明治大学和泉キャンパスの食堂「和泉の杜」は2021年10月から、ソーシャルディスタンスカメラシステムを導入しました。これは利用者のプライバシーに配慮しながら、混雑状況をスマートフォンやパソコンなどの機器から遠隔で確認できるもの。混雑率を示すメータやフロアごとの映像をリアルタイムで確認することができます。カメラに映る人物は色がついた骨格のCGに変換されるため、個人の姿・顔が記録・配信されることはありません。利用者は和泉キャンパス内ポスターのQRコードからアクセスできます。今後もキャンパスに通う約10,000の学生が安心して食堂を利用できるように環境整備を進めます。明治大学和泉キャンパス食堂「和泉の杜」(〒168-8555 東京都杉並区永福1丁目9−1)営業時間などの情報はホームページをご確認ください 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月21日現在公開中の、松坂桃李主演の映画『孤狼の血 LEVEL2』。広島の裏社会を描いたベストセラー小説実写映画の続編で、前作で暴力団を相手にしていた伝説の刑事・大上(役所広司)亡き後の刑事・日岡(松坂)の姿を描く。真面目な刑事だった日岡はワイルドに変貌し、圧倒的“悪”=上林(鈴木亮平)の登場による暴力団組織の抗争、警察組織の闇、マスコミの策謀などバイオレンス要素たっぷりの作品だが、実はクランクイン前に「リスペクト・トレーニング」が行われていたことでも話題となっている。「リスペクト・トレーニング」とは、日本では主にNetflix製作の作品で実施されているもので、約1時間にわたり、「差別」や「パワーハラスメント」「セクシュアルハラスメント」の定義や、受けた場合の対処法などが説明される講習。2020年9月に行われ、スタッフが参加するだけでなく、リモートで記者たちも参加し「みんなが楽しい、働きやすい環境にするには」という意識を共有し合うこととなった。今回は、この試みについて改めて白石和彌監督にインタビュー。業界に対する意識や、環境を変えることで期待できる映画界の変化についてなど、話を聞いた。○■作り手を切り離すのは難しい——今回リスペクト・トレーニングがかなり注目を受けていると思います。実際に『孤狼の血 LEVEL2』のクランクイン時に行われた講習にリモートで参加しまして、革新的だと思うと同時に「本当に基礎から始めるんだ」と驚いたところでもありました。認識するところから、なんですよね。今回はトレーニングを担当してくれたピースマインドさんとNetFlixが共同で作ったプログラムを適用してもらったので、僕も「そこからなんだ」と思いました。トレーニングをするということは、イコール「僕たちはハラスメントを許しません」と宣言するにほかならないので、まずはそのことがすごく重要なんだと実感しました。実際にスタッフから「業界に入った頃にこういうものがあれば、楽だったのにな」「○○さんも辞めなくてよかったのに」という話も具体的に出てきました。——スタッフの方々がそれだけ素直に対応されて、効果が出ているところもすごいと思いました。やっぱりみんな、嫌な思い出があるんだと思いますよ。逆に、僕も含めてベテラン陣には「どこかで自分も加害の方にいったことがあったんじゃないか」といった耳の痛い話もあるだろうし。でもそれを断ち切るという意志が重要ですし、例えばMe too運動も映画界から始まったもので、ハリウッドといえど対岸の火事ではないですから。——Me too運動といえば、『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019』で白石監督が、故キム・ギドク監督の作品を上映することについて「公式にコメントを出すべき」と提言されたことが印象に残っていて、今回のような試みと地続きのようにも思いました。映画祭の役割は色々あって、なかなか観られない映画を上映するのが重要だということもわかるのですが、キム・ギドク監督がどんなことをやっていたのかわかった状況で、世界のどの映画祭でも上映しない中、あえて……というのであれば、説明する義務があるんじゃないかな、と。それからやっぱり、映画祭に参加する若いスタッフや監督、俳優たちが戸惑っているのも感じました。僕はたまたま審査委員長で発言できる立場にあったので、みんな疑問を持っているのだと言っておかないと、というところはありました。——やはり若い人の方が、そういった意識を持っていると感じますか?若い人の方が敏感ですよね。色んな人とハラスメントのことを話したけど、業界のベテランはもう、鈍感もいいところだな思うんです。取り残されていると言っても良いし、愕然とすることもあります。——作品は作品、と思うところもあるのですが、観ている方としては切り離せないところも感じます。逆に今回の「リスペクト・トレーニング」の試みで『孤狼の血 LEVEL2』という作品に好感を持つこともあるでしょうし。「作品に罪はない」とは思いますが、特に作り手を完全に切り離して考えるのは難しいですよね。『麻雀放浪記2020』の時は(ピエール)瀧さんが逮捕されましたが、直接の被害者がいないし、映画はお金を払ってクローズドの中で見るからということで上映に至りました。それでも気になるのは間違いないので、何事もないことが1番です。作品に被害者がいたら上映するのは難しいし、言ってみれば当たり前のことなんですが、倫理観を持って作るというのは、大事なことです。映画業界は「現場でひどいことをしたからこそ、いいものができた」みたいな教えを連綿と受けてきたわけで、そういうことをしなくてもいい映画を作れると、ちゃんと言うべきなんです。みんな「寂しい」とか言うけど、そういう時代ではないと感じます。——『孤狼の血 LEVEL2』に出ている方は、松坂桃李さんや鈴木亮平さんと、優しそうな方ばかりです。本当に、みんな優しいんです。現場の緊張感を作るために、監督が怒鳴り散らしたという話もいっぱい聞いたことがあるけど、役者のスキルと考え方があれば充分なのだと、今回俳優たちが示してくれたと思います。裏側ではニコニコしている人ばかりですから(笑)○■実際に問題が起こった時にどうするのか?——『麻雀放浪記2020』のお話が出ましたが、あの時も急遽会見が開かれたり、白石監督がいろいろと最前線にいらっしゃるようなイメージがあります。いやいや、僕はひっそりと映画を作っていたいだけなんですけど(笑)。考える機会は多いのかもしれません。自分に降りかかった火の粉は払いますし、業界全体に問題が起こった時は考えなきゃいけないし、当たり前のことを当たり前にやるという感覚です。——今回トレーニングを行われて、その先を考えたりもされたのでしょうか? 踏み込んでいくと、実際に現場で「この行動は…」ということも出てくるように思います。そこは考えます。よしんば撮影の最中にハラスメントが起こった時、僕たちはどういう態度をとれるんだろう? ということも。そのルール作りも、ちゃんとしていかなければいけない。その人がいないと成立しない撮影もあるわけで、翌日重要な撮影があっても、ハラスメントがあった時に退場させられるのか、ということですよね。もはや映画会社がどういう決断を下すかという問題にもなりますが、本当はそういう強い態度をとるべきなんだと思います。今回リスペクト・トレーニングを行って話を聞くと、やっぱり「トレーニングをしても、どうしてもハラスメントを起こす人はいる」というんです。どんなに現場で必要でも、もはやスタッフィングできない人も出てくると聞いて、そういうことなんだろうな、と。でも、業界から人が離れずにもっと育っていったら、例えば何か問題が起こったとしても、別の方にお願いできるということもある。そういう土壌を作るべきだと思うし、まだあまり他の監督の方がどう思ってるかわからないけど、個人的な感覚では広がっていくんじゃないか、という気がします。やって損することがないし、やろうという流れができていったら嬉しいですね。——Netflixさんの環境がずいぶん先を行っているようですが、作り手の方にも「映画より配信がいい」みたいな流れも出ていますか?環境については見習うべきですし、そちらに流れていくことはあると思います。必要な予算を出し、週に1日は必ず休養日を取って、1日に働く時間の上限も決まっていて、ハラスメントは禁止するとなると、働きやすい環境じゃないですか。今の映画業界は「本当は3億かかるけど、なんとか2億円で作ってください」という中で、スケジュールもなくなり休みを削り、労働時間も延びて、場合によっては監督が怒鳴り散らして……もし僕がスタッフを抱える会社の経営者だったら、当たり前にNetflix優先で仕事を受ける判断をするでしょう。 だから映画界自体も変えていかないと本当に取り残されてしまう。「予算を回収できないんじゃないか」という危機感もあると思うけど、予算を増やすのはいいことで、そこから新たな商売につながることもきっとあります。予算を回収するために、世界にパイを広げようといったことも考え始めるだろうし、「労働環境を変えよう」というところから、新たな動きにつながるかもしれません。映画監督って、人によっては5年に1本の大作とか、人生を変えるかもしれないデビュー作だとか、そういう局面がいっぱいあってギリギリまで頑張ってしまうし、日本のスタッフは本当に優秀だから投げ出さず文句も言わないでついてきてくれるんです。でも、スタッフにとってはその作品が全てではなく、またすぐに次の作品に参加して、日々の生活が続いていきます。今はその労働環境を日本の映画界全体で守っていないわけだから、監督なりプロデューサーなりが、自分の作品に関わってくれる方を守ろうとする意識が必要です。ただ本当は、団体としてフリーのスタッフや若いスタッフを守るルールを作らないと、誰が将来映画作っていくんだろう? 僕も自分の映画でいっぱいいっぱいだから、なんで自分が先導してるんだろう? とは思いながら(笑)。やれることはやっていかないと、と感じています。■白石和彌監督1974年北海道生まれ。1995年、中村幻児監督主催の映画塾に参加し、その後、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、行定勲、犬童一心監督などの作品にも参加。初の長編映画監督作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10年)の後、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した『凶悪』(13年)は、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞ほか、各映画賞を総なめした。その後、『日本で一番悪い奴ら』(16年)、『牝猫たち』(17年)、Netflixドラマ『火花』(16年)など、幅広いジャンルを映像化し、近年も『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)、『サニー/32』(18年)、『孤狼の血』(18年)、『止められるか、俺たちを』(18年)、『麻雀放浪記2020』(19年)、『凪待ち』(19年)など多数の作品を手掛けている。
2021年09月05日阿部サダヲと岡田健史が『孤狼の血』シリーズの白石和彌監督のもとで共演、注目の作家・櫛木理宇の最高傑作と呼ばれた小説を映画化した『死刑にいたる病』が、2022年に公開されることが決定した。理想とは違う大学に通い、鬱屈した日々を送る雅也に、ある日届いた1通の手紙。それは世間を震撼させた稀代の連続殺人事件の犯人・榛村からのものだった。24件の殺人容疑で逮捕され、そのうちの9件の事件で立件・起訴、死刑判決を受けた榛村は、犯行を行っていた当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよくそこに通っていた。「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人は他にいることを証明してほしい」。榛村の願いを聞き入れ、雅也は事件を独自に調べ始める。そこには想像を超える残酷な事件の真相があった――。日本史上類をみない数の若者を殺した連続殺人鬼・榛村を演じるのは、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で主人公の田畑政治役を熱演し、白石監督とは『彼女がその名を知らない鳥たち』以来のタッグとなる阿部サダヲ。そして収監されている榛村の元に通い事件の真相に迫る雅也には、ドラマ「中学聖日記」で衝撃のデビューを果たして以来、「MIU404」や大河ドラマ「青天を衝け」、『望み』など話題作への出演が続く注目の若手俳優・岡田健史。原作者の櫛木理宇といえば、2012年に学園ホラー「ホーンテッド・キャンパス」で日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞してデビュー。同年、少女たちのダークな物語「赤と白」(集英社文庫)で小説すばる新人賞を受賞。本作の原作は初版「チェインドッグ」のタイトルで発売され、文庫化に合わせて「死刑にいたる病」に改題された。脚本は『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』などを手掛けた脚本家・高田亮が、白石監督と初タッグを組んでいる。阿部サダヲコメント俳優をやっていて、「1度は手を出してみたい役」を頂けたので楽しんで演じました。白石組、白石監督の想像を超えるアイデア、どう仕上がって来るのか非常に楽しみです。岡田健史くんとのシーンは相当痺れました。岡田健史コメントこんなにも濃密な時間を過ごし、“人”に恵まれ、公開を待っててくださる方々に向けて、伝えたいことが豊富な作品に巡り逢えたという実感に、自分でも驚いています。きっと、今作品で交じり合えた方々との時間は、いつまでも自分の身体に宿り続けることでしょう。勝手ながら一若者として、この方々の魂を受け継いでいきたいと思いました。さて、僕の役柄ですが、筧井雅也という、どこにでもいる男性です。“どこにでもいそう”、なのです。故に、この日本において誰にでも起こりうる機微を雅也は持っています。作品中に過激な表現も含まれてますが、今作品は雅也と同年代の方々にも是非観て頂きたいです。人は人に怯え、傷つけ、傷つけられて、抱きしめられて、救われてるということ。それはつまり何なんだろうと、思春期に考える時間が欲しかったと自分自身がそう感じるからです。公開をお楽しみに。もう少しの間だけお待ちください。白石和彌監督コメント僕自身が10代20代の頃に持っていた鬱屈と、後ろめたい憧れを抱いてしまう殺人鬼。その両方が見事なコントラストで混在している櫛木先生の原作に心を奪われて映画化をお願いしました。阿部さんと岡田さんの邂逅も運命を感じる大きな事件でした。映画を観た後どんな感情が残るのか、僕もとても楽しみです。完成まであと少し。スクリーンでお会いできる日をお待ち下さい。櫛木理宇コメント映画化のお話をいただいたときにまず「やった!」と思い、次に監督が白石和彌さんだとお聞きした瞬間「やった!!!」と感嘆符が三倍になりました。わたしの原作を監督が、このキャストの皆さんが、どう料理してくださったのか想像するだけで胸が高鳴ります。映画館の大スクリーンで拝見できる日を心待ちにしております。『死刑にいたる病』は2022年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2021年08月24日清楚かつオシャレな雰囲気の中で味わう中華料理新鮮な旬の野菜と、厳選した魚介でつくる創作中華食事に合うノンアルコールカクテルもおすすめ清楚かつオシャレな雰囲気の中で味わう中華料理店内に一歩入ると、シックで洗練された空間が迎えてくれる泉北高速鉄道・和泉中央駅から徒歩10分。閑静な住宅街の中にある【中国菜館 あんずの花】の扉を開けると、洗練された空間が広がります。スタイリッシュなインテリアや食器は特別感たっぷりで、「ゆっくりと料理を楽しんでほしい」というシェフの思いが詰まったもの。おすすめ料理が一度に味わえるコースや創作中華が人気です。一見、中華料理店に見えない内装はモダンでオシャレな雰囲気白い壁と茶色のテーブル、さりげなく金箔が映える壁をアクセントに。店内は清楚かつモダンでオシャレな雰囲気です。テーブルはゆったりと寛げる間隔にセッティング。また、各テーブルにはダウンライトのほのかな明かりが届き、料理をより一層美しく演出してくれます。