久しぶりだと思うくらいビックリしました」――オーディションに合格してから撮影までの期間は?上白石「撮影が始まるまで半年くらいあったのですが、合格してからすぐに日舞や三味線を始めて、しばらくしてからダンスレッスンやボイストレーニングが入ってきました。それと同時に、京都に行って、実際にお茶屋さんで話を聞いたり、舞妓さんの一日の生活を見せていただいたりして勉強しました。ただ、あまり知りすぎると、初めて出会った驚きや感動みたいなものが薄れてしまうので、日記のように最初の印象や驚きをノートに書き記して、いつでも思い出せるようにしていました」――やはり驚くことは多かったですか?上白石「本当に大変だと思うことばかりで、もう驚きの連続でした。例えば舞妓さんは、髪の毛を毎日結うわけにはいかないので、一週間くらいお風呂で髪を洗えないんですよ。あと、着物があんなに重いとは思わなかったし、帯を締めるとまともにご飯が食べられなくなっちゃう(笑)。本当に毎日驚くことばかりで、すごく楽しかったです」――『舞妓はレディ』で一番のポイントになるのは"方言"だと思うのですが、方言もその期間に練習したのですか?上白石「方言は台本をいただいてからですね。台本と一緒に、方言指導の先生が吹き込んでくれたCDをいただいて、それを繰り返し何度も聴いて勉強しました。でも、やはり一人で勉強するのは怖いですね。間違えて覚えたら大変だし、実際、現場に行くと全然違うこともあったので、その都度修正しながら撮影していった感じです。私は鹿児島出身で、普段から方言を喋っていたんですけど、方言というものはこんなに難しかったんだ、奥が深いなってあらためて感じました」――作中でも鹿児島弁を話すシーンがありますが、普段はあんな話し方はしないですよね?上白石「全然違います。鹿児島でももっと別の地方だとわからないのですが、少なくとも私は、ああいった話し方はしていないです。聞くとある程度は分かるんですけど、まったく初めての言葉もあって、うれしかったり、ちょっと切なかったり……」――切ないというと?上白石「こうやって段々と言葉がなくなっていくんだと思うと……。自分の地方のことなのに何にも知らないんだって思うと切なくなっちゃいます。だから、大事にしていかないといけないなってすごく思いました」――地元の言葉でさえ難しいとなると、ほかの言葉はもっと大変ですよね上白石「大変だったのは津軽弁。セリフは一番少ないんですけどね(笑)。台本にはひらがなで書かれているんですけど、それだけ読んでもまったく意味が分からなくて……。説明の括弧書きを読んで、やっと理解できるという感じでした。方言指導の人が話す津軽弁と、それを真似する私の言葉がまったく違うというのは、自分でもわかるんですけど、どうすれば近づくのかがまったくわからなくて、ただただ真似を繰り返していました。本当に難しかったです」――京都弁はいかがでしたか?上白石「案外覚えやすかったです。やはり関西弁は、普段テレビで聞いたりするので、馴染みがあったからかもしれません。ふんわりした雰囲気や相手を気遣う優しい言葉、そして話している自分までもが温かくなれるような言葉だったので、京都弁いいな、ずっと喋りたいなって思いました」――そのほか撮影中に大変だったのはどんなことですか?上白石「一番慣れなかったのは正座です。これまであまり正座をする機会がなかったので、すぐに痺れちゃうんですよ。でも、着物で一番楽な姿勢は正座なので、地味に厳しかったです(笑)。ただ、撮影が終わる頃には、けっこう長い時間座れるようになっていました」――着物もこれまであまり着たことはないですよね?上白石「七五三のときくらいですね。着物の着方や、名称とかが全然分からなくて……しかも舞妓さんの着物は特殊じゃないですか。かんざしとかも、毎月種類が変わったりする。でも、おしゃれで、綺麗なので、撮影を通して着物がすごく好きになりました」●Blu-ray/DVDの観どころ――ラスト、着物を着て踊り回るシーンはいかがでしたか?上白石「すごく楽しかったです! 実際に踊るまでは大変だろうと思っていたんですけど、帯や袖が広がる感じとか、ちょっとクセになっちゃうような楽しさがありました。監督に『疲れた?』って聞かれたんですけど、『まだ何回でも行けます!』って(笑)。本当にずっと踊っていたいと思いました」――舞妓さんの姿だと足元も大変ですね上白石「これも慣れるまでは大変でした。前が斜めになっているので、なかなか真っ直ぐに立てず、最初はすごく怖かったです。でも、私は身長が低いので、おこぼを履くと世界が変わってうれしかったです(笑)」――実際に着物を着て、おしろいを塗った自分を見たときの感想は?上白石「自分であって、自分でない。何かお面をつけているような感じがして、一番最初に見たときは『白っ!』て思いました(笑)。間近で舞妓さんを見たことはなかったし、もちろん自分がなったこともなかったので、あんなに時間がかかるとは思わなかったです。ひとつひとつが丁寧で、細かくて、それぞれが交わっている。そうやって舞妓さんが出来上がるんだって思うと、変身の時間がすごく楽しかったです」――撮影中の周防監督はいかがでしたか?上白石「すごく優しかったです。一回も、声を荒げたり、怒ったりしている姿を見たことがなく、いつもニコニコしていらっしゃって、みんなが何でも言いやすい雰囲気を作ってくださっていました。だから現場全体もほんわかした、はんなりした温かい雰囲気で、毎日が楽しくて仕方ないという感じで、すごく居心地が良かったです」――Blu-ray/DVDに特典として収録されている「はんなり京都旅」はどういった映像でしょうか?上白石「撮影でお世話になった舞妓さんを訪ねるといった映像なんですけど、かんざし職人さんが実際に作っているところをみたり、京都の街をいろいろと案内してもらったりしながら、舞妓さんの素顔に迫る、みたいな内容です」――本編ではカットされたミュージカルシーンも収録されていますね上白石「ラップをやっているんですけど、脱力系ダンスみたいな感じですごく楽しかったです。あと、渡辺えりさんのシーンは大好きだったので、カットされたって聞いたときはすごく哀しかったのですが、今回のBlu-ray/DVD収録されているのでとてもうれしいです」――あらためてBlu-ray/DVDを観てもらうときに、注目してほしいポイントはありますか?上白石「細かいところまで監督がこだわり抜いていらっしゃる作品で、例えばオープンセットにもいろいろな仕掛けが施されたりしています。あと、気づかないところにすごい方が出ていたりするので、映画館で観たときには気づかなかった新しい発見があると思います。2回、3回と繰り返して観ていただくと、そのたびに違った見方ができると思いますので、ぜひ細かいところまで見逃さないで観てほしいです」――それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします上白石「映画館で観てくださった方も、初めてBlu-ray/DVDで観てくださる方も、それぞれいろいろな楽しみ方のできる作品だと思います。観る方によって、感じ方や感情移入する対象が違ったりすると思いますので、家族やお友達と集まって、ワイワイと楽しみながら観ていただきたいですね。あと、この作品を観て、日本のことや京都のことを知り、いろいろな文化を大事にしようと思ったり、何事にも恐れずに挑戦していったるするきっかけになったらうれしいです。皆様にとって、大切な一本になるといいなって思っています。よろしくお願いします」――ありがとうございましたヘアメイク:スズキミナコ/スタイリスト:兼子潤子ワンピース(Sally Scott/ニューヨーカー)/45,000円(税別)