新鮮な旬の野菜と、厳選した魚介でつくる創作中華彩り鮮やかで見た目もおなかも大満足、しかもヘルシーでうれしいコースシェフオススメの料理が堪能できる、ボリューム満点のランチコースは旬の野菜をたっぷりと。新鮮なエビ・イカ・ホタテの海鮮炒めなど、彩り豊かな創作中華の数々も定評があります。味はもちろん、ヘルシーなものが多くそろっているので女子会にもおすすめ。小さなお子さまがいるファミリーも安心して召し上がっていただけます。その中でも、お店オススメのメニュー3つをご紹介します!塩味で海鮮の旨みを凝縮させた『エビ・イカ・ホタテの海鮮炒め』エビ、イカ、ホタテ。豊富に入った国内産の新鮮な魚介を、シンプルに塩であっさりと味付けた『エビ・イカ・ホタテの海鮮炒め』。彩り豊かな季節の野菜もたっぷりと、海鮮の旨みを最大限に引き出しました。海の恵みをギュッと凝縮させた贅沢な逸品は、ビールとの相性もバツグンです。手軽で老若男女に人気の『細切り牛肉の甘味噌炒め パン包み』(パン3コ)甜麺醤のやさしい甘さが引き立つ、しっかりと炒めた牛肉をパンでいただくユニークな一品。『細切り牛肉の甘味噌炒め パン包み』は、手軽に食べられるので幅広い層のファンから愛される創業以来の人気メニューです。パンの追加(1コ120円)ができるのもうれしいポイントです。シェフのおすすめが堪能できる『おすすめランチコース』(平日)前菜、月替わりスープ、飲茶、主菜(酢豚・大エビチリ・イカと野菜炒め・担々麺の中から1品)、飯物(炒飯・ジャージャー麺・ライスの中から1品/担々麺を選んだ場合は炒飯またはライス)と、圧巻のボリュームの『おすすめランチコース』。とってもお得な平日限定のコースは、あれこれ迷うのもまた、楽しいひとときです。食事に合うノンアルコールカクテルもおすすめ季節ごとに変わるオリジナルのノンアルコールドリンクも幅広く。ココナッツミルクをつかった『ピニャコラーダ』など、ちょっぴり南国気分が味わえて見た目も華やかです。趣向を凝らした全6種類のノンアルコールカクテルは、飲めない人やハンドルキーパーに好評です。ココナッツの風味に癒される『ピニャコラーダ』は女性に人気一般的な中華料理の枠にとらわれず、旬の野菜や新鮮な魚介を生かした創作中華が自慢の【中国菜館 あんずの花】。30年以上のキャリアをもつシェフが心をこめてつくる料理は油っこくなく、ヘルシーで食べやすいと評判です。洗練されたモダンな空間は非日常感たっぷりで、女子会や家族の集まりにと多彩なシーンに対応してくれます。料理人プロフィール:平松 和也さん1959年生まれ、大阪府出身。22歳のとき、中華の道へ。27歳のときに実の兄とともに中華レストランをスタートさせる。2001年に独自で中華レストランを、2015年10月には2号店【中国菜館 あんずの花】をオープン。「喜んでもらえる料理を一品一品丁寧に」がモットー。中国菜館あんずの花【エリア】岸和田/和泉/泉佐野/泉南【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】1500円【ディナー平均予算】3000円【アクセス】和泉中央駅 徒歩10分
2021年06月11日子どもから大人まで大人気の「仮面ライダー」生誕50周年を記念して、シリーズの中でも金字塔作品といえる「仮面ライダーBLACK」が、白石和彌監督の指揮のもと、「仮面ライダーBLACK SUN」として新たに制作することが決定した。1971年に放送を開始した「仮面ライダー」。以来、令和仮面ライダー2作目となる現在放送中の「仮面ライダーセイバー」に至るまで、半世紀に渡って愛され続け、2021年に50周年を迎える。これを記念して今回新たに蘇らせることが決定したのは1987年から放送された、過酷な運命を背負った主人公の悲哀に満ちたストーリーが魅力的な「仮面ライダーBLACK」。『凶悪』『孤狼の血』で知られる白石監督が、本作を新しい視点で切り取り、大人向け作品として描きなおす。白石監督は「仮面ライダーBLACKのリブートという、とんでもないプロジェクトに身震いしています」と今回の企画始動への心境を語り、「仮面ライダー50年の歴史の重さに押しつぶされないように才能の全てを注ぎ込みます。南光太郎と秋月信彦の二人の悲しみの物語が、日本のヒーロー史に新たな爪痕を残せるように頑張ります。ご期待ください!」とメッセージを寄せている。「仮面ライダーBLACK SUN」は2022年春、展開予定。(cinemacafe.net)
2021年04月03日映画『砕け散るところを見せてあげる』の新場面写真が公開された。あわせて、岩井俊二、白石和彌、斎藤工、片岡愛之助ら各界著名人からのコメントが寄せられた。本作は、竹宮ゆゆこの同名小説を映画化した愛の物語。中川大志演じる平凡な日々を送る濱田清澄と、石井杏奈演じる学年一の嫌われ者と呼ばれ、誰にも言えない秘密を抱える孤独な少女・蔵本玻璃との常識を覆す、衝撃の愛が描かれる。新場面写真は、物語を彩るシーンカット全9点。傷だらけの玻璃を優しく抱きしめる清澄や、井之脇海演じる清澄を心配している親友・田丸、北村匠海演じる意味深なポーズをしている真っ赤な嵐、そして車中の清澄と矢田亜希子演じる清澄の母、堤真一演じる玻璃の父の横で何かに怯えた様子の玻璃、真っ赤な嵐と原田知世演じるその母が穏やかにこたつで向かい合うカットなどが切り取られている。コメントを寄せたのは、岩井俊二、白石和彌、斎藤工、片岡愛之助、中江有里、新木優子、宇垣美里、中村佑介、カミナリ。豪華面々による熱量の高い内容となっている。岩井俊二(映画監督)命とはつないでゆくもの。つながってゆくもの。つなぎ、つながるその瞬間、光り輝くものである。⽩⽯和彌(映画監督)ずっと口の中に血の味が広がり、押し潰されそうになりながらスクリーンを見つめた。苦しみの中から生まれる愛の重さに、私はきっと何度もこの映画を見てしまうであろう予感を感じる。この作品に出会ってしまった中川大志と石井杏奈の二人の役者を途轍もなく羨ましく思う。SABU監督の渾身の力作だ。斎藤⼯(俳優・フィルムメーカー)SABU監督の元、中川大志さん石井杏奈さん、主演のお二人から放たれる成分に、気が付くと驚くほど深いところまで誘われていた。観終わってから今一度このタイトルを想うと、胸が砕け散りそうです⽚岡愛之助(歌舞伎俳優)主人公が貫くヒーローとしての姿が羨ましくなるほどに格好良い。その思いが周囲の人々に変化をもたらし、怒涛のクライマックスを迎える。まさに衝撃作だ。中江有⾥(⼥優・作家)ヒーローになるのは目的ではない、結果だ。自分のためにではなく、誰かのために戦った時、本当の勝利を手にするのだろう。清澄と玻璃は、まぎれもなく互いのヒーローとなった。新⽊優⼦(⼥優)清澄の玻璃に対しての真っ直ぐな気持ちや正義感が清々しく、それを受けて変わっていく玻璃の表情がすごく魅力的で素敵でした。物語の中を生きている石井杏奈ちゃんと中川大志くんの二人が綺麗に重なって、気付けば私も一生懸命に二人の恋を応援していました。 真っ直ぐで切ない物語でした。宇垣美⾥(フリーアナウンサー)少年少女たちの眼差しは、澄み切ってキレイで痛々しくチクリとした疼きが胸から離れない人を好きになる気持ちの根幹にある、誰かを幸せにしてあげたいという思いその思いの持つ強さのなんと美しいことか大切な人の幸せのために自分を差し出せる人こそが、ヒーローなのだと思った中村佑介(イラストレーター)「40にもなって青春映画なんて…」と気付けば2時間後。目の前には過去の僕が笑っていて、とても恥ずかしくなった。青春とは時期ではなく心の一部のことを指していたのですね。カミナリ(芸⼈)よくある高校生の青春恋愛映画かと思ったら、とんでもない!とにかく話が面白い!ストーリーが「進む」「展開する」というよりは、徐々に「濃く」「深く」なっていく作品でした。そして中川大志さん・石井杏奈さんの演技が素晴らしく、抜け出せなくなるくらいに引き込まれました。アリ地獄みてーな映画だな!『砕け散るところを見せてあげる』4月9日(金)公開
2021年03月12日丸の内TOEIにて、8月7日~8月20日の期間で日本を代表する映画監督・白石和彌監督特集を開催。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『ひとよ』の4作品を上映する。白石和彌監督は、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(2010)で長編映画デビュー後、『凶悪』(2013)で第37回日本アカデミー賞優秀監督賞・優秀脚本賞、第38回報知映画賞監督賞などを多数受賞して注目を集め、『日本で一番悪い奴ら』(2016)では綾野剛の新境地を引き出し、蒼井優&阿部サダヲのW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)ではブルーリボン賞監督賞を受賞。その翌年には作品賞を含む日本アカデミー賞12部門で優秀賞を受賞(うち最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞も合わせて受賞)した『孤狼の血』や、『止められるか、俺たちを』『サニー/32』といった評価の高い作品を次々と生み出し、これらの作品でも2年連続となるブルーリボン賞監督賞を獲得。昨今でも『麻雀放浪記2020』『凪待ち』や『ひとよ』(ともに2019)といった骨太で既成概念を打ち壊すような作品を次々と発表し、第93回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画監督賞や芸術選奨新人賞 映画部門を受賞するなど、まさに日本を代表する映画監督のひとりとして目覚ましい活躍をみせている。「伝統ある丸の内TOEIで特集上映を組んで頂けること、とても嬉しく興奮しています」と白石監督。「僕も先日、同劇場で『仁義なき戦い広島死闘編』を見たばかりです。熱い血が滾るような映画が似合う映画館です。たくさんの方に足を運んでくれることを願っています」と思い入れある劇場での特集上映を喜びを語る。「コロナ禍でどこも大変ですが、映画館も映画業界も大変なのは同じです。製作現場もまだまだ手探りですが、少しずつ撮影を再開し始めています。僕も秋には新作を撮影予定です。映画館に来てくれる映画ファンが一人でもいる限り映画は死にません。そう信じて、みんなで少しずつでも前に進んで行きたいです」と、決意を新たにしたコメントを寄せている。なお、丸の内TOEIでは今回の特集上映の鑑賞者の中から抽選30名に、監督のサイン入り上映作品ポスターやプレスが当たる半券キャンペーンを行う。(text:cinemacafe.net)■関連作品:凶悪 2013年9月21日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「凶悪」製作委員会孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会ひとよ 2019年11月8日より全国にて公開(c)2019「ひとよ」製作委員会
2020年08月03日元カレから突然連絡がきたときに思うのが、一体何の用?ということです。あえて元カノに連絡する理由がわからないですよね。元カレがどういうつもりで連絡してきたかによって対応も変わるでしょうから、元カレの心理を知りたいところです。そこで今回は、元カレが元カノを求める理由を3つご紹介します。手軽にエッチしたいから元カレから見たときに、元カノは過去に体の関係になっているので、エッチするまでのハードルが低いです。手軽にエッチできそうな相手なわけですね。なので元カレが連絡してくるのも、あわよくば元カノとエッチしたいという気持ちが強いです。周りにいい女性がおらず、都合がいいので連絡してきている感じですね。なので元カレから連絡があったら、まず体を求められることを警戒してください。夜に会おうとしか言わないなら確実ですね。うまくいけばセフレしようなどと思っています。一人になって元カノの大切さに気づいたから相手の存在の大きさは、その人と離れないとわからないことも多いです。元カレが連絡してくるのは、元カノの存在の大きさに気づいたから。自分は元カノがいないと生きていけないとか、元カノがいないと寂しくてつらいといった気持ちになったので元カノに連絡するわけです。また、他の女性と遊んだり付き合ったりして、何か違うなと思ったり、やっぱり元カノが一番だと考えたりすることで元カノに連絡することもあります。付き合っているときは存在が当たり前すぎてあなたの価値に気づけなかったんですね。元カレが誠実な気持ちを示してくれるなら、このパターンだと思っていいでしょう。復縁したい気持ちがあります元カノが綺麗になっていたからあなたが綺麗になっていたのを見て、もったいないと思って連絡する心理。付き合っていた頃よりもいい女になっているのを見て、別れたのは間違いだったと思ったわけですね。また欲しいという気持ちになっています。人は損したくないという気持ちがあります。ただ別れるだけならともかく、いい女を手放したのはすごく損した気持ちになるんです。すごくモヤモヤした気持ちになるので、損を取り戻すために元カノに連絡して復縁またはセフレになろうとアプローチしたくなるわけです。元カレが元カノを求めるのは、エッチしたいから、元カノの存在の大きさに気づいた、元カレが綺麗になっていたからというのが主な理由。大体男性の勝手な都合で連絡してくることが多いです。元カレが連絡してきたら相手の話をよく聞いて、誠実な気持ちが少しでもあるのか見極めるようにしてください。駄目だなと思ったら、バッサリ切り捨てる気持ちも大事ですよ。
2020年07月28日安倍晋三首相が12日、歌手で俳優の星野源の楽曲「うちで踊ろう」とコラボした動画を公式SNSで公開。これに厳しい声が多く上がっており、映画監督の白石和彌氏も自身のツイッターで批判した。星野がインタグラムで発表した「うちで踊ろう」は、外出自粛ムードが続く中、不安な気持ちでいる人たちへのエールが込められた歌。「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけたところ、SNS上でさまざまなコラボ動画が上がり、三浦大知や高畑充希、香取慎吾など多くの著名人も参加している。安倍首相は、愛犬と触れ合ったり、飲み物を飲んだり、自宅でくつろいでいる自身の姿を映したコラボ動画を公開し、「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます」とコメント。さらに、「かつての日常が失われた中でも、私たちは、SNSや電話を通じて、人と人とのつながりを感じることができます。いつかまた、きっと、みんなが集まって笑顔で語り合える時がやってくる。その明日を生み出すために、今日はうちで・・・。どうか皆様のご協力をお願いします」と外出自粛を呼びかけた。この投稿に、「この動画をみたらどれだけ庶民の生活がわかってないのかってことが一目瞭然だわ!」「星野源を利用するのはやめてください。星野源の意図もぶち壊しになっています」「なにやってんだよ…」「やってる事が的外れ過ぎて最悪です」などと厳しい意見が続々。白石和彌監督も「これほど無神経な人間を他に知りません。そんな人が日本の首相。どれほど苦しんでいる人がいて、星野さんがどんな思いで動画を作ったのか。想像力のカケラもない人に政治は出来ません」と批判した。
2020年04月12日「三井ショッピングパーク ららぽーと和泉(以下:ららぽーと和泉)」が、開業以来初となる大規模リニューアルを実施。新規・改装39店舗が、2020年3月19日(木)以降に順次オープンする。「ららぽーと和泉」の今回のリニューアルでは、“もっと便利で快適に過ごせる「お出かけの場」へ”をコンセプトに、関西初出店3店舗、大阪府初出店1店舗を含む、新規・改装39店舗が出店する。また、2階のキッズゾーンに自然光による安らぎを感じられる親子のくつろぎスペース「こもれびHOUSE」を新設するほか、屋外プレイエリア「ポケットパーク」もリニューアルを行い、親子で一層楽しめる商業施設を目指す。レストラン街・フードコートなどグルメ店舗がパワーアップまず注目したいのは、開業以来初のレストラン街・フードコートのリニューアルによって、一層充実したラインナップとなるグルメ店舗。2階には、北海道物産を多数取り扱う「北海道うまいもの館」、シュークリーム専門店「ビアードパパの作りたて工房」などがオープンする。また、人気の台湾スイーツ専門店「台湾甜商店」が3階に登場。芋圓・豆花・仙草など台湾を代表するスイーツを気軽に味わえるようになる。レストラン街には、台湾で行列のできる小籠包専門店(京鼎樓)ブランド「ディンズ バイ ジンディンロウ(Din’s by jin din rou)」の大阪初出店店舗が誕生。名物の「羽根つき焼小籠包」をはじめとする、リーズナブルな価格で楽しめる点心類や、本格中華料理をラインナップする。そして、3階のフードコートには、「江戸前天丼 濱乃屋」、「肉丸商店」、「丸亀製麺」といった手軽に美味しくランチを楽しめる店舗を揃えている。ファッション&ライフスタイルはより幅広いジャンルでファッション店舗では、専門店「ワークマンプラス(WORKMAN plus)」に注目。作業現場で培ったた技術を取り入れた高機能ウェアをデイリーウェアとして提案しており、店内ではアウトドア、スポーツ、レインウェアなどファッション・雑貨を取り扱う。オトナの女性へ向けた「オペークドットクリップ(OPAQUE.CLIP) 」、スニーカーとスポーツアパレルにフォーカスしたABC-MARTのコンセプトショップ「エービーシー・マート(ABC-MART SPORTS)」、トレンドからベーシックまでリーズナブルにファッションをトータル提案する「ハニーズ(Honeys)」なども軒を連ねる。また、ヨーロピアンカジュアルブランド「ディスコート(Discoat)」は、移転増床し、日本最大の店舗となって登場。トレンドとベーシックをバランス良く取り入れたアイテムを展開する「ディスコート」と、インテリアショップ「サルート(Salut)」を取り入れた、国内初の新業態店舗となる。子供向けテーマパークや屋外プレイエリアもリニューアル関西初登場の「リトルプラネット」は、遊びを学びに変える次世代型テーマパークだ。パーク内では、最新のデジタル技術を駆使して子どもたちの探究心や創造力を刺激し、楽しみながら学ぶという新体験を提供する。また、フードコートのキッズエリアは、“ピクニック”をテーマとした「こもれびガーデン」としてリニューアル。自然景観を最大限に生かす大きな窓に囲まれた落ち着きある空間には、ガーデンテラスを思わせる座席エリアや、子供が安全に遊べるサーキットプレイエリアが設けられ、家族そろってくつろげるスペースとして生まれ変わった。さらに屋外プレイエリア「ポケットパーク」は、だれもがくつろげる快適な屋外空間に生まれ変わる。「ららぽーと和泉」が位置する泉州エリアから連想した‟泉州織物”や、‟泉”のデザインを施したアプローチは残し、既存樹も移植・保存しながら人工芝を広範囲に敷設した。【詳細】三井ショッピングパーク ららぽーと和泉リニューアルオープン日:2020年3月19日(木)以降順次オープン※オープン日は各店舗によって異なる。住所:大阪府和泉市あゆみ野4-4-7アクセス:阪和自動車道「岸和田和泉」ICより約300m、泉北高速鉄道「和泉中央駅」より約3km営業時間:ショップ・サービス 10:00~21:00、レストラン街 11:00~22:00、フードコート 10:00~21:00※一部店舗では、営業時間が異なる。【出店店舗一覧】■物販・サービス 新規14店舗森のキッズeクラブ、カンダ、ルピス、リーフ、ココロプラス ららぽーと和泉店、ロゴスショッイトミヤ、プ、オペークドットクリップ、オンデーズ、ハニーズ、オリヒカ、リトルプラネット、ワークマンプラス、エービーシー・マート スポーツ<期間限定>ヴァリアスファクトリーストア、セントラルマーケット■食物販・飲食・フードコート 新規8店舗ディンズ バイ ジンディンロウ、ミツケ キッチン、台湾甜商店、丸亀製麺、肉丸商店、江戸前天丼 濱乃屋、北海道うまいもの館、ビアードパパの作りたて工房■物販・サービス 移転・改装5店舗ディスコート、ブレス、チャオパニック ティピー、ライトオン、ユザワヤ、イング、エービーシー・マート/シャルロット、ペットパラダイス デラックス、ビーデザイン ホーム、ビジュソフィア、メガブルーバード英会話スクール■飲食・フードコート 改装4店舗うちの食堂、串家物語、韓国料理 bibim’、銀座コージーコーナー
2020年02月01日現在公開中の感涙ヒューマンドラマ『ひとよ』の白石和彌監督のティーチインイベントが11月17日(日)に行われ、本作の主演・佐藤健が飛び入り参加し観客を沸かせた。イベントでは観客との質疑応答を1問終え、白石監督が「誰か来られないか?とTwitterでつぶやいたら、音尾琢真君がすぐに『行けない』と返答してきた」とジョークで笑わせつつ、サプライズで登場したのは次男・雄二役の佐藤さん。残念ながら本編には登場しない“カット”されたシーンもあるというが、佐藤さんは「カットされることに関して僕は前向き。残念には思わない」と語り、「良くなかったからカットされたわけで、カットされてありがとうぐらいに思う役者です」と俳優としてのポリシーを明かす。なお、そんなカットシーンのひとつに、鈴木亮平演じる長男・大樹と別居中の妻(MEGUMI)との激しい口論シーンがあったそうで、白石監督は「いいシーンだったけれど、それがあると長男のシーンが続きすぎて、長男の映画になり過ぎると思った」とカット理由を打ち明けていた。またラストシーンについて「監督が急にバナナを持ってきて驚いた」と明かす佐藤さん。白石監督は「筑前煮も撮影場所のタクシー会社の方々が出してくれたもので、とても美味しくて。それもその場の判断で雄二に持って行かせようと思った。田舎って何かをお土産に持って行かせようとすることってありますよね」とリアリティを追求したという。さらに、こだわりは稲村家の家族写真にも。佐藤さんは「もらったバナナを持って写真に写ろうとか、(稲村家の長女・園子役の)松岡茉優さんがはじけたバージョンとか、数パターンを撮影したけれど、使用されたのは全員が真面目な顔の写真でした」と裏話を明かした。ラストの車中のシーンは2テイク撮影したそうだが、使われているのはファーストテイクだという。白石監督は「健君の目に涙が溜まっている感じがよかった」と選んだ理由を述べ、「実はそのシーンでは、僕が健君の横でヤドカリみたいに小さく丸まって隠れていました。現場は結構グチャグチャでしたよね」とふり返っていた。そして、今回が初めてとなった佐藤健×白石和彌監督のタッグ。今後の再タッグへ向けて佐藤さんは「色々なアイデアがあります。一つには絞れない」と構想を練っているようで、「いつか時代劇をやりたいと白石監督は現場でおしゃっていましたよね?」と確認する場面も。これに白石監督は「まだ一度も時代劇はやったことがないので。アクションものの時代劇もいいかも」と意欲を見せていた。『ひとよ』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ひとよ 2019年11月8日より全国にて公開(c)2019「ひとよ」製作委員会
2019年11月18日ある夜、3人の子供たちのために、暴力夫を殺害した母親(田中裕子)が、15年後、成長した子どもたち(佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優)のもとに帰ってくる。事件によって運命を狂わされた家族は、ふたたび絆を取り戻せるのか。『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』の白石和彌監督が、佐藤健を主演に迎えた『ひとよ』が11月8日より公開。初タッグを果たした白石監督と佐藤を直撃し、お互いに「興味深い」と感じたことや、物語終盤に訪れる“クラッシュシーン”に込めた意味、そして二人の考える「良い映画」について聞いた。○■佐藤健「現場では結構不安だった」――今回の作品で、監督は「これ以上ない最高のキャストが集まってくれた」とコメントされています。白石:だってすごいでしょ。――“最高のキャスト”という言葉の意味するところを、もう少し教えていただけますか?白石:オールスター感がありますよね。エンタメ特化型の作品だったら分かる気もするんですけど、『ひとよ』は、エンタメ映画でありながら、アート映画のにおいもある。そのなかでこのオールスターキャストというのは、正直、僕はびっくりしました。ダメ元で声をかけた人がみんなやってくれたという。すごいですよ。――佐藤さんは、最高の共演者だなと感じた瞬間はありましたか?佐藤:常にですよ。監督は白石監督だし、共演者もこの方々だから、僕が何もしなくても絶対に良い映画になるだろうという安心感のもとにやっていました。だから変な気負いがなかったというか。それに、本当に自然な形で家族になっていけましたね。助けられました。――今回、おふたりは初タッグです。お仕事されてみて、こういうところが興味深いなと感じた部分はありますか?白石:すごく色んなことを考えてそうなんですよね。それで、「こいつ、どうなんだ?」と見られている感じがしたり(笑)。そういうところがミステリアスでいいですね。今回は健くんの演じた雄二の話でありつつ、家族の物語でもあって群像劇だったから、2時間ずっと雄二を追っていたわけではない。なので、今度はずっと佐藤健を撮っている作品をやらないと、まだまだ埋めきれていない部分があると思いますね。佐藤:白石監督は上手なんだと思うんですよね、映画作りが。だからいい意味で疲れないんです。「あれ、もう終わりですか? まだまだできますけど」みたいな感じで、いい意味で達成感がないというか。なので現場では結構不安だったんです。でも完成したものを観ると、やっぱり素晴らしい。ただあまりに作品数が多すぎるので、どうなってるんだろう、何を基準に判断してるんだろうと、すべてが興味深いです。僕は結構作品数が抑えめなタイプですが、白石監督とだったらたくさんやってもいいなと思いました。――今のお話にも通じますが、白石監督の現場は早いとよく聞きます。そうした決断の早さはどこからくるのですか?白石:なんだろう。迷ったときには、いい画を優先するというのはあるかな。映画作りの基本に立ち返って、お客さんからどう見えるのかを考えて、変なことをしないで直球勝負をしていくということじゃないですかね。――終盤の佐々木蔵之介さん演じる堂下も加わってのぶつかり合いの場面が印象的でした。15年後の、あの家族にとって重要な“一夜(ひとよ)”に他人が入っていることも興味深かったです。白石:人間関係は、1回クラッシュしないと想いを伝えられないんじゃないかということの問いかけでもあるんです。それに他人が偶然にというよりは、堂下も堂下で自分の人生と向き合っていて、それが交差した瞬間だったということなんです。あそこを観て、「やりたい放題やりやがって」と思う人もいるかもしれないけれど、あそこで皆がぶつかり合うということは、僕にとってはすごく重要だったんです。佐藤:クラッシュさせるためには、何かアクシデント的なことというか、あの家族にも堂下にも、外部的な要因が必要だったということですね。白石:そうだね。さらにいうと、そこに至るまで、クラッシュを避けていたのが雄二だったんだけど、あそこで雄二からぶつかりにいくところも、この映画を象徴している出来事かなと思いますね。その能動感がすごく気持ちよかったりするし。佐藤:まあ、僕は佐々木さんに飛び蹴りとか、本当にしたくなかったんですけど、どうしても監督がやれというので、仕方なくやりました(笑)。白石:ははは。○■この感動をなんとか伝えたい――映画作りの基本に立ち返って、いい画を撮っていくというお話がありましたが、白石監督は本作を「最高傑作になる」ともコメントされています。「良い映画」とは?白石:観た人を突き動かす力を与えられる映画ですかね。たとえば、これまでにも僕の映画を観たことで、「迷ってたんですけど、映画界に入りました」とか、「『日本で一番悪い奴ら』を観て、会社を辞めて役者を志すことにしました」と言われたり。そういうことがときどきあるんです。「重い、重い!」とも感じるので、その決断をしたのは本人だからと思うようにもしていますが(苦笑)、でもその人にとっての特別な一歩になったのは事実だから、やっぱり嬉しい。作品の出来不出来とは関係のないことになるけれど、映画の力というのはあるんだろうと感じます。――映画は観客に観てもらって完成するといいますね。白石:やはり観た人になにか影響を与えたいと思って作っていますから。自分自身、振り返ってみると、「俺も映画をやってみたいな」と思ったりした作品とかがあるわけで。そういう1本をもし自分が撮れているのだとしたら、すごく嬉しいですよね。いつも、役者さんのお芝居を見ながら「この感動をなんとか伝えたい!」と思うことの連続です。それで毎回、「こんなに熱量があるのに、なんで俺は切り取れないんだ」と苦しみながらやってます。――佐藤さんは、「良い映画」とはどんなものだと思いますか?佐藤:難しいですね。しっくりくる答えはなかなかないですが、でも監督がおっしゃったように、人に影響を与えるというのはひとつ絶対にあると思いますし、実際、そうした力や可能性が映画にはあると思います。まあ、僕の場合は純粋に自分が楽しいからやってるんですけど。――結果として人に影響を与えていたり。佐藤:そうなったら嬉しいなとは思っていますけどね。映画って、人生を豊かにしてくれるものじゃないですか。その豊かさというのは、教養が養われるでも、心が動くでも、何でもいいんですけど、その人の人生を豊かにしてくれる映画が、良い映画なんじゃないですかね。白石:そうだね。素晴らしい!■プロフィール・佐藤健1989年3月21日生まれ。埼玉県出身。近年の主な映画出演作は、『るろうに剣心』シリーズをはじめ、『バクマン。』(15)、『世界から猫が消えたなら』(16)、『何者』(16)、『亜人』(17)、『いぬやしき』(18)、『億男』(18)、『ハード・コア』(18)、『サムライマラソン』(19)、『ドラゴンクエストユア・ストーリー』(19)など。公開待機作品としては 『るろうに剣心 最終章』(20年夏2作連続公開予定)がある。・白石和彌1974年北海道生まれ。1995年、中村幻児監督主催の映画塾に参加し、その後、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、行定勲、犬童一心監督などの作品にも参加。初の長編映画監督作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)の後、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した『凶悪』(13年)は、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞ほか、各映画賞を総なめした。その後、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』(17)、Netflixドラマ『火花』(16)など、幅広いジャンルを映像化し、近年も『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)、『止められるか、俺たちを』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)、『凪待ち』(19)など多数の作品を手掛けている。