2015年03月04日ワタベウェディングはこのほど、周防正行監督新作映画『舞妓はレディ』(全国東宝系で公開中)の公開を記念し、首都圏を中心とした働く女性507人(既婚221人、未婚286人)を対象に実施した、働く女性の「仕事感や花嫁修業」に対するアンケート調査の結果を発表した。調査期間は7月24日~8月17日。○女性の9割が「結婚後も働きたい」と回答同調査は、映画『舞妓はレディ』の主人公が、舞妓になるために日夜修業に励む女性であることにちなんで実施されたという。調査ではまず、「結婚しても働きたいですか?」と質問した結果、89.2%の女性が「はい」と回答。また、既婚で働いている女性の91.9%が、結婚する前から「結婚しても働きたい」と考えていたことがわかった。働く理由について尋ねたところ、1位は「自分や家族の生活のため(40.8%)」だった。次いで2位は「仕事を通じてやりがいや達成感を得るため(29.2%)」、3位は「楽しいから(7.1%)と続いたが、未婚女性だけで見ると「働くのが当たり前」という理由が3位となり、同じ働く女性でも未婚と既婚では就業観に違いがあることが浮き彫りとなった。さらに、仕事を頑張った後のご褒美を教えてもらったところ、「映画やコンサートなどを見る」、「旅行に行く」、「おいしいものを食べる」といった内容がTOP3となった。年代別では20代、40代は「旅行に行く」、30代は「おいしいものを食べる」、50代は「映画やコンサートなどを見る」がそれぞれトップに。また、「欲しいものを買う」という人の割合は、20代の16.4%が最大で、以下年代が上がるに連れて低下する傾向にあることが明らかとなった。○必要な花嫁修業は「料理」!次に、「必要だと思う(だったと思う)花嫁修業は?」と尋ねたところ、77.7%と「料理」が断トツ1位だった。未婚女性に「花嫁修業でしていることは?」と質問したところ、こちらも「料理」が45.1%でトップとなったものの、「必要だと思う花嫁修業」に料理をあげた未婚女性81.1%と36ポイントものギャップがあり、実情が伴っていないことがわかった。○憧れの働く女性に「篠原涼子」「天海祐希」最後に、憧れの働く女性芸能人を聞いた結果、1位「篠原涼子」、2位「天海祐希」、3位「黒木瞳」、4位「松嶋菜々子」、5位「井川遙」がTOP5に選ばれた。未婚既婚別では、未婚女性が選ぶ憧れの働く女性1位に「天海祐希」が選ばれ、次いで「篠原涼子」、「井川遙」と続いた。そのほか、「安室奈美恵」「竹内結子」「草刈民代」も支持された。一方既婚女性が選ぶ憧れの働く女性1位には「篠原涼子」が選ばれ、2位は「天海祐希」、3位は「黒木瞳」だった。そのほか、「アンジェリーナ・ジョリー」が5位にランクインした。
2014年10月02日ワタベウェディングは1日、「働く女性の『仕事&花嫁修業』意識調査」の結果を発表した。同調査は周防正行監督の映画「舞妓はレディ」の公開を記念し、7月24日~8月17日の期間に実施されたもの。働く女性507人(うち既婚221人、未婚286人)より回答を得た。○仕事後のご褒美は「映画やコンサート」が最多に「結婚しても働きたいか?」という問いに対し、89.2%の女性が「はい」と回答。また、既婚で働いている女性の91.9%が、結婚する前から「結婚しても働きたい」と考えていたことがわかった。「働く理由」については、「自分や家族の生活のため」が40.8%で最多に。続いて「仕事を通じてやりがいや達成感を得るため」(29.2%)、「楽しいから」(7.1%)などがあげられた。「仕事を頑張った後のご褒美」は、「映画やコンサートを見る」「旅行に行く」「おいしいものを食べる」が上位になった。年代別に見ると、20代と40代は「旅行に行く」、30代は「おいしいものを食べる」、50代では「映画やコンサートを見る」がトップになった。また、 「欲しいものを買う」は、20代の16.4%が最大で、30代は14.4%、40代は10.5%、50代は8.7%と年代を経るごとに低下している。○憧れの働く女性は「憧れの働く女性といえば?」という問いについて、総合1位は「篠原涼子さん」、次いで「天海祐希さん」「黒木瞳さん」「松嶋菜々子さん」「井川遥さん」という順位であった。未婚女性では「天海祐希さん」、既婚女性では「篠原涼子さん」が1位となった。(画像は本文とは関係ありません)
2014年10月02日映画『舞妓はレディ』が大ヒット公開中の周防正行監督と、主演の上白石萌音(かみしらいし・もね)が、映画ヒットの御礼を京都の人たちに伝えるため“京都お礼参りイベント”を行った。その他の写真本作は、周防監督が『shall we ダンス?』の前に撮る予定だったという念願の企画を実現させた青春劇。舞妓がひとりになってしまった京都の小さな花街・下八軒(しもはちけん)の老舗お茶屋・万寿楽(ばんすらく)で、舞妓を目指す少女・春子の奮闘をミュージカル仕立てで描く。春子を演じた上白石は、800名を超えるオーディションの中から主役の座を射止めた日本映画界のニューヒロインとして、早くも「本年度新人賞最有力候補!」との声が挙がっている。上白石と周防監督は、本作の舞台・花街“下八軒”のモデルとなった、上七軒(かみしちけん)の現役の芸妓・舞妓衆7名と一緒に北野天満宮を訪問し、お礼参りを行うとともに、撮影時から公開前のプロモーションに至るまで、本作を応援してくれた芸妓・舞妓衆に直接、ヒットの御礼を伝えた。さらに上白石と周防監督は、京都を代表する繁華街・新京極にも足を運び、舞妓・芸妓衆と共に商店街を練り歩きながら“大入り袋”を配布し、京都の人たちに感謝の意を伝えた。最後にふたりは新京極商店街に面し、芸の成就を祈願するお寺として知られている総本山・誓願寺に立ち寄り、さらなる映画の成功を祈って、扇子の奉納を行った。上白石は「お世話になった京都、そして上七軒に戻ってくることができてよかったです。今日、新京極商店街を歩いてみて、たくさんの人に『映画観たよ』とか『これから観るよ』と言っていただけて嬉しかったです」と話し、「ここに来て、本当に映画が公開されたという実感がわいてきました。映画が羽ばたいて行って、どこか寂しいような嬉しいような…。でもたくさんの方々から感想をいただいて、本当にとても幸せな気持ちです」と喜びをかみしめた。周防監督は「京都で取材を初めてから22年。月日が経ったと感じます。ただ、その時間があったからこそ、この映画を作ることができたのだと思います」といい、「今日は上七軒の舞妓さん・芸妓さんの感想を直接聞くことができてよかった。知り合いの芸妓さんからも『プロの目から見て合格!』と連絡を受け、花街にきちんと認められたと感じ、非常に嬉しいです。新京極商店街の練り歩きでは、普段なかなか体験しないことなので、生の反応に圧倒されました。また、舞妓さん、芸妓さんと一緒に商店街を歩いたことで、改めてその華やかさを実感しました」とイベントを振り返った。『舞妓はレディ』公開中