2019年11月08日『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』など注目作を次々に手がける白石和彌監督の最新作『ひとよ』が、11月8日(金)より公開される。本作は『凶悪』『サニー/32』に続いて高橋泉が脚本を手がけており、これまで白石監督が描いてきたコミュニティのかたちや人との向き合い方を引き継ぎながら“血のつながった”人々のドラマを精緻に描き出している。若松プロで育った白石監督は、さまざまな個性や主張、野心、欠点を持つ者たちが集う“梁山泊的なコミュニティ”を繰り返し描いてきた。人はそれを“疑似家族”と称することもあるが、白石監督は「結果として疑似家族になっちゃった感じです」と笑う。しかし、本作『ひとよ』は自分から“家族”という題材に引き寄せられていった。「これまでちゃんとした血族は描いてこなかったので、新しいチャレンジになると思いましたし、この題材が自分を引き上げてくれるんじゃないかという期待はありましたね」物語の舞台は地方にあるタクシーの営業所。15年前、子を守るために母・こはるは暴力的な夫を殺して服役。残された3人の子供たちは母と音信不通のまま成長した。現在、長男は地元の電気店で、次男は東京でフリーライターとして、末の娘はスナックで働き、タクシー会社は親族とその仲間が引き継いでいる。そんなある日、母・こはるが予告なく帰宅する。母は子を守るために殺した。しかし、そのことで兄妹の人生は決定的に変わってしまった。母と3兄妹、そしてタクシー営業所で働く者たちの再会のドラマが描かれる。本作の原作は劇作家・桑原裕子が書いた同名戯曲で、白石監督は「家族を描きながらクライムムービーでもあるし、加害者と被害者が混同している状況で、お互いを許し合うことができるのか?という複雑な感じがユニークだと思った」と振り返る。本作は15年ぶりに帰宅した母と3兄弟を主軸に物語を描くため“疑似家族を描いてきた白石監督が、血のつながった家族を描いた”と思われがちだが、本作はそんなに単純なものではない。「この映画は家族を描いているのと同時に、タクシー会社という擬似家族を描いてもいるんですよね(笑)。そっちの方が和気あいあいといい感じに見えたりもするんです。それはすごく計算して描きました」母と3兄妹は、血のつながっていないタクシー会社の人々に囲まれて暮らしており、家族とうまく向き合えない苦しさを彼らに打ち明けたり、ぶつけることで解消しようとする。「それは脚本の段階からすごく自覚的でした。家族がぎこちないほど、相談する相手は家族ではないと思いますし」。血のつながっていない他人だから助けられることもある。何でもない相手だから心の奥が打ち明けられる。白石作品がこれまで繰り返し描いてきた状況がここでも描かれる。しかし、白石監督は「でも結局は、この家族は肝心なところでぶつかってないと思った」という。「だから、ぶつかるところからでないと物事が進まない気がすごいしたんですよ。誰かが悪いことをしたとしても、誰がやったのかちゃんと顔が見えて、その理由がわかれば、安心とは少し違うのかもしれないですけど“多少のことはお前の気持ちもわかるぜ”って感じになりますよね」。その根底には、人間が面と向かってぶつかっていないのではないかという危機感があるようだ。「目の前の人の意見よりもネットの炎上を信じたりとか……この問題は『サニー/32』で決着をつけたつもりではいたんですけど、ついてまわるものなんでしょうね。逆にいうと僕自身がネットの言葉だったり炎上に囚われつつあるのかもしれないですし……だからやっぱり人間が“衝突”する瞬間が観たいんでしょうね」だからこそ『ひとよ』は、血のつながった者たちが、血の関係はなくても同じ空間にいる者たちが、お互いを“許し合う”わけでも、何かを“解決する”わけでもなく、衝突し、クラッシュしながら相手を“受け入れる”ドラマが描かれる。それは複雑な状況だ。どちらかが勝ってスッキリするような話ではない。白石監督はその複雑さを“縮減”することなく俳優の演技を丁寧にすくい取ることで描いている。「この映画は家族の話で、自分にも家族がいて記憶や体験が自分に近いところにあるからでしょうね。ヤクザの話が得意とはいえ、実際にカチコミとか見たことないじゃないですか(笑)。そこは人の話だったり想像が占める割合が大きいんですけど、母ちゃんと話すとか、家族で食卓を囲むとかは自分も経験しているのでより具現化して作りやすかったんです。だから細かく決めて撮っていったわけじゃないんですけど、家族の距離感だったり、空気感、所作というかちょっとした動き……そういうものは気をつけて撮っていきましたし、僕の手が届いていなくて結果的にそうなっている部分もあるとは思うんですけど、ポイントになるシーンは割と細かく演出したかもしれません」白石監督はこれまでの作品で描いてきた非血縁的なコミュニティ=疑似家族の魅力を切り捨てることなく、血のつながった家族の魅力や苦しさを描こうとしている。「疑似家族って“有償の愛”なんですよね。それぞれが何かしら得をするから成立している。でも家族は得しなくても“無償の愛”を与えたいってことですよね。今の世の中だと育児放棄してしまう人とかいるので一概には言えないですけど、僕に娘ができたときに一番思ったのは、現実的には与えられないんですけど“無償の愛”を与えたいってことでした。ちょっと自分で言ってて恥ずかしいですけど(笑)。でも、それは結果として、この映画みたいに子どもの“重し”になるかもしれない。そこが家族の面倒なところで、信頼関係がなくてもそのコミュニティを壊しきれないところが苦しい。もちろん、それが子供にとって力になることもあるだろうし……」白石監督が考えては語り、語ってはまた考えるように『ひとよ』は家族の複雑さを単純化することなく描いている。人を見つめる眼差しや、善悪に対する判断、根底にある愛情はこれまでの白石作品とブレがないが、その表現の繊細さは新機軸を思わせる。「それはやっぱり映画の題材が“家族”だからでしょうね。この映画で自分の新しい扉が開いていたらいいな……と思っています(笑)」『ひとよ』11月8日(金)全国ロードショー
2019年11月07日「元彌さんは休日、羽野さんがどこに出かけるときもついていくそうです。彼女が『ほかに行くところないの?』と聞いても、『君と一緒にいるのがいちばん楽しいんだもん』と、笑って答えるとか」こう語るのは、芸能レポーターの城下尊之さん。連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)で戸田恵梨香(31)演じる喜美子の下宿先の女主人・さだを演じている羽野晶紀(51)。女性下着デザイナーとしても活躍する“進歩的な働く女性”を演じるその裏で、羽野は夫・和泉元彌(45)への悩みを抱えていた。「今年に入ってから羽野さんは元彌さんの“異常な嫉妬癖”をテレビでたびたび披露しています。8月に出演したバラエティ番組では、『携帯電話のパスワードを変えると怒る』『羽野さんが握ったおにぎりを、元彌さん以外の男性は食べてはいけない』『ほかの男性をほめてはいけない』『男性の美容師や医師を指名してはいけない』といった元彌さんから課せられた数々の禁止事項について語っていました」(テレビ局関係者)羽野の知人もこう証言する。「羽野さんは『元彌さんがGPSで彼女の居場所を常に監視して、仕事場にまで現れることがある……』と怯えていました」羽野を苦しめる夫の“恐ろしい束縛指令”。その一因は羽野の本格的な“職場復帰”にあるという。「2児の子育ても一段落した羽野さんは、最近では野田秀樹さん(63)が作・演出を務める広瀬すずさん(21)主演の舞台にも出演するなど、女優業に引っぱりだこ。さらに、今回の朝ドラは大阪で撮影するために自宅を空けがち。最愛の妻と一緒にいられる時間が減ったことで、元彌さんは不安で仕方ないそうです」(前出・知人)かつては元彌の母・節子さん(77)との“嫁姑問題”が原因で別居するなど一時は離婚寸前だった羽野。熟年離婚の心配はないのだろうか……。和泉家の関係者はこう語る。「最近は息子さんが出演する和泉流の舞台を節子さんと一緒に見に行くなど、嫁姑関係は悪くないそうです。また今は節子さんと一緒に住んでいませんが、晶紀さんが手料理を持って行くこともあるそうです」前出の城下さんもこう語る。「羽野さんはこれまで家庭でどんな目にあっても、絶対に離婚はしませんでした。テレビでは悪口を言いながらも、羽野さんは元彌さんに対する深~い愛情があるのだと思います」波瀾万丈な夫婦生活も“そろりそろり”と続いていきそう!?
2019年11月06日暴力や犯罪、流血は当たり前。『凶悪』などで知られる白石和彌さんの映画は、正直めちゃくちゃ怖いです。でも監督の描く“闇と本質”に、俳優も観客もなぜか惹かれてしまう。その吸引力の秘密に迫ります。「殺したい奴はいないのか?」そう若松監督に聞かれた夜は、今でも心に強烈に残っています。今、日本で一番注目されている映画監督といっても過言ではない、白石和彌さん。アウトローな世界を描いた映画で注目され、今やたくさんの俳優が出演したいと願う監督の筆頭的存在です。でも実は30歳の頃は、「1作だけ撮って、映画の世界から足を洗おうと思っていた」そうで…。――11月8日に公開される『ひとよ』は、監督にとって今年3本目の公開作です。昨年も3本公開されていて、とても多作ですよね。白石:そうなんですよね。最近は、もちろん途中で止まっちゃうものもありますが、7~8本くらいの映画が並行して進んでいて。あと、本を書きたいなぁ~と思っているものも頭の中にあるので…。――頭の中で混乱しませんか?白石:昔は切り替えられなかったんですが、徐々に慣れてきました。最初の頃は「俺、これ無理だわ」って思ってたんですけれど、でもこの流れを逃したら、暗黒時代に戻ることになるし、それだけは嫌だと思って、必死にくらいついてきたというか。――小さい頃から映画がお好きだったんですか?白石:最初のきっかけは、“エロいもん見たいなぁ”って(笑)。――エロいもん(笑)。白石:中学生くらいですから、そこは責められないですよね(笑)。僕らの世代だと、ちょうどその頃にビデオが普及し始めて、近所にレンタルビデオ屋が急に増えて。そこに借りに行って、ロマンポルノとか観てました。そのあと『仁義なき戦い』などにハマっていき、そこで映画には“作り手”がたくさんいることを学び、いつか映画のスタッフになれたら、と思ったのが最初ですかね。で、東京に出てきて若松孝二監督の事務所に入り、流れで映画の助監督になっちゃったんですけれど、正直、監督になれるとはまったく思ってなくて。監督になってごはんを食べていけて、それで一生いられるとか、絶対無理だろうなって。でも単純に、助監督というフィールドワークは、すごく面白かったんです。――どんなご経験を?白石:当時はコンプライアンスなんてなかった時代で、今だったらアウトなことばっかりだからあんまり言えないですが、例えば国道を封鎖して撮影したり(笑)。僕がついていた映画監督って、若松さんとか行定(勲)さんとか、おかしい人たちばっかりだったんです。若松さんに初めてゴールデン街に連れていってもらった夜、「お前、殺したい奴とかいないのか?」って聞かれて、「いません」、「お前駄目だなぁ~!」っていうやりとりをしたんですよ。おかしいですよね?「殺したい奴はいない」に対して「駄目だなぁ~!」って(笑)。そもそもそんなこと普通の人は聞かないし、そういうことを聞くのが映画監督なんだったら、俺はマジで無理だわって思いました。でもその夜は、映画人としての第一歩だったなと、今でもよく覚えてます。映画『止められるか、俺たちを』の脚本にも、そのやりとりは入れたんです。とにかくそんなちょっとおかしい監督たちが考えることを実現するために、動いたり走り回ったりすることが本当に楽しくて、“これが映画だよね!”とか、“俺ら今、超かっけぇ!”とか思ってやってましたね。――青春ですね。白石:まさにそう。血糊つけて家に帰って、道中職質されたりもしましたよ。でも10年くらいやってるといろんな監督と組むわけで、「あれ、俺、この監督より面白いもの撮れるんじゃない?」と思うこともちょっとずつ増えてきた。同時に、助監督も一生続けられる仕事じゃないし、今さら映画の別部署に行くのも違うし、いつか、転職とか田舎に帰るっていう踏ん切りをつけるタイミングが来るとも思ってた。そこで、じゃあ1本だけ撮って、それでやめようって思ったんです。それが、30歳くらいのときかな。――1作目『ロストパラダイス・イン・トーキョー』は、34歳のときの作品ですね。4年のブランクがありますが…。白石:そう、そこからがさっきちらっと言った暗黒時代です。助監督やめて収入がほぼなくなり、でも子供が生まれたり。嫁に「稼いできてくれ」って怒られたり(笑)。――でも、1本撮ってもやめなかったから、『凶悪』が生まれたわけですよね。続けたのはなぜ?白石:1本目を観て、「白石さんと映画を撮りたい」と言ってくれた人がいたんですよ。それが『凶悪』のプロデューサーなんですけれど。あとは、やっぱり観客の皆さんですね。何度も観に行ったと言ってくれた人や、この映画を観て、映画のスタッフになった人もいた。あんな小さい映画でも、誰かの人生を変える力があるんだということが実感できて、それが大きな勇気になりました。――白石さんの、助監督時代を経ての今って、『情熱大陸』とかで描かれそうな感じもありますが…。白石:いや、それはちょっと…(苦笑)。どっちかっていうと僕は、ああいう成功者をキレイに描くドキュメンタリーよりも、“日曜2時の『ザ・ノンフィクション』”のほうが好きな部類の人間なので(笑)。監督にとって、今年3本目の公開作の映画『ひとよ』。自分の子供たち3兄妹を守るべく夫を殺した母・こはる(田中裕子)が、15年ぶりに家に帰ってくる。事件以来、人生が大きく変わってしまった次男の雄二(佐藤健)、長男の大樹(鈴木亮平)、長女の園子(松岡茉優)と、母親の再会。バラバラになった家族はどこへ向かうのか。11/8より全国ロードショー。しらいし・かずや1974年12月17日生まれ、北海道出身。映像技術系専門学校卒業後、中村幻児監督主宰の映像塾に参加。その後、故・若松孝二監督に師事し、2010年に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編デビュー。’13年『凶悪』で各映画賞を総なめにし、注目される。代表作に『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『凪待ち』など。※『anan』2019年10月9日号より。写真・岩澤高雄(by anan編集部)
2019年10月08日●演じた『トイ・ストーリー』キャラへの共感今やテレビで見ない日はないと言えるほどの売れっ子お笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平と松尾駿が、ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』(公開中)で、かわいいけれど毒舌なぬいぐるみコンビ“ダッキー&バニー”の日本語吹き替えを担当した。本作への出演を踏まえ「上半期で終わっていい」とジョークを飛ばすダッキー役の長田とバニー役の松尾に、ダッキー&バニーと似ているという芸人としての境遇、伸び悩んでいた時期の自分たちに対する思い、そして「和泉元彌」と「IKKO」のものまねが生まれた背景などについて語ってもらった。――お二人が吹き替えを務めたのは、ウッディたちが訪れる移動遊園地の景品で、子どもたちに持ち帰ってもらう機会に恵まれていないぬいぐるみコンビのダッキー&バニーです。英語版でもコメディアンのキーガン=マイケル・キー(ダッキー)、ジョーダン・ピール(バニー)が声優を務めている彼らの掛け合いは笑いどころが盛りだくさんでしたが、アフレコではどんな部分を楽しめましたか?長田:テンポの良さというか、やっぱり海外のコメディアンの方のテンポなので、僕らとは違うテンポ感があるんです。そこは最初、戸惑いました。でも、ダッキーとバニーの境遇と言うんですかね?僕らに似たような感じの境遇を抱えていたキャラクターだったので、自分たちの気持ちを込める上では、役に入りやすかったです。松尾:わーってまくし立てた後に、急にストンと落とすシーンがあるんですけど、そういうのは芸人だからできるのかなと思いました。ダッキーをやっているアメリカの声優の方もコメディアンで、オバマ元大統領の物まねをされているんですよね。結局、「あ、同じものまねの人がやっているんだ」って(笑)。日米ものまね芸人の融合というか、しっくりきました(笑)。――境遇というお話が出ましたが、チョコプラさんもこれまでに苦労を重ねてきたかと思います。ただ、コンビを結成してからかなり早い段階で、テレビに出る機会は得られていたんですよね?長田:同期の中ではテレビに出るのは早かったんですけど、大ブレイクするとなるとだいぶ時間がかかりました。最近やっと、という感じなので…。13年くらいは、けっこう苦しいというか、いろいろと実らなかった部分もあるので、そういう面ではダッキー&バニーも、ずっと景品として持ち帰ってくれる子どもに巡り合えなかったという境遇が、僕たちと似ているのかなと思いました。松尾:最初、台本をパって見たときに、ダッキー&バニーというより「あ、松尾と長田だ」と思ったくらい(笑)。シンクロしましたね。――周りが売れていくことに対する焦燥や不安。そういった思いもあったかと思いますが、今回のお仕事を通じて当時を思い出すことはありましたか?長田:そうですね。同期だけじゃなくて、後輩が売れていくのも真横で見ていたので、「悔しい!」という思いもありましたし「なんでなんだ!」と。「僕たち、こんなに愛嬌あるのに…。かわいいのに、なんでもらってもらえないんだ?」っていうダッキー&バニーの気持ちが、すごくわかる気がしましたね。松尾:芸人が遊園地の景品だとしたら、同期のエドはるみが『24時間テレビ』のマラソンを走っているのを見たり、芸能界でバーって上がって行くのを見て。まあ、エドさんは下がっていったんですけど…。長田:言うな、それは! いらない(笑)!松尾:そういうのを見ていたので(笑)、嫉妬だったりもあったんですけど、我慢して我慢して…。最近は、別に周りの人が売れても「良かったね」と思えるようになったんですけど、そういう嫉妬がなくなったから良かったのかなと思いますね。――今の活躍を踏まえたうえで、当時のご自身たちに声をかけられるとしたら、何と言ってあげたいですか?長田:耐えろ!松尾:「13年後、舞台挨拶に出られてるよ」と。長田:「間違ってないぞ」と言ってあげたいですね。当時は「これでいいのか?」「他のこと、もっとした方がいいのか?」とか、すごく悩んでいたので。それこそ「芸人、辞めた方がいいんじゃないか?」とも思っていました。「間違ってないぞ」というのは、言ってやりたいですね。松尾:過去に戻って、一言だけふわっと声かける(笑)。「大丈夫、ディズニー・ファミリーになれるよ」って。それだけでも言ってあげれば、気持ちが変わりますよね。――例えばウッディのボイスボックスのように、おもちゃにはそれぞれ魅力=武器がありますよね。お二人はコントだけじゃなく、ものまねをお笑い芸人さんとしての武器にされているかと思いますが、おなじみの和泉元彌さんとIKKOさんのネタは、どのようにして生まれたのでしょう?長田:偶発的なものというか…元彌さんは昔から、ちょっとずつやっていたんですけど「コント以外で何かあるか?」と言われて、軽くやっていたくらいなんです。あるときにものまね番組に呼んでいただいて、そこで僕が元彌さんや氷室京介をやっていて、相方も「何かないか?」ということで、昔ちょっとやっていたIKKOさんをやったら、バチン!とはまったという感じですね。松尾:そうですね。武器だと思っていないものが武器だったんです(笑)。――昔から持っていたものが、実は武器だった(笑)?長田:昔から持っていて、横に置いてあったんですけど、へんてこりんな形してるし、「こんなんで戦えるわけないだろ!」っていうのが効いたみたいな(笑)。そういう意外性はありますね。松尾:芸人もそうですけど、一般の方にも言えることじゃないかと思いますね。武器だと思っていないものが、実は武器だったりするということは。長田:もう一回、周りを見渡してみる。近くにあるものが武器になる可能性があるので。自信をもって、いろいろ出した方がいいってことですね。――そういった発見などを経て大ブレイクに至ったわけですが、明確に「ブレイクした」と自覚できたお仕事は?松尾:間違いなく、これ(『トイ・ストーリー4』)じゃないですか(笑)?長田:本当にそう思いますね。『キングオブコント』を経て、いろいろなゴールデン番組に出させていただくこともありましたけど、それでもやっぱり浮き沈みが激しい世界ですから。どこで「売れた」と言っていいのかわからないっていうのもありましたし、ここで「売れた!」と言ってもまた下がる可能性もあるんですけど、ディズニー/ピクサー作品の声をやらせていただけたっていうのは、これは本当に「売れた!」ということだと思います。松尾:そうですね。これが決まるまでは、「売れたねえ」と言われても「いやいやいや…」とか言っていたんですけど、いま「売れたねえ」って言われて、「いや、もう売れましたね!」と言うしかないくらいのお仕事なので(笑)。長田:僕らが売れたって認識していないと、逆に失礼になるというか。松尾:だから間違いなく、『トイ・ストーリー4』だと思います。●2人の子供時代と思い出のおもちゃ――『トイ・ストーリー』を語る上では、おもちゃだけでなく、子どもも不可欠ですよね。お二人は、おもちゃで遊ぶタイプの少年でしたか?長田:めちゃくちゃ遊んでいましたね。いろんなおもちゃを持っていました。僕はロボットが好きで、ロボットのおもちゃをどこにでも持って行って、お風呂場とかでも遊んでいたんです。そうしたらある日、ロボットの頭が取れて、お風呂場の排水溝に流れて行っちゃったんです…。すごく悲しくて。『トイ・ストーリー』の世界だったら、あの顔はどうなっていたんだという…。松尾:ほかの皆が助けに行ってくれる(笑)?長田:助けに行ってくれているのかなあ…そう思いたいですよね。本当に。――目が覚めたら、顔が元に戻っていたり…?松尾:「あったー!」って言ってね(笑)。長田:その時は、戻っていなかったんですけど、僕がそのおもちゃと離れてから、皆が戻してくれたのかもしれないですね(笑)。――では、松尾さんは少年の頃、どんな感じでしたか?松尾:僕は地元が箱根で山の中で育ったので、おもちゃよりは、自分の好きな木とかを持って遊んでいましたね(笑)。どちらかというと、今回新たに登場するフォーキーのノリに近いというか。フォーキー…僕はもう、木ーだったんですよ。長田:フォーキーのキー(笑)。――ウッディ役の唐沢寿明さんが、本作について「おもちゃはいつも、買い与えられて遊ぶものじゃなくて、自分で想像力を働かせて、近くにあるもので作ったりするんだよ」ということを教える映画だとおっしゃっていました。松尾:唐沢さんと全く同じことを考えていたんです。長田:いいとこだけを汲み取るな(笑)!松尾:唐沢さんの言う通りです(笑)。――ピクサー作品に携わった2019年は達成感のある年になるのかなと思うのですが、この作品に出演したことを踏まえて、2019年をどんな年にしていきたいか最後にお聞きしたいです。松尾:「いい年でした」で、もう終わっていいと思う(笑)。上半期で終わっていいです。長田:もう12月末な感じです。あとはもう、惰性で行きたいと思います(笑)。――またまた(笑)。松尾:これ以上大きい仕事って、今年はもうないですよ。長田:僕は本当に昔からピクサーの作品が好きで、その中でも『トイ・ストーリー』は一番思い入れが強くて。その作品の声優ができるっていうのは、本当に夢みたいな話でしたから。これ以上のことは、なかなかないと思いますね。2052年くらいちゃいますか? これを超える仕事があるのは(笑)。松尾:2052年にでかい仕事できてたらすごい。いいジジイで(笑)。それででかい仕事って、人間国宝になるしかないよ。長田:目指していきたいですね、人間国宝。『トイ・ストーリー4』を超えるのは、人間国宝しかない。松尾:今年に関しては、もう十分お仕事もいただいていましたし、この『トイ・ストーリー4』の声優をやらせてもらったので、もうお仕事的にはOKです(笑)。長田:でもやっぱり、ここから公開となって、もっと盛り上げていきたいなっていう思いはありますね。僕ら自身も「あ、あのチョコレートプラネットが吹き替えをやってたんだ!」と思われるような芸人になりたいです。■プロフィールチョコレートプラネット長田庄平(1980年1月28日生まれ。京都府出身)と松尾駿(1982年8月18日生まれ。神奈川県出身)によるお笑いコンビ。NSC在学中の2006年にコンビを結成。2008年に開催された『第1回キングオブコント』でいきなり決勝進出を果たす。2014年に開催された第7回大会では準優勝、2018年の第11回大会では3位の好成績を収める。2019年には『R-1ぐらんぷり』で長田が準決勝に、松尾が決勝に進出するなど各賞レースを席巻。作り込まれたコントのほか、両名ともものまねを得意とし、和泉元彌(長田)、IKKO(松尾)など多数のレパートリーがある。
2019年07月26日昨年大ブレイクし、テレビやイベントに引っ張りだこのお笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿と長田庄平が、ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』(公開中)で新キャラクターのぬいぐるみコンビ“ダッキー&バニー”の日本語版声優を担当。オーディションでつかみとった2人の吹き替えに注目が集まっているが、予告編で一部がお披露目されると「うまい」「上手」と称賛の声が上がった。最近は、お笑い芸人が俳優や声優として起用されるケースも多く、本職以外でも幅広い活躍を見せている。ネタの中でさまざまなキャラクターになりきったり、さまざまな設定でストーリーを展開していく芸人たち。その才能がそのまま演技に通じているのか。チョコプラの2人に、お笑いと演技について聞いてみた。――最近は、演技力を評価されドラマや映画に出演する芸人さんが多いです。やはりネタの中で演技力が鍛えられるということなのでしょうか?長田:演技力が高いとは思わないですけど、僕らコントがベースでお芝居に近いので、慣れているところはあるのかなと。でも、今回声優をやらせてもらって、全然感じが違うなと思いました。自分でもちょっと芝居はできるほうだろうなと思っていたんですけど。松尾:思ってんじゃねーかよ!(笑)でもやっぱり演技がうまくないと、コントではオチに対してフリにならないので。そういうところで芸人はみんな演技がうまくなっている。その中でも僕らはちょっとズバ抜けてうまいのかなって。――なるほど(笑)。コントとモノマネを得意にされているお二人だからこそ、ということですよね!?長田:そうですね。今まで培ってきたものがやっと実を結んだというか。松尾:でも、もともと持っていたものも…ポテンシャルの高さもあるのかなと。長田:誰も止めない(笑)松尾:今日だけは言っちゃっていいかなと!――先ほど長田さんは、声優の難しさも感じたとおっしゃっていましたが、松尾さんはいかがでしたか?松尾:こればっかりは声優さんは本当にすごいなと思いました。コントの演技、お芝居は顔の表情や動きでできるんですけど、声だけでいろんな感情を表現しないといけないのは難しかったです。長田:自分たちのオリジナルではなく、ベースがあってそこに合わせないといけないというのは、今まで経験したことがないものだったので。松尾:でも楽しかったですね。後半は入ってきた感じがしました。長田:入ってきたのがわかりましたね。そこからはとんとん拍子で、もうしゃべってなかったです。バニーが勝手にしゃべっていました(笑)――さすがです(笑)。今回の声優のお仕事でご自身の成長につながったと感じている点はありますか?松尾:声だけで演じる難しさもあったんですが、自分たちがこれから伸びる糧になったと思いますし、何より『トイ・ストーリー4』の声優をやらせてもらったということで、チョコレートプラネットに箔が付いたなと。自信になりました!長田:役になりきって演技すること、キャラクターに入るということに関して学べたなと感じています。ものまねにも通じるところだと思うので、これからもっと和泉元彌さんになりきれるんじゃないかと!――さらにパワーアップした和泉元彌さんものまねを期待しています! 最後に、芸人として培ってきた演技力を生かして今後やりたいことを教えてください。松尾:ぜひ『トイ・ストーリー4』の続編をやっていただいて、また僕たちも参加したいです。長田:ダッキー&バニーのスピンオフとかできたらうれしいなと思います。――声優ではないお芝居への意欲は?長田:それもありますね。何でも挑戦してみたいので。松尾:ドラマや映画なんて喜んでやらせていただきたいです。長田:ディズニーの実写化作品で主演というのもいいですね。夢は大きく持ちたいですから。『ヘラクレス』の実写版とか。松尾:長田さんガタイいいから(笑)長田:そうなんです。やってみたいなあ!■プロフィールチョコレートプラネット長田庄平(1980年1月28日生まれ。京都府出身)と松尾駿(1982年8月18日生まれ。神奈川県出身)によるお笑いコンビ。NSC在学中の2006年にコンビを結成。2008年に開催された『第1回キングオブコント』でいきなり決勝進出を果たす。2014年に開催された第7回大会では準優勝、2018年の第11回大会では3位の好成績を収める。2019年には『R-1ぐらんぷり』で長田が準決勝に、松尾が決勝に進出するなど各賞レースを席巻。作り込まれたコントのほか、両名ともものまねを得意とし、和泉元彌(長田)、IKKO(松尾)など多数のレパートリーがある。
2019年07月19日公開中の映画『凪待ち』の全国78館 生中継舞台あいさつ付き上映イベントが6日、都内で行われ、香取慎吾、音尾琢真、白石和彌監督が出席した。6月28日に全国85館で封切られ、初週好スタートを切った映画『凪待ち』。そんな本作の好発進を記念した同イベントは、初日3日間の舞台あいさつ行脚に参加出来なかったファンの要望で実現したもので、全国78館の劇場で生中継された中、香取慎吾らが登壇して行われた。主演の香取は「1年前に撮影していたこの映画が公開されて、『観ました』という方々とお話をするのが最近の日課です。それぐらい色んな方が映画館に足を運んで観てくれて、幸せを感じています」と周囲の反応も上々のようで、「これからライブビューイングが終わったら一気に皆さんが観ると思うと、こんなに幸せなことはないですね」と全国の78館を訪れた観客に感謝した。舞台あいさつ中には、全国78館の観客から3人への共通質問を香取らが答えるコーナーも。観客の質問に3人が答えながらも、劇中で音尾が「ジェニファー」というセリフを言う場面で、西田尚美と恒松祐里が笑いをこらえていたエピソードを明かした香取は「こんなところで負けられないなと。(劇中で演じた)郁男プラス香取慎吾として『あー? なんだ? こいつ? 何言ってるんだ? 全然面白くない! 俺は笑わない!』」とその時に思った胸中を告白して笑いを誘った。イベントの翌日が七夕ということで、「自身の願い事は?」という質問に音尾は「今の願いごととしては白石監督とウチの娘がひいている夏風邪が早く治ればいいなという思いが正直なところです」と回答。音尾は白石監督作品に多数出演しており、それを羨ましく思ったという香取は「白石組にもう一度入ることですかね。監督が本当に香取慎吾が必要だと思った役でいいので、ぜひ白石組にもう一度参加出来たらという思いです」と願望を。『孤狼の血』では、音尾が男性のシンボルに入れた真珠を役所広司らにナイフでえぐり出される拷問を受けたが、香取は「真珠も入れますよ」と並々ならぬ覚悟であることを白石監督に猛アピールした。主演の香取慎吾と『孤狼の血』(2018年公開)や『麻雀放浪記2020』(2019年公開)を手掛けた白石和彌監督が初めてタッグを組んだ本作は、宮城県石巻市が舞台。人生のどん底まで堕ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンスで、恋人を殺され、さらに次々と襲いかかる絶望的な状況から自暴自棄になっていく主人公の郁男を、香取が熱演している。
2019年07月07日俳優の香取慎吾が主演を務める映画『凪待ち』の初日舞台挨拶が28日、都内で行われ、香取、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー、白石和彌監督が登壇。白石監督は、同じキャストで次回作を作るとしたら「ミュージカルをやりたい」と話し、観客から大きな拍手が沸き起こった。香取と『孤狼の血』(18)や『麻雀放浪記2020』(19)で知られる白石監督が初タッグを組んだ本作は、宮城県石巻市を舞台に、人生どん底まで墜ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして、切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンス。恋人が殺され、さらに次々と襲い掛かる絶望的な状況から自暴自棄になっていく主人公・郁男を香取が演じた。香取は「いよいよ公開。この日を迎えることができました。本当にうれしく思っています」とあいさつ。「初日からこんなにたくさんの方が来てくれて本当に幸せ者だと思っています」と喜んだ。また、「1人でも多くの方に見てほしいと思える作品を白石監督が作ってくれました」と監督に感謝。「僕が演じた郁男は、苦悩の中で逃げることばかりで先が見えない男でしたが、そんな先が見えない人間でも踏ん張って周りの方々のあきらめない絆、優しさで、少しずつでも光が見えてくる、そんな作品になっていると思います」と紹介し、「たくさんの方に劇場に足を運んでもらいたい」と願った。舞台挨拶では、キャスト・監督がそれぞれ考えたクイズを出題。白石監督は「このメンバーで次回作を作るとしたら、どんな映画でしょうか?」というクイズを出し、音尾が「『凪待ち2』」と答えると会場から笑いが。そして、「サスペンス」「ヤクザもの」「アニメーション」とさまざまな意見があり、香取は「西田さんが復活するゾンビ(作品)」と答えた。正解は出ず、白石監督が「全員に歌って華麗なステップを踏んでもらうミュージカルにしたい」と発表。香取が「今までミュージカルは?」と尋ねると、白石監督は「ないです。でもWEBドラマでちょっとそういうのがあります。なのであながちできなくはないと思っています。今度は楽しい映画を作りたい」と語り、会場からは大きな拍手と「見たい」という声が上がった。