2014年09月25日俳優の長谷川博己が8月21日(木)、出演作『舞妓はレディ』の完成披露試写会に出席。劇中で歌とダンスを披露しており「不安でいっぱい。早くそのシーンは終わってほしい」と弱気を見せたが、「渾身のおもてなしを込めた作品で、実は自信あります」とドヤ顔も披露した。また、役作りのため“御茶屋遊び”も初体験したそうで、「緊張しっぱなしで、ずっと正座していました。雑誌でしか見たことない超高級シャンパンも置いてあって、『それ、すごく高級ですよね』と話したら、舞妓さんが『そうどす』ってポーンと開けちゃって(笑)。きっと、お会計が大変なことになっていたはず」とふり返っていた。都内で行われた完成披露試写会には、長谷川さんを始め、ヒロインに大抜擢された主演の上白石萌音、共演する富司純子、田畑智子、草刈民代、周防正行監督が駆けつけた。長谷川さん同様、「これからの事が想像できず、混乱しています」(上白石さん)、「歌が本当にダメなので、どんな感想をいただくか怖い」(富司さん)、「地元京都のみなさんに笑われないか不安だった」(田畑さん)とキャスト陣が、緊張の面持ちで不安を明かすと、周防監督は「明日の見出しは『出演者が不安』で決まりですね」と苦笑しきり。自身は「満足といえる喜びを感じている」と胸を張った。本作は、『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』の周防正行監督が、20年もの間温めていたひとりの少女の成長物語。舞妓不足に悩む歴史ある花街・下八軒に舞妓志願の少女・春子(上白石さん)がやってきたが、鹿児島弁と津軽弁を話し、花街のしきたりもわからず、唄や舞踊の経験もない春子にはさまざまな困難が待ち受けていて…。800人のオーディションを勝ち抜いた上白石さんは、冒頭の挨拶でこそ不安を口にしていたが、「私自身、撮影を楽しんだ。その楽しさがみなさんに伝われば。おもてなしを心ゆくまで堪能してもらえれば」とアピール。上白石さんに白羽の矢を立てた周防監督は、「魅力はやっぱり素直な気持ち」と起用理由を明かしていた。周防作品の常連である草刈さんは、「日本舞踊やパパイヤ鈴木さん振付のダンスといった、いままでにない経験をさせてもらった」。夫・周防監督が手がけた本作を「観る人をおもてなしする、心温まる作品」だと語った。『舞妓はレディ』は9月13日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:舞妓はレディ 2014年9月13日より全国にて公開(C) 2014 フジテレビジョン東宝関西テレビ放送電通京都新聞KBS京都アルタミラピクチャーズ
2014年08月22日人気シリーズ完結の後編が「まだできていない!」と堤幸彦監督が自らが語り、その結末どころか公開の行方も心配されている(?)『SPEC~結(クローズ)~爻ノ篇』(11月29日公開)。その主人公、坊主頭の“キレ”キャラ・瀬文焚流を連続ドラマからおよそ3年間演じ続けてきた加瀬亮。一方で、『ペコロスの母に会いに行く』(11月16日公開)では、主人公・雄一の若かりし頃の父親役でまたひと味違った“キレっぷり”を披露している。その確かな演技力と、選ぶ役柄の振り幅の広さでファンだけでなく映画監督たちからも人気の俳優・加瀬亮、その魅力に迫る。鬼才・堤監督のもと、戸田恵梨香とのコンビでW主演を務めて早3年、自身最大のヒットシリーズとなった『SPEC』。数々の謎が明かされ、未曽有のクライマックスへと向かう完結編に、『~漸(ゼン)ノ篇~』初日舞台挨拶では「寂しさ半分、晴れやかな気持ち半分」と語るなど、かなり思い入れ強く瀬文を演じてきた加瀬さん。戸田さん演じる当麻にキレまくる、瀬文の仏頂面がこれで見納めかと思うと、確かに一抹の寂しさがある。だが一転、『ペコロスの母に会いに行く』では、神経症持ちの、線の細い父親役で仏頂面を披露する。認知症になった母・みつえ(赤木春恵)の夢想に時々現れる、雄一(岩松了)の父・さとるは、給料をすべて飲み代に使ってしまい、道ばたで寝てしまうような男。しかし、不器用にも息子を思う愛情はたっぷりな、何とも憎めない父親なのだ。出演シーンはそれほど多くないものの、原作ファンも納得する深い余韻を劇中に残している。幼少期をアメリカで過ごした帰国子女という、正真正銘の高“SPEC”な加瀬さんは、浅野忠信に憧れて役者の道へ。2000年に石井聰亙監督(現、石井岳龍/『シャニダールの花』)による『五条霊戦記』でデビュー。以後、人情喜劇の巨匠といわれる『ペコロス~』の森崎東監督の前作『ニワトリはハダシだ』(’04)など、様々な役柄で異彩を放ってきた。そんな中、加瀬さんの名を一気に知らしめたのは、やはりクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』(’06)と、周防正行・監督作『それでもボクはやってない』(’07)だろう。特に後者で見せた、平凡さや素朴さを体現する存在感は彼の持ち味でもある。しかし、北野武監督作『アウトレイジ』シリーズでは、それまでの“草食男子”のイメージを覆し、腹の奥底にある弱さを虚勢で隠しながら狂気を放つインテリ・ヤクザを見事演じてみせた。また語学が堪能なことも手伝ってか、映像鬼才ミシェル・ゴンドリーのオムニバス『TOKYO!<インテリア・デザイン>』(’08)や、ガス・ヴァン・サント監督作『永遠の僕たち』(’11)、さらにイランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(’12)にも起用され、その活躍はワールドワイド。しかも今年の加瀬さんはこれまで以上の大活躍で、モヒカン頭で登場した『インスタント沼』の三木聡・監督作『俺俺』ではぴったり一九分けの斬新な髪型を披露したかと思えば、原恵一監督作『はじまりのみち』では『二十四の瞳』の名匠・木下惠介監督の若かりし頃を演じるという機会も得た。作品によってガラリと印象を変えることから“カメレオン俳優”とも形容される演技力に、名だたる鬼才、名匠、巨匠と呼ばれる監督たちから、ひっきりなしにお声がかかる加瀬さん。『SPEC』の瀬文という自身を代表する役柄に1つ区切りがついたことで、今後の活躍にますます期待が高まる。『SPEC ~結~漸ノ篇~』は公開中、『爻ノ篇』は11月29日(金)より公開。『ペコロスの母に会いに行く』は11月9日に長崎先行上映、11月16日より全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:ペコロスの母に会いに行く 2013年11月9日に長崎先行上映、11月16日より全国にて公開(C) 2013『ペコロスの母に会いに行く』製作委員会劇場版 SPEC~結(クローズ)~漸(ぜん)ノ篇 2013年11月1日より全国東宝系にて公開(C) 2013「劇場版SPEC ~結~ 漸ノ篇」製作委員会/2013「劇場版SPEC ~結~ 爻ノ篇」製作委員会劇場版 SPEC~結(クローズ)~爻(こう)ノ篇 2013年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 2013「劇場版SPEC ~結~ 漸ノ篇」製作委員会/2013「劇場版SPEC ~結~ 爻ノ篇」製作委員会