2019年06月28日こんなにすさんだ香取慎吾は見たことがない。2018年の映画賞を総なめにした『孤狼の血』(2018年)や『麻雀放浪記2020』(19)の白石和彌監督が、香取を主演に迎えたヒューマンサスペンス映画『凪待ち』(6月28日公開)を観たら、きっと誰もが驚くのではないか。ギャンブル依存症の木野本郁男(香取)が、恋人・亜弓(西田尚美)の故郷である石巻で再出発をしようとする。亜弓の実家で、彼女の父・勝美(吉澤健)や娘の美波(恒松祐里)と暮らすことになった郁男は、紹介された印刷会社で働くことになる。しかし、ある日、亜弓を亡くし、仕事も失ってしまった郁男は、またギャンブルから抜け出せなくなる。香取から「白石さんが僕を呼んでくれて宝物ができました」という賛辞を送られた白石監督に単独インタビュー。監督の口から出た香取の印象は「衝撃的!」、「本当にすごい!」といった感嘆符なしでは言い表せない感想ばかりだった。白石監督が激賞する俳優・香取慎吾の魅力とは?――香取慎吾さんと“喪失と再生”をテーマに映画をやってみたいと思ったそうですが、今回、被災地を舞台にした理由について教えてください。東日本大震災後、僕は映画監督としてどこかで震災と向き合わなければいけないという思いがずっとありながら、なかなかそこへは行けませんでした。震災直後、みんながドキュメンタリーを撮り始め、全部を観たわけじゃないけど、「こんなに悲しいことがありました」「悲しみを抱えて生きていく」ということだけを声高に言うのはどこか違う気がしていて。じゃあ、自分は何もしなくていいのか? とも思っていたなかで、香取慎吾さんとの仕事の話をいただきました。それで、以前から落ちぶれていく男が再生する話をやりたいと思っていたので、香取さんを仲間に入れれば、そういういろんなことができるんじゃないかなと思い、物語を作っていきました。――家族をテーマに撮った映画も白石フィルターを通すと、一筋縄ではいかないすさまじい映画になりますね。今回も主人公・郁男のクズっぷりがすごくて、どこまで堕ちていくんだろうとハラハラしました。香取さんの表情が、本当にすごかったです。僕も金を借りる人を何度か見たことがあるけど、本当にああいう顔をするんです。でも、香取さんは、あそこまで金に困って、借金をしたことなんてないはずなのに、なんでああいう顔ができるんだろうと。あのシーンを見たとき、僕はすごい映画を撮っているなと思いました。ギャンブル依存症の人って、ああいうふうに、どんなことをしてでも金を作ろうとするんです。日本のギャンブルはほとんど国営なので、あまり報道はされませんが、実際に苦しんで自殺している人がどれだけいるのかと考えてしまいます。――香取さんは、脚本をあまり読み込まず、台詞も頭に入れていかないとおっしゃられていますが、それであのクオリティーの演技ができること自体に驚きました。衝撃的でした! 最初にそう言われましたが、それが彼のやり方なら、そこをとやかく言うつもりはないと思っていました。実際に初めて現場に入ってきた時も、ファーストシーンから撮るわけにはいかないので「ここはこうなって、こうなります」と説明をします。慎吾くんは「はい。わかりました」と言ったあと、演じてくれますが、こちらの意図の組み方がハンパないんです。――俳優さんには、現場でもずっと役で居続けるタイプと、カットがかかった途端に素に戻ってリセットするタイプがいらっしゃいますが、香取さんは後者ですか?うーん。正直、香取くんのようなタイプの役者さんは初めてでした。今回は石巻でロケをしていましたが、カットとカットの間に彼が何をやっているのかなと思って見ていると、ずっと郁男のまま佇んでいたこともあって。俳優として本当にすごいです。たぶん共演したみんながそう思っているんじゃないかな。――そのすごさについて、白石監督はどう分析されましたか?僕自身も分析しきれてはないんですが、考えてみれば、以前はドラマを撮影しながら、テレビのバラエティ番組もやっていて、その間、1つの役に入り込むとか、役作りをするとかが、無理だったのではないかと。あくまでも僕の想像ですが、そこで香取くんが導き出した答えが、台本をそんなに深く読み込まず、台詞はその場で覚えたほうがいいという判断だったのではないかと。そのほうがいろいろと変更もできますから。――通常、できる役者さんは、準備万端に台詞を入れて現場に臨む、というイメージがありますが?いや、そこからが肝心なんです。普通はそのやり方で上手くいくはずがないし、「仕事をなめてるのか!」という話にもなってしまう。でも、香取くんの場合、そこで出す演技のクオリティーが、そのへんの役者のレベルとは違いすぎるんです。僕はもともと台詞をけっこう変えるし、シーンを入れ替えたり、追加したりするので、よく「それ、先に言ってくれないですか?」みたいなことを言われたりするわけで。でも、香取さんは、すべて「OKです」と言ってくれたあと、すごいことをやってくれます。また、役に入り込んでいないのかというとそうでもなくて。両さん(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)をやっていた時は、両さんのテンションだったそうですし。ただ、役作りって何だろうと、僕自身も考えてしまいます。――縁日の屋台での乱闘シーンは、かなりの長回しでした。あのシーンの撮影はいかがでしたか?お祭りのシーンを撮ったのは昨年の初夏で、ナイターなので19時半くらいからしか撮れなかったんです。子どもがいるから20時までに撮影を終えなければいけなくて、明るいうちからアクション部と一緒に香取さんの動きを作っていきました。それで、香取さんが入ってきて「1回、アクション部でやって見せますから」と、一連の動きを見てもらったんです。僕が「1回、試しに動いてみますか?」と聞いたら、香取くんが「もう1回見させてください」と言ってきて。もう1度見せて「ケガをしちゃうかもしれないから、ここに毛布を入れておいてください」といった形で安全策をとったあと、「じゃあ1回だけ軽くやってみてください」と言ってやってみたら、なんと一発OKでした!――え! あの長回しの乱闘シーンを1発でOKだったのですか?本当ですよ。スタッフも、え!? という感じでした。おそらくこれまでダンスをしたりPVを撮る際に、その場で振り付けを覚えることを訓練されてきたんでしょう。何だか不思議になるレベルでした。それでいてクオリティーも高いから、正直、他の役者が落ち込むレベルです。縁日のシーンで絡むのは『止められるか、俺たちを』でも呼んだ役者たちですが、「白石さん、僕、ワークショップも参加して、頑張ってきたつもりでしたが、香取さんを見たら、何が正しいのかわからなくなりました」とガチで落ち込んでました(苦笑)。やっぱりトップを何十年走ってきたということは、すべてにおいてそういうことなんだなと納得しました。――そういう意味では、まるで眠れぬ獅子を起こしたかのような強烈なインパクトを受けました。香取さんの今までにない汚れ役も新鮮でしたが。香取さんもきっと「なんでこの役が僕なんだろう?」と思ったのではないかと。でも、この企画がスタートしたのは、「新しい地図」で新たな一歩を踏み出そうとされていた時期でした。僕は僕で僭越ながらも、香取さんの新しい一面を見せたいと思ったわけです。映画の内容は少し違うけど、もう1回スタートをする、という話にはたぶんなっていると思います。お互いに口に出して言ったわけではないけど、香取さんはあれだけ頭のいい方なので感じているとは思います。――最後に、これからこの映画を観る方へメッセージをお願いします。誰もが何かのきっかけで、自分の意志とは無関係に、人生を転がり落ちちゃうことってあると思います。でも、だから人生が終了するのではなく、どこにでもやり直すチャンスやタイミングも同じように転がっているはず。この映画を観て、頑張って生きようかなと思ってくれたらと。ほぼほぼピエール瀧さんに向けてのメッセージにもなっているかなと思います。■プロフィール白石和彌(しらいし・かずや)1974年12月17日生まれ、北海道出身の映画監督。若松孝二監督に師事し、助監督を務めたあと、初の長編映画監督『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)で注目される。『凶悪』(13)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)などは、日本アカデミー賞ほか各映画賞を多数受賞する。そのほか『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』(17)、『サニー/32』(18)、『止められるか、俺たちを』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)など多数の話題作を監督。公開待機作は2019年秋公開の『ひとよ』。
2019年06月27日白石和彌監督の『凪待ち』は、ファーストショットからガツンと来る。「荒んでる」。昼日中の街を行く主人公・郁男を演じる香取慎吾を見て、まず頭に浮かんだ言葉だ。6月28日(金)より公開される『凪待ち』の中で生きる彼の淀んだ表情を目の当たりにすると、いままでずっと見ていた“慎吾ちゃん”という竜宮城が一瞬にして消え去り、ギャンブルにはまる自堕落な男のリアリティが現れる。だからといって、それが40代を迎えた香取慎吾という人の真実かといえば、目の前にいるその人は当然ながら、郁男ともまた違うのだ。“見たことない姿”は「僕がいつも見てる僕」「正確にはわからないですけど」と言いながら、香取さんは「最近思っているのが、それこそキャラものと言われるような孫悟空とか、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両さんを演じてきたうえで、40を超えて初めて、こういう人間ドラマをやれたのかなという感じがします」と語る。「この深い人間の役を通して、40に入った男の感じが初めて映っているのかなと思ってます。ただ不思議なのは…この郁男の姿って、僕がいつも見てる僕なんですよね」と続ける。「今日もそうだけど、やっぱり仕事では“きれいきれい”するじゃないですか、アイドルだから」とヘアメイクをほどこした自分を指差す。「だけど、画面に映ってないときは、(チラシを手に取り)自分としてはこれが一番“素”だから、みんなが『見たことない姿!』というのに最初は驚いて(笑)。確かに髪もセットしている姿で30年近く皆さんに見てもらってるけど、映ってないところではノーメイクだし、髪も何もしないじゃないですか。自分では一番知った顔なんですよ。映画のポスターが出たときもTwitterで反応を見てたら、みんな『見たことない』と言ってて。僕はマネージャーさんと車の中で『そうなの?なんで?』って(笑)」。劇中ではいわゆる“メイクアップ”はしていない。白石監督は「映画を撮るとき、どの作品でもそうしてもらっています」と言う。監督は1974年生まれ。1977年生まれの香取さんにとって、いままで組んできた監督と比べて圧倒的に年齢が近いが、そこに水を向けると、香取さんは「いや、それは…」と言いながら「いくつなんですか、監督は?」と尋ねる。「74年生まれです」という答えに「稲垣と同じ年かな」と返し、「草なぎさんと一緒ですね」と監督が言うと「ええ!?」と本気で驚く。「僕、年齢はあまり気にしないのかもしれません。“監督”と捉えているから。三谷(幸喜)さんとか阪本(順治)監督と同じで、“監督”としか思っていなくて、年齢が近いからということは、いままで考えたことがなかったですね」。白石監督、香取慎吾は「作り手に近い方」2人は本作が初顔あわせ。香取さんは「僕は監督のことを知らないまま、『日本で一番悪い奴ら』を観ていて。ご一緒できると聞いて『凶悪』を観て、ヤバい監督だなと(笑)。初めて会う日に映画館で『孤狼の血』を観て、もうどんなに怖い監督かと思ったら、会った瞬間に『いつの日か、香取さんと仕事をしたかった』と最初に言ってくれたので気持ちがほぐれました。こういう作品を撮ってきた監督が『僕とやりたい』と言ってくれて、この始まり方は何かいい化学反応になるんじゃないかと、その瞬間に思えました」。白石監督は香取さんについて「もちろん、スーパーアイドルという認識がまずあって。世代的にもずっと僕たちは、香取さんたちを通していろんなことを見させてもらい、経験させてもらってきた。香取さんはアーティストとしての側面あったので、エンターティナーであると同時に作り手に近い方だろうなという印象もありました」と言う。「出演作も拝見していましたが、まず“アイドル”という認識が大きくて。だから実際仕事して、衝撃的でした。映画のことというよりも、カメラと被写体である自分の関係性とかいろんなことが、いままで仕事をしたどの方よりもわかっている。すごくインスパイアを与えてくださる方だったので『すごい、すごい』と言っていたら、リリーさんに『監督、何言ってるの。普通に大河ドラマで主役やった人だから。当たり前でしょう』と言われて(笑)。トップアイドルであると同時に、日本のトップの俳優だったんです」。だからこそ「そこまでできるなら、もっとこうしてみよう」という期待が募る。「『できません』とか『なんでそうなるんですか』とか、絶対ないんですよ。『わかりました』と、僕がお願いしたことを超面白くして返してくれる」。監督からのリクエストに「そこまでするの?」と驚いたことはというと「いやあ、別にないですね」と香取さん。「根本的に“監督”ですから。監督が言ったことは全部やりますよね」と当然のことという表情だ。「『これ、できない』というのは、僕はいままでも一切ないですね」。絶対に逃げない人。そんな香取さんが演じる郁男は、正反対の“逃げる男”だ。郁男は、長年同棲していた恋人・亜弓と彼女の娘と3人で新天地を求めて亜弓の故郷である宮城県石巻市に行く。だが、些細な綻びが積み重なった挙句、取り返しのつかない事態が起きる。郁男は苦境に立ち向かおうとせず、目を背けてしまう男だ。「あまりいままでは見せることができなかったけど、僕の中にも“逃げる”部分とか苦悩、つらい部分はあります。生きていると誰にでもあると思うんです。そこが人一倍多い役でしたけど、そこで感じる部分はいっぱいつながっているなというのはありました。ただ、いままでやらせていただいた役もそうだし、僕自身も思ったことは言っておきたい。『それ、違うんじゃない?』と言う方なんです。郁男は感情的な部分で隠れる。ちょっとでも思った瞬間に人の背中に隠れるみたいなやつです。もっと早いですね、思いそうな会話になったらもう隠れる。それは、意識したかもしれない。自分で演じながらも『ひどいやつだな、駄目なやつだな』という気持ちをグッと抑える作業が大きかったかもしれない。僕としては腹立たしい部分が、シーンに映ったら駄目じゃないですか。そっちを押し殺して、本番で監督のOKが出た瞬間に『本当にひどい、こいつ!』と、やっと言える感じでした」。東日本大震災と向き合う「その覚悟を後押ししてくれた」東日本大震災の被災地でもある石巻での撮影は、支援活動をずっと続けてきた香取さんにとって感慨深いものだった。「僕は、映画って何でもありだと思っている映画好きでいるのに、やっぱり被災地、あの震災を映画で描くことを『大丈夫なのかな』と思ったりしました。プレッシャーや緊張感があったんです。新たな道を歩み始めて一歩目の映画だと思っていたのも、いま思えば『ちょっと間違えてたな』と。初めて1人でやる映画という気負いと、そこに被災地が入ってくる。『エンターテインメントにしていいものなのか』と思った部分もあるんです。でも実際に撮影で石巻にずっといたら、僕が会った街の方々は、映画としてこの街の“今”が残ることを本当に喜んでくれたんです。僕も『忘れてはいけないことだ』と言いながらも、ニュースで見る時間もどんどん減っていって。その中で、この映画とともにいま、東日本大震災の話をまた改めてする時間を持てたことがよかったと思っています」。白石監督は「東日本の震災は僕もきちんと向き合えていなかったんです。でも、あのとき香取さんたちがやっていたこと、見せてくれた風景は大きくて。それがあったので、香取さんにやっていただけるなら、このタイミングで向き合えるんじゃないかと。逆にその覚悟を後押ししてくれたと、僕は勝手に思っています」と言う。「もともと堕ちていく人を描くことが多かったんですが、ちゃんとはい上がる人の話もどこかでやりたいなと思っていました。直感的に、それが香取さんに似合うと思ったんです。『凪待ち』というタイトルは、心が波立って、そこに凪が訪れてほしい、いろんな悲劇に対して凪が訪れてほしいという思いを込めています」人間は誰しも落とし穴に落ちる確率がある一定数あって。今日、僕がなるかもしれないし、明日は誰がなるかもしれないようなことだと思うんです。同時に、そこからやり直せたり、誰かが手を差し伸べたりするチャンスも、同じ確率であるんじゃないか。この映画を描きながら、すごくそれを感じました」。(text:Yuki Tominaga/photo:Jumpei Yamada)■関連作品:凪待ち 2019年6月28日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2018「凪待ち」FILM PARTNERS