2013年11月07日『それでもボクはやってない』の周防正行監督が愛と死に直面した人間の姿を法律のあり方と重ねて描いたラブ・ストーリー『終の信託』の、“教えて、周防監督!”ティーチイン試写会が11日、横浜ブルク13で行われた。その他の画像映画は重度の喘息患者の願いを聞き入れ、延命治療を止めた女医が検察に追及される姿を通して、終末医療や検察の取調べの問題点を浮き彫りにしながら女医と患者の切実な愛を描いたもの。当日は詰めかけた熱心なファンから、濃密な映画を観賞した直後だというのにティーチインの表題に相応しい素晴らしい質問が次々飛び出し、登壇した周防監督が嬉しそうに丁寧に答えている姿が印象的だった。最初の男性の質問「『それでも…』も本当に冤罪だったのかどうかを巧妙に避けていましたが、今回も女医の発言が本当に正しいのか? やっぱり巧妙に避けているように思いました。その狙いは?」から核心をついたものだった。それに対して「『それでも…』はよく痴漢冤罪の話と言われますが、あれは痴漢裁判の話」と監督。「今回も前半が女医の回想である以上、彼女が患者に投与した薬の量が本当に正しかったのかどうかは分からない。でも、実はそこに僕の深い意図があって。ミステリー映画では真実が観客に示されるけど、現実ではそれは絶対あり得ない。本当は当事者しか分からないし、当事者だって勘違いをする可能性があって、僕らはそういう曖昧なところで人を罰している。だから僕は敢えて、この2作は、本当は何があったのか分からないという形で物語を考えました。それが、人が人を裁くことの難しさ、厳しさを伝えることになると思ったからです」その後も密室で取調べる検察のシステムの問題、患者と医者と家族の理想的な関係の話から、遺された家族の描写に関する繊細なこだわり、劇中で流れるプッチーニのオペラに込められた想いなど、興味深い話題が連続。そして最後の周防監督の言葉「映画は監督のものではなく、観た人のものだ」がまた深く心に響く。「いま、みなさんがご覧になって感じたこと。それがこの映画のすべてです」。そこには、映画の本来の“想像することの楽しみ”をもっと知って欲しいという周防監督の願いのようなものまで感じられた。『終の信託』公開中取材・文:イソガイマサト撮影:井出絵里奈
2012年11月16日草刈民代&周防正行監督、「ミッドタウン・クリスマス2012」点灯式に仲良く出席!「ミッドタウン・クリスマス2012」の点灯式が東京ミッドタウン(六本木)にて行われ、公開中の映画『終の信託』で夫婦タッグを組んだ女優の草刈民代と周防正行監督が出席した。草刈さんはクリスマスをイメージさせる真っ赤なドレス姿で登場し、イベントを華やかに盛り上げた。今年、開業5周年を迎えた東京ミッドタウンでは、毎年「芝生広場」(スターライトガーデン)にて幻想的なクリスマス・イルミネーションを一般公開している。今年は広大な“宇宙”を光と音が織り成す幻想的なイルミネーションで表現しており、その幻想的な美しさは非日常の空間へと誘う。ほかにも高さ6メートルのクリスマスツリーや巨大な雪だるまサンタクロース“ミッドタウン・スノウマン”など様々な演出が行われており、人々の目を楽しませている。まずは周防監督の掛け声で、草刈さんが映画の撮影を再現したカチンコをならすと、東京ミッドタウン全体のイルミネーションが一斉に点灯、スターライトガーデンには一面にブルーの幻想的な光が広がった。草刈さんは、幼いころからクリスマス時期はバレエの公演に明け暮れており、「こんな美しいイルミネーションを見たのは初めて。銀世界のようで素晴らしい!」と感激のコメント。一面のネオンの海や光輝くクリスマスツリーを見上げてうっとり。一方、周防監督は毎年ミッドタウンのイルミネーションは見に来ていたことを明かし、「今回は、光の海の中に浮いているみたい。いい経験をさせてもらった」とロマンチックな雰囲気にご満悦の様子。公私共にパートナーの2人だが、今年は映画『終の信託』が公開され、周防正行監督は草刈さんには「ひとりの信頼できる役者として自分の考えを預けている」と絶大な信頼を寄せていことを明かした。本作で、数奇な運命に翻弄されるエリート医師・折井綾乃を演じている草刈さんは「大人の映画ですが、ご夫婦とか、若い方にもちょっと背伸びをしていただいて観ていただきたい」。周防正行監督は「人と人がどう向き合っていくかを見て欲しい」とそれぞれが見どころをアピールしていた。映画『終の信託』は公開中。「ミツドタウン・クリスマス2012」は12月25日(火)まで開催。公式サイト:www.tokyo-midtown.com/jp/xmas/2012/■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開©2012 フジテレビジョン東宝アルタミラピクチャーズ
2012年11月15日周防正行監督最新作『終の信託(ついのしんたく)』で主人公の女医を演じた草刈民代が、『Shall we ダンス?』以来、16年越しの再共演となった役所広司、そして周防監督との現場を振り返るとともに、バレリーナのキャリアが主人公の葛藤や信念を表現する際に活きたことを明かした。その他の画像現役弁護士・朔立木の同名小説を原作に、本物の愛、そして人間の死に直面した草刈演じる女医・折井綾乃の心の機微や成長を草刈と役所、そして浅野忠信、大沢たかおという豪華キャストで紡ぐ周防流のラブストーリー。「16年後、まったく違う作品と役柄でご一緒できて、とてもいい記念になりました」とまずは奇跡の再会を素直に回想。「役所さんとの名古屋ロケの後、帰宅して偶然放送していた『Shall we ダンス?』を観て、ふたりとも若いなあって(笑)。その後に『終の信託』の写真を並べた映像が流れて、それだけで感慨深い想いに浸りましたね」とそれぞれが歩いた16年間という軌跡を受け止めたという。その草刈演じる綾乃は、患者の評判も良い呼吸器内科のエリート医師。しかし、不倫の果ての自殺未遂、終末医療にまつわる重大な決断、そして検察の追及など、「大変な人生を背負っている人」と草刈が表現するように、さまざまな試練と戦うことになる。その大仕事は映画を観ればよく分かるが、意外にもバレリーナとしての経験が演じる上での助けになったという。「技術があっても内面の成熟なしには良い踊りは踊れない。綾乃さんも医師として挫折を経験し、初めて大きな岐路に立たされたのだと思います。だからこそ、あのような行動に出たのではないでしょうか」。その説得力に満ちた熱演はプロフェッショナルとして、ある種の到達点に達した者だからこそ成し得た表現のように映る。そこには周防監督の狙いがあったと草刈も言う。「周防監督が言っていたことですが、プロフェッショナルの孤独を私に感じていて、それが綾乃さんとリンクしたそうです。私もバレリーナとして葛藤してきました。その経験は彼女の医師としての揺るぎない信念を表現することに役だったかも知れませんね」。『終の信託』公開中取材・文・写真:鴇田
2012年11月01日『Shall we ダンス?』、『シコふんじゃった。』の周防正行監督の最新作『終の信託』が10月27日(土)に公開を迎え、周防監督を始め主演で監督の妻の草刈民代、役所広司、大沢たかお、浅野忠信、細田よしひこが初回上映後の舞台挨拶に登壇した。重度の喘息を抱えた江木は自らの死に際しての決断を信頼する女医・綾乃に託す。医療と江木への思いをはざまで揺れつつ、綾乃は重い決断を下すが、3年の後、その決断が刑事事件へと発展していく…。『Shall we ダンス?』以来、16年ぶりの劇映画出演となった草刈さん。前作では“本職”であったバレリーナ役だったが、今回はバレリーナ引退後に女優に転向して初の劇映画ということもあり「この役を演じたことが私の女優としてのスタートになったと思っています」と晴れ晴れとした表情を見せる。作家・朔立木による原作の小説を読んだときは号泣したそうで「現場でも込み上げてくるものがあって、役所さんのセリフを聞くだけで涙がこぼれてしまい(監督に)『ここでは泣かないでくれ』と言われました(笑)」と明かすほど、強い思い入れを持って演じたことを明かした。『Shall we ダンス?』以来の草刈さん、周防監督とのトリオ再結成となった役所さんは「『Shall we ダンス?』に続いて草刈さんに思いを寄せる役でした」とニンマリ。草刈さんとの久々の共演について「16年前はバレエダンサーで、一緒に踊ったときはよく怒られました(笑)。今回の女優としての覚悟、ご主人の作品をより良くしようと頑張る姿に感動しました」と称賛を送った。映画を観たばかりの観客を前に居心地が悪そうなのは大沢さんと浅野さん。大沢さんは草刈さん扮する綾乃を厳しく追いつめていく検事、浅野さんは綾乃と長年、不倫関係にありつつもよそに若い恋人を作っていた同僚医師を演じており「みなさんの僕を見る視線に憎しみがあるようで好感度が心配」(大沢さん)、「怖い目で見られているような気がする」(浅野さん)と2人とも苦笑いを浮かべた。特に浅野さんは、結婚を望む綾乃に「オレ、結婚するなんて言ったっけ?」と言い放つほか、夫の周防監督が見つめる中で草刈さんとの激しいベッドシーンも披露しており、「すいません。僕は監督の指示に従うしかないので…。なかなか、旦那さんの前で奥さんにそういうことすることもないのでどうしようかと思いました」とふり返った。周防監督は、さすがに本作の製作を通じて自らの人生の“終の信託”に関して考えさせられたそうで「意思表示をちゃんとしておかないと、残された人が責任の重さに後悔したり罪の意識にさいなまれることになる」と語り、続けて「撮影の後に、妻にごく簡単にさらりと言っておりそれが“終の信託”のつもりだったんですが、ある舞台挨拶でそのことを言ったら『聞いてない』と言われまして…」と困った表情。草刈さんは「思い出しました(笑)。心に留めております」と笑顔で夫の思いを受け止めていた。『終の信託』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開©2012 フジテレビジョン東宝アルタミラピクチャーズ
2012年10月28日その年の日本アカデミー賞で全部門制覇の偉業を達成した『Shall we ダンス?』(’96)から16年。同作で鮮烈な女優デビューを飾った草刈民代が、主演最新作『終の信託』(ついのしんたく)で劇映画の世界に舞い戻った。銀幕デビュー、映画監督・周防正行との結婚、バレリーナ引退という様々な人生の局面を経て、本作でたどり着いたのは「これが女優としての始まり」(草刈さん)という新たなる決意だ。夫・周防監督の最新作でもある本作で、いかに女優・草刈民代は誕生したのか…。草刈さん本人がキャリアをふり返りながら、その秘話を紐解いてくれた。舞台からスクリーンへ映画は終末医療の現場を舞台に、ある重病患者からの“信託”を受けたエリート女性医師・綾乃(草刈さん)が下した決断と、それを罪とみなす検事の攻防を緊張感たっぷりに描くヒューマンドラマ。患者を演じるのは『Shall we ダンス?』でも共演した役所広司。綾乃を取り調べる検事に大沢たかお、綾乃の不倫相手に浅野忠信という実力派俳優が起用され、スクリーン上で草刈さんとの“真っ向勝負”に火花を散らす。医師として、女として、そして被疑者として…。多面的な表情を見せる綾乃を演じる上で、草刈さんが最も大切にしたのは「切実さと誠実さ」だったという。「彼女の生きてきた姿勢というものが見えないと、クライマックスの取り調べシーンに繋がりませんからね。変に芝居がかっていても、観ている人に伝わらないと思いました。妥協をせず、誠実に役や自分自身に向かうしかなかったです」。あえて16年前の『Shall we ダンス?』と比較すれば、「当時はガムシャラに脇目も振らず一直線、みたいな(笑)。今回はそれだけでは演じきれない役だし、全てのシーンで必要なテンションや表現のチョイスを考え抜いた。身体的な疲れよりも、神経的な疲れが強かったですね」と自己分析する。バレリーナとして18歳で主役デビューを果たし、国内外で活躍した後、2009年に自らプロデュースした公演「Esprit~エスプリ~ -ローラン・プティの世界-」を最後に引退。その後は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」などに出演したが「女優としてはちょっと前まで、トウシューズを履いていたのにな…って、ちょっと居心地が定まらない気持ちもあった」のだとか。その分、「今回は主演として作品と向き合うので、ただただ演じることに集中すれば良かった。だから、16年ぶりの劇映画という意識はあまり関係ないんですよ」とも。そんな持ち前のしなやかさは、綾乃を悲劇のヒロインではなく、等身大の女性として輝かせている。夫、監督としての周防正行輝かせる…と言えば、やはり忘れてはならないのが夫・周防監督の存在だ。「旦那さんの前で演技すること?それが全然抵抗がないんですよ」と屈託なく笑う草刈さん。「そもそも出会ったのが映画でしたし、家では台本を読む相手もしてくれるので、いわゆる“構え”はない。『仕事を家庭に持ちこまない』みたいなルール決めも一切ないし、撮影準備期間は家での会話も映画中心だった」と夫婦生活の一端も明かしてくれた。もちろん“映画監督”周防正行への信頼感も絶大だ。「本当に意味のある映画を作ったと思います。この映画を観て、私自身も生きることの切実さを感じる機会になったし、一人一人が自分なりの意見や視点、物事を判断する尺度をもたないと、社会的な“ひずみ”がどんどん増してしまうことを気づかされました」。綾乃が下す決断に関しても「本来、旅立つ人の意志が尊重されることが理に適っていると思うが、そこに法が介入すると、映画が描くような問題が生じてしまう。その難しさがよく表現されていると思う」と言い、その上で「『Shall we ダンス?』のときに比べて、表現者としての成熟がものすごく作品に表れている」と改めて尊敬のまなざしを注ぐ。そんな本作『終の信託』を観れば、「これが女優としての始まり」と語った草刈さんの未来にも期待せざるを得ない。「正直、自分なりに『これ以上は無理、これしかない』というところまでやり切りました。でも今後、さらに経験を積めば、そんな思いも変わってくるでしょうし、演技に関する捉え方の幅や判断材料も増えてくるはず」と草刈さん。「自分にできる役柄は、何でも挑戦したいし、良い作品を作りたいという人たちに囲まれると触発されますからね。そんな経験を数多く経験して、表現を広げていきたい」と“女優・草刈民代”に誰よりも期待を寄せる草刈さんだった。(text/photo:Ryo Uchida)■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開©2012 フジテレビジョン東宝アルタミラピクチャーズ