2019年06月25日香取慎吾が『孤狼の血』などの白石和彌監督と初タッグを組んだ映画『凪待ち』完成披露試写会が6月5日(水)、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、香取さんと白石監督のほか共演の恒松祐里、西田尚美、音尾琢真、リリー・フランキーもわいわいと舞台挨拶に登壇した。香取さん、白石監督との再タッグを希望!公式SNSに寄せられた質問に香取さんが回答する段では、「今後、監督とご一緒するならどんな役がいいですか?」という質問が挙げられた。香取さんが、「どんな役でも。またぜひご一緒したいですね」とすぐ答えると、白石監督が「ある程度、限定しておかないとひどい目に遭うので」と含み笑い。すると、香取さんは「今回、監督の作品の中でもあまりないようなヒューマンドラマ、人間の心を描きたいとおっしゃってくれたけど、毎日誰かにぼこぼこにされていって…あれ?ヒューマンドラマって…(笑)」と、驚きの表情を見せつつ「だから全然平気ですよ!これ以上の役でも、どんな役でも、音尾さんとリリーさんのように、“白石組を観たら僕がいる”みたいに、自分も参加できたらうれしい」と笑顔を見せていた。『凪待ち』は、ギャンブル依存症の男の暴力と狂気を描いたヒューマン・サスペンス。毎日をふらふらと過ごしていた郁男(香取さん)は、恋人の亜弓(西田尚美)とその娘・美波(恒松祐里)と共に、亜弓の故郷・石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、ある夜、亜弓が何者かに殺害されてしまう。リリーさんが香取さんを絶賛「色気にドキドキ」白石監督と3度目のタッグとなったリリーさんは、「今まで殺人鬼ばかりで、今回はすごくやさしいおじさんをやらせていただきましたので、新鮮でした。男が男の色気を感じる経験はないんですけど、慎吾ちゃんが強烈な色気で。それにちょっとドキドキしながら過ごしていた撮影期間でしたね」と、香取さんの色香についてコメントを寄せると、香取さんも照れ顔に。さらに、音尾さんが「僕は香取さんの1個上、監督が香取さんの2個上、1年後はこう(自分のように)なり、2年後にはこう(白石監督のように)なる!男にはやってくる!」とわめくと、白石監督が「何の話してるの(笑)?」と突っ込み。場内からは何かを想像したのか「えええ…」という悲痛な叫びがこだました。『凪待ち』は6月28日(金)より全国ロードショー。(cinamacafe.net)■関連作品:凪待ち 2019年6月28日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2018「凪待ち」FILM PARTNERS
2019年06月05日香取慎吾主演×白石和彌監督による映画『凪待ち』(6月公開)の予告編が23日、公開された。2018年6月~7月に石巻市を中心に撮影された本作は、人生どん底まで墜ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして、切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンス。あるきっかけをもとに墜ちる所まで堕ちきった男・郁男を香取が演じた。このたび、郁男役の香取の悲しみと狂気が交錯する演技が印象的な予告編映像が公開された。また、恋人の娘・美波役の恒松祐里が香取と見せるガチンコな演技力も見どころ。郁男の恋人・亜弓を演じた西田尚美は、「現場に西田さんがいるととても安心した」という香取の言葉からもわかる通り、姉さん女房としての役どころにぴったりとはまっている。監督が若松孝二監督の助監督時代のスターとして見てきた吉澤健も、石巻で郁男や美波とともに暮らし始める亜弓の父親役として登場し、本作の重要な役どころを担当。白石組常連としてお馴染みの音尾琢真は、亜弓の元旦那・美波の実父として石巻に住む男を演じ、本作でも味のある芝居を見せている。そして、香取が現場で思わず高揚する気持ちを押し殺したというリリー・フランキーの方言まじりのリアリティある演技にも注目だ。(C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS
2019年04月23日香取慎吾主演で贈る、『孤狼の血』『麻雀放浪記2020』の白石和彌監督の最新作『凪待ち』から、不条理な暴力と悲劇、狂気を見せつける衝撃の予告編映像が公開された。『クライマーズ・ハイ』の加藤正人の脚本によって、2018年6月~7月、岩手県石巻市を中心に撮影された本作は、人生どん底まで墜ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして映画史上最も切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンス。この度、「こんな香取慎吾、見た事が無い」とマスコミ陣が口を揃える主演・香取さんの、“悲しみ”と“狂気”が交錯する熱演に心揺さぶられる予告編映像が完成。そんな香取さんとガチに対峙する、郁男の恋人・亜弓(西田尚美)の娘・美波を演じる恒松祐里からは、白石監督が以前から注目していたというその才能の一端を確認することができる。また、亜弓を演じた西田さんは、「現場に西田さんがいるととても安心した」という香取さんの言葉からも分かる通り、姉さん女房としての役どころにぴったりとはまった。さらに、監督が恩師・若松孝二監督の助監督時代のスターとして見てきた吉澤健も、石巻で郁男や美波とともに暮らし始める亜弓の父親役として登場し、本作の重要な役どころを務めた。白石組常連としてお馴染みの音尾琢真は、亜弓の元夫で美波の実父として石巻に住む男を演じ、本作でもその味のある芝居は健在。そして、香取さんが現場で思わず高揚する気持ちを押し殺したというリリー・フランキーの方言まじりのリアリティある演技にも、息を飲むこと間違いなし。誰が愛する人を殺したのか?なぜ殺したのか?愚か者たちの切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンスは必見となりそうだ。ストーリー毎日をふらふらと無為に過ごしていた木野本郁男(香取さん)は、ギャンブルから足を洗い、恋人・亜弓(西田さん)の故郷・石巻に戻る決心をした。そこには末期がんであるにも関わらず、石巻で漁師を続ける亜弓の父・勝美(吉澤さん)がいた。亜弓の娘・美波(恒松祐里)は母の発案で引っ越しを余儀なくされ、不満を抱いている。美波を助手席に乗せ、高速道路を走る郁男に美波の声が響く。「結婚しようって言えばいいじゃん」半ばあきらめたように応える郁男。「言えないよ。仕事もしないで毎日ぶらぶらしてるだけのろくでなしだし…」。実家では、近隣に住む小野寺(リリーさん)が勝美の世話を焼いていた。人なつっこい小野寺は、郁男を飲み屋へ連れていく。そこで、ひどく酒に酔った村上(音尾さん)という中学教師と出会う。村上は亜弓の元夫で、美波の父だった。新しい暮らしが始まり、亜弓は美容院を開業し、郁男は印刷会社で働きだす。そんな折、郁男は会社の同僚らの誘いで競輪のアドバイスをすることに。賭けてはいないもののノミ屋でのレースに興奮する郁男。ある日、美波は亜弓と衝突し家を飛び出す。その夜、戻らない美波を心配しパニックになる亜弓。落ち着かせようとする郁男を亜弓は激しく非難する。「自分の子供じゃないから、そんな暢気なことが言えるのよ!」激しく捲くし立てる亜弓を車から降ろし、ひとりで探すよう突き放す郁男。だが、その夜遅く、亜弓は遺体となって戻ってきた。郁男と別れたあと、防波堤の工事現場で何者かに殺害されたのだった。突然の死に、愕然とする郁男と美波――。「籍が入ってねえがら、一緒に暮らすごどはできねえ」年老いた勝美と美波の将来を心配する小野寺は美波に言い聞かせるのだった。一方、自分のせいで亜弓は死んだという思いがくすぶり続ける郁男。追い打ちをかけるかのように、社員をトラブルに巻き込んだという濡れ衣をかけられ解雇となる。「俺がいると悪いことが舞い込んでくる」行き場のない怒りを職場で爆発させる郁男。恋人も、仕事もなくした郁夫は、自暴自棄となっていく――。『凪待ち』は6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:凪待ち 2019年6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開予定©2018「凪待ち」FILM PARTNERS
2019年04月23日『孤狼の血』の白石和彌監督最新作、佐藤健主演『ひとよ』が5月にクランクインし、今秋公開されることが決定。佐藤さんが「現場に入るのが非常に楽しみ」と現在の心境を語るコメントも到着した。劇団KAKUTAの代表舞台作品を映画化本作は、鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞などを受賞した注目の劇作家・桑原裕子率いる「劇団KAKUTA」の同名代表舞台作品の実写映画化。15年前、ある家族に起きた一夜の事件。一家はあの晩の出来事に囚われたまま別々の人生を歩み、15年後に再会。葛藤と戸惑いの中で、一度崩壊した絆を取り戻そうともがき続ける、“家族の絆”や“究極の愛のかたち”を問いかける感涙のヒューマンドラマだ。福島県生まれだという原作の桑原氏は「『ひとよ』を描いたのは2011年の夏、日常を取り戻しているように見えても、東日本大震災の影響がまだ各地で色濃く残る頃でした」「これは震災の話ではありませんし、社会を背負うような物語でもありません。が、復興、再生、絆――そんな言葉が日本中にあふれかえるなか、本当の再生とはなにか、私たちはどう歩み出せばいいのかを、ひとつの家族を通じて、私もまだ見つけられぬまま模索しながら描いた作品でした」と作品を作った背景を明かす。また「どうか原作にこだわらず監督ならではの視点で、新たな『ひとよ一夜』を創っていただければと思いますし、蒼々たるキャストの皆さんがどんな風に役へ光を当ててくださるのか、純粋にワクワクしています。きっと素晴らしい作品になる、という予感だけが激しく渦巻いております」と映画化へ期待を寄せている。主演・佐藤健、白石監督作参加に「念願が叶いました」『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』など、アウトローな世界を多く描く白石監督の元に集まったのは、白石組初参加となる人気・実力を兼ね備えたオールスターキャスト。本作の主演を務めるのは、数々の作品でメインキャストを演じ、最近では、同時期に放送された連続テレビ小説「半分、青い。」と「義母と娘のブルース」で全く異なる役柄を演じたことが大きな話題になるなど、幅広い年齢層から支持されている実力派俳優の佐藤さん。今回は15年前の事件に縛られ、家族と距離をおき、東京でうだつのあがらないフリーライターとして働く稲村家の次男・雄二を演じる。まだクランクイン前の本作だが、佐藤さんは「現場に入るのが非常に楽しみです。白石監督の作品はほとんど観させてもらっていますが、是非いつかご一緒できたらと思っていた方ですので、今回は念願が叶いました」と今回の出演を喜び、「素晴らしい脚本、共演者、スタッフの皆様との仕事ということで、僕が気負い過ぎずとも良い映画になるであろうというある種の確信をすでに持っておりますが、こんな環境で映画作りに励めることを当然と思わずに、幸せを噛み締めながらも精進していく撮影期間であればと思います」とコメントしている。三兄妹は豪華キャスト!さらに、しがない町の電気屋に勤務する三兄妹で唯一家庭を持つが夫婦関係に思い悩む長男・大樹を、大河ドラマ「西郷どん」の好演が記憶に新しい鈴木亮平。大樹と雄二の妹で、夢を諦めスナックで働く園子を、『万引き家族』への出演も話題となり、今後は主演作『蜜蜂と遠雷』が公開を控える松岡茉優。そして、15年ぶりに三兄妹との再会を果たす母・こはるを名優・田中裕子が演じる。「この作品は自分にとって大きな挑戦になるだろうことを今から確信しています」と話す鈴木さんは、「白石監督、そして素晴らしい共演者の方々と、丁寧に、時に乱暴に心を通い合わせ、皆さんの心に突き刺さる『ひとよ』を作り上げていきたいと思います」と意気込み。松岡さんも「熱い視線でずっと作品を追っていた白石和彌監督とご一緒させて頂けることは私にとって大変嬉しいことでありつつも、今の自分は何が出来るのかバレバレになってしまうだろうなと今から眉尻を下げています。己を知れるというのはとても良いことですから、真っ直ぐ向かっていこうと思います」とコメントしている。白石和彌監督コメントこれ以上のない最高のキャストに集まって頂き、少し緊張しています。私自身、この家族がどのような物語を紡いでくれるのか、楽しみで仕方ありません。多くの人の心に突き刺さる作品になるように、毎日を大切にしながら撮影に望みます。楽しみにお待ちください。『ひとよ』は今秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2019年03月29日俳優の佐藤健が、白石和彌監督の最新作『ひとよ』(2019年秋公開)に主演することが29日、明らかになった。鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子が共演する。同作は鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞などを受賞した注目の劇作家・桑原裕子率いる劇団KAKUTAの代表舞台作品『ひとよ』を実写映画化。15年前、ある家族に起きた一夜の事件が、母と三兄妹の運命を大きく狂わせた。一家は別々の人生を歩み、15年後に再会。葛藤と戸惑いの中で、一度崩壊した絆を取り戻そうともがき続ける。佐藤は15年前の事件に縛られ、家族と距離をおき、東京でうだつのあがらないフリーライターとして働く稲村家の次男、雄二を演じる。また、しがない町の電気屋に勤務し、三兄妹で唯一自身の家庭を持つが夫婦関係に思い悩み、幼少期より人とのコミュニケーションに苦手意識を持つ長男の大樹を鈴木、大樹と雄二の妹で、事件によって美容師になる夢を諦め、スナックで働きながら生計を立てる園子を松岡が演じる。さらに、15年ぶりに三兄妹との再会を果たす母・こはる役に田中が決定し、白石組初参加となる人気・実力を兼ね備えたオールスターキャストが集った。5月のクランクインは予定している。○佐藤健 コメント現場に入るのが非常に楽しみです。白石監督の作品はほとんど観させてもらっていますが、是非いつかご一緒できたらと思っていた方ですので、今回は念願が叶いました。素晴らしい脚本、共演者、スタッフの皆様との仕事ということで、僕が気負い過ぎずとも良い映画になるであろうというある種の確信をすでに持っておりますが、こんな環境で映画作りに励めることを当然と思わずに、幸せを噛み締めながらも精進していく撮影期間であればと思います。今回のお声がけ大変光栄でした。有難う御座います。○鈴木亮平 コメント複雑な家族の関係、過去の事件と妻子への思い、吃音の症状。この作品は自分にとって大きな挑戦になるだろうことを今から確信しています。と同時に、この役を「鈴木にやらせてみたい」と思っていただけたことに感謝しています。白石監督、そして素晴らしい共演者の方々と、丁寧に、時に乱暴に心を通い合わせ、皆さんの心に突き刺さる『ひとよ』を作り上げていきたいと思います。○松岡茉優 コメント熱い視線でずっと作品を追っていた白石和彌監督とご一緒させて頂けることは私にとって大変嬉しいことでありつつも、今の自分は何が出来るのかバレバレになってしまうだろうなと今から眉尻を下げています。己を知れるというのはとても良いことですから、真っ直ぐ向かっていこうと思います。家族のお話です。どんな雰囲気になるのか実は想像がつきません。スタッフ、キャストの皆様、宜しくお願い致します。映画ファンの皆様、少し待っていてください。○白石和彌監督 コメントこれ以上のない最高のキャストに集まって頂き、少し緊張しています。私自身、この家族がどのような物語を紡いでくれるのか、楽しみで仕方ありません。多くの人の心に突き刺さる作品になるように、毎日を大切にしながら撮影に望みます。楽しみにお待ちください。○桑原裕子(原作) コメント自身の所属する劇団公演にむけて『ひとよ』を描いたのは2011年の夏、日常を取り戻しているように見えても、東日本大震災の影響がまだ各地で色濃く残る頃でした。私の生まれは福島県で、子供時代は学級休みのほとんどを福島の山に囲まれて過ごしました。だから自分のふるさとが「あの一日の出来事」を境にして、まるで形を変えたかのように違う目で見られるようになったことに、たとえようのないやるせなさを感じていました。これは震災の話ではありませんし、社会を背負うような物語でもありません。が、復興、再生、絆――そんな言葉が日本中にあふれかえるなか、本当の再生とはなにか、私たちはどう歩み出せばいいのかを、ひとつの家族を通じて、私もまだ見つけられぬまま模索しながら描いた作品でした。社会の暗がりに目を向け、いびつながらも懸命に生きる人間をこれまで多く描いてこられた白石監督が「ひとよ」を手がけてくださることになり、本当に嬉しく思っています。髙橋泉さんに丁寧な脚本を書いていただけたことにも感謝しています。どうか原作にこだわらず監督ならではの視点で、新たな『ひとよ』を創っていただければと思いますし、蒼々たるキャストの皆さんがどんな風に役へ光を当ててくださるのか、純粋にワクワクしています。きっと素晴らしい作品になる、という予感だけが激しく渦巻いております。そうして生まれ変わる『ひとよ』が、たくさんの皆様のもとへ届き、どこまでも高く遠くへ、旅をしてゆけますように。