2012年10月23日10月20日(土)、今年で節目となる25回目を迎えたアジア最大級の映画の祭典「東京国際映画祭」が東京・六本木ヒルズにて開幕!アニバーサリー・イヤーに相応しく、国内外から駆け付けた各上映作品の豪華なキャスト陣や監督らがグリーンカーペットに華を添えた。“ECO・グリーン”と呼ばれるTIFF独自のカーペットを使用して行われるこのカーペットイベント。空は晴天ながら少し肌寒い秋の風を感じさせた、この日。大歓声に包まれながら登場したのは、TIFFのアンバサダーを務める女優・前田敦子だ。「AKB」を卒業し、大人の女優としての一歩を踏み出した前田さんは、AKBおなじみの赤のタータンチェックの衣装ではなく、モノトーンカラーのシックなドレス。沿道に駆け付けた熱狂的ファンからの「(AKBに)戻ってこいよぉ!」という悲痛な叫びにも女優然とした笑顔で応え、「こんな素敵な場所を歩かせていただけて、本当に嬉しいです」と語って、こらから歩む自らの道を確認するかのように一歩一歩、緑の絨毯を踏みしめていた。今年の流行色は“ブラック”ということで、前田さんだけでなく、ほかの女優陣も黒を取り入れたファッションが目立った今年のグリーンカーペット。脚を露わにしたショート丈&ワン・ショルダーのセクシードレスの吉高由里子に、内側にスケ感のあるショーツとロングスカートで合わせた伊藤歩、胸元にハートのアクセサリーでアクセントを効かせたブラックスーツの高良健吾と、まさに黒一色の装いで登場した『横道世之介』チームを筆頭に、金の刺繍が印象的なブーツとのセットアップドレスで合わせた『旅の贈りもの明日へ』の山田優、今年5月に第1児を出産した麻生久美子(『グッモーエビアン!』)はお腹周りをボリュームのある生地で覆うタイプのドレスと、女優陣はこぞってブラックを基調としたドレスで登場した。さらに、『終の信託』で共演の役所広司と夫で監督の周防正行と共に登場した草刈民代は、控えめなスパンコールをあしらったブラックドレス。タキシード姿の役所さんとの横並びの光景は、『Shall we ダンス?』を彷彿とさせた。同じブラック・ドレスでも一際、マスコミを騒然とさせたのは、本映画祭の「日本映画・ある視点部門」に出品される『GFP BUNNY─タリウム少女のプログラム─』に出演するTakahashi(身体改造アーティスト)。全身に入れられた刺青と大量のピアスで作り上げられた彼女の皮ドレスにロングブーツとで合わせたワイルド&ド派手なスタイルに、報道陣はもちろん観客たちも思わずカメラのシャッターを切ってきた。秋晴れの空の下には、黒尽くめのクールビューティーではなく、艶やかな着物こそよく似合うとばかりに、和装で参加した女優たちの姿も。『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』の監督とプロデューサーと共に登場した柴崎コウは、色とりどりの折り鶴のヘアアクセ&胸元にレースの生地をあしらったストライプ&ドット柄の着物姿で、艶っぽい中にもポップ&キュートの彼女のセンスが生きる衣装。さらに、ノリノリの宴会芸で知られる「あやまんJAPAN」のあやまん監督は、自身が女優デビューを果たしたその名も『女優』を引っ提げてTIFFに参戦。いつもの過激なパフォーマンスからは想像できない、紅に和柄を敷いた着物で登場するも、いつものノリがついつい出てしまう場面も…。そのほかに注目を集めたのは、ショッキングピンクのオールインワンで登場した『カラスの親指』の石原さとみ。注目はカラーだけでなく、ざっくりと開いたセクシー背中。共にグリーンカーペットを歩く阿部寛や小柳友ら男性陣から「おぉ~(笑)!」と、囃子立てられていた。さらに『綱引いちゃった!』の井上真央は、控えめな色使いながらもドレスと靴のカラーを合わせ、アクセサリーも口紅の色も同系色の淡い系カラーで統一する上品なテクニックを見せ、客席に手を振るたびに「かわいい~!」という女子たちの称賛の声があちこちから聞こえていた。さらに、ラストを飾ったのは今年のオープニング作品『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』のオフィシャル・ナビゲーターを務める上戸彩に本作の主演を務めたエリカ・リンツ、さらに本国からやって来た“シルク・ドゥ・ソレイユ”のパフォーマーたち。この日のために準備したという新パフォーマンス「夢の小舟」を披露し、上戸さんを始め、沿道に集まった観客たちから大喝采が贈られた。第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会グッモーエビアン! 2012年12月15日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2012『グッモーエビアン!』製作委員会終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開©2012 フジテレビジョン東宝アルタミラピクチャーズ綱引いちゃった! 2012年11月23日より全国東宝系にて公開© 2012「綱引いちゃった!」製作委員会渾身 KON-SHIN 2013年1月5日より島根・山陰地区先行公開、1月12日より全国にて公開© 2012「渾身」製作委員会旅の贈りもの明日へ 2012年10月27日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2012 「旅の贈りもの明日へ」製作委員会すーちゃん まいちゃん さわ子さん 2013年3月2日より全国にて公開© 2012 映画「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」カラスの親指 2012年11月23日より全国にて公開© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズシルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.