2019年03月29日映画『麻雀放浪記2020』の公開に関する記者会見が3月20日(水)、東映本社にて行われ、監督を務めた白石和彌と多田憲之(東映株式会社代表取締役社長)が出席した。12日、本作に出演するピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことを受けて、公開に向けての協議を重ねた結果、ノーカットで予定通り公開することが発表された。「賛否両論の意見はあると思う」公開への背景多田社長は、「許されることではない」と前置きした上で、「あってはならない罪を犯した出演者のひとりのために、作品を待ちわびているお客さまに公開しないという選択肢は取らない」と読み上げた。「有料で、かつ鑑賞の意志を持ったお客さまが来場するクローズドなメディアで、TV放映やCMなどとは違う。賛否両論の意見はあると思いますが」と続け「お客さまに対しては、劇場公開時にポスターおよびテロップで瀧容疑者が出演していることを明示いたします」と対応を説明した。5作組んだ白石監督の叫び「バカヤロウとしか言いようがない」『凶悪』以降、5作にわたりピエール瀧容疑者と組んできた白石監督は、一礼し「瀧さんが逮捕された一報を聞いて大変驚きましたが、『麻雀』がどうなってしまうんだろうということとともに、ピエール瀧容疑者に抑えきれない憤りを感じました」と本音を吐露。公開に踏み切ったことについては「禁止薬物には当然反対な立場で、絶対犯してはいけない犯罪。映画を公開できるにあたり、ものすごく大変だったんですが、公開にまずはホッとしているというか…今の正直な気持ちです」と沈痛の面持ちで語った。事実、白石組の常連とあったピエール瀧容疑者について、白石監督は「監督として大きく引き上げてくれたひとりだとすごく思っています。彼が持っているキャラクターと男っぷりのよさ、いろいろなことに男惚れをして、通算5本仕事をさせていただいていました」と触れた。だからこそ今回の事件については「少なくとも、仕事をしているときはそういう兆候は僕にはわからなかった…。本当に、今はバカヤロウとしか言いようがない。自分の罪をちゃんと反省して、まずは治療してほしい」と気持ちを込め、ピエール瀧容疑者に言葉をかけていた。作品公開への物議に関する世間の声に、意見出演者の薬物事件に際して、作品公開への物議があがっている。反対の声がある一方で、「作品に罪がない」という世間の声もある。多田社長は、「東映としても、個人としても、ちょっといきすぎだなという印象は持っていました。スタッフが総力をあげて作ったものをボツにしていいのかは、はなはだ疑問を持っていました」と話し、一拍あけ「事実、こういうことが東映にあるとは思っていませんでしたので…一瞬、当事者になったとき、かなり私も悩みました」と背景を明かす。白石監督も「議論なく一様に決まったかのように、蓋をしてしまうようなことはよくないんじゃないかと思います。作品それぞれで、上映できないのが特例であってほしいのが願いです」と持論を展開した。さらに、こうした人物が登場する過去作についても白石監督は「過去作まですべて選択の余地がないようにするのは、さすがにどうだろうというのはあります。世に作品を放って、公開も終わって残っている状態であれば、見るか見ないかはユーザーにゆだねるべきだと思います」と意見を述べ、「過去作まで一律でなくすのは、文化にとっての損失だと思うので、そろそろガイドラインなり、作るべきかなと個人的には思っています」と語った。映画『麻雀放浪記2020』は、『孤狼の血』で本年度日本アカデミー賞を席巻した白石監督と、脂の乗っている実力派俳優・斎藤工が初タッグを組み、禁断の未来2020年の日本を暴いたセンセーショナル・コメディ。1945年の戦後から2020年の戦後に突然やってきた坊や哲(斎藤さん)が、希望で溢れていたはずの未来の実情に呆然としながらも、国策イベント「麻雀五輪世界大会」に参戦し、死闘を繰り広げていく。映画『麻雀放浪記2020』は、4月5日(金)より51スクリーンにて公開。(cinamacafe.net)■関連作品:麻雀放浪記2020 2019年4月5日より全国にて公開
2019年03月20日オリジナリティの高いコントで定評のあったチョコレートプラネットが、モノマネがきっかけで大注目の存在に。松尾駿さんがフルメイクで「どんだけ~!」とIKKOさんになり、長田庄平さんが着物姿で「そろり、そろり」と狂言師・和泉元彌さんになる姿で、多くの人を楽しませています。――今日は素顔なので印象が違いますが。モノマネの扮装でテレビに出ることも多いですよね。松尾:テレビにはIKKOさんの格好で出てるほうが多いですからね。もう自分が誰だかわからない。長田:そこまできたら、もう病気ですね(笑)。松尾:笑福亭鶴瓶師匠がラジオ番組に呼んでくださったんですけど、それまで僕らのことをモノマネ芸人だと思ってたらしいです。――IKKOさんのモノマネを始めたのはいつからですか?松尾:家でテレビを見ながら「どんだけ~!」と言ってみたら、声が似てたんで、ライブでやったりしてたんですけど。本格的にやったのは、3年前モノマネ番組にちゃんと扮装して出たのが最初です。――メイクがとても上手ですよね。松尾:基本は、テレビ局のメイクさんにやっていただいてるんですけど。自分でもつけまつげがつけられるようになったし。メイクに興味がどんどんわいてきてますね。――つけまつげは自前ですか?松尾:はい。今日も持ってます。――衣装はどうしてるんですか?松尾:テレビでは今、IKKOさんからいただいたお洋服を着ています。最近は毎年年末にお正月番組用のお着物も贈ってくださるんですよ。衣装さんに着付けしてもらったら、「これ、すごくいい着物ですよ」って言われました。――ご本人公認ですし、IKKOさんの分身って感じですね。松尾:最初の頃は、僕がふざけて「師匠」と呼んでたんですけど。IKKOさんがいつからか僕のことを「妹」と呼んでくれて。今は「姉」と「妹」でやっています。長田:姉妹共演も多いしね。――長田さんが真似されてる和泉元彌さんとも、最近、テレビで初対面されましたよね。長田:僕はビジュアルから入るタイプで、見た目が近い元彌さんの真似を始めたんですけど。ツイッターを通じて、ご本人に「流派は何ですか?」と聞かれたんですよね。実は僕、中学の文化活動で狂言を習っていたことがあり、別の流派だったらしくて。「和泉流を習いに来てください」と言われていたのが、番組で実現しました。松尾:最近は、IKKOさんと元彌さんのふたりで、番組に出たりしてるみたいですからね。長田:ここまできたかって感じですよね(笑)。――そもそもコンビを組まれたきっかけは何なんですか?長田:NSCという養成所の同期で、最初は別々のグループでやってたんですけど、どちらも解散した時に、松尾から誘われたんです。松尾:最初の頃、僕は長田さんのこと嫌いだったんですよ。長田さんはふたつ年上だったし、ゴリゴリの関西弁で、威張ってたから。長田:威張ってはないって(笑)。松尾:授業が始まってからは面白い人だなぁと思ってはいたんですけど。僕が新しい相方を探していた時に、同期のシソンヌというコンビから、同じ日に別々に「長田くんと組めば?」と言われて。その日のうちに誘いました。長田:最初は断ったんですよ。あの頃の松尾は怖かったから。今はふっくらしてるけど、当時はガリガリで、眉毛を剃ってて、頭は五厘刈り。反社会勢力そのものって感じやったもん。松尾:でも話してみると、なんか合ってたんですよね。お互いにそんなにお笑いに詳しくはなくて。長田:そうそう。僕は地元の京都から脱出したくて、東京の養成所に入っただけで。「この道で成功してやろう!」みたいな鼻息荒いヤツと組んだらしんどいなぁと思ってたんで。お笑いに対する温度感が同じ気がして、「とりあえずやってみようか」と始めたら、そのままずるずると…。松尾:それが今年で14年目。こんなに長くふたりでお笑いをやるとは思ってなかったですね。左・長田庄平(おさだ・しょうへい1980年生まれ、京都府出身。ネタと小道具作り、主にボケを担当)右・松尾駿(まつお・しゅん1982年生まれ、神奈川県出身。主にツッコミを担当)2006年に結成し、『キングオブコント』の決勝に3度進んだ実力派お笑い芸人。長田さんの息抜きは温泉めぐり、松尾さんはお酒を飲んでクラブで踊ること。「CHOCOLATE PLANET HOUSE vol.1 LIVE TOUR 2019」は3/15、16大阪・YES THEATER、3/25おかやま未来ホール、4/12名古屋・東文化小劇場、4/14福岡・西鉄ホール、4/21札幌市教育文化会館小ホール、5/13仙台市福祉プラザふれあいホール、5/18、19東京・CBGKシブゲキ!!で開催。新作コントはもちろん、「完成度高すぎ」と大評判の“TT兄弟”ネタやモノマネが披露されるかも。※『anan』2019年2月13日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・伊藤愛子(by anan編集部)
2019年02月10日長田庄平(38)と狂言師の和泉元彌(44)が12月28日放送の『金曜★ロンドンハーツ』4時間SP(テレビ朝日系)で初対面を果たすと、各メディアが報じている。長田は、今年ブレークを果たしたお笑いコンビ「チョコレートプラネット」ボケ担当。ツッコミ担当の松尾駿(36)と共にモノマネが得意で、長田は和泉が十八番だ。松尾はピン芸人ナンバー1を決める「R-1ぐらんぷり2018」で、コンビではコント日本一を決める「キングオブコント2018」でそれぞれ決勝に進出。その実力を知らしめた。「今年2月、コンビでDVDの発売記念イベントを開催しました。松尾さんはIKKOさんから公認をもらい、衣装をプレゼントされています。和泉さんらの公認についても質問が飛びましたが、長田さんは『公認は得てませんが、ツイッターをフォローされているので公認みたいなもんでしょう』と笑っていました」(イベントを取材した記者)長田のモノマネにより、再び名前を聞くようになった和泉。01年にNHKの大河ドラマ「北条時宗」の主演をつとめ、一躍ブレーク。セッチーこと母の節子さん(76)の強烈なキャラもあり、人気者に。02年には女優の羽野晶紀(50)と結婚し、一男一女に恵まれた。その後も地方公演のダブルブッキング騒動が浮上。プロレス参戦などで、一時期はワイドショーの主役となった。このところあまり名前を聞かなくなっていたが、突然の共演で再び話題に。そこには、テレビ局からの熱視線があったという。「和泉さんは本業である狂言の公演はもちろんのこと、最近では舞台出演にも精力的に乗り出しています。そして長田さんのブレークによって、再びテレビ番組から注目されていました。水面下では各局が『最初に2人を出演させたい!』と争奪戦を繰り広げていたようです。放送が話題になれば、再び和泉さんのバラエティ出演の機会も増えるのではないでしょうか」(芸能記者)共演により、晴れて本当の“公認”を得ることになりそうだ。
2018年12月21日映画『麻雀放浪記2020』が、2019年4月5日(金)全国の劇場で公開される。主演は斎藤工、監督は白石和彌。小説『麻雀放浪記』を斎藤工×白石和彌で映画化原案となったのは、阿佐田哲也の250万部を超えるベストセラー小説『麻雀放浪記』。映画化は、イラストレーターの和田誠が初監督した『麻雀放浪記』から35年振りとなる。『麻雀放浪記2020』の制作は、『去年の冬、きみと別れ』や『のみとり侍』などで俳優として活躍するのみならず、『blank13』で監督にも挑戦する主演・斎藤工が発起人となりスタート。斎藤は「麻雀放浪記」の再映画化を、10年間熱望し続けていたという。監督として白羽の矢が立ったのは、『彼女がその名を知らない鳥たち』や続編も決定している『孤狼の血』でヒットを飛ばし、香取慎吾主演映画『凪待ち』の公開も控える白石和彌だ。斎藤と白石がタッグを組むことにより誕生する『麻雀放浪記2020』では、原案の『麻雀放浪記』の設定を大胆に変更した。『麻雀放浪記』を愛する2人が、大胆かつ驚きの世界を繰り広げていく。竹中直人やベッキーも出演主演・斎藤工の他には、主人公・坊や哲を拾って面倒を見ることにした地下アイドル・ドテ子を姉妹ユニット「チャラン・ポ・ランタン」のボーカル・ももが、その地下アイドルたちを抱える芸能プロダクションの社長で、ドテ子の部屋に転がり混むクソ丸を『翔んで埼玉』『カツベン!(仮)』にも出演する竹中直人が演じる。原作では強運の持ち主の娼婦だったドテ子を、地下アイドルとして現代風にアレンジした。また、坊や哲がいた元の時代で、哲に麻雀を教えたアパートの大家であり、麻雀クラブ「オックス」のママ・ゆき役には、タレントでモデルのベッキーが抜擢。原作では加賀まりこが演じた妖艶なゆきに扮し、見事な牌さばきを披露する。そしてベッキーは、哲の前に現れる謎のAI搭載アンドロイド・ユキ役も兼任することが明らかに。ハードな2つの役どころを演じることに対しては「二役もやらせていただけて嬉しかったです。二役と言っても、“人間と人間”ではなく“人間とAI”なので、かなりやりがいがありました。」とコメントしている。麻雀クラブ「オックス」で坊や哲と激戦を共にしてきた、ドサ健、出目徳、女衒の達役には実力派俳優が集結。原案小説でも不動の人気を誇る名キャラクターであるドサ健を演じるのは的場浩司、冷静に麻雀を打ち続け、勝つためには手段を選ばず完膚なきまで相手を叩き潰す出目徳役には小松政夫、女衒の達には堀内正美が出演する。さらに、ドテ子の熱烈なファンであるドクを、NHK連続テレビ小説「まんぷく」での演技が話題となった、シンガーソングライターの岡崎体育が担当。2020年の近未来、電磁パルスを仕掛けるオタクテロリストとして、坊や哲を翻弄する。なお、岡崎が商業映画で本格的な演技に挑戦するのは初となる。全編をiPhoneで撮影なお『麻雀放浪記2020』では、邦画では初の試みとなる常時20台のiPhoneを駆使し、全編を撮影。プロデューサーが全編iPhoneで撮影された『タンジェリン』に感銘を受け、監督の白石和彌もiPhoneでの映画制作を切望したことにより、実行に移された。あらすじ主人公・坊や哲がいるのは、2020年の“未来”。なぜ?人口が減少し、労働はAI(人工知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれている…そしてそこは“東京オリンピック”が中止となった未来だった…嘘か?真か!?1945年の“戦後”からやってきたという坊や哲が見る、驚愕の世界。その時、思わぬ状況で立ちはだかるゲーム“麻雀”での死闘とは!?【詳細】映画『麻雀放浪記2020』公開日:2019年4月5日(金)原案:阿佐田哲也『麻雀放浪記』(文春文庫・刊)キャスト:斎藤工、もも、ベッキー、的場浩司、岡崎体育、堀内正美、小松政夫 / 竹中直人ほか監督:白石和彌
2018年10月07日