2012年10月20日山口県防府市の仏教寺院、周防国分寺で薬師大法要が行われる。開催日時は11月3日(土)10:00~16:00。みどころははだしで火の中を歩く「火渡り」。薬師大法要は大きく二つの供養に分かれている。一つは健康加持、肌着祈願、赤子健康加持などを行う10:00からの「塔婆供養」。もう一つは「柴燈護摩(さいとうごま)」。13:00から行われ、柴燈護摩壇で祈祷護摩を燃やす。息災招福、病気平癒、ぼけ封じ、眼病平癒、交通安全、商売繁盛、家内安全、良縁成就、開運成就の御利益があると言われる。「火渡り」は、柴燈護摩の残り火の中を素足で渡り歩くもの。それを火生三昧と呼び、火渡りをすると身体の悪いところが薬師の炎で焼かれ、健康になると言われている。祈祷料は塔婆供養が2,000円、柴燈護摩が500円。当日申し込みのほか、事前申し込みも可能だ。各地にあるほかのほとんどの国分寺同様、周防国分寺の本尊は薬師如来だ。薬師如来は病気平癒に御利益があるとされる。また、周防国分寺は、本尊の薬師如来が重要文化財に指定されているほか、同じく重要文化財の日光菩薩、月光菩薩立像、阿弥陀如来坐像、持国天、増長天、広目天、多聞天の四天王像、そのほか、県指定有形文化財の阿弥陀如来像、金銅毘盧舎那如来像、金銅誕生仏などがある。拝観料は大人500円、子供300円、30人以上の団体は大人300円、子供250円となる。月曜休館。その他、建築物では金堂が重要文化財であるほか、仁王門が県指定有形文化財となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月16日最新作『終の信託』の公開を記念し10月8日(月・祝)、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで「周防正行映画祭」と題した特別イベントが開催され、代表作である『シコふんじゃった。』(’92)、『Shall we ダンス?』(’96)、『それでもボクはやってない』(’07)の3本が上映された。幕間には周防監督を始め、役所広司、草刈民代、竹中直人、田口浩正、徳井優、加瀬亮、瀬戸朝香という“周防組”に縁の深い豪華な顔ぶれが勢ぞろい。「まるで生前葬(笑)」と照れくさそうな周防監督を囲み、出演作の思い出や知られざる(?)監督の素顔を明かした。『Shall we ダンス?』に主演し「その後の人生が変わりました」と語る役所さんは、「だって海外に行っても、あの映画観たよって言われるし、本当パスポートみたいな作品ですよ」と感謝しきり。「小細工せず堂々とした映画作家。心から愛しています!」と賛辞を惜しまない。同作で女優デビューを飾った草刈さんは「当時はバレリーナでしたし、映像の仕事は私がやることじゃないと思っていた。でも監督からシナリオをいただき、ものすごい取材量に『この人なら信頼できる』と思った」とふり返る。映画は日本アカデミー賞の全部門制覇という快挙を成し遂げたが、それ以上に世間をアッと言わせたのが、周防監督と草刈さんの結婚だった。「男としての魅力?出会った当初は感じなかったですね」と草刈さんが明かす一方、周防監督は「特に口説いた覚えはなくて、一番大きいのは僕のカン違い(笑)。ひょんなことから毎晩電話で2時間くらい話すようになって『これは好意的に思われている!』と俄然その気になった」のだとか。ただ「結婚してから知ったんですが、草刈さんは誰とでも長電話する」そうで、やはりおふたりの結婚には、大いなる“カン違い”パワーが働いていたのかも?役所さん×草刈さん×周防監督が16年ぶりにタッグを組んだのが、終末医療をテーマにした『終の信託』。周防監督が「ユーモアが一切ない映画で、いままでと違う緊張感にあふれている。ただいままで通り、映画らしい映画になったのでぜひスクリーンで深く味わってほしい」と静かに自信をみなぎらせるヒューマンサスペンスだ。竹中さんは1989年公開の『ファンシイダンス』を始め、『シコふんじゃった。』、『Shall we ダンス?』に出演する周防組の“顔”とも言える俳優。それだけに「最新作に呼ばれなかったのが、納得いかない。次は絶対呼んでください!」とアピールにも熱がこもる。一方の周防監督は「テクニックとパワーを持った俳優さんだから、最初は僕の言うことなんて聞いてくれないと思っていた。ところが、実際には監督の意図をくみ取って演じてくれる俳優さんで、こんなありがたい人はいない」と大絶賛。「まあこの先、出番があるか分かりませんが…」(周防監督)、「そんな…。僕、泣いちゃう」(竹中)と丁丁発止のやり取りで、会場は爆笑に包まれた。『それでもボクはやってない』で周防組にフレッシュな風を送り込んだのが、加瀬さんと瀬戸さんだった。「僕は気が小さいので、監督の前では緊張してしまう。ところが周防監督はいつもニコニコしていて、初対面でホッとできた初めての監督だった。何より正直で誠実な方だと思う」(加瀬さん)、「何を聞いても、すぐに答えが返ってくるし、現場のチームワークもすごく良かった」(瀬戸さん)と2人にとっても、同作は新境地だったようだ。「死ぬまで精進して、いい作品をたくさん撮ってほしい。(映画の題材の)貯金はしているはずなので、ファンのみなさんにも末長く応援していただけるよう、よろしくお願いいたします」と“夫”周防正行監督に愛あふれる激励を贈る草刈さん。これに対し、周防監督は「やっぱり役者ってすごいと思う。常に僕のイメージを超えた演技を見せてくれ、とても感謝している」と語り、さらに「映画は何よりも、映画を観た人のもの。これからもみなさんの心の中に生きる映画を頑張って作っていきたい」と抱負を語っていた。『終の信託』は10月27日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開© 2012 フジテレビジョンアイ・エヌ・ピーそれでもボクはやってない 2007年1月20日よりシャンテシネほか全国にて公開© 2006 フジテレビジョンアルタミラピクチャーズ東宝
2012年10月09日日本アカデミー賞で13部門制覇という大記録を打ち立てた『Shall we ダンス?』の周防正行監督とその妻の草刈民代、役所広司のトリオが16年ぶりに顔を揃える『終の信託』が完成。9月19日(水)に完成披露会見が都内で行われ、周防監督、草刈さん、役所さんに周防作品初参加となる大沢たかおが出席した。現役弁護士の朔立木の同名小説を映画化した本作。エリート女医と重度の喘息を抱えた男性患者の間に芽生えた深い絆を軸に終末医療、尊厳死と医師の責任といった社会的な問題を浮き彫りにしていく。劇中で重要な役割を果たすアリア「私のおとうさん」に乗せて、草刈さんと役所さんは腕を組んで登場。草刈さんにとっては長編劇映画への出演自体が『Shall we ダンス?』以来。当然、16年ぶりの役所さんとの共演に注目が集まるが「(役所さんは)前回はダンス教室の生徒で今回は患者さんでしたが、そこにその人がいる感じで16年ぶりとかそういうことを感じさせずにすんなりと芝居に入っていく感じでした」と明かす。一方、役所さんも「16年前は周防監督に呼ばれて、トップダンサーがちょっとお芝居をやってみましょうかという感じでしたが、今回はずっと女優でやっていくという気迫がありましたね」と述懐する。草刈さんは劇中、浅野忠信が演じる不倫相手の医師とのかなり大胆な濡れ場も披露しているが、“夫”周防監督はその点について「妻を裸にして大丈夫なのか?という意味でしたら、監督はそんなこと考えてない!ラブシーンをどう撮るかということの方が大問題で、“妻が裸でそこにいる”ことは問題じゃないです」とピシャリ。草刈さんも「私も特に(意識するところは)ないです。主人は私が踊っているところや稽古を以前から見てましたから、主人の前で演技することに抵抗はなく、自分のことだけ考えてました」と明かす。そんな2人の関係を役所さん、大沢さんら共演陣はどのように見ていたのか?役所さんは「変わらないですね。16年前に2人が結婚を前提にお付き合いされるようになった頃と変わってません」と証言。すかさず周防監督から「いつから結婚を前提に付き合うようになったか知らないでしょ!」とツッコミが入り、役所さんは「僕のカンでは…」と口ごもり、会場は笑いに包まれた。一方、周防組初参加となった大沢さんは「微妙に2人の間が緊迫する瞬間があって、僕は見て見ぬフリをしてお茶を飲みに行ったりしてました(笑)。結構、気を遣うんですよ。今日も草刈さんと役所さんが腕組んでいいのかな?と思ったり」と意外な小心なさまを見せて笑いを誘っていた。尊厳死をめぐる問題は、議員立法での法制化も議論されているが「大きな政治テーマですが、法律が一度できてしまうと、法に背かなければよいのか?ということになりがち。人間としていいのかダメなのか?法律以前に、人間としてどうなのかということが抜けてしまう。法律ができてすべてが丸く収まるわけではない。法律ができる過程できちんと話し合うことが大事。真剣な議論を望みます」と呼びかけた。映画にちなんで、自身の最期の迎え方についても質問が飛んだが、役所さんは「意識があるうちに卵かけご飯が食べたい(笑)。意識がなくなったら、家族や友人や仕事の仲間たちがベッドの横で『あんなことあった』なんて話してるのを聞きながら、『あれ?死んだんじゃないの?』となるのがいいかなと思います」と理想の“最期”を明かした。『終の信託』は10月27日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開© 2012 フジテレビジョンアイ・エヌ・ピー
2012年09月19日周防正行監督の最新作『終の信託』の完成披露会見が19日に都内で行われ、周防監督をはじめ『Shall we ダンス?』以来16年ぶりに共演を果たした草刈民代と役所広司、周防作品に初参加した大沢たかおが出席した。その他の写真自分の人生に誠実に向き合うエリート医師・綾乃(草刈)は、“最後の願い”を託す重病の患者の江木(役所)と向き合いながら、ある決断を下す。しかし3年後、彼女の決断は殺人罪として検察官・塚原(大沢)から追及されることに……。原作は朔立木の『命の終わりを決める時』収録の同名小説。終末医療の現場を舞台に、命の尊厳を問いかけながら、良質な大人のラブストーリーが展開される。草刈にとって”劇映画”への出演は『Shall we ダンス?』以来で、今回演じた綾乃については「繊細さと大胆さ。強さと弱さを兼ね備えた、ふり幅が激しい人なので、何よりも彼女の切実さを大切にしたかった」とコメント。「人の尊厳に関わる重いテーマもあるが、映画的な趣きがある作品」とアピールした。一方、役所は「さまざまな経験をされたのか、女優として気迫を感じた」と16年ぶりの共演を振り返る。ちなみに、どんな終末を望むかと質問されると「最後は玉子かけご飯を食べたい」と願望を語っていた。かねてから周防組への参加を熱望していたという大沢は「高いプロ意識と張りつめた緊張感。それでいて笑顔が絶えない、すばらしい現場で夢のような時間だった」と感激していた。前作『それでもボクはやってない』で司法システムに切りこんだ周防監督。今回は終末医療を題材に選んだが「前回はシステムそのものを描いたが、こちらはシステムの中で人間がどう苦悩し、克服するかを描いた作品」だといい、「物語としてはわかりやすいが、構成や台詞のボリュームなどかなり挑戦した。映画らしい映画を目指したので、ご覧になるみなさんにも『久々に映画を観た』と思ってもらえるはず」と自信をのぞかせた。10月8日に周防監督の『シコふんじゃった。』『Shall We ダンス?』『それでもボクはやってない』の豪華3本立て上映を行う「周防正行映画祭」を東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、10月24日に公式上映される。『終の信託』10月27日(土)より全国東宝系にて公開
2012年09月19日『シコふんじゃった。』、『Shall we ダンス?』の周防正行監督の最新作で、妻の草刈民代が出演する『ダンシング・チャップリン』の完成披露試写会が3月2日(水)に都内で開催され、周防監督と草刈さんが夫婦揃って出席した。世界的な振付家のローラン・プティが手掛けた、チャップリンの名作を題材にしたバレエ作品「ダンシング・チャップリン」を映像化した本作。映画化に至るまでのバックステージをカメラが追ったドキュメンタリー部分の第一幕と、スタジオで撮影されたバレエの第二幕の二部構成となっており、2009年にバレリーナ引退を表明し女優に転身した草刈さんにとっては文字通り“ラストダンス”となる。プティの手によるオリジナルのバレエで主演を務めてきたルイジ・ボニーノが本作にも主演しているが、監督とボニーノは、監督が草刈さんと結婚して以来15年の付き合い。「彼の代表作であるこのバレエを記録として残したかった」と周防監督。同時に「(バレリーナとしての)妻を撮影する最後のチャンスだと思った」と本作を製作することに決めた理由を明かした。『Shall we ダンス?』で日本アカデミー賞の各賞を総なめにした周防監督と草刈さんコンビが15年ぶりに復活となったが、監督は「こうした完成披露の場に出席するのも『Shall we ダンス?』のとき以来。妻と並んで取材を受けるのも『Shall we ダンス?』のアメリカ公開のとき以来」と明かし、少し緊張気味のよう。完成した作品の感想を尋ねられた草刈さんは「まだ、踊り手の目線でダメなところばかりが目に付いてしまって、客観視できないです」と苦笑。バレリーナとして第一線を退いても、まだまだバレリーナとして自身のダンスを“審査”してしまうようだ。ちなみに、お2人の結婚記念日は3月9日(水)ということで、結婚15周年を記念して監督が桃の節句に合わせた桃の花の花束を草刈さんにサプライズでプレゼント。「次の15年に向けてよろしくお願いします」と照れくさそうに妻に声をかけていた。イベント後、報道陣の取材に応じた草刈さんは「いつも結婚記念日を忘れてしまうので、『もうすぐなのか!』という感じです」と笑顔で語っていたが、周防監督は「僕は覚えてますよ!」と“抗議”。おしどり夫婦の秘訣について草刈さんは「こうあってほしい、と相手に対して強く望まないこと」と答えた。一方の監督は「結婚して気づいたのは、家に帰って不機嫌な人がいるというのは困る、ということ」と語ったが、すかさず草刈さんが「いつも私が不機嫌でいるみたいじゃない?」と反撃され、「いや、不機嫌なときが少ないからうまくやってこれたという意味です」と慌てて付け加え、報道陣の笑いを誘った。仲睦まじい2人だが、監督はカメラのレンズを通じて自身の目に映った草刈さんを「キレイでした」と“映画監督”として大絶賛。草刈さんも「うちの主人…というか監督は、いつも映画を作る動機に関して『面白さを伝えたい』と言ってますが、この映画はその集大成」と共に自信のほどをうかがわせるコメントを残してくれた。『ダンシング・チャップリン』は4月16日(土)より銀座テアトルシネマほか全国にて公開。■関連作品:ダンシング・チャップリン 2011年4月16日より銀座テアトルシネマほか全国にて公開© フジテレビジョン/東宝/アルタミラピクチャーズ/電通/スオズ■関連記事:夫婦揃って登壇『ダンシング・チャップリン』完成披露試写会に10組20名様ご招待
2011年03月02日